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1961-12-21 第40回国会 衆議院 内閣委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十六年十二月二十一日(木曜日)    午前十一時一分開議  出席委員    委員長 中島 茂喜君    理事 伊能繁次郎君 理事 草野一郎平君    理事 飛鳥田一雄君 理事 石橋 政嗣君    理事 石山 權作君       逢澤  寛君    大森 玉木君       島村 一郎君    高橋  等君       辻  寛一君    藤原 節夫君       緒方 孝男君    田口 誠治君       野口 忠夫君    横路 節雄君  委員外出席者         人事院総裁   入江誠一郎君         人事院事務官         (給与局長)  瀧本 忠男君         防衛庁参事官         (防衛局長)  海原  治君         総理府事務官         (調達庁不動産         部連絡調査官) 高野藤吉郎君         総理府事務官         (調達庁不動産         部連絡調査官) 丸山 勇一君         外務事務官         (アメリカ局安         全保障課長)  高橋正太郎君     ————————————— 十二月六日  委員杉山元治郎君、原茂君及び山花秀雄辞任  につき、その補欠として西村関一君、山崎始男  君及び成田知巳君が議長指名委員選任さ  れた。 同月二十一日  委員保科善四郎君、成田知巳君及び柳田秀一君  辞任につき、その補欠として逢澤寛君、横路節  雄君及び野口忠夫君が議長指名委員選任  された。 同日  委員逢澤寛君、野口忠夫君及び横路節雄辞任  につき、その補欠として保科善四郎君、柳田秀  一君及び成田知巳君が議長指名委員選任  された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  国の防衛に関する件  公務員給与に関する件      ————◇—————
  2. 中島茂喜

    中島委員長 これより会議を開きます。  国の防衛に関する件並びに公務員給与に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので順次これを許します。飛鳥田一雄君。
  3. 飛鳥田一雄

    飛鳥田委員 先般防衛庁に、B52の日本飛来について伺いましたが、その後どのようなお調べをなすったのか、それから伺いたいと思います。   〔委員長退席草野委員長代理着席
  4. 海原治

    海原説明員 先般当委員会におきまして、B52の日本飛来問題につきまして調査するようにというお話がございました。私どもの方で調査いたしました結果は、先般お答え申しましたように、B52という爆撃機在日米軍に配属されておる事実はございません。ただ本国の戦略爆撃隊基地SAC基地でございますが、そこから航法飛行——航法と申しますのは飛行機の飛ぶ方法でございまして、ナビゲーションでございますが、この航法飛行あるいは熟練飛行等関係で、時おり日本に飛来することがございます。また他の地域に行く予定のものが、天候、気象等関係日本基地に立ち寄る、こういう事実はございます。
  5. 飛鳥田一雄

    飛鳥田委員 アメリカ空軍発表したところによりますと、米軍戦略的な意味から二十五メガトンの水爆あるいは原爆を積んで、常時パトロール世界じゅうで行なっている、こういうことを私たちは知っています。この場合、日本上空においてそうした原水爆を積んだ常時パトロールが行なわれているかいないか、これが国民の一番大きな関心だろうと思うわけです。その点についての御調査はなすったかけですか。
  6. 海原治

    海原説明員 ただいま飛鳥田委員の御指摘になりましたような、日本上空において常時パトロールしておるというような事実につきましては、確認いたしましたが、その事実はございません。
  7. 飛鳥田一雄

    飛鳥田委員 その事実はございませんとあなたの方でおっしゃるだけではなしに、米軍世界において実施しておる、こう言っているわけです。しかも世界において実施しておるという場合において、アジアにおける米軍の大きな拠点、そうして戦略的に重要性を持っている地域、そういう点から考えて参りますと、日本というものを度外視することはできない。これも常識だろうと思うのです。そうだとすれば、当然米軍の声明なり公表なりの中に、日本を除くということをはっきり述べてもらうということが、国民に対する安心感を与えるゆえんではないだろうか、こう思うわけで、そうしたことをはっきりと確認して、米軍の口からも発表をしてもらうということが重要だと思うのですが、そういう交渉はなすったのですか。
  8. 海原治

    海原説明員 ただいまの飛鳥田委員の御指摘になりましたような交渉をするということにつきましては、事日米間の問題でございますし、防衛庁限りの問題とは考えられませんので、私からお答え申し上げる筋合いではないと存じます。ただ先般米空軍参謀総長記者会見を行なっております際にも明らかになっておりますように、原水爆、いわゆる核爆弾を搭載いたしました飛行機が常時パトロールしておるということの意味でございますが、私どもの了解しておりますところでは、そのようなものがアメリカ本土を離れまして各国の上で飛んでおるという事実につきましては、承知いたしておりません。現在私どものわかっておりますことは、SAC米空軍戦略爆撃隊でございますが、この三分の一のものがいざという場合には、十五分以内に基地を離陸し得るということであります。かつそういう飛行機の一部が、場合によりましてはあるいはパトロールをしているかもわかりませんが、この飛行機につきましても、それぞれあらかじめ定められました安全線と称します線以上には出ないということが、米空軍の規則ではっきりいたしました。従いまして先ほどお答え申しましたように、この日本上空において原水爆を積んだ飛行機が飛び回っているというようなことは、そういう事実から申しましてもまず絶対にないことであると私どもは考えております。
  9. 飛鳥田一雄

    飛鳥田委員 アジアにおけるSAC拠点はどこでしょうか。グアム島ではないでしょうか。
  10. 海原治

    海原説明員 最前線はグアム島にあると承知いたしております。
  11. 飛鳥田一雄

    飛鳥田委員 それではグアム島を中心にしたところの、あなたのおっしゃる安全線というのはどこをどう通っているのですか。
  12. 海原治

    海原説明員 私は承知いたしておりません。
  13. 飛鳥田一雄

    飛鳥田委員 だって今あなたは、安全線から外に出ることはないから大丈夫だとおっしゃったわけでしょう。ところが、それでは安全線はどこをどうグアム島を中心にして通っているかと伺うと、私は存じませんと言う。それでは日本安全線の中に入っていないということも言えないでしょうし、台湾が安全線の中に入っていないということも言えないでしょうし、沖繩が入っていないとも言えないでしょう。だとするならば、日本上空における常時パトロールというものがないということも言えないわけです。今私が伺うときに少しちゅうちょを感じたのですが、安全線というようなものはあるいは米軍機密に属するかもしれない、こう思ったのですが、しかし安全線というのは、端的に言って、ソビエトの飛行機と、あるいは中共の飛行機と、そしてアメリカ飛行機とがなるべくぶつかり合わないために引いておる安全線ですから、これは秘密ではなく、かえって明らかにしておくことの方が双方の利益になるのだろう、こう思って、私はむしろ公表すべきものだろうと思って、今安全線の通っている地域ということを伺ったわけです。そうしたら、あなたのおっしゃるのには、安全線の外へは飛ばないから安心だと言う。安全線はどこですと聞くと、知りませんと言う。これでは答えにならぬのじゃないでしょうか。国民はますます疑惑を感じてしまう。どうですか、その安全線というものを明確に御存じないはずはないと思うのですが、おっしゃって、だから日本の上では常時パトロールはございません、こういうふうに論理的にも明確に国民にも説明をなさる必要があるのではないでしょうか。
  14. 海原治

    海原説明員 ただいま飛鳥田委員のお言葉の中にもございましたように、安全線というものにつきましては、おそらくはこれは米空軍におきましての軍事機密に属する事項ではないかと私は存じます。従いまして先方へ照会いたしまして、日本がその安全線の外か内かということにつきまして確かめることは論理的には可能でございましょう。しかし私ども立場から考えますと、そういう安全線はどこを通っておるということを外部に公表するということには、おそらく相ならないというように考えております。
  15. 飛鳥田一雄

    飛鳥田委員 それは米軍に対するあなたの方の御考慮と、国民が不安を感じている、その不安を解明してあげるという考慮と、いずれを重しとなさいますか。
  16. 海原治

    海原説明員 国民に対する不安を解消することと米軍に対する考慮と、どちらが重いかということでございますが、これは両方ともきわめて大事なことであります。私どもはあくまで日本の国の防衛ということを考えておる立場でございまして、その防衛に関しまして、日本国民疑惑があるということでございますれば、これをまっ先に払拭すべきだと存じます。この点につきましては、先般来当委員会において、核武装をした飛行機日本に来ておるじゃないか、あるいは日本上空を飛んでおるじゃないかということにつきまして、防衛庁のみならず、外務省当局につきましてもたびたびの御質問がございました。そういう事実は絶対ないということを、それぞれ責任ある当局からお答えしておるところであります。そのことは私の方からアメリカ当局にさらに照会いたしましても、そういう事実は全くないということでございまして、私どもはこの事実というものを尊重して参って差しつかえない、このように考えております。
  17. 飛鳥田一雄

    飛鳥田委員 救世軍ではないのですから、ただ信ぜよと言ったってだめなんです。国民というものは、ある程度の具体的事実を示して御説明にならなければ、納得できないと言うだろうと思います。現に、くといようですが、アメリカ世界において、二十五メガトンの原水爆を積んだパトロールを行なっている、こう発表をし、そして日本にも、なるほどB52の戦略空軍部隊は駐もしておりませんが、しばしば現われている。こういう事実を国民は見ているわけです。ところがあなた方の方はそういう事実をくつがえすだけの具体的な事実をお出しにならないで、ただ信じろと言ってみたってだめなんです。今おっしゃるようにアジアではグアム戦略空軍の最先端があって、ここでやっている——これはあなたはお認めになる。やっているが、しかし安全線というものがあって、それから外へ出ないから大丈夫だ——それは確かにりっぱな論理です、そこで、それではその安全線がどこを通っているかということさえはっきりすれば、あなたの言葉国民はある程度信用できるのじゃないか。ところが安全線はというと、知りません、これでは国民は一体何を信じたらいいのか。ただ信ぜよということになるのです。国民に不安を与えておいて、日本防衛などというものがあり得るだろうか——これはだれもないという答えになると思います。そこでもう一つ国民の疑っている事実を申し上げれば、B52はその後、私の調べました範囲でも日本に再々飛来している。この間申し上げたのは一月二十六日、横田でした。その後私の知っている限りでも、三月二十日に板付、五月の末に板付、これは両方ともB52Gです。六月初旬に横田、六月十九日に板付、九月五日に三沢、十月十七日に三沢——この十月十七日の三沢B52はGかFかHか、私たちには確認できませんでしたが、こういうふうに来ておるわけです。しかも来ておりますときに、ただ一機では来ていないわけです。  一月二十六日の航空情報の写真なんかをごらんいただきましてもわかりますように、空中給油機をちゃんと帯同してきているわけです。この空中給油機を帯同してきているという事実は、やはり相当国民としては重視しないわけにいかないわけです。あなたのおっしゃるように航法訓練——ナビゲーション訓練ということならば給油機などは要らないだろう、こう思いますし、どこかへ寄る途中にちょっと立ち寄ったというならば、B52の足から考えてみても、必ずしも給油機を必要としないだろう。やはり常時滞空というような形をとっているからこそ、給油機を帯同しているのではないかと国民は考えるわけです。私の調べた範囲でもこんなに再々来ているわけです。だとすれば、これは安全線の外に日本があるとはとうてい考えられないじゃありませんか。ですから、あなたの方はもっと具体的に国民安心感を与えなければなりません。それは先ほど申し上げたように、米軍がそうした戦略をとっているということをちゃんと公表しているのですから、それに対して日本例外ですよとおっしゃりたければ、例外を主張したい方が立証責任があるというのは、もう古来からの原則ですから——例外を主張なさらないのなら別です。例外を主張なさる以上、立証責任はあなたの側にあるのだから、国民もまたそれを待っている。ですから、その点を明白にしてほしい、こう国民が考えるのはあたりまえじゃないでしょうか。ですから、くどいようでありますが、グアムにある米戦略空軍の数も相当な数です。人員にして五千人をこえていると思うのです、整備員その他を入れれば。この戦略空軍が常時パトロールをやっている。これはあなたも私も意見は同じなんです。なぜ日本だけが例外になって、日本上空を飛ばないのか。飛んでいないという具体的な証拠をあなたがお出しにならない限りも国民疑惑を解けないのじゃないだろうか。何かそういう点についてあなたの方で、国民疑惑を解くような方法を今後講じて下さる、こういう提案がありましょうか。それとも、これこれの事実だと、ここで具体的な事実をお示しになって疑惑を解いて下さることができるでしょうか。何もあなたをいじめるという意味じゃないのです。国民全体が待っているという意味です。いかがでしょう。
  18. 海原治

    海原説明員 ただいま飛鳥田委員のお言葉の中に、私と委員とが、常時パトロールをしているという点については一致しているというお言葉がございましたが、私はB52が常時パトロールしておるとは申し上げておりません。先ほど申しましたのは、B5戦略爆撃機部隊の三分の一というものは、警報があれば十五分以内に離陸して空中に飛び上がる態勢にあるということを申し上げた。その三分の一の一部分が場合によりましてはパトロールをすることもあるということは考えられる、こう申したわけであります。さらには、常時五十メガトン相当の攻撃力を持ったものがパトロールをしておるというお言葉でございますが、私どもの承知しておる限りでは、そういう能力を持った部隊があるということでございまして、そういう核武装をした飛行機パトロールをしておるというふうには承知しておりません。従いましてその点は私と委員との間に、事実につきまして相当な隔たりがあるということをまずお断わり申し上げます。  次に安全線の問題でございますが、これも私はそういうものがあるということは承知しておりましたが、具体的に、安全線がどこに引かれておるか、また日本に関してはどう考えたらいいかということにつきましては、先ほどお断わりいたしましたように、一応軍事常識的には、それは軍事秘密として部外に公表すべきものでないというふうに私は感じております。しかしその点につきましては、なお御要求かごさいましたらば、これについて国会でお答えしてもいいかどうか、教えてもらえるかどうかということにつきましては、私は一応先方に諮ってみるつもりであります。
  19. 飛鳥田一雄

