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1962-02-27 第40回国会 参議院 地方行政委員会 第10号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十七年二月二十七日(火曜日)    午前十時四十二分開会   —————————————   委員異動 二月二十四日委員西田信一辞任につ き、その補欠として増原恵吉君を議長 において指名した。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     小林 武治君    理事      野上  進君            増原 恵吉君            秋山 長造君    委員      小柳 牧衞君            西郷吉之助君            津島 壽一君            鍋島 直紹君            湯澤三千男君            鈴木  壽君            矢嶋 三義君            中尾 辰義君            杉山 昌作君   国務大臣    国 務 大 臣 安井  謙君   政府委員    中央青少年問題    協議会事務局長 深見吉之助君    警察庁長官   柏村 信雄君    警察庁長官官房    長       宮地 直邦君    警察庁刑事局長 新井  裕君    警察庁保安局長 木村 行蔵君    文部政務次官  長谷川 峻君    文部大臣官房長 宮地  茂君   事務局側    常任委員会専門    員       福永与一郎君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○理事辞任及び補欠互選の件 ○銃砲刀剣類等所持取締法の一部を改  正する法律案内閣提出) ○質屋営業法及び古物営業法の一部を  改正する法律案内閣提出) ○警察法の一部を改正する法律案(内  閣提出、衆議院送付)   —————————————
  2. 小林武治

    委員長小林武治君) ただいまから委員会を開会いたします。  初めに、委員異動について報告いたします。  二月二十四日付をもって委員西田信一君が辞任され、その補欠として増原恵吉君が委員に選任されました。
  3. 小林武治

    委員長小林武治君) 理事辞任許可についてお諮りいたします。  理事の館君より、都合により理事辞任したい旨の届出がありました。これを許可することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 小林武治

    委員長小林武治君) 御異議ないと認め、さよう決しました。  つきましては、直ちにその補欠を互選いたしたいと存じますが、ただいま報告のとおり理事西田君が委員辞任されましたことにより、別に理事一名が欠員となっておりますので、この際あわせてその補欠互選を行なうこととし、いずれもその指名を委員長に御一任願うことに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 小林武治

    委員長小林武治君) 御異議ないと認め、野上君及び増原君をそれぞれ理事に指名いたします。
  6. 小林武治

    委員長小林武治君) 次に、銃砲刀剣類等所持取締法の一部を改正する法律案を議題といたします。  御質疑のある方は順次御発言を願います。
  7. 木村行蔵

    政府委員木村行蔵君) 前々々回に秋山委員から御要求がありました資料について、その後まとまりましたので、三点御報告申し上げたいと存じます。  第一点は、現在の銃刀法関係におきまして、警察官その他法令に基づいて職務のために拳銃所持を認められているものが、総数どれくらいあるかという資料でございますが、この点について御報告申し上げたいと思います。全体といたしまして、十三万七千九百三十一丁。このほかに自衛隊関係が約一万六千丁ございます。その自衛隊の一万六千を除きまして、その他の数が全体で十三万七千九百三十一丁ございます。その内訳を申し上げますと、警察官皇宮護衛官、これが十二万九千五百五十二丁。それから海上保安官及び海上保安官補、これが四千二百三十五丁、それから監獄官吏これが一千九百八十六丁。それから鉄道公安職員が千三十丁、その他税関職員入国審査官麻薬取締官、比較的数が少のうございますので、その他は数字を申し上げませんが、それで全部で十三万七千九百三十一丁でございます。  それから第二点の資料について申し上げますと、戦前におきまして、当時許可されていた拳銃の数はどれくらいあるかという資料でございますが、戦前におきますところの拳銃所持許可数につきましては、実は明確な記録がありませんので、一応推定を申し上げたいと思いますが、警視庁管内状況について調べてみましたところ、昭和十二年に戦争が始まったその当時、警視庁管下所持許可をしておりました拳銃を、戦争が始まると同時に、一括警視庁保管するために警視庁に集めました。そのときの数が約二千丁でございます。この警視庁の二千丁から推定いたしまして、全国で約二万丁くらい所持許可数があったと推定されます。これはその後本人が軍人として出征するとか、軍属になりますとかというような際に、逐次携帯させることにいたしましたので、昭和二十年の終戦当時には、警視庁保管していた拳銃の数は約七百丁でございます。この七百丁は、駐留軍武器回収の命令によりまして、全部進駐軍に回収いたされたのであります。  それから資料の第三点といたしまして、昭和三十三年六月に警察庁長官から在日米軍司令官にあてまして、拳銃管理方及び不法所持防止方について厳重に申し入れをいたしましたその後の状況について申し上げますと、この前のときに御報告申し上げましたのは、三十四年と三十五年だけでございましたけれども、三十三年も明らかになりましたので御報告申し上げたいと思います。三十三年の状況は、拳銃押収総数が三百五十六丁ございまして、それで駐留軍関係から出ましたのが九十九丁ございます。したがいまして、出所駐留軍関係になっておりますのが、全体の二八%でございます。この前、秋山委員から御指摘になりました七十四丁と申しますのは、三十三年四月から十二月の統計でございますので、一年全体でございません。今度一年全体として出ましたのが九十九丁であります。それから三十四年は押収拳銃総数が三百三十九丁でございまして、その中で出所駐留軍関係から出ておりますのが八十八丁でございます。これが全体の二六%。三十五年は押収拳銃総数が三百八十九丁でございまして、駐留軍関係から出ましたのが七十一丁でございまして、全体の一八%ということで、逐次駐留軍関係から出ておる拳銃は減っております。  以上三点御報告申し上げます。
  8. 小林武治

    委員長小林武治君) 速記をとめて。   〔速記中止
  9. 小林武治

    委員長小林武治君) 速記を始めて。
  10. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 若干お伺いいたしますが、この法案の要綱並びに提案理由を承りますと、もっともな面も多々あります。もう少し早くやってよかったのじゃないかと思う点もありますが、私拝見したところ、法律案要綱の第一と第七、この点について提出された皆様方趣旨をさらにお伺いしてみる必要があると、かように感じているわけですが、どうしてもこういう第一項、第七項のような改正をしなければならない、こういうように感じられている点を簡単にひとつ御説明いただきたいと思います。
  11. 柏村信雄

    政府委員柏村信雄君) 今回御審議を願っておりまする銃砲刀剣類等所持取締法の一部を改正する法律案の今御質問の第一の点でございますが、これは、飛び出しナイフというものが非常に犯罪の用に供される傾向が強くなってきておるわけでございます。もっとも昨年の審議未了になります前いろいろ御審議を願っております過程におきまして、業者ともいろいろ懇談をいたしまして、飛び出しナイフ製造等については、目下非常に自粛が徹底いたしまして、最近では製作ということもほとんど行なわれない状況になっておりますので、きわめて最近の状況としては、犯罪の用に供される度合いがやや薄くなっておるように見受けられるのでございますけれども、しかし、そうした危険の潜在性というものは現在いたすわけでございますので、この際やはりはっきりと飛び出しナイフについては全面的に禁止をしていくのが時勢に合う措置ではないかというふうに考える次第でございます。  それから要綱の第七でございますが、これは一時保管を除きましては、事実上警察法二条によりまする警察官責務として当然行なわなければならない、また、行なう権限のあるものであるというふうに、私どもは理解をいたしておるわけでございます。しかしながら、そういう警察法に基づく警察官責務を遂行するについての行動基準というものが明らかに示されておるということが、警察官責任感を強める、また自信をもって必要な行為は行ない得る、それからまた、一般の人にとっても、警察官のここまでの行動が認められるということに対して受忍の義務が当然出てくるわけでございますので、その受忍の限界というものを、一般の人にもわかる民主的な法の建前といたしまして、やはり丁寧に法律をもってそういう基準を示しておくことが適当であろうというふうに考えるわけでございます。  さらに一時保管につきましては、現行の法制上は、全く任意で提出するというような場合はともかくも、ある程度心理的に影響を与えて保管するというようなことは、現行法上は許されないところでございますので、保管されることによって気持も落ちつき、犯罪に至らないで済むというようなことも非常に可能性が大きいわけでございますので、新たに保管の規定というものを設けることにいたしたいという趣旨でございます。
  12. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 まことにおかしな質問になるかと思いますが、私は生まれて本日まで飛び出しナイフというのを使ったことがないのですが、これをあなたにお伺いするのは適当かどうか知りませんが、飛び出しナイフというのは、ぜひともなくてはならないものかどうか。それから子供ナイフによる事故が最近多いのですが、一体小中学生、高等学校あたり生徒が飛び出しナイフをどのくらい使っておるものか。それから学校教育の場ではどういう指導をなさっておられるのか。お答え願いたいと思います。
  13. 柏村信雄

    政府委員柏村信雄君) 飛び出しナイフにつきましては、あとで現物をごらんに入れたいと思いますが、ボタンを押すということでぴっと出るのでありますから、そういういわゆる便利な道具であることは間違いないわけでございまするが、いろいろ登山専門家であるとか、いろいろな作業についてのそれぞれの業態について伺ってみますると、どうしてもなければならないようなものではないということで、いわゆる効用の面からいっても必要なものであるということにはならない、それから危険性は非常にある、好奇心をそそる、というようなことで害悪の面が非常に多いというようなことから、今回これを全面的に禁止しろということにいたしたのでありますが、学校教育関係は、文部省のほうからお答えがあるかと思いますが、学校においても、飛び出しナイフを特に使わせるということはもちろん考えておられませんし、できるだけ持たないようにするという指導方針のように承っているわけであります。これをどのくらい持っているかということは、私ちょっとあれでございますから、係のほうから御説明いたします。
  14. 木村行蔵

    政府委員木村行蔵君) 補足してお答え申し上げますが、ただいま長官からお話がありましたように、登山用とか、あるいはそのほか電気工夫といいますか、電工とか自衛隊のパラシュートというような考えられる面がございますが、実際はほとんど使っておりません。数字的には申し上げるほどのものはありません。ほとんど社会的に正しい効用としてはございません。
  15. 長谷川峻

