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1962-03-06 第40回国会 参議院 商工委員会 第9号
公式Web版
会議録情報
0
昭和三十七年三月六日(火曜日) 午後一時二十分開会
—————————————
委員
の異動 三月二日
委員郡祐一
君辞任につき、そ の補欠として
大泉寛
三君を議長におい て指名した。
—————————————
出席者
は左の通り。
委員長
武藤
常介君 理事 赤間 文三君 剱木
亨弘
君 中田 吉雄君
委員
上原 正吉君
大泉
寛三君 川上 為治君 鈴木 万平君 吉武 恵市君 近藤 信一君
吉田
法晴
君 田畑 金光君 加藤 正人君
政府委員
通商産業政務次
官 森 清君
中小企業庁長官
大堀
弘君
事務局側
常任委員会専門
員
小田橋貞寿
君
—————————————
本日の会議に付した案件 ○
中小企業団体
の
組織
に関する
法律
の 一部を
改正
する
法律案
(
内閣提出
) ○
商工組合中央金庫法等
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提出
、衆議院送 付) ○
中小企業信用保険法
の一部を
改正
す る
法律案
(
内閣提出
、
衆議院送付
)
—————————————
武藤常介
1
○
委員長
(
武藤
常介君) これより
商工委員会
を開会いたします。 本日は、
中小企業団体
の
組織
に関する
法律
の一部を
改正
する
法律案
について
提案理由
及び
補足説明
を聴取し、続いて
商工組合中央金庫法等
の一部を
改正
する
法律案
、
中小企業信用保険法
の一部を
改正
する
法律案
、以上二案の審査を行ないます。
—————————————
武藤常介
2
○
委員長
(
武藤
常介君) それでは、まず
中小企業団体
の
組織
に関する
法律
の一部を
改正
する
法律案
を
議題
とし、
提案理由
の
説明
を聴取いたします。
森政務次官
。
森清
3
○
政府委員
(
森清
君) ただいま
議題
になりました
中小企業団体
の
組織
に関する
法律
の一部を
改正
する
法律案
につきまして、その
提案
の
理由
及びその概要を御
説明
申し上げます。
政府
におきましては、
わが国経済
に占める
中小企業
の
重要性
にかんがみ、従来より、各般にわたる
中小企業対策
を遂行し、その
振興
に腐心してきたところであります。 しかしながら、昨今の
経済情勢
の推移を見ますとき、
貿易自由化
の進展、
経済
の
高度成長等わが国経済
の新
事態
に対応し、大
企業
との
生産性較差
を是正するためには、従来の諸施策を一そう充実することはもとより、
中小企業
の
組織制度
の
整備強化
によってその
組織化
を一段と促進し、その
経営
の
合理化
を強力に推進する必要があるのであります。 従来、
わが国
の
中小企業
の
組織制度
といたしましては、
中小企業等協同組合
と
商工組合
があるのでありますが、
協同組合
は、
中小企業者
が
相互扶助精神
に基づき、
共同経済事業
を営むことによって、大
規模経営
の
有利性
を
中小企業
に導入するものであり、また、
商工組合
は
不況克服
の
調整事業
のみを行なうことをその
目的
とした
組織
でありまして、いずれも
当該業種
に属する
中小企業者
があまねくその営む
事業
の
改善発達
をはかるための強固な団結を
目的
とするいわゆる同業
組合
的な
組織
としては必ずしも十分ではなかったのであります。 したがって、このような
中小企業組織
における不備を補うべく、現在の
商工組合制度
を拡充強化して、
中小企業者
が、その
自主的組織
を通じて
総合的見地
からその営む
事業
の
指導調査等
を行ない、
業界
の
実態
の把握、内外の
経済情勢
に即応する
業界
の
振興策
の樹立をはかり、必要ある場合には、
生産技術
の
調整
、
規格
の
統一等経営
の
合理化
のための
調整事業
を実施できることとし、さらに必要ある場合には、
不況克服
のための
調整事業等
をも行ない得る、いわば
業種別
の
総合的中小企業組織制度
を確立することが急務であると考えまして、この
法律
を提出することとした次第であります。 次に本
改正案
の
内容
につきまして、その概略を申し上げます。 第一は、
商工組合
の
設立
について
不況事態
の存在を要しないこととしたことであります。 これは、
商工組合
を単に
不況克服
のための
調整事業
のみを行なう
組織
から、前に申し上げましたような
中小企業
の
改善発達
をはかる
事業
を行なう
同業組合的組織
に改めることに伴う
改正
でございます。 第二は、
商工組合
の
事業内容
を拡充して
経営
の
合理化
を遂行するための
調整事業
を新たに加えたことであります。 これは、
中小企業
の
経営
の
合理化
をはかるためには、
商工組合
が単に
不況克服
のための
調整事業
を行なうのみならず、むしろ積極的に
経営
の
合理化
のための
調整事業
を行ない、その
事業
の
改善
をはかる必要があるという
趣旨
に基づくものであります。 なお、この
調整事業
のうち、
生産物
の
規格
にかかるものにつきましては、
国民経済
上必要ある場合には、
事業活動規制命令
を発動し得ることとしております。 第三は、
事業活動規制命令違反者
に対する制裁を強化したことであります。 これは、従来、
事業活動規制命令
の
違反者
に対しては、単に
罰金
を課するのみでありましたが、
中小企業全般
の
経済的地位
の
向上
のためには、
事業活動規制命令
の実効を確保する必要がありますので、
主務大臣
による
事業停止
の
措置
を加えることとしたものであります。 以上のほか、
教育情報事業
の拡充、
商工組合
の
地域
の
明確化
、
輸出貨物
にかかる
調整事業
の
特例等
につきまして
中小企業
の
改善発達
に必要な
措置
を
規定
しております。 なにとぞ、慎重御審議の上御賛同下さいますようお願い申し上げます。
武藤常介
4
○
委員長
(
武藤
常介君) 引き続いて
政府委員
より
本案
の
補足説明
を聴取いたします。
大堀中小企業庁長官
。
大堀弘
5
○
政府委員
(
大堀弘
君) ただいま
森政務次官
から
提案理由
の御
説明
を申し上げましたが、これに補足いたしましてお手元に
法律案
の要綱をお配りしてございますので、それにつきまして
補足説明
をさせていただきたいと思います。 第一の点は、
本法
の
目的
を拡充することでございまして、従来
団体法
の第一条には「
中小企業者
が自主的に
事業活動
を
調整
するために必要な
組織
を設ける」ということが
目的
で、その
経営
の安定をはかるということが
目的
に書かれておるわけでございますが、今回
事業活動
の
調整事業
だけでなく、
指導教育事業
、
経営合理化
のための
事業活動
の
調整事業等
、広く
業界
のすべての者の
改善発達
をはかるためのいわゆる同業
組合
的な
活動
ができますように改めたいという
趣旨
でございますので、この点も
事業活動
の
調整
のほか「
事業
の
改善発達
を図る」ということを入れまして、同時に「
経営
の安定」とありますところを「
経営
の安定及び
合理化
」ということに
目的
を改めさせていただきたいというのが第一点でございます。 第二にございますことは、これが
本法改正
の一番の眼目でございますが、従来の
団体法
の第九条におきまして、いわゆる
不況要件
がございませんと
商工組合
の
設立
ができないということに相なっておりますので、この第九条の削除をいたすというのが第二の
問題点
でございます。したがって
不況要件
が発生しませんでも
商工組合
を作ることができるということに相なりまするとともに、ただ問題は
調整事業
を行ないます場合には、
不況克服
のために必要な
条件
がなければいけませんので、この場合は従来
どおり不況要件
が必要である。
調整行為
に入ります場合には
不況要件
が必要であるということで、
設立
の場合には
不況要件
が要らない。こういう点が
本法
の
改正案
の主たる点でございます。 第三点といたしまして、新しく
商工組合
の
地区
を
原則
として一または二以上の
都道府県
の区域とするという
原則
を定めたわけでございまして、広く
同業者
の
業界
全体のための
活動
をいたすわけでございますので、
地域
を
都道府県
という
単位
にいたしたわけでございます。もちろん
例外
といたしましては、いわゆる
商店街
の人々が集まって
商業組合
を作る場合、あるいは
地方特産物等
につきましては
府県単位
ということが適当でございませんので、これについては
例外
を認め得る
建前
をとっておるわけでございます。 第四点といたしまして、
商工組合
の
事業内容
を拡充する。これは
目的
の変更と同時に
事業内容
を次のごとく変更したいという点でございます。そこで、第一にございます「
商工組合
は、
当該資格事業者
の
改善発達
を図るための
事業
として、次の
事業
の全部又は一部を行なうものとすること。」、そこに一、二、三とございますが、
資格事業
に関する
指導
、
教育
あるいは
情報資料
の収集、提供、及び
調査研究
、こういったことは、一般的な
指導
、
教育事業
の範囲に入りますが、これが一つでございます。それから四にございますのが、六行目に
不況カルテル
と書いてございますが、これが、従来
商工組合
がやっておりました
現行
の
規定
が主たるものでございまして、この点については大きな
変化
はございません。この中にイ、ロ、ハとございますが、
不況
の
事態
が発生した場合に、
生産業者
、
製造業者
の場合がこのイに該当するわけでございまして、これは従来ある
規定
が主たるものでございます。 それからロは、
販売業者
の場合でございます。 それからハは、
役務
の
種類
と書いてございますが、いわゆる
サービス業
の人がこの
規定
によるわけでございまして、
内容
としましては大きな
変化
はございませんが、このハの中に、
役務
にかかる
資材
の
購買方法
に関一する
制限
と、
役務
にかかる
資材
の
購買価格
に関する
制限
、こういったことを新たにつけ加えられておるのでございまして、その他の点はあとで申し上げますが、
価格
の面について今まで非常に
制限
的に書いておりましたのを並列的に直したというだけでございます。 それから
最後
に二というところがございますが、六ページのところに、イからハまでに掲げる
制限
のほか
政令
で定める
制限
ということにいたしまして、大
部分イロハ
のうちに入ると思いますが、これ以外の態様につきましても
政令
によって
カルテル
が決定できるという
規定
に相なるわけでございまして、この意味では
条件
は
政令
によってこれに書いてない場合まで広げ得るということにいたしたわけでございます。 次の五がいわゆる
合理化カルテル
の
規定
でございまして、これが新しく入りました
規定
でございます。
技術
の
向上
、品質の
改善
、原価の引き下げ、能率の増進その他
経営
の
合理化
を遂行するため、特に必要がある場合においては次の
制限
ができるということでございまして、ただし
制限
にかかる物、その物の
原材料
、
役務
または
役務
にかかる
資材
の
数量
または
価格
もしくは
加工賃
に不当に
影響
を与えるものを除く。非常に
影響
を与える場合は除きますが、その他の場合でございますれば、いわゆる
不況要件
が発生したということでなくても、全体の
経営
の
合理化
のためでありますれば、次に掲げるような
行為
が、
協定
ができるということでございます。書いておりますことは、やはりイとロとハと分けてございますが、それぞれ
生産業者
、
販売業者
及び
サービス業者
とこう三つに書き分けてございまして、イの場合でございますと、物の
生産
の
技術
に関する
制限
、その物の
種類
に関する
制限
、その物の
種類別
の
生産数量
に関する
制限
、その物の
販売
もしくは引き渡しの
方法
に関する
制限
またはその物の
原材料
の
購買
もしくは
引き取り
の
方法
に関する
制限
、これは要するに
合理化
の
目的
でございますれば、こういった
調整行為
ができる、こういう
規定
でございます。これが
合理化カルテル
の新しい
規定
でございまして、結局
商工組合
といたしましては、従来この
調整活動
、
不況カルテル
が中心になっておりましたものを、
最初
にございました
指導教育事業
、
調査事業
というものをつけ加え、さらに
合理化カルテル
の
行為
を認めた。そしてまた全体としての同業
組合
的な
活動
ができるようにし、
組合
の結成を容易にしたいというのが
趣旨
でございます。 次に第五でございますが、
輸出向け貨物
にかかる
価格制限
は他の