    飛鳥田委員 それはぜひ諮っていただいて、国民に対してきちっと明らかにしていただく必要があると思います。と同時に、パトロールをやっているかいないか、これは私も日本新聞を拝見しただけで、米軍の将官が発表なすった原文を見ておるわけではありませんから、これはあらためて原文なり何なりを新聞社なり何なりのお力で取り寄せてみて、そしてあなたとの間の意見の調整というものをしてみたいと思います。そこで、B52は日本に一年の間に再々飛来してきている。そうしてそういうパトロールをしている危険性が非常にあると私たちは考えている。そのことについて、あなた方にないならないということをはっきり証明していただくということを、来年に持ち越したいと思います。  しかし同様なことが、飛行機だけではなしに、いろいろな点に現われている。たとえば、御存じだろうと思いますが、きょうですか、横須賀ミサイル巡洋艦オクラホマシティ号というのが入港して参ります。予定ですから一日おくれるかもしれませんが、このオクラホマシティ号というのは、御存じのようにタロスという、ミサイルを積載しているということも、これはジェーンのファイティング・シップその他で御存じだろうと思います。タロスは明らかに原子力能力を持っているミサイルです。こういうものが横須賀に入ってくる。しかもただ入ってくるのではなくして、第七艦隊旗艦として今度指名をされたはずです。そしてその旗艦として指名をされたオクラホマシティ号は、横須賀母港として始終出入りをする、こういうことになるらしいのであります。儀礼的に一ぺんか二度横須賀を訪問するとか、あるいは岩国を訪問するとかいう親善訪問の場合などでありますならば、そうした核装備をはずして入ってくるという言いわけも、国民は、なるほどそうかもしれない、こう考えるかもしれません。これはかもでありますけれども、ところが横須賀母港として常時ここに出たり入ったりして、しかも第七艦隊旗艦として行動するということになれば、その旗艦がまる腰でいるなどということはあり得ないでしょう。そうなればこのオクラホマシティ号は当然タロスを積んでいる、こう言わなければならないわけです。すると小坂さんの説明とは逆に、原子兵器というのが日本の港を出たり入ったりする、しかもいつでも使えるような状態で出たり入ったりするというような状態にならざるを得ないのでして、横須賀市民は非常な不安を感ぜざるを得ないわけです。さらにB52の問題あり、海にオクラホマシティ号の問題ありというのでは、国民は不安でたまらないのではないでしょうか。しかもなおかつ陸にはあなた方がナイキを持ち込む、武山に持ち込む——武山というのは横須賀市の郊外的な一部です。もちろんナイキはジュースの方であって、ハーキュリーズではないとおっしゃるかもしれませんが、発射台はユニバーサル型と称するナイキ・ジュースでもあるいはナイキ・ハーキュリーズでも撃てるものだ。この間実はアメリカの雑誌を読んでおりましたら、ナイキ・ジュースを改良している、どんどん改良しているというニュースが出ておりました。たしかアビエーション・ウィークだったと思いますが、今までナイキ・ジュース核弾頭がつかないと私たちは考えておりましたけれども、ものすごく改良しているとしていたら、つくようになるのじゃないでしょうか。そうすればどっちだってあぶない。海も陸も空もみんな国民は不安を感じなければならぬということになったらやり切れないじゃありませんか。一つこの辺で年末のお歳暮として、国民に対してすぱっと疑惑の割り切れるような答弁をなすっていただかないと、安心してお正月を迎えられないという感じがいたします。そしてこの問題はほうっておいていい問題ではありません。横須賀ではこのオクラホマシティ号の入港について反対の意思を表示しましたし、今後それに対する反対市民運動あるいは神奈川県の県民運動というのは、次第に盛り上がっていきますよ。そして将来相当な事案が出てくる可能性がある。だとすれば、あなた方の方でもこの問題についてもすぱっとした態度をお示しになる責任があるはずだと私は思うわけです。問題は芽を出したところで解決しておくことが大事です。これは外務省の仕事にもわたりますから、すぐ今ここで結論をと言われても、あなたの方もお困りでしょうが、しかしこういう問題に対する防衛庁態度というものだけは明白にしておいてほしい、こう私は思っているわけですが、いかがでしょうか。
  20. 海原治

    海原説明員 ただいまの飛鳥田委員のお言葉の中に、オクラホマシティにつきましては横須賀母港とする、母港とすることによって常時その船が横須賀を出たり入ったりする、こういうお言葉がございましたが、私どもは、オクラホマシティがおそらく来年の一月には現在の旗艦と交代いたしまして、第七艦隊旗艦になるであろうというふうに承知いたしておりますが、横須賀母港として常時そこにおる、あるいは出入りするというふうには承知いたしておりません。御存じのように第七艦隊母港といたしましては、横須賀あり、佐世保あり、さらにフィリピンあり、ハワイありということでございまして、その船籍をどこに置くかということにつきましては、実は詳細には具体的に存じておりませんが、今おっしゃいました母港ということにつきましては、さらに調査しまして、今委員がおっしゃるようなことになるのかどうかという点を確かめてみたいと思います。  次にナイキ・ジュースについてのお言葉がございましたが、私どもの持って参りますのは、これは先般も御説明いたしましたようにアジャックスでございます。ジュ−スではございません。ナイキ・ジュースというのは現在、先生も御存じのように、米軍におきまして開発中のものでございます。アジャックス核弾頭のつかない普通弾頭だけのものであるというふうに先般も御説明しておりますので、一つその点はそのように御了解願いたいと思います。  さらに防衛庁としてどう考えるかということでございますが、これはあくまで防衛庁日本政府機関の一員でございますので、この問題につきましては、従来ともに外務大臣及び外務省当局が御説明しております通りのことでございまして、私どもも同様に考えております。従いまして、国民疑惑を解くということはまことに大切なことでございます。しかし防衛庁の私がそのことについて申し上げる筋合いのものではございません。ただあくまで従来外務当局の御言明になっておりますところを、私どもとしても同じように考えておるというふうに申し上げることで御了解願いたいと思います。
  21. 飛鳥田一雄

    飛鳥田委員 外務省責任者の方が見えていませんから、この問題について防衛局長だけに御質問をするということもむずかしかろうと思いますから、今申し上げたように、B52に関する疑惑を来年当初には必ず解いていただく、こういうことをお約束をいただきましたから、私もさらにお願いして、B52の問題は次回に持ち越したいと思います。  そこで、少し話が違いますが、今般行なわれたクーデターの問題でありますが、クーデターに関して逮捕された人々自衛隊方々働きかけをした、こういうことを警察発表しておりますし、防衛庁のそれぞれ加藤さんあるいは藤枝さん、こういう方々も、あったけれどもまあ問題にしなかった、こういう御説明があったように思います。そこで伺いたいのは、大体何人くらいの人に対してどのような働きかけがあったのか、それを一つ防衛庁の側から御説明をいただきたいと思います。
  22. 海原治

    海原説明員 ただいまの御質問の件につきましては、防衛庁内におきます所掌上は私の所管ではございません。むしろ官房長からお答えすべきことと思いますが、予算関係でただいま参っておりません。従いまして、私も防衛庁参事官といたしまして承知しておりますことを、私の個人的な資格においてお答えするということをまずお断わり申し上げておきます。  新聞等に出ておりますように、防衛庁自衛隊関係者働きかけがあった、それを断わったというふうに出ておりますことにつきましては、私ども警察当局から承知し、かつ私どもが持っております調査隊調査活動から分析いたしてみますと、働きかけという言葉が必ずしも適当でないように感ずるわけであります。現在取り調べを受けております人々の中で、御存じのように五十九期、六十期という旧陸軍の出身の方がおりますが、との人々の同期生と申しましても、それぞれ二千七百名程度の多数の者でございます。同期ということだけではお互いに顔も知らないというのが現実の姿でございますので、同じ部隊であった、あるいは中隊であったというふうな関係からたずねて参りまして、いろいろと一般の話をしておる。中には数回会った中で一緒に飲食をしながら、いろいろと一般的な問題について意見を交換するということがあったようでございますが、具体的に今度のような計画を話し、それに対して参加を求める、あるいはその際の自衛隊の環境を聞くというふうなことには、現在のところ出て参っておりません。どの程度の人間が接触を受け、どういうような内容が関係者の口から言われたかということにつきましては、現在警察及び検察当局におきまして取り調べの段階でございますので、ある程度のことは承知いたしておりますが、これを公表するということにつきましては一つ御容赦願いたい、このように考える次第でございます。
  23. 飛鳥田一雄

    飛鳥田委員 具体的な氏名を言って下さいと私は言っていないわけです。およそ何人くらいであったかということは、国民にとってこのクーデターの規模がどんなものであったか、そしてまたその性質がどういうものであったかということを判断する一つの重要な資料になるだろう。これは単なる刑事事件としてではないわけです。国民の判断を求める資料として重要なのだ、こう思いますし、またその人数をおっしゃることが警察及び検察庁の捜査というものを妨害するなんということになるとは、私にはとうてい考えられません。そういう意味で、一人々々の個々の人名を言え、こうお願いをしたのではなくして、大体どのくらいの人数を自衛隊として把握しているのかということを伺ったわけです。いけないでしょうか。
  24. 海原治

    海原説明員 先ほどもお断わり申し上げましたように、ともかく現在捜査が行なわれておる段階でございます。従いまして、一応何名程度が接触を受けたと申しますか、関係者に会ったかということを申し上げること自体は、直ちにそれが捜査の妨害になるとも考えられない節もございますけれども、しかし私が警察当局との事前の連絡もなしに、ここで先生の御質問に対して、何名だ、そのうちの何名はどういうことをやったということを申し上げることは、これはやはりちょっと私として考えねばならないことだと思いますので、もしたってということでございましたならば、あらかじめ連絡をした上でお答えをしたいと思います。しかし、なるほど国民一般の方々が非常な心配をされておる事件ではございますので、捜査も近々のうちに一応の終結をいたしまして、公訴の運びになるというふうにも聞いております。いましばらくお待ち願いますれば、責任のある関係当局の手から事件の一切が御報告になる、こういうふうに私どもは考えておりますので、まことに恐縮でございますが、そのときまでお待ち願いたいというのが私の考え方でございます。
  25. 飛鳥田一雄

    飛鳥田委員 この前UPIがクーデターの報道を流しました直後にも、防衛庁では何名かの人々が異動の対象になった。もちろんそれは定期的な異動とかなんとかという異動もあったでしょう。しかしそれを含めた異動があったというふうに国民は考えておるわけです。そして人数をある程度国民はいろいろなニュース・ソースから聞いて知っているわけです。しかしそういう不確かなニュース・ソースから聞いて知っているという形は健全じゃない。少なくともあなた方の口からずばりおっしゃっていただくことの方が健全だと思う。そういう一つのデマだとか秘密情報などという形で、いろいろのうわさが乱れ飛ぶことの方がかえって不健全なんだ。今度の問題についても、いろいろ話が流れています。そういうものを消していくためにも、捜査に支障を来たさない、大体わかっているものをここでずばりおっしゃることは、別に警察と打ち合わせなどなさる必要はないのじゃないか、こう私は思います。しかしそれも私が思うだけで、あなたが思わなければしょうがないですから……。  それではもう一つ伺いますが、防衛庁としてはこの問題について、ただ警察から連絡を受けているだけですか、御自分の独自の捜査をなすっていらっしゃいますか。
  26. 海原治

    海原説明員 先般の地方行政委員会で長官その他からお答えしたかと思いますが、事件につきましては警察の方と東部方面隊所属の調査隊、これが互いに提携いたしまして、それぞれ一部におかしな動きがあるという事実を探知いたしまして以来、いろいろと情報を交換して参ったわけであります。しかし現実に関係者の逮捕ということになりましてからは、事件はあげて警察当局の手で現在取り調べをしておることでございます。ただ私どもといたしましても、いろいろとそれ以外に現実に働きかけを受けた者があるか、あるいは当時までの状況でわかりませんでした事実が出てくるかどうかということにつきましては、調査隊、警務隊、各部隊の人事幕僚、情報幕僚の手で、十分その後も所要の調査はいたしております。
  27. 飛鳥田一雄

    飛鳥田委員 そういたしますと、防衛庁の中でこの問題を扱っておるものは警務隊ということですか。
  28. 海原治

    海原説明員 陸上自衛隊の警務隊の任務は、犯罪の予防もございますが、直接的には検挙被疑者の取り調べということでございます。私どもとしましては、あくまで指揮系統を通じまして——部内の指揮関係の点ということになりますと人事幕僚、いわゆる情報調査と、いうことになりますと情報幕僚、及び部隊としましては調査隊、この手でもって現在いろいろと事実を調べております。
  29. 飛鳥田一雄

    飛鳥田委員 そういたしますと、防衛庁としてはこの事件を刑事事件なりあるいは何らかの犯罪に関するものとしてお扱いにならずに、単なる行政的な調査という形でお扱いになっておる、こういうふうに了承していいわけですか。
  30. 海原治

    海原説明員 現在までの段階では、新聞にも出ておりますように、自衛隊関係者といたしましては、いわゆる犯罪の容疑者というような形においては出て参っておりません。従いまして、犯罪にはなりませんが、その働きかけを受けた内容、働きかけを受けたその後の行動ということから、あるいは部隊の規律という人事面からの問題も別に出てくるわけです。そういうことにつきまして、自衛隊の規律というような点を重視いたしました調査、その点に関連して関係者に何らかの過誤はなかったかということについては調査いたしております。こういうのが現在の段階でございます。
  31. 飛鳥田一雄

    飛鳥田委員 よくその点はわかりました。そうすると警務隊としてお扱いになるのではなしに、隊の規律の問題として扱っていらっしゃる、こういうことですが、今後警察調査が進行していくにつれて、特に働きかけを受けた人、あるいは何らかの形で関連性の一あるかもしれない人、そういう人たちに対する警察の捜査が及んでくる可能性はあると思います。ないかもしれない。その場合に、警察が呼び出せば自衛隊人々は喜んで警察に出頭してお調べを受けられるのか——調へというのは参考人としてであれ何であれ。それとも警務隊が隊内でその人を調べて、そうしてその調書を警察に送るという形をとるのか。この点昭和三十六年六月十日、警察自衛隊との犯罪捜査に関する協定というものができ上がっているはずですから、そういう点について疑問が出てくるわけです。どういうふうに扱われるのですか。
  32. 海原治

