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1962-04-20 第40回国会 参議院 決算委員会 第6号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十七年四月二十日(金曜日)    午後一時五十分開会   —————————————    異員の異動 四月三日委員松定吉君、野田俊作君 及び大泉寛三君辞任につき、その補欠 として谷口慶吉君、上林忠次君及び西 田隆男君を議長において指名した。 四月十六日委員高橋進太郎辞任につ き、その補欠として温水三郎君を議長 において指名した。 本日委員岸田幸雄君及び仲原善一君辞 任につき、その補欠として永野護君及 び草葉隆圓君を議長において指名し た。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     相澤 重明君    理事            岡村文四郎君            佐藤 芳男君    委員            木内 四郎君            草葉 隆圓君            小林 武治君            下村  定君            田中 清一君            谷口 慶吉君            永野  護君            温水 三郎君            増原 恵吉君            木下 友敬君            大和 与一君            山田 節男君   国務大臣    大 蔵 大 臣 藤枝 泉介君   政府委員    防衛庁経理局長 木村 秀弘君    防衛庁装備局長 久保 忠雄君    調達庁次長   真子 傳次君   事務局側    常任委員会専門    員       池田 修蔵君   説明員    会計検査院事務    総局第二局長  樺山 糾夫君   —————————————   本日の会議に付した案件昭和三十四年度一般会計歳入歳出決  算(第三十八回国会内閣提出)(継  続案件) ○昭和三十四年度特別会計歳入歳出決  算(第三十八回国会内閣提出)(継  続案件) ○昭和三十四年度国税収納金整理資金  受払計算書(第三十八回国会内閣提  出)(継続案件) ○昭和三十四年度政府関係機関決算書  (第三十八回国会内閣提出)(継続  案件)   —————————————
  2. 相澤重明

    委員長相澤重明君) これより決算委員会を開会いたします。  委員の変更について御報告いたします。四月三日一松定吉君、野田俊作君、大泉寛三君が辞任され、その補欠として谷口慶吉君、上林忠次君、西田隆男君が、四月十六日高橋進太郎君が辞任され、その補欠として温水三郎君が、それぞれ選任されました。
  3. 相澤重明

    委員長相澤重明君) 昭和三十四年度決算審査日程について申し上げます。  委員長は、昭和三十四年度決算審査を今国会中に議了することにいたしたいと考え、本日より各省別審査を行なうことといたし、次のように日程を組みました。本日と二十一日が防衛庁、二十三日が大蔵省専売公社国民金融公庫、北海道東北開発公庫、二十五日が農林省、農林漁業金融公庫、二十六日が厚生省、建設省、住宅金融公庫、二十七日に郵政省と電電公社、三十日に運輸省、日本国有鉄道、五月二日は通産省、中小企業金融公庫中小企業信用保険公庫開発銀行輸出入銀行、五月四日自治省、公営企業金融公庫、労働省、そうして七日に——最後の日に総括質疑、討論、採決を終わる、こういう考え日程を組んだわけでありますが、委員会として、取り進めることにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 相澤重明

    委員長相澤重明君) 御異議ないと認めます。  なお、関係大臣等出席の都合により日程の一部を変更する場合もあると考えますが、この点はあらかじめ御了承願っておきたいと存じます。
  5. 相澤重明

    委員長相澤重明君) 昭和三十四年度決算を議題といたします。  本日は防衛庁についての審査を進めます。  なお、念のため申し上げますが、防衛庁関係会計検査院より不当事項として指摘されましたも一のは、検査報告二十九ページ以下の六号から八号まででございます。  まず、防衛庁長官から三十四年度防衛庁関係決算についての説明を願います。
  6. 藤枝泉介

