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1962-04-26 第40回国会 衆議院 地方行政委員会 第34号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十七年四月二十六日(木曜日)    午前十時三十三分開議  出席委員   委員長 園田  直君    理事 金子 岩三君 理事 纐纈 彌三君    理事 高田 富與君 理事 渡海元三郎君    理事 太田 一夫君 理事 阪上安太郎君       伊藤  幟君    小澤 太郎君       亀岡 高夫君    久保田円次君       田川 誠一君    津島 文治君       前田 義雄君    山崎  巖君       安宅 常彦君    川村 継義君       松井  誠君    山口 鶴男君       門司  亮君  出席国務大臣         自 治 大 臣 安井  謙君  出席政府委員         大蔵事務官         (主計局給与課         長)      平井 迪郎君         文部事務官         (管理局長)  杉江  清君         自治政務次官  大上  司君         自治事務官         (行政局長)  佐久間 彊君  委員外出席者         警  視  長         (警察庁警務局         厚生課長)   前田 利明君         大蔵事務官         (主計官)   高柳 忠夫君         大蔵事務官         (主計監査官) 宮田 貞夫君         文部事務官         (管理局福利課         長)      清水 成之君         文部事務官   進藤聖太郎君         自治事務官         (行政局公務員         課長)     松浦  功君         自治事務官   堀込惣次郎君         専  門  員 曾根  隆君     ————————————— 四月二十五日  委員加藤清二君辞任につき、その補  欠として渡辺惣蔵君が議長の指名で  委員に選任された。     ————————————— 四月二十五日  道路交通の改善に関する請願外三件  (久保三郎紹介)(第四六八七号)  同(中島巖紹介)(第四六八八号)  同(楢崎弥之助紹介)(第四六八九  号)  同外三十四件(井岡大治紹介)(第  四七七一号)  同(石村英雄紹介)(第四七七二  号)  同外十七件(五島虎雄紹介)(第四  七七三号)  同外二件(石橋政嗣君紹介)(第五〇  五八号)  同(渡辺惣蔵紹介)(第五〇五九  号)  地方公務員定員外職員定員化促  進とその財源措置に関する請願(園  田直紹介)(第四七四五号)  地方税制改正に伴う徴収費交付率  引上げに関する請願園田直紹介)  (第四七四六号)  仙台市有寺院境内墓地の譲与に関  する請願愛知揆一君紹介)(第四八  一三号)  町村自治振興に関する請願池田清  志君紹介)(第四九一七号)  町村財政の確立に関する請願池田  清志君紹介)(第四九一八号)  固定資産再評価に要する町村事務  費全額国庫負担に関する請願池田  清志君紹介)(第四九一九号)  地方公務員共済組合法案に関する請  願(池田清志君紹介)(第四九二〇  号)  町村単独事業橋新設及び改良工事  費国庫補助等に関する請願池田清  志君紹介)(第四九二八号)  地方公務員共済組合法案に関する請  願外三件(和田博雄紹介)(第五〇  六〇号) は本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  連合審査会開会に関する件  地方公務員共済組合法案内閣提出  第一二〇号)(参議院送付)  地方公務員共済組合法長期給付に  関する施行法案内閣提出第一三六  号)(参議院送付)      ————◇—————
  2. 園田直

    園田委員長 これより会議を開きます。  この際お諮りいたします。  当委員会において審査中の地方公務員共済組合法案及び地方公務員共済組合法長期給付に関する施行法案の両案について、昨二十五日文教委員会より連合審査会を開会せられたいとの申し出がありました。この際この申し出一を受諾し、連合審査会を開会することに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 園田直

    園田委員長 御異議なしと認め、そのように決しました。  なお、連合審査会開会日時につきましては、委員長に御一任願っておきたいと存じまするが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 園田直

    園田委員長 御異議なしと認め、そのように決しました。      ————◇—————
  5. 園田直

    園田委員長 次に、地方公務員共済組合法案及び地方公務員共済組合法長期給付に関する施行法案の両案を一括して議題とし、審査を進めます。  質疑に入ります。通告がありますので、順次これを許します。伊藤幟君。
  6. 伊藤幟

    伊藤(幟)委員 ただいま議題となりました二法案について質問をいたします。  第一点は、現在地方公務員は、各団体ごとにばらばらに恩給組合等がございますが、これを一本の法にまとめて、そうしてここに法案提案したという理由はいかなる理由でありますか、そしてまたこの法案は、社会保障制度一環として政府当局としてお考えでありますか。この点について自治省並び大蔵省当局からお聞きしたいと思います。
  7. 大上司

    大上政府委員 地方公務員の、いわゆる地方公共団体財政上の面と申しますか、交付団体、不交付団体等々によりまして、同じ職務に励みながらも、いろいろな面において恩給に類似すべきいわゆる退職年金なるものが非常に不均衡であるという点と、それから国家公務員はただいま御審議願っておるような制度のもとにこれを移行せしめております。そういう建前から見まして、公務員なるものが、恩給的なものよりも将来社会保障制度的な面に移行するのがすべてにいいのだというような考え方から、このたび御審議願っておるような次第であります。
  8. 伊藤幟

    伊藤(幟)委員 ただいま答弁がありましたように、社会保障制度一つとして政府当局はお考えであるようであります。本案については、長期給付に要する地方負担割合組合員が百分の四十五、地方公共団体が百分の五十五に按分し、国庫負担がないのであります。社会保障制度であるならば、国が直接一部を負担するのは当然であり、また社会保障制度審議会においても、さような制度が好ましいという結論を得ておることは御承知通りでございます。一体この法案は、自治省において三年前から研究して、毎年提案にならないで、最後の三年目に提案になった歴史を持つ法案でありまして、地方の六団体並びに関係職員等組合は非常な期待をして、そしていうならばその一部を国家公務員並みに国に直接負担させるという、公約ではありませんが、希望を持たせて最近まで参っておったのでありますが、これは直接経費を国が負担しないで交付税にからんで入れているようであります。国家公務員共済組合法厚生年金保険法私立学校教職員共済組合法農林漁業団体職員共済組合法等国家負担があります。地方公務員は、法律委任によりまして国務を代行する委任事務をとっております。これは町村側の例でありますけれども、私の調査では、まず二万七千人が町村基準人口である。その職員が、私の調査したのでは百三十九人でありまして、三十六年度の予算は一億九千六百万であります。端数は省略します。時間を節約するために略して申し上げますが、この事務の内容は、国の委任事務を何人やっておるか調べてみますと、百三十九人で四五・五人がやっておりますから、行政事務の三二・七%は法律による国の委任事務をやっておるのであります。そして一般会計規模は一億九千六百万でありまして、そのうち国から交付された金では不足で、町村自体が持ったものを調べてみますと、七千九百万でありますから、これはその割合を見ますと、四〇・四%町村負担をいたしておるのであります。国の委任事務処理経費というものは、町村の占める割合は八四・八%の率を負担しておることになっておりまして、大体十四項目によって負担をいたしております。国民年金以下十四項目ありますが、町村自己資金不足をまかなわなくてもいいものは、そのうち、戸籍の関係事務外人登録事務、自衛隊の募集事務等負担がなくて済んでおりますが、そのほかの負担相当重い負担をしょわされておるのであります。これは町村の例でありますが、市も、また府県も大体同様な負担割合があるであろうと私は考えておるのであります。一方、さきにも申し上げましたように、厚生年金保険、あるいは私立学校教職員組合共済組合農林漁業団体等職員共済組合等は、国が直接負担をいたしながら、今度の法律によりますと、この財政負担交付税でまかなっているのでありまして、そこに相当の意義があるのであります。政府各種団体に長い間希望を持たせておきまして、最終に来まして自治省大蔵省につつきのめされたという評判があるのでありますが、それで今度は十ぱ一からげに交付税に入れたということは私は納得ができないのであります。交付税は、わずかに臨時特例交付税を本法に入れまして〇・一をふやしたのでありますが、学校教職員のものは文部省が半分持つとしましても、なかなかこれではまかない切れない。そして地方財政を圧迫する心配があるのじゃないか。ことに不交付団体交付団体がありますが、かようなものを十ぱ一からげに考えるということは、私は、自治省当局並びに大蔵省当局地方財政事情を知らないでやったか、苦しまぎれにやったか、こういう疑いを持っておるのでありますが、この点について自治省並び大蔵省からざっくばらんに返事をしてもらいたいと思う。これではとうてい地方団体はがまんのできるはずがないのであります。やればやるほど、交付税に何でも入れてしまうというような思想はとんでもない。これは地方自治体を中央集権的に考え、いわゆる自治精神に違反しておる政府の指導であると言わざるを得ないと私は思うのであります。こういうことに対しては、これは大いに改めて、近い将来に、社会保障制度でありますから、自治省が大いに力を出して大蔵省と審議して、必ず国家公務員と同様な国家負担があるべきものである。繰り返して申し上げますが、これは国務を代行しない他の私立学校教職員共済組合あるいは農協の職員共済組合等に一部負担をやっておる事実から見まして、はなはだ不公平と言わざるを得ないと思うのであります。この点について責任ある、明確なる答弁を要求いたします。
  9. 大上司

    大上政府委員 伊藤委員の御質問の点でございますが、お説の通り、これを本国会に提案して御審議願うまでには両三年の経過がございます。さらに財源的な問題につきましては、お説のように、われわれとしても大蔵省に対し再三いろいろと御説明を申し上げたのですが、今日の姿になった。なお、さらに社会保障制度審議会等々の意見もありまして、その経過、あるいは本日の御質問要点のように持っていったところについては、政府当局から十分説明いたさせます。
  10. 松浦功

    松浦説明員 ただいま政務次官から御説明がございましたように、三年間、この問題についてはいろいろと問題が存しましたわけでございます。本年度の予算をめぐりまして、国家公務員共済組合法が施行されてから、もはや三年を経過した状況で、これ以上遅延することは、決して望ましい状況でないというふうに考えまして、各先生方承知のような格好で地方交付税によります財源措置をつけ、それによってこの制度を施行するということに踏み切ったわけでございます。
  11. 高柳忠夫

    高柳説明員 ただいま自治省から御答弁いたしましたように、今回の共済年金国庫負担については、両三年来の懸案でございましたが、大蔵省といたしましては、地方財政負担力の可否という面からと、社会保障一環であることには間違いはございませんが、その社会保障を推進する主体として、国の場合は、国が一割を負担するほかに、その残余使用者側と被使用者側とで折半するという負担区分を現行の共済年金制度においてとっておるわけであります。地方も文字通り自治体でありますので、その自治体にはそれぞれ特例を設け、並びに地方交付税または国庫補助金、いろいろ行政運営するための財源措置が行なわれておるわけでありまして、それを遂行するところの公務員に対する一つ社会保障でありますので、それに対して地方独自が一割を負担し、その残余について国と同じように折半する、これが今回の共済年金制度を施行する上にふさわしいのではないか、こういう考え方をとっておるわけであります。ただそうした場合に、地方団体財源に無理がないかどうかということは一つの議論の要点かと思いますが御承知のように、ここ両三年来の地方財政というものは、国の財政と同様に、非常に発展しておりまして、交付税の伸びにおいてもまた地方税増収の面においても相当増収期待されますので、今回この新しい共済年金制度を施行して生ずるところの負担を十分カバーできるような財政状況であるという認識に私たちは立っておるわけでございます。ただ、その他、行政水準の向上または国の公共事業裏負担等を勘案いたしまして、交付税率引き上げを〇・一、並びに特別交付金の〇・三の廃止に伴う恒久化という形で、実質的には〇・四の交付税引き上げをやっておるわけでございます。   〔委員長退席高田富與委員長   代理着席
  12. 伊藤幟

    伊藤(幟)委員 答弁はありましたが、私、まだ納得できないのであります。他の農業協同組合または私立学校の教員の共済組合などには政府は間違いなく国費を給付しておる。今自治省当局答弁では、最後の三年になったから、これ以上延ばすことはできないので、やむを得ない手段としてやった。また次官答弁も、当局答弁も、社会保障制度の一端であると確認をしておる。でありますから、私の質問は、ことしはこういうふうになっておるけれども、将来どこまでもこういう交付税に入れるべきものか、こういうことを聞いている。私の言葉が足りなかったかもしれません。大蔵省も来ているのですが、大蔵省説明などは、私ども委員会などでさきにわかっている。そういうことはいまさら答弁を聞かなくてもいい。それで私はここに質問するわけです。〇・一でまかないができるのかどうか。なぜ大蔵省はこれに賛成しないのか。外郭団体のようなものに国が直接交付しながらも、国の委任事務をたくさんやっている。十四科目もやっている。県の方は調べておりませんが、これ以上あります。そういうふうな四割以上も国務の代行をしている職員共済組合に、直接国が出さない。ただそろばん上、地方団体身上がいいから、工合がいいから交付税で、国からはやらないというようなことは、その場限りの考えである。あなたたちの入っている国家公務員の方は国費が入っている。一方、地方公務員の方は、お前の方は身上がいいからと言ってくれない、それでまかなえ、それで引き下がってくる自治省の態度というものは、私は百六十万地方公務員のために非常に憤慨をいたす以外にない。(拍手)これは今年は流すわけにはいかないと思うが、あなたたちはやる気持があるかどうか。大蔵省と相撲を取って負けてくるのではだめだ。六団体並びに職員団体に三年間も期待をかけさせておいて、最後交付税〇・一でがまんしろ、やれるはずだ、文部省から教職員の分が半分くるから、そろばんが合う。これは確かに地方財政には合うでしょう、合いますが、統一した法律を作る以上は、国家として確然たる社会保障制度に踏み込まないという及び腰が私は納得できない。これをやるのですか、どうなんですか。ほかの農民団体なんかにやっておいて——これは法律がありますが、これにやれないということは、期待権がはずれた、日本の残酷物語一つになると思う。これはどうなんです。一体やれないのですか、やるのですか。
  13. 大上司

    大上政府委員 ただいまの御質問、ごもっともと思いますので、われわれといたしましても、今日の現段階でさらにこれは検討を加えていくべき問題であり、検討に着手いたしておる次第でございます。なお、さらに自治省側としては、今申しましたように将来の問題として十分検討し、よりよき方に前進すべく研究しております。なお当面、交付団体あるいは不交付団体等につきましても、われわれとしてはこれは基準財政需要額へ繰り入れていくという建前でやっておりますので、当分と申しますか、結論の出るまでは、この法で運営上そう支障ないと考えております。  なお、将来のこの問題についての、大蔵省当局考えはわれわれは関知いたしませんが、そこで大蔵省当局からはまた別途なお答えが出るかと思いますが、自治省としては確固たる立場で将来の問題について十分研究するということを申し上げておきます。
  14. 高柳忠夫

    高柳説明員 制度運用いかんによってやはり時々刻々検討を加えていくことは当然なことでありますし、またただいま申し上げましたように、地方財政はここ数年来は好況でございますが、またどういう事態に立ち入るかということも予想できませんので、その事態に応じての財政負担力の問題を検討することにつきましては、大蔵省といたしましても常に注意を払っていくべきだと思いますが、現在この共済年金制度におきましては、ただいま講じておるような措置で十分かと存じております。
  15. 伊藤幟

