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1962-04-26 第40回国会 衆議院 本会議 第41号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十七年四月二十六日(木曜日)     —————————————  議事日程 第三十八号   昭和三十七年四月二十六日    午後二時開議  第一 外国人等国際運輸業に係   る所得に対する相互主義による   所得税等非課税に関する法律   案(内閣提出参議院送付)  第二 国土調査促進特別措置法案   (相川勝六君外五名提出)  第三 工業用水法の一部を改正す   る法律案内閣提出参議院送   付)  第四 輸出保険法の一部を改正す   る法律案内閣提出参議院送   付)  第五 海外経済協力基金法の一部   を改正する法律案内閣提出、   参議院送付)  第六 道路交通法の一部を改正す   る法律案内閣提出)  第七 ばい煙排出規制等に関   する法律案内閣提出)  第八 行政事件訴訟法案内閣提   出)  第九 行政事件訴訟法施行に伴   う関係法律整理等に関する法   律案内閣提出)  第十 海外技術協力事業団法案   (内閣提出)  第十一 自動車保管場所確保   等に関する法律案内閣提出)     ————————————— ○本日の会議に付した案件  近畿圏整備に関する決議案關谷   勝利君外五十七名提出)  日程第一 外国人等国際運輸業   に係る所得に対する相互主義に   よる所得税等非課税に関する   法律案内閣提出参議院送付)  日程第二 国土調査促進特別措置   法案相川勝六君外五名提出)  日程第三 工業用水法の一部を改   正する法律案内閣提出参議   院送付)  日程第四 輸出保険法の一部を改   正する法律案内閣提出参議   院送付)  日程第五 海外経済協力基金法の   一部を改正する法律案内閣提   出、参議院送付)  日程第六 道路交通法の一部を改   正する法律案内閣提出)  日程第七 ばい煙排出規制等   に関する法律案内閣提出)  日程第八 行政事件訴訟法案(内   閣提出)  日程第九 行政事件訴訟法施行   に伴う関係法律整理等に関す   る法律案内閣提出)  日程第十 海外技術協力事業団法   案(内閣提出)  日程第十一 自動車保管場所の   確保等に関する法律案内閣提   出)    午後二時十一分開議
  2. 清瀬一郎

    議長清瀬一郎君) これより会議を開きます。  近畿圏整備に関する決議案關谷勝利君外五十七名提出)      (委員会審査省略要求案件
  3. 田邉國男

    田邉國男君 議事日程追加緊急動議提出いたします。  すなわち、關谷勝利君外五十七名提出近畿圏整備に関する決議案は、提出者要求通り委員会審査を省略してこの際これを上程し、その審議を進められんことを望みます。
  4. 清瀬一郎

    議長清瀬一郎君) 田邉國男君の動議に御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 清瀬一郎

    議長清瀬一郎君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。  近畿圏整備に関する決議案議題といたします。    —————————————   近畿圏整備に関する決議案  右の議案を提出する。   昭和三十七年四月二十日    提出者     關谷 勝利外五十七名    賛成者     安部晋太郎外三百五十九名    —————————————    近畿圏整備に関する決議   近畿は、西日本経済中枢であり、広くわが国産業活動の枢要な一翼をになつて経済進展にきわめて大きな役割を演じている。ことに、これが中核たる阪神工業地帯は、近年来、わが国経済伸長発展と共に、ますますその重要性を加えているが、反面において、産業人口過度集中傾向を助長し、いわゆる過大都市的様相を醸成するにいたり、首都東京と相並んで、交通用水市街地整備等の諸問題は、今や緊急に解決を要する事態に立ちいたつている。   しかるに、他方近畿圏一円の外郭地域は、阪神工業地帯衛星都市圏として、はた又、ヒンターランドとして、きわめて優位かつ好適な立地条件を備うるにかかわらず、今なお多くの低開発ないしは未開きすう地域をかかえ、これが開発活用について、積極的建設方途が講ぜられていないことは、まことに遺憾とするところである。従つて、今後これらの地域における産業開発交通その他関連施設整備等公共投資拡充経済基盤培養強化と相まつて工場住宅等の適正な分散体制を促進するにおいては、阪神地区における過大都市的弊害を防除し、都市機能整備改善に資し得るのみならず、近畿圏を打つて一丸とする多大の開発効果を期待し得ること必定である。   更に又、古来わが国文化中心たる京都奈良滋賀和歌山等文化観光都市等整備と、これを中心とする近畿観光圏総合的開発についても、今後観光国策の新たなる観点に立つて、緊急の施策を必要とするものである。   すなわちこれにより、阪神工業地帯健全にして秩序ある発展を図り、これを中軸として周辺地域一体的開発を行なうと共に、文化観光資源保全活用に努め、広域経済文化圏としての総合的かつ有機的な近畿圏建設を促進することは、ひとり本地方における産業文化助長振興住民福祉増進をもたらすゆえんのみならず、広くわが国経済民生発展向上に寄与するところ、けだしきわめて大なるものがあると確信する。   よつて政府は、叙上の趣旨にかんがみ、この際、すみやかに近畿圏整備に関する画期的方策を確立し、これが強力な実施推進を図るため、行・財政上必要な立法その他特段措置を講じ、もつて施策の万全を期すべきである。   右決議する。    —————————————
  6. 清瀬一郎

