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1962-03-08 第40回国会 参議院 逓信委員会 第11号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十七年三月八日(木曜日)    午後一時五十一分開会   —————————————    委員の異動 本日委員永岡光治君辞任につき、その 補欠してと光村甚助君を議長において 指名した。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     安部 清美君    理事            手島  栄君            寺尾  豊君            野上  元君    委員            新谷寅三郎君            野田 俊作君            谷村 貞治君            久保  等君            鈴木  強君   国務大臣    郵 政 大 臣 迫水 久常君   政府委員    郵政政務次官  大高  康君    郵政大臣官房長 金沢 平蔵君   説明員    郵政省電気通信    監理官     松田 英一君    日本電信電話公    社副総裁    横田 信夫君    日本電信電話公    社総務理事   米沢  滋君    日本電信電話公    社計画局長   伊藤  誠君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○郵政事業及び電気通信事業運営並  びに電波に関する調査  (電信電話拡充第三次五カ年計画に  関する件)   —————————————
  2. 安部清美

    委員長安部清美君) ただいまより開会いたします。  委員の変更についてお知らせいたします。  三月八日、永岡光治君が委員を辞任せられまして、その補欠に光村甚助君が選任せられました。   —————————————
  3. 安部清美

    委員長安部清美君) 郵政事業及び電気通信事業運営並びに電波に関する調査を議題といたします。  御質疑の通告がございますので、これを許します。鈴木君。
  4. 鈴木強

    鈴木強君 きょう私はおもに電電公社関係について関係皆さんから御意見を承りたいと思いますが、今、国会に提案されております三十七年度の電電公社予算、それからさらにそれに引き続いて第三次五カ年計画が実施される予定になっておりますが、これらの画期的な長期計画を実施するに際して、私は、自来自分の持論として何回もこの委員会でも申し上げて参りましたように、はたして、こういう長期の大規模の計画をやる場合、現行の公社法上の中で、はたして十分な成果があげられるのかどうなのか、そういうことに対して非常に疑問を持っているわけです。ですから、私は最初にこれらの問題について、特に郵政大臣郵政当局の御見解を承りたいと思いましたが、大胆が他の委員会関係で御出席が後刻になるようですから、ちょっと質問する角度も主客転倒するような形で、非常にまずいようですけれども、とりあえず御出席をいただいている公社皆さんから、今、皆さんが策定を急がれております第三次五カ年計画の内容について少し質疑をしたいと思うわけです。  まず最初にお伺いしたいのは、三十八年から第三次に入りますに際して、公社当局が、今聞くところによりますと、一兆七千五百億でございますかの建設財源をもって五年間に五百万の電話をふやす、こういう御計画を立てておられるようですが、もう少しこれを具体化した考え方がきょう聞けますかどうか、私はできるならその青写真を一応具体的に示していただきたいと思うのですが、その点いかがでございましょうか。もし今示されないとすれば、大よそ具体的な案はいつごろおできになりますか、そういう点もあわせてお伺いしたいと思います。
  5. 伊藤誠

    説明員伊藤誠君) お答え申し上げます。第三次五カ年計画につきましては、ただいま作業中でございまして、まだ案がまとまったものはございません。ただ、私ども第三次の作業をやりますにつきまして、ただいまお話のございましたような加入電話を五年間で五百万あるいは市外に対して五年間で千六百万キロを目途にしてやりたいという大まかな構想は立てたのでございまして、その構想は、たしか資料としてお出しいたしたかと思うのでございますが、その程度が現在の段階でございまして、これから作業を進めて参りまして、どの程度にまとめ得ることになりますか、もう少し先になって参りませんとわかりませんが、大体少なくとも三十八年度予算を組みますまでにはまとめあげたいというふうに考えている次第でございます。
  6. 鈴木強

    鈴木強君 三十八年度予算をまとめるまでということですが、大体本年の七月ころにはそういう作業が終わるというふうに理解してよろしゅうございますか。
  7. 伊藤誠

    説明員伊藤誠君) 大体お話のように、七月ころにはできると思っております。
  8. 鈴木強

    鈴木強君 第一次、第二次の五カ年計画が三十七年度をもって終わるわけなんですが、大体大まかにいって、この十年間に投資した資金というものは一兆億に近いと思うわけですが、一体この一兆億の建設資金のうち、自己資金外部資金の占める割合はどんなでございますか。それで、外部資金の場合は、まあ設備負担金で調達する額、公募債政府財政投融資から手当てされた額、こういったものはどうなっているか、おわかりでしょうか。
  9. 伊藤誠

    説明員伊藤誠君) 資金内部外部の分類でございますが、私ども内部資金として考えておりますのは、減価償却引当金損益勘定からの受け入れ、それから資産充当、大体これを内部資金と考えております。それ以外の、設備料または装置料電話設備負担金公募債財政投融資というようなものを外部資金と考えておりますが、大体第二次五カ年計画で申し上げますと、第二次五カ年計画は御承知のように三十七年度で終わりまするので、したがいまして、三十七年度は、ただいま審議いただいております予算案に基づきまして、それがそのまま実行されたというふうに仮定いたしまして申し上げるのでございますが、総所要資金は、第二次におきまして七千百九十八億円になります。そのうち、ただいま申し上げました内部資金と申しますか自己資金と申しますか、これが四千五百七十九億円、外部資金が二千六百十九億円ということに相なります。
  10. 鈴木強

    鈴木強君 これを第一次と合わせますとどうなりますか。
  11. 伊藤誠

    説明員伊藤誠君) 第一次資金は、総額が二千九百三十五億円でございまして、そのうち内部資金——自己資金が一千八百八十九億円、外部資金が一千四十六億円であります。
  12. 鈴木強

    鈴木強君 それで、第一次、第次二をトータルしたものをちょっと聞きたかったのですが、この第一次、第二次の外部資金内訳ですね、これはどうなっておりますか。
  13. 伊藤誠

    説明員伊藤誠君) 外部資金内訳で申しますと、たえば加入債券幾ら電信公募債幾ら財政投融資幾らというふうに分類して申し上げます。  第一次におきましては、装置料または設備料、これは九十一億円でございます。それから加入者債券が三百九十四億円、電話設備負担金が二百七十四億円、公募債財政投融資等が二百十七億円でございます。それから第二次におきましては、装置料または設備料が二百五十七億円、加入者債券が一千七百七十五億円、それから電話設備負担金が百四十億円、公募債財政投融資等が四百四十六億円になっております。
  14. 鈴木強

    鈴木強君 ちょっと合わないじゃないですか。第二次の外部資金が二千六百十九億でしょう。それで今の装置料からずっとやって参りますと、違うのじゃないですか。二千六百十九億にならぬ。二千六百十九億の内訳ですね。要するに、負担金の場合と、例の暫定措置法の場合のものと、それからそうでない公募債簡保その他の金と分けて幾らになりますか。
  15. 伊藤誠

    説明員伊藤誠君) 集計をちょっと間違いまして失礼申し上げました。もう一度第二次につきまして申し上げますと、装置料または設備料は二百五十八億円でございます。一億違いました。それから加入者債券が一千七百七十三億円、それから電話設備負担金が百四十億円、それから公募債財政投融資等が四百四十六億円。たしか二億くらい違うかと思いまするが、予算上三十七年度に受益者負担というものを掲げてございますので、これを申し上げなかったものですから、おそらく二億違ったのじゃないかと思います。それを入れまして二千六百十九億円に相なると思います。
  16. 鈴木強

    鈴木強君 この第一次の場合でも第二次の場合でもそうですが、御説明のように自己資金というのが非常に多い。それから外部資金の場合でも、政府から財政投融資その他簡保運用資金ですね、そういった公募債を含めた額というのは非常に微々たるもので、大多数は自己資金加入者負担によって電話の増設が行なわれているということが、第一次、第二次のこの資金を見る場合に、はっきり出てくると思うのですがね。こういったことが、はたしていいのかどうなのか、これはまあ論議のあるところでしょう。例の電信電話設備拡充のための暫定措置に関する法律審議の当時も、そういう意見がありまして、なおかつあの法律が期間延長したことは承知しておりますけれどもね。どうも今の電話というのが、電電公社皆さん努力によって成績を上げ、収入も上げ、その収入によって大多数が建設財源をまかなっておる。一体政府手当というのが非常に少ないじゃないかという意見がやっぱり出ていると思うんですね。池田内閣経済成長政策というのを掲げておられるんです。御承知のとおり百万の積滞、新規六十万から七十万へとたいへんな需要があるわけですね。それに対して供給が追いつかないということから、三十万、四十万、五十万、六十万と逐次拡大修正をしてきている。それでもなお追いつかないという事実があるんですね。一体、こういう資金手当政府からの額の少ないことに対して、私は非常に関心を持たざるを得ないのですがね。これはまあ大臣もちょっと今お見えになったんですが、電電公社に対する過去の政府からの建設財源手当というものが非常に少ないように私は思うんですが、これがおそらく——第二次の質問にも入るのですけれどもね、おそらくそういう格好が続いていくと思う、第三次に向かって。もう少し何とか政府が勇断をもって電話需要を満たすために資金手当ができないものかということを私は考えるのですけれどもね。これは大臣どうでございますかね。途中だからちょっと……。
  17. 迫水久常

