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1962-03-14 第40回国会 参議院 本会議 第12号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十七年三月十四日(水曜日)    午前十時二十分開議   ━━━━━━━━━━━━━  議事日程 第十一号   昭和三十七年三月十四日    午前十時開議  第一 日本固有北方領土回復に関   する決議案宮澤喜一君外七名発   議)(委員会審査省略要求事件)  第二 沖繩及び小笠原諸島における   施政権回復に関する決議案宮澤   喜一君外七名発議)(委員会審査   省略要求事件)  第三 公職選挙法等の一部を改正す   る法律案趣旨説明)  第四 航空業務に関する日本国とパ   キスタンとの間の協定締結につ   いて承認を求めるの件  第五 航空業務に関する日本国とイ   タリアとの間の協定締結につい   て承認を求めるの件  第六 航空業務に関する日本国とイ   ンドネシア共和国との間の協定の   締結について承認を求めるの件  第七 在外公館名称及び位置を定   める法律の一部を改正する法律案   (内閣提出衆議院送付)  第八 在外公館に勤務する外務公務   員の給与に関する法律の一部を改   正する法律案内閣提出衆議院   送付)  第九 警察法の一部を改正する法律   案(内閣提出衆議院送付)  第一〇 銃砲刀剣類等所持取締法の   一部を改正する法律案内閣提   出)  第一一 公営企業金融公庫法等の一   部を改正する法律案内閣提出、   衆議院送付)  第一二 昭和三十六年度分として交   付すべき地方交付税総額特例   に関する法律案内閣提出衆議   院送付)  第一三 質屋営業法及び古物営業法   の一部を改正する法律案内閣提   出)  第一四 郵便切手類売さばき所及び   印紙売さばき所に関する法律の一   部を改正する法律案内閣提出、   衆議院送付)  第一五 関税法の一部を改正する法   律案内閣提出)  第一六 保険業法の一部を改正する   法律案内閣提出)  第一七 しよう脳専売法を廃止する   法律案内閣提出衆議院送付)  第一八 地方自治法第百五十六条第   六項の規定に基づき、税関支署及   び財務部出張所設置に関し承認   を求めるの件(衆議院送付)  第一九 商工組合中央金庫法等の一   部を改正する法律案内閣提出、   衆議院送付)  第二〇 中小企業信用保険法の一部   を改正する法律案内閣提出、衆   議院送付)  第二一 盲学校聾学校及び養護学   校への就学奨励に関する法律の一   部を改正する法律案内閣提出、   衆議院送付)  第二二 特定船舶整備公団法の一部   を改正する法律案内閣提出、衆   議院送付)  第二三 国家公務員等旅費に関す   る法律の一部を改正する法律案   (内閣提出衆議院送付)  第二四 裁判所職員定員法の一部を   改正する法律案内閣提出衆議   院送付)  第二五 平和条約第十一条による刑   の執行及び赦免等に関する法律を   廃止する法律案内閣提出)  第二六 下級裁判所の設立及び管轄   区域に関する法律の一部を改正す   る法律案内閣提出)  第二七 開拓融資保証法の一部を改   正する法律案内閣提出衆議院   送付)  第二八 農林漁業金融公庫法の一部   を改正する法律案内閣提出、衆   議院送付)  第二九 住宅金融公庫法等の一部を   改正する法律案内閣提出衆議   院送付)  第三〇 駐車場法の一部を改正する   法律案内閣提出)   ━━━━━━━━━━━━━ ○本日の会議に付した案件  一、請暇の件  一、日程第一 日本固有北方領土   回復に関する決議案  一、日程第二 沖繩及び小笠原諸島   における施政権回復に関する決議   案  一、日程第三 公職選挙法等の一部   を改正する法律案趣旨説明)  一、日程第四 航空業務に関する日   本国とパキスタンとの間の協定の   締結について承認を求めるの件  一、日程第五 航空業務に関する日   本国とイタリアとの間の協定の締   結について承認を求めるの件  一、日程第六 航空業務に関する日   本国インドネシア共和国との間   の協定締結について承認を求め   るの件  一、日程第七 在外公館名称及び   位置を定める法律の一部を改正す   る法律案  一、日程第八 在外公館に勤務する   外務公務員給与に関する法律の  一部を改正する法律案  一、日程第九 警察法の一部を改正   する法律案  一、日程第十 銃砲刀剣類等所持取   締法の一部を改正する法律案  一、日程第十一 公営企業金融公庫   法等の一部を改正する法律案  一、日程第十二 昭和三十六年度分   として交付すべき地方交付税の総   額の特例に関する法律案  一、日程第十三 質屋営業法及び古   物営業法の一部を改正する法律案  一、日程第十四 郵便切手類売さば   き所及び印紙売さばき所に関する   法律の一部を改正する法律案  一、日程第十五 関税法の一部を改   正する法律案  一、日程第十六 保険業法の一部を   改正する法律案  一、日程第十七 しよう脳専売法を   廃止する法律案  一、日程第十八 地方自治法第百五   十六条第六項の規定に基づき、税   関支署び財務部出張所設置に   関し承認を求めるの件  一、日程第十九 商工組合中央公庫   法等の一部を改正する法律案  一、日程第二十 中小企業信用保険   法の一部を改正する法律案  一、日程第二十一 盲学校聾学校   及び養護学校への就学奨励に関す   る法律の一部を改正する法律案  一、日程第二十二 特定船舶整備公   団法の一部を改正する法律案  一、日程第二十三 国家公務員等の   旅費に関する法律の一部を改正す   る法律案  一、日程第二十四 裁判所職員定員   法の一部を改正する法律案  一、日程第二十五 平和条約第十一   条による刑の執行及び赦免等に関   する法律を廃止する法律案  一、日程第二十六 下級裁判所の設   立及び管轄区域に関する法律の一   部を改正する法律案  一、日程第二十七開拓融資保証法   の一部を改正する法律案  一、日程第二十八 農林漁業金融公   庫法の一部を改正する法律案  一、日程第二十九 住宅金融公庫法   等の一部を改正する法律案  一、日程第三十 駐車場法の一部を   改正する法律案   ━━━━━━━━━━━━━
  2. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 諸般報告は、朗読を省略いたします。    ————————
  3. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) これより本日の会議を開きます。  この際、お諮りいたします。野村吉三郎君から、病気のため、十八日間請暇の申し出がございました。これを許可することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 御異議ないと認めます。よって許可することに決しました。    ————————
  5. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 日程第一、日本固有北方領土回復に関する決議案宮澤喜一君外七名発議)(委員会審査省略要求事件)  本案は、発議者要求のとおり委員会審査を省略し、これを議題とすることに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 御異議ないと認めます。よって本案議題といたします。  まず発議者趣旨説明を求めます。岡三郎君。   —————————————   〔岡三郎登壇拍手
  7. 岡三郎

    岡三郎君 ただいま上程されました自由民主党日本社会党民主社会党無所属クラブ及び参議院同志会の五派共同提案の「日本固有北方領土回復に関する決議案」につきまして、発議者を代表し、提案趣旨を御説明いたします。   まず案文を朗読いたします。    日本固有北方領土回復に関する決議(案)   政府は、日ソ共同宣言及び松本日本国全権グロムイコソ連邦外務次官との間の往復書簡に基づき、ソ連邦政府との間にすみやかに領土問題を含む平和条約締結に関する交渉を開始し、懸案になつているわが国固有領土である北方領土問題を解決し、これをわが国復帰せしめるよう最善努力を払い、わが国民の総意にこたえるべきである。   右決議する。  以上であります。  昭和三十一年鳩山内閣のもとにおいて、日ソ共同宣言が成立し、これによって両国間の国交が正常化されたのでありますが、共同宣言平和条約締結を将来の交渉を委ね、その際は領土問題に関する討議をも含むことを、松本グロムイコ全権間の交換公文において約束しておりますので、わが国民としては、平和条約締結によって、固有領土たる北方領土回復への期待を持ち続けて参ったわけであります。  しかるに、平和条約がいまだ締結されないため、固有領土回復のみでなく、両国の全面的な経済発展北洋漁業の安定と近海の安全操業などの懸案にも、大きな暗影が投ぜられており、関係者の受ける影響はきわめて深刻なものがあります。わが国を取り巻く国際環境は依然として緊張を続けており、わが国国際的地位もなお安定しないままであり、このような情勢のため、北方領土の帰属に関し日ソ両国間に意見一致が見られないのは、遺憾にたえません。  もともと北方領土わが国本来の固有領土であり、侵略によって取得したものではありません。これらの北方領土ソ連に引き渡すことを認めたと称するヤルタ協定は、戦時中の秘密協定であって、わが国の関知しないところであります。したがって、わが国といたしましては、ヤルタ協定には何ら拘束を受けるものではないのであります。北方領土は当然わが国に帰属すべきものであります。しかし、現在北方領土は事実上ソ連支配下にあって、これをわが国復帰させることは容易ならざることであります。  わが国ソ連とは社会制度を異にいたしておりますが、それは両国の間に安定した平和関係を維持することを何ら妨げるものではありません。したがって、日本といたしましては、ソ連との間にすみやかに平和条約締結し、領土問題を解決し、さらに両国関係を安定させることを強く希望しているわけであります。日ソ両国がこの基本的態度を堅持する限り、話し合いによってわが国固有領土である北方領土復帰実現することは可能であり、そしてまた、これのみが北方領土復帰実現させるただ一つの実際的な方法と存じます。  昨年秋、わが国において北方領土問題がやかましく論ぜられた際、ソ連側は、北方領土は、経済的には、たいして価値がないが、軍事的には重要であることを指摘いたしたのであります。これは現在北方領土問題に対するソ連の見解を端的に表現しているものであると申せましょう。われわれはこの現実を直視し、まず、国際緊張緩和のため、あらゆる努力を集中すべきであり、これによってのみ問題の解決へ一歩前進することができるといっても過言ではないと存じます。この現実を無視し、いたずらに反ソ感情をあおることによっては、何ら目的を達し得ないことを、厳に心すべきであります。  顧みまするに、国際緊張激化の中にも、最近において、米ソ両国は可能な分野において両国協力関係を促進し、国際緊張緩和努力している跡が見られるのであります。たとえば、第三次文化協定の調印、パワーズ飛行士の釈放、両国報道関係責任者交流等のほか、米側人間衛星船の成功を契機として、大気圏外平和利用に関する交渉についても両国は熱意を示しております。さらに、本三月十四日からジュネーブで開催される軍縮委員会は、前途に多大の困難が予想されながらも、米ソを初めこれに参加する諸国は、いずれも戦争を避け、軍備拡張による国際緊張緩和するための具体案を携えて、会議に臨みつつあるのであります。  さらに、われわれは、北方領土問題解決国民悲願を達成するためには、かつて日ソ共同宣言の成立に際し、各党が政党政派を超越し、積極的に支持した事実を想起すべきであります。われわれは、政府いたずらに冷戦のきびしさのゆえに希望を捨てることなく、合理的、現実的な立場から、ソ連政府と直ちに領土問題を含む平和条約締結交渉を開始することを、強く要望いたします。こうすることによって、両国の間の諸懸案も円満に解決され、両国関係も安定し、ますます緊密の度を加えることとなるのであります。これは、互いに隣国であり、今後も永久に隣国として交際していかなければならないわが国ソ連とのために、ともに好ましいことであります。切に政府努力を望んでやみません。  何とぞ各位の御賛同をお願い申し上げる次第であります。(拍手
  8. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 別に御発言もなければ、これより本案採決をいたします。  本案賛成諸君起立を求めます。   〔賛成者起立
  9. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 過半数と認めます。よって本案は可決せられました。  ただいまの決議に対し、内閣総理大臣及び外務大臣から発言を求められました。順次発言を許します。池田内閣総理大臣。  〔国務大臣池田勇人登壇拍手
  10. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) ただいまの御決議は、わが国固有領土返還実現し、すみやかに日ソ間の平和条約締結することによって、両国間の関係を、より正常な、また、明るいものにしたいという、国民各位の強い要望の表現であり、これが実現のために、政府の一そうの努力要望された御鞭達の言葉であると解するものであります。本件の実現には、なお幾多の困難は予想されますが、政府といたしましては、国民各位の御期待に沿うべく、今後とも最善努力を尽くす所存でございます。(拍手
  11. 松野鶴平

