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1962-03-15 第40回国会 参議院 商工委員会 第12号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十七年三月十五日(木曜日)    午前十時四十二分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     武藤 常介君    理事            赤間 文三君            剱木 亨弘君            中田 吉雄君            牛田  寛君    委員            上原 正吉君            川上 為治君            岸田 幸雄君            吉武 恵市君            阿部 竹松君            近藤 信一君            吉田 法晴君   国務大臣    通商産業大臣  佐藤 榮作君   政府委員    北海道開発政務    次官      田中 正巳君    北海道開発庁総    務監理官    木村 三男君    通商産業政務次    官       大川 光三君    通商産業省通商    局長      今井 善衞君    通商産業省企業    局長      佐橋  滋君    通商産業省鉱山    局長      川出 千速君    中小企業庁長官 大堀  弘君   事務局側    常任委員会専門    員       小田橋貞壽君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○北海道地下資源開発株式会社法の一  部を改正する法律案内閣提出) ○輸出保険法の一部を改正する法律案  (内閣提出) ○家庭用品品質表示法案内閣提出) ○中小企業団体組織に関する法律の  一部を改正する法律案内閣提出)   —————————————
  2. 武藤常介

    委員長武藤常介君) これより商工委員会を開会いたします。  本日は、北海道地下資源開発株式会社法の一部改正法案中小企業団体組織に関する法律の一部改正法案、両案の質疑及び輸出保険法の一部改正法案家庭用品品質表示法案、両案の補足説明聴取を行ないます。   —————————————
  3. 武藤常介

    委員長武藤常介君) それでは、北海道地下資源開発株式会社法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行ないます。御質疑のある方は順次御発言を願います。
  4. 阿部竹松

    阿部竹松君 前回川島長官にいろいろと本法案内容についてお尋ねしたわけですが、この法案が初めて国会で論議されて決定するとき、この種の法案というものの性質から見て、通産省が当然提案者となってやるべきじゃなかろうか、北海道開発庁長官関係ないではないか、こういう質問をしましたところが、いや、これは一切あげて北海道でやるのであるから、通産大臣あるいは総理大臣主務大臣であるけれども、しかし北海道に限定しておるのであるから、開発庁長官計画立案して国会で御決定を願うのだ、こういうことの論議がこの前の国会でなされたわけですが、今度は北海道のみでなく、本州もやるということになりますると、あげてこれは通産省の管轄ということになるのであろうと思うのですが、通産大臣、いろいろ通産当局と相談して決定したやに御答弁承っておりましたので、その点はいかがでしょうか。
  5. 佐藤榮作

    国務大臣佐藤榮作君) ただいま御指摘になりましたような経過をたどっております。しこうして、今回探鉱範囲本土にまで及ぼすようにいたしました。会社そのもの性格従前どおり性格で、内容的に事業を拡大したということでございまして、私、ただいまのお話は所管を変えろというお話であろうかと思いますけれども、この点はやはり中心北海道だ、かように御了承いただきたいと思います。
  6. 阿部竹松

    阿部竹松君 実際問題として、いろいろお話を承ってみても、この種の会社の監督なり行政指導をするには、やはり通産当局にはそれぞれの専門家なりエキスパートなり、優秀な担当者がおるわけです。北海道開発庁は、まあ端的に申し上げると、なかなか御承知おきのある力が少ないように見受けられるのです。ですから一億四千万円も赤字を出すという結果になって、仏作って魂入れずということになりはせぬかという懸念がある。そういう懸念について大臣は御心配ないわけですか。
  7. 佐藤榮作

    国務大臣佐藤榮作君) この種の事業会社採算性というか、採算がとれるかとれないか、これはなかなか困難な事柄でございます。御承知のように、探鉱そのものになりますと、大きな石炭会社でやることだ、みずからの手でやる。あるいは中小企業関係のもの、あるいは最近必要になります自由化に備えての金属鉱業、こういうような部門に探鉱の手を伸ばして参りますと、うまく当たるものと当たらないものがございます。その当たらない場合は、やはりそれだけの金が損失になって出ていくわけでありますから、私はこういう会社ももちろん採算性がとれることが望ましいけれども、その事業性質上やはり国自身が積極的にこの種の会社をして探鉱事業をやらしておりますのは、そういう意味においては、採算がとれないからけしからぬとは、一がいに言えないのではないか。まあ適当な採算がとれることは望ましいことには違いございませんけれども、何分にも地下のものでございますから、当たるものもあるし、当たらないものもあるということを私考えております。また中小金属鉱山などは、そういう危険性の多分にある探鉱事業でありますだけに、おくれる、やれない、こういうことがあります。だから、この種の会社探鉱事業をやらし、本来非常に貧しい国内資源開発に寄与する、これが本来の建前でございます。そういう意味で、私は望ましい形ではございませんが、むしろ積極的な活動をすることが、現在の自由化に備えて、むしろ必要なことではないか、かように実は思っておる次第でございます。
  8. 阿部竹松

    阿部竹松君 ただいまの大臣の御答弁なすった、赤字になることは望ましいことではないけれどもということで、前提付で御答弁があったわけですが、国策会社ですから、これは一昨日も申し上げましたが、言葉が悪いかもしれませんけれども、国であげて地下産業開発に努力して、一億でも二億でも三億でも、その場において赤字になったといたしましても、新しい鉱脈発見するということになると、違った部面で国に協力することになりまするから、そういう点については理解ができるわけです。ただ問題になるのは、しからば今後こういう方式で経営をやっていって、百パーセント成果を上げることができるかどうかという心配があるわけです。それから北海道開発株式会社で、北海道だけやるのだということで、資本金のふえるお話もございませんし、本州に手を伸ばすというお話は承ったけれども、ただ高邁なる理想とお話だけでは仕事ができないのであって、そうしますると、本州方面北海道より中小鉱山大臣承知のとおり多いわけですから、会社の規模の拡大とか、そういうことはお考えになっておらぬのですか。
  9. 佐藤榮作

    国務大臣佐藤榮作君) これは必要があれば順次内容も充実して参ります。現在の段階では予算的には探鉱費をふやす、御承知のように、大体三倍ですか、金額としてはわずかでありまするが、三倍ふやす、これがまずその第一歩だと、かように御了承いただきたいと思います。
  10. 阿部竹松

    阿部竹松君 大臣 その探鉱費ですが、一昨年は一億円で、今年は一億円、なるほど大臣の御答弁にございますように三倍になった。しかし大臣、これは御承知のようにボーリング一本掘っても何千万円とかかるわけです。なるほど二億の金は確かに膨大な金額であるけれどもジェット機一機買っても六億円ですよ。ジェット機の三分の一、ちょうどプロペラ分ぐらいですよ。その一億の金でどれだけできるかということは、これは大臣承知でしょうから私から申し上げませんけれども、しかし北海道という限定されたワク内からはみ出て、本州もやるとおっしゃるのですから、もう少し力を入れていただくような方法はないのですか。
  11. 佐藤榮作

    国務大臣佐藤榮作君) 御指摘のとおり、あまり自慢のできない金額でございます。ただ、私は阿部さんにも御理解をいただきたいのは、予算はなかなか画期的に増強は困難でございまして、この種のものとして、もとが小さいのだから三倍と言ってもわずか三億じゃないか、こういうことでございますが、まあ画期的に方向を示したものだということはひとつ御了承いただきたい。このわずかな金額でございますから、おそらく鉱脈探鉱にいたしましても、最初書面等十分審議を尽くして、しかる上に適当な地域、そこで探鉱を始めることになりましょう。そうすると、最初のうちは割にできがいいいほうというか当たる率も大きいかと思いますが、しかし今年はこの程度の予算でありますが、成績がよければさらにふやしていかなければなりませんし、ことに私ども意を用いたいと思いますのは、貿易自由化に備えて一番弱いと考えられる金属鉱山について、これはひとつ積極的に国が新しい鉱脈発見に乗り出すべきじゃないか、こういう野心的な意図も実はあるわけでございます。そのためには、全然新しいものを作ったらどうか、こういう御意見もあったのでありますが、もうすでに北海道のこの会社は、過去におきましても東北地方等では委託を受けて探鉱をやったり、あるいは機械貸付等をやったりしておりますので、そういう経験もありますから、これを拡大してみよう、新しいものを作って、また資金的にもわずかなものからスタートするよりも、十分利用できるこの機関をしてやらせることが望ましいんじゃないか。その場合に、先ほど申すような金属鉱山、こういうところをひとつ中心にしてやってみよう、こういうことで通産省としては野心的なものでございます。この金額で十分だと申すわけではございません。ただ最初の一年としては、比較的によく金がふえたというような感じがしております。今後の成績によりましてさらに拡大していきたい、かように考えております。
  12. 阿部竹松

    阿部竹松君 私は決して通産大臣のあげ足をとろうと思いませんが、一昨年の当委員会でこの法案を審議したとき、川島長官がこうおっしゃった。これは民間企業であればこういう会社はつぶれてしまいますよ。まあ国策会社ですから何とかやっていけるのであって、主たる業務は北海道で行なって、その赤字の埋め合わせに本州へ手を伸ばすのです——こういうお話で、今通産大臣お話を承ると、貿易自由化に備え、かつ野心的なものだという話ですが、僕はどっちを信用したらいいんですか、どちらを……
  13. 佐藤榮作

    国務大臣佐藤榮作君) 私が申しますのは、この探鉱費についての三億というこの予算、それがただいま申し上げるような野心的なものだと思う、そうしてこの仕事をやらすことが、今まであります北海道という名前のついたこの探鉱会社自身をしてやらすことが、国家的には利用の意義がおるものだと、かように思うので、その二つの目的を達するのに差しつかえない、かように思うということを実は申しておるのでありまして、通産省から申せば、全然新しいものを作れという議論もあったということを先ほど披露したわけでありますが、しかし国家的な機関一つあるのでございますから、これを十分拡大してやる、そうして本来この会社のできましたことが川島長官のお答えしておりますように、名前の示すごとく北海道地域、これを主たるところに考えてきておる、これはもう間違いのないところであります。したがいまして、川島長官説明と私の説明が、やや形の上で食い違っておるようでございますが、私はこの探鉱費三億をつけた、その事業について特に御披露しておるわけでありまするし、また川島長官は、本来の会社事業内容というものを主にしてお考えになっておるようであります。で、これは過去の経験から申しまして、北海道が新炭田を開発する一番有望な地域でございます。石炭関係から申しますならば、これは九万メートル前後のものはぜひともこの会社でやっていただかなければならぬだろうと思います。新たに今回はプラスして、本土等における金属山の探鉱にも一つ力をかしてもらう、こういうことを実は考えておるわけであります。
  14. 阿部竹松

    阿部竹松君 形の上で違うという川島さんの見解に対して、中身は同じだとおっしゃるのですが、通産大臣川島さんも池田内閣実力者ですから、てんでんばらばらのことをおっしゃって、あなたのほうはいいかもしれませんが、われわれ法案を審議するほうですから、そうなると、池田さんでもおいで願って統一見解を伺わなければ、賛成反対意思表示をできぬということになってきわめて遺憾ですが、今貿易自由化ということでいろいろ問題になっておるわけですが、探鉱ということについて、貿易自由化でうちの山はつぶれるのじゃないかということで、金属鉱山経営者はあまり探鉱をやりたくない。自信と確信のある脈のみに対して探鉱をやるというのが実態なんです。ところが大臣お話をお伺いしていると、きわゆて熱意をもって御答弁されるが、予算中身を見てみますと、確かに三億円にふえたけれども、三億円は中小の分だけですよ。大手の分は全部大蔵省に切られました、こういうのが私の仄聞した実態なんです。そうすると、中小は相当数あるわけですが、三億円で何がしか潤うでしょう。しかし大手の分は一つもないわけですから、大手は全部独立でやれる企業能力があるという御判断を立てておられるのですか。
  15. 佐藤榮作

