運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1962-07-10 第40回国会 衆議院 内閣委員会 第38号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十七年七月十日(火曜日)    午前十時三十八分開議  出席委員    委員長 中島 茂喜君    理事 伊能繁次郎君 理事 草野一郎平君    理事 堀内 一雄君 理事 石橋 政嗣君    理事 石山 權作君 理事 山内  広君       安藤  覺君    天野 公義君       内海 安吉君    小笠 公韶君       小川 半次君    尾関 義一君       亀岡 高夫君    川村善八郎君       倉成  正君    島村 一郎君       辻  寛一君    保科善四郎君       前田 正男君    飛鳥田一雄君       緒方 孝男君    田口 誠治君       成田 知巳君    西村 関一君       受田 新吉君  出席国務大臣         国 務 大 臣 藤枝 泉介君  委員外出席者         人事院総裁   入江誠一郎君         人事院事務官         (給与局長)  瀧本 忠男君         防衛庁参事官  麻生  茂君         防衛庁参事官         (防衛局長)  海原  治君         専  門  員 加藤 重喜君     ————————————— 七月十日  委員天野公義君、尾関義一君、長谷川峻君及び  森田重次郎辞任につき、その補欠として倉成  正君、亀岡高夫君安藤覺君及び保科善四郎君  が議長指名委員に選任された。 同日  委員安藤覺君、亀岡高夫君倉成正君及び保科  善四郎辞任につき、その補欠として長谷川峻  君、尾関義一君、天野公義君及び森田重次郎君  が議長指名委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  公務員給与に関する件  国の防衛に関する件      ————◇—————
  2. 中島茂喜

    中島委員長 これより会議を開きます。  公務員給与に関する件及び国の防衛に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、これを許します。石山權作君
  3. 石山權作

    石山委員 期末手当が終わりますと、例年のごとく人事院勧告をする月が迫ってきたわけです。公務員諸君はいろいろな批判をしているようですけれども、やはり何といっても、人事院勧告というものについては関心を持ち、期待を持っているだろうと思うのです。せっかく今誠意調査中でございましょうから、詳しいことをお聞きするのも不細工で、ある意味においては失礼に当たるだろうと思いますけれども、公務員諸君期待しているのですから、それに大まかなアウト・ラインで、人事院はこんな考えでいるのだというぐらいは、この際示していただいた方が相互理解のためにはいいのではないか、こう思っております。せんだって新聞などちょっと見ますと、労働省に非現業の公務員諸君が押しかけて、二千名くらいすわり込んだなどといっておりますが、もう少し内容が明らかになれば、そういうふうな点も話し合いの過程で行なわれるのではないかというふうな希望も持っているわけでございます。そういう前提に立ってお答えをいただきたい。御調査は、四月末日をもって締め切った資料をもってやられるのでございますか。   〔委員長退席草野委員長代理着席
  4. 入江誠一郎

    入江説明員 お話通り、四月一ぱいにおける賃金支払い状況につきまして、五月から調査を始めまして、それを現在統計局の方に差し出してございます。それの集計をもって判断することにいたしております。
  5. 石山權作

    石山委員 先だって、労働省から賃金白書といいましたか、まだ中を詳細に見ておりませんけれども、出たようでございます。それの中身をたどってみますると、一一・一%という賃金上昇が三十六年度に三十五年度と対照して行なわれた、こういうふうに言っているのですが、この傾向は、人事院で御調査なさってもそんなに変化がない数字なのではないか。ただ、ことで考えられるのは、物価が騰貴した場合の態度でございまするが、この物価騰貴人事院では、今どのくらいだろう——これは総理府統計を見てもわかるわけですが、どのくらいに押えていられるか。
  6. 瀧本忠男

    瀧本説明員 物価とおっしゃる意味は、総理府統計局消費者物価指数のことをおっしゃっておられると思いますが、これは昨年の四月を一〇〇といたしますと、本年の四月は七・八%の上昇ということになっております。
  7. 石山權作

    石山委員 そうすると、われわれの常識論あるいは今までの慣行上からいけば、人事院勧告するという態度をこの際表明してもよろしいのではないか、そう思いますが、いかがでございますか。
  8. 入江誠一郎

    入江説明員 労働省の毎勤その他の賃金上昇の工合及び物価関係では、ただいま御指摘通りだと存じます。人事院といたしましては、御存じのように、報告はどうしても年に一回やらなければならない。それに加えて勧告をするかどうかということでございますが、これは非常に大事な問題でございまして、現在の労働省関係労働経済情勢というものは大体御指摘方向だと思いまするけれども、今公務員給与の改善につきまして勧告をいたすかどうかということは、大へん申しわけございませんけれども、この席で申し上げることは、いずれこれは民間給与調査の結果によりまして人事官会議を開きまして最終的にきめる問題でございますので、発言を差し控えさせていただきたいと思います。
  9. 石山權作

    石山委員 まあ、大事をとってそういうふうにおっしゃることも了解できないわけでもないのですが、しかし、大勢というものは、考え方によって勧告しなくてもいいという現実条件ではないわけですね。ですから、総裁が大事をとって言うことは、むしろ、何だか私にすれば、何も無理をなさって官吏独特の立場をとる必要はないのじゃないか。勧告の気持はあるけれども、たとえば数字については十分考慮しなければならないというなら話はわかるけれども、勧告自体についてちゅうちょしているというふうな印象は、ちょっとこの際、労働省が出している資料総理府が出している資料、われわれが常識的に見ている一般資料等を総合してみても、はなはだ私は理解に苦しむのです。何かそこにちょっとしたことで微妙な点があるわけですか。勧告するかしないかという点について、微妙な計数とか政治条件というものに人事院は立たされておるわけですか。
  10. 入江誠一郎