  12. 小坂善太郎

    国務大臣小坂善太郎君) ただいまの御決議に対しまして政府の所信を申し述べます。  ソ連との平和条約締結につきましては、わが国北方領土の問題をめぐりて、領土問題は解決済みであるとするソ連と、国後、択捉両島固有領土としてその復帰主張するわがほらの主張が、対立いたしておりますために、いまだ案現の運びに至っていないことは、御承知のとおりであります。政府といたしましては、領土問題に関するソ連主張は、法的見地から見ましても、また歴史的事実に徴しましても、とうてい容認し得ないものでありまするので、従来とも、累次にわたりまして、池田総理よりフルシチョフ首相あて書簡を通じ、あるいは対ソ覚書等によりまして、ソ連の誤りを是正することに努力して参りました。しかしながら、何分にも領土問題は、われわれ祖先並びに子々孫々にまつわる重大な問題でありまするので、ソ連との交渉に際しまして、いたずらにあせって悔いを千載に残すごときことがあってはならないのであります。そのためにも、政府としては、領土問題に対する国論を統一し、挙国一致して、忍耐強くわがほうの立場正当性主張いたしまして、ソ連政府の説得に成功するまで努力を傾けて参りたい所存であります。(拍手)    ————————
  13. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 日程第二、沖繩及び小笠原諸島における施政権回復に関する決議案宮澤喜一君外七名発議)(委員会審査省略要求事件)  本案は、発議者要求のとおり委員会審査を省略し、これを議題とすることに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  14. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 御異議ないと認めます。よって本案議題といたします。  まず、発議者趣旨説明を求めます。田中茂穂君。   —————————————   〔田中茂穂登壇拍手
  15. 田中茂穂

    田中茂穂君 ただいま議題となりました自由民主党日本社会党民主社会党無所属クラブ及び参議院同志会の五派共同提案の「沖繩及び小笠原諸島における施政権回復に関する決議案」につきまして、発議者を代表し^提案趣旨を御説明申し上げます。  まず、案文を朗読いたします。    沖繩及び小笠原諸島における施政権回復に関する決議(案)   沖繩及び小笠原諸島施政権復帰は、沖繩及び小笠原諸島同胞はもとより、全国民あげての宿望であるにもかかわらず、いまなおその実現をみていないことは、まことに遺憾である。   本院は、琉球政府立法院決議並びにその他の決議にしばしば表明された住民日本復帰に関する強い願望にこたえ、この際政府沖繩及び小笠原諸島施政権回復について最善努力を払うことを強く要望する。   右決議する。  以上であります。  沖繩及び小笠原諸島施政権祖国復帰は、八十八万の沖繩同胞及び帰島を待ちわびている小笠原諸島同胞はもとより、わが国民あげての宿願であります。その可及的すみやかなる実現のため、不断の努力が続けられて参ったにもかかわらず、今なおその実現を見るに至らないことは、われわれの深く遺憾とするところであります。  申すまでもなく、沖繩及び小笠原諸島に対し日本潜在主権を有することは、対日平和条約会議の席上、ダレス米国代表の演説において明確にされ、その後、昭和三十二年六月の岸・アイク共同声明、さらには昨年六月の池田ケネディ共同声明においても再確認されているところであり、また政府は、あらゆる機会を通じて常に施政権返還についての日本国民の強い希望を表明して参っているのであります。さらに昨年の池田ケネディ共同声明においては、沖繩住民福祉増進に重点が置かれ、米国は、沖繩住民安寧福祉増進のため一そうの努力を払うべき旨確言し、その努力に対する日本協力を歓迎する旨を述べ、わがほうは、この目的のため引き続き協力することを表明しているのであります。その結果として、岸・アイク共同声明契機として逐次改善を見つつあった住民安寧福祉増進は、最近における勤労者立場改善等を初めとして、さらに飛躍的向上を見ることが期待されております。また昨秋、米大統領の命により沖繩に派遣されたケイセン調査団は、その報告において、沖繩における大幅な自治権拡大と、プライス法緩和による経済援助の増大を勧告していると伝えられ、さらに、先般来朝したロバート・ケネディ司法長官大統領に対する進言等の結果、去る三月七日、ケネディ大統領沖繩の現状を改革する決意を明らかにし、近くわが国政府に対し、何らかの具体的計画についてその意見を照会して来る旨伝えられておりまするので、われわれは米国沖繩に対する新政策に対し、多大の期待を寄せているのであります。  わが国政府も、母国としての立場から、すでに技術、医療、教育についての協力などの面で、不十分ながら援助を行なってきているのでありますが、来年度はさらに土地改良道路整備護岸港湾施設消防気象施設などに対し、本年度に倍加して総額十億円余の財政援助を与えることになっているのであります。政府は、今次の新政策契機として、さらに一そう援助を増大し、もって住民福祉本土並み発展向上せしめることに努めるべきであります。  かくして、最近における沖繩をめぐる諸般情勢は、われわれに明るい希望を抱かせるものがあるのでありますが、しかし、かかる措置によっていかに住民福祉が向上されましょうとも、今次大戦によって多大の戦禍をこうむり、戦後十数年を経た今日、なお米国施政権下に置かれている現地同胞の苦悩は、まことに察するにあまりあるものがあります。従来あらゆる機会現地において表明されている自治権拡大要求、あるいは住民代表母国国会参加要請、さらには、その論旨に多少の問題はあるといたしましても、今回の琉球政府立法院における施政権返還に関する要請決議等に現われた熱烈なる祖国復帰願望は、われわれ国民ひとしく理解し、かつ同感するところでありまして、われわれは、この熾烈な要望にこたえ、さらに一そう強力に祖国復帰実現のためあらゆる可能な努力を払うべく決意するものであります。  沖繩及び小笠原諸島は、その地理的条件から、現在の国際緊張緩和しなければ、復帰実現は困難であるとも言われておりますので、われわれは一方において、国際緊張緩和になお一そう努力するとともに、他方において、沖繩経済の開発、民生の安定を促進しつつ、施政権返還の日が一日もすみやかに到来するよう、あらゆる努力を講ずるべきであります。元来、沖繩及び小笠原諸島本土復帰は、日米両国間の特殊な問題として両国友好親善の基礎の上に解決せらるべきものであります。政府においては、この際さらに最善努力を傾け、もって国民悲願にこたえるよう、強く要望する次第であります。小笠原諸島同胞の帰島に対しても、可及的すみやかにその実現をみるよう、政府がさらに一段の努力を払うことを切に希望するものであります。  以上が本決議案の提出した理由であります。何とぞ各位の御賛同をお願い申し上げる次第であります。(拍手
  16. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 別に御発言もなければ、これより本案採決をいたします。  本案賛成諸君起立を求めます。   〔賛成者起立
  17. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 総員起立と認めます。よって本案は、全会一致をもって可決せられました。  ただいまの決議に対し、内閣総理大臣及び外務大臣から発言を求められました。順次発言を許します。池田内閣総理大臣。   〔国務大臣池田勇人登壇拍手
  18. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) 沖繩小笠原諸島につき、わが国潜在主権のみを有するという状態は、はなはだ遺憾とするところであります。政府は、これまでもあらゆる機会をとらえて、米国側に対し完全なる施政権回復要請して参ったのでありますが、まことに残念ながら、いまだその実現を見ておりません。政府は、本決議趣旨に沿い、今後ともその早期実現のため積極的に努力していく方針であります。(拍手
  19. 松野鶴平

  20. 小坂善太郎

    国務大臣小坂善太郎君) 政府におきましては、過去三回にわたり、沖繩、小笠原の施政権返還決議について、そのつど、これを米国政府に伝達し、その早期実現方につき米国側の配慮を要望するとともに、かねて、昭和三十二年六月の岸総理アイゼンハワー大統領との会談昭和三十六年六月の池田総理ケネディ大統領との会談、その他あらゆる機会をとらえて、同諸島の施政権返還早期実現のため鋭意折衝して参った次第であります。これに対しまして、米国側は、特に最近において、沖繩に対するわが国援助を歓迎し、かつ、米国政府沖繩政策につき真剣に検討を加え、近くわが国提案があると聞いております。政府といたしましても、今回の御決議趣旨を体し、施政権回復が一日も早く実現するよう、引き続き努力を重ねていく所存であります。(拍手)    ————————
  21. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 日程第三、公職選挙法等の一部を改正する法律案趣旨説明)  本案について、国会法第五十六条の二の規定により、提出者からその趣旨説明を求めます。安井自治大臣。   〔国務大臣安井謙登壇拍手
  22. 安井謙

    国務大臣安井謙君) 公職選挙法等の一部を改正する法律案について、その趣旨とその内容の概略を御説明申し上げます。  申すまでもなく、民主政治の健全な発展を期するためには、選挙公明かつ適正に行なわれることがきわめて肝要であります。この見地から、政府はかねてから公明選挙運動の推進に意を用いているところでありますが、なお、選挙に関する諸制度についても改善整備を行なう必要があると考えられますので、第三十八国会において制定された選挙制度審議会設置法に基づき、昨年六月、選挙制度審議会設置し、選挙公明化をはかるための方策について御審議を願ったのであります。同審議会は、自来半年にわたって慎重に審議を尽くされ、昨年十二月末に、選挙公明化のための措置について政府答申をされたのであります。政府といたしましては、この答申に基づき、公職選挙法等に所要の改正を行なうため、この法律案を提出した次第であります。  今回の改正は、従来、現行の選挙制度のもとにおいて、各方面で論議されて参りましたほとんどすべての問題にわたっており、選挙法の全般に及ぶところの、かつて見ない大改正でありまして、選挙公明化実現に大きな寄与をするものと信じております。  次に、この法律案の要点について御説明いたします。  この法律案は、公職選挙法とこれに関連のある部分についての政治資金規正法との二つの法律改正を行なおうとするものであります。まず、公職選挙法の改正について申し上げます。  第一は、自由にして公明選挙を行ない、候補者の政見政策等が選挙人に十分周知されるように、選挙運動の制限をでき得る限り緩和することにいたしたのであります。これがために、ポスターの枚数の増加等、選挙運動期間中における言論文書による選挙運動のワクを広めるとともに、国会議員の選挙について、選挙期日の告示前においても選挙運動のための演説会を行なうことができるようにいたしました。  第二は、現在の選挙運動は個人本位の建前になっておりますが、政党政治の根本からしても、また選挙公明化を期するためにも、これを政党本位の選挙運動の方向に進めて参ることが必要であると考えられるのであります。これがため、政党その他の政治団体においても、所属候補者のための選挙運動もできるようにその道を開くとともに、その政治活動の制限を大幅に緩和することにいたしました。なお、これに伴い確認団体の制度の合理化をはかりますとともに、確認団体に所属しない候補者に対して、推薦団体による選挙運動を認めることといたしました。  第三は、選挙公営の拡充強化と合理化をはかることといたしたのであります。このため、公営のポスター掲示場の新設、はがきの枚数及び新聞広告の回数の増加等の措置を講ずることといたしました。  第四は、選挙運動費用の合理化であります。選挙費用の制限額につきましては、これを合理的に引き上げることとするとともに、選挙運動員等に対する実費弁償等の基準額の引き上げをいたすことといたしました。  第五は、選挙違反についての制裁を強化したことであります。すなわち、いわゆる連座制につきましては、従来の総括主宰者及び出納責任者のほか、相当広範囲の地域にわたって選挙運動を主宰した者、事案上の出納責任者及び候補者と意思を通じて選挙運動をした同居の親、子、配偶者、兄弟姉妹で、悪質の選挙犯罪により禁錮以上の刑に処せられ、執行猶予の言い渡しを受けなかった者についても、連座の対象とするとともに、連座による当選無効訴訟は検察官が提起すべきものといたしました。また、選挙犯罪による公民権の停止を強化し、罪の短期時効を廃止することといたしたのであります。  第六は、公務員の地位利用による選挙運動に対する規制を強化することといたしたのであります。国または地方公共団体の公務員等がその公の地位を利用して選挙運動を行なうことは、選挙の公正をはなはだしく害するものでありますので、公務員等がその地位を利用して行なら選挙運動及びその類似行為を禁止することとし、公務員が国の選挙において当選人となった場合において、この公務員と職務上関係のあった者が、その直接または間接の指示要請を受けて選挙運動を行ない、一定の選挙犯罪を犯して刑に処せられたときは、その当選を無効にすることといたしたのであります。  第七は、選挙に関する寄付等の規制を厳重にすることにしたのであります。これがため、新たに、国または地方公共団体から補助金、出資金等を受けている会社その他の法人は、選挙に関し寄付をしてはならないものとし、また、後援団体が行なう寄付及び後援団体に対する寄付並びに後援団体の行事における供応接待等について規制をすることにいたしました。  第八は、その他選挙の秩序を保持するため、郵便による立候補及び被選挙権のない者や重複の立候補等を禁止し、立候補の辞退の時期の合理化をはかり、供託金制度改善を行なうとともに、選挙管理事務の合理化についても、従来懸案になっていました諸般改善措置を行なうことにいたしました。  最後に、政治資金規正法につきましては、ただいま申し上げました公職選挙法の改正に見合いまして、政党その他の政治団体は、国または地方公共団体から補助金、出資金等を受けている会社その他の法人から、選挙に関し寄付を受けることができないものといたしたのであります。  以上がこの法律案の要旨であります。(拍手
  23. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。鈴木壽君。   〔鈴木壽君登壇拍手
  24. 鈴木壽

