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1962-04-05 第40回国会 参議院 運輸委員会 第20号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十七年四月五日(木曜日)    午前十時四十四分開会     —————————————  委員の異動 本日委員大野木秀次郎君、小酒井義男 君及び松浦清一君辞任につき、その補 欠として田中茂穂君、大和与一君及び 赤松常子君を議長において指名した。     —————————————  出席者は左の通り。    委員長     村松 久義君    理事            金丸 冨夫君            谷口 慶吉君            大倉 精一君    委員            田中 茂穂君            重宗 雄三君            鳥畠徳次郎君            平島 敏夫君            大和 与一君            赤松 常子君            加賀山之雄君   国務大臣      運転大臣  斎藤  昇君   政府委員    運輸大臣官房長 広瀬 真一君    運輸省海運局長 辻  章男君      運 輸 省      自動車局長 木村 睦男君    運輸省観光局長 梶本 保邦君   事務局側       常任委員       会専門員 古谷 善亮君     ————————————— 本日の会議に付して案件 ○国際観光ホテル整備法の一部を改正  する法律案内閣送付予備審査) ○木船運送法の一部を改正する法律案  (内閣送付予備審査) ○道路運送車両法等の一部を改正する  法律案内閣提出)     —————————————
  2. 村松久義

    委員長村松久義君) ただいまより委員会を開会いたします。  まず、委員変更について御報告いたします。本日、松浦清一君が辞任され、赤松常子君が選任されました。     —————————————
  3. 村松久義

    委員長村松久義君) 国際観光ホテル整備法の一部を改正する法律案及び木船運送法の一部を改正する法律案を一括して議題とし、これより両案の提案理由説明を聴取いたします。斎藤運輸大臣
  4. 斎藤昇

    国務大臣斎藤昇君) ただいま議題となりました両案について御説明申し上げます。  まず、国際観光ホテル整備法の一部を改正する法律案提案理由について御説明申し上げます。  外国人観光旅客わが国に誘致し、もってわが国国際収支の改善に寄与するためには、総合的な国際観光振興策が講ぜられなければならないことはもちろんでありますが、その一環として、外国人観光客に対する接遇の充実に資するため、登録ホテル及び登録旅館料金に関する制度整備する必要があります。  今回の改正は、このような趣旨に基づき、登録ホテル業または登録旅館業を営む者に対し、宿泊料金その他の業務に関する料金運輸大臣に対する届出義務を課するとともに、これが外客接遇上不適当であり、特に必要があると認めるときは、運輸大臣がその変更を指示することができることといたし、適正な料金確保をはかろうとするものであります。さらに、これらの改正に伴い、罰則及び行政処分の適用について所要の規定整備いたすこととしております。  以上がこの法律案を提案する理由であります。  次に、木船運送法の一部を改正する法律提案理由につきまして御説明申し上げます。  最近における経済の発展に即応して内航海運国民経済において占める機能の重要性は急激に増大しつつありますが、内航海運小型船分野の大部分は零細企業であり、輸送秩序も確立されておらない現状であります。  今回の改正の要点の第一は、小型船による輸送に対する信頼を向上させ、不適格者による小型船海運業秩序撹乱を排除するため、登録資格要件として小型船海運業を遂行する上に必要な能力及び資力信用に関する規定整備したことでございます。  第二に、最近における内航船舶鋼船化傾向にかんがみまして、五百総トン未満小型鋼船木船とを一括して規制することとしたことであります。  第三に、二十総トン未満小型船活動分野は限られた短距離輸送に従事しており、その船腹量も内航海運全体としては小さいので、これらの船舶のみによる海運業届出制に改めたことであります。  第四に、営業保証金供託制度につきまして、現行法では現金供託のみしか認められておらなかったのでありますが、有価証券をもってかえることができるように改め、従来よりも有利な資金の運用ができる道を開いたことであります。  以上がこの法律案を提案する理由であります。  何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御賛成いただきますようお願いいたします。
  5. 村松久義

