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1962-03-01 第40回国会 参議院 地方行政委員会 第11号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十七年三月一日(木曜日)    午前十時四十三分開会   —————————————   委員の異動 本日委員郡祐一君辞任につき、その補 欠として大泉寛三君を議長において指 名した。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     小林 武治君    理事            野上  進君            増原 恵吉君            秋山 長造君            基  政七君    委員            小幡 治和君            大泉 寛三君            小柳 牧衞君            西郷吉之助君            津島 壽一君            湯澤三千男君            矢嶋 三義君            中尾 辰義君   国務大臣    国 務 大 臣 安井  謙君    国 務 大 臣 川島正次郎君   政府委員    総理府総務長官 小平 久雄君    警察庁長官   柏村 信雄君    警察庁長官官房    長       宮地 直邦君    警察庁保安局長 木村 行蔵君    行政管理庁行政    管理局長    山口  酉君   事務局側    常任委員会専門    員       福永与一郎君   説明員    運輸省自動車局    参事官     増川 遼三君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○質屋営業法及び古物営業法の一部を  改正する法律案内閣提出) ○警察法の一部を改正する法律案(内  閣提出、衆議院送付)   —————————————
  2. 小林武治

    委員長小林武治君) ただいまから委員会を開会いたします。  質屋営業法及び古物業法の一部を改正する法律案議題といたします。  政府委員から補足説明を求めます。柏村警察庁長官
  3. 柏村信雄

    政府委員柏村信雄君) 質屋営業法及び古物営業法の一部を改正する法律案内容につきまして、逐条御説明申し上げます。  最初に、質屋営業法改正点について申し上げます。  第一は、質物盗品または遺失物であった場合における被害者等無償回復請求権対象から、有価証券を除外することについての改正であります。  第一条第一項は、質屋営業の定義を定めているのでありますが、その中では、質の対象となる物品有価証券を含ませているのであります。したがって、質物盗品または遺失物であった場合における被害者等質屋に対する当該質物無償回復請求権を定めた第二十二条の規定中の「物品」にも、同様に有価証券が含まれることとなり、形式的には、同条は、質物たる有価証券についても、その適用が及ぶものとなっているのであります。しかしながら、第二十二条の基本となる民法第百九十二条から第百九十四条までの即時取得に関する規定は、有価証券については、その流通性を保護するため、その適用がなく、また、従来の有価証券質取り状況についてみましても、有価証券を同種の物を取り扱う営業者から質に取るという、第二十二条が規定しているような事例は、きわめて少ないのであります。このような実情と有価証券の取引の安全を保護するという観点から考えますと、有価証券については、第二十二条の規定対象とならないことを明らかにするのが相当であると認められますので、第一条を改正し、第二十二条に関する限り、「物品」の語に有価証券を含まないことといたしたのであります。  第二は、質屋営業許可証更新に関する規定を削除することについての改正であります。  現行の第八条第二項では、質屋営業許可証は、三年ごと都道府県公安委員会による更新を受けなければその効力を失うものと定めているのでありますが。許可証効力がなくなっても、許可効力がなくなるものではないのであります。ただ、許可証更新の際に営業内容変更を発見する等監督上の利便もないではありませんが、質屋は、その業態から見て比較的営業内容変更も少なく、また、平素の立ち入り検査によっても、業態の把握は十分可能であると考えられますので、今後なお、この制度を存続させなければならないとする実質的理由が認められないのであります。そこで、第八条第二項を削除することといたしたのであります。  第三は、流質期限に例外を認めることについての改正であります。  現行の第十七条第二項は、質置主立場を保護する趣旨から、質置主が何人であるかを問わず、流質期限を三月未満の期間をもって定めてはならないことを規定しているのであります。しかしながら、質置主物品を取り扱う営業者であり、かつ、その質に入れようとする物品がその取り扱っている物品であるような場合におきましては、一般的に見まして、これらの営業者質屋とは、その経済的地位において特に差異があるわけではなく、短期の流質期限を認めましても、質置主の保護に欠けるおそれは少ないと考えられます上に、従来、流質期限が三月以上であったため、いわゆるかさ張り物品や変質しやすい物品等長期保管に適さないものは、ともすれば、その質取りが敬遠されるという傾向も認められましたので、もちろん両者の協議の上ではありますが、流質期限を短縮することができるとすることが、金融の便を得させることともなり、質置主利便をはかることになるものとも考えられるのであります。このような趣旨のもとに、質屋は、営業者からその取り扱っている物品を質に取る場合に限って、流質期限を一月まで短縮することができる旨を、第十七条第二項に新たに加えたのであります。  第四は、質物返還に関する質屋責任の限界を明確にすることについての改正であります。  第十八条第二項は、質屋に対し、質置主または質物受け取りについて正当な権限を有することを証するに足りる資料を呈示した者以外の者に質物返還してはならない旨の義務を定めているのでありますが、現行法には、相手方質物受け取りについて正当な権限を有する者であるかどうかを確かめるための方法及び質屋質物返還について負うべき責任の範囲に関する規定がありませんので、質置主及び質屋のそれぞれの立場を考慮いたしまして、第十八条第二項を改め、質屋は、総理府令で定める方法により相手方質物受け取りについて正当な権限を有する者であることを確認した場合でなければ。質物返還してはならないことを規定し、同条に第三項を新たに設け、質屋が同条第二項の義務を履行して質物返還したときは、結果的に受取権者以外の者に質物返還した場合であっても、原則として正当な返還をしたものとみなし、損害賠償等責任を免れるものであることを明らかにしたのであります。  なお、従来、質屋受取権者以外の者に質物返還しました場合には、第三十三条にその罰則が定められていたのでありますが、このような場合においては、もっぱら民事上の責任の有無によって問題を解決することが適当であると考えまして、改正案におきましては、所定の方法による受取権者であることの確認を義務づけはしましたが、罰則規定は削除することといたしたのであります。  次に、古物営業法改正点について申し上げます。  古物業法改正は、古物商市場主及びせり売りの許可証更新に関する規定を削除することといたした点であります。  第十条第二項は、古物商市場主、行商、露店またはせり売りの許可証は、質屋の場合と同様に、三年ごと更新を受けなければその効力を失うものと定めているのでありますが、営業内容変更が比較的少ない古物商及び市場主については、質屋とおおむね同様に考えることができますので、第十条第二項を改め、古物商及び市場主許可証更新に関する規定を削除することといたしたのであります。また、第九条に規定するせり売りは、その業態からして、継続的に行なわれるものではなく、日時及び場所を定めてそのつど許可を受けることが建前でありますので、許可証更新するという制度をとることは適当ではないと考えまして、せり売りの許可証更新建前についても、あわせて廃止することといたしたのであります。  以上、今回の改正案につきまして、その内容を御説明申し上げた次第であります。何とぞ、よろしくお願いいたします。
  4. 小林武治

    委員長小林武治君) 以上で補足説明を終わります。  御質疑のある方がありましたら御発言願います。——それでは本案に対する質疑は、次回に行ないます。   —————————————
  5. 小林武治

    委員長小林武治君) 次に、警察法の一部を改正する法律案議題といたします。  前回に引き続き質疑を行ないます。
  6. 津島壽一

    津島壽一君 ただいま配付いただいた私の要求した資料計数でございますが、ちょっとこれについて質問したいと思います。  自動車運転免許受験者、それから合格者、現在数毛あるようです。それでこの数字を見ますと、三十六年がまだ入っていないわけで、私は非常にそれが知りたかったのですが、ないですが、まあ大体想像し得ると思うのですが、要点は、自動車免許試験は、非常に受験者は多いが、同時に、合格者の数が非常に多くなってきておるのじゃないかという感じを受けるのです。それは検査は厳密にやるということは間違いないと思いますが、この表を見ましても、三十二年、三十三年、三十四年と出ておりますが、三十二、三、四年の三年間で免許を与えられた若が四百五十二万ということになる。三十五年は、一年で四百八十一万三千人ということになっているわけです。過去三年と一昨年——三十五年度で出ているかもおかりませんが、どうも一年で三年分以上の者が合格者として運転免許を受けた、こうなっておりますね。受験者の数は、三年分については、多少少ない千二百万に対して約九百万ですか、つまり三年分合計に対して、三十五年はちょっと少ないくらいのところでしょう。しかし、三年分の免許は、合格者が一年分よりも少なく、三十五年が一番多い。おそらく三十六年は、受験者の数も増したでしょうが、また、非常に免許を得た者が多数あるのじゃなかろうかという想像なんですが、この情勢からいけば。そこで、従来合格者というのは、ここにあるように五分の一か六分の一できた場合もあるのです。三十二年のごときは三分の一ですか——大体三分の一である。三十五年は、今度は二分の一くらい合格している。三十六年はどうかというのですが、それで大体の傾向としては、これは実際を調べないで言うのはなんですが、このごろはオーナー・ドライバーとかなんとかいって、非常に自動車はブームなんです。これは非常にけっこうなことですが、試験を従来以上に厳正にやるという必要が、現在の交通事情から言えばあるのじゃないかと思うのです。それらについてどのようにお考えになっておるか、それをお伺いしたいのですがね。
  7. 木村行蔵

    政府委員木村行蔵君) 三十五年度受験者及び合格者、それぞれ絶対数は非常にふえておりますが、特に合格者が非常に多いわけでありますが、これは一つの原因といたしましては、新道交法施行の直前でありまして、非常に受験者あるいは合格者とも多かったわけであります。そこで、新道交法審議の過程におきましても非常に言われましたことは、試験厳正化、特に各県にありますところの、公安委員会指定を受けてやっております自動車教習所というもののレベル・アップをすべきであるということを非常に強く要望いたされまして、それに基づきまして、政令自動車教習所に関する管理者指導員あるいは施設、その他の条件というものをだいぶ基準まで上げまして、その基準に基づいて指定をいたし、それから指定後におきましても、今度は新道交法監督権が、いろいろ資料の報告を受けましたり、あるいは現地に臨んで検査するというような権限がありますので、それに基づいて十分に監督をいたしておるわけであります。そういう意味合い試験をルーズにやらない、厳正にやる方向に第一線に対しましては指導いたし、また、各都道府県公安委員会はその線でいたしておるようなわけであります。
  8. 津島壽一

    津島壽一君 それでは新道交法実施後は、そういう厳正方法を講ぜられておるというので、三十六年の計数年度末というか三月末、そういうところでこれの集計ができていないと思うのですが、できれば昨年末までの九カ月間ですね、年度途中ですが、四月からでもいいですが、一月ないし三月は前年の統計に入っておりましょうから、三十六年の四月から年末まででもいいです。大体の傾向がわかるので……。これはいいことですけれども、だれでも運転免許を持ちたいというような希望から殺倒して、そうしてかりに容易にそれが得られれば、これが町へ出ると、この交通ひんぱんの中で非常な交通渋滞原因になり得るわけで、そういう意味で、交通事故防止ということは、一面に免許厳正にして、そうして一般交通に対して妨害、障害にならないようにしたいと思うので、ひとつ重ねて、わかりますれば三十六年の年度開始四月一日から暦年末、昨年の十二月末までの九カ月間を、三十五年と三十六年を比較して計数をいただけば参考になると、こう思うのですがね。
  9. 木村行蔵

