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1962-03-20 第40回国会 参議院 運輸委員会 第15号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十七年三月二十日(火曜日)    午後一時二十五分開会     —————————————   委員の異動 三月十九日委員赤松常子君辞任につ き、その補欠として松浦清一君を議長 において指名した。     —————————————  出席者は左の通り。    委員長     村松 久義君    理事            天埜 良吉君            金丸 冨夫君            谷口 慶吉君            大倉 精一君    委員            江藤  智君            天坊 裕彦君            平島 敏夫君            松浦 清一君            加賀山之雄君   国務大臣      運輸大臣  斎藤  昇君   政府委員     運輸政務次官 有馬 英治君    運輸省海運局長 辻  章男君    運輸省船舶局長 藤野  淳君    運輸省船員局長 若狭 得治君    運輸省港湾局長 坂本 信雄君       運輸省自       動車局長 木村 睦男君    運輸省航空局長 今井 榮文君    運輸省観光局長 梶本 保邦君      気象庁長官 和達 清夫君   事務局側       常任委員       会専門員 古谷 善亮君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○モーターボート競走法の一部を改正 する法律案内閣送付予備審査) ○船舶職員法の一部を改正する法律案  (第三十九回国会内閣提出)(継続案  件) ○南大東島における高層気象観測に必  要な物品の譲与に関する法律の一部  を改正する法律案内閣提出、衆議  院送付) ○運輸事情等に関する調査  (航空に関する件)  (港湾に関する件)  (都市交通に関する件)     —————————————   〔理事天埜良吉委員長席に着く〕
  2. 天埜良吉

    理事天埜良吉君) ただいまから委員会を開会いたします。  まず、委員変更について御報告いたします。  去る十四日、松浦清一君が辞任され赤松常子君が選任されました。また去る十五日坂本昭君が辞任され小酒井義男君が選任され、さらに昨十九日赤松常子君が辞任され松浦清一君が選任されました。     —————————————
  3. 天埜良吉

    理事天埜良吉君) 次に、モーターボート競走法の一部を改正する法律案議題といたします。これより本案提案理由説明を願います。運輸大臣
  4. 斎藤昇

    国務大臣斎藤昇君) ただいま、議題となりましたモーターボート競走法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び概要を御説明申し上げます。  モーターボート競走制度は、発足以来すでに十年余を経過したのでありますが、政府といたしましては、この間における数次の法律改正を通じ、また実際に法律を運用するにあたり、制度改善をはかるため絶えず努力を続けて参りました。  この間、公営競技に対する世論の動向にかんがみ、モーターボート競走を含む公営競技全般について検討を加え、今後の基本方策を定めるため、一昨年総理府に公営競技調査会設置されたのであります。  この公営競技調査会は、昨年七月二十五日内閣総理大臣あて答申提出し、各種公営競技について、少なくとも現状以上にこれを奨励しないことを基本的態度とする旨を述べるとともに、その弊害をでき得る限り除去するための方策を示したのであります。  政府といたしましては、この答申趣旨に沿って、モーターボート競走についての弊害を除去し、その健全化をはかるとともに、モーターボート競走収益をもって体育事業その他の公益増進目的とする事業振興に寄与し得ることとする等、現行制度に必要な改善を加えるため、この法律案提出することといたしたのであります。  次に、この法律案の主要な点について御説明申し上げます。  まず、第一には、モーターボート競走を行なうことができる旨の指定を受けた市町村について、指定理由がなくなったと認めるときは、その指定を取り消し得る道を開いたことであります。  これは、現在モーターボート競走を施行し得る市町村指定は、財政事情等を勘案して行なっているのでありますが、これらの市町村について、すでに財政健全化目的を達した後においては、この法律趣旨にかんがみ、その指定を取り消し、他の市町村と交代させるのが適当であるからであります。  第二は、競技の公正及び安全を確保するため、競走に使用するボート及びモーターの検査員を登録の対象に加え、また、競走場の施設の改善に資するため、入場料最低額を定めるとともに、勝舟投票法実施方法及び競走開催の日取りについて規制することにより、射倖心の過熱をさける措置を講じ、さらに、選手の質の向上をはかり、公正な競技を確保するためには、選手が安心して競技に参加し得る条件を整える必要がありますので、選手共済事業に対する助成強化等選手に関する福利厚生増進をはかるために必要な措置を講じ得ることとしたことであります。  これらは、いずれもモーターボート競走弊害を排除し、その健全化に資するために必要な改善措置であります。  第三は、現行造船関係事業等振興のための交付金制度に準じて、新たに体育事業等公益増進目的とする事業振興をはかるため交付金制度を設けることとしたことであります。  これは、公営競技調査会答申にございますように、競走収益の使途につきましては、制度発足当初との状況の変化にかんがみ、収益の一部を体育事業等振興のためにも充当することが適当であると考えられるからであります。  なお、これらの振興業務運営及び交付金の運用につきましては、種々の監督規定を設け、遺憾のないよう慎重を期した次第であります。  第四は、施行者からの交付金により、現行造船関係事業等及び新たに加わる体育事業等振興業務を一体的に行なう団体として、新たに日本船舶振興会に関する規定を設けたことであります。  現在、交付金による造船関係事業等振興業務は、全国モーターボート競走会連合会競走実施に関する調整業務とあわせ行なっているのでありますが、この二つ業務は、本来異質のものでありますので、それぞれの業務運営上責任体制を確立するため、別個の団体に取り扱わせることといたした次第であります。  日本船舶振興会は、民法の規定により設立される財団法人でありますが、業務運営その他につきましては、交付金の適正な運営を確保し得るよう所要規定を設けることといたしております。  以上が、この法律案提案理由及び概要であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御賛成いただきますようお願いをいたします。
  5. 天埜良吉

    理事天埜良吉君) 本案に対する質疑は後日に譲ることにいたします。     —————————————
  6. 天埜良吉

    理事天埜良吉君) 次に、船舶職員法の一部を改正する法律案議題といたします。  前回に引き続き質議を行ないます。質疑の通告があります。
  7. 松浦清一

    松浦清一君 運輸大臣にお伺いをいたしますが、本法律案提案理由説明の中に、わが国海運企業現状はきわめて困難な事態に直面しておるので、政府としては、海運企業国際競争力強化するため、あらゆる努力をいたして参ったと、こうあるわけですが、歴代運輸大臣がなさってこられたことは別として、斎藤さんが運輸大臣になられてから、海運企業国際競争力強化するためにあらゆる努力をしたと説明されておる、そのあらゆる努力内容を御説明願いたいと思います。
  8. 斎藤昇

    国務大臣斎藤昇君) 提案理由の中に、あらゆる努力をいたして参りましたと申しましたのは、政府はということで、私がということではないのでありますが、歴代、とにかく十分ではありませんが、努力としてはできるだけの努力をいたしたものと考えております。私になりまして以来、御承知海運造船合理化審議会に諮問をいたしておったのでございまするが、この答申秋提出をされまして、したがって、私といたしましては、この答申を尊重をいたしまして、最善の努力をいたしたいと、昨秋から努力を続けておるわけでございます。合理化審議会答申は、今後新たに作る船舶についての国の財政的の援助の仕方を強化するということが一つと、今日の海運企業基盤それ自体強化をするということと、大体二つに分かれていると思うわけでございます。お尋ね海運企業基盤強化につきましては、本国会運輸省設置法改正の中に、船会社整備計画審議会というものを設けまして、そうしてこの整備計画審議会で、政府所要財政援助をやりますことに応じまして、各個々船会社整備計画を立て、その計画が妥当であると認めた場合には、政府所要財政的援助を与えたい。こういう構想のもとに、整備計画審議会設置を、法律改正によってただいま御審議を願っているわけでありますが、そこで、政府の与える財政的援助とは何かという点は、すでに御承知のことと存じまするが、今日の海運界は多大の負債を負い、償却不足も相当大なるものもありまするので、これをおおむね五カ年間に解消をせしめるということを目途といたしまして、開銀融資残高に対する利子半額程度を当分の間猶予するということを中心にして考えているわけであります。ただいま大蔵省といろいろ事務的折衝をいたしておるわけでありますが、この設置法ができましたならば、できるだけ本国会中にも法案を提出をいたしまして、御審議をいただいて、日本海運界基盤強化をはかりたい、かように私は考えておるのでございます。
  9. 松浦清一

    松浦清一君 それ以外にはございませんか。
  10. 斎藤昇

    国務大臣斎藤昇君) それ以外につきましては、まあ海運行政全般がすべてそうでございまするが、今日の海運界情勢にかんがみまして、あるいはアメリカでは自己船中心にするシップ・アメリカンという運動もいたしております。これに対しまして、できるだけ損害のないように、外交交渉その他を通じてはかっておるようなわけでございます。昨年の、三十六年度の第十七次計画造船も、当初の計画は二十五万トンの計画でありましたが、諸般の情勢から考えまして、これを五十万トンに増加をしていく、そして所要措置をはかっておるわけでありまして、これらもその一つであろうかと存じます。その他、船会社合理化、またすでに業務推進等につきましては、これは前からございまするが、だいぶ注意をいたしましてそして少なくとも船会社が合理的な経営をやっていくように、この努力は続けているわけでございます。
  11. 松浦清一

    松浦清一君 昨年の十月ごろに、今、大臣から説明がありました過去の負債等を、できるだけ軽くするための措置を講ずるために、この委員会でも説明を承りました。予算要求をいたしたはずでありまするが、それの要求が通らなかったと思うのですが、予算折衝経過等について、ひとつ御説明を願いたいと思います。
  12. 斎藤昇

