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1962-04-13 第40回国会 参議院 内閣委員会 第21号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十七年四月十三日(金曜日)    午後一時三十五分開会     —————————————   委員の異動 本日委員吉江勝保君、塩見俊二君及び 木村篤太郎君辞任につき、その補欠と して野上進君、高橋進太郎君及び小沢 久太郎君を議長において指名した。     —————————————  出席者は左の通り。    委員長     河野 謙三君    理事            石原幹市郎君            下村  定君            鶴園 哲夫君    委員            上原 正吉君            小沢久太郎君            高橋進太郎君            中野 文門君            野上  進君            一松 定吉君            松村 秀逸君            山本伊三郎君   国務大臣    国 務 大 臣 川島正次郎君   政府委員    行政管理庁行政    管理局長    山口  酉君    北海道開発庁総    務管理官    木村 三男君   事務局側    常任委員会専門    員       伊藤  清君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○行政管理庁設置法等の一部を改正す  る法律案内閣提出衆議院送付)     —————————————
  2. 河野謙三

    委員長河野謙三君) これより内閣委員会を開会いたします。  行政管理庁設置法等の一部を改正する法律案を議題とし、前回に続いて質疑を行ないます。  政府側から出席の方は、川島行政管理庁長官山口行政管理局長木村北海道開発庁総務監理官の方々でございます。御質疑のおありの方は順次御発言願います。
  3. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 私、四つほど問題を伺いたいわけなんですけれども、 一つは、この各省設置法が出て参っておりまして、その設置法の中で局部新設が目立って多く出ておるわけです。これらにつきまして、設置法がかかりますたびに局部新設については伺っておりますが、このように政府機関局部新設が多くなってきておることにつきまして、行政管理庁としましてどういうようなお考えを持っておられるのか伺いたいというのが一点であります。  それからもう一点は、各省設置法の中で定員化定員増が今回から規制されるようになったわけでありますが、従来は、御承知のように、定員法というのがございまして、その定員法行政管理庁がもっぱら所管しておられまして、したがって、新規定員増あるいは定員外職員定員内に繰り入れるというのは、この定員法、つまり行政管理庁を相手にいたしまして種々論議をいたしたわけでありますが、先ほど申し上げましたように、今回から各省設置法の中に繰り入れられておって、設置法の中で規制されるということになったわけですが、ただ、全体といたしましてこの定員増定員化問題論議しますときは、どうしてもやはり行政管理庁に、基本的な考え方、これからの処置の仕方、そういう問題について伺う必要があるというふうに思っておるわけであります。したがいまして、私は、定員法はなくなりましたけれども、しかし、実質的の定員の取り扱いについては行政管理庁が所管をいたしておるわけでありますので、そういう意味で、この定員化新規定員増、こういう問題につきまして、ぜひひとつ伺いたいというふうに思っておるわけであります。  それからもう一点は、御承知のように、審議会調査会問題が再び大きな問題になって取り上がって参っておりますし、過去この委員会におきましても種々論議になったところでありますが、この際、この委員会におきましても、ぜひひとつ、審議会調査会、こういう問題についての反省的な論議、そういうものをつけ加えておく必要があるというふうに思っておりますので、その点を一つ。  それからもう一つは、きのう山本委員も伺ったようでありますが、どうも最近の二月、三月の新聞等で見る限りにおきまして、非常に汚職が目立ってきておるわけでありまして、二月、三月の新聞を見ますというと、交通事故汚職と自衛隊の飛行機の墜落の官報みたいになっておる。したがって、どうしても汚職問題について私行政管理庁に伺っておきたい。なお、この問題について川島長官も閣議で調査の報告なんかもなさっておられるようでございますし、そういう問題について伺っておきたい。  以上大体四つが私の設置法についてお伺いをいたしたい内容であります。  そこで、まず第一番目の局部新設、新しく作るという、これが非常に目立ってふえておるわけでありますが、三十六年は十六の部局新設要求各省から出されまして、それに対しまして四局二部というのが新設されたわけでありますが、三十五年度は二十二の部局新設要求が各行政機関から出されまして、行政管理庁といたしましては、これをゼロにされたのであります。そういう経緯から、明年——三十七年度部局新設がまた目立って多くなっておるわけでありますが、そこで三十七年度は各行政機関どの程度部局新設行政管理庁と折衝をして、法案として幾つの部局要求されておるのかという点をまず伺いたいと思います。
  4. 川島正次郎

    国務大臣川島正次郎君) 各省庁の部局の増設につきましては、なるべく拡張を避ける方針でやっております。ただ、時勢が違いまして必要なる部局もありましょうし、また内閣方針を施行するにつきまして必要なる事項もありますので、そういうものは認めたわけでございます。三十七年度予算編成の際に、各省庁から行政管理庁要求しました部局は、外局五つでございます。それを新たに二つ新設をいたします。もっとも、そのうち一つ廃止したわけであります。局が十七の要求に対して六局、部が二十に対しまして十一、部は二つ廃止をいたしました。そういうふうにいたしております。なるべく部局新設認めない方針でやったわけであります。
  5. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 私は、昨年の通常国会におきまして、この部局新設につきまして、三十五年度二十二の部局新設要求が各行政機関から出されまして、それに対しまして、行政管理庁としての態度政府全体の態度と申しますか、ゼロという形で押さえられたわけでありますが、ところが、三十六年度は、十六の要求があって四局、二部という新しい新設を行なわれた。したがって、どうも、これは、御存じのように、臨時行政調査会法案を三十六年の通常国会に御提案になったわけでありますが、そういう臨時行政調査会設置されるというと、局、部、こういうものを新設することははなはだしく困難になるだろうというような見解のもとに、メジロ押しに部局設置要求が出てきて、それに対して行政管理庁として四局、二部をお認めになったんじゃなかろうかという御質問をいたした記憶がはっきりいたしておるわけでありますが、ところが、臨時行政調査会は、昨年の臨時国会で成立をするということになりまして、そこで、臨時行政調査会が発足をしても、まだ具体的な論議に入らないうちに、つまり三十七年度に部局新設をさらに行なう必要があるというような形になって、今長官が御答弁になりましたように、外局五つ、局十七、部二十というかってない膨大な要求が出されて参ったんじゃなかろうかというふうにまあ思うわけであります。で、外局五つ出ておりますが、確かに行政の進展に伴って外局というものが出て参ると思いますけれども、元来外局というものは作らないという非常に強固な方針があったように私は十年来記憶しておるわけです。ところが、五つ外局が出る。局は十七、部が二十、課はおそらく膨大な数になってきているのじゃなかろうかというふうに思うわけですが、しかも、その中で、行政管理庁としてお認めになったのが、外局二、局が六、部が十一という大きなものになるわけですが、どうも私としまし(は、昨年の通常国会の本委員会で主張いたしましたように、臨時行政調査会新設をされて具体的な論議に入る前に部局設置しようというたくましい意欲が見えるような気がしてならないわけであります。しかも、そのことを、各行政機関と、そういう部局要求に対して押える役にあるような行政管理庁一緒になってこういうようなことをお進めになっているのじゃないかということを疑いたくなるほどふえておるわけですね。したがって、私はそういう点について長官に具体的に伺って納得をしたいわけなんですけれども、どうもそういうふうに思われて仕方がないという点を一つ申し上げて、長官見解を承りたいと思います。
  6. 川島正次郎

    国務大臣川島正次郎君) 臨時行政調査会が、行政運営根本的体質改善といいますか、そうした問題と、行政機構につきましては、各省間にまたがりまして共管、競合の事項も多い、それがために行政能率を阻害いたしておるのでありまして、最近の交通問題港湾問題等もみなそうでありまして、そういう点を主として検討願って結論を出したい、こういうことなんであります。今度新たに設置されまする外局もしくは局、部等は、それぞれの省庁間内の事務を扱うだけでありまして、各省間にまたがるようなものは一つもないのであります。先ほども申し上げましたが、たとえば外務省における、また経済企画庁における経済協力に関する部局新設、警察庁における交通局新設なども、いずれも現在の情勢に当てはめまして急速に置く必要ありとこう考えてこれを認めたわけでありまして、臨時行政調査会との関連性はないのでありまして、臨時行政調査会の発足する前にあわてて各省がよけい部局新設を要請したという感じは私は持っておりません。先ほど申しましたとおり、できるだけ圧縮して、やむを得ざるものを認めて、今度は提案をして、御審議を願っておるわけであります。これは人員との関連性があるのですが、人員に対しましては極力圧縮をいたしまして、いずれ御質問があればお答え申し上げますが、現業的職以外の一般職員はなるべくこれを認めない方針をとって参りました。ことに上級職人員増というのは絶対に押える、こういう方針をとって参ったわけであります。
  7. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 新設されました臨時行政調査会と新しい部局を作ることは別問題だというようなふうに私受け取ったわけでありますけれども、しかし、そういう問題ではないのじゃなかろうか、やはり臨時行政調査会というのは、そういう部局配置、それらを含めた論議をしなければ、これは論議にならないのじゃなかろうかというふうに思っております。したがって、やはり、この部局をどういうふうにするか、あるいは各省の中におけるところの部局配置をどうするかというような問題につきましても、これは臨時行政調査会におきまして根本的に検討してみなければならぬ問題だと思うのです。ですから、部局新設臨時行政調査会とは関係がないのだというふうに言い切ってしまわれますと、これは今後の臨時行政調査会としましての運用上もやはり私は問題が出てくるのじゃなかろうかと思っております。その点について私受け取りましたのは、どうもそういうふうに受け取ったわけですけれども、今の点についてもう一ぺんひとつ伺っておきます。
  8. 川島正次郎