    国務大臣佐藤榮作君) ただいまの点が、在来の国の補助金を出します場合に、強く大蔵省主張と私ども主張とで対立をする点でございます。一般的に申しまして、国民の税金の使い方でございますから、できるだけ事業者自身がそういう経費を負担することが望ましい、必要やむを得ないところに補助しよう、こういう基本的な考え方でございます。その点から申せば、大きい山は相当の力があるじゃないか、だからみずから一つやって下さい。ところで中小方々はそれだけの資力、信用等も欠ける、技術的にも不十分だ、そういうものについて力をかしましょう、こういうことを実は申したわけであります。ただ国資源開発という観点に立ち、この非鉄金属鉱脈開発ということになれば、大きかろうが小さかろうが、そんなことの区別なしに国が出すべきがいい、それこそ国の資源開発なんだ、これが当初の通産省主張でございましたけれども予算の実際の編成にあたりましては、通産省主張が通らず、大蔵省在来主張どおりに実はなったわけであります。で、通産省がそれに満足というわけではございませんけれども、一応了承いたしましたのは、新しい鉱脈というものは必ずしも大きい事業者ばかりが持ってるわけでもないだろう。むしろ地下資源でありますだけに、最初中小のものが持っておるとか、あるいはうわさにのぼらないところになかなか有望な山があったりするのであります。そういうものをやはり発見することも必要なことだ。だから今回の予算金額としてもわずかだし、また補助金を支給する範囲も非常に極限されるけれども、少なくともこれが有効に働き得る余地があるように思うから、その建前論は二の次にして、無用の念である鉱床の方向一つ踏み出していこうというので、一応了承して今回のような予算をつけたわけであります。で、ただいまの予算使い方の問題もありますし、また新しい機関を作れという問題も冒頭に申しましたように、もちろん議論としてりっぱなものがあるわけでありますけれども、私は国全体の建前等からみましても、現在あるもののうちで、やはり力をかしていただくということが望ましい、また手っとり早い方法だと、かように考えておるので、北海道開発会社をして本土においても事業を行なわすということにいたしたわけでございます。
  16. 阿部竹松

    阿部竹松君 そこで大臣にお尋ねしたいことは、貿易自由化によってこの種の品質内容によって違うかもしれませんけれども、大体昭和三十八年度の下期から貿易自由化をやるという予定が半年繰り上げになったというような新聞記事等も見るわけであります。いろいろ各種品目がございまするから、全部半期繰り上げるというようなことにはなっておらぬと思うわけですが、しかし現実の問題としてそういうことがちまたに喧伝されておるわけであります。したがいまして、そうしますると、私ども調査能力がないんで正確な数字はわかっておりませんけれども、銅の価格にしても今二十八万円何がし、アメリカから入って参りますると二十四万円で入ってくるという。したがいまして四万円の差があるから、日本の銅山がつぶれようが、山がつぶれようが、安いものに飛びつくのが人情であるし、経済の原則だと思う。こういうような実態なものですから、地方の自治体とか、あるいは労働組合とか、金属鉱山経営者はおそらく大臣のところへ陳情、要請等におじゃまするでしょうが、実際いつやるか、はっきりお伺いしたいのと、このまま保護政策をとらないで、このままの姿で貿易自由化を行なった場合には、日本金属鉱山が四〇%つぶれる、こういうことを言われておるんですが、それが単なるうわさのものか、実際問題として現実の姿が、四〇%が廃山という姿で現われてくるか、その点を一つお尋ねしたいと思います。
  17. 佐藤榮作

    国務大臣佐藤榮作君) 自由化計画、これはもうすでに計画は示してございますが、ことしの十月ころまでに九〇%の自由化をするということになっております。この十月までには、銅自身は一応入っていないと思いますが、まあその後においてできるだけ早い機会に銅の自由化も踏み切る、こういうことでいろいろ準備をしておるわけであります。ところでただいま御指摘のとおり、最近は銅の国際価格が非常に安くなっておる。そういうことから国内産銅業者のほうでは非常な脅威を感じているというのが実情であります。いわゆる自由化においてしばしばこういう点が指摘されるのでありますが、特に銅というものについては、自由化された後において、今のままでやりますと、非常な影響があるだろうということは、これはもう予想がつくわけであります。ただ銅の場合は、御承知のように銅鉱の山を掘る人と、またこれを製錬する場所と、それからさらにその銅を素材に使って電線その他の製品を作る、この三者が比較的に連係が緊密であります。過去の発達、発展経過をたどりましても、三者が実は一体だとも言えるのであります。この点がいわゆる石炭の場合とはよほど違っている。中小の山にいたしましても、その山が製錬所へ持ってくるときには、やはり製錬所にしぼられるといいますか、そこをどうしても通らなければならないというようなことで、比較的その対策は三者が一体になるように行政指導することも、これを根幹に考えると対策は比較的容易でございます。国際価格の変動に対応するための、あるいは関税率を幾らにするかとか、あるいは数量的に制限ができるかどうか、そういうものを自由化の暁においては工夫して、そうして国内産業に急激な悪影響を及ぼさないように、こういうことを工夫するわけであります。ただ私は今言われます阿部さんの御心配になる自由化、その結果直ちに非常な支障を来たすとは思いませんが、この産銅業者というか、山を開発しておられるほうの人から見ますと、国内資源が非常に乏しいということ、これはだれが見てもそのとおりであります。だからこそ、今までの山でなしに、新しいものはないだろうか、そういう意味で鉱区の設定等があれば、やはり炭鉱業としてその経済性一つ検討してみよう、こういうことで国内資源開発に積極的に乗り出したいと思いますが、なかなかこれもやってみなければわからぬことではございますが、地質その他の形成上から見まして、国内に豊富な非鉄鉱山脈があるとはなかなか考えられない。そういうところから、山を経営される方々海外進出する、こういう問題が実はあるわけであります。海外への進出、これを容易ならしめることにより、そうして今の国内事業そのものが育成できる、そういうような道があるんじゃないだろうか、こういうことで指導をしておるわけでございまして、一面に国内における新たなる鉱脈発見に努力すること、また海外への進出一つ政府指導する、そういう場合にはできるだけ個々の会社じゃなくて、共同で手がけるというようなことで、無駄な競争を排除していく、それからまた国内においては、貧弱ではあるが、山と製練所と、それからその次の銅を素材にしてのいろいろの製品、この三者をできるだけ協調さすような行政指導をする、そういうことで弱い非鉄鉱山を育成強化するわけにいかぬか、そういうような基本的な実は考え方を持っておる次第でございます。
  18. 阿部竹松

    阿部竹松君 ただいまの大臣のおっしゃったように、石炭と違うということはそのとおりでございましょうが、ただ三者一体となっているという点について、私ども承知しているのは、なかなか三者一体にならないということは、三井金属鉱山のように、自分国内に採鉱する現場がない、全部外国原鉱の買収か、国内の小山から原鉱を購入するかして、製練所しかない。一方製練所を持っておらぬ、鉱石を掘るだけの山があるわけです。あるいは三菱、住友、同和、日鉱のように製錬所と山と三つを一緒にしておるところがある。この最後に申し上げた点のそれぞれの山は、大臣のおっしゃるとおりになるかもしれませんよ。しかし今申し上げました、初めの製錬所しか持っておらぬ山と、製錬所がなくて採掘だけやっておる山と、これはなかなか三者一体にならぬわけですよ。ですから、いろいろな、保護政策も各種多様の政策面で打ち出す点があると思いますけれども、やはり貿易自由化ということが今二番焦眉の点なんで、一昨日の委員会で、大臣のほうの課長さんが参りまして、外国から入ってくるこの種のものに対しては関税をかけて国内価格バランスをとるんだ、そうして保護政策を、それでもってバランスをとって、そうして国内が業界として安定するようにやるという政策の一端を披瀝なさったわけですが、関税をかけて価格バランスをとって、何年になるかわかりませんが、そういうことは決定しておるわけですか。
  19. 佐藤榮作

    国務大臣佐藤榮作君) 先ほど申しました私の答弁で、誤解があると困りますが、三者一体にしたいという実は強い希望を持っておるということでございまして、これが需要者自身で簡単にできておるのならあえてかようなことは申しません。なるほど発展経過から見れば、三者一体であるのが大部分だと申しても支障ないと思いますけれども、それでも今日はそれぞれの別会社になっておると、それぞれの会社の収益をあげたいという立場に立ちますので、資本系統が同じだというだけではなかなか意見が一致するものではないのであります。ただ行政指導方針としては、そういう方向で臨むという、その私ども基本的態度を申し上げておるのでございまして、これが容易に直ちに実現するとかいうものでは実はないのでございます。  そこで、ただいま関税お話が出ましたが、関税の問題にいたしましても、同様なことが実は言えるのでございます。山から製錬所までやるほうから申せば、それを粗銅と大体価格がマッチするように関税を引き上げてくれという、それが山を保護するゆえんだ、こういう主張がされているわけでありますが、しかし電線その他のメーカーさんのほうから申せば、安いものを高くしなくってもいいじゃないか。だから安いものは安いもので使わしてくれれば、総合的に使うことを自分たち計画する。それならば関税を引き上げないほうがいいんだ、こういう議論も実は出てくるのであります。ここに関税政策のむずかしさが実はあるわけであります。しかし私は今の大筋から申しますと、本来自由化で安くなることが望ましいとは申しますが、その関税作り方いかんは、必ず国内の山に影響するし、製練工場に影響する、これはいなめない事実だ、かように思いますので、その業者の間を調整して、適正な、適当な関税率をきめていくということをいたしたいと思っておるわけであります。先ほど申しましたように、自由化を進めていきます場合に、やはり国内産業保護のためには関税というのが一つの武器であります。もちろんガットに入っておるわけでございますから、自由自在に関税が引き上げられるわけではございませんが、一応国内産業保護、その場合における関税というものがあるわけでございます。その関税率をいかにするかということが実はいつも問題だ。そうしてただいま指摘したように、同じ資本系統であっても、粗銅を作るところと、それからさらに製品を作るところでは、利害が衝突していて、なかなかどこにきめるかということはむずかしい問題だ、こういうことでございます。しかしこの自由化に備えては当然関税をいかにするか、それを検討すべき時期でございますし、十月以降においてこういう点を具体化して参りたい、かように考えておる次第でございます。
  20. 阿部竹松

    阿部竹松君 具体化するといっても、一昨日あなたのほうの課長が来て、何年何カ月関税をかけてこうしますということを言明して、それは速記録を見ればわかる。ですから大臣にお尋ねせんで大丈夫ですか、こういう話をしたが、自信と確信を持って言ったはずです。速記録に載っておるんですが、それを今大臣がおいでになって、十月までよりより検討してみたいということでは、それはとても了解できませんよ。これは私の聞き違いであれば私は訂正いたしますが、そのようにはっきり聞いておる。
  21. 佐藤榮作

    国務大臣佐藤榮作君) ただいまの点を局長からお答えさせます。
  22. 川出千速

    政府委員(川出千速君) 銅の関税につきましては、実は自由化に備えてどうするかということで、約二年にわたって山側と需要業界と非常にもめて、政府はその間に立って調整に非常に骨を折ったわけであります。そうして、結局結論といたしまして、需要業界はヨーロッパのほうでは関税はゼロではないかというようなことから議論がスタートしたのでありますが、結論としては、どうしても国内資源保護するために上げるととはやむを得ない。現行の関税を暫定的に引き上げることはやむを得ないということで話がつきまして、銅につきましては、今年の十月から来年の望月三十一日までの間に自由化をするということを前提として、二年半トン三万円、その後の二年はトン二万七千円ということで関税法を改正することにしておりまして、ただいま国会に提案中と聞いております。
  23. 武藤常介