    伊藤(幟)委員 自治次官から将来考えるという抽象的なお話でありまして、ここで言質をとるのもかわいそうだから、考えるということで私も半分了解いたしましたが、今の大蔵省側の、ここ数年地方財政はよろしいから、悪くなったときに考える、こういう答弁では私は納得できません。実はきょうは大蔵大臣か、あるいは私福島県人で、福島県の言葉まる出しですから、あなたの方の佐藤さんなら私の言葉がみなわかるから、佐藤さんに来てもらいたかった。それが参議院で来られないということで非常に残念でありますが、後日この委員会に来てもらってこれだけはどうしても解決したい。地方財政が悪くなったときまた考えるということではこれは困る。初めの出発から社会保障制度として国が一部持ちまして、そうして確実なるものでやらなければいけない。やはり国家公務員が百六十万あれば地方公務員も百六十万あるのであります。全国に百六十万の二つ一つがあるのでありますから、これだけの多数の者——これは私の調査では学校職員が抜けているかもしれませんが、これだけ多数の者の身元を保障するのに、地方財政が豊かだから当分はできる、また世の中が不景気になって、豊かでなくなったら考えるということでは、その日暮らしの社会保障制度と言わざるを得ない。これは主計官のあなただけにきついことを言っても答弁できないでしょうから、帰ってあなたの方の大臣なり主計局長なり佐藤さんに、伊藤がこう言っている、言葉が通じないようだから福島県の言葉がわかる佐藤さんに来てもらいたい、こういうことを伝えていただきたい、こういうように希望しておきます。これは必ず確立しなければいけませんから、自治省も大いに反省して、そうして大蔵省側も大いに反省して——自分身元保障ができればそれでよろしいという思想ではないでしょうが、地方のものは今のうちは好況だ、好況でなくなったらまた考えるという答弁では、私どもを侮辱している答弁であると私は解釈して、きょうは帰りますから、かように心得てもらいたい。承知できません。このあとはもう追及しません。一主計官のあなたに追及しても何ともしようがない。
  16. 川村継義

    川村(継)委員 議事進行。今の大蔵省主計官ですか、あなたの伊藤委員質問に対する先の方の答弁と今の答弁は、われわれ非常に矛盾を感ずる。そのような答弁でこの場を切り抜けてもらっては困る。大体大蔵省地方行政をいつも軽視しておる。もう少し責任ある人を出して下さい。大蔵大臣次官に来てもらって、今の伊藤委員の問題について、はっきりした答弁を求めたいと思います。委員長の善処をお願いいたします。
  17. 伊藤幟

    伊藤(幟)委員 私も同様であります。後刻大臣主計局長に、参議院の都合を見てこちらに来てもらうようにお願いをいたします。  次は、自治省当局にお聞きしますが、この団体のうちには組合規模が非常に小さなものもございます。こういう小さなものも保険経済として大丈夫、将来確実にやれる見込みがあるかどうか、これをお聞きいたします。   〔高田富與委員長代理退席、委   員長着席
  18. 松浦功

    松浦説明員 ただいま御指摘になられました小さな規模組合というのは、おそらく各都道府県単位にできます市町村職員共済組合並びに一つの市あるいは二以上の市が連合して作ります都市職員共済組合のことであろうかと思うのであります。そのほかは、御承知のように三共済全国単位でございます。あと五大市と東京都でございますが、これは一つ単位として保険数理上も十分成り立って参ると思います。これらの、今御指摘のございました小さな規模市町村職員共済組合並びに都市職員共済組合につきましては、全国単位連合会を作りまして、保険計算上は連合会全体を一つ単位として計算することによりまして、保険財政上の安全をはかって参りたいということで、法案の中には連合会制度を作って、この問題の解決をはかっているので御了承いただきたいと思います。
  19. 伊藤幟

    伊藤(幟)委員 この職員組合には各種種類がありまして、今までは運営に対する審議会組合方式二つがあります。なぜ今度の法律一つ思想に統一できないか、あるものは審議会系統あるものは組合系統でやる場合、法律管理制度二つに分かれるような疑義がありますが、この点はどう思いますか。
  20. 松浦功

    松浦説明員 御承知のように三共済、すなわち地方職員共済組合並びに公立学校共済組合警察共済組合は、現在施行されておりまする国家公務員共済組合法の適用を受けておるわけでございます。それにつきましては御承知のように、すでに運営審議会制度をもって現在やられておるわけであります。従いまして、新しくできまする——新しくと申しますと語弊があるかもしれませんが、同時性を持って法律上存続されておりまする三共済につきましては、現在やっておりまする運営審議会制度を踏襲することを考えたわけでございます。さらに市町村職員共済組合その他の三共済組合以外の組合につきましては、現在行なっております市町村共済組合法の中に規定されておる組合会制度というものをそのまま踏襲していくことが最も適当であると考えまして、これは言いかえますならば、従来からの沿革によりまして、こういうふうになじんでおる制度でやっていくことがより効果的であるという考えでいたしたわけであります。
  21. 伊藤幟

    伊藤(幟)委員 この共済組合制度が確立いたしますと、これに積み立てる資金というものは相当額になるようでありますが、この多額の資金を、将来いかなる運営をしようと考えておるのか。
  22. 松浦功

    松浦説明員 積立金の額はお説のように相当な額に上りますので、これの運用につきましては十分配意が必要であると考えております。法律では「事業目的及び資金の性質に応じ、安全かつ効率的な方法により、かつ、組合員福祉増進又は地方公共団体行政目的実現に資するように運用しなければならない。」という規定を設けております。具体的に申しますならば、非常に大きな金でもあり、半公的な性格を有するものであるから、安全かつ効率的にやらなければならないと同時に、もっと具体的に目的別に申しますならば、組合員福祉増進、それと地方公共団体行政目的実現に資するように運用するんだということでございます。  さらに具体的に申し上げますならば、それぞれ資産割合のうち、どの程度をどのように運用しなければならないかということについては政令で規定をいたすつもりでございまするが、法律精神に十分沿い得ますように、組合員福祉増進ということを強く考える。さらにこれに合わせて地方公共団体行政目的実現に資するように使われるように、それぞれ適当な規定を設けて参りたい、このように考えております。
  23. 伊藤幟

    伊藤(幟)委員 現行制度地方公務員との関係でございますが、これは既得権と期待権があろうと思います。これは尊重されなければならない。その例を申し上げますと、十年または十二年という短期の年金をきめておる団体の条例がありますが、この適用者は今度の法律で不利になりませんか。  第二点は、有利な支給率を定めておるところは不利にならないかどうか。  三は、五十五才まで支給を一律に停止することは不利にならないか、この点について答弁を願います。
  24. 松浦功

    松浦説明員 ただいま指摘がございましたように、すでに行なわれておりまする制度から出て参ります既得権なり期待権につきましては、われわれといたしましては極力これを尊重するということを方針といたしまして、法律その他の作成に苦労を重ねたわけでございます。具体的に申し上げますならば、受給年限の問題でございます。これにつきましては十七年ルール、すなわち恩給のルールによって現在施行されておりますものにつきましては、その条例の適用を受けておりまする期間が十一年以上でございますものは十七年で年金をつける。五年から十一年までの勤務年限を持っておられる方については十八年でつける。五年以下であっても十七年ルールの条例の適用を受けておる方については十九年でつけるという経過規定を設けるほかに、十五年とか十年とかいうような、さらに有利な条例の適用を受けておられる方もございます。それらの方につきましては、過去の部分が決して不利にならないように、それぞれ比例方式をもちまして、受給年限については既得権、期待権を尊重するという建前をとっております。  また額の問題につきましても、旧条例の適用を受けておる期間については、旧条例に定めるところによりまして額を算定いたしまして、その額は保障するということを法律の中で規定をいたしております。  さらに支給開始年令につきましても、五十五才以前は支給しないということを本法に書いてございまするが、旧法におきまして五十五才未満でも支給をするという規定がございます部分については、旧法の適用を受けておりました部分に相当する額については、それぞれのそういった規定を適用して経過的に不利にわたらないよう配慮いたしております。具体的にお尋ねのございました十年で年金がつくようなときは一体どうなるのかということでございますが、これは、十年の条例の適用を受けておりました人がその団体に八年勤めておったといたしますると、八年の十分の二十倍ということで、仮定計算上は十六年勤務したというふうに計算いたしまして、新法施行後四年間勤務すれば年金をつける。実際には前の八年とあとの四年の十二年でつくという経過措置を設け、さらに十年の場合には一年当たりの年金額が非常に多いわけでございますから、八年部分について有利な旧条例によりまして計算した部分と施行後の新法によりまして計算した部分と、両方足しましたものを年金として支給する、こういうふうなことによりまして過去の既得権なり期待権を尊重することを建前としております。  なおそれによりましても基本的に新法よりも有利な条例の適用を受けておる職員もあるわけでございます。具体的に申しますならば、私どもの調べでは大阪等約九つの市があるわけですが、そういう市につきましては、新法の適用を受けました場合には、そのままもとの条例が適用になっていった場合にもらえたであろう額よりこの法律によってもらいます額が少ない場合には、その差額の範囲内で、各地方公共団体が条例でそれに相当する額を支給することができる、こういう特例規定を設けまして、極力期待権尊重ということをはかって参ることを建前といたしております。  なお、五十五才まで年金を支給しないということは非常に不穏当じゃないかということでございますが、建前といたしましては、御承知のように今度の年金制度は老齢保障ということを建前といたしておりますので、四十五才あるいは五十才程度の稼動能力のある方々については年金を支給しない、そのかわり五十五才からできるだけ手厚くするという建前をとることにいたしておりますので、新法におきましては五十五才まで支給しないということにしておるわけであります。ただ過去の条例におきまして四十五才以降は年金が支給されるような条例の適用を受けておられた方々が現在は大部分でございます。そういう方々につきましては、旧法の適用を受けておりました時代の年金に相当する部分については、四十五才から五十才については幾ら、五十一才から五十五才までについては幾らというふうに、旧条例で規定しておりましたものに準じまして、その規定に従いまして、それぞれ新法施行後も五十五才未満でも年金を支給するという特例規定を設けまして、過去におきます既得権を尊重するということを考慮いたしておるわけでございます。
  25. 伊藤幟

    伊藤(幟)委員 第六点は、恩給制度で認めた弱年停止制度をやめて減額退職年金制度を採用した、その理由を聞きたいのであります。これはこのままでやれば、私どものようなしろうとが考えれば——やはり五十五才でもらった場合と四十五才で減額でもらった場合と、いろいろ自治省当局は計数的、統計的に調査をしたと思うのでありますが、一体地方公務員は、五十五才から平均して何年くらい給付を受けているか、そして四十五才で今度の減額支給を受けた場合の計数的の問題はどうなっておるか、そこのところが、退職年金をもらう当人になりますれば非常に大きな問題である。ことに学校職員の女子教員等は、四十五才ぐらいでやめる人が多いのでありますから、こういうふうな問題については十分当局は研究をして、いやしくも不公平のないようにするべきものであると思いますが、その点を伺いたい。  もう一つは、今度の掛金によりまして、なぜ従来の若年停止をやめて、従来通りにできなかったか、こういう二点をお聞きしたいと思います。
  26. 松浦功

    松浦説明員 従来恩給制度において認められておりました若年停止制度を、この新しい法律の中で採用しなかった理由ということでございますが、先ほどもちょっと触れましたように、この新しい法律によります年金制度は、老齢保障を主たるねらいといたしております。従って四十五才から五十才程度のまだ稼働能力のある方々につきましては、年金を支給しない、そして五十五才以降について支給をする場合に、できるだけ手厚い年金を支給をするという建前をとるべきであるというふうに考えたわけでございます。この考え方国家公務員共済組合法の場合と全く同じでございます。  さらに、もう一つ理由といたしましては、やはり官公吏といたしまして、長い期間勤続した方々ができるだけ有利になるようにという仕組みを公務員制度建前としては考えるべきであるということが、もう一つの要素になっておるわけでございます。そのかわり、ただ一律に何でもかんでも五十五才からのみしか支給をしないという建前にすることは、必ずしも個々人の実情からして適当でない場合もあり得るということから、御承知のように減額退職年金制度というものを併用いたしまして、個人の希望によっては減額退職年金制度の選択を認める道を開いているわけであります。  具体的に計数的に申し上げますならば、二十二才で就職をいたしまして、在職年数二十二年、その者の給料が四十四才で四万八千円、こういうふうに仮定をして、今申し上げましたようなあらゆる場合についてどうなるかということを考えてみますと、新制度におきまして五十五才からもらっていくのだということで、減額退職年金制度を選択しなかった場合には、五十五才から二十四万四千六百七十円を支給を受ける計算になります。逆に減額退職年金制度を選択したといたしますと、四十四才からそのままもらえるわけでございますが、額は減額をされまして、十三万七千円を将来に向かって永久にもらって参るということになります。それからもし新制度の改正を行なわないで、そのまま旧制度でやったというふうに前提を置きまして、こういう方々についての年金がどうなるかということを計算してみますと、四十五才から五十才までは十万五千円、五十才から五十五才までは十四万七千円、五十五才以上は二十一万一千円、こういう格好になるわけでございます。この数字はお手元に資料として御配付してあるはずでございますが、これによりますと、なるほど四十五才から五十五才までは減額退職年金制度を選ばない限り年金はもらえないわけでございますが、五十五才からは二十四万四千円もらえる。制度を改めない限りは四十五才から五十五才までも一部はもらえますけれども、五十五才からは二十一万一千円、約三万三千円ばかり少ない金額をもらっていくということになります、これは先ほど先生からお尋ねがございましたように、五十五才からの受給平均年限は十八年でございます。これらの点をかみ合わせますならば、大体旧制度のままいった方が得だという結論は私どもとしては出ない、新制度にかえた方が十八年間もらうという前提では得になるという計算になっておるわけでございます。
  27. 伊藤幟

    伊藤(幟)委員 第七点は、掛金が恩給制度の納付金率より二・三倍に上がっております。ですからこれは当人にするとなかなか重い負担になるであろうと考えます。これはそれに対する見返えりの給付の問題でありますが、給付の率がよくなればこれは解決すると思うのでありますが、二・三倍に今度の新制度が増額するということに対して、それに対する給付の見返りがどうなっておるか、この点をお聞きしたいのであります。
  28. 松浦功

    松浦説明員 ただいま御指摘がございましたように、千分の四十四というふうに掛金がきめられますならば、現在が大体百分の二でございますから二・二倍になるわけでございます。二・二倍に掛金が上がりますが、新しい制度で一体どのように給付の内容がふえていくのかというお尋ねだと思うのでございます。これにつきましては、いろいろと要素がございます。まず第一は、年金法によりまする年金給付自体の内容の改善ということが一つ、さらにもう一つ法律の中で地方公共団体にそれぞれ義務づけをいたしておるわけでございますが、退職手当の内容を現在行なわれておりまするものからさらに国家公務員退職手当法に準じた内容まで引き上げよう、こういう内容と、二つを包含をいたしております。これらを両方勘案をいたしまして、それぞれかけて参ります掛金との比較をとって参りました場合には、私どもとしてはほとんどの場合において、ごく特殊な地方公共団体について若干問題のある点があるかと思いますが、全般的に申し上げますならば、掛金がふえたものに見合うだけの給付が必ず将来還元されるということを、一般的に認めざるを得ないというふうに考えております。
  29. 伊藤幟

