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森本委員 大臣がお見えになっておりますので、
大臣にちょっと聞いておきたいと思いますが、きょうは
電波監理局長は来ておりませんけれども、常識で判断ができる
範囲内において
大臣に伺っておきたいと思います。
大臣も御承知の
通り、この間の朝日新聞にも詳しく載っておりましたし、各新聞にも詳しく載っておりましたが、今回ケネディ
政府がアメリカの議会に対して
通信衛星に対する公社法案を提案をして、そして今アメリカでこの
通信衛星におけるところの専用設備の権益をめぐっていろいろの流れが、また争いもあるやに聞いておりますが、そういうことに対して終止符を打つという
意味かどうか知りませんが、一応アメリカ
政府が連邦議会に対して
通信衛星公社法案というものを提案しておる、私も新聞で見た
程度で具体的な
内容はわかりませんが、かりにあの法案がアメリカにおいて成立して、そして実際に
通信衛星が六個ないし五個打ち上げられて、これがテレビあるいは電話用の回線として
実施に移す段階になってくるとすれば、このあとの使用料の問題とか借料の問題ということが、日本にとっても大きな問題になってくるのではないか。現在国際電電がやっておりまする無線の送受については、これは空間の両方の送信、受信所において扱うわけでありますから、大体それぞれ半々の
契約になっておるわけです。しかし、将来あの
通信衛星というものが五個ないし六個打ち上げられて、
通信衛星の寿命がかりに今いわれておるように二十年ということになると、その間の
採算がどういうふうにとれるかということについても問題があろうと思いますが、いずれにいたしましても、ああいう形において日本がそれを使うことになりますと、日本の中継機を
通信衛星に載せてもらうということも
考えられますし、また電波をそのまま発射するという方法も、いろいろ
考えられると思いますけれども、かりにあの案がそのままいくということになりますと、おそらく日本の地上からの送受信の権限だけしか向こうさんは認めないという
方向でくるのではないか。そうすると、かりにその
通信衛星を使ってテレビの中継をしたり電話回線の中継をしたりする場合に、現在のように半々という形にはならぬ。おそらくこれは七・三とか、もっとひどい
関係になるのじゃないかということを懸念されるわけであります。あの
通信衛星は一個どの
程度になるか、またどれだけ日本にも打ち上げられる能力があるかということは、私としてはまだわかりませんが、かりにあれを打ち上げる能力が今日本にないといたしましても、五個ないし六個のうちの二個ないし三個に対して日本で投資というようなものを行なっておけば、かりに二十年の寿命があるとして、その間に日本の科学技術の発達によって打ち上げられる能力も出てくるのじゃないかというふうに
考えるわけであります。はたして向こうが打ち上げたものを全部使わしてもらった方が有利なのか、あるいはその
通信衛星に対して日本が投資するという形をとった方が、将来空間のいわゆる権益として有利なのか、こういう問題があろうと思うわけであります。そういう問題について、すでにアメリカでは具体的にああいう公社法案というものを連邦議会に提案するという段階にまで至っておるのでありますが、これに対して日本側としての研究措置その他については、私がこの前の前の国会でもちょっと質問をしたことがありますけれども、まだそういう点については全然検討いたしておりません。こういう話であったわけでありますが、しかし、これが日本の将来の宇宙に対する権益としては、私はかなり大切な問題ではないのだろうかと思う。おそらくアメリカがああいうふうな
通信衛星方式をとるとするならば、これは世界的にそれぞれの交信を行なうところの相手国によりますから、必ずしもソ連圏ブロックが、あれと同じような
通信衛星というものを打ち上げるとは私は
考えられませんけれども、しかし、場合によってはそういう可能性も
考えなければならぬと思うわけでありますが、こういう問題に対して、日本の
電波監理をあずかる
郵政省としては、一応具体的に検討を進めておるかどうか、その点をまず私は
大臣に聞いてみたいと思います。