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1962-04-04 第40回国会 衆議院 逓信委員会 第19号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十七年四月四日(水曜日)    午前十時三十一分開議  出席委員    委員長 佐藤虎次郎君    理事 秋田 大助君 理事 上林榮吉君    理事 佐藤洋之助君 理事 廣瀬 正雄君    理事 大柴 滋夫君 理事 栗原 俊夫君    理事 森本  靖君       椎熊 三郎君    竹内 俊吉君       中山 榮一君    羽田武嗣郎君      橋本登美三郎君    森山 欽司君       佐々木更三君    畑   和君       原   茂君    受田 新吉君       谷口善太郎君  出席国務大臣         郵 政 大 臣 迫水 久常君  出席政府委員         郵政政務次官  大高  康君         郵政事務官         (大臣官房長) 金澤 平藏君         郵政事務官         (電波監理局         長)      西崎 太郎君  委員外出席者         郵政事務次官  大塚  茂君         郵政事務官         (大臣官房電気         通信監理官)  松田 英一君         参  考  人         (日本放送協会         副会長)    溝上 けい君         参  考  人         (日本放送協会         専務理事)   前田 義徳君         参  考  人         (日本放送協会         専務理事)   小野 吉郎君         参  考  人         (日本放送協会         理事)     赤城 正武君         参  考  人         (日本放送協会         計理局長)   秋元 為次君         専  門  員 吉田 弘苗君     ――――――――――――― 四月四日  委員西尾末廣君辞任につき、その補欠として受  田新吉君が議長の指名で委員に選任された。     ――――――――――――― 四月二日  簡易生命保険及び郵便年金積立金運用範囲拡  大等に関する請願下平正一紹介)(第三二  六八号)  同外一件(藤本捨助君紹介)(第三四四八号)  同(八木徹雄紹介)(第三四九八号)  鹿児島県川内郵便局局舎移転新築に関する請願  (池田清志紹介)(第三三一八号)  有線放送施設費国庫補助等に関する請願池田  清志紹介)(第三六〇八号) は本委員会に付託された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  小委員長からの報告聴取  日本放送協会昭和三十四年度財産目録貸借対  照表及び損益計算書      ――――◇―――――
  2. 佐藤虎次郎

    佐藤委員長 これより会議を開きます。  この際、電波監理及び放送に関する小委員長より、小委員会を開会いたしたい旨の申し出がありますので、小委員会が散会するまで暫時休憩いたします。    午前十時三十二分休憩      ――――◇―――――    午後二時十九分開議
  3. 佐藤虎次郎

    佐藤委員長 これより再開いたします。  この際、電波監理及び放送に関する小委員長秋田大助君より、小委員会経過について報告いたしたいとの申し出がありますので、これを許します。秋田大助君。
  4. 秋田大助

    秋田委員 電波監理及び放送に関する小委員会は、二月一日に設置せられまして以来、今日に至りますまで、六回にわたり会議を開きまして、熱心に、主としてFM放送実施に関する諸問題を中心といたしまして、その他放送に関する基本問題に及びまして検討を進めて参りましたが、本日の小委員会におきまして、この際現在まで検討によって得られました小委員会意見の大要をとりまとめて、結論として、私より本委員会報告すべしと決定を見たのでございます。よって、ここに結論を御報告いたします。  別紙の印刷物につき朗読いたしますので、ごらんを願いたいと存じます。  (一)標準放送FM放送それぞれの特質及び標準放送に対する外国混信増加状況等にかんがみ、FM放送受信機の普及した遠い将来におけるわが国のラジオ放送は、主としてFM放送によることが予想されるが、標準放送はその特質に応じ、これと併行的に使用され、中波放送FM放送との併立時代が相当長期にわたって、継続するものと判断される。FM放送実施に関する諸政策はかかる判断の上に立って、情勢の推移に適応するよう段階的に策定せられるべきである。  (二)一般放送事業は、原則として都道府県単位とする地域社会を存立の基礎とすべきものであって、現在数県にまたがる広域放送の行なわれている区域内においても、中波、超短波を通じ、周波数の許す限り、併行的に、都道府県単位地域放送局設置について考慮すべきである。  (三)ラジオの新媒体として、国民FM放送に期待するものは、既往の中波放送と同質のものを増加することではなく、FM放送特質を生かした放送である。よってFM放送実施にあたっては、この点に十分留意すべきである。  (四)放送マスコミ・メディアとして、きわめて有力な機能を持つものである。従って、これを支配する態様いかんによっては、いわゆるマスコミ独占の弊害が生ずることも考えられるので、慎重に対処すべきである。また一つ地域における放送手段独占を排除するため、NHKは別として、一地域周波数の許す限り複数の民間放送局を設けることが望ましい。FM放送実施段階においては、この点に格別の注意を要するものと認められる。  (五)放送は社会的に重大な影響力を持つものであることにかんがみ、放送番組全般質的向上、特に教育教養番組の充実をはかることが必要である。よって、一般放送事業については、現在の教育専門局、準教育局総合局の区別を廃し、教育及び教養番組に、それぞれ少なくとも全放送時間の二〇%および三〇%を充てるよう規制すべきてである。    ただし、学校等による学校教育局及び教育放送番組を主とする特別の放送局設置については、企業体資金関係等について十分考慮すべきである。  (六)放送法規定された放送番組審議機関は、一層その自主的機能を発揮し、世論の要請にこたえるよう運営すべきである。 よって、委員長において適当の措置を講ぜられるようお願いいたす次第でございます。
  5. 佐藤虎次郎