    伊藤(幟)委員 この新制度に切りかえまして、地方公共団体負担相当ふえてくるのではないか。先ほどの繰り返しになりますけれども、これが地方公共団体財政を圧迫する心配はないと答弁しておりますが、町村恩給組合だけは積み立てを各県やっておりますから、そのまま切りかえることができようと思いますが、そのほかの団体についてはあるものは積み立てがあるのでありますが、大体なかったと思います。それで、これを何年間に追い越していくのか、こういうものに対して〇・一%の交付税でまかないができるかどうか、ここに先ほど私が質問したような疑いが十分出てくるのであります。これは他の事業費等を圧迫するおそれがある、こういうようなことが十分考えられるはずであります。これをどういうふうに指導をして処置をしてやろうとするのでありますか。この点が非常に大切なことであります。六団体のうち、町村団体だけで、よそは積立金がなく、特に県などはそのつど予算化してその年度において給付をいたしておる実態が所々方々にあるのであります。これはどういうふうなことに処置いたしますか、その点をお聞きしたいと思います。
  30. 大上司

    大上政府委員 前回もお答えいたしましたように、現段階では、地方団体の新規に生まれてくる負担金は、いわゆる地方交付税等によってまかない得る、このように存じております。なお、さらに細部にわたっては、事務当局から十分説明いたさせます。
  31. 松浦功

    松浦説明員 ただいま御指摘をいただきましたように、積立金を持っているものと積立金を持っていないものと、各種各様でございますことは御指摘通りでございます。従いまして、この法律の中にも書いてございますが、過去の部分に相当いたしまする追加費用等については、国がやっております措置に準じてそれぞれ措置をして参りたいと考えておりまするし、また積立金がございませんでも、過去にやめられました年金条例によりまする年金の受給者、こういった者については今後も従前の例によりまして地方公共団体が支払うことになっております。新法施行後やめて参られる方についてのみ新共済組合が年金を支払っていくという建前になっておりますので、当分の間は別に追加費用がどうだこうだというような問題は起こらないと考えております。いずれにいたしましても、追加費用の問題につきましては、できるだけ各国団体にきちんとした格好で処理ができまするようにそれぞれ政令で計画を設けて参りたいと考えております。なお、それらの問題については当然地方団体としては負担がかかって参るわけでございます。これについては地方財政に御迷惑をかけないように十全の努力をして参りたいと考えております。
  32. 伊藤幟

    伊藤(幟)委員 答弁は私は納得できないのです。これは切りかえたのだから負担をさせる、こういうことになって、今までのものはその団体予算でやるというわけですが、もし負担があったならば差しつかえをさせないような指導をすると言っておりますが、それは課長さんの答弁では私は満足できません。これは奥野局長が来なければ安心して聞けない。今の言葉のうちにあやふやなところがある。これは政務次官に聞いてもちょっとわからないのだ。奥野君が一番です。奥野君を請求します。奥野財政局長を呼んで下さい。これはそうなるであろうというようなことでは、こういうふうな社会保障制度を確立するについては、あやふやであって私は納得できません。これは財政局長を呼んで下さい、後刻でいいですから。
  33. 大上司

    大上政府委員 御質問ごもっともと思います。従いまして、いわゆる財政上あるいはこれの立て方等につきましては、財政局長から即刻手配して答弁いたさせます。
  34. 伊藤幟

    伊藤(幟)委員 第九点は、地方公共団体共済組合であるために、国の共済組合と異なって監督権を縮小しておることは好ましいことでありますが、組合の適正を期するためには、自治省は将来これで大丈夫という考えがありましょうか、その点をお伺いいたします。
  35. 松浦功

    松浦説明員 ただいま御指摘の、自治省あるいは文部省等の各共済組合に対する監督権の問題でございますが、これは関係団体からの要望もあり、また地方自治体が関与する共済組合であるということも考え、さらには国庫負担金というような直接の国からの措置もないという等の事情を十分考慮いたしまして、それぞれ規定をいたしました。従って、結果的には国家公務員共済組合法に掲げられております監督権よりは相当監督権がゆるめられておるわけでございます。具体的な問題としては、認可事項を報告事項に切りかえておるというような格好で、監督権をゆるめておるわけでございますが、ただいま御指摘のように非常に公的な性格の強い公法人でございます。これが運営が誤られるようなことがございますると、大問題でございますので、与えられた監督権の範囲内において、地方共済組合が誤った運営に陥ることのないように、十分指導して参るつもりでおります。また、それだけの自信を持っておりますので、御了承いただきたいと思います。
  36. 伊藤幟

    伊藤(幟)委員 地方公共団体、県並びに市町村外郭団体がございますが、ことに町村は電気ガス税の徴収事務を御承知のように代行しております、県ごとに。ですから、町村事務の一部をやっておる職員がたくさんいるはずであります。それでなくても、これは公共団体の御用を足すのでありますから、同様な資格があるものだ、これが今度の法律に身分の保障がない。それからもう一つは、国民健康保険の事務は市町村の窓口でやっておるのであります。机を並べておる。それが今度の対象にならなくて、一方は厚生年金に入っておる。保障されておる。これでは非常にまずいということを自治省当局も認めざるを得ないと思う。これは大きな忘れものをした。なぜこういうふうな忘れものになったのか。これは常識から考えると当然入れるべきものを、入れないという非常識的なことに対しては、非常な地方に不平がある。その点については、今日までどういうふうな経過をたどってこういうような法文化をしたのかということを御答弁願いたい。
  37. 松浦功

    松浦説明員 ただいま御指摘をいただきました点は、団体職員共済制度の問題であろうかと思うわけでございます。自治省当局といたしましても、これらの市町村等の事務を実質的に肩がわりをしてやっておられると認められておるような団体職員、ただいま先生から御指摘のございました国民健康保険組合連合会、こういったようなものの職員については、公務員に準じた共済制度というものを作ることによって、その身分の安定をはかることが望ましいというふうに私ども考えておったわけでございますけれども、一体どの程度までそういう職員と判断をするか、あるいは法律等に論拠を持っておるか持っておらないかというような事務的な点について、非常にたくさんのまだ問題点がございます。それらの点につきましていろいろと政府部内で検討いたしましたが結論を得るに至らなかったので、御提案を申し上げることができなかったわけでございます。将来の問題といたしまして、私どももただいま御指摘をいただきました気持で、実現の方向でできるだけ検討を進めて参りたいというつもりでおりますので、御了承いただきたいと思います。
  38. 伊藤幟

    伊藤(幟)委員 先ほど質問した農業協同組合職員、あの団体等は政府で一部負担して共済組合をやっておりますから、国民健康保険の職員は当然だと思います。それから町村事務の一部をやっている職員、これは各種団体職員と同様な連絡事務をやっておるのでありますから、どの点でラインを引くか不明であるということは私もうなずけるところがあるのであります。これは要望でありますが、ぜひ次の国会までにこの二つの案件を強力に進めて、そして立法化することを当局に要望いたしまして、私の質問は大蔵当局財政局長の二つの点を保留して打ち切ります。
  39. 園田直

    園田委員長 山口鶴男君。
  40. 山口鶴男

    ○山口(鶴)委員 伊藤委員がお尋ねいたしました点は私もお尋ねしてみたいと思っていた点でありますが、自治省並び大蔵省におきましても責任者の方がお見えでございませんので、お尋ねをいたすのに非常に差しつかえるわけでありますが、基本的な最終的なお答えというものはあとに保留いたしまして、主として事務的な面をそれではお尋ねしてみたいと思います。  まず第一は、今回従来の恩給制度あるいはその他の制度を廃止いたしまして、共済組合一本によって、もちろんこの共済組合は七つの種類に分かれていたわけでありますが、とにもかくにも地方公務員共済組合法案という一つ法律によってこの性格を規定をして、そして退職年金の制度を統一的に運用していこう、こういうわけでございますが、従来の恩給というような制度と変わりまして、今回の場合におきましては組合員も掛金をするし、また雇用いたしておるそれぞれの団体においても資金を出して、いわば保険のような形で運用するわけでございまして、国の社会保障一環としてのいわば社会保険といった性格に大きくこの性格が変わって参ると思うのであります。  そこでお尋ねをいたしたいと思うのでありますが、とにもかくにも従来の恩給制度からこの社会保険の制度には変わりましたけれども、これを実施する基本的な考え方というものは、あくまでも国の社会保障一環としてこれを運用する、こういうふうに聞いておるわけでございまして、そうなりますならば、当然今後この会計を運用していく場合に、たとえば赤字が出るとかいろいろな事態が起こるでありましょうが、そうした場合におきましては、国の社会保障一環として行なうのでありまするならば、当然最終的な責任は国が持つ、こういうものでなくてはならぬと私は思うのでありますが、この点政務次官にお尋ねをいたしますが、私のような考え方で了解してよろしゅうございますか。
  41. 大上司

    大上政府委員 その最終の赤字の補てんといいますか、処理は、いわゆる第一次的にはやはり地方公共団体に処置を願い、なお、さらに最終的には国がその保証に任ずる、こういう建前にいたしております。  なおこれの流し方あるいは処置の仕方は説明員から説明させます。
  42. 山口鶴男

    ○山口(鶴)委員 当面は地方公共団体が持つが、しかしその最終的な責任は国が持つと、こういう次官のお答えでありまするから、それはそれでけっこうであります。具体的な点はまたあとでお伺いいたします。  さてそこで、この今度の制度が従来の制度と非常に違いますことはいろいろございますが、もちろん現在の地方公務員の勤めておりまする職場の状況によっても非常に千差万別の影響がございます。指定都市の場合あるいはこの適用除外になっておりまする市の職員あるいは公立学校の先生方あるいは道府県庁に勤めておる職員の人たち、それぞれ現在の制度に違いがございますから、今度の新制度に移行いたしました場合の変化というものは千差万別でございます。でありますが、特に同じように影響がありますのは、これは掛金が非常に、とにもかくにも上がってくるということは、これはもう今回の制度の適用になりまする人たち同一に影響のある問題であります。今回の法律を拝見いたしますと、財源負担は各組合員が四十五の掛金を負担する。それからまた公共団体が五十五の負担をする。四十五、五十五という負担割合をもってこの掛金をきめていく。その掛金は、おおむね千分の四十四というふうに財源の計算書によって拝見をいたしますとなるようであります。ところが、私はやはりここに問題の焦点があると思うのであります。かつて人事院が、昭和二十八年新退職年金制度について、国会並びに政府に対して勧告をいたしました。私もこの勧告については、今なお記憶をいたしておるのでありますが、この場合の財源負担率は組合員が百分の二十五、そして国、公共団体が百分の七十五を負担する。これによって、ちょうど給付については今回提案をせられましたものとほぼ同じような給付内容を持って、いわゆる恩給というようないわゆる天皇制度の古めかしい制度から、新しい公務員制度にふさわしいところの退職年金制度としてこれを実現すべきだ、こういう勧告をいたしたのでありますが、今回負担割合を、百分の四十五と百分の五十五という割合にしなくてはならぬという根拠は一体何でございましょうか。この点を一つお聞かせをいただきたいと思うのであります。
  43. 松浦功

    松浦説明員 ただいま御指摘のように、昭和二十八年の人事院勧告では、職員負担は百分の二十五、それから団体側の負担が百分の七十五ということが適当だという勧告が出されておりますが、この勧告の趣旨は、共済制度ということを前提に置いたものではございません。恩給制度をこういうふうに改めたらどうかという勧告の内容であったと私は承知をいたしております。従いまして共済制度に踏み切る際には、必ずしもこの勧告との関係を直接考慮する必要はないじゃないかということを考えると同時に、国家公務員共済あるいは公共企業体の共済等との関連を考慮いたしまして、百分の四十五、百分の五十五という負担割合にいたしたわけでございます。
  44. 山口鶴男

    ○山口(鶴)委員 しかし人事院勧告は今なお生きているでしょう。本日、人事院の方がお見えになりませんので、あとで呼んでいただきたいと思うのですけれども、これは政府並びに国会に対して人事院が勧告をして、その後この勧告を取り下げたということはないですからね。今なお勧告は生きているわけです。国家公務員法によれば、人事院の勧告については政府、国会ともこれを守って実現をすべき義務を負っているわけでございますが、そういう建前から大上次官にお尋ねをいたしますが、人事院勧告は今もって生きておる。それは何も共済制度にしろと言っているわけではありません。それは古めかしい恩給制度から新しい公務員制度にふさわしい退職年金の制度を打ち立てろ、こういう趣旨で勧告をしたことは私もよく承知をいたしておりますが、その勧告は今までも生きておる。それに対しては政府はこの実現に努力をする責任がございます。国家公務員あるいは三公社五現業が現在保険制度といいますか、共済制度を実施しておることは承知をいたしております。これが勧告の趣旨に反していることも事実であります。事実であるけれども、しかしその人事院がかつて勧告をした精神というものは今でも生きておるわけでありますから、当然そういう関係において政府としてはどういう判断をせられたのか、この点一つ次官からお聞かせをいただきたいと思います。
  45. 大上司

    大上政府委員 お説の通り昭和二十八年の人事院勧告に恩給法の勧告がありましたが、なおそれにもそういう勧告があったわけではございません、もちろん影響はありましたが、ただいま松浦課長から御説明したように、今次の問題は恩給法でなくして、いわゆる共済年金制度へ踏み切った。従いまして勧告の趣旨はありますが、他面国家公務員に対する共済年金制度は発足いたしております。そのような建前から、勧告に対するところの趣旨はよく了承いたしますが、法案の進め方、あるいはその立て方といたしましては、政府は踏み切っていわゆる現在の国家公務員共済年金制度を実施しております。こういう解釈をしております。
  46. 山口鶴男

    ○山口(鶴)委員 人事院が勧告いたしました内容は退職年金制度であり、今度のはいわゆる共済年金方式によるものだ、しかし給付はよく似ておりますね。これは公務員課長さんよく御存じの通りであります。給付は確かに人事院勧告のまねをいたしております。ところが実際にはどうかというと、いわゆる社会保険の制度だ、共済組合方式なんだ。だから掛金がこうなんだといって給付の方はやや人事院勧告に似たような形で一般の人たちを惑わすのでありますが、人事院勧告とは全く似ても似つかない、片や百分の二十五に対して片や百分の四十五という膨大な掛金をかぶせてくる。ここに私は今回の共済組合法案の全く羊頭を掲げて狗肉を売るといいますか、そういった全くインチキな内容があるというふうに言わざるを得ないと思うのであります。この百分の四十五のよってきましたいわゆる保険数理の問題につきましては、あとでお尋ねしたいと思います。私がいろいろ見ましたところでは、いかにもいろいろな脱退残存数やあるいは給料指数やその他死亡率やあるいはいろんなものを使いまして、言うならば多元一次方程式を使いまして、きわめて簡単な——ファクターが多いものですから、計算の方式はややこしいようでありますけれども、内容は一次方程式でありまして、そうむずかしいものではないようでありますが、とにかくいろいろな計算をいたしまして、百分の四十五、百分の五十五の負担割合をもってするならば、組合員の掛金は千分の四十四になるという計算をいたしておるようでございますが、この点はとにかく私どもとしましては、この信憑性が十分あるというふうには受け取れないわけでございます。この点はあとで議論をいたしたいと思います。  そこで、先ほど伊藤委員もお尋ねをいたした点でありますが、百分の四十五、百分の五十五という負担割合の点でございますが、当初は自治省としては組合員が百分の四十五、地方公共団体が百分の四十五、残る百分の十は、いわゆる給付金の一〇%に当たるものはこれは国の負担によるのだ、いわば国庫負担によってこれを処置する、しかも事務費については一〇〇%国の負担にすべきである、それは当然だと思うのです。国家公務員はそうでありまするし、また民間の厚生年金にいたしましても給付の一五%が国の負担になっております。船員保険に至っては給付の二〇%が国の負担になっておる。国の社会保障一環としてこれを行ない、当面は地方公共団体が責任を負うけれども、いみじくも政務次官が言われたように、国がその責任を最終的には負うといういわゆる国の社会保障一環として行なう建前であるといたしますならば、当然給付金の一〇%も少なきに失する、国家公務員並みということを言えばそういうことになるかもしれませんが、とにもかくにも一〇%なら一〇%が少ない——多いということはないのですが、少ないという議論はございますけれども、とにもかくにも一〇%は負担をし、事務費も全額国が負担をする、合計七十五億くらいの経費自治省が当初予定したように、当然持つべきである、これは私は筋だと思うのです。先ほど政務次官伊藤委員に対していろいろお答えをいたしたのでありますが、当面の責任は地方公共団体が負い、最終的には国がその責任を負うという政務次官のお考えからすれば、今回の交付税〇・一%、十五億でごまかされたということについては、自治省としては大蔵省の非常に思いやりのないやり方については全く遺憾に思っておる、こういうふうに私は考えるのでありますが、次官どうですか。
  47. 大上司