    委員長村松久義君) ただいま説明のありました両案に対する質疑は後日に譲ります。     —————————————
  6. 村松久義

    委員長村松久義君) 次に、道路運送車両法等の一部を改正する法律案議題といたします。  まず、本案補足説明を聴取いたします。木村自動車局長
  7. 木村睦男

    政府委員木村睦男君) 提案いたしましております道路運送車両法等の一部を改正する法律案につきまして、補足的に御説明を申し上げます。  今回提案いたしました道路運送車両法等の一部改正法律案改正内容は、大体四点に分かれております。この法案は、現在ございます道路運送車両法の一部改正と、自動車損害賠償保障法の一部改正と、二つの法律の一部改正を一括して、今回の改正法律案中身としております。  第一点は、道路運送車両法の一部改正の中で、自動車標章表示制度新設を考えております。これについて申し上げます。現在自動車は、自動車検査証有効期間が切れて運行しておりましても、街頭取締まり以外にはこれをチェックする方法がないのであります。しかし自動車は、車両検査有効期間内で走らなければいけないということになっておりますが、この期間が切れても、街頭で発見される以外にはチェックする方法がない。そこで、今回この自動車検査証有効期間がいつ終わるかという、終わる時期を表示いたします検査標章——スティッカーのようなものを自動車前面ガラスに張るという制度を設けまして、一見いたしまして走っておる車で、この車の検査有効期間はいつであるということがわかるようにいたしまして、取り締まりの便宜をはかるようにいたしたい。同時に、その自動車使用者に対しましても、常にその有効期間がいつ終わるかということを認識させまして、検査期間の過ぎた自動車が運行するということを防止し、もって事故防止に備えたいと、かように考えておるのでございます。  なお、あとで申し上げますが、自動車損害賠償保険に入っておりますことを表示する表示の仕方と、それから検査期間の有効の期日を表示いたしますことと関連を持たすことによりまして、車両検査有効期間を示す標章が同時に保険にも入っておるということを表示するようにいたすように考えておりまして、あわせて無保険の車の走らないように、このほうの防止もいたそうというのが改正一つの点でございます。具体的に申し上げますと、ちょうど現在、車に優良マークを前に張っておりますが、あの程度の大きさで、たとえば車両検査有効期間が三十八年の二月まで有効だということになりますと、そのスティッカーに2という字を入れまして、三十八年であるかどうかということは色で分けるようにいたしまして、たとえば三十八年を緑の色で表わすといたしますと、緑の地色に大きぐ中に2と書いてあるのを前に張って走っておりますと、この車は三十八年の二月まで有効検査期間をもって走っておるということがわかるということになるわけであります。なお、その三十八年の二月というスティッカーを見ますというと、その期間までは損害賠償保険にも同時に加入しておるということも表わすというふうにいたすわけでございまして、この損害賠償保険との関係は、車両検査の際に、たとえば三十七年の四月、今月車両検査期間が切れまして、検査場に車の検査を受けに持って参ります。そういたしますというと、その車の有効の検査期間が一年間の車である。たとえばハイヤータクシーのようなものでございますが、一年間であるといたしますと、きょう検査をいたしまして、その検査に合格いたしますと、来年三十八年の四月まで有効であるということになるわけでございます。そうしますと、三十八年の二月を表わすスティッカーを交付するのでございますが、きょう検査に参りましたときに、同時に三十八年の少なくとも二月までは損害賠償保険に入っておるという保険契約証明書も同時に呈示するようにいたすわけでございます。現在でも車両検査を受けます場合には、保険に入っておるということを証する契約書を、証明書を呈示しなければ検査を受けさせないことにいたじておりますが、現在では、きょう有効な保険に入ってさえおればいいということになっておりますので、明日の日からは無保険になる場合もございます。それを今回の改正によりまして、きょう検査を受けます車が今後一年間検査期間があるとしますと、一年間は少なくとも保険に入っておるということでなければ検査を受けさせないというふうに改正するわけでございます。したがいまして、本日この検査をいたしまして検査に合格して一年間の有効期間を与えると同時に、その表示は一年間保険にも入っておるということに関連がつくわけでございます。一枚のスティッカー保険検査と両方とも有効であるということを表わすようにいたしたい、これが今回の改正の一応の第一点の趣旨でございます。ちょっとごらんいただきますと、スティッカーと申し上げますのは、一例を申し上げますと、こういうふうなものでございまして、たとえばこのしるしですと三十八年といたします。そうすると、ここに10と書いてありますと、これは三十八年の十月まで有効だということがすぐわかる。かりに三十九年にはこういう字の色にいたしまして、ここに10と書いてありますと、この模様で中に10と書いてありますと、この車は三十九年の十月まで有効だということがすぐわかる、こういうふうにいたしたい、かように考えております。  それから第二点は、自動車検査証有効期間改正でございます。現在は乗合バスそれからハイヤータクシー、これらの営業用旅客自動車自動車検査証有効期間は、原則として九カ月になっております。ところが、従来の実績を見ますというと、非常に整備能力が向上しておりますし、それから自動車事故は非常に遺憾なことでありますが、ふえてはおりますが、特に車両欠陥による事故低下傾向にあります。しかがいまして、現在の規定で九カ月に原則としてなっておりますが、一年まで延伸してこれを認めることもできるということになっておりますのを、この際、整備能力の向上あるいは車両欠陥事故低下というこの状況を勘案いたしまして例外である一年ということに一律に改めまして、また一方自家用旅客自動車はすべて現在二年ということになっておりますが、この中で自家用でございますが、大型のバスあるいはドライブクラブの車、これは自家用車としての扱いをやっておりますので、従来二年間の有効期間でございましたが、これらは実態から見ますと営業用と同じような働きをいたしますので、これを自家用車並み検査有効期間を扱うことは、事故防止の建前から考えましても、また車両走行キロから考えましても不適切であると考えられますので、こういう点を考慮いたしまして、自家用車の中でもバス型の車それからドライブクラブの車につきましては、現在の有効期間二年というのを一年間に短縮いたしたい、かようにいたしまして検査期間実情に合うようにしていきたいというのが改正の第二点でございます。  それからその次が指定自動車整備事業制度新設でございます。御承知のように、自動車増加傾向は毎年二割以上の非常にめざましい増加をいたしております。自動車がふえますと車両検査業務もそれと全く比例いたしまして激増してくるのでございます。しかし、検査に当たります要員等につきましては国家予算関係上この自動車増加傾向にマッチして補充増加していくということもなかなか困難であるという過去の実情にかんがみまして、一方において検査要員増加等努力はいたしておりますが、反面検査そのもの合理化をはかりまして、何とかこのふえてくる車に対する検査というものを合理的に、しかも業務量増加をうまく処理するようにいたしたいということで考えましたのがこの指定自動車整備事業制度でございます。これはどういうことであるかと申しますと、現在自動車検査は、御承知のように、陸運事務所検査場に持って参りまして、そこで検査官検査を受け、保安基準に適合しておれば検査有効朝間延伸を認めてもらうことになっておりますが、今回のこの改正考え方は、これは従来どおり続けてやりますが、さらに民間整備工場で優秀な整備工場のうち、さらに特A級のものを選びまして、これを指定整備工場という指定制度を設けまして、この指定を受けました工場自動車を持って参りまして、そこで整備をいたしまして、整備の結果その車が保安基準に適合したということになりますと、保安基準に適合しておるという証明書自動車保有者に与えるわけであります。そういたしますと、保有者は、その証明書を持ちまして、車は家に置いておってもよろしいので、その証明書だけを持って陸運事務所に行きまして、そこでその証明書を呈示するわけであります。陸運事務所ではその証明書に記載されてあることを見まして、車両検査有効期間延伸を認めるというふうにするわけでございまして、ここで問題になりますのは、役所検査機関がみずから検査をしないで、民間整備工場整備をし、そして保安基準に適合しておるかどうかということを認めさして、はたして検査の公正あるいは検査効果が期待できるかという疑問が起こるわけでございます。で、この点につきましては、この整備工場指定につきまして、非常に厳重な制約を考えておるのでございます。まず現在全国に約二万三千程度整備工場がございますが、そのうちで現在道路運送車両法優良整備工場であるという認定を受けておりますものが、約九百ほどあります。これは設備あるいは整備要員、それらの点、こまかい基準に当てがいまして、その基準に合格しておるものを優良整備工場として認定いたしておるのでございますが、それらの工場約九百ありますうちで、さらに今回省令によりまして、設備についていろんな条件をつけます。それから、そこで整備をし、保安基準に適合するかどうかを見ます検査担当者資格につきましても、省令でこまかい規定を作りまして、これらの規定に適合する設備要員を持っておりますものを指定整備工場として指定いたしまして、そこで整備をし、その要員によって、責任者によって保安基準に適合しておるかどうかの証明書を発行するということで、検査の有効、あるいは検査効果というものを担保いたしたい。かように考えております。したがいまして、この指定にあたりましての認定は、非常に厳重にやりますと同時に、常にそれらの工場につきましては、平素の監督、あるいは監査も実施いたしますし、また整備のやり方あるいは保安基準に適合しておるという適合証発行等におきまして、いささかでも不正あるいは不適切の点がありますれば、指定の取り消し、あるいはその他法律によります制裁を加えて、こういうことのないようにしていくというふうなことも考えておりまして、これによりまして、現在役所検査場検査を受けますと同等あるいはそれ以上の整備能力あるいは検査能力というものを担保いたしたい。かように考えておるのでございます。もちろん自動車保有者は、検査を受けます場合に、そういう指定整備工場に行きまして、今申し上げましたような適合証を発行してもらって陸運事務所に行くことも、また直接車を持って陸運事務所検査場に入るのもこれは任意でございまして、自分の選ぶほうをとればよろしいというふうにいたすわけでございます。もちろん今回初めての試みでございますので、この工場指定につきましては、相当厳重にできるだけ範囲を狭めましてスタートいたしたい、しかしてその後の様子を見ながら、万遺憾のないように進めていきたい、かように考えておるのでございます。  それからその次が、原動機番号に関する規定整備でございます。現在、自動車原動機につきましては、一つ一つナンバーを打ってあります。これは自動車が、今でも貴重品でございますが、非常に価格が高く、あるいは非常に希少価値の多かった時代に、盗難、その他のおそれも相当ありましたものですから、一々自動車原動機につきまして番号を打っておったのでございますが、その後御承知のように自動車が非常に普及して参りましたし、また価格も次第に低下して参りまして、そこまで、こまかく規制する必要がもうほとんどないというふうに考えておりますので、この際法律改正いたしまして、この原動機番号を打つということをやめたい、こういうふうに考えておるのでございまして、これによります弊害は、現状ではほとんど考えられませんので、実情に合うように改正をいたしたいというのが、改正一つのねらいでございます。  以上が道路運送車両法の一部改正中身でございます。  それから次が、自動車損害賠償保障法の一部改正でございます。これは、その一点は、損害賠償保険期間と、自動車検査証有効期間関連性強化でございまして、先ほどスティッカーの場合に御説明申し上げましたように、現在保険に入っております車をチェックする方法といたしましては、自動車検査あるいは自動車登録の場合に、保険証明書の呈示を求めることになっておりますが、これだけでは、車両検査のときあるいは登録のとき、その瞬間に保険に入っておるということだけで、その後保険期間が切れましても、どうすることもできないというのが実情でございますので、その後におきましては、街頭取り締まりの際に保険証明書を見て、お前は入っていないからだめだというふうに、街頭検査でチェックする以外には方法がないのでございます。そこで今回、先ほど申し上げましたように車両検査を受けなければならない車につきましては、車両検査有効期間表示する制度を設けましたが、その期間は必ず保険に入っておるという証明書検査のときに呈示さすことにいたしまして、したがって、車両検査有効期間表示しておると同時に、これが保険に入っておる期間表示するということを兼ねさすようにするということにいたしておるのでございます。  それから、いま一点の改正は、車両検査とは関係なく、保険標章表示制度新設でございます。これは現在の自動車につきましては、車両検査の対象になる自動車と、車両検査が要らない車とございます。御承知のように軽自動車につきましては、車両検査が必要でございません。したがいまして、軽自動車につきましては、別に保険に入っておるということだけを証明する表示制度を考えなければいけないのでございまして、これにつきましては、保険期間の終期を表示する保険標章表示させる制度新設するのでございます。ここに一応見本を持っておりますが、軽自動車でございますので、車の形が必ずしも普通の乗用車とかなんとかいうふうに前面にきちんとガラスがない場合もございますので、軽自動車につきましてはナンバープレートすみに、こういった標章をつけるように考えたわけです。たとえば、この赤字のこういうマークに10と書いてありますと、これは三十八年の十月まで保険に入っておる。それから黄色の地色に青で10と書いてあれば、これはたとえば三十九年の十月まで保険に入っておるということを表示さそうとするのでございまして、中の数字が月を表わし、この地色によりまして三十八年、三十九年と、一年ごとにこれを変えていきたい、かように考えまして、これをナンバープレートすみに張りつける。もちろん雨風等にあいますから、この質等につきましては、そういうことのために破れたりよごれたりしないように良質のものを考えておるのでございます。  それからもう一点は、この損害賠償保険契約解除制限でございます。現行法ではこの損害賠償保険強制保険でありますが、それにもかかわらず契約解除につきましては別段の規定もございません。これは非常に欠陥でございまして、任意に本人が契約解除できることになっておりますので、この制度の実効があがらないうらみがございました。そこで、そのために無保険自動車の生まれることを防止いたすために、保険契約解除につきましても法律制限を加えまして、任意に自由に解除ができないようにいたしたい、かように考えておりますのが改正一つの点でございます。  最後は、これらに伴なう罰則強化でございます。無保険の車に対します罰則を、現在は三カ月以下の懲役または三万円以下の罰金になっておりますが、これを六カ月以下の懲役または五万円以下の罰金に引き上げております。この罰則につきましては法務省等の指導を得まして、いろんな法律につきまして罰則の横の公平を期する点から、こういった罰則内容改正をいたしたのでございます。  なお御参考までに申し上げますと、損害賠償保険につきましては、強制保険でありますが、これが施行されて七年ほどたっておりますが、現在の加入状況は大体八割加入いたしておりまして、二割は未加入のまま走っておるという状況でございます。なお、これを四輪、三輪自動車、それから軽自動車に分けて見ますというと、四輪、三輪の車両検査登録を要する車につきましては、約九割は入っておりますが、軽自動車が七割弱ということで、軽自動車加入率が一番低いのでございます。非常に遺憾なことでございますので、今回こういう保険期間表示する標章制度を実施することにいたしまして、百パーセントの加入を実施いたしたい、かように考えまして今回の改正を企図したわけでございます。  簡単でございますが、一応補足的に法案全体にわたりまして説明いたしました。
  8. 村松久義