    佐藤委員長 だたいまの秋田小委員長報告委員会において了承するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 佐藤虎次郎

    佐藤委員長 御異議なしと認め、さよう決します。  この際、出席郵政大臣及び政府委員各位に申し上げます。ただいまお聞きの通り、小委員長報告委員会において了承いたしましたので、その関係方面とも連絡の上、その趣旨に沿って善処されるよう要望いたします。  この際、迫水郵政大臣より発言を求めておられますので、これを許します。迫水郵政大臣
  7. 迫水久常

    迫水国務大臣 放送の問題は、文化、治安、教育教養その他あらゆる面で、国民生活に直結する問題として慎重に考慮し、間違いなく実施したいとかねて念願をいたしております。  本日小委員会の御意見を提示せられまして、その意のあるところを十分に承知をいたしました。今後私ども放送に関する処置をいたしていきます場合に、貴重なる資料として誤りなきを期していきたいと存じております。      ――――◇―――――
  8. 佐藤虎次郎

    佐藤委員長 日本放送協会昭和三十四年度財産目録貸借対照表及び損益計算書を議題として審査を進めます。  質疑の通告がありますので、これを許します。上林榮吉君。
  9. 上林山榮吉

    上林委員 NHK決算について、この前当委員会で私が質問をしたのに対して、郵政当局がお答えできなかった問題についてお答え願いたいのでありますが、それは国際放送に関する問題であります。国際放送交付金交付が、三十四年度の分が三十四年度決算ができておらない、これはいろいろの事情があろうけれども、適当ではないと思うがどうだ、こういう質問に対して、郵政当局も、NHK当局も、研究の上お答えいたしますと、こういうお話でございましたので、まずその点をお答え願いたいと思います。
  10. 西崎太郎

    西崎政府委員 前回回答を保留させていただきましたお尋ねの点でございますが、この点につきましては、調べました結果、会計法上の観点から、従来こういったものは四半期ごと精算払い、こういうことになっておりますので、第四・四半期の分につきましては、この四半期経過してから精算払いをせざるを得ない、こういうことになりまするので、年度末の決算には未収金として計しせざるを得ない、こういうわけでございます。
  11. 上林山榮吉

    上林委員 会計法上第四・四半期の分は精算払いになっておる、それは間違いありませんか。会計法の第何条でそういう措置をしているのですか。
  12. 西崎太郎

    西崎政府委員 会計法の第二十二条、それによりますと、ちょっと読ましていただきますが、「各省各庁の長は、運賃、傭船料、旅費その他経費性質前金又は概算を以て支払をしなければ事務に支障を及ぼすような経費で政令で定めるものについては、前金払又概算払をすることができる。」従って、これの反対解釈としまして、原則精算払い、こういうことでありますので、NHKにつきましては、各四半期の見積もりを各四半期ごと精算払いをしておる。従って、その第四・四半期の分につきましては、年度末の決算には間に合わない、こういうことでございます。
  13. 上林山榮吉