    国務大臣斎藤昇君) 過去の負債を軽減する措置と申しますのは、私が先ほど申しましたいわゆる利息を当分猶予をするという問題でございます。で、これは御承知のように、開銀のいわゆる利子歳入が減ってくるという問題でございまして、先ほど申しまする方針を確定をし、その方針に基づいて各会社計画を立て、そしてこれを先ほど申しました審議会にかけて、よろしいとなったときに初めて利子支払い猶予するということに相なるわけでございますが、この実施は、よほど急いでも来年の初めになるであろう、こういう見通しを立てております。今後の折衝によりまして本年度中にもそれが実現ができるということになりましたならば、これは開銀が考えておりまする利子の、いわゆる歳入の分が予定をしただけ入ってこないということになるわけでございまして、予算といたしましては変更をする必要はございません。しかし、実際としては来年になるであろう、かように今考えておりまするので、予算折衝の際には、国の歳出予算の面において処理する点はございませなかったわけでございます。予算折衝のいきさつはそういうわけでございます。
  13. 松浦清一

    松浦清一君 海運経営基盤強化について、私は真剣にあなたにお尋ねをしておるのですから、通り一ぺんの御答弁はやめられて、お答え願いたいのですが、運輸省が昨年の九月の末か十月に省議で決定をされた予算要求というものは、あなたが御記憶のとおり開銀融資残高の三分の二に対して五年間その利子猶予するために来年度必要とする予算措置として六十一億円を大蔵省要求されたわけです。それは御記憶でしょう。それがゼロ回答になっているのはどういう理由によるものですか、お答えを願いたいと思います。
  14. 斎藤昇

    国務大臣斎藤昇君) ただいま申しますように、利子猶予をするという点では予算要求はいたしておりません。先ほど申しますとおり、これは歳入にかかるわけでございますので、歳出面予算要求は、その面ではいたしておりません。
  15. 松浦清一

    松浦清一君 そうすると、その利子支払い猶予をやるというための予算措置というのは、初めから全然必要ないという考え方なんですか、六十一億円というのは一体何のための要求であったわけですか。
  16. 斎藤昇

    国務大臣斎藤昇君) ただいま申しますように、歳出要求はいたしておりません。ただ、本年度からやるとすれば、本年度歳入のほうに、開銀歳入にそれだけ利子が減ってくるということを言っておったのであります。
  17. 松浦清一

    松浦清一君 利子支払い猶予すれば開銀に入る利子が少なくなるから、一般の財源のほうから開銀のほうに振り込まなければならぬ、その引き当てのために六十一億円という数字が出たのじゃないですか。
  18. 斎藤昇

    国務大臣斎藤昇君) これは運輸省要求する筋合いではないのでありまして、運輸省開銀融資を来年幾らほしいという歳出要求するだけで、資金繰りは大蔵省がやるわけであります。
  19. 松浦清一

    松浦清一君 六十一億円の意味がはっきりわからないのですけれども、どうしてああいう数字が出たんですか。
  20. 斎藤昇

    国務大臣斎藤昇君) これはその当時、本年度からやれば六十一億開銀歳入に穴があくであろうし、したがって、それをしいていえば、埋めてもらったらよかろうという私は注意のなにかと思っております。
  21. 松浦清一

    松浦清一君 ですから、予算の中に六十一億円、開銀のほうに利子支払いの穴があく、それはどこかで埋めなければならぬ、そのために六十一億円の予算を要すると、こういう意味でしょう。
  22. 斎藤昇

    国務大臣斎藤昇君) 開銀の全体のワクが、何といいますか、今までどおり利子が入ってくるという計算であると、入ってこなくなるという注意でありまして、開銀ワクをどれだけにするかとか、開銀自身予算要求は私のほうでいたしませんから、今申しました趣旨になっているのではないかと思います。
  23. 松浦清一

    松浦清一君 どっちにしましても、六十一億円の開銀のほうの利子収入が減る、要すれば、利子支払いを要するわけですから、収入が減るわけですね、どこかで埋めなければならぬでしょう、運輸省が直接要求するかしないかは別問題として、開銀に対して利子収入の減った分だけはどこかで埋めていかなければならぬでしょう、どこかで予算措置を講じなければならぬでしょう。
  24. 斎藤昇

    国務大臣斎藤昇君) 政府としましては、あるいは大蔵省としましては、開銀融資幾らに見積もるかというときには、公表してもらわなければならぬ問題であります。
  25. 松浦清一

    松浦清一君 大蔵省自体開銀利子歳入収入不足分を埋めるのか、運輸省のほうで埋めるのか、その辺のところは私は知りませんけれども、とにかく六十一億円という予算措置をどこかで講じなければいかぬわけでしょう。
  26. 斎藤昇

    国務大臣斎藤昇君) それはそのとおりです。
  27. 松浦清一

    松浦清一君 それができなかったのはどういうことかということを聞いているのです。
  28. 斎藤昇

    国務大臣斎藤昇君) それにつきましては、先ほど申しますように、いろいろ手順を考えて参りますと、これは実際開銀収支に出てくるのは来年度になる公算が大である、多分そうなるであろうということで……。ただ、開銀融資ワクは相当融通無碍と言ってはあれでございますけれども、融通性がございまするから、したがって、今申しまする利子の、いわゆるたな上げというような方針をきめましても、現実にどの程度利子のたな上げになるかということは、個々船会社に当たってやってみないと、的確な数字が出て参らないというような状況等もありまして、おそらく開銀収入は、そういう措置を行なうことを前提としないで組まれておると思っております。
  29. 松浦清一

    松浦清一君 実際の最終的な額というものは、整備計画を、合理化計画を出させて、それで検討しなければわからぬでしょうけれども、あるときにああいう数字をはじき出してきたということは、あの時点における開銀融資残高に対して、三分の二を支払い猶予すればそれだけかかる、こういう計算が出てきたのでしょう、そして今あなたは来年になるだろうとおっしゃるけれども、あれを要求されたということは、来年でもいいという意味要求されたのではないはずです。
  30. 斎藤昇

    国務大臣斎藤昇君) われわれとしましては、なるべく急いで本年度からと、かように考えておったのでありますが、しかし、これは大蔵省との折衝あるいは政府のいろいろな折衡におきまして、まず根本方針自身について相当検討をする余地があるという段階のうちに、予算の編成が終わって参ったようなわけでございまするので、したがって、自然そういう結果になって参っております。
  31. 松浦清一

    松浦清一君 大蔵省がそれは承諾しなかったという理由を、あなたの知り得る範囲でひとつ教えていただきたい。私は最終の経済閣僚懇談会で話し合った内容も、一番最後にあなたが大蔵省側から受け取ってきた返事も知っているのです。その経過説明して下さい。
  32. 斎藤昇

    国務大臣斎藤昇君) これは大蔵省事務当局としましては、当時は根本的に非常にまあ疑問がある、疑いがあるということであったわけでございますが、最後は、何といいますか、大臣同士の話し合いによりまして、この趣旨を実行しようということになったわけでございます。しかし、具体的にはいろいろと検討しなければならないから、その検討を待ってということで、趣旨は大体その方向でよかろうということになったわけであります。大蔵省事務当局のまあ反対理由は、私は直接聞いておりませんけれども、海運界基盤強化という事柄自身について、いろいろと、何といいますか、資金効果といいますか、投資効果といいますか、それらについて論議があったようであります。
  33. 松浦清一

    松浦清一君 ここに昨年の十二月二十四日付の朝日新聞記事があるのですが、新聞記事はほんとうでないかもわかりませんが、海運対策利子たな上げが困難になったという、そういう状況を報じている中に、大蔵省言い分というのが載っているのです。その言い分によると「邦船の積取比率を六三%に上げたいということだが、海運国の英国でさえ輸入は五一%で、日本は必ずしも劣っていない。船舶経済的運航のためには積取比率には自ら限界がある。国際収支改善が旗じるしだが、外航船舶重量トンがかせぐ外貨年間約七十二ドルに対し、燃料購入港湾経費支払いが大きいため、実質の手取はそのほぼ半分の三十七ドルとなる。百万重量トン外航船舶の場合、年間三千七百万ドルの外貨をかせぐが、このためには約五百二十億円の建造費が必要で、鉄鋼原料輸入で失う外貨の方が大きい。海運会社の経理も利子補給再開時より好転している。外航船腹の増強は長期的にみて必要で、来年度も五十万トン認めるが、設備投資を抑制せねばならぬ一般経済情勢からみて、これ以上ふやすわけにはいかない。利子タナ上げによる免除額六十一億円はそのまま開発銀行納付金減少になる。しかし来年度から開銀納付金ガリオア・エロア返済資金にあてる計画であるから、これが半減すればガリオア返済のためなんらかの措置を講じなければならず、これはむずかしい。」ということで、利子支払い猶予大蔵事務当局反対したという、こういう理由が述べられているのです。これは新聞に報道されているのみならず、当時私が聞き知っている大蔵省があの予算要求に対して賛成をしなかった理由だと私は聞いておるのですね。そうすると、現状においてなお大蔵省はここに述べられておる理由が真なりとすれば、容易にそれを承諾しないという状況であると私は判断するが、あなたはどう判断されますか。
  34. 斎藤昇

    国務大臣斎藤昇君) その理論で参りますと、日本は船を作る必要がない。それだけの余裕があるならば他の産業に投資したほうがいいという議論になるわけでございますが、しかし、今後日本のふえて参ります輸出入貨物外国船で払うということになりますと、運賃外貨でかせぐ、かせがぬは別といたしまして、輸出入関係する船運賃というもの全部を外貨で払うということになるので、これは国際収支上捨ておけない事柄に相なるということは、大蔵大臣も認識をしてもらっているわけであります。私といたしましては、当初の所期のとおり政府方針を近く決定し得るというふうに考えておるわけでございます。
  35. 松浦清一