    入江説明員 微妙とか政治的条件とか、おっしゃるように、別段、公務員法なり給与法の定める一つの方針と申しますか、それ以外のものにつきまして現在特別な配慮をしたわけではありません。ただ、御存じ通り、従来人事院は、民間給与でございますとか、生計費であるとか、あるいはその他の条件を勘案して態度をきめておるわけでございまして、別段ちゅうちょするとかせぬとかいう問題を離れて、やはり勧告をいたすかいたさぬかということは——その次に内容の問題はございますけれども、いたすかいたさぬかということは、これはやはりなかなか一つの微妙な問題でございますので、別に勧告をいたさぬとかなんとか申し上げるわけではございませんけれども、これをどういうふうにきめるかということは、もう少し最終的に人事官会議決議を経ませんと、私からこの際申し上げることはよくないのではないかと考えております。
  11. 石山權作

    石山委員 どうもそういう点はわからぬと思う。たとえば世間一般にいわれておるこういうことを考慮なさっておるわけですか。人事院勧告することによって、民間公共企業等賃金運動を刺激するというふうなことが、第一にあなたの脳裏の中にあるのでございましょうか。あるいはもっと別な面で、賃金上昇物価騰貴を招来するという俗説に、公務員賃金担当者らしくなくあなたは耳を傾けておるのですか。どうなんでしょう。どうもあなたの言うことは私は理解に苦しむのです。
  12. 入江誠一郎

    入江説明員 率直に申しまして、賃金というものは、御存じのように、あらゆる場合に相互作用する性格を持っておりまして、それはもちろん公務員に限らず、民間でもそうでございますが、一つ会社賃金が上がれば、同業の会社賃金が上がりますとか、やはり相互作用する本質的な性格を持っておるのでございますから、公務員賃金引き上げがほかのものに影響がないとは申せぬと思います。しかし、これは一つの事実でございまして、やはりたびたび御指摘のように、公務員法は、民間賃金でございますとか、生計費とかを勘案し、その他のそのときの条件を勘案して、結局公務員賃金民間賃金を追っかけると申しますか、そういう建前になっておるわけでございますから、相互作用するということを今考えてわれわれの態度をどうこうしようと考えておるわけでもございません。また、事実現在の段階で、さあ勧告しようかすまいかというようなことを論議するまでにいっておらないのでございます。ただ、常識的にそういう結論が出るのはあたりまえではないか、こうおっしゃっておりますので、われわれも実は民間給与調査の結果を見て、いつも人事官会議を開いてきめて参るわけでございますが、現在そういうことについていろいろまだ検討しておる段階にもなっておりません。きのうも実は組合諸君が多数見えていろいろ話をされましたけれども、現在その点を明らかにする状況にもなっていないということでございます。
  13. 石山權作

    石山委員 労働省の出した分析の一つの中に、三十六年の後半期にコストインフレになった——これは、こういう表現を今まで使ったことがないのを今回特に出したのは、確かに現実把握であることは間違いない。現実把握であるけれども、今、月をねらって出したということは、どうも人事院勧告をば制肘する、そういうもくろみをかなりに持っているのではないか。そうでなければ、来年の春の賃上げですから、ずっと秋ごろ出せばいい。初冬に出せばいい。それを今出しているところを見ると、人事院勧告を制肘する。その人事院はまた受け取って、大勢勧告しなければならないということを否定できないような状態にありながらも口を濁らしているということは、非常に消極的に問題を見ているのではないか。消極的ということは、公務員賃金勧告の問題についてですよ。そういうふうになってきているのではないか。あなたと私の質疑応答の中であなたの言葉を聞いていると、何かそういうふうな印象を受けるのですが、かかる影響ではないので、人事院自体の機能、権限の中で、まだそういう結論を申し述べる段階ではないというふうなのでございましょうか。
  14. 入江誠一郎

    入江説明員 労働省はいつも今ごろ何か賃金白書のようなものを出されておるようでございまして、別段労働省のこの白書によってわれわれ左右されることはございません。現在人事院でこの問題を最終的に再検討する段階に立ち至っておりませんので、ただいま申し上げられないという状況でございます。
  15. 石山權作

    石山委員 のれんに腕押しという話があるけれども、どうもぴんと来ませんな。あなたからきょうはさっきも申し上げたように的確な答弁をいただこうとも思っておりませんけれども、大まかな考え方を討論していただきたいと思うのです。これは大まかな考え方というのは、私は勧告をする時期がまさに直前にあるということを一つ指摘しているということですよ。これはあらゆる情勢が、物価にかかわらず、民間給与にかかわらず、あらゆる的確な額の指数、こういうものの上に立って人事院が今あるわけなんですけれども、そうした場合に、どうも調査以前のような御回答に聞こえてならぬのです。私は、そうじゃない、もう一歩進んだものにあるのだろうという考え方なんです。そうすると、突き詰めて勧告するもしないもこれからだ、もちろんそうでしょう。けれども、さっきも申し上げたように、大まかな勧告大勢にあるけれども、最終決定最終数字についてはというふうな言葉ならこれはのみ込めますけれども、その前提になる勧告自体についてちゅうちょしているというふうな御意見では、この際どうも政府に対する気がねが多くして、公務員諸君の望んでおるような熱意を込めた調査を行なっていないのではないかというふうに思わざるを得ないのですが、これだけもう一ぺんだけお聞きするのですが、もう少し誠意のある御答弁をいただきたい。
  16. 入江誠一郎

