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1962-02-26 第40回国会 衆議院 予算委員会第四分科会 第7号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十七年二月二十六日(月曜日)     午前十時三十九分開議  出席分科員    主査 羽田武嗣郎君       愛知 揆一君    今松 治郎君       上林山榮吉君    山本 猛夫君       木原津與志君    小松  幹君       島本 虎三君    田邊  誠君       松井 政吉君    山口丈太郎君    兼務 井手 以誠君 兼務 田中織之進君    兼務 井堀 繁男君  出席国務大臣         郵 政 大 臣 迫水 久常君  出席政府委員         郵政事務官         (大臣官房長) 金澤 平藏君         郵政事務官         (監察局長)  田中 鎭雄君         郵政事務官         (郵政局長)  西村 尚治君         郵政事務官         (貯金局長)  荒巻伊勢雄君         郵政事務官         (簡易保険局         長)      板野  學君         郵政事務官         (電波監理局         長)      西崎 太郎君         郵政事務官         (経理局長)  佐方 信博君         自治事務官         (行政局長)  佐久間 彊君  分科員外出席者         郵政事務官         (大臣官房電気         通信監理官)  松田 英一君         郵政事務官         (大臣官房人事         部長)     長田 裕二君         郵 政 技 官         (大臣官房建築         部長)     小坂 秀雄君         日本電信電話公         社総裁     大橋 八郎君         日本電信電話公         社副総裁    横田 信夫君         日本電信電話公         社総務理事(         兼)技師長   米沢  滋君         日本電信電話公         社総務理事   山本 英也君         日本電信電話公         社総務理事   秋草 篤二君         日本電信電話公         社営業局長   大泉 周蔵君         日本電信電話公         社計画局長   伊藤  誠君         日本電信電話公         社施設局長   平山  温君         日本電信電話公         社経理局長   井田 勝造君         日本電信電話公         社資材局長   行広 清美君     ————————————— 二月二十六日  分科員木原津與志君永井勝次郎君及び内海清  君委員辞任につき、その補欠として松井政吉君、  島本虎三君及び本島百合子君が委員長指名で  分科員に選任された。 同日  分科員島本虎三君及び本島百合子委員辞任に  つき、その補欠として田邊誠君及び受田新吉君  が委員長指名分科員に選任された。 同日  分科員田邊誠君及び松井政吉委員辞任につき、  その補欠として、永井勝次郎君及び木原津與志  君が委員長指名分科員に選任された。 同日  第一分科員井手以誠君、及び第二分科員田中織  之進君、井堀繁男君が本分科兼務となった。     ————————————— 本日の会議に付した案件  昭和三十七年度一般会計予算郵政省所管  昭和三十七年度特別会計予算郵政省所管  昭和三十七年度政府関係機関予算郵政省所管      ————◇—————
  2. 羽田武嗣郎

    羽田主査 これより会議を開きます。  昭和三十七年度一般会計予算昭和三十七年度特別会計予算及び昭和三十七年度政府関係機関予算のうち、郵政省関係を議題といたします。  郵政省所管について説明を求めます。迫水郵政大臣
  3. 迫水久常

    迫水国務大臣 御説明をいたしますに先だちまして、東海道線事故のために遅刻いたしましたことをおわび申し上げます。  当省所管会計昭和三十七年度予算について、その概要を御説明申し上げます。  まず、郵政事業特別会計予算でありますが、この会計予算額歳入歳出ともに二千五百四十二億一千三百万円でありまして、前年度の予算額に比べて三百六億七千三百万円、一三・七%の増加となっております。  しかし、この予算総額の中には収入印紙失業保険印紙等の、いわゆる通り抜けとなる業務外収入支出が六百二十九億七千万円ありますので、これを差し引いた郵政事業実体的予算は千九百十二億四千三百万円でありまして、前年度の予算額に比べて百八十二億四千六百万円、一〇・五%の増加となっております。この増加のおもなものについて見ますと、業務運営費におきまして百七十億五千五百万円、郵便局舎等建設費において八億六百万円等であります。  次に、三十七年度予算に盛り込まれております重要施策事項について申し上げます。  御存じの通り郵政業務、特に郵便業務におきましては、昨年春ころから急激に業務正常運行が阻害され、利用者から大きく非難を受ける結果となったのでありますが、このような状態は一刻も早く解消すべく鋭意努力をいたして参りましたが、三十七年度予算もまた、このために必要な施策中心課題として予算編成を行ないましたので、この予算は、一口に申しますと、郵政業務正常化予算と言っても差しつかえないものと思っております。  その施策について申し上げますと、業務量及び施設増加に必要といたします要員につきましては、一万五千二百二十二人の定員増員を行ない、局舎狭隘の解消と労働環境改善については、六十四億八千六百万円の予算をもって郵便局舎等の新営を行なうほか、二億数千万円の経費をもって居住性向上施策を行ない、郵便物集配運送施設改善につきましては、より一そうの機械化を推進して、労働力の軽減と郵便物の迅速なる配送に努めるとともに、従事員訓練実施特殊有技者手当増額等能率向上のための諸施策をも実施して、業務正常運行を確保することといたしております。  郵政窓口機関の設置につきましては、無集配特定局二百局、簡易郵便局八百を増置することとし、簡易郵便局につきましては、手数料を倍額程度まで引き上げて、その普及を推進することといたしております。  貯蓄の増強につきましては、新年度における郵便貯金増強目標を純増千五百五十億円、簡易保険新規募集目標十九億円、年金八億円とし、その達成に努めることといたしておりますが、郵便貯金につきましては、最高制限額、現行三十万円を五十万円に引き上げ、また、簡易保険郵便年金福祉施設につきましては、これを能率的に運営するために、福祉事業団を設立いたしたいと考えまして、それぞれ法律案を今国会に提出いたした次第でございます。  次に、歳入予算について申し上げます。  歳入予算総額は、歳出予算と同様二千五百四十二億千三百万円でありますが、この中から収入印紙収入等業務外収入を差し引いた郵政事業の実体的な予算額は千九百十二億四千三百万円でございまして、前年度より百八十二億四千六百万円、一〇・五%の増加となっております。  このうち郵便業務収入総額は八百九十億三千百万円、為替貯金業務収入は四十四億五千六百万円でありまして、前年度予算に比べて、郵便業務収入では百二十三億四千九百万円、為替貯金業務収入では九億三千二百万円と、いずれも増加しておりますが、これらの収入は昨年料金改正を行ないまして以来きわめて順調な歩みを続けております。  なお、これらの収入のほか、他の会計から繰り入れを受ける受託業務収入が八百九十六億六千九百万円、郵便局舎等建設財源に充てるための借入金等資本収入が四十四億八千三百万円、その他の雑収入が三十六億四百万円となっておりますが、いずれも前年度より若干の増加を見込み、収入予定を立てている次第でございます。  次に、郵便貯金特別会計予算について申し上げます。  この会計予算額は、歳入歳出ともに八百七十三億四千五百万円でありまして、前年度予算額に比べて八十八億三千七百万円の増加となっております。  歳入増加は、郵便貯金増強に伴います郵便貯金資金資金運用部への預託利子収入増加によるものであり、歳出増加貯金預入者への支払い利子四十七億六千三百万円、業務委託費としての郵政事業特別会計への繰り入れ金七億六千万円、予備費十六億九千九百万円、借入金償還金十六億千九百万円となっております。  簡易生命保険及び郵便年金特別会計におきましては、歳入予定額は二千百四十七億四千万円で、前年度予算に比べて百九十五億円、歳出予定額は千一億六千百万円で、三百三十四億九百万円と、いずれも前年度より増加しておりますが、歳入歳出差額、すなわち歳入超過額千百四十五億円につきましては、法律の定めるところに従いまして積立金として処理し、資金運用部に預託することといたしております。  なお、三十七年度の財政投融資原資中、簡保年金資金は千五百億円を予定いたしております。  次に、一般会計予算について申し上げますと、その歳出予算額は二十八億四百万円で、前年度に比べて二億六千四百万円の増加となっております。この予算には、有線放送電話施設公社線との接続に関する試験研究を全国二十カ所で行なう経費三千六百万円、宇宙通信開発研究に要する経費一億七千七百万円、国際放送拡充強化に要する経費一億九百万円、臨時放送調査会の設置等重要な施策を行なうための経費が含まれております。  次に、日本電信電話公社予算案について申し上げます。  この予算損益勘定におきましては、収入は三千二百四十四億円、支出は二千五百五十一億円で、収支差額の六百九十三億円は建設財源及び債務償還に充てられることになっております。  建設勘定におきましては、総額二千百二億円で、この財源自己資金千二百六十三億円、外部資金八百三十九億円を予定しております。また、この支出の内訳を申し上げますと、一般拡張工程に千九百八十五億円、町村合併に伴う電話サービス改善に五十一億円、農産漁村電話普及特別対策に六十六億円となっております。  以上をもちまして、一まず私の説明を終わりますが、なお詳細な点につきましては、御質問をいただきましてお答え申し上げたいと存じます。  何とぞよろしく御審議下さいますようお願い申し上げます。     —————————————
  4. 羽田武嗣郎

    羽田主査 これより質疑に……。
  5. 松井政吉

    松井(政)分科員 ちょっと質疑に入る前に、議事進行について……。委員長にお伺いいたしますが、予算審議を急ぐということで、与野党一致してその審議に努めておることは御承知の通りであります。そこでやはり国会正常化の申し合せもありますし、予算委員会理事等の申し合せがあれば別でございますが、そうでないとすれば、委員長がこの状態で本日の委員会を進めることは、国会法衆議院規則、それから国会正常化の申し合せに反すると思うのですが、いかなる責任において委員会を続けようと思うのか、見解を明らかにしていただきたい。
  6. 羽田武嗣郎

    羽田主査 きょう大臣出席もおくれましたので、一つ御了承いただいて、このままずっと質疑を続けたいと思いますが、どうぞ御了承いただきます。
  7. 松井政吉

    松井(政)分科員 きょう大臣がおくれたことは、いろいろ大臣から釈明がございました。開会時間が二十分、三十分おくれたということにけちをつけようと思っておりませんし、それから開会時における定足数が多少少なかったというようなことも、従来の常識から、われわれはそれにけちをつけようとは思っておりません。しかしながら、具体的な質問に入るときには、与党出席者がきわめて少ないということでいいか悪いか、これが問題だと思うのです。要するに午後になれば出て参ります。午前中は出てこないということになれば、午後から委員会を開いていただきたい。われわれはやはり国会対策委員会国会正常化の命令を受けてやってきておるわけですから、この状態では社会党審議に応じられないということになりますから、本分科会予定の日数以上にはみ出しても、その責任社会党ではございません。その点責任の所在は委員長にありますから、この点は委員長責任を負うか負わないか、明らかにしていただきたい。たとえば分科会日程が何日の何時までに終わるという申し合わせがありまして、その時間にわれわれの質問、ただしたい点、あるいは予算に関する重要な事項質問が終わらないで、一日延長するというようなことがございましても、この状態ではわれわれ野党の社会党責任ではございません。その点は一つ委員長の方で明確にはっきりしてもらいませんと、われわれは質疑に応じられませんから、この点は一つ明確にしていただきたい。
  8. 羽田武嗣郎

    羽田主査 お答えをいたします。与党委員皆さん出席がきわめて少ないということについては、まことに主査として残念に思います。今あらためて松井委員から御注意をいただいたのでありますが、あしたからそういう方向にいたしますので、一つこのまま質疑に入るように御了承をいただきます。
  9. 松井政吉

    松井(政)分科員 これはしつこくは申し上げませんが、質疑に応ずるために、われわれの方は第一質問者、第二質問者、第三質問者と全部そろって出ておるのですから、質問にはいつでも応じます。応じますが、こういう事態の中で、申し合せの日程と時間がはみ出た場合の責任は、われわれは負えないということを明瞭に委員長に申し上げておきます。この点だけは明らかに委員長責任であって、われわれの責任ではない、これだけははっきり申し上げておきますから、委員長責任質疑を続けられるならば、始めてもよろしゅうございます。これだけは明瞭にいたしておきます。     —————————————
  10. 羽田武嗣郎

    羽田主査 これより質疑に入ります。  質疑の通告がありますので、順次これを許します。  念のため申し上げます。質問希望の方が多数おられますので、山口丈太郎分科員と協議いたしました結果、一応御一人の持ち時間は四十分以内と予定いたしましたので、各分科員の御協力をお願いいたします。  井手以誠君
  11. 井手以誠

    井手分科員 自治省お見えになっておりますか。——それでは自治省関係からまず質問いたしたいと思います。  電電公社にお伺いしますが、同一市町村内に電話交換局のあるところは何カ市町村か、それが何局になるのか、その点をお伺いいたします。
  12. 大橋八郎

    大橋説明員 ただいまの御質問に対しては、局長より御説明いたさせます。
  13. 伊藤誠

    伊藤説明員 お答え申し上げます。町村合併促進法によりまして、市町村合併が行なわれましたために、同一行政区域内に二つ以上の電話局のありまする市町村が、昭和三十一年九月現在におきまして二千百十二市町村ございます。電話局の数にいたしまして六千六百十三局ございます。これに対しまして昭和三十年以来やりました結果、三十七年度で実施しなければならない、すなわち残っておりますものは、加入区域統合が三百十二局、それから市外サービス改善の……。
  14. 井手以誠

    井手分科員 私は短かい時間でなるべく多くを質問しようと思いますので、聞いた分だけ一つお答え願いたい。いろんな事情なんかについては一お聞きいたしました数字だけでけっこうですから、そういうふうに御答弁願いたいと思います。
  15. 伊藤誠

    伊藤説明員 残っておりますものが、加入区域につきまして三百十二局、市外線につきまして……。
  16. 井手以誠

    井手分科員 市外線を聞いていない。そうすると、同一市町村内になお二つ以上の交換局があるのは三百十二でございますか。
  17. 伊藤誠

    伊藤説明員 同一市町村内に二つ以上の局がある市町村の数でございますか。
  18. 井手以誠

    井手分科員 局の数です。
  19. 伊藤誠

    伊藤説明員 数は三百十二局でございます。——失礼いたしました。三百十二局と……ちょっと今調べまして……。
  20. 井手以誠

    井手分科員 同一市町村内に二以上の局のあるところの同一市町村内に対する料金は、平均して大体どの程度ですか。
  21. 大泉周蔵

    大泉説明員 今平均という御質問でございまして、平均は調査したことはございませんが、大体十キロから長いのは三十キロぐらいのところだと思いますが、待時ですと三分間十五円から二十五円、即時でいきますと十四円から三十五円というのが大部分だと思います。しかし、特別大きな市町村は例外でございます。
  22. 井手以誠

    井手分科員 新市町村建設促進法の第十六条によりますと、同一市町村は、国の機関もあるいは関係機関電電公社もやはり一元化すべきことに関係機関は協力しなくてはならぬと書いてあるのであります。今お聞きの通り自分町村役場にかけるのにも、いわゆる市外通話になるのであります。これではいかぬというので、ここに第十六条が設けられておるわけであります。自治省はその点に対してどういう指導をなさいますか。電電公社からどういう相談がありましたか。今まであなたの方からどういうふうに電電公社お話し合いになったことがあるか、それをお伺いいたします。
  23. 佐久間彊

    佐久間政府委員 仰せの点につきましては、自治省といたしましてもその通り期待をいたしておりまして、これまでしばしば電電公社にも地方からの要望をお伝えして、善処方をお願いいたして参りました。
  24. 井手以誠

    井手分科員 電電公社にお願いなさってどういう効果が現われましたか、それをお伺いいたします。
  25. 佐久間彊

    佐久間政府委員 電電公社の方におかれましても、毎年努力をしていただきまして、先ほどお話のございましたように、相当数の局の統合がこれまで実現して参ったようでございます。
  26. 井手以誠

    井手分科員 大臣にお伺いいたしますが、第十六条の二項によりますと、それに対する必要な資金の融通について、国は特別の配慮をしなくてはならぬと書いてありますが、今申し上げた同一市町村内の交換局統合なり料金の問題についてどういう御配慮があったでしょうか。
  27. 迫水久常

    迫水国務大臣 井手委員にお願いいたしますが、事務当局担当者から説明してよろしゅうございますか。
  28. 井手以誠

    井手分科員 この点については特別な御配慮はあっていないと思うのです。自治省郵政省なり電電公社との間に、この点の特別な折衝は私はあっていないと思う。これは例というのはおかしいけれども、郵政六法なんかには、新市町村建設促進法なんというものは載っていない。これだけ分厚いものにも載っていない。おそらく無関心だと思う。その点は一々私は事務当局の答えを聞こうとは思いません。  そこで、お伺いしますが、電電公社は三十五年度の決算幾ら利益を上げましたか。三十六年度はどのくらい利益を上げる見通しでありますか。固定資産の償却とは別に願います。
  29. 井田勝造

    井田説明員 お答え申し上げます。三十五年度の決算におきましては、利益金は六百五億でございます。三十六年度におきましては、四百九十七億円を予算予定しておりますが、これに対しまして約百五寸億円の増収がある予定でございます。
  30. 井手以誠

    井手分科員 これは大臣一つ願いたいんですが、同一市町村内における交換局統合は、これは地元の問題なり事情なり、あるいは電電公社資金なりいろいろあるでしょうから、これを即時統合してしまえという無理なことは申し上げません。しかし、少なくとも自分町役場電話をかけるのに、市外電話で二十円も三十円も取られることがいいかどうか。それは新市町村建設促進法には期待していないはずです。少なくとも料金だけは市内料金として取り扱うべきだというのが精神だと思うのです。区域変更その他でできるはずですよ。しかも今お聞きした通り、三十五年度でさえ六百億円を上回る利益を上げているんです。これはやれないはずはないです。私は多くは申し上げませんが、どうも建設促進法なんというものにあまり関心がなかったと思う。自分業務で一生懸命である。もちろん一生懸命になるのはいいけれども、地方民福祉サービスということも考えなくてはならない。  そこで、私は結論的にお聞きしたいのは、同一市町村内の電話料金は、私は三十七年度から市内同様に扱ってもらいたい。できるはずだと思う。これを一つお答えいただきたいと思う。
  31. 迫水久常

    迫水国務大臣 井出さんのお話を聞きますと、ごもっともな気もいたしますが、電電公社の方にもいろいろな理由があるんじゃないかと思いますので、よく電電公社に聞きまして善処いたしたいと思います。
  32. 井手以誠

    井手分科員 お立場もあろうと思うけれども、郵政大臣はその監督の責任者ですよ。経理についても、あなたは法律に沿った運営をしておるかどうかということは、いつも監督しているはずですよ。それじゃしばらく時間をかしますから、話し合って返事をして下さい。大臣、今大事なときですよ。これをあなたがもしおやりになるなら、全国民の皆さんから大した好意を持たれるのですよ。
  33. 迫水久常

    迫水国務大臣 はなはだ恐縮でございますけれども、この倉卒の間に相談をまとめることも困難ですから、きょう委員会が終了後にゆっくり時間をいただいて相談をして、明日の委員会お答えをいたします。
  34. 井手以誠

    井手分科員 それじゃ明日の朝御返事をいただくことにします。しかもその御返事は、朗らかな話であることを期待をいたしておきます。  続いて自治省関係でもう一つ伺いをいたしたいのでありますが、お伺いをする前に、まず電電公社に、集中局の問題ですが、第三次五カ年計画になりますと、この集中局がどんどん実現していこうと思うのであります。現在交換局幾らあって、それを幾らの局に集中なさるおつもりでございますか。それを伺いたい。
  35. 伊藤誠

    伊藤説明員 現在の交換局は約六千ございます。それをお尋ねの集中局集中するということでございますが、交換局の数は変動がございまして減りまするけれども、全部がその集中局集中されるというふうには私考えておりません。
  36. 井手以誠

    井手分科員 何か一府県に四つ、五つ六つくらいにまとめられるのは、あれは何ですか。
  37. 伊藤誠

    伊藤説明員 私どもが考えておりまする集中局と申しますのは、市外通話の取り扱いを集中的に扱うところを集中局と考えておるのでございます。電話局をそこに統合するという意味の集中局ではないのでございます。
  38. 井手以誠

    井手分科員 それはもうその通りでしょう。——五百幾らですか。
  39. 伊藤誠

    伊藤説明員 五百五十七でございます。
  40. 井手以誠

    井手分科員 そこでお伺いいたしますが、この市外集中なさるのは、経済ブロックでおやりになりますか、行政ブロックでお考えになっておりますか、その点を伺いたい。
  41. 伊藤誠

    伊藤説明員 原則としまして技術的、経済的な見地からきめて参りたいと考えております。
  42. 井手以誠

    井手分科員 自治省にお伺いいたしますが、市外集中局を各県に五つ六つくらいになさるそうであります。それはやはり自治省行政区域との関係も非常に多いと思うのです。電話がかかるからどこでもいいじゃないかというわけには参らないのであります。それを何かあなたの方では電電公社から御相談を受けられたことがございますか。
  43. 佐久間彊

    佐久間政府委員 格別御相談をいただいたことはないように聞いております。
  44. 井手以誠

    井手分科員 公社にお伺いいたしますが、私が聞いたところでは、市外集中なさるときに、集中するところが、かつては他の郡、市であったところに集中をして、かつて同一の郡であったところはずっと遠回りになるということを、あちらこちらで聞いておるのであります。たとえば私の方の佐賀県においては、嬉野武雄集中なさる。しかし、嬉野というのは、もと藤津郡であった鹿島中心である。それをわざわざ武雄集中なさるというのは、おそらく回線の都合であろうと思うのであります。やはり市外集中というのは、武雄鹿島集中局でございますが、そこは鹿島と同じ経済ブロックであり、行政中心鹿島でございますから、武雄ではなくて鹿島集中するのが当然だと思う。これは一つの私の方の例を申し上げましたが、各府県の話を聞いておりますと、そういう傾向がかなりあるようであります。  大臣にお伺いいたしますが、この市外集中の場合も、料金さえ出せば、あるいは時間をかければどうせ通ずるじゃないかということだけでは、私は済まぬと思うのです。やはり市外集中局にしても、行政区域というもの、あるいは経済単位、経済圏というものを考えるべきじゃないかと思うのであります。どうも公社のおやりになっていることは、自分の方の業務本位、回線木位が多いようであります。少なくともそういうものをきめる場合は、地元市町村なりあるいは県庁なりと連絡をなすべきじゃないかと思いますが、どうもそういう気配はないようです。大臣の御所見を伺っておきたいと思います。
  45. 迫水久常

    迫水国務大臣 率直に言いますと、日本電電公社電話の方のことにつきましては私若干弱いので、御質問に対して、そのものずばりにお答えをする用意がありません。今御質問の点も、井出さんのおっしゃることはもっとものように思いますが、この点も電電公社とよく話し合ってみたいと思います。
  46. 井手以誠

    井手分科員 総裁にお伺いいたしますが、先刻の問題といい、今の問題といい、やはり自治省なり都道府県あるいは市町村にあまり連絡がないようですね。これは少し自分の方も配慮が足りなかったんじゃないかというお気持はございませんか。先刻の同一市町村内の料金の問題にしろ、今の集中局の問題にしろ、たとい結論は同じになる場合でも、地元市町村の意向なり県の考え方なりを聞いてからきめるという配慮は必要じゃございませんか。
  47. 大橋八郎

    大橋説明員 ただいま御指摘のように、従来の公社の大体の考え方といたしましては、地方の地区的のことを全然眼中に置かないということではございませんけれども、やはり主として考えることは、経済的、社会的な連絡といいますか、そういう方面から考えておるのであります。自然、今のように御指摘になりますと、一部分のところに、それに重きを置き過ぎて、地方的の考慮が足りないという場合もあるいは生ずるかもしれません。私どもも今後仕事をやっていく上において十分考えなければならぬと思いますが、さりとて経済的、技術的考慮を全然無視して、非常に不経済な線を、ただ昔の関係で同じ郡だからといって、そこに必ず集中しなければならぬというふうになりますと、全体の電話計画というものがずいぶんゆがめられることが多いのではないか、かように思いますので、直ちにお説に全面的に賛成はいたしかねるわけであります。しかし今後はその点も十分考慮しなければならぬ、かように思います。
  48. 井手以誠

    井手分科員 多くは申し上げませんが、あなたの方の経済的、技術的な点に重点が置いてあるということですが、もっとやはり地方の公共団体その他との連絡が必要であるということを、私は特にあなたの方に反省を求めておきたいと思います。自治省はそれでけっこうです。  もう一つ、小さなことをお伺いしておきますが、農村公衆電話で、何か千円か、維持料を取られるのですね。これは、この前の予算委員会でございましたか、全額を免除というわけにはいかぬけれども、半分くらいに一つ下げようではないかという話を公社側でも了承なさっておったと、私は記憶をいたしております。せっかく農山村に電話を引いても、千円の維持料がなかなか払えない。お宅の部落も引いてはどうですかと言うと、維持料が千円も要るなら、それではせっかくですがお断わりしましようというのが方々にあるのです。そういうことでは、せっかく電話を引いても、親切が途中でとどまってしまうわけですどうなっていますか、その維持料というのは半値くらいに値下げされましたか。
  49. 大泉周蔵

    大泉説明員 お答え申し上げます。ただいまのお話の、前に何か下げるような約束をしたような気がするとおっしゃった点につきましては、私実は承知いたしていないのでございます。しかしながら、中身につきまして十分検討いたしてみたのでございますが、実を申しますと、今申されましたのは、定額制の局の区域外の農村公衆電話料金につきまして、一般の定額使用料のほかに一律千円をいただいておることについてのお話でございます。  実は、この区域外の電話と申しますのは、一般電話でございますと、これは平均しまして一キロ約二十万円ぐらいの設備費というものを出さなければならない。そのほかに月々一キロ当たり五百五十円に当たる使用料を加算して出すことになっているものでございます。これに対しまして、農山漁村の福祉のために考える必要があるということで、特に創設した場合の設備料を免除し、また月々の使用料をどんなに遠くても一率千円にしたものでございます。その工合になっておりますものがはたして現実において適当であるかどうか、適当でなくなっているかどうかということについて検討いたしてみたのでございますが、御承知のように定額使用料というものは局の大きさによって差がございます。そこで一番大きな局でございましても、一日六度の使用があれば十分受託者はまかなえるということで、実は受託者は一回ごとに十五円をまるまるもらえるということになっておりまして、小さな局ですと三・六度あればそれで受託者は何も損がないことになるのでございます。ところがそれは一般電話平均の使用度数の半分程度なんでございまして、公衆電話ともあろうものが一般電話の半分以下の使用しかないということは考えられないと思うのでございます。そこでいろいろ考えてみますと、負担に耐えないというところは、おそらく一日三度以下のような使用度数のところではないかと思われるのでございまして、そういうところがどれだけあるかということは目下調査中でございます。公衆電話として普及するのに、一旦二度未満しかない、それを大へんだからといって特に料金を下げてまで普及するというのはどうだろうかということが考えられるのでございます。先ほど申しました一般の電話との比較をしましても、たとえば四国の例で調べてみたところによりますと、実は一般の電話に対しまして月の負担が数千円安くなっている計算になるのでございまして、私たちといたしましては、今の御趣旨はごもっともでございますが、一体そういう負担が重いということは、合計算しましたように、非常に利用度数が少ないところなのか、もっと別の理由があるのかということについて検討してみたいと思います。
  50. 井手以誠

    井手分科員 なるべく要点だけお答え願いたい。  公社側の言い分もあるでしょうけれども、利用度数が少なければ少ないほど、やはりそういうところの負担を下げてやるという必要性も生まれてくるわけです。そういう僻地山村の農村公衆電話というのは。  大臣にお伺いいたしますが、利用度数の少ないところに、それでも必要な電話だけかけておる農村公衆電話に、月千円の維持料というのは負担が重いという声が非常に強い。逓信委員会でこれは何回も要望は出まして、考慮しましょうということでございました。ところが今お聞きの通りです。あなたは公社のことに弱いとおっしゃいますから、今返事はもらわぬでもけっこうですが、あしたその答えは十分考えておいて下さい。これは逓信委員会でもかねてのみなの強い意見です。千円の負担は重いのです。公社が赤字であるならば多くは申しません。これくらいの利益をあげておるならば、これくらいの負担はできると思う、あした同時に御返事をいただきたいと思います。  次にお伺いいたしますが、最近電話の需要が非常にふえて参りました。所得倍増計画でございますか、経済成長の結果、非常に急激にふえて参りました。そこで、私は先日公社側から今後の加入電話架設数の説明を承ったのでありますが、従来の計画に比べて五割から十割の増加になっておるようであります。これをはたして消化できるかどうか、その点の御返事をいただきたい。
  51. 大橋八郎

    大橋説明員 私の方としては最近電話に対する需要の熾烈なことにかんがみまして、極力それを満たすべく努力いたしておりますが、いろいろな条件の十分ととのわぬために、どうも架設数よりも申し込み数の方がオーバーして、ますます積滞がふえていく傾向にあることは非常に遺憾に思っております。現在私の方の計画しておる分だけはやるつもりであります。
  52. 井手以誠

    井手分科員 五割ないし十割というのがふえても、大丈夫というわけですか。
  53. 大橋八郎

    大橋説明員 これは要するに何年間にそれをふやすかという問題でありまして、一年で十割もふやすということは、とても私ども考えられません。しかしながら、年々二割なりあるいはその程度のものをふやしていく、今の五割、十割という数字は私ちょっと根拠は想像はいたしかねますけれども、おそらく第三次拡充計画の構想の中の、今後の五カ年間の計画においては五百万の増設をするという点を御指摘になったのじゃないかと想像いたしますが、この五カ年間でそれだけのことはやる決心を持って、私ども計画をいたしております。
  54. 井手以誠

    井手分科員 三十七年度が四十六万の予定が六十万、三十八年度が四十九万の予定が七十万、三十九年は五十二万の予定が八十五万、四十年度は五十五万が百万、間違いございませんか。
  55. 大橋八郎

    大橋説明員 その計画は私どもが今構想いたしております第三次五カ年計画の数字と少し違うようでございます。私どもの考えております第三次の計画は、昭和三十八年度から五カ年間に五百万の拡張をいたしたい。しかし、それも平均して五百万ということではなくて、今一応の構想として考えておりますことは、三十八年度では七十五万、その後大体十五万ずつ年々ふやしていく、こういうことで五カ年間に五百万の拡充を考える、そういうことであります。
  56. 井手以誠

    井手分科員 それではほとんど変わりませんね。三十八年度は四十九万の予定だった、四十九万というのは昨年説明を受けた分です。それを七十万にしよう、それが七十五万に上がっておる。だから十五万ずつふえていけば三十九年度が八十五万、四十年度が百万、同じじゃございませんか。それが大丈夫かと私は聞いておるのです。
  57. 大橋八郎

