○専門員(
結城司郎次君) 今国会において、
外務委員会付託の
請願は八十件ありますが、大体同じような目的、、趣旨によって整理、分類いたしますと、十四種類に分けることができます。便宜上、この区分によって簡単にその趣旨を御説明申し上げます。詳細はお手元に配付の資料によって御承知を賜わりたいと存じます。
まず第一のグループは、ドミニカからの引揚者救援の
請願二十件でございます。
請願の趣旨は大同小異でございまして、要するに、引き揚げ後
政府から支給された金額ではとうてい更生はおぼつかないというので、すみやかに適切な救援の方策を講じられたいというのでございます。ただ、住宅費とか更生資金、物的、精神的損害補償、あるいは児童の教育費などの項目に分け、それぞれ具体的に、しかも、相当巨額の金額をあげて支給または融資を仰ぎたいと言っている点を付言申し上げます。
次に、
核実験関係三件について申し上げます。
第一件は、参議院において、
政府に対し、外交面において
日本国民の
核実験反対の悲願を十分に反映せられたいという普通の
核実験反対の
請願でございます。
次の
案件は、クリスマス島及びジョンストン島付近での
核実験再開に
関連して、出漁する
日本漁船の公海上の権益と乗組員の生命の保護のために、
政府の
責任において早急に危険水域周辺に調査船を派遣されたいということが
一つ。そのほか
核実験停止国際協定のすみやかな
締結のために、米ソ両国を初め、
関係国にこの上とも呼びかけるようにということでございます。
なお、御参考までに付言申し上げますと、昭和二十九年ビキニの水爆実験の際には、俊鶻丸を派遣して海水中のプランクトンの汚染度調査をやっております。また、昭和三十一年エニウェトク島の場合も、五月三十一日から六月三十日まで派遣しております。なお、今回、放射能対策本部において、目下この問題について研究中であるということを付言さしていただきます。
それからその次、もう一件ございますが、これは
核実験停止協定実現の具体策を作って、そして
関係各国に働きかけること、なおそれをもっと効果的にするために、
日本国民の総意を真に代表するような強力な代表団を
関係国に派遣するようにという
請願でございます。
なお、付言さしていただきますが、参議院の
外務委員会において、戸叶先生の
質問に対して、池田総理から、
民間の代表団を派遣するというような場合においては、
政府はあらゆる便宜をはかるという趣旨の御答弁があったことを付言しておきます。
その次は、軍備の全廃、あるいは米国の軍事基地の
日本からの撤廃、あるいは日米安保
条約の破棄の
一つ、二つ、あるいは三つ、全部についての実現方の
請願十二件でございます。大体趣旨は大同小異でございます。
その次は、吉江議員紹介の世界平和を達成するために非常に雄大な、高遠な構想のものでございますが、国連警察軍編成、兵器撤廃、これははっきりしておりますが、それから文化交流、産児調節、こういったような問題について国会で決議をいたしまして、
日本の
外務省が中心になって国家総力をあげてこれが実現を期するよう取り計らわれたいというものでございます。
その次は、
沖繩関係が三件ございます。最初の近藤議員紹介のものは、
沖繩が早急に
日本本土に復帰できるようにという趣旨のものでございます。その次も同様でございます。それから曾祢議員紹介の
請願の趣旨は、やはり
沖繩、小笠原の復帰
促進にありますが、その案文の中におきまして、昨年十二月の国連総会での植民地主義終結宣言には
日本も同意しておるということを述べ、この国連宣言では、現在米国の支配下にある
沖繩、小笠原も解放区域として含まっておることは疑問の余地がないということを述べ、そしてこれが実現の手段として、
政府は国連の
ワク内で他の国々と同調してやるように国会で決議をしてもらいたいということでございます。
なお、付言させてもらいたいと思いますが、三月十四日に
沖繩、小笠原復帰に関して本院で決議しておられます。
その次に、北方領土、これも北方領土だけだと思いましたら、敗戦後他国の施政下に置かれて現在に至っておる
日本の固有の諸領土もすみやかに
日本復帰、これも
沖繩、小笠原も含まっておるわけでございます。
その次は、
日朝友好国民三百名
使節団の
朝鮮民主
主義人民共和国訪問のための旅券交付に関する
請願でございます。
その次は、日韓会談打ち切り十二件ございます。大体において、日韓会談は朴政権へのてこ入れ、あるいは南北の統一を妨げ、NEATOの完成を目ざす危険なものというのが趣旨でございます。
その次は、さらに
韓国人一千万の低賃金労働力が
日本の労働者の
利益を圧迫するということを特に加えてあります。
その次に、
日中国交回復等の
請願、
内容は日中国交の正常化、国連代表権の実現、二つの中国の陰謀に加担しないこと、安保
条約の破棄等でございます。その次はガリオア・
タイ二協定の全面的破棄。
その次は、ILO八十七号が二件ございます。最初のものは、
政府においては普通の
意味での
関係国内法の
改正整備を急ぎ、ILO八十七号の批准をすみやかに実現されたいというものであります。
その次の野坂先生の紹介のものは、法制の改悪をしないようにという趣旨のものでございます。
その次は、
米国向け輸出綿製品に対する
賦課金制度実施反対の
請願、兵庫県から出ておりますが、兵庫県ではたいへんに大きな打撃を受けております。
それから、これは箱根町の畑引山に国際大
会議場を
建設するという問題でございます。
次は、
アジア・
アフリカ地域の在外公館の整備拡充及び同地域向けの外交官の採用方法の
改正、職員養成施設の拡充というものを
請願しております。
以上で終わりました。