    入江説明員 たびたび御指摘のように、労働省調査、まあ大体経済情勢というのは、どこで調べてもそんなに変わらないというのが常識でございます。ただ、労働省調査人事院調査とは、御存じのように調査の方法が本質的に違っております。しかし、大体の経済賃金情勢を現わすことについては、御指摘のようにそう変わらないと思います。しかしながら、ただ現在勧告をするかせぬか、これはどういう内容勧告をするかとか、これはやはり最終的に国会政府に同時に結論が出ましたら申し上げることでございまして、いつもこれは石山さん人事院を長く監視しておられましてよく御存じ通り、いつも民間給与調査が出まして、それでたとえば八月の上旬とすれば、七月の末ごろから本式に人事官会議を開いて検討に入るのでございまして、別に決して他のいろんなことを、たとえば政府側とか、そういう特別なことを今考えておるというわけではございません。給与を取り巻く一般条件というのが、総合的にいずれ既往の実績か統計が出ましてから検討することになっているわけでございますから、現在のところ発言をいたすことを差し控えさしていただきたい、こういうことでございます。
  17. 石山權作

    石山委員 それでは結論を得られる時期というのは一体いつごろでございましょうか。
  18. 入江誠一郎

    入江説明員 これがなかなかむずかしい問題でございまして、こういうことを申すとおしかりを受けるかもしれませんけれども、かりに八月の初めに結論を出したら、その内容がどうか、これは国会のみならず、組合方面からも、その内容がどうか、結論を出した以上は内容を言わぬのはおかしいじゃないか、これはそういうわけで、やはり公務員法二十八条の通り国会政府に同時に報告または勧告するということで、できるだけの結論につきましては私どもとしてはそれまで大目に見ていただきたい、また実際問題としてなかなかむずかしゅうございますから、これが衷心の希望でございます。
  19. 石山權作

    石山委員 それでは総裁新聞解説しておると同じですよ。新聞解説は、人事院はおそらく臨時国会が開かれるから、勧告についてはその提出時期を相当考えるだろうと言っておる。新聞解説と同じことをあなたは言っておる。ですから、私は労働省のいわゆるコストインフレとかいうようなことに制肘されないかと言っているのですよ。私は、人事院というものは、独自の解釈において法律に基づいて勧告するだろう、誠意をもってやるだろう、こういうふうに見ているわけです。それがそうではない。最近の物価騰貴は、賃金のせいで物価騰貴を来たしたという池田放言、これは選挙に盛んに使われている池田放言、こういう俗説が、いかにも真理のように変わって人事院を取り巻いているのではないかと私は心配を持っておる。日本民間給与上昇の根源は人事院勧告にあるなどという、そういうふうな過重負担を今考えているのではないか。ときあたかも労働省からコストインフレの問題も出ておる。ここで日本経済を考える場合には、公務員は残念であるけれども、暫時の間犠牲になっていただかなければならぬ、こういうふうな解釈をなさっているのではないかという憶測が成り立つではございませんか。臨時国会が開かれるから、提出の時期をあやまてば困るからという政治的考慮を払う。人事院が中正的な立場、裁判的な立場をも持ち得るというこの給与の問題、公務員人事に関する問題等、この際、ILO批准とともにわれわれは守らなければならぬという段階に立っているにかかわらず、あなたは周囲俗説に惑わされているのではございませんか。惑わされてその渦中に入りそうな形態を示しておる。勧告の時期はいつごろでございましょうと私は申しませんよ。結論を得るのはいつごろでございましょうかと申し上げたのに対して、それに対してさえあなたは言葉を左右にしているのはどういうわけなんですか。新聞解説が示している通りに、あなたは政治的に政府の意向をうかがってうろうろしておるという状態を示しているのではないかという心配です。もう一ぺんあなたの御意見を承りたい。
  20. 入江誠一郎

    入江説明員 これは石山さんも御存じ通り、私ども今政府のことを心配しておるのではないかということをしきりにおっしゃいましたけれども、政府のことを心配したり、いろいろな方面のことを心配しておりましたら、こういう仕事はできるものではございませんので、それは決して私はこういう公の席だから申し上げておるわけじゃありませんけれども、そういう周囲のいわゆる圧力といいますか、そういう意味のことを決して心配いたすものではございません。しかし、やはり公務員給与は、ことしこれをどういうふうに判断するかということは、これは先ほど来たびたび申した通り、今後の問題でございますけれども、公務員の方も民間給与生計費その他の条件というふうに申しておりますように、公務員は何と申しても国民使用者でございますから、公務員給与国民負担になっておる点から、公務員法を守りつつ、国民の御納得は得る必要があると思います。そういう意味において——われわれは、何もそうかと申して、今勧告をせぬだろうとかなんとか、そういうふうなお疑いを持たれるような意味においてどうこうしておるわけじゃございませんけれども、やはり結論を得るということが一番大事なことで、それは民間給与調査の結果によって判断いたすわけでございますから、今申し上げることが、どうもはなはだ御期待に沿わないで恐縮であると申し上げているわけでございます。臨時国会云々ということをおっしゃいましたけれども、私は全然そういうことは考えておりません。もちろん、これはおのずから、御存じのように、毎年一回報告または勧告するということが、公務員法の精神であり、従来の慣例でございますから、報告は必ず一年に一回やらなければならぬ。それに対して勧告するかどうかということを今この席でちょっと申し上げられないということを申し上げておるわけでございますから、その点はどうぞ御了承願いたいと思います。
  21. 石山權作