    国務大臣藤枝泉介君) 昭和三十四年度防衛本庁経費決算概要について御説明いたします。  昭和三十四年度防衛本庁経費の当初の予算額は、千三百六十億四千万円でありまして、これに予算補正修正減少額三億四千七百六万円、前年度から繰り越し金額七十五億三千四百八十七万円、科学技術庁から移しかえを受けた額四百六十万円、大蔵省所管へ移用した減額二億四千五百三万円を増減いたしますと、歳出予算現額は千四百二十九億八千七百三十八万円となるのであります。  この歳出予算現額のうち支出済歳出額は千三百五十六億四千三百九十四万円でありまして、これを歳出予算現額に比較いたしますと七十三億四千三百四十四万円の減少となっております。  右の減少額のうち翌年度繰り越し金額は、財政法第十四条の三の規定によって六十二億八千百十一万円、財政法第四十二条ただし書きの規定によって三億四千二百八十八万円、財政法第四十三条の二の規定によって四億四百三万円、計七十億二千八百二万円でありまして、不用となった金額は三億千五百四十二万円であります。  これを昭和三十三年度決算と比較いたしますと、昭和三十三年度は翌年度繰り越し金額が七十五億三千四百八十七万円、不用となった金額が五億六千二百六十一万円でございましたので、繰越額において五億六百八十五万円、不用額において二億四千七百十九万円の減少となっております。  昭和三十四年度予算については、自衛隊質的増強をはかることをその基本方針として予算の編成を行なったところであり、これが執行については、特に装備の充実と改善をはかるための経費として四十八億六千九百万円、前年度に引き続き、生活環境改善のための経費十四億七千九百万円、技術開発推進のための経費として十八億九千七百万円、レーダーサイト移管に伴なう業務運営のための経費二十九億三千三百万円と、重点的運営をはかった次第であります。一方、防衛力整備計画の基盤を達成するために、自衛官八千八百三十三名、一般職員三千二百四十九名、一万二千八十二名の増員を行ない、航空機については、連絡機八機、ヘリコプター二十七機、輸送機十二機の購入をはかり、ジェット練習機二十機の第一次生産に着手し、前年度に引き続き対潜哨戒機ジェット機の生産を推進するとともに、艦船の建造として、乙型警備艦二隻、潜水艦二隻、甲型駆潜艇三隻、中型掃海艇二隻、潜水艦救難艦一隻の建造に着手した次第であります。  従来、防衛本庁予算執行における繰越額及び不用額が多額であったことにつきまして、本委員会において警告を受けた次第でありますが、右に申し上げたとおり、年々これが執行にあたっては、年度当初よりできるだけ予算の計画的合理的な執行に努めた結果、前年度に引き続いて繰越額及び不用額を圧縮することができたのであります。  なお、昭和三十五年度におきましては、なお一そう改善の実をあげるものと考えております。  右に申し述べました繰越額七十億二千八百二万円のうちおもなものは、器械費等五十三億千七百十五万円、艦船建造費四億八千二百十一万円、施設整備費十一億六千百六十四万円などでありますが、この繰り越しを生じました理由の概要を申し上げますと、  一、器材費等につきましては、装備品の大部分が一般市販品と異なり特殊の規格、性能が要求されており、調達に際しては、規格の決定、仕様書の調製に慎重を期すること、また、輸入部品等については、その手続等にやむを得ない日時を要したために契約が遅延したこと等によるものであります。  二、艦船建造費につきましては、要求性能の決定及び基本設計の作成に日時を要したこと、また搭載武器の米国より供与が遅延したため建造に不測の日時を要したこと等に基づくものであります。  三、施設整備費につきましては、用地取得に際し所有者等の納得を得ることが困難な場合が多く、また補償価格の折衝に意外の日時を要したこと等により工事の着手が遅延したことに基づくものであります。  また不用額の内訳は、器材費等二億五千三百九万円、その他六千二百三十三万円でありますが、一、器材費等につきましては、航空機購入契約予定額より少なかったこと及び装備品維持費経費節約をはかった結果等によるものであり、二、その他につきましては、経費節減等に伴うものであります。  次に、会計検査院昭和三十四年度決算検査報告におきまして、御指摘を受けましたものは、第六番より第八番までの三件となっており、批難金額は約千十一万円となっております。  これを昭和三十三年度決算検査報告における指摘件教八件、その批難金額約四千百九十八万円と比較いたしますと、件数において五件、批難金額において約三千万円の減少となっております。  この内訳は、工事関係二件、物件関係一件となっております。  当庁における物資の調達や、予算経理につきましては、一般国民から重大な関心を寄せられておりますので、特に、これが執行にあたっては、諸法規を遵守することはもちろん、最も効果的に運用するよう戒め、また綱紀の粛正にも特に留意し、もって国民の負託と信頼にこたえるべく努力をいたしております。  今回会計検査院の御指摘の次第もありましたので、今後さらに一そうの反省を加え、この趣旨をよく部下に徹底せしめ、将来再びこのような過誤を繰り返さないよう万全の措置を講ずる考えであります。  なお、このたびの会計検査院の御指摘事項につきましては、十分にその事実を究明し、厳正なる処分をいたした次第であります。  次に、昭和三十四年度における調達庁関係歳出決算につきまして、その概要を御説明申し上げます。  調達庁関係歳出予算現額は八十四億三千百余万円であり、支出済歳出額は七十五億百余万円、翌年度への繰越額は七億八百余万円、不用額は二億二千百余万円であります。  支出済歳出額は、調達労務管理事務費国際連合軍等関係補償費防衛支出金、その他当時の調達庁所管事務執行使用したものであります。  まず、調達労務管理事務費でありますが、支出済歳出額は七億三千二百余万円で、この経費は、当該年度における日米安全保障条約第三条の規定に基づく行政協定第十二条の規定により駐留米軍使用する労務者労務管理事務等に必要な経費でありまして、そのおもなものは、労務管理事務を都道府県に委託した経費及び離職者対策としての職業訓練に要した経費で六億五千八百余万円、駐留米軍労務者の宿舎の維持運営等に要した経費として八百余万円、及よび駐留軍関係離職者等臨時措置法第十四条の規定に基づき駐留軍関係離職労務者に支給する特別給付金に六千三百余万円を支出いたしました。  次に、国際連合軍等関係補償費でありますが、歳出予算額は五千五百余万円、支出済額は五千三百余万円、不用額は二百余万円でありまして、この経費は、国際連合軍及び旧連合国軍行為による国民損失補償するために必要な経費であります。支出済歳出額の内訳は、国際連合軍使用により荒廃した広島県原村演習場防災工事に要する経費地方公共団体補助するため四千四百余万円及び日出生台演習場返還に伴う土地原状回復に要する補償外三十件に対し八百余万円を支出いたしました。  不用額を生じましたのは、主として事故発生事案が少なかったため、事故補償費を要することが少なかったためであります。  次に、防衛支出金でありますが、歳出予算現額は六十一億三千三百余万円、支出済歳出額は五十三億六千百余万円、翌年度繰越額は七億七百余万円、不用額は六千四百余万円であります。  支出済歳出額のうち、借料関係といたしまして、駐留米軍提供した民公有土地建物、動産及び工作物借り上げ等に要する経費として十二億四千七百余万円を支出し、駐留米軍提供しました民公有土地等の買収に要する経費として、板付飛行場滑走路地区外四十五件に対し十三億六千二百余万円を支出いたしました。  次に、新規提供補償関係といたしまして、施設区域等提供するために関連して国が土地等を賃借または買収する場合、当該土地等所有者等に対し当該土地等に所在する建物等の移転、移築、除去等または立毛等損失補償等に要する経費として、立川、厚木等飛行場周辺等建物立木等移転補償計百余件二千六百余万円を支出し、施設区域提供に伴い地方公共団体に交付する工作物等の設置、補修工事等補助に要する経費として、座間地区排水路工事費補助金外七件計九千九百余万円を支出いたしました。  また、施設区域提供等に伴い既設の道路等を移設またはつけかえるため国が当該工事を実施するに要する経費として、横浜市所在のノース・ドック地区道路橋梁等の付替工事を、工期の関係上、昭和三十三年度において翌年度にわたる債務負担を得て行ない、三十四年度への繰り越しとして千余万円を支出いたしました。  提供施設中間補償関係といたしまして、駐留米軍提供しました土地等について、その使用中に生じた当該土地等に所在する工作物、立木または立毛等損失補償に要する経費として、東富士演習場関係外二百余件の立木、立毛、工作物等補償に一億千六百余万円を支出いたしました。  返還財産関係といたしまして、駐留米軍提供した民公有地返還に伴う当該土地等原状回復補償等に要する経費として、土地建物動産等補償につき九百余件計三億七千六百余万円を支出し、また提供施設返還に伴う罠公有地所在の引き継ぎ不適当財産等の撤去に要する経費として千歳地区キャンプ・クロフォード建物工作物撤去作業外十九件の撤去作業に三千百余万円を支出いたしました。  また、返還道路復旧工事に要する経費地方公共団体補助するため、日出生台演習場にある大分県道外百四十件に対し二億五千四百余万円を支出いたしました。  漁業補償関係といたしましては、日本国アメリカ合衆国との間の安全保障条約に基づき駐留する合衆国軍隊に水面を使用させるための漁船の操業制限等に関する法律第一条の規定に基づき、駐留米軍使用に供する水面を提供するために生ずる漁船の操業制限または禁止に伴う損失補償する経費として、制限区域二十八に対する漁業組合二百余組に対し二億三千四百余万円を支出いたしました。  特別損失補償関係といたしましては、日本国に駐留するアメリカ合衆国軍隊等行為による特別損失補償に関する法律第一条の規定基つき駐留米軍行為により損失をこうむった農業、林業、漁業等を営んでいた者に対する補償として、立川飛行場南側隣接耕地農業被害ほか農林業関係で二千九百余万円、佐世保港外水中工作物設置維持に伴う被害ほか漁業関係で九百余万円を、それぞれ支出いたしました。  また、同軍隊の行為により損失をこうむった土地等改修工事に要する経費地方公共団体等補助するため、北海道島松演習場周辺防災工事外三十五件に対し九億八千二百余万円を支出いたしました。  また、基地周辺教育施設及び医療施設に対するジェット機騒音防止のための工事に要する経費地方公共団体補助するため、板付飛行場周辺箱崎中学校防音工事外十二基地の五十四施設工事に対し三億九千六百余万円を支出いたしました。  その他、雁の巣飛行場地区飛行機洗滌液海面流出に伴うノリの被害及び美保地区農業被害防止対策のための調査に要する経費として六十余万円を支出いたしました。  道路等使用関係につきましては、駐留米軍有料道路使用する場合の使用料相当額補償に要する経費として、京浜急行株式会社外十六件に対し千四百余万円を支出し、非提供港湾施設管理者等に対し使用料相当額補償に要する経費として、横浜港外十四港に対し三百余万円を支出いたしました。  事故補償関係としましては、日本国アメリカ合衆国との安全保障条約第三条に基づく行政協定に伴う民事特別法に基づく損害賠償等に要する経費として、駐留米軍公務執行中の違法行為等による国民損害に対する補償千百余件に対し五千四百余万円を支出いたしました。  また、日本国アメリカ合衆国との間の安全保障条約に基づき駐留するアメリカ合衆国軍隊により損害を受けた者に対する補償金並び見舞金の支給に関する件(昭和二十七年五月十六日閣議決定)に基づく見舞金に要する経費として、駐留米軍公務外における違法行為により損害を受けた者に対する見舞金二十件に対し百余万円を支出いたしました。  以上のほか、駐留米軍に対する施設及び区域の提供等に関連して必要とする経費として、一億一千余万円を支出いたしました。  翌年度繰越額が生じましたのは、買収及び中間補償等所有者との契約締結に予想以上の日数を要したこと、また補助金工事等につきましては、工期等関係上、翌年度にわたる俵務負担の承認を得て繰り越す等の措置によるものであります。  不用額を生じましたのは、主として各種補助金工事精算の結果、特別損失防止対策工事費補助金等支出を要することが少なかったこと等によるものであります。  以上、昭和三十四年度のおもな事業の概要について御説明申し上げましたが、これら事業の執行につきましては、いやしくも不当な支出や批難さるべきことのないよう、常に経理の適正な運営について極力意を用いて参りました。幸いに、昭和三十四年度決算検査におきましては、不当事項等の御指摘も受けませんでした。今後とも指導監督を徹底して、事業実施適正化に努める所存であります。  以上、防衛本庁並びに調達庁関係決算について説明申し上げました。
  7. 相澤重明

