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1962-02-27 第40回国会 参議院 運輸委員会 第9号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十七年二月二十七日(火曜日)    午前一時三十七分開会     —————————————  出席者は左の通り。    委員長    村松 久義君    理事           天埜 良吉君           金丸 冨夫君           谷口 慶吉君           大倉 精一君    委員           重宗 雄三君           天坊 裕彦君           平島 敏夫君           松浦 清一君           加賀山之雄君   国務大臣      運輸大臣 斎藤  昇君      国務大臣 川島正次郎君   政府委員    行政管理庁行    政管理局長  山口  酉君   運輸大臣官房長 広瀬 真一君   運輸省船員局長 若狭 得治君      運輸省自      動車局長 木村 睦男君   事務局側      常任委員      会専門員 古谷 善亮君   説明員     警察庁保安     局参事官  富永 誠美君     日本国有鉄     道副総裁  吾孫子 豊君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○運輸事情等に関する調査  (都市交通に関する件)  (最近における日本国有鉄道事故  に関する件) ○船舶職員法の一部を改正する法律案  (第三十九回国会内閣提出)(継続案  件)     —————————————
  2. 村松久義

    委員長村松久義君) ただいまより委員会を開会いたします。  まず、運輸事情等に関する調査を議題といたします。特に都市交通に関して、本日は川島行政管理庁長官も見えておりますので、質疑を継続いたします。質疑の方は御発言願います。政府側出席者は、運輸省自動車局長建設省都市局参事官通産省自動車課長、これらの方が出席しております。
  3. 大倉精一

    大倉精一君 きょうは安井公安委員長出席をお願いしておったのですけれども出席されないことは非常に遺憾だと思います。川島長官おいでになりましたから、今から質問を申し上げますけれども質問に先立って、現下の都市交通の問題について閣僚懇談会においていろいろ御苦労なさっておる点を承知しておりまするが、お断わりしておきたいのは、私がこれからお伺いすることは、何か衆議院等におきましては運輸委員会地方行政委員会とが対立をしておるとか、あるいはまた、われわれ関係者が発言するというと、業者擁護というような、いろいろな雑音が耳に入ってくるのですけれども、そういう観点は毛頭ありませんから、これはひとつそういう先入観なしにお聞き願いたいと思います。  聞けば、きょうもすでに大阪におきましては大幅な交通規制をおやりになったということも聞いておりますけれども、いろいろ閣僚懇談会において審議をされ、あるいは当委員会においても審議をし、あるいはまた民間等商工会議所等においても協議をしておられる。こういう中で、警察だけが先行してどんどん規制をしていくというこういういき方については、私は非常に疑問を持っておるのです。川島長官にお伺いしたいのですが、やはり閣僚懇談会なり何なりにおいて方針が確定をして、それから規制をしていくという工合にならなければ、どうも私はちぐはぐになって間尺に合わぬと思うのですが、この辺の御見解はいかがですか。
  4. 川島正次郎

    国務大臣川島正次郎君) 臨時都市交通関係閣僚懇談会におきましては、交通行政の基本的な問題につきましてはこれを取り上げまして実施に移すようにいたしております。末端の個々の事柄につきましては閣僚懇談会にかけないこともあろうかと思いますけれども交通問題の基本的解決策並びに当面差し迫っておる交通混雑緩和事故防止を根本的にどうしたらよいかという問題につきましては、私ども会議で相談した結果、それを実施に移すように努力をいたしております。
  5. 大倉精一

    大倉精一君 きょうは交通事故の問題は一応切り離しまして、都市交通緩和という問題に限定をしてお伺いいたしますけれども、今のお話でありますというと、当面の都市交通緩和の問題については、閣僚懇談会において協議をし実施に移しておるというお話なんですけれども閣僚懇談会においては、どういうことが決定されておるのか、あるいは決定する過程にあるのか、どういう状況にあるのですか。
  6. 川島正次郎

    国務大臣川島正次郎君) 昨年十二月以来毎週必ず一回開催いたしまして、いろいろな問題を取り上げておりまして、私、ここに書類を持っておりませんで、一つ一つ申し上げることはできないのですけれども、まああらゆる問題を取り上げてやっております。
  7. 大倉精一

    大倉精一君 まあ私の質問が要を得なかったかもしれませんが、今、東京大阪都市交通緩和につきましては、いろいろな各要素が入り組んでおると思う。しかも、これは川島長官も御指摘になっておるように、運輸行政の一元化されていないというところに根本原因があるのでありますから、私ども閣僚懇談会に対しまして非常に大きな期待を持っておる。たとえば、運輸省がやる仕事建設省がやる仕事警察庁がやる仕事、さらにはまた通産省がやる仕事、こういうものが入り組んでおるのですね、こういう入り組んでおるものを閣僚懇談会においてひとつ調整をしてもらいたいという期待を持っておる。たとえば警視庁のほうの案は一応出ておりますけれども、これは承るところによると、まだ案であって、閣僚懇談会においては決定を見ていないということを聞いておりますので、われわれはさよう承知をしておるわけです。そこで、さらに運輸省としても案があるなら出して、そしてこれは対案というような、そういうきびしいものじゃなくて、輸送調整の面で、こうしたらいいじゃないかという案があれば出す。あるいはまた、建設省のほうの分野としての所管の案があれば出す、こういうものを突き合わして閣僚懇談会において総合的に検討なさるものである、こういうふうに考えておるのですが、この点はどうなんですか。
  8. 川島正次郎

    国務大臣川島正次郎君) 政府には一昨年から交通対策本部がありまして、総務長官本部長にしまして、各省の事務当局が出て、交通問題に対する連絡調整に当たっておったのでございます。しかし、その機能が十分発揮できませんので、昨年の十一月以来閣僚懇談会を開くようになったのです。むろん事務当局間で十分話し合いまして、調整ついたものはそれなりに、また調整つかぬものは調整つかぬなりに懇談会に提案されまして、閣僚間で十分に意見をかわしまして、連絡調整の上、実施に移すと、こういう方針でやっております。
  9. 大倉精一

    大倉精一君 そこで、現在警視庁の行なわんとしておるところの交通規制案ですね、これについては閣僚懇談会におきましては決定を見ておるのですか、この方針は。
  10. 川島正次郎

    国務大臣川島正次郎君) 車種別交通規制の問題は必要だという意見は一致しております。しかし、これをどういう方法実施するかということにつきましては、一応警視庁から案が出まして、大体の方針は賛成でありますけれども、その実施につきましては、なるべく影響が、経済的に、その他に少ないようにという必要がありますので、関係省庁下部機関において、ただいま協議をいたしております。したがいまして、最後的決定には至っておりません。
  11. 大倉精一

    大倉精一君 私ども考え方も、この際、車種別規制ということもやむを得ないと思っておるのですけれども、ただ、どの車種規制するか、何を規制するかというのが、これが問題だと思う。そこで、まあ私はこういう考えを持っておるのですが、川島長官意見もひとつ聞いてみたいと思うのですが、都市交通は、車を通すということが目的じゃないと思う。人及び物を通すということが目的であって、車を通すということはその手段にすぎないと私は思う。そこに観点を持っていかないというと、これは対策についてもそごを生ずるきらいがあるのではないか。つまり、このように一千万人も集まっておる都市において、この人並びにこれに必要な物、物資というものをどうやって動かすかでありまするから、大型トラックなりあるいは乗用車なんというものは、これを走らすということ、車を流すということは手段である、こういうふうに私は考える。そこで、長官にお伺いしたいのですけれども運輸省警察庁の持っておりますところの路線トラックの昼間通行を禁止するという案、これは非常に大きな影響があると思うのですけれども長官はその影響についてどういう工合にお考えになっておりますか。
  12. 川島正次郎

    国務大臣川島正次郎君) 規制によって大きな影響のないように、どういう方法でやったらいいかということを、ただいま検討しているわけであります。
  13. 大倉精一

    大倉精一君 そうしますと、今の路線トラック乗り入れ禁止ということについても目下検討中である、こういうように承って差しつかえありませんか。
  14. 川島正次郎

    国務大臣川島正次郎君) 現在の交通状態交通混雑緩和事故防止の両面から見まして、大型トラックのある程度の規制は必要だと、こういう考えに立っているのですけれども、しかし、今申し上げたとおり、なるべく犠牲の少ないようにして両立したい、こう考えておるわけでありまして、それはどの程度かということをただいま関係省庁の間でもって、相談をしているという過程にあります。
  15. 大倉精一

    大倉精一君 新聞を拝見しますというと、警視庁案に対しては、やはり影響が多いので再検討だという声も出ておるようですけれども、これに対しまして警視庁のはうでは、あくまでもこれは強引にやるのだという工合に主張されておるようです。新聞で見ればですよ。こういう点について、やはり再検討するのだという声が出てくれば、率直にこれは再検討するように警視庁あたりでも指導していかなければならぬと思うのですけれども長官いかがでしょう。
  16. 川島正次郎

    国務大臣川島正次郎君) まあ交通混雑だけでなしに、何といたしましても毎日幾人かの死者があり負傷者があるのですからして、これを防止するためには、ある程度の犠牲、また業者に対するしわ寄せはやむを得ないと思っております。なるべくその犠牲を少なくして効果を上げようというところに私ども苦心があるわけでございます。
  17. 大倉精一

    大倉精一君 まあ長官が言われる犠牲というのは、人身犠牲ということに重点を置かれておるように考えるのですけれども、私ども人身犠牲もさることながら、この際それは切り離して、都市経済並びに都市市民生活ですね、これに対する影響というものを非常に重視している。さらにまた、交通緩和の実効ということについて重視をしているわけです。そこで人身に対する事故防止という点については、私はむしろ交通混雑というものは案外人身事故は少ないのですよ。自動車事故はあります、ありまするけれども交通事故というものは、混雑場所においては人身事故というものは案外少ないと思っております。それはそれとしまして、大型トラックといいましても、八トン車といえば私は一番能率のいい車だと思っておるのですけれども、まあバスだのあるいはトラックだのというものは、一番道路使用効率のいい輸送手段であると私は考えておるのですけれども、これを先に規制してしまうということになると、これは相当都市経済にも影響があるという工合考えているのですが、こういう点についてはいかがでしょうか。
  18. 川島正次郎

    国務大臣川島正次郎君) 私は、人身犠牲じゃなしに、人の生命を守るためには、ある程度の経済的犠牲はやむを得ないだろう、こういうことを申し上げておるのです。最小限度犠牲でやりたい、こういうことなんであります。営業用バストラック自家用乗用車バス、いろいろな方面から考えなければならぬと思うのですが、その一つとして大型バストラックというものが交通上支障があるということは、これは多数の人々が認めるところでありまして、これも規制する。同時に、他のものも順次これを規制していこうということであります。
  19. 大倉精一

    大倉精一君 それは川島長官の御見解であり、あるいはそういう違った見解もたくさんあると思うのですね。そういう点に関して御検討を願いたいと私は思うのです。確かに大型トラックというものは交通の妨害になっておるという、そういう目につくという点からいって、そういうことも必ずしもないとは私は言いませんが、しかし、路線トラックというものは、現在自主的に夜間に回しておるものが二〇%、夜間に回わさずに昼間走っておるものが四〇%、これが五百台、これを規制しても、これは警察庁の言っておるように交通混雑緩和にはならぬ、せいぜい現状維持だという、こういうことを言っておるわけであります。でありまするから、私どもは、それ以外にも方法があるんじゃないかということを主張をしておるんですけれども、これは、長官はそういう御意見であるが、そのほかにもたくさんな意見があるということをひとつ御承知を願って、そういう点についても部内におけるところの調整をお願いをしたいと思っておるんです。たとえば、事故防止にいたしても、トラック夜間走ることになるというと、かえって事故というものについては私は危険だと思うんです、昼間より夜間のほうが。たとえばダンプ・カーを夜間に走らしたらどうか。昼間運行からこれを取りはずさないというのは、夜間走らしたらあぶないからだということを一部に聞いておりますけれども、これは人身事故という面からいきましても、夜間交通ということは非常に危険だと思うんです。それ以外にも交通規制をしなけりゃならぬものがあるというならば——簡単に言うならば、現在は交通戦争と言われておる。交通非常事態です。交通非常事態ということは、車が多過ぎるということ。車が多過ぎるから、何から先へ規制しようかという順番があるんですね。で、私は、交通戦争交通非常事態というならば、いわゆる優先的に通すものは、これは公益優先でなけりゃならぬと考えておる、公益優先でありまするから、この際、プライベートのものは、車を買って郊外にドライブされることはひとつもかまいませんけれども、当分の間は都心へ入ってくることを遠慮をしていただくような措置をする。たとえばオリンピック道路ができ、あるいは都市道路も整備されて、そういう事態になれば差しつかえありませんけれども、それまでの間は、やっぱり公共優先という思想を貫いてもらわなけりゃならぬという工合に私考えておるんですが、長官考えをひとつ承っておきたいと思う。
  20. 川島正次郎

