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1962-02-01 第40回国会 参議院 運輸委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十七年二月一日(木曜日)    午前十時三十七分開会     —————————————   委員異動 十二月十四日委員大和与一辞任につ き、その補欠として相澤重明君を議長 において指名した。 一月十三日委員井野碩哉君辞任につ き、その補欠として天坊裕彦君を議長 において指名した。 一月二十四日重宗雄三辞任につき、 その補欠として村松久義君を議長にお いて指名した。 一月二十五日委員野上進君及び三木與 吉郎辞任につき、その補欠として大 野木秀次郎君及び重宗雄三君を議長に おいて指名した。   委員長異動 一月二十四日前田佳都男君委員長辞任 につき、その補欠として村松久義君を 議院において委員長に選任した。     —————————————  出席者は左の通り。    委員長     村松 久義君    理事            天埜 良吉君            金丸 冨夫君            大倉 精一君    委員            江藤  智君            重宗 雄三君            小酒井義男君            中村 正雄君            松浦 清一君            加賀山之雄君   国務大臣    運輸大臣    斎藤  昇君   政府委員    運輸大臣官房長 広瀬 真一君    運輸省海運局長 辻  章男君      気象庁長官 和達 清夫君   事務局側       常任委員       会専門員 古谷 善亮君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○運輸事情等に関する調査  (昭和三十七年度運輸省及び日本国  有鉄道関係予算に関する件)  (今国会提出予定法律案に関する件) ○港域法の一部を改正する法律案(内  閣提出) ○南大東島における高層気象観測に必  要な物品の譲与に関する法律の一部  を改正する法律案内閣送付予備  審査) ○船員法の一部を改正する法律案(内  閣送付、予備審査) ○特定船舶整備公団法の一部を改正す  る法律案内閣送付予備審査)     —————————————
  2. 村松久義

    委員長村松久義君) ただいまより委員会を開会いたします。  この際、一言ごあいさつ申し上げます。  このたび、はからずも私が運輸委員長に選任されました。何分にも不なれのものでございますが、委員の方々の格別の御指導、御協力によりまして、本委員会運営を円滑にいたしたいと存じます。どうぞよろしくお願いを申し上げます。(拍手)     —————————————
  3. 村松久義

    委員長村松久義君) 委員の変更について御報告いたします。  大和与一君、井野碩哉君野上進君、三木與吉郎君が辞任されまして、相澤重明君、天坊裕彦君、大野木秀次郎君及び私が選任されました。     —————————————
  4. 村松久義

    委員長村松久義君) 次に、委員長及び理事打合会の結果について御報告申し上げます。  本委員会定例日は、前国会同様毎週火曜日及び木曜日とすることとし、必要に応じて定例日以外でも開会することに協議決定いたしましたから、御了承を願います。  なお、本日は昭和三十七年度運輸省関係予算大綱についての説明提出予定法案説明、さらに付託法律案提案理由説明を聴取いたしたいと存じます。  まず、予算大綱について御説明を願います。齋藤運輸大臣
  5. 斎藤昇

    国務大臣斎藤昇君) 昭和三十七年度運輸省関係の予算について御説明申し上げます。  初めに、予算の規模について申し上げます。  まず、一般会計について申し上げますと、歳入予算総額は十二億六千八十三万二千円、歳出予算総額は六百九十五億六千四百五十一万六千円であります。今、昭和三十七年度歳出予算総額を前年度予算額と対比いたしますと百三十三億七千八百七十三万五千円の増額であり、約二四%の増加率を示しております。  この増加額の内訳を見ますと、行政部費系統におきまして三十九億三千四百八十万八千円の増額であり、公共事業費系統におきまして九十四億四千三百九十二万七千円の増額となっております。このうちには両系統を通じ定員二百三十一人の純増が含まれています。なお、ただいま申し上げました歳出予算総額のうちには北海道港湾事業費等他省所管分六十五億四千百五十万六千円が含まれています。  次に、特別会計について申し上げます。  まず、木船再保険特別会計歳入歳出予定額は、前年度より若干減少し二億九千四百六十四万九千円となり、自動車損害賠償責任保険特別会計歳入歳出予定額は、附保自動車車両数の増加に対応し、前年度より約十億円増額され六十三億一千三百七十三万円となっております。また前年度から新たに設置されました港湾整備特別会計におきましては、その歳入歳出予定総額は、最近における船込み等に対処するため前年度より約五十一億円増額され三百五十五億二千四百三十一万六千円となっております。  なお、このほか、昭和三十七年度財政投融資計画中には、当省関係分として約千七百五十億円が予定されております。  