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1962-08-30 第41回国会 衆議院 オリンピック東京大会準備促進特別委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十七年八月三十日(木曜日)     午前十時四十四分開議  出席委員    委員長 島村 一郎君    理事 小金 義照君 理事 羽田武嗣郎君    理事 福永 健司君 理事 阪上安太郎君       荒舩清十郎君    上村千一郎君       大沢 雄一君    小平 久雄君       松永  東君    大柴 滋夫君       田原 春次君    村山 喜一君       柳田 秀一君    横路 節雄君  出席政府委員         総理府事務官         (内閣総理大臣         官房審議室長) 江守堅太郎君         文部事務官         (体育局長)  前田 充明君  委員外出席者         参  考  人         (東京都知事) 東 龍太郎君         参  考  人         (東京オリン         ピック準備局         長)      関  晴香君         参  考  人         (オリンピック         東京大会組織委         員会事務次長) 松澤 一鶴君         参  考  人         (東京オリン         ピック資金財団         理事長)    靱   勉君         参  考  人         (日本体育協会         専務理事)   竹田 恒徳君     ――――――――――――― 八月三十日  委員小林信一君辞任につき、その補欠として田  原春次君が議長の指名で委員に選任された。     ――――――――――――― 八月二十七日  宮崎県をオリンピック東京大会聖火リレー起  点に選定に関する陳情書  (第三〇二号) は本委員会に参考送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  閉会中審査に関する件  オリンピック東京大会準備促進に関する件      ――――◇―――――
  2. 島村一郎

    島村委員長 これより会議を開きます。  オリンピック東京大会準備促進に関する件について調査を行ないます。  参考人出頭要求に関しましてお諮りいたします。  一昨日ジャカルタより帰国されました東龍太郎君を本日参考人決定することに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 島村一郎

    島村委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。      ————◇—————
  4. 島村一郎

    島村委員長 なお、本日は、他に参考人として、委員長より、東京オリンピック準備局長関晴香君、オリンピック東京大会組織委員会事務次長松澤一鶴君、東京オリンピック資金財団理事長靱勉君日本体育協会専務理事竹田恒徳君の諸君に御出席を求めております。  それでは、質疑の通告がありますので、順次これを許します。福永健司君。
  5. 福永健司

    福永(健)委員 ジャカルタでの競技大会関連しての質問を申し上げたいのであります。  本来なれば、関係者一同そろわれたところでお聞きしたいのでありますが、たまたま東さんが一番先に帰られ、ある意味では御迷惑、お気の毒のような気もいたしますが、国会といたしましては、皆さんがそろわれてからということでは時期を失するおそれ等もございますので、とりあえず伺いたいと思うのであります。かく申す私も、実は組織委員会関係では、ジャカルタへ行ってくれないかという交渉を受けておりました一人で、たまたま国会開会中でございますので、われわれは伺うことができなかった。災難をのがれたような感じもするが、しかし、ある意味においては、行って何かお手伝いをした方がよかったんじゃないかというような感じもいたします。  そこで、まず東さんにお伺いをいたしますが、今度東さんが向こう大会に行かれました使命と申しますか、立場と申しますか、これをまず明らかにしていただいて、その上で順次お聞きをいたしたいと思います。
  6. 東龍太郎

    東参考人 ただいまの御質問お答えをいたしますが、私が今回ジャカルタへ参りました使命は、東京都知事として、東京都が前回アジア競技大会以来保管をいたしておりますアジア競技連盟の旗、これをアジア競技連盟会長返還をいたし、そしてその旗が今回のジャカルタ大会組織委員長に渡されまして、大会開会式の会場にそれが掲げられることによって大会開会宣言が行なわれる、その手続を完了させますため参ったわけであります。ただし、同時に私は、アジア競技連盟名誉会長ということになっております。また、御承知のように、オリンピック大会組織委員会委員として等、日本スポーツ界の一人として、日本代表団一員ではございませんが、何らかの問題についてはいろいろと御相談も受け、あるいはまた、意見も申し上げる機会を得られるような立場にあったのでございます。
  7. 福永健司

    福永(健)委員 そこで、今明らかにされましたような立場お答えをいただいてけっこうなんでございますが、あなたは向こうへ行かれて、いろいろめんどうなことにも出っくわされたわけでありましょうが、あなたの受け取っておられる受け取り方お答えいただいてけっこうです。  今行なわれておりますインドネシア大会は、AGFが第四回アジア大会と認めた上で行なわれているとあなたは受け取っておられるか、あるいは、この点については保留された形である、こういうように受け取っておられますか、それを伺いたい。
  8. 東龍太郎

    東参考人 ただいまの御質問お答えをいたします前提といたしまして、私があちらへ参りまして、アジア競技連盟総会出席をいたしました、そのときの状況を一言申し上げた方がいいと思います。  私は二十二日の夜にジャカルタへ着きました。二十三日にはアジア競技連盟評議員会があるということを聞いておりました。二十三日の午前九時という通告でありましたが、それが突如として十一時まで延期する、十一時に集まったところが、午後三時まで延期する、三時に集まりましたところが、午後十時まで延期するというふうな、二十三日はほとんど一日何らの総会が開かれなかった。その間の事情は、それ以前に開かれましたアジア競技連盟理事会で、最後のどたんばになってもいいから台湾イスラエル代表団入国できるような措置政府においてとってくれるように、アジア競技連盟の名においてこれを強く要請しておったのでありますが、それに対する政府の回答が得られないということの理由で、午前、午後の会議とも延期になりました。午後の十時から会議が開かれました。そうしてそこに出されました外務大臣返答は、イスラエルについては、すでにイスラエルが公式に参加しないということの意思表示をしておるから、これはもはや問題外である、台湾については、政府としては入国手続をとる考えはないという返答があったということでありました。そこで、これをめぐって総会の議論が延延と二十四日の午前四時半まで続いたわけであります。  そこで、今の御質問の点に触れるのでありますが、このような台湾に対する措置は、これは明らかに憲章違反でございます。私はそう思います。従って、大多数の評議員もおそらくそのような考えではないかと思います。そこで、そういうふうな状態で大会を一つまり、憲章違反であるということを認めつつこの大会を開くということは、これは非常に矛盾をしたことに相なりますが、総会結論は、結局、明日1その日は午後三時から開会式である、とにかく開会式はこのままで開こう。従って、第四回アジア競技大会開会を宣するということをスカルノ大統領が宣言いたしましたから、とにかく開会式は、あれは第四回アジア競技大会開会式であることは間違いございません。今後それがどのような変化を来たすにいたしましても、とにかく、その当時は、第四回のアジア競技大会として開かれたのであります。そうして、開会式はそういうようにやって開き、しかしながら、一方、この憲章違反のことのないように、これを合法化するための努力をなお続けていく、一方そういうふうな交渉をしながら、大会を開いたというふうな状況であったと私は見ております。
  9. 福永健司

    福永(健)委員 スカルノ大統領言葉からすれば、第四回アジア競技大会開会式であった、しかし、問題はいろいろあり、従って、これらの問題についていろいろの協議をし、先ほどのあなたの言葉をお借りすると、憲章に違反するようなことのないような措置をする、これを合法化するというような言葉がありましたが、そういうような配慮がなされつつ大会は進行したということでありまするから、まあ開会式に用いられた言葉はともかくといたしまして、大会全体というものは、これからいろいろ競技等が行なわれる結果によって、必ずしも開会のときに言われたそのままの姿、そのままの大会と認識すべきものでもない、こういう程度に伺ってよろしいのですか。
  10. 東龍太郎