    国務大臣川島正次郎君) いろいろ御質問は、まあ私がお答えする範囲外のものもありますけれども交通閣僚懇談会の一メンバーとして申し上げるわけですが、一体何が公益か私益かという判定は非常にむずかしいんじゃないかと思います。何といっても一番大事なことは人命擁護でありまして、混雑緩和をすることも問題でありますが、第一に私ども考えておることは、いかにして毎日失っておる人命擁護しょうかということなんであります。そういう点から考えまして、やはりある程度の経済的な規制——どこかにしわ寄せがくるということは、これはやむを得ないことと思うのであります。ただ、大型バストラック規制だけでありません。他にも順次いたしていきたいと思うのでありますが、とりあえず、まず大型バス規制をして、続いて自家用車規制もする。これは非常にむずかしいのでありまして、どういう規制方法をするか。ただ所有者の反省だけ求めるんじゃできないのでありまして、やはり何か行政的の処置が要るのであります。どういう行政的処置をすることが自家用車規制し得るかということについて、今検討いたしております。たとえば、今日自家用トラックの場合は車庫が必要でありますが、これは届け出っぱなしでもって、車庫の所在があるかないかということをかつて検討したことがない。こういうことを十分検討すると同時に、今日法規的には許されておりませんが、法規乗用自家用車車庫を持たせるということもあり得るのであります。で、こういうことは国会の協賛が必要でありまして、あしたからすぐできるということじゃありません。しかし、人命問題は毎日損傷しておるのでございまして、まずできやすいことからやっていくということは、当然の順序じゃないかと考えております。
  21. 大倉精一

    大倉精一君 きょう、長官の御意見をいろいろお伺いしますけれども、これはあすこでこう言ったから、もう変更できぬと、そういうことはひとつないようにお願いしたいと思います。ただ、意見というものは、長官意見があり、私の意見があり、その他いろいろの意見がありまするから、そういう意味で、ひとつお聞きとりを願いたい。また、御発言をいただきたいと思います。  そこで、どれが公益であるか、公益でないかという判断はむずかしいというお話がありましたが、私は非常に簡単に見分けがつくと思うのですね。それは免許ですね。国家免許しておるものは、これは公益だと思うのです。たとえば、トラックなり、バスなり、ハイヤー、タクシーなりというものは、これは公益上非常に必要であり、また、その輸送需要供給上非常に必要である。これを運行することによって、非常に経済的にも、あるいは文化的にも意義があるということでもって、国家免許をしておると思うのですね。これは私は公益だと思うのですけれども、どうでしょう、そういうものは。私はここでお伺いしたいことは、国家公安委員会——これは委員長、お見えになりませんけれども、まあ閣僚メンバーとしておいでになるのですけれども国家公安委員会が、交通規制は閣議の決定を経なくてもやれるのだというお話もありますけれども、それはあるでしょう。やれるでしょう。やれるでしょうけれども、しかし、国家免許しておるこの免許事業活動というものを、国家公安委員会が独自において規制ができ得るものであるかどうか。法的解釈としても、運用としても、これは私は疑問を持っているのですけれども長官いかがでございますか。
  22. 川島正次郎

    国務大臣川島正次郎君) 国家免許しておるのが全部公益だと言い切れるかどうか、多少疑問があると思います。たとえば観光バス公益かどうかということも、いろいろ議論があろうかと思います。これはむろん免許しておるわけなんです。また、個人が持っておる自家用トラックにしても、たとえば生鮮食料品を運ぶようなものは、これは公益だと言えるかもしらぬのでありまして、ただ、国家免許があるから公益であるとか、ないとかということの判断は、私としては、つきにくいと思うのであります。  それからもう一つ免許しておるバスなんぞの規制をすることは法規上どうかというお話があった。これは私よくわかりませんからして、政府委員の方、どなたかに答弁してもらいます。
  23. 大倉精一

    大倉精一君 まあそれはあとでやるとしまして、これは川島長官でも、運輸大臣でもいいのですけれども免許をしておるものがすべて公益かどうかということは疑問だというお話がありましたが、そうしますると、一体、免許というものをする根拠はどこにあるのですか。そうしますと、いたずらにこれは国家経済活動に対する干渉ということになるのですね。免許する根拠はどこにあるのですかね。
  24. 斎藤昇

    国務大臣斎藤昇君) 全体のその免許——許可という意味でなしに——運輸省がいたしておりまする自動車免許について申し上げますと大倉委員がおっしゃいますように、なるほど公益性という点が相当重要であるから、免許に取り上げておるという点と、野放しにしておいたのでは、これは公益を害するおそれがあるというような点もあります。私はその両々あるだろう、こう考えます。
  25. 大倉精一

    大倉精一君 まあこれはあまり深く今ここで言わないことにしますけれども長官の、免許をやっておるものが必ずしも公益じゃないという御意見は、やはりどうも了承できないのですね。了承できない。これは国家免許するという、免許にもっと権威があってしかるべきものだと思うのですよ。その国家免許する免許行為を、必ずしもこれは免許行為対象物であるから公益であるとは言えぬのではないかということは、私ちょっとこれは異論があるのですが、この論争はきょうはやりません。やりませんけれども閣僚懇談会等においても、いろいろな御意見があるようですけれども長官がお考えになっておることについて私はお聞きしたいのですけれども、どこかの会合か何かでもって、長官は、国有地七十何万坪を開放して、それで駐車場を作るというお話がありました。それは、どこに作られるかということはわかりませんけれども都心駐車場を作るということは、都市交通緩和になるかならぬかということを私は実は今疑問を持っておるわけです。疑問を持っておる。むしろ、駐車場を作るということになれば、都の周辺の適当な所に乗用車駐車場を作って、そしてそこまで乗ってきて、そこからこちらへは、この交通非常事態に対しましては、バスを増発するなり、何なり、大衆輸送機関を動員をして、それによって都市交通を確保をする、こういう見地に私は立っておるのです。したがって、都心駐車場をたくさん作るということは、かえって不要不急自家用車というものを都心に誘致する結果になるんじゃないか。したがって交通混雑を助長するようなことになるんじゃないかというように考えておるわけです。これはいろいろ考えがあるだろうと思うんですが、長官その点についてはいかがでしょう。
  26. 川島正次郎

    国務大臣川島正次郎君) お説のような話も幾たびか私承っております。しかし、今日東京にしても大阪にしても、路上駐車したままの自動車が非常に多いのであります。これを路上駐車禁止する場合に、一体どこに持っていくかということ、現に自動車がふえているのですから、ふえない前なら別ですが、これだけふえた自動車を、公益公益でないは別にして、これをなるべく効率的に使用させるにはどうしたらいいかという問題になってくるわけでありまして、それにはやはり適当な所に駐車場を置いて、そこに全部固めて駐車させることが道路交通上いいのじゃないか、私はそう考えておるわけであります。先般来、東京都並びに大阪市内における公有地未刊用地調査をいたしております。相当多数出ております。まだ最終的に結論が出ませんから案は立たないのですが、官庁がいたずらに買い取って、全然利用されてない土地を、これを解放しまして駐車場にする、もしくは道路規制するときのかえ地に使う。今日公道路を作る場合に、一番難関は、ただ賠償だけじゃございません。駐車に要する土地。それに充てる。並びに、都心に高層な団地を作るという土地にしたいというので、未利用地土地を全部駐車場にするとは言っておりません。いろいろ道路交通政策上必要なる措置に使おうじゃないか、こういう構想なのでありまして、駐車場もむろんその一つであります。
  27. 大倉精一

    大倉精一君 私も都心駐車場を作るということは、将来は必要だから今から作っておくということはわかるかもしれません。たとえば道路が整備されて自動車がどんどん入るというならいいでしょうが、現在この急場に都心駐車場を作るということは、これは逆に都心に車が流れる要素を作るものであると私は思うのですね。そこで、路上駐車というのは都心の主要な場所においては、これは全面的に禁止しなければならぬと思っております。でありますから、路上駐車できないということになれば、不要不急な車というものは都心には入ってこないようになる、そういう手段以外に不要不急の車を都心に来るなという、そういう措置はできないと思うのですね。お前は入ってもいい、お前は入っちゃいけないと、そんな区別はできないと思います。でありまするから、これはまあ世界的な一つの傾向だということを聞いておりますけれども路上駐車ということは、これは禁止をしなければならぬと私は考えておるのであります。それから、むろん自家用車には車庫を持てという義務づけをすることもけっこうなんですけれども路上駐車禁止したが、しかしその入るところ、入れるところを作るということになると、私は交通混雑緩和については、現状においては逆効果じゃないかと思うのです。これもひとつ御検討を願いたいと思います、閣僚懇談会等において。
  28. 川島正次郎

    国務大臣川島正次郎君) 路上駐車全面的禁止説は全く私も御同感でありまして、この方針に向かっているが、それにしても駐車場の設備をしてやる必要があるのじゃないか。自家用車というのは乗用車だけではございません。今日東京都内における中小業者ほとんどが小型のトラックを持っていて、みなそれを自分の店先に置いている。これは非常に交通に支障がある。一体こういうのはどこへ片づけてやるか。これは営業上必要なんですから、そういうためにもやはり今までの駐車場をよけい作ってやる必要があるのじゃないか、こういう考えを持っております。
  29. 大倉精一

    大倉精一君 私は駐車場を全然作っちゃいかぬということを言っているわけじゃありませんが、お話のついででありまするから申し上げるのでありますけれども、現在は確かに中小企業や商店の方が小型のトラックを持って、そうして荷物の運搬もさることながら、連絡用にもずいぶん乗用車がわりに使っている。そういう点も都市交通経済の上に非常に大きな影響があると思うのです。そういう点もひとつ閣僚懇談会のとき等に十分お考え願いたいと思います。要するに、私は、わずかに一〇%よりない東京都の道路現状において、急速に車がふえてきた、マイ・カー・ブームというものがどんどん出てきて、無制限に出てきたといってもいい、そこにまあ路面のふん詰まり、行き詰まりができたと、こう思うのですね。ですから、やはり結局は、長官もお考えになっておるように、車両制限はしなければなりませんけれども、これは閣僚懇談会においても、何を優先に規制するかということは十分にひとつ御検討願いたい。長官のお考えのあるところも私は承りましたけれども、それはそれとして、いろいろな意見があるだろうと思いますから、これもひとつ御検討願いたい。  さらにまた、長官はどこかの書きもで、経済の成長に伴って自動車の増加は、これは必至のものだということ、そういう御意見があったと記憶しておるのですけれども、これはもっともの御意見であって、経済の成長とともに自動車の増加は必要だ、必要だというのは何かということになってくるのですけれども、そうなってくるというと、やはり経済の成長と密接不可分にあるところの貨物自動車というものの交通というもの、これは都市経済にとって非常に不可欠のものだと私は思うのですね。これについて長官のお考えを聞きたいのでありますけれども、これはまあ長官もおそらく否定はされますまい。ただ、やはりそれを夜間に回すべきだとおっしゃるかもしれませんけれども、さっき申し上げましたように現実の問題としては、夜間に回り得るものはすでに回っておるけれども、さらにまた夜間に回れないものは五百台よりない、これはどうしてもやはり昼間通さなければならぬものである。これをどうしても夜間に回すということになれば、やはり八トン積みの車が二トン積みで三台なり四台なりに分かれて都内を走らなければならない。そうすれば車の数はふえる、ますます路面の運輸面積は多くなる、さらにまた大型トラックであれば、運転手一人、あるいは助手一人あればその荷物を運搬できたものが運転手が三人、四人、助手が三人、四人となって、物価に及ぼす影響も相当なものだと私は思う。そういう点からいって、私は貨物自動車の通行ということについては、これは長官がどこかでおっしゃっておるように、つまり経済の成長に従って自動車の増加は必要だと、こういうようなお考えと一致すると思うのですが、この点はいかがですか。
  30. 川島正次郎

