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1962-04-24 第40回国会 衆議院 地方行政委員会 第33号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十七年四月二十四日(火曜日)    午前十時五十七分開議  出席委員    委員長 園田  直君    理事 金子 岩三君 理事 纐纈 彌三君    理事 渡海元三郎君 理事 丹羽喬四郎君    理事 太田 一夫君 理事 阪上安太郎君    理事 野口 忠夫君       赤城 宗徳君    伊藤  幟君       宇野 宗佑君    小澤 太郎君       久保田円次君    田川 誠一君       田中 角榮君    津島 文治君       前尾繁三郎君    前田 義雄君       安宅 常彦君    川村 継義君       松井  誠君    山口 鶴男君       門司  亮君  出席国務大臣         建 設 大 臣 中村 梅吉君         国 務 大 臣 安井  謙君         国 務 大 臣 川島正次郎君  出席政府委員         警察庁長官   柏村 信雄君         警  視  監         (警察庁長官官         房長)     宮地 直邦君         警  視  監         (警察庁交通局         長)      富永 誠美君         建設事務官         (道路局長)  河北 正治君         自治事務官         (大臣官房長) 柴田  護君         自治事務官         (行政局長)  佐久間 彊君  委員外出席者         自治事務官         (大臣官房調査         官)      大塚 惟謙君         専  門  員 曽根  隆君     ————————————— 四月二十四日  委員大沢雄一君、富田健治君及び永田亮一君辞  任につき、その補欠として前尾繁三郎君、赤城  宗徳君及び田中角榮君が議長の指名委員に選  任された。 同日  委員赤城宗徳君及び前尾繁三郎君辞任につき、  その補欠として富田健次君及び大沢雄一君が議  長の指名委員に選任された。     ————————————— 四月二十三日  地方公務員共済組合法案内閣提出第一二〇  号)(参議院送付)  地方公務員共済組合法長期給付に関する施行  法案内閣提出第一三六号)(参議院送付) は本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  参考人出頭要求に関する件  連合審査会開会申入れに関する件  地方税法の一部を改正する法律案内閣提出第  一四五号)  地方公務員共済組合法案内閣提出第一二〇  号)(参議院送付)  地方公務員共済組合法長期給付に関する施行  法案内閣提出第一三六号)(参議院送付)  住居表示に関する法律案内閣提出第一一一  号)(参議院送付)  警察に関する件  道路交通安全施設の急速な整備に関する件      ————◇—————
  2. 園田直

    園田委員長 これより会議を開きます。  去る三月三十一日に付託になりました地方税法の一部を改正する法律案議題とし、審査を進めます。
  3. 園田直

    園田委員長 政府より提案理由説明を聴取いたします。安井自治大臣
  4. 安井謙

    安井国務大臣 ただいま議題となりました地方税法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由要旨を御説明申し上げます。  租税徴収に関する制度は、国民の税負担に関する実体的な法規と相並んで租税制度の重要な一環をなすものであり、社会の進展に伴って絶えず整備改善しなければならないことはいうまでもないことでありまして、今回の改正もこのような趣旨から、地方税制運営の実際にかんがみ、地方税徴収手続改善合理化をはかり、もって納税義務の円滑な履行と税務行政の合理的な運営に資せんとするものであります。  以下その内容概要を御説明申し上げます。  第一は、延滞金及び各種加算金軽減合理化をはかったことであります。  延滞金及び各種加算金については、昭和二十五年以来ほとんど見るべき改正が行なわれていないところでありますが、今回これを根本的に再検討し、制度簡素化とその軽減をはかることといたしました。  まず、延滞金及び延滞加算金につきましては、この両者を統合して延滞金とするとともに、現行日歩三銭または六銭を日歩二銭または四銭に引き下げることとしました。  次に、不申告加算金につきましては、現行では申告遅延期間に応じて一〇%ないし二五%となっているのを一律一〇%に改め、また重加算金につきましては、現行五〇%を三〇%に引き下げることとしました。  第二は、地方税賦課権の行使について期間制限を設けたことであります。  地方税賦課権を行使することができる期間につきましては、従来特別な規定は設けられておらず、地方税徴収権時効期間である五年間において賦課することができると考えられていたのでありますが、これを徴収権時効と区別し、賦課権を行使できる期間は、原則として法定納期限から三年間としたものであります。なお、国税所得税または法人税関連を有する住民税及び事業税につきましては、所得税または法人税が確定したときからさらに二年間賦課権を行使することができることとする等必要な特例を設けております。  第三は、納税手続についての改善合理化その他規定整備を行なったことであります。  すなわち、納税者納税の便宜を主眼とし、また徴収事務合理化をはかるため、災害の場合の申告期限等の延長及び申告書等提出についての到達主義の緩和に関する規定を設け、地方税に関する端数計算方法合理化をはかる等所要の整備改善を行なったのであります。  なお、この法律案は、地方団体事務の実情を勘案し、その円滑な施行をはかるため、原則として本年十月一日から施行することといたしておりますが、不申告加算金、重加算金改正については、国税との関連も考慮し、公布の日から施行することといたしております。  以上が地方税法の一部を改正する法律案提案理由及びその要旨であります。  何とぞ、慎重御審議の上すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
  5. 園田直

    園田委員長 以上で、提案理由説明は終わりました。     —————————————
  6. 園田直

    園田委員長 去る四月十九日、委員長手元前尾繁三郎君、赤城宗徳君及び田中角榮提出本案に対する修正案提出されております。
  7. 園田直

    園田委員長 提出者より趣旨説明を聴取いたします。前尾繁三郎君。
  8. 前尾繁三郎

    前尾議員 ただいま議題となりました地方税法の一部を改正する法律案に対する修正案提案理由を御説明申し上げます。  国際収支均衡を確保しつつその拡大をはかることは、わが国経済成長発展上欠くことのできない要件であります。そのためには、輸出の増進はもとより、貿易外国際収入の増大をはかることもきわめて重要であり、中でも国際観光振興は、わが国自然的条件等から見て最も有望な外貨獲得の手段であり、重視すべき施策であります。  最近の国際観光による外貨収入の実績を見ましても、昭和三十五年度は一億一千五百九十万ドル、三十六年度は一億三千七百万ドルと順調な増加を示しているのであります。わが国経済の急速な発展に応じて国際収入増進がいよいよ緊要となった現在、この国際観光振興にあらゆる対策を講じて外貨獲得増加をはかることが急務と信ずるのであります。  その一環として、本年度から新たに課税されることになりました外人宿泊に対する料理飲食等消費税につき、特に観光客だけに限ってオリンピック東京大会開催の年まで非課税とすることが必要と思うのであります。  わが国外人向けホテル宿泊料金は諸外国に比べて割高であり、これにさらに一割ないし一割五分の料理飲食税が新たに加算されることは、外人観光客誘致上、相当の支障になると思われるのであります。  よって国際収支改善国際親善増進という政策的見地から、短期滞在外人観光客で、トラベラー・チェックによる支払いの場合に限り、宿泊料に対する料理飲食税を暫定的に非課税としようとするのが修正趣旨であります。  いろいろ申し上げましたが、要はこの際非常に高いと日本でいわれておりますこのホテル代が、新たに税金をかけますために一割ないし一割五分も上がることはきっとたえられないことでありますので、税制の面におきまして私は十分よくわかっておるのであります。この際、ただいま申し上げました理由でぜひ御審議願って、そして御賛成を願いたいというのが私のお願いであります。
  9. 園田直

    園田委員長 以上で修正案趣旨説明は終わりました。  なお、本案及び修正案についての質疑は後日に譲ることといたします。      ————◇—————
  10. 園田直

    園田委員長 次に、昨二十三日参議院より送付されました地方公務員共済組合法案及び地方公務員共済組合法長期給付に関する施行法案の両案を一括して議題とし、審査を進めます。
  11. 園田直