    東参考人 ただいまのお言葉結論としてその通りだと思いますが、その開会式の当日とその後とではよほど状況が変わっております。すなわち、政府に対して台湾入国を認めさすということはもはや望みがないということに相なりましたから、そこで他の方法で、今のように合法化と申しますか、言いかえれば、アジア競技連盟憲章に縛られないと申しますか、その範囲外の、あるいはそれをはずれた形のものであれば、憲章違反ということが起こらないというふうな考えから、今新聞にございますような、事後においてこの第四回の大会を取り消すというのでありますか、名称を変えると申しますか、そういうふうな措置をとるべきだというふうなことが、現在おそらくアジア競技連盟評議員会として考えられていることではないかというふうに考えております。
  11. 福永健司

    福永(健)委員 アジア競技大会というのは、参加国世界では非常に多いのであるし、ある意味においてはオリンピックに次いでの大会のようにも世界的に理解されているのであります。こうした大会において、今のような問題が起こったことを私は深く遺憾に存ずる一人であり、また、二年後にわが日本においてオリンピック大会が開かれるという予定になっているという事情からいたしまして、今度の事態と二年後のオリンピックとがどういうことでかかり合いになるかということにおいても、非常に心配をいたしている一人であります。  そこで、これまた、東さんの受けられた印象ないしは東さん式の解釈でお答えをいただいてけっこうなんでありますが、アジア競技大会日本でも行なわれて、日本で行なわれたときには、たしか東さんもそのときの責任者として、IOCに、第三回アジア競技大会としてのパトロネージをとられたというように私は理解をいたしております。今度の場合、私は現地へ行って調べたわけではありませんので、この点必ずしも明らかにいたしておりませんが、第四回の大会が、かって日本でとったと同じようなIOCパトロネージをとって、その承認のもとに行なわれたのであるか、あるいは、そういう点については手続上どうもはっきりしていないのであるか、その点を一つお答えいただきたい。
  12. 東龍太郎

    東参考人 私の印象では、今回のアジア競技大会は、前回東京大会、あるいはその前のマニラ、第一回のニューデリー、過去の三回の大会とはその点においてよほど違っているように私は思います。何と申しますか、イレギュラーと申しますか、ただいまおっしゃる通りアジア競技大会国際オリンピック委員会が認める、従って、今のお言葉にありましたパトロネージを持っている地域競技大会とするためには、その大会の二年前までに、大会のすべての準備状況と申しますか、必要なものを整えて、そうして国際オリンピック委員会にそのパトロネージを申請する、あるいは承認を求めるという手続をとり、その後の国際オリンピック委員会総会において進捗状況報告を行なうというのが今までの例でございました。東京大会はその規則通りにやって参りました。ところが、今回のインドネシア大会につきましては、私の知っております限り、いまだかって国際オリンピック委員会に対して報告あるいはまた連絡をとった形跡がございません。本年の六月モスクワで開かれましたIOC総会の席上でそれが問題になりました。そうして、アジア競技大会についてジャカルタから国際オリンピック委員会に対して何らかの連絡があったかというふうな質問に対して、ブランデージ会長は、自分は何にも聞いていないというふうな意味返答をいたしました。オットマイヤー事務総長は、何らの書類も受け取っていないという返事をいたしました。これが六月でありますから、今のように、二年前にそういうことをしなければならぬといたしますれば、もはやそのときすでに、アジア競技大会、今回のジャカルタ大会IOC承認なしに行なわれていく大会という形、すなわち、オリンピック委員会の認める地域大会ではないということになるわけであります。そこで、そのときに特にインドのソンディ委員心配をいたしまして、自分も何回もそれについてはジャカルタ組織委員会に注意を喚起して、そうして必要な手続をとるようにと言ってきたが、まだやっていないようだ、しかし、今のような時期的にはおくれておるが、なお最後にそういうふうな努力をやってみるというふうな発言をしたのを覚えておりますから、今回の大会が、前三回のものとはその点において非常に違っておるということは事実であります。  同時に、つけ加えて申し上げますが、そういう工合IOC承認をとって、その認める地域大会になりますと、例のオリンピック五輪の旗をいろいろな形で主競技場に掲げたり、あるいはまた、その他にそれを使うことを、オリンピックに準じてそれが許されるわけでありますが、そうでない場合には、あの旗は一切使わせないという原則であります。ところが、今回ジャカルタにおきましては、主競技場には、私は五輪の旗の片鱗すら見ませんでした。あるいはまた、町の中にも五輪のマークがあるのを私は見ませんでした。
  13. 福永健司

    福永(健)委員 その点、非常に大事な点なのであります。私がお聞きしょうというように考えておりました点も、一部すでに東さんの方からお話があったのであります。意義深きアジア競技大会、これがオリンピックとの関連においてより一そうそうであるべきはずのものが、今お話しのような事情である。たまたま今度のような問題が起こっていろいろに報道され、国民の関心を呼ぶことになったのでありますが、今伺ってみますと、急にイレギュラーになったのではなくて、初めからどうもイレギュラーであったという印象を私は受けるのであります。事そういうことであるとするならば、インドネシアの方で、故意であったか過失であったか、怠慢であったか、これは言葉はどういうように使うのが正確かわかりませんが、いずれにしても、何らかの事情で急にそうなったのでなくして、初めから少しイレギュラーであった、こういうことになってくるわけであります。今お聞きしたところ、五輪旗は掲げられてなかった、こういうお話です。東京で行なわれましたときとはおよそ事情が違っており、従って、そういう意味において今度の大会東京大会との間に大きな違いを私は感ぜざるを得ないのであります。  東さんにいろいろ申し上げてもなんです。が、そうすると、東さんの場合は、四年前にあなたが預かられた大会旗を、少し怪しげなものだから、旗を渡してよいかどうかという——今になってそんなことを言ってもなんでございますが、そういうような気持がおありになったかどうかは知りませんけれども、あなたの場合は、いずれにしても四年済んだのだから、これを会長返還して、そのあとどうするかということは、向こう会長責任だ、あなたは返しに行くまでが責任であるから、これは当然すべきことをされたというように私は思うのであります。たまたまその大会が、今お話が出たように、少し怪しげなものということになったのではございますものの、直接あなたは今度の大会をやる役員諸君に渡すというのではなくて、一たん返して、それからまたあとは別の行為になる。そういうことであるならば、東さんがやられたことは当然のことをそこまでやられたので、ついでに少し見てこられた、こういうことになるかと思いますが、いかがでありますか。
  14. 東龍太郎

    東参考人 ただいまお話しのように、東京都があの旗を預かっておりましたのは、このような事態になるというようなことは予想いたしておりませんから、次の大会まで預かるということでお預かりをしたわけであります。従って、今回の大会が、すでに開会前からいろいろと問題があった、しかし、少なくとも私は、アジア競技大会を開催するならば、その競技連盟憲章を必ず尊重する結果になるに相違ない、従って、開会式までにはそういう成規手続がとられるものというふうに希望もし、予想もいたして参ったわけであります。今おっしゃる通り、私が返しますということが、アジア競技連盟会長返還をする。そしてあらためて会長からその旗を授けられたところが大会を主催するということになるわけであります。ところが、会長が同じくインドネシア——つまり、主催するところの人がその大会会長になるというのが現在の規則でありまして、従って、会長も、組織委員会会長はもちろんでありますが、ともにインドネシア役員である、そういうところへお返ししたということになるわけであります。
  15. 福永健司