    議長清瀬一郎君) 提出者趣旨弁明を許します。關谷勝利君。   〔關谷勝利登壇
  7. 關谷勝利

    關谷勝利君 ただいま上程せられました自由民主党、日本社会党及び民主社会党共同提案にかかる近畿圏整備に関する決議案につきまして、その趣旨弁明を行ないたいと存じます。  まず、決議案の案文を朗読いたします。    近畿圏整備に関する決議案   近畿は、西日本経済中枢であり、広くわが国産業活動の枢要な一翼をになつて経済進展にきわめて大きな役割を演じている。ことに、これが中核たる阪神工業地帯は、近年来、わが国経済伸長発展と共に、ますますその重要性を加えているが、反面において、産業人口過度集中傾向を助長し、いわゆる過大都市的様相を醸成するにいたり、首都東京と相並んで、交通用水市街地整備等の諸問題は、今や緊急に解決を要する事態に立ちいたつている。   しかるに、他方近畿圏一円の外郭地域は、阪神工業地帯衛星都市圏として、はた又、ヒンターランドとして、きわめて優位かつ好適な立地条件を備うるにかかわらず、今なお多くの低開発ないしは未開きすう地域をかかえ、これが開発活用について、積極的建設方途が講ぜられていないことは、まことに遺憾とするところである。従つて、今後これらの地域における産業開発交通その他関連施設整備等公共投資拡充経済基盤培養強化と相まつて工場住宅等の適正な分散体制を促進するにおいては、阪神地区における過大都市的弊害を防除し、都市機能整備改善に資し得るのみならず、近畿圏を打つて一丸とする多大の開発効果を期待し得ること必定である。   更に又、古来わが国文化中心たる京都奈良滋賀和歌山等文化観光都市等整備と、これを中心とする近畿観光圏総合的開発についても、今後観光国策の新たなる観点に立つて、緊急の施策を必要とするものである。   すなわちこれにより、阪神工業地帯健全にして秩序ある発展を図り、これを中軸として周辺地域一体的開発を行なうと共に、文化観光資源保全活用に努め、広域経済文化圏としての総合的かつ有機的な近畿圏建設を促進することは、ひとり本地方における産業文化助長振興住民福祉増進をもたらすゆえんたるのみならず、広くわが国経済民生発展向上に寄与するところ、けだしきわめて大なるものがあると確信する。   よつて政府は、叙上の趣旨にかんがみ、この際、すみやかに近畿圏整備に関する画期的方策を確立し、これが強力な実施推進を図るため、行・財政上必要な立法その他特段措置を講じ、もつて施策の万全を期すべきである。   右決議する。   [拍手]  ただいま決議案の冒頭において申しました通り近畿は、関東と並んでわが国経済中枢的地位を占め、今後の産業経済発展にきわめて重要な役割をになっていることは、今さら贅言を要しないところであります。現に、その経済的比重全国比について一、二例示いたしますならば、工業生産商業取引額等においてそれぞれ全国の三〇%程度、貿易額においては実にほぼ五〇%の多きを占めているのでありまして、こうした端的な事例に徴しましても、近畿経済の消長が、現在及び将来におけるわが国産業経済の趨向に大きな影響を持つものであることはおのずから明らかであります。  特に阪神工業地帯は、近畿経済中核的拠点でありますが、近年来、わが国経済情勢進展に伴いまして、産業人口が集中的に激増を来たし、現状において推移しますならば、東京における深刻な過大都市問題と同様に、用地、用水交通住宅都市環境等あらゆる面において行き詰まりを来たすことは必定でありまして、この際、すみやかに、既成大都市の再開発による都市機能正常化産業構造改善等、抜本的な打開策を講ずることがきわめて緊要な課題と相なっております。しかも、阪神地区は、周辺地形的制約のため、これ以上の連檐的拡大発展は困難になりつつありまして、将来においては、必然に近畿圏全域にわたる地域分散的開発の方式をとらざるを得ないと思うのであります。  しかるに、近畿一円の外郭地帯について見まするならば、今なお旧態依然たる後進開発の分野が多く、あるいはまた、未開発僻陬の地を残存し、地域全体としては、いわゆる跛行経済様相を呈しておるのであります。しかも、これらの地域阪神工業地帯地域的に接壌しておるのでありまして、今後相互道路交通体系その他関連施設整備充実し、工場等受け入れ態勢を確立いたしまするならば、阪神地区産業人口を分散して、過大都市化弊害防除に役立つとともに、これが阪神工業の大きな培養源となり、近畿全域にわたる総合的な開発の実をあげ得ると思うのであります。  すなわち、これを要するに、高度に開発せられた阪神工業地帯と、今後一そうの開発を必要とする周辺地域とを有機的に相結び、総合一体的な広域経済圏として健全発展を期することが、近畿共通至上命題であります。  翻って、わが国経済の全般について見ましても、産業活動が大都市集中的となり、勢いここに人口が偏在し、地方開発は停滞を余儀なくせられ、ますます地域格差を助長する結果を招来しているのでありまして、このような経済開発跛行性不健全性を打破して、均斉のとれた安定的経済発展をはかるべく、今や国策の最重点としてこれを取り上げておるのであります。すなわち、これ歩ため、首都圏においては首都圏整備法、自余の低開発後進地域においては、それぞれ単独に地域開発促進法制定実施せられ、いずれも法的裏づけによってそれぞれの整備開発が行なおれておるにもかかわらず、ひとり近畿圏については今なおこのような特別の立法措置が講ぜられず、前述のような緊急の諸問題に対しても根本的な打開解決方途を確立するに至らないことは、まさしく政治の片手落ちであるといわざるを得ないのであります。同時にまた、さきには低開発地域工業開発促進法制定を見、今また新産業都市建設促進法案が本国会に提出せられ、前述全国的な地域格差の是正、安定的経済発展に向かって画期的方策が講ぜられんとしているときにあたりまして、近畿圏においても、これらと関連のもとに独自の基本方策を確立し、総合的な施策を強力に実施推進することがきわめて喫緊の急務となって参りました。さらに他方京都奈良等においてはそれぞれつとに国際文化観光都市建設法等制定せられ、滋賀和歌山等を含めて近畿一円には貴重な文化財、自然景観等わが国屈指観光資源を有するにかかわらず、これらの保護、利用その他の関連施設がきわめて不十分でありまして、この際これが整備を促進するとともに、これを中心として広く近畿観光圏総合的開発を行なうことが、近時ますます重きを加えつつある観光国策推進上特に緊要であると思うのであります。  このような情勢に対応いたしまして、昨年以来、近畿府県並びに主要都市の熾烈な要望にこたえ、近畿圏整備開発に関する立法措置とともに、これに基づく計画策定実施について特に政府の善処を要望したのでありまするが、昭和三十七年度においては諸般の事情により、一応これを見送るの余儀なきに至りました。ただ幸いにして、懸案の阪神高速道路公団の新設、水資源開発公団による淀川水系開発地盤沈下高潮対策強化等、緊急の諸事業が本格的に実施の緒につくことに相なっております。しかしながら、これらの事業は、近畿圏全域にわたり、阪神工業地帯とその周辺外郭地域を打って一丸とする産業立地整備観光資源開発等、総合的な計画具体化と相待って、初めて広域経済文化圏としての一体的機能を発揮し得るものであり、十全な開発効果をもたらし得るものであることを確信いたしております。すなわち、この際、近畿住民の合言葉となっておる「近畿一つ」という年来の願望にこたえ、国の施策として強力にこれを打ち出していかなければならないと思うのであります。  以上のような従来の経緯と緊急な事態にかんがみまして、政府は、昭和三十八年度を契機として、近畿圏整備に関する行政機構の確立、整備計画策定実施等につき、立法上、予算上その他特段措置を講じ、もって総合一体的にして有機的な近畿経済圏建設に資するとともに、広くわが国全体としての経済発展民生向上に寄与するよう万全の配慮を行なわれんことを特に要請し、ここに院議をもって決議を行なわんとするものであります。何とぞ満堂の御賛成をお願い申し上げます。(拍手)     —————————————
  8. 清瀬一郎