政府といたしましては、昭和三十六年度以降約十年間に国民総生産を倍増することを目標として国民所得倍増計画を策定し、わが国経済の健全な発展をはかろうとしております。当省におきましてもこの趣旨にのっとり、海陸空にわたる運輸交通部門全般について効率的な諸策の遂行に努力いたしておるのであります。しかしながら、昨年来経済発展のテンポは予想を大きく上回り、内需の旺盛と輸出の停滞により国際収支の悪化を招くに至り、これが改善をはかるため強力な対策が要請されている実情でございます。また、急速に発展する第二次産業部門輸送需要の伸びは、運輸交通部門供給力を大きく上回りまして、これが経済成長に対する阻害要因となりかねない危険性が顕著に現われてきているのであります。さらには、わが国経済国際的環境は、貿易為替自由化の促進が強く要請されておるなど、一そうそのきびしさを加えているのであります。  これらの諸点を考慮いたしまして、国民所得倍増計画の第二年度目にあたる昭和三十七年度の予算におきましては、同計画の基本線を維持しつつ、最近における経済事象の変化に即応して、まず国際収支の改善をはかるための貿易外収支の改善と輸出の振興、経済発展に即応する輸送力の増強さらには防災体制の強化、交通安全及び海上治安の確保、運輸関係科学技術振興等の諸施策に重点を置き、これらを積極的に推進することといたしております。  以下、部門別重点施策の要旨を御説明申し上げたいと存じます。  まず海運関係について申し上げますが、おもな事項といたしましては、  第一に、海運企業基盤強化対策に必要な経費といたしまして六十二万六千円を計上しております。経済の発展に即応し、国際収支の改善をはかり、工業用原材料安定的輸送を確保するためには、大量の船腹保有を必要とするのでありますが、企業基盤がきわめて脆弱なわが国海運企業が大量の船腹建造を遂行し得るようにするためには、その企業基盤充実強化する必要があるのであります。このため新たに海運企業整備計画審議会を設けまして、個々の企業の整備計画を慎重に審議し、審議会の答申を得まして財政上の措置をしようとするものであります。  第二に、外航船舶建造融資利子補給に必要な経費として七億九千三百十五万六千円を計上しております。本制度は、外航船舶建造資金を融通する市中金融機関に対する利子補給を行なうことによりまして、海運企業合理化に対する自主的努力と相待って海運企業金利負担を軽減し、海運企業の基盤を強化しますとともに、これに国際競争力を賦与しようとするものであります。  第三に、外航船舶建造にかかる日本開発銀行に対する利子補給に必要な経費として一億五千六百九十二万二千円を計上しております。これは市中金融機関に対する利子補給と同じ趣旨により日本開発銀行に対してその融通いたします外航船舶建造資金につき、利子補給を行なおうとするものであります。なお、これら利子補給にかかる新たな契約限度額として市中金融機関に対する分として十八億五千六百十三万九千円、日本開発銀行に対する分として十六億七千五百四万五千円を計上しております。  第四に、外航船舶の建造に必要な資金として日本開発銀行からの融資二百億円を予定しております。これによりまして、昭和三十七年度においてわが国貿易規模に即応した外航船腹整備をはかるため約五十万総トンの建造を行なう予定であります。  第五に、三国間輸送助成に必要な経費として四億六千万円を計上しております。これにより前年度に引き続き、三国間輸送を促進してわが国海運の発展と外貨の獲得をはかりたいと存じます。  第六に、移住船運航費補助に必要な経費として一億二千七百八十一万六千円を計上しております。これによりましてわが国移住計画に基づく移住者輸送の円滑な遂行をはかることといたしております。  第七に、戦時標準船処理対策に必要な資金として財政融資二十八億円を予定しております。これは、前年度に引き続き、航行に耐えられない状況に立ち至っている戦時標準船代替建造を行なうために必要な資金でありまして、特定船舶整備公団分として十六億円、日本開発銀行の融資十二億円を予定しております。  第八に、特定船舶整備公団国内旅客船建改造に必要な資金として七億円を予定しております。これにより昭和三十七年度におきましては、同公団は約四十隻四千五百総トン程度国内旅客船建改造を実施する予定でありますが、最近における管理費の増加にかんがみ、そのうち一億円は出資をもって充てることとし、残余は資金運用部資金からの融資を予定しております。  第九に、太平洋客船建造研究に必要な経費として千五百万円を計上しておりまして、これにより太平洋客船の建造についての諸問題の研究を行ないたいと存じます。  次に船舶関係について申し上げます。  第一に、船舶の経済性向上対策に必要な経費として千四百五十五万円を計上しております。これによりまして最近における船舶の自動化、構造の合理化等の趨勢に対応し、わが国海運国際競争力の強化に資するため、船舶の経済性飛躍的向上を目途としてこれが試設計を行ないたいと存じます。  第二に、造船関連工業振興に必要な経費として九十五万六千円を計上しておりますが、貿易及び為替の自由化に対処して、国際競争力の弱い造船関連工業合理化等を促進する所存であります。  第三に、中小型鋼船造船業及び木船造船業合理化に必要な経費として五百八十一万五千円を計上しております。