運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1962-03-16 第40回国会 参議院 オリンピック準備促進特別委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十七年三月十六日(金曜日)    午前十時四十六分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     森中 守義君    理事            剱木 亨弘君            重盛 壽治君    委員            植竹 春彦君            新谷寅三郎君            野本 品吉君            内村 清次君            田中  一君            千葉千代世君            加賀山之雄君   国務大臣    大 蔵 大 臣 水田三喜男君   政府委員    総理府総務長官 小平 久雄君    大蔵政務次官  天野 公義君    大蔵省主計局次    長       谷村  裕君    文部政務次官  長谷川 峻君    文部省体育局長 前田 充明君   事務局側    常任委員会専門    員       工楽 英司君    常任委員会専門    員       古谷 善亮君    常任委員会専門    員       武井  篤君   説明員    大蔵省主計局主    計官      谷川 寛三君    建設省都市局参    事官      鶴海良一郎君    建設省営繕局営    繕計画課長   小場 晴夫君   参考人    オリンピック東    京大会組織委員    会事務総長   田畑 政治君    東京オリンピッ    ク資金財団理事    長       靱   勉君    首都高速道路公    団理事長    神崎 丈二君    東京都オリン    ピック準備局長 関  晴香君    埼玉企画室長 大沢  操君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○参考人出席要求に関する件 ○オリンピック東京大会準備促進に関  する調査   —————————————
  2. 森中守義

    委員長森中守義君) これよりオリンピック準備促進特別委員会を開会いたします。  オリンピック東京大会準備促進に関する調査を議題といたします。  この際、参考人出席要求についてお諮りをいたします。先般参考人として決定をいたしておりましたほかに、本調査に関して、本日埼玉企画室長大沢操君及び首都高速道路公団理事長神崎丈二君に参考人として出席を求め、その意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 森中守義

    委員長森中守義君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
  4. 森中守義

    委員長森中守義君) それでは、選手村の整備に関する件につきまして、小中総務長官から発言の申し出がございましたので、これを許します。
  5. 小平久雄

    政府委員小平久雄君) ワシントンハイツ施設水耕農園の所に移転をいたします問題につきまして、水耕農園地元たる三鷹市、府中市及び調布市、この三市側から、移転に伴いましていろいろ御要望等がございました。その御要望の処理に関しまして、従来から再三にわたりまして協議をいたしておりましたが、若干問題が解決をみないままになっておりました。これをめぐりまして、いろいろ委員の各位にも御心配をおかけいたしておったわけでございますが、昨日朝、三市の市長、議長等代表者、及び東京都から代表の方、それからわれわれがこれに参加をいたしまして、この前の委員会で多分御報告申し上げたと思いましたが、いわゆる地元側東京都及び政府側三者の第二回目の協議会を昨日開きまして、種々検討いたしました結果、地元側要望に対しまして、政府側意向を伝えまして、その了承を得ることができました。  その内容をかいつまんで申しますというと、地元側要望は、相当多数の項目にわたっておりましたが、そのうちでだんだん話しておる間に煮詰まって参りました中心の問題といたしましては、関連いたします道路整備の問題、第二には、今後移設後の施設の排水に使いますところの野川という川の改修の問題、第三には、現在の水耕農園の一部につきまして地元でこれを公共の目的に使いたい、こういうことから「でき得れば五万坪程度を開放してほしい、まあ大体この三つの問題が最後まで残ったわけでございます。その他の問題につきましては、それぞれ地元の御要望にすでに沿うことになったものもございますし、なお、今後解決するために努力を、御協力を申し上げる、こういうことで地元も以前から大体納得をそれぞれいたしておったわけでございます。  そこで、その三点について申し上げますが、そのうちの道路の問題につきましては、これは前回協議会でございましたが、関連道路のうち、都市計画路線として決定を見ております一等二類一号線と申しますのは、これは三鷹市の坂上から吉野南というところまで参ります一・三キロの路線でございます。及び都道六十四号線、これは三鷹市の坂上から府中市の紅葉丘というところまで参ります二・〇キロの路線でございます。これが地元から御要望のあった路線のうち一番主要な部分でございますが、この二つの線につきましては、実は従来のいわゆる道路五カ年計画には入っておらなかったわけでございますが、これを整備五カ年計画に繰り入れて施行をいたす、こういうことに政府としても方針をきめまして、それを地元側に伝えまして、地元もそれで御納得をいただいたわけでございます。これは今申しますとおり、前回協議会の席上すでに御了解を得ておったものでございます。  第二の下水関係としての野川改修の問題が、実は最後まで解決を見なかった問題でございますが、この野川世田谷区内と、それから府中市内と両者にまたがっておるわけでございますが、延長八キロほどのものでございます。これはいわゆる中小河川に指定をされまして改修にすでに着手をいたしておったわけでございますが、これがふだんにおきましても洪水時等には相当溢水をいたして地元側では困っておる。それで今回ワシントンハイツ施設水耕農園移転するということになりますと、その影響も地元から考えますならば相当大きいのじゃないか、こういう考えもおありでありまして、ぜひともこれを、まあ当初の要望でありますと、ワシントンハイツ移設までに完成せよ、こういう御要望でございました。何分にも八キロ間に及ぶものでございまして、土地の買収並びに工事等考えますと、ハイツ移転までに完成するということは、これはとうていちょっといたしかねる問題でございます。そこで政府側といたしましても、東京都のほうともいろいろお打ち合わせいたし、なおかつ、これは実は中小河川でございますから、いうまでもなく工事の主体は東京都のほうにあるわけでございます。そこで東京都といたしましても、諸般の情勢を御考慮下さって、三十七年度においては特に単独事業といたしまして相当予算も現に計上して下さったわけであります。それに呼応いたしまして、政府のほうでどうするかという問題であったわけでございますが、何分にも政府といたしましてはすでに予算案の現に提出も済み、また審議中の今日でございますので、いわゆる中小河川工事ワクのうちから相当額をこれに計上するということは、全国の中小河川との関係もありまして、さしあたり三十七年度の問題といたしましては至難のことである。こういうことで、これは建設省側でもそういう御意向でございました。そこで結局三十七年度の問題もございますからして、これも予算の成立の後におきまして、操作等によりできるだけ三十七年度にも、もちろん政府支出も多くいたすように努力いたしましょうと、さらに、より根本的には、全体としてこの野川改修も三十七年以降五カ年計画をもって完成することに努力をいたそう、こういうことに関係各省意見もまとまりましたので、その旨昨日現地三市の代表者にお伝えをいたしたわけでございます。そこでこの政府側考えにつきまして、三市側で御協議の上政府の意のあるところを了承をして下さいまして、この野川改修の問題も一応の解決を見たわけであります。  さらに、第三の問題としましては、先ほど申しました水耕農園の一部を公共用地として開放するようにという御要望でございますが、これにつきましても、政府といたしましては米側に話をいたしておるところでございますが、何分にも水耕農園全体の利用計画というものがまだ確定をいたしません。そういう関係もございまして、今直ちにこれをいつまでにどれだけ開放するというようなことを一方的に申し上げるわけにも参りません。そういう事情でありますので、今後この問題につきましても、政府としても引き続き努力をいたしましょうと、こういうことで現地側の御了解をいただいたわけであります。  以上のような次第でございまして、ワシントンハイツ移設にからまります諸問題につきましては、現地及び東京都と政府、この三者の協議会において意見の一致を見たと、こういう次第でございます。  そこで、この移設も御承知のとおり非常に急がれております。本日、この第一次の移設の、例の総合屋内体育館のできる場所にある現施設移設を行なうということについてのこの入札を、本日建設省のほうでおやりになる、かように私ども承知をいたしておるのであります。いろいろ御心配をかけましたが、この問題はこれで円満に遂行できるものと、かように考えておるわけでございます。  以上御報告申し上げます。
  6. 森中守義