    園田委員長 政府より提案理由説明を聴取いたします。安井自治大臣
  12. 安井謙

    安井国務大臣 ただいま議題となりました地方公務員共済組合法案につきまして提案理由及びその概要を御説明申し上げます。  御承知通り国家公務員退職年金制度は、すでに三年前からいわゆる恩給制度共済制度に切りかえ、その給付内容改善し、官吏及び雇用人を通ずる統一された退職年金制度として実施されているのでありますが、地方公務員につきましては、依然として、恩給方式によるもの、共済方式によるもの等、地方公共団体により、また、公務員職種身分により、その適用される制度が複雑不統一であり、かつ、その給付内容も国の新制度に比して低く、改善を要する点が少なくないのであります。  政府としては、地方公務員生活の安定と福祉向上に寄与し公務能率的運営に資するために、地方公務員についてもすみやかに、国家公務員に準じて合理的な退職年金制度を確立することが必要であると考え、かねて地方制度調査会に諮問し、その答申に基づき、検討を重ねて参ったのでありますが、ここに成案を得るに至ったのであります。すなわち、地方公務員についても、国家公務員制度に準じて、統一的な共済組合制度を設け、これに長期給付のほか短期給付及び福祉事業を行なわせることとしたのであります。  以上がこの法律案提出した理由であります。  次にこの法律案内容概要を御説明申し上げます。  第一に、地方公務員共済組合組織につきましては、地方公共団体及び職種の別により地方職員共済組合公立学校共済組合警察共済組合都職員共済組合指定都市職員共済組合市町村職員共済組合及び都市職員共済組合に区分し、さらに市町村職員共済組合及び都市職員共済組合については、それぞれ全国組織連合会を設けることとしております。  第二に、すべての地方公務員は、いずれかの組合組合員となることとし、すべての地方公務員共済組合組合員期間または国家公務員共済組合組合員期間は、通算することとしております。  第三に、長期給付制度につきましては、退職給付廃疾給付及び遺族給付を行なうものとしておりますが、その内容国家公務員共済組合長期給付制度に準ずることとしております。  第四に、短期給付及び福祉事業制度につきましても、組合は、国家公務員共済組合制度に準じて、保健給付休業給付災害給付等短期給付を行なうものとし、また、同時に福祉事業を行なうものとしております。  第五に、組合給付に要する費用につきましては、組合員掛金及び地方公共団体負担金をもって充てるものとし、短期給付については、掛金百分の五十、負担金百分の五十、長期給付については、掛金百分の四十五、負担金百分の五十五とし、また、組合事務に要する費用全額地方公共団体負担とすることとしております。  その他のおもな事項は、組合の資金は、安全かつ効率的な方法により、かつ、組合員福祉増進または地方公共団体行政目的実現に資するように運用する建前とすること、組合給付に関する決定等に不服がある者について審査の請求を処理するため審査会制度を設けること、地方公務員共済組合制度に関する重要事項と調査審議するため、地方公務員共済組合審議会を設けることなどであります。  なお、地方議会議員互助年金法附則第四項の規定に基づき、同法を廃止して、地方議会議員年金制度に関する規定をこの法案の中に統合することといたしました。  以上がこの法律案提案理由及びその概要であります。何とぞ慎重御審議の上すみやかに御可決下さいますようお願い申し上げます。  次に、ただいま議題となりました地方公務員共済組合法長期給付に関する施行法案につきまして提案理由及びその概要を御説明申し上げます。  政府は、地方公務員生活の安定と福祉向上に寄与し、公務能率的運営に資するため、さきに地方公務員共済組合法案提案して御審議を願うことにしたのでありますが、同法の施行に伴ない、長期給付に関する経過措置等を定める必要がありますので、この法律案提出した次第であります。  次に、この法律案概要を御説明申し上げます。  第一に、組合員施行日前の地方公務員としての在職期間につきましては、原則として地方公務員共済組合長期給付に関する規定適用を受ける組合員期間に通算することといたしております。  第二に、施行日の前日に新法最短年金年限より短い年金年限退職年金条例または共済条例適用を受けていた組合員につきましては、いわゆる期待権を尊重するよう、受給資格特例を設けることといたしております。  第三に、施行日前の地方公務員としての在職期間を有する者の退職給付の額は、退職年金条例規定適用を受けた期間共済組合組合員期間施行日以後の組合員期間等に応じ、それぞれの制度における退職給付支給率等により算定した給付額合算額とし、既得権を保障するよう配意することといたしております。  第四に、恩給公務員期間を有する者、国の共済組合組合員期間を有する者等であったものの長期給付につきましても、第二及び第三の場合と同様に、経過措置を設けることといたしております。  第五に、施行日の前日に消防職員警察職員及び船員組合員であった者に対する長期給付につきましては、旧制度の取り扱いの特例に見合う経過措置を設けることといたしております。  第六に、長期給付に関するその他の事項につきましても、必要な経過措置規定することとしたほか、地方議会議員互助年金法規定による互助会会員であった地方議会議員共済会会員についても、必要な経過措置規定することといたしております。  以上がこの法律案提案理由及びその概要であります。  何とぞ慎重御審議の上すみやかに御可決下さいますようお願い申し上げます。
  13. 園田直