    国務大臣迫水久常君) 財政投融資から電電公社拡充のために金を投資する分が少ないのじゃないかというお話は、私もそのとおりだと思いまして、今度ももう少しよけいなものを取ってやろうと思って非常に努力いたしました。電電公社要求はたしか百五十億という要求をしておったと思いますが、まるまる取れないまでも、せめて百億をずっとこすような命を取ってやろうと思って実は非常に努力したんですけれども、結局やはり財政投融資財源の問題にからんで、結局外債をもらったほうがいいというような結論になって、外債をよこしたためにほかのほうを落っことした。そういった打ちあけ話をしちゃいけませんけれども、そうすると、外債をよこす以上は、五十八億の借りかえ財源も返せというようなことを言って、それを今度は抵抗して死守するのに一生懸命で、それに全力をあげなきゃならぬような状態になりまして、結局新しく投融資を取るということはできなかったわけですけれども、今後とも取るようにひとつ努力したいと思います。
  18. 鈴木強

    鈴木強君 まあ大臣努力は私は多としますし、そういうできないことは今始まったのじゃなくて、吉田内閣当時からどうも拡充計画というのを実際やっておるんですけれども、しかも、経済を刺激してどんどんと工場が建ち会社が建つんですが、電話が引けないというために開業できない、そういう事情があるんですね。ですから、高度経済成長政策というのを掲げてやるからには、電話に関する関心政府一体が持って、通信政策というものを確立して、そうして閣議の中で、もう少し大臣にがんばってもらわなきゃいけないのじゃないかと思うんです。  ちょっとこの質問はお預けのような格好になるんですが、大臣たいへん他の委員会でお忙しい中をおいでいただいて恐縮でしたが、きょうは、三十七年度の予算も今審議中ですが、さらに第三次という長期計画を立っておられます。私は今までの十年間の公社経営の実態というのを、今厳粛に反省をして批判を加えてみると、現在の公社形態というのは非常に不完全なものだと思います。したがって、こういう長期計画を立てる場合に、もう少し公社当局が仕事がしやすいように責任体制を確立すると同時に、予算的な弾力性というのを認めて、思い切って責任をとってやらせるような方法はできないものかということを私は考えるんです。御承知のとおり社会党のほうでも公社法改正案を出しておるんですけれども、これも何かしらたなざらしのようになっておるんでして、私は非常に遺憾に思うんですが、大臣は御就任以来いろいろとこの問題についても御検討され、国会においてもその必要を認められておられるように私は聞いております。したがって、本国会にこれらの公社法の欠陥を是正するための必要な改正措置をとるのかとらないのか、これを私は最初に伺っておきたいのですよ。というのは、今申し上げましたような長期構想を実現するのには、これはなみなみならぬ苦労も必要でしょうし、今までのような第一次、第二次のような格好では、実際だれがやろうとしたって、とてもできないような悪条件が重なっておると思いますから、やはりそういう点を除去して、そうして前進するという態勢を作ることが、一切の問題に先がけて私は必要だと思いますので、そういう点を大臣に伺いたいのです。具体的に、今度の国会にどういう点について不備だと認め大臣改正の御用意があるのでしょうか。
  19. 迫水久常

    国務大臣迫水久常君) 少し言い過ぎになるかもしれないと思うのですけれども、率直に御答弁を申し上げます。  私は、電電公社というようなものは、公社とは申しますけれども、一応独立採算制のものでありまして、そうしてその収入によって一般会計財源を提供するという性質のものではございません。その点は専売公社とはよほど違った立場であるのですけれども、現在の日本電電公社に対する取り扱いというものは、いわゆる三公社といいますか、専売公社と同じように、大蔵省考え方は皆同じように考えているところに根本的な一つの問題があるのじゃないか。もう少し、日本電電公社というようなものは独立採算的で、独立企業体としての機能を十分発揮できるように、総裁政府が任命するのは当然でありますけれども、他の理事諸公あるいは副総裁というものは総裁が任命し得るような格好にしたほうがいいのじゃないかというようなことも、そういうようなところから一つは出てくる。のみならず、資金運用等についても、がんじがらめに縛り上げておく、もう少し自由にやらしたら利益が出てきそう。有利に運用できるものを縛りつけておくということも、これも考えなければならぬのじゃないか。それから、公社が出しているところのいわゆる加入者債券加入者債券を持たせて、そうして、何といいますか、設備拡充の資源にする。これは、戦後、学校債なんといって、学校入学生債券を持たせて学校拡充をはかったと同じような構想のような感じがするのですけれども、こういうようなことも必ずしもいけないとは言わないけれども、それによって発行せられた債券というものが、やっぱり価格は十分維持されなければならぬ立場にある。そういうような点がもろもろに大成されていくことによって、公社独立企業体としての機能というものを、今よりももっと発揮し得る方向で、公社法改正をするし、取り扱いも整えていきたい、いくべきだと私は考えまして、その線に沿うて関係当局ともいろいろ折衝しておるわけでありますが、大蔵省は、やはり、これを、国家機関であるという立場から、厳重に縛り上げておくという方向をゆるめておりません。そこで、今現在大蔵省折衝中でありまして、公社法改正については、国庫預託の義務を解除していく、それから、これだけたくさんの債券が出ておりますので、減債基金制度を設けて、同時に加入者債券価格の維持を考える、あるいは公社関係事業に対して投資し得るような道を開いていく、あるいは総裁、役員の任命の問題、さしあたりそういうような点についての改正法律を実は出したい。現在でも非常に念願をして目下検討しておるのでありますが、残念ながら今日まで関係当局の協議がととのっておりません。時間切れになりはしないかと非常に心配をしておりますけれども、何とかここでかけ足で追いついて、できるだけの限度、一ぺんにそれはとてもそういうものを出しても、鈴木さんのお出しになりました公社法改正案のような抜本的なものにはとてもなっていないのです。いないのですけれども、漸を追うていくということでひとつお認めを願って——完全ではないけれども方向はいいということでお認めを願い得るのじゃないかと思って、そういうことを今考えておりますが、まだ関係当局の議がまとまりませんので、行き悩んでおりますけれども、できるだけすみやかに、まとまった限界において国会にも提出したい。まだ私はその希望を捨てておりません。
  20. 鈴木強

    鈴木強君 いろいろ抜本的な改正に対するお考えも、これはもう私どもとあなたとズレがあるようですが、よくしようとする方向について大臣意見が一致するところもかなりあると思うのですよ。ですから、われわれも百かしからずんばゼロというようなことを考えるのではなくして、やはり漸進的であってもやはりいい方向に持っていくということは賛成します。そこで、時間があればもう少しわが党が出している法律案等とも関連してお聞きしたいと思いますけれども、そう時間もないようですから、特に私は減債基金制度と、それから国庫預託金原則を取ってもらえるかどうかという、この点ですけれども、特に公社預託金制度を変えようということについては、これは歴史が長うございますね、今の佐藤通産大臣が当時大蔵大臣のときに、予算委員会においてかなりこれは論議がありまして、佐藤さんみずからもこれは不合理だ、是正すべきである、こういう意見で検討をたしか当局にも命じたはずです。それと並行してわれわれもできるだけ大蔵省折衝を保ちつつ方向を出すように努力したのですけれども、御承知のとおり前々国会ですか、国鉄預託金制度の一部改正、要するに国債収得のことだけが国鉄の場合に通って、あのときに電電の場合も一緒にしようとするのが政府考え方だったでしょうと思いますけれども小金大臣等にも私は申し上げたのですけれども、あの程度改正であったら、これはもうだめだ、率直に言って……。ですから資金の効率的な運営ということを考えて、今電話を何とか供給しようとするためには一億でも十億でも金がほしいのですから、ですから公共企業体になった以上は、その経営者が有利、安全、確実にやれるという金融機関があれば、これはやれると思うのです。しかしその場合問題があるならば、郵政大臣がある銀行を指定してもいいと思います、幾つかの銀行を、そのくらいは……。一応そういう制約がついてもいいから、原則をやっぱり立るてべきじゃないかということで私は反対しました結果、電電の場合はちょっとおくれまして、小金さんも必ずやるということの約束を国会でしてもらった。ところが在任中とうとうできずしてあなたのところにきてしまった。そういう経過があるだけに、客観的に見ても最近の経済の動きからも、やはり財界方面でもそういう意見が出ているのじゃないですか。ですからその正論に対して大蔵——いろいろいきさつがあったと思う、また大蔵大蔵意見があることもわかりますけれども、そのときの情勢に即応する適時適策というものを考えていくことが正しい政治だと思うのです。ですからやはり誠意ですよ。だから大蔵の諸君にもけんかしろとは私は言いませんけれども、あくまでも納得してもらって、そしてその態勢方向に行くようにやるべきだと思うのです。もしこれがだめならば、われわれ立法府があるのですから、それでやるというやはり最終的な決意をもってやらなくちゃいかぬと思います。私は大臣就任以来ちょっとこの点については質疑をしたことがありますけれども、あなたを信頼して、私はちょうど不在だったのですけれども、あなたの施策方針の御説明の中にもそういう文言が入っておったことも知っておりますから、国会も三月に入りましたから、一体どうなるのだろうか、こういう心配をするわけですよ。これは何といったって大臣が先頭に立って政治的な折衝をせぬとだめですから……。佐藤さんが通産大臣でおられるのですから、そういういきさつについては、私は前の佐藤大蔵大臣が了承していることだと思いますから……。やり方は、どうとしても、今のような国債取得程度のものではないと思います。だからその原則をひとつ満たすように、あなたもたいへん御苦労でしょうが、何とか努力を私は熱望するのですよ。一体どういうふうになっているのですか。
  21. 迫水久常