    福永(健)委員 東さんにお答えいただくのはいかがと思いますが、行ってこられたので、先ほど申し上げるような趣旨でお答えいただいてけっこうなんです。  国際陸連だとか、国際重量あげ連盟だとか、いろいろたくさんありますが、すでに、今度の大会を認めないというような意思を明らかにしておりまする連盟も若干あるわけであります。こういうようなことになっている事情のもとに日本選手参加をした、ないし種目によっては現在までまだその競技が行なわれずにこれからあと参加するというものもあります。そういうような事実が起こり、またはこれから起こらんとする場合において、私は東京オリンピック大会との関連において大きな関心を持ち、また心配もいたしておるのでありますが、わが日本の場合においては、オリンピック全体という立場から世界の各国についても大いに心を配らなければならないし、また同時に、アジアにおける非常に重要な国といたしまして、今度の大会等でも、向こうへ行っている諸君が、いかに対処すべきかということはなかなかむずかしい問題であったろう——であったろうでなしに、現在そうであるということなのであります。そこで、東さんは東京オリンピック大会でも非常に大事な立場になるべき人でありますが、日本選手参加した、しかも連盟によっては今次大会を認めていないものがある、こういうことと、東京オリンピック大会との関連を、東さんの立場でいかに認識しておられるか。これは非常に微妙な問題ですから、現段階において自分としては所信を明らかにすることが適当でないとお考えなら、それはそれでまたけっこうです。率直に伺いますので、お答えを願いたい。
  16. 東龍太郎

    東参考人 ただいま御質問のように、このアジア競技大会がこのようなイレギュラーな姿になったこと、従って、これに参加するということの結果が東京大会に直接はね返って、そして東京大会そのものを非常に窮地に陥れるのではないか、あるいはまた、困難が加わるのじゃないかというふうな、そういう御心配国内にあって、おそらくそれが主たる動機で、国内の世論と申しますか、がいろいろと新聞等を通じて現地にも入って参ったのであります。従って、現地におきましても、この問題については非常に慎重にそのとるべき手段を考えておったと思います。私自身直接そのような場に参る機会を持っておりません。従って、詳しいことはわかりませんが、会合のありましたあとでは、きょうはこういう工合なことになったということは耳にいたしましたから、知っております。そこで、この問題と並行してまっ先に出て参りましたのが、国際陸上競技連盟からのきびしい警告と申しますか、場合によっては、そういう競技大会参加した選手——除名という言葉は私はどうかと思いますが、それに対しては制裁規定を適用しなければならぬというふうな事態もあり得るというところまでの警告があったということを聞いております。この問題はまだ現在未解決でありまして、問もなく、九月の十一日でありますか、国際陸上競技連盟総会が開かれることになっております。従って、今回の問題についての最終的の処理は、その総会決定によって方向がきまるわけでありますが、私の見ておりますところでは、関係者は、この総会において、特にこの次のオリンピック主催国である日本、それから今回の開催国であるインドネシア、それらの委員が十二分に説明をし、あるいは釈明をし、事情を述べて、了解を得られるものというふうな見通しを持っておるように私は聞いております。  なお、最近起こって参りましたウエートリフティングの問題、これと陸上競技の問題とはちょっと処理が違うと思うのであります。これはまだこれからやることでありますから、参加しないという決定、つまり、国際ウエートリフティング決定に従うことは、私はそれが筋だと思います。ことに今回のは、私は新聞だけしか知りませんが、会長としてそういうことをはっきりと、つまり、国際連盟意思としてこれを正式に表明したということであれば、国際連盟に加盟をいたしております日本連盟としては、その意思を十二分に尊重するのは当然だと思います。陸上競技連盟の場合は、形はそのような形ではないというふうに私は聞いております。それともう一つは、陸上競技開会式の翌日の午前から始まっております。従って、先ほど申し上げましたように、開会式当日から翌日にかけてのAGF評議員会インドネシア政府との間の最後的な話し合いがまだ行なわれつつあるというふうな状況で、競技はもう始まってしまった、そのとたんに、日本の方は参加という意思競技には出る一これはアジア競技連盟総会考えとしても、とにかく競技競技として参加選手にやらせようというふうなことでありましたので、従って競技がそのまま続行されて、選手は出てしまっておる。で、この問題についてどう対処すべきかというふうなことがいろいろ議せられ、論ぜられましたのは、二十五日、すでに競技が一方に始まっておるというときになって、日本側においてもいろいろと御相談があるというふうなことであったと思うので、今起こりつつあります重量あげの問題と、陸上競技の場合とは、そのような点において処理に非常な困難の差があるというふうに見ております。
  17. 福永健司

    福永(健)委員 私は、今度起こりました事態を遺憾に思うと同時に、心からこの事態の賢明な収拾を願う者の一員であります。ことにわが国といたしましては、二年後にオリンピックを控えまして、かようなことでさらにあとに大きく尾を引くような事態になることは望まないのであります。東さんもそういう点では非常に頭を悩ましておられる一員であろうと思うのであります。起こった事態は起こった事態として、あとIOCの方、また広く世界全体から、日本のとった態度はやむを得なかったということについてよく理解されるような措置を、われわれはみんなでとらなければならぬ。もとより、私は、過去に起こったことについてすべてふたをしろなどという意味においてそれを申し上げておるのではない。まずかったことはまずかったこととして率直に認めてけっこうでありますが、同時に、日本全体としてあとにいい影響を及ぼすよう、少なくとも著しく悪い影響の及ばないような措置をみんなでとらなければならない、こういうように思うわけであります。  今度の問題の取り上げ方が、一部では、スポーツ政治が関与することがいけないのだというような表現がなされておる。この言葉は、まさにある程度までそうであろう、こう思うのでありますが、同時に、この言葉を勘違いいたしまして、スポーツについて政治が何にも協力をしない、ほうっておけばいいのだということになったら、これはより一そう大へんな問題であると私は考えるのであります。政府に対しましては、これから政府関係者が帰って参りましてからいろいろ所見等も聞き、われわれも鞭撻するところはしていきたい、こう思うのであります。東さんは、東京都の行政、日本の地方行政の中でも最も大事な部分の行政を担当される、ことにオリンピックを控えての仕事は大事な仕事であります。政治スポーツに関与するなとは申しましても、一つ勘違いのないように——今度起こりましたような問題については、まさにそういうことがある程度言われるのであります。しかし、うんとオリンピックを盛んにするというようなことについては、まさに政治の協力がなければできないのであります。そういう意味で、今次の問題と関連して、政治スポーツへの関与があってはならぬということと、スポーツを大いに盛んにし、ことにオリンピックをりっぱにやって日本国民の面目を世界に示すということのためには、一つ今度のことで東さんも憶病にならないようにしていただいて、オリンピックその他をほんとうにりっぱにやるということのためにはより一そう御尽力をいただきたい、このことをつけ加えてお願い申し上げまして、あと阪上君から御質疑をいただくことにいたします。
  18. 東龍太郎

    東参考人 今回のことが、直接あるいは必然的に東京オリンピックに悪影響を及ぼすというふうな判断は、私自身はいたしておりません。しかし、それは、今お話のありました、これの事後の収拾いかんによると思うのでありまして、賢明な収拾ができますれば、何らの悪影響は及ぶものではないと思います。また、それにつきましては、私いろいろな立場におりますが、特にIOC委員といたしまして、そういうふうなことによって東京大会の上に暗雲がかぶさってこないように最善の努力をいたしますことが、私の責任であろうと心得ております。  また、政治スポーツについての見解、解釈は、私自身は、ただいま御心配のありましたように、スポーツのことはもうそれでは一切ノー・タッチというふうな状態であるべきだというふうにはもちろん考えておりませんし、その点の限界は十二分に心得ておるつもりでおります。今後ともいろいろと御鞭撻、御指導をいただきたいと思います。
  19. 島村一郎