    上林委員 国際放送の予算は、政府が半ば委託してNHK放送をしてもらっておる。どららかといえば、頭としっぽを時間的には値切った形になっている。こういう性質のものは、これこそ概算払いをしておくことが適当だ、こう思うけれども、これ以上この問題については申し上げませんが、これくらいの説明は、郵政当局NHK当局もできなければならぬ。私は、かねての御勉強が足らないのじゃないかという気がしてならない。ただ、しかし、どうしていくことが妥当であるか、適切であるかといえば、私は、今言ったような趣旨でやっていくことが、将来はよろしいと思うから、そういう方向で一応の御研究をしてみてほしい。この問題はこの程度にいたしておきたいと思います。  第二の問題は、郵政大臣も監督の立場にあられるから、その日はいなかったわけですけれども、少しお聞きを願っておきたいのであります。それはNHK経理の問題ですが、放送法によりますと、放送法の第九条は、第七条の「日本放送協会は、公共の福祉のために、あまねく日本全国において受信できるように放送を行うことを目的とする。」を受けて、この「目的を達成するため、左の業務を行う。」こういって、業務を列挙してあります。そして三十二条では、協会の「支出の制限」という規定がございまして、「協会の収入は第九条第一項及び第二項並びに第九条の二の業務遂行以外の目的支出してはならない。」と明記してあるのです。この第九条第一項、先ほど申し上げた、ここに列挙してあります。二項も御承知通りであります。第九条の二は国際放送のことをさしておる。こういう立場から、NHKが出された資料の中に、決算書の中に、この目的以外と認められるものに、経過的いきさつはともかくとしても、結論といたしましては、妥当を欠くと言いましょうか、これは、私はその日は一歩遠慮をして、まあ妥当を欠くんじゃないか、こういうような質問をしましたところが、最後にNHK会長から、そういうきらいがないでもないから、調べた上で善処するという趣旨答弁があったわけです。しかし、NHK目的以外、たとえばNHK保証金出して家を借りておるのですが、これは当然NHK目的事業遂行するために借りる場合は、これはかまわないわけです。第九条あるいは第九条の二あるいは三十九条、これからいってこれはかまわない。だけれども保証金出して、これをNHKの直接関係のない、たとえば共済会のごとき、そうしたようなものに無償で貸しておる。当日のNHK答弁は、それに匹敵する家賃を取っておるという答弁であった。ところが、きょうお出しになった資料では無償になっておる。私は、建設的な趣旨を含んでNHK当局及び郵政当局質問をしたのでありますし、きょうもそういう気持を持っております。持っておりますが、話がここまでくると、一応ピリオドを打っておかぬと、さらにあとでいろいろなところで問題化するおそれがある。だから、そういう趣旨できょうは少しばかりお尋ねをして、この問題をここで当委員会で一応解決をしておこう、こういう意味で申し上げたのでありますが、この法律の建前をどうごらんになるか、まず郵政大臣の御見解を承って、それからNHKに具体的に少しお尋ねしていきたいと考えます。
  14. 迫水久常

    迫水国務大臣 御質問の要点は、三十九条のこの規定が、共済組合ですか、そのために無償で貸すような家の保証金に充てることがいいか悪いかということについて、この法律上どう解釈するか、こういう御質疑でございましょうか。
  15. 上林山榮吉

    上林委員 もっと根本の問題もありますけれども、とりあえず具体的な問題としては、NHK事業遂行のための目的というものが法律にちゃんときめてあるのです。これに照らしてみて、共済会その他一、二ありますが、関係のある分もございます。これはいいのです。ところが、われわれの解釈としては関係でないものがある。しかも当日は、その分については、又貸しておるけれども保証金に匹敵する相当の家賃を取っている、こういうお話でありましたが、きょうお出しになったのには無償になっておる。どうも食い違っておりますが、同時に、そういうことがいいのか悪いのか、会長は、妥当を欠くうらみありというようなことで、会計検査院も列席しておられたから、そういう言葉になったのではなかろうかと推察するわけでありますけれども、決して私は深追いしようとは考えないが、こういうような意味で、あなたはこの法律ごらんになって、はたして妥当なりや、しかも今私が言ったその趣旨において、これが妥当と思うか、あるいは一歩進んで、これは違法ではないのか、こういう点なんです。
  16. 迫水久常

