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1962-02-22 第40回国会 衆議院 逓信委員会 第10号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十七年二月二十二日(木曜日)    午後一時十九分開議  出席委員    委員長 佐藤虎次郎君    理事 秋田 大助君 理事 上林榮吉君    理事 佐藤洋之助君 理事 廣瀬 正雄君    理事 大柴 滋夫君 理事 森本  靖君       志賀健次郎君   橋本登美三郎君       島本 虎三君    田邊  誠君       畑   和君    原   茂君       安平 鹿一君    谷口善太郎君  出席国務大臣         郵 政 大 臣 迫水 久常君  出席政府委員         郵政事務官         (監察局長)  田中 鎭雄君         郵政事務官         (郵務局長)  西村 尚治君  委員外出席者         郵政事務次官  大塚  茂君         郵政事務官         (大臣官房秘書         課長)     吉灘  中君         郵政事務官         (大臣官房文書         課長)     溝呂木 繁君         郵政事務官         (大臣官房人事         部長)     長田 裕二君         専  門  員 吉田 弘苗君     ————————————— 二月二十一日  委員受田新吉辞任につき、その補欠として西  村榮一君が議長指名委員に選任された。 同月二十二日  委員佐々木更三君及び八百板正辞任につき、  その補欠として田邊誠君及び島本虎三君が議長  の指名委員に選任された。 同日  委員田邊誠君及び島本虎三辞任につき、その  補欠として佐々木更三君及び八百板正君が議長  の指名委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  郵政事業に関する件  郵政監察に関する件      ————◇—————
  2. 佐藤虎次郎

    佐藤委員長 これより会議を開きます。  郵政事業郵政監察電気通信、並びに電波監理及び放送に関する件について、調査を進めます。  暫時休憩いたします。    午後一時二十分休憩      ————◇—————    午後一時二十二分開議
  3. 佐藤洋之助

    佐藤(洋)委員長代理 これより再開いたします。  質疑の通告がありますので、順次これを許します。上林榮吉君。
  4. 上林山榮吉

    上林委員 この前の逓信委員会で、処分問題について私質問をいたしたわけですが、その際、郵政局にまかしてある、結果並びにその数字というものはまだ手元に集まっていない、これからぼつぼつそういう資料が集まるだろう、こういうことであったので、質料の集まるのを待っていたわけですが、その資料手元にありますならば、当委員会資料としてお出しを願っておきたい、こう思います。
  5. 長田裕二

    長田説明員 一月三十日ころまでに処分いたしましたものにつきましては、国会へ御提出いたしました資料の中に入れましたわけで、それ以後はっきりあるかどうかという点は、その際まだ申し上げておりませんでした。以後まだ手元に集まっておりませんし、年末闘争関係処分は、先日差し上げました資料で、まず一部例外はあるにしましても、大体大部分は終わったというふうに判断しております。若干の例外はございます。
  6. 上林山榮吉

    上林委員 今人事部長から答弁を聞いたわけですが、資料をできるだけすみやかにお出しを願いたい。これだけ申し上げて、大臣も見えたようですから、森本委員の発言があるそうですので、次の機会に、私の質疑を続けたいと思います。
  7. 佐藤洋之助

    佐藤(洋)委員長代理 森本君。
  8. 森本靖

    森本委員 監察局長とそれから郵務局長も呼んでありますので、早急に一つ出てくるように手配を願いたいと思います。  まず、大臣にお聞きしておきたいと思いますが、去年の年末に、郵便事業労使の紛争によって遅配をするというようなことで、非常に新聞でも騒がれまして、そこでああいう形になってはまずい、国民に迷惑をかけるということについては、これは労使双方がそれぞれ責任がある。どういう理由があっても、それぞれそういう点については考えていかなければならぬというふうな点で、まあ自民党の中では大臣あとでだいぶ怒られたというようなことも新聞で報道されておりますけれども、別にあれは大臣から頼まれたわけでもなし、またわれわれも、そういうようなことを見るに見かねて、何とかならぬかということで一応両者に口をきいたわけであります。その経過は別といたしましても、いずれにいたしましても、幸いにあの年末に労使が一応円満に当面の問題としては解決がついて、そうして年賀郵便その他の年末時のいわゆる郵便繁忙というものが、どうにか平穏に、国民にそう御迷惑をかけることなくしてできた。そこで、あのときにも、宝樹委員長郵政大臣が手を握っているところを私はテレビで見ましたが、これは幸いだというふうに考えておったわけであります。ところが、それが本年に入りまして、突如として、郵政省がこの間お出しを願った資料によりますと、三名の組合側の首切りと同時に、相当数停職減給というふうな処分が発表になっておるわけでありますが、どうもこれはわれわれが常識的に考えると、年末時の困ったときには、一応労使双方が円満に妥結したというようなことで郵便をどんどんはかしておいて、済んでしまって一挙に処分をするというふうなやり方は、どうも常識的に見て、世間的に見て、だまし討ちにしたのではないかというふうな印象が非常に濃いわけでありますが、その辺、大臣、事務的にどうこうということでなしに、政治家として常識で考えた場合に、その内容についてはいろいろ御意見があろうと思うけれども、表面上にはそういうふうに受け取られても仕方がない、こういうふうなやり方ではないですか。
  9. 迫水久常

    迫水国務大臣 処分食い逃げ処分だというような表現でのお話も、この前の委員会でありましたが、おそらく今それと同趣旨のことを森木さんは言われたのだろうと思いますけれども、今回の処分は、公務員法八十二条によるものでありますことは御承知通りでございまして、争議が円満に妥結したことはきわめて喜ぶべきことでございます。従って、その後においては、多くの人たち公務員としての任務を果たしてくれたから、年末年始における繁忙時期を無事乗り切ることができたのでありますけれども、その以前におきまして、公務員法第八十二条に抵触する行為のあった人に対しては、これは懲戒をすることが当然だと私は思っております。
  10. 森本靖

    森本委員 公務員法の八十二条というのを、ちょっと一つ人事部長、読んでみてくれませんか。
  11. 長田裕二

    長田説明員 読みます。  公務員法第十二条「職員が、左の各号の一に該当する場合においては、これに対し懲戒処分として、免職停職減給又は戒告の処分をすることができる。一、この法律又は人事院規則に違反した場合、二、職務上の義務に違反し、又は職務を怠った場合、三、国民全体の奉仕者たるにふさわしくない非行のあった場合」。以上でございます。
  12. 森本靖

    森本委員 その三項のうちのどれですか。
  13. 長田裕二

    長田説明員 専従君につきましては、第二の「職務上の義務に違反し、又は職務を怠った場合」は該当しないと思います。それから専従でない者につきましては、三号とも全部該当するわけであります。
  14. 森本靖

    森本委員 そういうこまかい問題についてはあとから追及いたしますが、その八十二条による処分ということになりますと、これは別に労働運動ということには限ってないわけですね。
  15. 長田裕二

    長田説明員 公務員法のこの規定そのものは、労働運動でそういう行為があった場合、あるいはそうじゃない場合、両方にもかかり得るというふうに考えております。
  16. 森本靖

    森本委員 そうすると、そういうふうな懲戒処分処分基準というようなものについては、一応郵政省にありますか。
  17. 長田裕二

    長田説明員 基準というほどはっきりしたものではございませんけれども、昭和二十四年ごろでございますか、処分をすることについて担当者指針のようなものは作ってございます。
  18. 森本靖

    森本委員 その担当者指針のようなものを一つ資料として御提出を願いたいと思いますが、できますか。
  19. 長田裕二

    長田説明員 さように心得ます。
  20. 森本靖

    森本委員 それじゃついでに聞いておきますが、かりに郵政省職員が、許可を得ずして二カ月も外国に密航して、密輸をやって帰ってきた。上級管理者は知らなかったが、あとから調べたらそれが判明したという場合は、首ですか。私は、当然首になるような事例だと思うのですが……。
  21. 長田裕二

    長田説明員 今伺ったお話で首にしなければならないかどうかという点については、まだ私ちょっと判断いたしかねます。
  22. 森本靖

    森本委員 これは完全に職務を放棄しておるわけですね。事実調査をして、私が言っておることがその通りであれば、たとえば郵政省職員——これはだれそれと言えばはっきりしてきますけれども、まだ言いませんが、かりに郵政省職員が、自分のもうけのために沖繩なら沖繩に密航して、密輸をしておった。それが二カ月も無断で行っておったという場合は、一体その処分基準はどうなりますか。
  23. 長田裕二

    長田説明員 行為そのもの内容と、動機だとか、その他いろいろな事情を考え処分をしなければならないことになりますので、今のお話では、相当非違であるというふうには考えますが、免職に該当するかどうかという点は、ちょっと本席では申し上げかねる次第でございます。
  24. 森本靖

    森本委員 本席では云々と言いますが、私が言っておるのは、それはあなたの方は事実調査をしなければわかりませんけれども、かりに職員が上司の許可を得ずして——はっきり職名を言ってもいいですが、そういう者が二カ月も外国——現在のところ沖繩外国ですが、もうけるために外国特産物を売りに行っておった。たまたま帰ってきて知らぬ顔をして勤務しておった。それが途中で判明をしたというような場合、これは明らかに職務放棄じゃないですか。それからまた、外国旅行その他の規定にも違反すると思いますが、もしそういう事実があったとした場合には、これはもう懲戒処分どころの騒ぎじゃないですか。ちょっとついでだから聞いておきますが……。
  25. 長田裕二

    長田説明員 相当非違であることは今のお話で十分わかりますが、どの程度処分ということにつきましては、なお私どもよく実際に当たってみませんと、何とも申し上げかねます。
  26. 森本靖

    森本委員 今の処分基準についてこの資料一ついただきたいということと、それから今度は、管理者労務関係講習会というものをやっておるようでありますが、この管理者労務関係講習会というものについての資料一つ私はお願いしたいと思いますが、今まで本省でやった講習会、それから郵政局でやった講習会、その講習会講師、それから講習を受けたいわゆる生徒、そういうものの範囲、それからこの講習会の全部の延べ人員、それから今後どういうふうに講習会をやるか、それからこの労務講習会全国講習会郵政局ごと講習会で、どの程度算予が使われておるか。それから講師一覧表、それから講習の目的、何のためにこういう講習をやったか。それからそういう講習をした講義の内容、これをすべてもらいたい。それから、こういう労務講習会をやっていかなる成果があって、いかなる欠陥があったか、こういう一連の総合的な資料を次の委員会までに早急に御提出を願いたい、こう思うわけでありますが、どうですか。
  27. 長田裕二

    長田説明員 できるだけ御趣旨に沿って提出するようにいたします。
  28. 森本靖

    森本委員 できるだけ御趣旨に沿うということでは、少ししかなくてもできるだけになるわけでありますが、私が今言った範囲内の資料はできますか。
  29. 長田裕二

    長田説明員 その成果欠陥などになりますと、これはなかなかなんですが、数字その他につきましては、出すことにいたします。
  30. 森本靖

    森本委員 それでは、私はいずれそういう資料が参りましてから、この間、同僚大柴委員からちょっと質問がありましたような内容についても、具体的に質問をしていきたい、こう思うわけでありますので、いずれそういう内容がわかりましてから、私ははっきり質問をすることにいたしまして、次の質問者同僚に譲ることにいたします。
  31. 佐藤洋之助

    佐藤(洋)委員長代理 田邊誠君。
  32. 田邊誠

    田邊(誠)委員 先ほど来森本委員からも質問がございましたけれども、郵政事業は非常に多岐にわたっていますし、特に戦後、年末年始にかけての郵便業務繁忙というものは非常に特異なものがあることは、大臣以下おわかりの通りでありますが、これらを含めて郵政事業の円滑な運行をはかるということは、非常に容易なことではないと思います。しかし、大臣もしばしば言明されているように、日々進歩されておる現在の経済状態の中で、戦前と比較をいたしましても、郵政事業は、それと相並行して正常な運行、発展を遂げているとは言いがたいのであります。ただいまの状態を見ましても、それがはたしてほんとうに正常な状態であるかといえば、必ずしもそうでない、不十分な点が数多くあると認めざるを得ないと思うのであります。これを是正するための方策は、いろいろございましょう。もちろん、労働条件の問題、要員の問題、施設の問題、それらを含めての予算問題等はございますけれども、しかし、いずれにいたしましても、その中で先進国と言われる諸外国郵政事業についてもいろいろな形態があるにいたしましても、それぞれ国の重要な事業として直轄ないしはそれに近い形態をとっているところの国、これを見ましても、人にたよる事業であるということは、これは疑いない事実である。そういう点から申し上げますならば、この人的な要素に対して、やはり正鵠を得たところの運営というものがなされておらなければならぬ。こういう状態でありますけれども、これはなかなか十分になっておらないわけです。従って、来年度の予算において、大臣組合との折衝でも言われましたが、強くいろいろと御努力をされ、一万五千名余の定員増、あるいはそれと同じような非常勤の確保を予算の中に盛られた、こういう格好になろうと思いますから、この御努力に非常に敬意を表します。そういう要求をされ、予算を盛られておるという、こういう形でありますから、少なくとも一年間を顧み、あるいはこの年末年始から現在ただいまのこういう状態というものは、今私が申し上げたような観点からいいましても、必ずしもどうも郵政事業というのは正常な状態、健全な状態、そういう状態にきておらない、こういうふうなことは、やはり大臣もお考えであろうと思いますけれども、そういう前向きの姿勢で大臣が御努力されておるという認識の上に立って、現在郵政事業というものが、どうもまだまだ将来に残された問題が数多くある、こういう点は同じような考え方でないかと思うのでありますけれども、あらかじめ一つ大臣所見を承っておきたいと思います。
  33. 迫水久常

    迫水国務大臣 現在の郵便事業について、これをもっと改善し、拡充していかなければならない点は多々あると私も思っております。ただ、その内容につきまして、田邊さんのお考えになっていらっしゃる多々あるというポイントと、私が考えている多々あるというポイントが、はたして一致するかどうか。多々あるという言葉は確かに同じですけれども、内容認識においてはたして一致しているところにおいて話がこれから進んでいくのかどうかということについては、私は、疑問でございますけれども、おそらくそういう点についてこれから御質問があると思うのでありますが、私は、抽象的に申しまして、改善を要すべき点は多々ある、その点は同感でございます。
  34. 田邊誠