    海原説明員 前にお答えいたしましたように、今の問題につきましても、防衛庁内の所掌事項といたしましては人事局長からお答えするのが筋であります。しかしただいま私しかおりませんので、私からかわってお答えいたします。警察と警務隊所属の警務官の犯罪捜査との関係でございますが、これは一応先生も御存じのようなことで、自衛隊関係者につきましては、私どもの方の警務隊の警務官がこれを取り調べをする。その取り調べにあたりましては、もちろん検事の指揮を受けるわけであります。そうして一応調書ができましたら、それを検察庁に送付するということがまず原則ではございます。しかしそのことが直ちに警察の捜査権というものを排除するものではございません。普通には、自衛隊内部のことにつきましては、自衛隊の手で警務官というものがございますから、それが取り調べをするということの協定ができております。しかし今回のような非常に大きな、事柄の性質がきわめて重要なものの関係者の取り調べにつきましては、警察の方と打ち合わせいたしまして、その事柄、容疑事実の内容いかんによりまして、あるいは警察の方にお願いする。また警察の方からお前の方でやって調書をくれということになるのだろうと思います。これはいずれも容疑事実の内容、その意味等によりまして関係者の間で協議してきまっていくことになる、このように私としては考えております。
  33. 飛鳥田一雄

    飛鳥田委員 これも来年の国会で私ゆっくり伺わしていただきたいと思っているのですが、クーデターの問題が出ましたからとりあえず伺っておかなければならぬ、こう思ったわけです。と申しますのは、この協定によりますと、なるほど逃げ道はたくさんできています。自衛隊の警務隊と警察との犯罪捜査に関する分野は、協議の上決定するとか、あるいは社会的影響の大きい犯罪等についてはどうするかというようなことが書いてありますが、しかしよく読んでみますと、結局は警察自衛隊員を警視庁に呼んで直接調べていくということがなかなか困難にできておる。あるいはまた自衛隊の施設の中に入ってガサをやる、捜索をやるというような場合には、必ずその自衛隊の施設の長に連絡をし、通告をして、その承認を得た上でなければできないというような形で、実は自衛隊の隊内は治外法権になっていく可能性があるという危険を発見しないわけにはいかないわけです。これはゆっくり伺わしていただきたいと思いますが、そこで思い浮かべますのは、かつての二・二六の場合に、軍側の被告を一般民間側の被告とは明らかな取り扱い上の差があったというような事実を、僕ら学生時代でよく覚えているわけです。これはやはり憲兵と一般警察との関係、こういう点から出てきているのではないか。憲兵は自分の部内の兵隊さんはかばう、そうして都合の悪いような事実は外に出さないように調べる、こういう形で二・二六は処理せられた。今度の場合、自衛隊に、いや、働きかけはなかった、ともに飲食をするというようなことはあったけれども、具体的な参加の要請を受けたという事実はない、こうあなた方はおっしゃるわけです。しかしそれは、はなはだ疑った形で申しわけないのですが、自衛隊自衛隊の隊員を調べた結果ではないでしょうか。これは国民のだれもが、一応そういうものを調べる機関として考えている警察、こういうものの手によってきちっと調べられて、そうだったというのならまだ話がわかる。今にきっとこういうことが出てきますよ。特定の人を警視庁で調べていくと、いや、おれは何々一佐に向かって、あるいは何々三佐に対してこれこれこれこれまでの話はした、こう被疑者は言うでしょう。ところが自衛隊警察の方が連絡して、警務隊で調べてちょうだい、あるいはあなた方のいわゆる調査隊で調べて下さい、こう言いますと、いや、私は一緒に酒を飲んだだけで、具体的な話は聞かぬ、こういう答弁が出てくるでしょう、調書を作って警察に送りつけてやりますと。警察はこの違った二つの両当事者の言い分をそのままどう処理できるでしょうか。やはり警察というものは、自分で調べてみて初めて心証を得るわけです。これはどうもうそを言っているらしい、これはほんとうのことを言っているらしい、だからこのうそを言っているやつのまわりをもう少し掘ってみよう、調べてみよう、こういう形で捜査は伸びていくわけです。ところがほんと自衛隊の警務隊から送られた調書が届けられて、それ以上自分で掘れないでは、それ以上捜査を展開しようとすれば、所属長の承認を得なければならぬなんというかきねにばさっとぶつかってしまうわけです。そうだとすれば、自衛隊の中に何が行なわれてどういう工合になっておったかということについて、国民はその疑惑を解く余地はないわけです。こうして警察自衛隊との犯罪捜査に関する協定などというものは、実は自衛隊の内部を治外法権にしてしまい、かつての憲兵をもう一度復活させていく足がかりになるだろう、こう私は感じないわけにいかないのです。今度のクーデターできっとその矛盾が出てきますよ。いつか一ぺん警察のほんとうに第一線に働いている人たちにも、よくその話を聞いてみたいと思うのですが、われわれの知っている限りにおいて必ず出るはずです。そうした場合に、自衛隊は快く自己の隊員を参考人として警視庁に出頭させ、参考人調書を取らせるということをなさるのか、国民なら当然すべきだと思います。それを妙に協定なんというものを振り回して、いや、おれの方でやるとおっしゃるつもりなのか。これはこれから先進展した場合で、今の問題ではありませんが……。しかしそういう点についてはっきり伺っておきたいのです。それからまた警察がガサをやりたい、こういうような場合に——そんなことのないことを祈りますし、ないと思いますが、やりたいという場合に、あらかじめそこの所属長に断わって承認を求めてガサなんかやったら、あなた、正直言ってもう証拠がないのがあたりまえです、だれだって自分の部下はかわいいから。そういう意味で、この協定にかかわらず、今度のクーデターに関しては警察は自由にガサをやれるか、やらせるか、こういう点についても一つ伺いたいと思うのです。かつて、くどいようですが、私の知っている軍人でしたが、自分の部下が何らかの刑事事件で警察から呼び出しを受けた。やはり所属長たるその軍人に許可を求めてきました、戦前ですから。そこで憲兵隊とも相談したら、どうもこいつはほんとうにやったらしい、こういう話であったので、なんじ生きて何とかのはずかしめを受けるよりは自殺せよと言って、その隊長は勧めたそうです。現実に自殺しました。こうして犯罪は完全に隠匿されてしまうわけです。そのいさぎよさというものは認めてもいいかもしれないけれども、そういうことが今度のクーデターの中で出てきたら大へんでしょう。ないことを祈りますが……。と同時に、この協定というものがそういう自衛隊の警務隊の憲兵化、自衛隊の治外法権化を作ってしまう、そういう危険がうんとある。だから、その点について今言ったように、呼び出しがあった場合にはいさぎよく応じさせるか、所属長の許可などを受けないでも、いきなりガサをやれるようにするか、こういうようなクーデター調査について生じてくるかもしれないことについて、あらかじめ明確に自衛隊はあけっぱなしですよ、十分にお調べになってけっこうですよ、国民疑惑がなくなるように努力いたしましょうということを、一つ聞かしておいていただきたいと思います。
  34. 海原治

    海原説明員 ただいまの飛鳥田委員のお言葉の中に、警察防衛庁との犯罪捜査に関する協定は、警察の捜査権に対する治外法権を設定したものとなるおそれがある、危険があるというお言葉でありますが、私どもは実はそのように考えておりませんということをまず最初にお答え申し上げておきます。ただ先生はいろいろと仮定を設けておられますので、これについては私はお答えするわけに参りませんが、少なくとも現在の事件につきましても、今日までの捜査の段階を考えてみますと、警察の方では方面隊所属の調査隊の協力ということにつきましては、十分これを認めていただいているというふうに感じております。私の方としても方面隊所属の調査隊関係者に対する調査というものは、一応済んでおります。また警視庁の方の公安部長につきましても、いろいろ伺っておりますが、今日までのところでは、今先生が御心配になりましたような事実はまず出てくることはないというふうに考えられます。ただ将来、かりに自衛隊関係者を取り調べをする、あるいは必要な証拠書類の家宅捜査を行なうという場合にどうかという御質問でございますが、これは防衛庁を代表してお答えするのはあくまでも人事局長の所管と思いますが、かりに私が人事局長でございましたら、今先生のおっしゃいましたようなことは、当然警察の捜査に協力するという方針をとると思います。  なお、お断わりして、おきたいことは、先ほど申しましたように、いずれも——いずれもと申しますのは警察官及び自衛隊の警務官でございます。検事の指揮を受けるわけであります。先ほど二・二六のお話がございましたが、なるほど憲兵と警察という関係がありましょうが、さらに軍事法廷という特別なものがあったということは当然に御認識願いたいと思います。現在、自衛隊の警務官がいろいろと隊員の問題につきまして調査いたしました結果は、これは検事に報告し、検事の指揮を受けて事件が処理されております。従いまして、今日の事件につきましても、現在は検事局の方で全般を見た指揮をとっておられます。従いまして、もし自衛隊関係者というものが犯罪の容疑があるということになりますと、当然その方からの指揮もございましょう。その場合には警務官の手ではなしに、警察側で取り調べを受けることはあり得ることでございます。そういう場合には当然私どもはそれに応ずるという感じでおります。ただ一つお断わりいたしたいことは、あらかじめ所属長の許可を受けるということでございますが、あらかじめということは、先生も御存じのように、自衛隊というのは一つ部隊でございます。部隊の指揮、団結、規律という面もございますので、全然隊長に話もしないで捜査するということは、これは普通の場合でも考えられないわけであります。従いまして、その家宅捜査に参りましたときに、まず隊長の部屋に行って、これからこういうわけで家宅捜査をするからということを告げるだけでございます。そのように私どもは解釈しておりますので、その協定をたてに所属長が捜査を拒むというようなことは絶対ないと私は確信いたしておりますし、またそのように防衛庁といたしましては指導いたすものと考えております。
  35. 飛鳥田一雄

    飛鳥田委員 今回のクーデターも、まあ私たち新聞その他で知っただけでありますから、そう正確には言えないのですが、政治家あるいは労働組合の幹部諸公、そういう人たちを襲う、こういう一面があって、それを警察の方はとらえて、殺人の予備というようなことで検挙されたのだ、こう考えます。同時に、それは自衛隊の出動を求める、あるいは自衛隊を使うというような計画もその中にあったと新聞は言っています。もしそうだとすれば・これは自衛隊法第九章に規定する犯罪として、百十八条「正当な理由がなくて自衛隊の保有する武器を使用した者」、あるいは百十九条の無権限の自衛隊指揮罪、こういうものの予備なり何なりを含んでいるのではないだろうか。そういたしますと、これは当然警務隊としては捜査をしなければならない範囲に入ってくるはずです。先ほど伺ったのですが、これは行政的な規律という点からの調査しかやっていない、こうおっしゃるのですが、当然私はそういう意味で、自衛隊法の百十八条あるいは百十九条、無権限の自衛隊指揮罪、これには教唆、幇助、共謀、扇動というものまで処罰されることになっていると思います。これは意図としては無権限で自衛隊を指揮しようとしたことじゃないでしょうか。従って教唆とも言えるし、自衛隊の内部の人が幇助という形にもなるかもしれないし、共謀という形になるかもしれない。外側の櫻井さんなどという方は、扇動ということになるかもしれない。いずれにもせよ、当然警務隊が捜査すべき範囲に属しているわけです。百十八条の「正当な理由がなくて自衛隊の保有する武器を使用した者」、そういうことにも当たるのではないだろうか、こういうように考えてみますと、警務隊としては全然動かないのもどうもおかしい感じがしてならぬわけです。動いてみて、実態がある程度明らかになったから、警察と警務隊との捜査に関するこの協定に従って協議をした。そうしてその協議の結果、第一章の捜査の分担というところの第一の第三に従って、警察に一切まかした、こういう結果であれば私たちもわかるのですが、全然警務隊は出てこない。そうしてただ規律上のものとして調査をしているのは、ちょっと警務隊は怠慢じゃないかというがしてしようがないのです。結果として何もなかったからいいのですが、調べてみないで、ない、ないと初めから言っておるところなどに至っては、特にさっき申し上げたような、おれのところの隊の人間だけは手をつけさせないぞという気がまえが出ておるように見えてしょうがないのです。一体警務隊はこの問題について、一ぺんも警察と協議しなかったのか、捜査したのですか。こういう点について、きっとあなたは捜査の秘密だとおっしゃるでしょうから、そういう問題についてお述べになれるだけ今述べていただいて、あとの委員の方もいらっしゃいますから、本質的な問題については来年じっくり腰を据えて伺い、専門の人事局長に伺いたいと思いますが、どうでしょうか。
  36. 海原治

    海原説明員 ただいまの御質問は、犯罪構成要件の内容、事実認定ということになると思いますので、私からお答えするのもどうかと思いますが、先ほど申しましたように、現在まで私が承知しております事実に基づきましては、警務隊警務官の活動の対象ではないということでございます。なおこのことは警視庁当局が捜査いたしますときの犯罪容疑事実の確定と申しますか、その際にも十分考慮されたはずでございます。その事実に基づいて御判断願いたいと思いますが、ただいままでのところでは、先生が御心配になっておるような事実はございません。
  37. 飛鳥田一雄

    飛鳥田委員 最後に、自衛隊員は外敵に当たるということもそうでしょうが、国内の治安維持をするという点について重い任務を持っておる、こういつもおっしゃるわけです。そうだとすれば、もし自衛隊員がクーデターのような計画をある程度知り得る状況になったときには、必ずそれを警務隊なり自分の直属長官に報告をすべき義務がありますか。一般の私たちのような国民にはないわけです。かりにクーデター計画があったとしても、たまたまあなたから伺って、一ちょうやらないかと言われても、それを私が警察へおそれながらと訴え出る責任は、一般市民ですから私にはございません。それが犯人蔵匿なり何なりの他の罪名に触れれば別ですけれども。ところが自衛隊の場合には、治安の維持、公共の何とかというものをつかさどる責任があるわけですから、そういう自衛隊員として、はっきり聞かないまでも、何らかくさいにおいをかがされたときは、上長に対して報告する、警務隊に対して報告をする責任というものを、服務紀律なり何なりの中で考えていらっしゃいますか。
  38. 海原治