これにより、引き続きこれら造船業の技術の向上、経営の合理化をはかりたいと存じます。  次に船員関係としましては、第一に、海上要員の確保に必要な経費として二千六百六十二万四千円を計上しております。これは最近深刻化しつつある海上労働力の不足を打開するために、船員供給源の開拓に必要な経費百六十二万四千円と、船員の福祉厚生を増進するため、国内における船員厚生施設整備する公益法人に対してその整備費の一部を補助するために必要な経費二千五百万円とであります。  第二に、船員教育の充実に必要な経費として一億二千六百九十九万三千円を計上しております。これは、船腹の増大に対処するとともに、船舶運航技術近代化に即応して、館山に海員学校を新設するほか、教育施設の充実、教育課程の新設などを行なうために必要な経費であります。  次に、港湾関係について申し上げますと、第一に、港湾整備五カ年計画に基づく港湾整備事業の促進に必要な経費として二百二十五億七百四十二万八千円を計上しております。このうちには一般会計から特別会計への繰入金二百十六億六千三百七十五万円が含まれております。国民所得倍増計画に基づき貿易量の伸長、工業生産の拡大及び国土開発の進展に対応して緊急かつ計画的に港湾の整備をはかる必要がありますので、昭和三十六年度を初年度として港湾整備五カ年計画の実施に努めておりますが、最近の主要港湾における著しい船込みの状況にかんがみ、昭和三十七年度においては、その早急な解消をはかるべく、六大港の整備に重点を置いて港湾整備事業早期実施を行なう所存であります。  これら港湾整備事業は、前年度において設置されました港湾整備特別会計によって実施されているのでありますが、同会計の歳入歳出予定額は三百五十五億二千四百三十一万六千円と、前年度に比べて約一七%の増加率を示しております。  また、これを勘定別に見ますと、港湾整備勘定においては、その歳入歳出予定額二百八十六億八千三百八十四万四千円の規模をもちまして港湾改修事業として、横浜港外約三百港の整備を行なう予定であり、特定港湾施設整備勘定においては、その歳入歳出予定額六十八億四千四十七万二千円の規模をもちまして、輸出港湾として大阪港外一港、石油港湾として千葉港外四港、鉄鋼港湾として千葉港外七港及び石炭港湾として苫小牧港外七港につきまして港湾施設整備を行なう予定であります。  第二に、港湾及び海岸防災事業の推進に必要な経費として百二十六億二千七十二万八千円を一般会計に計上しております。これによりまして特別高潮対策事業チリ地震津波対策事業伊勢湾高潮対策事業等海岸防災施設整備と港湾及び海岸災害の復旧を促進する所存であります。  以上申し上げましたとおり、昭和三十七年度における港湾関係予算は、一般会計及び特別会計を通じて前年度に比し八十四億一千六百十三万二千円の国費の純増を予定しております。  また、財政融資五億円により、港湾運送事業者の事業の用に供するはしけ、引き船等整備拡充特定船舶整備公団に行なわせ、船込み解消に資することとしております。  次に鉄道関係としましては、第一に、国鉄五カ年計画の推進に必要な財政資金として八百億円を予定しておりますとともに、日本国有鉄道新線建設費補助に必要な経費として四億二千四百七十九万五千円を計上しております。このうち前者は、東海道新幹線の建設を初めとする国鉄輸送力の増強をはかるための所要財政資金であり、後者は、昭和三十五年度及び昭和三十六年度における新線建設費相当額の一部を日本国有鉄道に対して補助するための経費であります。  第二に、地下高速鉄道建設促進に必要な資金として帝都高速度交通営団に百億円を、東京都、大阪市、名古屋市及び神戸市については総額百七十億円の財政資金の融資が予定されております。  第三に、地下高速鉄道建設費補助に必要な経費として一億八千百七十八万円が計上されております。都市交通円滑化をはかるためには、地下高速鉄道網の早急な整備を行なう必要があるのでありますが、その建設費は巨額に及び、これが経営の重圧となっている現状にかんがみ、東京都、大阪市、名古屋市及び帝都高速度交通営団に対し、建設費の一部を補助しようとするものであります。  第四に、踏切道改良費補助に必要な経費として二千二百一万三千円を計上しております。これによりまして、さきに成立をみました踏切道改良促進法に基づき踏切道の改良の促進をはかるため、保安設備整備を行なう経営の苦しい地方鉄道軌道事業者に対してその費用の一部を補助する予定であります。  次に自動車関係につきまして申し上げますと、  第一に、自動車行政基本体制充実強化に必要な経費として三億一千七百二十二万八千円を計上し、また要員も六十九人の増員を行なっております。これによりまして激増する自動車車両数に対応し、京都外六カ所の車両検査場整備を行ない、もって検査登録機能の強化をはかるとともに、自動車輸送統計機構及びタクシー免許業務体制整備等を行なう予定であります。  第二に、自動車事故防止対策の強化と自動車輸送秩序の確立に必要な経費として六百四十七万六千円を計上しておりますが、これによりまして運転者実態調査分解整備事業者及び自動車運送事業者の監査、白タク、無免許トラック等の取り締まりなどを強力に実施する予定であります。  次に航空関係のおもな事項といたしましては、  第一に、日本航空株式会社に対する出資として産業投資特別会計中に三億円を計上しております。