    田邊(誠)委員 私が申し上げたように、そう警戒をなさらないで、もっと率直に、あなたも所管大臣でございますから、お答えをいただけばよろしいのであります。特に、これはたとえば郵便を主体にした事業だと見て、郵便についても、たとえばサイズが今多岐多様だとか、町名の問題があるとか、あて名を書く場合におけるところの非常に明確でないものを直さなければいかぬとか、これは町名、番地をはっきり書いてもらいたいとか、いろいろあります。ビルディングの配達問題等が、昨年来問題になってきたこともあります。そういう問題を含めていろいろあるといったのですけれども、しかし、その中心は何といっても人にたよらなければならぬことが、アメリカにおいても、日本においても、そのパーセントというものは違わないのであります。これはやはり郵政省から出されておる「目で見る郵便」というものを見ても、日本も、英国、アメリカ、フランスも、その人件費というものが約七〇%以上を占めているという状況から見ても、これは明らかなことであります。そういたしますならば、やはり人にたよる——機械化しなければいかぬ、近代化をしなければいかぬといっても、人にたよる事業であるから、そういった面から、やはり人と人との関係ですね、全体的な従業員の能率も向上しなければいかぬでしょうけれども、正常な事業に携わるという体制、これは何といっても一番の柱であり、重要な要素ではないか、こういうことを私は前提として申し上げたのでありまして、その点は大臣もやはり同じではないかと思うので、これはそんなに警戒されたり、ぼやかされないで、そういった郵政事業形態であるということの認識は同じではないか。それに対する御所見を承りたいと思います。
  35. 迫水久常

    迫水国務大臣 郵便事業が人力に非常にたよっておりますこと、まことに仰せの通りでございまして、従って、郵便事業というものの根幹は、人的な関係にあるということについては同感であります。
  36. 田邊誠

    田邊(誠)委員 その点は私の意見と一致したということは、これは当然の話でありますけれども、やはり前提条件をわれわれは確認しておきたいと思うのであります。従って、われわれは、今そういった従業員労苦の中でもって郵政事業がやられて来、しかもいろいろ御努力されておるということをわれわれ再三申し上げて、実は敬意を表しておるのですけれども、しかし、まだまだ労働条件の面においても、完全な意味において、ほかの官庁と比べて非常にいいとは見受けられないと思うのです。私どもは、小さな局も知っておる、いなかの局も知っておる。その中でもって営々として働いておる従業員労苦というものは、これは対組合という意識というふうにあなたがとられれば、またいろいろな問題が出るでしょうけれども、これは大へん努力をしているということは当然であります。従って、労働条件改善ということは非常に必要なことなんで、要員不足の問題も、今申し上げた通りであります。従って、やはり郵政の当局、その責任者は、これらの従業員労苦に報いるという道を講ぜられ、従業員労苦によく感謝をされる——という言葉が当たるかどうかわかりませんけれども、認められて、これの理解協力を求めるという立場というものが、やはりその根幹に流れていなければならないと私は思うのです。それが第一番目であります。  それともう一つは、何といっても、郵政事業の持つ特殊性独占性、つまり通信の秘密を中心にしたその事業の性格、そういったものと、国民理解国民協力、こういったものがあわせてなされておらなければならないということ、これも当然の話だろうと思うのでありますけれども、そういったお立場と、そういったお気持で、大臣は事に当たられているのではないかと私は確信をいたしますが、いかがでございますか。
  37. 迫水久常

    迫水国務大臣 おおむねその通りでございます。
  38. 田邊誠

    田邊(誠)委員 大臣が大体そういうことでいっているという話を聞いておるのでありますけれども、私も、従って、そういう言葉の上では非常に安心をし、信頼をしておる。しかも事実問題としては、今申し上げたように、特に戦後における年末首の問題がいつも大きな問題になって来、昨年もそういった問題が主になって混乱が起きた、こういう事態であったことは、大臣承知通りであり、また信頼をされて御努力された結果が、一応労働組合全逓との間における妥結になった、こういう形だろうと思うのです。  そこで、これは大へんないろいろな問題があったでございましょう。あったでございましょうけれども、私は、十一月十五日の未明において全逓大臣妥結をされたそのことによって、相当双方が言っているところの数は違っても、滞貨が一掃というところまでいったかどうかわかりませんが、大体そういう状態になり、年末首の事業が切り抜けられた、こういう形であろうと思うのであります。そこで一つ郵務局長も今お着きのようでありますけれども、そういうことは、別に私答弁は求めませんけれども、大体うなずかれているからあえて答弁を求めないのでありまして、よろしい、こういうことでありますならば、昨年来の年末首の状態というものは、今、結果として見た場合に、どういう状態でしょうか。年賀はがき配達状態というのは、これまでの年末首に比べて、一体どうでしょうか。昨年の一月元旦、こういったものと比較をして、要するに前年と比較をされて、ことしの年賀はがき配達状態は、一体どんなものでしょうか、これが第一番目。  時間をなるべくとりたくないから一緒にお聞きしますよ。超過勤務は、一人大体どのくらいにされましたか。これはもちろん普通局、特定局含めて、いろいろ違うでしょうが、平均をして超過勤務従業員一人でどのくらいされましたか。最高のピークは一体何ぼくらいですか。それからアルバイトは一体何名くらい雇われましたでしょうか。ちょっと賃金一緒にお聞きをしておきましょう。それから大体十二月十五日ごろからと考えてよろしいと思うのですけれども、正規の従業員年次有給休暇というのは、その間において一体どういうふうな工合にしてとられておるのか。あるいは平常と違うことをわれわれは認識をした上に立って、年次有給休暇というものの処理の仕方を、どういうふうにあなたの立場からやられてきたか。この点に対して、一つ一括をしてお伺いをしたいと思います。
  39. 西村尚治

    西村政府委員 第一点の、本年度の年賀郵便配達状況は、昨年、一昨年に比べてどうだという御質問でございますが、この点につきましては、昨年、一昨年に比較いたしまして、良好であったということはまず言えると思うのであります。どういう点が良好であったかと申しますと、三十一日に到着いたしました打ち切り便までの到着数のうちで、元日に配達されましたものが九三%だった——実は今そういう資料を用意しておりませんで、あとで係の者が参りましたら、その中に資料があろうかと思いますので、参りましたらもう少し正確に申し上げますが、大体九三%程度だったと存じます。それから三十一日一ぱいに到着いたしましたものは、おおむね一〇〇%近いものが三日までに完配されたのでございまして、これは昨年などの例で見ますと、三十一日一ぱいに到着いたしましたものでも、五日に配達され、あるいは七日−十日ごろに配達されたものもかなりあるわけなんでありまして、絶対数からいいますと、そう大きな開きはないのでありますが、だらだらといつまでも配達されたものが残ったという点におきまして、昨年、一昨年に比較して、ことしはさっともう三日くらいまでに完配できたという点が、大体良好だったと言える点だと思うのであります。  それから超過勤務は、大体最高四時間くらいと思いますが、実はちょっと急のことで、こまかい資料を今まだ持ち合わせておりませんのですが、あとで係の者が来ますと、その資料の中にあるいは入っておると思いますが、大体四時間程度のはずだと思います。  それから、アルバイト賃金の点につきましては、一つ人事部の方から……。
  40. 長田裕二

    長田説明員 非常勤賃金の単価は、大体東京都内あるいは大阪市内あたりにおきまして、通常、内勤三百八十円ぐらい、外勤四百三十円ぐらいでやっておりましたが、年末首につきましては、外勤では最高六百円、内勤では五百円までということにしております。なお、元旦以降の数日間につきましては、若干の割増しをつけ得る態勢にしてございました。
  41. 田邊誠

    田邊(誠)委員 これから本会議が始まりますから、その間に調べておいて下さい。いいですか。これは非常に重大なことなので……。  さっき郵務局長の言われた一番最初の点はわかりました。しかし、その次の超過勤務の四時間というのは、これはあなたの間違いでしょう。十二月十五日からピークに至る間ですからね。大体年末首において、最高は一日どのくらい超過勤務を正規の従業員がやるといったことになるのか。そうして平均をされれば、一日が四時間なら四時間、そして年末首における超過勤務の時間は、延べ一体何ぼくらいになるのか。一人平均でいいです。それから年次有給休暇の問題はお答えございませんから、これは調べておいて下さい。こんなものはすぐわかるはずですから、ぱっぱっといくようにお答えをいただかないと、質問しづらいわけです。  そこで、それをお聞きしてから次の質問に入るのが順序でありますが、実は今お聞きをした点でも、大臣承知のように、ことしの年末首は従業員の非常な努力——あるいは郵政当局に言わせれば、それに対する対策がうまくいった、こう称するでしょうが、先ほど大臣から、何といっても従業員努力が非常に必要だそれに対する協力理解が必要だ、こういうお言葉があり、これを前提にして特に年末首を切り抜けられた、こういう事態というものは、郵政全体として見た場合には非常によかったことではないか、私はこういうように思うのであります。これは何といっても人的要素にたよるところの郵政事業、その中における特に郵便事業、こういった面から言いますならば、従業員のこの労苦というものをわれわれは認めなければならぬ。そして従業員はやはり非常に良心的であり、まじめである。従って、事業を愛しているからこういうことになったと私は思うのであります。これはやはり何といっても事業を完遂しようという気持が、この年末首を切り抜けさした。特に十二月二十七、八日ごろから始まって一月の三日から五日くらいまでの間におけるあの涙ぐましい努力に対しては、そういった従業員の気持というものは、やはり当然認め、またくんでやるということは、郵政事業に携わる者のだれ一人として異論のないところだろうと思うのでありますけれども、そういったことも含まれて、今年の元旦をピークとするところの年賀の配達が、一応前年度等に比べて良好にできた、こういう御認識でございましょうな。
  42. 迫水久常

    迫水国務大臣 懲罰をいたしましたときの大臣談話で、私は、「今次年末年始郵便業務運行が近来にない成績をおさめたことに関し、従来員諸君の努力を高く評価し、」、こう言っておるのでありまして、公務員の本来の面目の通り、従事員諸君が非常に一生懸命やっていたことについては、高く評価いたしております。
  43. 田邊誠

    田邊(誠)委員 従って、そういう従業員の気持というものは、私は、事業をやっている者の日ごろから持っておる一貫した精神であり、気持だろうと思うのであります。あの時期までは、事業に対しては気持の上では非常に不熱心であり、あえていうところのサボをやり、怠業をする、そういう精神である。あるいはむずかしくいえば思想である、そういった考えを持っておる者が、一転をして事業愛に転ずるというようなことは、これはあり得ないことである。そういうように豹変をするということは、あり得ないと思うのであります。ですから、本来的に、郵政従業員というものは、私自身もそういうものに携わった一人でありますが、非常に下積みの生活の中でもって黙々としてこれに挺身してきた、こういった事態というものをやはり認めなければならぬ、私はこういうふうに思うのでありまして、何か一つの時期を画してこれが急に変わったのだ、こういう御認識ではないでしょうな。
  44. 迫水久常

    迫水国務大臣 きわめて大部分、むしろほとんど全部の従業員の方々が、終始一貫郵政事業を愛して、公務員の法律にあります通り、全力をあげて国民に奉仕する気持でやっておられるものと、私は確信をいたしております。
  45. 佐藤洋之助

    佐藤(洋)委員長代理 この際、本会議散会後まで暫時休憩をいたします。    午後二時休憩      ————◇—————    午後二時二十八分開議
  46. 佐藤洋之助

    佐藤(洋)委員長代理 これより再開いたします。  休憩前に引き続き、質疑を続行いたします。田邊君。
  47. 田邊誠

    田邊(誠)委員 さっきの質問に対する事務当局の数字の御回答をいただきます。
  48. 西村尚治

    西村政府委員 申し上げます。超過勤務はどの程度やったかという第二番目の御質問でございますが、これにつきましては、大体一人当たり一日に四時間から五時間を最高としておるようでございます。それで一人当たりの十二月一ぱいにおける超過勤務時間は、最南で七十時間ぐらいした人もあるようでございます。最低で五十時間ぐらいの人もあるようでございます。あとは、大体その間の時間の超過勤務をしてもらっておるわけであります。  それからアルバイトでございますが、賃金単価については人事部長から申し上げた通りでありますが、総原資の御質問もあったようですが、これにつきましては、約四億二千万ほどならしてございます。これにつきまして、延べ人員大体百二十万人程度という見込みでやったのでありますけれども、実数が幾らになりましたかはまだ集計ができておりませんので、ここで申し上げるわけに参りません。  それから一番最初の年賀の配達数でございます。私九三%と申し上げましたけれども、これは実は二十八日までに引き受けましたものの全国における配達数でございまして、三十一日の正午までの分でしたら、九七・四%配達したことになっておりますので、訂正させていただきます。
  49. 長田裕二

    長田説明員 なお、年末首の年次休暇のとり方でございますが、全体としてまとめた数字は持ち合わせございませんのですが、個々の職員に年次休暇をやりますのに、自由付与と計画付与という二本立で大体やっておりまして、一年分のうち十二、三日分くらいを大体計画的に、何月何日ごろにというふうに、初めから予定を立てて休暇をやっておりますが、そういうものの計画付与の仕方は、年末首の繁忙にかかりますと、初めから付与しないような計画になります。それから、それ以外の自由付与の問題については、個々の人の事情にもよりますけれども、年末首はそれぞれの職場で、いろいろ相談をいたしまして、たとえば三日間はもう休まない、休日給で仕事をしてもらうとか、そういうような申し合わせをしている職場が多いように思います。
  50. 田邊誠