    委員長村松久義君) ではこれより本案に対する質疑を行ないます。順次御発言を願います。
  9. 大倉精一

    大倉精一君 いろいろ説明を受けましたが、今度民間検査を委譲するという根本的な理由は何ですか。局長に……。
  10. 木村睦男

    政府委員木村睦男君) 民間車両検査実務を一部委託しようという考え方の根本的な趣旨は何かということでございますが、先ほどもちょっと触れましたように、車の増加の趨勢が非常に大きい。これに対しまして陸運事務所におきまして検査をやっております実情をずっと考えてみますというと、やはり業務量の非常な増加に伴いまして、それを処理するだけの十分の予算定員が、在来の実績に顧みまして必ずしも確保されていないという状況でございます。われわれといたしましては、常にこれが確保には努力をいたしておりますが、実績がかような状況でございますので、このほうの努力を続けますと同時に、反面、車両検査実務につきまして、何かこれを合理化する、あるいは現在非常に負担の多い検査官仕事量を、何とか合理的にさばく方法はないだろうかということを考えたわけでございまして、したがいまして、そういう観点から、いろいろ方法としては考えられるわけでございますが、その一つといたしまして、ただいま改正を企図いたしておりますように、性能のきわめて高い、また一定基準以上の技術者を持っておる整備工場整備をし、そしてそこで保安基準に適合しておるという認定をさすことによりまして、検査官車検場におきます車両検査実務を一部省略いたすことによって、業務量を合理的にさばいていきたい、かように考えて今回の改正に踏み切ったわけでございまして、検査権限そのものは、これらの民間工場に委譲するわけでは毛頭ございませんので、検査権限そのものは依然として官が持っておるのでございまして、ただ、保安基準に適合しておるかどうかということに対する証明書を発行さすという段階までの仕事民間整備工場を活用してやるというのが根本的なねらいでございます。
  11. 大倉精一

    大倉精一君 そうしますと、まあ一口に言うならば、車はどんどんふえるが役所整備能力というものはこれに追っつかない、こういうことであるから、民間の機能を活用したい、こういうことだと思うのですね。そういう現象がいつごろから起こっておりましたか。今初めてじゃないのですね。車の増加率というのは非常に大きいということは、もう二、三年前から始まっております。まあ予算もこれに伴っていない、こういう現象は相当前から起こっておると思いますが、いつごろから起こっておりますか。
  12. 木村睦男

    政府委員木村睦男君) 車両数の増加傾向は御承知のように相当以前から一年ごとに二割程度増加になっております。それに対しまして検査要員増加は、毎年要求をいたしてきておるのでございますが、それに追っつかない。この傾向をたとえば七年前の昭和三十年と三十七年度の今回の予算との七年間の比較を見ますというと、車両数の増加は昭和三十年を一〇〇といたしますと、三十七年が三四四になっております。これに対しまして検査要員増加は昭和三十年を一〇〇といたしますと二二四・三四%の増。車のほうは二四四%の増、こういうふうな非常にアンバランスにつってきておりますが、これは毎年車のふえ方が多いので、毎年検査要員増加努力いたしておりますが、十分でなかったということが積もり積もってこういう現状になっておるのが実情であります。
  13. 大倉精一

    大倉精一君 そうしますと、相当前から車両増加要員ですか、能力増加が伴っていない、そういうギャップはどういう工合に補っておられますか。町の中を走る車は相当整備等監督もされ、きちんと検査もされておったと思うのですが、能力の足りない部分はどうやって補っておられたのですか。
  14. 木村睦男

    政府委員木村睦男君) この点につきましては、要員が十分に確保できませんために、一部は機械の能率化ということで、全国の自動車検査場につきまして相当程度機械の増備をやって参っておりますし、それから、一方自動車の性能がどんどん向上して参っておりますために、具体的に一両の車に対してやります検査の手数がある程度簡略化できる面もだんだん出て参りましたので、これらの点でもって人員の十分でない点を埋め合わせをしておったわけでございます。
  15. 大倉精一

    大倉精一君 そんな程度で埋め合わせができておるなら、検査の機械化なんというものは、これはどんどんやれば埋め合わせできるように考えられるし、また、自動車の性能もますますよくなってくるので、それでもって埋め合わせができるようにわれわれしろうと考えに思うのですが……。ですから、こういうことをやらなければならぬということなら、もっと早くやっておかなければならぬという気がするのです。ですから、どうもそういうことから想定いたしますというと、今までは整備不良の車が走っておったというふうにも考えられぬこともないと思うのですが、その辺の事情はどうしようか。
  16. 木村睦男

    政府委員木村睦男君) 検査要員は、今申し上げましたように車の数に比較して非常に少ないのでございますが、そのために整備不良の車が町を走るということはないように、相当検査員もそのために苦労はして参っておりますし、それから、先ほど申し上げましたような機械の整備あるいは検査制度の簡略化等によってやっておりますが、事故率の中身でもわかりますように、車両欠陥事故は減っておるということも勘案いたしまして、このために特に整備不良の車が町を走り、事故を起こしているという事実はないように考えております。  なお、今後ともこのように一部民間工場を活用いたしましても、なおそれで現状を頂点といたしまして役所でやります検査仕事が、決して減るというわけではありませんので、ウナギ登りに上がってきますカーブが多少横に寝るという程度効果しか現在では期待できませんが、今後とも、こういった点につきましては、さらに整備不良の車が町を走らないように、検査官に対しましては十分われわれは指導してやって参りたい、かように考えております。
  17. 大倉精一

    大倉精一君 これは従来相当そういう点に手抜かりがあったと思うのですが、つまり、車両増加あるいは現有車両検査能力との間に相当開きがあったと思うのです。そういう場合に、やはり現在まででも民間工場を相当活用しておったと思うのですが、そういう点はいかがですか。
  18. 木村睦男

    政府委員木村睦男君) 従来ともこの問題につきましてはわれわれ頭を痛めておったわけでございますが、何しろ終戦後十年余になりましてようやく民間工場もりっぱなものが数ふえてきて、そういう意味の確信も得るに至りましたので、民間工場の活用ということも決意をいたしたわけでございますが、必要性は在来から感じておったわけでございます。で、現在まででも、たとえば新たに車を作りましてこれを使用いたすという場合には、その車につきまして一定の型式を指定いたしますと、その指定を受けた車を使う場合には、一々検査を受けなくてもいいというふうな簡略な方法は講じておったわけでございます。たとえば、三十七年型の何々という車を今度新車として出すという場合には、その型の車は全部同じ型でございますので、それを代表的に一つだけ事前に十分検査いたしまして、そうしてよろしいということになれば、型式を指定いたしまして、この車を新たに使う場合には、一々車を持ってこなくてもよろしいというふうにして、一部合理化をやっておったわけでございます。もちろんこれは当初のときでございまして、継続検査はもちろん必要でございますが、第一回目の検査は、そういうことで一部簡略化をやってきた、こういうことを現在もやっております。
  19. 大倉精一

    大倉精一君 私の聞いておるところによると、やはりそういうような能力の不足を、今度の法律改正のように、民間工場において車両検査の作業を一部まかせておるといいますか、依頼をしてやっておったという、そういうこともあるのじゃないですか。いい、悪いということは別にしまして。ですから、そういうことを今度は法律でもってきちんとして、工場をしてそういうやみ検査といっちゃ語弊があるかもしれませんけれども、そういうことのないように、法律でもってきちんと正常化しようという、こういうねらいがあるのじゃないですか。
  20. 木村睦男

    政府委員木村睦男君) 従来車両の保安度を低下させないという考慮をいたしまして、同時に、試験的に一部お話のようなことをやった事実がございます。今回は、この改正が通りましてこれが実施になりますと、そういう事柄もこの中に含められますので、この点につきましても、きちんとした、民間に一部検査の実施事務をやらすということが制度的にも明確になってくるという点は確かにございます。
  21. 大倉精一

    大倉精一君 まあこれからもあることですけれども、こういう点はやっぱりはっきりしないというと、どこまでが正当ルートであるか、どこまでがやみルートであるかという、非常に不明瞭なものがあると思うのです。その点はひとつ十分今後も注意をしてもらわなければならぬと思う。  それから、こういう点についての警察との関係といいますか、協力といいますか、そういう点も非常に必要だと思うのです。たとえば現在の道路交通法の第六十三条によるところの「警察官は、前条の整備不良車両に該当すると認められる車両が運転されているときは、当該車両を停止させ、並びに当該車両の運転者に対し、自動車検査証その他政令で定める書類の提示を求め」云々とありますけれども、これは実際なかなかできぬと思うのです、実際問題として。警察官が、車両整備が不良だと認める車といいますが、これはなかなか実際にできないと思うのですね。こういう点についての運輸省との協力といいますか、協議といいますか、そういうことはおやりになっているのですか。
  22. 木村睦男

    政府委員木村睦男君) 本来、車の整備は、一定の期間を設けて車両検査制度でやっておりますが、これは一応最小限度の車の保安の担保でございまして、一般的には、車を持って運転する者が、みずから常に整備の充実を期することが建前でございます。そこで街頭取り締まり等におきまして、車両欠陥の車が発見された場合には、今お示しのような道路交通法によって指摘を受けるわけでございますから、この点につきましては、従来とも警察と密接に連絡ができておりまして、警察でそれを発見いたしますというと、陸運事務所のほうにその通告がございます。なお、その車は警察から整備不良というレッテルを張られまして、整備工場に入りまして整備いたして、そうしてその結果検査場に持って参りまして整備されておるかどうかという確認を得て再び運行するというふうにいたしておりますので、その点の連絡は、十分にできておりますが、今後ともさらにこれは一そう密接にいたすつもりであります。なお、今回の法律の提案に際しましても、警察と事前に十分連絡をとりまして了解に基づいて提案いたしたような次第でございます。
  23. 大倉精一

    大倉精一君 この点は十分に連携をとってもらいたいと思うのですけれども、運輸省のほうから見て六十三条というのは、実際問題として警察官にそういう能力が、実行力が可能であるかどうかという問題があると思うのです。たとえば一斉検査の場合に、たまたま車をとめて調べた場合に、検査不良、整備不良のものがあるということを発見するのであって、走っている車を整備不良だからストップを命じてやるということは、実際問題として実行不能だと思いますが、そういう実例はありますか。
  24. 木村睦男