    政府委員長谷川峻君) ただいま矢嶋委員から、刃物による学校生徒犯罪などのお話がありましたが、今、三十五年の警察庁の調べを見ますと、十一才から十九才までの刃物による少年の犯罪千百四十四件、そのうち飛び出しナイフによるものが百七十四人、小学生が一人、中学生は十三人、高校生徒は六十五人という数字を私は拝見して、実は驚いているのですが、そこで、文部省といたしますれば、何といたしましても学校の場で、こういう凶器になるようなものを持参されて、子供たちがかっとなった瞬間に、そういうもので殺傷をするというふうなことはたいへんなことでございますから、刃物をなくす運動と相呼応いたしまして、青少年刃物による犯罪防止並びにその事故を未発のうちに防ぐという意味から、中央青少年問題協議会とか、あるいは関係各省、さらにまた各県の教育委員会、それからPTA、そういう方々にこれが趣旨の徹底をはかって参りまして、そして一方にまた、学校でやはりよくこういうもののあぶないことを教えてもらわなければなりませんから、小学校の場においては、道徳の時間あるいは高等学校の社会の時間などにおいて、これが取り扱いについて、格段に注意をするようにお願いしておる次第でございます。
  16. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 国務大臣がお見えになっておられないのですが、大臣相当官として政務次官にお伺いしたいと思うのですが、警察庁から出された資料を見ますと、飛び出しナイフ生産というのは、岐阜県の関市が主だ、年間、昭和三十五年において約五千七百万円何がし程度なんですね。しかし、製造総数は、先ほどの長官の言葉に反して五、五センチをこえるものについては非常にふえています、この資料では。その後のことは知らない、わからないのですけれども、しかし、生産高というものは五千八百万円足らずのものですね。それで、こういう業者の生活なり、生産に関する、今まで許可されていた既得権というものも、これらの法律改正をやる場合には考慮しなければならぬと思うのですが、それほどなくてはならないものであり、しかも、実際は非常に犯罪に用いられていることならば、これらの生産業者に対する転業資金援助とか、そういう生活保障の面もあわせ考え、政策を進めることも一つの行き方だと思うのですよ。警察庁から出された資料を見ますと、飛び出しナイフ犯罪供用では五九・二%が二十才未満となっている。今の政務次官の提示された数と合致すると思うのですが、約六〇%というものは未成年者によって使用し、そして犯罪に供されておるわけですね。したがって、これらの点については指導と補導、強力なる施策も必要ではないかと私考えておるわけですがね。そういう点について、国務大臣がおられないのですが、簡単に政務次官並びに警察庁長官の御見解を承っておきたいと思います。
  17. 長谷川峻

    政府委員長谷川峻君) たしか刃物をなくす運動が国会で一昨年以来出て参りましてから、お説のように製造元である地区から、実はこれは非常に自分たちの商売に差しつかえることだというお話があったことを、私も、当時は政務次官ではありませんでしたけれども、了承しております。そこで地元の先生方が心配されて、これの政策の転換、あるいは転業資金とか、そういうふうな問題についても心配されていることを私は当時耳にしております。その後の経過については、今のところ御報告申し上げる資料はありませんから、なお研究調査いたしまして、御趣旨に沿うように、生活権を脅かさないで済むように、といって、社会的に非常に影響のあるものを作ってもらっても困ることですから、その方向に進んで参りたい、こう思っております。
  18. 柏村信雄

    政府委員柏村信雄君) この飛び出しナイフ製造がほとんど関市で行なわれておりまして、業者からもいろいろと注文もございまして、話し合った結果、全面的に禁止するという方針については協力する、ただ、いろいろ転業その他資金の融通を受けなければならぬ、また、現在、在庫のものを返品するというようないろいろ問題もあるということから、通産省のほうとも話し合いまして、必要な融資措置を講ずるということもいたしておるわけでございまして、業界のほうは一応そういうようないろいろの施策によって落ちついて、許される範囲の飛び出しナイフにつきましても、この法文にございますように、先をまるくするというようなものについては、これの製造を認めるというようなことで、そういう生産面についても、まるっきり転業するという業者以外におきましても、生計の道を考えてやるというようなことで、一応落ちついておるような状況でございます。
  19. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 そういう点は適切だと思います。そこで、先ほど政務次官からお話がありましたように、刃物を持たない、持たせないというような国民運動が非常に活発に展開された、そうして相当な成果をあげたということも、私はけっこうなことだと思うのですが、最近三日坊主に終わったのじゃないかというような感じを私は受けておるわけなんですが、こういう運動は私は強力に継続してやるべきだと思う。先般の委員会で、私は総理府総務長官出席を求めておったのですが、きょうはお見えになっていないのですけれども、やはり若干文部省関係があることですから、政務次官に伺いたいと思うのですがね。私は、報道とか放送等中央統制国家統制というものが厳にあってはならないと思うのですが、しかし、おとなが配慮すべきこととして、ああいう持たない、持たせないという運動をしておるけれどもね、映画、ことにテレビ等西部劇等影響というものは、この資料からいって二十才未満の者が多いわけなんですが、影響は甚大なるものがあると私は思うのですがね。町中へ出ても、ちっちゃな子が両側にピストルをこう入れて、そうしてナイフを持ったようなスタイルですね、こういうものをしている子供がおりますがね。小さいときはそういうことに関心を持つ人間の動物的——動物的といえば失礼かもしれないが、そういう本能的なものがあると思うのですね。それらは教育とか環境とかでコントロールできることだし、コントロールせなければならぬと思うのですね。そういう動物的な野性的なものがコントロールされることなく、助長されるような環境雰囲気であるということは、これはこれを形成しているおとなの重大なる責任だと思うのですね。で、こういう点を重視することなく、法律銃砲刀剣類等所持云々だ、それから警察官が第一線で取り締まり云々だとやっても、そういうものは僕は総合的な力でないと思うのですね。こういう点にもう少し積極的な配慮がなさるべきではないか。いつぞや僕は新聞で拝見したのだが、お寺の坊さんが手製ピストルを作って売ってもうけておったというのがあったが、これは一人の人が摘発されて報じられたわけですけれども、そういう坊主がガン・ブームに乗って手製ピストルを作って、それを売ってもうけてそれで酒を飲んだり、キャバレーへ行ったりするというその坊主が一人出るというその背後にあるものをやはりわれわれ考えなければならぬと思うのです。そんな坊主は一人しかいないのだということで済まされないものだと思うのです。そんなものがただぽこっと出てくるものじゃないので、こういう点に対するまあ大きくいえば指導者指揮者おとなの良識に待たなくちゃならぬことなんですが、しかし、政治、行政面でそういう雰囲気を作っているという方向づけというものが矯正なされなくちゃならぬと思うのです。そういう点を全くやってないとは僕は言いませんけれども、非常に欠けているものが日本の国にはあるのじゃないか、こういうふうに私は感じておるのですが、その点いかがですか。御所見を承りたい。
  20. 長谷川峻

    政府委員長谷川峻君) 私のかわりに青少年問題協議会事務局長でよろしゅうございますか。
  21. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 どうぞ。
  22. 深見吉之助

    政府委員深見吉之助君) ただいま御指摘刃物を持たない運動は、中央青少年問題協議会が、昭和三十五年の十二月に提唱をいたしまして、文部省警察庁その他の援助を得まして、むしろ予期以上の成果を得たわけでございますが、しかし、これはそのままで、そのときだけの運動ではないのでございまして、現在もその精神を継続してやっておりますが、ただ現象として刃物を持たない、取り締まるというだけではいけないと存じまして、これを精神運動に持ち込みまして、あらゆる機会に青少年対策協議会その他ございます際に、かような刃物を持たない、刃物による暴行等の行なわれないという精神運動を引き続いて行なって参っておるような次第でございます。ただいまテレビラジオ等による刃物場面の刺激的な問題についての御指摘がございましたが、われわれはこの点はかねてからマスコミ関係者と十分に懇談をいたしておりまして、その結果と申しますか、NHKにおきましては、現在は殺傷場面は極力これを自粛しております。ただ民間テレビにおきまして、御承知のとおりの場面が多うございまして、昨年も二度ばかり民間放送関係者懇談をいたしましたが、今年は去る二月の十五日に全国民間テレビ放送編成局長あるいは、考査局長等十九名を総理府に集めまして、総務長官出席され、警察庁からも出ていただいて、また、民間の有識者も数名出ていただきまして、最近のテレビ状況、それから特にピストル刃物等による刺激的な場面青少年にどんな影響を与えているかという点につきまして情報を交換し、意見を交換し、放送局側自粛を促して、放送局側放送倫理関係委員長出席しておりまして、今後大いに当然われわれもその点は自覚しておるわけだから、でき得る限りさような場面の少なくなるようにいたしたい、こういう懇談をいたしたわけであります。今後ともにこの点につきましては、十分に業者連絡をとって、さような場面が一日も早くなくなるように努力いたしたい、かように考えております。
  23. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 時間が延びますから、私は、この点については一応そこで質問をとどめて、今の青少年問題協議会事務局長さんの答弁は了とし、さらに自主的に、民主的にそういう方向に前進するような御努力を願いたいと思います。  次に、もう十分ばかり伺わせていただきたいのですが、第二十四条関係は、この改正案要綱第七項に該当して参るわけですが、条文解訳、内容に専門的に入ることは、本日は私は時間の関係上入らないで、その前提になる総括的なものを少し聞いてみたいと思うのです。このあなたのところから提出された資料に、外国の立法例等が出されております。要は、前提としては、私はこの前の参考人意見にも一部出ておりますが、警察官教養がいかなるものであるか、それからそれに基づいての、法に基づいての職務執行の態度、心がけと申しますかね、僕はその一語に尽きると、そこが一番重要だと、かように考えるものですが、先般新聞で承ると、自衛隊は上野駅とか、ああいう人の集まる所へ連絡部の者が行って、そうして隊員の一部を募集しているということが報ぜられて、衆議院で問題になったのですが、一部にしても、これは本委員会なり予算委員会で問題になると思うのですが、きわめて私は重大なことだと思いますね。日本経済関係がこういう状況になると、警察官処遇の問題と合わして警察官の質の向上、そういう点についても苦慮される点がある。警察官処遇の問題についても、若干私見を持っているので、所見を述べて伺いたいと思っているのですが、きょうはこの時間はないわけですが、それで伺いたい点は、警察官募集——応募状況と、それと合わせて質の向上という点について、現在の状況長官としてどういうふうに把握されて、それから不十分な点をどういうふうに認識をして、それに対していかなる対策を推し進められておられるのか、それを伺いたいと思います。
  24. 柏村信雄

