○川上
委員 時間が非常に制約されておりますから、私は
質問をまとめて行ないますので、
外務大臣もまとめて御
答弁をお願いします。
一体、このケネディの
キューバに対する終始一貫した政策、干渉、圧迫、脅迫、攻撃、これは言語道断であります。
世界がこれを認めます。彼は、大統領になるときに、すでに
キューバを撃滅するということを公言しておる。その
あとで彼は国交を断絶している。この四月には、反革命の徒党を援助して、
キューバに上陸作戦というものをやらしておる。これはケネディです。これが失敗に終わると、今度は、ラテン・
アメリカの諸国を強要して、キュー火に対する経済封鎖を行なう。さらに、
米州機構から
キューバを除名している。そのくせ、
アメリカはどういうことをやっておるか。
キューバの国内に自分の軍事
基地を置き、
キューバの横っ腹にどすを突きつけておいて、こうしておいて、カストロ政権の転覆、
キューバの独立の圧殺ということにあらゆる陰謀を続けてきております。これは
外務大臣御承知の
通りだと思う。
キューバの人民が怒るのはあたりまえであります。
キューバ人民が自分の祖国を守るためにしかるべく
防衛の手段を講ずることは当然の権利であります。そこで、ケネディは今何をやったか。彼は、
キューバ国内にスパイを入れて、
攻撃用の
ミサイル基地を見つけたと騒ぎ出して、それを口実にして今回の武力による公
海上での外国船舶の臨検、拿捕、撃沈、すなわち
海上封鎖という暴挙に出たことは、これまた
外務大臣御承知の
通りでしょう。これはもちろん国際法違反です。
国連憲章じゅりんであります。これは無法、無謀、言語道断、明らかに海賊行為であるということは、何人も否定することはできません。しかるに、あなた方は、このケネディの海賊行為を支持したのです。きょうの
答弁でも支持しておる。
そこで、私は、次のことを時間がありませんからまとめて
質問します。
およそ独立国家は主権を持っておる。
自衛権を持っておる。政治、経済、軍事にわたる独自の政策、すなわち自主独立の政策を持ち、自由と権利を持っております。この主権は、いかなる国といえ
ども、また、どういう口実をもってしでも、これに干渉し、これをじゅうりんすることは許されない。これは原則です。
キューバは、御承知のように、
国連加盟の厳然たる独立国であります。従って、この独立国が、
キューバに対する一貫した
アメリカの陰謀、カストロ政権の転覆と
キューバの独立の圧殺という公然たる侵略を受けておるときに、これに対して自主自衛の政策をとることは独立国
キューバのあたりまえの権利でありませんか。すなわち、
キューバは自分自身が決定した政策に基づいて他国とどんな経済上、軍事上の協定を結ぼうとも、あるいは
ミサイルを持とうとも、この
アメリカの攻撃の危険にさらされている
キューバにとっては全く当然のことでなければならぬ。
政府は、この独立国の権利、この
キューバの自衛の権利、この権利の原則を認めるのか認めないのか。ほかの文句は要りません。私が今述べたこの権利を
日本の
政府は認めるか認めぬか、これだけを言うて下さればいい。もし、国の大小を問わず、独立国の自主独立の政策が
アメリカの気に入らぬ、こういう理由によって干渉され、攻撃をされ、武力制圧もまた許される、こんなことになりましたら、新しい独立国はどうして自主存続ができるのですか。新しい独立国がどうしてみずからの国を守り、存続することができますか。できません。
アメリカのお許しを請わなければ自衛力も持てず、
アメリカの御意見に従わなければ
防衛力も持てない、これでよいのかどうか。
日本の
政府はそれでよろしいというのか。それでよいと思うておるから
アメリカの声明を支持したのでしょう。この点をお聞きしたいのです。たくさんの
答弁は要りませんから、簡単に言うて下さい。
もう一つの点、
政府は、このたび
アメリカの無法な海賊行為を支持なさった。外相はこの
委員会でも支持しておられる。これは第三次大戦を覚悟の上でありますか。今当面は
ソ連政府の懸命な平和政策によって一応危機は免れております。しかし、
アメリカの海賊
どもが一ぺん引き金を引いたらどんなことになりましょうか。それだけじゃありません。ケネディはどんな声明をしましたか。
アメリカの言うことを聞かなければ、
海上封鎖、撃沈、それ以上のことをやることを声明しておるじゃないですか。
政府はこの声明を支持したじゃないですか。それ以上のこととは何ですか。
キューバへの公然たる攻撃、これを言うておるのです。しかも、この危険が今後全然ないとは言われません。私は予想される危険であると考える。これが今度の海賊行為をあえてやり無法をあえてやる戦争屋の私は精神だと思うのです。
日本政府は、この戦争の張本人のケネディの声明、
海上封鎖以上のことをやると言うた声明を支持しておる。これは一体どういう量見でありますか。われわれはこれを了解することができない。これはいわば大戦の計画と陰謀そのものを支持なさったのであります。これが
日本人民の安寧と幸福を代表する
政府のやるやり方だとお考えになっておりますか。
大平外務大臣、そう思いますか。現在、在日米軍、
アメリカの第七艦隊はもちろん、自衛隊まで非常警戒態勢に入っておる。大阪の近郊では新明和工業は
日本人の労働者まで足どめをしておる。
日本の
政府は、あなた方は、
アメリカの戦争強盗政策によって
日本が戦争に巻き込まれるすぐ危機一発のまぎわになっても、なおかつ
アメリカの無法を支持しておられるのか。これは大戦覚悟であろうと言われても、何の言葉も私はあるまいと思う。私は、あなた方は
世界の平和、
日本の安全、これにほんとうに貢献しようという一片の真心さえないのではないかと考える。こういう
政府の態度が
日本国民の念願を代表しておると思えますか。私は時間がないから多く言いませんが、これは共産党の一代議士が
質問すると思わぬで下さい。
日本人民はこれをおそれておる。
日本人民の第一の念願は平和と独立なんであります。これをつぶそうとしておる。私は、ここで、平和を念願する
日本の広範な人民、これにかわって、ほんとうに憤りをこめて
政府のはっきりした
答弁を要求します。