    園田委員長 以上で提案理由説明は終わりました。  次に補足説明を聴取いたします。佐久間行政局長
  14. 佐久間彊

    佐久間政府委員 お手元に御配付申しました地方公務員共済組合法案要綱地方公務員共済組合法長期給付に関する施行法案要綱につきまして、ただいま大臣から提案理由の御説明のございましたことにつきまして補足的に御説明を申し上げます。  まず地方公務員共済組合法案要綱について御説明申し上げます。  第一の目的は、御説明をするまでもなく、公務員生活の安定と福祉向上に寄与すること、公務能率的運営に資することを目的として制度を定めたものでございます。  第二の組織の点でございますが、組織の点につきましては、別に御配付申し上げました地方公務員の新退職年金制度参考資料というのがございますが、それの九ページに図でもってお示しをいたしております。従来は、地方公務員退職年金制度に関する制度が、御承知のように道府県市町村の別、あるいは一般職員学校職員警察職員等の別、あるいは吏員雇用人身分別等によりまして適用をされておりまして、制度がまちまちであったのでございますが、今回の法案によりましては、この図に示してありますような種類共済組合を設けることにいたしたわけでございます。  まず、道府県一般職員につきましては地方職員共済組合、これは従来道府県雇用人についこの退職年金給付をいたしておりましたのでございますが、今回新たに吏員につきましても、この地方職員共済組合で扱うということにいたしたわけでございます。  次は、公立学校職員でございますが、これは公立学校共済組合、これも従来雇用人対象といたしておりましたのでございますが、今回教員対象にすることにいたしたわけでございます。  第三番目が警察共済組合警察職員対象にする組合でございます。  次は、都の一般職員につきましては、都職員共済組合を作ることにいたしております。  次は、五大市一般職員でございますが、それぞれの都市一つずつ指定都市職員共済組合というものを作ることにいたしております。  次は、五大市を除きました市町村一般職員についてでございますが、これは従来から市町村職員共済組合と申しますものが都道府県単位にございましたが、これは雇用人だけの長期給付を扱っておりましたのを、吏員長期給付も扱うことにいたしたわけでございます。これが各都道府県単位に、市町村職員共済組合ができます。  次に、2に書いてございますのは、この市町村職員共済組合法適用除外になっておりました市が全国で百余りございまして、これらの市につきましては、単独であるいは二以上の市が連合して一つ共済組合を設けることができるようにいたしたわけでございます。これが都市職員共済組合と申すものでございます。もちろんこれらの市が市町村職員共済組合に加入したいという場合には、市町村職員共済組合に加入することも差しつかえないわけでございます。以上申し上げましたような七種類共済組合ができることになっておるのでございます。  次に、3でございますが、組合員の範囲、給付掛金その他組合組織及び運営に関する重要事項につきましては、それぞれの組合定款で定めることといたしまして、定款の変更は主務大臣の認可を要することにいたしたのでございます。  次は、主務大臣定款のうち、特に掛金に関する事項を認可しようとする場合には、あらかじめ自治大臣に協議しなければならないことにいたしております。主務大臣と申しますのは、公立学校共済組合につきましては内閣総理大臣、その他の共済組合につきましては自治大臣でございます。文部大臣内閣総理大臣も、掛金の点については、あらかじめ自治大臣に協議するということにいたしたのでございます。なお自治大臣は、それらの協議を受けたときには、あらかじめ大蔵大臣の意見を聞くようにいたしたわけでございます。これは、国の制度との均衡を保持する必要があるからでございます。  次は、組合組織でございますが、組合には理事長理事及び監事を置くことにいたしております。  なお、審議機関といたしまして、地方職員共済組合公立学校共済組合警察共済組合の三つの共済組合には、運営審議会を置くことにいたします。そのほかの都職員共済組合指定都市共済組合市町村職員共済組合都市職員共済組合につきましては、組合会を置くことにいたしております。運営審議会委員は十名以内とし、主務大臣が任命する。組合会議員は二十人以内とし、半数は長または長が任命する、あとの半教は組合員組合員の中から選挙するということにいたしております。  審議会または組合会は、9に書いてございますような重要な事項につきまして、審議または議決をするということにいたしております。  次に、10でございますが、組合は、長期給付に充てるべき積立金責任準備金と申しておりますが、これを積み立てなければならないということにいたしております。この積立金の運用につきましては、組合員福祉増進地方公共団体行政目的実現に資するように運用しなければならないということを、法律上明記することにいたしたわけでございます。  以上が単位組合についてのことでございますが、次は連合会の点でございます。  先ほど申しました七種類共済組合のうち、それぞれの組織が非常に小さな組合につきましては、長期給付等を行ないます必要上、連合会全国単位に設けまして、そこで長期給付等を行なう掛金率等をきめることにいたしたわけでございます。具体的に申し上げますと、市町村職員共済組合員、これは府県単位にできますので、これにつきましては全国単位連合会を作る、都市職員共済組合、これは都市一つまたは連合して作ることになっておりますので、これも全国単位連合会を作るということにいたしたわけでございます。  連合会には長期給付災害給付に関する積立金を設けるということにいたしております。その他の連合会運営につきましては、単位組合とほぼ同様に考えております。  第三は、組合員でございます。組合員は、すべての地方公共団体の常勤の地方公務員にこの法律適用になることになっておりまして、組合組合の間あるいは地方公務員共済組合国家公務員共済組合との間にそれぞれ組合員期間は通産をするということにいたしたわけでございます。従来組合がかわりました場合あるいは吏員雇用員と違いました場合あるいは一般職員教員との間等通算措置が認められなかったのでございますが、それを全部認めるということにいたしたわけでございます。なお、そういうことにいたしました結果、組合員組合の間を移動いたしました場合には、その者にかかる責任準備金に相当する金額を組合間で移しかえをするということにいたしたわけでございます。なお、組合自体職員については、公務員ではございませんが、この法律に言う職員とみなしてこの法律適用することにいたしたわけでございます。  次は、給付でございます。給付内容につきましては、短期給付長期給付はいずれも国家公務員共済組合法にならうことにいたしております。短期給付種類内容もそこに書いてございますように、国家公務員共済組合と同様に考えております。長期給付につきましても国家公務員共済組合法と同様に考えております。なお、種類はもちろん同様でございますが、内容につきましては、従来地方公共団体退職年金について公共団体種類あるいは職種身分差によりまして、先刻申し上げましたように制度がまちまちでございましたので、退職年金内容につきましても必ずしも統一がとれておりませんでしたが、大体は国家公務員の旧恩給法制度に準じた内容のものが多かったわけでございます。それを今度は国家公務員の新しい共済組合法内容のものに改めることにいたしたわけでございます。旧恩給法が十七年で三三・三%ということになっておりましたのが、新法におきましては二十年で四〇%ということになっており、その後の加算率新法の方はよくいたしておりまして、三十年たちましたものにつきましては、旧法は四二%でございましたものを新法は五五%、四十年たちましたものは、恩給法が四十八・七%でございましたものを新法では七〇%というふうに内容改善をはかっておるわけでございます。なお、地方公共団体の長につきましては、従来も特例が認められておりましたので、この法律におきましても特例を設けることにいたしたわけでございます。  次は福祉事業でございます。福祉事業につきましても、その内容については国家公務員共済組合と同様のものを規定をいたしております。  次は、費用負担でございます。組合事業に要する費用負担につきまして、短期給付につきましては、本人の掛金地方公共団体負担金が折半でそれぞれ百分の五十。長期給付に要する費用につきましては、立案の過程におきましていろいろ問題があったわけでございますが、本法案におきましては、職員掛金が百分の四十五で、地方公共団体負担金が百分の五十五ということになっております。公務による廃疾年金または遺族年金に要する費用は、地方公共団体負担が百分の百。福祉事業に要する費用は、掛金が百分の五十、地方公共団体負担金が百分の五十で折半。組合事務に要する費用は、全額地方公共団体負担するということにいたしたわけでございます。  次は、審査の請求でございます。これも組合員の不服等の審査をいたしますために、共済組合審議会を置くことにいたしております。  次は、地方職員共済組合審議会でございますが、これは地方公務員共済組合に関する制度について審議をいたしますために、国家公務員共済組合審議会にならって、自治省の附属機関として置くことにいたしております。  次は、雑則でございます。最初に、この法律における主務大臣でございますが、先刻申しましたように、公立学校共済組合につきましては文部大臣警察共済組合につきましては内閣総理大臣、それ以外の共済組合につきましては自治大臣主務大臣とすることにいたしております。主務大臣は、毎年少なくとも一回組合の監査をするということにいたしております。船員保険の組合員につきましては、国家公務員共済組合と同様に若干の特例を設けております。次に、地方自治法附則第八条に規定する地方庁に勤務いたしておりますが、身分国家公務員職員でございます。これらの者につきましては、この法律の関係では地方職員共済組合組合員とすることにいたしております。なお、警察庁に属する職員や都道府県警察に属する警視正以上の階級にある警察官は、いずれも身分国家公務員でありますが、この法律によって警察共済組合員とするということにいたしております。  次は、地方議会議員年金制度でございます。現在の互助年金法の附則によりまして、地方公務員に関する大綱的な年金制度ができたときにはその法律に統合するということに規定がされておりますので、この法律の中に規定をいたすことにいたしたわけでございます。内容につきましてはほぼ現在の互助年金法に規定されておりますものをここに移したわけでございます。ただ、従来と若干違いまして、強制加入にいたしまして、その3に書いてございますように、共済会の給付に要する費用につきましては、建前は会員掛金をもって充てるわけでございますが、それが不足する場合には地方公共団体負担するということにいたし、ほぼ国会議員年金制度に準ずるようにいたしたわけでございます。  最後に、附則でございます。この法律は本年十月一日から施行することを予定いたしております。次に、2、3、4に書いてございますのは、それぞれ従来ございました組合が、この法律規定による組合になりますための経過規定でございます。5は、警察職員につきましては、国家公務員共済組合と同様に若干の特例を認めることにいたしております。次は、旧来健康保険組合によりまして短期給付をいたしておりました地方公共団体につきましては、当分経過的に従来通り健康保険組合によって短期給付を行なうという措置を認めることにいたしたわけでございます。次は、地方公共団体において行なっております短期給付費用の分担につきまして、組合地方公共団体がこの法律規定をいたしております割合よりも多く負担をいたしておりましたものがございますが、それらのものにつきましては十年間だけは従来通りの負担割合で地方公共団体負担をすることを認めていくことにいたしたわけでございます。次は長期給付に要する費用でございます。その算定が終わるまでの期間主務大臣の告示する費用をもって長期給付に要する費用とすることにいたしたわけでございます。最後に地方公共団体職員の退職手当に関する制度でございますが、これも従来必ずしも地方公共団体によって統一がとれておらなかった上に、その内容も一般に国家公務員の退職手当よりも悪かったわけでございますが、この法律施行に伴いまして、地方公共団体職員の退職手当に関する制度国家公務員の現在の退職手当に関する制度にならって整備をするようにいたそうということにいたしたわけでございます。  以上が、地方公務員共済組合法案要綱についての御説明でございます。  次に、共済組合法長期給付に関する施行法案要綱でございますが、これは地方公務員共済組合法施行になりますと、従来地方公務員につきまして制度がまちまちでございましたので、新法に移ります場合に、職員既得権、あるいは期待権を十分尊重をして、それを保障する措置を講じて参らなければならない、かような趣旨から、この長期給付に関する種々の経過規定規定いたしたわけでございます。  内容につきましては、大へん技術的に詳細にわたるわけでございますので、御審議の過程におきまして御質問に応じましてそれぞれ御説明を申し上げることにさせていただきたいと存ずるわけでございますが、二、三重要なことを申し上げますと、この法律施行日前に給付事由の生じました給付の取り扱いにつきましては、これはなお従前の例によるということにいたしておりますことと、それから退職給付に関する経過措置につきましては、いろいろ書いてございますが、一つ受給資格の点につきまして、従来十七年以下の条例の適用を受けておった者が多かったわけでございますが、それを新法に移ります際に、その要綱の二の(一)に規定いたしておりますように、施行日前の在職年が十一年以上であるときは十七年、五年以上十一年未満であるときには十八年、五年未満であるときには十九年というふうに、不利にならないようにそれぞれ経過措置を定めたわけでございます。  さらにこの従来の条例が十年、十五年、十二年というような非常に短いものを規定いたしておりましたものにつきましては、その(二)に規定いたしておりますように、たとえば十年でございますならば、従来の在職年を一年分を二年に計算するというようなことで、この既得権の保障をしていこうということでございます。  さらにまた退職年金の額につきましては、(七)以下に書いてございますが、これも従来のそれぞれの制度適用を受けておりました期間につきましては、その適用を受けておりました条項をもとにいたしまして計算をいたしまして、不利にならないように計算をするということにいたしております。  さらに受給の開始年限につきまして、従来五十五歳よりも前に支給を受ける制度適用を受けておりました者につきましては、この法律施行後も従来通り、法施行前の期間につきましては、五十五歳前でありましても、支給を開始をするという経過規定を認めたわけでございます。  以上申し上げましたほかに、それぞれのケース、ケースに応じましていろいろなケースを想定をいたしまして経過規定規定いたしましたのがこの施行法案内容でございます。
  15. 園田直

    園田委員長 以上で補足説明は終わりました。  なお、両案についての質疑は後日に譲ることといたします。      ————◇—————
  16. 園田直

    園田委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。  来たる二十八日、地方公務員共済組合法案及び地方公務員共済組合法長期給付に関する施行法案の両案について参考人の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存ずるのでありますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  17. 園田直

    園田委員長 御異議なしと認め、そのように決しました。  なお、参考人の選定等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  18. 園田直

    園田委員長 御異議なしと認め、そのように決しました。      ————◇—————
  19. 園田直

    園田委員長 次に、道路交通法の一部を改正する法律案議題とし、審査を進めます。  質疑を行ないます。御質疑はありませんか。——なければ、本案についての質疑は終了いたしました。      ————◇—————
  20. 園田直

    園田委員長 ただいま委員長手元に、小澤太郎君、渡海元三郎君、阪上安太郎君及び門司亮君提出の、本案に対する修正案提出されております。
  21. 園田直

    園田委員長 提出者より趣旨説明を聴取いたします。小澤太郎君。
  22. 小澤太郎

    ○小澤(太)委員 ただいま議題となりました道路交通法の一部を改正する法律案に対する自由民主党、日本社会党、民主社会党の三党共同提案にかかる修正案につきまして、便宜私からその提案理由及び内容概要を御説明いたします。  修正案の案文につきましては、お手元に配付しておりますので、朗読は省略させていただきます。  修正の第一点は、政府提出法案のごとく、大型免許の資格年令を二十一才に引き上げ、かつ、受験資格として、自動車の運転の経験期間が通算して二年以上の者でなければならないとすることは、やや制限が急に過ぎると思われますので、大型免許の資格年令等は現行のままといたしますが、現在の交通事故の状況から見て、大型自動車の運転については制限を付することが必要と考えられますので、大型免許を受けた者であっても、その者が二十一才以上で、かつ、自動車の運転の経験期間が通算して二年以上の者でなければ政令で定める大型自動車は運転することができないことといたしました。  この政令においては、大型自動車のうちで、車体の大きさが特に大きいもの、特定の貨物を運送するものなどを定めますが、同時に、自衛官が運転する自衛隊の大型自動車は除外して制限を加えないことを予定いたしております。  第二点は、大型自動車の運行を直接管理する者に対し、新設される制限規定に違反して運転することを運転者に命じてはならない等の義務を課することといたしました。  第三点は、新設される制限規定に違反した者について、無免許運転と同様の刑罰を課し、また、この違反した者が酒気を帯びていたときは、刑罰を加重することができる旨の規定を設けました。  第四点は、この法律施行の際現に大型免許を受けている者については、新設される制限規定適用しない旨の経過規定を設けました。  その他必要な法文の整備を行ないました。  以上が修正内容概要であります。何とぞ御賛同をお願いいたします。
  23. 園田直