    迫水国務大臣 NHK会長が妥当でないと言われたものを、私が、妥当であると、こういう答弁は、これはちょっとできないのじゃないかと思うのです。NHK会長が妥当でないと思われたなら、当然妥当でないのであって、それは当然会長と同じ答弁と思うのです。(「妥当でないと言わないよ」と呼ぶ者あり)私は、この条文解釈上は、やはり一つの慣習的なものがあるんじゃないかという感じはいたします。たとえば、今御指摘のような支出が、過去何年間にわたってずっと行なわれておったから、やはり一つの慣習的な意味でそれがずっと是認せられつつ来たったということは、卒然としてこの条文を読んで、そうしてそれが違法であるかどうかという、あるいは妥当でないということかどうかということについて判断せずに、その過去の一つの慣習ということも、解釈上の重要な参考事項になるのじゃないかと私も思いますけれども、この事柄本体の実体を私は実は心得ないものでありますので、上林山先生に対してその問題について的確に御答弁はできません。しかし会長がもし妥当でないと言ったなら、それは妥当でないのだと思います。
  17. 上林山榮吉

    上林委員 私は妥当を欠くと思うが、この辺で一つ妥当を欠くというような意味で御答弁になってはどうかという私の質問に対して、そういううらみなしとせずとはっきり――妥当を欠くという言葉は言っておりませんけれども、そういううらみなしとしないから善処したいという答弁があったわけです。だからそれについては、具体的に一つ資料出してほしい、こういうわけで資料をもらったところが、会長なりあるいは専務理事からでけっこうですが、当日の御答弁は、それは保証金に匹敵する家賃をもらっております。賃貸料をもらっております。こういう御答弁でございましたが、今もらった資料では、私の指摘する方面において無償となっておるものがある、これはどういうわけですか。   〔森本委員無償だという資料はどこにあるんだ、そんな資料、各委員に出てないじゃないか。質問を聞いておってもわからぬよ。」と呼ぶ〕
  18. 上林山榮吉

    上林委員 議事進行について……。私が要求した資料、それが間違っておったので、とりあえず私が質問をしたところが、それを個条書きにとりあえず私に渡した資料、そういう資料をさしております。質問者の便宜のためにとりあえずいただいた資料でございます。
  19. 小野吉郎

    小野参考人 まず前回の当委員会におきまして、この問題につきまして、共済会については有償で家賃をとっておるやに御答弁申し上げましたのは、その後の調査の結果では間違いでございまして、これは借料を徴しておりません。この点はここで訂正させていただきたいと思います。一応この辺につきましては、いろいろな従来のしきたりもございまして、もともとここを借用いたします以前におきましては、現在の協会の建物の中に共済会はおったわけでございます。そういうことと同時に、この共済会に対しましては、NHK業務と表裏一体になりますような事柄につきまして、もともと協会自身直接にこういう団体を使わないでやってしかるべきものを、この団体委託をいたしております。それは職員の死亡でございますとか病気でございますとか退職でございますとか傷害、そういった場合における内規に従う救済金交付事務をこの団体をしてやらしめておるわけでございます。その他住宅関係の問題につきましては、協会で一々必要な住宅を全部自前で建設をいたしまして、これを職員に提供いたしますにつきましては莫大な経費を要しますので、そういった関係事務はこの団体委託をしてやらせるということで、そういった住宅政策上の問題も担当させてございます。その他食堂でございますとか、理髪関係でございますとか、売店とかいったような事柄をこの団体にやらしておるわけでございますが、協会内におりました当時には、食堂理髪あるいは売店等関係につきましては、できるだけ安い価格でいいものを職員にサービスさせる必要がありますので、そういうような関係従業員福利厚生に役立つような面で、もとよりこれは財団法人でございますが、営利を営むことは厳に禁じております。またそういうようないろいろな職員福利厚生並びに当然の救済救恤金等関係も直接NHK支出してしかるべきものをやらしております関係上、ここの経理には厳密な監査をいたしておりまして、売店あるいは食堂等によって利益が上がりましても、それは自由には使わせない。いろいろその運営について注文をつけて、それに従って運営をしていただいておるような状況になっております。と同時に、そういった関係協会職員も出向の形で兼ねてこの方面に手伝いに出ておるような状況もございまして、必要なき事務室場所等につきましては借料をとらない、そのかわりそれだけは従業員福利厚生に役立つような方面注文をつけて運営をさせておるというようなことで在来参ったわけでございますが、前回もお答え申し上げました通り、テレビジョン・スタジオの急速な需要を満たしますために、協会の内部に模様がえをいたしまして、事務室スタジオに変えなければならぬ必要が急激に起きて参りました。そういうことで、いろいろそういうふうなことがございます関係上、こういった団体をいつまでも今の協会内に置くわけにいかないような事態になりましたので、かたがた、協会自体としても必要な事務室に窮迫を告げましたので、これを本体として、協会事務室の緩和のために第三森ビルを約五百坪借りております。現在、そのうちの百坪ばかりのところが、共済会あるいは健康保険組合法に基づきますNHK健康保険組合、この方面事務室協会から出てもらって、そこにおるというようなことになっておりまして、そういう今までのいきさつ並びに協会との非常に緊密な関係職員福利厚生並びにNHKの所定の業務委託をいたしておるというような実情にかんがみまして、借料はとらないで無償で貸与をいたしておるというようなことになっておるわけでございます。
  20. 上林山榮吉