    国務大臣川島正次郎君) 臨時行政調査会は、むろん行政機構全部にわたって検討を願うわけでありまずけれども、今度特にふやしました部局等につきまして、臨時行政調査会の今後の活動を束縛したり、阻害したりすることがないようにしておるわけであります。臨時行政調査会結論が出ますのは、大体二カ年後であります。今後二カ年間は放置し得ないような部局新設認めたわけであります。
  9. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 まあそれも、そういうような御主張をなさるとしますと、昨年から——三十六年、三十七年のこの二年間で局が十二ふえたことになるわけですが、そうして部が十三ですか、こういう部局新設は今後臨時行政調査会がとやかく言うようなものではないというような印象を受けたわけですが、私はそういうものではなかろうというように思います。やはり全体の各行政機関部局配置、あるいはそれらの統合の問題なり整理の問題なりというものを、全体を含めてやはり論義しなきやなるまいというふうに思っておりますけれども、どうも私、今の長官の御答弁では、何か新しくできたものは特に論議する必要がないような印象を受けたのですけれども、なおまた、今私が申し上げました局が昨年から十二ふえたわけですが、部が十三、これはまさに二つの省ができたような形になるぐらいの大きさになるわけです。人員は確かに、ふえましたけれども微々たるものでありますけれども、行政部局組織としては二つの省がふえた程度のものになってくるわけです。ですから、三十五年度までゼロで進んでこられたわけですからして、それがこの二年間に急激にふくれ上がるというようなことについて、もっとやはり押えるものは押えるという強い御見解があっていいのじゃなかろうかというふうに思うわけです。たとえば、定員問題については、非常にきつく縛ると、ふやさないという根本原則をお立てになっております。まあこれだけの局と部がふえますと、私は先ほど申し上げましたように、二つの省ができた程度行政部局新設であります。その場合に、定員は一律にとにかくふやさないという根本原則で臨まれる。しかし、一体定員をふやさないという根本原則は、どういうような今の行政実態をごらんになっておっしゃるのか、私ははなはだ疑問に思うわけであります。これはまあ押えるには、ふやさないという原則を立てることが一番——ふやさない、画一的にふやさない、その中から例外的なものを認めていくのが定員をふやさないという方針だと思いますが、そのために種々微妙な問題があちこちに起きているように思いますし、本委員会でも、各省設置法論議します場合に、定員がいかに足りないかという点の論議もたびたび起こっておりますが、しかし、いずれにしましても、この部局新設については、三十五年度にはとにかくゼロで押えられたのですけれども、六年、七年と非常に激増してきておるという点について、もっとやはり明確なものがあっていいのじゃなかろうか、押えるという方針なら押えるという方針近代化なら近代化に沿って作っていくのだと、そういう御方針があったのじゃないだろうか、それをこういうふうな形で、行政管理庁も、各行政部局も、各行政機関一緒になりまして、今回のようなたいへんな部局新設になったのじゃなかろうかと、こういうふうに推察するわけです。
  10. 川島正次郎

    国務大臣川島正次郎君) 臨時行政調査会は、むろん全部の行政機構調査検討対象といたしておりますからして、三十七年度におきまして新設いたしました部局も、また調査研究対象にしてむろんさしつかえないのであります。それを希望いたしておりますが、元来臨時行政調査会任務は、設置法の第二条にはっきり明記してありますように、「行政制度及び行政運営改善に関する基本的事項調査審議する。」と、こういうことになっておりまして、この線に従って臨時行政調査会検討をいたしておるのであります。部局新設は、なるべくこれは押えることがいいと考えておるのでございますが、しかし、時勢がだんだん変わりまして、行政内容も変わってくれば、やはり必要なものはこれは認めなきゃならぬ、そのかわりに不急不要になったものは漸次これを廃止すると、臨時行政調査会結論を待ちませんでも部分的には廃止したいと、こういうふうに考えておるわけでありまして、今度の三十七年度に御審議願うのは、政府としましては最小限度新設認めたつもりでおります。
  11. 山口酉

    政府委員山口酉君) ただいま定員組織関係について御意見がございましたが、組織をどうしても緊急に認めていかなければならない事情は、これは毎年少しずつそういう要求が起こってくるわけです。と申しますのは、一年間に国会で成立いたします法案が毎年二百前後あるわけでございます。新たなる行政事務の変化がそれに従って起こって参ります。そこで、定員はそれほど影響しないといたしましても、仕事の中身が変わって参りますと、組織は、申すまでもなく、仕事ワクをきめるわけでございますから、そのワク内の仕事が非常に雑多になってくる、あるいは業務量のバランスが変わってくるというようなことになりますと、やはり能率的に事務を処理するという上から、組織がえということはどうしても必要になると思います。そこで、今回も、業務のやり方によって、業務近代化していけば人員の点につきましては相当仕事能率が上がるようになり得る余地が認められるわけでございますので、そういう点につきましては、さらに今後各省において十分検討をすることにいたしておりますが、そういう一方で能率化の作業もいろいろやっております。そういうことから、まあ定員のほうは大体あまりふやさずに将来の能率化を期待して考えておりますが、組織のほうはどうしても押える一方ですと非常に無理が参りますので、臨時行政調査会のほうで根本的な検討をいたしまして、そして将来に向かって非常に根本的な改革があるいは起こる可能性があるかもしれませんけれども、しかし、当面すでに処理しなければならない行政事務を現在能率的に処理していくというためには、多少の組織の手直しをしていくという必要があるのでございまして、そういう観点からやむを得ざる組織の変更をいたしました。ただ、職につきまして、上級の職は特に今回は振りかえをすることに原則を置きましたために、これはおそらく、従来全然部局新設認めなかったときの状況よりも、さらに圧縮されております。たとえば、部長相当職以上というようなことになりますと、全体ではふえておりませんので、かえって減っております。これは、従来の例から見ますと、類例のないところでございまして、組織形態はいろいろございます。部局というような名前をつけなくても、いろいろ官の職名で相当上級職を置くことができることになっておりますが、そういうものを総合的に考えてみますと、本年度の組織がえにつきましては、そういう面から拡大をしていないというふうに考えております。
  12. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 私は、これは、いろいろな内閣役所仕事の中でクローズ・アップするものがありますと、さしあたってすぐ局を作ろうじゃないか、部を作ろうじゃないかというような感じ——そういうような傾向があるんじゃないだろうか。たとえば、経済協力問題が出ますと、そういうものがクローズ・アップして新聞等に報道されるようになりますと——というわけでもありますまいが、外務省に部ができる、通産省に部ができる。農林省も海外の農業との関係をやるんだというので、農林省農林経済局なんというのは海外問題に重点を置いてしまう。交通問題が出ますと、さあ交通局を作ろうということになってくるというような傾向というのが非常に強いんじゃなかろうか。まず局を作る、まず部を作る、そういうような状況の中で、私はやはり、もっとすっきりと押えられるものは押えられるように——まあ押えられていらっしゃると思いますけれども、ただ、三十五年度がゼロであって、三十六年度、三十七年度と急速にふえてくるものですから、私はおそらく来年はゼロじゃなかろうかと思っています、三十八年度は。それは、臨時行政調査会も動いておりますし、なかなかそうはいきません。おそらくゼロじゃなかろうか。あるいは、ふえても一つ二つしかふえないというような形になるんじゃなかろうかと思うんです。ですから、はなはだ私その点について理解のいきにくい点があるわけでありまずけれども、しかし確かにふやさなきゃならぬ部局のあることも承知をいたしておりますし、もっとこの点について伺いたいような気がしますけれども、この問題については一応おきまして、次に、これに関連いたしまして、今回経済企画庁、それから科学技術庁、これを見ますというと——これはこの二つだけじゃありませんですが、農林省設置法あるいは労働省設置法等を見ましても同じようなことでありますけれども、たとえば今の科学技術庁設置法を見ますというと、審議官が五人以内となっておった。それを三人以内として、一つ審議官局長にした。そして局を作った。人間をふやさないんだと、こういうわけですね。それから科学技術庁に今度課が六つできました。課が六つできましたけれども、それは従来ある科学調査官というものをなくしてそれを課長にしたんだと。これは、調査官と違いまして、課長にしますと、課というものが新しく新設されるわけですから、こういう傾向が去年から部局新設あたりに非常に顕著なんですね、各省を通じまして。で、私は、その審議官なり、調査官なり、参事官という、こういう独任官制度は、それはやはり独自の任務と役割を持っておると思うのですよ。それを削っちゃ局を新設する、部を作る、あるいは課を作る、こういうような傾向が顕著に出てくるということは、一考を要するのじゃないだろうかというふうに思うのですけれども、ここら辺についてどういうようなお考えを持っておられるのかですね。
  13. 山口酉

