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政府委員(
稲益繁君)
須藤委員から御
指摘ございました、私
どもの
通達に、「
参考」として掲げております
文書の中に、
前回の御
指摘の
在日合衆国軍内規十一の八というものが、その
実体が現在ではございません、変わっておりますということをお答え申したわけであります。この際、この御
指摘になっております
文書の
意味から、はっきり実はその性格を申し上げたいと思います。
これは誤解を防ぐ
意味で申し上げるわけでありますが、御
指摘になっておりますその注に載っております
一連のこの
合衆国軍のいわゆる
内規でありますが、これは全体をお読みいただきますとおわかりいただけますように、冒頭に「
参考」として掲げてございます。これはどこまでも
日本側の、私
どもが
税関行政をやって参りまする上におきまするいわゆる
臨時特例法の
基本通達の全く
参考として、その
通達の
うしろにこれを掲げておるということでございます。これが第一点であります。したがいまして、これはどこまでも
基本通達そのものではありませんで、
基本通達の
参考として掲げたものであるということであります。そういった
意味の
米軍の
内規であります。
第二に、しからば、なぜそういった
米軍の
内規を
参考としてここに
通達の
あとにくっつけておるかとうことでございますが、これは
行政協定の
発足当時におきまして、私
どものほうとしましては、
行政協定に基づく
臨時特例法でありますから、その
臨時特例法のこまかい
取り扱いの
規定を
基本通達として
現場の
税関に本省から出したわけであります。それがお
手元にあります
通達集の中でその
関係のところの一ページから二十ページまで、これがいわゆる私
どもの
基本通達でございます。これでもって取り扱っていけばよろしいわけでありますが、
先ほど申し上げましたように、
行政協定の
発足当時におきましては、何かと
現場で、相互の
理解の不十分といったようなところから、
トラブルが起こりがちであった。したがいまして、そういった
関税法上の
臨時特例に関する
取り扱いの
取り扱い自体をスムーズにやって参ります上に、
現場の
税関におきましても、
米軍側ではどういう
内規を出しておるであろうか、もしそれがわかりますると、扱いの上でいろいろ
現場で起こる
トラブルを防ぐ上に
便宜であるという要望がありまして、私
どものほうでも、それならばということで、
米軍から、
関税に
関係のあるところをどういうふうにお宅では
内部で流しておられるのですかということで尋ねまして、その際たまたまこういうものを、
米軍で実はこういう
内規を
内部では流しておるのだということを見せてもらったわけであります。それを私
ども行政の
便宜と申しますか、そういった
現場でのいろいろ
便宜のために翻訳いたしまして、
参考としてこれを
税関に流した、そういった
性質のものであります。
したがいまして、私
どもの立場から申しますると、有効に動いております
基本通達は、この
基本通達の中の一ページから二十ページまで、これが
日本側の有効な
基本通達であります。それ以後の部分はすべて、一番上に、ちょっと小さい字でたいへん恐縮なんですが、「
参考」として書いてございます。以下全部これが
参考でございます。
米軍の
内規でございまして、単純にただいま申し上げましたような
意図に基づきましてつけ加えました
参考の
書類であるということであります、したがいまして、この
参考書面はもっぱら
米軍の
内部の問題でありまして、直接
日本側を拘束するとかいった
性質のものではございません。
そこで、問題の、御
指摘になりました
米軍内規の十一の八というものが、そういった
参考の、
向こうの
内規の中で、さらにその中の一部に注として引用されておるわけであります。
米軍のただいま申し上げましたような全体が
内規でございますので、その中に
向こうさんのいろいろな
規定なりあるいは
規則といったようなものを引用いたしております。これにつきましては、一々私
どもとしてはこれを入手するといったようなことはやっておらないわけであります。大体
税関に
関係のあります事項が、この何と申しますか、「
参考」として翻訳いたしましたところの中にございまして、その中にさらに引用されておりますこまごました
規定、これは直接私
ども関係ございませんので、そういうものについてはそういう
文書も実は手に入れておらないわけであります。ただ、
前回その十一の八は実質上実は現在では変わっておるということを申し上げましたのは、その当時私
どもが、十一の八というものでどんなことが
規定されてあるだろうかといった問題を聞きました際に、承知いたしました限りでは、
韓国の
軍用機等が入って参ります場合に
米側から
事前に
日本政府に
通報するといったようなことが書いてあるのだ、そういう
趣旨のものだというふうに実は了解いたしておるわけであります。この点は現在、何と申しますか、正式な
外交ルートによる
手続の
方法に
手続が変えられておるということを、
前回お断わり申し上げたわけであります。
したがいまして、全体として申し上げますると、この
基本通達の
あとに「
参考」として掲げておりますこの
一連のものが、これ
自体が実は当初の
意図が、
先ほど申し上げましたように、
行政協定の
発足当時の
現場における
トラブルを防ぐという
趣旨で
参考として掲げたものでありますので、その後いろいろ、
向こうの
内部の
規定でありますから、変わっておると存じます。現在では実はこういうものをもう必要としないように一応習熟いたしておるわけなんであります。そういった
意味では、こういった「
参考」といった
文書は、こういう
通達集からは実は
削除すべきものである。この点は、私、御
指摘のとおりに早く
削除すべきであったと存じます。いずれにいたしましても、そういった
参考文書でございますので、さっそくそういう
意味では私
どもこれを全部
削除するということをやりたいと思いますが、重ねて申し上げますが、有効なのは私
どもの
基本通達でありまして、
米軍の
内規はあくまでそういう際の
ただ参考として掲げたものにすぎないということでございます。したがいまして、
前回御
要求のありました
資料、その中にいろいろ引用されております
米側の
陸軍規則でありますとか、
海軍の
規則、空軍の
規則、そういった
一連のものにつきましては、これは全く
向こうの
内部の
規定でありますので、
資料として
提出することは私
どもいたしかねるわけであります。
資料として御
要求のありました中で、
臨時特例法の
基本通達、その後の
改正ということも織り込みまして、ごく
最新版をお
手元に差し上げるように準備をいたしております。
以上のような次第でありまして、御
指摘の問題の点が
米軍の
内規である。したがいまして、その
内規自体は
日本側を何ら拘束するものではございません。私
どもとしては、どこまでも
基本通達でやって参るような
性質のものであるということを、この際はっきりさしておきたいと思います。