    政府委員柏村信雄君) あらゆる法の執行につきまして根本に大事な問題は、やはり警察官素質の問題であろうと思います。この点は矢嶋委員の御指摘のとおりでございます。私ども警察官素質向上ということにつきましては、平素から最大の関心を払っておるところでございます。これにはまず素質のいい者を採用するということから始まりまして、教養に十分の力を尽くしていくという考え方でございます。もっとも最近のように景気がよくなりまして、数年前までは十人ないし十五人に一人というような採用率と申しますが、応募者が結局十倍、十五倍というふうな多数であったのでございますが、最近は漸次減って参りまして、現在は三人ないし四人に一人というふうな状況でございます、しかし、募集につきましては、大体いなかの県におきましては、その県内を中心とし、東京、大阪とかというふうな大都市を含んだところになりますと、地元以外に、警視庁あたりにおきましては、関東、東北あるいは遠く九州方面からも応募者があるというような状況でございます。この教養につきましてては、まず採用いたしました者を、一年間都道府県の警察学校において初任教養をいたします。その後、第一線に出しまして、巡査部長になる者についての教養または警部補になる者についての教養、警部になる者についての教養というふうに、逐次管区学校及び警察大学校において教養いたすわけでありますが、一昨年以来、初任教養についてさらに充実をして参りたい。しかし、いろいろ第一線の勤務からそれだけ減らすわけでございますので、勤務の都合等も考えまして、十分検討いたした結果、一昨年から初任教養一年間を終わった者を第一線に出しまして、これを大体半年くらい第一線の勤務につかせまして、その後、これを全部管区学校に収容をいたしまして、四カ月の補習教育をするということにいたしておるけわでございます。これはもちろん、警察の基本的な知識を授けるということも重点でございまするけれども、それ以上に、人格の高揚、それから心身の強健な者を作っていくということに重点を置きまして、四カ月の補習教育におきましては、まんべんなく一年前に教養したものを復習させるということでなしに、重点的に教養科目をきめて、強い、明るい、また、情操等に富んだ警察官を作るように努力をいたしておるわけでございます。今後も、そうした学校教養以外におきましても、職場、また、宿舎等につきましても、できるだけ、あたたかいと申しますか、人間的なものを深めていくような教育というものに力を注いで参りたいというふうに考えておる次第であります。
  25. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 その答弁は了として、そういう点で努力している点は、私も認めます。しかし、十分でないということと、その面だけではいかないと思うのですね。私はやはり、多くはその末端の面と、それから中枢高層部のあり方というのが、その国の警察のあり方、警察官職務執行に密接な関係があると思うのです。今の日本の——これは他日意見を伺いたいと思うのですけれども、しかし、一言言えば、今の警察のあり方が、旧憲法時代よりはるかによくなっていることは当然であります。しかし、やっぱり現状においても、警察のあり方というものは、結局、その国の政府なり政党が、警察というものがいかにあるべきと考え、それを実践するかにかかると思うのですね。そのことは、警察庁長官の、職務執行するときの基本的態度、心がけ、あなたの指導、監督、指示を受けて、多く末端警察職員の行動の一つ一つにも影響してくるわけで、現状の日本の警察は十分とは言えない。個人的には、今の長官はまれに見るりっぱな人だと思っておりますけれども、問題があると思うのです。だから、この内容はきょうは触れませんけれども、私は、やっぱり乱用ということは、日本の現状の警察では心配になる。それをいかにして防ぐ方法があるかということで、この法律案を読みながら苦慮しているわけです。まあ戦後のことですけれども、思い出したことを一つ例をあげれば、私の郷里で例の菅生事件が起こったわけです。僕の郷里のことで僕は関心を持っておったのですけれども、あの菅生事件のときは、共産党員という連中が逮捕されたときに、あの付近に牛のどろぼうが出るからということで、警察官が牛どろぼうをつかまえるという名義のもとに待機しておった。そして、駐在所が爆破されたというので、未然に牛どろぼうを逮捕するために来ておった数百の警察官が、交番所が爆破されたからというので、共産党員をつかまえたというのが菅生事件。長い問裁判が行なわれて、日本の裁判所がどういう決定を出されたかということは御承知のとおりでありますのが、これらは共産党員をひっつかまえるために、窃盗容疑者をつかまえるという法を運用したわけですね。これは一つの例ですけれども、もし、日本の警察が今の状態でいけば、こういう法律を制定する必要が、日本にそういう情勢がありながらも、これを成立させ公布施行した場合に、はたして適用——そう人権が侵犯されないように適当に運用できるかどうかという点について危惧の念があるのです。これは非常に自分ながら遺憾のことだと思うのですね。先般の参考人の公述要旨を見ても、一橋大学の市原助教授は、行政目的の範囲内だからやむを得ないだろうという公述をされておる。それから早稲田大学の有倉教授は、行政目的だけでなくて、犯罪捜査と密接な関係がある刑事目的の一部も入るようだから、やはり憲法上からいっても問題があるのじゃないかという示唆を含む公述をされておりますが、きょうのところ伺っておきたい点は、それらの学者なり国民、この法案を審議しておる私個人等が持っておるそれらの危惧の念に対しては、法案提出者としては、どうお考えになるか、どういう見通しと決意があられるのか、その点について伺いたい。
  26. 柏村信雄

    政府委員柏村信雄君) この法律をごらんになるとおわかりになりますように、この法の目的は行政目的でございます。したがいまして、憲法第三十五条に抵触するという、いわゆる憲法違反の疑いは、私は全くないものであろうというふうに考えておるわけでございます。もちろん、法が適正に行なわれ、少なくとも、第一線の警察官の判断に待つことでありますので、その警察官が恣意にわたるような判断をなし得ないように、できるだけ法律の規定におきましても、詳細に客観的な要件を明記いたしておるわけでございます。たとえば「警察官は、銃砲、刀剣類又は第二十二条に規定する刃物を携帯し、又は運搬していると疑うに足りる相当な理由のある者が、」という人についてのしぼり、また、その人が「異常な挙動その他周囲の事情から合理的に判断して他人の生命又は認体に危害を及ぼすおそれがあると認められる場合においては、」ということで、こういうふうな客観的な要素を警察官が判断の基礎にするということをいたしておるわけで、警察官が単に怪しいぞというような主観でなしに、ここまで十分に規定を明記して、警察官の判断をできるだけしぼっておるというような点、しかしながら、今御指摘のように、最終的にはやはり個々の警察官の判断になるわけでございますので、この警察官につきましては、先ほど申し上げましたように、十分に教養を徹底し、また、学校教育等におきましても、単に法文の講義ということでなしに、具体的に、近ごろはそういうふうな教養を、捜査その他すべてやっておりますが、如実にそういう状況を出して、その場合の質問の仕方、警察官措置のあり方というようなことについて具体的に指導するような教養方法をとっておるわけでございます。  そういうことで、最終的にはやはり警察官素質の問題になりますので、この点については十分に注意をし、教養を重ねて参りたいというふうに考えておりますが、少なくとも、刃物についてこれだけしぼっておきますれば、私どもとしましては、これが乱用されて世間の指弾を受けるといういうようなことはまずあるまいというふうに私どもは考えておるわけでございますし、さらにまた、昨年衆議院においてほぼこれと同じような法案が可決される際におきまして、附帯決議として、やはり職権乱用にわたらないようにというような御注意もございましたので、その点もさらにこの法文の中に明記をいたしまして、いやが上にも注意を怠らないようにするような措置を講じておるわけでございます。
  27. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 条文の解釈等については次の機会にさらに伺いますが、しかし、各章の条文の字句について非常な配慮を払っているということは、私は十分認めますよ。だからあなたの今の答弁限りでわかるわけですがね。それにかかわらず、さっき私が申し上げたような不安と危惧の念があるということなんですね。  で、次回にしますが、もう一つ伺いたい点は、ほんとうに私ども国民としては、社会の秩序維持、それからお互いの生命、財産の安全保護という立場から警察官に期待するところは非常に大きいわけですよ。ある場合に私はほんとうに警察官の労苦に対して感謝している。ある場合にはほんとうに憤慨して、けしからぬ、こんなのがいるかと思うことがあるわけですがね。これは国民の日々の生活に非常に直結している問題で、とてもそれは、防衛庁なり自衛隊等のそれと、時限は、一方は大きな戦争とか内乱のような場合であり、あなた方のはしからざる場合で、時限は違うけれども、しかし、国民生活にとってしじゅう密着している点、関心度等からいって比較にならないほど、私は警察の問題というものは国民の関心事であり、重大だと思うんですね。  それで、警察法審議その他のときにさらに伺いたいと思うのだが、警察官の人数ははたしてこれで適当なのか、それから処遇は適当なのか、それと関連して素質、能力というものは十分なのかどうかというような問題が私はあると思うんですよ。で、適当なる数と質と捜査能力を持ってもらわなければならぬと思うんですね。そこで私はこれに関連して、当面非常な関心事である具体的な問題、捜査能力に関連して伺っておきますが、佐世保の工業高等専門学校で入学試験のときに答案がなくなった。これは僕はしろうとで考えてもきわめて簡単な事件だと思うんですね。これが試験の前日に盗まれたわけですが、試験の当日にこれが見つかったわけですね。これは直ちに検挙できて——そうして千六百枚、八科目も盗まれたというのですが、それがいやがらせか何かで、どっかでまとまってその答案用紙が発見できれば、犯人があがって、それがどこにしまわれてどういうふうに使われたかということがわかれば佐世保工専を受けた者も安心するでしょうし、これは全国国立高等学校共通の問題としてやったので、受験者はもちろん父兄にとっても非常に不安が解消されると思うんですね。ところが、こういう検挙は、本日まで犯人があがったということを私は聞いてないわけです。非常に遺憾に思っておるわけですが、こんなものは延びてしまえば——一体九科目試験項目があるのに、八科目試験をして、しかもそれが千六百枚紛失しておる。であったならば、佐世保工専自体の試験は私はやり直さなければならぬと思う。そしてまた、熊本にも電波高等学校があるし、これはどういうようにこれが伝わっているかわからぬし、全国高等学校の入学試験の問題に重大な影響を与える問題だと思うのです。それで私は、きのう、答弁できるように準備してきてほしいとお願いしたわけですがね。あの事件あたりはきわめて簡単なことで、どうして犯人があがらないか、何か捜査に手かげんなり、遠慮しているのじゃないかというような感情を私は持つわけですがね。だからきのうお願いしておいたのですが、どういう報告がきておるか。犯人の検挙の見通しがあるのか。  それから文部省については、これは文教委員会ではないから深くはここでやらないけれども、しかし、昨年全国の国立大学にあれだけの入学試験に関して不祥事件が起こって、国会から注意を喚起せられておりながら、ことしの公立学校の入学試験のトップの問題に——ミスの問題はきょうは触れません、警察関係ですから。第一答案用紙をロッカーに入れて、そのかぎをそこらの机の引き出しに入れておいて、そしてあけられたなんというのは、そういうことで一体国民のサーバントとして済むものかどうか。そして本日まで文部省としては警察におすがりして、早くその犯人を見つけていただいたらいいだろうと思っておるが、まだ見つからぬということになると、当然これは佐世保工専の試験はやり直さなければならぬ。ひいては全国商船学校、電波学校、それから工業高専、これら全部で十九校あると思うのですがね、これらの入学試験をやり直すという問題が起こってくると思うが、これらの点については、一体文部省はどういう見解を持ち、警察当局とはどういう連絡を持ってやられておるのか。これは現在の子供を持つ親御さん、それから受験年令にある学生、生徒、児童にとっては非常な関心事で、重大な問題だと思うのです。だから私は、警察の捜査能力とあわせてその点伺いたいと思います。
  28. 柏村信雄