    委員長森中守義君) ただいまの小中総務長官説明に対して御質疑のおありの方は順次御発言を願います。
  7. 内村清次

    内村清次君 ただいま小平総務長官から報告を聞きまして、ひとまず私たちといたしましても安堵したわけです。もちろんワシントンハイツの問題が解決しませんと、これは今回のオリンピック促進に対しましても、これはもう一番拠点的な支障がある問題でありまして、先般の委員会で私も申しましたように、受け入れをするところの地元側要求の事項及び、またはその予定されているところの額というものが相当膨大なものでありまするからして、しかもまた体育場建設予定というものが喫緊の問題であるという点に思いをいたしまして、非常に心配したわけですが、昨日私も新聞によって、この問題が大体本ぎまりになったという報道を知りまして、きょうの長官の正式の報告を待っておったわけです。  そこで、一点御質問申し上げておきますことは、もちろん、この地元側の御協力によって一応ワシントンハイツ移転というものがスムーズにできるのだという前提のもとに……しかし、これは地元側といたしましても最初要求の諸条件からいたしまして、まだまだ決してこれは過度な楽観は許さない問題ではないかとも思うのです。先ほど報告のありました要請の中にもあった野川改修の問題は、新聞報道によりますと大体二十三億の工事費である。それを五カ年間に分割をしてやるというこの改修問題一つを取り上げてみましても、これはやはり建設省及びまた東京都におきまして、五カ年間でこれをやり上げなくちゃならないという責任がある。同時にまた先ほど報告の中にもありましたように、もうすでに五カ年計画ワクというものはきまっているのだ。しかしそのワクの中からでも経費の問題は何とか政府一体となって考えてやろうじゃないか。こういうようなことですが、これは長官から代理的に総括して御答弁をいただいてもけっこうですけれども、あるいは地元または建設省のほうで分割して、この遂行に絶対支障はないのだというような御答弁をいただけばなおけっこうですけれども、そういった具体的な御計画政府責任において遂行される決意があるかどうか、これに付随しました諸問題につきましても、同時に起こってくる問題があると思うのです。たとえて申しますると、やはりこれは利水の問題でございますからして、いろいろ施設の問題も関連して参りましょうし、そういった問題もひとつ政府のほうでは約束どおり必ず遂行するのだという御確約をなさっているのかどうかが聞きたい点でございます。  それから第二の点は、ワシントンハイツ移転がいよいよ最終完了が十一月だというような報道がなされておるのです。全世帯の家屋移転が大体十一月だと。そうすると家屋移転が済みまして、残ったすなわち選手方々を収容するところの施設の改善とか、あるいは屋内の問題がまた出てくる問題です。もちろん一番重点の問題はこの体育場建設というものがオリンピック開催までに確実に間に合うかどうかという問題が出て参るのですが、この点に対しましては、政府のほうでは決して組織委員会に対しましても、国会に対しましても、御心配のないような完成の仕方を必ずやるのだ、この問題については御心配は要りませんというような御確約がここでできるかどうか、その点を長官から念のためにではございますけれども、国会の今期の開催ももうあまり時間的にもございませんから、この際確約的な御答弁お願いを申し上げておきたいと思います。
  8. 小平久雄

    政府委員小平久雄君) まず第一点の野川改修の件でございますが、これは先ほども実は申しましたとおり、三十七年度以降五カ年間に完成計画で遂行するように努力をいたしましょうと、こういうことで私はお約束いたしたのであります。その内容は、今お示しのとおり、改修費総額といたしましては、建設省で一応算定をいたしております。総額二十三億円というものを基準にいたしまして、そういうお話をいたしたわけであります。そこで、とりあえずこの三十七年度といたしましては、建設省といたしましては、中小河川改修事業量として二千万円を予定をいたそうと、せいぜい現在提案されております中小河川改修ワクからいたしますと二千万円、これが最大の努力をしてその程度であるという、こういう実は話なのであります。しかしながら、われわれといたしましては、と申しますか、その後いろいろ関係部内で話をいたしまして、三十七年度におきましても、それを越しまする相当額をできるだけ何らかの方法で増額するように努力をいたしましょうと、こういうお約束をしたわけであります。さらに三十八年度以降につきましても、この中小河川の全体のワクというものが、まあ三十七年度と同様程度あるいはそれより若干上回るというかりに程度であるといたしますと、なかなか野川のために、先申しました計画を遂行するような支出が困難であろう。しかしそれは三十八年度以降の問題でありますからして、お約束をいたしました以上は、中小河川のこの計画そのものを変えて全体としてのワクをふやすという方法なり、あるいはその他の方法がかり考えられるならば、その他の方法をとるなり、いずれにいたしましても三十八年度以降の問題でございますので、どういう道筋によって財源を確保するかということについては、関係各省とさらに引き続いてこれは検討をいたそうと、こういうことに相なっておるわけであります。しかし、全体としてのお約束はいたしたわけでありますから、これがお約束どおり遂行できますように、もちろん政府といたしましても努力をいたしたい、かように決意をいたしておるところでございます。  それからワシントンハイツ移転の時期の関係でございますが、これは御承知のとおり屋内総合体育館建設する予定地にありまする現在の施設は、当初の予定では、これを本年の九月末までに完成をいたしまして、十一月までに移設をいたすと申しますか、移転を行なう。さらに残りの分につきましては、明年の九月一ぱいにこの代替施設を作って、十一月までにやはり移転を完了する、こういう予定でやったわけでありますが、その後いろいろの事情で約二ヵ月ほどおくれがきておる。こういうことでございますが、しかし二カ月程度おくれましても、屋内総合体育館建設、あるいはさらにはオリンピック開催そのもの、つまり選手村としての利用、全施設選手村としての利用、これらについては、それぞれれ関係の機関において打ち合わせの結果、支障はないということでございます。  なお詳細は、これは建設省のほうが施設を担当いたしておりまするから、詳細は建設省のほうから後ほど御説明を申し上げたいと思いますが、いずれにいたしましても、オリンピック開催には支障のないようにいたして参りたい、そういう決意で臨んでおるわけでございます。まあ、委員の皆さんに心配をかけないかという御質問でございますが、これは御心配いただかなければならぬこともまたできてくると思いますが、私はなるべく御心配をかけないように努力をいたしたいと考えております。
  9. 小場晴夫

    説明員小場晴夫君) 工期の点について御説明申し上げます。  ただいま総務長官よりお話ございましたことで進めておりまするのですが、当初・一月初めに第一期工事と称します屋内総合競技場予定されております敷地にございます約二百戸分について発注いたす計画で進めて参りましたのでございますが、米軍との折衝その他でなかなか思うように進行いたしませんので、二カ月ばかりおくれて参りました。このことは、当初全体のスケジュールオリンピック開催というところに押えまして、いろいろ中間に支障が生ずるのでないかというようなことを考えまして、ゆっくりした、安全を非常に見ましたスケジュールというものを一応立てまして。きめました第一次の発注という4のを一月に押えたわけでございます。これにつきましては、さかのぼりまして、こういうことでやりませんと、非常に安全度が高い建設というものは進めにくいということで、ワシントンハイツ決定について、ぜひ早くお願いいたしますというようなことでお願いを申し上げております際に作りましたスケジュールでございまして、それがだんだんおくれまして、十月の末ということで、やむを得ず二ヵ月どうしてもおくれてしまう。このことは、全体の期間がまだオリンピックまでだいぶございますので、屋内競技場、当初は二十一カ月という工合予定いたしておりましたのでございますが、これを十九カ月というようなスケジュールにいたしましてまかなえるのじゃないだろうか、こういう工合考えております。以上で終わりたいと思います。
  10. 加賀山之雄

    加賀山之雄君 非常に地元お話が、誠意をもってよくやっていただいて、私ども非常にありがたいと安心したわけですが、今伺うと工期関係はそれこそぎりぎりになったわけですね。何か途中に突発的な支障とか、また何かが出てくると、これはもう明らかに物理的に間に合わない。そこで予算なり、実施移転をする米軍のほうの要望とか、そういうものは予算的にも全部織り込んであることだと思うのですが、それは総務長官どうですか。
  11. 小平久雄

    政府委員小平久雄君) 移転に要しまする経費につきましては、すでに三十六年度の予備費をもちまして一部まかなっておりますし、それから三十七年度の予算におきましても、施設関係の費用というものは全部予算に盛っておりますから、それは米軍側との交渉に基づいて必要なる経費を盛っているわけでございますから、予算面からは支障はないものと、かように考えております。
  12. 加賀山之雄

    加賀山之雄君 担当される建設省のほうでそういったことについての、何かこういう点が出てきそうだ、心配だというような点はありますか。その移転の途中において、これは地元要望もできるだけあれするのがいいと思うのだが、移転する米軍が直接的で、またこれにはいろいろ注文も多いのじゃないかと思うのですね、そういう点についてどうですか。
  13. 小場晴夫

    説明員小場晴夫君) ただいまの予算的な措置につきましては、総務長官よりお話がございましたように、第一次的には予備費、それから三十六年度の第二次補正ということで措置されてございます。なお、三十七年度予算に計上されておりまして、それによりまして、われわれといたしましては万全でございますという工合に現在考えております。逐次米軍と折衝いたしまして、向こう要望というものを聞いておりますのでございますが、特別な事情というのは、今のところ生じておりません。それで予算そのものも、実は米軍施設につきましては従来の経験がございまするので、そこらを勘案いたしまして一応決定しておりますので、そういうことは今のところ考えて、予算的な問題は生じないという工合に思っております。
  14. 森中守義

    委員長森中守義君) 速記をとめて。   〔速記中止
  15. 森中守義

    委員長森中守義君) 速記を起こして。  それでは次に競技施設整備に関する件に入ります。  本件に関しまして御質疑のおありの方は順次御発言を願います。
  16. 内村清次

