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1962-10-04 第41回国会 衆議院 災害対策特別委員会 第7号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十七年十月四日(木曜日)     午前十時五十七分開議  出席委員    委員長 稻葉  修君    理事 秋山 利恭君 理事 田中 正巳君    理事 坊  秀男君 理事 角屋堅次郎君       金子 岩三君    倉成  正君       白浜 仁吉君    壽原 正一君       田口長治郎君    田邉 國男君       綱島 正興君    濱地 文平君       前田 義雄君    松浦周太郎君       松田 鐵藏君    米山 恒治君       石橋 政嗣君    中村 重光君       芳賀  貢君    玉置 一徳君  委員外出席者         総理府総務長官 徳安 實藏君         総理府事務官         (内閣総理大臣         官房参事官)  島村 忠男君         警  視  長         (警察庁保安局         外勤課長)   三角 嘉裕君         大蔵事務官         (主計官)   高柳 忠夫君         大蔵事務官         (銀行局特別金         融課長)    新保 実生君         厚生事務官         (社会局長)  大山  正君         厚生事務官         (社会局施設課         長)      瀬戸新太郎君         農 林 技 官         (農地局建設部         長)      小林 国司君         中小企業庁長官 樋詰 誠明君         通商産業事務官         (中小企業庁振         興部長)    加藤 悌次君         建 設 技 官         (都市局長)  谷藤 正三君         建設事務官         (住宅局長)  関盛 吉雄君         自治事務官         (大臣官房参事         官)      松島 五郎君         消防庁次長   川合  武君         自治事務官         (消防庁教養課         長)      上川  澄君     ————————————— 十月四日  委員仮谷忠男君、正示啓次郎君、谷垣專一君、  中馬辰猪君、二階堂進君及び宮澤胤勇辞任に  つき、その補欠として白浜仁吉君、松浦周太郎  君、金子岩三君、倉成正君、田口長治郎君及び  田邉國男君が議長指名委員に選任された。 同日  委員金子岩三君、倉成正君、白浜仁吉君、田口  長治郎君、田邉國男君及び松浦周太郎辞任に  つき、その補欠として谷垣專一君中馬辰猪君、  仮谷忠男君、二階堂進君、宮澤胤勇君及び正示  啓次郎君が議長指名委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  災害対策に関する件(福江市の大火による災害  対策等)  福江大火に対する災害復興に関する件      ————◇—————
  2. 稻葉修

    ○稻葉委員長 ただいまから会議を開きます。  災害対策に関する件について調査を進めます。  去る九月二十六日長崎福江市に発生した火災による被害状況等について、政府当局から説明を聴取することにいたします。警察庁三角外勤課長
  3. 三角嘉裕

    三角説明員 先般の福江市の大火概況につきまして、お手元に資料をお届けしてございますので、これに基づきまして概況を御説明申し上げます。  火災発生鎮火日時でございますが、ただいままで警察調査いたしました状況では、二十六日の午前二時十分ごろ火災発生いたしたものと推定いたしております。なお、鎮火日時につきましては、同日午前八時ごろ鎮火いたしたものと推定いたしております。  発生場所でございますが、長崎福江市東浜町九州商船福江支店倉庫付近。  罹災場所でございますが、先ほど市長さん、関係者から御説明ございましたように、福江市の中心部、旧市街の約八〇%、ここに書いてございます各主要な町が類焼いたしましたわけでございます。  火災状況でございますが、ただいま申し上げましたような時刻場所付近から出火いたしまして、おりからの強い北東風、約十メートルから瞬間十五メートルくらい吹いておったようでございますが、この風にあおられまして、消防団警察等消火活動も及ばず、火勢は急速に同市の中心部一帯に及びまして、中心部の約八〇%を全焼または一部焼失いたしまして、同日八時過ぎに鎮火いたしたものでございます。  当日の火災発生時の気象状況でありますが、天候は曇りでございます。気温が二十度、風向は北東で、風速は平均十メートル、湿度六三%というような気象状況でございます。特に注意いたさなければなりませんことは、この時刻強風波浪注意報発令になっておりまして、九月二十五日、前日の午前八時五十分から、この強風波浪注意報解除になりましたのが、火災鎮火いたしまして間もなくたちました二十六日の午前十時三十分に強風波浪注意報解除になっております。この間、長崎下全般にわたりまして、陸上では十メートル内外、海上では十メートルないし十五メートル、ときどき突風を伴っておったような状況でございます。  火災原因につきましては、二項に書いてございますが、まずその前に、これほどの大きな火事となりました原因考えられますものを四つばかり申し上げますと、第一に、水利不便のために消火活動が十分にできなかった、家屋が非常に密集しておった。それから当時強風波浪注意報発令下で、風速十ないし十五メートルの強風があった、それから出火直後に近くのガソリンスタンドに引火いたしたといったような四つの悪条件が重なりまして、あのような大火になったようでございます。火災原因でございますが、現在までのところ、九州商船福江支店倉庫宿直員であります藤田善一郎という人のたばこの火の不始末による失火事件としてただいま捜査中でございます。  罹災状況でございますが、これは十月一日正午現在、実は市役所への届出でありまして、市役所罹災証明を発給した人員が書いてございますが、これは一番最後の紙に、十月二日午後八時現在で合同災害対策本部がこの日時に確認いたしました数字を掲げてございますので、このように御承知おきいただきたいと存じます。  主要建築物罹災状況でございますが、御存じの通り市役所、支庁、税務署、郵便局、病院、警察署、市の教育会館専売公社、各新聞社関係通信部、こういったようなものが罹災いたしております。  警察措置について申し上げます。事案認知とともに、所轄福江警察署では、総員でございますが、六十五名の非常招集を行ないまして、消火活動避難誘導避難通路の確保、雑踏整理交通整理、財産の搬出警戒等措置に当たったわけでございます。なお、県警本部では直ちに各部課長及び関係課員非常招集をいたしまして、本部長指揮下県警災害警備本部を設けまして、すぐ近くの島にございます奈良尾から署員十名を直ちに応援急派いたしまして、午前七時過ぎには現地に到着いたしております。なお、県警機動隊、それから長崎方面機動隊県警本部員、九十九名を現地に派遣いたしたわけでございます。今日なお活動を継続いたしております。以後の警察活動の大要でございますが、災害地及びその周辺の警ら活動、特に盗難等の犯罪の予防検挙、それから災害地中心部の七カ所に立番所を設けまして、これを中心雑踏整理交通整理、これもなかなか大火のために道路が確保できなかったのでございますが、交通整理防犯活動その他一般の警戒に当たっております。なお、出火原因につきましての捜査、それから災害実態調査広報活動を行ないますとともに、罹災者からいろいろと出て参ります願い届け積極的処理をいたしております。それから、その後暴利行為の傾向が少し見えましたので、直ちに広報活動並びに警ら活動による取り締まりに当たっております。活動部隊の構成でございますが、日によって若干の増減はございますが、約二百名の者が警察活動に従事いたしております。  避難状況でございますが、大半は親族、緑故先等に寄宿せられましたようでございまして、若干の方々がなお観音寺、城山荘等においでになっております。  消防活動は、これに書いてございますので、後ほど消防庁の方からお話があろうかと思います。  関係官庁等措置につきまして、私どもの承知いたしております範囲では、災害発生直後、県、市、警察、それから海上自衛隊、それから自衛隊三井楽レーダー基地陸上自衛隊、日赤、九電等、各関係の向きでそれぞれの活動を開始せられました。なお、県においては、申すまでもなく、知事さん以下多数が現地におもむかれたわけでございます。以後の措置でございますが、合同災害対策本部市災害対策本部県警災害警備本部地元婦人会青年団その他の団体が各種の善後措置を講じております。  治安の状況につきましては、現在までのところ特異の事象は認められておりません。  通信状況につきましては、今日六百回線回復いたしておるようでございます。災害直後は、警察本部無線基地も焼けたわけでございますが、警ら用無線自動車、俗に申しますパトカー、移動局と申しますが、これが活動しましたので、県警本部とこの移動車によって一応災害状況を私ども承知いたして、県警本部長から諸般の措置を命じたわけであります。  簡単でございますが、以上でございます。     —————————————
  4. 稻葉修

    ○稻葉委員長 災害対策に対し質疑の通告がありますので、順次これを許します。綱島正興君。
  5. 綱島正興

    綱島委員 このたびの福江災害は、地域が非常に小さいにもかかわらず、非常な範囲で、これこそ全市の九〇%に及んだ。これについて、従来適用されておった特別立法、たとえば鹿児島火災奄美大島火災、こういうものに適用しておりますような法律を特にあらためて適用して、これに対してこれとひとしいような救済の方法を立てる、こういうようなことが非常に必要である。  それから、福江市というのは旧城下町であります。そのために、当時の藩の防衛上の立場から、十字路というものがほとんどございません。たしか一カ所しかございません。あとはみな道路丁字形になっておる。そのために、近代的な消防車を走らすというようなこともほとんどできない。このままにしておけば、また火事があれば、そのまま燃えてしまうということになりますので、そうでなくても、近代交通機関の発達上、道路整備を必要とし、区画整理を必要とする。今までの区画整理という、中心部だけの補助対象ではどうしてもおさまりません。こういうようなものについて特別な補助をする。公営住宅にいたしましても、中心企業、あるいは地方債も、これは税源が非常に減って参りますし、支出が非常に過大になりますから、これに対して特に長期の起債を許す、こういうことも必要だと存ずるのでございます。これは総論的なことだから、まず一つ長官からお答え願いたい。
  6. 徳安實藏

    徳安説明員 かつて御審議願いました激甚災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律、すでにこれはもう実施の段階に入りまして、防災会議もできておるわけでございますが、その当時の御説明にも申し上げましたように、しからばその適用をどういう程度の災害適用するのかという御質問が委員各位からしばしばあったわけでございます。それに対しまして、政府といたしましては、過去の災害等におきまして特別立法を行ないましたもの等は大体これに入れますという考え方を申し上げておるわけでございます。今回の福江火災でございますが、まことに御同情にたえないことでありまして、かって鹿児島に昨年の十月に火災がございまして、これにはやはり激甚災害と同様な特別立法をいたしたそうでございますので、そうした観点から考えまして、まだ各省間の十分な打ち合わせはいたしておりませんが、これまで政府が声明いたしましたり本委員会等で御答弁申し上げております趣旨から考えましても、当然特別立法に該当する災害というように認めることになるのではないかと思います。近く防災会議を開きまして、会議にかけまして、正式に取り上げて審議をいたしたい、かように考えております。
  7. 綱島正興

    綱島委員 激甚地に対する特別立法の中には——実は私とも一日だけは合同審議に出ましたが、災害というものは、大体水害、風害、潮害というものが頭にあって、火事というものは実はあまり頭になかった。なるほど、大火というものは出ておるけれども、それによって当然起こる負担増復旧に対して要るものはあまり書いてない。書いてあるのは、たとえば海岸堤防がこわれた、水道がこわれた、いろいろなことがたくさん書いてございますけれども火事が起これば、当然区画整理をしなければならぬ。その区画整理も、従来の中央道だけではいかぬから、あらゆる点で今後の火災に対処するような、つまり、公共災害からいうならば、ちょうど改良復旧みたような措置に対する規定が実はなかったのです。これは原案にもなかったし、われわれも手落ちで、災害というものは風が吹いたり大雨が降ったりするというように限定して考えたわけじゃないけれども、うっかりそういう概念でこれは手落ちになっておりますから、この点について、火災についても補正して適用する。私は法律適用の仕方がなかろうと思う。政府はこれについて立法をする意思があるかないか、立法する意思がなければ、われわれが立法するときに同意するかどうか、こういう点を伺っておきたい。
  8. 徳安實藏