    政府委員柏村信雄君) 今の学校の試験問題の点につきましては、あとで刑事局長から申し上げます。その前に、前段でお尋ねのありました警察官の数、素質、待遇の点についてお答え申し上げたいと思います。  警察官の数につきましては、本年度まで三カ年で一万の増員をしていただきまして、約十三万の警察官を持つわけでございますが、この数をもって十分であるかどうかという点につきましは、諸外国の例と比較し、また、わが国の警察対象事案の多いというような点からいきまして十分とは申せないと私は考えておるわけでございます。また、待遇につきましても、警察官の勤務状況から見まして、さらにこれを改善していく必要があるというふうに考えておるわけでございまするが、また、待遇がよくなるということが、大量観察的に見ますれば、警察官素質向上する非常に大きな力にもなるものではなかろうかというふうに考えておるわけでございます。ただ私、戦前、戦後を通じて警察に職を奉じております経験から申しますと、最近は、警察官素質というものは、逐次、向上してきておる。少なくとも戦前における警察官よりは知識の程度におきましても相当の開きをもって向上しておるということが言えまするし、また、その気魄、能力というような点につきましても決して戦前に劣らないものがあるというふうに私は確信を持っておるわけでございます。戦前におきましても、まあ世界第一、第二といわれた日本の警察でございまするけれども、決して戦前日本の警察に現在の警察官というものが劣るものでないということだけは私は申し上げられると思います。ただ、時世の進展に伴いまして、さらに素質向上していく。そのためには待遇もさらに改善していく必要があるというふうに考えておる次第でございます。  先ほどお尋ねの佐世保の問題は、刑事局長から……。
  29. 新井裕

    政府委員(新井裕君) 御承知のように、この事件は二十三日朝発見された事故でございまして、発生の時間は大体前の日の十二時ごろから朝八時半ころまでの間に行なわれたと推定されるのでありますが、どういう事情があったか知りませんけれども、警察に届出がございましたのは四時半なのでございます。こういうふうに発生から届出まで半日以上経過しておるということが、われわれのほうの捜査に非常な支障を来たしておるのであります。それからもう一つは、御承知のように、二十四日は試験でございまして、この関係者は全部試験の管理をいたす人々ばかりでございますので、そのほうの捜査試験が済まないと進められないという状況がございましておくれておるわけでありますが、何といいましても、この取られました状況が非常に内部の事情に詳しくなければ取られないという状況のようであります。そういうふうに、発生から届出まで、おくれておりますので、いろいろ推定をしなければならない点があるのでありますが、たとえばこの教育委員会の事務局の部屋は二つ入口がございまして、この二つの入口には全部異状がなかったという報告でございまして、われわれのほうの捜査は結局窓から入ったものだというふうに推定をいたしておるわけであります。一応、侵入口につきましても、そういうことで長い間たっておりますので若干の問題がありますけれども、おそらくこの点は聞違いがないだろうと思います。それから、ロッカーから盗まれたので、今矢嶋委員が御指摘になりましたように、そのかぎは引き出しの中に入れてあったわけでありますけれども、二つのロッカーに別々に入れておったものを別々のロッカーからそれだけを引き出しておるということで、どう考えても内部の事情に相当詳しいということが言えるわけであります。したがいまして、この捜査につきましては、先行きそれほど悲観すべきものではないと思うのでありますけれども、私も捜査のおくれていることはたいへん遺憾と思いますが、事情はそういうことでございますから、御了承願いたいと思います。
  30. 長谷川峻

    政府委員長谷川峻君) 国立工専——佐世保の入学試験問題が盗難にあったことは、文部省としては非常に遺憾なことであります。ことに昨年以来、そうしたことについて世論並びに国会での御議論もあったあとでもあり、また、非常に国立工専が世間から注目と期待されていたその最初の試験の問題が今のようなことになりましたので、文部省としてはほんとうに申しわけないと思っている次第であります。当初それだけの重大な学校の試験でありますから、文部省としては、学長並びにお世話いただく市の教育委員会責任者の方に来てもらって十分に連絡をし、また、お願いをしておったのですが、何さま現場において、今警察当局からお話のあったようなことで犯罪が行なわれ、これがほかの試験を受ける生徒諸君の心理に与える影響、並びにこれを期待しておった全国の御父兄に与える影響などを考えて、当日の試験はそのままやった次第でありますが、とりあえずその盗難された問題が出てくることを待ちながら、試験の採点は進めております。そうして合格者の発表については、五日の予定でありますけれども状況によってはこれをしばらく発表を延期するというふうな方法をとりながら、あとはあととしていろいろ措置をとりたいと、こう思っている次第であります。
  31. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 時間が参りますからもう長くはやりませんがね、国民にとっては文部省も警察もないわけですよ。これは警察の言い分もあると思う。こういうものを紛失して、新聞にも報ぜられたとおり、半日も経過して届け出るなんて、言語道断だと思うんですよ、これは捜査に非常な支障を来たすと思うのですね、それから入学試験の管理に当たっているからといって捜査に支障があるなんというのは、国民の立場から見たら納得できないことだと思うんですね、その管理者を急に変更してでも早く捜査を進めて、紛失した千六百枚がいずこに行ったのかということを確かめるということは、全国十九カ所で共通問題でやっているわけですから、重要だと思う。それから文部省では、半日も届出がおくれた上に、最初二百枚盗まれたなんか言っておったが、調べて見たら八科目千六百枚紛失していたことがあとでわかった、なくなったのは二十二日の晩から二十三日の朝でしょう、二十四日は試験して、二十五日も試験しているのでしょう、今の交通通信の発達したときに、やろうと思ったら全国にばらまけるでしょう、二十二日の晩に紛失して二十三日があるのだから−二十四日も試験がある、二十五日もまた試験しているのだから。だから国民の立場に立てば、文部省も警察もないわけですから、だから私は、ここで文部省に要請したい点は、そうして一つ伺いたい点は、厳重な警告を発すること、そうしてやはり責任者は、責任を明確にするということですよ、責任をね。明確にするということ、出処進退を明確にするということ。それと同時に、採点を進めているのはけっこうです。場合によったら佐世保工専等の試験をやり直すという場合も考えなくちゃならない、あり得ると思う。これに対するあなたの所見。  それから警察庁長官に伺いたい点は、試験中だから、管理に携わっておるから捜査に協力してもらえないでおくれて、本日までなお犯人があがらないというのは、少し手ぬるいと思う。おそらく、私は九州出身ですが、九州の人々は警察に対する信用を失墜する人もありはせぬかと思うんですよ。だから結論としては、警察庁長官は九州の管区警察長に適切なる支持と激励をしていただきたいと思う。例の別府の警官後藤巡査の消えた事件も、警官が交番所に勤めておって、制服制帽のまま消えて、制服から制帽、ピストルまで全部奪われて、半裸体みたいにして防空壕の中にはうり込まれておったわけでしょう。普通の市民が消えたというわけではなく、勤務中の警官が消えてこういうことになった、そうして本日まで犯人はあがらない。これはしかし佐世保事件に比べれば、ずっと私は専門的に見ても捜査は困難性があるかと思うのですが、この犯人もあがらない。佐世保ではああいう事件が起こって、数日を経ても犯人があがらないということでは、警察の威信に関すると思う。全国民もそうだが、特に九州管区内の警察局の管轄内の住民は、警察に対する威信を減殺するとともに、不安な感じでおられると思います。だから長官としては、管区警察局長に適切なる指示と激励をひとつして、早期解決に格段の努力をしていただきたいと要望を含めて伺って、私のきょうの質問を終わりたいと思います。
  32. 柏村信雄

