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1962-04-13 第40回国会 衆議院 農林水産委員会 第31号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十七年四月十三日(金曜日)    午前十時五十三分開議  出席委員    委員長 野原 正勝君    理事 秋山 利恭君 理事 小山 長規君    理事 田口長治郎君 理事 丹羽 兵助君    理事 山中 貞則君 理事 足鹿  覺君    理事 石田 宥全君 理事 片島  港君       安倍晋太郎君    飯塚 定輔君       大野 市郎君    金子 岩三君       亀岡 高夫君    仮谷 忠男君       草野一郎平君    倉成  正君       小枝 一雄君    坂田 英一君       田邊 國男君    谷垣 專一君       綱島 正興君    寺島隆太郎君       内藤  隆君    中山 榮一君       福永 一臣君    藤田 義光君       本名  武君    松浦 東介君       米山 恒治君    角屋堅次郎君       栗林 三郎君    東海林 稔君       中澤 茂一君    楢崎弥之助君       西宮  弘君    安井 吉典君       山田 長司君    湯山  勇君       稲富 稜人君    玉置 一徳君  出席国務大臣         農 林 大 臣 河野 一郎君         国 務 大 臣 川島正次郎君  出席政府委員         総理府事務官         (北海道開発庁         総務監理官)  木村 三男君         総理府事務官         (北海道開発庁         主幹)     角  政也君         大蔵事務官         (主計局司計課         長)      佐々木達夫君         農林政務次官  中馬 辰猪君         農林事務官         (農地局長)  庄野一郎君  委員外出席者         総理府事務官         (行政管理庁行         政監察局監察審         議官)     片山 一郎君         総理府事務官         (行政管理庁行         政監察局監察         官)      池上 正紀君         北海道開発事務         次官      熊本 政晴君         大蔵事務官         (主計官)   相沢 英之君         農林事務官         (農地局参事         官)      富谷 彰介君         農林事務官         (農地局農地開         発機械公団監理         官)      佐伯 悟郎君         会計検査院事務         官         (第四局長)  宇ノ沢智雄君     ————————————— 四月十三日  委員草野一郎平君及び川俣清音辞任につき、  その補欠として谷垣專一君及び東海林稔君が議  長の指名委員に選任された。 同日  委員谷垣專一君辞任につき、その補欠として草  野一郎平君が議長の指名委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  農地開発機械公団法の一部を改正する法律案(  内閣提出第五三号)      ————◇—————
  2. 野原正勝

    野原委員長 これより会議を開きます。  この際一言申し上げます。昨十二日午後の委員会では、丹羽委員の動議に基づき農地法農協法農災法関係の四案を一括議題とし質疑に入りましたが、あのような事態委員長としてまことに遺憾なことと存ずる次第であります。今後は各派間において話し合いの上、お互いに正常な議事運営を進めたいと存ずる次第であります。何とぞ各位におかれましても、よろしく御協力をお願い申し上げます。(拍手)  農地開発機械公団法の一部を改正する法律案議題とし、質疑を行ないます。足鹿覺君。
  3. 足鹿覺

    足鹿委員 昨日に引き続いて、まず最初農林当局質疑をいたしますが、この問題については大臣にも出席を願っておって、随時大臣所信等も承りたいし、なお大蔵大臣並びに主計局長北海道開発庁長官並びに木村監理官等出席の要求をあらかじめいたしておりますので、なるべくすみやかに御出席を願いたいと思います。  昨日、私がお示しをいたしました公団発足当時における経営収支決算との対比については、昨夜相当おそくなって農林当局から数字を記入してお持ちになりました。しかしその中で、特にこの際あらかじめ申し上げておきますが、公団受託開墾をいたしました特に篠津上北、根室・釧路、三地区年度別一般会計及び決算明細、それはできておるというお話でありますが、できておるならば、詳細に資料としていただければいただきたいし、御説明をまず願っておきたい。昨日の農林省の私へ御提出になりましたものでは、きわめて概括的でありまして内容が十分わかりませんので、まずその点をお尋ねしておきたいと思います。
  4. 庄野五一郎

    庄野政府委員 きのう御質問になりましたことにつきまして、おそくまでかかりましてまことに御迷惑をかけました。  なおただいま御質問篠津地域泥炭地開発事業費、それから根釧地区機械開墾建設事業費、それから上北地区機械開墾事業費、これにつきまして、ただいま私が持っております資料によりますと、機械公団に支払いました分といたしまして、三十一年度から三十五年度まで合わせまして六億二千八十三万三千円を支払っております。各年度分につきましては、一括しますと、三十一年度機械公団に支払った分が、三地区につきまして一千百三十四万円、それから三十二年度につきましては二千二百万円、三十三年度は二億三千三十九万八千円、三十四年度が一億七千八百五十四万円、それから三十五年度も三十四年度と同じ金額でございます。先ほど申し上げましたが、ラウンドにいたしまして六億二千八十三万三千円を交付金として支払っております。
  5. 足鹿覺

    足鹿委員 ただいま御説明になりました決算トータルでありまして、私が知りたいのは決算明細であります。と申しますのは、昨夜も資料をお持ちになった際に申し上げたと思いますが、昨日の楢崎君の質問にもありましたように、見解の相違とはいいながら、この公団に対する補助金交付金、このものの中身というものは非常に明確を欠いておる。従ってこのような機会にこれを明らかにしておくことが必要である、かように思うのであります。お手元にあるようでありますが、それをもっと内容的に御説明を願うわけにはならぬのでありますか。説明ができぬのでありますか。また将来、昨日楢崎君の質問にもありましたし、私も交付金の問題についてお尋ねをいたしましたが、このような経理状態を改める御意思があるのかどうか。これは特に大蔵当局に対してもその所信を聞きたいと思っておりますが、農林省としてはいかようにお考えになっておるのでありますか。
  6. 庄野五一郎

    庄野政府委員 公団に支払いました交付金の各年度分の方は、御承知のように農業基盤整備費の中の篠津開発地区あるいは上北根釧地区事業費の中から支払った分の決算を申し上げた次第でございます。これにつきまして御指摘のように、法律によりまして大体交付金ということになっておるわけでございます。昨日も会計検査院の方からも債務負担行為という性格の問題に御答弁があったわけでございますが、この取り扱いにつきましてはわれわれの方といたしまして法律による負担行為でございまして、これを一般会計事業費に繰り込み、この中から各年度公団に支払っておる、こういうことに相なるわけでございます。なお今後の取り扱いにつきましていろいろ御指摘の点もございますので、大蔵省ともよく相談をいたしまして十分検討いたしたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
  7. 足鹿覺

    足鹿委員 これは、大蔵当局がおいでになりましてからこの問題についてはさらにお尋ねをいたします。  そこで本問題に入りたいと思いますが、法律の第二十一条によりますと、「公団は、毎事業年度予算及び資金計画を作成し、当該事業年度開始前に農林大臣の許可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。」こういう規定、明文があるのであります。しかるに三十七年度予算及び資金計画は、もう四月も半ばになりまして年度に入っておるのでありますが、農林省提出されておりますか。
  8. 庄野五一郎

    庄野政府委員 三十七年度予算認可につきましては、ただいま農林省において検討中でございます。なお御審議願っておりまするこの法案成立によりまして出資金等も出てくるわけであります。なお事業費等も、事業計画認可等も、法案成立いたしますれば通るわけでございまして、これらについては改正前のあれで法律によりまして予算認可ということもできるし、今審査いたしております。これが過去におきましては非常に遅延がちでございまして、こういうことのないようにいたしたいと思っております。
  9. 足鹿覺

    足鹿委員 これは本改正案成立した場合には、事業計画に新しい要素が加わってくることは当然でありますが、従来のものとこれに新しく加えられるものとは当然用意があると思うのであります。従って現行法のもの及びこの改正に基づくものと両方検討中では済まされないと思うのです、年度に入っているのですからね。国の予算御存じのように、三月三十一日に成立をしない場合、一日に成立した場合におきましては、大体において慣行上補正等の措置を要せない、こういうことになっております。過般来の国会のよほど以前の事例にいたしましてもなかなか問題があるのであります。しかるに年度に入り、四月も半ばに達する今日、いまだ検討中ということはどういうわけでありますか、内容をお示し願いたい。
  10. 庄野五一郎

    庄野政府委員 三十七年度予算等認可につきましては、現行法によりまして提出がなされております。大蔵省協議してできるだけ早く認可いたしたい、こういうことで努力いたしております。
  11. 足鹿覺

    足鹿委員 その御答弁では私は納得するわけには参りません。すでにこの法案国会提出をされましたのは、よほど以前のことであります。国会開会直後に出ておる。その後において準備をされて年度が始まったならば、そしてこの法案が実施になれば、直ちに新しい構想に向かってスタートしなければならない。しかるにもかかわらず、まだ公団の三十七年度事業計画資金計画検討中ということでは、少し怠慢ではありませんか。なおこれについては少なくとも三十八年度以降における事業計画、あるいはこれに関連する資金計画等もできておるはずであります。それなしに公団運営は私は困難だと思うのです。ことほどさようにそういう状態でありますから問題が発生をし、いろいろと批判を受ける結果になるのであります。あなた方も御存じでありましょうが、行管監察報告によりますと、その十三ページでありましたか、ちゃんとその点が指摘をされておる。行管においても指摘を受け、そして従来の実情から見ましてもこの大蔵省との協議農林大臣認可、そういう法律に明記してあることが全くおろそかに取り扱われておる現状であります。行管報告なんかてんでこれを本気で実施しようという気持があるのかないのか疑わざるを得ない、まことに遺憾に思うのであります。監察報告によりますと、公団はいずれも三月三十一日までに農林省提出し、農林省はこれまた三十一日までに大蔵大臣への協議に付している。ところが大蔵大臣回答は三十三年度八十五日、三十四年度は百五十日、三十五年度は百十四日、三十六年度はこの報告では未回答となっておるのであります。農林大臣認可のおくれておるのは大蔵大臣にあるものと考えます。そこで大蔵大臣はどのような理由に基づいていつも遅延をさせられておるのでありますか、その理由をあなたたちは説明がつきますか、どのような折衝になっておりますか。  委員長、これは重要な点でありますので、大蔵当局出席至急促していただきたいと思いますが、農林当局で御説明ができますか。
  12. 庄野五一郎

