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政府委員(佐橋滋君)
法案では、ただいま御指摘のように
一般消費者が「その購入に際し品質を識別することが著しく困難」という条件と、それから「その品質を識別することが特に必要」だという二つの条件をかなえたもので政令で定めるということになっておるわけでありまして、われわれが現在
考えておりますのは、ただいまの第一の条件の「品質を識別することが著しく困難」といいますのは、たとえば外観だけ見まして品質の識別が著しく困難な商品、たとえば各種の繊維製品の混紡のものといったようなものが該当すると思いますが、外観だけ見て品質の識別が困難だというもの。それから次には、類似品が非常に多いために品質の識別が困難だと、たとえば合成樹脂製品
関係の、ポリエチレンだとかポリスチレンだとかいうようなものがこれに該当すると
考えております。あるいは品質を示す用語の使い方が混乱しているために品質の識別が著しく困難なもの、たとえば既製服の学童服等で何才用だとかいうようなことが書いてありますが、その何才用の寸法自身も、これは各
業者によってまちまちでありますために、ちょっと見ただけではわからないというようなことを
考えておることであります。
われわれは、この
法案では、
一般消費者の通常
生活に供せられる家庭用品の品質表示を
考えておりますので、注文
生産によりますような場合は、これはまあ特定の注文をされる場合でありますが、こういったものは
考えておらないわけでありますが、このいわゆる識別の困難だというのは、これは、
消費者のいわゆる知識水準の向上だとかいうようなことによってもあるいは大きく変化すると
考えられますので、この困難性の判断といいますのは場所あるいは時代によって若干実は変化すると、こういうふうに
考えておるわけであります。次に、第二番目の条件であります。いわゆる品質の識別がぜひ必要であるという条件でございますが、われわれが
考えておりますのは、品質の識別を誤りますと、損失が大きい商品、たとえば先ほど申しました既製服あたりで、サイズが違いますとこれは何のために買ったのかわからないというような
事態が招来されるわけであります。
次には品質の識別を誤りますと危険な商品、これはセルロイド玩具等に見られる例でありますが、そういう危険を来たすおそれのある商品、あるいは使用
方法を誤りますと、そのもの自体がこわれたりあるいは効用を発揮しない商品、これは合成樹脂加工品のまあ台所用具等にありますが、熱に弱かったりというようなことがわからないために
消費者に不測の損害を与えるというようなことが
考えられるわけであります。そのほか使用
方法を誤りますと、そのもの自体はどうということはありませんが、ほかの商品を、何といいますか、
影響を与えるといいますか、こわすといったようなもの、これは洗たく、いわゆるまあ合成洗剤だとかあるいは合成塗料等にあるわけであります。あるいは使用
方法を誤りますと危険な商品、先ほどはセルロイド玩具の例で申しましたが、これは、使用
方法を誤った場合に危険なというのは、たとえば
石油ストーブ等に点火をしてから油の注入等をいたしますと非常な危険な
事態が起きるといったようなことを
考えておるわけであります。
ただいま
先生の御指摘のように、どういった品種を具体的に政令で指定するかということは、今後家庭用品品質表示
審議会で決定していただくことになっておりますが、われわれが事務的に
考えております
対象品目は、いわゆるまあ繊維製品——綿、毛、あるいはスフ、人絹ナイロン、ビニロン等の織物二次製品、メリヤス製品、あるいはテトロンなどのようなポリエステル系の繊維、あるいはボンネル、エクスラン、カシミロンなどのポリアクリル系の製品を繊維
関係としては
考えております。
次に、合成樹脂加工品の
関係では、食卓、台所用具等の合成樹脂成形品、あるいは合成樹脂塗料だとか接着剤だとかというようなものを
考えております。
電気機械器具は、アイロンだとかあるいはその他の電気機械器具を、大体
一般消費者によく使われますもので条件を備えたものを指定をいたそうと
考えております。
それから雑貨工業品では、合成皮革製品、カバン、袋物等だとか、あるいは耐熱ガラス製品だとか、粉末石鹸だとか、こういったようなものを現在のところ事務的には予定いたしておりますが、
法案が成立した暁には
審議会で慎重に
消費者の声も聞いた上で指定をして参りたい、こういうふうに
考えております。