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北村暢君 どうも、
長官のそういう
説明を聞いておるというと、何か七十年くらいまで
数字はあるようなんですね。あるようなものをここには出さない、こういうことなんです。そういうものがあれば、そういうものを基準にして私たち論議できるのだけれ
ども、そっち側に持っていて、こっちにないものですから、どうも論議がしにくいんですけれ
どもね。聞いているというと、
数字はあるらしいんですよ。あるらしいんですが、われわれにはわからない。そういう点は非常に遺憾だと思うのですが、とにかく
造林とか
林道とかというものの、
林道をつけて奥地に
開発していくんだ、それが
計画どおりにいけば
蓄積はまあ七十年近くですか、
昭和七十年を目標くらいにやや正常な形の
蓄積に戻るんだ、こういう御
説明のようですけれ
どもね。従来の十年間の
林道の
実績を見るというと約四四%ですよ、
平均が。十年間に四四%の進捗率しか示していない。それじゃ、今後の
計画どおりにいけばというのだけれ
ども、
計画どおりにいけばの話しなんで、今後十年もまた四四%だったら、これは
蓄積はとんでもない、先食いしてしまう。切るほうだけは遠慮なく切ってしまうのでは、奥地林の
開発は進まないという結果になるような
感じがするのですよ、従来の
実績からいいますとね。それから
造林についても、
林道ほどひどくないのですけれ
ども、同じことが言い得るのです。どうしても
伐採だけが先行していて、そうして
あとの手当てというものがおくれる。これはまあさしあたり
木材の価格の値上がりとかなんとかで、もういやおうなしに切らざるを得ない。それかといって、
あとの手当というものが実際おくれているということになるというと、これはどうしても森林というものは今の不
確定要素の
蓄積だの何だのというものを含めても、何か私
どもは
数字だけを聞いているというと、荒廃をしてくるのではないか。どうも
長官の今おっしゃるような
蓄積が、
昭和七十年ごろになるというと、正常な形にどんどん戻っていくのだ、こういうことは、三十年も先では
長官はやめておられるのだろうから、ここで、そこら辺のところでは、というようなことでいっておけばいいかもしれませんけれ
ども、林業というのは、やはり三十年なり四十年なりの将来というものを
見通して、
計画というものが立てられていないというと、非常に不安なわけです。いろいろな文献を見ますと、確かに統計というものは不備であった。したがって、ないないと思っていた
蓄積が、実際はあった。それは統計の不備のために、調査の方法が疎漏のためにわからなかった。したがって、過伐だ過伐だといりておったけれ
ども、今まであのような過伐で続けていたら、木は一本もなくなっていたはずのやつが、何ぼ切っても出てくるというわけです。そこに林業の林業たる、わけのわからない、あいまいもことしたところがあるわけです。
幾ら切っても、裸になってなくなるのかと思うというと、
幾ら切っても、緊急増伐なんてやると、また出てくる。どうもここら辺のところが、私
どもは信用できないのですよ。でありますから、今申したようなことでいくと、
一体一ヘクタール当たりの
成長率なんというものも、相当増産にあてている。それでなければ
蓄積というものは正常に戻らないわけですから。今は過伐している、これはもう間違いないわけです。ですから、そういうことの期待というものは、今おっしゃるように、
林道の
開発なり
造林というものが
計画どおりにいった場合の話なんであって、従来の
実績を見るというと、
林道の
計画も四四%しか進捗していない。
造林については、ちょっとどのくらいになっておりますかあれですが、これも一〇〇%はもちろんいっていない。そういうことだというと、今後の
造林だの
林道というものについての財政的な処置なり、あるいは今までの慣性の上に立って、どうしてこういう進捗率が悪いのか、その欠陥はどこにあるのか、どういうふうに是正すれば、この
計画どおりにいくかというような施策が私は立ってこないのじゃないかと思うのです。ですから、そういう点からいくというと、どうも従来の
実績からいって、信用のできないものがある、このように感ずるのです。したがって、この
成長量というようなものについても、とにかく
国有林と
民有林では非常な差があるわけです。これは
国有林の
開発の
進度がおくれているという点ももちろんあるわけですけれ
ども、しかし、今日まで
民有林というのは
国有林に比較して相当過伐をしてきたということは否定できないと思うのです、過伐をしてきた。したがって、それでもなおかっこの
成長量が今後拡大をしていくということが期待ができるということは、私は非常に不安があるのじゃないかと思うのです。したがって、そういうことが不安がないのだと、心配要らないのだということをやはり
数字的に立証をしてもらわないと、いや林政のことは
林野庁にまかしておいてくれと、それだけではどうも頼りないと思うのです。でありますから、私は
先ほど来
長期の
計画についての
見通しを
数字的に示してもらいたい、こういうことを言っておるのですけれ
ども、どうもそれができないようでありますけれ
ども、それかといって、何か
説明を聞いていると、
昭和七十年の目標はこういうふうになりますということをりっぱに言われるところを見るというと、
数字があるようでもあるし、そこら辺がどうもはっきりしない、だれが聞いても納得ゆくように、国民が納得いくように、ひとつ
説明をすべきでないかと思うのです。そういう点はどうなんでしょうか。