    大上政府委員 ただいまの問題ですが、大蔵省側から地方公共団体のすなちわ租税の公権があるとか、あるいは地方交付金云々というものの見方があると思いますが、ただ私たちの当面といいますか、関係省といたしましては、いわゆる政府内部としては最終的には意見の一致を見ましたが、その過程におきましては、この財政的な面においては将来なおさらに大蔵省と折衝をしていきたいという決意を持っております。
  48. 山口鶴男

    ○山口(鶴)委員 自治省としては不満だが、政府としては意見が一致した、こういうお話であります。といえば一方的に大蔵省に押し切られたということになるではないですか、それは。自治省としてどうなんですか、そういう言い方は、次官のような言い方もあるかもしれませんが、内容的には自治省としては要求したのだが、全く大蔵省に押し切られてこういう形になったんだ、それが政府の見解として一致した、全く残念でございますということだろうと私は思うのであります。  そこで事務当局にお尋ねしますが、その給付率一〇%持つとすれば幾ら要るのか、事務費全額一〇〇%国の負担とすれば幾ら国が補助を出さなければならぬのか。この計数は幾らですか。
  49. 松浦功

    松浦説明員 一割の給付費に対する国庫負担は、予算要求をいたしましたときの数字でございますが、五十七億円でございます。事務費として要求をいたしましたのは十八億円でございます。合計七十五億でございます。
  50. 山口鶴男

    ○山口(鶴)委員 給付金の五十七億、当然これの内訳があると思う。地方職員共済組合——交付団体、不交付団体、もちろん全部含めての話でありますが、地方職員として幾ら、公立学校として幾ら、警察として幾ら、それから都市共済、市町村共済、都共済、それぞれ分けて幾らですか。
  51. 松浦功

    松浦説明員 予算要求の資料をちょっと本日持ち合わせておりませんので、次会に御答弁申し上げることをお許し願いたいと思います。
  52. 山口鶴男

    ○山口(鶴)委員 それではあとで出して下さい。給付金と事務費の両方の内訳についてお願いいたします。  そうすると七十五億要求したわけですね。要求したからにはそれだけ要ると思う。ところが交付税の〇・一%といえば、先ほど伊藤委員も言われましたが、これは十五億にしかなりませんね。しかも交付税交付団体にはもちろん行きますけれども、不交付団体には全く行かない。こういう形になります。そうしますと簡単な算術計算をいたしましても、六十億から地方財政に圧迫を与えたという格好になるのではないですか、今回の制度によって。この六十億を一体自治省はどうするつもりですか。
  53. 松浦功

    松浦説明員 ただいま御指摘のような考え方一つ考え方であると思います。私どもといたしましては、三十六年度に比べて三十七年度に相当地方税が伸びる、さらに交付税の自然増が相当にございますが、御承知財政計画の中においても行政水準引き上げ、さらには負担金の解消、こういうような経費をあげましたほかに、今お述べになられましたような計数については、全部必要な額については計算をいたしまして、財政計画の中にすでに計上をいたしております。その財政計画を基礎にいたしまして、それぞれ交付税単位費用を算定いたしまして、基準財政需要額に算入をされて、地方団体にそれぞれ財政措置がされて参りますので、それによって運営はできるというふうに考えておるわけでございます。
  54. 山口鶴男

    ○山口(鶴)委員 そういう御答弁は私は非常にどうかと思うのです。一つ考え方——あなたの方で七十五億要求したじゃありませんか。要求しておいて今になって聞かれたら、それは一つ考え方だ、何ですか、それは。しかも話を聞いておりますと、地方税の自然増収があって何とかかんとかなるだろう、そういうきわめて不見識な御答弁は聞きたくないと思うのです。まあここで言ったって仕方がありませんから、多くは言いませんけれども、たとえば学校の建築の補助単価は三万二千五百円、伊藤さんも前に言われたのですが、坪四万円なければ絶対に学校の建築はできぬ、その分、地方財政にしわ寄せされるじゃないか、こう言えば、それは地方税の自然増収があるから何とかなるでしょう、何でもかんでも地方税の自然増々々々と言ったら幾ら自然増があったって足らないじゃありませんか。そういう無責任な言い方は、大蔵省が言うのならいいです。しかし自治省としては、そういう無責任な言い方は私はしてもらいたくない。この点は伊藤さんも財政局長を呼ばれておるようでございますから、財政局長なり自治大臣が参りましてからあらためてお伺いをすることにして、保留をしておきたいと思います。  大蔵省にお尋ねしたいのですが、宮田主計監査官高柳主計官かどちらが主管か知りませんが、とにかく七十五億必要だというものを交付税の〇・一%、十五億でいいというふうに大蔵省は押し切られたわけですね。大蔵省としてはめちゃくちゃに十五億というふうにしたわけじゃないだろう。そうであれば非常識措置だと思うのです。大蔵省としては切ったからには十五億で済むという何か根拠があると思う。その根拠を示していただきたい。
  55. 高柳忠夫

    高柳説明員 先ほども答弁いたしましたように、自治省から要求がありました一割国庫負担事務費全額負担の要求額に見合って、その国庫負担を認めないかわりに、交付税率を〇・一引き上げることに同意したというふうには私たち考えておりません。地方財政負担能力、歳入歳出と見合いまして、地方財政計画というものを私たち予算折衝の過程におきまして、自治省と協議いたしまして、大蔵省といたしましては、一割国庫負担は先ほど申し上げたような理由で認めがたいが、地方負担になるその財源措置について、その他の所要財源と合わせて検討して、その結果行政水準の向上等も考えながら、交付税率の〇・一%、それから特別地方交付金というものはこれは臨時的な性質のものでございまして、いつかは廃止されるもので、当分の間存続されるものでございますから、それを恒久化するということをあわせ考えまして、きめたわけでございます。従いまして、共済年金制度の一割国庫負担交付税率の〇・一%引き上げとが同一の財源措置だとは考えておりません。
  56. 山口鶴男

    ○山口(鶴)委員 さっきはあなたは伊藤さんの質問に対してそう言ったじゃないですか。  自治省に聞きますが、次官大蔵省の言ったようなことなんですか、〇・一%、十五億円については。
  57. 大上司

    大上政府委員 われわれの方といたしましては、この〇・一を恒久化するという面で、いわゆる定時に定量の——ただいま説明員も申しましたが、地方の自然増収があるとか、あるいは不確定なものの推定に基づく地方財政計画よりも、確定したものを、しかもこれを臨時であったものを恒久化せしめていく、この財源は基礎的にはっきり毎年次に出し得るという考え方と、それからもう一つは、いわゆる地方財政不足する分については、交付税の税率を引き上げていく、これでまかなっていくならば、当面としてはさして支障ない、このような考え方のもとに御審議を願っておるような次第でございます。
  58. 山口鶴男

    ○山口(鶴)委員 結局さっきも言われたのですが、地方行政委員会あるいは予算委員会の分科会等を通じて、自治省が七十五億要求したのだが、いろいろな経緯で結局は〇・一%、十五億でごまかされた、残念だということを言ってきたじゃないですか。それで大蔵省が今度地方財政計画全般を見て云々と言うと、またそれに合わせたようなことを言って、おかしいと思うんです。自治省が七十五億要求したのだが、十五億でごまかされた、六十億とにかく地方財政負担をかけてきわめて遺憾だということをはっきり言わなければだめじゃないですか。大蔵省がいないときには言って、いるときには言わないという、それは国会を侮辱するものですよ。はっきり言いなさい。
  59. 大上司

    大上政府委員 再三のお尋ねでございますが、私たちの行政府が、そのときどきに応じた臨機応変の答弁をしておるのでは決してございません。その答弁の中には、経過的な措置を主観的に織り込んだ場合もありましょうし、あるいは計数的に基づいて、政府全体としての代表の答弁、意見等もございますので、決して国会を侮辱するとか、そういう建前は毛頭ございませんことを、特に御了解願います。  さて次に、予算の分科会等におきまして、本問題を、われわれが七十五億円完全に大蔵省にしてやられたというような御質問でございますが、経過におきましては、そういう点は認めますが、従って、ただいま前段で御説明申し上げました通り、われわれとしては〇・一の問題とか、あるいは地方交付税率の引き上げ等によって、この分なら政府全体としての地方公務員共済年金制度運営には当面差しつかえないというので踏み切ったのでございます。
  60. 山口鶴男

    ○山口(鶴)委員 それは経過でそう認めたのがほんとうなんですよ。あとになって言われるからいろんなことを言うが、それはだめです。まあ、大上さんのようなりっぱな方を、これ以上どうこう言ってもしようがありませんから、財政局長が来られましてからまたこの点はお尋ねいたしたいと思います。  それでは保留にばかりなりますが、その次は伊藤さんの言われました追加費用の問題、たとえば現在二十年なら二十年勤務した方がある。その方が今度は新法に移行いたします。そうして十年なら十年、新法に移行してからお勤めになって、それから退職せられる。そうした場合にその方が恩給法の適用の人だったとかりにいたしますと、恩給法の計算によって最初の二十年は計算するわけですね。従って百五十分の五十に三年経過をいたしておりまするから、そうすると百五十分の五十プラス百五十分の三、それからその後十年お勤めになったという場合であれば、今度は新法の場合は、それはもちろん基礎俸給が恩給法の場合は恩給法による最終俸給であり、その後は、十年の百分の一・五かける給料は、三カ年間のいわゆる平均給料だ、そういう点は違いますが、そういう形で最終的には共済組合が年金を支給するという格好になりますね。五十五でその人がやめたという場合にはまるまるもらえる。そうした場合に結局組合としては今までかけたのが、その方が新法によってかけたのは当然組合が持つけれども、今までのいわゆる恩給についてのものは、これは当然、その間別に共済組合に掛金をしたわけではないし、これは恩給法の場合であれば、いわば百分の二のいわゆる国庫納金をしてきたわけでありますから、その分の責任は国が背負うという格好になるわけでしょう。その金は当然追加費用として国が共済組合に対して全額補てんをしなければいかぬ、こういう建前になると思うのですが、そういう形で完全に国はこの追加費用を見るのですか。
  61. 松浦功

    松浦説明員 ただいま御指摘のように旧恩給法、あるいは都道府県でございました場合には都道府県の年金条例の適用を受けておった期間については、御指摘のように共済組合には積立金がございませんので、何らかの格好でこれを補てんしなければ共済組合運営ができないことになるわけでございます。従いまして、過去の部分に対しまする積立金相当額、これを追加費用と称しておりますが、これはこの法律では国または地方公共団体負担するというふうに規定をいたしてございます。具体的に申し上げますならば、この共済組合に加入をいたしまする国家公務員につきましては、それぞれ国が責任を持ちます。また地方公務員につきましては、地方公共団体が責任を持つという法律建前になっております。しかしこの問題につきましては先ほど政務次官から御答弁もございましたように、地方公共団体が責任を持つということに法律規定はなっておりましても、膨大な額に上りますこれらの問題については、十分財政措置をいたしまして地方団体に迷惑をかけないという建前で、最終的には国が責任を持つという答弁政務次官がなすったものというふうに考えております。
  62. 山口鶴男

    ○山口(鶴)委員 その点を明確にしなければだめなんですよ。今のような御答弁、それから次官の御答弁ではそれはだめですよ。   〔委員長退席高田富與委員長   代理着席〕 あれですか、国家公務員であった者については、共済組合に移行する方については国が責任を持つ、その分は完全に国が見る、こういうふうに了解をしていいのですか。それから次には、地方公務員の中には国庫納金をやっている人がいますよ。たとえば義務教育の学校の先生方、昭和二十四年の地公法制定以前に学校に奉職になった方はこれは恩給法の適用でありますから、国庫納金をしたわけです。この分については国がまるまる見る、こういうふうに見ていいのですか。地公法制定以後の方は、これは県のいわば退職年金条例で、これは県納金の方ですね。それは地方公共団体が持つ、こういうことになるのですか。その辺の内訳を一つ明確にしてもらいたいと思うのです。
  63. 松浦功

    松浦説明員 法律施行の際に、国家公務員でございます者については、法律規定によって全額国が支出をいたします。これは負担でございます。そのほかの公務員につきましては、ただいま山口先生から御指摘ございましたように、恩給法の準用を受けておって、納金を県に納めておった者、あるいは国に納めておった者、多種多様でございます。しかし恩給制度は御承知のようにその年度に負担金としてかけられました金額を財源といたしまして、すでにやめられた方への恩給給付の財源として費消してしまっておるものでございますから、全然積立金という格好で残っておるものはないわけでございます。そこで建前といたしまして、国家公務員以外は地方公共団体負担をするということにいたしておりますが、なお義務教育職員につきましては、従来からの国庫負担等との関係もございますので、地方公共団体が持つことを建前にいたしながら、それに持つこととなりました金額の二分の一、これは義務教育国庫負担法の規定をこの附則で改めておるわけでございますが、それによりまして国が負担をするということになっております。
  64. 山口鶴男

    ○山口(鶴)委員 そこを、各職員の身分によってどれを国が負担をする、どれを地方公共団体負担する、その一覧表をぴしっとしてもらいたいと思うのです。そういったものがきちっときまっておるのですか。
  65. 松浦功

    松浦説明員 これは明確になっております。法律施行の際に国家公務員たる身分を有しておった者については、全部国が措置をいたします。責任を持ちます。それから地方公務員であります者については、建前上は、先ほど申し上げましたような意味で地方公共団体負担するということでございます。
  66. 山口鶴男