    庄野政府委員 過去におきまして御指摘のように非常におくれておることは、まことにわれわれ遺憾に存ずる次第であります。なおこれにつきましては機械貸付料金コスト計算等いろいろございまして、そういうものに時間がかかりまして、それを基礎にいたしました予算等認可に非常に手間どったというのが過去の実情でございます。それから三十七年度につきましてもただいま提出をされて、私の手元にあるわけでございますが、これもやはりコスト問題等改訂がございまして、われわれとしても過去のような遅延のないようにできるだけ早くそういう点の決定をいたしまして、予算等認可できるようにいたしたい、こういうふうに努力いたしておる次第でございます。
  13. 足鹿覺

    足鹿委員 はなはだしきは、三十六年度の分につきましては本年の二月に認可があったと伝えられておるのであります。一体何事でありましょう。おそらくこのような事業計画やこれに関連する農林大臣認可事項大蔵大臣協議同意事項等がなされないままに、それがほったらかされたまま公団運営をされる。昨日も、監理官がおるから、農林省を代表していろいろ管理の任に当たっておるということでありますが、まず出発点から管理指導もでたらめではありませんか。おそらくこういう公団の無軌道な運営がいろいろなところに支障となって現われ、またその実績の上に大きな欠陥となって現われ、集約するところは大きな赤字となってくるのでありませんか。大体、すべてを通じてでたらめです。この点について、少なくとも大蔵大臣の確固たるこれらの問題に対する所信を伺いたい。わずか百万や百五十万の農林予算についても、大蔵当局は一々具体的な検討をしておる。このような大まかな公団問題等になれば手が届かないでありましょうが、 こういう法律によってもそれが全く無視されておる、常識を逸脱しております。何人が見ましても、これを見のがすわけには相ならぬと思うのであります。至急大蔵大臣の御出席を、しばらくの間でもけっこうでありますから、この問題について確たる所信を承りたいのでありますが、何とかならぬですか。
  14. 野原正勝

    野原委員長 出席するように計らいます。
  15. 足鹿覺

    足鹿委員 それでは大蔵大臣至急出席を願いまして、この問題についてはさらにお尋ねをしていきたいと思うのであります。  次に資料としていただきたいのでありますが、公団財務諸表財産目録貸借対照表損益計算書決算完結後二月以内に農林大臣提出し、その承認を受けることとなっておるのでありますが、これは法律第二十三条であります。どういうふうになっておりますか。
  16. 庄野五一郎

    庄野政府委員 三十六年度については、ただいま決算書を調製中のように聞いております。三十五年度につきましては参っております。
  17. 足鹿覺

    足鹿委員 それとあわせて三十年度以降の公団申請をしました、先ほど私が言いました財務諸表について年月日大蔵大臣への協議月日、その回答月日承認月日資料として御提示を願いたい。
  18. 庄野五一郎

    庄野政府委員 さっそくそろえて提出いたします。
  19. 足鹿覺

    足鹿委員 お手元にないのですか、お手元にあれば、とりあえず私の指摘をした点について、ずっとここでゆっくりとお読みいただけばはっきりするわけですが……。
  20. 庄野五一郎

    庄野政府委員 至急取り寄せまして御回答いたします。
  21. 足鹿覺

    足鹿委員 お聞きのように、この程度のものすらも準備をしなければできないという状態です。先日公団当局の方が参考人として出席をされ、楢崎委員その他の質疑にいろいろと答えられております。準備があろうと思う。公団当局に直ちに照会をして取り寄せていただきたい。いつになりますか、便々として私は待つわけには参りません。監理官は、こういった審議資料となるであろうと思われることを準備なさるのがあたりまえではありませんか。それでなくても行管がちゃんと指摘をしておるのです。一般に伝えられておりますように、三十六年度大蔵大臣回答も明らかでない、農林大臣認可月日も、事業計画については明らかでない、二月だという話でありますが、ほんとうですか。だからこれに関連をする今の資料至急に出していただきたい、いつ出しますか。
  22. 庄野五一郎

    庄野政府委員 監理官室にありますので、今電話で連絡して至急取り寄せます。
  23. 足鹿覺

    足鹿委員 その際、申し上げておきますが、ないものを要求するわけではありませんから、ついでに資料として御提示を願いたい。それは三十七年度公団予算事業計画資金計画及び三十八年度以降の事業計画資金計画概要、三十八年度以降は概要でけっこうです。そうこまかいことを申し上げても無理だろうと思いますから……。三十七年度の分についてはしかとしたものを御提示願いたい。それから先ほど申しました公団財務諸表、三十年度から三十五年度及び三十六年度見込書、三十六年度はまだ事務上なかなか困難な面もあろうと思いますからその見込書、それを一つ提示願いたい。あと質疑に出た際に申しますと、あなた方もお困りでしょうから一括して申し上げますが、三番目には、従来公団貸付をしました機械等料金民間料金との比較はどうなっておるか、これを知りたい。これを資料として御提示を願いたい。  それから一昨日、松本参考人も述べておられましたが、機械の貸与ではそう赤字になることはなかろうが、しかし新しくやります機械修理ということについては、経営はそう簡単になかなか黒になりかねるという趣旨のことを、楢崎委員質疑に対して答えられております。そこで機械修理公団がやった場合に、また、かつてやっておるのでありますが、その実績と、将来はどういうふうになりますか、この点は公団事業として重要でありますので、これを公団当局至急連絡をされまして御提示を願います。  それから一億五千万を今度国がしりをぬぐうわけでありますが、その使途、内容はちゃんとしておりますか、あればそれを伺いたい。あとでこの問題はいろいろと御質疑をいたします。  それから先ほど申し上げました篠津上北根釧三地区別年度別一般会計決算明細、先ほどの局長の言われたトータルでなしに、そのトータル内容一つ提示を願いたい。  それから三百万円以上の機械不動産、これは法律によって公団処分をしようという場合は農林大臣申請をして認可をもらわなければならなくなっておる、これは御存じの通りであります。今日までどのような機械とか不動産処分をしたか。それを農林大臣申請された日、認可のあった日を一覧表として御提示を願いたいと思います。  その一つ一つではお困りでしょうから一括して申し上げましたが、間に合うようにいただけますか。
  24. 庄野五一郎

    庄野政府委員 できるだけ間に合うように整えたいと思います。
  25. 足鹿覺

    足鹿委員 この点は、特に委員長お願いを申し上げたいのですが、これは当然あるべきものなんです。それがないとして時間を食いますと、これは私の責任ではなくして農林省なり公団の今までの怠慢の集積だ、ということになりますので、便々と持つわけに参りませんが、何時ごろに出しますか、その点をお確かめ願いたい。
  26. 野原正勝

    野原委員長 おそくとも昼ごろまでにどうですか。
  27. 庄野五一郎

    庄野政府委員 できるだけ努力いたしまして昼ごろまでに整えたいと思います。
  28. 足鹿覺

    足鹿委員 昼ごろまでに出すということでありますから、ぜひそういうふうにお願いをしていただきたいと思います。  そこで、先ほども私が申し上げましたように、松本理事長は一昨日の陳述において、機械貸付はまあ大体うまくいくだろう、ただし修理はなかなか並み大ていでないと言っておりますが、農林省のこれに対する見解はどうですか。監理指導の立場からこれを御肯定になるならば、三十七年度公団予算内容事業計画内容との関係において実際成算があるのかないのか、理事長自身がどうも自信がなさそうだということになりますと、これまたいいかげんだと赤字になるのですよ。頭から赤字になるようなことを承知の上で事業計画を組んだり、予算を作ったり、資金計画を立てるようなことでは、これはもう従来と少しも変わりませんが、ほんとう成算がありますか、農地局長
  29. 庄野五一郎

    庄野政府委員 一昨日以来御質問お答え申ておりますように、公団の主たる事業は、御指摘のように機械貸付というのが今後中心になっていくだろうと私も考えております。これにつきましての事業量の確保ということにつきましては、事業計画を出していただきますが、今度事業計画認可、こういうことに相なるわけでありますが、事業計画の審査に際しましても、たとえば三十七年度につきましても、三十七年度農林省の、特に農地局予算等との関連が非常にあるわけでございまして、この事業予算執行の面とよくにらみ合わせまして事業計画が妥当に、そして伸びるように私としては認可なり指導をしていきたい、こういうふうに考えておるわけでございます。  なお公団修理業務でありますが、ただいままでに公団手持ち機械修理する、こういうことになっておったわけでありますが、御審議を願っております法改正では、何でも修理業務ができる。これは従来から公団修理施設に対しまして、県有機械だとか、あるいは県が出資しております公社の機械、そういうものの修理委託等も頼まれることもあるように聞いておりまして、そういう面の修理もできるようにいたしたい、こういうふうに考えておる次第でございますが、これについて御指摘のようにこの修理による収入を多分に見込むというようなことは、今後の新しい仕事でございますので、十分注意いたしまして、そういった過当な修理見積もり等のないように、堅実な運用の裏づけ等をよく審査いたしまして、十分注意していきたい、こういうふうに考えます。
  30. 足鹿覺

    足鹿委員 自信があるわけですね。あとで今の御答弁がすぐにくつがえるような事態が起きないように十分御留意をなさっていただきたいと思います。それは申し上げておくだけで……。
  31. 野原正勝

    野原委員長 足鹿君に申し上げます。大蔵省から相沢主計官が見えました。
  32. 足鹿覺

    足鹿委員 それでは相沢さんでけっこうです。大蔵省当局に大事な点を二、三お尋ねをいたしますが、農地開発機械公団法審議にあたって、これが従来の運営よろしきを得ずして赤字が出た。これを再検討して再発足をしようということで論議、検討しておるところでありますが、最初お尋ねいたしたいのは、法第二十一条によりますと、公団は、毎事業年度予算及び資金計画を作成して、当該年度開始前に農林大臣認可を受けなければならないと規定され、十九条には、これについて大蔵大臣協議をしなければならぬ、こういうことになっておるのであります。行管勧告書によりますと、大蔵大臣回答が従来著しくおくれております。三十三年の分につきましては六月二十三日、農林大臣認可が六月二十六日、三十四年度大蔵大臣回答が三十四年八月二十四日、農林大臣認可が三十四年八月二十六日、三十五年度が三十五年七月十一日、農林大臣認可が三十五年七月十九日、こういうことになっておりまして、認可に要した日数が三十三年度は九十六日もおくれ、三十四年度は百五十五日、三十五年度は百十八日もおくれておる。三十六年度に至っては無認可同様であった。大蔵大臣回答も出ておらない、農林大臣認可もないままに、聞けば本年の二月ごろ認可があったと伝えられておりますが、その事情を明らかにしていただきたい。
  33. 相沢英之

