○
田中(武)
委員 これは
大臣と私とは立っておる
立場が違うのです。出発点が違うから、
電力料金の問題になっても最後は食い違ってくる。しかし、
電力料金一つ考えても、現在
九つに分かれておるということは地域差がある、そういうところからやはり一方では良質の
電気を安く供給できる
会社がある、ますます優位に立ってもうかる
会社もある、一方ではそうでないのがある、そこに
値上げの問題が出てくる。そうすると、
値上げをしなければほんとうにやっていけないのなら、それを出して出てこなければ
——社長がやめたらいいのです。それを半分くらいは聞いてもらえると思ってサバを読んで出してくるのは事実ですね。そうでなければ、九州
電力も東京
電力もあれがぎりぎりならやっていけないはずなんです。こう
考えてくると、ずばり言うと、一人の社長でいいものを九人の社長を置いているという以外に、現在の九
分割は何の意義もなくなる。そして、こういう問題をカムフラージュするために、三十三年からですか、
電力界で
広域運営というのをやっている。ある程度有無相通じておる。これがなかなか大へんです。ということは、この
九つの
電力会社がやはり
地域独占の上に立っておって、自分たちの持っておる既得権、送電線を固守しておるところにほんとうの
広域運営はできない。たとえば関電と中部
電力が
一緒に使うという御母衣幹線ですか、これなんかでも電発を入れて三つ、この三社がそれぞれ違う別個の名前をつけておる。こういうような姿なり、
九つを土台にして
広域運営をやって有無相通ずるのかということも、これは限界がある。こうなってくると、私はもう割り切る時期じゃなかろうか、こう思っております。これ以上答弁を求めても同じことになろうと思うので、そういう観点から
公営、社会化ということについては第二義といたしましても、一元的運営ということは
考えねばならぬときが来ておる。あるいは松永構想たる四ブロック制というのがあるようです。私はこれも聞きませんが、宮沢さんが東京と
東北が
一緒になってはどうかという
意味の
発言をしたのは、松永さんの
発言と相通ずるものがあるのじゃないですか。まあそういうことは一々聞かぬことにしましょう。
そこで最後に、先ほど
大臣も言われたが、この
電気の法律です。これは私が今まで何回もこの
委員会でやっておるし、
大臣も御
承知でしょうから一々あげませんが、ともかく一回または二回死んだ法律を二十七年の臨時措置法で生かしておるのです。そうして時代の先端を行く
電気業界というか
電気は一度または二度死んで、すべて上に旧がつくのです。旧
公益事業令、旧
電気事業再
編成令、旧
電気事業法、こういうふうに旧がつくのです。これはもう何回も繰り返しておるからわかっておるので言いませんが、二十七年に臨時措置法を提出するときには、一年ぐらいの間に恒久立法をつくると言ってきた。それが十年そのままほうってあるのですよ。今ようやく四月になって
電気事業審議会が発足した。実は佐藤さんとは次の通常
国会に出すかどうかとうい
議論をやったのです。そのときも
電気事業審議会でもつくって云々ということを言っておりました。それがようやくことしの四月になって発足したということ、いわばもう二回も死んだのが臨時措置法で生き返ってうろうろしておるということは、ちょうど
総理官邸に白昼幽霊がうろちょろしておるのと同じ状態なんです。こういう状態を早くなくさなければならぬ。早く言えば、十年間通産省は一体何をしておるのか、こう言うと、目下
電気事業審議会において鋭意検討中でございますので、そのうち答申を得まして、こうくるんだろうと思うのですが、そんなことではだめですよ。これは
電力の
再々編成の問題ともうらはらになると思うのです。従って、恒久立法、仮称新
電気事業法の
国会提出は一体いつになるのか、これと同じ時期に、いわゆるこの恒久立法をつくるためには
再々編成というものに対する
考え方もはっきりしなければ出てこないと思うのです。そういうようなこともあわせて、お二人の
大臣の間で相談してもらってけっこうですから、一体いつごろに出せる予定か、はっきりしてもらいたいと思う。