    内村清次君 三月二日の日に私たち戸田漕艇場の全景及びまた要点につきまして視察したわけです。行きました感じとしては、やはり予想をしておったとおりに、当時おられました漕艇協会代表方々の御説明を聞きましても、まず第一に入り口の問題から、大体国際的なオリンピック代表的な一つの種目でありまする漕艇というものが、ここでやってはたして外国人その他権威あるところの賞賛を博することができるだろうか、こういう点がまあ私たちの総括的な感じでありました。それでこの問題につきましては、これはだんだん質問の過程で各委員方々からも問題をしぼって御質問があると存じますが、私は当時その御説明に来られました地元側の県の御説明を承っておきたいと思うのですが当時、土木部長もそこにおいでになって、詳しくその経緯についてはお話しになったわけでございまするが、まだまだ納得のできない重大な問題がそこにひそんでおるように考えるわけでございます。まず聞きますと、もともと埼玉県においては、競技場整備については、コース及び競技実施に必要な付属施設については、国立競技場として国において整備されたいという問題が一つ提起されておるわけですね。これは国において国立競技場として整価されたい。それから、コ−スの拡幅については、必要最小限度として合理的に決定されたい。それからこの問題については、大体御説明によりますと、これは文部省のほうでも、所管として六十メートルを九十メートルにするというような予算獲得も出ておるようですが、この点は、大体において地元側協議に基づく整備計画に合致されておるようでございます。それから、国において整備する施設用地については、国に提供するのだということ。それから、次が競艇については、国立移管後はこれを廃止せしめる、こういった点が、まずこの競技場整備基本計画で、あのオリンピック競技場としてのいわゆる全体を整えていこうというのが、埼玉県側の問題であったとも思うのですが、問題は、一番この大事な点は、大蔵省側において、本年度のいわゆる都市計画公園としての国庫補助の問題について、最初予定とまるっきり違った——大蔵省のほうでは三十七年度にその補助の金額を出しておらないということにおいて、地元側埼玉県が相当困難な立場に立ち至っておることを私たちは認めたわけです。この点につきまして、まず私は、私たちが三月二日に向こうへ行きました後において、一体埼玉県側においては、当日御説明をいただきましたようなその経緯で、その後どういうふうな御発展をなされておるかどうか、もちろん発展と申しますると、それは手続の問題でございまするが、県会その他の開催もありましょうし、あるいは当時立ち会われたところの土木部長及び企画室長あたりが、これは当然知事にも報告をして、そうしてこういう説明はした、しかしまあこういう議員の意見でもあったがということで、一体県会に対してどういうような処置を要望して、埼玉県の地元としてはどういうことをやっていきたい、そうしてオリンピックを滞りなくこの競艇場について実行していただきたいということの熱意を示されたかどうか。その点をまず埼玉県側のほうの御説明をひとつ願いたいと思います。
  17. 森中守義

    委員長森中守義君) 順次御答弁願います。
  18. 大沢操

    参考人大沢操君) 埼玉県の企画室長大沢であります。御指名によりましてお答え申し上げます。  去る二日に御視察をいただきました後の経過でありますが、埼玉県としましては、あの際御報告申し上げましたように国庫補助金がつかなくなりましたので、周辺の整備等につきましては、県単独をもちまして国際競技場として、環境的にも、また運営の面においても差しつかえないようにということでいろいろ準備を進めて参ったわけでありますが、これが推進につきましては、文部省がこれではいかぬ、もう少し拡幅してほしい、集団民家あるいは工場地帯等を整理して、拡張してほしいという要望があり、あるいは組織委員会等におきましてこれが調整をはかるということで、いろいろ御尽力をなされて、県としましては、組織委員会が中心となりましていろいろこれを調整していただくことを大いに期待して今日に至ったわけでありますが、去る十四日に津島会長と埼玉の知事さんとの会談がありまして、この問題につきましては、いずれにしましても、国庫補助金がつかなかったので、できるだけ国庫補助金をつけるように努力をしている。そうして埼玉県もこれに協力してほしいというような津島会長からのお話があったわけであります。したがいまして県といたしましては、国庫補助金がつき、そうして所期のとおりの事業が実施できるということでありまするならば、その線に沿うてこれを実施するということをお話し申し上げて今日に至っておるわけであります。したがいまして、当初の計画予定事業に対します国庫補助率に基づきまして、しかも実施の時期の問題等もありますから、早い時期において、また予定どおりの国庫補助率に基づきまして国庫補助が出ますならば、これに基づいて県のほうでは実施するということで現在考えているわけであります。したがいまして、国のほうにおきましてどのような御決定をなさるか、それによって埼玉県の考え方というものもまた変わってくるわけであります。  以上現在までの段階における概況の御説明を申し上げた次第であります。
  19. 内村清次

    内村清次君 ただいまの御説明では、十四日に知事と津島会長とお会いになったということですが、その内容の点につきましては、私としては、まだここで、今すぐに活動していただきたいというようなことは申しません。ただ私が申したいことは、先ほども申しましたように、地元側基本計画一つといたしましてのコースの拡幅の問題につきましては、文部省においてすでに一億九千六百万円の予算を獲得されておる。そうしてこの予算額をもってオリンピックに間に合わせるように拡幅の工事を完了するのだと、これは一応文部省努力によって大体見通しはついておる。ところが問題のその周辺の整備について、都市計画公園として、国庫補助は三分の一、そうして埼玉県において事業を行なうところの用地費一万三千九百四十五坪、三億八千七百万円、それから建築移転補償が百三十戸、七千七百万円、公園整備が一億六千五百万円、総計六億二千九百万円、これを必要とするという問題にしぼられてきておるわけでございます。そこで先ほども言いましたように、国際的な漕艇場としての形態にするには、どうしてもあの入口の問題、しかも入口と関連してごく接近したところの民家の移転の問題、これだけはぜひとも取り払っていただかないと、国際的オリンピックの形態というものが、これはめちゃめちゃですというのが漕艇協会側の説明であったことと思います。私たちもまたそういった感じがしたわけです。そこで問題はその点にしぼってこなくてはなりませんが、六億二千九百万円の予算計上の中に、今回の三十七年度では大蔵省のほうでは一つも出しておらないという点が重点の一つです。これはどうして大蔵省は予算を計上しなかったか、この戸田の漕艇場の問題につきましては、相当経緯も私たちは聞いております。   〔委員長退席、理事重盛壽治君着席〕 その経緯も聞いておりまするけれども、問題はもう時期の問題となってきております。このオリンピックの時期を重点といたしまして、そうしてそこの周辺の整備あるいは民家の移転、その他につきましても、やはり円満な解決をしていかなくちゃならぬ時期の問題に際会しておると思います。それに大蔵省側が三十七年度に一銭の金も出さなかったという経緯について、政務次官実はきょうは私たちはもうぜひ大蔵大臣水田さんに来ていただこうと、こらやって委員長を通じて要求しておったわけですが、なぜ出られないのか、必ずあとで出られるかどうか、この点は御連絡があったと思いまするからして、その点も御説明を願いまして、どうして一銭の計上もできなかったか、その点をひとつ詳しくお話を願いたいと思います。
  20. 天野公義

    政府委員(天野公義君) まず大臣の出席の点について申し上げますと、衆議院の委員会で、どうしても大臣が出なければ法案の審議が促進されないという事情がございまして、大臣は衆議院のほうの委員会出席をしております。こちらのほうには出られないのじゃないかと思います。  それから戸田の問題でございますが、戸田の漕艇場を作る決定をいたしますまでのいろいろな経緯はよく御存じのとおりであろうと思いますが、いろいろ漕艇場をきめるまではほうぼうから地元負担でおれのほうに漕艇場をくれというようなお話もあったわけでございますが、その結論といたしまして、漕艇場を戸田にきめます場合においても、その競技場については大蔵省もこれはできるだけめんどうをみる、しかしながら周辺の整備については、地元でこれをやっていただきたい、こういう話し合いで戸田にきまったという経緯があるわけでございます。したがいまして来年度の予算におきましても、主競技場の設備につきましては当方としてもできるだけ予算的にみているわけでございますが、周辺の整備等につきましては、ただいま申し上げましたような経緯等もございまして、みておらないようなわけでございます。
  21. 内村清次

    内村清次君 そのみておらないという根本理由はどういうことですか。
  22. 天野公義

    政府委員(天野公義君) これは競艇場が戸田にきまった経緯と、それからこれは一番大きな点でございますが、その他の面につきましていろいろ考えてみましても、オリンピックをりっぱなオリンピックにしたい、またオリンピックが国際的に考えて日本にプラスになるように、基本的にはそういう考え方を持っているわけでございますが、しかしながらその後の維持管理とかいろいろな面を考え合わせますと、やはり周辺の整備等につきましては、地元のほうでいろいろお考えを願い、地元のほうで負担をしていただくというのが筋合いであろうと、かように考えておるわけでございます。また公園を作る、そのいろいろの施設を国のほうに負担をしてくれというような要望も出ているのでございます。これらにつきましては、今まで申し上げたような考え方からいたしまして、オリンピック競技については差しつかえないものであるとかように考えており、措置をとっておるような次第であります。   〔理事重盛壽治君退席、委員長着席〕
  23. 内村清次

    内村清次君 で、政務次官、これはあなたのお答えの中には重大な問題が含まれているのです。もちろん予算決定をした今日におきまして、政務次官としては大臣の意を受けて御発言しにくい点もあろうかと思います。この点は私たちも長い議会生活をやっております関係でその点はよくわかります。よくわかるが、どうもあなたの言葉を平たく聞いておりますと、戸田に決定した経緯によって予算が出ません。ほかの周辺の整備については当然地元側がやるのだから、大蔵省としてはみてやりません。こういう二本建の一番大事な点をあなた方はここに御発表になっている。そうすると、戸田にきまった経緯というものは一体どういうふうに大蔵省は理解されているのですか。私たちもまたいろいろの考えを持って、今回促進委員会ができました際に今までの経緯をずっと聞き合わせまして、戸田にきまったまでのいろいろな問題につきましても聞きました。そうして心の変化という問題も実はありましたが、しかしあすこを見て、そうして先ほど言ったような時期の問題と関連して、それからまたくろうと筋であるところの協会側の御意見も十分参酌し、また広い見聞をやはり持っておられる国際的な視野からしての御意見も尊重して、そうして私たちはもうすでに不動のものと考えております。戸田の競艇場はぜひともこれはオリンピックに間に合わせなくちゃならないという決意のもとに私たちは対政府の問題と今後委員会が対決していこうじゃないかという決意を持っているのですよ。それにあなたの御答弁を聞きますと、今二つの大きな柱にぶち当たっているのです。だからして戸田の競艇場にきまった経緯についてというのが一つの理由とこうおっしゃるならば、どういう経緯ですか、どういう経緯予算を出せないという大蔵省の決意になられたのか、その点をまずひとつ分解してお尋ねしていきたいと思います。
  24. 天野公義