    政府委員柏村信雄君) 佐世保の事件につきまして、捜査がいまだに決定していないという点は、先ほど刑事局長から申し上げたようないろいろな事情もございましょうが、さらにすみやかに解決するようにいたしたいと思います。また、大分の巡査殺害事件というものも非常に遺憾な事件でございます。これにつきましても、鋭意捜査を進めておるわけでございますが、いまだに解決に至っていないわけでございます。御趣旨はよく了承いたします。今までも連絡を十分とっておりますが、さらに現地に対して激励をいたしたいと思っております。
  33. 長谷川峻

    政府委員長谷川峻君) 届出が不備なことが警察当局をして捜査の進行に非常に手間をとらしたことなどもわかります。それも何さま受験生に対する精神影響を考慮して、警察という頭なしにいろいろなことを考えておったために、本省に対する報告がおくれたり、あるいはまた、警察当局に対する届出がおくれた、こういうことで二重の手間をかけている、心配をかけている結果になっていると思いますので、なるべく早く警察当局にお願いして、その問題がどういうふうに頒布されているか、その発見された状況によりましては、ただいま矢嶋委員の申されたように、あるいは再試験ということもあり得るのじゃなかろうかと考えながら善処方を大いに練っているところで、御了承願っておきたいと思います。
  34. 中尾辰義

    ○中尾辰義君 一点だけお伺いしますが、私も最近はこういったような犯罪も多いので、この程度のものは第一線の警官に職権として与えるのはいいじゃないか、こういったような見解を持っているのですが、やはり何と申しましても、第一線の警官の処置による、これは万人が認めるところなんです。いろいろと矢嶋さんの質問にもありまして、強制の場合もあれば、また、一面、怠慢な面も相当ある。長官の答弁は非常にいいわけでありましたが、そのとおりにいっておれば非常にいいわけですが、これはなかなかいっていない、現実においては。私も具体的な事例をたくさん知っておりますし、それはあげませんけれども、そこで、そういったような職権乱用をされた場合に、そういう法規の手続等に対して詳しい人は別として、民間の人が非常に越権行為、職権乱用をされた。ところが、それをさらに署長に言う、全然取り上げてくれない、それで泣き寝入り、こういうような事件が相当にあると思います。そうした場合に一番手近なところでどうすればいいのですか。一般民間人の手近な人がけしからぬじゃないか、むかむかしておると言っておるけれども、取り上げてくれない。これは当然起こってくるのです。そうすると、やはりわれわれみたいなところに、あるいは県会議員あたりに飛び込んで来て頼み込む、こういったようなことが起こると思うのですが、そのように乱用された憂いがある、これを認めた場合に、普通一般の人がどういうふうに手続をとればいいか、その点。
  35. 柏村信雄

    政府委員柏村信雄君) まず先ほど来申し上げておりますように、警察官の紙質をよくいたしまして、職権乱用等のことがないように努めるということが大前提でございますけれども、不幸にしてそういうことが起こった場合、一般の人はどうされたらよいかという御質問のように承ったのでございますが、それは国家賠償法であるとか——民事事件に立てるというような問題も、損害賠償の問題もございましょう。しかし、何といいましても、そうした第一線の警察官を監督いたしておりますのは、直接的には署長、それから大きくは各都道府県の本部でございますので、そういうことがもしあって非常に警察に対してけしからぬとかあるいは不信を抱かれるというような方は、遠慮なしに警察署長なりあるいは県の本部長なりあるいは警務部長なり、県の本部のしかるべき係のほうにお申し入れいただければけっこうだと思うのであります。警察といたしましては、そういうことについて虚心たんかいに承ってただすべきものはただしていきたいというふうに考えております。現に私どものところにもずいぶんいなかのほうから投書などがございますけれども、ずいぶん当てはずれのものもございますけれども、やはり非常な誠意をもってよこされる方もある。私どもはそれをやはり一々拝見して、打つべき手を打つべきものにつきましては、できるだけ親切に手を講ずるというような措置をとっておる次第でございまして、そういう点は、第一線の警察署長等にも徹底しておきたいと思いまするし、警察に行ってもしようがないというような感じではなしに、やはり親しみをもって警察に話していただく。そういう信頼感の中から警察としてもやはり責任感を強く持つようになるのではないかというふうに思いますので、そういうふうに指導したいと思います。
  36. 中尾辰義

    ○中尾辰義君 これで終わりますが、それはおっしゃるとおりなんですが、しかし、現実において署長なんか取り上げてくれない、こういう事件が多いのですよ。そういったような点を厳にあなたのほうからも指導監督をしていただきたい。私はあなたと別に議論しようと思っておりません。具体的な事例はたくさん持っておるのだけれども、この際ひとつ要望しておきますから、特に……。
  37. 小林武治

    委員長小林武治君) じゃ本案に対する質疑はこの程度とし、午後は警察法の一部を改正する法律案について質疑を行ないます。  午後一時まで休憩いたします。    午前十一時五十八分休憩    ————・————    午後一時二十九分開会
  38. 小林武治

    委員長小林武治君) 休憩前に引き続き委員会を再開いたします。  質屋営業法及び古物営業法の一部を改正する法律案を議題とし、提案理由の説明を聴取いたします。安井国務大臣
  39. 安井謙

    国務大臣(安井謙君) ただいま議題となりました質屋営業法及び古物営業法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明いたします。  現行質屋営業法昭和二十五年五月に、古物営業法昭和二十四年五月に、制定されたものでありまして、いずれも、営業における物品の取り扱いを公正にして、盗品の流れを阻止するとともに、その発見を容易にし、もって利用者、被害者等の保護をはかり、同時に、犯罪防止を効果的ならしめることを目的としているものであります。以来、今日まで十数年を経過したのでありますが、御承知のように、これら営業法制定当時における社会的経済的諸事情と今日におけるそれとの間には相当の隔たりが認められ、しかも、それらの事情の変動は、質屋及び古物商の営業の実態面にも少なからぬ影響をもたらしつつあるところであります。政府におきましても、この問の事情を慎重に検討いたしました結果、最近におけるこれらの営業の実態に即応するような営業に関する規制の合理化をはかる必要を認めましたので、この法律案を提出した次第であります。  次に、本法案の内容について御説明いたします。  最初に、質屋営業法改正点について申し上げます。  第一に、盗品または遺失物の回復について定めた質屋営業法第二十二条の規定は、質物たる有価証券についても、形式的にはその適用が及ぶことになっているのでありますが、法第二十二条の基本となる民法の関係規定は、有価証券をその対象としておりませんので、それとの均衡をはかるため、この改正案におきましては、民法第百九十四条の特例である法第二十二条の規定の対象から有価証券を除外することといたしたのであります。  第二に、従来、質屋営業の許可証は、交付を受けたときから三年ごとに更新を受けなければならないとされていたのでありますが、質屋は、営業の実態から見ても営業内容の変更が比較的少ない業態でありまして、今後、なお、この制度を存続させなければならないとする実質的理由は乏しいと認められますので、この制度を廃止することといたしたのであります。  第三に、従来、流質期限は、一律に三月未満の期間をもって定めてはならないこととされていたのでありますが、この改正案では、質置主が物品を取り扱う営業者であり、かつ、その質に入れようとする物品がその取り扱っている物品であるような場合に限り、流質期限を一月まで短縮することといたしたのであります。一般的に申しまして、これらの者と質屋とは、その経済的地位において特に差異があるわけではなく、流質期限の短縮を認めましても、質置主の保護に欠けるおそれも少なく、また、一面におきましては、そうすることが、かえって質置主の利便をはかることになるとも考えられるからであります。  第四に、従来、質屋は、質置主または質物の受け取りについて正当な権限を有することを証するに足りる資料を呈示した者以外の者に質物を返還してはならないこととなっていたのでありますが、相手方が質物の受け取りについて正当な権限を有する者であるかどうかを確かめるための方法及び質屋が質物の返還について負うべき責任の範囲に関する規定がありませんので、質置主及び質屋のそれぞれの立場を考慮いたしまして、この改正案におきましては、質屋は、総理府令で定める方法により、相手方が質物の受け取りについて正当な権限を有する者であることを確認した場合でなければ、質物を返還してはならないこととするとともに、質屋がこの義務を履行して質物を返還した場合には、原則として、正当な返還をしたものとみなすことといたしたのであります。  次に、古物営業法改正点について申し上げます。  従来、古物商、市場主、行商、露店またはせり売りの許可証は、交付のときから三年ごとに更新を受けなければならないとされていたのでありますが、営業内容の変更が比較的少ない古物商及び市場主の許可証については、質屋の場合と同様に、この更新に関する規定を削除することといたしたのであります。  また、せり売りは、元来そのつど許可を受けるのが建前でありますから、許可証を更新する制度は適当でないと考えまして、せり売りの許可証の更新の建前についても、あわせてこれを廃止することといたしたのであります。  以上が、改正法律案提案理由及びその内容の概要であります。  何とぞ、慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願いいたします。
  40. 小林武治