    園田委員長 以上で修正案趣旨説明は終わりました。  暫時休憩いたします。    午前十一時四十分休憩      ————◇—————    午後零時三分開議
  24. 園田直

    園田委員長 再開いたします。  先ほどの修正案について御発言はありませんか。——なければこれより討論に入るのでありますが、通告もありませんので、直ちに採決に入るに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  25. 園田直

    園田委員長 御異議なしと認め、そのように決しました。  これより道路交通法の一部を改正する法律案について採決いたします。  まず小澤太郎君外三名提出修正案について採決いたします。  本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕
  26. 園田直

    園田委員長 起立総員。よって本修正案は可決されました。  次に、ただいまの修正部分を除いて原案について採決いたします。  賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕
  27. 園田直

    園田委員長 起立総員。よって道路交通法の一部を改正する法律案は、修正議決すべきものと決しました。  お諮りいたします。ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  28. 園田直

    園田委員長 御異議なしと認め、そのように決しました。      ————◇—————
  29. 園田直

    園田委員長 この際、連合審査会開会申入れに関する件についてお諮りいたします。  ただいま運輸委員会において審査中の内閣提出の自動車の保管場所の確保等に関する法律案について、運輸委員会に連合審査会開会の申し入れをいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  30. 園田直

    園田委員長 御異議なしと認め、そのように決しました。  なお、開会の日時等につきましては、追って運輸委員長と協議いたします。      ————◇—————
  31. 園田直

    園田委員長 次に、住居表示に関する法律案議題とし、審査を進めます。  質疑に入ります。通告がありますので、これを許します。渡海元三郎君。
  32. 渡海元三郎

    ○渡海委員 住居表示法は、わが国の日常生活の面におきまして非常にこれは画期的な法律であり、円滑に実施される場合におきましては、日常生活上住民に与える利便というものは、相当大なるものがあろうと私たちも期待いたしておるわけでございます。これは審議会の答申に基づいて大体行なわれたものと承知いたしておりますが、審議会の答申の概要を簡潔に一応承りたいと思います。
  33. 大塚惟謙

    ○大塚説明員 お答え申し上げます。ただいま渡海先生から御質問をちょうだいいたしました町名地番制度審議会は、昨年の五月に組織されまして、御熱心な御審議の結果、十一月二十七日に総理大臣あてに答申がなされたわけでございます。その答申に基づきまして法律案提出いたしたわけでございますが、その答申の概要を簡単に御説明申し上げます。  第一点は、現在の町名地番の混乱を解消する方策を検討いたしました結果、地番には、住居表示の適正の点から見まして、種々の欠陥を有しますとともに、住居表示をわかりやすくするというための地番整理を行なうという形にいたしますれば、非常に複雑な作業と手続と多額の経費を要する、こういうような関係がございます。従いまして、新たに住所表示のために制度を設けまして、住所番号、住居番号をもって住居表示を行なうものとするというのが第一点でございます。  第二点は、住居番号は、建物の新築、滅失によって将来住居番号の混乱が起こらないように配慮してつけられた建物の番号とするというのが第二点でございます。  第三番は、そのような住所番号のつけ方といたしましては、お手元に本日御配付申し上げました地図がございますので、その地図によりまして御説明を申し上げさせていただきたいと思いますが、地図の街区方式と書いてあります方の図をごらんいただきますと、街区方式によりまして住居番号をつけていく、こういうような形の方式が一つ御答申の中にあるわけでございます。それは二枚目のところをめくっていただきまして街区符号及び住居番号進行図というのが出ておるのでございます。その薄っぺらの一番下でございますが、2の街区方式による場合の街区符号及び住居番号図というのを見ていただきますると、このように公道によって囲まれました一つの街区、それを住居番号付定の単位といたしまして、これに街区符号の一あるいは二、こういうようなものをつけるわけでございます。この街区の中にありますところの住居につきまして、ただいまは右側通行というような原則になっておりまするので、右側の方から右回りに、中心の街画のかどから起番いたしまして右回りに街区の線上に、一定の間隔によりまして街画の線上を切りまして、これにいわゆる基礎番号を与える、こういうような形になるわけでございます。この基礎番号を与えられたところの街画の線上に入口がついておりまするところの建物につきまして一あるいは二というような、応じた住居番号を与えていく、こういうような形に相なるわけでございます。  さらに、答申の中におきましては、もう一点、道路方式というのがございまするが、道路方式の図の方の2の道路方式による場合の道路名及び住居番号図というのが出ておるのでございますが、これは大体欧米等の様式を取り入れて御答申になりました分でございますが、一応中心の一番下に赤まるがついております起点がございます。この道路に沿いましてありますところの建物につきまして、何々通りの何番、こういう形でつけてくるわけでございます。この場合につきましても、先ほど申し上げましたように、この街画の線上を一定の距離で区分いたしまして、その基礎番号のついておるところの家につきましてハウス番号を付していく、こういうような形に相なるわけでございます。  さらに、このような住所表示の方式は、市街地において採用するものとし、農村地域におきましては従来通り地番による住所表示をそのまま用いるものとするということと、さらに第五点といたしましては、住居表示制度を国の制度として決定することに伴い、そのための法制上の措置を講ずること。  こういうようなことが御答申の概要でございます。
  34. 渡海元三郎

    ○渡海委員 大体わかりましたが、従来使用されております地番を取り入れるときは、相当複雑な大がかりなものになりますので、とりあえず住居地を明示すると併用していくという姿になったということを聞いておりますが、このように従来の地番と住居番号を二つ併用するということは混乱も予想されると思うのでありますが、その点に対する考えは当局はいかに考えておられますか。
  35. 佐久間彊

    佐久間政府委員 これは併用と申しますか、同一の市街地につきましては、住居の表示といたしましてはこの新しい住居表示方法によっていく、こういう考えでございます。そこで従来の地番につきましては、これはいわば財産番号、不動産の番号みたいなものでございますから、不動産登記簿の関係では従来のものを使っておりますけれども、人が現実に住まいをしておる住居の表示といたしましては、従来の地番は市街地においては一切使わない、こういうふうにいたすつもりでございます。
  36. 渡海元三郎

    ○渡海委員 われわれの観念では、今まで使っております地番というものが、単に所有権の表示だけでなくて、やはり地番自身が住居地の表示だという観念で使用しておる。それが今申されましたように住居の表示というものは今度は住居地番号でやるけれども、地番は単に財産権の表示だけなんだと言われても、頭の中の混乱というものは変わらない、かように思うのですが、その点を勘案されて、将来ともにこれを一本にするというようなお考えで進めるのがよいのではないかと思いますが、この点につきましても将来そのような努力をされますか、一応御言及を賜わりたいと思います。
  37. 佐久間彊

    佐久間政府委員 先生の御指摘のように、従来長い間使いなれて参りましたので、急に切りかえますと、過渡的に何かかえって不便があるというような点はあろうかと思います。ただものの性質上、従来の地番と申しますのは不動産についてのものでございますので、かりにある地番がございましても、その不動産が転々売買なれていくということになりますと、また分筆等も行なわれて複雑になって参ります。そういうような状況でございますから、私どもといたしましては将来これを統一するということは考えませんで、むしろはっきりと性質上事を分けて、そして国民の方にもそれになれていただく、こういうようなつもりでございます。
  38. 渡海元三郎

    ○渡海委員 今のような御方針であったならば、今度の住居地表示を、日常の慣習の面におきましても必ず新しい番号によって日常生活を行なうのだというように、相当指導啓蒙される必要がある。頭の中の観念を切りかえられたら、今、局長の答えられたような混乱というものも起こらずに済むのではないかと思いますが、そのためには相当啓蒙という面におきまして努力を要するのではないかと思いますので、特にこの点御注意賜わるよう御要望申し上げておきたいと思います。  なお、このことは非常によいことでございますので、できるだけ多数の方面において実施すべきで、一刻も早くやりたい、こう思うのでございますが、本年度の予算でどの程度できるのか。またどのような必要——最も必要とするところから実施されるのではないかと思いますが、どのような方針で今年度の予算を実施されるのかということをお聞かせ賜わりたいと思います。
  39. 佐久間彊

    佐久間政府委員 本年度の予算は、金額にいたしますと約千八百万ほどでございますが、本年度はモデル地区を作りまして、そこでこの新しい住居表示のテストをやって参りたい、それに要する経費として計上されたものでございます。それで予算の算出の基礎といたしましては、一都市四十万坪程度を一府県に一都市ずつということで積算されております。ただこれは予算の積算の基礎が一府県一都市ということになっておるわけでありますが、この住居表示の必要度の高いところは、従来の町名地番による住居の表示が混乱をいたしております東京とかそのほかの大都市でございますので、その予算の配分につきましては、それらのところに若干ウエートを置きまして配分をしていく、このように考えております。
  40. 渡海元三郎

    ○渡海委員 大体今度の予算の範囲その他住居地表示の方法を実施されようとしておる地区は大体市街地に限っておる、こうおっしゃっておる。なるほど今度の様式から考えますならば当然のことかと思います。特に限る必要はないと思いますが、限られた理由一つお伺いしたい。
  41. 佐久間彊