    石山委員 政治論はそのくらいにして、これは給与局長にお伺いしますが、春の民間給与について一番著しい例は賃金の二重構造だといわれている。中小企業がおおむね三千円以上値上がりをしておるのですね。これは民間中小企業上昇率は、公務員でいえばどこら辺に該当しているのですか。勘になるかもしれませんけれども、大体のところを……。
  22. 瀧本忠男

    瀧本説明員 先ほど総裁が申し上げましたように、現在はわれわれが報告するなりあるいは情勢判断いたしますために、労働省統計等を十分できる限り分析しておるわけでございます。人事院最終的に判断をいたしますのは、先ほど総裁がおっしゃったように、これは人事院調査の結果に基づいてやるということになる。労働省の毎月勤労統計等を分析してみた結果によりますと、個々の会社を見ると、三千円、五千円というのがあるかもしれませんが、中小企業が上がったといえども、平均的に見ますと、それほど上がっていないのじゃないかというようにわれわれは思っております。  また、今中小企業がそれでは公務員のほぼどの辺にあれをするか、勘で言えというお話でございますが、これはなかなか勘で言うというわけにもいかないのでありまして、われわれの方が公務員と対比いたします場合には、職務責任段階に応じましてそれぞれ——たとえば中小企業といっても、われわれが一応公務員給与を考えます際の対象といたしますものは五十人以上の事業場でございますが、そういうところのたとえば一つポストというものが、大体どの程度の評価になるか、本省段階でいえば課長補佐程度のところになるのか、あるいは係長程度になるのかということを判断してやるわけでございまして、中小企業にもそれぞれポスト段階もございますし、それから年令別に見ましても、いろいろ分布があるわけでございます。一口にはなかなか言えないと思いますが、そういう判断でやるわけでございます。
  23. 石山權作

    石山委員 中小企業の場合には、最近若い人が非常に採用されているという傾向が見られるわけですが、あなたの方のお調べになったときは、今のたとえば五十人以上くらいの段階において、そうすると年令的には公務員どこら辺にそれが当たりますか。
  24. 瀧本忠男

    瀧本説明員 初任給ということになりますと、現在の場合、わが国においては、大体学校卒業者というところが一つ労働市場になるということは御承知だと思います。中学校卒業あるいは高等学校卒業新制大学卒業というようなところが、労働市場で非常に労務需給関係賃金が問題になると思います。これは申し上げるまでもなく、年令もはっきりいたしております。年令的に中小企業のどの辺に当たるかというお話でございますが、今われわれが心得ておりますのは、中小企業に比較的老齢の方が多いであろうというようなことはわかっております。しかし、民間全体の平均年令で申しますと、おそらく三十二、三才というところになっておるのじゃなかろうか、こういうふうに思います。それに対して公務員平均年令は、おそらく三十六、七才ぐらいになっておりますので、そういう面から見ますと、現在の公務員の方が平均年令は高い、このように考えております。
  25. 石山權作

    石山委員 民間中小企業と大企業の問題が、日本企業の二重構造で、経済の面から言えば一種のガンになっておる。これが企業の方ではまだ二重構造であるけれども、賃金の面ではかなりに格差が縮まったという報告書を見ておるわけです。だけれども、それはあなたに言わせれば、中小企業全体から見れば、あまり動きがないのだという御説明ですが、そうすると、今あなたの考えているようなのでいきますと、われわれが見聞きしておる民間中小企業賃金は、初任給その他の若い人たち賃金影響はあまり受けないような感じでございますが……。
  26. 瀧本忠男

    瀧本説明員 中小企業賃金動きがないというようなことは、私は申し上げなかったのであります。中小企業におきましても、初任給辺が従来見られなかったような上昇をしておるということは、十分承知いたしております。初任給が上がりますと、現在在職いたします者に、やはり給与伝播性もありますし、そういう影響がありまして、中小企業において在職者給与も漸次上がりつつあるということは言えると思います。労働省白書で申されておりますように、二重構造が次第に解消しつつある、言葉の問題あるいは程度をどのように表現するかという問題があろうかと思いますが、そういう方向であろうということは判断はできるのでありますが、顕著な事実は、初任給のところが中小企業は非常に上がっておって、そうして初任給だけを見ますならば、平均的な問題でありますが、大企業あたりと金額においてもそれほど差のないというような状況が出ておるということであります。われわれの方で一応判断いたしますときは、小さいとか大きいとかいうことを言うのではないのでありまして、やはり五十人以上の全事業場平均的なところはどういうところであるかということを考えるわけであります。それには先ほど申したような方式で、責任の度合いとかあるいは職務内容等によりまして分けてみるわけでありますが、中小企業初任給が非常に上がったといっても、これは大企業の方の賃金との問題もございますので、その平均がどういうふうに上がっておるか。これは最近の傾向といたしまして、一般的に初任給平均が上がっておるということは言えるかと思いますが、そういうことを問題にいたしてわれわれの方の判断をいたす、こういうことになろうかと思います。
  27. 石山權作

    石山委員 最後に、寒冷地薪炭手当の支給時期の問題は、八月末にいつも支給されているわけですが、これも人事院勧告に基づいて行なわれるわけです。これは前々から、参議院の場合は、率の引き上げを検討しなさい、こういう附帯決議がつきました。衆議院の場合は、不均衡是正をおおむねこの際行なったらどうか。いずれにしても、両院から、寒冷地薪炭手当については再検討せよ、善処しなさい、こういう附帯決議をつけられているわけです。しかも、その期日は、慣例として八月末に支給されておる。その点についてはかなりに私は実ってきているだろうと思っておるのですが、概略でよろしいから、御答弁をいただきたい。
  28. 入江誠一郎