  20. 阪上安太郎

    ○阪上委員 私は主として今度の第四回アジア大会の紛争問題について、東知事さんに、アジア競技連盟名誉会長、あるいはまた、IOC委員であるというようなお立場においてお答えを願いたい、かように存じます。  第一点といたしまして、第四回のアジア大会というものは、これは明らかにAGF憲章違反である、こういうふうに私は考えるわけなんであります。しかし、こういった問題の結論を出すということについては、よほど慎重でなければいけない、かように考えます。先ほど福永委員の御質問お答えになりまして、東さんは、それは確かに憲章違反だ、こういうふうにおっしゃっておられます。そこで、私、少しくどいようですが、どの条項に違反しているのかという見解をこの際伺っておきたいと思います。
  21. 東龍太郎

    東参考人 アジア競技連盟のあの憲章と申しますか、規約は、大体において国際オリンピック委員会の規約をその通りとっておると見ていいのであります。それは最初から、このアジア競技というものは、国際オリンピックの認める地域大会として行なっていきたいという、創立当時の役員考えからそうなったと思いますが、従って、アジア競技連盟に加盟をしておりますすべての国のNOCに対して、この大会参加することのできるようなあらゆる措置をとらなければならない、政治的、宗教的あるいは人種的その他の理由で参加のできないような状況に置いてはならないというのが、この大会を構成する基本の考えだろうと思うのでありまして、その意味におきまして、今回の台湾イスラエル選手が来ることができない、台湾につきましては、アジア競技連盟評議員であり、また評議員会の中の理事であるその個人に対してすら、入国の査証が与えられてないというふうな事実を見ますと、今のような、すべての加盟国がこれに参加し得るような、そういう条件を整えていないという意味において、私は憲章違反というふうに考えておるわけであります。
  22. 阪上安太郎

    ○阪上委員 そういたしますと、AGF憲章の第一条、これはもう明らかになっておりますが、あるいはまた、今、入国の自由の問題がやはり違反だという、こういうふうに言っておるのですが、これは第四条関係の違反だと思います。細則第二条の(g)項にそのことが明記されておる。あるいはまた、第二十九条に、大会参加の招待状というものは、これはアジア大会評議員会ジャカルタ組織委員会に指示して、そうしてこれを発送するというような仕組みになっておる。そこで、その第一条関係でありますが、「公正にして平等な競技に、アジア諸国のアマチュアを参集させる。」そうして「人種、宗教または政治上の理由で、ある国家または個人に対して差別待遇をすることを許さない。」こういうふうに規定されておるのでありますが、この場合、今回のあの措置が、この人種、宗教または政治上の理由ということで差別待遇をしたと断定することができるという意味で先ほどおっしゃったのでありますか、この点一つ伺っておきたいと思います。
  23. 東龍太郎

    東参考人 ただいまの御質問通りであります。
  24. 阪上安太郎

    ○阪上委員 そうすると、インドネシア——というよりも、このジャカルタ大会は、この人種、宗教または政治——イスラエル等につきましては宗教上の問題があったかもしれません。あるいはまた、台湾については、これは政治上の理由があったかもしれません。大体現地状況等をごらんいただいてそういうふうにお考えになった、こういうふうに解釈していいわけでございますね。  そこで、次に、第四条に、AGFを満足せしめるところの保証書というものが事前に出されていなければならぬ、そしてアジア競技連盟はこれを十二分にこれは間違いのないことだという確認をして、そうして大会組織委員会にゆだねていく、こういう格好になると思うのですが、この点について東さん御存じであるかどうか知りませんが、こういった事前の確認というものが十二分に今回の場合行なわれておったかどうか。たとえば、その中にあります入国の自由などというものは、必要な要件としてはっきりとここにうたわれており、そういったもの、が事前に確認されておって、これは大丈夫だ、こういうふうなことでもってこの大会組織委員会にゆだねられた、こういうふうに私は思うのでありますけれども、その確認がはたしてとられておったか、事前にそういう危惧があったのじゃないか、こういう点についての事情を御存じでございましたら、一つお聞かせ願いたい。
  25. 東龍太郎

    東参考人 ただいまの御質問の、事前の確認につきましての事情は、私はよく承知をいたしておりません。ただしかし、事前と申しましても、時間的にそう長い前ではありませんが、入国その他について何らの制限、支障等はないだろうなというようなことを、日本としてはそういうことは聞いたことがある。そして、差しつかえない。ただし、それは日本に対しての返答でありますから、われわれに対しては何らの支障がないということをとっておるということも聞いております。しかし、全体といたしまして、第三回の大会あとで行ないました評議員会で、ゲームを次にはインドネシアに渡すというときに、一々はっきりと、この条項のものを、項目を上げて、この点はいいかどうかというふうなことまで念を押してやったのでないことは事実であります。ただ全体として、評議員会としては、大会をやるのはこの憲章に従ってやる、この条項はもう当然の前提だということで次に渡したというのでありますから、その組織委員会に対してあらためてAGFから、この条項は必ず守るか、イエスというふうに、そういうことはやっていないと思います。
  26. 阪上安太郎

    ○阪上委員 次に、もう一つお聞かせ願いたいと思いますが、二十九条関係なのであります。それは「大会参加の招待状は、本連盟評議員会の指図にしたがって、組織委員会が発送する。」こういうふうになっております。そしてこの規則によりますと、評議員は各国三名以内出ることになっております。そこで、日本からはおそらく三名以内出ておられると思うのであります。が、これらの評議員会が、そういった組織委員会が発送することについて指図をするのですから、その権限からいっても、当然、台湾イスラエル等にそういった招待状というものが発送されたという確認をすべきだ、こういうふうに思うのであります。ただ単にジャカルタ組織委員会だけにまかしておくのではなくして、そういう権限を持っておるのでありますから、そういう点についてやはり十二分に事前に確認をされおるかどうか、この点についてはどうでございますか。
  27. 東龍太郎

    東参考人 その点は実は私承知しておりませんが、しかし、評議員会の指図その他——いろいろと条項には、評議員会がというふうになっておりますが、評議員は今おっしゃる通り三名以内、大体三名を出しているところが半数以上ございますか、でありますから、集めますと数十名になるわけでございまして、ただいままでの慣習といたしましても、評議員会なるもの、いわゆる総会なるものは、大会が開かれております問、もしくはその前後にしか開いておりません。あとは、評議員会が選んでおります理事会にまかせておるのでございます。従いまして、この招待状云々の件も、これは私の想像でありますが、おそらくは理事会——これは確かに事前に開かれております。でありますから、そこで適当な措置をとるというふうなことが今までの慣例でもあるし、おそらく今回もそういうふうなことをして、総会としてはそれを事後に承認をする、総会意思としてやったことにするということに持っていっておるのじゃないか、私の想像でございますが、そういう工合考えております。
  28. 阪上安太郎

    ○阪上委員 そこで、この際さらにお伺いしておきたいと思いますのは、各国際競技連盟アジア競技連盟との関係、それから各国のNOCとの関係、それから各国の競技連盟との関係、そういうものの上下等の関係はどういうふうに相なっておりますか。
  29. 東龍太郎

