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1962-05-07 第40回国会 参議院 運輸委員会 第27号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十七年五月七日(月曜日)    午後一時三十五分開会     —————————————   委員の異動 五月六日委員堀本宜実君辞任につき、 その補欠として江藤智君を議長におい て指名した。 本日委員村上春藏辞任につき、その 補欠として谷口慶吉君を議長において 指名した。     —————————————  出席者は左の通り。    委員長     村松 久義君    理事            天埜 良吉君            金丸 冨夫君            大倉 精一君    委員            谷口 慶吉君            鳥畠徳次郎君            平島 敏夫君            相澤 重明君            小酒井義男君            中村 順造君            田上 松衞君            中村 正雄君            白木義一郎君            加賀山之雄君   国務大臣    運 輸 大 臣 斎藤  昇君   政府委員    総理府総務長官 小平 久雄君    警察庁交通局長 冨永 誠美君    大蔵省管財局長 山下 武利君     運輸政務次官 有馬 英治君       運輸省自       動車局長 木村 睦男君   説明員    通商産業省重工    業局重工業課長 金井多喜男君      中小企業庁      振興部長  加藤 悌次君     建設省都市局     都市総務課長 吉兼 三郎君      建設省道路      局路政課長 高橋 弘篤君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○自動車保管場所確保等に関する  法律案内閣提出衆議院送付) ○国鉄野岩羽線建設等促進に関する請  願(第一四号)(第八〇二号) ○観光事業一大拠点として箱根町畑  引山に国際会議場建設請願(第五  〇号)(第三二八九号)(第三三〇七  号)(第三三二一号)(第三四一七  号)(第三六〇七号) ○老人の国鉄運賃割引実施に関する請  願(第七四号)(第一一三号)(第一三  七号)(第一六五号)(第二七五号)(第  二八二号) ○戦傷病者等日本国有鉄道無賃乗車  等に関する法律による乗車券の家族  共用に関する請願(第九一号)(第二  二七号)(第三九三号)(第一八九一  号) ○国鉄赤穂線全線開通促進等に関す  る請願(第一〇五号) ○宇野、高松間海峡鉄道早期実現に関  する請願(第二二四号)(第三四七  号)   、 ○国鉄バス城線停留所増設請願  (第三二六号) ○国鉄軽井沢長野駅間鉄道電化促  進に関する請願(第七〇四号)(第七  二一号) ○国鉄甲府長野駅間鉄道複線電  化実現に関する請願(第七〇五号)  (第七二二号) ○岩日線広瀬、日原両駅間鉄道敷設に  関する請願(第七五三号)(第七五四  号)(第七五五号)(第八四七号) ○磐越東線輸送体形強化改善促進に関  する請願(第八〇三号) ○野沢、西方線鉄道開設促進に関する  請願(第八〇四号) ○国鉄会津線ジーゼル準急列車運行  の請願(第八〇五号) ○国鉄水戸、福島両駅間観光準急列車  運行に関する請願(第八〇六号) ○東北本線盛岡駅以北の電化複線工  事実現促進に関する請願(第八六三  号) ○生橋線雫石、橋場駅撤去区間早期  復活に関する請願(第八六四号) ○鹿児島本線列車増発に関する請願  (第一一〇六号) ○鹿児島港湾改修事業早期完成等に  関する請願(第一二九二号) ○鉄道出札口装置改善に関する請願  (第一五四三号) ○熊本県内鉄道複線化等に関する請  願(第一六〇〇号) ○鹿児島有明湾沿岸港湾設置の請 願(第一七六四号) ○国鉄国分、海潟両駅間鉄道敷設工事  促進に関する請願(第一七六五号) ○鹿児島本線複線化等に関する請願  (第二〇三四号)(第二一四四号) ○陸羽東線鉄道貨物輸送集約取扱制度  実施中止等に関する請願(第二一二  七号) ○国電京浜東北線蕨、南浦和両駅間に  新駅設置請願(第二三七二号) ○国鉄油須原線建設等促進に関する請  願(第二三九一号)(第二四一五号) ○三陸沿岸縦貫鉄道建設線編入に関  する請願(第二五八〇号) ○唐津、呼子、伊万里線の国鉄線建  設予定線調査線へ格上げに関する  請願(第二六〇三号) ○広島県尾道市防地口付近旅客専用  停車場設置請願(第二七三六号)  (第二七八六号)(第二八七三号)(第  二八八二号)(第二九五七号)(第三二 一四号)(第三二七七号)(第三三二〇  号)(第三三五二号) ○国鉄生橋線復旧事業等促進に関す  る請願(第二七六九号) ○羽越本線道川羽後亀田両駅の貨物  取扱い廃止統合中止に関する請願  (第二八三〇号) ○線路傷害踏切事故防止に関する請  願(第三一九六号) ○踏切道改善に関する請願(第三二四  七号) ○個人タクシー免許条件改正に関する  請願(第三二六六号)(第三二六七号)  (第三二六八号)(第三三五三号)(第  三三五四号)(第三三五五号)(第三三  五六号)(第三三五七号)(第三三五八  号)(第三三五九号)(第三三六〇号)  (第三三六一号)第三三六二号)(第三  三六三号)(第三三六四号)(第三四一  五号)(第三四一六号)(第三四四二  号) ○海運政策確立に関する請願(第三五  三四号) ○公、私営バス運賃現行維持等に関  する請願(第三六〇八号) ○継続調査要求に関する件     —————————————
  2. 村松久義

    委員長村松久義君) ただいまより委員会を開会いたします。  まず委員の変更について御報告いたします。昨六日堀本宜実君が辞任され、江藤智君が選任されました。また本日、村上春藏君が辞任され、谷口慶吉君が選任されました。     —————————————
  3. 村松久義

    委員長村松久義君) 自動車保管場所確保等に関する法律案を議題といたします。  これより質疑に入ります。順次御発言を願います。
  4. 中村正雄

    中村正雄君 同志会と無所属がそろっておりますか。
  5. 村松久義

    委員長村松久義君) では、質疑に入ります。順次御発言を願います。
  6. 大倉精一

    大倉精一君 運輸大臣にお伺いいたしますけれども、この法律案交通関係閣僚懇談会の決定によって出てきたと言われておりますけれども、この閣僚懇談会で、こういう方法をきめられたいきさつについて、一応御説明を願いたいと思います。
  7. 小平久雄

    政府委員小平久雄君) 御承知のように、交通関係閣僚懇談会は昨年の十二月の初めに発足をいたしたわけでございます。しこうしてその当面の問題としましては、大都市における交通渋滞緩和及び交通事故の減少、そういったことについての対策を種々協議いたしました。毎週火曜日ほとんど続けてやって参ったのであります。この間いろいろ問題が出ましたが、交通渋滞見地から、あるいはまた事故防止見地から申しまして、市中に相当多く街路上放置車が見られる、こういうことも何とか取り締まりをいたして、そういう事態のないようにいたすことが交通緩和のために、あるいはまた事故防止見地からいたしましても必要であろうと、そういうことに相なりました。これの法制化につきまして関係各省において検討をいたすように、こういうことに相なりました。関係各省でも数次にわたりまして、いろいろな角度から検討をいたしたのであります。すなわち道交法立場から、あるいはまた現行道路法立場から等々、各方面から検討をいたしたのでありまするが、現在の法律だけをもってしましては不十分である、こういう結論に達しまして、今回御提案申し上げましたような法案を作成し、これを閣僚懇談会でお認めをいただき、閣議に諮って御提案を申し上げたという、大体のいきさつから申しますと、以上申し上げるような事情に相なっておるわけであります。
  8. 大倉精一

    大倉精一君 この法案内容を見てみますというと、必ずしも運輸省だけの所管にかがる分ばかりじゃないような気がするのですが、所管官署は、主たる所管官署はどこにあるのですか。運輸省だろうと思うのですけれども、あと関係役所との関係は、どういう工合になるのか御説明願いたい。
  9. 小平久雄

    政府委員小平久雄君) この法案自体は、先ほど申しましたようないきさつでできたわけでございますが、御質問のように、閣僚懇談会ができる前から、すなわち今から申しますと一昨年から、関係各省事務レベルにおける交通対策本部というものがございますので、主としてそこを中心に事務的には検討したのであります。そこで関係各省、特にこの法案から見た場合の関係省と申しますと、運輸省、それから建設省公安委員会罰則関係から申しますと法務省も入るのじゃないか。そういう各省が、やはりこの法案のそれぞれの条文、箇条によりまして、担当主管となるということに相なると思います。
  10. 大倉精一

    大倉精一君 そうしますと、この法律運用面になるというと、非常に多くの官庁にまたがってくるわけです。運用が……。その点をどういう工合運用なさろうとするのか、何か方針でもきめておられるのですか。運用方法として……。
  11. 小平久雄

    政府委員小平久雄君) 現在、さっき申しました交通対策本部というようなものもありますが、これはどこまでもいわゆる連絡調整の機関でございます。この法律施行の段階になりました場合におきましては、先ほど申しましたとおり、それぞれの条文によりまして担当役所が、現在の行政機構から申しますと変わってくるわけです。それぞれの担当役所で、これが施行の責めを負うていただくということに相なると存じます。
  12. 大倉精一

    大倉精一君 その点については、あとから具体的にもう少しお尋ねしたいと思いますけれども、この法律によって中小企業商店ないしは業者のメーカー、販売等々、非常に広範囲にわたって影響があると思うのですよ。そういうような影響について検討なすっていると思うのですが、この影響の概況について御説明を願いたいと思います。
  13. 木村睦男

    政府委員木村睦男君) 中小企業関係で特に問題となりますのは、自動車所有者車庫を持つことを義務づける点が問題であろうかと存じます。この点から申し上げますというと、車庫を持つことを義務づけておりますのは、すべての自動車保有者に一応義務づけておりますが、さらに車庫を持たない場合に罰則をもって、これに制裁を加える、あるいは登録を拒否するといった不利益を与える場合には、やはり道路混雑ということと、うらはらの関係になりますので、道路上のいろいろな規制の行なわれる地域に、範囲において、大体それと相似かよった範囲において地域的に限定してやるというこの法律立場をとっております。その地域指定されますところにおきましては、中小企業に与える影響は確かにあろうかと思います。  そこでいろいろ方途を考えたのでありますが、まずこの法律実施の時期の問題でございますが、時期の問題につきましては、指定されました地域内において車庫を持つことを義務づけますのは、この法律施行されましてから三カ月ということになっております。さらに路上保管場所等に使ってはいけないという規定につきましては、いま直ちにこれをやることは特に現在の中小企業影響もありますので、一年という期間を置いております。なお、さらに今後車庫を持つための措置といたしまして場所の、土地確保というふうな点におきましては、この地域につきましては、できる限り共同の駐車場等を作り得るように、あるいは国有地あるいは公有地というふうなものをできるだけ優先的にそのほうに割愛する、あるいはそういう確保のために融資あっせんをするとか、そういうふうな方法関係各省協力してやろうというふうな方策をこれと並行いたしましてやるようなことにいたしているのでございます。
  14. 大倉精一

    大倉精一君 そうしますと、現在車を持っている所有者ですね、この所有者については、地域指定して一年間の余裕をもって駐車場所確保しなければならぬ、保管場所をですね。一年でこれは十分やれますか。一年でやれるという見通しはついておりますか。
  15. 木村睦男

    政府委員木村睦男君) 現在車を持っております者につきましては積極的に車庫を持つことを全面的にこの法律は義務づけておりませんで、法律の第四条にありますように、登録その他登録事項を変更いたします場合に限定いたしまして、登録の際に車庫を持つということを義務づけているのでございますが、ただ現在車を持っておりまする者が、路上を車の保管場所として使えなくなるという意味におきまして、路外に反射的に車の置き場を見つけなきゃならぬというところで、いろいろ問題がある、こういうふうになっておるわけでございます。で、これらにつきましては、先ほど申し上げましたように、一年という期間を置いて、その間に路外にそれぞれの場所を見つけるような措置を講じ、また政府といたしましても、先ほど申し上げましたような融資あっせんあるいは土地確保等について、できる限りの努力をいたそう、こういうふうな方針でいるのでございます。
  16. 大倉精一

    大倉精一君 ちょっと速記を……。
  17. 村松久義

    委員長村松久義君) 速記をとめて。   〔速記中止
  18. 村松久義

    委員長村松久義君) 速記を始めて。
  19. 大倉精一

    大倉精一君 そうしますと、現在持っておる所有者は、道路を使っちゃいかぬということは、置き場所を持て、こういうことになるわけですね。そこで、そういうことになるんだが、この措置は一年間でできるというめどがあるかないか。私は非常にこれはむずかしいと思うんですがね。現在の指定される場所は、おそらくそれは交通混雑をする場所ないしは繁華街、こういう場所車庫を持つということは、非常にこれはむずかしいと思うんですが、いかがです。
  20. 木村睦男

    政府委員木村睦男君) 今の点をもうちょっとわかりやすく申し上げますと、法律について申し上げますというと、第三条で、一般に車を持っておる者は、道路場所以外に保管場所を持たなきゃいかぬということが義務づけてあるわけであります。ただし、これには罰則その他の不利益処分適用はございません。第四条で、車を持っております者が種々の登録をやります場合に、道路場所以外に保管場所を持っておるという証明書を持ってこなければ登録はできないというふうになっておりまして、この第四条の適用につきましては、附則でもって適用地域政令できめるということになっておりますし、なお、この第四条の二項で、証明書を持ってこなければ登録をいたしませんという不利益処分適用があるわけでございます。そういうふうになっておりまして、第五条以下は、今度は、道路上を保管場所に使ってはいかぬあるいは駐車禁止等について、いろいろ制限があるわけでございますが、そういう立て方になっておるのでございまして、ただいま御質問の、道路上を保管場所等に使ってはいけないという条文につきましては、やはり附則で一年という猶予期間が置いてありますが、これにつきましては、所管のほうの警察庁のほうから説明することにいたします。
  21. 冨永誠美

    政府委員冨永誠美君) この法律は、五条関係公布の日から起算して一年を経過した日から施行されるわけです。施行は、つまり公布の日から起算して一年たってから施行されますが、それから実際に第五条が適用されるにつきましては、附則の第二項で、政令でその地域を定めるというふうになっておるわけでございます。つまり一年たったからすぐに第五条の規定適用されるというのではなしに、政令地域指定しなければなりません。そういう、二重になっているのです。
  22. 大倉精一

    大倉精一君 でありますから、要するにこの法律は、車を持っておる者は保管場所を持たなければならぬということですね、第一番に。保管場所を持たなければならぬ。それから道路上を車の置き場所に使用しちゃいかぬと、こういうことなんでしょう。そこで道路上を使用した場合に罰金を取られるというような場所政令指定されるのでしょう、その場所区域は。その区域は多分交通ひんぱんな所であり、繁華街でもあるので、この附近に道路上に駐車してはいかぬということになれば、自然に置き場所をほかに考えなければならない。そういう場所を作る場合に、一年間の期間でできるかどうか私は非常に疑問に思うのですね。お金を幾ら出しても買えないものは買えない。一年間で、大体めどはつぎますか。
  23. 小平久雄

    政府委員小平久雄君) ただいま、説明申し上げましたとおり、この第五条の関係につきましては、公布後一年たって施行されるということと、一方におきましては地域政令指定すると、こういうことになっております。  それで、もちろん抽象的に申し上げますならば、非常に交通混雑しておる所、あるいは車庫その他の保管場所を持たない者が相当数あって、路上に放置されている車が多いといったような地域、そういったような所をだんだんやっていくということになると思いますが、そういったような地域は御承知のとおり、いわゆる商店街であるとか、そういった所が多いと思います。そういう所につきましては、いろいろな団体等もございますから、それらとも連絡をとりながら、車庫その他の、本法実施するにおいて差しつかえないような施設といいますか、そういうものの準備をさせる。そのためには、政府もできるだけ融資その他で協力をいたしていく。こういうことによりまして、本法が円滑に施行されるようにやっていくべきであろうと、こういうふうに考えております。
  24. 大倉精一

    大倉精一君 まあそういうことなんですけれども、一年間の余裕で、そういうことができるかということですね、見通しが。
  25. 小平久雄

    政府委員小平久雄君) しかしながら、全部一年で全域にわたってと、こういうことでございませんで、地域はまた指定するわけでございますから、その指定が、一年たったときに、何と申しますか、地域を全部指定するわけではなく、地域指定があって、初めてこの法律適用される、実質的には、そういうことになるわけですから。
  26. 大倉精一

    大倉精一君 地域指定するのですから、その指定される地域というのは、ずっと田舎のほうじゃないでしょう。土地のたくさんあいている所じゃないわけなんだ。きっちりと家が詰まって、土一升金一升という所が多いと思うのだ。そういう所に一年間で——どんな場所か知らぬけれども——保管場所ができると、そういうめどはあるのですか。たとえば国有地を開放するとなっても、相当離れた場所において保管場所を作らなければならぬということになりますね。そういうような見通しはどうですか。
  27. 小平久雄

    政府委員小平久雄君) ですから、先生のおっしゃるように、これからと申しますか、法が施行されてから一年間に、該当するような地域において準備がすべて必ずしも完了しないでもいい場合があるわけでございまして、その地域のそういった準備等が非常におくれているという地域については、指定の際に考慮されて、また考慮すべきではなかろうか。さっきも申しましたとおり、その地域商店街なら商店街というところともよく打ち合わせて、本法施行するについて、どういう善後措置が必要であるかということについて当局において指導をされて、政府もこれに協力をして、そうして本法施行されても差しつかえないといった大体の、あるいは地域指定しても差しつかえない、そういう時期において指定をいたすということになれば、大した無理がなくゆくんではなかろうか。そしてまた逆に考えまして、これをそういう準備ができるまで、こういうことをやらぬということになりますと、これはまたいつの日まで待たなければならぬかというような問題もございます。そういう点で、このような案にいたしたわけでございます。
  28. 大倉精一

    大倉精一君 そうなりますと、どうもわからぬことになってくるんだが、大体いまの、こういうところならできるだろうというところを指定する、がしかしながら、いつまで待っておってもできぬようなことがあると困るからと、こういうことになると、さっぱりわからぬということになるわけですね。大体指定しなければならぬというところは、現在の交通事情から見て早急にやはり指定しなければならぬと思うんですね。ですから、どうも交通関係法規というものは実行のできない法規が次から次出てくるんですね、実行のできない法規が。そういう傾向があるような気がするんですよ。ですから、これは私は反対じゃありませんけれども、ずっと読んでいって、頭の中でこう描いてみると、理想像かもしれぬけれども、どうもこれは私は、はたしてこういう法律に書いてあるような形になるのかどうか非常に心配になるんですね、それでお尋ねしておる。  それで私は、冒頭に述べた中小企業に対する影響というものは、質問内容についてつかみにくかったかもしれませんけれども、こういうことになりますと、繁華街あるいは交通ひんぱんな場所にある中小企業商店というものが車を使えない、ほかの方法によって所用を満たさなければならぬ、こういうことになってくるわけですね。そういう現象は出てきませんか。
  29. 小平久雄

    政府委員小平久雄君) 場合によっては、今お話のような事態が起こるかもわかりません、全然起こらぬとは断言するわけには参らぬと思います。ただしかし、こういう法律を御提案申し上げ、またこれを御審議いただくということは、やはり社会全般から見まして、どうしてもこういうことが必要である、われわれはさように信じて御提案申し上げておるわけですが、そういうことがございますから、その間、若干の不便等が個人的に考えれば起こりましても、これは率直に申せばお忍び願うほかないんじゃなかろうか、また何とか工夫をして、この法は守っていただくというふうに、これは政府ももちろん努力をしなければいけませんし、それぞれの中小企業者等にも御協力を仰がなければならぬのじゃないか、かように考えております。
  30. 大倉精一