    議長清瀬一郎君) 本決議案につき、討論の通告がございますから、これを許します。肥田次郎君。   〔肥田次郎登壇
  9. 肥田次郎

    肥田次郎君 私は、日本社会党を代表いたしまして、ただいま提案されました近畿圏整備に関する決議案について、賛成討論を行ないたいと存じます。(拍手)  滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県あるいは和歌山県は、由来五畿内と称されて、いにしえよりわが国文化経済中心的役割を果たしつつ今日に及んでいるのは周知のことであります。自来幾多の時代推移の中にあってもいささかも退歩することなく、今や近畿府県は、面積において約二万七千三百平方キロメートル、人口に至っては一千四百万人をこえて、わが国経済発展上ますます重要な立場に立たされておる反面、ようやく過大都市様相を帯びるに至ったのであります。そういうときにおきまして、今日の近畿圏整備決議は実はおそきに失したことをむしろ残念に思うのであります。  皆さんも御承知のように、関西には近畿の母ともいうべき琵琶湖という天与の水源を保有しております。近畿発展琵琶湖より発達したのでありまして、従って、このわが国にその比を見ない天与条件がまず第一に生かされなくてはならないと思うのであります。大阪、神戸における工業地帯地盤沈下の問題が最近やかましくいわれておりまするが、地盤沈下の問題は、これは地下水過度使用によることがもうはっきりしておる今日、琵琶湖が保有するところの二百七十五億トン、年間流量にいたしまして二十九億トンの水を余すところなく活用して、そうして完全な給水と地盤沈下を防ぐことが最も大切なのでありまして、このために政府は積極的に資金を投入されたい、これがまず第一の要点であります。  また、東京における過大都市の轍を踏んではならないことは、これはもう申すまでもありません。近畿地方に既存する交通網十分配慮に入れて分散都市理想的実現をこそ望んでやまないのであります。  さらに、都市美化生活環境の問題は、都市工業化するにつれていよいよ問題になって参ります。問題は、都市工業化によって美化生活環境向上が損壊をされるということでありまして、京滋地域あるいは奈良地方におけるところの祖先継承文化地帯は、これまた政府の積極的な施策によって保護整備を要するものであり、これが観光財源となってまた直ちに返ってくることも論を要しないのであります。先般問題になりました奈良平城宮趾のごとき話はまことにわれわれとして残念というほかはないのであります。  以上、若干の意見を付加いたしまして賛成討論を終わりますが、この決議が院の総意によって魂の入った決議となり、すみやかに実現されることを強く望んでやまない次第であります。(拍手
  10. 清瀬一郎

    議長清瀬一郎君) これにて討論は終局いたしました。  これより採決いたします。  本案賛成諸君起立を求めます。   〔賛成者起立
  11. 清瀬一郎

    議長清瀬一郎君) 起立多数。よって、本案可決いたしました。  この際、藤山国務大臣から発言を求められております。よって、これを許します。国務大臣藤山愛一郎君。   〔国務大臣藤山愛一郎登壇
  12. 藤山愛一郎

    国務大臣藤山愛一郎君) ただいま御可決になりました近畿圏整備に関する御決議につきましては、政府といたしましても、その御趣旨に沿いまして努力をいたし、実現して参りたいと考えております。(拍手)      ————◇—————  日程第一 外国人等国際運輸業   に係る所得に対する相互主義に   よる所得税等非課税に関する   法律案内閣提出参議院送付
  13. 清瀬一郎