    委員長小林武治君) 本案の質疑は、後日に譲ります。   —————————————
  41. 小林武治

    委員長小林武治君) 次に、警察法の一部を改正する法律案を議題といたします。  御質疑のある方は、御発言願います。
  42. 秋山長造

    秋山長造君 この法案の内容にも関係するのですが、交通問題が非常に重要になってきておるときですから、この交通局の新設ということは時宜に合った措置だとは思うのですが、ただ、実はせんだって都内の交通視察にあたって、あちこちの警察署あたりに立ち寄って、実情を聞いたのですが、たとえば大森の警察署の署長の話を聞きますと、あの警察署のところの京浜国道を一日通る自動車の数は十六万何千台というような、これは膨大な交通量なんです。ところが、大森の警察署の交通係の警察官はわずかに十人で、その中で、街頭へ出て実際に交通警察官として動けるのは六人だという話を聞いたのですがね。警視庁全体としても何万という警察官がいるわけなんですが、わずかに、一つの街道を十六万台も一日通るというようなところをかかえておる警察署ですら十人、そして実働警察官六人というようなことだったら、大体他の警察署なんかについても想像がつくのですが、これは警視庁に限らない問題で、全国的な問題だと思うのですけれども、一体、交通関係警察官が非常に少ないということについては、これはまあこの委員会でも間々問題が提起されておることです。その場合に、私が思うのは、今の十三万二千二百十人という警察官のワクのほかに、交通警察官が足りないから、さらに交通警察官をもっとふやしたらどうかという行き方もあるのですね。しかし、その前に、やはり今の警察運営の実態にも問題がないのかどうかということを考える。まあ、われわれが部外から見ておりまして、たとえば今の警察の重点が、公安関係とか警備警察、そういう方面にあまりに片寄り過ぎて、そっちのほうへ人手を取られてしまって、国民生活に直接日々関連の深い交通関係だとか、あるいは犯罪の予防だとか、あるいは犯罪捜査というような方面が非常に手薄になっておるのじゃなかろうかというように考えるのですが、もう少しやはり交通警察なんかというものへ重点を人員の面でも置かれるべきじゃないかというように思うのですけれどもね。それらの点について、交通関係警察官が一体、警視庁管内で何万のうち何千人あるのか、また、全国で十三万のワクの中で、交通関係が何千人あるのかというような数字ともあわせて、長官の御見解をお伺いしたいと思うのです。
  43. 柏村信雄

    政府委員柏村信雄君) 交通警察に専従しておりまする警察官の数は、全国的に見ましても、また、警視庁だけとって見ましても、全定員の一割弱になっております。警視庁で申しますると、約二万七千の警察官でございますが、そのうち、交通専従の警察官が約二千五百のうち本部の要員それから白バイ要員——白バイ要員は約四百名おりますが、その他が警察署に配置されておるわけでございまして、警察署がまた内勤と外勤に分かれておりまして、警察署に配置されておりますのが全体で千七百五十、そのうち外に出ておる者が一千名ということでございます。警視庁はたしか署が九十二でございますので、平均すると十何名かというようなことに相なるわけでございまして、ただいま御指摘の大森署についても十人ということがそんなところから出てくる数字であろうかと思います。もっとも交通警察の仕事をしておりますのはこの専従員のみではございませんで、たとえば駐車違反であるとか、通行区分違反であるとかいうような事故に至らないようなものについての取り締まりは、主としてその大部分はいわゆる外勤警察官がやっておるわけでございます。複雑な事故等の処理について、専従警察官または白バイ専従員というような者がこれに当たるような状況でございますが、ただいま御指摘のように、これだけの数では現下の交通事情に対処して決して十分とは申せない状況でございます。本年度まで三カ年で一万増員されました警察官のうち、最近の実情に合わせるべく一万のうち四千名を交通専従の警察官要員というつもりで配置をいたしておるわけでございまして、今後増員の分についても重点的に交通に回すというほか、ただいまお話のありましたように、部内の配置転換等も考えていく必要があるじゃないか。特に来年度におきましては増員計画を立てておりません。全国的には増員計画を立てておりませんが、たとえば警視庁とか大阪というようなところにおきましては一般職員を採用する、そうしてこれを内勤に充てて、そうして内勤の警察官を第一線の交通警察に充てるというような措置を三十七年度からすでにとるというような方途も講じておるようなわけでございます。各県それぞれ事情はございますが、大勢といたしましては交通警察の数が足りない。したがって、現在の警察の要員の中からできるだけ配置転換等を考え、また、増員等についても、一般職員を増員して一般職員で済む内勤の仕事等はできるだけそれに回すというようなことを考えておる状況でございまして、私どもといたしましてもそういう線で指導をして参りたい、こう考えておるわけでございます。
  44. 秋山長造

    秋山長造君 一万人の増員中四千人を交通警察へ回される予定だそうですが、この四千人を含めてさっきの交通警察官が大体一割程度だこういうことになるのですか。
  45. 柏村信雄

    政府委員柏村信雄君) 一万名のうちの四千五百というのは今年度三十六年の春に採用の分でございますから、この四千五百はことしの四月になって初めて第一線に出ることになりますので、五千五百名中の交通警察——約二千ちょっとというものを含んでおる、さらに来年度からその二千名がこれに追加されていくということになるのではないかと思います。
  46. 秋山長造

    秋山長造君 まあ今交通問題は非常にやかましいのですが、警視庁の場合を申しますと、一つの警察署に大体十人ぐらいな数で、これだけの交通問題を処理するというのは、これはてんで問題にならぬ数じゃないかと思うんですね。それでこの問も大森の警察へ行ったときに、警察署長に端的に、一体もうこれは警察の力でこれだけの交通問題を処理できるか、あるいはどうにかしたら処理できるというような見通しがあるかということを聞いてみたんですが、これはもう見通しについても、現在処理できるかどうかということについても、これはもう正直に言ってそれはお手あげですということなんですね。それはもうそうだろうと思う。これはどんなに力んでみたって、一つの街道だけで十六万台以上の車が通るような地区を管轄しておってね、街頭に出る警察官がわずかに六人というようなことでは、これはとても交通整理も何も、これはてんで問題にならぬ。出ても出ぬでも同じことぐらいになってしまうと思うんですがね。警察庁としては、こういう実態は十分知っておられるんでしょうが、これに対処して一体、新しく増員される四千人の警察官を、とりあえず交通関係にぶち込むんだというお話ですが、これはどうせ四千人ということは警視庁だけでなく、全国的な数字でしょうが、どうされるつもりなんですか。当面どうしようとされているんですか。
  47. 柏村信雄

    政府委員柏村信雄君) 確かにお話のように、交通専従の警察官が足りないということは事実でございまするが、やはり交通の円滑化あるいは事故防止ということを、警察にだけこれをまかせておくということは、これは適当なことではないんじゃないか。まあ警察だけの立場からいたしましても、できるだけ道路に信号機等を整備する、その他の標識等を十分に整備するというようなことによりまして、人がなくて円滑に運行できるような措置をできるだけとっていくと、どうしても混雑が予想されるような個所、また、大きい事故が起こったような場合において、交通専従員をこれに振り向けていくというようなことをしていかなければ、すべて人の量によって片づけていくというわけにはこれは参らないのじゃないかと思います。それから先ほども申し上げましたように、外勤警察の仕事も、まあ平穏なときには立ってにらみをきかしておる、あるいは適当にパトロールして防犯上の措置をするというようなことで済みますけれども、最近のような事情になりますると、その多くの部分というものがやはり交通の指導取り締まりというような面に向けられていくということで、全体としての警察の活動の幅というものは、交通面に、専従員の増加ということとは別に、全警察の事務量というものは交通に向けられていく。現に警察署長等の頭というものも、おそらく一、二年前までは交通というものに向けられることが非常に少なかった。ところが最近は、実際に交通事情もたいへんになりまするし、世間の関心が非常に交通問題に深まって参るということになれば、署長がいろいろな会合に出たり、いろいろな人に接触する場合でも交通問題についての理解と、それについての自分の見識というものがなければ、とうてい署長としても勤まらないというような追い込まれ方にもなってきているような事情でございまして、警察全体としては、交通に向けられる面が非常に多くなっておると思うのであります。私どもといたしましても、交通警察官の専従員をふやしていくということには今後も努めて参りたいと思いまするけれども、この専従員を増加することによって事態を解決するということだけでは済まないのであって、警察全体の運営の仕方においても、また、世間一般の交通に対する関心の盛り上がり方というような面からも、やはり総合的に考えてこの現下の交通事態に対処していくということが必要ではないかというふうに考えておるわけであります。
  48. 秋山長造

    秋山長造君 いやもう交通問題はこの警察だけの力で解決できぬことをわかっているのですけれども、ただ、まあそれにしても、交通問題を解決するいろんな角度から論議はされておりましても、実際に街頭のこの交通問題の解決ということになると、やはり事実上警察が真正面に出ることにこれは事実上なっているのですし、また今後もおそらくその実態は変わらぬだろうと私は思うのですけれども、たとえば警察庁の本庁なんかの関係は、警察官よりも警察官でない職員が非常に多いようですけれども、これが一線へ出ると——内勤の警察官というものをあまり内勤に使い過ぎているのじゃないかというような感じを受けるのですが、たとえば警察庁なんかへ行ってみても、事務をやっているのはこれはほとんど制服を着た警察官がやっているのですね。制服を着た警察官がそろばんはじいたり、がりを切ったりなんかしてやっているのですが、ああいう面をもう少し合理的に改めさせて、制服を着ている者はできるだけ街頭へ出すとか、そうしてそろばんをはじいたり、印刷をしたり、あるいはまあお客さんというてもいろんなお客さんがあるけれども、人の応待なんかでも制服を着た人でなければできない応待というのはそうよけいはないのじゃないかと思うのですが、そういう点をもう少し何とか考え直されたら……まあ一警察署の十人やそこらの交通係というようなことでなくても、もう少し、今のワク内でももっともっと改善される点があるのじゃないかというように思うのですが、それはいかがですか。
  49. 柏村信雄

    政府委員柏村信雄君) 確かにお話のようにこれは従来から警察というのはどうも警察官でないと仕事にならぬというような、まあいわば弊風というものがありまして、内勤も警察官にまかせる面が非常に多かったわけでございます。しかし最近の第一線警察官が非常に勤務過剰になる、仕事が多くなるというようなことから、やむにやまれず内勤を一般職員に切りかえてゆく。あるいは一般職員もそう多くふやすことができないということで、これを機械化していく。印刷などについてもできるだけ機械設備を充実いたしまして人手を省いていくというような方向にはなってきておるわけでございますが、もっともっと制服警察官というものが第一線に出るようにしていくべきだと私も考えております。この点は御意見と全く同感でございます。
  50. 秋山長造

