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1962-11-30 第41回国会 衆議院 災害対策特別委員会 第8号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十七年十一月三十日(金曜日)    午前十時五十三分開議  出席委員    委員長代理 理事 秋山 利恭君    理事 田中 正巳君 理事 古川 丈吉君    理事 井手 以誠君 理事 岡本 隆一君       井出一太郎君    池田 清志君       大野 市郎君    木村 守江君       倉成  正君    正示啓次郎君       田口長治郎君    谷垣 專一君       綱島 正興君    松田 鐵藏君       宮澤 胤勇君    淡谷 悠藏君       石橋 政嗣君    五島 虎雄君       坂本 泰良君    中島  巖君       中村 重光君    玉置 一徳君  委員外出席者         総理府総務長官 徳安 實藏君         総理府事務官         (内閣総理府大         臣官房参事官) 島村 忠男君         大蔵事務官         (主計局法規課         長)      上林 英男君         大蔵事務官         (主計官)   高柳 忠夫君         農林政務次官  津島 文治君         農 林 技 官         (農地局長)  任田 新治君         林野庁長官   吉村 清英君         水産庁次長   橘  武夫君         建 設 技 官         (河川局長)  山内 一郎君         建 設 技 官         (河川局防災課         長)      安芸 元清君         自治事務官         (財政局財政課         長)      茨木  広君     ————————————— 十一月三十日  委員中馬辰猪君、二階堂進君及び前田義雄君辞  任につき、その補欠として木村守江君、田口長  治郎君及び倉成正君が議長指名委員選任  された。 同日  委員木村守江君、倉成正君及び田口長治郎君辞  任につき、その補欠として中馬辰猪君、前田義  雄君及び二階堂進君が議長指名委員選任  された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  災害対策に関する件      ————◇—————
  2. 秋山利恭

    秋山委員長代理 これより会議を開きます。  委員長所用のため、理事の私が委員長の職務を行ないます。  災害対策に関する件について調査を進めます。  この際、災害復旧状況について、政府当局から順次説明を聴取することといたします。建設省山内河川局長
  3. 山内一郎

    山内説明員 「過年及び本年発生災害復旧事業進捗状況について」という資料がお配りしてございますが、その資料に基づいて御説明いたします。  一ページは、公共土木施設についてその進捗状況を表わしてございますが、上段の方に直轄災害、下段の方に補助災害について書いてございます。直轄災害の方は、年災別に三十五年災、六年災、七年災に区分をいたしまして、なお道路関係河川等について区分けして書いてございますが、三十五年災は本年度完了、一〇〇%になる見込みでございます。三十六年災は九一・一%、三十七年災は四三・八%というふうになっておりまして、おおむね直轄災は二年復旧、北海道が三年でございますが、そういう線に沿って進捗をいたしております。  補取災害につきましては、同様に三十四年災、五年災、六年災、それから三十七年度につきましても、一部予備金から支出済みの分だけを書いてございます。三十四年災は九七・二%の見込み、三十五年災は八二・九%、三十六年災は五七・八%、三十七年災につきましては、逐次査定を進めまして、そのたびごと予備費を支出して、今後まだまだ進捗する途中でございますが、すでに二十二億四千万円の予備費を支出しておるという状況でございます。  二ページに都市施設関係住宅について資料がございます。都市施設につきましては、同様に三十四年、五年、六年、七年災に区分して書いてございますが、一応進捗状況は、四年災は一〇〇%の見込み、五年災は一〇〇%の見込み、三十六年災は九三%、三十七年災は二七%という状況でございますが、今後予備費要求いたしまして、右に書いてございますように三十七年災は七〇%まで持っていこう、こういう予定でございます。  住宅につきましては、公営住宅の分でございますが、三十五年災、六年災、七年災、ここに書いてございますように、滅失戸数がそれぞれ三十五年災は三千五百一戸、三十六年災は二万四千八百九十四戸、三十七年災は千五百二十二戸というふうになっておりますが、それに基づいて、その右に書いてございますように建設を予定し、実施をいたしております。なお、右の方に公庫住宅について災害認定の分、貸付承認の分、おのおのここに書いてある数字通りでございます。  なお、既設公営住宅復旧事業につきまして、その下に三十六年災の第二室戸台風について書いてございますが、建設につきましては、新潟三重大阪和歌山、この一府三県が関係しております。補修につきましては、その右に書いてございますが、新潟三重大阪和歌山、滋賀、京都、奈良、徳島、鹿児島県、こういうことになっておりまして、総計で、建設の第一種は四戸、第二種は六十二戸、補修の第一種は二千七百五十一戸、第二種が千二百六十八戸、こういうような状況でございます。  簡単でございますが、御説明を終わります。
  4. 秋山利恭

  5. 任田新治

    任田説明員 農林省災害復旧関係でございますが、御承知の通り農地関係災害林野関係災害漁港関係災害ということでございます。一括してひとまず御報告申し上げます。  そこに過年度発生災害資料を差し上げてございますが、三十四年、三十五年災につきまして、一応当初査定をしており、またその予算の三十七年の編成時におきましての推定もあった関係で、いろいろ修正をいたしまして今回補正要求をいたしておりますが、この補正要求によりまして、三十四年災は一〇〇%、三十五年災におきましては八六%という進度に進めていきたいということでございます。三十六年災は六七%を確保いたしたいということで今回補正要求をいたしております。三十七年災につきましては、農地関係はすでに予備費より十一億六千三百万円、林野関係におきましては六千三百万円、漁港関係におきましては一億四千七百万円、合計十三億七千三百万円を支出いたしておるわけでありますが、今後査定の内容が固まるに従いまして逐次さらに予備金要求をいたしまして、おおむね全体の目標といたしましては二七%程度に持っていきたいというふうに考えておる次第でございます。また、各種の復旧事業のうち、直轄災害におきましても同様でございますが、本年度おおむね五〇%の進度を与えたいというふうに考えておる次第でございます。  簡単でございますが、ひとまず御報告をいたします。     —————————————
  6. 秋山利恭

    秋山委員長代理 災害対策に関し質疑の通告がありますので、順次これを許します。中島巖君。
  7. 中島巖

    中島(巖)委員 過年度災害、特に昨年度の三十六年災害に対しまして、地元では、三・五・二の比率で、二年目の本年度は五〇%というようなことを予想いたしておるのでありますけれども、長野県の状態なんかを見ますと、大体二七%程度しかきておらない。こういうような状態で、先月来政府に対しまして、この臨時国会補正を組むべく与野党あげて要請をいたしておったのであります。最近の新聞を見ると、政府補正予算を提出すべく踏み切ったように書いてありますけれども、実際の状態はどうであるか、この点について、総理府なりあるいは大蔵省なりに答弁をお願いしたいと思うわけであります。
  8. 徳安實藏

    徳安説明員 先般の閣議におきまして、過年度災害に対しましては補正予算を組むことに方針をきめました。数字等につきましては大蔵当局から説明していただくことにいたします。
  9. 高柳忠夫

    高柳説明員 昨日の閣議におきまして、補正予算のうちに災害関係補正予算を組むことに決定を見ましたので、ただいま大蔵省関係各省との間にその数字の作業を進めている段階でございます。閣議決定を見ました災害関係補正予算総額は、大体のところ百三十四億を予定いたしております。その中身といたしましては、三十四年災、三十五年災、三十六年災のそれぞれの災害復旧費につきまして、その後の実績調査等を勘案いたしまして、従来の復旧速度を確保するためにこの程度の額が今年度補正追加を必要とするという判断に立ち至った結果でございます。
  10. 中島巖

    中島(巖)委員 ただいま大蔵当局より、臨時国会に対する災害補正予算は百三十四億というような答弁があったわけでありますが、これは建設農林その他の関係予算総額であると思いますけれども、この大体の内訳をお示し願いたいと思うわけであります。
  11. 高柳忠夫

    高柳説明員 計数については若干の異動は今後もあると思いますが、農林省関係におきまして追加補正額二十三億四千九百万円、運輸省関係二億三千百万円、建設省関係百八億五千五百万円、合計百三十四億三千五百万円でございます。
  12. 中島巖