    国務大臣迫水久常君) 私も国鉄並みのところまでならできると思うんです、先例がありますから。それじゃしかし満足ができない、中途半端で。もう一歩進んで国庫預託金制度それ自身を廃止して一般銀行なんかに預けてもいいというように努力しておるのですけれども大蔵省がそれに対して非常なる難色を示しておりまして、私は大蔵大臣とも直接にも話をしておりますけれども、そこのところは率直に申しまして非常に難航しています。私の政治力の足りないところを深く反省しつつ、またもう少し強い力のお助けも借りたいと思って最善の努力を実はしておるわけでございますが、答え今期国会に提案するのに間に合うような時期に出るのか出ないのか、こういうことで、私としては今非常にあせった気持でおる次第でございます。かりに私が将来郵政大臣の地位を去っても、この公社独立企業体としての完成ということについては、情熱を持ってひとつ協力をして、何とか、かりに省外にあっても努力を傾けていきたい、こう実は思っておる次第です。
  22. 鈴木強

    鈴木強君 あなたは大蔵省のほうにも顔が広いし、特に郵政大臣になってこられて、相当僕は期待を持ったんだけれども、どうもちょっとへっぴり腰になっているんじゃないですか。もっとあなた前向きの姿勢でぶつかるということはできぬのですか。それから、もう一回伺いますけれども減債基金のほうも同じようなことなんですか。二つとも。それとも、今のあなたの答弁だったら、もう今度の国会では法改正は無理だというふうにとらざるを得ないのです。あなたはやめてからということを——今からそんなことを言われても困る、本年中に強くやるということを言ってくれぬと……。そんなふうな答弁では困るんです。
  23. 迫水久常

    国務大臣迫水久常君) いや、私は率直に言うと——今申しましたのは国庫預託制度のことだけを言ったのです。国庫預託制度を廃止する問題。あとの減債基金投資条項の問題は、私は答えを出し得るものと、実を言うと考えておる次第です。
  24. 鈴木強

    鈴木強君 わかりました。
  25. 迫水久常

    国務大臣迫水久常君) それから国庫預託金制度の廃止の問題については、私は在任中に答えが出し切るかなという心配を内心実はしておるものですから、だから省外にあって長きにわたって協力をするという決心を申し上げたのであります。決して今へっぴり腰になっておるのではなくて、非常に前を向いて、よくこの監理官も知っておりますけれども、むしろ監理官のほうがついてくるかどうかと、ときどき後を見るくらいにやっております。
  26. 鈴木強

    鈴木強君 やはり情勢というのは、そのときの情勢があると思いますから、だからそのことによって、もう後退しちゃいかんと思う。これは大臣に、大先輩に僕はそういう失敬なことを言うつもりはありませんけれども、やはり情勢というものは作らなければいかぬと思うのですよ。だから戦うということはどうかわかりませんが、やはり正論というのはあくまでも、なぐられても押されても叫び続けて、やがて正義が勝つということが僕は常道だと思いますね。ですから悲観をしてしまって、どうもお先まっ暗という、そんなことじゃなしに、もっと勇気を持って、ついてくるか、ついてこないかは別だ。あなたは、断じて今国会に出すというファイトで答弁すべきじゃないですか。それをやめるとまで言われちゃうと、どうもこれはだめだという判断を私はとらざるを得ないので、情けないと思うんです、そんなことじゃ。
  27. 迫水久常

    国務大臣迫水久常君) 私もほんとうにファイトを持って、そこで言うよりも役所で言ったり電電公社の幹部諸公と話をするときはもっと強いことを言うんですし、大蔵省に向かっても非常に強いことを言っています。しかし、やはり私も官僚出身で、若干の常識を持って、そうして、戦うという言葉はちょっと当たらないと思うんですけれども、常識を持ってここまできて、こういう状況であります。向こうのほうがいつまでもいつまでも結論を出さないというと、どうもこれは時間切れになりそうだなあというような気持も感じもするわけです。それをがむしゃらに、前に向かって進んではいるものの、あとで、鈴木さんに、前にあのときファイトをもってやると言ったのに何としたことか、こう言われると悪いと思うから、やや常識的な見通しをつけ加えて言うものだから、鈴木さんの御気分に合わないようなことを言っているのですが、ほんとうに一生懸命に、今日でも、きょうの朝も努力しましたし、また朝日の朝もある会合があって、奮闘いたします。
  28. 鈴木強

    鈴木強君 わかりました。決意のほどはわかりましたが、ひとつ最善を尽くす、私たちもまた微力ですけれども、お手伝いできることがあったらやりますわ。ひとつ何とか一角をくずしていくという方向でぜひ大臣の今後の御健闘をお願いしておきます。大臣に対してはその点だけをお聞きしたがったのです。第三次、第四次になりますと、確かに大臣は大へんですよ。電電公社の今の限られた運営の中で、経営の中で、やれといったって増員問題一つとってもかなり困難な問題が出てきますから、もう少し政府当局——何も私は公企体に干渉せいと言うのではないのです。制度上の不備欠陥を直すように審議会答申しているのだから、そういうことは重大問題だから、御努力願いたいということを重ねて申し上げておきます。  それからさっき電電公社への質問が、大臣が見えられたのでお預けになっておったのですが、大臣認められているように、どうも政府財政投融資からの手当というものが少い、非常に遺憾だ、こう言われているのです。そのとおりだと私も思いますが、そこで、第三次の計画のうち、一兆七千五百億という財投の資金は、どの程度おいておられますか。
  29. 伊藤誠

    説明員伊藤誠君) 第三次につきましては、先ほども答え申し上げましたように、まだ作業の過程でございまして、したがいまして、資金計画ども詳細に出ておらないのであります。一兆七千五百億と申しますのは、増設加入数と一加入当たりの建設単金から出したものでございまして、所要資金が一兆七千五百億になる。そのうち、損金勘定から幾ら、減価償却が幾ら、そうして財投が幾らということは、まだ作業しておりませんので、出て参りませんが、大体従来の例と申しましては語弊がございまするが、勘と申しますか、そういうことから申しまして、大体一兆七千五百億のうち、二千五百億程度が財投に依存するように答えが出てくるのではないかという、これは非常に不確かな勘でございますが、そういう程度しか今のところ申し上げることはできないと思います。
  30. 鈴木強

    鈴木強君 今検討の途中ですから、私は無理にきまっていないことを聞こうとは思いませんが、大体第一次、第二次と同じような格好になるだろうという計画局長の御答弁なんですけれども、それでは非常に困るのじゃないか。考え方としては、プリンシプルを立てる場合、やはり設備拡充の金が要る、その調達については大体三分の二近いものが自己資金、三分の二というと語弊がありますけれども、半数以上が自己資金、場合によったら三分の二が自己資金、こういうような資金調達で、はたしていいのかどうかということについて、答は出ている。ですから、あなたのほうでは大体どの程度外部手当をしなければならぬかという、そういう程度のことはきまってないのですか、構想としても。今までのようなことでいいというのですか、満足するというのですか。
  31. 伊藤誠