    徳安説明員 ただいまのお説は、私ども考えないわけではございませんでしたし、この法律の中にも全然考えてないわけではございません。従って、この激甚法適用した場合には相当の御援助ができると思います。現在のところでは、公共住宅、こういうものが対象になるようでございますが、これにいたしましても、普通の補助率よりか、激甚災害法適用を受けるようになりますと、ちょうど鹿児島火災と同様な補助ができることに相なりまするし、そのほか、先ほどお話がございました起債でありますとか、そういう面につきましては、実情に即して、私の方でも各省お話をいたしまして、御希望に沿いたいと思っておりますが、もし大きな欠陥がこの法にございますれば、私どもも研究もいたしまするし、皆さんの方でも御研究願いまして、欠陥があるものはこれを直すことに決してやぶさかではございませんから、どうぞこの点は十分私どもの方にも御指示いただき、私どもも研究いたしまして、こうした場合に誤りのないような処置をとるようにいたしたいと思います。
  9. 綱島正興

    綱島委員 ただいまの御答弁はまことにけっこうでございますが、原法によれば、その標準税収に対してどれだけの災害激甚法適用するかということを政令できめるように、そのときに私どもは、これは町村については百分の五、それから都道府県は百分の十以上をこえたものには全部適用する、こうしなければいかぬということを述べたのだが、それもだいぶぼけておるようでございます。たとい百分の五であっても、この福江市の場合はかからないと思う。ほとんど全滅に近いが、その全滅しておるのは、家が全滅しておるのであって、公共企業が全滅しておるのじゃない。道路が全滅しておるわけでもなければ、海岸が全滅しておるのでもない。そこで、おそらくこれは標準税収入の百分の五をこえる。ところが、百分の五ではなかなか政府は同意しない。百分の十以上でなければならぬ、いろいろなことを言うておるから、これについても、さらに実情に沿うように、火災についてはこういうものを公共復旧工事に認めるとか、あるいは火災については特別な基準を置くとか、そういうようなことがなければ、この火災を救済する道はない。やはり特別立法をして、奄美大島鹿児島の例にならわなければならぬ。御承知の通り、この激甚法をつくってさえおけばどういうものでも適用ができるというような考え方は、この点についてはそういうものがお留守であった。これはしいて法律を弁護にならぬでも、法律をつくるのは国会が本元だから、あなた方もそれに協力する御態度をしておけばいい、こういうふうに考えるのでありますが、いかがでございますか。
  10. 徳安實藏

    徳安説明員 もちろん協力をいたします。
  11. 綱島正興

    綱島委員 これから個々のことになりますから、総務長官に必ずしもお尋ねせぬでも、当該の人にお願いいたします。  大体こちらでお尋ねをしたい必要のある項目は、今総論のところでお話しましたが、土地区画整理法特例を設けなければいくまい。公営住宅法特例住宅金融公庫の貸付の特例中小企業に関する助成特例起債特例、こういう五項目を私どもお願いをしているのであります。私もそう考えておる。  そこで、まず土地区画整理ということの特例は、奄美大島大火のときに政府は十分の九を補助してやっておる。これをやることについてやはり妥当だと思われるかどうか。これは必ずしも総務長官でなくてもいいですよ。大蔵省協議もしておられるかどうか、この点についてのお答えを願います。   〔委員長退席秋山委員長代理着席
  12. 谷藤正三

    谷藤説明員 お答えいたします。  その問題につきましては、ただいま自治省の方の離島振興問題、奄美大島特別措置法関係がございますので、自治省ともいろいろ相談いたしておりますが、まだ具体的にはっきり申し上げるまでに決定しておりません。
  13. 綱島正興

    綱島委員 実は私は離島振興対策審議会会長なんです。私は何もかも実は役所から御相談を受けております。ところが、これもいろいろ御意見があるようであります。離島振興だけでは私はいかぬように思う。福江離島振興だけでもいいですよ。けれどもわきにも大火がある。火事というものは必ずしも離島の中だけではなくて、離島は設備が十分でなくてごっそり燃えるということもあるでしょうけれどもわきにそういう例があるのだから、これは離島振興だけでなくお考え願わなければならぬ。私が悪推量をすれば、離島振興なら、小さいところだから、やかましく言うてもしれたもの、法律離島振興関係だけやっておけばかまわぬというなら、当該問題は福江市の問題だが、他の問題もあるので、これは一つ希望ですが、政府離島振興の問題を御協議にならずに——福江だけは助かりますよ。私はもちろん、大いにやれ、こう言っておる。けれども、これは内地みんなお考え願った方がいい。それが物の性質上妥当だと考えるので、希望しておきます。
  14. 谷藤正三

    谷藤説明員 とりあえず、区画整理法の中の二分の一の国庫補助の点ですぐ施行しまして、法律が変わりましたら適用するようにいたしたいと思います。
  15. 綱島正興

    綱島委員 それは仕方がない、役所だから。  次に住宅問題、公営住宅特例でございます。これは二つだけ実はお願いをしたい。これは鹿児島特例で四分の三の国の補助適用しておりますから、これも一つやってもらいたいということが一つ。いま一つは、住宅金融公庫特例、これを一つお願いしたい。そこで、この金融公庫お願いしたいことは、普通の住宅については期限を少し延長してもらわなければ困るのじゃないか。それから中高層、これも一つ十年を二十年くらいにしてもらわなければならぬのじゃないか。このうちの中高層の七分五厘という金利は、何とかして五分五厘くらいにしてもらわねば、家のことですから——家はどうもそれ自身うんと働くわけじゃない。火災後の家だから、これはぜひ特例として、大きな火災のあったところには一つ別金利を引き下げるというような処置を、これは建設省だけでは話はきまりますまい、大蔵省とも御協議にならねばなるまいが、一つその心持で事を進められる意思があるかどうか、それだけ伺っておきます。
  16. 徳安實藏

    徳安説明員 公営住宅の問題でございますが、これは激甚災害法適用されますれば、鹿児島と同様に四分の三は国の方で補助することになります。
  17. 綱島正興

    綱島委員 それはわかる。私は無理を言うのじゃない。激甚災害にかかればいいのですよ。福江激甚災害に入れるというなら、もうそれでいいのだ。それならそれで下がるのです。ところが、私の考えでは、どうもあの激甚災害法というものは風水害ばかり考えてつくってあるのだから、なかなかそれにはまらぬのですよ。そこで、これは言葉をきわめて一つ特例考えてもらいたいと申し上げているわけです。ただ激甚災害に入ればということだけでは——どうも私の考えでは入れそうにないから、入ればと言うてみんな帰ってしまった、ああよろしゅうございますと言うた、入らなかったということになったら、百日の説法へ一つで、これは何にもならない。総務長官が、激甚災害におれが入れるから、これは内閣の死命をかけて約束すると言うなら、これはいいですよ。それなら、あれは指定政令だから、私が入れるということをきめてもらえば、もう声を励まして話をする必要はございません。けれども、入りそうにないものだから、一つ特に特例をお考え願いたい、こういうことでございます。
  18. 徳安實藏

    徳安説明員 これは先ほど申し上げましたように、鹿児島の例もございまして、特別立法しているのです。こうした特別立法によるようなものについては、おおむね激甚災害と認めて処置いたしますということを、再々政府答弁しているわけであります。だから、それ以上の災害に該当するらしく現在のところは見えるわけです。ただ、今各省がまだこの問題について打ち合わせしておりませんから、はっきりここで、入れますと断言できませんが、これまでの政府答弁を御信頼下さるならば、大体これは入れなくちゃならぬのじゃないかと私も考えておるということを申し上げておるわけであります。
  19. 綱島正興

    綱島委員 わかりました。わかりましたが、法律はそういうふうになっておらぬから……。
  20. 徳安實藏

    徳安説明員 いや、法律がなっているのです。公営住宅はなっているのです。
  21. 綱島正興

    綱島委員 公営住宅は、指定を受ければなっておる。指定基準がなかなか遠いようですから、そこを一つ政府的にやる、こういうことならもうけっこうでございます。  それからもう一つ、同じことですが、起債中小企業に対する助成特別措置、これも激甚災害でいっておる四章の規定通りにしてもらえば、別段声を励まして言わぬでもよろしゅうございます。これも今と同じような答弁でしょうか。地方起債激甚災害と同様にやっていただく、こういうことになれば、私は引き下がります。これだけのことをしてもらわぬと、この災害では、市にこれだけのものを払えと言ったって、とても市が払えるわけのものじゃない。やはりこれは交付金で九五%くらいのものは自治省が埋めてもらわないと、どうしようもない。激甚災害通りに、起債の方も、お前たち安心しろ、九五%くらいまでは埋めるぞ、こういうことなら、もう何をか言わんや、けっこうでございます。そこで問題は、激甚災害に入れてもらう、こういうことであるならば、大体今まで話したうちの一部だけで、あとは全部解決するのであります。
  22. 徳安實藏

    徳安説明員 これは先ほど申し上げましたように、各省間でまだ数字を詰めて緊密に話をしておりませんのと、最後防災会議にかけて決定することになっておりますから、私一人でここで断言はできませんけれども、過去に私どもの申し上げました御答弁等につきまして、私は忠実にこれを守っていきたいという考え方で努力するつもりでございます。
  23. 綱島正興

    綱島委員 それでは最後一つ住宅金融公庫区画整理中高層——これはぜひ中高層にやらして、げたばきを建ててりっぱにしなければならぬ。あそこだけは道路碁盤目になるように——幸いというか、火事が出たものだから、その火事のときにその分だけについては災いを転じて福となすように、やはり碁盤目の普通の町をつくってやらなければいかぬ。こういう点について、特に長官、その他ここに御出席皆さんは部分々々の御関係のところですから、各省にお持ち帰り願って、長官はこれを統括して、罹災民が、安心まではできませんが、まあこれならばということでいけるようにぜひ御処置を願いたいということを最後につけ加えまして、私の質問を終わります。
  24. 秋山利恭