    中島(巖)委員 次に、農林省関係についてお尋ねいたしますが、今月の十日の建設委員会に、たしか農地局長だと思いましたが、来ていただきましたときの答弁に、現在二十億程度の手持ちがあるから、早急にこれを流すというようなお話があったわけであります。ところが、今大蔵当局からの説明を聞くと、二十三億四千九百万円の補正予算を出す、こういう話であります。そういたしますと、手持分の二十億と合計して四十三億四千九百万円の第一次内示額以後における予算がある、こういうように了承していいのであるか、それが第一点。  第二点として、それだけの予算を流した場合において、特に三十六年災害におきましては災害復旧事業進捗率が何%程度になる見込みであるか、この二点に対してお答えを願いたいと思います。
  13. 任田新治

    任田説明員 前会御報告申しました二十億というのは、農林省農地局が保持をいたしておったものでございまして、それにつきましては、すでに調査の結果を待ちまして各県に配賦をいたしております。今回の二十三億四千九百万円につきましては、これは農地関係のみならず、漁港林野関係を含めて合計いたしまして二十三億四千九百万円ということでございます。このうち、農地関係は十一億六千三百万円を要求いたしたいというふうに考えておるわけでございます。従って、その結果どのような進度になるかということでございますが、先ほども申しましたように、三十四年災は一〇〇%、三十五年災は八六%、三十六年災におきましては六七%、おおむねこのような目標に達するものと存じておる次第であります。
  14. 中島巖

    中島(巖)委員 今農地局長答弁によると、三十六年災農地関係で六七%、こういうようなお話でありますが、それで間違いないかどうか、こういうことをお尋ねするわけです。三十六年災害で私ども、つまり長野県の南部が一番激甚災害を受けたのでありますけれども、三十六年度実施額が二六%、そして三十七年度内示額が二四・五%、これは農地施設の平均でありますけれども、従って五〇・五%しか事業進捗率を見られない、こういうことで、非常に憂慮をしておるわけであります。ことに、この災害が非常に激甚なために中央から大手業者を入れて、それらの業者が、仕事がとだえるために引き揚げねばならぬ、こういうような状態でおるのでありますが、ただいまの御説明だと、補正予算によって六七%まで進捗できるだろう、こういうようなお話でありますけれども、そういうふうに了解してよろしいのであるかどうか、お伺いいたしたいと思います。
  15. 任田新治

    任田説明員 先ほど申し上げましたのは全国的な場合でございますが、長野県におきましては、先生御存じ通り集団移住の問題がございまして、今年に入りましてから、一億四千九百万円の、この災害に見合う集団移住費をこの災害復旧費から移用したわけでございます。従って、これはこの九月に一括移用したわけでございますので、それだけの分は、本来ならば三カ年ないし四カ年で分割支出すべきものを、一括出したという関係がございまして、他の方が若干圧迫を受けるという結果になっておろうかと思います。従って、これは長野県内部の割当の操作でそのあたりは若干カバーもできたかとも思いますが、現実には数字的にはそういうふうになっておるわけであります。今回補正予算要求いたしておりますところの関係では、これをカバーいたしまして、一応一億四千九百万円につきましてはこれはすでに済んだこととしての扱いをいたしまして、そのあと災害につきまして、従来の進度、他の県と足並みも合った程度に考えまして、それも大蔵省と御相談いたしました結果、そのように進めていきたいと考えておるわけであります。本来長野につきましては、三十六年災の各県の災害のうちでも特に大きいわけでございますので、特別の配慮が必要かと思います。従って、従来でもこの率におきましては、この移住の問題も含めた上でのことではございますが、若干上回った割当をいたしておりますが、今後も、この問題は解消いたしましたので、これを解消した上で、またさらに幾らかバランスをとりながら重点を置きたいというふうに考えております。
  16. 中島巖

    中島(巖)委員 そうすると、今の私の質問は、六七%までに三十六年災がいくかどうか、こういうことを質問したわけなのですが、いろいろお話しの向きで、六七%までいく、こういうように了解してよろしいですな。
  17. 任田新治

    任田説明員 長野伊那谷におきましては特に被害がひどいわけでございますので、先ほど先生からお話がありましたように、物価の値上がりその他が相当あるということでございます。この点も私の方では承知いたしております。しかしながら、全国的な問題でもございますし、また全国といたしましてはあと三三%ばかりのものが残事業として三十八年度以降に持ち込まれますので、そのあたりで全体としての残事業の検討を、三十八年の春あたりを時点にいたしまして単価関係修正その他もやっていきたいというふうに考えております。従って、物価あるいは労賃の上昇につきまして今のところちょっと見当がつきませんので、結果的に伊那谷が六七になるかどうかということにつきましては、今即答はできかねると思いますが、しかしながら、ある程度の考慮を払ってこの補正予算ワクを割り当てるよりほか仕方がないというふうに思います。
  18. 中島巖

    中島(巖)委員 われわれは八〇%を希望するのですが、ぜひ六七%になるように年度内に御努力をお願いいたしたいと思います。  次に、建設省にお尋ねいたしますが、ただいま大蔵当局からの話で、百八億五千万の建設省関係補正予算を組む、こういうことをお伺いいたしたのであります。そこで、昭和三十六年発生建設省関係災害は、八百三十億九千万円というような数字になっておるわけです。そこで、三十七年度までの内示額などから考えて、二年目に五六・四%しかなっておらない。それに対して、今回の臨時国会にただいま申しました百八億五千万の補正予算が提出される、この場合において、六七%までにするのには、これはあなたの方から出た資料でありますが、八十八億補正予算を組んでやっと六七%、三・五・二の八〇%にするには百九十七億三千万円なければできないのだ。これは査定額であり、物価の高騰なんかを度外視してこういう数字になるわけであります。そこで私のお尋ねいたしたいのは、この補正予算で百八億五千万円組んだ場合において、この三十六年災に対して何%の進捗率になる見込みであるか、この点をお尋ねしたいと思うわけであります。
  19. 山内一郎

    山内説明員 百八億を三十四年災、五年災、六年災配分いたしまして、六年災には六七%進捗を見るように配分をしたい、こういうように考えております。
  20. 中島巖

    中島(巖)委員 そこでいま一点お尋ねいたしたいのは、これは全国ともこういうようなことになっておるだろうと思うのですが、長野県の補助工事など、町村支弁工事補助工事なんかを合わせて、昨年は非常に大幅な投入がありまして、約三一%に進んでおるわけでありますが、本年度は二八・八%というような内示額を見たわけでありますけれども、これは三十七年災だけやるわけにはいかなくて、それ以前の三十四年災、三十五年災などに、同一個所であり、どうしてもそれを施行しないと三十七年災ができないというような関係で、この方へ非常に食われておる。従いまして、五七%近くしか三十六年、三十七年の内示額によってできない、こういう数字になっておるのでありますけれども、年割その他の関係もありますけれども、六七%は確保できる、こういうようなお話でありますが、それに間違いないかどうか。  それから三・五・二といいますけれども、これは緊急災害等に対しての三・五・二だというような説明をくどくど聞いたわけでありますけれども、大体昨年度災害は、A、B、C、C′の緊急災害であり、当然われわれは第二年度目に五〇%というように考えておったのでありますけれども、六七%しかできない、こういうようなお話でありますが、かつて前の中村建設大臣も、また現在の河野建設大臣も、三・五・二はやりますということを国会でたびたび言明しておったにもかかわらず、補正予算を組んでもなおかつ六七%しかできない、これはどういう理由であるか、その二つの点について御答弁をお願いしたいと思うわけです。
  21. 山内一郎

    山内説明員 三十四年災は本年度完了という目標で今までやって参りましたけれども、調査の結果、現在の予算では完了をしない、こういうことで、先ほど先生お話もございました五年災、六年災予算を食っていくということでございましたけれども、この点は今度の補正予算が通ればそれは解消されるわけでございます。従って、解消してなお六年災は六七%進むということには、これは間違いございません。  それから緊要事業は、従来から三・五・二の三年で復旧していく。六七%の進捗を見れば、やはり緊要事業三・五・二の割合で進むということは、これは解決がつくわけでございます。なお、われわれの希望としては、全体は三・五・二でやりたい、こういうことでございますが、現在のところは達成できませんけれども、今後努力をして参りたい、こういうように考えております。
  22. 中島巖

    中島(巖)委員 これは大臣に対する質問かと思うのですが、六七%というような進捗率で、あと幾年で三十六年災を片づけるという方針だか、建設省としての案でけっこうですが、お考えを承りたいと思います。
  23. 山内一郎