    政府委員木村行蔵君) 至急調べまして、できるだけ早く結論を出して御報告出申し上げたいと思います。
  10. 西郷吉之助

    西郷吉之助君 保安局長に質問しますが、今の津島先生受験者数が非常に激増した問題に関連してですが、前の警察法のときも、調べてみると、関東関西で比較すると、関西は、教習所というのは自動車学校によって非常に厳重だ。東京はそれに比べて料金は非常に高くついておるが、試験の訓練する期間が短い。東京自動車免許の行き方は営業的な色彩が濃厚であって、関西は非常にまじめであって、関西業者はそのときには仮免許なんかはやめてくれという陳情まであった。そのくらい非常に関西のほうはまじめにやっているが、東京は、関西より受験者数が多いせいか、受験料だけは関西の倍くらい取るが、訓練期間関西の半分くらい。そういうふうなことを依然として続けていくとすれば、今のように、数字も非常に激増しておりますね、合格者が。今それが、未熟なやつがふえるのだから、交通事故の非常な原因を私はなすと思うのです。そのときにも保安局長に指摘しましたが、関東の行き方が非常にルーズである。道交法の場合に基準を定めましたね。今までは基準がなくて、いいかげんな教習所が多かったが、基準も高めたわけですが、その実績は実際に上がっておりますか。
  11. 木村行蔵

    政府委員木村行蔵君) この前の審議の際に、確かに西郷先生からその点を御指摘いただきまして、さらにいろいろ調査しまして、若干そういう傾きもないではなかったのでありますが、そこで今お話のように、新しい政令基準を設けまして、その基準どおりに全国、もちろん警視庁も入れまして、教程の数なり、時間なり、指導者レベルなり、全部その線に変えていただきましたので、以前よりはレベルが上がったということは申せると思います。
  12. 西郷吉之助

    西郷吉之助君 それから、こういう質問は今までにあったかもしれませんが、重複する場合があるかとも思いますが、道交法のときにはいろいろ基準を強めたはずなんです。ところがその後になってくると、私は専門じゃないからよくわかりませんが、本来ならばああいう形をした自動車のエンジンに使うべきものでない、ラビットといいますか、三輪車といいますか、そういう現在の自動車基準に当てはまらない小さい小型のものが続出しているのですね。それがこの交通の非常な事故の大きな原因をなしているのじゃないかというふうにも思うのですが、それはこういう自動車教習所なんかの免許じゃなくて、何かただ、許可証をもらうのですか、こういう試験を受けなくても運転ができるのでしょう。そういう小型のものについては、この際あなた方も新たに規制措置を考えないと、あの小さな車でどんどん出てくると、それが今日の交通事故の非常な大きな原因をなしているのじゃないかと思うが、この点はどうなんですか。
  13. 木村行蔵

    政府委員木村行蔵君) お話の点は、あるいは私聞き違っているかもしれませんが、軽免許——軽自動車、それから原付自転車関係、まあ同じようなことだと思いますが、原付自転車につきましては、旧道交法では許可になっております。それを名前を変えまして、免許一本にしまして、自動車運転免許に、全部に通ずる形にいたしたわけであります。それから軽免許につきましては、軽免許に応ずる一応の免許基準というものをやはり政令で作っておりますが、これも決してルーズにやるということではなくて、やはりそれに相応した基準でやらしております。ただ、最近、軽自動車による事故もだいぶふえておりますので、一応それらの基準について検討はいたしておりますけれども、まだ結論は出ておりません。
  14. 西郷吉之助

    西郷吉之助君 軽自動庫の今の問題なんですが、どうもその点法的にも、私は非常にもぐってやれるポケットがあるじゃないか、盲点があるのじゃないかというふうにも思うのですが、ことに新道交法自動車教習所基準などを定めて割合に厳重に、やってくると、そういう小型激増してきた。どうもそういう点も今後の交通事故防止観点に立って言うならば、警察側としてもそういう盲点がどこにあるかということを把握していかないと、私はこの傾向では、業者が非常に金をかけて、安いかというので、オートバイでも何でも非常な売り込みをやっておりますね。これが実際今日非常な交通混乱の結果を来たしていると私は思うのです。会社なんかもどんどん金まで貸して自動車を買わす方針をとっているでしょう、売り込みに対応して。その点に沿って考えれば、自動車に乗って歩くことはいいことでしょうけれども、そのために未熟な者が激増をしてくる。殺人をして歩くというようなことになって、極端に言えば、そういう点をルーズにすると殺人犯をわざわざ作り出すようなものなので、私は今日見ていても、だれでも気がつくようにずいぶんでたらめな運転をしている人があるでしょう。これはいかに交通巡査が出たって、運転する人自体がそういう交通規則を守るという観念がなかったらおしまいなんで、私は、道交法を作ったときは、あれは相当完備していると思ったけれども、その後の情勢を見ると、非常に法律上からも盲点がたくさんあるのじゃないかと思うので、あなた方は今日から大いに研究して、盲点があるなら、どんどん国会にそういう点を出していただきたい、今非常に交通の問題が大きな問題になっておりますから。やはり法律欠陥があるということが私は一番いかぬと思います。ことに道交法制定以来、小型激増している。そういう点も現状をよくひとつ把握されて、法律的に欠陥があるなら、どんどん改正案を出すべきじゃないかと思います。もぐっているのじゃないかという気がするのです。小型自動車——近ごろ三輪車という自動車の体をなさぬような自動車をときどき見受けるのですが、ああいうものは小型であれば、あるいは運転免許証というのは、教習所試験は要らぬのでしょう。ただ許可届けをすればできるのじゃないですか。教習所試験がないのじゃないですか。
  15. 木村行蔵

    政府委員木村行蔵君) 例のクーペとか、あるいは軽免許でいろいろございますが、軽自動車、これはやはり軽免許が必要でありまして、運転免許試験を受けることになっておりますが、ただ、いろいろな問題点は、これを受ける年令関係もあります。それから一番問題は、車体検査が軽免許軽自動車には今のところございませんので、こういう問題が非常に大きな問題で、その他軽自動車については問題点がだいぶございます。これをやはり検討いたしてみまして、できるだけ早く結論を出して、法を改正すべきものは改正する、こういう方向で鋭意検討いたしております。
  16. 西郷吉之助

    西郷吉之助君 それから軽自動車なんですが、一人か二人の小型自動車三輪車のやつがありますね。格好自動車格好をしておるけれども、四輪でなく三輪のやつがあるが、ああいうものを勝手に、三輪車でも四輪車でもかまわぬということなのですか。その点はどうなのですか、小型の乗用車のことですが。
  17. 木村行蔵

    政府委員木村行蔵君) 三輪車は三輪免許ということで別個な免許の種類になっておりますが、それも大体三輪免許、二輪免許、軽免許、第一種原付免許、第二種原付免許、それぞれ十六才になれば免許を受けられる資格になっております。そういう意味合いでは一番低い免許基準になっているということは申し上げ得ると思います。
  18. 西郷吉之助

    西郷吉之助君 その点なんですが、三輪……小さなものであれは年令も下がってくるし、許可基準も非常に楽である、若い者はそういう気持が今盛り上がっていますから、いかに小型であっても、四輪車でなく三輪であっても人をとばすことは間違いないので、危険の点からいっても小型であるから安全かと言えば、そうではなくて、むしろ逆なんで、大きいものであれば人に目立ちますけれども、小さいから人のそばを走る、ぶつかって飛ばされる、小さければ危険性が増大すると思う。小さければ、すばしこい、そういう点に盲点があるのじゃないか。今申し上げたように、そういう車が非常に激増している。それが大きい車の間を縫って走るので、歩行者自動車にひっかけられる率が非常に大きいのじゃないか。小型の四輪、三輪なら軽免だという観点からそれがどんどんふえてくるので、非常に歩行者の危険が増大する。大型ならそうすばしこく縫って歩けません。小型であればそれが自由自在にできるのです。小さい道でも入ります。そういう点に非常に盲点があるのじゃないかと思います。
  19. 木村行蔵

    政府委員木村行蔵君) 確かにおっしゃる点、そういう事情もございまして、あわせて検討いたしておりまして、まあどういう結論が出ますか、至急結論を出したいと思います。
  20. 西郷吉之助

    西郷吉之助君 それから、長官もこれはよく気をつけてもらわなければいかぬと思いますが、こういうふうに、ことに大都市の交通問題が非常に問題になってきたのですから、従来も御注意は申し上げておりますけれども、やっぱり今の数で、受験者が非常に急激に増加している現状にかんがみ、やっぱりこれ以上どんどん自動車がふえると、危険が増大することは間違いない。この上とも、自動車教習所許可基準なんというものは、なるべく厳重にする必要があるんじゃないか。さっき冒頭に申し上げたとおり、自動車受験学校ですか、教習所ですか、これは関西関東では非常に差がある。関西は非常に自動車学校式にまじめにやり、仮免許さえやめてくれという声もある。関東はそれと全然逆でしょう、ですから、そういう点で思い切った監督をなさらぬと、遠慮してやっていると、殺人的な運転者激増させる結果になるので、私は、こういう点は国民が待望しているのですから、警察がルーズにやっていると思われないようにやってもらいたい。なおかつ、地方へ行くと、現在でも、免許証をとるのはわけない、何とか裏工作してやれるということを聞くのです。地方の現在の運転免許のあれが非常にルーズなんじゃないか。裏工作ができるということを今でも聞く。そういうことは絶滅しないと私はいかぬのじゃないかと思う。そういう点では地方は非常にルーズじゃないか。今でも、免許なんて何でもないです、ということを聞くのです。というのは、裏工作で何とかいくということです。そういうことを許しておくのは非常にいかぬのであって、これは地方でとって東京運転できるのでしょう。そういうことをやるやつがいるのですよ。ですから、地方免許をとって大都会で運転する、そういうことをやられてはたまらぬので、全体の基準を強めるなり、監督行政を厳にしないと交通難防止できないと思う。だから、あらゆる点からそういう点を、強化していかないと、殺人運転者激増防止できないのじゃないかと思う。そういう点を今後ともしっかりやってもらいたいと思う。
  21. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 大臣の来る前に、長官に少し伺いたと思うのですが、その前に、私も資料について御注意を申し上げ、お願いをしておきますが、警察庁から出される資料類が非常に整備されている点は、先般も私は敬意を表したわけですが、日付がいつもないということですね。これは官房長、各部局に厳重になにするように……国会に出す資料は、何月何日という日付があるということと、それから提出責任を明確にする。でないと、運輸省から出たのか、警察庁から出たのか、どこから出たのかわからぬし、何日現在の資料かということがわからなければ、後日の参考にならないので、この点はぜひひとつ部内に徹底するようにお願いしておきたいと思います。  それから、長官にまず伺いますが、先般本委員会で、私は九州管区警察局長に適切な指示と激励を与えるように、ということをお願いしましたが、お与えになられたかどうか。その反応はどうであったか。それを聞きたいと思います。
  22. 柏村信雄

