○小林(信)
委員 これはいよいよ重大問題で、
質問を申し上げて問題解決に当たりたいというような希望を持っておったのですが、もう二時ですからきょうはやめますが、今三木さんが言われたように、また機会を持ちまして、さらに
責任者に来てもらって問題の追及を深めていってもらいたいと思うのです。それについて一言申し上げたいのです。文部省の態度は、何とか
質問を避ければよいというようなことでいるように思うのですが、もっと根本的にこの問題を解決する方策というものを立てなければいけないと思うのです。今
課長さんの御
答弁なんか聞いておりますと、この教科書の汚職問題が教育にどういうふうな影響を及ぼすかという点を十分に考えての御
答弁ではない。ほんとうに熱意がない、私はそういうふうに受け取っているわけなんです。これは法務省、検察庁、あるいは公取、こういう方たちにもつと根本的な問題を出してもらって、この問題の解明に当たるくらいの態度をとってもらわなければいけないと思うのです。生まれてきた事象について
責任者としてどう対処するというふうな考えがあれば
——先ほどお話がありましたように、原稿料を出すとか、あるいは講習会に何か便宜をはかるとかいうふうなことで巧みにやっておれば、贈賄あるいは収賄にはならないというようなことになれば、もう取り締まることは全然不可能だと思うのです。というのは、さっき三木さんが言ったように、自粛ということを公取が第一の手段として選んでおられるといいますが、もう社長が部下に命令するのに、自粛というのは文部省に対するゼスチュアなんだ、公取に対するこれは
一つのカムフラージュなんだ、こんなことにこだわったら商売ができないぞと厳命を下して仕事をしておられる。それを公取がまともに受け取って、自粛させる、こんな態度で取り締まりをやろうったって、できないことなんです。検察庁あるいは法務省の方は、贈賄、収賄ということは非常に取り締まりが困難だといいますが、それくらいのことは業者も十分
承知をしておる。私はその指令書というのを見せてもらったのですが、講習会、
研究会、同好会だとか、そういうふうなものの数が網羅されて、何十と及んでいるわけです。地方のボスをねらえとか、あるいは取引店をこういうふうに工作せよとか、そういうふうなものを見たときに、あなた方が幾らがんばっても根本的にこれを是正することはできない。教科書問題をこういうところで取り上げておりますけれ
ども、これが父兄や善良な教師たちにだんだん浸透して参りますときには、教育
そのものが崩壊すると言ってもよい。これは一文部省の教科書課の問題ではない。文部大臣の問題でもない。現内閣の大きな
責任問題になるほどのことだと私は思うのです。それが文部省当局においては、先ほどのお話のように、こういうふうに問題になっておる業者の会合へ夜出て、そうして酒食の供応を受ける、こういうことが国民に知れたらどうなりますか。それにつけても勤評問題あるいは学力テストの問題、これは、
表面的には文部省は公正な
一つの行政として、常々と行政上の問題として述べておりますけれ
ども、これが大きな禍根を持っておる。こういうところにも問題があるわけなんです。ということは、教育
委員会等は勤評の問題、あるいは学力テストの問題等については、彼らとしては
一つの判断を持っている。必ずしも文部省の大臣のような考えに従っておらない。しかし、やはり権力に従っておくことの方がいいというふうな簡単な考えから文部省に協力をするその反面、今度は、こういうふうな問題については、幾ら局長からこんな指令が出ようが問題じゃないのだ、大体文部省の意図に従っておる点からすれば、こういうふうな問題も大目に見るだろうというような形でもって、今文教行政の中のこういう教科書問題も、腐ってきておるとも考えられるわけなんです。従って、こういうふうな問題について強い指令を出すけれ
ども、これに対して文部省が、ほんとうに道義心に訴え、教育の良識に訴えて行政をするというふうなことができなくなっている。そういう問題まで公取なりあるいは検察庁、法務省というふうなところが考えて、こうしなければこの問題は解決できないのだというような率直な意見を述べ合わなければ、私は問題は解決できないと思う。文部省が、当面の役人が教科書協会の供応に応じておるというふうなこんなことは、たといその中でもってどんな話をしなくても、ごちそうになった以上は、やはり大目に見なければならぬとかというようなことは当然のことであって、これが国民に知れたら、教科書問題というものはますます深みに入っていくだけなんです。そういう
意味からしても、もっと公取にしましても、あるいは法務省、あるいは検察庁にしましても、徹底的に問題を究明して解決してもらわなければならぬと私は思うのですが、そういうことについて、次回もしこの
委員会が開かれます場合には、
責任者がそういう根本的な問題を話していただいて、そうして文部省に重大な反省をさせなければだめだと思うのです。そうすれば、結局業者もこれは大へんだということになってくるわけです。
一つそこまで掘り下げられるように、私は皆さんの御努力を願いたいと思うのです。私たちの方には全く山のように資料が集まり、地方からいろいろなことについてどうかこの問題は今後なくなるように御努力願いたい、そういう切実な要望がたくさんにきているわけです。しかし私たちは、何とかそういう問題をここでもって暴露するのでなくて、どうしたら教科書の不正事件がなくなるか、どこに
方法があるか、根処があるか、これが根本で、きわめて地味におとなしくきょうまで
質問を続けてきたのですが、いささかもそういうふうな態度が文部省に出てこない。ほうっておいたら、私は文部省だけの問題じゃないと思う。大きな政治
責任の問題になってくると思うのです。そういう点で私たちは当たっておるのですから、きょうのような話のわからない態度でもって進むならば、そこまで私たちはいかなければならぬ。こういう決意を持っているわけですから、せっかくおいでいただくわけですから、どうかその意図で今後も臨んでいただきたくお願いを申し上げる次第です。