    田邊(誠)委員 今重大なことがちょっと抜けておってなにしますが、アルバイトが、実際に郵政当局がお考えになったような工合に集められて、それで正規の職員との間において事務を助け合いながらやられるという姿が、一体どの辺が一番均衡のとれたと言いましょうか、逆にいえば、やむを得ざる措置であるか。また、実際上、アルバイトというものが、今年度において、人事部長答弁されたような給与措置の中でもって、この年末首の繁忙のための業務に携わったのかというところが重要なんでありまして、その点に対してもう少し、今すぐわからぬければあとでけっこうでありますが、おわかりになれば、お知らせいただきたいと思います。
  51. 西村尚治

    西村政府委員 実は、年末首繁忙の業務量というものは、私どもの方で一応の想定を立てまして、たとえば年賀はがきでありますと、引き受けが十一億四千万通、小包でありますと、千二百万個といったようなことで大体の想定を立てまして、それによって業務量というものを算出いたします。その算出しました業務量をどういう労働力で処理するかということにつきましては、賃金要員でその業務量のうちの六〇%を処理し、あとの四〇%は常在員の超過勤務によって処理するという想定のもとに、ただいま申しましたような経費もならし、また、超過勤務その他の手当もして、対処したわけであります。
  52. 田邊誠

    田邊(誠)委員 まあ事実問題が明白でありませんから、ここでもって論争するということにいきませんから、その点は抜きにいたしますけれども、私どもが承知をしているところでも、かなりことしはアルバイトが単価を上げられたけれども、しかし、局によっては非常に集まったところもあるし、あるいはなかなかよう集まらぬで、困難を来たしたというところもあったわけであります。これは当然な話であります。これは年末首というような特殊な切り抜け対策をどうするかという、これから先の問題にもかかって参りますけれども、やはり今四〇、六〇というような話をされましたが、はたしてそれが適切であるかどうかは研究を要しまするが、なるべく常在員が、過度の超過勤務は避けるにいたしましても、仕事がなれておる諸君でありますから、能率が上がる、こういう形でもって仕事がされて、それでもって足らざるところはアルバイトが補う、これが本来的な行き方であろうと私は思うのであります。そういった点を実はもう一度私は機会をあらためて質問をいたしまするから、一つ実態というものに対する御検討をお願いいたします。それで、先ほど森本委員からも資料の要求がございましたから、先ほど私が言いましたところの、足らない点を当委員会に御提出をいただければ、さらに私もど今後の郵便事業の対策にいろいろと研究の資料になると思うのですが、それはよろしゅうございますな。——それで、先ほど大臣にお尋ねをいたしましたように、いずれにいたしましても、年末首は、回りくどくいろいろ今私お願いをして数字を並べていただいたわけでありますが、概括的に言いまして、かなりの超過勤務がやられて、そうして年次有給休暇も、計画休暇なんていうことをされることが適切であるかどうかという問題がありますにいたしましても、要するに、なるべく年次休暇もとらないでこの仕事に携わった、こういう事実は、これはもう見のがすことのできない事実だろうと思います。そういう点でありますから、従業員はきわめて良心的に仕事に携わってきた、これは私は前提条件だろうと思う。ところが、私は、両三回にわたるところのこの年末首のいろいろな問題、あるいは今年に入ってからの処分の問題について、森本、原、大柴、その他の方々からいろいろと質問があったことに対する逓信委員会大臣の御所見を承ってきたわけでありまするけれども、それらを総合いたしますると、何かしらやはり労働組合というものが、過度に業務に対して非協力的である、そうして組合という集団が、この年末首を通じて闘争の戦術としていろいろと妨害をした、こういうことがあったという話をされたのであります。個々の人間がきわめて善人であっても、あるいは多数おった場合に、その結果というものがイコールというふうに出るかどうかは、これはいろいろ問題の余地がございましょう。しかし、私は、やはり従業員の中の大半というものが全逓労働組合員である、こういう立場でいきまするならば、やはりその基本というものは、決して事業を愛さないものじゃない。事業に対して非協力的な立場をとらんとして、最初から意識してその行動をとろう、こういう状態であったというふうに見ることは、これは誤りではないかと思います。しかし、いろいろ組合の決定もあり、いろいろ組合の方針もあろう。こういう中でもって、いろいろな問題が、郵政当局に言わせれば、起こったというのでありますから、この点は、私は、基本的にその気持をふんまえて、それでものの解決に当たられる、これが正しい道だろうと思うのでありまして、大臣努力をされたという経緯も、私は、そういう観点でものを処理された、こういうふうに判断いたすのでありますけれども、一言でけっこうでありますから、御答弁をいただきたいと思います。
  53. 迫水久常

    迫水国務大臣 お話通りでございます。
  54. 田邊誠

    田邊(誠)委員 昨年の年末始、特に年末におけるところの全逓労働組合がとって参った態度というのは、いろいろございます。その要求項目も、要員、仲裁裁定の組合案の実施、貸金の問題等、いろいろな問題を含めて数多くあったわけでありまするけれども、これらのいわゆる目標を掲げまして、いろいろと組合は活動をしたわけでありまするけれども、その中で、主として全逓がとったところの、当局側から見たところの一つやり方組合流に言えば戦術、こういったものが、一体何であるというふうに人事部長はお考えでございますか。
  55. 長田裕二

    長田説明員 実は、一昨年の年末におきましては、十二月十二日に時間内職大を大体計画いたしまして、十日まで団体交渉を続けてきて、十日の朝妥結したという状況でございまして、昨年におきましては、夏ごろから、ことしの年末では増員の問題が非常に大きな項目になるということをうたい、さらに例の給与の仲裁裁定の配分の問題で省に相当圧力を加える必要がある、また、その他最近省がやっている幾つかのことはまことにけしからぬので、そういうのに圧力を加える必要があるというような観点からいたしまして、七月の末ころに順法闘争——普通俗に順法闘争と申しますが、そういうものを中心にした一つの指令なり指導文書というものを流しまして、大体それが十二月十五日の朝妥結するまで、そういうものを中心にしまして、ときによって強化したり何かしながら進めてきた、そういうふうに考えております。
  56. 田邊誠

    田邊(誠)委員 特に今までの活動の仕方と顕著に違うといいましょうか、あるいはやり方が変更されたといいましょうか、そういった点は何といっても超過勤務の問題だろうと思います。そして十一月十九日以降時間外勤務に関するところの、いわゆる三十六条協定を結ばない、——私はこれは釈迦に説法でございまするから、労務関係担当者である長田人事部長にお答えいただくことはいかがと思いまするけれども、これは今までの一斉職場大会その他いろいろ見解の相違がございますが、これは時に労働省の見解を求めなければならぬ面もありましょうけれども、これはなかなか統一的な行動であります。そしてまた瞬間的に盛り上げるという意味においては、きわめて、いわゆる鋭い形の戦いの方針であります。しかし、超過勤務の問題は、これとは根本的に態度、そのやり方が違うのであります。これは、御案内の通り基準法によるところの、いわゆる八時間労働、これをこれ以上さしてはならないというのが基準法でございますな。そして、三十六条協定というのは、これはそういう原則であるけれども、しかし事業のいろいろな形態の中から、三十六条、いわゆる三十二条やあるいは四十条、三十五条等の特例として、従業員ないしは過半数の労働組合と協定を結んで、——協定を結んでということは、そういうふうに一つやってもらえないかという協力を求め、それじゃよろしい、やろう、こういう態度が承認をされて、そこでもって超過勤務をやらせることができると労基法は規定をいたしておる。従って、これはいわば原則から見れば特例であります。私の言い方が悪いですから、あるいは誤解を生むかもしれませんが、当局側から見れば、どうかその従業員の諸君あるいは過半数の全逓労働組合の諸君、ぜひ特異な年末首の形態であるから、原則は原則だけれども、一つ何とか超過勤務をやってもらえないかという、こういう依頼をする、お願いとっいては語弊がありましょうが、依頼をして、それに対して協力を求める、理解をしてもらう、こういう立場であろうと私は思うのでありますけれども、その点いかがですか。
  57. 長田裕二

    長田説明員 職員の勤務時間がきまっておりまして、それ以上の超過勤務をしてもらうのにつきまして、労働基準法三十六条に基づきます協定が要る。それを結ぶ際の使用者側のあり方としては、協力を求めるという心組みであるべきだという点については、私どももさような心組みでいるわけでございます。職員の側につきましては、職員の福祉を守るという観点から、やたらに勤務時間が長くならないということ、自分らの福祉を守るという観点から、勤務時間が相当延びることについて、ある程度自分らの意思を反映させるという制度の建前はもとより当然だというふうに考えております。
  58. 田邊誠

    田邊(誠)委員 大体私の言ったことと基本的には変わりないわけです。ちょっと言葉のニュアンスが違う点がありまするけれども、いずれにしてもこれは特例であり、できるという立場であります、そうして原則は八時間以上さしてはならないという労基法のこれは文字通りの正当な解釈であります。そういった点から言いますならば、これはその他の、いろいろ先ほど部長が言われましたような一昨年までとって参ったような組合の方針なりやり方というものと、これは昨年の十一月十八日までは結んでおったわけですね。十九日以降の超過勤務をやらないという、こういうこととは、これは法律的に見ましても実体的に見ましても、日本の労働通念から見ましても、これはおのずから違う、こういうことに私は相なろうと思いまして、それが何かしら超過勤務をやらぬことが非常に悪いことであり、法律に抵触することであり、法律に違反することである、こういう前提条件、いわゆる何かそういう観念、こういったものが前提で事が判断されるということは、これは私は大きな誤りであろうと思うのでありますけれども、その点は間違いない事実でございましょうな。
  59. 長田裕二

    長田説明員 十一月十八日まで夏ごろから超過勤務を結ばれました期間が相当多かった。あるいは一昨年と比べれば多かったということは、もうおっしゃる通りでございます。で、十九日以後超過勤務を拒否いたしまして、十二月十五日に至ったわけでございます。ただ、私ども考えますのに、年末闘争につきまして幾つか要求項目を掲げ、その要求を貫徹する手段として超過勤務の拒否をすることは大体妥当ではないのではないか、そういう考え方は持っているわけでございます。ただし、今回の処分につきまして、そういう点を特に加味したとかなんとかいうようなことまでには立ち至っておらないわけでございますが、考え方としては、そういう行き方は妥当ではないというふうに考えておる次第でございます。
  60. 田邊誠

    田邊(誠)委員 まだ私は処分のことを言っておらないのに、人事部長がだいぶ先走って処分のことを言ってもらいたいようだから、それじゃ言います。そういうあなたの方で言ってもらいたいということなら、黙っていることはないから言いますが、しかし、年末首だから結ばないから妥当ではない、妥当ではないという言い方は、私はちょっといかがかと思いますね。もちろんそれは結んでもらいたい。郵政事業に携わってもらうものだから、年末の特殊な事情を知っておるのだから、これはぜひその点は理解をして結んでもらいたい。こういう立場はありましょう。それ以上のものではないでしょう。それをやはり部長は妥当ではないという。これは一般的な通念としては、あなたが民間人として、通念としてお持ちになるのは、これはありましょう。しかし、もちろんわれわれも郵政事業の特異性は認識をしておるから、通例の場合ならば、それは一番微妙な時期に超過勤務の協定がないといたしましても、年末首に結ぶということは、これはやはりあり得るでしょう。あり得ますよ。しかしこれはやはり何と言っても今私が申し上げて御答弁をいただいたような、これは労基法の原則というものを曲げてはならぬのでありますから、そういった点から言いますならば、これは年末首はほんとうならば——私は進んだ諸外国の例を引用することはあまり得意でありませんけれども、しかし年末首もこれは決して超過勤務なり、特別な超過労働を課さなくてもやっておるという国がふえてきている。これは事実です。そういたしまするならば、これはやはり日本の特殊事情であり、現在の郵政事業の持つ一つの特異性、その中にはあるいは大臣がたびたび言明されておるような、改めなければならぬ特殊性もあると思うのであります。日曜配達等の問題もございましょう。お年玉つき年賀はがきという問題は、戦後現われた一つの特異な現象である。こういったことを考えてみたときに、原則というものは、やはりあくまでも超過勤務をやらないということが、法律違反でもなければ、それに抵触するものでもないし、悪いことをやっているのでもない。こういう通念というものは、管理者側であろうと、あるいは従業員であろうと、労働組合員であろうと、当然持っておるところの現在の労働通念であり、そしてまた郵政当局も持つべき通念であると思いますが、その点もうちょっとはっきりして下さい。
  61. 長田裕二

    長田説明員 三六協定を結ぶにつきまして、職員側が自分たちの健康を守るとか、そういう観点から相当イニシアチブといいますか、自分の意向を反映させるという体制であるべきことは、先ほど申し上げた通りでございますが、ただ郵便事業につきましては、ある程度先生も御承知のように、相当特殊性がございまして、郵便物の入ってきます量、流れの状況などに応じて、ある程度こちらで作業しなければならない。相当大きな工場生産などですと、初めから事業計画を立てて、進んで仕事ができるわけでございますけれども、これは受け身の作業でございまして、結局それを円滑にやっていくということになりますと、ピークに合わせて人を配置することができないということになりますれば、やはり郵便事業特殊性として若干の超過勤務というものは——もちろん非常に多い時間で職員の健康を害するようでは困りますけれども、若干の超過勤務というものは、いわば郵便事業特殊性から出てくるものではないかというふうに考えるわけでございます。  なお、年末の問題につきましては、実は夏ごろから、先ほど申し上げましたような組合側のいろいろな対策としましては、要するに順法闘争等によりまして、郵便物をともかくためて、その圧力によって自分たちの要求を貫徹し、闘争目標を獲得するのだ、ついては途中で三六協定を結ぶけれども、省の超過勤務の原資を枯渇させるためでもあるのだといううたい方をしているわけでございます。しかし、そういううたい方をしておりましても、実際に超過勤務をしてくれた点は多としなければならないというふうに私ども考えておりますけれども、そういうことが今度は、年末の一番忙しくなりましたときには超過勤務をしないのだという形は、事業にとりましてはもとよりのことでございますが、私は郵政人として、労働基準法三十六条の運営に当たるものの心組みとしては、やはり妥当ではなかったのではないかという感じを持っています。
  62. 田邊誠