    山内説明員 三十六年災あと二年——三十八年、九年で完成をしたい、こういうように考えております。
  24. 中島巖

    中島(巖)委員 非常に私としては不満でありまして、やはり三・五・二の線で厳守していただきたいと思うのです。同じ金を出すに、過年度災害の傷口からまた災害発生するというようなおそれがありますので、少なくとも三年には完了するようにしてもらいたいと思うわけですが、局長とここで押し問答をいたしておっても仕方がございませんので、これ以上この問題について質問することは避けます。  次に、やはり河川局長にお伺いいたしたいことは、県費支弁補助災害については、単価更正と申しますか、再査定などをいたしますけれども、町村工事は、個所別査定決定すると、そのまま単価更正をせぬ、あるいは査定の額以上は出さぬ、こういうようなことで、しかも工事費は増額になって、その差額はやはり起債対象にもならぬということで、激甚災害を受けた下伊那地方町村は非常な苦しみをしておるわけなんです。これに対して、建設省としてはどういう基本的な方針をお持ちになっておるか。町村災害であります。これについて御答弁をお願いします。
  25. 山内一郎

    山内説明員 建設省といたしましては、市町村災害県災害と同様に考えております。従って、再調査の際にも単価の是正はいたしますし、なお、実施あたりましてはそのときの適正な価格で実施をするように指導いたしております。  それから先ほどちょっと言い足りなかったのでございますが、三十六年災は、現在建設省としては、今後二年でございましたけれども、あと一年で完成をするように努力はいたします。その辺を御了承願いたいと思います。
  26. 中島巖

    中島(巖)委員 次に、自治省にお伺いいたしますが、第一点に、町村工事関係で今河川局長との質疑応答でおわかりだと思いますけれども、起債関係について、ただいま申しましたような事情で起債に充当しないというようなことで、非常に苦慮いたしておる。もう一点は、建設省関係は比較的金が早く来るのでいいのですが、農地関係なんかにおいて——建設省関係市町村支弁個所はそうでありますけれども、農地関係などにおいて非常に立てかえ金が多くて、この利子で参ってしまっている。そこで私は、過去の災害対策委員会において、地財法の第五条の四号でありますか、災害関係起債対象にせねばならぬという法律があるのだから、国が当然起債対象にせねばならぬじゃないかというようなことを言ったのでありますが、災害復旧事業である、ないという、見解が違っておったのです。そこで、これは当然特別交付税で見るべきものだ、こういうような質疑応答をたびたび重ねたわけで、特別交付税で見るというようなことを言われておりましたけれども、実際問題としてこれに対して全額見るのか、あるいは何パーセント見るのか、そういうような腹案がおそらくおありだと思うのですが、この二点について自治省見解をただしたいと思うわけです。
  27. 茨木広

    茨木説明員 第一点は、公共事業査定の方がまだ済んでいないものについての起債の問題であろうと思いますが、現年災については、やはり各省査定を待った上で起債査定をするということになっております。過年災については、一応現在まで終わっておりますものは全部終了しておりますが、現年災の部分につきましてはこれからになるわけであります。現年災起債については、当初の地方債計画の中にも約三十五億ばかりとってございますけれども、今年度災害実態からいたしまして、やはり起債ワク追加を要します。これは今後公共査定の確定を待って追加をしていくということに相なります。それから今回の補正予算に計上されますものに見合います過年災起債につきましては、同時に財政投融資計画の方の変更をお願いして、二十億ばかり追加要求する、こういうふうなことをやっております。  それから次の、補助がつくのを待ち切れずに地元の方において立てかえ工事早目にやってしまって、その借り入れ財源についての利子の問題でございます。これは何回もお話があったわけでございますが、本来、できますればやはり補助の方の流し方を順調にやっていただいて、できるだけ市町村の方に迷惑が及ばぬようにしていただくというのが建前であろうと思います。ただ現実問題といたしまして、そういうような事態がまま起こるわけでございます。それについては、一応今までの特別交付税におきますところの災害分配付方法について、実態とどういう関係になっておるかということを実は再調査いたしてみているわけでございます。市町村分で見ますと、いろんなそういう災害対策費を含めまして、大体こちらの方で今までやっております公共事業費査定額の二%を基礎にしてやっておりますが、そのうち一%はルール配分、半分の一%はそれぞれの県の方において実態に相応して配分していただくというようなやり方をやっておるわけでありますが、全国的に見ますと大体それに見合っておるようであります。でありますから、一応全般的には、いろんなそういう災害地対策——利子分を含めてでございますが、見合っているのじゃないかと思います。ただ個別の団体になりますと、あるいは県の方の調整が不十分であります場合において過不足が生ずるというような点もあるのではないかと思いますが、一応全体としてはそういうような関係になっております。なお最終的な結論を得ておりませんが、配分方法等について、公共事業費査定額だけをとるのがいいのか、あるいはそのほかに他の要素もいろいろ取り上げる方がよいのかというようなことについても研究はいたしております。大体そんたような段階でございます。
  28. 中島巖

    中島(巖)委員 これは答弁は要りませんけれども、激甚災害を受けて、工事完成して竣工検査を受けて補助金の交付を受けるまでに相当の時間を要するわけで、これは理屈なしにどこの市町村でも立てかえ金を金融機関から借りて支払っておるわけです。これはもう全部そうなんです。従って、この立てかえ金に対するところの利子は、これはほかへは一銭も使わぬから、地財法でいうところの災害復旧事業費とみなすべきだと思うのです。しかし自治庁の見解と私の見解と違うのですが、そうでないとしたら、これは交付税で全額見るべきだというふうに考えるのでありますが、この点さらに御研究をお願いいたしたいと思うわけであります。  次に、徳安総務長官にいろいろお伺いいたしたいと思うのでありますが、きょうは閣僚は総務長官お一人だけで、ただいまの質疑応答の様子をお聞き願ったと思うし、また、総務長官はかつて建設政務次官もされたり、建設委員長もされて、よく内容を御存じだと思いますので、六七%なんという進捗率でなしに、もう少し大幅な臨時国会におけるところの補正予算の組みかえをしていただくようにお骨折りを願いたい、こういうことを希望しまして、もし臨時国会でできないといたしましたら、十二月末始まる通常国会補正予算でカバーをしていただきたい、こういうことをお願いいたしておきます。  問題といたしましては、先ほど長崎県からも陳情がありましたが、例の激甚災害に対処する国の財政援助の法律が、災害対策基本法できまったわけであります。ところが、これの窓口が、自治庁であるとか大蔵省であるとかいってきまらないようでおったのでありますが、現在はどこがこの窓口ときまったのであるか、この点をお伺いいたしたいと思うわけであります。
  29. 徳安實藏

    徳安説明員 先ほどの災害に対する予算の組み方につきましては、御趣旨を承りましたから、関係閣僚各位にお伝えいたしまして、なるべく善処するようにいたしたいと思います。  それから激甚災害に対する窓口でございますが、この問題についてはまだ私の方にも多少の異論がございまして、いずれ政令で災害を指定いたしまするまでには、もちろん窓口を一本化するようにきめたいと思っておりますが、まだ最後の決定は見ておりません。
  30. 中島巖

    中島(巖)委員 次に、激甚災害の国の財政援助の法律は、政令でもって、その災害を防災会議の議を経て指定することになっておるのですが、本年度災害に対してまだ激甚災害の法律の適用がないように思いますけれども、これは実際において激甚災害がなかったのであるか、あるいは指定がおくれておるのであるか、この二点についてお伺いいたしたいわけです。
  31. 徳安實藏