    国務大臣川島正次郎君) まあいろいろ先ほど来、御意見なり御質問があり、また私がお答えした中に今の全部含んでいると思うのです。交通混雑緩和並びに事故防止のためにできるだけ経済的の影響力を少なくし、人の不便を少なくする範囲内において規制しようということなんであります。大型規制すれば小型がふえてかえって混雑しないかという御意見一つの御意見でしょう。しかし、これで何しろ大型が相当交通緩和のじゃまをしており、事故発生の原因になっておるということも、これまた統計上はっきりしておることでありますからして、これにある程度の規制をすることは、私はやむを得ない処置だと思うのです。あれもできない、これもできないというのでは困るので、やはりある程度はがまんを願って、ひとつ規制をしていきたい。この交通問題の解決は、ただ政府と地方団体だけでなしに、やはり民間の人が一致協力して、これを何とかして解決しようという熱意がなければ結局できないのでありまして、ただ批判と反対だけでは、なかなか成り立たないのでありまして、業者の方に会ったときも、そういう点を十分了解を求めておるわけなんです。どうかひとつ国会においても協力してやろう、そうしてこの交通混雑を解消しようという立場に立って、ひとつ私どもの立場を御支援願いたいと、こう思うのです。
  31. 大倉精一

    大倉精一君 私は、今の長官のお言葉は少し今まで私が言っておることに対して誤解があるのじゃないかと思うのですね、国会も御協力願いたい、私どもに御協力願いたいということはですよ、閣僚懇談会でいろいろ御苦心なすっておることについては敬意を払い、協力することは少しもやぶさかではないのです。それでがまんをしてもらわなければならぬというそのがまんは、一体だれががまんをしなければならないかということを私は言っておるわけです。でありますから、長官はあれもいかぬ、これもいかぬ、反対ばかりではいけないと言われますが、反対ばかりしておるのではありませんよ、一つ意見を持っておる。つまり言うなれば、私は公益優先という意見を持っております。公益とは何かといえば、長官公益判断はむずかしいとおっしゃる、むずかしいとおっしゃるけれども、さっき私は免許ということを申し上げましたけれども公益判断は少しもむずかしくありません。私は、案がない、反対だとばかり言っているのではなく、やはりプライベートの交通はこの際がまんをしてくれと、がまんをしてくれという対象が違うので、私とあなたの意見が食い違っているのはやむを得ませんが、そういう私のような意見もあると思いますから、長官は、おれのやることに協力せいと、こうおっしゃいますけれども、そういうものをさらに一歩進めて、いろいろな違う意見もひとつ聞いていただいて、名実ともに閣僚懇談会としていろいろの意見調整する、あるいは各省庁間においても意見が違うから、そういうものについてひとつ長官閣僚懇談会において調整を願いたい、こういうことをわれわれ念願するわけです、いかがですか。どうも何か先入感をもって長官答弁されておるようですが……。
  32. 川島正次郎

    国務大臣川島正次郎君) 閣僚懇談会の使命は、各省庁間の連絡調整であります。各省庁意見をよく聞きますし、進んで関係する民間の方々の意見も聞きまして、これを十分尊重して案を作っておるわけなんであります。今御議論のある点も十分尊重しまして、これから運用したいと思っております。ただ、いかにもむずかしいのでありまして、公益優先という話ですけれども、今個人で持っておる貨物車が公益ではないかといえば、そうもいえない点もあると思います。その辺が非常に私ども苦心をいたしておるところでありまして、何回も繰り返して申し上げますけれども、なるべく経済的の影響の少ないように、そうして人々の不便でないような範囲において交通事故の防止をやりたい。こういう観点に立ってやっていくことについては御了承願いたいと思っております。
  33. 大倉精一

    大倉精一君 長官にもう一つ二つお伺いしたいのですが、先ほど経済の成長にしたがって自動車の増加するのはやむを得ないというお話がありましたが、ここにも私は一つのやはり問題点があると思う。この前も通産省の人に来てもらっていろいろ話を聞きましたが、今年度において自動車メーカーは増産々々をやり、増産計画をどんどん立てておられる、つまり大増産、大販売、マス・セリング時代というようなものを作ろうという通産省の意気込みがあると聞いております。片方では車が多過ぎる、片方ではどんどん増産する、しかも現在においても供給過剰で、もう自動車を買うについても頭金は要らぬ、オール月賦でいいという時代が現出しておるのです。自動車の生産面においても考慮を払う必要があると思うが、この点いかがですか。
  34. 川島正次郎

    国務大臣川島正次郎君) 基本的に申し上げますると、成長の伸び、人ロの増加、それに比例して道路整備状況等を計算して、一体今年度で幾台の自動車乗用車、貨物——が必要かということは、計算が立ち得るという気がいたして、その操作をやっておるのですけれども、なかなかむずかしいので、結論が出ません。一方、御承知のとおり自動車工業は通産省が奨励しておる、道路整備とマッチしないじゃないか、これは事実であります。そこで、私どもは輸入を制限し、輸出を奨励する意味自動車工業の奨励には賛成したのでありますけれども、輸出は伸びない。しかも、輸入のほうが入ってくる。ますます自動車が混乱するという状況でありました。何かの方法でこれを規制する必要がある。そこで、まず自家用車については車庫を持たせる。路上駐車を禁ずるとかいう点を厳密にやって規制しようということも一つ方法で、これの操作をやっておるわけです。道路の使用率と自動車の数というものは当然マッチさせるように仕向けなければならぬと、こう考えております。
  35. 大倉精一

    大倉精一君 ぜひそういう工合調整をするように指導願わなきゃならぬと思っております。  次に、長官がこれはおいでにならぬですけれども長官としてお答え願えればお答えを願いたいと思うのですけれども、今警察庁のやらんとしておる……。
  36. 村松久義

    委員長村松久義君) ちょっと川島長官に対する質疑に集中しましょう。ほかの質疑もありましょうが……。関連ですね。
  37. 大倉精一

    大倉精一君 いや関連です。  この路線トラックの昼間乗り入れ禁止という、いわば業種別に規制をするということは、これは警察ないしは公安委員会の権限外と思うのですけれども、こういう点について閣僚懇談会において話題になったことがありますか。
  38. 斎藤昇

    国務大臣斎藤昇君) 今の道交法で用途別あるいは営業別というようにできるかどうか、また、その指定の路線を指定をしないで、この区域内は一切通行できないというやり方ができるかどうかというので、道交法でできるであろうという議論もありまするし、若干疑問があるという議論もありまして、法制局をまじえましてただいま検討をいたしております。
  39. 大倉精一

    大倉精一君 検討をしておるということなんですけれども、すでにこれは公安委員会の承認を得たかなんかでもって大阪では実施をしておるようです。こちらでも実施をしようというのですけれども、そういう案を発表するというのですけれども、そういうことはどうですか。やってしまってから研究するなんていうのは、少しこれは手違いじゃありませんか。
  40. 斎藤昇

    国務大臣斎藤昇君) いや、まだ法律上道交法でやれるかどうかという疑わしいものをやっておるという事実はございません。大阪もまだやっておりません。
  41. 大倉精一

    大倉精一君 これは直接事務担当をしておる局長さんかどなたかに一つ聞きたいのですけれども、たとえば道交法の第七条「公安委員会は、道路における危険を防止し」、云々、これは車両別に規制するということはあり得るけれども、たとえば路線トラックは来ちゃいけない、あるいは通運業者は来ちゃいかぬ、あるいは観光バスは来ちゃいけない、あの業者は来ちゃいけないという、この事業別に規制するという権限は、第七条に私はないと思うのですが、事務当局どなたか一つ詳しい方に……。
  42. 富永誠美

    説明員(富永誠美君) お答え申し上げます。警視庁から出ました案は、一応要綱の形で案として御説明申し上げておるわけでございますし、したがって、実際にかりに決定した場合におきまして、どういう形をとりますかは、これはまたいろいろな言葉が使われると思いますが、その案の要綱の趣旨は、その趣意と申しますか、今までは大体交通の流れで規制をやっていたわけでございます。たとえて言いますと、右折禁止とか、あるいは一方通行とか、こういった流れの規制であったわけでございますが、それだけではどうにもならないというわけで、そういう交通の量と申しますか、そういった意味規制に乗り出さざるを得ないという段階にきておるというふうに考えておるわけでございます。もちろん今までの規制のほかに、従来からやっておりました駐車区域の拡大とか、あるいはまた、場合によりましては駐車時間の制限をする、こういった措置もどんどん強化していきますが、それだけではどうにもならないというわけで、量の規制ということになったわけでございます。それで、まあいろいろ考えられるわけでございますが、今までは一つ道路をいろいろなたくさんの車が一緒に走る、それを全部原則として流れをどうするという規制でございますが、それだけではどうにもなりませんので、車種別あるいはまた時間を限っての時間別の規制という形がとられるわけでございます。それで、いろいろ車の流れ、あるいは通行の状態を見ておりますと、やはり大型自動車というものが、その長さ、あるいは幅、重量、それから構造などが原因となりまして交通上の支障を生ずるおそれがあるというわけで、一応大型自動車というふうに種類をしぼっていったわけでございます。しかしながら、これもいろいろ作業を進めますると、いろいろな、ある時間ある道路を遠慮してもらうにしましても問題があるというわけで、作業の結果、車の通行は遠慮していただいて、夜間の通行に変わり得るもの、あるいはなじみやすいものというふうなのが、さしあたりとして考えられたというわけでございます。
  43. 大倉精一

    大倉精一君 私の聞いているのは、第七条によって公安委員会規制できるというのは、車両であって業種別ではない、路線トラックなり、あるいは事業を指定して規制するという権限は、公安委員会なりあるいは警視庁のほうには私はないと思うのですが、富永さんいかがですか。
  44. 富永誠美

    説明員(富永誠美君) まあもともとはそういうような作業をしておりましたので、初めからこの業種別あるいは用途にこれをどうするという気持は毛頭ないわけでございます。いろいろ作業した結果が、路線トラック、観光用バスというようなものが規制の対象に最後に残った、こういうことでございます。
  45. 大倉精一

    大倉精一君 かりにですね、その観光バスなり路線トラックの取り締まりが必要であるという、その作業の過程において結論を見られたならば、それは運輸省のほうに連絡をして、運輸省の行政指導によってやるというのが本筋ではありませんか。運輸省の、事業変更を命令するというのがどこかにあるのですが、そういう業者を指定して事業活動を規制するということは、運輸省の権限だと思うのですが、この点いかがですか。
  46. 富永誠美

    説明員(富永誠美君) ですから第一線の警視庁が、東京都公安委員会事務当局として説明申し上げたのは案でございます。十分運輸省の御意見を聞く、直接は東京陸運局長でございます。その意見を聞くという形で御説明申し上げておるわけでございます。
  47. 大倉精一

    大倉精一君 これは柏村長官おいでになりませんので、富永さんに聞いているのですけれども、そういう案を作るときには、そういう点を運輸省と十分御相談なすったのですか。
  48. 富永誠美

    説明員(富永誠美君) 案が、一部は発表という形になっておりますが、そうでなしに陸運局長に示した案はああいう形でございます。したがって、案ができるまでと申し上げて、案ができるまで相談をしたかどうかというのでなしに、その要綱が、陸運局長に示すときの材料というものが、案として出たのでございます。
  49. 大倉精一

    大倉精一君 川島長官、今お聞きになっているように、警視庁が案だと言っておりますけれども、これはやはり発表すれば明らかに案が案でないようになるのですね。ということは、社会的にも、そういう心理を巻き起こすのですよ。無論これは、これからいろいろ閣僚懇談会あたりで検討してもらわなければなりませんけれども、これはやはり公安委員会なり警察庁のやる仕事と、それから運輸省なり、建設省なりやる仕事と混同してしまっては困ると思うんですがね。私は決して運輸省の肩を持つわけではありませんよ、ありませんけれども、そういう点非常に疑問に思うから聞いているのですけれども長官、ひとつ閣僚懇談会においても、そういう点について十分お話し合いを願って、それで調整を願いたいと思うのですが、その点についてのひとつ御所見をお述べ願いたい。
  50. 川島正次郎

    国務大臣川島正次郎君) 交通取り締まりの責任を持つ警察庁東京警視庁としましては、最小限度として、ある程度の規制は必要だという考えでわれわれに示したのでありまして、あの案に基づいて私ども検討しているわけであります。私どもは、警察の立場からいいますれば、ぜひ必要だと、こういうことであろうと思いますが、しかし、それが経済的に及ぼす影響法規、規定の関係、その他各省の関係から検討を加えているということは、先ほどから申し上げているとおりでございまして、あなたの御趣旨と違っておるようには考えておりません。
  51. 村松久義