    ○山口(鶴)委員 一つ一覧表にしてきてあとでお示しをいただきたいと思う。その一覧表を見ましてからさらに議論をいたしたいと思うのですが、本日のところはとりあえず、今までお話しのようにいわゆる恩給制度、それから従来の退職年金制度が保険制度ではなくて、いわゆる積立金というものがないものもあるし、それからたとえば雇用人のごとく共済組合長期給付でやっておったように、積立金を持っておるものもあるし、持っていないものもある。それは制度上そうだと言えばそれはそうかもしれませんが、しかし、組合員の側から見れば、恩給納金にしても百分の二を長年にわたって積み立ててきたという現実は、これは私は動かしがたいと思う。そうすると、大体新法に移行する際に地方公務員がそれぞれ何年勤続したか、何年積んだかということによって違いますし、また掛金によっていろいろ違っておりますが、それぞれの職種別にいたしまして、年数が、これはその職員を平均いたしまして一人幾らくらいのいわば積金があったはずだという計算は、当然私は自治省としてはされておると思う。その計算は一体幾らになりますか。一つ計数をお出しいただきたいと思う。
  67. 松浦功

    松浦説明員 ただいまのは追加費用としてどの程度のものを計算しておるかというお尋ねであろうかと思います。追加費用は、先生おそらく御承知のことだと思いますが、これは相当の期間をかけませんと、前歴の調査を一人一人についてやりますので、正確なものは私どもとしても現在持ち合わせておりません。おおむねの推定と申しますか、抽出調査等をもとにしました推定でありますので、その点あらかじめお含み置きいただいた上で数字をお聞きいただきたいと思います。地方職員、すなわち都道府県の職員でございますが、これは大体一人平均四十一万円、総額が一千四十億、公立学校につきましては一人平均五十四万二千円、総額にいたしまして四千二十億円、それから警察は一人平均が大体四十七万二千円、総額が五百八十億、それから都、市町村でございますが、これは一人当たり平均が三十七万二千円、総計が二千六百六十億、全体を合計いたしまして一人平均が大体四十五万二千円見当でございます。総額が八千三百二十億円というふうに推定をいたしております。
  68. 山口鶴男

    ○山口(鶴)委員 とにかく今言ったように一人当たり四十五万二千円、それから約二百万人近くおられますが、合計をいたしまして八千三百二十億、これだけの膨大な経費がもし積んでおったといたしますならばあるべきものですね。制度上は積んでいなかったと言えばそれはそうかもしれませんが、とにかくこの中に積んでおるものもある。制度上積んでなくても、少なくともこれだけの金があったということとすれば、当然今度の会計が発足する際にこれをやはり繰り入れるというのが私は本筋だと思う。かりに繰り入れなくても、たとえばこれの運用利率五分五厘をもって計算した金額くらいは毎年繰り入れる。それについては国の責任のあるものは国が繰り入れるし、国が地方自治団体関係で繰り入れるというものについては、当然自治省のお好きないわゆる地方財政計画でその基準財政需要額を見る。こういうふうに当然すべきであると私は思うのですけれども、この点はどうなんですか。
  69. 松浦功

    松浦説明員 この金が積まれて、現実に法律施行の際に払い込まれていって、それによる利子等もからみ合わせて運用していくことが好ましいということについては、私ども制度建前上異論のないところでございます。ただ何分にも金額が非常に多い。現在の地方財政状況、さらには国家財政状況から、これだけのものを一度に処理することはとうてい不可能でございますので、できるだけ早い機会にこれを埋めていくように逐次努力をして参りたいと考えておるわけでございます。国家公務員共済組合の場合におきましても、金額は明確には承知いたしておりませんが、やはり数千億に上る追加費があるはずでございますが、財政等との関連から、初年度は繰り入れなし、次年度十億、三年度十五億、本年度が四年目でございまして二十億という工合に追加費用の繰り入れを行なっております。これらの問題とにらみ合わせて、先ほど御指摘がございましたように財政計画の中へも追加費用を計上しながら、地方財政に直接迷惑がかからないような格好で逐次このものを埋めていくように努力をして参りたいと考えておるわけでございます。
  70. 山口鶴男

    ○山口(鶴)委員 だめですよ、そんな消極的な考えでは。とにかく八千億からの金があるわけですから、年に五分五厘で計算したら一体幾らですか、四百五十億くらいになるでしょう。国家公務員が同じく数千億あった。たとえば五千億あったとすれば年間とにかく二百億から繰り入れていくべきではないですか。それなのに、今お話を聞けば、第一年目繰り入れなし、第二年目がわずか十億、一体年利率で計算したらこの率は幾らに当たりますか。その次が十五億、本年度になって二十億。大蔵省にお尋ねをいたしますけれども国家公務員の追加費用、その金額、それを運用利率五分五厘で計算をして、年々幾らその利子を繰り入れたならばいいという勘定になりますか。
  71. 宮田貞夫

    ○宮田説明員 国家公務員共済組合の例でございますが、先生御承知のように、今、国家公務員共済組合におきましては、前歴調査につきまして全力をあげてやっているところでございます。従いまして、その追加費用の額につきましては、その前歴調査が完了した暁におきましては正確な数字が出るのでございますが、前歴調査が現在におきまして全部完了しておりません。本年度中には大体完了する見込みでございますが、それをもちまして、正確な数字につきまして追加費用につきましては計算をいたしたいと考えております。
  72. 山口鶴男

    ○山口(鶴)委員 今ごろ前歴調査をもたもたやっているというのがそもそもどうかと思いますが、前歴調査が今年じゅうかどうかわからぬが終了する。そうすると当然追加費用の総額が明らかになりますね。そうした場合、その運用利率五分五厘で繰り入れるという建前なのですか。その辺だけはっきりして下さい。
  73. 宮田貞夫

    ○宮田説明員 前歴報告の結果を待ちまして正確な追加費用が確定するのでございますが、先生御承知のように、追加費用の負担方法につきましてはいろいろの負担方法があるのでございます。賦課方式あるいは利息相当分を負担する方法とか、それ他たくさんの方法があるのでございますが、そのいずれによりますかは今後十分に慎重に検討してきめたいと思っております。
  74. 山口鶴男

    ○山口(鶴)委員 追加費用についても確たる考えが全然ないじゃないですか。そんなことで一体どうするのですか。自治省は、今のようなお話を聞いて、今度地方公務員共済制度の場合でも追加費用は一体どうなるということは、全く見当がつかぬじゃないですか。とすれば国家公務員二年目になって十億繰り込んだから地方公務員も、人数が少し多いだろうから、二年目になったら十五億くらい繰り入れがあるかないか、こんなことになるじゃないですか。そんなことでいいのですか。かりに年利率五分五厘で計算をして、四百五十億に余るお金を毎年国庫なり地方財政計画による地方団体の費用等から繰り入れていけば、組合員の掛金率は、全体の公共団体が持つ、それから組合員が持つ両方の百分の四十五、百分の五十五を合算したいわゆる財源率というものは、ずいぶん計算上落ちてくると思うのです。四百五十億毎年入るのと十億くらい入るのとどうですか、会計ずいぶん違うでしょう。
  75. 松浦功

    松浦説明員 追加費用は過去の在籍期間を持っている者についての問題でございまして、財源率とは直接に関係ございませんので、これを振り込むか振り込まないかによって組合員の掛金が上がる下がるという問題はございません。
  76. 山口鶴男

    ○山口(鶴)委員 計算の建前上はそうかもしれません。しかし国公の方をお尋ねいたしますけれども、今までの国公の方の連合会の会計の模様を聞いてみました。当初予定したものとほぼとんとんだそうです。ただ支出は少し多いそうです。しかしその運用利率が六分以上で回っている。だから収入がふえたら支出も若干ふえて、おおむね当初予期した程度の模様で回っているということを言われました。追加費用は別だと言うけれども建前は、財源率の計算から言えばそれは別かもしれません。しかし共済組合の会計ということを考えれば、とにかく共済組合で、前歴を持った人も持たぬ人も——持たぬ人はすぐ支払いということはないのでしょう。それは一時年金があるかもしれませんが、前歴を持った人がほとんどでしょう。これからやめる人はその人の年金を組合で払っていくわけです。そうした場合にその払うところは同じなんでして、払うところは何で払っていくかというと、当然今まで集まった掛金と、それから追加費用として国からもらった金と、両方足したものが組合の会計です。そこから払っていくわけですから、当然財源率の計算からいえば、財源率はそういうものは考慮してないで計算するから別だということになるかもしれません、その点は了解いたしますが、しかし共済組合の会計ということを考えていけば、この追加費用が年々十五億とか十億とか、そういう微々たるものが来るのと、それから運用利率五分五厘で計算したら四百五十億なら四百五十億というものが来年入ってくるのと、将来の共済組合の会計の二十年、三十年を見通した青写真からいけばずいぶん違いがあるということだけはおわかりでしょう。
  77. 松浦功

    松浦説明員 現実に追加費用が、法施行と同時に払い込まれるか払い込まれないかによっては、将来の共済組合の経理内容自体に大きな変化があることはその通りであろうと思います。
  78. 川村継義

    川村(継)委員 ちょっと関連して一つお聞きしたいと思います。  今、山口委員のお話を聞いておりまして、ぜひ聞かせておいていただきたいのですが、組合員が他の組合員の資格をとった場合には、もとの組合はその者にかかわる責任準備金に相当する金額を当該他の組合に移管をする、こういうことになってくるのですね。そうしますと、先ほどのお話で、いわゆるそういう積立金等が全然ないところに所属しておった職員がよそに移っていく、そういう場合に一体どういう操作をされるのか、すべきであるのか、またその団体のこうむる——数は少ないかもしれないけれども、こうむるところの財政負担というのは一体どうなるのか、その辺のところはどう考えておられるのですか、あわせて、ちょっと疑問になりましたから聞いておきたい。
  79. 松浦功

    松浦説明員 追加費用につきましては、先ほども申し上げましたように膨大な額に上りますと、法施行と同時にこれだけの追加費用を共済組合に国、地方公共団体が払い込むということはできないわけでございます。従って、法施行からしばらくの間というものは積立金は完全な格好では持っておらないわけでございます。追加費用というものは、個人の前歴調査をいたしまして、総額が出て参ります。責任準備金と、そのときに持っております積立金との比率で、その個人に関する責任準備金にその率を乗じましたのを、その個人が背負って次の団体に移って参る、こういう格好を考えておるわけでございます。
  80. 川村継義

    川村(継)委員 そうしますと、これは大へん素朴な質問なんですが、それ相当の現金を持って移るというわけではないということですか。
  81. 松浦功

    松浦説明員 たとえばAという団体で責任準備金が百億である、そして現実に積立金を持っているのが五十億であるといたしますと、準備金に対する率は五割ということになります。そうすると、甲という人に関する責任準備金が五十万円であって、その者がBという団体に移る場合には、二十五万円をAという団体からBという団体に移管をするわけでございます。
  82. 川村継義

    川村(継)委員 そういう責任準備金がある団体ならば、その操作はできますね。ところが先ほどのお話では、そういうものがない団体も現在生じておる。そうなりますと、持っていけないということになりはしませんか。そうなりますと、当然何かの形において余分の負担をかけて、この団体に犠牲をしいるという結果になるだろうと思うのですが、どうですか。
  83. 松浦功

    松浦説明員 厳密に申し上げますならば、全然積立金を持っておらないところの団体において、法施行後すぐにどなたかが他の団体に移るという場合には積立金はないわけでございまして、これは法律上は積立金は移管をいたしません。持っていかないでいいわけでございます。ゼロの積立金を移管するというふうに法律上はなります。なぜこういう考え方をとっておるかと申しますと、団体ごとの行き来はいろいろあるわけでございます。都道府県から市に参る方もあり、市から都道府県に参る方もある。そういう者については相互に大体パー、パーだという考え方で相互移管主義という考え方をとっておりますので、そこに大きな差がないように運営していくことは運営上望ましいことでございますが、若干の違いがあることは法律上あらかじめ予期をいたしておるわけでございます。
  84. 川村継義

    川村(継)委員 実際はこれはもう心配をするような事態が起こらないかもしれません。しかし理論から言ったら、こういう点を考えておかなければならぬというのが当然でございませんか。しかもゼロの段階であると言っても、個人片々に言わせればちゃんと納付しておることですから、なければならぬ。それがなくなっているのです。それを考えておくということは当然で、これは理屈の上で当然じゃないかと私は思うのです。それらが処置されていないということになると、結局あなた方の考え方は、まあどうにかなるだろう、なしくずしにやっておけばそのうちにはうまく軌道に乗るだろうというような考え方が出てきて、この問題が発足されていくのじゃないか。だから大蔵省あたりの主張されるような考え方がまかり通ってくるという結果になるだろうということを心配するのですが、もう一度お答え願いたい。
  85. 松浦功

    松浦説明員 ただいま御指摘のように積み立てのあるなしによって若干差が出てくることは否定できない事実でございます。しかし前に組合員が掛金をかけておったからといって、掛金をかけていた期間に相当する給付をどうこうしてしまおうというわけではございません。移りました団体において全責任をもって支払うわけでございます。ただ共済組合の経理という面からながめました場合には、共済組合のほんとうに若干のでこぼこが、制度的には、計数的には出て参るかもしれませんけれども、これは制度の問題としては非常に複雑な問題になりますので、相互移管主義ということで解決をしていくということが一番いいと考えておるわけでございまして、組合員に損失をかけるという点は毛頭ございませんので、御了承いただきたいと思います。
  86. 山口鶴男

    ○山口(鶴)委員 先ほどの追加費用の問題ですけれども組合のこの会計には追加費用をどうするかということで大きな影響がある。財源率の計算にはそれは響いてこないという公務員課長のお答えでありましたね。そういうふうに財源率の計算がなっておれば、私はそれで一応そういうことだけは言い得ると思うのですが、あとでまた財源率の計算は触れたいと思います。  追加費用の問題が出ましたからそれだけ触れておきますが、この財源率計算でいきまして退職年金の計算を今拝見をいたしました。どうもこれは印刷が非常に悪いのじゃないですか。私もこれを見まして、掘込さんに来てもらって説明を聞いたからやや——この誤った、ということもないですが、ミス・プリントというようなことにはならぬと考えるのですが、この記号の書き方ですね、ずさんだと思いませんか。どうですか。それだけ聞いておきましょう。
  87. 松浦功

    松浦説明員 やや不鮮明な部分が多いことをおわびをいたします。
  88. 山口鶴男

    ○山口(鶴)委員 きちっと鮮明にしたものをあらためて出せますか。
  89. 松浦功

    松浦説明員 御要求がございますれば御提出申し上げます。
  90. 山口鶴男

    ○山口(鶴)委員 では委員長、これではだめなんですよ。   〔高田富與委員長代理退席、委   員長着席〕  私もきのう大蔵省の主計局の資料をもらいまして、それでやや計算式等が明らかになったのですけれども、これでは全くだめです。それで委員長、今かわったところですが、これでは数字の書き方が小学校の生徒に書かしたようなもので非常に下手なのです。ですからもっと私どもにわかる、きちっとした数式を出してもらいたい。要求があれば出します、こういうのですが、これは一つ委員長の方で手配して下さい。  そこでまずお尋ねするのですが、この計算方式を見ますと、たとえばこの計算でいきますと、先ほどの公務員課長のようなお答えでいけば、雇用人、学校の場合でいけば助教の方がおりますね。長期給付をやっておる方、この方は積立金があるわけでしょう。それから恩給法の適用の方、これは積立金がないですね。といたしますと、この財源率の計算をするときに、雇用人がこのうち何人で、その追加費用を持っている分が幾らで、このうち何人は追加費用を持っていないのだ、こういうものをこの計算の上から当然分けて計算されて、そうして財源率の計算が出るべきじゃないですか。分けてありますか。これを見ると分けてないじゃないですか。
  91. 清水成之