    松浦清一君 船を作って外貨の確保をはかっていかなければならぬ、必要だということは大蔵大臣も否定はしないと思うのです。ここに言っている一番重要な点というのは、利子たな上げによる六十一億円はそのまま開発銀行納付金減少となる、そしてガリオア・エロアのほうは、御承知のとおり、二千八十五億円を十五年間年賦割りでこれを支払っていくという協定が結ばれて国会審議されている。これは通るか通らぬかわかりませんけれども、通ったとすれば、これを払っていかなければならない。それを支払うために利子のたな上げをして開銀に対する納付金減少すると困る、こう大蔵省は言っている。これは非常に重要に問題だと思います。海運基盤強化して、そして計画造船をどんどん進めていって、船腹量も増大して、貿易外収入としての外貨を確保するということが、日本経済安定策であるということはだれでもわかる。大蔵大臣だって反対はすまいと思う。昨年の三十八国会予算委員会において私が議論したときも、それに対しては大蔵大臣も、当時の経済企画庁長官賛成をしている。しかしガリオア、エロアの返済をしなければならぬという事態が起こってきたので、海運の力を強くしていくという根本策である利子支払い猶予というものが、このために障害が起こって、今度の予算の中でだめになったということでは非常に困ると思う。だからこれは運輸大臣よく御承知のとおり、海運造船合理化審議会から答申をしたのみならず、あらゆる経済団体銀行のほうからさえ、これからの計画造船を進めて、そして所得倍増計画に見合う、つまり十年先に、四十五年に千三百三十五万トンの外航船腹を保有する必要がある。もしそれをしなかったならば、池田内閣所得倍増を目標とする長期経済政策というのはくずれるわけですね。これだけはやらなければならぬということが、池田内閣経済政策に入っておって、それを作っていくのには在来の弱体な経済基盤ではだめだ、これを強化しなければならぬ、こういうことが問題になってきたわけですね。そしてその在来経営基盤強化するためには、かくかくのことをしなければならぬ、これはだれもが認めたわけです。海運関係のあるものすべて、運輸大臣はじめ運輸省の方々も全部それを認めて、そしてあの予算要求にあれが現われてきたわけです。それが大蔵省側の今言ったような理由によって一蹴をされたという形で今日来ておる。それなら、今できないが、来年開銀に対する利子納付金が減るということを、来年やるようにあなたは話をしておるというふうな意味にとれるような御説明であったけれども、もし来年それを実施するとすれば、その利子開銀に入る額が減ってくる。六十一億か三十億か知らないけれども減るわけだ。それはどこでカバーしていくか。
  36. 斎藤昇

    国務大臣斎藤昇君) その点は、先般衆議院の予算委員会でも大蔵大臣答弁をしていたのでありますが、その答弁内容は、利子をたな上げをしても、後に海運会社が利益を得るということになってくるとした場合に返済をする、そういう意味において利子の総体のワクの年次の問にそれのやりくりはあるけれども、総額としては大した支障はないし、また、これをやるのは、これは海運対策としてやるところであるから、その場合においてはその期間補給をしてよろしいというような答弁をしていたと思っております。私もさように考えております。
  37. 松浦清一

    松浦清一君 そうすると、これはいつごろから大蔵省を説得して実施ができるようになるお見込みですか。
  38. 斎藤昇

    国務大臣斎藤昇君) できるならば今月中にでもこれに必要な法案も出したいと考えております。さらに率直に申しますると、当初大蔵省は、法律は要らないであろう、これは政府方針の決定でよろしいではないかという意見も相当強くあったのでありますけれども、最近は、やはり法律でやったほうがよかろうという意見になってもらっております。ただいま法律案自身について大蔵省と協議中でございます。
  39. 松浦清一

    松浦清一君 あなたのお考えはいかがですか。
  40. 斎藤昇

    国務大臣斎藤昇君) 私は、おそくとも月末までには提案をいたしたいし、またその見込みが可能であろうと、かように考えております。
  41. 松浦清一

    松浦清一君 もしできなかったならばどうしますか。
  42. 斎藤昇

    国務大臣斎藤昇君) その場合のことはその場合にしたいと思いますが、そういうことのないように努力をいたしたいと考えております。
  43. 松浦清一

    松浦清一君 あの法案というのは、もう国会が年明けの再開のときに、すでにもう法案は運輸省でできておって、そうしてあなたが説明をされた昭和三十七年度予算の大綱の中にも、それを入れる予定でその原案が作られていた模様なんだけれども、ここに紙を張ってこれを書きかえてあるのですね。この紙の裏には何を書いてあるかわからぬけれども、そういう法案を出すということは、このときにあなたは言明ができなかったのか、そういう計画をしておると。審議会ができて整備計画が出されたら出された、出されれば、それに対して別段の予算措置がないけれども、やっていってもよかろうというのが昨年の十二月ごろの総理大臣の考え方だったのです。僕らも総理大臣から直接聞いたのです。ところが昨年の暮れの最終段階になってきて、いろいろ経済関係大臣、それ以外の大臣等からも反対が出たりして、そうしてあなたの一番最初のお考えどおりいかなくて、そうして運輸省設置法の中で審議会設置するということだけがきめられて、そうしてその法案が今出すか出さぬか低迷しておるというのが今の現状なんです。これを、もし法案が出て、その法案が通って、そうして運輸省の中に審議会というものが設置をされて、そこで審議をしていくということになっても、現状においては、海運会社から整備計画書を出さして、そうしてすぐにそんならお前のところは猶予してやろうということを決定しかねる現状なんです、今の現状というものは。そうでしょう。あの法案が通りますね。そうして準備をしておればさっと整備計画が出てくる。そうすると、お前のところは今月から猶予してやろうということが言い得ない現状なんです。そうでしょう。
  44. 斎藤昇

    国務大臣斎藤昇君) おっしゃるとおりでございます。だからそのためには、法案で政府の考えておりますことを御審議いただくか、あるいは法案なしに政府の政策として決定でやれるかというのが当初の研究課題であったわけでありますが、最近は法案が要るというほうに傾いて参りましたので、そこで提出すべき法案の準備をいたしているわけであります。
  45. 松浦清一

    松浦清一君 準備中はけっこうなんですけれども、もう国会は実際問題として予算が通ったら開店休業みたいなことになるのですよ。まあそうあってはならぬのでしょうけれども、御承知のような事情が七月に待っておりまするから、三月から四月に入ってくるというと、なかなか今出ておる法案を片づけるだけでも政府と与党さんは大へんな努力を払わないと、なかなか困難だろうと思う。これからもう四月に入って新しい法案なんか出してきたつて、なかなかそれはもう大へんだと思う。そうこうするうちに話がつかなかったら、もう今度はだめだったということになりそうなことを私は憂慮する、御自信ございますか。
  46. 斎藤昇

    国務大臣斎藤昇君) なるべく予算通りましても十分御審議をいただきたいと存じております。この問題は予算委員会その他におきましても、すでにいろいろと御質問等も受けておりますが、満場の御賛成を得まして、そうして通過をさせていただきたいと念願をいたしているわけであります。
  47. 松浦清一

    松浦清一君 これは、もう私が大臣海運局長に御説明を申し上げるまでもなく、今の日本海運というものは、大まかに申して三千億円の借金をしょい込んで、二百五十億円も年間利子を払わなければならぬというところに、今の日本海運の弱体の原因があるわけですね。その上にまた償却不足が五百億円、それから元本の延滞金が七百億円もある。もうにっちもさっちも動きがとれぬというのが今の海運現状なんです。それを何とか池田内閣の立てた経済政策に見合うように、そうして日本の経済を強くするようにするためには、今までのその弱体性を強くして、そうしてその基盤の中から新しい船舶の増強をはかって、外貨の確保を進めなければならぬ、これが今の海運現状なんですね。しかもこのことを痛切に感じておりますのは、海運造船合理化審議会が昨年の十一月九日に答申をしている。そのほかに同様のことを海運関係のあらゆる団体、それから市中金融機関までその必要性というものを認めて、ここに全部収録されてありまするけれども、言うている。それがどうして実現をしないか。あなたは今私の質問に対して、法案を出して早くそれを措置するように折衝しているというけれども、あの昨年の暮れごろにこの答申が出たときには、どうしてもすぐにこれをやってもらわなければ困るという態勢が運輸省の中できめられて、そうして強く大蔵省のほうに要求されておった。そうして各関係大臣もあなたは説得されておった。それが実現しないで、いまだにそれに必要な法案が出るとか出ぬとか、出すとか出さぬとか、折衝中だとかいうようなことでは、間に合わぬのです。こういうことではもう船を作ってもしようがないから、来年の五十万トンやめようかというので、船主協会ではきめている。こんなことはないかもしれぬけれども、大へん海運界は混乱している。どうしようかというので思案最中である。その現況の中にある運輸大臣の任務というものは、非常に私は重いと思う。これをこのままほうってみなさい、私は予言するようだけれども、あの法律案出るか、出ぬかわからぬですよ、どうしますか。
  48. 斎藤昇

    国務大臣斎藤昇君) 必ず出得るように努力をいたしたいと、今努力をいたしているわけでございます。
  49. 松浦清一

    松浦清一君 運輸大臣予算委員会に行くのですか、予算委員会に行くことをとめやしませんけれども、私はあなたと終日いろいろあなたのお知恵を拝借したいと思っているのですが、また次にしますか。
  50. 天埜良吉

    理事天埜良吉君) 速記をとめて下さい。   〔速記中止〕   〔理事天埜良吉君退席、委員長着   席〕
  51. 村松久義

    委員長(村松久義君) 速記を始めて。     —————————————
  52. 村松久義

    委員長(村松久義君) では、南大東島における高層気象観測に必要な物品の譲与に関する法律の一部を改正する法律案議題といたします。  前回に引き続き質疑を行ないます。大倉君。
  53. 大倉精一

