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1962-04-26 第40回国会 参議院 建設委員会 第26号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十七年四月二十六日(木曜日)    午後一時三十八分開会   —————————————   委員の異動 四月二十四日委員小山邦太郎君、小沢 久太郎君及び田上松衞辞任につき、 その補欠として井野碩哉君塩見俊二 君及び松浦清一君を議長において指名 した。 四月二十五日委員井野碩哉君塩見俊 二君、亀田得治君及び松浦清一辞任 につき、その欠補として小山邦太郎 君、小沢久太郎君、田中一君及び田上 松衞君を議長において指名した。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     大河原一次君    理事      田中 清一君            徳永 正利君            村上 春藏君            木下 友敬君    委員            稲浦 鹿藏君            小沢久太郎君            太田 正孝君            三木與吉郎君            米田 正文君            内村 清次君            田中  一君            田上 松衞君            小平 芳平君            村上 義一君   衆議院議員    建設委員長   二階堂 進君    建設委員長代理    委員      倉成  正君    発  議  者 相川 勝六君    国 務 大 臣    建 設 大 臣 中村 梅吉君    国 務 大 臣 藤山愛一郎君   政府委員    経済企画庁総合    開発局長    曾田  忠君    建設省都市局長 前田 光嘉君   事務局側    常任委員会専門    員       武井  篤君   説明員    経済企画庁総合    開発局参事官  玉置 康雄君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○都市美観風致を維持するための樹  木の保存に関する法律案衆議院提  出) ○国土調査促進特別措置法案衆議院  提出)   —————————————
  2. 大河原一次

    委員長大河原一次君) ただいまから建設委員会を開会いたします。  都市美観風致を維持するための樹木保存に関する法律案を議題といたします。まず提案理由説明を願います。二階堂衆議院建設委員長
  3. 二階堂進

    衆議院議員二階堂進君) 都市美観風致を維持するための樹木保存に関する法律案提案理由説明いたします。  ただいま提案になりました都市美観風致を維持するための樹木保存に関する法律案につきまして、提案理由及びその要旨を御説明申し上げます。  従来、都市内の樹木等保存に関しては、史跡名勝天然記念物保安林等を除いては、特別の法制上の措置はとられていない現状でありますが、最近都市におきましては、ビル等の建築に伴って樹木が年々滅失しつつあり、また大気汚染排気等により樹木枯損している実情にかんがみ、都市美観風致を維持し、都市の健全な環境の維持及び向上をはかるためには、少なくとも一定の大きさ以上の樹木または樹木集団について、積極的にその保存措置を講ずる必要があると考えられるのであります。  以上がこの法律案提案いたしました理由でありますが、次にその要旨を簡単に御説明申し上げます。  第一に、市町村長は、都市計画区域内において、美観風致を維持するため必要があると認めるときは、一定樹木または樹木集団を、保存樹または保存樹林として指定することができることといたしております。  第二に、市町村長は、保存樹または保存樹林について、滅失、枯損等によりその指定理由が消滅したときは、その指定を解除しなければならないこととし、または公益上の理由その他特別な理由があるときはその指定を解除することができることといたしております。  第三に、所有者は、保存樹または保存樹林について、枯損防止その他その保存に努めなければならないこととし、また、何人も、保存樹または保存樹林が大切に保存されるように協力しなければならないことといたしております。  第四に、市町村長は、所有者に対し、保存樹または保存樹林保存に関し必要な助言または援助をすることができることといたしております。  第五に、建設大臣または都道府県知事は、市町村長に対し、保存樹または保存樹林に関し、報告等を求め、またはその保存に関し必要な勧告等をすることができることといたしております。  以上がこの法律案提案理由及び趣旨でありますが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決下さるようお願いを申し上げる次第であります。
  4. 大河原一次

    委員長大河原一次君) 御苦労様でした。続いて質疑を行ないます。  提出者のほか前田都市局長が出席されております。御質疑の方は、順次御発言を願います。
  5. 内村清次

    内村清次君 第二条に、(保存樹等指定について)、国、地方公共団体の管理にかかるものを指定対象から除外しておりますですね。これはどういう理由からしたものか。国や地方公共団体樹木保存観念というものが、除外によって薄らいでくるのではないか。民間にだけ拘束するということは少し不均衡になるようなおそれはないかどうか、こういう点につきまして御説明願いたいと思います。
  6. 倉成正

    衆議院議員倉成正君) まことにごもっともな御質問でございますが、国または地方公共団体所有または管理している樹木というものにつきましては、当然国または地方公共団体がこれを十分愛護して育てていくという前提のもとに立っておるわけでございまして、これも含めてこの法律対象にするというのも一案かと思いますけれども、国または地方公共団体は当然そういうことをやる義務があると申しますか、考えていいんじゃないか。こういう考え方に立って除外しているわけでございます。
  7. 内村清次

    内村清次君 今説明者の御説明を聞きまして、大体国及び地方公共団体というものは、こうやった保存樹林保存をするのだ、そういう観念は十分徹底しておるんだ、というその前提のもとにあられるわけですね。
  8. 倉成正

    衆議院議員倉成正君) 元来この法律が、規制罰則も特別ございませんし、非常にゆるやかな規制法律になっておりますので、国、地方公共団体のいろんなこういう行政面につきましては、いろいろな監督の機関もございますし、そういう当然保存措置を講ずると、こういうように理解してあえて除いておるわけでございます。
  9. 内村清次

    内村清次君 そうやったゆるやかな規制法律であることは、これは全体を見ましてそういうふうに感じますが、第三条の二項に特別の理由があるときは解除するということになっておりますが、この特別の理由という点は、どういうような理由ですか。
  10. 倉成正

    衆議院議員倉成正君) 特別な理由というのは、たとえば道路建設あるいは住宅を集団的に作る、そういうふうな理由がその中に含まれると思います。
  11. 内村清次

    内村清次君 そうすると、道路その他の問題につきましては「公益上の理由」と明確にしておりますね。そういうことが含まっておって、「その他特別な理由」というのは今言われたようなことでしょうか。
  12. 倉成正

    衆議院議員倉成正君) 公益上の理由はもちろんですが、その他この所有者財政的な理由で困るとか、そういう事情やむを得ないという所有者事情があった場合ですね。それを検討して至当であると認めたときはこれを許可する、こういうことになります。
  13. 内村清次

    内村清次君 先ほど言われました後段の理由だったならばわかりますが、特別の理由というのが明記されていない。公益上の理由のほかの特別な理由という問題は今の御説明ではわかりますが、この点が十分わかっておりませんでしたからちょっとお尋ねしたわけですが、そうすると、そうやった問題は政令等基準をきめて、そうしていろいろ不均衡というものが生ずることを防いでいくというお考えはないのでございますか。
  14. 倉成正

    衆議院議員倉成正君) 政令でこまかく規定するのは、元来、将来の方向として考えるべきものだと思うのでございますけれども、今すぐ政令でこれこれの場合というふうにきめるのは、ちょっとなかなかいろいろな場合が想定されますので、具体的に政令をどういうふうにきめるということまで準備いたしておりません。しかし、将来はやはりそういう基準をきめていくというのが妥当じゃないかと思います。
  15. 内村清次

    内村清次君 そうしますと、指定木等無断で切った場合罰則その他の処置がないわけですか。これはそのまま放置してよろしゅうございますかどうか。そのまま放置してよろしゅうございますか。その無断で切るというようなことに対しては何も拘束罰則その他ございませんね。
  16. 倉成正

    衆議院議員倉成正君) 御指摘のとおり、この所有者がこの法律趣旨を無視して無断で切るという場合には、この法律条文上からは罰則とか何ら制裁規定はないわけでございます。しかしこの法律全体の趣旨が非常に道徳的な色彩を帯びておりますので、たとえば樹木樹木集団は、こういう大切な木であるという表示等をしておる場合に、その所有者が無視して切ったという場合には、やはり社会的なある程度制裁と申しますか、そういう世間がそれを見ておるという意味においては、意義があるのじゃないかと思うわけでございます。しかし強制的にそれを罰則を課すという考えではございません。
  17. 内村清次

    内村清次君 第九条の市町村長助言等というところで保存樹所有者に対する援助というのがありますが、どういった程度援助をされるのか、その点を明確にしていただきたい。
  18. 倉成正

    衆議院議員倉成正君) この第九条の「助言又は援助」の援助でございますけれども、これは将来は当然財政的な援助というふうなことまで含むべきだというふうに考えておるわけでありますが、今年とりあえずはそういう特別な財政的な措置はいたしておりませんので、市町村長のできる範囲において、そういう財政上の援助も含めまして、いろいろな技術的な指導をしたり援助をする、こういうふうに考えておるわけでございます。
  19. 内村清次

    内村清次君 附則の2で「建設省設置法昭和二十三年法律第百十三号)の一部」のここもそうですが、今回はこの条文の中にも建設大臣報告させるだとか、こういった建設省所管法律になっておるのですけれども、大体は市町村というところから、しかも個人の樹木であるというようなただいまの拘束規定でもありますから、むしろ自治省がその所管になるというのが建前ではないかとも考えられますが、これはどういうふうなお考えですか。
  20. 倉成正

    衆議院議員倉成正君) 第二条で御承知のように、第二条の規定によって決定された都市計画区域内において、美観風致を維持するために必要あるときは、ということであって、建設省所管事項であります都市計画と非常に密接な関係があるという意味において、建設省所管に加えた。しかしもちろん市町村長が実務を取り扱っていくわけでございますから、市町村長がそういう建設省との関係において職務を行なう限りにおいては、非常に密接な関係があるわけでございます。したがってこの法律を実施する上においては関係各省十分協議をして、これを実施していくと、立案にあたりましても各省の意見も十分取り入れて立案した、こういう過程でございます。
  21. 内村清次