    委員長村松久義君) 川島長官に対する御質疑があれば簡単にお願いいたします。
  52. 金丸冨夫

    ○金丸冨夫君 大事な問題をお取り扱いになっておりますので、時間をお急ぎのようですが、ちょっと先ほどお話しになりました大倉委員公益優先というものについて、非常に御判断がわれわれの考えとは違っておるような感じがいたすので、特に閣僚懇談会等においてこの問題に非常に強く御関係を持っておられる国務大臣の十分の御理解を重ねていただきたいと思うのです。それは、先ほど例にもありましたように、何が公益かということは非常に問題だということ、なるほどそれはたいへんむずかしいことでありましょう、ありましょうけれども、およそ憲法において認められておる営業の自由とか、あるいは所有権の問題とか、あるいはまた法律の範囲内において道路を通行する権利とかというようなあらゆるものは、これは保障されて、何ぴともこれを実行して差しつかえないという問題、それを法律によって制限するとか、あるいはまた法律に基づいた政令において制限し得るということは、憲法上から考えましても、それは昔の言葉でいえば公共の利益、あるいはまた安寧秩序保持という、いわゆる公共性に基づいての一点であろうと私は思うのです。そういうことであるならば、このいよいよ人命尊重のために道路交通混雑緩和して、円滑化していこうということは、目的はやはりまた公益に通ずるものであります。しかしながら、この公益——それで制限をする、ある程度の車の制限をしなければならぬということも、これははっきりしているわけで、何かあなたのお書きになったものを見ましても、非常に道路の面積とそれから車両の増加との関係がアンバランスである、不均衡である、これを直すべくやらなければいかぬということを言われておるし、これははっきりしておりますが、これを制限いたすときには、どうしてもおのおのの制限、規制を行なう、取り締まるだけではいかぬという前段の措置でどうしても間に合わぬ場合には、いよいよ通行自体を禁止するということは、どこまでもやはり法律に基づいて、しかもそれは当然公共性に基準して、そうして判断すべきものであろうと思うのです。たとえば先ほど例としておあげになりました自家用トラックにおいても、たとえば魚屋であるとか、あるいは米屋であるとかというようなものは、これはその用途がまた不特定多数の人間でありますし、これはやはり公益性があると思うのです。しかしながら、また反面、その事業々々、輸送という点から考えていって、たとえば自家用車自家用乗用車というふうなもの、それからまた営業用、すなわち免許制、免許をもって取り扱われておるようなものというのは、これはおのずから公共性は若干ありましても、そのところに差があるだろうと思う。そういうところをいろいろ見きわめて、そうしてその順位をつけて、この規制の第一番に持っていくというのが私は政治じゃないかと、かようにまあ考えるわけでございます。どうも公共自体がわからぬからということですが、わからぬということではなくて、公共性は今も話しましたように、ホテルの料理番が車をもってそして魚を仕入れするというようなものでも、やはり不特定多数の人の食糧でありまするから、やはり公共性は私はあると思う。ありますが、そこで、あるものとないもの、あるものの間にはどれが重いかということは、これは私はむずかしいと一言にして退ける必要はないのであって、あらゆる問題を国家が政治としてきめる場合には、おのずからそこに私は差が出てくると思う。その差に従ってやるということを、この閣僚懇談会等において基本的にお取り上げになってやっていかないというと、ただ単に東京都だけの問題ではこれは済まされない。もうすでに大阪なり名古屋なり、またわれわれが地方の主要都市を歩きますというと、そのうち、全部ではありませんけれども、主要道路についてはやはり同様なことが今繰り返えされておる。こういうことでありますので、やはり公共に基づいた、公共性を重視したことによって規制はやるのだということを、やはり深く心に置かれて、ひとつ御検討を願いたいと思うのであります。それでないものですから、たとえば今度の規制等におきましても、路線トラック、特に免許しておるものを、しかも業種別に先にやるというようなことでありまする案を警視庁がお出しになる。そのために業界といわず、都内といわず、あらゆる方面が非常に不安を感じておる。これは政府として早急にやはり手を打っていただいて、そして基本方針なりこういうものはやはり公表して、具体的なものはその地方々々においてやっていくが、基本問題としてこういうようにやるべきだということを、はっきり出さないと、みな非常に疑心暗鬼、今トラックを持っておっても、この事業をやっておっても、これは通行どめになってしまったらわれわれは食うていけないことになる、どうするかというような問題が、あらゆる面において起こってくると思うわけです。特に物価の問題あるいはまた中小企業の営業自体の問題、あるいはまた建設方面におけるミキサーダンプ車の問題においても私はそうだと思う。この点を私は早く、具体的な問題は別として、政府としては閣僚懇談会等において基準となるべきようなものを、できるならば早く発表せられ、そして社会的不安をまず除くということが先ではないかと思うのですが、この点、長官いかがお考えでございましょう。
  53. 川島正次郎

    国務大臣川島正次郎君) 公共性のある車と公共性のない車とにはっきり区別できれば、お説のとおりこれはいい、そういう態度をはっきりとってもいいのでありますけれども、なかなかこれは区別しにくいのじゃないか。特に自家用車——乗用車トラックを含めて、自家用車の場合に一体これは区別して、こういう自家用車はいかぬ、あるいは業種別で、医師は自家用車は持ってもよし、その他はいかぬとかいうことで、そういうふうな個々に区別するということはむずかしいのじゃないかと、こう私ども考えておるわけです。しかし金丸さんのような業界の権威者がおっしゃるのですから、相当尊重すべき意見だと思いますが、意見として承っておきますけれども、なかなかそういう困難があるということを御理解願いたいと思います。
  54. 金丸冨夫

    ○金丸冨夫君 もう一つお伺いを申し上げたいのですが、路上駐車禁止という問題を先ほどお話になりまして、これはおそらく私はどの方面の御意見を承りましても当然であり、かつまた早急にやるべき問題だと私は思うわけでありますが、たとえば今度の規制ということよりも、こういうものをなぜ先にやらなかったか、われわれはむしろそれを考えております。それからもう一つは、車庫の問題、運輸大臣はまた都内に置かれるのはどうかという御意見もこの前承ったんでありまするが、私はまあ中小企業等におきまして今何といっても一番車のふえておる——ことに最近非常なスピードをもってふえておりますのは自家用の小型、特に小型の常用車と、それから小型のトラックでございますね、こういうものでありまするから、こういうものにやはり何とか手をつけることを早く考えませんというと、私は結局この問題は解決しないと思う。今回の路線トラックをかりに警視庁の案によりましてやりましても、わずか七百台、トラックの二時間の間の規制がどのくらいか知りませんが、わずかな数字——ということは、現に三十五年三月から三十六年三月までの示された統計によりますというと、七万台も東京でふえておるということであれば、六、七千台毎月ふえておるわけですね、十日も持たないというようなものをもって、そうしてこれ規制をなせりというような公安委員会のほうのお考えは、これは私は小児病的であって、むしろそういうものは、それはそれとして、閣僚懇談会等においてはそういう問題よりもこの基本的な問題を取り上げて、これをどうするかということを政府全体をあげて私は案を示し、そうして一般営業あるいはまたその他民生の安定という見地から、これを発表されることがいいと思うのです。それと今の路上の問題は、そうなればトラック、小型トラックとかいうようなものについては、あれは路上に置けないということになると、結局持てないということになるではないか。で、やはり都内ででき得る所があるならばガレージというものを作って、そうしてそれに入れて、必要なときに持ってきて使用し、それからあとはこれをまた入れるというような方法のあるものに限り車を所有できるというようなことにしていくならば、中小企業あるいはまた公共性の若干ふえておる自家用トラック等におきましても、私は措置ができるのではないか、かように考えておるわけでありまするが、この駐車場に対するところの所有等の関連においての規制については、大臣はどうお考えでございましょうか、一言お伺いしておきたいと思います。
  55. 川島正次郎

    国務大臣川島正次郎君) この問題はしばしば閣僚懇談会で取り上げて実施検討いたしております。路上禁止を全面的にいたしたいのでありまするが、何としても七十万台ある車の大部分が車庫を持っておらぬことですから、一挙に路上駐車禁止して、その車を一体どこに置くのか、やはり行き場所をある程度きめておいて禁止するのが必要じゃないかと思うのです。そこで、私の考えておる遊休官有地、公有地等を出しまして、そこを駐車場にあてがう、その他いろいろな方法があろうと思います。駐車場措置としてなるべくそれを急速に作りまして、その上で全面的な路上駐車禁止措置にいきませんと、ただ路上駐車禁止だけをいたして、行き先のない車が幾十万台も出るとなると、やはりそれは大きな社会問題になるので、その辺私の苦心があるわけでありまして、結論的には金丸さんと同じなんですが、これを実施する手段として、ただいまいろいろ考えておりまして、すぐにはできないことですが、しかし一日も早く実施したい、こういうように思っておるわけであります。
  56. 金丸冨夫

    ○金丸冨夫君 それから路上駐車禁止について、とかく警察の方々が言われることは、どうも取り締まりがなかなかできない、また一般の町民あたりが言う言葉も、もう少し取り締まってくれるならばこんな混雑はしない、かりに表の道路は常用車が通っても、裏の道はトラックが通るというようなこともできるじゃないか、その取り締まりで、まずもって考えるべきものは路上駐車禁止だと。これについてやろうと思うけれども、なかなか手が足りないと。なるほど手が足りないということはわれわれも想像ができます。できますが、これについて本年度予算ももう出されたわけですが、これについてはどういうことで警官の増員というようなことは予算措置を講ぜられてあるわけでしょうか。
  57. 川島正次郎

    国務大臣川島正次郎君) 路上駐車禁止につきましては、法律の改正案を出しております。法律で禁止区域を明記してあるわけでありますが、商業区域となっておりますが、そうした法的の改正もやる準備ができておりますが、一面、自主的の行政措置として路上駐車禁止手段をとろうと考えておるわけですが、一体警察的にどういうような人員なんかの処置をするのか私はよく存じませんからして、これは警察庁のほうからお答えいたします。
  58. 富永誠美

    説明員(富永誠美君) ただいまの駐車禁止の問題でございますが、今駐車禁止が簡単にできるじゃないかと。もちろん私どもは、車があることによって交通の不円滑と、それから危険が生じる所につきましては、どしどし駐車禁止措置を講じておりますが、ただいま御質問のように簡単にできるじゃないかといいましても、これ一つやるにしましてもかなり苦労をいたしておるわけでございます。非常に駐車禁止の強化をやれという景気のいい議論をやられますが、今度はいよいよその区域でやりますというと、ああ言ったけれども実はここだけ何とかしてくれというふうな状況で、少なくともその区域の営業を持っておられる方々に非常に重大な影響がありますので、駐車禁止というのが相当抵抗を受けております。しかしながら、私どもとしましては全体の交通といいますか、そういった面の大局から見て、このくらいはしんぼうしていただきたいということで措置を講じておるわけでございます。そういう状況で、駐車禁止をしました所及び法律上当然駐車がいけない所もございますが、両方の面の違反に対しては、相当取り締まっておるわけでございます。東京都の昨年一年間の駐車の取り締まり状況を見ましても、一昨年が十万七千百六十三人に対しまして、十三万一千六百六十三人というような状況でございますし、現在二月五日から三月末までも駐車違反、違法工作物に重点を置いて取り締まりを実施しておるような状況でございます。ただ、今お話しの点は、多分駐車禁止の所の取り締まりの問題もございますが、道路上に車を置いておくのはけしからぬという点もおありになるんじゃなかろうかと思うわけでございますが、この点は、今の道交法では車が道路上にある場合は、停車のほかにこの駐車の状態というのがちょっとないわけでございます。そういうところの問題も多少私どもとしても悩みを感じておるわけでございます。  それから、駐車取り締まりをする警察官の増員でございますが、昭和三十七年の予算におきましては一応増員は考慮されておりません。と申しますのは、昭和三十四、三十五、三十六年の三カ年で警察官一万人増員ということが三十六年度で一応終わりましたので、三十七年は一応中休みという形になっておって、したがって三十七年度においては増員につきましての要求はいたしておらない状態でございます。
  59. 大倉精一

    大倉精一君 長官お急ぎのようですから、最後に要望を申し上げておきますけれども、第一番には、今問題になりました路上駐車の取り締まりについて、実情は、先般私は現地へ行っていろいろ実情を聞いて参りましたが、大体路上駐車の取り締まりができるのは全体の三〇%より路上駐車の取り締まりができない。で、大きな警察署でも交通巡査はわずかに十人か十一人よりないと、こういうような状態ですから、この交通緩和、こういうものに関連して、交通警察官の増員について閣僚懇談会にひとつ話題にしてもらいたいということ。もう一つは、私はきょうは川島長官と時間があればゆっくり議論をしたい問題点がたくさんございますが、これは私はきょうはいたしませんが、どうかひとついろいろこの問題については意見がありますから、それをひとつ長官に率直にお聞きを願って、一ぺんやってからまたやり直すということがむずかしいのでありますから、実際に実施するということになる前に、十分閣僚懇談会においても議論を願いたいと思います。先ほども警察の富永参事官が、あれは一つの案であって、というお話がありましたので、あくまでもあれは案として、そうしてひとつ御検討願って、遺憾のないようにしてもらいたいということを要望申し上げておきます。
  60. 川島正次郎