    海原説明員 具体的に服務紀律その他でどのように規定しているかということになりますと、私、実は詳細に承知いたしておりません。また義務ではないかということにつきましては、その義務の内容となりましょうが、しかし自衛隊の任務、存在の理由等から考えまして、今先生のおっしゃいましたようなことは当然のことだと思います。ことに今回の場合におきましては、調査隊方面でいろいろおかしな動きがあるということを知りまして、直ちに東部方面大森総監が直接警視総監のところに参りまして、いろいろと自後の捜査、調査の打ち合わせをいたしております。この事実からも、十分そういう隊員というものが一逐次その所属の系統を経て上長に一切の事実を具申しておるということの一つの例証としてお考えいただけるのじゃないか、このように感じております。
  39. 飛鳥田一雄

    飛鳥田委員 おかしな動きありとして、東部方面総監が動き出したのはいつごろからですか。
  40. 海原治

    海原説明員 先ほども答えいたしましたように、ちょっと全貌につきましては、落着いたしましてから……も
  41. 飛鳥田一雄

    飛鳥田委員 日にちは……。
  42. 海原治

    海原説明員 日にちは私承知いたしておりませんが、かれこれ二カ月ぐらい前と聞いております。
  43. 飛鳥田一雄

    飛鳥田委員 そういたしますと、自衛隊の側から警察の方に積極的に提供した情報もある、こういうことですね。
  44. 海原治

    海原説明員 私はそのように承知いたしております。
  45. 飛鳥田一雄

    飛鳥田委員 ほかはあとで伺います。
  46. 草野一郎平

    ○草野委員長代理 田口誠治君。
  47. 田口誠治

    ○田口(誠)委員 防衛庁長官がお見えになりませんので、お答えが明確にされるかどうかということは懸念されますけれども、しかし内容からいきまして多分お答えいただけると思いますので、端的に御質問を申し上げて端的にお答えを願いたいと思うわけです。  問題は、ことしの二月の二十八日の内閣委員会で、戦前六十八連隊が射撃訓練に使っておりました岐阜市の日野射撃場の問題でございます。この問題につきましては、当時射撃を実施するということから、周囲にある病院の患者その他市民の人たちが押しかけて、非常に憂慮すべき事態までいきまして、まあ難なく問題は話し合いがついたのでございますが、そのときにその問題を取り上げて、当時の西村防衛庁長官とお約束をいたしましたことは、射撃訓練を開始するのでも、しない場合でも、病院の院長、患者の自治会の幹部を含めて、部隊の方でよく協議をして実施をしてもらいたい、こういう約束がしてあるわけでございます。ところが最近になりますと、どうもその約束を一方的に踏みにじる状態が出てきておるわけなんです。そのことは、これは相当確実な情報網から手に入れたわけでございますが、十混が今月の二十五日ごろに一方的に射撃の実施を行なうのだ、こういうような情報を受けたわけであります。それでそういうような情報が入りましたので、土地の人たちは守山の十混へ抗議をしようとして行ったわけであります。ところが非常に高姿勢で、とにかくあなた方が反対という態度で来られるなら会いません、それで私らの希望しておるところもよく聞き入れてくれるということなら会いましょうというような、高姿勢に出たわけであります。そこで行きました地元の人たちはいろいろと押し問答はしておりましたけれども、最終的には人数を八人に限定をしまして、その問題を中心に話し合いを行なったわけでございます。ところがそのときに、将来この問題は病院の院長、県当局、こういう人たちとは話し合いをするけれども、その他の人とは話し合いをしないということを言ったわけなんです。そういうところから非常に地元の方ではこの問題が再燃いたしまして、先日私が帰郷いたしましたときにもこの問題で会合を持っておりましたが、患者自治会の方では非常な団結のもとに、もしそういうような事態があったなれば、からだを張ってとにかく戦うのだというようなことをきめておったわけです。従って私がきょうお聞きをいたしたいことは、前にお約束をいたしました通りに、この射撃を開始するような場合には、患者自治会の幹部も含めて話し合いをした、その結果に基づいて行なうということを約束してもらえるかどうかということを確認いたしたいと思うのです。明確に御答弁があればそれでよろしいわけなんです。
  48. 海原治

    海原説明員 ただいまお述べになりました二月二十八日の当委員会における前長官とのお話とかその後の事情は、私も存じております。従いましてその当時防衛庁といたしましてお約束いたしました方針というものは、今後もこれを継続していくというのが当然のことだと私は感じております。具体的に今御指摘になりました事実につきましては、私所管外のことで承知いたしておりません。従いましてさっそく帰りましてから事情を調査いたしまして、もし従来の方針と異なるようなことがございますれば、その事実を明らかにいたしますが、私の判断いたします限りにおきまして、先般お約束いたしました方針を防衛庁として変えるということは、きわめて不適当なことだと考えます。率直に申しますと、従来のお約束をその通り履行していくということは当然のことだと私も考えますので、なお帰りまして責任者である教育局長の方とも連絡いたしまして、また後刻御連絡いたしたい、このように考えます。
  49. 田口誠治

    ○田口(誠)委員 きわめて当然な御答弁をいただいたわけなんです。そこであとから連絡をしていただくということでございますが、これはもちろん事前に連絡をしていただくのでしょうが、方法としてはやはりこういう正規な委員会で伺わなければならないと思います。従ってただいまの答弁は、前に防衛庁長官と約束をいたしましたことをやはり履行するのだ、その考え方は変えておらないということを確認をして、地元の人たちのあのいきり立っておる面をなだめたいと考えておりますので、ぜひともそのようにやっていただきたいということを強く要望しまして、私の質問を終わらしていただきます。
  50. 草野一郎平

    ○草野委員長代理 横路節雄君。
  51. 横路節雄

    横路委員 それでは、先に調達庁の関係者にお尋ねしたいのですが、一月八日から二月三日まで二十七日間、北海道の千歳郡恵庭町、今日島松の自衛隊の演習場といわれているところに、在日米軍、それから沖繩から選抜をされた、きっと沖繩の海兵隊だろうと思いますが、それが約一個大隊、二百名ともいうし三百名ともいうこれらの諸君が、この施設を利用してスキーの基礎訓練をやり、耐寒訓練をやり、耐乏訓練をやり、さらにパラシュート訓練をやる、こういうように聞いているわけです。これは新安保条約が発効した後における地位協定との関係もございますから、まず最初にこういう事実があるのかどうか、そういう事実があるとすれば、一体どれだけの部隊なのか、どういう訓練をやるのか、この点について一つ最初にお尋ねをしたいと思います。
  52. 高野藤吉郎

    ○高野説明員 お答えいたします。ただいま横路先生から御質問の島松演習場を米軍がスキー訓練として使用したいという内容を御説明申し上げます。  期間は三十七年一月八日から二月三日まで二十七日間でございます。場所は北海道恵庭町の自衛隊の島松演習場の一部でございます。島松演習場の西北端の、面積で申しまして約百八十八万坪でございます。目的は、米軍は各部隊から約二百名を選抜いたしまして、この島松演習場で三週間の訓練をいたします。その内容は、最初の三週間は基本的なスキー訓練、耐寒訓練をいたしまして、残余の期間をパラシュート降下をいたす計画になっておるわけでございます。以上でございます。
  53. 横路節雄

    横路委員 この部隊の二百名というのですが、これは国内にいるいわゆる在日米軍なのか。それから沖繩に駐もしている海兵隊の諸君も来るというように聞いているのですが、その部隊はどういう内容になっているのですか。
  54. 高野藤吉郎

    ○高野説明員 部隊の内容につきまして、調達庁から府中の在日米軍司令部に照会いたしましたところ、この約二百名の内容は、米軍の在日各部隊から選抜しまして約二百名を編成するというふうに回答を得ております。
  55. 横路節雄

    横路委員 今私がお尋ねをしたのは、沖繩に駐もしているアメリカ部隊、これも来るのではないですか、これはどういうことなんですか。
  56. 高野藤吉郎

    ○高野説明員 ただいま申し上げましたように、私の方で照会いたしましたところでは、各部隊から二百名を選抜いたして編成するというふうに回答を受けておるわけでございます。
  57. 横路節雄

    横路委員 私の聞いているのは、沖繩に駐もしているアメリカの海兵隊からも来るのではないですか、こう聞いているのですよ。その点はどういう返事があるわけですか。
  58. 高野藤吉郎

    ○高野説明員 約二百名を編成いたします選抜部隊の内容については、聞いておりません。
  59. 横路節雄

    横路委員 おいでになっているのは、外務省アメリカ局長でなしに、安保課長ですね。日米合同委員会では、そういうことについて、私は話があったろうと思う。ただ二百名行くのですよ、ああそうですかというのではなくて、もっと詳細にそういう点についてお話があったと思うので、日米合同委員会でその点についてはアメリカ側からどんな部隊が来るのか、どんなふうになっているか、その点を明らかにしていただきたいと思います。
  60. 高橋正太郎

    高橋説明員 お答えいたします。ただいまの島松演習場の件につきましては、本年の八月三日の施設分科委員会アメリカ側からの要求がございました。これは地位協定の二条四項の(b)で、一時的に今先生からお話がありました二十七日間をこれこれの目的で使いたいという要望があったわけでございます。それで、それが施設分科委員会で合意ができましたために、それが上の合同委員会に持ち上げられまして、これは今週の月曜、去る十八日でございますが、十八日の日米合同委員会の席上で、これが正式に承認されたということになっております。その席上で、これはどういう演習をやって、どこの部隊がどうするかということは、こちらからも聞きませんし、先方からも説明がなかったわけでございます。そのようなこまかいことにつきましては、こまかい使用条件とか、どの部隊がどういうふうに使うか、何を使うかというようなことにつきましては、施設合同委員会というのがございますので、そこで現地とも連絡して詳細に合意ができておるというふうに私どもは思いましたので、合同委員会ではこれを承認した次第でございます。
  61. 横路節雄

    横路委員 今あなたがお話をされた日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定、この中の第二条の第四項の(b)、「合衆国軍隊が一定の期間を限って使用すべき施設及び区域に関しては、合同委員会は、当該施設及び区域に関する協定中に、適用があるこの協定の規定の範囲を明記しなければならない。」こうなっているわけでありますね。今私はあなたの話を聞いていると、どの部隊が来るのか、何の目的でやるのか、どんな演習をやるのか、持ってくる兵器の種類はどうなのか、そういうことを全然聞きもしないで、ようございます。どうぞお使いなさい、これが日米合同委員会の実態なんですかね。私たちが心配したのは、去年の安保特別委員会で私も特別委員の一人として長い間審議をしたのは、そういうことになるのではないか、地位協定があったり日米合同委員会があったって、おい使うぞ、わかりました、どうぞ、何の兵器が来るものやら、何の訓練をするものやら、どの部隊が来るものやらわからぬで、アメリカの言いなりではないか、こういうように私たち審議の過程でそうなるだろう、こう心配して議論したのだが、今あなたの話を聞いてみると全くその通りなんです。これでは子供の使いよりまだ悪い。このごろは子供だってやはり親に一々念を押しますよ。ちょっとおかしいじゃないですか。日米合同委員会なんというものは、こんな格好でおやりになるというのなら非常に大問題ですよ。大へんですよ。だから今あなたが言うことはほかで言うのとは違いまして、やはりこの問題は新安保が発効した後における地位協定がどうなっているか、日米合同委員会がどう運用されているのかということで初めてきいてくる問題ですから、もう少し慎重にあなたはお話をしていただかないと、これは大問題ですよ。どんな部隊が来てどんな訓練をするのかよく聞いていないというのでは……。
  62. 高橋正太郎

    高橋説明員 ただいま先生から御指摘がございました合同委員会において、もう少し、たとえばアメリカが演習をするのであれば、その二条四項(b)のような一時使用のものであっても、アメリカ側の使用目的、それからどの部隊が使うかというようなことを厳重に日本側もチェックをしておく。そうしてそういうのを十分承知した上でやるのならよろしいというお話でございましたけれども、確かにお説のようだと私も思います。ただ、重々御存じのように、合同委員会と申しましても、合同委員会に十幾つかの分科委員会がございまして、演習場その他の、いわゆる二条で提供しております施設区域というものにつきましては、施設特別分科委員会というのがございまして、そちらで日本側は調達庁の長官が代表になり、米側はスプラングラー大佐が代表になって、そこで十分検討をされているのでありまして、私ども日本側を代表する調達庁の方で、米軍とこの使用条件その他を討議いたします場合に、そうしてしかも施設分科委員会でこれを承認いたします場合には、アメリカ側の言うことをそのままうのみにするとかいうことではなしに、おかしな点があればそれをただし、その上で合意されたものと存じて承認した次第でございます。
  63. 横路節雄

    横路委員 しかし、日米合同委員会日本側の代表というものは、外務省アメリカ局長ですよ。あとは代表の代理になって、私もきのう——防衛庁の渉外参事官とか、防衛庁の長官とか、こういうのはみんな代表の代理になっている。アメリカ局長はどんな用でおいでにならなかったか知らないが、あなたはおそらく一応アメリカ局長にかわって出ているわけです。それが施設合同委員会でどういう討議をしようと、日米合同委員会で、どういう演習をやるのか、先方はどんな部隊なのか、あなたは今聞いていないと言ったじゃないですか。全然聞いていなくて、ようございますという承諾を与えることが、私たちが安保特別委員会で、この安全保障条約について指摘をしたところなんです。これは調達庁側では知っているのですか。その点はどうなんですか。どんな部隊で、どういう演習で、私がここで何べんも聞いているのですが、いわゆる選抜をする部隊というのは、どこからどういう選抜をしてくるのですか。朝鮮にいるアメリカ軍を持ってくるのか、沖繩にいるアメリカ軍を持ってくるのか、どういうふうになっているのですか。これはその点調達庁側が知っていれば明らかにして下さい。
  64. 高野藤吉郎