同社の国際競争力を強化するため前年同様政府出資を行なうものであり、なお、これとともに、同社の発行する社債について二十二億円、借入金について八億六千八百八十万円を限度として債務保証を行なうことにしております。  第二に、国際空港整備に必要な経費として二十七億七千万円を計上しております。このうち東京国際空港につきましては二十三億三千六百八十万円を計上しておりまして、これにより滑走路の新設、ターミナル周辺整備ターミナルビル増築分買収等を実施する予定であります。また、大阪国際空港につきましては四億三千三百二十万円と、ほかに国庫債務負担行為二十億八百万円を計上しておりまして、現在施設の改修のほか、滑走路の新設のための用地買収を実施する予定であります。  第三に、国内空港整備に必要な経費として九億四千九百万円を計上しております。これによりまして既定空港として名古屋空港外十二空港の整備を続行しますとともに、新規空港として青森外七空港の整備に着手し、また鹿児島外三空港の追加改良整備を行なう予定であります。  第四に、航空機乗員養成費補助に必要な経費として二千万円を計上しております。航空機乗員の払底に対処してその緊急な養成を促進するため、民間における養成に対してその経費の一部を補助しようとするものであります。なお、このほかに防衛庁に対しても航空機乗員委託養成を予定しております。  第五に、航空の安全の強化に必要な経費として一億九千六百四十三万七千円を計上しております。これによりまして航空路監視レーダーの新設、航空保安施設整備及び管制用国際無線電話設置等を実施する予定でありますが、このレーダーの新設に必要な経費としましては、ほかに国庫債務負担行為二億九千百六十一万八千円が計上されております。  次に観光関係について申し上げますと、  第一に、日本観光協会に対する出資といたしまして一億円を計上しております。これは外人観光客の増加に対処して同協会の設置する総合観光案内所設備資金として政府出資を行なうものであります。  第二に、同協会に対する補助に必要な経費として四億二千四百七十三万九千円を計上しております。これによりまして日本観光協会海外観光宣伝活動整備充実をはかり、昭和三十七年度にはダラス及びフランクフルトに海外事務所を新設いたしますとともに、総合観光案内所運営費及び一般管理費についても新たにその一部を補助することといたしまして、海外観光客の積極的な誘致を推進する所存であります。  第三に、ユースホステル整備に必要な経費として、国立ユースホステルセンター増設備費五千百五十万七千円、地方公共団体ユースホステル整備費補助金四千七百五十万円を計上しております。これによりまして国立ユースホステルセンターの完成をはかるとともに、公営ユースホステル約九カ所の整備を行なう予定であります。  次に、海上保安関係についてそのおもなものを申し上げますと、  第一に、海難救助体制海上治安体制の強化に必要な経費として十億五千九百四十八万三千円を計上しております。これによりまして老朽巡視船艇を三隻代替建造し、八隻主機換装いたしますとともに、塩釜航空基地の新設、航空機の増強、第十管区海上保安本部の充実を初めとする海上保安組織の強化、通信施設整備海上警備力強化等を行なう予定であります。なお、巡視船代替建造に必要な経費として国庫債務負担行為一億六千九百四十四万円を別途計上いたしております。  第二に、船舶航行安全確保に関する体制の整備に必要な経費として航路標識整備費十億五千万円、水路業務整備拡充に必要な経費一億八千八百四十四万四千円を計上しております。これによりまして港湾整備に即応する港湾標識電波標識等整備を行ない、集約管理の一環として灯台見回り船を建造するとともに、瀬戸内海における航路の精測を行ない、測量船の建造を実施する予定であります。  気象関係といたしましては、第一に防災気象業務整備強化に必要な経費として七億二千二百十六万九千円を計上しております。これによりまして札幌、仙台に気象用レーダーの新設、伊勢湾地域自動応答式無線ロボット装置の新設、地震津波及び火山観測施設整備等を実施して、台風豪雨雪対策及び地震津波火山対策強化充実をはかりますとともに、防災要員二十二人増員、農業気象業務及び航空気象業務拡充強化を実施する予定であります。  第二に、基礎的気象業務整備強化に必要な経費として三億九千七百二十八万三千円を計上しております。これによりまして観測船一隻の代替建造大船渡測候所の新設を行なうほか、無線模写放送整備気象官署間通信施設整備を実施するとともに、気象に関する研究の強化等を行なう予定であります。  次に科学技術関係について申し上げます。  第一に、科学技術試験研究補助金として五千九百五十八万二千円を計上しております。これによりまして次に申し上げます運輸技術研究所における試験研究と相待って、民間が分担する試験研究を促進し、運輸に関する技術の発達改善をはかる所存であります。なおおもなテーマといたしましては、超高速優秀商船の建造に関する研究、航空機航行安全確保のための管制施設近代化に関する研究、新型式輸送機関の開発に関する研究等を予定しております。  第二に、運輸技術研究所研究施設拡充強化と、研究促進に必要な経費として一億六千四百五万五千円を計上しております。