○田中(織)
分科員 その点につきましては、先ほど
港湾局長の御
答弁の中にありましたように、本
年度の
予算におきましても、和歌山下津港は、鉄鋼関係の重要港として特別の整備を受けるのに指定されておるわけであります。しかし、そのほかに、御
承知のように、この和歌山下津港の港域には、おそらく
日本の
輸入油の——現在は少し率は下がっておりますけれ
ども、終戦直後等におきましては、
日本に
輸入して参ります油、これは占領軍の直接扱いますものあるいは民間ベースで
輸入するものを合わせて、多いときには七〇%もこの下津港に揚げたという実績があるわけであります。今日もなお東亜燃料あるいは丸善石油の二大工場、それにこの同じ港域にありまする富士興産の関係の海南における油——これは原油の
輸入の関係でございますけれ
ども、そういう関係、さらに北洋材、特にソ連関係の
木材でございますけれ
ども、それの
輸入の大体三〇%は、やはり和歌山下津港に揚げられる、こういうような関係に相なっておるわけでございます。ただいま宮崎主計官のおっしゃるのには、いわゆる公共関係の埠頭の整備等の整備
計画の関係から見ますならば、雑貨等の事例があげられましたけれ
ども、今日、御
承知のように、鉄鋼関係等につきましては、なるほど二千数百万トンの
日本の鉄鋼の生産であります。これは私
どもしろうとなりに伺っておりましても、二千数百万トンの鉱石と石炭の
輸入ということになるわけでありますけれ
ども、わずかにそのうちの五分の一程度の五百万トンの鋼材の輸出が達成できまするならば、二千数百万トンの石炭、鉱石の
輸入をペイいたしましても、なお
日本の貿易に、国際収支の改善というものに、鉄鋼の輸出というものが貢献するというような実情にあるわけなんです。そういう意味で、鉄鋼港としても実は指定を受けておるわけなんで、その点で、従来の神戸であるとか横浜とかいうような関係のようには、新興工業地帯でもございます関係から、雑貨等の関係、いわゆるその意味においての古い観念の商港的な性格はないかもしれませんけれ
ども、近代的な産業の関係の鉄鋼、石油、あるいは
木材、綿花、こういうような関係におきますれば、それの原料の荷揚げ、それから製品の積み出しという点から見て、これらの港湾が演じておる役割というものは、私は、従来の商港的な観念から脱却した観点に立って、やはり特定重要港としての指定を急いでいただかなければならぬ。同時に、指定を受けることによって、港湾整備
計画によるところの重点的な
施策を講ずるものとして、御
承知のように、神戸大阪の関係にいたしましても、この海域を通過して船舶が出入をいたすのでありまして、そういう観点からいたしましても、この点を一つ新しい角度において御
検討をいただいて、ぜひ指定港に加えていただきたいと思うのでございます。その意味で、まあこの点は過日も
運輸大臣にも申し上げておるのでありますが、われわれしろうとなりに見ますと、どうも
運輸省もあまり積極的じゃない。ことに大蔵省の関係から見まするならば、こういうような港がふえることによって
予算のつけ方に大きく影響してくるという関係で、
運輸省が消極的になられたのでは、これは大蔵省がどっちかといえばやはり辛い点をつけるということしで、いつまでたっても、関係地域民の要望、あるいは高い立場に立っての産業あるいは貿易の改善というような点に寄与できない結果になるのではないかと思うのです。本日は、これ以上重ねて御
質問は申し上げませんが、率直に申し上げて、従来の基準に当てはまる。その基準が亘らに引き上げられるということになると、いつ指定を受けられるかということが、先に追いやられるような結果になるというところに、関係の方面の焦慮というものも見受けられますので、どうかその点につきましては、今宮崎主計官の御
答弁の中にもありましたように、雑貨等の従来の商港というような
考え方から脱却した形に立って、近代的な
日本の生産拡充の基底をなしておる、こういう観点に立って御
検討いただきたいということを重ねてお願いを申し上げまして、私の
質問をこれで終わります。