    内村清次君 そうするとたとえば今後発議者が言われましたような援助——助言は別としまして援助の場合のときには、建設省予算の中から、将来は援助していくのだというようなことも、建設省責任においてやるわけでございますね。
  22. 倉成正

    衆議院議員倉成正君) やはり建設省責任においてということになっております。
  23. 田上松衞

    田上松衞君 法案趣旨はもちろんよくわかり、われわれも希望するところなんです。そこで多くはこの実施にあたっては政令でやるのだろうと思うのですが、その前に提案者側としての一定の大きさ以上の樹木というものは、大よそどういうものを指すのですか。
  24. 倉成正

    衆議院議員倉成正君) これは政令の案を配付しておりませんけれども、一応今のところ考えておりますのは、地上一・五メーターの高さにおいて幹の周囲が一メートル以上の樹木、それから高さ十メーター以上の、非常に大ざっぱに申しますと五十年以上まあ百年近くたった樹木というようなことで、大体その基準考えておるわけでございます、一定の大きさという意味では。
  25. 田上松衞

    田上松衞君 これは都市美観風致を維持するための目的ですか。もっと別に何といいますか、天然記念物にしなければというような意味名木といいますか、何かそういう種類のものは、保存あるいは保護するという必要はこの場合には考えておられないんですか。
  26. 倉成正

    衆議院議員倉成正君) この法律趣旨としましては、やはり都市美観を維持する、こういう意味でございます。今御指摘のそういう古木名木になっているというようなものについては、文化財保護法とかいろいろ他規定もございますから、そういうのとあわせてひとつ樹木保存していく、こういう趣旨でございます。
  27. 田上松衞

    田上松衞君 こういう質問を申し上げますることは、先般北海道に私ども参りました時分に、場所はちょっと失念いたしましたけれども、一つ一つの木になって見まするときわめて小さい、まあ周囲もあるいは地上の高さというものもきわめて低い。だけれどもその木がずっとこう並んでおりますると、それが美観風致の上に何とも言えないものがあるんですね。そうしますると、ここで一定の大きさ以上の樹木と、あとのまたは樹木集団ということになりますると、その場合には、もうやっぱり集団の場合でも、今の基準になります地上一・五、あるいは幹の回り一メーターというもののそれらの集団だ、こういうふうにとれるんですかどうなんですか。
  28. 倉成正

    衆議院議員倉成正君) 個々の木について申し上げましたので、説明が不十分でございましたので補足いたしますと、樹木集団の場合には、面積が〇・〇三ヘクタール以上の樹木集団、百坪程度以上の集団で集まっておれば、これは木の大きさは特別問わないということを一つ考えております。  それから今質問の生けがきとか、いろいろな樹木等で見た目で非常にきれいだ、これは都市美観風致を維持する上において非常に保存したほうがいいという場合には、市町村長が特に必要と認めれば、これを指定することができるようにしておるわけでございます。ですから一応の基準は設けますけれども、樹木集団については百坪ぐらい以上の集団、それから特に必要の場合には市町村長がそれを指定することができる、こういうことで全体を指定するようにしているわけでございます。
  29. 田上松衞

    田上松衞君 もう一つ教えていただきたいんですが、この場合樹木保存ということになっているわけなんですが、普通木でなくて草だという場合があるわけですね、木以外のもの、あるいはカズラですか、こういうもの等が考えられるのですが、そういうものはこの中には該当しないのかどうか。
  30. 倉成正

    衆議院議員倉成正君) 草の場合にはちょっと今のところ考えてないわけでございますが、生けがきと、それから攀登性の樹木、まあカズうみたいな、はっていく樹木がございますね、こういうものは含めたい、こういう考えでございます。
  31. 田上松衞

    田上松衞君 次にもう一点お伺いしておきたいのですが、さっき内村委員のほうから触れられた問題ですけれども、所有者はこれが保存について、たとえ罰則はないといたしましても相当義務を負わされている、この点が出てくるわけですが、そこで一面にはまたこの義務を果たさせるためのことですが、前文の中にも積極的にこの保存措置をしなければならぬ、そういう必要があると説明され、そうしてあとにもつてきて「市町村長は、所有者に対し、保存樹又は保存樹林枯損防止その他その保存に関し必要な助言又は援助をすることができる。」そこでこの所有者が受けて立つ義務保存義務と積極的に国が要請いたしまするところのこの援助というものが、ここでぴったり結びつかないとこれは意味をなさぬはずだ。さっき内村委員質疑に対してお答えになったことは、将来は財政的な援助まですることになるだろうが、というような意味の御答弁だったと受け取っているわけでありますが、それは将来の問題ではなくして、それほどに強く所有者義務づけをするとするならば、何かこれにやはり援助を与えるということが直ちにもう必要でないのか、こう考えられるわけなんです。  なお、この場合についで申し上げますけれども、今の第九条と第十条の関係は、市町村助言または援助をするといい、十条においては建設大臣市町村長に対して、こうこうこういう場合の報告あるいは資料提出を求め、または保存樹もしくは保存樹林指定その他その保存に関し必要な勧告をする、助言もしくは技術的援助をすると、これもやはりこういう場合の、今申し上げたような精神をこの点でひとつ具体化していこうとする考え方に立っているのだろうと、こう推察するわけであります。にもかかわらず、繰り返して申し上げますが、ただ技術的な援助でなくして、必要な財政上の援助をすることが一番望ましいのじゃないかと、こう思うのですが、これを大した問題でもない、予算を狂わしてしまうようなことでもないと考えるときに、どうしてこれに全然この予算をつけられないかということですね。ちょっと納得できないのですが、この点をもう少し詳しく御説明していただきたい。
  32. 倉成正

    衆議院議員倉成正君) まことにごもっともな御質問でございますが、実を申しますと、この樹木の第二条第一項に該当する基準をどこに置くか、ただいま地上一・五メートルの高さにおいて幹の周囲が一メートル以上、そのほか特別な市町村長が認めたものとかいろいろ一応の政令基準を申し上げましたけれども、この政令の定め方その他によりまして、どの程度こういう樹木やまた樹木集団が全国にあるかということについては、ある程度調査があるわけでございますが、やはりこまかい資料というのが実のところないのでございます。したがって、これに財政的な援助ということになると、これを具体的にどうするかということがなかなかむずかしい理由が一つございます。それから財政的な援助の場合には、たとえば非常にりっぱな樹木あるいはその集団が病気にかかって枯れかかるとか、そうすると付近に蔓延するという場合には薬剤等をこれに配布いたしまして、そういうことをするという物的な援助、そういうことは入っておるわけでございまして、現在の市町村長その他が熱心であれば、十分その財政範囲でやることができるということになっておるわけでございます。ただ国として大きな予算をとって、もう少しかゆいところに手が届くようにするためには、やはり将来の問題として、もう少し実態を明らかにした上で、またどういう援助を具体的にやったらいいかということを検討しながら、予算等きめていかなければならないと思っておるわけでございます。
  33. 田上松衞

    田上松衞君 お話はよくわかるんです。そうして、なるほどごもっともだという点もよく了解できるんです。そこでまあこの法案に対しては反対する向きはないはずだ、どうせ制定されるであろうという見通しの上に立って、この機会要望申し上げておきたいと思うのです。一本の木にいたしましてもあるいは集団にいたしましても、外部から見な美観風致上これはぜひ保存しなければならぬと見ても、実際の所有者になって見れば、それよりか今日の地価暴騰のときに、あるいは家を建てたいとかあるいは別の何か野菜でも作りたい、果樹でも作りたいという場合に、その一本の木あるいは数本の木によって広い面積土地が費やされてしまうという場合が、現実の問題としてあると考える。その場合にただその木を保存するためにいろいろな薬剤等を持ってくるとか、あるいはこの手入れ等について財政的な援助をするとかいう以外に、これから受けるところの土地の上の損害に対する補償というものが、やはり所有者に向かってなさるべきだと思う。これらについて補償という気持の上から、そういう点等援助だというよりか、一方に義務づけるのですから、補償という気持を加えたこれらの点を将来考慮してほしい。特にこのことを申し上げておきたいと思うわけであります、要望として。
  34. 倉成正

    衆議院議員倉成正君) ただいまの御指摘は、実は諸外国の立法例を調べてみますと、英国、ドイツに大体立法例がございまして、木の伐採を許可する許可制にしまして、もし許可しないときには補償するというふうな制度が設けられております。しかしまあ今日の場合まだそこまでの条件が整っておりませんので、こういった法律によって規制をゆるやかにして、そういう面での態勢が十分できてない、こういうことでございます。
  35. 田上松衞

    田上松衞君 まあ要望だけのことですから、重ねて要望申し上げておきます。確かにまだこの必要性からきて、とりあえずこうやっていこうといういわば下地作りみたいなものですから、今申し上げたような点は、将来の検討すべき必要な宿題として、十分ひとつ頭の中に入れておいていただきたい、ということを重ねてお願い申し上げておきます。
  36. 木下友敬

    木下友敬君 この法案を見ますと、どこでしたかね、要綱でしたか何かに、ある一定の大きさ以上の樹木または樹木集団についてと書いてありましたから、あまり小さいものでなくてだれが見てもこれはというようなもの、ということになるのでしょうが、現在われわれがここで目につくようなものについて、これに該当するようなものを何か例があげられますか、あれだとか、これだとか……。
  37. 倉成正

