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1962-04-24 第40回国会 参議院 農林水産委員会 第32号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十七年四月二十四日(火曜日)    午前十時四十五分開会     —————————————   委員異動 四月二十一日委員植竹春彦君及び鳥畠 徳次郎辞任につき、その補欠として 木島義夫君及び柴田栄君を議長におい て指名した。 本日委員池信三君及び武内五郎君辞 任につき、その補欠として仲原善一君 及び小笠原二三男君を議長において指 名した。     —————————————  出席者は左の通り。    委員長     梶原 茂嘉君    理事            石谷 憲男君            櫻井 志郎君            安田 敏雄君            森 八三一君    委員            青田源太郎君            植垣弥一郎君            岡村文四郎君            木島 義夫君            重政 庸徳君            柴田  栄君            田中 啓一君            仲原 善一君            温水 三郎君            藤野 繁雄君            大森 創造君           小笠原二三男君            清澤 俊英君            天田 勝正君   政府委員    農林政務次官  中野 文門君    農林大臣官房長 昌谷  孝君    農林省農地局長 庄野一郎君   事務局側    常任委員会専門    員       安楽城敏男君   説明員    行政管理庁行政    監察局監察審議    官       片山 一郎君    農林省農林経済    局農業協同組合    部長      酒折 武弘君    農林省農地局参    事官      富谷 彰介君     —————————————   本日の会議に付した案件農地開発機械公団法の一部を改正す  る法律案内閣提出衆議院送付) ○農地法の一部を改正する法律案(第  三十九回国会内閣提出衆議院送  付)(継続案件) ○農業協同組合法の一部を改正する法  律案(第三十九回国会内閣提出、衆  議院送付)(継続案件)     —————————————
  2. 梶原茂嘉

    委員長梶原茂嘉君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。  委員異動について報告いたします。  去る二十一日、植竹春彦君及び鳥畠徳次郎君が辞任され、その補欠として、木島義夫君及び柴田栄君が選任されました。また本日、古池信三君が辞任、その補欠として仲原善一君が選任せられました。     —————————————
  3. 梶原茂嘉

    委員長梶原茂嘉君) 農地開発機械公団法の一部を改正する法律案(閣法第五三号、衆議院送付)を議題といたします。  この際、御了承を得たいと存じます。本日参考人出席を求める予定をいたしておりましたが、都合により取りやめることにいたしましたので御了承をお願いいたします。  本案に対する質疑を行ないます。御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。
  4. 天田勝正

    天田勝正君 私は先般質疑をいたしましたが、主として法律の文字を正面から見ただけの質疑をいたしたわけであります。今委員長がおっしゃったように、農林大臣出席を求め、かつは参考人意見を聴取してから、本格的な内容質疑に入りたいと思ったわけでありますが、これが審議予定上から、すべてが狂って参ったわけであります。はなはだ遺憾でございますが、予定もありますので、順次質問して参りたいと存じます。  まず第一に伺いたいのは、もともとこの公団ができました際には、すべて借入金でこの事業を遂行をする、こういうことに相なっておりました。そう相なるには相なっただけに十分の確信を持ってさような処置がとられたものと私は存じます。しかるに、今回単なる借入金でなくして、政府からの出資また将来においてもこれが出資を増額するような含みがあるようであります。かように変わってきたのは、当初の政府予定していた点に誤りがあったのか、またそれが当初計画が狂って参ったというのか、あるいはそこに不都合が生じたというのか、これらの点について、まず明らかにしていただきたいと存じます。
  5. 庄野五一郎

    政府委員庄野一郎君) 公団発足当初におきましては、先般御答弁申し上げましたように、食糧緊急増産時代におきまして、機械力によりまして、上北根釧といった特定開発事業を行ない、また篠津といったような地帯に対しまして機械の設備を行なう、こういう予定発足いたしまして、その機械購入資金世銀に仰ぐ、こういうことになっておったわけでございまして、それによりまして、資金計画運用計画も立てたわけでございます。その後の日本開墾事情あるいは農業事情等が変わって参りまして、上北根釧のような特定事業をそのまま全面的に推し進めていくということにつきまして、上北根釧をあの程度にいたしまして、さらにあの種の事業北岩手等に広げる、その方式をもってするやつは、御承知のように機械力による機械開墾ということで、基本営農類型の形をもちまして、これを全面的に機械力によって開墾方式を進める、こういうふうに開墾のやり方が変わってきたわけでございます。この基本営農類型の地区につきましては、公団事業といたしまして、法律によってこれをやるというふうに規定するに至らなかったわけでございまして、この公団所有機械力をもって、国なり県営なりの仕事機械の充当をいたしていく、これは機械貸付の場合もございましょうし、あるいは受託事業として県と契約によりましてやる場合もございます。こういうことに事情が変わって参りまして、その公団発足当初の公団事業が、その後の農業事情によって変わってきたということがございます。さらにもう一つやはりこの公団、当初におきましては借入金によって機械購入して、それによって運用していくと、こういうことになっておりましたが、当初予定いたしました分については、一般管理費等を国から補助資金として交付を受けるような考え方もあったわけでございますが、それも従来の予定どおりいかない。こういうような面もございまして、公団運営等につきまして基本的にこれをやり直す必要が昨年、一昨年ごろから出てきたわけでございまして、そういう結果に基づきまして、政府現金なり現物出資なりいたしまして、公団機械を持たせる、また政府の持っております機械につきましても、これを公団に持たせて、一元的に運用をしていく、こういうふうな方針を変更して参ったような次第でございます。
  6. 天田勝正

    天田勝正君 その根本から私どもの意見と異なるわけでありまずけれども、それはそれといたしまして、しからば、今日までの借入金の累計が三十九億四千六百万円でございますが、これに対する世銀余剰農産物運用部資金、それぞれの利子幾らですか。
  7. 富谷彰介

    説明員富谷彰介君) 世界銀行の借款は、年利五分、償還条件は三年据え置き十二年償還でございます。それから余剰農産物特別会計の利率は四分、償還条件世銀と同じ三年据え置き十二年償還でございます。それから運用部資金の場合は、金利六分五厘、償還条件は二年据え置き十三年償還でございます。
  8. 天田勝正

    天田勝正君 そこで申し上げますが、事業を行なう場合は、いかなる事業といえども、この金利を無視して事業というものは成り立ちません。それは自己資本をもって行なった場合でも、金利を見ない事業などというものは成り立つものではないのであります。したがって、これは自己資本でやるとか、借入金でやるとか、それらの別は、むしろその金利の見なしが幾らになるかということで事業の存立が決定される。これは事業を少しでもやったことのある人なら、みんな承知していることなんです。ところが今伺いますと、この金利は決して高いものではない。五分以下の金利だったら、自分の資本を持たなくても借入金だけでやったほうがむしろ有利であります。その借入金中心世銀でありますから、これは五分、その他余剰農産物は四分、トータルいたしましても六分五厘である資金運用部はきわめて少額でありますから、これはいうに足らない。全部つまり五分以下の金利の金を使っておったということでありますので、しからば普通の事業ならこの程度なら必ず利潤が上がるはずであります。ところが、これをやめて政府資金、つまり一般会計から繰り入れていくという出資の形をとるというのは、今局長が説明されたのでは、ただ事情変更と。借りられなくなったということなら別であります。国のこれに該当すべき資金が枯渇したというなら別でありますけれども、そういうことが資金計画の上における事情変更というのはどういうことなんですか。
  9. 庄野五一郎

    政府委員庄野一郎君) 世銀借款あるいは余剰農産物によりまする見返り資金からの融資、あるいは運用部資金からの融資と、こういうふうに相なっております。でそれはやはり世銀借款等発足当初、それからその後ジャージーの輸入資金というふうに借款いたしましたが、その後なかなかこれを借りるということも困難になって参りますし、また見返り資金というところにつきましても、これを借りるということは非常に困難になって参りまして、運用部資金ということに相なるわけであります。その間におきましてやはり借入金のみによりますと、やはり金利負担ということで非常に御指摘のように低利でございますが、やはり金利負担があるわけでございます。で運用上やはり出資金を仰ぎまして、無利子の金を使うということも、この公団運営を安定せしめる上に必要でございますし、また借入金のみによりまして機械を借り入れてこれを運用して参ります場合におきまして、この公団それ自体がやはり公共性の高い国の事業一環等に関連して仕事を行なっている。そういう面で利益といった点について、収支償うようにできるだけこれを運用するというのが方針でございまして、過去におきまして御指摘のような赤字が出ましたことは、申しわけないことでございまして、公団自体運営としては、収支償うということが一番理想ではないかとわれわれも考えております。そういう段階におきまして、やはり出資金を仰ぎまして、無利子の金の運用によりまして公団運営を安定し、またそれによって新しい機械購入していく道を開くことは必要じゃないかと、われわれは考えておる次第でございます。なお、出資金等によるほか、機械購入等の問題につきましては、資金運用部資金等の借入を考えて参りたい、こういうふうに考えております。
  10. 天田勝正

    天田勝正君 それはもしそういう政府資金出資せしめるならば、これは無利子である、これにこしたことはない、そういう安易な考えを持って事業を行なうならば、それは後に指摘いたしますように、この公団経理がとかく紊乱しておるというそしりを免れなくなる。国民税金から出資しようと、どうであろうと、少なくとも最低五分ぐらいの金利をそこに持たせながら事業運用しなければ、それはとうていいかなる事業だって成り立たないというのは冒頭に申し上げ、私十一時という議運理事会がありますのでそれは指摘しておいて、後ほどまた伺うことにいたしますが、端的に聞きます。この提示されました損益計算書を見ますると、政府補助金及びその期における損失金、これを合計いたしますと、一億五千五百四十五万円になります。端を含めればもっと多くなるのですが、とにかく概算さようになります。こういう政府補助金であろうと、事業体自体のこの損益計算書において補助金というものを他から入れるということは、それはそれ自体損失である、普通の経理ならばそう見るべきであります。よってここに一億五千五百四十五万円という損失が出たと見て当然だと私は思います。しからば、どう考えても今回の一億五千万円はこの損失に見合うだけ出資するのである、こういうふうに判断されますが、この点はいかがです。
  11. 庄野五一郎

    政府委員庄野一郎君) 公団赤字欠損につきましては、かねての運営等におきましていろいろ問題があったかと存じまして、この点についてまことに血中しわけないと存じております。で、今回の措置といたしまして、公団出資金といたしまして一億五千万円現金出資いたします。その事情は先ほどから御説明いたした次第でございますが、なお過去に公団といたしまして発生いたしました欠損金につきましては一億五百万円を限度といたしまして三十七年度においてこれを補てんしていく、そうして公団のそういった経理資金の問題をきれいにいたしまして、公団執行体制も整えて、三十七年度から新しく公団といたしまして活動を始める、こういうふうにいたしたいと考えて御審議を願っておる次第であります。
  12. 天田勝正

    天田勝正君 局長よく考えていただきたいのです。考えていただくよりも、あなた承知していてそういう答弁をされておるのだと私は思う。そうでなければおよそ経理を御存じないということになっちゃうのですから。もともと一つ事業体があれば、それを本来の事業収支計算のほかに他から資金を入れなければならないということは、それは欠損なんですよ。事業そのものとしては欠損なんです。だから借入金でも何でも入れなければならぬ。そこで過去の集計をあなたのほうで出されたこれで計算をしてみても、私が指摘したように、一億五千五百四十五万円という欠損になるのです、政府から借り入れる損失だと書かれている分と両方で。いいですか。ですから、それを独立採算制でやるならば、これは明瞭に欠損になるのであって、その欠損数字というものが資料によってこういう今申し上げた数字になるのであるから、今回の一億五千万円というものはそれに見合うものでしょう。そうでなければ今まで黒字になったのが別に入れることはなくて済むわけですから。
  13. 庄野五一郎

    政府委員庄野一郎君) 二月に当委員会に提出いたしました資料の二ページでございますが、経理状況を記載いたしてございます。この公団の各年次の決算をいたしまして、そして差引繰越欠損額といたしまして、三十六年度一億五百万円、こういうものが出て参った次第でございます。これを赤字補てん金といたしまして三十七年度に一億五百万円を限度として繰り入れる、こういうことに相なっております。出資のほうは、新しい事業運営といたしまして、今後の公団運営健全化をはかり、そして新規の機械購入もこの出資金からやる、こういうような前向きのものでございます。
  14. 天田勝正

    天田勝正君 あなたのおっしゃるのは、この資料のほうで申し述べられておる。私の申し上げておるのは、こちらの表のほうで集計して申し上げておる。あと計算して他の機会でも御答弁願いたい。少なくとも事業を経営する責任者というものは、あなたが直接監督の立場にあっても、当該責任者ではないかもしれない。しかし、そういう私が指摘しているようなきびしい心がまえでなければ、事業などは成り立たないということを申し上げておる。むしろ国民税金から成り立っているものは、さらに一そう普通の民間企業よりも大切にしなければならぬ。その心がまえであなた方も監督してもらわなければ困るという観点から申し上げておるのです。後ほどこれを私が言った数字が間違っているかどうか集計してごらんなさい、この統計を。  次に進みます。当初出発する際に、世銀借款をし、世銀借款には当然条件がつきます。その条件は自然どこから機械を買い取るか、押しつけと言えばあまり強過ぎる言葉でありますけれども、日本が他国へ借款を与えるときにでも、それには日本の国産の機械を買えとか施設を使えとか、こういうことになる。これはもう習慣上当りまえです。そこで、私はこの際聞きますのは、これが欠損に至った一つの事由にすぎませんけれども、たとえばピアレス・ドレッジャークローラー・ダンプ・トラクター、こういうものは持ってきたところが、篠津あたりでは使い道がなかった、こういうことを聞いているのですが、その事実はいかがですか。
  15. 庄野五一郎

    政府委員庄野一郎君) 篠津開発につきましては、当初この客土方式トラック方式でやる、こういう計画で、それに見合う機械購入借款でいたした次第でございますが、実際に機械を導入いたしまして実施いたします段階におきまして、計画変更等もございましてこれを使わなくなった、こういうことに相なっております。なお、その計画変更をいたします段階におきまして、篠津泥炭層等予想外に深くて、やはりダンプ・トラック等の大きいものにつき地耐力に問題があった、こういうふうに聞いている次第でございます。その点御指摘の点のとおりの面もある、こういうふうに承知いたしております。
  16. 天田勝正

    天田勝正君 一つ計画をするに・は、いかなる機械が必要であり、いかなる機械が適合するかということは、私は検討済みでなくちゃならぬと思うのです。オーバーな表現をすれば、ずいぶんこのほかにも多くの機械が必ずしも適合していないという話を私は聞いておりますけれども、特にピアレス・ドレッジャークローラー・ダンプ・トラクター、こういうものは実際に使用したところが使えなかった、処分せざるを得なくなった、こういうことでございます。しからば、これを無計画に買い入れた責任はどこにあるのですか。公団側にあるのですか、それとも篠津泥炭地開墾計画を立てた農林省にございますか、いずれです。
  17. 庄野五一郎

    政府委員庄野一郎君) 篠津開発につきましては、非常に雄大な計画でございまして、また篠津地域も非常に広いわけでございまして、この篠津泥炭地域の中におきましても山寄りあるいはその中心地、いろいろ泥炭層あたりの深さ等にも相違があったかと存じます。そういう意味におきまして当初このクローラー・ダンプ・トラクターが使える、こういうふうに考え計画した次第でございますが、使えない場所が非常に多く出てきた、こういうようなことで、この問題については計画いたしました側にこの責任はあろうかと存じております。
  18. 天田勝正

    天田勝正君 計画した側はどちらですか。
  19. 庄野五一郎

    政府委員庄野一郎君) 国でございます。
  20. 天田勝正

    天田勝正君 私は答弁としてはそういうはっきりした答弁を今後もずっと願いたい。空気木炭事件みたいに、何十億のそこに損害ができたけれども、結局何人もまたどこも責任者が一人もいないで、空気のごとく国損が四十九億もできてしまった。そういうことはとうてい許さるべきものではない。私は今の答弁は、内容はきわめて遺憾だけれども満足いたします。  次に進みます。今回、国は多くの機械公団に転換するというのですか、所管がえするというのですか、払い下げるというのですか、そういう措置を講ずるということであります。これが汎用性機械を百五十二台予定し、さしあたって八十六台、こういう話である。ところが、これらの機械はそれぞれ耐用年数が、しかも耐用は稼働可能の時間でおそらく計るわけだと思うのです、この種の機械は。そういたしますと、それぞれについてこの稼働残時間でもよろしいし、また稼働残時間はあるけれども、手入れが悪いために、まだ一万時間使えるものが実は八千時間しか使えない、そういうものもあろうと存じますが、今回の、全部の百五十二台でなくてもよろしゅうございます。とりあえずの八十六台を公団に持たせるという機械類は今後十分使えるものですか。
  21. 庄野五一郎

    政府委員庄野一郎君) お手元に提出いたしてあります昭和三十七年度機械公団への現物出資機械予定調というのがございます。その中に、この耐用時間とそれから取得年度取得価格、それから残使用時間数、一応ただいまの台帳によって調査いたしました分を記載いたしております。それで、この中には耐用残使用時間数が十分あるもの、非常に少ないものとございます。これについては、この評価委員会を設けまして適正に評価いたしまして、現物出資出資額を決定いたしたいと、こう考えておりますが、公団に国から移しますに際しまして、公団に移ってからすぐ使えなくなるもの、そういったものは十分に吟味いたしましてそういうことのないようにいたしたいと、こういうふうに考えております。
  22. 天田勝正

    天田勝正君 評価の点は減価償却をしまして、すればよろしいのですから、それは将来そこに問題があれば、また問題として提起すればよろしい。問題は使えないような機械をどこに所管がえしたところで価値はない。このうちに、特に百八十一時間しかない、こういうものもありますが、百八十一時間ぐらいでは、あともう幾日も使えないということになるのですが、こういうのはどういうのです。
  23. 庄野五一郎

    政府委員庄野一郎君) 御指摘のような機械につきましては、十分検討いたしまして、公団に移してからすぐ使えなくなるような機械は除いていこう、こういうような考え方であります。
  24. 天田勝正

    天田勝正君 今後の、国が予定しております、国が直接の事業でなくてもよろしい、国が予定しておりまする今後の開拓、開墾あるいは補助整備、こういうものは、おそらく所得倍増計画に合わせたものだと思いますが、その数字が明らかでございましょうか。
  25. 庄野五一郎

    政府委員庄野一郎君) ただいま国の開墾なり補助整備事業といたしまして、長期計画のございますものは、御指摘のように所得倍増のものでございます。その中で開墾は二十一万七千町歩、それから補助整備、これは今後の農業経営近代化をはかって機械力を導入し、そうして構造改善を行なう、そういったためには必須欠くべからざるいわゆる農地集団化、それに伴う補助整備、そういったものでございますが、その補助整備を百五十万町歩、そういうふうに予定いたしております。これに即応しまして公団機械力をもってこの事業相当部分を担当させよう、こういうふうな考えをいたしておる次第でございます。
  26. 天田勝正

    天田勝正君 質問が足らなかったのか、答弁が足らなかったのか、ところがですね、それはなるほどそれぞれに二十一万七千町歩、百五十万町歩、こういう数字でありますが、機械施行の可能な事業量、これは十五万五千町歩ではないのですか。もっと先いきますが、そういたしますと、かりに十五万五千町歩といたしましても、一台当たりの能力は三十町歩とみなされますから、とうていこの、まあ一年にそれを当てますと一万五千町歩、それにしても四百四十五台必要になってくる、こういうことになると思いますが、そうしますと、今後のそれらの事業がとうてい公団でまかなえるものというのは三〇%くらいしかない、あとはどういうことにしようとお考えですか。
  27. 庄野五一郎

    政府委員庄野一郎君) 御指摘のように、総事業量を申し上げた次第でございまして、開墾にいたしましても、補助整備にいたしましても、これに機械力をもって施行するというのは、現状におきまして開墾においては七二%程度機械力開墾に依存したいこういうふうに考えておる次第でございます、また補助整備、そういったものも)、今後機械力に依存する面を大きく取り上げていこう、こういった所得倍増計画におきまする機械施行方式と、そういう点を考えまして、大体五〇%程度予定いたしております。そういうことで、機械施行の分は、今先生から御指摘のような数字に相なるわけでございまして、それを全部公団でやるというだけの能力は今のところないわけでございまして、大体公団有とそれから民間のものと、それからただいま持っております都道府県開発機械、そういうものでこの計画を推進いたしていきたい、こういうことでございます。で、開墾等については公団が今の目標で三〇%程度都道府県が三〇%、業界で四〇%程度の分野でやらしていきたい、こういうふうに考えております。
  28. 天田勝正