    入江説明員 先般の衆議院で附帯決議をおつけになりました当該市町村内の人事交流云々というあの問題は、お話通り八月末が支給期日でございまして、御了承を得ておきたいと存じますけれども、寒冷地手当の問題は、やはり気象条件というものが中心になりますから、ただいま全国的にいろいろ御要望のありますように、人事交流といってもいろいろ意味がございますけれども、そんな大幅な改善は率直に申していたさないつもりでございます。しかし、衆議院の附帯決議の精神に沿いまして、とにかくそういたしますれば、総理府への勧告になりますので、これは八月末までに結論を出すことになっております。それから支給率の問題は、ただいまお話通り、せっかくこういう附帯決議がございまして、われわれもたびたび申しておるように、苦慮しておるのでございますが、統計その他から支給割合を引き上げるという資料が出て参りませんので、もう少し検討を進めさせていただきたいと思います。
  29. 石山權作

    石山委員 率の問題に関しますと、既存の上に立ったいろいろな問題があるわけなんです。これは何も人事院だけではなくて、日本の官庁全般のものの考え方が既存の上に新しい構想を立てていくわけですから、既存が低ければ、その上に積み重なって、離れて見ればかなりの違い、いつもこういう格好だ。奥地開発は池田内閣の何枚看板の一枚だが、何年たっても奥地開発が行なわれないのと同じだと思います。だから、人事院だけに特に率の引き上げを大幅に行なえなどということはなかなか言えないと思うのですが、やはりこれは生活権に関する給与の一部分なんですから、普通の行政施設と問題が違うのです。ほかの官庁の行政施設でも、既存の積み重ねでは、奥地開発と口では言うけれども、なかなかできない。しかし、これは新憲法下における公務員の均一化された中における平等の権利の中における給与問題です。これも、寒いところにいるのは生まれた運命だ、あきらめなさい、だんだんとよくなってきているのは事実じゃないか、こういうふうな理屈で押されて今まできたと思うのです。今はここで理屈の話はやめます。あなたとしょっちゅうやっているからやめますけれども、普通の行政機関と同じようなものの考え方給与を見ていただくことに対して、私は不満を持っているのです。給与というのは直接個人の権利ですから、そういうものと、一般の行政面で国家経済上の損得で見るということとは、私はおのずから違うものではないかと思っているのです。だから、人事院の場合には少し型破りで問題を見ていただくことは、この際寒冷地薪炭手当の場合にも必要であろう。せっかく御勉強なさって調査を進めていられるようですから、あえて申し上げません。給与の問題もその通りです。私はもう少しお話を申し上げたいと思いましたが、防衛庁長官もおいでになったようで、あなたの方でも研究調査の途上にあるというふうなことでございますから、これ以上お話を進めることも差し控えたいと思うのですが、公企労の方々でも春闘でやはり二千なんぼという実績を示している。そういうような経緯もあるので、人事院立場をそれぞれ批判をしていることは確かですが、しかし、人事院勧告が一日も早かれと願っていることも、国家公務員諸君の大多数の意向だと思う。それから政治的に中立性を保てというのは、これはわれわれ議員としての立場を強調しているわけです。それらの点を勘案されまして、ことしは早く勧告を行なうべきだと思う。臨時国会があるからどうや、労働省白書が出たからどうや、物価がどうもじり高になるから困る、これがあれば、一番最後に勧告を受ける公務員諸君がいつも損をするということになりがちです。そういう例が前にも多々ありました。しかし、長い間から見ればそういう例もやむを得ない場合もあるが、やむを得ないからといって今回もそういう例を建前にとられるとするならば、私は非常に不運だと思う。特に物価騰貴民間給与引き上げと比べてみますと、あなたがどんなにまだ未決定だ、未決定だと言っても、これは人事院勧告せざるを得ない立場にある。ですから、少しく作業を急いでいただきまして、早く勧告をしていただきたい、こういうふうに申し上げまして質問を打ち切ります。  最近新聞を見てみますと、防衛庁の第二次防衛計画の中で力を入れ始めてきたのは対潜水艦の問題です。これの新聞の切り抜きを二、三見てみますと、四月に中山海幕長が渡米をした場合に、アメリカの海軍からヘリコプターを中心とした対潜装備部隊を編成することを強く要望されたというが、これは事実ですか。
  30. 藤枝泉介

    ○藤枝国務大臣 私の本人から聞いたところによりますと、わが国の海上自衛隊の対潜水艦能力というものに対して非常な期待と申しますか、評価をいたしておるようでございますが、そういう部隊を作るというようなことについての要請は一切受けておりません。
  31. 石山權作

    石山委員 私の見た大新聞では、米海軍は要請したと言っているのです。国防省は対潜能力の増強を期待すると言っているが、米海軍は要求しているのです。これは向こうの海軍の当事者と中山海幕長が会ってその話をされているのじゃないですか。
  32. 藤枝泉介

    ○藤枝国務大臣 ただいま申し上げましたように、中山海上幕僚長から私が直接聞いたところによりましても、もちろん日本の海上自衛隊の対潜能力に期待はいたしておりますが、そういう要請は一切受けておりません。
  33. 石山權作