    相沢説明員 機械公団予算例年年度開始前に農林大蔵両省協議がなり、かつ認可するという建前になっておるにかかわらず、これがしばしば遅延し、特に三十六年度においてはなはだしく遅延したということにつきましては、私ども事務当局といたしましてもはなはだ遺憾に思っております。しいて申し上げますと、農地開発機械公団は、他の住宅公団あるいは道路公団その他のこういう事業公団と若干違いまして、機械公団自体計画に基づく事業というのが非常に少なく、主として国あるいは県等土地改良事業を請け負ってやるということになっておりますために、その請負の見通しがつきませんと、なかなか予算も組めないというような状況があるのでございます。これがはっきりと、たとえば国営の灌排事業その他の事業、また県の補助事業につきましても、あらかじめ農地開発機械公団にこれこれの事業はやらせるんだというようなことを決定いたしまして、つまり、年度開始前にそういうようなことがきまりますれば、これまた若干事情が違うと思いますけれども、その辺のところは、建前といたしまして、公団も他の一般の建設会社と同じような資格において工事の受注をするというような仕組みになっておりますものですから、国、地方における事業の実施計画との関連におきましてそれがきまりませんと、農地開発機械公団事業もきまらないといったような因果関係がございまして、とかく事業内容が固めにくいといったような事情があるわけでございます。三十六年につきましては、過去において累積いたしました赤字の対策をどうするか、あるいは今後における再建計画の見通しとの関連において、ことしの事業をどのように考えたらいいか等々、いろいろと問題が多かったということも手伝いまして、非常に遅延いたしたわけでありますが、いずれにいたしましても、これははなはだ遺憾なことでありまして、今後できるだけそういうことのないように、早く事業計画を策定して、これを認可するという方向に努力したいというふうに考えております。
  34. 足鹿覺

    足鹿委員 いずれにしましても遺憾なことだというので、その事実をお認めになっておるわけでありますが、とにかく法律の規定事項が守られない、それにはいろいろの理由を今述べられました。住宅公団とかその他のものとの性格の相違は私もよく存じております。しかし許しがたいのは、公団が三十六年十一月に出しております昭和三十六事業年度農地開発機械公団の収支予算というものが、ちゃんと一般に出ているのです。認可されたのは本年に入ってからだという話を聞いておるが、財務当局として少しでたらめ過ぎやしませんか。法律の明文にあることについては、今おっしゃったようないろいろな理由のあることは、私もわからぬではありません、わからぬではありませんが、堂々と予算として確定したものとしてこれを公表するとは、一体何事でありますか。一体こういう運用というものがあっていいのでありますか。もうちゃんと予算として出ておるのですよ。
  35. 相沢英之

    相沢説明員 その事実は私ただいま初めて聞きましたので、機械公団としましてそういう認可なしに収支予算として公表するというようなことは、はなはだおかしいのではないかというふうに思っております。
  36. 足鹿覺

    足鹿委員 おかしいではないかだけでは済まぬじゃないですか。とするならば、ここへ、目下認可申請中とか、何か書いてしかるべきでしょうが。農地局長、あなた大蔵省に投げかけて、涼しい顔をしておっていいのですか。一体監理官というものを置き、管理指導すると言っておるけれども、一つもあなた、管理しておらない証拠ではありませんか。堂々と、ちゃんと予算が公表されておる。とするならば、法律も守られておらない。農林省管理指導も徹底しておらない。大蔵省もまことに遺憾だと言っておる。知らぬ間に予算事業計画がきまって、動いておるのですよ。これは明確な法律違反であると同時に、こういう運営を許したら、全く無軌道な運営と断ぜざるを得ないじゃないですか。相沢主計官、三十六年度の正確な認可月日は、いつ認可になりましたか。
  37. 相沢英之

    相沢説明員 日にちはちょっと覚えておりませんが、二月であると思います。
  38. 足鹿覺

    足鹿委員 まだ三十七年度計画も十分に明らかにされておりませんし、私どもの手元には財務諸表についても資料としてまだ提示がされておりません。そこで相沢さんに、その専門の立場でありますから、御存じであるかどうか知りませんが、今資料を要求しておりますから、もし御記憶があれば御答弁願いたいし、御持参の資料があれば明らかにしていただきたいのでありますが、公団の財務語表、財産目録貸借対照表損益計算書、これは決算完結後二カ月以内に農林大臣提出し、その承認を受けなければならなくなっておると同町に、これにつきましても大蔵大臣への協議条項がついておるのであります。従って、大蔵省が三十年度以降のものについて回答をされました年月日は、資料で御答弁がいただけますか。
  39. 相沢英之

    相沢説明員 今手元資料は持ち合わせておりませんが、調べればわかると思います。
  40. 足鹿覺

    足鹿委員 それはいずれ資料の御提示を待って明らかにしていきたいと思います。  そこで、これは大臣お尋ねをするのが妥当な問題でありますが、一応大蔵事務当局にお尋ねをしておきます。農林省所管の公団あるいはこれに類するものが、きのう提示された資料によりますと十二あります。まだその中には、畜産振興事業団は退職給与等の規程がないようであります。他のものは共通しまして役員に対しては非常に高給であります。特にこの農地開発機械公団については顧問、嘱託というものが正員外に置かれておることも私ども不思議に思う点でありますが、一番不審に思いますのは、公団理事長以下理事、監事の退職金の基準が、退職年次における月俸の百分の六十五というものに在職年数をかけて退職金として支給することになっておる。これは共通だと農林省はいうのでありますが、その結果、今愛知用水公団理事長に転任をされました成田さんは退職当時に千二十数万円の退職金をその規程通りおもらいになることになる、もしその通りお支払いになるということになれば、以内ということになっておっても、その他の理事、監事も、すでに退任をした人がその規程通りもらっておるからということでおそらくおもらいになるだろうと思います。これは官庁に勤めておる人との比較はもちろんでありますが、民間会社の場合も他に類例を見ない高額のものだと思うのであります。私は人のふところをとやかく論ずるようなそういう気持で申し上げておるのではありませんが、退職金をたくさんおもらいになるような功績のあった人には事情によっては一ぱい一ぱいおあげをし、さらに何らかの労に報いる方法というものは当然とるべきだと思うのでありますが、大赤字を出して、そして退職金をもらって今度は同種類の愛知用水公団に転勤就任をされておる、そこでまた数ヵ年間勤めていけば——一カ月に二十三万円の報酬としますととにかく十三万円あまり給料に加算されるという、実にぼろいといいますか、べらぼうな給与規程になっておるのですね。今まで私ども予いたしますと、大蔵当局がとてもきびしい、とにかく微に入り細をうかがって検討される、そしてその結果なかなかむずかしい、こういうことを公式にも非公式にも答弁をされるのです。ところが一たび事業団の問題になり、その役員の給与等となりますと、こういう民間にも官庁にも類例を見ないような高額なものを出しておられる。きのう河野農林大臣検討して善処する旨をこの委員会において御答弁になりましたが、大蔵当局としてはこれは当然だとお考えになっておりますか。それともこういう問題については、信賞必罰の立場から業績を上げた者に対してはしかるべく支給するのがよろしかろう、しかし大きな赤字が出たとかあるいは業績が上がらないときには、少なくともこれに対しては勘案すべきではないか、かように私どもは常識的に判断するのでありますが、大蔵当局としてはお気づきになっておりますか、御検討になる用意がありますかどうか、この際明らかにしていただきたい。
  41. 相沢英之

    相沢説明員 公団の給与、退職手当等につきましては、各種の公庫、公団事業団その他の政府関係の諸機関における給与、退職手当というものとバランスをとってきめられているわけであります。私、政府関係機関の給与の問題につきましては直接担当いたしておりません、これは給与課がやっておりますので、確たることをここで御回答できないのでありますが、政府関係機関の役員の給与あるいは退職手当につきましても、当然民間における事業と均衡をとって定められていると考えております。この退職手当につきまして、おっしゃる通りこれは相当高いではないかといったような議論も過去においてはあったことを聞いておりますが、俸給月額に百分の六十五をかけたものに在職期間を乗じて算定するという方式は、各公庫、公団等に大体通じて行なわれている算定方法でございます。今先生のおっしゃられたように、その役員の功績いかんによってその範囲内において増減すべきではないかという御意見はごもっともな点もございますが、でははたしてその役員がどの程度に功績があったかいなかということ、それをものさしにいたしましてそれで六十五をあるいは六十三に下げるとか、あるいは六十で切るとかいうことは、実際やることはなかなか困難ではないかというふうに思います。今までの例から申しますと、大体において規程通りの額を払うというような形になっておるわけであります。これは民間の企業と比べて著しく不当ではないのじゃないかと私は思いますけれども、もしそういう点について問題がございますれば、私、担当の給与課の方にもその点を伝えまして意見を聞いてみたいと思います。
  42. 足鹿覺

    足鹿委員 川島行管長官には、北海道開発庁長官の御資格において御出席願ったわけでありますが、昨日も監査官に御出席を願って同僚楢崎委員からいろいろとこれらの諸問題について、行管の調査、勧告等をめぐってお尋ねをいたしたのです。ちょうど御都合が悪かったようでございまして、行管が相当精密に調査をされ勧告をされておりますが、勧告の趣旨が一つも生かされていない実情は非常に遺憾に思うのであります。農林当局も非常に遺憾の意を表しておりますが、せっかく苦労して正しいと思われる勧告を出された。私ども拝見しまして決して間違った勧告だと思いません。それらについて特にこの機械開発公団は問題を起こしておるのです。それでわれわれは入念に検討しておるわけでありますが、この際行管の長官として、いかにして勧告の趣旨を実行せしめ、行き過ぎや足らざるところや間違いを是正して健全な運営に戻すか、こういう点について、今の退職給与金の問題も含めて御所信があれば伺っておきたいと思いますが、いかがでしょう。
  43. 川島正次郎

