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1962-02-22 第40回国会 参議院 商工委員会 第6号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十七年二月二十二日(木曜日)    午前十時三十九分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     武藤 常介君    理事            川上 為治君            剱木 亨弘君            中田 吉雄君            牛田  寛君    委員            上原 正吉君            大泉 寛三君            吉武 恵市君            阿部 竹松君            岡  三郎君            近藤 信一君            椿  繁夫君            吉田 法晴君            田畑 金光君   国務大    通商産業大臣  佐藤 榮作君   政府委員    経済企画政務次    官       菅  太郎君    通商産業政務次    官       大川 光三君    通商産業大臣官    房長      塚本 敏夫君    通商産業省通商    局長      今井 善衛君    通商産業省石炭    局長      今井  博君    通商産業省鉱山    保安局長    八谷 芳裕君    建設省河川局長 山内 一郎君    建設省住宅局長 斎藤 常勝君   事務局側    常任委員会専門    員       小田橋貞寿君   説明員    通商産業省繊維    局繊維輸出課長 亀井 義次君    自治省行政局行    政課長     岸   昌君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○産炭地域振興事業団法案 (内閣送  付、予備審査) ○産業貿易及び経済計画等に関する調  査  (米国綿製品輸入賦課金問題に関  する件)  (地盤沈下問題に関する件)   —————————————
  2. 武藤常介

    委員長武藤常介君) これより商工委員会を開会いたします。  本日は、産炭地域振興事業団法案について提案理由説明を聴取いたしましたのち、米国綿製品輸入賦課金問題、石炭問題、地盤沈下問題等について調査を行ないます。  なお、理事会におきまして、綿製品輸入賦課金問題について、本委員会において決議を行なうこと及び本件に関する決議案委員全員提案により本会議に提出することについて意見の一致を見たので、この際報告いたします。  それから、通産大臣は十一時二十分まで本委員会に出席することになっておりますので、あらかじめ御了承を願います。   —————————————
  3. 武藤常介

    委員長武藤常介君) それでは、産炭地域振興事業団法案議題とし、提案理由説明を聴取いたします。佐藤通商産業大臣
  4. 佐藤榮作

    国務大臣佐藤榮作君) 産炭地域振興事業団法案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。  エネルギー革命進行に対応し、石炭鉱業は、炭価の千二百円引き下げ、五千五百万トンの出炭の維持という合理化基本路線に沿いその経済性を高めるため、スクラップ・アンド・ビルト政策を根幹とした合理化対策を推進しております。  このような石炭鉱業合理化の過程において、炭鉱終閉山過剰雇用の縮小は不可避であり、これに伴う石炭関連産業の衰退、炭鉱離職者の発生及び滞留、石炭鉱害放置等の事態が産炭地域に生ずることは避けられないのであります。しかも従来産炭地域経済は、石炭鉱業に対する依存度がきわめて高く、石炭鉱業とその盛衰をともにしてきたのでありまして、石炭構造的不況のもたらす影響は、地域によりましてはまことに深刻なものがあります。  政府といたしましては、つとに炭鉱離職者に対しては、広域職業紹介緊急失業対策事業等一般失業対策のほか、雇用の転換、移住の促進住宅確保等のための特別の対策を講じて万全を期し、また鉱害問題につきましては、鉱害復旧事業促進等により、被害者保護環境整備に努めております。  しかしながら、これら対策のみでは、消極的に産炭地域社会的混乱を防止するにとどまり、積極的に産炭地域安定的発展をはかることは困難であります。  日本経済の均衡ある成長を期するためには、地域的にも均衡のとれた成長をはかることが必要で、産炭地域経済疲弊の深化は、経済成長の隘路となるおそれがあります。  このような見地から、撤収される石炭産業に代替する新たな鉱工業等を誘導することによって産炭地域経済水準の低下を防止し、さらにはこれをより高めていくことが肝要となっているのでありまして、先国会において成立をみた産炭地域振興臨時措置法立法趣旨もこのような意図に出るものにほかなりません。  上述のごとく、産炭地域経済の著しい疲弊を防止し、さらにはその安定的発展をはかるためには、産炭地域において他の新たな鉱工業等振興することが必要であり、工場用地等産業関連施設整備、国税、地方税等税制上の減免措置、あるいは企業資金確保等助成措置により、鉱工業等進出しやすい環境を造出することが肝要であります。税制面につきましては、産炭地域振興臨時措置法及びこれに関連する立法措置により若干の優遇措置が講ぜられることとなりましたが、施設整備資金確保等につきましては、従来一般的な対策のほかには、特別の対策は十分でなかったのであります。  企業誘致のための環境整備は、本来は地方公共団体の担当する分野が多いのでありますが、産炭地域地方財政の現況にかんがみ、疲弊度の著しい産炭地域における鉱工業等振興を緊急に、かつ、効果的に促進するためには、この際、国家資金を投入して重点的に環境整備促進及び誘致企業に対する助成を行なうことが適切であると考える次第であります。  この法律案は、このような考え方をもととし、産炭地域振興施策推進機関として、特殊法人である産炭地域振興事業団を設立し、工業用地造成企業資金貸付等業務を重点的に行なわせることとし、その性格組織及び業務に関して必要な規定を定めたものであります。  この法律案内容の第一は、事業団性格及び組織についてであります。事業団は、この法律に基づく特殊法人としての性格を有することとし、その役員として理事長理事及び監事を置くことといたしております。また事業団の監督は、通商産業大臣がいたすこととしております。  第二点は、事業団業務内容であります。  事業団業務内容は、大別して次の二つであります。その一は、産炭地域振興に必要な工業用地造成及びこれと関連を有する工作物の建設並びにこれらの管理及び譲渡であり、その二は、同地域振興に必要な鉱工業等を営む事業者に対する設備資金の貸付けであります。  なお、事業団は、工業用地造成及び鉱工業等振興に必要な調査に関して業務の委託を受けることができる旨を規定しております。  その他事務所の設置、名称の使用制限業務方法書の認可、借入金等に関し、通常の事業団に関する法律案に盛られる規定と同趣旨規定をいたしております。  以上が、この法律案提案理由及びその要旨であります。  何とぞ慎重御審議の上御賛同下さいますようお願い申し上げます。
  5. 武藤常介

    委員長武藤常介君) 本案の質疑は都合により後日に譲ります。   —————————————
  6. 武藤常介

    委員長武藤常介君) 次に、産業貿易及び経済計画等に関する調査議題といたします。  まず、米国綿製品輸入賦課金問題に関し調査を行ないます。  質疑のおありの方は、順次御発言を願います。
  7. 中田吉雄