    秋山長造君 この外勤と内勤との区別がわかるような数字が出ますか、警察庁全体として。
  51. 木村行蔵

    政府委員木村行蔵君) 今手元に正確な数字は持っておりませんが、大体外勤は全警察官の四五・六%になっておりますから、したがいまして、十三万幾らで五万五千から若干上回っておる程度かと思います。
  52. 秋山長造

    秋山長造君 今の長官のようなお考えでこれを検討し直すということになりましたら、今の五割に足りないような外勤の状態をどのくらいにできますか。
  53. 柏村信雄

    政府委員柏村信雄君) ただいま保安局長から申し上げましたのは、いわゆる勤務として外勤勤務、たとえば刑事とか、警備関係、鑑識関係というようなものを除いておりますので、そういうものは外に回すというわけにも参らない。したがいまして、内勤から外勤に回せるというものにはおのずから限界があると思いまするけれども、たとえば交通専従員というものだけとってみましても、内勤が非常に多いわけでございます。警視庁で内勤が七百五十、外勤が一千、三対四と、こういう格好になっているわけです。こういうものは少なくとも一対五ぐらいには思い切ってやればできるのではなかろうかと、もちろん今の刑事訴訟法の手続や何かがございます。簡易裁判とかなんとかいうふうに申しましても、かなり内勤でやっていかなきゃならぬものございまするけれども、そういうものも、たとえばチケット制であるとか、適当な方法を講じていく。それから先ほど来申し上げておりますように、一般職員をもって充てていくというようなことをやっていけば、この比率はまあ非常に大きく私は動き得るものではないか、単に、どうしてもやむを得ないで内勤にいるというものよりも、むしろ従来の惰性で内勤に残っているというものが相当あるのじゃないかというふうに思います。それから一般職員の採用というようなことについても、そういう考え方でとっていないで、従来、一般職員として定員が定められておりますれば、それの補充というような面で考えてきておる。しかし先ほども申し上げましたように、三十七年度予算におきましては、東京、大阪ともに一般職員百名は少なくとも認めるということになっておりまするし、その分は直ちにこれから減らしていけるものではないかというふうに考えるわけでございます。できるだけそういう線で外勤に多く出すようにいたしたいと考えております。
  54. 秋山長造

    秋山長造君 そこらは今の警視庁でも千人外勤で、七百五十人内勤ということですから、どうもちょっとわれわれの常識から言うと、内勤がそれほど要るのかと思うのですよ。まあ今のお話しのように、内勤と外勤の割合を一対五ぐらいな割合まで何とか工夫のしようでもっていかれやせぬかということになれば、それは一つの警察署で十人前後の人で交通問題を処理していくというような現状は警察の面からだいぶやっぱり改まってくると思うのですよ。ぜひやっぱりそういう方向で今の警察定員にさらにプラスをしていくということを考える前に、今のワクの中での配置転換なり何なりの運用で、やっぱりできるだけ当面の問題を解決していただきたいと思う。  それから今の十三万二千というような警察官の定員ですが、警察官以外の事務職員はどのくらいいるのですか。
  55. 柏村信雄

    政府委員柏村信雄君) 正確な数字、ちょっとあれしておりませんが、大体警察職員全体で十六万、そのうち十三万が警察官と、だからまあ一般職員、これは会計とか、それから鑑識、通信そういうものもございますが、こういう一般職員が大体三万程度ではないかと思います。
  56. 秋山長造

    秋山長造君 まあ繰り返しにもなりますけれども、どうもやっぱり警察モンロー主義と言うか、何かそういう警察の仕事柄秘密にわたることが相当あるから、やっぱりそういうところから一種の秘密主義みたいなような惰性ができてきているのだと思うのですけれども、思い切って、やっぱりそれは予算その他の関係もあるけれども、今までの政府の予算の編成方針なんかをずっと見てきますと、警察関係の予算については十分とは言えません。もちろん十分とは言えないでしょう、当事者の皆さんから見られれば、やっぱり不満たらたらでしょうけれども、われわれから見ると、やっぱり相当警察予算というものは見られていると思うのですよ。ですから、予算のワクはもちろんあるけれども、できるだけやっぱり配置転換、さらに内部の制服を着ていなければできぬというものは別ですけれども、いわゆる一般的な事務というものは、できるだけ事務職員に肩がわりさせて、そしてせっかく手間ひまかけて警察官としての教育をしているのですから、それが、どうも柄に合わぬ事務的なことばかりに警察官を使うというのは、人物経済からいっても非常に不経済だと私は思うのですよ。ですから、できるだけそういう運営の方針で今後やっていただきたい。強く希望を申し上げておきます。  それから今度の交通局ができることによって、交通局の人員の面、これはどこかにありましたか。
  57. 宮地直邦

    政府委員宮地直邦君) 現在の保安局から交通関係が分離いたしますが、現在の保安局の定員は九十七名でございます。これに六名が増員されまして、一般保安局、交通関係に分課いたしますので、残りました保安局は五十七名、交通局は四十五名の一応の予定をいたしておるのでございます。
  58. 秋山長造

    秋山長造君 そうしますと、保安局のほうの課は今までどおりですか。その課の関係をちょっと……。
  59. 宮地直邦

    政府委員宮地直邦君) 課の数は今までどおりでございます。交通局関係は、現在、交通指導課、交通企画課という二課がございますが、その二課を分離いたしまして、交通局を設置するのでございます。なお、六名増員されましたものは、交通指導課に振り充てる予定をいたしておるのでございます。
  60. 秋山長造

    秋山長造君 それで、指導課の仕事の内容、それから企画課の仕事の内容は、現在どうなっておるのか。それから今度交通局が新たにできるわけですが、できた後においては、その担当の事務の内容等に、何か変化があるのかどうかというようなことを伺いたい。
  61. 木村行蔵

    政府委員木村行蔵君) 交通企画課と交通指導課の仕事の内容につきましては、そのまま交通局に引き継ぎまして、交通企画課及び交通指導課として、その内容を引き続いてやります。その交通企画課のほうの仕事の内容は、法令関係、それから企画関係その他交通安全運動、こういう方面の仕事をいたしまして、それから交通指導課のほうの仕事は、第一線の交通取り締まりその他、交通規制の関係指導をする、こういう関係で、大まかに分けてやるわけであります。
  62. 秋山長造

    秋山長造君 警察庁の本庁の定員は幾らですか。
  63. 宮地直邦

    政府委員宮地直邦君) 警察庁の本庁の定員は、現在におきまして千六十五名でございます。
  64. 秋山長造

    秋山長造君 千六十五名の定員の中で、交通局が四十五名ということで、大体各局の問のバランスはとれているのですか。
  65. 柏村信雄

    政府委員柏村信雄君) 率直に申しまして、あまりバランスがよくございません。現在交通を含めた保安局も、たとえば刑事局、警備局等よりも人数が少ないわけでございまして、それがさらに二分されるということに相なるわけでございます。しかしながら、たとえば刑事局等におきましては、鑑識要員というものが非常に多いわけです。そういうようなことで、いわゆる中央官庁でありながら、第一線業務というような性格のことをやっているものと、保安局のように完全に地方を指導していく、全体を調整していくというような役所とは、おのずから人数で開きが出てくるわけでございまして、私どもとしては、今度交通局ができるについては、少なくとも二十五名程度の増員を必要と考えまして、要求をいたしたのでございますが、政府の方針として、人員増加は極力押える、必要があれば配置転換でやれというようなことで、参事官を一人減らして、局長にする。それから二十五名の要求に対しても、六名だけしか認めてもらえなかったというようなことで、決して満足すべき状況ではございませんけれども、今後与えられた人間に、さらに部内における配置転換等も考え、またさらに科学警察研究所において、一昨年ですか、から交通の研究に当たるための交通部というものを設けておりますが、そういう技術面などの仕事の調整というようなことも考えて、フルに活発に動くような態勢を作り上げたい、かように考えているわけでございます。
  66. 秋山長造

    秋山長造君 今度は街頭の警察問題のほうへ移るのですけれども、この前、いつでしたか、川島さんなり、あるいは運輸大臣なんかを呼んで交通問題について質疑をやったことがあるのですが、そのときにも質問をしたのですけれども、まあ大臣同士で遠慮なさる点があるのかどうか、あまりはっきりした答弁がどなたからも出なかったわけです。たとえば自動車の登録事務ですね、これは長官にお尋ねするよりも、川島さんに来てもらってお尋ねしたほうが適当であるかとも思いますけれどもね。登録にしても、あるいは車体検査にしても、免許事務にしても、運輸省が全部握っているわけで、たとえば路線の免許なんかにしても、これは警察の立ち入る余地というものはほとんどないので、ただ何か公安委員会意見を若干聞かれる程度のようですがね。そういう問題を、一々警察という角度からだけ見ていくということには問題があると思います。これはもちろん運輸省が運輸という大きい広い立場で処理していかなければならぬ面も多いかと思うのですけれども、たとえば免許事務なんかにしても、運転免許のほうは、公安委員会、まあ要するに警察がやる、ところが、車の免許のほうは、全部警察は一切タッチできない、こういうことになるのですね。そこらにやはり交通行政がうまくいかない一つのポイントがあるのではないかというように思うわけですけれどもね。警察庁のほうでは、こういう点はどういうようにお考えになっておるのですか。免許事務あるいは登録事務等について、今のままで一体いいのかどうか、あるいはこれを何か一元化していくような方法を考えるべきじゃないか、考えるとすればどの程度に所管が之をしたらいいのかどうかというようなことについて、何か考えておられれば御意見を伺ってみたいと思います。
  67. 柏村信雄