    政府委員柏村信雄君) さっそく、先般お話のございました直後に、各局長に対して激励を電話をもっていたしました。現地といたしましても、非常に御指摘のように重要な責任のある問題でございますので、鋭意、今までもやっておるが、今後努めて解決に努力するということでございました。
  23. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 本問題は、本法律案審議のおもなる対象でないから、これ以上申しませんけれども、一つ申し上げておきたい点は、佐世保事件に関する限りは、私は警察の捜査能力のかなえの軽重を問わざるを得ないと思う。どういう角度から見ても、きわめて僕は簡単な事犯だと思う。しかも、その及ぼすところの影響というものはきわめて甚大である、そういう角度から指示と激励をお願いしたわけですが、本日に至るまでその犯人があがらないということは、警察官が量的に足りないのか、あるいは質的に不十分なのか、そのどこに原因があるか知らないけれども、私は国民の一人として、また、立法府に議席を置く者の一人として、警察当局の捜査能力のかなえの軽重を問わざるを得ないという心境にあるということで、これだけ申し上げておきたいと思います。今後とも部下を督励して、迅速適切にその職務を執行されるように格段の御努力をお願いしておきたい。  それから質問に入りますが、けさ、私は警察庁発表のラジオ・ニュースを聴取しましたところが、こういう放送をしておったんですね。一月における交通事故は四百四十件減少した、死者が百八十二人減少した、負傷者が三千四百人減少した、という放送がなされております。これは私は非常にけっこうなことだと思うのですが、この原因は那辺にあると警察庁当局としては認識されておられるか、簡単にお答え願いたい。
  24. 木村行蔵

    政府委員木村行蔵君) 昨年の道交法施行一年間を顧みますと、大体昨年の一月から二月、三月ごろまでは激減した。ところが、四月ごろからまたふえまして、だんだん情勢が必ずしも楽観を許さないものですから、さらに昨年の秋ごろから各県を非常に督励いたしまして、あらゆる警察の力を総合し、また、安全運動なども安全協会その他に呼びかけまして相当徹底いたしました。そういう警察が力を入れた関係と、それから安全連動なり、あるいはたとえば安全都市宣言というのがすでに七、八十出ておりますけれども、非常に地方地方行政当局が盛り上がってきました。そういういろいろな要素が出まして、今御指摘のように、この二月に入りましても、昨年の同期に比較して比較的いい状況になってきた、そういう原因であろうと思います。
  25. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 御労苦を多として、ほのぼのとした一縷の希望というものが持てると思うのですがね。ただ私は、季節的な要因も若干あるのではないか、年末からお正月になったというのでね。今度また三月、四月、陽気になる、人間を初め、動物の活動が活発になる、こういう時期になると、人間の精神状態に影響して、これに安んじておればさらにカーブが上がる、逆転して上がるのではないか、こういう予測をする者ですが、その点はどういうふうに認識されておりますか。
  26. 柏村信雄

    政府委員柏村信雄君) 年々事故、特に死傷者がふえて参りまして、昨年も一昨年よりは多くなっておるわけでございまするけれども、その増加率は、ただいま保安局長から申しましたように、道交法が一昨年の暮れに制定されましてからは、ふえる率というものは相当に減っておるというのが昨年の状況でございます。ことしに入りましても、ただいま申し上げたような状況でございますが、特に国民全体として非常に交通問題についての関心が高まったということが私はやはり事故を防いでおる最大の原因ではなかろうかと思います。いつも申し上げるのでございますが、交通の渋滞を防ぐ、円滑化という面につきましては、もちろん心がけも必要でございまするけれども、行政施策に待つ面が非常に多い。ところが、死傷者等の事故については、行政施策に待つ面も相当ありまするけれども、やはり人々の心がけということが非常に大きいあれになっておるのじゃないか、特に最近におきまして、われわれ喜ぶべき現象として考えておりますのは、幼児、学童の事故が減っておるということでございます。これは明らかに家庭の注意学校の先生方の指導というものが徹底して参ってきていることであって、それから地方々々によりましても、特に東京あたりは全体として減っておる。死者も減り、傷者も減り、事故も減るということで、地方的にやはり盛り上がりの強いところでは相当に減っておる。これは単に警察の施策というばかりでなく、府県民の全体の空気というものがそういうところに向いておるせいではないかと思います。そういう空気がさらに持続して参りますれば、私は四月以降等におきまして、とかく事故の多い時期についても、相当これを押えていくことができるのではないか。もちろん先ほどの数字も前年同期との比較だと思います。前年同期と比較して、東京あたりは実際に減っておることからいたしましても、かなり押えていけるのではないか。単に一人の県民のあるいは都民の気持だけにたよっておるというだけでなしに、行政施策としても、安全施設というようなものについてできるだけの努力をしていかなければいけませんし、警察としてのいろいろの規制、正しい円滑化、安全化ということについての施策というものはもちろん大いに進めて参るつもりでございますが、今申し上げましたように、全体の空気として非常に盛り上がってくる、これを持続していくことが必要じゃないかと考えております。
  27. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 重ねて長官に伺いますが、交通警察官を現状よりふやせば事故を減らし得る自信がありますか。
  28. 柏村信雄

    政府委員柏村信雄君) 交通警察官をふやすことによって、取り締まり、指導の徹底を期するということは可能でございます。したがいまして、交通警察官がふえるということが事故を減らすやはり相当大きな力になるものと考えております。
  29. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 提出された資料の「警視庁交通警察官増員状況」の中には、総定員の一〇%、二千七百人という数字が出ておりますが、他の資料に、都道府県警察官の総員、三十六年度現在十三万二千二百十人、この中で交涌警察に従事している人数は何名でございますか。
  30. 柏村信雄

    政府委員柏村信雄君) 今ちょっと私正確に記憶しておりませんが、約一万二千何百かと思いました。一割足らずというふうに考えております。
  31. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 そうすれば、都道府県警察官総員の全国平均の約一割が交通警察に従事している。この大部市のマンモス東京の警視庁においても、警官の総員の一割、一〇%が交通警察官だというのはどうも納得できない数字ですね。長官としては先ほどの質問に対して、交通警察官の適正なる数が確保されるならば、取り締まり、指導等によって事故現状よりは減らし得る自信があるという答弁があったわけですが、しからば、どの程度交通警察官をふやしたいというお考えでいらっしゃるか、その数字を伺います。
  32. 柏村信雄

    政府委員柏村信雄君) 私もまだ科学的にお答えするだけの検討を遂げておりませんが、今回一万増員をいたしました。その中の四千名を交通に当てるということをいたした点から考えましても、交通警察に対して現在の一割を少なくとも一割五分ないし二割程度に引き上げていくということが必要ではなかろうかというふうに考えております。急速にできることではないかと思いまするけれども、まず第一に、増員を警察部内においてしていくということは、交通警察に関する部面であるというふうに考えておるのでございます。
  33. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 昭和三十七年度の予算は御承知のとおり確定して審議中なんですが、少なくとも全国的にさらにしぼって大阪、東京都においては、交通警察官を何%ふやさなければならないという確定的な数字を持っていなければ僕は不十分だと思うのですよ。少なくとも一五%か二〇%というそういう数字しか御答弁できないということは、失礼だけれど僕は十分ではないと思う。どうしてそういうことを申し上げるかといいますと、きょう配付されたこの資料を見ますと、自動車の台数というものは二四・五%ふえているのですね。三十三年から三十五年の平均は一九・七%というから、大づかみにして約二〇先、三十六年の一部が出ているけれども、これも二〇%から二五%程度が自動車台数はふえている。それから自動車事故の件数にしても二〇%をこえてくる。そして最近は交通麻痺が起こっている。しかも、事故が起こっている。ところが、今日、警視庁の交通警察官というものは、三十五年度が二千百五十人に対して三十六年度二千七百人、これだけしか出ていないわけだね。こういう交通事情の変化に伴って相関的に指導並びに取り締まりに当たる人の数というものが、正比例とは言いませんが、合理的な相関関係をもって、ふえなければならぬと思うのですが、そういうものができていないですね。そういうところに僕は非常な欠陥があると思うのですよ。それからこの資料を作る人も、自動車の台数とか事故数というものは増加率、パーセントとしてあるけれども、交通警察官が総定員の何%ということは書いてあるけれども、この三十三年から三十六年に変化していった過程におけるそのパーセントは書いてない。これはテーブルを作る人の統計的な素養が不十分ですよ。そうでなければ意味なさぬでしょう。車の台数やら事故の変化の指数がわかれば、当然取り締まりに当たっている警察官の定員等の変化の指数はどうかというところから、交通警察官が適当な数が確保されておるのか確保されていないのか、不足とするならばどの程度ふやす必要があるのかという、人を説得し得る結論も私は出てくると思うのですね。だから、この表から見て、僕は長官がそうだとは言いませんが、何か長官に助言をする、資料を提供するその下の部下の人で、はっきりこれだけはどうしても長官に進言して、長官と国家公安委員長の政治力ででも解決してもらわなければならぬという確たる数字をもってするその信念に欠けているんじゃないかというような感じがするのですね。御所見いかがでしょうか。
  34. 木村行蔵