    大橋説明員 私どもは大丈夫のつもりで計画をいたしております。
  58. 井手以誠

    井手分科員 それでは昨年計画なさったときには、相当余裕があったわけですか。
  59. 大橋八郎

    大橋説明員 昨年よりも、その後の申し込みの状況等を勘案いたしまして、あれだけの数ではやはり足りないのじゃないかということで、その当時よりまた計画の規模を少し大きくやろう、こう考えておるわけでありますから、むろん昨年の分はそれ以下でありますから、やれると思います。
  60. 井手以誠

    井手分科員 私がお伺いしておるのは、公社の陣容なり、技術陣なりが、大丈夫かということですよ。
  61. 大橋八郎

    大橋説明員 むろんそれだけの拡張計画をやりますにつきましては、今後やはり相当の人員の増加等も考えなければなりません。
  62. 井手以誠

    井手分科員 行政管理庁から勧告されたものによりますと、こういうのがあります。「改定五カ年計画の達成及びこれに伴う業務量の増大に対応するために技術の高度化、事務の機械化等を前提としての長期要員計画の策定について検討の要がある。」ということをあなたの方に勧告されておりますが、その長期要員計画はどういうふうになっておりますか、それをお伺いしたい。
  63. 伊藤誠

    伊藤説明員 お答え申し上げます。第三次五カ年計画については、ただいま総裁からお答え申し上げましたように、約五百万を五カ年間でやりたいという目標は立ったのでございますが、これができるかできないかという大ざっぱな検討をいたしました結果、ただいま総裁からお答え申し上げましたように大体できそうだ、しかし、これを具体化するにつきまして、どういう要員計画が要るか、どういう資金計画が要るかということにつきましては、目下作業中でございまして、今ここでどういう計画になるかという詳細な点につきましては、まだお答え申し上げる段階に至ってないのでございます。
  64. 井手以誠

    井手分科員 この勧告が出たのはいつですか。
  65. 大橋八郎

    大橋説明員 一昨年の夏ごろであったかと記憶いたしております。
  66. 井手以誠

    井手分科員 一昨年の夏であれば、それじゃ前の予定はどういうふうになっておりましたか。勧告が出て、改定前のものはどういうふうになっておりましたか、五カ年計画の数字をお示し願いたい。
  67. 伊藤誠

    伊藤説明員 五カ年計画と申しまして、私どもが詳細な計画の内容を持ちましたのは、第二次五カ年計画でございまして、昭和三十三年度から三十七年度に終わる第二次五カ年計画でございました。第三次五カ年計画につきましては、当時におきましてはまだ詳細な計画は立てておりませんで、ただ加入者の増設数がどれくらいになるかという程度の、大ざっぱな見通しをやったのでございます。
  68. 井手以誠

    井手分科員 総裁にお伺いいたしますが、あなたの方に長期の要員計画がなかなかできていないということは、逓信委員会あるいは分科会でも常に指摘された通りであります。勧告を受けても、なお第三次の計画ができていなかったという答弁ですが、それでいいのですか。あなたの方にはあるのでしょう。もうこの予算分科会では、こういう質問があることは当然予期しなくちゃならぬと思うのです。
  69. 大橋八郎

    大橋説明員 第三次五カ年計画は、三十八年度から向こう五カ年間の計画でありますから、ちょうど三十八年度の予算の、何と言いますか、提出をする前までには、少なくとも、おそくとも作らなければならぬ、こういう心がまえで操作を進めておるわけでございます。現在の段階においては、ただいま局長から申し上げましたように、三十八年度以降の五カ年間の要員計画等についてはまだ計画はできていない、かように申し上げているわけであります。
  70. 井手以誠

    井手分科員 それでは第三次五カ年計画の要員計画というのは、予算を要求なさる今年の夏には具体的にでき上がる、かようでございますか。
  71. 大橋八郎

    大橋説明員 大体さように考えております。
  72. 井手以誠

    井手分科員 大体じゃなくて、間違いなくそれはでき上がりますね。
  73. 大橋八郎

    大橋説明員 これは井出さんに申し上げるまでもないことと思いますけれども、今日五カ年計画と申しますものは、実はむろん五カ年の継続費用がすぐそこできまるわけじゃないのでありまして、ほんとうに具体的な数字なり何なりというものは、年々の予算要求によって初めてきまるわけです。ただし、この五カ年間のおよそのわれわれの進むべきワクをまず決定いたしまして、そのワクによって年々の予算を要求し、具体的なものをきめていきたい、かように考えておるわけでありますから、五カ年計画というものは、それが内閣の方針になるとか、あるいは決定的の、法律できまるとかいう性質のものではないというふうに私どもは考えております。
  74. 井手以誠

    井手分科員 そう窮屈なことは私は申し上げておりません。また、そのときの経済情勢の変化なりいろいろなことで変更されることもあり得ると思うのです。ただ、私がこれほどまでに申し上げておるのは、従来のあなたの方の計画に、いわゆる要員計画と申しますか、労務問題と申しますか、それが足りないから私は特に申し上げておるわけです。私は、もう一つ念を押しますが、この行政管理庁からの勧告の中に、電気通信設備工事請負業者の工事能力、建設稼働についての能力が十分でないと指摘されております。それでもなお今後の拡充計画において大丈夫だとお考えになりますか。
  75. 大橋八郎

    大橋説明員 工事権力は、御承知の通り、まず直営の工事もありますし、民間の工平会社に委託して請負でやっている工事もあります。従って、工事能力と申しますと、公社の手兵によってやる分と民間の工事会社の工事がある。この二つを合わせて全体を考えているわけであります。今日私どもは、この両方を合わせてやりますれば、今の工事は十分完遂できる、かように考えております。
  76. 井手以誠

    井手分科員 行政管理庁の勧告には、ともに十分でないと書いてあるのです。だから申し上げておるのです。  それでは、いよいよ地方の都市あるいは町村における電話交換局市外集中と申しますか、そういったものがどんどん進んでくるようでありますが、第三次五カ年計画でどのくらい交換局集中されて人員の異動が行なわれる見込みでございますか。たとえば五カ市町村あるいはもっと十カ市町村ぐらい——集中局というのはもっと大きな単位でしょう。そこに、今の普通の局は無人局になって、そうして人のおる有人の交換局あるいはその中心の局というものにまとめられる、こういうふうに私ども承っております。いわゆる集中局というものがどんどん進められていくと私どもは承っておりますが、それによる人員の異動はどういうふうになりますか、それをお伺いいたします。
  77. 伊藤誠

    伊藤説明員 三次五カ年計画につきましては、先ほど申し上げましたように、まだ作業の段階でございますので、数字的にまとまったものと申しますか、確定したものはまだないのでございまするけれども、今集中局以外は全部無人局になるというお話のようでございまするが、私ども集中局と申しますのは、先ほど申し上げましたように、市外関係に対する局の名称でございまして、集中局電話の交換要員が集中されるのでございまするけれども、そのほかの全部がすべて無人になるということには考えておらないのでございます。  それから、要員がどの程度集中されるかということでございまするけれども、まだそこまでは作業はいたしておりませんで、今の御質問でございますると、ちょっとまだお答えいたしかねるのでございます。
  78. 井手以誠

    井手分科員 かつてあなたの方から御説明を聞いた第三次五カ年計画における要員増減の見通しというものを持っておるのであります。あなたの方の内部の配置転換の数、それから、郵政に委託しておるものを集中するために、そこに引き継ぎとかあるいは配転とかいろいろな問題が起こると思うのですが、その数が知りたいのです。
  79. 伊藤誠

    伊藤説明員 各具体的な集中局にどうなるかということでなく、全体としてどういう動きになるかということにつきましてのお答えでございますれば、まだ作業段階でございまするので、先ほど申し上げましたように、確定したものをお答えできる段階ではございませんけれども、大まかに現在の作業途中から推定いたしますると、公社、郵政合わせまして、配置転換を必要とする数、その中には職種転換も入るのでございまするけれども、配置転換、職種転換を必要とすると思われる数は、大体三万五千ぐらいになるのではないかと患われるのであります。そのうち郵政省に委託してございまする特定局に勤務しておりまするものの配置転換を必要とするというふうに考えられます数は、約一万五千ぐらいになるのではないかと考えております。これは先ほど申しましたように、まだ作業の途中から推定いたしているものでございますので、これが最終的な姿になるとはまだ申し上げかねると思います。
  80. 井手以誠

    井手分科員 大体でよろしゅうございます。  そこで、郵政省にお伺いしますが、公社にお伺いしますと、特定局に委託されておる電話要員一万五千名の配転などが必要であるという話でありますが、これはどういうふうになりますか。郵政省にお伺いいたします。
  81. 西村尚治

    ○西村政府委員 郵政省に委託されております電通業務従事員で、第三次五カ年計画の施設改廃に伴って異動するものが一万五千人程度ということでございますが、これは従来第二次五カ年計画の遂行途上にもかなりの過員というものが出ておりまして、それと同じような方式で扱っていくのがよかろうと思っておるわけでございますけれども、公社業務が移管することによりまして、できるだけ通勤可能区域内のところでありますれば、公社に引き取っていただきたい、また郵政部内にありまして配置転換ができ、あるいは職種転換ができるものにつきましては、郵政部内にできるだけ吸収していくように努力をしていきたい。そういったことにつきましての公社郵政省との引き取り率とか、あるいは受け入れ条件その他につきましては、今後十分公社とも引き続き打ち合わせ協議を遂げていきたいというふうに考えております。
  82. 井手以誠

    井手分科員 大臣にお伺いいたしますが、この問題、私は郵政部内、電電公社内では大きな問題であると思うのです。いよいよ、答弁で説明があったように、これが地方の特定局に及んで参りますと、都会と違って非常にむずかしい問題が出て参るのであります。地方の話し合いでさばけるものではないと私は思うのです。郵政大臣が、私はその基本をきめるべきものだと考える。業務電電公社しかし身分は郵政省の身分になっておる、職員になっておる。それを今お話しの通りどういうふうに引き取ってもらうか、その率、あるいは受け入れの条件というもの、これが郵政省で行なうべきものが、末端でいろいろごたごたが起きておるという紛糾の責任というものは、私は郵政省にあると思う。基本はやはり郵政省がきめるべきだと思うのです。きめないから地方でごたごたが起きる。それぞれの立場から主張し合ってなかなか譲れない問題があろうと思うのです。私は、ここに今までの経過なり、あるいは郵政省公社との協定も持っておりますが、話し合うということだけではいつまでたっても解決はしないのです。多くは申し上げませんが、この重大な基本問題について、今からどんどん地方の町村における特定局の委託業務というものが集中されてくるようになりますと、これは表面化して参ります。いつごろまでにその基本をおきめになるつもりですか。やはり地方の通信局とか、あるいは郵政局あたりへまかすべきものではございませんよ。
  83. 迫水久常

    迫水国務大臣 御説の通り、この問題は当面電信電話の問題にとっては重大問題、一番むずかしい問題じゃないかと私も考えております。それでいつごろまでに基本をきめるかとおっしゃいますけれども、これも三十八年度以降の問題でございますので、それに間に合うように、ごたごたが起こらないようになるべく前広にきめたい、こう考えております。
  84. 井手以誠

    井手分科員 三十七年度にもやはり行なわれますよ。三十八年度弟三次五カ年計画からそれが始まるのじゃございませんよ。三十七年度においてもこれは行なわれるのですよ。三月一ぱいくらいはどうですか。
  85. 迫水久常

    迫水国務大臣 私はとかく、その三月一ぱいとかなんとかということを言って、あとで実現ができなくてあやまらなければならぬことが多いですから、今井出さんに三月一ぱいでどうかと言われて、やります。こういうことを言いたい気持は一ぱいですけれども、もう少し慎重にできるだけ早くということでお許し願いたいと思います。
  86. 井手以誠

    井手分科員 大臣責任郵政省電電公社の間の話し合いを進めて、少なくともこの三十六年度中にはできるだけ早く解決する基本をきめる、そういうことはお約束できますか。
  87. 迫水久常

    迫水国務大臣 大臣責任においてという言葉がよくわからぬのですけれども、私は一生懸命に公社とも話し合ってできるだけ早く答えを出したいと思っております。
  88. 井手以誠

    井手分科員 何か協定によりますと、二年半くらいの過員の経費を持つようになっておりますが、それはどのくらい用意されておりますか、三十七年度予算に。
  89. 佐方信博

    ○佐方政府委員 直接歳出としましては、予算的には計上しておりません。
  90. 井手以誠

    井手分科員 そうしますと、委託業務電電公社の直轄になるということはないわけですね、三十七年度は……。
  91. 佐方信博

    ○佐方政府委員 三十七年度中に約千六百名くらいの人が郵政省からかわってくることになっておりますので、それは年度末に近くなりまして、十二月末までは郵政省の身分がまだあるわけでございます。その予算面について考えますと年間平均三カ月だけ電電公社に移っていく、郵政省のもとを離れていくというような予算になっております。
  92. 井手以誠

    井手分科員 その二年半分の用意というものは大体準備してあるわけですか。それじゃあなたの方ではもう円満に一人もごたごたが起こらぬように解決するという確信があるわけですか。
  93. 佐方信博

    ○佐方政府委員 歳出面といたしましては、直接そういう歳出は組んでおりませんけれども、現実に過員となりましたときにはその財源に充てられるようにというので、約一億円程度経費というものを電電公社からもらっております。従って、定員でなくとも非常勤等で、その人は定員でありますけれども、あと補充する人を非常勤にするというようなことの経費は組んでおります。
  94. 井手以誠

    井手分科員 これらの点は非常に重要でありますし、あとの方からお尋ねがあると思います。私はこれで打ち切ります。  次に、あとは簡単に一、二点ですが、郵政省の三十七年度の予算によりますと、これは定員を非常によけいふやされております。幾ら幾らにふえましたか。それをちょっとお伺いしたい。数字だけ。
  95. 佐方信博

    ○佐方政府委員 一万五千二百二十二人ふえたわけでございます。
  96. 井手以誠

    井手分科員 一方賃金が非常に減ったようでありますが、幾ら減りましたか。予定よりも……。何か四十一億くらい要求なさったのがずっと減ったように聞きましたが、幾らになりましたか。
  97. 佐方信博

    ○佐方政府委員 賃金は前年度十九億でありましたが、今度は十二億になっております。
  98. 井手以誠

    井手分科員 十二億を定員に直しますと、どのくらいになりますか。それから賃金で四十一億とか聞いておったのですが、要求なさったときはそれの定員にすればどのくらいになりますか。
  99. 佐方信博

    ○佐方政府委員 賃金は御承知のように年間のものと短期間のものとございますものですから、そういう計算はちょっといたしておりません。それから概算要求をいたしましたときには、確かにいろいろな理想図を描きましたものですから、いろいろな経費で四十一億要求いたしました。しかし実際は本年度概算要求いたしましたあとで、実は賃金で要求していた人を定員に組みかえていくというような操作をいたしましたので、前年度と本年度の対比をいたしますと、前年度賃金であった人を定員にかえましたために、落ちた分が約八億くらいあろうかと思います。それで新しく賃金としてとられた人が出ていっておりますので、総体の数としまして定員と賃金と合わせて、新規の増は別でございますけれども、賃金がうんと減ったということにはなっておりません。賃金の歩どまりもやはり一、二億はあるということでございます。
  100. 井手以誠

    井手分科員 時間がありませんから、ほかの方に質問を譲りますが、定員はなるほどふえましたが、賃金が明らかに減っておる。総体ではあまり変わらないということになりますと、定員が足りないという問題——別に業務量増加によって若干の人員は見てあるでしょうが、しかし総体から考えると郵政省の遅配、欠配をなくするという大方針に対して、定員はふえたけれども賃金が減っておりますから、前進にはなっていない。若干前進はしておりましょうけれども、大きな前進ではないと思いますが、大臣、あなた非常に御苦労なさったから、あなたから……。
  101. 迫水久常

    迫水国務大臣 定員の増加ということは、賃金を含めてですが、要員の増加ということは、一般的に非常に困難であり、行政管理庁も大蔵省も必死に抵抗する中でありますので、これだけ確保したということは、若干でなくて非常なる前進だと私は思っております。
  102. 井手以誠

    井手分科員 あなたはそういうふうに大いなる前進だと言いたいところでしょうけれども、賃金が減っておりますから、実際働く人の数というものは、内容は充実しておるかもしれませんが、数がよけいにふえないということになります。大体十二億円で平均して幾ら雇えますか。
  103. 佐方信博

    ○佐方政府委員 約一万二、三千人だと思います。なお先ほどお話がございましたけれども、三十七年度におきましては、個々の郵便局でほんとうに要る人間は何人かということを計算して総体の数字を出しまして、そうして三十六年度までの定員を差し引きまして、残りを全部定員にするということに、大蔵省とも意見の一致を見たのです。従って、全く新規の定員増もありますし、すでに予算上は賃金で成立していたものを定員に組みかえていくものもあり、両方の操作をいたしております。すなわち郵政省といたしましては、賃金が単に定員に組みかわっただけではなくて、新規の定員増もあり、この両者をもってほんとうに来年必要な人は全部予算化したということに相なっております。
  104. 井手以誠

    井手分科員 十二億円の金で一万二、三千人が使える、一方では定員が四、五千人ふえた。一方では賃金の分が非常に減ったことになるわけです。なお、あとでほかの方から御質問がございましょうけれども、定員がふえたことはけっこうですが、郵政省に働く人があまりふえていないということだけは、私は申し上げておきます。大臣にいま一段の努力が願いたいのです。  時間が参りましてまことになんですが、もう一点だけお伺いをしておきたいと思います。  国際電電は、今どれくらい年間利益を上げていますか。課税対象の利益でけっこうです。
  105. 松田英一

    ○松田説明員 三十六年の上半期……(井手分科員「最近一カ年」と呼ぶ)それでは三十五年度のを申し上げますが、三十五年度は、大体合わせまして十六億五千三百万……。
  106. 井手以誠

    井手分科員 そうじゃないでしょう。私があなたの方の当局者から聞いたのは、三十五年の下半期では課税対象は十二億四千万円、それから三十六年上半期では、それよりも若干上がっていると承っておりますが、年間は大体二十五億円くらいだと思いますが、大体のところはそうでしょう。
  107. 松田英一

    ○松田説明員 実は会社としての利益ではございませんで、税金の方は特別の計算をしてかけてくるものでございますから、税金の対象になるものはただいまの通りであります。
  108. 井手以誠

    井手分科員 いろいろあとで聞きますから、私が言った分だけ答えて下さい。課税対象の利益は、最近一カ年の決算で二十四、五億円でしょう。
  109. 松田英一

    ○松田説明員 その通りでございます。大体二十五億であります。
  110. 井手以誠

    井手分科員 資本金は幾らですか。
  111. 松田英一

    ○松田説明員 三十三億円です。
  112. 井手以誠

    井手分科員 資本金三十三億円に課税対象利益二十五億円というものが、はかにどこか例がございますか。
  113. 松田英一

    ○松田説明員 他の例を私そう詳しく聞いておりませんが、大会社としては珍しいと思います。
  114. 井手以誠

    井手分科員 私は経理の方をずっと調べて参りましたが、税金もなるほど多うございますが、使い切れないで剰余金として残しておる金額がものすごいものがあります。また経理の内容について、なおただしたい点もありますが、これは省略いたします。  私はここで大臣にお伺いいたしたいのは、国際電電株式会社法という法律に基づいたこの独占企業が、もし太平洋の海底ケーブルを作らなければならないという理由があるならば、増資なりあるいは社債を発行するという手があると思います。事業をやりたいから、たくさんの何十億という金を積み立てますというような説明もあるかもしれませんけれども、私は、こういう独占企業であるならば、やはりその法の精神に基づいて料金を下げるべきではないか、これを主張したい。三十三億円の資本金に対して二十五億円の利益というような例がどこかほかにありますか。料金は下げるべきですよ。もし大きな百億もかかる事業をやるならば、これは増資をするなり、あるいは社債によって私はまかなうべきものだと思います。これを高い料金によってまかなおうとすることは、国策会社としては間違いですよ。もしそれでもなお残るならば、開銀がやっておりますように、納付金制度を設けるべきであると思います。なおこのことについては、後日いろいろ申し上げたいのですが、その点について大臣の所見を伺いたいと思います。
  115. 迫水久常

    迫水国務大臣 私は、やはり国際電電という会社は、利益が出ました場合には、一般の会社の生産性の向上によって利益が上がったと同じように、一面物価の引き下げ、一面社内の設備その他の内容の改善、労働者の賃金の向上、この三つの要素にうまく適当に振り分けていくのが至当だと思います。  国際電電は、今お話がありましたように、オリンピックに間に合わせるべく太平洋ケーブルというものを計画して、自分で百十一億円の負担をしなければならないというところでありまして、百十一億の金を社債もしくは増資によってまかなうべきであるということも、確かに理屈の一つとしては成り立つと思いますが、このためにやや比重が社内の留保に傾いておるのは、私はやむを得ないことじゃないかと実は思っておるのでありますが、それでもなお異常に利益が出て参ります場合には、当然料金の低下ということも必要だと思います。ただ、利益が出てきた場合には当然料金を引き下ぐべし、新しい施設は社債もしくは資本の増加をもってなすべしというその基本的な理論を井出さんおっしゃいますけれども、私はその理論に対しては、にわかにここでその通りという気持はいたしません。
  116. 井手以誠

    井手分科員 国際電電がどうして生まれたか私はここでは申し上げませんが、その成立の過程あるいは独占事業という立場、これだけの膨大な利益あるいは企業としてのあり方などを考えて参りますと、やはりそこに再検討の余地がありはしないか、後日なおその点については大臣と逓信委員会で論議いたしたいと思っております。その点については十分再検討していただきたい、これを要望いたしまして質問を終わります。
  117. 羽田武嗣郎

  118. 島本虎三

    島本分科員 私の質問の方は、大きくなって、最後にはほんとうに針の先のように小さい質問になりますから、それをあらかじめ御了承願いたいと思います。  ただいまの予算分科会におきましての大臣予算説明の中にございました宇宙通信開発研究に要する経費一億七千七百万円、国際放送拡充強化に要する経費一億九百万円、こういうような説明があるわけでございますが、現在の宇宙通信開発研究に要する経費一億七千七百万円、こういうような構想について、この際大臣明らかにしていただきたいと思います。
  119. 迫水久常

    迫水国務大臣 電波監理局長から詳細御答弁いたさせます。
  120. 西崎太郎

    ○西崎政府委員 御承知のように、宇宙通信の問題が最近非常にクローズ・アップして参っておりまして、先般アメリカにおきまして大統領がその宇宙通信運営機構についての法案を出したというようなことも聞いておるわけであります。そういった世界の大勢におくれないようにということで、日本といたしましても、昭和三十五年以来、この宇宙通信を含めました要するに宇宙関係の電波研究という研究費を郵政省の電波研究所の分としまして要求いたし、その一部を御承認願って参ったわけであります。昭和三十五年には二千五百万円、それから三十六年度に一億六千四百万円、そして三十七年度の分として今このような額を要求いたしておるような次第であります。   〔主査退席、上林山主査代理着席〕 これによりまして直径三十メートルのパラボラ・アンテナ、これは日本で最大のアンテナでございますが、これを作ろうということで、継続工事をやっておるわけでございます。これをお認め願えれば、本年度中に一応この宇宙通信に必要な研究ができる、こういう段階にあるわけでございます。
  121. 島本虎三

    島本分科員 ただいまの御答弁にございましたように、アメリカではケネディ大統領が議会にこの通信衛星法案を送った、こういうふうな話のようでございます。日本でもオリンピックを控えてこういうような一つの通信研究を十分なしておられるような模様でございますが、ただいまの研究によっても、もうすでにこの通信衛星は実用の時期に達しておるというような観測も行なわれておる。こういうような一つの情勢のもとにいろいろ研究されておると思う。日本でもこれを打ち上げるような準備をして世界の大勢に即応している研究ですかどうか、その構想もこの際はっきりして下さい。
  122. 西崎太郎

    ○西崎政府委員 日本の宇宙開発政策という大きい問題につきましては、御承知のように総理府に設けられております宇宙開発審議会というのがございまして、ここでロケットの打ち上げを今後どうやっていく、あるいは人工衛星の打ち上げをどうするといったようなことをいろいろ調査審議いたしておるわけであります。おそらく日本といたしましてそういった通信衛星といったものを打ち上げるということは、かりにそういう事態が起こるといたしましても相当先のことではないか。従いまして、今直接の対象にいたしておりますのは、アメリカが予定しておる人工衛星、通信衛星を利用するということを一応の目標にいたしておるわけであります。ただ、この人工衛星、通信衛生の方式は、いろいろなものが今考えられておるわけでありまして、そのうちのどういったものが最終的な利用に供せられるかということは、今にわかに即断はいたしかねるわけであります。この点につきましては、今後の推移を待たないと何とも申し上げかねると存ずる次第であります。
  123. 島本虎三

    島本分科員 大体の構想はわかりましたが、しかし、今のような方式でいって、アメリカではもうすでに今の説明にありました通りに二、三年、遠くても四、五年の先において実用化の可能性があり、早ければオリンピックにこれを利用したいというような意向でこういう法案を出し、かっこの研究に没頭されておるように聞いておるわけです。それで、日本もそれに即応しているとすると、日本はオリンピックをやる本元ですから、そうなった場合には、アメリカの通信施設を今後利用するという考えであるならば、その考え方については私自身としては何をかいわんやです。しかしながら、もう一つ将来のことを考えて、打ち上げたその衛星そのものを、マイクロ・ウェーブですか、こういったものを全部日本がただで使える、向こうが打ち上げたものを自由にやらせてもらえるならばそれでいいのですが、そういうような条件になるわけですか。
  124. 西崎太郎

    ○西崎政府委員 宇宙通信運営機構、これは国際的な問題でありまして、世界各国が共用するという格好にならざるを得ないと思うのです。そのときに一体各国がこれにどういう格好で参加するかといったような問題につきましては、これはまだ何ら結論が出ておらないわけで、今後の問題であると思います。もちろんそういった意味で、日本としましても、どういうあり方がいいかという点につきましては、十分検討をいたし、将来に悔いを残さないような参加方式というものの実現を期さなければいけない、こういうふうに考えております。
  125. 島本虎三

    島本分科員 この問題にあまり時間をとるのも本意ではございませんが、この問題については、私どもも十分調べた上でもございませんし、今のような範囲を出ません。しかしながら、一個打ち上げるのには約三、四百億ほどかかる。もしそうだったとするならば、高度によって違うでしょうけれども、三個で間に合うか、三十個で間に合うか、四十個になるか、おそらくは六十個ほどになれば完全にいくだろう、こういうような考え方は当然持たれるわけですが、その利用については、各国平等にして使えるものか。また、そういうふうにしてやった場合には、今後その打ち上げたそれによって権利金というものをとって、日本が打ち上げないような場合にも、永久にアメリカへ支払いっぱなしにして、これがまた国会の問題になるようなことになっては困るから、四百億ほどならば、今のうちに考えて、実用に供するように——先のこととしても二、三年後のことですから、アメリカではオリンピックを目ざして実用化するという一つの構想のもとに、RCA並びにATT会社で進めておられるようですから、こういうような場合には、日本もいつでもそのお世話になるという考え方だけではなしに——通信の部類に関しては、おそらく日本は世界でも五指の中に入るほど発達しているでしょう。ですから、もうすでにこういう永久に支払うような考え方をやめて、自分の方で打ち上げて、その科学的な成果によって他の各国から権利金をとるように、こういうような構想もうんと進めるべきじゃないかと思う。大臣、どうですか。
  126. 迫水久常

    迫水国務大臣 抽象的には私も全く同感でありますけれども、具体的にお金のかかることでありますので、お金の問題になってくると、相当ひるまざるを得ないような感じもいたします。しかし、なおよく研究いたします。
  127. 島本虎三

    島本分科員 今後十分検討されるように要請して、次に移ります。  次は、NHKの関係ですが、この問題の詳しいことは、当然ここでは申し述べられませんので、逓信委員会の方へ移してもらってやりますから、この予算委員会の方でぜひ聞いておかなければならぬ一、二点だけにとどめさせていただきます。  大体NHKの予算を見ますと、五百七十五億一千四百万円で、前年度より百十八億二千八百万円の増に大体なっておるようでございます。そうしますと、現在まではラジオの聴取料が八十五円、テレビだけでは三百円、テレビとラジオとで合計三百八十五円、こういうような聴視料だったと思うのですが、今度は新料金体系の実施によりまして、ラジオだけが五十円、これは下がってまことにけっこうです。それでテレビとラジオと両方とっている家庭では三百三十円。テレビだけをとっているところ、こういうようなところは、一切認めないということに相なったようでございます。これは当然、値下げ案というようなことになって、年間二十億の減収、こういうことにわれわれは了承しているのでございますが、予算面では、受信料の収入が百一億の増になっているようでございます。値下げで増になるというようなことは、何かからくりがあるのではないかと思います。しかしながら、テレビだけを見ている人の受信料を認めないというような理由は、何のためでございますか。この点、一つ明らかにしてもらいたいと思います。
  128. 西崎太郎

    ○西崎政府委員 現在テレビを受信されている家庭では、備付のラジオの受信機でないにしましても、トランジスーターであるとか、おそらくそういったもので、ほとんど例外なくラジオを聞いておられる、そういうふうに判断しました点が第一点でございます。そういうわけで、結局今度の受信契約体系というものを二本にしぼりまして、一つは包括的な受信料体系、もう一つはラジオ単独の契約体系、この二本立にしたわけであります。  それで、どうしてこういうような体系にしたか。これは先国会においても付帯決議がついたわけでありまして、現在テレビを受信されている世帯で、ラジオの受信契約をしている世帯というものが、非常に減少してきている。要するに、テレビの普及によって、ラジオの受信契約というものが逐年非常な勢いで減ってきている、こういうような矛盾をできるだけなくしたいということから、今度のような二本立の体系に切りかえたいというわけでありまして、この点につきましては、NHKに設けられました受信料調査会、ここに学界の代表的な方々に参加していただいて、得られた結論をもとにしているわけであります。いずれにしても、今先生がお話しのように、従来の受信料体系によるものよりも、全体として約二十億ほど減収になる、そういう結果からしましても、今度の新しい受信料体系は妥当じゃないか。また、こういった包括的な体系、問題になるのはその点でありますが、これは日本だけの制度ではありませんで、これは受信料を徴収している英国であるとか、フランスであるとか、その他の先進諸国ですでに採用しているわけでございまして、そういった制度にならったわけでございます。
  129. 島本虎三

    島本分科員 それで二十億円の減収になった点は、私の方も了承します。三本立が二本立になった。この点も了承しているのです。ただ、その点はいいのですが、ラジオをとらないで、テレビだけとるという規定が全然ないということは、ほんとうなのかどうか。この確証があるか。そういうような人もラジオを聞いているというふうに認める、トランジスターがなくても、テレビだけの人でも、そういうようなことはあり得ないんだと、はっきりした確証をお示し願いたいということと、二十億減収にするといいながら、百一億にふえている。これはどういうような理由からですか。この二つをお伺いしたい。
  130. 西崎太郎