    委員長武藤常介君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕
  24. 武藤常介

    委員長武藤常介君) 速記を起こして。
  25. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 それでは先に阿部委員が質問された重要な点ですが、自由化に備えてのやはり国内地下資源をどうするかという根本の問題につながるので、大臣がお帰りになってからあとで質問したいと思うのですが、この際に中小企業探鉱には補助するが大きな企業の探鉱には助成をしない、こういう問題があって、非常に御努力されてまあ三倍にふえたが、その額は必ずしも十分でないということであったので、私、実は国会の立法調査を通じまして、相当大規模な探鉱をやらねばならぬ企業形態の収益、納税というようなものを国会の立法調査を通じて調査してもらったわけです。ところが御案内のようにRPですか、プロダクションを分母とし、リゾーシスを分子とし、それが十以上になって掘り当てたものを食いつぶししない正常な形に企業形態を持っていくために、今の税法上、日本国内地下資源の置かれた状況からしては、私的所有を中心とする今のような経営形態では中小探鉱だけでなしに、あるいは中小地下資源を対象とする会社だけでなしに大きなものもです。やり得ないというのです。これは立法調査を通じて調べていただいたんですが、たとえばAという会社探鉱費を七億出している。それに対して国税、地方税を通じて約六億ないし五億税金を払っておるんです。探鉱助成金を幾らもらっておるか、千万円か二千万円です。そうして配当を一割二分やっているのです。配当が一割二分あるから、もうこれはその補助対象にすべきでない。しかし政府が財政投融資のめんどうをみるわけにもいきません。そういうようになりますと、五億ないし六億の税金を払い、探鉱費会社で五億ないし六億ぶち込んで、たった一割二分の二億あまりの配当をやらねば、これは株式の維持ができません。そういうことをみて、このP分のRという正常な形で、会社の資産内容を食いつぶししない、現在の資本主義の体制のもとではもはやこれはどうしても新しい角度から、税をもっと減税して特殊な産業形態に合うような制度にして改めるかしなくては、これは非鉄金属等におきましても、少なくとも三−四〇%は国内資源を引き取っても、もう海外地下資源開発株式会社ができて、そして国内地下資源開発をやらずにいくというようなことになると思うのです。私、国会の立法調査で調べてもらったので十分でありません。間に合いませんでしたが、とにかく探鉱費用を六億から七億ぶち込んでおる。そうして配当を二億足らずやっているという状況で、しかもこれがP分のRが一〇以上になるという正常な鉱山業としての、資産を食いつぶさないということは、もう維持できない。こういうことになっておるので、これは大蔵省に、その点はだいぶん通商産業省では折衝されたようですからなんですが、どうしてももう中小炭鉱だけでなしに、阿部議員が言われたように、大きな炭鉱においても大きな地下資源を対象にする会社でも、五億も七億も税金を払い、やっと一割程度の配当をしながら、なお資産を食いつぶさないという状況には、しかも十月からの自由化を控えては、もう計数的に、国会の立法調査を通じていただいた資料からして、とうてい不可能なんです。そういう点で私はもう当初予算で租税特別措置が千五百億もあり、自然増収を含めると大蔵省の推計では二千億もある。しかも国民経済白書では租税特別措置は当初作ったときの意義が薄れて、もう整理してもいいものがそのまま残ったりして、そういうものの整理をするようなこととかね合わせて、私は通商産業省の予算がふえるのは、一つは租税特別措置というものがあって、なかなかその税法上のなんでされて、割合ふえるのだと思うのですが、経済白書ですら、当初設けたときの意義が薄れたものとして整理してもいいというようなものは、どんどん整理して、これから自由化に備えて、どうしても国内資源というものを開発せねばならぬというようなことになりますれば、やはりそういう角度から検討していただくことが必要じゃないか。中小炭鉱、中小企業に対して三億の助成措置をとっていただいたということは多としますが、必ずしも大蔵省が言っておるような、配当を若干やっているからそういうものはもう放っておいても大丈夫だというような、これは大蔵省に入っている六億ないし七億の税金の元本すらなくなってしまったということになるので、私は新しい角度からやはり考えていただくことが必要ではないか。との地下資源開発株式会社法の一部改正、北海道から出稼ぎをして内地でやっとこさ何とか収支をつぐなわせようという政策では、来たるべき十月からの、あるいは延びるでしょうが、非鉄金属等は新しい事態に対応できぬじゃないか、これは大蔵省に特に申し上げたい点ですが、私は中小炭鉱だけではなしに、大企業だって自由化の嵐には耐えられない、こういう点を一つ十分踏まえて、今後の地下資源開発と取り組んでいただきたい、この点だけ佐藤大臣にお尋ねしておきます。
  26. 佐藤榮作

    国務大臣佐藤榮作君) 中田さんのお考えは、私どももそういう線で進まなければならないと、かように実は思って、先ほど阿部さんのお尋ねに対してお答えしたわけでございますが、今回、中小だけではございますが、やはり大に対しましても、特に地下資源というものが国に所属するというような観点から考えれば、これは一そう私、積極的な態度をとるべきだと思います。しかし、今回やむを得ずこの程度のものが出て参りました。この点はるる先ほど来お答えいたしておるわけでございます。十分将来とも考えて検討さしていただきたい、かように考えております。
  27. 阿部竹松

    阿部竹松君 大臣は御退席になる、これはやむを得ませんが、次官はおいでになるでしょうね、通産省の次官は。
  28. 武藤常介

    委員長武藤常介君) 政務次官はただいま見えます。
  29. 阿部竹松

    阿部竹松君 それでは、通産次官がお見えになるまで、田中先生は北海道開発庁の次官でいらっしゃるわけですね。それで、田中次官にお尋ねいたしますが、昨年の国会におきまして国鉄運賃の膨大な値上がりを見たわけです。その運賃の値上がりに金属鉱業のほうも漏れなく影響をこうむって相当な数字になるわけです。私の聞いたところでは、正確でないかもしれませんが、十一億何がし、そこで、それが論議されておる前国会において物価を上げないという前提条件でやったのであるし、あるいは貿易自由化ということもあるのだから、当然石炭とか金属、こういうものに対しては何らかの措置をとりますから、こういう話が運輸大臣ばかりではなく、それぞれ各関係官庁、つまり経済企画庁とか、あるいは通商産業省、こういう方々からお話をお聞きしておったわけですが、結果がどうなりましたか。
  30. 田中正巳

    政府委員(田中正巳君) 阿部委員のお尋ねでございますが、どうも所管が、私北海道開発庁のほうを担当いたしておりますので、内閣全体、政府全体としての答弁をするのはどうかと存じます。おそらく、当時の話、運輸省あるいは通産省その他農林省等で、それぞれの話があったと思いますが、私から答えるのはいかがかと存じますので、別な機会に適当な者から答弁させていただきたいと思います。
  31. 阿部竹松

    阿部竹松君 北海道開発庁だから私はお尋ねしておるのです。運賃値上げによって日本中で一番影響をこうむったのは北海道です。その北海道開発庁が、汽車賃が上がったことによって、鉱物資源なり林業なり、あらゆるものが北海道が一番影響をこうむってしまったのですよ。ですから、北海道開発庁がそれを知らぬなんと言うのですから、中谷博士は、八百六十億北海道に持っていってどぶにあけた、と言っている。あなた方は知らぬはずがない。一番影響をこうむったのは北海道のそれぞれの産業です。
  32. 田中正巳

    政府委員(田中正巳君) 石炭については、その後延べ払いの特別な方策をとったそうでございますが、詳しくは通産省からお聞き取りを願いたいと思います。その他の点についても、いろいろと北海道の産業上問題がございますので、それぞれ実は当局と折衝いたしておりますが、どうも昨年の分については、そう思わしい結果が出ていないというふうに私は思っております。
  33. 阿部竹松

    阿部竹松君 それで十一億何がしの中にどれだけ運輸省も、国鉄当局に便宜をはからってもらっていたかどうかわかりませんので、お聞きしたいのですが、あなたのほうで、この会社に作業をやらせるときに、各個人企業、大手といわず中小企業といわず、企業内容をお調べになるわけでしょう。この地下資源開発株式会社は、あなたのほうで監督なさっているのですから、そうすると、このAという会社はどこにあって、大体、どのくらいの企業能力があって、そこで搬出した場合には、どれだけ運賃がかかって、労務費が幾らかかって、資材費が幾らかかってということをやって、ボーリングをやるというわけでしょう。全然、企業内容経営実態も何も調べないで、申し入れがあったからボーリングをやりましょうというわけじゃないでしょう。
  34. 田中正巳

    政府委員(田中正巳君) これについては、この会社のやっている仕事内容によって態様が違うと思うのであります。いわゆる受託炭鉱の場合には、おそらく委託料の支払い能力については、これは十分調べると思います。しかしその後の経営状態等については、あまり深くタッチすることは少ないといいますか、共同炭鉱等になりますると、今、先生のおっしゃるようなことについて、十分これは調べなければならぬと思いますが、御承知のとおり、現在まで、この会社は、共同炭鉱について、ほとんど実は行なっておらないわけでございます。昨年、いろいろと検討しました結果、非常に無理をいたしましたのですが、実は一件だけ初めてやったというような経緯がございまして、したがいまして、実は、この会社の本来の意義というものが発揮できないでおるわけでございますので、今回御審議をお願いしておるような方法によって、お話の後者のほうの、いわゆる共同炭鉱等をさらに進めていきたいという趣旨も、実はここにほかならないわけでありますが、いずれにいたしましても、共同炭鉱の場合には、今、阿部委員のおっしゃるようなことは、十分これは検討することにいたしておるわけでございます。
  35. 阿部竹松

    阿部竹松君 次にお尋ねいたしますが、最前、次官も通産大臣と同席されておったのでおわかりだと思いますが、一昨日の委員会のあなたの長官のお話と、佐藤さんのお話と若干、僕の受けた印象の違い、あるいは答弁の聞き漏れかもしれませんけれども、違っておるのですね。大臣の言ったのをあなたに修正せいということは僕は言いませんけれども、ただ、実際問題として、本州に乗り出してきて、大々的に探鉱をなさるものかどうか、このあたり、すっきりとした、これは、私は事務的になってけっこうでございますから、お答えいただきたい。
  36. 田中正巳

    政府委員(田中正巳君) 一昨日の私どものほうの川島長官の話と、ただいまの通産大臣の話とのニュアンスの相違が若干あるがと、こういうことでございますが、それぞれ若干の違いはあろうかと思いますが、本質は、やはり何と申しましても、北海道地下資源開発を主眼にして、その手段、方法として、内地においても一部事業さしていただきたいというのが本案の趣旨でございます。おそらく通産大臣の申した、内地においても、探鉱政策の一環として、こういったような会社が内地に出てくることも意義があるというようなお話がございましたが、私の察するところ、こういったような特殊な目的を持って、従来、特殊な方面に対して経験を持ち、またそれぞれ特殊な技術と多様な機械を持っているという、こういう独特な立場を持つ会社が出ることも、やはり内地の地下資源開発のために資するところかなりあるものと、こういうような御発言であったというように私は思いますのですが、これは、両当事者に意見をよく聞いてみなければわかりませんが、さように御了承願えるならば、お二人の話は、そう矛盾するものではないかというふうに考えるわけであります。
  37. 阿部竹松