    委員長相澤重明君) 次に、会計検査院より検査報告について説明願います。
  8. 樺山糾夫

    説明員樺山糾夫君) 防衛庁関係昭和三十四年度決算に対する検査は、会計検査院に提出されました証明書類検査のほか、検査を要する個所五百十五カ所のうち百四十カ所について実地検査を施行いたしております。その施行率は約二七%となっておりますが、支出官所在する個所ほか重要な個所につきましては、約五〇%施行したこととなっております。  検査の結果、検査報告に掲げました事項は三件でございますが、以下その概要について申し上げます。  まず二十九ページの六号でございますが、これは、北海道にあります奥尻島のレーダーサイト工事で、砂利、砂などの運搬費積算におきまして、五トン車で重量制運賃積算すべきところを、四トン車で車扱い専属制運賃積算しましたことと、資材運搬のための道路補修使用することとしております切り込み砂利道路沿い山砂利でよいところを、遠方から高い切り込み砂利使用することとして積算したことなどのために、二百二十万円高価となっているものであります。  次の七号でございますが、これは、岐阜の航空基地滑走路工事で、盛り土に使用します土をとる場合に、一たん表土をはねのけまして、その下の砂の層三メートルをブルドーザーで集めて積み込むという積算をいたしておりますが、地質の調査や現地の状況から見まして、ブルドーザーを使わないで、パワーシャベルで直接地山から六メートルまでは採取できるものと認められますので、表土すき取り面積は少なくて済むことになり、またブルドーザー経費積算する必要はないもので、これらの点から、七百二十一万円高価となっているものであります。  八号は、海上自衛隊基地哨戒機およびヘリコプターエンジン点検修理使用しますエンジン・スタンドを購入する際に、会社から提出されました見積書の検討が充分じゃなかったため、材料の所要量を過大に見込んだり、あるいは電動機価格を過大に積算した結果こうなったものでありまして、約七十万円高価となっているものであります。  簡単でありますが、以上をもって説明を終わります。
  9. 相澤重明

    委員長相澤重明君) それでは、これより質疑に入ります。御質疑のおありの方は順次御発言を願います。
  10. 佐藤芳男

    佐藤芳男君 私は防衛庁の方々に二、三の点について伺いたいと思うのでございます。  従前から防衛庁審査を本委員会でしばしばいたした経験を持つものでございますが、私の委員長をいたしておりました当時も、防衛庁の御答弁は、御勉強が足らぬのか、ときに進行を大いに妨げられたる経過もあるのであります。幸いに少壮にしてきわめて御熱心な藤枝長官の御統裁でございまするから、大いに改まるところがあったものと私は推察をいたしておるものでありますが、どうか本日は率直簡明に御答弁を賜わりたいと念願をいたします。  私どもが各省政府機関等決算について審査をいたして痛感いたしますることは、毎年々々同じようなことが繰り返されておる。その件数金額相当に上っておるのでございます。しかも、それ以下に、紛失したり、あるいは焼いたりちょっと注意をいたしますれば未然に防止できるものが、ついにかような結果になっておる等をあわせて考えますると、実にあぜんたらざるを得ないのでありまして私はこの間最終の締めくくりの際に、総理にこうした事柄絶滅を期するための抜本的な処方せんを承りたいと考えまして、二十六年以降の決算についてつぶさに机の上で調べてみたのでありますが、ほんとうに痛憤にたえざる気持が、いたしたのでございます。三十四年度は、先ほど長官の申されるように成績がきわめて良好のように承るのでございますが、会計検査院といたしましては、その機構、人員等関係から、御調査になりまする事柄というものはきわめて少ないのであります。先ほどの第二局長のお話から申しましても、五百十五件のうち百四十件を調査をした。そういたしまするというと、二七%の調査さえ行なわれていない。したがって、七三%未調査である。したがいまして、かりに不正不当の事項なしといたしましても、七三%の残りを精査をいたしたといたしまして、どれだけ不正不当の事実が出てくるのか、これはわれわれは予測はできない。長官もこれは御予測ができないと思うのでございます。したがって、本委員会といたしましては、毎回政府警告を発しているのでありますが、防衛庁においては、これにかんがみ、予算要求調達または工事計画樹立、遂行及び契約等に対して、一体どのような御措置を講じていられるのか、一応御説明を賜わりたいと思うのであります。
  11. 藤枝泉介

    国務大臣藤枝泉介君) 予算執行にあたりまして、不正不当のことのないように非常な努力をいたしておるのでございますが、なお会計検査院の御指摘を受けるようなことのありますことは、はなはだ残念に思っております。今後さらに十分な処置をとりまして、その絶滅を期したいと思っております。ことに、防衛庁につきましては、御承知のように、戦後に新たにできました役所であり、しかも非常に多数の物品を購入する、あるいはまた一つ当たり単価の非常な高額なものの購入等があるわけでございます。これに対しましての執行の不なれ等もありまして、当初におきましては、いろいろと会計検査院の御指摘も受け、また国会においての御警告もいただいたような次第でございます。だんだんに改善の跡のありますることは、お認めいただけると思います。  まず第一に、この予算そのものでございます。われわれといたしましては、年度内にその予算が消化できるというもののみを計上するように、そうしてそのためには、あるいは継続費であるとか、あるいは債務負担行為とか、こうしたものの制度も活用をいたしまして、それにまず心がける。何分この新しい製品あるいは輸入品等に待つものも相当にありますので、それの単価見積り等なかなか困難ではございますが、十分調達関係の者を督励をいたしまして、正確な見積りをいたし、しかも、ただいま申しましたように、年度内に消化できるもののみを計上するというように努めて参り、またその執行にあたりましても、計画を早く作る、そうして責任を持ってそれに当たる、あるいはそのときそのときの事情を的確に把握をいたす、あるいは内部検査の強化をするというような、こうした点をさらに十分に気をつけまして、そうして適正な執行に当たりたいと存じておる次第でございます。
  12. 佐藤芳男

    佐藤芳男君 予算繰越額及び予算規模に対する比率は近年だんだんと減少しつつあることは、これも認めるのでありますが、なお三十四年度におきましては、年度内支出した額一千三百五十六億円に対して七十億円の繰り越しがあるのであります。他の省に比較いたしますると、この繰越額については、ちょっと防衛庁が多いのでございます。年度内に遂行困難な事情の経費を計上する水ぶくれの傾向が、ただいまの大臣の御言明にもかかわらず、私はあると思うのですが、ただいま御答弁がございましたが、いま一度はっきりとお答えを願いたいと思います。
  13. 藤枝泉介