    中田吉雄君 綿製品の長期取りきめにからみまして、まず、その前に、佐藤大臣にお伺いいたしたいのですが、賦課金構想につきまして、大統領関税委員会に諮問いたしましたのが三十六年十一月二十一日である。ところがその前に、三十六年の十一月二日から四日まで箱根会談がございまして、特に対米貿易アンバランスの是正、そして綿製品に対する長期取りきめ等について、新聞紙上で拝見しますると、だいぶ御努力していただいたようですが、ホッジス商務長官あるいはフリーマン農務長官もお見えだったようですが、箱根会談の直後、箱根会談が十一月二日から四日まであって、帰って、三十六年の十一月二十一日に箱根会談に来たフリーマン農務長官大統領相殺賦課金をかけるべきだという勧告をして、それを受けて今てんやわんやの大騒ぎになっているのですが、伝え聞くところによると、数千万の接待費を使って、アメリカ側は来年度持ち回りにやっても、これほど経費をかけた会議はよう持たぬと言われるほどやっても、ジュネーブ会議におけるグロウス方式といい、賦課金構想といい、箱根会談に対して、日本の非常な御努力されたことに対して、ほとんど反応がない。いわば食い逃げのような形ですが、特に佐藤大臣は、少なくとも日本が買うものの八割程度は、八〇%程度は対米輸出ができるようにアンバランスを是正してもらいたい、すべきだというようなことがあったのですが、その直後に賦課金構想といい、グロウス方式といい、ほとんど日本側主張に対して一顧も与えていないような点ですが、どういうふうな御所見でしょうか。
  8. 佐藤榮作

    国務大臣佐藤榮作君) 一国の施業は、その国の政府が中心になって立案推進していくことは当然でございます。私どももそういう意味で、日本産業拡大また貿易推進等について、政府としても責任を持ってただいま施策を推進しておるわけでございます。この観点はいずれの国においても同様だろうと思います。その立場に立ったときに、しばしば両者の主張が衝突することがございます。ところで、ただいま箱根会談お話が出ておりますが、繊維についての特殊事情というものが一つあるわけでありまして、繊維に関しては昨年の夏すでに短期の取りきめをいたしました。しばしばその際にも指摘いたしましたように、日本繊維輸出について当方自主的規制で、そうして貿易を続けていきたい。その間に第三国が非常に進展を来たして、せっかく日本が協力的な自主規制をやったにかかわらず、第三国進出が目ざましい。その第三国進出実情、その現状をデータにして将来の輸入を考えるということでは、日本の場合は正直者がばかを見たということになるので、だからこれについての特別な工夫をしろ、こういうことで繊維短期取りきめに際しては、日米間だけで特別な取りきめをいたしまして、一応の処置がついたのであります。この処理がついたことについては、業界自身も不満とは申せ、一歩前進したということで明るい希望を持ったわけであります。同時にまたその後箱根会談が行なわれ、当方主張も十分述べ、相当の理解を得た、かように私どもは考えたわけでございまして、その主たるものが繊維製品貿易拡大というような具体的な話はいたしておりませんが、いわゆる日米間の貿易拡大、ことにAID資金使用等について、日本日本としてこれに割り込む、これに参加が可能ではないか、こういうような実は主張をして参ったのであります。少なくとも最終的な了解を得たとか、あるいは結論に達したとは思いませんが、当方の本来の主張は十分述べることができた。また相手方の主張もその会議を通じて聞くことができた、それぞれの立場についての認識を双方が深めることができた、かように思い、これがいわゆる箱根会談としては一応の成功ではないかと実は申しておるわけであります。ただ今数千万円というようなお話が出ておりますが、まあ数千といえば複数なら数千ということになるのかと思いますが、そう私は予算も多額のものを消費したとは思いません。普通の状況国際会議のように実は思います。これはしかし当方の関係でございませんから、それは幾ら使ったかは私は申し上げることはできませんが……。
  9. 中田吉雄

    中田吉雄君 二、三千万円使った。
  10. 佐藤榮作

    国務大臣佐藤榮作君) ただ弁解がましくなりますが、その後の経過を見ますと、短期繊維品の取りきめ、その際に当然予想された今回のジュネーブの長期取りきめというものがある。それから今御指摘のように、フリーマンが帰った後に、直ちに賦課金問題が起きた。これは私どもとすれば非常に意外に思ったのであります。しかし相手国アメリカ法律事情等をよく調べてみますと、農事振興法ですが、その二十二条等によると、こういうことは可能な手続でございますし、また業界の一部の論議を待った結果だろうと思います。ただいまそれも公聴会段階にきておる。まだ結論は出てはおりません。しかし今回のジュネーブ会議を通じまして、在来からの日本主張、ことにアメリカ輸出する各国賦課金問題については共通の損害をこうむるという立場から、共同しての正当な主張をしたということで、長期取りきめについて一応私どもも不十分ながらも、ある程度主張を達し得た、かように実は考えておる次第でございます。そこで、この長期取りきめに入ります前に、賦課金問題については強く私ども反対の意を表明し、また各国ともほぼ同様の主張をいたしております。しかし、長期取りきめは長期取りきめとして、これをひとつ成案を得ようという努力をして、これができて、松村繊維局長も帰ってきたわけであります。もちろんまだ最終的にはこれを政府が了承したという案までにはなっておりません。  そこで、ただいま賦課金公聴会進行状況等から見て、賦課金問題がどんな結論が出るか、その結論の模様を見た上で一応最終的態度をきめたい。かねてから主張しておりますように、賦課金については絶対に反対、そういうものが課されるならば、長期取りきめというものは意味をなさないという強い主張をいたしております。賦課金を課するということが、向こうの国内法でできることにしても、日本としてはあらゆる機会をとらえてこの不当をなじる、その撤回方を要求する、こういう態度を実は堅持いたしておるわけであります。そこで賦課金以外の問題については、AID等も、ハミルトンさんが来ていろいろ話をしたが、どうもAIDは進まないじゃないかという一部の危惧がございまして、パキスタンの肥料の入札については、その半分について日本も参加できる、これは正式に決定いたしたのでございます。そういう面から見ますと、順次、日本実情なり立場についても理解してくれるのじゃないか、かように私は思います。だから全然効果がないわけではないのでございます。当然、冒頭に申しましたように、一国の産業はその国の政府責任をもって推進している。ここに、アメリカにはアメリカ主張があり、日本には日本主張もあります。理解もさることでありますが、本来の主張がそれぞれの政府にあるのだ、これだけはお互いに間違いなく認識する必要があるだろう、かように思います。
  11. 中田吉雄

    中田吉雄君 時間がありませんので、この問題をもう少し……、日米会談の結末や対米貿易については、時間のほうも十分あるときにやりたいと思いますが、このジュネーブ会議を通じてこういう外電が入っているのです。日本が強いことを言っているけれども、途中には、大局的な見地というようなことから折れてくるのだ、伝統的な対米追随外交等からそういう外電も流れて、はなはだ心外に思う。が自主規制をやっても、それは制限と思わぬ、自主規制をやることが日本の得だからやっているので、それは制限とはみなさぬ。ですから、この会議に行った日本紡績協会の皆さんがもっとドライに、大局的見地というようなことではなしにやるべきだということを痛感したと言われておるのですが、まあその問題は例にしまして、そういう点が私は非常に問題だと思うのですが、佐藤大臣は対米貿易を、輸出輸入の八割ぐらいを出したい、こういう要請をされたやに伝えていますが、通商局長来ておられるのですが、一月から九月ごろまでに大体八億ぐらいの対米貿易入超だと思うのですが、本年度は大体年率にすると対米輸出入はどういうふうになり、その中で綿製品繊維製品はどうなっているか、その点、簡単にひとつ。
  12. 今井善衛

