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1962-02-21 第40回国会 衆議院 予算委員会第一分科会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十七年二月二十一日(水曜日)     午前十時三十五分開議  出席分科員    主査 西村 直己君       船田  中君    保科善四郎君       井手 以誠君    楯 兼次郎君       堂森 芳夫君    横路 節雄君   兼務       永井勝次郎君  出席国務大臣         大 蔵 大 臣 水田三喜男君  出席政府委員         外務事務官         (アメリカ局         長)      安藤 吉光君         大蔵事務官         (大臣官房長) 佐藤 一郎君         大蔵事務官         (日本専売公社         監理官)    谷川  宏君         大蔵事務官         (主計局法規課         長)      上林 英男君         大蔵事務官         (主税局長)  村山 達雄君         大蔵事務官         (理財局長)  宮川新一郎君  分科員外出席者         外務事務官         (アメリカ局外         務参事官)   竹内 春海君         大蔵事務官         (大臣官房会計         課長)     磯江 重泰君         大蔵事務官         (大臣官房財務         調査官)    佐竹  浩君         大蔵事務官         (理財局資金課         長)      鈴木 喜治君         大蔵事務官         (理財局外債課         長)      櫻井 芳雄君         大蔵事務官         (銀行局特別金         融課長)    橋口  收君         大蔵事務官         (為替局資金課         長)      今泉 一郎君         通商産業事務官         (企業局次長) 伊藤 三郎君         日本専売公社副         総裁      大槻 義公君         日本専売公社         (販売部長)  狩谷 亨一君         中小企業金融公         庫総裁     森永貞一郎君     ————————————— 二月二十一日  第四分科員永井勝次郎君が本分科兼務となった。     ————————————— 本日の会議に付した案件  昭和三十七年度一般会計予算大蔵省所管  昭和三十七年度特別会計予算大蔵省所管  昭和三十七年度政府関係機関予算大蔵省所管     ────◇─────
  2. 西村直己

    西村主査 予算委員会第一分科会を開会いたします。  本日は、昭和三十七年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、大蔵省関係を議題とし、質疑を続行いたします。  質疑の通告があります。順次これを許します。横路節雄君。
  3. 横路節雄

    横路分科員 ガリオア・エロア返済協定について、いずれ本予算委員会最後総括質問で詳細にお尋ねしたいと思いますが、本委員会ではあまり時間もございませんから、きょうはいろいろ政府の方から出していただきました資料に基づいて、こまかな数字お尋ねしたいと思っているわけであります。  その前に、アメリカ局長に来ていただきましたのは、二月十五日付のフォトの中で、あなたは「ガリオア返済協定」というのを書いておる。私はこれを読んだわけです。いずれ最後総括質問のときに、この問題については一つずつ取り上げて反駁をしますが、この中の文章でわれわれ国会議員を誹謗するような言辞があるから、そこで特にきょうあなたに来てもらったわけです。「“ただ”への感謝決議ではない」という個所です。前文は相当長いので問題点はたくさんございますが、これはいずれ最後の本予算委員会でやります。そこでこういうことをあなたは言っている。「これらの人々は、ただでもらったからこそ、現に当時の国会において感謝決議まで行なったのであり、それを今日に至って米国返済を要求してくるというのは全く話が違うではないかと主張する。しかしこれは、全くの誤解に基づくか、さもなくば、ためにする言辞と言わざるを得ない。」何ですか一体この「ためにする言辞」というのは。お互いの政党の立場で、誤解であるとか間違いであるとかいうことはいいが、「ためにする言辞と言わざるを得ない。」というのは、これは一体何です。これはどういうことを言っているのです。ほんとうはこれは分科会でなくて最後の本予算委員会でこれを劈頭にやろうと思ったけれども、しかし、最後委員会にはたくさんの問題をここでそのときお尋ねしなければならぬから今やるのです。いやしくも当面の責任者であるアメリカ局長が、こういうことを言うのは一体どういうのです。どういう証拠があるのです。
  4. 安藤吉光

    安藤政府委員 お答えいたします。ただいま私フォト手元に持っておりませんので私の記憶でお答えさしていただきます。
  5. 横路節雄

    横路分科員 見ていいですよ。あなたの書いた原稿だから……。
  6. 安藤吉光

    安藤政府委員 あるいは誤解がございましたらお許し願いたいと思います。私が書きましたのは、要するに債務性というものについては、心得債務といってきた政府の主張というものがずっとあるわけでございます。従いまして、何がゆえに債務性と心得てきたかの理由をずっと述べたつもりでございます。それについていろいろ議論もございます。感謝決議ただでもらったから感謝したのだという議論は、これは私は誤解があるのではないかというふうに申しました。そのあとのにつきまして、今おしかりがございましたが、もし言い過ぎがございましたらまことに申しわけないと思います。
  7. 横路節雄

    横路分科員 大蔵大臣、このフォトというのは御存じですか。御存じでしょう、特にあなたの写真がこんなに大きく出ているのですから。これに政府の方で何ぼ予算を出していますか。おわかりですか大臣御存じでございましょうか、これに対して政府は一体幾ら補助金を出しておるのですか、おわかりでないですか。全然御記憶でございませんか。これに幾ら予算を出しておるのですか。
  8. 水田三喜男

    水田国務大臣 総理府予算の中でまかなわれておりますので、その金額は今ちょっと記憶しておりません。
  9. 横路節雄

    横路分科員 これは七千七百万円の編集費を出しておるのです。この七千七百万円は編集委託費ですよ。失礼ですが、こんなものに七千七百万出して、四万部ないし五万部は無料政府の方では配布しておるのです。これはいずれあと総理府予算のときに私は取り上げてやりますが、この中で「誤解に基づく」というような表現は、アメリカ局長はいろいろの考え方があってやったのだろうが、「ためにする言辞と言わざるを得ない。」というのは一体何です。それからここに問題はたくさんございますよ。「ガリオア・エロア援助債務性については、当初からなんらの疑念もさしはさまなかった」などというのは、でたらめきわまるものだ。きょうは数字議論しようと思うからこの点については触れませんが、「だめにする言辞」というのは一体何です、もう一ぺん言って下さい。
  10. 安藤吉光

    安藤政府委員 お答え申し上げます。  私といたしまして、特に国会議員方々を誹謗する意思は毛頭ございません。一般のそういう議論に対してそういうことを言ったつもりでございますが、それに対して誤解を生じましたようなことがございましたならば、これはまことに申しわけないと思っております。しかし、真意は、あくまでも国会議員方々を誹謗するという意味はございません。
  11. 横路節雄

    横路分科員 アメリカ局長、あなたは誤解を生ずるならばというが、誤解があるじゃないですか。「さもなくば、ためにする言辞と言わざるを得ない。」私たちは何べんも国会でやっていますよ。放出とは何だ、それはお返しを期待しないのが放出なんだ。「ためにする言辞と言わざるを得ない。」というのは一体どういうことを言っておるのですか。これが外務省考えですか。これが当面折衝したアメリカ局考えですか。「ためにする言辞」とは一体何ですか。国会議員が言おうと国民のだれが言おうと、食糧放出に関する感謝決議というのは、放出とはお返しを期待しないことを放出というのです。字引を引っぱってごらんなさい。「ためにする言辞」とは何だ。これは国会議員をさしたものではないか、感謝決議ただだというのはそれは誤解か、そうでなければためにする言辞なんだ。その「ためにする言辞」とは一体何ですか、言ってごらんなさい。
  12. 安藤吉光

    安藤政府委員 先ほども申し上げました通り、感謝決議に関連いたしまして、誤解があるということはわれわれ考えております。その他雑誌、論文等にもいろいろございます。私の表現がまずかったであろうというおしかりに対しましては、まことに申しわけないと思いますが、真意は、先ほども申しましたように、決して国会議員の方をさして言ったつもりはございません。
  13. 横路節雄

    横路分科員 それじゃアメリカ局長、あなたは国会議員に言ったのじゃないけれども、感謝決議をしたのだから、ただだ、そういうことを言うのは誤解か、さもなくばためにする言辞なんだ。「ためにする言辞」とは何を言っておるのか、言っていただきたい。私は何べんも国会で言っている。あるいは私たちの党の戸叶里子君もこの間、食糧感謝決議をしたじゃないか、だから一体国民のだれがお返しを期待していたかと言っておるのです。国会議員をさすのでなければ、一体「ためにする言辞」とはどういうことをさすのですか。
  14. 安藤吉光

    安藤政府委員 その原稿を書きましたのは相当前でございまして、戸叶先生のこの前の御質問よりはもちろん前でございます。私弁解がましくなりまして申しわけございませんけれども、そういう一般的なことを抽象的に申しましたわけで、少し表現が強過ぎたというようなおしかりでございましたならば、私の至らぬところをおわびいたします。
  15. 横路節雄

    横路分科員 アメリカ局長戸叶さんが言ったのはなるほどことしになってからだけれども、去年私は三月の四日に言っておりますよ。これは私をさして言ったものですか。どうなんです。「ためにする言辞」とは何かと聞いているのです。こういう表現というものは不見識ですよ。(「局長をいじめてもしようがない」と呼ぶ者あり)いじめたってしょうがないじゃないですよ。当面の責任者じゃありませんか。しかも、これは無料政府が買い上げて四万から五万配布しているのです、一般国民に。われわれは目を通さないから何を書いてもいいというような形で書かれることは不見識ですよ。あなたにこのことをぜひ言っておかなければならぬと思って待っていたのです。このことについてはもっとたくさん問題点があります。これはいずれ最後予算委員会でやりますが、あなたは今でも「ためにする言辞」というものについては取り消しはしていないですね。ただ誤解を生じたならばはなはだ遺憾ですと言っておる。人ごとのようなことを言っておる。この中には重要な問題がたくさんございますよ。これはいずれ最後予算委員会における総括質問でさらにあなたにただします。いやしくも、外部に発表する文書については責任を持たなければならぬですよ。あなたの署名入りで書いてあるじゃないですか。  アメリカ局長にもう一つお尋ねしておきます。たくさんお尋ねすることがあるのですが、この間私は予算委員長を通じて、アメリカ側の十九億五千四百八万一千七百十八ドルの内訳を出してもらいたい、こういうように言ったところが、あなたの方から私の方にこういうことを言ってきました。ガリオア米側資料については、原局アメリカ局北米課)が米側と了解をとるため交渉中であるから待ってもらいたい。なぜこれは出せないのでしょうか。あなたの方には来ているのですか、その点はどうなんです。
  16. 安藤吉光