    ○鈴木壽君 私は、日本社会党を代表いたしまして、ただいま議題となりました公職選挙法等の一部を改正する法律案につきまして、総理並びに安井自治大臣に若干の質問をいたしたいと思います。  最近の選挙における腐敗堕落、特に保守党側の違反の悪質化は、まことに世人の自をおおわしめるものがある。三十三年の衆議院選挙、三十四年の参議院選挙、三十五年秋の衆議院選挙は、その違反件数において、さらに違反内容の醜悪さにおいて、まさに憂うべき様相を呈しておったのであります。(拍手)買収、供応等の悪質違反が、あの手この手と、半ば公然と行なわれ、当然多額の資金が流れ、数千万円の金をばらまき、中には億に近い金を使った者すらあると言われておるのであります。二当一落は昔のこと、今は三当二落、いな、五当四落が保守党側の相場だと言われておるのであります。現に、昨十三日の新聞紙上に載った某議員の選挙違反の裁判記事によると、買収資金が何と四千七百五十万円、あばき出された金だけで、これであります。おびただしい違反件数にしましても、くろうと筋は、これらは氷山の一角にすぎないと言う。あげられた者は運の悪いやつ、ヘマなやつだ、ということにされているのであります。選挙公明化を口にされる池田さんが、総裁となり、総理になっての最初の選挙が、三十五年秋の選挙であり、あなたの時代になっての選挙が、一番金のかかる選挙、一番悪質違反の多かった選挙であったのであります。そうして、そういう選挙をして当選してきた議員が、あなたの党にたくさんおって、大きな顔をして国政を論議いたしておるのであります。(拍手)総理がこのような事実を知らないはずはございません。一体、これをどういうふうにお考えになっておられるでありましょうか。選挙公明化を誓う総理は、選挙の浄化粛正のためにどのような努力をなされてきたのか。公明選挙のためにどのような具体策をお持ちになっておるのか。真剣にこの問題に取っ組んで、熱意が示されなければならないのでありますが、単に公明選挙を推進するとか、あるいは選挙制度審議会を作ったなどというようなことではなしに、具体的に、あなたのお考えと対策を示していただきたいのであります。特に、近く参議院選挙を控えておるこの機会に、国民のすべてがこれを知りたいと願っておるのであります。  先ほどの提案理由の説明に、「今回の改正案は、選挙法の全般に及ぶところの、かつて見ない大改正であり、公明選挙実現に大きな寄与をするものと信じている」と述べております。ほんとうに総理は、この改正案が、選挙公明化のために大きな寄与をするものと信じておられるでありましょうか。これで、はたして汚れた選挙の浄化粛正を期し得るとお考えになっておられるのかどうか。したがって、あなたの言う民主政治の確立、政治に対する信用を高めることができるものであるとお考えになっておられるかどうか。あとで指摘をいたしますが、このような抜け穴だらけのごまかし案をもってしては、とうてい選挙公明化期待できないのであります。あなたがもし、これをもってして選挙公明化に大きな寄与をなし得るものと信じておられるとすれば、あなたは、あまりにも人がよすぎるのか、あるいは国民を欺くための言葉でしかないと言わざるを得ないのであります。(拍手)われわれは、金をかけすぎる選挙、金で汚された選挙を追放する一つの手段として、政治資金、選挙資金の規制がぜひ必要であると思うのであります。悪質な違反をなくする手段として、罰則の強化、特に連座制の強化を取り入れなければならないと思います。その地位を利用して、国、地方の行政機構を使い、公の費用すら使っているといわれる選挙運動を公然と行なってきました高級公務員のそれに対しては、その立候補の制限もやむを得ないものがあると思うのであります。審議会答申においても、これらの点につきまして、適切かつ明確な指摘をいたしておるのであります。ところが、政府、与党は、この答申に対して不当な取り扱いをあえてし、答申趣旨を完全に骨抜きし、大きな抜け穴を作り、あるいは全くのすりかえを行なったのであります。このようなごまかし案をもってして、なおかつ有効適切なりとするがごときは、詭弁もはなはだしいと言わなければなりません。(拍手)総理並びに自治大臣の責任あるお答えを求めるものであります。  さらに私は、いま少しく具体的にこれらの点についてお尋ねいたしたいと思います。  審議会は、その答申において、「国又は公共企業体と請負その他特別の利益を伴なう契約の当事者であるものは、選挙に関するもののほか、政治活動に関しても寄附をしてはならないものとすること。」としております。また、「国から補助金等の交付金又は出資金を受けている会社その他の法人」及び「国から利子補給金の交付を受けている会社その他の法人は、選挙または政治活動に関しては寄附をしてはならない。」と答申をいたしておるのであります。しかるに政府案には、このいずれについても、「政治活動に関して」というところをカットして、答申を無視し、いわゆるほおかむりをいたしておるのであります。前者については、現行公職選挙法第百九十九条に、「国又は公共企業体と請負その他特別の利益を伴う契約の当事者である者は、当該選挙に関し、寄附をしてはならない」とあるが、これだけでは不徹底であり、不十分であるとして、審議会では、「政治活動に関しても」ということを特につけ加えたのであります。後者のそれは、これらの会社その他の法人の性質上、選挙に関してのみならず、広く政治活動に関しても寄附をすることは不合理であり、当然禁止すべきであるとして、新たに条文化して、現行法の不備を補うべきものであるといたしたのであります。一体、選挙に関する資金と政治活動に要する金とを、だれがどのように明確に区別し得るものであるのか。確かに、概念上は一応区別されるでありましょう。しかし、実際においては、寄附をするものも寄附を受けるものも、名目はどうにでもなるのであります。その使い方においてもまた、どうにでもなるのであります。政治活動という名の選挙資金がどのように動いておるのか、ほかならぬ総理初め与党の方々が一番よく知っているはずであります。だからこそ、故意に「当該選挙に関して」とだけ限定いたしたのでありましょう。自分たちに不利であり、都合が悪いから、これには触れないこととしたのではないか。それを、今回のは選挙法の改正だから、選挙に関するもののみを規定し、いずれ政治資金の点については、政治資金規正法等の全面的検討の際に、などと言っておられますが、これはごまかしであります。逃げ口上であります。答申は、とりあえず、これだけは今すぐ必要なものとしておりますし、国民もまた、これを望んでおるはずであります。政府与党が、ほんとうに政治資金の規正、特定の寄附の禁止を必要とするならば、今提案されたこの改正案の中には、政治資金規正法の一部を改正する法律案も含まれておるのであります。だから、当然その中に織り込まれてしかるべきであるにもかかわらず、そしてまた、織り込み得るのにもかかわらず、あえてこれをいたしておらないのであります。やはり政治資金という名の選挙資金を自由に寄附させよう、自由にちょうだいするようにしておこうという考えであると解するしかないのであります。まことに大きな抜け穴であります。  しかも、問題はこれのみではありません。改正案において、第百九十九条に、新たに二項、三項、四項がつけ加えられておりますが、この二項と四項では、これらの会社、法人は、「国からの交付金、補給金の交付を受けた日から起算して一年を経過した日までの間、当該選挙に関し、寄附をしてはならない。」としております。そうしますと、一年を経過すれば、その翌日からは、政治資金に関してはもちろん、当該選挙に関しても自由に寄附できるということになるのであります。とすれば、ここにもまた、大きな抜け穴が作られておるのであります。よく、選挙法はザル法だといわれておりますが、ザルは、水は漏れても、何か固形物は残ります。この改正案では、ザルにさらに大穴を幾つもあけてありますから、何も残らなくなります。ザル法というより、抜け穴法、底なし法とでもいうべきものであろうと思います。これで、答申を尊重し、これに基づいた案といえるでありましょうか。これが実効をあげ得るとお考えなのでありますか。両大臣は、私に答えるというよりも、国民のために、はっきりお答えをいただきたいと思います。  連座の問題について申し上げますならば、答申では、候補者の父母、配偶者、子及び兄弟姉妹を連座の対象とすべきであるとし、連座による当選人の失格は、刑事判決の確定により直ちに効力を生ずるものといたしたのであります。ところが、改正案の第二百五十一条の二を見ますと、「候補者と同居している親族で、候補者または総括主宰者等と意思を通じて選挙運動をしたものが、悪質な選挙違反を犯して、禁錮以上の刑に処せられ、その刑について執行猶予とならなかったとき」となっておりまして、さらに、当選無効の訴訟は検察官が提起しなければならないものといたしたのであります。答申のどこに、同居とか、意思を通じてとか、禁錮以上の刑とか、執行猶予とか、検察官の当選無効訴訟というようなことが書かれてあるのか。なぜこのような改変をあえてしたのか。その理由を承りたいのであります。これまでの選挙違反の裁判の状況からいたしまして、これによって連座にひっかかるのは、わずか一%ぐらいだといわれている。これでは全く無意味な規定になってしまうのであります。しかるに自民党の諸君は、この案にすら、これでは選挙ができない、おれたちに不利であると言って反対をし、国会において修正をさえしようとして、いきまいているのであります。罪九族に及ぶという、封建的な時代錯誤的な思想であるとか、法の前にはすべて平等でなければならないのに、親族だからといって、などという迷論を振り回し、大野副総裁のように、「筋が通らない」、「しろうとの理想案だ」というおしかりも出ておるのであります。はては大平官房長官は、「評論家のような偉い人たちならともかく、われわれのような凡人は、これでは選挙ができない」と、はっきり言っておるのであります。与党にごねられ、横車を押されて、政府は後退に後退を重ねて、このような見るもむざんなものに作りかえてしまったのでありますが、総理は、これをもってして、なお、答申を十分尊重した最良の案と信じておられるのかどうか、はっきりお答え願いたいのであります。  また、高級公務員の立候補制限の点につきましても、これは、いつの間にやら全公務員の選挙運動の規制にすりかえられている。答申は、参議院全国区への立候補制限であります。もし答申に問題があるならば、法案審議国会でそれが取り上げられなければならない。立法技術上あるいは憲法とどうのこうのという、そういうことで、この問題は勝手に改ざんを許されないのであります、この点についても、総理並びに自治大臣は、かかる案となるまでの経緯及び理由について、ひとつ明らかにしていただきたいと思います。  次に私は、政府答申尊重ということと、審議会に対する態度についてお尋ねいたさなければなりません。政府は、今回の改正案において、審議会答申は十分尊重したし、その精神も生かされていると言明をいたしておりますが、以上見たところによって、答申は尊重されたと見ることはとうていできないのであります。なるほど、答申の項目の数からいえば、相当数取り入れられてありますから、この点から言えば、答申は尊重したとも言えるでしょう。しかし、最も重要な事項の、最も肝心な点が無視されているのであります。尊重というならば、答申の重要な部分について、その趣旨を殺し、そのねらいをそらすことはできないはずであります。骨を抜き、大きな抜け穴を幾つもこしらえて、不正な選挙を行ないやすくし、違反を犯しても助かる道を作ることではないはずであります。自分たちに不利にならぬように改変をすることではないはずであります。総理は、しばしば審議会答申は十分尊重すると言ってきました。
  25. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 鈴木君、時間が超過しました。結論を急いで下さい。
  26. 鈴木壽