    ○高野説明員 島松演習場の使用の内容でございまするが、先ほど申し上げたのでございまするが、目的はスキー訓練でございまして、基本的なスキー訓練、耐寒訓練、残余の期間においてパラシュート降下、使用期間、使用場所、なお演習といたしましては実弾射撃は行なわない、それから参加部隊は約二百名でございまして、各部隊から選抜して編成するということを聞いております。その内訳については私どもまだ聞いておりません。
  65. 横路節雄

    横路委員 私が聞いているのは、その各部隊というのはどういう部隊なのか聞いているのです。その中には、話によると沖繩にいる海兵隊も来る、こういうのでしょう。そうしたら韓国にいる米軍も来るのかもしれない。一体在日米軍といっても、陸軍部隊はいないはずでしょう、補給部隊しかないのだから。そうすると在日米軍というのが実際は第五空軍なのかどうなのか、そういう点は一体どうなっているのか。ただ二百名程度行きます、ああそうですか、わかりましたでは、あまりにも地位協定なるものとの関係における施設合同委員会とか日米合同委員会というのは、私に言わせれば全くでたらめだということになる。どういう部隊なのか、いわゆる陸軍部隊というのは、これは皆さん御承知のように、補給部隊しかないのだから、これは明らかにいわゆるゲリラ部隊ですよ。耐寒訓練をやる。百八十八万坪というから、あるいは山の中におりて三日間か四日間、あるいは寝袋だけ持って、そこで自分で飯をたく、あるいは雪を溶かし、いろいろそういう耐乏訓練をやるのかもしれない。どこの部隊なのかということは、とにかく明らかにしておかなければならない。これは第五空軍なんですか。第五空軍傘下における部隊なのか、どうなっているのですか。韓国にいるアメリカ軍が来るのか、沖繩にいるいわゆる海兵隊が来るのか、その点はどうなっているのですか。そういうところは全然聞いてみなかったのでしょうか、どうなんですか。
  66. 高野藤吉郎

    ○高野説明員 先ほど申し上げましたように、編成の各所属部隊までは私聞いておりませんので、内容はただいま承知いたしておりません。
  67. 横路節雄

    横路委員 これは所属部隊がはっきりしなければ、どんな兵器を持ってくるのかわからないではないですか。兵器はどういうものですか。どんな部隊だかはっきりしなければ、その目的だってはっきりしないでしょう。これが明らかに第五空軍の部隊なのかどうか。持ってくる兵器はどうなっているのか、そういうことは全然わからないですか。
  68. 高野藤吉郎

    ○高野説明員 兵器の問題は、米軍の方の説明によりますと、実弾射撃は行なえない、もっぱらスキー訓練で射撃場を使用したい、目的はあくまでもスキー訓練でございます。
  69. 横路節雄

    横路委員 しかし、全くあなたお考えになってみておかしいと思いませんか。二百名来ます、ああ、そうですか、そのときに、これはどこの部隊なのか、第五空軍なのか、しかもこれが問題なのは、米軍の輸送機を使ってパラシュート訓練をやるのでしょう。しかもわざわざ北海道の酷寒の最中、しかもお話によりますと、最初の三週間というから大体一月の八日から一月の二十七、八日までスキー訓練、耐寒訓練、耐乏訓練をやって、そして一月の末から二月の初めにかけてパラシュート訓練をやる。北海道では一番いわゆる気温の下がったときです。そういう時期を選んでやるのです。それは何の部隊なんだということについては、当然聞いてみるのがあたりまえだと思うのですよ。おとなが来るのか、子供が来るのか、学生が来るのか、男が来るのか、女が来るのか。たとえば私らが、そこの参観の受付だってそうですよ。百五十名来たといったら、衛視だって聞きますよ。男は何人ですか、女は何人ですかと聞きますよ。引率者は、教師は何人ですか、その中で男は何人、女は何人かといって、ここの国会参観ですらその程度のことは聞かれて、私ら国会議員が紹介になったときでも、きちっと書いて初めて案内される。それを日本自衛隊の演習場といえども、それを地位協定があるとはいえ、米軍が使用するのです。米軍は別途演習場があるのだから、この防衛庁自衛隊の演習場を使わせるのに、一体その部隊がどういう部隊で、どこから来るのか、こういうことぐらいお聞きをしないでおいて、さあどうぞということは、どうですか、私がお話をしていることは、あなたもおかしいと思いませんか。子供が来るのか、男が来るのか、女が来るのか、第五空軍なのか、陸軍の補給部隊なのか、沖繩の海兵隊が来るのか来ないのか、そういうことを聞いていないのですか。外務省の方はどうですか。全然聞いていないのですか。
  70. 高橋正太郎

    高橋説明員 これはただいま御指摘がありましたけれども、正直に申し上げまして、外務省の方は、どういう部隊が来るかということは、国内の在日米軍から選抜されたものが来るということ以上には存じておりません。ただいま調達庁の方からお答えがありましたこと以上には存じておりません。
  71. 高野藤吉郎

    ○高野説明員 当初米軍から話がありました際の感触は、米軍側といたしましては、もっぱらスキー訓練で、現地において親善の意味においても非常に地元との交歓が持てるのではないかという感触でございまして、あくまでもスキー訓練ということでございました。従いまして、いろいろ希望地がございました。しかしながら、やはりいろいろ従来からの地元の問題もございますので、こういった部隊の演習——スキー訓練とは申しますが、演習といたしましては、場所の選定についてはやはり慎重を期さなければならないということで、いろいろ検討いたしました上、この自衛隊の島松演習場の一部を選んだ、そういういきさつでございます。
  72. 横路節雄

    横路委員 スキー訓練なら何も島松でやらなくたっていい。スキー訓練ならば、どこでやったっていい。個人でやるならば、志賀高原もあるだろうし、どこもあるだろう。これは明らかに、最後は約一週間近くは、いわゆるパラシュート訓練をやるのじゃないか。北海道で一番気温が下がって、おそらくこの地帯は時間によっては零下十五度から零下二十度にもなるでしょう。その時間を選んで米軍の輸送機でパラシュート訓練をやるのですから、これはスキー訓練というだけではないでしょう。第一、今までの米軍日本における演習からすれば、これは非常に特殊なものですよ。しかも百八十八万坪という広さは、東富士の演習場くらいあるでしょう。だから二百名をばらまいたときにはばらばらになる。それが何日間か耐乏訓練、耐寒訓練ができる。米軍の輸送機が飛んでそれでおりてくるのですよ。ただ単にスキー訓練ではないのです。そういう重要な意味を持つこの米軍の演習について、施設区域を提供する際に、一体その部隊がどういう部隊なのか、どこから選抜されたのか、持ってくる火器はどうなのか、実弾射撃はしなくたって、火器を持ってきてやるのですから、そういう火器の種類はどうなのかという点について一つも聞かないで、ようございますということは、全くこの安保条約に基づく地位協定の運用というものが、私どもからすれば、われわれの指摘した通り、アメリカの言いなりなんです、こう言わざるを得ない。  そこで調達庁にお聞きをしますが、これは一体北海道知事や地元の市町村に対しては、どういうようにいつごろ札幌の調達局から話をして、地元の方ではどういう了解をしているか。それが先ほどお話の施設合同委員会や日米合同委員会でどういうように——今回それならば合同委員会で合意に達したという上における資料になったのか、その点一つお話をしていただきたいと思います。
  73. 高野藤吉郎

    ○高野説明員 この島松演習場の使用をきめまするにあたりまして、地元の恵庭町長さんにこの米軍の使用の内容をお示しいたしまして、恵庭町長さんからは、十一月の十七日でございますが、調達庁の現地の札幌局長あてに、この島松演習場の米軍による一時使用について御同意を得ておるのでございます。  その際、町長さんからはこういう趣旨の点を要望されております。それは、やはり過去島松演習場を米軍が使っておりましたその当時のいきさつもいろいろあるかと存ずるのでございまするが、過去において民間人への発砲事件の事実もあり、十分配意のことと思うけれども、軍紀を厳正にして、不測の事態が起こらぬようにしてもらいたい。それからもう一点は、島松演習場の中に地元でスキー場としまして毎年使っておりまする場所がございます。その演習場の一部、町民スキー場の使用は従前通り行なうようにとりはからってもらいたいという二点の御趣旨が出ております。従いまして、この御要望の点は、米側に施設委員会を通じまして申し入れております。
  74. 横路節雄

    横路委員 北海道知事がですか。
  75. 高野藤吉郎

    ○高野説明員 今申しました恵庭町長さんからの申し入れでございます。過去における民間への発砲事件にかんがみて、軍紀を厳正にして不測の事態を生ぜしめぬように注意すること、それから町民スキー場の一般人による利用には従前通り何ら制限を課さないこと、これらの事項につきましては、もとより米軍の方も承諾の上で今回使用について合意いたした次第でございます。
  76. 横路節雄

    横路委員 これはスキー訓練であれば、ほんとうからいえば戦闘訓練はしてならぬわけですな。あなたの方でスキー訓練であるというので許可をしたのであれば、スキーですからこうやってスキーへ乗ってやるわけで、火器によって、たとい実弾でなくたって発砲したり、輸送機を使っていわゆるパラシュート訓練などはしてならないはずですよ。これは日米合同委員会の協定違反じゃありませんか。スキー訓練ではないでしょう。戦闘訓練をやるのでしょう。これはどうですか。その点が大事ですよ。スキーならば、あなたが知っているようにスキーに乗ってこうやるだけですよ。輸送機を使って、パラシュートを使っておりて、それから明らかに火器を使って戦闘訓練をやるのでしょう。この点はどうなんです。それは輸送機を使ってパラシュート訓練はやらない、火器は使わない、全くスキーだけに乗ってやるのだ、こういうことなのか、その点はっきりして下さい。外務省側はどうなんです。スキー訓練ということで、スキーだけに乗ってやるのか、それともやはり戦闘訓練はやるのか。火器は一切使用しないのか、火器は帯びないのか、その点はどうなっているのですか。外務省側から一つ……。
  77. 高橋正太郎

    高橋説明員 ここにございます。先ほど申し上げました十二月十八日の合同委員会で承認をしたと申し上げましたその使用の条件の中には、いろいろございますけれども、まず第一には、ただいまも調達庁の方からお話がございましたように——ちょっと訳したのを持っておりませんのであれいたしますけれども、これはあたりまえのことでございますが、地方の人たちの生命財産には危害を与えるようなトレーニングはいたしませんということが最初にございまして、それには実弾射撃とかそういうようなものはやりません。米側が使っている間はそういうのはやらないというのがまずございまして、これは先ほど調達庁の方からお話がありましたことと関連してと思いますけれども、なお在日米軍在日米軍と地方の方々との間に望ましくないような事件が起こらないように十分注意するというのが一つございます。  なお、第二項といたしまして、ただいまこれもお話がございましたように、この地域内においては、何かしるしがついておるようでございますが、その地域内においては、現地の人がスキー場を使うのに制限を課さない、だから現地の方は御自由にお使い下さいというふうに書いてございます。その他こまかいアメリカ側の訓練の詳細については、現地の日本側と調整をするというようにございます。  今、先生が御指摘になりましたどういう種類の演習かという肝心の点については、ここでは触れてないわけでございますが、それの参考として、参照文献として先ほど私が申し上げましたことしの八月に、最初にアメリカ側が要求を出して参りましたときの文章が、参照文書としてついているわけでございます。そこの目的には、ただいま調達庁の方から御答弁がございましたように、その地域の使用目的というのが一項目ございますけれども、それには、お話がありましたように、最初の三週間は約二百名の米軍の軍人が基本的なスキーのトレーニングとか、サーバイバル・トレーニング、及びコールド・ウェザー・トレーニングというのですから耐寒訓練だと思います。耐寒訓練をやる。その残余の期間はパラシュート・ドロップの訓練をやるというふうに書いてありまして、この訓練にあたっては実弾は使用しない。実弾の射撃訓練はやらないというようにございます。防衛庁との共同使用もけっこうである。私の知っております限りは以上でございます。
  78. 横路節雄

    横路委員 これは外務省と調達庁にちょっと——今あなたが外務省から説明された、こういうものを口頭で説明ができるのだから、文書で出してもらいたいのです。施設合同委員会の合意議事録、それから日米合同委員会の合意議事録、それから向こう側から今施設使用の目的その他について出された向こうの要求の文献をつけてぜひ出してもらいたい。これは一つ出してもらいたいのです。これは私たちがここで議論するときに、あなたたちが隠すから、ここでいろいろなことを言われる。だから、これはぜひ出してもらいたい。
  79. 高橋正太郎

    高橋説明員 ただいま先生から御指摘がございましたことで、私、ごあいさつをするのを忘れておりましたけれども、私今月の初めに安保課長になりましたので、きわめて新米でございますので、どうぞよろしくお願いをいたします。  今、先生から御指摘がございました合同委員会の議事録のうち、関係の部分の議事録を出せというお話は、政府の方は、先生方からごらんになりましたら、勝手に議事録を自分の方で持っておって、都合のいいところばかり使っておるじゃないかという気もされると思います。まことにごもっともと思いますけれども、従来の約束によりまして、合同委員会の議事録は出さないということになっておりますし、−私どもの了解しておりますところでは、従来は出さない。そういうふうにたびたび国会でも御答弁申し上げているというふうに記憶しておりますし、議事録自体にこれは出さないということが日米間で了解されております。  以上でございます。
  80. 横路節雄

    横路委員 安保課長、それは大間違いです。去年の安保特別委員会では、ここに分厚く日米合同委員会の合意議事録を出しましたよ。それに基づいて、たとえば港湾の使用はどう、あるいは防空上緊急やむを得ない場合においては、いわゆる防空担当官はどうするとかというようなことを、私は安保特別委員会で合意議事録に基づいて質問をしたから、今のあなたのお話は間違いです。  そこでぜひ施設合同委員会の合意議事録の島松演習場に関する分、それから同じくこの十八日に最終的にきめたという日米合同委員会における島松演習場使用に関する合意議事録の件、それから米軍から使用要求のために添えてきた文献、この写しを出してもらいたいのです。これは今まで国会に出しております。しかも一月の八日からですし、国会は開会中ですから、まだ二十二、二十三、二十四日とあるのです。ですから、さっそく帰ってアメリカ局長とも話をして、それから調達庁側は調達庁長官と話をして、明日文書で出してもらいたいのです。そんなに時間がかかるわけはないのです。その部分だけ抜粋をしてぜひ出してもらいたい。
  81. 高橋正太郎