制限
を実施した後でなくても行ない得るようにしたいということでございます。これは
現行法
におきましては、
価格制限
を、
価格
についての
協定
をいたします場合には、
数量
その他の
方法
によってどうしてもそれでは
不況状況
を克服できないという
最後
の場合に
価格制限
ができるという
規定
になっております。この点につきましては、今回の
改正
におきまして
輸出貨物
だけをそういった
価格
以外の
協定
を実施した後に
価格
の
制限
ができるという
規定
をはずしまして、
輸出
については必要があれば
価格協定
を一足飛びにやることができるということに直したわけでございます。
国内向け
のものにつきましては、やはり
国内
の
一般消費者等
の
関係
もございまして、ここまでいきますことは問題があろうかと考えまして、
国内向け
は従来
どおり
でございますけれ
ども
、
輸出
だけは
価格協定
を直ちにできるということにいたしまして、
輸出振興
及び
輸出
に関する
過当競争等
の
弊害
を除去するように持っていきたいという
考え方
でございます。 次は第六に、
合理化カルテル認可基準
と
員外者規制命令
と書いてございますが、
合理化カルテル
にも
不況カルテル
同様に
主務大臣
の
認可
を要することにいたしておりますが、
主務大臣
の
認可
の
条件
は、一般的にございますように、不当に差別的でないこと、
一般消費者
及び
関連事業者
の利益を不当に害するおそれがないこと、こういう
条件
の場合は
認可
してはならないという
規定
をいたしておりますが、同時に三に書いてございます
生産物
の
規格
に関しましては、特に
合理化カルテル
についても、
員外者規制命令
を発動し得るという
規定
を入れたわけでございます。これは広くいたしますと、
合理化カルテル
としては相当問題があろうかと思いますが、私
ども
としましては、
一般消費者
に対する
影響等
を考えましても、
規格
に関してはやはり必要な場合、
員外者規制命令
を出すことが適当ではないか、かように考えまして、
規格
だけは
員外者規制命令
を出し得るというふうにいたしているわけでございます。 第七は、
事業者台帳
の
作成
を新たに認めたということでございますが、これは
組合
が常時
同業者
の
実態
を把握する必要がございますので、その
地区
内において、
商工組合
の
組合員
たる
資格
を有する者について、
事業者台帳
の
作成
に努めるものとするという、
訓示規定
でございまして、義務ではございませんけれ
ども
、そういう
規定
をいたしておりまして、できるだけそういうふうに
行政指導
をしていきたい、かように考えているわけでございます。 第八は、
共同経済事業
を行なう
組合
は
出資組合
とする。これは
技術
的な問題でございますが、
不況カルテル行為等
をやりますだけの場合は
出資
の必要はございませんが、
協同組合
と同様に
経済事業
をいたします場合にはやはり
出資
をするというのが当然の
方向
でございますので、
協同組合
との歩調をそろえまして、
出資
を義務づけたわけでございます。これが第八でございます。 第九は、いわゆる
アウトサイダー規制命令
が出ました場合には、従来は、
違反者
に対して
罰金刑
を課しているだけであったのでございますが、この
規制命令
が守られませんために、いろいろと
弊害
が起きております事情にかんがみまして、
規制命令厳守
の
建前
から、一年以内の期間を定めて、
割り当て数量
の削減とか、あるいは設備の
封かん等
による業務の全部または一部の
停止
を命ずることができるという点を
規定
いたしたいということでございまして、これによりまして
商工組合
の
活動
をさらに健全なものにしていきたいという
考え方
でございます。 大体主たる点は以上の点でございます。
武藤常介
6
○
委員長
(
武藤
常介君)
本案
の
質疑
は、都合により次回に譲ることといたします。
—————————————
武藤常介
7
○
委員長
(
武藤
常介君) 次に、
商工組合中央金庫法等
の一部を
改正
する
法律案
、
中小企業信用保険法
の一部を
改正
する
法律案
、以上二案を便宜一括して
議題
といたします。 これより
質疑
を行ないます。
質疑
のある方は順次発言を願います。
吉田法晴
8
○
吉田法晴
君 二
法案自身
については、
同僚議員
から一、二御
質問
があったようでありますが、
中小企業
の
金融
全体、最近、
金融引き締め
を特にやりまして、その
影響
は一番
中小企業
に及んでいるだろうと思いますが、その
金融引き締め
の
影響
が一番及んでいる
中小企業
、その中において、この二
法案
で十分であるかどうか、こういう点について若干
質問
をいたしたいと思うのですが、まず昨年の
金融引き締め措置
以来、
中小企業
の売掛金の回収がおくれたり、あるいは大
企業
からの
支払い
が、従来
現金
であったものが
手形
になったり、あるいはその
手形
が長くなったり、
支払い条件
が悪化する等、
中小企業
はいろいろな形で深刻な
影響
を受けておるようでございますが、これらの
実態
をどういう
工合
に把握しておられるか、まずお伺いいたしたいと思います。
大堀弘
9
○
政府委員
(
大堀弘
君) ただいまの御
指摘
の点につきましては、すでに御
承知
のように、私
ども
としましては、
金融引き締め
の
影響
が
中小企業
に及ばないようにするという
方向
で昨年来第一にやりましたことは、やはり
資金量
の一番大きな分は
市中金融機関
が持っておるわけでございますので、この
市中金融機関
が
貸し出し
をいたします場合に
中小企業向け
に
しわ
をふやさないように、できるだけ減らすように
努力
して参りたい。これは
行政指導
で大蔵省と私
ども共同
で全銀協その他に対して呼びかけて参りまして、
銀行協会等
でも申し合わせをして、昨年来かなりこの面について
協力
し、
努力
をしてくれておるように考えるわけでございます。この点につきましては、
実績
の面から見ましても、三十二年のときは、三十二年の四月、六月、七月、九月
あたり
は相当に
中小企業向け
の
貸し出し
が減少いたしまして、明らかに
実績
として
数字
が出ておりますが、今回は、十二月までのところ、大体横ばい、こまかく言えば
多少率
としては上がっておるという
数字
が出ておりますが、一応かなり
協力
はしてくれておるじゃないか。第二の問題といたしましては、大
企業
が
下請代金
の
支払い等
について、やはり今までの
現金
を
手形
に変え、あるいは
手形
の
期限
を延ばすというような
方向
につい行きやすくなる。これは背に腹はかえられぬというわけでどうもそっちへ行きやすいわけでございますので、この点につきましては、私
ども
のほうといたしましては、
公正取引委員会
と
連名
で、大
企業
の
団体
その他を通じまして厳重に
注意
を喚起いたしまして、
協力
を求めて参ったわけでございます。これは昨年の夏にもいたしましたが、また
通産局
、
府県等
を通じて
指導
いたしますとともに、ごく最近にも
連名
で、勧告といいますか、忠告も発しております。 そういったことをやっておりますが、この点はやはり
実績
を見て参りますと、どうしてもやはり
手形
と
現金
の割合というものが、
手形
の率が徐々にじりじりとふえて参っております。それから
手形
の
期限
がやっぱり
数字
的に見ますると、これは
全面調査
はできませんが、われわれ
ども
で多少抜き検査的にやっておりますものを見ましても、長期化するという
傾向
はいなめない事実でございます。この点につきましても、今後十分
注意
を喚起し
指導
して参りたいと思っておりますが、
政府
といたしましては、この
対策
として、御
承知
のように、昨年の十月と十二月、本年の二月、三回にわたりまして、
政府関係
の
商工中金
、
中小企業金融公庫
、国民
金融
公庫、この三
機関
に対しまして五百六十億円の
財政投融資資金
の
追加
をいたしまして、同時に
市中金融機関
、これは
相互銀行
、信用金庫、あるいは地方銀行、
都市銀行
を含めまして、
資金運用部資金
で買いオペレーションをいたしまして、
中小企業向け
に金を流すというひもをつけた買いオペをいたしておるわけでございます。これが五百億円でございます。合わせて千六十億円の
資金
を
中小企業向け
に、今日まで年末
対策
あるいは一−三月の
資金手当
として流しておるわけでございます。 これらをあわせまして、今日までのところ、何とか切り抜けていけるという見通しを得ておるわけでございます。今後もなお
情勢
に応じて、こういった
財政投融資資金
の
追加措置
について、四月以降についても
情勢
を判断し十分善処して参りたいと考えておる次第でございます。
吉田法晴
10
○
吉田法晴
君 全般的に
支払い条件
が悪くなっている、あるいは
手形
の
期限
が長くなっている等はお認めになりましたが、
通牒
を出したということですけれ
ども
、
金融引き締め
の
影響
それ
自身
もありますが、
金融引き締め政策
がとられておるということで、いわば
支払い能力
があっても、その
期限
の延長のごときは、いわば大手を振ってではないが、
あたり
まえになってしまって、いわば利用をしている面がありますね、この
実態
は。そういうのが
通牒
だけで解消できるかどうかということになると、ちょっと問題だと思うんですが、その
中小企業向け資金
のお話がございましたが、こういう
傾向
に対してはどういうように
指導
あるいは対処されようとしておるのですか。
大堀弘
11
○
政府委員
(
大堀弘
君) 私
ども
は
通牒
も出しておりますが、同時にやはり
通産局
あるいは
都道府県
に指示をいたしまして、現地でもかなり悪質なものがありますれば、これを法によって処置をいたしますが、現実には苦しまぎれにいろいろやるという
事態
もぼつぼつ見られますので、そういった場合に、個別に両者の間に入って解決するように
努力
をさしておるわけでございます。なかなかこういった
傾向
ということは、
法律
的に全面的にしばっているわけではございませんので、われわれとしては、やはり大
企業
の社会的な責任を自覚して善処してもらうこと以外にないわけでございますが、まあ最近ではそういったムードができましたので、かなり自粛自戒している、
努力
しているという様子は見えるのでございますが、やはり結果的には御
指摘
のような
事態
も出て参っておりますので、私
ども
としては今後十分
注意
をして
指導
して参りたい、かように考えておる次第でございます。
吉田法晴
12
○
吉田法晴
君 現在
徴税期
にも入りましたし、それからあるいは年末の金繰りのために発行された
手形
の
決済期
にも入っておるということで、
中小企業
の
金詰まり
が今深刻だし、それから
金融引き締め
による
しわ
は、一番弱い立場の
中小企業
に寄せられるわけですが、先ほど千六十億の
手当
はしたと、こういう話ですが、従来末端について
実態
を見ますと、
資金源
をふやしたふやしたと言われるけれ
ども
、十分じゃないわけですね。あるいは借りたい申し出の半分もないというのが、これは前の
実態
です。
所要資金源
はどの
程度
で、それからこれだけ
手当
をしておったから、それで十分だというお考えかもしれませんが、その辺の
数字
について、大まかなところでもけっこうですが、どういう
工合
に需要があり、あるいはその中の、この
程度
は千六十億であれするんだ、それからその他の点は、これは県や市町村でもやっておりますね。やっておりますが、そういうものを見込んでどういう
工合
に計算されたのか承りたい。
大堀弘
13
○
政府委員
(
大堀弘
君) この点につきましては、
最初
に申し上げましたように、やはり
資金量
の圧倒的な大きな
部分
は
市中
の
金融機関
に蓄積されておるわけでございますから、
政府
から
財政投融資資金
を幾らたたきましても、財源の面がございまして、これを無
制限
につぎ込んでいくというわけに参らないことは、先生御
承知
のとおりでございますが、大体
引き締め
前でも、
申し込み
に対して貸し出す比率というものが一応
傾向
としてございますが、たとえば
商工中金あたり
で見ますと、去年の一−三月
あたり
でも、
申し込み
に対して
貸付額
は七九%、七二%、七四%、こういった動きをしておるわけでございますが、
引き締め
後の、たとえば九月、十月、十一月、これは月によって
でこぼこ
がございますから一律には申し上げられませんが、たとえば九月には七三%、十月、十一月、これは月によって
でこぼこ
がございますから一律には申し上げられませんが、たとえば九月は七三%、十月は六八%、十一月は七六%、十二月は九五%、時期的にやはりそのときどきの
貸付
の時期の
関係
で、ずれておる点があろうかと思いますが、これだけの
数字