    議長清瀬一郎君) 日程第一、外国人等国際運輸業に係る所得に対する相互主義による所得税等非課税に関する法律案議題といたします。     —————————————
  14. 清瀬一郎

  15. 鴨田宗一

    鴨田宗一君 ただいま議題となりました外国人等国際運輸業に係る所得に対する相互主義による所得税等非課税に関する法律案につきまして、大蔵委員会における審議経過並びに結果を御報告申し上げます。  本案のおもなる改正内容は、次の点であります。  まず第一に、従来は、外国企業国際運輸業から生ずる所得のうち、船舶運航から生ずる所得についてのみ、相互主義により免税を認めておりましたが、外国企業の航空機の運航から生ずる所得についても、相互主義により所得税法人税等の租税を免税しようとするものであります。  次に、船舶運航から生ずる所得については、従来、相手国船籍のある船舶について免税することとしておりましたが、今後は、船籍のいかんを問わず、相手国にある企業運航する船舶について、免税することといたしております。  その他、地方税についても、従来規定のある事業税のほか、道府県民税等をも含めて、相互主義により免税しようとするものであります。  本案は、参議院先議の後、本委員会において審議の結果、去る四月二十四日、質疑終了し、直ちに採決いたしましたところ、全会一致をもって原案通り可決となりました。  以上、御報告申し上げます。(拍手
  16. 清瀬一郎

    議長清瀬一郎君) 採決いたします。  本案委員長報告可決であります。本案委員長報告通り決するに賛成諸君起立を求めます。   〔賛成者起立
  17. 清瀬一郎

    議長清瀬一郎君) 起立多数。よって、本案委員長報告通り可決いたしました。      ————◇—————  日程第二 国土調査促進特別措置   法案相川勝六君外五名提出)  日程第三 工業用水法の一部を改   正する法律案内閣提出参議   院送付)  日程第四 輸出保険法の一部を改   正する法律案内閣提出参議   院送付)  日程第五 海外経済協力基金法の   一部を改正する法律案内閣提   出、参議院送付
  18. 清瀬一郎

    議長清瀬一郎君) 日程第二、国土調査促進特別措置法案日程第三、工業用水法の一部を改正する法律案日程第四、輸出保険法の一部を改正する法律案日程第五、海外経済協力基金法の一部を改正する法律案、右四案を一括して議題といたします。     —————————————
  19. 清瀬一郎

  20. 白浜仁吉

    白浜仁吉君 ただいま議題となりました国土調査促進特別措置法案外三件につき、商工委員会における審査経過並びに結果の概要を御報告申し上げます。  まず、国土調査促進特別措置法案について申し上げます。  本案は、国土調査法制定後十年を経過しておるにもかかわらず、国土調査事業がおくれておる実情にかんがみ、国土調査事業の緊急かつ計画的な実施を促進する目的をもって提出されたもので、そのおもな内容は次の通りであります。  第一に、国土調査事業は、国が行なう基本調査と、地方公共団体または土地改良区の行なう細部調査の二本建としております。  第二に、内閣総理大臣は、国土調査事業十カ年計画を決定するとともに、その実施に必要な措置を講ずることとなっております。  本案は、四月十三日当委員会に付託され、同日提案理由説明を聴取し、二十四日、質疑終了、引き続き採決しましたところ、全会一致をもって原案通り可決すべきものと決した次第であります。  なお、本案のように、国土調査のたあの母法がある場合は、法の運用について万全を期すべしとの強い意向がありましたことを申し添えます。  次に、工業用水法の一部を改正する法律案について申し上げます。  最近、地盤沈下地帯における地盤沈下による被害が漸次増大している実情にかんがみ、本案は、地下水のくみ上げの規制をさらに強化し、地盤沈下防止を一そう効果的にする目的をもって提出されたもので、そのおもな内容は次の通りであります。  第一に、現行法では、地盤沈下防止が副次的な目的となっておるのでありますが、これを工業健全な発達と並べて主目的一つとしたことであります。  第二に、許可を受けなければならない井戸の範囲を拡大したことであります。  第三に、許可基準に適合しない既設の井戸は、原則として禁止することといたしております。  その他、許可基準強化に伴う経過措置国等助成措置などについて、規定を設けております。  本案は、去る三月三十一日当委員会に付託され、四月三日提案理由説明を聴取し、同二十日質疑終了、四月二十四日、採決いたしましたところ、全会一致をもって原案通り可決すべきものと決した次第であります。  次に、輸出保険法の一部を改正する法律案について申し上げます。  輸出振興策の一環として、輸出保険制度の果たすべき役割は今後一そう重要となりますので、この制度をさらに強化しようとして、本改正案提出されたのであります。  その内容は、普通輸出保険について、輸出契約相手方たる外国政府等の一方的な契約破棄等または輸出契約相手方の破産によって輸出ができなくなったための損失を填補することといたしたものでありまして、いわゆる船積み前の信用危険にまで保険の対象を拡大しようとするものであります。  本案は、三月三十日当委員会に付託され、四月三日提案理由説明を聴取し、二十五日に至り、質疑終了して引き続き採決いたしましたところ、全会一致をもって原案通り可決すべきものと決した次第であります。  なお、以上三案に対しましては、それぞれ三党共同提案による附帯決議が付されましたが、その内容については会議録で御承知願います。  最後に、海外経済協力基金法の一部を改正する法律案について申し上げます。  本案は、海外経済協力基金発足後一年の運営状況を勘案し、その事業活動を積極的にするため、所要の改正を行なおうとするものでありまして、改正の第一は、基金の理事の定数を二人増加して四人とし、第二は、基金が投融資をする場合の要件が厳格に過ぎますので、これを実態に即応するようにしたことであります。  本案は、四月十三日当委員会に付託され、同月二十四日提案理由説明を聴取し、昨二十五日、質疑終了し、引き続き採決いたしましたところ、全会一致をもって原案通り可決すべきものと決した次第であります。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     —————————————
  21. 清瀬一郎

