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1962-03-27 第40回国会 参議院 商工委員会 第15号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十七年三月二十七日(火曜日)    午前十時二十六分開会     —————————————  出席者は左の通り。    委員長     武藤 常介君    理事            赤間 文三君            剱木 亨弘君            中田 吉雄君            牛田  寛君    委員            上原 正吉君            川上 為治君            小林 英三君            吉武 恵市君            阿部 竹松君            岡  三郎君            近藤 信一君            椿  繁夫君            吉田 法晴君            田畑 金光君            加藤 正人君   国務大臣    通商産業大臣  佐藤 榮作君   政府委員    公正取引委員会    委員長     佐藤  基君    通商産業政務次    官       森   清君    通商産業省通商    局長      今井 善衛君    通商産業省企業    局長      佐橋  滋君    通商産業省鉱山    局長      川出 千速君    中小企業庁長官 大堀  弘君   事務局側    常任委員会専門    員       小田橋貞寿君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○石油業法案内閣送付予備審査) ○中小企業団体組織に関する法律の  一部を改正する法律案内閣提出) ○輸出保険法の一部を改正する法律案  (内閣提出) ○家庭用品品質表示法案内閣提出)     —————————————
  2. 武藤常介

    委員長武藤常介君) これより商工委員会を開会いたします。  本日は、石油業法案説明を聴取いたした後、中小企業団体組織に関する法律の一部を改正する法律案輸出保険法の一部を改正する法律案家庭用品品質表示法案審議を行ないます。     —————————————
  3. 武藤常介

    委員長武藤常介君) まず、石油業法案議題とし、提案理由説明を聴取いたします。森政務次官
  4. 森清

    政府委員森清君) ただいま提案になりました石油業法案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。  石油は、国民経済上必要欠くべからざる基礎物資であり、今後ますますわが国エネルギー源としての地位を高めていくものと考えられます。このように重要な意義を有する石油につきましては、総合エネルギー政策見地に立って安定的にして低廉な供給をはかることが、国民経済上最も強く要請されるところであります。  わが国石油供給現状を見まするに、石油資源国内に乏しく、原油の大部分はあげて輸入に依存しなければならないという事情にありますので、石油産業につきましては、国際的な協調関係を維持しつつその健全な発展をはかるべきことは申すまでもないところであります。  石油をめぐる内外経済環境は、近年著しく変わりつつありますので、今後新しい角度から考えなければならない面が出て参ったのであります。すなわち、国内におきましては、石油需要は急速に増大しており、また近く輸入自由化が行なわれることとなっておりますので、石油設備拡張意欲が旺盛となっております。また海外におきましては、新油田の開発などにより、世界的な原油供給過剰傾向が生じ、原油販売競争が激しくなってきております。  このような内外の情勢から、今後国民経済的に見て問題が生ずることが考えられます。たとえば、石油供給上における過当競争の問題であります。これまで申し上げましたように、国内における石油設備拡張競争海外からの原油売り込み競争とが結びつきまして、石油製品の行き過ぎた販売競争がさらに一段と激化するものと思われます。これは石油業性格から見まして、いわゆる業界内部の自主的な調整のみによって解決することは困難な事情にあります。  もちろん、自由な競争による低廉な石油供給は歓迎すべきことではございますが、事態をこのままに放置しておきますと、かえって石油需給の混乱を招き、石油産業の健全な発展が阻害されるのみならず、国内エネルギー産業を初めその他の関連産業に対し悪影響を及ぼすとともに、消費者利益をも害するなど国民経済上望ましくない結果を招来するおそれがあると考えられます。  政府といたしましては、これまで貿易為替面調整措置によりまして、石油供給上の諸問題に対処して参ったのでありますが、輸入自由化によりまして石油業は新局面を迎えることとなるのであります。自由化後におきましては、わが国石油業が自主的な創意を一そう発揮し、自由公正な競争を通じて石油の円滑な供給をはかることが基本的なあり方であることは申すまでもありません。しかしながら、これまで申し上げましたような問題につきましては、国によるある程度法律上の調整はやむをえないと考えるのであります。現に欧米各国におきましても、石油業の健全な発展のため、それぞれの国情に応じて法律上その他の措置を講じているのであります。  この法律案は、以上のような考え方をもととし、石油業事業活動を必要な最小限度において調整するための規定を定めたのであります。  この法律案のおもな点につきまして大略を申し述べます。  第一に、石油供給数量設備能力等石油供給に関する重要事項内容とする石油供給計画を作成公表し、この法律運用基本といたすこととしております。第二に、石油精製業を行なう者は、その事業計画が適当であり、かつ、的確な事業遂行能力を有する者とし、石油設備石油供給計画に即応するようにするため、石油精製業事業及び設備について許可を要することとしております。また石油輸入業及び石油販売業につきましては、事業者実情を的確に把握し、輸入及び販売の秩序を確立するための基礎とするため、事業届出を要することとしております。  第三に、石油精製業者及び石油輸入業者は、その生産計画及び輸入計画について届出を要することとし、当該事業者届出をした計画に基づいて自由公正な競争を行なうことを期待しております。国は、その計画内容が全体の石油供給計画実施に重大な支障を生じ、または生ずるおそれのある場合に限り、勧告を行ない、企業社会的責任の自覚に訴えることによって石油供給計画実施確保をはかることとしております。  第四に、石油価格につきましては、石油業が正常な競争を行なうことによって形成される価格基本とする建前をとっておりますが、特に異常な事態によりまして、価格が不当に高騰したり下落したりする場合には、標準価格を定めて公表し、石油業が自発的にこの価格を尊重することを期待いたすこととしております。  最後に、この法案では、各方面の学識経験者で構成する石油審議会を設け、石油供給計画作成等基本的な事項はもちろんその他の事項につきましても諮問することといたしており、いやしくも行き過ぎた規制が行なわれることのないようにいたしております。  また再検討の規定を設け、内外石油事情その他の経済事情の推移に応じまして、緩和または廃止の方向で再検討する旨を明文をもって定めることとしております。  以上がこの法律案提案理由及びその要旨であります。何とぞ慎重御審議の上御賛同下さいますようお願い申し上げます。
  5. 武藤常介

    委員長武藤常介君) 本案の質疑は、都合により後日に譲ります。
  6. 武藤常介

    委員長武藤常介君) 次に、中小企業団体組織に関する法律の一部を改正する法律案議題とし、質疑を行ないます。質疑のある方は、順次御発言を願います。
  7. 田畑金光

    田畑金光君 二、三お尋ねしたいと思いますが、まず第一には、今度の法改正によりますと、商工組合設立は、不況要件の存在を前提としなくてもできるようになっておるわけです。また合理化カルテルあるいはまた共同経済事業等々も行なえるようになっておるわけでございますが、そこで、最初にお尋ねしたいことは、不況カルテルを認める場合に、内容について見ますと、従前と同じように、一段階制限行為生産数量制限とか、設備制限等をやらなければ、価格調整事業ができないというように、この点は従前と同じだと、こう思うのですが、二段階をとらなければまずいのかどうか、なるほど価格協定でございますから、一般消費者に非常な影響があるとか、消費者保護立場からいうならば、価格協定というのは、慎重にまた慎重を重ねることが必要だと思いますけれども、ただ、最近の一般的な物価の値上がり等を見ますと、所得倍増計画の行き過ぎとか、あるいは公共料金値上げ等が大きな影響をもたらしているということを考えたとき、団体法不況要件について、やはり二段がまえをしなければ、消費者大衆に非常に迷惑をかけるのだというようなことになるのかどうか。これは、最初から価格調整ということを認めたらどうか、こういうことも考えられると思うのですが、この点はどのようにお考えでしょうか。
  8. 大堀弘

    政府委員大堀弘君) ただいまの価格協定につきましては、従来どおり、田畑先生御指摘のとおり、二段階をとることといたしておりますが、今回輸出についてだけは、国内に対する影響もございませんので、輸出についてだけは一段飛びに、価格協定ができるというふうに改正をいたしたいと考えているわけでございますが、国内向けにつきましては、やはり国内一般消費者に対する影響もございますので、価格協定につきましては、やはり慎重な態度をとるべきであるという考えに基づきまして、数量協定その他で目的を達成できない場合、あるいは技術的な理由でどうしてもいかない場合に限って、価格協定をとるという扱いにいたしているわけであります。私ども考え方としては、いろいろございますのでありますが、やはり国内消費者に対する影響という点を考えまして、方法としては、慎重に二段がまえの方法を、従来どおりとって参りたい、かように考えているわけであります。
  9. 田畑金光

    田畑金光君 たとえば最近生活に一番つながっているパンとかみそ、しょうゆというような、そういう消費者の台所に直接つながっている物資、あるいは牛乳とか、こういうものが相当値上がりをみているわけです。こういうような生活物資等については、そういう業種協同組合というのができて、しかもその協同組合というのが、最近は非常に大きくなってきて、事実上、その同業者の二分の一以上が組合の中に入っている。そういうところで組合で任意に協定して値段を上げる、こういうようなこと等は、これは現在のところ野放しになっていて、問題は、団体法に基づく業種についてのみは、この法律によって二段がまえの規制措置をやるというようなことは矛盾じゃないかと、こう思うのですけれども、だから、そういうようなところを考えてみますと、協同組合による最近の傾向をやはり団体法組織に切りかえて指導していくとかいうようなことが当然考えられるべきじゃないかと思うのですけれども、こういうような点はどうお考えですか。
  10. 大堀弘

    政府委員大堀弘君) 協同組合価格協定をやっておる事例が相当たくさんあるわけでございますが、私ども考え方といたしましては、協同組合は、商工組合と違って、同業者全般を包括していない、相互扶助団体であるという意味で、共同行為として、従来、価格協定を認めているわけでございますが、実際上かなりこれが広範に及んで参りますと、取り扱い上、疑義がある点もあるわけでございます。この協同組合価格協定につきましては、認可ではございませんので、従来、直接、公正取引委員会において独禁法取り締まりを受ける対象になっておるわけでございますが、私どもといたしましては、今後の運営といたしましては、業界全体に及ぶようなものはできるだけ商工組合成規の態勢に移していくように指導して参りたい、かように考えておるわけでございます。今日におきましても、協同組合価格協定につきましては届出をさせることにいたしておりまして、県庁あるいは通産局において届出に基づいて、行政指導において、遺憾のないように努力をして参っておるわけでございます。さらに今回その監督を強化いたしまして、事後届出事前届出に直しまして、もし不当なものがございます場合は、十分事情を調べて、不適当なものは勧告をして直させるという指導方針を強化することにいたしておる次第でございます。方向といたしましては、業界全般に及ぶような価格協定につきましては、やはり団体法に基づく商工組合による協定に持っていくように、私どもとしては指導をしたい、かように考えておる次第でございます。
  11. 田畑金光

    田畑金光君 そうしますと、今の長官の御答弁によれば、協同組合が大規模化して、しかも組合員構成等も、同業者の大半を吸収するような規模になって、それによって価格協定等をやる場合、実質的には、先ほど私がお尋ねいたしましたように、商工組合価格協定と全く内容においても同じような傾向になった、なりつつある、現になっておると思うのですね。そういうような節は、事前届出によって、行政指導だけで十分その悪影響というか、消費者大衆に対する迷惑を阻止することができる、除去することができると、こういうお考えですか。
  12. 大堀弘

    政府委員大堀弘君) 私ども行政指導でできるだけ適正を期していきたいと考えておりますが、かりに行政指導の力が及ばないで不当なものができました場合は、これは独禁法本来の建前に戻って公取委員会監督を受け、法律適用を受けるわけでございますが、商工組合に基づきまして認可を受ける。これは認可でございますが、認可を受けました場合は、これは取り締まり対象からはずれるわけでございますけれども協同組合の場合は競争を実質的に制限して、不当に対価を引き上げるというようなことをいたしました場合には、かえって独禁法取り締まりを受けることになっておりますので、行政指導とその面と、両面で私どもとしては遺憾なきを期して参りたい、かように考えておるわけでございます。
  13. 田畑金光

    田畑金光君 今の点について、公取委員長の御見解並びに最近の実情等について、どのように見ておられるかお伺いしたいと思います。
  14. 佐藤基

    政府委員佐藤基君) 協同組合行為につきましては、ただいま大堀長官の言われたとおりでありまして、私どものほうといたしましては、小規模の事業者相互扶助目的として作った組合で、法律規定に基づくもの、たとえば協同組合がそうでございますが、そういうものの行為については、独禁法適用しないということになっております。ただし、その行為によって不当に対価を引き上げる場合、そういう場合はこの限りでない、独禁法カルテルとして取り締まるということになっておるわけであります。そこで、現在におきまして、パン石油等につきまして、それが独禁法二十四条のただし書きの、不当な対価の引き上げであるかどうかというような点につきまして、目下審議をしておる次第であります。
  15. 田畑金光

    田畑金光君 国内貨物の中でも、たとえば印刷とか写真製版とかいう、こういう業種等はなかなか生産設備制限とか、数量制限という調整事業が至難だということを、われわれはそういう業種人方から聞いておるわけですが、こういうような特殊な業種性質上、第一段階制限をやるにしても、事柄性質上むずかしい、こういうような仕事等については、第一段階価格調整事業等ができるように認めても差しつかえないのじゃないか、まあそれが特に消費者大衆に迷惑をかけるというようなことがないのじゃないか、こういうようなことも言われておりますが、この点はどのようにお考えになりますか。
  16. 大堀弘

    政府委員大堀弘君) これにつきましては、七号の、技術上の理由によりという除外規定があるわけでございますが、それに該当するかしないかという実際の適用上の問題で、技術上の理由によって数量協定等ができないという場合は、例外的に価格協定もできるという規定がございます。
  17. 田畑金光

    田畑金光君 何条ですか。
  18. 大堀弘

    政府委員大堀弘君) これは、現行法の十七条の七号でございますが、普通の場合は数量協定実施した後においても、なお事態克服ができないという場合に限っているわけでございますが、技術上の理由によって数量協定その他のことを実施することが著しく困難な場合においては価格協定が一足飛びにできる、この技術的な理由というのは、狭い意味技術という意味では必ずしもなくて、広い意味技術的な困難ということでございますので、それに該当するかしないかという判断になろうと思います。実際上どうしてもこれができない業種であるとか、業体であるという場合には、価格協定ができないことはないわけでございまして、この点については具体的ケースについてやはり検討しなければならぬと思っております。
  19. 田畑金光

    田畑金光君 それから、輸出貨物については、先ほど大堀長官お話の中にありましたし、また今回も、改正を見ましても、第一段階制限行為をやらなくても直ちに価格協定をできることになっておりますが、国内貨物輸出貨物について違った取り扱いを認めるということも、これは常識的にうなずけますが、念のためにどういうわけで輸出貨物については直ちに価格協定がやられるのか、その理由等について明らかにしてもらいたいと思うんです。
  20. 大堀弘

    政府委員大堀弘君) 輸出につきましては、直接国内消費者に対する影響がないという点が第一点でございますが、同時に私どもとしましては、これはまあ先生御承知のように、やはり過当競争によって輸出振興を妨げておるという事情が非常に顕著でございますので、私どもとしましては輸出振興見地から、やはりこの際輸出貨物については直接価格協定をできるようにして、できるだけそういった輸出過当競争を防ぐという意味において役に立ちますように、この際改正をいたしたいという趣旨でございます。
  21. 田畑金光

    田畑金光君 その場合はやはり公取委同意ということになるわけですか。
  22. 大堀弘

    政府委員大堀弘君) 同様にやはり同意が要ることになっております。
  23. 田畑金光

    田畑金光君 長官お話のように、輸出貨物の場合は過当競争防止をするとか、過当競争がかえって輸出を阻害しておるというのが現実の事態だろうと、こう思うんです。まあそういう意味から見ますなら、当然輸出貨物カルテル等は認めること自体が、国民経済、あるいは輸出関係発展のために望ましいことであるとするなら、一々公取委同意を経なくても、公取に通知するとか、あるいは、まあ同意という強い手続というか、ではなくして、むしろ協議程度にとどめるということにしたほうが実際的じゃないかと、こう思うんですが、この点は同意にしなければどんな幣があるのか、それをひとつ御両者から承っておきたいと、こう思うんです。
  24. 大堀弘