    天田勝正君 もうすでに議運理再会が始まったようでありまして、また帰ってきてから質疑をするのでありますが、この際私お伺いしておきたいのは、先ほどの欠損答弁でございますが、政府側のおっしゃるところでも、一億五百万円である。そこで、一億五千万円ほどこの際出資せざるを得なくなってきた。この一億五千万円についてどう使うかということでありますが、衆議院答弁を見ますというと、一億は安定資金だ、五千万円で機械を買います、こういうことであります。そうすると、まあ五千万のほうはさておきまして、一億の安定資金というのは何にするのか、結局この経理を見てみますると、事業外収入というようなものがたくさんあって、受取り利息というようなものがかなり多額に記載されております。そこで、今度やっぱり一億というものを、端的にいうならば利ざやかせぎで、この利息をかせいでこの公団運営費に充てよう、こういうことですか。
  29. 庄野五一郎

    政府委員庄野一郎君) これまで公団運営におきまして、一般管理費の不足というものについては、そのつど、不十分でございますが政府から補助金として交付いたしております。それについてもなお補助金として交付いたしましても、埋まらない面が残っておるように承知いたしております。なお、事業欠損金等もございまして、そういうものが一億五百万円に三十六年度末に相なるということになりまして、一億五百万円の赤字補てんというものを三十七年度にいたします。それから別に出資金といたしまして一億五千万円を出資いたすわけでございまして、そのうちの一億については、公団運営の安定を期するために、今御指摘のような安定資金といたしまして、いわゆる一般管理費等に充当するようなふうに持っていきたい、こういうふうに考えております。
  30. 天田勝正

    天田勝正君 だから安定のために云々と、きれいでありますけれども、私はさっきの答弁のように汚くても事を明らかにしたい。ですから一億というのは、事実は利息をかせいで、それで普通の事業からするならばどうも欠損になる、その欠損の原因はまた後ほど追及しますが、欠損になるので、そこで利息で実はいいあんばいに運営していこうと、こういう含みがあるんでしょう、ないのですか、それは全然。
  31. 庄野五一郎

    政府委員庄野一郎君) 三十七年度で赤字の補てんをいたしまして、もう今後はそういうことは期待いたさないようにいたしたい、こういうふうに考えております。そういう面もございまして、出資金の一億五千万円につきましては、御指摘のように一億についてはそういう一般管理費に充当する資金を満たしていく、こういうことになりますから、運用益をそれに充当する、こういうことに相なります。
  32. 天田勝正

    天田勝正君 委員長、質問を中断します。
  33. 清澤俊英

    清澤俊英君 関連。今のところね、この間も私はお伺いしたと思うのだが、運用益でもないと、こういうのですね、そういう点を御答弁願いたいと思うのです。一億円が、今でははっきりと運用益だと、こう言われるから。そうするとどこかに積み立てられるのですか。どこかに積み立てて、その運用幾らとこう毎年見ていかれるのかどうか。
  34. 庄野五一郎

    政府委員庄野一郎君) 御指摘のとおりと存じております。
  35. 安田敏雄

    ○安田敏雄君 この間、前の委員会の私の質問の中で、公団赤字が累計して一億一千二百三十五万というように私が言っておるけれども、これは配られた行管のプリントが違っておりまして、一億七千二百三十五万円ですから訂正しておいてもらいたいと思います。そうですね、一億七千二百三十五万円……。  そこで行管のほうは来ているのですか。
  36. 梶原茂嘉

    委員長梶原茂嘉君) 行管からは片山監察審議官、それから池上監察官の二人が参っております。
  37. 安田敏雄

    ○安田敏雄君 衆議院のほうの審議の状況を見ますというと、公団赤字は何によって生じたかという問題について、農林大臣が終始機械の稼働率が非常に低かったということを言っておる。そして同時に、大規模事業を完了したあと農林省当局にも適切な事業計画が樹立されておらなかったということで、公団赤字が増大して、そのことは公団理事者の責任ではないのだと、こういうように答弁しているわけです。ところが、行管の報告を見ますというと、決してその稼働率が低かったということだけではない、他にいろいろの要因があるわけです。たとえば農業機械の総合的な運営についても悪かったということが指摘されておりますし、国の監督についても適切を欠いておったというようにありますし、それからその他部内の統制機能の状況もよろしくなかった、あるいは勤務状態もよくない、さらには技術部門が非常に弱体であった。さらに、下請業者の調査もきわめて不的確であった、こういうようにいろいろに指摘しているわけです。さらに、経理については、減価償却は、会計規定に定めてある減価償却を行なっていない。他にはっきりとたくさんの要因をあげて、その公団のいわば運営指摘しているわけです。こういう点について行管のほうでは、単に大臣の言うとおりに、率直にそのまま認めているわけですか。その点をお聞きしたいと思います。
  38. 片山一郎

    説明員(片山一郎君) お答えいたします。  公団赤字原因につきまして私のほうで調査いたしました結果は、今お話しのとおり、必ずしもその事業量の不足によりますところの機械の稼働の不足ということだけが原因ではございませんで、今おっしゃったような原因によるものと私のほうでは指摘したわけでございます。
  39. 安田敏雄

    ○安田敏雄君 そうしますと、農地局長にお伺いいたしますが、四月十二日の衆議院農林水産委員会では、大臣はこう言っているのです。「一億何がしかの赤字ができたゆえんは、仕事がなかった、機械が十分に活用できなかったということに起因する、これは当該官庁たる農林省において開墾のこの機械を活用する事業が十分に企画されなかったという点に主たるものがある、私はこう思うのであります。従ってこの機械を十分に活用するだけのものがあればこういうことにはならなかった」、こういうことを言っているわけです。他のその公団赤字のできた諸要因につきましては、全然これを否定しているわけです。  そういう点は農地局長、今、行政管理庁のほうではほかにもいろいろ原因があるのだということを率直に指摘しているわけですが、こういう点は、どうですか、大臣の答弁と行政管理庁の指摘とは食い違いがあるわけですね、これについてどう思いますか。
  40. 庄野五一郎

    政府委員庄野一郎君) その際の審議につきましては、その部分だけお読みいただきますと、非常にそういった、それだけによって赤字ができたような感じがいたしますが、その前後を通じまして衆議院におきます審議に際しましては、赤字の原因についてはそういう上北根釧といった特定の開発事業事業が北岩手に事業を拡大したのみで終了に近づいた。それを引き継ぎます事業が基本労農類型地区というような形で機械方式を採用いたしましたけれども、上北根釧と性格が違った事業になっている。そういった点から機械の稼働率が非常に分散されていく。こういう点で特に大臣がそういう面における機械の遊休が、稼働率が悪くなった、そういう点を強調されたように私承知しておりまして、公団赤字につきましては、機械の遊休あるいは稼働率が低下した。それから集中的に上北根釧に使っておりました分が、全国的に広がりました機械方式によります基本営農類型地区に使用するという意味で、拡散されていったために能率が悪くなった、そういう血も非常に大きかったと存じております。なおそのほかに、竹笛から御指摘のように、公団自体運用の問題もございましょうし、またその他の御指摘のようないろんな事前調査あるいは現場調査の不十分、こういったようなものもあったとそういうふうに私は承知しております。
  41. 梶原茂嘉

    委員長梶原茂嘉君) この際、委員異動について御報告いたします。本日武内五郎君が辞任され、補欠として小笠原二三男君が選任せられました。     —————————————
  42. 安田敏雄

    ○安田敏雄君 その主たる原因は、機械の稼働率が低かった、こういうので、その他にも要因があるということを今お認めになった。しかしながら昭和三十五年のこの十二地区、行管の報告による十二地区の赤字を見ますというと、もうこの表にありますように、事前調査不十分ということが十二地区の赤字の中で八地区に上っていますね。それを、その調査を十分にしたと思われるところは四件しかないわけです。そうしますと、こういう事前調査の不十分だということは、少なくとも技術的に欠陥があったとか、あるいはまたそういう全然その工事についてもうほとんどかまわずに、省のほうの監督とかそういうものはかまわずにやった、こういうことになりはしないかと、こう思うわけですわね。特にこの十二地区がこれだけの七千万円からの赤字を出している以上は、当然その中で一番多いのは事前調査不十分だということになっておりますから、ですから赤字の原因はそういうところに私は機械の稼働率よりもあるんではないか、こう考えられるのですが、これについてはどうです。
  43. 庄野五一郎

    政府委員庄野一郎君) 御指摘のように事前調査の不十分な点ということにつきまして、行管から御指摘になっております。これについては御指摘のように地域が非常に分散いたしておりましてバラィエティに富む、非常に地区々々に特性がある、こういうようなこともございまして、技術陣の人手不足あるいは経験不足ということもあるかと思いますが、人手不足、こういった面もありまして、事前調査の不十分、こういうような御指摘を受けた次第でございます。この点は今後十分注意してゆきたい、こう思います。
  44. 安田敏雄

    ○安田敏雄君 そこで、機械の稼働率が低下して赤字がふえたという一つの理由ですがね、たとえば昭和三十四年度と昭和三十五年度を対比してみましたときに、これはやはり行管の報告ですが、報告の十七ページは昭和三十四年度は千八百五十四万円の赤字昭和三十五年が八千三百七十一万円の赤字  になっておるわけです。しかしながら、そのときの稼働率というものを見ますというと、昭和三十四年度において公団機械の稼働率はダンプからトレンチャー、いろいろあるわけですが、そういうようなものでもって、三十四年度の稼働率は六一・九%、平均が。これは八ページにあります。三十四年度は四十三台で平均が六一・九%、ところが三十五年度は同じく四十三台で六一・三%になる、平均の稼働率が。稼働率についてはほとんど同じなんです、〇・六%しか差が生じておらんですよ。にもかかわらず赤字は六倍にもなっておる。こういうことは単に稼働率が低かったからということは、私は数字的にいって理由にならないと思うわけです。これについて……。
  45. 庄野五一郎

    政府委員庄野一郎君) 三十五年度は、御指摘のように稼働率も一つの原因でございましょうし、また先ほどから御指摘になっておりますように、事前調査の不十分のために契約のときの見積もりました歩掛りと、実際やってみました歩掛り増といったような問題もあろうかと存じます。なお、この稼働率の三十三年から三十五年までの比較でございますが、これはダンプが中心になっております。公団につきましては、ブルドーザー、レーキドーザ一等が大体開発機械として中心になっておるわけでございますが、これは一例としてダンプがあげられておりますが、ダンプの点よりはむしろブルドーザーで比較されるものだと思いますが、先ほどから御指摘のようにただ稼働率のみということではございませんので、ただ稼働率が落ちたということも、大きな一つの、原因でございますが、なお公団運営、現場のふなれ、あるいはコストの不適正、そういったようないろいろな原因がございまして、赤字が増大した、こういうことに相なっておるわけでございます。
  46. 安田敏雄

    ○安田敏雄君 行政管理庁にお尋ねしますが、公団の累積した赤字というものは、稼働率におもなる原因があるのか、それとも他のほうに大きな原因があるのか、そういう点を概活的に見てどういうようにお考えになっておりますか。
  47. 片山一郎

    説明員(片山一郎君) お答えいたします。赤字の累積、増大をとらえまして、何パーセントが稼働率の不足によるかとか、あるいはそれ以外の運堂上の不手際で何パーセントとかいうふうに正確にパーセントをもちまして比較をすることは困難でございますが、ただ三十五年度の非常に赤字をたくさん出しました年度をとらえて申しますと、三十五年度の赤字について申しますと、事業量の不足によると思われるものが約三三%——三二・六%でございます。それから機械の屯価増によるものが七・六%、これは公団側責任でないと存じます。これはいろいろな燃料費の値上がりとか、そういったようなファクターで生じたものでございます。それから次は、機械の歩掛り増によりまして二六・六%、これは公団側の、機械の設計に際しまして、機械の歩掛りの見積もりが甘かったんじゃないかということであろうと思います。それから号の他人力施工上の欠損、これはいろいろ公団事業が、最近工事の性格が変わって参りまして、床固めとか、水路工とか道路工とか、そういった従来なされておりません仕事をやりました関係上、いろいろ設計の見積もりが甘かったとか、あるいは事前調査が不十分であるとか、いろいろそういう原因によりまして生じましたものが約三三%でございます。以上でございます。
  48. 安田敏雄

    ○安田敏雄君 三十五年度の赤字は相当、十二地区だけでも七千万円以上になっておるわけなんです。で、今の機械の稼動率からいいますというと、急激に前年度、三十四年度と機械の稼働率が大差がない。それにもかかわらず、赤字が三十四年度一千八百万から八千三百万になった、こういうことは、ただ私ら報告書だけで見ますというと、他にその.原因があるんだということは、これは数字の上から明らかなんです。ですから、私はどうしてもいわゆる公団運営自体について責任があるとするならば、当然その運営を管理する責任者としては、いわゆる公団の役職員の責任というものは、これはやはり免れない、そういうように考えられるわけです。まあ、きょうは大臣もおりませんからその点はまた次に大臣にお聞きすることにして、局長に聞いても答弁は無理ですから……。  そこで稼働率の問題ですが、局長公団は試験研究機関ではないはずですね。現業機関なわけでしょう。
  49. 庄野五一郎

    政府委員庄野一郎君) 御指摘のとおりでございまして、現業機関でございます。ただし現業をやります上におきまして、最小必要限度の試験等は実施しなくちゃならん場合もあろうかと存じます。
  50. 安田敏雄

    ○安田敏雄君 そこで、機械購入についてですがね。これは行管の報告にもありますように、買ったまま、全然、購入以来全く稼働していない機械があるわけです。十一台報告されております。この総計の購入金額は出ておりませんが、一体こういう全然使用しない機械を現業機関である公団が、購入して全然使わないというところに、これは赤字の原因がある。決して単にいわれておるような、稼働率が低いということはあながち公団責任ではないというけれども、こういうところに私は赤字の累積があるわけなんです。これじゃ償却のしょうがないのですよ、全然使わない機械じゃ。これはどういうことですか。
  51. 庄野五一郎

    政府委員庄野一郎君) これは十一台、この上のほうは空白になっておりまして、全く稼働していない、こういう御指摘で、非常に私たちといたしましても遺憾に思っております。なお、下のほうが多少稼働しているものも、稼働状況についての帳簿が不十分で、稼働状況が明確にならない、こういうような御指摘も)ございました。そういう点につきましては、十分今後帳簿等を改めまして稼働をするようにいたしたいと思います。御指摘の上の六台並びにあとの五台、これについての今後の取扱いについては、十分注意して稼働する、あるいはこれを稼働しない不用のものならば、早く処分する、そういう方針をきめたいと思っております。購入時の状況等につきましては、三十一年でございますので、つまびらかにいたしておりません。
  52. 安田敏雄

    ○安田敏雄君 そういたしますと、この稼働していない機械は、三十七年度以降の新しい事業計画の中で、これらの機械を稼働でき得るような事業計画は組んでおるというわけですか。
  53. 庄野五一郎

    政府委員庄野一郎君) 機械の状況等を調査いたしまして、なおこれが使用し得るということに相なりますれば、三十七年度以降の事業計画に織り込むようにいたしたいと思量いたしております。なお、これが輸入機械でございまして、日本の実情に合わないということになりますれば、処分せざるを得ないわけで、今調査中でございます。
  54. 安田敏雄

    ○安田敏雄君 この十一台のうち十台が輸入機械なんですね。そうしますと、世銀から五分の十二ヵ年間の借款をするときに、何かそういうような借款の見合いというか、引き当てにこういうものを買わざるを得なかったというような推察もできるわけなんですが、そういうことはないわけですか。
  55. 庄野五一郎

    政府委員庄野一郎君) そういうふうには私は承知いたしておりません。
  56. 安田敏雄

    ○安田敏雄君 そこで、私はこう思うのですよ。今後たとい、政府や地方行政庁が公の財政を使って公共事業をやる際に、こういう企業体を経営する際におきましても、それはあえて利潤を得る必要はないと思うのです。しかしながら、赤字であってはならないということは重大なことなんですよ。しかも、今の役職員を初め、前にやめた方々が六ヵ年間これらの累増する赤字をそのまま何ら対策しないで、機械購入したまま全然使っていない。さらにはまだあるのですよ。稼働率の低い二〇%以下なんというものがたくさんあるわけです。農機具の稼働率二〇%以下のものが百八十二台もあるわけです。これでは、これはもう稼働率が低いのは他からきたところの自然的現象じゃない。公団自体責任の中から生じたところの稼働率の低さなんですよ。自然的現象でないのです。ですから、極端に突き詰めてみれば、農林省計画と、農林省農地局と公団というものがほとんど別個の形で、全然そこに関連性がない。これは公団は独自でもって、与えられた予算の中で、ほとんど無計画運営をしてきた、こういうことが指摘されるわけですよ。そのことは、現場における勤務状態を見てもよくわかる。日曜出勤をして働いておって、平常の口にはほとんど仕事をしておらないということが指摘されておるのです。ですから、そういうようなところに基因する稼働率の低さでもって、これがほんとうに機械が使えなかったというような公団それ自体責任でないというような方向に言っておるということは、実に私としては心外なんですが、こういう点についての考え方をひとつお聞かせ願いたいと思います。
  57. 庄野五一郎

    政府委員庄野一郎君) 御指摘のように、機械の稼働率の非常に低い分は農機具、いわゆる農機具類に多いかと思います。これは上北根釧等におきまして、開墾からあとの牧草地の牧草の播種等までこれを一貫して施行する、こういう計画のもとに購入いたしました農機具等につきまして、その後の使用状況等においても計画の変更等で、非常に稼働率が落ちたと、こういうことになろうかと存じております。で、購入機械の活用につきましては、今後開墾方式を開拓パイロット方式、こういったものに切りかえて、また、今後の営農の主体を酪農なり、果樹なり、こういうように農業事情が変わって参るわけでございます。特に成長農産物でございまする酪農等におきましては、飼料の確保という点から、草地の造成、改良ということが今後の大きな方向かと存じます。われわれといたしましては、過去においてこういう稼働率の低い農機具等が出ましてまことに遺憾に存じますけれども、今後の方向といたしまして、こういった上北根釧で使用いたしましたいわゆる牧草関係の農機具等、正しい草地造成、改良の方向に活用して参る、こういうふうに考えております。
  58. 安田敏雄

    ○安田敏雄君 しかも、地方公共団体の要請によって機械を買った場合も、そうですよ。石川梁の流水客土用貸付機械は、これも行管が指摘しておる。そういう中でもって稼働率零なんというものがある。ほとんど使っておらない。しかも、買った機械を一年しか使っておらない。これじゃ公団と地方庁との間に、地方ではとてもこういう高い機械は買うことができない。三百万円も四百万円も出して客土用機械を買うことができないから、公団のほうに渡りをつけて、公団が買った。そしてあとは一年くらいでおしまい、こういうようなずさんな運営方法ということは許されないですよ。稼働率の低いということは、必要でない機械をむやみに買って、公の財産だから自分の腹が痛まないから買って、そしてあと稼働率が少ない、事業量が少なかったということでは、私は済まされないと思う。これは当然公団理事者の責任なんです。こういう機械を買うときに、普通の係員がただ買うわけじゃないでしょう。ちゃんと理事長の最終的の承認を得た認印がなければ、おそらく買えないだろうと思うんです。矛の際役職員やあるいは顧問や嘱託、常時そういう役職員を中心にしたものは、それについて、この機械がはたして何年使えば減価償却ができ得ると、こういうことが検討されなければならない。ところが、そういう方面がとんと考慮されないで、どんどんどんどん機械を買って、そして稼働率が低くて、いや公団赤字が出たから、これは事業量がなかったから、稼働率が低かったから、これは全面的責任じゃない。これでは通りませんよ。これはまあ局長の直接の責任ではないかもしれませんけれども、局長が就任以前の責任、今の庄野さんならおそらくそういう点については厳重にやったろうと思うわけです。こういう点については、どう思いますか。
  59. 庄野五一郎