    徳安説明員 激甚災害に対する特別法ができておりまして、これに対する防災会議並びに総理大臣の諮問、これに対する答申、それに基づく政令、こういう順序になっておるわけでありますが、この激甚災害の特別法の適用は、今後、従来つくりましたいろいろな特別立法にかわる恒久性のあるものでありまして、従って、その激甚災害として指定すべき問題につきましては非常に難産をいたしておるわけであります。しかし、これはいずれも国を思う念で意見の対立をしておるものもございまして、私どもはできるだけ早くこれを決定いたしまして、そうして防災会議を開いてその基準の御決定を願い、これに基づいて、ただいまお話しのような北九州あるいは北海道その他の災害に対する指定の政令を出したい、こういうことで一生懸命でむちうっておるのでございますが、もう大体話がつきまして、昨日ごろやや完全な文章がつくれるくらいになって参りました。そこで近日に防災合議を開きまして、その基準に対する御意見を伺って、その基準が大体無理のないところできまりましたならば、答申を受けまして、そうして即日指定をいたしたい、こう考えております。  ただいま作業いたしておりますことにつきましては、大体私どもが過去の委員会でしばしば御説明申し上げておりますように、その指定にあたりましては、おおむね過去において特別立法を行ないましたような災害に対してはこれを指定いたしますという御答弁を申し上げておるわけでありますから、これに反するようなことがあっては相ならぬということで、過去の長い間の災害の金額なり、あるいは県の財政等を勘案いたしまして、あらゆる資料をこしらえました結果、御期待に沿えるようにということで進めて参りましたが、まだ委員会で決定しておるわけでございませんから、ここではっきりと責任のある答弁はできませんが、政府の案といたしましては、北九州における七月上旬の豪雨、これは和歌山も含みますし、それから江迎のボタ山でございますか、これをも含んでおります。それから九号、十号台風の北海道並びに福江の火災、こういうものは全部加える方針で、大体その線に沿うて作業いたしておりますので、これは数日のうちに決定いたしたいと思いますから、さよう御了承いただきたい。一生懸命で作業はしているのですけれども、時間的に大へんおくれて相済まぬと思っております。
  32. 中島巖

    中島(巖)委員 以上でもって私の質問は終わることにいたしますが、総務長官に特にお願いすることは、現在の閣僚のうちでは、あなたが、過去の委員長や次官の経歴なんかから見て、一番詳しいと思っておるわけです。災害復旧は、大体地方の者も、三・五・二でやってくれる、こういうような考えでおるし、また実際問題としても、その復旧のできぬ傷口からまた再度災害をこうむる、こういう状態でありましてしかも、どうせ出さねばならぬ金を半年か一年先に出すだけでありますから、どうしても三・五・二程度には一つ予算措置をしていただきたい。臨時国会ももう迫っておりますので、この金額を動かすことはできないでありましょうが、通常国会の劈頭にはまた補正予算が出るわけでありますから、それにさらに加えてやっていただきたい。これはおそらく与党の方々も全部そういうような希望でありますから、総務長官に特段の閣議におけるところの御努力をお願いいたしまして、私の質問を終わることにいたします。
  33. 秋山利恭

  34. 田口長治郎

    ○田口(長)委員 私、今年七月の集中豪雨の災害につきまして一、二点質問をいたしたいと思うのでございますが、そのうちで、総務長官が参議院に行かれるそうでございますから、総務長官関係の問題について簡単に御質問を申し上げます。  この激甚災害の指定基準の問題につきましては、総務長官に非常に御苦労を願いましてようやく目鼻がついたことは、まことに感謝にたえない次第でございますが、ただ一点、福江の大火の問題を考えてみますと、ああいう大火を将来なくするためには、どうしても区画整理事業というものをこの際やらせなければならぬ、かように考えておるのでございます。もちろん、今の激甚災害法にはこれを包含する何ものもないのでございますから、結局法律を改正するという問題にいくと思うのでございます。もしものことをやらなければ、おそらくああいう木造建築のところで今まで通りの市街地をつくらしては、幾度も幾度も繰り返す。これはひとり福江市の問題ばかりでなしに、おそらく全国的な問題であろうと思うのでございまして、大火災に対する根本問題はそこにあると思うのでございます。従いまして、私どもは法律の改正ということをどうしても考えなければならぬ、かように考えておるのでございます。国会におきまして法律の改正をいたすにいたしましても、政府が提案するにいたしましても、まず予算を準備しなければならぬ、こういうことになるだろうと思いますが、事柄自体が、再びああいうことを起こさないという根本問題であります以上、この問題に対する予算につきましては特別の御配慮を願いたい、かように考えるわけでございますが、長官のこの点に対する御意見を承っておきます。
  35. 徳安實藏

    徳安説明員 激甚災害特別法の御通過をお願いいたしますときに、この法律は決して完全なものではないと私ども考えております。実施あたりましては、いろいろと不便な点もございましょうし、あるいはもう少し補足すべきものもあるかとも思いましたが、しかし、そういうことは今後の機会に幾らでも政府もこれに応じて改正するにやぶさかではありませんという御答弁を申し上げておるわけでありまして、火災等につきまする配慮がこの特別法にはあまり盛り込まれていない、こういうことを私ども実は感づいておるわけでありますし、また国会側からも御指摘を受けておりまして、今後に残る大きな一つの課題として研究をいたしたいと考えております。こういう問題を修正いたしましたり、あるいは改正いたしますために、それによって生ずる予算措置等につきましては、いずれ当該関係大臣各位とも御相談いたしまして処置をいたしたいと思います。まだ政府の方で、それではこういう工合に変えましょうというような結論は得ておりませんけれども、火災等につきましてはとにかくあの法律では不十分であるということは政府もそう思っておりまするし、皆さんの方でもそうした強い御指摘があるわけでございますから、次の国会にはこうした問題を御検討いただきまして、もし盲点がありましたりあるいは不足の点がございましたら、これに改正をお加え下さることに決して私どもはやぶさかでございませんので、そうした政府の気持だけを申し上げておきたいと思います。
  36. 田口長治郎

    ○田口(長)委員 この問題につきましては、たまたま長崎県の福江市が大火災を起こした、こういうような観点からいたしまして、離島振興法を改正してさようなことができるような方法を講じたらどうだろう、こういうような意見もときどき出るわけでございますが、この種の大火災では、新潟県なんかにも例がありますように、ひとり離島の問題ばかりではないのでございますから、私どもはどうしてもこの激甚災害に関する法律を改正して、離島といわず、本土といわず、さような問題が将来起こらないように、また今のままで、必要だからということで区画整理を無理にやらせるということになりますと、中小都市はおそらく破産をしてしまう、実際にできない、こういうようなことになって、将来ともこういうような災害を繰り返すということになる次第でございますから、先ほどの総務長官の御答弁、まことにもっともな、大局的の御答弁と思うのでございますが、その間におきまして離島振興法を改正しようという考え方につきましては、これはひとり離島の問題ばかりではない、こういうことを一つおおさめになりまして、そうして激甚災害自体の改正ということで一つ進んでいただくようにこの機会にお願いを申し上げておきます。
  37. 徳安實藏

    徳安説明員 よく研究いたしまして、御趣旨に沿うように努力いたしたいと思います。
  38. 田口長治郎

    ○田口(長)委員 第二点といたしまして、この関連事業につきまして大蔵省あるいは農林省建設省方面にお伺いをいたしたいと思うのでございますが、七月の集中災害が起こりました長崎県などの状態を見てみますと、三十二年に災害が起こり、三十六年に災害が起こり、三十七年に災害が起こる、言いかえますと、五年間に三回の大災害をこうむっておる、こういうことを繰り返しておる次第でございますが、その原因は、三十二年災のときに、ことに中小河川が、ちょうど時あたかも田の植付どきに際会しておった、こういうようなことで、とにかく一時押えに河川を治めてそうして農家に対しまして植付をさせなければならぬ、こういう事情にありましたために、三十二年の災害復旧というものは、ほんとうにやられたところだけをちょっとこうやくをはって、そうしてそれで終わっておる、こういうことであったのでございます。その実態を今でも見ますと、あたかもヒョウタンがまん中でくくられておる、上の方と下の方はできておるのだが、まん中のところが狭いために水がどうしてもはけ切らなかった、従ってそこから左右に水がはんらんをしてしまった、それが災害の最大の原因になっておるようでございます。こういうことがどうして起こったかということを調べてみますと、あの地方では河川の堤防には竹やぶが至るところにあって、竹やぶがあるその部分だけは堤防が非常に強くなっておる、こういう関係からいたしまして、三十二年にもその部分はこわれないで、その上のところから、竹やぶのある狭い水路でははけ切れないために、左右の田畑に水がはんらんをしておる、こういうことで耕地その他に対しまして大きな災害を与えておるのでございます。こういうような特殊な事情にある場所を、私も存じませんが、何か災害費の八%が関連事業に使える金額だ、こういうようなことでもしこの部分についていわゆる関連事業が根本的にできないということになりますと、おそらくまた一年、二年後には同様な災害を繰り返すということが簡単に想像できるような実情であるのでございます。全国的に考えますといろいろな考え方があると思うのでございますけれども、かような実情があって、現に過去において五カ年間に三回も災害を繰り返した、その災害を防止する方法としては、どうしてもこのヒョウタンの中央の狭いところも、上と下の広いところと同じように、関連事業としてでも工事をしておかなければ、再災害を繰り返すだけだ、こういうような結果になることは明らかでございます。この点について、農林省建設省及び大蔵省は、この関連事業に関する考え方を現在どう持っておられるか、あるいは全国的にはこうであるけれども、そういう特殊のところにおきましてはまたゆとりのある考えでやろう、こういうようなお考えであるかどうか、その点を一つ各省から意見をお伺いいたしたいと思います。
  39. 高柳忠夫