    東参考人 アジア競技というものが国際オリンピックの認める競技大会、これを実は前提にいたしておりますが、そうすれば、ただいまのような各種の団体間の関連は、オリンピック大会において見られるその関係と同じものと考えるのであります。従いまして、このような大会の運営についてのプリンシプルの問題と申しますか、そういうふうなものはアジア競技連盟にもあるわけでありますが、個々の競技あるいは競技会の、技術的と申しますか、テクニカルな問題については、国際競技連盟が指導権を持つ。従って、競技場の施設にいたしましても、あるいは競技を開くプログラムにいたしましても、すべて国際競技連盟承認を得、あるいは同意を得たものでなければならない。その意味において、それぞれの国の競技連盟は、当該国際競技連盟の指導下に置かれておるということに相なると思います。  それからNOCとの関係でありますが、結局、このAGF評議員は、いずれの国におきましてもそれぞれのNOCから選定もしくは推薦された人ばかりであります。この点はオリンピックの場合とは多少趣を異にいたしております。オリンピックの場合は、御承知のように、IOC委員というものは、それぞれの国のNOCと密接な関係を持っていることは好ましいが、その推薦によってきめるものではないというふうになっておりますので、この点が違っております。でありますから、アジア競技の場合は、この評議員会の構成は、その評議員を選びます母体は、すべて各国のNOCにある、そういうふうに私は考えております。
  30. 阪上安太郎

    ○阪上委員 そういたしますと、競技技術的な面においては、やはり国際競技連盟というものが、権限といいますか、そういうものを持っておる。そうすると、オリンピックの場合と同じである、こういうことが言えるのでありますが、その場合に、たとえば国際陸上競技連盟が、アジア大会における陸上競技に対してこれを承認するとかしないとか、そういった権限というものはどこから出てくるのでありましようか。
  31. 東龍太郎

    東参考人 この点が、ただいま私が申し上げましたように、これがプリンシプルの問題であるのか、あるいはテクニカルの問題であるのか、今までの規則なり慣習の点から申しますと、プリンシプルの問題は国際競技連盟がきめるのではなくて、アジア競技連盟評議員会がきめるのだということになりますと、国際競技連盟が何を言おうが、評議員会が認めておればその競技は成り立つということに相なります。しかし、一方、国際陸上競技連盟にしても、その他の競技連盟にしても、それぞれ自身の規則、規約を持っておりまして、その中の条項に触れるということがあれば、自分の方としては、この条項に触れるものは認めるわけにいかぬというふうなことを言えるのも、これまた当然だと思うのでございまして、その点が議論にれば議論になると思いますが、しかし、これは常識的に考えまして、りっぱな、認められた国際競技連盟が、そのみずからの規約に反するということのゆえをもって、今回のような警告なりあるいは指示なりを発するということは、私は当然のことだというふうに考えます。
  32. 阪上安太郎

    ○阪上委員 そこで、アジア競技連盟憲章にも明らかにこれは違反しておる、また、国際競技連盟等の警告等についても無視されておったということだけは事実であります。そういった大会は、明らかに一般にいわれております反則大会だとわれわれ考えるものでありますが、そういった反則大会に、日本代表が全種目に参加をした——開会式参加したのであって、まだ競技には全種目に参加していないという言い方もなされておりますけれども、私はそういう考え方は成り立たないと思うので、明らかにこれは競技参加したのだ。それで、こういった反則大会参加した理由につきましては、新聞等の報ずるところによっていろいろ聞いております。しかし、私は、この問題についてやはり一番大事なことは、この憲章第一条に明確に表われておりますところの、アマチュア競技精神といったものを頭ごなしに無視してこれに参加したということが、非常に重要な問題だと思う。なるほど、オリンピックのことも考えて、そうしてチームあるいは参加したところの選手が陸上等の場合において除名される、そのことが直ちにオリンピック大会影響を与えるであろうというような考え方よりも、むしろこの大精神を踏みにじって参加したという、この日本代表のとった態度というものは、私はまことに遺憾だと思うのであります。そこで、私は、この紛争の場合どういう背後の情景があるのだろうか、あるいは参加したところの現地のわが代表が、どういう態度でもって、どういう見解でもってこれに参加したのかということにつきまして、東さんの知っておられる範囲内において一つ御報告いただきたい、かように思うのであります。
  33. 東龍太郎

    東参考人 ただいまの御質問に対しましては、私が的確なお答えを申し上げるわけには参らぬと思いますが、ただしかしながら、おっしゃる通り、これはそういうふうにプリンシプルの上から去就をきめるのに非常にむずかしい問題でありまして、それと同時に、いわゆる代表団中の、競技参加する人たちのこの競技大会に対する考え方というものをもやはり十分に考慮しなければならぬと思うのでありまして、この点については、日本選手団が参加決定いたしますまでには、参加をしております各国の、特に陸上競技連盟について各国の代表団の人とも十二分にいろいろとディスカッションをやったというふうに聞いております。そうしてその全体の話し合いと申しますか、ディスカッション等の結果から、日本参加するというふうにきめたんだというふうに私は聞いておるのでありまして、それまでにいきます過程におきましては、日本選手団が、ひとり陸上競技のみならず、全種目にわたってもはやこの大会参加しないというふうな態度をとるべきではないかというふうなことも、もちろん考慮のうちに加えられまして、いろいろと検討せられたに相違ないと思うのでありますが、その結果、選手団としては、全種目に参加するというふうにきめておるのでありまして、その背景等についての詳細は、私からは何とも申し上げられませんので、そのような処置をとるについて、その場においてそれを指導せられましたような当該の役員の口からでないと申し上げられないだろうと思うのであります。
  34. 阪上安太郎

    ○阪上委員 新聞等の報ずるところによりますると、現地大会の雰囲気というものは非常に盛り上がっておる、選手もそのことのために非常に参加を希望したというようなこともいわれております。しかし、また報道によりますると、開会式の二十四日でありますか、当日になるまで全くわが国の選手団というものはつんぼ桟敷に置かれておった、従って、選手団が参加するという気持の中には、そういうつんぼ桟敷に置かれておったので、十二分に正確な判断をすることができないという状態にあったのではなかろうかという一つ疑問を私は持っておる。また、現地の報道等は何か極度に規制を受けて、一般にインドネシアの国民諸君がそういう紛争があるということをなかなか知ることができないような状態にあったともいわれております。籍口令をしかれておったというようなこともいわれておる。これはあとのことでありますので、ここで言っても仕方がありませんでしょうけれども、競技をやる者にできるだけ心配をかけないという考え方は、これは非常に正しいと思いますけれども、しかし、参加するかしないかの態度を選手がきめるという場合の要素として一番大事な、そういった点の真相が明らかにされていなかったということについては、非常に大きな手落ちがあったのじゃないかと、私はかように考えるわけです。  それから、あなたが羽田にお着きになっておっしゃっておられるいろいろな御報告の中に、もしああいった場合に日本が総引き揚げをやろうというようなことになれば、インドネシアが独裁国であるがために、生命の危険を感ずるというような意味のことを理由の一つとして言っておられたように私は思うのであります。これは非常に重大なことでありまして、もしそういうことであるならば、そういう雰囲気ができておるということでありますならば、これはもう大へんな問題だ。そんなインドネシアでもって競技をやったこと自体が間違っておる。これらの点についても私どもは非常に疑問といたしております。生命の危険を感じてまで大会をやらなければならぬか、そういう国情であるということについては、何か非常に私どもは激憤を感ずるわけなんであります。そういった点について。  それから、いま一つ、あなたが羽田でおっしゃっている中に、これはあるいは浅野さんが言ったのかもしれませんが、大会参加するかしないかはAGF決定するというような意味のことを言っておられたように私は思うのであります。なるほど、組織運営等につきまして権限を持っておりますアジア競技連盟、しかしながら、参加するかしないかの意思決定というものは、アジア競技連盟がきめるのじゃなくして、それはそれぞれの各国の代表がきめるものじゃなかろうかという考え方を私は持つのであります。こういった二、三の点について、一つ東さんの見解を伺っておきたい。
  35. 東龍太郎