    衆議院議員倉成正君) 例というと……。
  38. 木下友敬

    木下友敬君 質問があったかもわかりませんけれども、なんでしょう、街路樹にはりっぱなものがあっても街路樹は都のものであって、これには該当しないことですし、それからまたもう天然記念物になっているようなものもこれには該当しない。そうするとわれわれの頭に入ってくるのは、東大などのイチョウだというとこれはもう国のものでしょうし、そうするとどんなもものを実際に考えておられるか、今、目に当たるところで。
  39. 倉成正

    衆議院議員倉成正君) あの東大イチョウの木なんかは、御指摘のとおり国有のものになると思いますけれども、しかしいろいろな料亭等でかなり大きな、まあ椿山荘あたりを例にあげてもいいでしょうか、基準は先ほどちょっと御答弁申し上げましたけれども、地上一・五メートルの高さで幹の周囲が一メートル、これは別に厳格なものではございませんけれども、大体五十年百年たったものという考え方であります。  それから先ほどの御答弁、ちょっと私誤解しておりまして少し不十分だったと思いますが、この機会に申し上げておきます。名木古木、これは文化財保護法指定されているもの以外でも、これはいい木だなというものは、市町村長が特に必要と認めればこれを指定することができることになっております。
  40. 木下友敬

    木下友敬君 これはもう私はもちろんけっこうなことだと思うのです。ただもう少し私はこれを広げてもよかったのじゃないかと思います。この間千鳥淵道路のことで、桜が咲くというのに一週間も待たないで切ってしまいましたね。これは非常に心ないことだと思う。あの樹木の集まりはおそらくこれには該当しないでしょう。それから議長公邸の前の桜も道路のことで切り取ってしまわれて、一週間立てばりっぱな桜が咲いて、その下で人が楽しむことができるこういうことですね。これこそいわゆる名木以外の何か、そういうことにしないと——ただそこの人たちの良俗とか美風とかというだけでなくて、そういうことができないように何かこの中にきめられなかったのかと思うのですがね。千鳥淵なんかはまことにそうであって、そんなことであったらすぐ仕事をしたかというとそうではない、一週間や十日ほとんどほったらかした状態であった。あれこそ何か規定すればよかったと思うのですが、そういうことには御配慮をいただくというわけにはこれではいきませんね。
  41. 倉成正

    衆議院議員倉成正君) ただいまの千鳥淵の桜、英国大使館の前の桜、まことに私ども毎日通っておりまして残念なことだと思っております。御指摘のとおりの気持であります。そこでこの法律対象ということになりますと、ああいうものについては一応対象にならないということになっておりますが、この法律案をそもそも立案しました趣旨は、やはりそういった法律で厳格に対象になるとならざるとにかかわらず、ひとつ国土のすべての相当の年数を経た樹木については、すぐ作るということはできないわけでありますから、何とかひとつ国の、民族の宝として保存していきたい、こういう精神をこめておるわけでありますから、ただそれを広く法律的に技術的に広げていくとなると非常にむずかしいいろいろな問題とぶつかって参りまするから、一応この程度監督し、あるいは指導、援助をし得るという範囲でこういう法律に作ったわけでございます。
  42. 木下友敬

    木下友敬君 それでまあいいわけですけれども、どうも目の前に見たああいうような事実が、むしろ私どもの目には一番ぴんとくるわけでありまして、何とかああいうものもどこかへ責任を持たす。あるいは都のものであるならば都の者にそれについての責任を持たす。これは樹齢が百年以上とかあるいは直径が幾らとかいうことをきめても、一本ではそうだけれども、もっと違う見方をすれば樹齢十年のものでも十本あれば百年という計算もできないことではない。直径が一寸のものでも十本あればこれは一尺だという見方もあるし、小さくてもたくさんあれば価値があるというようなこともございますし、そのある場所でも違ってくるわけですから、何かどうですかね、そういうことも——これは惜しいことをしました、附帯決議でもしてそういうことをすればよかったと思うのですけれども。
  43. 倉成正

    衆議院議員倉成正君) 今のお話の中で、小さい木でも集まってみると、というようなお話しがございましたが、この政令では、先ほども御説明申しましたけれども、〇、〇三ヘクタール、百坪程度の集まったものはこれで指定することになっております。
  44. 木下友敬

    木下友敬君 続くわけですけれども、それで何とか、ああいうような事実が私は一番残念に思うのですから、この法案はそういうことにも一つの刺激を与えると思いますから、非常にけっこうな案だと思うのです。委員長の手でひとつ今の、地方公共団体などでもああいう街路樹とか何とかいうものについても、もっと責任を持たして保存するようなふうに考えるように当局にも話して下さい。蛇足を申しましてどうも済みません。
  45. 田中一

    田中一君 これは提案者には伺いません。政府に聞きましょう、都市局長から。あなた一体かかる法律が出ることを希望していますか、都市計画法による範疇に入るのですがね。私はこういう法律が陸続出てくることは、そこに国民の集団生活に対する公徳心という言葉は妥当かどうかしらぬけれども、その欠除からかかる立法をせねばならぬということになるのじゃないかと思うのです。そういう点が一つ。  もう一つの問題は、御承知のように、第七条にあるところの保存樹等に関する台帳云々と書いてございますけれども、今日の森林法というか国有財産の中では、立木はなるほど確かに台帳を作って国有財産になっております。しかし、そこにあるところの岩石はもう国有財産ではないのです。石などもこれはもうたいへんな石、奇岩、ことにあなたのほうの、あなたというか、今の政府の総理大臣の池田さんなどは石にはもうよだれを流している。しかし石は国有財産じゃないです。なるほど国有林の中の立木は全部国有財産になっております。土地はなっておりますが、しかし石になっておらない。  それからもう一つの問題は私有財産に対するところの大きな制約が加わるわけです。特別な理由云々で解除されることもあるかもしれませんけれども、やはり私有財産に対する侵害になるのです。ねらっているねらい方に対しては反対しません。しかし手段としてははなはだどうもおもしろくない、国民の教養というか集団生活に対する公徳心というものがあるならば、かかる立法をする必要は何もない。ことに市街地あるいは住宅地というものは、これは野っ原で草も生えないところは市街地じゃない、私ども常に言っているように小川あり沼あり山あり雑木林あり、ここに初めて都市美というものが生まれてくるのです。だがら今までの宅地政策等を見ても、そんなものはどんどん切ってしまって平面なものにして宅地を造成するという行き方をしている。  四つばかり問題点を出しましたけれども、都市局長これはどう考えていますか、こういう立法は恥です、国民に対するところの侮辱ですよ、よい政治と信頼する政治があるならば、こういう立法はいらない、その点どうですか。
  46. 前田光嘉

    政府委員前田光嘉君) この法律がねらっておりますところの都市における健全な環境の維持向上ということは、都市計画行政としまして最も適切なものと考えております。国民に公徳心があればこの法律がいらないではないかという御趣旨に拝聴いたしましたが、この個人の私有物である樹木を公徳心だけで適当な機関あるいは適当な方法によって保存させるということは、多少無理な点もございますようでありますので、こういう法律によりまして指定をする。しかも道義的ではございましても、それを枯損防止しあるいは保存する義務を課するということは、公徳心という単なる心掛け以上のやはり心がまえなり措置が必要と考えられますので、こういう法律ができることはけっこうかと考えております。  それからその次の岩石につきましてでございましたが、われわれまだ十分検討いたしておりませんが、今後必要な都市美観あるいは風致の保持のために必要なものの保存等につきましては、今後検討すべき問題の一つであると考えております。  その次に私有財産に対する侵害という観点からお話ございましたが、ある程度私有財産の制約にはなっておりますけれども、都市生活をいたしております場合には、やはり都市計画の見地から、たとえば建築基準法におきましてもあるいは都市計画法におきましても、ある程度義務を伴っていただく、社会的に是認し得べき範囲においては私有財産の制限ということもあり得ますので、その程度の制限でございまするならば許されてしかるべきじゃないかと考えております。  なお住宅あるいは道路その他の最近の建設に伴いまして、貴重な樹木なりその他の自然風物がこわされますことは非常に遺憾でございまして、先ほども千鳥淵公園その他について御指摘がございましたが、われわれ監督者といたしましても厳にこれを戒めて行きまして、たまたまあの際はちょうど年度の変更のときでございまして、予算の執行上あるいは工程の関係上切ったように聞いておりますけれども、せっかく自然のものでありますので、できるだけそれを保存し国民の、市民の健康なりあるいは風致の保存のために、関係者、公園管理者、あるいは道路管理者その他公共団体、建設省のわれわれといたしまして、十分の指導をいたしたいと考えております。
  47. 田中一

    田中一君 あなたの言っていることは全部この程度、この程度——どういう程度であろうと私権の侵害には違いない無形文化財あるいは重文その他だっていろいろな形で保護するという名のもとに私権を侵す。当然保護するなら保護すると金銭的にあるいは技術的に完全に保護すべきである。私ども戦前には保護検束という名において長い間留置場にぶち込まれた経験をたくさん持っている。これは保護検束です。お前を守ってやるんだ、保護してやるんだというので二月も三月もたらい回しに留置場にぶち込まれた経験を持っている。このような思想がこれに出ている。保護するなら完全に国家予算において、あるいは地方団体の予算においてそれを保存すべき予算措置なり技術的措置なりすべきです。重文にしてもあるいは無形文化財にしても、その重荷に耐えかねて自殺する人もいるのです。どうも最近の立法というものはことごとくかっての警察国家的なものに変わりつつある。ねらっているものは認めます。手段、方法がよくない。これは都市局長に質問すべきじゃないだろう、これは建設大臣がこれを主管するらしいから、大臣、ひとつ呼んで来て下さい。よく念を押しておきたい。あり得ないのですよ、保護するなら保護する裏づけのものをお出しなさい。保存すべく義務づけられるなら、これに対する技術的あるいは財政的な保証がなくちゃならない。先だっても道路整備緊急措置法の中に、有料道路の料金不払いに対する対策として、当然工作施設等で通り抜けということを防ぐことができるにもかかわらず、国税徴収法による超過徴収とか罰則を適用してこれを取り締まる。どうもそういう傾向が最近の立法には続々出て来た。これは議員立法だが政府がこれに対する裏づけをするつもりですか。まあことしは予算が通ってしまったから来年度にはするという決意なのか。この実施はいつになるのでしょうか。裏づけがない、現在。ちょっと建設大臣をここへ呼んで下さい、委員長よく念を押しておきますから。
  48. 大河原一次