    阿部竹松君 そうしますと、田中先生、こういうことになるわけですか。北海道で今までやっておったのですね。ところが、本州のほうへも乗り出してきて、探鉱を大々的におやりになると、こういうことになるわけですね。こういうことになると、九州とか中国とか、あるいは近畿、こういうところに、それぞれ地下資源開発株式会社が出張所なり営業所なり、あるいは事業現場を設けて、そこで注文をおとりになって、大々的に国策会社としてこの会社探鉱なさると、こういうことになるわけですか。
  38. 田中正巳

    政府委員(田中正巳君) 大々的にやるという表現については、いろいろ誤解があろうかと思いますが、いずれにいたしましても、私ども考えは、北海道において本来なすべき仕事というものが、この会社の経理上容易にできかねているということを、ひとつカバーするために、内地に出ていくと、そういう意味では、従来よりはよけいにやるだろうということは考えられますが、いゆわるその大々的という大げさにやることは考えておらないわけでございます。したがいまして、本案にもあるとおり、主務大臣の認可を得て、また北海道の業務に差しつかえない程度にというしぼりがかかっているわけでございますから、その辺で、内地に出てくる態度ないしは積極性は、おくみ取り願いたいと思うわけであります。  なお、そういったように、内地で業務をいたす場合において、内地方面における会社の業務体制はどうであるかというお話でございますが、現在のところ、支店とか出張所とか、特別な店舗をこの際新設するつもりは、当面のところは考えておりません。しかし場合によりましては、必要な方面に、一両名の駐在員等が置かれる場合があるかと思いますが、この点につきましては、いまだ確定をいたしておらないというふうに聞いております。
  39. 阿部竹松

    阿部竹松君 そうしますと、本州へ乗り出す準備として、本州にある金属鉱山経営者等に大体話がついておるわけですか。経営者のほうが一億円出しておりますね。あとは全部政府の出資ですが、本州へ乗り出してきてやるということになると、本州経営者はまだ一銭も金を出しておらぬと思う。ただ北海道会社の出ている三菱あるいは日鉄鉱業であるとか、こういうところは出しているかもしれませんが、本州にのみある中小金属鉱山で、今後この法律によってお世話になる山が、たくさんあるわけです。そうすると、その関係はどうなるのですか。
  40. 田中正巳

    政府委員(田中正巳君) これにつきましては、現在のところ、内地においてそれぞれ仕事をいたしますが、内地の業者から出資面で協力を受けようということは、現在のところ考えておりません。またこの会社の本来国策会社としてあるべき姿というのは、やはり多量に埋蔵する北海道地下資源開発しようという主目的にはかわりがございませんので、そこで現在のところは、内地の業者から財政的な協力を求めるということについては、ただいまのところ考えておらないわけでございます。
  41. 阿部竹松

    阿部竹松君 そうすると、結局は、北海道で、たとえば一〇〇%の仕事をするというのに対して、一〇〇%の申し入れがあった分については、北海道でやる。八〇%しか申し入れがない、能力は一〇〇%あるという、こういうときに、二〇%だけ本州へ来てやろうと、こういうことですか。
  42. 田中正巳

    政府委員(田中正巳君) 一〇〇%、八〇%といいますか、おのずからこれは、先ほど先生が御指摘になったとおり、相手方の注文の率にもよるかと思います。したがいまして、一〇〇%優良な御注文があるとするならば、やはりこれは北海道仕事に専念すべきかというふうに考えておりますが、現実に先生も御承知のとおり、なかなかさように参らぬということから、実はわれわれとしては、こういう法律改正をお願いしているわけでございます。そういったような考え方で、その範囲内において、内地のほうに進出しようというのが、われわれのねらいであるわけであります。
  43. 阿部竹松

    阿部竹松君 しかし政務次官、一昨日いただいたこの参考資料の、開発資源株式会社で出している資料の中に、役員名簿がある。この役員名簿を見ますと、取締役などというのは、これは結論的に言うと、一億円の株主が何人か入っているわけです。そうすると、本州経営者は、三菱とか日鉄鉱業を除いて、全然会社の機構にタッチできないわけだ。佐藤通産大臣お話を承ると、これは大々的におやりになると、こう言うのですが、片ちんばになりませんか、片ちんばに。こちらのほうは全然関与しない。役員も何も出しておらぬ。お金は北海道の金でやる。残りの金は政府の金だ。本州の人は全然金も出していないし、役員も出していない。それで同一同系に取り扱え、熱意をもって探鉱せよと言ったって、ここの委員会質疑答弁ならば成り立つかもしれませんけれども現実にお仕事をなさるという面で、影響はきませんか。あなたのほうは監督だけやっておればいいのですからこれは問題ないでしょう。しかし、地下資源開発株式会社が困るのじゃないかと思うのですがね。
  44. 木村三男

    政府委員(木村三男君) 営業案内を御参照になりましたが、それの最後のほうに、主要株主、お得意先というところがございまして、ただいま会社のほうでは、機械貸付の形で、まあ株主でないような鉱業権者のところにお得意さんをだいぶとっております。で、まあ将来のことはともかくといたしまして、現在は足がかりがありまして、さしあたっては、そういうところのお仕事が機械貸付から受託のほうに移り変わる部分が期待されまして、その面から仕事が広がっていくというふうに私どもは予想しております。それから株主関係を見ますと、御指摘のとおり、当初は北海道だけがグランドでございましたので、その構成も、内地方面でも北海道に鉱業権を持って活動しているような方々が入っておられたのでございます。これも詳しく主要株主名簿の中に入っておりますが、大体まあ、私もしろうとでよくわかりませんけれども、まあ名前を見ますと、大手筋は大体のところ入っていやしないか。また御指摘のようにここに入ってないものもございますけれども、その辺のことになりますと、例の十億円の資本、これがいかなる段階でどのくらいにふやしていくか、ただいまのところは、この計画を立てましたときには、ことしの分が一億政府出資で入ります。それから来年度予算として一億お願いしておりまして、まあ大体四十年ぐらいまでには十億になりますので、それまでは新規な株主は募集しないというふうな建前でやっておりますので、御指摘のようなことにつきましては、会社としましても私たちとしましても、まあ各方面に当たっているような——当たる、あるいは相談するというようなことはやっておりません状態でございます。
  45. 阿部竹松

    阿部竹松君 これを見ても、木村さん、さいぜん申し上げましたとおり、三菱とか日鉄鉱業とか中外、こういうところはこれはいいでしょう、本州北海道と両方に現場持っていますからね。しかしあとのこの役員の名前は、代表ですよ、代表。その社としてやっているのじゃないのですよ。たまたま代表であるがゆえに名前を連ねたにすぎないわけです。そうすると、本州にくると、御承知のように一社一山の山がたくさんあるわけです、一社一山の山が。このこれに全然関係のないところがたくさん出てくる。そういうところこそ国の力で助けて上げなけりゃならぬという山が、これは現実の問題として出てくるわけです。そういうときに困りませんかということをお尋ねしているわけです。
  46. 木村三男

    政府委員(木村三男君) 先々を考えていきますと、御指摘のように、ここに出てない、あるいはお得意さんでないようなところにも事業を拡張していくようなことになることは御指摘のとおりであります。その辺につきまして、実は私ども会社ともよく相談しているのでありますけれども、今度は事業計画に見ました範囲内におきましては、たとえば金属鉱山などにつきましてどういうふうな見通しを立ててやっていくかというもし計画を立てる場合は、機械貸付関係で申しますと、まあ総事業量の大体三・六%ぐらいがこの会社に受注されていると思います。まあ今までのお得意さんは当然あります。それを三・七あるいは三・九、まあわずかずつ伸ばしていくような計画でありまして、それ以上あまり、今の段階ではいろいろ大々的になりますが、程度としましては機械貸付の分を毎年〇・一%ぐらいずつ伸ばしていくというような関係になりますので、まあ今阿部先生のおっしゃったような意味で内地の情勢を踏まえて新しくこの会社に参加していただいて、そうしてまた積極的に仕事を拡張していこうというような意図でもございませんので、見込みとしましては、実情から出発しまして少しずつふやしていくと、その間にお得意さんもふやしていこうと、資本参加のほうは、こんな状態ですから考えていなかったというのが実際の実情でございまして、将来の点につきましてはいろいろ問題があるかと思いますが、ただいまの段階としてはこれだけしかお答えできませんです。
  47. 阿部竹松

    阿部竹松君 私は本州経営者にも、額は別として、出資をさせて、そうしてやはり、これは社会主義国家だったら全部国が出してやるわけですよ。僕もそう言いたいところだが、こんなことはあんた方は反対なさるだろうから、本州経営者にも金を出させて、もう少し規模拡大をやって、探鉱なりお仕事なさらなければ、これは仏作って魂入れずになるという懸念がある。  そこで私は大川次官にお尋ねいたしますが、予算書を見ますと、昨年とことしと比べてですよ。さいぜんも論議いたしましたが、貿易自由化に備えるという中身は、中小企業に対する——まあ明確にそう言っておらぬですが、鉱山局長にお尋ねすると、中小企業に当てはまりますと、こう言っているのですから、一億円の探鉱費が二億円ふえただけであって、何ら施策もないわけです。ですから、貿易自由化に備えて政府はどういう施策、これとこれとこれとやるのだというようなことをお聞かせ願いたいわけです。さいぜんもまた鉄道運賃について田中次官にお尋ねしたところが、場所が悪い、私の関係でありませんと、もっと担当官をして答弁せしめる、こういうお話でしたから、そちらのほうはまあいいとして、通産省のほうで管轄なさっておるこの自由化——肥料にする、ですから肥料審議会で論議して、肥料のコストを上げて鉄道運賃を埋めるとかというあなたの省の御決定もあったようですが、その点はいかがになりましたか。
  48. 大川光三

    政府委員(大川光三君) 阿部さんからいろいろお尋ねを受けたのですが、ちょっと私途中で席をはずしまして、先ほどの大臣答弁を、途中でたっておりまして、その関連がはっきりわからぬので、できますれば当該局長にお答えをさしたいと思います。
  49. 川出千速