    高柳説明員 ただいまのお話はかねてから伺っておる問題の一つでございますが、財政当局といたしましては、国庫負担法に基づいて災害復旧を原形復旧でいち早く復旧する、そのための相当高率な国庫負担をあえて辞さない、こういう建前で参っておりますので、御指摘のような災害関連にまで大幅な範囲で国庫負担をするということは、財政負担の面からも相当難点があろうかと思うのでございます。そこで、ただいままでは予算措置といたしまして八%という限度で処置して参っておるのでございますが、従来の建設省関係農林省関係の実績等を拝見いたしましても、おおむねこの率の範囲内で処置できて参っておりますので、その線をくずしたくないと考えておる次第でございます。
  40. 安芸元清

    ○安芸説明員 お答えいたします。  災害復旧国庫負担法によりましても、原形復旧にいたすことが困難または不適当な場合には、改良的に復旧するというふうな規定がございますし、それにもよってわれわれは改良復旧を促進しているわけでございます。それがかないません場合には、災害関連事業災害助成事業というものを通じまして改良復旧を現在実施しております。今お話がございました関連事業につきましては、今までの実績といたしましては、一応おおむね八%のワク内に入っておる。今主計官がお答えになりましたように、おおむねその実績に入っておるということで、ことしの実績につきましてはまだ災害査定中でございまして、まだその結果はつかみ得ておりませんが、例年並みの数字くらいになるのではなかろうか、かように考えておる次第でございます。先ほどお話がございましたように、河川がヒョウタンのようになっておるというようなところにつきましては、これは技術的に当然関連事業を通じてやらなければならぬというふうにわれわれは考えております。
  41. 任田新治

    任田説明員 三十二年災におきまして、特に諫早関係におきましては、当時の復旧の基準となるものといたしまして、過去の降雨量の最高時間雨量八十ミリを採択いたしまして、その降雨が順調に流下するような設計を考え、そこにさらに余裕をとりまして、それより以上のものが出た場合には、たとえて申しますと、護岸におきましてから積みにしておく、八十ミリまでの分については練り石積みにするという方針で進んでおったわけであります。たまたま本年の災害におきましては、その既往の時間雨量をはるかに越えまして、百十六ミリというようなことになったわけでございます。従って、このようなのが出て参りますと、とうていたえられるものではございませんので、さらに改良も加えまして関連改良事業として採択をしようということに考えておりまして、関連事業査定いたしておる段階でございます。既往の問題につきましては、全国的には、先ほど高柳主計官からのお話もありましたように、八%の基準でもって進んでおりますが、農林省におきましては、過去五カ年間の親災害と関連災害とを比較してみますと、平均的には五・四%ということで、八%の中に入っておるわけであります。関連の採択の問題につきましてはいろいろ技術的にも問題もあり、また将来の降雨の強さというものをどのような範囲に推定するかという問題もございますが、おおむね今の八%の範囲で何とかやっていけるのじゃないかというふうに思っておる次第でございます。
  42. 田口長治郎

    ○田口(長)委員 高柳主計官お話によりますと、大体八%程度で一つやりたい、こういうような御意向のようでございますが、その方法でやられました結果、五カ年間に災害が三回もあった。災害が三回ということになりますと、個々の農家なんかからいたしますと、ほんとうに一つの災害によってこわされた自分の農地を、非常に苦労して復旧して、そうしてようやく復旧ができた、その瞬間か、あるいは半年くらい経過してまたやられる、こういうような状態でございまして、こういうところの地元の人は、この問題につきまして一番大きな関心を持っておる。これができなければ、どうも農地復旧をしても仕方がないじゃないか、農地を一つ何とかしてくれ、こういうような気持でおる。その気持はまたもっともな気持であると思うのでございます。それが結局この問題が解決をしないで、そうして従来からこういう方法でやっておるから、またそれでやるのだ、こういうことが原因でまた災害を繰り返す、災害が起こってもまたこの方法でやる、こういうことで繰り返しておるのが現状である、そう考えるのでございますが、私は、全国的を一つの原則でやりなさい、こういうことは申しませんが、現場の実情によりましては、ほんとうに今のままではこれはもう国費の乱費だ、むだなことをしておる。のみならず、住民あるいは地方団体に対して非常な苦痛を与えておる。こういうことを、ただ従来の方針がこうであるから従来通りにやるのだ、そういうようなことで片づけられる問題ではない、こう考えるのでございますが、もう一回この問題について高柳主計官の御答弁をわずらわしたいのでございます。
  43. 高柳忠夫

    高柳説明員 先ほどお答えいたしました趣旨は、財政当局としての一つの財政原則の趣旨にかんがみてお答えしたわけでございまして、個別の災害復旧の形態が、ただいまお話にありましたように、また災害を受けてその復旧事業費が全然効果をなさないじゃないか、こういう点についてはまさしく私たちも同感でございまして、実はその復旧事業費の使い方の問題、並びに復旧をする場合の技術上の問題について、関係省の一段の御努力をお願いしたいところでございます。また、かりに災害関連の財政原則としての率は一応八%でございますが、災害以外のそれぞれの河川の改修の工事費というのも、治水事業費として年々相当多額に計上しておるわけでございますので、その事業費とあわせて、予算の執行にただいま御指摘のようなことのないような配慮があってしかるべきかとわれわれは思っておりますので、災害関係の財政処理としては、災害関連の持ちこたえ得る限度というのは大体八%でいきたい、こう申し上げておるわけでございます。
  44. 田口長治郎

    ○田口(長)委員 高柳主計官はおそらく現場を御視察になっていないと思うのでございますが、こういう場所をどうするかという問題につきましては、やはり専門家が現場をつぶさに調査をして、その調査の結果による結論、これをある程度たよるよりほかに方法がないと思うのです。東京の大蔵省におられてお考えになる、これはまあいろいろな方針、原則というようなお考えを持たれることももっともなことである、かように考えるわけでございますが、こういうような特殊地帯で将来再災害を防止する方法はどうしたらいいか、こういうことについて現場で専門家が十分に研究をして、これはここまでいかなければどうも将来保証ができない、こういう結論が出ましたら、いろいろな事情もありましょうけれども、根本は再災害が起こらないように、これが最大の目的でございますから、何とかその線に沿うたような、さような御配意があってしかるべきではないか、こういうふうに考えるわけでございます。私の承知しておりますところによりますと、現地の査定官、これは農林省建設省も、大蔵省も立ち会っておられるでしょうけれども、これは技術官ではないのでございますから、あまり強く申しませんが、農林省建設省のその方の専門家が実情に現地に行って、そうして一つ一つの川について、この川はここまでやらなければいかぬ、この川はこれでは再災害をまた起こすのだ、こういう考えのもとに査定をした、この査定につきましては、これは金の問題もありましょうけれども、災害を再び起こさせないという観点からいたしますと、非常に貴重な結論であると考えるのでございまして、その点についてもうちょっと、国費をむだにしない意味におきまして、また地元民に苦悩の繰り返しをさせないように、さような観点から、高い立場でもう一度よく研究していただきたい、かように考えるわけでございます。ここで高柳主計官に、はっきり答弁をしていただきたい、こういうことを申しましても、非常に無理なことと思うのでございますが、そういう事情にありますから、よく一つ将来研究していただき、そうしてなるべく早く結論を出していただきまして、非常におくれておる工事、七月災害が、もう十二月にならんとする、今から工事に着手しましても、来年の降雨時期に間に合うかどうか、こういうようなせとぎわにきておると思うのでございますから、そういう時期の問題も一つあわせて御配慮下さいまして、そうして再災害が起こらないようなことはどうしたらいいか、こういう一点にしぼってよく御研究を願いたいと思うのでございます。別に答弁は求めませんが、あまりに重大な問題でございますから、一つ十分の研究をしていただきたいのでございます。  それから第三点は、江迎のボタ山の問題でございますが、これはどうもいまだに予算的にといいますか、仕事に手がつけられない。承りますと、どうしてもほうっておけない部分やむを得ない部分だけは県が工事費を立てかえて今やっておる、こういうような実情のようでございますが、この実態はどうなっておりますか。これは建設省でございますか、係のところで一つ御説明願いたいと思います。
  45. 高柳忠夫