    政府委員(天野公義君) 朝霞がだめになりまして、ワシントンハイツにこれが移るようになり、それで戸田の漕艇場はどうしても、そういう経緯もあって戸田でやりたいというようなお話もあったわけでございますが、そういう場合に、大臣は、いろいろなところで地元で周辺の整備を持つならば戸田だ、こういうお考えを、その了解のもとに戸田にこれがきまりました。そして周辺整備地元でお持ち願う、こういう経緯のように聞いております。
  25. 加賀山之雄

    加賀山之雄君 関連して。いろいろな経緯もあったことと思いますが、また大蔵省としてはオリンピックの準備関係でいろいろ予算もかさんでいる、こういうことで、できるだけ国としては金がかからないということ、これはわかります。わかりますが、この間われわれそろって戸田へ行きまして、これは全員の意見として、これはやっぱりどうしてもやらなければいけない。ただボートをとげればいいという問題じゃない。ボートというのは非常に人気のある、人の集まる競技場でございますし、非常にたくさん、つまり国内からも国外からも人が集まる。それには入り口の状態はどうしてもこれは放置できない。工場とか、それからあそこにどうしてもいなくちゃならないということなら別だけれども、あそこは住宅地としてわれわれ見るところによれば、必ずしも健康適地とは言えない、非常に湿潤のところであるように思う。ですから住民の方々も私は考えてもいいと思う。そこで埼玉県の地域内でございますから、埼玉県がやればいいじゃないか、大蔵省がそういうふうに言っておられる気持もわからぬじゃないけれども、しかし考えてみますと、これは埼玉県としては一番端で、どちらかと言うと東京都に近い、あそこを利用する人はほとんど東京都の人でございましょう。そういう関係もあって、埼玉県がやればいいじゃないかと言っている政府の態度は私はどうしても納得できない。そこで埼玉県はやる気がないなら別だけれども、埼玉県は国が三分の一なりを見てくれれば、これを十全の措置をとる用意があるということをはっきり言っておるわけなのだ。したがって、国の態度いかんにかかってきているわけで、国がそれをしぶる結果、勢い埼玉県としてはなかなか予算も出せない。次善策としての措置に対しても予算もまだきめないというような状態になっているわけなので、これはひとつ政府として、方法は私はあると思うのです。その気にさえなればあると思うので、方法考えて、そうしてひとつ埼玉県とじっくり話をされて問題の解決をはかっていただきたい。これは当準備委員会としての全員の意見であり要望であると思います。  で、これについては、文部省はもちろん反対のわけはなかろうし、それから埼玉県も反対してない。あらゆるものが賛成しておるわけです。まあボートがこげればいいのじゃないかという考え方は、私はどらも足りないじゃないかという気があの現場を見ますと特にそれを痛切に感ずるわけで、そうしてあれは今度オリンピックに使われるばかりじゃなく、今後おそらく学生その他の青少年があそこを有効に使えることを考えると、この際金を出してあそこを整備しておくことは、ちっとも国としてまずいことでもない。もちろん埼玉県としても東京都としても望むべきことであるというふうに私は考えますので、そこを政務次官大いにひとつ省内の意見を統一してやっていただきたい。
  26. 天野公義

    政府委員(天野公義君) おっしゃることもわからないわけはないのでございますが、先ほどから申し上げましたような経緯でございますので、漕艇競技場につきましては、国では公園等の付属の施設地元でいろいろやっていただきたいという考え方でおるわけでございます。
  27. 重盛壽治

    ○重盛壽治君 ちょっと関連して。これは天野さんにお聞きするのと埼玉県のほうにもお聞きしたいのだが、大体結論は今加賀山さんが言われるように、内村さんが言われたこと、みな同じだと思いますけれども、われわれ別に意地悪申し上げるのじゃなくて、何かそこに少し、当初いわゆる大蔵省の考えているところと、埼玉県の考えておったことに食い違いがあるようにわれわれ委員が聞いていると考えられる。というのは、先ほど埼玉県の室長が言うのには、政府がもう少しめんどうをみてくれたらということを待っているようなものを言い方であった。もし、あなたが言われるように、当初埼玉県が戸田にひとつやらしてくれという要請の中に、競技場だけ作っていただければ、その他の付属施設埼玉県がやります。これが証書が入っているか口約束かどうか知らぬが、そういうお約束ができていたようなものの言い方ではないように私たちには取られた。したがって、そこを明確にして、いわゆる埼玉県はボートができるようにコースも広くしたり、そして競争だけできるというようなことを政府がやってくれるならば、私のほうは周囲のすべての準備をやりますというようなことがどこで話されたのか。どういう機会にそういうことが出たのか、そこらはやはりこういう機会にこだわりなく明確にしていって、かりにどういういきさつがあったかは知りませんけれども、現状は今内村委員加賀山委員から言われるように、私も見てきた一人である。その後ほかの人たちもおいでになって見ても、やはりこれは漕艇場ができるだけじゃいかぬじゃないか。しかも、あなたはりっぱなものとしてやっていきたいという基本線はお持ちになっているわけですから、そこで、どこでどういうからみ合いができているのかということをもう少し明確にしていただいて、協力してやっていただくということでなければできない段階にきているのじゃないか。それらを及ばずながら解決をつけさす協力をさしていただくのが促進委員会の任務でもあろうかと思う。そこらをひとっこだわりなく、せっかくできた促進委員会だから、促進委員会ともひとつ協力といいますか、御相談を願って、促進委員会が、あるいはオリンピック組織委員会が強力な方向づけに御協力願いたい。そういう意味で一ぺん埼玉県の室長で、当時のことがおわかりかどうか知りませんが、埼玉県側から一度意見を出してから、その次に天野さんのほうから意見を出していただく、二段がまえでひとつ。
  28. 大沢操

    参考人大沢操君) ボートが戸田に決定するにあたりまして、埼玉県といたしましては二つの柱というものを考えまして、一つはコースあるいはその付属施設、これは国立競技場として国によって整備せられたい、それからもう一つの周辺の整備、これは埼玉県が実施することとして、ただし、これにつきましては国庫補助を受けまして、都市計画公園としましての指定を受けましてこれを実施したい、こういうことを前提といたしまして、あるいは組織委員会あるいは文部省等にお願いを申し上げてきたわけであります。したがいまして、この前提でありますところの都市計画公園としての国庫補助決定が見られませんので、県としましては御承知のとおり県単独をもちましても、でき得る限りの整備をして、そして競技運営の面、あるいは環境的な面におきましても、国際競技場として恥ずかしくないような整備をいたしたい、こういうことで臨んできたわけであります。
  29. 天野公義

    政府委員(天野公義君) 初めのうちは、ただいま県側からおっしゃられましたように、主競技場並びに周辺の都市計画公園についての補助をくれというような話があったわけであります。決定をいたしますときには、主競技場につきましては国でそれをいろいろめんどうをみる、それから公園のほうにつきましては、これは地元でやっていただきたい、こういうことで話し合いがついたように聞いているわけであります。
  30. 重盛壽治

    ○重盛壽治君 どうもその話し合いがついたような形で実際進んでいないんですね。天野さん、そこで一々相談をしてやらなくたって……。あなたの、日本の国の各省の関係が非常に困難だということはよくわかります。わかりますけれども、実際にはどこかが金を出して、どういう形でやるなりしてやらなければならぬ。あのみにくい姿では、せっかくあなたのほうで国が予算を出してきれいな競艇場を作ってくれても、そこにはきたない家屋があったり——その方々にはえらい失礼な意味になるけれどもね。そうすると、あなたの言われる前提条件であるりっぱな競技場にし、りっぱなオリンピックにしたいというその趣旨からまずはずれてくる。それから埼玉県の言うように、都市公園として国庫補助云々ということになれば、それは天野さんのおっしゃるようなことにならなくなるかもしれないけれども、そうなれば、これには建設省のほうの予算の中に当然盛り込まれておると思うのです、建設省予算の中に。そこらはむずかしいかもしれないが、オリンピックという一つの大きな仕事をみんなでやるのだから、都市公園のほうで国庫補助をすればいいということであれば、建設省予算を早くとっておくとか、そういうことが含まれていなかったのか、いたのか、見込まれていなかったのかどうかということが問題になってくると思う。もしかりに、そこまで申し上げていいかどうかは知らないが、従来のものでそれが盛り込まれておらなかった、そこまで実は建設省のほうの予算の中にそういう含み等があるかどうかに考慮なく削ってしまったのだということであるとすれば、これはやはり予備費から出すなり、あるいは次の機会に考えるなりして、いずれにしても二億程度の金は出して、やはりあそこを作り上げるということに御協力を願わなければならぬと思う。私はむしろ大蔵当局に御答弁お願いするのではなく、そういうことをしてほしい。建設省のほうもきているのだし——大蔵省の局長や大臣はあまりわれわれに言われるのがいやで、それでおいでにならぬのかもしれないが、話のわかる天野さんもいらっしゃるので、よけいわれわれも意を強くしているが、そこらをやってくれる意思があるかどうか。そこからやっていかなければならない。ごたごた争っている段階ではないと思う。そこらは、今私どもは単に戸田競艇場に関連してそういうことを申し上げているのだが、オリンピック全体の進め方は、残念ながらそういうケースの中にはまり込んでいくものがたくさんあると思う。したがって、やはり一つ一つほぐしてきまりをつけていかなければならぬ。それでなければ基本線であるりっぱなオリンピックをやっていくということにならぬと思うのです。そこらをひとつ含めて天野さん御答弁願いたい。それから、建設省にそういうことが含まれておる、都市公園として国庫補助をするということをいわれておるのに、二億やそこらが、やろうという考え方をしていてどうして大蔵省と折衝がつかなかったのか、そこら辺のところを明確にしていただきたいと思います。
  31. 天野公義