    政府委員庄野一郎君) 御指摘の石川県の流水客土用貸付機械につきましては、御指摘のとおり、まことに不都合に存じております。これは県の要請によりまして、当時の流客用として購入いたした次第でございますが、その後県の計画によります流水客土の計画が非常に大規模に広がりまして、公団購入いたしましたこの機械によって実施するということが非常に困難になったと、こういうような事情がありまして、その当時、この機械の問題について石川県と公団といろいろ協議いたしまして、県としてもこれの引き取りについて問題があってこういうふうになった次第でございます。その後、この機械の活用方につきまして歴代の局長も非常に頭を悩ましてきた次第でございます。この活用につきまして、私といたしましても責任を持って処理して参りたい、こういうふうに思って、今使用先を物色中でございます。
  60. 安田敏雄

    ○安田敏雄君 行政管理庁の意見。このあなた方の作った報告書を見ますと、これは、公団責任は、やむを得ない実情で出てきたわけじゃないんですよ。おそらく公団理事者の監督や運営上、公団自体運用上のほとんど不備から出てきておるわけです。それをあるいはこれを善意に報告しておるかもしれないけれども、なぜ最終のきめつけを理事者側にもこういう赤字の大きな原因があるんだ、責任があるというようなことが言えなかったんですか。おそらくそう思っているけれども書かなかった、そういうことですか。
  61. 片山一郎

    説明員(片山一郎君) 私どもの勧告の趣旨は、公団運営の改善をお願いしたわけでございます。でありますから、理事者の責任といったようなことは勧告しなかった次であります。
  62. 安田敏雄

    ○安田敏雄君 しかし、理事者を直接そういうような俎上に乗せることは行政管理庁の行政のあり方上好ましくないけれども、問題はこれによりますと、明らかに理事者の責任ですよね。そうして運用上の問題を勧告しているわけです。そういうように受け取れますね。そういう点はどうですか。
  63. 片山一郎

    説明員(片山一郎君) この報告書全文は、今おっしゃいましたように、必ずしも全部この責任理事者の責任であるというふうにはなっていないと思います。中にはあると思いますが、全部理事者側の責任というふうにはなっていないと思います。で、勧告の趣旨も、今後公団運営を改弄してほしいという意味でやっておるわけでございます。
  64. 安田敏雄

    ○安田敏雄君 農地局長公団赤字の主要なる原因の一つとしては、機械の稼働率が低かった、こういうことを指摘している。しかしながら、機械購入について非常に落度があるわけですよね。稼働率、全然使わない機械を買うなんということは、これは民間だったら、これは理事者であろうが、重役であろうが、辞表ものですよ。少しも減価償却していない。まあ民間なら民間の株式会社ならそれで済みますよ。これは、この買ったお金というものは国民の血税なんですよ、もとはね。それを買うに当たって、何ら事業量も検討しないで多額の金を出して、それを全然使わないということに至っては、これは当然公団理事者の責任は私は免れないと思うんですよ。ですから、そういう点はその当時の何の責任者も、きょうは何か愛知用水公団のことでこられないんで、農林大臣もこられないので、で局長に聞いても満足な答弁は得られないと思いますけれども、そういう点について、局長ではしようがないから政務次官にお聞きします。
  65. 中野文門

    政府委員(中野文門君) 私から、ただいま御指摘の問題について明らかな御答弁は申し上げかねるように思いまするが、ただいま御指摘と中しますか、になりました点は十分に私も了解できますが、しかし、いずれこの委員会に大臣も出席をすることに相なっておりますので、またそういう機会に大臣のほうから御答弁があろうと思います。
  66. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 あとで私も内容に立ち入って質問したいのですが、関連して今の政務次官の御答弁に関してだけちょっとお尋ねしたい。要するに、こういう公団経営をやってきても、これは不始末とみなさない、他にやむなき原因があったものとして理事者の進退については省内で議論はなかった、そして新たに理事を追加すれば、この部分は解消できる、こういうお考えだったのですか。
  67. 庄野五一郎

    政府委員庄野一郎君) 公団赤字の累積につきまして原因等、行符から指摘があっております。われわれ農林省といたしましても、御指摘を待つまでもなく、客年の赤字につきましてその原因等究明いたした次第でございまして、この点については業務運営の問題として考えるもの、あるいは国の事業計画の変更によりまして公団事業計画を変更せざるを得ない。そのために、先ほど安田先生からも御指摘があったように、事業量が変更になったものもある、こういった点。それから事前調査の不十分、そういうために契約時の見積もり諸係りが、実際やってみたらさらにふえた、こういった点、いろいろあったわけでございまして、そういう点につきましてわれわれも反省いたしますし、また公団運営上、その担当の理事者につきまして、よくこういう点の今後の是正、あるいは慎重な取り扱い方を、要望いたした次第でございます。
  68. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 この公団は全部世銀等外資を入れている借入金運営する公団で、借り入れの保証なり担保は国が出しているのではないのですか。公団でやっているのですか。
  69. 庄野五一郎

    政府委員庄野一郎君) 当公団は、御指摘のように、三十六年度まで発足当時世銀借入金発足いたしました。その後見返り資金、預金部の資金を導入した、こういうふうに相なっております。で、発足当時の世銀借款につきましては、国の保証になっております。
  70. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 国としては、その支払いは国が支払うもの、税金から支払うものと考えておったのですか、公団の利潤をもってペイしょうと考えておったのですか。
  71. 庄野五一郎

    政府委員庄野一郎君) この借款の返済につきましては、事業計画によりまして、機械運営によって返済する、こういうことになっております。その支払いの債務につきまして国が保証人、こういうことに相なっておりまして、保証債務が発生いたしましたときにはどうするか、これはまだ保証債務は発生いたしておりません。
  72. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 そうしますと、会社法人でいえば、この公団の経営者は、まあ社長なり専務なり、そういう重役であり、株主は国であるという形に考えてもいいでしょうか。そのたとえが悪かったら直しますが、私の言いたいことは、公団理事者というものは、経営の中からこの支払いをする責任を付与されて任命せられたものであろうと思います。そのことについて不可抗力的な欠損のあることは、今お話しのとおり、国の指導とか、あるいは国の事業計画が悪い点から起こる点もあり得ようが、公団内部における運営あるいは経理、そういう部面について不十分なものがあって赤字が累減してきたということも否定できない。そうでしょう。それであって、そうした責任を持つ理事長なり理事について、何ら監督当局としてこれに対する批判も判断もなくて放置せられる、これは納得いかない。どうなんですか、この点は。
  73. 庄野五一郎

    政府委員庄野一郎君) 御指摘のように、当公団理事者は、当公団借入金につきましては、購入いたしました機械運営あるいは委託事業運営を通しまして収益を受け入れて、その中から返済していく、こういうことに相なっております。そういう関係において、先ほど先生の、国が株主じゃないか、こういうふうに御指摘になりましたが、国は保証人でございますので、出資はまだいたしておりませんので、株主ということには相ならぬと思いますが、御指摘のように、公団理事、役員はそういった借入金の返済をするように運営していく、こういうことに相なっておると思います。
  74. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 今までの年度の経過では、国の補助金が出ていますが、これはどういう理由と根拠で出たものでしょうか。
  75. 庄野五一郎

    政府委員庄野一郎君) 公団一般管理費につきましては、公団発足の当時からこれは国で補助するといったような話もありました。そうしてその年度年度の必要量を計算いたしまして繰り入れる、こういうことに相なっております。
  76. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 年度別収支の調べで見ますと、初年度は国庫補助というものはゼロです。第二年度では五千万円補助金が出ておりますが、そうしてその二年間の赤字がある程度埋まるような結論になっておる。そうして三十二年、三十一年になりますと、三十二年では完全に単年度の欠損額を国庫補助金で埋めておる。三十三年度もほとんど埋めておる、そうして三十四年度には相当額の赤字が出ておるのですが、これはゼロとして自まかないで解消する努力をこれは命じたものと思われる。三十五年にはまた一挙に赤字が出ておる。この経過を見ますと、国は赤字の出た分はしりぬぐいしてやる、あるいは腰だめに補助金の形式をもって出す、こういうことが公団経営についてある種の安堵感を与える、口まかないの独“経常ということについての企業に対する熱意なり、努力をならしめる原因になっておったのではないかと、この数字から見れば判断される。赤字は国が補助するという原則でも過去にあったのですか。
  77. 庄野五一郎

    政府委員庄野一郎君) 公団発足の当時から、先ほど御説明申し上げましたように、いわゆる一般管理費、事務費に当たる分でございますが、これについては国から補助していく、こういった方向で公団発足の当時資金計画等も出てきた。またそういう方向で大蔵とも話し合った次第でございます。実際上出ました一般管理費、いわゆる事務費の赤字等について十分埋められなかった点もあって、累積した点もある、こういうふうに存じております。
  78. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 そうすると、今後においてもそうした赤字の解消ということは、出資金でなく国庫補助金という形式をもって解消していって、そうして借入金の払いは企業の努力で払っていく、こういうことについて補助金も出ますか。
  79. 庄野五一郎

    政府委員庄野一郎君) 三十七年度予算におきまして、今まで累積いたしました事業欠損金、それから一般の事務費に対しまして国から補助交付金を出しておりますが、それの十分埋め合わせのできなかった不足額、こういったものが一億五百万円程度に相なると思います。それにつきまして、三十七年度において一挙にこれを補てんいたしまして、新たに現金出資といたしまして一億五千万円いたしておりまして、その運用ということで一般管理費等は今後まかなっていきたい、こういうふうに考えておるわけでございまして、今後の問題といたしましては、一般管理費の補助ということは期待いたしていない次第でございます。
  80. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 そうしますと、この法改正にある、今後予算の範囲内で出資することが、できるという向きは、そのつどつど赤字がまた出てきたときには、それに見合った分を出資の形をもって出すんだという例になるわけですか。
  81. 庄野五一郎

    政府委員庄野一郎君) 出資金の分につきましては、赤字補てんという考えじゃなしに今後の、先ほどから御説明いたしておりますように、農地の造成改良なり、あるいは草地の造成改良、そういったものが所得倍増計画の一環として進展いたしまして、、また新しく三十七年から発足いたしまする構造改善対策事業といったようなものが大きく取り上げられていく段階におきまして、機械力施行ということが今後のそういった農地の造成改良の中心になるわけでございますが、そういう面を機械開発公団に十分担当さしていく。そういう段階におきまして新しく機械を構入するという事業を現実に伸ばしていく、そういう必要がありました場合に、特に機械購入等必要がありました場合に出資ということは考えられると思います。
  82. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 行政管理庁のほうにお尋ねしますが……。
  83. 梶原茂嘉

    委員長梶原茂嘉君) 小笠原君、できるだけ簡単に……。
  84. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 時間もらいましたから。行政管理庁に伺いますが、ただいまの説明によりますと、過去の累積分を一億五千万円出資して解消するのだ……。
  85. 庄野五一郎

    政府委員庄野一郎君) 違います。
  86. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 今そう言いましたよ。
  87. 庄野五一郎

    政府委員庄野一郎君) 過去の赤字が一億五百万円が別に……。
  88. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 だから一億五千万円でちょうど見合うのだ……。
  89. 庄野五一郎

    政府委員庄野一郎君) 先ほど御説明いたしましたように、公団赤字については一億五百万円というのは予算上別に措置されているわけです、補てん金が……。それからここで法律改正願っております分は公団出資金でございまして、これが一億五千万円、  こういうことに相なる。
  90. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 ではもう一度お尋ねいたします。一億五千万円は過去の赤字を補てんする金ではない、そのとおりでございますか。
  91. 庄野五一郎

    政府委員庄野一郎君) 出資金の一億五千万円はそのとおりでございます。
  92. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 私はその借入金の補てんという出資の形式に、実は疑義があったので突っ込もうと思ったのですが、そうでないというのですから、じゃそれはそれでいいとしまして、そうすると、では一億五百万の赤字は何らかの形で負債になっておるわけでしょう。これを今後解消する、それから表に出ておりますように、計画的に元本利子を支払っていく、世銀その他に……。このことについてやっていけるだけの国なり県なりが事業量を与え、高能率でフルに機械を稼働させてやっていく見込みが立っておるのですか、その計画が……。そうでなくて、今後も赤字が出るであろう見込みがあるのですか。この際断ち切るということなんですか。
  93. 庄野五一郎

    政府委員庄野一郎君) 御指摘のようにこの際赤字のあれを断ち切る、こういう考えで進めております。
  94. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 それでは赤字を断ち切って、一方こういう五十年までの返済計画が出ておりますが、これに見合うように事業計画が出ていますか。
  95. 庄野五一郎

    政府委員庄野一郎君) ただいまのところ三十七年度事業計画を基本にして、この事業量を伸ばしていく、こういう考えで進めております。
  96. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 そうしますと三十七年度単年度での経理がとんとんにいって、そうしてこの元利償還額が一億六千四百九十七万五千円、これを払えるだけの利潤が生める、そういう事業計画は三十七年度確実なんだ、こういうことでございますか。
  97. 庄野五一郎

    政府委員庄野一郎君) 三十七年度分については、三十七年度予算と三十七年度事業計画をもって償還可能な計画ということに相なります。で、長期の計画については、先ほども御説明いたしましたが、所得倍増計画の中におきます開墾なりあるいは間場整備機械施行する、そういった面との見合い、また農地局なり畜産局の草地造成あるいは農地局の土地改良開墾、こういった事業も長期的にこれは拡充していく段階でございます。それに見合って公団事業計画等も逐次具体化していきたい、こういうふうに考えております。
  98. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 ではもう一点だけ聞いてあとに回しますが、ここに出ております、三十七年四月二十日現在という、三十六年度までの償還金及び三十七年度以降償還計画表というのがありますが、これは三十七年四月二十日現在で策定されたものですか。
  99. 庄野五一郎

    政府委員庄野一郎君) 作成月日は三十七年四月二十日と、これは当委員会資料要求が四月二十日にありましたので四月二十日の日付になっておりますが、策定いたしましたのは三十六年度末現在に策定いたしております。
  100. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 多分世銀その他から借り入れする、借り入れた当初にあたって、何年計画でどういうふうに償還すると、こういう計画があって借り入れたのだろうと思うのですが、その表はございますか。当初の償還計画とこの三十六年末集計の償還計画とは同じものですか。
  101. 庄野五一郎

    政府委員庄野一郎君) 世銀借款は三年据置十二年の元利均等半年賦償還、こういうことになっておりますので、当初の計画どおりの償還計画に相なっております。
  102. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 世銀はそれ、それから余剰農産物資金運用部……。
  103. 庄野五一郎

    政府委員庄野一郎君) 先ほど御答弁申し上げましたが、見返り資金は三年据置の十二年償還と、こういうことになっております。やはりその計画どおりに策定いたしております。預金部資金もやはりその借り入れ条件どおりに策定しております。
  104. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 それで、それは三十六年までは支払っておると、計画どおり支払っておる、そうして赤字赤字で負債として出てきておる、こういうことですね。
  105. 庄野五一郎

    政府委員庄野一郎君) そのとおりでございます。
  106. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 それでまたもとへ戻るのですが、今度は出資だけはaるが、負債整理の補助金は出さない。それで、この世銀なり、見返り資金なり、運用部資金のそれは計画どおり払わせる。こういう中で赤字が出ないという保証がありますか。
  107. 庄野五一郎

    政府委員庄野一郎君) 三十六年度までに出ました赤字欠損金は、先ほど申しますように、三十七年度において一億五百万円をもって補てんいたします。それから今後の運営につきましては、政府出資の一億五千万円、それから政府が持っております汎用性開発機械等の現物出資、こういうものと在来の公団保有の機械、こういうものをもちまして機械の貸付、あるいは受託事業の施行と、そういった点を強力に推進いたしまして予定のとおりの完成をいたしていきたい、こういうふうに考えております。赤字については出ないように事業運営をやっていきたい、こういうふうに考えております。
  108. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 あなたはどうか知らぬが、歴代公団赤字の出るということについては、案外たいしたことに考えておらなかったのが監督せられておる当局にあったのではないですか。まあまああとで始末するから適当にやっておけというような式で農林省も)公団もそれぞれつうつうになっておる人たちだし、適当にそれは仕事の始末をつけてきたということはないのですか。   〔委員長退席、理事櫻井志郎君着席〕
  109. 庄野五一郎

    政府委員庄野一郎君) 公団赤字の問題につきましては、決算期にいつも問題になりますし、また予算編成期において、御指摘のように一般事務費の補てん、それから事業欠損金をどうするかという問題については、いつも問題になっておりまして、私もこの公団赤字をどうするかということで、昨年から公団運営の立て直しということに取り組みまして、今までの赤字は全部補てんし、新しく公団出資金を出し、それから執行体制の再発足をする、そういった感覚で法規の改正その他をやっている次第でございます。
  110. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 上北開発が始まった当時から機械の稼働効率が非常に悪い。南北にこの機械を持って歩く、あるいは冬期間稼働できない、いろいろな悪条件のあるということは指摘されておったことでしょう。そうしてこういう赤字になるのだということは、今始まったことではない、証拠はこう累増している1例年赤字が出てきたのですから。この経過期間中に公団側に対していろいろな運用の面で厳重に指導をしたという例がありますか。
  111. 庄野五一郎

    政府委員庄野一郎君) 御質問のように、上北根釧という特定事業開発をもって公団発足をいたした次第でございますが、上北根釧といったものが順調に事業が進みまして、あと上北根釧方式開発をやるというのは先生のおひざ元の北岩手、こういうことにいたしておりますが、しかし、まあああいう特定事業としてやるということは、北岩手をもって一応打ち切って、機械開墾方式をもってその後の開発を進めるということで基本営農類型という地区を採択して、それを機械方式開墾していくと、今まで畜力開墾方式だったのを上北根釧の経験を入れまして機械方式に改める、こういうことにいたした次第でございますが、御指摘のように、これが地区が分散している等で非常に事業量の確保に公団も苦労された、こういうことになっております。今後の問題といたしまして、そういった赤字事業量不足とあるいは分散ということで、われわれといたしましても公団事業量の確保ということにつきましては、農地事務局を通じ、あるいは直接県といったところとも再々折衝して公団機械の活用、稼働ということについては十分指導して参っておる次第でございますが、まだそういう点において欠けるところもあったという点で、今後もそういう点は力を入れるということと、先ほどから御指摘ありましたように、公団の事前調査の不十分等で見積もりの手抜かりといったような点があるというようなことについては、今後運営等を十分強化いたしまして、そういうことのないようにいたしたい、そういうことにいたしまして、従来の赤字運営ということのないように今後は十分指導監督を加え、また公団の一段の努力をお願いして進めていきたい、こういうふうに考えております。   〔理事櫻井志郎君退席、委員長着   席〕
  112. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 私は今まで公団運営について、農林省はどういう指導をしてきたかということを聞いたのです。今後の心がまえを聞いたわけではないので、あとで立ったときもう一度答弁願います。  それで、さっきも同僚委員から御指摘があり、行政管理庁からも御報告がありましたが、事前調査不十分、あるいは工事施行の監督不十分、あるいは、この出血受注という中にも国営の分が入っておると思うんですが、入っておるんですか、これらは公団責任ですか、国の責任ですか。
  113. 庄野五一郎

    政府委員庄野一郎君) この中身については十分検討を要するかと存じますが、その事前調査の不十分等につきましては、やはり公団におきまする、先ほどから答弁いたしておりますように、技術陣営等に不備な点もある、また三十五年度におきましては災害等のためにやはり時間的に早くこれを着工しなければならぬというような面も災害復旧の事業等にはございますので、そういう面からも調査が不十分だったということが言えるのではないかと思っております。で、この赤字については、特に三十五年度の赤字が大きいわけでございます。三十五年度の決算におきましては、三十六年度においては再々こういう点について公団指摘をいたしまして、三十六年度は経が、事業計画を立て、予算見積もりを作り、そうして発注する、これでいけるということでやる、そのことがやり得ないという等々の形が出ることは、これは発注したほうの側に相当の責任があると思う。請け負う側のほうは常にまあ泣かされる立場にある、あるいは、予算がもうこれっきりだからこれでがまんしてやってくれと押しつけられる場合もあるでしょう。それらの点を私申し上げておるんです。そういうことはなくて、十分やり得たものが公団側の不手ぎわで赤字になったというのか、県なり国なりのやらせ方が悪かったために自然赤字が出た、こういう部分もあるのか、こういう点をはっきりしてもらいたいと思う。
  114. 庄野五一郎