    ○鈴木壽君(続) しかも、この審議会設置法第三条には、答申意見を尊重すべきことが明定されているのであります。しかるに、結果はすでに述べたとおりであるとすれば、一体、国民に対して法を守るべきことをさとし、また要求しながら、政府みずからがあえて法を踏みにじる違反をしておるということを申し上げなければならないのであります。政府のこのたびの態度を不満としまして、審議会では一委員が辞任をいたし、さらには今後の審議を中止することを決定しておりますが、これに対して総理はいかなる対処をなされるつもりであるのか、見解を明らかにしていただきたい。  最後に、政府与党がほんとうに選挙公明化に熱意を有するならば、この案を撤回すべきであると思うし、なおまた、われわれの出します修正案に対して同調をすべきでないか。このように考えるものであり、したがってまた、参議院自民党がすでに用意しておるといわれておりますところの、来たるべき参議院選挙に備えての特例法をも、これは提出させないようにしなければならぬと思いますが、総裁であり総理である池田さんのその点についての所見を承りたいと思う次第でございます。(拍手)   〔国務大臣池田勇人登壇拍手
  27. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) 選挙公明適正は民主主義の基本でございますから、政府としてあくまでこの公明選挙実現努力いたしておるのであります。しからば、今までどんな努力をしたか。——われわれは、民間団体あるいはマスコミ等の協力を得まするのみならず、選挙管理委員会を通じ、国民の政治良識の高揚に努めて参っております。また、その宣伝、PRのために、三十六年度におきましては、前年の三十五年度の費用に対しまして倍以上の経費を計上し、また、本年度もそれを上回る相当の経費をつぎ込みまして、国民選挙に関する関心と公明選挙運動実現を期するために努力いたしておるのであります。今回の選挙改正もこの意味からでございまして、私は、半年にわたる委員各位の熱烈なる御努力によりまして、りっぱな改正案ができ、これを今国会において通過せしめれば、次の参議院の選挙には、従来にも増してりっぱな公明選挙ができると考えておるのであります。(拍手)  なお、本案の内容につきましては自治大臣より御答弁いたさせますが、寄付の問題につきましても、従来よりもよほど拡大いたしております。そうして、政治資金と選挙資金、この問題は区別することが困難と、こういうお話がございましたが、その点もございましょう。しかし、今の状況から申しまして、政党政治が必要であり、政党活動が必要であるときに、政治資金を今までよりも急激に非常に制限することは、私はいかがかと思います。したがいまして、政党法並びに政治資金規正法につきまして根本的の改正法案ができまして、そのときに考えればいいのであって、私はそのときまでしばらく様子を待ちたいと思っております。  また、連座制の問題につきましても、本法律案は、前にも増して広がっておるのでございます。そうして私は、こういう被選挙人の権利に関しますることは、現行法体系に妥当な方法でいかなければなりません。いたずらに憲法違反の疑いの起こるようなことは避けなければならないのであります。こういう意味におきまして、私は立法技術上相当苦心をいたしまして、現行法体系に妥当なように改正いたしておるのであります。  また、高級公務員につきましての問題も、私は、高級なるがゆえによくないというのではない。地位を利用する、選挙に自分の地位を利用する、権利を乱用することがいかないのでございまするから、公務員全般につきまして、そういう地位利用の行為のないようにいたしたいと考えまして、答申案を法案のよもに改正いたしたのでございます。  次に、答申の尊重の点でございまするが、私は、大体において答申趣旨に沿って法案を作りました。そうして答申と違うところは今後の情勢を見てまた考えるべきだと思います。  審議会審議を中止するのではないか、こういうお話でございまするが、私は、審議会審議は今後も続けて行なわれることを期待いたしておるのであります。したがって、今回の法案を、私は、先ほど申し上げましたごとく、最善の法案といたしまして提案いたしたのでございまして、撤回の意思はございませんし、また、参議院から選挙改正につきまして国会提案していることも聞いておりません。私は、この法案が今国会を通過いたしまして、りっぱな参議院選挙ができることを期待してやまないものであります。(拍手)   [国務大臣安井謙登壇拍手
  28. 安井謙

    国務大臣安井謙君) ただいま総理からの御答弁でおおむね趣旨は尽くされていると思いますが、二、三補足いたします。  答申を尊重いたしましてこの法律案を作ったという政府の態度には、私ども変わりないと確信しております。ただ、答申を尊重すると申しましても、それをそのまま口移しするわけには参りません。法律をほんとうにこの世の中に適用した場合、それが社会通念上あるいは現行法律の均衡上、はたして妥当であるかどうか。この点につきましては、われわれは責任者の立場として、十分の留意をし、その点についての若干の政府の責任においてこれを修正せざるを得ない点があるのは、これは当然のことであろうと思うのであります。  本案につきましては、先ほども申し上げましたとおり、政党本位の選挙、言論の自由、公営の拡大、後援会活動の規制、罰則の強化、選挙資金の規正、こういった点につきまして、相当従来の原案から比べまして前向きの姿勢で直していることは、お認めいただけるものであろうと思うのであります。  公務員のいわゆる立候補制限につきましては、これは事実上の問題として、一定の公務員を区別することは、技術上困難というよりも、不可能なのでございます。しかも、一方から考えますると、今お話の地位を利用した選挙活動という意味から言えば、これは高級も中級も下級もない。公務員である限りは当然受けるべき制限であると存じまして、これを厳重に一般法的な観念でしばることにいたしたわけでございます。  次に、連座の関係でございますが、よく連座が非常に骨抜きになったというがごときことがいわれております。しかし、これは詳細にこの答申趣旨をお読みいただけばわかることでございます。答申趣旨には三つございます。一つは、総括主宰者の範囲を拡大する点でございます。総括主宰者以外にもそれに似たような行為のある者は、さらに連座の対象にするということが一つでございます。その次には、出納責任者でなくても、それに類する行為をした者も、これも連座の対象とすると、こうなっているのであります。三番目に、いわゆる親族縁者でございます。しかも、親族縁者につきましては、法の前に平等でなければならぬという考え方をさらに進めまして、親族縁者なるがゆえに、悪質違反があれば、直ちに連座の対象にする、一般の人より非常に重い対象にするという考え方でございます。これには、技術的にも、あるいは今日の法律上の通念からいたしましても、非常に疑問がございます。これは当然でございます。しかし、それにいたしましても、答申はあくまで尊重しなければならぬ、こういう趣旨から、やはりこれにはできる限り行き過ぎのないように十分配慮を加えて、これも取り上げているのでありまして、よくいわれますように、親族縁者が候補者の陰に隠れて、何か代替的な仕事をやって、それがあくまでも罪を免れている、こういう問題は、今度の、前の二つの総括主事者及び出納責任者の範囲を拡大することによって、親族縁者といえども、それに当然入るのでありまして、それ以上の激しい、特に縁者なるがゆえにということにつきましては、これはやはり法律としては顧慮するのが当然であろうと、われわれ考えておるのであります。連座制が一番やかましく言われております英国の法律におきましても、免責規定その他については十分な配慮がしてありますことは、皆さん御承知のとおりであろうと思う次第であります。(拍手)   —————————————
  29. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 基政七君。   〔基政七君登壇拍手
  30. 基政七

    ○基政七君 私は、民主社会党を代表しまして、ただいま提案になりました公職選挙法等の一部を改正する法律案について、総理並びに関係大臣に御質問いたす次第であります。  第一点としまして、議会制民主主義の確立が強く叫ばれております今日、その基礎となるべき議員の選出は、公平かつ公明なものであらねばならぬことは皆さん御承知のとおりであります。したがいまして、その選出をきめる選挙法は、各党各派に不偏的なものでなければなりません。議会制民主主義の確立がおくれておるわが国において、その確立こそが政治の急務であり、かつまた、公平な土俵で国民の審判を受けるようにすることが政府の義務であります。総理は、この公平な土俵を作る決意を国民の前に披瀝するべきであると思うが、総理の御所信伺いたいと思います。  第二点は、この公平な土俵を作るために、抜本的に選挙法を改正することがきめられ、国民有識者を中心にして検討を加えるべき選挙制度審議会設置されるに至ったのであります。そこで、その設置法の第三条に、わざわざ「政府答申を尊重しなければならない」と異例の規定を設け、また、総理みずから審議会国会において「極力尊重します」と言明されたのであるが、これは政治に左右されない土俵を作る決意であったと思います。しかるに今日上程された改正案は、ものの見事に国民を裏切り、答申の一番重要点である連座制の強化、高級公務員の立候補制限、あるいは政治資金の規正等が骨抜きにされ、法案は空文となりました。これは、答申から上程に至る経過を、ラジオ、新聞等の報道における解説が如実に示しているものであるが、これでも総理は、「答申を尊重しました」と国民にお答えできるかどうか、お伺いいたす次第であります。  第三点は、与党を除く国民世論は、政府与党が答申案を身勝手にひねくり回したことに対し激発され、これに対する批判が全国津々浦々に至るまで盛り上がってきておるのであります。そこで、これを所管される自治大臣は、大臣の職を賭してでも答申を守り、国民にその土俵の公平化を期する決意を示すべきであります。しかるに、与党の政治的偏見に屈して、不明朗な選挙改正案を出してきたその当事者である自治大臣は、国民に対してこれが公平な土俵であるということが脅えるかどうか、お伺いいたします。  第四点は、過去における選挙のたびごとに、国民は、その選挙は腐敗選挙であると批判してきました。その最も大きな原因は、金さえあれば議員になれるという、あたかも選挙の原則が、金をばらまくことにあるかのごとく、資金の面で放任されているのが現状でありますが、このような状態が続く限り、何年、何十年の期間をかけても、真の議会制民主主義の確立は不可能であります。そこで選挙法の精神は、違反者を厳罰に処すること、金を使えないようにすることが絶対的条件であるにもかかわりませず、本改正案の柱であるべきこの二点は答申案よりすこぶる後退しております。これでも公明選挙を推進することができると思われるか、総理並びに自治大臣の御所見をお伺いいたしたいのであります。  第五点は、選挙制度審議会は、今後選挙区制の問題及び定員数の問題等について答申するようになっておりますが、総理は、与党の政治的取り扱いに屈することなく答申を尊重するということを確約できますかどうか、お伺いいたすのであります。  以上をもちまして、総理並びに関係大臣の明確なるお答えをお願い申し上げまして、私の質問を終わりたいと存じます。(拍手)   〔国務大臣池田勇人登壇拍手
  31. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) 民主主義がりっぱに行なわれるためには、そのもとをなす選挙公明でなければなりません。しこうして、公明選挙は各派各党が公正な土俵の上において行なうことは当然のことでございます。したがいまして、私は、昨年選挙制度審議会法を設けまして、そうしてその答申を待って選挙法の改正提案いたしたのでございます。  で、今国の提案は、先ほど申し上げましたごとく、答申趣旨を十分尊重いたしました。ただ現行法体系におきまして、また、今の現状から申しまして、あまりに行き過ぎた点は、これはそのとおりというわけには行きません。たとえば政治資金の問題にいたしましても、先ほどお答えしたごとく、政党政治をこれから伸ばしていこうというときに、政党法の改正に手をつけずに、直ちに政治資金を取り上げて云云することは、私はこれはまだ早い、今後の問題にいたしたいと考えているのであります。  なお、今後審議会答申が出ましたなら、これを尊重して参ることは当然でございます。(拍手)   〔国務大臣安井謙登壇拍手
  32. 安井謙

    国務大臣安井謙君) 個々の内容につきましては、前回御答弁を申し上げましたとおりでございます。この法律案を作ります過程におきまして、与党の圧力とか、いろいろな力に屈したというようなお話でございますが、政党内閣でございまして、政府法律案を出します場合に与党の意見を聞くことは、これは私は当然の仕事であろうと存じます。しかしながら、この法律案を作りますことは、審議会の精神あるいは規定にもよりまして、私どもは審議会答申の精神を十分尊重いたしまして、政府独自の責任においてこの法律案を作成して提出しておりますことを、ここにはっきりと申し上げておきます。(拍手)   —————————————
  33. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 中尾辰義君。   〔中尾辰義君登壇拍手
  34. 中尾辰義