    ○西崎政府委員 先ほど言葉が足りないで失礼いたしましたが、そういうふうに受信料を値下げをしたけれども、なお収入が百億もふえておるじゃないかという御指摘でございますが、この点はテレビというものの受信契約が年々非常にふえておりまして、たしか来年度の予算においては、百九十万テレビの受信契約がふえるという想定を立てておりますので、その結果全体として百億程度の受信料が増収になる、こういう結果になったわけであります。  それから、テレビ世帯はどこでも一応ラジオを持っておるということを前提としておるような受信契約体系になっておるのはおかしいじゃないか、こういう点だと思うのでありますが、先ほど申し上げましたように、ほとんど例外なしにテレビ世帯におきましてはラジオを聴取しておる、こういうふうに判断いたしております。
  131. 島本虎三

    島本分科員 判断だけですか。
  132. 西崎太郎

    ○西崎政府委員 そういうふうにいろいろな調査——もちろんその調査にもおのずから限度があるわけでございますが、メーカーの生産台数であるとか、いろいろな統計的な方法から得たものとしまして、ほとんど例外がない、こういうふうに考えております。また、従来のようにテレビだけ見ておる、かりにそういうのがあったとしました場合、そういう例を認めるということになりますと、今度の受信料契約体系を変更しました根本に影響を及ぼしてくるようなことも考えられるので、要するに、今度の包括的な受信料契約というものは、これはテレビ、ラジオ、両方見得るという地位を設定したんだ、こういう考え方であります。
  133. 島本虎三

    島本分科員 地位だけを設定いたしましても、テレビだけを見ておるかもしれぬ、そういうようなところに対して、ラジオも聞いているという想定の上に立って徴収されるのは、不合理じゃないかと言うのです。
  134. 迫水久常

    迫水国務大臣 私も、そういう議論は確かに成り立つと思うのですけれども、私率直に言いまして、ラジオというものは、なべ、かまと同じくらい各家庭に普及しているだろうと思うのです。その生産の数量からいって、幾ら一人で二、三台持っている人があるとしても、世帯数を生産台数で割っていけば、全部の世帯にある。逆にラジオは持っていないということを証明することの方が困難じゃないかというように私は思います。そういうようなことで、この際一つテレビ、ラジオということではなしに、NHKの放送を聞く人は、テレビを見ようが、 ラジオを聞こうが、三百三十円払う。しかし、実際テレビが行き渡っていないところがあるのですから、ラジオしか聞いていない人があるのですから、そういうところは、テレビを見る料金まで取るのはおかしいから、ラジオだけ五十円、こういうことになるのです。これはあなたがおっしゃるような不合理も確かにあるかもしれないが、全体的な問題としてはほとんどネグリジブルの問題で、そこまでやったらどうにもならないのじゃないかと私は考えて、この包括的な契約へ移行するという話を、よかろうと私も賛成をした次第です。
  135. 島本虎三

    島本分科員 大臣の答弁を聞いていて、わかるような、納得するようなしないような、無理して納得すると納得できないわけでもございませんが、しかし、やはりテレビだけしか持っていない人はいるに相違ない。台数があっても、一人で何台も持っている人があるかもしれないし、そういうようなものを見て、全部機械的に一緒にしてしまうということは、ちょっと無理ではなかろうかと思う。料金体系を簡単にするというのは賛成だ。しかしながら、その無理するということについて、具体的な裏づけ——生産台数だけではなくて、直接聴視している人が、テレビだけだ、こういうような人の場合には、特に見るような便宜措置があってしかるべきではないか曲と思います。しかしながら、料金体系を簡単にすることはいいことなんですが、その点に対しては、具体的な裏づけがほしいと思って聞いたのです。今のような生産台数と人口だけを対比して、それだけでもって持っているはずだというならば、何にもなくても、そこを通ってだれかが死んで、お前しか通らないからお前が殺したはずだと言われると、これはとんでもない殺人罪を構成してしまいますので、そういうようなおそれを心配して聞いたわけです。具体的な裏づけはないけれども、生産台数からこういうふうになるという推定だけでありますか。それ一点だけ聞いておきます。
  136. 迫水久常

    迫水国務大臣 そういうような議論の立て方からいうと、生産台数その他いろいろな方法があるのですが、ただ、私はテレビだけしか見ておりませんという、本人が口で言ったことだけで、ああそうですか、こういうことでもないと思うのです。そうすると、ほんとうにそのうちがラジオがないのかといえば、家宅捜索する権限を与えるとか何とかいう具体的なむずかしい問題に入ってこざるを得ないのではないか。現実の問題として、ラジオの機械というものはなべ、かまのごとく各家庭に普及しているというふうに考える方が、きわめて常識的ではないか。それを、確かにそういうものもないことはないだろう、あるはずだ、それをNHKの方で証明しろ、こういうことはできないので、むしろ私のところはこの通りございませんと、みな家宅捜索させて、挙証責任は向こうにあると思うくらいであります。そういうことは、常識的に考えて、みんな持っていると前提して簡単にやらないと、とても複雑になって、その間にかえって争いがあって、合理的にやることによってかえって不合理が起こるのではないかと思いますから、この体系はよかろうと承認した次第であります。
  137. 島本虎三

    島本分科員 その点であまり議論してもしようがないのでなんですけれども、私としては、やはりそういうような人があるとしたならば、その点の便宜措置は講じておいてしかるべきではないか、こういうふうに思うわけです。普及しているというのが実態である。また、生産台数やその他からしてそういうふうに想定できるということは、私もよくわかる。しかし、それでもなおかつ、ほんとうにないのですよということが証明できるようになったら、それに対する特例措置を考えておいてしかるべきじゃないか。今後、それを考えておいてくれればけっこうでございます。  ついでですから伺いますか、今度新たに第二次六カ年計画を実施して、NHKでは、今後、国民放送ですか、公益放送の実をあげるように進めているようです。これを主管する大臣として、経営の改善と刷新、こういうようなものは、明確な基本的なお考えを持っていると思いますが、この点はっきりさせていただけませんか。
  138. 迫水久常

    迫水国務大臣 ちょっと御質問の趣旨をうまくつかまえ切れないでまことに申しわけございませんが、どういうことなんでしょうか。
  139. 島本虎三

    島本分科員 それは実際に見せますが、こういうふうに第二次六カ年計画の概要が出ている。それから三十七年度収支予算編成要綱、これもわれわれの手元に入っている。この中にその方向が明確になっているわけですから、従って、これを実施していくための経営そのものも改善し、刷新していくのでなければ、これだけのものはできません。この考えについて基本的な点をお示し願いたい、こういうようなことなんですが、もしなければないでけっこうでございます。
  140. 迫水久常

    迫水国務大臣 なければないと言われると、ないというわけにはいかないと思うのですけれども、ただいまここでまとまってお答えをする用意をちょっと持ちませんから、何か別な機会に島本さんにお答えいたしたいと思います。
  141. 島本虎三

    島本分科員 じゃ、この問題は逓信委員会の方に譲ります。あまりここで全部やるのもどうかと思うので、逓信委員会に譲らざるを得ませんが、一つだけ要望的質問をして、次の方の質問に移ります。  今私が心配するのは、こういうようにしていろいろな計画を立て、第二次六カ年計画を推進していくそのうたい文句の中に、合理化を推進して人員の増加を極力抑制するし、事業計画の遂行に必要な要員だけは確保するとあるのです。ただ、そうなりますと、合理化の進展に伴って、企業内に働いている人たちの労働強化が当然くるんじゃないか。それと同時に、今度は配転については、今電電公社が悩んでいると同じような問題を惹起するのじゃないか、こういうようなこととあわせて、企業外の系列事業体に働く労働者の労働条件、こういうものも当然出てくるわけですから、こういうような点を現在より下げるような方向によってこの改善計画を推進するということは、これはまことに不本意であるから、こういうようなことはすべきじゃない、こういうようなことなんです。もうはっきり、これを進める上においても、極力人員の増は抑制して、計画の遂行に必要なだけにとどめる、この考えによって働いている人にしわ寄せがこない、こういうようなことになるのですか、ならないのですか。
  142. 迫水久常

    迫水国務大臣 私は、労働条件の低下といいますか、合理化が今働いている人たちの労働強化にならないということの建前で考えていくべきだ、しわ寄せにならないということを建前として考えていくべきだということは、確信をいたしております。
  143. 島本虎三

    島本分科員 もっと準備してありますが、これは逓信委員会に提出されて、予算委員会には入っていないので、大体の概念の質問ということにして、詳しいデータによる質問は逓信委員会の方に譲らしていただいて、NHKの方は、不本意ながらこれで終わります。  次に、今度は郵政省の内部にございまして、同じ放送関係で今研究されているFM放送の件について、若干聞いてみたいと思うのです。これは将来の周波数の事情を十分勘案した上で、放送の一つの新しい分野の開拓、こういうような目的をもってFM放送の開発が現在考えられておるし、もうすでに東京、大阪の二カ所でこれが試験され、ことしの予算の中には七カ所も追加する、こういうことになっているわけですが、郵政大臣も、旅先でFM放送については早く結論を出すようにする、こういうようなことを言明されているわけでございます。なるほど五月から六月にかけまして、テレビやラジオの免許の更新期に当たるわけでございまして、これとあわせて早く結論を出す、こういうような意味じゃなかろうかと思うのです。大臣は、このFM放送について、現在この国会中に結論を出すというふうなお考えでございますかどうか、この点伺います。
  144. 迫水久常

    迫水国務大臣 御承知のように、省内にFM放送調査会というものを、次官を中心にして設けまして、鋭意検討して、先般中間報告を出して問題点を明らかにいたしました。さらにそれに沿うて、FMの問題をどういうふうに解決し、処理するかということについての結論を出すべく、現在非常に急いでおります。先般、逓信委員会では三月一ぱいにということを言ったのですけれども、その後鋭意やりましたが、私が率直に言うと、やっぱりもう少し技術的なデータが必要じゃなかろうかというような印象を最近において持ってきました。たとえて言うならば、ステレオをやるにはどうしても二百KCの幅が要るのだという前提で今進行しているのですけれども、ドイツの何とかいう人が、これは百KCでも大丈夫だというようなことを言い出してきたというような情報も伝わりました。百KCと二百KCでは設置し得る局の数がうんと違ってくるというような計算も出て参りまして、どうも三月一ぱいに結論を出すということを逓信委員会で申し上げたのを少し訂正しなければいかぬのじゃないかなと、実は率直に言うと、思いつつあるのですけれども、そういうようなことも含めて、その技術をそこまで堀り下げたら容易なことじゃないと思うのですが、とにかくもう少しデータを集めて、慎重にやりたいと思います。きのう旅先では、四月ですかと新聞記者が聞きますから、三月ははずれてもあまり遠くない時期、こういう答弁を実はいたしました。ですから、できるだけ早くということで、きょうは先生は国会中と言われましたが、国会は五月の七日までですから、そのくらいまでにはぜひ何とか形を作りたいと実は考えております。
  145. 島本虎三

    島本分科員 現在はFM放送についての関心が意外に高まっておるわけでございまして、これに対しては、大臣も相当慎重に考えておられるようでございますので、私も、若干は、この問題について興味を持って、いろいろ調べてみたわけです。その中で、やはり大臣も今考えているように、いろいろ十分調査をして、意外にも使える波がよけいである、使えないと思っていた波も使えるようになるのじゃないか、こういうような状態だということは、われわれも聞いておるわけです。そうすると、一緒にして考えるというふうになると、相当先まで許可が延びるようなことになりはせぬか。もし現在考えられている点だけならば、それは狭まりますから、ある程度しぼって許可するということが可能になるのじゃないか。大臣としては、現在のところでは、基本的な考えとしてはどこに置いてあるかよくわかりませんけれども、おそらく考えの重点は、急がないでも、この研究を十分したあとで許可の対象をきめたい、こういうような考えじゃないかと思うのです。そうすると、五月か六月に契約の更新期にあるところのいろいろなテレビやラジオとこれと合わして考えられないから、この結果はあとに残る、こういうようなことになるのじゃないかと思うのですが、そうですか。
  146. 迫水久常

    迫水国務大臣 そこまでくれば結論は出ているわけなんでして、結論がそういうことになるかどうかということがここで問題なんで、再編成とからめてやるか。つまり再編成の問題のきわめて大きな点は、難視難聴地域の解消というような問題が再編成では非常に考えられなければならない問題で、FMというものが難視難聴地域あるいは外国混信を避けるということのために非常に有力な手段であるという事実はあるわけですから、そういうようなことから考えてくると、六月の再編成に関連して解決した方がいいのじゃないかという気持は非常にするのですけれども、そうかといって、一方技術的な問題で間に合うか間に合わないか、いずれにしてもFM放送の許可の第一号というのは、六月とか七月に出ることはない。大体六、七月ごろまでには、つまり再編成のころまでには、FMというものはこういう方向で処理するのだという基本方針がきまって、それに即応して許可の申請が出るなら出てきて、許可の第一号というものはだいぶ先に——ずっと先になって免許第一号というものは出てくるのじゃないか、そういうふうに考えております。
  147. 島本虎三

    島本分科員 その許可の第一号が先になるということになると、現在申請がたくさんある。そのしぼられる波が少なくなった場合には、いろいろそこに談合が行なわれて、その談合が進んで、全部下がって一つのものだけに——一つではございますまいが、限られたものだけにいくとすると、当然それに対してまた金が動くおそれも考えられないこともないわけです。それが経営費の中に食い込んでいくと、これまた、相当この問題に対しては先行きが暗黒の雲に包まれるということも考えられる。そういうような問題にならないうちに、早くこの問題は解決すべきじゃなかろうか。もしなっても、そういうようなにおいのするような行為だけは断じて行なわしてはならない、こういうふうに思うわけですが、示談的なこういうようなことによって他を押しとめて特定の者に許可するというようなことがあってはならないと私は思っておるわけです。大臣もこの点同様に考えて許可されると思うが、その点聞きたいものの一人ですので決意を明らかにしてもらいたい。
  148. 迫水久常

    迫水国務大臣 少なくともこのFM問題の解決については、今ちょっと小さい声でお金が動くと言われましたけれども、金なんか動かないように、黒い雲が全然かからないように、きわめてガラス張りで処理したいと考えております。
  149. 島本虎三

    島本分科員 それでは、今度は小さい方の問題にいよいよ入らしてもらいます。それは電電公社の方で料金の改定が、去年の六月八日に参議院で通りまして、ことしの六月にいよいよ市外通話の三分、一分制並びに距離別時間差法の実施ということになっておるわけでございます。もうすでに相当考えられて、実施には遺漏のないように進められておると思いますが、この件について準備の過程を一つ承りたいと思います。
  150. 大橋八郎

    大橋説明員 ただいま御質問の、昨年通過いたしました電話の新料金の制度の実施でありますが、ことしの秋、九月もしくは十月ごろにこれを実施しようということで鋭意準備を進めておる段階でございます。ただいまのところでは九月ないし十月ごろ実施できるというつもりであります。
  151. 島本虎三

    島本分科員 現在までのところで試験的にこれを実施し、またはいろいろやっておられる個所があると思いますが、その試験の結果はどのようなことになっておりますか。試験していなければけっこうですが、試験してあるならば、その結果についてお知らせ願いたいと思います。
  152. 大橋八郎

    大橋説明員 御承知の通り、昨年からごく少数の場所で試験的に実施をいたしております。その結果の状況は局長から御報告申し上げます。
  153. 大泉周蔵

    大泉説明員 青梅、八王子、相模原、広島等数カ所で実験いたしておりますが、その結果は私ども予想した通りでございまして、大体の今のところは通話量全体について大してふえも減りもしていないというような状況でございます。
  154. 島本虎三

    島本分科員 電電公社から出されております「電信電話」の二月号にもそういうようなことが明確になっておりまして、「名古屋から東京へのダイヤル・イン」、こういうようなことになって試験の結果なかなかいいというような結果がはっきり出されておるのですが、この中に「輻湊対策用市外発信電話をつけた加入者は、対東京通話の約七割をこの電話で通話しています。」とはっきり報告されております。この輻湊対策用市外発信電話をつけたというのは、どういうような加入者につけたのですか。
  155. 大橋八郎

    大橋説明員 ただいまの御質問でございますが、昨年通りました料金の改正の問題とは全く別問題でありまして、名古屋と東京の間の市外通話が非常に輻湊しております。それでことしの秋からは名古屋−東京間はほんとうのダイヤル即時になるわけでありますが、そのちょうど中間のときに非常に輻湊しておりますので、その一時の救済として便法を講じたわけでございます。この詳細なことは局長から申し上げます。
  156. 大泉周蔵

    大泉説明員 今総裁からお答え申し上げました通り、名古屋の対東京通話の輻湊のために暫定的に行ないます一つの方策でございまして、どういうものにつけたかということにつきましては、特に利用度数の多い者を選びまして、その全体に対して、その利用者の方のお申し込みを待ってそれにつけたわけであります。その数が約五十回線ということであります。
  157. 島本虎三

    島本分科員 これによると先行局ということになっておりましたので、先行は当然これによって先行した意味だと私は解釈しておるのです。そうでないとしても同じような料金を徴収する方法をここにやっておるはずでございますから、それはもう当たらずとも遠くはないと思います。今のような説明だといたしますと、これは特定のところに、現在の電話のほかにそういうような通話の施設をつけたということになるわけでございますか。
  158. 大泉周蔵

    大泉説明員 さようでございまして、中には従来持っておる加入電話から転用したものもないわけではございません。
  159. 島本虎三

    島本分科員 もし利用の度合いの多い加入者を選んでやったとするとこれは利用の少ない人と利用の多い人と差をつけて公社が扱ったということになり、それが一部の加入者だけに限定されてやられたということになると、公衆電気通信法の一条、二条、三条に違反するということに相なるわけじゃございませんか、この見解を承ります。
  160. 大泉周蔵

    大泉説明員 電話を同じく利用する者に対して公社は公平でなければならぬということは当然でございますが、今の制度につきましては、特に輻湊を救済して全体の通話がよくなるためにはそのような制度を作った方がよろしいということでございますので、そのような目的にかなうようなところに基準を置いて公平にやったものでございますので、私どもとしましては公衆法精神に違反するものではないと考えておる次第でございます。
  161. 島本虎三

    島本分科員 もしそういうような意向であるならば、これは市外専用電話というようなのをつけてやって、その受益者負担という原則を貫いてやった方が公平が期せられるのではないか、特にその特定の人に輻湊緩和ということでこういうように利便を与えることは、何といっても利用の公平を欠くことになって三条違反ということになるんじゃないかと思うのです。現在やったのは市外専用電話である、こういうようなことなんですか。
  162. 大泉周蔵

    大泉説明員 おっしゃいます通り輻湊緩和のためには専用線等を設ける方法等もあります。しかしながら、専用線でございますと、一両端末がおのおの一人に限られることになりまして、むしろこのような新しい制度の方が回線の使用効率がよくなるということも考えられますので、このような事態に対しましては、専用に多少似ておりますけれども、こういう新しい制度を作った方がよろしいということを考えたのでございます。
  163. 島本虎三

    島本分科員 この新しい制度でそのまま九月になって実施する場合は、それがそのまま新料金制度に移行するためにどういうようなことになりますか、そこをはっきりして下さい。
  164. 大泉周蔵

    大泉説明員 御質問の点にお答えいたしますと、九月になりましても名古屋と東京の間はまだ自動即時になりませんので、これはそのまま今までの三分、三分制が三分、一分制になるということでございます。それでそれから数カ月後には大体東京−名古屋間が自動即時通話になると思いますので、そのときにはこのような制度は名古屋−東京間においては目的を達成できたので支障がないということでやめたいというふうに考えております。
  165. 島本虎三

    島本分科員 そうなればなるほど、特定の人にだけその間長期にわたって利便を供給している。それからはずれた人に対しては全部不公平な扱いをなおさら長期にわたって実施されることになって、公衆電気通信法の一条の目的並びに三条の利用の公平にぴたっと相反するという結果になって、現在やっていることがいけないということの証拠にしかならぬと思うのです。これはどうです。
  166. 大泉周蔵

    大泉説明員 私たちとしましては、いろいろな制度にはいろいろな目的があると思いますので、やはりこの制度は輻湊緩和のためのものでございますので、一般の利用者の方々の通話の疏通を一番大きく妨げる大口の利用の方にこのような制度に抜けていただかないと、全体の通話が迅速につながらないということでございますので、むしろこの公衆法の精神からいきましても、このような制度には一番たくさん使う人ということを基準にして、公平に扱うのが適当じゃないかと考えております。
  167. 島本虎三

    島本分科員 この問題は、あくまでも私は一条、二条、三条の目的に反した行為であろう、こういうふうに思っております。ただいままでの説明では納得できませんが、残念ながら委員長の方からあと一分だからやめろという合図がきているわけでやめますが、この問題も逓信委員会の方に譲りまして、ゆっくりやらしていただきますから、その点よろしく願いたいと思います。  最後に一点伺います。これはすでにいろいろやられている間に、調整定員というようなものは、電電公社の場合には、高度化していく場合にはどうしても必要になってくるものであり、そのためにはすでにいろいろと交渉を持たれ、一千名ほどの調整定員が考えられておったわけでございますが、そういうような点が予算の中に全然載っていないということは、これにかわるりっぱな方法ができたものである、こういうふうに思われるわけですが、この調整定員の問題はどうなりますか。なくてもちゃんとこの点やっていけるでしょうかどうか、これをはっきり伺いたいと思います。
  168. 迫水久常

    迫水国務大臣 調整定員という名目は確かに予算の上に出ておりませんけれども、そこは電電公社一つ行政的措置によりまして、その機能にかわるべき処置をやれるだろうと私は確信しております。
  169. 島本虎三

    島本分科員 そのやれるだろうという確信についてだけでも、ほんとうに私どもの方では、その点でいろいろとトラブルの一つの発火点になることを一番おそれるわけですから、その点でどうしても千名だけは配転不可能の人が要る、いろいろ精査した結果やはり千名くらいは必要なんだ、こういうようなことを再々われわれとしては聞いておるわけです。大臣にしてみれば、約一万二千人ほどの同じ業態に使う方はちゃんと定員化はやって全逓と仲よくしておりながらそれにもかかわらず、こっちの方に対しては必要な千名ほどの人、はっきり言うと九百七十六名ですか、これほどの人なんですが、これも皆無になっておるということになると、数は一万何ぼは認め、こっちの方は大事な配転不可能な人の調整定員が九百七十六名も全然認められておらない、これはいたし方ないから何とかするのだ——何とかするといったって、しわ寄せは全部労働者の方へくるということははっきりしておるのです。大臣の実力をもってすれば九百七十六名くらいやれないはずはなかったじゃないかと思うのです。これはどうしてもやれなかったのでしょうか。
  170. 大橋八郎

    大橋説明員 ちょっと大臣の御説明を補足させていただきます。  御指摘の通り予算要求にあたっては九百名余りの調整定員の要員というものを請求したのは事実であります。ただこの調整要員という考え方につきましては、いろいろ議論があった末、どうもこのままでは認めがたいということで予算が通らなかったのであります。ただしそのかわりと言っては悪いかもしれませんが、日常非常に困るであろうということは、大蔵当局もよく認めて、結局四百名の長期欠勤の跡補充という形で、四百名の、職員ではありませんが、物件費の中でなにする職員、その操作によって大体この必要を達し得ると考えております。
  171. 島本虎三

    島本分科員 必要な定員を物件にかえてしまうということは、われわれとしてはどうしても納得できない。おそらく公社でいろいろ考えてやっておることはわからないわけじゃないのです。もう少し大臣に対しては、あなたの方でねじを巻いて大蔵省に対してやらせる必要があったんです。この人はやれない大臣じゃないのです。ことにもう選挙を控えて今一生懸命になってやってあげる最中なのに、大臣の使い方を公社自身が十分わきまえていないのではないかと思うのです。賃金を物件にかえるなんて前世紀的なことで満足しておるのじゃ、おそらく人工衛星どころか、通信衛星も上げられない。こういうふうなばかなことは早くやめて、やはり押すべきところは押し、やらせるところはやらせ、当選させるものを当選させてやったらいいでしょう。こういうふうなことをやらないということは、前途に暗雲をただよわせる結果になるということをはっきり申し上げまして、時間がないので私これで打ち切っておきますが、十分この点考慮してもらいたいと思います。
  172. 上林山榮吉

    ○上林山主査代理 午前の会議はこの程度にとどめ、午後一時五十分まで休憩いたします。    午後零時五十六分休憩      ————◇—————    午後二時六分開議
  173. 羽田武嗣郎

    羽田主査 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。上林山榮吉君。
  174. 上林山榮吉

    ○上林山分科員 私は郵政省関係予算について質疑をいたしたいと思いますが、時間の関係で、たくさんありますけれども、大部分は逓信委員会に譲ることにいたしまして、きょうはその二、三の問題についてお尋ねをいたしたいと思います。  郵政省予算は、実体的に見ますと、前年度の予算に比べて百八十二億四千六百万円、一〇・五%の増加となっておるわけで、その中にはいろいろな問題があるが、なかんずく業務運営費とか郵便局舎の建設費に漸増が見られるようでございます。二の点一歩前進した予算である、こういうことが言えると思います。そこで、一般会計予算の中に有線放送電話施設公社線との接続に関する試験研究を全国二十カ所で行なう経費三千六百万円、これに関連してお尋ねをいたしますが、すでに三十六年度においてたしか五カ所、これと同じ試験をやったはずでございますが、その結果はどうであったか、その報告をまずお願いいたしたいと思います。
  175. 松田英一

    ○松田説明員 三十六年度におきましては、七百五十万円の経費をもちまして、五カ所に電電公社電話と接続ができるような施設に改修するための改修費の補助をいたしまして、わずかな予算でございましたが、郵政省といたしまして実は初めての補助の予算でもございましたし、いろいろ補助に関します手続その他準備がかかりました。また同時に今度はそれを改修したものに対しての対策でございますが、改修して初めて電電公社の設備とも接続してみるということでもございましたので、若干実施がおくれて参りまして、昨年の末からことしの初めにかけて現実に五カ所発足したわけでございます。そういうわけでございますので、一つにはこの五カ所の施設を電電公社電話と接続できるように、一定の技術のレベルまで引き上げることにして改修したわけでございます。この引き上げて改修するにつきましても、いろいろとなかなか問題があるということも実地に経験したわけでございますが、その方はとにかく一応解決いたしまして、現在私どもの考えております実験のための技術の基準にはかなうようになって出発したわけでございます。  それで、その後の利用状況その他につきましては、何分出発したばかりでございまして、全般的なデータの取りまとめができておりませんので、数字をもちまして御報告はできませんけれども、出発してからの各方面の話をいろいろと伺ってみますと、接続につきましては非常に成績がよくて利用者も大いに喜んでおりますし、また利用の状況につきましても、当初はいわば珍しいといいますか、そういう点で非常にたくさんの接続の請求がありましたために、やや混乱した向きもあったかと思いますが、その後落ちつきまして非常に便利をしておるという状況でございます。
  176. 上林山榮吉

    ○上林山分科員 おくれて計画が出発したので、正確な成績はわからないが、多少混乱をしたけれども、今の場合ある程度喜んでいる向きもある、こういうふうに聞こえたのですが、そういう程度で二十カ所を組んでも、前の分と二十カ所分と合わせて考えてみて、もっといい成果が上がり得るという技術方面の検討はさらに加えたのですか、率直に一つお答え願いたい。
  177. 松田英一

    ○松田説明員 実は三十六年度は五カ所でございましたために、これを実際どういうふうにやってみるかということにつきましては、あまりにも数が少ないために、私どもも非常に苦慮いたしまして、東京から近くて私どもが現実に実際の状況をよく見にいけるというようなことも一つの要素にいたしまして、関東地方に三カ所作ったわけでございますが、そのほかは、全国的な有線放送電話のたくさんあるところということを考えまして、また地理的な点も考えまして、一つは広島の近辺、一つは北海道に作ったわけでございます。ところが、五つでは、やはり具体的に有線放送をつないでみた状況というものが各地によっていろいろ違いますために、大体接続という要望が非常に強いものでございますし、接続をしてやらせていくことがいいことだという考えは私どもも当初から持っておりますし、また現在もその考えは変わっていないわけですけれども、具体的にある一定の技術のレベルまで上げてつないでみて接続の話の状況がどうなるか、またそういう話の状況を実際やってみて、接続をするのに最もふさわしい制度はどういう工合に考えていけばいいのかということにつきましては、やはりただいま申し上げましたような五カ所では、ごく片寄ったほんの少部分へしかやれないわけですから、今回は二十カ所の予算でございますので、全国に電波監理局が十ございますが、各電波監理局全般にわたって実験ができると思いますし、またいろいろと地況の変わったところでもやってみることができるというふうに考えますので、合わせて二十五カ所あれば、大体有線放送電話の接続というものについての見当というものはつき得るのではないかと考えております。
  178. 上林山榮吉

    ○上林山分科員 大臣、今お聞きの通りでございますが、これは現在は、ここにも書いてある通り試験研究を行なうという趣旨ですでに五カ所やり、さらに二十カ所これをふやして試験をする、全国的な範囲にわたって一応の基準による試験ができる、こういうことですが、そうするとさらに三十八年度もこれと同じような形態で試験を進めるという構想を持っておられるかどうか、この点は一つ大臣の方針として聞いておきたいと思います。
  179. 迫水久常

    迫水国務大臣 三十七年度で一応試験研究の段階は終わって、その成績いかんによりましては三十八年度からもう少しきまった制度の問題としてこれを考えていきたい、こう思っております。
  180. 上林山榮吉

    ○上林山分科員 そこが非常に苦心を要するところだろうと思いますが、三十七年度で一応の試験を終わって、三十八年度は、その結果いかんによって、よければこれを制度化しよう。悪ければ研究にとどめておこう、こういうことになると思いますが、その場合、私が大臣電電公社総裁に念のために聞いておきたいことは、試験の結果が非常によくて有線放送電話公社の線につなぐことになりますと、五年後、十年後の青写真というものを一応考えてみなければならぬ。試験の段階ならいいし、局部的な問題ならそれでいいけれども、これをいいものと結果が出た場合には、希望者もふえると思います。そうなってきた場合は、新しい制度がどういう方向をとるか知りませんが、私どもが常識的に考える点は、ひさしを貸しておもやを取られる結果になるんじゃないか。あるいはそうならぬまでも、その基準をどこに置くかということは、よほど大局的に慎重に考えておかぬと混乱を生ずる。だからこの点について郵政省はどういう考えを持っておるか、実際に事業をやっておる電電公社はどういうことを考えておるか、これは三十七年度やってみなければわかりませんじゃちょっと困るので、私の言う前提は、この試験の結果が上々であったという仮定の上に立って、お答えを願っておけば幸いでございます。
  181. 大橋八郎