    大倉精一君 むろんこういう措置は必要だと私は思うんですよ、思うが、こういう措置政府がする以上は、これによって生ずるあらゆる現象検討して、これに対応する措置もやはり考えなければならぬと思う、政治というものは。法律だけを作って、この法律どおりにやれということだけじゃ、私は政治というものはまずいと思う。  で、今の私の質問は、そういう点を心配したからお尋ねしたんですけれども、本来ならば、そういうことがありますので、政府としては、こういう措置をして、こういう工合いにしてという、そういうことをあわせて説明してもらわなければならぬと思うんですけれども、どうも少し所管官庁が方々に分かれているせいか、あっち見たり、こっち見たりして答弁されておりますけれども、どうもそういう点が心配になるんですよ。それで先ほど木村局長説明の中にも、一つの間違いがあると思うのですよ。というのは、車庫というものは、自分の、所有者の近所に作らなきゃならぬことはないのです、車庫というものは。木村局長は、先ほどその地域内において車庫を持たなきゃならぬという、こういう説明がありましたけれども、地域内じゃなくてもいいわけです、車庫を持つというのは。商店繁華街にあっても、車の置き場というのはずっと向こうにあってもいい。ただ不便なだけなんですね。だから地域内において車庫を持てという、こういう表現になってくると、また問題になってくる。これは言葉じりをとらえるわけじゃありませんけれども、そういうことも考えられるのです。これはひとつ、ぜひとも政府のほうにおいて、どこの所管かしりませんけれども、この点については、ただ国有地を開放するんだ、資金を融資あっせんをするんだ、これもやってもらわなければなりませんけれども、それだけでは解決つかないものがあると思うのですね。これは閣僚懇談会でおやりになるのか、こういうことをおやりになる所管庁はどこですか。
  31. 小平久雄

    政府委員小平久雄君) 今先生が御指摘のようなお話も、閣僚懇談会では再三出ました。で、実はそういう点も考えあわされまして、閣僚懇談会にも大蔵大臣通商産業大臣にも御参加をいただくことになりまして、御参加をいただいておるのでございます。この点につきましては中小企業庁のほうで、中小企業に対する影響等についても、若干の調査もあるようでございますので、後ほどこれは御説明いただくことにいたしますが、閣僚懇談会の席におきましても、大蔵大臣等も、そういう施策はぜひ強力に進める必要があるだろう、こういうことで、具体的にどういうしからば手を打つべきかということで、目下主として大蔵省、通産省の間で、ただいま事務的に打ち合わせをしていただいておる、こういう事情に相なっております。
  32. 大倉精一

    大倉精一君 五月一日の日経に、都内の交通緩和国有地を駐車場にするという政府第一次案をまとめたという記事がありますが、これは明日ですか、八日の日の閣僚懇談会に諮って実施をする、こういうことで駐車場、それから道路ですね、あるいは遊園地というのがずっと書いてあります。こういうものもけっこうですけれども、要するに繁華街なり交通混雑、ひんぱんな場所におけるところの駐車場あるいは車庫を持つと、こういう世話をするとか、そういう何といいますか、めんどうをみるという、このお役所はどこなんですかね。これはどこへ持っていったらいいか、中小企業者は、私のところは車庫を作るところがありませんが、何とかなりませんかという相談は、一体どこへ持っていったらいいか。
  33. 加藤悌次

    説明員(加藤悌次君) 中小企業と申しましても、非常に範囲が広くて、その所管各省に分かれておるわけでございます。それで直接的には、それぞれ当該業種を所管しておられる官庁のほうでめんどうをみるということになると思いますが、中小企業の一般ということになりますというと、金融の問題、あるいは財政の問題、税制の問題、いろいろございますが、そういう問題につきましては、一応中小企業庁が相談の窓口ということになって、いろいろお世話をやくような機構になっておるわけでございます。  それで先ほど先生の御指摘の、この法律施行された場合の中小企業に対する影響が非常に大きいだろうということで、私は法案の作成の過程から、いろいろ中小企業の面からの要望をして参ったわけでございます。それで中小企業に対する影響というのは、大きく分けますというと、二つ考えられるわけでございますが、こういう法律施行されると、一般の自動車に対する需要が減退して、自動車のいわゆる下請関係をやっている中小企業の仕事が減るんではなかろうかという問題、それからもう一つは、現在問題になっております、これは主として大都市における商店関係、これはお手元に資料を差し上げてございますが、現在車庫を持ってない、置き場を持ってないところが相当あるわけでございます。これがどうなるか、この二つの問題があるわけでございます。  それで第一点の自動車の下請関係の企業に対する影響でございますが、これは大ざっぱに申し上げますと、なるほど一部には、そういう需要の減退、ことに中小企業者が使っております三輪車だとか、あるいは軽四輪、こういったものについて需要の減退があるかもしれませんが、総体としては、来年度の総体の自動車の生産の見通し、需要の見通しは今年を相当上回ることになっておりまして、そういった関係から、今の生産関係に及ぼす影響ということは、大したことはないのではないかというふうに思っておるわけであります。  それで問題は、商店街に対する影響なんでございますが、私のほうでとりあえず応急的に、サンプル的に東京都の代表的な小売りの商店街、それから問屋さん関係、これの実情を調査してみたわけなんですが、かいつまんで申し上げますというと、中小企業といえども、やはり現在は交通が非常に混雑している、それには迷惑を感じている、ことに問屋街等においては、もう車が一ぱいで、にっちもさっちもいかぬということで、むしろこれは、やはり何らかの形で協力すべきではないかというわけで、こういう法律が出るということも、大勢としてはやむを得ないというような考え方でやっておるわけでございまして、そうなった場合に、今先生の御指摘の、それの裏づけになるような措置を何か考えてもらわなければならぬ、また法の施行運用につきまして、できるだけ実態に合ったような法の施行運用をしていただきたいということで、この法案の審議の過程におきまして、われわれのほうから主として中小企業に対する問題としてお願いしていた問題があるわけでございますが、そのうち、すでにこの法案の中にございまする、法の本来の趣旨からいたしまして、全国一律に施行適用する必要はないではなかろうかということで、地域指定をお願いしたいという注文を出しておったのですが、これは先ほど来御説明のように、そういうことで今後政令の段階で、どういうふうな格好で指定をしていくかということにつきまして、十分われわれの意見も聞いていただくようにしてほしいというふうに考えておるわけでございます。  それから五条の関係適用の時期でございますが、これも法の施行後、すぐこの条文適用されるということ、これも中小企業においては非常に問題がございますので、これも一つ適当な期間、これは今お話のように、なかなか一年がいいのか、二年かかるのかむずかしいのですが、これは適当なところで割り切るより仕方がないというので一年という結論になったわけであります。こういった猶予期間規定、この二つによりまして、よほどわれわれのお願い申し上げた点が、結果的にいれられたということになっておりますのでその次に問題になりますのは、現在置き場所がないものはどうするかという問題でございますが、これは先般の交通閣僚懇談会中小企業庁、通産省の要望として、大体三点ばかりお願いをいたしておりまして、その方向に沿うて、現在事務当局並びに交通閣僚懇談会のほうで、せっかく御検討願っておる、こういうことでございます。  その三点と申しますのは、一つは、何といっても中小企業は資金力がないものでございますから、自分で車庫を持つなんということはなかなかむずかしいということで、非常に安い料金で駐車できるような公共の駐車場の設置を促進していただくことをぜひ考えていただきたい、これが一点でございます。  それから先ほど来問題になっております第四条の登録の場合に、保管場所の証明がないと登録していただけないという規定が、この法律公布後三カ月で施行されますので、その関係からして、とりあえずそういった公共の駐車場等、あるいは中小企業の協同組合等で自分の駐車場を作りますまでの間のつなぎとして、たとえば公園だとか遊園地だとか、そういった公共用の施設を夜間に限って一時的に開放していただく、これは今文部省、厚生省等で御検討いただいておるはずでございます。そういうことで、一時的につなぎとして開放していただきますれば、三カ月後に四条の規定適用がございましても、常置場所として、そこを書いていけば登録がえがしていただけるというふうに考えているわけでございます。  もう一点は、商店街でも、たいがい中小企業の組合法に基づく協同組合というものを作っておりますが、こういった組合の協同施設として何らかの格好において駐車場を作っていただく。現に横山町の問屋街でも、そういったような計画を持っているわけでございますが、それを作りやすいようにするために、今御指摘のように土地の入手難ということが、やはり一番大きな問題になっておりますので、この点につきましては、国有地あるいは公有地等の払い下げあるいは貸し下げをひとつ、優先的にお願いしたい。  それから、その次に何といっても資金が相当かかりますので、この資金につきましては、中小企業関係政府機関でございます中小企業金融公庫あるいは商工中金から、できるだけめんどうを見てほしいということを、これは大蔵省のほうにお願いいたしております。その他いろいろ事業協同組合が持っている財産につきまして、これは将来の問題でございますが、税制上の特例等もございますので、行く行くはそういった点についても、ひとつお願いをしたいというようなことで、これは閣僚懇談会でも、方向はそういう方向でひとつ考えようじゃないかということで、これから先の問題でございますが、関係方面と折衝をやっております。ただ時間的に余裕がなかったものでございますから、一体実質的にどれくらいの計画があり、どれくらいの資金量が必要であるか、といったデータが今のところまとまっていないのであります。これは一年間という期間もございますので、目下全国的にその調査をやろう、こういうことで計画を進めておりますので御了承願いたいと思います。
  34. 大倉精一

    大倉精一君 そういう万般の問題が出ると思うのですが、やはり世話をするのはどこだ、こうなってくると、私はまず法律案を出した役所——運輸省ですね。やはりこれは運輸省というものが仕事の窓口にならなければならないと思う、一応は。で運輸省がそういうようなものもお世話をせんならんことを私は考えるのですが、それはひとつ皆さんのほうで、十分遺憾のないようにしてもらうとして、今三つの要望を出されましたけれども、この要望に従って、先ほど申しましたように、三十日の日に東京都と警視庁、行政管理庁の三者で協議をして、そして駐車場を十二カ所、道路を三カ所、遊園地を一カ所、大体こういうように決定されているようです。そこで大蔵省が来ていると思うのですが、土地の問題、融資の問題、こういう問題について、この法律案施行に関連をして、ひとつ大蔵省の意向なり心がまえというものを聞かしてもらいたい。
  35. 山下武利

    政府委員(山下武利君) 管財局長でございますが、土地の問題についてお答え申し上げます。ただいまお話になりましたように、先般行政管理庁並びに都と警視庁、三者でもって国有地の未利用の分についての、駐車場にこれを利用する案というのが提示されまして、大蔵省の意見も求められましたので、私もこれにお答え申しておきました。もちろん駐車場の設置は非常に急を要する問題でございますので、国有地がもしこれに利用できるということであれば、大蔵省としては、できるだけの御援助をするということについては根本的な反対はないのでございます。ただ具体化にあたりまして、現在の国有地としてあげられておりますところは、非常にたくさんの部分が、実際まだ行政財産として官庁が使っておるところが多いのでございます。これがすぐに利用できるかどうかということについては、なお関係各省とよく相談してみなければならないという問題が一つ残っております。それから各国有財産の処理につきましては、国有財産法というのがございまして、いろいろの制約があるわけでございます。これが、はたして今の御要望にあうかどうかということについても、さらに詳細な検討をしてみなければならない、かように考えておりますが、根本的には、この方針にできるだけの御協力をしたいという態度についてはきまっております。
  36. 大倉精一

    大倉精一君 できるだけじゃなくて、万全の協力をしてもらわんと、今度は罰金をとられるわけですから、この法律ができるというと、たいへんです。ですから、これは大蔵省のほうでも、あまり法規にがちがちにこだわらんと、この法律に即応して早くこういう措置ができるように協力してもらわんというと、これは一般が迷惑すると思うのです。これはひとつぜひとも、そういうふうにやってもらうように要望しておきます。  それから冨永さんおいでになりますからお伺いしますけれども、またこれによって、警察の仕事はよけいふえるのですが、今の警察の人員でやれますか、これ。
  37. 冨永誠美

    政府委員冨永誠美君) 今、交通警察の仕事は非常に多忙なわけでございます。それで、いろいろ交通の専務員ばかりではなしに、外勤員なりあるいは機動隊員なりの力を借りて、交通の整理なり取り締まりなり、あるいはまた交通規制の確保なりやっているわけでございますが、こういった駐車違反のほかに、新しい仕事も加わりますわけでございますので、かなり力のとられることは事実でございます。しかし私どもとしましては、もし法律が通りますならば、やはり力を入れまして持っていかなければならない。もちろん、今のままの体制でも、かなり苦労いたしておりますので、もっと力を充実しなければならないということは、私どもも考えているわけでございます。また、その意味におきましても、期間もありますので、どうすれば充実できるかということを、政府の機関におきましても御検討いただいているような状況でございます。
  38. 大倉精一

    大倉精一君 検討しているうちに、事態はどんどんどんどん進んでいくと思うのですが、特に私は駐車禁止区域指定して、その現状で仕事の量をはかるというと、これは少し狂っていくのじゃないか。というのは、駐車禁止区域なり道路指定すれば、今度は横道へ入って、どんどん駐車していく。そうして、これもまた駐車禁止しなければならんという工合に、相当急速に、そういう区域がふえていくと思うのです、道路も。でありますから、これは警察の仕事というのは膨大になると思うのです。ですからこれができましても、はたして駐車禁止なりその区域なりというものを、法律どおりにきちんとやらせるということができるかどうか、私は非常に疑問に思うのです。ですから、法律違反をどんどん作って、駐車違反、法規違反を製造するような法規になっちゃ困るのです。そういう点については、私は非常に危惧を持っているのですけれども、これはひとつ、万全な対策を立ててもらわなければならないと思います。  それから、技術的に、はたしてこれで一体やれるかどうかという疑問があるのです。たとえば第五条に、道路上に十二時間以上駐車しちゃいかんと書いてあるのですけれども、一体、何時から駐車しているということを、だれが見ているのですか。十二時間という時間は、だれがどういう工合に計算しますか。
  39. 冨永誠美

    政府委員冨永誠美君) お説のとおりに、駐車問題というのは、どこも非常に苦しんでいるわけでございます。したがって御指摘のとおりに、主要幹線の駐車禁止を確保しようとしますれば、裏通りに入る。目下、この次には裏通りというふうなことでやっていることは、またこれも事実でございますが、今御質問の、十二時間ずっと継続して駐車しているかどうかということを、どういうふうに見分けるかという御質問でございますが、まあ一般的に申しますれば、私どものほうもせっかく努力いたしておりまして、あるいは御期待に沿えないかもわかりませんが、夜、大体同一地点で、どういう番号の車がいつも道路の上でとまっておるという状態は、それぞれ一線でずっと見ておるわけでございます。リストも作っておるわけでございまして、大体道路保管場所として使っておられるのじゃなかろうかという現状はある程度把握はできておるわけでございますけれども、また今後も把握しなければならないと思うわけでございます。ただ、御指摘の十二時間という場合、つまり第五条の第二項のほうでございますが、これは一回限りでもいけないというわけでございますので、相当見分けるのに技術的にむずかしい問題があると思います。したがって非常に長くとまっておるなあということを気づいたときにチェックするなりして十二時間たったかどうかということを見分ける以外に方法がないというふうに考えておる次第でございます。
  40. 大倉精一

    大倉精一君 これはひとつ、十分に運用に気をつけてやってもらいたいと思います。これはずるがしこくやれば、同一場所にですから、ときどき一メートルか、二メートル動かせば同一じゃない。だからこれはひとつ運用において十分気をつけてやってもらわないと、実際問題としては非常にむずかしい条文じゃないかと思います。こういう点についても、特にひとつ注意をしてやっていただきたいと思います。  それからさらに、今いろいろお尋ねしたように、駐車違反にしろ何にしろ、実際問題として、国でこういう法規を作ったのだが、国でめんどうをみてくれないので、やむを得ないといった場合もあると思います。それにもかかわらずどんどん罰金はとられていく、こういうことになると思います。でありますから、いうならば、この法律ができて、一年たっても車庫がない者は車を持っちゃいけない、はっきりいって車を持っちゃいかぬということになる。でありますから、そういう点もあるので、そういう点についての配慮というものも当然取り締まりの面で必要だと思って、私は今いろいろお尋ねしましたけれども、一年間で、なかなか適当な車の保管場所を見つけるなんということは不可能じゃないかと思う。そういう点について、この法律というものは私は非常に疑問を持っておる。がしかしながら、現在の交通事情からいって、一応こういうことは必要であるということを認めますから、私は賛成しますけれども、これは実施すれば、いろいろな欠陥が次から次に出てくると思いますから、これは実施をして、その状況によって逐次やはり直していかなければならぬ。あるいは改善しなければならぬ。そういう用意はおありになるのですか。
  41. 小平久雄

    政府委員小平久雄君) 先生の御指摘のように、本法を現実に施行いたしました場合に、いろいろな問題が惹起するのじゃないかと思います。したがって、これは法に基づいて取り締まるということももちろん必要だろうと思いますが、一面におきましては、自動車を持っておられる方は、いろいろな関係団体等にも属しておられます。したがって各種の団体を通じての啓蒙、指導というようなことにも、十分意を配って参りたいと思います。また実施の暁において、いろいろ不都合な点等が起きますならば、関係各省とも十分打ち合わせをいたしまして、実情になるべく沿うように、これを改めていくことは当然であろうと思っております。
  42. 大倉精一

    大倉精一君 これは運輸大臣、だいぶお疲れのようですから、ちょっとしゃべってもらうことにして、今いろいろお尋ねしておるのですけれども、窓口がどうもはっきりしない。これはいずれ今の行政調査会ですか、ここでもって、交通関係行政機構なり、何なりを検討されておるということですから、その結論を期待しておるわけなんですけれども、こういう法律ができた以上は、やはりこれは総取りまとめの何らかの具体的な形を作ってもらわなければいかぬと思うのです。閣僚懇談会においても、ぜひともこういうことをおやりになっていただきたい。特に交通対策本部の本部長は、各省に対して命令したり何かする権限はないのですから、連絡調整の役目だと思います。だから、そういうことでは、この法律は混乱を招くおそれがあると思うのです。そういう点について大臣、とくと配慮してもらいたいと思いますが、お考えがありましたら、この際、若干お聞かせ願いたいと思います。
  43. 斎藤昇

    ○国務大臣(斎藤昇君) 御指摘のように、この法律実施につきましては、関係する官庁が相当ございます。少なくとも運輸省と、それから国家公安委員会が何としても直接関係をいたしますし、ことに五条の政令をきめますのには、通産省その他の関係庁も関係をいたして参るわけでございます。一番の問題は、現在路上に車を放置せざるを得ない立場におかれる人たちの車を、どうして適当な所に収容するかという問題です。これは通産省の省令だけではいけまいと思っております。建設省も必要だと思います。いずれにいたしましても、関係各庁そういうことになりますので、おそらく今おっしゃいました交通関係行政機構の整備をされれば別でありますが、それにいたしましても、取り締まり当局と一緒になるということはちょっと考えられない。今申しましたような関係で、各省各庁にわたるわけでございまして、交通対策本部を今小平総務長官のもとに置いておりますが、こういうものが、今後も依然として必要であろうと思いまするし、そこが中心になられて、またこの適用区域をきめまするのには、どうしても政令が必要でありますので、適用区域をきめますにあたっても、今の点を勘案して参らなければ、この区域がきまっていかないというわけでありますから、できるだけ連絡を密にいたしまして、少なくとも運輸省といたしましては、新しく登録する際には、運輸省所管でございまするから、私のほうも十分この点には配慮をいたしまして、そうして関係各庁と連絡を密にしながら所期の目的を達成するように努力をして参りたい、かように思っております。
  44. 大倉精一

    大倉精一君 これは小平長官に要望し、また所見をお伺いするのですが、今いろいろお尋ねして御答弁をいただいたように、特にこれは中小企業商店並びに日本の産業経済上、非常に重要な地位を占めている自動車産業、これらに対する影響というものは相当私は大きいと思います。自動車の売れ行き等については、これは先ほど御説明がございましたが、諸外国の例を見ても、交通規制によって売れ行きが減ったという例はあまりないと思いますが、外国と日本とは違いますけれども、日本の場合においては、やはり影響があると思わなければならない。こうした点について長官のほうにおいては、関係方面に遺憾ないような措置を十分とってもらいたい。それには及ぼすところの影響を仔細に検討して、事前に遺憾ない対策を立ててもらいたい。これが必要だと思いますが、これに対する長官の御所信を承っておきたいと思います。
  45. 小平久雄