    高柳説明員 江迎のボタ山の件につきまして今日まで結論が長引いておりましたのは、御承知のように、このボタ山の崩壊が鉱害なりやいなやという点について、いろいろの立場からの議論が行なわれて参ったのであります。この結論につきましては、九州大学等の先生方の御調査もありまして、通産省の調査団としての考え方というものは出しておりますが、それが直ちにこの復旧工事全般の結論として採択していいかどうかという点については、まだ若干の疑義が残されております。ただ、われわれといたしましては、現実に災害があり、かつその復旧が急を要するという問題の観点からこの問題を処理しなければならないという気持になっておりまして、建設省におきましても、災害がありました直後に、応急復旧として、河川のつけかえ、それから簡単な道路の敷設というふうな形で応急復旧はいたしておりましたが、その後さらに、復旧事業として取り上げる範囲をどのようにしたらいいか、鉱害なりやいなやという議論を幾らやったところで、ボーリングの結果という学術的な議論もございますが、なかなかそれは結論をつけにくい面もございますので、今建設省並びに大蔵省として考えておる態度といたしましては、とにかく国庫負担でやるべき災害事業の規模、内容を確定しよう、こういう態度で臨んでおります。その後作業もだいぶ進みまして、二億数千万円程度復旧事業費になろうかと思いますが、この額が一日も早く確定いたしまして復旧事業の完全を期したいと存じておる次第でございます。
  46. 田口長治郎

    ○田口(長)委員 今高柳主計官の話によりますと、いろいろな事務は順調に進んでおるような、そういう印象を受けるのでございますが、ああいうような災害、町全体が非常に困っておるあの実情からいたしまして、これも一つ一日も早く何とか目鼻をつけなくちゃいかぬ、こういうふうに考えるのでございまして、いろいろな人災、天災なんというような議論はもうなくなっておる、こういうことでございますから、現地の実情から考えまして、この問題につきましても一つ特別に御配慮をいただきまして、一日も早く工事が進むような、さような御手配をお願い申し上げます。  以上、三点だけきょうは質問しまして終わります。
  47. 秋山利恭

    秋山委員長代理 中村重光君。
  48. 中村重光

    ○中村(重)委員 総務長官にお尋ねしますが、その前に高柳主計官にちょっと、今田口委員から御質問になりました江迎のボタ山の災害でお尋ねをしますが、先ほど総務長官の御答弁の中の、江迎のボタ山は含まれておるといった御答弁を、メモで、江迎のボタ山は含まれていないといった連絡を受けたのですが、民間災害はこれはわかるのですが、ボタ山が崩壊したことによって農地が埋没をする、あるいは道路が災害を受けた、こういった場合は、基準財政収入額といったような基準によって当然激甚災害の指定を受ける、こういうことになろうかと思うのですが、特に江迎のボタ山を含まないということは、災害の額によって地方団体の負担額が政令なりあるいは基準に達しなかったという場合、これは含まない、こういうことになるのではないかと思うのですが、その解釈を一つ伺ってみたいと思うのです。
  49. 高柳忠夫

    高柳説明員 江迎のボタ山が激甚災害対象になるかならないかという問題につきまして、先ほど総務長官が一般の例示の中に入るというふうなお答えをしたわけでございますが、先ほど総務長官からお答えがありましたように、激甚災害の基準の指定について実はただいま最終的な結論は出ていないわけでございますので、入るとか入らないとかいうことを申し上げるのは、今日ではやや尚早かと思います。ただ、今結論に近づいている案で、ボタ山の今の被害額を推計した数字で基礎に取り、それから今考えておりますところの案では、府県の標準税収入というようなものを一つのめどにとらえようと思っておりますので、それで推計いたしますと、長崎県の負担に対応するところの激甚災害対象にはなりにくいのではないか、こういうふうに考えておるわけでございますが、これは数字が確定し、または制度が確定した上でないと何とも申し上げられない問題かと思います。そういうふうに、ただいまの段階ではちょっと無理ではないかというふうにお考え願いたいと思います。  それから、今のお話は公共施設災害関係でございますが、次に、市町村農地災害が、今私の記憶いたしておりますのでは、三百万くらいじゃなかったかと思いますが、その農地または農業用施設災害復旧につきましてはまた別の基準が今考えられておるわけでございまして、その基準で激甚指定に入るか入らないかというのは、もう少し念査をしないとわかりません。  二つに問題を分けて御答弁いたした次第でございます。
  50. 中村重光

    ○中村(重)委員 江迎のボタ山の復旧の問題で田口委員の御質問に対して、これを一般災害で鉱害でないと断定するのには多少疑義がある、こういうことでございます。この問題に対しましては、数回にわたって委員会で相当質疑が行なわれた。大蔵省が慎重な立場をとっておられるということに対しましては、もちろんそれなりに了解をいたします。ただしかし、応急復旧はやっているのだ、こういうことであります。それから応急復旧は県の責任においてやっておりますが、もう非常に長くなります。半年近くも応急復旧だけで県の責任でやっておいて、政府の方でいろいろこの問題に真剣に取り組んだという態度は、私はそれなりに了解いたしますけれども、どうもいろいろと議論が多過ぎて、もっとすみやかにこれらの問題を解決しなければならぬという意欲に欠けておる面があるのではないか。そういうことでは困るわけです。地方団体も困りますし、またこれは鉱害であろうか、あるいは一般災害であろうか、こういうことによって民間の被害をこうむった人たちは非常に心配をしておるわけなんです。一般災害であればあるように、融資の方法等によってそれぞれ復旧の道を開かなければならないし、鉱害ということになるならば、これは鉱業権者に対する損害補償といったような態度もとらなければならぬ。いろいろ災害をこうむった民間人、あるいは町当局、あるいは鉱業権者、あるいは県、それらの関係者は今非常に因っておるわけです。ですから、真剣に政府がこれに取り組むという態度はわかりますけれども、もっと早くこれらの問題に結末をつけなければならぬ。そうしてそれらの心配をしておる、困っておる人たちに対して一日も早くそれらの問題を解消するという態度が望ましいのではないかと私は思うわけなんです。まあ今一つ一つの事業に対してその規模なりあるいは災害額なり、そういうことによって、十分適切な方法をとっていこう、こういう態度でありますので、そのことをもっと積極的に一つやっていただきたい、そうしてそれらの問題をすみやかに解決をするようにしてもらわなければならぬ、こう思うわけですが、それらの点に対してどうお考えになっているか、伺ってみたいと思います。
  51. 高柳忠夫

    高柳説明員 本年災につきましては、たびたびお話申し上げておりますように、今年度予備費で大体措置できるという感じでおります。すでに五十六億予備費で措置いたしまして、その後各省査定もだいぶ進んで参っております。まだ予備費の残も幸い相当ございますので、お話のような点々勘案いたしまして、できる限り早く数字を詰めた上、本年度予備費で措置できるように努力したいと思っております。
  52. 中村重光