    石山委員 六月十五日に米海軍次官がおいでになってあなたとお話しなさったでしょう。そのときもやはり期待くらいの話だったのですか。
  34. 藤枝泉介

    ○藤枝国務大臣 米海軍次官の私への訪問は、訪日した儀礼的な訪問でございまして、そういう内容について一切話をいたしておりません。
  35. 石山權作

    石山委員 あなたは人が見てないと思って、そんな話しませんと言って片づけるなんというのは、国会を軽視していますよ。われわれは人の話の表面だけをもって外交事なれりとは思っていないのです。最も秘密を要する軍事問題などは、表面の話だけで事足って問題が進んでいっているとは見ておらぬのですよ。言葉をかえて言うならば、日本は最近非常に潜水艦の問題に対して熱意を感じているということは、一体原因は何なんです。どこに潜水艦がいるんだか私はわからない。そこにヘリコプター母艦三十何億とかなんとかいうものを出し始めて、いろいろ構想をしているようですが、その不安、危機感を感ずる根拠は一体どこにあるのですか。   〔草野委員長代理退席、委員長着席〕
  36. 藤枝泉介

    ○藤枝国務大臣 申し上げるまでもなく、日本は海に取り囲まれており、そうして海上輸送に非常に依存をいたしております現状といたしましては、やはり対潜能力というものは重視すべきであるというふうに考えているわけでございます。
  37. 石山權作

    石山委員 そうじゃないだろう。輸送とか防衛の義務というのは、防衛立場をとるだけじゃないのじゃないかと思われる節があるのです。それは、私らの周辺で対潜水艦といって力説される要素というものは、特定の国しかないわけだね。特定の国は二つある。一つはアメリカでしょう。それ以外の国というときまっている。そうして中山さんがアメリカへ行ったり、あなたが米海軍次官と会ったりして、いろいろな話をやりとりするから、お金のないところを出して、まだ全然技術的に未熟なヘリコプター空母を作ってみるとか——どこかにあるんですか、ヘリコプター空母というのは。ありますか。ありましたらちょっと説明して下さい。
  38. 海原治

    ○海原説明員 ちょっと私から御説明いたします。  ヘリコプター空母ということでございますが、そのような種類のものは米海軍にもございますし、あるいはフランスの海軍にもございます。ただ、第二次計画に関連いたしまして、ヘリコプターを搭載する船を建造することにつきましては、先般内閣委員会においても御説明いたしましたように、私どもとしては決定はいたしておりません。先般新聞記事で、そういうものに着手をするとか、あるいは準備を開始したというような記事を見たわけでございますが、私ども事務当局はいまだそのような結論を得ておりませんことを申し上げます。
  39. 石山權作

    石山委員 じゃ私の切り抜いた新聞記事というのは、よほど記事が違っておる、そう受け取ってよろしいですか。
  40. 海原治

    ○海原説明員 どの新聞の記事を申しておられるかわかりませんが、私ども現在の段階におきまして、ヘリコプター母艦というものの建造は考えておりません。
  41. 石山權作

    石山委員 私の見たのによれば、三十八年度の予算で、米側から供与される無人ヘリコプターを利用するために三千トン級の船を作る、価格は三十億円、こういうふうにやや具体的にその新聞は書いているわけなのです。そうすると、われわれ委員会であなたの方からそういうことはないというふうに聞いているんだけれども、最近選挙等で一カ月半も国会をあけているから、さては第二次防衛計画の中に、年来の思いを遂げようとしてまたまた出してきているのかなと思って、今お聞きしているわけなのです。そういう計画がないとすれば、まあそれはそれでよろしい。  で、これも前々から問題になっているのですが、バッジ・システムの問題です。これちょっとやっても三百億円くらいからかかるということが、私どもの石橋君から指摘されて、きのうあたりやかましく言われているわけですが、この構想もかなり進んでいるやに承る。しかも、これについては、アメリカの三つの会社からすでに設計書が防衛庁に届いておる。グラマン、ロッキードのなにがまた始まるのではないかというふうに心配もしておるわけですが、これはどの程度に進んでおるのですか。
  42. 海原治

    ○海原説明員 バッジ・システムにつきましては、ただいま先生から申されましたように、アメリカの三つの会社からの提案が、顧問団を通じまして私どもの手元に参っております。これにつきましては、主としては航空幕僚監部でございますが、内局も一体となりまして、その提案の内容を現在検討しておる段階でございます。技術的にいろいろな問題がございますし、不明な点もございますので、そういうものをそれぞれの会社にも照会をいたしております。その結果が参りまして、一応防衛庁としてそれぞれのシステムにつきましての結論が出ましたならば、八月の末か九月の初めごろには調査団を米国に派遣いたしまして、実地にそれぞれの機械についての検討をし、これが帰ってきましたあとで、なおまたそのバッジというものの全般について検討をして結論を得たい、このように考えております。
  43. 石山權作

    石山委員 これは私が三百億と言ったのは一単位だそうですね。一単位が三百億だそうですから、何単位に編成するかわかりませんが、非常な国費を食う管制方式だと承っておる。三会社が設計書を出しておる。金額も大きい。競争会社がある。私にくまれ口ではないですが、この前の飛行機の問題等もあるのですから、この際前もって御忠告を申し上げておきます。十分そういう点を加味しながらこの問題を処理してもらわなければならぬ。第一、予算が大がかりということ、それから自国の産業ではなかなかやれないで、技術等はアメリカと提携しなければ産業開発が行なえないという難点もあるということ、こういう点は十分注目してやっていただかなければならぬと思うのだが、そこで今現実的に問題になっておるのは、新三菱に対する特別融資の問題が今出て、あなたの兄さんか何かやっているのじゃないですか。六十億から七十億の特別融資、こういうことが出ておる。これはこれからきょうかあす総会を開いてきめるとかなんとかいって、大蔵省及び日銀にかけ合うと、新聞はこれだけ大々的に報じております。中小企業は融資を受けないで倒産が目立って参りました。金融引き締め、池田内閣のたった一つ経済政策である金融引き締めは、徐々に姿を現わした、効果を上げたと思ったら、中小企業の倒産に変形しつつある。高度成長経済中小企業が背伸びをしたのはよかったが、金融政策によって背伸びしたまま、おそらくこれは細く伸ばされたのでしょう。細く伸ばされたものだから、中折れしてしまって倒産しております。そこへ持ってきて、新三菱問題のF104Jの組み立てでしょう。これに対して六十億ないし七十億の融資をするということが、これまた新聞情報でございますが、真実はどの程度ですか、御説明を願いたい。
  44. 藤枝泉介