これによりまして引き続き原子力船開発研究を促進いたしますとともに、電子航法評価試験体制整備を行ない。また輸送機関経済性向上近代化等に関する研究等を実施し、各種輸送機関と施設の合理化近代化に資する所存であります。  第三に、港湾技術調査研究機構に必要な経費として八千六百七十三万七千円を計上しております。港湾工事に関する研究部門と、調査設計部門とは、これまで分離独立しておりましたが、港湾技術の強力な発展をはかるためこれらを統合して港湾技術研究所を設置いたす予定であります。  最後に、航海訓練関係でありますが、練習船進徳丸の代船建造に必要な経費として五億二千万円を計上しております。これによりまして前年度に引き続き、老朽化しております練習船進徳丸の代船の建造を実施する予定であります。  以上をもちまして昭和三十七年度の運輸省関係の予算についての御説明を終わりますが、何とぞ十分御審議の上、すみやかに御賛成あらんことを御願い申し上げます。     —————————————  次に、昭和三十七年度日本国有鉄道予算の概要につきまして御説明申し上げます。  昭和三十七年度の予算の編成にあたりまして、三十七年度は日本経済の著しい成長のあとを受けて、経済の発展は幾分控え目にならざるを得ないと考えて収入支出予算を組みましたが、一方また、国鉄輸送力の増強及び近代化のための国鉄新五カ年計画実施の第二年度として、この計画実現に支障を来たさないよう十分の配慮をいたした次第であります。  以下、収入支出予算につきまして、損益、資本及び工事の各勘定別に御説明申し上げます。  まず、損益勘定について申し上げます。収入におきましては、鉄道旅客輸送人員は五十四億九千万人、輸送人キロは対前年度七・三%増の一千三百六十九億人キロとして旅客収入二千九百四十六億円を見込み、また、鉄道貨物輸送トン数は二億一千百万トン、輸送トンキロは対前年度五・九%増の五百八十億トンキロとして貨物収入二千百二億円を見込んでおります。以上の旅客、貨物収入のほか、雑収入等を含めまして収入合計は五千二百四十六億円となっております。  次に、経営費についてみますと、人件費につきましては三十七年度の昇給と期末、奨励手当合計三・二五カ月分を見込みまして、給与の総額は一千七百八十一億円といたしております。また、物件費につきましては、節約に特段の努力を払うことにいたしておりますが、おもなものといたしましては、動力費四百八億円、修繕費六百五十九億円を見込んでおります。これらを合わせまして、経営費の総額は三千六百二十億円となっております。  以上の経営費のほかに、受託工事費四十億円、利子及び債務取り扱い諸費二百六十二億円、減価償却費五百七十一億円、資本勘定へ繰り入れ六百八十八億円、予備費六十五億円を合わせまして、損益勘定の支出合計は五千二百四十六億円となっております。  次に、資本勘定について申し上げます。収入といたしましては、先ほど申し上げました減価償却引当金五百七十一億円、損益勘定から受け入れます六百八十八億円のほか、資産充当七十五億円、鉄道債券六百十五億円、資金運用部等からの借入金四百七億円、合計二千三百五十六億円を計上いたしております。  他方、支出といたしましては、このうち二千三十五億円を工事勘定に繰り入れるほか、借入金等の償還三百十四億円、帝都高速度交通営団等への出資七億円を予定いたしております。  最後に、工事勘定について申し上げます。三十七年度は輸送力の増強及び近代化に重点を置き、東海道幹線増設工事を推進するとともに、主要幹線の複線化、電化、電化されない区間のディーゼル化、さらには通勤輸送の混雑緩和、車両の増備をはかるため、三十六年度に比して百十億円増の二千三十五億円を計上いたしました。  以下、工事勘定の内容について御説明申し上げます。  まず、新線建設につきましては前年度と同額の七十五億円を計上いたしております。次に、東海道幹線増設につきましては、昭和三十四年度に着工してから四年目を迎え、工事も最盛期に入りますので、前年度より百七十二億円を増額いたしまして六百十億円を計上し、幹線増設工事の促進をはかり、東海道線の輸送の行き詰まりを早期に解消いたしたい考えであります。  次に、通勤輸送対策といたしましては、前年度より十四億円増額し、東京付近六十五億円、大阪付近十七億円、電車増備二百三十両、四十五億円、計百二十七億円を計上いたし、輸送需要の増大に対応するとともに、混雑緩和をはかることにいたしました。  次に、幹線輸送力増強のために前年度より二十一億円増額いたしまして四百九十億円を計上し、その能力の限界近くまで利用されており、輸送需要の増大に応じ切れなくなっている東北本線、北陸本線、上信越線、中央本線、鹿児島本線等の輸送力を増強し、これら線区における輸送隘路をできるだけすみやかに解消することにいたしました。  次に、電化及び電車化につきましては、前年度より二十四億円増額し、二百四十八億円を計上いたしまして、現在工事中の東北本線、常磐線、信越本線、北陸本線及び山陽本線の電化を促進するとともに、既電化区間の電車化を積極的に行ないまして列車回数を増加し、サービスの改善と経営合理化をはかることにいたしました。  以上のほか、ディーゼル化、諸施設の取りかえ及び改良、総係費等を含めまして、支出合計は二千三十五億円となっております。これらに要します財源といたしましては、資本勘定から受け入れます二千三十五億円を充てることにいたしております。  以上御説明申し上げました日本国有鉄道の予算は、これに予定されました収入をあげ、予定の工事計画を完遂するためには格段の努力が必要であろうと考えられますので、公共企業体としていま一そうの経営合理化をはかり、もってわが国経済の発展に資するように指導監督して参りたい考えであります。  以上、昭和三十七年度日本国有鉄道の予算につきまして御説明申し上げましたが、何とぞ御審議の上、御賛成下さるようにお願いいたしたいと存じます。     —————————————
