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1962-11-10 第41回国会 衆議院 科学技術振興対策特別委員会 第7号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十七年十一月十日(土曜日)    午前十時三十六分開議  出席委員    委員長 寺島隆太郎君    理事 松本 一郎君 理事 山口 好一君    理事 岡  良一君 理事 山口 鶴男君       赤澤 正道君    齋藤 憲三君       細田 吉藏君    前田 正男君       石川 次夫君    西村 関一君       日野 吉夫君    三木 喜夫君       内海  清君  出席国務大臣         国 務 大 臣 近藤 鶴代君  委員外出席者         原子力委員会委         員       兼重寛九郎君         原子力委員会委         員       石川 一郎君         原子力委員会委         員       西村 熊雄君         科学技術政務次         官       内田 常雄君         総理府事務官         (科学技術庁長         官官房長)   森崎 久寿君         総理府技官         (科学技術庁計         画局長)    杉本 正雄君         総理府技官         (科学技術庁研         究調整局長)  芥川 輝孝君         総理府事務官         (科学技術庁原         子力局長)   島村 武久君         総理府技官         (科学技術庁原         子力局次長)  江上 龍彦君         総理府技官         (科学技術庁原         子力局次長)  村田  浩君         文部事務官         (大学学術局審         議官)     岡野  澄君         厚 生 技 官         (医務局長)  尾崎 嘉篤君         厚生事務官         (薬務局薬事課         長)      横田 陽吉君         厚 生 技 官         (薬務局製薬課         長)      平瀬 整爾君         参  考  人         (日本原子力研         究所理事長)  菊池 正士君     ————————————— 本日の会議に付した案件  科学技術振興対策に関する件(科学技術及び原  子力行政一般に関する問題)      ————◇—————
  2. 山口好一

    山口(好)委員長代理 これより会議を開きます。  委員長の都合により私が委員長の指名によりまして委員長職務を行ないます。  科学技術振興対策に関する件について調査を進めます。  本日は原子力行政一般に関する問題について参考人より意見を聴取することにいたします。本日御出席参考人は、日本原子力研究所理事長菊池正士君であります。  この際、参考人に一言ごあいさつを申し上げます。  本日は御多用中のところ、本委員会調査のため御出席下さいましてまことにありがとうございました。厚くお礼申し上げます。  それでは、まず参考人よりプルトニウムに関する海外調査について説明を聴取いたします。菊池参考人
  3. 菊池正士

    菊池参考人 プルトニウム調査団として約一月ばかり米国各地を回りまして、十月の八日に帰って参りました。調査の目的は、今一般に行なわれております発電におきまして使用済み燃料から出るプルトニウムというものは、アメリカから買いましたものにつきましてはアメリカ政府が買い取ると  いう方針が一応立てられておるわけでありますが、プルトニウムアメリカでは非常に量も十分できておりますので、将来その買い取りの方針をだんだん変えていくということが発表されました。それによりまして日本発電計画その他がどういうことになるかというようなことから、プルトニウムによる開発計画がどうなっておるかということを調査に参りましたわけでございます。  それで、行きました先は、アメリカプルトニウム研究の本拠となっておりますハンフォードを中心といたしまして、アルゴンヌ、オークリッジ等研究所、それからワシントンのAEC等を訪問いたしまして、いろいろなプルトニウムに関する政策、それからその研究状況を見て参った次第でございます。  アメリカ商業用発電炉開発の基本的な方針といたしましては、最終目標増殖炉に置くということを最近は非常に強く打ち出しております。この増殖炉が完成されないと原子力発電資源的の意味がなくなる。と申しますのは、増殖炉があって初めてウランの二三八のトリウムを全般的に核燃料に使えるのであって、それがなければ、資源的な意味石油石炭資源よりも何千倍か多くなるという、いわゆる原子力資源としての意味がなくなるという意味で、最終目標増殖炉に置くということを非常に強く打ち出しております。ただ、この増殖炉が完成されるのは、商業用原子炉として高速増殖炉熱中性子増殖炉と二つございますが、高速増殖炉の方がはるかに進んでおりますので、その高速増殖炉が完成されて商業用発電炉として十分に使い得るようになるのは、さらに十五年以上の年月を要するだろうということを言っております。これは今できつつある実験炉、それからプロトタイプの炉、それからそれに基づく何年かの研究期間を置きまして、第一回目の発電炉がいつできて、その炉による経験をさらに第二の発電炉に織り込んでいくというはっきりした計算から見て、最終的に増殖炉商業用の炉として完成するのはどうしても十五年以上、つまりこういう発電炉をつくってみた、その二代目ができるころという意味で十五年くらい先ということを言っております。  今行なわれている熱中性子による発電炉意味はそれでは何かと申しますと、これは決して十五年までの間をつなぐという意味ではなくて、高速炉が宗成されましても、その高速炉に完成するためのプルトニウム燃料というものは、現在開発しつつあるような熱中性子炉から出て参ります。そういう意味で、高速炉が完成されますと、その熱中性子炉から出てくるプルトニウム価値が非常に上がりまして、そのために熱中性子炉経済性もはるかによくなる。将来とも今後相当の長い期間にわたって、おそらく五十年とかいうような長い期間にわたって高速炉熱中性子炉は持ちつ持たれつの関係で並存していく、そういう考え方に立っております。  そこで、熱中性子炉開発高速炉開発よりも容易でありますから、ずっと進んでおります。そしてその発電原価も現在では石油石炭とほとんど競争し得る段階まできております。一九七〇年以降になりますと、現在の石油石炭による発電炉原価の高い地域では、石油石炭によるものと競争し得るようになり、それから漸次広がりまして、一般石油石炭発電炉と十分に競争し得るようになるという見通しを持っております。その間、熱中性子炉経済性を少しでも上げるために、熱中性子炉の中でできましたプルトニウムを再処理して取り出して、それをさらに使っている熱中性子炉に入れていくという方法をとりますと、熱中性子炉経済性がずっと上がってくる。そういう考え方から、現在は高速炉高速プルトニウムを使って高速炉開発を進めると同時に、熱中性子炉に自分からできてきたプルトニウムをどんどん入れていくことによって経済性を上げることを考えております。そういうことによってプルトニウムというものの商品的な価値をはっきりさせる。つまり、今まではいわゆる政策的な値段であった。それを兵器に使うという意味の政策的の値段もあったけれども、それではいけないので、プルトニウムというものの燃料としてのほんとうの商業的な価値を、その熱中性子炉に循環することによって確立しよう、そういう考え方で現在このプルトニウム熱中性子炉に使うことをやっております。その熱中性子炉と申しますのは、今一番開発されておりますいわゆる軽水炉でございます。ドレスデンあるいはヤンキー、ああいうところでやっております軽水炉でこれをやることになっております。これがアメリカ現状のようでございます。  しかし、そのプルトニウムが、そういうふうにしてどういうふうに使えるか、そしてその価値がどのくらいになるかという結論はまだ出ておりません。今非常に熱を入れて研究しております。その見通しといたしましては、十分に使い得る。現在のプルトニウム買い上げ価格が、来年度から、金属にいたしまして一グラムたしか九・五ドルだと思います。その程度価値商業用価値としても十分にあり得るという見通しのもとにその研究を進めております。  それで、日本といたしましても、最初はこの熱中性子炉発電所ができるわけでありますが、日本として問題は、日本でできた炉から出てきたスペント・フュエルをどういうふうにするのが日本として一番経済的であるかということを考えていかなければならぬという問題がございます。日本に再処理施設を置いて、プルトニウムを取り出しそれを加工して、さらに日本の炉へどんどん入れていくという方法をとるか、あるいはスペント・フュエルをどこかへ送ってプルトニウムを取り出して再処理をしてもらったものを使うか。その二つの道が考えられるわけでございますが、そのおのおのの経済性につきましては、今各方面で検討しておられます。そしてその検討の結果によって再処理施設もつくるべきであり、またプルトニウム加工による燃料加工工場というものも、非常に特殊なものでありますが、これも進めていくことが一番いいのではないか。外国へ送り返して再処理をするということと、日本自身が再処理施設を持ち加工場を持つということと、どっちが経済的かということは、その規模に非常に関係いたしますので、そこらをもっと考えた上で日本発電規模、十年後程度のときの発電規模その他を考えて、そういうことは合理的な結論が出し得るものと考えております。  簡単でございますが、以上プルトニウム現状を見て参りまして——これはまだ調査団としての最終的な報告書は出しておりません。ただいま書いておる最中であります。今申しましたことは多分私個人の意見も入っておるかもしれませんが、大体において皆さん行かれた方々の御意見もそういうところで一致しておるようでございます。簡単でございますが、調査団としての報告を終わります。     —————————————
  4. 山口好一

    山口(好)委員長代理 質疑の通告がありますので、これを許します。石川次夫君。
  5. 石川次夫

    石川委員 今菊池理事長からプルトニウムの再処理報告がございましたけれども、それに対して今直ちに質問をするという用意もございませんし、知識もございません。せっかくお見えになりましたので、この前質問をしたことをまた繰り返すような形になって大へん恐縮でございますけれども、二点ばかりだめ押しのような形で原子力科学発展のために御質問をしたい。  そのまず第一点でございますけれども、菊池さんも前から非常に労働組合との交渉でもって難渋をされておりまして、この委員会におきましても、こういうことをいつまでも繰り返しては困る、松本委員あたりからも強い御意見があったわけでございます。しかしながら、このままの状態ではいつまでも同じようなことを繰り返すということにならざるを得ないのではないか。こういうふうな紛争打開しまして、根本的な解決をはかって、すっきりと原子力科学発展のために、菊池さんなどの心労をわずらわすことなしに一路専心してもらいたいというような点から、提案するというほどのことではございませんけれども、申し上げたい。特殊法人関係労働組合というのは原研だけには限りません。ほかにもたくさんございまして、政府関係特殊法人労働組合協議会というものができております。その労働組合は、おそらくあらゆる公団なんかでも同じように、理事者側団体交渉をやりますけれども、そこで話がつかない。きのうも、一カ月の期限つきでもって賃金のベース・アップのことについての要求を出して、きのうが期限だということで、それぞれ団体交渉を持ちましたけれども、やはり大蔵省の態度が決定しないから回答はできないというようなことになりまして、紛争が長引いておるというようなことは、一に原研だけにとどまらないわけであります。従って、科学技術特別委員会でこの問題を打開するといいましても、そう事は簡単には解決がつかない。そういうような現況でございますから、これを抜本的に打開するための方法を何らか生み出していかなければならぬのじゃないか。何回も申し上げますように、これは原研だけではなくて、特殊法人全体に共通の課題になろうかと思うのであります。従って、たとえば国会側であれば、社会労働委員会というものがそういうものを一元化して討議する絶好の場所であろうと思います。また、政府機関としましては、労働省あたりが、このようなことをいつまでも繰り返していたのでは、それぞれの機関におきまして、また原子力科学発展のためにも相当大きな障害になるという点をも考え合わせて、何らかの対策機関というものを設けて、こういう労働問題をどういうふうに処理することが一番妥当であるかということを真剣に考えなければならぬのじゃないか、こう私は考えるわけです。社労あるいは労働省あたりでこれに対する対策機関で、これを抜本的に何とか打開することを協議するように持っていく、科学技術庁自体としてもこれを積極的に提唱するという形で、一つ打開をしていただきたい、こう思うわけでございます。この点について科学技術庁長官の御意見、あるいは理事長菊池さんの御見解を伺いたいと思います。  それからさらに原子力委員会なんかも、これについては、労働問題などでわずらわされたくないというお気持があろうかと思いますが、この提案は非常に素朴な形で、まだ形はなしておりませんけれども、何らかの形でそういうふうにしたいという気持は了としていただけるのではなかろうか、こう考えるわけでありますが、その点についての御見解を伺いたい。
  6. 近藤鶴代

    近藤国務大臣 ただいま石川委員仰せになりましたように、しばしばこういう組合トラブルが起きるということは、研究自体を推進いたして参ります上にも好ましくないことでございます。また、私も就任以来いろいろの角度から考えて参りまして、ただ原子力委員会であるとか、原子力研究所であるとか、そういったような場所だけでなくて、科学技術庁の傘下にあるあらゆる研究団体研究者あるいは技術者に対しまして、もう少しあたたかい手心のある給与体制と申しましょうか、給与体制でいけなければ別の角度からの方途を講じなければならない問題があるということを痛切に感じております。微力ではございますけれども、鋭意その方面解決努力をいたして参りたいと思っておりますので、その点だけを申し上げておきたいと思います。
  7. 石川次夫

    石川委員 私の質問趣旨がよく御理解されなかったようですから、念のためにつけ加えておきます。これは科学技術庁だけの問題ではないということを私は申し上げたい。水資源公団ができ、あるいは住宅公団ができ、住宅金融公庫があり、あるいは社会保険を取り上げる政府機関があるというように、各省にまたがっておるわけです。そこでも同じように、団体交渉の場でもって理事者側回答してそこでケリがつくというようなことにはなっていない。全部、うしろには建設省、科学技術庁、その他厚生省があり、またそのうしろには大蔵省がある。こういう形で各省にまたがっているわけです。従って、今科学技術庁長官として、科学技術者に特にあたたかく給与の面なども考えてあげなければならぬという点は、私ども、もちろん異存はありませんけれども、そういうことではなくて、政府全体として、こういう特殊法人公団における労働運動の取り扱いは一体どうしたらいいか。いつもデッド・ロックに乗り上げてしまうという形では、科学技術庁だけではなく、各省とも同じことを繰り返している。その意味で、一元化して根本的な打開策を考えるということを政府自体が考えてはどうか。国会としては社労で取り上げて、根本的な打開機関を設けるような方向に御協力を申し上げたいという意味で申し上げたわけです。
  8. 近藤鶴代

    近藤国務大臣 科学技術庁だけでなくて、あらゆる機関というお話でございますが、確かに仰せの通りだと思います。大所高所から政府としてそういう方面努力をされるということについて、一臂の力をいたして参りたいと思います。
  9. 菊池正士