    政府委員木村行蔵君) 資料の点で若干、必ずしも精密、客観的な科学的なカーブの状況が出ていないので申しわけありませんが、ちょっとその点に触れて指数で申し上げたいと思いますが、これは警視庁の関係だけでございますので、それでいきますと、自動車台数は、三十三年の自動車台数というものを一〇〇といたしまして、それに対して三十四年は一二一でございます。それから三十五年は一五〇、それから三十六年は一七〇になります。  それから事故事故件数は、三十三年が一〇〇、それから三十四年が一四〇、三十五年は二二七、三一六年は一二六で相当減っております。  それから死傷者の数でありますが、三十三年を一〇〇といたしますと、三十四年が二一七、三十五年が一四六、三十六年が一三五で減っております。  それから免許の所有者の数でありますが、これは三十三年を一〇〇にいたしますと、三十四年が二一四、三十五年が一六一でございます。三十六年は、先ほど津島委員から御指摘のように、資料ができておりませんので申しわけありませんが、至急調べてまた御報告申し上げたいと思います。  それから警察官の定員の変化の状況でありますが、三十三年は、警視庁は交通警察官全体で千五百五十名でございます。これを一〇〇といたしまして、三十四年は警視庁の交通警察官の定員は千八百五十名で約三百名ふえまして、指数が一〇〇に対して一一九でございます。それから三十五年は二千百五十でございまして、この指数は、二二九でございます。それから、ここに出ております三十六年の二千七百、これは一万人増員のうちの交通警察官四千人増員というのが、全国で、予算化したわけでありますが、それが実際に教習の課程を経まして実際に配置になって、実定員として最終定員としては三十七年になりますけれども、三十七年の二千七百、この二千七百は指数といたしまして一七四になります。  それから全国の状況を申し上げますと、五カ年計画の四千人以前の定員が約八千九百か八百くらいでございましたので、それに四千人ふえまして、一万二千三百か四百でございまして、約五〇%、その一万人増員計画以前に比較いたしますと約五〇%ふえております。しかし、四千人増員計画がありましても、なおかつ非常に手が足りない、交通警察官が非常に不足しているということは事実でございます。これらについても、国の財政が許されれば、できるだけ早い機会にやはり交通警察官を相当数ふやしていただきたい、ある程度の考え方もありますけれども、相当数ふやしていただきたい、こういうふうに思います。
  35. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 ただいまの数字並びに数字のとり方、説明は非常にけっこうだと思うのです。表を作る場合、やはりそういう表がわれわれしろうとにはよくわかって有効ですね。  そういうことは国家公安委員長で御知承でしょうか。
  36. 木村行蔵

    政府委員木村行蔵君) 大まかな趨勢は申し上げておりますけれども、今申し上げたような、指数にわたっての精密な数字は申し上げておりません。
  37. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 あとで国家公安委員長がおいでになったら伺ってみますが、ただ不足ということだけだったら、閣議なんかで発言できないわけですね。やはり、ある程度の数字を三つや四つくらい持って閣議で発言しなければ、ただ不足だということだけでは、とても行政管理庁長官とか、大蔵大臣あたりな説得する力はないと思うのですがね。だから、そういう基礎的な数字というのは、公安委員長が寝言でも脅えるくらいに助言申し上げなければいかぬと思うのですね。これは要望しておきます。  そこで、次に承りたいのは、本庁の機構を、今度交通局ができるわけですが、保安局というのは相当仕事をやっているようですが、定員は少ないんですな。九十七人のうちの六十八人が警察官ですね、非常に少ないですね。そうして今度交通局ができるからというので、定員は六人の増員ですね。要求は二十三人程度したようですが、六人しか増員されていないようですね。それに対する見解と、それからこれはまことに失礼で、僕は真偽のほどは知らないのだが、あえて伺うのですが、人数も少ないが、その上に警察では交通警察関係のポストにつくことを軽視する傾向がある。だから、同じ警察官で、そう優劣はないでしょうけれども、栄進コースをたどる人は交通警察関係にはあまりいかないので、人事面から軽視している傾向があるのだ。こういうことはちょっと信じられぬと思うのですけれども、そういうことをちょっちょっと耳にするのですがね。そんなことを言うと、局長のうちで保安局長が一番レベルが低いのだということになったら因るのですが、そういうことを私は言うわけではないのだけれども、そういう点、若干人事その他について傾斜をつけて、ウエートの置きどころが間違っているのではないかという批判が一部国民属の中にあるということを私は確認しているのですがね。この点、警察庁長官に定員構成とあわせて伺いたいと思います。
  38. 柏村信雄

    政府委員柏村信雄君) まず、定員の問題について申し上げますと、確かに保安局の定員は現在でも警務、刑事、警備等の各局より、官房等よりも少ない。しかし、官房等においては、会計関係の事務は相当の分量を持っております。いわゆる第一線的仕事と申しますか、現場的な仕事をやっておるわけでございます。また刑事局等については、鑑識要員というものが相当数ございます。そういうようなことで、中央的な企画官庁としての定員としては十分とは申せませんけれども、ほかの部局よりも少ないということ、これはやむを得ないのではなかろうかと思います。ただ今回も、これは先般も申し上げましたが、交通関係で局長を含めて二十五名の増員要求に対して、六名しか認められなかったということでございますので、その点も十分とは申しがたいのでございますが、これらについては、部内の配置転換等を極力考えまして、少数精鋭主義でやっていきたいと考えておるわけでございます。  それから何か交通警察に従事する人間については、他の機能の面よりも人事面で弱体ではないかというお話でございますが、そうは私考えておりません。特に最近におきましては、交通警察の重要性ということが非常に目立って参りまして、特にそういう点に重点を置いて人材を配置するようにいたしておるわけでございます。しかしながら、何分にも交通専門的な能力ある者というものが十分にまだ養成されていないという面もございます。そういう点で、交通の実態というものを見て、どうもまだるっこしい点があるのはないかという御批判は、これは好意的にも私はあるのではないかと思いまするし、今後とも新しい交通警察の優秀な人間の養成、それから練達な士を十分企画面に活用していくというような点について、特に配慮して参りたいと思いますが、決して交通警察について、人事上おろそかにしておるというようなことはございませんので、御了承をいただきたいと思います。
  39. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 大体答弁了承しましたがね。これはあなた方の人事権にいささかも介入しようという気持はないのですが、ただ、今大きな政治問題なり社会問題になって、国民の関心事であるこういう交通問題が起こっておれば、世間の一部でもそんな端座憶測めいた見方があるとすれば、僕は警察庁でも警視庁でも、あの人物は優秀だ、将来警察庁長官にもなるような人物だというような、そういう内部的に自他ともに許しているような人を交通警察関係に振り向けるというようなことも、いかに交通関係に対して今政府は重点を履いてやっているかという意味で、これは意義があると思うのですよ。そういう場合と逆に、ともかく交通局に席を置くような人は、将来はもう警察庁長官とか、そういうルートにはいけないのだとか、二流、三流の人がそちらのほうに配置されるのだというような見方を内部の人でもするような人事行政では、今後進展しないと思うのですよ。これは答弁を求める問題ではないと思いますから、そういう私見を私が持っているということを申し上げておきます。  御答弁いただきたいのは、交通局の設置に伴って二十五人要求したが、六人しか認められなかった。長官としては、まあ機構上、局はできたが、運用上に必ずしも十全を期し得ないというような、そういう数字事情というものを、公安委員長は十分承知しておるでしょうか、どうでしょうか。
  40. 柏村信雄

    政府委員柏村信雄君) この点につきましては、公安委員長とも十分にお話し合いをしておるわけでございますが、まあいろいろな事情から要求の人員が認められない。しかしながら、何と申しましても、対外的な面、また、局長として選任して、交通の企画に当たるというような点から、どうしても局を作るということは踏み切りたいということで、局の設置だけは認められ、二十数名の者について六名だけ認められたということでございます。したがいまして、要求は決して山をかけた要求でなかったわけでございますので、当初の意図するような運営を確保するということに非常に困難を感ずるわけではございまするけれども、しかし、局ができまた、部内のやりくりで若干現在の陣容に付加することができるということになりますれば、そこは先ほど申し上げましたように、少数精鋭主義で十分に機能を果たしていくように力を入れて参りたいというふうに考えておるわけでございまして、とうていこれではできないということは私ども考えておりません。むしろ与えられたもので責務を果たしていきたいというふうに考えておるわけでございます。
  41. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 この資料も、これはだれが出したものか、いつ出されたものかわかりませんが、ここに資料があるのでちょっと伺っておきたいのですが、この資料で昭和三十四年を例にとりますとね、歩行者自動車や自動自転車とぶつかって死んだ人が四千八百二十八人ですね。それから自転車乗りで自動車や自動自転車にぶつかって死んだ人が千五百二十四人ですね。ところが、自動車に乗っている人が自動車なり自動自転車とぶつかって死んだ場合が四百六十六人と、年次別に変化を出してあるのですが、この表を見ますと、歩行者がえらいたくさん死ぬのですね。アメリカとかドイツあたりでは、自動車で死ぬる人は多いのだということを僕は新聞で見たことがあるのですがね、これは日本の特異現象ではないですか。どういうところに原因があり、その打開策をいかようにはかるべきかということですね。自動車に乗っている人は歩行者よりもよけい死んでもいいというわけのものではないけれども、歩行者はいわば持たざる階級が多いのだと思うのですがね。そんな人が比較的よけい自動車によって生命を奪われているということは、これは非常に僕は重大なことで、この数字はなかなか示唆に富んだものであると思うのですが、どういうふうに処置されているか、お答え願いたい。
  42. 木村行蔵

    政府委員木村行蔵君) 御指摘のように、アメリカあるいは西ドイツという、欧米の各国における自動車事故は、あるいは被害者は、主として自動車自動車がフル・スピードでぶつかって、その両方が被害者になるというものが大半でありますが、日本の場合は、むしろ歩行者が弱い立場で、それで自動車にはねられ、あるいは原動機付自動車にはねられて、それで死ぬというのがむしろ大半だと思います。その意味でかえって歩行者歩護ということを非常に徹底しなければいかぬと思いまして、この前の新道交法でも、歩行者優先ということをいろいろな規定の中に織り込んだわけであります。しかし、それでもなおかつ不十分でありまして、いろいろ問題が残っております。ことに、もう一つの原因といたしましては、歩行者側における責任もありまして、それは特に最近は都市の周辺に交通事故がふえております。ことに祝祭日——休日なり祭日の際に多くのオーナー・ドライバー、その他の自動車が郊外にどんどん行く。その場合に、郊外の沿道なり、あるいはその観光地において歩行者がはねられて死ぬということが非常に多うございます。その場合の原因の一つといたしまして、歩行者が車の直前画後を不用意に横断する、そして、陰からすっとんできた自動車にはねられるというのが相当多うございます。  それからもう一つは、東京都内あるいは大阪市内あたりの事故の一つといたしまして、必ずしもフル・スピードでないのですけれども、十キロ、十五キロのスピードで、前進なり、あるいは徐行してバックする場合に、歩行者がちょっとした不注意ということで、突っかけられて、それがコンクリート道路、アスファルト道路の上に頭をぶつけて死ぬというような、歩行者側のちょっとした不注意からくる場合が非常に多うございます。こういうような原因が重なっての事故、これは日本独特の現象であります。
  43. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 それだけに、最近やかましく論じられているのじゃないかと思うのですが、私は間もなく質問を終わりたいと思うのだが、委員部において、早く質問を終結するために、国家公安委員長と行政管理庁長官の出席を、短時間でよろしゅうございますから、早急出席できるようにお手配願いたいと思います。  運輸省に伺いますがね。この交通緩和策、事故防止策としていろいろなものが論じ尽くされてきているわけですよ。それで当面可能なものから、しかも、緊急性を帯びているものから、何をいつやるかということが問題の段階にきていると思うのですね。で、先般閣僚懇議会で車種別の規制をやるということを方針としてきめられた。本委員会でも、関係大臣から答弁があった。それで、警視庁のほうで一つの試案なるものを発表した。それで、実行予定日時まで発表に及んだ。そうしたら、その後、今度は同じ内閣の一行政部門である運輸省から、その反対の意見が出てきた。それに対して警視庁では、とても運輸省の案なんかではどうにもならない、こういうのが新聞紙上に出てくる。で、あなた方が行政部内でいろいろな意見でやられるのは、それはけっこうでしょう。それぞれ信念もあり、けっこうだと思うのだが、国民の立場から見れば、同じ税金で生活を保障してお働き願っている公僕たるべき人が、その両方をちゃらんぽらんにやり合っているというようなことを、この緊急なときに新聞紙上に報じられるようなことでは、主権者の立場から、何しているかという感じを抱かざるを得ないのですね。だから、そういう国民にかわって僕は聞くのですがね、昨日もわが党の交通対策特別委員会資料をいただいたのですが、あれに、運輸省という提出責任君を署名して出されていましたがね、ああいうものを出す場合、警視庁から意見々求められたら、政府部内で十分協議して発表するというようなことはできないのですかね。私は発表の手続というか、順序というものが誤っていると思うのですがね。これは運輸大臣にお出まし願いたいと思ったが、運輸大臣はおいでできないというので、あなたおそらく説明員かと思うのですが、政府委員に任命されているかもしれませんが……。
  44. 増川遼三