    説明員伊藤誠君) たびたびお答え申し上げますように、五百万の加入者をつけることを目安にしまして作業を進めておるのでございまして、作業が相当進んで参りましてから今度は資金問題に入っていくというふうにいたしまして、もし資金的に非常にむずかしいということになりますれば、あるいはまたもう一回作業をやり直すということになるかもしれないのですが、私先ほど申し上げましたのは、作業をやった結果ではございませんけれども、大体年平均しますと五百億程度の財投といいますか、そういうようなものが必要になってくる。短期資金が必要になってくるのじゃないかというふうにやっておるのでありまして、お尋ねのそれがわからなくては計画が立たないのじゃないかということはごもっともでございますけれども、もう少し先へ参りませんと、御質問に対するお答えはできかねるのじゃないかと思います。
  32. 鈴木強

    鈴木強君 それで、一兆七千五百億というのは五百万の電話をつける場合、コストが三十四万か、五万になりますか、そういうことで、はじいたということですね。あとはどういうふうに年度別に架設をしていくのか、資金をどういうふうに調達していくのかということは、今からこういうふうに理解しなければならぬと思います。そこで、電話はコストが三十五万かかるというのですけれども、それは大まかに言ったらどうなんですか。局舎設備、機械設備、線路設備、そういうものが入っておると思うのですけれども、大まかに言ったらどういう計算になるのですか。三十五万のコストの内容は、内訳はわかりませんか。
  33. 伊藤誠

    説明員伊藤誠君) 資料は今ございませんが、三十五万と申しますのは、大体第二次の平均がその程度になっておるのでございまして、これには機械、線路全部、あるいは総がかり費と申しますか、そういうものを全部含めました、電信も入りました平均でございまして、今目安を立てるためにだけ使っておるのでございまして、それが年度別にどうなるかというようなことにつきましても、まだもちろん第二次におきましても各年度別に見ますと、そういう見方にしましても、おそらく、単金は違ってきておるわけでございまして、第三次の場合三十五万をそのまま使うか、あるいは若干それを変更する必要があるかどうかということも今後の検討の問題になると思うのであります。今申し上げましたように、第二次におきまする総平均と申しますか、全部を引っくるめたものの単金というふうに考えてやっております。
  34. 鈴木強

    鈴木強君 そうしますと、全部引っくるめたというので、内訳はよくわからぬというのですか。どういう積算で三十五万になるか、その内訳はわからないのですか。今わかなければあとでもいいです。それはわかるでしょう。説明員伊藤誠君) 大まかな内訳はもちろんわかります。ただ、今ちょっと資料を持っておりませんから……。
  35. 鈴木強

    鈴木強君 この内訳はあとでまた別途伺いますが、その質問に無理に答えなくてもいいですが、わからぬところはいいですが、第三次で非常に心配になるのは、第二次の場合にもそういう懸念がございましたが、これから自動即時化ということを市外の場合にはやっていかれます。それから市内の場合もそうですが、そうすると要員措置というのがどういうふうになっていくかということが、この計画を立てる場合に、われわれも心配になることだし、皆さん心配だと思います。一体この第三次の計画を見ますと、第二次の中でも三十七年度の予算説明の中にありますが、主要都市周辺は百五十キロ以内に限って市外通話の場合に、ダイヤル即時ですか、即時通話をやっておったそのほかは手動即時をやっておった。今度は三十七年度からは百五十キロの制限をなくして、百五十キロ以上についてもダイヤル即時化の方向に行く、十六カ所ですか、そうすると、説明にも響いてあるように、とりあえず東京−大阪、東京−名古屋、東京−新潟・長野ですか、そうすると東京を中心にすると、そういう所がダイヤル即時化の方向にいくと思うのですが、そういう計画が、来たるべき九月の料金改定とあわせて、すでにかなり従来のワクを乗り越えて進んでいくという計画がこれで示されているのですが、もちろん私ども電話がスピーディーになることはけっこうでございますから、それには反対いたしませんが、問題は、最初から言っている要員措置、これによってどういうふうに変わってくるのか。第一次、第二次と違うと思いますが、こういうふうにダイヤル・即時化ということが急速に進みますと、その余剰人員をどういうふうに処理されるかということが問題になると思います。第三次は、市外の即時化ですか、こういうのは一体どうなっているのですか。大体の考え方でけっこうですが……。
  36. 伊藤誠

    説明員伊藤誠君) 第三次につきまして要員措置が非常に困難じゃないかというお話でありますが、これは私どもお話のとおりに考えておりまして、非常に慎重を期しているわけでございますが、原則的に申しますと、これから計画を立てます際におきましても十分要員措置を考えて、計画内容でございますとか、あるいはその実施時期というものにつきましても極力調整をはかって参る、そういたしましても具体的な計画が立っておりませんので、今ここでにわかに申し上げかねるのでありますが、かりに相当な計画の内容あるいは実施時期というものを調整いたしましても、やはり局所的に、あるいは時期的に過員が出てくるということが予想されるのであります。これにつきましては、今後必要な措置を考えていかなければならぬと思います。そういう意味で自動即時の計画につきましても、今第三次におきまして考えておりまするのは、先ほどお話の、現在やっております自動即時は大体六十キロぐらいのところまでやっておりまして例外的に八十キロ、百キロというものもぼつぼつ入ってきておりますが、また百キロぐらいの間の都市相互間は自動即時にして、それから東京を中心にして三百二十キロぐらい、あるいは大阪からも同じくらい、名古屋からは二百四十キロ、その他札幌、仙台、福岡、広島などで百六十キロぐらいは自動即時にして参りたい。その他にちょっとこれは部内的な用語になると思いますけれども、部内的に総括局と言っている局が八局ございますが、この相互間で。したがいまして、東京−大阪間もこれに該当するわけでございます。そのほか産業流動の盛んな所、しかも密接な連絡を必要とする所につきましても自動即時をやって参りたい。大体こういうふうな考え方計画を立てた場合に、はたして要員上から見ていけるかどうかということを、これから検討いたすわけであります。今申しましたような点等は、大体第三次を立てます際に、この程度の自動即時を入れて参りますれば、第四次にあたりましてもそう断層はないと申しますか、スムーズにいけるのではないかというふうに、これは通話の量から見ましてこういう見当をつけたのでございますが、これを実際実施します場合には、もちろんお話のように、と同時に、先ほど申し上げましたように要員状況も十分勘案して、単にこの距離だけではなしに、あるいは距離を越えても必要があればやるというようなふうに考えて参りたいと思っております。
  37. 鈴木強

    鈴木強君 具体的に昭和三十七年度から、かなり遠距離までダイヤル即時にしようとするのですけれども、十三カ所でしたかね、ことしやるのは。それによって要らなくなる人員というのは何名になるのですか。
  38. 伊藤誠

    説明員伊藤誠君) ただいまの御質問の、まず区間でございますが、これは私ども今ここに資料を持っておりませんけれども、一番大きな区間としましては、三十七年度は東京−名古屋間でありまして、東京−大阪間は三十七年度で一部入るかどうか、ちょっと今はっきりいたしませんが、あるいは一部東京−大阪間についても入れられるかと思うのですが、東京−新潟なども入ります。こういう場合に、その自動即時のためにどれだけ過員が出てくるかということにつきましては、そのほかの関係でふえるものもございますし、減るものもございますので、ちょっと簡単に申し上げるわけには参らぬと思うのでございますが、大体三十七年度の自動即時分につきましては、原則的に申しまして要員増を押えるという程度のことでございまして、そのために、もちろん要員のために名古屋半分だけ自動即時にするということはやりにくいのでございますので、若干の手入れはあると思いますけれども、大体原則的に申しまして、今次三十七年度分の自動即時につきましては、そのために急激な要員減を来たすということではなしに、むしろ増員が押えられるという程度に入ってくるものと考えます。
  39. 鈴木強

    鈴木強君 そういうことでなしに、あなた方のこれは予算の原案ですね、これを見ますと、百五十キロ以上についても、初め三十七年度においては、東京−名古屋、東京−大阪、東京−長野・新潟等、十六区間について実施されることになっておりますと、こう説明がありますね。これはそうすると、大阪は間違いですか。  それから私の聞きたいのは、総体的に相殺して人員がとんとんかどうか知りませんけれども、いずれにしましても、現に待時通話で手動即時でやっているものがダイヤル即時になれば、東京−名古屋をやった場合でも、一体何名の交換要員というものが減員になるかということが出てくるわけです。そうでないと、定員算定をやった場合に、どういうことをやっているのかわかりませんけれども、ちょっと私には理解できません。ですからこの十六区間やることによって実際何名定員が減るのだ、しかし、その定員が、他の待時なりあるいは手動即時のほうの扱い数がふえてきますから、そこらを拡充するために配転なり職転をやっていけば、何もやめてもらわなくてもいいと思いますけれども、具体的に計画する場合に、大体これだけの市外自動即時化をやるに際して、大体人がどれだけ減るのですかということに対して、何名ですということがあるはずだと思うのです。今御答弁ができないなら、資料がないのですから、今でなくてもいいのですが、そういうことを私は聞いているのです。
  40. 伊藤誠