    田邊(誠)委員 先ほど大臣との質問の中で、私は従業員に対して協力を要請するということを申し上げた。それと同時に、そういう従業員を良心的な立場で見て、大臣が先ほど読まれたような大臣声明というか、言明といいましょうか、そういったものが出されたことに対しては、私はけっこうであると言ったのです。それと一緒国民に対して、それと同じような気持でもって、この年末の問題について、やはり郵政当局は正しい認識国民に与えて理解を求める、こういったことが必要であろうと思うのでありますけれども、そういう立場国民理解を求めるような、こういった手段を一体講じられたかどうか、御答弁いただきたい。
  63. 大塚茂

    ○大塚説明員 郵政事業の運営につきまして国民協力を求めるということは、これまた不可欠のことでございまして、年末に際しましては、早期差し出しとか、府県区分をしていただくとか、いろいろなことにつきまして国民の御協力をお願いいたしまして、非常に協力していただいておるというように考えております。
  64. 田邊誠

    田邊(誠)委員 それとともに、さっき言いましたように、対組合なり対従業員なり、こういうものに対しても正しい認識国民に与えなければならない。これは親と子の関係ですから、あなた方その点は十分御存じだろうと思いますが、そういう立場に立って事に処するという気持でもって、郵政当局の考え方に対しても協力を求める、これがやはり必要なことだと思いますが、その点はどうですか。
  65. 大塚茂

    ○大塚説明員 この組合員と従業員というものは必ずしも一体ではございませんで、ある場合には私ども区別をして考えなければいけないと思いますが、組合事業協力をしたか、あるいは業務の正常な運行を阻害したか、しかし、従業員としては非常に協力的であったかどうか、というような点などいろいろ区別をして考えるべき点がございますが、とにかく先ほど大臣からもおっしゃられましたように、従業員としてはほとんど大都分の方々が事業のために協力をして下さった、その点については私ども非常に高く評価をし、それについてはまた国民に対しても、先ほどの大臣の談話等において高く評価をしておるのだということを発表いたしておる次第でございます。
  66. 田邊誠

    田邊(誠)委員 さっきから私が発言をしておるように、従業員組合員あるいは組合、こういうふうに規定をすることについてはもちろん異論がございましょう、しかし、いずれにしても、この従業員の大多数をもって組織しておるところの、労働条件の維持改善のための、認められた組合というものが全逓という組合であることは御承知通りであります。従って、その点はうらはらであると見なければならぬ。別個の人格と見ることはできません。そうしてその大多数というものは、きわめて良心的に仕事をされたというこの実績は、今御答弁の中でもって明らかにされた通りであります。そういう点から見まして、この組合というものを、あるいは従業員の中の大多数の人と言ってもいいでしょうが、これを敵視し、これをあらかじめ何か悪いものであるように規定してかかって、これに対して対抗するというような意識でもって郵政当局が動かれるということは、これは私はきわめて遺憾なことであると思うのであります。  十二月八日の消し印で、大臣官房秘書課広報室から私の宿舎に「ゆうせいトピックス」というものが参りました。これを私はずっと拝見いたしました。そういたしますと、「年末を迎える省と全逓のうごき」というものが載っております。その前に、「郵便事業の本質と遅配問題」ということで大学教授の御説が載っておりますが、これは大学教授の御説でありますから、これを載せたことに対していろいろ問題があろうと思いますが、これは一応別といたしまして、その次に「年末を迎える省と全逓のうごき」というのがある。そうしてその表紙の第一番目に「郵便事業に愛情を、大臣組合協力要請」、第二番目に「年末には協力しない、全逓中央委員会で決定」、第三番目に「全逓の不信をつく、大臣談話を発表」、第四番目に「三六協定を戦術に利用するな、大臣重ねて談話を発表」、第五番目に「全逓の年末闘争指導の新たな動き」というものが載っておるのであります。この表紙をごらんなさい。これを見られたら、今あなた方が説明をされたいかなる言葉をもってしても、従業員あるいは組合員に対して正しい判断と正しい認識でもって相対して事を解決しようというふうには、私どもにはどうしてもとれないところの目次である。官房長の御案内には「全逓は、四万人の増員等の要求をかかげ、要求が解決するまでは年末の郵便業務には協力しないこととし、超過勤務をしないで、しかも、能率ダウンにより郵便物をためようとする闘争体制をかためております。」云々と書いてある。これは一体どこに出されたのかお聞きしましよう。官房長がおいでにならなければどなたか御存じでしょう。一体どこに出されたのですか。ナンバー十二となっておりますけれども、私は郵政関係に幾らか関係がある議員だからというのでよこしたのか、あるいは全議員に配られたのか知りませんが、初めてちょうだいしたのだ。ナンバー十二となっているが、その後もちょうだいしていない、これだけちょうだいしたのであります。中身を見ますと、実はいろいろ組合の方針についても、さっき言いましたように、いわゆる要求が貫徹をしなければ超過勤務は拒否するんだ、こういうふうに載っている。しかし表題はそうなっていない。これは一体いつも出されているんですか。ナンバー十二ですから、出されているのでしょうけれども、何部くらい刷って、どういう方面に配られているのですか。そして私に対してどういう立場でもってか知らぬけれども、この号だけどうして特別に送ってこられたのか、この点に対する出所を明らかにして下さい。
  67. 吉灘中

    吉灘説明員 「ゆうせいトピックス」は千部刷っておりましたが、その後今正確に期日を覚えておりませんけれども、募れのころから部数を五百部ふやしまして、千五百部印刷しております。  配付先でございますが、新聞関係、ラジオ、テレビ、雑誌、要するに部外の広報機関に主として配っております。部内にはほとんど配っておりません。
  68. 田邊誠

    田邊(誠)委員 今お話がございましたように、報道関係その他に配られておる。私のところにたまたま送ってこられて、そうすると、あんなやつのところに送ったんじゃあとで文句を言われると困るから、以後送らないというのであるいは送ってこないのかもしれません。これは非常に問題なPR文書です。こういうものを引き続き省の方針として、いろいろなニュアンスの違いというものはあるが、その積み重ねの中から、こういったものが出てきたんだ、ずっと一見すれば、大臣がさっき言われたような精神がわかるというなら・それはまた別ですよ。これだけ送ってもらってごらんなさい。どう見たって最初から全逓という組合を敵視し、これが事業協力しないんだ、従って、断固としてこれに対しては処罰をするということが一番最後に載っている。こういったことだけをPR文書として出されて、はたして郵政当局は従業員を愛し、事業を愛し、その円滑な遂行を期するために一生懸命やってきたというように言えますか。あなたはあるいは御存じないかもしれませんけれども、あなたは国会の中でそういう御答弁をされているけれども、事実問題としてこういうことをやられておる限りにおいて、郵政当局のほんとうの意味におけるところの年末を正常に切り抜けたいという誠意、努力というものが、内に対しても外に対してもあるかどうか、疑わざるを得ないと思うのですよ。
  69. 迫水久常

    迫水国務大臣 先ほどから申し上げております通り従業員のほとんど全部の人は、非常にまじめに公務員としての本分を尽くそうとして努力する気持でおられるということを私も認めます。その通りだと思います。ただし全逓の指導者の中には、そういうようなものの考え方はいけないので、当局に対して要求を貫徹するためにはこういうようにしなければいけないという、そのような指導をしておるということは事実でありまして、私はその「ゆうせいトピックス」をよく読んでおりませんけれども、今あなたは表題の書き方が悪いというおしかりでありましたが、内容を見れば当時の事実をそのままに書いておるのではないかと私は思います。  現に指令第四号というのを私は読みました。そういうようなものを読んでみますと、率直に言って、全逓の指導部の考え方というものが、われわれの逓信一家であるほとんど大部分の人、あるいはほとんど全部の従業員もほんとうにこういう気持があるのかなと実は疑うような、そういう部面もずいぶん出てくると思います。今あなたのお言葉の中に親子の関係だということがありましたけれども、指令第四号の指導文書には「敵」という言葉が随所に出てくる。敵対行動をとるなと言われる言葉は、私はほんとうに当時の全逓の幹部にも申し上げたのですけれども、お互いに敵ではないじゃないかというお話を私はしました。私の方は全逓を敵とも決して思いません。むしろ敵と言っておるのは全逓の方の側から言われておるのでありまして、従って三十万になんなんとする全逓従業員は、組合員であると組合員でないとにかかわらず、一つの国家の事業である郵政事業従業員として、ほんとうにまじめに働いておられるということを前提として私は郵政大臣を勤めておるのでありまして、この前提がくずれたら、郵政大臣を勤める土台がなくなってしまう、こう思います。
  70. 田邊誠

    田邊(誠)委員 組合の機構の問題、組織の問題について触れるような御発言がございました。大部分の従業員は非常に良心的であって、信頼をするに足る人たちである。しかし、組合の幹部の中にそういうものでないものがいる、こういうお話であります。これはもちろんあなたが近代的な労使関係に対して熟知された方であるという前提で、組合の幹部はどういう形で選ばれるかということについても、言わなくてもおわかりの通りであります。これはいろいろ民主的な手続をとられて組合の幹部が選出されておるという形であります。従って、それに対する不信があるとすれば、当然組合の内部でもってそれに対する手続もとるでありましょう。あるいはまた組合の中央における考え方が悪ければ、下部はそれに対して違うような行動をとる場合もあるでしょう。しかし、現実の姿として、全逓というものは大多数の従業員をもって組織しておる厳然たる組合であることは間違いのない事実であります。こういうことはうらはらな関係でありますから、大臣言葉の端の中でもって言われたのでしょうけれども、確かにこの中に書かれておることは、十一月中に一つ解決してもらいたい、その大臣の話に対して、組合も十一月中に懸案を解決することについては賛成であると言っておる。こういうことを書いてありますけれども、しかしぴんとして感ずるところ、PR文書としてあなた方がねらっておるねらいはいずこにありやということは、これを見れば大体わかります、そういうことをわれわれとしては避け、そういったことを排除するという形の中でこそ、初めてほんとうの意味における業務の円滑な遂行があるのではないか、こういうように私は考えるのです。これは何も「ゆうせいトピックス」だけではありません。大柴委員逓信委員会でもって発言されたように、管理者教育としての「新しい管理者」という本がございます。それを引用されました。その中に、要約して言えば、反動と言われるくらいでなければりっぱな管理者とは言えないのだ、こういうことがあります。これはあと大柴委員がまた質問されると思うのですが、事のついでですから申し上げる。文書をここに持っておりませんから、内容には触れませんが、これは表現が悪いと言うけれども、表現の問題ではありませんよ。反動と呼ばれるくらいにならなければ、りっぱな管理者と言われないというような、これは単なる表現のちょっとした違いでもって、あるいは言葉の使い方が悪かったといったようなことだけでもって済まされる問題じゃないのであります。今の「郵政トピックス」と同じような、うらはらの中でもってそういったことが行なわれておるということに問題があるのです。「新しい管理者」というのは、管理者教育の手引きとしてはその後撤回されましたか。変更されましたか。
  71. 長田裕二

    長田説明員 管理者の訓練はしばらく前から昭和三十六年度の分は終わってしまっております。
  72. 田邊誠

    田邊(誠)委員 私の言うのはそういう方針を改めたかというんです。
  73. 長田裕二

    長田説明員 三十七年度にどういう訓練をやるかということはまだきめておりませんが、もしこういうテキストを作るような際には、そういう適切でない表現は避けるようにするつもりでございます。
  74. 田邊誠

    田邊(誠)委員 表現でなくて、そういうあなた方の気持というものが現われており、われわれはその精神が間違っておると思うけれども、そういった考え方を改めるかと言っておるんだよ。大臣の話とあなたの今の答弁とはしっくりいっていません。ちゃんとPR文書も出され、そういった手引きを出され、その中で現場の管理者にまであなた方の思想を植え込まれているという問題があるから、言い回したような表現で書いてあるけれども、その精神が違ってなければ、変更されなければ何もなりません。その点どうですか。
  75. 長田裕二

    長田説明員 実は幾つかの職場におきまして、管理者が当然やるべきことをやろうとする場合に、それはけしからぬ、反動だというようなことを言われる。それで管理者がその当然やらなければならないことをちゅうちょしたりするような雰囲気も見受けられましたので、そういう自分が当然やらなければならない、あるいは当然やるべき事柄をやる場合に、反動などと言われてひるんではいけない、そういう言葉をおそれないでしっかりやらなければいけないのだ、そういうつもりで書いたわけでございます。反動ということがどういうことかは別として、当然やらなければならないことをやる場合に、反動管理者だと言われたりすることをおそれて、それをちゅうちょすることがないようにしよう、そういう趣旨で私どもは書いたわけでございますが、その表現が適切でなかった点がございますので、今後同じようなこういうテキストを作ります場合は、書き改めることにしたいというふうに考えております。
  76. 田邊誠