    政府委員山口酉君) 独任制の職につきまして、これが行政組織法の中で認められておりまして、最近非常にふえておったわけです。で、これはそれぞれ部局というような一つのいわば集団的な組織を持って運営するほどの必要がなく、その個人の能力を十分に生かす、したがって、相当上位の職級を与えるべきであるというようなものであって、そういう形態がふさわしいというようなものがかなりございますので、そういう制度認められておるわけでございます。ところが、実際の運営を見てみますと、どうも理想的に考えておりましたふうになかなかその運用が行なわれていないで、ともすればこの独任的なものにつきましては浮き上がってしまうというような傾向——これはいいことではございませんけれども、現実問題としてあるわけです。そこで、まあこれは組織法で定めております理想的なものには、なかなか現実問題としていきにくい点がございますので、そういう現実状況をよくにらみ合わせまして、あるいはこのことは、将来また行政調査会あたり検討をされた結果、全体の組織の構成がどうなるかというような根本問題で再反省すべきものがあるかもしれません。しかし、現実各省運営というものは、どうもうまくいっていないところがままあるわけです。で、そういう実情を十分検討いたしまして、そしてむしろこれは局部課というような集団的な組織にしたほうが業務能率が上がる、そういう形態がふさわしいと思われるようなものに限って特に認めておるわけでございます。  そこで、御指摘にありました経済企画庁科学技術庁につきましても、そういう点を十分考慮いたしまして、今回のような廃止をいたしたわけでございますが、御承知のとおり、経済企画庁は、当初はあの審議官中心にして運営するということで、数も非常に多くしてあったのでございます。その後だんだんと減ってきたのは、やはりわが国の実際の役所運営では、そういうものに習熟いたしませんで、やむを得ずこういうふうになったわけでございます。まあそういうことはいけないとおっしゃれば、そのとおりであると思います。私どもも望ましいと思っておりませんけれども、現実にどういうふうに運営していくかということを考えてみますと、やはり今の問題としても、やりにくい制度はなるべく改めたほうがいい、そこでこういうことにいたしたわけでございますが、しかし、やはり御意見のようなことは考えておりますので、これは全体的にもっと大きく問題を解決いたしませんと、独任制中心でやるというようなことにはなかなかいきにくいと思います。で、むしろ、こういう根本的なものこそ行政調査会あたりで、まあ外国の例あたり十分検討をされて、そしてこれをわが国実態に合わせて考えていただく、こういうことが必要ではないかと考えております。今回は、さしあたり現状に即して、いずれがいいかということを目の前の問題として検討いたしました結果、このようになった次第でございます。
  14. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 審議官とか、調査官参事官という独任制問題につきましては、もう少し伺いたいと思いますが、ただ今、管理局長答弁の中にありましたように、審議官といい、あるいは調査官というような独任制の官職といいますか、これがどうもうまく現実問題として運営されていないというお話、したがってそれとの関連で局あるいは部に変わっていくというようなことのように受け取られますが、この新しくできました官庁である経済企画庁なりあるいは科学技術庁というようなところは、各行政機関のそれぞれの担当の仕事を総合調整するという機能を持っているわけです。そういうところにおいては、特に審議官とか調査官というような独任制の人たちの運営を十分発揮してやっていこうというのが建前だったろうと思います。ところが、これがどんどんくずれていくわけですね。で、日本の国におきまして、日本のこの行政機関の中で、こういうような独任制のものは育たないのだというようなお考えすらうかがわれるわけなんです。しかし、私は、そうじやなくて、部局新設する犠牲になっているのじゃないかというふうに思うわけなんです。なかなか部局を新しく作ることはむずかしい。審議官一つ減らすのだ、局長一つふやすだけだ、入れかえるだけだ、同じじゃないか。あるいは、調査官というものを六つ減らすのだ、そのかわり課を六つ置くのだ。こういう形で、部局新設が非常にむずかしいということから、新しい任務と役割を持っている独任制の官職というものは犠牲になっているというような気がしてしようがないのですね。もっと私は突っ込んで、妙な言い方になりまずけれども、局を作る、あるいは部を作るということは従来非常に困難だった。というのは、部局を作りますと、当然それに人間がついてくるのだ、こういう頭が十分あったわけですね。そこで、部局を作ることは非常にむずかしい。ところが、審議官とか調査官とか参事官というのは、これは部局じゃないから人間はつかない、一人作るだけだということで作る。作ってみて、しばらくしたら、これはどうも適しない。したがって、それはなくして、今度は局長にするのだ、人間をふやすのじゃなくて、局長にするのだという形で、何か審議官とか調査官というのは、今私見ますと、これは局になったり課になる橋頭堡じゃないかという疑いを持ってみたくなるのですね。私はそういうことじゃ非常にまずいと思うのですがね。どういうふうに考えておられるのですか。どうも私は、局を作るなり部を作ることがむずかしいので、まず審議官なり調査官を作って、時期を見てこれを部にする、局にするというこれは傾向ですよ。これは局長のひとつ答弁を伺います。
  15. 山口酉

    政府委員山口酉君) 御意見はまことにごもっともの点が多いのでございますが、独任制の職については、もちろんそれぞれ意味がありまして、こういうものを活発に活動させるということが非常に能率的な運営になると思います。そこで、まあ現在でもそういったものが中央官庁で約五百くらいございます。で、そのうちで、まあ全部が失敗だというわけではございませんので、現在五百あるうちの大部分は適切な運営がされておると思います。しかし、これを設置いたします当初にも多少問題があることはありまして、まあ部にするべきようなものを初めから独任制のものにしたというものがございます。というのは、これはいずれもこういうものにつきましてはボーダー・ラインがありますから、どちらがいいかという迷うようなものもかなりあるわけであります。そこで、はっきりこれは独任制のほうがいいというわけにつきましては、もちろんそれで十分運用されておりますけれども、どちらにしようかという迷ったような問題もかなりありまして、そういうものが、運営の実際を見て、独任制でうまくいったというものもございますけれども、中にはそうでないというようなものもございます。そういうことから、特に課にしたほうがどうしても適切であると思うものにつきまして、現状としてそれをできるだけ認めていこういう考えになっておるわけでございますが、しかし、これを、お話にありましたように、種に使って部課をふやすんだということは、極力避けたいと思っております。で、それぞれ意味がありまして、今回でも、できるだけ上級の職をふやさないという方針がございましたので、従来から問題になっておりましたところ、従来からこういう局の新設などが持ち上がらない場合でも非常にその運営問題になっておったものに限ってその体系を変えたわけでございまして、これと振りかえにやるというのは、形の上ではさようになっております——設置法は同時に出しますために、そういう姿にはなっておりますけれども、やはりそのほうが実質的にベターだというものに限って編成がえしたつもりでございます。
  16. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 私は、近年非常に——今五百というように言われましたが、五百といいますと、今の部長、局長の全部の数字とほぼ同じ数字ですが、近年こういう独任制参事官なり調査官なりあるいは審議官なりというものが非常にふえまして、そのふえた理由はいろいろありましょうけれども、一番大きな理由は、一つ——全部と言いませんが、一つは、御承知のとおりの今の給与のやり方では、課長にならなければ給料は上がらなくなっておる。部長にならなければ給料は上がらない。局長にしなければ給料は上がらないことになっておるわけですよ。そうしますと、課長なり部長なり局長をふやすということは非常に困難ですね。しかし、その独任制審議官なり調査官なり参事官をふやすということはそうむずかしいことじゃないんだということじゃないかと思うのです。そこで、ブーム的に近年非常に参事官なり調査官なりというものがふえてきたんですね。そこら辺に対する考え方があいまいだったんじゃなかろうかというふうに思うんですよ。これは、独任制のこういう官職はそれとしての任務と役割を持っているんだ、こういう役所にはこれは要るんだという考え方のもとに配置されていない。そういう面もありましょうけれども、そこら辺がルーズなために、一ぱいできた末には、何になるかというと、それはしまいには課長に切りかえると、部長に切りかえる、局長に切りかえるということになってきたんじゃなかろうか、おそらく課は百以上できておるんじゃないですか、もっとできておるでしょう、去年から。部だけで十三ですよ。部だけでもこれだけできておるんですから。私は、そういう点、日本の行政官庁におきまする独任制の官職のあり方についてはっきりしてないんじゃなかろうかというふうに思っているんですが、いかがでしょう。
  17. 山口酉