    説明員(増川遼三君) 説明員です。
  45. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 説明員ですね。まあ運輸大臣に伺うことだと思ったのですがね、そういう配慮はされたのかきれないのか。できないのかですね。事務担当者としての所見をひとつ伺っておきたいと思います。
  46. 増川遼三

    説明員(増川遼三君) 昨日お見せした資料につきましては、実を申しますと、東京の陸運局におきまして、警視庁からの案に対する意見を徴せられましたのに対しましての回答という形で、東京陸運局が案をもちまして警視庁のほうへ提示しました。この警視庁の案と、東京陸運局がそれに対していろいろ修正意見、批判をもっておりますので、それを持ち寄りまして協議をいたしたわけでございます。そのときに提示いたしました案を実は私のほうでコピーをとったものが昨日の資料でございます。別に対案として別個に出したという、こういう形のものではございませんので、御了承願いたいと思います。
  47. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 国民は朝な夕な生命の危険にさらされているのに、行政官庁では何かこだわってちゃらんぽらんやっているような印象を受けるのですがね。まあきのうはうちの党の私的な会合だから国会とは違いますけれども、しかし、新聞、ラジオで報じられているのはああいう形で報じられている。それからあのプリントには「運輸省」とタイプ打ってありますね。提出責任者は東京陸運局で、局長で出されたのなら、それをあなたが「運輸省」の公務員として、「運輸省」という署名をした形で、たとえ一党の特別委員会にしても政府部外に出すということは適当じゃないじゃないですか。それならそれで、これは東京陸運局の試案という形でなにしないというと、「運輸省」と書いてあれば、これは運輸省の方針だというようにとりますよ、だれでも。だから新聞でもそう報じられる。テレビでもラジオでもそう報じられる。そして、さなきだに行政の一元化ということがいわれているわけだが、何か警視庁と運輸省とは非常に意見が合わない。それで混迷している。それで当面の交通問題がなかなか解決できないで、住民はしょっちゅう生命の危険にさらされているのだ、こうなったら納税者の立場に立ったらたまらない気持ですよ。その点に対する所見と、ほんとうに早急に、公僕精神に徹して、当面若干一部にはそれは犠牲が出るかもわからぬが、大局的な立場でこうやらざるを得ない、こういうふうにして解決すると、関係官庁とすなおにお互いに協議し合って早く決定線を出して、それを実行に移すというような意欲旺盛なるものがあるのかどうか、それを私は伺っておきたいと思うのですがね。
  48. 増川遼三

    説明員(増川遼三君) 運輸省の名において配られました書面につきましては、確かにお説のとおり「運輸省」という表示の仕方が妥当でなかったかと存じます。私のほうとしては、陸運局の警視庁に対する回答文の案ということでリコピーをとりました案でございますので、その点はそのように御了解を願っておきたいと存じます。  なお、東京陸運局と警視庁との間におきましては、今週の月曜日に第一読会をやったわけでございまして、今後も早急に第二読会、第三読会と会議をもちまして問題点を双方から詰めた上で、その実施につきましては、警視庁の考えておられる四月半ばごろにはこれが実施できる段階にこぎつけるようにということで、私どものほうも東京陸運局のほうへは指示しておるわけでございます。
  49. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 警察庁長官に二、三伺いますから、簡単にあなたのお考えになっておることをノー・イエスという程度でお答え願いたいと思います。車種別規制ですね、これはいろいろな情勢から早急にやる必要があると御認識になっておられるかどうか、その点を。
  50. 柏村信雄

    政府委員柏村信雄君) 車種別規制につきましては、今までその他の方法でできるだけ円滑化をはかって参りましたが、これでは十分いかないということから、ぜひとも最近の機会に実施に踏み切るべきであるというふうに私は考えております。
  51. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 公安委員長から一時私見が述べられましたが、例のチケット制ですね、これは早急に実施する予定であるかどうか。また、その必要件についてどういう見解を持っておるか。
  52. 柏村信雄

    政府委員柏村信雄君) チケット制につきましては、目下ほぼ成案に近いものを得まして、法制局、法務省等々と下打ち合わせをいたしておる段階でございます。できるだけすみやかに実施に移したい。でき得れば今国会に御審議を願いたいという気持でおるわけでございます。ただ法律的になかなかむつかしい問題があるようでございますので、その点もできるだけすみやかに克服して参りたい。そういうことによりまして、すみやかな現場措置がとられ、警察としても指導、取り締まりの面に力がもっと注ぎ得るということ、また、検察、裁判の面においても軽微なものについては手が省けて、重要な問題について十分に検討する時間が得られるのではないか。また、取り締まられる人におきましても、複雑な手続によって迷惑のかかることを少なくするというような面から、私どもはぜひ実施をして参りたいというふうに考えておるわけでございます。
  53. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 道路の狭い上にもってきて道路の不正使用は目に余るものがあると思うのですね。道路の不正使用の点を指導とあわせて適切なる取り締まりを強化することによっても一部は打開できるのじゃないかと思うのですが、法律事項は私は必要としないのじゃないか思うのですがね。あなた方のところでやる決意をすれば、別に法律改正等は必要なくしてやれるのじゃないか。また、私はやれると思っているのですが、それに対する御所見、方針を承ります。
  54. 柏村信雄

    政府委員柏村信雄君) 道路の不正使用につきましては、お話のように現行法上取り締まりをさらに強化して参らなければならぬというふうに考えております。ただ現在、常識的に不正使用のごとく見えて、いわゆる駐車禁止区域になっていない所における駐車、長い時間の駐車というものについては、現行法上、直ちにこれを取り締まるということは困難ではないか。やはり駐車禁止区域を広げるというようなことによって、実際に駐車ができないようにしていく。そうして道路を広く使うというようなこと、また自家用車等について車庫または常置場所の設置を義務づけるというような法制化をはかることによって、道路のいわゆる不正使用に類するようなことを避けていくというようなことで立法措置を講ずる必要のあるものもありましようし、さらに行政施策として禁止区域を広げていくというような問題もございまするが、それ以外に現実に不正に使用されておるというものも非常に多いわけでございますので、こういう点につきましては、さらに取り締まりを徹底するように指導して参りたいと、こう考えております。
  55. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 本委員会初め国会であなた方の方針はいろいろ述べられ、また、こちらからも意見を述べ、あるいはそれにお答えをいただき、ああしよう、こうしようといろいろ出てくるわけですね。ところが、それがいつ行なわれたかどうかという点、がはっきりしない。ここでただ議論をするだけでしり切れトンボになるおそれがありますので、保安局長にお願いしておきますが、まあ国会開会中に二度くらいは、こういうことの方針をきめて、こういうことを実施に移しました、あるいは何月何日からこういうことを実施することに方針が決定して、今準備段階に入っています、ということを、この国会開会中に二度くらい本委員会委員長を通じて、書面で報告をしていただきたいのですが、お約束していただけますか。
  56. 木村行蔵

    政府委員木村行蔵君) 承知いたしました。
  57. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 国家公安委員長と行政管理庁長官に二、三問ありますが、それだけ保留して、政府委員に対する質問は終わります。
  58. 小林武治

    委員長小林武治君) 速記をとめて。    〔速記中止〕
  59. 小林武治

    委員長小林武治君) 速記を始めて。
  60. 津島壽一

    津島壽一君 それでは私から、交通警察の増員問題というのは本委員会で非常に重大な問題だと思うのでございます。それに関連して、何というか、この質料によって質問をし、また、希望を述べたいのですが、この事故等の増加の一覧表、きょういただいた計数によってみても、大局としては、自動車数の増加というものがやはり交通事故の件数の増加に伴っておる。パーセンテージにおいては区々になりますが、大体三十二年以来の車台数、事故件数というものを比較していくと、大局は私は動かぬものと思う。もちろん今後道がよくなるとかいろんな問題が、そこに従来と違った状態になれば別ですけれども、そこで、私は三十六年以降に……。  安井大臣にちょっと希望も含めて質問いたします。従来の事故件数並びに自動車の車台数増加の資料をいただいたのですが、これを一覧しますと、いろいろ事情がありましょうが、自動車の車台数が増すとどうも事故が増加しておるということが言えるのですね、年によっては多少のパーセンテージの違いはございますが。そこで、今後の見通し、たとえば三十七年、三十八年、九年というような将来何年かの見通し、これについて極力事故の件数を防止しなければいかぬということは当然のことですが、自動車の数が一体どうなるかという問題なんですね。これは警察のほうで、そういった自動車業のほうを何も管理しているわけではないのですから所管外だと思いますが、大勢のおもむくところを見ますと、自動車の数の増加というものが必ず事故件数を増していくというような傾向はこれは免れないところで、多少パーセンテージを低めるとかなんとかいうことはあると思うのです。そこで、交通問題のいろいろな問題は、先ほども他の同僚委員からもお話があったように、交通警官の増置は、これは事故防止に相当の効果をもたらすものだと思うので、これは異議のないところだと思うのです。そこで、将来の交通警察官の増員ということは、これも車台の増加という問題、それに伴う事故の増加ということを見合ってそれを防止していくという考え方なんですが、そこで、たとえば大蔵省に予算を要求しましても、今忙しいからとかなんとかというのでは、これはなかなかそういう納得はできない。もう少し大局を御研究になって、三年後には自動車の車台数は何台くらいになるのか、そういったものに対して交通警官の訓練とかなんとかいうものをそれと即応していかぬと、急に増加したからさあ警察官を増すといったところで、交通警察官の仕事は専門的なものであるし、そうなかなか簡単にいかぬものだと思うのです。だから、これはどうしても計画的に交通警察官の養成、増員、その配置、それらを計画しなければいかぬと思うのです。ただ一年限りで、去年は事故が多かったから何人増してくれということでは、私は納得いかぬだろうと思うのです。そういう意味において、将来の計画をお立てになることが必要だろうと思うのです。ことにオリンピックの年なんか、至急に交通警官をこっちに動員しても、これはなかなか配置転換では実行できないので、ローマでも人数を増したけれども、軍隊なんかもそれに参加したけれども、とてもやれない、こういう事情があるので、こういう計画をお立てになることを私は質問と言っていいか、希望なんです。  そこで一方、自動車の増加でも、最近新聞等を見ますと、いわゆる三輪車というか、軽自動車というか、ああいうものが非常に大きい増産計画を持っている。ある新聞では、ある一社で何十万台本年作るんだと、しかも、その非常に便宜をはかって販売するというが、一方、この自動車運転免許合格者というものは現在数はここに出ているのは、三十五年で千三百二十万いるのです。おそらく三十六年度は五百万、六百万これに加わっているのじゃないか。それが毎年三百万、四百万増していけば非常な数になる。これが自動車を使用する潜在的なものであろうと思うのです。生活程度も上がれば自動車購入は簡単であって、現在免許を持っている者がもう千何百万になっていると思うのです。そうすると、これはみな潜在的な自動車需要階層なんですね。それらを考えると、いろんな法律も作り、車種の規制もするけれども、なかなか自動車交通事故防止するということの態勢が非常に困難があると思うので、非常に先の見通しが暗いという感じを持つのです、大局上ですよ。そういった観点から私は警察法改正の問題に関連するから、将来どういうふうにお見通しになるのか、わが国の自動車生産状態はどのように動いていくのかということを考慮して、小型も含めてですね、モーター付の車という意味ですが、そういう計画を立ててそうしてその基礎のしに交通巡査の養成、それから配置というひとつの何年かの計画を立てるということが私は非常に必要ではないかと思う。今そういったことが内部においておありならそれでけっこうですけれども、そういった点について安井大臣から、どういうようにお考えになるかを伺っておきたい、こう思う次第でございます。
  61. 安井謙