    説明員伊藤誠君) お答えが非常にまずうございましたが、お話のように、確かにたとえば東京−名古屋間を自動即時化することによりまして、何名の定員が減るということは出てくるはずであります。同時に、東京−大阪間はこれは一部やることになるだろうというふうに今見当はつけたのでございますが、これもはたしていけるかどらか、まあ工事の段階でございますので、はっきりいたしませんが、かりにやるといたしましても、やはり残った部分の即吟通話がたとえば東京−大阪でございますと、一年間に二五%も最近ふえておりますので、それに対しまする要員と、そのほかのものに対する要員というものがございますので、大体先ほどお答え申し上げましたのは、たとえば東京なら東京におきましては、いわゆる東京のところからほかのところに配置転換でなしに、その自局内で処理していく。すなわち要員減員になる分を増員になるべき分に局内で充てるということでできる、だろうということでお答えしたのでありますが、もちろん東京−名古屋間、東京−新潟間を自動即時化することによりまして、その部分でどれだけの定員が減るかということは計算できるはずであります。
  41. 鈴木強

    鈴木強君 それはあとでわかりますか。この数字は教えていただけますか。
  42. 伊藤誠

    説明員伊藤誠君) あとで出します。
  43. 鈴木強

    鈴木強君 それから、東京−大阪間の「(三十七年度は一部区域のみ実施予定)」とカッコして書いてありますが、これは今のお話によりますと、どうなるかわからぬというふうにとれるのですけれども、このやろうとした中に書いてある一部というものは、これはたいへん問題が起きると思うのですが……。たとえば今名古屋との間に一部実施の問題は論議があるようですけれども、それは別として、そういう格好にやろうとしたものなんですか。それともどういう工合に一部だけやろうという計画があったのですか。
  44. 伊藤誠

    説明員伊藤誠君) 東京−大阪間の一部と申しますのは、たとえば東京二の区画、五の区画から発信しまして大阪市内に落ちるもの、したがいまして東京の三の区画、あるいは四の区画というものから出るものにつきましては手動即時、二の区画、五の区画発信のものにつきましては自動即時というふうに考えているのが一部でございます。これは自動即時をやりますために、御存じのようにLTS、TSを通してやらなければなりませんので、そういう点からこういう工合に考えているわけであります。
  45. 鈴木強

    鈴木強君 二の区画、五の区画というのはどういうことなのですか。
  46. 伊藤誠

    説明員伊藤誠君) たとえば京橋でございますとか銀座は五区画です。ああいう区画というのは、局番の一番頭に二がつく、五がつく、そういうことでございます。
  47. 鈴木強

    鈴木強君 そういうことですか。わかりました。しかし、これは僕の意見ですけれども、そういう実施の方法というものは、ちょっとなかなかやっぱり問題があるように思いますがね。これは予定、だそうですから検討していただくことにしてもやっぱりバランスの点で何か問題が出ると思うのですがね。——それはいいのです、わかりましたが、あとで資料また出していただくことにして、問題は第三次の場合、こういうふうに私は考えているのですけれども公社考え方を伺いたいのですけれどもね、まあ自動になるということ、即時になるということはわれわれも賛成でして、できるだけ早く電話をつないでやりたい。ですから、今までのように待時で瞬間を待たされるということでは、これは電話でない。だらか早くつなぐということはいいのだが、大体即吟化の方向でも、手動即時といっておりますけれども、かなりこれは早くなりまして評判がいいですね。  私も先だって四国のほうをちょっと回って見ましたけれども、清水というところへ行ったのです。そうすると、土讃線はあの当時一カ月半も不通だった。船舶は、海上はまるっきりうまくない。その際、電電公社のマイクロ——ローカルですけれども、小村を通りましたのでしょう。あすこの一帯の人たちが電話だけはたいへん近代化したといって喜んでくれておりました。これは手動即時でやっておりますけれども、それでも非常に喜んでいるので、従来の待時から即時になるということはいいとしても、待時が即時になった場合に、ダイヤル即時か手動即時かということになると思うのですよ。だから第三次の場合に、相当に手動即時ということを考えてスピード・アップをやりませんと、何でも、さっき計画部長がおっしゃったように大阪から三百二十キロですか、東京から三百二十キロ、名古屋から二百四十キロ距離まではやっていくのだという、これを原則的にずばりずばりやられたら、これは余る要員を、どうにも処理することができないと思うのですよ。私は、要員計画もまだきまっておらないから、相殺して見て、設備拡充されるわけですから、当然一万以上の人たちがふえなければならぬと思いますけれども、ですけれども、問題は即時ですから、そういう人たちをどこへ配転するか、職転ずるかということはたいへんな問題だと思うので、そういう計画のあとに要員があって、その要員をやはり大前提にして考えないと、その計画が立たぬというやっぱり因果関係があると思うのです。  ですから、私は待時から即時にいくということは賛成。しかしその即時のやり方によって、公社当局がどう考えるのかということを思うときに、願くは今言ったように、国民にもつまり理解をしていただいて、人の首切りをしてもかまわぬから即時にするのだということは行き過ぎなん、だから——まあ早くなることは早くなるのだが、手動と自動の場合ですと、私は、そうサービスは変わらぬと思うのです、率直に言って。おそらく二十秒か三十秒だな。だから、その程度でしたら、従業員のことも考えて、国民のこの程度の負担は、ハンディキャップはがまんしてもらうというような方向で第三次以降をかからぬと、とんでもないことになると思うのですがね。  大体、そういう思想、大まかな考え方ですね、これはあなたのほうで考えている考え方に通じますか。
  48. 伊藤誠

    説明員伊藤誠君) お答え申し上げます。先ほど東京から三百二十キロ、名古屋から二百四十キロというような即時化計画と申しますか、こういう線を申し上げたのでありますが、これももちろん、全部東京から三百二十キロのところにある自動局は、東京に対して自動即時をやるということではございませんで、これをいつやるかというようなことにつきましては、もちろん要員関係も考えてやるわけでございますが、ただ、自動即時と手動即時は、サービスの点にあまり違いがないというお話でございますが、やはり料金的に見ましても、自動即時は距離別時間差法でございますし、それから手動即時は三分、一分制でございますので、やはり見方によりましては、差のあるという見方をする方もあろうかと思いますが、したがいまして、極端にある都市とある都市が、ほかの都市と、バランスがくずれるという状態をあまり長く続けるということも、これもサービス面から見ましてむずかしいのじゃないか。同時に先ほど来申し上げておりますように、要員面からのかみ合わせというようなことも、いろいろ総合して実際に自動即時のサービスはやっていきたいというふうに考えている次第でございます。
  49. 鈴木強