    ○川島国務大臣 公社、公団事業団等につきましては、行管といたしましては特に平素から関心を持ちまして、間違いのない業務運営をするように監査をいたしております。ただいまお話しの農地開発機械公団につきましても、昨年監査いたしました。主管庁である農林省を通じて勧告を発しております。従来のやり方は大体六カ月間内に勧告に対する処置の回答を求めまして、なお改善しなければさらに勧告する、こういうふうにやっておるのでありまして、実は農地開発公団に対する農林省回答がきているかどうかまだ知りませんけれども、監察官が来ておりますので、担当の監察官から報告をいたさせますけれども、監察の結果勧告をいたしますことにつきましては、実績が上がるようにふだんから努めておりまするし、今後も努めるつもりでございます。
  44. 池上正紀

    ○池上説明員 お答え申し上げます。  農林省に対しましては二月二十六日に勧告をいたしましたが、まだ回答をいただいておりません。
  45. 足鹿覺

    足鹿委員 二月に勧告が出ているそうでありますが、いつ回答なさいますか。勧告に対する回答は。
  46. 庄野五一郎

    庄野政府委員 行管からの勧告はいただいておりまして、われわれそれ以来検討いたしておる次第でございます。これにつきましての改善措置を十分公団とも相談いたしますし、われわれの今後の考えも新たにいたしまして、十分な勧告に従う措置を十分間違いのないようにいたしまして、回答をいたしたいということで急いでやっております。
  47. 足鹿覺

    足鹿委員 何を聞いてもこれから検討するという答弁一点張りでありまして、全く誠意のほどを疑わざるを得ませんが、しかし国家の機構として、農林省資料や現地調査の結果に基づいてなされた勧告が従来その成果を期待できないということは非常に遺憾だと思うのであります。この際長官が幸いおいでになっておりますので、これをいかように回答を促し、そしてこの農地開発機械公団の今までの運営に反省をし、今後健全な国民の期待に沿うような運営に正常化せしめていくかということについての御決意がありますならば、この際一つ明らかにしていただきたいと思います。先ほどの御答弁では月並みなというと語弊がありますが、ただ一応の御答弁としか受け取れないのでありますが、いかがでありましょうか。
  48. 川島正次郎

    ○川島国務大臣 ただいま農林当局から答弁いたしました通り、勧告について検討して、機械公団とも相談する、こういう報告のようであります。なるべく早く勧告の結論を行政官庁に報告をしてもらいまして、さらに考慮することにいたします。
  49. 足鹿覺

    足鹿委員 この際申し上げておきますが、その回答をさらに御検討なさって、そしてこの法案の成否は別として、われわれはこれに対する態度は別に持っておりますが、もしかりに成立をし、運営実績をごらんになってさらに再調査をされ、さらに勧告を場合によってはするというくらいのかたい御決意を持っていただいて、そうしてこの問題を今後あやまちなからしめるようにわれわれは期待するものでありますが、この点についていかがでありましょう。
  50. 川島正次郎

    ○川島国務大臣 従来とも勧告に対する回答が不十分で、改善の実が上がらぬという場合には再勧告をする方針をとっております。従いまして、農地開発機械公団についても同様な考えを持っておるのであります。
  51. 足鹿覺

    足鹿委員 それでは次の問題に移ります。  昨日農地局から配付になりました資料によりますと、長期計画に基づきまして、つまり所得倍増計画の一環としての長期計画によって、汎用性の機械の所要並びに所有配置台数の調べたものが出ました。それによりますと、三十六年度から四十五年度までに、開墾の総事業量が二十一万七千町歩、圃場整備が百五十万町歩、機械施行可能の事業量が十五万五千町歩でありまして、これを延べますと四千四百五十台ということになります。これを年間にいたしますと一万五千町歩ということになりまして、四百四十五台の機械が開墾する計算の基礎であって、一台当たりの稼働能力が三十町歩余であります。公団の所有しております機械が百三十三台といたしますと、これから推算をしますと、年間四千町歩程度が限界だと思われます。間違いありませんね。——といたしますと、公団機械が大体三〇%しかいかない。都道府県有のものが三〇%、業者に依存するものが大体四〇%という割り振りになるようであります。このような計画を作っておるわけでありますが、事業の面積では六百四十七台の機械が足らないことになるのですよ。従ってこの開墾の三〇%については公団機械貸付または公団の受託工事として進むのかどうか、一体どうなるのですか。
  52. 富谷彰介

    ○富谷説明員 この資料に書いてございます公団の負担する事業面積と申しますのは、現在公団がやっておりますたとえば圃場整備で申しますと、そのうちの何割を公団がやるだろうという推定から出ておりますので、従って府県有のものあるいは民間の業者持ちのものの機械というのは、当然今後もそういう自分の占める分野でそれぞれ機械化の能率を上げて担当して参るということになっております。従いまして計算上もし不足が出るといたしますと、それは将来また公団の方も機械をふやすなり、あるいはまた府県有機械を期待する、そういうことになるかと思います。
  53. 足鹿覺

    足鹿委員 不足をする場合には公団がまた機械を買うのですか。要するにこの計画は結局長計画、所得倍増計画に基づくものであって、それ自体少し架空性が強いと思うのです。結局そういう計画では実際との間に相当の開きが出てくるのではないですか。貸し付けるのですか、あるいは公団の受託工事としてやる用意があるのですか、どっちなんですか。
  54. 富谷彰介

    ○富谷説明員 このうちで公団が自分で所有してさらに機械をふやして担当するものといたしましては、ここに書いてございます差引不足台数の二百七十一台分をふやして参りたい、こういうふうに考えております。それから不足します分につきましては、おそらく県その他の機械の伸長が出て参ると思いますので、その推移を見まして、もし県その他の機械の伸びがなければ、また公団の保有ということになって参るということでございます。
  55. 足鹿覺

    足鹿委員 貸付中心のようでありますが、受託工事そのものはやらないのですか。
  56. 富谷彰介

    ○富谷説明員 現在やっております受託工事はそのままの規模でやるつもりでございます。
  57. 足鹿覺

    足鹿委員 そうしますと、現在行なっておるもののみであって、今後は新しく受託工事は公団そのものがやらないのですか。手をつけないのですか。そうすると機械貸付修理が中心だ。その修理は実際問題としてなかなか容易ならぬ、こういう話を松本理事長はしておる。そうすると受託工事は今手をつけたものを終わればそれでおしまい。そうすると機械を持っておって貸し付ける、機械修理はみずからの分を修理し、他のものを修理する、それだけのものですか。
  58. 富谷彰介

    ○富谷説明員 私の説明が不十分で申しわけございませんでしたが、受託工事は現状のそれに充てております機械を、その現勢を伸ばすことなしに、その機械を持っている範囲で行なって参ります。従って受託工事と申しますのは、事業によりまして当該年度限りで終わるものもございますし、場合によりましては開墾のように二年、三年と延ばすものもございますけれども、機械の動きとしては将来といえども続いて参るわけでございます。しかしながら公団事業の主体は、そういう受託工事は今のままでとめておきまして、貸付の方の機械を逐次ふやして参りますから、主力といたしましては貸付の方に移って参る、こういうようなわけでございます。
  59. 足鹿覺

    足鹿委員 機械を持っておってそれを貸し付けたり修理をすること程度で、月額二十三万円の理事長以下理事、監事ぞろりと頭を並べ、顧問、嘱託から五百人に近い職員を置く、一体こういうことがどのような成果を上げるのか。私は昨日も河野大臣に御質問申し上げたのですが、愛知用水が当初の建設公団としての性格から管理公団としての性格に変わっていった。これは大臣もお認めになった。その際に、機械開発公団発足当時とは今御答弁になったように性格が変わってきておる。にもかかわらずこれを充実して貸付修理に重点を置き、本来の受託工事はだんだん縮小をして手を引く、こういうことでは公団存立の意義というのはほとんど薄くなるのではありませんか。それでもあるのだということになればこれは見解の相違と言わざるを得ませんが、農政の推移から見て、開墾、干拓あるいはその他の農地の造成等に対する政府の熱意はすっかり失われておる。特に開拓政策は全く新規入植を打ち切り、既入植者の困難をどうして救済するかということに変わってきておる。こういう状態でありますが、そういう中にあって公団の性格は発足当時ともう根本的に変わりつつある。そこに今度の改正法の矛盾も出てき、いろいろ問題があると思うのです。  では伺いますが、公団の性格が変わった。そこで年次別、事業量別、事業の種類別、地区別、その予定地、今後受託工事としておやりになろうという、今私が指摘した年次別事業量事業の種類、その地区予定地は一体どこを予定しておられますか。どの程度のことを計画されておるのでありますか。私は先ほど要求しました資料を拝見した上でさらに指摘をいたしますが、それなしにうまくいかぬのではないか。たとえば機械貸付にいたしましても、貸付するからにはその都道府県あるいはその地区における計画というものをあなた方が握っておって、そうしてそこに必要な機械を重点的に貸し付けていく、こういうことにならざるを得ないでしょう。これには一貫した計画があらねばならぬはずじゃありませんか。その点を明らかにしていただきたい。
  60. 庄野五一郎

    庄野政府委員 富谷参事官からお答え申しました今後の機械公団運営の方向でございますが、機械機械として貸し付けていくという貸付業務が大体中心だろう、こういうふうに申し上げた次第でございます。  なお上北、根釧といったような特定の受託工事というのは事業完了とともにだんだん縮小していくと存じますが、先日来私が申し上げておりますように、上北、根釧の方式に従いまする機械開墾方式をもってする基本営農類型地区機械施行、それから所縁倍増の中にもございますように今後の開拓も、ただいま施行いたしております国営、県営、団体営等のパイロット方式によるものが三十六年度から軌道に乗りつつあります。それから構造改善事業の中でも、いわゆる耕地整理事業というものに対しまして、機械施行ということが今後大いに期待されて、一応の試算を、機械事業量等をきめて公団もこういう事業量があるから、こういうふうに申しましてそれの確保なりそれの実現にわれわれは努力したい、先ほどこういうふうに申し上げた次第でございます。その場合におきまする機械貸付ということと、それから上北、根釧方式ではございませんが、その他の県営でありまする開墾あるいは団体営でありまする耕地整理、そういったところに対しましても、機械を貸し付けるとともに、あるいは工事の受託を受けて機械公団が施行するという場合もございましょう。それからまた今後非常に期待されまする草地の改良、造成等におきましても、機械公団におきまして機械貸付である場合もありましょうし、またその事業主体の契約によりまして工事の受託を受けて工事を施行するという場合も出てくると思います。そういう問題につきまして、われわれといたしましては、公団からの事業計画をよく吟味し、われわれが持っておりまする国営なり、あるいは県に予算配賦いたしておりまする県営事業等におきまする公団機械貸付なり、あるいは受託工事としての施行なりについて十分指導をして、事業量の確保ということに努めたい、こういうふうに思っております。  なお、具体的にどの地区がどうというのは、三十七年については事業計画を見ながら考えていきたい、こう思っておりまして、まだ十分なものはできておりません。
  61. 足鹿覺