    政府委員小平久雄君) 率直に申し上げまして、先生が先ほど来御心配下さっている点、あるいはただいまの御指摘の点等の準備と申しますか、事前の施策ができてから、こういう法律を作るというならば、より一そう適当であろうと、私どもも気持としてはさように思っているのでありますが、なにしろ現下の交通事情が、このような状況でござまいすので、考えようによってはまあ逆ということになるかもしれませんが、やむを得ずこういう法案を御提案申し上げたわけでございます。  したがいまして、先生の御指摘のような、各方面に及ぼしまする影響等につきましては、今後も対策本部において事務的に、あるいは閣僚懇談会を通じて政治的にも十分配慮をいたして遺憾なきよういたして参りたいと、かように考えております。
  46. 大倉精一

    大倉精一君 最後に念のためにお尋ねをしておきたいのですけれども、予想される政令のプリントをいただきましたが、そのうち第五条関係で例外的なものの規定がありますけれども、そのうちで二の「防疫業務のため使用する防疫用途自動車」の中に、お医者さんの車が入っているかいないかということと、それからもう一つ、「テレビ中継のために使用するテレビ中継用自動車」、こういう中に、広い意味の報道関係というものが入っているかどうか、この二点について、念のためにお伺いをしておきたいと思います。
  47. 冨永誠美

    政府委員冨永誠美君) 政令で定める特別の用務を遂行するために必要なる場合、それから政令に定める場合と二つあるわけでございますが、最初の、防疫業務のために使用する防疫用途自動車の中にお医者が入っておるかどうか——医者の使う車が入っているかどうかという点、あるいは三番目のテレビ中継のために使用するテレビ中継用自動車に報道関係が入っておるかどうかという点でございまするが、防疫の場合でございまするので、そういったお医者の使われる場合も大体含まれておるというふうに解釈されます。それから三番の報道の場合に、こういう場合もあり得るのじゃないかと思います。その中に入るものと考えております。
  48. 中村正雄

    中村正雄君 私この法案をいただいて、道路使用の適正化及び道路交通の円滑化ということについて、何らかの措置を講じなくちゃいけないのじゃないかということはもう世論であり、だれしも異存がないと思いますが、ところがこの法案いただきまして、内容を一々検討してみまするというと、非常に与えまする影響、あるいはまたこの法律実施するについて、国が使いまする経費等の問題等から考えて、交通の円滑化にどれだけ役立つかということをこの法案から見てみますと、ほとんど微々たるものじゃないか。払います犠牲のほうが非常に大きくて、効果というものはほとんどないのじゃないかという印象を、検討して受けたわけなんです。  それともう一つ、もっと大事なことは、法律できめておいて、守らなくてもいいという法律を作る印象を受けるわけなんです。ちょうど売春禁止法と同じようなざる法案的な印象を私はこの法律内容から受けるわけなんです。したがって、衆議院でどういうふうに審議されたか、そういう点について、一応会議録を取ってみたわけですけれども、ほとんどまあそういう点について審議らしい審議はいたしておらないというので、これはえらい法律だと、こういう感じを受けておるわけなんです。先ほど大倉君から質問されておりまして、まだ明らかな答弁も出ておりませんが、たとえば第一に、この法律を今後三月なり一カ年という一つの猶予期間を設けておりますが、それを実施するについて、一体責任官庁はどこか、三つも四つも関係省があると思いますが、しかしやはりこの法律施行するについて出しておりますのは、おそらく運輸省でありましょうし、当該運輸委員会にかかっておるわけですから、運輸大臣が責任をもって、この法律施行準備をするのかどうか、これをひとつ先にお聞きしたいと思います。
  49. 木村睦男

    政府委員木村睦男君) 総理府長官からお答えになると思いますが、私申し上げますと、この法律は、現在のいわゆる行政機構から申しまして、所管事項がそれぞれ分かれておりますので、先ほど来申し上げましたように、各省にまたがっております。したがいまして、それぞれの条文規定してあります事柄を所管しております官庁におきまして、相互に連絡を密にしながら実施していくという建前をとらざるを得ないということになっております。運輸省といたしましては、この条文で申し上げますと、第三条並びに第四条関係につきまして、責任官庁として適切な運用をいたしたい。そのほかの条文につきましても、運輸行政と関連のあるところが非常にたくさんございますので、その点につきましては、関係各省連絡を密接にやって、法全体の運営の万全を期したい、かように考えております。
  50. 中村正雄

    中村正雄君 いただきました資料について、ちょっと運輸大臣にお尋ねしたいのですが、「夜間における駐車状況」という、これは警察庁の資料です。たとえば「四輪乗用」、「四輪貨物」、「三輪」と書いてありますが、このうち「事業用」、「自家用」とありますが、事業用というのは、これは営業車という意味ですか。
  51. 冨永誠美

    政府委員冨永誠美君) そうでございます。
  52. 中村正雄

    中村正雄君 そうしますと、運輸大臣にお尋ねしたいのですが、バスであろうとトラックであろうと乗用車であろうと、営業する場合は、これは免許事項になっておるわけです。したがって、営業を免許する場合は、すべて免許台数に相当するいわゆる保管場所というものが、これはなければ免許しないことになっておると思うのです。ところが、現実に営業用の車で道路に駐車しておるという車が東京、大阪、京都−東京、大阪だけ見ましても、ある程度あるわけなんですが、これは何でこういうふうになっておるのか、ひとつ運輸大臣から御答弁を願いたい。
  53. 村松久義

    委員長村松久義君) 運輸大臣はすぐ帰って参りますが、一応木村動車局長から答弁いたします。
  54. 木村睦男

    政府委員木村睦男君) 御指摘のとおりに、自動車運送事業者の場合につきましては、所有いたしております自動車の台数全部収容し得るだけの車庫の施設がありませんと、これは事業を免許いたしておりません。その後におきます車をふやす場合等につきましても、一つ一つそれに応じた車庫がありませんと、増車を認可していないわけでありますが、ここに掲げられております、事業用の車として駐車台数が掲げられておりますが、あるいは認可、あるいは免許のときに必要な車庫を持っておりましても、その後その車庫を本来の保管場所としてでなしに使って、収容できなくて路上に駐車しておるという、いわゆる道路運送法の違反に基づいて、あるいは路上に駐車しておるものもあろうかと思います。その点につきましては、平素におきます監督、監査を厳重にいたしまして、そういうことのないようにしたいと考えておりますが、そのほかに、車庫はありましても、現状におきましては、路上に絶対に駐車してはならないということになっておりませんので、車庫がありながら自分の店先の路上に置いておくことが、何かにつけて便利だというようなことで事実上置いておるというふうなのも、この中に入っておるのではないか、かように考えております。
  55. 中村正雄

    中村正雄君 今自動車局長の御答弁のように、車庫がありながら路上に置いておる車主も相当私もあると思うのです。で、自動車局長にお尋ねしたいのは、現在の免許されておりまする営業車については、やはり全部収容できるだけの車庫が、たとえば六大都市内の営業車については完備されておるのかどうか、その点お尋ねしたいと思います。
  56. 木村睦男

    政府委員木村睦男君) 営業車につきましては、事業者の免許あるいは増車の場合の認可のときに、それに相当した車庫があることを確認いたしまして免許あるいは認可をいたしておりますので、すべて保有しております車に相応する保管場所は持っておることになっておりますが、何しろ日々いろいろ事情が変わりますので、そのつど現地を監査するということも困難でございますので、あるいは中に目を盗んで保管場所を他の目的に使用しておるというふうな結果、車庫がないために路上に放置せざるを得ぬというものも、あるいはあろうかと思います。この点につきましては、特に今回の法律実施されるような機会に、事業者の反省を促すつもりでございますし、なお監査等も、一般的に厳重にやりまして、車両の保管場所を規則どおり持っていない者に対しましては、改善措置あるいは道路運送法によります制裁等も厳重にやって完補いたしたい、かように考えております。
  57. 中村正雄

    中村正雄君 先般新聞に出ておったわけなんですが、営業車で車庫を持っておらない営業車が相当あるので、これについては厳重に監査をして警告を発するというようなことが新聞に出ておったのを記憶しているわけなんですが、そういうのも、おそらく東京都内については、小さい業者の中には相当あるのじゃないかと思うのです。現在の陸運局なり陸運事務所の要員で、これを完全に実施さすだけの、監査をできる要員というものがあるのかどうか。人手不足のために、そのまま放置されておるというのではないかと思うのですが、その点について、自動車局長、どうお考えになりますか。
  58. 木村睦男

    政府委員木村睦男君) 監査を励行いたしますことによって、こういった違法の状態をなくするということは非常に必要なことでありますが、事業者につきましては、そういった監査をしなくても、本来そういうことは守るべきであるという原則に立って自動車行政をやっておるわけでございます。したがって常に監査を励行することによって違反をなからしむる、完全になからしむるということは非常に困難なことでございまして、現在の要員をもちまして、しょっちゅう監査を励行して、監査によって違法状態をなくするということの完璧を期するということは困難だろうと思いますが、現在の要員の限りにおきまして、できる限りの努力をいたしまして、監査は励行いたしたい、かように考えております。
  59. 中村正雄

    中村正雄君 法の第三条の点ですが、「自動車保有者は、道路上の場所以外の場所において、当該自動車保管場所確保しなければならない。」、これは、三カ月たてば、この法律は効力を発して、これは全国の自動車保有者法律によって、こういう義務づけを受けるわけなんですね。そうすると、しかしこれは、車庫を持たなければいけないと、こういう国民として義務は受けるけれども、この法律は守らなくってもいいという実情になっておると思うのです。罰則のあるところは、これは守らなければ、罰則適用を受けるから守るけれども、それ以外は守らなくてもいい、守らない国民がいても、これは何ら強制する方法はない、こういうことになるわけで、しかも守らなければいけないという自動車保有者というものは、自動車を持っている人の——おそらくどういう地域指定になるか知りませんけれども、ほんの一部分にしかすぎない、こう思うわけなんですが。そうすると、第三条は、法律はできたけれども、守らなくてもいいという法律になってくる、こう思うのですが、運輸省はどうお考えになります。
  60. 木村睦男

    政府委員木村睦男君) もともとこの法律は、道路混雑緩和するために、道路上を保管場所等に使って交通の障害を起こすことを排除しようというのが根本的なこの法律のねらいでございます。そこで、路上保管場所等に使うことを排除するうらはらの関係に立ちまして、そういうもののうら道路外に車を保管する場所すら持たないために、そういう現象があるということであっては、保管場所路外に持つことはどうしても必要であるという議論になるわけでございます。したがいまして常識的に言いまして、およそ車を持つぐらいな者は、当然その車を保管する場所道路外に持つべきではないかという道義論があるのでございますが、これを道義論のままに置いておいたのでは、道路混雑緩和の助けにはならないということから、一応道徳的な義務づけ、あるいは常識的な義務づけを法律上の義務として、国民の総意によりまして、およそ車を持つ者は、道路外に保管場所を持つべきであるということを宣言いたしまして、そうして道徳的ないしは常識的な義務というものを法律上の義務に一応固めることによりまして、良心ある国民の心に訴えて、罰則はなくとも、努めて自動車保有者はそういった保管場所を持つようにしたいというのがねらいでございます。御指摘のとおり第三条には罰則規定はございません。で、これに罰則をつけるということになりますと、罰則をつけて国民に強制する公共の福祉は何であろうかというふうなことから考えますというと、やはり道路混雑緩和ということが、その対象として出てくるわけでございます。したがいまして、道路交通混雑緩和の必要上、路外車庫を持つことを義務づけ、これに違反する場合には罰則をもってこれに臨もう、あるいは不利益をもって、これに臨もうというふうな場合には、やはりそれだけの混雑緩和の必要のある地域でないと均衡がとれないのではなかろうかということから、第三条は、全般的な一般的な国民の良心に訴えて、これを守っていただくという趣旨で、第三条を設けたのでございまして、罰則あるいは不利益処分を伴います点につきましては、第四条におきまして、これは規定いたしました。この第四条は第五条あるいは第六条と一応相対する関係において第四条があるというふうな考え方に立って、第三条を作ったような次第でございます。
  61. 中村正雄

    中村正雄君 警察庁交通局長にお尋ねしたいのですが、この法律ができまして、車庫を持たなければいけないというのは、第四条が一番大きな問題になってくるので、これにつきましては、地域指定するわけなんですが、参考書類でいただきました政令内容を見ておりますと、大体、六大都市並びにその周辺というのが一応計画の地に入っておる、こういうわけなんですが、そのうちでも四条は、これから新たに車を持つ人及び現在持っている人で登録の変更をする人が、その適用を受けるわけで、少なくとも現在持っている人は何らの適用は受けない、こういうことになるわけです。それからまた、第五条を見ておりますと、これはまあ保管場所として使用しておるか駐車しておるか、この区別については明らかでありませんが、第二項によって、時間で一応区別されるのじゃないかと、これが一つの類推の根拠になると思うわけなんです。したがって道路上の同一場所に十一時間五十九分前であれば、これは駐車であると、十二時間こえた場合には、これは一応保管場所として使用しておると、こう見られると思うのです。夜間では、七時間五十九分と八時間ということが、一つの限界になってくると思う。そういたしますと、結局この法律ができて道路交通緩和ということに、どれだけ役立つかという点について、警察庁のほうでは、どういう見通しをお立てになっておりますか。
  62. 冨永誠美

    政府委員冨永誠美君) この法律は、先ほど運輸省の自動車局長説明もあったと思いますが、交通の交雑緩和の点のお話がありましたが、そのほかに、道路というものを私物的に使っちゃいけないという考え方も、実はあるわけでございます。  それで、第五条の場合におきましては、一項二項、ちょっと説明さしていただきますと、一項は、「道路上の場所自動車保管場所として使用してはならない。」こういうことであるわけでございます。つまり道路上を、自動車を使用しない場合において、いつも反復継続して道路保管場所として使うことが禁じられているわけでございます。おそらくこれは道路混雑緩和と、それから道路は、そういったふうに私用的に使っちゃいけないという意味も入っておると思うわけでございます。ただ第二項になりますると、これは引き続いて十二時間以上駐車するような行為あるいは夜間同一の場所へ八時間以上駐車するという場合においては、先ほど申し上げましたように、これは一回限りでも実はいけないわけでございます。しかしながら、だから十一時間五十九分はどうかと今おっしゃられましたが、それは、この法理論的にいうとよろしいわけになるわけでございますが、十二時間以上引き続いて同一場所に駐車する場合においてはいけないということでございまして、こういった長時間にわたる駐車は、普通のいわゆる駐車とは認めがたくて、いわば道路上の場所自動車の臨時保管場所的な状態で使用しているものであるというふうな意味で実は禁止になっているわけでございます。若干一項と二項と違っているわけでございますが、それで、まあこれで、はたして道路混雑緩和に、どれだけ役立つかという点でございますが、先ほど申し上げましたように、この法律道路混雑緩和ばかりでなしに、道路をそういったものにしちゃいかぬのじゃないかという考え方も入っておるわけでございますが、さしあたり交通混雑の面からいいますと、まあしょっちゅう、現在の法律でいいますと、たとえば住宅街あたりで、自動車が夜間とまっておる場合におきまして、その余地が、自動車をとめた場合に三・五メートル以上あれば、一応よろしいことになっておるわけでございます。一般には、それがけしからぬというわけで、警察何をしておるかというふうにお小言を食らっておるわけでございますが、今のところは、そういった余地があればよろしいということになりますが、今度は、しょちゅうそこに継続して車を置いておくことがいけないというわけで、今までは三・五メートルの余地がかりにあった場合にはよかったものを、いけないというふうになるわけでございますから、そういった場合は、混雑緩和、あるいは夜ばかりでなしに昼間の場合もございましょうが、そういったものになるんじゃなかろうか、あるいはまた、「何人も、次の各号に掲げる行為は、してはならない。」とありますので、第一項で「何人も、道路上の場所自動車保管場所として使用してはならない。」とありますので、かりに自動車の修理工場あたりを見ますると、修理工場のほうの方が、そこに置けと言われなくても、持ってきたお客さんが、場所がないというわけで置いて帰られるというふうな状態がかりにあるとしますれば、これもやはり道路を、そういった保管場所として使っておる——何人でも、でございますので、必ずしもその自動車を持っている所有者やら使用者ばかりじゃございませんので、そういった状態も、これもいけないということになりますので、その面において、交通混雑緩和は期待できるんじゃなかろうかというふうに考えております。
  63. 中村正雄

    中村正雄君 今答弁のありました、道路を私物化してはいけない、これは確かにおっしゃるとおりだろうと思うのですが、これは理想論であって、今の日本の人口の状態、土地事情道路の情勢からいって、これはやはり理想であって、僕は現実にはあてはまらないと思う。それよりも今一番大事なことは、交通をいかにして円滑化するかということが、私はこの法律を出された趣旨だと思うのです。  そういう意味で、たとえば夜間なんか今おっしゃいましたように、いわゆる住宅地区その他について、駐車がありますけれども、夜間の交通というのは非常に少ないわけですから、一番われわれが交通混雑して困るというのは、やはり昼間であり、繁華街なわけですね。したがって、そういう住宅地のいわゆる個人感情の問題よりも、ほんとうの交通混雑緩和をしようというのは、やはりそういうところよりも、交通ひんぱんな時間、あるいは交通ひんぱんな場所が問題になるだろうと思います。そうなりますと、この法律でいきますれば、少なくも現在よりは何ら緩和にならないと思うのですね。今おっしゃいました第五条の適用によって、いわゆる駐車時間の問題、これを十二時間とか八時間とかいうことによって、これを越えた場合はいけないという、これを越えた分は、これは禁止されますから、緩和になると思うのです。それからまた道路上の場所を、自動車保管場所にするという場合は、これはおそらく日中はそうないと思うのです。日中はおそらく駐車だろうと思うのですね。したがって日中の場合は、これはやはり駐車のほうで、一応現在でもやっていると思うのです。したがって、夜間については、私はそう交通混雑しておらないと思う。また第四条によって、現在持っている人については、何ら関係ないわけですから、むろん三条で義務づけはいたしておりますけれども、これはいわゆる制裁のない義務づけであって、その所有者の良心にいわゆる期待するだけであって、今後新たに車を買う人、また現在持っている人が登録の変更をするとき以外は、車庫云々ということは問題にならないと見て差しつかえないわけです。  そうしますると、現在の交通緩和には私は何ら益はない。将来は、これはこれからふえるものについてはあるかもしれませんけれども、現在の車の数については、何らこの法律ができても、全然ないとは言えませんけれども、交通緩和にどれだけなるかということについては疑問があるのですが、どういうふうにお考えになりますか。
  64. 冨永誠美

    政府委員冨永誠美君) まあ交通混雑緩和の、直接にはそれは、たとえばお話にありましたように、駐車禁止の措置とか、あるいはこれはまあ道路交通法で今までもやっておりますが、公安委員会指定しました地域をやっておりますが、そのほかに第六条で、先ほど申しました三・五メートルより、もっと広く幅をとらなければならぬというのが一項でございます。二項では駐車時間の制限、これはもっと短い時間になります。たとえば一時間以上はいかぬとか、二時間以上はいかぬというのが、この第二項にかかってくると思います。  それでまた、そういうことでいきますが、第五条につきましては、先ほど申し上げましたような意味の大体趣旨でございますと同時に、第四条とも若干関連があるわけでございます。第四条は、なるほど新規登録の場合において、保管場所があるかないかを一々チェックするということになりますが、それは保管場所があるかどうかというチェックでございます。だから自分の自動車を、必ず保管場所に入れなければならぬというのは、ちょっと四条から出てきませんので、そういった意味で、その限りにおいては第五条が第四条の裏づけにもなるのじゃなかろうか。つまり道路保管場所として使用してはならないということになりますので、四条、五条、それに、まあその前の三条というものが、全部組み合わされまして、効果が期待できると思うわけでございます。  ですから御質問の、それは現状の交通混雑緩和という点は、たとえば道交法の今までの規定を活用するなり、あるいはここで言いました第六条なりでもいきますが、そのほかにも、やはり交通混雑緩和という面では、第五条は、第四条、第三条と関連したものとして、やはり効果が期待できるんじゃなかろうかということと、先ほど申し上げました自動車修理工場なんかの問題も、これは五条であてはまりますので、そういった面の活用があるんじゃなかろうかというように考えております。
  65. 中村正雄