    菊池参考人 ただいまの石川さんの御提案に対しては、私は大へん賛意を表し、ぜひそういうふうにしていただきたいと思います。組合とわれわれとの問題は、もちろん今おっしゃった以外にまだいろいろ問題はございまして、われわれとしてやっていかなければならぬ問題も多分にございます。その点はわれわれ十分力をいたしますが、今おっしゃったような事情からくるいろいろなトラブルを、そういう方向解決の線を持っていっていただくことを大へんありがたいと思います。
  10. 西村熊雄

    西村説明員 石川委員から御提案になりました趣旨は、委員会としてももっともな御提案だと思います。でき得るならばそういう方向に持っていけますように努力いたしたい、こう考えます。  岡委員から御指摘になりましたが、前回の委員会で、原子力委員会からよく考えて統一見解報告するようにと御要請がございました問題の一つ日本原子力研究所給与制度について原子力委員会としてはどういうような考えを持っているかという点についての御答弁を申し上げます。  原子力平和利用研究の推進は国の基本的な役割でございまして、国はこのため、単に最高水準研究環境の整備をはかるだけではなくて、特に優秀な研究者の確保に努める必要があると考えます。日本原子力研究所はこういう要請を満たすための中核として建設されたものでございますので、その研究者の処遇につきましては、この種の政府関係機関のうちで一番高いばかりでなくて、民間を含めましても相当上位の水準のものとすることを基本的な考え方としなければならないと思います。さらに、原子炉、それからその付帯施設運転に関連する職務に従事する者につきましては、その職務が特に社会的責任の加重されるものでございますことにかんがみまして特殊の考慮を払うことが適当であると考えます。また、右に申しました以外の職員につきましては、他の類似の職域におきまする同種の職務にある者との均衡を考慮する必要があると考えます。  委員会といたしましては、今申し上げましたような基本的な方針に沿いまして、日本原子力研究所設立の経緯を考慮しながら、漸次研究所給与制度適正化をはかっていくべきである、こう考えております。
  11. 石川次夫

    石川委員 原子力科学技術者を確保するために、日本原子力科学の前進というものが日本科学技術全体に占める重要性を考えますと、今の回答のような趣旨原子力科学者の優遇というふうなことを通じて特に配慮されなければならぬということとあわせて、私が先ほど申し上げましたように、政労協といいますか、こういった同じような立場にある労働組合との紛争打開するために、是が非でもこれに対する抜本的な対策機関というものを設けて、いつもこういう同じような紛争を繰り返さないように、非常に不自然な労使関係にあるということは言うまでもないわけでありますから、この点について特に配慮を願いたいということを要望いたしまして、次の質問に移りたいと思います。  あと一つ質問といたしましては、この前大ざっぱに触れたアルゴン安全性の問題であります。実は私もこういう方面につきましてはしろうとでございまして、非常に雑な、見当違い質問になろうかという感じもいたしますけれども、まず最初にお伺いいたしたいのは、JRR2、いわゆるCP5、これが設計当時のアルゴン放出量の算定と実測というものが相当食い違っておるのではないかという見方が出ておるわけであります。これはもちろん保安規程などによって最低許容量原研で受け持っておる放出量の何百分の一とかに押えて、それが煙突を出るところでどれくらいにアルゴンを押えなければならぬというふうな保安規程を一応出されておると思うわけであります。それで、設計の場合のアルゴン放出量、それから実際に出ると考えられる現在の実測値といいますか、そういうものは一体どういうことになっておりますか、念のためにちょっと伺いたい。
  12. 菊池正士

    菊池参考人 このアルゴン放出量設計の方から計算いたしますことは、実を申しますと非常にむずかしいのでございます。と申しますのは、結局空気中に含まれているアルゴン原子炉の付近、と申しましても、おもに原子炉の内部の方を流れていくときに放射化されるわけであります。そこのところの構造が非常に複雑になっておりまして、実際にどのくらいの空気がそこを流れるか、そして原子炉体からの空気がいろいろに分布されておりますから、どれだけのアルゴン煙突へ出ていくかということの計算は非常にむずかしいのでございます。従って、その計算実測ときっちり合わないかもしれないということは当初から予想しておりました。それでまず、人が常時接近し得るようなところでは、許容量以下に押えなければならないということが一つございます。従って、煙突出口でどのくらいであればいいか、煙突出口でどのくらいであれば人が接近し得るところでどのくらいに薄まるか、この薄まるファクターも非常にむずかしいことであります。この数年間ずっとあそこの非常にこまかい気象状況その他の調査などをしておりまして、だんだんわかるようになって参りましたが、設計当時保安規程の中に入れましたのは、煙突の上から人の接近し得る場所までの間に百倍に薄まるということを仮定して出しましたのが保安規程でございます。実際に行ないましたところでは、一万キロに上げた状態では当時の仮定よりも約一〇%程度上回っております。従いまして、その値で押えようとしますと七千キロくらいのところでちょうど初めに考えた値になります。しかし、百倍と最初押えましたのは、非常に用心深い値でございまして、ほかの外国の炉の例などをとりますと、これは煙突の高さその他地形にもよりますが、百倍というものは非常に用心深くとってございます。それで一万キロで運転した場合に、アルゴンがその周辺でどのくらいの放射能を持つかということを測定しております。そうしてそういう測定の結果によりまして、この百倍に薄まるということが非常に用心深い数字であるならば、これをさらに実際の数字に実験的に当てはめまして、その上でまた保安規程改正その他をお願いしなければならないことになるかと思っております。いずれにいたしましても、現在のところ一万キロの運転をいたしましたときに、周囲の放射能をかなり正確に測定しておりまして、そういうふうに実際にやりながら実際の放射能を測定しつつ安全性を確保しながらやっていきたいと思っている次第でありまして、設計値と申しましても、これは非常に推定のむずかしいものでありまして、これが一〇%か多くなりました点につきましては、今申しました百倍に薄まるという問題と関連いたしまして、実験的にこれを確かめつつ保安規程の方も直していきたいと思っております。  最終的に申しますと、一万キロの運転でもって、実際に人が接近し得るところで許容量以上になるという心配は今のところまだないと思いますけれども、一万キロの運転の時期もまだ十分に時間がございませんでしたから、今後七千キロ程度での運転を続けている間にそこらの点を十分に測定した上で、保安規程改正その他をいたしまして、できれば一万キロに上げたい、そういうふうに考えております。
  13. 石川次夫

    石川委員 端的に申し上げますけれども、この原研で出しておる放射線安全対策の中で、JRR2の放出速度というのは、一五〇マイクロキュリー・パー・セカンドということになっておる。これが大体どのくらいになるかということを、具体的な数字で御見当がつきますか。
  14. 菊池正士

    菊池参考人 それは煙突を出ていくときでございますが、その数字と、それが煙突を出て下へ行くまでにどれだけ薄まっていくかというファクターがもう一つ非常に重要な問題になります。今おっしゃいました数字は、煙突を出るところでありまして、それが最初に考えていたよりも多少多かったという事実はございます。
  15. 石川次夫

    石川委員 大へんこまかいことを、いつまでもあらを拾うような形で申し上げるのはどうかと思いますが、今言ったことも一応責任ある立場としての回答というふうに受け取るよりほかないわけです。実は私が聞きましたのは、百五十マイクロキュリーというのは、実際は六倍から七倍になるのじゃないか、私の聞いた範囲ではそういう話があるわけであります。そうなりますと、これは容易ならぬ問題になるのじゃないか。保安規程に百分の一がどうのこうのということは一応ありますけれども、最悪の事態で煙突から出るのはここまで押えなければならぬというのが保安規程できめられておる数字になって、百五十マイクロキュリー・パー・セカンド、そういうことになっております。私の聞いたのはこの数倍になっておるというふうなことになりますと、非常に違うものが出てくる。別にこれはあげ足をとって、やたらに放射線がおそろしいのだということで、原子力科学研究発展の足を引っ張るつもりは毛頭ないことは申し上げるまでもないと思うのです。と申しますことは、これは安全審査会でもって非常に精密な検討をやりまして、検討の結果を加えて、これなら大丈夫だというのが、実際にやっていくと、それをはるかにオーバーしてしまうというようなことが際限なく繰り返されますと、とんだことになる。と申しますのは、この東海でもって、ICRPでもってきめられた五百ミリレムというものを基準といたしまして、原研としてはそのうち三百ミリレムということになっておる。ところが、そのきめ方自体にも原子力委員会がはたして承知しておるかどうかという点について問題があるわけですが、この三百ミリレムが一応妥当だというふうに仮定いたしまして、さらにここで予定されるJRR1から最後の炉まで一、二、三、四、五、六と六で割り切ってある。ちょうど三百ミリレムの一ぱい一ぱいの予想をここに立てて、その中の部分としてのJRR2のCP5というのが一万キロ・フル回転で百五十マイクロキュリー。ところが、もし私の聞いたのが事実とすれば、六倍か七倍にオーバーしてしまうということになりますれば、私が非常におそれますのは、JPDR、動力試験炉というものが入ることになって、運転をすることになるわけです。そうなりますと、これは全部の許容量のフラクションが三分の一という計算が出てくる。ところが、これは今言ったように、設計値と実際のアルゴン放出量が違うのだということで、三分の一が三倍になったとすれば、それだけでもって一ぱい一ぱいの許容量を占めてしまうということになる危険性がある。さらにJPDRの場合は、私はあまり知識がありませんから間違っているかもしれませんが、多少異常があっても発電関係上とめるわけにはいかぬという性質のもののようです。特に多少の異常という場合に、設計値がすでに三分の一の許容量をはるかにオーバーして、許容量一ぱいになった。そこにピン・ホールがあって異常があるということになりますと、プロセス・ガス、放射性のクリプトンとかクセノンとかいうもののまざったガスが、異常時に際してはそれ以上に出るということになりますと、その付近の居住民の安全性に対する責任は一体どうなるのか。私は非常に無知のためにこれをおそれておるということになるかもしれませんが、そういうことが出てくる可能性があるのじゃないかということを私は非常に心配をしておるわけです。たとえば、JPDRは、今申し上げましたように、東海村の割り当てられた原研の持ち分の中の三分の一以下ということになっておりますが、これが今も言ったように、安全審査の場合と設計値と違った実際の放出量が出たということになりますと、これはちょっと放置できない問題になる可能性がある。御承知のように、アメリカとかイギリスとは立地条件が全然違います。非常な密集地帯につくられておりますために、私は非常に懸念にたえないわけであります。  それと、さらに、一ぺんにまとめて話を申し上げてしまいますけれども、原燃の最処理試験というものがだんだん大きくなるだろう。これはプルトニウムという問題もそれに関連して将来出てくる問題だろうと思いますけれども、これは密閉してもガスはどうしても放出を避けることはできないと思うのです。そこでまた相当大きな放出量設計値以上に出てしまうということになってきますと、東海に集中したということに対する反省というものがそこから生まれてこなければならぬのじゃないか。私がおそれておりますのは、安全審査の場合には安全サイトでもって極力少なく出るのだというような査定をしておいて、実際にやってみたらオーバーしてしまうというようなことを繰り返すと、これはとんでもないことになるのじゃないか。安全審査の場合は、政治的ないろいろな配慮は入っておらないと私は信じておりますけれども、極力少ないように、恐怖心を起こさせないようにという最小の設計値で安全審査を通して、あとから今度はそれが大きくなったということになって、際限なくこれをふやしていく。五百ミリレムというのはICRPでもってちゃんときめられた最小限度の許容量になっておるのですから、これを越すことはできないと思う。従いまして私が今申しましたように、百五十マイクロキュリーが出ていくと、百分の一になるのだ、百分の一というのはシビャー過ぎたということは、私はなるほどそうかもしれぬと思うのですけれども、最悪の事態に対処する最小限度の許容量煙突出口でもって保安規程で押えてある。これを特に原研だけの意見できめるということは不可能だろうと思います。なぜこの設計値というのは安全サイトで押えてもらえないのか。それが実測はそれをずっとオーバーしてしまうのだということを際限なく繰り返すようでは、いずれどこかでもってまたあらためて実験炉というものを設けるような場合でも、相当問題になってくるのじゃないかという不安があるのです。それらのことにつきまして、委員長さんあるいは原子力委員会でどうお考えになっているか、それを一つお聞かせ願いたい。   〔山口(好)委員長代理退席、松本(一)委員長代理着席〕
  16. 菊池正士

    菊池参考人 百分の一に押えましたのは、原研から保安規程を出すときに出しました。百分の一で押えることによって、つまりそこで一つ押えておきまして、非常にシビヤーに押えまして、そしてそれをあとゆるめていくのは、確実な実験的根拠によってだんだんゆるめていきたいという考え方から、最初保安規程には百分の一という非常にシビヤーな値を出したわけであります。今回やっていきます上に、今おっしゃったようないろいろな事情を考慮いたしまして、実際の運転ができますのですから、アルゴンがどのくらい出るということが実測によってわかって参りますから、それによって百分の一をどの程度までゆるめてもいいかということを十分に検討した上で保安規程改正その他を行ないたいと思います。今の御趣旨はごもっともでございますので、いろいろなそういった面についての考慮は十分にやっていきたいと思い、また現にやっております。アルゴンの量が多少多かったことにつきましては残念ではございますけれども、しかし、それが現在それほどの重大問題になるとは私は思っておりません。なお十分に注意してその点は取り扱いたいと思っております。
  17. 兼重寛九郎