    政府委員木村睦男君) 道路上で走っておる車をとめまして整備欠陥を指摘されるという場合、もちろん警察官でございますので、専門的な、技術的な経験並びに力はそう持っていないと思います。そこで、路上で発見されますのはこまかい、非常に詳細な整備欠陥のほうではありませんで、たとえば自動車の前照灯がこわれたとか、あるいはナンバーを照らします後の灯火が消えているとか、あるいは偶然の機会でブレーキの十分きいていない車とか、そうした一見して明瞭にわかるような点について、車両欠陥を指摘され、そうしてそのレッテルを張られておるというのが実情でございます。
  25. 大倉精一

    大倉精一君 これは参考のためにお尋ねしたいんですけれども、この点は非常に道路交通法六十三条というものは空文にひとしいのじゃないかという気がしていたんでお尋ねしたんですが、実際問題として、警察官が走っている車を整備不良と認めてストップを命ずるというようなことはないと私は思うのです。テールランプが切れているとか、あるいはヘッドライトが片方消えているとか、そんなことならわかると思うけれども、まあその他にはほとんどないと思うのですが、これは参考のためにお伺いしたのです。  それから今度のこの法律の実施によって運輸省のほうでみずから車両検査整備ということに対しまして熱意を欠くようなことがあったのでは大へんだと私は思うんですね。つまり民間のほうにおんぶして、そうして政府のほうで運輸省のほうで車両整備ということが非常に軽視され、あるいは熱意がなくなるということになると、これは本末転倒するんですがね。あくまでもこれはやはり運輸省が主体となってやり、民間のほうは補助的なものであるという工合いにわれわれは考えるのです、その点はいかがですか。
  26. 木村睦男

    政府委員木村睦男君) その点につきましては、先生の御指摘のとおりにわれわれも考えておりまして、こういう民間整備能力の活用によりまして、運輸省自体が車両検査に対する情熱を失い、あるいはこれを軽視するというような考えは毛頭持っておりません。先ほど申し上げましたように、こういう制度で一部活用いたしましても、なお運輸省としての業務量としては今後とも大いにふえてくるわけでございまして、できるだけこれを合理的に処理していこうという考え方からスタートしたわけでございますので、もちろん民間工場を活用します場合にも、すべて責任は運輸省自体が全責任を持つわけでございます。また運輸省、つまり陸運事務所検査場におきまする事実上の検査行為そのものも決して減ることはございませんし、また、検査が車の保安、ひいては事故防止に非常に大きな意義を持っております点をより一そう重要視いたして、さらに今後検査につきましては情熱を持って処理いたしたい、かよう決意をいたしている次第でございます。
  27. 大倉精一

    大倉精一君 現在交通事故が非常に頻発して、国民の中からも交通事故を追放しようという運動の起こっているというときに、この車両整備検査ということは非常に大きな意義があると私は思うのですが、御答弁によれば、情熱を失わない、責任は運輸省が持つのだと、こうおっしゃるけれども、どうも予算面から調べてみますと、車はどんどんふえているのだが、予算はふえていないですね。たとえば自動車登録検査に必要な経費、これを見ましても、三十五年度は一億三千二百四十万七千円、三十六年度はぐっと減りまして一億三百七十七万二千円、これは三千万円減っておりますね。三十七年度、本年度はわずかに一億七百万円でもって四百万円ふえているにすぎない。それから車両検査施設整備に必要な経費を見ましても、三十五年度は九千五百万円、三十六年度はわずかにふえて九千九百万円、本年度は一億一千四百万にふえておりますけれども、車両はどんどんふえてきておりますけれども、三十五年度からずっと予算面を見てみますと逆に減っている面もある。こうなると、この付近からすでに民間に少しおんぶしようというような意図があったのじゃありませんか。今度この法律ができますと、これまたそういう傾向があるということになると、これは大へんなことになるんですがね、この点いかがですか。
  28. 木村睦男

    政府委員木村睦男君) 車両検査それから登録を含めまして、検査登録関係の現場の仕事の予算でございますが、予算額そのものは毎年ふえてはおります。たとえば今年度三十七年度で要求いたしておりますのは、先般通過いたしました予算によりますと、車両検査登録両方含めまして八億九千九百万円、それに対しまして三十六年度は八億二百万、それから三十五年度が六億八千七百万円というふうに、漸増はいたしております。ただ、御指摘のように車の増加の趨勢、業務量そのものの増加に対しまして、この予算のふえ方はそれと並行はいたしておりませんが、多少ずつはふえて参っているというのが実情でございます。
  29. 大倉精一

    大倉精一君 要するに、多少という表現よりできないというふえ方なんですね。が、しかし、さっきおっしゃったように車は昭和三十年を一〇〇とすれば、三十七年は三四四、要員はわずかに二二四、予算もわずかながらふえているという、わずかながらという程度なんです。これでもって先ほどおっしゃったように熱意はさめないという、これはそう口では言えるのだけれども、実際その裏づけが私は非常に疑問だと思うのですね。そういう点については、これは運輸大臣現在の交通事情からいって、大蔵省が渋いかもしれませんけれども、大いに運輸大臣がんばって、陸運局関係の予算というものはもっと大幅に増加をするという、こういうことがこの際必要ではないかと思うのですが、いかがですか。
  30. 斎藤昇

    国務大臣斎藤昇君) おっしゃいましたように、私は自動車関係の行政費はこれで十分とは思っておりません。今後もさらに一そう力を入れまして、運輸関係のこういった仕事に従事しております者が、あまりに労働過多にならないようにいたしますと同時に、事務に欠けることのないようにいたしたいと、かように考えておるのであります。ただ、先ほどから局長からも説明しておりましたとおりでございますが、この自動車登録、ことに車体検査というようなものについては、事務の確実安全というものは、どこまでも確保をして参らなければなりませんが、これらの整備あるいは修理といったような事柄についても、一般の修理能力あるいは一般の人たちの知識というものが、だんだん向上して参ってきております。自動車が日本に初めてきだした当時と今日とは非常に違っておると私は考えております。ことにバスあるいはトラック事業等をやっておられる大規模な事業者等におかれては、みずからあるいは整備工場を持たれ、あるいは特定の整備工場において、自分の責任で車体の安全をはかっていくということが相当行なわれてきておりまするし、私はこれをますます助長していくべきであると、かように考えます。全部役所に持ってきて、車体検査を一々してもらわなければならぬということよりも、まず自分でやっていく。そしてそれを役所が必要な限度においてチェックをする。チェツクの仕方も、できるだけ簡便で、しかも安全性が保たれるという行き方にすることは、日本の私は科学技術あるいは機械等に関する知識等が民間に普及して参りますれば、そのほうに移行していくというのが当然であると、こう考えておりまするし、それを助長をいたして参りたい。  ただ、今までにきめられておりまする車体検査というものは、ある一定の期間にみずから車体検査を施実をしなさいというだけで済めるような時代に早くなるといいと思っておりまするが、しかしそういった整備能力を持たないような工場も、まだ今日相当多いわけでありまするから、なかなかそうは参りませんが、将来の姿は、そういうふうにやっていくべきであろう。こうしますことは、役所の手数をただ省くということだけでなしに、また自動車を持っている人たちの手数も省くわけでありまするから、りっぱな整備工場で、りっぱに整備されたということであれば、その車を、わざわざまた車体検査場まで持っていって、もう一ぺん検査をしてもらうということでなくても、車体の安全が確保されていくという時代が早くくることが望ましい。これを助長していきたい。これは役所の事務を省きますとともに、民間の手間も省くということであり、そういうような方向で、全般の行政を指導して参りたいと思います。しかし、現状に即しまして、必要な安全の確保あるいは職員の労務の過剰にならないということのための予算は、今後も一そう努力をして確保をして参りたい、かように存じます。
  31. 大倉精一

    大倉精一君 口ではいろいろ、こう言えるけれども、全般を見ておりますというと、一般の傾向が、たとえば日鉄法の改正もそうなんですけれども、交通が非常に急速に非常事態のような様相を呈しておる中で、交通関係に対する費用というものを十分に出さずに、これを民間のほうに肩がわりさせよう、こういう傾向が私は出てきておると思うのです。これは私は非常に危険だと思うのです。それを私は言っているのです。  日鉄法の改正も、本来、国鉄でやらなきゃならぬものを、国鉄に対して政府がめんどうを見ないから、だから民間の資本を投入するなんていう、あるいは活用するなんていう名目のもとに、民間の合併会社を作ろうという、これは交通関係の方面に費用を十分出さないということです。今度の場合もそうだと思うのです。ですから傾向として、私は非常に必配をするのです。西ドイツやアメリカ等におきましても、民間に委託をしておるという制度はあるようでありますけれども、外国がそうだからといって、日本もそれでいいというわけにいかぬと思う。私はその点は、あとからまた質問したいと思うのですけれども、まあ、はなはだ日本人として日本のことを言うのは遺憾ですけれども、交通規則さえ満足に守られていない、たとえば駅において、上る階段と下る階段が分かれておっても、そういうのは、まるきり無視をされておるというような、そういう状態のもとに、外国がこうだから、日本もこうだということは私は通用しないと思います。  そういうことから、いわゆる交通関係に対するお金を削って、これを民間のほうに肩がわりさせようという、こういう傾向は、大臣これは大いに警戒しなければならぬと思うのですが、これは政府として、どういうお考えを持っておられるかお話を伺いたい。
  32. 斎藤昇

