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石山委員 それからもう
一つ、ものの
考え方として御研究願いたい点は、確かに、今の
東京のそばに
工場を作れば、消費
都市が直結しているために、非常にいい、これはだれしもわかることですが、しかし、その後にくるもの、たとえば下水の問題、水道の問題、伝染病等のあらゆるものが、
人口が
集中すればするほど、いろいろな問題が複雑怪奇になってくるだろうと思います。ですから、それらは
政府が負担するわけでしょう、
工場のコストの問題は個人あるいは
事業会社だけれ
ども。われわれが今いいとか悪いとかいうのは、企業会社はちっぽけなそれ自体だけのめどで、大
東京のそばがよろしいとか、
大阪のそばがよろしいということになるだろうと思います。しかし、国家全般のお金を使ってみる場合には、必ずしも大
東京のそばに
工場を営むことが日本の国の経済のためにプラスになるというふうには
発展しないのではないか。特に今のようにマンモス
東京、マンモス
大阪というふうな
格好になる場合は、それよりもっと地下
資源あるいはその他の電力、水、適当なる住宅地を背後に持つ、こういうふうなところに中
都市建設をする方が、より有効なものではないだろうか。今通産省のお出しになっている例の新
産業都市建設促進法に対しては、わが党はかなりの疑問を持って見ているわけですけれ
ども、そういうこと等もあわせて、
建設省あるいは通産省等協力して御検討していただけば、国家の財政投資は、そういう形で
地方へ投資されるのではないか、こういうふうに私は思っております。
それから、県境の国道の問題につきまして
大臣にお願いをしたわけですが、その他の
道路網についても、もう一ぺんお願いをしておきたい点がございます。それは国鉄の支線でございます。この国鉄の支線は、今は民有貨車を作るとかいう
意見が出ているほど、貨車が
不足しているわけです。この支線にはなかなか貨車が回らない。なぜ回らないかというと、戻り荷がないということです。しかし、国鉄さんは独占企業なんだから、一ばいにならなければ貨車を貸さないとか、それは値段が安いから貸さないとかいうことになってしまうらしい。ですから、自動車網を
整備していただけば、これは短距離で運転ができますから、必ずから荷で自動車を走らすということは少ないと思います。ですから、私、
東北本線、奥羽本線を並べて
道路網の
整備をお願いしているわけですが、いわゆる戻り荷のない支線、国鉄線における戻り荷のない支線を援助する意味においても——
地方へ行くと、融雪期には、まるで
道路とは言えないような県道あるいは二級国道がたくさんあるわけなんです。これもやはり
建設省に一がんばりしていただきまして、融雪期になっても三トン、五トンの自動車くらいは走れるような工夫をしていただかなければ、これまた国鉄だけに依存している
地方では、何年たったって経済の
発展というものはあり得ないのではないか。これは、今申しました交通、輸送がよくなれば、
資源があるのでございますから、電力もあるのでございますから、労力も十分あるのでございますから、住宅地もあるのでございますから、
発展の可能性がある。ただ、今一番われ一われの目の前に見えるのは、交通、輸送の
隘路が、山間の中
都市となり得る
都市をば町あるいは小さな市にそのまま置いてきぼりにしてしまっているということ、こういう点は、私は
東北ばかり言うようで非常におそれ入りますけれ
ども、目を開きまして日本全国を見た場合に、恵まれた背景を持ちながら、
交通機関の不備のために埋もれている。これは、雪の深いところは特にそういう点があるのでございますから、十分
一つお
考えを願っておきまして、そういう点に早急手を打っていただきたいと思います。