    ○兼重説明員 JRR2のアルゴン放出量につきましては、今、菊池理事長からお答えになったようなことでございます。数倍というガスが出ましたのは、一番最初の建設のときの、安全審査に出たそのときの資料に比べまして、実際に運転したときの値が、私の記憶ではたしか三倍前後であったかと思いますが、その数字ではないかと思うのでございます。そういうことがありましたので、その後さらに修正された資料が出まして、それを安全審査会で諮りました結果、その数値であるならば差しつかえないということで認められたものでございます。現在新しい燃料になりましてから熱出力を増加する試験をやりましたところ、その二度目のものについても、また少し、これは何割という程度——先ほど七割とかというお話でございましたが、そういう程度の上回りが見られたようであります。そういう程度計算実測との違いはやむを得ないと思うのでございますが、私としましては、今石川先生がおっしゃいましたように、そういうときには安全サイトというのは私どもから考えれば大き目の方の設計をしておいて、実際にはかってみたらそれよりも下回っていたという結果になるのが自然であろうと思うのでございます。しかし、技術者は一番自分が自信を持って計算したその値をそのまま使いたいという気分もあるとみえまして、申請書などに出る数字はそういうのが出てきているのが今までの例でございます。これは別段安全審査会でそういうふうに出てきたものをいろいろ計算し直して小さくして出すというようなことではないわけでございます。  それから、先ほどの五百ミリレムに対して原研の方が三百ミリレムを使うというそういう打ち合わせのことは、東海地区の三つの関係者の間で相談をなさったことであるようであります。そのことはむろん聞いてはおりますが、それについてそれはいいとか悪いとかということを原子力委員会で特にいう性質のものではないように了解しております。ただし、非常に妙なことがあれば、もちろん何か適当な注意はする必要があると思いますけれども、そうでない限りそれを承知しておるだけでよろしいと考えております。そういうようなことで、全体の数、五百ミリレムと一ぱいに出ておってもいいかどうかという点は、問題はなくはありませんけれども、ましてやそれをこすというようなことがある場合に、少しだからどうというようなことはできないと考えております。そういう点は原子力局の方でも非常に厳密に考えておりますから、そういうことが今の計画と多少違ったということによって影響されることのない点だけはここに申し上げておきたいと思います。
  18. 石川次夫

    石川委員 私は原子力の専門家ではないものですから、どうもはっきり核心を突いた質問ができないはがゆさを自分は感じておりますが、今三倍という数字を簡単に取り上げてみますと、JPDRはもちろん正常な運転で三分の一という許容量に対するフラクションをとってある。これは安全審査は、審査のときには三分の一以下だということになるかもしれないが、実際の計算で今言ったように三倍だということになれば、さらにここにピン・ホールの異常の放出ガスがあったというふうなことになりますと、これは五百ミリレムの中の原研の持ち分をこしてしまうということが容易に考えられるんじゃないだろうか。その場合に、今度は最小許容量というものは少しこれは厳密過ぎるんだということで、これを変更するということは許されない。そういう可能性があるのではないだろうか。これは確かにしろうとの質問で的をはずれているかもしれませんが、その点JPDRの場合は多少の異常があっても発電をとめられない性格のもののようでありますので、CP5それ自体は大したものではないわけでありますが、しかしながらこのJPDRのことなんかを想定しますと、そういう心配がどうしても出ざるを得ないということで、この点はどういうふうにお考えになっておりますか、伺いたい。
  19. 菊池正士

    菊池参考人 原子力発電所と私どもの方と原子燃料公社と三者できまっております線量というのは、煙突から出すそういうものでございませんので、その付近の人に及ぼす影響、これは被爆するレム数を一年間平均したものの値で押えているわけであります。ですから、風向きとかいろいろなことが問題になるわけでありまして、JPDRといたしましては、今おっしゃったような場合に放出ガスをじかに出さないで、一時ためておいて出すような計画が行なわれております。そういうことによりまして、もし何か必要以上に、今のような燃料の故障その他で出たような場合、一時そこへためまして、そして風向きその他を見た上で出すとか、いろいろな手段を非常の場合としては考えているわけでございます。私もここに詳しい資料を持ち合わせないので、こまかい数字で申し上げるわけにいかないのは大へんいけないのでございますが、そういう御心配の趣旨は十分に考えまして、われわれとしましても、絶対に外の皆さんにそういったような被爆によるいろいろな問題、不安ということがないようなやり方を今後もやっていきたいと思っております。また、今までのいろいろな資料では十分それができる範囲内にあるというふうに考えております。今ここにこまかい数字を持っておりませんので、そのために十分御説明できないのはちょっと残念でございます。
  20. 石川次夫

    石川委員 私の方も、さらに曲がりなりにも勉強しながらあとでまた御質問する機会を持ちたいと思います。  最後に一つ申し上げておきます。原子力研究所が三百、それから原燃が五十、原発が五十、保留分が百、合わせてICRPの最小許容量五百ミリレムという数字が出ておる。これはしかし原子力委員会としては関知せずということでいいのかどうか。疑問が出て、原子力委員会あたりがこの配分について、いいかどうかということをやはり検討する必要があるという場合が一つ。  それから、原燃は五十ミリレムということになっておりますけれども、再処理という問題が将来はっきりして参りますと、五十ミリで一体足りるだろうかということが一つ。  それから、今申しました保安処理によるところの煙突出口における最小許容量という保安規程による押え方というものは、五百ミリレムになるための最悪の事態を予想して煙突出口に幾らと押えたのか。私が先ほど申しましたように、許容量に対するフラクションとしてJRR2が六十分の一、あるいはJPDRは三分の一以下というふうな押え方をしておる。この保安規程は簡単に変えられるべき性質のものではないというふうに考えますと、この設計値と実際の測定値というものが違ってくるということになりますと、どうも一まつの不安がないというわけにいかぬと思います。大へん私はしろうとらしい質問で恐縮でありますけれども、これはいずれあらためて私も検討して質問する機会を持ちたいと思います。そういうような点で、安全サイトで極力放出量というものは押えていくという考え方でないと、実際にやったのが三倍だというようなことがしょっちゅうあったのでは非常に不安に考えます。そういう点は十分に御注意願いたいということと、この保安規程というものは私は簡単に変えるわけにはいかないんじゃないかと考えます。最悪の事態でこの煙突出口で幾らということを、風向きが一定の方向——実際の問題としては風向きが一定の方向に行くということはないわけですけれども、そういう最終段階における最終の許容量煙突出口でもって幾らということを保安規程で押えるという原則の上に立って、なおかつ安全であるというふうな十全の対策を講じてもらわないと困るということを申し上げるだけにとめまして、私の質問は一応終わりたいと思います。
  21. 菊池正士

    菊池参考人 一言だけ私はつけ加えさせていただきたいのでございます。今の煙突からの薄まる問題でございます。薄まるものを百といたしますと、今おっしゃったような数字になるわけでありますが、この百という数字を出しましたのは、全くわれわれとしては実験的に出す以外に方法がないので一応そう出しましたが、これに相当のセーフティ・ファクターをそこに入れておいてあります。実際のこの百という数字がどのくらいかという他との比較をちょっと一言だけ申し上げたいと思います。最近ちょうどMITから参りました。MITの、例の町の中にある煙突からの問題でありますが、百というファクターをこちらで出すということを申しましたが、そのとき向こうは七千という数字をとっております。七千と百ということになると、七十倍になる。原研で、はたして七千をとっていいかどうかということは今後の問題であります。もし七千がとれるものならば、今申しました百などという数字をとったこと自体が、安全にとり過ぎたということになる。その辺のところは今後十分に検討した上で、さらに保安規程改正というようなことをお願いしなければならぬかと思っております。   〔松本(一)委員長代理退席、山口(好)委員長代理着席〕
  22. 山口好一

    山口(好)委員長代理 岡良一君。
  23. 岡良一

    岡委員 石川委員質問に関連して一言お尋ねしたいのですが、原子力研究所給与制度について、今西村原子力委員から基本方針がお示しになった。これを拝見いたしますと、おおむね妥当なものだと思う。しかし、あくまでもこれは方針である。そこで、この方針にのっとって理事者側組合側との間における給与交渉が妥結をしたとしても、さて予算の裏づけということになると、理事者側には何の権限もない。これを一体どう解決されるか。この点、近藤長官の御所見を一つ承りたい。
  24. 近藤鶴代

    近藤国務大臣 今後委員会の方とよく具体的な話を煮詰めました上で私も努力いたしていきたいと思いますけれども、今の段階でどうということを申し上げるだけの処置をいたしておりません。
  25. 岡良一

    岡委員 この原研組合側と理事者側との間にいつでも年中行事のようにストが起こることは、特に原子力研究平和開発の中核であるだけに私どもは重々遺憾だと思う。なぜこういうことが繰り返し行なわれるかというと、一つの大きな理由は、理事者側に予算の権限がないということです。そうすれば、やはり予算を一つ裏づけてやる。このためには国務大臣としての近藤長官の御努力に期待したい。これなくしては、理事者側労働組合との交渉はいつものれんに腕押しというような状態になるというところに私は問題があると思いますので、どうか一つ近藤長官におかれてはこの点についての認識を新たにしていただいて、今後の御努力をお願いしたいと思います。  それから、さっき菊池参考人が言われました発電計画に見合う使用済み燃料処理計画が必要だということであります。原子力委員会としては、まず数字の点でお伺いをいたしたいんだが、当初開発段階、研究段階としての百万キロワットについてはどの程度スペント・フュエルが出て参りますか。詳しくではなくても、若干年次的にお示しを願いたい。それに対して原子力委員会としては、それに対する処理施設としてはどういう構想をお持ちなのか、お示しを願いたい。
  26. 石川一郎

    石川説明員 まだ、この百万キロの発電所をどういう型でつくるかということがきまっておりません。第二番目は、御承知の通り、多分米国の水冷却炉を採用することになっておりますが、その次以後は、いろいろ業者の方でお考えになっておるようでございますが、まだきまっておりません。だから濃縮ウランを使うか、あるいは普通の天然ウランを使うかによりまして処理する数量が違うのでありますから、その点がどうなるかということがわかりませんけれども、発電炉の建設には約五年くらいかかる。再処理工場の方も同じくらいかかるので、炉の建設とちょうど並行していけると思いますから、そういうことがだんだんとわかって参りましたときやって参りたい、こういうふうに考えております。
  27. 岡良一

    岡委員 アメリカの方でもスペント・フュエルはあまり扱っていないようだし、英国の方も向こうへ持っていくのが大へんな仕事なんですね。おそらく日本で自主的に処理をしなければならない。そのくらいな腹づもりで私は計画を立てておくのが妥当だと思うわけです。そこで今、さしあたりは東海村のコールダーホール改良型から一九六四年、五年の初めには約六十トンも出てくるわけです。それに対して皆さんの方では、再処理の施設としてはどの程度規模のものを御計画でございますか。
  28. 石川一郎

    石川説明員 今お話しの通りに、大体六十トンぐらいのものが出るのではないかと存じます。それがイギリスの方に返せるか返せないかの問題でございます。この問題につきましては、今原燃の方でいろいろ調べておりますし、われわれもこういう点がむずかしいのではないか、この点をよく調べなければならないのではないかということをあちらの方に申し上げております。それがどうなるかということはまだ決定いたしておりません。もしそれが万一送り返すのが、いろいろ海運の点とか、保険とか、あるいはまた安全とかのために送り返しにくいということになった場合にはどうするかということも考えつつありまして、まずそういう場合においては二年でも三年でもストックをしていただこう、その間にこっちの準備をする、こういうふうなつもりになっております。
  29. 岡良一

    岡委員 この委員会で、英国の場合、送り返せるか返せないか、返せるとすればどういう方法でやるか、その場合にどういう問題点があるか、ずいぶんいろいろの先生とお話ししているわけです。これはやはりもっときめこまかな具体策、構想がとられていいのではないかと思うのです。ぜひ原子力委員会として、もう少しはっきりしたお答えを一つ出していただけるように、すみやかに御検討を進めてもらいたい。私どもとしましては、原子力発電は当然やるべきだ、しかし国際的に経済性あるいは安全性においてまだ確たる保障がない限りはいたずらに急ぐべきではない、こういう方針をとって参っております。  そこで今度は、スペント・フュエル処理問題がある。当初十年の開発段階においても一トンに近いプルトニウムというものが生産され、後期の十年の間には約十トン程度プルトニウムをつくる。政界、財界の一部には、自衛隊の核武装、原爆の製造ということも言われております。中共の核実験も近い。こういういろいろな情報を考えますと、スペント・フュエル処理並びにその平和利用については、原子力委員会としては責任を持ってやってもらわなければならない。それはほんとうに皆さんの大きな責任であり、原子力基本法の第二条の平和目的を完遂するためにも欠くべからざるあなた方の当然な責任なんだ。この点をよく一つ認識をしていただきたい。このことを申し上げまして質問を終わります。
  30. 山口好一

    山口(好)委員長代理 赤澤正道君。
  31. 赤澤正道

    赤澤委員 きょうは石川委員がお見えになっておりますから、主として燃料政策のことを若干お聞きしたいと思います。  今スペント・フュエルのことについて、もっと委員会の方でしっかり腹をきめていただかなければならぬと岡君の話にもありましたように、私どもは今鳥取県の北部でやっておりますウランのことについても、もっと明確な態度を一つ委員会できめて、政府を鼓舞していただく努力をぜひお願いしたいと思うのです。この前私が委員会で申し上げたのは、たまたまこれを大いにやろうと思って出かけてきましたところ、参考人にお願いすることをど忘れしておりまして、理論物理学の大家と国際法の大家がいらっしゃったのです。肝心の石川委員がお見えにならない。人形峠の視察においでになるという話を聞いておったものですから、伝言をお願いしたはずでございまして、西村さんからお伝え願ったと思うのです。  十三億も、もうすでに金をかけてあそこで開発をやっておるわけですから、もっと実態をよく見ていただかなければなりません。今日の事態では、この前御視察になったときとよほど違った印象をお受けになったと思うのです。現地では非常に張り切っております。今度五カ年計画をつくっておりますのにも、四十二年度には大体五百万トン見当の埋蔵量が確認できるであろうということを言っておる。残念ながら、当初から品質があまりよくない。しかし、貧鉱処理法については、公社の方でも、また民間の方でも、ずいぶん研究が進みまして、もうぼつぼつ粗製錬の段階に入っていいんじゃないか。もちろんこの国内産の原料でもって、研究炉だけでなく、発電原子炉もまかなえるようなことになればけっこうだけれども、まだそういう十分な鉱量がないことは残念です。掘っていったからといって、将来とも燃料の面で安心できる域に達するかどうか。日本資源が貧弱な国ですからこれはやむを得ぬと思うのですけれども、かといって、外国のイエロー・ケーキを輸入して、その製錬をすれば事足れりとしておるのでは、根っからの研究開発という技術を練摩する面でもおくれをとると思うのです。ですから、そういった意味もあわせて、私は今もう次の段階に足を踏み入れる時期になっておると思うのです。たまたま予算期でもありますし、科学技術庁燃料公社の方面から私らを突き上げてきて、こういう段階に来ているのだからもっと予算措置をお願いしたいと言ってくるのですが、それにつけても、原子力委員会は一体何をしているのだということになるのです。これは科学技術庁の外郭団体でもなんでもない。総理に直属しておる。総理府に移籍してある機関です。そして、あなた方の決定については総理大臣も尊重しなければならぬということになっておる。近ごろは決定があったからといって、なかなか政府もふところ勘定をしますから、尊重はすると口では言っておっても御意見通りにはならぬこともありはいたしますけれども、もっと迫力を持って、委員会の方できめたことは政府に迫るという態度が必要でもあるし、また私たちも委員として、また最初からの関係者として、十分努力はしたいと考えております。  それで、実はきょう私的な用件があって多くの時間がないのは大へん残念ですが、この間私どもやかましく言いまして、公社としてももっと最近のデータをそろえて、少なくとも向こう五カ年ぐらいの計画も立てて、そしてもっと腹がまえをしっかり固めてきなさい。それにはもちろん原子力委員会もよく腹を合わせるというとおかしいけれども、よく御意見も聞いて、はっきりした腹がまえをきめたものを持ってこいと言っておったら、出てきたわけです。これを見ますと、もうこれは石川委員の御専門でもあるわけだけれども、大体ああいう貧鉱でも巧みに処理すればAECあたりの販売価格——これは多分に政策的なものも加わっているのですが、一応金属ウランに仕上げたものは一キログラムあたりの原価が約八千五百円くらいじゃないですか。このAECの国内販売価格に大体匹敵するところくらいまでやれるという自信を公社は持っておるのです。私どもは実際技術的な面はわかりませんけれども、ここに出して参りました試算表にはっきりそれをうたっておるわけなんです。そういったことを一切含めて、今度はそこの鉱山を見ていただいたのですけれども、簡単に一つ御感想なり、また今そういう予算を要求しなければならぬ時期でもあるし、一つ原子力委員会としての御決意を伺っておきたいと考えるわけなんです。これは一つ石川委員から一括してお話をお願いいたしたいと思います。
  32. 石川一郎