    政府委員今井善衛君) 一月から十月までの輸出入の実績でございますが、ちょうど八億五千万ドルの入超になっております。輸入が十九億七千七百万ドル、輸出が十一億二千六百万ドル、八億五千万ドルの入超年度を通じてのことはまだわかりませんが、四月からことしの三月ということになりますと、おそらくこの入超は幾らか減りまして、七億五千万ドルくらいの入超になるのじゃないか、かように考えております。そのうちの綿製品の占める割合というのは今ちょっと資料を持ち合わしておりません。
  13. 中田吉雄

    中田吉雄君 わからんですか、大体のところ。きょうは綿製品の問題をやるからと……。じゃ、あとでいいです。じゃ、あとで……。  それでは時間がありませんので、短期取りきめは、これは内容検討しても、全面的に敗北といってもいいほど日本外交の惨たんたるまあ結果になったと思うのです。そこで今度は何とかして短期取りきめの不利を是正したいというようなことで、この長期取りきめができたのですが、簡単に日本が持って行った案と今度できた協定とのまあ比較ですね、たとえば三年の取りきめを持って行ったのに五年になったとか、いろいろあるんですが、その主張がどの程度これに盛られ、そして大体これでどの程度対米あるいはEEC等輸出が伸びるかというようなことを、ひとつ簡潔にお願いいたします。
  14. 佐藤榮作

    国務大臣佐藤榮作君) 事務当局から説明させますが、その前にひとつ申し上げておきたいのは、ただいま非常にデリケートな段階になっております。で、おそらくいずれの国もが自国に有利な取りきめだということを申しておるに違いない。アメリカアメリカアメリカに有利だというし、日本日本に有利だと申しております。それがどうもそのまま出せない国内情勢にございます。その点も一応御了承おき願いたいと思います。で、私ども今考えておりまするのは、いわゆるアメリカのグロウス・フォーミュラーというものはアメリカは引っ込めた。そこで新しい方式をとる。それから一年ごとにやはり少しづつふやしていくといいますか、五%づつ伸ばしていく。それで最初の年はこの伸ばす基礎になる数字のとり方がひとつ問題があるのですけれどもその五%を伸ばす、翌年は一応がまんをしても、第二年目になれば必ず五%ふやす、こういうような取りきめがございます。この運用が将来一つ問題になると思います。たいへん簡単な点を申しますが、私はそういうことで将来の拡大には役立つと、しかしこれはそのままやれないで、やっぱりぶつかっていく必要がある。それからもう一つの点は、在来繊維品全部についての再検討をして、一括処理方法でございましたが、今度の協定ではいわゆる特にアメリカ産業影響を与えておる品種についてのみ今申すような再検討をする、こういうことになっておりますので、その点でもやや楽な気持じゃないか、かように思います。大体そんなことでひとつ御了承いただきたいと思います。
  15. 中田吉雄

    中田吉雄君 まあデリケートな事情にあるので了解しますが、ワシントンの電報を見ると、やっぱりアメリカは非常にこの協定満足の意を表して——まあいろいろ賦課金の問題や互恵通商等の何もあると思うのですが、その中にほとんど現状維持でいける、現状維持の線で押え得る、そして長期取りきめの結果、輸出に対して商品別輸出自主規制をやれる重要な点を勝ち取った、こういう二点を盛んに米政府は強調して満足の意を表しておるワシントン電新聞にたくさん出ているのですが、これはまあかけ引きもあると思うのですし、国内対策もあると思うのですが、グロウス方式なんかで一喝食らわせられておったので、それがなくなったから非常に成功したように——そういうことにはならぬですか。実際ふえるのでしょうか。その点がまあ基準年度とり方や、いろいろあると思うのですが、アメリカは大体五カ年間現水準に抑え得るのじゃないか、こういうことを言っておるのですが、その点はどうですか。
  16. 佐藤榮作

    国務大臣佐藤榮作君) これが一番双方見通しとして国民に訴えておる点だと私は思いますが、今申しておる賦課金問題、これはまず除くことが第一でございます。その賦課命問題を有利にさすという場合には、今回の取りきめがアメリカ側に有利にできておるというのは、アメリカ側としては断然宣伝したいことだろうし、私どもはまた賦課金問題とデリケートなつながりがあるから、実は慎重に発表を差し控えておるわけであります。業界から行かれた人なども、実際の運用において、今回の取りきめならば、アメリカ業界十分話をすることができる、当方主張をその会合を通じて述べ縛るということで、拡大方向への自信は持っておるようであります。ことにその特殊な品種そのものについての問題があり、その他のものについてのいわゆる自主規制という問題がまあ緩和されますというか、そういう形になっておるので、そこらに新しい品種進出可能だろう、こういうところに期待を持っておるようでございます。これはまあ今の段階で、私どもはいずれ明確に申し上げる時期がくると思いますが、第一段はあらゆる方法賦課金を課さないように、この方向にぜひとも結論を出したいと思うし、そうしてそれから後の貿易の実態は今回の通商取りきめによりまして十分効果を上げ得ると、かように私は確信をしております。
  17. 中田吉雄

    中田吉雄君 まあこのキーカントリー制というような、主要国が調印するかしないかによってこれが発効するという条件のキーカントリー制が採用されなんだ。ことに私はEEC等がこういう後半の段階に入ったり、国際市場が大きな再編成の時期に、三年という主張を五年の長期取りきめにしたというような点は、非常に問題じゃないかと思うのですが、どうです。
  18. 佐藤榮作

    国務大臣佐藤榮作君) 期間が長いということは、その間にいろいろ変わるだろうから、まずいじゃないか、これは一つのりっぱな見解かと思います。しかし同時に、せっかく軌道に乗るものなら、そうしてただいま申す五%増加という、これを実施するということが、可能なら、いわゆるいざこざはあまり起こさないで、長期の見通しを立てることが産業には一つ安定感を与えるということになると思います。これは利害得失はそれぞれあるので、私はそう、まずいと、こう結論を出すほどのことではないように思います。
  19. 中田吉雄

    中田吉雄君 三年目に情勢によって再検討するという条項も入っておりますが、大きな私は国際繊維市場の変革の時期には、やはり日本が当初主張しておった三年のほうがいいのじゃないかと思います。まあその点は別にしまして、アメリカは、第三条が、市場撹乱のときの保護措置というものがとにかく非常にアメリカにとって有利なんだ、これが一方的にしかもやり縛るような点で——この点どうですか、具体的に、第三条……。
  20. 亀井義次

    説明員亀井義次君) それは第三条で、非輸入制限国のマーケット・ディスターバンスが起きたときにどういう工合にそれを制限するかという規定になっておるわけでございます。それでその場合にはまず、そういう市場撹乱を艇こしている国に申し入れしたりして、具体的にデーターを出しまして、さらにそれをジュネーブの今度できました綿製品委員会に付託しまして検討するということになっております。
  21. 中田吉雄

    中田吉雄君 しかし話がつかぬときには一方的にやるでしょう。
  22. 亀井義次

    説明員亀井義次君) それでもなお話がつかぬときは、これは輸入国がやるということになっておりますけれども委員会で議論するということで一応検討されることになっております。
  23. 中田吉雄

    中田吉雄君 時間がありませんので、この賦課傘構想というものは、この長期取りきめの根本精神、並びに第二条の第二項ですか、やはりこれは違反じゃないかと思うのですが、その点どうでしょう。
  24. 佐藤榮作