    国務大臣斎藤昇君) その点はまことにごもっともで、重要なことだと存じます。ただ、このたびの車体検査合理化の問題は、私は合理化であって、政府の予算が十分伴わないからとか、あるいは国のほうの手数がかかって困るからということではなくて、先ほど申しますように、これは全くの合理化だ、こう考えております。私は予算が十分あっても、もっともっとやって、場合によれば、人を減らしてもいいというところまでいくことを私は望んでおるわけです。これは民間に肩がわりするという意味でなしに、先ほど申しますように、大きなトラックを経営しておられる人たち、あるいはバス、を経営しておられる方たち、こういう人たちは、もうみずから整備をしている。あるいは自分の特定の整備会社で、十分整備をさすことが、これがほんとうにあるべき姿であろうと思うわけであります。  したがって、車の整備の不十分であるというこにとついては、車の所有者あるいは運行者、これらの人たちに責任を負わせるということが私は必要だと、こう考えます。しかし責任だけを負わしても、それの遂行が十分できないといけませんから、チェックするだけのことは必要でありますから、整備指定工場は十分チェックさせると同時に、その整備工場における整備が、いつも役所の車体検査場において合格し得るようなやり方をいつもやっているかという査察指導、あるいは検査ということが、これは私はたいへん必要だと考えますが、そういうような考え方に立っておりますので、決して国費の節減という意味からではなくて、車体整備合理化、こういうように私は理解をし、またそういうつもりで指導いたしておるわけであります。
  33. 大倉精一

    大倉精一君 まあそういうことも、理想としては必ずしも私は否定はいたしませんけれども、しかし順を追っていかなければならないと思うのですね。たとえば、これは大臣御存じかどうかわかりませんけれども、陸運事務所あたりの予算というものは、先ほども車両と人員の割合を言われたようでありますが、あまりふえておりませんよ、そこで一体何をやっておるかというと、べらぼうな免許事案の調査につましきても、これは人が足りませんよ。あるいは日常の車検登録にいたしましても人が足りません、足りませんから、陸運事務所には、これは民間の業者からお手伝いに行っておりますよ。私は数年前に、この委員会で指摘したことがあります。お役所が、自分の予算が足りないからといって、民間の業者から人間を常駐させて、お役所仕事をやらせておるということは、まことに権威のないことなんですよ。今度横浜でも、陸運事務所の建物が建ったようですが、地方に行きますと、陸運事務所の建物はなくて、民間の建物に門借りしているところがたくさんある。これは自動車がどんどんふえて、自動車の時代にたった今日において、お役所がこれに対する費用というものをどんどん出さない、こういう点が私は、いかにいろいろ言われても、役所の怠慢と言っても差しつかえないと思うのです。特にそういう傾向がある、こういうふうに思うのですが、陸運事務所の例を申し上げましたが、これは大臣、御存じかどうかわかりませんけれども大いにひとつ調査してもらいたい。地方ではいつも弱りまして、陸運事務所とか、あるいは気象とかなんとかというところのお役所の予算は非常に弱いのです。この際交通というものが重点的な問題になるならばやはりこれは予算の裏づけがなければならない。どっかで池田総理大臣は、私が今最も重点的に考えているのは、物価の問題と交通の問題だとおっしゃる。言うことは言える。総理大臣が交通の問題を重点的に考えているなら予算はどうするか、その担当するお役所の予算はさっぱりふえていない、こういう現状ですね。これはひとつ運輸大臣、この際、大いに改革をしてもらう必要があると思うのですが、そういう努力を願いたいと思うのですが、いかがですか。
  34. 斎藤昇

    国務大臣斎藤昇君) おっしゃるとおり、今後一そう、努力をいたしたいと思います。本年の予算要求につきましても、陸運事務所の予算、それから気象庁の予算これらは重点項目の一つとして大蔵省に強く要望いたしたのでありますが、今後一そう、強く努力して参りたいと思います。
  35. 大倉精一

    大倉精一君 その点は、今後政府において努力をされるということを期待して、次の問題に移りたいと思います。今度の制度で優良工場の中で、一つ基準をきめて厳重に審査をして指定をする、こうおっしゃるのですけれども、ここに指定基準案というものがあるのですけれども、これは技術員は一級は何名、二級は何名、小型一級は何名、工員は一級五十名、二級二十名、小型一級十八名、整備士、一級十七名、二級七名云々と、こういう表があるのですけれども、こういう指定基準に合っておるものは指定をされるのですか。されないということになれば、されないという理由、その線の引き方が非常にむずかしいと思うのですが、その点はいかがですか。
  36. 木村睦男

    政府委員木村睦男君) 現在考えております指定工場は、お話しのように、現在優良自動車整備事業者としての認定を受けておりますもののうちで、さらに検査用の機械器具等、この指定のために必要な設備を持っておるものを、これは省令で、その基準を作るわけでございますが、その基準に示された設備を持っておるものを、そのうちから指定することにいたしておりますが、何にいたしましても、最初の試みでもございすので、この機会に技術的な基準にさえ合っておれば全部を指定するということは避けるつもりでございます。スタート当初にあたりましては、全国、地域的にも考えなきゃなりませんし、それからやはり試験的な意味合いもありますので、できるだけ最初は、かりにこの技術的な基準に適合しておりましても、その中でさらにしぼって指定していきたい。なお、この指定基準には、こういった機械設備の技術的な基準のほかに、そこで整備業務に当たります責任の技術員というものの資格をさらにしほることにいたしておりますので、この技術員の資格等につきましても、これは機械の整備よりも、さらに、何と申しますか、人の問題でございますので、そういう点もよほど最初は慎重に考える必要がある、かように考えますので、全般的にはきわめて小範囲にしぼって、そこからスタートしたい、かように考えております。
  37. 大倉精一

    大倉精一君 そうしますと、省令で定める基準以外に基準があるということになるんですね。省令で定める基準というのは、今言ったように、一応の人員なり機械なりというものを数字的に、あるいは規模的に省令で一応線を引く、それを全部指定するわけではないということになると、そのほかの基準というものは、どういうものがありますか。
  38. 木村睦男

    政府委員木村睦男君) 省令で作ります基準以外に基準があるわけではございません。省令で作ります機械設備、それから検査員の、技術員、の資格、これだけで省令でしぼりまして、そしてそれにあてがいまして、この基準にかなっておるものは一応指定し得るわけでございますが、今申し上げましたような当初の試みでもありますので、そのうちから——そのうちでも、やはりおのずから多少の差はあると思います。その中で特に優秀だと思われるようなものを、特に、全般的にそこの工場の管理の組織等もよく見まして、上位にあるもののうちからしぼって指定していきたいと考えておりますので、別に省令以外に別の基準を、自由裁量の基準を持っておるという意味ではございません。
  39. 大倉精一

    大倉精一君 そこで、私はこの指定工場制度になりますというと、指定されるか、されないかということは、業者にとっては非常に死活の問題にもなりかねないという重大問題が出てくると思うのです。ですから、この一応基準が示されれば、業者は万難を排して、その基準を整えるための努力をするだろうと思う、人員にいたしましても、機械にいたしましても、そういう場合に努力をして基準を整えたが、指定されなかったとなってくるというと、これまた、いろんな物議をかもしてくる、そういう混乱が起こりはしないかと私は心配するのですが、ですから、たとえば自動車の免許にしましても、トラックの免許にしましても、いろんな混乱が起こっておるのです。基準はあるんだが、資格はあるんだが、免許はしてもらえないということをいろいろ苦情もあり、出てくるのです。同じことを今度工場で、工場の場合は、今現に事業をやっておるのですから、これが基準があるにもかかわらず、指定工場にならないということになると、相当深刻な問題が出てくると思うのですが、そういう影響については、どういう工合にお考えになりますか。
  40. 木村睦男

    政府委員木村睦男君) 指定をします対象は、申し上げますように、現在優良自動車整備工場認定を受けております約九百ばかりの中で、精鋭をすぐることになるのです。したがって、現在優良の認定を受けております工場は、かなり相当な規模を持ってすでに十分事業をやっておる工場でございますので、今回指定制度ができまして、これらの優良工場の中で指定を受けようとして設備の増強等もいたすと思いますが、それが結果的に指定を受けなかったということによりまして、その工場の存立にかかわるというような問題は起きないと、かように考えております。またそのために非常な混乱が生じるというふうには考えておりません。
  41. 大倉精一

    大倉精一君 私の聞くところによりますというと、いよいよこの法律ができ、そういう制度ができるということで、工場によっては必要な人員の引き抜き合戦が始まっておるということも聞いておるのです。これは非常に困るというのです。ですから、たとえば、この基準の工員五十名に対して整備士が十七名要るという、こうなれば、これを優良工場なり何なりから引き抜いてくる、ちょうどタクシーの運転手の引き抜き合戦と同様な現象が今起こっておるということを聞いておるのですが、そういうところに混乱の徴候があると思うのですが、いかがですか。
  42. 木村睦男

    政府委員木村睦男君) 現在の優良整備事業者は、それぞれの基準にきめられました技術員、工員、あるいは整備士を抱えておるわけでございまして、かりにこの中で指定を受けます工場につきましては、現在持っております、たとえば十七名なら十七名の整備士の中で、今度の指定を受けるに必要な資格整備士を作るということにいたしまして、資格を備えるという結果になりますので、他から引き抜いて持ってきてやるということも、まずそのために非常に混乱が起きるというふうには考えられませんし、また、これが実施につきましては、こういった整備事業者の全体の団体であります自動車整備振興会というのがございますので、この会を通じまして、そういう無益な不当競争等をやらないように、十分事前の行政指導はいたして参りたい、かように考えております。
  43. 大倉精一