    石川説明員 大へん範囲が広いので、どういうふうに刻んでいって御説明申し上げたらいいか……。
  33. 赤澤正道

    赤澤委員 視察なさった感想から始めていただいて、及んでいただけばいいと思います。
  34. 石川一郎

    石川説明員 今まで相当の金を使って方々の探鉱をいたしまして、特に人形峠に相当のものが見つかったということは事実でございます。今度行って参りまして、なかなかよく探鉱の仕方——私、実は、専門とおっしゃられましたが専門じゃありません。今までにずいぶんどっさり山は取り扱いましたが、専門じゃありません。しかし、見ますと、そんなにへまなやり方をやってはおらぬと思います。そういう批評をなさる方があるようですけれども、そういうことは公社としてはやっておらぬと見て参りました。  それから、実は人形峠の付近に、あれほど遠距離のところに、ああいうふうなデポジットがあるとは初めは思わなかった。だんだんそれが見つかって参りますので、まだまだ見つかるだろうと存じます。それに鳥取県側の神ノ倉あたりをちょっと拝見いたしましても相当有望なように思うし、神ノ倉のもう少し東の方と人形峠の方と、あるいは何らかの連絡があるのじゃないかということも説明を聞きまして、それももっともだと感じて参りました。ですから、私は日本の鉱床としてはかなり広い面積に散らばっているものであると思います。ただし、今までのいろいろ採掘をやりました結果から、どういうふうな賦存状態にあるかということは明確になって参りましたし、また鉱床のあるところはこういうところにあるのじゃないかという想像もつくようになりました。それから、電探とボーリングとは大体一致するということもわかって参りましたので、これからは今までよりもさらに有効な探鉱ができるであろうと思います。  現在わかっておりますものは、鉱量の見方につきましてはいろいろな方法がありますが、確定と推定といろいろあり、予想というやつもありますが、それをすっかり加えれば公社の方で言っている二百五、六十万トンはおそらくかたいだろうと思います。それで予想を除きますと金属ウランとして約千トン余りあるということであります。こういうわけでございます。それからまた五カ年計画をごらんになっても、私実はこの間持って参りましたのを拝見いたしましたが、もうあと四・五年やれば、今までくらいな賦存状態であれば五百万トンくらいになるだろう、こういうことでございます。  現在の状態においてそれじゃどうするかという問題がございます。あの鉱石を拝見いたしまして、私前から水洗鉱をやったらどうかという話をしたのです。というのは、ウラニウムの母岩の方が中に入っておらないで、ウラニウムの小さな粉が外に、ちょうどきなこのようについている鉱石でありますから、これは洗う方がいいだろう。それでハイドロ・マイニングでやったらどうかということで、去年あたりからやっておるから、その方法によって水で洗鉱いたしますと、早く安くできます。そういうことも研究しております。それで品位を上げて持ってくれば、コンマ〇のものがあるいは百分の二になるだろう、ということになれば非常に安くなるのじゃないか、こう考えております。  それから製錬の方でございます。製錬の方は、あの鉱石はいろいろ今までの研究の結果、非常に品位の悪い割合に取り扱いがやさしいということでございます。これは品位の悪いのをカバーするという材料になるのと、先ほど申し上げました簡単な水洗によって品位を上げて、品位の悪いのをカバーするということになるのではないか、こういう考えを当事者は持っております。  それから、現在はウラン精鉱が非常に値下がりしておりますので、不経済で、製錬をやりましても、やはり相当大規模にやっても、なかなか引き合わぬのではないかと思っております。何しろ貧鉱でございますし、御承知の通り、カナダあたりはパー・デー一万五千トンというような大きいのがあります。しかもカナダはウランの含有量がコンマ一で、あそこはよろしいのでございますけれども、石は非常に固い。ですから、相当大きな規模にしないとあそこの鉱石は引き合わない。ところが一方、これは私、見ませんけれども、アメリカあたりの鉱山は、数年前からいろいろ話を聞いてみますと、非常に小さな、中には日本でマンガンを掘るような掘り方をやっておるようなところもあるそうでございます。数人でやっておるそうでございます。それで百トンくらいしか掘れないような山もある。しかし、人形峠というのは鉱量がまだ少ないものですから、それでそういう大きなことは当分はできません。しかし将来いざというときには製錬にかかれるような準備をしたらよいだろうというので、パー・デーで百トンの小さなプラントをつくりまして、そして直接製錬をやっていくというような考えで今予算を御請求しておるような次第でございます。要するにもっと大きくなったときに、いざ製錬にかかれるような準備をしておこう。今まで東海村にもプロセスをきめるために実験工場がありましたが、非常に小そうございました。今度はあそこにあるものも利用できるものは利用して、パー・デー百トンくらいのプラントをつくって試験をする、こういうことにしたいわけであります。  なお、値段の問題です。価格は、どうも私は計算ができませんから、公社で出してくれとしばしば頼んでありますが、なかなか出てこない。今公社でいうところでは、これははっきりした数字ではありませんが、今ポンド八ドル——アメリカのジョンソンが昨年アルゼンチンのウランの会議でもって、大体今の値段はべらぼうに安いのだ、それで将来は八ドルというのが適当だろうという議論で、みんなが——みんなというのは世界の地質学者、製錬学者が賛成したという話を聞いておるのです。その値段ならどうにかやっていけるだろう、こういうことでございます。しかし、御承知の通り、イギリスが今度カナダと一万何千トンか契約しましたのは精鉱一ポンドにつき約五ドルでございます。もちろんその五ドルはカナダ全体に対して約束したので、カナダの各鉱山はカナダ内部できめているらしゅうございます。安い鉱山には安く、少し高く出してやらなければ持たない山は高くというようなことをカナダ内部でもやっておるようですが、結局五ドル。しかし、日本でときどき入札して買うわずかなものは、ポンド三ドル、五ドル、日本に着いて七ドル、安くなっている。  ですから今、日本で製錬を大きくやるという鉱量もございませんし、大きくやるということは損ですから、せめて五百万トンくらい見つかれば、一日千五百トンか二千トンくらい、それくらいならば、十年もし続く見込みが立てば、大きくやった方がよかろう。しかし、そのとき大きくやるのに一体どんなプロセスにいった方がいいかということで、今研究すべく数億の金を出してもらいまして試験する、こういうことになっておるわけでございます。  なお、私は前から言っておったのですが、人形峠の鉱床は東の方に伸びている。北と南の方にも広くなっている。しかるに、どうも西の方で切れているのがおかしいという考えを持っておりましたが、このごろ伺いますと、西の方の広島県境の脊梁山脈の中にウランの徴候があったという話でございます。まだまだよけいあるかもしれません。そういう状況ですから、もう少し時をかしていただいて探鉱していったらどうか、こう思います。  それで、今まで使いました探鉱費が十二、三億になっております。そのトン当たりどうなるだろうかという問題です。これは大きな問題ですが、トン当たりいろいろな計算方法がございますけれども、鉱石当たり三百円くらいかかっているのではないか。見方にもよりますが、もう少しかかっているかもしれません。  それから、四、五年前、原子力委員会が、プライベートに山をおやりになった方が鉱石を掘り、その鉱石を公社に持ってくる場合の値段をきめたらどうかということがございました。そのとき発表した鉱石の値段期限がきましたので、これから先の買い上げ価格をどうするか研究いたしましたが、結局そのまま続けることにいたしました。あのときウランの含有量がコンマ一でトン五千円ということになっておったのです。もちろん鉱石の種類、それから製錬がうまくいくかいかないかという問題は非常に鉱石の値段関係するのですけれども、大体そういうことにしてあったのです。まあ今日も四、五千円の値打ちがあるのではないかと思っておりますが、これはもう少し公社の方で調べてもらうように言ってあるのです。先ほど申し上げたように、専門家の方々は、アメリカあるいは世界的に考えても、将来八ドルというのはいくだろうという話でございます。  それから、これはよけいな話でございますけれども、世界のウラン鉱の産出国から精鉱を買ってもらいたいというので、しばしば人が来ます。そのときの話を伺いますと、大体数年間はウランの値段は上がらない。しかし、一九七〇年くらいになると上がるぞ。これは鉱山の側の人ですから、上がる楽しみを持っていなければならぬと思いますが、そういう話を山主はしております。  大体原子炉の進み方は、今はあまり平和利用がございませんが、原子炉の進み方いかんによって値段が出てくるだろうと思うのです。これはわれわれ民間であれば、こういう安いときに買っておいたらいいじゃないかという気がいたすくらい安うございます。分量も、日本で使うのは、今天然ウランとしてコールダーホールに入れるのは、いろいろの実験で使うのが年に十トンくらいです。その十トンくらいのものがちょうどできるようなものを今度はテスト・プラントをつくって獲得する、こういうようなことであります。コールダーホール炉に装入するものは相当使える品質なのですが、日本産の天然ウランを使ってくれぬかということを私、前に英国に行ったときに、ほんとうの談判ということではないのですけれども、サウンドしたのです。そうしたら、これは困る、わずかなものを持ってくるというのでなく、うんと連続的に仕事のできるほど天然ウランを持ってきてくれれば自分の方の生産のラインに入れることができるけれども、少しくらいのものでは困る、こう言っておりました。  大体これでお答えになりましたかどうか、一応申し上げました。
  35. 赤澤正道

    赤澤委員 専門家と申し上げたのは鉱山屋という意味ではなくて、あなたは経営のベテランですから……。  それで、今のお言葉の中にも、結局あの程度の品位のもので五百万トンくらいの鉱量が確定しないと着手しないということですか。
  36. 石川一郎

    石川説明員 大きくは……。
  37. 赤澤正道

    赤澤委員 だったら、やはりまだ五、六年……。
  38. 石川一郎

    石川説明員 うまく見つかれば二年でいくかもしれません。今まで通りで参りますれば四、五年かかる……。
  39. 赤澤正道

    赤澤委員 先になるということですか。
  40. 石川一郎

    石川説明員 はい。
  41. 赤澤正道

    赤澤委員 今度つくりました燃料公社の人形峠鉱山、東郷鉱山の開発の資料をごらんになりましたか。これに金属ウラン仕上がりのキログラム当たりの原価というものをずっと出しているのですね。これを御検討になったのですか。
  42. 石川一郎

    石川説明員 いや、その点は疑問なんです。
  43. 赤澤正道

    赤澤委員 その疑問というのは、あなたは経営者の立場から、一体こういう貧鉱を処理して仕上がりがこのくらいな原価になるものだということについて、非常に疑問を持っていらっしゃるのですか。
  44. 石川一郎

    石川説明員 まだはっきりしておりませんし、だから七ドルになるか六ドルになるかと言われると、ちょっと困る。わからないのです。そういう程度です。
  45. 赤澤正道

    赤澤委員 公社から非常に熱心に私がお聞きした資料をつくってこられまして、私はこれを見た上の感想なんですけれども、しかし、これは公社の立場で一つの推定をし、また希望的な意見を述べておると考えられないことはないのであります。これを実際原子力委員会として、きわめて妥当なものだとか、今の金属ウランの仕上がりが幾らになるかということは、これは簡単に何千何百円ということはのめぬかもわかりませんけれども、このものをもう少し委員会として綿密に検討なさって、そしてわれわれにも意見を聞かしていただきませんと、たとえば今度パイロット・プラントをつくるにいたしましても、大蔵省の方では、こんなものに金をかけても、むだな国費を捨てるだけじゃないか、もしやりたければ外国燃料を安く買えるのだから、その方のイエロー・ケーキで手当したらどうかという意見があるわけです。燃料公社は自分の仕事だからもちろんこういうものをつくっていきますけれども、やはり原子力委員会としてしっかりした腹をきめていただきませんと、われわれもやりにくいわけです。やはり国営方式でやるのか、あるいは民間に粗製錬もやらせるのか、いろんな問題もあります。これを民間でやらせることが望ましいというような表現もかつてあったのだけれども、まだこのことについて、原子力委員会はどうお考えになっておられるのか、それも明らかにいたしません。また、さっき申したように、研究炉に使う程度の金属ウランでしたら大した分量ではないわけですけれども、やはり将来原子力発電等も国産の原料に私たちは非常に期待をしておるわけです。この原子炉は、試験炉であれ研究炉であれ、あるいは実用炉であれ、計画は現にあるわけです。これに対して、一体国産燃料というものをどういうふうにかみ合わしていくかということは、やはりこれは原子力委員会の方ではっきりした計画を出していただきませんと、われわれとしてもただむだな国費を使いたくないという気持はあるわけです。しかし、将来私どもは非常に希望を持っているわけで、そこらのところもあわせて一つ石川先生からお話を伺っておきたい。
  46. 石川一郎