    ○大倉精一君 前回要求しました高層気象観測のこの資料に基づいて全体的の説明を承って、高層気象観測に対する質問を行ないます。
  54. 和達清夫

    政府委員和達清夫君) お手元に差し上げました資料は、高層気象観測についての小冊子、それから世界の高層観測の個所の数、それから南大東島を中心としてその付近における高層観測の現状あるいは予定。それから、その他に二枚の印刷された図は、日本付近並びに北半球における高層気象観測所の分布を示したものでございます。  さらに日本付近でわが国がいたしておるもの、あるいは援助いたしておるものをわかりやすくごらんに入れるには、その高層気象観測という小冊子の表紙の裏の図が適当であろうかと思います。この図の黒い丸で書いておりますのが、現在わが国またはわが国の援助によって行なわれておる高層気象観測でりあまして、この分布は、大体WMOの勧告を満たしておる次第であります。なお、四国の清水にWMOより勧告され、目下新設に努力中の点が一カ所ございます。  翻って世界のほうを見ますと、高層気象観測は、世界、つまり、この図におきましては北半球だけを示しておりまするが、北半球におきましては、かなり陸上では高層気象観測が整備されているのでありますが、もちろん未開発国等におきましては、まだ非常に観測網の疎な点がございまして、こういう点に関してはWMOがその設置を勧告しておる次第であります。これに反しまして、海上のほうをごらんいただきますと、海上の島は非常に重要視されまして、できるだけ高層観測を行なうことになっておりますが、なお、広い海域におきましては、特に太平洋におきましては、非常に観測網が疎になっていることがわかります。こういうような状態におきまして、わが国が特に台風の予報、警報等に対する資料を得るために、さきに南大東島の高層気象観測援助をいたすことを法律によってさせていただくことになりました。今回、同様の趣旨をもって、石垣島にも観測に関して物品の譲与に関する法律を、前のに加えて——前の法律改正していただきたいという次第であります。
  55. 大倉精一

    ○大倉精一君 今御説明で、確かにこの図面を見ますというと、陸上における高層気象観測は相当の密度をもって重視されておりますけれども、海上のほうは非常にあらいのですが、これはあれですか、海上におけるところの高層気象観測について、各国ともに観測船なりそういう手段によっておると思うのでありますけれども、日本の場合に、かつて本委員会におきましても問題になったが、北方定点船が全然なくなってしまった。南方におきましては、これは半分なんですね、〇・五もやっていない。こういう点について高層気象観測に対する都合の悪いことがあるのじゃないかと思うのですが、そういう点はいかがですか。
  56. 和達清夫

    政府委員和達清夫君) わが国におきましては、御承知のように、南方あるいは東方は海になっておりまして、海上の高層気象の観測は非常に大切でありますので、定点観測というような手段によってそれを行なうことは非常にわが国の気象事情にとっては重要なことでございます。そのために、私どもは以前北方と南方と双方に持っておりましたことにもかんがみまして、これを再開する、あるいは適当な位置において定点観測を持つというようなことを検討して参ったのでありますが、何分にも船及び乗組員を必要とし、現在の気象庁の仕事に比べますと多額の経費、人員を要することでもあり、現在なお防災のために緊急にいたすべきところをたくさん持っておりますので、たとえば本年あるいは明年度予算に計上するということはいたしませんで、したがって、この点に関しましては目下検討いたしておるような次第であります。
  57. 大倉精一

    ○大倉精一君 どうもわれわれしろうとが考えますと、特に日本の周辺の海域というのは非常に広大な区域を持っておるので、この海域に対しては、海上の必要な場所、一定の場所において定点観測をやるということが必要だと思います。そこで、南大東島あるいは石垣島にこの観測の資材を譲渡されることにはこれは賛成なんですけれども、同時に、日本近海における船におけるところの定点観測も必要じゃないかと思うのです。これは船も人員もというお話がありましたが、かつて大蔵省の主計局の連中を呼んで聞いたところが、大蔵省の連中は、そういう点については、日本の周辺に島がたくさんあるから島にやればいいのだ。あえて船でやらなくてもいいのだというような答弁をしたことがありますが、そういう大蔵省のしろうと考えがずっと一貫しているようですが、いかがですか。あなたのほうではやはり広い海域において必要な場所で定点観測をする必要があるという技術的、専門的立場において、いまだにそういう考えがなされておられると思うので、どうもこれは島に置くということはけっこうなんですけれども、かつての大蔵省のそういう意見のとおりに気象問題をやっているのじゃないかという気がするのですが、いかがですか。
  58. 和達清夫

    政府委員和達清夫君) お話がございましたように、広い海の中の島は気象観測に非常に大切なものでありまして、まず島における高層観測を始めるということが第一の問題になっているわけでございます。その点におきまして、こういう島はそれ自身観測を開始するのにかなりの困難はありますが、しかし困難性あるいは経費、人員等におきましても、船に比べれば島のほうがはるかにやりやすいのでありますので、島のほうを極力開発いたしまして、目下日本の周辺において必要と思われる島は高層測観を行なうようにでき上がったのであります。したがいまして、次は定点観測の問題になると思いますが、先ほども申し上げましたように近年災害がしきりに起こり、防災対策をいたしておるので、この定点観測を一度やめましたために、新たに開始するというところに踏み切るその効果性というようなものを現在検討しておるところであります。
  59. 大倉精一

    ○大倉精一君 費用が要るということでありますが、定点観測を開始するということになれば、どれくらいの費用が要りますか。
  60. 和達清夫

    政府委員和達清夫君) この北方定点は非常に潮の激しい所で、特に冬期は非常に風も強く、海の荒れる所でありますので、船も千五百トン程度、それが一カ所でありますと二隻か、それの修理をいたしたりするために三隻までは要らないと思いますが、これは定点観測を幾つ行なうかによって、船の使用の仕方によりますので、まあ一カ所二隻半といたしまして船を新造しなければなりません。また、船の乗組員と、これに乗り込む気象観測員とを要します。そのほか、ここで高層観測をいたしますことは、地上における高層観測と少し違った点もございますので、地上において行なう高層観測が一年、まあ一カ所二千二百万円でございますが、海上でやりますと方法が少し違うので、それよりは多少かかると思いますが、そういう高層観測のための費用がありますが、何分にこういう離れた場所で、天気の悪い日の多い海上でありますので、そういう船の運航ということに対して、先ほど申し上げましたような費用が要るわけであります。
  61. 大倉精一

    ○大倉精一君 かつて中央気象台であった時分、運輸省のほうから定点観測船として大体三十何億円、それが全部ゼロになって、その次は十八億円という計上があったんですね、そのくらいの費用があれば、北方定点観測船ができる、そうして業務を開始することができると思うのですが、いかがですか。
  62. 和達清夫

    政府委員和達清夫君) さきに計算いたしましたときは、十八億円になりました。その後のいろいろな変動によって、多少はふえると思いますけれども、一つの標準になろうかと思います。
  63. 大倉精一

    ○大倉精一君 まあ費用もさることながら、この図面を見ておりますというと、三陸沖の高層気象観測はほとんどブランクになっている、その辺は島はありませんよ。ですからこういう所に作るということは私は理想だと思うのです。南大東鳥、石垣島もこれは当然必要なんですが、こういうふうに全然ブランクになっている所、しかもこれは長期予報に非常に重要な影響があると思う。特に最近東北なり北海道なりの農業気象ですか、こういう長期予報が非常に要望されておる。そうなれば、北方定点のブランクを埋めなければならぬと思う。これはあなた遠慮せずにどんどん請求なすったらいかがですか。南方定点もこの図面によりますとTという字が書いてあって、これは〇・五ですよ、〇・五です。こういうものを、私は気象業務というのはよくわかりませんが、大蔵省初めあなた方の専門的な立場からどんどん毎年要求して作らせていく、こういう熱意がなければならぬと思うのです。台風や何かありますというと、大てい大臣は気象業務は重点政策といたしましてということが必ず出てくる、出てくるが、たいがい台風が行ってしまうとどこかに忘れてしまう。これは長官のほうでぜひとも強硬に何度も繰り返して主張し、押していく必要があると思う、特に今問題になっておりますところの船舶職員法にも関係があるんですが、ほとんど北方の海上はブランクです。これは差しつかえないんですか。
  64. 和達清夫

    政府委員和達清夫君) 先生のお話のように東のほうの観測点は現在の数値予報という点から申しましても非常に価値が高いのでございますので、私どもできるだけそういうものを持ちたいとは思っております。この南方の定点におきましても、もう船の運航は現在海上保安庁がして下さっているのでありますが、この船も老朽いたしまして、やっと昨年、また今年と、この船の新造をいたしているありさまであります。よく先生のおっしゃることを検討いたしまして、できるだけ実現について考えてみたいと思います。
  65. 大倉精一

    ○大倉精一君 たとえばこの図面を見ますというと、東経百六十度以東においては相当観測船もあるようですね。が、しかしながら、この北緯四十度を結ぶ線の海域は東経百六十度以東、以西共に高層気象観測措置がないのですけれども、これは専門的に言って相当私は大きな影響があると思うのですが、その点、アメリカ等との関係はどうなっているのですか。高層気象観測の協定といいますかね。
  66. 和達清夫

    政府委員和達清夫君) 高層気象全般にわたりましては国際的に観測網が考えられるわけでありますが、定点観測につきましては、それに関係する国国の相談によって考えられる場合が多いのでございます。定点観測は航空にも非常に関係がありますので、その付近を通る飛行機の所属する国々もまた関係がございます。しかし、この北方定点につきましては、わが国が一番必要な所に置くことを主眼といたしたいと思いますので、国際的にこの方面に定点観測をするような話も出そうになったこともあるんでありますけれども、その点は、先ほど申しましたようにわが国にとって一番必要である所に置くということをもしやるとするならば、考えたいと思います。  なお、気象事業は、先生もよく御承知のとおり近年災害しきりに起こりまして、雨に対しても雪に対しても高潮に対しても暴風に対しても、それぞれに設備しなければならない問題を控えております。一方、飛行機観測というような問題も控えておりますので、私どもとしましては、あれもしたい、これもしたいという中にも、いろいろ検討しまして順位をつけ、そうして着々と気象設備を整えて行きたいと存じておりますが、よろしく御後援のほどをお願いいたしたいと思います。
  67. 大倉精一

    ○大倉精一君 われわれしろうとが後援しても仕方ないのですけれども、今度法案が出ておりますところの石垣島ですね、これと北方定点と高層気象観測の順位ですね、これはやはり南のほうが優先になるのですか。これは島であるがゆえにそちらを先にやるというのじゃないのですか。もし船を作るのだったら一体どうなるか。船を作るのだったらどっちが優先になりますか。
  68. 和達清夫