    上林委員 答弁が、長々と不必要なことまでおっしゃっておるようでございますが、それならば、これがその当時ならいいのです、この前も申し上げた通り。しかし、今日においても同じく依然としてやっておる。これは密接な関係のあることはわかるが、しからばその密接な関係があるという理由において、この九条並びに三十九条の規定に照らして妥当な経理やり方だとごらんになりますか、あるいはまたこれには抵触しないという確たる解釈ができますか。解釈ができれば、その解釈を私が伺って参考にしたい。この条文を読んでみても、そういうような団体無償でやっていい、ましてや転貸ししていいという規定は何にもないのですよ。どうも私は今の答弁はあたらないと思う。これに対してどういうようにお考えになりますか。この法に照らしてこれは正しいやり方をやっておりますか、法に違反しておりませんか。違反という言葉場所がら都合が悪いなら、あるいは妥当を欠くか欠かないかというところでもけっこうなんです。そういう点から見て、率直にどうお考えになりますか、このままでいいと思うかどうか、その点を一つ簡単……。   〔森本委員違反だったら大へんなことになりますよ」と呼ぶ〕
  21. 小野吉郎

    小野参考人 私どもは、在来いろいろな関係条文に照らしまして、法に違反するものではない、しからば妥当でありやいなやにつきましては、いろいろなことも考えられますが、こういった団体には、別途、そういった委託事務関係補給金出しておりますので、そういう面との操作におきまして、借料借料でとり、さらに、それに対する事務委託によって、この団体運営を円滑ならしめる意味においての委託金、この関係においていろいろ操作ができるというような面もありましょうが、一応はそういうことで妥当を欠くものではないというようなことで、在来無償で参っております。
  22. 上林山榮吉

    上林委員 委員会で、だいぶヤジがあるからそれに遠慮したお答えになっておるのかどうか知りませんが、筋が立たぬと、僕も適当なところでやめようと思っているんだけれども、そういう答弁では引っ込めないのですよ。  それなら小野専務に聞きますが、そういう団体無償で貸してよろしいというのは、九条あるいは三十九条のどれに当たるのですか、それを一つ説明して下さい。
  23. 小野吉郎

    小野参考人 この関係で明確にこういった問題を規定した条文はないと思います。いろいろNHKが九条によって遂行することを予定されておりますように、これを運行いたしますにつれて必要なそういった関係につきましては、三十九条の支出の制約に違反しない限りにおきましては、あるいはそこにいろいろ見解も成り立とうかとも思うのでございますが、今日まではそういうことでやり得るということで、無償使用を許して参ったようなことでございます。
  24. 上林山榮吉