    政府委員(川出千速君) 金属鉱山自由化対策でございますが、大綱は先ほど大臣から御答弁いたしましたことと存じますけれども、まず国内資源保護するために、関税を暫定的に、あるいは恒久的に引き上げる、あるいは関税割当制度をとるということで対処したいというのが一つでございます。御承知のように、金属鉱山の鉱物の種類は種々さまざまでございまして、銅、鉛、亜鉛、ニッケル、モリブデン、タングステン、マンガン、重晶石、水銀、いろいろございまして、しかも山の態様は鉱種によって違うわけでございますが、一律に石炭みたような対策はとれない面がございます。それに応じた対策をとらなければならないように思いますが、関税対策もその鉱種に応じて措置をとっておるのが実情でございます。  それから、これも先ほど大臣が申し上げましたけれども金属鉱山にとりましては、何といいましても探鉱ということが生命だと思います。むしろ自由化されておった戦前におきまして、金属鉱山のあり方を調べてみますと、探鉱を十分にやっておりまして、鉱量を豊富に備えて、不況のときには品位の高いところを掘る。好況になれば低いところを射るという弾力性を持っておったわけでございます。そのように探鉱をして、これは石炭と違いまして非常に賦存の状況がわからないわけでございます。探鉱ということがまず先決要件だと思います。合理化の第一に大切なことだと思います。  そのほかに合理化の問題としては製錬所の合理化の問題もあるかと思いますが、したがって、通産省としましては額は少ないと大臣は申されましたのですが、三億の新鉱床の探鉱補助金を取ったわけであります。もちろん、これは中小企業を主体としておりますので、現在のところ先ほどたびたび御指摘がありましたように、大企業に及ばないわけでございますが、今後はその点は自由化に対する影響というものは大も中小も同じであるという御指摘でございましたが、そのとおりだと思いますので、われわれも努力をしたいというふうに考えているわけでございます。  それからわが国の鉱物の需給状況でございますけれども、現在一〇〇%自給できるのは硫黄と硫化鉄の二つでございまして、そのほかは残念ながら需要の伸びが非常に早いので、それから国内資源の賦存状況が貧弱である。両方が相待ちまして、輸入依存度が高くなる一方でございます。銅にいたしましても、三十六年の需要は地金ベース四十万トンでございますれども国内鉱山から出るのは九万トンくらいでございます。あとは国内のスクラップあるいは輸入鉱石、地金そものの輸入というものによってまかなっているわけでございます。しかし、この国内の九万トンというのは、大へんに貴重な存在、いわば安定供給の一つのもとになっているわけでございます。これは何とかして探鉱を進め維持していきたいというのがわれわれの考えでございます。そういうふうに輸入依存度が商いわけでございますので、需要は工業の発展とともに伸びる一方でございますから、どうしても先ほど申し上げました海外進出をして、残された資源をとにかく確保するということが、これは重要な施策ではないかと思います。そうでないと、今後無限に伸びていく需要を、とにかく製品の輸入だけに依存しなければならないということになってくるわけです。いろいろ工業国の状態を調べてみますと、銅等については、アメリカとイギリスとベルギーの三国で、世界の資源の八割を占拠しているというような状態になっております。これはどうしても、日本としても時期を逸せず、その手を打つことも、国内資源と並行してやる必要があるということで、海外開発にも力を尽くしておる、両方一緒にやるのは重点がぼけてしまうじゃないかという御批判があるかもしれません。私は両方必要である、こういうふうに存じているわけであります。  そのほか、これは予算の問題ではございませんけれども開発銀行なり中小企業金融公庫なりあるいは中小企業補助金なりを、設備補助金、近代化補助金、そういうものを通じまして、従来にもまして地下資源が非常に大切でございますので、融資ないし補助のワクを獲得いたしたいということで努力をいたしている次第でございます。
  50. 阿部竹松

    阿部竹松君 ただいま鉱山局長から御答弁を承ったのですが、石炭も安ければ六千万トンでも七千万トンでも使うわけですよ、エネルギー源として。しかし、やはり石炭がコストが高いということと、重油のほうがこれはきわめて便利だということで、重油にどんどん切り変えられる。ですから確かにどうも局長のおっしゃるとおり、国内で四分の一、四十万トンのうち十万トン、現在九万トンですか、そういうようなことで、外国からどんどん入ってきて、国内の量が少ないからというお話ですが、今貿易自由化石炭中身は違いますけれども価格が釣り合わないものですから……。そうすると、日本で九万トン取れましょうが、十万トン取れましょうが、外国商品に圧迫されますよ。したがって、探鉱々々ということは、鉱山局長から承るまでもなく、経営者労働組合探鉱々々といって、一にも探鉱二にも探鉱とこうおっしゃるのですが、現地へ行ってみれば、大企業は別として、あまり探鉱はやっておらんわけです。貿易自由化に備えて探鉱をやるというのは、これは理想であるけれども、そこに探鉱費をつぎ込んで、そしてコストが高かったり含有量が少なかったりして、ある金を使ってはつまらないから、現在ある鉱脈、これだけ掘ってしまうという、きわめて情けない現状が今の実態です。私はこれを全部とはいいませんけれども、それが実態であって、いよいよ貿易自由化を完全にやれば、これは私はあまり端的な表現になるかしれませんけれども、残るのは北海道の下川鉱山、あるいは秋田県の同和の小坂あるいは茨城県の日立、あるいは四国の愛媛にある別子、この四つか五つしか残らない。あと小さいところでも、含有量の高いところは残るかもしれませんが、大別してこの差額補助ということになると、以上申し上げたようなところしか残らないのが実態であって、あとの山は合理化々々々ということで八時間働いておったのを十時間にしたり、ボーナスを安くしたり、賃金を下げたりしてやるでしょう。しかしそれでも太刀打ちできない。ですから三億円々々々とおっしゃるけれども、これは当然五、六カ所でやったら三億円はなくなりますよ。ですからあなたのほうでは、おそらく君のところは百万円、君のところは二百万円、君のところは三百万円というように、こま切れにしてやっておる。それが僕は仏作って魂入れず、何度も言うようですが、もう少し抜本的にできないものかということと、税金を取るとおっしゃいますけれども、三万円と二万七千円、これは今税金は一〇%取っておるんでしょう。しかしこれは大蔵省が取るのは仕方がないが、しかし自今取る税金は目的税として国内産業の合理化、あるいは企業近代化のために使うということはできないですか。これは大蔵省はなかなかうんと言わないでしょう。しかし国内産業を守るという立場に立てば、炭鉱の二の舞をさせてはいかんですから、そういう配慮があってしかるべきだと思うのですが、こういう点の御考慮はないですか。
  51. 川出千速

    政府委員(川出千速君) まず最初探鉱の状況でございますが、金融状況も逼迫をしておるし、自由化に備えて努力をするよりも、あきらめて、あまりしないのが大勢であって、もちろん例外もあるけれどもというお話でございますけれども、そういうところもあるかと思いますけれども、われわれが聞いておりますところによりますと、探鉱意欲は相当に旺盛になってきておると存じます。と申します一つの証拠は、昨年探鉱補助金の申請が、一億に対しまして約三億見当でございます。ところが現在まだ締め切っておりませんけれども、三億の予算に対して倍以上の申請が殺到しておるような状況でございます。したがってこれは中小鉱山中心でございますけれども、やはり探鉱のことについては、鉱山側も相当の関心を持っておるということが言えるのではないかと思います。もちろん阿部委員のおっしゃいましたようなこともあるかもしれません。半面においてわれわれが現在のところ聞いておりますところは、非常にみな探鉱に熱心になっておるということが言えるかと存じます。  それから今度の非鉄金属関税の引き上げに伴う税収入を、地下資源開発のために使ったらどうかという御質問でございますけれども、これは実は非常に税体系と申しますか、予算の支出の面から見て、むずかしい問題である。先生も今御指摘になったわけでございますが、そういうふうに聞いておる次第でございます。したがって必要なものは必ずしも目的と結びつけなくても要求できるわけでございます。要求することは当然考えなければいけない。こういうふうに存じます。
  52. 阿部竹松

    阿部竹松君 その次にお尋ねしたいのは、二十八万八千円の銅の価格がちょっと下落して二十八万円になりそうだということで、産銅六社が会社を作って千二百トンか幾らの精銅を買って価格を推持するというようなことをやったの御承知ですか。これは独禁法に違反するかどうか別として、それに関連して支持価格ですね、つまり安定帯ですね、銅は支持によって、二十八万八千円なら二十八万八千円、鉛は十万円なら十万円、十一万円なら十一万円、あるいは硫化の場合には一万九千五百円なら一万九千五百円とか、そこまでは努力せい、これは国策会社でないのだから、資本主義社会の営利会社なんだから、政府の金をどんどんつぎ込んで会社にもうけさせるようなことをやってもつまらぬですけれども、しかしその保障だけはしてあげましょう、そこまでは君たちのほうで努力せいということはできないですか。
  53. 川出千速

    政府委員(川出千速君) 現在建値を、先般銅につきましても、二十八万八千円から、八千円下げまして二十八万円にしたわけでございます。これは建値でございますので、自由化になりました際に、一番のよりどころになるのは、やはり関税ではないだろうかと思います。関税三万円の場合に、どのくらいの値段になるかということは、海外の相場にも影響されますので、はっきりしない点がございますが、海外から輸入いたしますと、現在ポンド当たり三十一セントくらいの相場でございますので、トン二十四万円か、あるいはそれをちょっと上回るところじゃないかと思います。それに三万円を加えまして、その上に国内の諸掛り等が加わって、二十八万円弱くらいだろうというのが山側の見方でございます。先ほど指摘のございました価格を支持するということは、これはやはり一手の買い取りか統制をしないと、ただ二十八万円の建値ということだけで実際の相場が推持できるかどうか、この点は非常にむずかしい問題ではないかと私は考えております。
  54. 阿部竹松

    阿部竹松君 むずかしいというのはどういうことですか。
  55. 川出千速

    政府委員(川出千速君) 結局相場というのは、売りと買いによって経済的にきまるものでございますので、建値を二十八万円にしておきましても、それよりも多少安い地金が入るということに自由化の場合になるわけでございますので、あるいは二十八万円をこえる場合もあるでしょう。対外相場の上回っておりました過去においては、三十万円以上のときがあったわけですから、そういうときもあると思いますけれども、やはり輸入量のほうがだんだんふえて参りますと、それによって市中の相場というものは支配されがちではないかということを申し上げたわけでございます。
  56. 阿部竹松

    阿部竹松君 そうなると、鉱山局長、また自由主義の原則に戻ってきたので、保護政策保護政策とおっしゃるけれども、実際はやはり自由主義経済の中で、もうこれは仕方がないということになるわけです。関税保護するといっても、三年といって時限を切るわけですから、やはり限度がある。その間にコストが三分の一なりあるいは四分の一下げられるという可能性があればいいのですけれども、実際問題として幾ら努力しても、山へ行ってみると、その含有量が、選鉱したその結果が二五%ですよ、という山がある。ところがコンゴとかあるいはニューカレドニアでも、中南米へ行っても、すでにコンゴあたりへ行ったら、その場で露天掘りで採掘したのがややそれに近い含有量を占めている鉱区もあるわけです。これと太刀打ちせいと言うても、いかに努力しても、これはかなわぬというのが現実の問題だと思う。ですから、あなたの最後のお話のようになると、これはもうどうもなりません。ある程度は関税でカバーしてあげましょう。しかしその後はどうにもなりませんよ。これは経済の原則です、こういうことになるわけです。あきらめなさい、太刀打ちできる会社は残れ、こういうことになるわけです。
  57. 川出千速

    政府委員(川出千速君) その点でございますけれども、現存国内鉱山のコストを調べてみますと、確かに二十八万円よりも高いところもございますけれども、相当にこれは安いところもたくさんあるわけでございまして、先生の、ある意味でおっしゃいましたように、残るのが非常に少なくて、そうしてつぶれる山が非常に多いということは、私は事実に反するのではないだろうかと思います。それから探鉱をすることによって、分銅につきましては平均品位が一・二%でございますが、かりにこれを〇・一%上げますと、これは単純な算術計算で出て参りますが、他の条件さえ同じであればコストが一万数千円安くなる、探鉱によりまして品位のほうを〇・一%上げることによって。そういう努力は、これはどうしてもしなければいけませんし、国としてもできるだけの応援をしなければいけない、こういうふうに思っておるわけでございます。
  58. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 二、三質問したいと思うのです。特に通産省では、ことしはもう予算が参議院で審議されている段階ですから、仕方がないのですが、国内資源をどう評価するかという、やっぱり基本的な問題をきめていただかねば、石油業法でもそうだと思うので、わが党としましては、今作業をして、二十日過ぎにエネルギー基本法の成案を得ますが、やはりただ国際的な価格だけを比較して、もう安いのだからしようがないというようなことは、世界連邦でもできぬ限りはなかなかとれぬと思うのですが、その点で、さきに申し上げてくどいようですが、とにかく立法調査局を通じて——きょうは一つしか出て来ませんでしたが——やってもらったのが、毎年とにかく税金を六億程度払っておる、探鉱費用を六億程度使って、それで二億程度配当をやっているから、そんなものは対象にならぬという大蔵省の、財源の乏しいときですからわかりますが、とかく健全な経営をやっているかどうかという指標になるPを分母としてRを分子として、それが一〇以上に保つ状態ではもうないのです。ですから配当をゼロにしても、二億しかもうないわけで、これはやはり私はもう一ぺん原材料に当たる地下資源を対象にする産業については、ぜひこの問題をやっていただかぬと、ただいま問題になっている北海道地下資源も、結局自由化に備えての探鉱をどう評価するか、私は北海道開発庁が苦労されて、内地に出稼ぎをして何とかやっていこうという苦衷はわかりますが、これは弥縫策で、日本全国に及ぼそうという一つの新しい方向を示唆しておると思うが、それでは困難だと思うのです。どうしても、これは自由化に備えての根本的な施策をやっていただきたいと思う点をくどいようですが、申し上げておきたいと思う次第であります。  それから先日いただきました「北海道地下資源開発株式会社の設立経緯と現況」というのがありますが、これの二ページの3に機械設備という欄があります。機械設備——田中政務次官もなかなかいい設備を持っているように申されましたが、最高深度千二百メートルまで探鉱できる、これは私はたしか地質としては第三紀層までの探鉱がやれるので、北海道に最もたくさん賦存していると言われ、将来が予想される白亜紀までは、こんな千二百のものではとうていこれはやれぬと思うのです。そういう点でも、私はこの資産内容がよくて、もっといい機械があれば、北海道だけでもあるいは、これは収支がペイするかもしれぬ、これはとにかく千二百では、私の聞いたのでは第三紀層までしかやれぬ、最も北海道資源があるかもしれぬと言われておる白亜紀では、三千メートルまで探鉱できるような設備でないといけない、こういうことですが、私はそういう点でも、北海道がへんぴなところにあるので、なかなか人材が集まらぬというような点もあるでしょうし、探鉱予算が少ないというような点もあるでしょう。この機械設備では——田中政務次官は、今なかなかりっぱな施設があるように申されましたが、北海道の地質構造からしても、私は千二百程度のことでは十分じゃない。この点はいかがですか。
  59. 田中正巳

    政府委員(田中正巳君) 機械設備が比較的優秀であると申し上げましたが、決してベストであるというふうには考えておらないわけなんであります。この種の会社におきましては、非常に大きな会社もございますが、しかし他の一般の会社、ことに中小企業者が多いのでありまして、そういうのから見ますると、機械のバラエティも比較的多いかと思いますので、さよう申し上げたわけでございます。そこで会社としても、また監督官庁のわれわれとしても、この程度で機械は万全の備えを持っておるというふうには考えておりませんので、何とか今おっしゃるような方面の機械を、さらに買おうというふうな計画もございますが、何さま審議をお願いしておるような状況の会社でもございまするから、やはり一面には会社経理を幾分でもよくしなければいけない、そういうこともございますが、いずれにいたしましても、現在会社は四十年までに、さらに相当量の機械をできる限りひとつそろえていきたい、こういうこともございますが、あまり性急に機械を買いますと、また会社の経理がまずくなる。設備、資産としては残りますが金がなくなってしまう、こういうこともございまするので、彼此勘案しまして遺憾なきを期したいと思いますが、機械の買い入れについては今後とも計画がございます。
  60. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 とにかく私が国会で千二百で掘れる地質層はどうかと聞いたら、まあ第三紀層までだ。しかし北海道の最も期待されるのは白亜紀だ、それにはもう三千メーターくらいでないと十分でない。そして内地に今度進出されるわけですが、たとえば石油は対象になっておりませんが、ガス等でも、最も有望といわれている関東平野でも、すでに三千メーター以上のボーリングをやる、こういうことですから、田中政務次官の言われたように、あまり性急に買うと、乏しい資金で、また経営が困難になるということもありますが、むしろそれはどっちが原因かというと、私は設備を十分して、そしていいやつを掘りあてれば、むしろそういうことに関心も集まり、かえっていいのじゃないか。とにかく関東平野なんかではとても千二百では——三千メーターくらい掘るのでないといけないのじゃないかといわれておるんですから、こういう点も検討をしていただきたいと思う次第であります。  それから資料なんですが、この法律の第十六条によりますと、貸借対照表や財産目録、営業報告書等を毎営業年度のあとに、あるいは事業計画、資金計画、収支予算等を年度前に、第九条に基づいて主務大臣に出すようになっておりますが、われわれにはこの常業報告という、第三期分の簡単なのが出ておりますが、きょうは間に合わぬでしょうが、ひとつ国会にもその資料を出していただきたいんですが、いかがでしょうか。
  61. 田中正巳

    政府委員(田中正巳君) ごもっともな御意見かと思いますので、実は事務当局に命じまして作成をさせておりますので、すでにもうお手元にあるんじゃないかと思いますが、もしお持ちにならなければ、後ほどまた直ちにお届けさせるようにいたします。
  62. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 第三期の営業報告というのはあるようですけれども……。  それからこの財務諸表によりますと、当社に借入金が全然ないわけであります。会社設立の当初の資金計画では、初年度に政府出資が二億、民間出資が一億円のほかに、二億円の融資を受けるということを、当時の長官から国会答弁があったわけでありますが、あまりこれは金融機関がそっぽを向いて実現されなかったんですが、必要なかったんですか。そういう点はいかがですか。
  63. 田中正巳

    政府委員(田中正巳君) 確かにそういうお話が、当時石井国務大臣からあったように私らも記憶しておるわけでございますが、現実には出ておらないわけでございまして、ただ、ただいまのお話、たしか財政融資という当時の大臣の御答弁だったと思います。民間融資ではなかったと思いますが、実はその経緯等を調べて参りますると、詳しい話は政府委員から答弁させますが、会社設立が意外に実はおくれましたので、当初、初年度においてさような融資を受ける現実の必要がなかったので、当該年度においては、さような取り運びにはならなかったというふうに聞いておるわけでございます。したがいまして、その面におきましては、本院における答弁と違った格好になって、はなはだ申しわけないと思いますが、実情はそういうふうに承っております。
  64. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 もう時間がありませんので、鉱山局に資料を要求し、わかっておればこの場で答弁していただきたいと思うんですが、北海道地下資源開発株式会社がただいま日本の鉱業において占める立場をはっきりいたしますために、最近数カ年間における全国の探鉱事業、それを地域別にあるいは事業分量別に——その中で探鉱補助金はどうなっているか、金額はどうなっているかというような点をひとつ出していただきたいのと、この探鉱事業の中で、当社が行なった探鉱事業量及び全国比率、北海道における探鉱事業の中で、この地下資源会社が占めております比率、それからこの機械を借りて他の会社がやった探鉱活動の件数や事業量、今後の全国の探鉱事業壁の見通し、当社の引き受けの見込み数量、それからさきに質問がありましたが、当社が法の改正によって、北海道外で受託探鉱をするようになった場合には、一体今の人員でやれるのかどうか、そういう点について、今即答ができますれば御答弁をいただき、ありませんでしたら資料を出していただきたいと思うんです。こういうことを申し上げますのは、さきに阿部議員がだいぶ御質問されたように、やっぱり地下資源を対象とするこの事業に対して、政府はどういう政策をとるべきか、探鉱問題をどう評価するかということをきめて、本法案に対する態度をはっきりしたい、こういう点からであります。
  65. 川出千速

    政府委員(川出千速君) ただいま御質問のすべての点について用意をしておりませんし、通産省だけでできる資料——北海道開発庁のほうと御相談しなければ、わからない点もございますので、後日できるだけ早く調査をして提出いたします。
  66. 阿部竹松

    阿部竹松君 十二時を過ぎましたので、端的にお伺いします。これは田中政務次官、この法律案ができるときは、貿易自由化云々というようなこともあまり問題がなかったわけです。したがって、北海道は大企業より中小企業がたくさんあるんですが、北海道中小企業にまずてこ入れをやろうという趣旨で出発したやに承っております。しかし今日では貿易自由化ということに関連して、やはり国内地下資源貿易自由化によって受ける影響が大であるから、こういう機関も動員して対応する措置を取るというので話がこんがらがってきたわけです。ただ私が申し上げたいのは、私の記憶違いであれば政務次官にあやまりますが、あなたはたしか北海道三区の御選出だと思う。ですから田中先生の選挙地盤に中外鉱業の上ノ国鉱業所、それから八雲鉱山といって、これのお世話になる鉱山がたくさんあるわけです。僕は知りませんが、地図を見るとたくさんある、あなたの選挙地区で。あなたがお回りになってもお礼を言われることがないと思う。それくらい僕はこういう機構には大賛成なんだけれども、あまりだらしがないから賛成しかねている。これを作ってもあなたのほうでおやりになるくらいの機構は三井、三菱でも同和でもみんな持っているのです。一方中小企業のほうはなかなかこれに頼ってやるというほど鉱業権がないというのが現実ですよ。ですから私はこれをやるのであれば、やはりもう十億なり十五億を投じて徹底的にやらなければならないと思うわけです。どうもとにかく三億円、四億円出しても、合計十億としても、二カ所か三カ所やればもうできないわけです。そうでなければ、ほんとうの簡単な、現在会社が切羽を作ってやっておるようなところに補助的にいってやるくらいしかできないで、新規にとにかく炭鉱やるということになれば膨大な金がかかるのですから、予算範囲内で限定されているからできないと思う。ですから法を改正するこの機会に、とにかくもう一歩足を進めて、やはりもう少し資本を投じて、ほんとうの国策会社らしい会社を作っていただいきたというのが私の念願ですよ。ですからこういうことを作ってどんどん探鉱やっていただくことに大賛成。しかし赤字が出る、能率は上がらぬ、そんな会社にまた法改正してどれほどよくなるかという懸念があるわけです。もう三年ぐらいたって、田中さんけしからぬといってけんかしたって始まりませんから、ですからこれを機会に一つふん切りをつけて、もう少し金を注ぎ込んで、そうしてりっぱなものとして、やはり国策会社として名を恥ずかしめないような会社に作っていただけないものですか。いかがですか。
  67. 田中正巳

    政府委員(田中正巳君) いろいろ理想をいいますと、きりがないのでございますが、私どももこの会社が本来の目的をよく達成できるように、しかもなお会社としてまた存立ができるようにというような点をめぐって、いろいろと検討いたしたわけでございます。現在阿部先生のおっしゃるように、この会社が設立した当初と違いまして、為替・貿易自由化の問題もいろいろ出て参っておるわけでありまして、客観情勢も若干違ったかと思いますが、そういったようなことを織り込んで、なおかつ、現在この会社が株式会社として存立し、なお従来の目的を達成するようなことのできるような方法、しかも財政投融資、こういったような点についていろいろ考えればきりがないのですが、そういったようなことについても今後考えるとして、当面どういうようなことが一番手っとり早くやれるかと、こういうことで実はこの案に落ちついたわけでございまして、先生御指摘のようなことについては、今後の推移等勘案いたしまして、いろいろ検討しなきゃならぬと思いますが、現状のところはこの会社はただいま直ちに資本金を二倍にする、三倍にするという答弁はできかねるかと思いますが、そういった点は今後ともひとつ十分検討してみたい、かように考えております。
  68. 吉田法晴

    ○吉田法晴君 資料を一つお願いしたいのですが、それは先ほど鉱山局長答弁で〇・一%上がったら一万数千円安くなるというお話ですが、今までの探鉱の結果どういうふうにいい鉱床が発見されたというか、業績の実績について、この次までに資料をお願いしたい。
  69. 川出千速

    政府委員(川出千速君) 資料を調製して報告したいと思います。
  70. 武藤常介

    委員長武藤常介君) 他に御質疑はございませんか——他に御発言がなければ、本案の質疑は本日はこの程度にとどめます。   —————————————
  71. 武藤常介

    委員長武藤常介君) 次に輸出保険法の一部を改正する法律案を議題とし、政府委員より内容説明を聴取いたします。今井通商局長
  72. 今井善衞

    政府委員(今井善衞君) 輸出保険法の一部を改正する法律案につきまして補足説明を申し上げます。  現行の輸出保険制度は輸出振興に相当役立っておりますが、今回さらにその一部を改正いたしまして、少しでも輸出の振興に役立てさせたいという趣旨で改正案を提案申し上げる次第でございます。  改正の内容は、お手元にお配りしてございます案によりますが、非常に簡単でございまして、第三条中に保険事故を二点追加するということでございます。第三条と申しますのは、普通輸出保険制度でございまして、これは輸出契約をいたしまして、そうして相手国におきまして、たとえば金がないために為替制限をするとか、あるいはいろいろな事由からいたしまして、輸入禁止をするとか、あるいは向こうの戦争等によりまして輸出が不可能になったという点を、現在保険事故としてその損失をてん補しているのであります。今回改正いたしますのは、輸出契約ができましたにもかかわらず、相手方が破産いたしましてそのためにこの輸出者が輸出不能になった、損害をこうむったという点と、それからもう一つはこの輸出契約の相手方が外国の政府または政府機関でございまして、せっかくこの契約ができまして物を作っておったにもかかわらず、相手方の予算が上不足したとか、あるいはいろいろの事由からいたしまして、向こうがたとえば設計の変更を申し出でてきた、しかしこちらはせっかく物を作っておったのに設計変更ということになると、とてもそれに耐えきれないということで、契約を破棄せざるを得なくなったというふうな場合に、それを保険事故として取り上げようということでございます。  この最初の輸出契約の相手方の破産の問題は、これは実は同じく輸出保険制度を施行しておりますイギリスとか、西独等におきましては、いわゆる信用危険による輸出損害をてん補しようという制度が現存非常に広く行き渡っておるのであります。ところが日本におきましては、先ほど申し上げましたように、契約ができたけれども、相手方が破産でもって輸出できなくなったというふうなことは、今まで保険事故として取り上げておりませんで、その点が日本の輸出保険制度が足りないということになっていたのでございます。本来から申しますと、相手方の破産に限りませんで、相手方の契約不履行という問題を広く取り上げるのが筋かと思います。英国等におきましては、非常に広範囲にそれを取り上げておるのでございます。ところでそのためには、相手方の信用調査というものが必要でございます。イギリスにおきましては二十万件からの海外のバイヤーの信用を調査しておるのでありますが、日本におきましても二、三年前から海外のバイヤーの信用を調査しつつあるのでございます。まだそれほど、イギリスの十分の一程度が今調べ終わった程度でございまして、したがいまして、広く相手方の契約不履行を全部保険事故にするということになりますと、また行き過ぎであるということになりますので、今回は、相手方の破産ということに限定した次第でございますが、今後信用調査の完備と相待ちまして、この破産のみならず、広く信用危険について担保したい、かように考える次第でございます。  それから、相手方が政府機関であります場合、これもほかの国におきましては、保険事故の対象にしておるのでございます。特に、御承知のように、東南アジア方面におきましては、相手方が政府機関である場合が多いのでございますし、それからまた、中共なりソ連等の共産諸国におきましては、相手方は必ず政府機関でございます。そのせっかく契約をいたしましたにもかかわらず、相手方が予算が足りないというふうなことでキャンセルを受けるとか、あるいは相手方が設計変更だとか、あるいは船積み時期を延ばしてほしいというふうな申し出によりまして、こちらの輸出ができなくなったというふうな場合におきましては、どうしてもこれを保険事故として填補してやりませんと、向こうの政府機関と強い立場でわがほうの輸出業者が輸出契約に臨めないという関係もございまして、今回填補することにした次第でございます。  この中共等が相手の場合におきましては、今までも非常危険という制度がございまして、向こうが一律に輸入を制限するというふうな、この制度としてやります場合には、現在でも非常危険ということによってカバーされておるのでございますが、たとえば向こうの特定の政府機関が、予算がないために、契約はしたけれども履行ができないというふうな場合におきまして、個々のケースにおいて今回取り上げることができるようになった次第でございます。その二つの点を保険事故として改正しましたのが主点でございまして、あとは技術的な改正でございます。  この二つの制度につきましては、保険料率並びにこの填補率——危険が起きました場合にどの程度填補するかという問題は政令に譲られておりまして、保険料率につきましては、ただいま私どもとしては、百円について六厘五毛、個別保険の場合におきましては、百円につき四銭五厘というふうに考えておりますし、填補率につきましても、包括保険の場合におきましては八〇%、個別保険の場合におきましては六〇%というふうに考えておる次第でございます。  以上で補足説明を終わります。何とぞよろしくお願いいたします。
  73. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 ちょっと資料のお願いをしておきたいのですが、これはまあ輸出振興の一環ですが、最近、政府の立てられた目標を達するためにいろいろな輸出振興の総合対策を新聞にも発表されているようですけれども、そういう問題、ひとつやりたいと思いますので、資料をひとつ、そういう政府のきめられた輸出振興対策について通産省の態度をきめられて新聞等にも発表されておりますが、その資料を出していただくことをお願いしておきます。
  74. 今井善衞

    政府委員(今井善衞君) 提出いたします。
  75. 武藤常介

    委員長武藤常介君) 本案の質疑は、都合により次回に譲ることにいたします。   —————————————
  76. 武藤常介

    委員長武藤常介君) 次に、家庭用品品質表示法案を議題とし、政府委員より内容説明を聴取いたします。佐橋企業局長
  77. 佐橋滋

    政府委員(佐橋滋君) 家庭川品品質表示法の補足説明をいたします。今週の火曜日に本委員会大臣から提案理由の説明をいたしましたが、若干の補足説明をいたします。で、新しい法律でありますので、条文構成を中心に簡単に御説明を申し上げます。  第一条は目的をうたっておりますが、目的として掲げておりますのは、表示の適正化をはかりまして、消費者の利益を保護するということであります。御承知のように、最近技術革新を背景にいたしまして、いろいろの商品が殺到いたしておりまして、消費者がこれの選択に非常にまあ困って、いろいろ不測の損害等も生まれておるというような事態にありますので、これが解決のためにはどういうことが考えられるかと申しますと、消費者の消費知識の水準を上げるという消費者教育、と同時にこういった商品を売りますメーカーあるいは販売業者に対して、正しい表示をさせるという、まあ二つの方法があるかと思います。この両々相待って消費者の利益を保護するということにならざるを得ないと思いますが、現在のわが国の消費者の商品知識の水準から申しますと、これのみによることは困難と考えられますので、メーカー及び販売業者等の表示義務を適正化することを今後本案としてはねらいといたしておるわけであります。  次に第二条でありますが、第二条は、この法律で必要な事項の定義をいたしておるわけでありますが、本法案で家庭用品と申しますのは、繊維製品、合成樹脂加工品、電気機械器具及び雑貨、また工業品でありまして、しかもまあこういった工業家庭用品のうちで次の二つの条件を備えたものを本法案で規制をいたしたいと考えておるわけであります。  その第一点は、家庭用品の購入に際しまして、品質を識別する必要がぜひあると、しかしその第二番目は、その品質の識別が困難である、こういうまあ二つの条件を備えたものを政令で指定いたしまして、本法案の規制の対象にいたしたい、こういうふうに考えておるわけであります。  次に、表示の義務者であります製造業者、販売業者及び表示業者を規定しておるわけでありますが、製造業者、販売業者説明を要しないと思いますが、表示業者と申しますのは、メーカーあるいは販売業者から表示の委託を受けて表示事務を行なっているものであります。これは自分の力で判断をし、責任をもって表示をするという業態を意味しておるわけであります。これは繊維等につきましては、こういったことが現実に行なわれておりますので、表示業者もあわして表示の義務者として指定をいたしたわけであります。  次は第三条でありますが、これから第七条までが実質的な規定でありまして、第三条は表示の標準を示す内容を盛ってあります。これは本法案で規制いたします家庭用品ごとに表示すべき事項——標準となる表示すべき事項及び順守事項を通産省令で告示ができることになっております。これは罰則を伴いません規定でありまして、いわゆるまあ一般的な勧告といますか、指導の規定であります。で、この第三条だけで家庭用品の健全な品質表示が行なわれれば、あと以下の法律条文は不必要であるわけでありますが、これだけでは、まあ、本案の企図しております実効も期しがたいと考えられますので、四条以下に表示の指示その他の規定を設けたわけであります。われわれといたしましては、この三条までの訓示規定で業界が健全な表示を実施し、消費者の利益がそこなわれないという事態の現出を願っておるわけであります。  第四条には、そういった一般的な訓示だけで、間に合いません場合に、通商産業大臣はそういった表示の標準に従っていない業者に対しまして、個別的にその表示に従うべきことを命ずることができる規定を置いたわけであります。これはそういった意味におきまして個々の業者に対する指示を行なう。で、この場合、その指示に従いません場合には、二項におきまして、その従わない業者実態を公表することができる旨を置いたわけであります。と申しますのは、これも罰則はございませんが、通産省において必要と認めた場合に指示をし、さらに指示に従わない場合には、社会の批判といいますか、社会的の批判にゆだねようという規定であります。これまでは罰則を伴わない条文でございますが、第五条以下にさらにそれでも問題があります場合を規定いたしております。  第五条では、この表示の適正化のために、特に必要があると認めた場合、これはまあ、虚偽の表示が行なわれたり、あるいは適切でない表示が行なわれておるというような場合を防止しようという規定でありまして、この適正な表示をしなければ、適正な表示に従って販売をするようにという一般的な命令を出すわけであります。で、この条文に違反する場合には、罰則の規定があるわけであります。  次に第六条は、さらにそういった家庭用品の中でもきわめてわれわれの家庭に緊密な生活必需品的なものであって、この適正な表示が行なわれていないものが広く販売されておって、しかも一般の消費者の利益を著しく害するおそれがあるというような場合には、こういった表示をしなければ売ってはいけない、販売してはならない、あるいは販売のために陳列してはならないということを命ずる規定を置いたわけであります。これは、現在施行されております繊維製品品質表示法にある規定であります。こういった強制を行なおうというのが第六条であります。  第七条は、こういった強制的に、表示しなければ販売あるいは陳列を禁止する規定に対しまして、そういった表示自身が非常に困難である場合、これはたとえば非常に検査の設備が高度であって、一業者ではできないという場合、あるいは、できるにしても非常に経質的に負担になるといった場合には、通産大臣が表示をしたものでなければ売ってはならない規定を設けたわけであります。  次の第八条は、通産省の検査機関のみでは必ずしも十分ではあり得ませんし、あるいは業者の不便を増す事態も考えられますので、通産大臣が指定した機関の表示を受けて売るという七条の補足的な意味において八条の規定を置いたわけであります。  九条は、これはもう、ただいまのようないろいろの命令を出しました場合に、事態の変更による命令の変更のきわめて事務的な規定であります。  第十条は、こういった家庭用品の品質の表示に関しまして、苦情を処理するための規定でございます。これは何んでも、品質の表示が適正でないために、一般消費者の利益が害されておるという場合には、その旨を通産大臣に申し出で、通産大臣は事態を調査して善処をする規定を設けたわけであります。  十一条以下は、本法案を適正に施行するために、家庭用品の品質表示のための審議会を置く規定でございます。この法律に規定をいたします家庭用品の内容は非常に複雑多岐にわたりまして、その各家庭用品ごとに表示事項あるいは表示すべき事項が違うわけでございますので、こまかい点を法律で規定するわけには参りませんので、政令ないしは省令にゆだねた点が多々ありますので、こういった点が適正に行なわれるために、権威のある家庭用品品質表示審議会を設けて、その議を経て実施をして参りたい、こういうふうに考えたわけであります。十一条から十七条までは、いわゆる審議会の例文規定でございますので、説明を省略させていただきたいと思います。  十八条は、先ほど政府機関が表示したものでなければ売ってはならない規定を設けておりますのに対応いたしましての手数料の規定を貫いたわけであります。  十九条は報告及び立ち入り検査の規定であります。本法を執行するのに最小限度の報告を徴し、あるいはその限度内においての立ち入り検査等を実施する必要がありますので、その旨を規定いたしております。  二十条は、この法律施行の権限委任の規定でありまして、一部を通産局長あるいは都道府県知事に委任ができる規定を置いたわけであります。  二十一条から二十三条までの三条は、本法律案を施行するために必要な罰則の規定を置いておりますので、これも説明を要しないと思います。  附則で、本法案を御審議願いまして可決されました暁には、本年の十月一日から施行を期待いたしております。と同時に、現在施行されております繊維製品品質表示法をこの法律の中へ取り込みますので、この繊維製品品質表示法はこの法律の成立と同時に廃止にするつもりでございます。以下、きわめて経過的な規定が載っているわけでございます。  この法律を提案いたしますのにつきまして、現在の繊維製品品質表示法の施行上の経験に基づきまして、繊維製品品質表航法、いわゆる現在こういった種々の繊維製品の組成といいますか、糸を主として規定をいたしておるわけでありまして、最近の繊維関係につきましても、いろいろの新製品が出ておりまして、これの取扱い等が非常に問題になっておるわけです。たとえば、アイロンのかけ方から洗たくの仕方といったような点の表示がきわめて不正確であり、あるいはしていないものもありという点についての消費者の要請が非常に強いわけでありまして、主婦連あるいは商工会議所等からもこういった法律の制定を強く要望されているわけであります。通産省といたしましても、消費者のアンケート等も実施いたしまして、こういった法律がぜひとも消費者保護の見地から必要じゃないかということを痛感いたしまして提案をいたしたわけであります。この法律関係をいたします主要製品のメーカー団体等につきましても打診をいたしました結果、消費者保護の見地から、こういった法律はぜひとも必要だというような意見を承っておりますので、関係方面には問題はないかと考えておりますが、よろしく御審議のほどをお願いいたします。
  78. 武藤常介

    委員長武藤常介君) 本案の質疑は都合により次回に譲ることといたします。   —————————————
  79. 武藤常介

    委員長武藤常介君) 次に、中小企業団体組織に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。政府委員より提出資料について説明を聴取いたします。大堀中小企業庁長官
  80. 大堀弘

    政府委員(大堀弘君) 先般の当委員会におきまして資料の提出の御要望がございましたので、本日お手元にお配りしております五つの資料がございますが、これにつきまして簡単に御説明いたしたいと思います。順庁は必ずしも適当でございませんが、最初に「商工組合の現況」という大きなとじ込んだ資料がございますが、これをごらんいただきたいと思います。この第一表をごらんいただきますと、第一表は、左側に現在ございます商工組合の組合の業種別に配列してございますが、右のほうには組合員の数がどのくらいあるかという御質問がございまして、組合の規模別に右へ並べてございます。一番下の合計のところを先にごらんいただきますと、四番目に九十一という数字がございますが、これは大体五十一人から百人くらいまでが九十一、百一人から三百人くらいのものが百四十九、全体でここに出ておりますのは五百七十五でございまして、調査洩れが多少ございますが、大体五十人から三百人くらいのところが一番数としては多いというふうになろうかと思います。千人以上というのも三十一ございますが、大きなかなりたくさんの組合員をかかえておるものもございます。これが第一表の大体の概略でございますが、繊維工業が全体の業種別に見ますと二百十で、一番多いわけでござい示すが、食料品製造業あたりも八十八、出版、印刷関係、衣服その他の繊維製品製造業、こういったところが非常に多いわけであります。販売関係が、一番下のほうに販売及び小売業というのがありますが、それが九十八でかなりあります。  第二表に参りまして、組合員の組織形態ということが出ておりますが、業種別は同様でございますが、上の欄に個人企業のものと、会社組織のものと、組合形態のもの、こういうふうになっておりますが、結局組合員の構成でございますが、一番下の欄をごらんいただきますと、個人企業のものが十一万七千五百九十四、会社組織のものが四万一千五十二、こういうことで、個人企業がいかに多いかということを示しておるわけでございまして、非常に零細な企業が多いということを示しておると考えておる次第であります。全体で十六万二千。  第三表に参りまして、これは各業種ごとに組合員となる資格事業者、そのうちの何%が組合に入っているかという比率をとっておりますが、これでごらんいただきますと、一番下の合計欄をごらんいただきまして、右のほうに二百四十五、五百七十五の全体のうちで二百四十五は九一%以上が組合に入っておるということで、商工組合といたしましてはかなり組織率は高いと考えられるわけでございます。それ以下七一%ないし七五%、真中あたりにありますが、それが四十七、それより右がずっとそれより高い組合の数字でございまして、相当大多数のものは、七割以上が組合員になっておるということが言えると思います。これが第三表であります。  第四表につきましては「商工組合の出資の有無、出資総額および出資組合の出資総額の規模別組合数」と書いてありますが、出資の有無という欄が左のほうにございまして、一番下の合計の欄をごらんいただきますと、出資組合が百四十一、非出資組合が四百三十四、計五百七十五と出ておりますが、結局商工組合につきましては、出資組合は割合に少ないということで、非出資のものが大部分でございます。これは組合の趣旨から見まして、調整事業を主たる事業としております。こういった形に相なっていると思います。出資総額が出資組合の規模別に右のほうに出ておりますから、これは御参考までに見ていただきたいと思います。割合出資額の小さいところが多いわけでございます。これをもちまして一応組合の現況という表の説明を終わります。  次にちょっと色の変わった印刷で一枚刷りのものがございます。「商工組合設立の内訳」と書いたのがございます。これは御質問がございましたので出してございますが、現在の団体法ができまして安定法の調整組合から商工組合に移行した組合数が、これが三百二十八組合、それ以降に新らしく設立された組合が三百五十二組合、3の協同組合から商工組合に移行してやっております組合が九組合ございます。秩父織物工業組合以下九組合ございます。4の商工組合設立後解放した組合が九組合でございます。これは右のほうに組合名が出ておりますが、大体内容は財政難ということで解散している組合が多いようであります。あるいはほかの組合に吸収されたというものでございます。大体そういった概要でございます。商工組合から協同組合に移行しました組合は一つもございません。合併した組合もございません。調査対象、これは全体の組合でございますが、商工組合総数は六百八十で、昨年の十一月三十日現在でございます。  次に、多少厚い資料がございますが、「商工組合及び商工組合連合会の設立及び調整事業実施の状況」という資料がお配りしてあります。これは先般総括表について御説明申し上げたのでございますが、これは業種ごとにこまかく分けて、また調整事業の実施及び命令発動の状況を右のほうに詳細に書いてありますが、これは製造業とありまして、右のほうに地区商工組合、全国地区商工組合それから連合会、そこで設立されております組合の合計という欄がございます。繊維工業をとってみますと、たとえば二行目に繊維工業が出ておりますが、地区商工組合二百二十七、全国地区の商工組合十六、連合会が十、合わせて二百五十三ございます。それから調整事業実施及び命令発動の状況ということが右のほうに出ております。その調整事業内容でありますが、品質制限、生産数量制限、出荷数量制限、購買数量制限、販売方法の制限、購買方法の制限、さらに生産設備の制限、販売価格の制限、大別いたしますと、このような内容になっておりまして、下に一重まるで書いているのは自主調整をやっている組合でございます。二重まるがついておりますのは調整規定によってアウトサイダーの規制命令が発動されておるものでございます。三十まるが員外規制命令と同時に設備新設の制限命令、これが五十八条関係でございますが、これが、合わせて出ておりますのが三重まるでございます。繊維工業の内訳がずっと下に出ております。  それから三ページになりますと、衣服その他の繊維製品製造業というものが、また詳細にこまかい業種ごとに内訳が出ております。  ずっと四ページ、木製品製造業、家具装備品製造業、以下ずっと業種ごとに並べておりますが、十二ページのところをちょっとごらんいただきますと、下から六行目に製造業全体の合計が出ておりまして、ここに組合の数は五百六十一。ただいま申し上げました業種ごとに自主調整をしておりますものの数がまるの横に書いてございます。それから二重まるの横に書いております数字は員外規制命令を出しておるものの合計でございます。  それから十四ページの最後のページに、今の製造業を除きました非製造業について、組合の数は下から二段目でございますが百十九、それに対する自主規制がどう行なわれておるかというととが右のほうに書いておる次第でございます。  ただいまの横に書いております数字は、ただいま申し上げましたたとえば繊維工業というところに合計が出ておりますが、その中のこまかい業種ごとの自主調整の数字でございます。念のために申し添えます。  以上で御説明を終わります。  それから次に、販売業の調整事業はどういうものが行なわれておるかという御質問がございましたので、「販売業の調整事業の例」という一ページ刷りのものがございます。左のほうにタオルの卸販売、綿スフ織物も同様やはり同じような規定でございますが、販売方法に関する制限をやっておりまして、内容は不当廉売を禁止しよう、販売代金の決済期間をたとえば六十日から九十日にしようという決済期間の協定、それから委託販売を禁止しよう、それから不当返品を受け付けないようにしょう、それから品質の表示をしよう、手伝い店員を派遣することを禁止しよう、それから宣伝費等の負担について禁止をしよう、それからお客さんを供応する、これも禁止する、こういった内容が販売業に関する事例でございます。タオル販売業についての例でございます。  それから、右のほうに電気器具小売販売業がございますが、この例によりますと、種類に関する制限として規格の制限をやっております。これは通産省で、公益事業局でやっております型式承認を受けたものしか売らぬというようなことでございます。それから購買数量の制限、これは押し込み販売を抑える意味でそういう購買数量の制限の協定をお互いにやっております。それから購買方法の制限。これも大体大企業に対しての立場、考え方からできておりますが、取引先の届出、登録、あるいは登録されたもの以外からは買わないようにしよう、こういったような協定があるわけでございます。第四として販売方法の制限、これは類似でございますが、価格の表示、それから不当廉売の禁止、それから景品付販売等の禁止、それから宣伝についての制限、営業日数の制限、営業時間の制服、大体こういうようなのが事例でございます。  それから、最後に質屋商業組合、これが一つございまして、先般ちょっと大へん申しわけございませんが、私の説明が間違っておりまして、全国地区と申しましたのは、調べてみましたら間違いでございまして、福岡県質屋商業組合、福岡県だけあるわけでございます。地区は福岡県だけで、組合員の数は千六百五十二名おるわけでございますが、どういう安定事業をやっておりますかということが下に書いてございますが、貸付金額の制限、これは質物を入れました場合に一回それに対して貸しておりますと、それに貸し増しすることはしないようにしようという協定のように思われます。  それから、あとは広告の制限がございますが、安い利子で貸しますとか、高く貸しますというような広告をやっておって、これはだいぶこの協定を実施いたします場合に過当競争が行なわれて質屋で相当閉店が多かったということがありまして、そういった広告の制限。  それから、あと次のページに営業日数の制限、営業時間の制限、こういった協定をいたしておるわけでございます。  一応、提出しました資料についての御説明を終わります。
  81. 武藤常介

    委員長武藤常介君) 本案の質疑は、都合により次回に譲ることといたします。  本日は、これにて散会いたします。    午後一時五分散会    ————・————