    安藤政府委員 お答え申し上げます。  事務的に横路先生にそういう中間御連絡を申し上げたことは事実でございます。この決算ベース資料というものは、向こうからは部外秘扱いということでもらっておるわけであります。それで、その内容の詳細を御要求でございましたので、ただいまアメリカ側と交渉しておりまして、何とか出せるように取り計らうように努力いたしたいと思います。
  17. 横路節雄

    横路分科員 この問題については、予算委員会において、すでに特別会計返還の金については計上してあるからやらなければならぬし、また協定については外務委員会でやらなければならぬ。そこで、アメリカ側が十九億五千四百八方ドルだと言ったその内訳を出してもらわなければ国会では審議できないのです。私どももその出された資料について検討しなければならぬので、ぜひ土曜日までに出してもらいたい。
  18. 安藤吉光

    安藤政府委員 お答え申し上げます。  ただいま在京米国大使館を通じましてワシントンに照会中であります。それでその返事が来次第お出しできるように、できるだけ早くお手元に差し上げますように努力したいと思います。
  19. 横路節雄

    横路分科員 私は去年もここで当時の椎名通産大臣に出てもらって相当こまかに論議したわけです。ことしはできれば時間を節約する意味もあって事前に出してもらって、私の方で十分検討して、そのうちの問題点だけをこの委員会お尋ねをしたいと思うので、最後質問日の前の日あたりになって膨大な資料を出されてもそれを検討する時間がありませんから、少なくとも大使館には、土曜日に国会を通じて私の手元に出るようにしてもらいたい。重ねて強く要求しておきます。  次に、アメリカ局長、大へん恐縮ですが、あなたの方にもぜひこまかな数字を聞かなければならぬので、外務委員会の方は外務大臣がお出でございましょうから、差しつかえなければあなたにここにいてもらいたいし、どうしても行かなければならぬことになっているのかどうか。これから一つ数字をこまかにお尋ねをしたいと思うのです。どうですか、局長
  20. 安藤吉光

    安藤政府委員 連絡してみます。
  21. 横路節雄

    横路分科員 それでは最初通産省の方にお尋ねします。  十七億九千五百九万五千二百六十ハドルと通産省がはじいた、それを最後に援助された額は十七億四千六百十六万六千五百六ドルだというその点について、すなわち四千八百九十二万八千七百六十二ドルについてはこれを差し引くべきである、この内容についてきょうは一つ数字をこまかに御説明ただきたいと思います。
  22. 伊藤三郎

    伊藤説明員 援助総額ガリオア物資が十七億一千六百九十二万五千四百二ドルでございまして、見返り資金積み立て以前すなわち二十四年の三月以前の分が八億四千七百二十七万六千五百十七ドルとなっております。積み立て以後は八億六千九百六十四万八千八百四十五ドルでございます。  控除額は、ガリオア物資からの控除といたしまして、贈与分が千六百三十三が九千九行三十ドルでございます。この贈与分内訳としましては、二十四年の三月以前が八十五万六千六百四十八ドルでございます。以後が千五百四十八万三千二百八十一ドル。贈与分内訳は、学童給食用のミルク、小麦粉等が大部分でございまして、そのほかに家畜とかたばことか若干ございます。  それから返還分が六十六万九千十九ドルでございますが、これは朝鮮事変に際しまして米車補給用といたしまして従来受領しておりました援助物資の一部を米軍引き渡したものでございます。これは見返り資金積み立て以後の分でございます。従って、この分につきましては見返り資金積み立てばいたしておりません。  それから琉球向けの再輸出分が八十八万七千百二ドルでございますが、これは見返り資金積み立て以前だけでございます。これは琉球向けガリオア物資が間違って日本に来たものをそのまま沖縄へ向けて転送した分でございます。  次の石油運賃減額分六百四十二万一千四百八十三ドル、これは見返り資金積み立て後だけでございます。当時、昭和二十四年度であったと思いますが、日本で使います石油をバーレン島あるいはサウジ・アラビアから引き取るに際しまして、日本のタンカーを仕立てて現地で積地価格で引き取るということになっておったのでありますが、日本船で持ってきました石油日本側の需要をオーバーしたり、あるいは貯油施設が不足しておるために引き取れないというときには、その石油米側引き渡しております。従って、その運賃日本側が負担したことになりますので、それにつきましてはあとでその運賃相当額分を減額いたしております。従って、これも見返り資金積立額から控除いたしており、合計いたしまして控除額ガリオア物資関係としまして二千四百三十一万七千五百三十四ドルになっております。見返り資金積み立て前が百七十四万三千七百五十ドル、見返り資金積み立て以後が二千二百五十七万三千七百八十三ドルになります。  次の米軍払い下げ物資でありますが、米軍払い下げ物資は、総援助額が四千三百八十二万三千九百二十二ドルでございますが、これから控除いたしましたのが八百九十五万三千四百五十九ドルでございます。その内訳としましては、返還分が六十八万三千五百六十九ドル、これはガリオア物資と同じように、朝鮮事変に際しまして米軍補給用としてすでに受け取った払い下げ物資引き渡したものでございます。  スクラップ分が八百六万四百十二ドル。スクラップ分につきましては大体その価値が非常に低いということ、あるいは西独の例を見ましても、スクラップ類は評価の対象外にいたしておりますので、スクラップ類については全額ゼロといたしたわけであります。  次の英連邦軍物資米引き渡し分が二十九万九千四百七十八ドルでございますが、英連邦軍から引き渡しを受けた物資のうち、朝鮮事変に際しまして、そのうちから二十万九千四百七十八ドルを米軍引き渡しておりますので、その分を控除いたしたわけであります。  小計としまして払い下げ物資関係が八百九十五万三千四百五十九ドル、それを引きますと米軍払い下げ物資としての純援助額が三千四百八十七万四百六十三ドルになるわけであります。  余剰報奨物資返還分が千五百六十五万七千七百六十九ドル、これもガリオア等と同じように、朝鮮事変に際しまして米軍補給用として一度受け取った余剰報奨物資米側引き渡したものでございます。差し引きますと、余剰報奨物資としましては、三千四百三十四万五千九百四十四ドルからただいま申しました返還分の千五百六十五万七千七百六十九ドルを引きまして、千八百六十八万八千百七十五ドルになるわけでございます。  ガリオア物資払い下げ物資報奨物資をトータルいたしまして、十七億四千六百十六万六千五百六ドル、これを純援助額考えたわけでございます。
  23. 横路節雄

    横路分科員 さらにお尋ねをしますが、米軍の示された決算ベース資料によると、米軍払い下げ物資は七千三百十万六千三百六十ドル、日本側通産省の計算したのは四千三百八十二万三千九百二十二ドル、約三千万ドルも違うわけですね。これは一体どこに違いがあったわけですか。向こう側と突き合わせた結果、どこでこういうように三千万ドルも違ったのですか。三千万ドルというと約百億円を突破するわけですね。これはどこに違いがあったのです。  それから、重ねて一度にお答えいただきますが、余剰報奨物資についても四千五十九万二千二十七ドル、それが三千四百三十四万五千九百四十四ドルというと、これまた金額としては約六百万ドル程度が違ってくる。払い下げ物資余剰報奨物資についてそんなに違いがあるということは、ちょっと理解ができませんので、突き合わせた結果どういう違いが出てきたのか、その点一つお聞かせいただきたい。
  24. 伊藤三郎

    伊藤説明員 通産省としましては、軍払い下げ物資あるいは余剰報奨物資につきまして、通産省で提出した貨物受領証にあります数量を集計したわけでございます。米側の方と一件々々の数字は突き合わせておりませんので、通産省で持っております資料が不足しておったというようなこともあるいはあろうかと思います。通産省としては一応払い下げ物資なり報奨物資として受け取ったものは少なくともこれだけはあるという意味資料を出したわけでございまして、どういう点に米軍側との差があるか、米側としましては、そういう払い下げ物資なり余剰報奨物資なりに支出した支出ベース金額を出したものと思います。こまかい突き合わせというものはいたしておりません。
  25. 横路節雄

    横路分科員 なるほどそれでその十九億五千四百万ドルと十七億一千六百万ドルの違いが少しずつわかってきた。  そこでもう一つあなたに続いてお尋ねしますが、ガリオアの十八億四千三十八万三千三百三十一ドル、そうすると、これは今のお答えによりますと、こちらの方の金額の約十七億ドルとは——やはり今のあなたのお話ですと、これも通産省側で受領したものを別にアメリカ側のものと一件々々照合したわけではないわけですか、その点お知らせいただきたい。  それからもう一つ米側が出しましたガリオアの十八億四千三十八万三千三百三十一ドル、これは二十四年三月以前はどうとか二十四年四月以降はどうとか、あるいはガリオア・エロアですから、ガリオアはどうなってエロアはどうなっているのか、そういう点についてこまかな数字アメリカ側から示されているのか、その点お尋ねします。
  26. 伊藤三郎