    政府委員(天野公義君) ただいまの都市公園のことにつきましては、建設省のほうでもこれをみておられないという話でございますし、また私どものほらには当然予算要求もなかった、(「要求はあった」と呼ぶ者あり)要求はありましたけれども、こっちはつけていない。つけていないのは、先ほど申し上げたような経緯がある。こういうことでありまして、まあできるだけオリンピックが円満に参りますように私どももいろいろと努力をいたしておるつもりでございますが、この問題につきましては、先ほど申し上げたような経緯でございまして、当方の方針はそういう方針で進んでおります。
  32. 内村清次

    内村清次君 私まず、大蔵大臣も何か衆議院の大蔵委員会に出ておるということですが、ひとつぜひ早く来ていただきたいという要求を出しておきます。でないと、どうもやっぱり政務次官は事務当局の話をよく聞いて、どうも答弁しにくいような感じがあるのです。しかし、これはただいま各委員方々からも言われましたように、今当面して問題になっているのは、戸田の競艇場ですよ。オリンピックの問題では、小平総務長官の御報告によりまして、大体ワシトン・ハイツの問題も片づいた、という明るい見通しだ。そうしますと、あとに残ったのは道路の問題、それからまた戸田の問題です。まずやっぱり舞台がけをごちゃごちゃしておっては、これは道路をいかにたくさんの費用をつけてやっても、舞台が小さくて、そうして環境の見苦しいところへ持っていっても、これは成果の上がらないことは当然なんですよ。この点はどういったいきさつで大蔵省が、しかもまた事務当局の方々がへそを曲げているのか知らないけれども、あなたは当局のその代弁で言っておられるのですけれども、あなたの言葉では、まずその戸田の競艇場にきまったいきさつについてというのがこだわり方の一つ。それからあとの周辺の整備というのは、これは地元でやるべきだという考え方が一つ。もちろんこれには文部省を通じての予算要求で、戸田の競艇場についての拡幅の問題は解決するでしょう。これは一つ解決いたしました。これは国も一億九千万円出したじゃないか、そういう名目はつきます。しかしあの外観というものは、これはだれが見ても一番大事なところです。舞台の花道です。花道が入口が狭くて、しかも周辺には先ほど加賀山委員も言われましたように、ああいった湿地地帯にたくさんの民家がある。民家があること自体も、これは私は住民の方々が不衛生なところにおられることは非常にこれは国としても見ておられないじゃないか、もちろん県としても見ておられないじゃないかという感じもするのですよ。だから、もう少しいい環境のところにかえ地を提供して、りっぱな文化的な生活をして下さいというのがこれは国の思いやりじゃないですか。同時にそういう解釈をこの機会にやるということも、オリンピックをより効果的におさめる上についても、大きなあとに残したいい施設、環境の整備に対するところの国の貢献ですよ。そういう点を考えてみましたならば、私たちは今やっぱり大蔵省は踏み切るべきだ、もう戸田の競艇場にきまった経緯がどうのこうのということの頭はのけてもらいたいと思うのです。で、のけてもらいたいという根拠は、私は次官に聞きたいのですが、一体政府のほうでは三十六年の十月二十四日に、埼玉県は非常な、何といいますか、県側としては期待しておった一つ選手村がこないというような状況もあって、そうしてワシントンハイツに変わったというような、そういったいろいろ混乱したところの条件もあったようですね。そういった点も勘案して、十月二十四日に閣議決定がなされた。その中に戸田競技場がどうしなくちゃならぬということは明記してあるのですから、それをあなたもう暗記しておられるだろうと思うのだが、その点をはっきり言って下さい、どういうふうに書いてあったか。
  33. 天野公義

    政府委員(天野公義君) その文書につきましては、よく拝見いたしております。
  34. 内村清次

    内村清次君 文章を読んで下さい。
  35. 天野公義

    政府委員(天野公義君) 「戸田漕艇場の使用については、関係当局において経費その他を検討のうえ善処すること」と書いてあるわけでございます。
  36. 内村清次

    内村清次君 これを平たく一つ説明して下さい。私たちはまだ閣議で決定したのですから説明はよく聞いておりませんから。しかも、その当時のいろいろな政治的な動きも私は聞いております。そこにだれが出ているか、代議士が出ているかということも聞いておりますよ。また、対抗的な競技場の設置という問題も起きたと聞いております。そこにはどういう代議士が運動しているかということも聞いております。あなた方は、名前は言わんでも腹の中に入れておいて、これを正確に、政府はこの六項目についてはどういうふうにしますという、平たい大蔵の態度をはっきり説明して下さい。
  37. 小平久雄

    政府委員小平久雄君) 閣議決定の事項について平たく言えということは、むしろ私からのほうが適当かと思いますので、私から申し上げます。  この閣議決定の第六項目でございますね。これについては多分当委員会で前にもお答え申し上げたことがあると思いますが、実はこの「戸田漕艇場の使用については、関係当局において経費その他を検討のうえ善処すること」、この文につきまして、当時原稿を書いたのはわれわれ対策協議会として書いたわけでございます。これは戸田の漕艇場というものを使うという前提に立って経費その他は十分検討してやろうじゃないか、平たく言えばそういう意味でわれわれは書いたわけであります。ところが、閣議のあとに至りまして、漕艇場の使用そのものについても「経費その他を検討のうえ」には、何と申しますか、さらに再検討の余地があるがごとき解釈も一部行なわれたわけであります。しかし、私どもといたしましては、それは違う、どこまでもこの漕艇場の使用という前提に立って、経費などはできるだけもちろん合理的に最小限で有効にやる、こういう意味でこの六項目というものは書いたのである、こういう解釈に立ちまして、その間、今申すとおり、多少の疑義等もございましたので、この閣議決定の後におきましても、関係閣僚の懇談会等を開きまして再確認がいたされておるのでありますので、今私が申し上げましたような意味と御解釈を願って間違いないと、政府としてはそういう意向であるということを申し上げます。
  38. 内村清次

    内村清次君 そうすると、政府は戸田の競艇場を使用するのだ。戸田の競艇場オリンピック競技場として使用するのだ。いいですか。いま一度言いますよ。よく聞いておいて下さい。私はなまりが九州弁だから、ちょっとわかりにくい点もあるかもしれぬけれども、賢明な長官、よく落ち着いて聞いて下さいよ。あの六項目にあるところの戸田漕艇場の使用については、云々と書いてありますね、最後には政府の閣議決定では「善処する」と、こう書いてありますね。そうすると、あなたの先ほど説明では、使用ということについてもまだ問題があったのだ。しかし、戸田の競艇場を使用するのだということに今では意見の一致を見ております、こういうことに受け取ってよろしゅうございますか。
  39. 小平久雄

    政府委員小平久雄君) そのとおりでございまして、先ほども申しましたとおり、戸田漕艇場の使用ということを前提として、その使用する経費等については十分検討して善処しよう、当初からわれわれはそういう意向であった。ところが一部に、使用そのものも経費いかんでは変更し得るがごとき解釈もできるという話もございましたので、念のためにこれは十二月の八日の関係閣僚懇談会におきまして今私が申し上げたような趣旨なのであるということを再確認をいたしておるのであります。したがって、再確認をいたしましたからこそ予算に計上しておるのですから、これはもう戸田を使うということは私は不動のものだ、かように考えております。
  40. 内村清次