    ○中村(重)委員 先ほどまあ多少の疑義があるといったような問題に対しましても、この際すでに数回にわたって申し上げた考え方をさらにここで申し上げますが、これは高柳主計官も御承知の通り、鉱業法によって免責規定ということもあるわけなんです。あの集中豪雨によって全く予想しないような災害が起こってきたということは、これは事実であるわけなんです。天災に伴って起こった鉱害といったようなものは、これは当然免責規定によって一般災害として処理できる、こういうことははっきりいたしておりますから、またそれに基づいて一つ一つの問題に対して一般災害という形で処理していきたいという気持はわかりますが、一つ確信を持ってこの後取り組んでいただきたいということを強く要望いたしておきます。  総務長官にお伺いをいたしますが、この激甚災害の政令あるいは基準といったようなことはもう準備が整っておる、間もなく防災会議を開いてこれを決定するという運びになるであろう、こういうことであります。これもまた非常に慎重であることは好ましいわけですが、私は必ずしも拙速を喜ぶものではありませんけれども、災害をこうむったところの都道府県あるいは市町村は、この法律案が出ました際は、激甚災害によってほとんど指定を受けるのではないか、高率補助という形で救われるのじゃないかといったような気持で、この法律の制定を非常に望んだのであります。ところが、なかなか激甚災害の指定というものが受けられない、まだきまらない、どうなるのであろうか、こういうことで、関係各省に参りますと、なかなか内容がきびしい、これは局地的な災害ということはほとんど問題にならないんじゃないか、この法の第二条の、国民経済云々ということによって、これは国家的な大きな災害でなければ指定は受けられないのだといったようなことがいろいろ伝えられて、期待を裏切られたといったような感じ、むしろ憤りといったものもあるわけであります。しかし、その中にも何とか激甚災害の指定を受けるようにしなければならないのだ——先ほど長崎県の代表からの陳情もございましたが、ぜひ一つ激甚災害の指定をしてもらいたい、こういったような熾烈な要望が、地方自治体が困っておるというような中から特に強く起こってくるわけであります。どうもあまり長過ぎると思うのですが、どうしてこう時間がかかっておるのか、まずそれらの点に対して、できますれば問題点といったようなことをお聞かせ願いたいと思うのであります。  さらにまた、この法律を制定いたしました際に、国会におきましては、公共災害に対しては、政令を定める際に、都道府県は一五%ないし二〇%、市町村は五%ないし一〇%、こういったような幅を持たせまして、原案であるところの市町村一〇%、都道府県二〇%というものはどうも適切でないのではないか、端的に申し上げますと、市町村は五%に、都道府県は一五%に下げてもらいたいというのが、国会におきましては与野党通じての気持であったわけであります。ところが、その後決定をいたしました政令は、原案の通り都道府県は二〇%、市町村は一〇%、こういうことになって、国会の意思というものは全然生かされておりません。どうしてそういうことになったのか、それらの点も一つあわせてお答えを願いたいと思います。
  53. 徳安實藏

    徳安説明員 ただいまお話がございました江迎のボタ山に対する問題でございますが、実は私の方の総理府では大体これは入るものと考えまして、メモも来ておりましたし、私もそう思っておったわけでありますが、数字をまだ煮詰めてないということから、補助になるかどうかということがまだはっきり言えないというような連絡を今もらったわけでございますが、総理府としましては、これまで国会でも答弁しておりますから、できるだけ皆様の御意思が通るようにと思いまして多少深目に考えておったのが、あるいは多少思い違いがあったかもしれませんが、今大蔵省が申し上げましたような関係で、数字的に煮詰めていない、従って、対象にはなっておるけれども、現実に補助し得るかどうかは、その金額がわからぬとできないのだというような御意見もございますので、これは速急に煮詰めてもらいまして、そして今度の防災会議等においてもよく検討いたしたいと考えております。  なぜこんなにおくれたかという問題でございますが、私どももこの席でしばしば申し上げましたように、一日も早く罹災された諸君に御安心を願うようにするのには早く政府の態度を決定すべきだ、こう考えまして、微力ではございますが、各省に話をし、督励をし、ずいぶん努めたのでございますけれども、これは一回限りのものではございませんので、今後におきまして相当長い期間、災害が起きました場合には自動的にこの法律が発動するということになります関係から、大蔵省でもきわめて慎重でございますし、各役所、自治省にいたしましても、建設省にいたしましても、農林省等にいたしましても、そうした議論を立てます基本的な数字をこしらえますのにも、相当過去と現在にわたりましての数字等を摘出いたしまして検討を加えたというような関係から、そういう資料決定にも相当期間を要しました。さらに、金を出す方と、それから災害に金を出そうという方、こういうものの関係が多少意見に対立もございまして、なるべくこれを円満に、国会方面の御意向を反映させながら政令を出しますようなことにするのには、こういう点ももう少し考えたらどうか、こういう点もあなたの方で譲りなさいというようなことで、総理府といたしましては各省に連絡をとりまして、そうして意見の一致しないものを一致させるように極力努力しましたという、その関係から日にちをとりましたわけでありまして、これも熱心のあまりの議論が多過ぎたということも考えられると思いますけれども、しかし、一方は国の財政をあずかる関係もございますし、また一方は、一般の災害を受けられた国民の方の気持も買ってあげるなら、この程度はしなければいけないのではなかろうかという気持もございますし、そういうところの調整が非常に手間取りまして今日まで延びたわけであります。ほんとうにこの点は私も力の足りないところを恥じるわけでございますが、しかし大蔵省側も各省側も今日では十二分に了解ができまして、一つの大きな筋というものは決定をいたしました。もう少しわずかのところが食い違いがあるようでございますけれども、これももう大した問題ではないように思いますので、至急に調整をとりまして、臨時国会前に必ず防災会議を開きまして、諮問を受けて、その基準等に基づきまして早く政令を出されるように防災会議でも答申をいたしたい。おそらく、答申を得ましたら、政府はすみやかに政令で指定すると思いますから、不手ぎわでございましたが、そういうことでなかなかまとまりがうまく参りませんためにこういうことになったわけでございますけれども、しかし今日になりましたら笑い話になってしまったわけでございますから、どうぞ一つ御期待いただきまして、今後の運営の面等につきましては、これは一つの基準でございますけれども、実情に即しないような諮問あるいは答申はしないと思います。各省大臣が全部この会議に入っておるわけでございますから、十分国会側の御意思は反映すると思いますし、また反映させるように私は事務局長として努力いたしたいと思います。この点で一つ御了承願いたいと思います。   〔井手委員臨時国会までに間違いないか」と呼ぶ〕  これは総理の方の日取りをまずきょうでもきめていただかなくちゃならぬと思います。だいぶ日程が込んでおりますが、総理の方の日取りさえつきましたら、臨時国会前に必ずやりたいということで、昨日から連絡をとっておりますから——やりたいと思っております。
  54. 中村重光

    ○中村(重)委員 大体どんなにおそくとも二十日までには防災会議が開かれる、こういうことであったのですね。その前は、私、日にちは記憶が薄れましたが、何日ごろということで、相当早い期日、たしかこの月の初めくらいだったろうと思いますが、それまでには防災会議が開かれて大体きまるであろう、こう言われておった。それがずっとおくれおくれになりました。臨時国会前にはぜひ一つこれを決定していただきたい、こう思うわけです。それに対する見通しは、今御答弁がありましたが、はっきりしませんので重ねてお答えを願いたいと思います。  それから私のお尋ねしました中で、例の国会の政令に対する附帯決議がつけてありましたが、それが原案の通り実はなっております。そのことも一つあわせてお答えを願いたい。
  55. 徳安實藏

    徳安説明員 ただいま御説明申し上げましたように、大体の案もでき上がっておりますので、もうわずかばかりのものが少しまだ残っておるようでございますが、これは至急に調整いたしまして、臨時国会前に必ず防災会議を開こうという意気込みで、昨日から総理の方の日取りを聞いておるわけでありますから、これは間違いないと思います。  なお、二〇%、一〇%のお話は、私も国会側の御要諸等につきましては十二分に検討いたしたわけでありますが、大蔵省等の数字的な説明を承りますと、大体御要望されておりますものはあの数字で入るということでございますので、一応それを信じてあの数字を出した。たとえば二〇、一〇にしたわけでありますが、しかし実際やってみまして、それが非常に大きな間違いだったといこことを発見いたしますれば、あの数字はまた適当な機会に直すことに決してやぶさかではございません。過去におけるものの実績を調査いたしまして、そしてこの激甚法は、過去における特別法を施行した、あるいは立案した災害等はおおむねこれに入るのでございますという説明をしておるわけでございますから、その実績と、これからの問題とを比較いたしまして、非常に誤差があるということでございましたら、その問題について私ども再検討を加えたいと思います。しかし、先ほど申し上げましたように、大蔵省の過去における実績の数字を見ますと、大体あれで御期待に沿い得るという確信がございましたので、あの数字にいたしたわけでございます。
  56. 中村重光