    国務大臣川島正次郎君) ただいまのお話ですが、交通警察官につきましては、富永参事官の言ったとおり三十七年度では増員いたしておりません。しかし、先般私は安井大臣に対しまして、交通警察官を増すために必要なる国費——機動隊を作ったり何かする費用を補正予算として出すことを考えるから、大阪ほか主要の府県に交通巡査の増員を計画してくれないかということを要求してあります。閣僚懇談会の席上で要求しました。現に神奈川県では新年度から若干巡査をふやすような計画も聞いております。巡査が相当あれば事故防止ができるというのでありますれば、当然これはふやすべきものと思いますが、これは国費だけでなく、府県費が大部分でありますから、それぞれの府県知事と警察本部長が相談するようにただいまいたしております。
  61. 大倉精一

    大倉精一君 富永参事官の先ほどの答弁がどうも不明確なのですけれども警察庁が、道路交通法においては、あるいはまた業種別の規制をするという法的根拠はないと私は思うのですが、あなたもそのようなお考えのように承ったのですが、いかがですか。ただあれは公安委員会に対する一つの案として作ったのだというような御答弁でありましたので、その御答弁から考えれば、これは法的根拠というものはないようにあなたもやはりお考えになっていると思うのですが、いかがですか。
  62. 富永誠美

    説明員(富永誠美君) 私が先ほど申し上げましたのは、警視庁から案として出ました要綱では、最初から業種別、用途別そのものをねらって出しました案ではない、そういう意味でございます。いろいろ作業の結果、やっておりますうちに、昼間の通行を遠慮していただいて、夜間に変え得るものあるいはなりやすいものが残ったということを申し上げておるわけでございます。
  63. 大倉精一

    大倉精一君 どうも答弁が少し的をはずれておるように思うのです。初めは業種別にやる考えはなかったけれども、だんだん作業をやっているうちに業種別という考え方になって、ああいう工合になったのだ、こういうことです。そうならそうで、その辺がどうも運輸省との関連が私はまずいと思う。もし路線トラックなり、あるいは観光バスという、業種別に規制なければならぬというようなお考えに立ったとするならば、運輸省と連絡して、運輸省の行政指導でやるなり何なりというやり方があると思うのですけれども、その辺がどうも警察独走だと私言ったんですけれども、あるいは言い過ぎかもしれれませんけれども、そういう点の連絡が欠けておるのじゃないかと思うのですが、これはいかがですか。やはり運輸省としての行政指導面の範囲だと思うのですね。これは富永さんどうですかね。警察がやってもいいのですか。第七条でもって業種別の規制ということも警察ができるわけですか。
  64. 富永誠美

    説明員(富永誠美君) 今まで申し上げましたように、要するに車種別規制ということになりますと、いろいろな形がもちろんあるわけでございますが、ある一定基準を設けまして、それ以上はどうだというふうなやり方もございましょうが、いろいろ内容その他夜間・昼間というふうな状況を比較勘案しました結果、ああいう形になったのでございます。したがって、私どもは法七条の交通規制でいけるものということで一応要綱として出しておるわけでございます。
  65. 大倉精一

    大倉精一君 法七条でもって、警察では路線トラックなりあるいは観光バスなりという業種別の規制ができるということですか。警視庁の権限でできるというお考えなんですね。
  66. 富永誠美

    説明員(富永誠美君) あれを業種別とみなされるかどうかは、まあ大倉さんのお考えだろうと思うのでございますが、何回も同じことを申し上げて恐縮でございますが、いろいろ作事した結果、やはり夜間に入るというものはああいうもの、さしあたりですよ、ああいうことになると、こういうことを申し上げているわけでございます。
  67. 大倉精一

    大倉精一君 そうしますと、警察庁の方では、路線トラックなりあるいは観光バスというものが、業種別ということが言えるかどうかということは、どうもはっきりおわかりになっておらぬわけですね。あれは業種別であるかないかということは、はっきりわからぬがということなんですか。
  68. 富永誠美

    説明員(富永誠美君) 業種別あるいは用途別での規制ということは考えておらないということを申し上げているわけでございます。
  69. 大倉精一

    大倉精一君 路線トラックあるいは観光バス規制というのは、これは用途別、業種別じゃないのですか。あなたはこの前、柏村長官でしたか、私は自家用車規制という意見を申し上げてそれに対する所見を伺ったところが、これは私のほうの権限でないという御答弁があったわけなんですよ。しかし、これも考えておると、そういうことも考えなければならぬという御答弁があった。考えなければならぬけれども、これは私のほうの権限じゃないから、私は手が出ないというような意味の御答弁があったように思うのですね。それからすれば、たとえば観光バスなり路線トラックなりを規制しなければならぬという、こういうような考えに立つならば、運輸省と連絡をして、そうしてどっちの所管であるか、はっきりしてやるべきであると思うのですね。あるいは閣僚懇談会にそういう意見を持ち出すなり何なりしてやらないというと、私は法的根拠はないと思うのですね。もしこれに法的根拠がないということになったら、一体どうなるのですか。
  70. 富永誠美

    説明員(富永誠美君) 最初のほうの、自家用乗用車規制が私どもでできないということは申し上げてないと思います。私がちょっとおりませんでしたものですから、意味がどういうことでお答えになったか、ちょっとわかりませんが、自家用乗用車の直接の規制は非常にむずかしい、技術上むずかしいのではなかろうかということですね、実際問題として、ただ自家用車の、たとえば先ほど御質問になりましたような量のふえるのを抑制するとか、あるいはまた自家用乗用車を持つ場合は車庫または常置場所が必ず要るとか、こういう問題になりますと、これは私どものとても権限じゃない。こういうふうなお答えをしておると思うのでございます。
  71. 大倉精一

    大倉精一君 そのとおりと思うのですよ。ですから自家用車を所有することなりあるいは何なりということについては権限がない。が、しかし、やはり都市交通の事情というものを考える場合には考えなければならぬというような答弁があったように思うのです。これは何度聞いてもなかなかあなたからはっきりした答えがないのですが、どうも今までのあなたのお答えを総合してみるというと、第七条というのは業種別あるいは用途別の規制をするということは、警察ないしは公安委員会の権限ではない、こういうお考えがあるようですね、これは。ですから、たとえば路線トラックとか観光バスというのは業種別、用途別になるのは疑問であるけれどもというような言葉が出たわけです。これは一案として出したのだというようなこともあったのですけれども、これは運輸省にお伺いするのですけれども、別にこれはここで意見を戦わすというわけではないのですが、道路運送法とか何とかに、事業計画の変更を命令することができるという一項がありますね。この事業計画の変更ということは、たとえば路線トラックが運行計画を変えるということは、やはり事業計画の変更の中に入りますか。
  72. 木村睦男

    政府委員(木村睦男君) 御指摘のとおりでございまして、事業計画の変更に入ります。
  73. 大倉精一

    大倉精一君 さらに観光バスが四時から六時までの都内運行を取りやめるということも、これまた事業計画の変更になると思うのですが、そう考えて差しつかえないですか。
  74. 木村睦男

    政府委員(木村睦男君) 観光バスと申しますと、一般貸し切りの乗用の事業でございますと事業区域がきめられておりますので、時間帯については事業計画の変更の中に入っておりません。路線のバスにつきましては入ります。
  75. 大倉精一

    大倉精一君 そうしますと、これはもうそこで明らかなように事業計画の変更を命令するのは、これは運輸大臣だと私は思うのですね。これを警察のほうで路線トラックは昼間運行してはいけないという事業計画の変更を規制するということは、これは法的根拠のない、権限外だと私は思うのですね。こういう問題については富永さん、どうですか。その辺の連絡ですね、運輸省との。うまくいってないのじゃないですか。これはあまり両方並べておいて申し上げるというと、何かこう変な零囲気が出るかもしれませんけれども、もっと虚心胆懐に聞いてもらいたいと思いますね。ですからこれは、私はひとつ警察のほうで路線トラックの運行計画の変更ということは、私はやはり運輸省と連絡をとって、そして運輸行政の面においておやりになるということが必要じゃないかと思うのですけれども、もう一回、参事官どうですか。
  76. 富永誠美

    説明員(富永誠美君) 路線トラックにつきましては、いろいろすでにそれぞれの業者、あるいはまた陸運当局を通じまして、できるだけ東京夜間運行にしていただきたいというわけで、まあいわば御指導をお願いしてきたわけでございますが、まあ私どもとしましては、路線トラックというものが長距離走るものでございますし、ダイヤルをもって走られますので、まあいろいろな各府県それぞれ所在されているところも違いますので、そういった指導だけではちょっと足らないというふうに見まして、こういった案が出たものであります。
  77. 大倉精一

    大倉精一君 この点についてはひとつこの次に公安委員長に来てもらいたいと思う、安井公安委員長に。
  78. 村松久義

    委員長村松久義君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕
  79. 村松久義

    委員長村松久義君) 速記を始めて。
  80. 大倉精一

    大倉精一君 それでは、この問題についてはこの次の委員会国家公安委員長をぜひとも出席をされるように取りはからってもらいたいと思います。  さらに、きょうは保留をいたしますけれども川島長官の発言の中に、免許ということと公益ということについての非常に重大な発言があったので、これは後の機会にまた私はしかるべき人にお尋ねをしたいと思います。  運輸大臣にお願いしますけれども、どうも先ほどの川島長官の答弁なりあるいはその他の答弁なり、何かしっくりといっていないものがあるように思うのですけれども運輸大臣としても、閣僚懇談会においては運輸大臣という立場から、ぜひともこの交通規制については格段のひとつ御努力をお願いしたいと思います。さらに、先ほどの公益性に対する見解につきましても、運輸大臣運輸大臣としての御見解があると思いますけれども、これも閣僚懇談会等においてもっと免許というものに対して権威を持たせるためにお骨折りを願いたいと思います。ああいう見解では、まことに運輸省免許行政というものは、何といいますか、私は非常に権威のないものになるのじゃないか、ますます運輸行政は混乱するのじゃないかというふうにも思いますけれども、それに対する御努力をひとつお願いしたいと思います。御所見をひとつお伺いしたい。
  81. 斎藤昇

    国務大臣斎藤昇君) 大倉委員のおっしゃいますことは一々ごもっともと存じます。今までもそのつもりでやってきておりますが、さらに一そう努力いたしたいと思います。
  82. 大倉精一

    大倉精一君 それから閣僚懇談会において交通規制については大体いつごろ結論を出される予定なのですか。あるいは今のところはまだ予定のめどはついていないのですか。
  83. 斎藤昇

    国務大臣斎藤昇君) 先ほどからいろいろ御論議になっておられまする車種別、場合によれば用途別とかいうような、そういう規制をどういうようにやるかという案を警視庁が一応提示しまして、今陸運局と具体的にいろいろ話し合いをいたしておりますが、この問題については、なるべく早く結論を出したい、こう思いますが、しかしそういう制限はあれだけでいいか、あるいはあれをやっておる途中にもう少し他のものも入れて、ここでいろいろの御意見も出ていますが、そういうものになっていくか、しかしいずれにしましても、さしあたっての結論はなるべ早く出したいと思います。じんぜんとしておりますと、先ほどお話がございましたように、どこまでいくのだろうという不安がありますので、なるべく早く出していきたいと思います。しかし今後の交通情勢によりまして、またこれもいろいろとさらに強化していかなければならないという点もございますから、これだけで終わるということもないと思います。
  84. 大倉精一

    大倉精一君 早く出したいというお話ですけれども、これは必ずしも拙速を尊ぶという種類のものではありませんから、実施を四月の半ばからやらなければならぬというものでもありませんから、十分御検討を願い、論議を尽くすというそういう態度で懇談会を進めてもらいたいということを要望します。  さらに富永参事官にお尋ねしますけれども、先般の説明でありますというと、今度の案はほんの一時の案であって、入り口であって、第二段、第三段を考えておるのだという柏村長官の説明もありましたが、この第二段、第三段というのは一体何ですか。それを御説明願いたいと思います。
  85. 富永誠美

    説明員(富永誠美君) 確かに第一次の規制の要綱というふうに出ておるわけでございます。交通規制というのは、申すまでもなく、本来は自動車の性能にかんがみまして道路を自由に行けるのが自動車の性能と思いますので、できるだけ規制はしたくないのでございます。したがって実施します場合につきましては、あくまでも実際の実情といいますか、現実に即しながらやっていくというところであるべきじゃなかろうかということでございますので、現状から見まして、また道路工事がどんどん多くなってきます数カ月先の状況を見まして、さしあたりのことが出ておるわけでございます。  したがって、第二次、第三次になりますと、第一次の規制のときには、今申し上げましたいろいろなもの以外のものがかなりあるわけでございます。たとえば、かりに大型トラックにしましても、除かれたものが相当あるわけでございますので、それは今度の規制と並行して、とにかくできるだけ時間をずらしてもらうというような自主調整をお願いしているわけでございますので、これの効果がどの程度いくかによって、その後の対策というものが出てくるのじゃなかろうかと思われるわけでございます。こういったものが第二次になるのじゃなかろうか。第三次になりますと、もうそれも言っておれない。今度は路線だけではどうにもならないということになれば、ある区域がきまりましてその中の路線ということになるのじゃなかろうか。大体のところ、そんなふうなことが考えられているわけでございますが何回も申し上げましたが、あくまでもやはりそのときの状況というものに即応していくべきだというふうに考えております。
  86. 大倉精一