    石川説明員 今の最初の方の問題でございますが、これは五カ年計画でつくっておったのが、ついまだ十分検討しておりません。しかし、将来の見込みを立てなければならぬということで出してもらって、今の値段の問題とか、あるいはもっと先にいかなければならぬか、検討しておりませんが、大体公社とわれわれとのプリンシプルは一致しております。  それから、今の日本でつくった天然ウラン、これを炉に使う、もちろんわれわれはこれを使うつもりであります。第二番目のチャージは、政府の方からも補助金なりを出していただいて、研究していただいておる。それもどうも各グループが別々に研究されては困る。わずかなのだから一緒になって研究してくれということで、研究していただいております。共同して今研究はやっている。そしてその成果によって日本でつくる、こういうつもりで今進んでおります。
  47. 山口好一

    山口(好)委員長代理 齋藤憲三君。
  48. 齋藤憲三

    ○齋藤(憲)委員 質問をなるべく簡潔にいたしますから、御答弁も簡潔にお願いいたしたいと思います。菊池理事長プルトニウムを中心とした御視察を一カ月にわたっておやりになりまして、その御報告を承ったのでありますが、私もあまりプルトニウムというものに対しては知識がございません。ただ、研究所方針として一応承っておきたいことがございますので、御質問申し上げます。  原子力研究所を開設いたしまして、最初の時期における問題は、一体日本原子力研究所は、これは初めて原子力に取り組むのであるから、一応基礎的な問題も急速度に研究をしなければいかぬし、それから欧米先進国の原子力平和利用に関する研究体制もこれをどんどん取り入れて、日本のレベル・アップもしなければいけない。しかし、一体日本原子力平和利用の歩調を欧米先進国に独自の立場においてどの点でもって合致させるか。核融合反応か増殖かというような問題がだいぶ論議されたときがあったのでございます。その当時、われわれとしては知識もありませんけれども、日本現状からいって、核融合反応というものに目標を定めて、そうしてこれに対する大きな研究体制を確立した方がいいではないかというようなことも、ずいぶん意見としては戦わされたのであります。今お話を承りますというと、欧米特にアメリカでは、増殖炉というものが非常に大きな問題として今研究対象になっており、十五年もすればこれが実用化されるのではないか。この増殖炉方法として、高速炉がいいか、熱中性子炉がいいか、これも問題になっている。これが実現されまして、プルトニウム二三九、四〇、四一というようなものが活用されるようになりますと、大体今の二三五を目標としている核分裂炉の燃料から比較いたしますと、百四十倍くらいの燃料というものが出てきて、そして非常に大きな燃料の低下がはかられる。ここに本格的な原子力発電の体制というものが確立されるのではないか、というようなお話であったかと推測するのであります。  そういうような御視察の結果から見て、今後日本原子力研究所が、日本原子力平和利用というものを対象として本式的に腰を入れて研究体制を確立していくという点に対して、研究所長として新しい何ものかをおつかみになって、今までの研究体制からさらにはっきりした目標をつかむ、たとえば日本でも十五年かかって増殖炉の体制は世界に劣らないように一つやっていこうというようなお考え方から、新たに原子力研究所研究年次計画というものでもお立てになっておやりになるという御感想をお持ちになってお帰りになったのか。この点を一つ参考のために伺っておきたい。
  49. 菊池正士

    菊池参考人 今お話しのように、今回の視察によりまして、単にプルトニウムのことばかりでなしに、私もふだんいろいろと考える時間がないようなこともございますので、旅行中いろいろな刺激を受けながら考えまして、今後の問題につきましていろいろと新しい考え方なり、またやろうという意欲を持って帰ってきたわけであります。  まず第一、増殖炉の問題は、これは何といっても重要な問題で、現在までもある程度手がけておりましたが、将来ともこれはますます進めなければならぬ。  それ以外の問題といたしましては、原子力開発をやるのに、何か特に非常に変わったタイプのものをここで開発するという問題だけではなしに、現在も行なわれている軽水炉燃料の問題にいたしましても、まだまだ少しも満足な解決が与えられていない問題がたくさんございます。たとえば今最も普通に使われている軽水炉燃料にいたしましても、そのバーン・アップと申しますか、燃料を燃す効率を今のたとえば倍に上げれば、それだけ燃料のコストはよくなるとか、いろいろな面で現在行なわれている。もうすでに開発されていると称せられる炉の中にまだ非常に多くの問題が残されている。そういうことをつくづくと感じてきたわけでございます。従いまして、これからいよいよ実際にわれわれの方で原子炉も動き、それから動力炉も動いてくるような場合に、この動力炉の燃料も、今ジルカロイという合金を用いてやっておりますが、こうしたものが最終的なものであるというわけでは決してありません。こういったものを中心にして燃料開発をしていけば、今軽水炉が完成したとは言われておりますけれども、この軽水炉に対するそれをさらに経済性をよくしていくというような面で、われわれとして貢献し得る道がまだたくさん残っているという感じがいたします。  それから廃棄物処理というような問題にいたしましても、最終的にほんとうに廃棄物処理をどうやったらいいかという問題も解決しておりません。  そういったあらゆる面で原子力開発に貢献する道が、単に非常に大きな、ある非常に変わった新しい日本式な型の原子炉をつくること以外に、今もうすでに完成されているといわれている面にまだまだ改良の余地とか、経済性を高めるということに非常に多くの問題点を持っておるということを、つくづく感じたような次第でございます。  それで、増殖炉の問題は、かなり長期的な問題として、どこまでも進めていくと同時に、かなり近い将来における原子力経済性をよくしていくという面に、今の原研におけるいろいろな施設がだんだんと整うに従って、十分に貢献し得るのじゃないかというふうに思っております。   〔山口(好)委員長代理退席、委員長着席〕
  50. 齋藤憲三

    ○齋藤(憲)委員 十月十七日にしばらくぶりで研究所を見せていただいたのであります。内容は私はよく知りませんが、外容は相当に整備されておる。まことに欣快に存じて帰ったのであります。日本現状からいたしますと、将来たとえば原子力発電の態様が濃縮ウランという方向に進むといたしますれば、これは経済性からいって、どうしても外国から濃縮ウランを持ってこなければならぬ。これを打ち破るにはどうしてもプルトニウムを中心として増殖炉体系を確立するということが自給自足体制を確立し得るのだということであれば、原子力研究所の体制というものは増殖炉を主眼として今後猛烈な勢いを持って研究体制を進めていかなければ、ほんとうの意味原子力発電国産というものにはならないのじゃないかと私は思うのであります。そういう意味で、今回の御視察がそういう結論に向かう大きなファクターを研究所長としてつかみ得たということであれば、非常に効果的であったのじゃないか。われわれしろうと側から申しますと、そういう結論をはっきりつかんで、増殖炉を完成することによって自給自足の体系における一応の原子力発電の実質を備えられるのだということであれば、その計画を立てて、そして研究所体制を更新されて、予算なり人材なり、そういうところに集結されて、堂々と、第二期計画なら第二期計画として御進行をされたら非常にいいのではないか、そういうことを考えておるわけであります。これはまあ、いずれ御視察の結果が正式に発表されると思いますから、一つそういう点も十分御発表願いたいということを希望申し上げておきたいと思うのであります。  それから、これはお留守中のことであったかと思うのでありますけれども、十月十日に本委員会が開かれましたときに西村さんが御出席になりました。それから労働組合執行委員長の角田さんが御出席になり、いろいろ原子力研究所の内容を図解をもって説明されたのであります。その中に特に私の意外に感じました点は、これは長くなりますから読むことを省略して、ただ一点だけ申し上げます。  これだけ比較しましても、たとえば2が日本で初めての高出力の研究炉として、これで十分に利用に供し得るだけの運転ができるということをお約束できるかどうかという点で、深刻な問題が出ていると思うのです。問題はこのCP要員です。新しい原子炉のための要員確保にあたっての訓練、こういう余裕は全くない形でしか直を組むことができない。これでは安全運転さえあぶないということにつながってくるのではないかと思います。そのJRR2の運転員二十一名の内容はこういう形になって参ります。運転員が現在までに受けております訓練は、所内研修機関まで含めまして、残念なことに一人も受けていなかった。これは原子炉の建設期間が不幸にも三年間おくれたわけですから、その間にほんとうにやろうという点で一致しておれば、これはゼロということがなくて済んだであろうと思います。  こういう陳述をやったのです。私は内容がほんとうかうそか知りませんけれども、原子力研究所が設立されましてから、私がこの委員会で何回となく要求をいたしましたことは、原子力の問題を自分の将来の行くべき研究課程として大学の課程を踏む者は最初りょうりょうたるはずである。なかなかそれはできない。原子力研究所はりっぱな研究体制を持っているんだから、プロパーな人間を養成したらいいじゃないか。幾らでもそれはできるはずだ。国家が技術者を養成すること今日ほど急を要することはない体制になっておるのだから、他に原子力要員を養成することをゆだねるよりは、原子力研究所が立って自己に必要なるところの要員、あるいは将来日本に必要なところの原子力技術者を養成する体制をとったらどうであるかと、何回となくこの委員会で私は質問し、その回答を求めておる。そのたびに相談する相談すると言って、一ぺんも回答がこない。そうしてとどのつまりこういうような陳述を受けるということは、いわゆる国会の意思を今までどう考えておったかという重大な問題に逢着したのではないかと私は考えておる。  それで、この前私はこの問題について、西村委員一人しか御出席になっておられないから、一つお帰りになって原子力委員会でよく御相談の上、必要な人材の養成をどう取り扱っていくかということに対する結論を持ってきてもらいたい、こういうことを要請したのです。きょうはずらっと並んで、さっきからその答弁があるかと思っていると、さっぱり答弁がない。だからここで、国家の最高機関であるかどうか知らぬけれども、いわゆる国民の代表としてそういう問題に対して声をからして質問をしても、速記録にはちゃんと載っているけれども、こっちから催促しなければ一ぺんも答弁が出ないという、そんな不親切な不誠意なことはないと思う。委員長もおるし、委員もずらっと並んでいるから、そういうことに対して、はっきりした答弁をもらいたいと思う。
  51. 西村熊雄

    西村説明員 前回出席いたしましたときに齋藤委員からじかに答弁を持ってくるようにという御希望がございましたので、実は用意して、委員会で慎重審議を重ねました委員会としてのお答えを持参しております。今までその機会がございませんので御披露申し上げなかったわけでございますけれども、御催促がございましたから、これをいい機会に御披露申し上げます。  日本原子力研究所は、原子力関係科学技術者の養成訓練に努力を注いできております。申しますと、原子炉関係につきましては原研原子炉研修所、アイソトープ関係につきましては原研アイソトープ研修所におきまして、関係科学技術者の養成訓練を行なっております。また、原研では常時、外来研究員を受け入れまして、研究者のレベル向上をはかっております。原研以外では、放射線防護及び放射線医学利用関係のための放射線医学総合研究所養成訓練部がございます。また、海外留学生派遣によりまして高度の知識、技能の向上をはかっております。なお、大学に設けられた原子力関係講座の数も次第に増加して参っております。  以上申し上げましたことのほか、原子力作業員の養成を目的としました茨城総合職業訓練所原子力作業員科がございます。また、漸次稼働を始めました民間企業所有の研究原子炉もありまして、これら企業内におきます職員の技術者養成訓練もだんだん軌道に乗ってきております。  以上申し上げましたようなことを総合的に見まして、原子力関係の人材養成はこの御答弁の補足資料として印刷物を持参いたしておりますが、この資料の一に示してあります通り、大体所期の、所期のと申しますのは、長期計画を作成されましたときに第一期十カ年についてこれほどの人材を養成する必要があるであろうと推定された数でございますが、その数字を頭におきまして申しますと、所期の成果を上げてきたと考えております。もちろん、今後さらに一そうの改善強化をはかりたいと考えております。当面の問題としては、特にその必要性が強く感じられておりますアイソトープ関係技術者の養成訓練機関について早急に充実強化していきたいと考えております。  今、齋藤先生が取り上げられました点の重点は、日本原子力研究所技術職員の養成訓練、研究所内部における所員、職員のための技術訓練の必要性を強調なさいましたが、その点につきましては、これまた別添資料の二のところに表示してございますが、その表にございます通り、従来とも研究所努力してきておられますが、今後さらに原子炉研修所、アイソトープ研修所における研究職員の研修を一そう推し進めるとともに、特に原子炉運転技術者の養成のために特別の配慮を今後していかなければならない、こう考えております。
  52. 齋藤憲三