    国務大臣藤枝泉介君) 繰越額が、ただいま御指摘のように、三十四年度においても七十億程度あるということは、他の省庁に比較いたしまして、確かに御指摘のとおりだと思います。この内容等につきましては、先ほども御説明申しましたように、何分この一般の市販品とは異なる特殊な性能要求されるようなものが多うございます。したがいまして、規格決定する、あるいは仕様書を作る、こういうものに時間がかかるというようなこともあります。また、輸入品等につきましては、その相手国の製造の進捗状況、あるいはまた輸入の手続等につきまして、いろいろ思わぬ障害が起こることもございまして、このようなことになるわけでございますが、しかしながら、この繰越額減少いたしますると、すなわち、予算の編成にあたりまして、年度内に消化できるものを計上するという大原則につきましてさらに努力を重ねまして、見積り決定、あるいは輸入品につきましてはその輸入の手続を促進する等の処置を講じまして、繰越額をできるだけさらに減少するように努めて参りたいと思います。
  14. 佐藤芳男

    佐藤芳男君 他の省と違いまして、防衛庁におかれましては、ただいまおっしゃるように、規格決定とか、あるいはまた仕様書の作成、こういうようなものに非常に手間を食う、これは私どももよく承知をいたしております。また輸入の問題もございますから、いわんやのことと思うのでありますが、しかしながら、毎年々々の御経験によって大体の見通しというもはついていなければならぬのじゃないか、そうした達観的な考慮も十分払われるならば繰越額というものがもっと減少していいのではなかろうか、かように思うのでありますが、ただいまきわめて誠意ある御答弁でございまするので、これ以上私のほうからは申しませんが、ただ一つ潜水艦建造費について申し上げてみたいと思うのですが、私の調査によりますると、歳出予算額は一億六千五十万三千円、それから前年度からの繰越額が七億二千二百六十八万三千円、予算現額が八億八千三百十八万六千円、支出済額が五億四千二百七十六万一千円、翌年度への繰り越しが三億四千四十二万五千円、こういうような数字に相なるのであります。前年度からの繰越額も多いのですが、三十四年度においても支出済額繰越額との比較は六対四でございまして、使用が停滞していると、かように申さなければならぬのでありますが、この理由について御答弁を得たいと思うのであります。
  15. 藤枝泉介

    国務大臣藤枝泉介君) ただいまお尋ねのは、おそらく三十一年度計画潜水艦と存じます。御承知のように、これは日本における最初の潜水艦建造計画でございまして、当時は初め三年度問で建造できる予定でございましたが、何分にも最初の企てであり、そうした技術面その他についての不なれのために非常なおくれを来たしまして、それでさらに三十四年度まで年度割りを変更していただいたものだったと記憶しております。ところが、その後、米側からMAP供与を受けるシュノーケル装置につきまして、米側の都合によりましてその計画が非常におくれまして、どうしても三十四年度中にはそれを入手することが困難だという見通しが出ましたので、さらに三十五年度まで年度割りの変更の御決議をいただきましてやったような次第でございます。まさに、初めから考えますると、相当のおくれをいたしておるわけでありまして、申しわけないのでありますが、何分潜水艦というような、ことに戦後のこの水中における速力の非常に速いことを要求される潜水艦につきましての設計でございましたので、当時一応考えました計画が非常なおくれをいたした。さらにそれにMAP供与の装置が米側の都合によっておくれたというようなことで、両方が重なりましてこのような結果になったわけでございます。潜水艦につきましては、その後につきましても、いろいろ新しい計画のためになかなか思うようにいきませんけれども、しかし、大いに技術陣を督励いたし、またこれを建造いたしまする受注者のほうも督励をいたし、今後このようなことのないように努めて参りたいと存じております。
  16. 佐藤芳男

    佐藤芳男君 ただいまの御答弁で、私は満足をするのでございますが、何しろ日本といたしましては、この潜水艦につきましては十年以上の空白もあった。それから、性能がネコの目の変わるように変わってきておる。そういうようなことも大きな原因だと——これはちょうど藤枝長官答弁を補足するようなものでございますが、有利なことを申し上げますが、したがって、私はただいまの御答弁に満足はいたしますが、技術面における特段の督励とか、そういうことにつきましても、今後とも子分奮起していただきたい、かように希望を申し上げておく次第であります。  最後に、私から、この三十四年度決算に関連する問題ではございませんけれども、私どもの決算審査の方針からいたしまして、当面の問題についてただ一つだけ御所見を承っておきたいと思うのでございますが、それは、御承知あらせられるように、今日、日本におきましては、所得格差の一番激しいのは中小商工業者であると思うのであります。非常に苦衷にあるのでございます。これは申し上げるまでもないところでございます。ことに、池田内閣は所得格差の緩和ということを一つのファクターとして政策を打ち立てておいでであるのでございますことは、御承知のとおり。したがって、先般新聞で拝見をいたしたのでございますが、おそらく長官の御創意であろうと思うのでありますが、有名な歌手にお頼みになって、防衛庁に二つの歌をお作りになる、これも非常に御卓見である。愛される自衛隊というような立場から、私は大いに賛成をするのでありますが、それと同時に、池田内閣の重要なる政策のファクターでもあり、また何としても、国民といたしましても、特に政治に携わる者が今日関心を持たなければならないこの中小企業の育成の問題に対して、防衛庁が協力をさるる面がありまするならば、その協力を惜しんではならない。しかるに、ほのかに聞くところによりまするというと、政府が中小企業基本法を提案せんとして、関係各省といろいろ協議をなさっておる。その際における防衛庁の態度がきわめて冷たいものがあったというように——ほんとうかうそかは知りませんけれども、うわさに流れたのでございます。私も中小企業の基本法の草案に八カ月前から関係をいたしておる一人でございまするが、私どもは別に、大砲とか、鉄砲とか、そういうものを中小企業のほうに発注なさいと申すのではないのでございまして、たとえば被服でありますとか、あるいはいす、テーブルでありますとか、こういうささやかなものは、しかも全部でなしに、ある程度は心して、中小商工業者にもやはり愛さるる自衛隊となっていただきたいというようなことで、考えて立案等をいたした。すでに衆議院に議員発案で提案になっております内容の一部にも、これが盛ってあるわけなんです。したがいまして、許さるる範囲においてこれに協力の実を示さるることが、池田内閣のもとにおける藤枝長官であられ、政府の組織の一つであります防衛庁といたしましては、これに対して熱意を傾けられることが私は当然である、かように考えているのでありますが、うわさは必ずしもそうじゃなかったものですから、ことに今衆議院で審議中と聞いておりまするので、この際この問題に対する長官のはっきりし、御答弁を承っておきたいと思うのであります。
  17. 藤枝泉介

    国務大臣藤枝泉介君) 御指摘のように、相当大きな、航空機であるとか軍艦でありますとかいうことになりますと、受注の相手が限られて参ります。しかし、それにつきましても、その部品その他につきましては極力中小企業に対しての下請をするようなことについては、勧奨をいたしているわけでありまして、今お話のありました、繊維でありますとか、食料でありますとか、その他の中小業者がむしろ得意とされるようなものにつきましては、現在も実は相当な発注をいたしております。ただいま、中小企業基本法作成にあたりまして、防衛庁が何か中小企業者に対しての熱意が足りなかったような御指摘でございますが、さようなことはないのでございまして、会計法等の許す範囲におきましては、十分中小業者の機能等も生かして参りたい。ことに、各党によって中小企業基本法が、おのおの内容は違いますけれども、出されている現在を考えますときに、そうした今御審議中の中小企業基本法の持たれている精神は、十分尊重をいたしまして、さらにそうした中小企業者に対する発注の量が多くなるように指導して参りたいと考えております。
  18. 佐藤芳男