    政府委員和達清夫君) 定点の重要性につきましてはよく考えてみませんと、一つの場合二つの場合、また季節の場合、また毎日必要である程度、あるいは台風等非常に重要なことがまれにはあるが、その備えが必要であるというような観点も見ないと、ちょっと簡単にここで申し上げにくいのでありますが、この定点を夏の間だけやるということは、特にわが国を台風から守る、少しでもよい台風の予報をいたしたいという趣旨から出ております。
  69. 大倉精一

    ○大倉精一君 どうも答弁が何かなまぬるいふろに入っているようなんですがね。まあ、しろうと考えで図を見てみますと、石垣島、大東島あたりは付近にはもうすでにたくさん現に設備してある所があるのですね。ところが北のほうにはないわけです。ですから、ここがもし島がなくて広漠たる大海原でもって、そこへやはり定点観測を持っていってというふうになったら、一体どっちが優先になりますか。これは費用が安いから南のほうが先に優先になるということじゃないのですか。さらにまた、この南のほうの高層気象観測と北方定点観測とはおのおの任務が違うと思うのです。
  70. 和達清夫

    政府委員和達清夫君) 先に大東島を援助いたしましたときは、わが国にとってどうしても必要であるから、これはもうわが国がこの気象観測を行なってもここでやるべきであるということで法律を作っていただいた。石垣島はもちろんわが国にも必要でありますけれども、これはWMOでこの地に作ることを前から勧告しておる所で、沖繩諸島また近隣の国にとっても非常に大事な所で、今回はわが国が沖繩に援助をするということにおいてこのことが出ておるのでありまして、その点はちょっと大東島とは違った感じもあるわけであります。なお、そういうような島だけを見て、そしてほとんどない所に手をつけないではないかというお話、まことにごもっともでありまして、その理由は、端的に申せば困難性と費用の問題であります。
  71. 大倉精一

    ○大倉精一君 それで私もわかりましたが、金が高いから上のほうはあと回しだと、こういうことだと思うのですね。高いといったって日本の毎年受ける災害なり、あるいは農産物の生産に及ぼす影響の上から見れば、私はちっとも高くないと思う。これはあなたに言っても、——大蔵省を呼んで聞かなければいけませんけれども、私は気象観測というものに対しては、今日は高いから安いからということでなくて、それの効果を期待しなければならぬと思うのです。そういう意味において、どうも南のほうが安いから優先だ、あるいは沖繩との関係があるからということより、むしろこういう点については、あとからここで大臣がおいでになったら質問しようと思いますけれども、沖繩政府との関係もあり、アメリカ政府との関係もあるのですけれども、やはり日本として必要なら先に作るということをあなたのほうが中心になってやっていただかなければならぬと思います。これは気象庁という庁があるのですから、予算の獲得についてもさらに積極的に働きかけることがほしいと思うのです。そういう意味において南大東島、石垣島、この法案に反対ではありませんけれども、さらに北方定点というものは、これは以前に問題になっておったのです。こういうのは全然問題になっていない。昭和二十八年十二月でしたか、廃止になったのは。そのときに気象庁をあげて定点観測の再開が大きな問題になっておった、これをほっといていくから、しろうと考えでも順位がおかしいのではないかということになるのです。定点観測の再開の余地はありませんか。北方定点、南方定点のめどは。
  72. 和達清夫

    政府委員和達清夫君) 私ども五カ年計画を立てまして、すでにお手元にも差し上げたかと思いますけれども、その中にも何年度にこれを始めるということをどうしても決しかねまして、備考のほうに、わが国の気象設備の進行状況に応じて真剣に検討したいという意味になっておりまして、そういう意味において私どもは考えておりますので、その見込みとかいうような問題は、検討の中に入っておるので、ちょっと今申し上げかねるのでございます。
  73. 大倉精一

    ○大倉精一君 これはもうはっきり申し上げておきますけれども、この法案に私は反対ではありません。賛成ですけれども、私ども北方のほうの観測もやらなければならぬと思うのです。順位をどうするということについては反対なんですけれども、そうじゃない、これはこれでやらなければならぬ、そういう意味において賛成するのでありますが、これは一つ北方ばかりではなくてたくさんあると思うのです。やることがたくさんあると思う。そういうものを何もかも、費用がどうのこうの、あなたのほう遠慮することはないだろう。今度やるんだとやっていって、強引に、御元気な啓蒙をして、そしてもっと充実してもらわないと国民が迷惑すると思うのです。大体前から言っているように、気象観測というものは、どうも日本の政治家は、骨折ってやっても目につかないから、票にもならない、金にならないというので、その場限りになっているのですが、私はこの問題だけではないと思うのです、日本関係からいって……。今沖繩の問題について問題になっておるようですから、この次に関連してお伺いしていきたいと思いますが、きょうはこの程度で終わります。
  74. 村松久義

    委員長(村松久義君) 速記をとめて。   〔速記中止〕
  75. 村松久義

    委員長(村松久義君) 速記を始めて。  他に御質疑ありませんか。——なければ討論に入ります。御意見のある方は順次御発言を願います。  別に御発言もなければ、直ちに採決をいたします。  本案賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  76. 村松久義

    委員長(村松久義君) 全会一致と認めます。よって本案は全会一致をもって可決すべきものと決定いたしました。  なお、報告書の作成につきましては委員長に御一任を願います。     —————————————
  77. 村松久義

    委員長(村松久義君) 次に、運輸事情等に関する調査議題といたします。  航空及び港湾に関する件について質疑の通告がございます。この際御発言願います。大倉精一君。
  78. 大倉精一

    ○大倉精一君 まず、航空の問題についてお尋ねしますけれども、去る十七日に自衛隊のジェット機が小田原付近に墜落をして、鉄道、道路及び民家に損害を与えたという事故が起きましたが、ここでお尋ねしたいのは、この事故の原因が今までの気象観測では予想さえできなかったような気流があったためにそういう事故が起こった、こういうのですけれども、これは気象庁の今言った高層気象観測、これと航空自衛隊の行なう航空気象観測との関連はどうなっておるか。さらにまた、海上保安庁のほうからも気象観測があると思うのですね、あるいはその他の省庁の行なう気象観測もあると思うのですけれども、それらとの関連性はどうなっておるのですか。
  79. 和達清夫

    政府委員和達清夫君) 高層気象観測並びに他の気象観測も、その目的に必要なものは互いにその資料を交換し会う建前になっております。しかし、予報や警報を出し、実況を知らせるほうは気象庁は一般にはいたしておりますが、自衛隊は自衛隊で行なっております。
  80. 大倉精一

    ○大倉精一君 そうしますと、航空関係の気象観測には気象庁は関係がないということですか。
  81. 和達清夫

    政府委員和達清夫君) 民間機に関する気象観測は気象庁に関係がございます。
  82. 大倉精一

    ○大倉精一君 今度の事故のあった付近の気流というのは、多少高度は違うけれども、やはり民間航空にも相当影響があると思うのですが、その点はどうでしょうか。
  83. 和達清夫

    政府委員和達清夫君) 当日事故がありましたその時刻ごろでございますが、民間機が通っております。二つばかり日航の飛行機が通っておりますが、一つはその辺で気流の悪さを感じたと言い、一つはそれほどでもなかったと、こう申しております。しかし、それらは事故の起こった飛行機よりも下層を飛んでおりましたので、その上のほうの気流の悪さは推定するよりほかないわけでございます。  なお、私どものほうでは目下その気流の悪さを検討いたしておりますけれども、一応天気図その他を見ましてわかりますことは、当日ジェット気流がその付近の上空を流れておりまして、そうして気流が非常に強くなって、また不連続線がその場所に近づいております。それに加えて、その場所の地形の影響がございます。これらをよく調べまして、このような気流の悪さというものは、ただいまジェット機の事故に対して外国においても検討されているところであります。ジェット気流に対して、どういう部分が非常に気流が悪いのであるかというようなことにつきましては、いろいろ議論のあるところでございますけれども、私どもももう少し調査してみたいと存じております。
  84. 大倉精一

    ○大倉精一君 大体あの付近ではしょっちゅう自衛隊が演習しております。源田さんもときどきやると言っておりますし、現に日曜の日も、やはりあの付近でジェット機の訓練をやっておりました、私も見ておりましたが……。どうも心配されることは、いつ何どき、そういう事故が再び起こるかもしれない。そうすれば、かりに民間機が偶然こういったコースにあったために、これまた衝突事故が起こらないとも限らない。しかも高度については検討しなければならないと言っている。こういうようなことが起こると、これは自衛隊のあの付近における演習高度と、それから民間航空航空活動というものについて、双方が何らかやはり協議をし、反省、検討しなければならぬと思うのですが、この点について自衛隊との関係はどうなっているか、航空局長いかがでしょうか。
  85. 今井榮文

    政府委員(今井榮文君) 御承知のように管制区あるいは管制圏というところにつきましては、民間機、自衛隊機を問わず航空交通管制本部において高度あるいは速力等につきましての管制をいたしているわけであります。先般事故を起こしました自衛隊機の飛んでおりました区域は、管制区外になっておりまして、したがって民間航空として私どもが組織的に関与はいたしておらないわけであります。
  86. 大倉精一

    ○大倉精一君 これは将来と言わず、早速そういう問題の協議をするような状態を作らなければならぬのじゃないかと思うのですね。自衛隊機は自衛隊機、民間機は民間機でやっていると、非常に将来危険な状態が起こりはしないか、特に今度の場合は航空自衛隊初まって以来の悪気流であって、今まで経験したことがないと言うのです。経験したことがなくても、日本の上空では、そういう悪気流があるということは事実です。ですから将来、一体そういう気流がどの高さになるのか、どの範囲になるのか、これはいろいろ現象があり得ると思うのですね、これは専門家のほうでないと私はわかりませんけれども、非常にこの点に対して不安を感じるのですね。ですから、日本の上空の気流は悪いということを言われておりますが、こういう点、悪いということは今初めて知ったわけです。何かこの気流によって、編隊長機の主翼には根元にしわが寄っておる、足の覆いが割れておる、水平尾翼が抜けておるというようなことであって、民間機であれば、当然これは空中分解しておる、こういう記事が載っておる、これは私は慄然たるものがあります。  ですから、そういうような気流は、民間航空に影響のある場所ごとにおいて起こる可能性があるかどうか、これは気象庁長官、いかがですか。
  87. 和達清夫