    高橋説明員 私、新米でございまして、あるいは先生の御指摘のように間違えたかもわかりません。もし間違っておりましたらおわびをいたします。ただ日米合同委員会の議事録というものは、これは先生のおっしゃいました合意議事録ではございません。日米合同委員会の議事録は出していないというふうに私ども了解しておりますが、間違いでございましょうか。
  82. 横路節雄

    横路委員 国会で日米の合同委員会の議事録について、それを出さないというようなことについて、国会が了解をした。そんなことはないですよ。だからそんなことはないから、あなた帰ってから一つアメリカ局長に話をして——今だってあなた、そこで読んだじゃないか。それは日米合同委員会の議事録ではないけれども米軍の使用目的について要求されたものを文献として一応読んでいるわけです。私どもが先ほどから何べんもお尋ねをして、非常にこの地位協定に関する運用上、われわれがそういうことになるのではないかと一番心配をしていた在日米軍とはどこの部隊なのか、沖縄から来るのかどうか、使用する火器はどの程度なのかというようなことについて、一つもわからないのです。そんないいかげんな日米合同委員会であってはならないから、日米合同委員会における議事録をぜひ出してもらいたい。何だったら採決してもいいですよ。
  83. 高橋正太郎

    高橋説明員 ただいま重ねて御要求がございましたけれども、先生にまたしかられるかもわかりませんけれども、新米でございまして、私の了解しておりますところでは、日米合同委員会の議事録は出さないことを先生方が御了解なさったという意味ではなしに、政府といたしましては、出さないというふうに申し上げていたというふうに、私了解いたしておりますが、新米でございますから、やはり帰ってもし出し得るものなら——出し得るものと申しますか、従来も先生方の御要求によって出しておったということであり、それから出すということが日米間でも合意をされて、出しても差しつかえないものであるというものであれば、喜んで出さしていただきます。もしそうでなければ、先生明日までというふうに期限をお切りになりましたけれども、もしだめなときはごかんべん願います。
  84. 横路節雄

    横路委員 これは新安保が発効してから、今お話の地位協定の第二条第四項(b)に基づく米軍の使用施設というのは、この島松の演習場が三件目なんです。地位協定によって合同委員会がある。地位協定というものがどう運用されているかということは、われわれとしても非常に重視しているわけですから、そういう意味で重ねてぜひ出してもらいたい、こう思うのです。特に調達庁側ですから、外務省側ですから、一体どういう部隊が来るのか、使用する火器はどの程度なのか、そういうととはもっと明確にしなければならない。それはぜひ文書で出してもらいたい。これが出せないようではお話にならない。  次に、調達庁の機構のことを一つだけ聞いておきたいと思うのですが、御答弁できますか。——それじゃ、所管外のことを尋ねても、今のことでもなかなかよくおわかりにならないから……。  なお、今の演習場はこれは国道に沿っているのです。山の中ではないのですよ。外務省側もよく承知してもらいたい。調達庁側は十分承知しているでしょうが。これは札幌−千歳間の一級国道に面しているのです。この国道の上をどんどん輸送機が飛ぶのですから、この場所で落下傘降下もやるわけですよ。だから恵庭町の町長が、前に、恵庭にいる米軍が一般民間人に対して発砲している、いろいろな問題を起こしている。それでもあなたの方は実弾射撃でないと言うだろうが、使用する火器の内容についてもわからぬなんということは、非常に私とも遺憾だと思うのです。どうか調達庁側も外務省側も、帰ったら、こういう答弁では恥ずかしい、こういうことを長官なり局長にお話をしていただきたい。これがどういう部隊かなんということは文書で答弁していただけるんでしょうね、これだけ聞いて終わりたいと思うのです。この使用する火器の内容はどう、在日米軍部隊とはどういう部隊、第五空軍のどういうものがどこに何ぼ、これだけははっきりしてもらいたいと思うのですが、これは絶対私どもの方にきちっと文書なり何なりで、今の答弁にかわってしていただけるのでしょうね。
  85. 高野藤吉郎

    ○高野説明員 その点につきましては、さっそく基地米軍司令官に照会いたしまして、わかり得る範囲内において御回答申し上げたいと思います。
  86. 草野一郎平

    ○草野委員長代理 次に、去る十四日の人事院の一般職の国家公務員に支給される暫定手当の整理に関する勧告につきまして、人事院当局より説明を聴取いたします。人事院総裁入江誠一郎君。
  87. 入江誠一郎

    ○入江説明員 今回勧告いたしました国家公務員の暫定手当の整理に関する措置につきまして御説明さしていただきます。  暫定手当につきましては、御承知のごとく去る昭和三十二年地域給が廃止されまして暫定手当が設けられまして以来、引き続き、国会の御要望等もあり、また昭和三十五年には特に給与法の一部が改正されまして、その追加規定されました第二条第六号により、暫定手当の整理を含む地域給与調査研究並びに勧告の義務が人事院に課せられました次第でございますが、人事院におきまして、これに関し研究を進めました結果、成案を得ましたので、今回勧告をさしていただきました次第でございます。  その内容を申し上げますと、第一には、御承知のごとく暫定手当は現在三段階に区分して支給されておりますが、その一段階分を三カ年計画をもちまして本俸に繰り入れる措置をとりましたことでございます。すなわち、現在暫定手当の支給されておりません地域に在勤する国家公務員に対しまして、最初の一年間は一段階相当分の三分の一の額を、次の一年間は一段階相当分の三分の二の額を、三年目には一段階相当分の三分の三の額を暫定手当として支給いたしまして、その後適当の時期に全職員に対しまして、一段階相当分の額を俸給を繰り入れることにいたしました。  第二には、人事交流の円滑化をはかりますために、異動後における暫定手当の保障期間を現行六カ月を延長いたしまして一年間といたしましたことでございます。  しかしてこれらを実施いたしまするために要する経費が、一般職国家公務員につきまして最初の一年につき約六億八千万円を要する見込みでございますが、なお以上の措置を行ないまして一段階相当分を整理いたしました後におきましては、暫定手当を支給される地域はきわめて限られた地域になりますので、この取り扱いにつきましては、右の措置を完了した時期におきまして全国各地におきまする生計費、民間賃金及び物価その他給与を決定する諸条件をあらためて十分調査研究の上、これらを勘案してその措置を決定いたしたいと存じておる次第でございます。   〔草野委員長代理退席、委員長着   席〕 何とぞ御審議の上、なるべくすみやかに実施していただきまするようお願い申し上げる次第でございます。
  88. 中島茂喜

    中島委員長 質疑の申し出がありますのでこれを許します。石山君。
  89. 石山權作

    ○石山委員 これは私どもが前々から申し上げている公務員の皆さんの手当の簡素化をはかる、こういうふうな大きなところに立って、今回とりあえず暫定手当を整理してみよう、こういうようなお考えでございましょうか。
  90. 入江誠一郎

    ○入江説明員 いわゆる諸手当の整理というものと直接の関係は考えておりません。これは御存じのように国会で御要望がありましたことと、給与法二条六号によりまして——給与法二条六号は申すまでもなく地域給与について人事院に調査研究の上勧告する義務を負わせております。その中に暫定手当の整理の措置も含めて課しておりますので、この給与法二条六号による義務と申しますか、人事院の義務によりまして、暫定手当整理の勧告をいたしたわけで、その結果がどうなるか、これは手当の整理簡素化というものとは直接の関係はないと思います。
  91. 石山權作

    ○石山委員 給与体系全般から見ると、たとえば農家であれば生産性補償方式といって、農民の生産力をば補償する米価というふうな言葉を使っているわけですが、それと同じに、たとえば公務員の皆さんのいろいろな仕事の面に対し、そういうふうな面で補償するという考え方ですが、人事院が先ごろ勧告された給与の面、それが低いと、どうしても手当の面で加減しなければならぬという操作を行なうのは当然だと僕らは思っているわけです。ですから外部的な圧力、たとえば経営者団体はいつもそう言うのですが、人事院勧告が出るとすぐ何か文句をつけておる。こういうふうなことになると当然諸手当が簡素化をされて、基本給が生産に見合うような形で補償されなければならぬ、そのことがまた恩給あるいは年金その他にも好影響を与えていくわけです。それをあえて避けて手当にし、しかも非常に複雑な形で支給されていたのが過去の例で、私どもが毎々委員会があるたびごとに忠告というふうな形でも簡素化を要求しております。それにこたえたというふうに私たちは一応見ております。これは人事院のある意味では積極的な一つの現われとして、私はその点は感謝をすることにやぶさかではないのですが、ただ三年にきめたということは、現実のように経済が非常に動いているようなときに、はたして妥当かどうかということです。これはやはり二年間くらいにすべき問題なのではないか。この内容について私たちの危惧を持っている点は、新しい年にもっと数字をあげ合いながら、実情を調査しながら討論しないと、私の二年の方がいいのか、皆さんのおっしゃる三年がいいのかということは水かけ論だと思います。ですから、きょうはそういう意味で問題を提起しておいて、そして新しい年の国会で皆さんの方からよりよい解明をしていただくというのでございます。  それから実施期日はすみやかでよろしいといっておるのですが、給与関係からいえば一応新年度ということが想定されるのですが、それはどういうふうにお考えですか。
  92. 入江誠一郎

    ○入江説明員 この暫定手当の整理の問題は、御存じのように何と申しますか、一つの暫定手当の制度の改善の問題でございまして、公務員法二十八条によりまするところの、いわゆる給与の改善の勧告というものとはおのずから若干性質が変わっています。給与の改善の勧告のときには、御存じのように民間との比較を一定の時期にいたしまして、そして民間の賃金と公務員の賃金を合わせていくということになりますので、おのずからそこに期日という問題が入って参ります。暫定手当の整理の問題は、一つの制度の改善であり、給与法二条六号によるものでございまして、何月からということを特に指定するきめ手もございませんし、これは政府なり国会に整理の時期は、それを取り上げられる時期はおまかせしまして、人事院といたしましては、なるべく早くに実施していただきたいというふうに要望いたしておるわけであります。
  93. 石山權作

    ○石山委員 今回の暫定手当の改善について、私はその努力を多としている一つの理由として、地域差が非常に経済状態に合った形で是正されたことだろうと思うのです。そのことを私はいいと思っているのですが、ただその場合、残された数字を見てみますと、ゼロ、三・六、七・二という格好で大体残るわけですね。この姿は前のゼロ、三・六、七・二、一〇・八という数字から見れば、何だかこの数字だけを見れば非常に残された方の格差が強く見えます。ですから私はこれは最終段階になれば、経済の変動によってもう一ぺん残された数字は再検討される機会はあるだろうと考えます。ですからその場合に三・六を画一的に引き去るというととでなくて、前のゼロ、三・六、七・二といったときに三・六の場合の二分の一になっているわけですね。最終段階の七・二を残すというふうになると一〇・八の三分の二を残すという形がとられるわけなんです。実はこれはやはり少しお金がかかるかもしれませんけれども、やはり三分の二を残すのでなくして、二分の一を残すというふうなやり方が、残された数字から見ると私は格差が少なくなったという印象が強く残ると思うのですが、今のままだと実質的な三・六が本俸に入るわけですから、実質的には少なくなっているわけなんです。それはわかるのです。しかし、そうではなくして、残された数字というものを見ると格差がむしろ強い形で残る。ですからこの際私は二分の一なら二分の一で整理をなさる方が暫定手当の制度から見ればいいのではないか。これはむしろ私は東京、大阪に住んでいる公務員の諸君が非常に利益をよけい得るという形だろうと思うのですが、それでもこの場合そういうふうなやり方が、残された数字を見ると、むしろすっきりするのではないかというふうに勧告を受けて以来考えているわけですが、残された数字について、三年後には再検討するという含みを持ってこの案をお出しになっているかどうかということをこの際お聞きしておきたいと思います。
  94. 入江誠一郎

    ○入江説明員 いろいろ各地域の生計費でございますとか、それから物価あるいは民間賃金とのいわゆる地域的な給与上の格差というものは、いずれまたあらためて詳細に尋ねるというお話でございますので、またそのときに各地域ごとのことは御説明させていただきたいと思いますが、ただいま御指摘がありましたのは、大ざっぱに申し上げますと、暫定手当というものは、これは国会で最もよく御存じの通り、国会の給与委員会をお設けになる前の地域給は、非常にああいうふうに混乱といいますか、皆さんがお取り扱いにお困りになっているということはよくわかります。一つの制度として非常に紛糾した制度でございましたので、あのときに一ぺん地域給を廃止する、地域給を廃止した後の、むしろ現給保障措置として暫定手当というものが設けられた、そのときのいきさつはそういうふうに了解しております。ただ、そこで暫定手当というものは御存じのように普通の地域給与と違いまして、凍結いたしまして、各俸給表の各号俸ごとに定額にいたしたわけでございます。そのためにあの当時一五%でございましたのが、本俸がだんだんベース・アップをしていくに従って、先ほど御指摘のように五%が三・六%になり、一五%が約一一%前後になった、そういう、ふうになっております。その上で暫定手当というものは、一つ地域給というものを廃止したのみならず、現給保障制度で、暫定手当そのものについては、たとえば地域区分を是正いたしますとか、あるいは暫定手当の内容をちょうど地域給に似た制度として、各地域なり額をいろいろ複雑な要素にこの際変えていく、これはよほど慎重に考えませんと、またその地域給の再現になるおそれもあると思います。  もう一つ、いろいろ御議論はございましょうけれども、二条六号というものは各地における生計費とか物価あるいは民間賃金を人事院が調査研究して勧告しろという制度になっておりますので、依然として国会の御趣旨も、全国各地にある程度の賃金格差がある、つまり給与上の賃金格差がある、人事院はそれを念頭に置いて勧告しろという御趣旨であると了解いたします。そういう意味において、そういう暫定手当の内容自身もまたえらい複雑にいじくるということはどうかという問題と、それからやはり地域的格差というものを給与上考えなければならぬという一つの考えがございますのと、もう一つは、とにかく暫定手当を理屈を離れて整理しろという、この三つの要素がここにございますので、やはり私どもといたしましては、ほんとうはたとえば生計費とか民間賃金なんかに合わせますと、必ずしも現在の一段階相当部分を本俸に繰り入れることについても、率直に言って若干の問題があると思います。しかし、とにかく一段階分は何とか整理して、人事交流その他の面からも適当にする必要があるという見地から、こういう勧告になりました。そういう諸事情から申し上げまして、ただいまの御指摘の点、理論的にはごもっともな点もあると思いますけれども、人事院といたしましては、区分をさらにまた変更するという考えは現在のところ持っておりません。
  95. 石山權作