    議長清瀬一郎君) 四案を一括して採決いたします。  四案の委員長報告はいずれも可決であります。四案を委員長報告通り決するに賛成諸君起立を求めます。   〔賛成者起立
  22. 清瀬一郎

    議長清瀬一郎君) 起立多数。よって、四案とも委員長報告通り可決いたしました。      ————◇—————  日程第六 道路交通法の一部を改   正する法律案内閣提出
  23. 清瀬一郎

    議長清瀬一郎君) 日程第六、道路交通法の一部を改正する法律案議題といたします。     —————————————
  24. 清瀬一郎

    議長清瀬一郎君) 委員長報告を求めます。地方行政委員会理事渡海元三郎君。   〔議長退席、副議長着席〕     —————————————   〔報告書本号末尾掲載〕     —————————————   〔渡海元三郎君登壇
  25. 渡海元三郎

    ○渡海元三郎君 ただいま議題となりました道路交通法の一部を改正する法律案について、地方行政委員会における審査経過並びに結果の概要を御報告申し上げます。  本案は、近来とみに激増せる大型自動車による交通事故を防止しようとするものでありまして、その要旨は、第一に、大型免許の資格年令を十八才から二十一才に引き上げたこと、第二に、大型免許の運転免許試験は、普通免許等一定の免許を受けており、かつ、それらの自動車の運転の経験期間が通算して二年以上の者でなければ受けることができないものとしたことであります。  本案は、四月二日当委員会に付託され、四月十日安井国務大臣より提案理由説明を聞き、審査を続けて参ったのでありますが、その詳細は会議録に譲ります。  かくて、四月二十四日、質疑終了いたしましたところ、自由民主党、日本社会党、民主社会党の三党共同提案により、本案規制を受ける大型自動車の範囲並びに運転の資格に関し、制限を実情に即するよう緩和、合理化し、あわせて大型自動車の運行を直接管理する者に対し、この新設された制限規定を順守する義務を課する等の修正案が提出され、小澤委員よりその趣旨説明が行なわれた後、討論の通告もなく、採決の結果、全会一致をもって、本案は修正案の通り修正議決すべきものと決しました。  右、御報告申し上げます。(拍手)     —————————————
  26. 原健三郎

    ○副議長(原健三郎君) 採決いたします。  本案委員長報告は修正であります。本案委員長報告通り決するに賛成諸君起立を求めます。   〔賛成者起立
  27. 原健三郎

    ○副議長(原健三郎君) 起立多数。よって、本案委員長報告通り決しました。     —————————————  日程第七 ばい煙排出規制等   に関する法律案内閣提出) ○副議長(原健三郎君)日程第七、ばい煙排出規制等に関する法律案議題といたします。     —————————————
  28. 原健三郎

    ○副議長(原健三郎君) 委員長報告を求めます。社会労働委員会理事小沢辰男君。     —————————————   〔報告書本号末尾掲載〕     —————————————   〔小沢辰男君登壇
  29. 小沢辰男

    ○小沢辰男君 ただいま議題となりましたばい煙排出規制等に関する法律案につきまして、社会労働委員会における審議経過並びに結果を御報告申し上げます。  近年、産業の急速な発展と、その都市集中化に伴って、主要な工業都市においては、工場事業場から排出されるばい煙等によって大気が著しく汚染され、公衆衛生上の見地から放置できない事態に立ち至っております。本法案は、かかる実情にかんがみ、工場事業場における事業活動に伴って発生するばい煙等の処理を適切に行なうことによって、大気汚染による公衆衛生上の危害を防止して、生活環境の保全と産業健全発展との調和をはかるとともに、大気汚染に関する紛争を円満に解決するための制度を設けることを目的として提出されたものであります。  その要旨について申し上げますと、第一に、ばい煙による大気汚染が著しい地域を指定区域として政令で定めること、第二に、工場事業場に設置される施設のうちから、ばい煙を多量に発生する施設ばい煙発生施設として政令で指定すること、第三に、ばい煙排出規制するために、厚生大臣及び通商産業大臣が指定区域ごとにばい煙発生施設の種類別の排出基準を定め、この基準による取り締まりを都道府県知事にゆだねること、第四に、指定区域内においては、ばい煙発生施設を新増設または改造する場合には、都道府県知事に事前届け出の制度を採用し、一定期間を限ってその計画の変更または廃止を命じ得るほか、現に当該地域ばい煙発生施設から排出基準に合わない多量のばい煙排出している場合には、必要な改善を命じ得ること、第五に、ばい煙等についての事故時の措置及びスモッグの発生による緊急時の措置についての所要の規定を設けること、第六に、大気汚染による被害に関する紛争処理を合理的に解決するために、都道府県知事による和解の仲介制度を設けるほか、ばい煙発生施設整備の促進について、ばい煙処理施設に対する固定資産税の免除及び中小企業近代化資金貸付制度の活用をはかること等であります。  本法案は、四月十日本会議において趣旨説明が行なわれ、同日当委員会に付託され、自来審議が開始されたのでございますが、去る二十四日商工委員会と連合審査会を行ない、同日の本委員会において質疑終了いたしました。終了後、自民、社会、民社の三派共同提案にかかる次の修正案が提出され、中山委員より趣旨説明がありました。その要旨は、都道府県知事が、この法律規定により、その権限に属する事務の一部を市の長に委任できることとすることであります。次いで、採決の結果、本案全会一致をもって修正議決すべきものと議決いたした次第であります。  なお、本案には三派共同にかかる附帯決議を付することに決しましたが、その詳細は会議録で御承知願いたいと存じます。  右、御報告申し上げます。(拍手)     —————————————     —————————————
  30. 原健三郎