    委員長大河原一次君) 速記をとめて。    〔速記中止〕
  49. 大河原一次

    委員長大河原一次君) 速記をつけて。
  50. 田中一

    田中一君 これは提案者に聞いてもしようがない。だから前田都市計画局長に聞きますが、私はこれで、はっきりと技術的指導、予算づけ、裏づけというものがないならば、かかる立法はすべきものではない、単独立法はすべきものではない、都市計画法によって明らかに改正できる、改正案でできるはずです。これは都市計画の一つの技術的方法かしらぬけれども、その含んでいるところの内容というものは、こういうこまかいものは必要ないのですよ、問題は良識なんですよ。公共の名をかりてあまりに私権が侵されている、これは考慮しなければならぬです。ことに今提案者から芝公園の例なんか言うけれども、あたりまえのことなんですよ、資本主義社会においては、あれが。あたりまえのことなんですよ。それがいけないというなら資本主義をおやめなさい、社会主義に移るのだ、民族のため、公共のためという形でもって社会主義に移るのです。資本主義社会においてはあれがあたりまえの姿なんですよ。だからそういう芝公園の説明なんかおやめなさいよ、あれがどういう形で今日になったかもあなたは御存じなんだから。あれは何もひとりでにそうなったのじゃないのです。ああいう形が今の社会においてはあたりまえの姿なんです。ああいうようなものよりもっともっとひどいものが現に行なわれつつあります。だから私申し上げたいのは、あなたではこれは困るので、文部省も呼んでほしい、文部省の文化財保護委員会の委員長を呼んで下さい。委員長、呼んで下さい。これによって現在の無形文化財、あるいはすべての文化財に対する国の施策というものが不十分だということを指摘したいのです、建設大臣と同時に。これは民族の宝なんですよ、実際において指定されている対象がいい悪いは別として、あの考え方というものは、これは民族の宝です。でありますから、重文なり、あるいは無形文化財とかいろいろな形で保護している保護の実態は、保護じゃないんですよ、その実態というものは。文化財の委員長を呼んで下さい。そういうものも十分に保護させるという方向に、おそらく提案者はロマンチックにお考えになって、そういうものはそうした保護がされることが望ましいと答弁されるに違いないのです。前田都市計画局長、あなたはこういう形の部分的な単独立法が続々出ることよりも、もし現在の都市計画法、これは強い立法です、都市計画法という法律はほんとうに強い法律なんです。たとえば農地法よりもおそらくこのほうが強いと思う。農地法だろうが何だろうが、私有財産だろうが、何だろうが、都市計画法のほうが強いです。こういう強い現在の都市計画法に、こういう異質のものを継ぎ足すようなことではどうも工合が悪いというならば、全面改正して、国民が法律というものの体系というものを、あっちもこっちも異質のものを探し出さなければ理解できないというものじゃなくて、都市計画法そのものですべてを包含するというような形のもののほうが好ましいと思いますか。それともいろいろな継ぎはぎのものがたくさんあって、そのほうが国民の目をだますから、だましてわからぬから、そういうものがあって、いやそれは違う、ここにこういう法律があるんだと言ったほうが、行政上あなたのほうで都合がいいと思うか、どちらなんですか。
  51. 前田光嘉

    政府委員前田光嘉君) 田中先生御承知のように、都市計画法は非常に強力な規定も入っておりますが、他面また、多少いわゆる古い法律でございますので、最近の実態に必ずしも沿っていない面もございますので、今後最近における都市美観の保持なり、あるいは都市の風致を維持するという観点から、よい都市を作るために必要な法制は整備をすべきだと考えております。ただ、ただいま御提案のこの樹木保存法案を含めて、あるいは総合的な法律にするか、あるいは一つの根拠の中において、たとえば都市計画法がよければ都市計画法、土地区画整理法がよければ土地区画整理法、個個のものを取り出して、特別のものとして規定するかという点については、相当検討する余地があると思っております。都市計画法、それに関連する法律についても、今後とも十分検討を重ねたいと思っております。
  52. 田中一

    田中一君 どうも局長は事務官だからうまい答弁するよ。  そこで、もう御承知のように共同提案であるから、最後の締めくくりの質問だけしてけっこうです。しかし、私としては、かかる単独立法というものが陸続出た場合には、犬のくその処理まで法律にしなければならぬということになると、これは非常に困った問題です。現在、犬のくそという言葉がどうか、汚物ですね、あれは勝手にやっているからこれはどうにもならないです。愛犬家の公徳心に頼むより仕方がないです。人類の立ち小便だけはいろいろ良識を持っている人たちが多いから、酔っぱらわない限りは守っていると思います。犬はそうはいかぬ、ネコはちゃんと砂をかけますけれども犬はかけない、これは相当考えなければならぬ、これはいけない、これは重大な問題ですよ、お菓子屋さんの店先にこんもりしたものを置いていかれたら困りますよ、犬も法律を作らなければならぬということになると、これは都市計画法ではいかぬと思うのです。汚物処理法でもなければどうにもならぬ、そのように、もしかりにわれわれの社会生活の中に、これもしてほしい、あれもしてほしいということになって、ことごとく法律で処理しなければならぬということは、これは社会の悪い環境、そういうものにしてはならないのだということが、国民の、ことに子供たちの一人一人の心に畳み込まれているようなものがほしいわけです。すべてこの法律は、最近の傾向として、さっき前段に言ったように育成、助成するような法律がなくして、常に制限するような法律が多いのです。これは私はたくさん自分の関係する法律も知っておりますが、制限する、罰するというようなものが多いのです。この傾向というものは戒めなければならぬと思うのです。したがって、提案者、一体犬のふんはどう処理をするという考えを持っておるか、これもやはり単独立法しようという考えかどうか、これは非常にたいへんな問題なんですよ、これは社会面にもとうに取り上げている問題です。私も愛犬家ですが、ちゃんとふん入れを持っております。どう考えます、これもやはり法律をお作りになりますか。
  53. 倉成正

    衆議院議員倉成正君) たいへん貴重な御高説をいろいろお聞かせいただきましたが、やはり先生のおっしゃるのもやはり樹木を愛するという意味においては、提案者の考え方と、大体樹木を愛するという点においては一致しておるのではないかと思うのであります。  なお、犬のふんのことについて、外国等のいろいろな事例等も聞いておりますけれども、私は実は犬のことをあまりよく存じませんので、ここにお答えするだけの材料を持ち合せておりません。
  54. 田中一

    田中一君 都市局長、あなた先ほども都市美ということを言っていますね。そこで、たとえば見るにたえぬような建築物を都市に作った場合には、それに対しては何にも制限ありませんね。まあ建築基準法には建築協定という条項がございます。したがって、これで一定区域内は建築協定によって、かかるもの以外は作ってはならぬということはあるかもしれぬが、これはまあ発動したことはないわけです。また一定地区には高さの制限問題もございます。したがって、ここに何階を建てるべきだというきめ方も可能であるけれども、それを発動したことはない、建築基準法上は。これは総括して全部都市美の問題なんです。都市計画の問題なんです。都市計画は技術的に区割すればいいという問題ではないのです。これは最近、あなたのほうの問題ではない、住宅局の問題でしょうが、宅地造成がことごとく小さな面積を高度に利用するために樹木を全部取っ払っておる。樹木を全部取っ払い、湖沼を埋め、用水を埋め、そうしてそこに新しい宅地造成をするという考え方に立っている。私はそんなものじゃないと見ている。林も必要、森も必要、流れも必要です。そこに初めて美しい都市が生まれるのです。そういう点については都市局長何かお考えございますか、意見は。
  55. 前田光嘉

    政府委員前田光嘉君) ただいまの田中先生の都市美に関する御意見は全く同感でございまして、われわれ関係者一同そういう方面に向かって法律の運用、あるいは実際の事業の施行につきましても、十分都市を住みよく、しかもきれいにするように努力して参りたいと思います。
  56. 大河原一次

    委員長大河原一次君) 速記をとめて、   〔速記中止〕
  57. 大河原一次

    委員長大河原一次君) 速記をつけて。
  58. 田中一

    田中一君 都市美観風致を維持するための樹木保存に関する法律案が出ておりますが、これは大臣御承知でしょうね。議員提案のものだから承知しないということですか。
  59. 中村梅吉

    ○国務大臣(中村梅吉君) 実はこの議員立法の提案がございまして、衆議院建設委員会におきまして審議なさいます際に、われわれもよく拝見をいたしまして、御趣旨としてはまことにけっこうな立法であろうと思いますが、ただ初めての試みでございまするから、法律上の樹木所有者もしくは占有者に対して義務は付しておりますが、これをしからば守らない場合にどうなるかというような点については、十分とは言えないように思いますが、しかしながら新しい着想として立法される御趣旨に対しましては私ども敬意を表し、賛成すべきものであると、かように心得えてある次第でございます。
  60. 田中一