    秋山委員長代理 中村重光君。
  25. 中村重光

    ○中村(重)委員 消防庁の方にお尋ねします。この福江災害に対しましては、先ほど来、地元市長並びに議長状況の報告がございましたし、また警察庁から先ほど御説明があったわけであります。三百九十二戸、七百九十七世帯という、全く福江の町村合併前の、いわゆる旧町の八割をなめ尽くすといったような大火であったわけであります。ところが、その原因はたばこの火からというわけであります。大火になったのは、非常に道路の幅員が狭かった、さらに、出火現場の道路一つ隔てたすぐ前にガソリンスタンドがあった、そのガソリンスタンドに火が燃え移った——どもがこの委員会で説明を受けたよりもっと詳しい事情を現地に参りまして聞いたわけでありますが、ドラムカンに火が入って、そうして火の玉がどんどん飛び散る、そういうことから大火になった、福江の周辺の消防隊もどんどんかけつけたが、どうすることもできなかった、消防自動車は火が燃えているところに入ることができない、道が狭い、ヤジウマが集まってくる、こういったことで、せっかくの消防機能が発揮できないといったことが、三百九十二戸、七百九十七世帯という大へんな火事になってしまった、こういうことであります。そのことから考えてみますと、ガソリンスタンドの設備というか、あるいはそこに許可をしたといったような問題に対して検討を要する点があるのではないか。さらにまた、破壊消防というものはどういったような場合にそれを行使するか、こういうことに対しての指導をどのように行なっておるのかということ、これはこの後の問題として非常に大切な点ではなかろうかと思うわけです。そういう面からいたしまして、福江の事情に対しましての報告も出ておろうかと思います。従いまして、それらのことに対しましていわゆる消防の面からの御意見を伺ってみたい、このように考えます。
  26. 川合武

    ○川合説明員 福江大火につきまして、いろいろ土地の条件その他ございますが、私どもの常日ごろの指導の不十分であったことも率直に認めまして、かかる大火に至りましたことを申しわけないと思っております。お尋ねの点でございますが、第一点はガソリンスタンドの問題でございましたが、まず、ガソリンスタンドに対します私どもの一般的な規制の概要を申し上げますと、百リットル以上のものを取り扱いますところのものにつきまして、これを給油取扱所といっておりますが、これに対しましては、設備、構造につきまして一定の基準を設けまして、許可事項といたしております。その基準の概要を申し上げますと、敷地でございますが、敷地が、自動車が出入するための間口十メートル以上、奥行き六メートル以上の空地を保有するということを必要といたしております。第二に、油をたくわえます施設でございまして、地下貯蔵タンクを設けることを必要といたしております。第三に、道路境界線あるいは敷地境界線及び建築物の壁からの一定の距離の間隔を必要とするということにいたしております。さらに、建築物の構造につきまして、耐火構造あるいは不燃材料でつくるというようなことを必要といたしております。あるいは周囲のへいをどういうふうにするというようなことも基準にいたしております。また、危険物取扱責任者の制度を設けまして、資格試験、免状の措置をいたしております。これは昭和三十四年に消防法改正をしていただきまして、危険物取り締まりを適正化した次第でございますが、その前は、市町村それぞれの条例によりまして大体似たような取り締まりと申しますか、規制をいたしておりました。  今回の福江市に所在いたしますところのガソリンスタンドは、実はこの消防法改正前の福江市の条例によって許可されたものでございますが、消防法改正に伴いまして、この法に基づくことになりまして、あそこは消防本部がないところでございますので、県知事に移管されております。ただ、実際といたしまして、従来から所在しまして従来の市町村条例によって許可されたものにつきましては、改正されました消防法と多少食い違いましても、急激にこれを強制することでなくして、漸次指導によってこれを直し、高めていくということを全国的にいたしておりますが、この福江市のガソリンスタンドにおきましても、間口、奥行き等の敷地の点で不十分でございますので、従来から再々危険の勧告をいたし、あるいは改造の勧告をいたしておったものでございます。また建築物につきましても、耐火建築で不燃材料を使っておりますが、木造の部分がございますので、これにつきましても不十分であるということで指導をいたしておったわけでございます。で、当日の地下のガソリンの貯蔵につきましては、これは十分でございますので、この点からの火事との結びつきはないと思います。ただ、若干の潤滑油をこのスタンドに置いておりまして、その量につきましても、これはわれわれの指導いたしております面からおきますと、やや多量の油があったというふうに認めております。ただ、お話の点でございますが、率直に言わしていただきますならば、この火事の火勢と油との関係でございますが、何分にも非常なる火勢をもちましての火事でございまして、このガソリンスタンドに所在しましたところの油によって火事がどれだけの火勢を加えたかという点につきましては、私どもの見地からいたしますと、さらに慎重な検討を要する点でございます。ただ何分にもあのような大火でございますし、非常な危険物等を取り扱って、いやが上にも十分に慎重な取り扱いをしてもらわなければならないところでございます。私ども消防といたしましてもさように指導せねばならぬのでございますので、どれだけの油があったからどれだけの火勢になったかという数字的な基準につきましては、数字的にその因果関係を申し上げるわけにはいかないにしても、今後われわれといたしまして十分注意していかなければならない、かように考えております。  なお、第二点の破壊消防につきましては、これは私どもとしては実は指導をもう少し行なわなければならなかった問題であるというふうに率直に思っております。若干の試みをいたしたようでございますが、あれだけの火勢におきまして、ああいう地理的条件におきまして、ことに資材と申しますか、機材という点につきまして、これは破壊消防をいたすことができなかったのでございます。現地消防団にそれを期待するにはあまりにも火事の方が大きうございまして、要するに、現地消防団は一生懸命やったと思いますが、これに対します機材の手当その他指導面におきまして、私どもも今後考えなければならない点があるというふうに率直に思っております。
  27. 中村重光

    ○中村(重)委員 御答弁通り、私は消防団活動というものに手落ちがあったようには感じません。確かに消防団は、相当遠距離からも三十分以内には現場にかけつけるといったような機敏な活動をやっておるようであります。また、警察のきわめて機敏な措置によって、あのような大火に一名の死亡者も出ておらず、九名の負傷者を出したという程度のようであります。従いまして、警察官並びに消防団活動ということに対しまして、ここでその行動自体に対しましては申し上げることはございません。ただしかし、破壊消防ということに対しましては、今後十分検討をしていただかなければならない、このように考えております。まあここまでは燃えてこないだろう、こういうことで破壊消防をやらない。破壊消防を適当なところでやっておったならば、相当消火もできるといったようなこともあるのではなかろうか、こう考えますから、その点に対する指導は十分これをやっていただきたいということを強く要望したいのであります。  そこで、市の中心部というのは焼け野原になってしまった。先ほど綱島委員からもお話がございましたが、十字路というのはあれほど広いところにただ一カ所だといったようなことで、火元からまっすぐ突き当たったところは迂回して参りますが、道路はまっすぐいってない、これをまた迂回していかなければならぬ、こういうふうに、非常に道路の幅員が狭かったということが、せっかく消防団がかけつけてきたけれども、火が燃えているところまで消防車が行くことができなかった、そういったことがあのような大火になったということを考えてみると、消防庁の立場から、今度火災あと復旧をしなければなりませんが、この復旧に対しての意見なり希望というものがあるのではなかろうか、私はこう考えますが、それらの点に対する考え方一つ聞かしていただきたいと思います。
  28. 川合武

    ○川合説明員 お尋ねの点でございますが、確かに福江市の地形と申しますか、町の形が、私どもの消防の点から言いますと、非常に悪条件の結晶のような町——というと語弊がございますが、町のつくりでございまして、あの火事、あの火勢、あの地形におきましては、私ども一つの問題は水利の点と考えておりますが、あわせましてあの地形では、現在のあの福江市の消防力では初期防火に成功しなかったので、火の勢いがあれだけになりましてから、もはやいかんともしがたい当時の状況のように思います。私どもは与えられた条件で十分な努力をいたさなければなりませんので、とやかく申し上げる意味ではございませんが、消防の点から言いましても、新しく復興する福江市が、十分なる都市構造と申しますか、防災的な見地からも十分なる道路その他の都市の整備をしていただきますことを期待いたしております。
  29. 中村重光

    ○中村(重)委員 そこで、具体的な問題に入って参りたいと思いますが、先ほど綱島委員から、激甚災害法適用に対してその御質疑があったわけであります。総務長官の御答弁通り、私は、さきの臨時国会で成立をいたしました激甚災害に対処するための特別の財政援助法律は、この福江火災の場合には適用され得るという考え方の上に立っております。ところで、この適用されるということになるのであるけれども、これは漏れ承るところによりますと、本日政令で大体そうした運びに手続が行なわれるのではないかということも聞いておるのでありますが、いわゆる市町村は標準税収入の一〇%以上、都道府県は二〇%以上、このことに対しましては、私どもがこの法律を成立せしめた当時、市町村の場合は五%ないし一〇%、都道府県の場合は一五%ないし二〇%という附帯決議をつけておるわけであります。このことに対しましてはあとで伺ってみたいと思うのでありますが、この標準税収入という問題にひっかかってくるということを心配いたしておるのであります。そこで、先ほどの御答弁の中にもありましたいわゆる第二種公営住宅を建設する場合に、当然地元の福江市の負担というものが出て参ります。従いまして、この負担額が標準税収入の一〇%以上ということになりますれば、当然これは指定を受けることになるでありましょう。さらにはまた、第三条の一号に、公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法、この規定適用ということによりまして——ただいま消防庁次長答弁をされましたように、従来の道路幅員という形によってまた建築物を施設するということになって参りますと、再び今度のような火災発生するという危険があります。従って、そのような危険がないようにするためには、当然道路幅員を広げていく、あるいはいろいろとゆがんでおる道路はまっすぐにしていくといったような道路計画をあわせ行なっていくということが必要になってくるわけであります。従いまして、これらの点に対しましての激甚災害指定、いわゆる標準税収入政令で定められる負担額以上の負担が行なわれた場合におきましては、当然この指定を受けるという形になってこようかと私は思うのでありますが、それらの点に対する考え方を聞かしていただきたいと思います。
  30. 徳安實藏

    徳安説明員 ただいまの御質問にお答えいたしますが、激甚災害指定政令で行ないますが、その政令は第二条によって行なうものでございまして、ただいまのような百分の二十とか百分の十というものとは関係ないのであります。
  31. 中村重光

    ○中村(重)委員 ただいまの御答弁、ちょっと聞き漏らしたのですが、第何条ですか。
  32. 徳安實藏

    徳安説明員 第二条によりまして「当該災害激甚災害として政令指定するものとする。」ということになっておりまして、激甚災害指定いたしました場合には、防災会議で決定をして政令で出すということになっておるわけであります。従って、今お話しになりました百分の二十とか百分の十とかいうものは、激甚災害指定されてから後の今度は補助に対する問題でございますから、この数は字とは関係がないことになります。   〔秋山委員長代理退席、田中(正)委員長代理着席〕
  33. 中村重光

    ○中村(重)委員 そうしますと、第二条の「国民経済に著しい影響を及ぼし」云々というのがあるわけでありますが、これによって政令指定する、こういうことでありますが、そうなって参りますと、先ほど綱島委員の質問に対しまして総務長官は、福江市の大火は、鹿児島の例等から考えてこれは相当の大火であるので、激甚災害指定をしなければならない、こういったような前向きの答弁であったわけでありますが、第二条によって、今報告されておる福江市の大火状況等から判断をして、この激甚災害指定をしなければならぬ、こういったような考え方の上に立っておるということを了承して差しつかえございませんか。
  34. 徳安實藏