    ○清水説明員 ただいまのお尋ねでございますが、出しております分は、新制度発足後のものについて書いております、従いまして、そういう分け方はいたしておりませんが、なお、保険の方の担当官が参っておりますので、詳細御説明いたしたいと存じます。
  92. 進藤聖太郎

    ○進藤説明員 追加費用が入った場合に、長期給付の本来の所要財源率が変わるということはございませんので、かりに雇用人の積立金がございましても、それを区別して計算をする必要はないというふうに考えるわけでございます。  先ほど公務員課長が申し上げましたが、実際に入った場合に、運用利回りその他の点で、組合財政運営上の問題として資金が多少豊かになるという意味のように解しておるわけでございます。
  93. 山口鶴男

    ○山口(鶴)委員 しかし、先ほど公務員課長は、追加費用がたくさんあれば、これは財源率には関係はない、しかし組合の会計には影響がある。とにかく組合で出すのは、その前歴を持った人をも含めて払っていくわけです。新しいいわゆる掛金と、それから十億だか知りませんけれども、とにかくわれわれとしては何百億という金が必要だと思っておりますが、そういう追加費用、それを受け入れて、とにかく窓口としては、その組合が前歴を持っている人に対しても年金を払っていくそうですね。それは変わりありませんね。そうした場合に、当然追加費用について、とにかく一人当たり四十万なり五十万というものが当然あるべきだ。それがはっきり形の上で持ち込めるものもあるし持ち込めないものもある。そうした場合に、その会計にすれば、持ち込んできたものがたくさんあれば、いわゆる掛金の、かけておった積立金をそのまま会計に引き継ぐものが多ければ多いほど、この会計としては当然楽になるべきです。とすれば、持ってきたものと持ってこないものと、こういうものがある場合に、計算の上から、その共済組合の所要財源が一体幾らあったらいいのかということを考える場合に、その持っているものと持っていないものの区別、幾ら財源を必要とするかということを考えた場合に、当然常識的に見て違いがあるというふうに考えるのが当然の筋じゃないですか。どういうわけでそれを全然考えないでも会計に差しつかえないのか、その点説明して下さい。
  94. 進藤聖太郎

    ○進藤説明員 追加費用が入りました場合に、組合財政が楽になると申し上げておりますのは、いわゆる運用利差益がふえるというふうに解釈できるのじゃないかと考えております。従いまして、運用利差益をどういうふうにするかという点がかりに財源率にはね返るというようなことであれば、多少財源率というものもそれによって考慮しなければならぬという事態も出て参るかと思いますが、現在のところは、建前上、追加費用あるいは運用利差益ということは考慮外にしまして地方財源率を計算しておるわけでございます。
  95. 山口鶴男

    ○山口(鶴)委員 財源率の計算は、それではあとでお尋ねすることにいたしまして、ちょっと保留いたしておきます。  次に、これは次官にお尋ねをしたらいいかと思うのですが、自治省地方団体との関係の問題であります。私のところに地方団体からいろいろ電報や手紙をたくさんいただいております、この法律の問題に関しまして。たまたま私、あるところへ参りまして、なかなか御熱心に電報等をいただくが、どういうわけかということをお尋ねいたしたのであります。そうしましたら、いや、実はその団体連合会の本部から次のような文書が来たので、私どもの方としては一生懸命電報を打ったりしております、こういうお話でありました。しからばその手紙を一つ見せてもらいたいというので拝見をいたしました。拝見をいたしましたら、「全議発二第一六号の四」という昭和三十七年四月七日付の文書を見たのでありますが、そこに次のようなことが書いてありました。社会党はこの法案をつぶそうとするという意味の強い反対ではないとかあるとか、いわゆる社会党の態度についていろいろ書いておられました。そのようなことは省略をいたします。ところが、現在の状況を見ると、勢いのおもむくところ、この帰趨は楽観を許さないとの見方もある。——この法律の成否についてですね。そういうような情勢分析が書いてございまして、特にこの中に、四月六日、六団体自治省をまじえて協議した結果、直ちに地方公務員共済組合法案の早期成立方につき懇請を各方面に提出すると同時に、六団体それぞれの所属団体から国会議員に対し、早期成立の電報懇請をするよう手配をした、こういうのです。そこで私はお尋ねしたいと思うのですが、六団体が六団体として、自治団体のお立場でいろいろ御協議をせられて、そうしてわれわれに対して意思表示をされることは大いにけっこうであります。ただ問題は、四月六日、六団体自治省と協議をした、ここが私は問題だと思う。自治省は国会で法案を出しておる。それなのに、その自治省が、いま国会にかかって議論をされておるさなかに、いろいろな外郭団体に対して、国会に対してこれを通すように一つ要請をしてくれというような協議をするということについて、次官はどうお考えですか。自治省という行政府が勝手にわれわれ立法府に対して外郭団体を使ってやられる、そういうようなことを自治省は立法府と行政府との関係というものからいって正しいとお思いですか。
  96. 大上司

    大上政府委員 お答えいたします。行政府における行政事務の範囲は、それぞれ事務規程等によって定められ、さらに事務分掌規程等もございます。従いまして、この件につきましては、私、政務次官のところまで決裁を求めてくる事案でないかのように思います。もしもその事態でございましたら、私が決裁をし、そのいいか悪いかということを判断するのですが、現在私はその記憶はございませんので、おそらく事務当局も私の所掌事務外と扱ったように心得ます。ただいま事務局から聞いておりますと、この問題について、たとえば社会党の態度であるとかあるいは法案の成否の帰趨を論じておるとかいうようなことにつきましては、まことに申しわけございませんが、私は今初耳でございます。自治省といたしましては、この六団体に呼ばれて事情を聞かれたと、当局は私に耳打ちいたしておりますが、その経過、いきさつ等については、説明員から十分説明いたさせますが、新しい問題として、省内の行政の執行の面において私も十分に真相を取り調べまして次会に御報告したいと思います。
  97. 松浦功

    松浦説明員 御承知のように、六団体は、私の知る限りでは、この法案をできるだけ早く成立させてほしいという御要望を持っておったのでございます。六団体の方から、この法案の審議の状況等について知っていることだけを聞かしてもらいたいというたっての御要望がございました。それについて、私どもから、現在の段階ではこういう状況でこういう点に問題があるようでございますというお話は申し上げたことはございます。それ以上のことは、私どもは関知をいたしておりません。
  98. 山口鶴男

    ○山口(鶴)委員 今の説明員のお話のように、事情を聞かれてお話をしたということであれば、私は別にとやかくは言いませんが、文章で見れば、こう書いてある。説明を受けたとか事情を聞いたというならともかく、四月六日、六団体自治省とも協議をした結果、こういうふうにした、協議ということになれば、両方相談して、こういうことをやろうじゃないか、その協議した結果は何かといえば、地方公務員共済組合法案の早期成立方につき、懇請を関係方面に提出することにしようじゃないか、国会議員には電報を打とうじゃないかということをきめた、協議ということになれば、自治省がぜひこれをやってくれ、私どももやりましょう、賛成です、こういうのが協議でしょう。自治省が六団体に働きかけて、国会議員にどうこうというようなことをすることは、これは行政権の立法府に対する介入ですよ。協議と書いてあるから問題にしているんだ。そうでしょう。文字通り協議という、今言ったような事態ならば、次官、どうですか、やはりこれはまずいと思うでしょう。
  99. 大上司

    大上政府委員 お説の通り、いわゆる事情説明と協議とは、山口委員のおっしゃる通りのように私も解釈いたします。
  100. 山口鶴男

    ○山口(鶴)委員 協議であったのか連絡であったのか、この点は一つお調べいただいて、後日明らかにしていただきたいと思います。  まだ財政局長とか大臣はお見えにならぬですか。——今お話を聞きましたら、大蔵大臣の方も自治大臣の方もしばらくお見えでないようでありますので、事務的な問題についてお尋ねする以外に仕方がありませんので、大臣等に対する御質疑は保留いたしまして、それではまず、いろいろいただきました資料を拝見いたしまして、この資料がいつ現在でありますのか、その点をお尋ねいたしたいと思うのでございます。  まず警察の方来ておられますね。——警察庁の方にお尋ねいたしますが、警察の関係の資料をお出しにならなかったので、わざわざ請求をいたしましてちょうだいいたしました。他の委員の方にも一つ御配付いただきたいと思うのでありますが、警察共済組合長期給付所要財源率計算書、昭和三十七年四月十日と、こう書いてありますね。ここに書いてある脱退残存表、それから俸給指数その他たくさん表がございますね。これは昭和三十七年の資料でございますか。それぞれの表の年次を一つお示しいただきたいと思うのです。
  101. 前田利明

    前田説明員 お答えいたします。  警察庁の提出しました十日付の特例警察職員の分の資料でございますが、材料はおおむね昭和三十一年度及び三十二年度の実績調査によるものであります。
  102. 山口鶴男

    ○山口(鶴)委員 私もこれを見て、四月十日と書いてありましたから、少なくとも脱退残存表や給料指数は昭和三十五年、六年のそういうものを根拠にしてお出しになったのかと思って、警察庁は非常に熱心であると思って感心いたしました。ところが、よく拝見いたしますと、昭和三十四年九月一日、大蔵省主計局給与課、非現業共済組合長期給付所要財源率計算書、この一般公務員の分、これと、警察庁でお出しになりました警察庁昭和三十七年四月十日、警察共済組合長期給付所要財源率計算書、一般職員の分、これは全く同じでしょう。
  103. 前田利明

    前田説明員 そうです。
  104. 山口鶴男

    ○山口(鶴)委員 そこで私は聞くのですが、これは少なくともここに書いてありますように、国家公務員共済組合連合会加入組合組合員のうち、防衛庁の全自衛官並びに警察、刑務職員等年金制度上の特例を設けられている職員を除いた一般公務員に対して、昭和三十四年十月一日以降新退職年金制度が適用になった場合の所要財源率を計算したものだ、こうなっておりますね。これは全国家公務員を対象にして作ったものでしょう。そうですね。それと、そのうちの一部、警察庁の一般職の職員と警部警視、警視正、こういった制服の警察官の方でも、警部以上のいわばこの特例に該当しない人たちを含めて作った、それを対象にして将来運営しようという共済組合、それとが全く同じ資料で財源率の計算をして、それがどんぴしゃり合うということが現実にありますか。これはどうしたことなんですか。
  105. 前田利明

    前田説明員 私どもで持っております資料のうちで、現在のところ一番正確なものはただいま提出した資料でございます。その後の調査は昭和三十四年にやっておりますけれども、集計がまだできておりませんので、遺憾ながら数字を提出するわけには参りません。
  106. 山口鶴男

    ○山口(鶴)委員 おかしいじゃないですか。対象が違うのですよ。これは課長さん認めるですね。対象が違います。
  107. 前田利明

    前田説明員 そうです。
  108. 山口鶴男

    ○山口(鶴)委員 しかも給料だって変わっているじゃないですか。職員構成が違えば脱退残存率も違いますよ。そうでしょう。給料指数だって違うでしょう。それからその方の廃疾がどのくらいの度合いになるかとか、その警察官の遺族の方が——これは第九回生命表か何かでしょうが、とにかく一番基本になる脱退残存表と給料指数、こういったものが全く現状に即さないものを出して、その計算の仕方は同じものをやって、そうしてこれで警察庁のこの対象になる一般組合員の人たちがどうしてもその掛金を千分の四十四かけなければならぬ、そういうものを一方的にきめるということで、対象の職員の方が納得すると思いますか。私は期間がないとは言わせない。三年あった。その間に少なくとも警察庁の職員の方に千分の四十四が必要だということをわかってもらって、この共済組合に喜んで参加してもらおうという気持があるならば、当然警察庁の職員を対象にして計算をした場合に、これだけの所要財源が要る、財源率Pがこれだけ必要になる、よって掛金はこれだけだ、こういうことをしないで、全般の国家公務員、しかも三年も四年も古いものを持ってきてこれでいいのだということで、しかも国会に少なくとも共済組合の方式でいけばこれだけの財源が要るのだということを提示して、法律案の審議をするときに、親切な態度だと思いますか。この点は一体どうなんですか。
  109. 前田利明

    前田説明員 お説の通りになるべく早い機会に正確な計算をいたしたいと思って、目下努力しております。
  110. 山口鶴男

    ○山口(鶴)委員 今国会中に審議をするとすれば、少なくとも今週中ですよ。来週はゴールデン・ウィークですから、今週中にその資料を出していただけますか。出してくれなければ審議にならぬですよ。
  111. 前田利明

    前田説明員 資料は今国会中には間に合いかねるかと思っております。私どもの方では三十四年の分を調査いたしましたけれども、記入のやり方も不正確な点もありますし、集計が非常にめんどうで、まだ計算ができておりません。
  112. 山口鶴男

    ○山口(鶴)委員 困るじゃないですか。今国会に間に合わないということは、今国会では通らなくてもいいということですね。資料が間に合わないのですから。警察庁の職員財源率が幾らあっていいかということがわからないのですね。これでは通らぬでもいいというおつもりですね。その点一つはっきり言って下さい。
  113. 前田利明

    前田説明員 暫定的に千分の四十四で告示をしていただきまして、なるべく早い機会に再計算をいたしたいと思っております。
  114. 川村継義

    川村(継)委員 そういうお答えでは困るのですよ。こんな大事な公務員負担率あるいは掛金等を考えなければならぬときに、古い資料を出してきて、これでやっておけ、あとはどうにかなるだろう、そういうことで一体審議ができますか。そういうものが出てくる根拠としては、やはり皆さん方の方は専門だから確たる計算基礎がなければならぬと思う。今のようなお答えで審議を進めるとか、あるいは千分の四十四でやってもらっておいて、あとでまた正確な数字を出しましょう、そういうことで審議が進みますか。これは議事進行として、委員長一つ何とか御配慮いただきたいと思います。
  115. 園田直

    園田委員長 本会議散会後まで休憩いたします。    午後零時五十六分休憩      ————◇—————    午後三時二十八分開議
  116. 渡海元三郎

    ○渡海委員長代理 会議を再開いたします。  委員長所用のため、委員長の指名によりまして、私が暫時委員長の職を務めます。  休憩前の質疑を続行いたします。山口鶴男君。
  117. 山口鶴男

    ○山口(鶴)委員 では警察庁の厚生課長さんに国公の問題についてお尋ねいたしますが、この特例者の分ですね、これには給与指数がないのですが、これはどういうのですか。
  118. 前田利明

    前田説明員 資料の一番最後に書いてございます通り最後から二枚目でございます。「(8)俸給指数 俸給指数は、昭和三十一、三十二年度の実績率と一般公務員の俸給指数が殆んど一致するので、一般公務員の俸給指数を用いた。」とございますが、便宜こういうことにさせていただいております。
  119. 山口鶴男