    足鹿委員 どうも、昨日来この問題は申し上げておるので、きょうあたりはもう少し明確な御答弁があるものと期待しておったのですが、検討するの一点張りなんです。おそらく今局長が御指摘になったようなことであろうと思うのですが、それは私が冒頭に資料を要求しましたが、三十七年度公団事業計画予算資金計画、三十八年度以降の事業計画の裏づけとしては、どういう種類の事業をどの程度の量をどの地区において大体予定するか、こういうことが裏づけとしてあるはずなんでしょう。それなしに今言われるような局長答弁は、昨日から大臣ときまった答弁なんです。そういうことを私は求めているのじゃないのです。私は決して無理な要求ではないと思うのです。事業計画をお出しになれば——十二時ごろまでに出すということでありますので、それをしさいに見させていただきますが、その程度のことは公団から当然あなた方にはもう打ち合わせ済みであり、大体きまっておるはずなんでしょう。ただばく然と一億五千万円の新しい出資をする、そしてこれはどういうふうに使用されるのかという関連がありますが、機械を購入されるのですか、施設を拡充されるのですか、あるいはその運用益でもって事業費に充てたり、管理費の不足の穴埋めをするだけなんですか。そうすると先ほど富谷参事官は機械を買うんだ、貸付の要望があれば機械は当然不足してくるから買うんだ、こういうことでありますが、この間からもあまり明らかになっておりません。一億五千万円の出資は何に充てるのですか。この出資の一億五千万円の内容との関連も出てくると思うのです。それも明らかにしていただきたい。
  62. 庄野五一郎

    庄野政府委員 一億五千万円の出資金の使い方につきましては、これを新規の機械購入とそれから公団事業運営資金として安定的に使う資金として使いたい、こういうことで大蔵と今相談いたしております。
  63. 足鹿覺

    足鹿委員 まだ大蔵と折衝中だというのですか。少なくとも法案を二月に提案をして、そして今日まで相当の日子が流れておる。そして先日来この問題に対して真摯な検討が行なわれておる。これはできないことはできないでしょうが、私は先ほど指摘しましたように、少なくとも事業分量だとか事業の予定だとか種類だとか、そのうちで受託工事として公団がみずからどの地区をやる、この地区は都道府県がやるから機械が不足するから貸与する、こういう大まかな検討計画もなしにあっていいのでありましょうか。どうも私どもが見ておりますと、公団は仕事をしたい、しかし国のいわゆる開拓政策等もうしろ向きになって、そして特に農地の造成、なかんずく開墾、干拓、開拓というようなものについてはほとんど新規を抑制する、こういうことになりますと、事業の方向というものが変わってくる。変わってくれは——パイロット事業ということをお話しになりました、構造改善事業ということをお話しになりました。では伺いますが、構造改善事業はいまだに地元から事業計画も出てないのですよ。農林省のこれに対する融資の態度だとかあるいは事業計画内容である土地改良が重点であろうぐらいの話であって、要綱には共同施設であるとかあるいは環境改善だとか、いろいろなものが掲げてありますが、その内容もまだきまってないではないですか。ただ一がいに構造改善事業を新しくやるからこれに持っていくんだ、そういう態度で一体機械開発公団はまたいわゆるお手上げの状態で仕事がないという結果になりますよ。おそらく構造改善事業は七、八月ごろでないとその中身が発足しない。指定地区事業計画も定まらない。そういうていたらくであって、お役人の仕事であり、本年度はおそらく空転するでしょう。これは私の推定でありますから別に御答弁を求めませんが、少くともそういう事情にある、状況下にある。そういう中にあって、一億五千万円の出資を新しくこの法改正に基づいてやる、機械を買う、こういうことでありますが、機械はどういう機械をどの程度お求めになるわけであり、一部を事業費並びに管理費に回すということでありますが、ではその運用益をどの程度見込んでおられますか。一億五千万円というものを大体大蔵省と折衝をしておられるその中身を伺いたい。場合によっては大蔵省がどういうふうにこの一億五千万円を農林省と相談をしてお料理なさるか、その態度を一つ承りたい。その内容もなしに一億五千万円を出資してよろしい、こういうわけには参りますまい。
  64. 庄野五一郎

    庄野政府委員 再々の御質問でございまして恐縮でございますが、事業量の問題といたしまして、先ほど私がお答え申し上げました中に構造改善事業、こう申しましたが、構造改善事業と申しましてただいま新しい三十七年度事業で取りかかるあの事業を私は申し上げたのではないのです。説明が非常に不十分でございましたが、私が申しましたのは、その構造改善事業ともいうべき圃場整備の問題を申し上げたのでございました。  ただいま農地局におきましては、パイロット事業につきましても三十六年度から開始しまして三十七年度予算配賦をただいま決定いたした次第でございます。それから土地改良の中身といたしまして、国営、県営、団体営——団体営の中にも耕地整備事業が非常に大きなウエートを占めておるわけでございますが、そういうものの予算、三十七年度予算配賦をただいま事務局別にいたしており、四月中には県別あるいは土地改良区別に決定していく、こういう段階でございまして、その事業量公団事業と密着させたい、こういうように考えておるわけでございます。地区別に、またそういう事業計画が出ないというおしかりでございますが、三十七年度につきましては、新規のものあるいは継続のものにつきましても三十七年度事業量がただいま決定しつつある段階でございます。それを決定いたしまして、これのうちで公団でどういうふうにそれを担当するかということは、事業計画等ともよく見合って、いろいろその確保筆に努めたい、こういうふうに考える次第でございます。  それから出資金の使い道でございますが、新規の機械等につきましては、北海道あたりを中心にいたしまする畑作の開発機械等を新規に購入いたしたいということで計画中でございます。またその中で運用資金というようなものにつきましては、積み立てて、運用益で、これをもって公団管理費等の安定を期していきたい、こういうふうに考えます。
  65. 足鹿覺

    足鹿委員 私はその答弁はまことに不満であります。そういったことでは、この問題は私の質疑に対しては御答弁にならないと思うのです。  今、私の要求に従って「昭和三十七年度事業計画予算について」という資料が出てきました。今ほんの一、二分間さっとめくって見て、これが事業計画と言えますか、これは作文ではありませんか。一つの方針ではありませんか。事業計画の前文ですよ。何が事業計画ですか。どこに具体的なものがあるのですか。これは事業計画の前文ですよ。たとえば農業団体なり民間会社なりがこういうものを事業計画として出して株主総会や団体の総会が通過するとお考えになりますか、冗談じゃないですよ。でたらめじゃないですか。こういうもので事業計画予算とは一体何ですか。相沢生計官に伺いますが、これを事業計画とお認めになりますか。
  66. 相沢英之

    相沢説明員 これは私もただいま拝見したわけでありますが、予算についての公団としての基本的な考え方を文章につづったものであると思います。事業計画及び予算というものは、正式の形においては当然こういうものではなくて、具体的な内容を持つことになると思います。
  67. 足鹿覺

    足鹿委員 具体的な内容を持つものだそうですよ。これは前文だということなんです。これをあわててお作りになったその御努力のほどはわからぬではありませんが、これは一体何と言っていいのですかね。委員長もごらんのように、これで一億五千万円の出資をして、今まで出資金のなかったものに出資をして、少なくとも健全な運営に当たらして、今後の農業基盤の整備事業に貢献せしめよう、こういう画期的な構想の裏づけとしてはあまりにもお粗末ではありませんか。一体公団なり農地局は日常どういう連絡をしておるのか。私どもが昨日から指摘しておりますように、農地局自体が今までは仕事を出さぬじゃないですか。ほんとうに前向きになってあなた方が公団に、仕事が消化できないというところにまで、これをやれ、あれをやれ、これもやれというふうな具体的な事業計画に対する示唆を与え、そしてこれに協力し援助していくということがあれば、公団としてもふうふう言いながらやらざるを得ないでしょう。こういうものを機械開発公団が出さざるを得ないということは——機械開発公団の責任者はおりませんが、これはあなた方が作ったんでしょう。農林省がきっと作ったんでしょう。農林省の了解なしにやるわけはない。一体だれがこういう作文をしたのですか。この作文で事業計画などということは許しません。
  68. 庄野五一郎

    庄野政府委員 一昨日理事長が参りまして、事業計画の基本方針、考え方というものをここでお述べになりました。それがその文章でございます。先ほど御要望の事業計画につきましては、ただいま調製して提出いたしたいというふうに考えておる次第であります。
  69. 足鹿覺

    足鹿委員 これはだれが要求した資料ですか。——では私が要求した資料ではないのですか。
  70. 庄野五一郎

    庄野政府委員 一昨日松本理事長がここで御答弁になったあと資料要求としてあったと存じております。
  71. 足鹿覺

    足鹿委員 そうしますと、私は冒頭に資料要求をいたしましたが、あなた方の便宜を考えて、次から次と出すことは気の毒だと思いまして、大体七項目にわたって、これは決して不可能ではない、可能な、当然あるべきものとして要求したその一に、三十七年度公団予算事業計画資金計画及び三十八年度以降の事業計画資金計画というものを要求しましたが、それはいつお出しになるのですか。
  72. 庄野五一郎

    庄野政府委員 ただいま青焼きにしておりまして、もうすぐ参ると思います。
  73. 足鹿覺

    足鹿委員 それを見た上でさらに伺いますが、一億五千万円の大まかな内容を明らかにしていただきたい。
  74. 庄野五一郎

    庄野政府委員 一億五千万円の出資金におきまして、ただいま私たちが計画しておりますのは、一億円を安定資金に、五千万円を主として北海道の畑作開発用の機械を新規に購入いたしたい、こういう考えでございます。
  75. 足鹿覺