    佐久間政府委員 これは、法案におきましても市街地といたしておりますが、従来の町名地番が混乱をして、始終行政上あるいは生活上不便を生じておるというところからこの問題が起こったわけでございまするので、その必要のあるところから実施をしていく。そこで先ほど申しましたように、東京とか大都市から重点を置いてやって参りたい。いなかの小さな町村におきましては、先ほどお話もございましたように、従来の町名あるいは地番を使っても、それほど不便のないところもございまするし、あるいは町名だけで大して不便もないというところもございますので、そういうところまで、しいて新しい住居表示方法によらしめる必要もないのじゃなかろうか、かような考え方をいたしておるわけでございます。
  42. 渡海元三郎

    ○渡海委員 このたびの法案によりまして、また住居表示審議会ができまして審議するということになっておりますが、制度をきめる審議会は必要でございますけれども、こういうような審議会はどういった働きを考えておられるのか、またどのくらいの程度置いておくつもりで予定をされておるのか、その点をお聞かせ願いたい。
  43. 佐久間彊

    佐久間政府委員 従来ございました町名地番制度審議会は、御指摘のように制度を御検討願う審議会でございまして、従来の町名地番の整理という方法でいくのがいいのか、あるいは新しいハウス・ナンバーの方法でいくのがいいのか、そういう点についての御検討を願ったわけでございますが、今度設けます住居表示審議会におきましては、そういう制度の問題ではございませんで、この新しい住居表示方法を実施して参ります場合に、実行上なおいろいろこまかい問題が起こってくるのじゃないだろうか。たとえて申しますと、同じ街区を切ります場合にも、どのくらいの大きさがいいかとか、あるいはそれの番号のつけ方の問題、あるいは街区名、道路名を表示をいたすことになっておりますが、その表示板の大きさはどのくらいがいいだろうかとか、いろいろまだ実施上問題になるこまかい点があるわけでございますが、それらをいたします場合に、役人だけのセンスでもいけませんし、ある程度それぞれの方面の方々の御意見も伺った上で、十分民間の御意見もいれた上できめて参りたい、このような態度から審議会を設けることにいたしたわけでございます。しかしながら、そういう意味でございますから、そう長い期間置いておく必要もないじゃないか。大体の実施の細目の要領がきまりまして、事が動き出して参りますれば、もうこの審議会も必要ないではなかろうか、そういうようなことで、おおむね二年間程度ということにいたしたわけでございます。
  44. 渡海元三郎

    ○渡海委員 こまかいことになりますけれども、実施手続におきましては、その審議会におきまして、街区方式にするか道路方式にするかということをきめる、こういうことになっております。その方式をきめると同時に、番号その他は市町村当局がこれを作成するのであろうと思いますが、その際に自分らの町の名前でございますから、その名称のつけ方、あるいは街区方式をとるか、道路方式をとるかということは、町の住民感情に直接響くものじゃなかろうかと私は思う。従って、名前のつけ方あるいは街区方式、道路方式のきめ方にしましても、住民感情を十分に取り入れることが、この制度をより円滑に実施し、将来ともに住民に親しめる住居表示になるのじゃないかと思いますが、この住民の意思をどのようにして取り入れられる考えであるか、実施の手続の段階において当局はどのようにこの面を取り入れるように指導される考であるかといえうことをお伺いしたい。
  45. 佐久間彊

    佐久間政府委員 御指摘のように、これは住民の日常生活に最も身近な問題でございますので、町名をどういうふうにつけるとか、あるいは街区をどういうふうに区割りをするかというような問題につきましては、できるだけ地域住民の意向も取り入れて実施をして参らなければならないというふうに私どもも考えております。そこで具体的にはその指導といたしまして、それぞれの市町村に協議会のようなものを作らせまして、そこでそうした問題は住民の意向も反映するような仕組みで御検討を願うようにいたしたい。これは自治大臣がいろいろ助言指導することになっておりますので、その内容といたしましてさように考えております。
  46. 渡海元三郎

    ○渡海委員 自治大臣の助言その他におきまして、協議会のようなものを作って、十分住民の意思をいれるようにされるということでございますが、従前モデル地区を作ってある程度実施されたのでございますが、それらについて得られた経験によって、今後の進め方を実際指導されると思いますが、それらに合わせてそういうようなことがおそらく出されたのじゃないかと思いますが、従来の経験等について、いま少しこの点を承りたいと思います。
  47. 大塚惟謙

    ○大塚説明員 ただいま御指摘のございましたように、昭和三十五年度において実験といたしまして、東京都の荒川区外三団体、三十六年度といたしまして福岡市以下五団体につきまして、町名地番整理の実験をやり、さらに住居表示に関する実験をやっておるわけでございますが、これらの地区におきましても、今、渡海先生の御指摘のございましたように、住民の意向を、特に町名等につきましては十分に取り入れる必要がある、こういうふうに存じまして、名前はおのおのちょっと違いますし、条例あるいは規則等によりまして設置根拠は違っておりますけれども、局長の申し上げましたような協議会形式のものをこしらえまして、そこに地元の市会議員、あるいは郵便局長、警察署長、あるいは地元の自治会の代表、こういうような市民の声あるいは意見を反映される方々を網羅いたしました協議会によりまして、慎重審議の結果、町名なり町界、あるいは住居番号、あるいは地番のつけ方というものにつきましてのやり方を御審議願いました形において作業を進めている、こういうようなことでございます。
  48. 久保田円次

    ○久保田(円)委員 関連して。渡海委員から御質問のありました町名のつけ方に関連をしまして、ちょっと質問してみたいと思いますが、町名の問題よりも、現実にさらに大きな問題は、地番整理をしていくというと、今まで甲の町にありましたものが乙の町内に入ってくる、こういう問題が実際問題としてできてくるわけです。そうしますと、今まで住居をしておりますところのその町内においての資産の問題が出てくる。住民として、あるいは公民館を持っているとか、そのほかの施設を持っております。これをまた分割しなくちゃならないという問題ができてきます。自分の町内に住居をしておって、おれたちがこれを作ったんだ、今度分かれていくについては、一体その財産の分配をどうするというような、感情的な問題が出てくると思いますが、この点についてどう考えておるか。
  49. 大塚惟謙

    ○大塚説明員 お答え申し上げます。ただいま先生の御指摘のございましたように、やはり町の界を分けますという場合におきましては、そういうような財産等の関係で帰属という問題が出てくることは確かでございます。甲府等におきましては、そのような問題が起きたことがございますが、これにつきましては、この実施をやっておりますところの市当局におきましても十分の配慮を払いまして、すぐにそれの変更あるいは帰属というものを定めることなく、町内会の方が、あるいは町界、地界等の関係者と相談の上善処をするという形で、無理押しでなしに、単に町界が違ったからといって、すぐにそれをあわただしく帰属をきめるというように問題をはからずに、納得のいく形で話し合いを進めるというような形で市町村でもやっておるようでございます。
  50. 久保田円次

    ○久保田(円)委員 今配慮をするということだが、その配慮の点ですね。法律でもって定めていこうということだから、自治省としての配慮の限度——ただ配慮をするのか、あるいは行政指導においてやるのか、あるいはそのほかの裏づけをしてやるのか、こういうふうな問題についてはどう考えるか。
  51. 大塚惟謙

    ○大塚説明員 財政的裏づけまでは考えておりませんのですが、行政的な指導によりまして、そのような町内会の財産等につきましても、摩擦の起きないような善処の仕方を指導して参りたいと思っております。またさらに学区等の問題につきましても、地界が変わったことによってすぐにそういうものを動かす必要はない、こういう形の指導をやっておりまして、そういう形におきましての行政指導で対処して参りたい、こう考えております。
  52. 久保田円次

    ○久保田(円)委員 行政指導のみにおいてやる。ところが、ただいま御説明がありましたが、財産問題と、それから学校の学区という問題も必然的にできてくるわけであります。過去において町村合併で非常な問題を残しておるということは事実ですね。全国を見ると、やがてそういう問題が市街地においてはできる可能性があるんじゃないかと考えます。町村合併というあの一つの問題のように。そういうふうなときにおいて、法律において出すということになると、行政指導をしてもどうしても追っつかない、こういう点に対してはどういうふうに考えますか。
  53. 佐久間彊

    佐久間政府委員 これは御指摘のようなケースがあることも私どもは聞いておるわけでございますが、今回のこの法律によって改正をいたそうとするのは、住居の表示の方法でございまするので、もちろん町の区域もこれに関連をいたしまして合理化をしていく、あるいは町の名前も読みやすい、簡明なものに切りかえていくということにおいては、あわせてやっていただくように指導はして参るわけでございますが、いろいろむずかしい財産の問題等でトラブルがあるようなものにつきましては、そう無理に町の境界の変更をさせるということは、この法案の実施上では考えてはおらないわけでございます。なお先ほどちょっと申し上げましたように、実施上地域住民の意向を十分反映して参らなければならぬので、協議会のようなものを作って、町の境界なり町の名称なり、そういうものも十分住民の納得の上できめていただこう、こういうふうに指導して参ろう、かように考えておりますので、できるだけそうした方法でトラブルが起こらぬように進めていっていただくことを期待をいたしておるわけでございます。
  54. 久保田円次

    ○久保田(円)委員 そうするとトラブルが起きておってどうしても追っつかない、こういうときにはそのままでもよろしい、この程度に解釈してよろしいですか。
  55. 佐久間彊

    佐久間政府委員 合理的に町の区画をいたしますためには、トラブルが起こってもどうしてもやらなければならぬという場合もあろうかと思いますが、今回のこの住居表示の切りかえの実行上は、そう無理をしてまで町の境界をどうしても変更しなければならぬという必要はないのじゃなかろうか。ですから、むしろ大へん根深い問題が起こるようなところは、無理に町の境界まで変更させる必要もないんじゃなかろうか、このように考えておるわけでございます。個々の問題につきましては、さらに都道府県知事も、この法律の実施につきまして技術的指導等もいたすようになっておりますので、そういう方法によって解決をしていただきたいと思っておりますが、一般的には今申したような気持でおります。
  56. 久保田円次