    中村正雄君 無理して答弁してもらわなくてもいいです。私は実情を言っているわけですが、この法律ができても、私はずばり言って、現在車を持っている人は、現在どおりだ。新しく車を買う人が、大体適用を受けるのであって、したがって、もちろん今持っている人も精神的な、あるいは制裁のない義務づけは受けますよ。けれども、交通緩和という面から見れば、現在の駐車禁止という制度で十分やり得る。車庫を設けなくてはいかぬという大なたを振り上げても、何ら効果はない。こう言っているのです。全然効果はないとは言いませんが、今おっしゃいましたように、気持の上において、あるいは今後の車を持とうとする人に非常に重大な負担がかかるから、車を持つのを差し控えようかということで、今後車を買う人が減ってくるという面には、やはり心理的な影響はあると思いますが、現実の交通緩和には、私は、この法律はあまり役に立たない、犠牲ばかり多くて、たいして役に立たない。もう一歩進めて言えば、何らか交通緩和についてやらなくてはいかぬということでやったけれども、内容は、何もそう効果はない、犠牲ばかり大きいという印象を私は受ける、こう言っているわけです。  それからもう一つ、次に、第五条の関係ですが、先ほど大倉君からちょっと話がありましたが、この第二項の一号、二号の問題、非常にこれが今まででもいつも、この法律のないときでも、よく問題が起きているわけですが、これはやはり警察のほうの一方的な認定によって、これはいつも事が運ばれると思うのです。十二時間以上駐車することはいけないと、こうなって、十時間か十一時間か十二時間かということは、警察の一方的な認定にやられるという懸念がある。これは一体、今後の取り締まりについて、どういうふうにお考えになりますか。二項の問題、時間の認定の問題。
  66. 冨永誠美

    政府委員冨永誠美君) いろいろやり方はあると思います。たとえばほかの国でやっておりますように、タイヤのうしろに白墨でチェックしまして時間を書くとか、あるいは、現在やっておりますが、ワイパーに紙をはさみまして、とまっている時間を書き込みまして、夜の場合八時間、それがずっとそのままの状態であれば、まあ大体継続してとまっているんじゃないかというように判断するわけです。
  67. 中村正雄

    中村正雄君 そうしますと、二項の問題は、そういうふうにパトロールして、パトロールした地域の当該の街頭の車だけであって、全般的な取り締まりは不可能だ、こういうふうに考えたらいいわけなんですね。
  68. 冨永誠美

    政府委員冨永誠美君) 結局は、できるだけ管内をパトロールしまして、こういったことのないように努力するという方法でいきます。しかしまた技術的には、いろいろ考えていきたいというように思っております。
  69. 中村正雄

    中村正雄君 次に第四条について運輸大臣、いなければ自動車局長にお尋ねしたいわけですが、各県の陸運事務所を見ていますと、陸運事務所の窓口で一番混雑しているのは、登録課なんです。場所によっては、自動車登録関係の窓口が混雑しているだけでなくして、登録を受けにきている車が、街頭に置かれて交通を妨害しているというような地区もよく見受けるわけですが、現在のような状態でも、それほど登録という事務が非常に混雑をきたしているところが、これが適用になって、大体、政令によれば六大都市となっておりますが、そうしますと、これは、今後こういう第四条の適用をやるようになりますと、登録事務というのは、今の二倍にも三倍にもなると思います。これに対して運輸省はどういう対策をお考えになっているか、これをお聞かせ願いたいと思います。
  70. 木村睦男

    政府委員木村睦男君) 第四条の関係登録における事務量の問題でございますが、第四条が実施になりますと、登録申請に参りました場合に、これにそれぞれあります保管場所証明書をつけて持ってくるということになると思うのであります。登録の窓口に持って参りました証明書を形式的に見まして、形式的に条件が備わってさえおれば、そのまま受理するということでございますので、証明書内容の調査までは、とうてい立ち入ることもできませんし、また、立ち入ることにしておりませんので、そうたいして事務量が増加するとは考えておりませんが、その証明書を形式的に確認することだけでも、確かに相当の事務量でございますが、その程度のことであろうと、かように考えております。
  71. 中村正雄

    中村正雄君 そうしますと、登録事務の問題については、第四条が適用になっても、現在とたいして変わりはないというふうにお考えになるわけですか。
  72. 木村睦男

    政府委員木村睦男君) 同一とは申し上げませんが、そうたいした変わりはないだろう、かように考えております。
  73. 中村正雄

    中村正雄君 次に、政令内容の参考書類なんですが、証明書を発行する個所について書いているわけですが、保管場所というものは、一体どういうものを指さしているのか、御説明願いたい。
  74. 木村睦男

    政府委員木村睦男君) 保管場所と申しますのは、通常その車を置くに足るスペースがあればよいというふうに考えております。別に施設あるいは建物、そういうものは必要といたしておりません。
  75. 中村正雄

    中村正雄君 そうしますと、建物を伴う車庫もあれば、何ら建物のない地上の空地でもいいし、あるいは駐車場を利用する場合でもいい、こういうふうに解釈したらいいわけですか。
  76. 木村睦男

    政府委員木村睦男君) さようでございますが、ただ、道路上の有料駐車場は、これは入っておりません。
  77. 中村正雄

    中村正雄君 そうしますと、たとえば証明書を発行する人の問題について、ここに書いておりますが、警察署その他の官公署あるいは交通関係の公益法人等とありますが、たとえば有料の駐車場なんかは、この場所のうちに、保管場所に入ると思いますが、そういう私人が発行するものでも、一応いいわけですか。
  78. 木村睦男

    政府委員木村睦男君) たとえば地下にあります有料駐車場と継続契約をいたしまして、そこを車庫がわりに使うという場合は、継続的にその駐車場会社との使用契約書がある。それをもちまして、この政令で予定されております警察署その他の官公署あるいは交通関係の公益法人のところへ持ってきまして証明書をもらう、こういうふうになるわけであります。
  79. 中村正雄

    中村正雄君 小さい問題なんですが、たとえば空地なんかの場合はどうしますか。
  80. 木村睦男

    政府委員木村睦男君) 空地等を保管場所として使います場合には、やはり警察署あるいは交通関係の公益法人で証明を出すことになりますので、証明を出す官署におきまして、この空地は、適切にその人が保管場所として使うだけの条件が備わっているかどうかということを確認いたしまして証明書を発行すると、こういうふうになります。
  81. 中村正雄

    中村正雄君 先ほどこの法律施行するについて、公共の駐車場その他を設けるという点について、今後内閣としても努力をする、こういう話があったわけですが、現在六大都市に、この政令を出して指定区域にするというのであれば、大体、六大都市のうちの私は一番困るのは、中小企業よりも、いわゆる商店街が一番困るのじゃないかと思うのです。あるいはまた、零細企業が困るのであろうと思いますので、したがって、それが大体東京都だけ例にとってみても、どの程度商店保管場所のない車を持っている人がいるか、あるいは零細企業であるか、あるいはどういう地区に密集しているかということは、大体調査なさっていると思うのです。したがって、そういうところについては、官有地であるとかその他を開放すると、こう言葉の上ではいえますけれども、はたして東京都だけを例にとってみても、言葉の上では、そういう言いわけはできますけれども、現実に、それぞれの持っておる車の今後の公共駐車場を作る場所としてのいわゆる官有地、公有地等があるかないかということは、これは直ちに結論が出ると思うのです。そういう関係で、今後そういう問題の公共駐車場の計画なり、あるいは今後の都市の道路の計画等について、この法律適用するに関して、建設省はどういう計画を持っておるか、ひとつ建設省のほうの計画をお知らせ願いたいと思います。
  82. 高橋弘篤

    説明員(高橋弘篤君) 最近の道路運送需要が非常に多くなりまして、それに対応しまして、道路の整備が必要になっているわけでございます。これにつきましては、三十六年度検討いたしました道路整備の五カ年計画が樹立されまして、二兆一千億という投資がされることになっておるわけです。この投資にあたりましても、都市を中心としまして最近の市街地におきますところの、そういう需要に応ずるような計画を樹立しているわけでございます。具体的に、東京及び大阪におきましては、首都高速道路公団がすでに発足しておりまして、整備に努めておりますし、また阪神におきましては、阪神高速道路公団がお認め願いまして、やはりその計画樹立をいたしまして、近く着工いたすことになっておるわけであります。同時に、市街地の中におきますいろんな道路整備に関連しますところの踏切の立体交差とか、交通安全施設の整備だとか、そういうことにつきましても、極力整備に努めて参りたいと考えておるわけであります。
  83. 中村正雄

    中村正雄君 公共駐車場の計画は。
  84. 吉兼三郎

    説明員(吉兼三郎君) 公共駐車場の点に関してのお尋ねでございますが、先般駐車場法という法律でございますが、これが一部改正を今国会にお願いいたしまして、最近の交通情勢に対応いたしますように、駐車場法の面でも相当強化をして参るという点の改正が行なわれたのでございます。いろいろ改正の要点がございますが、特に御指摘の公共駐車場の整備につきましては、新しく改正された法律運用の面におきまして整備地区をどんどん拡張して参りたいと、整備地区といいますのは、御承知の都心、副都心とか、そういった繁華街でございますが、そういったところを地区指定いたしまして、地区指定をいたしました上で、そこで本格的な街路の公共駐車場を整備して参るわけでございます。これは第一次的に第一線の公共団体が責任を持つことになっておりますが、実際は公団でありますとか、あるいは民間の業者でもって、特許を申請して参っております。そういうものにも建設を認めております。  そういうパブリッグ・パーキングの整備に鋭意私ども努力をして参りたい、目標といたしましては、今後十カ年間ぐらいの一応駐車事情の長期測定をいたしまして、その駐車場に対しまして、駐車場の供給という面で年次計画を立てましてやっております。問題は、やはり土地の問題でございます。先般国有地の開放の問題も非常に場所としてはいいのでございますが、それだけでは、むろん不十分でございまして、それ以外の公園の空地でありますとか、あるいは学校の校庭という話も出ておりますが、そういったあらゆる公共の空地の利用につきまして、いろいろ検討を重ねまして、できるだけ具体化するように私ども努力をして参りたいと、かように実は考えております。
  85. 中村正雄

    中村正雄君 具体的にお尋ねしたいのですが、ことし一カ年間に、いわゆる三十七年度に東京都で、どのくらいの車を収容できる公共駐車場を何カ所ぐらいお作りになる計画があるか、それをお聞きしたい。
  86. 吉兼三郎

    説明員(吉兼三郎君) お答えいたします。三十七年度の目下の計画でございますが、公共、都営、公団、それから民間の特許駐車場を入れまして、ことし着手いたしますもの、あるいは昨年から継続して着手いたしておりますもの含めまして二千六百六十一台でございます。
  87. 中村正雄

    中村正雄君 公共駐車場は何カ所で何台ですか。
  88. 吉兼三郎

    説明員(吉兼三郎君) 私が申し上げましたのは、すべて公共駐車場でございます。二千六百六十一であります。
  89. 中村正雄

    中村正雄君 何カ所ですか。
  90. 吉兼三郎

    説明員(吉兼三郎君) 個所数にいたしまして、約二十カ所ぐらいの計画でございます。
  91. 中村正雄

    中村正雄君 三十七年度に東京都内で約二十カ所、二千六百六十一台収容できる公共駐車場を建設する予定だと、こういうふうに理解したらいいわけですか。
  92. 吉兼三郎

    説明員(吉兼三郎君) そうでございます。
  93. 中村正雄

    中村正雄君 そうしますと、運輸大臣にお尋ねしますが、今三十七年度の計画を聞きますと、東京都内で公共駐車場等で約二千七百台程度のものを計画いたしておると、一カ年間に。それでこの法律を東京都に施行するということを一カ年以内にきめると思うのですが、それで二千六、七百台ぐらいのものでどの程度、車庫のない車の何パーセントぐらいが、一応これの恩典に浴するかという見通しを持っておるか、お聞かせ願いたいと思います。今までの趨勢から見て。
  94. 斎藤昇

    ○国務大臣(斎藤昇君) それだけでは、とうてい問題になるまいと考えております。それ以外に先ほど通産省からも御説明申し上げましたように、あるいは団体等でみずから設けるのを助成をすると、これに多く依存しなきゃなるまいと、こう考えております。
  95. 中村正雄

    中村正雄君 そうしますと、団体等で共同の駐車場を持ちたいというような土地の問題が一番問題になると思うのですが、現在国有地なり、公有地で、そういう要求に対して地域的な関係もあると思いますが、開放できるというような土地が、どのくらいあるのです、東京都内に。
  96. 斎藤昇

    ○国務大臣(斎藤昇君) 一応七十万坪あまりという数字も出ておりますから、しかし、これはさらに十分検討いたしませんと、それ全部が開放できるかどうかと、はなはだこれも疑問だと思います。
  97. 中村正雄

    中村正雄君 私は七十万坪はおろか、十万坪も開放してもらえば、これは余って返ると思うのです。したがって、ここではっきり運輸大臣の答弁を伺いたいのは、今いった七十万坪と予定されておりまする開放可能の地区ですね、それに対して、いわゆる中小企業なり、商店等が共同で持ちたい、あるいは単独で二車、三車を持っている商店もあると思いますから、そういうところが、この国有地を開放してもらいたいという申請をした場合は、先ほどの大蔵省の局長の答弁では、いわゆる協力する、こういうまあ話がありました。これは閣議その他で、運輸大臣大蔵大臣協力するというのは、これはいいかもしれませんが、政府が一体となって国会の審議に協力するなんという言仕業は、ナンセンスだと思うのですね。内閣が出している法案なんだからね。したがってこれは協力するなんということではなくて、この法律実施については絶対必要な問題ですから、それについては、今言った開放地区については優先的にやはり提供するということについて、運輸大臣は責任をもって国会に答弁できますか、どうです。
  98. 斎藤昇

    ○国務大臣(斎藤昇君) その国有地または公有地場所、条件等によっても違うと思いますので、使用可能なところは、これはたとえば運輸大臣だけでなしに、他の交通閣僚もいるわけでありますから、そこでみな見たところで、これは当然じゃないかということになれば、大蔵大臣も優先的にこれは認めてもらえると、こう思います。
  99. 中村正雄

    中村正雄君 通産大臣はおいでになっておらないと思うのですが、先ほども法案内容について質問したときに、ある程度明らかになっているのですが、現在の車の所有者については、まあ大して影響のないこれは法律だ、今後、新しく車を購入する人が一番影響を受けるわけなんです、保管場所関係で。今後やはり自動車産業に与える影響、心理的な影響もありましょうし、実際的な影響もありますが、その影響を、通産大臣はどういうふうにお考えになっておるか、ひとつ御所見を伺いたいと思うのです。大臣がいなければ、かわりの人でけっこうです。
  100. 加藤悌次

    説明員(加藤悌次君) 通産省のほうで今、先生御指摘の問題は重工業局の所管でございますので、詳しい御説明は申し上げられないのは遺憾でございますが、先ほどちょっと申し上げました自動車産業、関連産業に対する影響いかんということで、中小企業にも関係がございますので、その限度において実は私のほう、来る前にいろいろこの問題のときに、重工業局のほうの見通し等を聞いてきたわけでありますが、最近大都市におけるいわゆる商業者、主としてそういった階層の使うのは軽三輪、三輪でございますね。それから二輪、こういったものが多いのでございますが、これが今度の法律影響というのではなくて、もう都市が、そういう非常に混雑の状況になっている。そういうことで、とても買えないような状況にあるということで、これとは無関係に、最近特に来年の見通しを見ましても、需要が減退するというような格好になっております。ただ全体としては自動車産業の来年度の生産の伸びでございますが、これは最近の景気調整等の影響を受けまして当初考えたほどには伸びないということでございますが、やはり輸出等を含めますと、本年度よりも、さらに全体としては上昇していくというふうな数字になっておりますので、やはり原局の重工業局としても、長い目で見て、この法律はやはりやむを得ないのではないかというふうに考えているわけであります。
  101. 中村正雄

    中村正雄君 私は、やむを得ないものと考えておるのじゃなくて、お聞きしているのは、自動車産業の今後の発展に与える影響というものは、この法律ができてもできなくても、無関係か、あるいはこれができることによって、今後の、やはり心理的な影響もありましょう、それからあるいは実際的な影響もあると思います。それ以外の事情による影響は別にして、この法律自体を実施することによって特に当面一年以内には、六大都市にはこれは実施になると思うのですね。政令指定をされると思うのですね。それによって自動車産業が影響を受けるか、受けないか。これは中小企業だけでなくして、いわゆる重工業のほうですか、いわゆるメーカーも下請業者も全部一丸として、影響を受けるかどうかという点をお聞きしているわけです。
  102. 加藤悌次

    説明員(加藤悌次君) 私が重工業局から伺っている範囲内におきましては、この法律影響というものは、やはり先ほど来問題になっております、都市の主として商業関係中小企業に対する影響が多いということでございまして、自動車産業自体に対する影響、これは皆無というわけには参りませんが、その影響はきわめて軽微だろうということで、そう心配した状況ではないという感覚でございます。ただ、そういった影響につきましては、この法律は、一体どの地域指定がございまして実施されるかということにも関係がございますので、今後その関連の業界とも密接に、また政府部内でも密接に連携をいたしまして、成り行きを見て、もし問題があれば善処したいというふうに考えております。
  103. 中村正雄

    中村正雄君 政府説明によれば、六大都市を指定する、こう言っておるわけなんですからね。したがって、通産省においてもその点についての、やはりこの法律が成立すれば、一年以内には指定になるわけであって、きょう成立するかしないかきまるわけなんですから、六大都市の自動車の問題について影響があるかないかということは、これは検討して委員会に臨まるべきだと私は思うわけです。今の答弁によれば、影響なしとは言えないけれども、影響は微々たるものだ、こういうふうに通産省は考えておる、こういうふうに理解していいですか。
  104. 加藤悌次

    説明員(加藤悌次君) 当面の責任者でないものでございますから、はっきりここで申し上げられないのは遺憾でございますが、これに関連して私が聞いて参りました、それから来年度の生産の見通しというものができておりますので、それは、先ほど申し上げましたように、三輪車、二輪車、これはもうすでにそういう、他の関係で需要が減退しておるわけです。そういう関係で減ることにはなっておりますが、やはり大局的に来年度の伸び、四輪車だけについて見ますと、来年度輸出を含めまして一七%くらい上昇を見込んでおります。
  105. 中村正雄

    中村正雄君 まだ時間もありますから、通産大臣にちょっと意向を聞いてもらって、大臣がどういう意向をもっておるか、この会議の終わりまでに、一ぺん答弁願いたいと思います。  それから次に、中小企業関係、特に商店などの問題ですが、現在どの商店を見生しても、たとえば八百屋にしても魚屋にしても、うどん、そば屋にしても、やはりこの法律適用を受ける自動車というのが、一つの商売上の必要道具になっておるわけなんですね。ところが、やはり保管場所がないということで、それが購入できないとなれば、その商店自体が営業できなくなる。たとえば公有地その他の払い下げといっても、土地の制限があるわけですから、これは払い下げに適当する土地がない場合もあろうし、あるいは商店の近くに保管場所がない場合もある。そういう場合は、やはりそれがないために営業したいができなくなる、こういう事態も起きるんじゃないかと思うのですが、そういうもう最小限度の必要な営業用の機具になっておるわけですからね、自動車自体が。保管場所がないために、それが買えない、したがって、営業がやっていけない、こういう商店が、私は今後できるんじゃないかと思うのですが、それに対して通産省は、どういう見通しを持っておられるか。
  106. 加藤悌次

    説明員(加藤悌次君) これは先ほど少し申し上げましたが、現在すでに、車を持ちたいけれども、今のような事情で持てないというのがかなりございまして、そういった点の業者の要望にこたえまして、組合等の団体を組織しておりますが、そういった団体の共同の力で共同の駐車場を設置しようという動きが方々にあるわけでございます。こういう問題につきまして、やはり問題になるのは、資金の問題等があるわけでございますが、商店街について、きょうの参議院でも御審議願っておりますが、商店街振興組合法というような法律もできまして、いろいろそういった共同事業に対する助成も今後考えていきたいというふうな方向で、われわれも、そう考えておるわけでございます。
  107. 中村正雄