    鈴木強君 もう少しはっきりしてもらいたいのですがね。だから、その新料金体系というのが一方にある。それを九月から実施する。したがってダイヤル即時の方向にできるだけ早く持っていこうという、それは考え方としてわかりますよ。わかりますけれども、じゃまた、今と待時から即時になって、料金がたしか八割ぐらい上がるでしょう、たしか即時になると。そういう料金制度が今ある。それに対して、今度は新しい新料金が出てきますから、何秒何分という制度でやっていくので、確かに多少のあれはあると思うのですけれども、あなた方のほうでは三十億の損をするということを言っておりますけれども、それはあとからまた、ちょっと質問したいと思っているのだが、いずれにしても料金制度の面からいったら、私は五十歩百歩だと思うのですよ。ですからそのことだけによって、そこにある従業員の配転、職転ができなくてもかまわぬから、やめさせてしまうのだという、そういう政策をやることはむちゃじゃないですか。私はそう思うのですよ。  だから、もう少しサービスの点が、たとえば三十秒か、あるいは一分か二十秒か、その点は僕も今の自動化されている場合のことで、たとえば甲府につなぐ場合に、自分でダイヤルを七つか八つ回して甲府を呼ぶのも、百三番を回しても——ちょっと待って下さいといって二十秒かからぬですよ、ちょっと待って下さい、ジージーと入ってくるのですからね——あまり変わらぬ。ですから、そんなにダイヤル即時の場合と手動即時の場合と、サービスが大衆に怒られるぐらい悪くなるとは思わない。だから今まで三時間も四時間も待たしたのが即時になるのだから、それはいいと思う。  ただダイヤルでやるか手動でやるかという場合の料金の問題、一つのサービスの問題、それは当然問題になりますよ。しかしながらもっと大事なことは、そこにおる職員の処遇だと思うのですよ。だから未来永劫、何もそういう格好にするというのじゃなでのですから、配転なり機転なり、新しい分野を開拓してやれば、そういうことはできる。  もっと言うならば、最悪の場合に、政府責任を持って再教育をし、その人たちの生活権を守ってやるというところまで、日本の完全雇用ができるならいいけれども、そういう裏づけがあってやるなら話は別ですけれども、しかし、今はそうじゃないのですよ。だからやはり長い間、明治二十三年に始まって、電話は即時でなければならぬといってやってきた長い間の歴史の中で、みんながこの事業を守ってきてくれたのだから、だから、そういう歴史的なことから考えても、自動になったからすぐやめてくれ、さあ首だと、そんなことは言えぬでしょう。だから、そういう天秤にかける場合、もっと三十分とおくれることは、そのために料金がとんでもない損をすると、こういうならば、採算が成り立たぬというなら、これは話は別だけれども、そうじゃないでしょう。  だから、もうちょっと私は計画を立てる際に、重要な問題として、これは考えてもらわぬと、とても第三次にわれわれ賛成できませんね。これは計画局長の御答弁を今ここでいただいたって、これはあなた事務的なことですから、まあ、たまたま総裁も見えておりますし、副総裁も見えておられるのですけれども、僕は、そういう高い視野に立って自動化というものについて、ひとつ配意をして計画を立ててもらいたいと強く期待するのですけれども、私の言っていることがむちゃだったら、むちゃと答えていただいていいし、なるほどと思ったら、そういう点を考えて十分計画を立てるようにしてもらいたいと思う。それはいかがですか。これは副総裁でもけっこうです。総裁でもけっこうです。
  50. 横田信夫

    説明員(横田信夫君) ただいま先生のおっしゃった問題につきましては、われわれも第三次五カ年計画についての要員上の配慮は非常に重点を置くべき問題だと考えております。  それにつきまして、ただいま計画局長からお答えいたしましたように、計画自身の中に、できるだけ要員問題も含めた計画を考える。それにいたしましても、やはり配転、機転という問題は、ある程度起きざるを得ないと考えておりますが、この点は組合のほうにも、協力をできるだけしてもらうように話を進めていきたいと思っております。なお今のお話については、お客さんに著しく不便を与えない範囲で、われわれのほうの計画というものについては、できる範囲でできるだけ進めたい、こういう点は、先生のおっしゃるように配意すべき点は配意していきたい、こういうように考えております。  なおもう御承知のように距離別時間差法ということになると、交換手を通してはちょっとできない問題でございますから、その意味で、あまり不均衡の起きないようにする必要は確かにあると思います。  それからもう一つは、将来どうしても自動即時にしなければならぬことが予期できる場合に、手動即時でやっていくということは、一ぺん交換手をうんとふやして、あとになってどさっとまた減すということも起らざるを得ないというようなこともありますので、その全体を見合わせて、この問題の計画の調整をはかっていくというようにする必要があろうかと存じておるのでありまして、全体としての気持は、先生のおっしゃる気持は十分わかるわけであります。そういうことを総合的にあわして、この計画を組んでいくというふうにいたしたいと思います。
  51. 鈴木強

    鈴木強君 非常にむずかしい問題ですから、ここでかえってはっきりした御答弁をいただくことは、なかなかむずかしいことですけれども考え方として僕はわかっていただきたいと思うのです。少なくともそういう前提に立って物を考えて、なおかつ、こうなっているのだという姿が出ないと、これはやはり相手があることですから、しかく簡単にいかぬと思う。全電通という組合もあるわけですから、その組合に対しても、皆さんのほうから計画説明をされているようですし、そのおそらく意見も出てくると思いますけれども、われわれ国会から見た場合に、一つの政策の問題として、これだけは第三次の中でどうしても、もう少し委員会としても、意見のまとまりを私はぜひ委員長にお願いして、近いうちに、そういうわれわれの委員会としての考え方というものを、できるならばまとめていただきたい。その線に沿って計画を立てていただくようにやりたいと私は個人的に思っているのですけれども、そういうふうな点をひとつ、十分配意して御考慮いただきたいと思います。  それで第三次の場合は、資金調達をどうするか、それから今申し上げた要員措置をそれに関連してどうするかということが、何といっても計画の大前提ですから、その点で計画局長も言われたように、第一次、第二次と違ってたいへんですよ。地域的、時期的タイミングが合わない場合が出てくると思うのです。現に、そういう徴候が出てきまして、私ども頭も痛いところですけれども、十分、公社あげて、この程度は前提に置いていただくように私は強く期待しておきます。  それから距離別時間差法の実施について、先般資料をいただきましたけれども、ちょっと私の所望しておったものと内容が違うものでございまして、もう一度資料の要求をお願いしてあります。今五ヵ所でございましたか六カ所ですか、何カ所でございますか、今やっているのは。
  52. 伊藤誠

    説明員伊藤誠君) 五カ所でございます。
  53. 鈴木強

    鈴木強君 五カ所でございますね。この五カ所の実施状況を見ますと、料金がどう動いていくかという具体的な数字が実はなかったものですから、その点をできたら、ひとつ作ってもらいたい、こうお願いしておきました。  私は、なぜこの問題を取り上げるかといいますと、科学的な——機器的にも、一つの切りかえ、制度の切りかえの時期になりますし、大事な九月という目標が一応定まっているのでから、それに合わして公社が慎重な配慮をされていることは当然と思います。これがまた実施段階において、いろいろな困難な状態が出てきても困るわけですから、だから慎重の上にも慎重の配慮をしていただきたいという意味で実施の内容を詳細に知りたいのです、いろいろな問題について。それで資料を要求したのですけれども、まだそれが出てきておりませんから、ここで、もう少し突っ込んだ質問ができないのを遺憾に思いますけれども、この前、経理局長にも御答弁いただいたように当初の決定した予算収入、損益の収入というものが百数十億予算折衝の過程で伸びてきたという問題とからんで、平常——ノーマルな年の状態と、それから今度のような料金改正を九月に控えたときのアブノーマルの状態、悪いファクターがあるときに、そのように伸ばすことが、はたして合っているかどうかということについて私は、非常に疑義を持っているのです。  だから、そういう点かなり従来と違って困難性が出てくるのじゃないかと思いますけれども、いずれにしても今、度数計算機なんかも現場で見せてもらいましたけれども、かなり順調に運行しているようです。これに対しては、絶対に今の段階で支障なくやれるという見通しですか。今までのテストの経過では、まだ不安定なところがあるのでございましょうか。
  54. 米沢滋

    説明員(米沢滋君) ただいまの御質問でございますが、本年の一応九月末を予定いたしまして、諸般の準備を進めております。準備と申しますのは、全国約三百局につきまして工事をいたさなければなりません。したがって、それらの各局につきまして所要の物品はどうであるかとか、あるいはその物品を非常にこまかく細部にわたりまして一々書き上げて調べております。  それから、工事のやり方等につきましては、先般、五カ所の試行局でいろいろ実施しましたが、その結果織り入れまして、要員等について、いろいろ調べております。それで大事なことは、何といいましても非常に規模が大きいということ、それから、全国一斉にやらなければならないというために、これは各通信局責任者を出しまして、一々現場をチェックする。それから、また落ちがあってはいけませんから、所要の物品等につきましては、若干の余裕を持って具体的にいきたいと思います。
  55. 鈴木強

    鈴木強君 その度数計というのは、普通ですとツー・Z、スリー・Zというのがありますけれども、今使っている、あれを改造して新しく作られたのですか、今、試行段階でやっているのは。
  56. 米沢滋

    説明員(米沢滋君) 結局、大きく分けましてAゾーンとHゾーンと分けられまして、それから同じAゾーンにいたしましてもスリー・Z地域とツー・Z地域といろいろあります。それから度数計自身につきましても、今大型があったり小型があったりいたしまして、改造方法もいろいろあるわけでございます。いわゆる、将来ずっと距離別時間差法というものが続いていくとなりますと、これは、いわゆるK方式に一本化されるわけでございます。現在は改造しなければならぬもの、それから新設しなければならぬもの、いろいろ種類がたくさんございますので、それらに対しましては、全部調べ上げまして措置をとっております。
  57. 鈴木強