    上林委員 今の御答弁では九条、三十九条に違反しない限りと言いますけれども、具体的にはその根拠が薄弱ですよ。少なくとも法律というものは、その条章に照らしてこれを拡大解釈するか、縮小解釈するか、あるいは条理解釈をしていくとかいうような解釈は、これは許される。立場が違う人もありましょうから許されるけれども、具体的にはこれはどこに当たるのですか。あなたがそんなふうにおっしゃると、やはり私は聞かざるを得なくなる。私は、はっきり言って違反だと思うのですよ。妥当どころじゃない、違反ですよ。本来いえばこれは明らかに違反だ。だけれども、それは妥当を欠くということも言い得ない、違反であるということも言い得ないその苦衷はわかるけれども、しかし当委員会は公開の席上ですから、ここまで問題がきた以上は、ある程度は明らかにして、適当なところでお互いが建設的方向に進んでいく、こういう考えを持っていかなければならぬのではないか。私は何もあなた方のあげ足をとって不必要にいじめようなどという考えは毛頭ありません。私は最初から建設的な考え方で質問をしてきたはずです。速記録を読んでごらんなさい。いずれにしても、今のNHK当局の御答弁はまずいのじゃないか。これは適当な経理ではないと思うから、一つ将来はこれをだれが見ても疑いのないような処置をとって、やるものはやり、もらうものはもらってもよろしいから、いずれにしても、そういうような建設的な発言がなければ、その場限りを濁していけば、あとは問題が残らぬだろうと思うかもしれませんが、ほかの委員会で、あるいはほかの役所で問題にするかもしれない。だから、私は今こういう問題は処理をしておかれることがいいと思う。ただこれを言い張っておると、これは私が質問をやめても、今言ったようにどこかで問題が起こる。だから、そこの考え方を改められたらどうかと思います。
  25. 小野吉郎

    小野参考人 まことに御親切なお教えをいただきまして、非常に感謝にたえません。経理の万全を期しますためには、いろいろ慎重な検討を遂げなければならないのでございます。在来NHKの中にありましたものと、またその事実につきまして、検査院もそういった事実を検査せられて妥当だということになっておりますが、第三森ビルに移りました今日の段階では、これについてはかなり高い保証金出しております。もちろん保証金も捨て金でなく敷金のようなものでございますが、NHKの資産として保有されておりまして、いずれ将来NHKに返ってくるものでございますから、そういう点につきまして、なお検討を加える必要もあろうかと思いますので、今後法律条文とも関連をいたしまして検討させていただきたいと思います。
  26. 上林山榮吉

    上林委員 御答弁が非常にあいまいな点もありますが、検討してみる、こういうことですから、半ばわからぬわけではないが、検討という意味は、私が言ったように、これを正常なルートに乗せるよう努力する意味なのか、それともこれは条章に照らして違反ではありません、また妥当を欠くものでもない、会計検査院も妥当を欠くものではないと言うたから、私どももそう思う、検討してみましょう、こういう意味だとすると、これは会計検査院を呼んで、さらに質疑をしていかなければならぬことになるわけです。だから、たとえばそういう直接な関係があって、いろいろとやっていくような問題があるなら、これはNHKの中に――NHKの中という意味は、建物の中という意味ではなくて、NHKに当然還元して付属事業としてやっていく問題を中に相当含んでいるのじゃありませんか。直ちにやれない問題もありましょうが、やれる問題もあるじゃありませんか。私は、定款をちょこっと見ただけですから、きょうは詳しくは言いませんが、そういうものはNHKの経営の中に入れて、正常化して運営していく、福利厚生のごときは当然そうやるべきではないか。これはNHK職員の待遇改善の意味からいっても、その方が当然ではないか。それに入れないものは、補助金を出し得るものは出す。私は、この法文からは、出し得るものもありますが、出し得ないものもあると思う。ですから、そういう疑いのあるものはやめて、出し得るものは出し、もらうべきものはもらう。これらの団体は、相当経営がいいようですから、そういうものは無償とすべきでなくて、有償でやるべきである、そのかわりやるべき補助金なり何なりは――その付属事業に協力しているならば、それはそれとしてこの法文に照らして出し得るものは出していく、こういう経理やり方でなければ、きょうは通るかもしれませんが、やがては通りませんよ。私はそう思いますが、最後に副会長どうですか。小野専務答弁を聞いておられて、将来これに対して改善の余地があると思われますか、このままでいいとごらんになりますか。私は、きょうは法律違反までは言いますまいが、どうですか。
  27. 溝上けい