    中村正雄君 まだいろいろ質問したいのですが、あと質問者もあるようなわけなんで、私、全般を通じて非常に準備ができておらないと思うのです、この法律を提案するにあったって。  最後に私はお聞きしたいのは、四条、五条関係については、附則の2によって、政令できめる。しかも五条は、今後公布の日から一カ年を経過した日から施行するというわけなんですが、この政令は、大体いつごろお出しになる予定か、それをお聞きしたいと思います。
  108. 木村睦男

    政府委員木村睦男君) 条文によりまして政令内容も違いますが、第四条等に関します政令につきましては、この法律が今国会を通りましたら、できるだけすみやかに出したい、かように考えております。
  109. 中村正雄

    中村正雄君 ただ、非常に私心配いたしますのは、猶予期間が、これは三カ月とか一年とかあるわけですが、一般の国民はどの地域指定になるかわからないわけです。したがって一年あるから大丈夫だ、三カ月あるから大丈夫だというお考えでやられておると、もう政令を出した翌日から施行になる、こういう場合があると思うのです。実際政府準備も必要でありますけれども、適用を受ける地域の人のほうがもっと影響が大きいわけです。少くとも地域指定になってから三カ月、一年ということであれば、これはまだ話がわかりますが、政令をいつ出すか、政府準備ができ次第お考えになる……。法律ができたら三カ月、一年というのは、公布の日からきまるわけですから、それを非常に心配しておるわけです。したがって、政府準備もさることながら、適用を受ける地域の人の準備のために、大幅なやはり猶予期間法律範囲内でできるように考えなければいけないのじゃないか。したがって、私は、この三カ月とか一年というのは、政令によって指定する、この政令が出た日からとかいうふうに、適用を受ける人を中心に考えなければ、この法律の円満な準備ができないのじゃないか、こう思うわけです。したがって、もしこの法律を修正するならば、この猶予期間をもっと延ばさなければ、この法律が考えておる準備期間には、僕は円滑にいかないのじゃないか、こう思うのですが、これは一応意見のときに申し述べることにして、あと質問者もあるかと思いますので、私は質問をこれで打ち切ります。
  110. 大倉精一

    大倉精一君 ちょっと関連して。今、中村君の質問を聞いておりまして、一応誤解があるといけないと思うのでお尋ねしておきたいと思うのですけれども、第四条によって、現在車を持っておる者には影響がない、こういう中村君の発言に対して、政府はこれを否定したようなことなんですが、第五条を見ますと、これは現在持っておる者に適用されるわけなんですね。そこで、冨永さんにちょっとお伺いしますが、おそらくこの法律ができるときに、冨永さんのほうでは現在持っておる車をどうするかということが問題になったと思うのですよ。そこで、第五条の「道路上の場所自動車保管場所として使用してはならない。」これに違反すると罰則が一番重いわけです、「三月以下の懲役又は三万円以下の罰金に処する。」と。そこで問題になるのは、道路保管場所としておるということは、どういうような方法なり基準でもって認定をされることになるのですか。言うならば第五条第二項によって、一号、二号の場合には保管場所と同様とみなすわけですね。それ以外の、第五条第一項の「保管場所として使用してはならない。」という、その保管場所としておるというのは、、どういうことでもって認定されるのか、念のために伺っておきたいと思います。
  111. 冨永誠美

    政府委員冨永誠美君) 通常何回も繰り返して大体同じ場所に車を置いておるというふうに見られる場合が、保管場所として道路を使用するというふうに考えられるわけでございます。ですから、何回もそういう状態が繰り返されておるというのが、保管場所としての使用というふうに考えております。
  112. 大倉精一

    大倉精一君 非常にこれはむずかしい判定になると思うのですね、そこで一番簡単な方法は、あなたのところにこの車の保管場所がありますかと聞くのが一番簡単ですね。道路上でないと、たとえばもうほかに、道路上以外の所は、空中に保管場所があるわけじゃないから、何番地にある、こうなればいいのですが、なければ、道路上以外に保管場所がないわけです。ほかにどこかありますか。ですから、これは警察でもって一方的な認定といいますか、あるいはそういうものでやられると非常に迷惑する場合があるだろうと思うし、逆に非常に認定上困るという場合もあると思うのですが、非常に抽象的な書き方でもって、しかも罰が一番重いのですけれども、どうですかねこれ。これは専門的にお考えになると思うけれどもね、念のために伺っておく。
  113. 冨永誠美

    政府委員冨永誠美君) 実際問題としましては、ただいま何回も繰り返されました自動車道路に置いてある場合は、たいがいは夜の場合が多いと思います。したがって運転者も所有者もわからないというのが普通であると思いますので、ナンバーから見まして、大体その自動車所有者にお聞きする、あるいはまた運転者にお聞きするというふうな形になるのじゃなかろうかと思っております。
  114. 大倉精一

    大倉精一君 これは念のためにお尋ねしたので、警察が専門家ですから、十分ひとつこの取り扱いについては、遺憾ないように御検討願いたいと思います。  それで、運輸大臣にお伺いしますけれども、そういうものの調査等は、陸運事務所関係でおやりになるのじゃないですか本来ならば。これは人手が足らぬから警察のほうに連絡をしてやってもらうとかいうようなことで、陸運事務所関係の人員不足というような問題もこの際解消するようにしなければならぬと思うのですけれども、運輸大臣いかがでしょうか、これは。
  115. 斎藤昇

    ○国務大臣(斎藤昇君) 現在の建前から申しますると、営業用の車については車庫を持たせるということになっておるわけです。これが所定どおりの車庫にしまっているかどうかという調査は、これは陸運局がやるわけです。しかし、今度の場合、道路車庫のかわりに使ってはならぬ、この場合に、道路の上にとめてある車は車庫がわりであるかどうかということを調査をするのは、これは取り締まるほうの警察のほうでやってもらう以外にはなかろうと、こう考えております。これから車を持つ場合には、自家用車も車の常駐場所をきめて、そうして証明書を添付して出さなきゃならぬということになっておりますが、その常駐場所の証明は、今、政令で考えておりまするようなところで証明を出してもらおうということで、これを陸運局がときどきチェックに歩くということは、ほとんど事実上不可能と考えております。
  116. 大倉精一

    大倉精一君 私も法律よくわからぬが、道路運送法の施行規則からいけば、これは陸運事務所がやるという建前になっておるのじゃないですか。これは木村局長いかがですか。
  117. 木村睦男

    政府委員木村睦男君) 現行の道路運送法からいきますと、一般的に自動車について保管場所を持っておるかどうかというようなことを所管いたすことにはなっておりません。
  118. 村松久義

    委員長村松久義君) なお大倉委員に申し上げますけれども、関連の質疑もまだありますので、関連の範囲にひとつとどめて下さい。
  119. 大倉精一

    大倉精一君 研究しますけれども、この交通問題がだんだん重要な問題になってくるにしたがって、陸運局、陸運事務所の要員というものについては、これは非常な大きな問題だと思うのですよ。毎年々々こういうことは繰り返されますけれども、特にこの際、陸運事務所の要員の確保については、運輸大臣、格段のひとつ関心を持ってもらうように要望しておきます。
  120. 村松久義

    委員長村松久義君) 金丸委員
  121. 金丸冨夫

    ○金丸冨夫君 いろいろ関係があるようですから、総務長官にお尋ねを、また、お願いを申し上げたいのですが、今の車庫の問題です。車庫をこしらえて、そうして今の道路上の車を入れるということ自体は、本来の直接の今度の目的ではございますけれども、もう一つは、実際、通るべき道が車ばかりでどうにもならぬというようなことで、これは何とかしようじゃないかということのいわゆる道路規制まできておる現状において、これはやろうということでありますので、どうしてもある程度商店街や、そういう方々にもお忍びをしていただかなければならぬことなんでありまするが、新たに、建設省、あるいはまた通産省その他の御関係の方々が配慮してこしらえるこの車庫というものは、やはり規制の目的を達し得るような方向に考えますときに、英国におきましても、あるいはアメリカその他の先進国におきましても、結局、この駐車問題の成功は、パーキングのこの料金ですね、料金の低廉が問題でございまして、これの非常に高いものを取るということになりますというと、結局、これはみな失敗しておる。でありまするから、車庫をこしらえるとか、いろいろなことの場合には、今、地下などで一般の乗用車のものをやっておりますが、ああいうものと同様に考えられて、非常に民間の駐車料の高いものでは、結局そこに入らないことになる。でありまするから、できるだけひとつ簡便なというか、本来ならば、もう置き場があればいいのですから、露天でもかまわないわけでありますから、できるだけ簡便な車庫というようなことに考えられて、建設等について御配慮が願いたいと思いまするが、この点は一々お伺いしておっても切りがありませんから、ひとつそちらで……。そういうことが閣僚懇談会等において話題になされたかどうか。また、ならないとするならば、今後そういうことをお考え置きの上に、ひとつ措置をお願いしたい、かように考えております。
  122. 小平久雄

    政府委員小平久雄君) 先生の御指摘の点につきましては、閣僚懇談会等におきましても同様の意見が再三出ております。まあ今度の法律におきましても、先ほど自動車局長からも御説明申し上げましたとおり、必ずしも車庫といった建物を必要といたさない。こういう建前で、いわゆる簡便と申しますか、土地だけあればいい、こういう建前をとったわけでございます。  なお、駐車料、保管料といったものもできるだけこれは安くしなければならぬのでありまして、まあそういう趣旨から、今回は、建設省から先ほど御説明がありましたとおり、駐車場法の改正等によりまして、公共団体のやる駐車場につきましては助成等もできる、こういう改正に今回なったと思っております。まあこれは私の個人的な見解でありますが、道路がこういう事情でありますので、今回のような法律まで作ろうということでありますから、まあ駐車場と申しますか、保管、この法律で申します保管場所でございますが、こういうものは、私は性格上から申しますと、道路と同様に、本来いわゆる公共事業的に考えていってもいいのじゃないかと——これはお断わりしておきますが、私の個人的な考えでありますが、このくらいのところにもう踏み切ってよろしいのじゃないかと、さように考えておりますが、それにいたしましても、先生の御指摘のような方向において、今後閣僚懇談会等においても問題にいたし、極力配慮をして参りたいと考えております。
  123. 鳥畠徳次郎

  124. 村松久義

    委員長村松久義君) 関連ですか。——質疑の順序は田上委員です。田上委員
  125. 田上松衞

    ○田上松衞君 この際、委員長初め委員の皆さん方に、一応御了解を得ておきたいと思うわけでありますが、こうした時間の中でいろいろな質問を続けていくということは、何かしらいたずらにただ時間延ばしをはかるのじゃないかというような疑いを持たれちゃたいへんですから、そのために申し上げるわけなんであります。  率直に申し上げますけれども、実は私どもの民社党といたしましては、まだこの法案について、賛否の態度を明らかにしていないわけなんであります。十分にこの法案の認識と理解を得ることが必要だ、これはもう言うまでもないことであります。いま一つは、本日本会議で、公職選挙法の一部を改正する法律案に対する賛否の討論の中で、まあ社会党初めほとんどの各派が同じように述べたことは、重要な案件について、短時間でもってこれを審議していくということは、少なくとも参議院無視の態度である。参議院の存在価値というものは、こういうような方法をとられては、これはもう喪失してしまうのじゃないかということに対しては、これは与党を含めまして、どの方も御異論がなかったと私は認識するわけです。こういうような立場からいたしまして、この案が衆議院から回って幾らでもない、十分な審議が尽くされていないのであるから、この際には、まあ本会議までに必要のない限りにおいては、といってぎりぎりまでというわけでは決してありませんけれども、これは参議院の性格、存在、責務、こういうようなことから、どうしても確かめておかなければならぬと、こういうことで質問を申し上げますのですから、その点は御了解願っておきたいと、こう考えます。  そこで申し上げますが、大体今までの質疑、答弁を通じまして感じますることは、何かしらどうもこの法案は、これは特に政府側の答弁について感ずるのですが、外国で施行しているところの法律を、何か調査研究しているかのような、あるいは大学あたりで架空の法規を示して、これについてその法解釈を研究しているというような強い感じをまあ受けてしまうわけなんです。一体その立案者あるいは行政官が、これこれかくかくであるから、この目的達成のためにはこうした措置以外にはないという、そうした自信、あるいは決意ですか、そういうものがちょっとも看取されないわけなんですね。こう思うのだ、こういうことだろうと思うというようなことが、ときとぎ答弁の端々に出てくるわけなんですが、一体こんなものでいいのだろうかと実は考えるわけです。特に、まあ実際に今までの質疑の中で言われたように、実際にこれを実施をするということになってきますると、これは幾多の困難が予想されるわけです、現実に。たとえば財政上の措置というようなものが考えられるわけですが、これについては大蔵省のほうでもこの程度のことは考えておると言うけれども、一方では、聞いてみますると、また大蔵当局と折衝中であるというようなことを言っているわけです。土地の問題等についても、大蔵省側の御答弁の中では、国有地等の開放等についても、今研究考慮中であるというようなことで、さっき中村委員が言われたように、全くその準備ができ上がっていないということが実態なんです。こういうようなことのままで、急いでこれを実施するんだと。そうして、いろいろ法案内容に、これもいけない、あれもいけないというような、べからず、べからずというような式でやっていくと、——横道に入ってしまうようですけれどもお許し願いたいんですが——これはまあ帝国主義戦争時代に行なわれたところの、全く官僚、軍閥の政治の範疇を出ていないという感じを持たざるを得ない、こう考えるわけなんですが、以下いろいろ御質問申し上げることについては、今までのと若干重複する点があるかもしれませんけれども、おのずからそれは角度を変えてのことですから、そのこともひとつお許し願っておきたい。  本論に入りまするが、まっ先に、これは実は資料を書面でいただきたかったんですけれども、時間的にこれが不可能だと考えまするから口頭でもって教えていただきたいんですが、業種別、車種別の事故数ですね、都心地における……。これは政令で考えられておる適用地域の中の東京都のことだけでけっこうですから、これをひとつ示してもらいたい。これは警察庁からでもどこからでもいいです。ごく最近のもので、年間でもよけば月間のものでもけっこうです。大体の比率がわかればけっこうなんですから、御答弁願います。——答弁がおそければ、答弁を求むる趣旨を申し上げます。私ども考えておることは、少なくとも事故に関する限りは、大部分は、いわゆる砂利トラを初めとする大型のトラックであるとか、あるいは俗に言うカミナリ族、オートバイですね、これらのものが多くして、自家用車というものはきわめて少ないのじゃないかと、事故の関係からいきますると。そういうような感じがするんですが、これを確かめたいために申し上げておるわけなんです。御答弁いただきます。
  126. 冨永誠美

    政府委員冨永誠美君) 御質問は東京でございますか、全国で……。
  127. 田上松衞

    ○田上松衞君 東京でけっこうです。——すくできますか。できなけれれば……。
  128. 冨永誠美

    政府委員冨永誠美君) 出ます。——車種別でございますか。
  129. 田上松衞

    ○田上松衞君 業種別、車種別、両方に分けて下さい。自家用であるか営業用であるか、あるいは車種別ですね。
  130. 冨永誠美

    政府委員冨永誠美君) 昨年一カ年の東京だけでございますが、たとえば四輪貨物、それから三輪貨物を営業用、自家用別で申し上げます。四輪貨物の営業一万二千百六十三件、死者数百十二名、それから、それが車両との比較におきましては、車両に対して事故の件数が四九・七%、それから事故件数に対する死亡者が〇・九%でございます。同じく四輪貨物の自家用三万二千七百二十一件、死亡者二百四十七名、それを車両との事故率から見ますると二四・四%、それから事故件数と死者の比率が〇七%。三輪貨物を営業と自家用で区別しますと、三輪の営業用三千九百七十四件、それから二十一名死亡、車両との事故率が四一・七%、件数に対する死亡者が〇・五%。三輪貨物の自家用一万五百五十二件、死亡者七十九名、車両の事故率が一八・六%、件数に対する死亡者が〇・七%でございます。  なお、乗用車で申し上げます。四輪乗用の自家用とそれから四輪乗用の営業、つまりタクシーとハイヤー、これを区別しますか。
  131. 田上松衞

    ○田上松衞君 はい。
  132. 冨永誠美

    政府委員冨永誠美君) 四輪乗用の自家用二万二千八百八十件、死亡者百四十七名、車両に対する事故率一五・八%、件数に対する死者率〇・六%。それからタクシー九千四十八件、死亡者五十五名、車両に対する事故率六八・五%、それから件数に対する死亡者〇・六%。ハイヤー八百八十二件、死亡者五名、車両に対する事故率二二・六%、件数に対する死者率が〇・五%でございます。したがって、車両に対しての事故率は自家用よりも営業用のほうが高いという数字が出ております。
  133. 田上松衞

    ○田上松衞君 私が想像申し上げておったとおりでございまして、各委員お聞きのとおりです。かように車種別に見ましても業種別に見ましても、いわゆる白ナンバーのほうははるかに事故が少ないということは、もう数字の上で明らかであります。この点が——今これがどうというわけじゃございませんが、あと結論的にこの問題が出てくることを一つお含みを願いたいと考えます。  運輸大臣が非常に何か時間的にお急ぎのようですから、当初に運輸大臣にちょっとお伺いしておきまするが、今回のこの法のねらいですね。一体、どう理解すればいいのかということなんです。法案の名前は言うまでもなく「自動車保管場所確保等に関する法律」ということになって、そこで、あくまでガレージを作らすということが目的だというようにしておるわけなんです。ところが「(目的)」の第一条のところを見てみますると、「自動車保有者等に自動車保管場所確保し、道路自動車保管場所として使用しないよう義務づけるとともに、自動車の駐車に関する規制を強化することにより、道路使用の適正化及び道路交通の円滑化を図ることを目的とする。」こう言ってある。一体あとの、道路保管場所として使えないように義務づけるという、この以下の問題にすると、確かにこれは道路交通の円滑化ということになるわけなんだけれども、法の名前及び全文からいいますると、これはそういうことよりも、とにかくガレージを持たすのが主だ、いろいろ説明を聞いてみますると、そちらもあるんだが、こちらもあるんだ、こうするんだというけれども、ほんとうの主目的というものは一体どこにあるんだろうということなんです。ことに、いろいろ今までの政府答弁によりますると、今度はその根本にひそむものは、どうもいろいろな今日の交通地獄から、こういうことがあって、まあさっき大倉委員質問に対して答えられた本法提案の経過について総務長官の答弁は、交通関係閣僚懇談会でこういうような事故を何とかしなければならぬというようなことでやったんだ。まあ分けてわかりやすく言いますならば、一体、池田内閣が考えておるところの、輸送を完全にすることのためにできるだけ努力しよう、別の言葉で言うならば、経済の成長をはかることのためにスピードアップすると、そのために道路を通りやすくする、円滑化するというものは、そうしたスピードアップというものをねらいにしておるのか。そうでなしに、根本にひそんでおるのは、大きく世の批判を受けてしまっておるところの、何というのですか、殺人的事故、こういうものに対して言いわけにしなければならぬというのか。その重点がどうもはっきりしてこない。一体どこなんだろう。私がかく申し上げることは、大臣の御答弁がしやすいように申し上げますと、先日の三河島駅構内に起こったところのあの国鉄事故に対して、大臣は国民に誓ったわけだ、これは繰り返して誓っておる。テレビラジオを通しても、われわれも国民全体もよく聞いておるのだ。これはこの種の災害を繰り返さないように、もうこせこせしたことじゃなくして、抜本的な施策を至急に講ずるという趣旨のことを誓っておられるわけなんです。こういう問題とあわせてみますると、ケースは違うけれども、非常に国民が恐怖しておる、安心して旅行もできない、安心して通れもしないというようなことからくるそうした事故を中心とするところのこれに対処するのか、あるいはさっき言ったスピードアップのことを目的とするものかということに非常に苦しむわけなんだ。しかも、ついでですから申し上げますが、いずれにいたしましても、こういうような内容を持っての法案をもって——この法のねらいはいずれにいたしましても、中心がどこにありましても——これを、目的達成のための抜本的な一つの法案だと運輸大臣お考えになっておるかどうか。これからひとつ聞いておきたい。
  134. 斎藤昇

