○
矢嶋三義君 条文の解釈等については次の機会にさらに伺いますが、しかし、各章の条文の字句について非常な配慮を払っているということは、私は十分認めますよ。だからあなたの今の答弁限りでわかるわけですがね。それにかかわらず、さっき私が申し上げたような不安と危惧の念があるということなんですね。
で、次回にしますが、もう一つ伺いたい点は、ほんとうに私
ども国民としては、社会の秩序維持、それからお互いの生命、財産の安全保護という立場から
警察官に期待するところは非常に大きいわけですよ。ある場合に私はほんとうに
警察官の労苦に対して感謝している。ある場合にはほんとうに憤慨して、けしからぬ、こんなのがいるかと思うことがあるわけですがね。これは国民の日々の生活に非常に直結している問題で、とてもそれは、防衛庁なり
自衛隊等のそれと、時限は、一方は大きな
戦争とか内乱のような場合であり、あなた方のはしからざる場合で、時限は違うけれ
ども、しかし、国民生活にとってしじゅう密着している点、
関心度等からいって比較にならないほど、私は警察の問題というものは国民の
関心事であり、重大だと思うんですね。
それで、
警察法の
審議その他のときにさらに伺いたいと思うのだが、
警察官の人数ははたしてこれで適当なのか、それから
処遇は適当なのか、それと関連して
素質、能力というものは十分なのかどうかというような問題が私はあると思うんですよ。で、適当なる数と質と捜査能力を持ってもらわなければならぬと思うんですね。そこで私はこれに関連して、当面非常な
関心事である具体的な問題、捜査能力に関連して伺っておきますが、佐世保の工業高等専門
学校で入学試験のときに答案がなくなった。これは僕はしろうとで考えてもきわめて簡単な事件だと思うんですね。これが試験の前日に盗まれたわけですが、試験の当日にこれが見つかったわけですね。これは直ちに検挙できて——そうして千六百枚、八科目も盗まれたというのですが、それがいやがらせか何かで、どっかでまとまってその答案用紙が発見できれば、犯人があがって、それがどこにしまわれてどういうふうに使われたかということがわかれば佐世保工専を受けた者も安心するでしょうし、これは
全国国立
高等学校共通の問題としてやったので、受験者はもちろん父兄にとっても非常に不安が解消されると思うんですね。ところが、こういう検挙は、本日まで犯人があがったということを私は聞いてないわけです。非常に遺憾に思っておるわけですが、こんなものは延びてしまえば——一体九科目試験項目があるのに、八科目試験をして、しかもそれが千六百枚紛失しておる。であったならば、佐世保工専自体の試験は私はやり直さなければならぬと思う。そしてまた、熊本にも電波
高等学校があるし、これはどういうようにこれが伝わっているかわからぬし、
全国の
高等学校の入学試験の問題に重大な
影響を与える問題だと思うのです。それで私は、きのう、答弁できるように準備してきてほしいとお願いしたわけですがね。あの事件あたりはきわめて簡単なことで、どうして犯人があがらないか、何か捜査に手かげんなり、遠慮しているのじゃないかというような感情を私は持つわけですがね。だからきのうお願いしておいたのですが、どういう報告がきておるか。犯人の検挙の見通しがあるのか。
それから
文部省については、これは文教
委員会ではないから深くはここでやらないけれ
ども、しかし、昨年
全国の国立大学にあれだけの入学試験に関して不祥事件が起こって、国会から注意を喚起せられておりながら、ことしの公立
学校の入学試験のトップの問題に——ミスの問題はきょうは触れません、警察
関係ですから。第一答案用紙をロッカーに入れて、そのかぎをそこらの机の引き出しに入れておいて、そしてあけられたなんというのは、そういうことで一体国民のサーバントとして済むものかどうか。そして本日まで
文部省としては警察におすがりして、早くその犯人を見つけていただいたらいいだろうと思っておるが、まだ見つからぬということになると、当然これは佐世保工専の試験はやり直さなければならぬ。ひいては
全国商船
学校、電波
学校、それから工業高専、これら全部で十九校あると思うのですがね、これらの入学試験をやり直すという問題が起こってくると思うが、これらの点については、一体
文部省はどういう見解を持ち、警察当局とはどういう
連絡を持ってやられておるのか。これは現在の
子供を持つ親御さん、それから受験年令にある学生、
生徒、児童にとっては非常な
関心事で、重大な問題だと思うのです。だから私は、警察の捜査能力とあわせてその点伺いたいと思います。