    ○山口(鶴)委員 そうするとこの表にはないのですね。結局こちらの俸給指数と同じものを使った、こういうことですね。
  120. 前田利明

    前田説明員 そうです。
  121. 山口鶴男

    ○山口(鶴)委員 そこでお尋ねをいたすのでありますが、俸給指数は昭和三十一年、二年度の実績率をお使いになった、こういうことなんですが、その後、厚生課長さんも御存じの通りに、公務員の給与は数次にわたって改定をされておりますね。たとえば昭和三十四年に初任給の是正がございましたですね。それから昭和三十五年には一一・七%でございましたか、約一二%近い給与改定がございました。さらに昭和三十六年には約六・一%程度の給与改定がございました。特に給与改定が同じようなカーブで動いていくということならば、これは俸給指数が変わらぬということはあると思うのですけれども、しかし初任給是正で初任給を上げる、その次の昭和三十五年の給与改定におきましては上厚下薄の給与体系をしく、それから今回の給与改定についてはまた違ったカーブの給与改定を行なう、そうなった場合に、俸給の上下のバランスでありますとか、そういうものはおのずから変わってきておるわけです。そうすれば俸給指数というものが昭和三十一年、二年度のものでもってけっこうである、こういうことでは私はおかしいじゃないかと思うのですが、そういう給与改定があってもこの俸給指数自体には何らの影響も及ぼさないのだ、こう言い切れますか。その点お尋ねいたしたいと思います。
  122. 前田利明

    前田説明員 御指摘通りに影響はあるものと思っております。それでなるべく正確な資料を作成するために目下鋭意努力しておりますが、まだ集計するまでに至りませんので、まことに遺憾に存じております。
  123. 山口鶴男

    ○山口(鶴)委員 あなた方は正確な納得できる数字を出してわれわれに審議をしてもらうつもりなんですか、どうなんですか。勝手なもので国会は審議をせい、おれは知らぬ、そういう態度なんですか。
  124. 前田利明

    前田説明員 そういう考えは毛頭ございません。目下の状況で最善の努力を重ねておりますけれども、遺憾ながら相当手間を食うものですから、まだ正確な集計ができないのでまことに申しわけないと思っております。
  125. 山口鶴男

    ○山口(鶴)委員 俸給指数は、これは脱退指数の問題でありますとか、それからまた給与の前歴はどうかという複雑な計算でもって出る問題じゃないでしょう。俸給指数ぐらいは、やる気があれば、警察のあれだけの機構をもってすれば、一体一年目の人と二年目の人、勤続年数が三年目、四年目の人の俸給が幾らかという俸給指数が出るはずじゃありませんか。堀込さんがそこにおられますから聞きますが、俸給指数の計算はむずかしいですか。
  126. 堀込惣次郎

    ○堀込説明員 俸給指数の計算は、ただいま先生おっしゃいましたように、在職年数別の平均給料を初任給の平均給料で割って、一応それを算定してきめております。そのものずばりが昇給指数ということにはならないとは思いますが、大体の傾向としてはそういう在職年数別の平均俸給で出ると思います。
  127. 山口鶴男

    ○山口(鶴)委員 聞きましたか厚生課長さん、そういう計算ができませんか。一体これは誠意があるかないかですよ。指数計算は勤続年数一年、二年、三年、四年、五年、三十年、四十年、それの平均俸給を出して、そして一年目の俸給を一〇〇としてあと指数にすればいいのですからね。そんなことができないと言えますか。あなたは指数というのを知らぬのだ。
  128. 前田利明

    前田説明員 係数の点につきましては、帰りまして専門家とも協議いたしまして、先生の御趣旨に沿うように努力したいと思っております。
  129. 山口鶴男

    ○山口(鶴)委員 専門家と相談する必要なんかないですよ。どういう計算だかわかったでしょう課長さん。そうすれば大よそあなたの判断でいつできるとか、できぬくらいはわかるでしょう。そのくらい誠意ある答弁をして下さい。
  130. 前田利明

    前田説明員 おっしゃる通り努力いたします。
  131. 山口鶴男

    ○山口(鶴)委員 それは今週中に出せますね。
  132. 前田利明

    前田説明員 できるだけ努めたいと思います。
  133. 山口鶴男

    ○山口(鶴)委員 できるだけ努めるとかなんとか言ったって、国会は五月七日で終わりなんですからね。しかも五月に入ればゴールデン・ウィーク、実質審議は今週しかないじゃないですか。だから今週に出せるか、出せぬかが、警察庁が真に俸給指数等についても正しい資料を提示をして——俸給指数ばかりじゃありませんからあとでまた言いますけれども、今は俸給指数だけ言っておきましょう。俸給指数だけならすぐ計算できる。それを今週中に出すか出さぬかということが、警察庁がほんとうにこの千分の四十四といういわゆる掛金率が納得できるものかどうかということを国会にも納得させ、そしてまた警察庁の掛金をかける職員を納得させる道なんです。警察庁というところは労働組合はないから、そういううるさいものはないから、別に納得させないでもいいのだ、こういうお考えならそれはまた何をか言わんやでありますけれども、一体どういうつもりなんですか。納得させるというつもりならば今週中にお出しになる、それを約束しなければ私は納得させる道にはならぬと思いますよ。その辺を一つお答えいただきたいと思います。
  134. 前田利明

    前田説明員 警察共済組合の構成員と申しますのは、御承知通り国家公務員地方公務員とおりまして、地方公務員は各県別で相当俸給に段階もありますので、私どもの方で努力をして、とにかくより正確な資料を出したいと思っておりますけれども、手数が相当かかることを御了承願いたいと存ずる次第であります。
  135. 山口鶴男

    ○山口(鶴)委員 手数がかかるとかからぬとかいう問題ではないと思うのです。私は警察庁がこの法律案をあげてもらいたいと思っているのかいないのか、この問題だと思うのです。これは先ほどの警察の関係の資料もからむ問題ですから、委員長が参りましてお話があることかと思いますから、それでは一応警察の関係はこれで保留いたしましょう。  次は、公立学校についてお尋ねいたします。文部省の福利課長さんにお尋ねをいたしたいと思います。文部省昭和三十七年四月十日提出、公立学校共済組合長期給付所要財源率計算の基礎資料を拝見をいたしました。ずっと計算の式は何も書いてございませんね。計算の方式はこれと同じわけですか。
  136. 清水成之

    ○清水説明員 公立学校共済組合の基礎資料でございますが、今先生御指摘通り自治省と同じでございます。
  137. 山口鶴男

    ○山口(鶴)委員 どうして計算はしなかったのですか。
  138. 清水成之

    ○清水説明員 式は載せておりません。同じだったものですから載せておりません。
  139. 山口鶴男

    ○山口(鶴)委員 出していただけますね。
  140. 清水成之

    ○清水説明員 はい、出します。
  141. 山口鶴男

    ○山口(鶴)委員 どうしてこう不親切なんですか。
  142. 清水成之

    ○清水説明員 別に他意があったわけではございませんが、地方職員共済と同じだったものですから省略いたした次第でございます。お許しいただきます。
  143. 山口鶴男

    ○山口(鶴)委員 それからいま一つ、この脱退残存表でございますね。これは何年の実績でお調べなされましたのか。それから給料指数btですね。これは何年で御調査になりましたのか。私はこれを拝見いたしまして、文部省関係の資料は、計算式もなくてきわめて不親切なものと思いましたが、しかし非常にりっぱなところもあるので感心いたしました。それは一番最後十二ページですが、これを見ますと、昭和三十五年の動態調査をもととしたものであるとか、実績は昭和三十三年、三十四年、三十五年の三年間の平均であるとか、他の資料に比べて非常に新しい年次の計算をお使いになっておるようでございます。文部省は、こういう点では、非常に御親切であったと私ども感心をいたしておるのでありますが、そういう新しい年次をお使いになってこれを全部おやりになったのか。それなら私は非常にけっこうだと思うのですが、どうですかこの点は。
  144. 清水成之

    ○清水説明員 脱退率につきましては、昭和三十二年十月一日から三十三年九月二十日の間におきます動態調査に基づいたものでございます。それから給料指数につきましても、ただいま申し上げました年次の動態調査に基づいたものでございます。先生御指摘の三十五年度の動態調査につきましては、実は参議院で御審議を受けておる段階でようやくまとまりまして、とりあえずそこへ載せさせていただいた、こういう次第でございます。
  145. 山口鶴男

    ○山口(鶴)委員 私は今、文部省は非常に御親切でけっこうだとほめたのですが、そうすると全くインチキだということになりませんか。  この昭和三十五年の動態調査を基礎にしたもの、それから在職死亡率、これは財源率の計算に入っているのですか、入っていないのですか。
  146. 清水成之

    ○清水説明員 入っておりません。
  147. 山口鶴男

    ○山口(鶴)委員 何ですかそれは。そうすると全然インチキじゃないですか。あなた方が出した資料を見れば、ほかの今私がお尋ねしたような脱退残存表、それから給料指数bt、こういったものについて年次が何にも書いてないでしょう。そうしてうしろの方をめくれば、昭和三十五年の動態調査であるとか、昭和三十三年、三十四年、三十五年の平均を用いた、こう書いてあれば、常識のある人間は、全部がそれであるというふうに見るのがあたりまえじゃないですか。聞いてみれば、これは参議院で文句を言われたからそのとき出した、財源率pには全然関係がないということになれば、一体これは何ですか。
  148. 清水成之

    ○清水説明員 三十五年度までの動態調査に基づきます最新の財源率計算は、資料が最近まとまったばかりで、実はまだ財源率計算のところまでいっておりません。従いまして、財源率計算ができます段階の資料で出させていただいた、こういう次第であります。なお、進藤事務官から補足説明させます。
  149. 進藤聖太郎

    ○進藤説明員 最初の千分の四十四が出ました所要財源率の計算の基礎は、三十二年の十月一日から三十三年の九月三十日間における資料を基礎といたしまして算出したものでございます。その後三十三年、三十四年、三十五年調査を連続重ねておりまして、その結果は非常に何でございますが、脱退残存表、あるいは給料指数、それから在職死亡率といったような点については、一応参議院の審議の段階で資料が作成できましたので、それを提出したわけでございます。参議院の審議の段階で、この資料の一番最後の十二ページにございます給付額の比較及び在職死亡率というものについては、最近の資料を求められましたので、そこへ付加したようなわけでございます。
  150. 山口鶴男

    ○山口(鶴)委員 そうすると脱退残存表、それから給料指数表については、最近の給料、たとえば俸給指数については、何回かの給与改定がございまして、現在の給与制度のもとにおける新しい俸給指数ができている、それから脱退残存表も表としてはできている、こういうことですか。
  151. 清水成之

    ○清水説明員 三十五年度の動態調査までの分は、ようやく整っております。
  152. 山口鶴男

    ○山口(鶴)委員 三十五年というと、三十六年の給与の改定は入っていませんね。三十五年の四月一日の給与改定までですか。
  153. 進藤聖太郎

    ○進藤説明員 それらにつきましては、一応給与表の改定によります補正を行なって、最近の給料指数表を作成してございます。
  154. 山口鶴男

    ○山口(鶴)委員 その二つの基本的な表ができれば、あとは計算でできるのじゃないですか。それは計算の過程だと言うけれども、私はこのことについては、また警察と同じことを言わなければならぬと思います。とにかく全国の学校の先生方が、新制度に改正をせられますならば、千分の四十四、この掛金をかけなければならぬわけでしょう。とすれば、全国先生方に、千分の四十四というものは、これは根拠ある、しかも最近の資料にのっとった、文部省当局としては全力をあげて作った数字がこうなんだ、ついては千分の四十四の負担はやむを得ないのだというふうに示すのならば、私はいいと思うのですけれども、実際は昭和三十二年から三十三年に至るまでの古い資料でもって財源率Pを計算して、言うならば、ちょうど国家公務員共済組合制度が国会において論議されている間に、そのころに作ったものでしょう。それ以後三年、四年を経過しているわけです。その間全然ほっておいてある。作業をやったけれども、現在でき上がっておらぬ。そういう状態じゃ、一体文部省全国先生方に、根拠ある資料にのっとって掛金を出していただく、国会においては、新しい資料によって千分の四十四という掛金は、これは当然やむを得ないものなんだということで納得させるつもりがない、こういうことになるでしょう。警察と同じことを聞きますけれども、今国会の審議中に、三十五年の動態調査に基づく財源率Pの計算、それをお出しになるつもりがありますか。
  155. 清水成之

    ○清水説明員 動態調査の結果に基づきますデータは、できるだけすみやかに今国会中に提出さしていただきます。ただ財源率の計算につきましては多少時間がかかるのではないか、こういうふうに考えておるのでございます。
  156. 山口鶴男

    ○山口(鶴)委員 また警察と同じことを聞かなければならぬので恐縮ですけれども、ゴールデン・ウィークの前に、実質的な審議をやっている今週中に、表はもちろん、財源率Pの計算は出すつもりがあるかないか、国会を軽視するおつもりであるのかないのか、この点だけはっきり言って下さい。
  157. 清水成之

    ○清水説明員 先般参議院でお答えしたのでございますが、課員一同徹夜いたしてでも、できる限り提出いたすよう努力いたしたいと存じますが、特に動態調査の趣旨につきまして出すことは固くお約束さしていただきます。
  158. 山口鶴男

    ○山口(鶴)委員 委員長がおりませんから、渡海委員長代理に申し上げますが、どうなんですか。一体、警察もそうでしょう。それから文部省もそうである。まだ自治省の方は聞いておりませんからわかりませんけれども自治省は、主務大臣のところですから、多分最新の資料をお作りになっているだろうと期待を持ちますけれども、しかし、これは聞いてみなければわからぬ、どうなんですか一体。こういうことで審議を進められるとは委員長代理も思わぬでしょう。資料の問題については一括して一体どうするつもりなのか、はっきりして下さい。
  159. 渡海元三郎

    ○渡海委員長代理 事前に打ち合わせました通り、後刻委員長が参りましたら、委員長より直接お答えになると思いますが、御要望の線はよく委員長に申し告げます。
  160. 山口鶴男

    ○山口(鶴)委員 最後に、期待をいたしまして自治省にお尋ねいたしたいと思います。  繰り返して聞くことはやめたいと思いますが、これは一体いつの資料ですか。
  161. 松浦功

    松浦説明員 昭和三十年から昭和三十二年の動態を基礎にして、十分の一抽出によりまして作成をいたしたわけでございます。財源率については、昭和三十二年の末を基礎にいたしまして、俸給指数につきましては、それをもとにいたしまして、三十二年四月現在までのもので財源率計算をいたしております。
  162. 山口鶴男

