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1962-02-28 第40回国会 参議院 オリンピック準備促進特別委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十七年二月二十八日(水曜日)   午後一時二十九分開会   ——————————  出席者は左の通り。    委員長     森中 守義君    理 事            剱木 亨弘君            天坊 裕彦君            重盛 壽治君            永末 英一君    委 員            植竹 春彦君            新谷寅三郎君            内村 清次君            加藤シヅエ君            千葉千代世君            千田  正君            加賀山之雄君   政府委員    内閣総理大臣官    房審議室長   江守堅太郎君    総理府総務長官 小平 久雄君    文部政務次官  長谷川 峻君    文部省体育局長 前田 充明君    建設省営繕局長 川合 貞夫君   事務局側    常任委員会専門    員       福永与一郎君    常任委員会専門    員       工楽 英司君    常任委員会専門    員       古谷 善亮君   説明員    建設省都市局参    事官      鶴海良一郎君   参考人    オリンピック東    京大会組織委員    会会長     津島 壽一君    オリンピック東    京大会組織委員    会事務総長   田畑 政治君    東京オリンピッ    ク資金財団理事    長       靱   勉君   ——————————   本日の会議に付した案件 ○オリンピック東京大会準備促進に関  する調査   ——————————
  2. 森中守義

    委員長森中守義君) これよりオリンピック準備促進特別委員会開会いたします。  本日の委員会は、委員長及び理事打合会で協議いたしました結果、前回委員会説明聴取を主にいたしました関係上、なお御質疑の御要望もございますので、まずお手元に配付いたしておりますオリンピック東京大会組織委員会から提出されました事業計画に関する資料について説明を聴取した後、前回委員会において聴取いたしました関係当局説明をも含めまして、これらに対する御質疑お願いする予定になっております。  オリンピック東京大会準備促進に関する調査を議題といたします。  初めにオリンピック東京大会組織委員会津島会長から発言のお申し出がございます。これを許します。
  3. 津島壽一

    参考人津島壽一君) オリンピック東京大会組織委員会会長として、一言概略準備状況と、今後当委員会において特に御推進を願いたいと思った点について、まずもって私から申し上げてみたいと存じます。  前回会合には、所用のために私参考人として出席することができなかったのを遺憾と存じます。これから申し上げることは、前回会合においてすでに御審議願い、質疑応答を重ねた問題もあるかと存じますが、第一回の参考人として出席しました関係上、ここに私は総括的なことを申し上げたいと思います。特にお願いの筋でございます今日の組織委員会側から提出いたしました資料につきましては、委員長の御指名によりまして、田畑事務総長から御説明申し上げ、また質疑に対してお答え等をいたすようにいたしたいと存じます。  さて、御承知のように、組織委員会が結成され、発足しましてちょうど二年五カ月でございます。昨年はこの組織委員会、また一昨年も加えて二年間にオリンピック準備ないしは運営の本格的、基礎的な問題も処理でき、大体その見通しがついたのでございます。したがいまして、今後は、それらの基本的な本格的な要綱に基づきまして、逐次時間的の関係を考慮しつつ、あらゆる面に実施を進めたい、こういう段階でございます。来たるべき五月のモスクワIOC総会ーー国際オリンピック総会において未決の問題を全部持ち出しまして、重要な事項についてはここで承認を受ける予定でございます。この総会において初めて全貌が確定する、こういうように相なっておる次第でございます。したがいまして、この総会に付議すべき当方よりの提案事項については、目下着々とその準備を進めておって、この総会に持ち出す、この総会決定したら、大体すべての方向なり具体的な問題が確定する、こういう次第でございます。  さて、いろいろ準備をいたしまして、今日の段階において私といたしましては特に重要だと思う事柄で、当委員会においてぜひ一つ準備促進お願いしたいという数個の問題をここで申し上げたいと思います。これはもうすでに、前回会合においてもそういった問題に触れておりまするけれども、重要なるものについては重複をかまわず、ここで皆さんの御清聴をお願いしたいと思います。  その第一点は、選手村、その他の競技施設、これの完成予定期間完成するように御促進願いたい。これはわれわれとしては最も大切な事柄でございまして、選手村が時期的にうまくでき上がるかどうかということ、また、競技をする各種施設、これはきょうの資料の中に各種施設が列記されておりますが、予定期間がみな書いてありますが、これをどうしても予定期間完成するよう促進願いたいと思います。特に私の非常に頭を何というか、費している問題の中の一、二を申し上げますと、まず選手村でございます。御承知のように、代々木のワシントン・ハイツを選手村として決定して、そうして現在ある建物水耕農園に移築する、そういったようなことに相なりまして、全部その準備予算的措置もすでについておるわけでございます。三十七年度、一部は三十六年度にそういった予算面のことは大体もうすでに政府においてもちゃんと措置ができておりまするが、この移築問題はそう簡単でないと私は思います。できることはできても、期間がおくれますし、そこの跡に水泳柔道、バスケットボールの競技場を作り上げる。しかも、それが三十九年の八月までには完成しないとオリンピック競技ができない。こういう重大な問題、時期的の問題でございます。政府においても、関係各省においても非常に熱心にこの問題と取っ組んでいただいておりまするが、この時期的の関係のずれがあるということであれば、私ども組織委員会としては、競技運営オリンピック実行について大きな支障が起こるということが、私どもは非常に今頭の中に一ぱいでございます。この点が第一点でございます。  それから施設関係では、今日参考図表もここに提出いたしましたが、いろいろ競技場関係がございまするが、駒沢の関係、都でやるものはこれはもう予定どおりいく見通しがあるようでございますが、一番問題になると思われるのは、戸田ボートコース競技場でございます。カヌーも合わせてここでやろうと、いうことでございます。この決定が相当いろいろいきさつがありまして、今度の予算措置の中でやっと拡幅というか、幅を広げる予算が認められたのでございます。しかし、いやしくもオリンピック競技ボート競技をやる上においては、どうしてもそれに即応したところの陸上施設が要るわけでございます。ことにあの地区においてはいろいろの建物等がございまして、川というか、コースに沿ってでございますね、これをりっぱにし、りっぱという意味はぜいたくという意味じゃごいません、競技にふさわしい、そうして一種の何というのか公園式措置を講ずることによって初めて競技場としての体形が整うわけでございまして、この分の予算措置というものが講ぜられていないので、今関係者が寄って非常に苦慮している問題でございます。これが競技場の中でのお願いの一点で、どうか単純なる拡幅によるコースの問題にとどまらず、あれが国際的のオリンピックボートコースとしてふさわしい程度において、もちろん節約すべきものは節約するけれども体形を整えるということにやらなければ、これは私は非常に失望感を生むのじゃないかということでございます。選手村の問題と戸田コースの問題でございます。  次に第二の問題でございますが、施設関係はこの程度にいたしまして、第二は、組織委員会所要経費調達という問題、資金問題でございます。これは今日組織委員会事業計画並びに三十九年度競技終了までの全年度にわたる予算計画、今日まあわれわれがこれだけ要るだろうという見通しで計上した九十二億六千万円という全予算でございます。三十七年度の分は別の表にございますが、この資金調達については、国庫、東京都からの補助金というものに四十億円をわれわれは期待しておるわけでございます。その他事業収入として当然入場券等収入もございまするが、いずれにいたしましても、この九十二億六千万円というものはどうしても大会運営準備のために必要な資金額でございます。しかも、今後の発展というか、推移に応じては、これにまたさらに増加をする可能性があります。減少するよりは増加をする可能性があるわけでございます。何分にも二年ばかり後の状況を見まして予算を立てるということはなかなか困難でございまして、今日の段階において考えられている予算がここに計上されて、われわれはこれによって年度別運営をはかっていく、こういう実情でございます。しこうして、政府都関係に二十億ずつ、全年度を通じて、五ヵ年度といっていいのですが、その補助金の要求を計上してあるわけでございまするが、今日までの段階においては三十六、七、特に三十七年度においては私どもは二億六、七千万円ぐらいの必要があるのじゃなかろうかというような、ここでは二億三千八百万円ということに結果はなっておりますが、相当大幅な予算査定を受けたのでございます。三十七年度はこれでいいとして、三十八年、九年にほとんど大部分の資金が要るということになっておるわけでございます。で、こういった点において資金問題は、これは組織委員会としては非常に重要なる問題であり、また最も困難があることを承知しておる問題でありまするが、願くば当初オリンピック日本に、東京に招致するにあたって、準備委員等において政府が参加して、そうして計画を立てた、その計画書にも政府は二十億というようなことになっておったわけであります。それを基礎としてわれわれ予算を組んだわけでございます。まあ端的にいえば組織委員会予算実行の上における国の補助金東京都の補助金、これは日本政府のほうできめた場合は東京都は同額を出すという建前でずっと参りまするから、何よりも政府、国のほうの補助予算というものが大きな関係を持つわけであります。しかして全体を通じて九十億も要りますので、若干の収入はありまするが、四十億ばかりはこれはオリンピック資金財団が募金をしようという建前になっております。このオリンピック資金財団事業に対しても昨年の特別措置法において格別の法制的の措置を講ぜられまして、事業遂行に非常な利便を与えられておりまするが、今後はさらに一段とこの事業を拡張していかなければ、なかなか四十億、五十億の金を短期間に集めるということは相当困難があると思います。資金財団資金調達の今日までの状況は、いずれ財団理事長からここで御報告申し上げると思いまするから申し上げませんが、この資金面について十分御検討を願い、そしてどうかこの調達が円満にいくように当委員会において格別の御推進を願いたい、こう思う次第でございます。  それから第三は、これはもう前回の御会合でいろいろ御議論のあった点で、もう私から申し上げるまでもないのですが、こういう競技場なり資金調達がうまくいっても、オリンピックはこれは何というか、東京都で行なわれ、また神奈川、埼玉も含んだこの地域でありまするが、道が予定どおりの時期に完成するということでなければ、これまた非常に大きな支障が起きるということを私どもは心配しておるわけであります。道の拡幅については各方面の非常な努力によって、ある面においては予定以上に進捗し、またある部面においては二年もかかった問題がここに解決を見て、これに着手するというようなものもあるようでありまするが、どうか当委員会といたしましては、少なくともオリンピック実行に必要なる専用道路というものの完成、まあ道という言葉は狭いのですが、ほかの交通機関というかそういうものを含めてでございますが、これをひとつぜひ皆様方のお力で予定どおり実行できるように御促進を願いたいということを特に私はお願いいたします。  第四には、受け入れ態勢の問題でございますが、ホテル、旅宿その他外国から多数の観客が来るわけでございます。選手等については選手村にみんな収容いたしますからこれは問題ありません。また新聞記者はプレス・ハウスというものを作りまして収容しますが、それ以外の一般の方々、この態勢が今日の段階においては、かりに三万といたしましても現状においては半数ぐらいの旅宿しか用意されていない。この問題は、入場券を海外に発売する問題と非常に関連があるわけです。おそらく諸外国においては、日本へ来てオリンピックを見たいという希望者をつのれば非常な数に上ると思います。しかしそこに制約のあるのは、私ども入場券を各国に発売するにあたっては、日本内地において何らかの旅宿がなければ工合いが悪い。このひもつきにおいて発売する。これはローマオリンピックにおいても実行した点でございます。したがいまして、旅宿がなければ切符を売らない。旅宿という意味は個人の邸宅でもよろしいのでございます。そして諸外国の人に日本のありのままの姿を十分見ていただくことが、今後の観光事業促進に非常に効果があり、オリンピックに伴うところの一つの付帯的な大きな効果が期待できるわけでございます。この点については、ひとつ当委員会において促進方お願いいたしたいと思う次第でございます。  なお最後には、選手強化の問題でございます。この予算措置については、日本体育協会のほうから、そういうふうに要望した予算でございまして、オリンピック組織委員会からではございませんが、直接これは日本選手がどうやるかということは、オリンピックの成否に関係する重大な問題でございますので、私はそういった体協という問題と組織委員会という問題をあわせてお願いするのでございます。これも先般差し上げた表にあると思いますが十六億何がしというものを五カ年計画で、今実行の途中にございます。三十七年度予算においては、政府は一億六千万円の強化のための予算補助を計上されているわけでございます。三十七年度予算に私どもは二億数千万円ということで要望したのでございますが、これも査定を受けておのずから総額においての変更がやむを得ない事態になっております。これもあと二年余でございまして、どうしても各種目において主催国選手が期待に沿う成績をあげるということによって、これだけ大きな金をかけ、こういった大会を催すところに、非常な価値が生まれてくるのではないかと思う。この問題もひとつ当委員会で十分御検討いただいて、専門家も呼んでいただいて、ひとつ御推進を願いたい。  その他、細目でございますが、すでに問題になったかと思いますが、大体開会式を三十九年の十月、その日取りは、最終的にはモスコー決定するものでございますが、まだ組織委員会自体としても、確定した決定はいたしておりませんが、開会式交通機関その他の関係で非常に混雑するだろう。そこで曜日が日曜日の場合は、警視庁も交通規制というものは非常にやさしいが、日曜日以外の日にやった場合には、これはある区域において特別の休暇というか、休んでいただくことに、これもひとつ当委員会で御審議願いたいと思うのです。これは具体的の日がきまってからの問題ですけれども、あらかじめお含み願って、今日の交通事情では、普通の週日に開会式をやるということについては相当困難があります。こういった種類のことはまだたくさんございまするが、要するに私が今頭の中でいろいろと問題点と考えている点を一応申し上げました。あとからいろいろな予算計数事業概要等田畑事務総長や靱君からひとつ陳述を願います。どうぞひとつよろしくお願いいたします。
  4. 森中守義