    足鹿委員 一億円を積み立てて、これの運用益でもっていろいろ管理費に充てたり、あるいは事業費をまかなったり、あるいは不足が出たときに穴埋めする、あと五千万円で実際の機械を購入したり、あるいはその他必要なものを買うということですが、どういうものをお買いになりますか。北海道の畑作関係機械を買うということでありますが、どういうものをどの程度、いつお買いになるのですか。事業計画で明らかになっておればよろしい。それを見た上で私は質問いたしますから……。
  76. 庄野五一郎

    庄野政府委員 五千万円で新規購入いたしたいという機械は、北海道の畑作地帯に使います機械でございまして、大体混層耕に使います大型の機械だ、こういうように考えております。
  77. 足鹿覺

    足鹿委員 昨日、河野農林大臣は、草地の開発等にも重点を入れるということでありますが、府県における草地の改良等について機械は現有のもので間に合いますか。大臣答弁は大まかな答弁でございまして、大臣としてはいたし方ないと思いますが、今お聞きの通りであります。機械開発公団の一億五千万円の出資は、一億円は運用益を求めるために積み立てる、五千万円で北海道の畑作の、しかも混層耕を中心の機械を買うのだということになりますが、そういう御構想で草地の大開発が可能になるでありましょうか。現有の機械で間に合うかどうか。先ほど私が指摘いたしましたが、長期計画に基づく開発計画は、三〇%が公団、三〇%が府県、あとの四〇%が民間、こういうことになっておるのです。それにしましても、機械が足りないのです。こういう点は、やはり大臣の構想の裏づけとして、もう少しこの出資金等の使途、内容等につきましては大まかな構想の裏づけとなるような関連がないと、大臣の御答弁が宙に浮いてしまうと思うのですが、いかがですか。
  78. 河野一郎

    ○河野国務大臣 必要があれば、借入金をいたしまして、必要な機械を買ってやらせたいと思います。
  79. 足鹿覺

    足鹿委員 借入金というお話でありますが、従来、これは世銀借款によってスタートしたものであります。見返り円が途中でだめになってから預金部からこれを引き出しておる。必要が生ずればということでありますが、これはまた世銀の融資を受けられますか。その資金源はどこに求められる御所存でありますか。
  80. 河野一郎

    ○河野国務大臣 そんなことは考えておりません。国内に金はたくさんありますから、どこからでも持ってこられると思います。
  81. 足鹿覺

    足鹿委員 とにかく、一億五千万円の出資そのものは、公団の穴埋め、あるいは今後生ずるであろういろいろな不足の補てんに使われる可能性が出てくる。そうしますと正味は五千万、しかもそれは北海道の混層耕中心の畑作用の機械を買う、大体明らかになったようであります。私どもはそういう程度では不満でありますが、事態としてはその事態が明らかになった。もし不足をすれば借り入れて充用する、こういうことでありますからこの程度で次へ移ります。  昨日、楢崎委員質問がありました、公団法附則の第九条の債務負担について、農林省は、附則第九条に規定してあるから、予算総則にあるような国会の議決並びに報告の要はないという説明でありました。なるほど、これは予算総則の中における債務負担行為の中には明記されておる事項ではございませんが、かりにそうだといたしましても、三十一年度以降五カ年以内に篠津上北、根釧の三地区に五億五千万円及びその利子が公団に支払われておる、公団に見返り金の特別会計にこれを返済することになっておりまして、従ってこれが年度別一般会計の三地区別ごとの決算として明らかにされなければならぬと思うのです。これは先ほども私が資料要求の六に申し上げておると思うのです。それはいついただけますか。
  82. 庄野五一郎

    庄野政府委員 これだけは電話連絡でとりましたので、ここでお答え申したいと思います。  上北地区につきましては三十一年から三十三年までに三年度にわたりまして五千五百四十万円、千円以下切り捨ててございます。それから根釧地区につきましては三十一年から三十五年まで五年度にわたりまして五千六百七十九万四千円、千円以下切り捨ててございます。篠津地区につきましては三十一年から三十五年まで合計五億八百六十三万八千円、こういうことに相なっております。
  83. 足鹿覺

    足鹿委員 これはトータルでありますが、年度別には明らかになっていませんか。
  84. 庄野五一郎

    庄野政府委員 年度別に明らかになっております。
  85. 足鹿覺

    足鹿委員 ではそれを明らかにしていただきたい。
  86. 野原正勝

    野原委員長 ちょっと足鹿委員に申し上げますが、川島長官が参議院との審議の約束があるそうですから、川島長官に対する御質問があったら一つその方を先にやっていただきたいと思います。
  87. 足鹿覺

    足鹿委員 それでは川島長官の御都合があるそうでありますから、長官への質問を先にいたしたいと思います。公団の輸入機械買い取り後の使用状況を中心にお尋ねをいたしたいと思います。  公団発足以来パワーショベルであるとかドラグショベルであるとか、いろいろなものをたくさん買っておられます。これが条件で世銀借款が結ばれたものだ、われわれはそういうふうに押し付けられた機械だと当時申し上げておったのですが、今もそう思っております。事、実あまり役に立たなかった。第一道路もない、橋もないのに、大型のものが行く途中でストップをするというような事態が随所にあった。そこでこれが十分稼働しておらない。行管の調査書の中にもそれは明確に指摘してございます。そこで、買った機械の耐用年数を調べてみますと、一例を申し上げますとパワーショベルは一万二千時間の耐用年数がある。ところが三十一年度には百六十時間、三十二年度には五百四十時間、三十三年度に六百二十時間、三十四年度が六百六十八時間、三十五年度が四百六十五時間という微々たる稼働状況でございます。これをトータルをいたしましても、二千時間を上回る程度であります。そこで途中で国の方針が転換をした。それも関連もあり、稼働も思わしくない、上北も根釧も篠津もだんだん仕事が終わってくる。そこでこれを北海道開発庁に買ってもらっておる。そのこと自体は別にとやかく言うわけではございません。不要なものを持っておってもいたし方ないから生かすためにそういう措置のとられたということは別にそれ自体に異議を申しておるわけではございませんが、北海道開発庁がこれを買い取られた後における稼働状況、どういう仕事にどの程度稼働して効率を発揮しておるかということについて、この際、長官からは大体の御答弁でけっこうでありますが、北海道関係事務当局からは具体的な一つ詳細な御答弁を願いたい。
  88. 川島正次郎

    ○川島国務大臣 公団から買いました機械の稼働状況につきましては、政府委員から詳細に御答弁申し上げます。
  89. 木村三男

    木村(三)政府委員 最初公団から買い取りました機械の概況を申し上げます。当初篠津開発事業として公団機械を入れましたのが四十一台でございまして、御承知かと思うのでありますが、三十五年度までに六台買い取りました。六台といっても一台はちょっと使い道がない、困るので公団に引き取ってもらっております。実際は五台、三十六年度で十台、それから三十七年度予算で十二台買うことになっておりますが、三十六年度までに買い取りましたのが、申し上げました通り五台と十台で十五台であります。そこでお話の中にも出てきましたが、最初泥帯関係機械でございますので、国内になかったというので外国から入れましたのが、あまりにも重量であって、泥炭地を行きますと食い込んでしまうというようなことがありまして、その関係で困りましたのがピアレス・ドレッジャーというのが四台ございます。それからトラック客土を考えておりました関係でクローラー・ダンプ・トラック、これも四台ありますが、これもいろいろな条件で篠津の方に合わないというので、今のような機械が実は当初考えておりました通りにうまく動かなかった、そういう関係でこれはむしろ借料を払うよりも買い取った方がよろしい。契約によりますと、使わなければ買い取る、使えば借料を払うことになっておりますので、開発局といたしましてはそういうものにつきましては、早く買い取って他に転用する、泥炭地以外の直轄明渠の方向に持っていく、あるいは補修いたしまして、別な方向に使うということで、今この八台分につきまして詳細な場所とか稼働時間とかはわかっておりませんけれども、それにつきましては美唄地区におきまして他の直轄明渠から他の地区の方に転用するということで転用をはかっております。それからそのほかの分につきましては、篠津では使わなくなったので買い取ってほかの国営の土地改良事業、開拓事業等に使っておりますが、機械の種類といたしましては、ドラグショベルとかパワーショベルとかいろいろございますけれども、それらの機械につきましては、大体順調に使われておるというような状況でありまして、今御質問の趣旨を全部お答えするのにはちょっと資料が不足いたしますので、その辺の稼働状況につきましては、できましたらこれ以上のことは資料で申し上げる方が私どもとしては都合がいいのじゃないかと考えております。
  90. 足鹿覺

    足鹿委員 まだ事務当局に対する質疑がありますが、大臣の御都合があるようですから、楢崎さんから……。
  91. 楢崎弥之助

    楢崎委員 川島行政世理庁長官に対する分だけ二点御質問いたします。  一点は、今度の公団法の改正に際して国から国有機械公団に現物出資するわけです。それで、さしあたって三十七年度は八十六台やるわけですが、将来にわたって百五十二台現物出資するわけです。そこで三十七年度どういう機械が現物出資されるかという資料提出を求めましたところが、その資料を見てみますと、私が質疑の中で危惧しておったように、国が非常にボロ機械公団に押しつけるのではなかろうか、これがまた公団の今後の赤字発生の要因の一つをなすのではなかろうか、こういう質問をしたのですが、はたせるかな、この現物出資の資料を見ますと、まず取得年度から見ても非常に古い、昔買った機械、しかも国の方で使って使い古してそして残使用時間がたとえば二十六時間くらいしかない機械公団に現物出資するというのです。これは考えてみるとすぐスクラップになると思うのですね。二十六時間です。これを現物出資する、これは勘ぐって言えば、国が払い下げると、いろいろ会計検査院その他がやかましいから、公団の方に払い下げて適当に公団の方で処分してもらおう、そういうことではないか、こういう国の現物出資のやり方に対して、行管な責任者としてどのように思われますか。まずその点をお伺いしたい。
  92. 川島正次郎