  6. 村松久義

    委員長村松久義君) 次に、提出を予定しておる法律案説明を願います。広瀬官房長。
  7. 広瀬真一

    政府委員(広瀬真一君) 運輸省といたしましてこの第四十国会に提出を予定しております法律案は、総計で十五件ございます。各法律案につきまして、内容をきわめて簡単に御説明をいたします。  第一に運輸省設置法の一部を改正する法律案でございます。この内容は、港湾関係技術研究促進するためで、運輸技術研究所港湾部門を母体とする港湾技術研究所を本省の付属機関として設ける。海員の需要の増大に対処しまして、海員の養成を行なうために館山市に海員学校を設ける。自動車審議会の廃止に伴って所要の整理を行なう。航空交通管制本部の移転に伴いまして、その所在地を東京都北多摩郡久留米町に改める。気象庁研修所の名称を実態に即応いたしまして気象大学校に改める。国家行政組織法第十九条第一項の定員を改める。こういった内容を含んでおるものでございます。  その次が特定船舶整備公団法の一部を改正する法律案でございますが、これは本日後ほど提案理由説明がございますので、内容は省略いたします。  次が日本観光協会法の一部を改正する法律案。これは日本観光協会に対する政府出資がこのたび一億円認められておりますので、これに対する所定の規定の整備を行なうというものでございます。  次が南大東島における高層気象観測に必要な物品の譲与に関する法律の一部を改正する法律案でございますが、これも本日後ほど提案理由説明がございますので、内容を省略いたします。  次が海運企業基盤強化のための臨時措置法案。これは仮称でございますが、この内容は海運企業基盤強化のため、海運企業の提出します整備計画審議する海運企業整備計画審議会を設けまして、審議会の承認した整備計画を提出しました海運企業に対しまして五カ年間日本開発銀行は一定の債権にかかる利子の徴集を猶予しようという内容でございます。  次は港域法の一部を改正する法律案。これも本日後ほど提案理由説明がありますから、省略いたします。  次はモーターボート競走法の一部を改正する法律案。これは公営競技調査会の答申の趣旨にのっとりまして、勝舟投票券の購入を禁止される者の範囲を拡大する等、競走に対する規制を強化し、あわせて競走の実施に関する業務と交付金による振興業務とを組織上分割することによりまして制度運営合理化をはかろうとする内容でございます。  次は船員法の一部を改正する法律案。これも本日提案理由説明がございますので、内容は省略いたします。  次は公共企業体職員等共済組合法の一部を改正する法律案。これは健康保険法等の一部改正に伴い、出産費及び配偶者出産費について最低保障額を設けるとともに、育児手当金を定額化する。次は恩給法等の一部改正に伴いまして、更新組合員等に関し旧日本医療団及び外国政府の職員期間の通算等、所要の措置を講ずる。組合員が退職した後、再びもとの組合の組合員となった場合において、前後の組合通算期間を合算して年金受給資格年限に達するときは、組合員期間を合算する。更新組合員等の旧令共済組合員期間等について実期間として通算する。その他所要の改正を行なうという内容でございます。  次は日本国有鉄道法の一部を改正する法律案。これは日本国有鉄道経営改善に資するため投資することができる事業の範囲を改めようという内容でございます。  次は鉄道営業法の一部を改正する法律案。これはILO第八十七号条約を批准することとするに際しまして、鉄道事業の適正な運営確保するため、鉄道係員に関する規定の整備を行なうという内容でございます。  次は道路運送車両法等の一部を改正する法律案。これは内容は二つございまして、第一は道路運送車両法の一部改正でございます。これは自動車の検査制度を合理化するため、指定自動車整備事業者制度の新設、自動車検査証の有効期間及び原動機番号に関する規定の整備、自動車検査証の有効期間の終期を表示する標章の表示義務等、所要の規定の整備を行なうという内容でございます。次は自動車損害賠償保障法の一部改正でございまして、これは最近における自動車損害賠償責任保険の加入率の低下に対処し、自動車損害賠償保障制度を充実強化するため、自動車の検査等と自動車損害賠償責任保険との関連性の強化、軽自動車に対する標章の表示義務、解約の制限等、所要の規定の整備を行なおうとするものでございます。  次は港湾法の一部を改正する法律案でございまして、これは海面における港湾工事のための漁業権の取り消し等及び損失補償についての規定を設け、港湾工事促進をはかろうとするものでございます。  次は道路運送法等の特例に関する法律案でございまして、これは仮称でございますが、道路運送法違反者に対する行政処分の実効性を確保しようとするものでございます。  次は海上衝突予防法の一部を改正する法律案でございます。これは一九六〇年の国際海上衝突予防規則の改正に伴いまして、所要の国内的な整備を行なおうという内容でございます。  以上十五件が本国会に運輸省といたしまして、提出を考えております法律案の内容でございます。     —————————————