    政府委員山口酉君) 鶴園先生は、行政部内のことに通じていらっしゃいますから、十分おわかりのところでございますが、私どものところに、部局課の、あるいは独任制の職の要求が参ります原因をよく調査いたしまして、相当たくさんお話のようなものがございます。待遇を改善をする必要があるために職務につけたいと、こういう内容であるというものが相当ありますことは、これはもう別に隠しだてをする必要のないところでございますが、実はそういうものは認めないという方針できて、現に認めないようにしております。そこで、そういう傾向が非常に強いものですから、三十四年の七月の十日に閣議決定をいたしまして、給与の関係については職とは別に考えるべきである、職に合わせて給与をやるということになると、いたずらに組織の膨大化を要求するということで、そういうことはもうやめにすべきであるという方針が出ておるわけです。したがって、人事院でもそういう趣旨を尊重をしてやっておると思いますが、最近では、職務につかなくても、それぞれ人によって上位の等級に進む道ができておるようでございます。しかし、潜在的には、やはり職を作ったほうが給与が上げやすいということで、そういう要求が来ることは事実でございます。そういう点については、そのための組織を作るということは、私どものほうとして十分戒慎をしておるわけでございますが、一面において、給与制度その他についても、さらに運営上適切な措置をとられるように希望しておる次第でございます。
  18. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 ただいま局長がおっしゃった職と分離して給与を考え方針を閣議で何かおきめになったような話ですが、こういうことがきめられますと、これは今の給与法とは根本的に相反するんですね——というふうに私は思えるのですけれどもね。というのは、どういう責任とどういう職務と、内容はこれは職務ですね、その職務の内容は何かというと、責任の度合いと仕事の複雑さというものによって職はきまってくる。その職と切り離して給与を考えるということになりますと、これは今の日本の給与、公務員の給与制度とは根本的に違うわけですから、どうも私は今の給与と官職との関係行政管理庁でははっきりしていないんじゃないかという気がするのですがね。そういうことがはっきりしないから、今みたいな閣議の方針みたいなものがきまるように思うのですがね。これはけっこうですよ。職と給与との関係を分離する方向というのはけっこうですよ。けっこうですが、しかし、これは少なくとも今の給与法の建前とは根本的に矛盾する。それは結論として言えば、どうも行政管理庁というところは、給与というものとそれから局長とか課長とか参事官とか審議官というものとの関係がはっきりしてないんじゃないかという気がしますね。いかがでしょうかね。
  19. 山口酉

    政府委員山口酉君) 私の申し上げました言葉が足りなかったと思いますが、もちろん給与法の原則は職務における責任の度合いによってきめられることになっておりますが、これは公務員法でもそういう原則がうたわれておりますので、この原則は変わっておりませんが、ただ運用上例外的措置として、まあ非常に特例の場合に、そういう個人的な観点を加味して運営をするということができますし、従来そういう面がございますので、その幅をできるだけ運用上融通をつけて考えてもらう。もちろん、これを全部ばらばらにして完全無縁なものにしろというのはおそらく不当であろうかと思いますが、そうではなしに非常に気の毒だから職を見つけて、作って、そうして新らしい職につけたいというような要望が出ることは困るので——そういう給与は、上げなければならないというような個人的な事情があるならば、そういう例外的なものは、そのほうで、給与の面で解決できるような道を作るべきである、こういうことでございます。あくまでその原則を、全部その職とは関係なしにやれ、こういうことではございません。  それから、行政管理庁の権限といたしまして、現在は待遇については全然これは所管しておりませんので、それらの点については、人事院の制度もございますし、さらに人事院制度そのものにつきましては、政府としても、別に総理府の中にそういうセクションを設けておりますので、その方面で担当いたすことになっております。  この問題は、行政管理庁の全体の職務権限というものとそういうものとはかなり関係がございますので、この機構として将来どういうように持っていくべきかという御議論は、十分ある問題だとは思いますが、しかし、現在の問題といたしましては、給与については所管いたしておりません。しかし、具体的な問題が起こりましたときには、事実問題としては、かなり密接な連絡も関係役所ととっておりますので、できるだけ将来もそういう面で大きな食い違いが起こらないように運営いたしたいと考えております。
  20. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 今度部になったり局になったりするところを例をとって申し上げましても、まず部を作る前に調査官を作った、そうして翌年は部だと、こういうところはあるでしょう。大体そうではないでしょうか。  たとえば、林野庁の職員部長といいますかね、これは調査官を作ったんです。二等級の調査官です。そうして、ことしは部です。郵政省もそうじゃないですか。全部、ここの中でどれ一つとってみても、そういう形で運営されている。行政管理局長は、結果的には調査官あるいは審議官を送って局ができた、課ができた、あるいは部ができたというお話ですが、それぞれ各省の例をとってみますと、結果的ではないんじゃないですか。ある意味では、最初からそういうことは意図的なものではないですか。そういう点を、私はどうも困ると言うのです。私は部局新設についてもっと行政管理庁がしっかりしていただきたいということを重ねて要望いたしておきたいと思います。
  21. 河野謙三

    委員長河野謙三君) 答弁は……。
  22. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 よろしゅうございます。  次に、審議会調査会問題について伺いたいのですが、これはどうも最近審議会調査会の答申を尊重しない。政府のほうではいや尊重したんだと言うのですが、新聞等を見ましても、どの新聞も尊重しないという言い方をしておりますけれども、選挙制度審議会問題が起きましたり、これは答申そのものが国民に非常に大きな関心があっただけに、非常に大きな問題になったと思いますが、さらに農地被買収者問題調査会、この問題もたいへんな問題があった調査会でありまして、したがって、その答申の帰趨というのは非常に注目を集めておる。ところが、その答申がでないうちに政策がきまってしまうというようなこともあって、さらに米価審議会等の問題、あるいは税制調査会、それから社会保障制度審議会、こういうところにもそれぞれ問題が起きて、最近になって審議会調査会運営問題なりあるいはあり方について考えなければならぬような実情になっておるのではないだろうかというふうに思うわけです。したがって、私としましては、この問題について若干の点を伺いたいわけですが、今非常に問題になっておりますこういう審議会調査会等の運営について、これを総括しておられるというか、制度として総括しておられる行政管理庁長官として、どういうようなお感じを持っておられるか、伺いたいと思います。今までのままでいきますと、これはどうも審議会調査会そのものの信用を失墜するということになりつつあるわけでして、せっかく重要な任務と役割を持った審議会調査会というものがそういう実情になっては非常に困るわけです。行政管理庁長官の感想でもよろしゅうございますが、伺いたいと思います。
  23. 川島正次郎

    国務大臣川島正次郎君) 政府に二百七十五審議会もしくは調査会がございますが、これは行政の民主化と、一つは専門的知識を動員するという、二つの意味でできておるのでございます。その答申は、政府はこれを尊重すべきものであると思います。たとい審議会法、調査会法に書いてありませんでも、当然尊重し、重要なる参考資料としてこれは扱うものと、かように考えるものであります。個々の審議会運営につきましては、それぞれの省庁でやりますので、行政管理庁として、これを統括し、これを管理するという立場にはないのでありますけれども、審議会調査会をもう置きました以上は、これは当然尊重しなければならぬと、かように考えております。実は、今度出しました厚生省の社会保険庁などにつきましても、新設するかどうかということについて厚生省と行政管理庁の間に幾回もいろいろ交渉を重ねましたが、結論的なものを言いますと、従来あります社会保障制度審議会でこれを設置しろという答申が出ておりまして、それを尊重する意味もありまして、私どもはこれを認めたわけでございまして、そうした答申を尊重して、これを新設に移したという例が多々あるわけでございます。今後とも審議会調査会意見はなるべくこれを尊重するように進めたいと、かように考えております。
  24. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 社会保障制度審議会が社会保険庁の設置についての答申を行なっておるというお話でありますが、同じくこの社会保障制度審議会が、地方公務員制度、地方公務員の退職年金の制度というものがよくないということも言っておるわけですから、そこらはどうもすっきりしないわけですけれども、問題は、私はどうも、せっかく、今長官のおっしゃいましたように、調査会審議会というようなものが、行政の民主化、あるいは国民の声を聞くといいますか、あるいは専門家の意見を聴取するというような意味合いにおいて設けられておる——これは世界各国こういうことになっておるわけですが、その場合に、今みたいなものになって参りますと、どうも妙なことになってくるんじゃないか。たとえば、選挙制度審議会にいたしましても、御承知のとおり、辞表を出すという人も出てくる。あるいは、定数の是正以外は審議ストップだと、一種のストライキみたいなことも出てくる。あるいは農地被買収者問題調査会、これはたいへんなごたごたがあったこと、御承知のとおりですね。しかし、結論的には、五月に答申を出すということで、その五月の答申というのは、結局二十億円のあれを認めるということになるのじゃないでしょうか。さらに、六十億だ五千億だという旧地主の補償問題というのは、もう一回補償制度審議会、まあ審議会みたいなものを作ってやられるということになるのじゃないでしょうか。しかし、この農地被買収者問題調査会におきましても、辞表を出して席を立ったという人たちもおられるわけですね。米価審議会におきましても、中立委員全部が辞表を出しているわけですね。ですから、私、こういうような運営が行なわれていきますと、重要な審議会または最も必要な審議会というようなものに対して、学識経験者とかあるいは公益委員あるいは中立委員の人たちが敬遠するのじゃないだろうか。また、国民のその期待感をうんと薄めていくというふうなことになりますと、政府自身が調査会審議会というものを崩壊させるということになるのじゃなかろうかという懸念を持っているわけです。そういう点について、どういうような感じを持っておられるのか。審議会調査会設置するということについては、これは行政管理庁問題であるわけですからして、そういう場合にもっとはっきりやはりしていただきたいと思いますですがね。運用も必要でありますけれども、設置にあたってすっきりしておく必要があるのじゃないだろうかというふうに思います。私は、今みたいなことになっていきますと、これはどうも、なってもらいたいというような学識経験者なりあるいは公益委員という有為な人たち、あるいは専門家の人たちが、嫌悪を感じてなりたがらないというような傾向になっていくのじゃないかというような気がするものですから、伺っておきます。
  25. 川島正次郎