    内村清次君 それじゃわかりました。大蔵当局もそれでよろしゅうございますね、政務次官いいですね。——そこでそれを前提に、大蔵省ははっきりしておりますということもひとつあなたから答弁をいただいて、あとの私の質問に答えていただきたいと思うのです。  そうしますと、戸田というものに本ぎまりになった。ところが、この文の中には各関係当局がその使用についての経費の問題については善処するのだ、こういう言葉がはっきりと出ておりますね。そうすると問題は善処の問題です。そこで私が先ほど質問しました戸田の競艇場にきまるいきさつについて云々という問題はもうなくなった。いいですか大蔵当局、それはもうなくなったんだ。そうすると、なくなったといえばこの閣僚懇談会に水田さんも出て、非常にオリンピックというのは費用が要ることですから、水田さんも出て確認しておられる。政務次官はそれを代行しておられる。そうすると、事務当局というものは、これはこれを忠実に守っていかなければならぬ。どうやって善処していくか。そうすると、あなたの御答弁の中に、周辺の整備というものは地元でやっていただたきい、こういう点が一つ残ってきたわけです。それに対しては地元側におきましても、当時私たち向こうに行きましていろいろ説明を聞いて、単独ではどういう事業をやりましょうということを言っておられる。その内容の点についてはあとで私が具体的に話してもよろしいが、まずそれはあとの問題にいたしまして、とにかく地元でも単独でやりましょう、しかしながら、単独でやる以上は、やはりこれは全面的に国立公園として、都市計画の公園としてりっぱな整備もしたい。したいにはまず第一に地元側としては国の補助を下さい。いいですか、国の補助を下さいというのが一つ。もし補助がやれなかったならばこれくらいだけは県の単独でやりましょうということを言っておる。いいですか。国で何がしかの補助を出したならば、これはひとつ規模はいろいろ相談して、そうしてその規模に沿った国立公園としての様相を整えていきましょうという腹もあるのですよ。しかし、もしこれを国がやらないとすれば、県単独でやりましょうという腹もある。そうですね。ところが私たちが見まして一番決定的な問題は、やはり民家の移転です。入口の移転です。あそこの問題をやっぱり整備してもらわないと、これは短時日ではございましょうけれども、やはりその整備の完備ということはできません。そうすると県が言っておるように、民家移転としてはまず百三十戸に七千七百万円の補償の費用というものが要るのだ、これが第一。そうして公園の整備には一億六千五百万円というものが要る。用地の買収に三億八千七百万円の費用というものが要るのだ、こういう具体的な数字が明示されてあるんです。それには県民感情としては、国からやはりその補助を出してもらわなくちゃ困るんだ、そうでないと県民の感情すなわち県会を通じての予算の可決というものはとうていむずかしゅうございます、というのが、これは地元側意見です。そうでしょう。ここまで私たちが申しましたなら、今さら政治家の政務次官、わからないはずはないのです。これは国から、本年度はどういう理由であるかしらぬが、建設省のほうから予算を出したということは知っておりますよ。しかし公園関係は、全体でわずか二億か三億ぐらいの小さな公園の費用です。それを全国の公園にばらまかなくちゃならぬからして、建設省のほうでもとてもそれはできない、しかも話に聞けば、再度の予算要求の際に六千万円だけは公園費用として大蔵省は出したらしいのだ。ところがその六千万円の予算の公園費用というものは、一銭も戸田の競技場の周辺の整備費用には使ってはならないという厳格な条件がついておるそうです。そうしてみると、先ほどから重盛委員も言っておられて、何とかしてあと三年の間に公園の費用のうちからでも出して、そうしてやったならいいじゃないかというような望みというものは、現在は断ち切られてしもうておるはずです。やはり大蔵省が名目をつけてはっきりと、あそこは国立公園でやります、そうしてその予算要求に対してこれくらいの補助は出しましょうということは、これは真正面から費目をつけて出してこられないとこの問題は解決しない。政務次官、どうですか。
  41. 天野公義

    政府委員(天野公義君) 閣議決定の線に沿いまして、戸田の漕艇場決定いたし、そして競技ができますように予算をつけて善処いたしたようなわけでございます。周辺整備の公園の問題の補助金につきましては、大臣も先般の予算委員会におきまして答弁をいたしておるところでございますが、現在のところは公園の補助金は認めない、こういう考え方で進んでおるわけであります。
  42. 内村清次

    内村清次君 それは予算委員会の席上で、これは認めましょう、第一次補正もやりましょう、第二次補正もやりましょう、その際に出しましょうということをどうして大臣が総括質問の中に言われますか。それはあなた、はっきりしておられると思うのです。しかしここは内輪と同じことです。いかにして私は池田内閣のオリンピックに対してどうやって協力をしたかというようなことで、これは内閣の功罪の問題の一つにもかかわるんですよ。この点は文部政務次官が言われておったように、確かにこれがあなた、評判が悪く終わったと、こうなってきて国際的世論が、日本に来てほんとうにあんなきたないところに漕艇場があったんだ、というようなところが傷になって現われてくるならば、池田内閣は一体二億や三億の金を惜しんで、全体をぶちこわしたということにもなりかねないのですよ。だからこうやって内輪のときには、四角四面な予算委員会で大臣がこういう答弁をしましたからこうでございますというような政務次官の答弁をするほどなら、ひとつ私は先ほどから言っておるように、水田さんをここに呼んで下さいと言っているのです。水田さんに私は一番の問題としてぜひひとつ各委員の熱望ですから聞いていただいて、ひとつ今後の問題に善処してもらう、政府が閣議できめたように善処をしてもらうというようなやはり線を出していただきたいと思うのですが、どうですか。
  43. 小平久雄

    政府委員小平久雄君) 戸田漕艇場の周辺の整備の問題につきまして、だんだんのお話、拝聴いたしておりましたが、実は私自身も先日行って見て参りました。たまたまこれは衆議院のほうの準備委員会の皆さんとお供したわけなんでありますが、その際における衆議院側の諸先生の感想と申しますか、それも当委員会お話の出ておるところと大体同じような御感想だと私も承知をいたして参りました。実はこの問題につきましては、私のところにあります政府側の準備対策協議会におきましても、とうに取り上げて、各省間の意見の調整をはかりたい、こう思っておったおけでございますが、しかしこの予算案がきまりまして以来というものは、組織委員会埼玉県側でこの話し合いを進めるからということで、現に進めてもおられたという事情もございますし、また私もハイツ移転問題、その他にとらわれておりまして、実はまだ対策協議会としては、この問題を取り上げておらない一わけであります。そこでせっかく両院の準備促進委員会の皆さまの御意向もあることでもございますしいたしますので、早急に対策協議会として本問題につきまして、ひとつ調整、検討を進め、場合によりましては閣僚懇談会等にも持ち上げまして、善処をひとついたしたい。もちろんその間、委員長初め委員各位の御意向等も十分尊重しながら、ひとつ早急に何らかの結論を得たい、かようにただいま考えているわけであります。
  44. 内村清次

    内村清次君 私がこの委員会で切実に申しましたように、やはり組織委員会オリンピックを推進する一番の母体である。それに対していろいろな問題が起きたときに、政府側政府側国会国会として、政府の各種のものの窓口を総務長官がしていらっしゃるということを聞いておりますから、今の御答弁であなたの善処を待ちます。そういうところでやはり窓口を開いて、もうこれだけ事務当局がこう言うのだとか、設立の当時どうであったかというようなことは、ひとつさっぱり風に流していただきまして、文部省のほうは張り込んで競艇場の拡幅までやってやろうと予算までつけて鋭意準備に回っておりますから、ひとつ総務長官、このあたりでこの問題を同時に解決するように、あなたの最大の努力を私は要望いたしておきます。
  45. 剱木亨弘

    ○剱木亨弘君 私は与党側ですので、今までずっと聞いておったのですが、この戸田漕艇場の問題につきましては、私も一緒に参りまして、今内村委員や皆さんの御発言のあったことと全く同じ感じを持って帰ったのです。それから承りますと、衆議院の特別委員会におかれましても、やはり同様なお考えを皆さんお持ちのようでございます。オリンピック準備促進と申しましても、いろいろ事情を承りましたが、これは大蔵省にやかましいことばかり言うのではなしに、私どももオリンピック遂行について大蔵省のほうにも相当努力していただきましたことについては感謝いたしているものでございますが、この準備促進委員会としてさしあたり取り上げてやる、また促進ができる問題は、この問題だけじゃないかと思うのです。せめて、この問題だけでも解決をいたしますと、私ども委員会としての存在理由もあるのですが、そうでなければ毎々どうも関係御当局の方にたくさんお見えいただいて長時間お引きとめして、かえって促進の阻害をしておるのではないかとすら僕は考えておるのであります。しかしこの問題は大問題で、委員としては皆一致した意見でございますし、なお現予算の審議中において大蔵御当局が、それは変えますというような御言明をなさることは非常に困難な問題だと私ども考えます。しかし今、総務長官が仰せられましたように、両院の特別委員会の一致の意見としまして、これを推進したいという熱意に燃えておるわけでございますから、その点十分御考慮いただきまして、政府御当局におかれましてもなるべくこれを早期に解決していただきますように、私与党側といたしましてもお願い申し上げます。
  46. 小平久雄

    政府委員小平久雄君) 劔木先生の御意見を尊重いたしまして、さっき申しましたとおり対策協議会として十分これを検討して、何らかの結論を得たいと思っております。
  47. 内村清次