    大倉精一君 わかったようなわからぬようなことなんですけれどもね、端的に言って第二次、第三次というのは、東京都内のいわゆる一般の大型トラック、あるいは通運あるいはその他の輸送機関、そういうものも規制の対象になっていくわけですか。これはあくまでもトラックでしょうね。乗用車ということは、その場においてもお考えになっておらぬのですか。
  87. 富永誠美

    説明員(富永誠美君) もちろん乗用車を野放しにしているという意味ではございません。何らかの方法はないかというわけで盛んに苦心しているわけでございます。たとえば現在、浅草の六区あたりは自動車そのものの乗り入れが、これはだいぶ前から禁止されているわけでございますが、そのほか、時間的な規制で車の乗り入れを禁止しておりますのが新橋の烏森のところ、午後七時から車は入ってはいかぬことになっておりますが、そのほか新宿の駅の前、歌舞伎町の一部、こういったようなところもございますし、こういった区域が拡大されるのじゃなかろうかと思うのです。その際に、おそらく全部の車ということになるのじゃなかろうかと思うわけでございますが、これはあくまでもそのときの実情に即しなければならぬと思っておりますが、したがって、乗用車についてももちろん何とかしなければならぬとは思っておりますが、やはり交通が逼迫して参りますと、当面時間的に相当ずれていただけるようなものとなれば、率直に申し上げまして、乗用車よりもトラックのほうがそういったものになじみやすいのじゃないかというふうに考えるわけでございます。いずれにしましても、そのときの実情と申しますか、こういった状態になってみないと何とも申し上げられない点があるとは思います。
  88. 大倉精一

    大倉精一君 きょうは長官おいでになりませんから、これ以上申しませんけれども、重ねて私はお伺いしますけれども警察庁と対抗するためにやっているわけじゃなくて、私と意見が違うから聞いていただいているわけです。決して運輸省擁護したり、あるいは業者擁護したりする意味じゃありません。意見が私と違うから申し上げているのです。特に先般来、新聞によりますというと、警視庁第一次案というものは再検討の気運にあるというような意味の記事がありましたが、そのときも柏村さんかだれかの談話がありまして、警視庁としては断固としてこれを実行するのだというような談話も出ました。なぜそんなにこだわらなければならぬのかということを、読んで私も不思議に思ったのです。きょうは長官おいでにならぬからやめますけれども、先ほど川島さんにも申し上げたように、これはやはりいろいろな意見があるのですから、いろいろな考えがあるのですから、いろいろな方法があるのですから、各方面と十分によく相談されて、そうして実行に移されるようにしてもらいたいと思う。きょうは大阪規制の件を聞きたいと思ったのですけれども、時間がないからやめますが、今度来ていただいて、大阪規制も聞き、実情も聞きたいと思います。委員長、きょうは一応これでやめますけれども、さらにこの次、次回に安井公安委員長も御出席願って、さらにひとつお尋ねしてみたいと思います。
  89. 金丸冨夫

    ○金丸冨夫君 富永参事官に少し聞かしていただきたいと思うんですが、大体今度の案が、今いろいろと長官並びにあなた自身も言われるように、これは案であって、しかも柏村長官は、この前確信を持ってお話しになって、具体的決定までほとんどいっておる、これを修正の余地はきわめて少ないというような非常に強硬な御意見とだいぶ違って、その点については、われわれも若干安堵いたしておりますが、ともかくもこの案自体がそういうものであるならば、富永さんはどうも今までのお話によりましても、この計画をみなおやりになっておるような感じがするのですが、そういうことであれば、この案自身が、法的に許されたものかどうかということを確かめもせず出すというのは、ちょっとおかしいのじゃないか。そのために都全体を通じて非常な不安をかもし出し、交通規制というものはどういうものかということで、非常に心配をし恐怖の念を起こさしておるわけなんです。私は、先ほどの大倉委員とのやりとりを繰り返そうとは思いませんけれども、道交法の七条の「区間を定めて」ということもある。これは今回のような二十三区、しかも八時から八時までというようなことは、「区間を定めて」というあの法律の精神ではないと私は思う。  それからもう一つ動かすことのできないことは、業種別ということについて、あなたは御説明を巧妙にされて一向に触れておらないけれども、あなたはおやりになるということをちゃんと決心して、これをお出しになったんでしょう。その証拠には、路線トラックの路線内というものを、大型トラックだけというならまだしも、四輪であろうが三輪であろうが、とにかく路線トラックはいけないということは、業種別ということが一目瞭然はっきりしている、そういうことであります。  ですから、私はこれをとがめようとは思いませんが、こういう問題を出す場合に、もう少し全体で相談され、また大きい問題については閣僚懇談会等のほんとうの成案を持って出されればいいんであって、われわれが運輸委員会においてこれを取り上げて、参考人も呼んで、そしていろいろ意見を聞き、まさにこれを検討中に、やみ討ちに発表するということは私はどうかと思う。まああなたの責任じゃないかもしらぬから、あるいは見当違いかもしれませんが、私は、当委員会としてもはなはだ遺憾に思っている。それよりも、今後の問題について私はお願いしたいのは、今度の規制に限らず、すべて規制ということに飛び込んでいくということになるならば、その前にやるべきことを警察当局としても、ほんとうに万全を尽くすということをやらなければいかぬと思う。たとえば、路上禁止の問題につきましても、これは何人もみなそう考える。なぜ警察はやらぬのか。手が足りないならば、なぜ増員の計画をしないのか。私は長官にも実はお伺いしたかった、運輸委員会として。運輸省が出しました予算案についての増加要員数というものは四百数十名に及んでおる。これはほかの行政上の要員、そういうものでも、そのくらいになっている。それを小切りに小切られて六十三名かに落とされた。しかしながら警察当局は、東京大阪方面のこの自動車の非常なテンポをもって増加しているという現実を知り、日々この取り締まりに非常に困っている際に、前に要員ができたからといって、休むという手は私はないと思う。なぜ堂々と要るべきものは要るように手配をしないのか。また、それが都あるいは市においてできないならば、これを国家として、一体どういう工合考えるかという問題を政府全体として私は当然考えるように、考えていくように推進しなければならぬ責任があろうと思う。そういうことはなおざりにしておいて、都民あるいはまた国民全体が非常に恐れおののくような、その一家の生計を左右するかどうかというような問題について簡単に案を出して、出したら、いやまだあれは案であって、いろいろこれから検討する——あまりに私は非常識じゃないか、こう思うのです。  だから、今後については、こういう問題についてはもう少し、信頼されておる警察でありますから、慎重にやっていただきたい、そうして運輸省なりあるいはまた建設省方面との連絡もよくとって、こういう大きい問題を警察だけで片づけようということはできないということを川島長官も先ほど言っておられる。そのとおりです。ですから、ひとつこの点は、よく注意してやっていただきたい、かように思います。  それから事のついでですが、道路上に置く車輌はもちろん、いろいろな商店の物品、こういうものの取り締まりも、交番の前あたりにある所は私はできると思う。それがもう一つもやられておらない。そのために、道幅は二車線が可能なにもかかわらず、一車線しかできておらぬということ、それからまた道路工事について、あなたの方もこれについてはやはり権限があるわけです。しかもそれについて、その期間、その施工関係については、届出もおそらくあるだろうと思いますし、建設省とかあるいは都が勝手にやり得ることじゃないと思う。ああいう所で、なるほど道路工事だからといって、いかにも、もうわれわれは政府の命令によって道路をやっておるのだ、お前たちの通る道をやっておるのだから、今通る車は何百台並ぼうと、ちっとも差しつかえないというような、実に横柄な態度をもってあすこの通行というものの整理を怠るというようなことは、これはひとつ取り締まっていただきたいと思うのです。  私、まあ埼玉からいつも出ておりますから、これはあるいはあなたのほうじゃないかもしれないけれども、埼玉県警かもしらぬが、戸田橋の向こうで毎朝三百台から四百台上下が並んでおる。そうしてあすこで三十分もかかる。その原因は何か。行ってみれば、何か事故があるかと思っていると、事故があったわけでも何でもない。あの橋げたの下に電線を通すために掘り返しておる。ところが、その掘り返しておるのは夜間やって深く掘り返しておる。そうして昼その通る所に鉄板でもあるいは木材の厚い板でも置いておけば何でもないものを、それをやりませんから、もうトラックにしろ、乗用車にしろ、すべてそこでゴトン、ゴトンと音を立てて、そうしてただそれだけで三百台が両方上下がたまっているというようなこと、しかもあすこのすぐ横に交番がある。そういうことで、少し注意すれば、ちっともああいう混雑はないと思われる。言いかえれば、あらゆる取り締まり及びこの工事に対する監督ということとか、そういう方面をしっかりやっていただけば、七百台の路線トラックをとめなければ、どうにもならないのだというようなことにはならないのじゃないか。  現に、右折禁止厳格励行というようなことをやられたときには、あの右折禁止の政策については、ほんとうに感心しております。あれで確かに疎通がよくなっておるというふうに喜ばれることをまず先にやって、人の職業、人のおまんまをつぶすよりな規制をあえて先走ってやる必要がないのじゃないかという気がするのです。道路取り締まりその他についての御所見をひとつ伺いたい。
  90. 富永誠美

    説明員(富永誠美君) お答えします。規制の案のほうでございますが、表現の仕方は別としまして、要綱として出されたわけでございますので、実際になりますると、おそらくああいった区域という表現は避けなければならないというふうに私ども考えております。  それから今お話の第二の路線トラックの問題でございますが、一応路線トラックでございますので、営業所から営業所へ、したがって営業所から、たとえば東京で申しますと、東京都内の集配と申しますか、これは考えておりません。したがってあるいは三輪車などというふうなお話がございましたが、これは一様にどれもこれもいかんというふうなことは、私どもとしても考えておらないわけでございます。それから第三に、警察はほかになおやるべき仕事があるのじゃないか、そのほうをどうしているのだという点でございますが、先ほど申し上げましたように、とにかく激化して参りまする交通に、実際取っ組んでおるわけでございます。確かに人員は御指摘のように不足でございます。しかし先ほど申し上げましたように、三月に一万人増員という作業はようやく終わりまして、また警察官の増員というのは訓練その他入れますと、一年ちょっと期間が要りますので、昭和三十七年度は一応中休みという形でございますが、これではどうしても交通事情が逼迫しておるので、どうにもならないというわけで、各府県はそれぞれ単独で増員を実現いたしておるわけでございます。たとえば大阪府で府単独で警察官百五十名、あるいは神奈川県で百二十名、こういったふうな状況で、県当局も、交通情勢を非常に認識されまして、とにもかくにも増員しろというふうなことでやっておるような状況でございます。  なお駐車の取り締まり、あるいはまた商店街で商品といいますか、商品や商品台が道路に出ているじゃないかというふうな点も、これも苦心して取り締まっておりますが、一応一般の方々の道路そのものに対する考え方というものをもう少し根本から考え直していただかなければいけないと思うのでございます。今まで、ともすれば道路というものは、自分の家の出先みたいな感じのような長いしきたりというものを直していただかなければならないという点もからみ合うわけでございますが、とにもかくにも私どもとしては、先ほど申し上げましたように、東京の場合におきましても、たとえば二月五日から三月三十一日までの重点というものを、主力をここにおいてやっておるような状況でございます。  それから道路工事につきましては、確かに私どものほうにも関連があるわけでございますが、ただいま御指摘の戸田橋は、たしか国道だろうと思うわけでございます。もちろんああいった幹線は昼夜兼行の作業で短期間で道路工事は終わってもらわなければならないと思うのでありますが、これが、長い間続いておることは、自分もよく存じておるわけでございます。こういった道路工事によりまして、交通がうまくいかないということは、われわれも一線でひしひしと感じているわけでございますので、道路管理者なり工事責任者には、今後とも督促をいたしまして、ともかくも慎重にやってもらう。交通に支障ないような道路工事をやってもらうというように、今後ひとつ進めて参りたいと考えております。
  91. 金丸冨夫