    ○山口(鶴)委員 こういう表をいただきました。長期給付の所要財源率、掛金率及び負担金率、昭和三十七年四月二十四日、自治省、こうありまして、区分が、地方職員共済、公立学校共済、警察共済それを分けまして一般と特例とあります。さらに給付の区分では、退職年金、退職一時金、廃疾年金、廃疾一時金、遺族年金、遺族一時金、これはちょっと計算が別になりますが、公務上年金、合計をいたしまして、それぞれ地方職員共済については千分の九十九・四七、公立学校共済については千分の九十九・六四、警察共済の一般については千分の九十九・一〇、警察共済特例については千分の百七・〇〇、従って掛金率については、地方職員共済掛金率千分の四十四、負担金率千分の五十五、公立学校共済については千分の四十四の掛金率、負担金率千分の五十六、警察共済の一般が掛金率千分の四十四、負担金率千分の五十五、警察共済特例については、掛金率千分の四十七、負担金率千分の五十九、こういうふうに出ております。答えはいずれもほぼ一致をいたしております。私は、少なくともこういう一表の資料を出す以上は、実態調査の時点も最新であると同時に、同じ時点をもって計算をしているものでなくてはいかぬ。脱退残存表についてもそうだし、俸給指数についても同様である。同じ時点で同じ計算方式を使ってこうなった、それを一表でお出しになるのが私は常識だと思う。ところが、聞いてみれば、警察共済については、これは国家公務員当時のものをそのまま使ってみたり、特例については、これはその後、別だというので実態調査をやってみたり、ただ俸給指数については古いものをそのまま使ってみたり、それから公立学校共済調査時点は昭和三十二年の十一月から三十三年の十月までとか、地方共済は今お答えをいただきましたような時点とか、それぞれ調査時点がみんな違っているじゃないですか。そういうものをこういう一表でお出しになるということについて、大上政務次官、常識的に見ておかしいと思いませんか。
  163. 大上司

    大上政府委員 ただいま御質問の点ですが、ごらんの通り地方職員共済あるいは公立学校または警察等々、それぞれ行政府が、仕事の種類あるいは人数等で違うので、これを一律的ないわゆる過去の数字を持ってくるということは、それはなかなか至難かと思われますが、そのよってきたところの資料がはたして妥当なりやいなやという点につきましては、いわゆる将来に向かって推定基準としてつかむ判断資料としていい悪いという点につきましては、今ここで私が、御質問の趣旨から、あるいは説明員の答弁から判断いたしまして、是であるとか非であるとかいうことは、ちょっと時間をお借りして勉強さしていただきたいと思います。
  164. 山口鶴男

    ○山口(鶴)委員 それは時間をかけて御勉強なさらぬでもはっきりすると思うんですがね。たとえば恩給納付金にしてみれば、今まで百分の二ですね、千分の二十でよかったものが千分の四十四に二倍以上に上がるわけですね。それからまた都でありますとか、指定都市でありますとか、あるいは適用除外の団体におきましては、全然かけていなかった。そういう人が一挙に千分の四十四をかけなければならぬという事態もあるかもしれない。また千分の十五くらいで済んでおったものが千分の四十四ということになれば、三倍にも上がるわけです。それだけの重い負担を課する。そのための審議を国会でやるわけでありますから、そういうことになった場合に、はたして掛金率が妥当であるかないかということは当然議論の焦点になるべきです。それがあるのに、各お出しになった計算の時点がみんな違っておる。特に警察の特例なんかひどいと思うんですがね。俸給指数は古いものを使って、動態調査だけまた違うということになれば、時点の違うものの調査を同じ一つの計算の中にぶっ込んでやっているというようなことにもなる。次官、そういうやり方が、判断せられて、妥当であるかないかということくらいは、これは一日、二日御勉強なすって、それからお答えになるということでなくてもはっきりすると私は思うんですがね。
  165. 大上司

    大上政府委員 お説の通り、これはそういう考え方と申しますか、資料の発生場所が個々別々である、あるいは同一系列でないというような点から見れば、ごもっともでございます。従いまして、統一的にこれを調査して、そしてこれを資料としてお出しするということが最も望ましいことである。従って、山口先生のおっしゃる通り、私といたしましては是認といいますか、その通りと思います。
  166. 山口鶴男

    ○山口(鶴)委員 大へんりっぱな御答弁で、政務次官の正しい御見解に対しては敬意を表します。次官がそういったりっぱな見解を持っておるにもかかわらず、部下がそれに従っておらぬでしょう。そういうことでは次官の善意も何にもならぬのでありまして、そういう点は次官よく御認識をいただきまして善処いただきたい。  それから、資料別添の問題はあと委員長からお話があるそうでありますからしばらくおきまして、財源率Pのことにつきまして若干お尋ねをいたしたいと存じます。  まず脱退率の問題であります。この脱退残存表というものが今回の掛金率を決定する場合の大きな資料であることは申すまでもないと思うのでありますが、大蔵省給与課の、国家公務員共済組合法を制定いたしました当時の表を拝見いたしました。脱退残存数It(3)、それを拝見いたしますと非常にきれいな数字に並べられております。これは実態調査をいたしまして、そのままでは工合が悪いというので補正をいたしているわけですね。たとえばグレヴィルの五項式補正というような方式を使って補正をいたしておるようです。地方職員のものについて私も拝見をいたしたのでありますが、脱退残存数It、これもきれいな数字で整理をしてございますね、これは補正したものですか。   〔渡海委員長代理退席委員長着   席〕
  167. 堀込惣次郎

    ○堀込説明員 ただいま御質問の残存数は脱退率で補正して計算したものでございます。
  168. 山口鶴男

    ○山口(鶴)委員 脱退率を補正されたわけですね。それで見ますと、この大蔵省主計局給与課の資料の脱退補正の状況を表にしてございます。実数、いわゆる実績とグレヴィルの方式によりまして補正いたしたカーブが書いてございます。これを見ますと、実績と補正いたしましたいわゆる補正脱退率——この場合、補正脱退率よりも実数が上回っているところを赤、逆のところは黒でしるしをつけてみたのでありますが、それを見ますと、加入して一年、二年というところから二十年に至るまでのところの部分におきましては、補正率を実績が上回っている面が非常に多いのであります。といたしますと財源率Pを計算する場合に使った残存数よりも、実績の方はいわゆる勤続年数二十年までにやめる方の率は多いという格好になると思う。では財源率Pにはどういう影響があるか。これは二十年までにやめる方というのは、当然いわゆる共済組合の会計に対しては大いに寄与する方であります。これは、計算をいたしましても、掛金累計と給付額の比較を見ますと、たとえば五年の方はその率が一・四二一、十年の方は一・四三八、二十年の方は二・三二七、これに対して、たとえば三十年の方は二・九五七という形になってくるわけでございます。問題は、負担率は四十四と五十五でございます。四十四分の九十九を考えてみますと、この率は二・二五であります。従って二・二五よりもその率の少ない方は、その会計に対して大きな寄与をしておる、こういう格好になりますね。寄与しておる方が、いわゆる実績の方が財源率Pに使った率よりも上回っておるということならばこの計算でいっても——計算上では財源率Pは低くなっておるけれども、この補正の実態を見ていけば、会計に寄与する方をネグレクトしておるわけですからもっと少ない。この分を考慮に入れて実績で計算をするといたしますならば、財源率Pはもっと下がるべきだ、こう私は思いますが、この点はどうですか。せっかく行政局長さんがお見えになったから、行政局長さんからお答えいただきましょう。しろうとの質問ですからしろうとが答えて下さい。
  169. 佐久間彊

    ○佐久間政府委員 専門的なことを詳しく承知をいたしておりませんが、おそらく財源率は上がることになるだろうと思います。
  170. 山口鶴男

    ○山口(鶴)委員 おかしいじゃないですか。会計に寄与する方が、計算の基礎に使った財源率では実績より少なくなっておる。寄与する方の実績はもっと多い。だから実績をそのまま使っていくならば財準率は当然少なくて済むはずではないですか。あなたは上がると言うけれども、ほんとにそうですか。はっきり答えて下さい。
  171. 平井迪郎

    ○平井政府委員 国共の例をお引きになりましたので、私主計局の給与課長でございますが、一応お答えいたします。  先生のおっしゃる通りその点をとりますと、ごもっともであります。ただこのグレヴィルの五項式を使って補正した場合、全体として御判断いただかないと——確かにその部分だけでは安くなることは事実でありますが、逆にまた非常に退職年金給付の高い者についても、実績率よりやや低いところを見ておるところもございます。こういう補正方式というものは、全体的に御判断していただきたいという感じでございます。
  172. 山口鶴男

    ○山口(鶴)委員 答えが行政局長と逆じゃないですか。そんないいかげんな答弁をしてもらっては困る。
  173. 佐久間彊

    ○佐久間政府委員 ただいまのは間違っておりましたので、訂正させていただきます。
  174. 山口鶴男

    ○山口(鶴)委員 それでは大蔵省の方にお尋ねをいたしますが、確かにこの部分をとってみればそうで、こちらの部分があるというお話ですね。私もそれはよくわかります。わかりますけれども、それじゃこの黒くなっておりまする部分が加入期間、いわゆる勤続年数と認めてもよいが、組合に対する加入期間ですね。これが三十五年、三十六年、三十七年——四十一年までですよ。こういう方は、人数のウエートはどうですか、少ないでしょう。ウエートの一番大きいのは二十年前の人ですよ。この人数の多いところで大幅にもうけておいて、人数の少ないところへ行ってこちらでもって損しているからいいじゃないかと言ったって、全体を通ずれば明らかにもうける方が多いじゃないですか。
  175. 平井迪郎

    ○平井政府委員 単純に年限のバランスだけで申しますれば、先生のおっしゃるところごもっともでございます。ただ、今の退職金制度の体系は、一時金の場合におきましては、全体にかかってくる負担は比較的軽うございますが、年金給付を受けるようになりますと、急激に上がってくるわけでございます。従いまして、そのバランスが若い方で、確かに実績が補正の数よりも相当上回っていることは事実でございますけれども、総体的に見た場合に、はたして財源にどの程度響くかということは若干疑問であるところでございます。
  176. 山口鶴男

    ○山口(鶴)委員 それは計算をして私どもにわかるようにお示しをいただけますね。
  177. 平井迪郎

    ○平井政府委員 これは全体についてすべてかかってくるわけでございますので、早急に計算をして提出するということは、困難であろうかと思います。
  178. 山口鶴男

    ○山口(鶴)委員 そういう言い方は不親切だと思うのです。私どもは国会議員としていろいろ仕事があります。それは計算せいと言えばできないことはない。できるけれども、私どもは国会の会期の限られたこの期間に、そういう計算まで国会議員がやって審議するというのは、当局の国会に対する正当な態度ですか。そこまで国会議員がやってみたらいいじゃないですか、そういう態度ですか。
  179. 平井迪郎

    ○平井政府委員 ちょっと私の答弁の仕方がまずくて、かえって失礼なことになったかもしれませんが、そういう意味ではございませんで、御承知通りこの保険数理の計算と申しますのは、非常に複雑な計算がいろいろございまして、その過程はやはり保険数理の専門家が相当時間をかけまして計算いたしませんと、出ないものでございますから、そういう意味におきまして相当の時間をおかしいただきたいということを言ったわけでございます。
  180. 山口鶴男

    ○山口(鶴)委員 しかし国会においてそういうことが疑問になった場合には、私は明らかにすべきだと思うのです。当局としては全力をあげてやったらいいじゃないですか。国会に一つ出して、こういう程度のものしかありませんということを示していただきたいと思うのです。大蔵省が全力をあげたらできるでしょう。  大臣がおりますから大臣に聞きましょう。この資料の出し方はみんな古くて、しかも計算の根拠がみんな違っている。はなはだしいのは、あなたの所管する国家公安委員会のもとにある警察庁のごときは、全公務員に対して昭和三十四年大蔵省が計算をいたしましたものをそのまま持ってきて、三十七年度、今日出している。給料も変わっている。構成だって全然違う。全公務員と警察職員の構成が同じだとは大臣思わぬでしょう。そういうものを持ってきて、これで審議してくれ、こういうあり方に対して、主務大臣として一体どう考えるのですか。
  181. 安井謙

    ○安井国務大臣 できるだけの資料をできるだけの能力で整理をいたしまして御提出もいたしておるつもりでございますが、種々不備な点があるかもしれません。それと、全体といたしまして、国の場合と違いまして、市町村といったような非常に膨大な種類の違った団体をかかえております。全体をまとめたり何かいたしますのにもいろいろ手数上のこともありまして、あるいは御満足のいかない点があったかと存じますが、でき得る限度において整理をいたしまして、御審議促進を願いたいと思う次第であります。
  182. 山口鶴男

    ○山口(鶴)委員 まあ大臣、さっきのを聞いてなかったからそういうことを言うのだろうと思うのですが、私は市町村のことなんか議論していませんよ。特に私は、国家公安委員長、警察庁長官の指令のもとに、全国一率にぴりっと動く警察職員の資料を問題にしておるのです。また中央集権化した——文部省がボタンを押せば、全国の都道府県の教育委員会が、右に向けと言えば右に向く、左に向けと言えば左に向く、この文部省の傘下にある公立学校職員の資料を私は問題にしておる。決して三千幾らに余る市町村の一々について、その資料が不備だからということを私は言っているのじゃない。大臣その点はどうですか。
  183. 安井謙

    ○安井国務大臣 当局といたしまして、できる限り資料の整備をやっておるつもりでございますが、そういったような不備な点で、もし修正あるいは補足できるものがあれば至急出させたいとも思いますが、詳しい実態につきましては、事務当局からも答弁させます。
  184. 山口鶴男

    ○山口(鶴)委員 とにかく時間がかかるとかいろいろ言っておりますけれども、警察職員、公立学校職員、それから都道府県庁の職員、こういうものを考えた場合にやる気があればこんなに手間がかかるはずはないのです。やる気があるかないかですよ。結局国家公務員共済制度が問題になったころ、それから三年何もしなかったということじゃないですか。それはぽつぽつした数字くらいは集めたかもしれないが、計算は全然できていない。三年もほったらかしておいて、今日、国会に出しておいて、早急に善処しますと言ったって、そんなことじゃ私どもは納得できませんよ。三年間一体何をしていたのですか。
  185. 安井謙

    ○安井国務大臣 まあそれぞれの機構が別である関係もありまして、あるいは非常に御不満を買うような資料になったかと思います。しかしこれはいずれにいたしましても将来の支出を推計するための資料でございまして、実際はそれに入ってからの実績によってまたこれは十分補足検討もいたしていく筋のものであろうと思います。できるだけ一つ、今までやっております資料で御審議をいただければ大へんありがたいと思う次第であります。
  186. 阪上安太郎

    ○阪上委員 先ほどからのやりとりを聞いておりますと、全く政府の態度というのはでたらあだ。こんなことじゃ審議できませんから、一つ委員長でよろしくお取り計らいを願いたい。
  187. 川村継義

    川村(継)委員 今、山口委員が警察の皆さん、文部省の皆さんに、あるいは自治省の皆さんにお聞きしておるのは、一口に申しますならば、千分の四十四という掛金をかけていかなければならぬその根拠が、どこからきておるか、これはみんなが納得しなければならぬ、ただ何年か前に国家公務員をはじき出したから、地方公務員もそれに右へならえというようなはじき出し方でやられては、組合員たるもの、すべてが満足するわけにいかぬ。それらの根拠をおそらく聞きたいと思って、いろいろお尋ねしているわけです。ところが全然満足な根拠が示されないし、何年か前の数字をもとにして推計的にこれでやれと言われても、なかなかいけるわけがありません。そこで当局は山口委員質問に対して、もう少し的確に答えられるように一つ善処願いたいと思います。委員長、大へん御迷惑ですけれども、このままでは山口委員もおそらく質疑が続行できないと思いますから、本日はこの辺で一応とどめておいていただきたいと思います。
  188. 園田直

    園田委員長 川村委員、山口委員からの発言による資料については、政府当局が、掛金の算定をする基礎となる数字にかかる資料を早急に準備して、提出されるように願います。  次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。    午後四時二十二分散会