    伊藤説明員 米側の十八億四千万余ドルと通産省で集計いたしました数字との差は、個々の突き合わせばいたしておりません。通産省といたしましては、ガリオア物資につきましても援助物資考えられるものについて貨物受領証数字を集計したものでございます。  それからなお米側数字内訳でございますが、先ほど外務省安藤局長からお話がありましたように、詳細のデータは今のところ米側と協議中のようでございますが、私ども承知しておる範囲で、まあ支障のないであろうというところを申しますと、米側としましては米国会計年度数字を出しております。従って、二十四年の三月以前、以後という区別はいたしておりません。
  27. 横路節雄

    横路分科員 それでは大へん恐縮ですが、二十四年三月以前とか四月以降とかというようには一区別してなければ、暦年でいいですよ、それはどうなっているのですか。そういう資料はお手元にないですか。
  28. 伊藤三郎

    伊藤説明員 米側資料米国会計年度でございまして、暦年数字はございません。
  29. 横路節雄

    横路分科員 伊藤さん、しかし今のあなた方の説明では、きょうはあまり議論しませんが、あなたおかしいと思いませんか。アメリカ側と突き合わせをしない、おれの方は十九億五千万ドルやったぞ、いやおれの方は十七億九千万ドルだ、そうかどっちでもいいわ、返す方だけきめておこうか、こういうことなんですね。あなたの方では一件々々については米側一つ一つ照合したのではないわけですね。その点だけは明らかになったわけです。  念のために聞いておきますが、一般のいわゆる商業輸入、これについて大へん恐縮ですが、二十年——年度でもいいです、二十年以降の年度について、一般商業物資についてどれだけあるのか、当然あなたの方で御調査なさったと思うので、ここで御答弁いただきたい。
  30. 伊藤三郎

    伊藤説明員 当時の輸出入は御承知のように連合軍司令部管理下にございまして、援助物資商業物資という区別がされておらなかったわけでございます。今回私ども調査いたしましたのは、そういう物資のうちから援助物資考えられるものを抜き出したわけでございます。従ってその残りが商業物資ということに観念的にはなかろうかと思いますが、実は作業をやっておりまして、援助物資であるのか商業物資であるのか、どちらかはっきりしないというようなものもございます。そういうのはもちろん援助物資には入れておりません。そういう意味からいきまして、われわれの作業の段階からは商業物資幾らであるかという数字は出しておりません。今まで使っておりますのは、その点では当時の司令部経済科学局で出しておりましたジェス統計数字しかないのであります。
  31. 横路節雄

    横路分科員 安藤局長にこの問題についてお尋ねをいたしますが、私が最初にあなたに要求したガリオア米側資料について、今アメリカ大使館では、ワシントンと折衝して、承認を得た上で出すというのですが、その出してもらうものは、小麦については、昭和二十年の九月から十二月までが幾ら、数量は幾ら、総額は幾ら、大麦についてはどう、砂糖についてはどう、こういうことですよ。いいですか、聞いて下さいよ。決算年度におけるところの総体のものではないのですからね。これは去年私がここでやかましく時間をかけて言った点です。昭和二十年九月から十二月、二十一年、二十二年、二十三年、二十四年一月から三月まで、これは米、小麦、大麦その他一切の援助物資について出してもらうわけですから、その点ははっきりしておきますよ。今のように、昭和二十年総体で幾らではないのですから、その点だけはもう一ぺん言っておきますが、それで折衝していただくように、私は予算委員長を通じて出してあるわけです。出してもらいたいというのはその趣旨ですから、その点について御答弁いただきたい。
  32. 安藤吉光

    安藤政府委員 先ほども申し上げましたように、米側に交渉中でございます。御希望に沿うようにできるだけ努力したいと思いますが、さっき伊藤企業局次長から申し上げましたように、会計印度が違うので、その点をお含みおき願いたいと思います。
  33. 横路節雄

    横路分科員 会計年度が違う点はございますが、しかし、会計年度は違っても、昭和二十四年の四月一日に総司令部が覚書を出した。今までのやり方ではだめだ、米国の対日援助見返資金特別会計積み立てるのですよと、こういう覚書が出て、やったわけです。従って、どんなに会計年度が違っても、この点は、米側としても、みずから総司令部の名前によって覚書を出したわけですよ。いいですか、昭和二十四年四月一日に覚書を出して、それで対日援助見返資金特別会計が設立されるようになったのですから、会計年度とはいえ、二十年の九月から十二月、二十一年、二十二年、二十三年、二十四年は一月から三月三十一日まで、これは当然出てくるはずだから、それはアメリカ大使館を通じてやってもらいたい。もしもこれが出てこなければ、この昭和三十七年度予算並びに特別会計予算は、そこで審議をストップしますからね。局長、そっち向かないで聞いておいてもらいたい。いいですか、審議をストップしますから。その点は去年以来の一年間にわたる懸案ですから……
  34. 安藤吉光

    安藤政府委員 ただいま申しましたように、私も実は宙に具体的な内容は覚えておりません。ただ、これは私の一応の感じというか、記憶でありますが、向こう決算ベースでございまして、年度別の決算でやっておりますので、あるいはそういった四月何日といったような日を区切りとしたのではないかもしれませんことを御了承願います。これは向こうに対しては最大のものを出し得るように頼んでおります。しかし、向こうとしては、こちらがいわゆるかわり代金、売却代金を積み立てるというものに見合ったところの同じ日付からのものが出るかどうか、はっきり申し上げられません。
  35. 横路節雄

    横路分科員 しかし、これはアメリカ側の出された今までの資料を見ると、二十四年三月までは幾らと、こうなっていますよ。二十年の九月から十二月、二十一年、二十二年、二十三年、二十四年三月までは幾らと、今まで国会に出した資料はなっているのだから、それに基づいて出してもらいたい。
  36. 安藤吉光

    安藤政府委員 くどいようでございますが、ただいまの仰せのことはジェス統計のことだと思います。われわれが交渉でいろいろ話しましたのは、向こうの最終的な決算ベース資料でございます。その点、先ほど申しましたような年度別の違いはあるかと思います。
  37. 横路節雄

    横路分科員 次に、これは外務省で出すべきものか、通産省で出すべきものか——私が予算委員長を通じて要求してあるのは、当時の国際価格は幾らであったか。——去年も通産省に聞いているのですよ。伊藤さん、去年も、私は、当時の国際価格はどうであったか、小麦、米、あらゆるものについて一つ一つ出してもらいたいと言ったら、それは時間がかかりますから待ってくれ、こういうことになっておる。一年間待っているのです。去年の三月四日ですから、もう一年になる。だから、これも土曜までに、当時の国際価格について出してもらいたい。一年かかっているんですよ。これはどうですか。
  38. 伊藤三郎

    伊藤説明員 当時の国際価格につきまして私ども参考といたしましたのは、IMFの統計と、コモディティ・リサーチ・ビューローで発行しておるコモディティ・イヤー・ブックでございます。その他若干資料を当たりましたが、主として使いましたのはその二つでございます。膨大なものでございますので、そのうちから関係部分を抜く作業をいたしまして、IMFの統計の方はきようできることになっております。コモディティ・イヤー・ブックの方は一両日中に印刷ができますから、でき次第お届けいたします。
  39. 横路節雄

    横路分科員 それでは、アメリカ側から出された資料に基づいて私も十分検討した上で、次の機会に尋ねたいと思います。  次に、今度は通産省側ではなくて、外務省側にお尋ねをしたいのですが、そうしますと、援助物資の純受領額は、政府側としては、十七億四千六百十六万六千五百ドル、こういうふうになったわけです。これは私は政府の出された資料に基づいて読んでいるんですが、そこで、それから控除する項目としては何であるかというと、次に、米側諸計画への見返資金支出分というので、内訳があります。これは前に伊藤次長にお尋ねしたところ、これから以降のことについては外務省の担当だから、私の方では一切触れていません、こういうことでございますから、これから外務省側で、この一つ一つについて詳細にお答えをいただきたいと思います。  そこで、内訳、連合軍人住宅建設費、特定教育計画費、学童給食費、韓国、琉球向建設資材費、船舶運営会人員物資輸送費、この内容について一々お答えをいただきたいと思います。
  40. 安藤吉光

    安藤政府委員 お手元資料はすでにお配りしてございますので、総括的な御説明は省略さしていただきます。一つ一つについての説明をしろという御要求でございますので、順次いたして参ります。  最初見返り資金からの支出分でございます。これは援助物資の国内売却代金——これは、先ほどもお触れになりました昭和二十四年度以降は、総司令部の指令によりまして、米国対日援助見返資金特別会計というものに積み立てられまして、日本の経済再建、貿易の振興等の目的に使用されることになりました。しかし、総司令部の指令によりまして、連合軍人住宅建設費、特定教育計画費、学童給食費等を、見返り資金本来の目的に沿わない支出でありましたけれども、これを出すようにという指令がございまして、支出してございます。
  41. 横路節雄

    横路分科員 一つ一つ言ってくれませんか。書いてあるから、わかるのですよ。連合軍人住宅建設費というのは、どこにどういうように建てたか、特定教育計画費というのは、何をどういうようにやったか、学童給食費というのは——先ほど伊藤次長から話があったように、あるいはミルクとか小麦とか、あるいは家畜もあった、たばこもあったというならば、そういうふうにしてもらいたい。書いてあることを同じように読まれては、こちらとしても迷惑ですから、内容について一つ答えていただきたい。
  42. 安藤吉光