    佐藤芳男君 はっきりした御答弁を賜わって、まことに喜ぶのでありますが、大臣でなくてもけっこうでございますが、大体大企業と中小企業に対する発注の、件数のパーセンテージ、金額のパーセンテージがおわかりでございましたら、説明を願いたいと思います。もしも資料のお持ち合わせがないならば、委員長より資料の提出を求めていただきたいと思います。
  19. 藤枝泉介

    国務大臣藤枝泉介君) はっきりした資料を今持ち合わせておりませんので、資料でお出しいたします。  ただ、私概念的に聞いておりますところでは、金額にいたしますと一割くらいかと思います。何分にも、飛行機とか軍艦が非常に高価なものでございますから、金額については一割ぐらいかと思いますが、その一割というのは、数母その他については相当な部分を占めていると思いますが、資料でさらに御審査をいただきたいと存じます。
  20. 佐藤芳男

    佐藤芳男君 その資料の御提出の際に、ただいま大臣が仰せのように、中小企業が受注できないものを除いて、すなわち中小企業でもやれるというもののうち、これを中小企業に何一〇%を発注されておりますか、この資料もつけ加えていただきたいと思います。
  21. 相澤重明

    委員長相澤重明君) ただいまの佐藤君の資料要求については、できるだけすみやかに御提出をいただきたいと思います。
  22. 藤枝泉介

    国務大臣藤枝泉介君) 承知いたしました。
  23. 相澤重明

    委員長相澤重明君) この際、委員長から、今の佐藤君の発言に関連してお尋ねをしておきたいんですが、防衛庁はたくさんの品物を扱うわけでありますが、防衛工廠というようなものを設置する構想があるのかどうか、この際お答えを願いたい。
  24. 藤枝泉介

    国務大臣藤枝泉介君) 現在、そうした旧軍時代に持ちましたような工廠等を持つという構想はございません。
  25. 木下友敬

    ○木下友敬君 今のお話に関連するわけですが、現在軍需工場と言っていいようなのは、どんなのがありますか。民間の工場で、いわゆる軍需丁工場と言って、防衛庁からいろいろなものを注文を受けて仕事をしておるというようなものには、どんなものがありますか。
  26. 藤枝泉介

    国務大臣藤枝泉介君) 詳細、会社名等は、政府委員から申し上げますが、まあ軍需工場と申しましても、いつかこの国会の、ほかでお答え申し上げたと思いますが、鉱工業総生産のうちの助術庁等が発注いたしますのは非常なわずかなものでございます。ただし、飛行機でありますとか、弾薬でありますとか、こういうものは八〇%、九〇%行っております。でありますが、この工場そのものの中で占める防衛関係生産というものは必ずしも多くないと思いますが、たとえば新三菱重工でありますとか、川崎航空機でありますとか、あるいは三菱の長崎造船所でありますとか、こういうのが、今お尋ねの、あるいは軍需工場という名前は当たらぬと思いますが、大きな発注をいたしておる相手先でございます。  なお、多少系統立てて政府委員からお答えいたさせます。
  27. 久保忠雄

    政府委員(久保忠雄君) ただいま長官からお話がございましたように、防衛庁関係の仕事を専門にやっておるというところはごくわずかでございます。たとえば弾薬関係でございますが、これですと、旭精機というような会社はほとんど防衛庁関係の弾薬だけをやっておるということが言えると思います。そのほかもう一つは、十条にタイヤ・プラントがございいまして、これはほとんど防衛庁関係と、それから米軍のタイヤの修理をやっておる。この辺でございまして、そのほかのものはほとんど民間の民需関係の仕事を一緒にやっておる。一つの工場で、防衛庁関係の仕事もやっており、民間の関係の仕事もやっておるということでございまして、これはほんの一例でございますが、先ほど申し上げたまうなものが、軍需工場といいますか、防衛庁関係の仕事だけを専門にやっておるということでございます。
  28. 木下友敬

    ○木下友敬君 専門でなくても、防衛庁で必要とするいわゆる兵器の種類を特に注文している会社ですね。たとえば三菱関係であるとか川崎であるとかいうものの名前、どういうものを頼んでおるかということですね。それをひとつ。
  29. 久保忠雄

    政府委員(久保忠雄君) 航空機関係につきましては、大きなところは、新三菱重工、川崎航空機、新明和工業、富士重工、そういうところでございます。それから艦艇の関係は、普通の造船所、たとえば三菱造船でございますとか、新三菱重工、それから三井造船、それから小さいところでは、飯野重工、石川島重工、そういったところ——一般の造船所でごいますが、そういうところで防衛庁関係の仕事をやっております。それから陸上の火器関係とか車輌関係につきましては、タンク等をやっておりますのは、三菱日本重工、小松製作所等がおもなところでございます。
  30. 木下友敬

    ○木下友敬君 兵器は非常に精密なも一のですから、どこへでも頼むというわけにいかないと思いますが、それらの工場に頼むのは、おそらく何会社には何を頼むというように、ほとんど指名というぐらいになっているのじゃないですか。どこの会社でも入札して落ちるところに頼むというものじゃなくて、艦艇はどこだとか、あるいは航空機はどこだというように、ほとんどもう防衛庁関係は筋書きまっている、こういうようなことがありはしないかと思うが、どうです。
  31. 久保忠雄

    政府委員(久保忠雄君) 航空機につきましては、航空機製造事業法というのがございまして、通産省の認可を受けなければできないような形になっております。そういうものにつきましては、ある程度限定されますけれも、そのうちでも、できるだけ競争的要素を加味して、指名競争というような形でできるような要素を加味してやっております。艦艇につきましても、これは随契的な要素が非常に多いわけでございますが、これも見積り合わせ随契というような競争的な要素をできるだけ加味する方向はとっておりますけれども、その契約の性格から、今申し上げました航空機製造事業法とか、兵器関係につきましても事業法がございますが、そういうところの許可がなければできないというような制約がございますので、一般のものから見ますと、やはり制約される関係がございます。しかし、全般的にできるだけ競争的な要素を含めるように努力をいたしておるつもりでございます。
  32. 木下友敬

    ○木下友敬君 その点については、将来とも私は、なるたけ競争さして、安くいいものを作らす方向に努力が望ましいと思うのです。  もう一つお尋ねしたいのは、日本の今の兵器は、日本で作るものもありましょうが、アメリカと日本で純粋に作っておるものの比率がどうなっておるか。日本だけで作っているものがどれくらいあるか、あるいはないか、さらに、アメリカから入ってくるもので、有償であるもの、無償であるもの、どういう割合になって、どういう品目になっておるか、それをひとつあげてもらいたい。
  33. 藤枝泉介