    ○国務大臣(安井謙君) 津島委員の御質問の御趣旨は、私まことにごもっともだと存じます。それは事務当局からも御答弁申し上げたと思いますが、たしかこの交通問題に関する警官の増員配置を計画的に将来もやっていかなければならないという点につきましては、十分警察でも考えておるし、国家公安委員会としても全体の配置について考えるべきだというので検討いたしております。従来の実績を申し上げますと、過去二万人三十六年度まででふえました分につきましては、四千人を交通警官に充てる、さらに三十七年度につきましては、そういった増員に対する装備や全体の計画を十分にいたしまして、これから将来の対策を練るということにしておりますし、また、それぞれ特別の大都会等で足りない、あるいは事故の多いというような府県につきましては、府県単位でまた適切な増員も計画をいたしておるわけであります。さらに将来につきましては、なるべく早い機会に十分検討いたしまして、三年計画あるいは五年計画を立てまして、それぞれ配置計画のもとに今後の増員を要求もし、計画を立てたいと思っておる次第であります。
  62. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 交通警察官はどの程度あと充足しなければならぬと、公安委員長は御認識になっていらっしゃいますでしょうか。
  63. 安井謙

    ○国務大臣(安井謙君) これは今ちょっとどの程度といいますと、なかなか的確な数字は申し上げられませんが、相当数量を将来にわたって増員をしていく必要があるというふうに考えております。
  64. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 予想どおりの答弁ですが、そんな答弁、数字の把握の仕方では交通警察官はとても確保できませんよ。ほんとうにあなた、行政管理庁長官の川島さんなり、大蔵大臣あたりを閣議あたりで説得するためには、相当な、何というか、雲をつかむような言一葉ではなくて、寝言でも言えるくらいに数字を持っていなければ、まず私はできぬと思うのです。  そこで伺いますが、今度交通局が行政組織上新設されたのは非常にけっこうだと思うのですよ。ところが、内容を見ると、六人の増員ですね。よくも私は閣議でこれで下がってきたものだと思うのですが、六人というのは相当の数でしょうか。どういうふうに御認識になっていらっしゃるのか。
  65. 安井謙

    ○国務大臣(安井謙君) 矢嶋委員の御質問、御激励は非常にごもっともと存じます。私ども計画が全然ないわけではないのでありまして、今も申し上げましたように、この三十六年度までに一万人の増員計画を達成いたしました。そのうち四千人を配置をいたすわけであります。したがいまして、三十七年度にはこれに伴ういろいろな装備関係を充実をいたしまして運営をしてみて、しかしまだこれでは足りないというものは現在でも予測されますが、そう的確な数字というものは、それをにらみ合わせて早急に数字的に確立をいたしたいということで、目下検討の最中であります。当座間に合いません分についてすぐ要るという分は、地方庁限りでもこれは増員を計画をいたしておる、こういうことでございまして、今の御鞭撻はまことにごもっともだと思いますので、その御趣旨に沿って早急にこれは具体的な数字は固めたいと思っている次第であります。  なお、交通局につきましては、お説のように六人でございますが、これは局内の配置転換をいたしまして、これは必要な人員はそろえるつもりであります。特に人員の全体的な増加というものは、内閣の予算の編成上……予算といいますか、今後の運営上から人員の増加、全体の増加につきましては、極端にこれを抑制していくという方針でありますので、ぎりぎりの増員しか認められなかったわけであります。その部分は配置転換というようなことによってこれを補充していくつもりでおります。
  66. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 あなたが御指摘になられる前に、警察庁長官交通警察官を適正に増員すれば事故を減少させ得る自信がある、こういうふうに答弁されたわけです。したがって、今もう予算案が出ていますから、今すぐ変更はできないでしょうが、ともかく交通警察官をふやすことによって指導と取り締まりを適正にすれば、死傷者が現に減るというはっきり見通しが立っているのですから、すべてのワク内の配置転換を早急にやって、事故の減少の一つの要因を早急に作るべきものだと思うのですが、これに対して御所見はいかがですか。
  67. 安井謙

    ○国務大臣(安井謙君) まことに仰せのとおりでありまして、この点は今の御趣旨の線に沿って早急にやりたいと思います。なお、具体的な計画は今、津島委員お話のとおり、二年なり三年なりを見通したものでなければなるまいと思いますので、若干手間がかかるのでありますが、これが確定いたしますれば、もし事情が許せば、たとえば補正予算といったような機会があればその際にもこれは提出をいたす考えでおります。
  68. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 あなたに国民はずいぶん期待しているのですが、あらためて公安委員長に伺いたいと思うのですが、車種別規制ですね。それからあなたがかって記者会見で発表したチケット制の実施ですね、こういうものは実施するという方針については大臣のお考えはいささかも変わっていないと思うのですが、私の知りたいのは、いつ実施されるかというその時期を聞きたいのですが、あなたの見通しを承りたいと思います。
  69. 安井謙

    ○国務大臣(安井謙君) 車種別規制の案というものは、正直のところ、まだこれでいこうというものが正式に固まっておるわけではございません。これはかつて新聞等に出ましたのは、正式に何かの機関を経て決定をしたという性質のものではございませんので、警視庁でこういう趣旨のもとにひとつ各関係筋との協議をやって、そうしてさらに成案を得たい、こういう趣旨のものでございます。しかし、基本的な考え方としては、私はああいったような車種別規制が四月にでも入れば必要になってくるのではないかという予想を立てております。これは三月の中旬ごろまでにこれから以降の見通しを立てまして、さらに関係方面との調整を終わりまして、大体この時期、具体的な内容というものはきめたいと思っております。
  70. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 さっきあなたは定員とその装備云々と言われましたが、きょうはおもなる審議調査の対象になっておらぬから触れませんけれども、ちょうどその言葉が出てきたから一問いたしたいのですがね、私は、やはり警察官の個人の教養、訓練、その質の向上もさることながら、やはりその正しい職務を能率的に、敏速に遂行し得るためには、これは装備というものは大事だと思うのです。その中で、僕は前から関心を持っていることですが、一つ伺いたいのは、日本の地形等からいって日本の警察というものは、ヘリコプターの優秀なものをたくさん持っていいんじゃないか、今度の予算編成のときにはあなたは若干がんばって、情報センターの関係の確保をされたようですが、従来四機しかないわけですね。何か事あるたびに、連絡とか、国民の生命を救うために、米軍におすがりしたり、こんなことでは、独立国としてみっともないことだと思うのです。私は、自衛隊の飛行機とかヘリコプターを回せとは言いませんが、一体、日本の山岳が多いとか、それから河川が多く、それがしかも急流が多いとか、それから場所が狭いとか、そういう点を勘案した場合に、能率的な連絡という点からいっても、事ある場合の国民の生命を守るという立場からも、一管区警察に二機くらいのヘリコプターの装備というものは、日本の経済力で、予算の規模からいっても、やろうと思ったら、これは朝飯前のことですよ。どうしてそういうことをやらぬかと思うのですが、これはきょうの審議対象の重点ではないのですが、僕が平素から思っているんだが、さっきあなたから装備という言葉が出たが、あなたの所見と、今後の御構想を承っておきたいと思う。
  71. 安井謙

    ○国務大臣(安井謙君) これまたまことにごもっともでございまして、非常に近代科学の発達をしましたこの際、警察の装備の中にもそういったものを重点的に入れる必要があるんじゃないかというお話は、まことにごもっともと存じます。ただ、今まであまりそういう多方町にわたって実用的に使われていなかったものでございますが、これからぜひそう方向に向かっていきたいと思います。三十七年度は御承知のとおり、二機増設をいたしたわけであります。今後もぜひともそういったものを実現していきたいと思っております。
  72. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 総理府総務長官は、内閣の交通対策本部の担当者でありますから伺いたいのですが、国民の立場から立ちますと、あなたも臨時閣僚懇談会に御出席され、また、その原案の起案等に最も関与されておったと思いますから伺うのですが、車種別規制、これが日本の産業経済あるいは国民の口々の生活に影響がある云々というようなことは、皆さん百も承知の上で、ずっと議論してきたわけです。それで閣僚懇談会でそういう方針を承認しながら、旬日を経ずして再検討をということが報道される。こうなると、国民の立場から見ると、まことに信念が欠除しているような感じがするわけなんですが、一体交遊対策本部なり並びに閣僚懇談会はどういうふうにお考えになっているのか、事件がこんなになってきますと、心理的な影響というものは大きいのです。物価の問題にしても、交通の問題にしてもそうだと思うのです。これで交通事故がちょっと減少する過程にあるのだ、物価も下がる傾向にあるのだという形が出てくると、心理的な影響は大きいと思います。それを伺っておきたい。
  73. 小平久雄