    ○久保田(円)委員 大体わかりましたが、問題は、要するに今後の行政上の点については、行政地域はもちろん人口に比例をすべき問題ではありますけれども、ある程度までの規模を持つことは町村の合併に準じて考えなくちゃなるまいと思います。しかしながら、実際の実施の点に入ってみると、そういう感情が出てくるだろう。財産を持っておる、それから学校がある、非常に関心の多い点が多々ありまするが、たまたま三十六年度において町名地番整理実験都市補助金を計上し、五団体ですね、ここへ私の地元の伊勢崎市が入っておるわけです。たまたま郷里に帰りましたときやはり問題があるのです。それというのは、今いろいろ協議会を作って指導はしておりまするけれども、ある町内において区長なりいろいろな役員をそれぞれ持っておるわけです。実際に入ってくると、街路方式ですか、何か方式が分かれておりますけれども、いろいろな問題を取り上げております。そこで実際に問題ができているわけです。こういうふうな点に対して中間報告を受けたことがありますか。
  57. 大塚惟謙

    ○大塚説明員 実験都市の関係につきましては、五団体でわずかの数でございますので、今年度におきましても十何回か打ち合わせもいたしております。それから太田、伊勢崎市は、割合に距離的に近うございますので、再々向こうからもおいでになり、こちらからも二、三度参りましていろいろ打ち合わせをいたしております。その関係等におきましても、町界の線は、あまり変な形で切りますと、将来においてまた乱れてくる。そのたびに非常に住民の方々に御迷惑をかけるような関係がございますので、その点はできるだけすっきりいたした線で行なっていただくように指導をいたしておりますけれども、そういうような学区とか財産とかにつきましては、町村合併の場合とはちょっと異なりまして、いわゆる法人格というようなものでございませんので、すぐに新しいものに受け継がないとかいうことは考える必要はない。適当に話し合いをして、そうして管理をし、従来のままの形でやられてもいいのではないか、こういうような形で弾力性のある指導をいたしておるわけでございます。
  58. 久保田円次

    ○久保田(円)委員 近いから市長と打ち合わせしておるのでしょうね。
  59. 大塚惟謙

    ○大塚説明員 はい。
  60. 久保田円次

    ○久保田(円)委員 市長の方は、問題ない、こう言っていますね。
  61. 大塚惟謙

    ○大塚説明員 市長さんは、三月でございましたが、おいでいただきまして、町界の議決は多少おくれておるけれども、近いうちに何とかお話し合いをして、住民の方にも御納得をいただいて、議決をとる、こういうような御連絡を、親しくお目にかかりまして受けております。
  62. 久保田円次

    ○久保田(円)委員 それでは今のところは問題がない、こういうふうに了解していいのですね。
  63. 大塚惟謙

    ○大塚説明員 はい。
  64. 渡海元三郎

    ○渡海委員 ただいまの住民の感情という問題につきましては、久保田委員も指摘されましたように、ぜひともこの住民の感情その他を積極的に取り入れまして、この制度をよりよく住民に親しまれる制度にしていただきたいと御要望いたします。  最後に一点、第十二条に、技術的基準を大臣が定めるというふうになっておりますが、どういったものを定めようとしておられますか、内容の概貌を一つ承りたいと思います。
  65. 佐久間彊

    佐久間政府委員 先ほど審議会審議をいただく事項として例示をいたしましたことが大体これに当たるわけでございますが、街区方式をとります場合に街区の大きさはどれくらいの規模がいいと考えるとか、あるいは道路方式をとります場合に番号のつけ方、どういうふうな順序でつけた方がよろしいか、あるいは先ほどお話の出ましたような実施上の組織の一応のひな形のようなものでございますとか、あるいは表示板の様式といったようなものとか、必要な技術的基準としては、例といたしましては、そんなものでございます。
  66. 渡海元三郎

    ○渡海委員 本制度は私たちの日常生活に非常に不便を感じ、実際困り抜いておったものを解決されるという意味におきまして、安井大臣の自治省大臣就任中に残された一つの大きな布石になるのじゃないか、かように考えるのでございまして、この点は住民感情を入れて、ほんとうに親しまれる制度を実施していただきたい、かように大臣に強く要望する次第でございます。この制度に対する大臣の御決意のほどを最後にお聞きいたしまして私の質問を終わりたいと思います。
  67. 安井謙

    安井国務大臣 御激励をいただきましてまことに恐縮に存じます。私どもはこの制度をぜひ早急に実現をしたいと思っております。今、年度計画、そうして初年度の予算も非常に僅少でございますが、実は広告等を入れますると費用は非常に僅少に済むという方法も今考えられておりまして、この計画以上に、ことに必要な大都市中枢にはさらに促進をして、計画をうんと繰り上げて実施をいたしたい。そういうふうなことも考えて、ぜひ御趣旨に沿いたいと思う次第でございます。
  68. 園田直

    園田委員長 本会議散会後まで休憩いたします。    午後零時四十四分休憩      ————◇—————    午後三時四十分開議
  69. 園田直

    園田委員長 これより再開いたします。  警察に関する件について調査を進めます。  質疑を行ないます。通告がありますので、これを許します。小澤太郎君。
  70. 小澤太郎

    ○小澤(太)委員 道路交通の問題につきましては、政府におかれましても、最近非常に熱心にこれに対する措置を講ぜられておるのでございまして、私どもこの問題を扱っておりまする議会の者といたしまして、政府の御熱意、なかんずく川島長官の非常な御努力に対しましては、心から敬服いたし、また感謝もいたしておるわけでございます。自動車の保管場所の設置義務あるいは大型トラックの運転者の年令の引き上げ、経験年数を条件にするというような措置、あるいはまた明日から行なわれる東京の車種別、時間別の規制、あるいはまた交通違反に対する処分の簡潔化をはかるためにキップ制度と申しますか、そういうものを御採用になり、あるいはまた駐車場法の改正など、一連の立法並びに行政上の措置を次々とおとりいただいておることに対しまして感謝いたしておりますが、なお私どもこの問題を審議いたしておりまする経過に照らしまして、道路の安全施設が現状ではきわめて不十分なような気がいたします。それで何とかこの安全施設を整備充実してもらいたい。これは御承知のように、公安委員会で行ないまする道路標識とかあるいは信号機、こういうものもございますが、その大部分は建設省で所管しておられます道路の付属物としての安全施設、ガードレールとかあるいはイルミネーター、照明灯、こういうものがたくさんございます。どうも新しく作られつつある道路につきましては相当の考慮が払われておりますけれども、すでにでき上がっておりますものにつきましては、その当時建設の際に十分な考慮が払われておらないために、そういうものが非常に不完全な状態のまま放置されておるのがございます。これにつきましては、現在の法律上の制度その他からいたしましても、直ちに国庫の補助なり援助なりをして、管理者をしてやらしめるということができがたい状況にもあるようでございます。私どもといたしましては、何とかこういう問題を早急に解決して、およそ三カ年ぐらいの間に安全施設を設置していただきたい、このことは委員会審議の際におきましても強く要望されたのでございます。  つきましては、交通関係の閣僚懇談会でこういう問題を取り上げておられるのかどうか、あるいはまた将来そういうお気持であるかどうかということをまずお尋ねいたしたいと思います。
  71. 川島正次郎

    ○川島国務大臣 ガードレールを作ったり何かするようなこと、部分的にはいろいろと考えられますけれども、全体として安全施設をどうするかということはまだ検討しておりません。今のお話もございましたから、一つなるべく早い機会に取り上げまして検討するように、各閣僚に対してお話し申し上げたいと思います。
  72. 小澤太郎

    ○小澤(太)委員 なお、こういう安全施設を整備いたしますにつきましては、何と申しましても相当の経費が要ると思います。国の管理する道路につきましてはもちろんでありますけれども、地方自治体が管理しておりますものにつきましては、自治体がこれをやるということになりますと、やはり国の援助なりあるいは自治体の自主財源を充実させるという方法が講ぜられなければならぬと思います。いずれにいたしましても、相当の金額になると思います。ちょっと推算はいたしておりませんけれども、警察当局が要求しておるものだけでも私は数十億になると思う。建設省などの所管するものを合計いたしますと、やはり少なくとも百億近いものが要るのじゃないか、それを三年間に既存のものにつきましては整備してもらいたい、こういうことになりますと、予算面につきまして相当政府としても考慮していただかなければならぬと思うのでありますが、長官、いつぞやこの委員会で、予算のことについては、別に目的税的なことを考えずとも、一般の財源から十分にこれを計上していく用意があるという御答弁をいただきまして、私ども実は満足いたしておるわけでございますが、ただいま申しましたような安全施設の整備ということにつきまして、相当の努力が要るということを私ども考えるわけでございます。これは政府の関係の事務当局にいろいろ聞いてみますと、これからここでどういうものが要るかということを十分調査をいたしまして、その結果に基づいて、予算のことなんかもそれから出てくるのだという話でございます。政府におかれては、そのような措置を早急に講ぜられて、予算上においても十分な措置をしていただくことができるものかどうか、その点について長官の御所見を伺いたいと思います。
  73. 川島正次郎