    徳安説明員 先ほどお話し申し上げましたように、この災害はごく最近のことでございますために、まだ各省間の被害調査等の持ち寄りの会議等も開いておりませんので、はっきりした御答弁を今日申し上げることはできませんが、かつて私どもがこの法律案御審議の際に御説明申し上げましたごとく、この第二条の政令指定する場合にはどういうものをするのだという御質問がしばしばあったわけでございます。これに対して政府では、過去において特別立法で行なわれたようなものはおおむねこれに入れます、その方針でございますということを御説明申し上げておるわけであります。ところが、今度の福江災害を拝見いたしますと、まだ数字的にはっきりしたものは持っておりませんが、昨年鹿児島に起きました火災、あれにどう考えても今の数字では劣っていないように考えられるわけであります。あのときも特別立法をいたしておりますから、そうしてちょうどこの激甚災害と同じような適用をさしておりますから、そうした趣旨から言えば、鹿児島火災にうんと劣っていれば別でございますけれども、そうでない限りは、当然これに入るように努力すべきではないかという考えを私は持っておりますので、これはいずれ防災会議に一切の書類を出しまして審議を仰ぐことになりますから、その結果を待たねばなりませんけれども、私の考えといたしましては、もし過去における特別立法によって行なわれた措置より以上のものであるならば、当然これに入れるべく努力をすべきものだ、かように考えて御答弁しておるわけでございます。
  35. 中村重光

    ○中村(重)委員 従来の特例法というのは、いわゆる地域というものが大体対象になっております。ところが、激甚災害の場合におきましては、災害の地域であっても、その地域の中にある都道府県なり市町村の負担というものが比較的軽かった。こういったような場合におきましては、標準税収入の比率の面からいたしましてこの指定を受けられないという面が出てくる、こういうことに私ども考えておるわけであります。従いまして、この福江市の場合におきましては、ただ福江市という局地的な災害、こういうことになって参ります。ところが、この法律は、地域的ではなくて、その都道府県なり市町村の負担額が、要するに標準税収入と見合って相当高率であるという場合——これはもちろん基準政令で定められるわけでありますけれども、高率であるという場合におきましては当然指定をしなければならぬ、こういうことになってこようかと思う。従来の特別措置というものは、どちらかといいますと局地的なものはあまり激甚災害とは考えられていなかった。ところが、この激甚災害法律というようなものは、いわゆる地域でなくて、その当該の都道府県なり市町村の負担額に重点が向けられるようになって参りましたから、当然福江のような大火はこの指定を受けるべきものである、私たちはこういったような解釈の上に立っておるわけであります。ところが、いろいろと伺ってみると、従来の実績といったようなものもあるので、なかなかむずかしいのだというようなことがいわれておるのであります。そういう面から先ほど来の綱島委員の質問という形になったと私は思っておりますが、ただいま総務長官の御答弁によりますと、標準税収入といったようなものにかかわらず、いわゆる第二条による国民経済に著しい影響を及ぼした、こういう面からいたしますと、福江市の場合は離島である、しかも福江島の中心福江市にある、その福江市の中心部の八割近いものが焼き尽くされたということになって参りますと、いわゆる地域的においての国民経済に対して著しい影響を及ぼした、こういう考え方の上に立ちますならば、当然指定を受けるべきものである、こう考えておったのであります。しかし、ただいまの総務長官答弁によりましてさらに確信を得ましたので、私はこのことに対しましてはあまりむずかしくここで質問をいたしません。ただいまの御答弁通り、これは国民経済に相当大きい影響を及ぼす、こういう考え方の上に立って、指定をされるように努力をしていただきたいということを申し上げまして、この点に対しましての質問はこの程度にとどめておきます。  次に、中小企業の金融の問題につきまして質問をいたします。  福江市の中小企業の被害額はどの程度になっておるのであるか、また中小企業の救済のために通産省はどのような措置を現在までとっておられるのであるか、さらに、通産省の方にも出ておると思います、大蔵省の方にも出ておると思いますが、私どもの方に参りました要望事項の中には、中小企業金融公庫三億円、国民金融公庫三億円、商工中金一億五千万円、計七億五千万円が、復旧のために最小限度必要な金額であるという具体的な陳情が参っております。これらの点に対しましてどのような措置考えておられるのであるか、この点を承ってみたいと思います。
  36. 樋詰誠明

    ○樋詰説明員 中小企業関係の被害につきましては、福岡の通産局の方から私どもの方にきております報告では、二十一億一千四百万円ということに相なっております。それからこの被害の復旧のための融資の期待額につきましては、ただいま中村先生御指摘のように、とりあえず三金融機関で七億五千万円程度の必要があるのではないかといっております。特にさしあたりは、国民金融公庫の三億円程度の融資期待が一番早急に必要とするのではないかという報告を受けております。これに対しまして、われわれの方は、指定金融機関を督励して現地の事情を調査中であります。まず、中小企業金融公庫につきましては、福江市に支店があります三つの金融機関、すなわち九州相互銀行、十八銀行、親和銀行の三代理店を通じまして、被害状況、融資期待額の調査をしておりますが、大体今までのところ相談を受けました件数は二百二十六件、四億六百五十万円程度の金がほしいという一応の申し込みをいただいております。それから国民金融公庫につきましては、一昨十月二日、とりあえず一億円の別ワクを配賦しまして、緊急に貸し出しに応ずるようにという措置をとってございます。なお今後さらに全体的な計画の進行等につれて必要な措置をとっていきたいと思います。商工組合中央金庫につきましては、昨日長崎の支店長が現地に行ったはずでございまして、まだこの支店長の調査の報告は本日まで受けておりませんが、昨日までのところ、商工組合中央金庫と関係のございます福江市所在の六組合の中で、雑貨と時計、鮮魚の組合、その関係から、合計いたしまして四百万円の既往貸付について償還期限延長の申し入れがあったということでございますが、具体的の借り入れの申し込みというところまではまだいっておりません。
  37. 新保実生

    ○新保説明員 ただいま中小企業庁の長官からお答え申し上げた通りでございます。政府関係の国民金融公庫中小企業金融公庫並びに商工組合中央金庫から、災害復旧資金につきまして遺憾のないように融資方をやって参りたいと考えております。  なお、現地の金融機関の窓口の問題でございますが、国民金融公庫につきましては、目下のところ代理店が一カ所でございますので、もよりの支所から職員を派遣いたしまして、直接貸付を迅速にやるというふうに手配してございます。
  38. 中村重光

    ○中村(重)委員 どうも何というか、福江市の現状というものを私どもは見て参りましたために、何か取り組みが弱いような印象を特に受けるのだろうと思うのです。現地では毎日連絡会議を各種団体が集まって実はやっておる、そして復旧に対しまして、適切な措置を講じておる、さらに中小企業の金融の問題、いわゆる被害額の算出、それから借り入れの申し込み、そういったいろいろなことをやっておるのを私どもは見て参った。被害総額は三十九億四千二百万円、そのうち中小企業関係の被害額は実に二十一億一千万円、これに対して保険に入っておりますので、保険の収入がある、手持ち資金がある。さらに、この連絡会議には地元銀行は三行ともに出席を毎日いたしておるのであります。私どもも直接地元の十八銀行、九州相互、親和三行に対しましてもいろいろと質問をいたしました。そういう面からいたしまして、地元銀行が融資に応じ得る金額といったようなものを合わせまして、十三億六千万円程度が精一ぱいである。これがただいま申し上げました自己資金、いわゆる手持ち資金、保険の収入、地場銀行の貸付、そこで不足の七億五千万円がどうしてもこれは政府融資に待たなければならぬ、こういったような現状であるわけであります。私がいろいろ申し上げるまでもなく、離島というものは、国民生活が陸地のものと比較をいたしまして非常に低い、工業が非常に少ない、経済というものはほとんど農業、商業あるいは漁業というものに依存をしておるというような状態の中におきまして、今度ほとんど商店街がやられたということは、実に甚大な影響というものが起こってくると私は思うわけであります。従いまして、申し込みが参っております。億五千万円、この金額にはぜひ応じてやらなければならぬといったような、そういう取り組みがほしいと思うわけであります。これに対しまして、重ねて一つ通産省と大蔵省の積極的な考え方というものを聞かしていただきたい、まずその点に対して御答弁を伺いたいと思います。
  39. 樋詰誠明

    ○樋詰説明員 一応七億五千万円といいますのは、現在までに大体この程度のあれがどうしても必要ではなかろうかという推測でございまして、先ほど申しましたように、まだ具体的にこれこれの申し込みがあったということは調査中の段階でございますが、具体的に申し込みが参りましたならば、これはできるだけその御要望に応じ得るようにということを大蔵省と相談いたしまして、別ワクの配賦その他につきましても今後努力して参りたいと考えております。  なお、先ほど申し落としましたが、県の方で災害特別保証制度を設けまして、保証協会の保証料率も一厘下げて、それから大体五億円程度の貸し出しを保証協会の保証を通じてやろうということを計画しておられるようでございますが、それに対応いたしまして、保険公庫の関係といたしましても、近く十二日にに保証協会から人が出てくるようでありますので、その報告を聞いた上で、五億円の貸し出しが円滑に行なわれるようにということについて、公庫からの特別融資その他必要な措置を講ずるということをいたしたいと思って、現地の責任者が見えるのを今待っておるのでございます。
  40. 新保実生

    ○新保説明員 福江の地元の関係の方々から、七億五千万円の融資期待額の話があることは承知いたしております。ただ、従来の扱いといたしまして、最初からその融資期待額をそのまま別ワクで配賦するというような扱いをいたしておりません。具体的にそれらの方々が窓口に御相談に参りまして、それを個々に処理をいたしまして、そのつど別ワク配賦というような扱いをいたしております。そういう意味におけるさしあたっての資金手当が国民金融公庫の一億だ、こういうことでございます。今後必要に応じて適当な措置をとって参りたいと思っております。
  41. 中村重光

    ○中村(重)委員 私ども現地に参りました際も、実はちょうど今御答弁のあったようなことですね、一日も早くすみやかに被害額をはじき出して、そして借り入の申し込みをしなければならない、そういうものがおくれると、七億五千万円絶対必要であるといっても、時間的になかなかおくれるからということを注意して帰ったのであります。従いまして、そのことに対しましてはこれ以上は申しません。ただここで注意を喚起しておきたいと思いますことは、九州水害の場合におきましても、国民金融公庫その他の金融機関に対しまして相当な資金の手当をなさった、ところが、その手当をされたけれども、その資金が全部貸し付けられていないということ、それならばそれほど必要がないのかということになって参りますと、地元に行って聞いてみますと、非常にむずかしいという、市町村長の証明が要るとか、なかなか厳格で、間接損害というものに対しては貸してもらえない、直接損害にいたしましても、いろいろと条件がきびしくて貸してもらえないのだ、そのために申し込みをしても断わられるし、申し込みを控えておるといったようなこともあるのだということが実は現地の声でありました。従いまして、十分その点には留意されて、これは間接損害に対しても当然融資をしなければならぬと私は思う。あまりきびしくされないで貸し出しをやって、一日も早く復旧させる、こういう取り組みをしていただきたいということを強く要望いたします。この点に対しましての質問はこれで終ります。  都市計画の問題に対しまして、もう少し積極的な考え方一つ聞かしていただきたいと思いますが、元ほど綱島委員の質問に対しまして、そうした特例法ができたならばそれでやるのだ、こういうことであります。これは法律ができればそれでやることは間違いありません。ところが、福江市といたしましては、今度のような災害が再び発生してはいけない、こういう考え方から、相当道路幅員を広げていく、あるいは建築なんかにおきましても、できれば一つ木造建策を建てないで、中高層の耐火構造の建築をやりたい、こういったようなことでありますが、そうなって参りますと、相当の期間が必要になってくるのではないか、このことが、地元の商店街で災害をこうむった商店の人たちは、一つの何というか、不満に近いようなものも出てくるおそれがあるということであります。相当期間がかかってくるのではないか。ですから、これらの点に対しましては、すみやかな都市計画の実行が必要になってくるのではないか。さらにまた、先ほど来地元の市長、議長より陳情がございましたように、この都市計画の大幅の補助といったようなことに対しましての取り組みもしなければならないのではないか、このように考えますが、これらの点に対しましてどのような態度で対処せられようとしておるのか、その点を一つ伺ってみたいと思います。
  42. 谷藤正三