    政府委員大堀弘君) この点につきましては、やはりまあ例外扱いにいたしておりますので、御趣旨の点はよく私どもも御了解申し上げることができるのでございますが、現在公取とも非常に私ども密接にやっておりますから、同意でございましても、事実輸出であれば手続的にも簡単に進めることができると考えまして、これは全体の調整規定が全部同意になっておりますので、この点も一応同意を要するという従来の建前を貫いて規定いたしたわけでございます。運用の面では十分迅速にいくように努力したいと思います。
  25. 佐藤基

    政府委員佐藤基君) 公取に相談するということは、公取立場といたしましては、何と申しましても、カルテルというのは独禁法例外であります。なるべくそういうことはやってもらいたくない。そういう見地で自由公正な競争確保消費者利益保護という点から考えまして、最小限度にとどめてもらいたい。もちろん通産大臣十分お考えと思いますけれども、他のカルテルの場合と同じように、やはり公取に相談していただいたほうが独禁法の適否、したがってまた消費者利益という点から考えて適当だろう、そういうふうに考えております。
  26. 田畑金光

    田畑金光君 まあ公正競争確保とか消費者利益を擁護するという独禁法建前公取委職務権限というものについては、われわれも敬意を表しますけれども、もっと大事なところへ公取委は着眼されて、仕事をなさることが大事だと思うので、まあこの程度のことは、輸出競争を通じ、日本輸出を増大していこうと、こういうのがそもそもこの輸出貨物については特例を設けるということになったのでございましょうから、やはり事柄性質上もっと一歩を進めて、私はこの辺の事情公取委同意でなくて協議ということでやっても、一向公取職務権限を侵すことにはならぬと思うのですけれども、どうですか。
  27. 佐藤基

    政府委員佐藤基君) これは他のカルテルを結ぶ場合と同様に、私どものほうといたしましては、きわめて重要なことと考えております。ただし日本現状で、あるいは中小企業の状態から考えまして、輸出奨励促進ということはきわめて重要でありますから、その点は十分合わせて相談に応じていくわけであります。
  28. 田畑金光

    田畑金光君 そうしますと、今の公取委員長の御答弁は、この同意ということになっておるが、運用においては協議程度考えても実質は同じことだというふうに理解してよろしいですか。先ほどの長官答弁はそれらしきことを言われましたが、そういうような理解でよろしいのですか。
  29. 佐藤基

    政府委員佐藤基君) 私どものほうとしましては、同意協議とはだいぶん法律的には違います。しかしながら、中小企業活動考え、また輸出取引重要性考えまして公益的見地から十分考えますので、同意ではあるけれども事態によっては比較的何といいますか迅速に処理することに努めたいと思っております。
  30. 田畑金光

    田畑金光君 それから大堀長官にお尋ねしますが、今度の改正案によりますと、新しい商工組合というのは、従来の不況カルテルのほか合理化カルテルもやるし、共同経済事業もやれると、こういうことになるわけですが、その相互関係は、これはどういうことになるわけですか。
  31. 大堀弘

    政府委員大堀弘君) 従来の商工組合事業といたしましては、不況カルテルと、それ以外は共同経済事業をやることになっておりましたのですが、今回加わりますのは、同業者のための指導教育事業情報調査活動といった一般的な事業、それから新しく合理化カルテルの結成ができる。合理化目的があれば、各種の合理化カルテルができるということが付け加わりましたことでございまして、私どもとしましては設立についても不況要件を撤廃し、そうしてこういう同業組合的な活動を常時やっており、また不況事態ができました場合は、不況カルテルが従来と同じ条件でもってできる、こういう考え方でございまして、同業組合的な性格を入れて、常時同業者のために一般的な活動を行ない、不況事態が出ませんでも合理化のためであれば、合理化活動ができるという意味で、組合活動の幅を拡げたいという趣旨でございます。
  32. 田畑金光

    田畑金光君 十七条の第一項第五号ですか、合理化カルテル内容は、物の生産技術に関する制限種類に関する制限種類別生産数量に関する制限販売もしくは引き渡しの方法に関する制限、その物の原材料の購買もしくは引き取り方法に関する制限、こういうことになっておりますが、合理化カルテル制限規定としてはこれだけで十分なのかどうか、たとえば設備制限ということも合理化カルテル対象にすべきではないか、と申しますのは、不況克服のため設備制限実施しておる商工組合が、不況克服したというので設備制限を解いたが、直ちに設備拡張ということでまた不況をもたらした、こういうようなことを考えてみると、設備制限等もやはり合理化カルテルの中に入れるべきじゃなかろうか、こういう考え方も出てきますが、この点はどのようにお考えでしょうか。
  33. 大堀弘

    政府委員大堀弘君) 設備制限ということは、一般の場合は、不況要件がないと合理化目的のために設備制限をするという場合は、非常に少ないんじゃないかと思うのですが、しかし法律の解釈としましては生産技術制限——ある範囲において、たとえば老朽設備を使うのをやめようというようなことは、合理化のためにできぬことはない、解釈としましてはですね、生産技術制限ということで読めないことはないわけでございますが、通常行なわれております設備制限でございますと、大体多くの場合は、不況要件があって、封緘をするとか、設備を新しく作るのを制限するといった場合は、一般の場合は不況要件が要るんじゃないか、こういうふうに考えておるわけでございまして、合理化目的のために生産技術制限という範囲において読める限りにおきましては、適用のある場合もあろうかと思いますが、特に設備制限ということを特掲してないわけでございます。設備制限あるいは価格制限といったようなことは、やはり不況事態の場合は大部分ではないか、かように考えておるわけでございます。
  34. 田畑金光

    田畑金光君 そうしますと、技術に関する制限ということを広く解すれば、場合によっては合理化カルテル対象として設備制限ということも考えられる場合があると、こういう工合に読んでよろしいですか。
  35. 大堀弘

    政府委員大堀弘君) そういうように考えております。ただ目的が当然合理化目的ということに限られます。
  36. 田畑金光

    田畑金光君 それからもう一つ、今の合理化カルテルの場合について、品質というものについて、これはやはり品質の制限ということも合理化内容として考えられてもいいんじゃないか、すなわち品質の向上とか、あるいはよりいい製品を作るということを奨励するためにも、好況不況にかかわらず、製品の検査事業合理化事業に加えるというようなことも、これは長い目で見れば、そういう生産業者発展のために望ましいことじゃないか、こういう見方も成り立つと思うのですが、この点についてはいかようにお考えでしょうか。
  37. 大堀弘

    政府委員大堀弘君) ただいまの点は、イの種類に関する制限という中に含まれておるわけでございまして、私どもはこの中で製品の品質とかあるいは規格、意匠の統一、こういったことが種類制限の中へ含まれておるわけでございまして、私ども全く同様の考え方でございます。
  38. 田畑金光

    田畑金光君 そうしますと、物の種類に関する制限ですか、その中に今の御答弁のように、品質とかあるいは意匠の統一とか、こういうことも含まれておると、こういう解釈ですか。
  39. 大堀弘

    政府委員大堀弘君) さようでございます。
  40. 田畑金光

    田畑金光君 それからもう一つお尋ねしたいことは、このアウトサイダー規制命令というのは五十六条から五十七条の二までですか、アウトサイダーの規制、それでよろしいんですか。アウトサイダーの規制命令は五十六条から五十七条の二まで、アウトサイダーの規制命令をこの中に規定しておると読んでよろしいですね。
  41. 大堀弘

    政府委員大堀弘君) さようでございます。
  42. 田畑金光

    田畑金光君 そこでこのアウトサイダーの規制命令を主務大臣に申請した場合には、主務大臣は当然一定の期間内にその申請に対して、認めるとか認めないとか、命令を出すということになろうと思うのですが、これはこの命令を出す期限の制限というものがあるわけですか、この点はどうなんです。たとえば私の申し上げておるのは、現在の法律現行法でいきますと、調整規程の申請をしたならば、二カ月以内に主務大臣はこれを認定するとか認定しないとか、こういうことになっておりますね。このアウトサイダー規制命令については、当然一定の期限内に主務大臣としては命令を出すべきだと思うのですが、これはどういうことになるわけですか。
  43. 大堀弘

    政府委員大堀弘君) 規制命令に関しましても、やはり申請に対して二カ月以内に当該命令を出すか出さぬかということを、主務大臣としては決定をしなければならぬように制限されております。——たいへん失礼しました。ちょっと私の誤解で、現行法では規制命令に関しては現在のところ制限がございません。現実にはできるだけ早くやるように努めておりますが、やはり実態説明の資料が不十分の場合がなかなか多いわけでございまして、あまり期限を切りましても、資料不十分のために、かえって発動について否定的になりがちだという不都合もございますので、われわれとしましてはできるだけ早く措置するように努力いたしておりますが、現状では先ほど申し上げましたように制限がございません。この点は失礼いたしました。
  44. 田畑金光

    田畑金光君 今御答弁にありましたように、現在は調整規程の認可については二カ月内に判定をしなければならなぬ、こういうことになっておるにかかわらず、アウトサイダー規制命令などというのは、商工組合不況事態克服するための緊急措置として、しかもその申請の条件は非常にきびしい条件をつけて申請しているわけですから、資料が整わないようなことで、かえって申請者に迷惑をかけるかもしれぬというような御答弁でございますけれども、しかし事柄性格上から見ましても調整規程と同じようにすみやかにやっぱり規制命令の申請に対してその判定を下すというふうなことでなければ、これはかえって業界の混乱を放任するという結果になろうとこう思うのですが、こういう点について一定の期限というものを考えておかなかったというのは、これは手落ちじゃないでしょうかね。
  45. 大堀弘

    政府委員大堀弘君) まあ自主的な調整規程の場合は組合員同士がきめて、それを政府認可にかけていくということでございますから、この調整規程の規制命令、アウトサイダー規制命令を出しますのは、これは通産大臣命令として全般的な規制をきめるという格好に形式的にはなっておるわけでございまして、戦前の場合は組合の定めた規程に従うべしというような法体系もあったわけでございますが、今日では通産大臣が省令を出してこういった規制でやるぞという省令を出して施行する格好になっておりますので、形の上からいきましても、まあ私どもは実際上はできるだけ早く処理するように努力いたしたいと、現在でもそう考えてやっておるわけでございますけれども、期限を切りますことについてはやはり多少問題があるのじゃないかという考え方をもっております。
  46. 田畑金光

    田畑金光君 今の点は、調整規程というのはこれは業者の方々が総会等の決議で同意して、これは申請するという手続になっておるわけですね。しかし今のアウトサイダーの規制命令申請というのは、大臣が省令によって一定の基準を定めて公示するとか公表するとかいうことになるのでございましょうが、しかし行政当局のほうで、行政機関のほうでいかに親切になるべく早く結論を出すようにとこう御答弁なられても、この種問題は非常に私は取り扱いに時間がかかるし、結局はまあいろんな困難な条件が重なり合ってというようなことで、申請してもそれに対する裁定というのはなかなかおりてこないのじゃないか。そうなってきますと、いわゆるアウトサイダー規制命令というものが、なぜそれが必要であるかという本来の問題に返って来るなら、やはりすみやかに裁定を下して、業界の混乱、あるいは公正な競争確保企業の安定をはかることが大事だと思うので、私は今の点についてはこれは片手落ちじゃないかと、こういう感じを持つわけですけれども、なぜこの場合だけ期限を付さないままに、こういう仕方になっておるのかですね、もっと納得のいくひとつ説明を願いたいと思うのです。
  47. 大堀弘

    政府委員大堀弘君) 調整規程の場合は、これはまあ組合員が正式の手続を経てこれでいこうということをきめて参っておるわけでありますから、比較的組合員以外の人に対する影響ということはないから、政府としても措置の決定は比較的簡単であるということになろうかと思いますが、アウトサイダー規制になりますと、アウトサイダーの人に対しては、それは事のよしあしは別にいたしまして、意思に反して規制をして参るわけでございますので、かなり調整規程ができておりますいきさつ、内容等について慎重な審査も必要になって参るわけでございまして、そういった意味で大臣命令を出して部外者を規制するわけでございますので、そういうわけで一律に期限を切ってしまいますと、なかなか実態調査に時間のかかる場合も当然予想されますので、われわれとしましては、できるだけ早く措置をするように今日でも努力をしておりますが、また今後も努力いたして参りたいと考えておりますが、一律な規制措置についての期限を切るということは必ずしも適当ではないんじゃないか、かように考えておるわけであります。
  48. 田畑金光

    田畑金光君 今の点は私は特に要望として申し上げておきますが、アウトサイダー規制命令を出さなければ業界の混乱が防止できないという、ある意味においては業界にとっては非常事態の問題ですから、その点については十分事柄性質上すみやかに問題の処理をはかるために二カ月といわず、できるだけひとつその目的に沿うように、当局は善処されることを要望しておきます。  それからもう一つお尋ねしたいことは、第十八条の調整規程の認可ですが、調整規程を設けるとか、あるいは変更はすべて主務大臣が認可する、こういうことになっておりますが、これはたとえばある都道府県なら都道府県の商工組合、あるいはまたそれを地域的に横につなげたと申しますか、連合会、いずれの場合も、これは主務大臣の認可を受ける、こういうことになるわけですか。
  49. 大堀弘

    政府委員大堀弘君) 全国の連合会の調整規程が認可になりましても、そのメンバーである単位商工組合、これがその連合会の規程の方針に沿ってその地区内の調整規程を定めます場合にも、法律手続としてはやはり認可が必要になっております。この点につきましては、むしろその辺は届出でいいんじゃないかというような御意見もございまして、私ども検討して参ったわけでございますが、連合会は単位組合を縛る規程になっておりまして、個々の組合はやはり個々の組合員を縛るという建前になっておりますから、規程としましては態様がだいぶ違った形で出て参りますので、これは届出だけでは必ずしも適当でないという結論になったわけでございますが、運用の面で連合会が調整規程の認可を受けております場合は、その線に沿っております場合は手続的にも認可ではありますけれども、すみやかに処理して参るように指導して参りたいと私ども考えておるわけでございます。手続といたしましてはやはり単位組合認可を受けなければならぬということにいたしております。
  50. 田畑金光

    田畑金光君 今のお話は手続としては認可を受けるということになっておるが、まあ全国的な一つの連合会が連合会として認可を受けた、その連合会の構成員である単位商工組合というものが全く同じ内容調整規程を持っておるというような場合は、まあ私らの考えとしては届出だけで十分じゃないかと思うんですけれども、その点は法の建前は両方とも連合会の場合も単位商工組合の場合も成規の申請をして認可するということになっておるんだが、実際の場合は届出と同じように単位商工組合については取り扱っておるんだと、こういうように解釈してよろしいんですか。
  51. 大堀弘

    政府委員大堀弘君) 私どもこの点は実は届出にしてはどうかという頭で検討してみたわけですけれども、やはり規程の内容が連合会が規程する規程と、単位組合の規程する規程と、規程が全く同一の形にはならないで、対象が違っておるものですから、違った形で出るわけでございますので、届出ということでは適当ではないということで認可制度にいたしております。単位組合については認可制度にいたしておりますが、私どもは主務官庁である府県庁、通産局等に対して新たに通牒を出しまして、連合会の規定しております趣旨に則った、単位組合調整規程につきましては、すみやかに認可をするようにという簡便に扱うように指導して参りたい、かように考えております。
  52. 田畑金光

    田畑金光君 今の点ですが、長官の先ほど来の御答弁を聞いておりますと、行政指導でやるから実質は同じであろうと、まあ業者に迷惑をかけるということはなかろうと、こういうような御答弁ですけれども、やはり本省から地方の通産局やあるいは県にそのように指示され、あるいは行政指導をなされても、なかなかそれぞれは独立官庁としての立場でまあものを取り上げて検討していくということになれば、私はなかなかここで答弁されるようなそう単純に運ばぬと思うのです。だから、商工組合連合会が調整規程について主務大臣の認可を受けたと同じ内容を、ただ場所を異にして、時間を異にして、県なら県の段階商工組合が手続をとった場合は、同じ内容であるならば、同じ内容であるかどうかということの立証によって届出にするということが、事務の能率簡素化をはかる、あるいはまたこういう大事な業界の混乱を防止しつつ安定をはかるという立場から見ましても、妥当な処理じゃなかろうかと、こう思うのですが、この点はひとつ今後の研究課題になされたらどうかと思うのですが、どうでしょうか。
  53. 大堀弘