    国務大臣藤枝泉介君) 詳細は政府委員からお答え申し上げますが、たとえば戦車でありまするとか、装甲車でありますとか、そうしたものは、もう純粋に国産ができることになっております。また、艦艇につきましても、艦体そのもの、あるいはエンジン等は純粋な国産でございますが、どうしても兵器の一部はやはりまだアメリカからの無償あるいは有償の供与を受けなければやれないものもございます。それからもう一つは、非常に数量の少ないもので、国産でいたしますると非常に高価になるというようなものにつきましては、輸入に待つような場合もございます。もちろん、できるだけ国産が望ましいのでございまして、これは多少の価額が高くなりましても、国際収支の問題もございますし、また国内生産の擁護の点もございますので、努めて国産にいたそうと思いますが、そういうレア・ケースはございます。  航空機等につきましても、胴体等はほとんどできるようになっておりますが、あるいは電子関係のもの、あるいはその他につきましては、やはり輸入に待たなければならないものがございます。ただ、御承知のように、日本のような財政がだんだんよくなって参りました国に対するアメリカの態度としましては、軍事援助は漸減の方向にございます。したがいまして、できるだけ国産品に切りかえるような努力は今後も払っていかなければならないと思います。
  34. 久保忠雄

    政府委員(久保忠雄君) 米国からの援助のものにつきまして、いわゆるMAPと呼んでおります無償供与を受けましたものは、昨年の九月末現在で四千九百九十三億円になっております。この中には、供与以外に、貸与——借りております船が約五百九十三億円入っておりますが、全体では約四千九百九十三億円で、その内容で見ますと、陸上関係のものは従来大部分この米国の供与——MAPによっておったわけでありますが、それが約二千百七十二億円になっております。その中では、たとえば戦車でございますとか、そういうものが相当の大きな比率を占めておりますが、この戦車につきましては、三十六年度から国産をするということで、先ほど申し上げました三菱、日本重工等で国産をいたしております。それから弾薬につきましても、全部ではございませんが、逐次国産化するという方向に進んでおります。それから、海上自衛隊関係では千五百二十七億でございますが、これは艦船関係、それから航空機関係が主でございます。これも、航空機関係等につきましても、当初はMAPで無償で航空機そのものをもらっておりましたが、逐次多少米軍の技術援助を得ましてではございますけれども、国産に切りかえつつあるということでございます。それから、航空自衛隊関係では千二百九十三億円になりますが、これも当初は航空機自体をもらっておりましたけれども、これも逐次国産化しておる。たとえば富士重工等におきまは、国産のジェット練習機を、純粋のエンジンまでも全部国産というものを作っておるわけでございます。それからもう一つ、援助の中で、いわゆるMSMSと呼んでおります有償援助の関係がございますが、これは昨年の十二月末現在で約九十三億八千万円程度のものを受領いたしております。この内訳は、主として航空機関係の部品、それから電気通信関係の非常な新しいものといいますか、そういうようなものを有償援助で受領をいたしております。
  35. 木下友敬

    ○木下友敬君 外国から武器を供与されておるということは、まあ経済的の面からいえば、なるたけもらったり貸してもらったりするほうがいいかもわからないけれども、私どもの立場として、いわゆる軍備が必要であるかないかということは別にいたしまして、それは一足飛びに飛んだとして、外国から相も変わらず無償あるいは有償で武器の援助を受け取るという形は好ましくない。それについては、防衛庁はなぜ国内生産というようなことにもっと積極的に進んでいかないかということを私は不思議に思う。先ほど委員長からのお話がございまして、質問に対しても、たとえば防衛工廠を設置する構想があるかないかというようなことについても、ないという御答弁だったが、ほんとうの確信を持って、日本の防衛の必要がある、武器を置かなければならぬという御確信があって現在あなた方がやっておられるなら、防衛工廠まで進んでやるというふうなほんとうは心がまえがなくちゃならぬのじゃないかと思うのでございますが、さっきの御答弁では、私はどうも本音を吐いておられぬというような気がする。そこのところを洗いざらい言ってもらって、日本国民として、日本の名誉のために、また日本のほんとうの独立のために、あなたの信念をひとつ伺っておきたい。
  36. 藤枝泉介

    国務大臣藤枝泉介君) 先ほどもお答え申し上げましたように、一方において米国の対外援助の方針も変わりまして、このいわゆる軍事援助というものは、相当な工業国に対しましては漸減の方向をたどっております。また、ただいま御指摘のように、われわれといたしましても、こうしたものの国産ということが最も望しまいわけでございます。変な例を申し上げて恐縮でございますが、たとえば小銃等のようなものは、やはり日本人に適した重さなり長さなりを持ったほうがよろしいのでございまして、そういうものの開発も今努めておるわけでございます。そういうことで、たとえば三十七年度の御審議をいただきました予算等につきましても、これをやるのには、やはり受注者側にある程度の将来の計画性が持てないと、なかなか設備の拡張その他ができませんので、陸上の装備品甲類と申します戦車、あるいは装甲車、機関銃等につきましては、五カ年間の一括発注というようなこともいたしておるわけでございます。それからまた、これは非公式なものでございますけれども、防衛生産をやっておる業界と、それから防衛庁、通産省等が一緒になりまして、防衛国産化の懇談会等を作りまして、その方向に進んでおるわけでございます。たとえば航空機につきましても、御承知のように、内で開発された航空機がそろそろできかけておるわけでございまして、こういうようなものにつきましては、もちろん防衛庁といたしましても一、これを購入するというような予定を立てておるわけであります。ただ、先ほどもちょっと申し上げましたが、非常に少ないもので、もしこれを国産いたしますと非常に金額がかさむというようなものにつきましては、やむを得ず輸入をするというようなこともございます。また、航空機あるいは艦艇に積みます装備品等については、まだまだ日本の技術開発がおくれておりまして、やはり先進国の技術の援助を受けなければならないというようなものもございます。しかしながら日本の科学技術の進歩も、申し上げるまでもなく、非常に速いのでございまして、今後私どもも心がけて国産化をはかり、また業界もこの方面の努力をしていただきますならば、将来に向かって国産の率をさらに高めていき、ついにはすべてを国産するというようなことも決して不可能でないと考えますので、この方向で努めて参りたいと思います。
  37. 木下友敬

    ○木下友敬君 大体わかりました。お話の筋は、国産化、輸入等におもに限定されておりましたが、特に申し上げたいのは、国産とか輸入ということのほかに、相手側からもらうというような点なんです。いやしくも防衛のためのそういう兵器というようなものを外国からもらってくる、無償で貸与してもらうというようなことは、独立国としてはおかしいと思うし、そういうものを与えてもらっておるというような形は、私は従属の象徴だと思う。兵器を外国から援けられておるというのは、私はこれは独立でないと思う。そういうふうなものを一切お断わりして、真に必要なものであるならば、輸入すればいいわけです。池田総理大臣は、いつも大国意識を持っておられるというが、すでに日本はもう敗戦の当時とよほど違って、後進国でもないわけで、それが外国から武器を与えられては、どうも存分の発言もできないだろうと思うのですが、どうですか。ここらでひとつ切りかえて、一切もらったりはしない、必要なものならばほかを倹約してでも買おうじゃないかというような考えはございませんか。
  38. 藤枝泉介

    国務大臣藤枝泉介君) 第二次防衛計画では、まだ実はある程度の米国の援助を期待をいたしておるわけでございます。しかしながら、すでに御承知と思いますが、三十四年ころからはもう年々このMAP供与を漸減をいたしております。もちろん、先ほど申しましたように、この完成品を供与を受けるというようなことはだんだんなくなって参りまして、非常に高度な技術を要する部品等を受け取るわけでございますが、それも、心がまえといたしましては、ただいまお話がございましたように、いわゆる供与を受ける、無償援助を受けるというようなことよりも、輸入をするというような点に将来当然切りかわって参りますし、切りかえていかなければならないと存じます。まあ三十七年度においては、ある程度のまだMAPの供与を期待をいたしておりますが、将来の問題としては、ただいま御指摘のような心がまえで参りたいと思います。
  39. 木下友敬