    鈴木強君 そうすると、全国一斉にやる場合には、K方式というのになるわけですか。
  58. 米沢滋

    説明員(米沢滋君) 結局、開通が済んでしまったあとの増設というものは、全部K方式になります。それまでは、たとえば七、八月ごろになって局ができるような場合には、ZKという方式にしておきまして、切りかえまではZで動かして、切りかえのときはKに切りかえる、そういう過渡的措置をやらなければならぬ局も出て参ります。それから、それがまたA型、H型では、機器のサイズが違っておりますから、そういうことにいたしまして、切りかえたあとはKとして働くけれども、切りかえる前にはZとして働く、そういうことになります。現在、Zで働いているものにつきましては、これは切りかえ前の、切りかえ当日まではZで働きまして、切りかえした以後はKとして働くというふうに機能を二重に持たしております、それは、当日切りかえられるようにしてあります。ですから、ZKというようなものとか、Kとか、そういういろいろのものが、しばらくの間混在いたしまして、切りかえになったあとは、機能としてはKとして働くということでございます。
  59. 鈴木強

    鈴木強君 今やっているねらいというのはテストですね。度数計というものが、はたして切りかえ特にうまく動くかどうかということが一つと、新料金体系によって現行料金と、どういうふうな違いがわかるかということがねらいなんですか、今やっているテストは、どういう目的なんでしょうか。
  60. 伊藤誠

    説明員伊藤誠君) 現在、公社で試行しております局のねらいは、実は、新しい距離別時間差法というのは、日本では全然今まで経験のないものでございますので、これによりまして通話量がどの程度ふえるのか、減るのかということを主眼にいたしまして、現在調査をやっているわけでございます。
  61. 鈴木強

    鈴木強君 そうすると、技術的の関係の、機械的な方面のテストというのは、あまり考えないでいいのですか、通話最だけということではないと思うのですがね。
  62. 米沢滋

    説明員(米沢滋君) 今の計画局長の答弁、補足いたしますと、一つの大きなねらいは、いわゆる新しい距離別時間差法にした場合に、トラフィックが変動するか、トラフィックといいましても、コール——呼びがどうなるか、保留時間がどうなるか、それが料金に対して、どう影響があるか、これが一点。第二点は、これらの局を実際保守する場合に、この装置はやはりたとえばパルスを出すところにはワイヤー・スプリング・リレーを使っています。それはクロスバーに比べまして、パルスを出す回路は動作回数が多くなっておりますから、そういう場合の接点の状態であるとか、そういう機械の保守状態、これを調べる。それから第三点は、いわゆるこれを従来のZKなりあるいはZからKに切りかえるいろいろな工事上の問題でございますので、こういった工事上の問題もあわせて調べるという三点です。
  63. 鈴木強

    鈴木強君 わかりました。  そこで、このトラフィックのほうは私はこの前の資料で大体わかりましたが、あとの二点ですね、それは今の段階ではどんなものですか。順調と言えるのですか。
  64. 米沢滋

    説明員(米沢滋君) 第三点の工事切りかえにつきましては、五局についていろいろ調べまして、現在働いておりますから、結局その切りかえの工事はうまくいったというふうにお考えになっていいだろうと思います。これはまあいろいろ細部に——とにかく小さな所に人が入りまして工事をしなければならないのであります。ですから、人手をただやたらにかけてはいけないのでありますが、そのときに一人でどのくらい切りかえができるかというふうに作業量を調べることも一つであります。それからもう一つの、先ほど申し上げました機械の今のワイヤー・スプリング・リレーはいろいろ回数が多い作業をさしておりますので、そういう場合には接点の摩耗状態がどうであるかというようなことを現在調べております。これにつきましては、もし摩耗が激しいということがわかれば、接点の場所を従来貴金属を使っておりますので、金、ゴールドにかえるとか、そういうようなことも検討したいと思っておりまして、今のところ現在働いているものに対して別に保守上困難があるとは考えておりません。将来の問題に対しまして、いわゆる技術的な問題を現在調べております。
  65. 鈴木強

    鈴木強君 わかりました。あとの二点の問題については、特に大事なことだと思いますから、ひとつ十分御配意いただくようにお願いしておきます。  それからもう一つお伺いしておきたいのは、第三次から第四次と相当工事量がふえて参るのですけれども、聞くところによると、御協力をいただくメーカーの関係態勢というのは、しかくそう簡単でないように聞くのですが、これはどんなものでしょうか。あなたのほうでこれだけの膨大な計画を遂行するに際して、支障なく線材器材ができる、こういうふうに確信が持てますか。
  66. 米沢滋

    説明員(米沢滋君) ただいまの御質問でございますが、この第三次五カ年計画を進める場合に、たとえば本年、三十七年度は六十万架設を予定しておりますが、三十八年度にそれをいきなり百万にするということになりますと、これはちょっと製造上の問題がございますが、現在考えております程度の伸び方であるならば、それは十分やれるというふうに考えております。ですから、たとえば初年度が七十万、その次が八十五万というこの程度の伸び方であるならば、線材器材でやれるというふうに考えております。
  67. 鈴木強

    鈴木強君 こういう計画を策定するに際して、業界との連携というのは一体どういうことになるのですか。当然これだけの計画を策定する場合、それぞれの今お話のような各業界の協力態勢というものがないと製品が出ないし、結局あなたのほうでは工事がおくれるというような格好になるでしょうし、また線材器材にしたって相当多く使うわけですから、ですから当然そういう業界の接触というものがあると思うのですが、そこらとの今までの事業に対する協力態勢というものですか、そういうものはどういうふうになっておりますか。
  68. 米沢滋

    説明員(米沢滋君) ただいまの御質問でございますが、計画を作っていく過程におきまして、所要の資材の量というものを一応ごく概算でありますが、一応当たってあるわけでございます。その当たった量を見まして、われわれが資材同等からメーカーの生産設備というものをある程度把握しておりますし、またメーカー自身もいろいろ生産の増強計画というものを持っておりますので、私が先ほど申し上げましたが、概括的に申し上げますと、たとえば六十万、七十万あるいは八十五万という程度のケースならば問題ないんじゃないか。ただしかし、それに関連いたしまして、いわゆる新技術というものがやはり入って参ります。たとえばクロスバーみたいなものがやはり相当入ってくる。そういたしますと、ステップ・バイ・ステップの装置ならば、現在、生産設備が余っておるけれども、クロスバーならば、多少増設しなければなりません。そういうことのほかに質的な要素がございますが、そういう問題につきましては、何といいますか、早目に計画を確定いたしまして、もちろん、確定する前にある程度、そんなに無理やりに広げるということでなくて、合理的なところを一応頭に置いてやりまして、早目に計画を立てて、それに対する準備を十分やっておけばいけるのじゃないかというように考えております。
  69. 鈴木強

    鈴木強君 クロスバーの場合もそうですが、たとえば高崎に持って参りましたのはアメリカ製ですが、今度は、技術の皆さんがやはり御研究の結果、国産品が出ておりますね。そうしますと、高崎に入ってきたのは、日本人にはやや不向きのような、行ってみましても、あれは今度は改造しなければならぬとか、あるいは、もっと端子をふやすとか、増設する場合に、今のアメリカから来たのと日本で作るのど、うまくコネクションがいくかどうか、おそらく、取りかえるなら取りかえる、新しく日本製のものを持っていく、その切りかえはどうするとか、こういうやはり問題が、ああいうのが入っておるだけに、僕は非常に問題になると思うのですよ。具体的に、たとえば市外の、何というのですか、最近のことは詳しく知りませんが、LTS、ああいうようなものとの関連もありまして、これはよほど計画というものをよく理解してもらって、事前に業界が協力する態勢をやはり作っておかぬと、こっちのほうでもうまくいかぬし、相手方のほうだって非常に迷惑する、迷惑というと語弊がありますが、仕事のしにくいようなことがあると思うのですね。ですから、そう形式的に、これだけ、だからお前のところはこうしろというのでは、それじゃいかぬと思うので、その辺の配慮というものはもう少しやってもらわなければならぬ。どういうふうにやっておるか、それは差しさわりがあれば私はいいですけれども
  70. 米沢滋

    説明員(米沢滋君) ただいまの先生の御指摘の点は、われわれといたしましては、今慎重にいろいろ調べておるところでございます。これは技術といいましても、非常に範囲が広いのでありまして、線路から機械、電送、無線、電力、いろいろありますが、たとえば線路にいたしましても、銅の使用量を減らして経済的に建設していくために、あるいはポイント三二ミリのケーブルの試用試験をやっております。それからまた、機械にいたしましてみれば、電話機に対しまして、今、新しい六百型という機械の試用試験を始めております。あるいはクロスバーにつきましても、先ほどお話が出ましたLTSとか、あるいは四線式の交換機もございますが、そのほかに二線式の交換機であるとか、いろいろ技術の範囲は広いのでございます。それに対しまして、早目に見通しをつけて、それに応ずるような態勢を早く呼びかけていったらいいのじゃないかというように考えております。なお、こまかいことは、また別途……。ちょっとここで全部にわたって申し上げるのもなんでしたら、また別の機会にでも申し上げればいかがかと思います。
  71. 鈴木強