    国務大臣川島正次郎君) 審議会調査会につきましては、よく検討いたしておりまして、二百七十五あるうちには相当不急不要になったものがあるのじゃないかと思いまして、各省庁に対しまして検討を依頼しておりますし、行政管理庁自体としてもこれを検討して、できるならばもう少し減らしたいという考えを持っておりますが、今後新たにできまするものにつきましては、十分内容を調べまして、効率的に運営できるものだけは認めますけれども、必要のないと思うものはどしどしこれを断わるつもりでおります。現に、三十七年度予算編成の際にも、相当多数の審議会調査会設置要求がありましたが、これを圧縮しまして、たしか十一か認めたように記憶いたしております。調査会審議会につきましては、従来とかくの批判がありまして、役所の責任のがれのものじゃないかというような議論さえあるのでありますから、内容につきましては十分これから検討いたすようにいたします。
  26. 山口酉

    政府委員山口酉君) ただいま長官が申し上げましたが、委員会新設の数は多少違っておりますが、一方で新設する際に、廃止すべきものを検討いたしまして、これを廃止に持っていきましたために、純増といたしては本年度は三ということになっております。なお、いろいろ検討いたしまして、従来の運営状況から見て廃止してよかろうと思われるようなものを目下取り出しまして各省に提示しております。できるだけ圧縮して、審議会というものを乱立にならないようにいたしたいと考えております。
  27. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 今お話しのように、審議会調査会という、こういうものが二百七十幾つ存在している。これは内容的に見ますといろいろあるわけでありますけれども、その中でやはり一番問題になりますのは、政策的なあるいは立案的なそういう調査会あるいは審議会というのか問題になるわけでして、それ以外の、要するに科学技術関係のような調査会なり、あるいは資格認定なりあるいは裁定なりをやるような審議会というようなもの、こういうものは今のところ問題ないように思うのでありますけれども、ただこの政策を立案する政策的な、あるいは企画的な、そういうような審議会というものが問題を巻き起こし、また今世論が問題にしておるわけですから、今回のような問題が起こりますと、どうも従来、この審議会というようなものは、御用機関的なものであるとか、あるいは隠れみのであるとかいうような悪口を言われてきておったわけでありますけれども、今度のような選挙制度調査会、あるいは農地被買収者問題調査会、あるいは税制調査会などを見てみますと、どうも隠れみのにならぬような——普通悪口を言われているような隠れみのにならぬような形に見られるわけですね。このことはどういうことであるかと考えますと、どうも最近、隠れみの的な、御用機関的な、そういうものだという悪口を言われておったものが、そうでなぐなったということは、どうも政府考え方というものがある意味においてはうしろ向きになっておるということでこういう問題が起こるのではないかという懸念をするわけです。まあ懸念といいますか、そういうふうな感じを持つわけなんですけれども、それは特にここで今問題にする必要はないわけでありますが、ただ心配いたしますのは、こういうことがありますと、これからの委員の選任、そういうものにつきましてさらに一そう慎重な態度をおとりになるんじゃなかろうか。言うならば、政府が御任命になるわけでありますから、都合のいいような人選に、さらに一そうそういう傾向が強まるのではなかろうかという懸念をするわけなんです。そこで、こういう問題について、やはり行政管理庁として、これはまあ行政管理庁長官の御権限かどうかはっきりしない点がありますが、設置をされるときに、その元締めである行政管理庁長官として御意見をはっきりしておいていただきたいというように思いますから、その御見解を承っておきます。
  28. 川島正次郎

    国務大臣川島正次郎君) どういう点ですか、ちょっともう一度……。
  29. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 どうも少しごたごたしておりましたもので、失礼いたしました。  まあこういうような問題です。選挙制度調査会につきましても、あるいは米審にいたしましても、さらに農地被買収者問題調査会にいたしましても、こういうような問題が起きて参りますと、審議会なり調査会委員の人選について一そう慎重になされまして、お気に召すような形の人選が行なわれる傾向が強まるのではなかろうかという懸念をするわけなんです。まあそういうことになりますと、また非常にまずくなるわけでして、そういう点についての御見解を承っておきたい。
  30. 川島正次郎

    国務大臣川島正次郎君) 審議会のうち、まあ比較的大規模な、しかも政策的の審議会は、国会の承認を得て人事をきめるというものが相当多数でごいざます。まあそういうものについては御懸念はないと思うのでありますが、政府限りでもって任命、委嘱する審議会委員の人選につきましては、御説ごもっともと思います。適当の機会に閣議等で発言いたしまして、人選については十分注意するようにいたしたいと、かように考えます。
  31. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 この審議会調査会について、先ほどいろいろ検討なさって、整理するものは整理するというようなお話でありますが、それに関連いたしまして、御存じのように、行政審議会が第四次答申というのを行なっておりまして、この行政審議会の第四次答申によりますと、特殊利益団体の代表者を集めたような審議会、あるいは政府方針に同調せしめるための御用機関的な審議会、責任をのがれるための審議会、こういうものは設置すべきでないという答申を行なっておりますが、これを裏返せば、これがほんとうの審議会設置する理由にもなると思うのです。これは設置すべきでないということなんですが、今後の問題としても取り扱われる問題でありましょうし、あるいは今あります二百七十幾つかの審議会問題にしても、考えなければならぬ問題だと思うのですけれども、こういう答申について具体的に処理されたり検討しておられるのかどうか、行政管理庁としましてですね、これをひとつ伺いたい。
  32. 山口酉

    政府委員山口酉君) そういう点について、十分検討をいたしておりまして、行政審議会の第四次答申の結果につきましても、そういう観点で検討いたしました結果、あの答申に出ておりましたような線で相当成果をあげております。なお、ごくわずか残っているものもございますが、それらは、当時審議会審議いたしました際に、十分時間等の関係できわめなかった問題がございまして、やはり存続することが必要であると思われるようなものがございまして、一部のそれらは例外でございます。  それから、最近におきましては、設置する当初に、そういう問題につきまして十分検討するようにいたしておりまして、審議会というような機関にしなくても、実際専門家に随時御意見を聞けば相当目的を達し得るというようなものは、これは責任を明確にする意味で、各省庁におきまして、自分が判断をする資料として、そういう運営をすれば、わざわざ機関を作らなくてもよろしいと思われるようなものは、全部これは新設の際に認めないという方針運営いたしております。
  33. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 私は、この答申が出ますについては、行政審議会で種々各種審議会調査会等の内容について御検討をなさったろうと思うのであります。そうしてこういうような答申があったものと思いますが、できますならば、その審議会検討なさった資料を見て、どいういうものが——どういうものがと言うとちょっと恐縮ですけれども、ここにいう御用機関なのか、あるいは責任のがれのための審議会なのかという点を、はっきり突きとめてみたいというふうに思います。また、この答申に従って整理をされ、これから整理をするという、その成果をおさめられたという内容についても、ぜひ、他日資料をいただいて、検討いたしたいと思っております。  それから、同じくこの第四次答申の中に出ているのですが、国家公務員の委員が大半を占めるものはこれを廃止する、委員の構成を再検討せよというような答申を出しておりますね。こういうようなものは整理されたのかどうか、あるいは委員の構成をお変えになったのかどうか。本来、行政官庁が民間の声を聞く、あるいは専門家の声を聞く、あるいは行政民主化だということで審議会調査会が設けられておって、その中にお役人が半数以上占めるということが、もともとおかしな話なんです。矛盾撞着もはなはだしいと思のですね。だから、どうなさったのか、これも聞いておきたいと思います。
  34. 山口酉

