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1962-08-15 第41回国会 衆議院 科学技術振興対策特別委員会 第2号
公式Web版
会議録情報
0
昭和三十七年八月十五日(水曜日) 午前十時二十二分
開議
出席委員
委員長
寺島隆太郎
君
理事
佐々木義武
君
理事
松本
一郎
君
理事
岡
良一
君
安倍晋太郎
君 小沢 辰男君 齋藤 憲三君 坂田 英一君
保科善四郎
君 細田 吉藏君 石川 次夫君 西村
関一
君 内海 清君
出席国務大臣
国 務 大 臣
近藤
鶴代君
出席政府委員
科学技術政務次
官
内田
常雄君
総理府事務官
(
科学技術庁長
官官房長
) 森崎
久壽
君
委員外
の
出席者
科学技術事務次
官 鈴江 康平君
総理府技官
(
科学技術庁計
画局長
) 杉本 正雄君
総理府技官
(
科学技術庁研
究調整局長
) 芥川
輝孝
君
総理府事務官
(
科学技術
庁振
興局長
) 杠 文吉君
総理府事務官
(
科学技術庁原
子力局長
) 島村 武久君
総理府技官
(
科学技術庁資
源局長
)
井上啓次郎
君
—————————————
八月十五日
赤澤
正道
君
佐々木義武
君
中曽根康弘
君
松本
一郎
君
山口
好一
君 岡
良一
君
河野
正君
山口
鶴男
君 が
理事
に当選した。
—————————————
本日の
会議
に付した案件
理事
の
互選
科学技術振興
の
基本施策
に関する件 ————◇—————
寺島隆太郎
1
○
寺島委員長
これより
会議
を開きます。 この際、
理事
の
互選
を行ないます。
佐々木義武
2
○
佐々木
(義)
委員
動議
を提出いたします。
理事
はその数を八名といたしまして、
委員長
において指名せられんことを望みます。
寺島隆太郎
3
○
寺島委員長
ただいまの
佐々木義武
君の
動議
に御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
寺島隆太郎
4
○
寺島委員長
御
異議
なしと認めます。よって、
動議
のごとく決定いたしました。
委員長
は、
理事
に
赤澤
正道
君
佐々木義武
君
中曽根康弘
君
松本
一郎
君
山口
好一
君 岡
良一
君
河野
正君
山口
鶴男
君 を指名いたします。 ————◇—————
寺島隆太郎
5
○
寺島委員長
次に、
科学技術振興対策
に関する件について
調査
を進めます。 まず、
近藤国務大臣
より
科学技術行政
に関する所信を承りたいと存じます。
近藤国務大臣
。
近藤鶴代
6
○
近藤国務大臣
私はこのたびはからずも
科学技術庁長官
の重任をになうこととなり、その責任の重大さを痛感いたしますとともに、微力ながら
科学技術振興
のためあらゆる
努力
を払ってその責めを果たしたいと念願いたしております。
委員各位
の御
支援
御
協力
を切にお願いいたす次第でございます。 さて、最近諸外国における
科学技術
の
進歩発達
は、そのテンポにおいても広さにおいてもまことに驚異的なものがあり、率直に申しまして、
わが国
の
科学技術
の
一般的水準
は、
世界
の
先進国
に比べて相当の格差のあることは御承知の通りでございます。このようなときに、
わが国
においては、一方に貿易の
自由化
を間近に控え、
世界
の
先進諸国
に伍して、
わが国
の
経済的発展
を高め、
国民生活
の
福祉向上
をはかるための
科学技術振興策
を進めたければならないとともに、他方、
原子力時代
、
宇宙時代
の言葉で表現されている
科学技術
の新領域の
開発
に対処するために、積極的な
対策
を講じなければならないと思います。
科学技術
の
振興
がいかに重大であるかというととは、ここに述べるまでもなく、もはや具体的な
科学技術振興対策
を、国をあげて
物心両面
からいかに果断に実行するかという段階にあると確信いたす次第であります。このような
観点
に立ち、私は今日までに積み上げられて参りました
政府
の
板輿政策
を強力に推進するとともに、さらにとれを一段と飛躍させるととを念願いたすものであります。
科学技術庁長官
に就任していまだ日浅い今日でありますが、今後、次のような点についてその
施策
を実施して参りたいと考えております。(一) まず、今日の
技術革新
に対処して国の行なう
科学技術振興施策
の
中核的役割
をなす
国立試験研究機関
を最近の情勢に即応していかに
刷新充実
するかということにつきましては、この七月、
科学技術会議
から
総括的事項
に関して第一次
答申
が提出され、さらに
具体的事項
については
最終答申
が出されることになっております。 私といたしましては、とりあえずこの第一次
答申
の線に沿って
研究機関
の性格の
明確化
、
業務分野
の
重点化
、
立地条件
及び
施設
の
改善
、
研究者
の
処遇改善等
について、早急に実施すべきものから逐次実行に移したいと思います。(二) これらの
国立研究機関
の
刷新充実
と並んで、国産新
技術
の
開発促進
については、
産業界
における
研究投資
を促進するための税制上の
優遇処置
をさらに前進せしめるとともに、新
技術開発業務
の拡大、
発明実施化
の
助成
、
地方発明センター設置
の
助成等
、一連の
措置
を前進いたしたいと思います。 また、民間のすぐれた
