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1962-02-02 第40回国会 参議院 オリンピック準備促進特別委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十七年二月二日(金曜日)    午前十時二十九分開会   ——————————   委員異動 一月二十九日委員矢嶋三義君及び荒木 正三郎君辞任につき、その補欠として 内村清次君及び千葉千代世君を議長に おいて指名した。   ——————————  出席者は左の通り。    委員長     森中 守義君    理 事            剱木 亨弘君            重盛 壽治君            永末 英一君    委 員            植竹 春彦君            北畠 教真君            小柳 牧衞君            新谷寅三郎君            鈴木 万平君            野本 品吉君            内村 清次君            千葉千代世君            千田  正君   国務大臣    建 設 大 臣 中村 梅吉君   政府委員    内閣官房内閣審    議室長内閣総    理大臣官房審議    室長      江守堅太郎君    総理府総務長官 小平 久雄君    総理府総務副長    官       佐藤 朝生君    文部政務次官  長谷川 峻君    文部省体育局長 前田 充明君    建設省都市局長 前田 光嘉君   事務局側    常任委員会専門    員       福永與一郎君    常任委員会専門    員       工楽 英司君    常任委員会専門    員       古谷 善亮君    常任委員会専門    員       武井  篤君   参考人    東京都副知事  鈴木 俊一君    オリンピック東    京大会組織委員    会副会長    竹田 恒徳君    オリンピック東    京大会組織委員    会事務総長   田畑 政治君    東京オリンピッ    ク資金財団理事    長       靱   勉君   ——————————   本日の会議に付した案件 ○参考人出席要求に関する件 ○オリンピック東京大会準備促進に関  する調査   ——————————
  2. 森中守義

    委員長森中守義君) これよりオリンピック準備促進特別委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。去る一月二十九日、矢嶋三義君及び荒木正三郎君が委員を辞任せられ、その補欠として内村清次君及び千葉千代世君が選任せられました。   ——————————
  3. 森中守義

    委員長森中守義君) オリンピック東京大会準備促進に関する調査を議題といたします。  この際、参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。先ほどの理事会協議いたしました結果、東京都及びオリンピック東京大会組織委員会並び東京オリンピック資金財団は、本委員会審議を進める上におきまして、きわめて密接な関係にありまして、参考人として御出席をお願いすることが多いことと思われますので、今後本委員会審議のため必要の際は、右関係者参考人として出席を求めることとし、その人選及び手続等につきましては、委員長及び理事に御一任願うことに意見が一致いたしました。  右理事会の申し合わせのとおり決定することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 森中守義

    委員長森中守義君) 御異議ないと認めます。つきましては、そのように決定いたします。    ——————————
  5. 森中守義

    委員長森中守義君) なお、本日は参考人として東京都副知事鈴木俊一君、オリンピック東京大会組織委員会会長竹田恒徳君、同事務総長田畑政治君及び東京オリンピック資金財団理事長靱勉君に御出席を願っております。  本日は、オリンピック東京大会準備に関する調査につきまして、この特別委員会設置されましてから初めてでございますので、まず政府東京都、オリンピック東京大会組織委員会及び東京オリンピック資金財団関係者から、それぞれ従来からの経緯並びに現在の準備状況問題点、さらに今後の計画等につきまして、順次概括的な説明を伺うことといたしたいと存じます。  それでは、総務長官及び大臣の都合で順序が変わりますが、便宜東京都副知事鈴木俊一君から御説明を願います。
  6. 鈴木俊一

    参考人鈴木俊一君) ただいまの委員長の御指示に従いまして、東京都が今日までオリンピック準備に関しまして、処理いたして参りました概略を御説明申し上げたいと存じます。ただし全体の準備状況等につきましては、組織委員会のほうから御説明が当然ありますことと存じますので、重複を避けまして、直接東京都の関係いたしておりますることに限定をして申し上げたいと存じます。  申し上げます概要は、お手元に「オリンピック東京大会準備事業概況」、東京オリンピック準備局という印刷物がございます。これで申し上げたいと存じます。  最初前書き等は省略いたしまして、第二ページ以降に実際の経過がございますので、それから申し上げたいと存じます。二ページ東京都の準備経過及びその機構というのがございます。これは東京都といたしましては、三十四年以来具体的に文部省、体協及び東京都の間で三者連絡協議会というものを設けまして、組織委員会ができますまでの間、いろいろ準備に関しまして協議をいたしたのでございますが、これが招致決定をいたしましてから、具体的に東京都としてこの問題に取り組みました一番最初でございます。その後東京都といたしましては、理事者側機構といたしまして、東京オリンピック準備事務局というのを昭和三十四年十月十日に発足いたさせまして、これが東京都に関するオリンピック準備のすべての問題の総括をいたすということにいたしたのであります。なおこれに関連をいたしまして、議会側におきましては、東京都議会オリンピック東京大会準備協議会というのを都議会全員構成をいたしまして、さらに実行委員会というのをその中から選びまして、このオリンピック東京大会準備協議会実行委員会議会側の実際のオリンピック促進機構として同じく十月七日に発足をいたしたのであります。との二つ機構が都としての基本的な組織でございます。この準備経過の二ページの点については以上のことを大体申し上げておきますが、その次に三ページ機構がございます。これは今申し上げたことを表にいたしたのでございます。なおこの中でさらに付言をいたしたいのは、東京都が担当いたしますオリンピックに関する問題は、オリンピックに直接必要な各種競技施設を、国なりあるいは都なりでいかに分担するかという全体の問題は、これは組織委員会で最終的にきめられました線に従って、国におきましても都におきましても、これを実施しようということでございますが、都といたしましては、そういう直接競技に関する施設も担当いたしますけれども、主たる問題は、やはりオリンピックの行なわれます東京都の町作りと申しますか、国際近代都市として恥ずかしくないものにこれを作り上げていく、交通問題、下水、清掃環境衛生等に関しまして、ほんとうの都市作りオリンピック招致までの間に極力完成していく、これが最大の任務と私ども考えておるわけでございまして、そういう任務を達成するに適当なる機構をどういうふうにするかということが、機構上は一番重要な問題であると考えるわけでございます。そういう角度からいたしまして、ここにオリンピック準備関連して都政上の主要な機構を並べてございます。特にオリンピックのために作りました事業実施上の機関といたしましては、オリンピック準備局がございますが、その下に実際のあとから申し上げます駒沢公園明治公園等オリンピック施設建設いたしますためのオリンピック施設建設事務所というのを作りました。それから道路交通問題が一番基本的な問題でございますが、それを実施いたしますための特定街路建設事務所というのを四つ作りまして、それぞれ分担をきめまして緊急の道路拡幅、あるいは立体化等工事に当たらせておるのでございます。  次に四ページに、オリンピック東京大会組織委員会に対する協力というのが2としてございます。これは東京都といたしましては組織委員知事、副知事都議会関係議長、それからその他の議員が三名選任されておりまして、組織委員会の中におきましても、いろいろとこれを協力申し上げておるわけでございます。なお、組織委員会経費に対しましては、国と都が同額ずつ毎年組織委員会に対して補助をすると、こういう建前になっておりまして、ここに表がございますように、三十四年以来ずっと国と同額補助をいたしておりまして、来年度が一億一千九百万円補助をいたす予定に相なっております。  それから3として、オリンピック開催重要施設整備でございます。第一に競技場及び周辺整備、都が担当いたします競技場整備が以下に書いてあります。A、明治公園建設整備、これは国立競技場整備は国が担当せられるわけでございますが、都といたしましてはあの辺一帯広場とか駐車場整備オリンピック・パークとしての整備をいたしますとともに、都の作っております東京体育館、またその隣にございます屋内プール、これらの改修をいたします。また現在ありますサブトラックの改造、立体駐車場の新設、それから国立競技場サブトラックを結びます連絡の橋梁を建設するというような事業を担当することになっておりまして、その事業費は、その下にございますように総額二十五億六千九百万、三十八年度末までに完成することを目途といたしておりまして、これも用地の取得につきまして、従来若干の困難がございましたが、これもだんだん解決して参りまして、三十八年度末までには予定どおりこれらの事業完成をする予定であります。事業費二十五億六千九百万ということであります。  それから次のページに参りまして、B、駒沢公園建設整備、これは実は東京都が一番力を入れておりまする直接競技関係する施設であります。オリンピックの第二会場に駒沢公園がなるわけでございまして、ここはサッカー、ホッケーバレーレスリング等に使用されるわけであります。ここで取り行なわれます事業等概略につきましては、図面のBというのがございますが、一番終わりのページ駒沢公園基本計画図というのがございます。陸上競技場、それから三百メートルのサブトラック球技場ホッケー場バレーコートバレーサブコート中央広場体育館、その他駐車場というようなものでございまして、これらに要しまする総体の経費は、五ページのほうにございますように三十五年、・三十六年、三十七年、三十八年、合計四十四億三千九百万円であります。これは三十八年の九月までに完成することを目途にいたしておりまして、昨年の九月にここは実際の起工式を行なっております。  次にCのその他の競技場整備であります。これは、小石川の運動場で蹴球が行なわれることになっておりますので、これはあの中の改修をいたし、周辺をさらに整備をする予定でございます。また八王子の自転車ロードレース関係につきましては、レースに使います道路改修整備を必要とすることになっておりまして、これらもそれぞれ計画を立てて実施をいたしておる次第であります。  六ページ街路整備事業というのがございます。これは後ほど建設省から全体の道路街路整備状況を御説明になるようでございますから、そちらのほうに譲ってけっこうでございますが、この六ページの一番下のところに計という欄がございますが、延長の欄の一番下に七万百十七メートル、すなわち七十キロメートルの道路を作ることを必要とするわけであります。その総事業費は、七百五十七億二千九百万円ということになっております。この主たるものは、一番上の環状七号線と放射四号線、この二つでございます。環状七号線が二十一キロ、放射四号線が八キロ、完成年度は三十八年度、総事業費環状七号が二百九億、放射四号が百七十九億、この二つで大半の事業を占めるわけでございまして、都といたしましては、これに一昨年から全力を集中してやっきております。最近におきましては非常に用地買収状況が迅速に進捗して参りまして、これは経済上の影響もあろうかと思いますが、四つの特定道路建設事務所を作りまして、これらの係員約千名がそれぞれ分担をいたしまして、鋭意競争的に努力をして参りました実がだんだんと結んできたものと私ども考えておるのでございまして、進捗状況につきましては、後刻建設省から御説明になるのにまかせたいと存じますが、非常に私どもはこれは進んできておるというふうに考えております。  次の七ページでありますが、これは高速道路関連街路高速道路首都高速道路公団で御担当になってやっておるわけでありますが、それに関連をして設けます街路、これは都の財政負担において実施をいたし、実際上は首都高速道路公団に委託をしてやってもらっておるのであります。これが延長にいたしまして二十二キロ、総事業費にして二百九十一億円であります。これらは公団の事業整備と並行して行なわれておるわけであります。これにつきましても、建設省からあわせて全体の進捗状況の御説明があると存じます。  4の都市環境整備及び改善、ここに下水道が第一に書いてございますが、都といたしましては環状六号線の内側、山手線の大体内側と申しますか、そういう地区につきましては、オリンピックの年までに全部下水道整備したい。全体として東京はまだ面積上二〇%程度しか普及いたしておりませんが、このときまでには四〇%程度ぐらいに持っていきたい、四十八年度には一〇〇%下水道整備完成したいと考えております。  それから環境衛生改善、これは衛生関係環境衛生改善でございます。ここに書いてあるとおりでございます。  それから(3)の清掃施設整備及び清掃の強化、ごみあるいは屎尿の処理ということがいつも都民方々の苦情の中心でございまして、これの整備に鋭意努力中でございます。  河川浄化というのがその次にございますが、これは河川の浚渫あるいは河川上に浮いております各種の捨てられたごみの整理、あるいは河川の河岸にごみを持ってきて捨ててほってあるというようなものの整備、そういうようなことが非常に必要でございます。  それからその次にその他の整備というのがございますが、都市公害対策として隅田川の汚染、煤煙防止騒音防止対策を行ない、都市美化対策として広告物の規制を行なうというのがございます。  これらの環境衛生改善清掃施設関係河川浄化関係、その他の関係、これはいずれも、いわば都市浄化あるいは都市美化と申すべき事業でございまして、三十七年度から私どもといたしましては、やはり都が各種施設を持って都市美化浄化をはかるべきものはこれは当然やって参りますが、同時にごみを捨てますとか、あるいはそこらをよごすというようなことがないように、そういう公徳心と申しますか、都民の側の御協力を願わなければいかぬという意味で、都市美化対策あるいは愛都運動というような形におきまして、広く都民方々に呼びかけて、都市浄化美化をひとつ徹底して参りたいと考えております。  八ページに参りまして、東京オリンピック来客受け入れ対策、これは都といたしましては、日本観光協会、運輸省とはもちろんのこと協力いたしまして、オリンピック来客受け入れにつきましていろいろと協力をいたしたいと考えております。  宿泊対策といたしまして、大体三万人の宿泊能力確保するために、都としては大体一万四千六百人分ぐらい現状の能力から申せば不足するということでございまして、都営住宅の一時転用でありますとか、一般家庭協力による宿舎の確保でありますとか、あるいはユース・ホステルを作りまして、これに協力をして参りたいと存じますが、なお日本旅館を外人の使用できますように改造するための金融の確保につきましても、都としましては今後十分努力して参りたいというふうに考えておるわけであります。  なお観光客に対します接遇方法といたしまして、都は明治公園駒沢公園等に臨時の観光案内施設を設けたい。また道路等につきましても、観光客に不便なからしめまするように、道路案内標識設置通称道路名等も設定したいということで、鋭意準備を進めております。  なお広報宣伝につきましては、そこにございますように、あらゆる方法を考えまして、これを実施いたしておる次第でございます。  九ページに参りまして、交通警備消防査察等の問題がございますが、これは特に御説明を加えることはないと存じますが、その中でただ一つ街路防犯灯設置ということがございますが、都としましては、街路防犯灯につきましては、三十六年から六カ年計画をもちまして、全都に街路防犯灯整備を完了したい。これには都自身が全部これを処理することは困難でございまして、各区の協力を得まして、区に十分やってもらいたい、かように今考えておる次第でございます。  大体書類に基きまして概略の御説明を申し上げたわけでございます。これをもちまして説明を終わります。
  7. 森中守義

    委員長森中守義君) 御質問はございませんか。——それでは小平総務長官がお見えになりましたので、政府関係全般の問題につきまして総務長官から御説明を願います。
  8. 小平久雄