    田中一君 私も共同提案である以上、これは結局賛成はいたしますけれども、問題は、文化財保護委員会があずかっている重文とか、あるいは無形文化財とかいうものに対する、一応指定はするけれどもそれに対する技術的指導とか、保存費の裏づけというものは、私は少ないように思うのですね。絶無とは言いません。ここでこういうこの程度のものならばということを都市局長は言っておりますが、この程度でも私権の制限を受けるということになるならば、これに対する技術的保存のための物的な負担というものは相当大きなものになるのです。したがってかりに地方公共団体がそう指定した。ところが自分のものだからかまわないと言って切ってしまえば、やはり集団社会から非難されるわけなんですよ。ほんとうに村八分的な白い眼をもって見られるということになるから、どうしてもそれを保全のためにいろいろな費用がかかるわけです。そのための裏づけがないのです。で、地方公共団体がやればいいじゃないかということもひとつの考えでしょうけれども、これらの問題は、国がやはり、少ない費用でもいいのですから、呼び水的な予算でも計上しなければ、えてして守られないのです。無形文化財の名人が自殺したこともあるのです。その自分の持っておるところの技術を保存するための生活に耐えられなくなって自殺したという例もあるのです。こういう法律が続々出て参りますと、なるほど樹木あるいは工芸品等の保存のためには必要であろうけれども、それの保全のための負担をする人たちは耐えられなくなってくるのですよ。明年度何らかの形でこれに対す助成措置予算の裏づけをするかどうかという点を大臣に伺っておきたいのです。
  61. 中村梅吉

    ○国務大臣(中村梅吉君) この法律考え方も、確かに一面において美観風致の維持を基本としたもので、公共の福祉のために所有権を制限する考え方が基本に流れておることはわれわれもよくわかりますが、それに伴いまして今、田中さん御指摘のとおりに、保存し、樹木の枯死しないように維持するためには、若干の費用がかかる場合もありますし、単に制限のみでは妥当でない面が確かにあるのであります。こういう点につきまして、私どもといたしましては、今回は議員立法でこのような法律上の制度をお作りになるわけでございまするが、われわれといたしましては、法律が制定されましたならば、今後、今御指摘のような点の対処策につきましては十分検討いたしまして、十分とは参らなくても筋の通るようにだけはいたさなければならないだろう、こう考えておるような次第でございます。
  62. 田中一

    田中一君 関連して申し上げますが、文化財保護委員会があずかっている数々の保護建造物等、これらも非常に予算が少ないわけです。したがってこれに関連して建設大臣に閣議でそれらのものも含めて正しい予算措置をするということを、大臣ここで言明していって閣議にそれを報告して下さい。自分の所管外の問題でありますけれども、植木を保護するならばもう少し保護しなければならぬものもあるはずです。それはどうお考えになりますか。
  63. 中村梅吉

    ○国務大臣(中村梅吉君) 閣議でいきなり発言するということが妥当かどうか、私ども現実の取り扱い上事務的に相当詰めてみて、そうして詰まりきれない場合に閣議で発言をして閣僚間で調整をするということが、取り扱い例としては多いものですから、いきなり発言することの妥当性については私ども若干実は今考慮いたしておるわけでございますが、文化財保護法あるいは保安林等関係等も関係してくるわけだと思いますが、十分われわれ研究しまして法律の精神が生かされるように努めることは私どもの任務でございますから、その任務の達成はいたすように努めて参りたいと、こう思っております。
  64. 田中一

    田中一君 もう一つだけ聞いておきます。国有財産のうち立木は台帳があって登録しておるのです、土地もむろん登録しているのですしかし岩石はこれは登録してないるのです。無主物なのです。その場所にあるから、その区域内にあるからあるということは認められますけれども国有財産ではないわけです。無主物になっておるわけです。あなたのほうの総理大臣が非常に石が好きだそうです。もう大へんな貴重な石がたくさん山にころがっているのです。石などに対する何か台帳を作って、それを登録するなんという考え方は、今後ともこれはあなたの所管ではありませんけれども、これはどうお考えになっておりますか。
  65. 中村梅吉

    ○国務大臣(中村梅吉君) 私実は詳しく、つまびらかにしないのでありますが、たとえて申しますと、荒川の上流の、何石と言いましたかね……。
  66. 田中一

    田中一君 長瀞。
  67. 中村梅吉

    ○国務大臣(中村梅吉君) 長瀞上流の何とか石という石の名勝があるのですが、あれなどは天然記念物として指定をされて、そしてこれを採取する者は許可を得なければ採取してはならないということになり、それから大体目ぼしいものは登録されておるように私は承知しておるのでありますが、国家目的に合致するように必要なものについてはそういう措置も取り得ると思います。しかし現状としては石の名勝は忘れましたが、そういった特殊の石の存在している河川等についてそのような手続はあるようでありますが、全般としてはまだ非常に見逃がされているものが多いのじゃないかと思います。こういう点につきましても今後これはむしろ建設省というよりは文部省の関係になるかもしれませんが、研究すべき重要な課題ではあると思います。
  68. 田中一

    田中一君 一応この法律のとおり明年度の予算編成にあたっては協力の義務があるということになりますから、それの過当の負担のかからないように技術の指導、財政的な援助というものを考慮したい、こういうように建設大臣発言したように承知してよろしゅうございますね。
  69. 中村梅吉

    ○国務大臣(中村梅吉君) けっこうでございます。
  70. 大河原一次

    委員長大河原一次君) 他に御質疑はございませんか。……御質疑もないようでありますから質疑は終了したものと認めまして、これより本案についての討論を行ないます。御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを願います。(「なし」と呼ぶ者あり)別に御意見もないようでありますので討論は終局したものと認め、これより本案について採決を行ないます。  都市美観風致を維持するための樹木保存に関する法律案全部を問題に供します。本案を原案どおり可決することに賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  71. 大河原一次

    委員長大河原一次君) 全会一致であります。よって本案は全会一致をもって可決すべきものと決定いたしました。なお本案の審査報告書につきましては委員長に御一任を願います。   —————————————
  72. 大河原一次

    委員長大河原一次君) 次に、国土調査促進特別措置法案を議題といたします。前回説明を聴取いたしておりますので、これより質疑を行ないます。提出者ほか経済企画庁総合開発局玉置参事官が出席されております。御質疑のある方は順次発言を願います。
  73. 田中一

    田中一君 三十七年度の予算で国土調査費どのくらいついています。
  74. 玉置康雄

    説明員(玉置康雄君) 国土調査全体で三億六千三百万でございまして、そのうち地籍調査が三億三千万でございます。
  75. 田中一

    田中一君 提案者に伺います。なぜ国土調査促進特別措置法を作らなければならなかったか、それからこの提案理由に書いてありますけれども、この内容は現在ある国土調査法に定義されているところの事業を指しているのか、それから発展してどこにまで調査対象というものが延びているのか、説明していただきたいと思います。
  76. 相川勝六

    衆議院議員(相川勝六君) われわれ三党が共同提案で促進法を提案するに至りました事情をちょっとお聞き願いとうございます。  御承知のごとく、国土調査の最も大事な地籍調査というものは、西欧の先進国ではもう十九世紀に全部完成しております。日本におきましても台湾とか満州とか沖繩朝鮮、こういう旧日本のところでは完成しておるのであります。ところが内地ができていない。まことにこれは一種の、ある意味からいうと、少なくとも合理的な行財政が行なわれていない証拠であります。そこで昭和二十六年に国土調査法が制定せられまして、ひとつ早急に国土調査をやることになった。ところがこれがなかなかはかどりませんで、そこでとうとう三十二年に国土調査法の一部を改正いたしまして、そうして特定計画というもの、それで十年のうちに少なくとも日本の国土のうちの半分ぐらいは調査を完了したいということでかかったわけです。ところがやってみまして、十年間に日本の国土の大体可耕地の面積が三万五千平方キロ、このうちの一割ぐらいしかできなかった。そうすれば日本の可耕地の半分をやるにはやはり五十年間かかる、五年かかって一割ですから。そうすれば全体をやるのには百年かかる、こういうように遅々として進まない情勢です。その間三党——そのときは民社党はございませんでしたが、社会党と自民党が共同提案して共同決議で促進してやっております。ところがうまくいかない。そこで、こういう法律も作り、法律の一部改正もやり、そうして当時の、まあ共産党は入っておりませんが、社会党と自民党が共同提案で決議までしておりまするけれども、今のような状態でいけば、可耕地面積を全部地籍調査だけやるにいたしましても百年かかる。まことに遺憾しごくなんです。そこでいろいろの方法がありましょうけれども、こういう調査の促進法というものを今度は作ってやらなければならない。  そこで、今の御質問のそれではどういうことをやるかと申しますと、母法の国土調査法というものがございまするから、そのうちの全部の項目をやるのではございません。国土調査法に掲げてある調査項目の大事な部分だけをひとつやろう、そうして大体われわれ提案者の考えでは、この日本の可耕地が六万六千平方キロ、この七割というもの、四万平方キロ、これをひとつ将来は十年ぐらいで完成するような意気込みでやってみたい、これはこちら側の希望でございます。これはどうせ審議会にかかりまして審議会できめてもらうものでありますが、そういうことを考えております。そこで、あるいは衆議院段階ではそういう意見がちょっ出たのであります。調査法があるのにさらに促進というものをやるのはおかしいじゃないかという意見がありましたけれども、しかし従来の政府のやっておることでうまくいかないのが、やはり促進法というものができて初めてよくうまくいっているのですからね。たとえば道路の問題にいたしましても、道路法がありまするけれども、道路の緊急措置法というものができて、そうして五カ年計画をやって相当の実績をあげておりますし、それから河川法もあります。あるいは砂防法もありますが、うまくいかぬので治山治水緊急措置法、これで十カ年計画で、これも促進しております。港湾の問題も、港湾法がありまするけれども、思うようにいかぬもので、港湾整備緊急措置法、これで五カ年計画でおかげで相当進んでおります。まあそれと全く同じとも申されませんが、大体似たような措置だと思って三党やむにやまれずしてこういう緊急促進法をやったような趣旨でございます。どうかひとつやむにやまれない気持をこの上ながら御了承願いたいと思います。
  77. 田中一