    田邊(誠)委員 これは大柴委員の分野ですから、あなたの今言ったような言い回しがほんとうに手引きの中に盛られておるかどうか、あらためて克明に——私も持っているが、そこにお持ちでありますれば、それは言い合いをしてもよろしゅうございますけれども、与えられた時間が少ないですから……。私はやはりその表現でなくて、あなた方の持っておるところの心がまえ——さっき大臣が一番最初に言われたような精神が貫かれている中でもって、それが特異な例としてそういったことがあり得た場合には、特異な問題としてそれはそういった心がまえがあり得るでしょう。これは管理者に対するところの一般的な手引きであり、具体的ないわゆる法律に対するところの問答集みたいなものでしょう。ところが、これに書かれている精神というのはそういうことではないのですよ。それではいけないというふうにわれわれは言っておる。昨年の年末闘争はそういった形でやられた。従って超過勤務をやらなかった。これはもちろんわずか——わずかという言いぐさは悪いが、十二月十五日妥結をしたわけですから、二十五日ぐらいですな。しかもこれは労働者が基本的に認められた権利の上に立っての話である。前提条件が要求項目が通ればで、通らない場合には結果として協力できないであろう。これをあなた方は最初から、協力しない、協力しないと言っておる。違うのですよ。日本言葉は非常にむずかしいけれども、この点は大へんな違いがある。われわれはそういった点を改めてもらわなければいけないと言っておるのですよ。そういう形で年末闘争がなされたのですから、その前の年等のいろいろな事態と違ったということをあなた方は認識されたと思う。そういたしますならば、この超過勤務をたまたまやらなかったという年末の事態、しかし、結果としては、先ほど郵務局長の言われたように、これは前年度以上に年賀の配達等の業務は良好であった。これは従業員に対してきわめて感謝をされた国会におけるところの御答弁であろうと私は思うのであります。そういった形でもって年末首を切り抜けられたとたんに、どうですか、一月三十日に免職三人を含むところの三十一人の懲戒処分があった。これに対してもいろいろと御発言が原委員、栗原委員等からございました。ですから、私は、重複する点は今日触れませんけれども、ほんとうにこれから先の事業の円滑な運行を期そうという立場から言いますならば、今言ったように、一生懸命従業員はやってくれたのだ。その間にいろいろなことが経過としてあったでしょう。しかし、建前は、前年度の様相とはいろいろと違う。これもわかった。しかし処分出しておる。どういうことなんですか、これは。こういったことの中でもって、はたして今後の業務の円滑な運行ができるかどうか、きわめて私は疑問であろうと思う。私は、昨年の三十八国会でもって、これは今の大臣でございませんから繰り返すのでありますけれども、言いました。そういった処分をしたところの現場の管理者の中には、処分をしたので、どうも敷居が高くて局には入りづらいと言っている管理者がいるのですよ。そうなってくれば、これから先の業務の運行という面からいったら、やはり正常なものでない。こういった正常なものができない要素が出てくるととは、何といっても疑いない事実だと思う。そういうことを御承知の上でもってなおかつこういった懲戒処分をされた。私はきわめてこれは重大な問題であろうと思うのでありますが、今後の郵政事業の円滑な運行というものと考えあわせて、この懲戒処分を出された基本的な気持というものは一体どこにあるのか、これに対して大臣のお答えをいただきたいと思います。
  77. 迫水久常

    迫水国務大臣 先ほどからの従業員のほとんど全部の人が非常にまじめに働いておる、これを高く評価していることについては私も一つも変わりありません。しかし、従業員の中で懲戒に値するような行動をした人があったということも、否定のできない事実だと思います。従業員のほとんど全部の人がまじめに働いていたから、その中で懲戒にしなければならないような行状のあった人までも懲戒にしないでおくということは、かえっていけないことだ。懲戒にしなければならないような行状のあった人は、その行状に応じて懲戒にするのが当然でありまして、各人というものはそれぞれ自己の行動に対しては責任を負うのが前提でありますから、ほとんど全部の人に対して感謝をしておることには私はちっとも変わりませんけれども、懲戒にしなければならないような行状のあった人に対しては、その人の個人の責任を追及して、その行状に応じて懲戒をする、これは当然で、両方の間には何も私は関係のないことだと考えております。
  78. 田邊誠

    田邊(誠)委員 さっき森本委員資料提出を要求をいたしましたから、それに触れますと話が少し前後するので、なるべくそれは避けて、またあらためて質問はさせていただくつもりでありますけれども、若干はやはり触れなければなりません。というのは、処分基準があるそうですね。ところが、従前私どもが克明に私どもの立場で調べたところでは、同じような内容でもって、たとえば勤務時間に職場大会に参加したという事実、あるいは参加をしていないという事実が同じ内容であるにもかかわらず、処分をされた、こういったものがいろいろありますけれども、われわれが見たところでは、どうしても郵政当局には一貫をしたところの、こういった懲戒処分に対する基準というか、そういったものがあるようにはうかがえない、こういったことを私どもは考えざるを得ないのであります。この点は資料を整えられてからいろいろとまた質問いたしまするけれども、今までほんとうにその点は間違いなく一貫して統一をされて、そのときの感じ方や現場の管理者の一種の感情、そういった面で処分をされたようなことは絶対ないですか。
  79. 長田裕二

    長田説明員 処分をするにつきましてのその場合の管理者の手引きのようなものを作ってございますが、そういうものも、たとえばどういう行為停職何カ月とか、どういう行為は戒告だとか、何といいますか、前後の事情とかいろいろな要素を加味しないで、すぐ算術の式で出るような形にはもちろんございませんので、やはりやった行為と、それからその行為の及ぼした影響とか、あるいは動機だとか、そのときの全体の情勢だとか、そういうようなものをやはり加味してやる建前になってございます。ただ同じような時期に同じような行為を、ほかの条件も、幾つかの要素も全くみんな同じようなものでありますならば、これは大体同じような結果が出るように心組んでやっております。懲戒をするにつきましての権限も相当やってございますので、ときに非常に微細な問題については、全く同じようにいくということも私ここで断言するわけには参りませんけれども、同じような心組みで大体当たって出るつもりであります。
  80. 森本靖

    森本委員 関連。  その処分基準についてでありますが、ちょっと大臣に私聞いておきたいと思います。そういうことで全く同一のもの、同一の内容であって、そうして処分が違うという場合ですね。微細な問題云々というように人事部長は言われましたけれども、これは人がやることでありまして、神様がやるわけではないのでありますから、往々にして間違いがあるときがあります。たとえば、これは昭和二十三年に私が組合委員長をやっておりましたときに、八月の十二日に首を切られた。ところが、今の日逓の社長をやっております白根氏が当時人事部長でありましたが、私は八月の十二日に首を切られた。私は首を切られるようなことをやった覚えはない、けしからぬということで、時の小澤大臣でございましたか、そのときに話をしましたところが、それはどうも間違いだ——間違いでたやすく首を切られてはたまりませんが、それにいたしましても、八月の十二日に首を切られまして、九月の十日に回復をいたしまして、わずか二十日過ぎて復職したことがありますが、そういう事例もあるわけであります。それから、そのときに高知県内で大体二十何名首切られましたが、ほとんどの、十六名くらいまでは全部復職をいたしました。  そういう経過もあるわけでありますが、いずれにいたしましても、今度の処分が私が今言った事例に直ちに該当するとは私は申しませんけれども、かりに処分内容について、また事実誤認、そういうことがあった場合は、私は処分を撤回するなり、あるいは修正するということについてはやぶさかであってならぬ、こう思うわけでありますが、そういう場合には大臣としても善処せられる、こういう御意向がございますか。
  81. 迫水久常

    迫水国務大臣 私は今度の処分をするのについては、事実の重大な誤認のないように——そこにいなかった人をいた、こういうふうな誤りによって処分をした先例もあるようです。そういう処分の先例にかんがみまして、今度は事実について重大な誤認のないように、ある一つの事実をどういうふうに評価するかということは、これは裁判も同じことだと思いますけれども、そのときのいろいろな各般の情勢を見て、一つの心証によってきめるほかはないと思っておるのです。方程式のように、機械に入れてこれこれの状況があればこういう答えが出てくるというものでないと思います。非常に注意をしてやりましたから、今回の処分については事実について重大な誤認はないと私は信じておりますけれども、万々一今お話しのような事実についての重大な誤認がありますような場合には、発見しましたときには、その処分を撤回するなり、あるいは軽減するなり、そういうことについては決してやぶさかではございません。
  82. 田邊誠

    田邊(誠)委員 今度の処分というものはこれで終わりで、年末首の懲戒処分というものはこれ以上出すということはない。これはいいですな。
  83. 長田裕二

    長田説明員 きわめて少しの例外はございますけれども、大体お説の通りであります。
  84. 田邊誠

    田邊(誠)委員 そういう何かものを残しておいて、あとでもって言いのがれをしようということでなく、今大臣も言われたように、年末首の問題は片づいておるでしょう。あなた方もちゃんと克明に調べて、事実誤認のないようにという形でもって調べられたのでしょう。それじゃ、どこの県のどこら辺の名前までは言わなくてもいいから、郵政局なら郵政局でよろしい、未調査でもって今調査中というのがあったら言って下さい。そんなことは言わないで、これで終わりなら終わりとはっきり言っておいて下さい。
  85. 長田裕二

    長田説明員 どうも今調査中のものでございまして、ここではっきり申し上げかねますが、私ども今心当たりのもの一件だけ残っております。
  86. 田邊誠

    田邊(誠)委員 これはしかし、いろいろな全般の情勢でと、さっき人事部長が言われたことは非常に意味の深いことで、それを私はどういうふうにとろうかと今頭の中で考えたのです。しかし、それは言いません。言いませんが、いずれにいたしましても、先ほど来の私が積み重ねてきた質問というのは、これから先の郵政事業をいかにして円滑にするかという念願であり、大臣答弁もそこまで達しておるわけです。ですから、私は、そういった面で、この懲戒処分の問題については、大臣は別な立場でやられたという。もちろんそういうこともありましょう、考え方とすれば。しかし、すでにきょうは幾日ですか。相当期間を経て、しかも昨年の年末の事態というものは、これは例年と違った事態の中で行なわれたという、三六協定の問題についてもよくおわかりになっていただいたはずであります。その点は例外なんというそんなことでなしに、はっきりとこれでもって打ち切った。その点だけは明確にしておいていただきたい、こういうふうに思うのですが、いかがでしょう。
  87. 長田裕二

    長田説明員 先ほどあれを申しましたが、福岡の折尾の事件でございます。監察の方の調査にいろいろな事情から時間がかかりまして、まだ処理を済ませる段階まで参っておりません。
  88. 森本靖

    森本委員 そういう非常識なことを今日やるわけには参らぬと思うのです。大体この問題についてはもういろいろあって、大臣も御承知通り、われわれ議員団も、場合によってはなるべくこれを平和的に、穏便に済まそうということで、いろいろ話をしておるわけです。それで全部もう一応終了してしまって、まだ一つ残っておるというふうな非常識きわまることは、私はやめてもらいたいと思う。もしそれをやるとするならば、なぜこの間のときに一緒にやれるだけの余裕がないか。そんな次から次への問題が起こってくるようなことは、行政官としてやるべきじゃないですよ。それはもしそういうことがあるとするならば、この間のときにちゃんと大臣に報告をして、そうして大臣の決裁を仰ぐべきだ。もしそのときに大臣の決裁を仰ぐことができないということになるとするならば、この間の処分は延期して一緒にやればいい。そういうふうにちょびりちょびりやるものじゃない。これは政治家のやるべきことじゃない。また政治家のもとにおける行政官がぼこぼこそういうことをやるべきじゃないと私は思う。かりにそういうことがあったとしても、これはもう時効ですよ。大体この問題については一応全部終了して、さてこのやった問題についてわれわれはこれをどういうふうに解決をつけて、将来郵政事業の円満な隆盛をはかっていくか、こういうことで国会で多分に時間をかけて審議をしておるわけでありますから、もしかりにささいなことで調査をしておるというようなことがあっても、これはあなたの調査事項であって、私はもはや処分の段階ではない、こう思うわけでありまして、そういう点は今ごろになって大臣にまだ一つあるのですがなどと言えば、大臣も迷惑しごくだろうと思う。その点は時効というわけには参らぬ、こういう考え方か知りませんけれども、そういう話は一切なかった、こういうことに一つ委員会においてはしておいてもらいたい、こう思うわけです。
  89. 迫水久常

    迫水国務大臣 折尾の問題というのについては、この前の処分を発表いたしますときに私は報告を受けております。そして、この問題については、まだ調査が未完了であるから、この一件だけは留保をしたいという話でありまして、私もいろいろ聞きましたけれども、なるほど調査が未完了であります。そこで、その問題については調査を継続することとして私は決裁をいたしたのでありまして、これが時効になるということを森本さんは言われますけれども、時効というのはどういうことを言われたのかよくわかりませんけれども、この問題については今皆さん方のいろいろな御意見もよく私は拝聴いたしましたから、しかし、どうしても懲戒をしなければならぬことに値するものが出てくれば、私は実行せざるを得ないと思いますが、いろいろな情勢をよく考慮しまして、慎重に取り扱いをいたしたいと思います。
  90. 森本靖

    森本委員 関連ですからやめますけれども、これは大臣、歯にもののはさまったような格好になるわけであります。やはりこの問題についてはこの問題として、委員会で日数をかけて、貴重な時間をかけて審議をして、そうして次の段階に進んで、一つ事業の合理化をはかっていきたいという考え方で、われわれはこの問題を提起して審議しておるわけでありますから、それが済んで、またもとへ戻してやり直さなければならぬということのないように、またせっかくそういう処分の問題は郵政省としては一段落だと、全従業員はそう考えておる。そういうときに、寝た子を起こすというようなことはくれぐれもないように、賢明な大臣でありますので、そういうふうに処分せよと人事部長が言ってきても、ばかやろうやめておけくらいのことを言っておけば、これは済むわけでありますので、その点は十分に大臣が相談し考えておいてもらいたいということを言っておきまして、関連でありますからやめておきます。
  91. 田邊誠

