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鳥畠徳次郎君 ただいまは同僚議員からうんちくを傾けられた御
質問がありまして、いつも与党議員は、
あとのおこぼれだけをちょうだいするというような、まことに限定された時間であるわけでございます。したがいまして、私の
質問もできるだけ簡単に、そうして要点だけを申し上げて、重ねての御
質問は本日はやめておきます。しかしながら、当局におかれましては誠意あふるるだけのお答えを願いたいと思います。
ただいま上程されております
車庫設置の
確保の
法律案でありますが、これはわれわれから考えますと、すでにおそきに失するという感じを多分に持っている一人であります。何となれば、大体十年前の一九四七年あるいはその前の三七年というようなふうに、十年ごとくらいのわが国の
自動車の増加率あるいはまた経済の成長率から申しますならば、当然今日までかような手が次から次と打たれていかなければならぬはずであったのであります。それがいろいろの
事情によって一応おくれたので、今日といたしましては、全くおそきの感があるのでありますけれども、おそいながらも一つ一つこれを解決していくということに一応乗り出したということは、非常にけっこうなことであります。しかしながら、いやしくも
自動車の能率の問題であるとかあるいはまた事故の問題とか、そういう場合に、常に
自動車を使用する人、あるいは
関係の業者、それらの大部分の犠牲において改善をするとか、あるいは改正するというふうな議が上ってくることは、これははなはだ遺憾なことであります。たとえを申し上げるならば、先刻
建設省からも五カ年計画で二兆一千億、一カ年四千二百億からの
道路建設なり、いろいろ考えておる。われわれもよく存じております。しかしながら、その中でも八〇何%までがガソリン税で取り上げられておる。この現実は忘れてはいかぬことでありまして、今後はもっとこれらの
自動車の能率を高める、あるいは事故を絶滅する、そして安心して
交通ができ得る。しかもそれがわが国の経済の成長に対して非常に大きな貢献になるという結果を生み出すことだけは、これは何としても考えなければならぬ問題であります。私はそういう意味だけにおいて、まず一つの改善をする、かように申し上げておるのであります。今後もっともっと業者や使用者の犠牲だけでなく、ほんとうに
政府みずからがもっとしっかりした大
方針、抜本的な一つの
方針なり何なりを立てて刷新するということに、これを機会に乗り出してもらいたいと思います。きょうは
運輸大臣もお帰りになりましたので、幸か不幸か
小平長官がお出ましでありますから、
閣僚懇談会にももちろんお出ましであり、また
各省にそれぞれ御
関係が多大にあると思う。そういう意味において、きょうはほんとうは
大蔵大臣あるいは建設大臣、通産大臣、
関係各大臣に十分にこの点を強調したいが、先刻来いろいろ御
質問がありましたが、あれの大部分は、まずこれが
施行された場合は、この点についてどういうふうに運営されるかという面と、それからまた、その法の解釈というふうなものが相当
質問の中にあったようでありますが、私はこれは後日に譲りたいと思います。一応これを通す、通るというような前提から考えたときに、あまり甘い考えをもって、単にこれは窓口は
運輸省だ、しかもまた取り締まりのはうは
警察庁だというような、過去の甘い考えではとうていこんなものは実際に皆さんの期待されるように、またわれわれの考えておるような、りっぱなものにでき上がらないということを、はっきり私は申し上げる。そういう意味において非常な決意を持って、あらゆる支障を克服していく。障害を乗り越えていくというだけの
政府当局に決意があるかどうか、こういう点を私は聞かなければならぬ。なかなか
内容は非常にむずかしい。これができ上がれば、それこそわれわれは双手をあげて歓迎するのであります。また、そうしなければならない
事態になっております。しかしながら、今日までのいろいろな実例から考えると、たとえば先々月私は運輸
委員として札ノ辻へ
交通の整理を視察に参りましたが、あの一日三万台あるいは四万台という車が通っておるあそこに、ようやく
交通おまわりさんが三人か四人であの
自動車をよくさばいておられるという現状を見てきました。また
運輸省の場合におきましても、陸
運行政から見ると、ここ十年といわないでも、五年間に三百何十倍に指数がふえておる、日本の
自動車が。それにもかかわらず、実際の行政要員に至りましてはようやく二割か二割五分の増員であります。一昨年も、昨年も、本年も人員要求の二割か二割五分しか増員も認めないし、予算も認めないというのが日本の輸送の現状であります。こういう点から考えると、何といってもこれを完璧に
確保するという上からいって、どうしてもこれは、
小平長官が幸か不幸かお出ましでありますから、何としてもはっきりしたお答えをいただかなければ、われわれは今後これに
協力するという気持にならないと思います。先ほど来
交通局長あるいはまた
運輸省の方にいろいろ御
