○天田勝正君 しかし、現実にプラカードを掲げて、そこに乳業者も五社ばかり並べておいてやってたことなんですから、残念ながら原料乳にはそういう
値段もあったということだと思います。そうでなかったら、そういうことを訴えるはずがないんですから。しかし、今
大臣の答弁を含めて三十分ということを厳重に申し渡されておりまして、その真偽をここで論議していると、それだけで過ぎちゃうので、先に進みます。
ほかでわれわれが豚の
生産費の問題を話しても、
農林省さえも完全な
資料がない。われわれが持っていっても、とかく報道人の人すら、すぐそいつが
消費者の
値段に、自分らのほうへはね返ってきやしないかという心配ばかりされて、少しくわれわれの認識と違うなという感じを持っておるわけなんですが、実際豚などというものは、肉だけが売れるのじゃなくて、骨からにかわにするまで、皮から毛の歯ブラシに至るまでみんな売れないものはない。臓物は、おそらくこれはひとしく埼玉あたりは有利な地帯にありますけれども、背中へ臓物をしょってくる連中は、半年やったらオート三輪の二台くらい買えます。これは実際に名前をあげてもいいくらい私の近所にもおる。そういうふうにもうかるんですよ。だから、かりに
政府がお考えになっておって、これははっきりしないんですけれども、卸値が二百三十円ですか、四十円ですか。それから
小売値段がはじき出されるにしましても、かりに最低の保証をいたしても、私の考えからすれば、何にも小売
価格なんか響きっこない。ですから、とかく相手がああした業者で、
中小企業だということになると、お互い政治家はちょっとぎくっとするのです。
中小企業というものは、近ごろ言葉の上では、たいした
保護もしてないくせに、言葉の上だけは何かこっちが遠慮する。ところが、私がこれから申し上げたいのは、肉や野菜の問題はその
中小企業者、ことに零細業者といってもいいくらいなんだが、そういうものだからとて遠慮してはならぬ、ちゅうちょしてはならぬということを、まず申し上げたいと思います。こういうこまかいことを言うと、どうも
大臣との問答らしくないと、すぐよそじゃ批評されるのを私は知っております。だけど、肉屋で、ここで
皆さんに発表しておきますけれども、お互いが肉を買うとき、一つの肉を切ってくれたためしはないのです。これは、
皆さんそういう経験がないかもしれません。私はいささかそのほうの専門家だから、ちゃんと手元まで見ていますけれども、これは上中下と、最上の物を買いにいっても、手元まで見ない。一つの物を切りません。三つの物を切り分けてくれるのです。さもなければプレスしてある。一つのものを切ったときはプレスして、その操作だけでもうかるようになっている。ところがそのえらいほうの人は、そういうことはさっぱり御存じない。だって何でしょう。こんな大きなものを一ぱい三百円ぐらいの臓物が、そこらの焼鳥屋で
幾らで
皆さん買ってます。これを見ればすぐわかるんです。(笑声)ところが、
皆さんお笑いになっているように、こういう問答をするというと、どうも
大臣に質問するらしくないと、だから、
大臣が答えなくてもいいけれども、
農林省の
人たちほそのくらいのことは知っておいてもらいませんと、向こうの言い分だけを聞くと、それのしわ寄せば百姓だけにくる、こういうことになる。でありますから、それらのこともひとつ、私はきょう
大臣に文句ばかりつけたいと思っているんじゃない。困ったことだと思っているから、実はあなたと相談の気持で申し上げておる。それがさつき申し上げましたように
農家が困る
事態であるから、それじゃ片方
消費者がおそろしく恵まれるという立場ならば、これは一つの考え方であるけれども、そうでないという現実が、この
流通過程にはどこの場所をとっても充満している。ここをひとつ改善して下さい。これはお願いしておきます。
それから野菜のほうに移りますが、さっき
大臣もちょっと答弁されたけれども、私がやったから向こうのほろでもまねたんだ。この「サンデー毎月」の
調査は、
農林省がそういうものを作って動き出すから、そこで一足お先に
調査するとちゃんと書いております。裏を返せば
大臣の答弁の通りに考えてもいいと思います。これも一日にできたものですね。これを見ますと、ちゃんと三カ所八百屋の店頭まで行って調べて、それで何と小売の百円なら百円、われわれ小売
価格として購入する
価格のうちの四八%が小売の段階で
価格のうちに入っている。四八%がもうけ。
農家の方は肥料も何も含めで四〇%、これが一番いい例であります。こんなばかけたことはないのであって、だから私はすべてのものがそうでなければならぬと思いますけれども、
生産者の手取りとこの小売者の手取りというものは、内容的にはまるで違うのですけれども、片方は肥料も加えなければいかんし、手も加えなければならぬ、いろいろなことをやるんですが、それにしても、
生産者の手取りと、小売で、買いにきたものへ渡してやるだけのこの手間賃が、反対にその方が高いというようなことを記事にしている。
大臣が骨を折られる
流通過程のその改善――こういうようなことはあってはならないと私は思っております。だからその改善とは、どういうところのめどで改善なさるつもりなのか。ひとつ具体的に御答弁願えますれば幸いと思います。