    ○齋藤(憲)委員 私はそう練った文章を読んでいただこうと思って質問しておるのではない。こういう質問があったから、これは実際現業に携わっておる人が要員はゼロだ、こう言っておる。だから、そういうことは一体ほんとうなのかうそなのかということになるわけです。もしうそを言ったということになると、角田という人は偽証罪になっちゃう。うそのことを堂々と国会に来て言うんだから……。そういうことは後日の問題としてさらに私も検討を加えていきたいと思います。どっちがほんとうか、どっちがうそか。  私の言わんとしておることは、原子力研究所というものは、それくらいの心がまえを持って人材の養成というものを今後も心がけていったらいいじゃないか、そういうことをやればやれるんじゃないか。なぜ一体やらないのか、こういうことを言っておるのです。これはこの次の機会まで私もいろいろ事情を調べまして、また御質問申し上げたいと思います。  それから、長官は十二時半に御退席だというから、一つ質問申し上げておきます。私は前々から、十カ年間に百万キロワット、二十カ年間に七百万キロワットの原子力発電所をやる。それに対して、国家の総合エネルギー対策から原子力発電はいかにあるべきかということは国策として原子力委員会は考えてくれ、これを等閑に付しておいて、勝手に原子力発電をやられたのでは、原子力発電の効果というものは、いわゆる総合エネルギー対策、国家としての立場からちぐはぐになってくるから、そういうことは念には念を入れてやってくれということを、私は何回となく要求し、その具体的な方策も示してもらいたいということを言っておるが、これまたちっとも出てこない。なぜ一体出てこないのか。わからないのか。  大体、私はこういうことを質問した。今の原子力発電会社が第一のコールダーホールは東海村に建てておる。しかし、第二基目はアメリカから買うということだけは大体きまっておる。しかし、これはどこに建てたらいいかというその土地の選定の権利というものはどこにあるのかもあいまいもことしてわからないのだ。これから第二基、第三基、第四基と建てていく。そのときには、すでに総合エネルギー対策の一貫として、第二の原子炉というものはこういうところに建てるべきものだというような、国家的な見地から位置の選定もはかられるべきじゃないかという意見を申し述べておいた。  ところが、最近福井県に土地を買われたということです。どういう意味でもって福井県に土地を買われたか。正当な考え方から土地を買ったのならいいのですよ。ところが、今度第三、第四というものに対しては、関西電力と東電、そういうものが建設の意欲がある、こう新聞にも出ておる。  だから、もう原子力体制というものは、せっかく原子力委員会というものをつくっておきながら、何か支離滅裂になったような気がするわけです。一体とこまで原子力委員会がきめて、あとは通産省なら通産省に委譲するのか、そういう点を私ははっきりしてもらいたいと思うのです。われわれの心配も少なくなるわけですよ。ですから、たとえば国家の政策として後進地域の格差解消を唱えておる。電力に大きな支障を来たしておる。そういう分は原子力発電でもってまかなっていくから、こういうところに優先的に原子力発電所をつくるべきである、そういう意思が原子力委員会から出ていくのか。そういうこととは絶対関係なしに、十年間で百万キロ、二十年間に七百万キロ、これで原子力委員会の責任というのはオーケーになるのか。そういうことは、われわれが期待した原子力委員会とはよほど、考え方によってはほど遠いような原子力委員会になりかねないと思うわけですから、私はそういう点に対してしっかりした御回答をお願いしたいということを言うておるわけです。  大体この国会というところは、申し上げるまでもなく、法律をつくれば法律をつくった精神というものがあるわけです。その精神が遂行されていかなければ、法律をつくった意味をなさないわけです。われわれが原子力委員会というものをつくったときには、つくっただけの立法精神というものがあるわけなんであります。その立法精神と現在の原子力委員会というものの考え方がマッチしているかマッチしていないかということの検討を加えるのが国会の任務なのですから、そういう点に対して、はっきりした意思表示をしてもらわないと、その精神が冒涜されているのか、精神が遂行されているのか、さっぱりそれがわからなくなってしまう。そういう点に対して、きょう御回答を得られないなら、また次の機会でもいいですから、今度間違いなくはっきりした考え方を私は表示してもらいたい。御即答願えるなら、長官でもだれでもいいですから、即答していただきたい。——即答なければいいのです。  それでは次の質問にいきます。もう一つは、今、赤澤正道君からの質問がありました燃料の問題です。私も原子燃料公社からこの計画書をもらったわけです。これには大体一キログラムあたり八千五百円、だから金属ウランとして八百五十万円でもって、人形峠の燃料を原料として金属ウランができるというプランなのであります。これでできていくのなら非常にけっこうだと思うのです。ただ、私ここで御質問申し上げたいのは、この八百五十万円という金属ウランは、一体原子力委員会で承認を与えて、この値段をもって国産のウラン鉱を原料として金属ウランをつくる、いわゆる公示価格として何年間かこの値段をもっていこうというお考え方ですか。どうです。
  53. 石川一郎

    石川説明員 先ほども申し上げましたように、この価格については幾らでできるかということについてはもう少し検討しないとわからないということを申し上げたのでございます。われわれは、もし世界の人がいわれる五、六年たてば八ドルになるのだということならばいいのですけれども、そうならないかもしれない。そのときにどうするかということをやはり考えておかなければなりませんから、もう少し研究しなければはっきりしたことは申し上げられませんと、こう申し上げたわけでございます。それで、公社ではアルゼンチンの会議に出まして、各国の人が集まって、今のところはオーバー・プロダクションになっているから安いけれども、もう少したつと需要がだんだん起こって、多分そのくらいの値段になるだろうという話があった。皆さんも御賛成になったようで、これはアメリカの意思じゃないかと思うのです。たとえば南アとかカナダとかいういろいろなウラン・マイニングをやっていらっしゃる方々にもお目にかかりました。そういう方々はもっと安くてもできるという場所もあるようです。その需要によりまして、安いところだけで間に合わなければ私どもも高いところも掘らなければならなくなると存じますが、まあもっと安いんじゃないかという感じがいたします。
  54. 齋藤憲三

    ○齋藤(憲)委員 私の申し上げておりますのは、〇・一%をトン当たり五千円ときめておる。現行ですよ。それをまた再びそういうふうに決定した。〇・一%の含有鉱石をトン当たり五千円として、そして技術的に原子燃料公社が金属ウランまで今の技術でいくというと、金属ウラン、トン当たり八百五十万円。ですから、原鉱石の値段が〇・一%トン当たり五千円ときめておけば、今の技術ではトン当たり八百五十万円になる。これを当分の間、日本の金属ウランの価格として原子力委員会では容認するのかどうか。容認しないと、これは予算の組みようがないですよ。だから、これならつくってもよろしい、八百五十万円に踏むというようなお考えでおるのか。これは不安定なんだ、だからこの値段は来年かわるかもしれない。それだけ原子燃料公社は金属ウランをつくれば損をしていくわけですね。そういう点に対して、原子力委員会はどうお考えになっておるか、簡単に一つ……。
  55. 石川一郎

    石川説明員 買い入れ値段の方は発表して五年になりますが、民間からは一トンも出てこない。公社の方は、まだはっきりやっておりませんからわかりませんが、一トンも出てこない。持ってきた人はいない。ですから、このままにしておいても大した問題はないだろう。また、日本の探鉱は、鉱床が小さいもんですから相当金がかかります。ですから、そうしておいてもいいだろうということで、やっております。そのときにはウランはもっと高い値段で、九ドルかもっとでしょう。十ドルぐらいしていたでしょう。それでも一トンも出てこない。
  56. 齋藤憲三

    ○齋藤(憲)委員 過去において一トンも出てこなくても、今度は出てくるかもしれない。原鉱石ですからね。しかし、金属ウランということになれば違うのです。八百五十万円で買ってくれるということがはっきりしておれば、民間でやる人があるかもしれない。ないとは言えないと思う。その不安定性というものがあって、機運を盛り上げることができないわけです。ですから、この八百五十万円というものは、原鉱石の〇・一%の含有物は当分トン五千円の値段に踏んでおく、これは基準として八百五十万円というものを当分据え置き値段として認める、だから八百五十万円でりっぱな金属ウランを国内でつくってきたら、国はつくったものに対してはこれだけの値段で買うことを認めて金を払ってやるかどうか。それはどうなんですか。
  57. 石川一郎

    石川説明員 ウランは、買うことは言っていません。それを政府が買いまして、政府の製錬所にやるか、民間にいいものができればそこにやるかは決定しておりませんが、今は持ってくればこれを買っておかなければならぬということになっております。金属ウランについては何も言っておりません。
  58. 齋藤憲三

    ○齋藤(憲)委員 いや、私の言っているのは、〇・一%含有のウラン鉱はトン五千円に買うと言っている。ところが、燃料公社が金属ウランをつくるときにはトン八百五十万円につく。だから、民間会社のでも八百五十万円で買うというのか。これはそういう値段表示ではなくて、単に今の原子燃料公社がつくるとトン八百五十万円かかるという値段なのか。原鉱石と同じように、この値段でつくって売るという人があったらこの値段で買うということなのか。
  59. 島村武久

    ○島村説明員 ただいま石川委員からもお話がございましたように、現在のところ五千円という鉱石の値段は相当高いようでございますけれども、これは発表いたしております限りは、鉱石が出て参りますれば五千円で買うことに間違いございません。しかしながら、その五千円をもとにした価格によってつくられました金属ウランについては、国はこれを買い上げるということをきめておりません。と申しますのは、現実に現在のところでございますけれども、まだそのような企業をやろうとするような機運、これを全然耳にいたしておりません。もしそういうような動きが現実にある、将来どうしたものだろうかということになりますれば、当然にその際に検討をいたします。これはもう常識でも判断できますように、一つの企業をある程度規模で始めます以上は、相当の準備と、始めたあとにおきます見通しというものを確立してかからなければならぬことは当然でございます。従いまして、そういうような機運にございますれば、私どもといたしましても十分検討して、国の買い入れの価格というものについてもはっきりした態度を示さなければならないと考えております。しかし、現段階におきましては、そのような機運もないものでございますから、金属ウランについての価格というものをきめる必要をまだ感ずるに至っておりませんし、トン当たり幾らで金属ウランを買うというようなことを発表いたしてもいないわけでございます。
  60. 齋藤憲三

    ○齋藤(憲)委員 これは前にも私は、原鉱石を値段確定するならば、当然金属ウランの買い入れ価格も決定すべきが常道である、そうでなければ、金属ウラン製造に意欲を燃やす研究者も出てこないだろうということを言うたことがあります。今日においてもなおかつその体制であるということは、私は非常に遺憾だと思う。国際価格で製造するならば幾らでも買うということを言い切るか、あるいは一定の値段を表示して、今後十カ年間この値段で国産の金属ウランを持ってくるならばいつでも買う。何らかの意思表示をせずして、民間における金属ウラン製錬の事業を興せなんと言ったって、興しようがないと私は思う。つくったって、買ってくれるのか買ってくれないのか、なんぼで一体買ってくれるのか、そういう意思を表示せずして、民間側に企業の意欲が起きないのは、起きないのがあたりまえだ。民間側の企業意欲を起こすという意味において、国際価格並みなら買うとか、あるいは国産奨励のために国際価格並み以上にこれだけの値段で当分買ってやるとか、こういうことを表示することによって、民間の企業意欲というものは私は出てくるのだろうと思う。それに対しては、つくったっておれは知らぬぞというような形では、だれも研究体制に入らぬと思う。あなたのおっしゃるように、この大きな事業をやるのには二年、三年、四年は研究しなければならぬ。買ってくれるのか買ってくれないのかわからないものに研究費をつぎ込んで、一生懸命ものをつくるという人はないと私は思う。まあ、これはいろいろ議論もあるでありましょうが、私としては重ねて金属ウラン買い入れ価格の決定ということを考えていただきたい。これは一つ宿題として要求いたしておきます。  これから西村先生が科学技術全般に関しての御質問があるそうでありますが、厚生省の局長が一時前に祝辞を読みにいかなければならぬということでございますから、この前から私が継続をいたしておりますガンの問題について、簡単に一つ私、委員長要請をしておきたいと思うのです。  それは、過日第二十一回の癌学会総会がございまして、総会第二日、十月二十一日の会場で、例の問題になっておりますSICの論争が行なわれました。SICの問題が取り上げられまして質疑応答をされたのであります。相変わらずSICをつくっております牛山博士は、自分の今までの説を説明をした。これに対してたくさんのガン学者が批判を加えた。その中で最もひどい批判は、それはおまえ夢見ているのだ、それは医学以前の問題だ、という徹底した批判を加えております。  時間がございませんから一切省略させていただきますが、私がかねて科学技術庁の調整局並びに厚生省に要求をいたしております問題は、速記録を読んでいただければはっきりする通りに、あくまでも私はSICという牛山博士の注射薬がガンにきくと言っているのではないのであります。これは全然別問題なんです。こんなことを私らが国会で取り上げるということは国会の権威に関することでありますから、一言もそういうことには触れておらないのです。ただ、この問題が国会に取り上げられましてからいろいろな質疑応答がかわされましたけれども、科学技術振興の問題としてガンというものが取り上げられている以上、そのガンというものに対する総体的な推進をしなければならないことは言うまでもありません。これは非常に大きな問題ですから、今後機会あるごとに各委員の方々から推進されるでありましょう。私が今問題点としておるのは、牛山博士がアミノ酸基に培養した。その培養方法が正しい培養方法であるというのと、一方ではこれはインチキだと言っておる。そうしますと、この問題を追及して参りますれば、単に実験が正しい実験であるか、正しからざる実験であるかという、局限された問題になってくるわけです。この問題を解決すれば、今まで論争されておりますSICに関する問題は根本において解消するのでちりまけ。  私はこれを、科学技術庁の調整局から調整費を出して、厚生省が万人の納得する形において実験をやってくれということだけを要求しておるのであります。これが一体できるかできないかということの結論を出してくれということを私は要請しておるのです。なかなかその結論が出てこない。いやしくもこれだけ天下を騒がしておる。私が持って参りましたこの週刊雑誌にも書いてございますが、非常に大きな問題として取り上げておる。私にも、SICがどれだけ効果があったかという自分の体験談の手紙も来ております。これは非常に世間を騒がしておる問題です。各新聞にもみな書いてある。いやしくも人間として命の惜しからざる者はないのでありますから、五十を過ぎた人間は、自分がちょっとからだの工合が悪いと、おれはガンじゃないかと考えるのが今常識になっておる。そのガンの問題に対して、SICの注射液をつくるもとの、ガン患者の血液をアミノ酸基に培養する。その方法は正しくないのだという学者の打倒説と、いや正しいのだと主張する牛山博士が対立しているわけです。  その解決方法は、そんなに大きな問題かというと、そんなに大きな問題じゃない。何百人、何千人、何万人という細菌学者が毎日のように培養基に細菌を培養しておるわけであります。だから、もっと万人が納得のいく形で牛山博士の主張する通りの培養方法をやって、そして二週間、三週間たったら、顕微鏡でその実体を検討すれば、牛山博士の言うことが正しいのか正しくないのか、それはすぐわかるわけでしょう。それを、これほど大きな問題となって国会に取り上げられているにかかわらず、それをどこかでやれぬのかという質問に対して、政府当局から答弁が出てこないわけです。おそらく私はこういう問題は、国際的にも大きな注視の的になっているのだろうと思う。一人の医学博士が、自分の培養方法をもって正しい方法だと主張している。たくさんの学者が、あの癌学会総会において、あれはインチキだといって評論を加えている。これはある意味においては日本の恥辱ではないか、こう私は考える。  これに対して、科学技術の振興を目途とする科学技術庁、及び医療対策を主眼としている厚生省、この二つが力をあわせて解決策が見出せない。こんなばかな話はないと思います。何回もこういう問題を繰り返すことはお互いに迷惑ですから、きょうは厚生省は、やれますとかやれませんとか、簡単に言って下さい。科学技術庁も、やれますとかやれませんとか、簡単に言って下さい。やれないということならば、われわれはまたほかに考えなければならない。やれるというならばこの次にそのやれるという方法を具体的に説明して下さい。簡単に一つお願いいたします。
  61. 尾崎嘉篤