    政府委員和達清夫君) この今回の事故は、気象学のほうで、いわゆるクリヤエアー・タービュレンス、割合に澄明な空気の中で起こる気流の悪さだと私は思います。ジェット機が非常に高いところを飛ぶようになりまして、クリヤエアー・タービュレンスによって事故を起こしたことは、外国にも時折あったことでございまして、一方気象学的にも非常に研究されておるところであります。  こういうような高いところの気象につきまして、一方は目下研究中でありますが、他方は航空機のほうからも研究すべきであると思う次第でありますので、こういう事故が起きるとすれば、わが国においても、十分に両方の側から協力して研究すべきであると思う次第であります。
  88. 今井榮文

    政府委員(今井榮文君) 補足してお答えいたしますが、今、気象庁長官が御説明されたようなことでございますとすれば、私どもといたしましても、防衛庁と今度の事故の調査の結果につきまして、十分お話を伺うと同時に、今後両者で相談する必要がありますれば、これは協調して相談した上で、民間機と自衛隊機とを問わず、事故がないようにいたしたい。  なお、気象上のことにつきましては、気象庁のほうから、私ども十分に知識を得るように今後努めたいと思っております。
  89. 大倉精一

    ○大倉精一君 これは必要があればというのじゃなくて、私は進んで、そういう情報の交換になりあるいは今後の措置に対する討議ということはしなければならぬと思いますが、これは次官、どうですか。
  90. 有馬英治

    政府委員(有馬英治君) ただいま航空局長が申し上げましたことは防衛庁のほうと十分協議をいたしまして、将来とも必要があれば、そういった常時研究するような体制を作りたい、そういう意味であろうと思います。大倉委員のおっしゃることと全く同意見であると、私は信じております。
  91. 大倉精一

    ○大倉精一君 長官にお尋ねしますけれども、先ほどもいろいろ問題になりました高層気象観測と、このジェット気流の観測なりあるいは予測なりというものとは関係があるのですか。
  92. 和達清夫

    政府委員和達清夫君) 今回の事故のようなものは、高層気象観測がなければ、ほとんどの調査はできないのであります。現在は、わが国におきましても、高層観測が一通り観測網を持って行なわれておりますので、ジェット気流の強さ、その位置、そうして、そこへ不連続線が来た様子というようなものが調べられるわけであります。これを調べまして、過去における実例を調べ、外国における状況も調べ、そうして、こういう場合はこういうふうになるということが確立されれば、これを予報や警報に織り込むわけであります。その気象学上の理屈が、まず私ども知りたいところであります。  そういう意味におきまして、こういう目的には、もっと高層気象があれば、さらに詳しくわかるのでありますけれども、現在のわが国の高層気象では非常に重要な役目をするわけであります。
  93. 大倉精一

    ○大倉精一君 先ほどの質問とも関連するのですけれども、そういう面から言っても、やっぱり北方定点観測なりあるいはその他の高層気象観測網の充実には、よりやっぱり急速に強化をしなければならぬと思いますが、これは次官ひとつ、この点は特に大臣にお伝え願えますか。
  94. 有馬英治

    政府委員(有馬英治君) たいへん気象庁に対する御激励のお言葉を先ほどからいただきまして、まことに感謝にたえません。年々運輸省といたしましては、気象業務の充実について全力を尽くしておる次第でございますが、予算の編成に際し、御承知のような編成方針というものをいつもきめられまして、そうしてのっぴきならぬような原則をあてがわれるというようなこともありまして、なかなか思うようになりません。しかし国会におきまして——衆議院におきましてもまた参議院におきましても、災害のときだけでなく、国会において委員会の際は、常にそうした激励のお言葉をいただいて、順次各方面にも、この必要性が徹底してきておると私は感じております。したがいまして、再来年度——三十八年度予算編成にあたりましては、一そう努力をして、御期待に沿うように運輸省としては努力をいたしたいと考えます。
  95. 大倉精一

    ○大倉精一君 関連しまして。木更津の上空の問題がありましたね、かって。東京の羽田へ進入するのに、木更津の上空でもって一時待機しておって、羽田へ進入して来る、その待機中における危険というのが相当問題にされたことがあったのですけれども、これは、今でも待機するのか、あるいはほかに、ホールディング・エィリアというのをほかに設けるという話がありましたが、現在どうなっておりますか。
  96. 今井榮文

    政府委員(今井榮文君) 実は、先般の国会で御答弁申し上げたいと存じておりましたが、ついにその機会がなく御答弁できなかったのでありますが、木更津の上空におけるホールディング・エィリアにつきましては、木更津飛行場を出発する自衛隊機というものの高度について、厳重な管制を加えるということにいたしておりまして、その協定等についても、細目に至るまで防衛庁との間に話が全部できております。したがいまして、現在のところでは他にホールディング・エィリアを設けるということではなしに、あすこに二千メーターの高度で入って参りまして、あすこから直線で漸次降下しながら羽田へ着陸するというルートで現在やっております。  なお自衛隊機とのセパレーションにつきましては、先生からの当時御注意もございまして、完全なる話し合いがついて、現在円滑にいっているわけであります。
  97. 大倉精一

    ○大倉精一君 もう一回だけひとつ。しろうと考えで心配だからお伺いしますけれども、民間航空の飛行高度に再検討を加えるということはないのですか。つまりいうなれば、こういう非常に危険な気流が民間航空機の航行する高度ですね、その範囲内に起こる可能性はないのですか。われわれときどき飛行機に乗りますというと、大島上空とか箱根とか、富士なら富士で、悪い気流にぶつかって非常に動揺を感ずることがあるのですが、これが激しくなれば、こういう現象が起こってくるのですね。  ですから、そういうような心配はないかどうか、それに関連をして、民間航空航空高度というものを再検討する、そういう必要はないのですか。
  98. 今井榮文

    政府委員(今井榮文君) 民間航空機の高度につきましては、飛行機の大きさ、あるいは飛行機のエンジンの種類等によりまして、高度に限定が一応ございます。  したがいまして、通常東京から大阪に向かいます飛行機は、あるいはまた福岡に向かいます飛行機というようなものにつきましては、御承知のように主としてプロペラ機を使用しておる状況でございまして、その高度も、大体の場合には一万フィート以下の低高度で飛んでおるわけであります。将来、かりに民間機の国内線がジェット機になるというようなことになりますと、ジェット機の特性を生かす意味におきまして、相当高高度を飛ぶということになるわけでございます。かりに二万五千フィートあるいは三万フィートというようなところを飛ぶということになりますと、いわゆる軍用ジェット機との間に、ある程度近接した路線を開くということになるわけであります。  しかしながら、航空局といたしましては、自衛隊機のジェット機の高速化、あるいはまた民間機のジェット化という情勢に対応いたしまして、現在ただいまも気象庁の高層気象観測のお話がございましたが、管制それ自体につきまして、従来の管制体制というものを、さらに上空に広げるということで、高高度管制組織というものを現在検討いたしております。これは早ければ、来年度早々ぐらいには、航空交通管制本部のほうに、高高度管制のセクターを設けまして、高高度は全部航空路と同じようにセンターが直接管制する、こういう体制をとる予定であります。したがいまして、気象の問題は別でございますが、いわゆる管制の運用そのものからしますれば、ジェット機につきまして、自衛隊、民間機についての完全な管制体制というものができ上がるわけでございます。  ただ、そういったような高高度に、どのような気象状態が起こるか、その気象状態に対して、どういうふうに民間機あるいは自衛隊機を防衛するためのやり方を考えるかというような点につきましては、先ほども申し上げましたように、今後十分気象庁、防衛庁と連絡いたしまして、先生の御趣旨のような面で遺憾のないような措置をとりたい、かように考えておるわけであります。
  99. 大倉精一

    ○大倉精一君 まあ今度の事故は、いまだかって経験のなかったような、こういう問題が日本の上空に発生したのですから、これはひとつ、学術的にもあるいは技術的にも、航空その他の方法に関する諸問題について遺憾のないように、ひとつ御措置願いたいということを要望しておきます。     —————————————
  100. 村松久義

    委員長(村松久義君) 次に、港湾に関する件について質疑をお願いします。
  101. 大倉精一

    ○大倉精一君 これは大臣にお答えを願いたいのですけれども、次官がいらっしゃるからお聞きをしておきますが、御承知のように、今月の二十七日に日本の全港湾労働組合がアメリカ、ソ連、オーストラリア、インドネシア、インド、沖繩、中国、北ベトナムというような国際的な規模において統一行動をする。この要求になるものは、港湾労働者の前時代的な環境に置かれておる、その還境を脱却しようということであり、さらに一九四九年ILOの港湾労働者の雇用の恒常化の決議というものに基づいて、この統一行動を行なうのですけれども、これはILOの決議とも関連をして国際的なものになるのですが、これに対して、政府はどういう状況現状認識を持ち、どういう工合に対処しょうとしておられるか、それについて述べていただきたいと思います。
  102. 有馬英治

    政府委員(有馬英治君) お話の点につきましては、運輸省におきましても、先日来そのなりゆきを憂慮しておるわけでございますが、御承知のように事柄は外国のことでございます。そのねらうところはどうであるかは別として、行動は外国のことでございます。直接運輸省が、今どうするということ、この事態に当面してどうするということは、運輸省の、日本政府一つとして運輸省の立場上、これを直ちにどうするということはないわけでございまして、できないわけでございまして、しかしながら事柄は、きわめて重要でございます。よりより関係方面、つまり外務省その他と十分打ち合わせをいたしまして、これに対処する方針検討中でございます。
  103. 大倉精一