    ○中尾辰義君 私は、ただいま趣旨説明のありました公職選挙法等の一部を改正する法律案に関しまして、池田総理並びに安井自治大臣に対し、若干の質問をいたしたいと思うのであります。  政治の浄化をはかるには、まず民主政治の基盤である選挙公明化し、真に国を憂え、国民の幸福を念願する、有能にして高潔なる人材を議会に送ることが、政策以前の最も肝要事であることは、論を待たないところであります。政府は、毎年数億の金を投じ、公明選挙運動を展開しているにかからず、選挙違反は回を重ねるごとに逆に増加の一途をたどる皮肉な現象を示しており、しかも、それは単に件数の増加にとどまることなく、その質においても、何千万円、何億円の金を費やす悪質な買収行為が多くなっておることは、国権の最高機関である国会にとって、まことに遺憾とするところであります。今や、かかる買収選挙の上にでき上がったところの議会政治を否定せざるを得ない感情が、国民の中にも強く成長しつつあり、今国会における公職選挙法の改正は、国民注目の的となっておるのであります。池田内閣も、このような世論にかんがみ、昨年の六月、選挙制度審議会実現をはかり、選挙法の不備を是正するとともに、その答申は積極的にこれを尊重することを約束されたのであります。しかして、今国会の施改方針演説の中にも、総理は、「選挙制度審議会答申に基づき、近く公選法の改正法案を提出し、御審議を求めんとするゆえんも、選挙公明化をはかるため、公明選挙運動の一そうの推進と相呼応して、政治に対する信用を高めたいと念願しておるから」であると、このように述べておるのであります。昨年の十二月その答申があってから、自民党内部における答申審議をめぐる醜態は、新聞によって国民の前に暴露され、ついに長谷部委員の辞任という重大事件を起こし、審議中断という強い抗議を受くるに至ったことは、まことに遺憾とするところであります。しかも、その上、答申案を全く無視した、買収未然防止等に関しましては、国民を愚弄した骨抜き修正案の提出に至っては、政府の背信行為と政治的怠慢を追及せざるを得ないのであります。このような法案をもって、総理は、はたして国民期待にこたえ、買収供応等をなくして、公明選挙の実をあげ得る確信があるのかどうか、私は疑わざるを得ないのであります。  以下三点について、池田総理並びに安井自治大臣にお伺いをいたします。  質問の第一点は、ある新聞に、「事前運動花盛り」と題して、いわゆる後援会の選挙夢前運動と思われる記事が大々的に報じられておりましたが、選挙が近まるにつれて、いわゆる後援会の目に余る署名運動が、半ば強制的に展開をされ、明らかに事前運動と思われる供応接待が堂々と行なわれておるのであります。答申もこの点に触れて、「何人も、後援団体の総会その他の集合、又は後援団体の行なう見学、旅行、その他これに類する行事において、その参加者に対し、饗応接待をし又は金銭若しくは記念品その他これに類する物品を供与してはならないものとし、これに違反した者を処罰する」と答えておりますが、政府案は、「当該選挙に関し」という七文字を挿入して、政治活動の名目のもとに、暗に買収運動を許しておるのであります。これでは、全くこの法文の効力はなく、ザル法と言わざるを得ないのであります。その点、国民各位にいかように釈明をなさるのか、お伺いをいたしたいのであります。  質問の第二点は、選挙公明化するには、政治資金の合理化をあげねばなりません。会社や組合が献金する数億の金は、その大半が、それぞれの党の候補者へ、公認料、貸付金、陣中見舞等の名目で還元され、やがて買収等の用に使われる事実もあります。政治寄金はすべて個人のポケットから出すこと、それ以外の政治寄金は禁止するよう私は主張したいのであります。何人を支援しようと個人の自由である。したがって、政治寄金は、元来個々の人間の信条によって出すべきもので、これを会社の経理にまかせて献金するのは、おかしな話であります。したがって、労働組合の基金から出すこともまたやめるべきである。政党が政治的信条を中心とする同志的結束であるのに対し、組合は労働者の経済的利益を守る大衆組織である以上、社員や組合員がどの政党を支持しようと勝手なはずである。したがって、会社も、組合も、個々のポケットから出して支援するのが適切であると思うのであります。かような意味において、私は、会社、組合、その他団体の献金は、個人に切りかえるべくこの際断行すべきであると思うが、この点はどうか、お伺いをいたします。  質問の第三は、連座制の強化についてであります。先ほど社会党議員から質問がございましたが、答申案は、連座制の幅を広げ、選挙運動の主事者、出納責任者の外、候補者の父母、配偶者、子及び兄弟姉妹等の買収等、悪質な選挙犯罪により処刑された場合は、自動的に当選人は失格になっているのに対して、政府案は、同居という条件がはめられ、これに加えて、候補者と意思を通じたという、きわめて立証困難な第二の条件が課せられ、その上、このような同居親族が、悪質な選挙違反行為で、禁錮以上の刑に処せられ、執行猶予にならなかった場合しか連座の効力が及ばないことにして、完全にだめ押しをしてしまったばかりでなく、連座による当選の自動失格は憲法上疑問があると主張して、連座による当選無効の訴訟は検察官が提起しなければならないものとしてしまったのであります。しかし、裁判が終わって、判決があったころは、当選人の任期はすでに終わっていることがよくあることは、世人の知るところであります。国民立場から見れば、このくらいうなずけない話はない。一方では、憲法が明らかに否定している軍備を堂々と認めているような御都合主義があるかと思えば、一方では、このような法理論をたてにして、買収汚職候補を守ろうとしているのであります。英国の選挙法の例を見ましても、候補者のわいろ供応等の腐敗行為は十年間、違反行為は七年間、その選挙区に立候補できないことになっており、選挙事務長や選挙代理人の腐敗行為では、候補者の当選無効はもとより、七年間も選挙に出られない。このような自縛をあえてしたのは、もちろん英国の議会であります。英国の選挙が、理想的で、きれいで、買収等を見受けられないのは、その裏にこのような厳罰主義があるからであります。また、わが国の言論文書等による選挙運動については、その取り締まりがはなはだきびしいというのが現状でありまして、それが今日の選挙を暗くしている。たとえば、投票所に行くのに、途中において人に出会っても、ろくにあいさつもできない、あるいは、選挙運動中、久しぶりに友人を訪ねて行ったような場合でも、何かと疑いの目が向けられるという話もあります。明るい選挙実現するには、答申案どおり、連座制はこれを強化し、買収供応等悪質な選挙違反に対しては厳罰主義を断行し、その反面、個人演説、戸別訪問、文書等に関する規制は、大幅に緩和し、または自由にしたならば、候補者も、運動員も、楽しく、のびのびと活動ができると思うが、どうか。  以上三点をお伺いいたしまして、私の質問を終わります。(拍手)   〔国務大臣池田勇人登壇拍手
  35. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) 御質問の第一点は、事前運動に関することでございますが、政府といたしましては、夢前運動を厳重にただいま取り締まっておるのであります。  第二段の、選挙資金並びに政治資金は、個人の献金によるべきだ、こういうお話でございます。この点は、選挙制度審議会におきましても議論があったところで、個人の献金を理想とするが、現在の状態ではこれはなかなか行なわれぬ、こういうことで、あの答申案のようになりました。また、政府案は、ただいまお答え申し上げましたような理由で、原案のようになったのであります。およそ、やはり選挙というものは、法律を厳重にするばかりでは効果が上がらない。私は、候補者並びに国民全体が公明選挙に挺進することで初めて目的が達せられることを、ここにつけ加えて申し上げておきます。(拍手)   〔国務大臣安井謙登壇拍手
  36. 安井謙

    国務大臣安井謙君) 後援会の活動につきましても、従来行き過ぎがよく指摘されておった点につきましては、今度の改正法におきまして相当な規制を加えることにいたしておるわけでございます。  なお連座制につきましては、今もお話のとおり、明るい選挙をやりますために、この連座制の活用が非常に陰惨なものになっちゃいかぬ、こういう点につきましても十分な考慮を加えておるわけでございます。また先ほどお取り上げの英国の例等につきましても、これが連座の対象になります場合に、候補者あるいは事務長が意思を通じてない場合には免責の規定が明らかにあります。また、あるいは同じ悪質違反にしましても、非常にそれが範囲が狭いという場合は、減点制等による配慮も十分加えられております。まして親類縁者等は取り上げないというのは、一番やかましいと言われておる英国の連座制でもそのようになっておる次第でございます。(拍手
  37. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) これにて質疑の通告者の発言は全部終了いたしました。質疑は終了したものと認めます。    ————————
  38. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 日程第四、航空業務に関する日本国とパキスタンとの間の協定締結について承認を求めるの件、  日程第五、航空業務に関する日本国とイタリアとの間の協定締結について承認を求めるの件、  日程第六、航空業務に関する日本国インドネシア共和国との間の協定締結について承認を求めるの件、  日程第七、在外公館名称及び位置を定める法律の一部を改正する法律案内閣提出衆議院送付)、  日程第八、在外公館に勤務する外務公務員給与に関する法律の一部を改正する法律案内閣提出衆議院送付)、  以上五件を一括して議題とすることに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  39. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 御異議ないと認めます。まず、委員長の報告を求めます。外務委員会理事青柳秀夫君。   〔青柳秀夫君登壇拍手
  40. 青柳秀夫

    ○青柳秀夫君 ただいま議題となりました条約三件及び法律案二件につきまして、外務委員会における審議の経過並びに結果を一括して御報告申し上げます。  まず、航空業務に関する日本国とパキスタンとの間の協定、イタリアとの間の協定及びインドネシア共和国との間の協定の三件について申し上げます。  これらの協定は、いずれもわが国と相手国との間にそれぞれ民間航空業務を開設することを目的とするものでありますが、パキスタン及びイタリアとの協定は、日本航空が本年夏ごろに予定しております南回り欧州線の開設に備えるものであります。  審議におきましては、特にフィリピンとの間に航空協定締結せられていない理由、ソ連との航空協定交渉上の問題点、国際航空業務は過当競争の傾向にあると思われるが、日本航空の発展をはかる上での問題点及び今後の拡充計画、オランダ航空による西イリアン向の軍人輸送の問題等につき熱心な質疑が行なわれましたが、詳細は会議録によって御承知願いたいと存じます。  委員会は三月一日質疑を終え、討論において、羽生委員より、社会党を代表して、ソ連、フィリピン及び南回り欧州線の関係から、アラブ連合との間にそれぞれ航空協定を早期に締結されたいとの要望を付して賛成意見が述べられ、次いで採決の結果、全会一致をもって三件を承認すべきものと決定いたしました。   —————————————  次に、在外公館名称及び位置を定める法律の一部を改正する法律案は、わが国在外公館の整備強化をはかるため、クエイトなど中近東及びアフリカの新興独立国四カ国に大使館を新設し、また既設のニカラグァ等十公使館及びダマスカス総領事館をそれぞれ大使館に昇格するほか、ダッカ領事館を総領事館に昇格すること等を目的としているものであります。  次に、在外公館に勤務する外務公務員給与に関する法律の一部を改正する法律案は、現行の在勤俸は、十年前に制定されたまま据え置かれ、この間、世界的に物価、生活条件の変動もあり、実情に沿わず、在外職員の生活及び活動上不合理な点が著しくなったので、待遇を改善し、職責の遂行に遺憾なからしめようとするものであります。  これらの両法案につきましては、特に大使館の新設または昇格の基準、在外職員子弟の教育問題、一般館員の生活状態及び住宅問題、改正支給額をもってしても、諸外国外交官の在勤手当と比較し相当遜色ある点はなお検討の要あること、わが国に正式の大使を派遣している国に対しては、わがほうもでき得る限り同様の措置をとり、相手国との友好関係を害さないようにすべきである等の質疑が行なわれました。  委員会は、三月十三日質疑を終え、採決の結果、両案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  以上御報告申し上げます。(拍手
  41. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。  まず、航空業務に関する日本国とパキスタンとの間の協定締結について承認を求めるの件、航空業務に関する日本国とイタリアとの間の協定締結について承認を求めるの件及び航空業務に関する日本国インドネシア共和国との間の協定締結について承認を求めるの件全部を問題に供します。  三件を承認することに賛成諸君起立を求めます。   〔賛成者起立
  42. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 総員起立と認めます。よって三件は全会一致をもって承認することに決しました。    ————————
  43. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 次に、在外公館名称及び位置を定める法律の一部を改正する法律案及び在外公館に勤務する外務公務員給与に関する法律の一部を改正する法律案全部を問題に供します。  両案に賛成諸君起立を求めます。   〔賛成者起立
  44. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 過半数と認めます。よって両案は可決せられました。    ————————
  45. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 日程第九、警察法の一部を改正する法律案内閣提出衆議院送付)、  日程第十、銃砲刀剣類等所持取締法の一部を改正する法律案内閣提出)、  日程第十一、公営企業金融公庫法等の一部を改正する法律案、  日程第十二、昭和三十六年度分として交付すべき地方交付税総額特例に関する法律案    (いずれも内閣提出衆議院送付)、  日程第十三、質屋営業法及び古物営業法の一部を改正する法律案内閣提出)、  以上五案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  46. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 御異議ないと認めます。まず、委員長の報告を求めます。地方行政委員長小林武治君。   ━━━━━━━━━━━━━   〔小林武治君登壇拍手
  47. 小林武治