    ○国務大臣(斎藤昇君) この法案は、目的に書いておりますように、おっしゃいますような自動車事故を少なくしようということではなくて、道路の使用の適正化、道路交通の円滑化、これを目的にいたしておる。御承知のように最近自動車が非常にふえて参りまして、そして道路交通が非常に混雑をして参りました。また夜間自動車車庫がわりに道路を使用する。したがって夜間は交通量は比較的少ないわけでありまするけれども、あるいは火事が起こったような場合に、ほとんど消防車も入れないというような道がたくさんできている。これは道路使用という面からいうと、非常に不適正なことになっておりますから、そういうことをなくいたしまして、そして本来の道路の効用が十分達せられるように、また自動車交通ができるだけ円滑になるようにというのがこの目的でございまして、これにはいろいろ方法、手段がありますが、この法律としては、主として自動車保管場所というものを道路外に持たせる、そして路上の駐車を規制をしていこう、そういう手段によって今申し上げる目的を達成しようというのがねらいでございます。
  135. 田上松衞

    ○田上松衞君 やや明らかになってくるわけですが、大臣の法のねらいというものをそう説明されれば、お急ぎのところ非常に御迷惑ですけれども、大事なことですから……。池田内閣が金看板としておりますところのいわゆる経済の高度成長政策というものとの関係ですが、これはどうも矛盾があるのじゃないかと考えるわけなんです。その中の、すべてについては省略いたしますけれども、一点だけお聞きしますと、先刻中村委員質問に対しまして建設省からいろいろ御答弁があった。現に建設省としては駐車場設置法をまあ通過さしてもらって、私も建設委員ですからよくわかっているわけですが、こうやって道路のいわゆる交通緩和道路の高度利用というものに役立たせるというものをすでに持っているわけなんです。もちろんそれだけで決して足りるものじゃない。さっき答弁されたような範囲においてできることではないのだけれども、ほんとうに大臣が言われた目的があるならば、これはむしろ建設省にやって、たとえば一つの駐車場設置法等の問題に、もう少し大きく国の予算を与えていって、それを拡大していっていいのではないか。ついでですから申し上げまするが、建設省が考えているような場所について、費用があれば、私はよく知っているから申し上げるのですが、国の予算をつけて、まともに考えれば土地は幾らでもあるのですよ、作る場所は。たとえば一つの問題を言ってみますると、まあ大臣はさっき大体国有地の未利用地が七十万坪くらいあるだろうかと言われたのだが、それは開放可能と考えられる七十万坪であればですけれども、まあ一応その程度と考えられる。実際に、私どもの調査によりますると、現にまだ東京都内だけでも三百十二万八千五百平方メートルというものが使っていい場所なんです。こまかくこれは調査しております、そういう所を。そうすると坪数でいうと百万坪以上ですよ、これは。そういうものがある。建設省としては予算があればあのすぐれた技術と力を持っているのですから、国がまともに考えてやっていくならば、こんなもの解消することはわけないのだ、ほんとうは。それがなされていないのですよ。私は考えるのに、たとえば一つの方法として、これはあとで申し上げようと思ったのですけれども、大臣が急いでおられるからこのことを申し上げますと、こういうことを一緒にやって、ちょうど今高速自動車道路というものをやっておる。あれは有料道路ですね。大へんな費用がかかる。国民の血税を使わなくてもいいように、世間から金を借りてやっていくという方法もあり、いろいろな公債等も発行してやっていくわけですが、何千億とかけましても、あれは結局は長い間にわたって道路を利用する人々から料金を取って、手入れして、国民には迷惑をかけなくしてもやっていける。そうして二十カ年くらいの後にはそれが無料で国民のために開放されるという段階になるわけですから、こういうことを考えてみると、公共の駐車場というものを、土地があるんですから、金がありさえすれば、予算さえ当てがえば、技術の場合においても大丈夫なんですから、建設省は手を持っているのですから、そういうふうにやらすならば、こんな、実際非常にいろいろ指摘されておるような、実現不可能なことをやらなくてもいいではないか、解消する道はおのずからあるのではないか、こういうことを考えながらやってみますると、この種の事項を、建設省でないところの、道路利用者の側に立ちまする運輸省に、こうした案件を持ち込まれるということについては、運輸大臣は、これは筋違いだ、迷惑至極だというようなお考えはお持ちになりませんか。どうなんですか。
  136. 斎藤昇

    ○国務大臣(斎藤昇君) この道路の使用の適正化及び道路交通の円滑化をはかりますためには、関係各省みな関係をいたすわけでございます。したがって、この法律自身の所管も、運輸省建設省、あるいは警察庁というように、これは共管になっておるわけです。これが運輸委員会にかかり、したがって私がまあ担当大臣として御答弁を申し上げておりますのは、ただ一つの方便でありまして、運輸省としましては自動車登録という仕事をやっております。自動車登録する際に保管場所をきめて、その証明をつけてこなければならぬという新しい道を開くことになりまして、これが相当の仕事でございますから、そこで、この運輸委員会にかかり、私が担当大臣として御説明を申し上げておるのでございまして、取り締まりになりますれば、これは警察庁関係の取り締まりということになるわけでございます。また、今おっしゃいまする公共駐車場、これを建設するということになれば、これは建設省になるわけでございます。しかし、公共の駐車場だけで今日路上にある車を全部解消し得るかというと、これは実際上はなかなか困難でありまして、やはり自由主義経済のもとにある日本のような仕組みにおきましては、各個人、自動車を持っておられる人たちが、自分自身で、あるいは共同して持とうという考えを起こしてもらい、また、これを助長していくということがやはり適当ではないかというので、こういう仕組みにいたしておるわけでございます。
  137. 田上松衞

    ○田上松衞君 時間をお急ぎになっておられるのですから、御迷惑をかけますけれども、認識を深めておかないと、いずれこの法案が通るという場合を予想した場合に、さっきからわれわれが要請したように、国民に対してもこれをPRし、納得し、協力するようにしなければならぬ責務を国会議員としてわれわれ感ずるわけですから、お許し願いたいと思います。  もう一点だけ、角度を変えて申し上げますが、大臣、私はとにかくこの底に見るもの、感ずるものは、これは池田内閣の経済政策の失敗のしわ寄せがかくせしめておるの、だと思っておるのです。予算委員会の場におきましても、いろいろな場においても、野党が口をそろえて言っておりまするが、何と言っても、池田さんの政策は失敗している。だけれども、一向にこれを反省してくれないで、強引に次から次と長い目で見ろ、長い目で見ろの一点張りで、無理なことをやっているわけなんですが、この問題もさっきちょっと触れましたように、非常に内容に矛盾を含んでおるのだが、まるで、一口に言って政策が——今ここでこれを批判する時間的な余裕もございませんし、そういうようなことはよしておきますけれども——一口に言っておきますならば、まるきり池田政策全般が、経済政策これはおれにまかしておけと言っている間に、とんだことをしてしまっている。よけいな話だけれども、経済だけじゃないのだ。生命も財産もおれにまかしておけということを堂々とあの人は言われた。ところが、どっこいまかしておったら、この間百六十人に近い——これはこの前にやったことだか、これは全般にわたることなんですが、池田さんにまかしておったら危なくてしょうがない、こう国民全般が考えている。こういうことの一つの風刺ですよ。こういうしわ寄せは、ただにそれは運輸大臣に非常に御迷惑なことを押しつけた。それは一つの風刺としてこう言ったということだけですけれども、しかし、大臣、考えてもらわなければならぬことは、窓口になってしまうと、理屈がああだこうだと言っても、失敗の責任は、結局あなたに国民が持ってくるのですよ。よけいなことですけれども、水資源開発公団を作ると——あれはいろいろ水資源のことについては何といったって日本の国土開発の上から必要なことなんですが——これが各省々々思い思いのことをやって、省の争いをし、中には自民党内部の派閥争いにまで関連して、にっちもさっちもいかない。どんどんおくれてしまう、すったもんだの末、どうにもこうにもできないで、結局最後のケリは経済企画庁に持っていって押しつけてしまったのだけれども、いろいろ波紋を起こしたのだけれども、そうやっても、究極はあのことで将来起こるいろいろな問題については、経済企画庁が持たなければならぬと同じように、こんな悪いものにして、道路を作らずに、国民に当てがうと、初めに、こうだから広く利用してくれ、高度に利用してくれということを、やるほうから打ち出して準備をそろえていってやるならですけれども、それをしないで、国がそういう施策を怠っていて、なまはんかというよりは、全く役に立たないような道路のままでおいて、その範囲運輸省が中心になってこれを規制する、あれを規制する、べからず、罰金だ、懲役だ、こういうことをして、直接に国民、特に中小企業、ただにあえいでいる中小企業に無理な注文をつけるということは、これは全くどう考えてみましても割の合わないことを引き受けられたものだと、同情を申し上げるとともに、あくまで因果関係かどうか知らないけれども、そういう感じを強くするのですが、もう一言、的確に、運輸省が扱う以外にはなかったのだ、中小企業に対して御迷惑かかるけれども、その面から言うならば、通産省がやってくれてもよかったろうけれども、とんでもないところを引き受けたというお感じは、依然としてお持ちにならないかどうか、それだけをお聞きしておいて……。
  138. 斎藤昇

    ○国務大臣(斎藤昇君) 大へん御同情を賜わりましてありがとうございました。おっしゃいますように、日本の経済の成長が予想外に急速でありましたために、今日の日本の経済に即応するだけの道路面積が都市に確保されていない。あるいは交通手段が不足をしている、これを急激に増さなければならないという事態に当面していることは事実でございます。しかしながら、恒久的な、そういう公共投資を急にやりますのは、これは技術的に時間を相当要する。また、今問題になっておりまする自動車交通の問題は、これはいかに道路を広げましても、自動車でその道路が一ぱいになる、適正な規制をしなければならぬというのは、これはもうどこの国においてもその例でありまして、日本の二倍、三倍と道路面積を持っております英米諸国におきましても、やはり道路上車をむやみやたらにとめておくということは、絶対に規制をいたして参りませんと、車の使用に非常に支障を来たすというのが現状でございまするから、予想外にそういう時期が早く来たということは言えますけれども、いつかはやらなければならぬことであり、また、だれかはやらなければならぬことでございますので、運輸省が一応窓口を引き受けましたのも、これは別に割に合うとか合わぬとかいうことではなしに、やはり時代の要請であると、かように考えております。
  139. 田上松衞

    ○田上松衞君 非常に急いでおられる大臣に対して全くあれですけれども、あなたよけいな答弁をされるからまた言わなければならない。これは諸外国においても、道路上に車をとめておいてはいけないというような規則があるのだといつでも外国々々と、いわゆる先進諸外国ですかのことを例に引かれるくせがあるのですね。これはせんだっての船舶職員法一部改正、いつか扱ったこの問題についても、いつか非常にいやみを申し上げてしまって、結局は、人のいい正直な運輸大臣に言ってしまったと思って、内心詰まらないことを言ってしまったというあれを持っておった。ところが、どうやら今やってみると二つ不思議な点を考えた。一つには、まあさっきの言葉で言いますならば、抜本的な問題というものは考えておるのだと、しかし、そういうような問題は、今急速に間に合わぬのたと、こういうような気持をくみ取ったわけです。そうすると、さっきの例を引いた話に戻るけれども、三河島駅事件に対して、大臣が国民に誓われた抜本的なあれをするぞと言ったことが、しかし、そんなことをやったら間に合わぬからといって、つい池田さんのように、うそは言わぬというのがうそになってしまったというような懸念を国民に抱かせては困ると思うので、その点についてはいろいろ反省してもらいたい。これは答弁要りません。  あとの問題については、諸外国では道路に車をほったらかすというようなことのないようにしておくということ、そのとおりです。私ども反対しているのはそういうことじゃない。さっきから言っている問題は、今日の中小企業者が直ちにガレージを持たなければならぬという場合、この土地のないときに、この資金のないときに、池田政策の失敗からとんでもないわなに引っかかって塗炭の苦しみにあるこの人々に、車庫を持てということ自体が無理なんだ。これが中心なんですよ、ほんとうは。だから道路の上にあれをするというようなことは、これは別の角度で、あなたが行かれてから質問しますけれども、その今の問題は、自動車道路にほっぽらかしてはいけないという例は諸外国でやっておるが、ガレージを持つということを義務づけておる国が外国のどこにありますか。あったらその国の名前を知らせて下さい。大臣が答弁できなければほかの人でもいいです。
  140. 斎藤昇

    ○国務大臣(斎藤昇君) ガレージを持てというのは、おそらく日本が初めてでございます。
  141. 田上松衞

    ○田上松衞君 そうです。では大臣お急ぎですから、大臣は……。  大体これは警察庁にお聞きしたほうがいいと思うのですが、車庫の設置を義務づけても、都心の道路に駐車したりあるいは夜間放置されておる車を現実に取り締まるのでなければ、少なくとも事故防止等の面から警察庁事故防止が一番重点でしょうから、結局こんなことじゃナンセンスじゃないかと思う。まあきわめて下品な例を引きますけれども、犬小屋だけ作っておけば犬は飼わせる。だが何のために犬小屋を作らすかということになると、それは犬を動物愛護のつもりからということもあるんだけれども、これはあまり適切でない例かもしりませんけれども、ちょうど道路にほおりっぱなしておる犬が暴れ回ってしまって、いろいろ人にかみついたりふんをたれたりしてしようがない、だからこれを取り締まるには犬自体を取り締まるよりも、ともかく犬小屋を作らせてしまえ。それでいいだろうというのと同じたぐいでしょう、言わせれば。自分の家のそばに車庫を持っておるといっても、車自体が働く場合は自分の家の付近ではないわけですね。わけても都心地に向かっていろいろやっていく中小企業の場合は特にそうだ。いろいろな場合ですが、これを営業車等、あるいは大きな車、小さな車いろいろ車種別に考えてもそうですが、全部に適用する問題ですけれども、夜間にほっぱなしておくのを、まあこんなざる法的な十二時間がどうだ八時間がどうだというようなこんな程度で、抜け穴だらけのものをやって、現実には取り締まることができないような、不可能になるようなこういうものをやっておいて、一体事故防止というものが考えられるかということだ。警視庁どう考えますか。
  142. 冨永誠美

    政府委員冨永誠美君) 車が駐車しておることによって、確かに車の前から人が飛び出すというようなことで事故が起こっておることはあるわけでございますが、今度の場合は事故防止が第一というよりも、まあ交通をいかに円滑にさばくかというふうな問題、あるいは道路の使用を適正に持っていくというふうなことにねらいがあるのでございます。それで、まあ都心に用があって行った場合においてのいろいろな問題は、駐車問題としてお考えになられるわけでございます。たとえば駐車していけない所へはもちろん駐車はいけませんし、法律上そういうところもございます。あるいはまた、公安委員会指定して、ここは駐車してはいけないというところもございます。今度の法律は、むしろ自動車を使用しない場合において、平素その自動車をどこに置くかというふうなことがねらいになっているわけでございますので、先ほどいろいろ各方面からお答えがありましたように、もっぱらそういった交通混雑緩和とか、あるいは道路使用の適正化をはかるという意味からのねらいでございます。で、まあ人にちょうど住居があるように、それに相当するようなものであるわけで、そういう意味で自動車保管場所確保が必要であろう、こういうことであります。
  143. 田上松衞

    ○田上松衞君 どうものみ切れないのですがね。車が何か自動的におもちゃみたいに、ほおっておいたう、とことこと動き出してしまうかもしれない、だから個々にしまっておく場所を作ってしまえということなら理屈はわかりますよ。危険な、何か火薬等のような爆発物等のようなものであればね。一体、自動車は出て仕事をするんですね、動かすための目的の。人間が乗るにしても物を運ぶにいたしましても、これは歩いていくよりとにかく早く機械で走っていくことがいいのであってそのための自動車である。したがって、普通に今対象になっているものは、おもちゃでない本物の自動車、それをとめておく、保管するということに重点を置いていくということがどうも納得できない、これは。動いている車自体に対してこれを取り締まるというのでなければ、取り締まるというとちょっと語弊があるかもしれませんが、適切な施策を行なうというのでないと、ちょっとぴんとこないのですが、もう一ぺんわかりいいように、これこそ法のねらいの根拠になるわけですから、もっと明確に、わかりやすくひとつ御答弁願います。
  144. 冨永誠美

    政府委員冨永誠美君) 自動車が動いておりますときには、当然安全運転をしなければならないでしょうし、また車ももちろん整備されていなければならないことは当然でございますが、今度自動車がとまる場合におきましても、たとえば非常に交通混雑いたしておりますような所に車をとめるような場合におきましては、車のパーキングの問題、駐車の問題が出てくるわけでございます。それから、車を今度は使わない場合、使用しない場合において、やはりじゃまにならないような方法で車を道路外に置いていただくという意味で、保管の場所確保ということがねらわれておるわけでございます。
  145. 田上松衞

    ○田上松衞君 事故防止の観点からする警察庁の見解は……。ガレージ設置問題に対して、もう一ぺん……。
  146. 冨永誠美

    政府委員冨永誠美君) 私どもの仕事は、一つは御質問のとおりに事故防止交通安全ということをやっておりますが、もう一つは、たとえば公安委員会の規制などによりまする、事をいかにさばくかという、主として都市交通になりますが、交通の円滑という仕事もやっておるわけでございます。それで、先ほど申し上げましたように、この保管場所の問題は、事故防止という点はやや色彩が薄いのじゃないかと思うわけでございます。むしろ、交通をいかにさばくかとか、あるいはまた、これはまあ私のほうのあれではございませんが、道路使用が適正になれば当然交通もスムーズにいくということからねらわれておるわけでございまして、今御質問事故防止という点からは、この点は色彩が非常に濃度が薄いのじゃないかというふうに考えます。
  147. 田上松衞

    ○田上松衞君 大蔵省にちょっとお聞きします。大体の問題は今までの質疑の中でやや納得しかけておるわけなんですが、まだ十分じゃないのです。二種の点でですね。これはどなたもおわかりになるように、土地の価格というものがただでさえ果てしなくどんどん高騰してしまう時代で、そこで金があっても土地がないという問題、土地があっても金がないという問題、これに対する大体の施策のことは、さっき前段申し上げましたように、少しくらいわかったんですけれども、まだこれに対する決意というものが十分にはのみ込めないわけです。目下考慮中だとか、ああだとか、一方のほうから聞いてみますと、ただいま折衝中だというようなことを言うのですが、これに対して自信を持ってもらいたい。これが一点。  もう一つは、少なくとも大蔵省としては、このことのために、いやが上にも地価暴騰の傾向をそそってしまうという憂いがあると思うのですが、これに対する一つの対策をお考えになっておるかどうか。あるいは法案を出して実施しようというのですから、すでにこれに適切な手を打っておられるかどうか、この点についてお伺いいたします。
  148. 山下武利

    政府委員(山下武利君) 大蔵省は国有財産の統轄をいたしておりますが、特にある特定の地域につきまして、駐車場としての適地がどことどこにあるということ、現在までまだ調べたことはございませんが、先般お答えいたしましたように、最近行政管理庁を中心とされまして、政府で都内の適当な国有地を駐車場として開放してはどうかという意見をいただきましたわけでございます。それにつきましては、先ほどもお答えいたしましたように、必ずしも現在すぐに使えるという状態ではなくして、各省がそれぞれ所管をしておるところの土地が相当ありますので、これをどういうふうに使うかということにつきましては、大蔵省の一存でいかない場合が多いわけでございます。これは各省にも十分御協力を願わなければならぬ、こういうふうに考えております。ただ、全体の問題としまして、もし国有財産がこの問題の解決に役立つということであるならば、大蔵省としては十分にその方向に向かって努力をいたしたいというふうに考えておるわけでございます。
  149. 村松久義

    委員長村松久義君) 田上君に申し上げますが、ちょっとお聞き願います。他に質疑者もまだ残っておりますし、それから各党において議員総会が始まったという通知もございます。ですから、いろいろ時間も切迫しておるようでございますので、質疑をひとつ要点で突っ込んでいただきたいと、こう思います。どうかさよう御承知を願いたいと思います。
  150. 田上松衞