    東参考人 ただいま御質問いただきました点、私はまことにありがたく思うのでありまして、その点の新聞記事については、私自身も、それが正確でないということを遺憾に思っておるのでありまます。今の第一点の、生命の危険云々の問題は、私は自分の口からはそれは申したことはございません。ただ浅野君が私と一緒に発言しております中に、現地のある人はそういうことをすら言う人もあるというふうなことを言ったのを私は耳に覚えております。今おっしゃいましたように、この問題はきわめて重大なことでありまして、すでに昨日もAPから私の方の準備委員会へ、それはむしろ浅野という名前をあげたそうでありますが、浅野さんがそういうことを言われたということを聞いたが、それはほんとうかということを聞いてきたそうであります。そのときも私どもの方からは、そういう言葉を言われたのはこういう関連である、現地においてはそういう危険をすら感ずるというふうなことを言う人もあるのだ、そういうことであって、日本代表団といいますか、日本から行ったものがそういう状況を認識して云々ということでは毛頭ございません。この点は、こういう機会に明らかにさせていただいたことを私はまことにありがたく思うのでありまして、私自身の口からはそういうことは一切申しておりません。  それから競技連盟評議員会がきめたから参加、これも言葉が不十分でありまして、これはおそらく私が言ったのじゃないかと思います。日本選手団が参加ということをきめるについては、アジア競技連盟評議員会が、競技は継続してやるという決定をしたから、言いかえれば、この競技は、アジア競技連盟評議員会がやることを認めておる競技だから、そこで、それにも参加しようというふうに日本がきめたのじゃないか、そういうことを私は申したことがございます。従って、おそらくそのことが、言葉の不十分と申しますか、不足から、今のようなふうにとられるような記事になったのかと思うのであります。この点もこれは明らかにしておくべきことだと思いまして、ただいまの御質問、まことにありがたくお礼を申し上げます。
  36. 阪上安太郎

    ○阪上委員 大体いろいろと御報告いただいて、ある程度のことがわかって参りました。  そこで、第三点といたしまして、今回のこういった事態オリンピック東京大会に与える影響はどうかということになるのでありますが、この点については先ほど福永さんも多少触れられておりましたので、私は簡単に申し上げたいと思いますが、非常に失礼な言い分になるかもしれませんけれども、影響があるとかないとかいう考え方の基本になっておるのが、何か競技運営とか技術上の関係から考えておる、たとえば除名があるとかないとか、国際陸上競技連盟警告を無視したことによっていろいろな制裁が加わってくるということ、そういうことを頭に置いた考え方が非常に強いのではないかと思うのであります。もし影響があるということになれば……。ところが、先ほど申し上げたように、私が非常に遺憾に思いますのは、AGF憲章あるいはIOC憲章の第一条に書かれておる内容というものは、全くこれは同じことを書いておるのでありまして、アマチュア競技の大精神をここにうたわれておるし、この大会の真の基本的な性格というものがここに出てきているわけなんであります。そうしてオリンピック大会アジア大会とは直接には関係はないということも事実でありましょうけれども、しかしながら、同じ精神にのっとってやっておるところの大会に、一つのアジア大会の方では反則大会、全くそれは違反の大会である、そういったものに参加するという考え方は、結局はIOC憲章も踏みにじっていこうという考え方に通ずるものじゃないかと私は思うのであります。従って、考え方によれば、こういった日本の行動によって、国際的な信用というものは全くがた落ちじゃないだろうか、オリンピックの精神なりアジア大会の精神なりを踏みにじってしまうこういった日本に、はたして次の東京大会を開く資格があるのかどうかということすら私は疑いたくなる。そこで、私、東さんに怒るわけじゃないのですが、一体どうなんですか、出先の代表団というのはそういう考え方を持っておったのでございますか。いわゆる問題は、除名されるかしないか、このことを言い抜けさえすればいい、あるいはまた、国際競技連盟の会合に出ていって釈明すればそれで済む、大精神を踏みにじってしまっておって、そういうささいな問題にばかり頭を使っておる、こういうようなことでは、繰り返して言いますけれども、今言ったような意味において、非常に東京オリンピック大会の開催に影響を与えるのじゃないか、こういうふうに考えるのでありますが、この点どうでありましようか。
  37. 東龍太郎

    東参考人 私が、東京大会に必然的に悪影響がないと私は思うと申しましたのは、今のような競技連盟からの抗議とかというようなことを適当に処置すれば、それで何もないのだという意味ではございません。やはり今おっしゃったと同じような、もっともっと高いと申しますか、広い視野から見て、そういうことはないと申し上げたので、今のように、この第一条の、あるいはその他の憲章の条項に違反してておるこの大会であるということは、もうおおい隠すことのできない事実だと思います。それに参加するというのは、そういうことを是認して、今おっしゃった、踏みにじるというふうなことを意識して参加するというのではもちろんないのでありまして、そういうふうなことについての善後措置が、賢明な措置がとられるようにということを先ほども申しましたが、結局、私どもはそういうふうな憲章違反のような競技には参加したくないのだ、しかし、諸般の事情アジア競技連盟がとにかく継続することを認めておる大会だから、そこで、各国とのいろいろな話し合いの上でこれに参加するということになったので、あくまでもこの点は明らかにいたさなければなりません。従って、問題を少し変えるように相なりますが、もしこれがインドネシアが次のオリンピック大会をやるのだというならば、これは当然もうそういうところにオリンピック大会はやらせない、だれでもそう思いますが、これに日本参加して、東京がやる大会に、直ちにこれが今おっしゃったような国際的の非常な不評を買って、そうして東京大会の権威を落とすようなことになろうとは思わないのでありまして、ただ、このような紛糾しておる現段階におきましては、私の口からこれ以上は差し控えなければならぬと思いますが、一にかかってこれは今後の措置いかんにあります。現在ございますような国内のいろいろな批判等につきましても、十二分に国民の納得を得ますような、そのような善後措置をつけなければならぬと思うのでありまして、従って、問題は今後に残されておると思うのであります。しかし、私自身といたしましては、そのような悪影響のないように、私は及びます力を尽くして努力をいたすつもりでおりますし、また直接の影響はないという考えを私は持っておるということを申し上げた次第でございます。
  38. 阪上安太郎

    ○阪上委員 東さんはIOC委員であられますので、先ほどお話がありましたように、あなたは日本を代表しておられるわけではないのでありまして、IOCを代表してといいますか、IOCから日本のまあ担当というような形で、IOCによって選出された方だと思うのであります。そういう立場にあられるのでありまして、そういった立場にあられるあなたが現地におられた。真実はあなたは旗を返しに行かれたというだけだったと思うのであります。しかしながら、世間はそうとらないのであります。また、あそこには組織委員会の津島会長も行っておられるし、事務総長の田畑さんも行っておられる、こういういわゆるスポーツ界の大物が向こうに行っておる。あるいは国からは、これは視察に行かれたのでありましょうが、川島オリンピック担当大臣までも向こうに行っておられる。そういったところで日本代表の意思決定する道具には事欠かなかったと思うのであります。それがこういう結果になったということでございます。この点は私は非常に遺憾に思います。今おっしゃいましたように、IOC委員として今後一つその点についてほんとうに世間が納得し、世界が納得するような態度をとっていただくことが必要じゃなかろうか、かように思うわけであります。  そこで、この問題に対しまして少し政府の見解をこの際伺っておきたいと思います。先ほど福永さんが質問なさっておられました。まことにもっともな質問でありますし、これに対して東さんの御答弁もまことにりっぱな御答弁でございます。スポーツ政治が介入してはいけないというようなことを考えておられる向きが政府筋に多いと思うのでありますが、今でもそういうようにお考えになっておられますか、どうでありましょうか、御両所から一つ伺っておきたいと思います。
  39. 江守堅太郎