    谷藤説明員 ただいまの問題に対しましては、実は災害の情報が入りました当日に、技術官を二名私の方から派遣しております。それが本日帰ってくることになっておりまして、大体の都市計画の問題は、街路網につきましては、現地で県と市とほぼ打ち合わせが終わりまして、きょう帰ってくる予定になっております。それを見ましてから、直ちに都市計画の審議会にかけることになりますが、それが終わりましてから今度は土地区画整理に入ることになります。従いまして、時間的に申し上げますと、大体の道路の形が現地におろせるのは今月の二十日ごろになるかと思います。そのあと、どうしても法律上やらなければならない順序がございます。また、地元の方々に、全部計画がきまりますと、見せなければならぬという義務もございますので、そういう期間として途中で二週間という期間が食われます。そういう関係で、実際に法的に全部きまりますのはどうしてもだいぶ延びて参ります。ただ、道路がきまりますと、全体の街路に面した面、そういうところは大体の形がきまって参りますけれども、御承知のように、あそこの土地は、土地の割合には戸数が非常に多うございまして、非常に細分化されておりますので、そういう換地の問題が、ほかのところと違いまして、仮換地が簡単にいくかどうかということが問題点になると思います。仮換地が、地元の皆さんから非常に御協力いただきまして非常に早く進みますと、法の方が多少延びましても、順序的には仕事は順々に着手していけるという格好になるかと思いますが、何分にも戸数が非常に多いものでございますから、換地の配分がうまくいきませんで地元から苦情が出るということになりますと、自然に延びてくるという格好になりますので、その点で私でもの方から地元に対して御協力いただくように特にお願いしたいと思っております。
  43. 中村重光

    ○中村(重)委員 総務長官にお伺いいたしますが、激甚災害法指定を受けるということになって参りますと、都市計画との関係——この都市計画は、ただ何にもないときに都市計画をやるということでなしに、災害復旧という立場、再びそのような災害を繰り返さないように都市の整備をしていかなければならない、こういうことになるわけでありますが、この激甚災害と都市計画との関係、いわゆる高率補助関係になって参りますので、この点に対して伺っておきたい。  もう一つは、この点も先ほど綱島委員から御質疑があったのでありますが、いわゆる中高層の耐火構造ということになって参りますと、従来の公営住宅というものの概念からはずれてくるのではないか。そうなって参りますと、指定を受けても、この中高層のいわゆる耐火構造の建設というものは、住宅金融公庫の貸し出しは従来の利率、その他貸し出しの金額も従来の通りということになって参りますと、非常に経済力の弱い福江市並びにこの被災者といたしましては、どうにもならぬという状態に追い込まれて参ります。これらの点に対しましてどのような考え方を持っておられるのか、伺っておきたい。
  44. 徳安實藏

    徳安説明員 お説の通りに、区画整理につきましては、激甚災害法適用をいたしましても、今の法の建前から申しますと適用を受けないようになっておるようでございます。  中高層の問題につきましては、私はあまり詳しく存じませんから、これは建設省の方からお答えしたいと思います。
  45. 関盛吉雄

    関盛説明員 ただいまお尋ねのございました、中心の商店街の復興の際に実施いたします中高層の建築に対する融資を公庫はいたしておりますが、公庫の利率並びに中高層の償還期限につきましては法律で定められておりますので、現実の事態に即応いたしまして、先般上京されました知事さんとも相談をいたしたのでございます。まず、中高層の建築物を実施いたします場合には、ただいま先生からお尋ねのございましたような都市計画の街路決定、それに引き続いていわゆる防火地域の指定、その防火地域における防火地区の造成のためには、防災建築街区造成法という法律がございまして、従って、それの地域指定を行ないまして整備の促進をはかるための補助金を導入する道があるわけでございまして、まずそういうことをやりまして、その上で個人の住宅を入れました店舗の中高層の融資をやっていくということでありますれば、一つのベースの手がかりができるのではないか、そういうふうに考えております。  償還期限の問題につきましては、県の住宅協会等の融資の問題とからみ合わせまして、実情に合うように何とか工夫をしたいという知事さんの御意見もありましたので、われわれも、法律の改正問題というきわめて困難な問題がありますから、できるだけそういう方向で御指導を申し上げたいというふうに現在のところまず考えている次第でございます。
  46. 中村重光

    ○中村(重)委員 都市計画が激甚災害と直接の関係を持たないということに対しましてはわかるのであります。しかし、福江市の場合におきましては、道路そのものはやられてはいない。道路が狭かったということが、あのような大火、いわゆる大災害というものを発生したということになって参りますと、こういった法律の拡大解釈というものが当然考えられなければならぬじゃないか、そういう考え方を持つのであります。この点に対しては検討の余地というものはないのかどうか。私は、第三条でありますか、これに基づいて検討の余地というものがあるのではないかと思うのでありますが、いかがでございましょう。
  47. 徳安實藏

    徳安説明員 先般御審議を願いました法律は、必ずしも完璧だとは考えておりません。あの御審議の際にも申し上げましたように、まあ一応適用実施いたしまして欠陥等が出ましたら、これは政府たると議員各位たるとを問わず、災害に対する考え方は同じでございますから、よく話し合ってそうして思い及ばなかった点を直すということは、決して政府はやぶさかではないということを申し上げておるわけでございます。先ほどお話がございましたように、火災等に対してはあまり深い配慮を行なわなかったというような委員各位お話もあるようであります。政府としましてはおそらくは配慮をしたと思いますが、配慮が十分でなかったかもしれません。そういう点につきましてどうぞ今後御研究いただきまして、政府ももっともだと思い、皆様の方でもごもっともだと思える点はどんどん改正していいと思いますから、一つ今後に残した問題として御研究をいただきたいと思います。
  48. 中村重光

    ○中村(重)委員 ただいまの総務長官答弁は、政治的な答弁というようには判断をいたしません。当然この法律は直さなければならぬということは、この法律審議いたしますときに、同様の答弁が再三繰り返されておりますので、私はその答弁は率直に受け取りたいと思っております。都市計画全般に対して激甚災害法適用するかどうかということに対しては問題があろうかと思っております。しかし、その都市計画の中のある部分というものは、これは当然災害復旧という概念の中に入れて取り扱っていくということは差しつかえないんじゃないか、私はこう考えますので、私どもも研究をいたしまして政府に対する意見を申し上げますが、どうぞ一つこのことに対しては積極的に取り組んでいただいて、そうして法を直すところは直していく、法の不備を補うということに、どうぞ一つただいまの答弁通りに対処していただきたいということを強く要望いたしておきます。  さらにまた、都市計画の面におきましても、先ほど来るる繰り返されましたように、できるだけ早くこれを実施するということ、それから補助のワクの拡大ということに対しましても、一つ特別の取り組み方をやっていただきたいということを要望いたしておきます。  災害公営住宅の問題でありますが、陳情書によりますと、災害公営住宅は五十戸の建築という陳情が出ておるようであります。これは従来の例からいいますと、九坪といったような非常にきゅうくつな制度があるようでありますが、この点は今改められておるのであるかどうか。災害公営住宅の一戸当たりの坪数並びに建築費、それからこれに対するところの補助、また具体的には、今度の福江市の災害について、災害公営住宅の割当等に対してどのように考えておられるのか、その点を一つ伺ってみたいと思います。
  49. 関盛吉雄

    関盛説明員 災害公営住宅でございますが、現地調査を終えまして昨日調査官が帰って参りました。この滅失戸数は四百十二戸ということになっておりまして、法律上、この地域における災害復興住宅は百二十三戸まで一応建て得られるわけでございますが、現地の御希望なり計画なりを聴取いたしました結果、当年災の復旧といたしましては五十戸というものを要請されたのでございます。従いまして、この要請に基づきまして、現実に現地におかれまして用地の取得の準備も目下進められております。構造等につきましても、木造の形式によることなく、簡易耐火の平屋建の形式によりまして、第二種公営住宅の規模の単価によりまして実施するということになっております。従いまして、現在の法律におきましては、三分の二を補助するということになりますが、先ほど来御意見も出ておりますようないわゆる補助率の問題につきましては、総務長官からお話がありましたように、十分検討いたして参りたいというふうに考えております。
  50. 中村重光

    ○中村(重)委員 災害公営住宅の問題は、激甚災害指定を受けるということになりますと、当然高率補助でありますから、私はこのことに対してはこれ以上申し上げません。ただすみやかに割当をやり、被災者を収容するということに善処していただきたい。いろいろ手続がめんどうなためにおくれおくれになって参ります。福江市といたしましては、きわめて積極的に精力的な復旧をやりたいというような熱意に燃えておるわこでありますので、地元のそうした要望にこたえて積極的な取り組みを強く要望いたしておきたいと思います。  いろいろお尋ねしたいこともございますが、他に質問の方もありますので、最後にいま一つだけお尋ねをいたします。  火災発生と同時に県当局はいち早く災害救助法の適用を発動いたしました。ところが、私ども現地へ参ってみますと、火災発生と同時に四千名を収容したところが、そう遠いところではございませんので、それぞれ縁故先に身を寄せるという形になって参りまして、収容者はずっと減って参ったのであります。ところが、事情の変化はあったといたしましても、わずか三日間でもってこの災害救助を打ち切っておるという事実を知ったのであります。しかも完全打ち切りというのではなしに、救助法自体が完全打ち切りということになりましたので、市はこれではいけないというので、苦しい財源の中から市自体が二日たき出しをやったという事実があります。厚生省はこの事実を知っておられるのであるかどうか、これらの点に対してどのように考えておられるのか、まず伺っておきたいと思います。
  51. 大山正

    ○大山説明員 厚生省関係につきまして一枚刷りの火災情報を差し上げてございますが、その中に、ただいまお話にありましたように、避難所におけるたき出しを一日、さらに二日間現物給与を行なって、三日間の救助を行なったことを申し上げておるわけでございますが、これは十月二日現在の情報でございます。その後判明したところによりますと、ただいま御指摘のありましたように、さらに引き続いて二日間の現物給与を行なっておるのでありまして、これは私どもといたしましては、当然災害救助法による応急救助の実施と考えるべきであるというように考えまして、合わせまして五日間災害救助を行なったものとして取り扱うように県の方にも連絡いたしまして、そうような措置をとることといたしております。
  52. 中村重光