    内村清次君 先ほどから、あなたの御出席を実は待ったわけです。しかし大蔵大臣、今予算の問題が審議されて、関係法案も出ておることですから、政務次官から今までお話を聞いておったわけです。それで、この準備委員会といたしましては、政府努力もありまして、ワシントンハイツの問題も大体昨日一応片づいたということを聞いております。そこでこの委員会で問題になっております一番大きな問題は、これはあとで同様な問題もありましょうが、戸田の漕艇場の問題、これは大臣もよく御存じのことだと思うし、閣僚懇談会の決定事項もよく御存じであろうと思うし、また事務当局の意向も御承知のとおりであろうと思います。また、今日までのいきさつについてもいろいろ御承知のはずであろうと思う。ただ問題は、あなたが予算委員会で同僚の準備促進委員であるところの千田君の質問に対して、お答えになったその気持もよくわかっております。わかっておりますけれども、どうしても私は、この際国から何がしかの金を出していただかないと、この問題は解決をしない。そうして同時に、このオリンピックの全体的な成功という本のに一つの傷がついていくという見通しの上に立ちまして、まあひとつ大蔵省で善処していただきたい、閣議決定のとおりに善処していただきたいという要望先ほどやったわけです。その点に対しまして小平総務長官からもお話がございまして、一応あなたのまだ御出席ないときではございましたが、一応私たち長官意向了承しまして、それではひとつ政府方のお考えをまとめていただいて、また時期の問題もございましょうが、とにかく早急に大蔵大臣にもひとつ御翻意願って、ごく近い将来にこの問題がスムーズに解決するように善処していただきたいといり希望を、ほとんど全部の委員方々が申し立てておったわけです。で、そういった空気の中でございますからして、大臣はきわめて短い時間でございますからして、よし、わかったと——小平長官からあとから何とか話があるだろというようなことで、さきのほうにさかのぼらずに、水田大蔵大臣の大きな考え方で善処していただきたいと思うのです。
  48. 水田三喜男

    ○国務大臣(水田三喜男君) これは、よしわかったじゃなくて、よしわからないんです、この問題は。御承知のとおりどこへこのコースを持って行くかという問題は、一つの県からは全額地元負担によって解決するからほしいという誘致運動があり、それに対してどうしても戸田競艇場を作りたいという希望がございまして、それをいずれにするかという問題でございましたが、その際、地元負担もある程度やって、どうしても誘致したいということでしたから、それではということで、いろいろ組織委員会でも従来のいきさつがあるようでございますし、私どもは戸田コースに賛成してきめたわけです。そのときに、競技ができるようにはする、それに付属したものはある程度地元負担にしてもらいたいというのでしたが、少しこれがしぶりまして、大宮公園でしたか、そっちの公園のほうに国費を出してくれるなら向こうは引き受けるというような了解があって、それではときめたものですから、私どもとしては、これは当然地元が、将来残って公園になる場所でございますから、それは負担していただくものという了解で、ことしの予算も計上してあるわけでございますので、これは私の今言っているのがいきさつ上違うということでしたら、これはまた、あとで訂正してもらいますが、筋はそういうことで予算折衝を終わっている問題ですから、なかなかそう簡単に色よい返事はちょっとできないと思います。
  49. 内村清次

    内村清次君 どうも、この間新聞を見ましたら、水田さん、あなたが御婦人の議員の方の質問に対しても色よい返事はできなかったという記事が出ておったのだが、まあ、そうむきになっていただくと困っちゃう。あなたは先ほどからの私たちの希望をよく聞いておられないから、そういったいきさつをまだ言っておられるのですけれども、その点はもういいです。私たちもあなたの言うことを全面的に承知したからいいですと言うんじゃないですよ。私は総務長官にまかせちゃったのです、これは窓口ですから。政府部内なら、あなた方笑って何とかまあそういうことだったらというような話も整ってくるだろうと私も思いますから、私たちは、こうりっぱな水田さんが開き直って、色よい返事はせぬぞと言うてもらうと困っちゃうのだから、これはこちいったいきさつが積み重なって行って、りっぱな舞台ができることは当然なことだと思って、私たち努力は惜しみませんけれども、問題は、やはり外国人も来てよかったということをするのなら、日本の大蔵大臣はこれは鼻高々でしょう。だから、そういう点もありましょうから、とにかく総務長官先ほどここで言明されましたから、また各委員方々もこの問題についてはいろいろとあなたを口説きに来る場合もありましょう。だからその際は、まあ一番最後でもいいから色よい返事をしていただくと、もうそれでけっこうですから。
  50. 水田三喜男

    ○国務大臣(水田三喜男君) それが、私どもはオリンピックを世界で恥ずかしくないものにしたいという気持はやまやまでございますが、御承知のとおり、これは膨大な経費がかかりまして、国費と、東京都でほとんど大部分を負担して、しょせんは都民、国民の税金でやることですから、できるだけ恥ずかしくないものを、しかも、なるたけむだがなくて最少の経費でやりたい。施設設備も利用できるものはできるし、条件がよくて金がかからずにできるところは、それでやりたいと、わざわざ余分に金をかけることをなるたけ避けよう、そうして早くそれぞれの負担区分もきめてこの仕事をやってしまいたいというのが私どもの考えで、今まで少しもたもたしましたが、大体オリンピックは早期にやってしまう、道もこうする、何もこうすると、大体の筋がきまったところでございますので、国が持つべきもの、東京都の持つべきもの、大体話し合いの筋に応じてどんどんやっていく。で、途中から話し合いが変わって、やり出すというと、何でもいいから国にみな負担しろという希望が出てくるのは当然だと思います。これでもたもたしていることが一番いけないので、もう最初の話がきまったとおりに割り切ってどんどんやる。もし地元負担がつらかったら、自治省は特別の起債を見てやって、できるように財政の助けをしようというふうに、もうきまったことに基づいて、皆さんが支障なくできるような方向へどんどん前進していくことがいいので、きまったのを、何か陳情すると、もたもたそうなりそうだという空気を置くことがこの工事をおくらせる。もうきまったものはきまったもの、国が出すものは国が出す、地元負担でやりますといったものはやりますといった形で踏み切ってもらいたいと思いますので、あまりこういう問題は長くもたもたするよりも、私の答えははっきりしておいたほうが、かえっていいんじゃないかと考えまして、色悪い御返事をするわけじゃなくて、これはできるだけ協力してよくしたいと思いますが、そういう基本的な相談の問題がぐらぐらすることが一番困るのです。この点については、ぜひ御協力お願いいたします。
  51. 千葉千代世

    千葉千代世君 関連質問。今大臣の御意見を伺ったのですけれども、結論的には埼玉組織委員会の話し合いでこれができるのですか。私はできないということを考えたわけなんです。そうしますと、今までのいきさつはいきさつとして今後善処する、こういう閣僚懇談会の申し合わせもございますけれども、善処の方法は何かということは明示されない。両方で責任のなすり合いというわけではございませんけれども、逃げ腰になっていたのでは、これは一日を争う問題のように私どもは拝見してきたわけです。大へん失礼ですけれども、大蔵省でどなたか、あすこを調査においでになりましたか。
  52. 谷川寛三

    説明員(谷川寛三君) い、参っております。
  53. 千葉千代世

    千葉千代世君 見てどうお思いになりましたか。
  54. 谷川寛三

    説明員(谷川寛三君) これはいろいろ見方の何があると思いますけれども……。
  55. 千葉千代世

    千葉千代世君 問題は、あのままでほうっておいて、埼玉組織委員会の両方でいいかどうかの結論だけ聞かせていただきたい。
  56. 谷川寛三

    説明員(谷川寛三君) ただいま申し上げましたように、ごらんになる方でいろいろまた、これは見方が違いますけれども、私どもは基本的には先ほど大臣からお答え申し上げましたようなことを考えてものを見ております。あの場合におきましても、これはあすこを全部ぎれいにしてしまえば、これは一番いいことはわかっております。しかし先ほどの負担の問題等もございますので、私どもとしましては、ただいまの経費であの建物を必ずしも——これは全く事務的な意見でございますが、のけなくても、たとえば何か木を植えるということ、これはごらんになって御説明をお聞きであろうと思いますが、対岸は若干家がございます。工場がございますが、これはたまたま防風林を植えますので、これでカバーできるということでもございますが、何か工夫をいたしますればできるというふうに考えておる次第であります。もちろん、先ほど質問にもありましたように、競技場のほうは、これは浚渫を加えまして完全にやるわけでございます。全く周辺の問題でございますので、さように考えておる次第でございます。
  57. 千葉千代世

    千葉千代世君 私どもも前にこの委員会説明を伺いましたときは、なるほどそうだなあということを実は考えたわけです。行ってみましたら、やはりあのままではいけないという結論になったわけです。内容については、先ほど委員の方からお話がございましたとおりなんですけれども、日がだんだんなくなりますときに、埼玉約束の問題が出されたわけですが、埼玉県の方いらっしゃるでしょう、どなたか。それはどうなんですか。さっき言った大宮公園の話と、それからあすこへ行きましたときには、漕艇の会長さんがいらっしゃって、その方は必死になって入口のところを整理してもらわなければならないと説明していましが、なるほどなあと思った。埼玉県のほうは、入口よりもさきに奥のほうの公園地帯を直してから、それと並行してか、それが済んでから、国の補助があるという見通しがついてから入口も考えようというふうに、私、確かにこの間伺ったのですが、間違っていたんでしょうか。
  58. 大沢操