    政府委員(小平久雄君) 車種別規制の関係につきましては、それぞれ相当の閣僚からお話があったことかと思いますが、閣僚懇談会では車種別あるいは時間別の規制が必要である。こういう基本的な方針は前々からきめておったわけであります。そこでこれをどうするかということについて、警察庁のほうから、警察庁としては一応こういうことを考えているが、こういう御披露のあったことも事実であります。しかし、それが最終的に決定案ということではなかったと思っております。しかし、その後におきまして、実は新聞紙上等に、一両日前に、運輸省と申しますか、新聞紙上で見ますと、何か陸運局ですか、陸運局から別個の案が出されて、何か警視庁のほうに持ち込まれた、こういうことをわれわれも実は新聞で承知しました。この運輸省系統と申しますか、そのほうの案につきましては、実はまだ閣僚懇談会に正式に提出をされておりませんし、説明も聴取をいたしておりません。そこで、閣僚懇談会としては、車種別の規制をやるという基本的な考え方は変える必要がない、それはやるべきである。こういう基本的な考えをとっております。ただ、さき申しましたとおり、最初に警察庁お話を承ったときも、それが最終案である、こういうことではなかったと私は承知いたしている。実施上のしさいの点については、それは関係の向きともよく相談をしてやってもらったらと、こういうことであったと、したがって、今度の運輸省系統から出されましたものも、いわばその参考案としてでもお出しになったのじゃないかと、実はさように私は了解をいたしているわけです。
  74. 秋山長造

    ○秋山長造君 川島長官にお伺いします。この前のこの委員会に御出席を願って、交通問題についてお尋ねしたときに、今問題になっておる大型乗用車の問題ですが、大型乗用車の問題について、政府は、一方では官庁の大型乗用車を規制するということを手始めに、今度の陸運局から出ている車種別の規制の問題にしても、大型乗用車というものを相当重く見ておるようですが、そういうことを一方でやりながら、一方、税金の面では、逆に、大型乗用市の税金を五〇%から四〇%に税率を引き下げて、そして大型乗用噂に非常に便宜をはかるようなことをやった。こういう矛盾したことを、まずやめてもらわなければ困るという御質問をしたのです。それに対して、川島長官は、十分検討してみるというようなお答えだったのですが、これはどういうようにその後なったのですか。
  75. 川島正次郎

    ○国務大臣(川島正次郎君) あの際にも申し上げたと思うのですが、今度物品税全般にわたりまして引き下げをする措置をとったのでありまして、引き下げ率は、一番低い率で引き下げの措置をとったのであります。もちろんものによっては、多少税金が上がるのもあるわけなんです。いずれにしても、ある程度の税金を引き下げたことは事実であります。先般、ここで御論議がありましたが、その後、まだ私は処置をとっておりません。国会に提案して、衆議院で審議の過程にありますからして、私としてはまだ措置をとっていないのであります。衆議院の御審議の過程でどういうふうになりますか、党の関係の者とも話をしようと、こう思っておるわけです。政府としては、すでに提案をしたのでありまして、政府もまだ措置できないのでありまして、衆議院の審議の過程で考慮するなら考慮してもらおうと、こういうことであります。
  76. 秋山長造

    ○秋山長造君 大臣は、非常な勇気をふるって交通問題の解決に乗り出しておられるのですが、そういうお立場から、この問題についてもお考えになってしかるべきだと思うのですが、法案がすでに提案されておるという技術的なこともありますが、それはそれとして、大臣のお考えとして、総合行政というようなことからも、一方では大型車を何とか抑えなければいかぬというようなことを言いながら、他方、税金の面では、そういう逆なようなことをやられるということについて、やはり政府の行政のまとまりというものを疑わざるを得ない。そういうことに対して、法案が国会に出ておるとかなんとかいう技術的な問題は別として、いいことと思っておられますか、やはり悪いと思われますか。統計の数字を見ますと、東京だけでも、大型の乗用車というのは三万台以上ある。そのうち自家用車が二万六千五百台、官庁用のが千五百台ぐらいあるのですが、これは、やはり相当な問題だろうと思うのですが、それに税金の面から、さらに油を注ぐようなことをやりながら、一方ではこれを抑えていこうということは、どうも、やはりわれわれの立場から見て、それぞれの理由はあるにしても、ちょっと、問題が問題だけに、筋が通らないように思うのですけれども、どういうように考えておるのでございますか。やはりよくないこと、不適当なことだとはお考えになりますか。
  77. 川島正次郎

    ○国務大臣(川島正次郎君) 現在の交通状況にかんがみまして、大型自動車をある程度規制しようという方針をとろうとしておるのでありますが、その税金を下げるということは、そうした方針に逆行するという印象が残ったことは当然であります。大型車の税金を下げたから自動車がふえるとは考えませんけれども、少なくとも心理的な影響だけあることは事実であります。そういう意味で、私は自由民主党のそれぞれの会の人と懇談をしようと、こう考えている。その意味を先ほど申し上げたのであります。
  78. 秋山長造

    ○秋山長造君 その点は了承いたします。それからもう一点だけお聞きいたしますが、せんだってのやはりこの委員会で、私は交通問題という点も、非常にいろいろ広過ぎて、すぐどうというきめ手が、何もかも、見ていると、小平さんが読み上げられましたように、勧進帳ぐらいもあるので、やはり何かこうおのずから軽重厚薄で、行政上の勘どころも幾つかあるのじゃないかというお尋ねをしたのですが、そのときのたとえとして、車の免許事務とか、それから登録事務とかあるいは車体検査の事務だとかいうようなものが、一体今のような形のままでほうっておかれていいものだろうかというお尋ねをした。それに対して、長官から、私が期待しておったほどはっきりしたお答弁聞けなかったのですけれども、そのあとで文芸春秋を読みましたら、川島長官のそういう問題についての、なかなか非常に思い切ったといいますか、強い方針が率直に述べられておったのを読んだのですけれどもね。それで、行政の一元化ということをずいぶん言っているわけですか、その行政の一元化の勘どころとしては、たとえばやはり今言ったような幾つかの点などのことが、やはり勘どころであり、役所同士のいわゆるなわ張りの弊の中心になっているように、大臣も考えておられるように拝見したのですけれども、こういう問題についても、これは大臣のお手元で、早急に何らかこの解決をおつけになるお考えなんですか。それとも行政調査会というようなものの問題になるのですか。私の考えでは、今さら行政調査会に諮るほどのことじゃない。もう大体問題の輪郭というものは、わかり過ぎるほどわかり切っているようにも思うので、大臣が総合的な立場でおやりになろうとすれば、これはやり得る問題だというように思うのです。いかがですか。
  79. 川島正次郎

    ○国務大臣(川島正次郎君) 閣僚懇談会の仕事は、連絡調整でありまして、交通関係の行政官庁がいろいろ分かれておりまして、その間に食い違いがあったのを調整するところであります。今お話の行政機構の一元化ということを、閣僚懇談会で取り上げるということは、今考えておりません。それは別のやり方であります。行政管理庁自体がやるなり、また、ときには調査会に諮問するなりしてやるというように。現在私のやっている閣僚懇談会は、各省間の連絡調整をはかりながら、差し迫ってただいま交通繁雑と事故防止をしていこうと、こういうことであります。こうした交通状態に追い込まれたことは、いろいろ原因が積み重なっているのでありまして、非常に複雑でありますから、それを一つ一つ取り上げて解決していくわけなんであります。その間に、いきおい省庁間で、意見の衝突もあります。先ほど来御議論になっているようでありますが、大型の車種別規制なんていうのも、まだ警視庁と運輸省の系統の下部組織で調整がつかない。まあ、調整がつかなければ、こういうものを上へ上げてもらって、閣僚懇談会でやりますし、きょうの段階は警視庁と陸運局でもって話し合っているのです。調整連絡機関でありますから、私が少し何だかこうきわめてはっきりしない答弁にならぬですが、ばっぱっと言っちゃってもなかなかそうもいかないので、私として毛非常に残念ですが、どうしても国会で答弁するとなると歯切れが悪くなるのです。歯切れが悪いといってこれをぱっぱっ言っちゃうというわけにいかぬ点が幾らでもあるのですからして、そこは御了承願って、何しろ五人の閣僚と、それから総務長官と一体になって今交通問題に取り組んでいますからして、必ず成果は上がると私は思っております。国会の御質問に一々御質問に当てはまる答弁のできないということは、これはお察し願えると思うのです。私自身も非常に歯切れの悪い答弁してしまって、衷心じくじたるものがあるわけです。
  80. 秋山長造

    ○秋山長造君 もうあと聞きませんけれども、ただそのことはわかりますけれども、それはもう十分理解しますが、しかしあんた、あの雑誌で、あれだけ読者の多い雑誌であれだけ、たしか、「私は断じて負けない」とか、何かそうような表題がついていたですね。それで何が負けぬといったら、役所同士のなわ張り争いには断じて負けぬと、こういう意味だろうと思うのです。つまりいわゆる官僚のなわ張り争いには断じて負けぬぞと、こういう意気込みがあれに示されておると思うのですがね。私も具体的な例として車の免許だとか何だとかいうようなことが出ておったと思うのでね。やはり私ら突き詰めていきますと、やはり問題は小さいことのようですけれども、免許事務だとか、登録事務だとかいうようなことにやはり勘どころがあると私どもも思えるのですがね。
  81. 川島正次郎

    ○国務大臣(川島正次郎君) そういう免許事務だとかなんとか事務的なことはどしどし解決して参りまして、そして法律改正をするのは、この国会に出そうと準備をしておるわけです。私が申し上げておるのは、行政一元化ということはこの閣僚懇談会に取り上げる問題じゃないと、こう申し上げておるので、差し迫って解決できるものはどしどし取り上げているわけであります。  それから文芸春秋の記事は、実は私見出しなんか全然知らぬのです。変な見出しがついたと思ってあとから見たのですが、記事も私の口述を書いたので、責任は持ちますけれども、一字一句私の言ったとおりというわけでもないのですから。あの見出しはちょっと変な見出しでちょっと何ですけれども……。
  82. 秋山長造