    ○川島国務大臣 三十七年度の予算で見込んでおります交通整備事業以外に、交通安全設備その他事業が可能なものにつきましては、三十七年度の予備金なりあるいは補正予算の措置をするなりするということをきめまして、これは池田総理と私と三木長官と中村建設大臣、四者の会談で話がまとまっております。本日の交通関係閣僚懇談会に大蔵大臣も参加してもらうことにいたしまして、大蔵大臣にもこの趣旨を徹底するつもりでおります。そうした総理の意思に基づきまして、先般東京都の知事を呼びまして、三十七年度で東京都が計画する道路整備以外に何かやりたいものは持ってこいというので案を持ってきましたけれども、不十分でありますので、再検討することを東京都知事に頼んでいるような現状でありまして、政府といたしましては予算面の措置はするつもりでおります。
  74. 園田直

    園田委員長 安宅常彦君。
  75. 安宅常彦

    ○安宅委員 長官にお伺いいたしますが、大体安全装置というものを、いろいろと警察当局あたりから予算上の要求も出ておるようでありますけれども、たとえば一つ一つ申し上げるならば、踏み切りの信号機もあります。あるいはまた道路の標識もあります。あるいは道路の表示もあります。いなかに行きますと、とても予算が足りないので、それがひっくり返ってしまったり、なくなったり、あるいは仕方がないので、交通安全協会の名前で、運転手さんごくろうさんなんて書いて、そして何か書いてみたり、広告つきのものがあったり、非常に統制がとれないばらばらのものがたくさんあるわけです。それも、非常に無統制な上に、完全でありません。あるべきところになかったり、こんなところになくてもいいじゃないかというようなところにとんでもないものがあったりいたしまして、私どもは非常に不便を感じておるのであります。大体において一つの基本という立場から言うならば、変なことを言うようでありますが、交通事情が先行して政治がおくれておる、こういうところに問題があると思うのでありまして、旅人が一人歩きするような道路のときにはやはりそういう細い道路で問に合ったし、荷車が通るようになれば荷車の道路が作られたし、バスが通ればめり込みますから砂利が入ったし、自動車が通るようになれば自動車の通れるような道路を作らなければ政治と言えない。これは封建領主あるいは幕府がやったような政治でも現在の政治よりもよほど上手であったような気がしまして、実情に合わない道路しか持たない国ぐらいあわれな国はないと思うのであります。そういう立場から考えて、当面道路の交通の安全施設の整備ということについて一つ早急に手を打たなければならない、こういうふうに考えておられると思うのでありますが、この点、再三くどいようでありますが一つお伺いいたします。  そうした場合に先だつものは金であります。今、小澤先生の質問に対して長官は、いろいろ閣僚懇談会でも相談いたしまして予算その他では補正予算を組むなど、非常に手配のびっしりしたものにしたい、こういう答弁があったようでありますが、警察当局から出ているので数十億でありますから、建設省関係あるいは私がただいま申し上げましたようなこまかいいろんな問題を含めて、運輸省関係も含めて、そういうものは二百億以上に達するのではないか、私どもはそう考えておるわけであります。そういう予算は、これは大蔵大臣に聞くのがほんとうだと思うのでありますが、大蔵大臣も含めて何か協議をされるようでありますけれども、補正予算を組むなど早急に手を打ちたい、こういうように長官は言いますけれども、それはどれくらい組むのか、程度の問題だと思うのであります。そういう補正予算等を組まれる場合に、二百億円くらいの積算になると思われるそういう金を組む可能性があるのかどうか、私はそれをまず聞いてみたいと思うのであります。
  76. 川島正次郎

    ○川島国務大臣 予算措置の問題は、私だけの意見ではありませんで、先ほど申し上げたように総理を中心にして懇談した結果をここでお答え申し上げているわけであります。一体幾ら組むかというようなことについては、道路整備の案が出たとき検討するのでありまして、今ここで何とも申し上げられぬのでありますけれども、少なくとも安全施設は必要な効果ある程度の事業はしなければならぬ、こう考えております。現在の交通事情は百億や二百億の原資をけちけちする場合でなくて、思い切って出すべき事態だ、こういう感触でもって閣僚懇談会も進めておるわけであります。
  77. 安宅常彦

    ○安宅委員 それでは具体的に今度はお聞きいたしますが、そういう安全装置の問題だけにいろいろ金がかかるということを私は申し上げました。その基準というものは、成案ができて初めて幾らぐらいかかるのかということを検討するのだというお話でありますけれども、たとえば自動車の保管場所の設置義務をびっしりときめた法律が出て参ります。それからダンプの運転手や何かに対して年令の引き上げ、こういうことを規制する法律が出て参ります。あるいはまた車種別の乗り入れの制限等の措置も行なわれようとしております。そういうことになりますと、車庫を作れと言ったってなかなか——今まで車庫を持たない人は常置場所をどうしても作らなければならなくなるでしょうが、そういう人に対してすぐ作れと言われても、場所もなければ何にもないという人も相当出てくると思うのです。こういう融資をしてやるとかあるいはいろいろな援助をしなければ車庫を持てない人がたくさん出て、今まで通りの、道路に放置されたような車がたくさん出る状態を解消することはできないのではないかということをわれわれは心配いたします。そういの金などが政府から出せるような決意があるのかどうか。  それから、ダンプカーを入れてはいけない、大型バスは入ってはいけない、大型トラックは入ってはいけないということになれば、時間などを制限された場合、その運送会社なら運送会社が非常に困るわけです。今まで昼間の運転手の勤務を予想して勤務の体系を作って人員を採用して、そして営業してコストをどれくらい見るかということをして、もうけるかもうけないかを計算して営業をやっていたと思うのです。夜間乗り入れしなければならないことになりますと、その人の手当も出さなければならない、次の日も使うわけにいきませんから、三人でいいところを五人か六人運転手を採用しなければならない。そういう会社は今度は営業ができなくなるような状態も出てこないとも限らない。これは中小会社に対して融資するとか、そういう措置をとった代償として何らかの特別の手当をするとかいうことでもやらない限り、とても収拾がつかないことになるのじゃないかと思うのです。こういうことについて政府は何らかの援助をするというようなことは考えておるのだろうか。  道路の標識にいたしましても、いろいろ予算は出すと言っおりますけれども、地方自治体でやらなければならないことがたくさんあると思うのであります。こういうものについて、地方自治体が出資し得られるような地方財源の措置を大幅に講じなければならないと思うのでありまして、私、今五つか六つ例をあげましたが、こういう具体的なことについても予算を計上するということを今まで話し合われているのかどうか。ただ一般的に、観念的に、道路の安全を確保するための整備措置に対しては金を出そうじゃないかという相談だけになっておるのか、そこのところを一つ明らかにしていただきたいと思うのであります。
  78. 川島正次郎

    ○川島国務大臣 車庫、常置場所を設置させますことは懸案です。将来は全部そうなるのですが、そこで、ただいま私どもの一番心配しておるのは中小企業者です。小型、中型のトラック、自家用よりも営業用のあるいは自家用でも乗用車でなくて貨物用のもの、これはどうしてもよそへ行かないですから、それはどうするかということが心配であります。それにつきましては常置場所、車庫を作る場合には、個人なりあるいは組合なりで作らせまして、それには金融の処置をするということにきょう交通閣僚懇談会できめました。それは大蔵大臣も出席してきめたわけであります。  その次の、バス会社など規制によって経営が困難になる、これに対して何か処置するかということでありますが、それはまだ閣僚懇談会では相談してございません。これは中小金融の方で処置するのじゃないかと思いますけれども、私は今初めて聞いた問題ですから、通産大臣に私の方から話をいたしておきます。  それから、特に交通問題については地方財政に対して援助するかということもまだ検討はいたしておりません。これは自治大臣からも適当な機会に閣僚懇談会で話があると思うのでありますが、そういう提案がありましたら十分検討することにいたしたいと思います。
  79. 安宅常彦

    ○安宅委員 大体わかりました。どうもまだ観念的なような気がしてしようがないのですが、さらに言うならば、私はこれは毎回持論みたいにして言っているのでありますが、幾ら標識をきちんと書いてもあるいは掲げてもあるいは信号機をつけても、たとえば日本国有鉄道などでは踏み切りの警手なんかはどんどん減らす傾向にある。そして自動にするとか、こういうところで地域住民からそれはあぶないからやらないでくれという陳情がえらいたくさん来ておるのであります。これらに見られる通り、各会社ともあるいは日本の独占企業体である国有鉄道でさえも人員を減らしたり何かして人件費を浮かそうと考えておる時代です。そういうときでありますから、自動車の運転手の待遇なんか非常に悪いのです。それで請負制か何かですから、この間もダンプの運転手さんなんか来たときに言っておりましたが、何回も往復しなければ、基準の本俸が少ないものですから、砂利をとるところから建築の現場まで三回なら三回往復してもとても飯が食えないから、四回飛ばそうとする。こういう人が相当おる。従って、閣僚懇談会あたりで非常に重視してもらいたいのは、これは要望になりますが、そういう業種の、たとえば特に年令を引き上げられたダンプの運転手、大型の運転手などの場合、最低賃金制度というものを明確にしてもらわないと、幾ら規制しても、道路の標識を立てても、これらの人が飯を食えないためにまた飛ばす。そうすると警察の方でつかまえる。そうして免許証を取り上げる。一カ月半くらい取り上げられたらその人は水を飲んでいなければならない。そして今度免許証をもらったら取り返そうと思ってまた飛ばす。そういうことになってイタチごっこになりますから、そういうことで労働条件、勤労条件の改善というものを、こういう大形の運転をする会社、あるいは特に年令を二十一才に引き上げられたような、そういう種類の人を使うような会社では、何円以下では運転手を使っていかぬ、そういうところまで考えませんと、とても抜本的な交通の安全というものは期せられないような気がいたしますので、こういうことについても労働大臣なども加えて一つやってもらえないだろうか、こういうことを私強く何回も要望しておるのでありますが、きょうは川島さんがせっかく御出席でございますから、ぜひ実現をしてもらいたいということを、これは質問ではありませんが、要望をいたしておきたいと思うのであります。よろしく一つお願いを申し上げたいと思います。
  80. 川島正次郎