    大倉精一君 これは私が、ある工場について調査をしたのですけれども、たしか認定工場協議会というものがあって、その場でも話題になったそうですが、この人員の引き抜き合戦というものは、できるだけ自粛したい。自粛したいと思うけれども、自然現象として、この制度ができるという前提としてやむを得ない、仕方がない。なんとかして、これを防止したい。こういう声を私は聞いておるのですけれども、そういう点について、実情の認識と、これに対する指導を、どういう工合におやりになっていくのか、これをひとつお聞きしたいと思うのです。
  44. 木村睦男

    政府委員木村睦男君) まだ実施前の問題でございますので、お話のような点が表面化しておるということは、実は、私どもこれは存じておりませんが、御指摘のようなおそれはあるのではないかとも思います。したがいまして、そういうことのないように、こういった会を通じまして、十分指導をいたしたいと思っておりますし、また、そう大して大きな混乱を起こすような騒ぎにはならないであろうというふうに実は考えておるのであります。
  45. 大倉精一

    大倉精一君 これは大きな問題にならなければ幸いですけれども、特に、この実施前であるからという、そういう答弁ですけれども、実施前であるから、そういう現象が起こると思うのです。これはタクシー業界、トラック業界のトラック運転手の引き抜きの弊害と同様に、この事実については十分に調査を頼って、そういう弊害の起こらないように、両々相まって、ひとつ御指導を願いたいと思います。  それからもう一つ指定工場認定——指定工場指定する場合に、地域的問題があると思います。ここも、たとえばある地域にも数社指定をするという工合に仮定すれば、そこで必然的に競争が起こってくる。これは普通の事業の競争とは違って、別の意味の弊害が起こってくるのではないか。つまりお客に対する過剰サービスの弊害が起こってくるのではないか、こういう点を心配するのです。  たとえば、私も機械を見てきました。その測定機械を見てきましたけれども、これは、たとえば八十なら八十、百なら百という目盛りが出るだけであって、これを人間がメモするだけです。出勤者のタイム・レコーダーのようにがちゃんとやれば機械が記録してくれるわけではないのですから、七十と出ても九十と書くのは自由です。そういうことからすれば、私は過当競争ということになれば、非常な競争ということになれば、そういうことになれば、そういう過剰サービスが出てきて、そこに一つの弊害が出てきはしないか。したがって、地域的な競争という面も考慮しながら指定しなければならないと思うのですけれども、こういう点については、お考えはどうですか。
  46. 木村睦男

    政府委員木村睦男君) 御指摘のように地域的な点も十分考えなければなりません。同時に過剰サービスと申しますか、そういうことによって保安度が低下する結果になるというふうなことがあっては非常に遺憾でございますので、その点は、指定いたしました工場につきましては、平素の監督、指導も十分いたしますし、それからかりにそういうふうな過剰サービスというようなことで保安度を下げるという弊が起こりました場合には、指定の取り消しその他厳重な行政政処分もやるつもりでおります。また地域的に一業者以上の数業者の優良工場指定を受けました場合に、客のほうは自由に選定できるわけでございますので、一つの地域内に指定工場がありますと、その最寄りの者は、そこに行かなければならないというようなこともございませんで、その点はお客の自由選択になっております。  いずれにいたしましても、そういうことによりまして保安度が下がる、あるいは整備そのものにいろいろ問題が起こるというふうなことはないことを大いに期待しておりますが、一応監督する立場といたしましては、そういうこともあり得るということで、十分に遺漏のない監督をいたしたい、かように考えております。
  47. 大倉精一

    大倉精一君 まあ遺漏のない監督と言われるのですけれども、実際はどうやってやるかということを、実はこの前から疑問を持っている。人数も少ないし、それから工場に監督に行っても、たとえば記録が七十と出たのを九十にメモして書いても証拠がないわけですね。そういうものの監督は、一体どうやってやるのか。しかも工場につきっきりではございませんから、そういう点が心配なんです。同時に指定工場がりっぱなものであれば、そういうやみはやらないということになれば、町工場といいますか、そういう所にいわゆる不良業者と言っては失礼ですけれども、何とか便宜をはかってもらいたいというようなことで町工場において、ひとつ適当にやる。たとえばダンプカー、砂利トラックのごときは、ほんとうに目にあまるようなものを持ってくる。持ってくるが、整備すれば高いから、まあ最小限度にひとつやっておいてくれ、こういうことで、最小限度も、これまた割り引きして何とか頼む、こうなってくる。そこにもってきて、町工場はそれをやるのだが、なかなかお金を払ってくれない、こういうものが、指定工場以外にどんどん行ってしまう。これが、町の中にはんらんしてくる。でありますから、この事故防止の見地から申しましても、指定工場で、きちんと整備されたものが事故を起こさなくても、そういうものがどんどん事故を起こしてくれば、やはり町の中の事故というものは減らないという結果になってくる。そういう点も出てくるのですね。  ですから、かりに指定工場を厳重におやりになっても、私、なかなかそれはやれないと思うのですけれども、おやりになっても、今度はそういう方面に弊害が起ってくるのではないか、こう思うのですね。これは老婆心であるかもしれませんが、やはり為政者としては、そういう点まで関心をもって気をつけなければならぬのです。そういう現象までね。そういう現象については、そういう心配はありませんか。
  48. 木村睦男

    政府委員木村睦男君) 指定工場以外の工場へ車を持って行って整備をするということは、現状でもそれが行なわれておりまして、そして整備の結果を検査場に持って参って検査を受けるわけでございますが、指定制度ができましても、指定以外の整備工場整備をいたしましても、そこではその結果に対する保安基準に適合しているかどうかということの認定ができませんので、そういう場合でも、保安基準に適合しているかどうかということの指定を受けるためには、やはりその車をもって直接陸運事務所検査場に来て検査を受けるということが必要でございすし、また指定整備工場に行きましてさらに整備し、そこで保安基準に合っているかどうかということを見てもらわなければ検査には合格しないということになっておりますので、その点は、指定制度のできるできないにかかわらず事情は同じであるわけでございます。  なお、指定工場につきましては監督に遺憾なきを期したいというふうに考えておりますが、具体的な方法といたしましては随時立ち入りの監査をやりますし、それから指定工場につきましては記録を常につけさせるようにいたしまして、その記録を見て調べる。それからときには、そういう所で整備をし、そこで適合証をもらって検査期間の延長を認められているような車につきましては、抜き取り的に、そういう車について直接陸運事務所検査場に持ってきて抽出的に調べてみるというふうなことも実施するつもりでおります。
  49. 大倉精一

    大倉精一君 そうしますとあれですか、指定工場検査を受けた車を随時、その車の持主に、あなたは陸運事務所検査場に行きなさい、こういうことを注文されるわけですか。
  50. 木村睦男

    政府委員木村睦男君) これは指定工場業務が公正に行なわれているかどうかということをこちらでチェックするためにやることでございます。常にそういうふうなことをやって二重の手数をかけるということはいたしません。こういうことをやりますのは、ごくわずかでございますし、また当然指定されて、そこで整備をし、検査実務をやっておるうちに、おのずとあそこの指定工場はどうだとか、いろいろな風評も出て参る、そういうふうな場合に、こういった抜き打ち的な検査方法をやることによりまして、十分監督をいたしたいと、かように考えております。
  51. 大倉精一

    大倉精一君 これは私は、非常にこまかいことを聞きましたけれども、そういう心配があると思いますから、そういう点については、せっかくこの制度ができて、かえって悪くなったということのないように、ひとつ十分に気をつけてもらいたいと思う。さらにまた、非指定工場、これがいわゆる下請工場的な性格になるということもあるのですね。それで非指定工場整備を受けたものは、一々車検場へ持っていかなければ検査を受けられませんけれども、これが指定工場契約するなり何なりして、指定工場から証明書をもらうという場合もあるだろう、あるいは指定工場能力が回り切れぬ、とてもそれはさばき切れぬ、こういうときに、町工場へ出していく場合もあると思うのです。そういいう場合に、指定工場と町工場との関係が出てくる、こうなって参りますというと、さっき申しましたように、やはり相手は、今度はお客さんですから、役所と違いまして営利事業ですからお客さんですから、お客さんがそんな固いことを言わぬでしてくれということを言えば、そういうこともあり得ないことはないと私は思うのですね、民間では。この弊害を大いに気をつけてもらわなければならぬと思うのです。  現にさっき申しましたように、ダンプカーのごときはこんなことを言ってはなんですけれども、工場あたりで聞きますと、町工場あたりでは、さっき申しましたように、合格をする最低の整備をしてもらいたいと、最低でやってもらって、そいつをまた値切るのですね。で、そいつを大目に見て出してくれ、こういうことでやるらしい。でありますから、そういう弊害は、民間の営利というところへ食い入ってきて、入ってくるのではないか、こういうことを懸念いたしますので、そういう点を十分研究なすって監督してもらいたいと思う。これは私はこれ以上申しませんけれども、十分監督してやってもらいたいと私は思う。それから、非常に激しく使用する車両ですね、これについては車検の切りかえあたりは、特に考える必要があるのじゃないかと思うのです。たとえばダンプカー、砂利トラックあるいはその他の車にいたしましても、非常に激しく使用するものがある。ですから、走行キロあたりで押えて、特例を設けるか何かという方法がないものだろうかということを考えておるのですけれども、今のダンプカーあたりは、ブレーキのきかないものが相当あるらしい。町の中でも、ときどき新聞で見るように、交差点でとまっておる車のうしろから追突する、これなんかブレーキがきかぬ証拠なんです。これなんかが町中をどんどん走っておる。これらあたりは、車を酷使するためだと思うのですけれども、そういう点についての何らかの配慮ができないものかどうか、ひとつお考えを承っておきたいと思います。
  52. 木村睦男