    ○江守政府委員 言葉意味になるかと思いますが、たとえば競技をいろいろ運営なさる、そういった問題につきまして政府がいろいろ口を出すというようなことは、これはもちろんスポーツの精神にも反することでありまして、また政治の問題でもないと思うわけであります。それ以外の問題、たとえば今度開かれます東京オリンピック大会につきまして、施設その他運営の面において各方面でいろいろ努力をいたしておる、その点につきまして政府が協力する、こういうようなことはこれまた当然のことでありまして、別に政治スポーツに関与するというようなことではない、このように考えておる次第でございます。
  40. 前田充明

    ○前田(充)政府委員 今審議室長から・お述べになりましたのと全く同じでございます。現に私どもとしましては、スポーツ関係では、今度のアジア大会におきましても補助金を出しましたし、国民体育大会に対しましても政府として補助金を出しておりますし、スポーツの振興、そういう意味で御協力いたすことについては、これはもう今さら申し上げる問題はないと思いますが、しかし、干渉をするということについては私どもとしてはいたさない方針は持っております。
  41. 阪上安太郎

    ○阪上委員 ざっと聞けばその通りかもしれませんが、もう少し踏み込んで考えてみて、今回のような問題に対して政府が何らかの意思表示をするということは、不当な政治の介入である、こういうように考えられますか、どうでしょう。
  42. 江守堅太郎

    ○江守政府委員 先ほどいろいろ御説明がございましたように、今回のジャカルタでのできごとは非常に異例なことでございまして、その間の事情につきましては、遺憾ながら、政府で正確なその情報を把握することが非常に困難でございます。ただ、国内のいろいろの事情につきましては、できるだけ現地に伝えるように外務省を通じて努力をいたしました。ですが、それ以上に政府が、このアジア大会の運営に対して、現地の代表の方々が参加する、あるいは参加しないというような問題について介入することは、これは好ましくないというふうに考えます。そういう点はいたさなかったのであります。
  43. 阪上安太郎

    ○阪上委員 私が言っているのはそういう意味ではないのであります。参加する、しないの問題ではない。これに対して政府意思を表明しろとは私は言っていないわけです。不当な、全くアマチュア競技を踏みにじってしまうような反則の大会が開かれようとしている、また開かれた、こういったことに対して、これはあなた方も直接私は関係があると思いますけれども、特に外務省あたりがなぜインドネシア政府に対して正しい競技を開けという要請をしなかったか、ほったらかしにしておいて、そうして現地でああでもない、こうでもないと大騒ぎしておって、知らぬ顔をしている、そういう態度を私は言っている。こんなものは決して不当な介入じゃない。アマチュア・スポーツを擁護し、そしてそれを育成していくのはやはり政治責任です。こういった不当な大会インドネシアで開かれている、日本代表としても、相なるべくんば参加したくない、しかし、各般の事情によって参加せざるを得ないような気持に追い込められているという段階において、世界のすべての国がやはりアマチュア競技を擁護していく責任があると私は思う。そういう場合に、日本政府がへっぴり腰でもって何もよう言わぬという態度は許されない。アマチュア競技を擁護するために、思い切った、インドネシアに対するところの申し入れをなぜやらなかったか、要請をなぜしなかったか、こういうことだろうと私は思うのであります。これはあなた方ばかりに言っておったのではしようがないので、いずれ次の機会に言いますけれども、そういったことについて文部省あるいは総理府なんかでこの問題について考えたことがあるのですか。
  44. 江守堅太郎

    ○江守政府委員 バタビヤの今回の問題につきまして、政府がある判断を下して声明をするということも一つの問題であろうと思います。ただ、これはスポーツに関与するとか、あるいは今回の事件に対する日本政府の態度を明らかにするとかいう問題を離れまして、今の段階においては、そういうことをすることは適当でないということに考えておる次第であります。
  45. 阪上安太郎

    ○阪上委員 これは外務省がおらぬので話にならないのですが、このくらいのわかりきったことは、現地でやはり出先機関としても対処することができると思う。それを、政治に介入することはいやだ、いやだといって逃げておること自体が、政治的な配慮をしているということになるのではないか、こういうように思うのであります。私はこの点については非常に遺憾に思っておりますが、あなたがたに申し上げてもこれはどうにもならぬ問題だと思いますから、いずれ次の機会に、外務大臣なりあるいは川島担当相なりにこの点については要請していきたい、かように思っております。そういう意味で、スポーツを擁護していくという建前をはっきりと積極的に勇猛果敢に持つ政府の態度でなくてはならぬということを、特に私はつけ加えて申し上げておきたいと思うのであります。  そこで最後に、この大会が終わりますと、四日でありますか、アジア競技連盟総会を開いて、そうしてこの大会が無効であったかどうかというようなこと、あるいは大会の名称を変更するかどうかというようなことがきめられるということになっております。その場合における今から考えられる日本代表の態度は、現状のままでこの大会を認めていくということにあるのか、あるいは、そうじゃなくて、大会の名称の変更といいますか、そういった側に賛成するのか、そういった間の事情を御存じでございましたら、東さんから伺いたいと思います。
  46. 東龍太郎

    東参考人 その問題は、実は現在の評議員である人の意向は聞いておりませんが、しかし、私の想像では、あくまでも違反のままの大会をそのまま承認するというふうなことはいたさぬと思います。言いかえれば、名称の変更ということで、いわゆる反則大会ということでなくなるならば、その方の主張をするだろう、これは私の想像でありますが、そう思っております。もし私が発言権があるなら——私は名誉会長でありますから、総会には出られまます。そうしていろいろな発言権もございますが、ただ、表決権は持っておりません。しかし、私自身でございましたら、そのような発言をいたすと思います。
  47. 阪上安太郎

    ○阪上委員 ここで結論を出すのはなかなかむずかしい問題だし、あるいは時宜を得ていないかもしれません。当面まだ開かれていない競技が残っているはずであります。そういった違反のままで続行されることがいけないという日本の態度であるならば、そういった残された競技に対しては一体どうするであろうか、今ここで打つ手はないだろうかということについて、東さんなり、あるいは学識経験者としてせっかくおいでになっておる組織委員会事務次長松澤さんなりに一つ伺っておきたいと思います。ここで発言するのは少し問題があるというなら、けっこうでございます。
  48. 松澤一鶴

    松澤参考人 先ほどもお話の中に出ておりますが、今回のアジア大会には、日本オリンピック委員会の首脳部あげて出ておりますので、日本オリンピック委員会は出先の方におまかせしてあるということが決定いたしております。それだから留守部隊は何もしておらぬというわけではございませんが、その後現地連絡をいたそうと思いましても、電話等が、要所々々にくると切られてしまうというような事態にございまして、ほとんど連絡不可能であります。従って、今日まで積極的にどうするということはできませんが、現地日本国内事情等の様子なども知らせてやりまして、現地の判断に資したいという考えは持っております。これだけ申し上げておきたいと思います。
  49. 島村一郎