    鈴木強君 私の言いたいのは、そういうさまざまな新技術といいましても、今まで入ってきておる過程というものがあるのですね。ですから、それをうまくやっていかぬと、お互いに迷惑することもあるでしょうし、注意してもらいたい、注意というよりも、配慮をしてもらいたいということが、僕の言いたいことです。たとえば、それに関連しますけれども、パワーサーマスとIBMの問題ですが、西名古屋はパワーサーマス、東京へ行けばIBMになる。どうも電電公社の中に二つの機械が入ってきておる。これは実におかしな格好です。これは委員会でもだいぶ論議になったところですけれども、ああいう技術の導入なんかについて、もう少し先を見越した計画性のあるものをやはり考えておかぬと、扱うほうだって、どうも同じ料金計算するのに同じ自動機械を使うのに、どうも東西で違うということはおかしなことで、経済的にいったってロスだと思う。これは問題は、最近の十年間の歴史の一こまとして私は申し上げるので、これからもっと新しい技術が入ってくると思います。そういう問題については、やはり英知を働かしてもらって、将来の展望に立って運行上支障のないような御配意の中でやってもらいたい、こう思います。
  72. 米沢滋

    説明員(米沢滋君) ただいまの御意見、われわれといたしまして、十分考えさして、そうして慎重に、しかもまた長期の見通しを立てていきたいというふうに考えております。
  73. 鈴木強

    鈴木強君 大体、時間が三時半ごろですか、委員長めどは。——あと少しいいですか——それではちょっと電電公社のほうは、私はもういいです。久保先生のほうに関連があるそうですが。  監理官にちょっとお尋ねしますが、今エカフェ会議が開かれている、東京には。これは岩元さんが日本代表でしたか、で、通信関係の問題ではあれですか、特にどういうことが議題になっていますか。私ちょっと留守しておったから、もし答弁してあればあとで聞きますが、もし御答弁なかったら、どういうふうなテーマがあるのか、そして日本としては、どういうふうな態度でいるのか、ちょっと簡単でいいですから。
  74. 松田英一

    説明員(松田英一君) 現在行なわれておりますエカフェの会議は、総会でございますので、大体、いろいろその下にございます委員会等で検討されました結果が最終的に総会に報告されて、総会でまあ採択されるという形になるものでございますから、通信関係といたしましては、この二月中にバンコックで内陸運輸通信委員会というのがございまして、それが、そこでまあいろいろ討議があったわけです。そのときに、通信関係として問題になりましたのは、従来から、これは一九五九年に東京でエカフェの専門家会議がございまして、そのときに、東南アジアの各国の通信を、これからよくしていかなければならないが、そのためにいろいろ考えなければならない事柄を、特にITU、——国際電気通信連合とエカフェが、それぞれ分担といいますか、協力をしてやっていくということで、まあいろいろと考えなければならない事柄等も、そのときまとまったわけでございますが、その後エカフェとITUの間に、いろいろとそのことが進められてはおりますが、若干微妙な点もございまして、はっきりとまだ両方の間に協定ができないという状況でございますので、ITUのほうとしましては、一応国連の援助資金によります二人の専門家をバンコックにおきまして、エカフェと協力さして東南アジアの各地域の電気通信状況を調査し、その調査に基づいて、また専門家会議を開いて、これを改善していく方途をいろいろと考えていく一方、エカフェのほうでも、それに対する、おもに経済、社会面になりますが、経済、社会面についての検討をする職員をやはり補強して、それに協力してやっていきたいという考えを持っているようですけれども、エカフェのほうも、なかなか専門家が、まだ採用する運びになってない、そういう状況で、まあ方向といたしましては、したがいまして東京でやりました会議の結果の線が、その後ずっと内陸運輸通信委員会でも採択され、またそのときの総会でも採択されておったんでありますけれども、その実現段階において、まだ十分に——ぼつぼつと行なわれておりますけれども、十分に結果を発揮していないという状況でもございますので、バンコックの内陸運輸通信委員会におきましては、ITUとの協力関係をもっと進めるように、あるいはエカフェのほうとしても専門家をもっと補充することを進めるように、さらにその結果によって、早く専門家会議が開けて、今後いろいろと施策が具体的に進められるようにというようなことを、日本側としていろいろ概括いたしまして状況を分析し、またそれを進める方向の発言をしたわけでございます。  大体、そういうふうな意向のところが、内陸運輸通信委員会として採択されておりまして、専門家会議というものも一九六三年に開くというようなことも言っておるようでございますが、そういう結果が、大体、内陸運輸通信委員会としてまとまっておりますので、そのまとまった結果が、今度の総会に報告されて正式に採択される。したがいまして、日本の代表といたしましても、岩元監理官が出ておられますが、そういう内陸運輸通信委員会の事柄が取り上げられるときに、そういう方向を、さらに総会としても採択されるように発言をする、これが一番主たる任務でございます。
  75. 鈴木強

    鈴木強君 いやわかりました。では、ちょっとまだほかにもありますけれども、きょうは時間の関係で、これで終わります。
  76. 久保等

    ○久保等君 計画局長のほうへお尋ねしたいと思いますが、先ほどの御答弁で 第三次五カ年計画で、所要の建設予算一兆七千五百億という大体めどを置いておられるわけですが、その算出根拠になっております点は、結局総建設予算加入電話数で割って、一加入電話の増設に三十五万円とかというお話があったのですが、それは三十五年度の予算ではじき出した金額になっておるのですか、三十五万円というはじき方は。
  77. 伊藤誠

    説明員伊藤誠君) 正確ではございませんけれども、三十五年度、三十六年度、三十七年度は、大体この見当になっておりますので、それを使いまして、それに加入数五百万をかけて出したわけでございます。
  78. 久保等

    ○久保等君 まあそうしますと、私はその三十五万円という単金のはじき方については、各年度々々で、相当な格差というものがあるのじゃないかと思うのですが、最近たとえば三十一年度あたりから三十五年度あたりまでの年度々々のその単金の数字に、どの程度の変化があったものか、きわめて僅少ならば問題ないと思うのですが、しかし、これが一万円あるいはそれ以上だということになると、五百万の場合すぐ五百億になりますから、相当大きな誤差が出てくると思うのですが。
  79. 伊藤誠

    説明員伊藤誠君) 今ここに数字を持っておりませんのであれでございますが、あまり大きな違いは私はなかったように記憶いたしておるのでございます。  それから、先ほど鈴木先生からお尋ねの、三十五万円の内訳でございますが、これは実績から逆算になるのでございますけれども、市内電話につきましては十七万四千円、それから市外電話につきましては八万二千円、電信につきましては七千円、それから整備取りかえ、施設の取りかえでございますが、これが一万八千円、研究でございますとか、共通でございますとか、いろいろそのほかのを全部入れまして六万九千円、大体、これで三十五万円、従来の実績がこうなっておりますので、これを使いましてやったわけでございます。
  80. 久保等

    ○久保等君 その数字は、簡単に総予算を結局電話の個数で割ったのですから、きわめて大ざっぱな計算の仕方だと思うのですが、三十一年、二年、三年、四年、五年あたりのところのひとつ数字を、そこに、お手元に資料がなければ後ほどでも、ひとつ適当な機会にでもお話し願いたいと思うのですがね。まあどういう、物価の変動によってもちろん違ってくるでしょうし、それから同じ何といいますか、設備をやるといっても、基礎設備的な方面に重点を置き、それから電話機の設置あたりを比較的個数を押えるとか何とかというようなことで、だいぶ違ってくると思うのですが、そういうことを考えると、ある程度の期間をとって、その期間での平均値を求めてやっていくことが、比較的安全率が高いと思うのですがね。だから、ほんの一年度、二年度、三年度程度での単金のはじき方だとすると、危険率がそれだけ大きいのではないかという気がするのですが、実際問題として、はたして五年間あたりの間で、実際どういう変化があったのか、過去の実績をひとつ数字でお示しいただきたいと思うのですが、それは、きょうでなくてけっこうですから、後日、ひとつ御説明いただきたいと思います。それだけです。
  81. 安部清美

    委員長安部清美君) 他に御発言もなければ、本件につきましては、本日のところ、この程度にとどめておきます。  これにて散会いたします。    午後三時三十一分散会