    政府委員山口酉君) ただいま御指摘になりましたような審議会が従来相当ございましたが、それは、あの答申が出ました以後、検討いたしまして、答申の趣旨に従って全部やりかえましたので、現在は過半数を占めるというようなものはありません。
  35. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 いや、過半数を占めるものはないというのは、これはまあ何ですけれども、もともと行政の民主化のために、あるいは国民の声を聞くために、審議会調査会を設けられた、その中に半数以上が——半数近くといいますか、二人でも三人でも高級公務員がいるというのが、そもそもおかしな話であって、手前の意見を手前が聞くということはないわけです。でありますからして、過半数ということではなくて、一人でも二人でも、いないようにしたらどうなんですかね。
  36. 山口酉

    政府委員山口酉君) その点は、お話でございますけれども、行政機関の職員といたしましても、その機関の代表者でなく、その事務については相当学識経験者として必要であるというような者がおりまして、他の省でその人を委員として利用するというようなものが相当ございます。で、そういうものと、それからもう一つは、審議会の性格として、調整を行なうというようなものがございまして、その調整の場にやはり委員として参加したほうがふさわしいというようなものがございますので、そういう少数のものにつきまして例外として認めておりますが、一般的に、行政機関が、民間の学識経験者、専門家というような方々からいろいろ御意見を承るという、そういう趣旨のものにつきましては、今申し上げましたごくわずかの例外のものを除きまして、これを入れないように、実はその人事権につきまして行政管理庁は権限を持っておるわけではございませんが、部内で運絡をいたしまして、ただいまはそういうふうな運営をしないようにいたしております。
  37. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 もう一つこれに関連して伺っておきたいと思いますのは、こういう調査会なり審議会が役人の古手の姨捨山だというような言い方もされておるわけですね。それでその局長なり次官をやった者が、やめるとたんに学識経験者、公益委員になりまして、各種委員会にずらりと名前を連ねるのですね。やめたとたんに学識経験者なり専門家にしなくてもよさそうに思うのですがね。やっぱり同じ穴の、同じ同類項なんですから、役人は役人としてですね、やめたとたんに役人じゃないということはおかしな話で、そういう人たちが委員会に多数に次々に顔を出す。たとえば大蔵省、農林省、どこをとってみましても、農林省審議会に、農林省局長やった、次官やったというのがずらっと出ているわけですね。あるいは大蔵省の審議会に、局長やった、次官やったという者がずらっと出てくるというような運営の仕方というのは、これはどうもおかしいと思うのですね。局長や次官をやった者が、やめたとたんに公益委員になったり、あるいは役人とは無関係だというような言い方も、仕方も、非常におかしいように思うのですね。こういうことは、やっぱり一掃されたほうがすっきりするのじゃないですか。姨捨山だなんて、特に金の出る審議会調査会等にはやめた人たちが多いわけですけれどもね。すっきりしたほうがいいのじゃないですか。そういう努力がやっぱり要るのじゃないかと思います。そういう点についてひとついかがに考えておられますか。
  38. 川島正次郎

    国務大臣川島正次郎君) 私も鶴園さんに全く同感です。審議会のあり方につきましては、これからも検討を要する点が多々あると思います。先ほど申し上げたとおり、審議会の取り上げ方というのを検討しておるわけでありまして、委員の任命その他につきまして十分ひとつ考えたいと思っております。全く御同感であります。
  39. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 今度の選挙制度審議一会、それから農地被買収者問題調査会、こういうのを見まして感じますことは、選挙制度審議会で言いますと、あれは答申を出すという、そこで多数決でやっておるということになって、まあ特に特別委員として出ている国会議員各位が多数決で負けると、答申がきまっちまう。そこで審議会では措置できないから、自分の党に帰って処理するというような形が出てくるのだと思う。それから、農地被買収者問題調査会にいたしましても、多数の意見は、旧地主に対して二十億といいますか、何といいますか、とにかく特別融資というようなものを認める方向だというような新聞報道がなされるわけですね。しかし、少数意見はそうじゃないということだと思うのです。しかし、答申を出すということになりますと、これはどうしてもやっぱり多数意見というもので答申を出すということになるのだろうと思います。そこで、審議会の答申の場合に、何人はこういう意見だったとか、多数意見はこうだったとか少数意見はこうだったというようなやり方をすれば、何かもっとこういいんじゃないかというような気もするのですけれどもね。そのなかで政府はどれをとる、どの案をとるということにしますれば、ああいうような妙な混乱なりなんというものが起こる必要ないのじゃないかというように思いますし、また変に隠れみのだとか何とか言われる心要もないのだろうというような気もするわけですね。ですから、一本まとめて答申をするというところに一つ大きな問題があるのじゃないか。ですから、名前を出す必要ないからですね。それもまあ、意見が幾つも分かれますと因りますけれどもね。大きく二つに分けて、少数意見と多数意見——少数意見は何人で、多数意見は何人だったと、それで内容が明らかになりましてですね——というような気もするのですけれどもね。そうでないと、答申が出ますと、答申というのは一本にまとまりますからね。そうしますと、やはり国会の中における紛争みたいなものが、今度は審議会調査会の中で繰り返されるというような点もありますしね。そういう点の御検討の用意はないかですね。
  40. 川島正次郎

    国務大臣川島正次郎君) まあ従来の例を見ますと、少数意見として政府に答申したこともあるのでありますけれども、審議会全体としての運営がどうなっておるかということは私ただいまよく存じません。存じませんが、御意見はごもっともと思いますから、ひとつ審議会全体のあり方を検討する一つの項目として取り上げて検討してみたいと思います。
  41. 河野謙三

    委員長河野謙三君) ちょっと速記とめて。   〔速記中止〕
  42. 河野謙三

    委員長河野謙三君) それでは、速記を始めて。
  43. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 それでは次に、定員関係につきまして、この今提案になっております中に、行政管理庁設置法の一部改正法律案と、北海道開発法の一部改正法律案と、この二つが入っているわけなんですよ。それで、北海道開発法一部改正については審議しておりませんので、そこで北海道開発法の一部改正に関連をして、定員の処理の問題につきまして、短い時間でひとつ質問したいと思います。  今度定員外職員定員内に繰り入れる場合に、例外職種というものを設けられたわけですね。例外職種というのですかね——設けられたのですか、指定職種といいますか、例外職種といいますか、例外職種というのは、これは本来は入れるべきなんだけれども、例外として入れないという趣旨だと思うのですね。だから例外職種と言うんだろうと思うのですが、そういうのをおきめになったんでしょうか。
  44. 山口酉

    政府委員山口酉君) 今回定員外の繰り入れをいたしましたのは、再三国会の御決議もございましたので、その趣旨に従いまして、まあ行政組織法第十九条でいかなるものを定員とすべきかという規定がございますので、その規定の上で定員にする必要があるかどうかという実態調査を昨年度行政管理庁でいたしました。その結果、入れるべきものにつきましては、これを定員をふやしたわけでございます。その際の判断といたしましては、恒常的な職務でないとか、あるいは各省の所掌事務を遂行するために必ずしもそのような職は必要でないとかいうような、十九条の解釈に従いまして判断をいたしましたのでございますが、指定職種、例外職種ということは私ども考えておらなかったわけでございますが、ただいま鶴園先生がおっしゃいますところの趣旨は、おそらくその中で厚生関係の職員につきまして、これは各省の本来の所掌事務遂行のためにどうしても必要かどうかという判断についてはやや疑義がございます。まあ従来の例から見まして、そういうものを絶対に入れてはならないということも考えにくい点がございますが、ただこれはむしろ、いずれがいいかといえば、厚生関係は、大体共済組合制度によって、そのほうの職員として運営することが至当であると思われるものがございまして、それについて、大蔵省がそのほうの仕事を担当しておりますために、大蔵省がその点を検討することにいたしております。そこで、これは、もし厚生関係は共済組合の職員とするということになりますと、共済組合の財政の点がございまして、その職員に対する給与を払えるかどうか、払えなければ、これは何らかの形で国費でみなければならぬというな問題がございますので、いろいろまだ大蔵省としてもその点を検討して最終の決定にいたしたいということでございましたので、その関係だけがペンディングになっております。これは各省の次官会議で最終的に相談をいたしまして、各省ともそれに異議がございませんで、そういうことで、それでははっきりさせた上で処置をしようということでペンディングになっております。そのほか別に例外とか指定とかということはございませんので、これは法律の規定に従って実態調査をいたしましたものを行政管理庁で判断をして決定をいたしたわけでございます。
  45. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 今出ました厚生関係の職員、これは北海道開発庁で三百二名、それから建設省設置法の中で審議しましたときに出たのですが——約八百名、それから港湾建設局でどれだけおりますか、それから林野庁で何名おるか、よく把握いたしておりませんが、農林省の農地局の現場というところは問題になるだろうと思います。それで、その厚生関係の職員を共済組合方式で解決したらどうだという話があった。これは次官会議におきましてそういうような了解を取りつけておられるのかどうか、もう一ぺん承っておきたい。そうなんですね。
  46. 山口酉