    政府委員小平久雄君) それでは、オリンピック東京大会に対処いたします政府施策概要につきまして御説明を申し上げたいと存じます。東京都側の御説明とあるいは若干重複する点もあるかと存じますが、お許しをいただきたいと思います。また予算関係等の詳細につきましては、後ほど審議室長あるいは建設省等から御説明をさせるようにいたしたいと存じます。  まず第一に準備体制整備でございますが、このオリンピック大会東京で持つ、こういうことになりましたにつきまして、政府といたしましては、オリンピック東京大会準備対策協議会というものを三十五年の十月十八日の閣議決定総理府設置をいたしました。総理府総務長官会長となり、総務長官及び関係省庁次官十五名……。
  9. 森中守義

    委員長森中守義君) 総務長官ちょっと御説明中ですが、刷りものがありますか。
  10. 小平久雄

    政府委員小平久雄君) 刷りものは予算関係から工事の今後の予定等、そういうものはお配りしてあるようですが、実は全般概要を御説明申し上げたいと思いますので、この点につきましては刷りものは多分お配りいたしてないと思いますが……。
  11. 森中守義

    委員長森中守義君) それでは続けて下さい。
  12. 内村清次

    内村清次君 刷りものをひとつ出して下さい。
  13. 小平久雄

    政府委員小平久雄君) 予算関係は……。
  14. 内村清次

    内村清次君 予算関係は当然のことでございますけれども、今までの政府としての準備関係のものを……。
  15. 小平久雄

    政府委員小平久雄君) 後ほどまとめて提出することにいたします。  会長委員、それから幹事につきましては各省庁官房長局長等がこれに当たっております。そとで、この準備対策協議会といたしましては、必要に応じ時々会議をもちまして、そのときそのときに問題になりました事項の調整やら、あるいはさらに将来にわたっての事項につきまして今日まで処理をいたして参っておるわけであります。なお特に申し上げたい点は、この大会は申すまでもなく組織委員会あるいは東京都との関係が非常に多いという関係におきまして、組織委員会あるいは東京都のそれぞれの立場の方にこの対策協議会にも随時御参加をいただいて、緊密な連携をとっておるわけであります。  なおオリンピック組織委員会それ自体の構成に対しましても、政府側から組織委員といたしまして総務長官文部大臣がこれに参加をいたしております。それから個人の資格ではありますが、現在では建設大臣自治大臣あるいは労働大臣組織委員として参加をいたしております。さらにまた組織委員会付属機関でありますところの総務委員会あるいはその他の特別委員会等に対しましても、関係当局次官局長あるいは課長等がそれぞれ参加をいたして、これまた緊密に連絡をとり得る体制をしいておるわけでございます。さらにまた事務段階処理いたしかねる問題も、間々生じますので、これに備えましてオリンピック関係閣僚懇談会を設けてございまして、これには文部、外務、大蔵、建設労働自治防衛等の各大臣及び総務長官参加をいたしておるわけであります。昨秋非常に問題になりました選手村の決定等につきましても、この閣僚懇談会運営によりまして解決を見たわけでございます。なお、文部省には特にオリンピック準備室というものが設けてございます。これはまあ文部省から御説明があると思いますが、文部省関係のお仕事に当たっておられるわけであります。  第二に、競技施設整備関係でございますが、競技施設のうち、国で全面的に責任を持って整備に当たっておりますものは、国立競技場国立屋内総合競技場国立戸田漕艇場及び朝霞ライフル射撃場、これらが国で直接責任を持って施設準備に当たっておるわけであります。しこうして、これらの施設整備に要する経費につきましては、三十七年度の予算におきましても十分これを考慮いたしておるところでございます。なお、国で直接整備するものではございませんが、東京都あるいは神奈川県、埼玉県、組織委員会その他が整備責任を持つことになっておりますものにつきましても、国として十分協力的に配慮をいたして参りたいと考えておるのでございます。  第三に、組織委員会に対する援助、あるいは競技技術向上助成の問題でございますが、オリンピック東京大会組織委員会は、大会企画実施の直接の責任団体であることは御承知のとおりでございます。しこうして、この組織委員会は、昭和三十四年九月に任意団体として発足をいたしたのでございますが、昨三十六年の七月一日付をもちまして財団法人として認可をされました。さらに、組織委員会構成政府協力をいたしておりますことは、先ほど申し上げたとおりでございますが、その運営費につきましても、国は毎年三分の一相当額補助金を交付をいたしておるわけでございます。  なお、競技技術向上につきましては、オリンピック大会におきまして、わが国の選手が優秀な成績をおさめるように、またそのことがオリンピックに対する国民の希望でもございますので、政府といたしましてもこの面にできるだけのやはり協力をいたして参りたいと考えておるのでございます。  なお、さきの三十八回国会で成立をいたしましたオリンピック東京大会準備等のために必要な特別措置に関する法律、これによりまして、組織委員会事業選手競技技術向上のための国の援助等を積極的に規定をいたし、また実施いたして参っておるわけでございます。  さらにここで一言つけ加えて申し上げたいと存じますことは、東京大会で真にこれを成功させますためには、全国民の理解と支持というものが必要でありますので、政府といたしましては国民一般、なかんずく青少年にオリンピックの精神、これの普及高揚をはかるなど、また新生活運動協会等民間団体とも協力をいたしまして、国民啓発運動に積極的に今後力をいたして参りたい、かように考えておるわけでございます。  第四に、選手村の件でございますが、この件につきましては、当初御承知のとおり、埼玉県の朝霞のキャンプ・ドレークを予定いたしておったわけでございますが、諸般の事情から昨年の十月代々木のワシントンハイツにこれを変更することに決定を見ました。このワシントンハイツは、約二十八万坪ほどあるわけでございますが、これと大体同規模の施設調布水耕農園建設いたしまして、そこに米軍家族を全部移転させるということに、すでに決定を見たわけでございます。現在のところ、代替施設建設細部等につきまして、日米双方で検討をいたしているのでございますが、これには日本側経費は約百億円ほどかかる見込みでございます。なお、米軍家族調布への移転後のこの残存の施設は、そのほとんど全部を、これを選手村として利用をそのままいたす予定でございます。もちろん、若干足らない点は、これは施設を要しますが、それらもできるだけ仮設のものにいたしまして、現在あるものをなるべく最大限に利用する、こういう方針で臨んでいるのでございます。なお、念のために申し上げますと、オリンピック大会が終わりました後におきましては、これらの代々木にあります施設を大部分撤去いたしまして、これを東京都の森林公園にするという方針を、すでに閣議においても決定をみているわけでございます。  なお、移転につきましては、先ほど申しましたとおり、二十八万坪ほどあります代々木の現在の敷地のうち、約三万坪のところを屋内総合体育館に使用する、こういうことでございますので、そこにあります、多分百九十何戸かと思いましたが、その家屋につきましても、本年の九月までに、その代替施設調布のほうに作りまして、十一月までには移転を完了する。なお、残余の分につきましては、明年のやはり九月末までに、代替施設を完了しまして、十一月までには米軍家族が全部調布のほうに移る、そういう予定で目下着々準備を進めているところでございます。  第五に、関連の公共施設等の整備でございますが、オリンピック大会を成功させますためには、関連の公共施設、これを十分整えなければならない、非常に大きな問題でございます。これにはもちろん地方公共団体等が責任をもってやらなければならない問題もございまするが、それらにつきましても、十分政府といたしましても協力をいたして参りたいと考えているのであります。これらにはいうまでもなく、また道路街路等の整備、こういうものが一番重要でございまするが、いわゆるオリンピック道路といわれますところの約二十数路線の整備が、ぜひとも完成をしなければなりませんが、これらはただいまのととろ、計画どおり大体順調に進んでおりまして、昭和三十七年度末には道路街路で大体六〇%程度、首都高速道路では四七%程度完成をするという見込みでございます。  次に、下水道清掃施設整備につきましても、外客を迎える立場上、極力万全の措置を講じて参りたいと考えております。さらには輸送あるいは宿泊施設整備、あるいは外客の接遇、観光対策、これらにつきましても、それぞれできるだけの対策を万全に進めて参りたい、かように考えているのでございます。  最後に、第六番目といたしまして、昭和三十七年度の予算につきまして申し上げたいと存じます。昭和三十七年度は、オリンピック準備の事務が最高潮に達します年と考えられます。したがって、政府といたしましても、組織委員会あるいは東京都その他の関係機関、団体と十分に協力して、準備に万全を期したい所存でございます。昭和三十七年度の予算案におきましては、国費の支出の総額は約三百四十億程度に上がっております。これは三十六年度の百七十億円に対しまして、約二倍に相当しているのでございます。なお直接の国庫支出のほかに、財政融資あるいは起債の面でも、相当考慮を払っているわけでございます。  大体以上が、今までに政府といたしましてオリンピック東京大会のためにとって参りました施策の概要でございますが、冒頭申し上げましたとおり、予算等の詳細につきましては、審議室長から説明いたさせたいと思います。なお御質問に応じてお答えを申し上げたいと存じます。
  16. 森中守義

    委員長森中守義君) 総務長官説明に対して御質問がありましたら……。
  17. 千田正

    ○千田正君 総務長官から御説明いただいたのですが、われわれはオリンピック招致に対して非常に賛意を表しているのですが、この主催の中核体は何かということなんです。組織委員会が主体になって、東京都において開催する。それに対して国は協力するというふうに私ども承知しているのですが、国民の大部分はそういうふうに承知しているかどうか、非常に疑問な点がある。ということは、先般来東京都において、競技場をいずこにするかというような問題のときは、どうも政府側は少し冷淡なようなわれわれは感じがした。そこで、一体主催の中核は何かということ、国は一体どれだけの責任をもってこれに対して協力するのかということと、東京都と国との関係、この点について明確にひとつお話を願っておけば、今後の審議の上に非常に参考になると思いますので、一応明確な線をお話し願いたいと思います。
  18. 小平久雄

    政府委員小平久雄君) ただいま先生から御指摘のございましたとおり、この東京大会を開催する主体というものは、東京オリンピック組織委員会ですか、これがあくまでも主体と私ども承知をいたしております。ただ、これが開催につきましては、申すまでもなく、政府といたしましても、この招致自体に当時協力を誓い、正式にそれを文書でも表しているようでございます。したがって、またこれも相当の経費を要すること、これまた申し上げるまでもないところであります。そういう点、あるいはまたオリンピックの持つ意義と申しますか、そういう点から考えましても、国としてこれに全面的に協力を申し上げるということは当然だと私どもも考えております。そういう立場から、先ほど来申しましたごとく、あるいは組織の上で、あるいは財政的な面で、政府としても極力協力を今日までもいたして参りましたし、もちろん今後も続けて参る所存でございます。  さらに、この都との関係でごさいますが、東京都がいわゆるオリンピック招致都市と申しますか、そういう立場であったことは、これも私ども承知をいたしておりますが、しかし、先ほど申しましたとおり、開催の主体というのは組織委員会に移っているものと思います。ただ、東京都は招致したという立場からいたしまして、またこれに十分協力を現にされておるようでありますし、私どもとしましても、準備のためにいろいろのことがありますが、その間おのずから組織委員会がやるべきこと、あるいは都がやるべきこと、国がやるべきこと、あるいは体育協会等が行なうべきこと、そういうことに大体それぞれの根拠に従いまして区別ができているようでございますから、それらについて、それらの立場からできるだけの努力をするのは当然のこと、またこれらの諸団体が緊密な連携をどうしてもとる必要がございますし、そういう点でさっき申しましたとおり、政府に置かれますところの対策協議会にも組織委員会あるいは東京都のほうにも御協力願って、現実に即しながらこの解決を現にはかっておる、こういう実情に相なっておるのでございます。
  19. 野本品吉

    ○野本品吉君 関連して。私は今の点で、やっぱりオリンピックという大きな仕事を円滑に推進するためには、一番大事な問題は東京都と政府の問題だと思うのです。そこでお伺いしたいのは、金の面で主として東京都とそれから国との負担、分担といいますか、そういうふうな点について、すでに話し合いがついているのか、どういう状態になっているか。それから、同時にオリンピックのために必要ないろいろの事業の面で、どの事業とどの事業をこちらでやり、どの事業とどの事業はそちらでやるという話し合いはついているか。その点を東京都と政府側と両方おられますから一応伺っておきたい。
  20. 小平久雄

    政府委員小平久雄君) お尋ねの点でございますが、第一点として資金の分担と申しますか、そういう関係と存じますが、それにつきましてもこれは国はどの分を—— 先ほで申しました国の責任で、国の仕事としてたとえば競技施設をどの分だけやる、東京都はどういう運動施設競技施設準備する、そういうことがすでに決定をされておるわけであります。もちろん、公共施設等につきましては、たとえば東京都の道路に対しては国がどういう援助をするということは一般にきまっておるところに準じてやっておるわけでございますが、この資金の点では、御承知のとおり国あるいは東京都なりあるいは神奈川、埼玉といったそれぞれの自治体のほかに、オリンピック資金財団ができておりまして、これが一般の募金その他によりましてオリンピック所要の財源を調達するということに相なって、現に活躍いたしておるわけであります。それから競技その他のことも今ちょっと触れましたが、先ほど御説明申し上げましたとおり、たとえば主競技場であるとか、あるいは総合体育館であるとか、競艇場、それからライフル射撃場であるとか、これは国がやる、その他の球技その他では東京都のほうが施設をするというようなことで、それぞれもうすでに決定を見ているわけであります。
  21. 鈴木俊一

    参考人鈴木俊一君) ただいまのお尋ねの点につきましては、総務長官からお答えがありましたとおりであります。一切の競技施設について、都と国が分担をいたします分は、すでに今回の三十七年度予算編成に際しまして確定をいたしたと私ども考えております。一番問題になるのは、先ほど総務長官から御説明のありましたワシントンハイツ選手村を移設するということに関連しての問題でありますが、これも移設に要しまする費用百億前後要るわけでありまするが、都としましては、あのワシントンハイツの跡地を森林公園にすることを国から明確に承認をもらいまして、それを条件といたしまして、その施設費の半分を負担するというような考えでおります。この点につきましても、大蔵当局と十分打ち合わせをして話し合いが完了しているものと私ども考えております。
  22. 野本品吉

    ○野本品吉君 そうしますと、東京都のほうとしては、この大きな仕事の受け入れ態勢はすでにしっかりかたまっておると、そういうふうに受け取っていいわけですね。
  23. 鈴木俊一