    政府委員庄野一郎君) 事業の施行といたしまして、やはり受託事業として、やります場合におきましては、十分調査を、受託事業の受託を受けます側におきまして調査をいたします。そうしてこれでやれるかやれぬかという判断をやらなければならないかと思います。なお、公団はブルとかダンプ・カー等による機械施工には非常になれておりますが、受託事業の中には非常に土工的な、機械によらない面も多数あったようでございまして、そういう面におきまする公団の見蔵もり等に非常に不備があったように承知しております。そういう点について、今後の事業の引き受け等については、三十五年度の経験を生かして厳重に注意するようにと、そういう点は指摘したところでございます。
  115. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 これは酷なことを申し上げるようですが、一般会社なら、そういうことによって会社側に欠損を与えたとなれば、現場担当の責任者なり、担当重役なり、それぞれ適当な処分をされるんです。今までの間に、公団側で内部的にそういう規制を加えたというような事実がありますか。
  116. 庄野五一郎

    政府委員庄野一郎君) 三十五年度が非常に欠損金を出しておりまして、こういう面について責任理事が一人辞任いたしております。
  117. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 それでは、今まで聞いておった点だけで話をしぼってみますと、何としてもこの一億五百万円という赤字国損であり、これは国民税金なんです、この部分は。今後にまたそれが起これば、それは国民税金で結局はまかなう形が出てくるわけです。それがほんとうに、そういう国損を生じないということのために、農村当局も、公団側も、鋭意企業経営に努力をしたのかどうかということなんです。農林省のほうに、これの監督官ですか、監理官おられるんでしょう。そういう方々は何をしておるのだということをお尋ねしたい。
  118. 庄野五一郎

    政府委員庄野一郎君) 公団には、公団監理官と申しまして、農地局に監理官室を設けて、公団の業務運営一般につきまして監督指導をいたしております。過去に出ました赤字の問題につきまして、そのつどいろいろ指摘もし、また指導もいたして参った次第でございますが、三十六年度までに一億五百万円と、こういうふうに累増いたしましたことについては、まことに遺憾に存じております。ただし、三十五年度に非常に大きな赤字が出たわけでございまして、それについて監理官室を中心にいたしまして私たちも非常にこの公団運営ということに努力いたしまして、三十六年度は多少その改善の徴も見えてきたわけでございますし、その機運を助長いたしまして、過去の一切の赤字を補てんいたしまして、新しく出資金を出して再発足する、こういうふうにいたした次第でございますが、今後の運営につきましては、御指摘のように十分注意いたしまして、そういった赤字等の出ないように万全の指導と監督を加えていきたい、こういうふうに考えております。
  119. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 私は、この公団の必要なことは、現場を見ても、その後の状況を見ても、非常に必要だと、大賛成なんです。けれども、だらしがないということになって、これが国民の批判を受けるようなことになれば、あなたたちの期待したということが逆に冷たい目をもって報いられるんですね。どだい、この公団仕事の現場というのは、ほんとうに交通不便な農山村にある、大体そういう所なんです。理事長なり、理事なり、部課長級のそれぞれの者が、その現場へゲートル、きゃはん巻きで、寝泊まりでもして一体となって指導をする、監督をする、やり抜く、そういう気魄があったのですか、過去に。ただ単に、何かの本職をやめれば今度は公団の総裁だとか、理事長だとか、私は名前も何も知らないのですが、そこですべて飯を食っておれ、こんな式の運営がそもそも間違いを起こした根本ではないですか。東京にこれは本部と申しますか、何かあるのでしょう。そこで、東京の環境の中にだけおって、書類にただめくら判を押しておる、あとはよきに計らえ式の、今の近代的の会社経営の中にはないようなことをやっておったのではないですか。今までの理事理事長がどれだけ現場に行って指揮をし、寝泊まりをしてやっておったのか、そういう点をお聞きしたい、どういう状況だったのですか。
  120. 庄野五一郎

    政府委員庄野一郎君) 過去のことでございますが、理君長以下理事は、特に担当理事は現場に回って、そして事業の遂行に非常に努力をいたしたように私は承知いたしております。
  121. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 まああとは、言えばまたそんなことになるから、やめます。
  122. 安田敏雄

    ○安田敏雄君 もう一、二点お聞きしたいのですがね、公団発足以来機械購入は総額としてどれくらいの金額になっておるのですか。
  123. 庄野五一郎

    政府委員庄野一郎君) お手元に渡しました二月の資料でございますですね、これの三ページ目にございます。一番最後の三ぺージ目でございますが、保有機械概況の取得年度、それから種数、こういうふうになりまして、取得年度の一番最後のところに取得価額計、こうなっております。それの一番下の合計というところで二十三徳六千二百六十七万三千円、輸入機械で八億七千六百万円、国産で十四億八千六百六十六万五千円、こういうことに相なっております。
  124. 安田敏雄

    ○安田敏雄君 このうち処分したものがありますね。処分したものは、表でいただいた篠津だけですか。
  125. 庄野五一郎

    政府委員庄野一郎君) 篠津関係の分がございます。大体三十五年1早いものは三十三年、三十五年というふうに処理いたしております。これは輸入機械でございまして、北海道開発局のほうに売却いたしております。
  126. 安田敏雄

    ○安田敏雄君 そうしますと、売却したのは資料でいただいておりました篠津だけですか、ほかにはないのですか。
  127. 庄野五一郎

    政府委員庄野一郎君) ほかにはございません。
  128. 安田敏雄

    ○安田敏雄君 この篠津地、区の売却は先方の、要請によってこれは売却したわけですか。
  129. 庄野五一郎

    政府委員庄野一郎君) 篠津開発機械購入いたしますときに、この当初の約束によりまして、ここで使わないということになりましたときには、北海道開発局において引き取って、北海道開発用として家畜に使え、こういう約束もございまして、この約束によってそういう処理をいたしたわけであります。
  130. 安田敏雄

    ○安田敏雄君 篠津に売却した機械は、篠津だけに限られて使用され得るものであったのか、それとも他に公団として必要性があったのですか。
  131. 庄野五一郎

    政府委員庄野一郎君) 当初計画において篠津のみで使用するということになっておりまして、篠津で使用しないときは、北海道開発に引き取る、こういうことに相なっております。
  132. 安田敏雄

    ○安田敏雄君 大体機械施設費がずっと公団発足以来、約四十億をこえているわけですね、機械を買ったものと施設費の合計の予算額が四十億以上になっているのじゃないかと思うのですよ、予算の累計額が。そんなになっていないですか。
  133. 庄野五一郎

    政府委員庄野一郎君) 公団の保有機械の所要資金は、先ほど申しましたように二十三億六千、こういうふうに承知いたしております。
  134. 安田敏雄

    ○安田敏雄君 そこで、この篠津へ売却したやつの表を見ますと、非常にまだ使えるものを、耐用年数が相当あるものを、はなはだしいのは二ヵ年未満で払い下げているわけですよ。これは実際篠津開発へ、篠津地区でもって必要だということはわかっている。しかし、公団がその機械を買って、平均して八割ぐらいの値段で売っているわけですよ。償却した分を含めて八割ぐらい、こういうものを見まして、やはり公団の、たとえば一番時間があるものを、かりに四千時間あるものを、四百二十一時間使用したのだ、残りを二ヵ年ぐらいで売却してしまう、こういうところにやっぱり赤字の原因も出てくるんじゃないですか。
  135. 富谷彰介

    説明員富谷彰介君) この篠津機械に関しましては、赤字の原因というものは全然ございません。向こうが使っております間は、使用料をきちんきちんと払ってくれますし、それから売り渡す際には、世銀から借りました元本からすでに支払いました賃貸料を差っ引きまして、その残額で国が買い取るわけでございますから、公団としては、もうかりませんけれども、損は全然ございません。  それから、なぜそれならそんな耐用年数のたくさんある機械を売るようなことをしたかというお尋ねでございますけれども、これは先ほど農地局長天田先生の御質問にお答えしましたように、当初の設計が非常に不なれであったものでございますから、国が使えないような機械を買うような計画を作ってしまったというところに原因があるわけでございまして、その点はなはだ申しわけないと思っております。
  136. 安田敏雄

    ○安田敏雄君 もう時間がちょうど……。
  137. 梶原茂嘉

    委員長梶原茂嘉君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕
  138. 梶原茂嘉

    委員長梶原茂嘉君) 速記を始めて。  それでは、暫時休憩いたしまして、午後は二時から再開いたします。    午後零時五十三分休憩      —————・—————    午後二時二十二分開会
  139. 梶原茂嘉

    委員長梶原茂嘉君) 委員会を再開いたします。  午前に続き、農地開発機械公団法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を続行いたします。
  140. 天田勝正

    天田勝正君 私は、先ほど議院運営委員会の関係で、中座をいたし、その間、他の委員からの質疑があったと存じます。そこで、私の他の委員会出席中に、これから私が質問する部門についてすでにお答えになっておれば、その旨をお答え願えるならば先に進みますから、あらかじめ御了承願いたいと思います。  まずお伺いいたしますが、先ほど私が示しました赤字の累計は、ただいま監理官のほうからの連絡によりますと、私はこの損益計算書による未整理勘定繰り入れという部分は、これはやはり名前のとおり未整理であって、必ずしも損失ではない、こういう字句どおりの解釈をしたわけでありますけれども、これらもやはり一応未整理という形で損失だそうであります。したがいまして、今日までの損失の累計は一億七千二百三十五万三千円、かような数字になろうかと思うわけでございます。この赤字になって参った理由をいろいろ質疑いたしましたが、私は、この際、まず聞いておきたいのは、その一つでありますピヤレス・ドレッジャーやクロラー・ダンプ・トラック、こういうもの——要するに、不用なものを買ったという責任だけは一応明らかになりました。  次には、汎用機械は、これは不用のものでなくして、どこにも使えるものでありますが、これらの賃貸料はどうなっておりますか。貸し付けて、それに対する料金を公団のほうが収入として、事業収入として受け取る分になりますか。その賃貸料は幾らにおきめになっておりますか。
  141. 庄野五一郎

    政府委員庄野一郎君) 公団機械の賃貸料は、配付資料にもございますように、時間当たりの料金を出しまして、それによって貸し付ける、こういうことになりますが、時間当たりの料金の中には償却費、その他修理費あるいは損耗、延滞料、そういったものを含めております。そうして、それは耐用年数で何時間稼働——標準稼働というものを出しまして、それによって貸し付ける、こういうことになっております。
  142. 天田勝正

    天田勝正君 そういう御答弁ではなくて、貸付料というのは耐用年数だとか、あるいは償却だとか、そういうものを含まずして、時間当たりなら幾らで貸す、一日当たりなら幾らで貸す、こういうものがなければならない。それが不当に安いか、稼働日数が著しく少ないか、そのいずれかであっても、そこに赤字が出てくることは明瞭で芝ります。でありまするから、私はさきのこの用も)ないものを買ったという機械は別として、汎用の機械については一日当たりでもよろしい、一月当たりでもよろしいが、一台につき幾らで貸しているかと、こう聞いているのです。いかがでしょう。
  143. 庄野五一郎

    政府委員庄野一郎君) 一時間当たりの料金で、たとえば輸入ブルドーザーは、これはDの8で六千三百三十円、Dの8(15A)は五千四十円、D7は三千六百二十円、こういうことにきめておりまして、これは一時間当たりの料金であります。
  144. 天田勝正

    天田勝正君 それは一般の土木機械で特殊なものよりも商い値段であります。それは特殊の機械だから高くとれるはずであります。たとえば一般の土木機械でありますれば、レッカーのごときは一日三万円でございます。でありまするから、それと比べて時間当たり六千円ないし三千六百円ということでありますから、この特殊機械としては、私はまあまあという貸付料ではないかと思う。それはいいとして、それじゃどうして、まあまあという料金をとりながら赤字が出たかと言いますならば、私は稼働時間がきわめて少ないのではないかと思う。たとえば私の知る限りでは、パワー・ショベルやドラッグ・ショベルは、耐用時間数にしますと一万二千時間だったと承知しておりますけれども、これは三十一年には百六十時間しか使っていないのでしょう。さらに三十二年になって五百四十時間、三十三年は六百二十時間、三十四年は六百六十八時間、三十五年け四百六十五時間です。ですから、これだけ五年間使ってもなおかつ二千時間程度しか使っておらない。こういうことになるのでありまして、機械の性質からしまして、機械の働かせようがまことにまずい、こういうことになりませんか。いかがです。
  145. 庄野五一郎

    政府委員庄野一郎君) 一万二千時間と申しますのは、たとえば開懇用の輸入機械について申しますと、これは大体耐用時間、こういうことになっております。われわれといたしましては、年間の基準時間といたしまして、大体、年間八百時間ずつというのを基準時間として、それに到達し、それ以上いくようにする、こういうような業務運営をやらせるようにいたしております。
  146. 天田勝正

    天田勝正君 これは土木機械といい——これも土木機械の一種でありますが、三百六十五日、日曜祭日を除き一日八時間あるいは十時間、そういうフルの運転は、ごく短期間は別として、大きな工事においてそういう使い方はできっこないことは私も承知しておりますけれども、今の局長答弁の八百時間、これは私は、八百時間というのは少な過ぎると思う。八時間にしても百日しか働かないというのですから、とてもこんなことでやったら普通の会社はもたなくなる。そこで、それはそれとしても、八百時間としても、今日までの最高が、三十四年の六百六十八時間しか使っていない。ですから、稼働日数は常軌を逸したほど少ない。そんな使い方をしていて赤字が出なければ不思議だと、私はそう思うのですが、いかがですか。
  147. 庄野五一郎

    政府委員庄野一郎君) さっき申しましたパワー・ショベルとかレッカー・ショベル、こういったもので、特に御指摘のパワー・ショベルは、これは篠津開発機械でございまして、御指摘のように、篠津だけで使っておるわけでございます。そういう関係もあってか、年間八百時間に到達しない、こういう面も出てくるかと思います。
  148. 天田勝正

    天田勝正君 そこで、行政管理庁のほうに伺いますが、行政管理庁から提出せられました行管甲第三十二号——三十七年二月十六日の、管理庁長官から農林大臣あての、農地開発機械公団監督行政監察の結果(勧告)、こういう文書が出ております。行政管理庁としては、この中において、機械の稼働時間が少ない、幾らも使っていないものも)ある、こういう指摘をされておるわけであります。これはどういう監察をされ、その結果が、明らかに通常の当該機械を使用する稼働よりも少ないと見た上のものだと思いますが、念のため伺います。
  149. 片山一郎

    説明員(片山一郎君) お答えいたします。私のほうで調査をいたしました稼働時間の稼働率の少ないということは、標準稼働時間に対しまして少ない、こういう意味でございます。
  150. 天田勝正

    天田勝正君 じゃ、行管の標準稼働時間というのは、今庄野局長が答えた八百時間と見てのことですか、そうでないのですか、どういう時間になりますか。
  151. 片山一郎

    説明員(片山一郎君) お答えいたします。機械ごとにきめられました標準稼働時間がございますので、それに対しまして稼働時間が少ない、こういう意味でございます。
  152. 天田勝正

    天田勝正君 機械ごとにきめられたという、その内容はどういうことですか。何の機械に幾時間ですか。
  153. 片山一郎

    説明員(片山一郎君) お答えいたします。公団がきめました標準稼働時間というものがございます。それに対しまして実際の稼働時間を調べまして、両者を対比いたしまして稼働時間が少ない、かように出したのでございます。
  154. 天田勝正

    天田勝正君 一般的に伺いますが、行政管理庁は、他の役所のきめた基準が実際と合わなかったりすれば、それも私は指摘すべきだと思うのだけれども、それぞれの役所なり、それぞれの公社、公団なりできめたものをものさしにして、それで、あとこれで十分であるとか不足であるとか、こういうふうにきめるのですか。それならば稼働時間を百パーセントの成績を上げたというのには——早い話が、一つ機械で十時間ぐらいにきめてあれば、その役所、公団あるいは公社というものがきめた基準からすれば何百パーセントもよけい仕事をして、まことに成績がいいと、こういう結果になりまずけれども、その点はどうなるのですか。
  155. 片山一郎

    説明員(片山一郎君) お答えします。公団の定めました標準稼働時間と申しますのは、それだけ働けば公団といたしましては赤字を出さぬで済むというものでございまして、その標準時間の稼働がやはり公団の経営上の一つの基準になっておると存じます。そういう意味で標準稼働時間に対しまして実稼働時間が幾らかということを見たわけであります。
  156. 天田勝正

    天田勝正君 これは一つの例で、今質疑を行なっているのですけれども、そんなことで行政管理庁がお仕事をやるならば、何も行政管理庁の必要はなくなってしまう。すべての役所を通じ、すべての公団、公社、政府機関を通じて、一つのものさしは行政管理庁といいますか、内閣できめなければならぬと私は思うのです。それならば、今あなたの御答弁になったようなことであれば、たとえばある役所で、これは人間のほうは別でありますけれども、ある一人の人が二、三時間働けば赤字にならないのだ、ある公社なりそういうところで二、三時間働けば赤字にならぬのだ、そうすればあなたのほうはそのものさしでいいとか悪いとか判断するのですか、ものさしというものは別になければならぬでしょう、その点はいかがですか。どうも妙だと思うのだがな。
  157. 片山一郎

    説明員(片山一郎君) ただいまの機械の標準稼働時間というものを、公団のきめた標準稼働時間でなしに、一般的な、民間とかその他のものを調査しまして、それによって標準稼働時間を出して、それと比ぶべきじゃないかという御趣旨のように伺いましたが、今度の私どもの調査は、公団という特殊な、一般民間の企業とは違いまして、特殊な性格のものでございまして、そういった一般の、ほかの民間等の機械の標準時間というものを調査しませんで、公団できめられました標準時間というものを基礎にした次第でございます。でありますから、場合によりましては、一般的な標準といったようなものを調べまして調査することもありますが、今回の調査はそういう方法をとらなかったのであります。
  158. 天田勝正

    天田勝正君 それだから、衆議院は最高責任者である行政管理庁長官の出席を求めたのは当然の処置になってくる。この点は遺憾の意を表しておきますけれども、らちがあきませんから、質問は先へ進めます。  それならば、実施庁である公団のほうで一つものさしをきめる。あとは監督するもしないも、ものさしが向こうにあるのであるから——自分のほうのものさしがあって、まあ早い話が、標準のメートル原器というものが厳としてあって、そして商店や何かではかっておるところのます目やあるいははかりやあるいは長さや、そういうものが違うとか違わないとかが初めて言えるのであって、ものさしは三越なら三越ときめたものさしではかって、それが正しいとか正しくないとか、そんなあなた一体調査というものが一般的にありますか。そしてあなたが今、それは公団という特殊のものだとおっしゃったけれだも、特殊だからどうだというのです。特殊なことはありませんよ。一般標準と比べて、役所あるいは役所に関連のある機関であるからとて、人間であろうと機械であろうと、働く時間があまりに少ないといえば不当ということになるのだし、それは特殊の機関だからこうだという、その特殊の機関というものはどういうことなんですか。説明は私はおそらく不可能だろうと思うが、どうですか。そんなおかしいことはないですよ。
  159. 片山一郎

    説明員(片山一郎君) お答えいたします。特殊な性格と申しましたのは、一般の私企業におきましては、できるだけ早く機械なんかは償却するというような方法をとっております。ところが、公団におきましては、一般の私企業に比べまして、そういうふうに早く機械を償却するというふうなことではないというような点でございます。
  160. 天田勝正