    国務大臣佐藤榮作君) 賦課金の問題は、ガット考え方から申しますと、これはどうも精神的にはもとるものだと、こういうふうに私は思います。だから、私どもガットなりその他の会議を通じて主張するというところは、そこにあるわけでございます。ただ、相手国国内法にこういう場合には可能だということがあるわけです。これちょっと、時間がないのによけいなことを申して恐縮でございますが、この前のアイゼンハワー時代にもすでにそういう話をしたことがあるのです。私大蔵大臣を当時いたしておりました際に、アメリカから参りました商務長官が、どうも賦課金を課さなければならぬように思う、どうだろう、こういう話なんです。そのときに、まことに巧妙な話をしておりますので、それをひとつエピソードとしてお聞き取りいただきたいと思うのですが、その言っておるのは、佐藤君はナイヤガラの滝を知っているか、あの川の左岸はカナダだ、右岸はアメリカだ、そのカナダ領であれば同じ米綿が安く入手できる。八・五セントですか、なんかとにかく安く入るのだ。そうすると、米綿をカナダが輸入して、そしてそこで生擁してアメリカ輸出すればアメリカの業者というものは太刀打ちできないこと、わかるだろう。この短い距離のことを考えれば、あるいは関税を引き上げるとか、賦課金をかけるとかいうことは了承ができるだろう。こういう話をした。それに対して私は、その話だけ聞くといかにももっとものように聞こえるけれども、どうもそのそういう政策をとるなら、日本などはアメリカからだまされたということになるのじゃないか。米綿は安く、そのために綿花借款まで提供する、米綿を買えと言った。せっかく作ったら今度高くするというのじゃ一体何をやっているのかわからない。問題はアメリカ国内の問題じゃないか。国内の二重価格がかような結果を生じているのじゃないか。そういうことの埋め合わせを外国に要求することは、本来の筋が違うじゃないかと言ったら、すっかりあわてまして、なるほど君の言うことももっともだから、まだきまっているわけじゃない。それじゃきまっているわけじゃなければと、こういうことを言って、絶対に反対だということ、を言って、よく話をしてくれということを実は申したことがあるのであります。その長い間の農業とそれから生産業とのこれは一つの国内の争いが出ているわけなんです。その農業保護の結果が繊維業者に非常に不利にそれが動いているというのが現状だと思います。だから、これはもうどこまでも米国の国内の問題として処理さるべきじゃないか。だから本来そういうことは私ども反対するのはこれは当然の理屈がある。痛いとか何とかいうだけじゃなくて、これは不条理だということが言える。そういう意味で、私どもは強く実は主張して参っておるわけでございます。
  25. 中田吉雄

    中田吉雄君 時間がないので一括して質問しますが、まあよもや賦課金がかけられようとは思いませんが、特に現政府の国民の世論を背景にした対米折衝等もあり、しかし、かりにかけられたら一体対米綿製品輸出はどれくらいの減りになるかという点、それからアメリカは農事調整法の第二十二条のウエー・バー条項によるということに根拠を求めているようですが、これは私は佐藤大臣が言われたように、加工度の低い一次産品に言い得ることで、高度なこういう綿製品という加工のものに対してはできないし、先に言いましたように、長期取りきめの第二条の二項ですか、これに明らかに背反するし、そしてまたアメリカ輸出する綿製品は、アメリカの綿ばかり使ったものではない。朝鮮、エジプト綿を混紡したり、なかなかその点、一体何%アメリカ以外の綿花がまざっているかというようなことで、非常に問題があると思うのです。が、そういう点、もし賦課金がかけられたりしたら、この長期取りきめは、伝えられるように調印をしないのかどうか。前も短期取りきめはやらぬ、調印しないと言っておったが、まあ長期取りきめの国際会議に出るのに悪いからというようなことで、泣く泣く調印をした。ところがイギリスは香港との関係もあり、いまだ短期取りきめをしていない、調印していないというようなこともありするんですが、もしかりに賦課金構想が実現した際に、あるいはそれに関連する今申し上げたような点、さらにケネディ大統領は一昨年の七月ですか、大統領の候補に指名される際に、綿の産地であるサウス・カロライナの知事に、自分が指名され当選したら、必ず賦課金構想は実現するということを言明しておるし、そうしてまた通商拡大法との関連公聴会の空気がいいとかというようなことで、いいかどうか、何としてもEECとの接近こそ、アメリカ経済にとって死活的な問題からして、私は繊維局長が帰って来て、実現しない公算が大だというような楽観論を述べられるようなものではない。公聴会の空気とは別個なものになりやせぬかというようなこともあるし、たくさんのことをごたごた質問申し上げましたが、そういうことについてひとつ所信をお伺いして、私の質問をやめたいと思います。
  26. 今井善衛

    政府委員今井善衛君) 賦課金が課せられた場合の綿製品に及ぼす影響につきまして簡単に申しますと、大体現在綿花に対する向こうの補助金は、一ポンド、八・五セントということでございまして、これは逆にその綿製品輸出する場合の関税に換算いたしますと、約一割ということになります。現在の関税は平均いたしまして二割五分でございますので、その上に一割加算される。つまり現行関税の四割——関税が現行関税の二五%が三五%になるわけですか、四割関税が増加されるということになりまして、これに対する輸出影響は、業界筋では大体六割程度減るんじゃないか、かように言っております。私どももそこまで減るかどうか、それは確信はございませんが、非常に大きな影響がある、おそらく半分程度影響というものはあるんじゃないか、かように考える次第でございます。  それからもう一つ農事調整法二十二条のウェーバーの件でございますが、これは先ほど御指摘がございましたように、農産物その他類似のものということになっておりまして、したがいまして、アメリカが確か一九五七年にガットでウエーバーを取りました際に、アメリカのほうは、それによる加工品である綿製品も含むというふうに解釈しておりますけれども、これは私、日本としてはもちろんそういう加工品は含まないし、ほかの各国の解釈もみんな日本に加担しております。したがいまして、法律手続からいいましても、アメリカのそれはウェーバーには当然含まれないし、それをやるとすれば、ガットでもって新たにウェーバーを取るか、何かの手続を要すべきものだ、かように考えております。
  27. 武藤常介

    委員長武藤常介君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕
  28. 武藤常介

    委員長武藤常介君) 速記を起こして。
  29. 佐藤榮作

    国務大臣佐藤榮作君) ただいまの賦課金の問題は、もしかけるということになれば、日本繊維産業並びにそれに関連する産業にたいへんな影響を持つ重大な問題でございます。したがいまして、問題が起こって以来、政府といたしましては、これが対策にあらゆる努力を払って参りました。また同時にこれと取り組む決意のほどは、もう今日まで数回に及んでこれを表明いたしております。今後この成り行きを、もちろんなお努力を続けながら、見守っておる状況でございます。ただいま申し上げるように、私どもの決意が定まっておりますから、その点ひとつ御了承いただきたいと思います。
  30. 田畑金光

    ○田畑金光君 若干私も質問したいんですが、この長期協定というのは国会の承認を経る必要なくして、政府の署名だけで、これはガットの事務局に委託するのですかどうですか知りませんが、行政府の署名だけで効力が発生するものであるのかどうか、まずそれをひとつ明らかにしてもらいたい。
  31. 佐藤榮作