    ○石山委員 僕の言うのは、区分の変更を言っているのじゃないのです。どうせ暫定手当であろうが地域手当であろうが、名前はどう変更しようが、実質的にはお金が出ているわけなんですね。それを基本給に入れなさいと言うのです。四級地の七・二を残すのは、三・六の倍額になるわけでしょう。それを二分の一にすれば、七・二という格好でなくして、五・四というふうな格好で残る。ゼロ、三・六、五・四というふうな格好で残るわけなんです。ですから、四級地は、私の言うのは、二分の一残してみんな入れたらどうか。これはあるいは皆さんの方から見れば、あまり大きな入れ方になるというふうにお考えになるかもしれないけれども、どうせ現実的にはくれているわけなんで、それは手当だから、あるいは恩給等に関係がないから、政府の総支出の面からすれば確かに少ないのでございますけれども、しかし、それであってはどうもいかぬのではないかと思うのです。皆さんの方でここで残している数字というものは、どうしても上げなければならないという数字なんでしょう、上げなければならないという数字を残しているわけなんだ。その残された数字を対照する場合に、実質的には格差が狭まったけれども、残された数字のみを見ると、地域差がまた広まったという印象が残るだろうと思う。それはあまりうまい数字の残し方でない。ですから、これを四級地の方々にもっと多く本俸に繰り入れる数字操作として、一〇・八を二分の一にしたらどうか。それは少しくらい不公平は出るだろうと思う。皆さんの、今まで長い間操作をした数字の過程からすれば、何かこうちょっと飛び抜けたような感じを受けるかもしれませんけれども、いずれにしても給与の体系を直すという場合には、私は、どこかに飛躍的なものがない限り、給与体系というものは直らぬものだろうと思うのです。そういう点では、最終的にこの数字を残す場合に、再考慮する余地を残しているかどうかということを聞いているわけなんです。
  96. 入江誠一郎

    ○入江説明員 ただいまの御指摘の御趣旨は、二点あるのじゃないかと存じますが、一つは、この措置が完了いたしました後に、七・二%、三・六%、それが、また今後多少率は減ると思いますけれども、そういうものが残った場合に、それを三カ年後にどうするか、永久にそれを残していくかどうかという問題が御心配のようでございますが、これは今後のいろいろな経済情勢の変化なり、各地の生計費その他の状況がどう変化するかという問題ともからんでおりますから、今簡単に申し上げられませんけれども、現在の状況を基礎にして考えますると、大体生計費は、四級地と、地域給を支給しておりませんいわゆるゼロ級地が三〇%前後違います。それから民間賃金、これも大ざっぱに見まして大体二〇%前後は違います。ただ物価が、今度整理いたしますと約七、八%くらいになりますので、少なくとも給与法二条六号にいう「生計費等」という生計費と民間賃金とは相当違いますので、最初御指摘のように、結局暫定手当は地域給の変形ではありますけれども、そういう都会地の者の生計費が非常にかかることを補償するといいますか、補てんするための経費でございますから、そういうものが相当残存しております以上は、これを簡単に全国各地一緒にすることは、給与上いかがかと思います。  そこでもう一点は、今度のいわゆる無級地とそれから四級地と申しますか、二段階の差がむしろ多くなったのではないか。いろいろ御意見はございましょうけれども、しかし、今ちょっと申し上げましたように、とにかく民間賃金あるいは生計費なんか相当違いますので、むしろ多くなったというよりは少なくなった——少なくなったことは、それが一つ給与の合理性という点から少なくなるようにいたしたわけでございます。多くなったということはいかがかと思いますが、むしろこの程度のものは、現在の段階においては存置しておく方が適当ではないかと思っております。
  97. 石山權作

    ○石山委員 これはまたあとで十分時間をかけてやることもできる問題ですから、あえてこの場合申し上げません。私のあとで野口委員質問するわけですが、ただ暫定手当が昭和三十二年に一ぺん地域給から動いた。ことしが三十六年の年末ですから四年かかったのです。その問いろいろ国会で問題になって四年目にできた。そうして私ども毎回寒冷地、薪炭手当も問題にしております。非常に少額でございますが、皆さんの努力で少しずつ改善されていることも事実です。これは私も認めておりますが、前の国会で、衆議院はおおむね不均衡是正という形で勧告を要望しております。それから参議院の場合には、率の最高限を引き上げろという附帯決議が出ているわけです。衆議院の場合には不均衡是正であるならば、割合に目の前にあることとして処理しやすいのではないか。率の問題になるとなかなか問題が大きくて、人事院としてもよほど腰を据えてかからないとできないだろう、こういうふうないろいろのものの考え方の違いが、同じ寒冷地、薪炭手当を増額したいと思いながらも、ああいう二つに分かれた原因だと思っております。暫定手当も一応三年をめどにして一つの解決法を見出しているわけですが、寒冷地、薪炭手当の率の引き上げもずいぶん長い間からの要望なのでございますが、とれも一つ善処していただきたい、われわれ両委員会の附帯決議に沿うて善処していただきたい、こう私は要望申し上げて、一応私の質問を終わります。
  98. 中島茂喜

  99. 野口忠夫

    野口委員 人事院の方にお尋ねいたしますが、今お話がありました国家公務員の寒冷地手当、薪炭手当、石炭手当等に関する問題でございます。これはもう私が今ここで申し上げるまでもなく、長い間この内閣委員会を通じて審議されてきています。その中にある不合理、不均衡というような問題も、十分これはみんなで論議され尽くしていると思うのであります。本日は、たびたびそうした不合理、不均衡の中で内閣委員会から附帯決議が出ているわけでございますがこの附帯決議をめぐって人事院としてはこれに対してどのような態度をとってきたか、そうしたことについてお尋ねをしたいと思うのです。  何か聞くところによると、附帯決議というようなことは、これは議員が勝手にきめたことだから、議員の方でよろしくやったらいいじゃないかというようなことが、総裁の口の端から出ているようなことを私は耳にしたのです。私が直接聞いたのではございませんから、まさかとは思いますけれども、そんなことを耳にする。民主議会主義をとっていく場合、人事院というような立場から、議員が決議したようなことは、あくまでも国家公務員の代表機関としても、そういう声をとっていかなくちゃならないのじゃないかと思うのですけれども、附帯決議というようなことについての人事院の見解を一つお聞かせ願いたいと思います。
  100. 入江誠一郎

    ○入江説明員 ただいま非常に心外なお尋ねがございましたが、私が国会の附帯決議あたりをいいかげんに取り扱っていいということをもし申したということを言った人がありますれば、ぜひその人をここへ連れてきていただきたいと思います。私は、一度もそう・いうことを言ったことはないのです。私は、国会の附帯決議を非常に尊重いたしまして、それで暫定手当とかその他につきましても、いろいろ慎重に考慮いたしておりまして、附帯決議を人事院がどういうふうに措置をさせていただくかということにつきましては、苦衷がございます。これを率直に申しますと、一つは、われわれは技術的に腰だめでは勧告ができませんので、ある程度合理性と申しますか、ちょっとぎょうさんでございますけれども、皆さんの御納得がいくように勧告をいたさぬといけません。そこで、技術的に非常に困難な問題がございます。これは必要であるとか、国会の御要望であるということは存じながら、非常に技術的に困難な問題がございます。もう一つは、いろいろな統計資料から申しますと、たとえば増額することを非常に主張いたしにくい。しかし、国会としては増額しろという御要望がある。それを人事院としてどういうふうにいたしたものか、国会の附帯決議のみならず、いろいろな国会の御発言を通じての御要望を十分考慮に入れながら、そこの善処のいたし方について苦慮をいたしておる点もございます。しかし大きな線として、決して附帯決議をいいかげんに取り扱うなんということは毛頭考えておりませんから、その点は一つ誤解のないように願いたいと思います。
  101. 野口忠夫

    野口委員 附帯決議の出されている理由ですけれども、これについては、寒冷地というような自然的な条件に置かれているものに対する一つの政府の保護政策として、こういうものが与えられているわけです。そのことは寒冷度を問題にしたり、積雪度を問題にしたりすることになりますから、資料的にも非常にむずかしい点はあろうと思う。しかし、このような附帯決議が政府原案あるいは勧告原案に対して出されてきたということについての、不合理、不均衡ということについては、人事院の答弁でも、総裁自身そうしたことの事実はみな認めていらっしゃる。その通りだ、だが追って検討する。今までの人事院の皆さん方には、追って検討するという言葉が速記録等を見ますと非常に多いわけです。ですから何べんかにわたって出されました附帯決議というものは、一つは年度までも限ってあるわけでございまして、そういう不合理、不均衡があるということが認められ、それに対して国会としてそういう意思の表示があったのに対して、それを軽視するというようなことは、私は万々ないと思いますけれども、そのような方向に実現するように、これを持っていくのが正しい筋道ではないだろうかと思うのです。率の引き上げ等につきましても、実はいろいろな資料が不足だ。従って、今持っているものでやるよりないのだ。あらためてそうした資料がまたできるようであるならば作り上げて、さらに皆さん方のお気持に沿いたいというような御返答が、毎委員会に出されているわけですけれども、そういう労作がこれを実現する方向に向かって絶えずなされていなければならぬと思うのです。附帯決議については昨年も出されました。両三回にわたって、寒冷地をめぐって附帯決議が出されたことがございますけれども、これについて昭和三十六年度もあまり考慮されていなかったし、昭和三十七年度も暫定手当等についての不合理、不均衡というようなものを直そうというお考えがおありのようですが、事この寒冷地手当についての方向は見当らないようです。その辺のところはいかがでございましょうか。
  102. 入江誠一郎

    ○入江説明員 御存じのように、いろいろな寒冷地手当につきまして、たとえば支給率の引き上げでございますとか、それから地域区分の是正でございますとか、あるいは先般当院において附帯決議がございました、いわゆる同一市町村内の人事交流の問題とか、いろいろ内容がございます。いろいろ御不満はございましょうけれども、昨年末から今年の初めにかけまして、寒冷地、薪炭・それから暫定手当につきまして勧告さしていただきまして、これは国会で御承認願いまして実現をいたしました。そこで衆議院の方の附帯決議で、今残っておるというとおかしいのでございますけれども、それを御承認していただくときに、御存じのように同一市町村内の人事交流という問題がございました。これは、実はお言葉までもなく、非常に私ども頭を痛めておりますのですが、何さまこれは居住地主義と勤務地主義と、市町村の旧地域と新地域との問題にからみまして、それは確かに一つ地域だけを申しますと、そこには不均衡というものがあるのでございますけれども、ただそこだけで問題はとどまりませんで、そこをなにすればこっちもということになります。こういう寒冷地という問題は、御存じのように人間の皮膚に感ずる感じがございますから、不均衡といえば不均衡、そうかといってこれはちょうど夜と昼との間のような点がございまして、一つを上げれば次のところとやはり差ができてくる。そこで、なるべくそこのところを皆さんの御納得のいくように解決をしたいということで、苦慮いたしておるわけでございます。きょうも、実はおそらくその問題についてのどなたかの御質問がおありかと思って苦慮いたして参ったのでございますが、実は給与局でも鋭意検討いたしております。今のところ同一市町村の問題でも技術的に問題がございまして、延引いたしておりますわけで、その点御了承願いたいと思います。
  103. 野口忠夫

    野口委員 附帯決議については、総裁は一つだけ言うておるようですが、同一市町村内における不均衡の是正というととが今度つけられたわけですけれども、それ以前に二度附帯決議がついているわけです。それは率の引き上げを中心とした問題ですね。その文章を読みますと、最初は寒冷地手当、薪炭手当等における不合理、不均衡の実情を調査検討して、昭和三十六年度より改正することという附帯決議が一つついているわけです。それからそのあとに——今のは昭和三十六年度より改正することという年度まで入った、率の問題を含めた附帯決議があったわけですが、それについてもう一つ附帯決議がありまして、これはもっと具体的なのです。「冬期間における寒冷積雪地の困難な生活の事情から起る食料、被服、住居、防寒、防雪等の対策を講ずるに必要な諸経費の増加等の実情にかんがみ、これらの地域に勤務する職員に支給する寒冷地手当の額につき増額の必要が認められるので、政府は昭和三十七年度よりその支給額の最高限を引上げるための措置をとるように強く要望する。」これはいわゆる寒冷度とか積雪度とかいうことでなく、いわば寒冷地における生計の問題を取り扱って寒冷地手当の率は直すべきである、それを一つ実現するようにといろ附帯決議がついているわけであります。これも昭和三十七年度よりこのようなことをしてほしい、こういう附帯決議がついているわけであります。こういう国会における意思は、やはり寒冷地における生活の度合いからいって率の引き上げを妥当だと認め、——今のところ最高限が百分の八十でございますけれども、この八十の限界も確かな資料があって八十という数が出たかと質問があったのでありますが、これに対しては、国会の方でそうきめられたから私どもはそれに従ってきたのだというようなお答えが、前になされているわけでございます。けれども、問題は、現実に寒冷地に勤務する皆さん方の物価増や生活費の高騰の中では、他の暖かいところの公務員の方と比べると、現状においてはこの率は非常に低い、この最高限の率を引き上げることがやはり妥当であるという考え方が、国会におけるところの意思の表示なんだ。これが附帯決議として現われているわけです。三十六年度において実施することを求め、三十七年度においてまたこのような附帯決議がついている。これは何としても、常識的な立場においての率の引き上げという要求を国会はしているというように私は考えるわけですけれども、こういう率の引き上げ等に関して人事院としては調査、研究することを一つ約束しておられるし、それについての実現方を政府に対して要望をされておるわけですから、当然三十七年度にあたっては、その実現方についての努力の跡がなければならぬはずでございますけれども、この辺のところはいかがでございましょうか。
  104. 入江誠一郎