で一律には申し上げられませんが、たとえば
中小企業金融公庫あたり
ですと、一−三月が四六%、四一%、三八%くらいでございますが、四月が六五%、九月、十月、十一月は、九月が五〇%、十月が五六%、十一月が六六%、こういった
数字
が出ております。国民
金融
公庫につきましても、大体特にそこで大きな
変化
が出ておるということはございませんが、もちろんこういう
引き締め
の状況でございますから、どうしても
政府
三公庫のほうに希望が殺到して参りますから、それから見ますれば、どうしてもこの全部には御満足できるような
貸し出し
ができないということは事情やむを得ない点があろうかと思いますが、われわれとしては、
政府
の
資金
ソースの許す限り最大限度に大蔵省から出してもらって、相当気ばって実は金をつけたというふうに考えておる次第でございまして、御了承いただきたいと思っておる次第でございます。
吉田法晴
14
○
吉田法晴
君 今の
数字
で見ても、
商工中金
の十二月の九五%というのは、これは大体希望の大半を達成されたということになりましょうけれ
ども
、国民
金融
公庫の五〇%前後というのは、やはり半分、しかも国民
金融
公庫に申し込む者については、ある
程度
といいますか、多少の信用はある者、それについても半分くらいしか云々ということですから、
資金源
に限度はあるといいながら、総需要に対しては、
申し込み
額に対して半分ですから、その他のものを加えると足りないということになると思うのですが、全体の
資金量
の増加に
努力
を払ってもらわなければならぬのはもちろんですが、今の
数字
からいっても、国民
金融
公庫等には
資金源
の割当増額を願わなければならぬという要請がはっきり出ていると思うのですが、そういう点についてはどういう
工合
に対処されておりますか。
大堀弘
15
○
政府委員
(
大堀弘
君) ちょっと先ほど国民
金融
公庫の十二月を申し落しましたですが、十一月の
申し込み
が非常に多かったわけです。国民
金融
公庫、これは
資金
の
関係
で、十月に金をつけまして、その
関係
だと思いますが、十二月は実は一六〇%という
数字
が出ております。これは今までの過去のためたものも一緒にここで出てくる。ですから十月、十一月、四四、四九というのは、平均しますと、もう少し高くなろうかと思います。国民
金融
公庫につきましても、われわれとしては、もちろん相当増額するように
努力
いたしておりますが、私
ども
の窓口から受ける印象からいいますと、一番やはり
金融
的に逼迫した感じを受けますのは、
商工中金
のように思うのであります。やはり
金融引き締め
の
影響
がその辺に割合強く出てきておるんじゃないか、ことに運転
資金
をやっておる
関係
もありまして、
商工中金あたり
に出てくるところが一番需要としては強いように思っておるわけでございます。国民
金融
公庫も、もちろん率の点から見ましたら、さらに上げたいところでございますけれ
ども
、まあ一般の場合、希望があります場合に、多少よけい目にいって、実際は結論が多少割り引かれて出るというような実情でございますから、この率は参考にごらんいただく意味で、われわれとしてはできるだけ国民
金融
公庫につきましても、
中小企業金融公庫
につきましても
資金
の増加に努めたいと考えておる次第であります。
武藤常介
16
○
委員長
(
武藤
常介君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
武藤常介
17
○
委員長
(
武藤
常介君) 速記を起こして。
吉田法晴
18
○
吉田法晴
君
政府関係
の
金融機関
のほか、多くの金は
市中
銀行で取り扱われ、あるいは
市中
銀行に集まっておるという今のお話でしたが、この
中小企業
金融
全体、それからその中における
商工中金
と国民
金融
公庫の位置、そういうものを実は先ほど尋ねたのですけれ
ども
、その他の点についてはお話ございませんでしたが、
中小企業
が
金融
に困っておるのは
中小企業
専門の
金融機関
が少ないからだということは、これはだれも認めるところだと思うのです。戦時中に
金融機関
の統合が行なわれて、地方銀行がほとんど一県一行主義になっておる。そのため長い間地方に根をおろしておった小さい銀行がみな統合をされてしまった。小さい銀行だと周囲の事情もわかっておるし、それから対人信用でも
貸し出し
があった、またその地方の産業を育てるということについても熱心であったろうが、それが一県一行に統合されて、その支店長が地方でお世話をすると、こういうことになっておりまするので、地方の実情もあまりよくわからぬ、それから小
経営
者に至っては人も知らぬ、預金を集めて本店に送って、それが大
企業
に貸し出される、こういうことになりますと、
中小企業
は
金融
を受けることが非常に困難になる、これが戦後の、実情だと思うのでありますが、もっともその後
相互銀行
やあるいは信用金庫あるいは信用
協同組合
等がその穴を埋めて発達をして参りましたが、まだまだその勢力が小さいし、これを育成していくことが
中小企業
の
金融
難を解決する重要な問題でありますが、
政府
金融機関
も育成されたが、その支店網は貧弱、国民
金融
公庫のように小
企業
を相手の
機関
は県庁の所在地に支店を持つだけで、小
企業
者の利便をはかっておるとは言えぬ。
中小企業金融公庫
に至っては、毎年二、三の支店を開設するだけで、全国の府県に一支店置くようになるのは前途遼遠だと言わなければならぬのですが、これを急速に増すとか、あるいは
相互銀行
、あるいは信用金庫等はその力からいっても低金利の
貸し出し
をすることができない取り扱いをしておるところもありますが、全体のこういう
中小企業
金融
態勢というものを全国的に整備することもあなたのところの一つの大きな仕事だと思うのです。これらについてどういう方針で臨んでやっておられるか。あるいは
資金
の流し方、流れ方等についても承りたいと思います。
大堀弘
19
○
政府委員
(
大堀弘
君) ただいま
吉田
先生から御
指摘
のございましたように、私
ども
も
中小企業向け
の民間の金がどういうふうに流れておるかということを常時
注意
をいたしておりますが、やはり
都市銀行
は一番
中小企業
に
貸し出し
が少ない、総体的に少ないわけでございまして全
貸し出し
のうちで
中小企業向け
がかれこれ二五%
程度
と考えられます。それから地方銀行、これは
中小企業向け
に貸しておりますものが大体五〇%、大体半分くらいは
中小企業
に貸しておるということが言えるかと思います。
中小企業
専門
金融機関
といたしまして、民間の
機関
は御
承知
のように
相互銀行
、信用金庫、信用
組合
等がございますが、これらは大
部分
が
中小企業向け
に出ておる。そのほかに御
指摘
の
商工中金
、中小
金融
、国民
金融
公庫という
政府
三
機関
があるわけでございまして、この全体を合せてみまして、全
金融機関
の
貸し出し
のうちで
中小企業向け
の
貸し出し
がごみくらいあるかと申しますと、いろいろなとり方がありますが、ただいま並べました
程度
のものでありますと、四八・五%
程度
が
中小企業向け
、それから統計によって多少取り方が違っておりますが、大体そういうことになっております。この四八・五のうちで
相互銀行
は一九・七、最近はもう少し上がりまして二〇・二くらいが
相互銀行
、信用金庫が一五・五くらい、信用
組合
が三・七、それから
政府
金融機関
全体集めまして九・一でございます。三
機関
合わせましてそういった
内容
になっておるわけでございますが、私
ども
といたしましては、
政府
機関
につきましてはできるだけ支店網の拡充につきまして、これは人員の
関係
等もございまして、人員の補充の点もありますので、そう一ぺんに全体に広がるわけには参りませんが、年々相当支店あるいは出張所の拡大をはかっておりますが、同時にやはりわれわれとしましては
相互銀行
、信用金庫等の
中小企業
専門
金融機関
をできるだけ育てていくということは非常に大事な政策であろうと思いますが、
相互銀行
も全体の貸出量がもうすでに一兆二千億くらいのところに達してきておりますが、信用金庫がやはり七千億以上になっております。かなり
資金
の充実もはかられておりますし、伸び率はかなり高くなっております。こういった点についてできるだけ
中小企業向け
の金が集まりますようにわれわれとしては大蔵省と——これは大蔵省の主管でございますが、われわれとしても十分の関心を持ってそういうふうな方面に
指導
していきたいと考えておる次第であります。
吉田法晴
20
○
吉田法晴
君 その点に関連するのですが、そういう中小
金融機関
は
資金
的に余裕があるとはいえないし、金は大きいほうに集まりたがる。したがって大銀行への預金が集中するわけですが、それに地方銀行や信用金庫が一役買っておるのではないか。
市中
銀行といえ
ども
金融引き締め
で
資金
繰りに悩んでおるので、コール
資金
の取り入れに一生懸命になり、コールの利率もはね上がり、このコールをめぐって
市中
銀行の
資金
獲得の勧誘が信用金庫にも及ぶ。しかしレート高につられて
資金
を
貸し出し
に回すよりもコールに投じたほうが有利であるという目先の利益にとらわれて、安易な
経営
態度がとられるならば、それは
中小企業
への背信であり、あるいはみずからの存在意義を否定するばかりでなく、そのよって立つ地盤を失うことにもなりかねないでしょう。この際、信用金庫に望まれるのは、あくまでも
中小企業
の味方としてその育成強化に徹することではないか。したがって、
中小企業
自体の
資金
需要に対してはできる限りめんどうをみて、もし銀行から締め出された
中小企業
があったならば、信用金庫はこれらの
中小企業
にも進んで
資金
を供給し、
中小企業
を銀行
貸し出し
の
調整
面的な地位から守り、
経営
の安定と発展に力を貸すことこそ、本来の任務ではなかろうかと考えられるのですが、これは単に信用金庫ばかりでなく、
相互銀行
にもいえることでしょう。こういう点に関して
政府
はいかなる
指導
方針をとっていかれるかお伺いをいたしたいと思います。
大堀弘
21
○
政府委員
(
大堀弘
君) 御
指摘
の御
趣旨
は全く私
ども
同感でございまして、コールが非常に高いものですから、どうもコールのほうへ金を回しているのじゃないかということで、私
ども
も相当に
注意
を喚起して、大蔵省とともにその点については相当厳重に警告いたしておりますが、ただ一つは、預金準備金として持っておる金もございますので、その準備金の運用としてコールに回す、あるいは証券を持つといったことは、資産の運用としてやむを得ないことでございますので、その範囲においてやっておる分には差しつかえないわけでございます。これにつきましては、やはりコールに流れる余裕があれば、
中小企業向け
の
貸し出し
をふやすべきであるという
趣旨
で
指導
をいたしておりますし、今後厳重にそういった
方向
で
努力
いたしたい、かように考えております。
吉田法晴
22
○
吉田法晴
君 もう一つは、中小
金融
の
資金源
の点ですが、どうも大銀行では、
中小企業
を育成しようとはしないで、
中小企業
のよい点を見ようとしない。支店長になっても、二年ないし三年で転任するのだから、
中小企業
の
実態
を見るところまではいかない。腰が落ちついておらぬ。で、前にも申したとおり、
資金
集めに終わって、金を集めるのが支店長の任務のようになっておる。したがって、
政府
の
金融機関
はこういう大銀行の集めた
資金
を
中小企業
に回す役割を果たすべきではなかろうか。たとえば、商工債券の大銀行引き受けを
行政指導
によって行なう、あるいは大銀行の中小向け
貸し出し
比率が低いところは、商工債券をそれだけ多く持たせる、こういうことも考えられないものかどうか、そういう点についてはどうですか。
大堀弘
23
○
政府委員
(
大堀弘
君) やはり
都市銀行
が中心になろうと思いますが、銀行の性格からいいまして、どうもやはり大きなところとの取引が多いという形で
実績
も出ておるわけでございますが、私
ども
としましては、もちろん、
都市銀行
で十分
中小企業
に金を回すように
指導
しなければならぬと思いますが、私
ども
としては、特に商工債券等によって
中小企業向け
に
市中
の金を集めて
中小企業
に流すという
方法
としましては、商工債券が非常に有効な働きをしておるわけでございますので、商工債券の売れ行きについては、十分こういった
都市銀行
にも
協力
を求め、もう一つは、御審議いただいております信用保証制度の拡充によりまして、
市中
の金ができるだけ
中小企業
に流れるように
措置
をとっておるわけでございます。なかなか
貸し出し
の比率を法的に
政府
から強制していくというわけに参りませんが、できるだけ
中小企業
に金が流れますように、あらゆる面から行政
措置
をとって参りたい、かように考えております。