    ○中村(重)委員 私は総務長官の御答弁はすなおに実は受けるわけなんです。激甚災害法というものを活用するようにしなければならぬ。ところが、この条文の通りいくと、これはなかなか大蔵省の方の抵抗もあってうまくいかないんじゃないか、こういうことで、非常に努力をしておられる御苦心のほどはわかります。今の御答弁がそのまま総務長官の気持の表われである、こういうことで、そのまま実は受け取るわけです。ところが総務長官は、この法律は不完全だ、これは完全なものではない、これはできるだけ実情に即するように直さなくちゃならぬ、こういうことが従来線繰り返された答弁であります。今もそのような答弁でありました。そこで私は、そのことは具体的な形の中で生かされなければならぬと思います。ただいま総務長官は、従来の特例法によって特別な措置を講じたところ、それは大体この法律の中に入るのではないか、その確信があるのだ、こうおっしゃる。ところが、実際に私どもが関係各省を回りまして聞きますと、なかなか今総務長官が言われたような気持ではないようです。この法律の第二条の「国民経済に著しい影響を及ぼし、」——この条文は総務長官すべてわかっていらっしゃるので、全部読みませんが、この国民経済に著しい影響を及ぼす、いわゆる国家的な災害である、こういうことのこの法律にとらわれて、どうも局地災害というものはあまり問題にしておられないという感じを強く受けます。具体的な問題として、先般総務長官から、長崎県の福江市の火災に対して、鹿児島がこの法律の適用を受けたのだ、特例法によってこの高率補助になったのだから、大体福江もそういうことになるのじゃないか、確信ある御答弁を受けまして、私どもそれを期待いたしておりました。ところが、なかなか難航をしておるようであります。私どもが大蔵省へ参りまして聞きますと、四百戸程度である、鹿児島は七百戸だ、こういうことを言われる。私が考えますのは、鹿児島市の七百戸、福江市の四百戸、戸数は三百違うけれども、火災によって焼失した七百戸の鹿児島市に及ぼす影響、福江市の四百戸が福江市の経済に及ぼす影響では、どちらが大きいかということです。私は、法律というものはそういう形式ではなくて、その局地的な経済に及ぼした影響、国家的経済に及ぼした影響ということについて重点を置いて法を活用するのでなければならぬと考える。ところが、現実にはそうした戸数にこだわっておられるというふうな感じを受けます。中小企業の問題にいたしましても、福江市の場合に二十一億といった被害額が算定をされております。ところが、中小企業の被害額というものは、それでは激甚災害指定の基準はどうきめるのだという私どもの質問に対しましては、従来の特例法では中小企業は特別措置を受けたことはないのだ、かりに福江市がいわゆる焼失戸数が少なかったということによって第二種公営住宅激甚災害の指定ということがはずれた場合、それでは中小企業によって指定を受けるのではないか、かりに基準が二十億ということになった場合、被害が二十一億であるから、それならば当然この中小企業のこの章だけによっても指定を受けるのではないかということに対しても、ただいま私が申しましたように、中小企業というものは従来特別措置というものが行なわれていなかったのだということが言われるわけです。だから、できるだけこの法律の適用をしない、いわゆる激甚災害の指定をしないといった考え方のような印象を受けるわけです。これは第二条の「国民経済に著しい影響を及ぼし、」ということにとらわれているので、そういうことでは私はだめだと思うのです。この法律の原案をつくられた当時は、総務長官はその任ではありませんでした。しかし、この法律の制定にあたっては総務長官をしておられた。だから、それらの点を考えて、この法律は完全ではないのだ、従ってこれを直さなければならぬということは、それらの問題に留意して私は言われたと思うのです。それならば、総務長官の答弁を生かすという道は、いわゆる政令の場合に、私がただいま申し上げましたように、一〇%というものを五%に下げるとか、二〇%を一五%にするとか、あるいはその他各章の基準をできるだけ低くするとか、そういう具体的な問題によってこの法律を直していくということでなければならぬと思う。そういうことに対して総務長官はどうお考えになっておるか、伺ってみたいと思う。
  57. 徳安實藏

    徳安説明員 ただいまの御所見、全く私は同感でございまして、お話通りでございます。この福江の問題等につきましても、二十二条の関係でございますが、大体これは今度の指定には入れるのではないかという考え方で今進めておりますので、これは入ると私ども思っております。しかし、これも最後の決定はもちろん防災会議にかけなくてはならぬわけでありますから、私の今考えております基準から申しますれば、これは入るというように考えておるわけでございます。  なお、法律の問題でございますが、私も就任早々にあの法律に取り組みまして、いろいろ説明も聞きましたし、前国会に提出されまして、つい提出されぱなしで継続審議になっておったという関係もございまして、まあ急いでとにかく出さなければいかぬという形で出されたやにも承っておりますが、だんだん御意見を承ってみますと、まだ相当に盲点もあり欠点もあるのではないかというように考えておりまして、当時政府間でも相談をいたしまして、これを全部完全なものにいたしますのには相当日にちもかかりますし、しかも基本法が通っているわけでありますから、その基本法に基づく激甚特別法というものを早く通して、そうして今後起きますところの災害に善処しなければならぬという関係から、国会の会期等もありまして、前に出しましたものは多少意見がございましても、衆参ともに御承認を得たわけでございます。そのときにも相談いたしまして、まあこれで一応やってみて、もし不都合な点がありましたり、御指摘のような点がありましたら、これはいつでも直そうじゃないかという気分で私ども申し上げておりますし、これは政府の大体一致した見解でございまして、決してあれが完全無欠のものであったとは考えておりません。従って、今のお話のような点も、今後の運営の点につきましてばかりでなしに、法の各条につきましても相当異論があろうかと思います。これは私も今研究しておりますし、自民党の方でも、あるいは社会党の方でも、それぞれ御研究なさっておるようでございますから、相談いたし合いまして——災害に対する気持というものは、政府たると、あるいは与党、野党たると、みんな同じ気持でございますから、その気持に合致するように——国家の財政等ももちろん勘案しなければなりませんが、御期待に沿いますように、改正に決してやぶさかではございません。どちらが音頭をとりますかは別といたしましても、今日残されたいろいろな問題につきましては御相談いたしたい、かように考えております。
  58. 中村重光

    ○中村(重)委員 防災会議臨時国会の前に開かれてこれを決定する、こういうことになりますが、私どもは、これが早く決定されることを、もちろん、今も申し上げたように期待をするわけです。ところが、ふたをあけてみなければその中身はわからぬ。それが非常に心配なんですよ。先ほど、政令の問題に対しても、従来の特例法によってやったところは大体一〇、二〇というところに入る、こういう確信を持ったから、そうやったのだ、こう言われるわけですが、基準をつくられる場合、第二条の「国民経済に著しい影響を及ぼし、」という、この第二条によって基準をつくられたのでは、これはふたをあけてみたところが、ほとんど指定に漏れてしまうという形が出てくるおそれがあると思います。ですから、この二条の「国民経済に著しい影響を及ぼし、」ということは、やはり地域経済に著しい影響を及ぼしという、そういう形に読み直す、このくらいの気持でもって基準をおつくりにならなければならぬと私は思うのです。総務長官は、基準をおつくりになる場合、どういう態度でもってこれをつくろうとお考えになっておるのか、それによって私は原案のつくり方が変わってくると思います、ふたをあけてみたところが、この二条によってつくったものであるか、そうではなしに、総務長官が日ごろ答弁をされたそういう考え方によってつくられた基準であるかということによって、私は中身が変わると思う。ですから、その考え方をこの際明らかにしておいていただきたいと思う。そうすると大体中身がわかります。
  59. 徳安實藏

    徳安説明員 第二条の「国民経済に著しい影響を及ぼし、」という文字が使ってございますが、これだけに拘泥いたしましたのでは、これは大へん大きな数字災害でなければできないことになりますので、もちろんそういう点も考えますけれども、しかし、実情に即しますためには、局部的な災害も当然入れるべきだと考えておりますので、そうしたものを十二分に勘案して基準をこしらえますから、御心配のようなことはあり得ないと、私は今のところでは考えております。
  60. 中村重光

    ○中村(重)委員 今の総務長官の確信ある答弁に大きく期待をいたします。  まだいろいろお尋ねしたいこともありますが、時間がないようでありますので、きょうはこの程度で打ち切ります。
  61. 秋山利恭

    秋山委員長代理 本日はこれにて散会いたします。    午後零時五十四分散会