    天田勝正君 なるほど、それだから私どもの質問の大前提とあなたの答える大前提と食い違うのは無理もない。私どもの質問しておる前提は、国の機関であり、あるいはこれらは政府関係機関と予算上はいうでしょうが、そういうものは、その成り立ちは、結果においてこれは借金でできておる。公団ではあるけれども、保証はどこがやるかというと国であります。最終的にその資金をまかなうのはだれかということになれば、国民税金ということになります、借りるったっていつか返すのですから。そういうものについては、なおさらもってきびしい態度をもって臨まなければならない。これが私どもが質問しておる大前提であります。ところが、あなたの答弁を聞くと、そうではなくて、一般民間企業ならばせっせと働いてせっせと償却して、そして新しい機械を買うなら買う。役所関係はそうあわてて償却する必要はない。のんびり働いてもよろしい。端的にいえばこういう答えであります。そういう考え方で行政管理庁がおるとするならば、これはたいへんなことであります。とんでも)ない話です。むしろ計画としては一般企業よりも能率を上げるように、国民あるいは民間企業者の模範になるように計画を立てて、努力をしたけれどもこれはそうはいかなかったという話ならまたうなずける。どうもあなたと意見が違うから、質問よりも何だか意見の部分が多くて、私自身も困っておるのだけれども、しかし行政管理庁というのは、審議官、あなた全部そういう調子でやっていると受け取ってよろしゅうございますか。
  161. 片山一郎

    説明員(片山一郎君) 行政管理庁は、全部そういう考えでやっているというのではございません。今回の調査においては、今申しましたように、民間との比較はやらなかったということでございます。
  162. 天田勝正

    天田勝正君 またどうせほかの委員諸君からも質問があるでしょうから、残念ながら先に進みまして、それならば、公団側がきめた年間八百時間という、それがあなた方のほうも正しいと認めて、そのものさしを使って、少ないとか多いとかをおっしゃった、こう受け取ってよろしゅうございますか。
  163. 片山一郎

    説明員(片山一郎君) ただいまのとおりでございます。
  164. 天田勝正

    天田勝正君 それならば公団がきめ、あなたのほうでもそのものさしは正しいと、一応のめどとしてはかった結果は、そのものさしにも足らなかった。こういうことをあなたのほうは指摘している。それは怠けているか、いないか知りませんけれども、いずれにしても、結果は、そのような少ない稼働時間は不当である、こういうようにお認めになりますね。
  165. 片山一郎

    説明員(片山一郎君) そのとおりでございます。
  166. 天田勝正

    天田勝正君 さらに念押しをいたします。この点について、衆議院質疑の過程におきまして、不当と管理庁も認めている、こういうことを委員から指摘されたところが、あとになって、何かあいまいなことを、お茶を濁すようなことを言い出す。その点が結論がついておらなかったから、私はあらためて念を押したわけであります。こういうことで、明らかに行政管理庁から見ても不当である、こう御答弁があったのでありますから、そうしますと、そのあとの結末は、指摘したっきりで済ませるわけですか、いかがでしょう、行政管理庁は。
  167. 片山一郎

    説明員(片山一郎君) お答えいたします。指摘した事案につきまして、回答をいただきまして、それが改善されるかどうかということにつきましてはまた、場合によりましては再調査ということもいたします。
  168. 天田勝正

    天田勝正君 その指摘に対して、公団側からなり、もちろん公団が回答するということは農林省を通じてでありましょうが、回答ありましたか。
  169. 片山一郎

    説明員(片山一郎君) まだいただいておりません。
  170. 天田勝正

    天田勝正君 農地局長に伺いますが、今お聞きのとおりでありますが、よって、これは私の一般民間企業を見た目からいたしましても、年間八百時間というものが少な過ぎるのみならず、さらにそれにもはるかに及ばない。ものによってはろくに使ったこともない。こういう状態であります。そうしますと、ここに公団側の人は来ておらないだろうと思うのだが、おりますか、委員長。質問の途中で恐縮ですけれども。
  171. 梶原茂嘉

    委員長梶原茂嘉君) 公団の監理官が見えております。
  172. 天田勝正

    天田勝正君 監理官でしょう。だから、公団当局は、安田委員の要求にも一かかわらず見えませんから、それはそれとして、監理官がずっと出ておって、行政管理庁の指摘を待つまでもなく、私はかなりその実態は御承知でなければならないと思いますが、その点は、農林当局は、毎年々々十分その状態を御承知でありましたか。いかがですか。
  173. 庄野五一郎

    政府委員庄野一郎君) 機械の稼働時間、特に年間の基準となる稼働時間についての御指摘でございます。先ほど八百時間と申しましたが、これはある機種について申し上げたわけでありまして、この年間の稼働時間は、それぞれの機種によりまして決定いたしております。ブルドーザー等におきましては年間千二百時間というものを考えておるわけでございます。この稼働時間の決定につきましては、民間等々もよく調査いたしまして、適当なところできめる、こういうことに相なるわけでございます。特にわれわれといたしまして、この公団機械の年間基準稼働時間を決定するにあたりましては、この機械が農業用の開発機械でありまして、やはり自然的、地理的な条件等にも支配されるというような点から、多少民間がブルドーザーならば千四百時間というのを千二百時間、そういったふうにそういう点を勘案して決定しておる、こういうように承知いたしております。
  174. 天田勝正

    天田勝正君 ですから、私は、すべて給与など論ずる場合は民間企業のどこからどこまでのところの標準と、こういうことになってくるのと同じように、やはり政府もしくは政府関係機関におきましても、機械を買った場合はそれを働かせる、こういう場合は民間の標準でなければならぬと思っておる。そのこと自体にも議論があります。けれども、それよりも点数を甘くしてかかっておる。ここには議論がありますが、しかし、それはそれとしてもよろしい。だけど、それにはるかに及ばない数字指摘されておるんです、いま現在は。だから、そのことは行政管理庁から指摘されるのを待つまでもなく、農林当局は、この五年もたっておってここで議論をするんではなくして、毎年この状態はすでにおわかりになってなくちゃならない。わかっておれば、それに何か部内においての処置がとられなきやならない。こういう順序になってくる。その点については何か処置をとられましたか、とられませんか。あるいは全然それを今まではわからなかったのか、わかっていたのか。
  175. 庄野五一郎

    政府委員庄野一郎君) 機械につきましての年間の稼働時間、こういうものは機械公団から監理官を通じましてやはり報告をとっております。によりまして、御指摘のように、非常に公団できめました基準稼働時間に達しないものもございますが、また公団機械中心をブルにおいてあるわけでございまして、ブルドーザーにつきましては、年間の基準稼働時間以上に稼働しているものもあるわけでございます。これについては、やはり年々この稼働時間等を見ながらこの経験に従ってやりたいと考えておる次第でございます。
  176. 天田勝正

    天田勝正君 その標準稼働時間以上に稼働さしたというのは何ですか。
  177. 庄野五一郎

    政府委員庄野一郎君) 開墾機械のブルドーザーでございます。これはお手元にお配りしてあると思いますが、大体三十一年度で一九二、三十二年度で一〇二・六、三十三年で一〇六・七%こういったふうに一〇〇%をこした稼働もいたしておる次第でございます。
  178. 天田勝正

    天田勝正君 次に、赤字の原因と想像できるものとしましては、この公団事業を行なう場合に、法律二十一条の規定に基づきまして、あらかじめ年度初めに許可を受けなければならないし、その許可には手続的に農林大臣と大蔵大臣の協議、こういうようなものを要することになっておりますが、その許可が著しくおくれた、そういうことのために赤字が累積したという事実はありませんか、ありますか。
  179. 庄野五一郎

    政府委員庄野一郎君) 行管指摘に相なっておりますように、予算の認可が非常におくれている年度もあるわけでございます。特に三十六年度につきましては、著しくその認可がおくれていることは、まことに申しわけないと存じております。これにつきましては、予算認可いたしますに際しまして、現行法律におきましては付属書類として事業計画を出させて、それと引き合わして予算の認可をする、こういうことに相なっております。認可の手続はただいま御指摘のとおりでございますが、その事業計画につきましてやはり国といたしまして、農地局の開墾事業あるいは干拓事業あるいは土地改良事業等につきまして、予算配分をいたしまして、それが県なり、あるいは町村においてその事業公団が引き受ける、こういうことに相なるわけでございまして、その予算執行実施の面と事業のほうの予算の配分の面を引き合わして、この計画を実行ならしめるといったような関係もありまして認可が非常におそくなった、こういう点、まことに旧しわけないと思います。今後は十分注意してやっていきたいと思います。
  180. 天田勝正

    天田勝正君 予算認可がおくれたについては、今のお話を聞くと、付属書として事業計画書をつける、よって云々という話でありましたが、その事業計画書の出てくるのは、公団側から出てくるのがおそいがゆえにおくれたというんですか、あるいはそれが出てきたけれども、大蔵省との折衝並びに農林大臣の認可がおくれたのか、その責任はどっちなんです。
  181. 庄野五一郎

    政府委員庄野一郎君) 事業計画公団から新年度前に出ておりました。ただし、事業計画につきましては、新しい年度におきまする開墾なり干拓なりの事業の十分な見通しというものは、予算配分が済んでおりませんのでないわけでございまして、その事業計画が実行性を持つようにわれわれといたしましては新しい年度のいわゆる農地局の工事に入るというものと引き合わせしながらこれを認可していく、こういうふうな段取りに相なったわけでありまして、おくれたのは国のほうの認可手続がおくれたんだということで、内容いかんにもよりますが、大部分の責任は国にあると、こういうふうに考えております。
  182. 天田勝正

    天田勝正君 その責任農林省のほうにあるそうでありますから、その点は満足いたします。  次にあげる数字は間違いございませんですか。三十三年度においては農林大臣と大蔵大臣の協議、その大蔵大臣の回答が六月二十三日、農林大臣の認可が六月二十六日、三十四年においては大蔵大臣の回答が八月二十四日、農林大臣の認可が八月二十六日。三十五年は大蔵大臣の回答は七月十一日、農林大臣の認可が七月十九日。そうして三十六年度は大蔵大臣から回答がなかったのやらあったのやら、あるいは農林大臣がそれについて認可したのかしないのか。三十五年度までの数字は間違いがないか。三十六年については私の指摘がどうなっているのかお答え願いたいと思います。
  183. 庄野五一郎

    政府委員庄野一郎君) 三十五年度までの日付については、行管の指摘どおりと思います。三十六年度につきましては、行管の勧告がありました二月十六日現在においては、大蔵大臣の回答がなかったわけでございますが、その後大蔵大臣から回答がありましたのが三十七年の二月二十日、農林大臣の認可月日が三十七年の二月二十八日、こういうことに相なっております。
  184. 天田勝正

    天田勝正君 そうすると、この法律に規定されておりまする当該年度の初めにというその当該年度の初めというのは、農林省はどういう解釈に立っておりますか。まあ当該年度の初めといえば、普通の常識なら四月一日よりも前ということが普通だと思うのだが、これを常識的に、多少のズレがあったとしても、もう七月だの八月だのというのがすでにまことに常軌を逸した話だと思うので、二月になっても回答がこなかったり、こないのを、それを農林省のほうじゃまた黙って見ている。こういうことははなはだもって解せないということになりますけれども、年度当初というのはどういう解釈になっておりますか。
  185. 庄野五一郎

    政府委員庄野一郎君) 御指摘のとおり、年度の始まる前、直前、あるいは年度に入りましても早々に認可するのが最もよろしいと存じております。三十六年度につきましてまことに遅延いたしました点は、過去の赤字対策あるいは翌年度以降の再建対策をどうするか、そういうような点におきましていろいろ検討もいたし、また大蔵省との打ち合わせにも時日を要したわけでございまして、年度も終わりに近づいて認可したという点については、まことに遺憾に思っておる次第でございます。
  186. 天田勝正

    天田勝正君 それならば、さっきあげました数字が間違いないそうでありますから——認可したのがかりに六月二十六日あるいは八月二十六日、もう九月に入りそうになっている。こういうような、第一四半期なぞはとっくに終えてしまって、第二四半期ももう半ばに入っちまうというようなときまでの公団の予算執行はどうされるのですか。まさか法律違反しながら執行しているということにもならぬと思うのですが。
  187. 庄野五一郎

    政府委員庄野一郎君) 御指摘の点はまことにごもっともで、遺憾に存ずる次第でございます。今後は、こういう点につきましては、本年度はまだ認可が済んでおりませんし、これは新しい予算の執行がございますし、それから赤字補てん金等の繰り入れ、そういう点もございまして、この審議が一日も早く成立いたしました段階におきましてやりたい、こういうふうに考えておる次第でございます。過去の点につきましては、非常におくれた点、特に三十六年度が非常におくれた点につきましては、先ほど申しましたような事情でございます。その間におきましては暫定予算で執行して参ってきておるわけでございまして、暫定予算でやるということ自体について問題はあろ
  188. 天田勝正

    天田勝正君 庄野局長は三十六年度が特におくれたと、こうおっしゃるのだけれども、三十六年のほうは私はまたあらためて間かなければなりません。これはもう年度が過ぎちまいそうになったのですから、これは特別中の特別でありまして、そういうことじゃなくて、三十五年度までの私の指摘した数字が間違いないというのだから、普通の常識からすれば、三十五年度までの認可がおくれたこと自体が異常なんですよ、これ自体がもうすでに。これを普通だと思っているから三十六年だけは特別なんと言い出すのであって、三十五年度は特別ですよ、もう。その間の予算の執行をどうしているかということなんです。そうすると暫定予算、それはどこに一体根拠法規があるのかというのです。ないですよ、そういうのは。それまでは予算執行をストップしていなければならない。だから、そのこともあなたのほうとしては監理官をちゃんと出しておるのですから、そうしたらそのことは時々刻々に大臣の手元までは報告がなければならぬと思うのです、私は。そういうものはないのですか、あるのですか、一体。ほったらかしにしておくのですか。
  189. 庄野五一郎

    政府委員庄野一郎君) 大蔵省に協議いたしまして、大蔵省の回答等にも、新しい予算の執行等の問題につきまして事業計画とこれが十分にマッチしているかどうか、そういう点で大蔵省との協議なり折衝に時間を食った面も多々あったと思います。そういう点でわれわれといたしましては、できるだけ早くやるようにというように監理官からも)報告が出れば折衝も促進いたした次第でございます。結果においてこういうことになったということはまことに申しわけない、こういうふうに考えております。
  190. 安田敏雄

    ○安田敏雄君 関連。ただいまの予算認可の問題について、確かに異常な状態であるわけですね。そこで、行政管理庁ではこの予算認可の状況、あるいは業務方法書の認可の状況について非常に指摘しておりますけれども、これを是正すべきであるとか、是正しなければならないというような最終的のきめ手を出しておらぬのですね。ただ、赤字の原因になっておったとか、予算統制が適切を欠くとかという指摘はあるのでありますけれども、こういう点について行政管理庁では早急にこれは改めなければならないというような意思表示ができるわけですか。
  191. 片山一郎

    ○説明委員(片山一郎君) お答えいたします。ただいまの点につきましては勧告をいたしております。公団の予算及び業務方法書の認可に関しては早急に処理するようにという勧告を出しております。
  192. 安田敏雄

    ○安田敏雄君 そこで、農地局長にお尋ねしますけれども、三十七年度の収支予算が出ているわけですね、公団のやつが。公団から農林省にこれは出してあるのだと思います。このほうの公団から申請したのはいつごろですか。
  193. 庄野五一郎

    政府委員庄野一郎君) 三十七年度予算につきましては、三十七年の三月末だと、こういうふうに存じております。
  194. 安田敏雄

    ○安田敏雄君 そうしますと、本年度はもうすでにこの問題については農林省では受理して所要の審査なり手続をとっておるわけですか。いわばingの形でもいいのですけれどもね。
  195. 庄野五一郎

    政府委員庄野一郎君) 三十七年度予算と事業計画につきましては、ただいま審査をいたしております。この点につきましては衆議院からも御指摘があったわけでございまして、大蔵省とも早急に打ち合わせをしまして、新しい予算で執行できますようにすみやかにこの認可をいたすようにということでいたしたいと、こう考えております。
  196. 安田敏雄

    ○安田敏雄君 そうしますと、この予算書、業務計画書はまだ農林省でチェックすべきところばして、で、よしとするところはよしとするというような結論が全然出ておらない。ですから、この予算書について、私どもがここではっきりこれをあなたに、局長に質問しても、答えられないということになりますね。
  197. 庄野五一郎

    政府委員庄野一郎君) 現時点におきまして、この予算書の基礎になりまする業務計画書については、農地局あるいは畜産局のいわゆる農業基盤整備開墾なり、土地改良なり、草地改良の予算の配賦模様、そういうものと突き合わせまして、この業務計画が適正、妥当なものかどうかという点を今、審査いたしておる次第でございますが、できるだけ、それを急いで早くやるように、こういう指示を監理官のほうにいたしております。
  198. 安田敏雄

    ○安田敏雄君 そうしますと、この計画書なり、そういう業務方法書全部ですね、それが、審査されて、よいとなって、初めて予算というものが、また、いいか悪いかがきまるわけですね。ですから、ここに出ている予算では、今日の段階では質問しても、あなたのほうでは明確な答弁を与えられないわけですよ。たとえば、一例を申し上げますと、公団に過去にいろいろの問題があったわけです。そういうような中で予算書を作ってきた。この支出を見ますと、交際費あたりが、五十万円のものが今度二百万円になっているわけです。これが妥当であるかどうかということは、まだあなたのところで結論がついてないわけですね。そういうことなんです。ですから、この予算がいいか悪いかということは、あなた自体としてまだはっきり答弁できないわけでしょう。
  199. 庄野五一郎

    政府委員庄野一郎君) この予算書を私のところで最終的に審査いたしまして、これを大蔵省に協議する、こういうもう一段階必要でございます。御指摘のような交際費等につきましても、前年から比べて非常にふえておるという点、問題にいたして、そういう点の事情公団から聞いている、こういう段階でございまして、まだ結論的に、ここで断定的に申し上げる段階には至っておりません。こういうことでございます。
  200. 天田勝正

    天田勝正君 私も他の委員質疑を妨害しては済みませんから、先になるべく進みたいのだけれども、まあやむを得ないと思います。この二十一条を見ますと、「公団は、毎事業年度、予算及び資金計画を作成し、当該事業年度の開始前に農林大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。」。ですから、当該事業年度の開始前、それはどこをものさしにするかといえば、二十条に、「公団事業年度は、毎年四月一日に始まり、翌年三月三十一日に終る。」と、こう書いてあるのですから、その開始前というのは、明らかに三月三十一日まででなければならない。これは事理明白なんです。それは私は、官庁が法律を守ろうとするならば、もうにっちもさっちも動きがとれないきめ方でなくて、救済規定がここにあるのです、二十一条を私が読んだだけでも。でありまするから、本来、あなた方がなさるべきことは、一応三月三十一日までに、農林大臣、大蔵大臣の協議も終え、そして三月三十一日までには許可しなければならぬ。いいですか。その間に、今年ここに審議しているように、公団にかかわるところの法律が世されたり、改正法律が出されたり、あるいは予算が出されて、この予算で執行しようと思っておったけれども、その予算が通過をしなかった、あるいは、これに変更があった、そういう場合は、この二十一条の後段を適用して、「これを変更しようとするときも、同様とする。」 というこのことを適用して、あらためて出し直せばよろしい、このとおり、救済規定がちゃんとあるのですよ。法律を守っても、あと、それを変更するときには、できないではない、できるのです。こういう救済規定があるにもかかわらず、なぜ、それをやらなかったかということが、私は問題だろうと思う。法律を守らなくて、つい、ついなどという、これも衆議院で追及されましたけれども、最後には、何かごちゃごちゃ、あいまいになってしまった。どうしてこれを守らないのですか。やればできる。今年のごとく、法律改正も出ておるのでありますから、その公団の予算執行にかかわる部分については、あと申請をし直せばよろしい。し直したら、それを受けて、また、あなた方が大蔵省と協議して認可をすればよろしい。どうして毎年、とんでもない時期に認可ばかりして、法律どおりに解釈すれば、事業執行が一時、四半期ぐらいは不可能に陥るという事態で、監理官を派遣しながら放置したか、この際、明らかに私は承っておきたい。どうですか。
  201. 庄野五一郎

    政府委員庄野一郎君) 御指摘のとおりにいたしたい、こう思って、三十七年度については、監理官のほうにそういう指示をいたした次第でありますが、まだ、そこまで至っていないということは遺憾でございます。
  202. 天田勝正

    天田勝正君 三十六年度分は別に残しておきましたけれども、三十六年度に至っては、まるでその当該年度が終えてしまう時分になって、しかも、今度の改正法案を衆議院に、二月初めでしたか提出されて、それから三月ごろになって許可したのじゃないですか。いつですか、三十六年度の許可は。
  203. 庄野五一郎