    国務大臣佐藤榮作君) ただいまの国会の承認を経る必要がありやいなやという点は、やや私どももただいま慎重な検討をいたしております。右だとか左だとかいう結論が出ておりません。いずれ結論を出しました上で、国会にかける要があればかける、こういうことになるだろうかと思います。まだ結論が出ておりません。
  32. 田畑金光

    ○田畑金光君 それから中田委員から質問のございました点について、大臣の御答弁は率直そのものずばりと答えておられませんから、もう一度念のためにお尋ねいたしますが、もし今後の事態の推移によって、関税委員会賦課金を課することが妥当であるという勧告を大統領に出した、それをかりに大統領がその勧告をいれた、こういう事態が発生したとするならば、この長期協定に対して政府は拒否するのか、あるいはそれでもなおかつ長期協定に署名してこれをいれるのかどうか、この点をひとつ明確にしておきたいと思います。
  33. 佐藤榮作

    国務大臣佐藤榮作君) ただいま中田委員にお答えしたとおりでございますが、ことに私が付言して申し上げておきたいのは、長期取りきめをいたします際に、冒頭の会議におきまして、当方主張を明確にいたしております。この点を再確認願えればそのとおりでけっこうでございます。
  34. 田畑金光

    ○田畑金光君 明確にすでに冒頭でしておられるというわけですが、それはいろいろ回りくどいお話ではちょっと理解、ぴんときませんので、もしそのような事態が、かりに賦課金を課するような事態が発生した場合には、この長期取りきめには日本は調印しないのかどうか、そのことをそのものずばりと答えていただきたいと思います。
  35. 佐藤榮作

    国務大臣佐藤榮作君) ただいまの情勢のもとにおきましては、そのものずばり調印はいたしません。
  36. 田畑金光

    ○田畑金光君 政府の決意はよくわかりましたが、さらにそれに関連してお尋ねしたいことは、この間の公聴会の折に、日本紡績協会の原会長からドフーマン委員長あてに書簡が出されているわけです。この書簡を見ますると、「もし賦課金を課するというようなことがあるならば、米綿の輸入についても日本は考えなければならない。今後の綿花の輸入については、中東とかアフリカ、中南米諸国あるいはソ連、中共との接近も考えなければならぬ。」、こういうことが書簡の中に載っておりますが、このような報復措置について当然これは業界が自己防衛のためにやむを得ずしてやらなければならぬ手段措置かと考えますが、こういう点について通産大臣としても御賛成であろうかと考えますが、この点についてひとつ御見解を承っておきたいと考えております。
  37. 佐藤榮作

    国務大臣佐藤榮作君) たいへん簡単にお答えするので誤解があると困りますが、これは業界におきましては、現にそういう意向をはっきり述べる方もありますけれども、原委員長のこれは書簡でございます。これは明らかにそういう意向というか、そういう考えを持っている、かように御認識をいただきたいと思います。政府自身がこういう事柄にタッチする実はただいまの段階ではございませんので、これが輸入の実際の問題はこれは消費者である業界の自由選択でけっこうだと、かように思っております。
  38. 武藤常介

    委員長武藤常介君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕
  39. 武藤常介

    委員長武藤常介君) 速記を始めて。  田畑君簡単に。
  40. 田畑金光

    ○田畑金光君 簡単に言っているつもりです。  それでこの点は、もっと詳細に別の機会に大臣にも質問したいと思うのですが、ただ最後に一点だけお尋ねしておきたいことは、松村繊維局長がこの間帰ってこられまして、通産省の省議で、報告されたいというのが新聞記事でわれわれは拝見いたしましたが、長期協定ができたということで、アメリカの世論も相当やわらいできておる、そうしてこれが関税委員会調査等にも相当影響を与えて賦課金を課する可能性というものが八分、二分の状況になったと思う。こういう非常に楽観的な報告がなされておるわけです。ところが昨日私は日本経済新聞に出ております田和紡績協会専務理事の談話の記事を見ますと、「公聴会はあくまで宣伝の場であり、結果そのものではない。米国新聞がわれわれの主張を率直に報道し、日本の言い分も無理がないという印象を一般に与えてくれたことは一応成功と判断できるが、だからといって、賦課金はもう実現しないなどと自分勝手に受け取ることは早計といわなければならない。」、この田和さんの談話をみますと、あくまでもこれは米国の政治的な判断に問題がからんでくるということを指摘しておるわけであります。一方は、非常に楽観的で、もうこれは賦課金が課せられないであろうというようなことを言っておりますし、一方は、非常に慎重にかまえている。こういうようなことは、特に業界に対して指導の立場にあり、あるいは外交ルートを通じ対米外交を通じ、こういう問題については、もっと自主的に強力に推進しなければならない政府部内におきまして、こういう楽観的な意見を放送するということは、私はまさに時期尚早である、かえってこういうようなことが事を仕損ずる結果になりはしないか、こういうことをおそれるわけです。通産大臣はどうお考えになっておるか、やはりこういう楽観的な見通しであるかどうか、明確にしてもらいたいと思います。
  41. 佐藤榮作

    国務大臣佐藤榮作君) 通産省といたしましては、また政府といたしましても、まことに慎重でございます。だからただいまの松村繊維局長お話新聞にどういう考えで出たか私どもはわかりませんが、これは個人的にそれぞれの感覚を持つそれを、どうこう言うことはできないと思います。ただそれが個人の感覚としてお聞き流しをいただきたい。政府並びに通産省といたしましては、慎重でございます。
  42. 川上為治

    ○川上為治君 この綿製品賦課金問題は非常に重大な問題でございまして、私どもとしましては非常な関心を持っておるわけでございますが、この際、米国政府の反省を強く要望するという意味合いにおきまして、この委員会におきまして決議をしていただきたいと思います。  案文を朗読いたします。    米国綿製品輸入賦課金問題に関する決議案   現在米国関税委員会で問題とされている綿製品輸入賦課金については、同国が貿易の自由化を強く提唱推進している建前からして、すこぶる遺憾とするところである。もしこれが実現すれば、わが国の対米綿製品輸出に重大なる影響を与え、関連産業とこれに従事する多数労働者に大なる不安と動揺をもたらし、日米親善関係にも悪影響を及ぼすことになり兼ねない。   よって政府は、すみやかに米国政府に対し、わが国の実情を深く認識し、かつ対米貿易が常にわが方の著しき入超であることを考慮の上、賦課金課徴の方針を直ちにとりやめ、日米貿易の均衡ある発展拡大を図るよう、強力に要請すべきである。   右決議する。  もう趣旨につきましては先ほど来、いろいろ話がございましたので申し上げませんが、何とぞひとつ御替成のほどをお願いします。
  43. 武藤常介

    委員長武藤常介君) 別に御発言もなければこれより採決をいたします。  本決議案に賛成の方は挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  44. 武藤常介

    委員長武藤常介君) 全会一致と認めます。よって米国綿製品輸入賦課全問題に関する決議案は、全会一致をもって本委員への決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し通産大臣から発言があります。
  45. 佐藤榮作

    国務大臣佐藤榮作君) ただいま米国綿製品輸入賦課金に関する決議といいますか、排除の決議がございまして、満場一致で決議を見たのでございます。政府といたしましては、この問題は、わが国の繊維産業並びにこれに関連する産業、またこれに従う人たちにたいへんな正大な影響を与える問題だとかように思いまして、問題が起こりまして以来、あらゆる機会をとらえてこれが撤廃、排除について努力を続けて参っております。今日また本委員会におきましてその決議を見ましたので、政府は、皆様方の御鞭撻によりましてさらに最善の努力をいたしまして、ただいまの決議趣旨は、これを具現するようにさらに努力を続けることを申し上げまして、政府の所見を明らかにいたしておきます。ありがとうございました。
  46. 武藤常介