    ○溝上参考人 大へんいろいろ貴重な御注意をいただきましたが、われわれとしましては十分検討した上で、妥当を欠くというような点があればもちろんでございますが、さらに先生の御趣旨に従いまして、今のお話の出すべきものは出して、もらうべきものはもらうという方向に改善していきたいと思います。
  28. 森本靖

    森本委員 ちょっと関連。それはいいかげんな答弁をせられると困るのですが、出すべきものは出すというのは、どういうものを出すのですか。
  29. 溝上けい

    ○溝上参考人 たとえば賃貸を有料にしますれば、向こうとしての経費がふえますから、そうしますとそこの経費、たとえば全体の予算がふえてくる。そういう点を何らかの形で助けるというふうな形になると思います。
  30. 森本靖

    森本委員 何らかの形で助けるというのは、それはそういう回りくどいことをしなくても、今問題になっているのは共済会でしょう。共済会というのは健康保険組合というのとは全然違うのですか。
  31. 小野吉郎

    小野参考人 健康保険組合は、また別にやっております。
  32. 森本靖

    森本委員 共済会というのは弘済会みたいなものですか。
  33. 小野吉郎

    小野参考人 弘済会ではございません。たとえば官庁で申しますと共済組合法律に基づいて運営しております共済組合のような性格のものであります。
  34. 森本靖

    森本委員 だからいわゆる公務員共済組合、それから公社の共済組合と同じようなものでしょう。
  35. 小野吉郎

    小野参考人 その通りでございます。
  36. 森本靖

    森本委員 だからそういう場合には、これは無償でやることがあり得るでしょう。現実に郵政省にしても電電公社でもやっておるのじゃないですか。だからそういう点については、私は正すべきものは正すと同時に、やるべきものはやるというように明確にしてもらわぬと、質問者がどんどん追い込めていったからといって、それに対してまた違った角度における答弁をするというようなやり方をやってもらうと困る。これはかりに国家公務員の共済組合と同じような、従業員共済組合と同じような性格のものであるとするならば、必ずしも妥当を欠くということにはならぬと思う。これが鉄道弘済会とか共済会というような形になるとすれば、あるいは上林委員意見が正しいかもわからぬ。しかし共済組合の性格を帯びてくるということになると別個の形になるわけです。その辺どうですか。
  37. 溝上けい

    ○溝上参考人 そういう点は十分検討いたしまして、その結論に従って善処したいと考えております。
  38. 森本靖

    森本委員 だから、それは質問者質問によってどうにでも回答するという形でなしに、そういう問題については、今上林山さんも言われたように共済会とか弘済会とか、そういう性格のものであるとするならば、上林委員が言われた通りになるわけであります。しかし、名前は共済会であっても、郵政省のやっておりまする公務員共済組合、公社でやっております共済組合と同じ性格のものであるとするならば、今の無償やり方においても、これは妥当になってくるわけであります。その辺の共済会の性格というものがはっきりすれば、おのずからこの結論というものは出てくると思うわけであります。だから、そういう点を明確にしていけば、何もあなたの方が答弁に詰まる必要はないわけであります。これがかりに弘済会とか共済会とかいう性格のものであるとするならば、上林山さんの言われる通りになるわけであります。しかし、これが電電公社なり郵政省が持っておる共済組合と同じ性格の共済会であるとするならば、これは今やっておることもあえて違法とは言えぬわけであります。その辺を明確にしてからでないと、これがどうだ、こうだということになってもわからぬわけであります。まあ私の質問はこの次になっておるわけでありますので、その際に明確にしたいと思いますが、一つ答弁者の方も、もっとはっきりした確固たる信念と方針に従って答弁をするというふうにしてもらいたい、こう思うわけであります。
  39. 佐藤虎次郎

    佐藤委員長 本日はこの程度にとどめ、次会は公報をもってお知らせすることとし、これにて散会いたします。    午後三時四分散会