研究成果
を期待するためには、
科学枝術知識
を普及浸透させ、
国民一般
から卓越した
創意工夫
がほうはいとして起こる機運を醸成するととが肝要であり、特に第一線にある
研究者
及び
技術者
に対し広く最新の
科学技術
に関する
情報
を徹底せしめるために
情報提供業務
をさらに拡大するととが必要であると考えます。なお、現在実施されている
科学技術振興
に関する諸制度や、
国立研究機関等
における
研究活動
の現状などの
周知徹底
についてもまだ十分でないところがあり、特に
地方
に対する浸透に欠けているように思われますので、
科学技術
に関する
知識
及び
情報
の
普及活動
をいま一段と組織的に強化して参りたいと考えております。(三) 次に個別的に若干の問題に触れますと、国土及び
生活環境
に関することにつきましては、最近、
産業
の
発展近代化
により
国民生活
は飛躍的に向上しつつあるにもかかわらず、依然として台風、
集中豪雨等
の
自然災害
は後を断たず、また
大気汚染
、
水質汚濁等産業発展
に伴う障害の発生も
増大傾向
にあります。これらに対しては、従来とも
政府
としての諸
施策
が講ぜられておりますが、これら
災害
を防止軽減ずるために最近の
科学技術
を総合的に利用することが必要であります。このような点から、いわゆる防災及び
環境科学技術
の
振興
をはかることは、
国民
の
福祉向上
のための
一環
としてきわめて重要でありますので、その
総合的研究体制
を
整備
強化していきたいと考えます。 また、新しい
国づくり
の
一環
として、特に
地域開発
を推進する
観点
から今後さらに
資源
に関する
基礎資料
の
整備
をはかり、
資源
の
総合的開発利用
に関する
調査活動
を充実して参りたいと存じます。(四)
原子力平和利用
につきましては、従来格段の
努力
をして参りましたが、今後とも
原子力開発利用長期計画
の線に沿って、幅広い
原子力研究体制
を
整備
しつつ、
具体的措置
を講じたいと存じます。 特に
原子力船
、
材料試験炉
、
使用済み燃料
の再処理、
プルトニウム研究施設
及び
ウラン鉱
の
開発等
の
重要課題
につきましては、すみやかに
計画
を立て
所要
の
措置
をはかって参りたいと存じます。 なお、
核爆発実験
に伴う
放射能対策
につきましては、昨年来
放射能対策本部
を中心として各般の
措置
を講じて参りましたが、
放射性降下物
の
降下
の
長期化傾向
にかんがみ今後とも万全の
措置
を講じて参る
所存
であります。(五) 今後の
宇宙開発
につきましては、その
飛躍的発展
の
基礎
を築くため、三十五年度以降
気象観測用ロケット
に関する
試験研究等
に対する
助成
を行ない、これを推進して参りましたが、さらに、この五月の
宇宙開発審議会
の
答申
の趣旨に沿ってその
具体化
のための
措置
、すなわち
宇宙開発機構
の
整備
、
ロケット研究等
の推進に関する
所要
の
措置
を逐次進めて参りたいと考えます。(六) 次に、
科学技術
に関する
国際協力
についてでありますが、最近は
原子力平和利用
、
宇宙開発
を初め海洋の
研究
、あるいは
日米科学委員会
の勧告による
共同研究等
、
国際協力
の要請がとみに高まりつつありますが、
研究者
の
国際交流
を進め、また各種の
国際会議
及び
国際的共同研究
に積極的に参加するとともに、それに即応する
国内体制
を
整備
する
所存
であります。(七) 以上申し述べましたほか、当庁としては関係各省庁の行なう
科学技術行政
及び多数の
国立試験研究機関
の
活動
を総合的に調整し、かつ推進する
役割
を持っておりますので、その
役割
を十二分に発揮するとともに、特に緊急に促進しなければならない
研究
及び多数部門の
協力
を要する
研究
を推進するための
措置
を強化充実して、国全体として調和のとれた
効率的研究
を推進して参りたいと考える次第であります。 最後に、かねてから
課題
になっております
わが国
の
科学技術
の
画期的振興方策
に
統一的指針
を与えるための
科学技術基本法
の制定につきましては、目下
科学技術会議
において鋭意
審議
中でありますので、その
答申
を待って
具体的準備
を進めたいと存じます。 以上、当面考えておりますことの大要を申し述べましたが、
科学技術振興
のためには幾多の重大な問題が山積しており、私はその
一つ一つ
について自己の責務の重大さを痛感しております。今後、全力を尽くして参りたいと考えておりますので、
委員各位
の御
支援
御
協力
を重ねてお願いしてやまない次第でございます。
寺島隆太郎
7
○
寺島委員長
次に、
内田科学技術政務次官
より発言の申し出がありますので、これを許します。
内田科学技術政務次官
。
内田常雄
8
○
内田政府委員
私はこのたび
科学技術政務次官
を仰せつけられまして、
近藤国務大臣
を補佐することになりました。微力でございますが、
わが国科学技術
の
振興施策
のために
努力
をいたして参りたいと思いますので、何とぞ
皆様方
の御指導、御
支援
をお願い申し上げまして、一言ごあいさつ申し上げます。
寺島隆太郎
9
○
寺島委員長
本日はこの程度にとどめ、
次会
は公報をもってお知らせいたします。 これにて散会いたします。 午前十時三十四分散会