    ○小林武治君 ただいま議題となりました五法律案について、地方行政委員会における審査の経過並びに結果を御報告いたします。  まず、警察法の一部を改正する法律案について申し上げます。  本法案の要旨は、最近における道路交通の実情にかんがみ、この際、警察庁に交通警察を専門に所掌する交通局を設け、交通警察事務の能率的な運営をはかるとともに、警察庁における諸般の事務の増加に対処するために、その職員の定員を改正して十九人を増員し、うち六人はこれを交通関係事務に充てるというものであります。  地方行政委員会におきましては、二月中日、安井国務大臣から提案理由の説明を聞いた後、本法案に関連して、現下いよいよ重大化しつつある都市交通問題を広く取り上げ、多くの問題点について政府当局との間にきわめて、熱心に質疑応答を重ねて、慎重審査を行ないましたが、その詳細については会議録によってごらんを願いたいと存じます。  三月一日、質疑を終わり、討論に入りましたところ、秋山委員は社会党を代表して、本法案に賛成の旨を述べられ、各派共同提案にかかる附帯決議案を提出されました。野上委員は自由民主党を代表して、本法案に対し、また附帯決議案に対し、ともに賛成の旨を述べられました。秋山君提出の附帯決議案は、    附帯決議(案)   政府は、現下の道路交通の実情にかんがみ、当面緊要の措置として左記事項の実現を図り、交通対策上遺憾なきを期すべきである。  一、道路交通に関する強力な総合行政の実現を図るため、交通関係行政を一元化する有効適切な措置を講ずること。  一、交通警察の充実強化の要あるが、当面の措置として警察職員の配置転換により交通担当警察官の増強を図ること。  一、事故防止及び交通の円滑の徹底を期するため、道路安全諸施設の充実及び道路環境の整備を図ること。  一、広く国民各層にわたる運動を強力に推進して社会教育の徹底、交通道徳の昂揚を図るとともに交通知識の普及徹底を期すること。    右決議する。 というものであります。  かくて採決の結果、本法案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  次いで、附帯決議案について採決の結果、これまた全会一致をもって、これを委員会の決議とすることに決定した次第であります。  なお、この附帯決議に対し、川島国務大臣から、決議趣旨政府として全面的に賛成であり、なるべく早く実施に移すように努める旨、また、小平総務長官からは、御趣旨に沿って努力したい旨それぞれ発言がありました。  次に、銃砲刀剣類等所持取締法の一部を改正する法律案について申し上げます。  本法案は、最近における銃砲刀剣類等による犯罪の増加の傾向にかんがみ、銃砲刀剣類等の所持や携帯の規制に関する規定を整備するとともに、警察官の行なう取締りの権限等について規定の明確化をはかるというものであります。  法案の内容は、一、飛び出しナイフについて、これまで所持を禁止されていなかった刃渡り五・五センチメートル以下のものについても、比較的危険性の少ない形状のものを除いて、その所持を禁止すること。二、オリンピック競技大会等の射撃競技に用いられる拳銃については、出場選手またはその候補者として推薦された者に限りその所持を許可すること。三、銃砲刀剣類の所持許可の年令基準を十四才から原則として十八才に引き上げるとともに、銃砲刀剣類の所持許可の申請があった場合、申請者の同居の親族に銃砲刀剣類を悪用するおそれがあると認められるときは、許可をしないことができるようにすること。四、新たに第二十四条の二を設け、警察官は、銃砲刀剣類等を携帯し、または運搬している疑いのある者が他人に危害を及ぼすおそれがあると認められるときは、それと疑われる物を提示または開示させて調べることができることとし、またこの場合、危害防止のために必要があるときは、それを提出させて一時保管することができること等をその要点とするものであります。  地方行政委員会におきましては、二月八日、安井国務大臣から提案理由の説明を聞いた後、法案の重要性にかんがみ、参考人の意見を聴取するほか、政府当局との間に熱心に質疑応答を重ねましたが、中でも警察官の調査権に関する規定については最も論議が多く、この規定は任意的な規定であるか、強制的な規定であるか、また、これと憲法第三十五条との関係いかんということが特に問題とされました。そのほか拳銃関係の犯罪と拳銃取締りの状況等、多くの問題点について熱心な論議が行なわれましたが、その詳細については会議録によってごらんを願いたいのであります。  三月六日、質疑を終局し、八日、討論に入りましたところ、秋山委員は社会党を代表して、本法案に反対し、その理由として、本法案には飛び出しナイフの規制強化等、時宜に適した改正も認められるが、銃砲刀剣類所持の許可基準として同居の親族等人的欠格条件を加えたことは、法理論上難点があり、また、警察官の調査権に関する新設規定は、たぶんに強制的要素が認められ、乱用のおそれもあり、ことにその憲法上の疑義は重大である旨を述べられました。  かくて採決の結果、本法案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  次に、公営企業金融公庫法等の一部を改正する法律案について申し上げます。  本法案は、公営企業金融公庫法について、地方公共団体の公営企業の発展を期し、公営企業金融公庫の業務運営の基礎を充実するために、同公庫に対し三億円を追加出資して、現在の資本金二十一億円を二十四億円に改めるとともに、奄美群島復興特別措置法について、奄美群島復興信用基金の融資業務に要する資金として、政府出資二億六千万円を三億二千万円に増額しようとするものであります。  地方行政委員会におきましては、安井国務大臣から提案理由の説明を聞いた後、公庫事務処理の状況、地方公社、公団あるいは病院、交通の赤字会計、地方共済の積立金運用との関係等について政府当局と質疑応答を重ね、慎重に審査いたしました。その詳細は会議録で御承知を願います。かくて、三月八日、質疑を終局し、十三日、討論に入りましたところ、格別の発言もなく、採決の結果、本法案は全会一致をもって衆議院送付案どおり可決すべきものと決定いたしました。  次に、昭和三十六年度分として交付すべき地方交付税総額特例に関する法律案について申し上げます。  本法案の要旨は、昭和三十六年度分の地方交付税については、特例措置として、その総額から昭和三十六年度分の普通交付税の額及びこれに対応する特別交付税の額を控除した額を昭和三十七年度に繰り越すことができるものとするというものであります。しこうして、この特例措置により明年度へ繰り越して配分する額は、九十八億円余となる計算であります。  委員会におきましては、安井国務大臣から提案理由の説明を聞いた後、繰り越しの理由、税外負担、単独事業との関係等について政府当局と質疑応答を重ねましたが、その詳細は会議録をごらん願いたいと思います。  かくて三月八日、質疑を終局し、十三日、討論に入りましたところ、格別の発言もなく、採決の結果、本法案は多数をもって衆議院送付案どおり可決すべきものと決定いたしました。  次に、質屋営業法及び古物営業法の一部を改正する法律案について申し上げます。  本法案は、との法律制定後における社会的経済的諸事情の推移にかんがみ、これらの営業の実態に即応するよう営業に関する規制の合理化をはかるため、  まず、質屋営業法について、一、質屋が同種の物を取り扱う営業者から善意で質に取った物品が、盗品または遺失物丘あった場合における被害者または遺失主の無償回復請求権の対象から有価証券を除外し、二、質屋営業の許可証の更新に関する規定を削除し、三、質置主が物品を取り扱う営業者であり、かつ、その質に入れようとする物品が、その取り扱っている物品である場合には、質屋はその物品の流質期限を一カ月まで短縮できるものとし、  古物営業法については、古物商及び市場主の許可証について、質屋の場合と同様に、その更新に関する規定を削除する等の改正を行なおうとするものであります。  委員会におきましては、安井国務大臣から提案理由の説明を聞いた後、政府との間に質疑応答を軍ね、慎重審査を行ないましたが、その詳細については会議録をごらん願いたいと思います。  かくて三月十三日質疑を終局し、討論に入りましたところ、格別の発言もなく、採決の結果、本法案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定した次第であります。  以上御報告申し上げます。(拍手
  48. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。  まず、「警察法の一部を改正する法律案」及び「質屋営業法及び古物営業法の一部を改正する法律案」全部を問題に供します。両案に賛成諸君起立を求めます。   〔賛成者起立
  49. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 過半数と認めます。よって両案は可決せられました。    ————————
  50. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 次に、「銃砲刀剣類等所持取締法の一部を改正する法律案」及び「昭和三十六年度分として交付すべき地方交付税総額特例に関する法律案」全部を問題に供します。両案に賛成諸君起立を求めます。   〔賛成者起立
  51. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 過半数と認めます。よって両案は可決せられました。    ─────・─────
  52. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 次に、公営企業金融公庫法等の一部を改正する法律案全部を問題に供します。本案賛成諸君起立を求めます。   〔賛成者起立
  53. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 総員起立と認めます。よって本案全会一致をもって可決せられました。    ————————
  54. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 日程第十四、郵便切手類売さばき所及び印紙売さばき所に関する法律の一部を改正する法律案内閣提出衆議院送付)を議題といたします。  まず、委員長の報告を求めます。逓信委員長安部清美君。   〔安部清美君登壇拍手
  55. 安部清美

    ○安部清美君 ただいま議題となりました郵便切手類売さばき所及び印紙売さばき所に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、逓信委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。  現行の郵便切手類及び印紙の売りさばき人に対して支払う売りさばき手数料の率は、昭和三十二年四月に改正されて今日に至ったのでありますが、その後における労賃その他の諸経費の増加及び売りさばきの実情を勘案いたしますと、この手数料率では実情に即しない部分が出て参りましたので、これを適正なものに改めようとするものであります。  改正内容の第一は、売りさばき人の切手類等の買い受け月額のうち、一万円以下の部分の手数料率を百分の七から百分の八に引き上げようとすることであります。これによりまして、切手類等の買い受け月額が一万円以下の売りさばき人はもちろん、それが一万円をこえる売りさばき人についても、買い受け月額のうち一万円以下の部分について手数料が増加することになるのであります。  次に、改正の第二点は、切手類等の買い受け月額のうち百万円をこえる部分の手数料率は、現行では一律に百分の一となっておりますが、これを、買い受け月額のうち百五十万円をこえる部分については、手数料率を百分の〇・五に引き下げようとするものであります。それは、ここ数年来買い受け月額が百万円をこえる売りさばき所の数が増加し、その売りさばきの金額も相当多額になっているものが増加しておりますが、その実情を見ますると、比較的手数を要しない高額の印紙の売りさばきによることが多いように見受けられますので、全般的な手数料率の均衡を考慮いたしまして、この改正を行なおうとするものであります。  逓信委員会における質疑のおもなるものを申し上げますと、今回の手数料率改正の数字的根拠、値下げとなる売りさばき人に対する措置改正により要する年間経費、売りさばき所の設置基準及び売りさばき所に対する郵政省の指導方針等でありますが、その詳細は会議録によって御承知願いたいと存じます。  かくて質疑を終わり、討論に入りましたところ、別に発言もなく、直ちに採決の結果、全一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  右御報告申し上げます。(拍手
  56. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。  本案全部を問題に供します。本案賛成諸君起立を求めます。   〔賛成者起立
  57. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 総員起立と認めます。よって本案全会一致をもって可決せられました。    ————————
  58. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 日程第十五、関税法の一部を改正する法律案、  日程第十六、保険業法の一部を改正する法律案    (いずれも内閣提出)  日程第十七、しよう脳専売法を廃止する法律案内閣提出衆議院送付)、  日程第十八、地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、税関支署及び財務部出張所設置に関し承認を求めるの件(衆議院送付)、  以上四件を一括して議題とすることに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  59. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 御異議ないと認めます。まず、委員長の報告を求めます。大蔵委員会理事上林忠次君。   〔上林忠次君登壇拍手
  60. 上林忠次