    安藤政府委員 十分意を尽くした御説明になるかどうか疑問にも思いますけれども、資料がございますので御説明いたします。足らないところは関係各省から補足あるいは訂正させていただく場合があるかもしれませんから、御了承を願います。  先ほど申し述べましたように、見返り資金から出しましたものはいろいろございます。数字はお手元に配ってある通りでございますので、省略いたします。まず、連合国軍人等住宅公社に貸し付けております。これは二十五年一月二十七日付の覚書によりまして、政府は公社を設置して、米軍の軍人及びその家族等に有料で貸与する宿舎として、全国の主要な基地周辺に二千三戸の家屋を建築することとなりまして、その建築資金見返り資金から公社へ貸し付けられることになりました。その貸付は昭和二十五年度限りでございまして、その金額はそこに書いてある通りでございます。  それから特定教育計画費でありますが、特定教育計画事業は、連合軍総司令部の民間情報局の指導監督のもとに、都道府県と地方公共団体が実施したものでございまして、その内容は、CIE図書館の運営、教育等でございます。これに要する経費といたしまして、昭和二十五、二十六両年度に、見返り資金からお手元資料にございます金額を支出しております。  学童給食費でありますが、米国日本に供与いたしました学童給食用食糧は、昭和二十四年度まではいわゆる贈与としてガリオア資金から供与せられてきたのでありますが、二十五年度以降は一応商業物資として輸入されましたので、その代金の支払いに要するドル貨の買い入れ資金見返り資金から支出されることになりました。昭和二十五、二十六両年度に十八億五千万円の支出が予定されまして、実際には十七億七千四百十五万円、四百九十二万八千百九十七ドルに相当しますが、それが学童給食用ミルク代として支出されました。  なお、私の方は交渉はいたしましたけれども、具体的実施は他の関係官庁でありますから、ちょっと相談させていただきます。
  43. 上林英男

    ○上林政府委員 お答え申し上げます。  まず、韓国琉球向け建設資材費でございますが、これは昭和二十一、二年の両年にまたがりまして、連合国最高司令官がわが国に対しまして、韓国及び琉球に駐留する連合国軍の住宅、兵舎等の建設資材を調達して積み出すように指令して参りましたのに基づきまして、これを政府が国内で調達するに要しました費用であります。それは昭和二十一年度におきまして、こまかく申しますと、四千六十万五千五百八十一ドル、円にいたしますと六億九百八万三千七百二十四円、それから二十二年度におきましては、同じく円にいたしますと七億五千九百十九万八千七十一円、ドルにいたしますと千五百十八万三千九百六十一ドルでございます。合計、十三億六千八百二十八万一千七百九十五円、ちょっと円以下の端数がございます。  それからドルにいたしますと五千五百七十八万九千五百四十三ドル、そういうものでございます。それから船舶運営会によりまする米軍の人員、物資等の輸送費でございますが、これは終戦後一切の日本船舶を管理して輸送業務を行なっておりました船舶運営会が、連合国最高司令官の指令に基づきまして、その管理下にありました船をもちまして、米軍に属しまする積荷なり人員を各地に輸送いたしたわけでございますけれども、その費用が終戦処理費から支出されておりまして、その方の金額でございます。金額は、ドルにいたしますと二千五百五十六万九千余ドルでございます。
  44. 横路節雄

    横路分科員 これは何か援助物資の代金積み立てた金なんですか。どの金なんですか。この韓国、琉球向建設資材費、船舶運営会人員物資輸送費——アメリカから援助されているもの、これとこれは引くんですよといって、今引いてきているわけです。その引いてくる基本的な原則は、アメリカの援助物資の代金を積み立て見返り資金あるいは前の金、そういうものから当然控除すべきものは控除するんですといって引いてきている。これはそういう金なんですか。これは大蔵大臣か、外務大臣がいないから、アメリカ局長でもいいが、これは事務的ではないんだから、一法規課長の答弁ではいけない。これは何の金です。これはどうしてここで引いているのですか。
  45. 水田三喜男

    水田国務大臣 今の問題は、見返り資金積み立てから出したものではございません。これは終戦処理費として一般会計から支出している金でございます。
  46. 横路節雄

    横路分科員 あなたはその程度にしておきますかな。しかし、これは問題ですよ。一体これは日本に対する援助物資の総額は幾らかという計算をしているのでしょう。何でこれが入っているのです。何で終戦処理費が援助物資の総額に入っているのです。これを差し引いて三三・一七%をかけたじゃないですか。何でこれは援助物資なんです。
  47. 水田三喜男

    水田国務大臣 援助物資には入っていない。日本の全額から何を引くかという、引いてもらうときに、この問題は、本来なら平和条約で放棄してある費用でございますが、しかし、実質的にはこの金は日本のためにはなっていない、日本のために使った処理費ではないから、この際こういうものは引いてほしいという要望を出して交渉したわけでございまして、援助物資に入っているわけじゃない。この債務を確定するにあたって、特にこのものは考慮してもらいたいというわれわれの要望で、計算の方で引かせたということでございます。
  48. 横路節雄

    横路分科員 水田さん、あなたはそういうことを言っていかぬですね。終戦処理費はすでに平和条約できまっていると言うが、この前、去年の国会のここの予算委員会分科会で、大蔵省は何と説明している。昭和二十五年、昭和二十六年、まだ占領当時に、終戦処理費については、明らかに米軍との間の協定で、いわゆる朝鮮事変その他に使ってはならぬ、それを使ったからこれだけ返すといって返してきたのではありませんか。だから、この終戦処理費については、当然当時返していなければならないのですよ。返していなければならないものを、このときにまけてやる、援助物資の代金から引いてやる、そんなばかな交渉がありますか。しかし、きょうはあなたとこれ以上ここで時間をかけて議論をしようとは思いません。  次に、それを差っ引いて十六億三千七百二十一万五千三百十九ドル、それに西独並みの三三・一七%をかけた。アメリカ局長、去年私がここで何べんも聞いたときに、三三・一七%をかけるなんということは絶対しないと言ったじゃないですか。私が去年、昭和二十九年の外務省の積算の数字をここで出して、三三・一七%をかけているじゃないかと言ったら、外務省の諸君は、そんなものはかけないと言ったが、ここでかけている。けれども、この問題については、あとでゆっくり小坂さんと議論します。きょうはあなたは外務委員会から呼ばれているそうですから、日韓の清算勘定残高四千七百十二万ドル、日本、琉球清算勘定残高百六十二万九千三百三十八ドル、この内容について一つお話しをいただきたい。
  49. 伊藤三郎

    伊藤説明員 日本と韓国の清算勘定残高は、終戦直後から二十四年の十月ごろまで日本と韓国との間で行なわれました商業輸出入の差引、日本の出超分でございます。それから琉球につきましては、二十三年の十一月ごろまでに行なわれました商業上の輸出入の差額で、日本の出超分でございます。
  50. 横路節雄

    横路分科員 それじゃ、その日韓清算勘定残高の内容について、当時非常に問題になったのだから、もしもきょうここで具体的な数字を一々並べることができなければ、恐縮ですが、あすかあさってまでに、石炭は何ぼ、何が何ぼ、ノリはどうした、何がどうしたというものがありましょう、当時国会で大問題になったのだから。その日韓の清算勘定残高について、数量と品目、金額日本、琉球清算勘定残高についても同様に出してもらいたい。ここで説明を承ってもいい。できればしてもらっていいし、まだ資料が整っていなければ、あすかあさってまでにここに出してもらいたい。
  51. 伊藤三郎

    伊藤説明員 日韓の清算勘定の方でございますが、輸出が合計七千二百四十六万七千六百七十九ドル、輸入が九百八十三万一千六百十九ドル——ドル以下は切り捨てて申し上げます。差引六千二百六十三万六千五十九ドルが出超になるわけでありますが、そのうち現金決済されましたものが千五百五十八万三十二ドルございますので、差引四千七百五万六千二十七ドルが貿易のオープン勘定の残高になるわけでございます。そのほかに、そこに出してありますのは、韓国関係の船舶の港湾経費がございまして、この韓国分が六万九千二百五十ドルでございます。それを足しましたのが四千七百十二万、先ほど数字でございます。  それから琉球は、輸出が百八十二万百七ドル、輸入が二十二万五千八百三十六ドルで、差引が百六十万四千二百七十一ドル、港湾経費が二万五千六十七ドル、それをトータルいたしますと、百六十二万九千三百三十八ドルということになります。
  52. 横路節雄

    横路分科員 恐縮ですが、あとの、輸出についてはどう、輸入についてはどうという、物資についての品目と数量と金額を出してもらいたい。これはここで御答弁いただいても時間がかかりますから、一つ印刷して出してもらいたい。別に秘密書類じゃないのだから、出していただけますね。
  53. 伊藤三郎

    伊藤説明員 手元にあります資料は、金額で全部出しております。その方の資料を提出します。
  54. 横路節雄

    横路分科員 それはもちろん品目と金額ですね。
  55. 伊藤三郎

    伊藤説明員 主要品目、金額でございます。
  56. 横路節雄

    横路分科員 では、今お話がございましたように、品目、金額については、ここで一々御説明ただいても時間がかかりますから、出していただくことになりましたので、援助額についての質問はこの程度にしまして、次に、産投特別会計の問題についてお尋ねをしたいと思います。  昭和三十七年度特別会計予算の中に、米国の対日援助債務の処理に必要な経費七十九億五百二十八万五千円、こうなっておりまして、そこで大へん恐縮ですが、一つ大蔵省の方から御答弁いただきたいのは、第一年目には幾ら払って、第二年目には幾ら払ってと、十五年間で払うというのだから、それを全部ここで具体的に数字を並べてもらいたいのです。
  57. 宮川新一郎

    ○宮川政府委員 お答え申し上げます。  三十七年度は七十九億五百万円、三十八年度は百五十八億一千万円、以降三十九年度から四十八年度までが百五十八億一千万円でございまして、四十九年度が百十億三千八百万円、五十年度は六十二億六千五百万円、五十一年度も同様六十二億六千五百万円、五十二年度が三十一億三千三百万円、いたしまして二千八十五億二千二百万円であります。
  58. 横路節雄