    ○中村(重)委員 私はそういう手続の問題というものを中心としてお尋ねしておるのではありません。これは県は厚生大臣との話し合い、いわゆる厚生大臣の承認を受けてやっておるわけであります。従いまして、県が三日で打ち切った、こういうことは、あとで市が二日やったから、二日だけが必要であったのかということになって参りますが、そうではないと私は思う。三日間で打ち切られた、しかし、何としても今までたき出しをやってきたのに、もうあとはやらないということではいけないじゃないか、こういうので、市といたしましてはあと一週間でもやりたかったかもしれない、しかし、苦しい財源の中ではなかなかそうはいかないというので、市としては二日だけにとどめた、こういうことであります。それならば、その後そういう必要は市は考えておられないのかというと、そうではありません。近所の縁故先に行っている、あるいは相当離れた縁故先に行っている、わずかの現物の配給を受け取るために遠いところから歩いてこられません。そこで、その被災者が身を寄せている近くの配給所を通じて現物配給をやるということになって参りますと、それは災害救助法の制限事項に該当するのだ、それではいけない、こういうことで、このたき出しを、さらには現物の配給を三日で打ち切り、市も二日で打ち切らなければならないという状態に追い込まれた、これが現実であろうと思う。私は、この問題に対しましては、さきの臨時国会におきましても、厚生大臣を初め、あなたにもいろいろと質疑しました。三食わずか七十円というような金額ではどうにもならないじゃないか、また六日間を限度にしておる、こういうことに対しても、実は事実はそうではないのであって、二週間なり三週間たき出しをやらなければならないという現状もあのであろう、そういうことに対しましていろいろと意見も出し、質疑もいたしましたが、一応の目安だ、そう窮屈には考えていないのだ、こういうことであります。その後、三宅島のたき出しも、費用を見てみますと、大体百円ということになっておる。ところが、依然として今度はまた七十円と、何かの計算ではじき出されておるというようなことを聞くのでありますが、いずれにいたしましても、その金額は別といたしまして、この三日間、さらに市が二日やったのだから、五日間やらなければならない、こういう考え方の上に立っておるから、これは災害救助法によるたき出しである、こう認めたのだ、そういう答弁を私は求めるのではないのであります。考え方であります。県がどうして三日間で打ち切らなければならなかったか、これに対しては私は、厚生省の誤まり、もっときびしい言い方で極論して申し上げるならば、非常に冷淡な態度というものがこういう問題を起こしてくるのだ、こう考えるのであります。これらの点に対してはどのようにお考えになるのか、もっと熱意のある答弁を聞きたいのであります。
  53. 大山正

    ○大山説明員 たき出しにつきましては、ただいまお話がありましたように、一応の基準として六日間、あるいはまた、金額につきましても七十円というようにいたしておるわけでございますが、三宅島のように、長期間にわたって必要な場合には当然それを延期するような措置をとっておりますし、また金額等につきましても、長期間にわたったような場合にはこれを引き上げるというような措置をとっておるわけであります。福江市につきましては、一応県が三日で打ち切ったのでございますが、これは私どもが調べたところによりますと、当時県当局におきましては、市当局からの連絡によりまして、大体三日で打ち切ってよろしいという地元からの話に基づいて打ち切った、しかるに、実際の状況がやはりある程度延長する必要があるということで、市当局におきましてさらに二日間の現物給与を行なったということでございまして、県が予算あるいは厚生省の指示に基づいて当然やるべきことを三日間で打ち切ったというような実情ではないのでございまして、私どもは、必要ならばさらにその六日間というワクも延長することはもちろん可能でございますし、それらの点について現地実情に応じてやっていく、こういう考え方でございます。今回県がとりました措置につきましては、私どもは別に遺憾の点はなかった、かように考えておるような次第でございます。  なお、市がさらに二日延長しましたことについて、市単独の負担にするということは適当でないと考えますので、これは当然災害救助法による応急救助として県の負担とし、それに対して国が補助するという形をとるべきものだ、かように考えておるのでございます。
  54. 中村重光

    ○中村(重)委員 私は、県と市が何かいがみ合いをするようなことをさらにいろいろ申し上げたくはありません。ただしかし、今あなたの答弁の中に、市が打ち切れということであったから県も打ち切ったのだと言われるが、私たちはここにおられる倉成代議士も一緒に参っておりまして、現地の事情をよく聞いております。県としてのそのときの話し合いも、この問題に対して両者が話をしておる、そういったようなことも聞いておりますので、今あなたの答弁がその通りであるかどうかということに対しましては、私たちはそれなりに知っております。しかし、いろいろとそのことに対しまして深く申し上げません。ただ、あなたが言われた言葉の中に、県のとった措置に遺憾はなかったという断定の仕方は、私は問題があると思う。少なくとも厚生大臣の承認を受けて期間を定めたり、こういう金額を定めたり、いろいろな災害救助法の発動、この適用をやるのであります。そうなって参りますと、三日間のたき出しというものが適切であるのかどうか。市が打ち切れと言ったから打ち切ったのだ、そういう形式論を私は言うのではない。現実に三日のたき出しでよかったのかどうか。現実に市が二日間たき出しをやったということは、これはやはり必要であったから市がやっているのじゃないですか。しかも県はそこの現場へ行っておるのであります。一緒に連絡会議も行ない、これらの取り扱いをやっているのであります。そうなって参りますと、県が三日で打ち切ったというその事実が適当であったかどうかということに私は問題があると思う。市が言うたから県は打ち切ったのだ、そういう形式論で私は論議するのではない。対象はあくまでこの被災者であります。気の毒な人々に何とかあたたかい手を差し伸べていかなければならぬというところに問題があるのであります。そういう面において遺憾がなかったかどうかということを議論するということは、これは当然であろうと私は思う。そういう点に対しての考え方はどうなんですか。
  55. 大山正

    ○大山説明員 たき出しの期間の問題につきましては、私どもの承知いたしておるところによりますと、現地の市当局等の意見も聴取し、実情に基づいて、大体この程度でよかろうという判断をして一応打ち切った。ところが、実際問題としてやはりなお二日くらいやる必要があったので、市当局においてこれを実施したというように伺っているのでございまして、県の判断が全く正しかったというように私先ほど申し上げました点、多少言葉が行き違いであったかと思いますが、なおこれらの点につきましてはさらに詳細を調査いたしてみたいと思います。
  56. 中村重光

    ○中村(重)委員 厚生省は特にこういった面に対しては細心の注意を払って取り組んでいただきたい。これ以上申しません。   〔田中(正)委員長代理退席、秋山委員長代理着席〕  この医療機関の問題でありますが、公的医療機関は焼失をいたしまして、入院患者は、新聞の報ずるところによりますと、海を渡った長崎市に収容する、こういう状況のようであります。県といたしましても、あるいは市は申し上げるまでもなく、関係の医療機関の人たちも、非常に精力的に協力をしておるということは、これは実情として私どもは知っておりますが、厚生省としては、公的医療機関の復旧、あるいは私的医療機関というものも半数以上焼失いたしておるようでありますが、この点に対してはどのような取り組み方をしておられるか、措置一つ伺っておきたいと思います。
  57. 大山正

    ○大山説明員 私直接の担当でございませんので、詳しい事情を聞いておりませんが、医療機関の復旧につきましては、医療金融公庫から本日現地に担当の部長を派遣いたしまして、これからの融資について現地状況に応じてできるだけのことをするということで、本日現地に向かっておる、そういう実情でございます。
  58. 中村重光

    ○中村(重)委員 総務長官に、実は政令の問題等関係がありますので、お伺いをしたいと思いますが、時間もだいぶたちましたので、きょうはこの程度にとどめます。いずれ適当な機会にお尋ねをしたいと思います。  先ほど来答弁されました、積極的な考え方を吐露されたこの激甚災害法適用、いわゆる激甚災害地としての指定、また都市計画上との関係、あるいは公営住宅の建設あるいは中高層の建設に対するワクの問題等々、いろいろあなたの方に直接関係があるものとないものとございましょうが、どうぞ先ほど来の誠意のある答弁——答弁にとどまらず、現実にそれが実行されるように格段の配慮を一つお願いいたしたいと思います。  この程度にとどめまして、質問を打ち切ります。
  59. 秋山利恭

    秋山委員長代理 倉成正君。
  60. 倉成正

    倉成委員 綱島、中村両委員からいろいろ御質疑がございましたので、重複を避けて御質問を申し上げたいと思います。  今次の福江災害は、まことに不幸なできごとでございましたが、あれだけの災害でありながら、私も自民党の代表として現地に参りまして、現地の方々が非常に明るい表情で、しかも秩序正しく復興に努力しておられる姿にまことに敬意を表した次第であります。同時に、今次の災害に対してとられた建設省、厚生省あるいは防衛庁、中小企業庁、警察庁その他関係方面の御努力について、深く敬意を表する次第でございます。  そこで、福江の市民としては、災いを転じて福となすという気持で、何とかこの災害を契機にして明るい町をつくっていきたいという気持で一ぱいのようでありますが、私は先ほどからの同僚委員の御質疑と重複を避けて、現実的な問題について、幸い被災者の方々もおいでになっているようでございますから、一つ具体的にお伺いをしてみたいと思うのであります。ということはどういうことかと申しますと、私も現地の商工関係の方々その他被災者の方々と親しくひざを交えてお話をして参りました。そこで、そういった方々がどういう気持でおられるか、また政府当局に何を望んでおられるかということをお伺いしてみたいと思うのであります。  そこで、都市計画と区画整理、これはぜひとも今次の災害についてやらなければならないということは、県当局、市当局あるいは現地の住民も認めるところであります。しかしながら、この都市計画、区画整理と、被災住民、特に九割を占めます商工業者の生活あるいは立ち直りとの関係がいかにあるべきかということが、現地における一番重要な問題であります。そこで、都市計画にいたしましても、現地住民として考えますには、よりよい町をつくりたいということは当然であるけれども、しかし、名古屋のようなところで都市計画をやるのとは違って、地方都市である福江、人口も近い将来にそれほど急速に発展するとも考えられない福江市において、いかなる見地から都市計画を考えていくかということが第一の問題点であります。諫早の水害の際の諫早の都市計画においては、本明川の改修というにしきの御旗がございました。福江市の災害復旧、都市計画、区画整理については、火災予防という問題が一つの旗じるしになるかと思います。しかし、一体どういう見地から都市計画を考えていくかということが、一つ現地住民の知りたいところであります。  それからもう一つ大事なことは、区画整理事業をやって参ります場合に、おそらく事業主体は福江市当局になるかと考えますが、法律上の手続、住民の権利義務に関することでございますから、相当の期間を要することはよく承知しておりますけれども、八戸その他各地の大火災が起こったところで都市計画、区画整理を行なった際に、最も迅速にこういう計画を進めた場合大体どのくらいの期間がかかるのかということが、やはり現地住民の知りたいところであります。都市計画、区画整理がきちっときまってから本建築を建てるのが当然でありますけれども、その間に商工業者としては一体どうして住宅を建て、あるいは商売をやっていくか、本建築は建てられないけれども、仮の建築をそういう区画整理の区域内でどうやって建てていったらいいか、どういう規制があるかというような問題について、現地の方々は全く御存じないという実情でございますので、まず、ただいま申し上げましたように、どういう見地から都市計画、区画整理をやるか、最も迅速にやった場合にどれだけの期間でこれができ上がるか、その間において被災者の住宅を建て、あるいは商売を営んでいく場合に、どうしたらよいかという点を具体的にお答えいただきたいと思います。都市局長あるいは住宅局長からお願いします。
  61. 谷藤正三