    田邊(誠)委員 昨年私は、処分基準の問題に対して、いろいろと当時の小金さんと人事部長等と御意見の交換をした機会がございまして、実はきょはあまり長くやらぬ、あと同僚の議員が控えているから、その点はあまり触れたくありませんけれども、基準を示すというお話でございますから、それに関連をしてやはり一応承っておきたいと思います。  昨年長田さんが、御存じの通り、いろいろな処分の方法がある、こうおっしゃった。しかし、少なくともここ数年来やられてきておるところの処分というのは、いわゆる労働組合の運動があり、この労働組合は御存じの通り公共企業体等労働関係法の適用を受けておる組合、こういう中でもって運動をされておる。その中で起こっておるところのいろいろな事態に対して、省はそれに対処してきた、こういう事態であります。ところが、処分の方は、先ほどお聞きをいたしますると、国家公務員法八十二条第一号から二号まで、専従者は二つの号にかかるそうですが、こういう形でもってやられたというのです。しかし、これはもちろん、それの処分を一〇〇といたしまして、そのうち各郵政局長以下に委任されておる部面について並べてみたら〇・一%以下の違いがあったから、それはいけないのだというふうに——こういう前提では私はありませんけれども、こういったものに対するところのかなりの誤認もあるから、比較をいたしまして、非常な差異もあるし、考え方に対しても一貫性がないし、そういったことがあるということを私は指摘をして参ったはずであります。   〔佐藤(洋)委員長代理退席、委員   長着席〕  そして先々国会において実は例を出そうと思ったのが、出すいとまがなかったのですが、処分をされた相手方というのは、これはいかようであっても、ああお前も首か、おれも首だ、お前も停職一年、おれも停職一年だ、同じことをやっぱりやったんだ、こういう認識。第三者も、やつは停職一カ月になった、ああ、これはああいうことをやったからあの程度でやられたんだ、こういう認識なんです。ところがどうですか。組合のいわゆる指令に基づいてものをやられた。その中でもって役員の行動もあった。しかるにそれに対するところの処分は非常に区々である。こういう状態がまず一点ございます。それと、一番大きい問題は何といっても首を切るということである。これは働く労働者にとっては職場から去るということですから、これは重大なことである。ところが、この首を切るという事態に対しても、あるいは公労法十七条違反で十八条、あるいは国家公務員法八十二条、こういうように適用の仕方が違う。私はずっと、郵政省処分内容について、発令された文書を刻明に拝見いたしました。ところが、その中には公労法十八条、国家公務員法八十二条、いずれにいたしましてもこれは一方においては解雇であり一方においては免職でありますけれども、首を切られたという事実であります。ところがどう見てもその発令の文書の内容というものが違っていない。その一例をあげます。三十六年の四月十日付でもって処分をされた一人は赤川君、一人は槇野君、こういう二人の首を切られたものがありますけれども、これはいずれにいたしましてもいわゆる組合の役員であり、そしてある時期において闘争戦術を遂行するために、その局に「臨局して積極的に違法な闘争を実施し、同局職員等をこれに参加せしめる等して」というのですから、これが主体だろうと思う。「業務の正常な運営を著しく阻害し、公衆に多大の迷惑を及ぼしたものである。よって上記の通り処分する。」これは槇野君も全く同じであります。よく読んで下さい。文章も全部同じであります。しかも公労法十八条ないし国家公務員法八十二条という形でもって処分するという、こういう法律上の建前をとっておるのであります。これは昨年社会労働委員会において私は人事部長意見の交換をいたしました。労政局長も臨席してもらいました。中には郵政省のやったことに対して労働省の見解といささか違いのあったことも事実であります。従いまして、これを見ますと、一つは公労法であり、一つは国家公務員法である。この私の質問に対して、おそらくや、これは一つの事実行為がいろいろあるとおっしゃりたいでしょう。ほかの処分者にはそういったこともありますよ。しかしこの二人の処分者に対する発令の内容は全く同じなんです。一体これはそういったものの選択権は郵政省に与えられているのですか。
  92. 長田裕二

    長田説明員 そのやりました行為内容等によりまして、公労法十八条を適用しあるいは公務員法の八十二条を適用することは、郵政省の判断でやり得る問題だというふうに考えております。
  93. 田邊誠

    田邊(誠)委員 昨年処分をされた膨大な数がありますけれども、その中には組合機関の役員であるという形でもって責任を問われたものが非常に多いのであります。中には職場大会に参加しなくても、それを指導した、こういう形でもって処分をするということを当局は言ったのであります。これは事実熊本郵政局人事部長名でもって出された文章でありますけれども、「同人は〇〇局における職場大会の諸計画等に参加していない趣であるが、組合の指令に対しては通常の場合、上級機関からの闘争指令が支部にあった場合、支部委員会等を開催して、この指令の諾否あるいは指令取り消しのため、いかにするか、拠点局をどこにするか等について検討されるものと考えられ、またこの支部委員会には支部三役その他が出席するものと考えられる。従ってこの闘争指令についての相談、打ち合わせを役員として受けていれば、たとい拠点局と指定された〇〇局自体の職場大会の準備計画に参加していなくても、処分方針に示す処分を免れることはできないものである。」こういう文章で、これは昨年私が論争したいわゆる職場大会に参画していなくても、準備計画に参画をしておれば処分の対象にするんだというあなたの言葉とまた違って、さらに拡大をして、直接的にその職場大会の準備計画に参画をしていなくても、支部の役員あるいはその他の役員であれば、これは処分の対象から免れることができないんだという文章を出しておるけれども、こういったことが当てはまるんですか。
  94. 長田裕二

    長田説明員 職場大会等につきましての処分がありました場合に、その問題に実質的に関与していないことがはっきりしているものにつきましては、大体処分をしない方針でございます。じゃどういう場合が関与しないかということの判断につきましては、個々の内容を調べませんと、ちょっと私どもはっきり申し上げかねますが、熊本の文庫につきましては、よく存じませんので、なお検討いたしたいと思います。
  95. 田邊誠

    田邊(誠)委員 こんな重大な文章を本省の人事部長のあなたが承知してないなんというのは、はなはだもってけしからぬ。この方針でもって処分をしたのですよ。郵政局長の権限でもって、首切り以外は当然本省の方針が示されて、その方針に基づいて各郵政局はいろいろと検討されておると思うのです。これには明らかに準備計画に参画をしていなくても、役員であれば処分の対象にできるんだと書いてあるんです。あなたの今のお言葉とは違いますぞ。どうします、この文章は。
  96. 長田裕二

    長田説明員 実は先ほど大臣も申し上げましたように、省といたしましては、去年の三月の職場大会の関係では、幾つか処分を取り消す手配を済ましているのがございます。大体特定局の関係で、事実の認定などがずいぶんはっきりしなかったということもありました関係でございますけれども、結婚式あるいはそれの準備のためにずっと忙殺されておった、あるいは自分が病気でこの期間ずっと寝ていたとか、父親の葬式で服喪したとか、そういうような非常にはっきりしているものについては、郵政局とも連絡の上、処分取り消しを進めている次第でございます。実質的に関与してないことがはっきりしているものについては、取り消しいたしております。
  97. 田邊誠

    田邊(誠)委員 あなたの言ったのがもし事実であるとするならば、この郵政局の通達というのは本省の方針とは違っておる、こういう格好になりますね。それであなた方はそれを取り消された、こういう形になります。その点は間違いございませんな。
  98. 長田裕二

    長田説明員 なお今御指摘の点につきましては、よく検討いたします。
  99. 田邊誠

    田邊(誠)委員 それは一つすぐわかるはずですから。重大なことですよ。この方の方針は、少なくとも準備計画をされるという段階までは、これは組合の機関の責任を追及する、これもわれわれはもちろん重大な問題だと思っていますけれども、この文章というのはそれ以上に、準備計画をしていなくても、組合の役員であれば、処分の対象になり得るんだという文章なんですから、これは調べて、この次当委員会出して下さい、よろしゅうございますか。  そこでそれならば、昨年の三月十八日の被処分者のうちで取り消したものがあるというお話ですけれども、その人員、その理由、それに類するものは一万名に及ぶものですから、たくさんあると思うのですけれども、それを全部、一年もたっていますから調査をされて、それでもってこれから続々とそういったものが現われるとするならば、これに対して取り消しをするという形になるんだかどうか、その点に対するところの状態を明らかにしてもらいたい。
  100. 長田裕二

    長田説明員 先ほど大臣からお答えしましたように、事実の認定に大きな錯誤がある。そういうものにつきましては、処分の取り消しないしは軽減は、今後ともやっていくわけでございます。
  101. 田邊誠

    田邊(誠)委員 三月十八日に何名取り消しをしましたか、それを聞いている。
  102. 長田裕二

    長田説明員 昨年三月下旬に行ないました処分につきましては、二十五人だと思っております。
  103. 田邊誠

    田邊(誠)委員 その理由は事実誤認、情状酌量その他いろいろあるそうでありますけれども、いずれにしてもその基本は、今言ったように、直接その闘争に参画していなかった、こういうことだろうと思うのです。その点は今後さらに調査されて——どうもその再調査の方は非常に手ぬるい、同じようなものが続々現われているんだから、その点はどこから情報が入り、どこからそういうことが言われても、処分をされたということに対して、それがもし誤りであれば取り消すという方の積極的な努力は、盛んにしてもらわなければ困る。これはよろしゅうございますね。
  104. 長田裕二

    長田説明員 実質的に関与していないという認定につきましては、あるいはお説と少し変わるかもしれません。たとえば支部長でおって、自分は推進はしないけれども、そういう計画が進められていることを承知して、かつそれをそのまま黙認しているということについては、私どもはやはり責任があるというふうな考え方をしているわけでございますが、なおただいまのお話の、そういうものをよく究明して、取り消すべきものがあれば積極的に取り消せ、そういうお言葉につきましては、私ども同様な心組みで昨年来取り進めてきたつもりでございます。
  105. 田邊誠

    田邊(誠)委員 それは公平審査等の手続を通っているものの中で、そういったものが現われているのが主であるようであります。従って、全般的な面でなかなか調査が行き届いていない。このようにわれわれは考えておるのでございまして、その点はきわめて粗漏であります。しかし、その点はよろしゅうございますが、一応そういったことで、今後も積極的に、それこそ熱心に正確にやって下さい。  そこで時間もございませんから、最後に一つ処分をするということは重大なことであるということは、今大臣が言われた通り、その人の一生にかかわることであります。一生懸命仕事をやっているけれども、あなた方のおめがねにそむいたのかどうか知りませんが、処分をされた者の中には、たまたま新婚旅行中だ、病気欠勤中とかいろいろあります。本人が言っていったから、あるいは組合が言っていったからよかったかもしれないけれども、もうちょっとあなた方の力が強かったら、封建的な職場では泣き寝入りでしょう。たまたまそういったことが発見された。これは取り消すのが当然であります。しかし、そっちの方は取り消したからそれでよろしいとしても、誤認をした人たちはどうするんですか。事実をあやまって処分をした、取り消したからといって、それで済むという問題ではありませんよ。その方の管理者としてあやまって誤認をし、あやまって処分をした、そういった人たちに対しては、あなた方は一体どういう形で対処するか。
  106. 長田裕二

    長田説明員 取り消すようなことになりましたケースは、ほとんど全部特定局を中心にした支部の役員でございます。御承知のように、特定局関係につきましては、管理者が使用者側の組織と、それから組合の支部の組織というものが十分マッチしておりません支部の組織に対しまして、いわば個々の独立した郵便局あるいは局長を、無理に擬制してまとめて団体交渉なり、そういうことをやっているような形でございまして、たとえば支部の三役の人たちの所属している局長が、必ずしも労使関係の交渉などの衝に立つというわけでもございません。そういう面でなかなか実態の掌握ということが普通局の場合などと比べてむずかしい、陣容も十分ないという点もあったわけでございます。加うるに今まで特定局におきましてそういう処分もございませんでしたので、その実態の掌握が十分でなかったことは大へん遺憾でございます。それらにつきましては、それぞれの内容にもよりますが、たとえば支部の組織が非常に普通と違う組織であったりしたような例もございます。一般的にそれらの取り消されなければならない処分をしたものにつきましては、通達も出しまして十分厳重な注意処分をしているわけでございます。
  107. 田邊誠

    田邊(誠)委員 それは支部の方、組合の組織の方がいろいろ複雑だということはあなた方御承知通り。そういうことをちゃんと承知の上で処分しているんだから……。ところがそっちの方は、複雑だから、それでもって管理者のそれに対するところの手落ち、誤認というものに対しては寛容であるというようなことは、大臣、信賞必罰ということはあっていいかもしれませんが、そういったものと違うじゃないですか。管理者だからその難からのがれるというようなことはあり得べからざることです。実際に仕事上は自分より下なのですから、正しい労使関係を高め、正しく仕事をやってもらう、そういった面でもってちゃんと従業員を掌握している、これが管理者の役目でしょう。それの方の誤認は幾人、管理者に対して、こういった間違いをしたことに対してあなた方はどういう処分をしましたか、数字を発表して下さい。
  108. 長田裕二

    長田説明員 一般的に処分の取り消しについてのこちらの通達を出しますのと並行いたしまして、そういう措置をとるようにということで通達してございます。その結果今だれとだれとどうしたというところまでは取りまとめてございませんが、そういう通達を出しております。
  109. 田邊誠

    田邊(誠)委員 二十五人取り消したというのですが、これからもあるでしょう。それの内容は私はわかっでおります。その管理者の名前だってわかっている、どこの局のだれだということだってわかっている。しかもその中には、もちろん減給の人もある、いろいろあるでしょう。しかし少なくとも、減給にしても停職にしても、首を切るのはもちろん大へんですが、そういったことに対するところの管理者側の手落ち、これは重大な錯誤です。こういうものに対してあなた方はやはり適切な正しい判断をもって処置をしてもらうことが必要であると思う。大臣、どうですか、その点は。今はっきりしませんからこの次資料出してもらいますが、それに対しどういうお考えで臨まれるか一つ……。
  110. 迫水久常