    委員長森中守義君) それではオリンピック東京大会組織委員会田畑事務総長から資料についての御説明を願います。
  5. 田畑政治

    参考人田畑政治君) この前も大体組織委員会事業と図をお配りしてありますけれども、簡単に繰り返しますと、組織委員会そのものには、国のほうとしては総理府長官文部大臣に入っていただいております。それから東京都側は知事、副知事が入る、あと各界部門というふうになっておりますが、今まで組織委員会のやった一番おもなことは競技場施設、これをこの部門は国でやっていただきたい、この部門は都でやっていただきたいということの仕分けを完了いたしまして、これを都のほうと国のほうにお願いしてあるわけであります。この点につきまして、津島さんからお話のように、ほとんどボートの一部——これはこぐだけのコースははっきり確保されております。しかし地上の家の移転の問題等がまだ残っておりますけれども施設競技場とすればこれも確定しております。ただ自転車競技場ですが、自転車道路競走トラック競技場二つあるわけですけれどもトラックのほうは後楽園プロ競輪場を借用してやろうということで、後楽園もこれについては同意していたのでありますけれどもプロアマチュアというものの競輪に関しては全く事情が違いまして、普通ですと、相撲でも野球でも絶対にプロのほうがアマチュアよりも技術が上なんですけれども日本競輪はちょっと方式が違って、スピードそのものということでなくて着順だけを争うものでありますので、日本アマチュアは別にしまして、オリンピックになりますと、国際的に一流アマチュア選手が来ますと、スピードが格段に違うのであります。日本ですと、通産省か何かの規定で時速四十八キロということに押えて、それ以上だと危険だということだそうであります。ところがアマチュアですと六十キロ以上であります。したがって六十キロ出すということになりますと、傾斜が非常に急傾斜になるわけであります。これでは今の競輪選手が使うと非常に危険でけがをするおそれがあるというので、その点で後楽園競技場がどうしても使えないという問題が起きておりますので、これをどこかにきめるという問題を一つ残しまして、競技場の問題はすべてきまっておるということ、これと今の村がきまったということが一番大きな問題と思います。  そうしまして、会期も、これも、この前のアジア大会のような五月説というものもありますし、あるいは少し延ばして六月にしろ、あるいは八月、あるいは九月といういろいろの説がありましたが、結局これは去年のアテネの総会で、原則的には十月の十一日の日曜から二十五日の日曜まで十五日間ということが一応きまったのであります。しかし、きまったあとで、競技種目二つふえたということ、これは日本では盛んでないから落したいというカヌー近代五種、この二つを今までやりているからやれというので二種目ふえてしまったわけであります。日本カヌー近代五種のかわりに一番盛んな柔道とバレーを入れるという提案は、日本の希望する二つはもちろん入れるけれども近代五種とカヌーをやれということで二つふえました。それと開会式の翌日一日休むということがきまりました。ということは、たとえばヨットなどは日本でやる場合においては江ノ島ですけれども、いかなる場合でもオリンピックは大体において非常に遠いところでやりますので、その選手開会式に出るためには翌日休むということが必要だということ、また開会式のためには三時間も四時間も炎天で立っていることが必要ですから、選手が非常につかれて翌日は競技は無理だというので一日休むということがきまりましたので、これを一日か二日延ばすということが原則的にきまりまして、前に延ばすかあとに延ばすか。一日延ばして十六日にするか、二日延ばして十七日にするかということは、こちらで研究してモスコーに持って来いということになっておりますので、この問題が一つあるわけであります。これは現在研究中でありますけれども、初めはどうしても十七日でなければ工合が悪かろうというつもりでおりましたけれども、今研究の過程では、どうも十七日になりますと、すべての競技が先にやりたいということになりますので、あとのほうがかなり前とアンバランスになりますので、むしろ十六日がいいんではあるまいかという意見のほうが多いようであります。いずれにしましても競技を始めるのは十一日の日曜からで、開会式をその前の前の日、金曜日にやりまして、土曜を休んで日曜から始めて十六日ならば土曜日まで、十七日ならば二十五日の日曜までということになるわけで、いずれにしましても初めの開会式の日は、この年に限って、今津島さんからお話があったように公休的の休暇にしていただきたいという問題がその意味で残っているわけであります。それはこちらにお願いしなくちゃならぬ問題だと思います。  それからもう一つの問題は、日本の場合は水泳を先にしまして陸上あとにやる。今オリンピック陸上を先にやって水泳あとにやるということが今までずっと原則であります。ローマだけが今日本でやろうというように水泳を先にやったのであります。日本の場合は十月になりましたので、水泳の場合あるいはインドアでやらなければならぬという問題がありますので、どうしても水泳を先にやるということになって陸上あとにやる、この原則承認されておりますけれども、どういうふうにあと競技に当てはめて行くかということを今国際スポーツフエデレーションとこちらと折衝して、大体こちらの案をモスクワー総会に持って行かなくちゃならぬと思っております。これは確定はおそらく今度のモスコー大会まではできなくて、案はできますけれども、これをモスコー総会に出しまして、原則的の承認を得た上で、さらに国際スポーツ連盟との折衝は残されると思います。オリンピックの場合は、今申し上げましたように組織委員会準備はいたします。すべての競技施設その他の準備はいたしますけれども競技会そのもの運営は、国際スポーツフエデレーションにまかせるわけであります。それが今度大体やっている国、水泳ならば日本水泳連盟というものに運営をまかせるということになりますので、その点ははっきり今度のモスコー総会プロが全面的にきまってしまうということにはいかないで、あとはこちらの組織委員会スポーツフエデレーションのほうできめればいいんだということの条件でプロがきまってくるというふうに考えられます。  大体今度のモスコーに行っているおもなものはそうですけれども、一番今関心を持たれておりますのは芸術展示をどうしようかということ、これは今までは芸術展示はあまりはっきりしなかったのであります。どうもスポーツ対象とする芸術、絵画か写真かというふうな考え方なのか、そうでなくていいものかどうかという考え方がはっきりしなかったので、今まではどうしても対象スポーツに限られておりましたので、出て来るのはスポーツのほうは世界第一級のものが出て来るのですけれども芸術に関する限りは対象がきまっている上にしろうとでなければいかぬということがあるので、次のものが出てくるということがあったのですが、今度はそれがはっきり変わりまして、競技に対抗する同じウエートで芸術展示を行なう、これはその国だけのものでいいけれども、その国の一流のものを展示する、これは現在、過去を問わず、最もすぐれたものを展示する、しかもその対象スポーツに限らない、何でもいいということと、芸術に関しては、もちろん専門家でいいのだ、しろうとでなければならぬということばないんだということがはっきりしましたので、国際的に一体日本がどういうものをやるのだろうと、その計画を、少なくも芸術展示だけは具体的なものをモスクワに持っていこうということを最近ブランデージという会長のほうからこちらのほうに申し出があります。これははっきりさせておかなければならぬ思っておりますが、このほうの特別委員長は細川護立さんにお願いしまして、浅野さんも委員に入っておりますので、古代から近代に至るまでの国宝級の傑作を並べることは全く容易である、これは必ず引き受けるということを細川さんも浅川さんも申しているのですけれども、現代の美術をまとめて展示するという問題が非常にむずかしい問題で、非賞にたくさん分かれておりますし、なかなか感情的にも一本にならないということで、現代の芸術展示というものが非常に難関で、今まだ残されております。この点は有光さんが非常に一生懸命でやってくれていますので、何とか都の美術館を借りて、これも非常にむずかしいのだそうですけれども、何とか借りて、何かの形式でとにかく日本の現代の一流のものを集めるということを今準備しております。したがいまして、モスクワ会合までには近代のことが具体的にならぬにしても、日本の国宝級のものは全部出すのだということさえ持っていけば、各国とも非常に満足するだろうと思っております。それを今申し上げましたように、競技運営スポーツ・フェデレーションがやるのでありますので、今私たちが一番事業計画でやらなければならぬことは、去年からもやっておりますけれども、どういうふうなやり方をするのかということの国際スポーツ・フェデレーションのほうの注文を聞くために、向こうの総会の理事会には人を送っていますし、また競技の注文を聞くためには向こうの国際スポーツフエデレーションの人間をこちらへ呼んでおります。来年度各種目ごとにやってくれることになっておりますが、この問題がオリンピックそのものにすれば相当本質的の問題だろうと思われます。  それから今非常に問題になっておりますのは映画でありますけれども、これは記録映画というものは作らなければならぬと思っておりますが。これはやりようによりますが。たとえばテレビの映画、十六ミリをそのままつなぎ合わせれば、これはほんとんどただでできることなんですけれども。御存じのようらベルリン大会のときの「民族の祭典」というような、ああいうりっぱな映画を作っていることがありますし、今度もローマの映画としても相当のすばらしいもんだということになりますと、この程度の映画はどうしても作らなければならねということになりまして、ローマでも三十万メートルも、フィルムを使っているそうであります。両方とも世界一のものをやっているということになりまして、今日本でも黒沢君にこれをやってもらうことになっておりますけれども、どうしてもローマの例でもフィルム代が二億数千万かかっているそうであります。五十台の映写機を使っているということになりますと、どうしてもこれがローマでも日本金にしまして五億以上の金を使っております。日本でやるにしても、ローマないしベルリンの大会に負けない、あの程度のものを作ることになりますと、どうしても五億ないし五億五千万くらい要る、半面これから得る収入というものが案外少なくて、おそらく、確実にいえば二億五千万か、せいぜい三億だろうということがありますので、この点も非常に問題ですが、どうもこれも三億程度の——せっかく金をかけてやるのですから、オリンピックそのものを、これを済んだあとでカラーの映画を世界中に回すということは、前例からいってもやらなければなりませんので、こういう点ちょっと外から見ましてむだではないかということも、実際問題とすればどうしてもやらざるを得ないという問題も起きております。  それから、今の問題として大きな問題は、聖火リレーというもの、これはベルリン大会のときは、アテネの奥のほうのオリンピアから火を会場に運ぶのであります。ベルリン大会は陸路全部運んでおりますし、紀元二千六百年のとき日本でやろうというときにはアンダストン・カール・ディームという人の構想で、人間の足と馬とラクダでやればいいだろうというような構想が出てきましたし、それから最近なくなった伊藤道郎氏なんかは、そのカール・ディームの案をとりまして、平和の道のシルク・ロードを通れということで、一応調査もしましたけれども、これが陸路を通るということはなかなか困難な問題であります。また一説には、日本オリンピックをやるということの一番大きな問題は、平和のオリンピックというために、むしろオリンピアからまっすぐに広島に持ってくる、もう一ぺん原子爆弾をやめようということで、世界にアッピールすると一番いいのではないかという案もありますけれども、この東京大会も、日本大会ではなくて、初めてのアジア全部を代表して東京でやるというような意義からいっても、どうしてもアジアの諸国を回るということが必要ではないかということになりますと、リレーをやりましても、飛行機で運んで、飛行場からその首都まではリレーで持ってくる。そこで一晩祭典をやってもらって日本に持ってくるということになりますと、これもなかなか金が要るという問題もあると思います。また日本に入ってからもまっすぐ東京に持ってくるという案でいたんですけれども、現在はアジアの国を回るならば、まず開催国の日本を全部回せというような非常に強い意見も出てきておりますので、このリレーの問題というのもなかなかの問題でありますが、いずれにしても、とにかくアジアのオリンピックというためには、どうしても最小限度アジア競技連盟に加盟している首都くらいには火をおろすということば必要ではないかと考えられます。また一方外国観光客のほうは当局でやっていただきますけれども外国選手、役員あるいはIOCの人に対しての言葉の問題についても、これは今のうちから若い人たちを集めて語学の訓練もしなければならぬということで、現にこれも始めております。  大体おもなものはそんなものだろうと思います。いずれにしても大体順調にいっているということで、一番今残された問題は、津島さんから申し上げにように、戸田ボートコース拡幅の問題、これが埼玉県とこちらのほうとの話し合いがまとまりません。ということは、国の補助が一文もないということで、非常にむずかしいので、この点を委員会で何とかお願いできればと思っております。もちろんこれは主管庁は文部省でありますから、組織委員会のほうから文部省にもう一ぺん大蔵次官のほうとも折衝してもらうようにお話しは願うことになっておりますけれども、この点につきましては、特に皆さん方の強い御支援をお願いし  たい、こう思います。
  6. 森中守義

    委員長森中守義君) それでは次に、東京オリンピック資金財団からも新しい資料が出されましたので、この際あわせてその説明を聴取いたしたいと思います。簡単に御説明を願います。
  7. 靱勉

    参考人(靱勉君) 簡単に御説明申し上げます。  先般「財団法人東京オリンピック資金財団について」というものを一月三十日付でごらんに入れまして、これに  ついて相当詳しく御説明申し上げましたので、本日はごく簡単にいたしたいと思いますか、本日は「財団法人東京オリンピック資金財団資金調達事業について」、 昭和三十七年二月二十六日のものをごらんに入れております。これは結局この前大体文句が多かったものでございますから、表にしてごらんに入れたほうがおわかりやすいというふうに思いまして、したがいまして資料一というもの、これが資金調達に関する調書でありまして、先ほど津島会長から御説明のあったものでございます。で、財団といたしましては、総計百十六億九千八百万円のうち、三十八億一千万円が一応調達の目標ということに相なっているわけでございます。この中には先ほど御説明がありましたように、国並びに都の補助金、それから組織委員会調達資金、それから体育協会の調達資金等が入っておりまして、おおよそその三分の一ということに相なっております。  次に資料の二でございますが、これは先般大体概数を申し上げましたが、今現に実施している各調達事業の三十六年度から九年度までの見込額と期待額に分けて書いてございます。おかしな書き方でございますが、見込額というのは、まずこれは確実であるというのでございますが、期待額は、中には当然ここまで期待できるものもございますが、ものによっては必ずしも相手様方の御都合でそれだけにもいかぬというものがありますので、これを全部ごらんになりますと、最後の集計で見込額が約三十億期待額が三十九億、約四十億近くになっておりますが、これの結論といたしまして、先般も申し上げましたとおり、今後さらにあるいは選手強化費、あるいは大会運営本部の建設、あるいは組織委員会のほうにおきまする大会準備実施にさらに資金が余計にかかるということになって参りますと、本計画では不十分でございます。したがいまして、今後の研究としまして、先般申し上げておきましたが、どうしてもさらに新規の調達事業を追加していかなければならぬ、これは足りないから今まで手をつけなかったものをただ漫然と足すという観念じゃございませんので、やはり年度の経過に従いましては、ものによりまして開催年度とならなければわからぬと思いまして、やらぬというものもございます。そういうような意味合いで今までやったものが主であり、今後のものが従であるという考え方でなく、全体的に調達事業を確定できまするならば、本年の六月くらいまでには確定して、絶対に資金調達は確実だという線に持っていきたいと存じます。これがためには、当委員会におきまして、あるいは法律的措置を要する問題もあるように私ども予定いたしておりますので、今後とも格別の御指導御支援をいただきたいと存じます。  簡単でございますが、御質問に応じてお答えいたします。
  8. 田畑政治