    ○川島国務大臣 御指摘の点は初めて承りました。全く答弁資料を持っておりませんから、十分研究してみます。
  93. 楢崎弥之助

    楢崎委員 今の点は、簡単な資料で残時間がどのくらいあるかということはすぐわかることです。聞くところによりますと、機械は一年間大体五百時間くらい稼働するそうです。それで見ますと、ほとんど一年以内にボロになって、スクラップで売らなければならぬ機械が相当この中に含まれている。これは十分監察をしてもらいたい。  それから第二点目でございますが、今も足鹿委員から相当に明らかにされましたように、政府関係の団体で、たとえば公団とか事業団の退職手当が、一年ではない、一月ですよ。給料の百分の六十五、これが全部そうだというのです。今大蔵省からもあったが、一般職員はたしか一年間に一月分くらいだと承っておる。そうするとこれは十倍近い退職金、これは実にけしからぬことで、しかもこれが同じ政府関係のところに移る際に一ぺん一ぺん退職金をもらっていくんですね。これは国民の方から見ましても、常識的に考えてもほんとうにけしからぬ話でありますから、大臣は、作られております臨時行政調査会の主管大臣でございますから、この点の検討を行なわれる御意思がおありかどうか、その点だけお伺いしたい。
  94. 川島正次郎

    ○川島国務大臣 公社、公団事業団等につきましては特に関心を持ちまして監察、調査をいたしておるわけでございます。ただいま御指摘の点も初めて伺いますので、これを判断する資料を持っておりませんが、御趣旨はよくわかりましたから十分研究いたします。
  95. 楢崎弥之助

    楢崎委員 今できております臨時行政調査会、これは主務大臣として調査を検討していただけるかどうか、大臣自身ではなくして機構で……。
  96. 川島正次郎

    ○川島国務大臣 臨時行政調査会の運営は自主的にまかしておりまして、こちらから諮問はしないのでありますけれども、調査員の諸君には御趣意はよく伝えておきますし、また行管自体としてもよく研究いたします。
  97. 足鹿覺

    足鹿委員 北海道開発庁関係の具体的な問題を資料で出すということでありますが、その前にちょっとお尋ねを申し上げて資料提出の際にも十分配慮をしていただきたいことがあります。それが済んでから十二時ごろまでに私が冒頭、要求した資料を出すというさっき農地局長答弁がありました。先ほど出てきたのは前の松本理事長の言ったことを作文したものが出てきておる。これでは困りますので、十二時過ぎといいますともう一時前ですから早く出していただきたい。それによって質疑を継続したいと思います。  そこで北海道開発庁に伺いますが、世銀借款によって購入した篠津用の輸入機械の点についてであります。これは十五台と聞いておりますが、これは世銀と公団の外部契約によってわが国と世銀との保証協定がなされ、国が公団から三十三年九月に四台、三十四年八月一台、三十六年四月に十台、いずれも篠津開発に不適性として買い取ったといわれております。今楢崎委員からもこの点に関連して、耐用年数のないものを現物出資しておる点について追及がありましたが、国が買い取るに至った理由、その後の管理状況、これらの点についてどうでありますか、一台一千万円もする機械も中にはあるということでありますので、同じ機械々々といっても機械によりけりである。非常に高い機械でありますから、そのつもりで一台ごとの購入価格、年月日及び耐用年数、使用時間、国の買い取り上の買い上げたときの価格、年月日、現在どこでそれは仕事をしておるか、その使用状況、稼働時間はどうであるかという点も一つ資料としていただきたいのでありますが、この点についての御答弁もあり、またいただけるかどうかということを一つお願いします。
  98. 木村三男

    木村(三)政府委員 お答えいたします。  ただいま御要求の資料についての御注文でありますが、大体において調べればわかることであります。ただ最後に御指摘になりました機械ごとの稼働時間がすぐに出るかどうか、その辺はちょっと私わかりかねるのですが、できるだけ誠意を持って早く今のような範囲について資料を作成してお届けしたいと考えます。
  99. 足鹿覺

    足鹿委員 北海道開発庁関係はけっこうです。が、先ほど私が指摘いたしました農地局関係資料はあらかじめ一括して申し上げたのですから、早くみんなにそれを御提示願いたい。それはいつ出ますか。
  100. 野原正勝

    野原委員長 足鹿委員の御要求の資料は、今盛んに印刷しておるのですが、相当の資料のようなんで、全部そろわなくてもでき次第お届けするようにしますので、とりあえず……。
  101. 庄野五一郎

    庄野政府委員 先ほど御要求になりました資料につきましては、なお督促してできるだけすみやかに出すようにいたしたいと思います。  なお決算認可状況等の御要望がありましたが、ただいまメモでも読み上げて御報告いたしたいと思います。  三十年度決算申請が三十一年の九月十一日、大蔵協議が三十一年の十二月三日、それから大蔵からの承認が三十二年の三月二十九日、それを受けまして最終的に承認いたしましたのが三十二年三月三十日、こういうことになっております。  それから三十一年度決算につきましては、申請が三十二年の九月十六日、大蔵協議が三十二年十二月十六日、大蔵からの承認が三十三年一月二十三日、農林大臣の最終的の承認が三十三年二月十日、こういうことになっております。  三十二年度決算につきましては三十三年九月二十九日、大蔵大臣協議が三十三年十一月二十五日、大蔵大臣承認が三十三年十二月二十五日、最終的の承認が三十三年十二月二十五日、こういうことに相なっております。  三十三年の決算につきましては、申請三十四年九月二十一日、協議が三十四年十月三十日、大蔵大臣承認が三十四年十二月二十五日、最終的承認三十五年一月二十一日、こういうことに相なっております。  三十四年度決算は、申請三十五年九月七日、大蔵大臣協議が三十五年十二月十九日、大蔵大臣承認が三十六年三月十三日、農林大臣の最終承認が三十六年四月十日。  それから三十五年度決算は三十六年九月十三日申請になって、大蔵協議が三十六年十一月九日、大蔵大臣承認が三十七年二月十二日、最終的の承認が三十七年二月十六日となっております。  三十六年度決算につきましてはただいま決算中でございます。
  102. 足鹿覺

    足鹿委員 ちょっとそれをこっちへ回して下さい。  これに関連をしまして先ほどの財務諸表関連する中身の一つがただいま資料として口頭説明なさったわけでありますが、その他の点については三十七年度事業計画資金計画予算、三十八年度以降の事業計画資金計画概要とうらはらの関係になりますから、財務諸表についても至急にこの点は最も重要でありますから出していただきたい。  それから三百万円以上の機械不動産公団処分をする場合、農林大臣への申請及び認可の問題は、簡単なんですが、できないのですか。
  103. 庄野五一郎

    庄野政府委員 今お尋ね処分のことでございますが、先ほど北海道開発庁の方からお答えになりました篠津関係の十五台の機械だけと承知いたしております。
  104. 足鹿覺

    足鹿委員 それでは北海道関係に売り渡しをしたというもので、七の資料とそれから今の決算状況はわかりました。そうしますと、今後は一と二とそれから三の問題と、四、五の一億五千万円の使途は先ほどわかりましたからこれはよろしい。それから六の篠津上北、根釧の三地区別のものも先ほど承りましたからこれもよろしい。七は、今済みましたからよろしい。あと指摘したものの御準備の都合もあるようでありますから、その資料をいただいた上で質疑を続行いたします。暫時質問を留保いたします。
  105. 野原正勝

    野原委員長 委員長から申し上げます。御要求の資料は、今印刷しておりますが、とりあえずそろいましたものだけでも差し上げたいと思います。それによって一つ御続行願いたいと思います。委員の諸君にはまだ全部差し上げるだけそろっておりませんので、後刻お手元に配付いたします。——それでは大臣に対する質問を先にやって下さい。
  106. 足鹿覺

    足鹿委員 先ほどから資料を請求し、かつ質疑事務当局にいたしました。先ほど農地開発機械公団から四月十二日付をもって、三十七年度事業計画予算についての資料提出をされました。これは全く事業計画予算というものの内容にふさわしくない、前文に該当するものであるということを指摘いたしまして、それは御肯定になりました。大蔵当局も肯定されましたが、大臣は最高のこの問題に対する責任者とされまして、今後公団運営を具体的に裏づけていく事業計画を、少なくともあなたの責任において重点的に指示をされる責任があるのではないか。ところがただいま提出されました収入支出予算書というものが三月二十五日付で印刷されたものがあって、これは出さないでおる。ようやく請求に従って出てきたものをざっと拝見をいたしますと、先ほどの事業計画予算との裏づけになるには、これは付属書類として検討資料のような形式のものであります。大臣がおいでになるまでに申し上げましたが、三十六年度公団予算事業計画等については、本年の二月になって初めてあなたが認可をしておられる。どこの公団を見ましても、前年度中に事業計画なりこれに裏づけとなる予算というものは認可を得、そうして年度が始まれば直ちにスタートすべき性質のものだと思います。にもかかわらず、三十六年度認可が二月になって行なわれる。それには他の住宅公団その他との関連もあって若干ずれることはやむを得まい、これは大蔵当局も言明されたごとく、私もあえて一カ月やあるいは数日の遅延をとやかく言うものではございません。が、少なくとも三十六年度のあなたの認可年度の最終段階になって三十七年の二月になって認可をされる、まだ三十七年度事業計画、収支予算、そういうものも付属書類程度であって、検討資料程度であって、この問題をかかえた公団の再建、今後の健全な運営がはたして可能であるかどうか、午前中からはおいでになっておりませんが、具体的に指摘をいたしたわけであります。この点について、今後このような事態が少なくとも最小限度に避けられるように、そうして少なくとも公団事業開始するときには年度早々着手をし仕事をするに支障のない態勢を大臣としてとられるかどうか、責任のある御答弁を願いたい。これのない限り、これらのものが累積しからみ合って赤字要因になり、その結果は必ずやまたこの問題を通じて論議の起きることは必至だと指摘したいのであります。この点について大臣の御所信を承っておきたいと思います。
  107. 河野一郎

    ○河野国務大臣 御指摘の通り本公団の過去の運営につきましては多々遺憾の点がありましたことは、はなはだ遺憾に考えます。今後におきましては責任を持って最善を尽くして指導いたしまして、いやしくも再びこのあやまちを繰り返さないように善処いたしたいと考えるものであります。
  108. 野原正勝