    ○副議長(原健三郎君) 採決いたします。  本案委員長報告は修正であります。本案委員長報告通り決するに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  31. 原健三郎

    ○副議長(原健三郎君) 御異議なしと認めます。よって、本案委員長報告通り決しました。      ————◇—————  日程第八 行政事件訴訟法案(内   閣提出)  日程第九 行政事件訴訟法施行   に伴う関係法律整理等に関す   る法律案内閣提出
  32. 原健三郎

    ○副議長(原健三郎君) 日程第八、行政事件訴訟法案日程第九、行政事件訴訟法施行に伴う関係法律整理等に関する法律案、右両案を一括して議題といたします。     —————————————
  33. 原健三郎

    ○副議長(原健三郎君) 委員長報告を求めます。法務委員長河本敏夫君。     —————————————   〔報告書本号末尾掲載〕     —————————————   〔河本敏夫君登壇
  34. 河本敏夫

    ○河本敏夫君 ただいま議題となりました両法案について、委員会における審議経過並びに結果を御報告申し上げます。  まず、行政事件訴訟法案について申し上げます。  本案は、国民の権利の伸長及び行政運営の適正を期するため、現行行政事件訴訟特例法についての解釈上の疑義を除去するとともに、行政訴訟の特質にかんがみ、各種行政法規との関連整備し、新たに行政事件訴訟に関する一般法を制定しようとするものであります。  そのおもなる内容は、第一、行政訴訟の種類を、抗告訴訟、当事者訴訟、民衆訴訟及び機関訴訟の四つの類型に分け、抗告訴訟の態様として、処分の取り消しの訴え、裁決の取り消しの訴え、無効確認の訴え及び不作為の違法確認の訴えを例示し、それぞれについて適用される規定の範囲を明確にすること、第二、従来、国民の権利救済の面からとかくの批判のあった訴願前置主義を原則として廃止すること、第三、国民の権利救済の便宜をはかるため、管轄裁判所の範囲を広げ、一般管轄のほかに特別管轄の規定を設けること、第四、出訴期間については、原則として現行の六カ月を三カ月に改めること、第五、処分または裁決の取り消しの判決の効力は第三者にも及ぶものとし、これに関連して訴訟参加の規定整備すること、その他、当事者適格、関連請求の併合、執行停止についての内閣総理大臣異議、事情判決の制度等、各般の事項にわたって現行法規定改正し、あるいは新たに規定を設けようとするものであります。  さて、本案は、去る二月六日本会議において、植木法務大臣より趣旨説明が行なわれ、これに対し、民主社会党を代表して鈴木義男君の質疑がなされたのでありますが、当委員会におきましては、同日本案が付託せられてより、自来慎重審議を重ねて参ったのであります。その間、学者、裁判官、弁護士等六人の参考人を招いて意見を聴取いたしたのでありますが、委員会におきましては、例外的訴願前置、出訴期間の短縮及び内閣総理大臣異議規定改正等につき質疑が集中されました。これらの詳細は会議録に譲りたいと存じます。  かくて、四月二十日、質疑終了いたしましたところ、日本社会党から本案に対する修正案が提出されました。修正案の内容は、本案第二十七条の内閣総理大臣異議規定を削除しようとするもの等であります。次いで、四月二十五日、右修正案並びに政府原案を一括して討論に付しましたところ、自由民主党から、修正案に反対、原案賛成日本社会党、民主社会党から、それぞれ修正案に賛成原案に反対、並びに日本共産党から修正案及び原案に反対の意見が述べられました。採決いたしましたところ、修正案は少数にて否決せられ、本法は多数をもって原案通り可決せられました。  次に、行政事件訴訟法施行に伴う関係法律整理等に関する法律案について申し上げます。  本案は、行政事件訴訟法制度に伴いまして、同法の規定趣旨にのっとり、現行の各種行政法規における訴訟に関する規定を再検討し、百二十五に上る行政法規について、それぞれ所要の改正を加え、また不必要な規定を削除しようとするものであります。  法務委員会におきましては、去る三月十九日この整理法案が付託せられてより、行政事件訴訟法案と不可分一体の関係にあります両案を常に一括して審議を重ねて参りましたが、その詳細は会議録に譲りたいと存じます。  かくて、四月二十四日質疑終了し、翌二十五日、討論なく、採決いたしましたところ、本案は多数をもって原案通り可決せられた次第であります。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     —————————————
  35. 原健三郎