    委員長武藤常介君) 本件の調査はこの程度にとどめます。   —————————————
  47. 武藤常介

    委員長武藤常介君) 次に、地盤沈下問題に関し調査を行ないます。疑質の通告がありますので、これを許します。椿君。
  48. 椿繁夫

    ○椿繁夫君 大臣お急ぎのようでございますから、地盤沈下の防止対策について簡単にお尋ねをいたします。  第二室戸台風の災害が昨年ございまして、災害対策国会の際にも政府にしばしば所見を求め、また私どもの考えも申し上げて参りました。で、第二室戸による災害が激甚になりました原因が著しい地盤の沈下にあった、この地盤の沈下防止対策が完璧であれば、昨年の大阪市のごときあのような災害を見ないで済んだということはもう明らかになっておるのであります。当時佐藤大臣からも、このような災害を二度と繰り返さないためにトロイカ方式による対策が必要である、その第一は防潮堤のかさ上げである。その第三は地盤沈下の原因を除去することである、すなわち地下水の採取規制を強化することである。で、いま一つは工業用水道を普及し、早期に計画を完成することである。この三本建てのトロイカ方式をもって災害の防止に当たらなけりゃならぬという御答弁をいただきまして、この通常国会でのこれが対策を実は期待をいたしておったのであります。ところが、最近建設省において建築物用地下水の採取の規則に関する法律案というのを準備されつつあるようでございますが、大阪の実情を申し上げますと、夏のくみ上げの一番はなはだしいときは、月大体千二百万トンくらい地下水を建物用と工業用水にくみ上げをいたしております。三十五年の年間は一億三百万トンを実はこえておるのであります。そのうち七六%が工業用水であります。それから建物の冷房用のためにくみ上げをいたしますものが二四%と、こういうふうになっておるのであります。で今後政府でお考えになっております建物用の地下水のくみ上げのほう、すなわち二四%だけのほうに別の法案が用意されまして、七六%という非常に大量の工業用その他のくみ上げ規制についてまだ努力がなされていないようでありますが、これは非常に遺憾なことでございます。そこで、まあ工業用水法というのがございますが、これは大臣も御承知のとおり地盤沈下対策がおもな法案ではございませんで、工業用水の保全をはかり、そうして産業の健全な発達に寄与するというのが主目的になっておる。かたがたまあ地盤沈下の問題についても触れられてはおりますけれども、この政府の御方針としてそういう大量の地下水くみ上げが工業用水にあるということがもう明らかになっておりますから、まだ建設省のほうでも提案されておりませんし、立案の過程において工業用水法の改正をも含めて検討をしていただく御用意がございますか。
  49. 佐藤榮作

    国務大臣佐藤榮作君) 地盤沈下地帯に対する工業用水の確保、これはもうただいま椿さんが御指摘になりましたような三つの方針で進めていくと、こういうことをやっております。しこうしてただいま御指摘になりますように、まあ順次工業用水ができると、いわゆる工業用水道ができる、こういうことになれば、在来の工業用水、地下水も順次それにかわったらどうかと、新しいものはもちろん工業用水道を利用することになりましょうが、今使っておるものについてもそういう方向へ移っていくことを考えたらどうか。もちろんただいまのところでは水道とそれから地下水くみ上げでは価格の点違いがございますから、今のままに放任しておけば、許されておる地域の工業用水のくみ上げ、これが続いて参るでありましょう。そうすることが地盤沈下に影響を来たすということで、それに制限を加えるということが望ましいかどうか、これはもう少し検討を要するんじゃないかと実は思うんです。で本筋から申せばもう地下水をくみ上げることは地盤沈下を来たすんだから、工業用水道ができたら今使っておるものでもそちらへ移るように、行政指導あるいは法律で禁止して、そちらへ全部移せということも一つ考え方だと思います。あるいはまたそこまで行かなくとも、あるいはくみ取りの深度をどのくらいにするか、あるいはくみ上げのパイプの大きさでいわゆる地盤沈下を来たさないで済むような処理もあるんじゃないか、こういうようなことも研究の題目になっておると思います。で今日明確にいたしておきたいことは、在来の通産省の考え方から申せば既得権者は既得権者として権利が確保される、擁護される、そういうことが望ましいんじゃないかということで今日までの経緯として参っております。しかし今回の地盤沈下対策等を考えてみると、在来の通産省の既得権者だからというだけでそれを保護することはややむつかしい状態になってきているんじゃないか、もう一度通産省も地盤沈下と真剣に取り組む、しかも産業影響を与えない工夫をもう一度する要があるだろう、かように思います。きょう椿さんからそういう意味のお尋ねをいただきましたので、あるいは私の答えることがやや的がはずれておるかもわかりません、通産省といたしましても在来の方針を一ぺん再検討さすように私事務当局に命じてみたい、かように思います。
  50. 武藤常介

    委員長武藤常介君) 速記をとめて。   〔速記中止〕
  51. 武藤常介

    委員長武藤常介君) 速記を起こして。
  52. 椿繁夫

    ○椿繁夫君 研究をいただくのはけっこうなんですけれども、工業用水法によりまして、これは三十一年ですか、立法をいただいたのですが、その後明らかになりましたことは、ポンプの口径とか、あるいは井戸の深さとかというふうなもので基準を定めて規制をすれば、沈下には影響はなかろうということで進められてきたのでありますが、その後深層沈下という事態が明らかになってきた、しかも年々データがちゃんと出てきておるんです。一方大阪府市におきましては沈下総合対策協議会というものを各界で作りまして、このことも当局に強く陳情いたしておるわけですが、かたがた、工業用水法とは目的の違った、用途のいかんを問わないで市で条例を作ろうという動きがございます。それが工業用水法の改正のほうに手がつけられなくて一方で建設省のほうでお考えになっておる法案が提案されるということになりますと、市のほうの条例が作れないというようなことにも相なるわけでございまして、私どもが市で条例を作らせる前に工業用水法の再検討と、そうして建物用地下水採取の規制に関する法律案等、一本にして一つお考えをいただくように国の意思を定めていただければ一番幸いだと、こう思っているんですが、重ねて一つ大臣の所見を求めます。
  53. 佐藤榮作

    国務大臣佐藤榮作君) 建設省からもお殖えになっておりますし、政務次賞お答えになるだろうと思います。ただいままでのところおそらく建設省は深さと口径で制限するのじゃないかと思います。いずれにいたしましても、そういう法律案が出る際でございますから、当方にも関係がありますので、御指摘のようにもう一度ひとつ大至急検討してみることにいたしてみたいと思います。その上でもうあまりほっておけない事態でございますから、ただいま御指摘になりましたことも一案かと思いますので、よく関係者とも検討し、通産省は通産省として本来の立場からもう一度再検討することにいたしたいと思います。
  54. 武藤常介