    政府委員木村睦男君) 車両検査制度につきましては、やはりある程度画一的に考えまして、しかも最小限度の保安度の担保ということで検査制度というものを考えておりまして、現状は、先ほども申し上げましたように、営業用の車につきましては、一年という期間にいたしております。で、もちろん営業用の車の中でも、非常に走行キロの多い車、また激しく使う車、いろいろございますが、それらにつきまして車両検査制度の面におきまして差異を設けるということは、あるいは実情に合った方法かとも考えますけれども、こまかい仕分けになりますと非常に複雑化して参ります。それで、そもそも車両につきましては、運転する人自体の生命に関係のあることでございますので、みずから常に整備努力してもらいたいということがまず前提で車両検査制度というものを考えておりますので、御指摘の点につきましては、実情としてはわかるのでございますが、検査制度として、こまかくそういう区別をつけることは、実情に、はたして合うかどうかというふうな点も十分考えなければいけない、かように考えておりますが、なお、一般的に臨時に検査を命ずるということもできますので、特にそういうふうな車について、その必要があれば臨時の検査をいたすという措置は、現行法においてもとられることになっておりますので、それを場合によりましては活用していきたい、かように存じます。
  53. 大倉精一

    大倉精一君 その点は今、どうこうせいというわけじゃありませんが、十分にそれを検討されて、必要であれば、何らかの措置を講ずるようにやってもらいたいと思うわけです。  さらにまた、ちょっと聞いたところによりまするというと、工場別に、車種別に指定するとか、あるいはメーカー別に指定するという話もちらっと聞いたのですけれども、たとえばこの工場では「日産」を指定するとか、あるいはこの工場にはトラック、乗用車の大型を指定するとかというような話を聞いて、いろいろ疑心暗鬼を生んでいるようですけれども、そういう点についてはいかがなんですか。
  54. 木村睦男

    政府委員木村睦男君) そういうふうな差別的に指定する、あるいは検査に際しまして車種別に、そういうふうなことをするというふうなことの考えございません。
  55. 大倉精一

    大倉精一君 もう一つ、ちょっ気とになることなんですけれども、たとえば今度、都市交通の規制がいよいよ発表されまして、長ものとか、大型車というものが、これが十一時から一時まで以外は通行できないとか、こうなってきたわけなんですけれども、そういうようなものの整備や、何か、その時間内に持っていかなければならぬ、あるいは夜間持っていかなければならぬ、こういうことに相なるわけなんですけれども、これは差しつかえないのですか。
  56. 木村睦男

    政府委員木村睦男君) 交通規制の対象になります車につきましても、一日中全然通れないというふうな場合は、あるいは非常に不便があるかとも思いますけれども、一年に一回の検査でございますし、それからその検査の切れる、有効期間の切れる時日はあらかじめわかるわけでございますから、現在のような規制のもとにおきましては、別にそのことが、そういった車の車両検査に不自由や不便を与えるというようなことはないと思っております。
  57. 大倉精一

    大倉精一君 まあこの辺で質問はやめますけれども、私はこれは反対じゃありませんが、気になったことを順序不同に並べて質問申し上げたのですけれども、こういう質問申し上げた点について、しょせんはわれわれしろうとの考えることですから、専門家の考え方では、あんなつまらぬことをと、お考えになるかもしれませんけれども、質問した中で、関心をもたなければならぬ、あるいは検討しなければならぬということがありまするならば、大いに一つ検討してもらって、そういう心配がないように、ひとつ善処をしてもらいたいと思います。  質問、終わります。
  58. 金丸冨夫

    ○金丸冨夫君 ただいま大倉委員が、だいぶん詳細にわたりまして、みな要所を御質問なさいましたので、私はごく簡単なところを二、三お伺いしたいと思うのですが、検査自体を今度指定工場でやらせるということになるやり方は、これは非常に私どもは、かような自動車増加態勢にある現下においては、まことに緊要なことであろうと思っているわけでありますが、ひとつ、先ほど指定の際に、いろいろと厳格に整備をすべきであるという、大倉委員の御意見も、また一理あるのでありますが、実際、検査を受けるほうから考えていきますと、やはりかような制度ができました以上は、それが検査内容、実質が低下しない限り、やはり多いほうがいいんじゃないか。かように考えるのです。つまり、今非常に自動車検査に困っておる。今まで非常に数がふえたが、これは一体どうしておったというような先ほどの御質問もありましたけれども、それは結局、待ち時間というか、時間待ち、また日にち待ちというようなことが非常に多かった。それが所有者に対しては、今まで非常に不便であった。さりとてこれを、十分、右から左に検査が施行せられるような態勢もお役所の都合でできなかったというのでありまするから、今回かような指定工場で現実に車両検査というようなものを、また車両の修繕というようなものをずっとやっておるところで、こういう検査をするということは、非常に私は時宜に適したやり方だと思います。ただ、使用者側としては、できるだけやはり、そういう工場をりっぱに整備して、官署のほうで検査する以上、りっぱな検査をするものをたくさん設けることが便利であろうかと、かように考えておるわけです。いろいろと調査あるいは監督、指導というようなところには、十分の力を尽くされるということを言明されておりますので、これはもちろん、われわれはそれを信頼したいと思いますが、ただしかし、新しい制度でありまするから、これに対する経済的負担というようなものについては、大いに考えなければならぬと思うのです。  従来政府が取っておりまする検査料、年間六億前後であると私記憶しているのですが、これは登録とか、今度は書面審理だけになる場合がございまするが、それらの収支は一体どうなるのか。私の聞きたいのは、結局、同じ検査料その他の料金は払うが、さらに工場で、これに伴っての余分のプラスを出すようなことになるのじゃないかということであれば、使用者としては、非常にこの制度自体が、それだけ経済的負担が多くなるという結果になっては好ましくないと思うのですが、この点はどうでしょうか。法律できまっておる現在の料金そのままでいくとして、新しいこの制度に対しては、まず証明書を出すとしても、証明書の紙なんかは、一体国が持つのか、あるいは工場が出すのか。それは使用者の負担になるのか。これだって相当なものになるだろうし、したがって、今、定まった検査料というものをそのまま、やはりこのとおりであるとすれば、新しい制度については、その分の幾分を指定工場に交付するというようなことが、当然考えられておるだろうと思いますが、その辺のところをひとつお伺いしたいと思います。
  59. 木村睦男

    政府委員木村睦男君) 御質問の第一点の、車の使用者の立場からいうと、こういった指定工場が多いほど便利であるというお話でございますが、それはそのとおりだと思います。しかし、ただ運輸省といたしまして、初めての試みでありますし、この指定整備業者において整備したものに対する保安度の確保ということにつきまして、全責任をもって実施するわけでございますので、一応設備あるいは人員についての詳細な省令基準にあてがって、ふるいにかけて優秀なものをしぼるわけでございますけれども、あとは、自後の監督が主でございますから、したがいまして、当初にスタートいたしますときには、そういう点も考えまして、できるだけ安全度を考えまして、小範囲にしぼっていきたい。で、実績を見まして逐次幅を広げていきたい。かように考えておるのでございます。  なお、経済的な負担の問題でございますが、これは指定整備工場に行きまして、ただ保安基準に合っておるかどうかを見るというだけではございませんで、その車の整備を必ずいたす、こういうことになっておりますので、本来の整備事業としての整備業務が——整備サービスがあるわけでございますから、その点におきまして、事業者のほうとしても十分商売になるわけでございます。なお、役所検査場に車を持っていかないで、いわば書面審理だけであるから、役所に払う検査手数料というものについて考慮があってしかるべきではないかというお話でございますが、お説のとおりでございまして、この検査手数料は、現在法律で定められておりますが、現在でも、先ほどちょっと申しました型式の指定を受けました車で検査を省略する場合には、やはり検査手数料は半額になっております。  したがいまして、根本的に現在、検査手数料というものにつきまして検討をいたしておりますので、全般的な検討を行ないますと同時に、御指摘の点につきましても、車を持って検査場に来て受ける場合とは差をつけなければいかぬというふうに考えまして、全般的な検討の中で、それを考えていきたい、かように考えております。
  60. 金丸冨夫

    ○金丸冨夫君 ただいまの第一点の問題の、指定工場の大体のお見込みは、どういうことでしょうか。お話には二万三千のうちに優良が九百ばかりある。だからこれをさらにしぼって出したいということですが、大体お見込みは、どのくらいの数字を予想されておるわけですか。
  61. 木村睦男

    政府委員木村睦男君) 現在の優良整備事業者が約九百くらいありますが、さらにこの指定を受けますためには、技術員の資格も要りますし、それからいろんなテストの機械も、さらに増備しなければいけませんので、一体この九百の整備事業者の中で、どのくらいが指定を受けに申請をして参りますかによって数がきまるわけでございまして、現在どのくらい指定の申請をするであろうかということは、まだ実情がつかめておりませんので、その点が、もう少しはっきりいたしませんと、何とも申し上げかねると思いますが、現在九百くらいあれば、全国的に見まして、その半分あるいはそれ以上の程度指定してやってみたい、かように考えてておりますが、これは現状におけるただ単なる私の頭の中の考えだけでございます。
  62. 金丸冨夫

    ○金丸冨夫君 そして、地域的の問題も、先ほどお話がありましたが、今陸運事務所ですか、そういう管下でもってやっているのが、一体、全国に何カ所あるわけですか。陸運事務所で今検査しておるでしょう、その個所は。
  63. 木村睦男