    政府委員大堀弘君) 今後も十分この点については検討いたしたいと思います。私どもは、事務の簡素化をはかる、これは私どもなんかで特に届出でいかぬもんかどうかということでだいぶ検討してみたのでありますけれども、規程自身だいぶ違った内容で出て参りますので、同一性、全く同じ調整規程でありますれば問題はないのでありますけれども、やはり内容的には組合員対象としたものと、組合対象にしたものと違っておりますので、届出というこではやはりむずかしいのではないかということで認可にしたのでございます。運用の面で十分考えますとともに、今後さらに検討いたしたいと思います。
  54. 田畑金光

    田畑金光君 次に、アウトサイダー規制命令の違反について九十三条の二が規定しておるわけですが、これはどういうことを予想されておるのか、ちょっと御説明願いたいと、こう思うのです。
  55. 大堀弘

    政府委員大堀弘君) 従来は、アウトサイダー規制命令に違反した場合に対する罰則の一般の罰則規定がございましたのですが、実情申しますと、なかなかこの罰則だけで的確な効果を上げ得ない、アウトサイダー規制をする目的を達成できないということで、今回新しく罰則のほかに、一年以内の期限を定めてその事業の全部または一部の停止を命ずることができるという規定を入れる案になったわけでございますが、これはもちろん罰則でございますので、運用面につきましては、私ども十分慎重な運用をしたいと考えておりますけれども、やはり従来でも、割当をきめておりました場合でも、割当を超過して商売をする、アウトサイダーが。そういった場合に、正直者がばかをみるという結果になりがちでございますので、やはりそういったケースに対して、個別的に悪質なものに対しては、あるいは割当てを来期は罰則として相当減らすと、こういったことをやることによって員外者規定命令の効果をあげて参りたい、かように考えております。
  56. 田畑金光

    田畑金光君 今の御答弁でわかりましたが、今度は一定期間を定めて営業停止の命令を出させるように、今までは単なる罰金であったが、罰則の強化を、これをはかっておるわけです。ただ、お話のように、輸出品等についていろいろ数量規制がなされておる。その場合に、商工組合に所属しておる者は輸出数量等の規制についてはよく守るのだが、アウトサイダーがそれを無視して輸出をすると、ところが、検査の場合にも、通関の場合でも、それは制限外なのか制限内なのか不明確で、結局ばかをみるのは、商工組合の中で調整行為に加わっておる者がばかをみる、こういう結果になりがちだ、こういわれておるわけですが、そういう点についても、今後は十分当局としては、アウトサイダー等については規制していこうとする考え方に、これは立っておるのかどうか、もう一度ひとつ承っておきたいと思います。
  57. 大堀弘

    政府委員大堀弘君) 私ども田畑先生御指摘のとおりに考えておりまして、今度アウトサイダー規制命令を出しました場合は、十分その効果を発揮できるように運用して参りたいと考えておるわけでございます。
  58. 田畑金光

    田畑金光君 最後に、この第二十九条の組合交渉の応諾の問題ですが、この第二十九条で規定しておる組合交渉に応じなければならぬと、いわゆる応諾義務のある団体というのは、どういう団体を予定されているわけですか。
  59. 大堀弘

    政府委員大堀弘君) この点には法律規定によりまして、「商工組合組合員と資格事業に関し取引関係のある事業者であって、中小企業者以外のもの」、つまり、同じ事業をやっておる大企業。「商工組合組合員と資格事業に関し取引関係のある事業者をもって組織する第十一条第二号に掲げる団体又は輸出組合若しくは輸入組合」、これはまあ外の輸出組合輸入組合。それから「商工組合組合員たる資格を有する者であって、中小企業者以外のもの」、それから第四が、「地区内において資格事業を行う事業者であって、商工組合組合員たる資格を有しないもの」、これは農業協同組合とか、これらを除いておりますが、こういった四種類予想されておるわけでございます。
  60. 田畑金光

    田畑金光君 今の応諾義務のある団体の中に、農業協同組合ですか、農林水産関係組合というのは、これは入るのですか、入らないのですか。
  61. 大堀弘

    政府委員大堀弘君) 農業協同組合は四号においてカッコ内に書いてございますが、除かれておるわけでございます。
  62. 田畑金光

    田畑金光君 そうすると入らないわけですか。
  63. 大堀弘

    政府委員大堀弘君) 入りません。
  64. 田畑金光

    田畑金光君 そうしますと、この中に入る対象というのは事業協同組合とか、あるいは商工組合などの中小企業団体、それから輸出組合、こういう法的な団体なのか、どういう組合とどういう組合がこの法律にいう組合交渉に応ずる義務があるのか、ひとつ具体的に明確にしておいてもらいたいと思うのです。で、長官、私がお尋ねしておるのは、特に紡績協会とか、化繊協会とか、いろいろ大きな団体がありますね、あれは一体ここでいう交渉に応ずべき団体なのか、あるいはこれは任意団体で、この組合交渉には応諾ししなくてもいい団体なのか、その辺はどのようになっておるわけですか。
  65. 大堀弘

    政府委員大堀弘君) 紡績の場合は、中小企業の紡績の団体かどうかわかりませんが、この紡績業者個々の人は、かりに資格事業者組合を、中小企業団体を作っておる場合は、交渉の相手になる。個々の紡績業者は相手になりますけれども、紡連あたりの任意団体は、現行法では対象にならないということであります。
  66. 田畑金光

    田畑金光君 だから、個々の紡績業者が入った場合は交渉の相手になるが、連合会としては対象にならぬということになれば、やはり私はそこあたり応諾義務の対象ですね、これについてはもっと掘り下げて考えてみる必要がありやせぬかと思うのです。せめて連合会で、こういう話し合いをしているから無理だと、個々の紡績業者としてはですね、そういう立場とか、理屈で組合交渉等に対してはよく話に乗らぬとか、拒否するとか、応じないとか、こういう態度が出てきようと思うのです。だから、やはり本来は、今私一例を申し上げましたが、紡績協会とか、化繊協会とか、これは任意団体で、しかし実は任意団体が一番大きな権限を持っておる。こういう団体との組合交渉が一番問題の大事なかなめを握っておるということを考えたとき、もっとこういう任意団体等についても規制するというか、何か応諾義務を課するような考え方というものは、当然検討されるべきではなかろうかと、こう思うのです、これは常識的に見まして。その点について政府の中で、中小企業庁の中で研究等なされたことがあるのかどうか、これを承っておきたいと思います。
  67. 大堀弘

    政府委員大堀弘君) ただいまのケースの場合、御質問に対するお答えにならないかもしれませんが、この場合の規定建前は、資格事業に関してということになっておりますので、たとえば織布業者の仲間同士で調整規程を作る。その中に織布業者で大きなものがあるという場合に、これはどうも団体交渉という問題になろうかと思います。紡績の、主として糸屋さんの立場と、織物屋さんの立場との交渉ということになりますと、団体規制以外の、一般の事実上の話し合いになろうかと、むしろ原料メーカーと加工業者との関係というふうな関係になろうというふうに考えるわけであります。産業政策的な一般的な指導あっせん、あるいは調停といったようなことになろうかと思いますが、私どもただいまの点につきまして、なおひとつ今後検討させていただきたいと思いますが、今日までのところ団体法規定としてそこまで検討したことはございませんので、なお、今回は団体法の一部改正でございますけれども、将来基本法その他の関係がございますので、団体協同組合その他の関係法令全体としての整備について、相当立ち入った検討をいたしたいと考えておる次第でございます。今後十分御指摘の点についても検討を加えていきたいと思っております。
  68. 田畑金光

    田畑金光君 先ほど大堀長官、私のお尋ねした中で明確な答弁が落ちておるのは、この二十九条の組合交渉の応諾義務のある相手方というのは、どういう組合なのか、それを具体的にひとつ示しておいていただきたいと、こう思うのです。それで私の質問を終わります。
  69. 大堀弘

    政府委員大堀弘君) 二十九条の関係団体交渉の相手になる団体といたしましては、二号にございまして、本法の「第十一条第二号に掲げる団体又は輸出組合若しくは輸入組合」、十一条二号に掲げる団体といいますのは、商工組合組合員となり得るということで、「事業協同組合事業協同小組合協同組合連合会、企業組合商工組合商工組合連合会、農業協同組合、農業協同組合連合会、水産業協同組合、森林組合又は森林組合連合会であって、その地区内において資格事業を行うもの。ただし、その資格事業がこれらの団体種類ごとに政令で定める業種に属する場合に限る。」ということになっておりまして、ちょっと先ほど農業協同組合が抜けておると申し上げましたが、申しわけございませんが、ここで一応入っておるわけでございます。この政令で指定されておりますのは、農業組合では、現在におきましては、ミカンのカン詰あるいはびん詰製造業、清涼飲料水製造業、精麦業及び生糸製造業だけが指定されておりまして、きわめて限定された場合だけが指定されております。
  70. 武藤常介

    委員長武藤常介君) 他に御質疑はありませんか。——他に御発言がなければ本案の質疑は本日はこの程度にとどめます。  速記をとめて。   〔速記中止〕
  71. 武藤常介

    委員長武藤常介君) 速記を起こして。  午後一時まで休憩いたします。    午前十一時四十分休憩      —————・—————      午後一時三十一分開会
  72. 武藤常介

    委員長武藤常介君) これより商工委員会を開会いたします。  まず、輸出保険法の一部を改正する法律案議題とし質疑を行ないます。質疑のある方は、順次御発言を願います。
  73. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 この輸出保険審議会の答申の形式ですがね、通省産業大臣に対して会長が佐藤榮作さんで、こういう形式はどうなんですか、まあたくさんありますがね。自問自答というようなこれはどういうのか、この審議会のメンバーにならずに答申を求めていくというのと二とおりあるようですけれどもね、これは一体どういうわけなんですか。
  74. 今井善衛

    政府委員(今井善衛君) 輸出保険審議会は、この法律施行と同時に、つまり昭和二十五年にできまして、そのころは行政大臣が審議会の長になるような古い型の形式が多かったと思います。その後、行政審議会でいろいろ問題になりまして、たしか三、四年前の審議会におきまして、さような形式の審議会は好ましくないというふうなことで、行政大臣にはその所管の審議会の長になることは避けておるようでございますが、ただいま申しましたように、古い形の審議会の形をとっております関係上、その会長が佐藤大臣であり、行政府が通産大臣という場合にはさような形式になっておるわけでございます。われわれもおかしいと思いますけれども、さようなことで御了承願いたいと思います。
  75. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 通商産業省のこれ以外の審議会というものは、大体こういう形式でないやつでやっているのですか。その点は。
  76. 今井善衛

    政府委員(今井善衛君) この二、三年間で、二、三年前からできた審議会は、会長が必ず大臣でないほかの適任者をもって充てておりますけれども、通産省にはさような審議会の形が比較的多いそうでございまして、その場合におきましては、同様の形式でもって答申が行なわれておるわけでございます。
  77. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 今回の輸出保険法改正は、普通輸出保険の担保危険の増大についての改正でありまして、ただいま問題にしました輸出保険審議会の答申では、ただいま改正案として出ている以外に、これによりますると、保険料率の引き下げであるとか、資本金の増額、海外投資保険の改善あるいは信用調査機能の拡充、業務運営というようなことが答申でなされていますが、これらの答申の内容並びにその後どういうふうに取り扱われていますか。また今後の見通し等についてお伺いしたいと思うわけでありますが、特にさらに基本的な運営方針というものが総括的に打ち出されて、いたずらに短期的な収支じりに拘泥せずにやれというようなことがあるのですが、そういう取り扱いはどうされ、今後どういうふうになるのでしょうか。その点についてお尋ねいたします。
  78. 今井善衛

    政府委員(今井善衛君) ただいま御指摘のような答申があったわけでございまして、私どもこの基本的な運営方針につきましては、この審議会の答申に準拠して今後運営して参りたい。つまりこの保険法によりますると、独立採算ということを打ち出しておるのでございますが、それを少し窮届に考え運用いたしますと、輸出振興という大きな命題に必ずしもそぐわないような危険性も可能性もございます。そこでその答申におきましては、この短期的な独立採算ということに必ずしも拘泥しないで、この制度自体は基本はやはり輸出振興という建前につながる制度であるから、長期的に見て採算がとれるように弾力的に運用してほしいということが基本的に打ち出されておるわけでございまして、私どももさような心がまえで参りたい、かように思っております。  それからこの取り上げられました問題としまして、ただいま御指摘がございました六つの課題がございます。一つは保険料率の引き下げの問題でございまして、これにつきましては昨年の十月一日から相当大幅に保険料率の引き下げを行なって参っておりまして、普通輸出保険にいたしましても、あるいは代金保険それから投資保険、これらの保険料率につきまして三割ないし四割の引き下げを行なって参りました。  それからこの危険範囲の拡大の問題として、ただいま御審議願っております船積み前信用危険を担保とする制度をぜひ打ち立てたいと、かように考えまして、このたび提出いたしました次第でございます。  それから信用調査の拡大につきましては、これは特にこのあと払いの手形につきまして、さような問題が非常に多く必要性が起こるわけでございまして、私どもといたしまして三十五年、三十六年もやって参っておりますが、三十七年につきましては、予算も画期的にふやしまして特に力を入れてやりたい、かように考えておるのでございまして、三十六年の信用調査の予算は二百五十万円でございましたか、三十七年度におきましては四千万円を計上してやっておる次第でございます。  それからその業務運営の改善の問題につきましては、結局まあ保険の手続をもっと迅速にしろとか、特にこの保険金の支払いを迅速にしてほしいという問題でございまして、この問題につきましては人員もふやすように努めておりますし、それから特にこの保険につきましては、関西地区で取り扱う場合が非常に多いわけでございまして、とりあえず大阪通産局に中央でやるべき権限の担当部分というものをすでに委譲してやっております。それから保険金の支払いの場合に、非常に詳しく審査いたしまして、金額を最終的に確定した後に支払っておるのが今までの建前でございましたが、この事故が起こりました後に、概算的に計算いたしまして、そして支払う、いわゆる概算払い制度というものも、代金保険関係につきまして採用しておる次第でございます。  それから、あと、投資保険の問題と、それから資本金の増額の問題この二つが残るわけでございまして、投資保険の問題は、これは単に保険だけの問題じゃございませんので、いろいろ金融の問題、基金の問題、あるいは国際的に今、DAGでもって、後進国に対する投資の拡大の問題については、いろいろ取り上げておるような問題もございまして、今回の輸出保険の改正には、その点は組み込んでおりません。何らかの機会におきまして、私どもとして答申の趣旨に沿い、さらにまた、拡大したような形において組み込むよう努力したい、かように考えております。  それから出資金の増額につきましては、現在の出資金は三十億円でございます。私どもとしては、この出資金をさらにさらに増大したいということで、今年度の予算の場合におきまして、大蔵省といろいろ折衝した次第でございますが、まあ出資金自体は三十億円でございますが、現在、保険会計の基金全体としては、いろいろの積立金等がございまして、九十億円程度に上るというふうな関係もございまして、大蔵省との折衝がうまくいかないでわれわれとしては非常に遺憾ながら、出資金は増額できなかったのでございます。現状どおりということになった次第でございます。
  79. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 この答申を見ますと、輸出価格を構成するコスト負担を軽減するために、海外投資、利益保険等は、引き下げの幅を五〇%ぐらい下げる、こういうふうな答申になっておるのですが、ただいま三〇ないし四〇というのでしたが、答申どおりにならなかった理由はどういうことですか。
  80. 今井善衛

    政府委員(今井善衛君) 保険率の引き下げは、投資保険につきましては四〇%引き下げております。その答申で言っておりますのは、保険料率の引き下げのほかに、たとえば仮受金というふうなものも対象にしたらどうかというふうなことがあったのでございますが、その点は実現し得なかったということでございます。
  81. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 この資本命の総額ですね、九十億ぐらいあるからということですが、八十億ぐらいの増を要求されたでしょう。それがゼロになるということは、やはり答申の趣旨からいっても、あまりにも理解がないといいますか、尊重されなかったというか、その点はどうですか。
  82. 今井善衛