    大橋説明員 ただいまの上林山先生のお説まことにごもっともと拝聴いたしました。私どもといたしましては、制度として今度は発足することになりますから、政府の方針がまずおきまりになることがどうしても前提と考えます。政府の方で、国の方針として、現在の制度では有線放送電話というものをつながないことになっておるわけですが、従来の方針を改めて一般の公衆電話につなぐべしということを御決定になりますれば、その方針に従って私どもはいたします。ただし、この場合には、やはり私どもの納得し得るような基準のもとにおいてのそれを前提としてつなぐ、こういうことにならざるを得ないと思います。
  182. 迫水久常

    迫水国務大臣 今電電公社総裁のおっしゃった通りでして、今公社電話につながないということを建前としておるわけですけれども、電気通信の補完的な役割を果たさせるために——これはどこまでも補完的と私は考えておって、上林山先生が今ひさしを貸しておもやを取られるということをどういう意味で言われるのかと思って、実は理解がいかなかったのですが、補完的な意味で有線放送電話をつなぐという制度を定める場合には、つなぎ方、どこからどこまでが公社の分で、それから先は公社の組織の中のどういう部分に当たるのかというようなことについて、よく公社と打ち合わせまして制度を考えたい、こう考えます。
  183. 上林山榮吉

    ○上林山分科員 私が取り越し苦労をしている理由は、これは結果がよければこの希望者が非常にふえるのです。非常にふえると、今度は公社の線も隣村ぐらいまでつないでくれぬかという、今度は県庁所在地までやってくれ、こういうことになる。そうすると、今度は県庁所在地ではいかぬから、近所の府県くらいは何とかならぬかということで、境界線がわからなくなるのです。どこまでを公社に経営せしめたが妥当であるか、あるいは有線放送をただ補強するという程度でいくとするならばどこまでか、こういうことは今からある程度は予見できるのです。また予見できなければ、三十七年度でこれを打ち切るのですから、今の監理官のお話では、結果も幾らかよさそうである。そうなると三十八年度には直ちに問題が起こるのです。そうすると、今電電公社で検討中の第三次五カ年計画の中にこれを入れるのか入れないのか、という問題にまで発展してくるのです。これはなぜかというと、第三次五カ年計画は五カ年間の計画ですから、一応青写真というものを書かなければならないのです。そういうように総合的に波及する範囲が広いものでありますから、よほどこれを研究していかぬと、三十八年度にトラブルが起こる可能性がある。三十九年度には必ず大きなトラブルが起こり得ると私は考えるので、ただ抽象的に制度化する、そのとき両方話し合って、この辺でというところでやろう、こうおつしゃる気持はわかりますけれども、もう予見をしなければならぬと思うのです。これは大臣には今の場合は無理な点もあるように思いますけれども、松田監理官、私の今申し上げておるこの趣旨というものは、単に事務的に技術的に考えるだけではいけない非常に重要な波及する範囲がある、あなた方はこういうことを一つお考えにならなければいけない。それを大臣に良心的にお映ししなければならない。その点はどうなんです。
  184. 迫水久常

    迫水国務大臣 今上林山さんのおっしゃいました点は、松田監理官からも電電公社からもよく聞いておりまして、私は、それに対しては、どこまでも日本の電気通信の大宗といいますか、それは電電公社にあるので、有線放送電話というものは補完的な役割を果たすのだ。いわば第二電電公社にだんだん自然発展的になっていくのじゃないかということを言っておられるようですけれども、そういうような格好にしないで、電電公社の補完的な役割を果たすという立場でものを考えていくというふうに私は思っております。
  185. 上林山榮吉

    ○上林山分科員 この問題の継続は逓信委員会でまたやらしていただきますが、三十七年度の段階ではもう重大な時期にきた。この辺までという青写真は必要じゃないか。だから、電電公社と打ち合わせられて、そうしたような方面の三十八年度の考え方も、試験の結果が大体いい方向で進んでいるのですから、結論は大体においていい結論が出るだろう、こういう仮定のもとに、そうした方面の制度化を研究するならするほど、一皮むいて御研究願っておきたい。きょうはこの問題はここで打ち切っておきたいと思います。  次に、大きな問題に入る前にちょっとお尋ねをしておきたいことは、今全国の自動車にラジオを取りつけておるのは何台ありますか。
  186. 西崎太郎

    ○西崎政府委員 ちょっと今はっきりした数字は、資料を持ち合わせていませんので、申し上げかねるのですが、たしか全国では五、六千台あると思います。
  187. 上林山榮吉

    ○上林山分科員 大臣の自動車、大橋総裁の自動車にはついておりますか。
  188. 大橋八郎

    大橋説明員 多分ついているんだろうと思います。たまに聞えることもありますから……。
  189. 迫水久常

    迫水国務大臣 ついております。
  190. 上林山榮吉

    ○上林山分科員 冗談のように思っていらっしゃるだろうし、私もそう強くこの問題を個人的に申し上げようとは考えておりませんが、電波監理局長、これは料金を払うべきものか、あるいは払わぬでいいものか、どうなんです。
  191. 西崎太郎

    ○西崎政府委員 NHKが制定しております受信規約によりますれば、これは徴収の対象になっております。すなわち受信契約を結ばなければならぬということになっておるわけであります。
  192. 上林山榮吉

    ○上林山分科員 この契約を役所はやっておりますか。あるいは電電公社はやっていますか。
  193. 大橋八郎

    大橋説明員 私もまだその辺を確かめたことがございませんから、調査の上お答えいたします。
  194. 西崎太郎

    ○西崎政府委員 役所のはたしか受信契約を結んでおると思います。  それから、ここでちょっと訂正させていただきたいのですが、私先生の質問を取り違えまして、ラジオを聞いておるかというのを、送受のできるいわゆるタクシー無線的なものと間違えたわけでありまして、現在NHKのラジオを受信する受信機を持っておる自動車は、それよりも相当上回った数字だと思います。
  195. 上林山榮吉

    ○上林山分科員 それは今御訂正になった通りで、五千台やそこらのものじゃなくて、その何倍という大きなものなんです。何も私は小さいことであんた方のあげ足を取ろうとは思っていないのですが、しかし、こういうものは、指導的地位にある役所なり、しかもその監督の地位にある役所が気をつけていかなければならぬ。これを全国的な問題とした場合、私は新しい提案をしたいと考えておるもの、ですから、申し上げるのですが、それは交通事故をなくするために、これが無料なものなら奨励がやりやすいのです。今交通情報を送っておるでしょう。これももっと度数をふやしていかなければなりませんが、交通情勢を半ば強制的に法律によって自動車に必ず——無線になるかあるいは今あなた方が使っておるラジオ用の受信機になるかは別としまして、いずれにいたしましても、ただならば奨励がやりやすい、そういう意味で申し上げたわけなんですが、しかし、払うものであったならば、これはNHKの肩を持つわけではありませんが、経営というものはこういうところから乱れてくるものなんです。だから、私は、そういう意味において、わずかのことだから、わずかのことをみんなが一つ守っていくという習慣をつけることが経営にも響いてくるし、あるいはまた全然実行不可能なものなら、これをはずしてしまって、そして今言ったように交通情報などをもっとひんぱんにキャッチできるような制度にこれを推し進めていったらどうだ、こういうように考えて、これを申し上げておるわけなんです。そういう意味から、先ほども島木委員から、ラジオ、テレビを一緒にして三百三十円では、ラジオをとらない人もいるじゃないか、実態調査はどうなんだ、こういう指摘があったのですが、これは私は別の角度から理解しておりますけれども、しかしそういう議論が起らないように整理をする必要があるのではないか。守れないなら、一つこれはクリーニングして、再検討して、これを守り得るような方向に改めていく必要がある、こういうように考えるわけです。だからこの問題を提案しておるわけでございます。  そこで、私が大臣にお聞きしたいことは、FMとラジオ、テレビの再編成と一緒にして、先ほどの御答弁を伺いますと、大体四月ごろにはそういうような結論が出るのではないか、こういうことを言っておられるようであります。これはできるだけ早いにしくはございませんが、時期はその辺なのか、その辺にピントを合わせるような、すべての作業は事務的にも一切進んでおるのかどうか、この点をまず伺っておきたいと思います。
  196. 迫水久常

    迫水国務大臣 省内にありますFM調査会で、その線を目標にして作業を進めております。
  197. 上林山榮吉

    ○上林山分科員 省内にあるFMの調査会でその線で進めておる、それでまとまった案を電波審議会にかける、こういうことですか。
  198. 迫水久常

    迫水国務大臣 その省内にあるFM調査会で出た一応の考え方を発表して、私は多くの人の意見を聞いてみたい、こう思っております。
  199. 上林山榮吉

    ○上林山分科員 大臣委員会で発言されたりあるいはその他のところで発言されたりしたのを総合して、多少ながらお考えのほどはわからぬでもございませんが、そういう結論が出なければ、郵政省としての最終的な方針は示すことはできないかもわかりませんけれども、大体今の段階においてこうありたいものだという希望的な考え方と言いましょうか、そうしたようなものがあるとすれば、具体的にどんなこととどんなことでございましょう。
  200. 迫水久常

    迫水国務大臣 最後の媒体といわれておるFMを一番効率的に使う、能率よく国民の公共の福祉のために使うのには、どういうふうにすればいいかということを発見しようとして努力しておるのですが、一番いい使い方をしたいというのが私どもの考えでございます。
  201. 上林山榮吉

    ○上林山分科員 ある程度御方針も持ちながら、摩擦を起こしたくないという御配慮から、簡単な御答弁のようでございますが、それなら、私の方から提案を一、二いたしますから、ノー、イエスをお答え願えればいいと思います。  まず第一に、FM放送の波は、使いようによっては相当たくさんある。だからこれをできるだけ全国的に視野を開いて、その希望に応ずる、こうしたような考え方ですか。それとも、もっと高度の立場から、そうしたようなものも一応は考えるが、もっと重点的に持っていくような考え方があるのか。私の表現があなたにぴんとこないかもしらないが、端的に言うと、FMは波が多いから、恵まれない地方ですね。たとえば各府県に一カ所ぐらいずつは、希望があればそれに応じてもいいという考え方が主なのか、それも考えの中には入れるけれども、それよりももっと重点的に大きく許可をして、そうしてキー・ステーションによってこれを希望するところに分けて与えていくような方針、それを併用するのか、重点はどちらにあるのか、それを一つお聞かせ願いたい。
  202. 迫水久常

    迫水国務大臣 上林山さんの御質問のポイントを私はよくつかまえていないのですが、FMの波はたくさんあるといって、そう無尽蔵にあるわけではありませんので、しかもカバーする範囲というものは、現在の中波よりエリアが狭いのではないですか。そういうことを考えてくると、私は、むしろFMの波はたくさんあるという立場で考えていくのではなくて、少ししかないという立場で考えていくべきではないかというように思っております。都市重点にやるのか、いなかを重点にするのかということは、要するにFMの波というものはどうすれば一番公共の福祉のために使えるのか、難視難聴の解消の用具として使うのか、それならそれでもって一つの方針は立ちますが、そうでなくて、一つの新しい媒体として考えていくのか、あるいはもう将来ある時期がくれば、中波というものはだめになって、全部FMにかわる、こういうものの考え方からしていくのか、そういうようなことがほんとうをいうと実にむずかしくて、何年か先を見通すわけですから、非常にむずかしいわけですけれども、そういうところを今鋭意英知を働かせて、結論を出してもらいたいということで、FM調査会に頼んでおるわけです。
  203. 上林山榮吉

    ○上林山分科員 御承知のようにFMの波はエリアが狭い。だから各府県に希望者があれば、選別して各府県にもその多くをやるような方針なのか、これは言えるでしょう。エリアが非常に狭いですから、各府県に、というのは、たとえば宮崎県にも希望者があれば許す、佐賀県もあれば許す、山口県もあれば許す、こうしたようなことを主として考えておられるのか。それとも、別途の何か、なるほど、中波が将来どうなるかだとか、あるいはその他の波が将来どうなるかだとか、そういう長い将来のことまでお考えにならなければならぬけれども、先ほど四月ごろには大体そういう結論が出るんじゃないかと言われたから、この際その辺の含みをもって一応聞いておくことがいいと思って聞いておるわけです。
  204. 迫水久常

    迫水国務大臣 御質問を置きかえて、地方にもFMを許可するような場合があり得るか、宮崎県と言われましたが、宮崎県なら宮崎県、鹿児島県なら鹿児島県、それはもちろんあると思います。あると思いますけれども、地方を重点にしてやるのか、こう聞かれると、必ずしもそうだと今言える段階でないということであります。
  205. 上林山榮吉

    ○上林山分科員 そうしたら、私がさっき言ったように、結局並行して、中央なり地方なり並行した方針、あるいは右にするか左にするか、どちらに重点があるのか、並行したような形で進んでいくお考えかということを言ったわけですが、これは逓信委員会でもう少し、あなたの方も発表していただき、私の方ももう少し研究して、さらにお尋ねいたします。  そこで、従来あるラジオ、テレビというものを補強というか追加というか、先ほど再編成と一諸にしてこれを考えていきたいという話があったようですから申し上げますが、ラジオなりテレビなりそういう希望者があればこれに追加することもあるという程度のものなのか、あるいは追加することを、場合によっては大部分認めていこうというのか、まだそこまでは研究しておらぬと言えばもうこれ以上聞きようがありませんけれども、どうなんですか。
  206. 迫水久常

    迫水国務大臣 上林山先生がもう答えを出して下さったので、目下最後の研究中でございますということです。
  207. 上林山榮吉

    ○上林山分科員 そこで、従来のいきさつを大臣はもうこの問題を相当研究されているから、おわかりと思いますが、最初はラジオ、テレビを許す段階では新聞社がこれを希望した。そこで、新聞は新聞の独特の行き方があり、ラジオ、テレビはラジオ、テレビの独特の行き方があるんじゃないかということで、半ば折衷案的な許可の方針というものが従来とられてきたんです。それはどういう点であるかといいますと、資本も同系列のものからは何%以上は特ってきてはいかぬ、人事も制限をつける、こういうような行き方で、半ば折衷案的な方針でやってきたのであります。私は、それも一つの行き方かもしらぬけれども、この際はあなたがおっしゃるように、ほんとうにこの国の波を、国民の波をどういうふうに配分した方が一番成果が上がるかというところにピントを合わせるならば、やっぱり新聞は新聞として独自の方針で進むことを希望するものであり、ラジオ、テレビはラジオ、テレビとしてこれがまた独立できる確固たる分野というものを確立していくべきだと思う。そういうような点から考えますと、今の折衷案的な制度は根本的に検討し直さなければならない。極端なことを言いますと、資本とか人事とかいうものは全然ノー・タッチ、みな独立したものにして、そうしてこれがそれぞれの能力を発揮できるような態勢に置くということがいいんじゃないか、こういう有力な説もございます。これに対してどういう考えを持っておられますか。
  208. 迫水久常

    迫水国務大臣 今の段階での御答弁は、上林山先生のお話をよく承って、そしてそういう御意見もあるということをよくのみ込んで、FM放送調査会にそれを移しまして、答えを出す重要な資料にしたいと思います。
  209. 上林山榮吉

    ○上林山分科員 大臣がまだ結論を出していないという立場からそういうお話のようでございますから、これ以上私もしつこくお尋ねすることを当分やめますが、次の機会にこれは徹底して質疑をしたい、こういうふうに思いますので、この程度にいたしておきたいと思います。  そこで大臣、NHKは公共放送の立場からはもちろんですし、民放においても、これはNHKほどではないがやはり公共的な放送にもタッチしておるわけですね。そういう立場から、従来から番組の質的な向上、こういうことが非常に論じられてきて、NHKも民放もある程度自粛して、確かに番組は数年前に比べますとよくなりました。しかしながら、しさいにこれを検討してみますと、まだ不十分であります。ことに最近ラジオ、テレビがその機能を新しい分野に見つけて、それ相当に貢献をしております。それは何かといいますと、御承知の通り、教育放送に相当貢献をしつつあるのです。そこで私は先ほど文部大臣にも、郵政大臣とよく話をされて、日本の教育事業というものにラジオ、テレビをもっと高度に、もっと広範囲に活用して、学力テストに見られるように、市街地と農山漁村との学力差があまりにひどいから、こういうものを是正するためにも、格差を縮めるためにも、あるいは僻地教育の質的向上をはかる上からも、あるいは勤労青少年のたとえば通信高等学校、こうしたような方面にも活用する意味において、政府はもっと資金の面なりあるいは補助金の面なり、そうしたようなめんどうを見る段階になってきた、こういうことを文部大臣にも私は強く要請しておきました。また文部省もちびりとではありますが、われわれが数年前から論じてきたことを予算の上に現わしてきております。しかし、私はもうこの段階に来れば、電波を利用する教育の分野というものは非常に拡大されてきたと思う。そういう立場からいえば、番組、ことに教育放送の番組の質の向上というものが非常に重大な段階になってきた。そこで民放などにおいては現在は番組は自主的規制をやっているだけです。これは自主的規制をやっただけの成果をおさめています。しかしながら、そういうように教育放送というような方向にどしどし分野を開拓するこの段階においては、それでは不十分だ。だから映画の製作なんかに対しては、ことに教育映画の製作に対しては、映倫があって、この審議会で第三者が検討して、これはいい、これは悪いというような規制をやっております。そういうようなところから考えて、もうこの段階、過去はそれでよかったけれども、これからの段階においては、一つ私はそういうような方向に番組の質的向上をはかっていく、こういうふうにしなければならぬと思いますが、どうですか。  それから、なお、ついででございますが、民放が今やっておる教育放送は、これは一〇%ですか、教養が二〇%かね、合計そういう意味において三〇%であったと思うのですが、その程度でいいのかということ、ことに教育テレビと銘打っ放送会社などは一体どうなんだ、こういうことを私は考えたいのですが、この二つの問題に対して郵政大臣の所信を聞きたいのです。
  210. 迫水久常

    迫水国務大臣 上林山先生の言われる教育放送という言葉ですが、学校放送という学校向けの放送については、各それぞれの放送、NHKなり民放なり、どちらにしても学校の教科課程、文部省のきめている教科課程というものに従ってやっているんだと思います。いわゆる社会教育的な教育放送ということになると、そういうような教科課程というのがありませんから、それぞれの自粛によってやっているのですけれども、私は根本的にいって放送の内容というものを役人が統制するようなことというものは一切すべきでない、言論統制、表現の自由に対する統制ということは一切すべきでないという基本的なものの考え方を持っております。ただ、それぞれの番組審議会というものがありまして、この番組審議会というものが世論を非常によく反映するのでありまして、世論が活発になりますというと、この番組審議会が非常によく活動しまして、先ほど映画の世界では映倫といわれましたが、映倫よりももっと効果的な活動をしつつある。そのために最近においては番組はよくなった、よくなりつつあるのだ、こう思いますが、今後とも一そう各放送局の自粛を徹底して、よりよく番組をしたい、なってほしいという希望はほんとうに一ぱい持っておる次第でございます。  なお、教育放送という名を銘打っておる会社の放送内容があれでいいのかという御質問に対しましては、若干率直に言って疑問の点がございます。ございますので、その点についてはそれぞれその局自身が自粛するように、勧告といっては強過ぎますが、そういうふうに誘導をしたいと考えております。  僻地教育その他教育の機会均等といいますか、都市、中心地といなかとで学力の差を縮めるというような問題について電波が利用されることは、きわめて私は喜ばしいことだと思います。ただ、これに対する補助金の問題になりますというと、文部省の所管にもなるでございましょうが、民放に対して一体そういう補助金を出してしかるべきかどうかということについては、相当疑問を持っております。民放は相当もうけているからその金で十分やれるんじゃないかなという感じがします。
  211. 上林山榮吉

    ○上林山分科員 時間がないので言葉を節約して——大臣がそういうお受け取り方をしておるわけですけれども、これは二段階になるわけで、私の言うのは、教育放送あるいは教養番組、こうしたようなものが非常に今までよりも重大になってきた。それを民放のごときは自主規制でやっておった、今まではそれでよかった、効果もある程度おさめて番組の質も幾らかよくなったという、それではまだだめなんだ。何も政府がこれを統制せよという意味ではなくて、ただ自主というものを、第三者を入れて、民間人の有識の士を入れて、そうして番組の向上をはかったらどうだ、こういう意味であって、決して役人がこれを統制せよ、こういう意味ではございません。ことにあなたも非常に最近この方面に御熱心だから申し上げるのですが、これは外国では再免許をするときの重要なる参考資料として有力なる七人委員会ですか、七人くらいでいろいろな番組を聞いておるのですよ。それでその人独特の採点をしているのです。その七人委員会によって再免許のときに、これは免許をしない、これは免許をする、こういう行き方をしておるわけなんですよ。だからそういう意味合いにおいて第三者を入れたもっと有力なる番組審議会というようなものを作ったらどうだ。ことに教育放送が大事になってきたから、なお教育放送の問題については、何も郵政省から予算を出してくれというのじゃなくて、もうすでに僻地教育に対しては文部省がことしも四百校分テレビ受像機を寄付するようになっております。そういうように、そんなものではとても間に合わないから、これを思い切った方向に持っていって、恵まれないところのいわゆる農山漁村あるいは勤労青少年の通信高等学校教育に力を入れる。また、こうしたようなものが制度化されつつあり、NHKはことしから通信高等学校を正式にやろうとしているのです。今までも教育放送というものはやっていたが、これは制度化されていなかったわけだ。私はそういう意味から非常にこれは重要な段階に来たと思う。だから、そんな意味から教育の分野にラジオ、テレビというものの果たす役割というものが、これは今までの何倍となってきた。私個人をして言わしむれば、あと十年たったら、学校の教育にしても、その他の教育放送にいたしましても、これも先ほど申し上げるように、青写真というものがぼつぼつできて、その計画に文部省を中心として進んでいくべきものではなかろうかというくらいに実は考えて、文部大臣にも強くこれを要請しておいたわけでありますが、そういう意味ですから、誤解のないようにお願いしておきたいと思います。  それから最後に、角度を変えましてお尋ねしておきたいのは、電電公社総裁並びに郵政大臣、一口でけっこうです。それはあなたは「電話金を払い過ぎている」、 それから「ほんとうは電話は五円でかけられる」、「給料が五倍になるはずだ」、こういうパンフレットが全国電気通信労働組合から出されております。この内容をごらんになられましたかどうか。ごらんになったとしたらこの通りなのか、それともこれは間違いなのか、これが公に頒布されている以上は、私は当議場でこれを論議する必要があるのじゃないかと思いますので、この内容について一つ検討しておったら、時間が来ておるようでございますからこれ以上は申し上げませんが、これをどうごらんになりますか、お二人からお答えいただきたい。
  212. 大橋八郎

    大橋説明員 きわめて時間が節約されているそうでありますから、簡単に申し上げます。  個々のパンフレットは私拝見をいたしました。その中に書かれていることはずいぶん私どもと意見の違うこともたくさんあります。また事実に違っている点もだいぶあるようでございます。
  213. 迫水久常

    迫水国務大臣 全電通組合は私を敬遠したと見えまして、私のところには送ってきておりませんので、まだ見ておりません。
  214. 上林山榮吉

    ○上林山分科員 時間の関係でここで具体的にさらに論及しませんが、逓信委員会で、これもこの程度で私も満足しませんので、あなた方にも読んでもらって、私もさらに読んで、もう少しぐらいはっきりと結論を持ちたいものだ、こういうふうに思いますので、きょうはこの程度で私は質問を終ります。
  215. 羽田武嗣郎

    羽田主査 速記をとめて。   〔速記中止〕
  216. 羽田武嗣郎

    羽田主査 速記を始めて。  田邊誠君。
  217. 田邊誠

    田邊(誠)分科員 郵政事業はいろいろ多岐にわたっていまするから、その内容についていろいろと刻明に質問をいたしますると時間を食いますので、私は郵政事業会計の中で、特に郵政事業中心として、これから先の特別会計のあり方について問題をしぼりまして質問をいたしたいと考えます。私は問題を積み重ねていきまするから、当局は一つ簡明に質問に対して御回答をいただきたいと考えるのであります。  特に郵便、貯金、保険あるいは所管の電電、その他ございまするけれども、日々進展をいたしておることは事実であります。特にその中心である郵便に例をとりますならば、だいぶ近年、年々郵便の取り扱い数は増加をしておる傾向でございまするけれども、昭和二十六年を一〇〇といたしますると、三十六年度は、郵政省の発表では約一九〇に近い数字が出ている。ですから、約倍に近い郵便物が引き受けられている、こういう状態であるそうでありまするけれども、それならば三十六年度は、正確にいって二十六年に比較をしてどの程度まで引き受けが伸びたのか、その三十六年に比較して三十七年は一体どの程度まで郵便物の物数が伸びるというふうに予定をされているか、お聞きをいたします。
  218. 西村尚治

    ○西村政府委員 昭和二十九年度は、郵便物の総引き受け物数でございますが、これが三十七億二千八百万通ということであります。これに対しまして、ただいまお尋ねの昭和三十六年度におきましては、七十四億六百万通という数字になっておりまして、昭和二十六年度を一〇〇といたしますと、昭和三十六年度は一八九%に相当するわけであります。  さらにお尋ねの、それでは三十七年度はどういう数字になるかということでございましたが、これにつきましては、三十六年度から見まして、約七%増の大体七十九億通を見込んだはずだと思っております。
  219. 田邊誠

    田邊(誠)分科員 そういたしますると、二十六年度に比較をいたしまして、一体指数からいいますと、三十七年度の今の七%増というのは結果としてどのくらいの指数になるわけですか。
  220. 西村尚治

    ○西村政府委員 ちょっと指数を出しておりませんので、即答いたしかねますが、一九〇数%になろうかと思います。
  221. 田邊誠

    田邊(誠)分科員 その中でもって一種二種が、昭和二十六年を一〇〇といたしますと、三十六年度は一四一、三十七年度は何ぼになりますか。三種から五種を、二十六年を一〇〇といたしますと、三十六年度は二八一と出ておりますが、三十七年度は一体何ぼくらいになりますか。もう一つ、三つ目、二十六年からだんだんと一種二種と三種以下の比率というのは逆転をいたしてきておりますけれども、三十七年度においては一体どういうような比率になりましょうか。
  222. 西村尚治

    ○西村政府委員 この総引き受物数のうちの一種、二種あるいは四種、五種の内訳は三十六年度までは出しておりますけれども、三十七年度の内訳はちょっと今資料のこまかいものがありませんので、あとでお届けさせていただくことにいたしたいと思いますが、三十六年度までの内訳の比率を申し上げましょうか。
  223. 田邊誠

    田邊(誠)分科員 それはわかっております。私が言ったことで間違いなかったらけっこうです。
  224. 西村尚治

    ○西村政府委員 それから三十七年度は、こまかいデータがちょっと今見つかりませんので即答申し上げかねますけれども、傾向といたしましては、一種、二種が非常に激増いたしておりまして、三種、四種、五種というものが、従来は、傾向として非常に顕著な伸びを示しておりましたにもかかわらず、三十六年度料金引き上げの結果かと思いますが、これはどちらかと申しますと、横ばいの傾向にあります。そして一種、二種というものが非常に顕著に伸びてきておるということが申し上げられると思います。
  225. 田邊誠

    田邊(誠)分科員 大体精密な傾向は御答弁をいただけませんけれども、大まかに言いまして、郵便物の引き受け数というのは、毎年二十六年度を一〇〇といたしますと、一〇%内外ずつふえて参ったのであります。三十七年度はややその上昇率が低くなるような御答弁でございますが、これはあるいはいろいろな経済事情の変動等も加味をされてそういう予測をされたと思うのであります。三十五年度は一七七、三十六年度は一八九、こういうふうに表に出ておりますね。従って、三十七年度は、あなたの答弁を計算してみても、一〇%以上の伸びというふうにはならないのであります。それはそれでよろしゅうございましょう。そういたしますと、大体郵便ばかりではございませんが、貯金、保険等も経済事情の変動等もありましょうけれども、一応漸増の傾向であることは大臣お認めでございます。  そこで、昨年六月一日から郵便料金、為替貯金等の料金改定をいたしました。われわれはもちろん郵政事業の特異性からいいまして、これらの料金改定に対してはいろいろと意見を申し上げてきたところであります。特に物価との関係、国民生活に与える影響等から見て、独立採算の建前からいっても、にわかに料金改定に踏み切ることは非常に大きな問題を含んでいると言ってきたのでありますけれども、これを政府は値上げいたしました。そこでお聞きをいたしますが、三十五年度の郵便収入は、予算におきまして約六百三十八億円と承知をいたしております。決算を見ますと約六百五十八億円というふうになるわけでありますけれども、これと三十六年度の予算、すなわち郵便収入七百六十六億円と比較をいたしますと、これは予算の面では一六・五%ばかり伸びている計算になるのであります。しかし、この中には今申し上げましたように、六月一日からの郵便料金の値上げが含まれている。この郵便料金の値上げを除きますと、年賀はがき等の収入を除きます基本収入は、料金改定を別にいたしますならば、昨年度の予算説明によりますと約八%だと当局は説明をいたしたのであります。そういたしますならば、今お話のありました郵便物の引き受けの状態が三十五年から三十六年、それと比較して三十六年から三十七年と大きく変動しているとは見られない。内容的には今郵務局長の言われた、若干種別には変動があっても、大まかなところはそれほど大きな変動があるとは見受けれない、漸増の傾向であるといたしますならば、三十七年度の予算の中において業務収入、特に郵便収入の占める割合は、やはり今申し上げた引き受けと大体同じカーブをたどっていくということと相見合って料金が収益されるであろう、予算の面で当然それが予想されるであろう、こういうことになるわけでありますけれども、本年度の予算案を拝見いたしますと、業務収入の中で特に大部分を占める郵便収入は約八百九十億というふうに案を出されているわけでございますけれども、これは三十六年度の予算に比べて一体どのくらいの増加になるわけでございましょうか、パーセントをお知らせいただきたい。
  226. 佐方信博

    ○佐方政府委員 収入の見方といたしまして、基本収入といたしましては前年度に対しまして七・五%ふえております。これは過去四年間くらいの収入の伸びをずっとそのまま伸ばしていった数字になっております。
  227. 田邊誠

    田邊(誠)分科員 三十六年度の予算の七百六十六億に比較をして八百九十億という百二十三億ばかりの増加になる郵便収入というのは、今の局長お話のような工合に増加率はなりませんね。
  228. 佐方信博

    ○佐方政府委員 今のお話は、郵便収入のうちの基本収入については何%ふえているかというお話だと思いましたので、前年度の基本収入に対しましては、過去の三、四年来の自然伸び率を見ていきまして、七・五%加算したわけでございます。同時にまたこの計算をいたしましたときに、料金値上げの影響というものは、前年分におきましては七月以降七十四億入っておるわけでございます。ことしの料金値上げをいたしましてから、三カ月間に料金値上げをせざりし場合と、した場合とは、どう違っておるかという計算をいたしまして、料金値上げの分をさらにこれに百三十億加算をする、そういうこと、それからほかの雑収入で少し多くのものを見ておりますので、基本収入としては七・五%見た。それから値上げの分としまして百三十六億それに加算をしていった、こういう計算になっております。
  229. 田邊誠

    田邊(誠)分科員 従って、総体でもっては約一六・一%の増ということ、こういう形に見られておるわけでございます。昨年は総体の面でもって一六・五%と見ておる。その中にはこれはもちろん今申し上げたように、料金改定によらない分の基本的のものが八%、こういう形でございます。ところが昨年度すでに料金改定をされておる。従って、今年はそれに基づいて、これはもちろん新しく料金改定をされるなら別ですけれども、そうでない形でもってこれは収入を見越すわけですから、昨年とは違うのであります。昨年は料金改定をされない分として見た場合にはこれは八%、それがすなわち約五十億、それにプラス六月一日からの料金改定約七十七億円、これを加えたものが前年度に比較しての百二十八億円の増というふうに見たのです。ことしはすでに実施をされておるところの料金改定、これと同じ料金の上に立って算定をされるのですから、今の局長お話というのはいささかその点では違うのでありまして、あくまでもこれは、もちろん年賀はがき等のそういったものを含めない場合と含めた場合においては違うでしょうけれども、そうではなくて、昨年と同じ料金の中でもって総体から見た場合に一六・一%というのは、昨年の料金改定を途中でやった場合における一六・五%というのとは、これは内容的に違う。これは明らかですな。
  230. 佐方信博

    ○佐方政府委員 三十七年度の収入を見ますときに、三十六年度の実績というのはないわけでございまして、従いまして三十六年度の収入をまず考えて予算はもちろんできておりますけれども、あらためて三十七年度の予算を考えますときには、三十一年から三十五年の伸びで、料金値上げがなかったときにはどういう工合に伸びていくだろうかという計算をしたわけでございます。そのほかに三十六年度の三、四カ月間の料金を値上げした実績がございますので、三十六年にさらにこれを加えて、三十七年度の計算をした、こう申し上げたわけでございます。
  231. 田邊誠

    田邊(誠)分科員 そういたしますると、昨年の料金改定前の、すなわち予算を七百六十六億円というふうに組む前の料金改定を含めない予算に対しては、これは一六・五%の増、こういう格好にはなりましょうけれども、料金改定を実施をいたしましてそれを含めて七百六十六億、こういう予算が組まれておる。ですから、これを基礎といたしまするならば、本年の八百九十億という郵便収入は、これは一六・一%増ということは過大に過ぎませんか。
  232. 佐方信博

    ○佐方政府委員 私たちは確実にこれぐらいはいくだろう、こう考えております。
  233. 田邊誠

    田邊(誠)分科員 郵便の方の引き受けは大体漸増、従って、料金も種別にいろいろ引き受けが違いまするから、これはもちろんある程度の変動はありましても、大体伸びの傾向というのは、これは大きく変わるはずのものではございません。そういたしますと、三十五年から三十六年に伸びた割合、こういう割合から見まするならば、三十六年から三十七年の伸びの工合は、料金改定があった場合における伸びと、当然違うはずでございます。郵便物がうんと急に伸びたならば別ですよ。ですから、あなた方のこの見込みについては、いささか過大に評価をしているではないか、こういう見解を私は持っておるのでありますけれども、一応それならば今の御答弁に従って話を進めましょう。  そういたしますと、一体郵便収入が全体の歳入や一これは厳密にいいますと、建設勘定その他がございますから、いろいろ問題がございますけれども、大まかにしろうとが見た場合の全体予算の中における郵便収入の占める割合は、三十六年度において何ぼぐらいでしたか。三十七年度は一体どのくらいになりますか。
  234. 佐方信博

    ○佐方政府委員 大体四三、四%だと思います。本年も大体似たようなものだと思います。
  235. 田邊誠

    田邊(誠)分科員 そういたしますと、全体の郵便事業の特別会計の中で、ごく大まかに見た場合でありますけれども、その主幹をなすところの業務収入、その大部分を占める郵便収入の割合というのは、予算の面では大きく変動しておらないのであります。当然私はそうだろうと思うのであります。そういたしますと、昨年の六月一日に郵便料金の値上げを、世論の物価値上げ反対という声にあいながらもこれをあえていたしましたが、にもかかわらず、業務の面で特別大きな画期的な仕事をしたということに相なりますれば別でありますけれども、まあまあ引き続き、なかなか郵政省の古いからをぶち破るわけにいかないと見えまして、迫水大臣のもとにおける郵政事業の運行の中でも、予算の内容の面で、特に歳入予算の中で、大きな変動はないのであります。そういたしますと、料金改定をいたしましたことは、実は当時これが抜本的な解決になるのかならないのか、こういういろいろな問題がございましたけれども、それによって事業会計の面におけるところの大きな改善策になったというふうには見受けられないというのが、これが大体われわれの見方であります。もちろん増員の問題もありましょう。あるいは全般的な引き受け物数の増加という問題もございましょう。そういった時代の趨勢もありますけれども、今までのお話大臣はお聞きになって大体御承知をいただいた通り郵便物の引き受けの数のカーブも変わらぬ、それからいわゆる歳入予算における業務収入の割合、その中における郵便収入の占める割合等も大きな変動はない、こういう格好になりまするならば、昨年六月一日からやったところの料金改定というのは、どうも抜本的な改善策、あるいは業務をほんとうにいろいろな面でもって拡張し、改善するために大きな役割を果たしておるというふうには見受けられないと思いますけれども、大臣いかがお考えですか。
  236. 迫水久常

    迫水国務大臣 これは見方だと思うのですけれども、実際料金改定をしていただいて収入がふえましたから、会計にゆとりができまして、たとえば局舎の建築の問題あるいは労働の居住性といいますか、局舎を改善して働きやすくする、そういう居住性を向上するとかということについて相当の金が回せるようになったということは、全く料金改定をした結果である。もし料金改定をしなかったら、借金が返せなかったんじゃないでしょうか。私はまくそのところをはっきり知りませんけれども、逆に赤字さえ心配せねばならぬ状態ではなかったか、こう思います。
  237. 田邊誠

    田邊(誠)分科員 実は大へんな改善策を講じたと言いますけれども、これは私が一々質問をしなくても、わかっていることは私の方から言いますから、間違ったら言ってみて下さい。郵便局舎の増築は六十五億円であります。その中でもって自己資金が大体三十二億円。昨年は全体でもって五十七億円であります。そしてその中で自己資金は二十七億円。従って、借り入れですね、簡保、年金の借り入れば、やはり昨年の三十億に比べて三十三億円とふえておる。割合はあまり変わっておりません。もちろん総体の額では、全体の経済が伸びておるんですから、局舎改善のための費用が五十七億から六十五億になったくらいは当然の話ですけれども、今大臣のおっしゃるような工合には、内容的には努力をした跡はわれわれは見受けられまするけれども、大へんな大きな進歩というふうには思えない点があるのであります。従って、実はいろいろ詳しく質問をいたしまするならば、さらに明白になりまするけれども、大体今の局舎の問題をとらえても、もちろん努力をしなかったなんということはわれわれは言いませんけれども、大きな改善策をここで講じたというふうにはならぬと思う。しかし、今のところは一応それでとんとんにいっておる。収入幾らかふえたし、歳出の面でも幾らかものをやれる、こういう格好ですけれども、今言った抜本的な改善策にならぬといたしまするならば、料金改定というのは前の大臣は五年くらい持つと言ったけれども、今のような状態を繰り返している限りは、なかなかもって独立採算の面で五耳を、——もっとも五年と言ったらば、前の小金大臣はそのうちに訂正して三年くらいと言ったんですけれども、私はこれからお伺いするいろいろな施策をやってもらいたいというように思っておるのでありますが、それは別にいたしましても、せっかく郵便料金、為替貯金の料金改定をしたその翌年度においても、内容的に大きな変動は割合の面からいってないといたしまするならば、はたしてどのくらい独立採算が保て、赤字が生じないで済むものか、迫水大臣はいろいろな施策をお考えでありましょうから、それを一つ頭に置きながらこの際お答えをいただきたいと思う。
  238. 迫水久常

    迫水国務大臣 その何年間持つということを計算する一番大きな要素というのは、賃金の問題を除外しては言えません。私は賃金の上昇率というものは、−決して賃金をむやみに押えたいという意味でそう言っているんではないんです。当然上げるべき賃金は上げなければならぬと思いますけれども、賃金の値上げが、社会一般の情勢から考えて、どのくらいのスピードで上がるかということについての見通しがはっきり今私どもは実はつきませんので、それは五年持つと小金さんが言ったという話を聞いておって、五年は持たないかと私は思いましたが、今田邊さんから小金さんが三年と訂正したという話を初めて聞いたわけでありますけれども、まあ三年くらいは持つんじゃないかなとは思います。
  239. 田邊誠

    田邊(誠)分科員 これは勘の答弁のようでありまするけれども、私はその次に人員の問題もお聞きをしたいのであります。郵政事業の伸展というのは、もちろんこれは時代とともに伸展をいたしていくでありましょう。特に料金の問題が人員の問題と直接関係があるという大臣のお言葉というのは、私は非常に率直でよろしいと思うのです。しかし、もちろんそれ以外に一般的な経済の状態の問題あるいは国民に与えるところの影響の問題、物価との問題、こういったものが当然含まれてこなければならぬはずであります。それらを一応われわれは池田さんの所得倍増計画、そして成長政策という、こういう経済面の柱があるわけでございまするから、これらと見合って郵政省としても、大臣はだいぶ勘にたよられたようでありますけれども、当然ある意味におけるところの展望はお持ちでなければならぬ、こういう意味合いから私は実は申し上げたのでありますけれども、そういたしますると、大体あと二、三年くらいは料金改定をしなくてもいい、こういう工合にあなたは考えておられますか。
  240. 迫水久常

    迫水国務大臣 お説の通りと存じます。
  241. 田邊誠

    田邊(誠)分科員 二、三年でどうもこれは料金改定をしなくちゃならぬ時代が来るというような、裏を返せばそういうふうな話になるのですが、私はそこをさらにいろいろと議論して言おうとは思いません。思いませんが、今申し上げたように、昨年六月に料金改定をしても、どうも独立採算の建前から言いますと、郵政事業の抜本的な歳入面における改善策というのは非常にむずかしいのであります。特に郵政事業はいやおうなしに人にたよる事業でありまして、これはさきの逓信委員会でも私は大臣とその点は一致しておるのでありますけれども、大体これは増員を一万五千人ばかりしていただいたというのであります。非常にけっこうな話でありますけれども、これはこれでは足らぬと思っておるのですが、経理局長、給与総額予算の全体の総額——これはいろいろと特殊なものを除けば別ですが、全体の総額でけっこうですが、これに対して三十六年から三十七年、どういうような傾向にありますか。
  242. 佐方信博

    ○佐方政府委員 これは大体七七%程度の人件費率は変わっておりません。
  243. 田邊誠

    田邊(誠)分科員 人件費というものは、アメリカでも七五%、イギリスでも七四%要っておるのでありまして、従って、機械化をどんどん進めるということをいたしたにいたしましても、比率というのはなかなか大きく変動いたさないのであります。しかも人員配置の問題について私はいろいろと問題があろうと思いますので、時間が許す範囲でお聞きをしたいのでありますけれども、それを一応抜きにして大臣お答えをいただきたいのは、今申し上げたような工合に郵便事業の趨勢もわかった、それから料金も二、三年くらい持つだろう、給与の改善等もしなくちゃいかぬだろう、そういったいろいろな断片的なお答えはありますけれども、私は郵政事業というものは、そろそろこの辺でもって長期的な展望を明らかにしなければいけないのじゃないか、こういうふうに考えておるのであります。たとえば厚生省には厚生白書があり、労働省には労働白書があるように——従業員の労苦に報いるための、協力を求めることは必要でありましょう、もう一つ国民に対する理解が必要でありましょう、こういうふうに言いましたら、大臣はその通りだとお答えになったはずであります。そういたしますと、この辺で郵政白書ともいうべきものを一つ出して、その上に立って事業量はだんだんこういうふうになる、郵政事業が独立採算という建前でいくならば、収益はこれから先大体こういうふうになる、人員配置の問題も、これはわれわれと見解の相違もありましょうけれども、こういうふうになる、業務改善のための経費もわれわれとしてはこういうふうに使わなければいかぬ、こういうふうなことを含めた一つの何年かの計画というものをお出しになる必要があるのじゃないかというふうに思うのであります。だいぶPR文書としてわかりやすい——郵便にしてもあるいはその他の事業にしてもパンフレットが出ておるのでありますけれども、ほんとうにそれが正しい根拠と見方によるものであるかどうか、将来一体どうなるのか、こういうことはさっぱりわからぬのであります。大臣はある機会において、小包の問題を取り上げられる、あるいは日曜配達の問題を取り上げられる、こういう格好になっておりますが、それらをひっくるめて、——内容はあとでお聞きいたしますけれども、ひっくるめて全体的に見て、郵政白書的なものを、たとえば五カ年なら五カ年の整備拡充計画、こういったものを郵政省はお出しになる必要があるじゃないか、毎年毎年いろいろな問題が起こっていますけれども、これを除去するためにも、そういったことはなさるべきじゃないか、こういうように思います。たびたび大臣がおかわりになるので困るのでありますが、一つあなたの時代に郵政事業の抜本的な改善の方向を国民に明らかにする、こういうような計画というものをお持ちであるかどうか、お聞きしたいと思います。
  244. 迫水久常

    迫水国務大臣 昨年五月でしたか、三月でしたか、一応五カ年計画らしきもの——と言っては少し怒られるかもしれませんが、そういうものは一応作ってある。それをもう少し精微なものにしたいという気持は、私としては非常にあります。今の田邊さんの御質問は、私の潜在的な、何というか、神経を非常に刺激して、やってみょうがなという気持になるわけですけれども、ただ郵政白書でなしに、貯金、保険が入ってきますから、郵便白書ということですか、あなたの言われるのは。
  245. 田邊誠

    田邊(誠)分科員 全般です。
  246. 迫水久常

    迫水国務大臣 では貯金、保険を含めて、さっそく事務当局を集めて省議をして、田邊さんの要求に沿うようにいくかどうか、一つ研究いたします。
  247. 田邊誠

    田邊(誠)分科員 私は、大臣がいろいろな面でもって気がついて、新しい改善策を講じたいという意欲をお持ちであろうと思うのであります。しかし、どうも何か非常に場当たり的な御発言というように見受けられないでもない点があるのであります。それは今言ったような根本的な展望と計画というものがないから、そういう格好になるのだと思うのです。たとえば先ほど来どちらかで談話を発表されたようでありますけれども、日曜配達の問題は一体どうするのか、小包の問題を一体郵政省の独占事業の中からどうするのか、こういうような問題に対して大臣は少しくお話があったようでありますけれども、その他何かそれを含めて、あなたが今お考えであるところの、郵便を中心としたものでもよろしゅうございます。何かお考えになった点がございますか。
  248. 迫水久常

    迫水国務大臣 ちょっと御質問の主体をつかまえ切れないのですが、要するに郵便について何か新しい施策をやりたいことがあるか、あったら言え、こういうことだろうと思う。ただいままで郵便遅配の解消ということで一生懸命でして、今私の頭にありますのは、やはり兼木的に労使間の関係の正常化という問題が、一番の重点のようであります。郵政審議会にもその点についての御意見を求めておりまして、その点に重点を置いて考えなければ、郵便というものは、御承知のように、お話しの通り人が八〇%を占める問題でありますので、経費的にいってもすべてなんですから、どうしても労使関係の正常化がなければ、郵便の基本は成り立たないと思いますので、それに重点を置いて考えたいと思います。
  249. 田邊誠

    田邊(誠)分科員 人員の問題を含めて、人の問題が何といっても重大だという大臣のお言葉です。これについていろいろ私は意見はありますけれども、それは逓信委員会に譲ります。そういたしますと、先ほど来から郵便を中心としてお聞きして参りましたが、三十六年度において増員をしたものと定員化をしたものを含めて、たしか九千七十七でございました。三十七年度は増員、定員化と含めて一万五千二百二十二人、こういう格好だそうでございますけれども、今までお聞きをいたしましたのは、郵便ばかりではありません。郵便はその中の一部でございますが、かなり主体をなすので例をとってみますと、三十七年度以降においても、引き続きこの引き受け物数の増加業務量増加等に見合って、人員配置を適正化しなければならぬ、こういうふうに大臣お考えだろうと思いますけれども、そういった御用意はございますか。
  250. 迫水久常

    迫水国務大臣 もちろん人員配置の適正化ということは必要なのでありまして、従って、郵便物数がふえるに従って、人の増加ということは、もちろん必要だと思います。しかし、日本の労働情勢全般から考えていくと、郵便のことからだけ人をふやすこともなかなか困難な事態がきやしないかと思うのですが、そこのバランスを考えて、場合によってはサービスの調整、これは日曜配達とかという問題をときどき言われると、私がちょっといろいろなことを言ってみたり、あるいは小包郵便の話をしたりするのは、来年人員をふやしますかということを言われるものですから、この人員をふやすことができる限界はもちろん当然ふやすべきですけれども、場合によっては小包郵便を外に請負に出すことによって調整することがあるかもしれない、こういうことが頭の中にあるものですから、ついときどきそういうことが言葉の端に出るのです。そこら辺のことは、今おっしゃいました郵便白書でも、基本的に考えなければならぬ問題では確かにある。まとめてできるだけ勉強したいと思います。
  251. 田邊誠

    田邊(誠)分科員 人員の問題は料金の問題とも関係あると先ほどの大臣の答えと、今のお答えは、今度は少しく消極的になりました。ですから、もちろんこれは総合的に考えるべきことでありましょう。しかも、国民がそれに対してほんとうにそれを正しく受けとめてくれるかどうか、こういう問題と関連をすると思うのです。しかし、私は、やはり基本的には人員配置をさらに適正化していく、こういう方向は当然だろうと思う。機械化が進み、今言った小包の問題、あるいは日曜配達の問題等もあったにいたしましても、やはり基本的な方向としては、人員配置をさらに適正化していく、こういうことは間違いない事実だろうと思うのですが、それはいいのですね。
  252. 迫水久常

    迫水国務大臣 基本的にはその通りです。
  253. 田邊誠

    田邊(誠)分科員 そういう上に立って郵便白書ですか、郵政白書ですか、計画を樹立される、こういうお話でありますが、大臣は、ときどきその中でも一部分だけ発表されるから、非常に誤解を生むのでありますが、日曜配達はやめるとか、やめないとかという話がありますけれども、これは今のところやめるというような考えがあるのですか。
  254. 迫水久常

    迫水国務大臣 今のところは全然ありません。
  255. 田邊誠

    田邊(誠)分科員 小包は、何か郵便事業、郵政事業、国家独占事業からはずした方がいいじゃないかという御発言があったように思いますが、その点はどうなんですか。
  256. 迫水久常

    迫水国務大臣 現在でも、小包は国家独占事業じゃないわけです。これは郵便の配達を下に請け負わしたらどうかという話は、ちょいちょい出るわけです。人口の増加をすることが困難であるといういろいろな問題にぶつかってくると、それじゃ請負に出すかという話がときどき出てくるわけです。そこで、そういうことが私の言葉の端々に出るのですけれども、そういうような問題は、やはり一つ検討に価する問題だとは思っております。つまり小包郵便を政府が扱わなくするのではなく、配達を請負に出す、こういうことです。
  257. 田邊誠

    田邊(誠)分科員 私は、郵便の問題の中でとりあえず考えなければいかぬのは、何といっても事務能率を苛めていくことだと思うのです。それにはもちろん局舎の問題もありましょう、あるいはその他、あて名を書く問題もありましょう。町名問題、先ほど出ましたが、町村合併にからむところの配達区の問題もございましょう。それらを一貫して、その中で非常に問題になるのは、何といっても郵便物のサイズの問題です。何か今年の初めごろに、郵便物の規格の問題に対して郵政省はお考をお持ちであるような、そういったことが新聞等で報道された記憶がありますけれども、これは世界各国においても、今実は非常に問題になっているはずであります。これは郵政省が考えをお持ちであるとするならば、率直に発表される必要がある。いつまでにそれじゃ構想をまとめるか、どういう内容であるか、こういうことが必要であろうと思うのです。それにはもちろん、今の日本のいろいろな生産部門やその他との関連もございましょう。すでに市販をされているところの封筒知やその他のものとの関連もございましょう。にわかに実施をするということは、非常に問題であります。そしてまた、そういった規格を統制することが許されるべきものかどうか、こういう郵政事業の根本に触れる問題でもありまするけれども、しかし、お考え方があるならば、やはりこの際明らかにして、そこでそれに対して国民の意見を聞く、こういうことが必要だろうと思いまするし、そういう機会が、今の長期展望とあわせてぜひ出てこなければいかぬのじゃないか、こう思いますが、その点どうなんですか。
  258. 西村尚治

    ○西村政府委員 郵便物の規格の問題につきましては、鋭意今検討しておる最中でございます。と申しますのは、お話のように最近郵便物が激増しました。特に、大型の郵便物が激増して参っておるのが目立ちます。ダイレクト・メールなどには、大型でありますのみならず、変形のものなどもかなりありまして、取り扱い能率に大きな影響を来たしております。これを一定の大きさのものに限りまして、たとえばB5判程度のものにして、それ以上のものは禁止するか、禁止するということができなければ、増し料金をもらうようにするか、あるいは変形のものにつきましても、把束のときその他に相当影響がございますので、これについても、禁止にするか、増し料金をとるかというようなことも、検討いたしております。これは主として第三種、第四種、第五種についての問題でございますが、封筒につきましても、御承知のように、日本の手紙の封筒は何百種数とあるようでございまして、これが手区分の場合でしたらよろしいのですけれども、今後徐々に局内作業を機械化していかなければならないという現状におきましては、どうしても封筒の規格化ということも、必至になってくるわけでございます。これにつきましても、現在通産省の工業技術院の方が中心になりまして、封筒のJISをきめようという会合を持っております。私の方からも委員を出しまして、鋭意その打ち合わせに当たっておるわけでございますが、ただ、これをどの程度にするか、何種類くらいに限定するかということになりますと、私どもの方の区分の都合上だけでございませんで、封筒のメーカー等の利害関係などもございまするし、さらには国内だけでございませんで、国際的な封筒の規格ということも問題になって参りますので、それとの関係もにらみ合わせなければなりませんし、慎重に検討を続けておる段階でございますが、いつごろまでにということは、実はちょっとまだ見当もつかないわけでございます。できるだけ早く結論を出すように努力をいたしたい、かように考えておる次第でございます。
  259. 田邊誠

    田邊(誠)分科員 従って、規格はある程度やはりきめておくといいましょうか、制限するといいましょうか、そういう方向でものを考えてこれをまとめていこう、こういう方向だということですな。
  260. 西村尚治

    ○西村政府委員 その通りでございます。
  261. 田邊誠

    田邊(誠)分科員 時間があまりないようでございますので、もう一、二点だけで終わります。  実は、郵便の事業を中心として今までお話をして参りましたが、郵政事業全般として見た場合には、私がさっき言いましたように、独立採算制をとっているということはなかなか窮屈だ、特に建設的な施策はなかなかできない、こういう状態を私は申し上げてきたのでありまするけれども、私は、やっぱりそればかりではなくて、事業の改善策については、実はほかにもいろいろ方法があろうと思うのであります。  話はちょっと前後しまするが、簡易保険郵便貯金は、その最高額を実は規制をしておるのでありますが、簡易保険は、昨年の四月までは二十五万円だったのを三十万円にした。それからことしからはたしか五十万円に引き上げるという格好だろうと思います。郵便貯金の方は、三十万から五十万にしようといっておりますね。そこで私は、やはりそういう引き上げという問題も、これはもちろん考えなくちゃなりませんでしょうけれども、常日ごろからいわれておるのですが、五十万円に簡易保険を四月からまた今度引き上げようということに昨年きまった。しかし、民間の保険との競合ということが問題になりまして、これが従事員の労働強化になり、非常に大きな困難を来たしておる、こういう状態なんですが、どうなんでしょう。たとえば五十万以下は簡易保険だ、民間は五十万以上だ、こういう考え方というものは成り立たないものかどうかということも、私はやはり考えてみる必要があるのではないかと思うのですが、今の簡易保険の問題も、今年度からさらに引き上げになるという事態の中で、どうでしょう、そういうお考えはございますか。
  262. 迫水久常

    迫水国務大臣 民間保険は五十万円以上に制限してしまうということは、困難じゃないかと思います。ほとんど実現できない話じゃないですか。
  263. 田邊誠

    田邊(誠)分科員 今大臣がおっしゃったように、もちろん困難なことはわかりまするが、そうすると、ただ単に引き上げをしただけでは、簡易保険というものの持つ意味合いというものはだんだん薄らいでいくだけである。民間と盛んに競争するという格好だけで終わる。私は、五十万以下は民間に取り扱いをさせないということが直ちにできるとは思っていませんけれども、やはり国家公務員がやっておる郵政省の仕事と、民間の自由経済の中でやっておるものとの間に、何らかの違いがなければいけないんじゃないか、こういうように考えておるので、こういった問題も含めて一つ御研究いただきたいと思いますので、これはお願いをしておきたいと思うのであります。  そこで、時間がだいぶ迫りましたので、最後に一点だけお聞きをします。  私は、現場の郵便局というのは、だんだん町村合併にもなりまして、交通も便になって参りますから、一つ中心的な郵便局を拡充をして、あるいはさらにふやして、それを軸として動いていく、こういったことがされなければならぬと思います。当然だろうと思うのであります。ところが、普通局といわれる郵便局の局舎の拡充計画もありまするけれども、なかなかそれが十分でない。ところが、それに並行して、特定局を三十六年度において二百局予定した。三十七年にまた二百局を予定しておる。簡易郵便局というのがございますけれども、これを三十六年度において五百局、それから三十七年度に八行局というふうにふやそうという計画のようであります。特定局は、三十六年度の現在において一体どのくらいできますか。簡易郵便局の五百局という予定に対して、現在開局をされたものは何局ですか。
  264. 西村尚治

    ○西村政府委員 三十六年度予算でとれたものの消化状況でございますね。特定局につきましては、予算に成立いたしましたものが二百局でありますが、これに対しまして、開局済みのものが十九局、位置がまだ未定のものが三十九局ございまして、その他のもの百四十二局ですが、これは今開局準備中のものでございます。大体今年度内に全部開局できる見込みと思います。それから簡易郵便局の方は、五百局の予算成立に対しまして、開局いたしましたものは、わずか三十三局でございます。
  265. 田邊誠

    田邊(誠)分科員 これでは話にならぬのでありまして、これは何か取り扱い手数料を今度ふやそうなんという話があるのだそうですが、それで糊塗できるものであるかどうか。そういったことでもって、今度八百局簡易郵便局を設置しようというのですけれども、来年度は一体、郵務局長、八百局の簡易郵便局のうち、どのくらいあなた消化できる見込みですか。自信をお持ちですか。
  266. 西村尚治

    ○西村政府委員 ちょっと自信といわれますと、自信というほどのものはございませんけれども、まあ希望を持っておる、その希望の程度を申し上げますと、八百局のうちで、実はこの一月一日から手数料を引き上げまして、大体従来の二・二倍に引き上げまして、平均手数料一局平均八千百円くらいになりました。その関係かと思いまするが、ことしになりましてから、開設希望申請がもうすでに六十一局出ております。従来に例のないことでございますが、こういった点から考えますと、八百局が確実に消化できるかどうか、ちょっと自信とまでは参りませんけれども、大体それに近いところまでいけるのではないかという希望、期待を持っております。
  267. 田邊誠

    田邊(誠)分科員 一問で終わりますが、大体今年になって手数料をふやしたから、六十局くらいの申請があったというのですけれども、あなたこれを四倍にしてごらんなさい、二百四十局ですよ。三カ月でもって一まあ三カ月と規定をしなくてもいいが、大体ことしになってからということだから、まだまだこれからあるでしょう、続々あるでしょうけれども、昨年の五百局が三十三で、手数料が幾らか値上げになったから、これでもって急速に——大体ことしの五百局がす今年度中に消化できるとは、私ども見ていない。ましてそういったことがもう現実の姿としてわかっておりながら、来年度八百局をさらに開局をしようというのは、これは少しくあなたの自信、見通しと、現実の姿というものは一致をしないのじゃないか、こういうふうに私は考えるのです。少しく郵政省のお考えが、この辺にあまりにもこだわっておるというか、集中しておる状態で、私は、これは簡易郵便局のあり方についていろいろ意見はありますが、それをとやかく言いません。しかし、現実には、普通局の郵便局の局舎にしても、あるいは管理関係の郵政局の局舎にしても、当初の計画よりも、坪数にしても非常に狭隘である。もう年末年始はいつもさばき切れない。みじめな状態である。こういう状態をやはり解消して、その軸の中でもって特定局や簡易郵便局という問題が消化されなければ、私は、いけないのじゃないか、こういうふうに思うのでありまして、郵務局長の御答弁と、少しくいろいろやりとりの中でそごがあったにいたしましても、私は、この方針というものはやはりお認め願えるのじゃないかと思うのでありまして、大臣は、それはそういうことでしょうな。
  268. 迫水久常

    迫水国務大臣 八百局という非常に大きな目標を立てまして、これを努力目標にして、一生懸命やりたいと思います。窓口を増加するということが、結局、保険、貯金というものを非常にふやし、郵便の扱いが非常に便利になるのですから、郵便事業の発達のためには、どうしても窓口をふやさなければならぬ。そのために、八百局というのは、まあ常識的には過大とおっしゃってもしょうがないと私は思うのですけども、その目標を立てて私は努力したいと思います。
  269. 羽田武嗣郎

    羽田主査 もうちょうど二十分超過いたしておりますから——どうぞ。
  270. 田邊誠

    田邊(誠)分科員 それではやはり私が申し上げたように、実際となかなか合わぬような計画というのは、これはやはり私は考えるべきだと思うのです。それは今言ったような、一年々々積み上げていくところの一つ計画というものが、郵政省に不足しておる結果である、こういうように私は考えますので、先ほどのお話のように、それに対するところの十分な抜本的な改善策、その方向づけというものを国民の前に明らかにする、こういうことをお願いいたしまして、質問を終わります。
  271. 羽田武嗣郎

  272. 松井政吉

    松井(政)分科員 時間の制約がなかなかやかましいので、これはもう議事を運んでおります主査に協力いたしたいと思います。従って、大臣、それから省関係並びに電電公社関係に私質問を行ないたいと思いますが、資料をきょう用意してないものは、時間を省いて、あとで資料を私の方にお届け願うという答弁にしてもらいたい。それから、聞いた要点だけきわめて簡潔にお答えを願うように、最初にお願いをいたしたいと思います。  まず最初に、私は、郵政関係大臣にお願いをいたしたいのでありまするが、簡易保険年金等の資金運用についてお伺いをいたします。御承知のように、簡保の積立金地方の公共自治体に貸すという制度が設けられましてから、非常に地方の公共団体の財政やりくりに資金を使っているわけでありますが、その現在使われておりまする総額、それから三十六年度の貸し出し実績、それから三十七年度の貸し出し見通し、これにつきまして最初にお伺いをいたします。
  273. 板野學

    ○板野政府委員 お答えいたします。  地方公共団体に対しまする積立金の貸し出しにつきましては、私どもといたしましても、最重点を置きましてこれを実行いたしておるわけでございまして、すでに既往債の分につきましては、今年の一月未現在で約三千四百億円を貸しております。それから新規債、新規の貸し出しにつきましては、三十六年債で五百八十三億円ございました。それから三十七年度の計画といたましては、六百八十億円を予定いたしておる次第でございます。
  274. 松井政吉

    松井(政)分科員 続けて、これはおそらく数の答弁じゃなくて、ほとんど全国の地方自治体が借りているという答弁になろうと思いますが、その通り了承してよろしゅうございますか。
  275. 板野學

    ○板野政府委員 その通りでございます。
  276. 松井政吉

    松井(政)分科員 私は、その最高額とそれから最低額、これをちょっとお示しを願いたい。
  277. 板野學

    ○板野政府委員 最高額につきましては、たとえど東京都の地下鉄とかあるいは交通局のごときは、一件三十億円くらいになっております。また、東京都全体で見ますと、大体五十七億円でございます。それから最低の例でございまするが、たとえば鹿児島県の十島村というところがございますが、これは大体五百万程度貸し出されております。
  278. 松井政吉

    松井(政)分科員 これは大臣にお伺いいたしますが、われわれは、この制度は、あの当時大蔵省当局、それからその他いろいろ民間金融団体から非常に反対を受けました。しかしながら、与野党一致いたしまして、結局、この法律は、政府提案の形でわれわれ審議した記憶を持っております。従いまして、この制度は非常によろしいと思いまするし、今度は来年度予算を見ましても、簡保、年金等の地方局に対する、郵便局に対する、要するに割当が行なわれるわけですね。責任割当という形のものが行なわれるわけです。その割当をこなすために、地方局長さん以下末端の従業員が非常な努力をすることは、毎年の例でありますけれども、非常に努力しておるわけであります。ところが、この簡保、年金等の募集をする、その募集成績にやはりこの自治体利用が非常に影響がある。従って、これをもっと進めて、地方の末端の局で吸い上げてきたものでありまするから、結局末端の局を中心地方の公共団体にもっと額をふやして、地方の公共団体が行なう公共的事業、そういうものにどんどん使われる方針をとることが妥当だと考える。これがやはり国全体の財政計画からいっても正しいと思うのです。ですから、本年度あたりはこれを実施してから数年になるのですから、おそらく経済に非常に達者な大臣でありますから、本年度あたりは、この制度を改正して、もっと地方公共団体の財政のために、いわゆる地域に還元をすることが——言葉は適当かどうか知りませんよ、還元するという増額の方針をとられることが、妥当な時期に来ていると私は思う。これはいわゆる所得倍増計画と同期に、やはり最高制限額がふえてきておる。同時に、所得倍増計画で、要するに金が浮かされておる。そうすれば、やはり地方への還元額を上げることが妥当だと思いますが、そういう措置を予算編成期にとられたかどうか。大臣は主張したけれども、大蔵省の反対でこれがだめになったのか。それとも、そういう考え方は毛頭持っておらないのか。この基本的な考え方を一つ明らかにしていただきたい。
  279. 迫水久常

    迫水国務大臣 基本的な考え方は、地方に還元するということをできるだけふやしていこうという方向で考えました。ただ、実際結果としては横ばい的でありますが、三十七年度は、集中満期の関係が始まりますので、積立金も減少する方向をとるのではないかと思います。そういうようなときに横ばいであったということは、逆に言って、それに重点を置いたということの一つの証拠になるのじゃないかと思います。
  280. 松井政吉

    松井(政)分科員 そういたしますると、ちょっと答弁が口が足らないような気がいたします。どうも予算編成期に、大臣、率直に言って、この問題と真剣に取り組んでいなかったんじゃないですか。それでお伺いしますが、要するに、本年の財政投資計画の中に、簡保の金が一千五百億円もあるわけでしょう。そうすると、これは簡保の制限額が上がって、同時にやはり地方の局の人が一生懸命に集めてきて、額がふえた。予算を見てもふえておる。従って、千五百億回すことになって、昨年よりも百四十億よけい回しておるのです。そうすると、このよけい回したものは、地方の集めた人々や、地方の積んだ人々に間接的に、文化を発展させるために、あるいは公共的な事業を育成するために還元をされないで、ほかのところへふえていっているわけですわな。それから契約者に対する貸付は、昨年と同じなんです。それで私は、国の全体の財政計画からして、やはり開発銀行とかいろいろな公団等に回すことが悪いとは言っておるのじゃないですよ。言っておるのじゃないが、この運用権は郵政大臣にあるのです。そうすれば、やはり成績を上げなければならぬということと、制限額がふえて額がふえたということと、所得倍増計画を末端にまで進めなければならぬということから考えたら、同時にやはり契約者に対する貸付もふやしていいはずなんです。たとい五億でも、ふやしていいはずです。それから同時に千五百億円、昨年より百四十億よけい財政投触資の方に回すのなら、これはやはり公共団体の還元額をふやしていいはずなんです。理屈なんだ。これは特別にふやせということを私は申し上げませんけれども、財政計画からいって妥当なんです。その点について、予算編成期に一体御苦労されたのか、されないのか。されたがだめだったのか。それとも今後はやるという意思があるのか、ないのか。これをはっきりして下さい。
  281. 迫水久常

    迫水国務大臣 だんだんの話で、結果から見れば、お話ごもっともだと思うのですけれども、お話ごもっともと申し上げる私の言葉を数字の上で裏書きできていない状態であることを、まことに残念に思います。ただ、今後は一そう努力はもちろんいたしますし、来年、三十七年を初めとしてだんだんに集中満期で積立金が減る結果になったときに、少なくとも減らさないようにがんばっていきたいと考えております。もし必要なら、またうまく計算がつきますれば、ふやしていく方向も考えますけれども、まあ日本開発銀行の資金を補充したり、そういうことも、経済全体のことから言うと、これも一がいに、それはそっちの方が少なくてもいいのだということは、言い切れないですから、ことにそういう格好になったことは残念です。
  282. 松井政吉

    松井(政)分科員 これは減らさないようにという消極論は、われわれは承服できないのです。要するに、この制度をきめたときには、簡保の最高制限額が三十万円です。これが五十万円になっているのですよ。いいですか。経過をあなた聞いて下さいよ。五十万になっているのですよ。それから同時に、地方から吸い上げるわけですよ。そうして国全体の財政計画で使うわけですよ。それを全部私は還元しろと言っているのじゃない。還元額をやはりふやしていくべきだ。そのことが結局郵政省としても楽なんです。たとえば募集する場合でも、この金は、積んでもらえばこの村の公共事業費になるのだということは、大義名分ですよ。よろしゅうございますか。それで一つの町において、こういう例があるのですよ。高潮でやられちゃった。それで、その町全体で応急処置の金がないので、小さな特定局ですけれども、郵便局へ飛び込んで、とりあえず五百万円借り出して応急処置をやったという例をわれわれは知っておるのですよ。従って、地方公共団体としては、これはもうほんとうに必要欠くべからざるありがたいものとなっておる。そのとき、われわれは長期に融資しろということを主張いたしましたけれども、これは長期の融資は通らなかった。それから郵便貯金の一部も、同じような形でわれわれは還元説を主張して法律改正を出したけれども、通らなかった。けれども、今簡保だけでも、制限額が上がり、それから貨幣価値が下がり——そうでしょう、物価が上がっていますから。そういう情勢になって、減らさない考え方なんというものは、郵政大臣ともあろう者が、ちょっとこれは考え方が間違いですよ。ふやすのが当然であって、それがことしはふえなかったが、今後考えるということでなければ、工合が悪いのじゃないですか。
  283. 迫水久常

    迫水国務大臣 先ほどの言葉を訂正しまして、今後ふやすように努力いたします。
  284. 松井政吉

    松井(政)分科員 それで私は時間がないから端折ります。次に移りますが、これはぜひ一つ地方の公共団体とそれから公共団体の構成員から募集してくる金ですから、この関係を十分にお考えになって、やはり地方公共団体への還元額をふやして地方財政を助けることが、地方住民の利益になる。将来も、簡保、年金積立金はふえてくる。この関係を十分に考慮してやっていただくことを、一つ希望しておきます。  それから次に、電電公社郵政省両方にまたがるのでありまするが、今度の電電公社が考えております第三次五カ年計画に基づきますと、五カ年計画が遂行されましたときには、公社自身の人員増が五万三百人という資料をいただいております。そういたしますると、その過程において起こってくるものはどういうことかといいますると、やはりこれは合理化によって、委託局の関係が電報電話局になるわけであります。そういたしますると、郵政職員が減らされていく。その吸収率が、先ほどちょっとだれかが触れたのですけれども、私は根本的な考え方だけでよろしいのですが、どうしても、そうなりますと、末端の電報電話局と末端の郵便局との間に、全国的に調べてごらんになればわかりますが、いつでもごたごたが起きる。ある地方——末端じゃなくて地方の段階、たとえば通信局とそれから地方郵政局の局長が、それをめぐって一年間口を聞かなかったという事件すら起きておるんです。これはやはり郵政省において、電電公社の五カ年計画を遂行する場合に、五カ年間にそれを処理するという明確なる計画がないからなんです。郵政省にその計画があって、それで電電公社との話し合いで地域内のいわゆる配職転がどのようにして行なわれるか、地域内でこなせない部分についてはどうするかという、五カ年計画を立てるときには、配職転の五カ年計画も立てていかなければいかぬものなんです。それのないところにこういう問題が起きるのですが、この場合の処理の基本的な考え方がまとまっていれば、聞かしていただきたい。これから研究するということならば、第三次五カ年計画遂行までに、三十八年でありまするから、これは電電公社との間に基本的な考え方を立てていただきたい。
  285. 西村尚治

    ○西村政府委員 電電のいわゆる電通合理化に伴いまして、委託業務関係の施設の改廃がございます。これに伴って生じます郵政部内における過員の処理の問題につきましては、従来、電電公社郵政省との間に、従来と申しますか、三十一年の四月に協定がございまして、大体の処理のための大ワクの基本ラインをきめておるわけでございますが、ただ、公社の側におきましての第二次五カ年計画、さらには三十八年度からスタートします第三次五カ年計画が進みますと、従来のテンポよりも増して大幅に過員が生ずるという事態に相なりまするので、従来の協定ではカバーし切れない面が出て参ります。そのために、目下電電公社、郵政木省両者間におきまして、それに対処する基本的な方針につきまして、打ち合わせをしておるわけでございます。けさほどもちょっと申し上げました引取率をどうするか、また受け入れ条件をどうするかといったようなこまかい点につきまして、打ち合わせ協議をしておるわけでございますが、問題が問題でございますので、まだ早急に結論を得るに至っておりません。鋭意努力いたしまして、できるだけ早く結論を出すようにいたしたいと存じておる次第であります。
  286. 松井政吉

    松井(政)分科員 まだ結論が出ていないとおっしゃるのですが、これは従来の協定にこだわらず、三十八年度から第三次五カ年計画が発足するわけでありまするが、その発足するまでの間に、ただいまのお答えでは、郵政省電電公社との間におきまして、第三次五カ年計画遂行上発生するこれらの人員の問題を根本的に処理する話をするということですか。
  287. 西村尚治

    ○西村政府委員 その通りでございます。
  288. 松井政吉

    松井(政)分科員 電電公社にお伺いしますが、電電公社は、郵政省職員だけの問題じゃなくて、電電公社自体に、合理化が進むに従いまして、今きめられておりまする地域内配職転では処理ができないために、長距離配職転といいますか、そういうこともやらなければならぬような事柄が起きるかもしれませんが、その辺のところは、まだ具体的に——三十八年度出発するんですから、みずからの公社内部の問題として計画が立てられているのか。完全処理の方針がきまっているのか。これからきめるのか。きまっているとすれば、はっきり答えてもらいたい。きまっていないとすれば、これからどういう形において処理の方法をきめようとするのか。その点を明らかにしていただきたい。
  289. 大橋八郎

    大橋説明員 午前中に御説明申し上げたのでありますが、第三次五カ年計画を設定いたしますについては、要員問題は最も重要なファクターになると考えておりますので、その措置をどうするかということは、私ども最も力を入れて研究を進めておるわけでございます。まだ根本的の方針が十分御説明し得るところまでには至っておりませんが、いずれ第三次五カ年計画が一応形を整える時期になりますれば、一応の私どもの措置を御説明し得るかと存じます。
  290. 松井政吉

    松井(政)分科員 これは郵政省電電公社両方にお願いしておきますが、要するに年次計画、すなわち第二次五カ年計画、第三次五カ年計画というような年次計画を立てて、業務の運用と業務の伸びを計画し、それを進めようとする場合には、この人員配置は計画上の重要なる一つの要素だ、こう考えていただきたい。従って、計画が具体的に発表されるときには、これら発生する人員の問題の処理というものが、計画の中に入ってなければならぬ。だから、そのように、基本的な考え方として重要なる計画一つだということを考えて、十分に円滑な処理のできるように努力を願いたいと思います。これは希望でありますから、答弁は要りません。三十八年度開始までの間に、一つ切りをつけていただきたい。  その次に、これは電電公社関係が直接だと思いますが、第二次五カ年計画が終わり、第三次五カ年計画に入ろうとする場合に、これは技術的な問題だと思いまするけれども、交換機拡充計画というものが当然立てられて、これが進められなければ実施ができない。その場合に、交換機器の種類といいますか、これは新しくどんどん技術革新が進むのでありますから、ただいま電電公社が考えられておる中に、H型だとか、A型だとか、あるいはクロスバー方式だとか、いろいろあろうと思いますが、そういうもののほかに、やはり合理的に合理化を進め、交換機の拡充をされる計画と、機器の名前と、同時に、これらの機器は、主として当初は全部外国産であることは間違いないのでありますが、国内の技術で間に合うという見通しをつけられておるのかどうか。その辺のところを明らかにしていただきたい。
  291. 米沢滋

    ○米沢説明員 ただいまの御質問お答えいたします。  第三次五カ年計画中に採用いたします交換機といたしましては、大きく分けまして、市内と市外に分けられると思います。市内の交換機は、いわゆるA型、H型、並びにクロスバー交換機を採用いたしたい。それから市外につきましては、最近自動即時方式を採用しております。これはやはりクロスバー。それから、もう一つはオペレーターが相当入って参りますから、それに対しましては、共電式交換機、こういうものを使っていきたいと考えております。  それからもう一つ、外国品の問題につきましては、私は、現在のところ、国産のもので十分やれると考えております。
  292. 松井政吉

    松井(政)分科員 市外交換機の長距離の関係で、私はどうも機械の方は弱いのですけれども、大体LTSという、これはすでに使用しておりましょう。これはどういう発展過程になるのですか、第三次五カ年計画の場合に。
  293. 米沢滋

    ○米沢説明員 市外の交換機に対しましては、いわゆるクロスバーを使用しております。今のLTSと言われましたのは、クロスバーの中継交換機でございまして、これは四線式の交換機でございます。あと市外の交換機といたしましては、発信交換機と着信交換機というのがございまして、これは二線式ということになっております。従って、今のLTSは、たとえば東京の市外局、これは現在開局いたしております。あるいは大阪の市外局、こういうところには、いわゆる四線式の中継交換機というものがございますが、これがLTSの交換機でございます。
  294. 松井政吉

    松井(政)分科員 そうしますと、総括局との関係は、どういうことになりますか。
  295. 伊藤誠

    伊藤説明員 LTSは、ただいま米沢総務理事から御説明申し上げましたように、市内の交換を自動的に行なうものでございまして、主として回線が多数集まってくるところに入ることになるのであります。従いまして、現在仙台、東京、大阪に入っておりますけれども、これが総括局には逐次入って参ります。それ以下の局につきましても、回線が相当集中するところにつきましては、引いて参るつもりでございます。
  296. 松井政吉

    松井(政)分科員 時間がないから、はしょって聞きたいと思う点だけ聞きますが、そういう計画を進める場合における有線、無線関係の電送路というものに対する現状と、それから第三次五カ年計画を遂行する場合の構想等がございましたら、ちょっと聞かせてくれませんか。
  297. 米沢滋

    ○米沢説明員 今の御質問でございますが、電送路として、いわゆる長距離の電送路と短距離の電送路、それからまた短距離につきましても、それを二つに分けまして、市外の電送路と市内の電送路、こういうふうに分けられます。それで長距離の電送路に対しましては、いわゆる同軸ケーブルによる超多重方式と、マイクロ・ウェーブによる超多重方式というものが大体根幹になると考えております。それから今度は近距離に参りまして、これは今私の方の電電公社の研究所等でいろいろ開発しておりますたとえば一万一千メガサイクルによる近距離の多重の方式とか、あるいはこれはまたいろいろ開発いたしたいと思っておりますが、いわゆるプラスチック・ケーブル等に乗せます方式等を考えております。それから市内に対しましては、これは原則として普通のケーブルがございます。特に経済的にするために、銅の使用量を減らすような、細心にする方式ができております。
  298. 松井政吉

    松井(政)分科員 そういたしますと、今研究所で一万一千メガサイクルの研究をしているということでございますが、ここにやはり研究所の研究能力の公表される範囲の問題と、それから民間におけるもろもろの通信機器、それから新しい技術革新に基づいて民間メーカーの研究所との関連——われわれは今ちょっと外から見ておりますと、民間メーカーの技術革新に電電公社の合理化の計画がくっついて回っているような気がいたしますが、そうじゃなくて研究所でやれるものは大半研究所で研究を続けていく、それが事業化する場合に民間に行っているという過程を通るのか、民間の技術をそのまま取り入れて公社計画を立てるのか、その辺の関係を簡単でよろしいが、明らかにしていただきたい。
  299. 米沢滋

    ○米沢説明員 基本的な大きな方式につきましては、電信電話公社の研究所で基礎研究なりあるいは実用化研究をいたしまして、それが今度製造に移る場合には製造場のいわゆるマス・プロ等に対するいろいろな問題が起こって参りますが、これはメーカーがやることになっております。研究所はマス・プロの問題までとてもやり切れませんので、むしろ基本的な方式をやることにしております。しかし研究所をわずらわさないでやれるような、また技術といっても非常に幅が広いのでありますから、民間あたりからアイデアが出て参りました場合には、やはり審査の上、採用するということを考えております。
  300. 松井政吉

    松井(政)分科員 飛び飛びになって申しわけありませんが、時間の関係がありますから、お許しを願いたいのですが、かりに新しく料金改定が行なわれて、それに伴う変更が進められてくるということになりますと、局の交換に関する時間差が新しく生まれてくる。その時間差、それから地域の関係等を考えた場合に、新しく計算記録装置というか、そういうものが必要になってくるのじゃないですか。それから、呼び出し符号テープというものが順次新しくなっていかないと、新料金体系に基づく合理化ができないのではないかと思いますが、そういう考え方についてどのように処理されるか、お答え願いたい。
  301. 米沢滋

    ○米沢説明員 昨年の六月にいわゆる新しい料金法案を国会で議決していただきまして、これは今言われましたように、距離別時間差法と申しますか、料金体系として距離が長い場合には、パルスとパルスの間を短くしていくという距離別時間差法というものをとることにしております。そうしてこれは結局従来の料金に対して、改造するなりあるいは新しく入れまして、要するにパルスを出して、そのパルスを距離によっていろいろ幅を変えていくという方法であります。従って、これに対しては、すでに試作している局等でいろいろ実験、商用試験というか、それをやっております。それから全国的な問題に対しては、これは結局切りかえは全国一斉にやることを考えておりまして、先ほど総裁お答えしましたように、本年の大体九月末を一応目標にして、われわれとしては全国一斉切りかえに必要な機器の準備とか、またそれに必要な電送路とか、あるいは建設工事の諸般の準備というものを十分うまくやれるように万全の措置を講じている次第でございます。
  302. 松井政吉

    松井(政)分科員 今の料金の改定に基づく長距離あるいは交換、そういうものに対する計算機器等はわかりましたが、料金問題に入りましたから、それでは料金問題の改定に伴って都市と地方との料金体系というものをどのように考えているか、一つその考え方をお聞かせ願いたい。
  303. 大泉周蔵

    大泉説明員 ただいまの御質問の御趣旨に対してあるいは見当はずれかもしれませんが、今度新しい体系としては、都会と地方とを別に区別しているわけではございません。ただ申されましたのは、おそらく都市の方では自動が多く、農村の方については手動が多いから、その均衡をどう考えるかという御趣旨かと思いますが、この点については、特に手動の三分一分制と自動の距離別時間差法との間にできるだけ均衡をとるように方式をきめたわけでございます。
  304. 松井政吉

    松井(政)分科員 今お答えになりましたが、今度の料金改定と合理化を進める場合に、局の変動それから委託局、自動局、いろいろ別係がありますが、その場合に、やはり料金体系というものを都市と地方とで、どうバランスをとるかということで立てなければいかぬのではないか。今御答弁になった形だけでよろしゅうございますか。  次に続いてお尋ねしますから、一緒にお答え願いたいのですが、加入者の負担を軽減していくことは考えていかなければならぬと思いますが、その第三次第五カ年計画の場合に、加入者の負担軽減をどのような形で考えているか。今地方においても、都市においても、電話一本引くのは容易ならざる額です。貨幣価値が下がったといっても、なかなか容易な額ではありません。やはり加入者の負担の問題は、毎年の予算審議で議論になるところでありますが、第三次五カ年を始める場合に、遂行する過程に加入者負担の軽減は、具体的にどういうふうに考えておられるか、これを一つお答え願いたい。
  305. 大橋八郎

    大橋説明員 ただいまの御質疑に対してちょうどお答えになるかどうか存じませんが、加入者の建設の場合の負担金の問題かと思うのであります。この方は、一昨年四十七年度までの時限立法として臨時措置法が成立して、御承認を得ているわけでございますので、これから約十年余りのところは、この臨時立法の趣旨に沿った加入者債券を負担していただくという建前のもとに今後建設していく考えでございます。
  306. 松井政吉

    松井(政)分科員 それから、料金の問題に入りましたから、一つ予算に基づいてお伺いしますが、予算の中で農山漁村関係の金額は六十六億円で、昨年より七億ふえたことになっておりますが、おそらくこの中に無電話部落解消の費用が含まれているのじゃないかと思うので、含まれているとすればどのように含まれて、従来から年々無電話部落解消に努力をされておると思いますが、どういう工合に来年度の無電話部落解消の話を進めようとしているかお伺いしたい。  それと関連をいたしまして、農村公衆電話、それから農村における区域といいますか、指定地域のごたごたで少しの差で市外電話になる。午前中にも質問がありましたが、そういう場合の扱い方も全部一つ予算でやろうとしているのかどうか、この点も明らかにしていただきたい。  それからもう一つは、有線放送と接続するということを二十カ所研究としてやるということは、先ほどの質疑応答で明らかになりましたが、これは日本の電信電話体系としてそれがいいのか悪いのかということは、あとで大臣お答え願いたいのですが、公社でその考え方を来年度予算で遂行する場合における考え方を一つ聞かしていただきたい。
  307. 井田勝造

    井田説明員 前段の御質問に対してお答え申し上げます。  明年度の予算案におきまして、農山漁村関係の特別対策といたしましては六十五億円を計上いたしております。これにはいわゆる無電話部落対策として農村公衆電話が八千五百個できる予定になっております。これは三十六年度は七千五百個でございまして、前年度に比べて一千個増でございます。なお、そのほかに二百個の地域団体加入電話、それから有線放送接続施設の二十カ所、これを合わせまして六十五億円でございます。今の無電話部落対策といたしましては、実は当初の計画に対しましてあと一万一千個ほど三十七年度において実現をいたしますと、これで当初の目的は貫徹するということになっておるのでございますが、全般的な資金の制約から二千五百個だけを三十八年度へ繰り延べまして八千五百個を三十七年度に計上した、こういうことになっております。
  308. 松井政吉

    松井(政)分科員 大臣お答えを願いますが、要するに有線放送電話と公衆電話を接続するということについては、その善悪の前に日本の電話体系の基本的な議論があると思うのです。要するに有線放送電話、これは最初は有線放送としてのみ設立をしたものなんです。これをぽんぽんとたたいてもしもしと言えば電話で使えるようになって、電話で勝手に使って——その当時われわれ全国視察に歩きましたけれども、公衆電気通信法違反、放送法違反、電電公社法違反、それをやっておったわけであります。違反をやらせておくわけにはいかないし、農林省が補助金を出して作らせているわけですから、それでやはり違反をやらせておくわけにはいかないので、われわれが法律を作ってその法律の範囲でやれることにしたまでだ。そうしたら今度は公衆電話と接続しようということなんです。そうなりますと、これは御承知のようにたとえば鉄線等の関係がございまして要するに施設の不統一が起こってくる、それから使っている機械、すなわち機器の不統一が起ってくる、同時にそれを接続した場合の保守、その責任は一体どこが持つかということが起ってくる、そういうものを全部計算いたしますと、試験的の接続というのは、上林山君の質問に対して、成功した場合にはこれを全部やるのだという意味で答えてくれと言っておったようでありますが、これは私は重大な問題だと思うのです。何のためにコーポレーションにして電電公社を作ったのだ。だからこれは電話体系を日本としてどうするかという根本問題に触れるわけです。従ってその体系論から大臣の考え方を一つ伺いしたい。
  309. 迫水久常

    迫水国務大臣 ただいまの段階では今試験をしておるということでございまして、先ほども上林山さんにお答えしたのですけれども、三十八年度からは制度的なものにしたいという希望を私は申しました。しかし制度的なものにする場合には、今お話しになりました日本の公衆通信制度全体の基本的な問題を考えなければいけませんが、さっき簡単に申しましたけれども、どこまでも日本の公衆電話の大宗は電電公社であって、有線放送電話を接続することは補完的なものとして考えるべきだ、基本的にはそう考えております。ただ具体的に今お述べになりました保守の問題とか機器の問題とかそういうようなことについてはさらに検討して、日本の公衆通信の体系を乱さないように配慮していかなければならぬと思うのですけれども、とにかくそこにあるものですから、あってそれを使うことが便利であり、しかも日本電電公社電話が行き届かないところにそれを補完的に使うということは、推進をした方がみんなの方のためにもなるのではないかと思いますし、制度化する場合には十分検討して体系を乱さないようにしたいと思います。
  310. 松井政吉

    松井(政)分科員 体系を乱さないようにしようという大臣の考え方はけっこうだけれども、これは十分に考慮していただかないと体系が乱れてくる。だから気をつけて下さい。  時間がなくなりましたから一括して言いますから一つずつお答えを願います。  まず最初に、来年度の予算の中における減価償却費六百五十三億、昨年より百十七億ふえております。しかしこのふえた中には——その通りであればその通りと答えていただけばいいのですが、定額方式を定率方式に変えたのではないかと思われる。同時にそう変えてくると耐用年数に変動が起こってくる、こういうことがこの額になって現われたのではないかと思われる。その辺のところをそうならばそう、そうでなかったらないということを一つお答え願いたい。  続いてあちこち飛んで申しわけありませんが、今度の第三次五カ年計画を進めるにあたりまして、集中局増加等を考えられなければならないような気がいたしますが、その点について考えられたのかどうか。  それからその次に、同時にサービス・センター等の構想があるならば、それを聞かしていただきたい。  それからもう一つ電話加入増設計画が、要するに第三次五カ年計画に基づきますと、建設資金が五カ年間に一兆七千五百億円要るという資料であります。そういたしますと、一年間に三千五百億円の建設資金を獲得しなければならぬ、そのうちに財政投融資を五百億見込まなければならない、大体こういう御説明で、その考え方で資料が出されておると思いますが、それに対する自信があるかと言えば、自信があると答える以外に方法がないと思いますけれども、この関連性は大臣からも一言お答えを願いたいのですが、第三次五カ年計画のこれだけの建設資金獲得と、それからそのための集中局の変動、それから人員配置を考慮しなければならないこと、すべてを含めて、これはやはり所得倍増計画と経済成長の伸びに従って組まれる計画だと思うのです。それで組まれなければこれは間違いなんです。その場合に、今の所得倍増計画は、大臣は池田内閣の閣僚でありまするから、破綻しておらぬと言うし、間違っておらぬと言うし、失敗しておらぬと言うかもしれませんけれども、われわれの立場からいけば、今の所得倍増計画はいろいろほころびが出ていると思う。そのほころびはすでに一年にして現われている。所得倍増計画に基づいてこれだけの建設資金を獲得して、第三次五カ年計画を達成しようというのでありますが、その場合に経済変動、物価体系の変動等が起こった場合に、一体この計画の遂行が可能になるのかどうか、そういう問題を含んで具体的に大臣の見解と公社側の見解と両者の見解を一つ明らかにしていただきたい。
  311. 井田勝造

    井田説明員 一番最初の減価償却の御質問についてお答えをいたします。本年度減価償却といたしましては六百五十三億を計上してございますが、これは御説のように甲種固定資産につきましては、定率法によってやっております。その結果耐用年数は従来は甲種固定資産平均としましては二十一・四年ということになっておりましたが、この定率法を採用いたしました結果十六年となっております。  以上でございます。
  312. 伊藤誠

    伊藤説明員 第三次五カ年計画をやるために集中局をもっとふやす必要があるじゃないかというお尋ねでございますが、集中局は御存じのように、全国の市外通話を結びますために市外線を作るのでございますが、その際に全国六千以上の局を直接にそれぞれ結びますことは、きわめて不経済でございますので、これをブロックに分けて結ぶ考えでやっておるのでございます。一番最初のブロックが集中局でございまして、集中局を集めまして中心局ブロック、中心局ブロックを集めまして総括局ブロックというふうに集めておるのでございますが、その最初の単位のブロックが集中局でございます。従いまして、集中局はその周囲の通話の交流状況がきわめて密接なところ、及びその区域内の電話局に対しまする通話の明瞭度と申しますか、これがそこなわれない範囲でその区域をきめておるのでございまして、それはもう従来からすでにやっておるのでございまして、私ども予想しておりまする将来の加入者の増加というものから考えてみまして、これを増加する必要はないと考えておるのでございます。
  313. 山本英也

    山本説明員 ただいまのサービス・センターの御質問でございますが、先生のおっしゃる意味は明快にはわかりませんが、一応常識的に解釈いたしまして、ただいまのところサービス・センターという計画は持ち合わせておりません。しかし、近き将来そういうものを置くということは、きわめて価値のあることであり、研究してみたいと思っております。
  314. 大橋八郎

    大橋説明員 私から第三次五カ年計画のことについてお答え申し上げます。最近の電話に対する社会の熾烈なる需要と最近の経済発達、またそれに関連して国民所得倍増計画というもの、これらのことを全部勘案いたしまして今後の電話の需要を予測いたしましたときに、私どもの考えとしては、まず十年後の昭和四十七年度末の電話の需要というものは千七百五十万個の電話が必要であろう。これを今後十年間に架設するには、第一次五カ年計画において五百万、その後の五カ年計画においてその残りを全部架設する、こういう前提に立って第三次五カ年計画を目下策定中であるわけであります。その場合に、先ほど御指摘のような程度の多額の建設費もかかり、またこれに伴う財政投融資等もいろいろ御心配を願わなければならぬ、かように私どもは考えておる次第でございます。
  315. 迫水久常

    迫水国務大臣 電電公社計画は国民所得倍増計画というものを一つの基準として立てられたものであると私は思っておりますが、国民所得倍増計画は破綻がきていると言われますけれども、私は、当初九%平均で三年間はいくということに予想したのが、初年度において十数%上ってしまったところに破綻があるので、今調整過程に入っておりますから、十年間の長い目で見れば私はあの計画の線にほぼ沿っていくものと思います。ただ、物価が少し上がりまして、その物価が上がった場合に一体今の予定の建設資金でやっていけるかといいますれば、それはもう物価が上がれば今の予定の建設資金ではできないことは当処なんですけれども、国民所得倍増計画自身が一応物価の変動は予想しない数字であげてありまして、物価の変動があった場合には、それに相当して名目的には成長率というものは違ってくるわけで、実質成長率をあそこに示しているわけでありますから、私はあの計画は長い目で見れば大体あの線に沿うていくものと確信しておりますから、従って電信電話公社の五カ年計画も、数字は今の通りではなく、あるいは物価の変動によって動くかもしれませんけれども、遂行可能と考えております。
  316. 松井政吉

    松井(政)分科員 もう一問か二問で終わりますが、大臣とここで所得倍増計画の失敗論をやりとりしようとは思いません。別の機会にやります。やりますが、要するに私の心配するのは、この第三次五カ年計画を遂行するのに一兆七千五百億円要るわけです。今の計画で数字をはじけばですよ。ところが、一方においては、五カ年計画を遂行するのに加入者負担を軽減しなければならぬ。そうすると、やっぱりこれは建設資金の中身として衝突してくるわけです。そうすると、長い目で見ると、だんだん池田さんに似てきたような答弁をしておるのだけれども、長い目で見ればといっても、われわれの考え方ではそういうもろもろの支障の発生がすでにきているのですから、この資金の獲得は容易でない。容易でないから、やろうとするなら、要するにわれわれが納得するような計画数字をさらに聞きたいというのが本旨なんです。きょうでなくてよろしゅうございます。また逓信委員会等に出れば議論いたしますが、そういう意味なんです。  それからついでに聞いておきますが、昨年の逓信委員会だと思いますが、たしか議論になったような記憶がいたしておりますが、警察電話の未収が何十億かあるわけなんです。これは一体どういうわけで警察電話料金が未収になっているのか。それから現在どのくらい返還されてどういう形で処理をしているのか、これを一つ明らかにしてもらいたい。
  317. 井田勝造

    井田説明員 ただいま資料が手元にございませんので、正確な数字は申し上げかねますけれども、警電の料金改正のときにそのことが問題になりまして、大体二十一億円程度のものが未収になっておりまして、これは毎年一億円余りを公社会計の方へ入れてもらうことになっております。そのように承知しております。
  318. 松井政吉

    松井(政)分科員 もっと早く何とかする方法はございませんか。
  319. 井田勝造

    井田説明員 私も少し長いと思いますので、もう少し早く回収するように交渉いたしたいと考えております。
  320. 松井政吉

    松井(政)分科員 これは大臣にちょっとお伺いしますが、公衆電気通信法、それから日本電信電話公社法というものに基づいて、一般の民間が料金を滞納したら差し押えするか電話を切られるんですよ。これは警察だから切るわけにはいかぬかもしらぬが、とにかくこれだけの滞納をして、それでこの監督の主管省である郵政省が、公社にだけほったらかして知らぬふりしているというのはおかしいじゃないですか。警察電話なんていうものが料金滞納なんてことができるはずがない。とめることができないなんてばかな話はない。この点ははっきりしてもらいたい。
  321. 松田英一

    ○松田説明員 お答え申し上げます。  ただいまの問題は確かにわれわれもいろいろと苦心をして参ったわけでございますが、結局公社料金を引き上げましたときに、警察側の方で予期しておったところと非常に違いました料金の上がり方であったものでございますから、予算措置が間に合わなかった。そこで毎年の予算のときにいろいろと問題にしまして、何分国の一般会計でもございますので、とにかくお互いに話し合いのついていくことによってこれを返していくということで、ただいま井田局長から申し上げたようなことになっております。
  322. 迫水久常

    迫水国務大臣 実ははなはだ不敏で、その話は今初めて聞いたのでございますが、はなはだ不合理だと思いますから、ここにも大蔵省の主計官が来ておりますから、この問答をよく聞いていてもらって、すみやかに自治省、警察庁の方の予算をふやしてもらって、できるだけ早く電電公社に返すように私も努力いたします。
  323. 松井政吉

    松井(政)分科員 大臣の今の答弁で、よけいなことを言わぬでもいいのですが、これがもし公になったら、加入者は承知しませんよ。料金を滞納すれば電話を切っちゃうんですからね。そういうふうに法律に基づいて加入者はやられているんだから、文句を言えないのです。ところが警察は何だ。早くいえば法律の番人ですよ。しかも国で必要だからできている警察でしょう。それを、今の松田監理官の答弁では、料金改定のときにそれを予想してなかったから借金ができたと言うんですが、民間の加入者は、今度ものすごい料金改定で負担金を上げられても黙っているじゃないですか。こんな独占企業かありますか。大臣は初めて聞いたっていうから、大臣に文句言ったってしょうがないけれども、これはとにかく処理してもらわぬと、民間に公にされたら然っておりませんよ。これは一つ処理して下さい。お願いします。  それから、電波関係でありますけれども、きょうは時間が参りましたからやめます。これは逓信委員会等にまた出席させていだきまして、電波行政についてお伺いいしたいと思います。  私は以上で同僚委員と交代をいたします。
  324. 羽田武嗣郎

    羽田主査 田中織之進君。
  325. 田中織之進

    ○田中(織)分科員 同僚委員諸君から、郵政行政電電公社予算案中心にいたしまして、だんだんの質問がございましたので、私できるだけ重複を避けまして、二、三の点について伺いたいと思います。  別に郵政大臣分科会における予算説明の言葉じりをつかまえるわけではないのでありますが、「三十七年度予算に盛り込まれております重要施策事項について申し上げます。御存じの通り郵政業務、特に郵便業務におきましては、昨年春ころから急激に業務正常運行が阻害され、利用者から大きく非難を受ける結果となったのでありますが、」ということで、ものの表現とすればきわめて客観的にとれるのでありますれども、昨年、年末の郵便輻湊の際に従業員との間の紛争問題が起こりますと、従業員の労働者諸君が賃上げなりそういう待遇改善を要求して、あたかも郵便物が堆積をする、ことに年末年始のときには、そういうことで何も知らない大衆はそういうふうに思い込まされるのでありまして、どうもあまりにも客観的な表現にとれますために、あたかも第三者がおって正常運営を阻害しておるようにとれるのでありますけれども、この点は、そのあとに大臣説明をされておりますように、最近における郵政業務特に郵便業務の輻湊ということ、それに伴いまして、郵便のように機械化に限度があり、勢い人手をふやすことによってさばかなければならぬというような関係が、定員法というばかげた、こういう経営体に適用してはならない、法律に縛られて人員が思うように配置できないというようなものによってなされることに、根本の郵便業務正常運行を阻害する原因があると私は思うのでありますけれども、どうも大臣のこの表現では、重ねて申し上げますが、言葉じりをつかまえる意味ではございませんけれども、顧みて他を言うような感じがいたすので、大臣がこの意味にあげられた正常な運行を阻害しておるという原因は一体何かということについて、簡潔にお答えをいただきたいと思います。
  326. 迫水久常

    迫水国務大臣 かねがね申し上げておりますように、郵便物数の物量の増加に対して人的、物的施設が従来足らずがちであったということ、それから現実の問題としては、従業者の、何といいますか、たとえば超過勤務をしてほしいときに超過勤務をしてくれないというようなことが、正常運行を阻害したのだと思います。ここに書いてあることは、何も労働者のことを言っているのではなくて、客観的事実をそのまま述べたのですけれども、田中さんがここのところをことさらに荒立てて、あたかも田中さんのお話では、労働者のたとえば超過勤務拒否なんというのは問題ではなくて、人員が不足していることだけが、あるいは局舎が狭隘であることだけが郵便遅配の原因であるというふうにおっしゃると、私はそれはまたそれに対して一言申し上げなければならなくなるので、この場合は、ただ客観的にそういう事態があったということで、一つ御了承願いたいと思います。
  327. 田中織之進

    ○田中(織)分科員 私も不敏ではありますが、もうかれこれ十年前になりますけれども、郵政委員長を一年八カ月余り——衆議院の郵政委員長としては一番長い在職の経歴を持っておるんで、郵政行政については多少存じておるつもりなんです。私があえてこのように申し上げる点は、ただいまの大臣説明にありましたように、年末郵便の輻湊しておるときに、大臣の立場からいえば、超過勤務をやってほしいという時期に、組合側がおれに応じてくれないということを、少なくとも昨年の春から昨年末に至りますまでの郵便の正常なる運行阻害の大きな原因に取り上げられている。なぜ超勤拒否をせざるを得ないかということについては、これは労働行政全般にまたがる問題だ、そういうように思いますから、ここであえて私はつけ加えませんけれども、労働者の立場、ことに全逓関係のように罷業権というものが認められておらないという場合におきましては、端的に申し上げまするならば、現在の公労法に許されている範囲内において、一番経営者、官側として打撃を受ける時期に、法律に基づいての順法闘争というか、そういうものを主張するのは、これは罷業権を奪われている労働者に与えられる最小限度の抵抗権だと思うのです。すでに昨年末は、例年よりも早く大臣が特に政治性を発揮されて、定員増加の問題についても組合との間で妥結をし、その一部分が本年度の予算に実現するというようなことで進んでおるのでありますけれども、なおあなたも閣僚の一人という立場からいいまするならば、ILO八十七号条約の批准の問題にいたしましても、政府が国際的な信用を落としてまで、いまだに国会に提案しておらない。こういうような問題は、やはりそういう意味において憲法に保障された労働三権も完全に実施することができない、労働者の立場から見たら。この結社の自由に関するILO条約の批准というような問題のように、当然行なうべき問題もやはりこの内閣がやっておらない。そういうような問題がやはり郵便業務の正常なる運営に支障を来たしておる基本的な原因だ、こういう点について、一つ考えをいたしていただきたいと思うのです。最初に断わりましたように、別に言葉じりをつかまえる意味ではないんですけれども、あまりにも客観的に、第三者が見れば、責任を労働者にのみ転稼したような響きを持ちますので、一言申し上げたまでであります。  そこで、この予算大臣が自画自賛をされまして、「この予算は、一口に申しますと、郵政業務正常化予算と言っても差しつかえないものと思っております。」と大いに自信のほどを示されておるのであります。確かにその後の歳入歳出予算を見ますと、特に本年度は郵政事業の局舎の問題あるいは人員の問題、その意味において運営費の問題に留意をせられておることはよくわかります。わかりますけれども、国全体の予算あるいは郵政省全体の関係から見まして、私はまだこの予算では不十分だと思うのです。そういう観点に立って、歳出予算の点で一、二、特に局舎の整備の問題について伺いたいのです。  本年度は、局舎の関係は増額されたと申しましても、前年度より総額においてわずかに八億円、そういう関係になるのであります。私もちょっと勉強が足りませんからなんですが、昨年の予算のときには、特に局舎その他の施設工事関係といたしまして、昭和三十六、七、八年度分といたしまして四十二億四千五百七十万円の予算外契約、いわゆる国庫債務負担行為の要求が出て、これが承認されておるのでありますが、その中にも七年、八年の分が入っておる。これは当然長期にわたる建設関係等の工事でありますから、その必要は認めますが、本年度はさらに債務負担行為の要求額といたしまして、局舎その他の施設工事関係で、もちろん昭和三十七年度は含みますけれども、七、八、九を通じて五十六億三千四百四十六万円というのが債務負担行為として計上されておるわけです。そういう関係で、特にこの両年度を通じて、ことしは旧年度というのが新たに加わってきておるのでありますが、明年度八年度の関係は、昨年度の四十二億四千五百七十万の中に入っておる。昭和三十八年度の分、それからことしの五十六億三千四百四十六万の中にも入っておる。八年度、九年度は新たに加わったのでありますが、これはたとえば両方合わしたものがいわゆる債務負担行為として工事関係で出て参るものなのか、その点が重複をしておるのか、この点について一つ説明をいただきたいと思います。同時に、ことしの局舎建設の六十何億の中とこの債務負担額との間、特に年度割との関係はどういうようになっておるかという点について、これは事務当局からでけっこうでありますから、御説明をいただきたい。
  328. 佐方信博

    ○佐方政府委員 債務負担行為で、三十六年度の予算で三十七年度の国庫債務負担行為になりましたものは、三十七年度歳出に盛り込んであります。ことしの計画で来年使う分につきましては、来年度の国庫債務負担行為で取っていくというような予算の立て方になっております。
  329. 田中織之進

    ○田中(織)分科員 そういたしますと、昨年の債務負担行為として計上されたものと、ことしの予算に計上されたもので、現実に三十七年度中、局舎関係等の工事関係支出される金額というものは、総額幾らになるでしょう。
  330. 佐方信博

    ○佐方政府委員 三十七年度におきましては、六十四億八千万、約六十五億の金が歳出できるということになります。
  331. 田中織之進

    ○田中(織)分科員 そのうちで、三十七年度の契約で歳出として出てきておる部分が幾らでしょう。
  332. 佐方信博

    ○佐方政府委員 三十七年度の歳出としまして、今申しました六十四億出せるわけでございますけれども、そのうちに三十六年度におきまして国庫債務負担行為として考えましたのが約二十五億ございます。だから、去年から約束済みの金が二十五億あって、そのほかに三十五年度からのもあるかもしれませんが、三十七年度としましては、三十六年度から約束済みのものが六十五億の中には二十五億含まれておる、こういうことになります。
  333. 田中織之進

    ○田中(織)分科員 それでは、昨年の債務負担額のうちで、八年度の分は幾らあって、それからことしの債務負担の要求額の五十六億の中で、新たに三十九年度の分が負担行為として要求が出ておるのでありますが、それは幾らになりましょうか。年度別のものがわかりますれば、お示しをいただきたい。
  334. 佐方信博

    ○佐方政府委員 的確な資料を持っておりませんけれども、三十八年度の債務負担行為といたしまして三十一億お願いするわけでございますが、その中には、前年度の分としましては六千三百万円、こういうことになっております。
  335. 田中織之進

    ○田中(織)分科員 この点、的確な数字を後ほどでもけっこうでありますから、いただきたいと思います。  そこで、私質問申し上げたい点について資料要求をいたしまして、出て参っておりまするので、それに基づいてまだ了解のできない点をなお二、三伺いたいと思うのであります。  ここに三十七年度の建設勘定新営計画事項別内訳調書というのが出てきておるのでございますが、別に私が要求いたしました資料のうちで、「郵便業務の激増に対応する具体的対策」というのを要求いたしましたところ、四項目にわたって、きわめて抽象的でありますけれども、資料が提出されたわけであります。その中に、「局舎改善新五カ年計画」三十六年度より四十年度に至るということで、「にもとづき特に大都市に重点をおいて局舎改善をはかる。」ということが書いてあるのでありますが、今私が前段に申し上げました三十七年度建設勘定の新営計画事項別内訳調書というのは、このいわゆる局舎改善新五カ年計画の第二年度の分の具体的内容だ、このように了解していいのでしょうか。
  336. 佐方信博

    ○佐方政府委員 新五カ年計画で考えました分の第二年目になるわけでございます。
  337. 田中織之進

    ○田中(織)分科員 そういたしますと、ここ数年来局舎の改善の問題が取り上げられまして、特に簡易保険等からの借り入れによって局舎の改築を推進していくという方針がとられたことも私承知しておるのでありますけれども、たとえば別途要求をいたしました東京中郵等の整備計画、こういうようなものはいわゆる新五カ年計画の一環として考えておられるものなのか、あるいは五カ年計画というように一定の期間を限っての年度計画を立てたものでなくて、それ以前から考えられていたものなのか。これからあとで御質問申し上げたいことは関連がございまするので、お答えをいただきたいと思います。
  338. 西村尚治

    ○西村政府委員 東京中央郵便局の拡充計画は、もちろん五カ年計画の中の一環として考えております。
  339. 田中織之進

    ○田中(織)分科員 そういたしますと、別途いただきました資料の中で、東京中央の拡充計画についてという報告が出ておるのでございますが、これによりますと、昭和三十二年に救済策として第二東京中央郵便局の建設というものが考慮された。実現されたとは書いてないのです。ところが、その後の「東京都への人口集中により、通信力」云々ということを書いて、第二東京中郵局の建設計画だけでは不便なので、あとにたとえば南北に分けまして、二つのターミナル局を設置する、こういう計画が盛られておるのでありますが、第二中郵の計画というものはお取りやめになって、そして南北のターミナル局を設置せられるという計画が新五カ年計画の中に入っておるのかどうか、その点をまず伺いたいのであります。
  340. 西村尚治

    ○西村政府委員 三十二年に第二東京中央郵便局を作らなければ、現在の東京中央郵便局はあまりにも負担過重になって救済できないということで考えたことは事実でございます。その後その線で進んでおったのでありますけれども、他方、日本経済の発展と、それから東京への人口集中等によりまして、東京中央郵便局を中心とする業務量はますます増大するばかりでございまして、第二中央郵便局一個ではやはりちょっと救済できないのではないか、もう少し長い目で見ますと。それで、実は第二中央郵便局と申しますのは、小包処理の専門局にする予定だったわけでございます。しかし、それ一局では救済ができませんということで、東京都を二ブロックに分けまして、東海道以西を対象とする小包郵便物につきましては、第二中央郵便局をターミナル局としてやらせる。それから東北、北海道、北陸方面へ発着する小包郵便物につきましては、台東区の石浜というところに土地を選定いたしまして、ここにもう一つの小包専門局を設置する。第二中央郵便局は汐留の方に土地を今折衝中でございますが、第二中央郵便局と石浜の郵便局と、この二つ集中局を設置することによりまして、小包の面での東京中央郵便局の業務量を肩がわりしたいという計画で進んでおるわけであります。
  341. 田中織之進

    ○田中(織)分科員 そういたしますと、その点がこの資料として提出されたもので理解できるのでございます。特にその後者の方の東北、北海道、北陸方面のターミナル局としての予定地の石浜町の土地の問題についても、私御質問申し上げたいと思いますけれども、そのあとのところに、さしあたって現在のところ中央郵便局について約千坪の増築を行なっておる。従って、集中局ができるまでの暫定措置として、石浜町にあるいわゆる北部ブロックといいますか、それのターミナル局の予定地の一部が暫定措置ということになっておるわけなんですが、そういう形で扱う。ここにこういう報告が出ておるのですが、その関係はどうなるのですか。第二中央郵便局は汐留の近くにできる、小包関係のものが第二中郵的な性格を持つのだという今の西村局長の御答弁だといたしますと、この後段にあります現在中郵に約千坪の増築を行なっている、それとともに、前期集中局完成までの暫定措置として、石浜町の土地の一部を使っておるということが、やはり基本計画との関連で私にはまだ理解できないのですが、その点はいかがですか。
  342. 西村尚治

    ○西村政府委員 さっき申しました石浜の小包専門局と汐留の小包専門局、これを俗に第二中央郵便局というふうに言っておるわけですが、これは相当本格的な、しかも内部が機械化された恒久性のあるものを作る予定でございます。着工いたしますのか、石浜小包局の方が三十七年度から三十八年度までかかる予定でございます。それから第二中央郵便局、汐留の方は三十七年度から四十年度までかかる予定であるのでありまして、この工事が完成するまで現在の東京中央郵便局で処理させるということは、どう見ても無理でありますので、たまたま石浜局の方は土地の入手がすでになされております。しかも建て坪は四千坪の建物を建てる予定でありますけれども、土地に千坪ほど余裕がございますので、そこを利用いたしまして、それまでのつなぎとして小包を処理するための分室として機能を発揮させるということで、今やっておるわけであります。それがここに書いてある趣旨でございます。
  343. 田中織之進

    ○田中(織)分科員 そうしますと、それは三十六年度に出発をいたしました新五カ年計画よりも以前からの計画ということでなければ——石浜町の土地を取得した年月日も後ほど伺いますけれども、汐留の方はまだ土地の手配ができていないというのに、石浜町の土地は、私どもの調べたところでは、すでに三十四年度に入手されておるように承知しておるので、三十六年度から始まった局舎新築計画が立つ以前からそういう計画があったということでなければ、ちょっとその点が理解できなくなるのではないかと思うのです。土地代だけでも何億かの多額のものだということは想像にかたくありません。従いまして、そういう土地を求められるということになれば、やはり予算的な処置を講じなければなりませんし、私が前段にお伺いしたように、かなり長期のものでありますから、三十六年度において、七年、八年のいわゆる予算外契約のことについても国会の承認を求めるし、さらに今年度の予算には九年度までを見通した形のいわゆる契約についての承認を国会に求めるという財政法による手続をあなた方はおとりになっておるのでありまして、その点から見れば、中郵の計画も三十六年度から始まる五カ年計画に基づいて、その一環としてやっていると先ほど西村局長の言ったことといささかつじつまが合わないように思うのですが、その点はいかがですか。
  344. 西村尚治

    ○西村政府委員 実は五カ年計画は三十六年度から発足したわけでありますけれども、その前に昭和三十年を起点といたします局舎新営八カ年計画というものがあったわけでございます。それを中途におきまして、昭和三十六年度から練り直しまして、そして過去の計画の重要なものはそれに取り入れまして、三十六年度を起点とする五カ年計画というものに編み直したわけでありまして、その前段の方を申し上げるのを落としておったのでありますけれども、そういう関係になっておりますので、精神としては五カ年計画の中に入っておるということになろうかと思います。
  345. 田中織之進

    ○田中(織)分科員 今の局長の訂正した答弁なら了解ができますけれども、その点が六年度から出発する新五カ年計画ということの一環だということになると、片一方はこれから土地の手配をしようというし、片一方はすでに手配ができているという点で、どうもこの土地の入手経路についてとかくの風評がございますので、そういう観点から私伺っておるわけなんです。  そこで端的に伺います。台東区石浜町の敷地は、私の調べたところでは、たしか三十四年の十二月ということになっておるのでありますが、郵政省としてはいつこれを入手されたのか、この土地はどういう関係の所有であって、予算的な処置との関係はどういう事情にあったか、当時の事情をできるだけ詳しくお述べをいただきたいと思います。
  346. 西村尚治

    ○西村政府委員 これを入手いたしましたのは昭和三十四年ごろかと記憶いたしますが、実はその当時私この衝に当たっておりませんでしたので、具体的にはちょっとわかりかねますので、建築部長の方から答弁いたします。
  347. 小坂秀雄

    ○小坂説明員 ただいま御質問のございました石浜町の土地でございますが、所在地は台東区浅草石浜町三の十一番地でございます。当時の所有者は日本染弘株式会社でございまして、その総坪数は三〇八六・一坪、そのうち一八〇〇・六五坪は昭和三十四年十二月二十四日に買っております。残りの一二八五・五一坪は三十六年四月七日に購入しております。
  348. 田中織之進

    ○田中(織)分科員 そうすると、その三の十一番地にある三千八十六坪のうち、千八百坪を三十四年十二月に、それから残りの千二百八十五坪を三十六年四月七日に求められたということでございますが、そのときの予算的な処置はどういうことになっていたか、建築部長の方でわかりませんでしょうか。
  349. 小坂秀雄

    ○小坂説明員 当初の三十四年十二月に購入いたしましたときには、予算といたしましては、事業計画としては載っておりませんでした。しかし、三十六年の四月に購入いたしましたときには、すでに予算の中にこの土地買収費として載っておったものでございます。
  350. 田中織之進

    ○田中(織)分科員 最初の三十四年十二月に千八百坪を求められたときは、事業計画の中には載ってなかった。それを買ってから一年半ばかり後の三十六年四月のときには、事業計画として予算的の処置があったので買われた。それまでの間は契約だけで支払いは現実になかったのですか、それとも予算のたとえば移流用というような処置によって支払いを行なわれたのか、その点はいかがでしょう。
  351. 小坂秀雄

    ○小坂説明員 敷地の買収はなかなかむずかしいものでございまして、予算が取れましてもいろいろな事情でその年に必ずしも使えないということが往往にして起きるわけでございます。そういう場合に、成立いたしました予算の中に事業計画として載っておる分につきましても、年度内に消化ができませんで、そのまま繰り越す場合が多いわけでございます。そういったやむを得ず使えない金を一時その方へ立てかえまして、そして買収をいたしたわけでございます。
  352. 田中織之進

    ○田中(織)分科員 そのときの郵政大臣はどなたでしたか。
  353. 小坂秀雄

    ○小坂説明員 たしか植竹大臣だったと思います。
  354. 田中織之進

    ○田中(織)分科員 そういたしますと、先ほどお述べになりましたこの石浜町の土地の所有者という日本染弘ですかに、前に郵政大臣の経歴を持っておられる方々が関係しておられるというような事情を郵政当局は御存じであったかどうか、そういう関係までもお調べになったかどうか。
  355. 小坂秀雄

    ○小坂説明員 そういうことは全然存じておりませんでした。
  356. 田中織之進

    ○田中(織)分科員 私の調べたところでは、その日本染弘株式会社なるものが郵政省へその財産である敷地を売却された当時の代表取締役は現在参議院議員の大野木秀次郎氏、それに郵政大臣をやられた経歴の平井太郎氏、それから松野参議院議長、こういうような方々が取締役として一これは私企業でございますから、その点は差しつかえないことだと私は思うのでありますが、そういう方が名前を連ねておる。しかもそのときにはまだ予算的な裏づけが、事業計画の中には、建築部長が言われるようになかった。しかも場所は、私は現地へ行ったことはございませんけれども、聞くところによれば、上野駅からかなりの距離があるように伺うのであります。隅田川の河畔で、いわゆる山谷のドヤ街というものの間にはさまれた地域のように聞くし、ガス会社の近くでありますので、ガスの異様な臭気等が発生されるので、はたしてこれがいわゆる小包等の集中局としての立地条件に適合するかどうかということについても、相当問題がある土地のように私は伺っておるのです。そういうような関係から見て、特に先ほど西村郵務局長が御説明になられましたように、片一方は汐留駅ということになれば特に小包関係だ、石浜町にこしらえるのも小包関係だということになれば、鉄道輸送との関係ということも、やはり緊密な連携ということを当然考えなければならぬと思う。その意味から見て、汐留の方は、都心にも近いという関係もありましょうけれども、汐留駅に近いという関係から土地を物色されるから、いまだに用地の買収ができない。片一方はそういう、たとえば上野駅との距離の関係だとか——今日自動車輸送というものが多く利用されるのでありますけれども、小包関係の問題になれば、当然やはり鉄道便の輸送ということに重点を置かなければ、これは普通の郵便物とは事情が違うと思うのですが、そういう観点からはたしてこの土地を求められたのかどうか。この土地の求められたことに関連をして、とかくのうわさが出ておることだから、はたしてそういう条件まで郵政当局が検討されて求められたものかどうかという点についても、疑問を持たれておるのであります。その点は、当時郵務局長は本省におられなかったということなんですけれども、そういうような立地条件については考慮されたのかどうか。この点、建築部長からでもお伺いいたしたいと存じます。
  357. 西村尚治

    ○西村政府委員 立地条件ということになりますれば、必ずしも理想的な場所かどうか、若干疑問はあろうかと思います。上野駅のすぐそばにあればこれにこしたことはないわけでありますけれども、聞くところによりますと、一応あの地区でいろいろ物色はしたそうでありますが、とうてい広大な地域の場所の入手が困難だということで、あそこにきまったということでございまして、理想的ではございませんけれども、業務運営に差しつかえるほどではないと思われるのでございます。
  358. 田中織之進

    ○田中(織)分科員 理想的ではないけれども、業務運営に差しつかえがないというきわめて消極的な理由で、それだけのことでは、予算もなかった当時に、郵政大臣の前歴を持っていた人が関係しておる会社から郵政当局が買った。購入した価格については後ほど資料をいただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。ことに第一回に求められた千八百坪と残りの千二百坪を求められた時期は、約一年半の期間がございます。その間における土地ブーム等の関係から、やはり値上がりをいたしたのではないか。何でも、予算関係等があったのかわかりませんけれども、千八百坪を求められるときに、三千何がしかの全体の土地を郵政省としてはほしいということで、残りの千二百坪については、もし会社が売却するときには、そのときの時価で郵政省にまず声をかけてくれということの念書を取っていたということも私は実は聞いているのですが、そういうような関係があって、現在では三千余坪を全部求められておるということであれば、先ほどの西村局長説明による小包局のターミナル局として、環境その他の条件はともかくといたしまして、地域としては必要なものを満たすのではないかということも考えられる。その点についてはこれ以上私は追及する考えはございませんけれども、その間に一年半の開きがございますので、またたとえばこういうようなものは、予算執行の過程から見て、はたして妥当な価格であるかどうかというようなことも、別途決算委員会等でも検討すべき問題ではないかというようなことも考えますので、それは資料としてお示しをいただきたいと思いますが、差しつかえございませんか。
  359. 小坂秀雄