    参考人大沢操君) お答え申し上げます。  埼玉県の公園整備に対する考え方と申しますのは、これは先ほど来申し上げておりますように、国庫補助を受けまして、都市計画公園として実施していきたい。こういう前提に立ってすべて進めてきたわけでございます。ところが国庫補助が出なくなりましたので、やむを得ず県単独でもって、必要最小限度整備をはかって参りたい。こういうことでありまして、先ほど大宮公園の関係が出ましたのですが、これについては建設省もおいでになりますが、私のほうとしては、全然存じてないところでございます。  それから次の周辺の整備関係で、最初中央方面、それから追って入口の方面というお話がございましたが、これにつきましては、県としましても、周辺を一つの公園としたいという考え方もありますから、中央部の整備はもちろんでありますが、入口のほうにつきましても、集団民家、あるいは工場等の全部の撤去はできませんですが、入口付近のごく限られた地域については、あわせて整備をするという考え方で現在まで考えてきたわけであります。
  59. 剱木亨弘

    ○剱木亨弘君 ちょっと……。まあオリンピックの準備促進委員会でございますから、私どもとしては準備が完全にできるということを使命として作られた委員会だと思います。それで、いろいろ先ほど小平長官に申し上げましたが、今回のオリンピック予算につきまして、大蔵御当局には非常に御努力いただきまして、いろいろ準備委員会で承りますと、大体の問題につきましては、そう大きなトラブルがないで済まされるような状況にまでいっておると思います。われわれは一番大きな問題としてきた漕艇場のことを考えておるのでございますが、この委員会としまして、現地を見ました際に、あの周辺を整備いたしますことは、オリンピックを国際的に恥ずかしくなくやるためには絶対必要だという一つの結論に達しておられる。これは皆さんが同感でございますし、衆議院のほうも同じようにお考えのようでございます。私どもの準備委員会としては、その結果が招来すればいいんであって、負担区分が国であろうが、埼玉県であろうがかまいません。ただ問題は、埼玉県の御計画国庫補助をいただいてこの公園を整備したいということで要求しておったのが、国庫補助がないので、現在の計画を承りますと、われわれがある一定の条件でありたいと思う姿にはなりそうにないということが現状でございます。そこで、さっき大蔵大臣が申されましたが、負担区分をはっきりしたのだ。だから、それを今さら一角から変えてもらっては困るとおっしゃいますけれども、この問題だけは、現実の問題として、いきさつはいかがだろうとも、結論として一つの姿ができないと、私どもは準備委員会のみんなとして納得がいかないのじゃないかと思います。そこで公園に対して、先ほどもお言葉がございましたが、埼玉県が金が要るなら交付金でみてやろう——私は交付金でも補助金で毛何でもかまいません。やはり政府のほうのお考えとして、あるいはわれわれ準備委員会としては、現実にあそこが漕艇場として恥ずかしくないオリンピックの会場になれるような結果が招来すればいいんでございますから、その点はひとつ何らかの処置を政府においてとっていただきたい。これは埼玉県とお話し合いをしてもけっこうです。われわれ行政にタッチする立場でございませんから、ただ委員会としては、結果がオリンピックとしてりっぱにできるような姿にぜひひとつ持っていっていただくことをお願いいたしますので、また、私が今準備委員会でいろいろ調べた範囲内におきましては、この委員会では、あの問題だけが一番大きな問題としてこれをきっかけにして、またこれも足らぬ、これも足らぬというような問題を持ち出そうとは考えていないのでありますから、この点はひとつお考えいただきまして、オリンピックがうまくできるように御協力をぜひお願いしたいと思います。
  60. 水田三喜男

    ○国務大臣(水田三喜男君) オリンピックにつきましては、最初からここでなければだめ、あそこでなければだめだといって、これが絶対的なことであるようなことからいろいろ出発しましたが、私どもはやはり最初計画をやめてもらって、ワシントンハイツへ集中して、あそこを中心にしてやるということが、やはり今から見てもいいことだったと思います。したがって、どんどん計画も——最初絶対というようなことを言っていましても、皆さんが本気になっていろいろの角度から検討いたしますというと、だんだんにいい知恵が出てきて、オリンピックもうまくいくということになってきましたので、まだ再検討の余地があるということでしたら、私ども再検討いたしますし、個々についてもう一ぺん考えろというならもう一ぺん考えますし、最もいい環境の中で、世界に恥ずかしくないところで今度やることにし直したほうがさらにいいということでしたら、これもまだ間に合うことでございますから、これを再検討いたしますし、これはただ金という問題だけでなしに、真剣に今これでなければならぬというふうに、皆さん方は最初のほうにこだわっているようですが、もっと大きい目で、日本のオリンピックを国際的にどうやったら恥ずかしくないかというようなやり方については、私の考えではまだまだいろいろ検討してもいいのではないかと思われるようなことがたくさんございますので、そういうものもあわせて検討しろということでございましたら、私どもも最初の白紙に戻って検討しても一向かまわない、こう思っております。
  61. 剱木亨弘

    ○剱木亨弘君 決定してしまったところを、まあワシントンハイツ決定したのですから、その点まで白紙に返すのはいかがかと思いますが、しかしまだ白紙に返したほうがいいという面があれば、私もけっこうだと思います。
  62. 水田三喜男

    ○国務大臣(水田三喜男君) いえ、ワシントンハイツじゃありません。個個のそのほかの問題で、いろいろまだありはせんかと思います。
  63. 千葉千代世

    千葉千代世君 小平長官に伺いますけれども、本促進委員会が持たれたというととは、委員会の任務がどこにあるかということについてひとつ御意見を伺いたいと思います。というのは、衆議院、参議院でも促進委員会を持たれたということは、いろいろな実情を調査したり、不備な点があったらば直していく、そういう意味で準備促進特別委員会という、こういう名目でございますね。進めていく過程で今一つの問題がここに浮き上がってきた。そうしたならば、こういう衆参両院で一致して、私どもはこれをぜひ円満に解決したい、こういう意見が一致したらば、政府においてはやはり責任を持ってその方向に進んでいただく、こういうふうに私ども解釈して本委員会に入ったわけですけれども、それは違いましょうか、どうお考えになっておりましょうか。
  64. 小平久雄

    政府委員小平久雄君) 本委員会の使命というものは、ただいま御説明があったとおりだろうと私も了解いたしております。しかし根本は、これは院議でおきめになったでしょうから、あまり私がかれこれ申し上げる筋合いではなかろうと思います。ただ具体的な問題等につきまして、当委員会あるいは衆議院にありまする同種の促進委員会、これらで問題になりましたことで、それぞれの院、特に両院一致とか——片方の場合もこざいましょうが、そこでの御意向というものは、われわれとしましては十分できるだけ尊重していく方向でひとつ問題を解決いたしていきたい、さようにもちろん私は考えております。
  65. 千葉千代世

    千葉千代世君 よくわかりました。ただこのままで推移していきますと、くどく申し上げましたとおり、埼玉県と組織委員会と両方だけの話し合いでは解決つかないということは明白になっておりますから、どうかひとつ政府におきましても長官の趣旨が生かされますように、私どもの要望がいれられますように、最善の努力を早急にしていただきたいと期待いたしまして質問を終わります。
  66. 小平久雄

    政府委員小平久雄君) 私は、先ほど申しましたとおり、総理府に置かれておりますオリンピック準備対策協議会、その立場で申し上げたわけなんです。これは、いわばオリンピック関係問題の政府側の窓口と申しますか、そういう関係で各省庁を初め地方との関係もございますが、要するに意見が一致せぬという場合に、それを調整し、また推進をしていこう。こういう趣旨で閣議決定によってできているものでございますから、それぞれの役所のお立場でお考えになることは私は当然だと思います。しかし、それらが必ずしも一致するとも限らぬことも、これまたしょっちゅうあることでございますから、本件につきましても、先ほど来のお話を聞いておりますと、最初の出発から、どういうことか、それぞれの理解が違っているようにも聞こえもしますから、私どもの置かれておる協議会の使命にかんがみて、私どもの立場では、先ほど申しますとおり取り上げて検討いたしていきたいと、こういうことを申し上げたのでございます。
  67. 田中一

    ○田中一君 もう時間がないようですから、資料だけ要求しておきます。オリンピック関連道路の進捗状態、区分、見通し——現状の見通しですね、それを一路線ごとにひとつ出していただきたい。その場合には、問題になっておる問題点というものを一々説明して出していただきたい。それに基づいて次回の委員会質疑します。それは高速道路公団、それから都、国、この三者の方々お願いします。
  68. 鶴海良一郎

    説明員鶴海良一郎君) オリンピック関連道路の進捗状況につきましては、先般当委員会に資料を御提出いたしましたが、さらにただいまお話のありました点につきまして資料を集めまして、次回に提出いたします。
  69. 田中一

    ○田中一君 そういう資料が出ているならば別にいいですが、ただこれでは困る、今出ているような資料では困る、その路線の個所ですね。それから考え方、それから問題点は何で進まないかという点、そういう点を詳細に出してほしい。
  70. 鶴海良一郎

    説明員鶴海良一郎君) ただいまの点了承いたしました。
  71. 田中一

    ○田中一君 道路関係質疑は、次回に譲りますからよろしゅうございます。
  72. 森中守義

    委員長森中守義君) 速記をとめて。   〔速記中止
  73. 森中守義

    委員長森中守義君) 速記を起こして。  それでは本日ほこの程度にいたしまして、他の御質問は次会に譲ることにして、本日はこれにて散会いたします。    午後零時四十九分散会