  50. 田原春次

    ○田原委員 東知事が御多忙の中をおいで下さったことを御苦労様に思います。ただいま承っております中で、二、三お尋ねしたいことがございます。  第一は、第三回大会の旗をお返しに行ったということになっております。行ってみると、その会場にはオリンピック五輪マークも何もない、しかし、第四回だと思ってお返しになったということですが、その後いろいろ問題があって、大会の名称がきまらないままに今やっておる。私が先ほどからの御答弁等を聞いておりますと、第四回アジア大会という名前にはならないのではないかと想像いたします。その場合、一体旗はどうなるかということでございます。ただ単なるインドネシアジャカルタ競技大会になってしまいますと、向こうでも預かりようがないのではないか。従って、あなたはもう一回もらいに行って、この次に予定されておるバンコックが第四回になって、そちらへお届けするようなことになるのではないかという気がいたします。ということは、私の関係しております重量あげ協会では、やはりFIHCのオスカー・ステート氏が非常にやかましいことを言われて、やはり第四回アジア競技大会でないならば参加しない方がよかろうということで、そういう意味の電報を打っておるわけです。先方からはそれに対していいとも悪いとも言ってきておりません。そうしますと、名称不定のままに重量あげ協会は参加できないということになるんじゃないかと思います。そういう点もございますので、名称に関連する旗の処置からきた格好づけはどういうふうにお考えになっておるか、ちょっとお聞きしておきたいと思います。
  51. 東龍太郎

    東参考人 東京都といたしましては、とにかく旗を連盟会長にまで返還いたしました。そうしてそれは一応現在のインドネシア組織委員会会長が受け取っておるわけであります。従って、これが正規のものであるならば当然そのままでいいわけでありますが、今おっしゃる通り、これがアジア競技大会ではないのだということになった場合に、一体旗の行方は、これはもちろん前例はないことでありますし、今後どういう措置をとるか、おそらくだれでも今すぐにそれに対してこうするがいいという案は出し得ないと思うのであります。おそらくこのことも、評議員会総会できまるときに、旗の措置というものが同時に考えられると思います。全く宙に迷った形になることは事実でございます。
  52. 田原春次

    ○田原委員 新聞で見たところによると、今度のごたごたの最大の原因は台湾の問題でありまして、イスラエルは自発的に参加しないということになったそうであります。そうしますと、これは直接東京オリンピック大会には関係がありませんが、関連がありますから、あわせてお尋ねしておきたいと思いますが、この暮れに国際スケート競技大会日本であります。これに対しては韓国は入っておりません。いわゆる北鮮がメンバーに入っておるわけでございます。北鮮は必ず出場さすべしという決定も、国際スケート競技連盟の事務局でやっておるそうであります。そうなりますと、前回、四年前でしたか、アジアオリンピック大会に際して、韓国と北鮮が同時に参加したいという話があって、それで私は数回東さんにお会いした。思い出していただきたいのですが、韓国側は李相伯等が来て、北鮮を入れるようなら自分たちは脱退する、さらに韓国が脱退するならば台湾も脱退するということになり、結局、香港まで来ておりました北鮮の競技選手はそのまままた本国へ帰った。今回は逆に韓国の方が入ってなくて、北鮮だけが国際スケート競技参加する資格を持っておるわけであります。しかもその連盟当局は、国交があるなしにかかわらず入国せしめよという決定をしているようだ思います。今度の台湾問題でこういう格好になるということは、今の阪上委員の御主張の通り、これはアマチュア・スポーツ精神に反する、あくまでやはりオリンピック憲章なり、あるいはAGF憲章に即応してやるものであるとすれば、当然北鮮のスケート選手は試合の期間中は入国せしむべきであると思います。第一条にある、政治的に関係せぬというのはその意味だと思います。政治的に干渉するのではなくて、  一つの種類だけの国際的な競技は、主催国参加国との国交のいかんにかかわらず、やっておるわけでありますから、私は、アマチュア精神からいけば、スケート連盟大会には北鮮が参加を申し出るならば、当然入国せしめるべきだと思いますが、これは東さんの御答弁になりますか、文部省や内閣の審議室にもあわせて意見を聞かせてもらいたい。やはりアマチュア精神を尊重して、各国でもそういう例があってやっておるのでありますから、日本も国交未回復国からの選手も入れる、こういうことをきっぱり宣言してもらいたいと思いますが、お答えできるならお答え願いたい。
  53. 東龍太郎

    東参考人 ただいまの御質問に対するお答えは、私がいたしますよりも、当該スケート連盟関係者もおられますから、その方で御意見を申し上げる方が適当だと思います。
  54. 竹田恒徳

    竹田参考人 スケートの世界選手大会を来年日本で開催することにきまっておりますことは、ただいま仰せの通りでございます。また、国際連盟に北鮮が加盟しておりますのもその通りでございます。同時に南鮮も加盟しております。スポーツ大会は、ことに世界選手大会は、国際連盟の主催であります。国際連盟加盟団体はすべて平等に参加する権利を持っております。従って、現在、日本スケート連盟は、国際スケート連盟の名をもちましてこの招待状を全部の加盟国に出しております。しかし、まだ返事を受け取っておらないという現状であります。
  55. 田原春次

    ○田原委員 二年後に迫った東京オリンピック大会にも同様の問題が出ておるように新聞で拝見しております。すなわち、韓国と北鮮とが合同して一つのチームをつくって参加するようにという勧告がなされておるようであります。すでに東ドイツと西ドイツは数年前からこれをやっておるのであります。おそらく、少しばかりの困難があるにいたしましても、東京オリンピックまでには一本になって来ることが望ましいのであります。たまたま東京オリンピックよりも一年前に、来年、スケートだけの国際競技があるようでありますから、招待状を平等に出すとともに、いろいろな手を尽くしまして、できるならば韓国と北鮮とが共同して一つの旗で来るか、少なくとも両方ども出席できるようにするか、何かそこに親切な努力をすることが望ましいと思います。直ちに今どうということではありませんが、ちょうど関連しておるものでありますから、希望を申し上げまして、私の質問をこれで終わりたいと思います。
  56. 島村一郎

    島村委員長 本問題については、今日はこの程度にとどめます。  東参考人には、御多用中、またお疲れのところ、本委員会に御出席いただきまして、御苦労様でございました。また、他の参考人各位におかれましても、御多用中のところ御出席いただき、御苦労様でした。  なお、本問題については、関係者等の帰国を待って、さらに委員会を開きたいと存じますので、さよう御了承をいただきます。      ————◇—————
  57. 島村一郎

    島村委員長 この際、閉会中審査申し出の件についてお諮りいたします。  先ほどの理事会決定通りオリンピック東京大会準備促進に関する件につきまして、国会法第四十七条第二項の規定により、閉会中も継続して調査を進めるため、その旨議長に申し出ることに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  58. 島村一郎

    島村委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。     —————————————
  59. 島村一郎

    島村委員長 次に、ただいまの閉会中審査申し出の案件が付託され、必要ある場合には、委員を派遣いたしたいと存じますが、その際の派遣委員の人選、期間、派遣地、その他所要の手続等につきましては、委員長に御一任願っておきたいと存じますが、これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  60. 島村一郎

    島村委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。     —————————————
  61. 島村一郎

    島村委員長 なお、本委員会が閉会中調査を進める場合におきましては、東京都、オリンピック東京大会組織委員会東京オリンピック資金財団及び日本体育協会等から、たびたび御出席をお願いせねばならないことと思われますので、先刻の理事会における協議の通り、本委員会において必要を生じました場合には、右関係者参考人として出席を求めることとし、その人選及び手続等につきましては、委員長に御一任を願っておきたいと存じますが、これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  62. 島村一郎

    島村委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。      ————◇—————
  63. 島村一郎

    島村委員長 なお、本委員会に、宮崎県をオリンピック東京大会聖火リレー起点に選定に関する陳情書一件が参考のため送付されておりますので、この際御報告申し上げておきます。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時二十一分散会