吉田法晴
24
○
吉田法晴
君 話の中には、
都市銀行
、それから地方銀行、
相互銀行
、信用金庫、信用
組合
それから保証体勢が出るのですが、全体の
中小企業
金融
の
所要資金源
問題は、地方の
中小企業
金融
の中で、地方銀行を含めて相当
貸し出し
はしておりますけれ
ども
、設備
資金
には回らないで、ほとんど流動
資金
だけ、それも割合に高い利率ですから、いえば調子のいい
企業
だけしか、国民
金融
公庫はわずかにその困難になった
引き締め
なんかの場合に、いわば年越しの金だけは窮状に対して、わずかなカンフル注射的な役割を果たしておりますが、
中小企業
の
金融
全体について、そういう従来の欠陥を補いながら、三銀行を通じてこれだけの
資金
をまかなうのだ、あるいは保証体勢を通じて自治体の
協力
も得て、この
程度
の
資金
を動かすのだ、あるいは今その大銀行に吸い上げられた金等もありますが、この預金部
資金
なり財政
資金
等を回すことは、これはまあ考えておられますけれ
ども
、同じように地方から吸い上げられた金を
市中
銀行なりあるいは
相互銀行
なり
金融機関
で集まるものを
中小企業
に回す
方法
、その金額等、その統制ではないけれ
ども
、いわば計画的にというか、総量と、それから
資金
の需要面とを考えて、全体的に
中小企業
金融
を考えなければならぬのじゃないかと思うのですが、その辺が少し足らぬような気がする。それから実際に低利の
中小企業
金融
を借りる部面に、
商工中金
にしても、国民
金融
公庫の金にしても、三
機関
の金が十分に行き回ってないのではないかと考えられるのですが、もう少し全体的に考えて、
中小企業
金融
をふやす
方法
あるいは三
機関
のように低利で貸せる
方法
についてもう少し考えるべきじゃないかという気がするのですが、いかがでしょうか。
大堀弘
25
○
政府委員
(
大堀弘
君) 量の問題につきましては、先ほど来申し上げましたように、まあわれわれとしてはできるだけ
行政指導
面を通じて
中小企業向け
のシェアーを確保していこうという
努力
をいたしているわけでございますが、この間、昨年来行なわれました買いオペをやりました場合、買いオペの際にも
相互銀行
、地方銀行に重点を置きまして、むしろ
都市銀行
には
資金
の量からいうと非常に大きいわけですが、そちらにはよけい流さないで、
中小企業
に流すほうによけい買いオペの対象のワクを広げまして
措置
をいたしておりますが、まあそういった量の面で、できるだけ
中小企業向け
に金が流せますように、これは
行政指導
して
努力
をいたしておるわけでございますが、金利の面につきましても、われわれとしては、できるだけ
中小企業向け
の金利を引き下げるという
方向
は、われわれとして考えております
方向
でございますが、
政府
機関
につきましてはだんだん下げて参っておりますが、まあ
市中
のほうは、やはりこれは
資金
コストの面もございますので、一率に下げろといっても、なかなか実現には非常に困難があると思いますけれ
ども
、できるだけわれわれとしては下げる
方向
に
努力
をいたしたい。たとえば、金利引き上げの際の
中小企業向け
の
貸し出し
については、引き上げないという
建前
をとったわけでございまして、そういった意味で十分の配慮をいたして参りたいと考えておる次第でございます。
吉田法晴
26
○
吉田法晴
君 自治体等で保証をしたりあるいは歳計
現金
等を預託をしたりして、年末
金融
の際には相当
中小企業
に回しているようですが、それらは皆さんのほうでやはり把握されておりますか。
大堀弘
27
○
政府委員
(
大堀弘
君) 全部今手元に持っておりませんが、年末
金融
対策
として各
都道府県
が
商工中金
その他に預金をして、そうして年末
金融
対策
をやっておるということは
承知
いたしております。われわれも十分その
資金量
を考慮いたしまして
金融
対策
も考えておるわけであります。
吉田法晴
28
○
吉田法晴
君 年末
金融
だけでなくて、平常の
中小企業
金融
というものも、これは把握をされておりますね。
大堀弘
29
○
政府委員
(
大堀弘
君) 今ここにちょっと
数字
を持っておりませんが、大体の
情勢
はつかんでおるつもりでございます。
吉田法晴
30
○
吉田法晴
君 ですから、その自治体、これはまあ一県に回って行く三金庫の金と県なりあるいはそういう市なり、自治体が
中小企業
に回しておる金がどの
程度
の比率になるかはしりませんけれ
ども
、自治体が保証をしたりあるいは歳計
現金
を預託したりしている金は相当の金額ですね。それで、そういうものがあるいは
都市銀行
なり地方銀行なりあるいは
相互銀行
等々の一般の
金融機関
の
資金
の中から、計画的に少なくともあなたのほうの
数字
としては
中小企業
金融
に回るように立案
指導
をされなければならぬじゃないか。それからその点で、先ほど
行政指導
というようなお話、それから先般劔木、田畑両氏とこれは主として産炭地、県にしても福岡、佐賀ですけれ
ども
回りました際に、やっぱり
金融
の体系といいますか、あるいは
金融機関
の姿というものも、さっきの一県一行主義じゃないが、これは再検討せらるべき段階に達しておるのじゃなかろうか、こういう感じがいたしました。それは佐賀について産炭地が特に問題になるのですけれ
ども
、それは一県一行主義で来たあれからいうと、この
相互銀行
なりあるいは信用金庫なり、
相互銀行
は大
金融機関
に移ると思いますから、むしろ信用金庫なり信用
組合
だということになるが、それが昔の長期銀行の果たした役割を埋めようとしていると思われるのですが、ですから産炭
地域
だけでなくて私は全般にあると思うのです。佐賀、福岡で感じましたことはこういうことです。杵島炭鉱が昨年のときに
金融
問題で問題が起こって、そうしてそれから住友に移った。しかも、住友からも
金融
問題で、炭鉱の
実態
もあるけれ
ども
ああいうふうになった。そうすると、佐賀銀行のような山県一行のいわば地方銀行で、困難に逢着をした杵島なら杵島の救済といいますか、いわば峠を越して行く際の
金融機関
にはなり得ないわけですね。これは
中小企業
金融
とは直接のつながりがないかもしれませんけれ
ども
、これは地方大手ではあるかもしれませんけれ
ども
、全国的に見るならば中以下あるいは大
企業
というわけにはいかぬ。それから大正鉱業が今
金融
の問題から生きるか死ぬかという
関係
になっておる。われわれもこの間九州で現地の労使なり自治体なりの声をお聞きしたのですが、それに対処するためにも、やはり福岡銀行なら福岡銀行だけで対処できない段階に来ておる。いわば中あるいは中の上になるかもしれませんが、こういう一つの炭鉱の困難に逢着をしては、国の
機関
あるいは地方銀行あるいは協調融資体制というものが独自にできなければならぬということをしみじみ感じたわけです。ですから、その
金融
の体系も産炭
地域
だとかあるいは綿業
関係
のような困難に逢着した産業
地域
の
金融
だけじゃなくて、
中小企業
金融
も含んで、私は再検討をすべき段階に来ておるのじゃないかと思う。それは直接にはあなたのところでなく、あるいは銀行局といいますか、大蔵省に関連する
部分
も相当あろうかと思います。しかし、問題は
中小企業
金融
ということになりますと、あなたのほうの所管、そしてその
中小企業
金融
の体系はこうあるべきだという意見はこれはやっぱり
中小企業
庁等から出されなければならぬと思うし、問題が融資をするほうは
金融機関
かもしれぬけれ
ども
、受けるほうは普通の産業、あるいは特に
中小企業
の産業、これが自由化の中で
金融引き締め
を伴いながら進展をするということになれば、
中小企業対策
というのは大きな問題、しかもその
中小企業対策
の中で、
金融
問題というのは大
部分
を占めると実は思うのです。それだけに
金融
体系の再検討について
中小企業
の面からする、何といいますか、意見というか、政策というものが出てこなければならぬと思うのですが、私も具体的にどうということはありませんが、まあ
問題点
だけを
指摘
して
質問
をいたしましたけれ
ども
、それらの点についてどういう
工合
に考えておりますか。
大堀弘
31
○
政府委員
(
大堀弘
君) 非常に基本的な問題でございまして、特に
市中
の
金融
機構といいますか、全体にわたる問題につきましては、大蔵省所管の問題でございますので、私がここで御意見を申し上げるべきじゃないと考えますが、まあ私
ども
中小企業
金融
の面で
関係
しております立場から、特に
政府
三
機関
についても、それぞれ特色のある働きをしておるわけでございまして、
商工中金
は御
承知
のように
団体
金融
を中心に
組合
を
金融
対象に、あるいは
組合員
でございますが、
団体
金融
をやっている。中小公庫は御
承知
のとおり設備
資金
ということで主としてやられておる。国民
金融
公庫は、どっちかといいますと、平均二十数万円の
貸付
でございますから、零細
金融
というか、非常に低いところに対する
金融機関
としての働きをして、それぞれの特色を持って現状は動いておるわけであります。われわれとしては、あるいはこれをもう少し中央銀行に結びつける
方法
はないかとか、あるいは別の
資金
操作を持つべきじゃないかという問題もございますので、基本的問題としてはいろいろな角度から検討して参りたいと思っておりますが、まあ
都市銀行
、地方銀行——地方銀行の一県一行主義につきましては、これはなかなか大蔵省で
技術
的に問題があろうかと思いますので、私としても、この際にどういうふうにやるべきかということについては今後検討さしていただきたいと思っておりますが、今のところ、どうしてやりますがいいか、ここで意見を申し上げるべきでないと思います。
吉田法晴
32
○
吉田法晴
君
金融
制度全般、あるいは基本的なものということになると、大蔵省所管という
工合
に今のように逃げられるかもしれませんけれ
ども
、少なくとも、とにかく
中小企業
金融
についてはあなたのほうで意見が出てこなければなるまいと思うのですよ。信用保証制度ではありませんけれ
ども
、地方の
資金
、あるいは、先ほど自治体の債券、
現金
を預託してもやっているという実情を見ると、三
機関
なら三
機関
だけの
金融
が
中小企業
金融
だというわけにいかぬと思うのです。あなた三
機関
の
説明
をあらためてやられたが、問題は、私が
指摘
をしているのは、その三
機関
の
金融
だけで
中小企業
金融
というものがこれからとにかくあらしの中で十分な役割を果たしていきはせぬだろう。あるいは、
団体
金融
というか、
中小企業
なら
中小企業
の共同化なり、あるいは共同化による
金融
にしても
商工中金
だけの
金融
で十分できるとは考えません。あるいは設備の
改善
についても、
中小企業金融公庫
から
貸し出し
ているものは所要の半分
程度
。そうすると、考えられる自由化あるいは国際的なあらしの中で、大きな波の中にゆられておる木の葉のような
中小企業
に対して十分な役割を果たし得ると、これは考えておられるかもしれぬけれ
ども
、公式にはそれはそれで十分だといえるかもしれませんけれ
ども
、個人としてはおそらく不十分だとあなたもお認めになるでしょう、みんなも認めている。したがって、保証問題なり、あるいはさっきは証券の話も出ましたが、他の
金融機関
に集積をされたりあるいは集まっている金をも政策の中に入れて、
中小企業
金融
にまあ全からしめたいと思いますが——実際は全からしめないけれ
ども
、今のような所要
資金
の半分にも満たないような
金融機関
じゃなくて、もう少し需要のある
程度
のものは満たし得る、少なくともとにかく波間にゆられている木の葉が全部沈まないだけの
金融
体制を作るため、三
機関
だけじゃなくて、
金融
、少なくとも
中小企業
金融
については考えるべきではないか、具体案を立てるべきじゃないかと、こういうことを申し上げたわけでありますが、そういう点について検討をするというか、あれはないのですか。
大堀弘
33
○
政府委員
(
大堀弘
君) 先ほど申し上げましたので省略いたしましたが、私
ども
としましては、やはり
政府
機関
が幾らがんばっても、確かに
資金量
からいいますと一〇%以下という状況でございますから、やはり
市中
機関
が
中小企業向け
に
貸し出し
をふやしていくということが基本の
考え方
になるわけでございまして、その意味ではやはり専門
金融機関
としての
相互銀行
、信用銀行あるいは信用
組合
の
資金量
をふやすと同時に、
貸し出し
を
中小企業向け
に流れるようにすると、あるいは公庫を通して
都市銀行
に金が流れてしまうことがないように、できるだけ
中小企業
に流すようにする。地方銀行についても同様でありまして、私
ども
はそれと同時に、まあ御
質問
の範囲をこえるかもしれませんが、一番、
中小企業
にとって長期
資金