    ○大倉精一君 これは運輸省としては、どうしようもないというような御答弁だと思うのですけれども、そうじゃなくて、ことは労働問題でありますけれども、これによって港溶労務がストップされて、しかも外国の港湾においても、日本船がボイコットされるのだ。これは運輸省としても大きな関心を持っていなければならぬと思うのです。  しかもこの問題は、私はまあ自分でそんたくしてみますというと、たとえばアメリカにおいても、日本の労働組合が協力してくれといえば、いつでも協力すると思う。ことはバイ・アメリカン、シップ・アメリカンに通ずると思う。しかも、この問題はこれによって、日本港湾労働者の前時代的な姿というものは世界に知られるわけだから、私はこの際、政府としても、これは運輸省といわず労働者といわず、関係省庁相寄ってこの際港湾労働者の環境なり地位なり、あるいは条件なりというものを近代化しなければならぬというこの熱意を持ってくれなければ、今度の問題は解決しない。これは何としても、二十七日の統一行動をやらしてはいかぬのだ、これは一にかかって政府の、そういう誠意にあると思いますが、これはいかがですか。
  104. 有馬英治

    政府委員(有馬英治君) 仰せのとおり、きわめて重要であると思いますが、わが国の側における港湾労働の問題については、これはまた、このストその他とは別個に、かねがねから運輸省においても、その待遇改善並びに向上について検討を進めておるところでございまして、同時にまた、船込みの状態と関連いたしまして、特に港湾労働者を優遇育成しなければならないという別個な事態も起こっておりますので、今回の予算措置においても、できるだけのことを一歩前進して、その対策に努めているのでございますが、こういうことに照らしましても、一そうその向上並びに育成に努めていきたいというのが、私の方針でございます。
  105. 大倉精一

    ○大倉精一君 それはまあ、作文的な答弁というものじゃないかと思う。港湾労働者を育成すると一口に言っても、どうやってやるか、港湾労働者は、港湾労働法というものを社会党は出している。現在、港湾労働者の実態というものは、推定するところ約十万人。その中でおおむね常用労働者は二割、大半が日雇いである。しかも日雇い労働者の実態というものは、たこ部屋であり、監獄部屋であるということでもって、全く実態のつかめない、民主主義、自由諸国家においては想像もできないような、そういう状態に置かれているのですね。  ですから、これを一がいに観念的に向上しなければならぬ、優遇しなければならぬといいましても、方法がなければならぬ。どんな方法がありますか。
  106. 有馬英治

    政府委員(有馬英治君) 的確なことについては港湾局長がおられますのでお聞き願いたいのですが、今回の予算措置として、主としてまず推進しなければならないと考えましたことは、住宅が非常に不足であるということで、まずもって取りあえず住宅だけでも安定したならば、港湾労働者の生活も安定してくるのじゃないかということで、今回、そういった住宅に対する対策の措置をとった次第であります。
  107. 大倉精一

    ○大倉精一君 これは住宅を少し作ってみたところで、あるいは賃金を若干手直ししてみたところで、港湾労働者の現状は決して直りません。これは制度的に、この港湾労働者の問題は改革をしなければならぬと思うのです。  その一つの方法として、社会党としては港湾労働法というものを今度国会に出したのですけれども、これは、あなたのほうが賛成されるかどうかわかりませんが、これが悪かったならば、これにかわるべき代案があるかということですね。制度的な改革ですね、それがなければ、私はこの国の港湾の問題は解決しないと思う。先般船込みの問題について、当委員会でもいろいろやりましたけれども、焦点は人間の問題ですよ。バースをどんどん作ったり、はしけを作ったり、倉庫をどんどん作ったりしましても、結局は、ものを動かすのは人間です。その人間の問題を解決しなければ、どうにもならない。もうがまんができないといって立ち上ったのが日本の労働者であり、この現状を支援をして国際的な態勢ができてきた。こういうのですから、これは政府としても、国内における一労働組合のそれとは違った意味がありますから、局長どうですか、二十七日といえば、もうすぐですが、どういう工合に、どういう対策なり、措置をされようとするのか、いかがですか。
  108. 坂本信雄

    政府委員坂本信雄君) 二十七日の問題につきまして私の聞いたところを申し上げますと、新聞で見たところでは、国際港湾統一行動日というものを前に作ってありまして、それを三月の二十七日に各国で行なうということでございますが、実は正式には、私のほうには何も通告もございませんし、また関係の各省にも聞いてみましたけれども、そういうような通告を受けたところはございません。あまり的確なことはわからないのでございますけれども、われわれも全港湾労働組合の方とか、あるいは新聞社とか、船会社とか関係筋から、できるだけ情報を集めようとして聞いておるわけでございますが、全港湾は、新聞に載っておるようなことでございまして、全港湾としましては、先般ストライキ権を獲得いたしております。これは労働省の所管で労働大臣に通知があったわけであります。それから承知いたしておりますが、外国の港湾につきましては、いろいろできるだけ聞いておりますが、まだ、日本船だけを対象にして二十七日にストライキを行なうという実は的確な情報は、私はまだ存じておりません。実ははっきりしたことはよくわかりません、そういう状況でございます。  それから港湾労働者の待遇の問題、これは先ほど先生から御質問ございましたが、実は私のほうの所管ではございませんので、少し雑駁な答弁になるかもしれませんが、ILOでは、数次にわたって港湾労働者の常用化に関する決議を行なっております。一番新しいのは、一九五七年に一番新しいのを行なっておりますが、先生のお話がございました一九四九年にもやっております。これはみな同じような趣旨でございまして、その文章は、港湾労働者の常用化という問題は非常に大事であるから、各国の実情と慣行とに従って、またその国の問題の程度に従って、政府、使用者、労働者一緒になって、これを促進するようにすべきであるというような決議でございます。  われわれといたしましては、昭和三十一年に労働省に港湾労働対策協議会というものを設置いたしまして、私もその委員になっておるわけでございますが、そこで港湾の労働に関するいろいろな問題が討議されまして、数次にわたって意見書の策定を見ております。その意見書の趣旨を、われわれも尊重をいたしまして、非常に漸進的ではございますが、できるところから実現に移しているわけでございまして、現在までに港湾労働者の手帳制度実施だとか、あるいは今、次官からお話しございました労働者用住宅の建設とか、これは労働省の所管でございますが、労働職業紹介態勢の強化だとか、そういうようなものを実現する、少しずつではございますが、やっておるつもりでございます。  なお、今国会に法案が提出されておりまして、総理府に港湾労働等審議会というものを設けまして、その中で正式の機関として、この港湾労働の問題を論議していただくことになっておりますので、われわれといたしましては、その審議会の御意見を尊重いたしまして、先生の御趣旨に沿ったような改善を今後やっていきたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
  109. 大倉精一

    ○大倉精一君 大臣の御出席がありませんから、この次の委員会に重ねてお尋ねいたしますけれども、この問題は、私はそう簡単なものじゃないと思うのです。昭和三十一年に港湾労働対策審議会ができたとおっしゃいましたけれども、三十一年にそれを作って、なおかつ港湾労働者の実態が解決されていないということ、こういうところが港湾労働者が政府に対する不信を持っておる一つ理由になるわけなんです。しかし、事はもう差し迫っているのですね。あなたは新聞で見たがというお話があったのですけれども、これは労働組合のほうなり、あるいはその他のほうから、官房長官のほうに対しては申し入れをしておるわけなんですよ。が、それはともかくとしても、所管省であるところの運輸省がこの二十七日に船がとまるというこの現実に対して、新聞によればというような消極的なことでは問題は解決しない。  ですから、重ねて申しますけれども、港湾労働者の問題は、現在の港湾問題の中心になるのですから、これは港湾労働者の制度的なものを改革しなければ解決しないのです。それを要求しておる。その骨子なるものは、社会党が出しておる港湾労働法でありますけれども、その賛否は別にいたしましても、これがいけなければ、こうするのだという代案なり、あるいはこうするのだという誠意なりがなければ、これはなかなか解決しない。昭和二十八年でございましたか、やはり同じ港湾労働組合が、暮れの十二月二十五日に輸入食糧の料金を、公示料金をとれという、こういう要求によってストライキをやりかけたことがあるのですね。これはもう法律を守れという要求なんですよ。これをこの委員会で取り上げて、国際的な問題としていろいろ政府を追及しましたが、その結果、ストライキ直前において六者会談ということになって、料金収集の窓口を一本にしようという具体的な案ができて、このストライキを回避し、その後においては、輸入食糧に関しては公示料金をとっておるということもあったのです。  これは解決しようと思えば、政府の誠意があればできると思う。ですから、この次の委員会までに、運輸省として実態をよく把握をして、どうするのだという、こういうひとつ運輸大臣としての所信を伺っておきたいと思うわけですむ抽象的なもんじゃなくて、政府として、こうするのだという具体的なものについて、この次の委員会に回答してもらうように、局長のほうから大臣に言ってもらいたいと思う。委員長のほうからもお願いいたします。
  110. 坂本信雄

    政府委員坂本信雄君) 先ほど新聞で見たということを申し上げましたが、それは国際港湾統一行動日のことでございまして、日本における全港湾のストライキにつきましては、私どもも直接全港湾からも申し入れを受けましたし、そのことは存じております。  なお、港湾労働の問題は、実は港湾労働協議会でも、石井会長が申しておりましたが、非常にむずかしい問題であって、やはりこれは漸進的に一つ一つの問題を解決していくよりほかに方法がないのではないかということを言っておられましたが、私もあまり急激な手段で混乱を起こすようなことがあっては困りますし、やはり一つ一つの問題を、常に関心を持って改善していくことが、非常に漸進的な方法ではございますけれども、もっともいい方法ではないかというふうに考えております。  なお、先生の御趣旨大臣にお伝えいたします。
  111. 大倉精一

    ○大倉精一君 ちょっとつけ加えておきますけれども、大臣は就任のときの所信表明のときに、海運港湾は重点施策にするという発言があったわけです。これを思い起こしてもらいたい。港湾というものを重点施策にするという、その中には必ず人間の問題が入っていると思うのですよ。港湾五カ年計画の中には、確かに人間の問題が入っていなければならぬと思うのです。単なる、これは労働省の所管であって、おれのほうの所管ではないということは言えない。ですから、そういう点も念のためにお願いいたしますから、その辺、委員長からもお伝え願いたいと思います。
  112. 村松久義