    ○副議長(原健三郎君) 両案中、日程第八につき、討論の通告があります。これを許します。坪野米男君。   〔坪野米男君登壇
  36. 坪野米男

    ○坪野米男君 私は、日本社会党を代表して、ただいま委員長から報告のありました行政事件訴訟法案について、反対の討論を行なわんとするものであります。(拍手)  本法案は、現行の行政事件訴訟特例法の不備を整備して、行政事件訴訟についての一般法、基本法を定めるために全面的な改訂を加えたものでありますが、私は、本法案の中に、国民の権利救済の点につき、一歩前進の改正点が相当含まれていることを認めるにやぶさかではありません。しかしながら、私たち社会党は、本法案につき、四項目にわたる重要な修正、特に内閣総理大臣異議規定の全面的削除を強く主張しているものでありまして、この社会党の修正案がいれられなかった以上、私たちは、本法案が国民の権利救済の点につき現行法を改悪したものであり、さらには司法権の独立を侵す憲法違反の規定を含む悪法であるとして、その成立に強く反対せざるを得ないのであります。(拍手)  およそ行政事件訴訟は、旧憲法のもとにあっては、特に許された訴訟事項に限って行政裁判所という一審かつ終審の特別裁判所で裁判されたのであります。従って、泣く子と地頭には勝てぬと申しますが、行政権力の違法処分で権利侵害を受けても、泣き寝入りになってしまう場合が非常に多かったのであります。ところが、新憲法のもとでは、軍法会議や行政裁判所などの特別裁判所は一切認められないこととなり、一般的に行政庁の違法な処分の取り消しを求める訴訟等が広く認められ、しかも、普通の地方裁判所に提起できることとなったのであります。従って、新憲法下の行政訴訟は、行政庁と国民とが対等の立場で権利関係を争う民事訴訟の一形態として認められ、ここに国民の権利の司法的救済の道が初めて開かれたといっても過言ではありません。この民主的な行政訴訟制度をあまり歓迎しないのは、国民と対等の立場に立たされ、しかも、被告席にすわらされる政府並びに行政官僚であろうことは想像にかたくないのであります。  ところで、この現行法の中でただ一つ、どうしても認めることのできない非民主的な憲法違反の疑いの濃い規定がありますが、これが内閣総理大臣異議であります。すなわち、行政庁の違法な処分の取り消しを求める訴えの提起があった場合において、処分の執行により生ずる償うことのできない損害を避けるため緊急の必要があるときは、裁判所は決定をもって処分の執行を停止すべきことを命ずることができるのでありますが、これは一種の公法上の仮処分命令とも言えましょう。ただし、裁判所は、執行の停止が公共の福祉に重大な影響を及ぼすおそれのあるとき及び内閣総理大臣異議を述べたときは、執行停止命令を出せないことになっているのであります。  一体、裁判官の行なう裁判に行政府の長たる内閣総理大臣異議を述べて、裁判を抑制するといった制度は、三権分立の建前をとる新憲法のもと、司法権の独立を侵犯するものではないか、まことにゆゆしい問題であるといわねばなりません。(拍手)かような制度は、諸外国の立法にも例を見ないところでありまして、行政権優位、司法官不信の思想に根ざすものでありまして、行政の司法への不当介入を認めたこの制度は、わが国の司法権独立の歴史的伝統に一大汚点を残したものというべきであります。(拍手)また、この規定は、占領中に平野力三氏の追放をめぐって下級裁判所が追放処分の執行停止命令を出したことに端を発して、GHQから強い示唆があってできたものであることは周知の事実でありまして、まさに国辱的な占領政策の遺物といわねばなりません。  ところが、政府は、この総理大臣の異議は、伝家の宝刀ともいうべきもので、むやみに抜くものではない、公共の福祉に重大な影響を及ぼすおそれのある場合に限るのであり、また異議を述べたときは、次の通常国会に報告して、その政治責任を明らかにしなければならないから、乱用のおそれはないと答弁しておりますが、公共の福祉というあいまいな概念を政府が勝手に解釈をして、総理大臣の異議権を乱用してきたことは、過去十数年の本制度運用の現実が雄弁に物語っているところでありまして、政党内閣の総理大臣が国会へ報告しただけで、その政治責任を明らかにし、乱用を防止できるなどとは愚にもつかないことであります。しかも、政府は、執行停止命令は、本質的には一種の行政処分だから、司法権を侵すことにはならないし、従って違憲の問題は起こらないと繰り返し答弁しておりますが、これは政府お抱えの法律屋の得意の詭弁であります。(拍手)裁判所が出す執行停止命令が純理論的に司法事項かあるいは一種の行政事項かは問題ではないのであります。裁判手続の中で裁判所の権限と定められている事項の中へ行政権が介入してくることが、裁判の独立を侵すものとして非難されているのであります。民事訴訟の仮処分命令が、その性質上一種の行政処分的なものであるからといって、この仮処分命令に行政権の介入があったならば、まさに大問題になるでありましょう。  さらに私たちが問題にしたいことは、本法案現行法異議制度をさらに改悪しておることであります。すなわち、最高裁判所の判決によっても、現行法は裁判所の決定が出る前でなければ、総理大臣の異議は述べられないのでありますが、本法案は、執行停止の決定があった後に異議を述べた場合には、裁判所の決定を取り消さねばならないことになったのであります。裁判所の裁判を総理大臣の異議によって取り消させるとはもってのほかでありまして、明らかに憲法違反といわざるを得ないのであります。(拍手)私たち社会党が強く本法案の改悪に反対するゆえんでありまして、ひとり私たち社会党のみならず、全国の裁判所の八〇%以上の裁判官がこれに反対をしております。また日本弁護士連合会も強くこの規定の削除を求めておるのであります。このように、司法界、法曹界の世論はあげてこの規定に反対をしております。  私は、政府に強く猛省を促すとともに、自民党議員の中の少数の良識に期待して、この規定の削除に同調を求めたのでありますけれども、これを得られなかったことをまことに遺憾とするものでありますが、私は将来の再改正を期して、ここに本法案に反対の態度を明らかにして、私の討論を終わることといたします。(拍手
  37. 原健三郎

    ○副議長(原健三郎君) これにて討論は終局いたしました。  両案を一括して採決いたします。  両案の委員長報告はいずれも可決であります。両案を委員長報告通り決するに賛成諸君起立を求めます。   〔賛成者起立
  38. 原健三郎

    ○副議長(原健三郎君) 起立多数。よって、両案とも委員長報告通り可決いたしました。      ————◇—————  日程第十 海外技術協力事業団法   案(内閣提出
  39. 原健三郎