、長期の産業
資金
を確保するという面からいいますと、やはり諸外国にも例がございますように、株式市場というか、あるいは証券市場が発達して参っておりますが、大
企業
だけがあれに乗って伸長することができるという格好になっておりまして、
中小企業
の増資あるいは社債の発行ということが、事実上できない。第二市場ができましても、資本金一億以上の会社でないとこれを利用できませんので、その穴を埋める
対策
が必要じゃないかということで、昨年来投資育成会社といった構想について検討に入っておるわけでございますが、そういった長期産業
資金
確保の面から見て、むしろ増資あるいは社債の発行等についての新しい
方法
を考えなければならないのじゃないか。これは今年中に固めまして、ぜひ来年度は実現したいと考えておる次第でございます。そういった面も、
金融機関
の
貸し出し
の面についても、
中小企業
をできるだけ確保するように銀行の育成と
指導
に当たって参りたいと考えております。
吉田法晴
34
○
吉田法晴
君 せっかく政務次官もおいでになっておりますが、通産省の
中小企業
金融
について、まあ不十分でしたから
問題点
を
指摘
して通産省の方針を聞いたわけですが、
中小企業庁長官
の答弁だけにまかせずに、
最後
にひとつ次官からお願いいたしたいと思います。
森清
35
○
政府委員
(
森清
君) ただいま長官のお答えになっていることで尽きておるとは思いますけれ
ども
、
中小企業
金融
対策
というのは、申し上げるまでもなく、非常に問題が多いのでございまして、私
ども
は諸外国の例と日本のやっている施策とを比較したときに、表からだけ見た形では日本は非常にすぐれておるのじゃないかと思う。ただ問題は、毎年感ずることでありますけれ
ども
、せっかく仏は作っても魂が入らないという点があるのじゃないか、それは何かというと、やはりワクの問題でありまして、ワクが今日の日本の財政上の立場から見ると十分なものが確保できない、それが一つの大きな悩みじゃないかと思いますので、その点は例年われわれが苦労するところでありまして、ことしの
中小企業対策
におきましても十二分なことができ得なかったことをわれわれといたしましては非常に反省しているところでありますが、それと同時に、かりに
資金量
が十二分にありましても、やはり三庫なるものも十分に信用をとり得るかいなかということが大きな問題になりますので、ほんとうに金を借りたいということを望んでいる
業者
が信用度の希薄なために借りることができないというふうな問題もありまして、結局、信用保証協会等をフルに活用いたしますものの、これが十二分な活用ができないんじゃないかというふうなこともあわせて考えているわけであります。いずれにいたしましても、しかしこれの死命を制するものは十分な
資金量
を回すということでございますので、これについては十分私たちは慎重に考え、同時に、大蔵省当局とも話し合って、何とかりっぱな魂が入るように
努力
いたしたいと考えるわけであります。
吉田法晴
36
○
吉田法晴
君 やめるつもりだったんですが、多少政治力が出ましたから、
最後
に一点尋ねておきたいというんですか、意見を述べておきますが、今外国との比較等がありましたけれ
ども
、それはなるほど
機関
が三つあり、それから
資金量
が足りないけれ
ども
まあ流している、そういう点では外国に比べて云々というふうな今お話。それはそのとおりでしょう。ところが、問題は、やっぱりこれは日本の人口の多さと比例しますが、非常におびただしい零細
企業
がある。これは外国にないと思うんです。そのことが、賃金にしてもまあ二百円ぐらいで働いているのは現在もあるんですね。それからあるいは下請の下請といいますか、末端まで自分のうちに持って帰ってきてやっているのをあれすると、一日二百円になるやならずのとにかく
経営
。そこにやっぱり一番日本の
中小企業対策
といいますか、問題の複雑さと困難さがあると思うんです。それだけに、その日本の産業なりあるいは
中小企業
の一番のネックあるいは
問題点
を解決するにはどうしたらいいかと、こういう点等も、これは
中小企業対策
にもなきゃならぬでしょうが、
中小企業
金融
にもやっぱりなきゃならぬだろう。そういう点から言うと、
資金
の量についてもですが、あるいは政策の裏づけになる
中小企業
金融
というものが十全ではないではないか、こういうことを申し上げておったわけです。十分の
対策
といいますか、答弁を
中小企業庁長官
からいただけなかったから、それでは
政府
でおありになるんですかと、せっかく来ておられたから答弁を求めたのですが、残念ながらあまり希望の持てる答弁をいただけなかったのはたいへん残念に思いますが、まあ後日に譲りましょう。
田畑金光
37
○田畑金光君 ほとんど
質問
も尽くされておるようでございますので、むしろ整理するという意味で、二、三の点をお尋ねしたいと思うのですが、その前に、今
吉田
委員
の
質問
に対して長官のほうから投資育成会社の構想ということが出ておりましたが、ことしもこれは大蔵省と下相談なされたと聞いておるわけです。したがって、
中小企業
庁としても相当構想が固まっておると、こう思いまするし、また、たしか日本商工会議所等からもわれわれのほうにもそのような印刷物等が配付されてきましたが、
内容
についてはあまり詳細にわたっていないので、どういう構想なのか理解ができなかったわけですが、この際ひとつその
内容
について御
説明
願いたいと思います。
大堀弘
38
○
政府委員
(
大堀弘
君) 私
ども
も一応一案を得て大蔵省と話し合いをいたしたわけでございますが、
考え方
の骨子になります点は、結局、先ほど申し上げましたように、
金融機関
から金を借りる
方法
は現在あるわけでございますが、増資をして、株式を一般大衆から払い込みを受けて増資をしていくという
方法
が現在の証券市場は
中小企業
にとって利用できないようになっているわけでございます。御
承知
のように、第二市場ができましたが、やはり一億円以上の会社でございますので、そこで、私
ども
の
考え方
は、まあ大体のねらいとしては、五百万円から五千万くらいのところを一応対象にして考えてはどうか。もう少し下へ広げるという考えもあろうかと思いますけれ
ども
、その辺を対象にいたしまして、
政府
と民間の半官半民の、
政府
も
出資
をし民間も
出資
をして投資育成会社というものを作りまして、これが
中小企業
の中で増資をしたい人に対して、これはもちろん
内容
の審査等問題があろうと思いますけれ
ども
、適格なものを取り上げまして五百万の会社が一千万の増資をしようという場合の増資新株を引き受ける、あるいは転換社債の形でもっていきまして、何年かたって会社が独立してやれるという
情勢
になったときに株式に転換をしまして、そうして一本立ちになったときには、この株式を一般に公開をしていくという形で、
中小企業
の自己資本の充実をはかり、かつ建設のための長期産業
資金
を量的に確保していくという両面をねらってそういった会社をつくったらどうだろうかという大体の
考え方
でございます。ただ、問題は、株式の処分あるいは会社の経理
内容
に対する問題、そういった運用面についてなかなかむずかしい問題がございますので、実は今回の予算審議までについて十分確信のあるところまで突きとめ得なかったものでございますから、さらに今後一年間検討して、来年度には実現できるさらに具体性を持った案にして大蔵省と話し合いをしたいと、かように考えておるわけであります。概略言いますと、そういうことであります。
田畑金光
39
○田畑金光君 その構想は、そうしますと、
中小企業
庁内部だけの段階にとどまって、まだ通産省全体としての省議決定の段階でもなく、またもちろん大蔵省と話し合いをする段階まで来たわけじゃなくして、ひとつこの一年間の検討でこの次の国会
あたり
をめどにという段階でございますか。
大堀弘
40
○
政府委員
(
大堀弘
君) 一応私
ども
としましては一案を得まして通産省内部でも了解を得て正式に大蔵省と話をしたわけでございます。ただ、
問題点
が非常にむずかしい。これは新しい制度でございますし、融資と違って
出資
になりますものですから、運用面でなかなかむずかしい問題があちこち出て参りますので、その辺をもう少し具体的につめて、さらに案を固めて出したいと思っておるわけでございます。昨年も一応の案は得たわけでございます。
田畑金光
41
○田畑金光君 長官の答弁でほとんど答えられたと思いますが、若干重複するかもしれませんけれ
ども
、さきほど来、
都市銀行
や地方銀行、あるいは
相互銀行
や信用金庫、その他
関係
の
中小企業
金融機関
等々についてお話がありましたが、現在これらの
金融機関
の貸出残高がどういうような比率になっておるのか、これをひとつまとめて御
説明
願いたいと考えます。
大堀弘
42
○
政府委員
(
大堀弘
君)
金融機関
全体の昨年三十六年十二月末の貸出残高は十三兆五千億でございますが、このうち全国銀行——全国銀行といいますと
都市銀行
、地方銀行、長期信用銀行、信託銀行、これ全体を合わせましたものが九兆六千九百億でございます。この中で
中小企業向け
の
貸し出し
は三兆円でございます。これは三一・二%になっておりますが、その中のまた内訳を言いますと、
都市銀行
が全体の
貸し出し
が五兆五千億、このうち
中小企業向け
が一兆四千億、これはさっき申し上げました約二五%でございます。地方銀行が二兆七千億、そのうち
中小企業向け
が一兆四千九百億、これが五三・六%でございます。それから、今申し上げました長期信用銀行、信託銀行を除きまして、全国銀行以外の
中小企業
専門
金融機関
、この全体、これは、さっき申しました
政府
の三
機関
のほかに
相互銀行
、信用金庫、信用
組合
、この六つのものを合わせまして、合計で二兆九千百億でございます。そのうち
政府
三
機関
の
商工中金
、中小公庫、国民公庫、三
機関
で五千四百九十九億、それから
相互銀行
が、さっき申し上げましたように一兆二千億、信用金庫が九千二百八十億、信用
組合
が二千二百二十億、大体以上のような
内容
でございます。
田畑金光
43
○田畑金光君 御
説明
のように、全国銀行勘定、その中の
都市銀行
、地方銀行、これを見ますと、今昨年の十二月末現在における残高の
説明
でありましたが、昨年の夏以来の
金融引き締め
以降の九月、十月、十一月、十二月、そうしてさらに本年の一月まで毎月の比率を見ますと、
都市銀行
の場合は、
貸し出し
総額の中で、
中小企業向け
の残高というものが二五・一%になっておるわけです。昨年の十二月は二五・六%、本年の一月末は総額五兆五千三百七十三億、中小向けが一兆三千九百十五億、二五・一%。地方銀行は、昨年の十二月の末は、今お話しのように五三・五%の
中小企業向け
の比率でありましたが、今年一月の末は地方銀行の貸出残が全部で二兆七千四百九十五億、
中小企業向け
が一兆四千五百五十五億、五二・九%。比率がずっと下がってきているわけですね。これはよく現われておると思うのです。
中小企業
に対する
金融引き締め
の
しわ
寄せというものがよくここに出ておると思うわけです。先ほどそれに対比して、
相互銀行
、信用金庫等については、
中小企業向け
の貸出残高というものは、比率の点においてある
程度
よくなっていると、こういうようなお話でございました。さらにまた、今承りますと、
政府関係
機関
の融資の残高が五千四百九十九億ということになっているわけです。全体の比率の中で五千四百九十九億というと、どの
程度
の比率になってくるのか、その点をまずお伺いしたいと思います。……今私の申しましたのは、全体の十三兆五千億の中で何ぼを占めるかということもさることながら、
中小企業向け
の融資残高の中で
政府関係
機関
というものの占める比率というものはどの
程度
になっているのか、ですね。
大堀弘
44
○
政府委員
(
大堀弘
君) 全体の
貸し出し
の中で占める……この三十六年十二月末をとりますと、三
機関
で九・二%という
数字
でございます。……失礼いたしました。今申し上げましたのは間違っておりました。
中小企業向け
の
貸し出し
、この全体が十三兆五千億、そのうち
中小企業向け
の
貸し出し
が六兆飛び飛び二十八億円でございますが、その六兆円の中で五千四百九十九億というものの比率が九・二%ということでございます。ですから
中小企業向け
の
貸し出し
の中で占める三
機関
の割合が九・二%、ですから全体からいいますと、これのまた半分見当になるわけでございますが、今計算をいたしておりません。
田畑金光
45
○田畑金光君 これは三
機関
が
中小企業
融資の中で占める地位というものは、今日現在では九・二%というわけですが、従来その
数字
はどういうことになっているのですか。
大堀弘
46
○
政府委員
(
大堀弘
君) 大体八・八%、昨年の三月、あるいは九月ごろまでの見当は、そういう
数字
でございました。
田畑金光
47