    参考人鈴木俊一君) そのとおりでございます。
  24. 重盛壽治

    ○重盛壽治君 ワシントンハイツの完全返還がされたかどうか、ちょっとその一点と、それからもし交渉中にあるならば、どういう状態にあるのか。それから水耕農園に移して、ことし中に一部移すということであるが、地元では率直に言って反対等もしているようだが、その間の解決がついたのかつかぬのか。  最後に今鈴木さんの言われたワシントンハイツ決定するにしたがって、その跡を公園にするというようなことで、何か今の説明では話し中だと、できるものだと思うというような説明のように聞こえたのだが、この辺の話はついたのかつかないのか。さらに協力して、一体となってそういう方針で進めていくつもりであるのかどうか、その点小平さんから……。
  25. 小平久雄

    政府委員小平久雄君) お答え申し上げます。ワシントンハイツ米軍施設水耕農園に移すことにつきましては、昨年の十二月六日に日米合同委員会で合意に達しております。この点につきましては米国側も非常に協力的でございまして、さきに申しましたとおり、特に総合体育館を作ります約三万坪につきましては、これは本年九月ごろまでに大体施設を作って、十一月までにはこれを完全に移転して、総合体育館建設に支障のないように、こういう点もすでに同意を得ておるところでございます。残余につきましては、これまたさきに申しましたが、明年の九月までに大体施設を作って、十一月までに移設を完了する。そういうふうに合同委員会ではっきり合意に達しておるわけでございます。  それから移転先の水耕農園関係でありますが、これは御承知のとおり府中、調布、三鷹の三市にまたがっておるわけであります。約六十万坪程度あるわけでありますか、そこでこの選手村変更の問題が起きまして、御承知のような経過でなかなか短期間に決定を見なかったわけでありますが、私はこの閣議の決定をいたします前に、三市の代表の方、すなわち市長さん、あるいは議会議長さん等にお出かけを願いまして、実はこういうことに大体なりそうで、閣議の決定も出ると思うのであるが、よろしく頼むというお話をしました。それに対して先方からいろいろの要望事項等が出まして、そこでこれらの要望事項を中心にいたしまして、自来今日まで数回にわたりまして協議をいたしております。そこでこれらの要望事項につきましてもできるだけ現地の方々の御要望に沿いたいと、こういうことで努力をいたしておるわけでございますが、その要望のおもなることは、第一にはこの関連道路、あるいは排水施設等の整備の問題、あるいは現在の水耕農園の一部に何か運動場等を施設したいというので、それに要する用地約五万坪程度はぜひとも払い下げてほしいというような問題、その他たくさんございましたが、いずれにしてもそういうものが重点でございます。そこでこれらの問題につきまして、一々検討を各関係の役所といたしまして、特に東京都の関係が非常に多いわけであります。そこで道路整備あるいは下水の整備等に関しましては、関係三市と東京都のほうで具体的にこれの検討がいたされておるはずであります。また運動場等の敷地にほしいという約五万坪の問題につきましては、調達庁を通じて目下米側に交渉中でございます。大体目的を果たし得るのではないかと期待をいたしておるのでございます。  それから移転後ワシントンハイツを森林公園に使用する件でございますが、これはその方針で閣議ではっきりと決定をいたしております。選手決定の際にその一つの項目として、オリンピック終了後は選手村の敷地を東京都の森林公園にするということをはっきりうたっておるわけであります。ただその当時、この移転に要する費用の分担をどうするかという話もございましたが、これにつきましては、ただいま副知事さんからお話がございましたわけでありますが、その当時といたしましては、その分担のことは後に政府東京都でよく相談するということでいいのじゃないか、そういうことで当時方針だけをきめたわけであります。今度の予算折衝の過程におきまして、東京都と大蔵省のほうで具体的に折半負担ということにきまったかどうか、実は私どもそこまでは考えておりませんでしたが、先ほどの副知事さんのお話は間違いないものだと私考えるわけであります。
  26. 重盛壽治

    ○重盛壽治君 私は、ただあなたのお考えになっているように、すらすら進まねのじゃないかということを心配しているので、この際、もちろんわれわれは、いわゆる新委員会ですから、われわれのほうにも協力をする面があれば協力させていただけたらと思うのですが、特に政府当局と話し合って、ワシントンハイツの問題、移転の問題を急速にしませんと、混乱がかなり起こって、オリンピック組織委の実行方の促進の障害になるやに今感じられるものですから、特に一段の御努力をお願いいたしまして、私の質問を終わります。
  27. 森中守義

    委員長森中守義君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕
  28. 森中守義

    委員長森中守義君) 速記を起こして。
  29. 千田正

    ○千田正君 今そういうお話があったわけだけれども、この説明等に対しては、陸上に対する説明でしょう。スキー、スケートのウインタースポーツはオリンピックに入っておるのかどうか、入っておるとするならば、そういうアイデアももちろん御説明願わぬと、オリンピックは陸上だけの問題ではないとするならば、そういう点はどうですか。
  30. 小平久雄

    政府委員小平久雄君) 私どもの伺っているところでは、六四年度の東京オリンピック大会は、これらを招致していないというふうに伺っている。むしろこの点は組織委員会の方ではっきりしたことは一つお答え願う方がよかろうと思いますが。
  31. 田畑政治

    参考人田畑政治君) オリンピックは、本物と言っては工合が悪いのですけれども、はっきり分けておりまして、夏の大会が本大会であります。今東京で呼ぼうというのは夏の大会で、冬のとは全然別個の問題で、これはインスブルックで今度六四年の二月に行なわれます。この前の紀元二六〇〇年のときには東京オリンピックをやる、同時にウインタースポーツを札幌でやるということになっておりましたけれども、今度はそれは別個の問題で、もし日本が呼ぶということになれば、それはあとの話で、今の問題は本大会だけのことであります。
  32. 千田正

    ○千田正君 オリンピックという名称をつけて、組織委員会が行動を起こしている以上は、そういう陸上ということとウインタースポーツは別なんだ、そういうことは国民にはっきりしておらんというと、それでなくとも政府がそれに協力するということならば、国民の出した税金の中からわれわれは予算をきめなければならない。冬季オリンピックは別なんだ、これは関知はしないというならば、それは陸上オリンピックという名称をきちんとしてやってもらわないと、われわれとしては困るのだな。
  33. 小平久雄

    政府委員小平久雄君) ただいま先生のお話もまことにごもっともだと存じますが、冬季のオリンピック招致は一応別個の問題、こういう建前になっているようでありまして、目下政府協力をしておりますのも、招致のすでに決定いたしました陸上関係大会、これにもっぱら協力申し上げているということで、もちろん冬季の大会招致できますならば、これはそれにこしたことはないと私ども存じます。かりにそれが招致できますものならば、政府としても十分協力をいたして参る、かように考えております。
  34. 内村清次

    内村清次君 準備促進の特別委員会ができまして、これは私たちはもちろん準備促進に対しまして協力をしたいという基本的な考え方でいるわけです。と申しまするのは、昨年の選手村の一件にいたしましても相当混乱して、政府の考え方、組織委員会の考え方に相当な混乱があった。先ほど総務長官は、これは全国的な協力を得なければならないというような御発言もありますように、やはり招致をした以上は、国際的な問題でありまするから、その成果が、これは全国民的に非常によかったというような形で終了しなければならない。それにはまだ準備段階にある今日において、ああいう混乱があるから参議院の方でも特別委員会を作って、そうして準備の促進をしたいというのが、これは根本的な基本方針だろうと私たちは考えているわけです。きょうの初委員会であなたの答弁にもありましたごとく、東京都は国際的にオリンピックを日本に招致したのだ、招致した以上は組織委員会というものが主体となって、そうして準備や、あるいは完了までのことは一切ここで準備計画をするのだ。そうして政府東京都もこれに協力し、また主体である組織委員会として全国民協力を得るような方法もそこでしていくのだ、こういうような発言があった。そうしてみますると、きょうの資料の提出の状態からみましても、委員会の御説明の順序からいたしましても、私はやはり主体になった組織委員会のほうでこういう計画をやって、こういう準備段階になって、こういう進捗状態であります、それには分担しておりますところの東京都やあるいは政府の本年度の予算はこうなっている、あるいは政府の方の関係機関建設省はこういうふうにしておる、文部省のほうはこういうふうにしております、こういうことを各委員方々に十分徹底するようにやっていかれたほうが私はよかったんじゃないか。それから……(「その説明をこれから聞くんだ」と呼ぶ者あり)……黙っていてもらいたい。あなたは理事か何か知りませんけれども。……そうやって、その過程において途中で質問があればその質問を展開していく。やっぱりこういうような形でいかれたほうがいいのではないか。私たちも質問したいことはたくさんありますよ。それは促進するがための御質問で、そういった形で進めていかれたならば、何も委員の中から委員の発言を制限するような形というものは私は生まれて来ないと思う。まあそういうような形で委員長のほうもひとつ進めていただきたい。
  35. 森中守義

    委員長森中守義君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕
  36. 森中守義

    委員長森中守義君) 速記を始めて。  次に文部省関係について、長谷川政務次官から御説明を願います。
  37. 重盛壽治

    ○重盛壽治君 ちょっと議事進行……。だから、それは組織委員会から一番初めに本委員会が聞いて、それから東京都から聞いて、そうして政府から、文部省から聞くという形をとらなければいかぬのじゃないか。時間の関係でそっちで約束がもうできているなら、委員長のお進めどおりでいいし、そうでなければ、田畑事務総長あるいはオリンピック組織委員会は、今までいろいろ議論があったと思うけれども東京都のオリンピックをやる事務的の組織委員会ということではないと思う。全国民オリンピックだから、全国オリンピックの名においてやっているわけだ。そこが基本なんだから、やっぱりそこから聞いて、それからその他——その他というと失礼だけれども関連事項説明を聞くというのでなければ逆になってくるのだな。
  38. 森中守義

    委員長森中守義君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕
  39. 森中守義

    委員長森中守義君) それでは速記を始めて。  それでは、次にオリンピック東京大会組織委員会田畑事務総長に説明を求めます。田畑事務総長。
  40. 田畑政治

    参考人田畑政治君) それでは、田畑でございます。一番初めの経緯から簡単にずっと申し上げます。  実は、このオリンピックは、今委員の方から御質問がありましたけれども、夏の大会と冬の大会は全然別個のものなんであります。東京大会をやる六四年は、夏の大会東京、冬の大会はオーストリアのインスブルックともうきまっておるのであります。インスブルックは、組織委員会があっていろいろもう準備しておる。こちらはこちらで準備しておるというのが今の段階であります。  一番初めのときには、これは五年前ですから、ローマ大会の前年のオリンピック委員会で、どこでやるかということがきまるわけです。その前年の十二月一日までに立候補をするところは全部書類を出すわけです。いろいろ経費はどうやるのだ、規模はどうだという書類を出すことになりまして、当時安井さんが東京知事で、今の東京知事の東龍太郎君が体育協会の会長で、私は体育協会の水連会長をしていたのであります。それで、三人ともぜひやりたい、安井さんのときにぜひやろうということになったのですけれども、いざ立候補をするということになったときに安井さんが非常に迷いまして、実は自分は今度都知事に出ないのだ。今までの例から言うと、東京は富裕都市だからということで、何でもかんでも全部東京都に財源を持ってこられてしまう。今度オリンピック東京招致するということになると、結局大半を東京都が背負うということになってたいへんなことになってしまう。それを自分が跡始末をするならば自分の責任であるけれども、自分が呼んでおいてあとの知事に全部責任を負わせるということになると非常に困る、もちろん私のほうは招致をする開催都市の名誉があるから、十分な財的な努力はするけれども、国の事業だということでしてもらわなければ一挙にサインができないということになりまして、都知事と体育協会長と私、三人が当時の岸総理に会いまして、赤城さんが官房長官だったと思いますが、立ち会ってもらってその話をしたのです。ところが総理は、もちろん国家的行事としてやるのだ、しかし東京都は開催の名誉を得るのだから、東京都もやってもらわなければ困るのだ、東京都にお前が呼んだのだから、お前がやるのだという考えは決して持たないということがはっきりしまして、そこで初めて招致の正式の申し出をしたわけであります。それが翌年の五九年の五月のミュンヘンの総会で東京ときまりまして、これが東京になった、確定した初めであります。  それからいろいろまず主体になります体育協会のほうと、東京都と文部省と、三者が会合しまして、そこで分担をきめたのであります。運営するもの、どういう準備が必要だということは、今の組織委員会のほうで直接やるけれども施設というものについてどういうふうに分担してもらおうかということで三者で協議会をやりましたが、その前に、招致をするというときにも、そういうことで招致をするときには、衆参両院からもぜひ呼んでしかるべきだという決議をしていただいて、呼んだから来たのだから、ぜひしっかりやれという政府に対する促進かなんかの決議をしていただいて、これは決して東京都と体育協会だけがやったのではないという手続ははっきりとっていると思います。それで三者が集まって協議した結果、閣僚懇談会もたしか二回やってもらいまして、そうして競技場施設については東京都と国が持つ。あと運営については、当時これはなかなかどの程度の金がかかるかわからないが、大体考えてみて、競技場施設以外には外国選手を含めて宿泊費、交通費の補助費をひっくるめてみて、まあ八十億ぐらい要るだろう、そうなってみたらば、入場券あるいは選手が泊まる費用とか、あるいはテレビの費用も入れて、二十億ぐらいは直接資金が入ってくるだろう、あと二十億ぐらいは募金をしょう。こういうことであと国と都で二十億ぐらいずつ出そうということで意見が一致しまして、それを、ミュンヘンの総会に出したわけであります。それによってきまったということが今までの経緯であります。ただそのとき、今までのオリンピックは、書類を渡しておりますからお読み下さればおわかりだと思いますけれども、十八競技だったのですが、日本も大きなものをやるということは希望しませんでしたから、ことに日本であまり盛んでないものはやめて、日本で非常に盛んなもの、たとえば柔道やバレーというものを入れてもらって、日本であまり盛んでない近代五種とかカヌーとかは落として、今までどおりのスケールでやってもらいたいということを思ったのであります。これが不幸にして今までどおりやらなければならない、その上に東京都で今度やるならば柔道とバレーを加えろというので、二十種目ということになったわけであります。二つふえたのであります。その点において、大きさという点においては空前ということになったのでありますが、今二十ということで準備を進めております。  しからば、東京都のほうと国とで、どういうふうに施設を分けるかということで、三者で協議した結果、駒沢はレスリングのあれとサッカー場、バレー、それからホッケー、これは東京都が作る。開会式、閉会式、あるいは陸上競技をやる主要競技場は、今の競技場を拡張して、世間でよくオリンピックの主競技場は十万人と言いますけれども、十万人であったという例は、かつてのベルリン大会ただ一回だけなんであります。あとは大体八万前後ということが通例で、まあ公称十万と言っているのですが、日本もしいてベルリンをまねることはないからというので、大体八万——八万五千ということにして、八万五千というものが今度出ることでやっております。これは国としてやってもらう。それから戸田の漕艇も国でやってもらうということで、ヨットはこれは国のほうに補助してもらうけれども、主として神奈川県がやるのだということで江ノ島でやる。ほとんど全部今のところはもう競技施設というものの目鼻はついております。ただ一番問題なのは、水泳で御存じのようにロスアンゼルス大会に出た清川さん、兼松のロンドン支店長をしておったんですけれども、その清川さんが、みんな非常に心配しておる、日本ではオリンピックができないのじゃないかというので非常に心配しておるけれども、もっとはっきり在外公館のほうへ連絡しないと不安が起こるばかりだという注意がずいぶんきました。しかしそれは結局、今ここでもお話しになっておりまするオリンピックのうちの一番大きな問題である、村がどこへ行くかおらぬということ、それと陸上と、日本の場合は水泳場がどこへ行くかわからぬということで、非常に大きな国際的な不安を持ったのです。で、この二つがはっきりきまりましたから、もう国際的にも不安はなくて、ことにもうドイツ、フランスは、ぜひ日本に少年団を送りたいと、これも飛行機が高いから、今のところはドイツが七百人、フランスが六百人、これを、飛行機が高いから船を仕立てて、そこにドクターと先生を加えて移動の教育で日本に来たいということまで言ってきているので、日本よりも外国のほうが期待されているということで、外国での不安は、もう村がきまったということで一切解消したと考えても間違いないと思っております。  そういうことで、今の段階から申しますならば、まだ日本は非常に準備ができていないと言いますけれども、ローマの場合は違った意味の財がありましたから別ですけれども、ヘルシンキよりもメルボルンよりも、少なくとも準備状況は一年近く早いと思うのであります。  これはもうどこでもそうなんですけれども、ヘルシンキの場合も、これはこの前戦争でだめになったので放棄しましたけれども、あすこは戦前の最後のオリンピックをやることになっておったのであります。したがって今度はぜひやりたいということで大騒ぎしておったんですけれども、いざ取ってみると、金もかかる、なかなか人手もかかる。ことにソ連との戦争の債務が残っておるというので、そんなときにやるのはどういうことだというので、今度は取ったほうにおいて反対論が起きまして、これは二年くらいほとんど準備ができなかったのであります。大統領が出てきまして、これはもうとにかくフィンランドでやることにきめたことなんだから、これはおれの責任でやらなきゃならぬということを声明しまして、ようやく準備を始めたのが二年前のことであります。そのあとのメルボルンにおきましても、これも南半球で初めてやるオリンピックだというので、ブエノスアイレスとメルボルンが大競争しまして、わずかに一票の差でメルボルンにきまったのであります。それほど騒いで取ったところが、いざやるということになりますと、豪州は日本と違いまして人手も少ない、金もかかるということで、これもどうしても手がつかなくて、約一年間ほとんどストップ状態でありました。それで方々心配して、今ならばどこへでも持っていけます、少なくもアメリカは引き受ける、早く取り上げろということで問題になったのですけれども、ブランゲージという会長が、それではおれが向こうへ行って直接談判してみるからその上できめようということで、豪州まで行きまして、連邦の総理のメンジースさんに会いまして、どうなんだと言ったところが、メンジース総理が、これはもうおれの責任において必ずやるからということで始めたのであります。これはわずか一年半前であります。日本の場合は、もう駒沢のほうも主競技場のほうもボート・コースも、すべて計画が済んで発注の段階にいっていることでありますから、その準備の点においては、私はどこよりも日本のほうが進捗している、早いということをはっきり申し上げていいのだと思っております。その点では、日本の政府東京都も一生懸命やってくれますので、その点はうまくいっていると私は考えております。ただ問題は、私ずっと前、パリー以来オリンピック関係していますから、外国のオリンピックを知っていますが、日本でやる場合に、ベルリンとかあるいはローマみたいなべらぼうな大きな施設を作ったりする必要はないと思いますけれども、やはりオリンピックをやるということになりますと、最低の線と申しますか、あるのであります。やはり日本でやって、選手が来て、あとで日本のあれは小型であったけれどもいいオリンピックだった、行ってよかったという、オリンピックをやるためにはそれだけの程度施設はしてもらわぬと困る。たとえば、これは施設ではありませんけれども、映画で、これはまあベルリンのときに、美の祭典というものが非常にとにかく世界から好評を博した。それに比べて、今度もローマでやっておるのでありますけれども、このローマのフィルムだけの費用が一億をこしたというのであります。今度日本でやる場合にはさらにもう二種目ふえているのであります。フィルムだけでも相当の金が要るけれども、これはやはりやった以上は世界に宣伝するような、その程度のあれはやらなくちゃならぬというような問題もあって、決してぜいたくでないけれども、よかったという程度にやるということになると、なかなか金の要るという現状で、決してベルリン大会とかあるいはローマ大会と同じような施設とか、そういうものを要求しているものはそうないと思うのであります。私はとにかく必要なものはやってもらいますけれども、なるたけ簡素であって、しかも外国選手も来て、日本のオリンピックはよかったというくらいのところだけはやってもらわなきゃならぬということをめどにしてやっておる。決して法外なことを要求しているのではありませんけれども、どうも今までのあれですと、まあ政府も一生懸命やってくれていますけれども、これを取って帰りますと、もうオリンピックはおれにきまったんだ。一文でもいいから少なくやろうと、やりゃいいじゃないかというようなふうになりつつあるのじゃあるまいかということを非常に心配しているのであります。やる以上は、少なくともやってよかったと国民も、外国選手も、役員も考える程度オリンピックをやっていただきたい。そういう意味でこの参議院にもこういう特別委員会ができたということで気を強くしておる次第でありますから、ぜひとも今後お願いしたい。決して私たちはぜいたくなことを要求しませんし、また今の方々オリンピック委員会とか、国際スポーツ競技連盟の連中くらいの知識も経験も持っていますから、もうあれになめられて、日本だけに要求してやろうというようなものはどんどんけり倒しますから、そういう点については決して御心配ないように、必ずもう法外なことを要求されてもこれはもうはっきりけりますから、東京でやる以上は、できるだけみんなが集まってよかったというオリンピックをやるという程度のことはぜひお願いしたいと思います。
  41. 森中守義

    委員長森中守義君) 御質問をどうぞ。
  42. 内村清次

    内村清次君 ただいまのお話では、組織委員会というものがあるのですね。まあ準備段階は、ただあなたの方で、極端に言いますと、競技場はこういうふうな形にやると、まあ話し合いの上でどこに作ってもらいたい、選手村はどこに作ってもらいたい、それには各国からこれくらいの出席者がある。それからまあ結局競技の種目はこういう種目というような外面の形をあなたの方で作って、それに対するところの施設の問題、道路の問題にしましても建築の問題にいたしましても、そういう問題はまあみんなそれぞれ東京都なりあるいはまた国がすべきところの建設省あるいは文部省というような関係に、あなたのほうではもうほうりっぱなしというか、結局まかせきりで、そうしてその全体のでき上がっていく形をただ見るというだけのことになっておりますかどうですか。今のお話では、私がまあ先ほど申しましたのは、この組織委員会というものは、ここにもう予算関係と出ておりますけれども、この予算の御説明もまだ内容を聞いておりませんけれども、一体三十四年から四十年までには全体の予算というものはどれくらい要るのだと、年度別の予算というものはどれくらいの予算が要るのだと、で、それには組織委員会の中でずっと関係委員長あるいは国とのお話し合いの上しっかりした予算関係をお立てになって、そうして進捗状態というのはどういうふうになっておるのだというようなこともながめつつ、そうしてまた全般計画組織委員会でやっておられるのかどうかという点が、ちょっと私のほうじゃ疑問に思ったわけですが。
  43. 田畑政治

    参考人田畑政治君) 今の御質問の趣旨はよくわかったのですけれどもオリンピックをやる、これにはこういう種目でこういうものが要るのだ、最低こういうものはしなくちゃならぬということで、これは国、これは都で作っていただいたものをやる、そういうことは十分相談してやっています。いまの競技場についても、文部省委員会に入っておりますけれども、問題は、施設は国と都で作ったものを借りまして私らが使うということなのです。こういうものを作ってもらいたい、それからこういう程度のものでいいのだ、必ずしも十万という必要はないのだ、八方五千でいいのだけれども、それにはこういうことが必要なのだということは十分案を練りまして、それを国のほう、都のほうにお願いをして、作るのは国、都のほうで作っていただきまして、それをオリンピックのときに私のほうで借りまして、それで運営していくということなのであります。
  44. 内村清次

    内村清次君 そうしますと、あなたのほうから出ております予算というのはそれに要する各施設関係ですね、そういった予算関係というものは、準備上の施設関係予算というものは、これは入っておらない予算でございますか。
  45. 田畑政治

    参考人田畑政治君) そうでございます。この予算は、今の完全な公立競技場とかいうようなものは入っておりませんが、それらに対して、やはり何といっても、政府の方から借りられますが、それだけでは済まない、あとに残るものはそれでいいでしょうけれどもオリンピックのときにはそれだけでは済まぬというので、仮設のものを作らなければならぬということが相当入ってきますので、そのあとに残るそのものは国のほうで作ってもらいます。そういうものをはずしまして、たとえば公立競技場とか水泳場とかいうもののほんとうの建設費は除きまして、それに要する臨時のオリンピックのためだけに必要な仮設の選手席、または距離の遠い競技場にはレスト・ハウスも作らなければならないというような必要が起こりますが、これも仮設施設で国または都で負担してもらえぬものは組織委員会自体の予算に入れなければならないわけです。競技場そのものは入っていないのです。それがだんだん削られれば削られるほどそういうような仮設的な施設が多くなってくるというので、今靱さんの方で予定したものよりも相当私は、二割あるいは二割以上のものについて金が要るのじゃないか。それ以外の金で、募金とか何経費とか、とにかく資金財団で集めなければならぬものがだんだんふえてくるということになる可能性は非常に強いと思うのです。計画については、こちらはこういうオリンピックのメイン・スタンドが必要なんだ、こういう施設が必要なんだということの計画は全部やっています。共同して作って、実際作るのは都と国で作って、それを借り上げて、そのとき私どもがそれを全部やるのだということなのであります。今の公立競技場の十五億とかあるけれども、そのほかに要ることがあるかもしれません。戸田のボート・コースがあそこにできましても、レスト・ハウスはどうしても要るということがありましたら、どうしても組織委員会で作らなければならぬということはずいぶんあると思うのです。そういうこととか、あるいはまたこの中にはある程度入っておりますけれども、今赤坂離宮を組織委員会の事務所に拝借しておりますけれども、これもゲスト・ハウスとしてはりっぱなものでしょうけれども、とても仕事にはなりませんし、組織委員会が仕事する場合には実際に競技運営を担当する国内競技連盟と国際競技連盟は同じ建物にいなければなりません。競技種目が二十種目ですから、これが総会を同じところでやるという場合には一日二回ずつくらいの会議をしなくちゃならぬという、一まとめにしなくちゃならぬということで、そういうものをどうしても事務所は別にしなくちゃならぬ、どこでもやっておるのですから、そういうことは国のほうは補助対象にならぬから、こちらが靱さんの方で十分金を集めてやってもらわなければならぬという問題が起こる。予算の中には今の競技場というものは全然入っておりません。
  46. 内村清次

    内村清次君 そうしますとね、私たちが、まあ私個人かもしれませんけれども委員の一人として構想しておった問題と、ちょっとまだ私も不案内ですからかけ離れておるような感じもいたします。というのは、一体組織委員会というものは、先ほどの長官のお話では、準備の段階から終わりまでの、運営することもあるいはまたその準備をすることも、それから競技をやることも、そうして成果をおさめることも、組織委員会というものが一応の全責任を持っていらっしゃる。そのためには、成果をおさめるにはこういう施設も作りたい、先ほど言われたように、との図面にもありますような、競技場はどこにほしいんだ、選手村はどこにほしいんだ、そうして国は、どの道路を通って行かなくちゃならぬからひとつここに迷惑のないように作ってもらいたい、いろいろな御注文が出るだろうと思うんですね、責任を果たすためには。そういう責任分担からして、あるいは東京都の、あるいはまた国というものが、その施設に対し、準備に対し、あるいは完了までのいろいろなめんどうに対して協力していくというようなことを、あなたの方で一手に引き受けてやっていらっしゃるんだ、そのためには予算計画とか、大体組織委員方々がどういうメンバーかもわかりません。私はちょっと拝見すると、各省のたいてい次官あたりも入っておられるように私ども聞いてはおりましたのですけれども、そうすると、一般官庁の方々もやはり政府部内として、その省なら省、建設省なら建設省文部省ならば文部省の中でやはり有力な発言をなさって、そうして準備のためにはこれだけの予算が必要だといって、政府予算として出てくるものだということで考えておったのです。
  47. 田畑政治

    参考人田畑政治君) 私の説明が悪いのです。悪いのですけれども、そのとおりなんです。ただ実際所有者は国、都でありますけれども、たとえば今度の戸田のボート・コースにつきましても、村を移転する問題につきましても、こちらから注文を出して、その注文を実施させるためには、おそらく文部省関係については文部省と少なくとも同じ程度、あるいはそれ以上に組織委員会では大蔵省、政府に対してお願いをしています。一体となりて。それはそうなんです。それがほとんど今度戸田におきましても、水泳場の問題におきましても、まあ削られていますけれども、これは全力をあげて、去年の予算のときなんかはほとんど組織委員会関係者は徹夜をして文部省あるいは建設省と一緒に大蔵省に陳情し、お願いしていることは事実であります。
  48. 内村清次

    内村清次君 そこで、この組織委員会といたしましては、前提として申し上げましたように、準備を促進をするというために、この委員会はおそらく最終段階まで続くものだと、私たちは全国民的なそのことから協力するという建前から続くものだと思います。そうしますと、この委員会では、あなたの方で準備ができました各予算に対しまして、政府の方ではどうしてもとれは足らぬのじゃないか、あるいは道路がまだ進捗せぬのじゃないかというような場合のときあたりに、その関係当局に対して、あるいはこの委員会でも発言もしましょうし、あるいは常任委員会がありますからして、建設委員会にもオリンピック準備予算はこれだというような予算書も出ておりますからして、そういうところでも協力していくだろうし、それからまた東京都もひとつ来ていただいて、東京都に対してこちらのほうで、こういうふうなところも足らぬのじゃないかというようなことも発言ができますし、そうやった形で準備を促進していくような形のこの委員会だと私たちは考えているわけです。
  49. 田畑政治

    参考人田畑政治君) ちょっと私非常に言葉が悪かったと思いますけれども、たとえば今ですね、問題が残っているのは、私のほうが直接作るものではないのですけれども、私のほうが注文していることで、まあ埼玉県の問題はボート・コースが一番問題です。これも国のほうがある程度都市公園に補助しないということから、埼玉県のほうはこれはまた金が出しにくいということで、非常にどうも一番大きな問題は今のボートの問題、いろいろあるのです。これはどうしても文部省だけではできませんからお願いしてやってもらわなきゃならぬという問題が、国で作る問題について非常にたくさんあるのです。今の戸田の問題なんていうものは、あれは初め都市公園にするのだ、国も三分の一補助するのだという前提で作ろうとかかったところが、確保だけはしてやる。しかし公園に対しての補助は一文も出さぬというので、埼玉県は国が一文も出さぬというのに自分の方では出せぬじゃないかというので、これが暗礁に乗り上げて——文部省と私の方と、それから実際の漕艇協会の方と埼玉県がどうしてもぶつかって身動きならぬという暗礁に乗り上げているというのが現状ですから、そういうものもぜひ今年はお願いして、何とか恥ずかしくない程度のものは作ってやるということを、こちらからもお願いしなきゃならぬということが多いだろうと思います。現に戸田の問題なんか、どうともならない。文部省でもどうともならない。私どもでもどうともならないという一番大きな問題として、最大の問題は戸田のボート・コースの問題であります。
  50. 森中守義

    委員長森中守義君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕
  51. 森中守義

    委員長森中守義君) 速記を起こして。  それでは次に、文部省関係について長谷川文部政務次官より御説明を願います。
  52. 長谷川峻

    政府委員(長谷川峻君) 一度断わった世界オリンピック大会東京で開かれますにあたって、参議院においてもオリンピック特別委員会が持たれまして、ただいままで拝聴しておりますと、非常に御熱心な、しかも非常に有益な御意見などを拝聴して、文部省の者としても感激しております。ということは、だんだんの御説明の中に御了解いただきましたように、このオリンピックの総責任は、何と申しましてもオリンピック東京大会組織委員会であります。との委員のお名前などもちょっと申し上げますと、本院の津島壽一氏が組織委員長で、財界、言論界、東京都、衆参両議院のメンバーとか、そういう方々の中に私のほうの文部大臣委員として入っているのであります。ここが計画立案したものを、ただいま田畑事務総長が御説明されましたように、施設の面においては文部省がこれを受け持つ、あるいは道路の面ならば建設省、あるいは国際人を呼ぶのに下水が悪い、屎尿処理が悪いということになりますというと厚生省、それに責任招致都市であるところの東京都が主催都市として予算の措置などをしたがら、みんなでひとつ成果をあげてみたい。文部省といたしましては、ほんとうに組織委員会の一員として国が恥をかかないように、政府あるいは国会の御承認を得まして、予算を今日までお願いをしながら準備を進めてきた次第であります。  資料をお手元にずっと配付しておりますが、小平総務長官説明と大体重複するのであります。小平総務長官の立場というものは、政府の中におきましてオリンピック東京大会準備対策協議会長、こういう形で総括しておりますから、その中に文部省が、施設をすべき責任ある場所について予算の措置をし、今日までの進行をやってき、今から先も、田畑さんがおっしゃったように恥をかかないように、きれいなものを作り上げて、ひとつ日本の姿を世界の前に見せたい、文部省所管はそれにあげて御協力を申し上げる。文部省の中におきましても国際選手でありますところの佐々木吉藏君を文部省体育局オリンピック準備室長にいたしまして、鋭意その方を中心にしてオリンピック組織委員会連絡をとりながらやっているような次第であります。オリンピックというと、先ほど千田先生のおっしゃったように、政府がほったらかしてはいかぬじゃないかという声がありますように、やはり政府責任になるんじゃないか。準備が悪く、運営が悪く恥をかくようなことになると、何かこれは政府責任ということでありますから、組織委員会の一部門である文部省といたしましては、これはほんとうにたいへんな、陰ながらの大責任をしょっておることで、この間のだんだんの事情をひとつオリンピック特別委員会の先生方に御了察いただきまして、どうぞ足りないところをお教えいただき、刺激をしていただいて、そうしてうまくいくように御支援のほどを私は心からお願いを申し上げます。  そこで、説明がずっとありましたが、私の方で今やっておりますのは、国立競技場、これは明治神宮の中にある競技場を、先ほど田畑さんがおっしゃったように八万五千にするために入れるやつであります。これが総額が十億七千万かかりますが、三十六年度で一億を出し、今年三十七年度で九億一千六百万の予算を獲得して、そして三十七年の二月に着工いたしまして、三十八年の三月までには完成する予定でございますから、これもほんとうに間に合うんじゃなかろうか、こう思っております。  それから国立屋内総合競技場、これはワシントンハイツの問題が出ましたが、あすこのところへ作るやつでございます。片づけるまでのいろいろなことは東京都なり、いろいろな関係役所でやってもらいますが、その上に、私のほうは金を出して国立屋内総合競技場、——これは屋内水泳場と小体育館。水泳、柔道、バスケット・ボール、こういうものをやる所でありまして、この予算は総額二十二億でありますが、三十七年度で二億をとり、あとは債務負担行為で二十億ということにいたしまして、三十七年の十二月、本年の十二月には着工、それまでには関係方々にきれいに、いつでも建てられるようにしていただかなければならぬ、そうして三十九年の九月、大会に間に合うように完成するつもりでございます。  次は、今の国立戸田漕艇場、これは総額四億五千万ですが、一億九千万を三十七年度にとりまして、これも三十八年の十月までに完成したい。幅員九十メートルで全長二千四百メートル、水深三メートル、これは文部省責任においてやることになっております。  あるいは朝霞の射撃場、これも二億五千万の予算でありますが、三十七年度で一億を大蔵省から認められております。これも三十八年の十月までに——ただいまお話のありましたように、地方で多少気持のまだもつれておるところもあるようでございますけれども——これを完成したい気持で、御協力をこいねがっておる次第であります。  こうした施設を作るほかに、実は文部省本来の仕事からいたしますというと、これは施設の面でありますが、ただいま田畑事務総長がおっしゃったこの組織委員会、これはやはり国が御協力申し上げて、大きな期待をかけてもらっているのでありますから、私のほうとしては補助を、大体終わるまで二十億を見積っております。三十七年度で一億一千九百万。しかしながら、だんだんの話の中にありましたように、これが準備から最終までの責任をもってもらうものでありまするし、多少経済界の変動などもありますから、資金財団のほうからまたよけいお願いをしなければならぬし、ある場合には政府のほうとしても、二十億と予定したものを、それ以上御後援申し上げなければならぬ段階が来るのじゃなかろうか、こう思っております。  さらに一番大事なことは、何と申しましても、建物はできた、交通はよくなった、外国から一ぱい人が来る。そうしてばたばた負けたんじゃ、これは話になりませんので、日本体育協会が選手指導にあたっております。技術向上事業補助費として文部省は毎年組んでおりますが、三十七年度に一億六千万、総額を六億五千万と見ておりますが、せっかくの東京大会でありますから、ローマのオリンピックにおいても負けてみたり、あるいはメルボルンにおいても三段飛びが負けてみたり、こういうことじゃ困りますから、私はやはりここで、経済的に経済力の伸びた日本、体位向上された日本の青少年がしっかり鍛えられまして、いい選手がどんどん輩出して、そうして晴れの舞台で勝ってもらうように、この関係については特に日本体育協会のほうに指導の強化をお願いしながら、この予算補助というものは、私の方はできるだけ今申し上げた以上に見て参りたい、こう思っております。  さらに、文部省本来の仕事といたしますれば、何と申しましても、全国の青少年がオリンピック大会というものを目ざして、いろいろな問題について一生懸命張り切っております。やはり交通道徳の問題一つを見ても、対人関係の、つき合いのああいう態度を見ましても、あるいはまたよその国から来た選手諸君に対する日本の青少年のプライドと申しますか、あるいは態度と申しますか、そういうふうな国際精神などを養う絶好なチャンスではないかと思いまして、オリンピック精神普及高揚予算を総額四千万要求しておりますが、これをずっと取り続けて、全国津々浦々の日本の青少年に大いにひとっこうした晴れの舞台において負けないわれわれだ、国際的に認められる日本の青少年だという姿を出してもらいたいということで指導し、そうしてそれを、それぞれの新生活運動等を通じて、まず道路は、東京道路ほどきたないところはありませんから、こういうところは銭はかかりませんから、精神運動などで道路をきれいにするとか、いろいろな問題でひとつやってみたいというふうに心がけております。施設を作りながら、そしてなおかつ、その中に体育協会、あるいは往年の名選手である方々の奮発などをお願いしまして、今の青少年が世界の青少年に負けないように、こういうときにこそ、ひとつ精神高揚のはずみを作ってもらいたいということで、だんだん心がけておりますから、ぜひひとつ、委員会においても御指導、御鞭撻のほどをお願い申し上げまして、文部省の報告を終わります。
  53. 森中守義

    委員長森中守義君) 御質問ございませんか。  それでは次に、道路問題等の建設省関係について中村建設大臣から御説明を願います。
  54. 中村梅吉

    ○国務大臣(中村梅吉君) それでは資料を差し上げてあると思いますが、資料をごらんいただきますと、大体おわかりいただけると思います。  一つは、建設省の担当しておりまするのは、オリンピック東京大会開催のための選手村の問題でございます。これは御承知のとおりワシントンハイツ及びリンカーン・センターを水耕農園及びそれの関係の地域に移転をしようというものでございます。リンカーン・センターのほうは、これは高速道路にかかりますが、高速道路自体がオリンピック関連事業になって、オリンピックまでに完成をしたいという道路にあたりますので、これも合わせて移転をすることに相なっております。そこで敷地は、ただいま申し上げましたように、調布水耕農園及び補助飛行場の約半分、大体三十万坪、その他米軍施設内に移転しようというものであります。移築を要します建物は総面積で十七万八千四百七十平方メートルでございます。それから種類は、独立住宅が八百七十七尺ほかに小学校、中学校、診療所、消防署、PX、食料品売場、劇場、ボイラー室、変電室等でございます。そのほかに独身将校宿舎、約六百名収容のものでございます。予算の規模といたしましては、昭和三十六年度に一億一千三百五十四万七千円、昭和三十六年度の補正におきまして八億八千八百八十九万九千円、そのほかに債務負担行為二十二億一千二百万円。昭和三十七年度といたしまして六十七億四百八十三万一千円、そのほかに債務負担行為七十九億二千九百万円。昭和三十八年度に予定いたしまする支出が二十五億六千四百三十五万四千円。合計百二億七千百六十三万一千円でございます。  工期といたしましては第一期工事ワシントンハイツ住宅地区のうち、屋内競技場建設する予定地区内にある米軍施設(独立住宅百九十二戸及び最小限の共用施設)、それと先ほど申し上げましたリンカーン・センター地域の米軍施設代替施設、これを昭和三十七年十一月末までに完成いたしたい。第二期工事といたしまして、その他の代替施設昭和三十八年九月末までに完成をする。それから屋内競技場建設、これは文部省予算につきまして支出委任の事業になるわけでございます。この屋内競技場の目的は、オリンピック東京大会で使用されます屋内水泳場及び小体育館建設。敷地といたしましてはワシントンハイツの一部、約三万坪でございます。建築の種類及び規模は建物総面積が三万三千七百二十八平方メートル、それから収容人員約一万九千名。予算概要といたしましては、昭和三十七年度に二億円、そのほかに債務負担行為二十億円、昭和三十八年度から三十九年度にわたりまして約二十億四千四十五万八千円でございます。このほうの工期は昭和三十九年八月末までに完成予定でございます。十月に開催されますので、だいぶ期間的に切迫をいたしておりますが、全力を尽くしてこの日限に、八月の末までには完成をいたす予定でございます。進捗の状況でございますが、設計は文部省において東大の丹下博士に依頼中でございます。建設省は支出委任を受けて、工事実施を担当する予定になっております。  国立競技場のほうも、これは文部省予算でございまして、支出委任によって建設省事業を施行するということになっております。目的は、国立競技場の収容能力を増しまして、約八万五千人を収容するためスタンドの拡充をはかるものであります。敷地は現在ございます神宮外苑。予算概要としましては、昭和三十六年度予算で一億百五十万円、ほかに債務負担行為十億、昭和三十七年度予算におきまして九億一千六百万円。この工期は昭和三十七年度中に完成予定でございます。進捗状況としましては、現在関東地建におきまして設計中でありまして、昭和三十七年の二月、来月ごろから着工の予定であります。  概略でございますが、施設関係は以上をもちまして終わりたいと存じますが、道路関係は、先ほど東京都から見えたそうですから、一通り御説明があったのじゃないですか——重複することになると思いますが、ごらん願いたいと思います。それでは参考資料はだいぶ路線別にこまかく書いてありますから、かいつまんで都市局長から御説明申し上げたいと思います。
  55. 前田光嘉

    政府委員前田光嘉君) お手元に「オリンピック関係道路整備計画及びその進捗状況について」という資料を配付してございますが、これによりましてオリンピック関連道路の最近における進捗状況を申し上げます。  まずオリンピック関連道路と申しておりますのは、一つは選手村と各競技場及び競技場相互間を結ぶ道路、それから主要な競技場周辺道路、この道路と、それからその他大会運営を円滑にするために必要な都内の重要な個所における道路でございます。これらはオリンピック道路といたしまして、この道路五カ年計画におきまして一定の事業費を見込みまして、現在鋭意工事を進めておるわけでございます。そのほかに首都高速道路、有料道路といたしまして首都高速道路公団の行なう主要な道路オリンピック関連道路として整備を促進しております。その全体の事業費は、この表にございますように、国庫補助に該当する分が事業費で八百八十一億四千八百万円ございます。そのほかに国の補助はいたしませんけれども、都が単独事業として実施されておりますのが八十四億六千三百万ございます。合計九百六十六億一千百万円というのが一般の街路事業でございます。そのほかに有料道路事業といたしまして、首都高速道路公団が六百四十六億二千七百万円の道路事業実施する、こういう計画で仕事を進めております。すでに一部は三十六年度から事業実施しておりまして、本年三十七年度は第二年度にあたります。三十六年度に実施いたします計画予定は、その下に書いてございますように、一般の道路事業につきましては二五・五%、首都高速関連街路事業、これは首都高速道路建設するにあたりまして、それが高架になりますので、高架の下に当たる分につきましては一般の街路を隔離する必要がありますので、その関係道路事業でございますが、これが二二・一%、首都高速道路が二二・二%で進んでおります。こういうふうに三十六年度には進んでおりませんけれども、三十七年度は相当大幅に進捗する計画になっております。  その次のページに路線別に書いてございますが、東京オリンピッ関連道路につきまして、大規模なものは一番上の環状七号線及び放射四号線でございます。環状七号線につきましては、この表でごらんいただけますように、全体計画約二十キローー十九キロ八百十五メートルございますが、これに対しまして総額、全体事業費として百八十三億ばかり見てございますが、そのうち三十六年度には約三六二%進捗する。三十七年度の予算を実行いたしますと、さらにそれに七十四億つける予定にしておりますし、そのほかに三十七年度には国庫債務負担をつける予定でございますので、合計いたしますと三十七年度に五〇・五%の事業を進める。結局三十七年度末には七八%終わりまして、三十九年のオリンピックまでには完全に間に合わせるという予定を組んでおります。放射四号線につきましても同様に百六十九億という多額の経費を要しますが、三十七年度終わりには八八・七%という進捗率であります。最近各地における用地交渉が進みまして、相当大部分の用地の交渉も進みましたし、場所によりましては移転を進めておりますので、必ずやこれに間に合わしたいと思って努力をいたしております。  東京都内におきますところの国の補助をいたします道路事業は、そのページの一番下にございますように、全部で全体事業費が六百四十五億でございます。そのほかにその次のページに国の直轄で行なう祝田橋の交差点、これを立体交差にしたいと思いまして、事業を考えておりますが、三十七年度に十億、三十八年度に残余の事業を終えましてこれも完成したい。それから都の単独事業がここにある表でございますが、先ほど申し上げましたように首都高速道路につきましては、一号、二号、三号、四号につきまして関連があるわけでございますので、それにつきましても国が助成いたしております。合計いたしますと、都内におきまして道路の公共事業として整備いたします全体事業費は左から二行目に千三十億八千五百万円と書いてございますが、三十七年度におきましては、それに対しまして事業費といたしまして三百七十七億七千八百万円について、そのほかに六十億の債務負担行為により事業が進捗いたしますので、全体といたしましては三十七年度末には六二・二%の進捗ができるものというふうに考えております。  その次のページは、東京都の単独事業で進捗しておる表でございまして、これは都におかれまして計画どおり進めておられます。  その次のページには、このオリンピック埼玉県でも一部競技が行なわれますので、それに関連いたしまして埼玉県における道路整備いたしますが、ここにミスプリントがございます。国の直轄事業分というところに笹田橋とありますが、目と田の違いでございまして、これは笹目橋でございます。笹目橋という橋を直轄で行ないます。  その他、東京—川越線、補百三十四号線を埼玉県分といたしますので、埼玉県分におきましては、総事業費二十七億に対しまして、三十七年度には十一億八千六百万円の事業を進めたい、こういう予算を組みます。  それから以上の公共事業のほかに、首都高速道路公団が行ないます道路がございますが、この最後のページに書いてございますが、高速一号線、これは羽田から都心まで来る高速道路でございます。それから二号線、これは大崎のほうから都心部に入る。それから三号線、四号線は選手村及び明治神宮の競技場及び都心部を結ぶ線でございますが、これらに重点を置きまして、道路公団におきましても三十九年の競技の始まるまでには、これらの高速道路について間に合うように準備を進めております。三十七年度におきましては、ここに書きましたように、約百五十六億程度事業費を見込んでおるわけでございます。  以上で御説明を終わります。
  56. 剱木亨弘

    ○剱木亨弘君 地図はお出し願わなかったから、道路の図面ですね、この資料をこの次にお出し願いたい。何号道路といってもなかなかわかりにくいですから。
  57. 森中守義

    委員長森中守義君) いいですね、資料を出しますね。それでは次回の委員会にその資料が出ますように、建設大臣において御配慮を願いたいと思います。
  58. 中村梅吉

    ○国務大臣(中村梅吉君) 承知いたしました。
  59. 森中守義

    委員長森中守義君) 次に資金関係につきまして、東京オリンピック資金財団理事長靱勉君に御説明を願います。
  60. 靱勉

    参考人(靱勉君) 資金財団の理事長の靱でございます。  お手元に「財団法人東京オリンピック資金財団について」というものと、財団の寄付行為並びに資金調達に関する調書と、三つお届け申し上げてありますが、その「資金財団について」というものを中心といたしまして、御説明申し上げたいと思います。  財団は、組織委員会において、資金調達のための機関を設けるように検討されておりましたが、三十五年の十二月末になりまして、その方針が決定されまして、財団設立の許可申請を文部大臣に提出し、十二月二十八日、年末に迫まりまして、文部大臣から設立の許可を得た次第でございまして、三十六年、昨年の一月に発足いたしたわけでございます。三十五年度といたしましては、もう三月しかございませんし、組織委員会あるいは日本体育協会において在来やっておりました、財団において今後継続してやるべき事業の検討を行ない、さらに財団の組織、評議員会等の設定等、さらに三十六年度の予算策定等を準備いたしまして、一応本格的に活動を開始できましたのは、本年度すなわち三十六年の四月からでございました。  そこで、財団といたしましては、東京大会開催に要する準備並びに実施に要する経費を調達するということが目的でございますが、先ほど来からの御説明にありましたように、結局、組織委員会において準備されるための経費、それから実施実施と申しましても、あるいは競技場とか道路とか、そういう問題じゃなくて、結局大会運営費と申しますか、そういうものの調達、それから日本選手の技術向上対策費、いわゆる選手強化費というものと、さらに大会運営のために必要な会館の建設、この三つが大きな事業目的でございまして、これを財団において実施するという使命を持ったわけでございます。しからば、どれくらいの資金を調達するかということが問題でございまして、これはこの資料に「本財団の要資金調達額」というのが4に書いてございますが、これは別表の「資金調達額に関する調書」をごらんになったほうがわかりよいと思いますので、これについて御説明申し上げたいと思います。  これは実は三十五年の八月ごろ、当時まだ財団はできておりませんでしたが、組織委員会内に資金計画委員会というものがございまして、そこで一応策定いたしたものでございます。  先ほど田畑事務総長からお話の出た、大体これくらいだろうという全期間の目標を立てられたのが、この調書でありまして、当時、(1)の大会準備及び実施に要する経費といたしましては八十八億円程度をお考えになったわけでございますが、その後、競技種目の増加等で若干の修正をいたしまして、九十二億余りという数字になっております。それから選手強化費、これは岡といたしまして約十五億余り、それから大会運営の本部等となる会館の建設経費として七億五千万円、資金財団の事業遂行に要する経費として一億九千万円、これで結局百十六億九千八百万円。きわめて正確な数字になっておりますが、先ほど田畑総長からも御説明ありましたように、これは全くの概定でございまして、三十九年度、大会が終わるまでに一体どれくらいかかるかということは、これはなかなか正確に算定することは困難だというふうに承っておりますし、また、それが当然かと存じております。したがいまして、あるいはいろいろな経費の増高、また新たに追加すべきもの等が出ますれば、この百十六億というものが、さらにふえる——減るということは、まずないというふうに私どもは考えているわけでございます。  しかして、これらの資金を全部資金財団が調達するのではないのでありまして、先ほどから御説明がありましたように、国、東京都の補助金、それから組織委員会自体でお集めになる資金、それから日本体育協会でお集めになる資金、こういうものによって全体の調達を行なおう、こういうことでございます。したがいまして、右側に書いてありますように、先ほど来御説明がありましたように、国庫及び東京都の補助金が四十億大体見込まれており、組織委員会事業収入、これは入場料等でございますが、これが約三十億、そこで残りの分を資金財団で調達するということになりますと、二十一億円余りということでございまして、大体組織委員会経費と、大会準備並びに大会運営費と申しますか、それの国及び東京都の補助額と大体見合ったような額が、一応資金財団の調達額というふうに示されております。それから選手強化費でございますが、これは国からやはり補助金が出ております。それから体協自身でお集めになるもの、したがいまして、十五億余りのうち、資金財団で調達する予定額というものが七億二千三百万円、会館の建設資金は、財団だけの調達になりまして七億五千万円、こういうふうな形に相なっているわけでございますが、これはあくまで先ほど申し上げたように一応の見通しでございまして、私とも何らか目標がないと、集めます場合におきましても、相手側に御説明もできないということで、一応これを基準といたしまして、事業計画を立てた次第でございます。  そこで、次のページについて——元の資料に戻りまして、御説明いたしますと、三十五年度はどうだったのかということに相なるわけでございますが、三十五年度におきましては、わずか三カ月ですし、まだ財団は主として引き継ぎ事業が多かったわけでございますから、収入としましては四千四百万円、これは主として宝くじに、ごらんのように五輪のマークがついておりますが、各地方自治体からのこれは協賛によるところの番付金と申しますか、マーク使用料と書いてありますが、実態的にはそういうようなものでございます。これが四千四百万円で、事業経費としまして二百二十万円を出しましたので、これは配分も全部終わりましたあとで、財団で引き継ぎましたので、残りの残四千百八十万円というものは、これは将来の配分の資金としまして、これを繰り越したわけであります。  そこで三十六年度の予算でございますが、この予算の策定が、ちょうど昨年の三月にしなければならないわけでございましたが、当時まだ実績がほとんど事業にございません。したがいまして、非常に困難をきわめましたが、できるだけよけい目標額を設定しまして努力しなければいかんということで、一応六億円程度のものが集められるような計画をいたしたのでございますが、これは実績におきまして、もうあと二カ月しか本年度ございませんが、特に番狂わせもございまして、四億程度ということに考えております。しかしながら、配分の計画というものはどうかということになりますと、これは一応ここで御説明申し上げておきますと、組織委員会の費用にいたしましても、選手強化の費用にいたしましても、国あるいは東京都の補助金等がございますので、年間の大体予算というものをそこで概定されて参ります。それに基づきまして組織委員会と体協から御要求が出てくるわけでございます。それに対しまして、財団としましては調達したものから配分する、こういう格好に相なっているわけでございまして、三十六年度におきましては、組織委員会へ六千三百万円、6に書いてございます。  それから日本選手の強化資金としまして、体協へ一億一千八百万円余りというものを配分するという計画に確定いたしまして、これを現に実施しております。配分は、一月現在で組織委員会に対しましては四千九百万円、体協に対しましては一億二百万円を配分いたしておりますので、両者に対する二月以降の配分額は約三千万円余り、まだこれから配分しなければならんことになっておりますが、ただいま一月現在で、資金財団の調達しまして、現に入っておりますのが三億余りになっておりますので、この配分は十分にできる、こういうことでございます。そこでなぜこういうふうに若干私どもの目標額から二億程度の差があるかと申しますと、これは6の右側のほろに書いてございますように、現在大体入っておりますのはこれは公営競馬、これが一億二千九百万円、富くじが七千七百万円、ゴルフが五百九十万円、その他のものを合わせまして、三億一千五百万円ということになっております。これはまだ全部ーーその他、あるいは記念切手の発行、それから国会の皆さん方にも御協賛をいただきました、いわゆる一般募金、十円募金と称しておりますが、そういうものなんか、まだ現実に全部入っておりませんので、先ほど申しましたように絶対間違いないのは四億程度、あるいはこの二カ月の間において、もう少し伸びるものもあるといような状況でございますが、そういうような事態になっております。そこで7に書いております問題は、まあここで弱音を吐くわけではないのですが、財団としましては資金調達にまったく空手でございます。これはともかく国民の皆さんの御協力によりまして、この大会を成功させにゃならんという御熱意によって、あるいは広告事業とか、いろいろなことをやっておりますが、これは寄付に相なるわけでございます。そういうわけでございますので、郵政省並びに三公社にもお願いしまして、政府のほうにおかれましても資金的に調達に援助してやろうということで、「オリンピック東京大会準備等のために必要な特別措置に関する法律」というのが昨年の七月一日から実施になったわけです。これは両院の非常な御配慮にもよることでございまして、これによりまして大体十五、六億円程度のものが確保できるのではないかという見込みを立てたわけでございますが、これらは、あと、現に実施しておる事業につきまして御説明するときに、詳しく御説明申したいと思いますので、これは省略させていただきまして次のページの右側の8というので「各種資金調達事業、現在財団が実施中の調達事業は次のとおりであります。」以下につきまして、簡単に御説明申し上げたいと思います。  これは(1)は、寄付金付の記念切手でございます。これは第一回を昨年の十月十一日に発売いたしましたが、三種類出しまして、五円の切手にプラス五円いたしたわけでございます。これは三種類の切手を発行いたしましたのですが、各種類四百万枚ずつ発行していただきましたので、大体これによりますところのネットの収入が五千四百万円でございます。これは、ほとんど全く百%の消化ができたわけでございまして、それでは全期間でどのくらい予定しているかと申しますと、この目標額は四億から四億五千万円、これはネットのあれでございまして、もちろん、郵政省におきまする募金管理会等においての経費は差し引きまして、財団に入る予定でございます。四億から四億五千万円をぜひお願いしたいというような考えでおります。  それから(2)は電話番号簿等の利用で、これは主として電電公社の御協力によるわけでございますが、東京、横浜、大阪、名古屋の電話番号簿の一部を拝借いたしまして、オリンピック協賛の広告を出していただく。こういうことでございまして、三十六年度は二千九百万円ネットの収入予定でございます。これは御案内のように年に一回しか発行されないものでございますから……七月一日に発行される。これらの機関と、いろいろと打ち合わせをいたしました結果、大阪等は本年度には入ってこないというようなことでございますが、全期間の目標額としましては、これは三億ないし四億五千万円というものを考えていただきたいということで、お願いいたしております。  その次に、これも特別措置法に基づいたものでございますが、たばこに抽せん付の広告カードを添付して、それから寄付金をいただきたいということでございますか、これは主として広告主から入って参るのでありまして、専売公社のたばこからの御協力を全期間三億程度ということの大体のお願いで、御了承を得たのでございますが、これはまことに失敗いたしまして、本年度の収入は三百万円程度ということになっております。これは、たばこをおのみになる方には何も関係ないんでございまして、結局抽せん券がついて、当たれば、たばこが一等ですと三百六十五箱当たるということですが、結局、広告主の負担でございまして、これはなかなかむずかしい性格のものではないかと思っておりますので、専売公社等におかれましても、何らか別途、これはさらに検討してやろうということで、私どもも何とか全期間におきましては三億円の目標額を上げさせていただきたいというように懇願いたしておるような現状でございます。  それから国鉄の広告は、これは駅の構内等に新たに広告をさせていただきまして、これは大体一億円程度をお願いいたしておりますが、本年度はまだ国鉄当局におきましても、そのための、これはオリンピック・マークがついて出ると思いますが、そういうものを今からやるのは早いということで、これは後年度において実施される、ごく一部において実施されておりますので、三十六年度としましては三百万円程度。  それから宝くじ、これは財団ができる前から東京都を初め各地方自治団体の全くの御協賛におきまして、宝くじ発行の二%というものを御協賛願うということ、これは確実に出てくるのでありまして、大体年間一億円程度のものが出て参るわけでございます。したがいまして、これで全期間としましては、四億程度を目標といたしておるわけでございます。  その次の協賛競馬というのは、これは公営競馬でございますが、東京都及び神奈川、埼玉、千葉の各県並びに特別区が春秋五日間ずつ十日間、協賛競馬を実施いたしまして、諸経費引きまして、売り上げのうちの純益というものを御寄付願うということに、これは何も別段特別の根拠はないので、全く関係の皆さんがたのほんとうの積極的な御寄付でございます。目標額はここに四億五千万円と書いてございますが、実は当初三年間やりまして、大体三億という目標になっております。ただ御案内のように、近来五市が出て参りましたので、実際におきまして若干伸びがございますので、もう少しお願いできないだろうかということでお願いに上がっておりますが、これはまだ必ずしも確定いたしておりません。一応御承諾を得ておりますのは三億程度ということに相なっております。  次の協賛割増金付定期預金というのは、全国の銀行等、農協等も参加下さいまして、定期預金でございますが、これに割増金をつけて、当せん者に若干——三十万円以下でございますが、前からこういういろいろな割増金付定期預金がございましたが、これはオリンピックのためにやる。これは銀行と預金者からの御協賛でございまして、これは額が非常に多いのでございますが、全期間を通じまして七億二千万円程度、これはまず確実であろうというようなものになっております。  それからオリンピック十円募金、これは国民に広く御協賛をいただきたい。これは額はもちろん幾ら小さくてもかまわないのでございまして、これは一般募金でございますが、これをお願いしようということで、文部省、郵政省の後援を得まして、その他各団体の御協賛のもとに実施したのでございますが、実施機関としましては、全国のうちで郵便切手売りさばきの組合を結成しているところの一部に今回は初めてお願いしました。目標は五千万円でございましたが、これは第一回の実施の結果、これは率直に申しますと各切手売りさばき所等におきましては、黙っておっても切手、印紙を買いに来られるように、寄付金を持っておいでになる、それに記念シールを差し上げるというようにお考えになっておったところもあったために、大体私ども今全国的に集計を行なっておりますが、五〇%から六〇%ぐらいじゃなかろうかということでございます。しかし、やり方としましては、一にこの売りさばき所だけを利用しましたので、私は全国民オリンピックに対する熱意というものは決して低くない。ほかのほうの事業をいろいろ実際当たってみますと、ペパー・プランと実際とは非常に違うのでございまして、これは時期の問題もありましょう。私ども反省しておりますが、これはそう失敗したものとは考えておりません。ことに、その後一応売りさばき所の募金が終わりました後におきまして、総務長官の特別の御配慮で各省の御協力をお願いしましたところ、先ほど申しましたような衆参両院議員さんからも御協賛をいただき、各官公署等においても非常な御協力で、私ども大体これによっては五、六百万円かと思っておりましたが、大体一千万円集まるようなことになっております。これは三月までかかりますので、全部集計が終わりませんが、これはただ単に金額を多く予定するということより、オリンピックに対する関心と申しますか、われわれもひとつ協賛してやろうということとしまして、非常に一般国民募金として考えているわけでございます。共同募金のごとく、非常に長い歴史を持っておりますものと違いまして、なかなか困難な、また手数のかかるあれでございますが、経費としましては、大体二〇%以内で諸経費をまかなうというようなことで、非常につらいような形で出ておりますが、今後、私ども大体全期間を通じまして一億五千万円か二億が最低調達できるのではないかと考えております。  屋外広告その他全国の小売商店の協議会の協賛券を発行して、一部を寄付してやろう。あるいはゴルフから、各入場者について御寄付を願うというようなこと。それから協賛相撲は、特別な一日相撲を行なうものでございます。それからプロ野球の問題は、三十八年から二回くらいできるかというようなこと、これらはいずれも御賛成を得ておりますが、今年度入っておりますのは……屋外広告は、先ほど申しました国鉄の問題と同様に後年度に多く期待できるのではないか。それから協賛券もまだ百貨店などが必ずしも参加しておりませんので、その点がございますが、これもあるいは一億から二億程度のものは期待できる。ゴルフのほう、あるいは相撲のほうも本年度すでに入っております。  (14)のオリンピック記録映画でございますが、これは実は三十六年度の、まだ何にも実績がわからないときには、この記録映画では相当入るものと実は考えられたのでございますが、これは率直に申しますと、二億円程度見込ませていただきましたが、これが現在までに入っておりますのは九百万円ということでございまして、非常にその点が予定が狂ったわけでございます。  (15)は、これはいろいろな催しものをやっていただく、あるいは会社とか団体等がやるいろいろな催しもののときに、入場料の一部を御寄付願う、あるいは民放、新聞等におきまして、協賛のために御寄付をいただくということでございますが、これは全年間を通じまして一億円程度考えておりますが、三十六年度は二千万円程度のものでございます。  (16)に一般寄付金と書いてございますのは、これは真に、ほんとうの篤志で持っておいでになるもので、現に今年度の百万円は、全く何のあれもなく積極的に、ある団体でオリンピック協賛とか、何とかいうことではなくて、一部寄付して上げましょうといって、御持参下さるものでございます。  現に実施しているものは以上でございますが、その他考えられておるものもございますが、何と申しましても昨年度は必ずしも全体的なムードもあがっていない点もございましょうし、私どもの財団の準備等に疎漏のあった点もございます。  そこで、この三十七年度が問題でございまして、ただいまのところ、三十七年度の予算は、組織委員会並びに体協が受ける国の補助がきまっております。そこで私どものほうで一応それから見まして、当然配分申し上げなければならぬ額が、組織委員会に対しまして一億九千万円弱、体育協会に対しまして三億二千万円余ということで、合計五億一千万円ということに相なりますが、日本体育協会の選手強化費としましてはさらに出るというように承っております。あるいは組織委員会のほうにおいてもさらに追加を要するものがあるかと思いますが、大体五億から六億の間。そこで、現に実施しているものだけで、絶対確実と申しますか、かなり厳格に私ども三十七年度の予算予定を策定いたしてみますと、大体九億は集まる。したがいまして、この配分には差しつかえないわけでございまして、三十五年度以来繰り越し繰り越しで、大体三十八年度には、私ども繰り越しは六億から七億低く見積ってできるものと考えておりますが、先ほど最初に申し上げましたとおりに、この百十六億という線が、あるいはもっと相当ふえるということを考えますとともに、この今まで掲げました事業でも、ものによりましては、この見込みがいろんな事情によって狂う場合があります。それから財団におきましては、いわゆる財界募金と称しまして、各会社法人等から御寄付をいただくという方法はとっておりません。何かの事業を通じていただく、広告事業とか、いろんなそういうような形をとっておりますので、私どもとしましては、ぜひ本年の上半期におきまして、もう少し大きな柱を二つ三つ立てまして、それによって約二十億円程度確保いたさなければならぬというふうに考えております。  そういうことに相なりますれば、一番最後に「今後の問題」として書いてございますように、今までの計画で見ますと、二十九億ないし三十七億、うまくいって三十七億円程度の調達見込みとなりますけれども、三十億円程度にとどまる場合には、現に見込まれておりますところの財団の一応の予定の三十八億にも少し足りません。今後大会運営費予算及び選手強化費予算もさらに増加することを考慮いたしますれば、ただいま申したように、どうしてもあと二十億ぐらいの目標を立てまして、結局四十八億から五十六、七億の線が一応見込まれるような態勢にいたさなければならぬわけでございます。  委員の皆さん方におきましても、格別の御指導、御支援を賜わりますように、この席を拝借してお願い申し上げる次第でございます。以上をもって簡単でございますが……。
  61. 森中守義