    谷藤説明員 都市計画の立て方をどういう見地から行なうかという問題につきましては、先ほど申し上げましたように、現在私どもの方の技術官が二名現地に行っておりまして現地調査をいたしておりますが、火災の起きた当日に県の計画課長とお話をした経過を申し上げますと、大体旧来の城下町で、非常にこまかい、戸数も非常に多い、そういう関係もありまして、とりあえずは火災に対する対策をどう立てるかという問題で、東西と南北の道路につきましてはこれを通したいという考え方を第一点で申し上げております。ただ問題は、従来の道路が全部丁字路になっておりますが、町の方の住んでおられる方々には相当問題あるいは意見があるかもしれませんけれども、原則的には一応十字路の形で、南北の通りについては、北から川が入っておりますが、川まで通る通りと、東西に通ります道路はできるだけ直線で通したいというふうに一応基本線をきめまして、そのあとから全体の計画を立てる。現在の被災面積は、坪数で申しますと約三万七千坪でございますが、一応今のところ区画整理をやりたいと思っておりますのは五万坪、これは被災地を全部含めまして、その前後を含めた全体計画を立てたいということで今計画をしておる次第でございます。  それから期間の点でございますが、大体きょうで全部県との打ち合わせが終わりまして、大体基本線は立てて帰ってくるはずでございます。帰って参りましたら、十分検討いたしまして計画線を決定いたし、大体の案を作りまして——それから測量は本日から始めておりますので、大体の今の計画で意見がなければ、非常に早くできる格好になると思います。ただ、都市計画を決定いたしますための審議会を通さなければならない。法的な機関がございますので、順調に参りまして十月の三十日、これが一応都市計画決定の時期になるのではないかと思います。ただ、その場合に、測量が済みますと大体の地割りができて参りますので、いろいろ現地の方の調整がうまくいきますれば、ある程度現地のバラックなんかも建られるという格好になると思います。  それから区画整理の問題につきましては、事業決定をいたしましてから施行規程をつくり、事業計画を立てまして、これも一応縦覧期間が二週間というものがございますが、ただ先ほど申し上げましたように七百九十二戸という世帯数がございまして、これの換地の問題がからんで参りますので、その換地の関係が順調にいくかどうかということが結局勝負になります。それがうまくいきますと、今までの八戸あたりの例から参りますと、全員が納得していただいて施行できるという格好になるときが、大体今年十二月の末ごろになるのではないかと思います。ただ、その間に三十平米以下のバラックは建てられますので、これは建てて早く入っていただきまして、、また今度区画整理が行なわれまして、適当なところに換地がきまりまして移転するということになりますと、その移転につきましては補償を払いましてまた入っていただくというふうになりますので、その点は現地の方にはなるべく御迷惑をかけないように早くやりたいと思っております。
  62. 関盛吉雄

    関盛説明員 罹災地の建築規制の問題につきましては、今回の罹災地の復興計画を前提といたしました期間最小限度の間に建築物の規制をしたいというのが現地考え方でございまして、目下建築基準法によりまして建築の規制が行なわれております。この規制の期間は法律上一カ月ということになっておりますが、必要によりましてはさらに一カ月間延伸するということになっております。従って、ただいま都市局長からお答えいたしておりますように、都市計画のいわゆる公共施設の基本線か定まりますれば、大体におきまして仮設のものはそれぞれ必要な場所につきまして十坪程度のものを、もとより現在でも知事の許可があれば建て得る、こういう仕組みになっておりますので、県の方では、ただいまのところ共同的な利用の用に充てるようなものをまず優先し、さらにその見通しを得て十坪程度のものを仮設として許可していきたい、こういうことでございます。もし区画整理が実施されました場合におきましては、その仮設の建築物を含みました移転費等が区画整理の事業の対象になって見られる、こういうことでございますから、その点そのように御了解をお願いいたしたいと思います。  なお、公営住宅等につきましては、市の計画では罹災地外の地域に建設される予定でございますので、これは先ほどお尋ねにもございましたが、急いで予算の裏打ちをやるように努めたい、こういうように考えております。
  63. 倉成正

    倉成委員 ただいまの御答弁でよく了解できるわけでありますが、都市計画を火災予防の見地から、また従来無秩序であった町の形をもう少し近代的にという気持については了承いたします。同時に、現地実情というものもございますから、やはりこれらの現地の声も取り入れることができるものは一つ十分取り入れて都市計画をお立ていただきたい。特に離島の地方都市でありますから、先ほども申しましたように、大都会の都市計画とはやや趣を異にしておるということを申し上げておきたいと思います。  それから、ただいま住宅局長並びに都市局長からお話がありまして、よくわかったわけでありますけれども、一応今建築基準法で建築制限をしておる、これはごもっともなことですが、結局現地の住民は、都市計画、区画整理ができるまでは、一切何も建てることはできないんだというような感じを持っておるわけであります。そこで、実際商売人が六カ月も幾らも何もしないでおるというのは大へんなことでございますから、ただいまお話しのように、都市計画がほぼ基本線がきまれば、十坪以下のバラックを建てて、そこで商売をやる、これを撤収する場合には補償費が若干支払われて、それを含めて都市計画、区画整理が行なわれる、こういう点を一つ十分——これは専門の皆様方から見れば当然のことでありますけれども、初めてのことでございますので、現地では十分承知しておりません。徹底できるように御配慮をいただきたい。なお、都市計画、区画整理が行なわれた後の住宅建設については、幸いに、公営住宅については五十戸の申請が出て、これについてはいろいろ御配慮をいただいておる。また災害融資住宅につきましても、相当現在のワクがあるので、できるだけ現地希望に応じようという住宅局長お話でございますので、これらの点につきましても、一つ格段の今後の御配慮をお願い申し上げたいと思います。  そこで、こういった都市計画あるいは区画整理とからみまして地元の商工業者が関心を持ちますのは、やはりとりあえずの生活資金、またりっぱな本建築を建てた後の立ち直り資金というのが問題になってくるわけでありますが、とりあえずの生活資金としては、厚生省の世帯更生資金が問題になってくるかと思います。厚生省の世帯更生資金についてどういうお手当があるかということが第一点。  それから中小企業関係では、国民金融公庫の一億の特別ワクをとりあえず設けていただいて、直接貸しについても現地に窓口を設けて格段の御配慮をいただく、あるいは中小企業金融公庫、商工中金等についてのいろいろな対策については、まことに適切な施策と思うのでございます。しかし、保証人、担保ということについて非常に問題がありますので、具体的な対策として出て参ります問題は、おそらく福江市あるいは県の損失補償条例というようなものによって、担保力のない人々についてそういったカバーをしていくというのが、具体的な対策として出てくるのではないか。いかほど金融機関が努力されましても、全然手ぶらでお貸しするというわけには現在の制度ではいかないのではないかと思いますので、そういった点について一体どういうふうにお考えになっているのか、厚生省と中小企業庁とにお尋ね申し上げたいと思います。
  64. 大山正

    ○大山説明員 世帯更生資金でございますが、本年度から世帯更生資金の中に災害援護資金というワクを設けまして、災害等ございました場合に、立ち直りのために必要な人に対しまして、特に低所得階層が対象になるわけでございますが、一件当たり十万円を限度とする資金の貸付を行なうことができることに相なっておるわけであります。ただいま現地からの連絡では、約二千万円程度のワクがほしいということを申しておるのでございますが、これらの点につきまして、金額が確定次第、現地に若干の保留分もございますので、それらとにらみ合わせまして必要な措置をとりたい、かように考えております。  それから保証の問題につきましては、世帯更生資金は保証人を立てることになっておりますが、これは民生委員あるいは市町村長といったような方がなる場合もございますし、物的担保は要りませんので、これらの点は円滑に進むであろう、かように考えております。
  65. 樋詰誠明

    ○樋詰説明員 政府関係の金融機関といたしましては、できるだけ担保条件を緩和するということで、特に物的担保を取らないで、保証人で済むものは保証人で済ませるようにやっていきたい、こういうようにいたしたいと思っておりますが 先ほどの五億円の信用保証協会の保証ということについて、県の方で毛特別のことを考えておるわけであります。保険公庫としてもそれに見合う額の貸付を考えておりますので、保証協会の活用と、それから今先生の方でお話がありました、市の方で何か損失補償条例といったようなものでも発動されるということになれば、これは各政府関係金融機関とも非常に積極的に担保条件をできるだけ緩和してお貸しすることができるということになると思います。さらにそのあたりのことは今後の推移を見た上で、一番容易にお貸しできるという方法で指導していきたいと思います。
  66. 倉成正

    倉成委員 世帯更生資金のうちの災害援護資金、現地の要望二千万円で、一件当たりかりに十万といたしましても、大体二百世帯に十万円程度生活資金が行くわけでありますが、この点は、いろいろ金額の出入りは別としても、早急に決定していただきまして、できるだけ現地希望に応ずるように措置をしていただきたいと思います。  さらに、政府金融機関の融資条件の緩和等については、いろいろ御配慮をいただいておるようでありますけれども、ちょうど立ち直りの期間、すなわち、区画整理ができた後の生業ということになりますと非常にはっきりするわけですけれども区画整理ができるまでの間の、十坪以下のバラックを建てての商売ということになりますと、商売であると同時に半分は生活という形で、いわば金融機関の従来のベースにはなかなか乗りにくいという面が出てくるわけであります。その点については、もちろん公庫法の建前その他ございますから、それらの点はよく承知しておりますけれども、ただいま御答弁になった趣旨を現地実情に十分反映をしていただくように特にお願いを申し上げておきます。  先ほど医療機関のお話がありましたが、公立病院のほかに、十六の病院のうち十三が焼けてしまった。医療金融公庫でも、この際いろいろ実情を医療公庫について説明しようというので、業務部長がきょう飛行機で現地に行かれるということで、まことにけっこうなことだと思っておりますが、現地に行かれるだけではなくして、災害融資について格段の配慮をしていただくように、厚生省からも一つあと押しをしていただきたい、お願いいたします。  それでは、総務長官に締めくくりでお答えをいただきたいと思いますが、先ほど来同僚委員から、激甚地法律適用の問題、あるいは特別の法律上の措置の問題等についていろいろ御議論がございました。これらについては、総務長官の誠意ある御答弁を了として期待いたすものでございますが、激甚地法律にいたしましても、被災の市、県等の財政負担をできるだけ軽減する、あるいは被災者の負担を軽減するというのが目的でありますから、これは法律の条項だけでもカバーできない面がいろいろあるということになってくる。そういたしますと、最後に出てくるのは、やはり県あるいは市というものにそのしわ寄せが出てくるということでありますので、たとえば中小企業者に対する金融について損失補償条例をつくったというような場合には、やはり市なり県なりが負担をしていくということになりますので、そういった場合にそれらの財政問題についての処置をあたたかい気持で考えるかどうか、具体的には自治省の問題になってくる、あるいは大蔵省の問題になって参りますが、政府として総合的に被災者の立場に立ってこれらの法律の準備と同時に、これでカバーできない面について格段の措置を講じていただきたいと思うわけであります。政府の決意をお伺い申し上げておきたい。
  67. 徳安實藏