質問がありましたけれども、これは、私は今日までなけなしの財布をたたいてそうして最低の人員であれだけやっておると思う。日本の
交通、輸送、または
自動車関係ほど、この五カ年ないし十カ年に長足の進歩発展をしておる事業は他にはないのであります。そういう点について思いを新しくしてもらって、運輸行政、特に陸
運行政につきましては、一段と御
協力を真剣に願わなければ、こういうのは絵にかいたまんじゅうにひとしいと申し上げても過言でないと、私はかように考えます。
そこで、二、三
小平長官にお尋ね申し上げてお答えを願いたいと思うのは、先刻来の御
質問の中にも触れておられた方もありますので、多少重複すると思いますが、私は本日は基本だけを伺いますから、お答えを願いたい、かように考えております。今度のこの
法案がきょう通るということになりますれば、ただちにその
期間の間で
施行するということになるわけでありますが、一番大きな問題は、先刻からもいろいろ
質問の中にありましたが、まずわが国の八割五分まで占めている
中小企業者が一番大きな犠牲を受ける、これらに対して大体どういうようなほんとうに愛のある
政治を行なわれるか、行政をやられるか、それに対するひとつお答えを願いたいと思います。簡単でけっこうでございますから、決意のほどを承りたい。これは一間一答じゃなく、全部で五、六項目にわたって申し上げますから、逐次お答えをいただけばけっこうです。
それから当然起きてくる問題は、この施設の
場所の問題であります。これにつきましては先刻来七十万坪とか、いろいろ問題が出ておりましたが、要は、国の財産である
国有地をどういうふうに払い下げられるか、あるいはそういうものに対してどこまで
協力せられるかということが大きな問題になると思います。そういう点について、何かひとつ具体的な案があればお示し願いたい、具体的な案がなければ、どういう決意でいられるか、それをひとつ承りたいと思います。かように考えております。
それから金融の問題、ちょっと計算いたしますと、大体東京都だけでもまあざっと見て三百五十億ぐらいの金かなかったら、まず施設はできないと私は考えております。そういう点に対する大蔵省のほうの考えはどういう考えでいられるのか。これまでの運輸行政に対するような消極的な考え方では、この金融は、大体一カ年ほどの間に、小さいといえば小さい、大きいといえば大きいといえるのでありますが、今のような画期的な大事業をやる場合には、あまりにも小さい金でありますが、大蔵省では、はたしてそれくらいの金融に対して、ある程度責任を持てるかどうか。きょうまでいろいろ話題にも出たことがございましょうが、その金融の実際問題についてひとつお答えを願いたいと思います。
それから協同組合であるとか、いろいろ各種法人団体を作りまして、これに
協力するという団体が出た場合に、それに対しては金利を特別軽減するとか、あるいは租税を特別減免するという特殊な考慮を払われるお考えがあるかないかという点をお尋ねしておきます。
それから
運輸大臣がおられましたら
運輸大臣にお尋ねしたいと思いましたが、自
動車局長に一点お尋ねいたします。これは
施行をする前に、われわれの考えでは非常に大事業であるから、古い言葉で言えば、これこそ官民一体の姿で立ち上がらなければ、これはいかに
運輸省がさか立ちしても、
運輸省だけではこの仕事はできませんよ。そういうようないろいろな意味におきまして、
施行前に学識経験者というか、とおり一ぺんの言葉でありますが、そういう人、あるいは
関係業者あるいはまた
自動車所有者と申しますか、あるいは商工
会議所と申しますか、いわゆる
関係者のベテランの方々にぜひひとつ参考人として出てもらって、そしてそれらの権威ある人たちの意見を聞いてもらって、いわゆる参考人と申しますか、その形式は何でもけっこうですが、
施行前に十分それらの人たちの意見を聞いてもらって、それによって実際にどう現場へは流していくかというようなこと、また
警察庁関係の取り締まりの面におきましても、あくまでもやはり愛情のある一つの行政をやるというような面について、この二つをあわせて、ひとつそれらの権威者の意見を聞いてもらいたい。こういうことはできるかできないかということをお聞きし、また、そういうお考えがあるかないかということもお尋ねするわけであります。
なお、ただいま長官にお尋ねいたしました五つ、六つのうち、いずれも非常に重要なウエートのかかった問題ばかりでありまして、まずこれがほんとうに完璧に近いようにできなければ、この問題は全くから念仏に終わるということをわれわれは考えておるのでありまして、まあ何といってもわが国の経済の成長を考え、反面、またひいては日本の
自動車工業の将来の発展から考え、また輸送、
交通というような面から考えたときには、何としてもこれは一日も早く、一時間も早く、いわゆる足をそろえてりっぱな姿でスタートすべきものであるというわれわれの考え方に沿うような一つの施設なりまた
協力を惜しまないという決意を、最後にもう一回お尋ねいたしまして、私の
質問は簡単でありますが、要点だけを申し上げて終わります。