    委員長森中守義君) 皆さんにお諮りをいたします。最後に、総理府審議室からオリンピック関係予算全体についての説明予定しておりましたが、これまでの関係者からの所管の説明の中で、ほぼその大要を述べられていますので、本日はこれを省略することにいたしたいと存じますが、よろしゅうございますか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  62. 森中守義

    委員長森中守義君) それでは異議ないと認め、さよう取り計らいます。  なお、質問の通告がありますから、若干質問を続行いたします。千田君。
  63. 千田正

    ○千田正君 時間がないので、私は詳しい質問は次の機会に譲りますが、建設大臣に特にお伺いしたいのですが、今御説明になった点で、オリンピック開催までに完全に完成するというお考えのようで、大丈夫だということでございますが、それから細部を検討しますというと、この予算のあれは、オリンピックということに籍口して——と言っては語弊があるのですが、これは国民協力するということで、そうとられてもやむを得ないだろうと思います。オリンピックまでに施設をしたもろもろの施設のアフター・ケアの問題、これを十分にあなたのほうでは積算をとっておられるかどうか。道路のことはいい。たとえば国立競技場の問題、あるいはそういう施設の問題は、オリンピックが終わったあとどうなるのですか。これは、東京都のほうで出したのは東京都のものになるということもあるでしょうし、国で作ったものは国の管理という問題も出てくるでしょう。もう一つは、建設省の住宅問題と相関連しまして、先ほど小平長官の御説明の中に、オリンピック目当てのお客さんがたくさん来るから、ホテルの新設、それから日本旅館の改造というような問題が出ております。それから非常に多くの部屋を作った、さあオリンピックがなくなった、おしまいになった、そのあとの使用はどうするのだ、金は借りて作ったんだが、あとの運営には困るというようなことであっては、これはオリンピックはけっこうなことだが、そのあとに借金だけが残ったというようなことのないようにすることは、これは国としては十分考えなくちゃならぬ問題だろうと思う。そういう面の大綱を私は承りたいと思いましたけれども、時間がありませんから、大体アフター・ケアの問題はどういうふうに建設省としては考えておるのか。それからあなたのほうの管轄では、首都建設東京都と建設省と、この三者の関連はどういうふうないき方によってオリンピックの達成に向かっておるのか、その大略の方針だけ承っておきたいと思います。
  64. 中村梅吉

    ○国務大臣(中村梅吉君) 前段のほうの道路あるいは首都圏整備関係、これはもうオリンピックがあろうがなかろうが、非常に期待をいたしておりますので、促進をする必要性はあったわけです。そこへオリンピックという問題が起こってきたわけでございますが、ますますもってその一つの目標期限ができましたから、その期限までに必要欠くべからざるところだけは進行をするようにいたしたい。また諸般の手順を進めて参りたいと思っております。  後段の国立競技場関係は、私のほうとしましては、文部省予算に計上されたのを、建設関係事業でございますから、予算のつけかえをしていただいて、委任を受けて工事を施行するという格好でございます。したがいまして、文部省のほうからお答えいただいたほうが適切かと思うのですが……。
  65. 千田正

    ○千田正君 それからただいまの何といいますか、高速度鉄道やなんかですね。こういうほうはあなたのほうの管轄にはなりませんか。
  66. 中村梅吉

    ○国務大臣(中村梅吉君) 私のほうです。
  67. 千田正

    ○千田正君 それはオリンピックをやるというばかりじゃなくて、今のおっしゃるような首都建設の立場によって、人口の増加その他に対して考えなければならないというような、併用するという立場で予算を組んでいるのかどうか。それはどうです。これは「オリンピックのために」と書いてありますけれども、われわれはそういうふうには考えない。
  68. 中村梅吉

    ○国務大臣(中村梅吉君) 首都高速道路は、オリンピック誘致の決定いたしまする前から八本の高速道路計画がありまして、都市計画審議会等できまりまして、この実施機関として首都高速道路公団が生まれたわけでございます。したがいまして、もともと都市の交通事情をよくするために計画を立てておったところヘオリンピックの開催というものがきましたので、それに関連しまする四号線のごときは——七号線、四号線というのが最も主要の幹線になりますから、これだけは何とかオリンピックまでに間に合わせるようにいたしたいという予定で進行いたしております。問題点は、おそらく海岸を——羽田から来ます七号線など海岸を通りますので、しかも海岸埋立地を通るわけですが、その埋め立てに関連しまして、東京都は港湾整備の埋立計画を一緒にしたいというようなことで補償問題がからんでおりまして、この補償問題の解決がもうほんとうにぎりぎりの線まできておりますので、東京都も熱心に当たっておるわけでありますが、これだけが難点でございまして、その他の部分は予定どおり進行いたしております。  それから、すべてこの高速道路は、これだけの事業費を投じてペイするかどうかということは、最初に企画されたそのときから計算をされておりまして、また今日の自動車増勢から見まして、むしろこの回収は予定よりもよほど早まる可能性が私どもはあると、こう思っております。したがいまして、これらはオリンピック開催ということがきましたから、何とかそれに最も密接な関係のある路線だけは、早く供用できるように間に合わせるつもりでございますが、それとは関連なしに考えておるわけでございます。
  69. 千田正

    ○千田正君 詳しいことはまた伺います。
  70. 森中守義

    委員長森中守義君) 文部省はいいですか。
  71. 千田正

    ○千田正君 国立競技場の問題……。
  72. 前田充明

    政府委員前田充明君) 国立競技場の拡充整備ということを第一にあげましたのでございますが、国立競技場は、現在もう特殊法人の国立競技場がやっておりますものを広くするのでございますから、そのままでよろしいわけでございまして、その点ペイの問題は広くするからということはございますが、だんだんそういうこのオリンピックを契機としていわゆるスポーツも盛んになるので、何とかいくのじゃなかろうかというような感じがしております。それから屋内総合競技場でございますが、これはワシントンハイツにできますものでございますが、これもやはり特殊法人国立競技場政府からの現物出資というようなことでいたすつもりでおります。これのペイの問題は水泳それから柔道、バスケットでございますが、これはおそらくうまくいくのじゃなかろうかと思います。それから戸田の漕艇場でございますが、戸田の漕艇場はまだ最終的にきめてはおりませんが、文部省の所管として、ほかにも似たような問題がございますので、一応文部省所管の漕艇場ということに考えております。それから朝霞の射撃場は、ライフル射撃場でございますが、防衛庁のほうの場所が朝霞でございまして、防衛庁のほうに移しかえられるつもりでおります。
  73. 千田正