    田中一君 これは出し直して三党の提案になったのですか、そうですか。
  78. 相川勝六

    衆議院議員(相川勝六君) はいそうでございます。
  79. 田中一

    田中一君 経済企画庁に聞きますがね。現在ある国土調査法の事業の目的並びに定義からはずれている問題が、新しく加えられた問題は何をねらっているのですか、どういうように理解しておりますか、あなたのほうで。
  80. 玉置康雄

    説明員(玉置康雄君) 現在の国土調査法から、はずれた問題というものは今度の法律で何も盛られてないと思っております。
  81. 田中一

    田中一君 これは相川さん、初め与党の諸君で一応お出しになったものであって、結局政府に対する不信任案ですね、その一つですね、どうです相川さん。
  82. 相川勝六

    衆議院議員(相川勝六君) ざっくばらんに申せば今のままでは信用できないというわけです。ひとつ三党の力で政府を督励していこう、これがまあざっくばらんの話です。
  83. 田中一

    田中一君 国土調査法の問題については私も非常に長い間関心を持ってきているのです。常に、国土総合開発審議会でも、こんな三億や四億の補助費の予算づけじゃとてもだめだということも再三言っておるのです。今あなたは百年で完成するといったが、私は百年じゃできない、千年かかる。その場合には地籍は移動します。何にも実効のないものになってくる。そこで大体今度の促進法で何年ぐらいでこれを完成させようというお考えに立っておりますか。
  84. 相川勝六

    衆議院議員(相川勝六君) われわれ提案者の考えでは、今申しまするとおりに大体可耕地を先にやって、特に必要なところはこれからいろいろ新産業都市とか、農村の構造改善とか何かをやってきますと、可耕地だけでなくて山のほうもありましょうが、大体可耕地が六万六千平方キロといわれておりまするから、それの七割ぐらいでございますか、その七割ぐらい、大体四万平方キロを十年間に完成したい、これがわれわれの希望であります。
  85. 田中一

    田中一君 そうすると経済企画庁に聞きますがね、ねらい方は、国土調査法に基づく基本調査でなくて、あるいは特定地区の調査じゃなくして、特定地である河口地区を十年間でやろう、いわゆる臨海工業地帯の調査をまず先にやっていこうじゃないかということなんですね。提案者の考え方はそうだというふうに理解しておりますか、「かこうち」というのは川口をいっているのでしょう。
  86. 相川勝六

    衆議院議員(相川勝六君) 私、申しましたのは耕すことのできそうなところというのです。
  87. 田中一

    田中一君 耕地ですか。
  88. 相川勝六

    衆議院議員(相川勝六君) ええそうでございます。それが大体六万六千平方キロ、こうなっておるのであります。ところが、今の御質問にありましたとおりに、一方今度新産業都市とかあるいは低開発地帯とか、そういうことでそういう方面でのまた調査もあろうと思っております。低開発地域の調査、それはあるいは建設省でやるとかあるいは農林省でやるとか、いろいろありましょうが、そういう調査もこの調査と関連を持ちながらまたやっていく、こういうわけであります。
  89. 田中一

    田中一君 もう一ぺん聞きます。耕地というのは農耕地ですか。
  90. 相川勝六

    衆議院議員(相川勝六君) 耕作可能の地というわけです。
  91. 田中一

    田中一君 これはね、土地の実態というものはそういうねらい方をしてもこれは押さえ切れないものなんです。山林がいつの間にか開墾されて農地になっている、しかしこれは帳簿上では山林だ、あるいは宅地だったものがいつの間にか耕地になっている、耕地がいつの間にか宅地になっているということは、これはもう今日の常識ですよ。りっぱに反当たり十俵も取れる水田が山林になって、税金はそれで払っている場合もある、実際言うと。そういうことがあっちゃならぬというので国土調査法が今日まできておりますけれども、農耕地だけ六万六千平方キロでしたか、十年間でやろうということだけで足りるんですか。そういう目的のためにやるんですか。
  92. 相川勝六

    衆議院議員(相川勝六君) 今の私が申し上げたのはきわめて大ざっぱな考えでございまして、必ずしもこれにこだわるわけじゃないが、大体の目標を考えてみたわけであります。お説のとおりでございます。農耕地だけではございません必要な場合には山林のほうもやりたい、農耕地でないようなところもやる、大体一応農耕地を頭に置きながら、必要なところは農耕地以外、耕作可能地以外のところもやりたいと、こういうわけでございます。
  93. 田中一

    田中一君 そこで十年間で行なうという地域、ことに衆議院における附帯決議等がございますが、これは十年間でどのくらいの補助金を要求しているのですか、四分の一ですか。
  94. 相川勝六

    衆議院議員(相川勝六君) 現在は国費の補助が三分の二でございます。あと三分の一を県と市町村が六分の一ずつ持ちます。
  95. 田中一

    田中一君 国土調査の推進は当然しなければならぬ。これは先ほど言っているように強力にしなければなりません。しかし今の三分の二の国庫補助で、十年間に総額はどのくらいになるのですか、事業費は。
  96. 相川勝六

    衆議院議員(相川勝六君) 今われわれが考えている総事業費は十カ年に大体二百億と思っております。
  97. 田中一

    田中一君 事業費ですか、補助費ですか。
  98. 相川勝六

    衆議院議員(相川勝六君) 事業費です。一応の計算を申し上げますと、四万平方キロで経費は二百億、国の負担がその三分の二でございますから約百三十五億、それから基準点の測量が三十七億、そのほかに土地の分類の基本調査が一億三千万円、合計約百八十三億です。
  99. 大河原一次

    委員長大河原一次君) 速記をとめて。   〔速記中止〕
  100. 大河原一次

    委員長大河原一次君) 速記をつけて。
  101. 内村清次

    内村清次君 先ほどこれは企画庁のほうでしたか、国土調査法ですね、第二条一項の一号ですか、これには土地分類調査とそれから水調査、地籍調査こういった調査が例記されております。そうすると企画庁先ほどの御答弁では全部やるんだ、しかし発案者の、提案者の発言を聞いてみると水調査はやらないでしょう、この点。
  102. 相川勝六

    衆議院議員(相川勝六君) お答えします。要するに企画庁のほうは従来の調査法でやらないことまでやるのか、新しいことをやるのかという御質問だったから、新しいことはやらないのだこういったわけです。われわれのほうはもちろん新しいことはやりませんが、従来やっているうちで地籍調査土地分類調査に特に力を入れて、それで水の調査は今度は水資源公団ができましてそれでそこで調査会もできてやりますし、それから調査の性質があれは長くかかるのですね、一つの河川でも何事もしなければ調査ができない、こっちはやりかかったら一気にできますから、性質が違いますから水調査ははずそうというわけです。それから土地分類調査が従来はやるということにはなっておりますけれども、ただ机上でいろいろ研究しておるだけであって、実際上まだ実施していないんです。ところが御承知のとおり新産業都市とかあるいは低開発地帯とか、農村構造改善とかなって参りますと、どうしても土壌の調査までやって、どこに牧場を作るか、どこを水田にするかいろいろの点が必要になって、それで今度土地分類調査のほうをぐっと促進したいというわけでございまして、結局従来の調査項目のうちの重要項目を特に取り上げよう、新しい項目はないと、こういうわけであります。
  103. 内村清次

    内村清次君 そうすると重要項目を取り上げていって、新しい項目もないんだが、しかしこの国土調査法の第二条のうちの水の調査だけはこれは省くんだ、こういうことですね、そうすると国土の総合開発という観点から水調査が伴っておらないということになれば、水資源関係でやるんじゃないかとこういうお話でしたが、これは私たちも水資源の今度は公団もできました。促進法とかのあの法律の審議の際にも、一定の地帯だけに対して今政府が計画しておるわけですね、もちろん全体的な水の調査をするというようなことは今のところ考えておらないわけです。だからこれはどうしてもやっぱり国土の総合開発という点からして、基礎になる国土の調査法に基づくところの区分ですね、こういう点をまずやって、そうしてそれがあと質問しますが、国土の総合的開発とはどういう関連方を持つのか。その前提になるものが今回あなたが提案されております国土調査法に基づく促進法、こういうことになりはしませんか。
  104. 相川勝六

    衆議院議員(相川勝六君) お説ごもっともでございますね。やはり国土総合開発からいえば水資源というものは最も重要なものでございますから、これを除いて総合開発というものはできません。だが従来も水調査はできていないのですよ、国土調査では。地籍調査のほうがわずかごく一部できただけで。そこでそれまでを国土調査法でやればいいんでございますけれども、これは一応水調査は水資源公団もできましたし、そこに水資源の審議会というのもありますし、それで十分やってもらって、それとわれわれのほうとほかの調査のほうとが関連を持って総合開発をやっていく、こういうことのほかはないのじゃないかと思うのでございますね。
  105. 内村清次