    横路分科員 次にお尋ねしたいのは、この返済は何をもって充てるのですか。きのう井手委員が聞いておるようですけれども、分科会が違いましたので、私直接聞いておりませんので、この返還は何の金をもって充てるのか、その計画についてお聞かせをいただきたい。
  59. 宮川新一郎

    ○宮川政府委員 総額二千八十五億二千二百万円の債務に対しまして、会計中の運用収入であります開銀納付金千七百五十七億円、貸付金の回収金が三百五十四億円、貸付金の利子収入が九十一億円、これを財源といたしまして返済する計画になっております。
  60. 横路節雄

    横路分科員 それでは、貸付金の三百五十四億円、これは開銀の金ですね。
  61. 宮川新一郎

    ○宮川政府委員 開銀に対する貸付金でございます。
  62. 横路節雄

    横路分科員 そうすると、開銀の貸付は三百五十四億円、利子は九十一億円で、四百四十五億になるわけだが、これは年間どれだけずつ返ってくるわけですか。この開銀についての貸付金三百五十四億は、これから何年で回収になるのですか。
  63. 宮川新一郎

    ○宮川政府委員 開銀の納付金は、返済いたします最終年度の前の五十一年度までこれをもって充てる計画にいたしております。貸付金の回収は、三十七年度に始まり、四十八年度までで終わることになっております。貸付金の利息も、同じく四十八年度までの収入をもって充てる、こういう計算になっております。
  64. 横路節雄

    横路分科員 開銀の貸付金の回収は四十八年度で終わるわけですね。そうすると、四十八年度以降は、開銀の納付金からくる収入、利子でいくわけですね。この点はどうなんですか。
  65. 宮川新一郎

    ○宮川政府委員 ただいま御説明いたしましたように、貸付金の回収は四十八年度でもって終わるのでございますが、その後はもっぱら開銀の納付金をもって返済財源に充てるというような計算にいたしております。
  66. 横路節雄

    横路分科員 これは出資金が返ってくるのですか。その利子でいくのですか。それはどっちなんですか。
  67. 宮川新一郎

    ○宮川政府委員 利子ではございませんで、先ほど説明いたしましたように、開銀に対する出資金がございます。開銀はその出資金によってこれを貸し付けて運用いたすわけであります。これから利息収入等が入って参ります。開銀の経費を差し引きまして納付金を国に納める。その納付金を産投会計に納め、これを財源に充てる、こういうわけであります。
  68. 横路節雄

    横路分科員 そうすると、開銀は納付金を産投へ納めてくる。その開銀の原資はだんだん少なくなってきますね。どうなんですか、出資したものが返ってくるのじゃないですか。
  69. 宮川新一郎

    ○宮川政府委員 出資でございますので、出資金はそのまま手つかずに残りまして、出資に伴う配当として納付金が入ってくるわけであります。
  70. 横路節雄

    横路分科員 利子配当ですね。
  71. 宮川新一郎

    ○宮川政府委員 利子ではございません。出資に伴う配当でございます。
  72. 横路節雄

    横路分科員 そうすると、今年度は出資金に伴う配当は幾ら入ってくるのですか。これは一つ年次別に話してもらいたい。
  73. 宮川新一郎

    ○宮川政府委員 三十七年度は、開銀納付金は、御承知と思いますが、八割が当該年度で概算払いといたしまして、二割を次年度で精算払いをいたすことになっております。三十七年度は九十一億二千四百万円が入る予定であります。三十八年度は少しふえます。これは貸付がふえますので、多少納付金もふえる、こういう計算をいたしておりまして、私どもの見積もりでは、九十一億五千九百万円、三十九年度が九十一億九千四百万円、大体そういうテンポで参りまして、総計千四百五億四千三百万円が開銀納付金として入って参ります。これは先ほど申し上げましたように、当該年度の概算払いでございまして、そのほかに次年度に二割の精算分が入るので、その金額が三百五十一億五千六百万ございますので、これを合わせたものが開銀の納付金になるわけでございます。
  74. 横路節雄

    横路分科員 今のお話数字のことは御説明を承ったわけですが、四十八年度でこの貸付金の回収は利子とも全部終わるわけですね。四十九年度には全く今の出資金の配当で返していかなければならぬわけですね。そうすると、九十一億と言っておるが、実際には百十億返さなければならぬでしょう。足りなくなるのじゃないですか。
  75. 宮川新一郎

    ○宮川政府委員 御指摘の点ごもっともでございますが、四十九年度以降は、先ほど説明申し上げましたように、三十八年度以降の百五十八億一千万円に対して、百十億三千八百万円と減り、かつ五十年度以降は六十二億とか三十一億とかいうふうに返済金額が減って参りますので、貸付金の回収を当てにいたさなくても、納付金を主として返済に充てる、こういう計画になるわけでございます。
  76. 横路節雄

    横路分科員 見返資金特別会計が廃止になったときの資産、それを産投に引き継いだわけですね、その見返資金特別会計が廃止になったときの資産というのはどれだけですか。
  77. 宮川新一郎

    ○宮川政府委員 産業投資特別会計が設立されました二十八年八月一日現在におきまする産投の総資産は、三千四百八十一億でございます。一〇横路分科員 いや、私が聞いているのは、見返資金特別会計が廃止になったときの資産はどうなのですか、こう聞いているんですよ。
  78. 宮川新一郎

    ○宮川政府委員 その当時、見返り資金特別会計が廃止になりまして産投特別会計に引き継がれたわけでありますが、設立時の産投会計の資産の総額を今申し上げたわけであります。そのときの見返り資金の承継分が二千二百九十四億でございます。
  79. 横路節雄

    横路分科員 もう一ぺんちゃんと言って下さい。対日援助に伴う繰入額は幾らですか。
  80. 宮川新一郎

    ○宮川政府委員 産投会計の見返り資金関係の資産は二千二百九十四億、その当時、産投会計が設立されましたときの総資産は、三千四百八十一億ありました。その差額に当たります千百八十七億が一般会計からの承継分でございます。ところが、この一般会計承継分の千百八十七億円のうち六百二十五億円に相当する金額は、昨日も井手先生の御質問にお答えいたしましたように、復金債を償還いたしまするために、復興金融金庫に対しまして一般会計から交付公債をもって出資いたしました。その交付債を見返り資金が現金でもって償還いたしました。その後、開銀に対する出資金一般会計に入っておったわけでありますが、実質上は、現金でもって見返り資金がこれを償却いたしましたので、見返り関係資産として考えていいのではないか、従いまして、二千二百九十四億に六百二十五億を加えました金額が、産投会計設立時における見返り関係資産、こういうように見ておるわけであります。
  81. 横路節雄

    横路分科員 今あなたの方でお話しになった二千二百九十四億の数字についてまず聞きたいのですが、これは全部日本に対する援助物資の売払い代金なんですね。これは間違いございませんか。
  82. 宮川新一郎

    ○宮川政府委員 見返り資金ができましてから廃止になるまでの間の歳入合計は四千八億ございます。このほか、現金収入を伴わない経過利息等の収入が六十五億円ございまして、合計四千七十三億に相なるわけでございます。このうち、運用資金の回収でありますとか、あるいは国債売却による再運用収入が七百三十億円含まれておりますので、これを差し引きますと、三千三百四十三億円に相なるわけでございます。これは見返り資金当時の援助物資の売却に見合う繰入額三千六十五億円とその運用利益二百七十五億円によるものでございます。この三千三百四十三億円のうち、債務償還、公共事業費、国鉄特別会計、通信事業特別会計、または、先ほど質問がありました学校給食、CIE図書館等に千四十九億円というものが使用されておりますので、これを除いた資産が二千二百九十四億になるわけでございます。それに、先ほど説明いたしました六百二十五億円を加えたものが、実質的な見返資金特別会計を産投会計へ承継したときの見返り関係資産二千九百十九億、こう見ているわけであります。
  83. 横路節雄

    横路分科員 理財局長お尋ねしますが、三千六十五億というのは、援助物資売払いの代金に間違いございませんか。念を押しておきますよ。
  84. 宮川新一郎

    ○宮川政府委員 間違いございません。
  85. 横路節雄

    横路分科員 理財局長、それは間違っているのじゃございませんか。重ねてもう一ぺん聞きますけれども、理財局長、間違ってませんか。自信がありますか。
  86. 宮川新一郎

    ○宮川政府委員 用語が適切でなかったと思いますが、三千六十五億と申しますのは、見返資金特別会計ができましてから、援助物資等の処理をいたしておりました貿易特別会計と、米国対日援助物資処理特別会計から受け入れた金額が三千六十五億でございます。これは二十四年度から二十七年度にわたっております。
  87. 横路節雄

    横路分科員 宮川さん、私はそのことを聞いたのですよ。私が念を押して、援助物資の支払い代金ですかと聞いたら、あなたはそうだと言った。それを今あなたは言葉をあらためて、言葉が足らないところがあった、貿易特別会計米国対日援助物資処理特別会計から受け入れたものだ——それは全部支払い代金ですか。
  88. 宮川新一郎

    ○宮川政府委員 貿特会計並びに米国対日援助物資処理特別会計から見返り資金に受け入れましたのが、援助物資の代金に見合うものと考えておるのであります。
  89. 横路節雄

    横路分科員 大蔵大臣、今お聞きのような理財局長の答弁でいいですか。私はきょうはこれでやめておきますけれども、今理財局長最後の答弁は、これは援助物資の売り渡し代金だ、こういうのだから、私はこれでやめておきますが、これは重大ですよ。  主査、これできようは私の質問を終わります。
  90. 宮川新一郎

    ○宮川政府委員 また言葉が足りないので申し上げますが、援助物資の処分代金だけではございませんで、その当時の一般会計からの繰り入れもございますし、通産省から御説明いたしましたように、価格差補給的な機能をいたしております。この特別会計を通じまして見返資金特別会計に入ってきておるわけでございます。
  91. 横路節雄