    ○藤枝国務大臣 御承知のように、F104の製造は、国庫債務負担行為の御決議をいただいてやっておるわけでございます。従いまして、会社といたしまして、相当の資金を手当する必要があるのでありまして、いろいろ苦慮いたしております。ただ、ただいまおあげになりました六十億というような数字を一度に必要なわけではございません。だんだんにできましたものについては代金が支払われるわけでございますから、そういう意味で、会社といたしましては資金の手当にいろいろ努力をいたし、それに対しましてその援助をしようというような動きもあることは存じております。
  45. 石山權作

    石山委員 私は、飛行機を作る会社だからすぐ軍備拡張に援助するなどとは言いませんよ。これは民間機だって作るだろうし、それに関係する計器等も作るわけですから、何もゆがんでは見ませんけれども、一特定の会社に六十億、七十億というのはなかなか膨大な額の資金です。あなたの御説明を聞けば、区切って段階的にやるようになるかもしれないけれども、今金融引き締めで中小企業が倒産していく渦中において、一特定の会社に多額な、しかも軍事的に関係のある投資を行なおうとすれば、やはりこれは問題があると思います。去年の年度末に中小企業対策に政府がどのくらい出しましたか、あなたはおわかりでしょう。四十数万もある中小企業に対して幾らも特別融資をしなかった。それを考えてみますると、飛鳥田委員でなくとも、少しこれは大き過ぎるというのは、内容を検討しないで数字の上っつらを見ただけでも、何かあるぞという感じを受けるのです。あまり恩を売り過ぎるのじゃないか、借りた分を返しているのじゃないか、そういう印象を受ける。せんだってがちゃがちゃやったあとだから、やはりそこら辺から出てきたのじゃないかということも考えられるわけですが、そういう点はどうなんでしょう。やはりこの金を貸すのは日銀に権限があるのですか、大蔵省に権限があるのですか。通産省が中に入り、あるいは防衛庁が中に入ってあっせんというような立場をとるのか、どういうふうな手続をとって融資という形がとられるのでございましょうか。
  46. 藤枝泉介

    ○藤枝国務大臣 普通一般会社における資金の手当と同じようなことでございます。最初にお断わり申し上げておきますが、六十億とおあげになりましたが、最高のときに融資残高が六十億になるという意味ではないと私は考えております。結局最後の二百機ができるまでに借りては返し、借りては返す、そうしたものの総ワクが六十億ということと私は記憶いたしております。そういう意味現実に必要な手当をやっておる。よけいに借りておるわけではございません。現実に104を製造するに必要な手当をやっておるわけでございまして、その最小限度のものにつきましては、防衛庁としても大蔵省あるいは日銀等にお願いをいたす場合がございます。
  47. 石山權作

    石山委員 新三菱がロッキードを受け取る場合には、技術的にも財政的にも自信があったから受け取ったと思うのです。しかし、今日になっていろいろなことを言うというのは、物価騰貴等が問題だと思う。しかし、これは何も新三菱だけが金融引き締めの影響を受けているわけではない。みんな受けているわけなんです。ただし、新三菱のF104Jに対して自衛隊では特別な熱意を示して、これは緊急欠くことのできないものだというふうな判定があってそういう措置がとられるというなら別ですが、普通の通りで言うならば特別融資という必要はないわけです。もしわれわれとして政府が特別にやってあげなければならぬというならば、これは平和が近づいて戦闘機なんか作る必要がなくなってきた、それに対する政策の転換、工程の転換というふうなものに融資するというのならば、政府はこの際大いに努力して五十億でも六十億でも出すという態勢がとられるべきが当然だと思うが、今の場合はそうじゃないのです。よそを押しのけて——よそを押しのけたわけじゃないだろうけれども、とにかく自分がとったという自信は、今日だってなければならぬわけです。経済の変化に便乗して特別融資を受け取るというところに、私は政府のふがいなさがあると思うのです。そんなものはぴんとはねつけなさいよ。はねつけてしかるべき問題だと思う。じゃ新三菱だけでいいのですか。ほかでも言い出してきたら受け取らなければならぬでしょう。これはF104Jだけだ。潜水艦の方できたらどうなるか、それから造船関係できたらどうなるか、これも特別に見てあげなければならぬのではないか、そういう気はございませんか。
  48. 藤枝泉介

    ○藤枝国務大臣 防衛庁の、ことに長期にわたるいろいろな契約に関連をいたしまして、資金の手当について防衛庁でも口をきいてほしいという希望のあるものは幾つもございます。私どもが何か新三菱にだけ特別な融資をするようにおとりでございますが、そういう意味ではございませんで、先ほど来申し上げましたような製造に必要な最小限度の資金の手当について、しかも、それは政府資金とか日銀の資金をどうしようという意味ではございません。一般の金融機関の融資について配慮してほしいという程度のお手伝いを防衛庁としていたしておる次第でございます。
  49. 石山權作