    政府委員庄野一郎君) 大蔵省からの協議がととのいましたのが、三十七年二月二十日でございます。それに基づきまして農林大臣の認可をいたしましたのが、三十七年の二月二十八日でございます。
  204. 天田勝正

    天田勝正君 二月二十八日——二十八日というのは、二月は二十八日きりありませんから、二月末ですね。あと一ヵ月しかないところでその事業を行なう、それでなくてさえも、私が事務的な質問をした際に、こういう質問をしたことを御記憶であろう。それは、各党及び政府に向かって、積雪寒冷地等では予算の審議決定等をば歴年に直してくれという陳情がたくさんあるということを申し上げた。であるから、この開発公団等で今後仕事をしていくのは、大部分が積雪寒冷地等までみなされるのである、その仕事上、予算を何か融通性のあるものにする必要がありゃせぬかという資疑をしたのは、局長も御記憶でありましょう。そのくらい、われわれは心配をしておるわけなんです。ところが、あんた、何と驚くなかれ、二月の二十八日になって三十六年度の予算の認可をする、そういうことになると、この間は、本来からすると、何もできないわけでしょう、公団は、予算がないのだから。できませんね。これはお認めになりますね、局長、どうですか。
  205. 庄野五一郎

    政府委員庄野一郎君) 認可のおくれました間につきましては、連絡を受けながら暫定的な予算で実施する、こういうことに相なっております。
  206. 天田勝正

    天田勝正君 局長、これは上を向いて歩けない法律だからね。できないことを、できるがごときニュアンスでものを言ったっても、とてもそれは無理です。そこで、さっき、しからば、暫定予算を組んでどうのこうのと言われたけれども、暫定予算などというのが、公団、公社、あるいは事業団に類するものに、一体ありますか。私の記憶ではないのです。その処理はどうされているのですか。実際は仕事をしておりますね。どうされているか。
  207. 庄野五一郎

    政府委員庄野一郎君) 実際上機械の貸付、あるいは、委託工事の執行ということをやっているわけでございまして、そういった実際上の仕事中心にいたしました暫定的な毎月の予算を組み、それでやっていく、こういうことに相なっております。
  208. 安田敏雄

    ○安田敏雄君 ちょっと関連。これは予算の暫定の問題であるとか、予算の認可のことが今質問されているわけですが、これは退職金をとってもおかしいですよ。昨年度の予算を見ますというと、退職金を二千十三万九千円も当初から予定しているのですよ、三十六年度の収入支出予算を見ればそう出ている、計上してある。それで去年の、三十六年のうちにやめたのは、一千二十九万六千円の退職金をとった成田さんが、理事長が十月十日にやめている。それから監事の田口さんが四百二十九万円の退職金をとって三十六年十二月二十日にやめている。年度の当初においてすでにこういう人たちの退職することが予定せられている。こういう予算の作り方はないですよ。ずいぶんおかしい。当然、年度の途中でやめたら、それは退職準備積立金というようなものがあって、その中から支給するとか、もし予算がないときにはこれは翌年度の中で、これは新しい三十七年度で予算を新しく請求して支払うべきものだ、規定があっても。これはどういうわけですかね。ですから、その予算の仕組み方と執行と認可はもうでたらめなんです。そういう面では、こんなのはこれは農林省責任でもない、公団責任なんですよ。
  209. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 関連。今あなた、それをめくっているが、三十三年、三十四年、三十五年の貸借対照表を見ますと、役職員退職手当引当金というものが、千三百万から一躍千八百万、それが二千二百三十万となっている。従業員のほうは単に五百五十三万から八百六万、九百九十六万となっている。そうして一挙に三十六年度で二千二百三十七万というものの大半をもうそういう大物でどっとくずしている。まるでほんとうに予定するために逐年そんな膨大な引当金というものを組んで、一方八百万なり七百万なりというものを損失金というような形で出しておったというか、そういう形も考えられる。何もそれとは関係ないけれども、ちょっと私は役職員の手当引当金、従業員の手当引当金、その増高するやり方が不均衡だと思う。これもあわせて所見があったら承っておきたい。
  210. 富谷彰介

    説明員富谷彰介君) 参事官でございますが、先ほど安田先生から御指摘のございました、従来の収入支出の予算では退職手当の項目が二百万とか三百万とかというオーダーであるにもかかわらず、三十六年度に限りまして一挙にそのオーダーが一けた上がっているじゃないかというお話がございました。これは実は先ほど局長から御答弁申し上げました、三十六年度予算の認可がおくれましたことともからみ合っておりまして、三十六年度の当初ではやはり公団としましては、平常年度どおり二百万とか三百万という退職手当の項目で組んで参ったのでありますが、現実にすでに年度認可の前、途中で退職手当の支給の実例が生じましたものですから、そっちに平仄を合わせて支給したような次第であります。  それから次に、小笠原先生からお話のありました点でございますが、これは釈迦に説法になるかと存じますけれども、役員の退職給与の規定の上では、在職月数に対しまして、一月について〇・六五ヵ月の退職手当の支給ということにきまっております。したがいまして、毎年度の決算書では、それに見合うだけの退職手当を役員の分には積んでおるわけでございます。職員のほうでも同様に、規定によります退職手当の引当金を毎年決算で行なっておる次第でございます。で、多額な赤字が出たにもかかわらず、そういう引き当てをしてというおしかりがございました。まことに恐縮に存じますのでございますが、この点重ねて釈迦に説法かと存じますけれども、要するに、退職手当の引当金と申しますものは、将来に備えての準備でございますので、そのような引き当て方をさしていただいておるようなわけでございます。
  211. 安田敏雄

    ○安田敏雄君 そうしますると、この三十六年度の予算は、そういう退職、現実に退職したという事実を含めて作ったものだから、結果においてはこれは出来高払いによってでき上がった決算式の予算ですな。
  212. 富谷彰介

    説明員富谷彰介君) 結果によりますと、そういうことになっておるわけでございます。
  213. 安田敏雄

    ○安田敏雄君 当初予算じゃない。
  214. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 実際これは金はないんでしょう、ただこういう仕分けをしておるだけで。
  215. 梶原茂嘉

    委員長梶原茂嘉君) 小笠原君、あとにして下さい。
  216. 天田勝正

    天田勝正君 せっかく皆さんがその問題に入られましたから、私も先を急いでその問題に入りたいと思います。そこで、今まで私は二十一条関係を質疑しましたが、これには私は当初お断わりしたように、二つある。一つは、法律違反、しかもそれには救済の方法がちゃんとあったにもかかわらず、いたって怠慢であるという指摘であり、もう一つは、かように予算認可がおくれたために事業に支障を来たして、そのために赤字累積の一つの原因になったんではないかという指摘であります。その、もう法律違反であることは何と言われようと明瞭なんですから、それは別として、このことのために赤字累積になった。さっきから申し上げて、よけいな機械を買ったとかいろいろありますよ、しかし、その赤字累積の一つであるということはお認めになりますか。そういうことは関係ないとおっしゃいますか、いずれですか。
  217. 庄野五一郎

    政府委員庄野一郎君) 赤字のどの部分が予算認可がおくれたために起こったか、こういう明確なお答えはできかねるかと思いますが、そういう業務執行に支障が、もし予算認可がおくれたために起こっておるということになりますれば、そういう面からくる赤字も生じておる、こういうふうに考えております。
  218. 天田勝正

    天田勝正君 そこで、すでに安田委員も小笠原委員指摘されましたが、とほうもない退職金をもらっておる、しかもそれはどこから出てきたか、これは公団自体の退職金規程でしょう、この分も農林省の認可にかかわりますか、いかがですか。
  219. 庄野五一郎

    政府委員庄野一郎君) 役員の退職規程は、当初農林大臣の認可でできたものでございまして、その認可されました規程によって支給されております。
  220. 天田勝正

    天田勝正君 ところが、これに対する農林大臣衆議院における答弁では、そんなに多いとは私も知らなかったと、こうおっしゃっておる。もっともこれは、そういう答弁も、三十年の認可でありますから、これは河野農林大臣は御存じなかったといっても一応通るわけであります。でありますが、とにかくこれが認可されて、はたして他の公社及び事業団、あるいは他の公団、こういうものと全部歩調がそろっているものかどうかということが農林省認可の基準になると思いますが、それは全部あれですか、肩を並べてみて妥当なりときめて認可になったんですか、いかがですか。
  221. 庄野五一郎

    政府委員庄野一郎君) 当公団の役員の退職規程の認可に際しましては、ほかと比べましてほかの公団と同じ率に相なっております。
  222. 天田勝正

    天田勝正君 その部分だけ局長はお答えになりますが、私の知る限りでは、あなたのおっしゃるとおり〇・六五に数をかけたということであるけれども、それ以内となってやしませんか。以内となっておるはずですよ。いかがですか。
  223. 庄野五一郎

    政府委員庄野一郎君) 御指摘のとおりでございます。
  224. 天田勝正

    天田勝正君 そこだから問題なんだ。それは一応行政管理庁からも指摘をされる事項はない、会計検査院からも指摘をされる事項もない——一応監督官庁はそれぞれ公団、公社いずれも各省別でありましょうけれども、しかし、この際は農林省。その監査官庁が見ても、妥当な成積を上げたと、抜群でないまでも普通の成積は上げておる、こういう場合ならば別として、以内であると書いてある限りにおいては、それは当然に最高もあれば、その以内というんでありますから、一万円も五千円も、時によれば千円もあるでしょう。一円から最高まである。あるからこそ以内と書いてあるはずだ。ところが、これは明瞭にこの五年間で一億七千万以上の、一億七千二百三十五万円という赤字を出しておるわけです。業積が至って悪いと言わざるを得ない。そして会計検査院からも注意もされれば行政管理庁からも不当が指摘されている。こうなれば現実にその予算を組む場合、現実にこれを支給する場合、どうして農林省は黙っておりますか。監督官庁としての責めが全然果たせていないじゃないですか。いかがですか。
  225. 庄野五一郎

    政府委員庄野一郎君) 退職規程で百分の六十五の六十五以内ということに相なっていることは、御指摘のとおりでございます。この以内につきまして、業積を勘案して順次きめたらいいじゃないか、こういうような御質問のようでございますが、衆議院においても大蔵からも答弁がありましたように、いろいろ業積の基準というものはむずかしいわけでございまして、公団においては百分の六十五を支給する、こういうような関係になっておると、こういうふうに承知しております。
  226. 天田勝正

    天田勝正君 だから、この点は、衆議院でも答弁は今おっしゃったようにあったけれども、あいまいでおしまいになっちゃったと私は言っている。それじゃ困る、両院を通過するときは。以内と書いてある以上はあくまでも以内なんであって、字義どおりに解釈して、一円から一千万円も二千万円もあると、こう解釈すべきだ。それをどこの基準で減額するか増額するか、それはかかって業積です。その業積が政府の機関が二つ調べて、会計検査院、行政管理庁、それが調べてもけっこうでございますということにはなっておらない。農林省から見れば、今私どもに対する答弁を聞いても、どうもまことに遺徳な点がありましたから今後は気をつけますという話なんだから、これもけっこうだとは認めておらない。けっこうだと認めておらないのばかしが役所に三つもあることになれば、これは当然業績悪しというので、たとえその悪い点をどれだけに見るかは別問題として、少なく支給してしかるべきですよ。私はこの一点だけでも衆議院をこれが通ってきたということに不思議にさえ思っている。これはあくまでもかようなことは将来やめますと、こういう答弁がいただけますか。あくまでも「以内」とは書いてあっても最高やるんだ、こういうことですか。農林省関係の各事業団やら公団、こういうものに対してどうです。
  227. 庄野五一郎

    政府委員庄野一郎君) いろいろ業績の点等を勘案してと、こういう御指摘のようでございます。今後の運用につきましては十分研究いたしたいと、こう考えております。
  228. 天田勝正

    天田勝正君 そこで、話は違いますが成田前理事長、これが最高の公団赤字責任者と私は思いますけれども、当院にも安田理事の熾烈なる要求にもかかわらず都合等があって出られない。衆議院にも出てこなかった。事情はありましょうけれども、出席がなかった。おらないところで言うのはまことに私も少しちゅうちょする向きなきにしもあらずであります。けれども、ここには私二つの問題があると思います。一つは、皆さん方国家公務員がAの役所からBの役所に移る場合、退職金をもらう人は何びともありません。それがかりに国会の職員のごとく特別公務員でもありましょうとも、そこへ移る、また矛、こから他の役所へ移るという場合、退職金をもらう人は一人もありません。よろしいですか。しかるところ、公団だ公社だというところは、一から二に移るという音たびに退職金をもらう。この退職金たるや、今言うように、一般の者であれば、ある基準に年数をかけている。ところが、役員だけは今度は年数じゃない月数をかけていく。比率は〇・六五ですから、おそろしい高いところへもってきて月数をかけている。これが不当であるということが一つ。これは何を基準にするかといえば、都合のいいときには民間だとか持ち出してきたり、私にすれば、同じ政府関係の機関でありますから、せめて公務員並みにしたらよろしい。AからBに移るときなんか退職金は必要でない、こう思うけれども、この点に対する考え方。だから、こういう問題が起きるから、委員長、大臣を要求するんですよ。無理だけれども、いないからしようがない。空気に質問するわけにいきませんので、今局長に聞く。もう一つの問題は、明らかに、さっきから指摘するように、業績が上がらない。むしろ業績の上がらなかった赤字責任者である。そういう人が今度は政府の同じような機関でありまする愛知用水公団などのほうへ行く。これは栄転でしょう。多少とも格下げにもするというのならまだ少し反省の色が見えたということもあるけれども、まことに赤字をたくさん作ってりっぱなことであったという意味を含めたのでありましょう、栄転というのは一体どういうわけだ。この二つ。われわれはとても選挙民に報告するに困っちまう、質問されたら。いかがですか。
  229. 庄野五一郎

    政府委員庄野一郎君) 公団の退職金につきましては、これは令部大蔵と協議いたしまして大体決定されるものでございまして、各省の公団通じまして私は百分の六十五以内、こういうふうに承知いたしております。これが公団からほかの公団に移ります場合にどういうふうにしたらいいか、こういうことについては、われわれ円宗公務員が国の機関をかわりますのと違いまして、それぞれ公団は独立の企業体でございまして、そういう点が非常に国家公務員並みにするということが困難であると、こういうふうに承知いたしております。なお、この点については衆議院で行管長官も、よく研究するように御答弁があったわけでございまして、政府の公務員制度の問題ともからんで検討があろうかと思っております。なお、成田理事長の点でございますが、非常に赤字を出しましたことについて、われわれ監督責任上まことに遺憾、こういうふうに存じておる次第でございますが、なお、公団につきましては、発足以来赤字を出しました一方におきましては、上北根釧あるいはその他の地区の開墾、特に大規模の機械力によりまする機械開墾方式を立て、また開墾事業につきましても、一万五千二再町歩以上に及ぶような開墾事業を完成して参った、こういった点におきましても一面功績もあるわけでございまして、そういう経験を買われまして愛知用水の理事長になられた、こういうふうに承知いたしております。
  230. 天田勝正

    天田勝正君 局長答弁を聞くと、大行は細謹を顧みずだから、まあまあ栄転さしていいんだというふうに聞こえます。ところが、私はもうさきにもこの機械の稼働の問題で指摘しておきましたけれでも、使えもしない機械を買ったりなぞして、大行といったところで国損を与えたんでありますから、一向大行ではありませんよ。それを大行だと思うところに、私どもと質疑に食い違いができてくる。まあそれはそれとして、またほかの委員質疑されるでしょうが……。ところが、さらにもう一つは、この公団は顧問、嘱託、こういうものをたくさんかかえているというけれども、それはどのくらいいて、そしてどのくらいの待遇をしているのか。これも衆議院指摘されましたけれども明らかになっていないことです。いかがですか、この点は。
  231. 庄野五一郎

    政府委員庄野一郎君) 顧問と嘱託の点につきましては、安田先生のほうから卸質問があり、お答え申し上げた次第であります。
  232. 天田勝正

    天田勝正君 それでは次に、今後は気をつけるという話をさっきからされておるんですが、私は今後も心配になるんです。なぜ今後心配になるかといいますと、成田さんは出てこられないから私らあんまり言いたくないんだが、次の理事長は、この間衆議院のほうへは出てこられたようであります、松本さんですけれども、松木さん個人がどうこういうよりも、前の東北開発のあの人は理事でしょう。そうすると、東北開発という会社自体は汚職騒ぎでてんやわんやでしょう。これもあなた御承知のところだ。もちろん全部がその被疑者であるなぞという即断を私はいたしません。けれども、ものには、最高の幹部になった以上は知らざりしことの罪というものもあるんです。かりに役所でいえば、農林大臣がこまかいことも知らなくたって、下のほうで不正なんかが起こればだれが責任をとるかといえば大臣がとるんです。それで初めて役所であろうとどういう団体であろうとも秩序が保たれるのですよ。松本さんには確かに汚職事件はなかったかもしれないし、かりに捜査が進展しても白でありましよう。私も、それを信じます。しかし、松本さんは理事である。会社でいえば重役であります。政府でいえば閣僚であります。であるから、その汚職事件というものを知らざりしという罪は免れないのですよ、これはどうやったって。自分が直接やったんじゃないからそ知らぬ顔だなんていったら、上級幹部は何でもみんなのがれてしまう。そういう人を今度あとがまに持ってきた。あとはみな庄野さんが気をつけてくれるといったって、とても安心していられるものじゃありません。これもどうしたって農林大臣に聞かなければ承知のできないことだけれども、いないから、そういう一体人事をやってよろしいのですか。これも大臣が来れば聞きまずけれども、この際聞いておきます。(「政務次官」と呼ぶ者あり)政務次官に言うとみんなが笑うし、おれが一人でいじめるようにみんな言うからね。しょうがないからやっているんですよ。
  233. 庄野五一郎

    政府委員庄野一郎君) その点も安田先生から御質問があった次第でございます。ただし、事重要でございますので、重ねて御答弁申し上げますが、松本理事長が東北開発をおやめになりましたのは昨年の九月と承知いたしております。当公団理事長任命は昨年の十月一日、こういうふうに承知いたしております。それで東北開発の汚職事件が起こりましたのは昨年の暮れかことしのお正月早々だと、こういうふうに聞いておりまして、天田先生のように知らざるところの責任、こういうこともあろうかと存じますが、汚職には関係ない、こういうふうに私たちは承知いたしておる次第でございます。
  234. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 庄野さん知っているかどうか。去年の九月、東北開発をおやめになったというが、これは辞表を出して円満にやめたのじゃないのですよ。当時の迫水企画庁長官が、総裁以下一切各種の派閥関係、企業運営よろしからず、理事の総退陣をしなくちゃいかぬという政府方針によってこれはやめたわけなんですよ。知っていますか、そういうことを。
  235. 庄野五一郎

    政府委員庄野一郎君) 先般の決算委員会で企画庁の責任の方からそういうようなお話があったように承知いたしております。私としては昨年のことは存じておりません。
  236. 天田勝正