    ○金丸冨夫君 時間もありませんから、また次回にお伺いすることにして私の質問を終わります。
  92. 村松久義

    委員長村松久義君) 運輸事情等に関する調査は、この程度で終わります。
  93. 村松久義

    委員長村松久義君) 次に、先般の委員会において都市交通に関する小委員会の小委員及び小委員長の選任につきまして委員長に御一任願っておりましたが、小委員は別紙お手元に配付しておりますとおりであります。なお小委員長には天埜良吉君にお願いいたすことに決定いたしましたから御了承願います。     —————————————
  94. 村松久義

    委員長村松久義君) 次に、船舶職員法の一部を改正する法律案を議題といたします。  御質疑のある方は順次御発言を願います。
  95. 金丸冨夫

    ○金丸冨夫君 船舶職員法の一部を改正する法律案につきましては、前国会におきまして、当委員会において若干質疑を申し上げたわけでありますが、さらに二、三お伺いしたいと思いますることはこの法案について、参考資料に出ておりますように、現在の隻数定員数というようなものと、それから改正の間には三年間の暫定の措置も含まれており、また各船舶別に見ますというと、一番影響が多かろうと思われますのは貨物船であるように思います。この数字は現在のものでございましょうか、また今度五十万トン造船計画が実現するというような場合には、この定員から減少したものとのにらみ合わせで、いわゆるそういう通信技術士の需給関係は、どういうことになりましょうか、この点をまずお伺いしたいと思います。
  96. 若狭得治

    政府委員(若狭得治君) お答え申し上げます。資料として御配付いたしておりますものの現在の隻数でございますが、これは三十六年の一月一日現在の郵政省の資料によったものでありまして、三十六年一月一日に現有した船舶のみをあげております。今後の問題についてはその点一名づつ乗船ということで五十万トンの分を定めているのでございまするが、もし現状のまま推移する場合におきましては、昨年の十一月から本年の十月までの一年間にできます船舶は約百五十隻程度と想定されるわけであります。これはもちろん五万トン程度の貨物船もございますし、千トン程度の小さい船もございますが、そういうものを全部合わせまして百五十隻程度竣工するだろうというふうに、われわれのほうでは調査いたしているわけであります。これに要する船舶通信士の数は約二百八十名程度でございます。なお、これは新規需要として、その程度の人員が必要なわけでございますけれども、現在約四千名程度海運会社におります船舶通信士の減耗の問題がございます。これは普通の船員は、大体年間五%程度の減耗率を示しておるわけでございますけれども、船舶通信士につきましては、三十二年以来約四カ年間の平均をとってみましても約七%程度になっておりますし、昨年一カ年間の数字をとってみますと約八・五%程度になっております。したがいまして、その数字ではじきまして、過去四年間の平均七%をとりましても約三百名の減耗補充が必要になってくるわけでございます。したがいまして、明年度の必要な船舶通信士の数は約六百名というふうにわれわれのほうでは推算いたしております。これに対する供給の側の事情といたしましては、電波高校卒業者約六十名、それから私立の学校、その他民間・から集めてくるもの等集めまして、合計約百三十名程度の供給が期待されるわけでございます。したがいまして、六百名とその百三十名との問題について今後どういうふうに措置していくかということを考えていかなければならないというふうに考えております。
  97. 金丸冨夫

    ○金丸冨夫君 わかりました。つまり、これによっていきましても、結局新しいものと減耗関係を含めて供給源から差し引いても四百七十名というものが足らないというようなことになっておるから、この法案が実施されましても、そういう通信士において失業をするとか、こういう問題は全然ないということに了解してよろしいですか。
  98. 若狭得治

    政府委員(若狭得治君) このたび提案いたしております法律案によりますと、五千五百トン以上の貨物船につきましては、現行三名でございますが、三年間は二名、五千五百トン以下の船舶につきましては一名ということになっているわけでございまして、われわれの計算によりますと、現在の定員数よりこの法律改正によって減少するというのは、大体この暫定期間中は九百名程度というふうに考えているわけでございます。それから最終の四年目からは千四百名程度定員が減少するというふうに考えておりますけれども、先ほど申し上げましたように、一年間の減耗補充は少なく見積って約三百名でございまして、そのほかに新規需要が約三百名程度あるわけでございますので、決して失業等の問題はできませんし、こういう法律案が通りましても、なお新規の職員をかかえるために相当の努力をしなければならぬという状況であろうというふうに考えます。
  99. 金丸冨夫

    ○金丸冨夫君 次に、今度は執務との関係ですが、国際条約における一九四八年のロンドン条約と、それから国際電気通信条約、一九四七年のアトランティックシティ条約、この二つがあるわけで、これは当然これによって、またはこの条約の条項を守らなければならないことでありましょうし、それによりますというと、たとえば執務時間等についても、いろいろときまっておるようでありまするが、今回のこの法案によって二名から一名とか、あるいはまた三名から一名、暫定的に二名とかというような数字によって、十分にこの条約に定められた時間の勤務はできるのだという御見解であるかどうか、その点をお伺いしたいと思います。
  100. 若狭得治

    政府委員(若狭得治君) まず第一に、国際海上人命安全条約でございますけれども、この関係につきましては、航海中の通信士は少なくとも一名乗り組む必要がある。同時に二十四時間無線を聴守しなければならないという規定があるわけであります。二十四時間の聴守につきましては、オートアラームを備え付ける場合には、その聴守義務は八時間だけ人間自身の聴覚によって聴守する必要があり、そのほかについては必要がないというのが国際海上人命安全条約の規定でございます。  したがいまして、現在われわれの考えております一名になりましても、当然オートアラームを備え付けるわけでございますので、一名の勤務時間八時間ということで、十分この国際条約には従っていけるというふうに考えているわけでございます。  なお、国際電気通信条約につきましては、無線電信局の種別を規定いたし・ておりますけれども、この種別は各国において、その船舶をどの種別にするかということは、各国にまかせられておりますので、この点についても条約に違反するという問題は起きないというふうに考えております。
  101. 金丸冨夫

    ○金丸冨夫君 そのオートアラームですが、今私どもは残念ながら現物を拝見しておらないので、あまりいろいろと御意見を申し上げられないのですが、オートアラームというものが、そういう工合に利用されるということになれば、非常に今のこの法律改正によっても、何ら支障はない、こういうことになるのでしょうが、組合関係の方から、オートアラームはあまり当てにならぬというようなことをちょっと聞いたことがあるのですが、これに対する見解はどうですか。
  102. 若狭得治

    政府委員(若狭得治君) オートアラームにつきましては、現在電波法において規定いたしておりまして、この機器につきましては、郵政省におきまして検定承認を行なっておりまして、郵政省の検定を終わったものを船舶に使用いたしておるわけでございます。実際わが国の船舶に現在使用しておるものは約百台程度でございます。また、わが国で建造いたしました輸出船に使っておるものは約百三十台程度というふうに推定いたしております。  しかし、今日まで輸出船についてオートアラームが性能が劣っているというような苦情を輸出先から聞いたという事例もございませんし、各国のオートアラームに比べて、決して遜色のあるものであるというふうにはわれわれは考えておらないわけでございます。実際問題としては、もちろん多少の混信あるいは誤動作というような問題があるようでございますけれども、これはもちろん機器自体の調整をいかに繰り返しやるか、そういう調整の密度と申しますか、熱心さと申しますか、この回数によってこの性能が維持していけるというふうにわれわれは考えております。
  103. 金丸冨夫

    ○金丸冨夫君 それからもう一つお伺いしたいのですが、気象関係について、かようなことになったために、そのほうが渋滞するとか、あるいは不可能な船舶ができてくるとかというようなことは、勤務時間等から考えて、あるいはまた、その通信量から考えて、どういう工合にお考えになっておりますか、この点の御所見をひとつ伺いたいと思います。
  104. 斎藤昇

    国務大臣斎藤昇君) 気象関係につきましては、このために日本の気象観測に影響を来たすことが起こってはいけない、かように考えまして、気象庁におきましても、その対策検討をいたしておるわけでありますから、三年間の猶予期間内におきましては、今日の気象業務に影響することもない。三年後においては若干の、このままであれば影響があるであろうというので、三年後、いかにこれを補強していくかということを今検討をいたしておりますが、しかし大した支障を来たすことはございません。御承知のように気象の観測は技術的にも非常に進んで参っておりまするし、三年後の影響考えまして必要な措置はとろうと、かように考えております。
  105. 金丸冨夫

    ○金丸冨夫君 それからもう一つ。この問題につきまして別に法案が、船員法というようなものが出ておるようでありまして、あれは結局労働組合法に類するようなもので、いろいろと労使双方の間の調整、そういうことがきめられておるようでありまするが、新しく刻々に改良せられていく船舶につきましても、いわゆる合理化政策、技術的合理化の線に沿って、いろいろと新しく機械が各部分に利用せられ、したがって乗務員等につきましても、いろいろ現在とは変わっていくだろう。言いかえれば合理化の線に沿ってふえる船舶をまかなうために、若干の船員というものが、これに転乗していくというようなことによって、よくなっていくのではないかと思うのですが、同じ船舶の従業員のうちでかようなこの通信に携わっておるものも、やはりその線に沿って、この法案の精神に沿っていくということは、われわれしろうとから考えて非常に妥当なもののように考えるのですが、この点に対するこの組合あるいはまた労使双方の考え方は、どういうようなことになっておるか、この点はおわかりになりませんか。
  106. 若狭得治

    政府委員(若狭得治君) 今御指摘のように、船の定員につきましては、昨年の四月までは全日本海員組合と船主団体——五団体ありますけれども、船主協会所属の船主団体との間の協約によりまして、各船別に、その船型に従いまして定員はきまっておったわけでございます。たとえば一万トンの貨物船ならば、どの部分が何名というふうにきまっておったわけでございます。しかし、その中央協定が昨年四月から廃止されまして、できるだけ船内の仕事を合理化することによりまして定員を減少していこうということで、労使双方が協力いたしまして、現在までのところ、利子補給を受けております五十八社の船員数は約千三百名減少しておるような状況でございます。これは甲板部、機関部その他船内のあらゆる面について合理化を労使双方が集まりまして合議いたしまして、その定員を減少させておるという現状でございます。しかし船舶通信士につきましては法律がございますので、この減少はなかなか意のごとくできないということでございますけれども、ただ航行区域の資格を変更する、あるいは無線を備えつけることが法律上強制されていない小型船舶については、その無線局を閉局するということによりまして定員を減少さしておるものが約五十名程度あるわけでございます。  したがいまして、今国際競争の面から見ましても、外国の船舶等につきましては非常に定員減少の問題について熱心に現在検討いたしておりまして、すでに相当思い切った定員の減少を行なって実施しておるという国もございますし、また具体的な例を申しますと、アメリカのマリーナー型船舶というのは、これはニューヨーク定期航路におきまして、日本船と熾烈な競争を行なっておるわけでございますけれども、明後年までの間に、その定員数を二十数名にしたいということで、目下真剣に検討しておるというような状況でございます。日本船の定員数はニューヨーク航路等の一万トンの貨物船におきましては、昨年の四月までは約五十二、三名ということでございますけれども、今日は約四十三名ないし五名という程度になっておりますけれども、この程度では、とうてい国際競争に打ち勝っていくことはできない。したがいまして、定員の減少ということについては、労使双方が協力いたしまして、できるだけこれを船内の作業の合理化によって、この定員の減少を押し進めていくということが必要ではないかというふうに考えておるわけでございまして、この点につきましては、日本船主協会も全日本海員組合も全く異論のないところであります。  ただ船舶通信士につきましては、これは船内の船員の文化生活にも影響するということで、組合としては昨年の十月の大会におきまして、航洋船の三直制を守るという決議をいたしております。船主協会は先ほど申し上げましたように、船内の国際競争力の面から、これはぜひとも実施したいということで今日まできておるわけでございます。
  107. 金丸冨夫

    ○金丸冨夫君 結局、この法案自体が通過して、そうして船内は船内で、まあ簡単にいえば村々で格好のとれた従業員組織というようなことになっていくことが、私は企業推進においては最も大切なことであろうと思います。通信士だけは、おれたちは特別の特殊村だというようなことになることは非常によくないと思われるわけで、ただ、そういうことであるならば、むしろこの船舶職員法自体も早く改正して、そうしてこの法案自体というものを基本に労使双方が話し合っていくならば、私はいい結果が生まれると思うのですが、そういう工合に解してさしつかえないですか。
  108. 斎藤昇