    ○田上松衞君 まず、委員長にお伺い申し上げます。  さっきから申し上げましたように、やはり十分にこれをのみ込んで、なるほどもっともだ、結局そういうことであればひとつ民社党も、まあいろいろな条件をつけても、かりに附帯決議等でもつけて急速に間に合うようにしようじゃないかという考えも出るでしょうけれども、まだそこのところまで自信がないわけなんですよ。だから、質疑を突っ込んでといいましても、その前段がありますから、もう少しお許し願いたいと思うんです。  そこで、お断わりすると同時に、どうなんですか、五時前ですが、あと質問者の方はどのくらいあって……。
  151. 村松久義

    委員長村松久義君) 質問者は一名ございます。ただいまのところはそういう通告でございます。
  152. 田上松衞

    ○田上松衞君 次に質問される方は、重ねて申し上げますけれども、一時間ぐらいですか、二時間ぐらいですか。
  153. 村松久義

    委員長村松久義君) 何分になるかわかりませんけれども、要するに質疑の要点だけを簡潔に願いたいということを申し上げておるのです。
  154. 田上松衞

    ○田上松衞君 よけいなことを申し上げますけれども、すでにこういうことで、どうしても今国会にこれを通そうとされる与党側のほうとしては、国民に向かっても十分説明できるように用意されたはずだと考えるので、今さら質問ということはちょっとおかしいと思うので、ひとつ寛大なお気持で、まだ十分にわかっていないところの野党側に相当時間を割愛していただいていいのじゃないか、これはまあよけいなことですけれども……。まだ質問しなければ与党でさえもわからぬというようなことでは、いよいよもって、逆に考えるとどうもおかしい。質問しなければわからぬ態度でもって、これをしゃにむに通さなければならぬというのは、それは一体どういうふうなあれだろうかと、こう考えるので、いやみのようですけれども、ひとつ感じたままを露骨に申し上げておきます。
  155. 村松久義

    委員長村松久義君) どうぞ御進行願います。
  156. 田上松衞

    ○田上松衞君 大蔵省にもう一ぺん伺いますが、先刻大臣に対して私申し上げましたような、ほんとうにこの種の目的を正しく達成しようとすることのためには、無理なことでなくして、国の力でやっていく。しかし、それは国民全般の血税をもってやっていくのではない。その例として高速自動車道路の問題を私は例に引いたわけなんですが、お聞きになっておったはずですから繰り返しませんけれども、あの方式でやる場合に、当然この問題は、たとえば建設省から裏づけの予算要求がくるわけなんですが、これは大臣でもない方面にお聞きするのは無理なことですけれども、事務当局としては、そういうものに対して、まあ個人的な考えでもいいです。努力してみようとか、あるいは見込みあるとかないとか、そういうふうな意見をひとつお聞きしておきたいと思います。
  157. 山下武利

    政府委員(山下武利君) 私は管財のほうを担当いたしておりますので、ただいまお尋ねのような予算を伴う問題につきましては、責任を持った御答弁はいたしかねますが、個人的な見解といたしましては、十分に考えなければならない問題であろうと思います。また、予算の問題のことでありますから、おのずから重点施策ということになりまして、その中でどういうふうな順位に当たるかという判断の問題になろうかと思います。ただ、お説のようなことは十分考えてみなければならない問題だと思います。
  158. 田上松衞

    ○田上松衞君 しかし、どうも管財の面だけやっておられるからお答えできぬ、——こういう大事な場合には、やはりその方面に答えのできるような方がおいで願ってほしいわけなんです。しかし、今時間的な関係で、それをああだこうだと言うのはやめますけれども、私はほんとうに、一番当初に申し上げましたように、これこれだからこうなんだ、これ以外に問題はないのだという決意、自信と確信と、こういうものを持ってしないと、今日の国民は、昔のような、右向け、左向け、左向け左、というようなことで納得する国民でないのですよ。もっと役人よりか国民のほうか頭かかえて進んでしまっておるのです。政治というものはそんなものじゃないのだという、国民の権利義務というものをよくわかっておるのです。これをまともに唯一の方策だとして、交通緩和の中の——唯一と言わぬけれども、重大な事項だとしてこれを急速に通そう、参議院の段階において審議は不十分であったにしても何にしても、まあこのことが国家国民のために必要だという自信を持っておられるならば、態勢をお整え下さって、そしてやってもらわないと、少なくとも国会議員の立場として、これは非常に迷惑してしまうわけです。これはこの場で時間的な関係で申し上げませんから、将来のためにひとつ十分お含み願っておきたい。  運輸大臣がおられないから、大臣にかわって、どなたでも、運輸省政府委員でけっこうですが、五月四日付の朝日新聞が社説の中でこの問題を取り上げておりますね。お読みになりましたか。——どっちでもいい。
  159. 木村睦男

    政府委員木村睦男君) たしか「どこから手をつけるか」という見出しの社説だと思います。
  160. 田上松衞

    ○田上松衞君 そのとおりです。どこから手をつけるか、まさにそのとおり。そのことですがね。その中で、もうこの内容はどういうことが書いてあるかということを言わなくしてもおわかりですから、あの社説に対してどういうようにお感じになりましたか。
  161. 木村睦男

    政府委員木村睦男君) 非常に参考になることでありますので、今後の行政にも大いに参考にしたいと思います。
  162. 田上松衞

    ○田上松衞君 まあ教えられるところがある、参考になったというだけで、何か禅問答みたいな格好になってしまうわけですけれども、とにかく私はまさに国民が考えておることを指摘しておると思っておるわけなんです。これはいとも簡単に衆議院を通ってしまった。そして今参議院へ持ち込まれてやっておるけれども、なるほど一つの事柄ではあるけれども、言葉をかえて言えば、まさにこれは、何といいますか、順序があべこべ、本末転倒の感じがするという気持で書いておると私は受け取っておるわけです。そういう感じを強くしたわけです。大蔵省にもこの際、もちろんごらんになっておるでしょうから申し上げますけれども、さっき申し上げたような、都心におけるところの放置されておる国有地、未利用地というものがたくさんあるのだ、こうした広大な土地というものが一部の階級しか使わないで、ゴルフ場にやってみたり、あるいは社用族等が使う料亭の庭になってみたりするようなことにされてしまっていて、社会の正義感というか、正しさというものとはまことに相反するものがあるのだということを痛論しておるわけであります。こういう点から考えてみましても、ほとんどの国民が、これにはそのとおりだと見ておるだろうとわれわれは信ずるわけであります。さらに日経の四月三十日付に扱っておる問題を見ますると、時間的な関係内容を申し上げませんけれども、言っておるその気持というものは、こんなくだらないものを通して弱い中小企業いじめをするなんというようなことは、一体こんなものは政治といえるだろうかというようなニュアンスをもって書かれておるわけなんです。私は、やはりこういうような一つの世論というものを常に参考にして政治は行なわなければうそだと、こう考えるわけなんですが、ただ教えられる点が多いというようなことでなしに、これが現実に通った場合において、現実に施行する場合に、いろいろに言われておる事項等を、少なくとも中小企業者の今日の実態に合うような工合に、あるいは道路の実態に合うような工合に、ひとつ運用の面において十分欠くるところのないようにやっていくという決意をお持ちになりまするか。これはどなたですか、総務長官でけっこうですから、その決意を明らかにしていただきたい。
  163. 小平久雄

    政府委員小平久雄君) 先ほど来御説明申し上げておりますとおり、本法施行にあたりましては、政府関係機関相協力いたしまして、中小企業等に対しまする配慮を十分いたし、それらの方々が極端にお困りになるというようなことのないように、政府としても十分気を配って努力をいたして参りたいと、さように考えておるのであります。
  164. 田上松衞

    ○田上松衞君 あとでほかの方が質問される場合に、関連として申し上げてもけっこうなんですけれども、その煩を避けるために少しお許し願いたいと思うのです。  第四条の規定適用するところの地域指定について、これは政令案を実は内示を願っておるわけなんですけれども、これは官庁が一方的にお考えになったのか、利害関係者等の意向を何かの方法でもって聴取された上につけられたものであるかどうか、お伺いいたします。
  165. 木村睦男

    政府委員木村睦男君) 第四条の適用になります地域指定する政令を作るに際しましては、できるだけ無理のない、特に第五条の適用地域との関連をも十分考えまして、無理のない指定をいたしたい、かように思っております。
  166. 村松久義

    委員長村松久義君) 田上委員に申し上げますが、先ほど申し上げましたように、他のまだ質疑も残っておりますし、それから請願その他の審査をすべき予定された時間もございますし、なお、各党において本会議開催の準備態勢のために議員総会開催の様子もございますので、簡潔にひとつお願いしたいと思っておりますから、どうぞ……。
  167. 田上松衞

    ○田上松衞君 簡潔を通り越して一点だけそれじゃ申し上げておきます。  罰則適用について警察庁に確かめておきまするが、非常に無理な法案でありまするが、しかし、法案が通ったんだからこうするのだというようなことでやられると、それからまたいろいろな問題、混乱を引き起こしてしまうおそれがあるので、特にこの罰則適用というようなことについては、いやしくもこれが乱用に陥らないように、ぜひ要望しておかなければならぬわけなんですが、これについてお約束していただきたい。
  168. 冨永誠美

    政府委員冨永誠美君) 十分御質問の御意見を胸に含みまして、実際の運用に当たっていきたいと思っております。取り締まりにあたりましても、現実とか実情とか等をよく見ましてやっていきたいというふうに考えております。
  169. 田上松衞

    ○田上松衞君 私はね、約束してほしいというのは、決して乱用しないということの約束をすること、これは言明できるわけですがね。これをはっきりしておいてもらいたい。
  170. 冨永誠美

    政府委員冨永誠美君) 私ども警察としましては、いかなる場合におきましても、法律の乱用は、これはやるべきじゃないというふうに考えております。
  171. 田上松衞

    ○田上松衞君 いろいろ委員長立場の問題もよくわかっていることですから、質疑は一応これで打ち切っておきまするが、これのいろいろなあとのわれわれの態度については、あとでいろいろ御相談申し上げてからにしておきたい、そういうことをあらかじめ予告しておきまして、私の一応の質疑は打ち切っておきます。
  172. 鳥畠徳次郎

    鳥畠徳次郎君 ただいまは同僚議員からうんちくを傾けられた御質問がありまして、いつも与党議員は、あとのおこぼれだけをちょうだいするというような、まことに限定された時間であるわけでございます。したがいまして、私の質問もできるだけ簡単に、そうして要点だけを申し上げて、重ねての御質問は本日はやめておきます。しかしながら、当局におかれましては誠意あふるるだけのお答えを願いたいと思います。  ただいま上程されております車庫設置の確保法律案でありますが、これはわれわれから考えますと、すでにおそきに失するという感じを多分に持っている一人であります。何となれば、大体十年前の一九四七年あるいはその前の三七年というようなふうに、十年ごとくらいのわが国の自動車の増加率あるいはまた経済の成長率から申しますならば、当然今日までかような手が次から次と打たれていかなければならぬはずであったのであります。それがいろいろの事情によって一応おくれたので、今日といたしましては、全くおそきの感があるのでありますけれども、おそいながらも一つ一つこれを解決していくということに一応乗り出したということは、非常にけっこうなことであります。しかしながら、いやしくも自動車の能率の問題であるとかあるいはまた事故の問題とか、そういう場合に、常に自動車を使用する人、あるいは関係の業者、それらの大部分の犠牲において改善をするとか、あるいは改正するというふうな議が上ってくることは、これははなはだ遺憾なことであります。たとえを申し上げるならば、先刻建設省からも五カ年計画で二兆一千億、一カ年四千二百億からの道路建設なり、いろいろ考えておる。われわれもよく存じております。しかしながら、その中でも八〇何%までがガソリン税で取り上げられておる。この現実は忘れてはいかぬことでありまして、今後はもっとこれらの自動車の能率を高める、あるいは事故を絶滅する、そして安心して交通ができ得る。しかもそれがわが国の経済の成長に対して非常に大きな貢献になるという結果を生み出すことだけは、これは何としても考えなければならぬ問題であります。私はそういう意味だけにおいて、まず一つの改善をする、かように申し上げておるのであります。今後もっともっと業者や使用者の犠牲だけでなく、ほんとうに政府みずからがもっとしっかりした大方針、抜本的な一つの方針なり何なりを立てて刷新するということに、これを機会に乗り出してもらいたいと思います。きょうは運輸大臣もお帰りになりましたので、幸か不幸か小平長官がお出ましでありますから、閣僚懇談会にももちろんお出ましであり、また各省にそれぞれ御関係が多大にあると思う。そういう意味において、きょうはほんとうは大蔵大臣あるいは建設大臣、通産大臣、関係各大臣に十分にこの点を強調したいが、先刻来いろいろ御質問がありましたが、あれの大部分は、まずこれが施行された場合は、この点についてどういうふうに運営されるかという面と、それからまた、その法の解釈というふうなものが相当質問の中にあったようでありますが、私はこれは後日に譲りたいと思います。一応これを通す、通るというような前提から考えたときに、あまり甘い考えをもって、単にこれは窓口は運輸省だ、しかもまた取り締まりのはうは警察庁だというような、過去の甘い考えではとうていこんなものは実際に皆さんの期待されるように、またわれわれの考えておるような、りっぱなものにでき上がらないということを、はっきり私は申し上げる。そういう意味において非常な決意を持って、あらゆる支障を克服していく。障害を乗り越えていくというだけの政府当局に決意があるかどうか、こういう点を私は聞かなければならぬ。なかなか内容は非常にむずかしい。これができ上がれば、それこそわれわれは双手をあげて歓迎するのであります。また、そうしなければならない事態になっております。しかしながら、今日までのいろいろな実例から考えると、たとえば先々月私は運輸委員として札ノ辻へ交通の整理を視察に参りましたが、あの一日三万台あるいは四万台という車が通っておるあそこに、ようやく交通おまわりさんが三人か四人であの自動車をよくさばいておられるという現状を見てきました。また運輸省の場合におきましても、陸運行政から見ると、ここ十年といわないでも、五年間に三百何十倍に指数がふえておる、日本の自動車が。それにもかかわらず、実際の行政要員に至りましてはようやく二割か二割五分の増員であります。一昨年も、昨年も、本年も人員要求の二割か二割五分しか増員も認めないし、予算も認めないというのが日本の輸送の現状であります。こういう点から考えると、何といってもこれを完璧に確保するという上からいって、どうしてもこれは、小平長官が幸か不幸かお出ましでありますから、何としてもはっきりしたお答えをいただかなければ、われわれは今後これに協力するという気持にならないと思います。先ほど来交通局長あるいはまた運輸省の方にいろいろ御質問がありましたけれども、これは、私は今日までなけなしの財布をたたいてそうして最低の人員であれだけやっておると思う。日本の交通、輸送、または自動車関係ほど、この五カ年ないし十カ年に長足の進歩発展をしておる事業は他にはないのであります。そういう点について思いを新しくしてもらって、運輸行政、特に陸運行政につきましては、一段と御協力を真剣に願わなければ、こういうのは絵にかいたまんじゅうにひとしいと申し上げても過言でないと、私はかように考えます。  そこで、二、三小平長官にお尋ね申し上げてお答えを願いたいと思うのは、先刻来の御質問の中にも触れておられた方もありますので、多少重複すると思いますが、私は本日は基本だけを伺いますから、お答えを願いたい、かように考えております。今度のこの法案がきょう通るということになりますれば、ただちにその期間の間で施行するということになるわけでありますが、一番大きな問題は、先刻からもいろいろ質問の中にありましたが、まずわが国の八割五分まで占めている中小企業者が一番大きな犠牲を受ける、これらに対して大体どういうようなほんとうに愛のある政治を行なわれるか、行政をやられるか、それに対するひとつお答えを願いたいと思います。簡単でけっこうでございますから、決意のほどを承りたい。これは一間一答じゃなく、全部で五、六項目にわたって申し上げますから、逐次お答えをいただけばけっこうです。  それから当然起きてくる問題は、この施設の場所の問題であります。これにつきましては先刻来七十万坪とか、いろいろ問題が出ておりましたが、要は、国の財産である国有地をどういうふうに払い下げられるか、あるいはそういうものに対してどこまで協力せられるかということが大きな問題になると思います。そういう点について、何かひとつ具体的な案があればお示し願いたい、具体的な案がなければ、どういう決意でいられるか、それをひとつ承りたいと思います。かように考えております。  それから金融の問題、ちょっと計算いたしますと、大体東京都だけでもまあざっと見て三百五十億ぐらいの金かなかったら、まず施設はできないと私は考えております。そういう点に対する大蔵省のほうの考えはどういう考えでいられるのか。これまでの運輸行政に対するような消極的な考え方では、この金融は、大体一カ年ほどの間に、小さいといえば小さい、大きいといえば大きいといえるのでありますが、今のような画期的な大事業をやる場合には、あまりにも小さい金でありますが、大蔵省では、はたしてそれくらいの金融に対して、ある程度責任を持てるかどうか。きょうまでいろいろ話題にも出たことがございましょうが、その金融の実際問題についてひとつお答えを願いたいと思います。  それから協同組合であるとか、いろいろ各種法人団体を作りまして、これに協力するという団体が出た場合に、それに対しては金利を特別軽減するとか、あるいは租税を特別減免するという特殊な考慮を払われるお考えがあるかないかという点をお尋ねしておきます。  それから運輸大臣がおられましたら運輸大臣にお尋ねしたいと思いましたが、自動車局長に一点お尋ねいたします。これは施行をする前に、われわれの考えでは非常に大事業であるから、古い言葉で言えば、これこそ官民一体の姿で立ち上がらなければ、これはいかに運輸省がさか立ちしても、運輸省だけではこの仕事はできませんよ。そういうようないろいろな意味におきまして、施行前に学識経験者というか、とおり一ぺんの言葉でありますが、そういう人、あるいは関係業者あるいはまた自動車所有者と申しますか、あるいは商工会議所と申しますか、いわゆる関係者のベテランの方々にぜひひとつ参考人として出てもらって、そしてそれらの権威ある人たちの意見を聞いてもらって、いわゆる参考人と申しますか、その形式は何でもけっこうですが、施行前に十分それらの人たちの意見を聞いてもらって、それによって実際にどう現場へは流していくかというようなこと、また警察庁関係の取り締まりの面におきましても、あくまでもやはり愛情のある一つの行政をやるというような面について、この二つをあわせて、ひとつそれらの権威者の意見を聞いてもらいたい。こういうことはできるかできないかということをお聞きし、また、そういうお考えがあるかないかということもお尋ねするわけであります。  なお、ただいま長官にお尋ねいたしました五つ、六つのうち、いずれも非常に重要なウエートのかかった問題ばかりでありまして、まずこれがほんとうに完璧に近いようにできなければ、この問題は全くから念仏に終わるということをわれわれは考えておるのでありまして、まあ何といってもわが国の経済の成長を考え、反面、またひいては日本の自動車工業の将来の発展から考え、また輸送、交通というような面から考えたときには、何としてもこれは一日も早く、一時間も早く、いわゆる足をそろえてりっぱな姿でスタートすべきものであるというわれわれの考え方に沿うような一つの施設なりまた協力を惜しまないという決意を、最後にもう一回お尋ねいたしまして、私の質問は簡単でありますが、要点だけを申し上げて終わります。
  173. 小平久雄