    徳安説明員 定められた法の範囲外のことにつきましては、責任ある答弁はできないと思いますが、しかし、運営の面においてあとう限りの協力を申し上げるということだけはお約束できると思います。
  68. 倉成正

    倉成委員 ただいまの御答弁、御趣旨はよくわかったのですが、ただ、定められた法律範囲内ということで非常に厳格に総務長官がおっしゃれば、どうしても特別立法の線をとことんまで突き詰めていかなければならぬということになるわけですから、やはりその法律の運用で最大限できる点について、ほんとうに真剣に総務長官がやろうという御決意がなければ、こまかいところまで法律で縛って、これでやれという以外にないと思うのです。ですから、これらの点は、なかなか現地実情には不測のいろいろな問題がございますから、特にお願いを申し上げておるわけです。もう少し積極的な御発言をいただきたいと思うのです。
  69. 徳安實藏

    徳安説明員 私の役所関係だけでございましたら御答弁はできると思いますが、今お話したように各役所関係あることでありまして、そこにはいずれも長がおるわけでありますから、運営の面においてできるだけのことは御協力する、これは当然だと思いますけれども、法の範囲を越えてやるということに対しては、責任のある答弁はできぬと私は思います。しかし、こういう工合に考えればこうできるのじゃなかろうか、そうすれば皆さんのお気持にも合い、罹災者皆さんのお気持にも合うのじゃないかというような点につきましては、これは最善の考え方各省の長もされる、かように考えますから、防災会議の方の関係からいたしますれば、そうしたことにつきましてもできるだけ御協力申し上げるように努力いたします。
  70. 秋山利恭

  71. 角屋堅次郎

    ○角屋委員 本日は、先ほど来綱島委員以下それぞれ地元の関係の議員によりまして、福江市の大火に対する災害対策の問題についていろいろお尋ねがございました。しかも、災害対策特別委員会の開会前に、地元の市長あるいは市会議長等からも、それぞれ切々として現地の要請を訴えられました。実は私は、私事にわたりますけれども、ちょうど日本の敗戦の直前、召集で長崎の原爆を受けたあと福江で敗戦を迎えたという、そういう経緯もございまして、今回の福江市の大火については、直接地元でありませんけれども、心から御同情を申し上げておる一人であるわけであります。各般の具体的な問題につきましては、それぞれ同僚委員からいろいろお尋ねがございましたので、後ほど、われわれといたしましては、これらの今後の災害復興の問題については、やはり特別委員会の気持として、院の決議として政府に善処を要望したい、かようにも考えておりますので、後ほどの際にさらに申し上げたいと思います。  ただ本日は、福江災害の問題と同時に、御承知の通り北海道の方からの陳情もなされたわけでありますが、過般私は農林水産委員会の国政調査で北海道の方に参りましたが、国政調査全般で参ったつもりでありますけれども、各地に参りまして、ほとんどの陳情は台風九号、十号の災害の陳情、しかも現地等見てみますと、北海道の台風九号、十号による災害現地視察というのは、今回の国政調査のときに行った関係もありますけれども、非常にひどい状態を見て参りました。過般本特別委員会において、芳賀委員の方からも総務長官に対しまして、激甚災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律政令の問題についていろいろお尋ねがございまして、総務長官に、当時、この問題については各省協議の上ですみやかな機会に結論を得るように今日しておるところだ、こういうお話があったわけですが、この問題の政令は同時に今回の福江大火の問題とも関連してくる問題でありますので、今日、激甚災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律の、御承知の県段階あるいは市町村段階の、国会の院議でもってきめた要請に基づいて、政府としてほぼ最終段階にきておると思うのでありますが、このお考え、あるいは当面どういう段階にきておるかという点をまずお話し願いたいと思います。
  72. 徳安實藏

    徳安説明員 先回委員会がございました時分に、まだこの政令の点に二、三一致しない点がございまして、なるべく早くこれを片づけて、早く公布するようにという考えであり、また皆さんの方からもそういう御要請もございましたので、私は、少なくも十日間か一週間もあればそういうものは煮詰まるものだと考えておったわけでありまして、さように御答弁したわけであります。そこで早く煮詰めるようにということをずいぶん督促いたしましたが、やはりしろうとの私どもと事務当局とはいろいろ考えが違いまして、煮詰まりに相当の日にちを費やしました。しかし、大体つきまして、本日の次官会議にかけまして最後の検討を加えて、もしきょう通りましたら、明日の閣議にかけまして公布するという段取りになっておりますので、きょうは、多分この時間ごろには次官会議で最終審議をしておると思います。
  73. 角屋堅次郎

    ○角屋委員 本日並びに明日にかけて政令の問題については最終的に決定する段階だというお話でございますが、そこで考えられておる腹案、その点はどうですか。
  74. 徳安實藏

    徳安説明員 この政令はたくさんございまして、一カ条や五カ条あるいは十カ条じゃないのでございますし、私も今日手元に草案を持って参っておりませんが、きょう次官会議で再検討して、大体いいということであれば、明日は閣議にかけようという予定で進んでおりますから、いずれ決定いたしましたら、もちろんこれは公示されるわけでありますから、皆さんにお示しもいたしたいと思いますけれども、本日はその書類を持って参っておりません。
  75. 角屋堅次郎

    ○角屋委員 あの法律の各方面の政令を私かここで一々お聞きする気持でお尋ねしておるのではなくて、総務長官もぴんときておるように、例の法第二章の各号に該当いたしますところの事業にかかる地方の負担額、それが当該災害発生年度の標準税収との関係、県の場合あるいは市町村の場合の、その県並びに市町村の基準の問題、これは国会の院の決議で要請もしておるわけでありますが、そのポイントについて、どういう腹案で次官会議あるいは閣議の段階で決定しようとしておるか、その一点だけに限って私はお尋ねしておるわけです。
  76. 徳安實藏

    徳安説明員 この問題につきましては、委員会の決議によりまして、都道府県については百分の十五ないし二十、あるいはまた、市に対しては百分の五ないし十というような御決議の要旨をちょうだいいたしておるわけであります。ただいまのところで、原案はきょうどんなに改正になりますか、そのまま通りますかわかりませんが、大体原案としましては、先ほどから御説明申し上げておりますように、過去の特別立法を行ないました災害等に対する実績に徴しますと、百分の二十、これは都道府県でございます。それから市町村におきましては百分の十、こういう数字でありましても、決して皆さんの御要望にこたえ得られないような結果にはならぬということを、強く過去の実績等の数字を示して大蔵当局その他に要望してきておりますので、一応原案はさようになっておりますが、きょうの次官会議で、こういう点につきましてどうなりますか、ただいまその件については審議いたしておると思います。
  77. 角屋堅次郎

    ○角屋委員 ただいま総務長官から御答弁がありましたけれども、特別委員会の開会前に北海道からも陳情があり、また私も現地で痛感をいたしたわけでありますが、今総務長官からお話しのような標準税収入の百分の十という形で問題を考えて参ります場合には、北海道では、陳情書にもありますように、せいぜい一市四十三町村程度が、これが百分の五になる場合にはさらに三十町村がその適用を受けるというふうなことで、私ども現地を回りました関係から見ても、ぜひここのところは、国会の院の決議といたしましても、「ないし」をつけましたけれども、実際の気持としては、やはりその百分の五というところに市町村を置こうというところがほんとうのねらいであります。従って、現地の強い要請もあり、これは単に北海道ばかりでなしに、今回は長崎福江火災の問題を取り上げましたけれども長崎の台風関係の問題についてもかねて特別委員会で強い要請の出ておる問題でありますので、ぜひ総務長官におかれても、次官会議あるいは閣議等を通じて、本年度の災害の実態に即するよう善処を願うように、強く要請を申し上げたいと思います。  私もきょうは福江の問題等についても取り上げるつもりでございましたが、先ほど来地元の関係議員から具体的な問題についていろいろお触れになりましたので、集約としての決議等の問題もありますから、ひとまずこの程度で私の質問は終わりたいと思います。
  78. 秋山利恭

    秋山委員長代理 ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕
  79. 秋山利恭

    秋山委員長代理 速記を始めて下さい。  この際、福江大火に対する災害復興に関する件に関し、自由民主党、日本社会党、及び民主社会党の各派共同提案をもって、本委員会において決議をいたしたいとの動議が提出されております。この際、この趣旨弁明を求めます。角屋堅次郎君。
  80. 角屋堅次郎

    ○角屋委員 私は、この際お許しを得まして、自由民主党、日本社会党、民主社会党の三派共同提案にかかる福江大火に対する災害復興に関する件についての決議案を提出いたしたいと思います。  まず、案文を朗読いたします。    福江大火に対する災害復興に対する件   九月二十六日発生した長崎福江市における火災は、市の中心部の九割を焼失するという大規模なものであり、その被害の実態からみて当然に「激甚災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律」による援護措置を必要とするものと思われる。   政府は、速やかに本法を適用するよう検討すると共に、いずれにせよ本火災の特殊性を考慮し、今後の災害防止のためにも右趣旨を体し積極的に予算上行政上の措置を講ずることによってこれが対策の万全を期すべきである。   右決議する。 以上であります。  決議案の趣旨につきましては、今朝来、本特別委員会の綱島委員、中村委員あるいは倉成委員等から、それぞれ詳細に現地実情に基づいていろいろこれが対策について質疑があり、さらに特別委員会の開会前に、福江市の市長並びに市会議長からもこれが災害対策についていろいろ陳情がなされました。当初私どもは、激甚災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律というものを論議いたします段階では、いわゆる風水害等の台風に対する災害対策というところに力点が置かれまして、この種火災等については必ずしも十分な内容になっていない点等から、特別立法等で措置するのがいいのじゃないかというふうなこともいろいろ検討したわけでありますけれども、さきにこの法律もできたことでありますので、この法律適用によってできる限り現地住民の要請にこたえるようにするとともに、火災の特性から見て、やはりこういう法の適用だけでは不十分な点については、行政上、予算上の十分な措置を講じて、災害復旧の万全を期するようにいたしたい、こういう趣旨から本決議案を提案いたしたわけであります。  これが対策の内容につきましては、先ほど来の各委員の質問の対策の内容を十分くんで、政府におかれても万全の対策を講ぜられるよう特に要請いたしたいと思います。  何とぞ右決議案に満場の御賛同あらんことをお願いいたしまして、決議案の趣旨説明にかえます。(拍手)
  81. 秋山利恭

    秋山委員長代理 これにて趣旨の説明は終わりました。  別に御発言がなければ、直ちに採決いたします。  本件を委員会の決議とするに賛成の諸君の御起立を求めます。   〔賛成者起立〕
  82. 秋山利恭

    秋山委員長代理 起立総員。よって、本動議は可決されました。  なお、字句の整理等の必要を生じました場合における処置等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、さよう御了承願います。  なお、ただいまの決議を関係政府当局に送付いたします手続等につきましても、委員長に御一任願いたいと存じますが、さよう御了承願います。  この際、ただいまの決議に対し政府の所見を求めます。徳安総務長官
  83. 徳安實藏

    徳安説明員 ただいまの御決議の御趣旨を体しまして善処いたしたいと思います。(拍手)
  84. 秋山利恭

    秋山委員長代理 本日はこれにて散会いたします。    午後一時二十五分散会