    ○入江説明員 先ほど申し上げました同一市町村内の人事交流の問題は、先般衆議院の内閣委員会で附帯決議がございまして、ただいま御指摘のいわゆる支給割合の引き上げにつきましては、参議院の内閣委員会で附帯決議がございました。とれも附帯決議がございましたので、実は始終給与局とも相談をいたしておるのでございますが、大体これは、冷静に申し上げますと、またおしかりを受けるかもしれませんけれども、寒さの度合いというものはそうふえるわけではございませんので、寒冷地手当というものは、結局御存じのように俸給に対する定額制ではございません。定率制になっておりますから、俸給が改善されるに従いまして、寒冷地手当も増額しつつあるわけでございます。そこで、たとえばそういう寒冷地手当そのものの率から申しますと、一つの例を申し上げますと、数年前に八〇%でございましたのは、実質的に申しますと九四、五%にもなっておるのでございますが、これはしかし自然増として論外といたしましても、ただいま御指摘のいわゆる生計費に対する暖房増高費と申しますか、光熱費のようなものの割合がどういうように変化しておるかということを私ども調べますと、生計費に対する光熱費の増加の割合というのは、むしろ増加いたしておりません。そうでございますから、結局冷静なと申しますか、これを一つの数字的な議論から申しますと、大体生計費に対する暖房的な経費というものの割合が増しておりませんにかかわらず、寒冷地手当の支給割合を増加するということは、事務的に考えますとちょっと困難なのでございます。しかし、参議院の方はしばしばこれを申し上げましても、なかなかお聞き入れがありませんで、とにかく何でもかんでも上げようというお話でございます。そこがわれわれ実際問題として——こういうことを申し上げますと、またおしかりを受けるかもしれませんけれども、相当経費を要する問題につきまして、理屈が十分つきませんものを勧告いたしましても、これはまたいかがかという点も考えまして、その考え方のいい悪いはまた御批判ございましょうけれども、何とかそこのところを理屈がつくようにしてこれを求めたいということで、遷延しておるような状況なのです。何も他意はございません。
  105. 野口忠夫

    野口委員 総裁はこういうことを考えていくのに、ある一つの数字的な範囲というものをお考えになって、こういう問題を考えていらっしゃるのじゃないかと思うのです。あるワクとか、それ以上出るとどうもうまくないという範囲をお考えになっておって、その中で何とかしょうということの中で、今おっしゃるような生計費が上がっていない事実があるということについては、どういう御計算の中でなされたか。現在の状態の中で寒いところに住んでいるものは、暖かいところの人たちが一枚のシャツでいいものを三枚も四枚も中に着ていなくてはならないわけです。そういう生活、衣服あるいは暖房、いわゆる寒冷をしのぐためのあり方としての生計の増というものは、現在暖かいところにいる人々の生計の増と比較して、やはりプラス寒冷増があるわけです。そういう増が生計費の中には出てこないというお答えでは、何かそこに範囲の中でお考えになるからそういうようになるのじゃないかと思うのですが、やはり人事院の立場でいえば、公務員の身分、生活をそのかわりとして守ってやるのだ、こういう代償機関的な立場における人事院としては、そういう範囲を越えられて、その上でこれが妥当だという勧告をなさることによって、やはり人事院というものの存在価値が認められるし、そうでなければ現在寒冷地に勤務する公務員の皆さん方が、あのようにこのことについての問題を出す、陳情なさるということもないと思うのです。これは人事院の方にも多数行っていると思うのですけれども、私どもの方にも参っております。やはりその辺のところで、寒いところにいると生計費が増しているのだという事実は私はあると思う。今お答えになられたことを聞くと、給与法が改定されて定率がかけられればということですけれども給与法が改定されたのは一般生計費の方ですね、それに率をかけますと寒冷費が出るわけですけれども、しかし、一人で寒冷地に住んでいるわけではないわけです。みんな家族を持っているわけでしょう。この家族の経費の方が多いわけです。一家をなしている者が一家の生計をささえていく立場に立てば、その家族扶養手当というものが増してくるかといえば、これは増さない、本俸だけが増しておって家族手当というものは増さないのです。勢い本俸の上に上がってきたもの、それに率をかけたものというものは、生計費の高騰の中では、他の暖地の公務員の方と比べると、自分に上がってきたものを家族たちに分けてやらなくてはならないという状態になるわけでしょう。やはり生計費の一般高騰の中では、家族生計費を含めて考えていけば率は当然上がってしかるべきではないかと思うわけなのです。人事院に行ってよくお聞きすると、給与が上がったから率でやるからというのだけれども、この点は非常に僕はおかしいのじゃないかと思うのです。これは本俸だけ上げて家族手当が上がってくるなら別です。家族手当は上がらぬで、その方は本人以上に金がかかる場合があるわけです。これを救済していく寒冷地手当というものを考えた場合の率は、やはりそういう生計費の高騰というようなことにあわせてこれを上げていくことが、寒冷地に勤務する公務員に対する人事院の態度でなければならぬと思うのです。実際私は、暖かいところの人が寒いところに移ってもらいたいと思うくらいです。暖かいところの人は楽な生活をなさっておるから。ほんとうに十月ごろから霜がおりて家の中は寒い、着物を着なければならぬ。寒冷地に勤務する者というものは、その辺のところで一つ考えていただかないと不均衡です。そんな意味では、給与に定率をかけるというだけでおっしゃる話については、一般全体の生計費の中では、私は人事院としてはちょっと研究が足りないじゃないかと思うわけですが、いかがでございますか。
  106. 入江誠一郎

    ○入江説明員 お答えをいたします前に、寒冷地帯に勤務されております公務員の生計費が、暖地に住みます者よりもその負担が重くなるということは当然であります。これは先ほど増加しないと申しましたのは、前にきまりました八〇%というものを基点として、いわゆる生計費の増加と光熱費の増加との割合が増加してないということを申したのでございまして、その点は御了承を得たいと思います。  それから先ほど私が申しましたのは、定率制になっておりますからどうこうということは、御参考までに申し上げましたのですが、これも非常にこまかいことになりまして、必要がありましたら給与局長からお答えさせていただきたいと思いますが、御存じのように扶養手当というものは、大体民間の扶養手当に合わしてやっておりますが、俸給そのものが不足するかどうかは別といたしまして、家族の生計もそれでまかなっていくという建前からできておりますので、寒冷関係のいわゆる俸給を補てんする経費も、俸給が上がればそれに従って上がるということは、自然その意味においては家族の関係考慮されておるということは、理屈がつくのじゃないかと思います。やはり問題は、私ども指摘のように、寒い地域にお住まいになっておる公務員の各位がいろいろな意味において生活上の犠牲があるということは、不完全ながら存じ上げておりますので、問題は、給与問題としてそこをどの限度で、これを皆さんの御納得のいく点できめるかという問題でございます。そこがやはり一つの理屈といいますか、筋が要るような気がいたしまして、附帯決議を十分尊重いたしまして検討いたしているのでございます。ただ、それはなかなか結論を得ませんでおくれているわけでございます。
  107. 野口忠夫

    野口委員 総裁のお答えで附帯決議を尊重して率の引き上げということについても、あるしかるべき科学的根拠をもってこの実現に邁進していきたい、こういうようなお答えであったようであります。この点のところが従来何となく率の引き上げは、ある範囲の中で額がよけいになるとかなんとかいうことの中で考えられてきませんでしたけれども、今回総裁から率の引き上げというごとも十分検討していきたいというようなお答えであったように拝察いたします。  次に薪炭手当なんでございますけれども、この薪炭手当は大体暫定手当のような、下の幅の広がりというようなものが生まれてこないと、人事院のお答えでいうと、いわゆる寒冷地にいる公務員のためには寒冷地手当と薪炭手当とを合わせて一つ考えていくのだ、こういう考え方をお述べになっていらっしゃるのですけれども、薪炭手当は大体五級地、四級地きり支給されていない。今回はそれの額の引き上げをしていただく、そうすると三級地以下の薪炭手当というものはゼロだということになるわけでございますけれども、この間におけるところの寒冷地に対する対策としては非常に断崖ができそうに思うわけです。何か薪炭手当をもっとすその方へ広めていく、こういう一つの考え方がなされてしかるべきだと思うのですけれども、そういうようなお考えを持っていらっしゃるところはないのでございますか。
  108. 瀧本忠男

    瀧本説明員 薪炭手当が現在寒冷地区分の五級地、四級地に出ていますことは御指摘の通りでございます。これを三級地以下にやったらどうか、あそこに断層ができているじゃないかという御指摘でございまするが、われわれの方でいろいろ研究いたしておるわけでございますが、たとえば一体寒冷地手当というものと薪炭手当というものの関係をどう考えるのだというようなことになるだろうと思うのです。その際に薪炭手当というものは少なくも暖房増高費ということになろうかと思います。ところが寒冷地手当というものも、これはやはり寒冷増高費全般をあれでまかなっているわけでございまして、たとえば冬季の雪害を予防するための費用、あるいは防寒具でありますとか、そのほかいろいろなものがあるでありましょうけれども、この中にもやはり採暖費といいますか、そういうものが入っているように考えられる。これはまた現在寒冷地の指定にしてない地域におきましても、たとえば東京等におきましてもやはり冬季間の特別の暖房費というものが必要であるというようなことがあるわけでございます。従いまして採暖費だけ考えてみましても、やはりそういうものを総合して考えなければいけない。われわれの方で資料が十分あるわけではございませんので、現在のところ自信を持って言い切ることはできませんけれども、現在までにいろいろ研究しておるところによりますと、大体採暖費というようなものが、ただいま申し上げましたようにいわゆる薪炭手当と寒冷地手当の中のそれに相当する部分、また一般俸給の中でそれに充当される部分というようなものをあわせ考えました場合に、大体薪炭手当だけでやはり四級と三級の間に非常に断層があるようでございますけれども、まず級地別に寒冷度というようなものとあわせ考えましたときに、現在の状況が適当であろうというような考え方を持っておるわけでございます。現在のところ直ちにこれを三級以下に及ぼすようなことを事務的には考えておりませんけれども、しかし、これは前から問題になっておることでございますし、現在われわれが持っております資料も完全な資料でございませんので、今後とも十分研究いたしまして、事態に適応するように検討を続けて参りたいと思います。
  109. 野口忠夫

    野口委員 最後に、先ほども参議院、衆議院一緒にして附帯決議の話をしたわけですけれども、衆議院の方で決議されました総裁の先ほどからおっしゃる同一町村内における不均衡の点ですが、これはいろいろな点でどこかを上げてやればまた上がるようになる、連鎖反応的な考えの中で、何とも始末をつけられないのではないかというような考え方を持たれることは、非常に危険なことではないかと思うわけです。そういうことではなしに、実際に同一市町村内部において、こっちから向こうに転任をしていった、同じ行政区間の中で行ったところが、もらえなくなってしまったというような状態があちらこちらにあるわけですし、町村合併の中では、前のままでいれば該当したものが、新しい町村に入ったところが、それでなくなってしまったというようなこともあるわけでございますが、こういう附帯決議の線に沿って同一市町村内部におけるいわゆる不均衡の是正、不合理の是正というようなことは、連鎖反応的だということは、やはり最終的には科学性がないということになると思うのですが、相当やはり定められた底のあるものとして、今回の人事院のあり方としては、その勧告の中でそういう不合理、不均衡を一掃するような是正措置をとるべきであろうというふうに私は考えるわけですけれども、この点についてはどのようになさっておられますか。
  110. 入江誠一郎

    ○入江説明員 この問題は、いわゆる地域区分の是正とは違いまして、連鎖反応と申しましてもおのずから御指摘のように限度があるものでございます。これが御存じのように市町村合併というものがそこにございまして、それで、しかし寒冷地手当の性質上、そう広区域にいたしますとまたいろいろ不都合がございますので、二十七年の区域によりましたところのギャップが起こる、これはもちろん給与局でも極力検討いたしておるのでございますが、今後とも一つ誠意をもって検討を進めたいと思っております。
  111. 野口忠夫

    野口委員 それでは最後に要望を申し上げて終わりたいのですけれども、やはり寒冷地手当、薪炭手当、石炭手当というものは、今の池田内閣が考えている経済の高度成長の中で地域格差の解消を言っておるわけです。格差解消の中で、自然的条件の中でこれは取り除くことのできない寒冷地というところでその格差が出ている。このあり方というものが非常に重要な問題をはらんでいるのじゃないかと思うわけで、この法律によって潤うものは、日本国民すべての者にひとしくしあわせを与え、文化生活を与えていくのだという、この基本的精神の中で生まれてきておる法律として、自然的な条件の中で寒冷地の中にある一般公務員に対して、特にあたたかい施策をするという形でございますから、基本的な立場では、そういう自然的な地域差の上に立った公務員のために、きょうはいろいろ前進的な姿勢でのお話をお聞きしましたので、大へんうれしく思うのですけれども、ほんとうに寒冷地の公務員が喜んで働けるような是正措置をよろしくお願いしたいと思うわけです。  以上で終わりたいと思います。
  112. 中島茂喜

    中島委員長 次に、前国会の閉会中、行政機構並びにその運営、自衛隊及び公務員制度の実情調査のため、議長の承認を得て各地に委員を派遣いたしたのでありますが、その調査報告につきましては、参考のためこれを会議録に掲載いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  113. 中島茂喜

    中島委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。  本日はこれにて散会いたします。    午後一時五十三分散会