    政府委員木村睦男君) 現在、陸運事務所でやっておりますのは、直轄に設備を持ちまして車検場を持っておるところもございますし、これは全国で五十九ほどございます。そのほか出張車検場と申しまして、検査官が出向きまして検査をいたしておりますが、これらを入れますというと、約全国で三百カ所くらいになろうかと思います。
  64. 金丸冨夫

    ○金丸冨夫君 その出向いて検査をするというのは、たとえばただいまの今度指定工場にしようとされるような、そういう業者の工場検査員が行って、それを立会って見るというようなことになるわけですか。
  65. 木村睦男

    政府委員木村睦男君) その点ではそうではございませんで、現在検査官が出向いて検査をしておりますのは、その地方の、たとえば交通安全協会とか、そういうところが、みずから車両検査設備を持ちまして、そこへ出向いてやるわけでございまして、その施設を役所として借り上げまして、家賃を払って借りて使用しておる場合もございます。そういうところでございますので、今度考えております指定を受ける民間工場等を使っておるということではございません。全然違うわけであります。
  66. 金丸冨夫

    ○金丸冨夫君 そうするというと、結局、ただいまの方法によるのが三百、それに直接五十九カ所あるということになれば、やはり三百六十ばかりになって、今回の予定がかりに四百五十、まあ五百としましても、約倍以上になるということになるわけですね。
  67. 木村睦男

    政府委員木村睦男君) そういうことでございます。
  68. 金丸冨夫

    ○金丸冨夫君 私はこういうものについて、もちろん検査自体が疎漏になってはいかぬし、またいろいろとこのために事故が起こるとか、あるいは車両自体の非常に安全度が低下するようなことになってはたいへんでありまするから、あえてこれを急にふやせということは申しませんが、全体において、かようにふえておりまする情勢から考えて、今一番使用者が困っておるのは、やはり検査に行っても、一日や二日ではなかなか日取りがとれないとか、あるいはまた、きょういいからということで出向いて行っても、あしたになるとかいうようなことが、非常に苦痛であるという声を常に聞いておりますので、この点はひとつ、新しい制度ができました以上、これをよく厳重に監督して、そうしてほんとうにりっぱな検査をすると同時に、使用者に対して迷惑のかからないようにやっていくようにひとつお願いしたいと思います。  それからもう一つ、問題を変えまして、この保険のほうの問題ですが、これは自家保険制度は、今回これはやはり変わらないというふうに承知をしていいですか。
  69. 木村睦男

    政府委員木村睦男君) そのとおりでございます。
  70. 金丸冨夫

    ○金丸冨夫君 これは自家保険には自家保険証というものを出すわけですが、これはお役所が出すわけですか。
  71. 木村睦男

    政府委員木村睦男君) さようでございます。
  72. 金丸冨夫

    ○金丸冨夫君 この軽自動車というのですね、軽自動車についての保険ができるからというのですが、軽自動車というと、どういう定義になるのでしょうか。
  73. 木村睦男

    政府委員木村睦男君) 軽自動車の定義でございますが、道路運送車両法の施行規則にございますけれども、非常に技術的なものでございますが要約して申し上げますと、自動車の構造、それから原動機、それと自動車の長さ、幅、高さ、これらにつきまして、それぞれ制限がございまして、たとえば軽自動車で二輪自動車というのがございますが、二輪自動車について申し上げますというと、自動車の大きさが、たとえば長さが二メートル五〇、幅が一メートル三〇、高さが二メートルで、そうして総排気量がたとえば「〇・一二五リットル以下」のもの、ここに技術的にこまかく書いてありますが、あとで………。
  74. 金丸冨夫

    ○金丸冨夫君 そんなに詳しいことを聞くわけではないのですが、ここに軽自動車は二百二万一千百九十一台あると、こう載っておりますね、そのほかに原動機付自転車が二、三百万台という……。原動機付自転車の最近のあれはどうなんです。
  75. 木村睦男

    政府委員木村睦男君) 原動機付自転車というのは、いわゆる自動車ではございません。ただ事故防止の建前から保険の問題やいろいろ出て参りました場合に、今の自動車損害賠償保険は、強制保険自動車だけである、そうすると、よく事故を起こして害を起こすのは原動機付自転車が多いのじゃないか、これを自動車保険の対象になぜしないかという話が出るわけであります。そういう場合に原動機付自転車が問題になるのでございまして、原動機付自転車は、自動車ではないわけであります。
  76. 金丸冨夫

    ○金丸冨夫君 それから少ししろうとらしい質問かもしれませんが、有効期間は乗用バス営業用旅客自動車とか自家用バス及びドライブクラブ自動車とかいうような場合には、一年に延ばすというようなことになるのですが、これは自家用のトラック関係はどうなんですか。
  77. 木村睦男

    政府委員木村睦男君) 自家用のトラックは一年でございます。
  78. 金丸冨夫

    ○金丸冨夫君 もう一年になっている……。
  79. 木村睦男

    政府委員木村睦男君) 二年になっておりますのは乗用の、自家用の車だけでございます。現在は、そうなっております。そのままでございます。
  80. 金丸冨夫

    ○金丸冨夫君 私は、よろしゅうございます。
  81. 村松久義

    委員長村松久義君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕
  82. 村松久義

    委員長村松久義君) 速記をつけて。  この際、委員変更について御報告いたします。  本日、小酒井義男君及び大野木秀次郎君が辞任され、大和与一君及び田中茂穂君が選任されました。     —————————————
  83. 村松久義

    委員長村松久義君) ほかに御質疑はございませんか。——ないようでございますから、質疑は終局し討論に入ります。  御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。
  84. 大倉精一

    大倉精一君 私は日本社会党を代表して、若干の意見を付して本法案に賛成をいたします。  まず第一番に、最近池田総理もみずから、目下の重要な私の関心は物価の問題と交通問題である、こういうような発言をなすっておるように現下の日本の交通問題は、きわめて深刻な様相を呈しております。なかんずく本法案関連のある交通事故防止の問題につきましては、すでに社会問題ともなってきております。  この際、私は政府に対しまして、第一に要望をしたいことは、こういう重大なる交通問題に対しまして、政府は必ずしも熱意を持っておるという工合には認めがたい点があると思います。特に陸運局関係におきましては、予算の裏づけというものは非常に寥々たるものでありまして、この事実は、私が指摘するまでもないと思います。特に最近におきまして、先般の日鉄法の改正にも見られるように、ともすれば予算の不足ということから、本来、国家みずからが行なうべき仕事民間に肩がわりをさせようとする、こういう傾向が現われるということは、はなはだ私は遺憾に思います。こういう点につきましては、政府は厳重に反省すべきであると存じます。  第二番目には、工場指定するにあたりましては、基準を定め、方針を確立をして、一般に周知せしめて、無用の混乱と不明朗な事態を起こさないように、厳に注意をしなければならぬと思います。  第三番目には、指定工場制度を実施するにあたりましては、非指定になった既存工場が打撃を受けるということ、こういうことのないように、十分に政治的な配慮が行なわれなければならぬと思います。  その次には、工場指定にあたりましては、地域的な配慮が必要であると思います。その理由は、指定工場が不当に不必要な競争をするということがありまするというと、営利事業という本質からいきまして、あるいは過剰サービスという点から、この指定工場の機能を健全に発揮することができないということを恐れるわけであります。したがって過当な競争にならないように指定工場の地域的な、あるいはその他の問題を特に配慮する必要があると思いますので、この点は、特にひとつ当局においても、御配慮をしてもらわなければならぬと思っております。  それから最後には、監督を厳重にするという御答弁がありましたが、これは非常に重大な問題でありまするが、しかしながらことはさように簡単ではないと思います。この監督は技術的にも非常に困難な面があると思いますけれども、この点につきましては遺憾のないように、この制度を実施されましてから、車両整備検査欠陥が生ずるというようなことのないように、あるいはまた不明朗な空気を助長するというようなことのないように厳重に注意してもらいたい。  その他、私が質問の中で申し上げましたことを十分に検討されて、本制度の万全を期してもらうように要望いたしまして賛成をいたします。
  85. 金丸冨夫

    ○金丸冨夫君 私、自由民主党を代表いたしまして、本案に賛成をいたす次第であります。  本案の主要点は、第一は自動車検査証の周期を明示すること、また同時に最近の自動車増加及び事故の頻発の現状にかんがみまして、自動車保険制度を徹底しようという趣旨、この二つは、まことに時宜に適したものであって、特に軽自動車について保険加入するものが非常に割合が少ない現状でありまするので、本制度を徹底して、すべて事故、災害の場合における責任を明らかにするというようなことは、まことに時宜に適したものである、かように考えます。  また、第三の点といたしまして、指定自動車整備事業の新制度を設定して、そして増加する自動車検査を厳格にやっていこうという制度でありまして、これも事実、国のみで行なうということよりも、実際この検査実情から考えて、まことに徹底をさし得る制度だと賛意を表するものであります。ただ、新しい制度でありまするから、この認可、あるいはまた今後の監督等については、政府におかれましても万遺憾なきを期していただきたい、かように考えます。  以上をもちまして、賛成の意を表します。
  86. 村松久義

    委員長村松久義君) ほかに御発言なければ、討論を終局し、採決を行ないます。  本案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  87. 村松久義

    委員長村松久義君) 全会一致と認めます。よって本案は、可決すべきものと決定いたしました。  報告書の作成については、委員長に御一任願います。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  88. 村松久義

    委員長村松久義君) 御異議ないと認めます。  暫時、休憩いたします。   午後零時四十九分休憩   〔休憩後開会に至らなかった〕