    野原委員長 本会議散会後開会することといたしまして、暫時休憩いたします。    午後一時九分休憩      ————◇—————    午後三時六分開議
  109. 野原正勝

    野原委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  農地開発機械公団法の一部を改正する法律案議題といたします。——足鹿覺君。
  110. 足鹿覺

    足鹿委員 本会議前まで質疑をいたしましたその結果、一応要求いたしました資料は不十分ながら提出をされまして、これをしさいに検討するいとまはありませんが、ざっと目を通しましても、さらにしさいに検討する余地は多々あるようであります。しかし、今までの質疑を通じて農林当局においても十分反省をされ、今後の公団運営業務の指導管理等に遺憾なきよう十分措置されると思います。よって、私はこの際大まかな問題についての質疑は打ち切りまして、全体を通じてこの公団法に対する質疑を打ち切ることにいたします。
  111. 野原正勝

    野原委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。     —————————————
  112. 野原正勝

    野原委員長 この際小山長規君より、農地開発機械公団法の一部を改正する法律案に対する修正案が提出されております。     —————————————     —————————————
  113. 野原正勝

    野原委員長 趣旨説明を求めます。小山長規君。
  114. 小山長規

    ○小山委員 この際、私は自由民主党を代表して、次の修正案を提出いたします。  案文を朗読いたします。   農地開発機械公団法の一部を改正  する法律案の一部を次のように修正  する。   附則第一項中「昭和三十七年四月  一日」を「公布の日」に改める。これが案文であります。  修正案の内容はきわめて事務的なものであります。原案においてはこの改正を昭和三十七年四月一日から施行することといたしておりますが、すでに期日を経過いたしましたので、これを公布の日から施行することに改めるものであります。  以上、趣旨の説明を終わります。     —————————————
  115. 野原正勝

    野原委員長 修正案に対する質疑もないようであまりすので、これより修正案並びに原案を一括して討論に付します。  討論の通告があります。これを許します。楢崎弥之助君。
  116. 楢崎弥之助

    楢崎委員 私は日本社会党を代表いたしまして、ただいま議題となっております農地開発機械公団法の一部を改正する法律案に対して、反対討論を行ないたいと思います。  農地開発機械公団法の一部を改正する法律案改正趣旨は、昭和三十七年度からかなり抜本的な改革を加えまして、同公団の整備強化をはかろうとするものであります。この公団は昭和三十年十月、世銀や見返り資金等からの借入金で発足したわけでありますが、自来今日まで無出資であった同公団に対して、今回一億五千万円の政府出資を行なうこと、またブルドーザー等を主とする国有機械計画的に現物出資として公団に移管すること、そして新しく修理業務を加えること、さらに一億五百万円に上る公団の欠損金を一挙に一掃するために欠損補てん補助金を交付する等々、私はそのいずれをとってみましてもきわめて重大な改正であり、これらの措置は同公団の再建というよりもむしろ再出発、新発足とも言える大改革であろうと思います。  以下、この改正案に対し、われわれが反対する理由を具体的に申し上げたいと思います。  まず第一に、この法案の本委員会における審議運営についてであります。ただいまも申し上げましたように、いろいろ問題の多いこの公団の再出発に対し、この機会を通じまして十分時間をかけて検討審議し、そのあり方を正し、同公団が本来の目的に沿って十分な活動ができるように審議すべき任務を持つこの委員会が、昨日わが党足鹿委員質問の最中に、突如として与党委員によってこの法案と全然関係のない別の法案を、しかもそれぞれ異質の四つの法案を一括審議すべしという緊急動議を出され、委員長はわが党との話し合いもすることなく、これを一方的に採決して、その四法案に対する審議に入るというようなことは、かつて国会運営上慣例のない暴挙でありまして、これは国会正常化について税在与野党が努力しているさなかに、まことに遺憾千万といわねばなりません。  次に法案内容でありますが、本委員会審議を通じ、あるいは行管の勧告、会計検査院の検査を通じて、現在までの公団運営がいかに放漫であり、ずさんであり、でたらめであったかが明瞭になったのであります。そうしてそれらの集約が今日までの公団の膨大な赤字になって現われておるのであります。しかもその赤字発生の原因は、公団自体の運営能力の欠除にあったことはもちろんでありますが、公団の業務計画あるいはその実施に対する国の行政指導、すなわち農林大臣指導がほとんど行なわれていないという事実によるところが大きいのであります心たとえば事業量不足による機械の稼働不足、また予算や業務方法書の認可遅延等々、政府はおのれの行政指導を完全にサボタージュし、公団を放置しておったのであります。政府の責任はまことに重大といわなければなりません。  しからば今回の改正においてこれらの問題点はどう対処せられようとしておるか。今後における国の行政方針と公団事業との結びつきは法的にも制度的にもまた実際の運営の上からも全く断ち切られたものでありまして、の確保等についても、何らの保証はないわけであります。あまつさえ老朽化した国有機械公団に押しつけ、収支償う見込みの薄い修理業務を追加して、さらに赤字発生の要因を将来に残しておるのであります。しかも今後の資金計画、業務計画は、この公団再出発の現在においてすら、まだ具体的な検討も終わっていないという全くお話にならないでたらめな驚き入った醜態といわなければなりません。国民の血税から一億五百万円という多額の赤字穴埋めをし、他方一億五千万円の出資をして再出発をさせようという公団に対しまして、このような政府の無為無策、放漫政策に対しては、われわれは断じて承服できません。また再出発を迎えた公団自体のかまえもその事務的あるいは技術的運営能力の点においてはなはだ貧弱なものがあります。  最後にわれわれが特に反対をする理由のものは、この公団の人事についてであります。まず公団発足以来昨年九月三十日まで理事長をしておられました成田理事長は、膨大な赤字を累増させた最高の責任者であります。ところがことに赤字のひどかった三十五年度の山梨県災害復旧工率は会計検査院からも不当事項として指摘をされ、そのために成田理事長は直接の部下である理事二名、ほかに職員二名に対し引責のかどで辞任さしていながら、本人自身はみずからの責任を明確にすることなく、膨大な赤字をかかえている公団から一千二百万円という多額の退職金をつかんでのうのうと愛知用水公団理事長として転任されたのであります。理事長の任命は農林大臣であります。部下に責任をとらしてやめさした理事長は本来ならば、御自身の判断で責任をとり、出所進退を明確にすべきでありますが、もし本人自身にその反省がないとするならば、任命権者である農林大臣が当然この理事長に対し、長がその部下を処分したと同じようにその責任を追及するのが、法の精神から言いましても、公僕の立場から言いましても、また社会通念から言いましても当然のことではないでしょうか。この点それは大した問題ではないと言われる農林大臣の態度は全く了解に苦しむものでありまして、大臣大臣なら理事長も理事長だとあぜんたらざるを得ません。  次に現理事長の松本氏であります。同氏は、昨年十月、東北開発株式会社の理事から当公団理事長に栄転されてこられたのであります。同氏は常日ごろから、おれは河野の直系だということを豪語されていた方でありますが、東北開発株式会社理事をおやめになった理由は、すでに衆議院決算委員会で明らかにされておりますように、東北開発株式会社の汚職に一部理事がひっかかっておりますために、役員全員が職務違反、怠慢の責めを負ってやめられたのであります。従ってまだ御本人には東北開発株式会社の退職金も今もって保留になっておるのであります。もちろん御本人の人格、識見とは直接関係のない汚職事件であるとは言いましても、やめられた理由は明らかに職務怠慢による引責辞職でありまして、このような人をわざわざ問題の多い当公団の役員に、しかも理事長に栄転させるということは、これは単に松本氏個人の問題に属することではございません。事柄は高級役人の人事一般に関する重要問題であります。さらに公団のかかえている、顧問嘱託も、行管が勧告しておりますように全く飼い殺し的存在でありまして、国費の乱費、冗費これに過ぐるものはございません。以上新旧両理事長の人事は不法ではないとしても、明らかに正当性と適格性を欠いた不当人事といわざるを得ず、任命権者である河野農林大臣の情実人事に対する責任はまさに重かつ大でありまして、すみやかに反省の上、その善処方を要請する次第であります。  以上、私はこの公団法の一部改正について反対の理由を申し述べましたが、以上の点はおそらく与党の皆さんといえども賛同される点の大きいものがあろうと思いますがゆえに、私の反対討論に御賛同を得ますようにお願いいたしまして、討論を終わる次第であります。(拍手)
  117. 野原正勝

    野原委員長 玉置一徳君。
  118. 玉置一徳

    ○玉置委員 一言簡単でございますが、本案件に反対の討論をしておきたいと思います。  内容につきましては、足鹿委員その他の方々から御質疑がございました。それに対する答弁でも明らかでございますので、詳しくは申し上げませんが、本公団の在来の運営が非常に放漫であり、ずさんであり、しかもこれに対する農林省御当局の指導監督というものは不十分でありまして、この点につきましては河野農相もよくその非を認められまして、今後につきまして十分の配意を言明された通りであります。なおそういう運営をさだかにしない上に出資をするというようなことは、まことにもって言語道断といわざるを得ないと思います。われわれはこういう法案審議すること自体がかえってどうかと思う。農林委員として、こういうものはすみやかに、ほんとうは差し戻して十分な内容に整えられて審議に託されることの方が望ましいのでありますが、そういう意味におきましては、本法案に絶対反対の意思を表明いたしたいと思います。今後、厳にこういう問題につきまして慎重な御配意をお願い申し上げたい、かように考えます。  非常に簡単でございますが、民社党の反対の意思を表明するために討論いたした次第でございます。(拍手)
  119. 野原正勝

    野原委員長 これにて討論は終局いたしました。  引き続き採決に入ります。  まず、小山君提出の修正案について採決いたします。  本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕
  120. 野原正勝

    野原委員長 起立多数。よって、本修正案は可決いたしました。  次に、ただいま可決いたしました修正部分を除いて原案について採決いたします。  これに賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕
  121. 野原正勝

    野原委員長 起立多数。よって、本案は修正議決いたしました。  なお、本案に関する委員会報告書の作成等につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  122. 野原正勝

    野原委員長 御異議なしと認めます。よって、さように決しました。  この際暫時休憩いたします。    午後三時二十一分休憩      ————◇—————   〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕      ————◇—————