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1962-03-23 第40回国会 衆議院 農林水産委員会 第23号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十七年三月二十三日(金曜日)     午前十一時二分開議  出席委員    委員長 野原 正勝君    理事 秋山 利恭君 理事 小山 長規君    理事 田口長治郎君 理事 丹羽 兵助君    理事 山中 貞則君 理事 足鹿  覺君    理事 石田 宥全君 理事 片島  港君       安倍晋太郎君    飯塚 定輔君       大野 市郎君    金子 岩三君       仮谷 忠男君    倉成  正君       小枝 一雄君    坂田 英一君       田邊 國男君    網鳥 正興君       寺島隆太郎君    中山 榮一君       福永 一臣君    藤田 義光君       本名  武君    松浦 東介君       岡田 利春君    角屋堅次郎君       川俣 清音君    栗林 三郎君       東海林 稔君    楢崎弥之助君       西宮  弘君    安井 吉典君       山田 長司君    湯山  勇君       稲富 稜人君  出席国務大臣         農 林 大 臣 河野 一郎君  出席政府委員         農林事務官         (畜産局長)  森  茂雄君         水産庁長官   伊東 正義君  委員外出席者         農林事務官         (畜産局参事         官)      保坂 信男君     ————————————— 三月二十三日  委員中澤茂一君及び楢崎弥之助君辞につき、そ  の補欠として岡田利春君及び川俣清音君が議長  の指名委員に選任された。 同日  委員岡田利春君及び川俣清音君辞任につき、そ  の補欠として中澤茂一君及び楢崎弥之助君が議  長の指名委員に選任された。     ————————————— 三月二十二日  鹿児島県内之浦町辺塚、大浦町両落間の国有林  道開設に関する請願二階堂進紹介)(第二  七二六号)  臨時肥料需給安定法等廃止反対に関する請願  (草野一郎平紹介)(第二七四八号)  現行食糧管理制度維持継続に関する請願(川  俣清音紹介)(第二八五二号)  同外六件(横山利秋紹介)(第二八五三号)  同外一件(山内広紹介)(第三一六七号)  食糧管理制度維持及び臨時肥料需給安定法等  の廃止反対等に関する請願外十一件(田邊誠君  紹介)(第二八五四号)  同外二十八件(淺沼享子紹介)(第二九二二  号)  食糧管理法改正及び農業基本法関連法案制定  等反対に関する請願前田榮之助君紹介)(第  二八五五号)  同外三件(岡田春夫紹介)(第二九三〇号)  同外十一件(猪俣浩三紹介)(第二九三一  号)  同外二十四件(石田宥全君紹介)(第二九三二  号)  同(中島厳紹介)(第二九三三号)  同(芳賀貢紹介)(第二九三四号)  同外十二件(広瀬秀吉紹介)(第二九三五  号)  同(三木喜夫紹介)(第二九三六号)  同外五十九件(武藤山治紹介)(第二九三七  号)  同外三件(岡田春夫紹介)(第三一六三号)  同(辻原弘市君紹介)(第三一六四号)  同外九十八件(野原覺紹介)(第三一六五  号)  同外五件(肥田次郎紹介)(第三一六六号)  農林漁民生活向上のための農政推進に関する  請願外七件(川上貫一紹介)(第二八五六  号)  同外二件(北山愛郎紹介)(第二八五七号)  同外七件(志賀義雄紹介)(第二八五八号)  同外二件(田邊誠紹介)(第二八五九号)  同外七件(谷口善太郎紹介)(第二八六〇  号)  同外一件(山口鶴男紹介)(第二八六一号)  同(有馬輝武紹介)(第二九三八号)  同(淺沼享子紹介)(第二九三九号)  同外七件(板川正吾紹介)(第二九四〇号)  同外二件(井手以誠君紹介)(第二九四一号)  同(石田宥全君紹介)(第二九四二号)  同(石山權作君紹介)(第二九四三号)  同(猪俣浩三紹介)(第二九四四号)  同(川俣清音紹介)(第二九四五号)  同外六件(小林信一紹介)(第二九四六号)  同外百十六件(河野正紹介)(第二九四七  号)  同(佐々木更三君紹介)(第二九四八号)  同(佐野憲治紹介)(第三九四九号)  同外二件(多賀谷真稔紹介)(第二九五〇  号)  同(田中武夫紹介)(第二九五一号)  同外四件(辻原弘市君紹介)(第二九五二号)  同(永井勝次郎紹介)(第二九五三号)  同(中村重光紹介)(第二九五四号)  同外八十六件(森島守人紹介)(第二九五五  号)  同(安井吉典紹介)(第二九五六号)  同外四件(柳田秀一紹介)(第二九五七号)  同(山中日露史紹介)(第二九五八号)  同(足鹿覺紹介)(第三一四二号)  同外五件(飛鳥田一雄紹介)(第三一四三  号)  同外百二件(石田宥全君紹介)(第三一四四  号)  同(石橋政嗣君紹介)(第三一四五号)  同外一件(緒方孝男紹介)(第三一四六号)  同外一件(太田一夫紹介)(第三一四七号)  同外一件(加藤清二紹介)(第三一四八号)  同(小林信一紹介)(第三一四九号)  同(五島虎雄紹介)(第三一五〇号)  同外一件(佐藤觀次郎紹介)(第三一五一  号)  同外百件(坂本泰良紹介)(第三一五二号)  同(實川清之紹介)(第三一五三号)  同(戸叶里子紹介)(第三一五四号)  同(中澤茂一紹介)(第三一五五号)  同(広瀬秀吉紹介)(第三一五六号)  同(廣瀬正雄紹介)(第三一五七号)  同外一件(穗積七郎紹介)(第三一五八号)  同(前田榮之助君紹介)(第三一五九号)  同(牧野寛索紹介)(第三一六〇号)  同外六件(吉村吉雄紹介)(第三一六一号)  食糧管理法改正等反対に関する請願外一件(  阿部五郎紹介)(第二八六二号)  同(石川次夫紹介)(第二八六三号)  同外二十二件(稻村隆一君紹介)(第二八六四  号)  同外二件(緒方孝男紹介)(第二八六五号)  同外二件(加藤勘十君紹介)(第二八六六号)  同外二件(勝間田清一紹介)(第二八六七  号)  同外一件(川俣清音紹介)(第二八六八号)  同外三件(久保三郎紹介)(第二八六九号)  同外五件(黒田壽男紹介)(第二八七〇号)  同外一件(小林ちづ君紹介)(第二八七一号)  同外二十二件(河野密紹介)(第二八七二  号)  同外三件(佐々木更三君紹介)(第二八七三  号)  同外二件(杉山元治郎紹介)(第二八七四  号)  同外三十一件(高津正道紹介)(第二八七五  号)  同外三件(楯兼次郎紹介)(第二八七六号)  同外三件(二宮武夫紹介)(第二八七七号)  同外一件(長谷川保紹介)(第二八七八号)  同外三件(細迫兼光紹介)(第二八七九号)  同(前田榮之助君紹介)(第二八八〇号)  同(村山喜一紹介)(第二八八一号)  同(柳田秀一紹介)(第二八八二号)  同外三十四件(山中日露史紹介)(第二八八  三号)  同(足鹿覺紹介)(第二九五九号)  同外四百九十九件(淡谷悠藏紹介)(第二九  六〇号)  同外三百五十三件(有馬輝武紹介)(第二九  六一号)  同外四百八十五件(石山權作君紹介)(第二九  六二号)  同外二件(大柴滋夫紹介)(第二九六三号)  同外二件(大原亨紹介)(第二九六四号)  同外一件(岡田利春紹介)(第二九六五号)  同外六百五十五件(加藤清二紹介)(第二九  六六号)  同外三百六十七件(角屋堅次郎紹介)(第二  九六七号)  同外百二十一件(河野正紹介)(第二九六八  号)  同外十一件(小林信一紹介)(第二九六九  号)  同(小林ちづ君紹介)(第二九七〇号)  同外二件(兒玉末男紹介)(第二九七一号)  同外百八十二件(五島虎雄紹介)(第二九七  二号)  同外五十五件(佐藤觀次郎紹介)(第二九七  三号)  同外四十五件(佐野憲治紹介)(第二九七四  号)  同外四百二十八件(島本虎三紹介)(第二九  七五号)  同外二件(田中織之進君紹介)(第二九七六  号)  同外二十一件(高津正道紹介)(第二九七七  号)  同外十二件(坪野米男紹介)(第二九七八  号)  同(中島厳紹介)(第二九七九号)  同外八件(中村英男紹介)(第二九八〇号)  同外二百三十件(永井勝次郎紹介)(第二九  八一号)  同外二件(西村力弥紹介)(第二九八二号)  同外一件(野口忠夫紹介)(第二九八三号)  同外百六十一件(野原覺紹介)(第二九八四  号)  同外四件(芳賀貢紹介)(第二九八五号)  同外六件(肥田次郎紹介)(第二九八六号)  同外三十六件(藤原豊次郎紹介)(第二九八  七号)  同外一件(帆足計君紹介)(第二九八八号)  同外四件(細迫兼光紹介)(第二九八九号)  同外五百七十九件(堀昌雄紹介)(第二九九  〇号)  同外七件(松平忠久紹介)(第二九九一号)  同外百十二件(森島守人紹介)(第二九九二  号)  同外九十二件(八木一男紹介)(第二九九三  号)  同外四件(安井吉典紹介)(第二九九四号)  同外三百六十四件(安平鹿一君紹介)(第二九  九五号)  同外二件(山中日露史紹介)(第二九九六  号)  同外四十二件(山花秀雄紹介)(第二九九七  号)  同外九件(山本幸一紹介)(第二九九八号)  同外六百三十一件(飛鳥田一雄紹介)(第三  一六八号)  同外一件(石田宥全君紹介)(第三一六九号)  同(河野正紹介)(第三一七〇号)  同外百七十二件(兒玉末男紹介)(第三一七  一号)  同外一件(坂本泰良紹介)(第三一七二号)  同外四百七十件(滝井義高紹介)(第三一七  三号)  同(辻原弘市君紹介)(第三一七四号)  同(中澤茂一紹介)(第三一七五号)  同外十二件(松井政吉紹介)(第三一七六  号)  同外十五件(吉村吉雄紹介)(第三一七七  号)  同外五百件(山田長司紹介)(第三一七八  号)  同外一件(渡辺惣蔵紹介)(第三一七九号)  果実果実加工品自由化反対に関する請願外  一件(西村力弥紹介)(第二九一九号)  農業協同組合合併助成法による援助措置のそ及  適用に関する請願秋田大助紹介)(第二九  二〇号)  同(西宮弘紹介)(第二九二一号)  食糧管理制度維持等に関する請願外五件(淺沼  享子君紹介)(第二九二三号)  食糧管理法改正及び大裸麦の買入れ中止等反  対に関する請願小松幹紹介)(第二九二四  号)  食糧管理制度堅持等に関する請願山中吾郎  君紹介)(第二九二五号)  同外八件(山内広紹介)(第二九二六号)  同外一件(石田宥全君紹介)(第三一六二号)  食糧管理法改正等反対に関する請願外二件(  井手以誠君紹介)(第二九二七号)  同(小松幹紹介)(第二九二八号)  同(山中吾郎紹介)(第二九二九号) は本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  参考人出頭要求に関する件  農林水産業振興に関する件(日ソ漁業交渉問  題)      ————◇—————
  2. 野原正勝

    野原委員長 これより会議を開きます。  農林水産業振興に関する件について調査を行ないます。日ソ漁業交渉の問題について質疑の申し出があります。これを許します。安井吉典君。
  3. 安井吉典

    安井委員 今回の日ソ交渉に関連いたしまして、農林大臣は三月七日に国内の漁船自主規制についての指示をなさったわけであります。この指示は、各方面に非常に大きな反発を呼んでいるようであります。私どもが聞きました限りにおきましても、北海道や宮城県、青森県、富山県、香川県、新潟県等々の八つの県議会が反対決議をしており、釧路、根室、函館、小樽、広尾、厚岸あるいは青森等の十二の市町村議会がこれまた同様に反対決議をいたしているようであります。このように急速に反対機運が巻き起こったという例は私知らないわけであります。こういうような背景の中にこの指示が実行に移されるという段階を迎えようとしていると思うのであります。私はまずこの問題に関しましては、ここに至るまでの経過というようなものに問題があると思うわけであります。三十五年のときにも減船をしたという例はございますが、そのときには前年の秋に政府案を示しているわけです。しかし今度の場合は三月の初め、大体四月一日を目途といたしまして、各船は着漁準備を進めつつある。進めつつあるどころか、もうほとんど完了しておるというような段階ではないかと思うのであります。労務者の雇用も終わっているし、漁具の仕込みも、あるいは漁船の整備も当然終わっている、そういうふうな段階であります。こういうような段階におきまして、この指示が守られなければ許可をしないのだというふうな、あまりにも高圧的な一方的な姿勢が、何よりも漁民たちを刺激し、また地方公共団体にまで大きく波紋を呼んでいる、こういうことではないかと思うのであります。その点につきまして大臣のお考え一つ伺いたいと思います。
  4. 河野一郎

    河野国務大臣 御承知通りはなはだ遺憾なことでございますが、昨年度におきまして、これらの漁船両国間における協定を無視して、御承知のような増獲をいたしたわけでございます。従って今、日ソ両国において今年度の漁獲協定をいたそうとするにあたりまして、わが方としてとるべき立場としては、まずもって昨年度において増獲いたしたその分だけは少なくとも漁獲制限をする体制で臨むということは当然のことだと私は思うのであります。私はこれらの漁民船主諸君に、政府としての考えはこういうことだ、君らにおいて適当な案があるならば適当な案を出して下さい、ただしその案は日本政府においても了承のできる案であり、同時にまたソ連側をして納得せしめるに足る案でなければ交渉に入るのに適当でないと自分は思う——出漁の日数をお互い規制しようというようなことを言うておられますから、もしそういうことであるとするならば、漁獲星はきまっておるのでございますから、これからまた当然きめられるのでございますから、たとえば昨年度同様の準備をして、そうして昨年は七万トンとるべきものを八万トンとった、ことしはさらに減る可能性はあってもふえるということは、どなたがお考えになってもあり得ないということであるならば、さらに七万トンよりも少なくなればそれだけの労働力も要らなければ設備も要らないのでございます。それをことさらにそういう体制を整えて、そうして中間において三日に一ぺん休もうじゃないかとか、四日に一ぺん休もうじゃないかとか、休む間は一体何をするんだといえば、その中間の休む日に別に何をするというわけにもいかない。そうすれば合理的に経済的に運営できる方法が一番いいのじゃないか。そうして漁獲によって得た利益をこれらの休む船に均霑するということが一番適当じゃないか。さらにまた必要によってはマグロ漁業の方にこれを回すということも考えておるわけでございますから、そういうことによって実際の漁民諸君の職場を与えるということでいいのじゃないか、こう思うのでございます。しかしこれらの諸君、他に適当に、今申し上げたように万人の納得するような、しかもそれが合理性のあるものであるならば、それをとることに私は少しもやぶさかでないのであります。
  5. 安井吉典

    安井委員 今申されました昨年の自主規制案が守られたか守られなかったかというような問題、あるいは規制内容等の問題は、さらに後に触れることにいたしまして、その前に私が今問題にしておりますのは、今回の指示があまりにも時期はずれの唐突さ、それを今問題にしているわけでありますが、大臣におかれまして自主規制が避けられないとお考えになった時期はいつごろであったわけですか。
  6. 河野一郎

    河野国務大臣 それはもう初めからそう考えております。業界の人もそう考えておられたと思うのであります。問題はやる手段方法をどれでやるととがいいかということであって、何もいつから考え——私は考えたのは、去年よけいとったのが悪いのだ、大臣になったその日から考えております。
  7. 安井吉典

    安井委員 大臣になられてその日からお考えになったのでありましたならば、すぐそのときとまではいわないでも、少なくも昨年専門家会議が一段落を告げたというふうな時期もございましたし、三月の七日というふうな時期までお待ちにならないで、もしどうしても減船というふうな措置が必要だとされるならば、もっと前に、各船が出漁準備に入るというふうな段階を待たないで、その準備時期以前にそういう措置を打ち出して、そしてそういうようなことで協力を求めるという方法もあったのではないかと思うわけです。全く時期はずれのそういうような段階において突然お出しになったというところに、私は問題があると思うわけです。その点はどうお考えですか。
  8. 河野一郎

    河野国務大臣 私は最も適当な時期に政府最後の腹を発表したと考えております。決してその時期が悪かったというふうには考えておりません。これは、それを専業として、それに専念しておる人は、四六時中忘れておるはずはない、その間に政府のしかるべき水産庁当局との間にはしばしばこれらの問題について懇談しておるわけであります。私はそれに関与いたしておりませんでしたが、水産庁長官以下にまかしておりましたけれども、その間にお互いに懇談をし、お互いに話し合って、そしてだんだん詰めてきた結果、最後の腹を政府としては言う段階になった、こういうことだと私は考えます。
  9. 安井吉典

    安井委員 一般的には必ずしも大臣が今おっしゃるようにはとっていないはずであります。いないからこそ、各地方公共団体でもあのような反発を示しているし、あるいはまたこのための漁民大会が開かれたりいたしまして、大きなデモ行進が行なわれたり、そういうようなところまで漁民を追い込んでしまわれたということであろうと思うわけです。大臣はあの時期が一番適当だったと思うというふうにお話しになるわけでありますけれども、私は決してそうではないと思います。唐突にあれが出されたというような点が、この問題をこじらせる一つの大きな原因になっているのではないか、そういうような気がするわけであります。  そこでこの規制案内容の問題でありますが、今大臣水産庁業者側話し合いをしながら次第に進めてきたというふうにお話しになっているわけでありますけれども、実際の状態は、漁民側のお話を聞きますと決してそうではないようであります。唐突にああいうような案がぽっと出てきた、もうそれでは大へんだ、こういうような受け取り方になっているわけでありますが、もっと具体的にあの規制案が出るまでの段階で一体どういうふうな話し合いの努力を続けてこられたか、その点を一つお聞きしたいと思うわけです。
  10. 河野一郎

    河野国務大臣 少し誤解があるようであります。今申し上げている通り、あれは決して最終案でなくてよろしいのです。今から直してもよろしいのです。あれで法律、命令を出してそしてこうだといって最終的に決定したわけではございません。一応政府とすればこういう規制案でやれば一番いいと思う、これでおやりになったらどうだということを申しておるのであって、御承知通り対ソ関係において最終的にどうするかということは、これから高碕代表によって交渉されることでございますから、あの程度で済むか、もっと規制しなければいかぬか、さらに規制方法についてはどういう措置が一番妥当であるかということについては、今後話し合っていくべき問題である。それが最終的なものではございません。
  11. 安井吉典

    安井委員 そういたしますと、その規制の最終的な決定段階はいつごろになるお見込みですか。
  12. 河野一郎

    河野国務大臣 ただしお断わり申し上げて——これはあなたにお断わりするのじゃない、漁民諸君にお断わり申し上げておきますが、あとからになって規制の責任が政府にある、そうして政府がその規制を一部負担しなければならないということは私はとりたくない、これは絶対、私はあらかじめその考えを明言いたしておきます。そういう意味においてお互いの共助、互助によって結論はつけるべきものだ、従ってこれらの諸君がこういう方法でやることか一番いいんだ、これでいく、しかもそれは政府においてもある程度それならば規制ができるだろうという信頼性が持たれるというものであるならば、私はそれでよろしいじゃないかと思う、その点は明瞭にいたしておきます。最終的にきめるのはいつだ、最終的にきめるのは、高碕君が先方に参りまして、そしてことしの漁獲量をきめて、そうして以南の規制についてもきめて、きめたあとできめるのが最終的の決定だと思います。
  13. 安井吉典

    安井委員 高碕代表向こうへ行くまでに結論出して、その結論を持って向こうへ行くんだ、そういうふうに伝えられておりますが、その点はいかがですか。
  14. 河野一郎

    河野国務大臣 それは今も申し上げたように非常に誤解であります。少なくとも、最初に申しました通り、あの程度のことは、去年よけいとり過ぎた、八万トンとったから、七万トンとる程度まで下がったものでいかなければ話にならぬじゃないかと言っているのでありまして、規制はこれからであります。だから今までの規制が適当でなければ、今までの規制もくるめて最終的な規制は最終的にきまったときにやるのだ、こういうことであります。
  15. 安井吉典

    安井委員 発表されましたその規制案と異なる方式、いわば代案でありますか、そういうものについてもいろいろ検討がなされなくてはならないと思うわけであります。たとえば網目の問題とか、さっき漁期の問題も言われましたが、あるいはまた漁獲量制限の問題とか、こういうような方法がないわけではないと思うわけでありますが、そういうような問題につきまして現在どのように検討が進んでおりましょうか。
  16. 河野一郎

    河野国務大臣 どのように検討が進んでおりますかと言うが、私の方で検討したものを一番いいと思って出したのです。ほかのものは検討しておりません。その代案業界の方から持って参られればそれについて検討する、こういうことでございます。
  17. 安井吉典

    安井委員 業界において、休漁規制というふうな措置をやめてこれと同様の効果が期待される期日休漁、そういうような措置で組みかえてもらってはどうかというふうな意見があるわけであります。その組みかえの方法というようなものについてはいろいろあろうかと思うわけでありますが、たとえば大臣がさっき言われましたように、この休漁組みかえで遊ぶ日ができて、それでは困るじゃないか、そういうような言われ方を先ほどもされたわけでありますが、しかしながらやりようによってはもっと効果的な合理的な方法がないわけでもないと思うわけであります。この問題につきまして業界意見として一応出ておるようでありますが、御検討されておりましょうか。
  18. 河野一郎

    河野国務大臣 私はまだ業界意見を見ておりません。私のところへ陳情に参られた人もそういうまとまった案をお出しになっておりません。
  19. 安井吉典

    安井委員 それでは今それについてどういうふうなお考えをお持ちか、検討をするに足る案だと考えになっておられるかどうか、これについては今お答えいただけませんか。
  20. 河野一郎

    河野国務大臣 ただばく然と三日に一ぺん休んだらどうだ、その中間で休んで必要なだけ出るようにしたらどうだということを言っておられましたが、私は無理だと思うのです。とにかく漁獲に必要な隻数が出て、合理的に経済的にとることが一番利益が上がるのであって、上がった利益をみんなに分けたらいいじゃないか、とる魚が少なくなったものを無理に八万トンでも九万トンでもとれるだけのものはみんなとってやらなくてもいいじゃないか、極端に申せば三割も減った、とりにいってもそれだけのものしかとれぬのだから、一番経済的に漁獲することがいいじゃないか、そして経済的に漁獲して効率を上げたものを休む人に分けたらいいじゃないか、それが一番いいじゃないか、そして休む人はマグロでもとりにいった方がいいじゃないか、その方が国のためになるじゃないか。ところがそれもいけない、みんなで行って、休む日は休もうじゃないか、これは一体どちらに賛成なさいますか。私の考えておる案の方がいいじゃないかというふうに思うのでありますが、しかし、そうじゃない、休んでもかまわぬ、損がいってもかまわぬ、しかし損がいっても政府あとから補償はいたしません。これだけは明確にいたしておきます。休んだ分だけは政府に出せとおっしゃってもこれは出しません。これだけ明瞭にしておいて、あと業界の方で案を持っていらっしゃればその案を検討するにやぶさかではありません。そうは申し上げても、損でもかまわぬからみんなで行くというのならみんなで行くのも一案でしょう。しかしそれはおのずから常識がありますから、そういうことは政府としてもみすみす賛成するわけにはいきにくい、こう言っておるだけであります。しかしほかに案があれば十分検討するにやぶさかでございませんし、最終的な決定は各方面の意見を十分承った上でいたすつもりでございます。
  21. 安井吉典

    安井委員 規制の具体的な内容や資源論等については後ほど岡田委員から質問をすることになっておりますので、私はあと一、二点伺って終わりたいと思います。  今大臣は、減船による補償については国家補償をいたしませんということを、私がお尋ねをしないうちから幾度も繰り返して言われるわけでありますが、三十四年の独航船の減船による同業者間の補償は一体どれくらいで、現在どう行なわれておるか御承知でしょうか。
  22. 河野一郎

    河野国務大臣 知りません。
  23. 安井吉典

    安井委員 水産庁どうですか。
  24. 伊東正義

    ○伊東政府委員 当時、共補償といいますか、そういうことをしたことは事実であります。現在私どもが調査したのではございませんが、独航船側ではまだ百万円ぐらいの負担が残っておるという話は聞いておりますが、現実に私どもの方で幾らという調査はいたしておりません。
  25. 安井吉典

    安井委員 私の聞いたところでは、当時一隻当たり負担は大体百四十七万円、しかし現在までの支払い済みは四十万円ほどで、今水産庁長官がおっしゃったように確かに百万円ほどまだ支払いが残っておるようですが、こういう段階でしかも今度新たな補償の問題にぶつかるわけであります。こういう事情もやはり大臣お知りになった上で新しい御検討を進めていただかなくてはならないと私は思うわけであります。  最後にもう一点だけお尋ねしたいのは、現在沸き起こっております反対運動その他の中には、北洋漁業に対する不安とでもいいましょうか、そういうようなものが非常にみなぎっているということであります。今日まで繰り返された日ソ漁業交渉の中では、北洋における日本の漁業権益は一年々々縮小しているような形であります。そういうような中で転換に次ぐ転換というふうな形で、これはもう全くジリ貧で、一体将来どうなるのだろうかというような不安が漁民の中に広がりつつあるというような気が私はするわけであります。これは何といいましても政府の無定見な今日までの態度がその原因をなしているというふうに私どもは見ざるを得ないわけであります。  そこで、三月九日の閣議後の記者会見で大臣は、今回のは第一次規制でさらに第二次の規制考えている、それは船ばかりではなくて別な方法で行なうつもりだというふうな発言をなさっておったという新聞記事を私は見たのであります。これは今申し上げましたような不安の上にさらにまた輪をかけるようなことになりはしないかと思うわけでありますが、その内容一つお話しいただければと思います。
  26. 河野一郎

    河野国務大臣 まことに御無礼な申し分でございますが、お互いに北洋漁業に対して正確な認識を持ちませんと、いたずらに日ソの間に不必要な摩擦を起こすおそれがあると私は思うのであります。今無定見とおっしゃいましたが、私は無定見でも何でもない、魚族がだんだん減って参るのでございますから、ソ連の方がよけい取り上げてしまって日本の方がだんだん押されるというなら外交交渉の上にも遺憾な点があるとか無定見であるとか、いろいろそしりがあってやむを得ませんけれども、そうじゃない、現にソ連においても順次漁獲量が減ってきておる、日本側においても減っておる、これは魚族の減少である、源泉が枯渇して参るのでありますから、これをどういうふうにして魚族の保護をするかということが先決問題でございます。これまで科学的な調査と学理的な調査をだんだんやって参りまして、いよいよ両国意見がことしは一致するまでのある程度段階にきておる、そうしてお互いによほどの規制をしなければこの魚族の保護はできないという段階にきておるというこの事実、この事実に立って私はこれからのことをやっていかなければならぬと思うのでございます。従ってただ単に、だんだん北洋がどうなるとかこうなるとかいうことじゃない。魚自身が減ってしまう、とり過ぎるということなんです。それがあまつさえ両国できめたものを破って、七万トンにしておこうというのを八万トンとってしまうというようなことなんですから、これはよほどそこのところはお互い考えなければいかぬ。特に私はこの業に従事しておいでになります方々に先日も御懇談申し上げまして、だれもほかの人がサケ・マスをとりやせぬ、みんながとられるのだから、みんながとられるのならあなた方自身がこれを守らなければならぬじゃないか、サケ・マスをとりにいく人はきちっときまっているのだから、きめられた人以外にとりにいく人はないのだから、あなた方自身の財産だと思ってあなた方自身が守らなければいかぬのじゃないか、こう申し上げたのです。それを規制がどうだのなにがどうだのおっしゃられることは非常に間違いじゃないかと思うのであります。  また今、まだ百万円残っておるけれども、この残っている事実をお前どう考えるかということについては、私も正確な数字は知りませんが、その程度残っておることも先般業界の人から承りました。承りましたが、昨年この漁に出漁された人は一年で一体どれくらいもうかったか、そのもうかった金額とまだ百万円残っておりますという金額とを比べてみたら一体どういうことになるか、払おうと思えばすぐにも払える金額ではないかと私は思う。それをまだ借金が残っておるからその点についてはお前十分勉強しておかなければだめじゃないかという御意見でございますけれども、そこで私は先ほども申した通り、絶対に補償はいたしません。およそ李ラインの問題であるとか北方のコンブをとりにおいでになる人たちの問題とは、同じ北方漁業でも問題が違うという点を明確に分けて私は考えたい。従って、この鮭鱒漁業に従事していらっしゃる人に関する限り、相当の利益を年々上げていらっしゃるのでございますから、御承知通りこれらの出漁は、船の権利にしても、莫大な権利のついた業種業界でございます。従ってこれに臨む政府の態度といたしましては、よほど冷静に厳正にいたしませんと、社会通念に反することが起こってくるというふうに私は思うのであります。その意味において私は厳格に臨みたい、こう思っておるわけでございます。
  27. 安井吉典

    安井委員 私は今の大臣の御答弁のうちの一、二について申し上げたいわけでありますけれども、北洋が両国の共通の資源であり、それを非常に大切にしなければいけないということもわかりますし、それだけにお互い規制をし合って日本も規制するしソ連も規制するというようなことで資源を大事にしていかなければいけないということもわからないわけではございません。これは当然なことだと思います。しかしながら、そういうような問題を政府漁民との話し合いの中からきめていく段階において今日のような大きな混乱を起こしているということは、やはり今日まで政府のお進めの段階におきまして何か独断的で思いつき的な部分があったということに対する漁民側の大きな反発が今出てきているのではないか、そういうような気がする。ただ政府において、これが最後的なものじゃないので、もう少し検討をして結論を出すのだというふうなお話でありますから、私はそういうものの中で問題が、今のような考え方は一擲されまして、今後の新しい検討段階から合理的な方向というものが生まれてくることを期待するわけであります。  あと岡田君に譲ります。
  28. 野原正勝

  29. 岡田利春

    岡田(利)委員 私は今回の北洋のサケ・マスに対する政府自主規制の案について質問いたしたいと思うわけであります。まず私は、ある程度自主規制をとって資源の保護をはかる、こういう立場については是認をいたしておるわけであります。そういう立場に立ってこれから大臣に御質問申し上げたいと考える次第です。  まず第一点は、今回のサケ・マスの自主規制政府案が発表されるに及んで、まず問題なのは、すでに昨年の日ソの漁業専門家会議において、特にこのマス資源の減少、こういう問題をめぐって、資源についての認識が大体合意に達しておるわけです。しかし今回政府自主規制案が発表されたのは、すでにもう出漁期を控え、また民間団体の意見も十分調和していない、こういう立場に立って今回の案が出されておるわけです。私はこの問題についてまず考える場合に、この規制措置は、すでに昨年の暮れに何らかの自主規制をしなければならぬということがわかっておったわけでありますから、そういう意味では、やはり漁民の生活の問題、あるいはまた業界の混乱を来たさないという前提に立つ場合に、もう一歩早く、十分業界意見を参酌して、この自主規制に対する政府の態度をきめるべきではなかったか、このように考えるわけです。そういう意味で私は、今回の政府のとった自主規制措置は、行政上の責任のある問題であり、極端に言うならば、非常に大きな混乱を招いておるということは行政上の手抜かりではないか、こういう感じがするわけです。従って、この点についてまず大臣の見解を述べていただきたいと思うわけです。
  30. 河野一郎

    河野国務大臣 その点はただいまお答えいたした通りでございます。
  31. 岡田利春

    岡田(利)委員 ただいま安井委員の質問に対して述べられたのでありますけれども、どうもその点がはっきりしないと私は思うわけです。少なくとも政府は行政上の責任があるわけなんですから、政府として非常に措置がおくれた、しかし業界の何らの意見も聞かない、そういう政治の姿勢について非常に多くの問題があると思うのです。ですから、今河野大臣は、これからのいろいろな問題については業界意見を十分参酌をする、こう言われておるのですが、まずその業界意見を聞くにあたっても、それに対する責任者としての姿勢、こういうものをやはり多くの漁民の人々は期待を持っておるわけですから、そういう意味で、まずこの問題を解決するにあたっての政府の姿勢、態度というものが今日きわめて大きな問題になると私は思うのです。そういう点でもう一度この点についてお答えをいただきたいと思うわけです。
  32. 河野一郎

    河野国務大臣 業界諸君が、去年政府政府と約束をして、その約束ははっきりわかっておる、それをあれだけ魚をとってしまって、そしてその業界意見を尊重しなければいかぬといって、それを尊重して、またよけいとられたらどうなりますか。それを尊重して、その根拠に立ってソ連と交渉して、ソ連が信用しますか。立場を変えたらどういうことになるか。去年あれだけかたく両国政府が約束して、これでいくのですよ、これでいって下さい、こういって業界に申し上げて、そうしたら業界が一万よけいとってしまいました。またことしも業界の言うことを聞かなければきまりませんという態度で私がソ連に出かけていって、そういう根拠でソ連と交渉したら、その結果がどういうことになりましょうか。ソ連が、ああそうか、よく業界の言うことを聞いてきた、相談に乗ってやろうと言うでしょうか。少しは、外交ですから、やはりその辺については、かけ引きという言葉がいいか惑いか知りませんけれども、日本の政府の立場というものも考えていかなければならぬと私は思うんです。従って、最終的にはきめておりません。しかし一応政府としての考えはこういうことを考えておりますということを申し上げるには、あまり早くから申し上げたのでは、交渉にも入らぬうちから——なぜ去年から言わなかったかとおっしゃるけれども、それはそうはいきません。だから専門家会議が済んで、大体ソ連の空気もこっちの空気も見て、この辺のところまでまず政府の腹を言うて、それを根拠に出ていかなければならぬじゃなかろうかという意味で私は相当慎重にしている。先ほども何か私が思いつきかなんかで言うたような御発言でしたが、全部事務当局の立てた案で、私は何ら示唆しておりません。この案については、水産庁長官が専門家の意見を十分聞いて、そうしてやったわけです。私はそれを見て、ああけっこうだ、うまくやりなさい、こう言ってやってきた。責任は私がとります。従って、今申し上げた通りでございますが、なぜ業界の言うことをもっと聞かなかったかというけれども、業界の言うことを聞いたようなことを言ってソ連に行ったら、ソ連の方は、そんな業界のことを聞いたんでは話にならぬと言うでしょう。聞かずに行ったような顔をして行かなければ話にならぬでしょう。去年失敗したのですから、業界の人もそれだけの責任をとってくれなければと私は思う。従って、最終的にはまた最終案ではございません。まだこれからさき高碕君がソ連と交渉する段階において、去年は一応七万、しかしことしは御承知通り不漁年でございますから、七万トンにきまれば非常にけっこうでございますけれども、それはお互い交渉して、幾らかはまだ減らすような話もしなければならぬ場合もあるのじゃなかろうか、こう思います。私は少なくとも、こちらが減らすことは相手も減らすことだ、こちらだけ減らすということはない、相手が減らすという以上はこっちも減らさなければならぬ、こう思うのです。従って、そういうような点を勘案しつつ今後の交渉を十分にしてもらおう、そうして最終的に結論を得たら、それに対して民間の方もことしは厳に御協力を願うというふうにいたさなければいかぬと思っておるのでございます。
  33. 岡田利春

    岡田(利)委員 昨年四八以南流し網漁業において八万トンとって、当初の予定より一万トンよけいとった、こう大臣は言われるわけですが、これは別に条約できめた規制量と違って、実は若干問題もあるわけです。従って私は、とったことが一方的に悪いのだ、こういう立場に立つことについて若干問題があると思う。これらの指導についてはやはり政府が当然なさなければならぬ問題でもあるわけです。しかも北洋漁業は歴史的にも長い間経過しておるわけですし、かつまた戦後の日ソ漁業条約ができて以来も、そういう点についてしばしば問題もあったところです。逆に言えば、ソビエト自体も当初日本と約束した量以上にとって、日ソ漁業交渉において問題になったことがあるわけです。そういうことが単に日本だけにあってソビエトの場合には全然ないようにも印象として受けるわけですが、そういう経過も実はあったわけです。ですから、それらについて、私は指導の面で規制していく、こういう点については了解するのでありますが、何か一方的にいわゆる漁業者のみに責任がある、こういう政府の態度については私はどうも理解がいかないわけです。  それともう一つ考えなければなりませんのは、先ほど大臣が言われておるように、四八以南の流し網漁業者というものは非常に高い収益を上げておる、こういう立場に立っておるわけであります。しかしながら、今大臣が答弁されておることから考えてみても、もし今度の漁業交渉において七万トンなら七分トンときまった場合、これは一体どうなってくるのだろうか。従来のように大体百対二十、こういう比率で分ける。実績は百対百十六から十八くらいでありますけれども、そういう立場をもしとれば、母船式独航船を一割減らしてみたところで、漁獲の量が七万トンにきまれば、四八以北の規制内での漁獲量は実際問題としてむしろふえるわけです。しかし四八以南の場合には当然規制がされておりますし、四五以南の流し網漁業の場合には二割の減船ですから、その場合極端に私はしわ寄せされると思うのです。ですから、政府は今回日ソ漁業交渉に際して、一体本年の漁獲量についてどういう考え方に立って臨むのか。そういう前提がなくては私はこういう自主規制措置というものはとれないと思うわけです。こういう点について見解を承りたいと思います。
  34. 河野一郎

    河野国務大臣 だんだんお話でございましたが、条約でないからとか、もしくは政府の行政指導が足りなかったというような点につきましては、私は条約ではなくても、約束した以上は厳に守るという体制で臨みたいと考えております。また行政指導は、昨年も当局は十分にやったものと私は心得てこれからの問題にも当たっていきたい、こう心得ております。  それから、今後段に述べられました点につきましては、最終的な規制決定いたしましたときに、これは従来の慣例に従って厳に不公正のないようにいたす所存でございます。また、どういう方針かということは、これから交渉することでありますから、今述べかねます。
  35. 岡田利春

    岡田(利)委員 そういたしますと、条約できまった場合に、四五、四八の流し網区域並びに四八以北の母船式の漁獲の割当量、こういう点については従来の慣例はあるけれども、そういうことに拘泥しないで、いわゆる十分公正な配分をする、こういう従来から一歩進んだ考え方があってこの自主規制が出されたと解されるわけですが、そういう理解でよろしゅうございますか。
  36. 河野一郎

    河野国務大臣 ただいま申し上げた通りでございます。
  37. 岡田利春

    岡田(利)委員 ただいま申し上げた答弁は聞いたのですが、そこで私はそういう理解をしたいのですが、私の理解でよろしゅうございますかと大臣に聞いているわけです。前の答弁じゃないのです。
  38. 伊東正義

    ○伊東政府委員 先ほど大臣御答弁になりました通り、従来は八対二でありますとか、七九対二一でありますとか、その辺の数字をめぐりましていろいろな数字が出ております。私どもはそういうことはもちろん参酌いたしますが、今先生のおっしゃいました規制区域の中だけの分け方の問題ですけれども、これは先ほど先生は七万とおっしゃったのですが、ことし六万五千が区域内でございます。豊漁年で六万五千でございますから、不漁年になりますとこれはどういうことになりますか、今後の問題でございます。  分け方につきましては、私は従来の比率ももちろん参酌いたしまして、だれが見ても公正だと見られるような分け方をしたいと思っております。
  39. 岡田利春

    岡田(利)委員 そこで、特に四八以南の流し網の場合非常に大きな問題になっておるわけなんですが、北洋の方で歴史的な過程から考えて、特に日ソ漁業条約の締結前後をめぐって母船式を四八以北に繰り出すという場合に、独航船についていろいろ多くの問題があったことは大臣も長官も御存じだと思うわけです。従って、今日大きな水産会社が、直接自分の名義ではないけれども、個人名義で四八以南に五十一隻、大体私の調べたのでは三千八百トン程度の五十一隻の船が操業しておることは、これは長官も大臣も御存じだと思うわけです。今回の自主規制をする場合に、そういう経過から考えて、特にこういう大水産会社が、自分の名義ではないけれども、明らかに大水産会社に属する船が五十一隻も中部において操業されておる。こういう点についての検討は特になされなかったかどうか、お伺いしたいと思います。
  40. 伊東正義

    ○伊東政府委員 許可名義と現実に漁業を支配している人の問題は、実は非常にむずかしい問題がございまして、われわれの方で許可名義を与えたのが実際はだれだということまで現実に突きとめることは困難でございます。ただし、先生のおっしゃいますような事例があることを私ども聞いております。またそういう大きい会社からは、一般の流し網の休漁をやる場合には、自分の方が実際にそういう支配しているものについては優先的に休んでもいいという申し出は実は受けております。
  41. 岡田利春

    岡田(利)委員 この問題は、大臣のポケットに当時の念書が入っておるかどうか私は知りませんけれども、大体私の申し上げた数字はほぼ間違いないと思うわけです。そういたしますと、そういう意向があるとするならば、当然四八以南の流し網の自主的な規制、休漁については、そういう面がはっきり考慮されて政府の案が発表されなければならぬ、こう考えるわけですが、その点については今後どのように処理をされる方針か、お伺いしたいと思います。
  42. 伊東正義

    ○伊東政府委員 先ほど申し上げましたように、私どもの方で正確にそれをつかむことは実は困難でございます。ただ、そういうことがあるということはわれわれも聞いておりますので、大きい会社にはそういうものは優先的に休むようにということは話しております。ただ、県にいろいろ話しましたときには、これは一ぱい船主というよりも、漁利の均霑という意味から現実には許可名義が分かれておるけれども、実際は経営しておる人は一人だという毛のがあれば、そういう人から優先的に休んでほしいというような方針は指示いたしております。
  43. 野原正勝

  44. 角屋堅次郎

    ○角屋委員 先ほど来、同僚安井岡田委員から日ソ漁業交渉にからむ自主規制問題についてお話が出ておりまして、大臣から相当はっきりした御答弁を承っておるわけですが、この日ソ漁業交渉の問題は、過般本委員会においても、大臣ちょうど参議院の関係もありましたので、長官に御出席を願って、私からもいろいろ承りました。同時に二月二十二日の一般質問の際に、大臣御出席の際に、水産政策の問題を取り上げて私からお伺いしたときに、冒頭に日ソ漁業交渉の問題について承りました。その際に私は、今回の漁業交渉の場合には、従来の経緯から見て、あるいはことしは偶数年で不漁年であるという状態から見て、自主規制の問題については減船措置を含む自主規制の問題が検討されてしかるべきかどうかという問題について、大臣にお聞きしたことがございます。その際大臣は、減船等の問題について、特にそういうことを本年度は考えなければならぬという明確な答弁はなかったわけです。私は当時そういうことがその後において出てくるであろうという予想をいたしておったわけであります。先ほど来関係委員から、自主規制案のプランの示し方というものは、三月七日に御承知のように水産庁原案が示されたわけですが、出漁の準備その他各般の関係もありまして、水産庁の案にいたしましても、もう少し関係業界との話し合いの上に立って、少なくとも二月の中ごろまでにはそういう案が示されてしかるべきではなかったか。私がちょうど二月二十二日にお聞きする段階では、すでに水産庁としてもそういうものの検討は遊んでおったはずでありますし、また現実に大臣としても、ことしの場合はそういうふうにいかざるを得ないだろうという判断をしておったのではないかと思いますが、あの際言明をそらされて、三月七日の段階で突如として水産庁の相当きびしい自主規制案が出てきたという経緯になった政治的な判断というものは、あの当時どういうところにおいて言明を避けられたわけですか。
  45. 河野一郎

    河野国務大臣 当時もお答え申し上げた通りに、日ソ交渉の問題がございますから、私は当時事務当局によく勉強してしかるべき案を立てるようにということを言うておりました。まだそれを申し上げることが適当の段階考えておりませんから、申し上げなかったのであります。
  46. 角屋堅次郎

    ○角屋委員 この高碕代表の訪ソが、自主規制案をめぐる現在の問題で、予定よりも若干おくれるというふうに言われておるわけですが、現実にこの自主規制案の問題は業界との十分な了解が得られない段階においても、適当な時期には高碕代表が訪ソするというふうな方針でおられるのか。やはり自主規制の問題については当然業界の了解を得て、協力を得なければならぬ問題であるから、その辺のところについては、十分双方の了解を取りつけるという方針に基づいて高碕代表の訪ソという時期を考える、こういうことなのか、その辺の訪ソの方針についてはどうなんですか。
  47. 河野一郎

    河野国務大臣 先ほどからお答え申し上げております通りに、関係ございません。高碕さんの行かれる前に自主規制案をまとめて、高碕さんがそれを持って行くか行かぬかということは関係ありません。高碕さんは初めから二十八日に出かけることはきめております。従って、日本の国内で自主規制について政府はこういう考え方をしておる、民間は反対である、それでこれは話し合っておる。その段階で私はけっこうだと思います。
  48. 角屋堅次郎

    ○角屋委員 今までの専門家会議、あるいはすでにソ連に参りまして話し合っておる経緯から見て、政府は、自主規制の問題についての最終的な問題は、規制区域外の漁獲量についても、ことしの場合に最終的にどうなるかということで自主規制最終案を結着したい、こういうことなんですけれども、今日までの経過の中で、規制区域外の拡大という問題については、これは日ソ間において十分話し合いで結着がつくのであって、自主規制そのものの問題として日本側で処理するということで交渉が妥結するという、そういう確信を持っておられますか。
  49. 河野一郎

    河野国務大臣 どうもお話しになることが私はよくわからないのでございます。一体、先ほどから申し上げております通り自主規制は、今さしあたり考えておるのは、去年とり過ぎたから、この程度まではソ連へ行くのに、ことしは去年のようなことはいたしません、民間も非常に協力的でございます、ということでなければ、ソ連へ行って話をするのに高碕君が話しにくいだろう、これは民間の人も十分協力が願いたい、こう私は申し上げておる。しかしこの方法が悪ければ、そこをどう直せ、こう直せということは、それは直してもよろしい、その方がより有効であるなら、それもけっこうです。しかしまあまあそうはいっても、なかなかソ連に信用されることはむずかしいんじゃないか、こう申し上げておる。そこで、ソ連へ行ってこれから高碕君が交渉する場合に、以南の規制をどうするか、こうするか、それは交渉でございますから、相手のあることでございますから、こちらとしては、わが方の漁獲、漁業者に、より有利のために、高碕君が全力をあげて交渉していただくと同時に、先ほども申し上げた通りに、資源の保護の立場に立って、両国一致して、どういうふうに資源の保護をしようということも勘案しつつ最終案を出すことに努力したいと思います。その最終の決定に基づいて最終的な規制、必要があればその規制をさらに拡大するというようなことについては、民間と十分話し合いの上で最終案決定をいたします、こう申し上げております。
  50. 角屋堅次郎

    ○角屋委員 先ほど来の安井君との質疑のやりとりで、自主規制案そのものについては、業界でいい案があれば十分これを織り込むということでありまするが、この場合に、たとえばそれぞれの漁獲量というものをある程度コントロールして、そして減船の数そのものについては操作をするとか、あるいは、先ほど来岡田委員が言っておるように、実際に資本の性格等から見て、減船内容等についても十分配慮する、あるいはまたさらに今後、先ほど大臣の答弁の中で、たとえば減船の一部について、これをマグロ等に転業する問題については、やはりカツオ、マグロとの関係の十分な話し合いというものがなければいけないのであって、機械的にこれをおろしてくることは、これはやはり相当に関係業界の方面ではまた問題が出てくる。こういう問題については、今後日ソ交渉の結着の時点と並行して弾力的に考える、こういう方針には間違いないわけですか。
  51. 河野一郎

    河野国務大臣 いろいろな話がまざって参りますと——私はソ連側信頼性を得るということが、今日一番大事だと思います。そこで弾力性を持たしてというような、この弾力性ということは、私はマグロの話だと心得ますけれども、だんだん話をしておりますうちに誤解が生まれることをおそれます。私は相なるべくならばすっきりした姿で、高碕君がソ連と交渉を有制に妥結するような姿で高崎君を先方に交渉に送り出したい、私の今考えているのはそういうことだけでございます。それがとりもなおさずわが国全体のためでもあるし、漁業者諸君のためでもある。今われわれが考えることは、高碕君が行ったならばどういうふうに一番交渉が有利に展開するかということを勘案して、それに裏づけのできるような国内体制を整えて、体制をまず固めるということが先決問題であると考えているのでございます。  まことに恐縮ですが、約束の時間がありますので、これで失礼します。
  52. 岡田利春

    岡田(利)委員 大臣がいないので、気を抜かれたようでありますが、やむを得ませんので、継続して質問をいたしたいと思います。  そこで実は今回の休漁の隻数が百二十二はいおるわけです。これは母船式と流し綱両方で百二十二隻に及ぶわけです。この休漁の仕方というものがはたして妥当であるかどうか、一体どういう根拠に基づいておるのか、これを明らかにしなければいかぬと思うのです。やはり一つの数字的な基礎、根拠があって、いわゆる母船式は一割の四十一隻、さらにまた四八以南の流し網については八十一隻、こういう休漁の自主規制案というものを政府が示したものと思うわけです。この根拠についてはいかがですか。
  53. 伊東正義

    ○伊東政府委員 団体の人や県の人に申し上げましたときに、実はこれは漁獲数量と関連してくる問題でありまして、それでこの数量をいろいろ言いますと、大体日本がどんなことを考えているんだということにもなりますので、実は数量と関連したことは一切申し上げませんでした。もう少し数量の問題はときをかしていただきたいと思います。
  54. 岡田利春

    岡田(利)委員 先ほど河野大臣は、実は今度の交渉で七万トンになるか六万五千トン、昨年同様になるかわからぬ、しかし今年は偶数年で不漁年であるから、そういう点については量としてはあまり期待できない、こういうようなお答えだったと思うのです。そういたしますと、今年は不漁年であるから、とにかく昨年より下回ることは確かなんだ、はっきりしておるのだ、こういう前提に立って、政府交渉をするように、その態度をきめておるように理解せざるを得ないと思うのです。しかしそれが交渉の結果、七万トンになるかもしれぬという、もしそういう気持があるとするならば、私はこの減船措置というものは根本的に問題があると思う。その点いかがですか。
  55. 伊東正義

    ○伊東政府委員 どういう数量にきまりますかは今後の交渉にございますので、大臣も先ほど御答弁になりました通り、数字はごかんべんを願いたいと思います。ただ今度やりました一つの理由は、マスにつきまして非常に縮小再生産になっているということが一つの大きな原因でございます。これは今年だけでなくて、おそらく来年以降もそういうことになるのではないかということを考えておりますので、マス等について考えますと、数量はこれは当然常識的に出てくるものがあるのではないかというふうに考えております。総体のベニ、それまで含めまして、どういう数量になるかということにつきましては、これは今後の交渉でございますので、一般論としてもう少し時間をかしていただきたいと思います。
  56. 岡田利春

    岡田(利)委員 特に最近のマス資源の現状は科学的に解明されておりませんけれども、マス資源について十分この保護を考えなければならぬ、こういう気持はわかるわけです。しかし決して四八以南にのみマスがおって、以北の漁場にはいないということではないわけです。むしろ母船式の場合には魚価の高いベニを追って、ベニを集中的にとる、こういう方向で漁獲をしておることは明らかな事実です。むしろ試験船がベニの魚群を探知をして、そこに母船独航船が集まって漁業をする、こういうことも実は北洋から帰っておる乗組員から私は直接聞いておるわけです。そういう面から考えますと、マス資源の保護ということは、単なる休業あるいは減船休漁、こういうことによってのみ解決できる問題ではないと私は思うんです。マスならマスに対してどうするのか、こういう考え方な明らかにすることが、特にソビエトのマス資源に対する態度から見て大事だと思うわけです。それを、何か全部含めてとにかく二割休業するんだ、母船式独航船については一割休業させるのだ、こういう何か機械的な考え方は理解できないわけなんですが、これは一体どこに重点があるんですか、政府は。
  57. 伊東正義

    ○伊東政府委員 マスの資源につきまして、先ほど申し上げたように、漁獲高がソ連と日本両方合計しましてずっと減ってきておるということは確かでございます。ただ先生おっしゃいましたように原因は何かということについてまだ両国とも科学者の間で一致しないということは、事実その通りでございます。マスにつきましては、先生も御承知と思うんですが、大部分とっておりますのは、実は以南の流し網でございます。ことし七万五千トン、マスをとっておりますが、そのうち四万五千トン、約五万が以南の流し網、母船の方は五千トンくらいでございます。おっしゃいますように、流し網だけじゃなくて、そのほかに母船も五千トンぐらい、また、はえなわでは約一万トンぐらいとっております。大部分は、マスにつきましては、これは規制区域外の力が実は多いのでございます。そういう関係からしまして、特に以南の方にはマスを頭に置きまして、実は休漁の話をしたのでございますが、先生おっしゃいますように休漁だけでこの問題が片づくものじゃなくて、これは今後の交渉でどういうことになりますか。今から予断はできませんけれども、操業期間の問題とかそのほかいろいろなことを考える必要があるのかどうかということは私は交渉の過程においていろいろ出てくるだろうというふうに考えております。
  58. 岡田利春

    岡田(利)委員 そういたしますと、日ソ間においての資源論は、若干ベニについても問題があるところでありますけれども、特にマス資源以外は、私はそう極端に話を聞かないわけです。しかも漁獲量については交渉でこれは妥結をして、その規制についてもこれは厳格に守っておるわけです。ですから、そういたしますと、私は何かマス以外の要因が一体あるのかどうかということについて疑問を持つわけです。マスだけであるならば、マスに対する対策、こういうものを起点にして自主規制というものを考えるべきだ。だから根本的に自主規制の組み立て方に私は問題があると思う。しかも今言われているように、単にこれはこの休漁だけで自主規制を終わるものではない。大臣も新聞談話等で発表しているところを見ますと、第二次、第三次についての規制についても考えておる、こういう話すら大臣談話で実は出ているわけです。ですから一体何を起点にして今河の自主規制をするのか、マス資源ならマス資源を中心にしてこれは組み立てていかなければならぬ問題だと思うんです。この点がどうもはっきりしないのですが、どこにポイントを置くのですか。
  59. 伊東正義

    ○伊東政府委員 規制をやりました理由は二つございます。大きなねらいは、資源の問題と規制区域拡大の防止の問題、二つございます。  一つ、資源の問題は、先生がおっしゃいましたように、マスは、両方の科学者の間でも大体合意しておりまして、縮小再生産になっております。これを回復をはからなければならないという問題が一つと、もう一つは、ベニにつきまして実は日本が規制区域内でございますが、これはとっております。ベニの六割ぐらいが実はアラスカ系のものなんです。これがたまたま本年度は非常に不漁年が予想されております。そういう、資源でいきますと、ソ連関係ではマスの問題、それから特にアラスカ系においてはベニの問題、実は両方から考えておるわけでございます。  もう一つは、規制区域の拡大につきましてソ連は常に主張をいたしておりますが、四十五度をもっと南に下げて、一船々々ノルマを与えて、ソ連の監視船も来て監視するというやり方を強く主張しているわけです。これはマスといっても、以南といい、以北といい、同じ資源でございますので、南で勝手にとられては漁ができないということで、規制区域を常に拡大するという主張をしているのでございますが、私どもといたしましては、これはもう絶対困る、そのかわり約束したものは守れるように漁獲量その他についても十分自主規制をやりまして四十五度を拡大することはあくまで反対しようというような二つのねらいで自主規制案を実は出したわけでございます。
  60. 岡田利春

    岡田(利)委員 そういたしますと、母船式の一割の削限というのは、いわゆるアラスカ系のベニだ、もちろん今言われたような他の要件もありますけれども、ベニを考えておる。特にこれは日米加漁業条約でも問題になったところですね。従って、東経百七十五度まで区域を広げたい、こういうアメリカ、カナダの意向も実はあるわけです。しかしそのことは、直接日ソ漁業条約とは関係ないわけです。そうすると、この母船式の一割削減ということは、アラスカ系のベニの問題を考慮しておるとするならば、日米加漁業条約交渉といいますか、これらについても関連を持って政府考えておるのかどうか、私はこういう考え方が出てくると思うのです。それから四五以南の場合でございますが、これは御存じのようにマス資源しか——なかなかほかの資源をとるといっても実際いないわけですね。これがもし将来無制限にどんどん規制をされるということになります、またもしこれが事実マスの資源が減少しておる、その傾向がより強まっていくということになれば、これは四八以南の流し網漁業というものは成り立たぬわけですね、極端なものの言い方をすれば。そういうことすらも予想されるわけです。そうしますと、私はこの資源に対する政府の確固たる態度というものが今日最も大事だと思うのです。日ソ漁業条約を見ましても、第五条に漁業委員会があるのですが、こういう漁業委員会では私は不十分だと思うのですよ。むしろこの際積極的に今度の交渉で強固な相当の機能を持った漁業委員会というものを提唱して、日ソ間ほんとうに共同して——従来河川調査その他についてもいろいろ問題のある点を、むしろソビエトに譲歩させて、そういう科学的な根拠に基づいた強力な漁業委員会というものを作るべきじゃないか、そのくらいの態度をもって今まで臨んでくるべきじゃなかったか、むしろ今ではおそ過ぎるという感じすらも実はあるわけなんですが、この点について政府はどう考えておりますか。
  61. 伊東正義

    ○伊東政府委員 今直ちに条約を改定しまして委員会の形式を変えるということまでは実は考えておりませんが、先生のおっしゃいましたように、もう少し調査にお互いが力を入れる必要が当然あるというふうに私は考えております。おっしゃいますように合同調査等をいたしてはおりますが、まだソ連でたとえばカムチャッカの東はさせないとかいうようなことがございます。こういう態度は、両国のこの資源を有効に利用していくという見地からはおかしいということで、今年はそういう点につきましては特に強く主張したい。また、オホーツク海につきましては、日本が今入ることを禁止されておりますが、ここにつきましても、私は、今年度は調査船を入れまして、あそこで密度調査、反当どのくらいかかるかというような調査をオホーツク海内についてもしようということで、調査の計画を向こうに強く要求しようというふうに考えております。
  62. 岡田利春

    岡田(利)委員 長官も御存じの通り、特に基地独航の場合は、道東四港がその重要なる拠点になっておる。特に根室の歯舞、花咲、根室、落石、この四港を含めて一昨年の漁獲の量は二万四千九百トン水揚げがされておるわけです。この総額が四十一億に及んでおる。しかもこの根室には、現在カン詰工場が十六、冷凍工場が約十あるわけです。しかもサケ・マス・カンだけで十四億四千万の製造をいたしております。ですから、特に根室地域に与える影響というものは、政府自主規制の案を貫くとすれば、非常に大きなものがあるということは、これは長官も理解できるのじゃないかと思うのです。しかも、根室に続く釧路の場合でも同様二十二億程度の水揚げがある。こういう点で非常に地域経済に与える影響が大きいわけです。しかもこの北洋サケ・マス漁業にのみ依存して町の経済が成り立っておる、こういう点から考える場合、当然この自主規制をする場合においても、これらの要因を十分含めて考慮すべきではないか。   〔委員長退席、秋山委員長代理着席〕 規制案を作成する場合に、これらの点についても十分考慮をして考えるべきではないか、このように私は考えるのですが、そういう点については検討されたかどうか、お伺いしたいと思います。
  63. 伊東正義

    ○伊東政府委員 短い目で見れば、確かに本年度ある程度数量が減るということがございますれば、影響があることは確かであります。ただ私どもやりました自主規制は、これはやはり北洋の資源につきまして、長くこれを有効利用していくんだというような考え方でやる必要があるのではないか。一年一年という短い期間でなくて、もう少し長い期間でこの資源を有効利用したいというようなことで、実は踏み切ったような次第でございます。
  64. 岡田利春

    岡田(利)委員 私は北洋資源を長く保存していくことには賛成なんですよ。ただ問題は、いつまでも四八を境にして母船式漁業というものが固定化されて、しかもその四八以南は一応従来通りやっていく、そして漁獲の量は制限をしていく、こういうものを固定して、そうして長く資源の保護を考えて北洋漁業を営む、こういう点も私は問題があると思うのです。今長官がそのように言われるならば、そういう点について根本的に私は検討しなければならぬ問題ではないか、このように考えるのですが、そういう点について検討する意思があるかどうかお伺いしたいと思います。
  65. 伊東正義

    ○伊東政府委員 実は全鮭連から、私ども出しました規制案に対しまして、意見が最近出て参りました。まだ十分お話を聞いておりませんが、その中に北洋の漁法が現存のままでいいかどうかという問題を実は投げかけております。たとえば母船式漁業はやめたらどうか、全部基地独航にしたらどうか、南の流し網も大きくなって北の方へ入っていったらどうかというような、非常に基本的といいますか、将来の大問題を含めました考え方が出ております。私は役所としましては、こういう意見については十分聞いてみて、将来どうしたらいいかということは考えていく必要があるのではないかと思っております。
  66. 岡田利春

    岡田(利)委員 先ほど河野大臣が、どうも流し網独航船の場合には採算性が高いのだ、こう言われているわけですね。大体標準四十トン強ぐらいで七航海を実はしているわけです。それを母船式独航船に比べて、とにかく収益が非常に高い、こう言われているが、私はどうも——ここ二、三年は収益はいいですよ。しかしながら大臣が何か感情を込めて言うほどそんなに開きがあるのかどうか、それはどこと一体比較しているのか、こういう問題について考えざるを得ないわけです。長官として、母船式独航船の場合の魚価と、釧路あるいは根室の市場における市場価格、こういうものがどれだけ開きがあるかということは十分御存じだと思うのです。そういう面等を考慮する場合に、はたして母船式独航と流し網独航との採算性がべらぼうに違って、ぼろいもうけを実はしているのだ、こういうようなことになるのかどうか、この点は私は非常に疑問に思うわけなんです。基本的には母船式独航船の場合には、母船会社、いわゆる大水産会社と独航船との魚価の決定は、ここ数年多くの問題を起こしているわけです。科学的な根拠をきめるというような方法もない。別に漁民の方は団体交渉権もあるわけではない。いろいろ識者の意見等を聞くと、むしろ魚価の安定審議会を作って、公正な魚価をきめるべきだ、こういう識者の意見すらも実は出ているわけなんですね。こういう面から考えて、一体長官はどのように理解をされているのですか。母船式独航船の採算性と流し網独航船の採算性、こういうものを比較してどのように一体理解しているのか。大臣が、べらぼうにもうかってもうけ過ぎているのだ、残っている減船補償の百万なんというのは、もうかっているからぽんと出せばいいじゃないか、こういう乱暴な話が国会答弁として行なわれているわけです。この点、特に事務的に詳しい長官はどのように考えられますか。
  67. 伊東正義

    ○伊東政府委員 大臣がおっしゃったのは、おそらくこういう趣旨だと思います。独航船のいわゆる権利金ですね、一トン当たり三十万とか三十何方といわれている問題と、以南の流し網が一トン当たり百万とか百二十万といわれている、そういうものは、やはり収益性からきているのじゃないかという意味で大臣は言っておられるのだろうと思います。これは想像でございますが……。確かに以南の方は一隻当たりとる量は非常に多くなっております。しかし、私は、その量だけでこれは判断できない。といいますのは、以南はマスが多い、独航船につきましては高いベニが多いというようなことから、数量の違いそのものが収益の違いというふうには私は見れないと思いますが、以南につきましても、これは相当の収益があるということは、これは常識で判断していい問題じゃないかと思っております。
  68. 岡田利春

    岡田(利)委員 これは相当な収益があるということは喜ばなければならぬわけですね。今まで歴史的に苦労して、しかも船のトン数を政府の方針で買い上げて、営々として、赤字続きで困難なイバラの道を歩んできているのでありますから、収益が上がるということは、これはむしろ政府として喜ばなければならぬことだと思うのです。それを目のかたきにして、だから報復処置として今度は二割減船すればいいのだというような印象すら与えているわけですね。大臣の答弁を直接漁民が聞いたら、実際問題としてそう思いますよ。だから私は、そういう点についてそうであるならば、具体的に数字をあげて出すべきだと思うのですね。そこに問題があるならば、私はぜひ資料を出してもらいたい、こう考えるわけです。しかしそれは問題でないというのであれば、資料を出すことは、私は持っていますから、必要ありませんけれども、そう政府が強弁をされるならば、具体的な資料を出して、これは契約内容からずっと全部出して、船の償却から一切を含めて論議をすべき価値があると思うのですね、そういう理由があるとするならば。この点特に強く長官には、そういう点についての問題点を指摘しておきたいと思うわけです。  それから大臣は、今回のこの自主規制案をのまなければ出漁を認めない——長官も言われているわけですね。新聞ですから、私直接聞きませんから真偽のほどはわかりませんけれども、自主規制を全鮭連がのまなければ四月の出漁期には認めない、全船認めないのだ——私は何かどうかつではないかと思うのですがね。さらに大臣は、これは単に減船はそれだけにとどまるのではなくして、交渉の経過によっては、第二次、第三次の規制考えなければいかぬのだ、これも何かその上におどしをかけて無理やりのませるというような感じを与えているわけですね。これは普通一般の人が聞きますとそういう感じを受けます。こういう点については、そういう意図があるのかどうか、考え方があるのかどうか、この際承っておきたいと思うわけです。
  69. 伊東正義

    ○伊東政府委員 先ほどの収益があるというのは、私はいい悪いはちっとも申し上げたのではなくて、私もけっこうなことだと思います。だから、収益があるのだから一割だ、二割だということは、これは全然ございません。関係ございません。先ほど申し上げましたように、資源と規制区域の問題、両方からくるのが原因でございます。  それから今後の規制の問題でございますが、これは先ほど資源のところで御答弁申し上げたのでございますが、この休漁ということだけで、それじゃ一体マスの資源は保てるのかということは、これはいろいろ問題がございますので、先ほど申し上げましたように、操業期間の問題とかそうような問題は、今何も言っておりません。これはいろいろ交渉の過程で問題になってくるのだろうと私は想像いたしておりますが、こういうことは将来あるいはあるかもしらぬという意味で、おそらく大臣もおっしゃっているのだろうと思います。でありますので、この休漁ということがすべてではない、ほかにまだいろいろなことが交渉の過程において出てくるかもしらぬという意味でございます。  それから、私が案を示しましたときに言いましたのは、こういうことを言っております。四八につきましては実は休んでもらいたいということを言いまして、県の担当官に話したわけでございます。それで、県別に幾ら幾らという数字を実は言いまして、県が一つ仲に立って、だれが休まれるかということはきめてほしいということを申し上げました。その場合に、私は話のついた県につきましては、早くから許可を出す、話がつかぬところは、まだ話がつかぬという現状においては、許可することはできませんと言ったことは確かでございます。
  70. 岡田利春

    岡田(利)委員 そういたしますと、これは非常にむずかしい問題ですから、実際問題として、極端な言い方をすると、これは県に全部げたを預けた、そうしてむずかしいところは政府としてはあまり入らぬ、私はこういう感じがするのです。しかし、これをのまなければ出漁を認めないということではないわけですね。少なくとも、もちろん努力をして解決しなければならぬわけです。しかし、そういう意図で言ったんではなくして、あくまでも県があっせんをしてそれをきめる。そしてそういう上に立って出漁してもらいたい、こう長官が言われた、こう理解していいわけですか。
  71. 伊東正義

    ○伊東政府委員 私はそのとき言いましたのは、今の原案をもとにしてでございますが、県別に話をして下さいというので、話がついた県から許可証を出しましょうということを言ったことは確かであります。
  72. 岡田利春

    岡田(利)委員 裏返しすると、話し合いがつかぬところは出漁を認めぬ、こういうことになると思いますが、そういう理解でよろしいですか。
  73. 伊東正義

    ○伊東政府委員 将来のことでございますので、今ここで右左とはっきり言ってしまいますのもなんでございますが、その当時の気持はそういうことで、この案はのんでもらいたいということで話したわけでございます。
  74. 岡田利春

    岡田(利)委員 政府はこの政府の原案は一応固執をしないと、こう非常にきれいな答弁をなされているわけです。しかし受ける感じは、大体だれが考えても政府の案よりいいものがないんだ、だからどういう案を持ってきてもおそらくこれはお話にならぬだろう、こういうことを言外に含めて、いわゆる話を聞きましょうというなれば、形式的民主主義の手続をとる、こういう傾向が——よく政治家が使う手なんですが、そういう感じを私は持つわけなんです。どうも話をやりとりで聞く場合、そういう感じを持つわけなんです。私はやはりこの際特に四八のマス資源の問題を中心にして、自主規制の問題はもう少しいろいろな面から論議をして、親切に政府業界の人々にも政府の見解を伝え懇談をする、こういう態度が必要ではないかと思うわけです。ですから休漁あるいは減船、さらにまた一隻当たりの漁獲量制限あるいは網の枚数の制限あるいはまた漁期の短縮、特にマスの漁期に対する短縮等の問題を考えなければいけないでしょうし、それから根本的には北洋サケ・マス漁業の構造改善をはかる、こういう抜本的なことについてもやはり検討しなければならぬと思うのです。ですから私はあながち政府の案だけが最上のものである、こう実は思わないわけです。ですからそういう面について、構造改善の問題は将来の問題として、当面母船式が今すぐやめることができないとするならば、いわゆる四八、四五の規制区域内における漁獲の量、四八以北の漁獲の量、こういうものについてやはり十分な配慮を払うべきではないか。四八以内にはサケはあまりいないんです、マス資源が多いわけですから、それをとっちゃいかぬとすれば、そういう点についてやはり政府が勇断をもって決意をすべきではないか。そういうことが決意されないということになりますと、何か大水産会社のひもつきで、そういうものに気がねして政府がこういう自主規制を行なっておる、こういうそしりを私は免れないと思うのです。ですからマス資源に対しては思い切った政府措置をとる、そのかわり決定した漁獲の量というのは年々守られているわけです。ですからそういう配分については、従来の実績にとらわれないで、この際大胆にこの配分を考える、こういう点が出されれば多くの人々は政府考え方というものを理解するんではないか。若干問題はあっても相半真剣にこれは論議をする対象に私はなると思うのです。こういう点についてはいかがですか。
  75. 伊東正義

    ○伊東政府委員 話がきまりました上の配分については、やはり納得のいくような公正な配分をしたいと思います。先生は何か大母船会社に遠慮しているんじゃないかというような意味のことをおっしゃいましたが、決してそういうことはございません。これはやはり四百十隻という独航船がおるわけでございます。ただこの以南にも四百十四隻、片方の独航船も四百十という数がございますので、母船のことも当然考える必要がございますので、先生のおっしゃいましたような考え方からこの自主規制案出したわけでございません。ただ配分問題につきましては、これを十分気をつけてやっていくという態度でやりたいと思っております。  それから案そのものでございますが、先ほど大臣もおっしゃいましたが、これは交渉でございますので、やはり相手方に信用させるということが私は交渉の第一番の前提だと思っております。それで目的は、先ほど申し上げましたように、資源と規制区域拡大防止と二つでございますので、それの大きな目的を納得させる別な案があれば、私どもは大臣のおっしゃいましたように、当然これは聞く必要がありますけれども、今、全鮭連等からは案が出ましたが、まだ十分聞いておりません。数字その他が入っておらぬ面がありますので、どういうお考えか、実はきょう午後集まりまして、会議をやりまして聞こうというようなことでおりますが、あくまで目的は先ほどの将来にわたっての資源の確保、規制区域拡大防止でございます。それを納得させるような案がどういうふうになるかということが問題だと思います。
  76. 岡田利春

    岡田(利)委員 長官、たとえば一つの例を申し上げますと、昨年同様六万五千トンにきまったと仮定します。そうしてそれを百対十六とか、十対二でもけっこうですが、それを分けて漁獲の量をきめた場合、これは四八以北の母船式の場合には一割減船しても余力がありますよ。ベニばかりとるといっても無理かもしらぬが、それ以外のサケ資源をとるということになれば、今回の妥結した量だけとるわけでしょう。そうすると、独航船一隻当たりの量はふえて母船についてもそれは処理できるわけですから、そういう仮定に立ちますとそうなりますね。そうすると、これは減船したけれども、母船から見ると全体として別に量は減らない、こういう結果が出るわけでしょう、こういうことになりませんか。それとも長官は一割独航船を減らしたら、漁獲量をどのようにきめてもそれに見合う一割というものは魚がとれないのだ、こういうしろうと的な考え方に立っておられるのですか。いかがですか。
  77. 伊東正義

    ○伊東政府委員 先ほど数量は申し上げませんということを言ったのでございますが、二割減ったら漁獲も二割減るとか、そういう簡単なものでないことは知っております。  六万五千トンという例を出されましたが、これは今年きまった量でございます。今年きまった量と同じような量がきまったと仮定しまして、その配分をどうするかということでございますので、これが配分の比率が変われば、母船に有利にすればそれは母船側がたくさんの魚をとるということになりますが、その辺がどういうふうにきまるか、どういう率で配分するかというのは将来の問題でございますので、今ここで減るとかふえるとかいうことは全然別の問題であります。
  78. 岡田利春

    岡田(利)委員 大事な数字の問題になると、天野屋利兵衛みたいにちょっと言えないということで非常に気抜けするわけなんですが、実際ここが一番大事なところですね。自主規制をする場合、量に関係するわけですから……。それが長官は具体的な数字は言えぬということですから、その問題が残ると思うわけです。  そこで若干論点を変えて一、二伺っておきますが、政府自主規制によって今回の減船、休漁をする船についてはカツオ・マグロ漁業に転換するとか、操業を許可するとか、こういう試案を実は発表いたしておるわけです。政府はどこの漁場を考えておるか知りませんけれども、一応常識的に今回想定される休漁船のうち政府はどの程度カツオ、マグロに転換できると考えておるのですか。
  79. 伊東正義

    ○伊東政府委員 これは御希望があるということでやったわけでございます。また御希望の人も自分で独立してやるという人もあるかもしれない、あるいはマグロの母船についていく付属船としてやろうという人もあるかもしれません、あるいはまた基地漁業をやろうという人があるかもしれません。その辺は御希望によってというように考えておりますが、百トン未満の船でございますので、今法律上百トン以上は法律改正をしませんとできませんので、そういう大西洋へひとりで行くことが無理なことはわかっております。やはり太平洋の範囲で大体操業するのじゃないか。ただ、今申しましたように母船についていくとか、そういうことになりますと全然角度は変わって参ります。
  80. 岡田利春

    岡田(利)委員 そういたしますと、カツオ、マグロの方に転換することもなかなか問題なわけですね。実際これをやるといっても多くの問題があります。まして知事許可船のごときは、一部を除いてはほとんどこれは不可能に近いのじゃないか。ですから実際かわりとしてカツオ・マグロ漁業に転換をさせると言っても、これは一部はできるでしょうけれども、とても安易にできる問題ではないと私は思うわけです。今回政府の処置を実行した場合、業界は大体今までの実績から見て、漁獲の高で六十四億、船の償却費と網代で六億四千万、それから船員の人件費、これはもうすでに船員は来ております、船の半数は海におりているんですからね。そういう面でも優秀な船員を確保しているという面で人件費を考えると、十億八千万、一人当たり五十万、合計八十億八千万程度になるわけですね。こういう業界では、従来の実績から見た休業をした場合の損失というものを積算しておるわけなんですが、こういう点については大体どうですか、長官、間違いありませんか。
  81. 伊東正義

    ○伊東政府委員 われわれの方で一体幾らくらいの損失だろうかという意味の試算は、実は計算はいたしておりません。ただ先生のおっしゃる通り漁獲とかいうものは過去の平均から持ってきますれば、おのずと出るわけでございます。私どもこれはなかなか大へんなことだということは実は承知いたしております。でありますので、希望があれば金融その他については、やはり国として相当中金に話すなりなんなりしなければならぬというふうに実は考えていますが、まだ漁業者の方々とはそこまでの話し合いには至らぬような状況にございます。
  82. 岡田利春

    岡田(利)委員 さっき大臣は、休業の補償等についてはこれは全然考えてないと、特に声を一段と高くして言われておるわけなんですが、こういう突発的に休業の措置をとるという場合に、現在の資源保護法からいっても考えられる面が全然ないわけではないと思うんですね。符に絶対に休業補償はしないんだという政府考え方は、操業する船にそれだけの能力がある、補償能力がある、こう見られておるんだろうと想像しておるんですが、どういう根拠なんですか。
  83. 伊東正義

    ○伊東政府委員 補償の問題でございますが、これは今の漁業法の建前で許可期間が切れましたものについての増減について、これは補償は出さぬというのが今の漁業法の建前でございます。ただ許可期間中にこれの許可の取り消しをするというような問題でございますと、これは補償ということになりますが、これはいろいろな面を考えまして、実は一年許可ということでやっておりますので、漁業法の建前からも補償はしないということで、過去におきましても実は一問もやっておらぬというのが現状でございます。
  84. 岡田利春

    岡田(利)委員 それは極端に事務的に長官が解釈すれば、びしっとすればそういうことになるでしょうけれども、これはやはり非常に大きな問題である。政府としてもやはりこの際考えて何とかこの急場を打開しなければならぬという立場に立てば、そういう四角ばったワクにはめなくてもいいじゃないかと思うのです。これは時期もおくれているわけですからね。船が半分くらい海におりるころにこういう政府自主規制措置出してきておるわけなんです。そういう意味から、準備は許可を一応前提にしておるわけですね。しかもそれは常識ですよ。そのことは政府としても認められるだろうと思うんですね。だからそういう経過措置というものが、こういう特に北洋漁業の場合は、沿岸漁業の場合にはあるわけなんですから、そういう点から考えると、これはやはりそういう問題を扱うのが政治なんですから、そういう意味では全然その方法がないというものではないと思うのですが、いかがですか。
  85. 伊東正義

    ○伊東政府委員 その点ははなはだ申しわけございませんが、先ほどの答弁と同じでございます。
  86. 岡田利春

    岡田(利)委員 私は、特に政府が今回こういう減船措置をするという場合に、今の漁業構造というものは今年特に画期的に政府が二割と一割の減船をするという場合は、むしろ暫定的に積極的に考えるべきではないか。恒久的な問題の検討は別にして、単なる四八と四五というものの配分の問題だけではなくして、失業の問題についてもある程度規制ラインについて、就業構造についてむしろある程度暫定的に考えるべきではないか。政府がそういう決意を示すことによって、私はやはり自主規制というものについても多くの人々の理解と協力を得ることができると思うんですね。そういう点の検討をしたことがありますか。
  87. 伊東正義

    ○伊東政府委員 実は以南の問題は、ソ連との話の起こりは、十トン未満くらいの沿岸の漁船でありますというようなことで話が起こった問題でございます。ところがその後非常にこれが大きくなりまして、十トンとか、そういうようなことになってきましたので、実は相手方から言わせますと、沿岸漁業であるから規制もあまりしないというようなことで話が起こったのが、現実の問題としては相当大きくなっているというようなことで、問題がいつも向こうから指摘される問題でございます。それで今、いわゆる沿岸といったものにつきまして、あの規制区域の中にこれを取り込んでいくかどうかということは、まだ非常に問題がございますので、本年度の操業につきましては、実は私どもそこまで問題を踏み切ってやろうということにはいたしておりません。ただ先生おっしゃいましたように、将来いろいろ水産業をどうやっていくのだということにつきましては、全鮭連からも問題が出ております。これは私は検討すべき価値のある問題であるというふうに考えております。
  88. 岡田利春

    岡田(利)委員 しかし船の大型化の問題は政府の方針でやってきたわけです。海難事故が発生をして、それを転機にして船の大型化、しかもこれはそれぞれの船のトン数をはかって、そのトン数については一トンも、〇・五トンも許可の場合にはぴしっと政府も厳格に見てきたわけです。そういう経過があるわけですね。一方私が先ほど指摘したように、水産会社の持っている五十一隻ですね、これはもうみんな七十トン以上ですよ。おそらく七十トン以下というものは少ないと私は思いますね。七十トン前後の大型の船が実は多いわけです。そうしてそれが名義を変えて水産会社が操業しておるわけです。ですから船の大型化の問題は、実際問題、政府の方針でやってきたわけでしょう。それを今になって、ソ連の方には沿岸漁業で、これは十トンか二十トン程度の船である、こう説明しておったのが、最近大型化したから、ソビエトが問題にしている。それを何か船を大きくした流し網漁業者がどうも悪いというようなものの青い方は、私は当たらぬと思うのです。政府の方針でやってきたわけです。ですからそれだけに、ある程度この漁場の確保、漁獲量の確保というものは、政府の責任において私はなされなければならぬと思うのです。そういう点の認識はいかがですか。
  89. 伊東正義

    ○伊東政府委員 悪いという意味に聞こえましたら訂正いたします。それは海難の問題とか、いろいろございますので、ある程度大型化ということを許可したことは確かでございます。これはすべて政府に責任があるのは当然であります。  それから先生のおっしゃいました問題では、規制区域の中の漁場の再配分の問題につきましては、これはことしはまだそこまでは踏み切ってはおらぬということは確かでございます。実は先生にお願いしたいのでございますが、私どもも実は正確にはわからぬのでございます。五十一ぱいという数字をお打ちでございましたら、一つお貸し願えれば、私ども行政をやっていきます上にいろいろ便利だ、そういう大きな人がよけい持っておるところから、休む場合はまず休んでもらうことは当然だと思いますので、もしお願いできますればお貸し願いたいと思います。
  90. 岡田利春