    委員長(村松久義君) 今の趣旨をよく大臣と御相談の上、なるべく早い機会に、大臣方針をひとつ立てていただきたいと思います。  ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕
  113. 村松久義

    委員長(村松久義君) 速記を起こして。     —————————————
  114. 村松久義

    委員長(村松久義君) 都市交通に関する件について議題にいたします。政府より発言を求めておりますので、この際許可いたします。
  115. 木村睦男

    政府委員(木村睦男君) かねて東京都区内におきます交通混雑緩和のための措置といたしまして、警視庁のほうで緩和のための交通規制の案を立てました。運輸省といたしましても、東京陸運局をして、この案に対して警視庁と折衝をさしておったのでありますが、けさ九時に最終的に警視庁と東京陸運局の間で話し合いをいたしまして、ほぼまとまった線が出たわけでございます。当委員会におきましても、かねてこの問題につきましては、いろいろと御指導を願っておったわけでありますので、この機会に、まとまった案について報告をさしていただきたいと思います。もちろんこれは、実施は東京都の公安委員会が当たることでございますので、東京都の公安委員会の責任においてやるわけでございますが、事の性質上、運輸行政をあずかる陸運局といたしましても、この案に対して、いろいろ調整、折衝をいたしたのでございます。で、先ほど申し上げましたように、けさほど両者の間でまとまりましたおおむねの線でございますが、以下申し上げたいと思います。  まず第一点は、規制の対象でございますが、規制の対象といたしまして、四種類の車をあげております。一つはトラックでございまして、緊急輸送に当たるものを除く、最大積載量七・五トン以上の大型貨物自動車を規制の対象にいたしております。  第二は、貨物を積載した状態におきまして、長さが車の長さの約一・二倍、または幅が車の幅をこえる自動車——通常これを長物運搬車と申しておりますが、これを規制の対象にいたしております。  第三は、牽引車でございます。牽引車が被牽引車を牽引しておる状態、またはこれに貨物を積載した状態におきまして、長さが十メートルをこえる自動車——長大牽引車と申しておりますが、これが第三点の車でございます。  それから大型の乗用自動車——乗車定員が三十人以上のものという意味で、大型乗用自動車とここで申しておるのでございますが、この四種類の車でございます。ただし、この大型乗用車では、路線をきめて走っております乗合バスあるいは路線をきめて走っておりますはとバスのような観光バス、これは除きます。以上が規制の対象にしております車でございます。  しからば次に、どの道路を規制の対象にしておるかと申しますと、大体東京都区内を走っております道路のうち、二十路線を対象にいたしております。そのそれぞれの路線のどこからどこまでということは、おおむね警視庁のほうで調べてはおりますが、これは今後実施までに、さらに詳細に調べて決定をするやに聞いておりますが、この二十路線の俗称と申しましょうか、名前を申し上げますと、第一京浜国道、羽田街道、第二京浜国道、中原街道、青山線——三宅坂から三軒茶屋のほうに行く道です。それから渋谷水道道路、甲州街道、青梅街道、九段——練馬線、川越街道、中仙道、飛鳥山——新荒川大橋線、昌平橋−西新井線、陸羽街道、水戸街道、千葉街道、日比谷——勝閧線、千代田——永代橋線、祝田橋——白山線、外堀線、大体この二十の道路につきまして、それぞれ適当の区間を規制の対象にすることにしております。  それから次が時間帯でございますが、先ほどの車のうち、七トン半以上のトラック、それから長物運搬車、それから長大牽引車、これにつきましては、日曜日あるいは祝日を除く平日の午前八時から午後七時まで、ただしその間午前十一時から午後一時までの二時間は除外いたしております。それから大型観光バス、これにつきましては午後五時から午後七時までの二時間でございます。土曜日、日曜日、祝日は除外いたしております。  制限禁止の内容は、先ほど申しました道路につきまして、申しました時間帯におけるこれらの車の通行禁止ということになります。実施の時期は、これは都の公安委員会のほうで、準備その他今後さらにこまかく調査検討する点もございますので、それができた暁において実施するということになっておりまして、期日はまだきまっていないようでございます。これが道路交通法第七条に基づきます東京都公安委員会が告示によって規制をする内容でございます。  次に、自家用の乗用自動車につきまして、どういうふうに処理するかということをやはり話し合いをしております。その内容は、都心部等、特に道路混雑のはなはだしい地域については、道路の効率化をはかるため、駐車禁止または駐車時間を制限する区域を拡大し、特定地域への乗用自動車の乗り入れを間接的に制限するような規制を行なう、また特定道路については、トラック通行道路とするように検討する、つまり自家用の乗用車につきましては、混雑のひどい地域につきまして、駐車禁止あるいは駐車時間の制限等、個々の制限行為によって、そこに乗用車を乗り入れても置く場所もないということで、自然と乗り入れをやめるという方向に間接的に持っていくような規制を行なう。また道路につきましても、ここの道路はトラックだけにしようというような道路を作っていくというようなことを、今後考えていくということでございます。  それから次に、車両運行につきまして、自主的にいろいろな規制をやっていこうということも話し合っておりまして、その内容を、警視庁それから東京陸運局、その他の団体及び関係業者を構成員といたしまして、仮称でございますが、臨時交通調整協議会といったものを、できるだけ早い機会に設置いたしまして、この協議会で車両の運行を自主的に規制するようにしていく、この協議会におきましては、当面次のような事柄を強力に推進するために活動を開始するということで、考えておりますことは、一つは、砂利トラック、コンクリート・ミキサー等で、その車両の運行をあらかじめ計画的に調整できるものについては、運行回数の一部を夜間に移すように考える。第二点は、相当数の車両を所有するものは、主要路線ごとに、特定時間帯、その道路の運行を自主的に避けるように措置する。第三点は、規制の対象の、先ほど申し上げました二十の路線につきましては、午前十一時から午後一時まではあけてありますが、自家用の乗用自動車あるいは軽自動車及び軽車両、これらはやむを得ない場合のほかは、当該道路の通行を自粛するように強力に呼びかけまして、このあかされた時間、この二十路線について大型のトラック等の通行のため特に便宜をはかるように措置する。こういうようなことを調整協議会で手をつけて、事実上の指導をやろうというふうに話し合いになっております。なお、以上のほか運送事業者あるいは関係事業者に対しまして、従業員の週休日を日曜以外の日に計画的に振り分けてもらって、日曜日に車を動かすようにして、一週間の通行量の平均化ができるように、いろいろ要請もいたしたいというふうなことを考えまして、この調整協議会で具体案を作っていこうというのが、本日、警視庁と陸運局との話し合いでまとまった点でございます。  これらを内容といたしまして、公安委員会におきまして、必要な事務手続をとりまして、告示並びに今後の行政指導の実施ということになっております。以上が本日話し合いのつきました内容のあらましでございます。
  116. 大倉精一

    ○大倉精一君 資料要求をして、いずれ次回に質問したいと思いますが、本日お伺いしたいことは、乗用車の乗り入れを間接抑制するということに伴って、バスの増発なり、その他大衆輸送機関の措置について、お考えになっておるのですか。
  117. 木村睦男

    政府委員(木村睦男君) 乗用車を間接規制によって押える結果、バス等の利用者がふえることも予想されますので、この点につきましては、当然こういった大量公共輸送力の増強ということは考えておりまして、陸運局をして、その準備のために、いろいろな現在調査をいたさせております。
  118. 大倉精一

    ○大倉精一君 さらに乗用車を利用するために、郊外の適当必要な場所に乗用車のための駐車場ということも考えられるのですけれども、そういうことも考えておられるのですか。
  119. 木村睦男

    政府委員(木村睦男君) 駐車場の問題につきましては、直接運輸省の所管ではございませんが、当然、そういうことが予想されますので、われわれ関係者の集まっております内閣の交通対策本部の会議におきましても、この問題につきまして、いろいろ関係責任官庁を中心にいたしまして研究検討を進めております。なお、そのために土地の何といいますか、国有地等も、これに活用したい、かようなことで、そのほうの調査等も進めております。
  120. 大倉精一

    ○大倉精一君 これは東京の対策なんですけれども、大阪はどうなりますか。これはやはり、これに準じて大阪も行なうということか。大阪は独自の対策を立てるということですか。
  121. 木村睦男

    政府委員(木村睦男君) 大阪につきましては、少し前になりますが、大阪の府警本部におきまして、規制をするとしたら、こういうふうな順序でやりたいということで、一応の順序と考え方は公表しておりますが、いつ実施するか、またそのうちのどれをやるかということは、まだ全然未定の状況のようでございます。最近、業界のほうでも、何とか交通混雑緩和のために、率先してわれわれも協力したいというふうなことで、いろいろ関係当局と折衝を持っているようであります。現在私が聞いております情報では、こういった強制的な規制ということは、まだ手をつけないで、自主的な行政指導による規制を、関係業界と一緒になって研究し、実施する方向に、現在検討を重ねているというふうに聞いております。
  122. 大倉精一

    ○大倉精一君 資料の要求をしたいのですけれども、この案によって期待する効果ですね。これはできるだけ具体的な数字が上がったらけっこうだと思うのですけれども、もし数字が出なかったら、大体、こういう程度のということでけっこうですから、期待し得る効果、それから、これによって起こると想定されている現象に対する措置ですね。たとえば今私が申しましたような大量輸送機関の増発なり、あるいは郊外における乗用車の駐車場のごときものなり、あるいはまた七トン半と申しましても、七トン半を主体とする業者もずいぶんおるのですが、これは業者擁護という立場ばかりじゃなくて、そういうものに対する措置、手当は考えておられるかどうかという、一例をあげればですね。予想し得るいろいろな現象に対する対策ですね。そういうものをひとつ資料としてお出し願って、それに基づいて必要な質問をしたいと思います。
  123. 村松久義

    委員長(村松久義君) お聞きのとおりであります。
  124. 木村睦男

    政府委員(木村睦男君) 承知いたしました。
  125. 村松久義

    委員長(村松久義君) では、本日はこの程度で散会いたします。    午後三時五十五分散会      —————・—————