    内村清次君 その点の考え方がどうも……。あなた方にまた水資源のほうも全部水の調査もおやりなさいということになってくると、私はこの二十六年にできました国土調査法というものがちょっと何にもならないような感じもする。私は、これが基本であって、この調査法に基づいて水調査も地籍調査もぜひやるのだ、やるのだけれども、あなたが今度促進法を出されたゆえんのものは、その地籍調査さえも一割しかできておらぬじゃないか。ならば今回はひとつ第二条の分だけは全部やろうじゃないかということになったならば、話はわかるのですけれども、水のほうだけお除きになったということがどうもちょっとまだふに落ちない点があるのですが。
  106. 相川勝六

    衆議院議員(相川勝六君) いや、ごもっともでございますが、決してそれは関心ないわけじゃないのでありまして、今度経済企画庁も総合開発局のほかに水資源局というか、そういう新しいものができましてこの水資源の調査開発について非常に力を入れてやることになっております。それから先刻申し上げたとおり水資源の調査といいますと、だいぶ長くかかるのでございます。何年もかかる。それで年中調査しておかなければわかりませんし、多少あれは進行が違うものですから、そちらのほうの調査と関連を持ちながらこっちをやって行く、総合的にはお説のとおりやるつもりであります。
  107. 内村清次

    内村清次君 そうしますと、これも御答弁の中に入ってはおりますけれども、国土総合開発法というのが全国計画として近くできますね。大体の草案は昨年出た。やがてできますが、この本ぎまりになる予定の国土総合開発法との関連は一体どういうふうになって参りますか。
  108. 相川勝六

    衆議院議員(相川勝六君) 実は国土総合開発のあれはまだわれわれのほうも承っていないのでございます。今経済企画庁で一応デスクの上で考えられているので、近いうちにこのほうの話を聞きまして調整をとるつもりでおります。
  109. 田中一

    田中一君 経済企画庁長官に伺います。今まで国土調査法制定以来十年たっている。しかし実際の実効は上がっておらぬと思うのです。今回の促進特別措置法では、今のような進み方で全部やるには百年かかるというが、私は千年かかると思う。そんなことであってはならないわけです。しかし、ここでこういう国土調査促進特別措置法などの法律案が出たことについては、大臣どうお考えになりますか。あなたの横つらをぱっとはられたような気がなさるのですか、それとも、あなたは熱意があるけれども、なかなか財政当局が聞かぬものだからこうなっているのだと、こういうことなのか、あるいは、こういうものがなくて、次年度からはこの精神を体して十分にやるのだというお考えに立つのか、この点ひとつ御答弁願いたいと思います。
  110. 藤山愛一郎

    ○国務大臣(藤山愛一郎君) 今度の案ができましたことは、私は横つらをたたかれたとは考えておりません。皆さん方の熱意ある御協力の表現だと思うのでありまして、われわれも御熱意に対して、予算等についても大蔵当局と十分その御趣旨の達成するように努力したい。従来とも必ずしも努力しなかったわけでもございませんし、本年度は従来から見れば比較的よけい予算をつけていただいたわけですけれども、しかし御指摘のように、今のような状況ではなかなか相当の年数、百年、千年ということになりますかどうかは別としまして、相当な年数がかからざるを得ない問題でありまして、そういう点については、皆さん方の御趣旨がわれわれを鞭撻して、そうして十分、何と申しますか、進むように一そう努力して参りたいと、こう思っております。
  111. 田中一

    田中一君 御承知のように、現在特定地域の基本調査をやっております。しかし先年登記法の改正によって、これが職権登記というのですか、自動的に調査の結果というものは総理大臣の認証を得てそのまま土地台帳に登記されるということになります。その際にも論議したのですが、むろん現在の国土というものは大体において、政府から出してもらっている資料を見ても、山林関係で三五%くらい、それから耕地、農地においては大体一〇%以上の縄延びは当然あるものなんです。宅地でも一割ぐらいはございます。今まで基本調査をし、総理大臣が認証した物件でそういう事態にあるのです。したがって法律によるところの政府の事業に対する協力というものを行なった者が、自動的に税金を余分に取られるということになる。収穫は同じです、調査する前も調査した後も同じなんです。ところが税金というのは現金支出ですから、農家というものはそんな現金を持たないです。しかし当然これはふえていく。同じ隣接の、特定地区として指定されなかった土地人たちより何割の縄延びがあって、そこの収穫は同じでも、地租だけは余分になってくるということになると、これは不公平である。だからこれは全部国土調査が終了しなければ税金を取ってはならないのだ、現行の税金でとどめておくというようなことを私は強く要求しまして、かつて経済企画庁長官並びに大蔵大臣あるいは局長通牒かどちらかで、それらの措置は私の要求するとおりにとったはずだと思うのです。その現状はどうなっていますか。
  112. 曾田忠

    政府委員(曾田忠君) ただいまのお説まことにごもっともでございまして、先生のお話のとおり、経済企画庁といたしまして、また自治省といたしまして、一つの市町村の全体の区域の国土調査が終わらなければ固定資産税等の変更をしてはいけない、という通知を出しておるわけでございます。
  113. 田中一

    田中一君 その一つの区域というのは、私の理解では一都道府県単位というように見ておりますが、その点はどうなんです。私はそういう工合に理解しているんです。
  114. 曾田忠

    政府委員(曾田忠君) 先ほど申し上げましたように、企画庁あるいは自治省といたしましては、一つの市町村単位を考えておりまして、その当該市町村の全部の区域の国土調査が終わるまでは、前の土地台帳によって課税するというふうな方針をとって実施しておるわけでございます。
  115. 田中一

    田中一君 今まで、一つの町村の全部に対して、特定地区として指定した例はありますか。
  116. 曾田忠

    政府委員(曾田忠君) お答えいたします。詳しい名前は覚えておりませんが、北海道に一カ所ございますが、全部終わったところがございます。
  117. 田中一

    田中一君 その名前を教えていただきたい。その地域はその後町村合併いたしましたかいたしませんか。——今すぐわからなければ……、私が言っていることは、結局、そうして行政区域だからといってその隣村はおそらく特定地区として指定されなければ税金の増加がないわけなんです。こういうことは不公平です。政治に不公平があっちゃなりません。ことに農家というのは現金収入が少ないのです。その現金を支出するということがあっちゃならないのです。しかし取るほうでは、当然取るべき財源があるのだから、それは対象があるのだから取ろうとするでしょう、経営企画庁長官に伺いたいのはそこなんです。調査といいますけれども、それで全部取られたところがあると言っておりますが、それが町村合併したのかしないのか、若干でも残っているのかどうか、残っていればおそらく取らないでしょう。何年前か知りませんが、この法律は十年たっています。その場合に取ったものは返すべきですよそういう通牒を出した以上。そうしてできるならば完全に終わるまで、せめて都道府県単位くらいならばという気持を持っているんですが、経済企画庁は残すべきです、三%でも五%でも完全に全部終わらないのだという形を残すべきですよ。そうしないと不公平になります。そうすると、土地所有者はこの事業に協力しないものなんです。その点はひとつ、一町村単位という通牒を出して一市町村単位でやった例があるというのですが、あるならば明らかにしていただきたい。それが町村が合併したかどうかという問題、したならば明らかに完成したものではないはずです。その場合は返すべきです。そしてもとの固定資産税を取るというふうにしなければならぬと思うのです。そして大臣からは、将来ともにそういうひとしからざるを憂えるという言葉がございます。国に協力するために、余分な、農家なり山森——山森はまだいいと思いますけれども、農家等の金銭支出はふえちやあならない。不当ではないけれども、他と此較して特定にふえることになるのです。これは当然の政治の姿です。完全にできるまでは……、またかりに一町村ときめても、きめ方によります、経済企画庁としては何パーセントか残すべきです。そして完全にできておらないのだということにして、取らないような措置をとらなければ私は納得できない。実は曽田君よりも長官に聞いて、長官がこうするのだと言ってくれれば、あと自治省と相談すればいいんだけれども……。
  118. 曾田忠

    政府委員(曾田忠君) 先ほど申し上げました北海道の国土調査の終わったところの名前でございますが、幌向町でございます。その後これが町村合併になったかどうかはまだ調べておりませんので、後刻調べましてからお答えいたしたいと思いますが、なお、この幌向町の終わりましたところは、陸地は全部終わったわけでありますが、一部が補償があるそうでございまして、補償の分がまだ残っておるということでございます。  それからもう一つお答えいたしますが、固定資産税は市町村税でございますので、やはり一つの市町村の単位で考えるほうが適当ではないかというふうに考えておるわけでございます。
  119. 田中一

    田中一君 そうすると、幌向町は、これは税金は増加したものを取っておられないということですね、完了しておられないのだから。
  120. 曾田忠

    政府委員(曾田忠君) まだそこまではっきり調査しておりませんので、調査いたしましてお答えいたしたいと思います。
  121. 田中一

    田中一君 困るな、それじゃ採決できないよ、きょう。重要なことなんですよ、重大なことなんです、それは。藤山さん、ひとつ、その場合にはこう扱うようにすると言って答弁してくれればけっこうです。それはいけませんよ。
  122. 藤山愛一郎

    ○国務大臣(藤山愛一郎君) 実は急に出てくれということでございますので、衆議院の本会を終わりまして、ただいま新産業都市委員会に出る途中にお伺いしたようなわけで、したがって、資料等も取りそろえておりませんし、お答えできにくいところがありましたので、さっそく資料等を取りそろえて、御質問趣旨の事実があるかどうかということは御答弁いたしたい、こう思います。  なお、今の点につきましては、御承知のとおり、市町村単位の税金の問題でもございますので、少なくとも県単位までというお話もございましたが、その辺のところは自治省とも十分相談しなければ、今直ちにどうするかということはきょう申し上げかねるわけでございますが、まあ御趣旨のところは十分伺っておきまして、今後のわれわれの参考にいたして参りたいと思います。
  123. 田中一