  8. 村松久義

    委員長村松久義君) 次に、本委員会付託の港域法の一部を改正する法律案説明を願います。斎藤運輸大臣
  9. 斎藤昇

    国務大臣斎藤昇君) ただいま議題となりました港域法の一部を改正する法律案提案理由につきまして御説明申し上げます。  この法律案は、港湾事情の変化に伴い、港の区域が実情に沿わなくなったものを改める等の必要が生じておりますので港域法の別表を改正しようとするものであります。  改正を必要とするおもな事情を申し述べますと、第一に、背後地の産業活動の発展による港湾建設船舶出入の増加に伴い、田子の浦港、安芸津港について港則法を施行する等のため新たに港域を定める必要が生じたことであります。  第二に、港湾の埋め立て、埠頭工事の進展に伴い、港湾施設が拡張される等船舶の交通事情が変化したため、京浜港ほか九港について、その実情に合致するよう港域を変更する必要が生じたことであります。  第三に、大阪港及び堺港のように隣接した二港が臨海工業地帯の造成等によって経済的にも、また船舶航行及び停泊の事情からも一体の港湾として機能を発揮しているものについて、港域法上の一体の港域として合併する必要が生じたことであります。  以上がこの法律案を提案する理由であります。
  10. 村松久義

    委員長村松久義君) 本案に対する質疑等は後日に譲ることにいたします。     —————————————
  11. 村松久義

    委員長村松久義君) 次に予備審査のために送付されております、南大東島における高層気象観測に必要な物品の譲与に関する法律の一部を改正する法律案ほか二件について御説明を願います。齋藤運輸大臣
  12. 斎藤昇

    国務大臣斎藤昇君) ただいま議題となりました南大東島における高層気象観測に必要な物品の譲与に関する法律の一部を改正する法律案提案理由につきまして御説明申し上げます。  御承知のように、わが国は、台風その他の自然現象による災害によって、年々多くの人命、財産の損失をこうむっております。これらの災害の予防、軽減に資するためには、気象観測の整備をはかり、かつ、予報業務を強化して的確な気象予報を行なうことが必要でありまして、政府といたしましてもこれら気象業務の円滑な運営に鋭意努力を重ねて参っている次第であります。  中でも高層気象観測は、一般の気象予報はもちろん、台風予報にも航空機の運航にも重要な資料を提供するものであります。この点にかんがみまして、かねてから高層気象観測網の整備をはかって参りましたが、昭和三十五年度には気象庁と琉球気象台の協力業務として南大東島について整備いたしました。さらに今回は、琉球気象台が石垣島において高層気象観測実施するにあたり必要な援助を計画したわけであります。  石垣島は、御承知のとおり沖繩本島より西南方の海上四百キロの地点にありますが、石垣島で高層気象観測実施いたしますれば、日本の天気変化のおもな原因となります東シナ海南部に発生する低気圧の発生、消滅、進行の予想や台風の予想にも大きな役割りを果すことになるのであります。また、このようなことから、石垣島の高層気象観測は世界気象機関においてもその開始を勧告されているものであります。よって、政府は、この重要性にかんがみ、琉球気象台の高層気象観測業務を開始するため必要な経費を援助するとともに、その観測に必要な物品を譲与するため必要な経費昭和三十七年度予算として計上いたしている次第であります。  また、観測に必要な物品を譲与することにつきましては、琉球気象台の高層気象観測資料を本邦の観測資料と統一して利用するため、本邦における高層気象観測と同一様式の観測機器を使用し、かつ、同一の観測方式で実施されることが必要であるからであります。したがいまして、琉球気象台の南大東島の高層気象観測と同様に物品を譲与できるように財政法第九条の規定の特別立法の措置を講じた次第であります。  以上がこの法律案を提出する理由であります。  次に、船員法の一部を改正する法律案提案理由につきまして御説明申し上げます。  現行船員法は、昭和二十二年に新憲法の施行に伴い、海上労働に関する労働基準法として全面的に改正されたものでありますが、経済情勢、労働情勢ともに著しく不安定な時期に制定されたため、必ずしも現状に即さない点もあり、また、その後の経済成長とともに労働情勢も推移しており、その変化に対応させる必要性も生じて参りました。よって、政府は、昭和二十八年船員中央労働委員会に対し、船員法の改正について諮問いたしました。船員法は、申すまでもなく、労働基準法と並んで海上労働者の労働基準に関する基本法としての性格を有するものでありますから、その改正は慎重に行なわなければなりません。同委員会は、このような配慮を前提に、慎重な態度をもって八年間にわたり船員法の全条文について検討を行なったのでありますが、特に、船員法が現実の国内及び国際の労働慣行に適したものであるか、あるいは労働基準法と均衡を失した点はないか、あるいは国際海上労働条約との関係はどうか、あるいは最近の労働情勢の推移に適応しているかどうか等の見地から細部について審議を行なったのであります。