○田畑金光君 それから、これも先ほどいろいろ
質問
になっておりましたが、昨年末以来、特に
金融引き締め
以来、
政府
としては
中小企業向け
の
金融
緩和策について、いろいろな
措置
をとられてきているわけです。財政投融資の面、あるいは買いオペの、実施等によって、
資金
ワクの増額をやってこられましたが、先ほどの答弁にもあったようですけれ
ども
、もう一度ひとつ具体的にどういう
措置
をとってこられたか、御
説明
願いたいと思います。
大堀弘
48
○
政府委員
(
大堀弘
君) 先ほど申し上げましたが、
政府
でとりました
措置
は、直接
財政投融資資金
を
中小企業向け
に流すという
措置
でございますが、一つの
方法
は、
商工中金
、中小公庫、国民公庫の三
機関
に対して、
財政投融資資金
を昨年の十月、十二月、本年の二月と三回にわたって合計五百六十億円の財政投融資の
追加
をいたしたわけでございます。これは当初の計画にさらに
追加
してこれだけの金をつけ加えたわけであります。同時に民間の
市中金融機関
に対して、
中小企業向け
に
貸し出し
をするというひもつきで、五百億円の
資金運用部資金
による
金融
債の買い上げをいたしますが、これは先ほど申し上げましたが、
相互銀行
、信用金庫、地方銀行に重点を置きまして買いオペをいたしました。これは日本銀行の買いオペと別に
資金
運用部を通じて買いオペをやっているわけでございまして、一千六十億という金を昨年の秋以来
金融引き締め
対策
として流したのであります。同時にわれわれとしましては、
市中金融機関
に対して
協力
を求めて
貸し出し
の比率をできるだけ落とさないようにしてもらいたいということで、これは大蔵省とともに
行政指導
をいたしまして、銀行間で申し合わせ等ができまして、先ほどお話がありましたように、できるだけ比率を下げないように
努力
をするということで、御
指摘
のように多少やはり
実績
の点で、
都市銀行
等においては問題がございますけれ
ども
、全体としては三十二年当時に比べてかなり自粛をしていると考えられるわけであります。大
企業
に対しましては
手形
代金、
下請代金
の
支払い等
につきまして公取
委員
会とわれわれのほうで共同で通達をし、
注意
を喚起して、同時に
通産局
、
都道府県
を通じましてできるだけその面の悪化を防ぐという
措置
をとっておるわけでございます。これは
努力
はいたしておりますが背に腹はかえられないということで、やはり多少
手形
の
期限
が延び、あるいは
現金
が減ってきておるという事実は私
ども
も認めておるのであります。大体そういうことでございます。
田畑金光
49
○田畑金光君 そこでお尋ねしたいのは、先ほど
資金運用部資金
から五百億の買いオペをやって、特に
相互銀行
、信用金庫等に
中小企業
の
金融
措置
の
協力
を求めた、こういうわけですが、この実施の保障というか、ほんとうに
中小企業
にこれだけの
資金
が流れているかどうかという問題、これはどうなったか。実際にそれがほんとうに
中小企業向け
にいっておるのか、いっていないのか。信用金庫、
相互銀行
というのは本来
中小企業
の
金融機関
であるということはわかりますけれ
ども
、ただそれだけでその
資金
がほんとうに
中小企業
に流れたかどうかということは、どのようにして
政府
としてはこれを
指導
、監督しておられるのか、それをひとつ承りたいと思うのです。
大堀弘
50
○
政府委員
(
大堀弘
君) この点につきましては、本来から言いますと、
貸付
けしたあとでその
貸付
けした
実績
に見合って買いオペするのが、一番確実に効果を保障する
方法
だと思うわけでありますけれ
ども
、ただ三十二年当時にこれはわずかでございましたが、買いオペをやりましたのでございますが、そのときはそういう
方法
をとったわけであります。ところが
実績
がなかなか出てこないということで、金の出るのが非常におくれまして、かえって
金融
の流れを押さえた結果になりましたので、今回私
ども
はむしろ大蔵省に対して金は先にひとつ出して、あとで自後にチェックをしようという
方法
を話し合いをして、金を先に各銀行に割り付けて流しておるわけであります。その
実績
は結局銀行から出してくるのを見るのでございますけれ
ども
、
方法
といたしましては、信用保証協会の保証づきの
貸付
というもので
実績
をとりまして、それでチェックをするということにいたしておるわけでございます。もちろん実施をしなかったものはそれだけ召し上げることになります。まだ最終的の
実績
は出ておりませんけれ
ども
、そういう
方法
でチェックをすることにいたしております。
田畑金光
51
○田畑金光君 その
実績
というのはいつごろあなたのほうの手元で集計できて、実際
貸付
がなされているのか、なされていないのかということがわかるのはいつごろですか。
大堀弘
52
○
政府委員
(
大堀弘
君) 第一回分につきましては三月末をもってチェックすることにいたしております。三回にわたって行なっておりますから。
田畑金光
53
○田畑金光君 そのときあらためてひとつその
実績
について本
委員
会において御報告願いたい、こう思います。 それから今回の
措置
によって
商工中金
に二十億の
出資
を
追加
する、また信用金庫にも二十五億の
追加措置
をとられたわけでございますが、この
措置
によって、たとえばこの間もこれは
質問
に対してお答えになっておりましたが、
商工中金
の貸出利息というのが九分三厘。
中小企業金融公庫
が九分。いずれにいたしましても
中小企業
相手の一番大事な
商工中金
の金利というものが高いということ。特に
政府
は
中小企業
の共同
組織
を奨励しておるし、また
中小企業
の
組織化
ということは重要な問題でございますが、その
協同組合
金融
を
建前
とする
商工中金
の利息が割り高だということは、どうも矛盾しておる感じを強く受けるわけです。たとえば本年二十億を
追加
出資
することによって、これが
商工中金
の営業の面にどのようなプラスがはね返ってくるのか。ということは具体的に貸出利息の面において、二十億
追加
出資
することによって、たとえば一厘なら一厘の引き下げが可能であるのかあるいはそれをやり得る見通しが立っておるのかどうか。現に
中小企業金融公庫
に比べても三厘高いわけですから、せめて九分くらいには利息を引き下げたい。これは皆さんとしても考えておられると思うのです。一体どの
程度
の
資金量
、
政府
資金
を
商工中金
に入れればもっと利息は安くなるか。九分
程度
に利息を下げるのにはどの
程度
まで
政府
資金
というものを入れればよろしいのか。この点についてひとつお答え願いたいと思うのです。
大堀弘
54
○
政府委員
(
大堀弘
君) 今回の二十億の
出資
では全体の
商工中金
の金利を全般的に下げるほどの
資金量
じゃございませんので、はなはだ不十分でございますが、当面長期の
貸付
金利が特に高いわけですので、長期
貸付
金利を一厘だけ下げるという
措置
をとりたいと考えております。 それから将来の問題といたしましては、大体九分三厘を三厘
程度
下げるということでございますと、百億
程度
の
出資
をしませんと困難じゃないかと思っております。私
ども
としましては、できるだけやはり御
趣旨
のように
商工中金
の金利を引き下げる
方向
に
努力
したいと思っております。将来そういう
方向
で検討したいと思っております。
田畑金光
55
○田畑金光君
森政務次官
にお尋ねいたします。仏、作って魂入れずという先ほどのお言葉のように拝聴いたしましたが、百億
程度
入れれば三厘の引き下げが可能だと、
中小企業
金融
というものが大事だということは、これは
政府
、与党、野党、全部共通した願いであるわけで、百億入れれば三厘の引き下げが可能であるというふうな御
説明
で、今度の予算の要求等の場合において、
政府
としても特に通産省としては御
努力
なされたと、こう思うのですが、ことしはどの
程度
の構想で、この
商工中金
等に対して予算
措置
を大蔵省等と折衝なされたか。いま百億あれば三厘の引き下げが可能であるというのですが、ひとつ政務次官としては、この次の年度予算を待たないで、補正予算くらい作って、当然この
程度
は金を入れるということは必要だと思うのですが、どのようにお考えでございましょうか。
森清
56
○
政府委員
(
森清
君) ただいま
大堀
長官からお答え申し上げましたように、私たちといたしましては、大体百億あれば金利が引き下げられるということで、実は大蔵省とも本年度についても折衝いたしました。いろいろ経過があったのでございますが、最終的には私たちの主張が通らなかったということでございまして、これはまあ考えてみますと、財源の問題等もございますので私たちも折れたわけでありまして、今後とも何とかして
中小企業
育成のために、なるべく低金利のものをということで、終始このことは大蔵省に申し入れるつもりでおります。しかし、だからといって補正によってというふうなことは、これはまた時期的に非常にむずかしい問題もございまして、決して私
ども
がそのことを要求しないというのじゃございませんけれ
ども
、何とかして折あらば大蔵省の了解も得まして、金利引き下げのために
努力
いたしたいと、かように考えております。
田畑金光
57
○田畑金光君 この
政府
機関
の融資について、
資金
コストを下げて貸出金利を引き下げるには、やはり
政府
資金
をもっと多く入れる以外になかろうと、こう考えるわけです。そういう点からすれば、
資金運用部資金
の還元融資という問題等が一番これは実際的だと思うわけです一いうまでもなく
資金運用部資金
の原資は大衆の預金である郵便貯金であるとか、あるいは勤労者の厚生年金とかこういう
資金
であることを考えたときに、
資金
の性格からみましても、こういう
政府
機関
に、もっと
資金運用部資金
等を入れてコストを安くし、貸出利息を安くするということが一番大事なことじゃなかろうかと、こう私たちはみておるわけです。こういう点について、まず
中小企業
庁の長官としては、当然そういう構想をもって内部においても
努力
されておるとは思いますけれ
ども
、しかし突き詰めてみると、
資金運用部資金
法の
改正
という大きな問題にぶつかってくるし、いずれにいたしましても私はやっぱり
資金運用部資金
法というものを
改正
して、こういうものがもっと単に
商工中金
だけでなくして、労働者の福祉の面やいろいろな社会保障の面等に還元融資さるべきだと、こう考えておるわけです。この点についてひとつ内部においてどのような
努力
をなさっておるのか、あるいは
政府
部内のこういう問題について、何かより進んだ
考え方
等が最近は出てきておるかどうか、両者にひとつ御答弁を願いたいと思います。
大堀弘
58
○
政府委員
(
大堀弘
君) 私
ども
は、さっき百億と申しましたのは
出資
の場合でございましたので、一般会計あるいは産投会計からの
出資
でございませんとなりませんので、その意味の財源が非常に足りなかったということでございますが、財政投融資、
資金運用部資金
をつぎ込むことにつきましては、本年度の先ほど申し上げました五百六十億のうち、
商工中金
に二百四十億を充てておるわけでありまして、ことに商工債券の売れ行きが非常に悪うございますから、二百四十五億は相当
商工中金
に重点を置いて金の確保をはかったわけでございます。ただ、この場合は金利は六分五厘の金を借りておりますので、
市中
で
商工中金
債を発行いたしますと、利付債で七分二、三厘、割引債で六分二、三厘でございますから、割引債がなかなか売れ行きが悪いものですから、どうしても
市中
ではコストが高くなるわけでありますから、
資金運用部資金
につきましては、量的にはできるだけ私
ども
としては確保するように
努力
いたしておりますし、来年度の三十七年度の財政投融資計画におきましても、前年度対比で見ますと、
商工中金
に一番大幅にふやしておるわけであります。そういう意味で
出資
の面におきましても、特に財政投融資、
資金運用部資金
につきましては、先生御
指摘
のように、割合に手軽といいますか、何とか早急に
対策
が立てられるものでございますから、この確保については十全の
努力
を尽くして参りたいと、かように考えております。
田畑金光
59
○田畑金光君 それからもう一つこれに関連してお尋ねしたいのですが、
中小企業
金融
と直接の
関係
はないかもしらぬが、しかし、実質は
関係
が深いわけです。特に私が実は申し上げたかったのは、今の私の話の中で勘違いした点がありましたが、労働金庫というものをみんなどのように見ておられるのか、実は
資金運用部資金
の導入というのは、労働金庫のことを実は頭に置いて今申し上げたのですが、この労働金庫というものについて皆さん方はどのように見ておられるのか、
企業
庁長官ひとつお尋ねしたいと思います。
大堀弘
60
○
政府委員
(
大堀弘
君) 実は私も不勉強で十分