    岡田(利)委員 先ほど五十一隻の問題については、長官は知っている部分もあります、しかし何隻かわからぬ、こういうことを言われたわけです。知っている分はどのくらいですか。
  91. 伊東正義

    ○伊東政府委員 隻数は申し上げませんが、数社から実は自分の方は持っておるのがあるので休ませてもいいということの申し出があります。
  92. 岡田利春

    岡田(利)委員 逆に言うと、この問題はそういう念書を入れておるわけですね。この許可のある場合に——長官が西村さんの場合かわかりませんけれども、歴史的にだいぶ前の長官でしょうね。これは念書が入っているわけですよ。ですからわからぬというのは、私はちょっと不思議だと思うのです。しかしここで確認しておきたいのは、わかった場合には必ずこれを優先的に全部先に休業させる、休業する場合に、その原則だけは確認してよろしゅうございますね。
  93. 伊東正義

    ○伊東政府委員 私どもが原則を出しましたときに、実際は伊東なら伊東の名であれば許可名義は子供さんにしたり、あるいは奥さんにしたり、いとこさんにしたりというような多数持ちの船主がございます。しかしそれがほんとうに一人の人であるかどうかということは私どもなかなか立ち入ってわかりませんので、県に頼みましたときには多数持ちの人は一つ優先的に休んでほしい、許可名義ではっきり二隻以上持っているということがわかるものについてはこれはぴっしゃり休んでもらうけれども、それ以外の人から選ぶということにつきましては、これは多数持ちからやってほしいということを実は原則で言ったわけでございます。でありますので、今先生のおっしゃったようなものが実は多数持っておるということでありますれば、そういう人はなるべく今昔いましたような原則でやってもらうというのは私は当然だと思います。これは現在はまだ全鮭連から具体的にどうだということの返事をもらっておりませんので、そういう段階に至っておりませんが、もしもそういうような具体的な問題になってくる場合は、これはもちろん参考にして私はやっていきたいと思います。
  94. 岡田利春

    岡田(利)委員 時間がありませんから集約的に入っていきますが、もう一度自主規制内容の問題でありますけれども、先ほど私が言っておるのですが、具体的に休業という形を一応とるというのが政府の方針ですけれども、これはやはり将来に向かって今年休業、こういう措置をとっていいのかどうか、あとの来年の問題も出てくるわけです。ですから体ましておいて今度は減船だというようなことにもなりかねない、むしろその公算が非常に強いと私は思うのです。むしろそれより自主規制というのは四八以南、特に四五以南の場合はそれぞれ一隻当たりの漁獲の検収なんというのは簡単なんです。それぞれみな基地を持っているわけですから不可能ではないのですよ。四八と四五の間は二十人の検収員を派遣しておるわけですから、そうしてこれはきちっと検収しておるわけですから、一隻当たりの漁獲の量というものは検収できると思うのです。従ってその面における自主的な規制、このために業界が協力してもらうということもできると思うのですよ。あるいは漁期の若干の短縮等の問題もそれと並行して考えることもできるのではないでしょうか。そういうことを私はずっと検討していくと、政府が数字を、積算基礎を示さないから問題があるのですが、単に一割、二割とにかく休業、頭から高圧的に、天下り的にこれ以外に、しかも根拠は示すことはできません、交渉の関係があってそれははっきり言えません、数字は出せません、これでは納得できないのであるから、やはりこういう点について十分弾力性を持って検討しなければならぬと思うのです。ですから案を持ってこいというよりも早急に何か具体的にそういう代表とむしろいろいろ話をしてみる、こういう点について詳しく論議をする、そうして協力が得られるかどうかですね。もちろん先ほど言いました配分の問題も出てくるでしょう、実際問題としては。こういう点についてはなされていないと思うのです。ですから、時期が切迫しておるのですから積極的に指導権を握って水産庁がそういう話し合いを続けていくことが大事だと思うのですが、そういうことを積極的に指導権を握ってやる意思がありますか。
  95. 伊東正義

    ○伊東政府委員 先ほど、たとえば漁獲の割当をして検収ということができるんじゃないかというお話がございましたが、実は一船々々割当をしてやっていくということであれば、規制区域を広げるというのは問題ではないかというふうに私ども考えておるわけでございます。それが一つと、もう一つは、たとえば四百隻のものは四航海、五航海いたしますが、そうしますと千六百海里ないし二千海里ということになりますが、この検収はできるのじゃないかと言われますけれども、実はこれは三十六年にやりましたが、非常にむずかしい問題がいろいろございます。これを規制区域外のものも全部検収せよと言われますと、これはほとんどむずかしいというふうにわれわれは考えています。そしてそれがまた一船一船にノルマを与えてやるんだということになりますれば、規制区域を拡大しても当然じゃないかという議論も誘発しますので、私どもはこれはとれぬということで実はそれで検討いたしまして、そして今のような案を出したわけでございますが、私どもは業界に呼びかけまして、何か案があれば出してほしいということで全鮭連から案が出て参ったのでございます。先ほど申し上げました通り、これにつきまして実はきょう高碕さんを含めて顧問会議を開いてその話を聞こうということになっております。時期の切迫も先生おっしゃる通りでございますので、ある程度いろんな問題が煮詰まって参りますれば、当然私は水産庁として積極的にいろいろなことを考えていくといいますか、そういうことはやる必要があるだろうと考えております。
  96. 岡田利春

    岡田(利)委員 私は、そういう弾力的に考えるという国会答弁だけでなくして、具体的に行動でそういう姿勢を示すべきだと思うわけです。そういう点特に要請をいたしておきたいと思います。特に関連をして道東の関係、特に根室が中心になると思うのですが、この自主規制をする場合の地域経済に与える影響、私はそれはもう全然われわれの関知するととろではないということにはならぬと思うのです。水産庁としては何か特にそういう点配慮されたことがあるのですか、検討したことがあるのですか。特に根室です。これは重大問題ですよ。わずか四万の人口ですよ。この点はどうなんですか、検討したことがありますか。
  97. 伊東正義

    ○伊東政府委員 先ほど申し上げました通り、今年だけとってみればそこに影響があるということは私はわかります。ただ今度やりましたことは、私は根室ということを例にあげて言われますならば将来にわたってもやはりここは漁獲の資源を有効に利用して地元の経済に役立たせるのだという前提でものを考えたわけでございまして、ただ今年度どのくらいということは実はまだ数量がきまりませんので、一体根室に幾ら水揚げになるかということはまだわかりませんので、それがどういう影響を持つという具体的なことまでは申し上げかねますが、それは数量が減りますれば短期的に見ても影響があることはわかりますけれども、やはりこの問題は私はもっと長い目で見る必要があるだろうというふうに考えておるわけであります。
  98. 岡田利春

    岡田(利)委員 これは水産庁長官としての答弁はそれでいいかもしれませんよ。しかし地域経済の問題は特に池田内閣の地域格差というものが増大をしていく。それでそれにかおる産業が全然ない。水産一本にたよっておる、これは根室に長官行かれたかどうか知りませんけれども、行かれたらわかるわけですよ。半島で四面海なわけですよ。ですから、こういう場合には特にこれは考えなければならぬでしょう。水産庁長官としてはその答弁で済むかもしれませんけれども、これはやはりこういう問題を処置する場合には、地域的にどういう影響あるかということを当然私は検討しなければならぬと思うのです。ですから、やはりその点について水産庁だけで検討がなかなか困難であれば、関係者と連絡をして十分やはり検討して、与える影響というものをはっきりしなければならぬと思うのです。そんな影響はどうでもいいのだ、とにかく先ほど言った理由に基づいて規制をしなければならぬのだというのは、どうも私は土台がぐらぐらしておってお粗末だと思うのです。ですから、まだはっきりその数字がきまらぬと言いますけれども、当然そういう検討はしなければならぬと思いますよ。そうして適切な措置も講じなければならぬと思うのです。もちろんこれがどうなるのか、漁獲の量がどうきまるのかという問題もあるでしょうけれども、その点はやはり十分検討して影響のないように、影響を少なくするように関係省と話し合って、政府としても十分配慮するという答弁があってしかるべきだと思うのですが、いかがでしょうか。
  99. 伊東正義

    ○伊東政府委員 数量のきまり方で先生のおっしゃいますことがいろいろ違ってくるだろうというふうに思います。過去においても非常によけい割当がありましたときから見ますと、現在は割当量毛半分くらいの割当量になっておるわけであります。こういう場合にも私は影響といえば当然影響があったのだろうというふうに実は考えるわけでございますが、どの程度の影響になるということは、これは今数量のきまらぬ現段階で申し上げかねますが、先生のおっしゃることを十分これはどういう形で装わしたらいいかということはもう少し検討いたしてみたいと思います。
  100. 岡田利春

    岡田(利)委員 時間がありませんから、私はこれで質問を終わりますけれども、特にこの際要望しておきたいのは、先ほど申し上げました通り、今回政府の出された自主規制の案、自主規制そのものについては私は反対をしておるわけではないわけです。問題はやはり自主規制をやる場合に多くの人々の理解を得るように努力しなければならぬ。河野大臣めように、とにかく去年も一万トンもよけいとり過ぎているやつに、先に話しても何をやるかわからぬというような傍若無人なものの言い方というものは今日通用せぬと思うのです。そういう意味で、私は先ほどから幾つかの問題について指摘をしておりますが、こういう点について十分業界の人々と話し合いをしてもらいたいし、円満裏に問題を解決する方向を特に要請をしておきたいと思うわけです。  それと、漁獲の量の割当の問題についても、単なる従来の実績にこだわることなく妥結した漁獲の量、こういうものを考えて、十分配慮をされるべきではないか。こういう犠牲をしいるわけなんですから、そういう点について十分配慮すべきではないか。こういう点についても第二点として要請しておきたいと思うわけです。  第三点の問題は、この四八を境にする規制の区域の問題は、漁業構造の改善の問題とあわせて、先ほど長官も言われたように、全鮭連からも案が出ているわけですから、そういう点で十分話し合いをして検討してもらいたいという工合に考えるわけです。  サケ・マス資源の増殖そのものとしては、毎年大体三十四年度実績でも五億粒ですか、ソビエトの場合は自然孵化の関係もありますけれども、大体三億程度なんですね。またアメリカでは実際は一億くらいです。こういう問題についても、河川調査その他についても、今までの折衝でもずいぶん問題があるわけです。こういう点については断固たる決意をもって主張するものは主張する、共同調査するものは調査する、そういうことも満足にできないで自主規制をしようとしても、多くの漁民の不信を買うことになると思うのです。こういう点をことに漁業交渉にあたって貫いてもらいたいということを、第四点として要請しておきたいと思います。  さらに第五としては、今年予算も計上されておりますけれども、すでに孵化事業の経営形態もずいぶん進歩してきておるわけです。特にアメリカなんかの場合の方がこの孵化事業は進歩しておるわけですが、北海道の河川が漸次よごれていく面から考えると、えさづけをして稚魚を放流するということまで考えなければならぬ。これなんかわずか十億程度あれば一応五カ年計画で考えておることが実現できるのです。そういう方をわずか一億か二億の予算よりつけないでおるということにむしろ疑問を持つわけです。これは業界も協力しておるのですから、そういう点についてはむしろ大胆な政策をとることを特に希望しておきたいと思います。  時間がありませんので、非常に残念でありますが、以上で質問を終わりたいと思います。      ————◇—————
  101. 秋山利恭

    ○秋山委員長代理 この際参考人出頭要求の件につきお諮りいたします。  農業機械化促進法の一部を改正する法律案及び農地開発機械公団法の一部を改正する法律案の審査の参考に供するため、両案についてそれぞれ参考人の出頭を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  102. 秋山利恭

    ○秋山委員長代理 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  なお、参考人の人選並びに意見を聴取いたします日時等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、ご異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  103. 秋山利恭

    ○秋山委員長代理 御異議ないものと認めます。よって、さよう取り計らいます。  次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。    午後零時五十四分散会