    政府委員(今井善衛君) 私どもとして、八十億円の出資の増額を要求したのでございます。で、今年の予算の立て方としまして、一時、予算の中でたな上げ資金的なものを使う、たな上げ資金的なものを作るというふうな動きがございました際には、八十億円のうち、ある程度のものが出資として増額になるのじゃないかというふうに期待しておったのでございますが、御承知のように、たな上げ資金的な性格のものは設けずに、一本でいく、その結果、われわれとしまして、非常な努力で折衝したのでございますけれども、遺憾ながら、先ほど申しましたような事情で実現しなかったわけであります。私どもとしましては、今後、何らかの機会におきまして、やはり出資金は増額すべきものであるというふうに考えております。
  83. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 普通輸出保険におきまして、今後、信用危険まで保険担保していく、そして、その信用危険の範囲も拡大していくということになりますと、どうしても信用調査ということが前提になってくるわけですが、わが国の信用調査機能が非常に完備されていない。それは一体、どういうところにあるのですか。その理由並びに、ただいま四千万ですか、予算的な措置ができたように申されたのですが、それはどういうふうなやり方で使われていくのか、そういうことについて御説明をまず願いたい。
  84. 今井善衛

    政府委員(今井善衛君) 西欧諸国、特にイギリス等は信用調査が非常に進んでおるのでございますが、これは古くから、イギリス等におきましては、民間保険会社におきまして、信用危険を担保しておった、さような歴史がございまして、向こうは進んでおると思いますが、日本では御承知のように、戦後LC取引と申しますか、信用状取引をむしろ強制して参ったのでございます。取引に二つの形態がございまして、信用状による取引と、それから信用状によらないで、術語でDAとかDPと言っておりますが、あと払いの荷為替手形と、二つございます。あと払いの荷為替手形によります取引は、これは非常に危険がございまして、したがって、信用調査を十分しなければいかぬということになっております。ところで、つい最近まで、わが国としては、めくら貿易、海外の個々の会社におきましても、海外の取引先の信用が十分わからないというふうな関係から、信用状取引を強制して参っております。したがいまして、信用状取引ということになりますと、あまり保険に頼らないでもできるというふうな問題がございまして、そういう意味で、信用調査の必要性がそれだけ少なかった。ところが、最近におきまして、各国との競争関係から見まして、あと払いの手形による取引というものを相当大幅に取り入れております。したがいまして、かような次第で、信用調査をますます急がなければならないということが言えるのでございます。信用調査の今までの実績から申しますと、三十五年、三十六年、この両年度におきまして、約一万八千件の調査をいたしております。三十七度の予算におきましては、四千万円計上いたしまして、これで三万件の調査を行ないたい。もっとも、三万件の中には、今までやっております一万八千件と一部ダブっておるものがございまして、三十七年度の年度末におきまして、調査件数としては四万二千件を完了する予定でございます。この調査の方法といたしましては、これはアメリカ、イギリス等の信用調査としての専門機関、そういうものに委託いたしますし、それからわが国の為替銀行等でさような調査をやっております。そういうところにも委託いたしまして、内外ともにかようなあらゆる手はずを整えましてやって参りたい、かように考えておる次第でございます。
  85. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 三十七年度で合計四万二千ですか、伝え聞くところでは、イギリスでは二十万くらいのバイヤーについて調査をしておるのではないかというようなことですが、一体四万二千というのは目途はどの程度にやれば間に合うということがあるのですか、年次計画ではどういうものであるかということと、日本では為替銀行等でもやっておるということですが、一体日本のそういう調査の機構というのはどういうふうになっておるのでしょうか。私実は不案内ですが。
  86. 今井善衛

    政府委員(今井善衛君) イギリスにおきましては、海外のバイヤー約二十万件くらいを対象にして相当りっぱな資料があるようでございます。日本では三十七年度末までにただいま四万二千件の調査と申しましたが、私どもとしましては少なくともやはり十万件くらいの調査がないと、信用調査機構ができたというふうに言えないのではないか、かように考えます。この信用調査につきましてはAランク、Bランク、Cランク、Dランクというふうに、相手の信用度に応じましてランク別にいたしまして、それを利用したいと考えておりますが、日本の為替銀行あたりでやっております調査というのは、これは為替銀行でいろいろ手形を取り扱っておりますので、したがいまして、ある場合に不渡りになったというふうなケースが出て参ります。あるいは非常に相手として違反ではないようにしろ、いろいろ注文をつけてこちらが困ったというふうなケースがございます。さような過去におけるいろいろの積み重ねによりまして、為替銀行としてはやっておるわけでございまして、為替銀行でやっております調査自体も調査員をごくわずか使っておる程度でございまして、決して個々の為替銀行のやっておる調査が相当網羅的なものであるとは申せませんが、われわれとしましてそれぞれの為替銀行がやっております調査を集大成して、それを活用して参りたい、かように考えておる次第でございます。
  87. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 四千万の信用調査委託費というのですが、これは海外の機関にも、外国の機関にも委託されておりますか、その点はどうですか。
  88. 今井善衛

    政府委員(今井善衛君) そのとおりでございまして、アメリカのダンという調査機関とかあるいはイギリスのケンプスというふうな一流の調査機関がございます。そこに委託して行なうのでございまして、四千万の大部分というものはかような所に委託して行なうことになると思います。
  89. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 これと関連して、今アメリカのことをあげたわけですが、日本の貿易振興会ですか。何か一人の人に四千万くらいの何か顧問料ですか、払っておるということですが、どうなんですか。
  90. 今井善衛

    政府委員(今井善衛君) これはジェトロの制度でございまして、たしか三、四年前からだと思いますが、アメリカでジェトロの常駐の機関がありますほかに、駒村機関と申しますか、特別の機関を置きまして、それが向こうの有能な弁護士とよく連絡をとりまして、そうしていろいろの報告をキャッチするという制度があるわけでございまして。それにたしか顧問料と、それから委託料と合せまして七千万円ばかりを計上しております。
  91. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 信用危険にまで担保するということになりますと、輸出業者は相手を十分調査せずに輸出契約を結ぶというような、保険があるのだからというようなことはないものですか。そういう弊害をチェックするというようなことはどういうふうにしてやりますか。
  92. 今井善衛

    政府委員(今井善衛君) 輸出業者が保険にかかりましても全額担保しているわけじゃございませんで、大体填補率というのがございまして、包括保険におきましては八〇%、それから個別保険におきましては六〇%、したがいまして、この差額がそれぞれの輸出業者の危険になるわけでございます。したがいまして、輸出業者ももしさような事故が起こります場合におきましては、自分に相当の損失がかかるわけになりますので、やはり相当に慎重に調査を続けるものと考えております。それからこの保険にとりますときには、輸出業者のほうからもちろん相手方の信用調査書類というものを十分添付させまして、それによりまして、役所にございます調査書類、それから輸出業者の調査書類、そういうものをよくにらみ合わせながらチェックして参るという仕組にしております。
  93. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 そうしますと、自分の負担もあるから、もうあまりそういう心配ないということなんですか。その点どうなんですか。
  94. 今井善衛

    政府委員(今井善衛君) さようなことでございます。
  95. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 このいただいた資料、どういうふうな危険が起きた場合、負担割合になるのだというのを見ると、必ずしもそうもとれぬようなんですが、当事者も負担するのだから心配ないということですが、そういうことになりますか。
  96. 今井善衛

    政府委員(今井善衛君) この保険にかけて参ります事例というのは、輸出業者といたしましても、もちろん自分の及ぶ限りにおきまして向こうの資産状態なり調査するわけでございますが、まあ相手方が新顔に近いというふうなこともあって、従来取引関係がないので必ずしも確信が持てない、どうしようかなというような輸出業者が多少不安を持っておる場合におきまして、保険をかけてくるわけでございます。したがいまして、輸出業者としてはいろいろの手を尽くしておるけれども、相手が新顔その他の関係があって不安があると、その不安というものをできるだけなくしてやるということがこの保険の役目でございますので、したがいまして、もちろん危険であるわけでございます。これは輸出業者側におきましても、あるいは政府側におきましても危険はあるわけでございまして、それを国が保険をとってやるというのがやはりこの制度の御利益だというふうに考えた次第でございます。
  97. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 国内にある一般のああいう保険のようなことは起こらないと、保険を詐取したり、いろいろあるでしょう。ああいうことは、これについては起こり得ない、あらゆる角度から見てないということなんですか。
  98. 今井善衛

    政府委員(今井善衛君) 悪用されますと、そういう可能性が起こりやすいのでございます。特にこの債務不履行というふうな非常に広い事故を保険の対象といたしますと、さようなことが起こりやすいのでございます。で、その事故を防ぎますためには、信用調査をできるだけやるということが大事なわけでございまして、先ほど来御指摘がありましたように、まだ信用調査が十分行き届いてはおりませんので、したがってその対象としましても、破産だけに限定しておるわけでございますが、したがいまして破産ということになりますと、相当はっきりした事態、しかもしぼられていくんじゃないかというふうに考えます。それからまた、この保険約款におきまして、相手方につきましても、たとえば二年以上取引があるとか、あるいは二年以上継続して向こうが仕事をしておるというふうな、向こうの資格につきましても限定したい、かように考えておる次第でございます。
  99. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 この保険契約の相手方を、外国政府に限って、相手方が民間人の場合については、適用されない。これは将来、近い機会に、いわゆる民間人の場合でも適用するというようなことにはならないのですか。その点はどうなんですか。
  100. 今井善衛

    政府委員(今井善衛君) 相手方の広い意味の債務不履行、そういうことにつきましては、政府だけに限っておるのでございます。で、民間につきましては、この債務不履行という広い事故を限定いたしまして、そのうちの破産だけとったということにしておるわけでございまして、民間につきましても、もっと信用調査が十分行なわれた暁におきましては、相手方の政府に対してやっておりますと同様な、広い意味の債務不履行ということに拡張して参りたい。今回は破産だけに限定したということでございます。
  101. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 そうしますと、将来信用調査がだんだん完備していけば、さらに対象を広げていくと、こういうことなんですか。
  102. 今井善衛

    政府委員(今井善衛君) そのとおりでございます。
  103. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 この輸出保険が損失をカバーするのは、すべて本人の責めに帰せられないものについて、しかも外国における為替の制限とか、仕向国の輸入制限、戦争、革命、あるいはわが国輸出制限等というような場合に、輸出業者にとって不慮の原因によって、そういう場合に、まあ補てんされるのは九〇%ですか、そのほかに一〇%以上は必ず損失を——一〇%の損出があるのですが、この補てんされない損失を何とか補償するような方法はないものかどうか。
  104. 今井善衛

    政府委員(今井善衛君) 原則として、ないのでございますが、先ほど申しましたあと払いの手形保険につきましては、府県のほうで、残りの分のほとんど全部につきましてまあ補償措置をやっております。国が九〇%填補いたしまして、八五%填補しまして——国が、手形保険の場合は八〇%填補いたしまして、残りの二〇%のうち一五%を府県が填補するという制度がございますけれども、これは府県に強制するわけに参りませんので、府県が自分のところの輸出業者輸出振興策として取り上げた場合に限って、そのような制度ができることになっております。
  105. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 これはどの府県がやっているのですか。東京ではやっているということは聞いておったのですが、その点と。そうしますと、そういうのは、そういう措置をとれば、たとえば交付金なんかでそれは補てんする財源措置はとられるものかどうか。そういうことはどうです。
  106. 今井善衛

    政府委員(今井善衛君) ただいま実施しております府県は、東京都、神奈川県、静岡県、愛知県、大阪府、兵庫県、大阪市、神戸市、名古屋市、こういう貿易の中心になっている府県が、輸出振興策として取り上げておるようでございまして、その交付金の問題につきましては、これは大体富裕府県というふうなことになりますので、必ずしも関連はないのではないかと、こう考えます。
  107. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 保険特別会計のほうから、損失をかけた相手方に対して損害賠償、あるいは抗議を行なうというようなことは、これはどうなんです。
  108. 今井善衛

    政府委員(今井善衛君) この輸出保険制度は、他の民間の保険と違いまして、いわゆる保険の代位制度というものは採用してないわけでございます。したがいまして、事故が起こりました場合におきまして、政府は保険金を支払うのでございますが、相手方に対する求償関係は、政府の手に移らずに、あくまでも輸出者が相手方から取り立てまして、取り立てた場合に、回収金といたしまして、その大部分を、一定の率に従って国に納付する、こういう仕組みになっております。したがいまして、政府が直接相手方に対して取り立てをするということは、原則としてやっていないのでございます。
  109. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 輸出契約の相手方が外国の政府の場合には、特に低開発地域といいますか、後進地域等に対する場合は、わが国の通商政策上の、貿易振興上の要請もあると思うのですが、このような場合に生ずる損失について、政府はもっと負担すべき——つまり期待利益といいますか、そういうものは別にしても、全額補てんするというようなことを考えるべきじゃないかと思うのですが、その点はどうですか。期待利益は別にして、その点はどうですか。
  110. 今井善衛

    政府委員(今井善衛君) これは非常にむずかしい問題でございまして、相手方が政府であるというのは、後進地域で、国の通商政策的な見地からいいましても、促進が望ましいのでございます。ただ保険の制度といたしましては、相手が政府であろうが、民間であろうが、建前を同一にするというのが建前でございまして、保険というのは、補償と違いまして、百パーセント補償するのでなくて、幾分かはやはりそれぞれの民間が負担するということで成り立っているわけでございまして、全額損失の場合、国が引き受けるということになりますれば、むしろ国営貿易というふうなことに一ぺんに飛ぶわけでございまして、それよりは、むしろ民間としてやっております場合には、相手方が政府でありましても、一部は民間に負担させるということが、健全に動くのではないかということで、かような制度になっている次第でございます。
  111. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 いただきました輸出保険運営実績というのがありますが、これの未経過の保険料及び支払準備金を差し引くと、実質的な黒字は一体これはどうなるのですか。それから三十六年度末の推計と三十七年度末の予定はどうなっておるのかという点について、ひとつこの実績を少し御説明願いたいのです。
  112. 今井善衛

    政府委員(今井善衛君) ただいま出資金としましては三十億になっておるのでございますが、保険特別会計の基金総額といたしましては九十億円あるのでございます。したがいまして、六十億円の差額は、そのうち二十九億円が未経過保険でございます。この未経過保険料と申しますのは、保険料が払い込まれておるのでございますが、プラント輸出のような場合に延べ払いということで、したがいまして、たとえば八年後、十年後に回収できるかどうか。保険料は払われておるけれども、まだ向こうの返済の期日に至っていないという場合に、それを技術的に未経過保険料として処理しておるわけでございます。それが二十九億円ございまして、あと事故がすでに起こって支払いに充てられなければならないというその支払基金が十四億円ございます。その残余の十七億円は、これは益金及び利子収入になっております。  それから三十七年度はどういう関係になるかということでございますが、今の予想におきましては約一億円の黒字が出るのじゃないかというふうに考えております。ただこの保険自体の本来の収支のほかに、九十億円の金を持っておりますので、それを運用する利子収入を入れまして一億円ということでございまして、保険本来の収支、これによりましては赤字が約三億三千万円程度出まして、利子収入等が五億円程度でございますので、総合いたしまして一億円の黒字、したがいまして現在九十億円の基金がございまして、一年後におきましてもそれが一億円ふえるかふえないかという程度運用して参りたいと考えております。
  113. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 最後に、これは政府を相手にした場合にですが、こういうケースは、こういうリスクは一体どこの国にいつも起こるのですか。こういうようなのは日韓貿易なんかを対象にしての改正とは違うのですか。社会党はなんでも想像をたくましくするというわけではないのですが、そういうリスクを、国を相手に一旦契約をしたものをキャンセルしたり、そういうようなのは一体どことどこに、代表的なケースを十くらいあげて、ひとつ予見できる、この答申の中で特にそれをなぜ取り上げているか、これは貿易政策の基本問題に関して質問したいと思うのですが、一体なぜ六つ七つの答申があるのに、国を相手のそういう場合を特に改正しているか、ここは一体どういうわけか、代表的なそういうケースをわかりやすくひとつ。それと韓国にはだいぶ焦げつき債権があるはずですが、一体何ぼくらいあるのですか。ああいう品物を輸出した人の危険負担はどうなっているか、そういうこともひとつあわせて説明していただきたい。
  114. 今井善衛

    政府委員(今井善衛君) 現在、相手国の買い手が政府であるという場合は、これは共産地域は全部御承知のようにさような状態になっております。ソ連なり中共なりあるいはベトナム、北鮮、そのほかにたとえばインド等におきましても、インドはこれは民間でやります分と政府でやります分と、むしろ政府自体がやるほうがウェートが大きい。それからビルマにおきましても、ほとんど政府機関でございますし、インドネシアにつきましても、ほとんどが政府機関ということでございます。今まで相手国の政府と契約しました場合に、相手国がたとえば納期についてあるいは設備設計につきまして、いろいろ難題が出てきた例もございますが、ただわがほうとしては、これは民間業者でございますので、泣き寝入りになったケースというものがあるのでございます。
  115. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 具体的に。
  116. 今井善衛

    政府委員(今井善衛君) これはたとえばインド等におきまして、インドから何の設備でしたか、機械の注文を受けましたときに——発電機につきまして設計変更の申し出がございまして、結局こちらといたしましては、その変更による損失はこちらで負負しまして、それでもって受けたという例がございます。それから中共につきましては、これは非常危険と申しますか、向こうの一般的な制度としまして支払いができなくなった。したがってこちらの輸出ができなくなったというケースがあるのでございますが、個々のその機関だけの固有の理由によりまして、向こうが支払い不能になったというケースというものはないようでございます。ただ、いろいろ注文はついてくるわけでございます。  それから韓国の話がございましたが、韓国につきましては、これはむしろ逆に民間貿易でございまして、向こうの政府貿易というのはまずないわけでございます。しかもオープン・アカウントによります焦げつき、これはそれぞれ民間貿易をオープン・アカウントで清算しているという関係でございまして、国としましては、焦げつきに近いようなものができておりますけれども輸出いたしました民間の業者は、それぞれ金を受け取っているわけございます。国の焦げつきと民間の回収不能とは全く別個の問題になっております。この焦げつきじゃございませんけれども、現在韓国とのオープン・アカウントで残っております残高というのは、四千六百万ドル程度でございます。これにつきましては、昨年の二月に向こうと協定いたしまして、四千五百七十万ドルをこえた場合におきましては、詳細につきましては覚えておりませんが、一月ないし二月以内に必ずこえた分を向こうは払ってくれるということで、去年の二月以降は向こうはまじめに実施しております。したがいまして、その残高は約四千六百万ドルよりはふえておりません。
  117. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 そうしますと、今、日韓両国の間にプラトン輸出とか、いろいろあって、計画があるようですが、そういうのはこれには関係ないのですか。この対象にはならんのですか。
  118. 今井善衛

    政府委員(今井善衛君) 日韓間の貿易は、いわゆるキャッシュ・ベースのものについてはやっているわけでございまして、プラント類の延べ払いを要するものにつきましては、国交が回復された暁におきましては、これは対象になりますけれども、それまでは対象にしないでおるわけでございます。
  119. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 私はこれは契約の金額の仕方によって、全然危険負担を双方が持たぬで、一方が持たぬでやる、たとえば百ドル、これを百五十万ドルくらいという成約をしておる。私はそういう何かトリックがあるように思うのですがこれはどうなんですか。
  120. 今井善衛

    政府委員(今井善衛君) 日韓間の貿易とこの制度の改正が全く無関係であるということは、先ほど御説明したことに尽きておると思いますが、今度の改正によりましていろいろトリックができるかどうかという問題でございますが、この相手国が政府機関の場合におきましては、他の民間機関よりもむしろ信用度が高いというのが、これは常識だと思います。それから相手方が民間人であります場合におきましては、先ほども申しましたように向こうが営業を開始してから何年たつとか、こちらの輸出業者が相手と取引してから何年たつとか、いろいろな関係も調べました上で、さように悪用されないように運用して参りたいと考えております。
  121. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 フィリピンですか、新聞に出ていましたマリキナ・ダムですがね、フィリピン政府とああいう何かありましたね。それが大統領選挙にからんでだいぶん進んでおったのが、もしこれをやられると選挙資金の縮小になるというようなことで、野党の攻撃でなっておったようなことが新聞に出ておりましたが、ああいうものは、これが通っておればどうなりますか、この法律改正案が通っておれば。
  122. 今井善衛

    政府委員(今井善衛君) マリキナ・ダムの関係は、あれは賠償でございまして、本来の輸出契約ではございませんので、したがいまして、これが通っておりましても関係がないのでございます。
  123. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 あれは賠償と断定できないと私は思っているのです。あれを引き当てにしてくれとか何とかということで、必ずしもあれが賠償でない。その点は今井局長に調査してもらいたいが、賠償とは——賠償は年々ちゃんとフィリピンに払う額がきまっておって、そうしてだんだんにやって参って、何か引き当てにやるようにしてくれないかというような話があって、必ずしもあれが賠償というふうになっておるかどうか私は疑問を持っておるのですが、その点いかがですか。
  124. 今井善衛

    政府委員(今井善衛君) 私もそう言われてみますと、はっきりしないのでございますが、たしか賠償担保ということになりますと、支払いが行なわれない場合におきまして、それを賠償に切りかえる。で、契約がそういうことになっておりますれば、むしろ保険よりももっと確実な担保があるわけでございますので、したがいまして、さような場合には、もしこういう法律が成立しておりましても、この貿易特別会計としては引き受けるべきではない、かように考えます。
  125. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 この相手国が政府——先にインド等の設計変更の例がありましたが、実際契約をやって、これがあれば受けぬでもいい損害を受けたというような具体的な例のはっきりしたのを二、三ひとつ印刷にしていただきたい。私の質問を終わります。
  126. 武藤常介

    委員長武藤常介君) 他に御質疑はございませんか。——他に御発言がなければ、本案の質疑は本日はこの程度にとどめます。     —————————————
  127. 武藤常介

    委員長武藤常介君) 次に、家庭用品品質表示法案議題といたしまして質疑を行ないます。御質疑のある方は、順次御発言を願います。
  128. 近藤信一

    ○近藤信一君 大臣の出席がございませんので、法案内容について局長にお尋ねをいたしたいと思います。この法案は、第一条の目的にもあるように、一般消費者利益保護することにあります。消費者保護のための法的措置として通産省関係法律を見ますと、JISマークの工業標準化法、それからティーマークの電気用品取締規則、さらには割賦販売法、不正競争防止法がございます。また通産省と直接関係がございませんが、独禁法があります。公正取引委員会では、独禁法との関連法案として今国会に不当懸賞広告防止法案の提出を予定されていると聞いておりますが、これら一連の法律とこの家庭用品品質表示法案とは、法域なり規制方法なりが異っているかもしれないが、いずれも消費者保護立場からの立法と思われます。一体どこが似て、どこが違っているのかわかりやすく説明をしていただきたいと思います。
  129. 佐橋滋

    政府委員(佐橋滋君) お答えいたします。まず、工業標準化法でございますが、工業標準化法は、あらかじめ一定の品質の規格を定めておきまして、これに適合する商品に合格する旨の表示、つまりJISマークを打って、商品全体の品質の保証なり、あるいは優良性を問題にいたしておるわけであります。ところで本法案は、品質自体の優良性とかということとは無関係に、品物自体にあるがままの表示といいますか、適正な表示をするということを内容にいたしておりまして、その個々の商品を問題にいたしておりまして、商品全体の品質保証とか、あるいは優良性というようなことをねらっておらないのでございまして、その点が標準化法との相異であります。  それから電気用品取締法でございますが、電気用品取締法は、御承知のように、先国会におきまして成立した法律でございまして、これは電気器具の危険や、あるいは障害の発生を防止するという意味で、電気用品の型式についての認可を受けることを義務づけておりまして、認可を受けましたものについては、ただいま先生の御指摘のようにティーマークをつけるということになっておりまして、いわゆる危険、障害の防止法案であります。これは法律自体には、使用の方法だとか、あるいは取り扱い上の注意というようなことは、一切問題になっていないのであります。今度の提案いたしております家庭用品品質表示法は、こういったなんといいますか、型式、性能といったようなことは問題でございませんで、先ほど申しましたように品質の適正な表示だということをねらっておりまして、さらに消費者のために使用方法なり、あるいは取り扱い上の注意なり、いわゆる親切な表示、正しい表示をすることを対象といたしておりまして、それぞれ目的において相違があるわけであります。  次に、割賦販売法でありますが、これも先国会に成立を見たのでありますが、これは割賦のいわゆる正しい取引が行なわれますように、契約の規制内容といたしておるのでありまして、本法案が品質の表示をねらっておりますのとは全然法域を異にしておるものであります。  次に、独禁法でありますが、独禁法は、いわゆる何といいますか、不公正競争を取り締る法律でございまして、本法案と比較的似ておりますのは、独禁法の第二条第七項第三号でありまして、不当顧客の誘引の防止規定でありまして、これはいわゆる事業活動を行なう業者が不正な取引を行ないます場合、いわゆる正しい競争が行なわれないおそれがあります場合に限って発動するものでありまして、しかも表示の強制ということは全然できない仕組みになっております。今度のわれわれの法案は、いわゆる不公正競争というものではありませんで、商品自体が消費者に対して正しく表示されるということをねらいにいたしておりますので、これといわゆるねらいが違うということが言い得ると思います。と同時に、われわれのほうが、今度提案いたしております法案は、表示の強制ということも可能になっておるわけであります。  それから今度、今国会に公正取引委員会から提案になる予定になっております不当懸賞広告防止法案というようなのが出ることになっておるように聞いておりますが、これも何といいますか、いわゆる競争者の顧客を不当に自分のほうへ誘引するというための懸賞つき、いわゆる誇大、あるいは欺瞞広告といったようなものを押える規定でありまして、いわゆるまあ現在の独禁法でねらっているところと同じでありますが、ただその手続を簡易にするために提案をされるものと伺っておりますが、これは一般消費者利益が害されておるかどうかというようなことは必ずしも法発動の条件ではありませんで、やはり先ほど申しましたように、業者間の公正な競争が阻害されるという場合のみ発動されるものでありまして、法の目的なりあるいは法域なり規制方法が違っておるわけでありまして、私のほうの今回提案いたしましたのは、どこまでも個々の商品についてその商品が持っておる正しい性質なり用途なりというようなものを表示するということをねらいにいたしておりますので、今まで先生がおあげになりました各法律とはそれぞれ内容を異にしておるものであります。
  130. 近藤信一

    ○近藤信一君 ただいまの御説明によりますると、法全体の立場からいけば、消費者保護という建前に立っておる、こういうことが重点に置かれておるようにも思われるのですが、それに間違いございませんか。
  131. 佐橋滋

    政府委員(佐橋滋君) 間違いありません。
  132. 近藤信一

    ○近藤信一君 この法案の第二条に、本法案対象となる商品があげられているが、品質を識別することは、通産省所管の物資の中でも相当の商品について必要ではないかと思います。それが今回のこの法案では、繊維製品、合成樹脂加工品、それから電気機械器具及び雑貨工業品に限ったことになるのですが、この他の商品に対しては何らも触れていない、一体これだけに限ったという理由はどこにございますか。
  133. 佐橋滋

    政府委員(佐橋滋君) 消費者保護見地から、一般に普及されております家庭用品について品質を表示するということは、これはいずれも必要なことでありますが、しかし表示をしなくてもわかるというようなものは本法案対象にする必要はないとわれわれは考えておりまして、現在実際の問題としてどういうようなものが必要があるかというのを、具体的な家庭用品につきまして調べ上げました結果、ただいま御指摘のような二条に書きました繊維製品、合成樹脂加工品、電気機械器具と雑貨工業品という大体この四つの種類の中に包含されるものと考えております。この四つの家庭用品のうち、特に品質の識別が著しく困難でかつその品質を識別することがぜひ必要だというもので政令で定めるものに指定をすることにいたしたわけでありますが、今後またわれわれが考えておりません新しいこういった分類に入らない家庭用品が現われました場合、しかもただいま申しましたような識別する必要があるという商品が現われますれば、そのときにはこの法律改正をして拡大する必要がある、こういうように考えておりますが、われわれ現在承知しております研究の範囲内では大体まあこの四つのカテゴリーで十分かと考えております。
  134. 近藤信一

    ○近藤信一君 今の御説明によりますると、当面の間はこの四つでいけるんじゃないか、こういう御説明でございまするが、やはり家庭用品ということになりますれば、この四つ以外の面でも相当私は現在でも数えればあると思うのであります。そういう点、その必要が生じてくればまた法改正をやる、こういうことでございまするが、私は、出てきて必要があればもう一ぺん法改正するというのでなくて、やはりこういう法案が出るならば、当初からそういう面についても十分考えていく必要があるのじゃないか、こういうふうに私思うのですが、この点いかがですか。
  135. 佐橋滋

    政府委員(佐橋滋君) この繊維製品あるいは合成樹脂加工品、電気機械器具、雑貨工業品というのは、大体家庭用品で通産所管の関係のものをやや網羅的に考えておるカテゴリーでありまして、これ自体がそれぞれ非常にわれわれとしては広く読むつもりでございまして、このカテゴリーに入らないというのは、いわゆるわれわれが本法案で予定しておる品物の中には現在のところ考えつきませんので、大体これで十分ではないか、こういうふうに考えております。ただいまも申しましたように、どうしてもこの範疇では読みにくいというようなものが新しく発見されるとか、発明されるとか、普及するとかいうような事態になりますれば、法律改正する必要が出てくるのじゃないか、こういうふうに考えております。
  136. 近藤信一

    ○近藤信一君 私はちょっとこう考えただけでも陶磁器だとか、ゴム製品だとか、こういう面もあると思うのですが、これはこの雑貨工業品の中に——、一般消費者が購入に際して品質を識別することが著しく困難である、こういうふうにあるのですが、その部類に入れてのお考えですか。
  137. 佐橋滋

    政府委員(佐橋滋君) ただいま先生の御指摘になりましたような陶磁器だとかあるいはゴム製品だというようなものも雑貨工業品という範疇に十分に入り得ると私は考えております。
  138. 近藤信一

    ○近藤信一君 この法案対象となる商品のうち一定の条件に当てはまるものをここに政令で指定することになっているが、その条件をもう少し具体的に示してもらいたいのであります。たとえば一般消費者が購入の際に「品質を識別することが著しく困難」であるものとか、「その品質を識別することが特に必要である」とか、そういうふうなことは、具体的にどういう場合をあなたのほうではおさしになるのか。また、政令ではさしあたりどんな商品を指定されようとしておられるのか。この点はいかがですか。
  139. 佐橋滋

    政府委員(佐橋滋君) 法案では、ただいま御指摘のように一般消費者が「その購入に際し品質を識別することが著しく困難」という条件と、それから「その品質を識別することが特に必要」だという二つの条件をかなえたもので政令で定めるということになっておるわけでありまして、われわれが現在考えておりますのは、ただいまの第一の条件の「品質を識別することが著しく困難」といいますのは、たとえば外観だけ見まして品質の識別が著しく困難な商品、たとえば各種の繊維製品の混紡のものといったようなものが該当すると思いますが、外観だけ見て品質の識別が困難だというもの。それから次には、類似品が非常に多いために品質の識別が困難だと、たとえば合成樹脂製品関係の、ポリエチレンだとかポリスチレンだとかいうようなものがこれに該当すると考えております。あるいは品質を示す用語の使い方が混乱しているために品質の識別が著しく困難なもの、たとえば既製服の学童服等で何才用だとかいうようなことが書いてありますが、その何才用の寸法自身も、これは各業者によってまちまちでありますために、ちょっと見ただけではわからないというようなことを考えておることであります。  われわれは、この法案では、一般消費者の通常生活に供せられる家庭用品の品質表示を考えておりますので、注文生産によりますような場合は、これはまあ特定の注文をされる場合でありますが、こういったものは考えておらないわけでありますが、このいわゆる識別の困難だというのは、これは、消費者のいわゆる知識水準の向上だとかいうようなことによってもあるいは大きく変化すると考えられますので、この困難性の判断といいますのは場所あるいは時代によって若干実は変化すると、こういうふうに考えておるわけであります。次に、第二番目の条件であります。いわゆる品質の識別がぜひ必要であるという条件でございますが、われわれが考えておりますのは、品質の識別を誤りますと、損失が大きい商品、たとえば先ほど申しました既製服あたりで、サイズが違いますとこれは何のために買ったのかわからないというような事態が招来されるわけであります。  次には品質の識別を誤りますと危険な商品、これはセルロイド玩具等に見られる例でありますが、そういう危険を来たすおそれのある商品、あるいは使用方法を誤りますと、そのもの自体がこわれたりあるいは効用を発揮しない商品、これは合成樹脂加工品のまあ台所用具等にありますが、熱に弱かったりというようなことがわからないために消費者に不測の損害を与えるというようなことが考えられるわけであります。そのほか使用方法を誤りますと、そのもの自体はどうということはありませんが、ほかの商品を、何といいますか、影響を与えるといいますか、こわすといったようなもの、これは洗たく、いわゆるまあ合成洗剤だとかあるいは合成塗料等にあるわけであります。あるいは使用方法を誤りますと危険な商品、先ほどはセルロイド玩具の例で申しましたが、これは、使用方法を誤った場合に危険なというのは、たとえば石油ストーブ等に点火をしてから油の注入等をいたしますと非常な危険な事態が起きるといったようなことを考えておるわけであります。  ただいま先生の御指摘のように、どういった品種を具体的に政令で指定するかということは、今後家庭用品品質表示審議会で決定していただくことになっておりますが、われわれが事務的に考えております対象品目は、いわゆるまあ繊維製品——綿、毛、あるいはスフ、人絹ナイロン、ビニロン等の織物二次製品、メリヤス製品、あるいはテトロンなどのようなポリエステル系の繊維、あるいはボンネル、エクスラン、カシミロンなどのポリアクリル系の製品を繊維関係としては考えております。  次に、合成樹脂加工品の関係では、食卓、台所用具等の合成樹脂成形品、あるいは合成樹脂塗料だとか接着剤だとかというようなものを考えております。  電気機械器具は、アイロンだとかあるいはその他の電気機械器具を、大体一般消費者によく使われますもので条件を備えたものを指定をいたそうと考えております。  それから雑貨工業品では、合成皮革製品、カバン、袋物等だとか、あるいは耐熱ガラス製品だとか、粉末石鹸だとか、こういったようなものを現在のところ事務的には予定いたしておりますが、法案が成立した暁には審議会で慎重に消費者の声も聞いた上で指定をして参りたい、こういうふうに考えております。
  140. 近藤信一

    ○近藤信一君 昨年たいへんに問題になりましたカン詰なんというものは、購入の際に品質の識別をすることが非常に困難ですが、あのカン詰類なんというものは家庭用品のうちに入らないのですか。
  141. 佐橋滋

    政府委員(佐橋滋君) ただいま近藤先生の御指摘のカン詰類は食品でありまして、もちろん広い意味の家庭用品でありますが、これは食品衛生法によって別に規制が行なわれることになっておりますので、本法案からははずすことにいたしておるわけであります。
  142. 近藤信一

    ○近藤信一君 第三条の規定によると、政令で指定された家庭用品ごとに表示事項とそれから順守事項を表示の標準として告示することになっております。表示事項というのは商品の成分、それから性能、用途、貯法その他ということであり、順守事項というのは、表示の方法その他表示事項の表示に際して製造業者等が順守すべき事項となっているのです。ただこれだけの表現では正しく親切な表示をどのくらいに行なおうとするのかわからないので、具体的な事例をあげて御説明をお願いいたします。
  143. 佐橋滋

    政府委員(佐橋滋君) この表示のいわゆるまあ表示の標準の内容といいますか、これはそれぞれの家庭用品につきまして一体何を表示すべきか、表示する際にはどういう方法で、どういうルールに従って表示すべきかということを書いておるわけでありますが、こまかい内容につきましては、この法案だけでは確かに御指摘のようにわからないのでありますが、要するに、商品ごとに消費者が最も知りたいと思っておることを検討いたしまして、それをどうしたら最もわかりやすく、親切に、しかも正確に表示ができるかということを、この家庭用品品質審議会の場で、関係者が十分検討した上で商品ごとに決定をされるという運びになると考えておりますが、われわれが考えておる、まず何を表示すべきかというような点につきましては、たとえば繊維製品に例をとりますれば、それが純綿製品であるか、あるいは混紡製品であるか、合成繊維であるかというような組成の区別が第一番に問題になると思います。あるいはそのほかに、消費者の便宜のために、アイロンをかけるときの温度は一体どれくらいが適当か、あるいはこれを貯蔵しておきます場合といいますか、しまっておきます場合のその貯蔵の方法だとか、あるいは染色堅牢度とかいうようなものも表示の内容になるかと考えております。表示の方法と申しますのは、たとえば織り物でありますれば、その表示を、反物ならば反末につけるとか、あるいは耳に織り込むというような方法、あるいは既製服等でありますれば背中のところにマークをつけるとか、あるいはその他の家庭生活品には刻印を押すとかいうような形で、その方法がきめられることになろうかと考えております。そのほか表示をいたします場合のルールとして考えられますのは、純綿だとか、あるいはオール綿だとかいうような言葉を使います場合には、綿花が一〇〇%入っていなければならぬとかというようなこと、あるいは染色堅牢度を示すためにはファストカラーだというような用語を使いますれば、その場合にはこうこうこういう堅牢度でなければいけないとかいうようなことをきめたいというふうに考えておりますが、冒頭に申しましたように、このこまかいことは、この家庭用品品質審議会において十分に検討された上で具体的に示される、こういうふうに考えております。
  144. 近藤信一

    ○近藤信一君 同じく第三条によって表示の標準を告示し、業者がこの標準に従って表示をしなかったり、また、表示をしても標準に示された事項を守らない場合には、表示の標準を守りなさいという通産大臣からの指示が業者に出されるのです。さらにこの指示に従わない者は官報や新聞等に公表するという社会的制裁まで用意されております。もちろんこのことは法制的には行政処分の域を出ないものであるが、業者にとっては表示をすることはいやだとは言えない規定で、相当手痛いものであると思われます。そのように考えてくると、第五条以下の通産大臣の行政、表示についての命令並びにこれに対する違反者の罰則の規定は少し強過ぎやしないかと思いますが、この点はいかがですか。
  145. 佐橋滋

    政府委員(佐橋滋君) この法律の実質的な規定は三条から八条までになっておりまして、ただいま先生の御指摘のように、四条で個々の業者に対して表示に従わない場合に、順守すべき指示をし、それに従わない場合には公表をして、いわゆる罰則はかけませんが、社会的批判にまかせるというような新しい規定を設けたわけでありますが、これは繊維製品品質表示法にはなかった規定でありまして、この品質の表示を適正に行なわせるためにいろいろの弾力的な規定を用意したわけであります。品質表示が的確に行なわれるということは、これは一にかかってメーカー、販売業者のいわゆるそういった自主的態勢といいますか——が非常に重要でありまして、われわれといたしましては業界に対してそういうふうに積極的に表示を消費者のために親切に丁寧に行なうように指導して参りたいと考えておりますが、しかし、そういった指導を行ないます場合も、最終的にはいわゆる強制規定、あるいは罰則規定があること自体がそういった業界の積極的な指導ということを可能にするゆえんではないかと考えておりまして、五条、六条と逐次強化した規制を行ない得るようにいたしておりますが、ただいまも申しましたように、本質はあくまでも業界の自主的な自覚によってこういうことが行なわれることが望ましいわけでありまして、強制規定はただいまも御指摘のように、業界に非常に圧力を加えるものでありますが、できるだけわれわれとしてはそういったいわゆる伝家の宝刀的な規定は使用しないで、われわれが意図しておることが実行できるということを望んでおるわけであります。
  146. 近藤信一

    ○近藤信一君 新聞や公報にこうした指示に従わなかったものを公表するというふうな事例というのは、他に何かありますか。またどういう点がそういうことを行なっておるか。
  147. 佐橋滋

    政府委員(佐橋滋君) 私、今ちょっとここに法案を用意しておりませんが、輸出入取引法にはこういった条文があるそうであります。
  148. 近藤信一

    ○近藤信一君 今までそうしたことを行なった事例はありますか。
  149. 佐橋滋

    政府委員(佐橋滋君) ただいまの輸出入取引法で不公正な取引を行なった場合に公表することができる規定になっておりまして、事例は一、二件あるそうでございます。
  150. 近藤信一

    ○近藤信一君 どういう種類かおわかりになりませんか。
  151. 佐橋滋

    政府委員(佐橋滋君) ただいま事例をちょっと——品質表示審議会にそういう点があるそうであります。これは通商局のほうの所管でありますので、そのほかにもいい例があるかと思いますので、これは後ほど調査した上で資料を提出したいと考えております。
  152. 近藤信一

    ○近藤信一君 通産大臣の命令のうちでも、第五条の命令は無理とはいえないかもしれませんが、この命令があっても表示するかどうかは依然として業者の自由意思で表示をするとすれば、第三条の「表示の標準」に示されている事項によって正しく親切に表示しなさいという命令であるから、命令の内容としてはそう業者に負担にならないと思うが、しかし第六条の命令は表示をしなければ、販売をしてはならないという表示の強制でございます。これは消費者にとってはきわめてけっこうなことであるが、業者にとっては相当の負担になるわけでございまして、もちろんこの命令の発動には二つの条件があります。その一つは、対象商品についてであって、生活必需品またはその原材料である家庭用品に限っており、第二の条件は、「表示されていないものが広く販売されており、これを放置しては一般消費者利益を著しく害すると認めるとき」と、発動時期を限定していることでございます。そこで、通産省に伺いたいのは、この条項を運用面でどのようなやり方で、どのような商品に発動するかということであります。また繊維の表示法の場合のように、伝家の宝刀として簡単には抜かないのかどうか、その辺のところを具体的な例示をもって示してもらいたいと思います。
  153. 佐橋滋

    政府委員(佐橋滋君) ただいま御指摘のように、この六条の規定は、消費者にはきわめて便利でありますが、お説のとおり、表示をする側にはそれだけの負担をかけることになりますので、この条項の発動につきましては特に慎重を期したいと考えております。  そこで、具体的な例を現在持ち合わせておりませんが、こういうことが問題になります場合には、その問題になりました商品ごとに、流通あるいは消費の実態を十分に見きわめた上で、発動するということにいたしたいと考えております。まさに、御指摘のように、伝家の宝刀と考えておるわけであります。繊維製品品質表示法にも任意表示規定と強制表示規定と両方の建前になっておりまして、強制表示は一回も行なわれたことがなかったのでありますが、これは行政管理庁あたりの先般の勧告にも、この強制表示が要望されておりますので、繊維製品につきましては、関係方面の現在意見を徴しまして、その実施の可否を検討いたしておりますが、いずれにいたしましても、よほどの事態でないと、この条文を発動するということは考えておりません。
  154. 近藤信一

    ○近藤信一君 特に中小企業者は大企業競争していかなければならぬという建前で、原材料についてはどうしても、これは大企業と比較すると、品質が落ちる場合がある。それでなければ、商品面で戦っていけないという業者の話も私ちょいちょい聞くわけなんです、そういう面についてはどうですか。
  155. 佐橋滋

    政府委員(佐橋滋君) ただいま御指摘のように、中小企業のものが品質的に大企業のものより落ちるというものもあるいはあるかもしれませんが、逆に中小企業の製品のほうが大企業の製品よりもいいという場合も現実にあるわけでありまして、この法案でねらっておりますのは、その商品の持っておる性質、そのままを表示してもらうようにわれわれは考えておりまして、大企業なるがゆえに、何といいますか、大企業を優遇するとか、あるいは中小企業を圧迫するとかいうようなことは全然考えていないわけでありまして、むしろ家庭用品について正しい表示が行なわれるということの結果、中小企業の優良製品というものが、大企業のいわゆるマークで売れていたものに対して、何といいますか、逆に優位性を保ち得るというようなこともあるかと考えておりまして、われわれはこの法案中小企業を圧迫するというようなことは全然考えていないわけであります。
  156. 近藤信一

    ○近藤信一君 第六条命令の特別措置として、通産省みずからが検査し表示事項を定め、その表示を強制する場合に、国の検査機関その他で検査するのは、今までの例からいっても、きわめて時間がかかると思います。こんなことから納期延納などで取引上困ることになりはしないか。また、そういう場合の検査機関として、第八条によって一定の欠格条件がなく、品質を識別する検査設備等を備え表示を公正に行なうと認められたものを、民間、特殊法人を問わず認めようとしております。この場合、政府はこれら認可検査機関としてどのようなものを考えておるのか。さらにこれらの認可検査機関の監督はどのようにする考えでおられるのか、この点お尋ねいたします。
  157. 佐橋滋

    政府委員(佐橋滋君) この七条の規定は、表示の強制を行ないます場合の規定でありまして、さらにその中でも特別の場合に限定をいたしておりますので、この第七条が発動されるという場合は非常にわれわれ少ないのじゃないかというふうに考えておりますが、ただいま御指摘のように、検査その他に時間がかかるとかいうようなことで業者に無用の迷惑をかけることもあり得ると思いますので、その点につきましては十分に配慮いたして参りたい。  ただいま御指摘のように、八条の国の検査機関で間に合わない場合には、いわゆる技術者なり、あるいは必要な検査施設を備えております機関を指定して、国の機関で検査したのと同じような扱いにしたいと考えておりまして、具体的には繊維関係にありますような、各地にあります検査協会がこれに該当すると、こう考えておりますが、こういった検査機関はほとんど全部が公益法人でありまして、その八条の業務を行なわせるにつきましては十分厳重な監督を加えて間違いのないようにいたして参りたいと、こういうふうに考えております。
  158. 近藤信一

    ○近藤信一君 検査機関で、昨年もちょっと問題がございましたが、政府監督が十分でないと、民間のああいう検査機関というものは、いろいろと問題を起こしやすいと思うので、この点今後あなたのほうはどのように監督をしていかれる御予定ですか。
  159. 佐橋滋

    政府委員(佐橋滋君) 御指摘のように、先般、機械金属検査協会で事故があったようでありますが、これは何といいますか、われわれのほうの、いわゆる監督をやります人員その他についての能力が十分でない点もあると思いますが、御指示がありましたように、これは出させます報告書の厳重なる管理なりあるいはできるだけ職員を派遣する等の方法によりまして、従来以上に監督を強化して参りたいと考えております。
  160. 近藤信一

    ○近藤信一君 この法案では表示の責任者は製造業者販売業者それから表示業者となっております。しかし、どの段階でだれが所定の表示をするのか明確ではない。強制表示の場合は通産省令で明示するかもしれませんが、指示の場合はその区分がないようであります。この点を明瞭にされたいと思います。
  161. 佐橋滋

    政府委員(佐橋滋君) まあ問題になりますのは、五条と六条と思いますが、五条の場合には表示をするかしないかは、一応自由になっておりますが、表示をする以上は、これをまあ適正にしろということを義務づけておるわけでありまして、この実際に表示をした者が規制対象となるわけでありまして、表示について責任を負う者というのは、それぞれの段階におきまして、製造業者であることもあれば、販売業者でもあれば、あるいは表示業者であるというようなこともありまして、それぞれの、まあ段階に応じて相違があるわけであります。  六条の関係では、第一次的には、家庭用品が製造または加工されてから、最初にこれを販売する者、つまりメーカーが表示の責任を負うということになるわけであります。まあ、第二次的に考えられますことは、商品が流通いたします途中において表示が脱落した場合だとか、あるいは表示をしてないものを販売業者が買い受けて消費者販売するというような特殊な場合におきましては、販売業者が表示の責任を負うということになるわけであります。
  162. 近藤信一

    ○近藤信一君 この法案運用については通産省と業者のみの関係でなく、消費者の声を強く反映させる必要があると思うのです。この点は家庭用品品質表示審議会の設置や第十条の通産大臣への苦情の申し立て条項があるが、これを活用するためには、主務官庁である通産省並びに権限を一部委任されている都道府県が親切丁寧に消費者に接することが大切でございます。そういう意味で、次の諸点について政府の意向をお伺いいたします。  その第一点は、現在の通産省、都道府県の関係機構及び人員で、この法案運用は大丈夫かという点。第二点は、通産省と都道府県との連絡はどのようにするのか。第三点は、第十条で一般消費者から苦情があった場合、「適当な措置」をするということになっているが、「適当な措置」とはどういうことを指すのか。第四として、これらの問題についての啓蒙宣伝はどのような方法で行なうのか、以上の点をお尋ねします。
  163. 佐橋滋

    政府委員(佐橋滋君) 御質問の第一の、機構人員に関するお尋ねでありますが、消費者行政というのは通産省では今後大きな柱として取り上げて参らなければならないと考えておりますが、そのためには、もちろん現在の人員で十分であるとは申されませんので、この点についての今後充実をはかって参りたいと考えておりますが、商品別の問題は私の省で参りますれば、各原局の所管でありますので、こういった原局との関係で、現在の段階では少なくとも与えられた人員の適正な配置がえ等によりまして、できるだけ支障のないようにやって参りたい、新しい機構を作るということは考えておらないのであります。  それから第二番目の、都道府県との関係でありますが、問題の性質が非常に広範多岐にわたりますので、当然これは都道府県の協力を得なければできないわけでありまして、しかるべく都道府県に権限の委譲をいたしておるわけでありますが、この消費者の接触なりあるいは表示がどういうように行なわれておるかという確認の仕事につきましては、都道府県と十分に連絡をして参りたい。たとえば、東京都あたりにつきましては、消費生活物資対策審議会というようなものも設けられておりますので、こういった点につきまして都道府県と十分具体的に相談をして参るつもりでおります。  第三番目の、苦情処理のお尋ねでありますが、苦情処理につきましては、消費者の申し出に応じまして、まず十分に事態の実態を調査した上、まあ次のような措置をとりたい。ということは、表示の標準の改善なり指示公表といったようないわゆる四条関係措置考えて参りたい。あるいは報告の聴取だとかあるいは立ち入り検査をやってみるとか、あるいはメーカーのほうへ行政指導をやってみるとかいうようなことをわれわれとしては考えておるわけであります。  次に、啓蒙宣伝の問題でありますが、これはまあ法律性質上、消費者に十分に理解されることが必要でありますので、この法律が通りました暁には、説明会等を開くなりあるいは消費者団体に積極的な協力をわずらわすなりいたしまして、十分に啓蒙の実を上げるように考慮して参りたいと考えております。
  164. 近藤信一

    ○近藤信一君 この法案が施行されますならば、一斉に表示されなければならぬことになるわけですが、今の御説明で行くと、人員の点では非常に不十分だというこのようなお話でございまするが、これをずっと各店頭に出たものに表示されているかどうか、正確にこれが遂行されているかどうか、こういう調査関係については、どういう工合でやられますか。
  165. 佐橋滋

    政府委員(佐橋滋君) 昨年消費者協会を作りましたのも、こういう消費者行政の一環をになわせるための措置でありまして、消費者協会を通じて消費者の声を聞くなりあるいは若情処理その他につきまして特に消費者の声を聞くというようなことも考えておりますが、私のほうの本省自体にはそれほどの人員その他ないわけでありますが、これは府県に協力を求めまして、たとえば、府県の商工課あたりでは先般のメートル法の施行等につきましても、小売商あるいは百貨店等に相当な人員を出して詳細に調べ上げたあるいは勧奨いたしております経験もございまして、府県の十分な協力によってこの法の目的がうまく施行できますようにやって参りたいと、こう考えております。
  166. 近藤信一

    ○近藤信一君 さきの消費者の不満調査によると、いろんな不満があります。その中には次のように、いくら表示しても、これらの不満に対処できないようなものがあるのです。こういう点について、この法案で表示する場合、どのように書くのか。たとえば洗剤、石けんでは、減りやすい、長くすすぐが、あわがとれない、また水すすぎするときには、石けんが落ちにくい。また食器、調理道具のごときは、きゅうすのように口のところがすぐこわれるとか、またほうちょうでいうと、ステンレスは切れにくい。また金のざるなんかは、針金が折れて食物にまじって、のどにささる。衣料品では、先ほども申し上げましたパンツのゴムひもがすぐ弱るとか、また既製服なんかは雨に会うと、すぐよれよれになるとか、電気製品では差し込みが、何回もやるとネジがゆるむと、こういろいろあるわけですが、こうしたものは、なかなかうまい表示方法がないと思いますが、この点はいかがですか。
  167. 佐橋滋

    政府委員(佐橋滋君) ただいま、いろいろ商品ごとに御指摘になりましたが、この不満調査は商品自体に対します不満と、それから表示に対する不満と二つに分けられるかと思いますが、今の御指摘の、口がこわれやすいだの何だのといいますのは、大体商品そのものに対する不満だと考えます。この解決には、これは基本的には商品自体の品質を向上させるということが必要なわけでありまして、このためには、しかるべく行政指導を行ないますと同時に、消費者協会等で、いわゆるまあそれぞれの品質規格といいますか、というようなことも実施して、全体として商品の品質を向上させるということをする以外に手がないかと考えております。  われわれはこの法案でねらっておりますのは、正しい表示という、その商品ごとに正しい表示を消費者の便利のために行なえということを考えておるわけでありまして、今の、こわれやすいとか何とかいうのは、ちょっとわれわれのほうとしては、どう書いていいのか、答えに窮しますが、これは先ほど申しましたように、それぞれの商品につきまして、たとえば品質審議会の場を借りまして消費者の便利なように、どういうふうな表示をしたらいいか、十分研究した上で、消費者の便に供したい、こういうように考えております。
  168. 牛田寛

    ○牛田寛君 関連。ただいま表示のいろいろな事項のこまかい問題について御質問が出たわけでありますが、この表示の仕方、第三条にありますが、「成分、性能、用途、貯法その他品質に関し表示すべき事項」、また第六条に、「生活必需品又はその原料若しくは材料たる家庭用品について、表示事項が表示されていない」ため非常に不便であるというような問題それから第七条にも、その一つのケースが示されておりますが、このような規定をお作りになった以上には、現在ある販売、製造−販売されている製品について、実際にこういうふうな品物には、こういうふうな表示が必要だというような必要性を痛感されたために、このような法律が作られた、こう思うんです。  ですから、やはり具体的にこれこれの品物にはこういうふうな性能、こういうふうな品物に対しては成分、というような、一つの予想というものをお持ちになっていると思うんですね。ですから一つの通産省としての表示に対する構想というものを私は示していただきたいと思います。そういう意味で性能、成分あるいは用途あるいは貯法あるいはその他表示すべき事項、あるいは表示されていないで販売されている品物に対しては非常に不利益をこうむっている品物、また第七条における非常に表示が困難であるために、いろいろ問題を起こしやすい品物、そういうような実例をひとつ分類したリストを御提出いただきたいと思います。これは資料要求でありますが、お願いいたします。
  169. 佐橋滋

    政府委員(佐橋滋君) 一応、われわれとしてはわれわれなりに考えております製品と、それから表示の仕方の問題、表示の内容の問題についての案を持っておりますので、後ほど手元にお届けいたします。
  170. 牛田寛

    ○牛田寛君 それから第七条ですね、「製造業者販売業者又は表示業者によっては当該家庭用品に係る表示事項を適正に表示することが著しく困難であると認めるときは、」、これは、実際にどういう場合ですか、実例をあげて御説明を願いたいと思います。
  171. 佐橋滋

    政府委員(佐橋滋君) これは、この検査のために高度の検査技術が要るとか、あるいは検査施設を設置しますために、個々の業者では非常に経費的に負担がかさむといったような場合には、国ないしは特定の機関でやることが必要であると考えておりまして、大体繊維関係に、こういう事例が非常に多いわけでありまして、繊維では、たとえば化繊なら化繊検査協会でやっておりまして、個々の業者はやっておらないわけであります。具体的には繊維関係に非常に例が多いわけであります。
  172. 近藤信一

    ○近藤信一君 最後に局長に一つお尋ねして、大臣が見えたから大臣にお尋ねしますが、局長は、先ほども言われましたように、たとえば粉石けんなんか、外から見てもただペーパーがきれいで、中の品質等についてはなかなかしろうとでは見かけることができない。今御承知のように、粉石けんなんかでも食器を洗うやつとか、また繊維類のスフとかまたナイロンだとか、いろいろあるわけなんですが、こういうものに対しては、どういうふうな区別でこれを表示されるのですか。
  173. 佐橋滋

    政府委員(佐橋滋君) ただいま近藤先生の御指摘の中に、案外洗ってもよごれが落ちないのだとか、あわがどうのこうのという問題があったわけですが、これはいわゆる洗剤としての価値がないものでありまして、これは、それ自体の商品をよくするために、先ほども申しましたように業界指導する必要があると思いますが、たとえば今の石けん等について、われわれが考えておりますのは、たとえばアルカリ性のもので、毛や絹といったような動物性繊維を洗いますと生地がいたむわけでありまして、アルカリ性であるとか、あるいは中性であるとかいうことをはっきり表示させることによって、そういう点での消費者の利便ということを考えておるわけでありまして、品物自体が、どうも悪いんだというのは、これは品物自体をよくするように業界指導して参りたいと、こう考えております。
  174. 近藤信一

    ○近藤信一君 品物自体の問題、品物自体、これは品質の問題を検査しなければならんと、こういうことになるんだが、そうすればですね、ただ、これは何に使うのだ、これは何に使うのだ、こういう表示だけで、ほんとうの本質になる落ち工合とかなんとかというものに対しては、今度は、何らこれに対する規制をしていないと思うのですが、この点どうですか。
  175. 佐橋滋

    政府委員(佐橋滋君) どのくらいの繊維製品を洗う場合には、大体どのくらいの量を使ったらいいとかというようなことも、もちろんわれわれとしては表示の内容として考えておりますが、まあ品物自身の悪いのは、どうも悪ければ悪いなりに丁寧に書けというのが、われわれの考えでありまして、商品を売るときに、どう悪いという表示はできないと思いますが、とにかくわれわれのほうで考えておりますのは、正確に丁寧に親切に、あるがままの表示をしてくれるということをねらっておるわけでございます。
  176. 近藤信一

    ○近藤信一君 そうすると、私はむしろこの器だけに表示して、内容は落ちるような現象が出てくるんじゃないかと、なんでも表さえよければ、どうでもいいわいと、こういうような結果が生れる危険があるのではないかと思うのですが、この点どうですか。
  177. 佐橋滋

    政府委員(佐橋滋君) 先生の御指摘の性能を上げる点につきましては、消費者協会を中必にしていわゆる性能比較等、各商品ごとによってやって、消費者になんといいますか公示するとか、現在「暮しの手帖」あたりでも、そういう点を指摘しておりますが、そういうような行政指導によって、品質の向上をはかって参りたい、こう考えております。
  178. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 性能をよくすることは関係ないことになるんですかね、この表示というもの。いや、実はです、私、前に勉強をするために電気スタンドを買って、差し込みがさっぱり買ってきたら合わないのです。すぐゆるんじゃって。だからはがきを挟んで、下にぐらぐらしないようにしたり、まあ難儀をして、あきらめて、また新しいのを買ったんです。  そういうのは、この第三条なんか見ると、そういうものをよくするということとは、何の関係もない。ただ性能を、使い方というようなことを表示するというなら、むしろそういうものであっても、一応、差し込みの外形をしておれば、むしろその表示があって、悪貨も大いにパスをしたという証明みたいなことになっていかないか。それはどうですか。
  179. 佐橋滋

    政府委員(佐橋滋君) われわれ正確な商品別の表示をさせることによって、付随的な効果として、業者の製品がよくなるということも期待はできると思いますが、ただいま申しましたように品質自身を向上させるというものにつきましては、別途行政指導をする必要があると考えております。そのためには先ほど申しあげましたJISの問題だとか——JIS規格に乗せるように指導するとか、あるいはただいま中田先生御指摘のようなものにつきましては、電気用品取締法によります正しき商品等の充実をはかるというようなことで、この法案とは別の体系で指導して参りたいと、こう考えております。
  180. 近藤信一

    ○近藤信一君 通産大臣がせっかくおいでになりましたので、大臣にお尋ねいたしますが、通産省では前々から、消費者行政に目をつけておられたようであるが、今度こういう法案を出して、本格的に取り組もうとしているのはけっこうなことだと思います。消費者行政の目的は、何よりもまず先に良質低廉な品物を供給して、その品物が消費者の望むところと全く一致することが望ましいのであります。そのためには、消費者に対するいろいろな不満を、できるだけ取り除くことが必要でありまして、特に一般消費者は不特定多数であるので、その声はなかなか聞きにくいと思うが、為政者として、どのような方法消費者の声をお聞きになり、いろいろな不満に対処するために、どのような方策を今後考えておられるのか、その基本的態度から、まずお尋ねいたします。
  181. 佐藤榮作

    ○国務大臣(佐藤榮作君) ただいま御指摘のように私ども通産省としては、とかく生産行政に深い関心を払い、消費者行政というものはおろそかになるんじゃないか。こういうような一部の見方があるようでございます。しかし生産生産だけが最終の目標でないことは、私が申すまでもなく御承知のとおりでありまして、消費されてこそ、初めてその生産ということは生きてくるのであります。そういうことを考えますと生産を担当する役所は、当然消費ということについて深い関心を持つのは、これは当然のことであります。また、そこに初めて経済の真の目標というものがあるわけでございます。  ところが、この消費者の声を聞くということは、なかなかむずかしいことでありまして、もちろん生産者も消費者の意向を十分打診し、また商品としての販売、売れ行き等考えて、生産にかかるのでございますから、生産者自身も、もちろん消費者の要望にこたえるものだと思います。しかし、なかなか生産者の思惑あるいは見込みだけでは済まないのでありまして、その意味から申しますと、第一はなんと申しましても品質がよくて値段が安いということ。これが一番大事なことだと思います。そういう意味においてのデザインもさることでございますが、質並びに価格という点について、通産省が行政指導していく。こういうことが必要でございましょう。その上で具体的な問題としては、実際私どもが品質はいい、あるいは価格も低廉だと、かように申しましても、消費者の嗜好に合わなければ、これは商品価値はないのでございます。まことに考えも及ばないような点の工夫が、その商品を喜ばれるということに、しばしばぶつかることを見ますと、もっと消費者の意向を打診ができれば一番いい。かように思います。  そこで消費者協会を設立したというのも、そういう意味でございます。これなどは結成しておられる人たちが、あるいは大実業家であるとか、あるいはいわゆる庶民を代表しないのだというような批判があるようでございますが、積極的に消費者協会そのものが、あるいは苦情を聞くとか、あるいは要望を聞くとか、あるいはそれぞれの調査にかかる。あるいはアンケートをとるとか、こういうようなことで直接聞くことが必要である。かように思います。この点はしかし、なかなか工夫を綿密にいたさないと、一々の具体的な方途をとったから、それで十分だというものではございません。やはり消費者自身の声が、もっとよく聞けるような方法考えることが必要だろうと思います。できるだけそういう方向で努めて参りたいと思います。
  182. 近藤信一

    ○近藤信一君 昨年の九月に総理大臣官房審議室でまとめた消費者の不満調査によりますと、いろいろな消費者の不満が出ています。この調査で目立つものをあげてみますと、第一には食料品に対する不満が、雑貨品や電機製品、サービス業より多かったのであります。  第二は、不満の種類として、値段が高過ぎるというのが一番多かったようです。その他商品の品質や宣伝、サービスに対する不満もかなりありました。食料品に対する不満のうち最も多かったのは、生鮮食料品である魚や肉などの鮮度が落ちているとか、また加工食料品の味が悪いとかというような不満がございました。この食料品に対して、この法案が何らの効果もないと思いますが、厚生省や農林省間の法律なり行政指導なりで対策を立てておられるのか、もし立てているとすれば、その実効はあるのかどうか、お尋ねいたします。
  183. 佐藤榮作

    ○国務大臣(佐藤榮作君) 食料品に対しまては主として食品衛生法、これなぞが既成の基本法規じゃないかと思います。また厚生省は環境衛生の観点から、いろいろ指導しておるようでございます。しかしこれも、いわゆる有毒だとかあるいは病毒だとか、こういう点についての主たる規制だろうと思います。また農林省自身は、いわゆる食料品の生産の面あるいは中間経費あるいは消費というような面について、いろいろ監督しておりますけれども、市場等は、御承知のように府県にまかせていることでありますから、直接はなかなかやっていない、食料品そのものについて、これは大体品物を見れば、需要者側から見ると大体わかる、品質形状その他が。だから、私ども扱います繊維だとか、あるいはその他の消費物資いわゆる生産にかかるものになりますと、見たところは非常にきれいだけれども、使ってみると非常に不便だ、耐久性がない、こういうようなわけで、やはり化学製品であればあるだけに、その品質の表示が必要じゃないか、こういう意味で私どもが、今法案提案して御審議をいただいておるわけであります。食料品につきましては、不平はいろいろ出てきておるということでございますけれども、これなぞは消費者——買手自身が、みずから選択し、また品質等についても、みずから判断ができる、こういうことで、ちょっと模様が違うのじゃないか、かように思います。むしろ食料品の場合は、値段がいつも問題になるというほうが普通あり得ることじゃないかと、かように私考えます。
  184. 近藤信一

    ○近藤信一君 今申し上げましたように、消費者の不満調査では、物の値段が高過ぎるという点についてでありますが、これは逆にいいますと、所得が少なく、所得が増すよりも物価の上がり方が早いということでありまして、つまり池田内閣の所得倍増計画が、現実としては物価倍増をもたらしているということであります。化粧品、雑貨、衣料品などについても、値段に対する不満がそれぞれ第一位を占めているのですが、これに対して、この法案関係がない、しかしこういう問題について、政府はどのように考えておられるのか、この点伺っておきたいと思います。
  185. 佐藤榮作

    ○国務大臣(佐藤榮作君) 直接この法律案は、価格には関係ございません、御指摘のとおり。しかし、消費行政というものは品質、価格、当然考えなければならぬのですが、いわゆる大量生産をしておりますものは必ずコストが安くなりますから、そのコストが安くなった面を卸売物価等に反映さして、卸売物価が安くなるように指導することでございます。ただいままでのところ、大体最近の電気用品等で見るごとく、価格は量産に移りましてからは安くなっておるということが、大体においていえるのじゃないかと思います。これはやはり経営者におきましても、最終消費者生産コストの低減の利益を分配するというような気持にならないと、なかなか下がっていかぬだろうと思います。そういう意味で、労使双方に対しましても、最終需要者に利益を分かつように、こういうことを価格形成の一つに取り入れるということでなければならぬ、そういう基本的な指導をしておるわけでございます。  しかしながら、卸売が安くなりましても、さらにその次の段階になりますと、流通過程等において、なかなか賃金の高騰等は吸収できないというようなこともございますので、小売が必ずしも——卸売が安くなるように小売は必ず安くなる、こうは、実はいかないと思います。私どもが大体見まして卒直に申しまして、生産部門では、賃金の上昇は生産性の向上で大体吸収されておる、かように私ども見ますが、小売の段階になると、賃金の高騰は吸収の方法がない、やはり物価に反映せざるを得ない、かように思います。だから、これは長い目で見れば、そういう点も、上昇はこれもやむを得ないと考えられるでしょうが、過渡的に今のような段階で小売が高くなったという、こういう不満のあること、これは経済現象で説明する以外にないのじゃないか、こういうように思います。
  186. 近藤信一

    ○近藤信一君 消費者にとって、品質等を見る価格とか取引条件についても、一目でわかる方法考えてやる必要があるのではないかと考えます。取引条件のうち一番消費者が関心を持っている割賦販売条件については、割賦販売法第三条によって明示されることになっているが、価格の表示については、二重価格や定価の割引等について問題がございます。この点は独禁法第三条、第十九条の不公正な取引方法の禁止規定規制するのかもしれませんが、それは少くとも、予防措置としての規定ではないのじゃないかと思われます。価格とか割賦販売以外の取引条件とかを表示するための措置について、これは商業道徳にまかせるほかに方法はないものか、この点、大臣はどう考えておられますか。
  187. 佐橋滋

    政府委員(佐橋滋君) ただいまの御指摘でありますが、取引条件で一番問題になりますのは、割賦販売条件だと思いますが、これは先々国会で割賦販売法を通過さしていただきまして、第三条で、その旨を規定いたしておりまして、表示をはっきりさせるようにいたしておるわけであります。  価格の表示の問題では、二重価格の表示の問題やら、あるいは定価の割引の問題やらで、いろいろ問題が起きておりますが、これが人を欺関する意思で行なわれるというような場合には、刑法の詐欺罪の適用がありますし、不当に競争者の顧客を自分のほうに誘引するというような場合には、公正取引に関する法律適用があるわけでありまして、その段階に至らないものにつきましては、われわれのほうとしましては行政指導なり、あるいは業界の自粛体制を整備すること等によりまして解決をはかって参りたいというふうに考えております。
  188. 近藤信一

    ○近藤信一君 そこで価格の表示をした場合に、今も局長が言われましたように、二重価格の問題があるわけなんで、たとえば正札がついておる、その値段より二割も引いて販売する場合があるわけなんですが、これはもう公正取引法によって規制されるかもしれませんけれども、今後そうしたものについての価格表示は、どういうふうに考えておられますか。
  189. 佐橋滋

    政府委員(佐橋滋君) 今御審議を願っております家庭用品品質表示法案とは、ちょっと関係がないと思いますが、ただいま、これから公正取引委員会のほうから提案されます不当景品、あるいは不当表示法案といいますか——というので独禁法の手続を簡素化する法律提案いたしておりますので、そのほうで、そういった関係取り締まりは行なわれる、われわれはこう考えております。
  190. 近藤信一

    ○近藤信一君 消費者に賢明な買いものをさせるには、消費者教育の充実が大切であると思います。通産省は消費者教育について、日本消費者協会を助成することによって行なおうとしているやに見受けますが、消費者協会の運営についての政府考え方をお伺いをいたしたい。  なおこれにからんで、来年度予算に内外機械の品質性能に関する比較審査を行なおうとするための経費として三千万円計上しているのです。これは、国産品愛用運動の一環としての施策であろうが、機械のみに限らず、また外国品と国産品の優劣を定めるということだけでなく、一般消費物資についても、比較審査を行なって、それを消費者協会などを通じて公表するなどのことをやるべきだと思うが、どうか。さらに、消費者協会が商品テストをやっているようであるが、もっと大々的にやらせるような意思はございませんか。またこの協会は、メーカー側の意向のみをそんたくするようなことはないかどうか。この点はいかがですか。
  191. 佐橋滋

    政府委員(佐橋滋君) 消費者協会は御承知のように昨年の九月に発足したばかりでありますが、ただいま御指摘のように、商品のテストを中心にいたしまして、消費者の啓蒙あるいは消費者の実態調査等をやっておるわけでありますが、テストにつきましても、本年度はわずか二品目だけでありましたが、ただいま先生御指摘のように、できるだけ品目をふやし、テストの範囲も拡大をして消費者の利便に役立たせようと考えておるわけであります。もちろん消費者協会の中にメーカーの代表も入っておりますが、これは公益法人でありまして、役所のほうとしましては十分に監視をして参りまして、必ずしもメーカーに片寄ることのないように指導して参りたいと考えております。さらに御指摘の中に、ことしの予算で内外機械の性能比較の経費として三千万円計上されておりますが、これは何といいますか、産業用の大型機械を対象にいたしておりまして、ここでわれわれが御審議願っておるいわゆる家庭用品とは関係はないわけでありますが、家庭用品の関係につきましては、国産品愛用運動費の中に三百万円ばかりの内外商品比較研究のための金がつけていただいておりますので、これはこの法案関係のある家庭用品についての内外比較を行なうことになっておりますので、先ほどの消費者協会の商品テストの範囲拡大と一緒にいたしまして、できるだけ消費者の便利にといいますか、啓蒙に資したいと、こう考えております。
  192. 近藤信一

    ○近藤信一君 この法案では特定の条件のない家庭用品については、一応表示するかどうかは業者の自由意思という建前であります。しかし法律運用上、業者に表示させるよう指示する規定があるわけなんです。また生活必需品で、特定の条件下にあるものは、命令による強制表示の規定があります。これは先ほど局長の御答弁の中にもちょっとございましたが、したがって、最少限強制表示の命令のあったものは、その商品の価値を一目してわかるような表示をつけることになるわけです。この場合、名の通っている大きなメーカーの製品に比べて、中小企業の製品は市場で見劣りするようなものが多いと思います。局長は先ほど優秀なものもあると、こう言われましたが、そうなると、競争上、中小企業が非常に不利な立場になるのじゃないかと思うのです。繊維品の品質表示法で、強制表示は慎重にせよという附帯決議がつけられたのは、この辺の消息を物語っているわけだが、通産省はこの点、どう考えておられますか。
  193. 佐藤榮作

    ○国務大臣(佐藤榮作君) この法律は、今までいろいろお答えいたしておりますように、大企業であろうが中小企業であろうが、そこに差別をするつもりは毛頭ございません。どこまでも品質の適正な表示をするということでございます。この中小企業が必ずしも弱い、かように私は考えません。ことに日本国内における中小企業、これが輸出産業の大きな部分を占めておる点など考えますると、中小企業自身も、その品質をありのままを表示する、そういうことによりまして、りっぱに商品を、また商圏を拡大することができるのじゃないか、むしろそのことのほうが望ましいことじゃないか、かように私は考えておる次第でございます。もちろん最初の試みでございますから、実際にやってみまして、またその影響その他も考え、しかる上で適当に是正していくことが必要であろうかと思いますけれども、当初これを制定をいたしましたその気持から申しますると、むしろ中小企業には役立つのではないかと、かように私考えるのでございます。  というのは、消費者あるいは顧客が、しばしば品質そのものを考えないで何々製というだけで、その商品を評価しておるというようなこともしばしばでございます。やはり品質を表示することによって、そういう点は是正されるのではないか、かように考えます。
  194. 近藤信一

    ○近藤信一君 この法案は現行の繊維製品品質表示法の趣旨というか、精神といいますか、そういうものを受け継いでいることは申すまでもございません。もちろん繊維の場合より対象品目を広げ、また法的措置もより整備したものになっているようですが、繊維品の表示法のほうは、一応任意表示と強制表示の規定がありながら、まだ一度も強制表示の条項を発動したことがないように聞きました。任意表示であるから、表示をするかしないかは業者の自由にまかされているわけで、表示のあるのもあるし、またないのもあって、統一がとれておりません。また表示しているにしても、きわめて消費者にとって不親切であったようだ。たとえば化学繊維や合成繊維について、洗たくの仕方とかアイロンのかけ方等について表示してなかったりしているわけなんで、さらにひどいのは、アイロンかけが要らないという表示がしてあるにもかかわらず、アイロンをかけないと着られないというような事実もあるわけなんで、結果的には虚偽の表示をしていたという事例もあったように思うわけなんです。今度の法案では、成分、性能、用途、貯法について表示の標準を定め、これに従わない製造業者販売業者には、この標準に従うように指示し、なおも、これらによって解決しない問題には命令を出せる仕組になっておるわけなんです。こんなわけで、繊維の場合より法文上の現われた措置としては、より充実しているようだが、問題は運用であると思うのです。繊維の場合の失敗をこの法案でも繰り返すのではないかという危惧が多分にあります。仏作って魂入れずということになりかねないのではないかというふうにも思われる。こういう意味から、通産省の運用に関する心がまえを大臣からお示し願いたいと思います。
  195. 佐藤榮作

    ○国務大臣(佐藤榮作君) ただいま御意見がございましたように、この法律は繊維製品品質表示法、これの運用の経験等に基づきまして、この不十分であったものを、さらに充実させた、こういう気持のものでございます。  ところで、ただいまお話がございましたように、なかなか任意だから、うまくいかないのじゃないかということでございますが、繊維の場合も同様でありますが、消費者のほうから、いろいろの苦情なども出て参りまして、それでやはり表示の適正ということについては、メーカーもまた取扱者も、そういう意味で注意するようになって参りました。この点はややルールができつつあるように思います。今後、この表示の方法をとって参りますると、一般的に業界の秩序が守られるようになる、これが望ましいことじゃないかと思います。また、必要ならば強制もすることも必要だと思いますが、本来この種の事柄は、メーカー自身の自主的な問題として、そうして消費者本位に物事を考えるという、その観点に立って的確な表示をするという努力を当然払わなければならぬと思いますが、行政としては、強制ということはあまり好ましい姿ではないと思います。むしろ任意にやられるが、同時に消費者の要望等に沿い得るような表示ができれば、これが一番いいことだと思います。だから、消費者協会その他等の協力を得まして、順次表示の内容も整備して参る、こういうことにしたい。また私どもといたしましては、いやしくも虚偽あるいは過大な広告にならないように十分注意して、適正を期待できるようにひとつ進めて参りたい、かように考えております。
  196. 近藤信一

    ○近藤信一君 最後に一つ、大臣に御所見を承りたいと思うんですが、品質を適正に表示するというこの法案趣旨とは直接に関係がない問題でございますが、消費者行政の一環として、最近出回っている危険玩具について一点述べたいと思います。  さきに述べましたように、消費者の不満調査の中でも、危険な玩具を売らないような法律を作ってもらいたい。また、ことしのお正月には、どこのデパートでもおもちゃ屋でも飛ぶように売れた、子供が行列をして買ったというような、あの玩具の拳銃、鉄砲、この拳銃からプラスチックなんかのたまが出てあぶないとか、また、花火なんかでも、いきなり通行人の足元で爆破して、音が大き過ぎるとか、そういう親の子供に対する愛情からの、危険なおもちゃ等についての不満の声が非常にあるわけなんです。こうした玩具について、何か通産省のほうで考えられておられるのかどうか。  私は、親の声を聞くと、こんなあぶないものを、危険玩具を子供に持たせちゃいけないいけないといいながら、売っているから悪い、作るから悪いと、こういう声をよく聞くわけなんです。私は、この場合、危険玩具製造規制というふうな法律でもできないものだろうかというふうにも考えておるわけなんですが、こういう点について、大臣の御所見をこの場合承っておきたいと思います。
  197. 佐藤榮作

    ○国務大臣(佐藤榮作君) 最近の玩具、ことに子供の嗜好というか、好みにも合うといいますか、そういう意味でいろいろな玩具や、あるいは花火等にいたしましても、危険なものが販売されており、いろいろ事故等を起てしております。ただいま御指摘のとおり、父兄からも非常にそういう意味の苦情を聞くわけでございます。非常にはなはだしいものについては、もちろん警察庁が取り締まる、あるいは火薬類等の取り締まり、こういうような法規があると思います。まあそれに該当しないもの、これはやはり私ども行政指導の一つの方法として、業界とよく話し合うことが必要なんじゃないかと思います。  私もつい最近、江東地区の玩具製造をやっております現場を見て参りました。この工場などは、玩具でも比較的高級な玩具を作っておるようでございまして、ただいま言われるような、ちょっと首をかしげるようなものは見受けませんでしたが、やはり業界も千態万様でございますので、十分ひとつ指導をしたいと、ただいまのような弊害をかもし出すのじゃないかと思います。したがって、玩具製造組合等ともよく相談いたしまして、十分こういう点に協力願えるように指導して参りたいと、かように考えております。
  198. 近藤信一

    ○近藤信一君 大臣の御所見を今承りまして、非常に心配はしておられるようで、また、子供の雑誌なんかにも広告しているのに、今、二千円も三千円もする拳銃でなくして、もう空気銃の小さくしたような鉄砲、ああいうものをさかんに宣伝しているわけですね。僕も、小さな男の子供がございまして、これを買えというが、そんなものが買えるかといって、よく怒ることがあるのですが、実際、いろいろと親の気持になってみると、子供は危険なものほど、またスリルがあるわけなんで、そういうものをほしがるわけなんです。そうかといって、そういうものを与えれば、これはあぶない。危険でないといっても、できておるたまなんかを見ると、プラスチックでかたくて、目なんかに当たれば、やはりこれは目がつぶれるようなものもあるわけなんです。やはり業者の自粛ということも必要であるが、売れるものについては、なかなか業者は自粛しないのです。何かことしのお正月なんかは、何十万とかの拳銃が飛ぶように売れてしまったなんて新聞にも書いてあったんですが、私は何とかこれは、業者の自粛だけに待つのでなくして、法的に何か規制するようなものが何かできないかと思って、いろいろと心配はしているんですが、なかなか私どものような頭では、そういうところまでいかぬわけなんで、こういう点は、将来やはり子供を持つ親の立場からいって真剣に考えていかなければならぬじゃないか、私は、そういうふうに思っておるわけなんです。  そういう点ひとつ十分に、今後何らかの形で、また業者が困るかもしれませんけれども、そういう点は通産行政を受け持っておられる大臣に特に一つ考えておいていただきたい、かように思います。  以上で、私は質問を終わります。
  199. 武藤常介

    委員長武藤常介君) 他に御質疑はありませんか——他に御発言がなければ、本案の質疑は、本日はこの程度にとどめます。  速記を止めて。   〔速記中止〕
  200. 武藤常介

    委員長武藤常介君) 速記を始めて。  本日は、これにて散会いたします。    午後四時十二分散会      —————・—————