    迫水国務大臣 監督者として、善良なる管理者としての注意を欠いた者に対して、処置をするのは当然と考えております。
  111. 田邊誠

    田邊(誠)委員 それでは、その点はこの次までに一つ資料出して下さい。どういう注意、処分なり戒告なり、いろいろあるでしょう、やっておるか、人を間違って処分をしたという人の責任というものは、これは社会通念からいえば、相手方よりもさらに重大ですよ。この点の一つ明確な資料を要求いたします。  時間がございませんので、私はそれではもうそれ以外の法律の適用問題に対しては、昨年来人事部長との間におけるところの討論が残っておりますが、これはあらためて一つ詳細にやってもらいたいと思うのです。  あと一問だけ監察局長にいたします。従業員は一生懸命仕事をやって、年末年始を切り抜けられました。非常に感謝をしなければならぬ。ところが一月二十一日の新聞の中に、郵政省のある係長がお年玉はがきの問題で、景品納入をめぐって収賄事件で逮捕されたということが載っております。下部の現場の従業員は風雨を冒して年賀の完配のために努力をしているというときに、中央でもってかなり重大な役目にある人たちが、容疑でありますから今結果は判明いたしておりませんが、こういったことがもしあるとするならば、いかに従業員全体に対して大臣以下が仕事をしてもらいたいと言っても、なかなか承知しませんよ。これは現在警察が取り調べ中のものでしょう。ですからその内容は聞きませんが、この新聞によりますと「随意契約は課長の決裁で、入札契約は部長の決裁で行なわれるため、業者と同部係官のつながりは深いといわれる。」とあります。私はこれはどうも重大なことだと思うのだ。物品購入の手続上の問題として、入札決裁というものは、一応競争入札にしてもあるいは自由な入札にいたしましても、これは安いのに落とすのですから、ある程度意に満つということはあるでしょうけれども、随意契約というのは省の考え方で勝手にやるのですから、それが課長の決裁でやられているという話でありますけれども、そういったことが事実だとすると、私はこの点に対して何かしら少し業務の運行上問題がありはしないかと考えておりますけれども、この点に対して簡単でけっこうでありますから、将来これに対する問題がいろいろと提起をされると思いますので、今までの質問の締めくくりとして、一つ省のやっておる仕事の形態について一言お答えをいただきたいと思います。
  112. 田中鎭雄

    ○田中(鎭)政府委員 ただいまの御質問は、資材部関係のことでございますが、私も去年まで資材部長をやっておりましたので、だいぶ忘れかかっておりますが、随意契約は課長決裁ということではないと思います。たしか三十万円だと思いますが、三十万円に満たない購入契約は随意契約にしてもよろしいということでありまして、随意契約が全部課長決裁で、部長の方に上がってこないというような事実はございません。
  113. 田邊誠

    田邊(誠)委員 これは時間がございませんからもう一度——これはあなた方御存じの事件ですが、それにからむところのいわゆる仕事のやり方に対して、私どもはどうもふに落ちない点がございます。今監察局長は前の御経験で御答弁になったと思いますので、ちょっと正確を欠くと私は思うのです。私もちょっと調べましたからね。ですからその点はあらためて後日質問をいたします。  いずれにいたしましても処分の問題、内容、それから法の適用の問題に対して、郵政当局は、一般の労働通念からいっても、あるいは現在のあるべき郵政事業のこれからの進展の問題とにらみ合わせた上に立っても、重大な問題をわれわれの前に提起している。これに対してやはり明確な態度をとっていただき、われわれの意のあるところも十分くんでいただいて、正常な業務の運行をされることを私は強く望むのであります。  あらためて残余の問題に対してもお伺いする機会を持つことにいたしまして、以上をもって私の質問を終わります。
  114. 森本靖

    森本委員 今の質問に関連をいたしまして資料を要求しておきます。  郵政省の資材購入におきまする、三十五年度と三十六年九月まで、この一年と六カ月の間におきまして一千万円以上の購入をされております業者、それから遅滞金、それから本省と郵政局とにおいて購入する区別、ここからここまで郵政省、ここからここまでは郵政局という区別、それから公開入札、随意契約の基準、それからこれを購買するときの決済の手続、そういうものについての一切の資料を次の委員会まで御提出を願いたい、こう思うわけであります。
  115. 佐藤虎次郎

    佐藤委員長 さよう取り計らいます。畑和君。
  116. 畑和

    ○畑委員 大体三十分くらいで切り上げるつもりであります。  まず第一に、私がお尋ねいたしたいのは、大臣に尋ねるのが適当だと思います。この間の年末の郵便遅配に関連をして郵政省内に、あるいは各郵政局ということになるかどうかわらぬが、郵便遅配対策特別委員会というものを作られたが、この構成はどういうようになっておるのかお尋ねいたしたい。
  117. 西村尚治

    西村政府委員 かわりまして私から申し上げますが、本省では本部長が事務次官で、副本部長が官房長、あと関係部局長が本部員ということで構成いたしております。それから地方郵政局段階におきましては、本部長郵政局長、副本部長郵政監察局長ということで、あと関係部長が本部員ということで組織いたしております。
  118. 畑和

    ○畑委員 これは一体どんな趣旨で作られたのか承りたい。
  119. 西村尚治

    西村政府委員 これは昨年、一昨年と年末業務の運行がどちらかというと不手ぎわな面が多かったので、不手ぎわをして国民に御迷惑をかけてはいけない、今度の年末首には一つ挙省一致態勢になって業務の円滑な、万全な運営を期さなければいけないという趣旨で、これは各一部局、一部門ではできないことでありますので、要員の面、経費の面、業務の手続の面、その他、やはり各省一丸となってやろうという趣旨で設けられたものでございます。
  120. 畑和

    ○畑委員 これは一体法的な根拠というか、法源というか、それはどういうところにあるのですか、この設置の……。ただ郵政省の目的を遂げるための便宜的な委員会なのか、あるいは郵政省設置法、それの何条か、四条あたりに郵政省の権限として何項かうたってあるけれども、その中のどこかに当たるものかどうか、そういう点を伺いたい。
  121. 溝呂木繁

    ○溝呂木説明員 お答えいたします。  対策本部を今回設けましたのは、各それぞれの部局の連絡機関として設けておりますので、特に設置法上の独立した機関ということで設けたわけではございません。従いまして、先生のおっしゃいますように、設置法上の組織ではなくて、それぞれの関係部局の一応連絡機関という形で設置したものでございます。
  122. 畑和

    ○畑委員 連絡機関というと、大体年末は郵便関係の遅配に対する、文字の示す通りそういうことなんだから、各部局そんな連絡が要るのですか。
  123. 溝呂木繁

    ○溝呂木説明員 実質的にはそれぞれの平常の文書形態、そういったものでもって連絡いたしておりますが、特に年末首のように非常に緊急を要するような場合に、一般的な連絡方法でなしに、より緊密な連絡方法といたしまして、対策本部というところに常にそれぞれの者が詰めることによりまして、連絡が早く緊密にいくという目的で作ったものでございます。
  124. 畑和

    ○畑委員 そうすると、さらにお尋ねいたしますが、年末年始の際に各郵便局へいろいろ監察官その他のあるいは人事関係担当者、そういったもので部隊を、何か知らぬけれども、俗に言うトラック部隊、こういうものを作って、それで各郵便局に派遣して、それで局員の行動を監視というか、促進というのか知らぬけれども、そういうことをやったようだが、あとでこまかいことを聞きますけれども、いわゆる通称トラック部隊は、これは一体だれがつけたかわからぬが、トラック部隊というのだそうですが、一体それとその郵便遅配特別対策委員会、これとはどんな関連があるのか、聞きたい。
  125. 迫水久常

    迫水国務大臣 私、常識的な答弁で悪いのですけれども、年末首の遅配対策本部というのは、どこかに地震が起こったときに建設省の中に対策本部というものができたり、厚生省の中に対策本部ができたり、それと同じような性質のものと私は理解しておりました。従って各便郵局に監察官が入っていくとか、あるいは指導官が入っていくということとは直接に何も関係はない、こう私は理解しております。
  126. 畑和

    ○畑委員 どうも関係がないと言われるけれども、やはりそういった年末の関係の遅配を解消するための本省あるいは各郵政局に対策委員会というものがあるので、それでその集中的指令に基づいてそういったトラック部隊が現実にそのいわゆる不良局というか、ともかくねらった郵便局へ出動していろいろの監視をし、促進をした、そういうふうに受け取れるのですが、全然今関係がないと大臣はおっしゃるが、事務当局どうですか。
  127. 田中鎭雄

    ○田中(鎭)政府委員 監察局といたしましては、本年度の当初から郵便遅配の解消あるいは郵便業務の正常化という点をねらいといたしまして、特別考査というものを実施いたしております。それによりまして各郵便局の実情を把握するという点がおもなるねらいでありますが、先ほどのいゆわるトラック部隊と申します、これはそういう特別考査によりまして、ある個々の郵便局に非常に遅配が起こっておる、その原因をさらに深く掘り下げまして、そこで遅配解消の手を打つというために郵政局員、それから監察官が合同で尽力して、そういう措置をとったわけでございます。  ただいまの対策本部との関係でございますが、年末になりまして中央にそういう本部ができ、地方にはやはり地方の本部ができるたわけでありまして、郵政局員の関係者、それから監察官のやはり従来から郵便関係しておった者、そういったものを地方の本部員という一応の資格を与えまして、これは監察官は臨局する場合には業務考査、あるいは調査ということで出かけるわけでございますが、対策本部というものができまして、中央で施策を一本化する、中央の施策が地方に流れる場合にも中央で思っているように流れる。また地方の実情を直ちに中央に吸い上げて、それに対応する措置をする、こういった必要があるわけでありますので、一応本部員というようなまあ二枚の、二つの資格を得たというような形になっております。
  128. 畑和

    ○畑委員 どうもよくわからぬが、さっき大臣は全然関係はないというようなことを言った。しかも遅配の特別対策委員会というのは一つの連絡機関だ。これはほかの事務当局が言われたんですが、ところで大臣は、これはトラック部隊とは関係ないと言う。しかし、今監察局長の言われているところによると、明らかに関係があるじゃないですか。もう一度その点確めておきたい。
  129. 田中鎭雄

    ○田中(鎭)政府委員 本部員といいますのは、別にそれによりまして特に権限が与えられ、あるいは義務が課せられるというようなものではございませんで、要するに中央、地方が一丸となって年末業務の正常運行を確保しよう、こういうねらいで便宜上そういう本部員という形にしただけでございます。
  130. 迫水久常

    迫水国務大臣 どうも私も非常に常識的に言って悪いですけれども、要するに私は対策本部というものを中央に設け、地方に設けられたのは、いろいろ情報の関係がありますし、外部に対しての広報の関係もありますし、要するに、情報が集まって、お互いにそこで情報を交換しつつ、それぞれの各部局がみずから果たすべき任務を果たしていく。任務を果たす段取りになれば、それぞれ各部局の任務でありまして、そういう立場で私は作ったつもりでおりました。従って、その情報収集といいますか、情報交換といいますか、そういうような、本部ではおのずから人が集まっていますから、その場合にどうしようじゃないかというような話があって、対策の協議ももちろん自然的にすると思います。そしてそれでこうしようというような結論が出てくる。そうすると、それぞれ自分の権限の各部局に持ち帰って、それぞれの部局はみずからの権限として実行していく、こういう形だと私は理解しておるので……(「監察局長の説明とは違うじゃないか」と呼ぶ者あり)違いはしないのです。そういうことを、先先の前ですから、緊張して言っているのだろうと私は思います。
  131. 畑和

    ○畑委員 もう一度監察局長答弁して下さい。
  132. 田中鎭雄

    ○田中(鎭)政府委員 私の申し上げましたのと大臣のおっしゃったことは、実質的には違いはないわけでございます。連絡といいますか、個々の監察官なりあるいは郵政局員というものの仕事は、別に従前と変わりはないわけでございます。たとえば監察官は、平素から業務調査、局情考査というようなことで、現業局の実情を比較的把握しておる。そういった面から局情を直ちに中央の対策本部に反映させるということが、比較的便宜であるわけであります。そういう点をかんがみまして、一応本部員という形にはしたのですが、それによって別に従来の仕事が変わったということではないわけでございます。
  133. 森本靖

    森本委員 今の対策本部員というのですが、あれはトラック部隊で行った場合には、対策本部という腕章を巻いて行ったのではないですか、局へ出入りする場合。
  134. 田中鎭雄

    ○田中(鎭)政府委員 トラック部隊といいますが、郵便局に臨局する場合には、あるいは駐留いたしましたり、そういう場合には、対策本部という腕章を巻いております。
  135. 森本靖

    森本委員 その対策本部員が、いわゆる対策本部というものが、単に——執行するわけではない。執行は各部局長が当然やるべきである。各監察局、あるいは人事部、労働部、それぞれ別個にそれぞれの指令が発せられて、それぞれの指令によってその業務部門において動くべきである。そこで対策本部というものは、当然これは連絡調整機関である。あなたの方の執行機関というものは、部局長会議である。こうなるわけだ、正式に。ところが、その対策本部というものが連絡調整機関なら、何も対策本部員なんという腕章を巻いて、ぎょうぎょうしく郵便局へトラックで乗りつけて行って、監察官と一緒にやる必要はない。監察官は監察官という腕章を巻いて、それから労働部の人は労働部という腕章を巻いて、給与の人は給与の腕章を巻いて入っていけば、それがはっきりするわけだ。それを対策本部員という腕章をわざわざ巻いて入っていくということについては、これは明らかに執行体形というものをやっておるんじゃないですか。現実の問題ですね。
  136. 迫水久常

    迫水国務大臣 その話は——私は、臨局するとき対策本部員という腕章を巻いて行ったという話は、初めて聞きました。聞きましたけれども、ただそれだけで、対策本部員が執行機関になっているとは思いません。その人が対策本部員であるという資格は、その情報連絡機関といいますか、その本部の本部員という資格は与えているのですから、その資格を表現する腕章を巻いて行って、その本部員の資格で臨局するのじゃないのだ、こういうふうに理解すれば、これは何でもないことと思います。
  137. 森本靖

    森本委員 これが連絡調整するところであるとするならば、連絡調整だけでいいわけなんだ。そして実際にそれを執行するのは、監察局であるなり、あるいは人事部であるなり、労働部であるなりが、それぞれ実行すればいい。だから、しいて腕章を巻いて行くとするならば、何々郵政局人事部労働係、こういう腕章を巻いて行けばいい。それから何々監察官、こういう腕章を巻いて行けばいい。それをわざわざ対策本部員という一つの執行体形をやろうというところに、疑問があるわけだ。それは大臣、あなたは非常に常識的に判断をしたような答弁をしておるけれども、現実に現場でそういうことをやられると、受ける方の感じは非常におかしな格好になるわけだ。大臣の常識じゃいかぬですよ、事務当局がちゃんとした答弁をしないと……。
  138. 田中鎭雄