    政府委員山口酉君) そのとおりでございます。
  47. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 私は、従来から大蔵省は、大蔵省の中に床屋さんとか何とかいろいろあるわけですね、食堂とか。大蔵省はそういうところの人を職員としておるわけですよね。公務員としておるわけです。それで、大蔵省の立場からいいますと、おそらく——大蔵省きょう見えていないので、どうもいないところでまずいのですけれども、私の考え方としましては、大蔵省として、その床屋さんなり何なり、あるいは食堂なりという人たちを定員内にしているのはおかしい。だから、これは共済組合でしたほうがいいんじゃないかという感じをお持ちになったんじゃなかろうかというふうに思うのですよ。で、問題は、大蔵省にそういう厚生関係の人たちがいるということと、それから建設省なり、北海道開発庁なり、そういう現場を受け持って仕事をしておるところに厚生関係の職員がおるということは、相当違うんじゃないかというふうに思うわけなんですね。大蔵省の場合は、そういう人たちは定員内に入っておるわけですね。それをどう処置するかという大蔵省の考え方で、北海道開発庁なりあるいはそういうところの厚生関係の職員を共済組合運営でやられるということには問題があるんじゃないかというふうに私は思うわけなんですよ。そこで、それは今大蔵省見えておりませんので何ですが、今まで公務であった、これは国家の事務であるというふうに見たものをこれは国家の事務でないというふうにされるわけでしょう。そうですね。共済組合方式でいくということになりますと、国家の事務ではないということになる。それはどういうような解釈をされるのか。今までは歴然とした国の事務なんですよ。それが、これからは公務ではないというふうにはっきり割り切られるわけですね。今までそういう厚生関係の職員というのは間違いもなく国家公務員なんです。その国家公務員を国家公務員でなくするわけですね。これは身分の大きな転換なんですね。それを、まあこれは、二カ月で更新になるんだから、二カ月が切れると公務員でなくなるんだから、切りかえの時期に公務員でなくするんだというお考えだろうと推察しますが、しかし、もともと、本来定員化問題をお考えになったのが、そういう二カ月更新だというような形式にとらわれないで、現実実態としての慣行と業務というものを本旨にして考えたところに定員化問題があったのですね。ですから今まで国家公務員であったものを国家公務員としなくなるという、それはどういうふうに解釈されるのかですね。  それからもう一つは、こういう厚生関係の職員で定員内に入っている人がおるのですよ、りっぱに。同じ仕事をしておって定員内に入っておる。その入っておるのと同じ待遇ができないというのは、どういう理由か。共済組合方式になりますと、これは全然違った職員になるわけですよ。国家公務員じゃなくなる。そういう不平等な扱いを一体やっていいのかどうかという問題。  それからもう一つは、北海道開発庁の三百二名なり、あるいは建設省の現場の八百名近い人たち、こういう厚生関係の人たちが、共済組合方式になった場合に、おそらく料金を取るでしょう、共済組合ですから。従来、各省とも、床屋さんなんかは共済組合でやっております。大蔵省は別ですが、各省とも床屋さんなんかはみな共済組合ですけれども、それ以外の厚生関係のものを共済組合方式にしますと、これは料金を取るということになってくる。それ相応の料金を取っていかなければならないことになると思うのですよ。そうすると、これは職員全体に及ぼす影響ということが、本人はとにかくとして、非常に大きいわけですね。こういう問題を私は共済組合方式でやるという考え方が、どうも理解がつかない。これは行政管理庁の御意見じゃないようにも私は受け取ったものですから、行政管理庁にこういうことを承ってみても仕方がないのですが、最終的な問題の処理は行政管理庁ですから、これはどうするかということを伺いたい。どうもこれは共済組合方式でやるよいうことは、大蔵省の床屋さんと違うんですね。その点についてどういうようなお考えを持っておられるのか伺いたいと思います。
  48. 山口酉

    政府委員山口酉君) 共済組合方式にするかどうかということにつきましては、これは共済組合のほうの所管をいたしております大蔵省が、こちらでそういうことを引き受けてやるという制度を立てなければできないわけです。従来、大蔵省を例にあげられましたけれども、各省の取り扱いがまちまちでございまして、大蔵省のごとく一部の職員を——定員を使ってやっているというところもございます。で、お話のように、共済組合でやっているところもありますし、それから、そういう制度でなしに、民間を利用しているところも、役所で単に世話をしてやっているというようなところもございます。いろいろまちまちでございますが、従来は、昨年この組織法を改正いたします前は、定員とは一体何であるかということが不明瞭であったわけです。で、どういうものを定員に入れるべきか入れざるべきかということがきまっておりませんでしたために、それぞれの取り扱いが必ずしも適切でなかったし、あるいはその取り扱いが均衡を失しておったというところがございます。そこで、どうもやはりこの問題は、十九条では所掌事務を遂行するために必要なということになっておりますが、各省の所掌事務を遂行するために床屋さんのようなものがはたして必要なのかどうか、この判断はこれは非常にむずかしいので、一律にはいかないと思います。その業務の遂行の状況によって、多少職場その他によって考えなければならない点があると思います。そういう面で非常に問題がございますので、どこから見てもあまり問題がないと思われるのは、これは共済制度としてやれば一番よかろうということが、お話のように、これは事実大蔵省から起こったわけです。それで、責任を持って大蔵省でこれを解決する、こういうことでございましたので、それを各省の次官会議に諮りまして、そうして各省も納得されまして、それならその結果を待とうということでペンディングになっております。そこで、この組織法のほうの関係では、附則の規定がございますので、暫定的に、十九条でぴしゃっといかなくても経過規定としまして多少の融通がつくように規定されておりますので、一時なおこの問題検討の時間を置こうということにいたした次第でございます。それで待週が非常に変わる、身分が変わるというお話でございますが、実は定員問題としてはその問題はないわけでございます。定員認めましても、そこに従来おった人が入るのか、これは入らないようになるのかということは、これは任命権の問題でございますので、純粋にはこれは別の問題でございますが、実際問題としては御懸念のような点が起こり得る可能性は多分にあると思います。その問題は、そのときにその個人の待遇をどうするかということで、もう一つ制度をきめると、その際にその経過的処置をあわせて考えなければなりません。したがって、当然にこれは国家公務員が公務員でなくなるのだとかということは、実はまだ今結論は出しておりません。まあ定員外職員問題というものが起こりました経緯から見まして、従来そういう沿革がございますので、そういう事実を無視するわけにいきませんから、何らかこういう制度にいくということが最終的にはっきりきまれば、その身分の取り扱いについて同時に考えていかなければならない、かように考えております。
  49. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 そこに床屋の話を出しました。床屋は、私さっき申し上げたように、各行政機関とも共済組合でやっておるが、大蔵省は定員内に入れておる。各省はそんなことをしていない。ですから、床屋さんの問題を取り上げられたらかなわぬです。それ以外に、看護婦とか、現場におる保健婦、こういう人たちは厚生関係だということではずされておる。これにつきまして、この間建設省設置法審議しますときに、建設省に質問した。そして建設省がはっきり答弁いたしましたので、会議録に載っておりますから、ここで申し上げて差しつかえないと思いますが、建設省としては、この共済組合方式については、いやだ、もっと根本的に考えたいと言うのです。根本的に考え検討したい、こう言うのです。いやだと、こう言うのです。それで、最もこういう公務員関係の職員をかかえておりますのは建設省の現場です——約八百名近く、その次は北海道開発庁の三百二名、そうして港湾建設局、林野庁、こういうことになるわけですね。ですから、一番大もとの建設省はいやだと言うのです。それはそうだと思うのです。同じ公務員関係の保健婦なり看護婦というのは定員内に入っている。それを今回厚生関係だということで除いた。今まで入っている。各省ともそうです。そこで、残った者はたいへんな不満です。われわれは公務員でなくなるのだ、共済組合の雇われ人になりそうだ。これは私は筋がどうもおかしいと思うのです。大蔵省の床屋さんならいのですが、そうじやないのですから。これはどうしますかね。どうも行政管理庁に聞いてみても、大蔵省に来てもらわないことにははっきりしないことですが、しかしこれはやはり私は行政管理庁の処理すべき問題だと思います。大蔵省が共済組合をやりておるからといって、大蔵省にまかせたということはおかしい。あるいはまた、次官会議全体としてそういうふうにおきめになったろうと思いますけれども、最終的には行政管理庁もっとしりかりしてもらいと思います。だから、私が言っております、今まで公務員あった者が公務員でなくなるというのは、どういうわけで、そういう理由を立てられるのか、それが一つ。もう一つ、今まで公務員であった者が公務員でなくなる、身分が違ってくるわけです。今はれっきとした国家公務員です。それが今度は公務員でなくなるわけです。しかし、実際問題として、公務員であった者を身分を変えるのですから、それは慎重に取り扱ってもらわなければ困る。もう一つは、同じ職種で定員内に入っておる、それとの不均衡をどうするか。不均衡が明らかにここに現われる、公務員でなくするのですから。不均衡を明白にするだけですよ。もう一点は、こういう処理をされますと、共済組合になりますから、そうすると、これは運営上料金を取ったりなんかして、やはり利益を取ってやらなければならなくなる、共済組合ですから。これは、現場におる人が、自分で炊事して、自分で洗濯して、仕事がやれるかと言うのですよ。やはり、泊まるところが人里離れたところでは仕事ができない、下宿したって。それを共済組合で利益を取ってやらなければならぬから、職員は高い金を払わなければならぬ。そういう不利益を北海道開発庁の現場ですべて与えられておる、あるいは建設省の現場でも与えられておるということになりますと、これは身分だけの問題じゃないと思う。その四つ問題から、私は行政管理庁としてもっと深刻に真剣に御検討いただきたいというふうに思うわけです。
  50. 山口酉