    ○木下友敬君 これは私大事なことだと思うのです。それだけの実力のない者が無理に背伸びをしてもこれは始まらぬから、そうむちゃくちゃな背伸びをしていただきたいとは思いませんが、たとえば、アメリカの人が来まして、その人と握手をしてあいさつをするというときでも、やはり物をもらっておったのでは、私は何となく腰が低いのじゃないかと思って心配をするのです。そうでなくても、日本人の通弊としましては、白人にはまだ何となくひけを感じておるという印象のある場合があるのです。その上に物をもらっておったのでは、私はこれはもうとうてい一人前の発言はできていないと確信するのです。それは、現在の政権を担当しておられる方々がアメリカとお話をしておられるときに、対等の立場でやっておるということをよく言われますけれども、私は対等でないと思う。というのは、物をもらっていて、物を与えられておいて、そうして一人前の口をきくというようなことは、人からもらっておいて大きな顔をするのは、それはまた人間としておかしなことでございます、もらっておれば、幾らか頭を低くするということにならなければ、これはまたうそなんです。ですから、そういうことを考えると、防衛庁としては、非常にこれは困難なことであるけれども、予算をよけい獲得して、そして買うものは買う。そして国産を奨励して、国産で間に合わすというような方向にあなたのほうから積極的にいかなければ、日本人はいつもアメリカの下におるということを防衛庁が作っておるということになる。防衛庁が物をもらっておるのは、これはもう言葉をかえると、防衛庁日本国民をアメリカの下に置いておるということに——これはいわゆる春秋の筆法かもしれぬけれども、そういうことになるから、防衛庁の責任は重大である。どうか外国から物をもらうということをひとつやめてもらいたいという希望を申し述べまして、さらにもう一ぺん長官から信念をひとつ聞いておきましょう。
  40. 藤枝泉介

    国務大臣藤枝泉介君) この軍事援助というものは、アメリカの自由圏を守る一つの方針としてやられておることであります。しかしながら、心がまえとしては、ただいま木下さんがおっしゃったようなことだと思います。われわれといたしましても、さらにまた国内の防衛生産の拡充のためにも、できるだけ国内の生産はする、またやむを得ずどうしても国内で生産できないものは輸入に待つというようなことで、今後のわれわれの考え方の根本においてそういうことを持ちつつ、努力をして参りたいと存じます。
  41. 木下友敬

    ○木下友敬君 了承しました。   —————————————
  42. 相澤重明

    委員長相澤重明君) この際委員の変更について御報告いたします。  本日岸田幸雄君、仲原善一君が辞任され、その補欠として永野護君、隆圓君が選任されました。   —————————————
  43. 相澤重明

    委員長相澤重明君) 次に委員長から防衛庁長官にお尋ねしておきたいのは、三十五年九月二日の当委員会におきまして、三十一年度におけるロケット弾等の購入にあたり、イタリアのスタッキ一二会社に対して前払金二千二百余万円を支払ったのに、相手方が契約不履行をした事件について、当該会社に対し訴訟を提起しておるという当時答弁があったわけでありますが、このことについて、その後の訴訟の状況及び将来の見込み、これを御説明をいただきたいと思うのです。
  44. 藤枝泉介

    国務大臣藤枝泉介君) さらに詳細が必要でございましたら、政府委員からお答えいたしますが、当時お答えいたしましたように、訴訟を起こしまして、昭和三十四年の一月から三十七年——今年の一月十九日までに十数回にわたって裁判が行なわれております。しかしながら、どこでも裁判というものはおくれるものだと思いますが、こんなに三年以上もかかっておりますが、まだ結審になっておりません。聞くところによりますと、今月中くらいには結審になるのではないかということも言われておりますが、まだその通報に接しておらないところを見ますと、結審にはなっていないじゃないかと思います。もう少しあるいはおくれているんだと思います。その見込みでございますけれども、これはもうちょっと、日本の内地の裁判以上に、外国の裁判のことでございますので、判定をいたしかねておるというのが現状でございます。
  45. 相澤重明

    委員長相澤重明君) 次に、いま一点やはり御説明をいただきたいのは、同じく三十五年の九月に、防衛庁長官——当時は江崎真澄君ですが、厚木の駐留軍要員に対して、昭和三十三年の八月二十六日に特殊作業手当についての付属協定が妥結しておる。ところが、その手当の支給については、適用範囲は、百デシベル以上の作業場として、ジェット騒音下の作業に従事する者、こういうことで、エンジン・テスト、調整、オーバーホール等の作業者には二〇%の手当を支給する、支給時間は労働に従事している時間内とするというような付属協定が当時できておったのであるが、実際には実施されておらない、適用されない、こういうことで質問をしたところが調達庁に命じて至急調査をいたしますと、当時の防衛庁長官答弁をされておったのでありますが、これはその後どういうふうになっておるのか、これは真子調達庁次長から答弁を願いたいと思います。
  46. 真子傳次

    政府委員(真子傳次君) 御指摘の厚木飛行場におきます騒音下における特殊作業手当の問題につきましては、これまでに出決算委員会において、相澤先生から御質問があり、また当時の丸山長官及び当時の防衛庁長官からそれぞれお答えになって、お説のように、この点は米側と折衝して目的が果たせるように努力すると、こういうお答えを申し上げておるのでありますが、まだその点について遺憾ながら結論に達しておらないので、せっかく目下なお引き続いて努力中でございます。
  47. 相澤重明

    委員長相澤重明君) 委員長から防衛庁長官に、これは今の答弁を聞いておられるのですから、早急に、合同委員会もあるでしょうし、あるいはそういうお話をする時期もあろうと思いますから、日本人労務者がせっかくできた協定が適用されないと、こういうことであっては気の毒でありますから、これが適用できるように努力していただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
  48. 藤枝泉介

    国務大臣藤枝泉介君) ただいまの点は、まさに非常に遺憾なことでございまして、今までに相当の時日がかかったにもかかわらず妥結をいたしておりませんことは、はなはだ労務者の保護の点から申しましても遺憾なことでございますので、至急に解決するように、場合によっては私も十分米側との折衝等について努力をいたしたいと存じます。
  49. 相澤重明

    委員長相澤重明君) 次に、いま一点委員長からお尋ねしておきたいのは、全米航空宇宙局、この出先であるJ・A・T・Cが厚木の基地内にあった。しかし、御承知のように、黒いジェット機の問題で解散をいたしました。先ほど防衛庁長官が、「調達庁関係歳出決算概要説明」の中で、「日米安全保障条約第三条の規定に基づく行政協定第十二条の規定により、駐留米軍使用する労務者労務管理事務等に必要な経費」以下云々として、離職者対策の問題や、あるいは離職労務者に対する特別給付金、こういう御説明ございましたね。しかし、この御説明がありましたが、三十六年二月に解散をしたこの全米航空宇宙局の作業所におった日本人労務者は、これが適用されておるのかおらないのか、この点はどうなっておるか、眞子調達庁次長から答弁を願いたい。
  50. 真子傳次

    政府委員(真子傳次君) ただいま手元に資料がございませんので、はなはだ申しわけございませんが、あとで調べましてお答えできるようにいたしたいと思います。
  51. 相澤重明