    ○田中(鎭)政府委員 対策本部という腕章をつけて参りますが、たとえていえば、もし何か災害があった場合に、災害対策本部員といったような表示をして行くということもあり得ると思いますが、それとほとんど似たような意味でありまして、要するに、現場にとって、郵政局も監察局も一体になって年末年始の業務運行をよくやろうということの表われがそこに出たというだけのものだと思います。
  139. 森本靖

    森本委員 その災害対策本部と一緒にするということは、非常におかしいのですよ。だから、最初に畑さんが設置法の問題について聞いたわけだ。災害対策本部員としてやるならば、事災害の対策に関する限りは、執行体形だ、建設省に置く場合でも、県庁に置く場合でも。これはよく法律を読んでもらったらわかる。非常災害の場合には、ちゃんとそういう規定があるわけです。だから、災害対策の場合は、これは連絡調整機関じゃない。連絡調整をすると同時に、その災害対策に対する執行体形を行なうわけだ。ところが、この郵便遅配対策特別委員会というもは、最初に文書課長が、これは連絡調整する機関でございます、こう言っているわけだ。だから、災害対策本部と一緒考えたのでは、これは法律的にも非常におかしい。
  140. 田中鎭雄

    ○田中(鎭)政府委員 私が申し上げましたのは、建設省の災害対策本部といったものではございませんで、地方に災害があった場合に、やはり郵政局中心としてそういったものができますから、まあそれに似かよったものだ、こういう意味でございます。
  141. 森本靖

    森本委員 郵政局にできた場合も、これは部局長を通じて行ないまするけれども、現実に災害に対する場合は、非常災害の場合は、その災害に対する執行をやるわけだ、郵政局でも。現実の問題として。連絡調整ということをいうけれども、災害の場合は、総合的に災害対策としてやるわけですよ。しかし、最初に、この郵便遅配対策特別委員会が連絡調整もし、あるいは執行体形も総合的に行なうという答弁をすれば、これは一応筋は通るわけだ。しかし、そうじゃございませんという答弁を最初にしておるわけだ。連絡調整機関であると言う。災害対策の場合は、これは災害対策だけじゃない。連絡調整だけじゃない。郵政局にできる場合でも、電電公社にできる場合でも、これはその他の災害対策と連絡をとりながら、総合的に施策を行なう場合があり得るわけだ。郵便遅配対策特別委員会というものは、あなたが最初に連絡調整機関だということを言うから、聞くわけだ。
  142. 迫水久常

    迫水国務大臣 局に行った者が対策本部員という腕章をつけていたことが、いろいろな問題を起こすもとになっているようですが、来年からそれを考えてみます。事柄の趣旨は、私が言った通りと私は理解しております。
  143. 畑和

    ○畑委員 だいぶやり方がまずかったというので、来年は今度別に考えると言われる。けれども、同じようなことをやってくれては困る、こういう委員会で突っ込まれたら困るから、それをうまく言いのがれるために、別のやり方をやりますと言うんじゃ困るので、実際のところ、私が懸念するのは、そうした特別の腕章を巻いてトラックで乗りつける。だからトラック部隊と言ったに違いない。そうしたぎょうぎょうしいやり方で、いゆわる不良局とあなた方が考える、組合が強いというか、ねらったところに対して一つの部隊を編成して突っ込むというような感じ、それが私は非常な刺激もしていると思うのです。それで、実際に法的の根拠を聞けば、局の方は連絡機関だ。また、出ていく方も、監察は監察、人事は人事、郵便関係の上部は上部ということで、別々なんだ。別々のものが、たまたま郵便遅配ということを解消するために一緒に行ったにすぎないんだ、こういうような理屈のようであります。しかし、外形的にも、また実際の執行面においても、そういうふうにはとれないというふうなことが、これが現場からの報告なんです。一応トラック部隊として、だれが部隊長なんだ。おそらくこれは部隊長がおると思うのだ。いろいろな仕事の関係で別々の人がたまたま行くんだと言うんだけれども、ともかく上の方に対策委員会ができていて、それの出先であるというようなことだけは、関連はないとは言いながら、間違いなさそうだ。ということになると、そこにおのずと部隊長というか、全般を指揮する者がおるだろうと思う。それはどうなんです。
  144. 長田裕二

    長田説明員 実は先ほどの災害対策本部員の腕章の問題でもございますが、私直接のあれじゃございませんが、作りました当時のいきさつとしましては……。
  145. 佐藤虎次郎

    佐藤委員長 そんなことは言わなくてもいいです。
  146. 長田裕二

    長田説明員 隊長という形ではないと思っております。
  147. 田中鎭雄

    ○田中(鎭)政府委員 部隊長と特にきめた者はございません。
  148. 畑和

    ○畑委員 しかし、何か官の上級の者が来ておってやっているんじゃないですか。
  149. 佐藤虎次郎

    佐藤委員長 そういうことはないようです。
  150. 大柴滋夫

    大柴委員 しかし、監察局長、昨年小石川郵便局へあなたの言う東京郵政局管内のトラック部隊なるものが来まして、私は、郵便局長に、あなたが長ですか、こう言いましたら、いいえ、私とは違います。それじゃ長を出しなさい、こう言ったら、東京郵政局の副局長の名前は忘れましたが、竹下とかいう人がいて、私が長でございますということ。それで私は、二時間くらい話をしたのです。これは一体あなたの発言とどういう関係になりますか。
  151. 田中鎭雄

    ○田中(鎭)政府委員 たまたまそこへ臨局した中で、副局長でしたら、当然一番上でしょうから、隊長というはっきりしたものじゃございませんが、先任者というか、そういうことで出てきたんじゃないか、かように了解しております。
  152. 大柴滋夫

    大柴委員 しかし、私、二時間半にわたって隊長と話をしたのです。たまたま出てきた、あなたの言うところの一番職務の上の者と話をしたのじゃない。一つ、昨年の十一月、小石川へ来た東京郵政局の副局長をこの次呼んで下さい。それから資料として、東京郵政局管内において、昨年度の俗称トラック部隊なるものが、どこへ行って何をしたかということを、この次の委員会までに御提出願います。
  153. 佐藤虎次郎

    佐藤委員長 さよう取り計らいいたします。
  154. 畑和

    ○畑委員 そのトラック部隊がどことどこへ行ったか、それを明らかにしてもらいたいのです。今すぐわかりますか。
  155. 田中鎭雄

    ○田中(鎭)政府委員 後ほどでよろしければ、資料として提出いたします。
  156. 畑和

    ○畑委員 いわゆるトラック部隊の権限は、先ほど聞くと、各担当の上部機関の人たちが行っておるのだ、それが一緒になっておるだけにすぎないのだ、こういう答弁のようだったけれども、しかし、これはそれだけのものなのか。あるいは別に、現場には郵便局長というのがおる。郵便局長が、その局に関する限りは権能を持っておる。そういった郵便局長の権限に優先する権能を持っておるのか。本来の郵便局長権限をも、部隊の権限に属させるというようなことになっておるのか。その辺を承りたい。
  157. 溝呂木繁

    ○溝呂木説明員 お答えいたします。  現在の設置法上の建前では、地方支分部局といたしまして、郵政局に一応仕事をさせ、その一部を郵便局が分掌するという形態をとっております。そして平常の形におきましては、郵便局長にその郵便局の権限である仕事をまかしております。従いまして、非常事態その他におきまして、郵政局長あるいは郵政局長の命を受けた者が、その権限の範囲内で郵便局長を指示し、あるいは郵便局長に与えられた権限をも変更させ得ると考えております。
  158. 畑和

    ○畑委員 そうなると、非常事態ということ、そういった——平常の場合と違って、特にそういったあれになっておるから、臨時の非常の場合には、そうした上の方で郵便局長が普通やっておる権限をも指導するというのですか、その権限をかわりにやるといいますか、そういうことをするというか、その非常の場合というのは、一体どこできめるのですか。年末で非常だというんだろうけれども、今度の場合、どこできめたのか。それを承りたい。
  159. 溝呂木繁

    ○溝呂木説明員 お答えいたします。  特に非常という認定は、今、本省から地方に、どういう場合が非常事態であるか、どういう場合に平常執務しておる形態をはずしてそういう形をとるかということは、具体的には示しておりません。従いまして、その場合、私がお答えしましたように、郵便局長のやっておる仕事を変えさせたのか、あるいは郵便局長の権限そのものをそのままにしておいて応援的に出た場合、この二つがあると思います。応援的の場合は、単に郵政局員が郵便局長の応援に行っておるだけであります。先ほど私が非常事態と申しましたのは、郵便局長にいろいろ支障があって、郵便局長の指揮その他が十分にできない場合に、郵政局長が郵政局長の権限においてそれを変更させる、こういうふうに考えております。従いまして、その非常事態ということは、現在明確にいたしておりません。
  160. 畑和

    ○畑委員 どうもそういうことでは、非常に不明確です。権限が勝手にときによっては侵されるし、私は非常に不明確だと思います。そういうときにはそういうときで、ちゃんとはっきりしたあれをきめてやるべきだ。いいかげんなことでは困る。  次に伺いたいのは、いわゆるトラック部隊、それは労務関係についてはどういうことになるのですか。局長権限も侵せるといっては何だが、それを処理する権限があるのかどうか。
  161. 長田裕二

    長田説明員 一般的な権限の問題は、文書課長からお答え申した通りでありますが、実際に行なわれます多くの場合には、局長に助言をする、あるいは局長を指導するという形でやっているわけでございます。
  162. 畑和

    ○畑委員 ちょっと時間が過ぎていますが、具体的な点で若干お聞きしたいのですが、このトラック部隊が行ったところで、応々にして今まで各局で行なわれておった全逓の支部との労働慣行、取りきめといったものを一方的に無効宣言をしたということを聞いておるのですが、これはどういうことなのか。
  163. 長田裕二

    長田説明員 現場で、取りきめとかあるいは慣行とかでいろいろなことがなされ、それが郵便遅配の原因になっていると思われます例が相当見受けられまして、実際に郵便局に監視班といいますか、そういうものが行きまして、その原因になっている事柄の除去について、現場の局長を援助するわけでございます。たとえば管理運営事項について取りきめをするというようなものについては、私どもは、当然無効な事柄ではなかったかという考え方でおります。たとえば休息時間などが、中央で全逓本部と結びました勤務時間協約というものと非常に違った形でなされるというようなものにつきましても、中央協約は最低限をきめたものでもありませんので、そのままずばりをきめたわけでございますから、それに違反するものはやはり無効だという考え方をとっておりまして、そういうものにつきましては破棄をさせ、それの破棄したあとで、何日かの余裕期間を置いたりしておりますけれども、それの実行について当該局長なり課長なりを援助するということにしているわけでございます。
  164. 畑和

    ○畑委員 私は非常にけしからぬことだと思う。せっかく各局におきましてそうした労働慣行が作られ、あるいは話し合いに基づいてやってきているのに、それをたまたま郵便遅配という際に、トラック部隊が行って全部調べて、これは基準に合わない、基準からオーバーしているといったようなことで一方的に破棄するということ、これは一、二にとどまらない。そうなると、結局ほかの労働協約や、正式じゃないが今言った労働慣行をやっているところで、トラック部隊が行かないところについては、そういうことはない。たまたまトラック部隊が行ったんで、いわゆる今度の目標になったところだけが、そういったことによって調べられて、そうしてこれを一方的に破棄されるということは、非常にけしからぬことだと思う。どうですか。
  165. 長田裕二

    長田説明員 監視班を派遣しなくても、事実上是正されている面もずいぶんあるわけでありまして、徹底化方式で、しかもそれがなかなか是正されない、局長なりその局の管理者だけでは是正することができないというような場合に、状況に応じまして郵政局なり監察局なりから職員が参りまして応援をするわけでございます。
  166. 畑和

    ○畑委員 非常に答弁が不満なんですが、ともかくトラック部隊が行ったところにおいては、非常な刺激をいたしておる。なるほど、郵便が遅配している、従ってそれを促進しようということで行ったと当局は言われるけれども、非常な無理なことをやっておる例がたくさんあるようです。われわれの方には、その例があちらこちらから報告がきております。それによると、場合によっては人権問題になるようなことも、相当たくさんトラック部隊がやっておるように聞いておる。たとえば病気で休んでいるものを家庭訪問して調査を行なったり、あるいはもうすでに承認してある生理休暇を取り消して強制的に出局を命じたり、あるいは外勤の順序組み立てを毎日時間で計算したり、小便にもなかなかいけない、許可制になっている、こういうことですね。あるいは組合幹部が局外において尾行されるというようなこと、あたかも囚人みたいなものです。昔の特高警察を思わせるようなことだと思うのです。われわれは、戦前、運動しておる時分につけられたり何かしたけれども、どうもそれが最近、トラック部隊に関する限り、郵便局でも行なわれておるというような感じを受ける。私はそういうことがあるのかとさえ思った。しかし、われわれへの報告は、私は実際だと思うのです。うそのことが報告がくるはずはないと思う。そういう点で、しかも、そのトラック部隊が一日じゅうビケを張って、それで毎晩会食だといって酒を飲んで、その酒代は一万二千四百七十円になった。これは延岡だったかの報告ですが、そういうことがあるようです。従って、労働組合の方も群衆心理ということがあるかもしれぬけれども、トラック部隊も、人数が多くなると、群衆心理が手伝って、かえって非常に刺激的なことをやっておるような話でございます。これは私は、組合との正常な労使関係にかえって非常に支障を来たすのではないか、かように思うのですが、こういう点は、一つ当局でも調査をしてもらいたい。一々数え上げればきりがないようであります。私は、非常に遺憾なことだと考えるわけです。これはまた、あと調査をされた上でさらに質問等もするかもしれませんが、別にしいて答弁は求めません。  以上で、本日の私の質問を終わりたいと思います。
  167. 佐藤虎次郎

    佐藤委員長 次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。    午後四時三十七分散会