    ○小坂説明員 承知いたしました。
  360. 田中織之進

    ○田中(織)分科員 これは立地条件が、私が申し上げたように必ずしもよくない。現在は、西村局長が先ほど資料によって報告されたように、本格的なものができ上がるまでの暫定的な措置として、工場の一部の建物を改造して局舎代用に使用しておるということも私は伺いましたが、あと汐留駅の近くに求められる土地のことについても、最近の土地事業等の関係から見たらきわめて困難であろうと思いますけれども、先ほど一番最初に大臣にも申し上げましたように、こういうような従業員の働ける条件を整備されることが、いわゆる郵便業務の正常運営ということの大前提になろうかと思いますので、土地入手の困難を克服して、中郵の拡充計画というものはぜひ、来年度にまたがり、あるいは汐留関係は四十年度までまたがるということでありますが、そんなことではオリンピックも近づいてくることだし、追いつけないのではないかと思いますので、せいぜい努力していただきたいということを要望しておきます。  それから、最後にもう一点お伺いをいたしたいのでありますが、郵便物集配運送施設改善の具体的内容を資料として出していただきましたところ、七項目にわたって出されたわけでございます。それぞれ年度内の予算も計上されておるのでありますが、この問題に関連をいたしまして、これは郵政省が直接やられる関係を示されておるのか。輸送関係は、御承知のように私は郵政委員長時代に日逓法の改正を扱った関係があり、郵便逓送の関係は郵便逓送株式会社で行なわせておる、こういう点がございますので、この運送関係の施設の改善という点は、本省関係だけではなしに、ある意味においては日本郵便逓送をして処置せしめるというような関係をも含んだものなのかどうかという点が一点。  それからもう一点は、六番目に鉄道輸送難の救済ということで二千三百七十四万円の予算を計上しておるのであります。これは先ほども私が申し上げたように、郵便の輸送につきましては、特に小包等の関係から見ますならば、やはり国鉄を最大限度に利用することが、現状から見て、自動車輸送の混雑の現状から見ても適切ではないかと思うのであります。具体的には、鉄道輸送難の緩和のために、これだけの予算を計上して、郵便輸送の円滑化のために措置せられようとするのでありますが、予算は二千三百万円程度で、あまり多額とは言えませんけれども、これはもう少し具体的に内容を伺いますとどういうことになるか、承りたいと思います。
  361. 西村尚治

    ○西村政府委員 差し上げました資料のうちで、一から六までのものは大体日本郵便逓送会社に請け負ってやってもらうべき性質のものでございます。それから七の集配運送用気動車の増備の問題、これは郵便局員が使用するための設備器具でございます。  御質問の第二点でございますが、鉄道輸送難の救難という項目で二千三百万円計上しております経費、これは実は主として地方鉄道、ローカル線の関係でございますが、実は国鉄、私鉄等におきまして、電車化あるいは気動車化いたしまして、そのために小荷物単を客車に連結しない、また連結しても非常にスピード・アップするというようなことが方々で行なわれておるわけでございます。他方、郵便物はどんどん激増しておりますし、どうしても従来のようにそういった国鉄、私鉄だけに依存できない面、物理的に不可能な面が出て参りましたので、それはこの専用自動車をずっと走らせて、それによって救済しようという趣旨のものでございます。
  362. 田中織之進

    ○田中(織)分科員 なお電波行政の問題と電電公社に対して一、二伺いたい点があるのでありますが、私の時間が来たようでございますから、いずれまた逓信委員会等で機会を見て質問することにして、私の質問を終わります。
  363. 羽田武嗣郎

  364. 井堀繁男

    井堀分科員 郵政省のことしの予算を拝見いたしますと、なかなか問題がかなりありますが、その中で一、二具体的な点をお尋ねしてみたいと思います。  その一つは、今度NHKの聴視料を変更されるようでありますが、もちろんその変更の内容については、うなずける部分もかなりありますが、私はテレビとラジオの関係、ことにテレビの普及率が非常に最近高くなってきておるということは、ある意味においては文化の水準を物語るものと思うのでありますが、この際私はテレビの聴視料を変える際に、もっと根本的な問題をお考えになるべきではないかと思われる点を伺ってみたいと思うのであります。それはテレビとラジオの関係もさることでありますが、テレビの普及は、一つには独占企業と言われておりますメーカーの宣伝に大きな力があると私は思うのであります。しかし、必ずしも価格は今日の一般の国民所得の比例からいきますと低いものではありません。かなり高い金額のものであると思うのであります。この際やはり料金の問題とあわせて、テレビを、たとえば通産行政の中で自動車の国産を奨励するように一応の規格を定めて、そういうものに特別の援助を与えて、低額所得者が自由に手に入れられるようにする時期が来ておるのではないか。低額所得者がこの文化の恩典から全くオミットされておるか、あるいは共同施設のわずかの恩恵を受けるという状態であることは、今日のテレビの普及の状況から考えて、実情にそぐわないのではないか。こういう点について何か郵政省として手をお打ちになる方針であるかどうかをこの際伺っておきたいと思います。
  365. 西崎太郎

    ○西崎政府委員 今御指摘のように日本におけるテレビの普及状況また普及速度というものは驚異的なものがあるわけでありまして、現在すでにアメリカ、英国に次ぎまして世界で第三位というところまで来ておるわけであります。しかし、われわれはこういった非常に社会的な影響力の大きい、また使いようによりましては非常にプラスの面の多いこういった文化の武器というものを、できるだけ全国的に、また各階層にわたって普及させるということが必要であると思いまして、まず第一には、全国におけるテレビの見えないところ、これをできるだけ早く解消していくということを考えておるわけであります。それから、その次に、今先生御指摘のように、低所得者、ここにできるだけ早く普及する、こういった両面から考えておるわけであります。その後者の低所得者層にもできるだけ早く普及するようにという点につきましては、今回の物品税の改正が承認されますれば、従来よりも大型のものまで安くなる。それから同時にテレビの受像機も、最近の需要の増大によりまして、一時から見ますると非常に安くなっておる。現在最も国民に親しまれておる十四インチというものも四万円台で買えるようになった。なお、そのほかに今先生がおっしゃいましたように、できるだけ規格を統一して、それによって価格の低下をはかるということにつきましても、いろいろと通産省とも相談しまして検討いたしておるわけであります。   〔主査退席、山口(丈)主査代理着席〕
  366. 井堀繁男

    井堀分科員 今度のあなたの方の放送協会関係予算を拝見いたしますと、受信者の維持普及関係で三十八億百万円を見込んでおるようですが、この中で受信契約者の維持増加についてというところで、無契約受信者一掃運動の展開とか、あるいは団地のための特別の措置をやるとかいっておるのですが、一体この意味はどういうことなんですか。この二つをちょっと伺ってみたいと思います。
  367. 西崎太郎

    ○西崎政府委員 はなはだ申しわけないのですが、今資料をあいにく持ち合わせておりませんので、もしお許しを願えれば、あとで資料として提出させていただきたいと思いますが、要するに今のそういった経費はPRの関係経費である、こういうように存じております。
  368. 井堀繁男

    井堀分科員 これは資料がないですからなんでしょうが、ただ私こういうことを特にここでお尋ねするのは、どうも私これを読んで理解しておりますのと間違っておってはいけないものですからお尋ねしたのですが、契約受信者の拡張をやる場合に、一つは、ないしょで聞いているというんですか、そういうのを一掃しようというようにとれますし、それから受信料の確実な収納をはかるというふうな意味だともとれる。それから無契約受信者を一掃しようという考え方は、冒頭に申し上げたように、非常に大事なことだと思います。文化の恩典がすべての人に行き渡るようにする一つの対象になるのはテレビで、ことに放送協会は公益の代表的な機関であります。そういうところに改善が行なわれてくるというのが時代の要求だと思うのです。ところが、これを拝見いたしますると、どうも営利会社のやるようなやり方と、全く同じとは言いませんけれども、そのあと追いをするような改善だと思う。この際NHKのようなものはもっと公益的性格を大上段に振りかぶって、放送内容を改めるのも大事でありますけれども、ここで言っておりまするテレビの恩典に浴せない人々のために、一つ一つの家庭に全部入ればなおいいのでありますけれども、そういうことが困難だとすれば、共同の施設をもっと普及するようなことをNHKがはかるべきじゃないか。まあやり方はいろいろあるだろうと思います。そういうものに積極的な新しい計画を見せるべきじゃないかと思いまして、ずっと調べてみると、一向にそういうものが見当らない、こういう点に非常に不満を持ちまして、実はお尋ねしたわけであります。これは資料であとで出していただけばけっこうであります。この機会に特にその点に留意されまして、できるならば共同の施設を積極的にふやす、あるいはまた今言う規格品のようなものを、四万とあなたはおっしゃいましたけれども、今日の国民所得の実態から考えますと、低所得者じゃないですよ、中産階級といわれる人々も月賦のおかげで一応手に入れている。それもいろいろ聞いてみますと、かなり無理な事情が蔓延しておりますよ。この節、特に団地対策が出ているようでありますけれども、見栄を飾るといえば言い過ぎかもしれませんが、子供にせがまれて無理算段をして実はテレビを入れているというのが、実情なんです。そうしてあとは月賦にせめられて、えらい苦しみをしているというのが、今の聴取者の中の相当の割合を占めておると私は思う。聴視料金も変えるということもなんでしょうが、そういう程度では、これはそういう問題には焼け石に水であります。もう少し規格品で安くできると思うんです。今日のテレビ製造関係を見てみますと、大手筋ですね。大手筋が悪いという意味じゃありませんが、価格が独占的ですよ。そういうものがもっと国民のサービスになるような競争が促進されてくるというところに、ただテレビを見せるという結果だけではなしに、その原因となるべきテレビの提供にまでこの協会は思いをいたすべきである。特に監督官庁はそういう点に留意されなければ、全く仏作って魂を入れないというような結果になる、こういう点非常に残念なことだと思いまするので、お尋ねしたわけでありますけれども、あとで資料を提出していただきたいと思っているわけです。  次に、時間の関係でお尋ねいたします。今度これは法案も出すようになっておりますが、その第十分伺えばいいのでありますが、これは非常に重要な一つの提案だと思うのです。簡易保険郵便年金福祉事業団を提案されております。けっこうなことだと思うのですが、これは問題はほかにありますが、私がここでお尋ねをいたしたいのは、簡易生命保険法の六十八条第一項の規定、郵便年金法の四十二条第一項の規定、これは前者は被保険者の保健施設について、それから後者は年金受取人などに対する福祉施設についての規定があります。これがそのままそっくり事業団の方へ今度渡されるわけであります。  そこで、従来からも、簡易生命保険のような低所得者のためのこういう制度の資金が、大蔵省の資金運用部に全く一手に握られて、高度の金融政策の犠牲になっておる。そのわずかなあかりを見せているのは、こういう施設に還元融資していくという点であります。事業団を作ったからには、そういうものを思い切ってこの際被保険者のために還元される道を開こうとしていると私は信じたいのでありますが、これは法案を審議される際に明らかになると思いますけれども、こういうものに対する予算を見ますと、みな今までの施設を維持するだけの、物価の値上げに伴うほんのわずかな増加であって、積極的な政策としては現われておらない。事業団の窓口を開くということはいいことではあります。しかし、事業団がいいか悪いかかなり問題があると思うんですよ。むやみやたらに政府は事業団を作っておりますが、その問題は別として、こういう施設をそっくり渡すのであります。渡すについては、郵政省としては相当の対策が前提になってこなければならぬ。ただ、事業団にまかして、うまくやってもらおうという無責任な考え方はないと思う。それで、あなたの方から今資料をいただいたのでありますが、そういう施設はどれだけあるか拝見したところであります。数の上では相当ありますけれども、この被保険者あるいは加入者の数に比較いたしまして、これは隔靴掻痒です。あるかないか知らない人が大部分じゃないかと思う。これはわれわれは強い関心を持ってこういうものをもっと積極的に普及するための事業団であってほしいと思っているときでありましたが、事業団に渡すことがいいか悪いかの問題の前に、なぜこういう制度に対して当然見合ってくる積極的な福祉施設や保健施設をやらぬか。これは私が説明するまでもありますまい。簡易生命保険の場合は、早く死んだ者は別として、長寿を保ち得た者は結局大きな負担です。相互扶助の精神だといえばそれだけですが、むしろこれは、社会保障制度を口にする内閣としては、低所得者の弱い者同士の助け合いによって、解決するというのはむごいと思う。もっと高額所得者もこの中に入れるような仕組みならいざ知らず、これは低所得者の間の相互扶助である、貧しい者同士が分かち合うという制度でありますから、一段と工夫して、そういうものについてはその積立金資金というものは、そういう反対給付を得られない低額所得者のために思い切って施設を講ずるとか、還元、すなわち反対給付がそういう人まで行き届くように、こういう制度に改めなければいかぬと思います。だから、これはもう陰に隠れて社会保障なんてえらそうな——その以前の問題だと思うのです。これは政策上の問題ですが、郵政大臣は選挙もおやりになるときですから、大いにこの点を張り切って答弁してもらいたい。   〔山口(丈)主査代理退席、主査着席〕
  369. 迫水久常

    迫水国務大臣 お説は全くごもっともでございます。ただ、私今度の予算を取るときには相当努力しましたが、政治力の不足でなかなか思うにまかせなかったのですが、日本全体的な問題を考えると、完全雇用を達成するということが一番の重大な問題だと思いまして、そのためには財政投融資もなかなか忙しいものですから、そちらの方にこの資金を分けることも決して無意味ではない。しかし、そうは言っても、お説の通り、加入者に還元するということもできるだけやりたい。ことしは結果から言いますと、はなはだ不満であったことは残念でありますので、今後一つ努力をしたいと思います。
  370. 井堀繁男

    井堀分科員 あなたも閣僚ですから、政策決定に参画されると思う。あまり総理大臣が大きな声で、社会保障だの福祉国家だのと言うものですから、片腹痛いので、こういう問題を積極的に予算に組まないで、依然としてあの積立金の大部分が——私は何も財政投融資を否定するものではありませんよ。けれども、ものにはおのずから順序があります。さっき言うように、低所得者の相互扶助活動ですから、そういうものがやはり順次育成されてくるという政策がとられてこそ……。だから、羊頭を掲げて狗肉を売るというのは、こういうことを言うのですよ。国民をだましている、ひどいやろうだと言われるのは、こういうところに具体的事実が指摘されると思うのでありまして、一ぺんで拡張できないまでも、これ、あなた、金額を見てごらんなさい。私は、財政投融資——それは電気事業もけっこうでしょう、電源開発もいいでしょう、あるいは輸出振興のための、あるいは地下鉄に投資するのもいいでしょう。しかし以前の問題がある。割合の問題もあります。ですから、そういうところの端に載らないから、私はいろいろ聞いた。これはいけませんよ。こういう点は池田内閣は落第。それは別として、ここで一つやっぱり奮起をなされる問題の一つだと思いまして申し上げたのです。非常に遺憾です。できることです。何も無理な予算を組まなくても、自分の金なんですから、そういう程度の問題を一つ郵政大臣は気をつけてもらわなければいけないと思います。  次にもう一つ予算の中できわだって遺憾に思う節が一つあります。それは今労働問題の対象にもなっておりますが、定員をふやそうという予算の行き方で、これは労働組合から要求されてやるべきことではなくて、あんなに国民に迷惑をかけておるのです。もしそれが、労使関係の不合理な摩擦からそういうものが起きたというのであれば、国民は、けんか両成敗で、両方を追及するかもしれない。しかし、昔から、上下の争いはおよそその責め上にあり、といって、雇い主の責任なんですよ。ましてや今日のような近代社会、民主社会においては、ちゃんと法律も公労法がありますし、この精神を説くまでもありませんよ。だから、定員で労働組合から要求されるというのは、ぶざまな、典型的なものだと思う。  これに関連して、新聞記事で拝見をしたのでありますが、あなたの方では、労使関係改善するための一助とするというふうな新聞の記事でありますが、全国の十の郵政局におのおの二名ずつ、それから四十六の統括局におのおの一名、すなわち四十六名、そういうところに労務担当官を配置する。さらに、労使関係を常時よくしておくための措置として、各郵便局にそれぞれ関係者を教育し訓練して送り込もう、特に昨年遅配の多かった郵便局については、これは新聞記事ですから、そのまま私読んでおるのですが、労使関係がよくない遅配の常習郵便局、それから取り扱い量の多いために遅配を起こしている郵便局、こう二つ出しておりますが、こういうところに一名ずつ労務主事を置いて労務改善をはかろう、こういう記事が出ております。これは一月二十九日の日経の切り抜きをここへ持ってきておる。この記事の内容についてどういうふうにお考えになっておりますか。
  371. 佐方信博

    ○佐方政府委員 郵政省といたしましては、労務担当の主事を百六十名、郵政局に二名ずつ二十名、現業に四十九名、それだけの定員は来年度予算で要求してとれております。
  372. 長田裕二

    ○長田説明員 経理局長からただいま御説明申し上げましたような人員の配置を予定しております。郵政局に配置いたします定員二十人につきましては、実は一昨年あたりから非常に事務が繁忙しておった関係上、差し繰りでその大部分は配置済みのものでございます。なお郵便局に配ります百六十人につきましては、従来労務関係その他は庶務あるいは庶務、会計担当の主事などがやっておりましたが、大へん繁忙で、ほかの業務そのものも忙しくなってきておりますし、加えまして労務あるいは勤務時間の取りきめ、あるいは折衝等がものすごく、非常に多忙でございますので、数年来予算要求をしておったわけでございます。今回その数だけ成立の見込みが立ったわけでございます。
  373. 井堀繁男

    井堀分科員 大臣にお尋ねいたしますが、今両方の局長から御説明がありました。新聞記事に私はこだわるわけではございませんけれども、労務担当者をふやそうというお考えについて、こういう形で労使関係改善していこうという考え方に私は疑いを持っておりますからお尋ねをするのであります。  なるほど、専門家を養成して労使関係を円滑にしていこうということは、無条件に賛成です。しかし今日の、郵政あるいは電信電話公社の労使関係だけではもちろんありません。三公社五現業あるいはその他の政府あるいは地方公共団体が踏襲している労使関係は、大体大同小異だと思う。もちろん、一つには立法上の問題もあります。たとえば地公労法の問題にも問題はありますけれども、それ以前の問題として、労使関係に対する政府の方針というものがどだいなっていない。これはあなただけを責めるわけではありませんが、他の委員会でも、私は給与担当あるいま労働大臣あるいはそれぞれの関係大臣にお尋ねをいたしたのであります。単にお尋ねをするというだけではなくて、至急に今の三公社五現業の労使関係を正常なものにしませんと、国民自身に直接大きな被害を与える、また与えてきたわけであります。でありますから、これは少ない時間で質疑応答することは誤解を招く危険もあると思いますので、多くは申しません。これは一つ閣議などで、あなたのところは最も多くの問題をかかえている現業庁です。事前にやはりちゃんと対策を講ずることを私は要求しておきたいと思う。  せっかくの機会ですから伺っておきたいと思いますが、また年末の手当の問題が出ているのでしょう。今度は要求幾らですか。この前は何か〇・四くらいで片づきましたね。
  374. 佐方信博

    ○佐方政府委員 お話は、おそらく年度末手当のことかと思いますが、〇・五カ月の要求が出ております。
  375. 井堀繁男

    井堀分科員 これは、この前もあなたの方は〇・四で解決しているようでありますが、ずっと見てみますと、他の現業庁から見ると、非常に割り負けしているのですね。それは事業それ自身の支払い条件などもありましょうけれども、しかし、そういう点はこの予算を組む際に実は問題にしておかないといけないので、主張すべきものを主張しないで、あるいは主張したけれども割を食ったというようなこともあるかもしれません。しかし、そのしりを従業員に転嫁するようなことをしたのでは、労使関係というものはうまくいかぬのです。これが他の事業場と異なるところだと思う。だから、本来でありますならばこういう問題ははっきり追及していく必要があるのみならず、それが予算を組むわれわれの責任でもあるわけです。紛糾の種子をまくようなものをこの予算の中に作っておいてはいけない。去年〇・四、〇・五以上出したところもあるようでありますが、そういうことについては予算の中にちゃんと入っているものだと思うのです。団体交渉等の事情もありますから、私は一方の立場から質問をしたり言質を取ろうという卑怯な考えは持っておりません。ぜひこういう点で昨年と同じ轍を繰り返さないように、調停や仲裁などに持ち込むことの絶対ないように、団体交渉の段階で解決されることを強く要望して、中身については追及いたしません。きっと予算の中に上手に盛り込んでおるものと私は理解して、解決を誤らぬように注意だけ申し上げておきたいと思います。
  376. 佐方信博

    ○佐方政府委員 お話しの年度末の問題につきましては、実は去年は五現業につきましては俸給のベース・アップはさかのぼるべきだ、それができないものだから一時金で出したというような趣旨で仲裁裁定が出た、三公社と一現業につきましては、収入があったところは年度末の業績賞与で出すようにという話になりました。ところが、郵政省の場合には、昨年は料金値上げの前の年でありましたために、どうしても出す金がない、従って〇・一五しか出せない、しかし、これではとてもおさまりませんので、料金値上げをした本年度におきまして残額を出したというようなことになっております。そこで、予算の立て方としまして、年度末手当を要求するということはどこにもないわけであります。去年は塗炭の苦しみをしまして、翌年の金で出すというような事情になっておるものですから、御激励がございましたけれども、経過だけ申し上げまして御了承いただきたいと思います。
  377. 井堀繁男

    井堀分科員 塗炭の苦しみをしないで済むようにこの予算に措置をなさいということが、国会の一部から声があることを銘記しておいていただきたい。こういう簡単な労使関係の解決が割り切れぬようではいかぬ。こういう問題を仲裁裁定に持ち込むというのは、もう少し公労法をよくそしゃくしてもらいたい。ことに三公社五現業は政府の事業で、国民の関心の的ですからね。そういうところで一々仲裁裁定のお世話になるなどは、これは労務政策でみずから国民の前に赤恥をさらすようなことになる。大へんな塗炭の苦しみをしたそうですが、ことしはそういうことをしないように、まだ時間は十分あるのですから、この予算の中に入っているものと理解して次の質問を進めたいと思います。  次に定員の関係で、特に私は全国の特定郵便局一万三千五百局以上に上るだろうと思うのですが、これは特殊な問題でありますけれども、特定郵便局に対する処遇がどうも適当じゃないというふうに理解いたしますので、ちょっとお尋ねをしてみたい。私の調査が間違っておれば訂正していただきますが、一万三千五百局の定員の問題については、昭和二十九年に増員して、以後は増員してないんですね。ところが貯金や保険、年金の取り扱いは加速度的に増加している。これは私の調べですから十分の資料ではありませんけれども、昭和二十九年は一人当たり貯金、保険、年金の取り扱いが八千三百八十四口であった。それが三十四年にきますと一人当たり優に一万を突破している、三十五年はもっとふえているでしょう。あるいは三十六年、七年は言うまでもない。いろいろな条件から判断をしますと、非常なる増加を見ておると思うのです。特に都市などの事業量というものは倍以上にふえている。ついででありますから郵便物を調べてみたのですが、二十九年十万通、それが三十四年度では十二万通にふえている。こういう状態で特定郵便局の従業員は非常な労働強化を強制されてきておる。給与その他のものは特に恵まれないありさまであります。こういうものの改善をこの予算の中で、たとえば定員はどのくらいおふやしになるのか、参考のためにちょっと伺っておきたい。
  378. 佐方信博

    ○佐方政府委員 特定局の要員につきましては、毎年電気通信関係は千人以上の増員になっております。それから新しい特定局を作りますと、やはり相当それに合ったものをふやしております。ただ、御指摘の、郵便や貯金につきましては予算上なかなか増員もありませんで、非常勤者の長くなった人が切りかえられるというようなことがあった程度でありましたけれども、三十七年度予算におきましては事業別の要求をほとんど認めてもらいまして、郵便におきまして五百八十余名、郵便貯金におきまして百八十余名の増員が、在来の電気通信の増員、それから新しい特定局を作る増員のほかに、初めてつけ加えて認められている次第でございます。
  379. 井堀繁男

    井堀分科員 これは今でも事業分量の取り扱い件数の割合にしますと、三十七年度の予定ははるかにオーバーしたと思うのであります。こういう無理なことをしておいて、そして労使関係を合理的なものになどということは、国民も第三者も納得しないと思う。まあ、ふやさないよりか、ふやした方がいいということはだれでもわかるわけです。そういう不徹底なやり方をしないで、やはり仕事は相当能率を上げて——質の問題もありますからね。最近団地などは大へんですよ、五階まで上がったりおりたりして、一戸々々歩くというのは。ああいう建物のこともありましょうし、えらい労働だと思う。ですから、ただ取り扱い件数だけではなしに、都市だからといっても、ああいう団地のようなものがどんどんできていくわけでありますから、集配その他いろいろな関係にも影響してきます。それからここであなたの方の資料を見てみますと、郵便貯金の場合でも金額がふえていますよ。今取り扱い件数で言いましたけれども、昭和二十七年には最高十万円だったものが、三十年には二十万円、あるいは三十二年には三十万円、どんどん上がってきておりますから、今日の郵便局というのはいろいろな意味において改善を迫られている。特に特定郵便局の場合は、直轄と違いまして間接の立場に置かれているというようなこともあって、とかく日の当たらない存在だ。そういうところに特に目をかけていくという思いやりが労働行政の中でないと、一事が万事だということになるわけでありまして、もちろん民主主義の社会においては、声のないところにはというなにもありますけれども、しかし、そこは民間の営利を追求する企業と違いまして、国家の事業でありますから、そういう点を特に留意をさるべきものだと思うのであります。定員の問題についてあなたの方の資料を見てみますと、全部で一万五千二百二十二という数字が出ておるようですが、この数字は実際の要求に対してはかなり及ばないところで、年末などは郵便局でアルバイトを使っておやりになっておりますが、あれを私は否定するわけではありませんけれども、ああいうものをもう少し合理化していくということが考えられないようでは、労務管理としては私は妥当ではないと思います。この辺に対して何か御意見がありますか、一つ伺っておきたいと思います。
  380. 佐方信博

    ○佐方政府委員 一万五千の要求につきましては、在来のやり方だけでなくして、人を雇うのもなかなか大へんな時代になって参りましたので、今までは非常勤であった人を正式に定員として採用するというようなこともやっておりますし、要求の内容につきましても、われわれの要求と大蔵省の要求がいつも食い違っておりましたけれども、来年度予算につきましては、そういう事情も見まして、ほとんど各事業局が要求しております通りの増員ができた。一例が、非常勤者、年末のアルバイト等でなくて、かねての場合に、年次休暇の要員等は非常勤でありましたけれども、それは定員にしますとか、それから予算上賃金でおりました者を、来年からあらためて定員でとろうじゃないかとか、それから先ほど申しました郵便や貯金につきましても、特定局では増員をしていこうというようなことは十分に織り込んで、今までとは画期的な定員の確保になっておる、こういうように思っております。
  381. 井堀繁男

    井堀分科員 定員の問題は、かねてよりやかましく言われたものではありますけれども、どうもこういうところにふん切りが悪い。しかし、これは議論にわたりまするし、先ほど申し上げましたあなたの方の労使関係改善のための処置については、いずれまた別の機会に、特に労務担当官の養成その他について問題が多くあるところだと思いますから、これはあなたの省だけではなく、三公社五現業共通した問題でありますので、別な方法でまた要請することにいたします。  最後に、時間がありませんから、もう一つだけ伺っておきたい。電話ですが、電話はもう少し私は、需要が非常にふえてきておるのですが、内容について改善を要すべき点がある。あなたの方の資料を拝見いたしましても、非常に電話の使用状況というものが活発になってきている。特に拡大経済政策の影響もあると思うのですが、ここでまた非常なアンバランスが起こっておる。まあ度数制度にしたということもあるでありましょうし、料金その他の徴収の仕方にも工夫を要すべきだと思うのでありますが、一口に言いますと、営利と言いますか、利潤を対象として使われる大口の電話というものは、もっと料金を多額に支払われるような料金制度を考えるべきじゃないか。そうじゃなくて、俗にいう文化生活の芽ばえようとしているような電話需要というものについては、もう少し工夫をこらしていくべきではないか。ただ、電話料金を機械的に度数制にしたり、あるいは定額制にするということじゃなくて、今日の電話の需要の性質、内容などについて工夫を要すべきときじゃないか。特にけしからぬ話なんだけれども、どこの商売だって、ますやはかりを相手に持たせるなんというばかなことはないのですが、みな電話の機械を買わせて、買わせるならばいいけれども、しまいには結局寄付というようなことでぶったくりになる。ああいう制度というものは、もうちょっと——営利の対象、投資の目的ならはいいと思う。そうでない、やはり民度を引き上げていく文化的役割を持つ電話についての新しいやり方というものが、考えられて来べき時期が来ていると思うのです。まあどんどん拡張する、拡張するときに、投資ならまた先にいって解消することができるでしょう。一般文化的な民需などについては、そういう点についての配慮が足りないのじゃないか。今そういった転換をはかるべき時期じゃないかと思うのです。これは政策上の問題ですから、郵政大臣、これについてどういうふうに考えますか。
  382. 秋草篤二

    ○秋草説明員 ただいまの御質問は、先生が具体的にどういうことを御希望なさっているものかつぶさにはわかりませんですが、きわめて格調の高い、サービス基準としますると基本的な問題のように存じますが、私ども長い経験から考えた事務的な一つの考え方としての現在の方針は、電話に関する一般のサービス基準、たとえば電話をつけるところの基準あるいは料金をいただく基準、そういうものに対しては基本的にはやはり公益的な見地というものが基準になっております。その次には、利用度の多い少ないという点があろうかと思います。従いまして、具体的には、大きな該当者であるとかあるいは農村であるとか、こういう配慮はいろいろな面に現われております。それから、公益的な見地から申しますれば、業務用のもの、純個人のもの、こういうような背景はつとに現われております。その他見方によっては、先生の文化的なにおいの芽ばえる方向に電話をふやしていくというようなお言葉の意味がはっきりと読み取れませんですが、たとえば、所得水準というようなことでありますれば、一応そういう点は技術的にも非常に困難であり、ガス、水道、電気、そういうような例から見ましても、やはり電話料金と同じような基準にのっとっておるようであります。ほかには別に配慮すべき基本的な基準というものはないように考えられるのであります。
  383. 井堀繁男

    井堀分科員 私の質問の仕方がまずかったのだと思いますが、問題は、公益事業ですから、もっと加入者に対する配慮や、料金の基準などについて改善すべき要があるということなんですが、時間が参りまして注意を受けておりますから多くは述べませんけれども、今あなたの説明では、公益と利用度の問題をものさしにしておるようであります。公益という順位は、法律や制度の上で明確なものなんですが、明確を欠くものがかなりあるんですよ。そういう点で、どうももっと考える必要がある。それからもう一つは、利用度だけを言いますと、これは投資を目的としたものでありますならそれでいいです。公益と投資、利潤を対象にしたものとの違いは、実際は見分けはついておりません。そういう点をもっと工夫する時期が来ているということを申し添えておきたいと思います。とかく今の電電公社は商売人になりがちです。公益性をやはりもっと認識されて、改善をはかる要があるということをこの際常に御留意願いたいという要望を申し上げて、きょうはこの程度にいたします。
  384. 羽田武嗣郎

    羽田主査 次会は明二十七日午前十時より開会することとし、本日はこの程度で散会いたします。    午後六時三十八分散会