内容
につきまして検討いたしておりませんので、今後ひとつ勉強いたしたいと思っております。
田畑金光
61
○田畑金光君 これはもちろん労働大臣並びに大蔵大臣の所管で、労働金庫法に基づく労働金庫でございますから、
中小企業庁長官
の所管ではございません。ただしかし今度の
法律
改正
を見ますと、二十万円の小口保険制度等、小規模
事業
者に対する融資制度等も確立されておるわけでございますけれ
ども
、労働金庫の性格というものは言うまでもなく、生活
金融
で、
生産
金融
じゃございません。また一般の
金融機関
は営利
金融
だがこれはあくまでも非営利の
建前
をとっておる。しかもまたその
内容
においては賃金の遅払い、欠配等を中心に考えておる。そういう意味において私、
生産
金融機関
であるその他のものと一緒に考えるということは無理な点もありますけれ
ども
、しかし事実問題として労働金庫が取り扱っておる
内容
というものは多くは
中小企業
であり、生活
金融
といってもどこまでが生活
金融
であり、どこから
生産
金融
、
事業
金融
かというとなかなか明確でないわけです。そういう点から見ましてこの労働金庫に対する
政府
の方針として、あるいは
資金運用部資金
等を導入して、もっと労働金庫の
資金
を強化して、安い金利で運用ができるように保護助長することが大事だと私は考えておるわけなんです。この点を聞いてもこれはちょっと無理だと思いますから、ひとつそういうような問題があるということだけ認識願っておきたいと考えております。 それからこれもこの間、近藤
委員
から詳しく
質問
がございましたが、信用保証については非常に先ほ
ども
議論があったわけでございますが、担保をあまり問題としてはならぬというのが
建前
だと、こう思うわけです。しかし、現実の信用保証協会の実情を見てみると担保がなければ貸さない、貸せない。担保を持っておる優良
企業
だけを対象にする。したがって弱小
企業
で信用を持っていないところはなかなか金を貸してくれないということになってきますと、保証協会の本来の
目的
から相当ずれてくるのじゃないかと、こう私たちは見ておるわけです。これに対して
中小企業
庁としてはどういう
指導
をなさっておられるのか、それをまず承りたいと思います。
大堀弘
62
○
政府委員
(
大堀弘
君) 先生御
指摘
のように、信用補完制度でございますから、本来担保力がない人がこれを利用するというのが
建前
だと思いますので、筋からいいますとやはり担保をとらないで保証する、というのが一番望ましい形ではないかと思いますのでございますが、実際問題としましては、やはりこれも独立の一種の
金融機関
でございますので、現実のところを見ますると小口のものは割合に保証をとらないでやっておりますが、かなりまとまった金になりますとやはり物的保証をとっておりますが、とっておる実情を見ますと、やはり大体まあ普通の担保でも二番抵当、三番抵当あるいは普通の銀行ではなかなか担保にとらないような物件を対象にして担保にとって保証をするというような形をとっておりますので、今回御審議を願っております小口保証制度につきましては、特に私
ども
としましては物的掛保はとらぬということで実施をして参りたいと思っております。御
指摘
の点はわれわれもできるだけ物的保証をとらないようにしたいと思いますが、現実にはかなり大きな金額、第二種包括
あたり
になりますと相当大きな金額になりますので、信用保証協会としても一応抵当をとっておるという現状もある
程度
やむを得ないと思いますが、しかしその場合もおおむねさっき申し上げましたように、低順位の抵当権を設定する、あるいは一般の銀行の担保にならないような物件をとっておるというふうな実情のように考えております。できるだけそういう
趣旨
で運用の面では十分
注意
をしていきたいと思います。
田畑金光
63
○田畑金光君 これは信用保証協会の審査会の構成の問題ですが、審査会の
委員
には必ず
金融機関
の代表が参加しておるわけです。信用保証協会が債務保証をやる相手方の銀行代表というものが必ず加わってきておるわけです。したがって審査会の中においては、
金融機関
の発言というものも非常に強い。
金融機関
の発言が強いというのは、どうしても安全確実性ということを前提に考えますから、当然これは物的担保ということを強く要求してくるわけです。特にまたひどいのになると、銀行の責任で融資をして、延滞が起きると、信用保証協会の保証債務に肩がわりをして、銀行の安全をはかろうとする誤ったこと等もままとられがちであると聞いております。でありますから、こういう点等については、信用保証協会の審査の制度あるいは融資に対する基本的な
考え方
、態度というものが、もっと反省されなければ、
中小企業
に対する正しい、あるいは健全なる融資の道ということが封じられる危険があろうとこう見ておるわけです。こういう点等について長官はどのように考えておられるのか。そのような事例があることを御存じであるかどうか。ことに審査会の中に
金融機関
の代表が加わっておるということは、どこの信用保証協会でも同じじゃないかと思うのですが、こういう点がやはりある面においては
弊害
を残しておると思いますけれ
ども
、そういう面についてどう考えておられるか、
指導
方針はどういうことか、それを伺いたいと思います。
大堀弘
64
○
政府委員
(
大堀弘
君) 前回にも申し上げたと思いますが、私
ども
としましても、保証協会がある
程度
自然発生的にできた制度でございますので、非常に割合にりっぱな協会もございますが、地方に参りますと必ずしもそういう意味からいって十分でない協会もございまして、私
ども
の監督
自身
も少しまだ力が及ばなかったんじゃないかと考えておるわけでございまして、この点は今後反省をして、もう少し現在県まかせにやらせておりますが、われわれ中央としても相当
内容
について監督
指導
を十分にしたいという考えで、今、部内において検討いたしておるわけであります。人の問題につきましても、地方に参りますとなかなか適当な方が得られないので、つい
金融機関
の方にお願いするというような格好が割合に多いように認められております、こういう人の問題にもどうかと思われますので、十分監督の面で
注意
をして参りたいと考えております。
田畑金光
65
○田畑金光君 どうかひとつ、私は
金融機関
の代表が加わっておるから
弊害
があると一概に、一律に申し上げておるわけではないのですが、ほんとうに保証協会の仕事が、
政府
の考えているように、
中小企業
の末端まで正しく融資のパイプが通ずるように御
指導
願いたいと、こういうことを申し上げておるわけです。またどんな
経営
の悪い
企業
でも、信用保証協会は保証しなくちゃならぬなどとも考えておるわけではないわけです。ただ問題は、その
中小企業
がほんとうにいいアイデアを持ち、計画を持ち、またその
経営
する人も信用のおける人物、こういうふうなことであれば、物的信用だけでなくして人的信用をもっと重く見て融資が円滑に進められるように、こういうことを特にわれわれとしては希望申し上げておくわけです。
最後
でございますが、この間、これも近藤
委員
の
質問
に対して長官がお答えになったと思いますが、信用保険公庫の危険負担と申しますか、実際事故率といいましたか、この事故率というのは二%
程度
だと、こういうふうなお話でございましたが、この点についてもうちょっと御
説明
を願いたいと思うのです。
大堀弘
66
○
政府委員
(
大堀弘
君) 計算をいたしておるようでございますが、保険公庫の保証協会に対する再保証といいますか、再保険の場合の計算としては、一応事故率を二%として計算をいたしておるわけでございます。
田畑金光
67
○田畑金光君 再保険の事故率が二%と見られた場合ですね、大体二%ということでは私たちちょっと、のみこみにくいので、今までの
実績
がどの
程度
に残っておるのか、金額的にひとつ
説明
してもらいたいのです。
大堀弘
68
○
政府委員
(
大堀弘
君)
実績
を申し上げますと、各種の保険を一括しまして事故発生の金額は三十四年度が二十一億円、三十五年が二十四億円、端数は省略しますが、三十六年は十一月までで十五億円になっておるわけであります。この事故が発生しましてから、保険でございますから金は払いますが、あとで回収業務としましてその債権取り立てをやっておりますが、大体この事故率としましては、過去の
実績
から推算いたしました三十七年度の計画におきましては、小口保険で二・五%、包括第一種保険で二・三%、包括第二種保険で二・一%でございますが、この事故がありました場合に、回収率は大体いずれも六五%
程度
回収いたしております。そういう一応計算をいたしております。
田畑金光
69
○田畑金光君
中小企業
信用保険公庫の融
資金
は二十五億今度ふえておりますけれ
ども
、保険準備基金というものがふえておりませんですね、ことしの予算
措置
においては。これは今
説明
のありました事故率とか回収率等から見て、今持っておる保険準備基金で十分であるというので、これはそのままにしておいたのか、または予算要求をしたが、大蔵省との話し合いがうまくいかぬのでこうなったのか、その辺はどのような経過でこうなっておるのか、御
説明
願いたいと思います。
大堀弘
70
○
政府委員
(
大堀弘
君) 一応安全を見ますれば、もう少しありますほうがよろしいわけでございますが、現在の状況から見まして本年度も一応赤字を出さないで大体済むことができそうでございますが、来年度も現在の基金で何とかしのげるのじゃないかということで、むしろこの際融資基金をふやして、保証協会に対する
資金
のほうをふやしていくほうが政策的にいいのではないかということで、融
資金
の増額のほうに重点を置きましたのでございますが、準備基金はもちろん多いほうが安全でございますけれ
ども
、一応現在の基金でも来年度はやっていけるのじゃないかという見通しを得ましたので、そういうふうにいたしたわけでございます。
中田吉雄
71
○中田吉雄君 私、
中小企業
金融
のことについて、この
法案
に直接
関係
しましたことは近藤議員がやりましたので、一般的なことを少し
質問
してみたいと思います。 森次官にお尋ねしますが、内外の
情勢
の
変化
に対応して、
中小企業
金融
というものを根本的に再検討してみる時期じゃないかということなんですが、実は内外の
情勢
と申しますのは、昭和三十三年ですか一九五八年にヨーロッパの共同市場が発足しまして、加盟六ヵ国一億八千万
程度
でアメリカの人口に匹敵する。そしてそれがソ連を中心とする共産圏とアメリカとに対して、第三の巨人といわれるほど大きな問題になってきて、最近の
傾向
としましてはEECを中心に国際的な
経済
のブロック化が進んでおる。そういうことに対してどういう通商政策をとられるかという一般的な問題について、佐藤大臣なり藤山長官にお尋ねしたいと思いますが、EECで一番特徴的な点は、一億八千万
程度
の加盟六ヵ国が毎年一〇%ずつ関税を引き下げて、最終年度には無税にして単一
経済
の
組織
を作ると、そこで特徴的な点はとにかく貿易の規模がアメリカより大きくなってきた。第二に、加盟六ヵ国が域外に出す
輸出
と輸入とがバランスがとれている。それで加盟六カ国が域内で取引する貿易も大体バランスがとれているということになって、特に私がここで
中小企業
との関連でそういうことを持ち出しますのは、
経済
の流通の
単位
が一億八千万という大きな規模になって、
企業
規模がマンモス化して大規模になってきた。そうして国際競争力が非常に強くて、将来はともかく、域内ではそういうふうに相互に障壁をとって自由な
経済
の流通をはかるが、域外に対してはかなり排他的で、遠い将来は大へんだと思うので、私が申し上げたい点は、そういうふうに五千万とか一千万とかいうものを
単位
にした
経済
の規模から、一億八千万を対象にする
経済
規模に非常に拡大して、それがもう東南アジアその他に対してもなかなか手きびしい競争力でもって日本に迫っておる。そういう際に、日本としては一方ではブロック化があり、そうして自由化が迫られてこの十月には九〇%やらねばならぬ。
業界
では自由化に対しては関税を高めて対抗するというようなことを言っていましたが、EECにアメリカが接近するために、通商拡大法等を準備して関税を引き下げてくるというようなことで、自由化に対しては関税障壁を高めて準備をする間だけこの
措置
をとるというようなことも困難になって、やはりどこと日本がそういう共同市場を作るかということは別にして、とにかく最近の
傾向
としましては、
経営
規模が非常にマンモス化して、そのことは日本の大
企業
でも明らかにそういう
傾向
が出てきて、そういうことから
中小企業
にもいろいろ
しわ
が寄るのじゃないか。当然日本の雇傭人口、
生産
高、
輸出
に占める比率等をみても、私はそういう内外の
情勢
に備えて、
中小企業
の定義をもう一ぺん再検討して、そうしていろいろな手がとられねばならぬでしょうが、特に