    横路分科員 そうすると、今のをもう一ぺん確認しておきますよ。あなたは、貿易特別会計並びに対日援助物資処理特別会計、その中には売払い代金のほかに一般会計から繰り入れられたものもあるが、見返り資金にやったものは援助物資の支払い代金の積み立てたものですね。間違いございませんね。私はこれでやめます。あなたが重ねてそういう答弁をしたのですから、これでやめます。あとにします。
  92. 西村直己

    西村主査 楯兼次郎君。
  93. 楯兼次郎

    ○楯分科員 中小企業金融公庫のことについてお伺いをいたしたいと思います。  私ども地方へ出て参ったときによくうわさを聞くわけでありますが、ざっくばらんに結論から申し上げますと、商工中金あるいは国民金融公庫と比べて、口が悪いようでありますが、中小企業金融公庫の貸し出しについては非常に評判が悪い。これから以下二、三質問をいたしますが、私が結論を言いたいのは、現状のままでは中小企業金融公庫制定の趣旨に反するのではないか、こういうことを申し上げて、一つ改善なり、やり方を改めていただきたいと思うわけです。これはもう商工委員会その他で再三再四繰り返されておることでありますが、第一に、融資を受けようといたしましても、先ほど申し上げました他の公庫と比べて非常に手続がめんどうである、こういうことが一般に言われておりますが、中小企業金融公庫は、他の公庫に比べて、金額の大きいという面もありますが、貸し出しについての調査、条件その他、なぜあのようにむずかしくめんどうなことを言うのか、もっと事務が簡単にならないのか、こういう点をまず第一にお伺いしたい。
  94. 森永貞一郎

    ○森永説明員 中小企業金融公庫の貸し出しの手続でございますが、よく、どうも期間が長くかかり過ぎるというおしかりを受けまして、私どもも非常に恐縮をいたしておるわけであります。ただいまお話もございましたが、金額が比較的かさむということもございましょうが、それより、やはり長期資金である関係で、しかもその償還につきましては、金繰りで償還するということではなくて、利益金の中から償還できるものを貸すという建前でいたしております関係上、普通の取引先のあるような金融機関で運転資金を貸すように、右から左というわけにも参らないわけでございまして、その間、その企業の実態につきまして審査をし、また企業診断もやらなければならぬというような面もございまして、若干の日数がかかるのはやむを得ないのでございますが、それにいたしましても、あまり長くかかりましては皆様にも御不便をおかけするわけでございますので、できるだけその期間を短縮したいということで、鋭意努力をいたしておるわけでございます。ただいま申し上げましたような融資の性格から申し上げまして、二ヵ月か三カ月くらいの日数はかかる、また、そのくらいのうちにはぜひ貸し出さなければならぬと思うのでありますが、それよりも長く時間がかかっておる例が御指摘の通り間々ございます。ただ、私参りましてから、人員の充実にも努力し、また職員の能率向上も鋭意はかりました結果、三十六年九月現在で、たしか直前の三、四十件について、実際の所要期間を前年度と比較してみましたところ、二、三割方の短縮にはなっておる、その程度の能率向上にはなっておるような結果が出ております。もちろん、これではまだ不十分でございますので、今後も十分能率の改善に努力すると同時に、人員の充実をはかっていかなければならないと思います。御承知のように、公庫創設八年間を経過いたしたわけでございますが、公庫で採用いたしました新卒の職員諸君もだんだん熟練いたして参りまして、これからは能率も上がる一方になるわけでございますが、それと同時に、毎年新しい卒業生の補充に努力いたしまして、人員の面、能率向上の面、その面で鋭意努力を重ねて参りたいと思います。また、書類その他の面の問題も、事案の性質によりまして、あるものはできるだけ簡単な調書で済ませられるようにというようなことで、しかも、今日では、その簡単な調書の方を、全体の中でよけい、七、八〇%はその簡単な調書で済ますようにというような指導をいたしておるわけでございます。このようないろいろな面で努力を重ねまして、御期待に沿うように努力をいたして参りたいと思っております。  ただ、もう一つ事情がございますのは、資金量の問題でございます。私どもの公庫の直接貸付は、三十六年度で大体二百五十億、そうしますと月間二十億でございますが、実は昨年末現在で百二、三十億の申し込みがあるわけでございます。その資金量の面から時間がかかる、早く出そうにも金がないという問題もありますことを、当面としては御了承いただきたいと思います。  以上は面接貸付について申し上げたのでございますが、代理貸付は、御承知のように、全国に七百くらいの代理店がございます。その店舗は五、六千あるわけでございますが、ここでは迅速簡便に中小企業の皆様方の資金需要に応ずるようにということで、今後も代理貸しを活用していかなければならぬと思っておりますが、そこで起こっております現象は、これまた資金量が不十分でございまして、大体三ヵ月くらいしないと自分の資金を払い出してもらえる番が来ない。当面、そういう非常に膨大な資金需要に直面いたしまして、資金量の面からもそういう制約があるような実情でございます。この点もあわせて御了承いただきたいと思います。  いずれにいたしましても、鋭意手続を簡素化し、能率を向上し、陣容の整備に努めまして、今後できるだけ期間の短縮をはかって参りたいと存じておる次第でございます。
  95. 楯兼次郎

    ○楯分科員 今非常に御丁寧な御答弁で、全部あなたがおっしゃってしまったわけですが、私の聞いておるのはそうではないわけです。資金量が足らなければ需要に応ずることができない、これはもちろんあると思います。それから、人が少ないから事務が停滞するという面もある。しかし、資金量の少ないのは、貸し出しをやろうと思ったところでできないわけです。そうじゃなくて、当然貸付を受ける対象に対しても、非常にその期間が長い。長いということは、事務が繁雑である。いろいろ人に聞いてみましても、まず、貸付を受ける業者でも、半年から、せいぜい早くて三カ月以上かかる。それでは、病人でいえば、もう注射の期間が過ぎてしまって、あと貸付を受けても、ないよりはましであるけれども、カンフル注射的な効用はないじゃないか、こういう声が非常に多いのです。だから、私が冒頭質問をいたしておりますのは、資金量が少ない、人が少ないから長くかかるとか、そういうことじゃないのです。そうじゃなくて、よし貸してやろう、こう公庫の係の方が思っても、実際現金が手に入るには非常にめんどうな手続と長期間かかる、これじゃせっかく融資を受けても間に合わぬではないか、こういう声がきわめて強い。これはもう毎回の国会で、わが党議員が繰り返し繰り返し質問をしておるところでありますが、一向に改まらないようであるから、何とかここで抜本的な改正を行なって、どうせ貸付を行なうなら、みんなに喜ばれるような制度なり取り扱い方に改めるべきではないか、こういうことを御質問申し上げておるわけです。どうですか。
  96. 森永貞一郎

    ○森永説明員 貸し出しいたします資金には、御承知のように、運転資金と長期資金とあるわけでございます。私どもの公庫で取り扱っております七、八割、三十六年度はもう少し割合が多かったのでございますが、九割くらいが長期の設備資金でございます。そうしてその償還につきましては、ほかから借りて返すという金繰り償還ではなくて、その設備を拡張して収益が上がって、利益が出て、その利益で返すという建前をとっておるわけであります。従いまして、普通の金融機関で運転資金を貸し出しますように、日常の取引関係をよく熟知しておりまして、半年たてばこういう金が入るからそれで返るというふうなものと違いまして、やはり事業の内容を相当検討しなければならぬわけでございます。その点で通常の運転資金とは性質を異にいたしまして、性質上、調査に時間がかかるという点があることはぜひ御了承いただきたいと思います。それにいたしましても、できるだけ期間を短縮いたしたい、三カ月以内ということを目標にいたしまして、今全職員を叱咤激励いたしておるわけでございますが、今日の実情では、間々三カ月をこえるものもありまして、御迷惑をおかけいたしておることは恐縮に存じますが、今後一そう職員の能率を改善し、陣容の整備をはかって、そしてまた、先ほど申し上げましたように、設備資金ではあっても、その中におのずから、審査のむずかしいのとやさしいのと、両方あるわけでございますから、やさしいようなものにつきましては、できるだけ簡単な調査で済むように、その方の割合をできるだけふやすようにというような工夫をいたしまして、逐次審査決定の期間を短縮して参った次第でございます。しかし、なお今日の実情でも非常に不十分でございますので、今後もそういう面について大いに努力をいたしたいというふうに考えておる次第でございます。
  97. 楯兼次郎

    ○楯分科員 事業の内容の調査に非常に慎重だから期間がかかる、あるいは金額が大きいから調査が必要だ、長期資金である、そういうのを勘定に入れても、他の公庫、他の金融機関より貸付開始期間が長過ぎる、こういう声が非常に強いということを私は強調しておるわけであります。総裁の力は、私の質問より先にあらゆる事情を述べて答弁をしておいでになりますが、これはあなたがそういう答弁をなさっても、ただいま私が申し上げましたように、あらゆる条件を考慮に入れてもなおかつ貸し出しに長期間かかる、こういう声は消えないと思うのです。だから、一つ抜本的な対策を立ててもらわない限りは、毎回の国会でこういう議論が蒸し返しになる、この点をよく頭に入れていただきたいと思います。  それから直貸しと代貸しの場合でありますが、国民公庫あるいは商工中金では大体五〇%、五〇%であると私は聞いております。ところが、中小公庫の場合は、直貸しが二〇%で、二対八くらいの割合ではないかと思うのですが、これが他の機関と同じように五、五くらいの比率にいかないものか、いかないとすれば、その盲点はどこにあるのか、こういうことを一つお聞きしたいと思います。
  98. 森永貞一郎