    ○秋山長造君 言葉を返しますけれども、それは免許事務なんか単なる事務的なこととおっしゃるけれども、それはそうじゃないですよ。それはやはり行政一元化なんかいわれる一番の勘どころは、ああいう事務的なことのようだけれども、実はそこへ集中してくるので、たとえば運輸省と警察庁との今の車種別規制なんかについても、意見が対立して調整に手をやいておられると思うのですが、そういうことでもなぜそういうように対立の意見が出てくるかということをずっとせんじ詰めていきますと、やはり免許事務だとか登録事務だとかいうようなところにしぼられてくるのです。ですから単なる事務的なことでなしに、やはり大きい政治力をもってしなければ解決もせぬ問題だと思う。それから大臣自身もまた事務的なこととおっしゃるけれども、まあ一々言葉の端々まで別にどうこう言うわけじゃないけれども、やはりあの雑誌でも大臣のおっしゃっていることはそういうところに勘どころがあるのだということをおっしゃって、それには断じて負けぬぞと、こう言うておられるので、これはもう今どうだというお約束をこの席でできがたいということはよくわかりますけれども、やはりそういうところに問題のポイントがあるのだということは、大臣も全く御同感だと思うのです。ひとつぜひ大臣の手でこの機会にそういう点からの行政の一元化ということを、もっとすっきりした行政というものを確立していただきたいと思いますが、いかがですか。
  83. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 長官に三問だけ伺います。  その一つは、あなたがおいでになる前に、交通警察官をもう少しふやせば交通事故は減少させる自信があると、減らしてみせるというニュアンスを警察庁長官が答弁されているわけです。それでまた、今度交通局の行政組織法上の改正法が出ているが、これを見ますと、二十五人増員を要求したのに、六人だけしか認められておらないわけです。国民が税金を納めるのですから、公務員が、みだりにふえるということはブレーキをかけなければならないと思う。あなたの立場としては当然だと思うが、しかし、それも事の緊急度によると思う。交通局を設置して六人しか認めない、絶対数を国民の納税者のことを思って、ふやさないというならば、政府の全国家公務員の中で適当な——むずかしいかもしれないが、配置転換しても必要な部門にふやすというような行政があってしかるべきじゃないかと思う。そういうことが行政管理庁の責務ではないか。交通関係に努力されるということは多といたしますが、六人の増員しかない、しかも、全般的に交通警察官が不足なるがゆえに事故が多くて生命を国民が落としておるということについてはもう少し積極的なものがあってしかるべきじゃないかと思う。簡単に御答弁を。
  84. 川島正次郎

    ○国務大臣(川島正次郎君) 警察当局からどういう説明があったかわかりませんが、交通問題の解決は監督行政よりも第一線の現業的の警察官をふやすことが必要じゃないかと思います。それは各公共団体……府県の仕事でありまして、それを警察庁が指導しているわけです。現に神楽川などは三十何人ふやすという計画をしているそうでございます。私は、東京並びに大阪、その地方警察本部と知事と折衝して交通関係の巡査がふえるなら、それに見合うだけの必要な国の予算というものは、これを現在三十何人でなくても予備費その他で支出する、機動的に必要なものは、機動部隊を作ることを認めるということを幾回か交通閣僚懇談会でも話しておりますが、そういうことを世間でも言っておるのであります。警察庁警察官をふやすのではなくて、末端の第一線で交通問題を処理する警察官をふやすということが必要じゃないか。  それから全体の問題としては、ひとり警察庁だけではありません。各省にわたりまして、人員を、一般行政職員をふやすということはこれは極度に圧縮している、その一環として今度交通局ができますけれども、中の配置転換で大体まかなってもらう、こういうことにしてもらったわけでございます。警察は非常に人が少ないので、警察庁の中の配置転換は非常に困難があるということはわかります。しかし、現在のような状況では政府全体の配置転換はとうていできないので、これをどう処理するかということで、今度行政調査会を作った大きなねらいもそこにあるのであります。そういうことも御了承願いたいと思います。   —————————————
  85. 小林武治

    委員長小林武治君) この際委員の異動について御報告いたします。  本日付をもって郡祐一君が辞任され、その補欠として大泉寛三君が委員に選任されました。   —————————————
  86. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 今の長官の答弁は一部了承いたしますが、全面的には了承いたしません。  時間がないから申し上げませんが、これは東京を例にとりましても、都道府県の第一線の警察官も十分でない、それを企画し、指導する本部の適当な人数というものは、やはり常識的に考えてあると思う。これは交通行政につきまして六人で企画、指導せよといっても、それは十分にはできないと思う。現に大臣は、大阪に出張され、また、東京でも視察されて、車はなめらかに動いて事故も起こらない。これは適正なる指導なりあるいは取り締まりが行なわれている証左になると思う。だからごもっともな御答弁の面もありますけれども、僕の先ほどの主張した面は、全面的に承服できないので、お聞き取りいただきたい。  第二点として伺いたい点は、簡単にお答えいただきたいのですが、よく論ぜられていることですけれども、交通事故についての罰金等が相当きびしく徴収されておりますが、これを安全施設のほうへ使えるようにするのが適当じゃないかという意見が世論化されつつありますですね、私は非常にりっぱな意見だと思うのですが、こういう問題はやっぱり交通閣僚懇談会等を通じて実現させるべき性質の問題じゃないかと思うのですが、長官の御所見を伺いたいと思います。
  87. 川島正次郎

    ○国務大臣(川島正次郎君) この問題はおっしゃるように世論的になってきまして、当然三十八年度予算編成の際の問題になると思うのです。その際にぜひとも研究いたしていきたいと、そういう気持でおります。
  88. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 最後の質問ですが、先ほどの秋山委員の質問にも関連するわけですが、行政の一元化については閣僚懇談会の対象にならないという御答弁がありましたですね、これは大臣、おかしいと思うのですよ。ということは、この前も僕は申し上げましたが、三十六年十一月にあなたみずから筆をとられて、国家公安委員長、運輸大臣、建設大臣に勧告書を送っておるわけですね、法に基づいて。そのあなたが世話役で閣僚懇談会に出ておれば、まず閣僚懇談会でこの勧告書は第一番に対象になるべきものだと思うのですよ。そうして、そこで、この意見調整をして、自分としてはこういうふうに勧告したのは適当だと思う。皆さん、どうですかと言ってまとめていく、閣僚懇談会の対象にこれがならぬということ、まず対象にならないのが問題だと思う。これは僕の意見です。で、あわせて伺いたい点は、先ほど大型車の車種別規制という問題があったわけですが、私、先ほどちょっと説明員注意をし、伺ったのですけれども、それは閣僚懇談会で大体警視庁の方針を了承したというようなことが報ぜられ、しばらく、旬日を経ずして再検討だということが、また活字あるいは電波を通じて国民に知らされる。警視庁の案だと言って。そうしますと、今度は運輸省から別の意見が出て、意見が対立しておるというようなことが報ぜられる、その真相の経過がいかにあろうとも、日々生命の危険にさらされている国民の立場から見ますと、一体政府は、行政府は何をやってくれているんだろうか、もう少してきぱき、お互いのなわ張り根性なしでやれないものだろうかという気持を、僕は納税者の、主権者の気持に立てば持つだろうと思うのですよ。管理庁長官は行政監察権を持たれておるわけですから、その立場からいえば、職権からでもにらみがきくわけですし、おまけに与党の大物となればそれにプラスされるものがあるわけですから、私は、閣僚懇談会あたりで、こういう国民の信頼感を弱めるようなことのないように関係各省に、行政監察権ごと注意を喚起して、早急に大局的立場で決定線を出されて一日も早く施行されるように御尽力をいただきたいということを願望をこめて大臣に伺いたいと思います。
  89. 川島正次郎

    ○国務大臣(川島正次郎君) 車種別規制の問題が警察庁警察庁立場から、また、運輸省は運輸省の立場からそういうような案を出しておるわけでして、両方で調整して、衝突したというわけではありません。これから調整しようと、こういう意味で閣僚懇談会に早く報告された、それが新聞に出たわけでありますが、前回の閣僚懇談会の際に、安井大臣とそれから運輸大臣との問で話がありまして、次の懇談会までに調整して早く報告するということになっております。交渉の過程で少し世間に出過ぎたので、いろいろの議論がありますけれども、これは内部で紛淆を来たしたのではないのです。紛淆を来たすまでいっておらないのです。これから調整ができればよし、調整ができなければ閣僚懇談会に持ち出してもらって、そこで決定しよう、それは次の閣僚懇談会までに報告してもらいたいということで今待っております。
  90. 小林武治

    委員長小林武治君) 質疑はこれにて尽きたものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  91. 小林武治

    委員長小林武治君) 御異議ないと認めます。これより討論に入ります。御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。
  92. 秋山長造

    ○秋山長造君 私は、社会党を代表いたしまして、本法律案に賛成するもの  であります。  本法律案の要点は、警察庁の内部部局として交通局を新設しようとするものでありまして、現下の深刻なる道路交通の事態に対処するための時宜を得た措置と思うのであります。しかしながら、今日の交通問題は、さきに本委員会において調査事件として究明し、引き続いて本法案の審査に際しましても、異口同音に各委員から指摘されたとおり、問題はきわめて広く、深く、かつ複雑多岐を加えておりますので、一交通局の新設によってのみ、その解決を期待するがごときことは全くのナンセンスであり、政府として緊急になすべきことがあまりにも多いのであります。よって私は、当面緊要と認められる次のような決議案を本委員会の決議として、政府にそのすみやかな実現を強く要望すべきことを付して、本法案に賛成するものであります。  次に、決議案の内容を朗読いたします。  以上であります。
  93. 野上進

    ○野上進君 私は、自由民主党を代表して、ただいま議題となっております警察法の一部を改正する法律案及びこの法案に対する附帯決議案、この両方とも時宜に適したものであり、これは適切妥当なものと考えますので、ぜひ満場の御賛成を得たいと思って賛意を表するものであります。
  94. 小林武治

    委員長小林武治君) これにて討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  95. 小林武治

    委員長小林武治君) 御異議ないと認めます。  これより採決に入ります。  警察法の一部を改正する法律案を問題に供します。  本案を衆議院送付案どおり可決することに賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  96. 小林武治

    委員長小林武治君) 全会一致でございます。よって本案は、全会一致をもって衆議院送付案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、諸般の手続等につきましては、先例によりこれを委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  97. 小林武治

    委員長小林武治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。  次に、秋山君の討論中に述べられました各派共同提出にかかる附帯決議案を議題といたします。  本附帯決議案を当委員会の決議とすることに賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  98. 小林武治

    委員長小林武治君) 全会一致と認めます。よって本附帯決議案は、全会一致をもって当委員会の決議とすることに決定いたしました。  本決議に対し、川島国務大臣及び小平総務長官からそれぞれ発言を求められておりますので、これを許します。
  99. 川島正次郎

    ○国務大臣(川島正次郎君) 附帯決議の御真意につきましては政府としては全面的に賛成をいたします。ただ、これを実施に移す点につきましてはいろいろの関係もありますので、なるべく急速にそれぞれやりたいと思いますけれども、多少の時間があることだけは御了解を願いたいと思います。
  100. 小平久雄

    政府委員(小平久雄君) ただいま川島大臣から御発言のとおり、私どもといたしましても御決議の趣旨に沿うて最善の努力をいたしたいと思います。
  101. 小林武治

    委員長小林武治君) 次回は、三月六日午前十時から開会のこととし、本日は、これにて散会いたします。    午後一時十一分散会      —————・—————