中小企業
金融
もその定義から、いろいろな制約があるでしょうが、もう一ぺん新しい
情勢
に備えた総合的な
中小企業対策
をとる。同時に、あとで若干具体的のことをお尋ねしますが、
中小企業
金融
の
条件
を具体的に申し上げますると、貸出限度をもっと大幅に引き上げるなり、あるいはワクを拡大するなり、
関係
金融機関
の区画整理をもう一ぺんやるというようなことが重要じゃないかと思うのですが、そういうことについて、実は
政府
でもよりよりそういう
情勢
に備えての
中小企業
金融
の再検討をやっておられるやに承るのですが、そういうことは、こういう一部
改正
法案
も出ておるのですが、それに対する御所見はいかがでしょうか。
森清
72
○
政府委員
(
森清
君) 中田先生の御
指摘
のように、確かに世界はブロック化の
傾向
をますます深めております。私も何べんかヨーロッパの共同市場を見て参りまして、これが世界に与える
影響
がますます深刻さを増すであろうということを考えておったのですが、つい昨年も暮にメキシコそのほか二、三の国々を回ってきまして感じましたことは、あの附近でもいわゆる一つの共同市場を作ろうという動きが非常に活発になってきております。したがってそうしたブロック化の世界的な
情勢
下にあって、日本はこれからどうしようか、どうしていったらいいか、どこに販路を求めていったらいいかということはきわめて重大な問題だと私も考えます。そこで確かに御
指摘
のように、そうした
傾向
にあるときに日本がいわゆる
企業
がマンモス化というような
方向
、マンモスという言葉当たっているかどうかわかりませんが、とにかく今日は強い自由化のもとに対応していかなければならぬということは当然の帰結だろうと思います。そこでわれわれといたしましては
中小企業
に対しましても御
承知
のように、これを団地化をして、たとえばたくさんの
企業
が、かりにボイラーなどを一つの例に取り上げてみますと、各工場一つ一つ小さいボイラーを持っている。熱処理上きわめて不合理でありますので、これを団地化して一つのボイラーによってすべての傘下の中小工業を全部まかなえるようにする、というような
方向
で団地化等を考えておりますし、同時に
中小企業
のあり方等につきましては、今日非常に問題になっております基
本法
等も早急に作り上げまして、
中小企業
の進路をはっきり
明確化
していきたいと思いますし、同時に私
ども
政府
といたしましても、これに対する
対策
も一本化して強力なものにしていきたいというふうに考えております。
金融
につきましては先ほど来、
吉田
先生の御
質問
に対しても私はお答え申し上げましたが、きわめて多種多様にわたるだけにむずかしい問題をたくさんはらんております。そこでわれわれといたしましては早急に
中小企業
基
本法
というようなものを作り上げて、その線に沿ってでも一つの新しい活路を生み出したいというふうに考えておるわけでありますが、とりあえずといたしましては、先ほ
ども
申し上げましたように、できる限り財源を求めて、せっかくりっぱな
法律
がたくさんあるのですから、そうしたものを通じて援助の手を差し伸べたい、こういうふうに考えておる次第であります。
中田吉雄
73
○中田吉雄君 われわれの見解とそう変わりはないのですが、とにかくさきに申し上げましたように、ヨーロッパ共同市場で申しますと、西ドイツが五千万くらいですか、そういうものを市場としてやっておったのが一億八千万の人口を対象として、終局には関税なしでやれるのですから、そういうふうに大規模化してそういうのにたえていくには、日本の
経営
規模も国際規模に合うようなやはり再編成をしていかねば、なかなか国際競争にたえていくことはできない。どこと共同市場を編成するかというのは、これは各党の立場でいろいろあるでしょうが、それは別にしてもやはり国際競争にたえ、
生産
性を高めていくには、どうしても
経営
規模を拡大していかなければならぬ。それには
中小企業
の定義をまず新しい
事態
に合うように再検討せねばいけぬじゃないか。これは一々変わっているのですから、
中小企業
の定義は。これは
大堀
長官にお尋ねしますが、だんだん二百が三百になるとか、資本金の額が大きくなるとかなっているのですが、私はそういう作業をもう進める時期だ、各党が作っておられる
中小企業
基
本法
では、
中小企業
の定義が非常に新しい
事態
に即応するようになっていますが、そういう時期ではないか。これは一々変わっているのです、
中小企業
の定義が。あとで
金融
のほうをお伺いしますが貸出限度の問題、これをどうなんです
大堀
長官。
大堀弘
74
○
政府委員
(
大堀弘
君) 現在、割合にまとめて書いてあります定義は、
団体法
の
規定
と金庫の定義が中心でございます。従業員三百人以下、資本金一千万円以下、商業の場合は従業員三十人以下という定義が、これは当初から大体そうなっておりまして、今日も変わっていないわけでございます。たとえば税制
関係
で特別償却制度を
中小企業
に実施いたしました場合は、一億円以下を
中小企業
として扱っております。個別的には多少違った点がございます。
団体法
でも
例外
規定
を
政令
できめておりますから、従業員等の数が相当高くなっているのもございます。鉱山は千人となっておりますが、今日まであまり
変化
がないわけでございます。私
ども
も御
指摘
のように、ことに
金融
問題からいうと、これはもう少し上げるべきではないかということについては、相当
理由
があると考えておりまして、この点も部内では昨年からすでに検討いたしておるわけでございますけれ
ども
、先ほど来政務次官からお話がございましたように、基
本法
の問題もございますので、全体として
中小企業
の定義のきめ方をどうしたらいいかということについて、現在検討中の段階でございます。あるいはこういつた資本金の額を上げるという形できめるのがいいか、あるいは多少やはり業種の
実態
に応じて
中小企業
というもののあり方というものが違っておるのじゃないかと思う点もありますので、同じ製造工業にしましても一律にきめるのがいいかどうか、その辺も含めて検討いたしたいと思っております。
中田吉雄
75
○中田吉雄君 私不勉強ですが、この三百人というのは当初からですか。変わっていないですか。
大堀弘
76
○
政府委員
(
大堀弘
君) 私の記憶違いございませんければ、ただいま申し上げました
法律
に関しては変わっておりません。
中田吉雄
77
○中田吉雄君 三百人ということでも、これはオートメーション化して近代的な施設のところでしたら、もうこれは巨大産業となっておりますし、なかなか実情に合わぬと思うのです。ことに問題になります
中小企業
金融
というのは、これはたしか昭和二十八年の二月の大蔵省の通達で、現在のように信用金庫や
相互銀行
は一千万を最高限度とする、
中小企業金融公庫
も一千万、国民
金融
公庫は個人が二十万、法人が五十万、
例外
が百万とか二百万ですが、これではもう実情に即しない。ですから私たちも若干あちこち世話を頼まれたりするのですが、一行ではできぬものですから、こっちの銀行、あっちの銀行、所要
資金
をいろいろの形でやって、むしろ借り入れコストは高まるというようなこともありますし、これは昭和二十八年の二月ですよ、私の調査では大蔵省の通達でそういうふうにきまっておる。十年一日といいますが、もう十年近くも、この大きな転換期に
中小企業
の、
実態
に私は、はなはだしくそぐわないと思うのですが、大蔵省等でも特に信用金庫や
相互銀行
等の要請もあって検討しているやに承っておりますが、その
関係
はどうですか。
大堀弘
78
○
政府委員
(
大堀弘
君)
相互銀行
等におきましても、やはり
貸付
限度を上げてもらいたいということの要望がございました。私
ども
も受けております。大蔵省のほうにもお話がございます。私
ども
としても銀行局と話し合っておるわけでございます。
方向
といたしましては、やはり先生御
指摘
のように、私
ども
も定義を改定しなければならぬと思いますが、同時に
貸付
限度についても引き上げなければならぬというふうに考えておるわけでございますが、私
ども
の立場から多少問題がございますのは、先ほど、どなたかの御
質問
に関連いたしますが、結局、あまり一挙に上げてしまいますと
資金量
の
関係
から、低いところに薄くなってもいかぬという配慮もいたしまして、その辺も考慮しつつ、何か解決の
方法
があるのじゃないかと思って、今検討しておるわけでございます。
方向
としましては私
ども
上げなければならぬというふうに考えておる次第でございます。
中田吉雄
79
○中田吉雄君 ただいま長官の言われたように、
資金量
との
関係
なしにやるとこれは偏在するのですから、各党が用意しておられる
中小企業
基
本法
でも、すでに五千万とか、あるいは人員にしてもみな大きくやっている時代ですから、
政府
としても内外の
情勢
の
変化
に伴い、昭和二十八年の大蔵省通達で今、間に合わせようということは非常に新しい
事態
にそぐわぬじゃないか、これを至急に私は検討していただきたい点と、各
中小企業向け
金融機関
あるいは開発銀行の
地域
開発の相互
関係
というような点も、私は区画整理をもう一ぺんやらないといろいろ問題——もう時間がおそくなって、私はやりませんが、実際われわれが頼まれてやってみて、これは農林漁業のためだ、
中小企業
はだめだと言って、借りに行ってみれは——というようなことで、これは区画整理を十分新しい
事態
に即応してやらねばいけぬじゃないか、この点と、それから先に田畑議員からも
質問
がありましたが、
商工中金
等の金利なんかで、農業
関係
と比較して
中小企業向け
の
金融
が非常に不利だ、農業は原始的な産業ですからなかなか金利は安くしてありますが、ところが農業でも農産物を取り扱うような関連が、たとえば倉庫なんかを例にとってみますと、二年据え置き十五年賦です、まあ十七年くらいです、十七年が最低なんです。ところがこの
中小企業
のこれを見ますると、これはもう据え置き期間といい非常に短くて五年なんです、返済がです、事情によって七年まで。これは育成過程を対象にする、あるいは畜産物、家畜等を飼育する段階でしたら、あるいは森林を育成するような長期のものはともかく、できた農産物を流通過程に持ち込むようなこの農林漁業
金融
は、
中小企業
金融
のこれに比べてはなはだ
条件
がいいのです。これはもうけたはずれなんです。二年据え置き十五年賦、事情によってはもっと長くなるというようなのに比べて、これは事情によって七年くらいまで——やはり、これは開発銀行は十年くらいでしょう。もっと大きな大規模な産業でいろいろ資本金を調達する有利なのでも十年、あるいは事情によってはもっと延ばす。
中小企業金融公庫
は一年据え置き五年以内ですか、事情によっては七年というようなことは、そういう
条件
も農林漁業の家畜を買ったり作物や森林を育成する段階は別ですが、できたものをやることについては、これはひとつ
政府
としても検討していただくべきじゃないか、これ森次官いかがでしょう。
森清
80
○
政府委員
(
森清
君) これは中田先生の御
指摘
のとおりでございまして、われわれもかねがねこの矛盾は気がついているのでありますが、何とかして先ほどお話のありました、新しい段階にきての
中小企業
に対する
金融
のあり方等も含めて解決いたしたいと、常々考えておる次第でございます。
中田吉雄
81
○中田吉雄君 もう時間がありませんので……。私はやはりこの
中小企業
の持つ日本
経済
における
重要性
から、この
中小企業
の定義をもう一ぺん再検討していただき、新しい
事態
に合うようにし、
資金量
を含めてこの
条件
を、早急にやはり
中小企業
を近代化し再編成できるような
方向
にしていただくことが——そういうことの一環としてこういうのが出るわけなんですが、これでは
大堀
長官弥縫策ですよ。そういう点ひとつ御検討いただきたいことを希望して私の
質問
を終わります。 それから、
中小企業
金融
の現状というりっぱな資料ができておるのに、
質問
済まぬとなかなかくれぬのです。これはひとつ、そう意地悪い
質問
をいたしませんし、ちゃんとこういう要綱やなんかだけでなしに、トラの巻は自分だけ持っておっているということでなしに、まあそれくらいなひとつ勉強の機会も与えるような配慮をお願いしておきます。
武藤常介
82
○
委員長
(
武藤
常介君) 他に御
質疑
はありませんか。……他に御発言がなければ両案の
質疑
は終局したものと認めて御異議はありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
武藤常介
83
○
委員長
(
武藤
常介君) 御異議はないと認めます。よって両案の
質疑
は終局いたしました。 なお、両案の討論採決は都合により次回に譲ることといたします。 別に御発言がなければ、本日はこれにて散会いたします。 午後三時四十六分散会 —————・—————