その結果、公労使三者の完全な意見の一致をみたものについて昨年末までに答申がなされましたので、政府は、この答申の趣旨に従い、ここにこの法律案を提出した次第であります。  このたびの改正のおもな点は三つに大別されますが、その第一は船員の労働条件の適正化に関するものであります。御承知のように、船員は長期間遠く海上を航行する船舶をその労働の場としておりますので、その居住、労働の環境を適正なものとすることが特に要求されております。このたびの改正案におきましては、まず衛生管理者制度を設け、船内の衛生状態の改善船員の健康管理、傷病の発生の予防等に従事させることとし、これと関連し、従来の船医制度の合理化をはかりました。また、労働基準法において労働安全衛生規則が定められておりますように、船内作業による危害を防止し、船内衛生を保持するため必要な船舶所有者及び船員の順守すべき事項を命令で定める等の措置により、船員労働の安全及び衛生の確保に資するようにいたしております。このほか、労働時間制について外航・内航、船内の各部を問わず適用することとし、その基準化に努める等の改正を行ない、また、労働基準法と同様に、傷病船員、産前産後の女子船員の解雇を制限し、予備船員の解雇について予告制度を採用することとして、船員の地位の安定をはかることとした等、船員の労働条件の適正化をはかっております。  第二に、船員法の適用範囲の拡張についてでありますが、近時、漁船の性能の向上と漁法の発達とにより、船員法の適用を受けない小型漁船も沿岸より沖合いへと出漁する傾向がみられるに至っております。その乗組員につきましては、陸上労働を対象とした労働基準法によるよりも、海上労働法としての船員法によることが適当であると考えられますので、これらの漁船を船員法の適用対象とすることといたしました。  第三に、船舶の航海の安全確保に関する規定の整備について申し上げます。従来より船員法におきましては、船舶の航海の安全確保に関する船長の職務について規定しておりますが、わが国海事法体系の整備をはかるという見地から、船舶安全法に基づく命令により定められておりましたこれと同様の性質の事項船員法に統一的に規定することとし、今後一そう航海の安全確保に努めることといたしました。  以上が、この法律案を提案する理由であります。  次に、特定船舶整備公団法の一部を改正する法律案につきまして、御説明申し上げます。  この法律案の改正点は、第一に、特定船舶整備公団の業務範囲を拡大し、港湾運送事業者等と費用を分担して、はしけその他の港湾運送用船舶建造、貸し渡し等ができるようにすること、第二に、公団の資本金四億円を五億円に増額しようとするものであります。  第一の改正点につきましては、昨年の半ばごろより、各主要港において、船ごみの現象が著しくなり、国際収支国内生産その他わが国の国民経済の上に、種々の影響を与えていることは御承知のとおりでありますが、このような現象を引き起こした原因の一つに、はしけ不足がありまして、今後なお増加する貨物量に対応し、船ごみの解消をはかるためには、はしけその他の港湾運送用船舶増強することが必要であります。  はしけは、従来、港湾運送事業者の手によって、その整備がはかられて参りましたが、港湾運送事業者の大半は中小企業者でありまして、資本金五百万円未満のものが七割を占めている現状であります。したがいまして、これ等事業者が融資を受ける場合の信用力、担保力は著しく不足しているため、通常の金融ベースでは、資金調達を行なうことが著しく困難であり、これが、はしけの新造を阻害する要因となり、今回のようなはしけ不足の現象を招いたものであります。  以上のような事情にかんがみ、港湾における船ごみを解消し、今後増大する貨物量に対応する荷役能力の増強をはかるための施策の一環として、特定船舶整備公団の業務範囲を拡大し、資金調達困難な港湾運送事業者等を対象として、公団との共有方式により、はしけその他の港湾運送用船舶の新造を行なうことができるよう措置を講じた次第であります。  なお、このため、三十七年度におきましては、公団に対する資金運用部資金五億円の融資予定されております。  第二の改正点につきましては、公団旅客建改造業務執行のための事務経費は、政府出資する資本金の運用益をもってまかなうことになっておりますが、昭和三十七年度におきましては、業務を円滑に運営するには、事務経費増加する必要がありますので、これにあてるべき運用益の増収をはかるため、旅客事業予算七億円のうち、一億円は、出資金をもって充て、現在の資本金四億円を五億円に増額することとしたのであります。  以上が、この法律案提案理由及び概要であります。  以上、申し述べました四案につきましては、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御賛成いただきますよう御願いを申し上げます。
  13. 村松久義

    委員長村松久義君) 以上、予算案及び法律案についての政府説明を終了いたしました。  この際、何か御発言ございますか。——なければ、本日は、これにて散会いたします。    午前十一時三十五分散会      —————・—————