    委員長武藤常介君) ちょっと速記とめて。   〔速記中止〕
  55. 武藤常介

    委員長武藤常介君) 速記を起こして。
  56. 椿繁夫

    ○椿繁夫君 建設省のどなたかお見えになっておりますね……。それじゃちょっとお尋ねをいたしますが、再々あなたのほうで沈下防止対策として建物川の地下水採取規制に関する法律案の準備をされておるようでございますが、ただいま通産大臣からもお話がございましたように、私は災害国会の際にもこれは何とか一本にして、建物用だけの地下水のくみ上げの規制では、これは大阪の場合を申しますとわずかに二四%ですよ、七六%までが工業用水なんですね、一億三百万トンをこえておりますが、これは何か御相談いただいておりますか、あなたのほうと通産省なり自治省なりと。
  57. 斎藤常勝

    政府委員(斎藤常勝君) ただいまのお話しのいわゆる地盤沈下のための建物川の刑水を規制するという問題でございますが、これは今お話がございましたように、前の災害国会におきましても御指摘があったわけでございます。そこで私どもとしましては、まず全体として調整するということが必要だと思いますけれども、その後地盤沈下対策審議会の御答申がありまして、そこにおいて工業用水と建物用の用水とその規制につきましてそれぞれ分けて答申がしてあるわけでございます。その答申の趣旨に従いまして、建物用の用水につきましては早急に規制措置をすべきであるという答申もございましたので、その線に沿いまして、現在の時点においては、まずブランクになっております建物用の用水につきまして規制の立法をすべきであろうということで、法案の準備を進めておるわけでございまして、その間におきまして今お話しのありましたように、工業用水との関係をどうするかという問題がございますけれども、その点につきましては今申し上げましたように答申の中に一定の線が出ておりますのでそれによって措置ができるものと考えて準備を進めてきた次第でございます。
  58. 椿繁夫

    ○椿繁夫君 審議会の答申があることですから、これは尊重していただかなければなりませんが、地盤が下がっておる地域に住んでおる者、またその上に乗っかっておる産業、こういう立場からいいますと、建物用の地下水であろうと工業用水のくみ上げであろうと、それが原因で地盤が沈下するということになりますと、政府のお仕事の分野の違いとか何とかいうことはあまり問題にならぬのであります。ただいまも通産大臣はちょうどそういう問題になっておる際のことであるから、なお相談をして検討をすると言われておるのですが、あなたのほうも審議会から建物用と工業用水とは別々にやったらどうかと言われておるからという、かたくななことを言わないで、何か一本化について、規制を強化していくという態度についてはお考えいただけますね。
  59. 斎藤常勝

    政府委員(斎藤常勝君) その点につきましては、経済企画庁のほうで地盤沈下対策全体につきまして調整をしている次第でございまして、そういう観点からこの法案を出すにつきましても御調整を願っておる次第でございます。
  60. 椿繁夫

    ○椿繁夫君 そういたしますと、これは二百三省にまたがるわけです。国土保全の見地からいいますとあなたのほう、それから行政指導の面からいわれますと自治省、工業用水になると通産省というふうな工合でございますから、これは当然経済企画庁が各省間の意思を統一されて、過度のくみ上げにならないようにということで調整を願わなわればならぬことは、これは言うまでもありません。それで経済企画庁のほうお見えになっておりますか。——この問題につきまして、今建設省で準備しておられる建物用の地下水採取の規制をやられますと、一方大阪市などで考えております条例の設定との関係がございまして、このほうは、建設省のほうが出されて成立するというふうなことになりますと、これは趣旨はもちろんけっこうなんで、賛成なんですけれども、市の条例設定ということになりますと、これは地盤沈下を首的とした法律ができるということになると、これをこえた基準をもってこの条例を定めることができないようなことになる危険を私は感じます。そこで、経済企画庁のほうとしては、そういう地方公共団体の動きもある現状におきまして、すみやかに各借間の意思統一をやっていただく必要があると思うのですが、いかがでしょうか。
  61. 菅太郎

    政府委員(菅太郎君) ただいまの御質問の御趣旨しごくごもっともと存ずるのでありますが、今建設省からお話がありましたように、この審議会の答申は工業用水とビル用水は別にして答申がしてございまするし、将来の規制の体系としてもやはりこの水の帰途がさらに性格的にも違いますから、二本建ての規制をいたすという建前はとりたいと思うのでございますが、その間におけるこの平仄の合うような調整は十分いたして参りたいと思っております。なおこの地方の条例のお話が出ましたが、もちろん一番大きくこの被害を経験しております大阪地区、尼ケ崎地区などの御要望は、十分これは取り入れて密接に連絡をしながら立法措置は進めるつもりでおります。率直に申しまして、今から建設省でビル用水の規制の立法をおとりになりますということですと、御承知のような最近はこの地下水くみ上げを規制しろという御要望が非常に強うございまするし、それから地盤沈下の原因が地下水のくみ上げにあるという、はっきりとした科学的根拠はここ数年はっきりして参りました。ことに先年の災害の実例もございますので、この建設省がおやりになりますビル用水はかなり突っ込んだ内容になる傾向にあるようにも見受けられます。まだ正式の連絡は受けておりませんが、事務的の連絡を見ましても相当な規制をはかられるような方向だと思います。一方通産省のほうの工業用水の関係は、工業用水自体の性格もございますし、まあ工業用水の確保は一日もおろそかにできませんし、一 方工業用水道の建設も進んでおる関係もございまして、ことにこの三十一年の制定でございますから、当時は地盤沈下規制の要望が今日ほどまだ高まっていなかったようでございますし、やや緩慢のそしりを免れない立法ぶりでございまして、ことに規制にあわせて規制をするというような従属目的になっておるようなこともございますので、今日の情勢から見ると、先ほど通産大臣お話しになりましたように、もう一ぺんやはり再検討する段階だと思いますし、いわんやもう少し進んだビル用水体系が出て参ります以上は、それとあわせて再検討の時期だと私どもは考えております。でありますから、この両者をよく勘案いたしまして、均衡がとれ平仄が合いますように、経済企画庁としては調整をいたすつもりでございます。ただ、目下のところ率直に申しまして、建設省のこの御立案の進行度合いは、今法制局とのお打ち合わせの最中でございまして、正式に関係省とのお打ち合わせをいただく段階でもございませんが、これはできるだけ促進いたしまして、なるべく早く協議段階に持ち込みたいと思いますし、あわせて今申しました地方の当局の御意見をも十分くみまして、この条例制定の準備などとの動きとマッチするように慎重を期して参りたい、こういうふうに考えている次第でございます。
  62. 椿繁夫

    ○椿繁夫君 重ねてお尋ねいたしますが、ただいま建設省では法制局とお打ち合わせ中、まだ各省間の話し合いをする段階は今後に残っている、そのときに大阪市等で準備をいたしつつあります条例の内容等も考慮の中に入れて、そうして経企庁としては調整をはかった上で今国会に出すように努力したい、こういうことでございますか。
  63. 菅太郎

    政府委員(菅太郎君) 仰せのとおり、条例制定の動きがございましたら十分連絡をとって参りたい、全体の速度はできるだけ促進するように努力いたしたいと考えております。
  64. 椿繁夫