    天田勝正君 もう一点だけにいたします。ほかにもたくさんあるが、約束がありますからよしますが、私は、端的に私の質問に対してこの部分は政府責任でございます、こういう答弁がありましたから、かなりの部分満足している。しかし、何かするというと、どうも私どもが指摘するのに人の名前が出るというと、その人を弁護するようなことを言い出して、そこのところからおかしくなってしまう。かりに松本さんが、おっしゃるとおり九月に辞表を出されようと、その事情がどらあろうと別として、汚職事件の摘発は暮れであろうとも、平の起こったのはそれ以前でしょうがね。だから、そういう日で手入れが始まったとか、何かの日を言うならば、在職中に何があったか、これが基準にならざるを得ないのだから。そのときの理事でしょう、政府でいえば閣僚であるし、会社でいえば重役なんだ。その責任者が今度たいへん不始末のあった公団あとがまの総責任者になるということで、幾ら庄野さんが保証されたからといったって、とても安心していられるものではありません。でありますから、政府側としては、それは確かに何ですよ、この問題については農林大臣も松木さんについてはまことに人格高潔の人でございまして云々という答弁をしている、私は、速記録を見たけれども。いやしくも一つ事業体をとらえて、ものを判断する場合には、その個人の人が神様のような人であってもだめなんです。その団体における業績がこのものさしになる。そうでなければ、世の中の秩序というものは成り立たないというのが私の質問しているものさしなんだ。今度は、だから、東北開発というのは、もう前々からいろいろうわさされて、とうとううわさされたような事態に発展してきた。司直の手が入っているから詳しく私も言わないですが、そういうことになっている。その人をあとがまへ、前の人は栄転だ、そしてとほうもない業績が悪くたって、規定だからというので、規定一ぱいみな退職金はもらっていく。そんなばかげたことはないのであって、あなたの言うように、これは大蔵大臣と協議いたしましただの何だのと言ったって、それは他との比較上、あまりこれは過ぎるなと患ったら、もう一ぺん協議し直せばいい。作るとき協議したというのだから、また協議して直せばいい。例は妥当でないかもしれません。たとえばわれわれ議員のは、その報酬は歳費という言葉で呼ばれている。かつて高等官は年俸と言われた、それは明治の時代をひもとけば、あなたも御承知のように、年俸というのは明らかに少尉以上の者、軍人でいえば、その年に一日でもかかったら一年分俸給をもらったものだ、年俸のとおり。議員もそのとおり、歳費のとおり、その年に一日でもかかればそれはその一年分もらったものだ。しかし、それではあまりだということで、だんだん直ってきたんですよ。私は今各公団、公社、事業団、そういうものが職員などと比べれば、とほうもない〇・六五に月数をかけるなんぞということは、わずかな年月おれば何千万円になってしまう。そういうことはアンバランスだ、こう指摘している。一つの同じ政府機関から他の政府機関に移った場合に、再びもらえる。そんなこともけしからん、こう指摘しておる。それについて政府側は、今まではそうであったけれども、衆参両院で指摘されたことであるから、さらに政府部内においてこれについては協議をいたします、こう答弁してしかるべきものだと思いますが、どうですか。これだけ申し上げておいて、他の委員からいろいろ発言があるそうでありますから、一応残念ながらだ、ここらのところで私のはやめます。
  237. 庄野五一郎

    政府委員庄野一郎君) いろいろ御指摘をいただきました点につきまして、今後の問題として十分研究して改善の措置を講じさせていただきたいと思います。
  238. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 なぜ私が質問が残っておるかというと、渡された資料に原因があるのです。この財務諸表のこれ一つとってみても、みな表としての建前が年度々々で適当なんですよ。それから今度こっちのほうの予算資金計画及び業務計画というのも、その年度々々によって形式が違う場合がある。それでみな引っぱり合わして見なくちゃいかん。ほんとうを言うと、あなたのほう不親切ですよ。損益計算書なり貸借対照表なり出すなら、なぜそう損益計算書に予算を並列してつけて増減を見せてくれない。そうすれば、こんなこと一々引っかき回わして見なくてもいいわけですよ。どうもそういう点が不親切だと思うのです。ある場合には、作為を持って何が何かわからんようにごちゃごちゃ突っ込みにして、こういうものをもっともらしく出しておるようにさえ思われる。私はそうは受け取りませんが。  それで、簡単にお尋ねします。この三十五年度が赤字が多かった年なんですが、まず簡単にさっきの貸借対照表によりますが、流動負債引当金となっておる二億一千五百万くらいのこの金は現金があるのじゃないでしょう。限定して言うが、引当金でこの分だけ別途預金しておるという金ではないでしょう。
  239. 富谷彰介

    説明員富谷彰介君) 三十六年三月三十一日現在の貸借対照表についての御質問でございますが、今の引当金に見合う現金その他の金は借方の部に預金として二億円、それから未収金その他で流動資産をトータルして九億八千六百万円所有しているわけでございます。
  240. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 だから、この未収金の三億一千七百五十万という金があるのですから、これは借金になっているのでしょう、金がないわけですね。ないんだから、片方のつじつまは三億一千七百五十万が入っての勘定ですから、実態としては金がないんです。そうでしょう。
  241. 富谷彰介

    説明員富谷彰介君) その分については御指摘のとおりでございます。
  242. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 そういうものの中から気前よく退職金を出すなら利子のついている金をどんどん出してやるということがどうもいかんがなと思ったんです。それから予算と損益計算書で見ますと、管理費とか交際費とか諸税とかこういうようなものは大体予算と動かないのですね。交際費なんというのは五十万置いてあるのに四十九万九千何がしと、きちっと使って赤字にならぬようになっている。すごく上手なものですね。そこでお尋ねしますが、世銀関係諸費というものが八十一万九千という半端な予算を置いてあって、使った金が四十万ですね。何ですか、その世銀関係諸費というのは。
  243. 富谷彰介

    説明員富谷彰介君) 世界銀行から金を借りております。それの債権保全のために必要な費用になっております。
  244. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 そんなら八十万も予算を置いて、四十万あれば足りたというような、こんなずさんな予算というのはどこから出てきたのですか、一例として申し上げますが。
  245. 富谷彰介

    説明員富谷彰介君) 予想したよりも実際の管理に要した費用が少なかったということでございます。当初非常に山をかけてたくさんとったわけではございません。それから、先ほど御指摘のございました管理費について非常にきちんきちんやっているじゃないかという御指摘がございましたが、そのとおりでございまして、管理費の流用ということを厳に戒める建前で予算措置をいたしておるものでございますから、業務勘定のほうでいろんな事業を——受託事業なり貸付事業なりやりまして、収入がふえて、それが予算とかなり変わって参りますけれども、管理費の面では厳に人件費の膨張その他冗費の節約ということを心がけているような次第でございます。
  246. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 それからこの部分では二点だけ伺っておきますが、非常に大きく予算と決算と違っているのは事業費のうちの雑費です、一つは。九千八百万ぐらいを見込んでおったのが一億三千万ぐらいになっていますね、雑費がね。それからもう一つは、労務費を一億ぐらいに置いたのが一億五千万になっておる。五割の増です。これが非常に目立った——あとの修繕費とか何とかというのは大体予算と見合っていますが、この点が大きく開いていますが、どういうところに原因があったんですか。
  247. 富谷彰介

    説明員富谷彰介君) 先ほど申し上げましたとおり、管理費のほうは厳に予算内に縛るという方針をとっておりますけれども、業務勘定のほうは事業量がふえるに従いまして、それに関連して費用がかさんで参るというような弾力性を持っているような次第でございます。それから労務費は御承知のとおり、近年に至りまして急激に高騰いたしました関係で、そういうふうな予算と決算との開きが出たようなわけでございます。
  248. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 五割の労務費というのはどういうことですか。賃金が上高したからというだけではそんなことは認められない。事業量が変わったのですか。公務員関係や一般春闘相場なんというのよりははるかに高いですよ、これは。
  249. 富谷彰介

    説明員富谷彰介君) 事業の性質で、直営の分でなしに下請に回す分でございますとか、それから機械施工でなしに一般土工に回った分とか、そういう分の関係でございます。
  250. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 一般に土木事業等では、いわゆる土建会社といわれるようなところでは、労務費の刻み方いかんでプラス、マイナスが出てくるということで、機械その他の問題はほとんど目算が置ける。それで労務費をいかに縮めるかということで会社運営の基礎にしておるということを聞いておる。それが予算で一億置いておって、五割方も違うようなこういう運営をするということは、経営自体能力がないと見ていいじゃないですか。こんなものを監督官庁認めておるのですか。そういう理由で上がったとするならばですよ。
  251. 庄野五一郎

    政府委員庄野一郎君) 御指摘のとおり非常に不都合かと存じますが、三十五年度の事業につきましては、災害復旧その他事前調査等不十分、こういうような御指摘がありましたように、公団機械施工で相当いける、こういった見積もりでやっておりまして、それが災害復旧等で時期的に早く復旧しなければならぬ、あるいは初めの見積もりが非常に上がった、そういう点で機械施工によらないで今、富谷事官からお答え申し上げましたように、一般の土工によらなければならぬのが非常にできた。そういう面を下請会社に下請さしたそのときの見積もり等において非常に問題があったように承知いたしておりまして、特に機械施工でない、一般土工の面等の見積もり、あるいは下請の出し方、そういう点に問題がある、こういうふうに承知しております。
  252. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 行政管理庁の説明によりますと、本所と支所との予算の使い方、あるいはその承認の仕方、これはもう三十五年度ですか、全然ルーズだということで、全部指摘しておる事項は金の使い方について指摘しておるのです。とんでもない、こんな会社なんてあったものでないと、しろうとでも思うようなことがずっと記載されておる。本所は支所がどれだけ使ったかもわからぬ。本所の許可も得ないで支所独断でどんどん金が出せるような形態。見積もりも何もあったものじゃない。こういうことで五千万もの狂いが出てくる事業計画そのものにもそれは誤算があったでしょうが、やっぱり指摘したことが累積してこういうことになっておるようにもしろうと目には見られるのですね。これで、先ほどおっしゃったように、理事者なり幹部が適正な公社の運営をしておったのだという、今の学校で言うたら五点に位する最高の敬意をもって表彰すべきだというように言われますか、常識的に。予算なんてあってもなくてもいいことになる。何のための予算なんです。五割方も狂ってしまうというような予算なんて、そんなものは予算ですか。それを黙って認め、そうして内部的にも統制ができなかったという、こういう事情は、やはり公社幹部の怠慢と私が指摘して悪いことですか、行き過ぎですか、どうなんです。
  253. 庄野五一郎

    政府委員庄野一郎君) 御指摘の点まことにごもっともと存じます。三十五年につきましては、そういう契約なり、業務執行なり、担当いたしておりました理事責任も非常に多いわけでございます。それから支所等の運営、本所との連絡等においても欠けるところがあった、こういう点、行管からの指摘があった次第でございます。その点われわれも今後の運営の方向として改善をやっていかなくちゃならぬ、こう思っております。なお、三十五年度のそういった赤字累増の責任等につきましては、担当の理事が引責いたして辞職いたしております。
  254. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 この行政管理庁が説明しているところによると、二十三ページに書いてありますね、「昭和三十五事業年度は要求予算の内容を示す付属書類を欠いていたため、本所は予算査定の方法がなく、支所の要求どおり送金していた。」あるいは支所の経理というものは、「多桁式簿記により事業地ごとに予算と支出を対照経理するよう指示されているが、実際は殆んど励行されず、」と。次の二十四ページの(イ)になりますと、「各支所の月別所要資金は、予算実施計画示達表によることと規定されているが、昭和三十五事業年度は予算の認可が遅延して、昭和三十五年七月までは所要資金は、資金需要計画書によって交付したので、」云々ということで、もうめちゃくちゃにに使っておる。何の基準も根拠もない。これでなおかつ適正で五点の優をくれて、最高の表彰をするということは私も納得いかない。これはこれだけにします。  次に、最後に一つだけ。予算書で見ますと、乳牛事業収入というのが一億九百万ばかりございます。そうして支出が乳牛の講入費として一億三千万ばかりございます。これは私の見ているのは二十一ページです。それと、三十六年度の貸借対照表の借方——二十二ページですよ、借方で投資及び基金とあって、二億七千七百三十六万円、流動資産とありまして乳牛仮勘定一億一千五百四十八万円、こう出ています。この関係を説明してもらいたい。
  255. 富谷彰介

    説明員富谷彰介君) 三十五年度の収入支出予算で、収入の部であげてございます乳牛事業収入は、それまでに三十一年度から各県に乳牛を配付いたしましたその償還金が入ってくる収入でございます。それから、同じく収入支出予算の支出の部の乳牛購入費一億三千万は、それに添付してございます業務計画にございますとおり、乳牛導入費用は三十五年度まで、実は行なわれましたので、同年豪州から千三百頭の乳牛を入れるための購入費でございます。それから、同じく三十五年度の貸借対照表にございます借方の部の投資及び基金、乳牛割賦元金の勘定は、従来府県に渡しました乳牛で引き渡し済みで債権確定した分の金がここに計上してございます。で、下のほうに流動資産の乳牛仮勘定としてございますのは、公団では確かに渡したのでございますが、契約完了していない勘定をここに一億一千五百万円計上してあるわけでございます。
  256. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 それでは、単年度として損益計算書ではどういうふうに出ていますか。
  257. 富谷彰介

    説明員富谷彰介君) 損益計算書のほうには、この乳牛勘定は過去の精算勘定でございましたので、つまり、今の貸借対照表にございますのは、過去の債権勘定でございますから、損益計算書のほうに出て参りません。それから、当該年度に千三百頭買いましたのは、買いましてそのまま売り渡すものでございますので、この損益計算書には計上しておらないわけでございます。
  258. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 そうすると、当年度出したものは、翌年支払い期限がきてから勘定科目に載ってくるということですか。
  259. 富谷彰介

    説明員富谷彰介君) 債権が確定いたしますと、割賦元金のほうに繰り込むわけでございます。
  260. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 それで、今、千三百何頭と言いましたがね、それは三十五年度でしょう。この表で見せられますと、八百六十五頭になっておるのですがね、購買数。そうすると、計で、名乗に渡したものが七百四十八頭ですね。
  261. 富谷彰介

    説明員富谷彰介君) 実績は御指摘のとおり七百四十八頭でございます。私が千三百頭と申し上げましたのは、年度当初の業務計画にある数字を申し上げました。失礼いたしました。
  262. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 そうすると、八百六十五頭の代金は幾らですか、購入代金は。千三百何頭について一億三千万ですね。予算はそうなっている。そうすると、実際八百六十五頭を購買した金額は幾らですか。
  263. 富谷彰介

    説明員富谷彰介君) 一頭当たりの単価が約十万円でございますので、総計で九千万円……。
  264. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 大体八千六百万くらい……。
  265. 富谷彰介

    説明員富谷彰介君) はい。
  266. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 それで、この公団の勘定科目では、この乳牛関係は別立てで、独立勘定でやっているのですか、他の事業費と込みにやっているのですか。
  267. 富谷彰介

    説明員富谷彰介君) これは畜産局からの委託事業でございましたので別立てにいたしまして、全部つうつうの通り抜け勘定になっております。
  268. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 それならそれをちょっと教えていただきたいのですが、現在までの購買数は出ていますがね。この購費代金のトータルは幾らで、売却代金は幾らで、回収分は幾ら、利益は幾ら
  269. 富谷彰介

    説明員富谷彰介君) 利益の点でございますが、これは全部通り抜け勘定で、公団には損益ございませんので、利益はございません。
  270. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 そう簡単に説明されても困る。——まあ説明してこらんなさい。
  271. 富谷彰介

    説明員富谷彰介君) これまでに引き渡しましたもので、現在まで入っております金は、三十二年度が千二百万円、三十三年度が二千八百万円、三十四年度が四千五百万円、三十五年度が六千四百万円、三十六年が六千七百万円となっております。
  272. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 いや、だからどれだけ、とる金のうちこれだけ入っているんですか。あと何年でこれは完了するんですか。
  273. 富谷彰介

    説明員富谷彰介君) 全部取り立てますと、トータルで六億九千七百万円でございます。今後三十七年から四十六年まで、あと十ヵ年償還にかかるわけでございます。
  274. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 そうすると、ちょっと計算するのめんどうですから、あなたのほうにトータルあると思うので聞くのですが、過去五年間の収入は幾らですか、六億九千七百万のうち。
  275. 富谷彰介

    説明員富谷彰介君) 一億四千九百万円ばかりでございます。
  276. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 これは十五年間の全期三分の一の期間で予定どおり入っているんですか。計画どおり入っていますか。
  277. 富谷彰介

    説明員富谷彰介君) 計画どおり入っております。
  278. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 それで、これは復金の金を使って入っているんでしょう。それで、そのまま現物でこれは借りたという形になるんですか。金は金で借りてこの代金を払っているのですか。
  279. 富谷彰介

    説明員富谷彰介君) 金は金で借りまして、これは外貨で借りまして、購入代金は世銀で借りました外貨で支払っております。
  280. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 売り渡し代金は、六億九千七百万ですが、購入代金のトータルは幾らですか。
  281. 富谷彰介

    説明員富谷彰介君) ただいまそろばんを入れまして、すぐお答え申し上げます。——乳牛代金は全部で四億八千五百万でございます。
  282. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 先ほどあなたの答弁では、通り抜け勘定で、プラス、マイナスとんとんといっておりましたね。そうすると、二億一千五百万というのは、利払い、あるいは経費として使われたもの、そういう計算になるわけですか。
  283. 富谷彰介

    説明員富谷彰介君) そのとおりでございます。
  284. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 この四億八千五百万円に対して、十五年間の利子総額は幾らなんです。
  285. 富谷彰介

    説明員富谷彰介君) 二億一千二百万円でございます。
  286. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 そうすると残は三百万だけですね。二億一千五百万の差があって、利払いが二億一千二百万というのですから、残は三百万ですね。
  287. 富谷彰介

    説明員富谷彰介君) ちょっと御趣旨がわかりませんのですが、元金が乳牛全部で四億八千五百万円、それから償還のトータルが六億九千七百万円でございます。その差額がただいま申しました利息分で、二億一千二百万円でございます。
  288. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 二億一千二百万円が利払い、そうすると受け渡しは、金銭経理の諸雑費はどこから出るのですか。
  289. 富谷彰介

    説明員富谷彰介君) その諸雑費が出ておりません。それは過去に、公団に対しまして、管理費の不足分につきまして、補助金が出ましたのですが、その補助金は、乳牛の導入に伴う必要な経費を含めての管理費に対する補助金でございます。
  290. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 それでは管理費の補助金の出なかった年度はどうなんですか。
  291. 富谷彰介

    説明員富谷彰介君) その分は管理費は持ち出しでございます。
  292. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 どこの持ち出しですか。
  293. 富谷彰介

    説明員富谷彰介君) 公団の持ち出しでございます。
  294. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 この点については、プラス、マイナスとんとんだと、あなたはおっしゃった。それで持ち出しがある。公団は損しているのです。こういうものを委託を受けて損しているという結果になる。
  295. 富谷彰介

    説明員富谷彰介君) 先ほど申し上げようが悪かったのでございますが、乳牛を買いまして、それに何割かの利益を見込んで売っているのでございませんので、かかった経費そのままで売り払っているものですから、とんとんであると申し上げたのでございます。管理費のほうは、乳牛導入のための事業を畜産局から委託を受けたわけでございますが、特にその受託事業については、畜産局のほうからは補助金その他がございませんので、機械公団そのものの一般管理費の中でまかなっている、こういうふうに御了解願いたいと思います。
  296. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 売れなかった乳牛の頭数は何頭あったのですか。
  297. 富谷彰介

    説明員富谷彰介君) 輸入しました全頭数が八千三百七十六頭で、引き渡し不能が六百二十頭でございます。
  298. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 そうすると、六百二十頭、そのほかに不良牛の交換をしましたね、これは畜産局、国の金で交換はやったのですか。
  299. 富谷彰介

    説明員富谷彰介君) 引き渡し後の不良牛の交換は、畜産局が国の金でやりました。
  300. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 そうしますと、六百二十頭分なら約六千二百万円、これはどこが負担するのですか。
  301. 富谷彰介

    説明員富谷彰介君) これは畜産局が負担いたします。
  302. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 これは負担済みですか。
  303. 富谷彰介

    説明員富谷彰介君) 全部計算がついております。
  304. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 それはこの勘定に入っていますか。
  305. 富谷彰介

    説明員富谷彰介君) 入っておりません。
  306. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 なぜ入らないのですか。
  307. 富谷彰介

    説明員富谷彰介君) 横浜に陸揚げいたしまして、現実に引き渡した頭数で金をもらっておりますものですから、購入と引き渡し不能の差額につきましては、畜産局が公団に支払ってくれるわけでございます。
  308. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 金だけは全頭数分を公団が借りる。そうして公団責任で支払う、乳牛を持ってくる、不良牛を陸揚げ地で淘汰して、淘汰したものは別途畜産局関係の金として公団に入ってくる。それが公団収入にあがらぬというのはどういうことですか。
  309. 富谷彰介

    説明員富谷彰介君) 公団収入といたしましては、県に売り渡した分を公団収入としてあげております。したがって、事故牛の分につきましては、損害を畜産局から補てんしてもらっておりますので、収入としては県に売り渡した分が収入としてあがっております。
  310. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 一つ経理で、百円が支出であり、あるいは収入である。そうして決算としてプラス、マイナスとんとんだ、出てくる貸借対照表によれば、過去から全部をひっくるめて、世銀から借りた金というのは負債として残っているんでしょう。負債を消すのには、片方収入を立てなければ消えていかぬです。その収入のほうは、勘定科目に入れないで、どうしてこっちの負債のほうが消えていくのですか。そんな経理をどこでやっているのですか。国のことなら勝手だということでやるのですか。
  311. 天田勝正