    ○上林忠次君 ただいま議題となりました三法律案外一件について、大蔵委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。  まず、関税法の一部を改正する法律案について申し上げます。  本案は、最近の外国貿易の実情にかんがみ、水島港を開港に、鹿児島空港を税関空港に、それぞれ指定しようとするものであります。すなわち、水島港につきましては、昨年来貿易実績が急激に増加し、その貿易額は百億円をこえ、入出港隻数も百三十隻をこえる実績を示すに至り、港湾設備及びその将来性についても他の開港に比して遜色がないので、同港を開港に指定することとし、また、鹿児島空港につきましては、昨年九月に沖繩との定期航空路が開設され、外国貿易に使用されることになりましたので、同空港を税関空港に指定することといたすものであります。  委員会においては、開港の基準、税関職員の定員増問題、密貿易の実情、開港指定を要望している秋田港等の現況、アメリカ軍、韓国軍等が入港する場合の税関検査の実情等について審議がなされたのでありますが、その詳細は会議録により御承知を願いたいと思います。  かくて質疑を終了し、討論に入りましたところ、須藤委員より、本案は一見簡単な法案のように見えるが、鹿児島空港の例をとってみても、今後韓国軍が沖繩へ行く足場として利用する可能性が生じてくることが予想され、その裏面には種々な問題を含んでいるので反対する、との意見が述べられ、採決の結果、多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。   —————————————  次に、保険業法の一部を改正する法律案について申し上げます。  現行の保険業法では、海上保険事業について、事業者間の共同行為を原則的に独禁法の適用除外としておりますが、船舶保険の料率に関する共同行為については、昭和二十六年の改正当時、船舶保険の保険成績が悪かったため、協定料率制度にすれば急激に料率の高騰を招くものと考えられたこと、海運業界がその再建の緒についたばかりという特殊の事情にあったこと等の理由から、独禁法の適用除外とはされず、その料率は損害保険料率算定会が算出し、大蔵大臣の認可を得たものが適用されております。しかしながら、今日においては、わが国の船腹も相当に拡充し、各船舶会社の特色、特性の事績も相当期間にわたって積み上げられ、企業保険としての基盤も確立いたしました。したがいまして、本案は、損害保険会社の船舶保険料率に関する共同行為を独禁法の適用除外とし、船舶保険の特殊性に沿った、いわゆるきめのこまかい料率を実施しようとするものであります。  委員会の審議におきましては、船舶保険の現況、保険料率について共同行為が認められた後の料率の変化、海上保険の国内業者と外国業者の関係、独禁法緩和の問題等について質疑がありましたが、詳細は会議録によって御承知願います。  質疑を終了し、討論、採決の結果、全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。   —————————————  次に、しよう脳専売法を廃止する法律案について申し上げます。  ショウノウ専売制度は、明治三十六年、旧台湾におけるショウノウ専売事業による財政収入を確保するため、内地におけるショウノウの需給の調整と価格の安定をはかることを目的として制定されたものでありますが、台湾を喪失した後は、国内の生産額は少額となり、また合成ショウノウ等各種代替品の出現により、特にショウノウを専売制度のもとに置く必要も失われ、先般の専売制度調査会においても、その制度は廃止すべきであるとの答申がなされたのであります。  しこうして、最近におけるショウノウ事業の推移は、毎年赤字が累積する実情でありまして、今後の経済事情なり国際価格の動向等から見ましても、ショウノウ専売事業の健全性を維持することは困難なものといわざるを得ないのであります。このような諸事情にかんがみ、本案は、昭和三十六年度限りで、ショウノウ専売制度を廃止するとともに、廃止に伴う所要の経過措置を講ずることといたそうとするものであります。  すなわち、まず、専売制度廃止に伴い必要となる事業合理化資金等を補うため、昭和三十六年度において粗製ショウノウ等の製造予定数量の割当を受けてこれを生産した者及びこれらの者の組織する製脳協同組合に対し、日本専売公社が昭和三十七年度において交付金を交付することができることとしております。次に、ショウノウの専売制度廃止後、民間において粗製ショウノウ等の自主的な流通秩序が確立するまでの措置として、公社は、一年間は粗製ショウノウ等の買い入れ、販売等の業務を行なうことができることとしております。また、この法律施行後六カ月間、大蔵大臣の諮問機関として、臨時しょう脳事業審議会設置し、ショウノウ専売事業の廃止に伴う所要の経過措置について調査、審議を行なうこととしております。  委員会におきましては、専売制度の廃止に踏み切るに至った理由及び業界側との折衝の経緯、廃止業者の雇用労務者に対する具体的な生活保護対策、審議会の構成内容等について審議がなされたのでありますが、その詳細は、会議録によって御承知願いたいと存じます。  質疑を終了し、討論、採決の結果、全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。   —————————————  最後に、地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、税関支署及び財務部出張所設置に関し承認を求めるの件について申し上げます。  本件は、最近における外国貿易の伸展に伴う税関業務の増加に即応し、現地において円滑なる処理をはかるため、神戸税関姫路出張所を税関支署に昇格せしめるとともに、倉敷市水島地区における製鉄、石油等、諸工業の著しい発展に伴い、今後、国有未利用財産の転活用、物納財産の管理処分を一そう迅速かつ円滑に遂行するため、新たに中国財務局岡山財務部に倉敷出張所を設けようとするものであります。  委員会における審議の詳細につきましては、会議録によって御承知を願いたいと思います。  質疑を終了し、討論、採決の結果、全会一致をもって原案どおり承認すべきものと決定いたしました。  以上御報告申し上げます。(拍手
  61. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。  まず、関税法の一部を改正する法律案保険業法一部を改正する法律案及びしよう脳専売法を廃止する法律案全部を問題に供します。三案に賛成諸君起立を求めます。   〔賛成者起立
  62. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 過半数と認めます。よって三案は可決せられました。    ————————
  63. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 次に、地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、税関支署及び財務部出張所設置に関し承認を求めるの件全部を問題に供します。本件を承認することに賛成諸君起立を求めます。   〔賛成者起立
  64. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 過半数と認めます。よって本件は承認することに決しました。    ─────・─────
  65. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 日程第十九、商工組合中央金庫法等の一部を改正する法律案、  日程第二十、中小企業信用保険法の一部を改正する法律案、    (いずれも内閣提出衆議院送    付)  以上両案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  66. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 御異議ないと認めます。まず、委員長の報告を求めます。商工委員長武藤常介君。   〔武藤常介君登壇拍手
  67. 武藤常介

    ○武藤常介君 ただいま議題となりました二法案について、商工委員会における審査の経過並びに結果を報告いたします。  まず、商工組合中央金庫法等の一部を改正する法律案について申し上げます。  この法案では、商工組合中央金庫法中小企業信用保険庫法の二つの法律改正しようとするものでありますが、第一点の商工中金法の改正は、この金庫に対し、来年度は政府出資を二十億円増加するほか、商工債券の市中消化の促進をはかるため、商工債券の担保貸付け等を実施し、新たに輸出組合等を所属資格団体として追加しようとするものであります。第二点の信用保険公庫法改正は保険公庫に対する政府出資を来年度に二十五億円増加して、これを公庫から信用保証協会に融資し、その保証能力の強化をはかり、また、公庫の理事を一名増加しようとするものであります。  次に、中小企業信用保険法の一部を改正する法律案は、小企業者を対象として二十万円を限度とする小口保険制度を新しく設け、小企業者に対する金融を円滑にしようとするものであります。  本委員会におきましては、この二法案を一括議題として審査を行ない、商工中金、保険公庫に対する出資増加の効果、小口保険の運用方針、金融引き締めの中小企業に及ぼす影響とその対策等につき、質疑応答を重ねたのでありますが、その詳細は会議録に譲りたいと存じます。  質疑を終わり、二法案を一括議題として討論に入りましたところ、別に発言もなく、順次採決いたしました結果、この二法案は、いずれも全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  以上二法案についての報告を終わります。(拍手
  68. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。  両案全部を問題に供します。両案に賛成諸君起立を求めます。   〔賛成者起立
  69. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 過半数と認めます。よって両案は可決せられました。    ————————
  70. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 日程第二十一、盲学校聾学校及び養護学校への就学奨励に関する法律の一部を改正する法律案内閣提出衆議院送付)を議題といたします。  まず、委員長の報告を求めます。文教委員会理事豊瀬禎一君。   〔豊瀬禎一君登壇拍手
  71. 豊瀬禎一

    ○豊瀬禎一君 ただいま議題となりました盲学校聾学校及び養護学校への就学奨励に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、文教委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。  御承知のとおり、盲、聾、養護学校への就学奨励法が制定されましたのは昭和二十九年でありました。その後数次にわたり、就学奨励の効果を高めるための法改正が行なわれ、これらの学校に就学する児童生徒に対する就学奨励の内容は次第に改善され、ようやくその充実を見つつあります。今回政府から提案されましたこの改正案は、これらの学校の高等部に就学する生徒にかかる修学旅行費を、新たに就学奨励費の対象に加えることにより、さらに就学の普及奨励をはからんとすることをその内容とするものであります。  委員会におきましては、各委員より、特殊教育の全般にわたり、きわめて熱心に質疑が行なわれましたが、その主要点は、特殊教育振興のための年次計画、特殊教育振興に関する国会決議内容の実施、専攻科及び幼稚部における教育の充実、修学旅行のつき添い人の交通費等に関する諸問題でありました。これらの質疑並びに政府答弁の詳細については、会議録により御承知いただきたいと存じます。  質疑を終局し、討論に入りましたところ、まず、日本社会党を代表して、千葉千代世委員より賛成意見が述べられ、次いで自由民主党を代表して、野本品吉委員より、本案賛成し、また、各会派を代表して、本案に対し、附帯決議を付すべき旨の動議が提出されました。決議案の内容は、就学奨励趣旨にのっとり、幼稚部及び専攻科に対する支給を行なって、特殊教育全般の振興を期することを要望するものであります。  かくて、まず、法案について採決の結果、本案は、全会一致をもって可決すべきものと決定し、続いて野木委員提出の決議案も、同じく全会一致をもって可決いたしました。  右御報告申し上げます。
  72. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。  本案全部を問題に供します。本案賛成諸君起立を求めます。   〔賛成者起立
  73. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 総員起立と認めます。よって本案全会一致をもって可決せられました。    ————————
  74. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 日程第二十二、特定船舶整備公団法の一部を改正する法律案内閣提出衆議院送付)を議題といたします。  まず、委員長の報告を求めます。運輸委員長村松久義君。   〔村松久義君登壇拍手
  75. 村松久義

    ○村松久義君 ただいま議題となりました特定船舶整備公団法の一部を改正する法律案について、運輸委員会における審議の経過及び結果を御報告申し上げます。  まず、この法律案の骨子を申し上げますと、その第一は、港湾における船ごみを解消し、また、今後における貨物量の増大に対応する荷役能力増強対策の一環として、特定船舶整備公団が、港湾運送業者等との共有方式により、はしけ及び引き船を新造し得るように、公団の業務範囲を拡大することであります。第二は、公団業務の円滑な運営をはかるために、公団に対する政府出資金を一億円増額することであります。  委員会におきましては、はしけ使用の実情、法律改正後の運用方針等のほか、広く港湾荷役力増強対策全般にわたって質疑が行なわれたのであります。詳細は会議録により御承知を願いますが、はしけの整備に関連し、荷役機械の整備についての質疑において、運輸大臣より、所要資金のあっせんをはかる等、別途の対策を考慮したいとの趣旨の答弁がありました。  討論に入りましたところ、自由民主党を代表して天埜委員より、日本社会党を代表して大倉委員より、民主社会党を代表して松浦委員より、それぞれ賛成意見が述べられたのであります。  かくて採決に入りましたところ、本法律案全会一致をもって可決すべきものと決定した次第であります。  以上御報告申し上げます(拍手
  76. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。  本案全部を問題に供します。本案賛成諸君起立を求めます。   〔賛成者起立
  77. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 総員起立と認めます。よって本案全会一致をもって可決せられました。    ————————
  78. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 日程第二十三、国家公務員等旅費に関する法律の一部を改正する法律案内閣提出衆議院送付)を議題といたします。  まず、委員長の報告を求めます。内閣委員長河野謙三君。   〔河野謙三君登壇拍手
  79. 河野謙三

    ○河野謙三君 ただいま議題となりました国家公務員等旅費に関する法律の一部を改正する法律・案につきまして、内閣委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。  本法律案は、国家公務員等の内国旅行における日当、宿泊料、食卓料等について、最近における宿泊料金の実態等を考慮し、その定額を平均二割程度引き上げるととともに、その際、現行の職務の等級一等級から八等級までの旅費支給区分七段階を四段階に整理し、等級別の支給定額の格差の縮小をはかり、また、移転料についても、職員の赴任の実態等を考慮して、現行定額を約五割弱引き上げるほか、所要の規定の整備を行なうものであります。  内閣委員会におきましては、在勤地内旅行の日当、宿泊料を定額の三分の一ないし二分の一としている理由は何か。また、この割合では実情にそぐわないのではないか。行eの各等級に相当する他の俸給表の等級の決定は運用方針にまかせられているが、省令で定めるべきではないか。日当、宿泊料などの支給区分は整理して格差を縮小したのに、なぜ移転料の支給区分の整理を行なわなかったのか。日額旅費の支給額は実態に合うように是正すべきではないか、などの質疑が重ねられましたが、その詳細は会議録に譲りたいと存じます。  質疑を終わり、討議に入りましたところ、鶴園委員より、自民、社会、同志会共同提案の附帯決議案を付して賛成する旨の発言がありました。附帯決議案を朗読いたします。    附帯決議   政府は、七等級の職務にある者に対し、一等の鉄道賃、中級の船賃の支給をすることにつき、すみやかに検討すること。   右決議する。  採決の結果、本法律案全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定し、附帯決議案全会一致をもって当委員会の決議とすることに決定いたしました。  なお、右の附帯決議に対し、堀本大蔵政務次官より、本附帯決議の御趣旨の点は十分に検討する旨の発言がありました。  以上御報告申し上げます。(拍手
  80. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。  本案全部を問題に供します。本案賛成諸君起立を求めます。   〔賛成者起立
  81. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 過半数と認めます。よって本案は可決せられました。    ————————
  82. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 日程第二十四、裁判所職員定員法の一部を改正する法律案内閣提出衆議院送付)、  日程第二十五、平和条約第十一条による刑の執行及び赦免等に関する法律を廃止する法律案、  日程第二十六、下級裁判所の設立及び管轄区域に関する法律の一部を改正する法律案、    (いずれも内閣提出)  以上三案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  83. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 御異議ないと認めます。まず、委員長の報告を求めます。法務委員長松野孝一君。   〔松野孝一君登壇拍手
  84. 松野孝一

    ○松野孝一君 ただいま議題となりました裁判所職員定員法の一部を改正する法律案に関する法務委員会における審議の経過並びに結果について御報告申し上げます。  本法律案趣旨は、第一に、第一審の充実強化方策の一環として、このたび特に裁判官の負担加重となっている大都市における地方裁判所を重点に、判事を十五人増加すること、第二に、最近における訴訟事件の増加等に対処するため、裁判官以外の裁判所職員を百二十四人増員することであります。  委員会においては、特に裁判官の補給源の問題、書記官補・調査官補から各本官への組みかえの問題、家裁調査官の負担加重の問題等について、各委員から熱心な質疑がなされましたが、詳細は会議録に譲りたいと存じます。  三月八日質疑を終了し、討論に入りましたところ、日本社会党を代表して高田委員から、将来、迅速確実に裁判所職員の増員が実現されることを希望して、本法案に賛成する旨の意見が述べられ、次いで自由民主党を代表して青田委員から本法案に賛成する旨の意見が述べられました。  かくて討論を終了し、採決いたしましたところ、全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  次に、平和条約第十一条による刑の執行及び赦免等に関する法律を廃止する法律案の法務委員会における審議の経過並びに結果について御報告いたします。  わが国平和条約第十一条に基づいて取り扱ってきました戦争犯罪受刑者の刑の執行及び赦免または軽減の事務は、昭和三十三年十二月二十九日付刑の軽減決定によりまして、巣鴨刑務所仮出所中の八十三名に対するものをもって終了し、かつ、この法律の適用を受ける可能性のある者が海外に存在するものとも認められない状態でありますので、この法律を廃止しようとするものであります。  なお、この法律の廃止に伴いまして、法務省設置法の規定を整理いたしております。  以上が本法律案趣旨であります。  法務委員会におきましては、戦争犯罪人の員数、中華人民共和国等における戦争犯罪人の取り扱い、帰還の見通し、その員数、刑期、その他戦争犯罪人の裁判記録の収集等について質疑が行なわれましたが、その詳細は速記録に譲りたいと思います。  かくて質疑を終了し、討論に入りましたところ、別に発言もなく、採決に入りましたところ、原案どおり全会一致をもって可決すべきものと決定いたしました。  最後に、下級裁判所の設立及び管轄区域に関する法律の一部を改正する法律案について、法務委員会における審議の経過並びに結果を報告いたします。  本法律案趣旨は、第一に、町村の廃置分合に伴い、長野県岩村田簡易裁判所の名称を佐久間簡易裁判所に改めること。第二に、土地の状況、交通の利便等にかんがみ、福岡簡易裁判所外五簡易裁判所の管轄区域を変更すること。第三に、市町村の廃置分合等に伴い、下級裁判所の設立及び管轄区域に関する法律の別表について所要の整理を行なうことであります。  委員会においては、三月八日、未開庁簡易裁判所の実情等について質疑がなされましたが、詳細は会議録に譲りたいと存じます。  質疑を終了し、討論に入り、別に発言もなく、直ちに採決いたしましたところ、全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  以上御報告いたします。(拍手
  85. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。  まず、裁判所職員定員法の一部を改正する法律案及び平和条約第十一条による刑の執行及び赦免等に関する法律を廃止する法律案全部を問題に供します。両案に賛成諸君起立を求めます。   〔賛成者起立
  86. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 過半数と認めます。よって両案は可決せられました。    ————————
  87. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 次に下級裁判所の設立及び管轄区域に関する法律の一部を改正する法律案全部を問題に供します。本案賛成諸君起立を求めます。   〔賛成者起立
  88. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 総員起立と認めます。よって本案全会一致をもって可決せられました。    ————————
  89. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 日程第二十七、開拓融資保証法の一部を改正する法律案、  日程第二十八、農林漁業金融公庫法の一部を改正する法律案、    (いずれも内閣提出衆議院送    付)  以上両案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  90. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 御異議ないと認めます。まず、委員長の報告を求めます。農林水産委員長梶原茂嘉君。   〔梶原茂嘉君登壇拍手
  91. 梶原茂嘉

    ○梶原茂嘉君 ただいま議題となりました二つの法律案について、委員会における審査の経過と結果を報告いたします。  まず、開拓融資保証法の一部を改正する法律案は、中央開拓融資保証協会に対する政府の出資を三千万円増額して保証力を増強しようとするものであります。  委員会におきましては、主として開拓及び開拓営農、特に開拓政策の基本方針、開拓者の負債及び開拓営農資金の疎通とその金利の問題等について、検討が行なわれたのでありますが、これが詳細は会議録に譲ることにいたします。  かくして質疑を終わり、討論に入りましたところ、天田委員から、開拓政策に関し政府の善処を要望して賛成が述べられ、討論を終わり、採決の結果、この法律案全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決定し、続いて、開拓営農振興対策の拡充、特に開拓融資の金利の引き下げと債務の処理に関して、政府努力を求める趣旨の附帯決議を、これまた全会一致をもって委員会の決議とすることに決定し、この決議に対し中野農林政務次官から、決議趣旨を尊重し善処する旨の政府の所信を述べられました。   —————————————  次に、農林漁業金融公庫法の一部を改正する法律案は、農林漁業金融公庫に対する政府の出資を百三十三億円増額するとともに、公庫の業務として、新たに沿岸漁業者の経営の安定に必要なる資金の貸付の業務を加えることとしようとするものであります。  委員会におきましては、漁業経営安定資金の融通方法、公庫の貸付予定計画、予算と立法措置等が問題になったのでありますが、その詳細は会議録によって御承知を願います。  かくして質疑を終わり、討論に入り、別に発言もなく、続いて採決の結果、この法律案全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。  以上報告いたします。(拍手
  92. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。  両案全部を問題に供します。両案に賛成諸君起立を求めます。   〔賛成者起立
  93. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 総員起立と認めます。よって両案は全会一致をもって可決せられました。    ————————
  94. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 日程第二十九、住宅金融公庫法等の一部を改正する法律案内閣提出衆議院送付)、  日程第三十、駐車場法の一部を改正する法律案内閣提出)、  以上両案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  95. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 御異議ないと認めます。まず、委員長の報告を求めます。建設委員長大河原一次君。   〔大河原一次君登壇拍手
  96. 大河原一次

    ○大河原一次君 ただいま議題となりました住宅金融公庫法の一部を改正する法律案外一件について、建設委員会における審議の経過並びに結果を御報告いたします。  住宅金融公庫法の一部改正案は、宅地並びに建物の防災化等に関して、業務の一部を改正しようとするものでありまして、第一点は、先国会で判定されました宅地造成等規制法によって、都道府県知事の勧告または命令を受けて行なう宅地防災工事に対して、資金の貸付ができることとしたことであります。第二点は、中高層耐火建築物に対する融資について、防災建築街区内に建つものについては、貸付対象となる現行の住宅部分と非住宅部分の床面積の比率を緩和し、非住宅部分に対する貸付を拡大したことであります。第三点は、災害復興住宅等の貸付金の償還期限について、現行一律であるものを構造別により区分したことであります。  質疑のおもなる点は、防災建築物に対する融資拡大の理由、雇用促進事業団の行なう住宅融資と公庫の行なう産住との関連等についてでありますが、詳細は会議録で御承知を願います。  かくて質疑を終わり、採決の結果、全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。   —————————————  次に、駐車場法の一部を改正する法律案について申し上げます。  現行の駐車場法昭和三十二年に制定されたものでありますが、本改正案は、今日の交通情勢に対処して、駐車場整備地区の拡大、路外駐車場整備の促進、駐車施設附置義務の強化等、内容の整備、強化をはかろうとするものであります。  改正案のおもなる内容を申し上げますと、第一は、駐車場整備地区の指定範囲を拡大して、自動車交通の輻湊の著しい場合、現行の商業地域内のみならず、その周辺の地区についても、これを指定することができるようにいたしております。第二は、建築物に対して、条例によって駐車施設の設置を義務づけることができる場合を拡大したことであります。すなわち、その区域を、駐車場整備地区のみならず、商業地域全般等に広げるとともに、都市計画区域内で条例で定める地区において、駐車需要の多い劇場、百貨店等特定用途の建築物については附置義務を課することができる等を定め、当該建築物の規模、その他、増築、修繕、模様がえの場合についても義務を強化できるものとしております。その他、路外駐車場の助成措置の明文化、路上駐車場の整備の促進、管理の合理化、駐車施設の維持等について所要の改正を行なっております。  委員会における質疑のおもなる点は、駐車と交通取り締まりの関係、本改正案と建築基準法の関係、路外駐屯場の整備促進等でありましたが、詳細は会議録に譲ることといたします。  かくて質疑を終了、採決の結果、全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  以上御報告申し上げます。(拍手
  97. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。  両案全部を問題に供します。両案に賛成諸君起立を求めます。   〔賛成者起立
  98. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 総員起立と認めます。よって両案は全会一致をもって可決せられました。  次会の議事日程は、決定次第、公報をもって御通知いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時四十八分散会