    委員長相澤重明君) 藤枝防衛庁長官に要望しておきますが、日本人労務者が、どれくらいの期間かは知らぬけれども、とにかくただ働きをするということは、これはよくないと思う。したがって、期間の長短は別にいたしましても、やはり正当な立場で退職金等が支給ができるように努力していただきたいと思うのですが、いかがですか。
  52. 藤枝泉介

    国務大臣藤枝泉介君) この例の臨時措置法による特別給付金は、御承知のように、岸アイク声明の当時に従事しておった、そうしてその後やめた者に対して、年限を分けて特別給付金を支給しているわけでございます。ただいま御指摘の者がその岸・アイク声明の当時にも就職しておったかどうか存じませんが、そういう関係調査をいたしまして、十分努力をいたしたいと考えます。
  53. 相澤重明

    委員長相澤重明君) 次に、同じく長官の報告の中の十ページにありますところの「駐留米軍に対する施設及び区域提供等に関連して必要とする経費として、一億一千余万円を支出致しました。」、こうなっておりますが、米軍に提供をした施設の中における米軍の工作物に対する日本政府の固定資産税、これについてはいまだに解決がついておらないわけです。したがって、全国の各地方自治体からは、これの提供をしておるのだから固定資産税は当然それに見合うものを政府としては取るべきではないか、こういうことがあったのでありますが、これがどうなっておるか、眞子調達庁次長から答弁願いたい。
  54. 真子傳次

    政府委員(真子傳次君) 御指摘のような事情に、提供施設中のものについてはなっておりますので、日本政府は、その関係基地所在する関係市町村に対して、交付金をもってそれに見合うような手当をいたしているわけでございます。
  55. 相澤重明

    委員長相澤重明君) 委員長から再度御説明要求しますが、今年度のこれらの提供等についての予算は十二億であります。これは防衛庁長官もずいぶん努力されて、当初十億くらい必要というのを、閣議の中でも努力されて、十二億になった。しかし、その中には、米軍の工作物については固定資産は入っておらない。米軍が建てたもので、日本の基地提供はしているけれども、その中に米軍が作ったものについては、固定資産の対象にならぬ、こう言って、全国の自治体から、ぜひこれは、もしこの提供をしておらなければ当然固定資産税が入る、こういうことで、強い要望が出されておった。したがって、今の調達庁次長答弁では、全国の基地提供している自治体の人は納得しないわけです。この点については、いま一度眞子調達庁次長は、よく防衛庁長官と相談をされて、事実を調べて善処されることを望みたいと思うのです。
  56. 藤枝泉介

    国務大臣藤枝泉介君) 私の聞いているところでは、今御指摘のような、施設の中の米軍が建てた資産も算定の基準になっているのではないかと思いますが、今委員長から御指摘でございますので、さらに調べます。いずれにしましても、十億が十二億になりました点については、もちろん全体の固定資産の値上がりもございますが、提供後にいろいろ固定資産がふえたというような面も考えまして、十二億にふやしたわけでございますから、ただいまのような点は、十分調査した上、解決をいたしたいと存じます。
  57. 相澤重明

    委員長相澤重明君) 次に、同じく電波障害の問題で、ずいぶん政府も頭を痛めていると思うのですが、上瀬谷の通信隊の問題について、政府のほうで対策委員会を持って検討されているのでありますが、いつごろ結論を出されるのか、見通しをひとつ御説明いただきたい。
  58. 真子傳次

    政府委員(真子傳次君) 上瀬谷の通信基地に関連いたしまして、所在関係の地元の方々に非常な御迷惑をかけていることは事実でございまして、この点に関しましては、政府部内でも、内閣を初め関係省ともいろいろ協議をいたしまして、何らかの補償措置を講ずるという方針にきまっておりまして、目下神奈川県を通じまして地元と交渉を鋭意いたしております。この問題は、今まで地元に非常にがまんしてもらっておりましたことでもございますし、なるべくすみやかに結論を得たいと、いろいろ努力いたしております。しかし、何よりも、関係者が多数であり、面積においても非常に広うございますし、またこの計算の仕方なり数字の出し方についていろいろ意見の分かれるところがございますので、簡単にいつまでにこれを解決をつけるということは、現在においては申しかねますが、鋭意努力をいたしまして、早急に問題の最終段階に向かいたい、こう存じております。
  59. 相澤重明

    委員長相澤重明君) いま一点だけお尋ねしておきたいと思うのですが、衆議院決算委員会の勧告が行なわれました道益トラック連動コンベア、これが防衛庁としてその後どういうふうに使われておるのか、まず最初にその御報告を願いたい。
  60. 久保忠雄

    政府委員(久保忠雄君) ただいま御指摘のコンベアは、昭和三十一年度に十七台買ったものだと思いますが、これは現在施設部隊に配置をいたしまして、稼働をいたしております。
  61. 相澤重明

    委員長相澤重明君) 委員長からいま一度聞いておきたいのですが、稼働をしておるその十七台は、どこに配置されておるか。
  62. 久保忠雄

    政府委員(久保忠雄君) これは施設部隊でございまして、陸上自衛隊の直轄部隊に三台、それから北部の方面隊関係で五台、東北の方面隊関係に二台、東部の方面隊に二台、中部の方面隊関係に三台、西部の方面隊関係に三台、合計十七台配置されております。
  63. 相澤重明

    委員長相澤重明君) その配置されておる台数は、実際に使用されておって、成績は上々ですか。
  64. 久保忠雄

    政府委員(久保忠雄君) これは、大体手作業の補助的な手段としてこれを使っておりますので、大体年間に三十回程度使用をするという形でございまし、機能その他には異常ございませんで、そういう形で使用をいたしております。
  65. 相澤重明

    委員長相澤重明君) 次に、今年度防衛庁が同式のものを購入するお考えがあるのかないのか。
  66. 木村秀弘

    政府委員(木村秀弘君) ただいまのコンベアは、昭和三十一年度購入をいたしましたのが一回きりでございまして、その後においては購入をいたしておりません。また三十七年度においても購入する予定はございません。
  67. 相澤重明

    委員長相澤重明君) 会計検査院樺山第二局長は、当時衆議院では三十二年の二月に会計検査院中川局長説明をされており、本院におきましては、同じく三十二年の二月に当委員会でやはりこの質疑が行なわれておったのでありますが、その後調査をされたことがあるかないか、会計検査院答弁を求めます。
  68. 樺山糾夫

    説明員樺山糾夫君) この問題は、三十一年度購入されたものでございますが、その後、先ほど防衛庁から御説明がありましたように、私のほうで聞いております限りでは、年二、三十回使われておるようでございます。ただ、この問題は、林野庁で購入したものにつきましていろいろ問題がございましたものでございますので、なお今後におきまして十分調査いたしたいと思います。
  69. 相澤重明

    委員長相澤重明君) 委員長から再度会計検査院答弁を求めるが、今の答弁ですと、十分把握しておらない。少なくとも、本院の決算委員会においても、あるいは衆議院の決算委員会においても、指摘をされておる事項です。したがって、今の防衛庁答弁のように、はっきりとした態度で答弁がないといけないと思うのです。調査をされて、そうしてこれらについて、当時の少なくとも国会から指摘をされたものについては明らかにしてもらいたい、こういうことを要望しておきたいと思います。  ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕
  70. 相澤重明

    委員長相澤重明君) それでは速記を起こして。  他に御質疑はこざいませんか。——別に御発言もございませんようですから、昭和三十四年度決算防衛庁関係質疑はこれをもって終了いたします。  なお、次回は二十三日午後一時より大蔵省関係について質疑を行ないます。  本日はこれにて散会いたします。   〔午後三時二十七分散会〕