    政府委員山口酉君) 病院の看護婦のようなものは全部定員に入れてありますが、看護婦の中でも、形態が療養所のようなもので、どちらかといいますと職員だけが利用するというようなところで、これは共済制度にふさわしいというものがございますので、やはりその中で形態を分けて、全部看護婦をはずすということでないことは、御承知のとおりでございます。その不均衡でございますが、職種から見ますと不均衡と言えますけれども、しかし、仕事組織、そのポストの任務から申しますと、やはり国の機関としては区別して考えるべきものというようなものがございまして、そういうところに一応線を引いて考えております。ですから、職種では分けておりませんので、その事業そのものがはたしてこの場合に国の所掌事務を遂行するために必要なものという解釈ができるかどうかというような、その疑点のあります点で見ておるわけです。そこで、実はこれはそういうふうに確定したわけではございませんので、次官会議で申し合わせをいたしましたのも、検討しようということで、それに同意を各省がいたしたわけです。そのときの空気は、共済組合制度でやってくれるならばそれでもいいという空気でございますので、ただそうきまったわけではございませんので、まだいろいろ大蔵省あるいは各省と折衝していかなければなりません。その段階で、行政管理庁といたしましても、これがどういうふうに決定いたしますか、その決定によりましては、定員を動かす問題が出て参りますので、十分その点は連絡を密にいたしまして、そうして妥当な線にいきたいと思っておりますが、身分上の問題につきましては、これは私どもは、定員を変えればその中の人がすべてどうなるということはないと思います。看護婦などで病院のほうに移行することができるところもございますし、いろいろであろうと思います。定員内に入り得る者もあると思います。しかし、御懸念のような問題も起こり得る可能性は非常に濃厚でございますから、そういう者の処置、その本人の身分の取り扱いにつきましては、これは経過的に、十分御趣旨を尊重いたしまして、適切な処置をとれますように検討いたしたいと思います。
  51. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 北海道開発庁のほうに伺いたいのですが、北海道開発庁として三百二名という厚生関係の公務員がおるわけですけれども、それは共済組合方式のほうがいいわけでしょうか。まあ次官会議でそういう了解があるといえば、それはまずいというわけにもいきますまい。しかし、建設省はまずいと言うのです。北海道開発庁はいかがでしょうか。
  52. 木村三男

    政府委員木村三男君) 違ったニュアンスのお答えもできにくいのでありますが、私ども北海道開発庁としましては、現場を持っておりまして、現業を監督する官庁といたしまして、共済方式ではたしてうまくいくかどうかということを、現地などとも打ち合わせておりますが、まあすらっと考えてみて、疑問があるのじゃなかろうか。ただいま大蔵省の床屋の例を出されましたが、これは説明の要もないのでありますが、北海道の現場には大体百数十カ所の現業所がございまして、それに必要な施設の管理職員、あるいは寮の仕事をやっておる者もございます。その中に、先ほど御指摘がありましたように、ただいま三百二という数字をあげられましたが、実は三百二十二でございます。すでに常勤労務者として定員職員と同じような待遇を受けておりますのが十八人おります。で、三百四人というのが、日々雇用というか、非常勤の形で定員から残されております。現地の局の意向を私ども率直に聞いておりますが、問題は、この三百四人の人間をせめて常動労務者並みの扱いにしてもらいたい、これがちょうど先ほどお話が出ました建設省あたりの考え方と一致しているわけでございます。そこで、先ほど次官会議で共済方式について検討しょうという話のあったことも聞いております。それで、その点の内容もよくわかりませんで、あまり早まった行動もできませんが、この辺は事務的にいろいろ行管の担当者とも話しておりまして、大体第一段階として、建設省と同じような考え方ができないだろうかというようなことで今までは話しておりましたが、まあ管理局長もおっしゃっておりましたが、これはペンディングの面がございますので、今後行管としても検討されると思いますが、私ども現業関係としては、やはりいきなり共済方式にすぐにという回答——答案ですか、それがどうもいろいろ難色があるように現場の空気はなっております。
  53. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 北海道開発庁の方がおっしゃるし、それから建設省はこれははっきり困ると言う。北海道開発庁の方も、行管の長官もいらっしゃるしするから、困ると言うわけにもいきません、非常にニュアンスのあるお話だろうと思うのです。それくらいの発言がありますと、これは、根本的に考える必要があるのじゃないかというように私は思うのです。だから、大蔵省の床屋さんと同じように考えられては、現場のほんとうに人里離れたところで仕事をしているわけですから、そういう場合に、そこに寮もあるわけです寝泊まりしなければならぬ。山地に寮を作らなければいかぬし、そこに働いているというのは、やはりこれは所掌事務を遂行するために必要じゃないでしょうかね。床屋さんとは違うと思うのです。ですから、私先ほどいろいろ申し述べましたが、この問題はまだはっきりきまっているわけではないし、これから御検討のようでありますから、機会がありますれば——機会がありますればじゃなくて、ぜひこの国会中に、もう一ぺん行政管理庁と、大蔵省もおいでいただいて、ひとつやりたいと思います。その際に、できれば北海道開発庁なり関係の局にひとつ御出席いただいて、論議をしたいというふうに思っておりますので、したがって、この問題残しておきますが、先ほど北海道開発庁でおっしゃった、常勤労務者程度にできないかという問題と、それと、今私が出しました、常動労務者給与で支払うことになっている人たちを準職員として扱うような処理ができないかという点ですけれども、非常に待遇が違うでしょう。待遇は違わないというお話ですけれども、違います。ですから、これは待遇が違うわけでして、休みますと給与は出ませんしね。それから有給休暇も違いますし、非常に違うわけですから、そこら辺はいかがですか。
  54. 木村三男

    政府委員木村三男君) 先ほど申し上げました非常勤職員を常勤労務者並みにできないだろうかということと、先ほどおっしゃいました準職員と同じにできないかということは、同じ意味でございます。違いとして大きな違いは、休暇の関係でございます。年次休暇二十日というのが常勤労務者には与えられるわけでありますが、非常勤の場合は、これが労基法の規定の適用を受けまして、これが不利になっておりまして——いろいろこまかい規定はございますが、大体八日ぐらいのことになります。それから病気、有給休暇の場合も不利な扱いになっております。そんなところで実質的な違いが起こってくるわけでございます。
  55. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 これは、それじゃこういうふうにしましょう。先ほど申し上げましたように、行政管理庁と大蔵省と来ていただいて、今の問題も含めて、今北海道開発庁でおっしゃった話は、建設省も、それから運輸省の港湾建設局、林野庁、共通なんです。ですから、この問題だけについてひとつやるということで、残しておきましょう。それで、きょうの行政管理庁問題は、これは本来行政管理庁仕事なんですよ、長官。これはどうも大蔵省にしてやられたのですよ。それじゃこれで終わります。
  56. 河野謙三

    委員長河野謙三君) 鶴園君にお答えいたします。  鶴園君御要求質疑につきましては、次回適当の機会にその機会を作ることを委員長において取り計らいます。     —————————————
  57. 河野謙三

    委員長河野謙三君) この際、委員の異動について御報告いたします。  本日、吉江勝保君、塩見俊二君が辞任され、野上進君、高橋進太郎君が選任されました。  速記をとめて。   〔速記中止〕
  58. 河野謙三

    委員長河野謙三君) それでは速記を始めて。  この際、委員の異動について御報告いたします。ただいま木村篤太郎君が辞任され、小沢久太郎君が選任されました。
  59. 河野謙三

    委員長河野謙三君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  60. 河野謙三

    委員長河野謙三君) 御異議ないと認めます。  それではこれより討論に入ります。御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを願います。——別に御意見もないようでございますが、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  61. 河野謙三

    委員長河野謙三君) 御異議ないと認めます。  それではこれより採決に入ります。行政管理庁設置法等の一部を改正する法律案問題に供します。本案を原案どおり可決することに賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  62. 河野謙三

    委員長河野謙三君) 全会一致でございます。よって本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、本院規則第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成につきましては、慣例によりこれを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  63. 河野謙三

    委員長河野謙三君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。  本日はこれにて散会いたします。   午後三時五十分散会