    ○森永説明員 直貸しと代理貸しは、現在代理貸しが七割三、四分で、残りが直貸しということになっております。御承知のように、設立当初はすべて代理貸しということでスタートいたしまして、直貸しの方が一、二年おくれたわけでございます。だんだんに直貸しをふやして参っておりまして、実は昨年も国会でその点の御決議までいただいたわけでございますが、私の方針といたしましても、だんだん直貸しのウエートをふやして参りたい。昨年も、五カ年同くらいの間に大体フィフティ、フィフティぐらいのところまで持って参りたいということをお答え申し上げたわけでございますが、三十六年度の実情は、そのとき描きましたスケジュール通り、大体直貸しの方がウェートとしては急速に増加しつつあるということが言えるかと思います。三十七年度といたしましては、直貸しを三割強、代理貸しの方を七割弱ということで考えておりまして、四十年度くらいには五〇、五〇くらいの割合まで確実に到達できるのではないかと存じております。  なお、先ほど重ねて貸し出し期間の問題につきまして御批判をいただいたわけでございますが、他の政府の金融機関でも、長期の設備資金につきましては、やはり相当慎重に審査をいたしておるようでございます。だからと申しまして、私どもこれでいいとは思っておりません。ますます努力するつもりでございますので、その点重ねて御了承をいただきたいと存じます。
  99. 楯兼次郎

    ○楯分科員 私はざっくばらんに言って、今のような状態ならば、もういっそ代理貸し一本でいった方が迷いがなくていいじゃないか、こうも思っているわけですが、あなたの方で、年とともに直貸しの割合をふやしていくという方針であるならば、そういうこともちょっと強弁だと思いますので、言いませんけれども、今の現状ではもう、二割を直貸しにするというようなことより、いっそ全部代理貸しにした方があっさりしていいじゃないか、こんなような気もしますが、それは私の現在の状態で感じた意見だけを申し上げておきたいと思います。  それから代理貸しの場合、これも毎回言われておるのでありますが、歩積み、両建を何とかして規制できないかと思うのですが、できませんか。
  100. 森永貞一郎

    ○森永説明員 公庫の代理店が、公庫資金の貸付に際しまして歩積み、両建を強制するということは、もちろん絶対に禁止しなければならぬことでございまして、契約上も明文をもってうたっておるわけでございますが、何しろ八万件からの代理貸しでございまして、代理店を一応信頼して、それで貸付を決定し、送金を依頼してくれば送金をするというような仕組みによらざるを得ないわけでございます。そうしますと、七百もあります代理店の中には、非常に不徳義な代理店もございまして、直接間接、巧妙な方法を用いまして、実質的に歩積み、両建を行なわしめておるという例が、私どもの監査の際にも見つかるわけでございまして、まことに残念なことでございます。これにつきましては事前の指導も十分いたしておるつもりでございますが、さらにその点を強化すると同時に、監査の際に、いやしくもそういう事案が見つかりました場合には、当該事案についてたちどころに処置すると同時に、極端なものに対しましては、代理店としての資金ワクの配分を停止する等の制裁措置も講じまして、代理店の善導に極力努力をしておる次第でございます。それには監査の陣容も一そう整備したいと存じますし、監査の結果の措置につきましても、今後一そう適正、万全を期していかなければならぬというふうに考えておるような次第でございます。
  101. 楯兼次郎

    ○楯分科員 これは直接関係者はいろいろのことを言われておりますが、実際行なわれておるわけです。だから一つ厳重な監督と指導をしていただきたい。  せっかく来ていただきましたのに短時間で申しわけないのですけれども、これで中小企業金融公庫に対する質問は終わりたいと思います。  次に、専売についてお伺いしたいと思います。三十七年度から現行の販売手数料を変更されるということを聞いておりますが、それは事実か、あるいはどういうふうに変更されるのか、お伺いしたいと思います。
  102. 大槻義公

    ○大槻説明員 私、先般副総裁に任命されました大槻でございます。まだふなれでございますが、よろしくお願いいたします。  ただいまの御質問は、たばこの販売手数料を来年度はどのように変更する考えであるかという御質問でございます。手数料問題につきましてはいろいろ経緯がございますが、来年度におきましては、さらに販売の促進を考えるという気持もございまして、月の売り上げが十二万円、年百四十四万円以下の売り上げ分につきましては、現在八分五厘の手数料を払っておりまするが、それを九分にいたしたい、このように考えております。なお、それ以上の売り上げ分につきましては、月の売り上げ百万円までの分については、現行通り八分、さらに、月の売り上げが百万円をこえる分につきましては、これはいろいろな実態の調査等からいたしまして、高額の売り上げにおける利益、経費等もよく考えまして、月百万円以上の売り上げ分についてはある程度の調整をしたい、このような考えでおるわけであります。
  103. 楯兼次郎

    ○楯分科員 月十二万円、年間百四十四万円以下の販売店については、手数料を五厘上げるわけですね。これに要する年間の費用の総額は幾らですか。
  104. 谷川宏

    ○谷川政府委員 お答え申し上げますが、年額十四億八千百万円でございます。
  105. 楯兼次郎

    ○楯分科員 十四億だといたしますと、三十七年度の手数料の総額は幾らになっておりますか。
  106. 谷川宏

    ○谷川政府委員 三十七年度の手数料の総額は、販売数量の増等もございまするので、予算の面におきまして、手数料が三百二十四億でございます。三十六年度予算は二百六十四億でございますので、六十億の増加となっております。
  107. 楯兼次郎

    ○楯分科員 そういたしますと、月百万円以上の大口販売については調整すると先ほどおっしゃいましたが、どういうふうに調整されるのですか。具体的な内容一つお伺いしたいと思います。
  108. 大槻義公

    ○大槻説明員 月百万円以上の売り上げ分につきましては、これを六分にしたい、このように考えております。
  109. 楯兼次郎

    ○楯分科員 現行は何分ですか。
  110. 大槻義公

    ○大槻説明員 八分でごいます。
  111. 楯兼次郎

    ○楯分科員 これはおかしいじゃないですか。なるほど年間百四十四万円以下の手数料について上げる、これは私はいいと思います。いいと思うのだが、上のやつを下げてそちらに調整するということでは、これは池田さんに怒られはしませんか。所得減額になるじゃないですか。これはちょっとおかしいと思うのですが、どうですか。
  112. 大槻義公

    ○大槻説明員 なるほど現行八分でございますから、下がるわけでございますが、たばこの小売の実態をいろいろ調査いたしてみますと、先ほど年額百四十四万円以下の売り上げについて九分にすると申しましたが、この部分が大体小売店の六割四分程度に当たっているわけであります。それらのいわば低位の小売店の経営の実態と、月百万円以上売り上げる店、年額にしますと千二百万円以上の売り上げの店の経営の実態とを比べてみますと、かなりその間に不均衡がある。つまり低位の方が経費が割にかかる。従って収入も比較的低い。これに対しましてそのような高額の店舗における経営の内容は八分の手数料では権衡がとれない、六分で適当であろうと、このような認識に立っております。
  113. 楯兼次郎

    ○楯分科員 今どきこれはおもしろい理論なんですが、下の方は非常に経費がかかるから上げる、これはいいと思うのです。ところが上のやつを、売り上げの多いのを下げてそちらを調整する、こんな議論は、私は今どきはやらぬと思うのです。大体既得権を侵害する。それから大口売り上げ販売所は、そのように設備をしたりあるいは売り子といいますか、人員を雇っておるわけなんです。そういうものを整理しなければやっていけぬという現象が、今後起きてくるんじゃないですか。
  114. 大槻義公

    ○大槻説明員 お話のように、高位の販売店におきましては、それなりの販売努力あるいは資本の投下、もとよりそういう点におきましては低位層よりも多くの人を擁し、あるいは大きな施設をしているという面は事実でありまして、いろいろな販売努力をされていることと承知しておりまするが、その実態を見てみますと、一般公共料金の他の例等を考えましても、いかにも下位と上位とのバランスがとれない、このように考えますので、そのような調整を加えたい、このように考えております。
  115. 楯兼次郎

    ○楯分科員 私の言っておるのは、それこそ言葉が足りなかったと思うのですが、今日まで専売局はそれだけの手数料が必要であるといって認めてきたのでしょう。ただ漫然とそれだけの手数料をやるということではないと思うのです。それ相当の理由と根拠と積算に基づいてそれだけの手数料を出しておったと思います。それをその販売額の少ないところをふやす、これなら話はわかるのです。ところが今まで認めてきて、しかも慣例としてその手数料の予算のワク内において操作をしておるのに、突如として必要がないから八分を六分に下げる。あなた方は今までそれだけの根拠があるということを認めてきたんですよ。それを他の支出が加わったから、こちらをへずってやるというような根拠、理論は、今あなたがここで簡単に答弁をされた内容ではわれわれは承知できないと思います。相当な根拠がなければいけないし、もしそうであったならば、これは何年間八分を認めてこられたか知りませんけれども、今までのやり方はでたらめであった、こういうことが言えるのではないですか。
  116. 大槻義公

    ○大槻説明員 多少技術的になりますが、私の説明を補足さしていただきますと、かりに月百二十万円を売る人を考えてみますと、そのうち十二万円部分までは九分、それから十二万円をこえて百万円になるまでは八分、それ以上の二十万円部について六分の率を適用する、こういうことになるわけであります。最近引き続いてたばこの需要も伸びておりまして、来年度におきましてもかなりの伸長を期待しておるわけでありますが、こういう情勢でありまして、なるほど百万円をこえる部分については率は下がりますが、全体の売り上げの伸長によってある程度カバーされるものだ、このように期待しておるわけであります。
  117. 楯兼次郎