    政府委員小平久雄君) まず最初に交通問題に対しまする決意の問題でございますが、この問題につきましては、御承知のとおり今国会の冒頭におきまする総理の施政方針演説の中でも特に交通問題に対する政府の決意も述べてございます。このことは、従来あまり例のなかったことであります。ただ「それをいかに具体的にするかという点につきましても、政府は非常に熱意を持って臨んでおるわけでございまして、先ほども申し上げましたとおり、昨年十二月発足しました交通関係閣僚懇談会等も毎週欠かさずこれを開きまして、現にこの国会におきましても法律の改正その他で法案が多分五、六件になっておったと思いますが、現実にそういうことをやって参っておるわけでございます。ただ、そうは申しましても、従来交通関係閣僚懇談会で問題として具体的に解決に当たって参ったことは、主として都市における交通の問題、これの解決策、こういうことがまあ主たる部分を占めておりました。すなわち、いわば応急策という点がその大部分を占めておったわけでございます。しかし、今後さらに基本的に、また、これが単に都市と限らず——都市が重点的には違いございませんが、何と申しましても交通の問題でございますから、全国的な視野において総合的に検討をし、対策を立てて実行していかなければならぬと、こういう問題でもございますので、交通閣僚懇談会としても今後そういう方面のことをやって参るつもりでおりまするが、同時に、先生も後段のほうでお話がございましたが、関係各方面、特に民間の権威ある方々の御意見等も十分拝聴してやって参りたいと、まあこういう見地のもとに、先にやはり御審議をいただきました交通基本問題調査会、これも両院の御賛成をちょうだいいたしましたので、近々のうちにこれを発足させまして、十分各方面の意見も聴取をいたしながら、基本的な問題とも取り組んで参りたい、かように決意をいたしておるわけでございます。  さらに具体的な御質問としまして、中小企業方面への影響に対する対策についてまず最初にお尋ねが、ございましたが、これにつきましては、先ほど来申し上げておりまするように、現にこの問題につきましても閣僚懇談会において取り上げまして、現実に大蔵省あるいは中小企業庁等において、一体どのくらいの金が要るものなのか、そういう点も、これはさっきも申しますとおり一切調査もし、対策も立てて、それから今回のように法案を作るというのが、あるいは理想的な形かと思いますが、現実の交通の状況からいたしまして、そこまで及ばないうちにこういう御提案を申し上げざるを得なかったわけでございます。いずれにいたしましても、そういう関係上、調査等の不十分な点もございます。そういう関係にありまするので、目下事務的にこの中小企業融資その他について、実際問題としてこれはどの程度のものが要るのか、そういう関係を調査し、大蔵当局も大臣みずからが十分これはやらなければならぬと、この間の閣僚懇談会にもそう申されておるのでありまして、それは今後逐次実施をいたして、その影響がなべるく少ないように十分注意して参りたいと考えておるのでございます。  第二に、場所の旧問題でございますが、これは先ほど来お話が出ましたが、行政管理庁におきまして、都内における国有地公有地等について、現にあいている所、あるいは将来あく所、こういう所につきまして調査をいたしまして、実はその結果につきましては、明白の閣僚懇談会で詳細報告を受けまして、それらを今後どう利用していくか、特に今回の法案関係もございますから、交通関係等を優先して利用できるように十分相談をいたしたい、かように考えておるのでございます。  それから第三に、金融の問題でございましたが、先ほど中小企業の問題のときに申し上げたとおりでございまして、現実にその計画等を、これはもちろん民間の関係団体等の希望等も十分聞かなければならぬと思いますが、いずれにいたしましても、具体的に計画を立てまして、できるだけすみやかに実施に移して参りたいと、かように考えておるのでございます。  協同組合等の関係中小企業に申し述べたとおりでございますが、金利あるいは税制の問題等につきましても、企業庁のほうから別に希望も出ております。そういう点も合わせて十分考慮をいたして参りたいと存じております。  大体私に対するお尋ねは以上の点であったかと思いますが、要するに、諸先生から御指摘の点につきましては、十分その趣旨を体しまして、今後できるだけ善処いたして参りたいと考えております。
  174. 木村睦男

    政府委員木村睦男君) 運輸大臣おりませんので、私かわりまして御答弁さしいただきます。  この法律運輸大臣所管に属します事柄は、申すまでもなく第三条と第四条の自動車所有者保管場所確保することを法律上義務づける、その一定の地域におきましては、自動車保管場所のあることを登録の要件にするという事柄でございまして、まだ外国にも例の見当たらない新しい考え方であり、法律であるわけでございます。それだけに、これの実施にあたりましては、御指摘の点を十分注意いたしまして、円滑を期したいと考えております。なお、この点につきましては昨年度末まで設置されておりました自動車審議会、これは行政経験者あるいは学者、その他の方を委員として諮問機関として設置せられておったのでございますが、この自動車審議会におきましてもこの必要性を討議されまして、こういった趣旨の規制をやるようにという話もございました。なお、施行にあたりましては、形式的に学識経験者を網羅いたしましてどうこうするということは考えておりませんが、十分各方面の御意見は大いに参考にいたし、かつ、関係する行政官庁とも緊密な連絡をとりまして円滑な実施をして参りたい、かように決意を持っておる次第でございます。
  175. 村松久義

    委員長村松久義君) なお、中村正雄委員に対する残された答弁は、通産省重工業課長が来ておりますので、聞くことにいたします。
  176. 金井多喜男

    説明員金井多喜男君) 大臣といろいろ本件に関しまして打ち合わせをいたしました結果を御報告申し上げます。  自動車は、今日では国民が日常生活に、種々の経済活動に、不可欠な存在となりつつありますけれども、これは、自動車が人より貨物をその目的地に迅速に運搬するという便宜性によるものであるからであります。したがいまして、交通が著しく混雑し、その流れが阻害されるような事態になりますると、もはや自動車の便宜性が失われまして、需要減退を来たすことは当然考えられるわけでございます。この法案のねらいが道路交通の円滑化にある以上、一時的には自動車の需要に多少の影響を与えると思われるのでございますが、結局は、長い目で見ますと、自動車のより大きな需要減退を阻止する作用をなすものでございますので、通産省といたしましても、この程度の規制はやむを得ないと、このように存じておる次第でございます。
  177. 中村正雄

    中村正雄君 そうしますと、通産大臣としては、この法律ができることが自動車産業の今後の成長発展のためにはプラスであると、こうお考えになっておるわけでございますか。
  178. 金井多喜男

    説明員金井多喜男君) 長い目から見てプラスである、そういうことでございます。
  179. 中村正雄

    中村正雄君 一時的にはマイナスであっても、今後の自動車産業のためにはプラスになると考えられておるわけですね。
  180. 金井多喜男

    説明員金井多喜男君) はい。
  181. 中村正雄

    中村正雄君 わかりました。  一点だけ罰則について警察庁にお聞きしたいのです。
  182. 村松久義

    委員長村松久義君) それは田上委員質疑に関連してお許しをしますから、どうぞ一点だけにして下さい。
  183. 中村正雄

    中村正雄君 警察庁の考え方を聞きたいわけなんですが、いただいております資料によりますと、東京都で、これはどういう調査を昨年四月なさっているのかわかりませんが、自家用乗用車でいわゆる駐車台数として一万八千何がしか載っているわけです。自動車置き場所のない車、言いかえれば、これは道路保管場所にしている車と考えて間違いないと思うのです。それが昨年で一万八千台、おそらくこれは実際の数字は三万も四万もあるのではないか、ことしになってくれば。そう推定をいたしますが、一万八千台とかりに仮定いたしましても、これは第八条の罰則を受ける該当者と考えて間違いないと思うんですね。したがって、警察庁が厳格に一々調べていけば、一万八千人というものが第八条の懲役三月以下または三万円以下の罰金に該当する犯人であることには間違いないわけです。ところが、おそらくこういう自分の置き場のない人は、所有者が当然運転者だろうと思う。所有者が運転免許を持っている人が大部分だろうと思うのです。したがって、こういう処罰を受けた場合は、運転免許の処罰はどうなるんですか。第八条の処分を受けた車の所有者であり、同時に本人が運転免許を持っていた場合は、運転免許のほうの処分はどうなるんですか。
  184. 冨永誠美

    政府委員冨永誠美君) 多分運転免許に関しまする行政処分の御質問だろうと思います、取り消しまたは停止の。これは五条関係はございません。道交法に違反した場合に行政処分の対象になりますが、五条を道交法で引用いたしておりませんので、行政処分の対象、道交法の違反にはなりません。
  185. 中村正雄

    中村正雄君 そういたしますと、念のために確認するわけですが、いわゆる第五条の一項違反として、たとえは懲役三月という刑罰を受けた人でも、その人の運転免許証には、行政上には何ら関係しないと、こう考えて差しつかえないですね。
  186. 冨永誠美

    政府委員冨永誠美君) そうです。
  187. 中村正雄

    中村正雄君 それに関連しまして、今私が申し上げた、お宅の出しておられます数字だけを基礎にして言うわけですが、一万八千三百八十七人、これはいわゆる第八条のこの「三月以下の懲役又は三万円以下の罰金」というこれに当てはまるものだと考えられる数字なんですが、私の考え間違っておりますかどうか。推定です。
  188. 冨永誠美

    政府委員冨永誠美君) もちろんその適用地域はどうなるかこれはわかりませんことが第一です。  二番目には、現在はそういう状態でありましても、たとえば近所のガレージに預けるとか、いろいろそういうふうにされる人も非常に多いのじゃないかと思いますので、この方が全部が直ちに第八条の違反対象になるとは、それはそう思われないと思います。
  189. 中村正雄

    中村正雄君 もちろんこれは全部とは言いませんが、大部分が私は該当者になるということは考えられると思うのです。そうすると、裁判上の問題になってどうなるかわかりませんが、罰金でありますれば、たとえば今普通の速度違反でも三千円、五千円というものがざらにあるんですから、私は、経済的な面だけであって、今の道交法とあまり変わらないと思いますけれども、道路保管場所にしたという事実だけで、懲役と罰金という刑の範囲があるわけですね。どういう判例になるか、これは今後の問題でわかりませんけれども、一般の犯罪のように内容は変わらないわけなんですね。普通の犯罪であれば、量の幅が広くて、死刑から懲役まである。犯罪でも、これは動機とかいろいろの関係で差がつきますけれども、こういう問題は差がないと思うのです。置いてある場所によって、これは重要なる場所だから懲役にする、重要なる場所でないから罰金にすると、こういうこともない、だろうと思うので、これは今後の判例を待たなければならないわけですからわかりませんが、この懲役というのは非常にちょっと不可解に思えるわけです。  もう一つは、東京だけで三十六年四月現在一万八千人ですけれども、これのうら何名該当するかわかりません。けれどもおそらくこのうちの大部分は該当者であると思うわけですが、もし警察がやはり法律ができてこれを完全実施ということになれば、できると同時にこれが施行になって、政令によれば東京都はこれは施行地域になるという政令内容になっているわけなんです。そうしますと、一万何千人という人がこの法律施行になると同時に、三年以下の懲役または三万円以下の罰金に即時なる可能性があるわけです。したがって、これについてこれをやらないわけには参りませんし、また不幸にして警察にピックアップされた人だけが損をして、警察に当たらない人は何もない、こういう不公平な私は問題が起きてくると思うんですが、こういう点について、一体警察はこの法が施行になった場合、現実にこの数字が出ているわけなんですから、これをどういうふうにお取り扱いになるか、方針だけお聞かせ願いたい。これで質問を終わります。
  190. 冨永誠美

    政府委員冨永誠美君) いわゆる青空車庫のような状態で道路に車を置かれておる方々に対しまして、実は今までも簡易な駐車場でも作っていただくとか、あるいはたとえば町内会あたりが非常に動きまして、何とか、お宅は庭があるじゃないか、車庫に入れていただけませんかというふうなこともありまして、かなり成果をおさめておる実情もあるわけでございます。ですから、ここに、これは三十六年の四月の状況でございますが、そのままの状態がすぐそういう形になるとは私どもも思いませんが、期間が少なくとも今後一年はあるわけでございます。その間にいろいろそういうふうにできます方はおそらく作られるでございましょうし、そうでない場合におきましても、近所の人と契約されるとか、ガレージに入れられるとか、いろいろなことをおやりになられるのじゃないかと思うわけでございますが、しからば、実際に今度は政令地域指定されますとどうするかという面になりますと、やはり御質問のように、結局は保管場所を作っていただくということがねらいでございますので、直ちに、あす、お前ないがどうだというふうなことは、これは実情としても考えられないと思います。要するに、そういった実情をよく運営の面におきまして見ながら適用したいというふうに考えております。
  191. 田上松衞

    ○田上松衞君 ちょっと関連して。先刻委員長からあまり急がされたので、つい大事な点を忘れておったのですが、罰則の第八条の第三項です。「過失により前項第三号又は第四号の罪を犯した者は、三万円以下の罰金に処する。」ところが、その前項の第三号は言うまでもなく「第六条第一項の規定の違反となるような行為をした者」、言いかえるならば、これは故意に、第四号の場合は「第六条第二項の規定による公安委員会処分に違反した者」すべて、言葉が適切でないけれども、これは悪質だ。ところが三号になりますと、純然な過失でやった者に対する処罰が同じように三万円ということになる。しかも、ここで特に項を改めて、二項でもって「次の各号のいずれかに該当する者は三万円以下の罰金に処する。」と規定しておいて、三項に、同じものを項を変えて書いてあるのはどういう意味なのか、これについてひとつお答え願いたい。
  192. 冨永誠美

    政府委員冨永誠美君) 第八条の第三項の過失によって罰を犯した場合の三万円以下の罰金でございますが、これは第二項の第三号、第四号、つまり第六条第一項の規定の違反となるもの、あるいは第六条第二項の規定の違反というものは、公安委員会がある道路指定しまして、ここに三・五メートル以上の余地を残さなければならないとか、あるいは駐車時間を制限した規定に違反した場合でございまして、その場合の過失とは、たとえばそういった場合には道路標識を立てることになっておりますので、そういった道路標識のあることを知らなかったというふうな場合が過失になるわけでございまして、これは道交法の場合におきましても、そういった過失の場合は、やはりそうじゃない場合と同じ金額にいたしておりますので、その均衡もございますのでそういうふうになっておるのでございます。
  193. 田上松衞

    ○田上松衞君 そこで、二項でもって「次の各号のいずれかに該当する者は、三万円以下の罰金に処する。」としてあるのだから、お説のとおりであるとするならば、三項を立てて、過失によって犯した者も次に別に項を立てることはないのじゃないかと思うのですよ。「犯した者」で切ってしまえばいいものを、またことさらに「三万円以下の罰金に処する。」ということは、とりようによれば、解釈のしようによれば、過失でやったものは重ねて三万の罰金を取られるようなことにも——解釈のしようによればこういう疑いも出てしまう。しかし、常識的に言うと、故意にやったものと過失でやったものとの間には、情状酌量がなければならぬはずである、法の趣旨からいって。これがこういう場合に別に項を書き改めなければならぬという根拠がどうもわからぬ。
  194. 冨永誠美

    政府委員冨永誠美君) 第三項は過失を罰する場合でございますので、二項のうちの三号、四号を適用してそれの過失の場合が掲げられておるのでございます。したがって、この項は法律技術上の関係もございまして別項に立てておるわけでございまして、いずれも最高三万円ということでございます。したがって、情状酌量はその最高以下の状態で考えられると思いまして、一応最高の金額は同じであるということを規定いたしておるわけでございます。
  195. 田上松衞

    ○田上松衞君 こういうふうに解釈すればいいのですね。これは法制上の通例のあれと同じように、ただこう並べただけのことだ、これでいいのですね。
  196. 村松久義

    委員長村松久義君) ほかに御発言もなければ、これをもって質疑を終局いたします。  これより討論に入るのでありますが、ちょっと速記をとめまして、委員長の手元に附帯決議案が二案出ておりますので、したがってこの二案について、できるだけ一案にまとめるという考えを持っておりますので、ひとつ御相談をいたします。  速記をとめて下さい。   〔午後五時四十八分速記中止〕   〔午後六時四十一分速記開始〕
  197. 村松久義

    委員長村松久義君) 速記をつけて。  これより討論に入ります。御意見のある方は順次御発言願います。なお、附帯決議案につきましても討論中にお述べを願います。
  198. 天埜良吉

    天埜良吉君 私は自由民主党を代表して、ただいま議題となっております自動車保管場所確保等に関する法律案について賛成の意を表するものであります。  最近の交通事情は、交通事故が激増し、まことに憂うべき状態でありますが、ことに大都市における路面交通混雑の激化はいよいよ言語に絶するものがあります。  そこで本委員会といたしましても、さきに都市交通の逼迫打開に関する決議をいたしたのでありますが、本法案交通緩和対策の一環としての施策を進める上にその効果が期待できるものと信じます。しかしながら、本法実施にあたっては、始終行政面における指導等に意を用うべきでありまして、ことに中小企業者の保管場所保有のためには特段の措置を講ずる必要等を認められるのであります。  そこで、各派共同提案のもとに、かかる附帯決議をすることにいたします。    自動車保管場所確保に関す    る法律案に対する附帯決議   政府は、本法施行に関しては、  所要の実施体制を整えるとともに第  四条及び第五条の規定適用する地  域の指定、公共駐車場の設置、取締  の適正についての配慮その他本法の  運用に万全を期し、且つ新たに自動  車の保管場所を設置する者に対し、  自動車使用の実態特に中小企業の現  状にかんがみ、本法施行後混乱を生  ぜざるよう、所要の用地資金等につ  き適切な指導、あっせん等特別な措  置を講じた上施行すべきである。  以上。
  199. 大倉精一

    大倉精一君 私は日本社会党を代表いたしまして、ただいま天埜委員から提案されました附帯決議を各派共同提案とすることに賛成いたします。  なお、附帯決議案の精神を誠実に実行をするということを条件といたしまして、本案に賛成をいたします。
  200. 中村正雄

    中村正雄君 私は自動車保管場所確保等に関する法律案に対しまして、民社党を代表いたしまして賛成をいたします。  ただ、道路交通の円滑化をはかるためには、このような措置以前に、都市整備及び道路建設等の根本的な対策促進しなければならないと考えておりますし、また、この法案内容につきましては、非常に実施困難な面、あるいは内容についてずさんな点も相当質問の過程において見受けられるわけでありますが、それらの点につきましては、先ほど自民党から提案になりましたあの附帯決議を共同提案とすることに賛成いたしまして、この附帯決議の内容に盛られておりまする五つの点について、政府が誠意を持ってこれを実行し、しかる後に本法案実施できるような運びにしていただきたいことを希望として申しそえて、賛成討論といたします。
  201. 加賀山之雄

    ○加賀山之雄君 私は参議院同志会を代表して本案に賛成いたします。  ただ、さきに行政措置として行なわれた例の車種別の交通規制といい、この法律といい、本来からいえば決してけっこうなことではないのでありまして、これは日本の道路事情がまずいということに原因があると思う。それから自動車が非常に急激にふえて、それに対する保有者所有者等、あるいは使用者等が自動車を使う場合の、何と申しますか、モラルというものに未だ多少むとんちゃくな点が見られる。そういう点から見て、今回の措置は社会的責任をそういった保有者、使用者にかけるものとしてやむを得ない措置であるというふうに解釈をして、特にこういった急激な規制が必要であるけれども、それによって、審議中に出た中小企業、それから商業等を営む保有者が、非常な何といいますか、困難に遭遇するという心配があるので、そのために各派共同提案として考えられた附帯決議案は、私は適当なものであると考えまして、本案並びに附帯決議に賛成をするものであります。
  202. 白木義一郎

    白木義一郎君 私は、本案及び附帯決議案、ともに賛成いたします。
  203. 村松久義

    委員長村松久義君) 他に御発言もないようですから、これをもって討論を終局いたします。  これより採決を行ないます。本案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  204. 村松久義

    委員長村松久義君) 全会一致と認めます。よって本案は全会一致をもって可決すべきものと決定いたしました。  次に、附帯決議案について採決いたします。附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  205. 村松久義

    委員長村松久義君) 全会一致と認めます。よって附帯決議案は、全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
  206. 斎藤昇

    ○国務大臣(斎藤昇君) ただいま各派共同提案にかかりまする自動車保管場所確保等に関する法律案に対する附帯決議の内容につきましては、政府といたしましては誠意をもって実行に当たる所存でございます。
  207. 村松久義

    委員長村松久義君) なお、審査報告書の作成につきましては、委員長に御一任を願います。     —————————————
  208. 村松久義

    委員長村松久義君) 次に、先ほど御協議願いました請願第一四号国鉄野岩羽線建設等促進に関する請願外八十三件を一括して議題といたします。  請願第一四号外八十三件を採択することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  209. 村松久義

    委員長村松久義君) 御異議ないと認め、さように決定いたしました。  ただいま決定いたしました各請願の審査報告書の作成は、委員長に御一任を願います。     —————————————
  210. 村松久義

    委員長村松久義君) 次に、継続調査要求についてお諮りいたします。  本委員会は運輸事情等に関して調査して参ったのでありますが、本会期中に調査を終了することは困難でありますから、閉会中も継続して調査を行なうことに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  211. 村松久義

    委員長村松久義君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  なお、要求書の作成は委員長に御一任を願いたいと存じます。  本日はこれにて散会をいたします。    午後六時五十分散会