    ○尾崎説明員 まずその前に、この前の委員会で、速記録をよく読めというお話でございまして、それを読みました。その点、無菌的に患者から血液をとって、それをアミノ酸基で培養して云々という今のお話の論点であり、私の初めに申し上げておったことがピントがはずれておったということをおわびいたしたいと思います。  なお、患者の血液を純粋培養してそれから抵抗菌が出るかどうかという点の実験をやれというお話につきまして、この点の方針につきましては、現在なお厚生省としてもいろいろ考え方を検討中でございますが、学問の問題を行政庁が裁判することはどうかというふうな考え方が今のところ勝っておるのであります。しかし同時に、これについて全然厚生省関係機関、または外部の関係機関の方々が無視してしまっておるということもいかがかと思いまして、自発的に一つこの問題について追試してもらうことができないものかどうかということを、今いろいろ自分の方の研究所、病院、また大学等に話をしまして、追試をお願いしてみておるところでございます。まだこれをやるということを決定するまでに至っておりませんが、そういうような方向で、行政的に取り上げるということでなく、研究として勉強してもらうことを今お願いしておるという状態でございます。
  62. 芥川輝孝

    ○芥川説明員 ただいまの問題につきましては、非常に重要な問題と思いまして、本件につきましては厚生省と協議をしながら推進をしておりますが、具体的にここで御披露申し上げるまでの結果をまだ得ておらないのは、はなはだ申しわけないことと存じております。ただいま医務局長のお話の通り、少しずつ進展しておるということでございますので、いましばらく時間をかしていただきたいと思います。  ただ、私から申し上げるまでもなく、私の方でやっておりますことは、大学におきまする研究以外、大学の研究にかかるものを除きまして、科学技術庁に関しまする行政を総合的に振興するという立場でございます。従いまして、本件に関しましては厚生省の行政と非常に直結する問題であるという解釈のもとに、厚生省と具体策を協議しておる次第でございます。
  63. 齋藤憲三

    ○齋藤(憲)委員 これは大学と何も関係がないのですよ。民間の病院における問題です。ただ科学技術というものは、私から申し上げるまでもなく、理論的に考えていく面と実験によって問題を解決する面がある。実験によって問題を解決していくという面が科学技術においては大きな分野を占めておる。実験をすればその正否がはっきりするという問題に対して実験を進めていくというのは、科学技術を推進するということになるでしょう。問題は、実験が正しい実験であるか正しくない実験であるかということなんです。そうして物議をかもしておる。それじゃ、正当な設備で正当な人間が正当な手段によって実験をやってみたものが、いわゆる牛山説に合致するか、これがインチキだという論説に合致するか、その点やろうと思えばやれるのです。だから、たとえば僕に調整費を二千万円やるというならば僕がやります。これぐらいやさしいものはないでしょう。何万人という細菌学者が毎日のように細菌の培養をやっているのですから、なぜこれをちゅうちょしておるのか。そういうこともやれないというのか。いつまでたったら結論を出してやるというのか、これは長引いてもらっては困るのだ。金がなければ、しようがないから民間側からこれを解決するところの基金を募集して、そして万人の見ている前で正式な実験をやるとか、何らかの方法を講じなければならぬわけでしょう。  今の厚生省の局長なんかの答弁を聞いていると、まるであいまいもこたる説明だ。内々でこれを追試してもらう。内々でなんぼ追試してもらったって、その結論に信憑性というものはないのですよ。やはり正々堂々たる体系においてこの実験をやって、その結論に対するところの正確な結果を公表するというところに、私はこの問題に対する一応の終止符が打たれるものだと思う。そういうことができないというのか、できるというのか。できないというならできないでいいですから、はっきりできないと言って下さい。
  64. 尾崎嘉篤

    ○尾崎説明員 今私が申し上げましたのは、内々の秘密の追試、そういう意味で言うわけではございませんで、行政的にこれを取り上げて厚生省がやらせたという形でなく、自発的に各病院とか研究所で学問の問題としてやってもらおう、こういうことでございます。  こういうふうな学問の問題に対しまして、いろいろ行政庁が問題になると取り上げていくという形でなく、やはり学界の問題として解決してもらおうという考え方で申し上げたのでございます。この結果が決して公表できないとかなんとかいう問題ではないわけでございまして、やり方その他、結果は、結論といたしましては公表したいと思っております。
  65. 齋藤憲三

    ○齋藤(憲)委員 あなたは御迷惑だと思うから、私はなるべく詰めようと思うが、詰められない。これは何も学問の問題じゃないですよ。実験をするということが一体学問ですか。たとえばガン患者から血液をとって、無菌状態でアミノ酸基に培養するということが、学問ですか。じょうだんじゃないですよ。学問じゃない。これは一つの技術でしょう。それを一体なぜ厚生省は、これは学問であるから行政の中に入れてやれないと言われるのですか。そんなものは何でもないことじゃないですか。たとえばガラス張りの部屋をこしらえておいて、そしてこれを完全消毒する。無菌箱を置いて、無菌状態においてとってきた血液をアミノ酸培養基に入れるということが、一体学問ですかね。これは技術でしょうが。どうしてこういうことがやれないのですか。この物議をかもしているところの原因を追及していくと、その培養方法が不正当だ、いや正当だ、突き詰めていけばこれだけの論議でしょう。それに対して、一体だれが正しい培養であるか培養でないかということの判定を下すかということになりますと、やはりそういう厚生行政に対して一切の責任を持っている厚生省がこれを指導して、正しい培養方法でもって結論を見出すという以外に万人を納得せしめるところの結論というものは出ないでしょう。あなたがこっそりどこかへ頼んでやったって、一体だれが信用しますか。行政官庁の権威というものは、国民の前に正々堂々たる形をもって一切の結論を示すということが、私は行政官庁の権威だと思っておる。これだけ物議をかもされたものに対して、いやそれは学問だといって逃げてみたり、いや学者の鼻息がどうだといって逃げてみたり、そしていつまでもこの紛争をあいまいもこのうちにおいて世の嘲笑を受けておるようなことが続くということは、日本自体としても私は非常に悲しむべきことではないかと思う。  これはいかに論議しても、あなたの方で結論が出ないというのなら、この次の機会に大臣を呼び、責任者の出席を要求して、これに対して結論を得たいと思います。と同時に、この問題に対しましては、ガン学者の中にもいろいろな意見があると思いますから、一つこの次は参考人を呼びたいと思いますから、委員長においてお含みを願いたいと思います。
  66. 寺島隆太郎

    ○寺島委員長 参考人の方に一言ごあいさつ申し上げます。  長時間にわたり本委員会調査に御協力下さいまして、まことにありがとうございました。委員会を代表いたしまして厚く御礼申し上げます。      ————◇—————
  67. 寺島隆太郎

    ○寺島委員長 次に、科学技術行政一般に関する件について質疑の通告がありますので、これを許します。西村関一君。
  68. 西村関一

    西村(関)委員 まず、科学技術庁当局にお伺いいたします。  私は前回の本委員会におきまして、文部省の方において仮称学術振興会議なるものを設置しようという計画があるということにつきまして質問をいたしましたところが、科学技術庁当局は全然関知していなかったのであります。そういうようなことが文部省で計画されているということは全く承知していなかった、こういうようなことでありました。これにつきまして、科学技術庁には科学技術会議もあり、また一方日本学術会議もある。その上に文部省が学術振興会議なるものを設置するということについては、閣内不統一ではないかという趣旨質問を行なったのであります。その際、文部省の岡野審議官から答弁がございまして、そういう計画はまだ熟していないけれども、一応の案として持っている、これが具体化については科学技術庁とも十分に話し合いをして成案を得て国会に諮りたい、こういうような御答弁であったと思うのであります。  しかるに、その委員会の後わずか数日のうちに、新聞に、文部省の案として、学術振興会議の案が発表せられました。これは進んで発表せられたのか、報道陣がスクープしたのか、その辺はよくわかりませんけれども、とにかく大々的に各紙に報道せられた。おそらくその数日の間には十分な科学技術庁との話し合いができたとは考えられないのであります。これらの点について科学技術庁としてはどういうふうに考えておられるか。また、どのような措置を講ぜられたか。きょうは実は大臣に質問をしたいと思っておったのですが、大臣は都合で退席をせられました。次官も見えません。こういうような状態では、私も質問をすることができないのでありますけれども、しかし、一応当局からこの点についての答弁を求めたいと思います。
  69. 杉本正雄

    ○杉本説明員 科学技術庁におきましては、前回の委員会のあと、科学技術庁長官も、それから事務次官も、文部省と話し合いを詰めたわけでございます。文部省におきましては、学術振興法に関しましては考えておられますが、まだ現在でもその要綱と申しますか、内容につきましては正式に科学技術庁の方に相談いただける程度にはまとまっておりませんで、現在は文部省の大学学術局でもってその内容に関しまして検討をされておる状態でございます。科学技術庁といたしましても、事務局の計画局が大学学術局と、事務局のベースでもってずっと引き続きそれ以後話し合いを進めている状態でごいざます。
  70. 西村関一

    西村(関)委員 今、大臣が向こうの大臣と話し合ったと言われたのですか、そうじゃないのですか。事務局のベースで話し合いをしているので大臣は関知していないという意味ですか、どうですか。
  71. 杉本正雄

    ○杉本説明員 先ほどお話がございました新聞の発表の件がございまして、その当日たまたま科学技術会議の運営部会、これは長官が主宰される会議でございます。文部省は大臣は出られませんで、事務次官が出ておりました。その席上で、新聞のことに関連いたしまして振興法のことが議題と別に話題になりまして、そのときに大臣から、振興法を文部省はどういうふうに実際進めておられるのかというような相当具体的なお話がございまして、文部省の方では、全然まだ何ら固まっていない、まだ事務局ベースで検討さしておる段階だというようなことでありました。それで、その後別個の機会に、事務次官も文部省の方の事務次官に伺いに行ったようでございますが、まだ現在でも文部省の事務局でもって検討している段階でございまして、従いまして、先ほど申し上げましたように、私どもも事務局でどういうような考え方かということを検討している進行中にいろいろとお考えを承って、両省でもって最近は非常にひんぱんに意見の交換、検討をやっておる状況でございます。
  72. 西村関一

    西村(関)委員 今の御答弁ですと、正式に科学技術庁から文部省に申し入れをしたのじゃなくて、たまたまある会合で大臣が文部省の次官に話をした。そしてまた事務次官が文部省の事務次官に対して問い合わせをしたらしいというような答弁ですが、そういうようなあやふやなことでは、私としては納得がいかないのです。あれだけの国会における質疑応答を行なって、科学技術庁としては責任を持ってこの点については十分文部省と話し合いをするということを答弁しておられるのであります。しかるにもかかわらず、あれだけの大々的な新聞報道がなされたのを、偶然の機会に大臣が向こうの次官に質問をする、それでまた事務次官が質問をしたらしいというような、あやふやなことをこの委員会で言われたのでは、これは話にならぬと思うのです。一体科学技術庁はどう考えているのですか。
  73. 杉本正雄

    ○杉本説明員 私の申し上げるのが悪かったことをおわびいたしますが、偶然の機会ではございませんで、国会が済みまして間もなくのことでございます。その前に庁内で検討を加えたのでございますが、その後科学技術会議の席上を利用されまして、長官が正式に文部省の御意向をただしたと申し上げた方がいいと思います。それから最近におきましては、官房も、両方の官房が一緒になりまして交渉を進めたわけであります。
  74. 西村関一

    西村(関)委員 先ほど、事務次官が文部省の事務次官に問い合わせをしたらしいという答弁でしたが、それは、したらしいじゃ困るのです。いつ幾日、どのような形式で質問をせられたか。それから、官房長同士がいつ会ってどのような内容の話し合いをしたか、御答弁を願いたいと思います。官房長、おられるでしょう。
  75. 森崎久寿

    ○森崎説明員 ただいま杉本計画局長から御説明申し上げましたように、今の段階では、文部省におかれましても学術局を中心にして構想を練っておられるという段階でございまして、計画局におきましても、全般的な科学技術振興というふうな面から学術局との間で話を進めているような段階でございます。ごく最近、そういう話がお互いの話の中で、やはり官房も知っておく必要がございますので、官房同士の話し合いをいたしましたけれども、まだ文部省側といたしましても固まった案を持っていない。そして大体の学術振興法というふうな構想を一つ頭の中に描きながらいろいろと検討していくという段階でございまして、今後また回を重ねて話し合いをしていきたいというふうなことでございます。大体の内容は、学術局の方で今考えている点がございますが、文部省の係官が見えておりますので、御説明いたすことと思います。
  76. 西村関一

    西村(関)委員 いつ官房長は向こうの官房長に会ったのですか。それから、次官はいつ向こうの次官に会ったのですか。はっきりして下さい。はっきりしないと困るのです。
  77. 森崎久寿