    国務大臣斎藤昇君) ただいまこの法律と、それから乗り組みの通信士及び一般船員の待遇の問題に触れて御意見があったと存じます。私は、ただいま局長が申し上げましたように、今日世界の海運界は非常に激しい競争をいたしております。そうしてその競争の一つ、はいかに少ない人数で船を動かすかというのが一つの大きなねらいでございます。国際競争に打ち勝って、そうして日本の海運事業がよくなっていくということが、これは同時に船員の待遇をよくしていくゆえんでもあると考えます。船員の待遇を今日より以上によくして、そして海運事業が国際競争に打ち勝っていくというためには、やはり必要な方策だと、かように考えております。  この法律あるいはいま一つの船員法の改正にありまするのは、法律によって必ず置かなければならぬという最低限度をきめている法律は、世界の海運国のものと比べまして、日本が少し程度が高過ぎる、また現実になくてもいいという今日の状況になっておりまするから、現状に即し、かつは世界の各国の状況を勘案をいたしまして、国際条約やあるいは世界各国の慣行の程度まで最低限度を下げますことは、私はぜひ必要ではないか、それは日本の海運をよくするということと同時に、船に乗り組んでいる船舶、職員の待遇をよくするゆえんだと考えております。船舶通信士にいたしましても、私はこのことによって、通信士の待遇の向上も、またはかり得る一つのあれになる、かように考えて提案をいたしておる次第であります。
  109. 金丸冨夫

    ○金丸冨夫君 了承いたしました。私は本日は、これで質問を終わります。
  110. 村松久義

    委員長村松久義君) ほかに御質疑ございませんか。——ほかに御質疑がなければ、船舶職員法に関する質疑は、本日はこの程度にいたします。     —————————————
  111. 村松久義

    委員長村松久義君) 次に、国鉄の最近における事故に関して報告をしたいという申し入れがございます。これを聞くことに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  112. 村松久義

    委員長村松久義君) では国鉄の最近における事故に関して、この際、報告を願います。日本国有鉄道副総裁吾孫子豊君。
  113. 吾孫子豊

    説明員吾孫子豊君) 去る二十五日に東海道本線の鷲津駅構内で重大な列車事故を惹起いたしまして、これがために貴重な財貨を多数損傷をいたし、さらにこれがために東海道幹線の旅客輸送にも多大の影響を及ぼしまして、多数の方々にたいへん御迷惑をおかけいたしましたことを、国鉄当局といたしまして心から申しわけなく思っております。深くおわびを申し上げる次第でございます。  事故の概況につきましては、お手元に御参考までに鷲津新所原間における列車脱線事故の概況と合わせまして、去る二月十五日に同じく東海道線の函南の構内で発生いたしました貨物列車の脱線転覆事故についての概況報告が差し上げてございますが、去る二十五日に発生いたしました事故の概要を簡単に申し上げますと、当日新所原と鷲津という駅の間で、線路の砂利をまき直す作業をやっておったわけでございます。そのための工事用の臨時列車を運転しておったわけでありますが、これが貨車から砂利をまきながら鷲津のほうに向かって参ります途中で、たまたま線路のわきに古レールが八本ほど置いてございました。貨車の側板を開いたままで徐行して運転しておったわけでありますが、その側板が線路のわきに置いてあるレールに引っかかりまして、そのうちの一本のレールがはずみでもって線路の下へ押し込まれまして、線路が一部分浮き上がったのであります。それで直ちに応急修理をいたしまして、その六五八六列車という臨時の工事用の列車は、そのまま鷲津のほうに進んだわけでございますが、その事後の手当と申しますか、後続の列車に対する連絡手配その他が不十分でありましたために、あとから参りました一六八列車という貨物列車が、その場所でその列車の十五両目の車が浮き上がりまして脱線をいたしました。脱線したまま鷲津の駅の構内まで進んで参ったわけでありますが、そこで転轍機の上を通ります際に、さらに列車がもめまして、続く九両ほどの車が脱線転覆をするという事故が起こったわけでございます。このために東海道の上下本線を長時間にわたって支障を来たすというような結果になりまして、これがためにたいへん御迷惑をおかけしたことを重々申しわけなく思っておる次第であります。  もう一つの二月十五日に函南で起こりました事故がございましたのですが、これは実は、会社線から発送になりました貨車に積載されておりました生きておる牛が貨車から転落いたしまして、それがもとで起こった事故であったわけであります。事故の原因そのものは必ずしも国鉄の責任とは申せないかと思うのでございますが、それにいたしましても、その結果非常に長時間、東海道本線の運転に支障を来たしたというような状況でございましたので、これが事故の復旧その他につきまして、いろいろな遺憾な点もあったと存じますので、現地の静岡鉄道管理局におきましても、このことを一つの契機にいたしまして、いろいろと反省の運動、調査等も行なっておったわけでありますが、そういう際に、またまたこのような——今度はこれは明かに国鉄の職員の過失による責任事故と認めざるを得ないと思っておるのでございまするが、こういう事故を起こしましたことを重ね重ね遺憾に思っております。  私どもといたしましては、さっそく現場業務機関に対して、それぞれ所要の指示を与え、また今後の注意を喚起いたしておりますが、わずかの期間の間に、こういう大きな事故を相次いで起こしたことにつきまして、私どもとしても深く反省しなければならないと考えておりますので、このたびは特別に査問委員会を本社内に設置いたしまして、この事故の原因、責任の所在というようなことにつきましても、十分究明いたしますとともに、今後このような事故の発生が再びあることがございませんように、十分戒心いたして参りたいと考えておりますので、このたびの事故につきましては、まことに申しわけございませんでした。お許しをいただきたいと思います。
  114. 天坊裕彦

    ○天坊裕彦君 この事故の直接の関係ではございませんけれども、土讃線の不通個所の復旧が、たいへん難所なもので時間がかかっておるように聞いておるのです。そのために高知近辺などの貨物輸送はたいへん困っているという話を聞いております。これの開通の見通しと、それからできるならば、何とかして一日でも開通時期が早まるように、特別の御配慮をお願いいたしたいということをお願いして、お見通しをひとつ伺いたい。
  115. 吾孫子豊

    説明員吾孫子豊君) お答え申し上げます。土讃線の今回の土砂崩壊の事故の状況は、思ったより以上に大きいものがございまして、これがために、ただいままでの調べでは相当——もちろん一日も早く復旧するように急がしておりますけれども、今のテンポで参りますと、三月一ぱいはかかるのではないかという見通しでございます。しかしまあその間、重要な土佐との連絡ルートでございますので、旅客輸送につきましては、幸いに川の対岸の自動車道路が、これも非常に悪い道路のようでございますけれども、一応通れますので、自動車を使いまして、連絡輸送をやっております。  それから貨物につきましても、小口の貨物あるいは手小荷物というようなものにつきましては、それぞれ自動車を利用するというような方法で取り扱いをいたしおりますけれども、実は車扱いの貨物につきましては、現在やむを得ず受託を停止したような次第でございます。しかしこれも、長くほっておくわけにはもちろん参りませんので、まあ関西汽船会社といろいろ相談をいたしまして、三月早々に船をチャーターして、必要最小限度輸送は御迷惑をかけないように措置いたしたいと思っておりまするし、またあわせて高知から松山のほうに行きます国鉄バスの便もございますので、こういうルートの利用ということにつきましても、なお積極的に措置をするというような処置を講じまして、当面の輸送に対する御迷惑の程度を少しでも軽減するように努力いたしております。  復旧の時期につきましては、お言葉までもなく、一日も早く復旧さしたいと思っております。ただいまの見通しでは、土砂の量またその地形等の関係から、三月一ぱいはかかるんではなかろうかという見通しでございます。
  116. 金丸冨夫

    ○金丸冨夫君 関連。ただいまの問題につきましては、われわれにも電報がけさ参りまして、実は、まだとまっておるのかということでびっくりしたのでありますが、お話のようでしたら、結局車扱いということになるのでしょうか。あれは徳島回りはできないのですか。特に汽船を利用して高知からやるというのか、それとも小松島から汽船でというのか、どちらですか。車扱いで鉄道で来ないということであったら、徳島経由で扱うということはできないのですか。そういう点はどうでしょう。
  117. 吾孫子豊

    説明員吾孫子豊君) 線路そのものは不通になっておりますから、車扱いという車で運ぶわけには、もちろんできないわけでございます。だから貨物の受託をしまして船で輸送するわけでございまして、そのために必要な船を関西汽船からチャーターして大阪へ運ぶと、こういう段取りで今考えておるわけであります。
  118. 金丸冨夫

    ○金丸冨夫君 工事の個所、私それは誤解しておったかもしれないが、池田を出てから多度津のほうへ行く、あそこじゃないのですか。私はそう思っておったのだが……。
  119. 吾孫子豊

    説明員吾孫子豊君) いや違います。土讃線の本線、吉野川の流域の、場所は土讃線土佐岩原という所と豊永という所の間でございまして、徳島のほうではまだ海岸線もできておりませんし、線路では行きようがないのでございます。土讃線の本線でございます。
  120. 金丸冨夫

    ○金丸冨夫君 了解しました。
  121. 谷口慶吉

    ○谷口慶吉君 副総裁、こういう転覆して、脱線事故が起こって非常にたいへんだろうと思うのですが、国鉄はわざとおやりになるのじゃないでしょうけれども、国鉄自身も非常に御心配なことはよくわかるのですが、何かきょうもありませんでしたか、東海道で。
  122. 吾孫子豊

    説明員吾孫子豊君) 実は御指摘のように、本日の十一時四十分でございますが、東海道本線の袋井——磐田の間の無人踏み切りでオート三輪が入って参りまして、これが電車に衝突いたしました。で、オート三輪は架線の電柱にぶつかりまして、架線の電柱が折れる。折れて、そうして架線が下に垂れ下がるというようなことになりました。それでまた、東海道線は支障されたわけでございますが、上り線のほうは十三時三十分に復旧いたしております。下り線は十四時九分に開通をいたしております。それからお客さんが衝突いたしました際、ガラスの破片で四人さんほど軽傷を負われた方がございますが、幸いに一週間程度のおけがで済んだという状態でございます。大体、そういうようなことでございます。
  123. 大倉精一

    大倉精一君 席をはずして説明を聞きませんでしたけれども、この前二十五日の事故で塩酸か何かが流れて、ノリの生産というのですか、これがだめになったということが新聞に出ておるのですけれども、その状況はどんな状況ですか。
  124. 吾孫子豊

    説明員吾孫子豊君) ごく詳しいことは私もまだ承知いたしておりませんけれども、濃硝酸を積んだ車がございました。それが転覆したために、その硝酸がたぶん湖水に流れ込んで、湖水で養殖しておりましたノリに損害を与えた模様でございます。これは損害の程度、額その他につきましては、まだ詳細でない点もございますけれども、国鉄の責任において解決しなければならない問題であるというふうに考えております。
  125. 大倉精一

    大倉精一君 それは現地の漁業協同組合かどこかと交渉しておるのですか、今。
  126. 吾孫子豊

    説明員吾孫子豊君) ただいま、まだその話は損害賠償要求とかいうことは、まだ本社まで上がってくるという話にはなっておりませんけれども、現地のほうでは、おそらく管理局のほうとお話が進められておるであろうと思います。
  127. 大倉精一

    大倉精一君 この折衝といいますかの担当は、やはり現地でやるのですか。本社でやるのですか。
  128. 吾孫子豊

    説明員吾孫子豊君) これは損害のやはり額によりまして、額が大きくなれば、本社の法務課で直接に御折衝に当たるという場合もございまするし、また管理局でお話し合いをいたす場合もございます。
  129. 金丸冨夫

    ○金丸冨夫君 関連。今の問題は、硝酸が湖水に流れ込んでノリに影響するというのは、それは衛生上のあれからの取り締まりは、鉄道のほうの関係じゃないと思うのだが、問題になりはしないですかね、そんなものの入ったノリをまたどんどん売られたのじゃたいへんなことになる。
  130. 吾孫子豊

    説明員吾孫子豊君) そのノリのお話は、私も新聞で拝見した程度でございますけれども、ノリ等も変色してしまって使いものにならなくなったから、それで賠償を要求する問題が出てくるように伝えられております。したがいまして、そういう濃硝酸のくっついたものが商品になるということは、おそらくないのじゃないかと思っております。
  131. 大倉精一

    大倉精一君 ひとつ提案をするのですけれども、先般東京港における船舶の衝突沈没事件について、この前の委員会で若干質問したのですけれども、その後、調査をしてみますと、これは相当影響するところが大きいように思うのです。しかも朝並びに夕方の船舶の通航ラッシュ時においては、ほとんど陸上交通と変わらないような状況を呈して、非常に問題が大きいように思うのですけれども、これは委員会として何かの方法によって現地調査をするように委員長、取りはからってもらいたいと思います。
  132. 村松久義

    委員長村松久義君) 御要求の件については、理事会を持って決定をいたしたいと存じます。  本日は、この程度で散会をいたします。    午後四時十一分散会      —————・—————