    田中一君 町村税ですから、取らない場合もあるのです。取らないと、自治省は財源があるのに取らなければ交付金でもって制限するぞ、こうくるのです。あなたの部下の官僚はみなそうです。ほんとうにそうなんですよ。財源があればそれを取らなければおかしいではないか。それでは交付金で手を打つぞというようなおどかし方をするわけなんです。しかし政治というものはそういうもんではございません。どうも藤山さんは経済同友会にいくとぼんぼん言うけれども、ここでそのくらい言ったっていいじゃありませんか。これは農民のためです。それはそういう通牒が出ているんですから、それを徹底して全国的に大部分のものが終わらない以上、そういう措置はとらないように努力すると言って答弁して下さいよ。
  124. 藤山愛一郎

    ○国務大臣(藤山愛一郎君) 御趣旨のところはよくわかりますので、そこらの点についてはさらに検討させていただきたいと思います。
  125. 田上松衞

    田上松衞君 経済企画庁長官と相川御両者にちょっと御意見を承りたいと思うのですが、この法案一つ一つの中身について申し上げるのじゃなくて、こうして出されたものを見ますると、いろいろ提案理由の中にも指摘された田中委員の先刻の、これはまあざっくばらんに言ったならば、政府不信任の表現じゃないのかと、あるいは見方によればそうであろうというような、そういう御意見もあったのです、遅々として進んでいないということであります。  そこでどうもこういうことをやってみますると、一体こういうような日本の政治のあり方があっていいのだろうか。たとえば具体的に申し上げますならば、この法案を出された扱いが、まあ計画の窓口が経済企画庁になっておるわけですから、こういう工合にして出すんだと、出すけれども、国会に審議せしむる形は別の問題になりますけれども、衆議院においては商工委員会にこれを付託して審議せしめる、参議院では建設委員会にこれを持っていくというようなことです。しかも案ができ上がってしまって、将来これを実施に移す場合においては、事業はどこがやるかというと農林省もやるだろうし、あるいは国土地理院もやるだろうし、通産省もやる、建設省もやる、運輸省もやる、厚生省もやるというふうな工合にばらばらになってしまうのです。どこが一体責任を持っていくかということについて、私ども多くな不安を持ってしまうわけです。その一つの省がサボってしまっても、これは欠けものになってしまう、ちんばになってしまう。そうすると、さっきいろいろ論議したように、結果的には百年かかるのか千年でできるのか、わけのわからぬようなものになってしまうという心配があるんだと思うわけです。  そこで、こういうものをこういうことにさせないようにさしていくのには、たとえば建設省等を中心とするところの国土省というものを早く作り上げちゃって、国土省をしてこういう種類に対するところの調査から実施から、そこまで責任を持たしてやるというようなことにやってみたら、一体どうなんだろう。そして、ついでだからこの場合つけ加えてしまいますならば、現在の経済企画庁というものは、今のようなこんなわずらわしい事業もやってみたい、計画もやってみたい、全くこんな、あっちひっぱられ、こっちひっぱられるような中心のないようなふうに疑われる姿でなくして、もっと世界情勢を詳しく見ながら、あわせて事態の推移というか進展、変化と、こういうものに日本の国家行政、政治をマッチせしめていくというような大きな問題をつかんで、かくかくあるべきだというところにすわっていくような、こういう姿に変えなければ、これはさっぱりどうにもならぬと思うのですが、こういうことに対してどういう御意見を持たれるか、経済企画庁長官は時間がおありにならないようですから先に。
  126. 藤山愛一郎

    ○国務大臣(藤山愛一郎君) ただいまお話のとおり、現在のこういう仕事は非常な地味な仕事でありますので、比較的世間の耳目を引きにくい、しかしそれだけに、また一方では地味ではありながら大事な仕事というものがおくれがちでありますことは、私どもまことに残念だと思いますし、今後それを推進していくためにも、こうした御鞭撻を受けたいと思っておるのでありまして、今後政府においてもその点についてはできるだけの努力をして参りたいと思います。また企画庁は御承知のとおり各省間の種々な相剋摩擦を防いで、そしてその調整をはかるということでございますので、実は最近いろいろなものがその総合調整の結果として、企画庁に持ち込まれるということが多いのでありまして、私どもは、今ちょうどお話のような、企画庁というものはもう少し純粋な、直接行政に関与しない経済諸般の問題について十分な材料も集め、調査もし、検討もして、そして日本の経済を誤らしめない方向に持っていくような役所として活動するのが、私は企画庁本来の使命だと思います。  そこで、なぜそういうことになったかと申し上げますと、やはり今日のようないろいろな政治、行政、経済、各方面におきます種々な拡大発展の過程におきまして、旧来の行政機構というものは必ずしも現状に即したような行政機構になっておらぬところに、こういうふうな、最後には何か企画庁が締めくくりをして、しかも締めくくったということのために、企画庁がそういう仕事をしなければならない、そういうことになるかと思います。そこで私どもといたしましても、現在行政管理庁が主導者になって七人委員会ができております。これらのものが行政制度の全般にわたって、今日の実態に即するような方針のもとに、各方面の有力な方々を集めて、しかも少数精鋭主義で行政機構全般の検討を開始しておられますので、そういう意味合いにおきまして、十分これらの行政機構というものに対して、しかもそれは総合的に行政を運営するのに適当な新しい行政機構を作っていただくよう御検討を十分に願って、その成果を期待したい、こう思っております。
  127. 田上松衞

    田上松衞君 長官はもうけっこうです。  相川さんの党のことについて御意見を伺っておきたい。特にこの際あなたに申し上げたいのは、さっきもいろいろ内村さんあたりから指摘されたように、一体この国土調査を早く調査せしめるというねらいは、あくまで国土開発なのですね。その中にいつでもわかっているような水資源の問題を除いていくというようなことはできない、その理由はよくわかりました。ですけれども、そのことすらちぐはぐだと思うのです。わけても卒直に申し上げますならば、自民党単一の政権である今日の政府においてですら、各省間がいろいろな点において必ずしも一致しないでおるという、これはもうどう隠したって天下周知の事実なのです。しかも、それぞれのところで、いろいろななんとか審議会とかなんとか調査会というものを各省がいろいろ委嘱付託をしてやらしておりますけれども、その委員たちの考えというものも、いろいろな私どもの審議の上に必要な場合に、参考人になってもらって意見をお聞きしても、全く天と地と違うような意見すら承っておるのです。実際問題として。ところが究極において、それをどこをどう取り上げたのか。それはもう聞き放しで、形式的にやったというだけのことで何らの効果も上げていない、目的を達していない、という面、があまりに多過ぎてしまっていると、こう考えているわけです。一向中心がない、骨が入っていない。いわんや今後、いい悪いは別として、当たる当たらぬは別として、こういうことでいったならば、しまいには今日の自民党の単一政権というのではなくして、いろいろ政党がたくさんになって、まあ小党派が集まって連合政府ができるようなこともないともきめられないと考えているわけなのです。よその国のようにクーデター等によってやる場合は別ですけれども、日本にはそういうことを許すべきではないのですから、やはりよかれ悪しかれ民主々義の上に立ってこれはしなければならないという大きな方向があるわけなのでして、そういうことを考えてみますると、そうした各党のいわゆる連立内閣というものはできるだろうと、そうなっていきますと、なおさらさっき申し上げたような各省間における意見の不一致というようなもの、あるいはいろいろな種々審議会調査会等における委員たちの考え方の違いというものがあるだろう、こうなってみますると、懸念される問題は、せっかく国民が要望しておる、あるいは日本がそうなっていかなければならぬことがわかりきっていながら、現実において百年たっても五百年たっても実を結ばないという結果に陥っていく。これはまじめに考えてもらわなければならない。そういう場合に処する道は何かというと、さっき申し上げたようなたとえば国土省なら国土省という、これが一切の責任をもっててきぱきやっていく。いろいろなその他の各省の行き方がどうあろうとも、そこは一つの事柄をするのに最後まで責任をもっていくという姿にしない限りにおいては、これはどうにもならないと考えるわけなんですが、それに対しての卒直な御意見を承りたい。
  128. 相川勝六

    衆議院議員(相川勝六君) ただいまのお話に全く私も同じ憂いを持ち改善の必要を考えている一人です。諸先生お示しのとおりとうていこれは満足できない。このたび提案しました国土調査関係の問題にしましても、結局私はざっくばらんに申しますと、経済企画庁でこれをやっているのがいいのかどうかという問題になってくると思う。これは企画官庁ですからね、どんどん調査を実施していかなければならない。そうすれば、御承知のとおり、国土省というような総合的なものが将来必要じゃないか、そういうことを考える。そこで附帯決議にもありましたのはそういうところをうたっております。将来そこまで……。そこで、この法案をひとつお通し下さいますれば、法案の精神を生かすためには、続いてそういう方面についてもまた努力していかなければ、この法案の目的は達せられない。今の御説しごく賛成でございます。そのとおりでございます。
  129. 田上松衞

    田上松衞君 けっこうです。
  130. 大河原一次

    委員長大河原一次君) 他に御質疑はございませんか。——他に御質疑もないようでございますから、質疑は終了したものと認め、これより本案について討論を行ないます。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。———別に御意見もないようでございますから、討論は終局したものと認め、これより本案についての採決を行ないます。  国土調査促進特別措置法案全部を問題に供します。本案を原案どおり可決することに賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  131. 大河原一次

    委員長大河原一次君) 全会一致であります。よって本案は全会一致をもって可決すべきものと決定いたしました。なお、本案の審査報告書につきましては委員長に御一任を願います。  本日はこれにて散会いたします。     午後三時五十九分散会    ————・————