    石山委員 配慮してほしいということは、保証するという意味に通ずるのですから、軽々しく配慮してほしいなどと防衛庁が先走って銀行屋に言うのはいけませんよ。それはそうなんだけれども、お互い紳士ですから、人を疑うのは不愉快ですから、あえてそれ以上申しませんけれども、そういうことがないようにお互い注意したいものだと思います。  それから最後になりますが、あなたも選挙中秋田においでになりまして新聞記者会見をなさったのですが、その中でちょっと気にかかることがあるのです。在任中防衛庁を国防省に昇格することをやるのだ、こう地方新聞では大きく書いておるのですが、その点はいかがでございましょうか。
  50. 藤枝泉介

    ○藤枝国務大臣 多分秋田市に参ったときだと思いますが、土地の記者諸君に会見を申し込まれまして、向こうから防衛庁の省昇格の問題はどうしておるかという御質問がありまして、今の防衛庁の人員、機構その他からいえば、省にしても差しつかえないと思う、しかしながら、この問題は非常に関連するところが大きいので、十分各方面の御意見を伺ってきめたいということを申したのでございます。
  51. 石山權作

    石山委員 この前もあなたはそんなことをおっしゃって私とやりとりしたことがあるのですよ。川島さんをさておいて、あなた出先でそんなことを言っていいかと言ったら、いや、それは新聞記事の誤りで、そういうことを申したのではない、こう言ったので、私はその節は了解したのですが、同じことが二度あると、前のもうそだ、あなたの言うことがうそで、新聞記事がほんとうだということになりそうだ。これは探偵小説を見ればちゃんとわかる。(笑声)犯人の心理というものはそういうものなんだ。犯人の心理を解剖するには、それが当たっておるのだ。そういうことをあなたがおっしゃったのは、役目柄いいと思うが、選挙中秋田に来てそういうことを言うのは何だったろうというふうに、私は私なりに推理を働かしておるわけだ。そうしたら、防衛庁を国防省にするということは、職業軍人に対するアッピールなんです。職業軍人、いわゆる幹部級に選挙運動をしなさいということだ。前の何とかいう有名な幕僚長が、今度やめまして参議院に出たわけです。あの有名な何とかサーカス、その人をあなたは間接援護したと思うのです。今回の選挙を見ていろいろ批判があるだろうと思うけれども、宗教団体が非常に伸びたとかいう。女の方が大量得点してしまって、おれたちが圧倒されたというようなこと。それから今度一番私たち関心が深かったのは、やはり防衛関係の方が当選したということなんです。これが林野庁長官のようにところてん式に次、次、次と出ていかれるのでは、やはり問題が起きると思う。それから選挙運動の仕方がやはりこの際問題だと思う。上からの命令を与えるというふうな格好、あそこにはおそらく選挙違反は起こらないでしょう。警察が踏み込んでその資料を探してもおそらくないでしょう。どんなことをやられてもわからぬということなんだ。そういう危険性のある集団です。そこへあなたが行って間接援護するような、職業軍人よがんばれというような、その中には今度いわゆる高級幹部を多くするという意図が一つあるわけです。それから退役年限を延ばすという意図がある。だからがんばれということになるんだ。国防省になればそういうことは可能だ。だから諸君もがんばれと言わんばかりにあなたはアジってきたのでしょう。  現地へ参りまして、あなたは私の方の都市の司令官とお会いになりましたか。
  52. 藤枝泉介

    ○藤枝国務大臣 会っておりません。
  53. 石山權作

    石山委員 やはり用心深く会わなかったか。会ったらただで済まさないと思っておったのだが……。そういう危険性があるということです。あなたは非常に良識的な方で、自民党の中では若いし、年も私に似寄っているから、話が合うと思って信用しているのですが、もしかりに隠密に行動されると大へんな問題になる。これほど有力な選挙基盤はない。そうしてそこには選挙違反は絶対に起こらないというあれがある。だから、こういうことに関しましては、防衛庁の幹部の方々はどんな格好で応援したか知らぬけれども、十分やはり考えていただかなければならぬ問題だと思う。ほかの官庁と違いまして実力を持っている。ほんとうの意味の実力ですよ。ほんとうの意味の実力を持っている分野の方々からいろいろなことをされるのでは、やはりわれわれは暗い感じを受けざるを得ない。明朗な政界分野でなければならないのにもかかわらず、暗い感じを受ける。幸いこれはあなたが現地の幹部とお会いになりませんから、それでよろしいと思いますけれども、選挙期間中に防衛庁の幹部が現地にそれぞれ視察とかなんかの名目でおいでになった場合にも、文官であろうと武官であろうと、十分に気をつける必要があるのではないか。大臣、政務次官の場合には特に私はそういう必要があると思う。公務員の地位を利用して選挙運動をした——これは特定職だからあなたはひっかからぬかもしらぬけれども、あなた以外の方は全部ひっかかるわけですからね。そういう追及をするという建前をわれわれはとっているわけなのです。十分注意していただきたい。  それから、国防省の問題は再度念を押しますが、今度の臨時国会、次の通常国会にそういうように出すということは絶対ないのでございますか。
  54. 藤枝泉介

    ○藤枝国務大臣 まず、最初にお断わり申し上げますが、先ほどもお答えいたしましたように、今度の秋田での問題は、新聞記者の方々の方からの御質問に答えたわけでございまして、決して石山さんがおっしゃるような、そんな大それた考え方を持ったことでないことだけは御了解をいただきたいと思うわけでございます。しばしばこの席からもお答え申し上げておりますように、非常に重大な問題でございます。各方面の御意見を十分伺った上でなければ結論は出さないつもりでございます。
  55. 中島茂喜

    中島委員長 本日はこの程度にとどめ、次会は公報をもってお知らせすることとし、これにて散会いたします。    午前十一時四十五分散会