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1962-03-29 第40回国会 参議院 法務、建設委員会連合審査会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十七年三月二十九日(木曜日)    午前十時三十五分開会     —————————————  委員氏名   法務委員    委員長     松野 孝一君    理事      青田源太郎君    理事      井川 伊平君    理事      亀田 得治君    理事      大谷 瑩潤君            秋山俊一郎君            井野 碩哉君            大川 光三君            加藤 武徳君            西田 信一君            西田 隆男君            野上  進君            林田 正治君            加瀬  完君            高田なほ子君            山口 重彦君            赤松 常子君            辻  武寿君   建設委員    委員長     大河原一次君    理事      田中 清一君    理事      村上 春藏君    理事      武内 五郎君            稲浦 鹿藏君            岩沢 忠恭君            小沢久太郎君            太田 正孝君            小山邦太郎君            後藤 義隆君            徳永 正利君            三木與吉郎君            米田 正文君            内村 清次君            木下 友敬君            田中  一君            田上 松衞君            小平 芳平君            村上 義一君            野坂 参三君     —————————————  出席者は左の通り。    法務委員    委員長     松野 孝一君    理事            青田源太郎君            井川 伊平君            亀田 得治君    委員            赤松 常子君            辻  武寿君   建設委員    委員長     大河原一次君    理事            田中 清一君            村上 春藏君            武内 五郎君    委員            稲浦 鹿藏君            岩沢 忠恭君            小山邦太郎君            徳永 正利君            三木與吉郎君            米田 正文君            内村 清次君            木下 友敬君            田中  一君            田上 松衞君   国務大臣    法 務 大 臣 植木庚子郎君    建 設 大 臣 中村 梅吉君   政府委員    法務省民事局長 平賀 健太君    建設省住宅局長 斎藤 常勝君   事務局側    常任委員会専門    員       西村 高兄君    常任委員会専門    員       武井  篤君   説明員    建設省住宅局日    本住宅公団首席    監理官     国宗 正義君   参考人    日本住宅公団理    事       武藤 文雄君    日本住宅公団管    理部長     江田 正光君    東京首都整備    局都市計画部長 大河原春雄君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○参考人出席要求に関する件 ○建物区分所有等に関する法律案  (内閣提出衆議院送付)     —————————————法務委員長松野孝一委員長席に 着く〕
  2. 松野孝一

    委員長松野孝一君) ただいまから法務建設委員会連合審査会を開会いたします。  先例によりまして、私が連合審査会委員長の職を勤めさせていただきます。何とぞよろしく後協力のほどお願い申し上げます。     —————————————
  3. 松野孝一

    委員長松野孝一君) それでは、まず参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  建物区分所有等に関する法律案審査のため、本連合審査会に、参考人として日本住宅公団理事武藤文雄君、同管理部長江田正光君及び東京首都整備局都市計画部長大河原春雄君の出席を要求することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 松野孝一

    委員長松野孝一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  なお、その手続等につきましては、委員長に御一任願うことに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 松野孝一

    委員長松野孝一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————
  6. 松野孝一

    委員長松野孝一君) 建物区分所有等に関する法律案を議題といたします。  本案について、植木法務大臣法務省平賀民事局長、同じく川島参事官建設省斎藤住宅局長建設省国宗日本住宅公団首席監理官ほか、参考人として日本住宅公団武藤理事、同じく江田管理部長東京首都整備局大河原都市計画部長の諸君が出席しておられます。  まず、本法律案について御説明願います。植木法務大臣
  7. 植木庚子郎

    国務大臣植木庚子郎君) 建物区分所有等に関する法律案につきまして、その概要を御説明申し上げます。  最近、土地高度利用の必要から、都市における中高層建物の増加は著しいものがありますが、これに伴いまして、共同建築アパート分譲の場合等に見られますように、これらの建物を区分して所有する事例が次第に増加する傾向にあり、この傾向は、都市の再開発に関する各種の施策、なかんずく市街地改造法防災建築街造成法の実施によって、今後ますます推進される機運にあるのであります。しかるに、区分所有に関する民法規定は、はなはだ不備でありまして、区分所有者相互間の法律関係が不明確であり、また、建物共用部分管理等に対する配慮の欠けている点も少なくなく、建物区分所有に関する法制を早急に整備する必要があるのであります。この法律案は、このような必要に対処するため、建物区分所有関係及びこれと関連のある事項について単行法を制定し、あわせて関係法律所要の整理を加えようとするものであります。  次にこの法律案要点を申し上げます。  第一に、建物区分所有を認める要件として、区分所有権の対象となる建物部分は、一むね建物のうちの構造上区分された部分であって、独立して住居その他建物としての用途に任することのできるものに限ることを明らかにいたしました。  第二に、区分所有者全員またはその一部が共同で使用する廊下階段室など、区分所有権目的とならない建物部分及び機械室集会室など、区分所有者全員またはその一部がその合意によって共同で利用すべきものと定めた建物部分、すなわち共用部分は、原則として、区分所有者全員またはその一部の共有に属することにいたしました。  第三に、区分所有権目的たる建物部分を収去する権利を有する者は、その建物部分自己に売り渡すべき旨の請求をすることができることにいたしました。  第四に、共用部分及び建物敷地維持管理に関し、管理者規約及び集会に関する規定を設け、共用部分建物敷地維持管理便宜をはかることといたしました。  第五に、右に申し述べました管理者規約及び集会に関する規定は、これを一団地内の建物所看者がその団地内の土地または施設共有している場合に準用することとし、これらの土地または施設維持管理便宜をはかることといたしました。  以上がこの法律案の主要な内容でありますが、この法律案は、なおそのほかに、附則において、所要経過措置を定めるとともに、民法不動産登記法その他の関係法律所要改正を加えることといたしております。  以上がこの法律案概要でございます。
  8. 松野孝一

    委員長松野孝一君) 以上で説明は終了いたしました。  これより質疑に入ります。御質疑のおありの方は、順次御発言下さい。
  9. 田中一

    田中一君 最初に伺いたいのは、私ども記憶している範囲では、水道橋からお茶の水に上る左側の、もとの文化アパートといいましたか、あれが約数十年前、三十年ぐらい前だと思うのですが、増築によって、その所有権というものが別の登記をしなければならないということになった場合、一応それが認められて、分割されて登記されたことがあったように記憶しているのです。したがって、現在、今法務大臣説明されているように、一建物内における権利関係が区分された所有権というものの実態が多くなってきたと思うのです。で、現行法の不備というのはどこにあるのか。不十分さというものを十分にするのだという考え方は、これはわかりますが、もはや、こうした区分所有の問題につきましては、数十年の歴史を持っている。それで、数が多いから初めて法制化しようという考え方はどこから来ているのか。おそらく現在では、そういう登記方法をとって、所有権というものは区分されておるけれども、現状ではそれじゃ不十分だという、その不十分さというものはどこにあるかという点をまず説明してほしいのです。
  10. 平賀健太

    政府委員平賀健太君) 現行民法におきましては、御承知のとおり、第二百八条という規定がございまして、建物区分所有関係というものが成立することが可能であることは、この規定で明らかなのでございます。しこうしていかなる場合に区分所有関係が成立し得るかということも、これは、二百八条の解釈といたしまして、判例なんかにおいてもこれは確立しているところでございます。物理的な独立性、それから経済的と申しますか、効用の面における独立性があることが必要である。そういう点は、二百八条の解釈としても、これは非常にはっきりいたしておりますし、その点をこの法律案の第一条で明文化いたしたのであります。問題点と申しますのは、むしろそういうところでなくて、やはり区分所有者相互間の権利関係、ここに実は問題があるわけでございまして、廊下であるとか階段であるとか、そういう共用部分がございます。区分所有者共用部分がございますが、その共用部分管理費をどういうふうに分担するか。たとえば、一例といたしまして、その共用部分にも固定資産税がかかってくるわけでございますが、固定資産税はどういう割合負担をするのか。その分担の割合が、区分所有者相互間でなかなかまとまりがつかない。そのために、共用部分に対する固定資産税がもう数年間滞納になっておりまして、未解決のままで紛争が続いておるというような例もございます。それから、この管理費用負担関係につきまして、区分所有者相互間に話し合いがつきましても、自分所有部分譲渡いたしまして、そこから出ていく人がある。新しい人が入って参りまして、区分所有者になって参るわけでありますが、この負担が高過ぎるというようなことで文句を言う。自分はそういうものに拘束を受けないというようなことで、またその負担関係が混乱してくる。あるいは自分所有分があるわけでございます。これを持っておる区分所有者が卑近な例を申し上げますと、仕切りの壁がどうもじゃまになるから、その壁をぶち抜いて、二部屋を一部屋にしたいなどと言って、仕切りの壁をぶち抜く。自分所有分なんだから、いかようにしてもいいじゃないかと言って、壁の部分をぶち抜く。すると、ほかの部分に影響してくる。そのために紛争を生ずる。そういうような区分所有者相互の間でいろいろ紛争が起こる危険性がある。一たん話がまとまりまして、当事者間に話し合いができましても、区分所有者というものがかわるわけでございますので、新しい人がそういう取りきめには従わないというようなことで、また紛争が起こる。この法律案を出しました一番大きな理由は、区分所有者相互間のそういう紛争をなくしよう、その点が必ずしも民法だけでは明確でございませんので、そういう関係をもっと具体的に明らかにいたしまして、紛争を未然に防ごうというのが、この法律案を出しましたおもな理由なのでございます。
  11. 田中一

    田中一君 そうすると、今説明のあった中の要点としては、第一に、共用部分所有権に対する課税について、どうも常に問題がある。したがって、滞納等が起こるということが一つと、もう一つは、模様がえ等によって他に悪影響があるために問題が生ずるという二点ですね、大体の説明は……。
  12. 平賀健太

    政府委員平賀健太君) 今のは卑近な例を申したのでございますが、抽象的に申しますと、区分所有者相互間の法律関係を明確にするということになるわけでございます。ただ単に仕切り壁の問題だけではなしに、それは一例でありまして、区分所有者相互間の権利関係、それから共用部分管理、これも権利関係の中に入りますが、それから、そのほかになお登記関係も、不動産登記法規定が、必ずしもこの区分所有関係にはどういうふうに適用になるかということが明確ではございませんので、登記の点も、具体的に規定をこまかく設けまして、登記関係も明確にしよう、そういうことなのでございます。
  13. 田中一

    田中一君 今、あなたがおっしゃっているような登記問題税金の徴収の問題、それから、同じ居住者話し合いの問題は、どうなっているのですか。それは、今あなたのほうで、住宅公団その他で資料として出している契約実例集、これに大体網羅してありますね。この建物区分所有に関する契約実例集の中で、それは十分に網羅してあるのですが。まだ十分でないという考えなのですか。
  14. 平賀健太

    政府委員平賀健太君) この契約実例集の中をごらんになりますとわかりますが、非常にこまかい点まで定めがしてございますが、ただ、肝心なことは、こういう契約がございましても、たとえば、区分所有者移動がある、自分譲渡して新しい人が入ってきたという場合に、この契約は当然に効力を有するというわけにならぬのであります。ですから、譲渡につきまして制限をつける、たとえば、住宅公団なんかで分譲されます場合には、分譲を受けた人が、さらにそれを第三者譲渡したいという場合には、公団承認を受けるという条項が入っておるようでございます。そういうような手当をしておるわけでございますが、これも、最終的には必ずしも保証にはならぬのでございまして、無断に譲渡した場合にも、その譲渡が無効だというふうには言えないわけでございまして、この契約だけでは不十分なところがあるわけでございます。この法律案におきましては、区分所有者相互間の規約というものをきめておりまして、その規約は、区分所有者特定承継人に対しても効力を生ずるのだ、区分所有者相互間でそういう取りきめをしますと、その取りきめが第三者に対しても効力があるというような法律規定を置きまして、この関係をはっきりしたいということなのでございます。で、こういう非常にこまかい契約ができておりますけれども、最終的な裏づけがやはり欠けておることになるわけでございます。
  15. 松野孝一

    委員長松野孝一君) ただいま中村建設大臣出席しております。
  16. 田中一

    田中一君 ちょっと住宅公団武藤理事に、今、平賀民事局長からの説明のうちに、分譲を受けた建物を他に転売する場合、公団承認を受けなければならないということになっております。この場合、二色あると思うのです。完全に代金完済した場合と未完済の場合と、いわゆる公団が担保としてそのものを持っている場合とおのずから違うのです。公団に全部買い取り金というものを完済している場合にも公団承認を受けるということじゃないと思うのですよ。けれども、そんなことがあるのですか。完済しても、その場合には、その部分の転売というか、他に分譲する場合には、やはり公団の許可を受けなければならないということになっておりますか。その点をちょっと明らかにしてもらいたい。
  17. 武藤文雄

    参考人武藤文雄君) ただいまの御質問の点でございますが、公団では、住宅分譲いたす場合におきまして、住宅譲渡契約書を作成いたしております。その中で、公団承諾を要する事項という中に、ただいまお話しの点が出ておるわけでございますが、公団から住宅の譲り受けを受けた方が、それを第三者譲渡しようという場合においては、公団のほうの承諾をあらかじめ受けておかなければならないということにいたしております。お話の点の割賦金を全部返済した場合と、まだ返済してない場合とはあり得るわけでございます。返済してない期間中は、ただいま申し上げましたように、その同意を要するといたしております。完済した場合におきましては、公団をいたしましては、契約締結の日から五年以内に支払いを完了したときは、この五年間だけ承諾を要するというふうに読みかえるようにいたしております。
  18. 田中一

    田中一君 平賀さんに伺いますが、そうすると、私自身は、今公団説明された契約内容というものに関しては非常に満足しないものがあるのです。当然売ってしまったものは、金も全部払っちまって、所有権が完全に移っているというものは、なおかつ五年間、たとえ契約とはいえ、処分ができないということは、他の物権じゃまああり得ないことです、契約内容としてあり得るとしても。そこで、そういうものを今度の法律改正によって、直ちに、完全に所有権が移った場合には、ほかに売ってもいいようにしようとするのか、または、今公団契約として五カ年間は完済しても売れないのだということをここへ取り入れようとしているのか、どちらのほうをねらっているのか。
  19. 平賀健太

    政府委員平賀健太君) この法律案におきましては、建前としましては、自分所有になっておれば、これは、譲渡は自由だという建前原則にしているわけでございます。当時者間の契約でもって、代金は分割払い、割賦金完済までは売主の承諾を要するというような特約があれば、その特約はもちろん有効であります。そういう特約がない限りは、自己所有になれば、それを処分できる。これは一般の普通の建物と同じことでございまして、この法律案としては、そういう制限は設けておらないわけでございます。
  20. 田中一

    田中一君 私はそれでいいと思う。そうなくちゃならぬと思うのですが、そこで、かりにそうであるならば、住宅公団としても、代金を全部完済しているものは、その財産の移動というものは、一々公団に相談し、同意を受けなければできないのだということは、おそらく集団として他にいろいろな条件がある、条件というか、他に及ぼすいろいろな条件があるから、そういうことをしたのだと思いますけれども、しかし、そういうものを契約として認められるならば、何もあえてそれを明確化しておく必要もない。現在やっておられるならば、ただ、よりよいものを作るという考え方で出発しているなら、これは別です。
  21. 平賀健太

    政府委員平賀健太君) たとえば、今公団のほうで御説明のように、完全に割賦金を返済してしまいまして、所有権が完全に移った後、まだ五カ年間の公団承諾を要するということがあるといたしまして、その承諾を得ないで譲渡した場合にはどうなるか、その譲渡は、これは有効だろうと思うのでございます。おそらく公団でそういうことをなさるのは、やはり共用部分管理なんかについて細かい特約があると思うのであります。その特約が守られるようにという配慮からだろうと思うのでございますが、その特約に違反して区分所有建物譲渡いたしますと、譲受人はそういう特約自分の知ったことではない、それには拘束されないというようなことを言い出しました場合に、これはもうどうにもならない。他のそこで一緒に生活しております他の区分所有者に非常に迷惑を及ぼすというようなことも、これは起こり得るはずでございますが、やはりそういう特約をせっかく作りましても、最後のこれはきめ手にならない。区分所有者全体の利益に反するというような結果も生じかねないのでございます。法律案におきましては、法律案の第二十五条をもちまして、「規約は、区分所有者特定承継人に対しても、その効力を生ずる。」区分所有者相互間の契約、これを規約と、ここではいっておりますが、特定承継人に対しても効力を生ずるということで、まあ公団で、そういう所有権が完全に移転した後も、なお五年間効力を生ずるというのは、いろいろな理由があると思いますが、そういうことがありませんでも、当初の契約というものが後々までも拘束するということにしたわけでございます。こういう保証がありませんと、せっかく特約を作りまして、共同生活がうまくいくようにということで、いろいろ取りきめをしておりましても、それがだめになってしまうのでございます。
  22. 田中一

    田中一君 よくわかりました。そうすると、結局、居住という環境は、ことにこういう区分所有という問題は、個の生活とその生活環境が守られないのだ。したがって、それに対して、公団としては、全体の面から見たところの特約という契約に持っていくのだということになる。その特約も、現在の規定では、民法所有権というものはそういうものに拘束されない。されないのでは、住環境あるいは共用部分等集団としての生活というものがうまい工合にいかないじゃないか、それをいくようにしようじゃないか、そういうことですね。それでいいですね。
  23. 平賀健太

    政府委員平賀健太君) そういうことであります。
  24. 田中一

    田中一君 そこで、大体明らかになりました、法律改正目的が。しかし、そこにいろいろな大きな問題が起きてくるということを私はこれから個々に指摘いたします。というのは、法律的には、現在ある所有権というものが一つ制限所有権に対する制限というものが容認されるという前提に立つならば、それも法理論的に、おそらく平賀さんが長い間かかって、あなた方大勢でもってしたのだから、完璧だと思います。しかし、居住の、集団居住といいますか、一つ集団としての生活環境というものがどうおびやかされるかということについてひとつ伺いたいのです。これから伺います。それから、そういう目的で法制化するならば、まだ不十分な点が多々あるのではなかろうかという点をこれから申し上げますから、ひとつ御答弁を願いたいと思うのです。  現行登記方法は、これは、今あなたが前段に言っているように、所有権として明らかに三戸のものは三戸としての分割されたものになっており、共用部分につきましても、民法第二百八条によって、共用部分登記上どういう形で明らかになされておるか、その点ひとつ。現在登記されておる共有権の形ですね、それを先に伺っておきたいと思います。
  25. 平賀健太

    政府委員平賀健太君) 現在の区分所有建物登記やり方としましては、個々区分所有建物、その部分ごとに一登記用紙を設けまして、それを登記いたしております。それから共用部分はまとめまして、共用部分一つのやはり登記用紙登記をしているわけでございます。それが現在の登記やり方なのでございます。でありますから、ある一むね建物の中にこれだけの区分所有建物があるということが直ちに一見明瞭でない。登記簿を見ただけでは、これだけが一むねなのだ、一むねの中にこれだけ入っているのだという関係、必ずしも現在の登記簿ではわからないようになっているのでございます。
  26. 田中一

    田中一君 不動産登記法の一部改正法律の中に、一枚の紙でできるのだ、一つの書類でできるということになっておりますね。今度は明らかになるわけですね。それで、手続の面としては、不動産登記法改正をやっているわけですね。
  27. 平賀健太

    政府委員平賀健太君) この改正法におきましては、区分所有建物の中に含んでおります一むね建物全体につきまして一用紙を設けまして、その中に区分所有建物個々登記して明確に内訳しておりますので、そういう工合に一見明瞭になるわけでございます。それから共用部分というものは登記をしない。これは全員共用になるのが原則でございますので、共用部分を全部登記面登記をするということは不可能でございます。この共用部分については登記をしないという建前なのでございます。
  28. 田中一

    田中一君 第五条の二項です。これは、区分所有者権利義務として、共用部分に対する使用の問題をうたってありますけれども、この二項の二行目の「他の区分所有者の専有部分又は自己所有に属しない共用部分の使用を請求することができる。」これは、だれも使っていなければこれを使わしてくれという請求ができるということですね。
  29. 平賀健太

    政府委員平賀健太君) さようでございます。
  30. 田中一

    田中一君 その場合には、あなた方の法律を作る考え方としては、集団と言いますか、組合と申しますか、集会管理者を選定して、管理者がこれに対する使用料的なものを取ろう、取ってもいいというような考え方に立っているのか。それはもう、取ろうと取るまいと自由だという考え方に立っているのか、この点をひとつはっきりして下さい。
  31. 平賀健太

    政府委員平賀健太君) 共用部分は、これは原則として各区分所有者共用に属する。それから、管理者なんかの所有名義にすることも可能でございますが、これはあくまで管理のための所有者なのでございまして、使用料ということはないわけでございます。ただ、管理するにつきましては費用が要りますので、管理費用を徴収するということは、これはございますけれども、使用料ということはあり得ないわけでございます。
  32. 田中一

    田中一君 そうすると、管理費として特別に、それを使用しているわけですから、取ることは可能ですね。
  33. 平賀健太

    政府委員平賀健太君) それは可能でございます。
  34. 田中一

    田中一君 第六条ですがね。私にもはっきりわからないのですがね。たとえば、各区分所有権者が、何かでその所有財産が競売になった。しかし、これはもう区分所有権者の権利は取れるわけですからね、一応。その場合でも、共用部分に対する権利と、それからきょう売というか、けい売というか、競売になった場合、これは前にだれとどういう契約があろうとも、所有財産の競売ですから、これは契約に縛られない。縛られる場合には、それだけその価値というものが減ってくるわけですね。たとえば、公団が、落札したものに対して、あなたの所有を認めませんと言った場合には、その落札した所有権というものは、やはり三年なり五年なりの拘束を受けるのですか、十五条によると……。
  35. 平賀健太

    政府委員平賀健太君) けい売ともきょう売とも言っておりますが、強制執行あるいは抵当権の執行なんかによりまして競売される。その場合も、これは、区分所有者が自由意思で売った場合と同じことでございまして、共用部分に対する共用持分は、当然これはくっついていきます。ですから、共用部分所有権はもちろんございます。それからなお、区分所有者相互間に規約ができておりますと、その規約は、競落人、落札をしまして所有者になった者、それにも規約の拘束が及ぶわけでございます。ですから、たとえば共用部分の使用方法について取りきめがございますと、その取りきめは当然契約人も拘束する。ですから、所有権が移転する手続方法は違いますけれども、自由意思で売った場合と結果は全く同じことになるわけであります。
  36. 田中一

    田中一君 そうなると、一つ団地としての二十人なり三十人なりの居住者が、同じ区分所有権者が競売、強制執行等を排除するような、骨抜きにするような、かりに無価値にするようないろいろな私契約というか、団体でもって結んでおく、これは、全くその区分所有権というものの価値は減殺される。自分を守るために非常に苛酷な契約集団一つの条約というか契約というかを結んでおくということはあり得ますか。
  37. 平賀健太

    政府委員平賀健太君) 所有権譲渡を禁ずるというような、そういう特約を結びましても、それは一般の建物についても同じことでありまして、そういうものに対して強制執行はもちろん可能でございます。そういう特約効力はないと言っても、これはやむを得ないと思います。
  38. 田中一

    田中一君 僕は専門家じゃないから、もう少し詳しく話して下さい。どういう契約を結んでおっても効力がないというわけですか。
  39. 平賀健太

    政府委員平賀健太君) それは、契約内容いかんによりけりで、強行法違反の契約だったら無効でありましょうし、公序良俗違反の契約も無効でありましょうし、事柄の内容いかんによって、やはり個々に考えていかなければならぬと思うのであります。
  40. 田中一

    田中一君 われわれは、区分所有権者が、この法律によって自分所有権というものが多少とも侵されるのではないかという心配があるわけなんです。というのは、たとえば一つの村落で、選挙のときに、お前さんは甲という村長さんに入れろといわれたとき、その人に入れなかった。入れなかったために村八分になったということもあるのです。したがって、どの場合でも、いろいろな意味での、仲間を守るための問題ですから、仲間のために、仲間と反対の行動をすると村八分になるということも実例としてはあるわけです。そうすると、それだけに、その契約の場合にはどういう契約というか、同じ所有者、区分所有権者の集団契約の場合、どういうものならば今のような競売等にあった場合に許容される契約か、条件かということをやっぱり明示してほしいと思うのです。むろん、他にいろいろ法律がございます。いろいろ法律がございますが、その法律のどちらが優先するか。特別の法律でもって、そういうものを含めた条件という、これは私契約ですね、そういうものを認みるんだという前提なら、どういうものが認められて、どういうものが認められないんだ、一つの例として、公団が、今言ったように、代金完済しても、五年間は公団の許可を受けなければ譲渡できないんだということですが、やっぱり権利に対する侵害です。侵害というよりも制約です。この区分所有権というものは、これはたくさんできて参りますから、その場合に、どの場合にできない、どの場合にできるかということをひとつ明示して下さい。たくさんあって、今明示できなければ、大体大まかな、われわれが生活する上において常に触れるような実例から説明していただきたいと思うのです。
  41. 平賀健太

    政府委員平賀健太君) 区分所有者特定承継人を拘束する内容を持ち得る規約というのは、第二十三条におきまして一般的な規定を置いておるわけであります。「建物又はその敷地若しくは附属施設管理又は使用に関する区分所有者相互間の事項」、そのほかに、なお三条におきまして、共用部分に関する定め、それから四条におきまして、共用部分所有関係原則を定めると同時に、規約で別段の定めができるというようなことがあるわけであります。規約というものは、こういう事項に限られるわけであります。でありますから、何でもかでも規約で定めれば第三者をも拘束するという筋合いのものじゃないわけでございます。それからまた、建物敷地なんかの管理、使用に関する規約でありましても、それが公序良俗に反する、あるいは強行法に反するというようなことでありましたら、規約として定めましても、それは無効なのでございます。そういう関係で、これは一般の建物の場合と同じことなんで、区分所有建物であるからといって特別のことがあるわけのものではございません。実例といたしますれば、よくございますのは、たとえば、この廊下に物を置いてはいけないなどというような規約が作られている例が多いようでございます。あまりとっぴな、へんてこな規約というものを私どもまだ実例としては承知いたしておりませんが、大体常識的な、合理的な、一つ建物の中で共同で集まって住んでいるわけでございますから、共同生活の秩序を乱さないための、常識的に考えて妥当と思われる規約が作られている場合が多いのでございます。でありますから、強制執行なんかにあわないように、それを免れるために、あらゆる手を講じて制限規定を設けるなどという例は、私どもまだ聞いたことはございません。しかし、そういうことをしましても、これはやっぱり強制執行は避けられないので、その区分所有建物を不融通物にするというような、そういう特約というものは効力がないと見ていいと思うのであります。
  42. 田中一

    田中一君 その場合、共有部分であり、かつ共用部分に対する影響というか、これは、この部分が競売等になった場合に影響は皆無ですか。共用部分に対する落札までいかないが、差し押えをくったり何かして競売に付されるというような場合に、共有部分である共用部分ですね、それに対する悪い影響、全体の区分所有権者に対する悪い影響というものは想像できませんか。
  43. 平賀健太

    政府委員平賀健太君) これは、この法律案の第十一条におきまして、「共有者の持分は、その有する専有部分の処分に従う。」ということで、競売いたしますと、競落人がその共用部分に対する共有持分も取得することになるわけでございます。ところが、もし規約がございまして、たとえば、その共有部分につきましての共用部分の使用に関しまして取りきめがしてある。たとえば、共用部分である廊下には物を置いてはいけないとか、犬を飼ってはいけないというような規約がございまして、これは当然競落人にもその拘束が及ぶわけでございまして、競落人も規約を守らなくちゃならない。影響といいますと、競落の場合には、その共用部分に対する共有持分というものを当然専有部分と一緒に競落人が取得する限り、影響があるわけでございます。
  44. 田中一

    田中一君 大体その団地生活環境を乱さないということを主にしたところの規約というならば、これは尊重されるわけですね。そういうものが主として尊重されるわけですね。まあ居住地域というものは、大体において、今確認したように、単なる所有権だけでは完全な集団生活はできないわけですよね。どうしてもそこに、精神的な集団としての平和といいますか、融和といいますか、そういうものが根本になるわけなんです。したがって、もし異質のものがさっき言っているような、その規約などは認めないという人が来たりなんかすれば、そこの秩序が乱れるわけです。かりにそういうものがあった場合に、その受ける物質的な、あるいは精神的な損害というものは、どういう工合規約でもってそれを排除する方法をとるというのですか。よくあるのですよ。そういう場合が予想できるのです。その場合に、三階のA、あれは出て行ってもらいたいということはできませんわね。
  45. 平賀健太

    政府委員平賀健太君) この法律案におきましても、たとえば、第五条におきまして、その共同の利益に反することをしてはならないというような原則規定を置いているのです。それからまた、規約効力がございます関係で、五条違反あるいは規約違反の行為がありました場合には、他の区分所有者としては、その違反行為差しとめの請求もできますし、それからまた、それに対して、違反行為によって損害を受ければ、損害賠償を請求できるわけでございます。それからなお、規約自体におきまして、違反行為があった場合の制裁ということも、これは合理的な範囲では定めることができ、それも効力があると見ていいと思うのでございます。
  46. 田中一

    田中一君 次に、各区分所有権者と居住者が違っている場合が想像されるわけです。その場合に、区分所有権者と居住権が設定されているとするならば、居住権者との争いというものが、それが全体に悪影響を、共用部分共有部分に損害を与えるとか何とかいう場合には、どちらがそれを負担しなければなりませんか。むろんこれは、すべての問題は、権利関係は裁判でおきめなさいということになれば一番簡単ですけれども、常に裁判々々といって裁判にかけてやったのでは、これは平和な集団生活とはいえない。そういうものがやはり明記されなければならないという前提から伺うわけです。
  47. 平賀健太

    政府委員平賀健太君) 区分所有者居住者が違うという場合には、居住者が借りて住んでおる、そういう例も実際多いわけでございます。そういう者が共同の秩序を害するようなことをした場合どうするか。これは、第五条の一項は、「区分所有者」とは書いてございますけれども、賃借者なんかの場合に、区分所有者の有する権利をかわって行使しているようなものです。行使する義務をかわって負っておるということになるのでありますから、第五条違反のようなことがもし賃借人にございますれば、他の区分所有者の差しとめの請求、損害賠償の請求もできるということになるわけでございます。それからまた、規約で定めている、たとえば犬を飼ってはいけない、廊下に物を置いてはいけないというのを、賃借人がそれに違反する場合に、これは、そもそも賃貸借契約内容として、やはりこの規約制限というものは、これは必ずしも明示しなくても暗黙のうちに賃貸借契約内容になっていると考えてしかるべきものだと思うのでございます、通常の場合におきましては。でありますから、やはり他の区分所有者は、その賃貸人である区分所有者、あるいはそれから借りておる賃借人に対して直接に違反行為の差しとめあるいは損害賠償の請求ができるというふうに考えるのでございます。でありますから、賃借人の場合も、区分所有者の利益というものは十分に保護されると見ていいと思うのでございます。
  48. 田中一

    田中一君 その場合、区分所有権者と、それから賃貸借権者と争いしている場合、これを排除するには、どちらを対象にしてその損害というか、侵害された規約違反というものを排除するような抗議ができるのですか。どちらなんですか。
  49. 平賀健太

    政府委員平賀健太君) ちょっと御質問の趣旨がよくわからないのですが。
  50. 田中一

    田中一君 こういうことなんです。区分所有者に対してはいろいろな規定があるわけですけれども、さっきあなたが言っているように、借家権者に対する何もないんですね。それを使用している、賃借している者に対して、集会においてきめた規約というものは、借家している者に対して強制されるのか。それとも、全然住んでおらぬけれども、その権利を持っているというものの間にそういう規約というものが、申し合わせというものが強制されるのか。どちらなんですか。それが、かりに今立ちのいてくれと、いやだと言って訴訟を起こしている場合等を想像すると、どちらを中心にした、集会というか、管理者を選定するにしても、きめる一種の投票権が、決定権があるわけですから、その場合に、どちらが対象になって、そういう、何というか、所有権居住権か、どちらがそうした規約をきめたり管理者をきめたりという権利があるのか。
  51. 平賀健太

    政府委員平賀健太君) それは、規約を作ったり、あるいは管理者を選任したりという場合は、所有者が当事者になるわけでございまして、賃借人というものはその当事者にはならない。規約制定権、規約制定、あるいは集会に加わりまして管理者を選んだりすることはできぬわけでございます。ただ、実際問題としましては、区分所有者代理人ということで、集会なんかに出てきて決議に加わるということはあり得ると思います。それが実際便利だろうと思うのでございますが、そういうことはございますが、賃借人たる資格において規約の制定に参加する、あるいは集会の決議に加わるということはできぬと思います。
  52. 田中一

    田中一君 そうすると、居住権を持っている者が侵した損害ですね、たとえば他の所有権者に対して。その場合には、その損害賠償等はだれに請求できるのですか。所有権者に請求できるのですか。
  53. 平賀健太

    政府委員平賀健太君) 居住者が、たとえば五条の一項に違反する、あるいは規約に違反しまして、他の区分所有者に損害を与えました場合には、そこの賃借分の所有者でありますところの区分所有者に対してあるいは当該の賃借人に対しても、差しとめの請求あるいは損害賠償の請求ができると考えていいと思うのでございます。両方に対してできると考えていいと思うのです。
  54. 田中一

    田中一君 それは、どこに明示してあるのですか。
  55. 平賀健太

    政府委員平賀健太君) まず第五条違反のような場合を考えてみますと、これは「区分所有者」と書いてございますけれども、これは区分所有者の義務でございますから、当然区分所有者権利をいわば代理行使しているところの賃借人にも、この趣旨は適用があると見なくちゃならぬわけでございます。賃借人がこれに違反いたしますと、その賃借人に対して他の区分所有者は請求ができる。それからまた、その賃貸人である区分所有者としましては、自分にかわって自分所有分を使用させているのでございますから、他の区分所有者に対しては、賃借人をしてこの違反をさせないようにする義務があると考えてしかるべきだと思うのでございます。そういう関係で、規約違反なんかの場合におきましては、賃借人に規約を守らせる義務がある、その義務に違反したということで、賃貸人である区分所有者自身もやはり損害賠償の請求を受けると、損害賠償の義務を負うという場合があり得ると考えるのでございます。
  56. 田中一

    田中一君 区分所有権者と、それから賃借人との間に、そういうものの責任は賃借人は何ら負わないのだというような契約がかりにあったとすると、その場合はどうなりますか。
  57. 平賀健太

    政府委員平賀健太君) 規約があるけれども、規約は全然拘束をしないと、規約を守らなくてもよろしいという契約があったといたしますと、その場合には、規約違反を理由に他の区分所有者が賃借人に対して直接請求はできぬ場合が考えられます。もっともこれは、五条一項に違反したというようなことをすれば別でございますが、五条一項には違反しないが、ただ規約に違反しているような場合でございます。その場合には、他の区分所有者としては、賃貸人である区分所有者に対して、そういう違反行為をやると、差しとめ、やらせないようにという請求がでる。それがなおやめなければ、賃貸人である区分所有者に対して損害賠償の請求がきる。でありますから、賃貸人である区分所有者としては、おかしな契約をしますと、あとで責任を問われるということになりまして、非常に重大な責任を負わされ、損失をこうむるということになりますから、そういう場合はおよそ考えられない。規約を守る必要がない、あるいは規約を守ってはいけないなどということを賃貸借契約内容にするということは考えられないのであります。
  58. 田中一

    田中一君 そうすると、そういう形の法律の姿としては、結局、自分所有している所に自分が住んでおるということが前提となって作られている法律ですが、賃貸借ということがこれからますますふえてくる傾向なんです。投資対象としては非常にいいですからね。
  59. 平賀健太

    政府委員平賀健太君) これは、民法の相隣関係規定なんかも、みんな所有者を中心にして書いておりまして、賃貸人なんかも——借地人借家人なども当然その規定が適用になる。しかも、賃借人というのは、要するに所有者の持っておる権利を行使するわけでありまして、法律によって、あるいは規約なんかによりまして、そういう権利制限されております場合には、賃借人に対してもその効力が及ぶ、それに服するというのが民法上の建前でありまして、この法律におきましても、やはり事柄は同じなのでございます。
  60. 田中一

    田中一君 それから、ひとつこれは具体的に教えて下さい。共用部分はその建物の何と何で、何と何が共用部分というのか、これは法律的にですよ。実際論としてはいろいろわかっていますが、法律的に何を考えておるのか、それをひとつあげて下さい。
  61. 平賀健太

    政府委員平賀健太君) この法律におきましては、第一条におきまして、所有権の対象になる専有部分というものを掲げてございます。そうして専有部分以外の部分は全部共有部分になるわけでございます。二条の四項におきまして、「専有部分以外の建物部分」、これが共用部分なのでございます。それからまた、この専有部分に属しない建物の付属物、これは、たとえば水道とかガスとか電気などの配管、配線なんかがございます。そういうもの、それからたとえば、その一むね建物とは別むね共同の車庫が作ってある、その車庫を共用部分にしようということで規約で定めてありますと、それもやはり共用部分になるわけでございます。そういうものがこの法律で定めてある共用部分でございます。
  62. 田中一

    田中一君 じゃ、専有部分説明をして下さい。絵を書いてくれるといいのです。これは重大な問題なんですよ。それで伺っておくのですから、絵を書いて下さい。あなたは建物の絵がうまくなければ、大河原参考人に書いていただきたい。
  63. 平賀健太

    政府委員平賀健太君) この部屋で申し上げますと、これはちょっと住居には適しておりませんが、これがある会社のたとえば事務室にしたい、この空間といいますか、壁の表面、天井の表面、床の表、これに囲まれた、これが専有部分になるわけであります。外側の廊下なんかは共用部分、こういうものが幾つも並んでおると、こう考えますと、ここが専有部分になる。それから、横にございます廊下とか、階段部分などがございますが、それはまた、他の区分所有者共同に使いますから、そういうところは共用部分になるわけでございます。こういう電灯の設備でございますとか、これはまあこの部屋に属するものと考えることができますので、これもこの法律にいう専有部分ではございませんけれども、これは、この部屋所有者の所有物と考えていいものだと思うのでございます。
  64. 田中一

    田中一君 もう少し詳しく話して下さい。空間じゃないのですね。空間というものは、この建物の…。建物がないからちょっとまずいと思うのですが、空間じゃないのですね。壁が五寸あったら、五寸のどこまでが専有部分で、どこまでが共用部分ですか。それからまだあります。この壁は、壁の表面は専有部分で、中はどうなっておるのか。これは建物なんですから、使用している空間じゃないのです。所有権というものは空間にはないのですよ。民法上、自分の持っておる土地の上の無限大が自分のものだというけれども、やはり制約がある。アドバルーンなら三十メートルは上げてよろしいけれども、それ以上上げてはいけない。物なら、三十三メートルまでは使ってもいいけれども、それから上は使ってはいけないという制限がある。空間じゃない。したがって、この建物のどこを専有部分として、物権として、これは物権ですから、物権としてそれを認めるかということをひとつ明確にしてほしいのです。おそらくこれは建設省の住宅局とも話し合いしているでしょうから、住宅局長からも説明してもらいましよう。
  65. 平賀健太

    政府委員平賀健太君) これは、あにひとり区分所有建物に限らないので、一むねの単独所有建物であっても同じことだと思うのでございます。壁、屋根、床で囲まれている空間そのものはその所有者のもの、その空間はもっぱら専属的な支配でございます。やはりその空間も含めて、家屋、建物というのだろうと思います。ただ柱とか壁だとか床だとか天井、そういう構成している材料だけが建物所有権の対象になるのじゃなくて、そういうものに囲まれている内部の空間なんかもやはり建物所有権の対象と考えなくちゃいかぬと思うのでございます。その点は、区分所有建物につきましても同じだと思うのでございます。ただ、区分所有建物の特殊性と申しますと、隣に部屋があり、その隣の区分所有部分、専有部分との間に壁がある。一体この壁はどうなるのか、それから、上にはもう一階あって、そこにまた別個の所有者がおると、その天井というものはどうなるのか。これは共用部分なのか。それとも専有部分、両方が半分ずつ持った専有部分になるのかというような問題があるわけでございます。この法律案におきましては、そこまでこまかくこれは規定をいたしておりません。これは規定のしようがございませんで、まあしかし常識的には、壁でございますと、壁のしんになる部分、しんになる部分は、二つの部屋が並んでおりますと、両方の部屋所有者のこれは共有共用部分、それから上塗りの部分は、これはこちらのほうでありますとこちらの部分所有者のものというふうに考えるのが、常識的であろうと思うのでございます。ただしかし、これは、規約なんかにおきましては、壁の中心線を境にする。中心線からこちらはこちらの区分所有者のもの、向こう側は向こうの所有者のもの、そういうことを規約ではっきりきめているものもございます。その規約は、これは四条に規定してございますが、四条の二項で、「規約で別段の定めをすることを妨げない。」という規定がございますので、そういう規約を作っておきますと、その規約効力がある。具体的には、そういうことで解決されると思うのでございます。
  66. 田中一

    田中一君 どうもそれじゃ困るんですよ。たとえば、社会党と自民党がある。このうちの中には、社会党が二十五軒、自民党が十五軒、政党支持で争ってくると、二十五軒のほうが多数決——規約は多数決の原理できている。そういう場合に、多数で、自民党の壁は一尺のうち三寸だけ認めるけれども、あとの七寸は社会党の壁だといったのじゃ、これは問題になる。そういうもので放任したのではいけないから、ひとつ何か法制化しようという考え方もあると思うのですよ。これは、今言うとおり、壁に区切られた空間というものは、これは当然専有される空間です。これは間違いないのですよ。しかし、建物を言っているのですから、建物に囲まれた空間の所有権云々じゃない。建物そのものの区分所有権ということを言っているのだから、その建物を構成している部分というものに対する所有権というものが明確にならぬといけないと思うのですよ。私が今、社会党、自民党なんて、非常識の例を引いて言いましたけれども、そんなことはないと、絶無とは言えないのですよ。村長さんの悪口言ったといって村八分になった例も今まで新聞等に出ています。あり得るのです。そこで、集団というものは、全く平和な形を作るには、権利というものを明確にしなければならぬ。その権利が明確になってきて、初めてすべての運営というものも、集会なり集団なりの運営というものも円満にいくわけなんですよ。だから、建築基準法の上からも、建物というものの定義を、住宅局長、ひとつ詳しく話して下さい。私は大体よく知っておりますけれども、知らない委員の方もいらっしゃると思いますから、詳しく話して下さい。建築基準法上におけるところの建物は何か。建物の要素は何か。天井、柱、壁、床、あるいはその他、それはどこまでのものをどういっているか、一階というものは床がどこからどこまで、二階というものは天井がどこまでで、二階の床はどこまで、一階の天井はどこまでで二階の床はどこまでというように、やはりほかにも法律があるのです。建築基準法では、明らかに建築物を法制化しているのですから、むろんそれにのっとった区分所有権というものが建物という概念の中で明確化されなければならぬと思うのですよ。だからあえて伺うのですがね、さあ説明して下さい。建築基準法の問題で、いいですよ、あなたのほうは。建築基準法に建物を定義しているのだから……。
  67. 平賀健太

    政府委員平賀健太君) ただいま例を引用していただきました、たとえば一むね建物を社会党の方と自民党の方とがそれぞれお用いになっておるという場合に、規約をお作りになる場合には、規約区分所有者全員の合意でなければ作れない。たくさんのものを持っている者は規約を作るということもいかぬわけです。これは規約の定め方、二十四条に、「区分所有者全員の書面による合意」によって規約というものは作られますので、多数者の意思で勝手なものを作るというわけにいかぬわけでございます。それから、集会におきましても、集会の決議というものは、その所有者の頭数の過半数、それから所有者の持っておる共用部分に対する持分の過半数、両方の過半数というふうにしておりまして、たとえば、自民党の方と社会党の方と一人ずつで区分してお持ちになっていますと、過半数になるには、やはりお二人の場合は、両者の合意がなければできぬわけでどちらか一方だけの集会で決議をするということはできぬという仕組みになっております。その点の御心配はない、そのことを申し上げておきます。建築基準法の関係は、これは、私よりもあるいは建設省のほうからお答えいただけるかと思います。
  68. 田中一

    田中一君 そうすると、これは、第三十五条に、建物の一部が滅失した場合、こう書いてありますよ。「建物の価格の二分の一以下に相当する部分が滅失したときは、各区分所有者は、滅失した共用部分及び自己の専有部分を復旧することができる。」これはいいですね。それから三項に、「第一項の場合を除いて、建物の一部が滅失したときは、区分所有者は、建物の再建に関し協議をしなければならない。」それから第四項、「前項の協議をすることができないとき、又はその協議が成立しないときは、各区分所有者は、他の区分所有者に対し、建物及びその敷地に関する権利を時価で買い取るべきことを請求することができる。ただし、裁判所は、他の区分所有者の請求により、代金の支払につき相当の期限を許与することができる。」と、結局応じてくれなければ買ってくれ、こういう開き直りができるのだということですね。ここに村八分的なものがあるというのですよ、みんなしてごめんだというなら。この協議というのは、具体的にいうならば、「前項の協議をすることができないとき」という「とき」は、どういう場合があるか。また、「協議が成立しない」ということはわかります。これは、申し入れに対して認めないというときですから、相手がこの場合には買い取り請求、それじゃ買ってくれ、今までの権利を買ってくれと言うことができるのだということになっているのですが、これも、今あなたが言っているように、区分所有権というものが、集会出席者というものが、全員の総意でなくてはものがきまらないのだということじゃならないと思うのですよ、条文というものは。ちょっとここのところがわからないのです。三十五条の規定は、どういう工合に読めばいいのですか。
  69. 平賀健太

    政府委員平賀健太君) 三十五条というのは、建物の一部が滅失した場合に復旧する場合でありまして、これは、決して、仰せのように、村八分のような結果になることは私はないと思います。先ほど申し上げましたように、規約の制定の仕方につきましても、集会の決議の仕方につきましても、ただ単に自分所有分が広いから所有分の広い人の発言権だけが多くならぬような、その点は十分配慮をしてございまして、村八分というようなことは起こるおそれはないと考えます。この法律のもとでは起こるおそれはないと考えます。
  70. 田中一

    田中一君 三十五条を具体的に説明して下さい。じゃ、建物の一部が滅失した場合と、この場合には、相手が応じない場合、みなが承知してくれない場合には、じゃ買って下さいよと言わざるを得ないのですから……。
  71. 平賀健太

    政府委員平賀健太君) 買って下さいと言わなくても、その場合は、そのまま置いておいてもいいわけであります。ただ、自分の専有部分が滅失してしまって住めない、こわれっぱなしにして置いておくのは、もったいないので、自分はこれは一種の共有者団体と考えていいと思うのですが、共有団体から脱退したい、脱退して、自分の持分を譲って、そこに残りたいという人に譲って、そうしてほかの所にその資金でもって自分の家を建てたいという場合に備えたのが四項でございまして、決して村八分になるということは、およそ考えられないと思います。
  72. 田中一

    田中一君 三項に、明らかに第一項の場合を除いて復旧することができない、「区分所有者は、建物の再建に関し協議をしなければならない」とある。協議という相手方は全員でしょう。区分所有者全員に対して協議するんでしょう。だれに協議するのですか。
  73. 平賀健太

    政府委員平賀健太君) これは、全員が協議するということであります。全員で協議しませんと、再建もできないので、全員が協議する。
  74. 田中一

    田中一君 それじゃ、全員が協議することができないというのはどういうことですか。協議ができないというときは、どういう場合を想定しているのですか。それから、その協議が成立しないというときは、どういう場合を想定しているのですか。だれかが拒否をするから成立しないんでしょう、所有権者が、今度こわれたからこうしたいと言った場合に、原形復旧なら容認しなければならないと思います。原形復旧でない場合を想定しているのですか。どうですか。
  75. 平賀健太

    政府委員平賀健太君) これは、たとえば区分所有者の一部の人がどっかに行ってしまって、幾ら探してもいないで、相談できないという場合が一例でございます。協議が成立しないと、みんな集まって相談したけれども、なかなか意見がまちまちでまとまらぬということなんでございます。
  76. 田中一

    田中一君 それじゃ多数決の原理ではありませんか。総意でのみものが解決するのじゃないのですよ。いないなんというのはおかしな話で、協議することができない。できないのに、買い取ってくれと言うことはできない。その人間がいなければできない。また、その協議が成立しないということは、一例としては、自分のものが滅失して復旧したいというのに、あとの全部の所有権者が、それは今あれは困るという場合には、買って下さいと言わざるを得なくなる。やはりこれは村八分の追い込み方なんですよ。  それじゃ、前段にあなたが言っているすべての問題、どの問題でも、総員の協議ができないということと違うのです。それは、こういうことはあり得るのですよ。あり得るけれども、法律を作る以上、やっぱりその点は一貫したところのものをやってほしいのですよ。滅失した場合には、ほかの共有者は拒否できるのであって、ということでは困るのです。どういうことを想定しているか、ひとり平賀さん、僕は頭が悪いから、ほんとうにわかるように説明して下さい。
  77. 平賀健太

    政府委員平賀健太君) 四項の趣旨としますところは、こういう建物が半分以上が滅失してしまった。全部が滅失した場合は、土地だけになりますから問題になりません。単なる土地所有権、あるいは土地の借地権は共有関係になってしまいまして、問題ありません。一部が滅失、一部が残っているという場合には実際問題としまして、もうここに見切りをつけて、ほかの所に家を建てたいという人と、ここに残って、自分の専有部分がそっくり残っているのだから、引き続いて所有したい。実際二つに分かれるだろう、出て来た人が残っている人に、それじゃ自分土地共有持分なんかを買って下さいと言って、自分権利を買ってもらって、そうしてその代金で、さらに、他に自分の家なり店舗なりを建てるというようなことに実際上なるだろう。それを四項で表現したのでございます。「請求」ということは、裁判上の請求ということに最後にはなるわけで、非常にきつく聞こえますけれども、そういう解決を四項はねらっておるのでございます。でありますから、仰せのような村八分というようなこととはおよそ関係のないようなことに私どもは実は考えておるのであります。
  78. 田中一

    田中一君 どうしてもいたいんだというのに、君の申し出はどうも承服できないという場合には、やはりおれぬのでしょう。あなたは発展して、よくなることを考えているが、悪くなる場合も想定できる。こんな所にいたくないから、買ってもらってどこかいい所に引っ越していこうということもある、あなたの話ではね。しかし、どうしてもそこにいたいのだ、あんなやつはおっちゃ困るのだということになった場合には、これは協議が成立しないときなんですよ。こういうこともあり得ると言うのですよ。
  79. 平賀健太

    政府委員平賀健太君) 私、説明の仕方が悪いために、納得いかないのかもしれないと思いますが、実際問題としましては、大体この区分所有建物につきましては、その各自の専有部分、それから共用部分につきまして、やはり保険契約——火災保険などの損害保険契約をおつけになる場合が実際問題として非常に多いようであります。でありますから、こういう場合で、半分以上が滅失した場合でありましても、保険金が入ります、それで再建をしよう、ことに都会地などでありますと、他に敷地を求めて新たに家を建てるということはたいへんなことで、容易にできることではございません。そういうわけで、これは、再建につきまして協議が成立する場合が大部分であろうと思うのでございます。万一協議ができない場合のことを四項で規定したのでありまして、どうもいろいろ考えまして、これが村八分の原因になるというようなことは、およそ私には考えられないのであります。
  80. 田中一

    田中一君 前に戻りますが、それでは、やはり総意でもってものをきめるのじゃなくて、多数決でもってものをきめるのでしょう。多数決という文字もあったのですよ。十三条の「共用部分管理に関する事項は、前条の場合を除いて、共有者の持分の過半数で決する。ただし、保存行為は、各共有者がすることができる。」、こうなっている。「共有部分管理に関する事項は、前条の場合を除いて」、「前条の場合」というのは、「共用部分の変更は、共有全員の合意がなければ、することができない。ただし、共用部分の改良を目的とし、かつ、著しく多額の費用を要しないものは、共有者の持分の四分の三以上の多数で決することができる。  前項の場合において、共用部分の変更が専用部分の使用に特別の影響を及ぼすべきときは、その専有部分の「所有者の承諾を得なければならない。」「共用部分管理に関する事項は、前条の場合」というのは、今言ったような二つの場合を除いて、「共有者の持分の過半数で決する。ただし、保存行為は、各共有者がすることができる。」やはりこれは、全員の合意でもってすべてのことが運営されるという思想じゃないんですよ。反対の者があった場合には、多数決でものをきめるのだということですね。そういう形が出ている。これは全員でなければならない、これは多数決でいいんだという分け方を一つ権利について行なうことには僕は疑問がある。
  81. 平賀健太

    政府委員平賀健太君) 民法の二百五十二条におきましても、共有物の管理に関する規定があるのでございますが、これは、「共有物ノ管理ニ関スル事項ハ前条ノ場合ヲ除ク外各共有者ノ持分ノ価格ニ従ヒ其過半数ヲ以テ之ヲ決ス」、民法原則はこうなのでございます。十三条でありますとか、あるいは十二条におきましては、やはり共用部分に対する持分の非常に大きい人、ということは、要するに一むね建物のうちで、自分の専有部分のスペースがより大きい人、その人にはそれだけのやはり発言権を与えるのが、これは当然と思うのであります。でありますから、事柄によっては、そういうふうに共有者の持分の多寡によって決することもございますし、ことに十二条なんかの規定は、ただわずかに一人の人がえこじを張って反対するために何もできない。全体のためにいいことが、一人の反対のためにできないというようなことがあっては、これはやっぱり困るのでございまして、すべての場合に全員と、すべての場合にみんな頭数で平等というわけに私はいかぬと思うのでございます。ただ、この共有持分の割合をどうするとか、どこを共用部分にするとか、あるいはこの十三条で規定しております以外の事項、たとえば管理者を選任するとかいうようなことにおきましては、これは、ただ持分の多寡だけによって多数決できめるのは、これは不当な場合があろうというようなことで、規約によりますと、全員の合意が必要だ、それから集会管理者を選任するという場合には、ただ持分の割合だけじゃなしに、頭数の割合によって考慮をするということで調整をとっておるわけでございまして、たくさん持っている一部の者だけの一存で事柄が決せられるということには必ずしもならない。その結果、ほかの多くの人が迷惑をこうむるというようなことにはならないと考える次第でございます。
  82. 田中一

    田中一君 まあ平行線で、あなたは民法上の不十分さをこの法律を作って補うのだと言いながら、それならば、民法という法律はずいぶん古い法律ですから、新しいこういう具体的なものが発生し、権利関係で今の二百八条の規定だけでは不十分だというならば、一貫した居住者のための、いわゆる所有権者のための、即居住者のためを中心にしたところの問題だけに集約して、ほかの民法上の問題があるならば、それを直したっていいと思うのですよ。が、その点は、今あなたが全員の合意でなくちゃできないと言うのも、一貫して流れていればいい。しかし、多数決で決しなければならぬという場合もあるから混乱がある。それは、公団とかはどういう工合に運営しておるか知りませんが、まだ歴史も浅いし、そういう紛争もないと思うけれども、そういう点は、私は十分納得というよりも理解ができないものが多々あるのです。物というものに対するところの法律上の所有権云々という考え、これは当然ですけれども、しかしながら、居住施設であるならば、これはやはり利用の面、環境の面というものが相当に大きく入り込んで、そういう不安のないような形にしなければならぬと思うのです。それには、やはり管理規定というようなものが重要な役目を果たすと思うのです、法律上の。今言っている解釈は、どうするかということに困るから、その場合に、その共同住宅といいますか、こういうものはね、それの管理規定というものを、現行民法の上から見て、これならば間違いない、あるいは現行民法じゃ、こういうものに対するところの規制が不十分だから、新しい解釈としてこういうものをして、管理規定というものを作ろうじゃないかという考え方に出なければならぬと思うのですよ。なるほど、住宅公団等は、自分が建てて分譲をする建物なんですから、まだ完済をした者が少ないと思うから、まだ住宅公団は、一方的に自分のほうだけで管理規定を作って、これなら売ってあげましょう、分譲しましょうというような形になっているから問題はありませんけれども、だんだんこれは、住宅公団のほうに代金の支払いが完済してくると、いろいろな問題が起きてくると思うのです。その場合にやっぱり困らないように、円満にいくような方法をせめてここに出すならば、こういう法律を出すならば、そういう実際の実態というものを中心に考えてほしいと思うのですよ。おそらくずいぶん御勉強なすって、実際の問題を見るために歩き回ったと思うのです。しかし、これじゃまだ私は不十分な点があるんじゃないかと思う。住宅公団にしても、東京住宅協会といいますか、分譲住宅を盛んにやっているところにしても、建売屋的な商売じゃないでしょうけれども、権利自分のほうにあるんだというような立場でもってものを言っているから、居住者に対するほんとうの幸いというものが、将来の幸いが約束されないのじゃないか、こう思うのです。そこで、住宅局長からひとつ、先ほど質問しておいた建築基準法上「建物」というもの、それが現在でも、もう共同建築というものは七、八年来たくさん建っておりますから、それに対する共用部分共用部分がまずければ専有部分というのは、建築基準法上どこまでのものをいうかということを説明をしてもらって、いいですか、それで、それをプリントにして全員に配って下さい。大事なことなんですよ。釘一本打つんだって、隣に聞かなきゃならない。組合の集会を開いて、おれはここに釘を一本打つけれどもいいか、表の上塗りだけはもう個人のものである。ちょっと入ったところはだめだと言われたら困るんです。一々釘一本打つたんびに集会を開いて、おれは打つぞと言わなきゃならない。やはりおのずから、専有部分というものの区分所有権というものがあるならば、物理的に建物というものの区分があるはずであります。おれは法律上のことは知らないのだ、技術者の先生たちに聞いてくれと言ったって……十分に話し合いがついてこういう法律が出たと思うのです。住宅局長、今あなたに聞いては悪いけれども、ちょっと説明をして下さい。どういう話し合いでこれを認めているのか。
  83. 斎藤常勝

    政府委員斎藤常勝君) 建築基準法におきまして、建築物と申します場合は、土地に定着しております工作物でございまして、それに、屋根でありますとか、あるいは柱、壁というようなものを持っておるというものを建築物と考えておるわけであります。したがいまして、今お話のような区分所有権の対象というようなものを考えたときに、どこまでが建物であるかということにつきましては、先ほど民事局長からもお話がございましたとおり、通常の場合におきましては、従来やっておりますのは、壁の中心線と申しますか、そこを基準にいたしまして、そこまでが所有の対象であるというように考えております。しかしながら、その場合でも、区分所有者相互間におきましては、先ほどの五条のような規定がございますので、その管理につきましては十分に目的を達することができる。しかしながら、もしも中心線を区分の対象にしない、基準にしないというような場合におきましては、その関係共用関係になるということに相なろうと思うのでございます。建築基準法から申しましても、この法律のような考え方をとることについて特別の支障があるとは考えておらないわけでございます。  先ほど申し上げましたような建築物の規定というものは、基準法では先ほどのような定義になっておりますので、これを頭に置いて考えた場合におきましても、所有関係なり管理関係なりを考える場合に、不都合は起こってこないものであろうと私どもは考えておる次第であります。
  84. 田中一

    田中一君 僕は君から、都合だ、不都合だと聞いているんじゃないんだよ。建築基準法上、たとえば共同建築等が行なわれている、実際に。その場合の所有権登記というのは、どこからどこまで見ているかということを具体的に聞けば一番いいんですよ。現行法で、今共同建築における共用部分というのは、どこからどこまでの所有権があるかというのを聞くのは、これから質問しようという伏線として聞いておきたいから伺っているわけなんですよ。現在の登記では、図面にどういう工合の現わし方をしておりますか。今度の登記法の改正によってこれは変わって参ります。現在の登記では、どういう形でもって民法二百八条の権利は家屋台帳をもって確認しているか、それを出して下さい。
  85. 平賀健太

    政府委員平賀健太君) 実際問題といたしましては、壁なんかの場合でありますと、中心線を基準にしているのじゃないかと思いますが、これは、やはり申請人の申請によることでありますので、壁の壁面を境にして、壁は共用部分、したがって共有ということにすることも、これは考えられるわけでございます。普通は、大体壁の中心線を基準にして床面積を出していると考えております。
  86. 田中一

    田中一君 現行登記法によっても、今あなたが言ったように、二つのやり方をしている。壁の中心線で所有権を区分しているところもあるかもしれない。あるいは壁というものを共用部分として扱っている場合もあるかもしれない。二つの実際の事例を出して見せて下さい。これは、きょうでなくても、私は委員長に要求して継続しますから、次回の委員会までに出して下さい。それから住宅局長、共同建築物の通念として理解し得る自分所有権というものは、どういうものを現わしているか。たとえば、共同建築物の場合には、柱でも、自分建物として囲っている空間に存在するところの柱の部分というものは、これは共用部分としておっても、これに対して所有権というものはおのずから認められていると思う。あるいはその部分に対しては、図面に書き現わすのに、空間だけ書いてもしようがないから、やはり物で表示しなければならないと思う。その部分登記する場合、建築基準法の届出を出す場合、確認申請書を出す場合、その部分がその人の所有になっているかどうかということをこの次の委員会に調べて出して下さい。  そこで、なぜこういうことをうるさく伺うかというと、建築物の外部が問題なのです。内部はおのずから区分されます。内部の壁——内壁は大体どっちかになるでしょう。表の壁というものは、外部の、自分所有権のない、囲わない空間に突き出ている壁面というものは、これは今説明があったように、それは共用部分でございますという理解をいたしていいのか、あるいは自分は、もう全然地上から見ても、これは外部の、隣の敷地に向かっているところの壁面だとすれば、その部屋を持っている所有権者がその壁面の所有権を持っているものと理解していいか。この法律を変える場合は、一筆で建物を書いていきます。書いていっても、おのずからその所有権というものは設定されると思う。共用部分になるのか、専有部分になるのか、どういう工合にわれわれはそれを理解したらいいですか。局長に伺いたい。
  87. 平賀健太

    政府委員平賀健太君) この法律におきましては、一部の区分所有者のみの共有に属することが明らかな共用部分というものは、区分所有者全員共有に属するとしているわけでございます。もっとも専有部分に属する部分は初めから除きます。ですから、外壁などを考えますと、これはたとえば、ここの外壁は、この部屋所有者の部分はこれだというわけにいきませんので、これは区分所有者全員共有に属することになろうと思います。ただ、内部の壁面だけは、この部屋所有者の専有部分に属すると解していいのではないかと思います。しかしまた、考え方によりましては、外壁もやはり中央線からこちらはこの部屋所有者のものだというふうにもこれは考えることができるわけでございまして、これは、壁の厚さとか何とかいうこともございましょうが、これは、もしそういう点で疑問が生じて困るというようなことが予想されれば、規約ではっきりきめてもようございますし、それから問題は、やはりたとえば外壁なんかを修繕する場合に、費用の負担をどうするかということで実際は現実の問題になることでございまして、所有者がだれかというようなことは、あまり大してそれ自体は問題にならない。むしろ外壁を修理する場合には、全員で費用を持つのか、あるいは一部の者だけで持つのかということが問題になるわけでございまして、そういう点は、やはり管理または使用に関する事項で、規約ではっきりきめておくのがいいんじゃないかと思うのでございます。
  88. 田中一

    田中一君 おっしゃるとおりなんですよ。その場合、外壁も、北を向いている外壁の滅損度と、それから南を向いている外壁の滅損度というものは違うわけなんですよ。やはりコンクリートの建物でも風化作用を起こします。その場合には、一つのブロックとしての建築物として、共通にその修繕あるいは管理の義務があるということになっていいのか。あるいは、それじゃ大へんだから、その壁面全部をその所有権の中にぶち込もう、しいて言うならば、かりに全部が共有部分だといいながらも、維持管理というものは、自分の使用している外側の壁面だけはその人にまかせようじゃないかというような規約ができた場合、むろん北向きと南向きとは非常に価値も違ってくるのですが、そういう場合、壁面の使用に対する規制というものができなければならぬと思うのですよ。かりにここで逃げているそうした管理面とか、あるいは修繕の問題とかを規約できめなさい。その規約は、十八条にあるように、これは、特定の一人の管理者に対してどうこうという場合と、それから、自分所有している、たとえば太陽の光を受ける窓の周辺の壁面なら壁面というものを特定の者に管理させようという規約を作った場合、壁面の管理権というものをそれに盛った場合ですよ、全体の調子の狂うような色で塗る場合もあるのです。おれの持っている壁だけはまっかにしてみようという人が出るとか、おれは隣の部屋は緑にしようということもあり得るかもしれぬ。それからまた、屋外広告等をとりつけるということとか、いろいろあると思うのです。そういうものを規約で全部きめるのだといっても、規約そのものが、こう僕にはちょっと納得できないような形の総意とで、すべての人間できめるのか、多数決できめるということになるのかということになると、やはり問題が起きる。私は、この法律を作ったことによって問題をすっかりなくす、集団居住、いわゆるアパート等にはもう問題がないのだということにまで、問題点をすっかり解明して、場合によれば、今の民法上の権利上のこまかい点までも明確にして、そうしてあとはこの範囲内で話し合えということに持っていきたいと思うのです。また、まだいろいろ問題がありますので、管理者を選任するにしても、これはやはり多数決できめるのか、あるいは全会一致できめるのか、これらの点も、先ほどのあなたの話ではどっちにとっていいか、僕にはわからないのです。
  89. 平賀健太

    政府委員平賀健太君) この法律案におきましては、肝心のところを規約に逃げておるわけじゃ決してございませんで、肝心のところは、全部これは、法律原則は明らかにいたしたつもりでございます。万一規約が全然できていない場合にはどうなるかということは、この法律案では網羅したつもりでございます。たとえば、外壁の話が出たのでございますが、その修理をする費用がかかったと、どういう工合負担をするかということになりますと、外壁というのは、これは規約に何も定めていなければ、これは全員共有である。全員共有ということになりますと、その全員共用部分を修理した、その費用の負担というものは、十四条で、「各共有者は、その持分に応じて、共用部分負担に任じ、」負担に任ずるということにしてあるわけでございます。広告等をあげるというようなことになりますと、使用料が取れるわけであります。その使用料はどういうふうに分けるかということも、持分に応じて共用部分から生ずる利益を収取する。屋上は、普通、規約で別段の定めがなければ、全員共用部分だ。したがって全員共有である。したがって、そこから上がる利益も、これは全員で持分に応じて分けるということで、一応これは、何も規約がない、特約がない場合にはどうなるかということは、この法律で手当をいたしたつもりでございます。  それから、管理者の選任につきましては、これは、先ほど申し上げましたように、ただその持分の多寡だけできめるのじゃなくて、持分による多数決と、頭数による多数決と、両方による多数決で管理者を選任するということにいたしております。何かここで問題点があるのではないかというお話でございます。私どもとしては、この法律案を作ります過程におきまして、一応の試案というものを作りまして、問題点を詳細にそれに列記いたしまして、公表をいたしまして、各方面の意見を聞きましたし、また住宅公団、その他分譲建物区分所有建物分譲していられる公団、その他会社なんかがございますので、その関係者には何回も足を運んでいただきまして、これでいいだろうかということで、意見も十分伺いまして、それからまた、この契約実例、それから従来の裁判例なんかを参照いたしましてやったつもりでございます。しかしながら、まあ人間のやったことでございますので、あるいは落ちがあるかもしれない。実際実施いたしまして、不備の点が出てくることは、これは避けがたいと思うのでございます。実際これを運用いたしまして、不備な点が明らかになりましたならば、そのときはまた案を作りまして、御審議を仰いで、より完璧なものにしていきたいと、私どもとしては考えておる次第でございます。
  90. 田中一

    田中一君 管理者をきめる、管理規定を作るということ、これは法律で明文化できませんか。これは一番いいと思う案を練ってもらって、政令でもいいのですよ。結局、大体これは居住施設が多いと思うのです。まあ市街地改造法、あるいは防災建築街区等では、これはほかの生産的な面に使う建築物もあるかと思いますが、まあ今のところあまり出てこない。大体において、今の住宅公団と同じような、市街地の融資にしても大体住宅ですから、居住部分になると思う建物だけを考えておるのですね。住む人たちのための落ちのないような形の、平和に生活できるような規制がほしいと思うのです。まあ標準といいますか、標準的な管理組合でもいいし、ただ話し合いでもってやるのだというだけじゃなくて、何か法制化したほうがいいのではないかと思うのです。住宅組合とはちょっと違いますがね。
  91. 平賀健太

    政府委員平賀健太君) 私どもといたしましては、現在の段階では、いろいろ調査もし、研究もいたしまして、この程度のものならばまあまあ十分であろうと考えておるわけでございますが、もし実際これを運用いたしまして、いろいろ不備の点がございましたならば、私どもとしましても、これは積極的に改正を検討いたしまして、また、専門家であられる田中委員なんかからも御示唆がございましたならば、もちろん私どもは、その御意見を伺いまして、改正の検討をいたします。なおそのほかに、私どもとして今考えておりますことは、規約に相当部分特例を定めることができるということにいたしておりますが、何か模範規約と申しますか、模範約款式なものを私どもとしても作りまして、これはほんの参考にするだけで、そういうものを私どものほうでも作りまして、そうして公表しまして、これを参考にしていただく、そういうことも考えておる次第でございます。そうでございませんで、あまり法律なり、あるいは政令なりというもので規約のひな型をきめてしまいまして、それに違反してはいけないというようなものにしてしまいましては、これはあまり窮屈であって、これは千差万別でありますので、この場合においては、やはり適当な規約を作っていただくことが理想なのでございまして、あまり規約内容というようなものを限定したものを作るということは好ましくない。むしろ模範約款を参考までに作って、これを公表して、それを参考にしていただくということのほうがより目的に沿うのではないかと、私どもとしては考えておる次第でございます。
  92. 田中一

    田中一君 この管理規定的なものは、法的にはどういう……私契約になるのですか。法的には何らか契約というもので、私契約というものになるのですか。それとも、あるいは何か民法上の裏付けのある機関というものになるのですか。
  93. 平賀健太

    政府委員平賀健太君) 規約の根本は、これは私契約でございます。仰せのとおりでございますが、ただ、この法律におきましては、先ほど申し上げましたように、規約は、これは書面で作る。書面にしなければならない。それから、ここの規約は、区分所有者特定承継人に対しても効力を生ずる。それから、この規約は、管理者を選任しました場合には管理者、そうでなければ集会できめられました、区分所有者の過半数できめられました特定の区分所有者またはその代理人がこの規約を保管しておく。そして利害関係人はその閲覧を請求できる、見せてくれという請求ができるというようなことで、本質は私契約でございますけれども、利害関係人はそれをだれでも見れるようにと、それから、書面でしなければならないというようなことにいたしまして、特別の規定をこの法律でも置いておるわけでございます。
  94. 田中一

    田中一君 大河原参考人に伺いますが、市街地改造法等では、住居部分のみならず、一般の事務所、店舗ですね、店舗とか事務所というものがきっと数多く設定されると思うのです。その場合には、何か今ここで質疑を尽くしております区分所有の問題は、私も実は詳しくはわからないのだけれども、一つの前進だという気持を持っているのですが、こういう形のもので差しつかえないと思いますか。それとも何か都としては、これから大いに促進してやろうという気がまえでいるのですから、何か考えていることはありますか。
  95. 大河原春雄

    参考人大河原春雄君) 先ほど来、田中さんの御質問にいろいろお答えがありましたが、私としては、どうもまだちょっと疑問の点が残っているように思います。一例を申し上げますと、なるほど、お隣との境の廊下共有でよろしゅうございましょうが、廊下から部屋に入るドアはどちらのものであるか。それはどういうことかと申しますと、共有でもよろしいのでありますが、たとえば、ドアにはガラスがはめてある。そのガラスが割れた場合には、それでは全員で金を払わなければならないのか、そういう問題も出てくるかと思います。それからもう一点は、最近のアパートでは、ベランダがたくさんあると思いますが、その場合に、外壁はなるほど半分でもよろしゅうございますが、ベランダでもやはりガラス戸の問題がございます。そのガラス戸がどちらのものであるかということも問題になってくるのではないかと思います。その場合に、ガラス戸の外側にたとえば広告を張る場合には、全員の協議を経てやらなければならないのかというような問題が出てくると思います。それからベランダでありますが、ベランダは全部の共有であるのか。その階の人のベランダは下の階の人のひさしだと思います。その場合に、両者の共有であるのかないかのか。一部の共有か全体の共有かということが法律にはっきり書いてありますと、そういうことが規約できめられるのかどうかという点が一点疑問だと思います。もう一つは、ベランダの上によく物置を作ります。その場合に物置は、その階の人だけでありますが、それが一体共用なのか、あるいは個人のものか、その辺がちょっとはっきりしない点があると思います。ベランダの場合の一例を申し上げますと、使っている階の下の人のひさしでありますから、雨とか湿気の問題上、下の人は、ひさしに相当した部分が、剥落する部分が相当あります。その場合は一体どちらがどういうふうにやるのかということもある程度明確にしておく必要があるのではないかと思います。それから、市街地改造法等におきまして、やはり事務所とか店舗ができて参りますと、それ以上にややこしい。ちょっと今はっきり申し上げかねますが、あるいは問題が出てくるのではなかろうか。今、私は例を申し上げかねますが、先ほどのベランダとか入口のとびらの問題ははっきり申し上げられますが、そのほかに、案外思いつかない面があるのではないかと考えております。
  96. 平賀健太

    政府委員平賀健太君) ただいま建物のほうのこまかい部分について、これはどうなる、あれはどうなるというこまかい御意見がございましたが、この個人所有に関する外国の立法例などを見まして、私ども知っております範囲では、フランスの法律がこまかい点を規定しております。たとえば煙突はどうなるかとか、それから、その共同の暖房のために暖房施設がある、そのかまどのたき口は一体だれの所有であるかという、こまかい規定を置いているのがございますが、それでも全部は網羅してございません。例示として上がっているので、法律で、この部分はどう、あの部分はどうという、ちゃんとこまかく網羅することは事実上は不可能でございます。この法律案におきましては、根本をきめまして、専有部分とは何か、専有部分に属しない部分共用部分である、共用部分については、あまり抽象的では困りますので、第三条におきまして、専有部分というものの定義をある程度具体化いたしております。これらの規定によりましてやはりこれはきまるべきものなのでございます。ただいま例示の場合を、私全部おっしゃったのを記憶していないかもしれないと思うのでありますが、廊下から自分所有部分に入るドアはどうだ。これは、ドアは専有部分に入る、専有部分の一部と考えてしかるべきではないかと思うのであります。そのドアのガラスをこわした場合には、だれが修繕費を負担するか。黙っておれば、そのドアの属している専有部分所有者の負担と考えるべきものだろうと思うのでございます。しかし、規約で、これは管理に関する事項でございますので、建物管理に関する事項として、何かこわれたら全部がみんなで分担しようというような規約をすることももちろん可能なのでございます。それから、ベランダはどうかというお話でございましたが、これもよく見かけるのでございますが、建物の一階の部分に通しでベランダがついておる。これは一階の人たちの共用部分、したがって、一階の人たちの共有と考えられる場合もございましょうし、そうではなくて、そのベランダに仕切りがついておって、各区分所有者の専有部分と解される場合もございましょうし、そういうあの部分はどう、この部分はどうと規定いたしますことは、これは実際上不可能でございます。この法律案におきましては、抽象的ではございますが、根本原則を定めまして、それによって解決をしていく。もしそれでは不安だというのならば、これはやはり規約できめておく。そして管理費用負担なんかのこともはっきりきめておけば、これに越したことはないと思うものでございます。
  97. 田中一

    田中一君 こまかい問題はたくさんあります。たとえば、エレベーターの問題にしても、最近、何といったか、床下に車を置く、あるいは駐車場を置くという制度もできておりますし、これなんかも、管理者がまとめて管理をし、それぞれの使用料を取るということになるならば、これは解決すると思います。ただ、税金の問題なんですが、住宅公団では、たとえば、今のところは、大体四階建てぐらいで、大体南に向いているところに敷地を求めているけれども、そればかりじゃいかない段階が来ると思うのです。西向きも東向きも、あるいは北、真北ということはないと思うけれども、そういうことがあり得ると思う。その場合に、従来この分譲価格というものは、建設費から割り出すところの価格を押えているということと、方位すなわち太陽の陽光をたくさん吸収し得るかしないかということが分譲価格の価値のファクターになっておりますが、そういう点はどうです。
  98. 武藤文雄

    参考人武藤文雄君) 公団の場合におきまして、大体、お話のとおり、南向きのものを作っておりますので、現在までは、分譲価格については建築費から割り出しております。
  99. 田中一

    田中一君 もう一つ。エレベーターですね。一階の人は大体使わないですよ。一階がそば屋であって、五階、六階でもってそばを注文した場合はエレベーター等は使うけれども、これは何も専用じゃない。一町先からそばを持ってきたって、そば屋は使えるのです。そういう場合に、一階で全然エレベーターを使わない場合は、それなんかは費用はどうなっていますか。たまたま一階にそば屋がいて、そば屋という営業面でエレベーターを使うけれども、そこのそば屋というのは、その区分所有権者でなくても使えるのです。
  100. 武藤文雄

    参考人武藤文雄君) エレベーターのような場合におきましては、お説のとおり、一階の人は使わないと思います。かようなエレベーターのようなものについて、各階層によって効率の違うものについては、効率といいますか、使用率といいますか、こういうものから割り出して計算いたしております。
  101. 田中一

    田中一君 設置の費用は……。一つのブロックとして今度登記されるのです。そうすると、一階も十階も同じように共用部分としての負担をしなければならないのです。それぞれの面積に応じた税金を引き受けなければならぬと思うのです。そういう場合に、全然使わない、直接何の関係もないエレベーターまでも、それを負担しなければならぬ共用部分になった場合、それをどういうふうに処理していくのですか。
  102. 武藤文雄

    参考人武藤文雄君) 普通、建物そのものの場合においては、今申し上げたように、建築費で持分をきめておりますが、お話のございましたようなエレベーターのようなものにおいては、これは、先ほど申しましたように、効率と申しますか、使用率と申しますか、そういうものによって、割り出しておりますので、したがって、持分についても、その使用率、効率によって割り出した価格によって持分を出すことになっております。
  103. 田中一

    田中一君 そうすると、その持分は、どういう算定基準でやっているのか。十階の人は必ず使うでしょうし、二階の人は、使う場合もあるし、使わない場合もあります。そういう場合には建設費から見合う……、これは税金は、自分所有になって参りますと全部かかってきますから……。
  104. 武藤文雄

    参考人武藤文雄君) ただいまこまかい算定基準をこちらに持っておりませんので、後に文書で、委員長あてでよろしゅうございましょうか。
  105. 田中一

    田中一君 平賀さん、そこのところ、それも管理規定なり何なりでおきめなさいと言ってあなた逃げるかしらぬけれども、実際に自分で、持分というものがきまった場合、非常に困るのですよ。やはり何かの標準というものを現わしてもらわぬと、新しい問題を……それぞれ自分所有する建物というものから上がる収益ということをいろいろそろばんをはじくのです。建物そのもので負担するということですら、今平賀さんが説明されているように、いろいろ問題がある。一筆で登記をするということになると、その共用部分をこまかく規定しなければならぬ。そういう規定がどうしても必要なんです。
  106. 平賀健太

    政府委員平賀健太君) 今お話の点は、固定資産税負担の問題だと思うのでございますが、共用部分は、先ほどもるる申し上げましたように、全員共用に属するものは、原則として全員共有であり、一部の区分所有者共用に属するものは、その一部の区分所有者共有になるわけでございまして、その共用者が負担をする。規約に別段の定めがなければ、持分の割合に応じて費用を負担する。これは、十四条で、持分に応じて共用部分負担に応ずる、固定資産税負担するということで解決はつくと思うのでございます。仰せのようなエレベーターの例が出ましたが、よく例がございますのは、一階と二階は店舗だとか事務所にして、三階以上を住宅にするというような例がございますが、その住宅部分だけの専用のエレベーターというものがついておるケースがあるようでございます。そうなりますと、そのエレベーターというものは、これは住宅部分所有者の共用なので、下の一、二階は関係がない。一、二階の人は、この法律案でいきますと、そのエレベーターの部分の床面積に相当する固定資産税というものは、一、二階の所有者には負担がかかってこないというようなことになるわけでございます。規約で別段の定めをすることはもちろん可能でございますけれども、そういう問題は、全部この法律案で解決ができる、規約に別段の定めがなければこれでいくのだという解決の基準だけは与えてあるつもりでございます。
  107. 田中一

    田中一君 武藤君、民事局から出している契約の実例集にいろいろ書いてありますけれども、これはあなたのほうで、まだ割賦の金が完済してない場合の実例集であって、さっき、一番初めに言っているように、五年間は譲渡は認めないのだ、認めないというよりも、住宅公団に相談しなければいけないのだという規定はどういう根拠ですか。また、それを受けてこの法律ができているわけですね、所有権というものに対する一つ制限が、その契約が先行するというか、それを守るようになっていますね。
  108. 武藤文雄

    参考人武藤文雄君) 分譲代金完済いたしましても、五年間は、承諾を受けなければ、造作を加えたり譲渡したりするということはできないということは、私のほうで、住宅公団が譲受人と譲渡契約をいたします際、その契約文の中に入れております。しかし、五年間をどうしてそういうふうにきめておるかということは、日本住宅公団法施行規則の中にかようなことがうたわれております。公団といたしましては、その規則に準拠いたしまして、かような内容を掲げておる次第であります。
  109. 田中一

    田中一君 国宗君に伺いますが、それはどういう意味ですか。あなたは主席監理官だから、それを説明して下さい。
  110. 国宗正義

    説明員国宗正義君) 公団において定めております分譲住宅の取扱規程によりますと、割賦金の支払いが完了するまでの間、そうして支払いをいたしましても、所有権を取得した日から五年以内に支払いを完了したときは、その五年間におきまして、「住宅等ニツイテ質権、抵当権ソノ他ノ権利ヲ設定シ、又ハソレラの権利ヲ移転シヨウトスルトキ」、あるいは当初予定された所有者以外に所有権を移転し、または賃貸する、あるいは模様がえをする場合、増築をする場合、あるいは住宅住宅以外の用途に供しようとする場合、それらを一括いたしまして、その譲渡についても公団承諾を得るように規定いたしておるわけでございますが、これの趣旨は、やはり趣旨としては、住宅政策を実施いたしますために公団が仕事いたしております関係上、住宅政策を実行するためには、やはり当初予定したところの住宅がその状態において使うべき使途に使われ、かつ、住宅として使われるということを期待するものでございますので。もっぱらその趣旨から出ていると考えるわけでございます。
  111. 田中一

    田中一君 五年過ぎたらどうしていいのですか。
  112. 国宗正義

    説明員国宗正義君) そのような状態は、できるだけ長いほうが望ましいのは言うをまたないわけでございますが、やはり約束し、譲渡の際に負担をかけますのに適当な長さといたしまして五年と一応定めておるものと考えられます。
  113. 田中一

    田中一君 これは平賀さんに伺いますが、これは施行規則なのですよ。法律でそういうものにおそらくまかしてあるのでしょうけれども、大幅に。それをこの法律で尊重しないでもいいのじゃないですか。もっと純粋な立場に立ってきめられたらいいんじゃないですか、その点はどうでしょう。根拠はどうも弱いように思うのですがね。施行規則なんという、その規則は、一般的に国民に直接関係ない行政権でどうにでも動かし得るものなのです。純粋な所有権という理論から言えば、それが制約されるということは、民事局としてはあまり好ましくないのじゃないか。
  114. 平賀健太

    政府委員平賀健太君) ただいま建設省の御説明を聞いておりましてわかったのでございますが、国から資金が出て、国の住宅政策の実施として、公団がこういう建物をお建てになる。これは、やはり政策的な理由で、そういう処分制限規定を置くという必要が確かにあり得ると思うのでございます。法律に根拠を持つ制限でございまして、その制限は、これはだれに対しても効力がある。先ほど私、その制限に違反した場合には直ちに無効とは言えぬと申しましたが、ただいまの御説明でわかったのですが、単なる私契約じゃないので、法律に根拠を持つものでございますので、やはりその譲渡契約は、違反してなされた譲渡は無効だと解するのは筋だと思うのでございます。国の政策の実施としてそういうことがされます場合には、そういうことが十分考えられるのでございます。この法律案はそうじゃございませんで、一般の場合を対象にいたしておる関係で、そういうことをこの法律規定するのは、あるいは政令、施行規則に譲りましても、そういう規定をするのは適当でないと考えるのでございます。  それから、ただいまの御質問の趣旨、あるいは誤解いたしているかとも思うのでございますが、細部の点を政令あるいは省令にゆずってはという御意見のようにも解せられるでございますが、これは、何分やはり区分所有建物に対する基本的な権利関係でございまして、民法と同じように、民法が細目を政令や省令なんかに譲っていないと同じように、私権の根本に関するものでございますので、やはりできる限り法律で定めて行なうということが筋だろうと思うのでございます、あえてこの政令とか省令というようなものに委任するという規定は置かなかったのでございます。
  115. 田中一

    田中一君 中村建設大臣、いいですか。今、この法律の具体的な施行後における具体的な管理規定等は民事局で考えよう。何といいますか、まあ標準的な一つのフォームを考えたというふうに言っているのですが、これは、権利関係に関する民法上の問題はこれでいいと思いますが、しかし、管理という問題になると、これはおのずから、建設大臣、あなたの所管のことになると思うのです。権利関係はいいですよ。しかし、その権利関係居住という権利の問題と、それから建物に対するところの管理の問題は、おのずからその権利が基礎になって管理の問題が明確に制定されると思うのです。民事局で出していいのですか。それは、建設省は建設省として、今度の法律の新しい制定によって何か考えていることはないのですか。全部まかしていいのですか。さっき言っているように、十分にあなたのほうとは民事局は打ち合わせをして作ったものだと思うのですが、そういう点は、どうも管理面までも民事局が私はさっき出せと言ったのですが、考えろと言っているのですが、民事局から提示されなくちゃならないのですが、これは、法務大臣と建設大臣両方から、この法が成立後において、国民がこれによってむろん権利が守られ、権利は当然あるのですが、これによって守られ、そして居住者の、所有権者のよい居住環境というものを平和に運営していくには、問題は運営管理規定そのものにあるわけなんですね。これに対して心がまえを両大臣から聞いておきたいと思うのです。こまかい問題も、この法律ですっかりすくわれております。これは言えますよ、確かに、平賀さん。しかし、具体的な問題については何か作らなければならぬのじゃないかと思うのです。作るのは民事局が作るべきか、あるいは建設省の住宅局が作るべきか、これはいろいろ問題があると思うのですが、その点、ひとつ両大臣から答弁して下さい。
  116. 植木庚子郎

    国務大臣植木庚子郎君) 先刻来非常に貴重な御意見を拝聴いたしておりまして、私といたしましても、御意見のありましたように、共有者がもっともっと快適な生活ができるように、権利の混淆あるいは紛争が起きないように、できるだけもっと法律に整備しておいたほうがよかったのじゃないかという御意見でございましたが、その点につきましては、非常に傾聴に値する御意見と考えます。しかしながら、われわれ、今日までに、今回御審議願っております案といたしましては、現在の段階におきましては、まずこの程度の原理原則をきめておきまして、それ以上さらに必要が実際上起こってきます場合には、また実情に即して、先刻政府委員も申し上げましたとおり、あるいは政府でもってさらに改正の機会もあり得ることと思いますし、また、国会の皆さまからも御指摘いただきまして、次にそういうようなさらに完備する方向に向かって参りたいと思うのであります。ただいままたお話の、いろいろな管理一つ規約といいますか、管理規則、そういうものにつきましても、でき得る限りこの法律に基づいて、しかも、さらにそれ以上、おそらくは、こういうこともきめておいたほうがよかろう、ああいうこともきめておいたほうがよかろうと思うような問題につきましては、それを網羅しまして、そうして一つの参考の資料にしていただいて、利用者がこれを活用していただく、さらにそれをそれぞれの実情に応じて適当にまた整備していただくというようなことがいかがかと、こう思うのであります。もちろん、そうした規約案等を作ります場合には、関係省はもちろんのこと、関係公社、公団あるいは民間のこうした精通者等にもでき得る限り意見を徴収しまして、そうしてそれを見れば、しろうとが見てもすぐわかる、ほとんどこれでわかるというようなものにできるだけ作り上げるようにしてみたい、かように考える次第でございます。  以上申し上げましたようなことでございますから、今日の段階としては、まあこの程度の法律案としてスタートさせていただきたい。かように存ずる次第でございます。
  117. 中村梅吉

    国務大臣(中村梅吉君) ただいま法務大臣が申し上げましたとおり、全く私どもも同じ考えでございます。今回、時代の趨勢にかんがみまして、法務省が非常な苦労をされ、むずかしい問題をこのようにさばいていただき、かつ、あらゆる実態の場合を連想し、考え、また調査をされまして、われわれこれを見まして、ほんとうに今の段階で考えられる限りのところはさばくように基本的な法制を考えていただいたと思いまして、非常にわれわれ建築や都市計画を担当しておるものといたしましては感謝しているわけで、ぜひこの法律のすみやかな成立と、なお、実施にあたりましては、今法務大臣から言われましたように、できるだけ、初めてのことでありますから、実態に合うような模範、規範といいますか、そういったものを作っていただきまして、われわれのほうも極力協力して、相談をいたしまして、遺憾のないように力を合わせていきたいと思います。
  118. 田中一

    田中一君 大体いいと思いますがね。ただ、これから防災建築街区あるいは市街地改造法によるところの事業も急速に行なうようになっているのです。住宅部分の面は一応審議をしたわけですが、これらの商業地域における区分所有権という問題が直接に営業の面に響いてくるような方々に対しては、別な立場から一応早くそれを考え方をきめておかぬと、市街地改造法または防災街区という事業はできないと思うわけです。賛成して、さて自分のほうはどうなるのかということになると、非常に問題が多いわけです。この二つの法律の制定によって施行されるものは、大部分この問題が中心になってくると思うのです。そこで、政令等で現わされる具体的な問題は万間違いないと思うのですが、解し方は、権利関係の判断は、防災建築街区並びに市街地改造法による考え方はこれで変わっておりませんか。最後に聞いておきたいのですが、変わっておりませんか、ちっとも。これによって、両二つの法律というものは、所有区分というものはきまるのですか。それとも、今までわれわれに説明しておる市街地改造法並びに防災建築街区の法律の制定、昨年ですから、審議にあたって説明されたものとこれは一つも矛盾はございませんか、計画局長、その点はどうですか。これによってそれの事業が行なわれるということになるのですか。
  119. 平賀健太

    政府委員平賀健太君) その点は、全然矛盾はないわけでございます。ただ、この市街地改造法におきましては、建築施設管理処分計画というものができることになっておりまして、この管理処分計画におきまして、共用部分に関するこまかい定めがされるようになっております。その管理処分計画によって定めがされたものは、この法律案でいう規約と同じ効力を有するという手当を実はこの市街地改造法に加えておるわけでございまして、これは、特に四十一条の次に四十一条の二という規定を置きまして、全然矛盾がないように手当をいたしたわけでございます。そういう関係で、私のほうでは矛盾はないと考えております。
  120. 田中一

    田中一君 防災建築街区の法律上はどうですか。
  121. 平賀健太

    政府委員平賀健太君) 防災建築街造成法のほうには直接関係ございません。これも矛盾ということは起こらぬわけでございます。
  122. 田中一

    田中一君 しかし、防災建築街区も共同建築ということになるのでしょう。
  123. 斎藤常勝

    政府委員斎藤常勝君) 防災街区の造成事業につきましては、防災街区造成法におきまして、市街地改造法の第二章の規定を準用しておりますので、その関係で、今民事局長のお話になりましたように、市街地区改造法と同様に、支障がないということになっております。
  124. 田中一

    田中一君 ひとつうまくやって下さい。そうして権利関係というやつは、非常に法律上の問題よりも自分の損得がそれぞれ最初に、ことにアパートに住む人たちにぴんと来てしまって、おれが損か得かということを考えて、それから法律に当てはめて判断する人が多い。ところが、法律にきまっているから自分のところはこうなんだという判断をしないでくるものだから、どうも感情が入ってくると、そろばん勘定でない感情が入ってくると、常に問題が起こるのでありまして、早く具体的に、みんなの権利、みんなの生活環境を守るために法律ができたんだということと、それから具体的にこうなるのだということを、ひとつ急速に明示してほしいと思うのです。これは、近い将来じゃなくて、急速に並行して理解するような形のものが、民事局では草案としてできておると思うのですが、なるべく早くそれをお出し願って、権利関係に基づく住環境の平和ということを目的にして管理規定等は練っていただきたい。こう思います。
  125. 松野孝一

    委員長松野孝一君) 他に御質疑はございませんか。御質疑もないようでありますから、法務建設委員会連合審査会は、これをもって終了いたすことに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  126. 松野孝一

    委員長松野孝一君) 御異議ないと認めます。よって連合審査会は、これにて終了することに決定いたしました。  それでは、これにて散会いたします。    午後零時五十九分散会