    参考人田畑政治君) 今の財団資金のことで一言だけ申し上げておきますけれども
  9. 森中守義

    委員長森中守義君) 補足ですか……、どうぞ。
  10. 田畑政治

    参考人田畑政治君) 今の経費九十二億というこれは、朝霞のキャンプのときからの予想で作ったものでありますので、あるいはこちらへくるということで、多少減るだろうという予想はしております。しかしそれは、これは少し減ると思いますけれども、ただ施設関係でそれがどうなるかという問題がございますので、八月ごろになれば、はっきりこの数字はつかめると思いますが、ある程度減少はしますけれども、逆にふえるものがあるのでございます。それはオリンピックの前年にリハーサルとして、一ぺんぶっつけ本番じゃなくて、予行演習的のものをどうしてもやらなくちゃなりませんのでこれが約二億くらいかかると思うのであります。それと選手強化費がーーこれは体協のほうでありますが、今五年間で十六億ということでやっていましたのが、制服購入の問題と、競争用具の問題、あるいは施設の問題で、約十三億くらいふえるということになると思います。それからオリンピックのときに、組織委員会の事務局にあるものが、どうして各国のものを集めなくちゃなりませんので、これは作ることになって、初め十五億というのを、半分の七億五千万円というものがすでに資金財団のほうに入っておりますけれども、これがさらに十億くらいふえるということで、もし今の現状どおりいけば二十五億くらいふえるだろう。しかし上のほうの組織委員会の九十二億というものがある程度圧縮はされます、その問題がございます。  それともう一つ収入のほうで、組織委員会自体に入るものは、約三十億というふうに予定しておりましたけれども、先ほど申し上げましたように、映画の収入が二億五千万円くらい減るという問題、選手の負担金が二億五千万円くらい減るのじゃないかということで、五億くらいの減少は免れぬというふうに考えられます。どうしましても、ある程度何億か減りましても、二十億か、二十五億くらいのものはふえるということになると思います。その点ちょっと申し上げておきます。
  11. 森中守義

    委員長森中守義君) それでは質疑に入りますが、本日の出席予定者のうち、ただいままで出席しておりますのは、小平総務長官、江守内閣総理大臣官房審議室長、長谷川文部政務次官、前田文部省体育局長、川合建設省営繕局長オリンピック東京大会組織委員会田畑事務総長東京オリンピック資金財団理事長、以上の皆さんでございます。  これより質疑に入りますが、順次御発言を願います。
  12. 内村清次

    ○内村清次君 先ほど組織委員会津島会長から、特に本委員会に要望する点や、あるいはまた今日までの状況につきましての概略が御報告されたわけでございます。その第一点といたしまして、競技施設の完備促進ということは、これはもう選手村及びまたは競技場を含めまして、その促進に対しましては、私たちも非常な関心を持っていることでございます。この中で、特にこの選手村のワシントン・ハイツの問題が、これは非常な当時御努力によりまして、ようやく解決を見たということで、私たちもその環境の点につきましても、これはもう最上な地点であるという点で、喜んでおったわけでございます。ところが最近の新聞によりまして、またこの代々木の選手村に対しまして一つの暗影が出たのだ、こういう報道がなされております。この報道の内容によりますると、現在入っているところの米軍の宿舎の移転工事を、その選定地である調布、三鷹、府中の三市の受け入れ態勢において、その条件があって、その条件の完備がなされないと、選手村に充てられているところの米軍の宿舎が移転ができないのではないか、こういうような新聞報道がなされておりまして、また私たちも一つの大きな問題にぶち当たったような感じがするわけでございます。そこでこの問題の経緯につきまして、これはまあ政府のほうからでも御説明願って、どういう条件がなされ、どういう近況であるか、しかもまた、その解決にあたっては、政府としてはどういうような処置を考えておるのだというような具体的な御説明をひとつお願いをいたしたいのでございます。  さらに、これは私は、政府のほうで受け入れ態勢のほうと十分な話し合いがなされれば、何とか解決しはしないかという感じもするわけでございますが、そういった点が、この年度計画にどういう支障を及ぼしていくのであろうかという体も心配いたしておりまするから、この点に対しましてもひとつ御説明を願いたいと思います。  第二の問題は、これは私ばかり質問を続行いたしましては、時間の関係もございまするから大体質問の要点だけを申し上げて、それぞれひとつ御答弁をしていただきたいと思うのですが、第二の点は、これは津島会長からも言われましたように、戸田の漕艇場の問題でございます。当委員会におきましても、きょうは午前中に現地視察をするという御計画もあって、私たちもそれを期待いたしておりました。何といいましても、やはりそういうような重要な地点は、百聞は一見にしかずで、ぜひひとつ委員の責務上現地を見まして、そして十分御説明を承ってそれに対処したいというのが、希望でございましたけれども、不幸にいたしまして、きょうは本会議のためにできませんでしたが、これは不日委員長お願いをいたしまして、ぜひひとつ現地を見せていただきたい。もちろん戸田の競艇場ばかりでなくして、その他関連した重要な施設関係の地点も、ひとつぜひ早い機会に見せていただきたいということを希望いたしておきますが、この戸田の競艇場の問題につきましては、これは不幸にいたしまして、私たちはその経緯はよく存じておりません。おそらくこの経緯は、あまり参議院のほうでは、促進委員会ができましたのも最近でございまするからして、御存じない方が多くはないかと思うのです。そこでできれば、私たちは速記録の一部を読みはいたしました。がしかし、せっかくこの国際的なオリンピックを招致いたしました以上は、やはりりっぱな施設であり、しかも来られたところの外国選手が、日本に来てよかったというような感じを持って帰っていただかなくてはなりませんから、ぜひひとつこの漕艇場の選定をされました経緯と、それから政府部内におきましての予算計画その他につきまして、できますならばひとつここで御説明お願いして、私たちの予備知識といたしまして、次に現地を見ます際におきますところの予備知識といたしたいと思いまするから、この点を十分に御説明をしていただきたいと思います。  まず以上の二点をひとりお伺い申し上げまして、順次質疑をしたいと思いますが、ただ第三点といたしまして、これは政府の窓口でありまするところの総務長官のほうにお願いしたいのですが、今日までのこの予算計画——大体予算計画においては、会長のほうも、まあ大体において四十年度までの予算はスムースにいくだろうというようなお話もなされておりまするけれども、これは各部の説明に入る前に、ひとつ年度別の三十四年ごろからの予算計画の数字の説明をやっていただきたいと思うのです。この三点だけお願いしておきます。
  13. 津島壽一

    参考人津島壽一君) 今の第一点の、選手村の現在の米軍住宅の移転の問題は、これは昨年の十月二十四日か六日でありましたか、閣議において決定したところでございまして、政府においてこの移築を実行するということにはっきりきまっております。それに沿うて一部の経費等も、御承知のように一部はこの間の三十六年度の補正で八億何がしがすでに国会の承認を得まして、なお三十七年度においては六十数億円、また二年にわたる負担行為七十数億円が出ており、また三十八年度においてこれをさらに計上して、約百億といいますか、そういった金であの一部の予算措置が講ぜられる、こういうことに相なっております。また同時にこの移転先が閣議で決定し、また米軍側から申し出たところによりまして、日米合同委員会等において水耕農園のあの地域にこれを移築するということに相なっております。したがいまして、組織委員会としましては、この閣議決定、また予算の計上等によって、時期的にはまず三万坪の地点に競技場、すなわち水泳あるいは柔道をやる屋内総合体育館、並びにバスケットを行なう小体育館、これらを建築する、これも予算がついておりまして、まず競技場を作る地点の分は、至急これを移築する、あとはその次になるという予定計画ができております。この移築先の水耕農園、これまた移築の事務は、政府側でおのおの所管のところにおいてこの予算を取り、実行に入る段取りということでございます。この地元におけるいろんな条件の問題については、組織委員会直接の折衝をいたしておりません。これは、ここにお見えになる総理府総務長官のところで、地元代表の方々と、これは朝霞から代々木に選手村を移す決定の前から、いろいろお話し合いをいたして下さった点でございまして、私どもといたしましては、予定どおりいろんなこういう問題が処理されて、順序よく運ぶことをお願いをしておる。こういうわけでございまして、この経緯は、総理府の総務長官からお答えをしていただくことと思っております。  それから次の戸田の問題の経緯をまず申し上げます。戸田は御承知のように二六〇〇年というか、四〇年のオリンピック日本に招致しました当時から、ボート競技戸田でやるということで、あれが作られたわけです。自来いろんな競技にこれが使用され、国際競技ボート・レースはあそこでやるという一つの優位を持ったところでございます。  もう一つは、都心から近くて、ことに朝霞に選手村を置く場合は、すぐそばに競技場があるという利便も考慮されていろいろ慎重に研究された結果が、招致のわれわれの申し出のいろんな計画、これにもボート戸田ということに書いてありまして、これが招致が決定して、組織委員会がこの問題を取り上げて後も、いろいろ検討を加え、非常に時はかかりましたが、やはり戸田がけっこうであるということに決定したわけでございます。その最終決定は、朝霞からワシントン・ハイツに選手村を移転するということにかかわらず、戸田をもってボート競技場にするということに再確認いたしまして、これが閣議で承認を受けたわけでございます。ほかにも候補の地点は、当時は二、三カ所あったようでございますが、組織委員会としてはそれらの候補地について検討を加えることはございませんで、単純に戸田ということで押してきて、そうして今度の予算におきましても、拡幅、つまり幅を拡張する予算が認められたということの経過をたどっておるわけでございまして、ほかの候補地点もあるかとは存じまするが、組織委員会といたしましては、それらの地点について正式の検討を加えたことがなくて、戸田ということに決定しておるわけでございます。終了後においても、各種ボート競技においてはこれを利用する上において、最も利便で効果的であろうという観点もあわせこれに加えてこういった決定をして参った、こういう事情でございます。  それから第三の点についての予算関係についてということでございます。今日お配りいたしました資料、お手元にございますが、いろいろ文章を横書きにして書いたのが大体四十年度までの組織委員会としてのする仕事のおもなもの、計画、これはお読みいただければわかるのでございますから、省略いたします。そこで経費の部面でございます。経費の部面はさしあたり三十七年度予算というのがこの一枚の表に載っております。これは政府予算——三十七年度予算にも計上された国庫補助金、また東京都か今予算の審議を始めておるわけですが、同額を計上し、その他の金額を合わせて、これは財団からくる約一億八千万、それで四億二千七百万円という収入に対して、それに見合った各種事業に必要な経費を織り込んで四億二千七百万円というのが三十七年度の案でございます。なお将来、また従来を含めて、組織委員会発足後、昭和四十年に至るまでの全期間についての予算、すでに実行したものは、実行の過程にあるものは三十六年度まででございます。三十七年度以降、四十年度までの計画、三十七年度はこれはもう予算が計上されておる金額を除いたもの、その全体が年度別に見まして、三十八年度においては三十八億七千万円と若干の予備を入れまして、急に増加するわけでございます。これがほんとうの本格的な準備が始まるということでございます。三十九年度オリンピック大会の年でございまして、これまた最高の四十五億円ぐらいかかるということで、四十年度あとの始末というようなことでございます。そうしてこの表に現われた計数が九十二億六千八百万円、その収入は上の欄に掲げてあるとおりでございます。これが全貌でございます。ところがただいま田畑事務総長からの追加的の補足した説明もございましたが、何分にもこれはいろいろ将来のことについての大体の見通しは立てて非常にこまかく積算して出したものでございまするが、いろいろやる仕事が、またあとにこれをやらなければならぬということも起こり得るわけでございまして、この計数が確定した計数だとは申し上げませんが、三十七年度までについては確定計数と、こういうふうになっております。したがいまして、三十八年度はとにかく非常な大きな金額でございまして、資金財団としても、十三億ばかりを調達し、かりにそれに政府、都が十億を補助するといたしましても、大きな資金調達を必要とするという状況でございます。この内容のこまかい計数は、もし何か特別の問題についてございますれば、詳細なる積算の基礎が出ておりますから、御要求によって提出したいと思いますが、大体これは予算計画というものでございます。それ以外には御質問の点は、戸田の分はいずれ文部省のほうで、これは予算要求をするのでございますので、ここに計上もされているようでございますが、文部省のほうから御説明願いたいと思います。以上でございます。
  14. 森中守義

    委員長森中守義君) なお、ただいまの御質問に対しまして小平総務長官より代々木選手村の件について、長谷川文部政務次官より戸田ボート場の件について、江守内閣審議室長より予算  について、それぞれ発言を求められておりますから、順次これを許します。
  15. 小平久雄

    政府委員(小平久雄君) ワシントン・ハイツの施設を調布市の水耕農園に移設するという問題でございますが、この問題につきましては、私どもといたしましてもこれが円満に行なわれるように極力努力しなければならぬ、こういう見地からいたしまして、実は選手村を現在のワシントン・ハイツの地にきめました昨年十月二十四日の閣議決定後引き続きまして、さっそく地元の府中、調布、三鷹の三市に連絡をいたしまして、それぞれ市長さん、議会の議長さん等代表の方にお出ましを願い閣議決定に至りますまでの事情を詳細にお伝えするとともに、この移設が円満にいくように協力をお願いいたしたわけであります。それをきっかけにいたしまして、関係三市当局から、移設に関しましてはこれこれの事項をぜひとも満たしてほしい、こういう申し出が続いてございまして、その内容は移設に伴います移設地域の関係、それは主としてこの緑地帯の関係等でございますが、その地域自体の問題、あるいは関連道路の問題、さらにまた下水関係の問題、それに施設の内容、たとえば独身寮は移してほしくないといったようなことやら、建物周辺には十分植樹をせよとか、そういった施設の内容についての問題、さらに地元の公共施設関係、たとえば水耕農園のあの地に市民の運動場等々を設けたいので、それに要する土地を開放してほしいといったような問題、その他若干の問題を含めまして関係三市から御要望がございました。そこで、政府といたしましては、それぞれの問題に関係する省庁あるいは東京都、これらの関係するところが多い関係からいたしまして、総理府を窓口として、これらの問題に対しましてどう御回答申し上げるかということで協議いたしました。その結果、昨年の十二月の九日に一応の回答をいたしたのでございます。言い落としたかもしれませんが、要望が正式にきまりましたのは昨年の十一月の十七日でございます。それに対して十二月の九日に御回答を申し上げました。ところが、この御回答をもっていたしまして御満足ができない、こういう点でさらに十二月の二十八日に重ねての御要望がございました。そこで政府もさらに検討をいたしたのでございますが、何分にもこれらの御要望のうち、直ちに政府として御要望に沿い得る面も若干はございますが、道路でございますとか、あるいは下水の問題でございますとか、こういった大きな問題につきましては、なかなかはっきりと年次計画で何年から何年までに完成すると、こう良心をもって言い切り得ない問題もたくさん実はあるわけであります。のみならず御要望のうち一番地元で御関心を持っておられると思いますのは、特に下水の関係でございまして、野川の改修ということが、野川という川があるようでございます。この改修の問題が非常に地元といたしましては重要な問題であるということでございます。ところが、この野川の問題にいたしましてもあるいは道路の関係等にいたしましても、実は工事の主体となるべきものは都でございます。そういう関係からいたしまして、それまでも十分都の意向も伺っておったのでありますが、これは何としても地元と都との間において具体的に一そう検討してもらう必要がある、そういうことで本年に入りましてから都のほうと具体的なひとつ検討をしていただく、こういうことにいたしたわけであります。その後都と地元側でどの程度の話し合いになっておりますか、その詳細は実はその点つまびらかにいたしておりませんが、しかし、実は本日都のほうから御連絡がございまして、地元から都の方に対しまして、ワシントン・ハイツ等の調布水耕農園敷地への移転に伴う地元受け入れ条件に対する協議会設置方についての要請が三市長さんから東京知事あてに本月の十二日付で出されたそうであります。そこでこれを受けまして、本日東京都のほうから私どもの方に連絡がございました。その構成について、政府東京都、地元三市、それらのそれぞれの代表をもってこの協議会を作ったならばどうであろうか、さらに直接担当をいたしております職員をもって幹事会を構成してやっていったらどうであろうか、こういう御相談が本日東京都の方から参ったそうでありまして、私実はこの席でその点は伺ったようなわけでありますが、今御報告申し上げたとおりでありますが、たいへん私としてはこれはけっこうなことだろうと今さように考えておるのであります。いずれにいたしましても、概要はただいま申し上げましたとおりでございますが、申し上げるまでもなくこの移設というものが円満にいかぬということになりますならば、これはオリンピックの開催そのものに重大な影響のある問題でもございます。地元の三市におかれてもその間の事情は十分御理解をいただいておると私は信頼いたしておるわけでありますが、また私どもとしましては、終始誠意を傾けて今日まで緊密に連絡をいたし、最善を尽くしたつもりでありますが、今後ももちろんどこまでも誠意を尽くして、ひとつ御理解を得て、この移設が円満にいくように一そうの努力をいたしたい、かように考えておるところであります。
  16. 長谷川峻

    政府委員(長谷川峻君) 内村委員から戸田の漕艇場について御質疑がありましたが、戸田の漕艇場につきましては、漕艇そのものに皆さん御関心を寄せられておった関係から、昨年の十月二十四日のオリンピック選手村等問題の処理方針という閣議決定がございますが、そのときにワシントン・ハイツ及びリンカーン・センターの全域とキャンプ朝霞の桃手地区の一部を米軍より返還を受けること等という原則をきめられた閣議決定の中において、戸田の漕艇場の使用については関係当局において経費その他を検討の上で善処することという政府の基本方針を決定しておりまして、さらに十二月の八日、オリンピック関係閣僚懇談会においても戸田漕艇場をオリンピックボートコースに使用することを確認、さらにまた追っかけるように本年の一月の十九日にオリンピック準備対策協議会幹事会で、当面する問題としてその確認事項の中に戸田漕艇場の整備というふうに決定しておりまして、戸田漕艇場のことについてば政府は一貫してこれを取り上げ、これが推進してきておった次第であります。そこで文部省といたしましては、この漕艇場については国立の施設として整備することといたしまして、コースの幅を現在七十メートルあるものを九十メートルにし、深さを三メートルにするほか、艇庫その他漕艇競技場として必要な施設、設備を準備することにしておりまして、総額が四億四千万でありますが、本年度昭和三十七年度といたしましては一億九千二百万を計上しております。残余については三十八年度予算措置をして、競技そのものについては支障のないように万に措置したい、こう思っておりますから御了承をお願いいたします。
  17. 江守堅太郎

    政府委員江守堅太郎君) 三十七年度オリンピック関係予算につきましては、前回のこの委員会で各省から詳細な御説明がございましたので、本日は御要求のございましたように主要な施設につきまして、大体総事業量がどのようなものであるか、それから、それがどのような姿ででき上がっていくかというようなことについて申し上げさしていただきたいと思います。  お手元にオリンピック東京大会対策政府関係事業年次別予算という書面がお配りしでございます。それをごらんいただきたいと思います。  まず第一にオリンピックの非常に大きな行事でありますところの開会式、閉会式、それから陸上競技というものを行ないます国立競技場でございますが、これは2の(1)に書いてございますように、総事業量が十億六千九百万ということでございます。そのことによりまして現在明治神宮外苑にございます競技場の観覧席を現在五万五千ございますのを八万五千人分に拡張することにいたしております。完成をいたしますのは三十八年の六月ということでございます。  それから水泳を行ないますところの屋内総合競技場でございますが、これは現在、ワシントン・ハイツにございます東南の隅の約三万坪ぐらいの所、現在まだ米軍の住宅がございますが、それをどけましてそこに作ることになっておるのでございますが、その総事業量は二十二億円余り、それによりましてできまする水泳場の規模は約三千三百坪、収容人員は約一万五千人ということでございます。それから、さらにそれに付属いたしまして、バスケット・ボールなどに使いますところの小体育館を作ることになっておりますが、これは規模が約千七百坪、収容人員は三千人余りということになっております。これは、現在まだ米軍の住宅が建っておるわけでございまして、先ほどお話がございましたように、ここにありますところの約九十戸余りの住宅を水耕農園に移しまして、その移転後にこれをこわしましてそれから建てるということでございますが、予定といたしましては今年の暮れにはどうしても着工しなければならない。そうして完成は三十九年の夏以降、九月ごろ、オリンピックぎりぎりにでき上がるという予定をいたしておるわけでございます。  それから次が戸田の漕艇場でございますが、これはただいま文部政務次官からお話しのとおりでございまして、総事業量四億三千四百万余りを予定いたしておりますが、そのうち三十七年度におきましては、戸田ボート・レースを行ないますところの水跡を広げますことと、それから泥などがたまっておりますのを浚渫をする計画をいたしております。それから三十八年度におきましては艇庫などの陸上施設を整備する予定をいたしておりますが、先ほど来お話にも出ておりましたように、こういった水路の拡張あるいは陸上施設の整備のほかに、これをボート場として使いますためには、あるいはその辺の公園を整備するとか、いろいろ環境をきれいにすることが必要でございますが、それについては目下、国費は出さない、埼玉県等、御関係のところで御相談になって何分のことをしていただく、ということにただいまはなっております。  それから次のページに参りまして、ライフルの射撃場でございますが、これは現在、朝霞に米軍のキャンプがございますが、その隅のほうに現在ありますものをもとにして作るということを予定しておりますが、これは三十七年度で一億入っております。計画といたしましては、ライフル及びピストルの射場の整備をいたすということになっておるのでありますが、さらに三十八年度におきましてどの程度事業量をもってこの整備を行なうかということは実は末確定でございますが、一応総事業量としては大体二億六千万ぐらいのものを予定しておるというわけでございます。  それから、江ノ島にヨットのハーバーを作っておりますが、それは総額が約二億四千万でございます。これはすでに神奈川県が事業主体になりまして三十五年から着工いたしております。国費が二億四千万でございまして、総事業量としては十八億余りでございますが、そのうち国が六億、県が十二億余りを負担いたすことになっております。三十六年度までにほぼ外郭の施設ができ上りまして、ヨット・ハーバーといたしましては三十九年の三月までに全部完成するということになっております。  国費を使いまして行ないます競技場の整備は以上のとおりでございますが、これ以外にたとえばレスリング、ホッケー、バレー・ボール、サッカー、体操、あるいはボクシング、フェッシングというふうに、いろいろの競技種目があるわけでございますが、これらにつきましては、国費以外に、駒沢運動場、あるいは都の体育館などを使いまして、一部分は都、一部分は組織委員会というようなそれぞれ負担区分に従いまして各競技場の整備が行なわれることになっているわけであります。  それからその次が、3の競技技術向上助成等に要する国の経費でございますが、競技技術向上助成総計六億五千万とございますのは、日本体育協会に対します補助でございまして、日本体育協会ではすでにオリンピック選手強化対策本部というのをお作りになりまして、関係の二十団体ばかりとともに選手の育成強化ということをなさっているわけでありまして、そういった関係に対する補助でございます。それから次のオリンピック精神の普及高揚四千万というのがございますが、これは主として文部省がオリンピックに備えまして、青少年に対しましてオリンピック精神の高揚、あるいはまた公衆道徳の向上というようなためにいろいろお使いになる経費でございます。  それから次に、オリンピック東京大会組織委員会補助というのがございますが、これは先ほどお話にもあったかと思いますが、組織委員会がなさいます事業に対する国の定額の補助でございます。大体三十四年に職員二十六名程度でもって発足したオリンピック東京大会組織委員会は、三十六年度で百人ぐらいの職員の数になっておりますが、三十七年度におきましては、これをほぼ二百人ぐらいにふやし、オリンピックの開かれますときにおきましては五百人程度の世帯でオリンピック推進していくということになろうと思います。現在赤坂の赤坂離宮の中に事務所を持って仕事をしているわけでございます。  それから、今申しましたいろいろの競技施設の整備をいたしますとともに、このオリンピックを円満に運営いたしますための、道路、街路、その他下水道、あるいは清掃施設、ごみの焼却場の整備といういろいろの関連の仕事をするわけでございますが、これらにつきまして、三ページから四ページの初めにかけましてこまかく数字が書いてございますが、お読みいただけばわかると存じますから、省略させていただきたいと思います。大体現在までのオリンピック道路整備については、三十七年度末におきましては、ほぼ六割近く整備できるという予定をいたしております。それから首都高速道路の整備でございますが、これは三十七年度末におきまして約半分はでき上がるというふうに予定をしているわけでございます。  それから四ページの6に、オリンピック東京大会実施準備、総計百二億七千百万円という金額が書いてございますが、これが先ほどお話のございました現在ワシントン・ハイツにあります米軍の住宅を水耕農園に移す経費でございます。現在ワシントン・ハイツにありますところの住宅を水耕農園に移しまして、その跡の一部は先ほど申しましたような主として水泳場になる。残りました住宅は、これを改修いたしまして選手村として使うということでございますが、水泳場のほうは、これはどうしても水泳場を作る工期との関係上、これをことしの秋までには移さなければならないわけでございますが、それ以外の選手村として利用を予定いたしておりますところにつきましては、それが済みましてから三十七年の、ことしの秋ごろから来年の秋ごろの間にこれを建設をいたす、それが済みましてから、その跡を改修をして選手村として利用するということを予定しているわけであります。  それからさらに関連の輸送施設の整備でございますが、これも四ページ以下五ページにかけて書いてあるわけでございますが、まあ国鉄の東海道の新幹線につきましては、これは財政融資をもちまして、千九百七十二億の事業量をもって始めておるわけでございますが、もうすでに用地の買収は三十六年度でほぼ全部済んでおります。そうしてオリンピックまでにはこの新幹線は完成するという予定で工事が進められておるわけでございます。  それから地下鉄の整備、あるいは私鉄の整備につきましても、これは財政融資、あるいは起債をもちまして、オリンピック開催時までに相当の整備ができるということを予定をいたしております。ただこれは三十八年以降の問題につきましては、一応数字は書いてございますが、このようにくっきりと金額が確定したものではないということを御了承いただきたいと思う次第であります。  それから宿泊施設につきましても、これはまあ例の国際観光事業との関係もございまして、オリンピック時に非常にたくさん見える旅行者のためにどのように宿泊施設を整備したらよいかということにつきまして、すでに関係各省いろいろ相談しておりますが、少なくとも今後三万三千室の整備をしなければ十分ではないということでございまして、これは主として開銀の融資を求めまして、この三万三千室の整備を三十九年までには行なうということを予定しておるわけでございます。
  18. 内村清次

    ○内村清次君 先ほどの御答弁によりまして、輪郭におきましてはわかったわけでございますが、まず米軍の宿舎の件ですが、長官のお話では二月の十二日ですかに受け入れ態勢の協議会というのが設置される。これはまあ地元の水耕農園関係の三市が代表におそらくなられる。事業主体は東京都と、こういうようなお話です。そこでその予算説明の中に、これは建設省関係の所管として、オリンピック東京大会の実施準備の項に百二億七千百六十万円ですか、これだけの予算が組んであるんですが、この予算というものがすでに三十六年、七年、八年にかけてワシントン・ハイツの米軍宿舎を調布水耕農園に移転するところの総経費であると、こういう書き方がしてあるわけですけれども、これは先ほど長官が雷われました、たとえば下水の問題や、それから河川、特に重要な点は河川改修だと、こうおっしゃる。それからさらに条件の中に、たとえば私もまだ地理的には不案内でございますが、その土地に米軍の飛行場がありはしないか、あるいはまた防衛関係の自衛隊の何か施設か宿舎か、演習場がありはしないか、そういった問題も条件の中に入っておりはしないか、こういう点もお伺いしたいのです。  それから特に一体その工事というものは、何月から移転工事というものは開始せられるか、この点については新聞によりますと、大体三月からと、こういうことですから、その三月の施行にはどうも間に合わぬのではないかということで関係者も非常に心配しておるのだというようなことも書いてありまするが、それは事実かどうか。  それから先ほど文部政務次官が言われました戸田の漕艇場の問題ですが、この問題は私たちといたしましては、やはり現地を見まして、そうしてその環境、それから特に私が心配しているのは、そこに百五十軒ばかりの民家があるのだ、その立ちのきが問題になっておる。そういった環境整備もあるし、あるいはまたはその競艇場の周囲の公園化ということも考えなければならぬ。ところが十月の二十四日ですか、閣議決定にあたりまして、これは埼玉県もやはり公共団体としての経費を出さなければならぬ。その大体の国の経費、それから公共団体としての埼玉県の経費というものの振り当てという問題がこれはなされている。そういった振り当ての関係からして、国が補助金を出すならば、埼玉県ではやはりそれに従って工事の費用を出そうというような並立条件できているけれども、先ほど会長からの報告では、どうも国の補助が本年度ない。ないからして埼玉県のほうではその金を出せないじゃないかというところで頓挫しておるというような事情もあるそうですが、この点も政府では十分よく御存じだろうと思いますから、その点をひとつ答弁していただきたい。
  19. 小平久雄

    政府委員(小平久雄君) まず第一点は、建設省からお配りしてあります移設関係の費用と地元の要望の諸工事の関係ですが、おそらく建設省から配られております移設費という中には、先ほど私から申し上げました下水の関係であるとか、あるいは水耕公園内外の道路の整備費であるとか、そういうものは入っておらぬと思います。その点につきましては先ほど申しましたとおり、東京都のほうと具体的に今後どういう計画でやろうということをさらに検討し、なければならぬ、検討したい、こう考えておるわけでございます。  それから第二点の飛行場の問題でありますが、現にあすこに飛行場がございます。ございますが、これは現在のところ主としてむしろ新聞社その他の民間で実は利用いたしておるのであります。今回のワシントン・ハイツの移設に関連しましてこれを廃止をしてほしいと、こういう御要望もございましたが、政府側といたしましては、これを今廃止するというわけにも参りませんが、少なくとも滑走路の延長と、これを拡大するということはいたさぬつもりだという回答をいたしておるのであるます。むしろこの点は、大体それで地元でも御納得をいただいたものじゃないかと、私はさように実は理解をいたしておるわけでありますが、ただいま申しましたように、拡張はいたさないと、こういうつもりでおります。  それから、工事の着手の関係でありますが、これは実は当初ば二月の半ばころには着手をいたしたいと、こういう予定でございました。しこうして、九月までには、先ほど御説明がありました、将来の総合体育館の敷地にあたる部分にある施設というものを移設をいたしまして、十一月ころまでにはその実際の移転を完了したい、こういう予定でございましたが、目下のところ、約二月程度完了時期あるいは引っ越しの時期というものがおくれると、かように考えております。それで、あとの総合体育館の建設には支障がないようでございます。私からお答え申し上げます点はその三点かと思います。
  20. 長谷川峻

    政府委員(長谷川峻君) 戸田の漕艇場の埼玉県と国の関係については、事務当局から詳細にお答えさせていただきたいと思います。
  21. 前田充明

    政府委員(前田充明君) 戸田の漕艇場の周辺整備の問題でございますが、当初今年度予算の折衝をする以前におきまして、埼玉県が考えましたのは、用地買収物件移転補償ーー補償と申しますのは、先ほどお話のございました家の立ちのきの補償の問題でございますが、及び施設整備、そういう経費で最小限六億円という予定をいたしまして、その三分の一は国から補助をもらい、残りの三分の二は県が出してやると、こういう計画を進めておったのでございます。ところが国からの補助がされないということになりましたので、県としては自分自身でやらなければならないということになるわけでございますが、そういたしますと、初めの予定どおり国からもらえないので、非常に全体として縮減されてくるのじゃないかという問題になってきます。そこで、県としてはいろいろお考えになったようでございますが、また一方私ども国のほうの立場から考えますと、オリンピック大会競技場として作られるわけで、国際競技場でございますので、恥しくないような、そういうものでありたいと思うわけでございまして、これはもちろん組織委員会が御決定になることでございますか、私どもとしても、その線に沿えばおそらくそういうことになるのじゃないかと思うのでございますが、そういうふうにするには一体お金が幾ら要るか、またそれを埼玉県としてどの程度出し得るかこの辺のところが現在の問題になっておりまして、私どもはもちろん関係しておりますが、特に建設省に、ここの工事に一億九千万円今年度とっておる。三十七年度実施すべき一億九千万円、それは建設省にお願いするつもりでおります。建設省と埼玉県とでいろいろお話をしていただくように、私どもももちろん関係いたしまして、現在いろいろお話し合いをしておる最中でございます。
  22. 加賀山之雄

    ○加賀山之雄君 内村君に関連して、ちょっと簡単に伺いたいと思うのですが、問題は間に合わせるということで、競技場が一番大事だと思うのですが、いま長谷川さんの御報告によると、とにかく四カ月間何も進んでいないのですね、ワシントン・ハイツは。ようやく協議会をこれから作ろうかと、それで今年末には工事にかからぬと間に合わぬ、こういうことです。それは道路の事情にもあると思うのです。首都高速度道路が計画している一号線という関係で、東京湾の漁業権、これももうかからないとこれは間に合わないということが明らかになっているわけですね。ですから一体それは確たる見込みがあるかどうか。これから協議会なりまたいろいろな、両方でこれは東京都と調布だと言っていたのではなかなかできないと思うのですが、政府として確たるあれがあるか。それを一つ伺いたいと思います。  それから戸田競技場お話があったのたか、どうして国が最初の話の二億を出されないことになったのか。これはやはり国際競技場として戸田が選定されている以上、これはオリンピックのみならず今後も十分に活用できる施設に私はなると思う。当然国が私は埼玉県と協力していくべきで、国が最初のお話のとおりの三分の一なら三分の一出されないというのはわからない。埼玉県がそれじゃ私のほうで全部やりましょうというのならいいのですが、これは金と同時に施設の立ちのきという問題、これは民家ですから数も多いし、私は非常に問題だと思う。そうするとりっぱな堤防を作っても、そこになかなか競技場としての環境がどうかという問題があって、これなんかも間に合わなくなるおそれが多分にあると思うのです。その点もう一度国として、国は出さないのだという御報告があったのですが、これはやはり建設省がやっているからというお話が文部省のほうからあったけれども政府として確たる私はあれがないといけないと思うのです。  それからもう一つ選手強化の問題ですが、これは体協でやりておられると思うのですが、これは重点主義でやっておられるのか。各部門々々で問題がないか。強化費の使い方とか、そういうものか、そういうものについてこれはごくあらましでよろしゅうございますが、まあいろいろな種目もあるわけですから、これらがうまくいっているか。あるいは今後もいく見込みであるかどうかという点。  それからさらに資金財団のほうに伺いたいのですが、いろいろ計画されていて、まだ計画が十分進んでないように思いますが、われわれとしていかなる協力でも資金財団にお手伝いができることがあればもちろんしなければならぬと思うのですが、そういう点があれば伺いたい。簡単でよろしゅうございますから。
  23. 森中守義

    委員長森中守義君) 逐次御答弁願います。
  24. 小平久雄

    政府委員(小平久雄君) ワシントン・ハイツの移転の問題でございますが、その移転先との交渉内容は先ほど申し上げたとおりであります。一言にして申しますと、地元の御要望が今後道路なりあるいは下水関係なり、これらについて具体的な計画を出すように、こういうことであります。ところが一応道路だけを考えましても、これはきわめて大ざっぱな概算でございますが、約五十五億程度かかるのじゃなかろうか。それから下水関係にしても三十五億程度かかるのじゃなかろうか。概算そう言われているわけです。そこらを年次別に計画をはっきりして具体的に出すように、こういう御要望でございますが、それを初めも申しましたとおり、ほんとうに良心的に年次別にということになりますと、なかなか短時間には困難なことだろうと思います。そういう実は事情もございますので、もちろんわれわれは地元の要望に一日も早く沿い得るように各省庁と十分これは協議もし督励もいたしてやりたいのでありますが、その要望に直ちに今何年度に幾ら出してどうする、こういうところまで実はいたしかねておるわけなんです。そこでさっき申しましたように、地元としてもオリンピックの開催に協力しよう、こういうせっかくのお気持はお持ちのようでありますから、今後さっき申しました、政府、都、三市、これらを包含した協議会というやうなものがここで十分話し合いをいたしまして、私は地元側としても現在置かれておる事情というようなものについてぜひとも御納得をいただきたい。そのために十分努力を傾けたいと考えておるのでありまして、また地元側もおそらくはもちろん御満足とまではいかぬでありましょうが、今回のこの移設に御協力をいただけるものと、かように考えておるわけでございます。
  25. 長谷川峻

    政府委員(長谷川峻君) 加賀山委員の御質疑に対してお答えいたします。戸田の漕艇場の問題については、私のほうとしましては、競技支障のないよう水深を三メートルにするとか、七十メートル現在あるものを九十メートルにしろということについて、ようやく一億九千万円ばかり三十七年度予算を取ったわけで御心配の観覧席とか、立ちのきとかという問題になりますと、予算の際は実は建設省にお願いをしておりまして、東京都のほかのほうとの関係などがあったから、今度の場合に予算の中に入らなかった、それが埼玉県の心配の種になったというふうに私たちは了承しておりまして、私たち直接文部省の競技施設の問題じゃありませんけれども、実際にやはり見物席、あるいはあと施設としてもおかしくないように、恥ずかしくないようなものになってもらいたいという御協力と推進は申し上げておるつもりであります。  それから選手強化の問題については、これは何といってもオリンピックを幾らやっても、べたべた負けたのじゃお話になりませんから、体協のほうに文部省から、三十七年度は五千万円ほどよけい補助金を差し上げて一億六千万円ほどになっておりますが、そうしてぜひひとつりっぱな選手を出してもらいたい。その費用については、補助金適正化法によりまして常に経理も拝見しておりますし、また私たちも正確に経理が行なわれるということを信頼してやっております。どうぞ御了承願います。
  26. 田畑政治

    参考人田畑政治君) 今の加賀山さんのお話は、選手強化はどうしたらいいかというお話かと思いますけれども、これはいま日本人はとにかくからだが悪いのですけれども、背は低いことは確実ですけれども、今の運動競技強化のやり方というものは、選手の今までの経験と勘だけでやった、技術だけのことをやっていた。これはやはりスポーツというものは体力が非常に必要だということを一番初めに打ち出しまして、世界の最も権威者、たとえば筋肉作りの問題、循環器系統の肺臓を強くする問題、心臓を強くする問題、精神力を強くする問題ということが今まで基本的な問題で、世界の権威者を呼んで競技団体のほうに集めてやったわけです。今ようやくそれを徹底いたしまして、そこで基本の体力が必要なんだということを徹底いたしまして、それと並行して世界で最も優秀なコーチを去年あたりから呼んでおります。それは私ども非常に進歩したということを聞いたのは、はっきりしたのは、実はアルゼンチンの人で、ホッケー協会の会長で、世界の権威者で、この次のオリンピックモスクワでやることになっておりますけれども、アルゼンチンがぜひやりたいというので、その運動で世界中を回って先日日本にも来た。これはホッケー協会の会長です。その人が日本のホッケーを見て、日本のホッケーは実にけしからぬ、何とも手の下しようがないと言っていたが、ところがこの間のインドの世界選手権、これは六等でした、十幾つか集まってやったが。パキスタンとインドが特に強いが、このときはパキスタンは出なかったが、そのときを見て、同じチームとば思えぬほど技術が進歩しておる。おそらくこのままいけば、インド、パキスタンに勝つなんてこれは世界中だれも及ばないけれども、このままの状況をたどれば三等に入ることは必ずしも不可能じゃないというようなことを言っておりますし、それからボート、これもこの前ローマで勝った世界一流のキール大学のコーチが来てやっておりましたが、これなんかも、ボートについてもエイト、さらにかじなしフォアなんかも非常にチャスがあるということを言っておる。サッカーも非常に優秀なコーチが来ておりますし、だからそういう意味では私たちが考えておるよりも現在相当進歩しておると思います。この実験台として、ことしの八月のアジア大会というものもかなり出てくるのじゃないか。ボール・ゲームというものは案外アジアは世界の一流じゃございませんけれども、二流の上くらいのところで日本よりちょっと強いくらいのところが多い。これの勝負をやってみますと、どの程度進歩しておるかということがはっきり出てくるのじゃないか。水泳なんかもかなりいいのじゃないかと思っております。  それから重点主義の方法、オリンピックは何といっても陸上が強くなければなりませんから、金も重点主義に陸上水泳というもの、それから日本の国技の柔道というものを最重点にしぼって、さらにその上に体操とかレスリングとかいうスポーツを確実に持ってくる。こういう段階を作ってやって、一番下のボール・ゲームを六等くらいに入るようにしようという計画で進んでおりますので、決してむだには使っていないというふうに考えております。
  27. 靱勉

    参考人(靱勉君) まず第一に国会の皆様方にぜひお願い申し上げたいのは、たばこの問題でございますが、これは実は昨年特別措置法を作りていただいたのでございますが、その規定は財団資金調達するためにたばこの小売、あるいはその団体の協力を得て広告事業を行なう場合においては専売公社も適宜便宜を与える、こういうことなんです。結局たばこ自体に広告するというのじゃありませんで、現実にこの法律の意味しておりますのは、たとえばあるスポンサーによりまして抽せん券を出す、それには広告が載る、それでその一部を財団に寄付してやる、こういう形ですから、たばこと一緒にその広告のついた抽せん券を出すというわけで、結局広告を出して下さる方からいただく、決してスモーカーからいただくわけではないわけであります。それからたばこ自体につかないので、実は私ども専売公社のほうといろいろ御相談してその程度はぜひさせていただきたいというようにお願いしておきましたが、昨年実施しましたのは六千万円程度、第一回として見込みましたが、現実に出て参りましたのは三百万円ということで、これはとうてい三億にはならぬということで、ただいま専売公社並びに大蔵省のほうにお願いに上がっておりますのは、ぜひ別の企画を考えていただきたい。その場合には、この法律では困りますので、法律の改正を要するのではないかということで、そうなりました場合には当然国会の御審議ということに相なる。これにつきまして、ぜひ私どもはこのたばこのほうに新しい企画をお願いしたい、こういう考えでございます。  それから先ほど御説明申し上げましたとおりに、ただいまやっておりまする資金調達事業によりますと、三十億程度は確実でありますが、三十八億に達するためにはなお不安定な個所が非常に多い。したがいまして、ぜひこれは確実なものにしなければならぬということと、田畑事務総長からお話がありましたように、さらに選手強化に十敦意、あるいは大会運営本部のために十億、あるいはオリンピックのために二億というようなものが出て参りますれば、現在の調達事情ではとうてい二十億から三十億のものを充足することができない。したがいまして、ただいまにおきましては、東京都及び付近の三県の御協力を得まして、公営競馬で年に十日間、オリンピック特別競馬を実施していただいております。これは法律に関係なく、余った日にちを用いまして、全く関係都県の、あるいは馬主の関係の方、その他競馬関係の全くの御好意で年に一億数千万円、実は昨年いただいて、今後も三億程度お願いするということになっております。一方におきまして、この法律の改正問題もあるように承っております。さらに競輪関係といたしましては、すでに体協のほうで一億数千万円年に御協賛をいただいておるような次第でございますが、このオリンピック直接の資金財団のほうにはいただいておりません。これも法律の改正があることでありますので、何とか大会準備あるいは選手強化のために御協賛願えないだろうか。その場合におきましては、やはりその競輪から上がる配分でございますか、配分にスポーツ関係のものをぜひ入れていただいて、オリンピック開催まではスポーツ関係としましては、オリンピックのためにまず資金を配分願えないだろうか、こういう問題で、これも現在法律関係でございます。これに関連した問題としましては、あるいはモーター・ボートでございますとか、あるいはオート・レースの問題、いずれも近く法律が改正になるように承わっておりますので、この方面の御審議の際には、ぜひオリンピックのためにも御協賛をいただきたい。そうでありませんと、なかなか二十億から三十億の新規追加ということは、私どもまあ、先ほども申し上げましたように現在実施している以外にさらに別の方法も考えておりますけれども、国会の皆様方に特にお願いいたしたいのはさような点でございますので、よろしくお願いいたしたいと思います。
  28. 加賀山之雄

    ○加賀山之雄君 建設省の方は来ておられますか。どなたか先ほどの戸田の問題で……。
  29. 鶴海良一郎

    説明員鶴海良一郎君) 戸田の問題につきましてお答えいたします。戸田施設のうちで周辺の環境整備というものにつきまして、建設省で一応の案を作りまして予算の要求はいたしたわけでありますが、諸般の情勢で予算がつかなかったわけであります。なお競技に直接関係のあります施設事業につきましては、大蔵省に予算の要求をされまして、きょう手元にお配りしてありますような数字の予算がついたわけであります。この関係につきましては、建設省といたしましてもただいま多大の関心を持っておりまして、予算折衝の段階におきましても、建設、大蔵両大臣のお話し合いでお願いしたような次第でありますが、結果的にはいかんともしがたい、そういう状況でございます。したがいまして、まあこの問題の処置はどうするかということにつきまして、埼玉県等とも相談いたしておりますが、県としてはオリンピックをやります以上は、国際競技をやるに必要な最小限度のことは県単独事業ででもいたしたいということを言っております。そういういきさつがありますので、まあ県と組織委員会なりあるいは文部省当局とどの範囲の事業をやるべきかということについて、目下相談が進んでおるというふうに承わっております。
  30. 重盛壽治

    ○重盛壽治君 どうも先ほどからお聞きしていると、この委員会の性格というか、それはもちろん十分御承知のことと思うのだが、この委員会の性格というものは、ここで法案を作ってどうしようということでなくて、どうしてオリンピック促進せしめるかということが中心であるわけです。どうも答弁を聞いていると、普通の委員会のように、自分のほうの関係だけのことを答弁しておけばよいように私に聞こえる。あるいは聞き方が悪いのかもしれませんが、特にモーターボートコース問題等の答弁を聞きますと、りっぱにはしたい、やれるようにしたいと言っておりながら、実は国費は従来六億の三分の一の二億を出そうと思ったのだが、付近の設備については出せなんだ、これは埼玉県あるいは関係のところで出していただけるものと考えるなんというようなことを言っております。そんなことを考えておって、これでほんとうにできるのかどうかということになる。今の建設省の答弁もそうだが、片一方文部省の答弁も、やってみたけれどもできなかったから、仕方がないから建設省の予算の中から施設として建設省のほうからひとつ出してもらいたい、そのつもりでやっておるというように聞こえたのだが、そういうことを今になってやっておったのでは、私はできないと思う。  もう一つ、埼玉県にしても、当初から朝霞の問題もあるし、いろいろ関連性があって、今度は戸田のモーターボ−トのコースだけをやろうということになって、しかし、それをやるためには当初の予算は出せないということになって、いわば、ここまで追い込んでいって、埼玉はやむなくやるのじゃないかというようなことがあるし、われわれ聞いていて、いわゆる促進委員会の取り上げる形としては、もうちっと全体的な形になって取り上げてもらわなければならぬのではないか。あるいはきょうこの場所でもいいから、私はもっとざっくばらんに突っ込んで、建設省もおるし、文部省もいるのだから、一体となって、どこかでやるなんというようなばかげたことでは、大へん失礼な言い方ですが、こんなことでやっておったのでは、少しも進まないと思う。これに対しては、次回でもけっこうですから、次回に、これならできますというものを出してもらいたい。たとえば、建設省にお聞きしたいのだが、一億九千万なら一億九千万、二億なら二億を出してほんとうにやれるのだ、片一方文部省は建設省でやってもらいたいということを言っている。建設省のほうはやるつもりで出したけれども、私が耳が遠かったかどうか知らないが、できなかったような加賀山さんに対する答弁でなかったか。そういうことでは、とてもこれは促進しない。これをひとつ急速に進めるために、どういうふうに各省が話し合いをしたか、この点については明確にやり得るようにしなければとうていできない。私の感じでは、いわゆる従来の態度といいますか、各官庁一体になってやるという姿が出ない限りにおいては、まだ困難ではないかと思う。この促進をきょうはぜひお願いしておきたい。  もう一点は、例の小平さんから伺った水耕農園の問題でありますが、進んでいるように考えられますけれども、事実はそんなに甘くない。地元が相当に強硬に反対をしている。そういうものを移してくることに強硬に反対している。だから、出してきているものが、それがあるいはそのとおりにやれば、やむなくのむかもしれませんが、もっと突っ込んで言えば、これだけはどうしてもやり得ない、それじゃだめになるじゃないかというーー裏があるかもしれませんが、私は十分取っ組んでやっていただかなければ、一向前進してこない。そういうものが出るのは、これは逆に後退しているのではないかと私は考えるのです。あるいはさらに、私は水耕農園に持っていくことは賛成でないのでありますけれども、しかし、国が地元に話してやることについては妨げないし、この委員会の性格としては、オリンピック推進する立場でありますから、今までの答弁では、逆に困難なところにだんだん進んできているように実は考えられるので、次回までにはもう少し進んだ角度で御研究を願いたい。そして実態を御報告願いたい。このように考えている。  もう一つ。これは私はきょうは時間がありませんから、あまり申し上げませんが、資金調達するのについて今までいろいろお聞きしましたけれども、かつてオリンピック組織委員会の時代に、資金を作るいろいろな問題が出たときに、私は従来のような感覚で、たとえば関係団体から一もちろん都と国が各三分の一ずつを出していくという、これはいいと思います。残った三分の一をこの資金集めの線であなた方がやってきたということはけっこうであるけれども、それをやるためには、オリンピックの何たるかを、単なる競技に勝てばいいんだとか、体位の向上であるとか一これから先は全般的に通用するかどうか存じませんが、私どもに言わしめるならば、これは日本で初めて行なわれる競技であり、そして大きな仕事であるので、この機会を利用して、日本のきれいな美しい姿、平和な日本の姿を見せて、できればこれは大げさになるかもしれませんが、やはり観光国家を、ここを契機にして作り出していくというくらいの形で、もっと大きな幅の広い角度においてのオリンピックの宣伝といいますか、PRをして、そういう中から、いわば中小企業の商人が一人十円ずつ出そう、あるいは五十円ずつ出そう、労働組合で働いている労働者が日本オリンピックをやるためにはひとつ十円、二十円はいいじゃないかと言えるような体制を作って、全国民の力によってやっていくというような形で、募金をやってもらいたいということを、田畑氏を中心にして、私はお願いしたこともあるように記憶しておりますが、そういうことをお考えになる必要があるのじゃないか。たとえば町内会は今ありませんから使っていいかどうかしりませんが、町内会というものがかりにあるところがありますと、オリンピック東京でやられますから御協力を願いますと、かりに回ったとすれば、だまって五十円、百円は出し得るようなオリンピックのPRをすべきだというように考えます。そういう点をどういうふうにお考えになっているか。また、そういうことをお考えになったことがあるのかないのか。ただ、もうかりそうな所へ行って寄付をもらってくるということをやっていると、従来の域を脱し得ない資金集めの線に終わってしまうのではないかと考えますので、これはひとつ靱さんから御答弁願えればけっこうだと思います。
  31. 田畑政治

    参考人田畑政治君) 戸田のことだけちょっと現状を申し上げたいと思うのです。  戸田の問題は、実は私はこれからと申しますか、一両日のうちに文部省の次官、局長のほうにお願いに行こうと思っておりますが、埼玉県は初めの予定では都市公園にするから半分出すということ、それは無理だということで、三分の一の補助で、あとは地元で出す。その計画は六億あれば一応きれいになって、みんなが、国際オリンピックの若い運中が来て、よかったということになる計画ができたわけなんです。ところが、それが国のほうの補助ができないということになったのですから一ことに東京に近いほうで、埼玉県のはずれのほうなんです。埼玉県のあそこに相当の金を出すということが、なかなかむずかしいということは私どもよくわかるんですが、とにかくボートができるようにことでされたのですから、何とかしなければいかんということで、ようやく今の三億を割らぬ程度の金を何とか出すということがきまった。腹は知事もはっきり持って、それなら大体県がのんでくれるだろうという自信を持っているらしいんです。今三億を割らぬ程度の金をどう使うかということが問題で、埼玉県とすればできるだけ大きなところを整備したい、楽なところとなりますと、どうしても今度実地をごらんになればわかりますけれども東京から入った入口のほうでなくて、反対のほうの私有地なんかを買収する。ここを都市公園にしてしまっても、あれならばバラックができるそうです。本建築といいますか、木造建なら、どんどん作られては困るが、そっちをきれいにしてしまう。それが二億六千万か九千万かかるだろう。それはやるということになっておるんですが、そうなりますと、ほんとうのスタートするほうの、抵抗するほうのうちは全然手をつけないで、そのままということになってしまうわけです。そこで、あるうちを取り払うということ、移転してもらうということは——至急手をつけなければ間に合わんという所が一応そのままになっている。そうなったんでは、来た選手も非常な不満を持つだろうというので、これは文部省のほうも、漕艇協会のほうも、組織委員会としても、国が出してくれなければ、やむを得ないから三億の金を入口のほうに使ってくれないかということをお願いしておったんですが、埼玉県では、とてもそれでは金は出ないのだということで、それが今暗礁に乗り上げておるわけです。したがって今、なんかその当時のあれでは、六千万円かなんかの公園整備費というものはそのままあるそうです。建設省についておるんです。それを何とかしてそのうちの六千万円、五千万円でもつけてもらおうということになれば、埼玉県もさらに考え直すというか、奮発するということも出てくる。来年は、まず受け取るものは六千万円残っておるところを、何とかして文部省のほうと——大蔵省のほうと大蔵省はそれをつけることに反対しておるそうですが、何とか話し合いをしてもらいたい。その上で何とか手をつけてもらって、場合によっては来年度、再度の予算で片一方の広いほうの土地は何とかやってもらうというようにでもしなければ、とても問題にならんということがほとんど全部の意見ですから、近いうちに文部省に行って次官、局長にお願いして、その問題を何とかもう一ぺんお話ししてもらえないかということをお願いして、今のデッドロックを何とかほぐしたいという気持を持っております。ことし、来年、手をつけなければ、今度ごらんになればわかりますけれども、一番入ったメーンの所にきたないうちが残ってしまうんです。おそらく残ったならば再来年度からやれといっても間に合わんと思うのです。来年度すぐ手をつけなければ間に合わん。来年度、呼び水をしてもいいから、五千万円なら五千万円というものを話し合いでそっちに回してもらって、まず来年入口から手をつけてもらう。それから最後にやろうというような、再来年からでもやれるのだからーーそれはこの次からの問題にしてもらいたいということを、一両日のうちに文部次官のほうに頼みに行こうという段階でございます。これをやらんことには、とても間に合わんというのが、今の現状です。
  32. 重盛壽治

    ○重盛壽治君 田畑さんが非常に御苦心なさっておることはわかりますが、もっと露骨に言うと、田畑さんが少し背負いこみ過ぎると思うのです。そういうことは、政府なり何なりにやってもらわなければならんというのが私の言い分です。一応正式の御決意というか、お話を、文部省なり小平さんから承りたいというのが私の趣意です。
  33. 森中守義

    委員長森中守義君) 速記をとめて。   〔速記中止〕
  34. 森中守義

    委員長森中守義君) 速記を起こして。
  35. 内村清次

    ○内村清次君 今、話がだいぶ具体的に入っておりますけれども、私は先ほど全般的な関係から質問いたしましたように、一ぺん委員といたしましては現地も見たい、現地の埼玉県側の御説明も聞いてみたいという考えをもって、そうして、そのあとでここで一つ委員としての意見を言って審議をしたい、こういう考え方でおったわけです。そこで、そこに行きます上について重要な点を一、二点聞いておきますが、ただ、これはまあ総務長官でもよいし、あるいはまた文部省関係でもよいのですが、十月二十四日の日に閣議決定されたその際には、これはもちろんワシントン・ハイツの問題が主題になって、そして戸田の競艇場の問題も含ませて決定になったと思うのです。その間に何かワシントン・ハイツのあの紛争の問題からこの戸田の競艇場の問題が一つの取引条件のような形という問題も中に少しありはしなかったかというようなことも、私たちといたしましては何かもやもやした点もあるわけです。と申しますのは、先ほど津島会長お話の中にも、どうも組織委員会という組織が、この戸田の競艇場はほんとうに御納得がいって、ここが一番いいのだというような御決定をなさって、そうして政府のほうにもそれを進言し、そして閣議で決定してもらうというような手続というものが完全にできておったかどうかということを、報告自体から考えてみますと、どうも私たちの納得がまだ十分でないわけです。この点の事情一つはっきりしていただきたいということが第二点。  そしてその際に、何かほかにも対策といたしまして、相模湖の問題も出たというような話も聞いております。そういった関係で、この閣議の決定という問題は、将来においてもちろんこれは完成するところの三十九年度までには、これはどこに決定しょうと、りっぱな競技場完成せなくてはなりません。これが絶対条件でしょうけれども、閣議の決定というものがあるいは変更できるものかどうかというようなことも、一つ御意見を述べていただきたい。この二つの問題を、まずきょうお聞きした上で、そしてそういった中からいろいろの対案その他の点につきましての経緯につきましても一つの御説明お願いしたい。これは津島会長からも聞いておきたいと思うのです。これが第二点で、私の質問の戸田競艇場に対するところの質問の終わりですから、この点に対しましての御答弁をお願いしたい。  それから、先ほど小平長官から言われました米軍宿舎の問題ですけれども、先ほど私が質問いたしましたうちに、百二億の移転費の問題は、これはわかりました。だからここに載ってあるところの費用というものは、これはその施設を移転をして、そうして施設を作る費用だと、今回地元の受け入れ態勢としての各種の条件に対するところの費用ではないということもはっきりいたしました。しかし、ないといたしましたならば、これは小平長官が言われましたような言葉が残るわけです。結局、河川改修に対しては五十五億ばかり要るのだ、あるいは下水だとか、あるいは道路の問題につきましても約五十億ばかりの金が要るのだと、そうしてくると、地元の受け入れの費用を満たすには百億以上の金が要る。それで事業主体は、これは東京都といたしましても、やはりこれは国といたしては補助が要るでしょう。この点につきましてはやはり建設省のほうで大体どれくらいの補助率を、私たちはよく存じておりまするが、もしこういうふうな完全な受け入れ態勢の地元側の要望を満たすとしたならば、国としては一体河川にはどれくらい、あるいはまた道路にはどれくらい、あるいは下水にはどれくらい、この三つの工事はどれも建設省の所管ですから、そういったことも一応お考えになっていることと思うのです。で、結論といたしましては、私は協議会ができましたからして、ぜひひとつこの協議会で十分促進していただきまして、長官が言われるように、ワシントン・ハイツの移転がスムーズにできるように、これは最大の努力をしていただきたいということを結論には申し上げておきたいと思います。  それから第三の点は、道路の進捗状態は先ほどの御説明で大体わかりました。しかし、これは具体的にまだ私たちも聞きたい点がありますからして、これは委員長のほうから、また次の機会を与えていただいておりまするから、その際に具体的に聞きますけれども、ただ一つ私たちが心配して問題になっておる点は、首都高速道路公団の第一号線の建設の問題です。これは羽田から出ておる道路だと思うのですが、この着工が大体六月じゃないですか。着工の予定は相当早目ですけれども何か漁業補償の問題でこの問題が片づかないと着工がおくれるのだというようなことを聞いておるのですが、こういった漁業補償の問題は完全にいっているかどうか、この点もひとつ明らかにしておいていただきたい。
  36. 森中守義

    委員長森中守義君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕
  37. 森中守義

    委員長森中守義君) 速記を起こして。
  38. 小平久雄

    政府委員(小平久雄君) 先ほど重盛先生からお話のございましたように、私どもも十分その御趣旨のございますところを体しまして、特にワシントン・ハイツの問題につきましては誠意を傾けて努力いたすつもりであります。なおその点は、さきに申し上げましたとおり、まあ東京都と地元と政府の協議会を作りたいと、こういうことをこれは地元のほうからそういう要請が最近出たようでありますから、これを十分に生かしまして、極力地元にも御納得をいただくように努めて参る所存であります。  それから次に戸田のいきさつでございますが、これは御承知と思いますが、昨年十月二十四日の閣議決定の際のこの六項目に、戸田漕艇場の使用については、関係当局において経費その他を検討の上善処すること、こういう決定をいたしたのであります。それで、これは別段選手村を朝霞の予定を変更して現在のワシントン・ハイツにする、そういうことと何か交換条件といいますか、取引的にでもきまったのじゃないかといったようなお話もございましたが、実は、これも御承知と思いますが、組織委員会といたしましては、当初から漕艇場は戸田を用いる、こういうことを何回か確認をいたしておったわけであります。ただ、政府内部で——はっきり申しますならば、大蔵省等には必ずしも戸田が適地である、そうは考えられない。むしろ相模湖あたりのほうが適当ではないかといったような考えもあったことは事実のようであります。しかし、この閣議決定をいたします際に、その前にオリンピック関係の閣僚懇談会をやりまして、今申しました組織委員会の何回かにわたる確認、これらを前提といたしまして、漕艇場は戸田を用いよう、こういうことにこの閣僚懇談会でも実は了解を得まして、その上で閣議決定に持ち込んだ、こういうことでございます。ただし、今申しましたとおり、大蔵当局等には、戸田の場合は経費があまりかかり過ぎるじゃないか、こういったような——これは財政当局としてはやむを得ぬところでございますが、そういったような見解もございましたので、そこで、経費その他を検討の上善処する、こういう表現をいたしたわけでございます。ところが、この閣議決定の後に至りましても、実は大蔵当局の考え方というものが根強くあったことも事実でありまして、どうも今申しましたこの項目の決定というものは、これは戸田を使うかどうかを、さらに経費などもにらみ合わして検討するという意味なんだ、ここまで、実は一部の者がそういう見解までも出して参る、こんなことも実はありました。ありましたが、そこで、それは閣僚懇談会の決定等とは解釈が違う、こういうことで重ねて閣僚懇談会を開きまして、それはやはり、もうすらっと読んだとおり、戸田の漕艇場を使うということを前提として経費などはもちろん検討する、こういうことで、これは大蔵大臣もそういう了解をもちろんされました。その後はその解釈一本で参っておる、こういう事情もあるわけでございます。したがって、今日に至りまして、この閣議決定を変更するというようなことはわれわれ全然考えておりません。どこまでも戸田を用いて漕艇はやっていく、こういうことに——これは関係閣僚も、あるいは閣議決定の趣旨もさようにわれわれはどこまでも理解しているものと信じているわけでございます。  そこでまた、話になりました予算との関係でございますが、予算におきましては、この競技自体に差しつかえないように推進を確保するとか、そういう点が、文部省の予算に、先ほど御説明がありましたとおり、ついているわけですが、周辺の整備の問題でございます。これにつきましては、実は三十七年度予算の編成の過程におきまして、われわれも組織委員会等からも話を聞きましたし、あるいは文部当局、建設省などの情勢も十分連絡の上承知をいたしておりました。われわれのほうからも、実は大蔵当局に、整備費についてもぜひひとつ認めてほしい、また建設省がその整備の関係は担当されるということでありましたので、建設省に向かいましても、ぜひひとつ心配をしてやってほしいということで、及ばずながらわれわれも努力をいたしたのでございますが、結果的には先ほど来御説明のありましたとおりで、その点だけが実は今回の予算編成では、何といいますか、手がつけられぬものとして残ったわけでありまして、はなはだ残念に思っているわけであります。そういう事情でございますが、もちろん埼玉県側の考え方というものも十分これは関係のあるところでありまして、組織委員会のほうでその後は埼玉県当局とせっかく話し合いを進められる、こういうふうにわれわれ聞いておりましたので、実はそれがどういうことになるか、こう期待しておったようなわけでありますが、先ほど来関係各方面のお話を承りますと、まだ最終的な方針もきまっておらぬようでありますから、さっそくこれは連絡協議会等でも取り上げまして、今後この問題をなるべく御期待に沿うようにひとつ早急に方針をきめて参りたい、かように考えておるわけでございます。  お尋ねの点は大体以上であったかと思いますが、もし漏れておりましたらばさらにお答え申し上げます。
  39. 津島壽一

    参考人津島壽一君) ただいまの長官の御答弁で十分尽きておりまするが、内村委員から私にも指名して何かこの問題についての質問があったように思いますので、ちょっと私補足さしていただきたいと思います。それで組・織委員会としてはどうしたかということを一応御了解願っておきたいと思います。  先ほど言いました昨年の十二月二十四日の閣議決定、それによりますと、戸田ボートコースの使用は、関係当局で財政を検討した上善処する、ややばく然たる文章でありまするが、大蔵大臣もこれを認めて戸田でやるという決定をした。しからば予算措置の問題であります。この点につきましては、組織委員会、また埼玉県、文部省、またその他の関係方面と予算化する金額の問題について検討したわけでございます。そうした結果は、文部省と建設省、二つに分かれてこの予算が出るわけでございますが、その一つは、拡幅とか、コースそのものの浚渫であります。その他陸上施設といったようなものについて出すものと、それから公園整備という格好になりますので建設省の予算。総額については関係者が、当初ば十六億かかる、総額が。それを切り詰め切り詰めして、十二億でやろうということに一致したわけでございます。したがいまして、これを基礎にして予算の何というか要求書が出たわけであります。その中で二つに分かれまして、拡幅その他の関係は三十八年度にわたるものと両方ございまするが、大体六億です。五億九千万円、それから公園整備というか、整地の仕事でございます。これが六億、こういうことでございます。そうして公園整備については、埼玉県は四億負担しよう、二億は国費でお願いしたい。こういうことで、この設営というか、競艇場の振幅、そういうものは大体三億五千万円、その他のものは三十八年度で三億、三億に足りませんが、六億というので出した。これが査定段階において公園整備のほうは零になった。それで予算は大体きまったわけです。それから先ほど報告がありましたように、コース拡幅というか、幅を拡げ、浚渫する、その他若干の経費として一億九千百万円を認められた。あと残りは三十八年度でやろう、この金額は大体残りをやりたいというようなことになっておるわけであります。しかるに、この公園整備というか、全部それは零になったわけです。そこで、われわれはこの問題は、これはもう関係者一致した要求であったわけでございます。それがそういう予算査定を受けたというのが実情でございます。この予算決定組織委員会にこのことを報告いたしました。そうしてこの問題はひとつ政府にも十分検討していただいて何とか公園整備というか、この仕事をやらなければならぬということでやっておるわけであります。そこで、はたしてどのくらい、実はぎりぎり埼玉県その他から出して、今度はどういう形になりますか、これをどうしようかということが具体的に今検討されつつある段階である。したがいまして、初めの計画より減らすとかりにしました時分に、どういうような影響があるかということもよく検討し、組織委員会としては改めてよく諮って、この問題を正式にひとつ持ち出したい。しかし事実の問題としては長官中心に関係省が寄って、まあこれに組織委員会の者も参加して、この問題を促進していきたい、こういうように考えておりまして、組織委員会としては今申し上げましたような段取りでここに決定し、財政措置に必要な計画というものを備えて政府お願いし、これが予算要求となって、そうして結果は査定を受けている。こういう状況でございます。したがいまして、この問題は一種の懸案としてこれは残っておるという現状で、ここで皆さん方にひとつ推進お願いしたい。冒頭私申し上げました理由はこういうわけでございます。ちょっとこのことをつけ加えておきます。
  40. 靱勉

    参考人(靱勉君) 内村先生の御意見、私ども実は全く同感でございまして、例の十円募金というのをやったのでございますが、これは十円募金なんてみみっちいという御批判もあったのでございますが、私どもとしては、やはり全国民のひとつ御支持を得たいということで、まあ羽は共同募金でやっておりますので、これは考えまして、シールを出しましてやったわけでございますが、これはいろいろ皆さんの御意見、たとえば共同募金をやられておる方とか、ある町内会の皆さん、東京都の皆さんからも御意見を承っても、これはなかなかむずかしいということで、非常に悲観的な結論でありましたけれども、実は組織委員会の委員の高石真五郎先生が非常にこれを強く御主張になりまして、私ども、ともかく何とかしてでかしたいということで、結局シールを用いましたので、御案内のように、明治以来、郵便切手印紙類を売りさばいておりますのが全国に十万軒あります。現在組合を結成しておりますのが六万くらいございますが、そこで都市部だけをまずやってみょうというので、第一回は昨年の九月から始めましたが、これは参加していただいたのが三千軒くらいだったと思います。そこに五千万円、これは額として必ずしも多くないのですが、お願いしましたところ、率直に申しますと切手印紙類のごとく、シールを買いに来るものと思っておりましたが、全然動かないものですから、途中において非常に成績があぶないというような状況に相なっております。非常に心配いたしまして、組合の幹部の方や何か非常に積極的に動かれた方もおりました、名古屋あたりは一〇〇%こえております。東京は割当というのが非常に多かったのでございますが、大体四〇%ということになりました。最近ようやく大体の見当がつきまして、この切手売りさばき所で取り扱いましたのが、五千万円に対しまして大体二千九百万円——五割以上になります。そういう状況でありましたので、十一月てこれは打ち切りまして、十二月からは実は小平長官にお願いいたしまして、官庁にひとつ御協力を願い、官庁の職員に一そういたしましたところが、これは非常に御協力を得まして、初め五、六百万円と思っておりましたところが、大体の見込みが千三百万円という好成績なんです。それで四十万円以上ございまたものは、防衛庁は何といいましても二百十九万円ですね、これは一部のところで集めてそれでやるのじゃなくて、ほんとうに各人に出していただいた。文部省が百十三万円、電電公社が百五十四万円、国鉄が百三十五万円、東京都が七十五万円、農林省が七十五万円、法務省が四十四万円、郵政省が百十九万円、警視庁が四十八万円、その他都道府県市で百二十九万。これは非常に組織的に入りましたので、予想外の成績でこざいました。これは初めに実は日劇の前で街頭募金のようなものをやったのでございますが、このときには皇太子様からもいただきましたり、宮様からもいただき、それからその後国会議員さんの皆さんには五百円ずつ全部お願いしていただいた。これは十円というのじゃなくて何万円でも差しつかえないわけでございまして、それで結局五千万円にほぼ達するという見込みになりました。それで中にはまことに感服にたえない、たとえば赤穂市の杉の子子供会というのは、千円たまるごとに寄付していただき、これで四千円もすでに寄付していただいております。それから東京の中学校の三年生でございますが、小づかいのうちからつり銭五円ずつを貯金して、それで三千五十円寄付していただいている。あるいは匿名で毎月百円ずつずっと昨年の三月からいただいている、こういうふうな方もあるわけでございまして、私ども、全体的には、国民のやはり、十円以上何万円でもいいわけでございますから、これは共同募金のような強固な組織も持っておりませんし、財団としてはごく少数でございますので、切手連合会の御協力と各官庁の御協力、あるいは銀行、ロータリー・クラブからは二百万円以上やはり出していただきました。そういうふうなことで、第二回には、第一回の経験でいろいろ経験いたしましたので、これに大きな期待をかけたいのでございますが、一方においては、これを実施しますに民放連の御協力もいただきましたり、新聞、報道機関の御協力もいただきました。ある放送会社にはもう最後までこれはやっていただいたのでございますが、どうも全般的には、私はもうPRにおいてはほとんどゼロじゃなかったかと思います。そこで、先ほどお説のとおり、やはりもう少し全体的な空気が盛り上がりますれば、私はこれに非常に期待できるのじゃないかというふうに考えております。さらに私どもは、やはり若い人たち、次代の人たちのために、現在社会の中心になって働いておられる方が個人として御協力を、激励をしていただくという意味合いで、これはまた別の形で、十円募金に対して今度は十万円募金をやろうかというような計画を持っておりますが、何といたしましても、先ほどおっしゃったように、ある所から、あそこがありそうだからねらえということでもないのでございますけれども、一方からいいますと、公営競馬その他のほうが非常に確実でございまして、先ほど申しましたように、そこら辺にも私どもは御協賛をいただきたい。個々においては全国民の御支持も得たい、こういうふうに考えている次第でございます。なお、御趣旨の点については十分私ども計画しまして成績を得たい、こういうふうに考えております。どうぞよろしくお願いいたします。
  41. 森中守義

    委員長森中守義君) 委員長から津島会長にちょっとお願いいたしますが、内村委員の質問に対しまして、ちょっとお言葉が足りないようです。要するに、この戸田のいきさつは、組織委員会としてはどこまで関係していたのか、その辺の経過を少し詳しくお話しになったほうが質問の趣旨に合致するのじゃないかと思います。少し詳しくお述べ願います。
  42. 津島壽一

    参考人津島壽一君) これは、先ほどちょっと触れたと思いますが、組織委員会発足前、招致の時代から、ボート等は、招致の計画としては競技場はどこでやるということを書いて出すわけでございます。朝霞の選手村とか、主競技場はどこかという中にもボート・レースは戸田ということになっておりまして、これは私が関係した前のことでございます。組織委員会になってからも、各競技場をどこに置くかという問題は、もう数次にわたって組織委員会で審議したわけでございます。その場合においても、条件付でまず戸田は早くきまったわけです。それは埼玉県が相当の資金も出し、政府もこれに即応した財政的の援助というか、補助をやるというようなことです。それから国際漕艇連盟というのですか、それがあの場所においてやることについて異存がないかという点も、これは関係するわけでございます。あの幅が狭いこと、位置の関係からいってどうかという問題も考慮された。で、百五メートルにすべきだというのが国際漕艇連盟の意見であったのです。しかしそれは非常に、何というか、工場をつぶすとか何とかいうので経費もかかりますし、もっと幅の狭いものでもやり得るようなコースになれぬかということで、最後に九十メートルあればいいということを得たわけです。そこで、そういったような条件並びに今の埼玉県の要望と、まあ何というか、負担関係等も大体見通しがつきまして、そしてこれを最終決定したわけです。そこヘワシントン・ハイツ移転問題が起こった。これに関連して、朝霞ならば最も近い距離にあって、ボート選手は皆朝霞の選手村に泊って、一緒になって、そしてあすこへ出てくればいいという便宜があったという点は確かに考えられた。そこでワシントン・ハイツに行くとした場合に、ほかにどうなるかということが一応は検討される。そういった場合にこれはほかへ持っていくよりはあすこでもう計画ができて、もう一応決定したものであるから、これば再確認をして、戸田漕艇場をオリンピックに使うということを検討して、ワシントン・ハイツ選手決定の項目の中で、この部分は特に確認をするという趣旨で組織委員会決定した。その旨を政府——まあ閣僚懇談会、閣議へ持っていって、特にあの一項目が入ったわけでございます。その場合にそれなら幾ら要るかという予算の金額まではああいう閣議においては決定されないで、やはり大蔵省あるいは関係当局関係予算の折衝の問題が残るわけでございます。その予算の折衝の経過は先ほど申し上げたわけで、これは、たとえば何と申しますか、相模湖の問題も一応あったのです。しかしながら日本の漕艇協会、あるいは国際漕艇連盟というものは、まああすこでやろうということで強い要望があったわけです。したがいまして、これをけるわけにもいかぬわけです。そこらを考慮して、漕艇場は戸田を使うという——多年の沿革ということは別にいたしましても、そういったようないきさつになっておるわけでございまして、ただいま小平長官からおっしゃったように、これを変えるということは、もうすでに予算も一応九千万円ついておりますから、変えることはできない。ただそこでお願いは、当初われわれが研究した結果の経費ですね、れれについては陸地、陸上の整備という問題の予算が零になったことは、これはどうも片ちんばで、ほとんど私は形態をなさぬところでその後、予算決定後も各方面にこの点を強く申し上げ、建設大臣にも申し上げ、小平長官その他各方面にこのことを申し上げておりまするが、まだその現場においてどの程度にするのかということの具体案の一致がなかったという状態であります。したがいまして、この問題はまたさらに財務当局の御理解を得ないとならぬ問題で、そういったようないろいろと下工作というものが、内輪の相談というものができ上ったところで、組織委員会としては正式にどの程度でやろうかということを決定したいと思います。そういうふうな段取りでございますが、大体これで御趣旨に沿うかと思います。
  43. 鶴海良一郎

    説明員鶴海良一郎君) 首都高速道路一号線の埋め立ての問題につきまして、一号線ば羽田から都心に至る線ででございますが、羽田を出ましてからしばらくの間、現在海である所でございます。その個所は都の埋め立て計画に入っております場所でありまして、埋め立てに伴います漁業補償の交渉を都にお願いいたしまして、都でやっておるわけでございます。羽田を出ました所が、ちょうど航空機の発着する場所に近いものでございますから、その個所を橋梁で渡るわけにはいきませんで、隧道でやらなければならぬ、そういうことになっております。隧道でありますと非常に工期がかかりますので、オリンピックに間に合わすということから逆算いたしますと、でき得べくんばことしの三月中には工事の発注をいたしたいというふうに考えております。ことしの三月に工事を発注いたしますためには、去年の十二月までには工事の設計に必要なボーリングをいたさなければならぬ。ところが補償問題がなかなか進転いたしませんで、ポーリングが間に合うか間に合わぬか心配いたしておったのであります。都の努力によりまして、幸いボーリングだけはよろしかろうということで、ボーリングが終わりまして、設計の用意ができることになったわけでございます。その後、都におきまして地元と交渉を続けていただいております。話もだんだん進んで参っておるのでございますが、まだ最終的な妥結には至っておりません。われわれとしましては三月中には妥結願えるように都にもお願いいたしておりますし、また都もそのつもりで努力いたしております。今の段階では都の努力に期待いたしておるような次第でございます。
  44. 千田正

    ○千田正君 僕は時間がないから簡単に質問いたします。さっきから伺っておるというと、議員のほうは大いに金を出してやれと——さっぱり燃え上がらぬじゃないか。これは総務長官からお伺いしますが、文部次官もよく知りておるのだ。われわれ学生時代のスポーツというものは、金が足りないときは自分でローラーを引いたり何かしてやったことがあるのだが、そういう燃え上がる力がないというと、金を出せないのじゃないか。東京都の高等学校、あるいは大学の運動部の選手なり何なりが、みんなで一生懸命地ならしぐらいするくらいの気魄を持たなければ、オリンピックなんて持ってきたって意味ないですよ。そういうようなことも一体精神作興の意味からやっておるかどうか。もう一つはどうしても金ができなかったら自衛隊をお出しなさいよ。鉄砲撃ちの練習するばかりが能じゃないのだから、地ならしぐらい自衛隊の費用ででもやれるはずです。そのくらいの画期的な日本の新しい建設の途上にあるという意味も加味して、国民作興という意味からいえば、そのくらいのことをやるくらい、国民の気持をそういうふうに持っていくくらいのあれをやらなければ、これはどうも大蔵省を幾らたたいても金が出ない。出なければおれたちやろうじゃないかぐらいの気魄を青年諸君に待たせるだけの考えをお待ちかどらか、その辺お聞きしたい。
  45. 小平久雄

    政府委員(小平久雄君) ただいま先生のお話、まことにごもっともだと思うわけであります。ただ現在の段階オリンピック関係の必要な最小限度の施設というものを、これはどうしても必要なものでありますからして、その施設を国が負担すべきものは国が出すし、その他東京なり各府県の協力を得て、一般の民間の協力を得て最小限の、とにかく財源措置を講ずると、もっぱらただいまのところ、そういう努力をして参ったわけでございます。根本的な気持といたしましては、お示しのとおり、特に若い諸君の自発的な協力といいますか、そういうものがぜひ必要であると、かように考えておりますが、この点につきましても、何と申しましてもオリンピックの精神と申しますか、こういうものがあまねく徹底をし、オリンピックの意義というものがやはりよく理解される必要があるだろうと存じます。そういう点につきましても今後十分あらゆる角度から配慮をいたして参りたい。実は社会教育と申しますか、あるいは学校教育等の直接教育に関する問題は、文部省の関係でありますから、文部省としても十分考えてくれておるようでありますが、私のところの総理府関係としては、実は御存じのとおり新生活協会等もございます。そこで、新生活協会の役員会等にも私も臨みまして、とにかく間近にオリンピックというものを控えておるのであるからして、この運動の重点の一つとして、特に本年度あるいは明年度あたりにかけては、この問題についての一般国民に対する啓蒙——あるいは啓蒙というよりも、むしろ実践活動として、先ほどもお話がございましたが、特に関係の深い地域等に重点を置きながら、いわゆる国土の美化と申しますか、環境の美化、こういうものもぜひひとつ重点的にやってほしい、こういうことを実は申しておるようなわけであります。そういうことが逐次浸透いたしますならば、若い諸君がみずから立ち上がってくれるというようなこともあるいは期待できるのじゃないかと思っておるのであります。  自衛隊の関係につきましては、私直接所管では、ございませんが、自衛隊自体も、これは競技その他では十分協力をされるという心がまえでやってくれておるように私も承知いたしております。施説その他に関係いたしましても、今後どうしても必要だというようなことになりますならば、もちろん防衛庁長官などとも打ち合わせをいたしまして、善処いたして参りたいと思っております。
  46. 千田正

    ○千田正君 小平長官に僕がなぜそういうとっぴなことを言うかといいますと、十円の寄金さえも十分集まらない、切手を出しても買うものがない。私は共産主義をほめるわけでも何でもないんですよ。中共の北京の広場に行ってみても、北京の中共の国会議事堂をやるにしても、周恩来なり毛沢東が陣頭に立って、自分がモッコをかついで、そうしてセメントをかつぎ、あるいはれんがをかついで、一つ一つ自分らの国のものなんだという考えを植え付けて、そうして三カ月でああいうものができる。私は何も共産主義をほめるというわけじゃないんですよ。私は日本の総理大臣なり東京知事が、ほんとうに日本オリンピックを持ってきて、そうして日本の国威を発揚しながら将来のスポーツ作興のために資するということならば、総理大臣かみずから陣頭指揮に立つくらいの考えでなければ、この問題は大成しませんよ。そういう意味で私は申し上げておるのであって、予算が足りないというならば、そのくらいの意気込みでなければ予算が出ない。総理大臣がみずから立って、テニスコートでもいいし、市民プールの水洗いでもけっこうだ。それくらいの身を挺してやるくらいのことを国民に示さない限りは、今のように埼玉県がこんなに足りない、やれどこが足りない、言いかえれば土木工事の請負さんのふところに半分くらいとられることでしょうが、それならば、僕はむしろ自衛隊を使って地ならしくらいしたほうがいいじゃないかと、こう言うのです。国をあげての考え方であれば、それくらいの意気を持たなければ私はほんとうに間に合うような工事もできなければ、間に合うような準備もできないのじゃないか。そういう意味ですから、きょうは総理大臣もおらぬから、総理大臣に質問するときに申し上げたい。それくらいの意気込みでなければ、十円募金をしようが切手を売ろうがなかなかそういうものが集まってこない。政府の首脳、総理自体がみずから飛び込んでやるくらいの意気を持ってやっていただきたい。  それから文部省のほうは、そういう意味で、われわれ学生時代は、スポーツをやるにしても、自分らは選手じゃないけれども、ローラーを引きあるいは草をむしって、そうして自分らの運動場を作り、自分らの学校の選手を出してやった。それくらいの意気込みでなければりっぱな運動場ができませんよ。そういうような方面においてはどういうように指導しておるか、伺っておきたいと思います。
  47. 長谷川峻

    政府委員(長谷川峻君) オリンピックは、まさに先生方からお話のあったように国民的な元気の見せ場所でもあるし、また千田先生から国民精神作興のいい場所でないかというお話ですが、やはり国会の場を通じてそういう御意見が出ますことは、文部省としては非常にうれしいことなのであります。何さまわれわれ自分で選手時代を思いますと、テニス・コートの土を自分でこねてみたり、ローラーを引いたりしたんですが、何と申しましても、最近どこの大会に行っても選手の根性が足りないために、せっかくある実力が出せないのじゃないかという御心配がままありましたし、そうしたことからして、やはりこういう世界的大会のときに、日本の青少年の国際的に出て行く迫力、これを作らせることが何より——といって、従来ば文部省が直接手がけるわけにいきませんから、先ほど御説明いたしましたように、選手強化という線を通じて体協のほうにお願いをいたし、また古い選手の例を見ましてもそうですが、たとえば織田さんにしろ南部さんにしろ高石さんにしろ、ああいう世界的選手は、当時は語学がそう思わしくない。世界的なコーチャーが日本に来たわけじゃない。たった一人でパリにあるいはベルリンに、そういうところに行って人の試合を見て、自分が負けたあとでも人の試合を見て、そうして世界の文献などを集めてこつこつやって、二回も優勝するという苦闘が行なわれたわけです。私はただ今度のオリンピックの場合には、そういうふうな、やはり自分が一生懸命やるという選手精神、それを今度の場合にはちょうど選手強化という問題がありますから、これによって世界の選手を集めてコーチをしてもらうとか、あるいはこれは筋肉を作ってもらうとか、せんだってパリへ日本柔道の優秀な選手が三人行って、へーシングに三人とも負けてくる。その技術は強かったかもしれませんが、そこら辺何か足りなかったたところがあったのじゃないか。そういう問題をこのオリンピックを通じて解決もし、向上もしていきたい。そういうことに対して、こういう総合的な超党派的な委員会において、ほんとうに真剣な御議論が出て、これが日本の青少年に与える影響、その中からすばらしい、私は世界の中において一等を取る、そういう技術とそういう精神を持つ青年がたくさん出るというふうなことを期待し、また最近はそれらのことがいささか反映したんでしょう。だんだん話を聞いてみると、選手強化の中に参加する諸君もやや今のような空気が今上り坂に向かいつつある。これは水泳においても、あるいは陸上競技においても最近向上しつつある。それに合わせて今千田先生がおっしゃったような選手精神、これを一つ選手だけじゃなくて、ほかの方々にも植え付けてもらいたい。そういうアドバイスがこの国会を通じて出されたということは、非常に私はしあわせであり、ありがたいことだとこう思って、私はせっかくスポーツで鍛えたことでありますから、従来国会において、スポーツ振興法はこれは超党派的に昨年オリンピックを目ざして国会議員が超党派でこのスポーツ振興法を作って、その地ならしをしてきたもので、またそういう関係からいたしますれば、文部省という所管でありますけれども、これは予算を取るのには、その設備のためにはあれだけ頑強な大蔵省を相手にし、皆さん方の御支援をいただきましたが、ようやく設備だけはとにかく御報告できるように今のところ間に合わせてきた。今から先も絶大な御支援をお願いして有終の美を飾るように、あと二年半でございますから、徹底的に御支援をいただきたいと、こう思う次第でございます。ありがとうございました。
  48. 森中守義

    委員長森中守義君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕
  49. 森中守義

    委員長森中守義君) 速記を起こして下さい。  他の御質問は、次会に譲ることにいたしまして、本日はこれにて散会いたします。    午後四時四十分散会