    ○椿繁夫君 自治省からも、工業用水法が現にございますが、これは、ここに誓いてありますように、「この法律は、特定の地域について、工業用水の合理的な供給を確保するとともに、地下水の水源の保全を図り」、これがもう主目的なんです。それで、しまいのほうにきて、あわせて地盤沈下の問題がちょっと列記されている。そこで、大阪市は政府のほうに何回かこういう要望をしているのだけれども、建設省のほうは建物、通産省のほうは工業用水ということでなかなかこう踏み切れそうにない。いろいろ学者の意見なども聞いた上で、これは条例設定に踏み切る以外にない、公共の福祉を確保するという意味でこの条例設定をやらなければならぬ、またやれるものだ、こういう考えを持っているんですが、自治省としても条例は設定できるものと、こういうふうにお考えになりますか。
  65. 岸昌

    説明員(岸昌君) ただいまの点でございますが、大阪市からは昨年の秋以来引き続き御相談を受けておりまして、私どものほうでもいろいろ研究をいたしているわけでございます。工業用水法並びに工業用水法の改正なり、ただいまのビル用水の規制の法律ができますことが、私どもといたしましても一番望ましいことである、こういう見解は持っているわけでございますが、それが早急に現実の要請に間に合わないということでございましたならば、これは憲法によって与えられました地方公共団体の条例制定権というものを行使いたしまして、それによって地域住民の福祉をはかるということもまたやむを得ないことじゃないかと考えております。ただいまの工業用水法との関連におきまして、条例の制定が可能であるかどうかという点につきましては、法律論といたしましては、私どもは可能である、こういうふうに考えているわけでございます。
  66. 椿繁夫

    ○椿繁夫君 自治省のほうから、条例制定権の範囲に属するものであって、現行の工業用水法からいくと、地盤沈下を防止するために、地下水の過度の汲み上げを用途のいかんを問わず、強力規制を行なうことのできる条例の設定はできると解する、という自治省のお考えですか。これは建設省も経済企画庁と同様にお考えになりますか。
  67. 菅太郎

    政府委員(菅太郎君) 中央の立法と条例との関係になりまして、根本的に中央立法で制限をしておりません範囲の権利義務の拘束まで、条例でやっていいかどうかという問題については、同じ事項につきまして、ちょっと私からも答えかねますので、法制局その他の正確な御意見を徴したほうがいいかと存じます。自治省のおっしゃいますのは、地盤沈下全般を目的とする体制がない、工業用水の部分的、従属的規制を、法律がある場合には、それと違った分野で全般的な地盤沈下のための条例ならば可能ではないか、というふうな事項が出ておるのではないかという御見解のようでございます。そこらにつきましても、一ぺん法制局の意見も確かめたほうがいいのではないかと思うのでありまして、私どものほうでは、あまりはっきりしたお答えをしかねるのでございます。
  68. 椿繁夫

    ○椿繁夫君 これは政務次管、私も実は権威あるあなた方にひとつ伺っておきたいと思っていたのですが、工業用水法の主目的は、やっぱりここに書いてありますように、「工業用水の合理的な供給を確保するとともに、地下水の水源の保全を図り、もってその地域における工業の健全な発達に寄与し、」とこれが主目的なんで、だから大阪市が、とにかく用途のいかんを問わず、条例を作る場合に、この法律と全然目的の違う条例であれば、これは合憲であると私は思っておるのです。ところが、かりに建設省のほうでただいまお考えになっております——これは案ですから、こういうふうにきまったのかどうか知りませんが、この法律は、特定の地域内において建築物用地下水の採取について、地盤沈下防止のため必要な規制を行なうことによりと、こういうような大上段にふりかぶった法律が母法となりますれば、この法律をこえた以上の強い規制を行なう条例を作ることは適法でない、合憲でないと私は解するがゆえに、だから大阪市がどういう条例を作ろうとしておるのかということなどを十分お聞き取りの上、この建設省で御準備中の法律が成立することによって、大阪市の地盤沈下防止対策というものが非常に弱いものになることのないような配慮を、政府としてなされつつ、意思統一を経企庁のほうでやっていただきたい。こういうことを申し上げようとしておるのが私の趣旨なんです。
  69. 菅太郎

    政府委員(菅太郎君) ただいまの御要望はしかと承りまして、御趣旨に沿うようにいたしたいと思っております。とにかくこの問題につきましては、さっき申し上げましたように、従来のいろいろないきさつがあり、かつ、多少二つの法律の体系の上の平仄の合わぬところもございますので、どうしてもこれは調整をせねばならぬ段階でございます。ことに現場に今申しましたように強い御要望もございますから、さらにその御要望も加えまして三つのものがうまく調子が合うように事を進めていかねばならぬと考えておりますから、私どもとしましてもそういう意味から、現地のほうが立法的に条例制定にあまり先走らぬようにも実はお願いしたいと考えておるのですが、決してぐずらぐずらとしていいかげんに放っておこうとは思いません。速急に対策を立てたいと思いますが、十分大阪兵庫県等にも連絡をとって進めたいと思います。
  70. 椿繁夫

    ○椿繁夫君 できればこれは地盤沈下を防止するための法律ができることを、大阪市などでもたぶん望んでおると私も思うのでございます。ですから先走らせぬように行政指導を自治省のほうにお願いをしなければなりませんが、日々下がっておるのですからね。三十五年度、六年度全市域にわたって、少ないところで十センチ、多いところは二十センチも沈下をしておる。こういう議論をしている間に下がっておるのです。だからそれをひとつ企画庁の政務次官言われますように、建設省のほうもひとつそれこそ先走りして、大阪市の条例を設定しようとする意思よりも弱い規制に終わって、条例設定さえもできないようなことになることのないように、十分ひとつ御配慮をいただきたいと思うのです、建設省のほうも。  通産政務次官も大体経験企画庁政務次官と同じお考えでしょうか、お尋ねをいたします。
  71. 大川光三

    政府委員(大川光三君) ただいま椿委員からるる大阪の実情をお述べになって、地下水採取の規制その他の御意見がありました。私も現実に大阪に住まっております関係もございまして、全く同感でございますので、通産省の立場としても善処をいたしたい、かように思います。
  72. 椿繁夫

    ○椿繁夫君 両政務次官からの、これは政府を代表しての御答弁だと思って本日は満足をいたします。  で、自治省にお願いをしておきたいのですが、あなたのほう、一月三十一日にこういう、大阪市などで条例設定の動きもあるしするから、十分かくかくのことについて、立案にあたっては、ひとつ注意してもらいたいということを述べておられます。「建物用地下水のみでなく工業用水、温泉その他のすべての地下水の採取を規制すること。共準に適合しない地下水の採取は、全面的に禁止すること。適用の猶予期間は、建築物川地下水については指定の日から六月程度、工業用水については工業用水の給水可能になったときから六月程度に短縮すること。」ということを自治省の意見として出しておられますが、これをひとつ強力に推進してもらいたい、あなたのほうは。今幸いに三省とも各方面の意見を聞きながら、国会提案までにひとつ調整をはかりたいという御意見のようですから、あなたのほうもこの方針でひとつ大阪市の沈下を、一日も早く沈下の防止ができるように強力な指導と発言とを望んでおきますが、いずれ機会がありますれば、大臣に直接申し上げることにいたしたいと思います。  私の質問はこれで打ち切ります。
  73. 武藤常介

    委員長武藤常介君) 他に御発言がなければ、本件の調査は本日はこの程度にとどめます。  議事の都合により、本日はこれにて散会いたします。    午後零時十二分散会