    ○副議長(原健三郎君) 日程第十、海外技術協力事業団法案議題といたします。     —————————————
  40. 原健三郎

    ○副議長(原健三郎君) 委員長報告を求めます。外務委員長森下國雄君。     —————————————   〔報告書本号末尾掲載〕     —————————————   〔森下國雄君登壇
  41. 森下國雄

    ○森下國雄君 ただいま議題となりました海外技術協力事業団法案につきまして、外務委員会における審議経過並びに結果を御報告申し上げます。  本案は、アジア地域その他の開発途上にある海外の地域に対する条約その他の国際約束に基づく技術協力の実施に必要な業務を効果的に行なうことを目的として海外技術協力事業団を設立しようとするものであって、事業団は法人とし、資本金二億円は全額政府が出資することになっております。  事業団の業務は、国の委託を受けて、アジア等の地域からの技術研修員に対して技術の研修を行なうこと、人員を派遣して技術協力を行なうこと、同地域に設置される技術協力センターに必要な人員の派遣、機械設備の調達等、その設置、運営に必要な業務及び同地域の公共的な開発計画の基礎的調査を行なうこと等でありまして、事業団は外務大臣が監督することになっております。  また、本案の附則におきまして、事業団は社団法人アジア協会の一切の権利、義務を承継すること、及びこの法律は公布の日から施行される旨規定しております。  本案は、二月十三日外務委員会に付託されましたので、会議を開き、政府提案理由説明を聞き、質疑を行ない、また、商工委員会と連合審査会を行なう等、慎重に審議を行ないましたが、詳細は会議録により御了承を願いたいと存じます。  かくて、四月二十五日、質疑終了し、討論に入りましたところ、日本社会党を代表して田中織之進君より、本案は、日本が新しい経済侵略を進めようとするのではないかという疑惑を東南アジア等の諸国に与える危険性があること、科学技術が平和と繁栄のために利用さるべきであるという点が欠けていること、及び防衛関係の費用を削減して技術協力費の財源に振り向けていくことに政府・与党の賛成を得られなかった等の理由により反対、また、自由民主党を代表して正示啓次郎君より、最近は、開発途上にある諸国に対して経済協力を行なうことは、世界経済発展と国際政治の安定のために不可欠の時代となっておるので、これらの諸国に対する政府間ベースによる技術協力を拡充強化するため、木事業団を設立することは時宜に適した措置で、あるから賛成である旨、それぞれ述べられました。討論終了し、採決の結果、本案は多数をもって原案通り可決すべきものと決したのであります。  以上、御報告申し上げます。(拍手)、     —————————————
  42. 原健三郎

    ○副議長(原健三郎君) 採決いたします。  本案委員長報告可決であります。本案委員長報告通り決するに賛成諸君起立を求めます。   〔賛成者起立〕 ○副議長(原健三郎君)起立多数。よって、本案委員長報告通り可決いたしました。      ————◇—————  日程第十一 自動車保管場所の   確保等に関する法律案内閣提   出)
  43. 原健三郎

    ○副議長(原健三郎君) 日程第十一、自動車保管場所確保等に関する法律案議題といたします。     —————————————
  44. 原健三郎

    ○副議長(原健三郎君) 委員長報告を求めます。運輸委員長簡牛凡夫君。     —————————————   〔報告書本号末尾掲載〕     —————————————   〔簡牛凡夫君登壇
  45. 簡牛凡夫

    ○簡牛凡夫君 ただいま議題となりました自動車保管場所確保等に関する法律案について、運輸委員会における審査経過並びに結果を御報告申し上げます。  本法案趣旨は、最近の道路事情にかんがみ、道路の使用の適正化及び道路交通の円滑化をはかるため、自動車の保有者等に対し必要な規制を行なおうとするもので、その内容は、第一に、自動車の所有者等に対し、自動車保管場所確保しなければならぬものとし、政令で定める地域においては、保管場所を証する書面の提出がないときは自動車の登録ができぬこととし、第二に、政令で定める地域においては道路を自動車保管場所として使用することを禁止し、第三に、駐車の制限を強化し、所要の罰則を設ける等であります。  本案は、四月十九日付託となり、翌二十日政府より提案理由説明を聴取し、四月二十五日、地方行政委員会と連合審査会を開き、続いて委員会において質疑を行なう等、慎重審査いたしましたが、その詳細については会議録によって御承知願いたいと存じます。  同日、討論を省略し、採決の結果、本案全会一致をもって原案通り可決いたしました。  なお、本法案に対して、実態に即した適用地域の指定、中小企業者等に対する保管場所設置に要する資金措置及び租税負担の軽減をはかるべきであるという要旨の附帯決議が付されました。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     —————————————
  46. 原健三郎

    ○副議長(原健三郎君) 採決いたします。  本案委員長報告通り決するに御異議はございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  47. 原健三郎

    ○副議長(原健三郎君) 御異議なしと認めます。よって、本案委員長報告通り可決いたしました。      ————◇—————
  48. 原健三郎

    ○副議長(原健三郎君) 本日は、これにて散会いたします。    午後三時十一分散会      ————◇—————  出席国務大臣         法 務 大 臣 植木庚子郎君         厚 生 大 臣 灘尾 弘吉君         運 輸 大 臣 斎藤  昇君         自 治 大 臣 安井  謙君         国 務 大 臣 藤山愛一郎君  出席政府委員         法務省訴訟局長 濱本 一夫君         外務政務次官  川村善八郎君         大蔵政務次官  天野 公義君        通商産業政務次官 森   清君      ————◇—————