    ○楯分科員 たばこの販売が大口については非常に伸びるとおっしゃいますが、伸びるためには要員も要るでしょうし、それから設備の拡張も要る。それ相当な費用が私は要ると思うのです。それを今まで八分の手数料を出しておいて、それがいかにも今日までやってきたのが誤りであるというあなた方の上部機関の考え方だけでこのような取り扱いをされるということは、どうしてもふに落ちない。これはわれわれ社会党の立場から言えば、必ずこれは人員の整理という問題が起きてくると思うのです。これは必ず起きてきますよ。そういうことを今までやっておったのだが、再検討したらそれだけやる必要がないから削減をして他に回す。上げた分だけほかの方から捻出して回したらいいじゃないですか。どうも納得できないのですが……。
  118. 大槻義公

    ○大槻説明員 確かに現実にはそのような問題があるかもしれませんが、一方私どもとしましては、具体的な、実施にあたりましては、たとえばそのような大きな店が、各所一つの店でそれだけの売り上げを持っているのでなくて、地域を分けて、場所を異にして幾つかの店でそのような総合売り上げの結果になっておるという店舗もだんだんあるようでありまして、これらの店舗については、その店の所在する地域の状況に応じて販売店の承認というようなことも考えて合理化していきたい。全体の考え方としては、基本的にはただいまお答え申しましたような考え方に立っております。
  119. 楯兼次郎

    ○楯分科員 そうすると専売局は、今までの手数料の算定は間違っておった、こうおっしゃるわけですね。
  120. 大槻義公

    ○大槻説明員 手数料の算定が間違っていたと申すわけではございません。さらに合理的に調整を加えた、このように御理解していただきたいと思います。
  121. 楯兼次郎

    ○楯分科員 時間の制限もあるのでこれはまた大蔵委員会等でやりたいと思います。  次に販売店の許可の基準についてお伺いをしたい。と言いますのは、ざっくばらんに申し上げますと、専売局のたばこ販売店の許可は、自民党支持の人たちでなければ許可しないのだ、こういうことを私は聞いておるのですが、基準を示して下さい。
  122. 大槻義公

    ○大槻説明員 たばこ小売店の指定の基準の問題でございますが、引き続いて小売店舗を開設したいという希望の多いのが現実でありますが、これを具体的に個々の指定をいたします場合には、取り扱いが恣意に流れてはいけないという配慮から一定の基準を設けまして、その基準によって具体的な問題をさばくという取り扱いをしております。従いましてその基準が、実はきめましてからかなり時がたっておりますので、最近のようないろいろな経済情勢の変化あるいは交通事情の変化に即応して、必ずしも適切ではないという観点から基準の改定を考えてはおりますが、現実の取り扱いぶりといたしましては、その基準によって処理される、このように考えております。従いまして御質問のようなことは万々ないと私申し上げます。
  123. 楯兼次郎

    ○楯分科員 この販売店の許可の機関はどこですか。
  124. 大槻義公

    ○大槻説明員 全国に公社の下部組織として一番末端には販売の出張所あるいは支局がございまして、その上の組織として地方局というのが全国に十七ございます。小売の申請の処理の順序といたしましては、もよりの出張所に申請の手続をされまして、それが調査を経まして地方局に申達される、地方局におきまして最終決定をいたす、こういう手続になっておるわけでございます。
  125. 楯兼次郎

    ○楯分科員 その場合に各出張所単位にたばこ小売商組合というのがあるようでございます。これは許可について参画をしますかどうか。
  126. 大槻義公

    ○大槻説明員 各出張所にはお話のように販売の小売店の組合がございます。しかし、指定につきましては出張所、地方局が独自の見解をもって処理いたしますので、組合が決定に参画しているということはございません。組合側からそのような希望の申し出のあったことは私承知しておりまするが、現実の処理は地方局が単独で行なっているということでございます。
  127. 楯兼次郎

    ○楯分科員 実情はそうではありませんね。実情は、出張所長、それからたばこ小売商組合長が合議のような形で新販売店の許可を局に申請する。申請すれば大体決定になると思いますが、そういう形でやっておる。特に私がこの問題を専売局にお伺いしておるのは、私の知っておる限りでは、むしろたばこ小売商組合の方に許可の実権がある、こういう現象が地方では起きておりますのでお伺いをしておるわけです。小売商組合と専売局の出張所なり支所なりとのつながりは必要以上に深い。ほとんどの支所、出張所はこのたばこ小売商組合長に引っぱり回されておる。もう百パーセント組合長の言うなりだ。これは私の知る範囲で非常に目に余るものがありますので、おそらく全国でもそのようであろう、こう思ってこの委員会質問しておるわけですが、実情はそうなんです。そうじゃないですか。
  128. 大槻義公

    ○大槻説明員 地方の小売店の方たちあるいは組合は、やはり小売店舗がふえるということについて強い関心を持っておるということは事実でございます。しかし一方やはり公社といたしましては、消費者の便利にこたえるという責任もございますので、一定の基準を設けて処理しておるわけでございますが、申請があれば出張所限りの処理にまかせなくて、先ほどお答え申しましたように、上部機関の地方局においてさらに調査をいたして、そのような公共的な立場からする要請に十分こたえることにいたしておるわけであります。さらに先ほどもお答えいたしましたが、基準についてもさらに改正いたしまして、最近の情勢にも即応するように、特に大都市でありまするが、地区によって店舗をふやしていきたい、このようにも考えております。
  129. 楯兼次郎

    ○楯分科員 法規上はそうなっておりますし、実情はどうであれ、あなたが答弁されるについてはそれ以上の答弁はできないと思うのです。ところが地方の実情はそんななまやさしいものではないのですよ。たとえば名古屋の私の知っておる地域を一ぺんあなた調査してごらんなさい。簡単に言いますが、まず各出張所の所在している町のうわさは、冒頭申し上げましたように、自民党支持でなければ販売店の許可はだめだ、こういうことがもう公然といわれておるのです。私の知っておる具体例を一つ申し上げますと、今の販売所長の前の所長さんは、その町の小売商組合長の営む会社に入っておる。それから一昨年の衆議院選挙のときには、某自民党候補の文書をばらまいて、選挙違反第一号で文書違反であげられておる。こういう実例を申し上げてもおわかりになるように、まことに目に余るものがある。だから私は、偶然に自民党支持の人の店を許可した、こういうことならばそんなばかげたことは言いませんが、意識的にそういうことをやっておる。これは目に余るものがある。従って総裁、副総裁に一言こうした問題を申し上げておかなければ、これは重大問題になってくる。しかも専売局に対する許可されない人たちの怨嗟の声が今に上がってくる、こう思うので申し上げておるわけであります。だから全国の調査を行なうと同時に、特に私が質問をしておるのでありますから、地方を一ぺん調査してごらんなさい。あなた方が国会で法規、規定を例にとってむずかしい基準の演説をなさっておるような実情ではない、こういうことがはっきりしますので、この点を強く申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。
  130. 西村直己

  131. 永井勝次郎

    ○永井分科員 これは国税庁だと思うのですけれども、輸入砂糖の超過利潤に対する課税の問題、それからそれを納付した場合における損金の問題、この二点を伺いたいと思うのです。昭和三十四年度、三十五年度の砂糖輸入が、原糖が非常に安くなった、標準糖価の基礎になっている価格よりうんと下がった、それから国内卸売価格は国際格価が下がっておるにもかかわらず、標準糖価よりも上がった。両方の関係で超価利潤が、われわれの試算で言えば、三十四年度は、三十五、六億、三十五年度は七十七、八億、両方合わせて百億以上の超過利潤がある、こう計算されるわけですが、政府の計算方法によっても、三十四年度においても十一億、三十五年度において三十三億、こういう差益金が出ておるのですけれども、これは両年度における課税の関係と純利益、こういうものとどういう関係になっておるか明らかにしていただきたい。
  132. 村山達雄

    ○村山政府委員 具体的の数字は国税庁でないとわかりませんので、もし御必要がございますれば国税庁の方に連絡して後刻取り寄せますが、今お話のいわゆる超過利潤の問題と税法上の所得の問題の関連について申し上げますと、税法では、現在、所得に対しましてその所得二百万以下の者に対しましては三三%、二百万円をこえる分については三八%の税率で課税しております。ただし、去年の改正によりまして、そのうち配当分に対しましては、その三八%に見合う分は二八%、約四分の一の一〇%下げております。三三%に対応する税率につきましても同じように四分の一程度下げてございます。そこで、税の計算上所得と申しますのは、もとより会計学上の意味における所得でございまして、その人の売上金額から、コストその他の販売の経費を引いたものでございます。従って今おっしゃるような意味の超過利潤、これは、当時国内の砂糖取引相場の基準になりましてニューヨークにおける砂糖相場との関連の問題がございます。ですから、法人税法上の所得計算には、そういうことがあればおのずからその分も所得の中に現われてくるというわけでございまして、おそらく砂糖会社の所得は相当伸びておるだろうと思いますが、そのうちにおっしゃるような超過利潤がもしありとすれば、当然自動的に現われてきます。それに対する税率はただいま超過利潤の幾らというようなことにはなっておりませんで、すべて、所得金額二百万以下の者は三三、二百万をこえる分については三八、配当分についてそれぞれ四分の一程度下げております。こういうことになっております。具体的な資料が必要でありますれば国税庁の方と連絡をいたしまして……。
  133. 西村直己

    西村主査 永井さん、もし国税庁が来なければ、後日時間がありますから、本日は残しますが……。
  134. 永井勝次郎

    ○永井分科員 それでは質問を留保して、この次にいたします。
  135. 西村直己

    西村主査 明二十二日午前十時より開会し、皇室費、国会、裁判所、会計検査院、内閣、総理府、法務省所管予算の審査を行なうこととし、本日はこの程度で散会いたします。    午後一時九分散会