    天田勝正君 関連してちょっと、参事官、今の小笠原委員の質問にあわせて答えてもらいたい。そういう経理の仕方をすると、金銭出納簿はどういう帳簿になるのですか。金銭出納簿というのは、収入に入れるとか支出に出すとかいうことは別個として、金銭の出入り全部記帳しなければならぬはずですが、今の御答弁のとおりだとすれば、金銭出納簿のほうはどうなんですか、あわせてお答え願いたい。
  312. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 私の申し上げたのは、乳牛の割賦元金というものがどんどんふえて、そうして決済がついて、復金のその分の金が落とせるわけですね。それが貸借対照表ではその勘定科目が立っているわけです。これへ入れないで、その金はどこへいったんですか。
  313. 富谷彰介

    説明員富谷彰介君) 失礼いたしました。ただいまよく調べましたところが、収入の部は、県に売り渡した乳牛代金のほかに、ただいま御指摘のありました六百二十頭の事故牛、それの損害の補てん金が入っております。したがって、それも収入に立っているのでございます。訂正いたします。
  314. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 何年には幾ら、何年には幾ら入っているか、表がありますか。
  315. 富谷彰介

    説明員富谷彰介君) 三十二年には事故牛の収納金が八百万円、三十三年は一千一百万円、三十四年は一千万円、三十五年一千三百万円、先ほど申し上げましたのは、失礼いたしましたが、これを含めた全部の収入のトータルでざいごます。
  316. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 私の言うのは、事故牛の年度別に入った金を開いているのですよ。これはそうですが。
  317. 富谷彰介

    説明員富谷彰介君) そのとおりです。
  318. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 そんな、金額は一千何百万円というような、六百二十頭なら六千二百万円ですか、六千二百万円分がトータルで入っておりますか。幾らになるのですか。
  319. 富谷彰介

    説明員富谷彰介君) トータルで五千百六十五万二千円入っております。
  320. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 それは昔というか、前のやつは安かったからという計算ですか。
  321. 富谷彰介

    説明員富谷彰介君) そのとおりでざいごます。
  322. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 私は、この数字のことを聞こうとして長々とこんなことを質問しておったのではない。三十五年度では打ち切りになったようですからあれですが、過去のことを言うようですが、少なくとも、三十年からこの公団事業を始めて経過年度で赤字が出てきておる。そういうようなところにわざわざ復金の金を借りさせて、そして公団責任で乳牛を入れさせて、売り払わせて、そしてなお不良牛が六百二十頭も出る。これは公団責任じゃないんです。公団が監督し、あるいは選別して買うんじゃないんでしょう。政府役人なり県の役人がニュージーランドに行って買ってくるのですからね。そうして通り抜け勘定で、みすみすロスになる、危険負担も十分に考えてもらえない、そんなものまでこの公団に背負わせた。これは過去のことですがね。こういうようなことは、やっぱり今から考えてみて、国の責任だと、よくなかったとお考えになりませんか。政府みずからがやることではなかったのですか。
  323. 庄野五一郎

    政府委員庄野一郎君) 公団でこのジャージーの輸入を取り扱いまするまでは、畜産局におきまして、ジャージーの輸入等をやっておった次第でございます。これは当院でもお答え申したかと思いますが、当時の事情として、非常に外貨がなくて、そういう面からの購買等にも支障を来たすと、こういうような状況もありますし、かたがた世銀の金を入れます場合には、政府機関——政府でこれを借りると、こういうわけに参らない現状もございまして、これは用水事業をやりますについても愛知用水公団を作って世銀の金を借りる、こういうような実情でございますが、そういう事情で、世銀の金で外貨節約をやりながら、所要のジャージーの輸入を五ヵ年計画でやっていきたい、こういうような畜産局の、農林省方針に従いまして、機械開発公団を利用いたしまして、こういうジャージーの輸入を担当する、こういうふうに相なったと承知いたしております。
  324. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 それはジャージーの輸入が先ですか、その金を借りるということでジャージー種というものがくっついてきたのですか。
  325. 庄野五一郎

    政府委員庄野一郎君) 詳しい事情は承知いたしておりませんが、当時畜産局としては、やはりジャージーを国の予算で買うという事情が、三十年、あったわけでございます。で、それが外貨の関係で買えないということになりまして、世銀の金でそれを買う、こういうことになりまして、さっき申しましたように、機械開発公団を利用すると、こういうことに相なったと承知しております。
  326. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 くどいようですがね。ジャージーというものが研究せられて、日本にジャージーを入れなくちゃいかぬ、少なくとも)東北なり、寒冷地における放牧酪農ですか、そういう形ではジャージーなんだということで、それを建前にして入れようとし、金の手当をしたというのか。ホルスタインでも何でもよかったのだけれども、金の借り入れの条件とは申さないが、その経緯でジャージーを入れなきゃならないということだったのか、いまだにわからない。この点は何度聞いてもはっきりしない。どっちなんですか。その当時の畜産行政としてはどうだったのです。
  327. 庄野五一郎

    政府委員庄野一郎君) 当時の事情はつまびらかに私も承知いたしておりませんが、私の承知している範囲では、ジャージーを入れる、こういう方針で進んできた、こういうふうに承知いたしております。
  328. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 そんなら約一割近い事故牛が出るような輸入の仕方というものは、やはり問題があったとはお考えになりませんか。
  329. 庄野五一郎

    政府委員庄野一郎君) この輸入につきましては、相当大量に集団的に入れるということで、畜産局から購買検査官が現地に行く等、万全の措置をやっておったように承知いたしておりますけれども、結果において非常に事故牛が出た、こういう点は遺憾に存じます。だんだん年次を、経験を経ますにつれまして事故牛等もまた減ってきたように聞いております。
  330. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 まあ、これで私の質問は終わりますがね。何と申しますか、資金的に、とでも申しましょうか、要らざる公団に対して負担をかける、こういうような行為があった点ですね。あるいは赤字は国庫補助金で始末したり、幾多の原因が累積されて、どうしてもやはり過去の公団運営というものはどこか締まりがなかった。またルーズであっても、国のなすべきことも押しつけたりしている関係から、十分な指導と監督が行なわれなかった。相対ずくでいろいろな仕事をこの公団にやらせてきた農地局の農地関係の公共事業補助事業、これらのいろいろな問題がからんで、この公団事業をやらせてきたというところにも、所期のこの目的が成績が上がらなかったという原因があるのではないですか。そういう反省はないのですか。
  331. 庄野五一郎

    政府委員庄野一郎君) 所期の目的は、上北根釧特定事業として開発する、こういうことで、必要な開発の大型機械世銀借款で買い入れて、それを担当する、こういうことで発足をいたしたわけでございますが、その後の開墾政策等につきまして、国の方針等も逐次変遷いたしたわけでございまして、そういう面におきまして、公団に十分な特定事業に類するような事業の確保が国においても十分できなかった。そういう点は認めざるを得ない面もあろうかと存じます。今後の事業運営にあたりまして、そういうことのないように、今後開墾にいたしましても、国営のパイロットなり、あるいは県営のパイロット、あるいは補助事業、あるいは構造改善対策事業中におきます補助整理、こういった事業機械施工、といった面にこの開発公団機械を利用させるというふうな指導監督をいたしたい、こういうふうに考えております。
  332. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 もう端的に申し上げまして、機械公団ですから、機械で効率を上げるということが大事なことだと思うので、先ほど来稼働時間なり、稼働日数が少ないというような批判がありましたが、結局今後において国として構造改善事業、あるいは牧野の改良等が公共事業になったこの機会に、ほんとうに計画的に公団そのものがフルな活動ができるように、全国的な事業配置等、あるいはそれがタイミングよく次々と近距離へ転移していくよう、あるいは冬期間に遊休機械がたくさん出ないように、フルな活動ができるような計画的なもう少し施策を国自身も、国自身の事業のタイミングの中でも考えられて、そして公団を援助していくと申しますか、指導していく、こういうようなこと等、万般の施策を過去の反省から私はお願いしたいと思うのです。強くそういう点を希望しておきたいと思うのです。終わります。
  333. 庄野五一郎

    政府委員庄野一郎君) 御趣旨の点十分注意いたしまして、そういう方向で公団の指導、監督に当たりたい、こういうふうに考えております。
  334. 安田敏雄

    ○安田敏雄君 これは質問ではないのですが、私は大臣に対する質問を残しているのですが、実はきょう業務方法書と予算書について面目を一新するという建前で改正案が出ているわけですから、質問したかったわけです。ところがこれは公団自体が、農地局へ出して、まだ大蔵大臣の認可を得ておらないし、これはどう変わるかわからないわけです。特に三十六年度の出来高によったような予算書の内容とこれと比較してみましたときに、非常にずさんな点があるわけです。たとえば資料でいただいた三十六年度の過去の予算書の款項を見ましても、非常に詳細に書いてあるけれども、これは非常に疎漏なんです。したがってここで質問しても、これは局長もまだいいか悪いか結論が出ていない、公団のこれについては。ですから早急に、行政管理庁の御注意もあるわけですから、あるいは審議経過からいっても、早くこの予算書と業務方法書をきめて、ただいま小笠原委員から御要望を申し上げたような周到な計画を出して、そうしてそれについて一度検討しなければいけないと私は思います。ですから、そういうような点をはからっていただきたい。こういう点次官いかがですか。
  335. 中野文門

    政府委員(中野文門君) わかりました。
  336. 安田敏雄

    ○安田敏雄君 わかりましたではなくて、決意のほどを。
  337. 中野文門

    政府委員(中野文門君) 御趣旨に沿います。
  338. 梶原茂嘉

    委員長梶原茂嘉君) ちょっと速記を止めて。   〔速記中止〕
  339. 梶原茂嘉

    委員長梶原茂嘉君) 速記を起こして下さい。  農地開発機械公団法の一部を改正する法律案に関しまする質疑は、農林大臣に対しまするものを除きまして終了したものといたします。
  340. 梶原茂嘉

    委員長梶原茂嘉君) 次に、農地法の一部を改正する法律案(第三十九回国会閣法第六六号)農業協同組合法の一部を改正する法律案(第三十九回国会閣法第六七号)以上、二案を一括議題といたします。両案は去る二十日衆議院から送付せられ、本委員会に付託せられました。  それではこれより両案の質疑に入ります。御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。
  341. 清澤俊英

    清澤俊英君 まあ一つだけ。法人組織を作られる場合に合資会社なり、合名会社、有限会社、農事組合法人、大体四つの形式を構想しておる。法人組織をやりますとき、農事組合法人定款ですかの協同組合形式のものと、合名会社、合資会社、有限会社等を作って、それを法人組織にすることができる、こうなっておりますが、その際のその法人はおのおのこの農地法等の改正からいきますと、大体これは所有農地の、もしくは小作権農地ですか、そういうものを出資体系でもって形成することが原則のようですね。その場合、かりに有限会社なら有限会社を作り、合資会社を作るなら合資会社を作りますときに、その出資したものは一応合資会社へ出資登記として登記せられるのかどうか、こういことを伺います。
  342. 庄野五一郎

    政府委員庄野一郎君) 農業生産法人は、御指摘のように有限会社、合資会社、合名会社、それから農協法に基づきまする農事組合法人、この四形態になります。この農業生産法人が所定の要件を備えました場合に、農地法農地の所有権、あるいは使用収益権の移転を許可する農地法第三条によって許可する、こういうことに相なるわけですが、この所有権の移転、あるいは農地につきましての使用収益権の移転は出資の場合もございますし、あるいは所有権ならば売買というような場合もございます。必ずしも出資が原則、こういうことには相なっておらないわけでございます。貸付という場合もあるわけでございます。これは構成員になりまする農民と法人との問におきまして種々協議をいたしまして、その自主性によって決定される、こういうことになるわけでございます。
  343. 清澤俊英

    清澤俊英君 このところがはっきりしないのだ。売買することもあるというのですか負でき上りました合資会社なら合資会社、そこにまあ法人格が一つできた。それに清澤なら清澤の持っているものを一応譲渡形式で移るのですか。譲渡形式で移れる、こういう形はとれるわけですね。
  344. 庄野五一郎

    政府委員庄野一郎君) とれるわけでございます。
  345. 清澤俊英

    清澤俊英君 その場合に今の、問題にしていることがあるのですね。それだけ一つ私は聞いてきょうは帰ろうと思っておりますが、税務署でその場合、譲渡した場合には譲渡税を取ろうというのですな、譲渡税を。これは最近神奈川県であった一つの例なんですが、約三十人の人が今ナシ畑をやっているのです。ナシを作っているけれどもそのナシを、一つの農園組織にしてそこでナシの下でイチゴも作ったりして、いろいろなことをして、販売の形式はまあ遊園ですか、人が遊びに来てそしてそれを食べたり買ったりしていくのが非常に利益があるそうです。これは旭川なんて御承知のとおり今の酪農体系をそれに直そうとしているし、山梨県にもそれが非常に成功したものがあるという。だからそれをやろうとして三十人の人が約十万坪のものを今やろうとた。そうしたところが税務署へ行っていろいろその手続を研究したところが、一千万円取られるというのですな、譲渡税を。一千万円取られちゃできないじゃないか。それじゃ何か別の方法で、税金を取られない方法でひとつやったらどうか、こういう話をしてみたのです。その場合に、これは後ほど本格的に審議に入るときに、ひとついろいろ私議論してみたいと思いますが、なぜに、一応作ります形態の中へ譲渡して持っていこう、こういうことになりますと、非常にあの付近は誘惑があるというのですな。住宅地やいろんなものにするために高価で買うという誘惑があるというのです。だからその誘惑に負けて、十万坪対象にした一つの遊園組織を作って相当の投資もして一つ事業を始めるでしょう。しかるにある程度になってきて、人に誘惑だからといってぽんぽんやめられてしまったらこれは危険でできない。だからどうしても譲渡形式で一応定款なり、初めからの申し合わせなりできちんと、勝手に脱退して勝手に人に売るなんということのできぬようにしよう、ところこれは法人組織ですからできませんとこういうのです。この際の税金の関係はどうなりますか。
  346. 庄野五一郎

    政府委員庄野一郎君) 法人に所有権を譲渡いたします場合は普通の例だと存じます。譲渡いたしました場合は譲渡所得税がかかるわけでございます。それは御指摘のとおりでございます。でこの問題について法人の運営なり、あるいは協業の促進、そういった意味からこの税制上の特例を何とか開きたい。われわれもこの制度を立案いたします段階において、それぞれ関係の大蔵当局等とも折衝いたしたのですが、まだこの特例を開くまでに至っていない。こういう事情は御指摘のとおり、誘惑等もあって、場所によっては所有権を移しておかなければあぶないといったような事態もあろうかと存じますが、大体の見通しといたしまして、所有権を譲渡する、または賃借権を設定するとか、賃借権を貸し付けるとか、こういったような問題も多々あろうかと思いますので、今後の問題として御指摘の点はさらに検討してゆきたい、こういうふうに考えます。
  347. 清澤俊英

    清澤俊英君 登録税は何か免除になるようなふうにこの法律ではなるんですね、入るんでしょう、登録税法の何は。
  348. 酒折武弘

    説明員(酒折武弘君) 生産法人の中の農事組合法人につきましては、農協と同じように、登録税の免除がございます。
  349. 清澤俊英

    清澤俊英君 そのほかの登録税はだめなんですか、会社のほうは。これは重大問題だ。
  350. 庄野五一郎

    政府委員庄野一郎君) 所有権の出資または所有権の移転、こういうのがございますれば権利主体が変わりますので、登録税等はかかる、こういうように承知しております。会社はかかります。
  351. 清澤俊英

    清澤俊英君 それじゃ、農業基本法によって、そして構造改善を主要目的としてやるということで法律まで変えて法人を作るというのに、それじゃ問題にならぬじゃないですか。もっと積極的な法人が確立しなかったら問題にならぬと思うんです。あなたに怒ってみたってしょうがないけれど、これは農林大臣と大蔵大臣に出てもらう、適当の時期に大蔵大臣に出てもらう、大蔵大臣にその意向を聞かなければならぬ。私はきょうはそれでやめます。
  352. 安田敏雄

    ○安田敏雄君 この資料の中に入っているかどうかわかりませんが、これが提案されたのが去年の二月なんですね、三十六年の三月か二月か……。
  353. 庄野五一郎

    政府委員庄野一郎君) 農地法の改正と農協法の改正でございますね、十月の二十六日に当参議院の農林水産委員会におきまして提案理由の説明とそれから提案理由の補足説明をいたしております。
  354. 安田敏雄

    ○安田敏雄君 その前に一ぺん提出したことはありますか。廃案になっておる、通常国会で、そうでしたな、三十八国会……。
  355. 庄野五一郎

    政府委員庄野一郎君) 三十八国会において廃案になりまして、三十九国会で継続審議になりまして当四十国会に移っております。
  356. 安田敏雄

    ○安田敏雄君 そこでまだよく資料を見ておりませんけれども、最近農地の移動の際に、他から田畑を売買する場合に、それを他の農業者が受け継いで、住宅、工場その他の敷地に使わない場合の移動があるわけですね。そういうような移動の場合において、これは各地域によって違いますけれども、大体どのくらいの一反歩当たり値段になっておるか。あるいは、田畑を住宅用地にする場合にどのくらいの値段になっておるか。高いところも安いところもあるでしょう。あるいは工場敷地にする場合どのくらいの取引がされておるかというような参考資料はこれに入っておりますか。なかったならば、ひとつそういうものを参考までに見せていただきたい。これは、私の聞くのはどういうことかといいますと、いろいろ土地を出資したりして、今度は農業生産法人の資格を得るわけですね。そういう場合に、結局、農民も将来農地が信託されるというようなことになってしまうと、いつ、状況によっては、不在地主になって、それからその土地を手放さなければならぬかという場合のそろばん勘定を、この法案が通ると、農民はしますよ。そういう場合に、これはどうも、たとえば中央道ができると開発せられる見込みがあるから、そろばん勘定によっては、早くいい値で放したほうがいいというようなことが農民でも考えられてくる。そういうことの参考にしたいために、ひとつそういうことを調べていただきたいと思うのです。
  357. 庄野五一郎

    政府委員庄野一郎君) 調査がございますので、一表にいたしまして提出いたします。
  358. 清澤俊英

    清澤俊英君 今の問題ね、局長、どのくらいをやっぱり交渉をしておるのです、今の譲渡税等がそれぐらい取られるのは、本質は売ったのじゃないのですからね、腹の中は売っているのじゃないですよ。一つの会社へ売るということが中心考え方じゃないのだ、経営の形式上そういう形はとっていますが、本質には、構成員となってそれが事業をやっているということになっている、本質的には売らないのだ、だからこの法律を見てみましても、脱退したあとには期限を付して、そのあとの処置を、一年間ですか、あとでとれとか、処置がとれないときには返すなり何なりやれとか、それでなおそういう片がつかぬときは、国が買収するとかというふうになっている。それをただ普通の会社ができて、それが買い集めてやっていくような、まあ譲渡税を取るなんということは、これは実際本気に法人を作って構造改善をやって新しく出発するというようなことを国は考えているのだろうか。考えていないのだろうか。今大蔵省はどの点であなた方を押えているのです、それは。
  359. 庄野五一郎

    政府委員庄野一郎君) 所有権の移転等ございますれば、やはり譲渡所得税はかける、こういう方針でございまして、これについて御指摘のような協業の促進あるいは経営の近代化、そういう面からの御要請もあろうかと思います。われわれといたしましても、そういう点で大蔵省とも折衝いたしておりますが、やはり権利主体が変わるというようなこと、それから農業生産法人のその後の取得後におきますいろいろな状態^出資いたしましても必ずそれが出資者に現物が返るということにも相ならぬのでございまして、非常にむずかしいのでございます。なお一そうこれについては研究したいと思います。
  360. 梶原茂嘉

    委員長梶原茂嘉君) 他に御質問もございませんければ、両案につきましては、本日はこの程度にいたします。  これにて散会をいたします。   午後五時二十五分散会