    政府委員柏村信雄君) かつて内務省の存続しておりました戦前におきましては、車体検査とか登録とか、あるいは営業免許というようなものも、すべて警察で所管をいたしておったわけでございますが、戦後警察というものについて、その権限というものをできるだけ他に移すというような方向がとられまして、現状のように運転免許以外は運輸省で所管するようなことに相なっておるわけでございます。ただ、一たんそういうふうになっております現状を改めて、所管をどういうふうに変更するのがいいかという問題は、これは非常にむずかしい問題でもございまするし、せっかく先般行政調査会等もできて、あらゆる行政機構の面についても御検討に相なるやに承っておるわけでございますので、私どもからここでどうしたらいいと思うというような意見を申し上げることは差し控えたいと思いまするけれども、少なくとも現在の運輸省におきまする車体検査の実情というものが不十分なものであると、これは私は、たとえば大蔵省でその要員を十分に認めないとか、いろんな問題のからんできておると思いまするけれども、いわゆる陸運事務所でやりまする車体検査というものが徹底していない。何とかやはりこれについての改善をする方策を考えていかなければならぬのじゃないか、と申しますのは、車体検査が済んであまり日がたたなくて、路上においては、これは警察のほうで路上の車体検査をいたすわけでありますが、路上において整備不良車として指摘されるものが相当あるわけでございますが、そのあるものは運輸省関係の車体検査を受けて間もないというようなものもかなりあるわけでございまして、そういう点からいって不徹底のそしりを免れないとは思います。これについてはまた運輸省自体も御検討に相なることになるであろうし、私どもからも意見は述べて参りたいというふうに考えております。それから運転免許につきましても、先ほどちょっとお話にもございましたように、バス路線等につきましては、公安委員会意見を徴してもらうと、それでやはり交通の円滑、安全ということに資するように運営上いたしておるわけでございます。
  68. 秋山長造

    秋山長造君 警察庁からいただいた資料で、この「ひき逃げ事故の発生及び検挙状況」(一月から五月)という資料を前にいただいたのですがね、これを見ますと、ひき逃げ事故——まあひき逃げ事故といったら交通事故の中でも一番大きな事故だと思うのですが、にもかかわらず、これは検挙率が非常に低いのですね。三十五年の資料を見ましても、四千二百五十六件からあって、そして六七・一%検挙、三十六年にしても四千六百三十二件あって六八%、しかも、これは一月から五月までの半年にも足りない間の数字ではあるのですけれどもね。こういうようにひき逃げ事故のような大きな事故で、しかも、こんなに検挙率が低いというのは何が原因なんですか。
  69. 木村行蔵

    政府委員木村行蔵君) 御案内のとおり、ひき逃げ事件というのは、比較的夜に多うございまして、通り魔的な犯罪みたようなもので、ひき逃げしましてその後、その現場には目撃者がないというようなのがほとんどであります。さらに現場に残された鑑識に役立つような品物というものも比較的少ないわけでございます。そういう意味合いで検挙が非常にむずかしいということが原因であります。
  70. 秋山長造

    秋山長造君 よくいわれる、いつも問題になるのですが、車のナンバーですね、あの車のナンバーがなかなか、警察のほうへ元帳がないために、ナンバーがわかっていても、それを突きとめるのが非常に手数がかかって、そういうことのために、うやむやになるというような面はないのですか、どうですか。
  71. 木村行蔵

    政府委員木村行蔵君) ナンバーの写しを陸運局からもらっておりまして、いろいろやっている場合がありますけれども、ただその写しがおくれておる場合がだいぶございますし、それからいろいろひき逃げの事件が起こった場合に、すぐナンバーの照合をいたす場合に、警察の手元にナンバーがない、所有者がわからない、登録名簿がないという場合に、現場の陸運当局に照合する場合に、向こうは二十四時間態勢でない場合があります。あるいは休日という場合もございまして、照合が一両日おくれるというような事例は間々あります。
  72. 秋山長造

    秋山長造君 しかし、それは主要な原因じゃないということですか、やはり夜の事故が多いために捕捉がむずかしい、こういうことですか、主たる原因は。  それからこれも相当技術的なことかもしりませんが、今警視庁で車種別制限の問題が出まして、賛否両論が出てどうも政府のほうもなかなかきまらないようですが、車の型が非常に千差万別で、それが非常に交通の混雑の原因になっておるんじゃないかということを、この前も質問をしたわけですが、この車の型が非常に千差万別、多種多様で次から次へ新しい型の車が出るというようなことが、交通警察の面からいって相当負担になっておるのか。それともそういうことは大して本質的な問題じゃないという程度のことなんですか。そこらはどういうふうにお考えですか。
  73. 木村行蔵

    政府委員木村行蔵君) 車の種類が非常に雑多でありまして、道路上に走っている車が大体十三種類ということで、これが交通の危険にも影響しますし、それから交通の流れの円滑化にも非常に支障があるわけであります。したがいまして、警察側といたしましては、相当以前から車の型の単純化ということを盛んに強調いたしまして、関係省なりあるいは交通事故対策本部なりに要望いたしておりますけれども、なかなかいろいろな諸般の事情がありまして、今日に至るまで簡単に実現していないような状況であります。
  74. 秋山長造

    秋山長造君 これももう一つ警察側としての意見を聞かしておいていただきたいんですが、今、交通関係法律として警察庁の管轄所管のものとしては、道交法があるわけですが、さらに運輸省の関係として道路運送法、それから道路運送車両法ですか、その他、似たような名前の法律がたくさんありますが、こういうものも、それぞれの行政系統一元化されなければ、この法律をできるだけ一まとめにしていくということもできないだろうと思うんですがね。道交法についても、実施されてから今日まで若干時間がたったわけですが、道交法を実施してみて、やはり相当手直しをしなければいかぬのじゃないかというような意見もだんだん聞くわけですけれども、道交法の改正というようなことを警察庁で今考えておられるかどうか。
  75. 柏村信雄

    政府委員柏村信雄君) 道路交通法は、一昨年の暮れに制定されまして、事故の発生状況その他から見ましても、相当の効果をおさめたとは思っております、しかしながら、道路交通の事情が日進月歩でございますので、これに即応して、さらにまた改正を考えていかなければならぬ段階にきておるのではないかと思います。特に、最近の機会におきまして成案を得ますれば、例のいわゆるチケット制の実施というために、この道路交通法の改正をお願いすべきではないかというふうに今考えております。そのほかにも免許制度であるとか、いろいろ検討を要する問題がございますけれども、チケット制以外におきましては、現在のところ、早急に成案を得て御審議を願うというところまでは至っておりません。
  76. 津島壽一

    ○津島壽一君 資料を要求したいんですが。  この法律案につけ加えておりまする関係資料という中の第一ページに、交通局関係という表がございますね。この分で最後の欄の、運転免許受験者数というのがございますね。三十二年から三十五年、これは試験を受けた者の数で、これも参考にならぬとは言えないんですが、むしろ運転免許を得た者、その数が毎年どのくらい増加しておるか。これは八百九十万も受けたということですが、試験をパスした者、その分を年度別に、つけ加えてけっこうですから、それを知りたい。  それからこの表のあとを見ますと、三十六年度以外がずっと出ておりますから、ここへ加えてもいいのですが、この表の形式で三十六年の数字をいただきたいのです。中には、うしろを見れば事故件数なんか出ているようですが、新道交法の実施初年度の三十六年度、それから本交通問題が非常に重大になったその年ですね、それをずっと前と比較するという趣旨で、この表の形式で三十六年ですね、暦年でいただきたいと思います。この一表ですね、そういうことをお願いいたしたい。それがこの表について。  それからもう一つ、先ほど警察庁長官のお答えの中にあった具体的の交通警察官の数で、それは全体のはわかっていますが、いわゆる警視庁のだけですね、二千五百人、二万何千人で。その内訳を、速記録を見ればわかりますが、一応書面で、たとえば外勤七百五十人とか内勤が千人とか、あるいは白バイが幾らという、一署平均幾らというような、一つこの計数は現況のみならず、こちらの今申しました交通局関係という表のように、三十二年からこれは出ていますが、三年からでもいいですが、毎年警視庁だけで、全部入れたら大へんですから、三十三年、三十四年、三十五年、これで警察官総数警視庁関係で二万何千、その中で二千五百とか、順々に増したとか、今の四千五百人の増員がこっちへ出てくるのでしょうが、そういう一表をひとついただきたいのですがね。私の趣旨は、そういうふうに車体の数も増加し、交通事故件数も非常に増加して、そういった情勢にあって、交通センターの専従ですね、交通警察官警視庁だけをといってみて、どういう経過をたどっているかということを一表で見たいのです。その趣旨は、結局は専従交通警察官が、交通事故の増加、車体の増加にかかわらず、あまり増加していないのじゃないか。そこで専従交通警察官に非常な負担がかかり、非常に困難を感じているのじゃなかろうかということが、この表によってわかってくるのじゃないかという考え方で、今言ったような計数をひとつ出していただきたいと、こういう趣旨でございます。全国でやることはなんですから、警視庁分だけ、年々の専従交通警察の外勤、内勤、白バイはどうだろうか、こういうような年次別の増加の状況を示したものをいただきたいと、こういうわけです。では、あさってまでにできますか。
  77. 木村行蔵

    政府委員木村行蔵君) よくわかりましたので、あさってまでに問に合うように作ります。
  78. 津島壽一

    ○津島壽一君 今の免許を受けている人のも、全国的におわかりでございますか——では、その計数もいただきたいと思います。それだけ要求しておきます。あさってまでに問に合いますね。
  79. 木村行蔵

    政府委員木村行蔵君) はい。
  80. 小林武治

    委員長小林武治君) ちょっと速記をとめて。   〔午後二時二十九分速記中止〕   〔午後二時四十九分速記開始〕
  81. 小林武治

    委員長小林武治君) 速記を始めて。  残余の質疑は次回に譲ります。  次回は三月一日午前十時開会とし、本日はこれにて散会をいたします。    午後二時五十分散会      —————・—————