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説明員(
丹羽雅次郎君) 前段の、将来の
開拓と、過去に入っておる
方々の
振興対策との関連でございますが、実は御
指摘のとおり、過去に入っている
方々の
振興をはかるためには、
面積が狭いから
面積を拡張しなければならない。そういう
方々に対しましては、新しくでき上がりますところの
開拓地に対しまして、しかもその新しいところは、
果樹とか
酪農とか、将来性のある作物で
営農の営めるようなところで新しくスタートを切りたいという
方々は、優先的に再入植を扱う。こういう
考え方をとっておるわけでございます。ちょっと私の言葉が足らなくて申しわけなかったのでございますが、将来の
開拓と申します場合に、
開拓事業というのは、やはり非常に時間がかかるもので、
計画を立てまして
工事をやりまして、人が入るまでにやはり数カ年を要するものでございますので、今の
時点で将来ということを申し上げたのは、これから
計画を立てるものについて申し上げたわけでございまして、経過的には、過去におきまして
計画を立て、現在
工事を進行しておりまして、これから人が入っていかれる
余地のある地区あるいは
事業というものは、まだ相当続いておるわけでございますので、
振興対策と新しい地域との関係は、現在
工事を進め、近く人を入れようという地区との間で調和をはかっていきたい、かように
考えておる次第でございます。
それから第二点の、
開拓者の不振
農家に対しては、
借金をまけてたな上げすべしという御議論についてでございますが、そういう御議論も、現実にこの
委員会等でも確かにあったわけでございます。国会等でもその御見解は幾たびか表明されておるわけでございますが、三十五年に国会の御
審議をいただきました法案は、条件緩和法ともいう、これは御存じのとおりでございまして、支払能力に応じまして、あらためてこれから据置期間を設定し、そもれから長期間の年賦で返してもらう、返済期に来ておりますところの
政府資金が一番大きいわけでございますが、それじゃこれからひとつ五年据え置きするから、その後の十年間の年賦で返してもらえないかというような形で、個々の
農家ごとに、実はこれをことしの三月で大体全部終わるのでございますが、それでやっておるわけでございます。その結果としては、三十五年の経験から見ますと、今度大多数が新しく五年据え置き、それからその後の十年間で
借金、
政府資金を払っていただく、こういう形にぜひとも
整理をいたしたいと、現在せっかく努力中でございます。
それから私
どもといたしましては、この
答申等の関係から申しますれば、さらにそこに
営農向上のための追加投資もいたすという
立場でございますので、過去の
借金については長い間でなしくずしに払っていただくという形においてこれを
整理いたしますと同時に、新しく貸すものは貸す、こういう形でものを
考えたい、かように存じておるわけでございます。なお、その
考え方におきましても、貸すことと過去の
借金を取ることの間においては、相当の相関関係があるはずだから、必ずしも前にでき上がりました条件緩和法にこだわらないで、これから金を貸すということと、過去の
借金の回収の扱い方については、もっと芸をこまかにした仕組みを
考えてみたらどうか、こういう御注意もごさいますので、それらをあおせて条件緩和の問題と新規貸し付けの問題を
考えて参りたい、一切金を貸さないから過去の
借金をまけてやるということでございますと、物事は簡単なのかもしれないのでございますが、過去の
借金だけでなく、さらに金を貸して
営農をはからなければならぬという
立場にもございますので、両者を総合してやって参りたい。その点に関しましては、
審議会等でもいろいろと御注意がございましたので、十分検討の上
答申の実行の問題として今後お諮りをいたしたい、かように存じておるわけでございます。