    ○森崎説明員 十一月二日でございます。
  78. 西村関一

    西村(関)委員 それはどっちで……。
  79. 森崎久寿

    ○森崎説明員 官房長同士の話し合いです。
  80. 西村関一

    西村(関)委員 次官は……。
  81. 森崎久寿

    ○森崎説明員 ちょっと記憶いたしておりませんが、前回の委員会でお話がございました直後だと思っております。
  82. 西村関一

    西村(関)委員 どうも今の答弁を聞いておりますと、私がこの前の委員会質問をしたときには、科学技術庁は全然関知していない、こういう計画が文部省にあるということさえも全然承知してなかったのであります。私から聞いて、いわばびっくりしたような格好であったわけです。にもかかわらず、それから数日を出ずしてあのような案が新聞に発表された。これに対して私は重大な関心を持ったのです。委員会がきょうまで開かれなかったから、機会がなかったので黙っておりましたけれども、前々回に質問したのですが、前回の十月の委員会においては機会を失しました。すでに二カ月以上たっているのです。その間科学技術庁としては、このような問題に対して、今の答弁では事務次官同士の話し合いがあったらしいとか、官房長がそんなことを知らないで、官房長、つとまりますか。事務次官がどういう話をしたかということぐらいは、やはり官房長は知っておらなければならないと思います。のみならず、官房長同士の話も十一月二日、つい最近です。そのように二カ月もほったらかしておる。そういうような状態では、私は科学技術庁としてこの問題に対して熱意を持っておると思えないのですが、その点はどうですか。
  83. 森崎久寿

    ○森崎説明員 法律の案をつくります場合に、やはり非常に事務的にいろいろの構想から練って参りますが、通常相当固まった段階でお互いに話し合うというふうなやり方を今までしておるわけでありまして、今の段階では固まったという段階まで至っておりませんですが、われわれとしては、重大関心を持ちまして文部省と接触をしておる。特にそれはまず原局同士の計画局と学術局の間で十分案を練り、また意見を交換したところで、漸次上の方に上げていくということのやり方をとっておるわけでございます。その中間におきましても、私どもの間では、もう一度中間的にもそういう話し合いをしておこうということで、十一月二日に話し合ったわけでございます。この問題につきましては、前々回この委員会で御指摘をいただきまして以来、非常に十分の関心を持ちまして進めておりまして、その点はわれわれとしてはあらゆる努力をしておるというふうに思っております。
  84. 西村関一

    西村(関)委員 事務局の段階における話を続けておるということでございますから、まだその事務局同士の煮詰まってない考え方をここで述べるというわけにはいかないと思いますが、どうも私が受ける印象は、科学技術庁としては文部省まかせ、文部省の考え方に追随していくというようなきらいがないでもないというような印象を受けるのであります。こういうことでは、私が心配いたしましたような点が具体化しないとも限らないというふうに思われますから、今後はそういう点について万疎漏のないようにしていただきたいと思います。  次に、文部省の岡野審議官に伺います。私は本日、学術局の局長を本委員会出席を要求しておったのでありますが、聞くところによりますと病気で出席できないということであります。これはやむを得ない、病気であればやむを得ないと思うのであります。前々回の本委員会におきまして私の質問いたしました点について、数日を出ずして新聞にあのような記事が出たということについての経緯をお話し願いたい。
  85. 岡野澄

    ○岡野説明員 局長が少し健康を害しておりまして、申しわけないと思います。新聞の件でございますが、実は二つの問題がございまして、一つはこの前ここで御説明申し上げました学術振興会議という問題でございます。これは文部省といたしましては、そういう予算を要求することにいたしましたので、その他の事項と一緒に——国立大学の学科を幾つつくるとか、学部をどうするとかいうものと一緒に発表した事実はございます。その後、学術振興法案という形で各紙に大きく出されたわけでございますが、これは全くスクープでございまして、文部省といたしまして学術振興法案を出すとか出さないとかいうことは全く未定でございます。現在もなお未定でございます。これは非常に誤解を受けまして、非常に遺憾なことでございますので、そういう事実はないということは直ちに科学技術庁の方にも御連絡申し上げた次第でございます。
  86. 西村関一

    西村(関)委員 科学技術振興法案を国会に提出する考えは現在のところないということでありますが、しかし、あれだけの法案を用意せられたのですから、やはりこれを国会に提出をして審議を求めるという意図があってあれだけの用意がなされたんじゃないかと思うのです。現在はなくても、将来においてあれを出すお考えですか。
  87. 岡野澄

    ○岡野説明員 その点は学術会議から政府に、研究基本法案を出してくれという勧告がありますし、一方には科学技術会議において科学技術基本法をお考えになるというような関係に立っております。従いまして、文部省といたしましては、科学技術庁と十分にお話し合いがつかなければそういう法案は出す意思はないわけでございます。ただし、この前御説明申し上げました学術振興会議というものは、これは文部大臣の学問行政についてのブレーンとして置きたいということでございますので、この点は予算要求もいたしておるわけでございます。
  88. 西村関一

    西村(関)委員 文部省で用意をしておられる学術振興法案と振興会議との関係はどうですか。
  89. 岡野澄

    ○岡野説明員 もし科学技術庁と十分お話し合いができまして、学術振興法案というものが政府として出した方が適当だという判断になりますれば、その中に学術振興会議を設けるという条章を設けることは考えられると思います。しかしながら、そういう錯綜した法案を一本にまとめてやるということになりますれば、学術振興会議は別個に文部省の設置法等を改正して置き得るだろうというふうに考えます。
  90. 西村関一

    西村(関)委員 文部省としては科学技術庁との協議を事務局段階において進めておられるということは、先ほど科学技術庁からの御答弁でありましたが、その点は文部省としては過去においてどのような方針で臨まれたか。また、将来どういうようなお考えで文部省としてはこの問題の処理をしようと考えておられますか。
  91. 岡野澄

    ○岡野説明員 御承知のように、科学技術会議の事務局は科学技術庁のみならず、大学に関することは文部省も事務局となってお世話するという建前になっておるわけでございます。従いまして、科学技術基本法というような問題につきましては、科学技術庁と文部省が現在もなお共同して意見をかわしながら検討を進めているということでございますので、もちろん学術振興会議につきましても御連絡をいたしまして、十分了解の上にやっていきたいと考えておるわけでございます。
  92. 西村関一

    西村(関)委員 まだまだ文部省と科学技術庁との間における事務局同士の話し合いということでございますから、私はこれ以上の質問をきょうはいたしませんが、文部省の考えておられる学術振興会議あるいは学術振興法案の考え方については、これはやはり一応大臣の出席を求めて質問をいたしたいと思います。きょうは岡野審議官御苦労でございましたが、局長も見えてないという状態でありますし、私は次の機会にこの問題についての質問を保留いたしたいと思います。以上で私の質問を終わります。
  93. 石川次夫

    石川委員 関連して。実はただいまの西村委員の質問に全く同感で、つけ加える必要がないと思うのですが、きょうは大臣も次官もいないし、きょうは私の質問に対して返事ができれば返事をしてもらいたい。申し上げるだけ申し上げておきますから、この次の機会に文部省あるいは科学技術庁の最高幹部の方に出ていただいて、はっきりした方針を聞きたいということで、要望的な意見として申し上げておきます。  御承知のように、日本においては科学技術の行政というものは行政の体裁をなしておらぬと申していいだろうと思います。ほかの国に比べたらほとんど行政の形をなしておらぬ。実は科学技術の基本法というものを議員のベースでつくらなければとても通らぬじゃないか。政府ベースでやろうとしてもいろいろなセクショナリズムというものがわざわいしてできぬから、議員ベースでやろう。その推進役は科学技術の特別委員会がやりますけれども、これは科学技術特別委員会だけで処理すべきものでない。各党へ持ち帰って科学技術全議員一致の形で、おくれた段階にある日本科学技術を世界の水準に追いつき追い越さなければならなぬというような意味で、昨年は海外にも行ってきたわけです。詳しく申し上げる余裕はありませんけれども、アメリカにしてもドイツにしても、最近私はソビエトに行きましたけれども、科学技術に対する政府のかまえ方というものは、行政としてはとらえておらない。科学技術を推進させることそれ自体が政治の全体の目標であるというかまえになっておることを見ますと、日本に帰ってきて、まことに日本科学技術はこのままでいいんだろうかと思う。科学技術というものは、科学技術だけで、はなばなしく実を結ぶものではないわけです。これは全体の学問の中で成り立つというものでありますから、学術振興法案というものを出されるという文部省の意図もよく理解できます。そういうこともありますから、日本の学術会議の方々とも非常に綿密な連絡をとりながら、われわれの側では科学技術基本法というものの素案を一応第一次案として提案をしたことは御承知の通りだろうと思います。  ところが、今その点が中絶をしておりまして、一体政府はどうそれを取り上げて、科学技術基本法というものにどう取り組もうとしておるか。特に当面の科学技術庁それ自体は、一体どういう決意を持っておるか。これは科学技術会議の方との関係もありますが、そういう出方をわれわれは見ておる。ところが、何だかさっぱり積極的な熱意というものが示されておらないようにわれわれとしては考えて、非常にさびしい感じがしている。そこにもってきて、学術振興法案というものが出た。あるいは研究基本法というものを文部省が提案すると、これに追随して、これにどう応対していいか戸惑っているというような、非常に主体性のない形をわれわれは見せつけられているような感じがする。こんなことで日本科学技術振興というものははかられるだろうかという懸念を持っているのは、私一人ではないと思う。もちろん科学技術というものは、それ単独に発展するものではないが、少なくとも科学技術庁長官あるいは最高責任者というものは、科学技術に対する熱意というものを相当程度持って、自分の主体性を確立した上で、文部省に積極的に対等の立場、あるいはそれ以上の立場で立ち向かっていくという熱意がなければ、この科学技術基本法の成立なんかはとても及びもつかないのではないか。日本というのは、御承知のように資源も乏しいし、人間の能力だけで追いつき追い越さなければならぬという宿命を持っている。現在のような科学技術行政の体制でもってこれを乗り切れるかというと、今のままではとてもだめだと思う。私はどんどん立ちおくれるという懸念を持っている。  そういう点で、文部省が学術振興法案を出しましたが、科学技術庁それ自体でも、科学技術基本法というものはどこでどう扱うかというセクショナリズムは別問題として、文部省とタイアップしてどうしても強引に通すのだという熱意があるかどうか。そういうことを懸念にたえません。もちろん科学技術基本法の中にはまだまだ問題が残されております。まだまだ検討を加えなければならぬ。特に最近人づくりという問題と関連いたしまして、大学の管理制度を改善するという問題が大きな課題になっている。その中で、政府機関の学術機関というものは統合しなければならぬという問題にからんで、行政が科学技術研究の方に介入していくという形になることは厳に避けなければならぬという懸念などもありまして、科学技術基本法それ自体にも多くの問題が残っておりますけれども、しかし、このままではいけない。何とか飛躍的に科学技術水準を引き上げるための体制を政府の側として解決していかなければならぬということについて、われわれはその熱意を疑っておるわけであります。そういう点について、この次の機会に科学技術庁長官にも出てもらい、あるいは文部大臣にも出てもらって、これに対する熱意というか、心がまえというか、そういうものを聞きたいというように考えております。
  94. 齋藤憲三

    ○齋藤(憲)委員 私は委員長一つお願いしておきたいと思います。科学技術振興対策特別委員会が議会休会中は月に一日開かれるわけですが、問題は山積しておる。問題は山積しておるけれども、政府要人というものはさっぱり出席しておらない。また出席しても、用事があるからといって中退をする。ただいまの西村委員の質問のごときは、重大質問です。過去の速記録を読み返してみると、三木前長官は問題がむずかしくなると、科学技術基本法を来国会提案して、そしてこの通過をはかる、その科学技術基本法の中でただいまの御質問の解消をはかる、こういうことをところどころで言うておられる。ところが、その長官がかわってしまうと、科学技術基本法というものは消えてなくなって、さっぱりわれわれのところに響いてこない。かつてわれわれは小委員会をつくって、科学技術基本法というものはいかにあるべきかということをずいぶん力を入れてその構想を練って、政府当局にも提示してある。しかも、科学技術会議が厳然としてあって、科学技術基本法という構想を持ちながらすべての科学技術に関する論議を重ねて、その中には文部大臣も委員として入っておる。ところが、突如として学術振興法案なるものが出てくる。それが新聞によると、科学技術基本法と学術振興法というものは非常に紛淆を来たして、論議の対象になっておる。これを外観から見ると、何が何だかさっぱりわからない。しかも、その責任の所在というものは一体どこにあるのか。事務的に論議をかわしたとか、論議をかわさないというような段階ではない。学術振興法案なるものがちゃんと世間に出て、これをみんな読んでおる。だから、そういうことごとをもって国会委員会を糊塗していくなんということは、はなはだ私はいけない形じゃないかと思うのです。科学技術庁としては、前大臣もあれだけの決意を持って科学技術基本法を出すと言ったのだから、科学技術基本法は絶対的な命題として来国会科学技術庁提案をする、その構想はこういうものである、ということの大要はもうすでに私はできているのだと思うから、それをまっこうから振りかざして、文部当局と正々堂々と交渉して結論を得るというなら、われわれも容認する。今までの質疑応答を聞いていると、何だかさっぱりわからない。どこで一体話をしておるのか。それが公式の話し合いであるのか、私的な話し合いであるのかもわからない。一体そんなことで、科学技術の振興に対する基本問題を解決する法案の提案ができるのかできないのか。私は今ここで局長、官房長を相手にしてそういう論議を戦わそうとは思わない。  そこで、委員長にお願いしたいのは、今度いつ開かれるかわからぬけれども、関係各大臣全部列席し、一日ここにびっしり席を立たないで、この問題に対するところの大要をつかみ得るような段取りをはかっていただきたいと思います。はなはだもってけしからぬと思う。大体われわれは、科学技術基本法の小委員会において文部当局とも相当に話し合いをし、学術会議とも相当な話し合いをしておる。どこに一体その問題を等閑に付したところの責任があるのか。そういうことも私は追及していかなければならぬ。これは事きわめて重大でありますから、委員長においては、しかるべく国会の希望が満たされるような段取りをもって次の委員会をお開きになるように、一つ万全の策を講じていただきたいと思います。
  95. 寺島隆太郎

    ○寺島委員長 この際お諮りいたします。  去る十一月二日行ないました委員派遣調査報告につきまして、参考のため会議録に掲載したいと思いますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  96. 寺島隆太郎

    ○寺島委員長 御異議なしと認め、さよう決します。  次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。    午後一時三十三分散会      ————◇—————