    ○千田正君 この準備資金のうちで競馬の問題がありましたが、これはただいま農林省のほうでは、競馬法の改正というのを当農林水産委員会に提出しようとしております。そうなるというと、地方の各県の競馬はやれないような条項が中に入っておるようにわれわれは今のところ見ておるのですが、そういうような御検討を十分やっていただかないと、競馬側からの資金でまかなおうと思ってもあるいは予定が狂うかもしれませんから、これは御参考までにひとつその点を十分に御研究を願いたいと思います。もしそうだとすれば、当委員会委員の諸君が農林省と相談して、オリンピックのためのそういう競馬を開催する予定地のあれを特別に農林省の了解を得てやるような方法をとらなければならないであろう、そういう点もありますから、これは質問じゃなくて参考までに希望を申し上げておきます。
  74. 靱勉

    参考人(靱勉君) これは私どもそういうお話を承りまして、農林大臣には会長から、こういうふうに現在なっておりますので、その点も御考慮を願いたいということはお願いに上がっております。なお、これらにつきましては、組織委員会のほうにおいても検討をしていただいておるようなわけであります。
  75. 永末英一

    ○永末英一君 資金の中で立て方について国と都と、それから組織委員会、体協、財団というもののいろいろの予算を見せていただいたのですが、たとえば国並びに都から組織委員会に出す補助金がまるまる財団のほうに上がって、実際に出すのは組織委員会に国と都から出しております。体協の場合には文部省から体協に出しております。ところが財団のほうの予算案にもそれが出ておる。実際は金は行っちゃう、行くというよりは法律上どこへどうきておるのかということがわからない、この点を一点明らかにしていただきたい。  それから財団のほうで御説明になった組織委員会関係経費、それから体協関係経費と体協のほうで出された収入見込み、あるいはまた組織委員会で出された支出見込みというものとが、計数の四捨五入程度じゃなくて、明らかに内部的に違っているような多額の差違があるのです。これはどっちか一本にしてもらわなければ、一本のものであるならば一本のものにしてもらわなければ、われわれが判断する場合に一体どっちが正しいかわからない。その辺の食い違いが今の段階で出ておるということはどういうことですか、この二点お伺いしたい。
  76. 靱勉

    参考人(靱勉君) 先ほど御説明申し上げましたが、今おっしゃったように、いろいろなところから組織委員会に入ってくるわけでございますが、財団といたしましては、先ほど、ここにも書いてありますとおりに、三十六年度、本年度約一億八千万円、これは直接配分をいたします。御要求によりまして年間数回にわたりまして配分いたします。それから三十七年度の予算におきまして、私のほうの予算というものは、御案内のように財団でございますから、国の予算に直接関係ございません。したがいまして、三月の終わりの理事会において決定いたしまして、収支予算及び事業計画、配分計画、こういうものも文部大臣に提出いたします。したがいまして、財団で配分すべき額というものは、先ほど申し上げましたように、今国会で御審議中の予算から算定いたしますと、私どものほうが両者で五億一千万円用意しなければならぬ、こういう形になっております。政府のほうは予算としてもちろん入っております。都のほうのやつは東京都のほうから入る、体協自身でお集めになるのはみずからお使いになる、こういう形かと思います。
  77. 田畑政治

    参考人田畑政治君) 今のところをちょっと申し上げます。組織委員会に対して東京都と国から同じ額の補助がある。それは直接組織委員会に入ります。それから体協のほうの国からの補助の面は、これは直接体協に参ります。その資金財団のほうで体協へ出すものは選手強化のほうに一部出す、組織委員会で国と都から直接いただく補助金で、組織委員会に直接入ってくるものは選手の泊まる費用、これは要するに、今のところ組織委員会の議を経ていませんが、今までの例からいって大体一日入るというもの、それとテレビに売ります、これの収入、それと切符、それだけが直接組織委員会に入ってくるものでございます。
  78. 永末英一

    ○永末英一君 そうしますと、財団の予算表の中には、組織委員会に直接入ってくるものも通告をして、財団の収入としてあげるんですか。あるいは組織委員会に対する補助金も財団の収入として支出を分けて、また配分をもらうという形をとっているんですか。
  79. 靱勉

    参考人(靱勉君) そうじゃございません。全く財団で調達したものだけでございます。民法上の法人でございまして、国の予算等、この一覧表の全体のあれを見まして、私どもの調達しなければならぬのはどうだという目標のためのものでございまして、自分で調達したものだけをお配りする、こういうことでございます。
  80. 永末英一

    ○永末英一君 そうしますと、財団については、この一覧表、調書に従いますと、一番下の(注)と書いてある三十八億というところの内訳をよく見せていただくということでわかるわけですね。
  81. 靱勉

    参考人(靱勉君) そのとおりでございまして、その上のほうに、これは年度別が出ておりませんが、たとえば組織委員会に対しては全期間を通じて二十一億四千四百万円、一応この調書によれば、こういう形になっております。
  82. 千葉千代世

    千葉千代世君 組織委員会にお尋ねいたしますけれども、今各方面の説明を伺っていて、初めてばらばらであったオリンピックの知識というものがたいへん体系づけられたわけですけれども、その中で、オリンピックが始まりますというと、通信関係が相当繁雑をきわめると思うのです。外国からたくさんの選手が来ますから、やはり外務省関係、そういう方面の連絡ですね。具体的に逓信関係、外務省関係連絡をずっとおとりになっていらっしゃるわけでしょうか。
  83. 田畑政治

    参考人田畑政治君) 組織委員会のもとに、各省から次官級の委員を出していただきまして、総務委員会というものでやっております。処理しておる。その下にさらに具体的には局長級で幹事会を作りまして、そこで連絡をしてお願いしております。
  84. 千葉千代世

    千葉千代世君 それじゃ理事会に要望ですけれども、これからこういう参考人をお呼びいただきますときには、外務省関係、逓信関係に一応来ていただいて御説明いただきたいと思うのですけれども、適当に御相談下さいますように、これは要望でございます。
  85. 内村清次

    内村清次君 私は質問かたがたちょっと希望を述べたいと思います。  きょうは第一回の委員会を開きまして、オリンピックのことにつきまして今までの経過を聞くということでおったわけです。そこで経過を聞きました。聞きましたが、もちろん四十年度までの、大会が遂行されてしまうまでの経過につきまして、これは予想もありましょうし、そういったことも含めましての経過過程からいたしまして、東京都のほうで出していただきました資料を見ますと、これは開催地でもありますし、非常に熱意がこれによく一目してわかるわけです。しかしこれは東京都だけではどうしてもできない問題である。やはり国がその大半以上を協力していかなければならないという問題があるわけです。ところが、国の機関のほうから出ました資料をずっと見ましても、また委員長にお伺いしたいのですけれども、内閣の総務長官ですか、ちょっと出席して帰ってしまった。文部省の政務次官もちょっと出席して帰ってしまった。そうしますと、国会の委員会に、こういった責任者の出入りが非常に早いというようなことでは私はいけないと思う。その両者の発言の中から聞きましても、大体の責任体制組織委員会のほうでやっておるのである。国のほうは協力関係から、施設関係文部省のほうでやるのだ、道路関係建設省のほうでやるのだ、衛生その他の環境関係は厚生省のほうでやるのだ、通信や、あるいはまた輸送体制は運輸省のほうでやるのだ、こういった言い方ですね。しかし問題は、この大会が完全に終わるということは、よかったというような国際的な評判をとるまでには、やはり全国民協力を得なくちゃならない。それは時の内閣がやはり責任だ、こういった発言もあっておるようです。私も当然そのとおりだと思うのです。がしかし、私は責任をとるという問題は別の問題といたしましても、その間においていろいろな問題があると思うのです。だからして私は事務総長の組織委員会経過を、二十二回もお開きになったのですから、そういった経過のうちから非常な御苦心があるだろうと思うわけです。また今後もいろいろな御苦心が発生することもあるだろうと思うのです。だからして、そういった全責任を持っておるところの組織委員会のこうもしたい、ああもしたいという問題があろうから、これを私たちは微力ながら国会で取り上げて、そして解決をしていきたい、協力をしたいというのが私たちの本委員会のできたことでもあるし、委員となった責任であろうと私たち思うておるのです。ところが、政府のほうは一体窓口はどこになるのか。先ほど委員長が私たちにお諮りになって、内閣総理大臣官房審議室の予算審議したいというような御発言がありましたが、これは省略いたしたわけであります。ところが、この資料を見てきましても、三十六年度と三十七年度の予算の要綱が書いてあるだけであります。これには口頭で付け加えられるか心しれませんけれども、もう少し丁寧にやはり四十年度までの予想、それからまた現在の状態あたりをぴっちりとお書きになって、そうして各省はこういうふうな受け持ちをやっているのだということをやはり資料としても提出してもらいたいのです。組織委員会のメンバーを見てみますと、先ほど文部省の政務次官も言っておられたが、大臣が入っておられる。また中に建設大臣も入っておられる。建設省はおそらくこの大会準備に対しては、これは仕事としての何といいますか質と量、質といいますか、おそらく七〇%ぐらいまでは建設省関係が持っていらっしゃると思う。文部省が三〇%としたならば、やはり質と量の問題につきましては七〇%ぐらいは持っているだろう。そうすると組織委員会の中で、建設大臣東京の地理に詳しいお方でもありますし、よし建設省予算関係はおれが引き受けた、だからして四十年までにはこれだけはひとつ毎年度々九々やっていとうというようなことを、おそらく委員会では各委員の御意見を総合されて聞かれて、そうしてそういった御計画予算要求のときに御努力なさるだろうと私は思うのです。同時に文部省も、文部大臣がお入りになっているのだからそういう形でいかれると思う。そうやった責任体制分担して特に国の補助協力を増大していかなければならない。機関といたしましては組織委員会が、第一回のこうやった委員会に出るときには、組織委員会が一番重点だというふうに政府のほうでも言いますが、やはり組織委員会の名で全体の予算の構想をずっとお書きになって出す、そうして政府のほうの窓口は内閣のほうで、こういった体制がととのわないと、どうもばらばらに話を聞いてみますと、一体国とそれから組織委員会との間では非常に協調的に準備というものがいっておるであろうかどうだろうかということが私たち心配になるのです。だから私はたとえば資料の点におきまして、建設省のほうを見ましても、先ほど委員の方からも言われたように、一体道路のほうはどのくらい進捗しているのであろうか。東京都のほうからこれだけたくさんの関係道路の名前が書いてある。書いてあるけれども東京都の助役さんは非常に進捗しておるのだ、こうおっしゃっておる。私たちもそれはうわさには聞いております。一体どのくらい本年度進捗しておるかということを心配して、だからして図面を出してそれにはチェックして下さいという発言も私の希望だったわけです。そういうようなことも一括して、やはり資料の中にお書きになって、三十七年度にはこれくらい進捗しますよと、八年度ではこうなる、九年度にはこうなるというようなことをやはりお書きになって、それをまとめて内閣官房のほうでこの委員会に御提出になるというぐらいのことをやらぬと、どうも政府部内のほうでは何か各省の責任だから各省のほうで出すだろう、その世話も内閣官房のほうはやらないというようなことでは、私はまだ準備体制というものは、まことにしっくりいっておるかどうかということを疑うんです。どうかひとつこの点につきましても、今後何回もこの委員会は開催されると思いますし、また私たちも微力ながらいろいろ言うべきことは申しまして、そして大会の成果が上がりまするようにしたいと思っておりますけれども、どうかひとつ、まあそういったことを希望として申し上げておきますが、できるものなら内閣のほうでひとつ考えていただきたい、こう思います。
  86. 森中守義

    委員長森中守義君) 建設大臣、何か御意見ありませんか。
  87. 中村梅吉

    ○国務大臣(中村梅吉君) 今内村先生御指摘のとおり、このオリンピックの諸準備を進めて参りますのには、いろいろな各省に関係し、またがっているわけです。私どもとしましては、オリンピックの開催をすること自体については、何といいましても文部省が中心になってやるべきことで、文部大臣もいつもそう言っておるわけですが、なお関係各省ができるだけ協調をして、予算にしましても、事業の進め方にしましても、やっていく必要がありますので、お聞き及びのとおり、オリンピック関係閣僚の協議会を持ちまして、この中心は内閣総務長官に取りまとめをしていただくということで進めてきておるわけです。なるべく今御指摘のありましたように、中心の所在を明らかにして、そして一本化した姿でいこうという考え方は、もうそれに一生懸命なんですが、実際には思うように進めるということがなかなか困難で、集まるとやはりもっと強化しなければならぬじゃないかということをわれわれも実は話しておるわけなんですが、今後ともせっかく国会にも特別委員会ができましたので、御鞭撻をいただきまして、われわれとしましても今御指摘のような方向に一そう強化して参りたいと思っております。
  88. 田畑政治

    参考人田畑政治君) 組織委員会のほうといたしまして、今大体大きな路線だけはできたと思うのであります。問題は実行段階に入ってきますから、結局組織化しますと、これを実行する事務局に問題が移ったことになりますので、昭和三十九年のオリンピックがどういうことをしなくちゃならぬかという、そのためにはどういう費用が要るか、それについては金はこれだけ要るのだ、それは三十八年はこう、三十七年はどうだというものを今作りつつあります。おそらくこれは二月の中ごろには一応でき上って、そうした組織委員会で承認を得まして、今度それでいいということになりましたら、こちらの方へ持ってきたいと思っております。それで、これには三十九年度やるものはこういうものだ、それには通訳とか、何とかいうこと、全部非常にこまかいものですね。それに合うようなものはこうだ、それに対して来年はこれだけ発足するというようなことも今十分研究しておりますから、そのうちには……。
  89. 森中守義

    委員長森中守義君) ただいま委員長に対する御要請がありましたが、きょうの総務長官、それから文部政務次官、それぞれ退席の際に退席の理由が述べられました。それで承認をいたしましたが、これからは御要請にこたえることにいたします。  ちょっと速記とめて。   〔速記中止〕
  90. 森中守義

    委員長森中守義君) 速記を起こして。  それでは本日はこの程度にいたしたいと存じます。  参考人の方は、御多用中のところおいでいただきまして、まことにありがとうございました。なお今後におきましても御迷惑がございましょうが、本委員会審議のために一段の御協力をお願い申し上げます。  本日はこれにて散会いたします。    午後一時三十五分散会