    ○川島国務大臣 御意見よくわかりましたから、そういうふうにいたします。
  81. 安宅常彦

    ○安宅委員 終わります。
  82. 園田直

  83. 阪上安太郎

    ○阪上委員 川島さん、かぜ引いて大へん弱っておられるようでありますので、きわめて簡単に、一点だけ御質問申し上げておきたいと思います。  御承知のように交通対策につきましては、これは川島さんも常日ごろおっしゃっておるように、恒久対策と緊急対策に大別し得るものと思います。それで私、恒久対策は本日は別といたしまして、特に緊急対策としてわれわれ小委員会を作りまして審議して参りました経過から考えましても、道路交通の安全施設の整備促進ということが喫緊の問題だ、こういうことに結論が出てきたわけなんであります。そこで、先ほどからも小澤委員、安宅委員からの御質問がありましたので省略いたしますが、要は、こういった道路交通安全施設というものをやっていく実施団体が、地方自治体であるということが言えると私は思います。そこで、これらの諸団体は実施しなければなりませんが、問題はやはり財源の問題であります。大都市でこういったことをやりたいという考え方は、どの都道府県知事も持っておると思います。大都市の市長さんなども何とか早くやりたい、こう思っておりますけれども、金がなくてできない、こういう状態になっておるのであります。そこで、ぜひともそういった財源措置の伴なうような特別立法が必要ではないかとわれわれ考えております。ところが、こういう財政論議が出て参りますと、在来の経過から見まして、とかくそれは地方自治体がやるべきものである、従って、金も地方自治体の独自の財源でできるだけやるべきだ、こういうような論が出てくるわけなんであります。それではいつまで論議をしておりましても、これはなかなか簡単に速急に実施ができません。  そこで、長官に一つお願いを込めて私は質問をしたいのですが、こういう事務をやっていく場合に、一体これが国の事務であるか地方の事務であるかというこの問題なんであります。この点につきましては、はっきりいたしておりませんと、とかく大蔵省あたりは金を出し渋ります関係から、いろいろと理屈を言いまして、それはもう地方自治体の事務だからわれわれの方から金を出さないのだというような言い方をやるわけであります。それをやっておったのじゃこの大事な問題が解決いたしません。そこで、一体これは国の事務か地方の事務か、あるいは国の事務であり地方の事務であるというならば、その点をはっきりとして、しかも地方の事務であるということであるならば、しからば現在の国の財源の配分というものは、こういったものを地方事務でやるだけの金がついていない、私たちはこういう一つの認識に立っておりますので、その辺のところを長官から御決意のほどを一つはっきりと伺っておきたい、こういうふうに思うのであります。
  84. 河北正治

    ○河北政府委員 道路の維持管理につきましては道路管理者がその責任でございまして、費用の点につきましては道路整備五カ年計画におきましても二兆一千億円のうち三千五百億というものを地方単独の道路事業費としてワクを定めております。それに対しまして、財源といたしましては地方道路税、それから軽油引取税、その他地方の一般財源等で三千五百億の地方単独道路事業が行なえるという見通しのもとに、五カ年計画でそのようなワクを定めております。
  85. 阪上安太郎

    ○阪上委員 それはだめなんですよ。私が聞いているのは、そんなことじゃない。そんなことは、これから道路整備五カ年計画で整備するものについては、交通安全に関するところの施設をきめられたところは当然やらなければならぬということになってくるということはわかっております。そうではない。今まである道路でもって、そういう安全施設とかなんとかできてないところについてどうするかというのがわれわれの考え方なんです。そのことは国の事務か地方の事務かということを伺っておる。当局からもう一ぺん説明していただきたい。
  86. 河北正治

    ○河北政府委員 ただいま申し上げました地方単独の道路事業費の三千五百億のワクでいかなる仕事をしていくかということは、先般もブロック代表の道路課長にも集まっていただきましたし、最近、近々に道路課長会議も招集いたしますので、その際十分に御趣旨のような安全施設の整備についても、その地方単独道路事業費でもってそれらの安全施設の整備を促進するように打ち合わせをして参りたい、このように考えております。
  87. 阪上安太郎

    ○阪上委員 まだわかってないのですが、三千五百億のワク内でもって在来の道路でも何でも交通安全施設をやっていこう、こういうことなんですか。その質問に答えて下さい。
  88. 河北正治

    ○河北政府委員 三千五百億のワクで、三十七年度では一応六百億予定いたしております。それらの中で交通安全のための施設、たとえば道路標識、それからガードレール、既設の道路の……。それらのものを地方道路管理者によってやっていただきたい。またどういう工合にやっていくかということを打ち合わせしたいというふうに考えております。
  89. 川島正次郎

    ○川島国務大臣 地方の事業として安全施設をする場合には、従来の予算で足りない場合に、国がこれをどう補助するかということなんであります。これにつきましては自治大臣大蔵大臣、関係閣僚と相談しまして措置したいと思っております。御趣旨のほどはよくわかりました。
  90. 川村継義

    ○川村(継)委員 どなたでしたかね、さっきお答えいただいたのは。今の計画の中に街路灯の施設などもございますか。
  91. 河北正治

    ○河北政府委員 街灯につきましては、道路管理者の方で行なっていただきたい事業の中に入れて検討していきたいというふうに考えております。
  92. 川村継義

    ○川村(継)委員 それはしていきたいのですか、今計画の中にちゃんと織り込んでありますか、これからやる分につきましては。
  93. 河北正治

    ○河北政府委員 来月早々各県の道路課長会議をいたしますので、そのときに十分打ち合わせをしていきたいという工合に考えております。
  94. 川村継義

    ○川村(継)委員 何か心細いお答えですが、川島長官、建設大臣もおいでになっておるのでちょっとお尋ねしておきたいと思います。  実は、道路の安全施設についてはいろいろの悪い施設があると思うのですが、これはわれわれの方から建設委員会に街燈整備促進法案提案いたした、ところが与党の皆さん方の御意見を聞きますと、大体この趣旨には賛成である、こういうような意見が出ております。しかしついに一回もまだ審議されていない、この街燈整備促進法案は交通の安全、それから防犯というのが大きなねらいになっておるわけでございます。川島長官が今回閣僚懇談会の非常に重要な役割をになって、ずいぶんと御苦心いただいておりますことはよく存じ上げておりますし、何か非常ここの行政が前向きに動いておることもよく存じております。しかし交通の問題について、いろいろな施設がありましょうけれども、忘れてならないのは街灯の問題であるとわれわれは考えております。その点について川島さん、御存じでございましょうか、その法案内容等を御検討いただいておるのでございましょうか。御検討いただいておりますならば、その法案についてどのような御見解をお持ちであるかお聞かせをいただきたい。これは建設大臣も、おそらく所管の委員会にかかっておるのでございますから、御存じであろうと思いますが、これについてどのような見解をお持ちであるか、その点をまずお二人からお聞かせいただきたい。
  95. 川島正次郎

    ○川島国務大臣 実は私、この法案をまだ読んでおりませんので、意見を申し上げるわけにいかぬのですけれども、しかし街灯の必要は認めぬわけにはいかないのでありまして、私は当然その必要を認めております。
  96. 中村梅吉

    ○中村国務大臣 私の方としましては、ただいま当委員会で取り上げていただいております道路交通の安全施設の整備ということにつきましては、今後とも格段の努力をして参りたいと思っております。  今の街灯の問題でございますが、これもすでに重要な道路につきましてはガードレールの設置とともに実は関係機関を督励いたしまして、道路管理費等の中からできるだけの処置を目下進めておる次第でございます。この街路灯は、道路を照明するための街灯と、御承知のようにスズラン灯のような美観のためのものとあろうと思いますが、美観の関係のスズラン灯等は別といたしまして、重要な道路あるいは横断地点等につきましては、今後努めて街路灯の整備をはかっていきたい、かように考えます。  なお実は当委員会で熱心にお取り上げをいただいておりまするこれらの安全施設の整備につきましては、私ども関係機関と協議をいたしまして、でき得るならば地区別にこういったことを進めて参りまするための関係機関の協議会のようなものを作りまして、仕事としては何を担当するか、あるいは経費の負担についてはどういうふうにするか、国はどうするかというようなことを具体的に煮詰めて、そうして極力御趣意に沿うようにはかっていきたい、かように目下考えておる次第であります。ごらんの通りわれわれ、国会の開会中でそれぞれ担当の法案等もございまして、まことに時間が乏しいのでございますが、時間的に余裕ができましたならば、こういったようなことも関係機関と相談いたしまして早く進行させたい、かように考えております。
  97. 川村継義

    ○川村(継)委員 今の街路灯設置促進の問題につきましては、また建設委員会でいろいろお尋ねをいたしたいと思いますが、川島長官に、おからだの工合も悪いようでございますから、お願いだけいたしますが、実は道路の交通安全あるいは防犯という見地から提案してございます今の街路灯設置の法案が、どうして促進されないかということをよく聞いてみますと、何か通産当局の一つの抵抗にあっているということを与党の皆さんから聞いておる。それはなぜかと申しますと、申し上げるまでもなく街路灯については、いわゆる電気税を免税にするとか、電気料を安くするとかいう措置をとるべきであるという内容を一部含んでおります。ところが、今日すでに街路灯につきましては電気税の免税点も設置されておりまするし、今度の地方税改正で電力供給規程の適用を受ける街路灯についてはそういうものがなくなって参ります。これはそういう面では心配の要らない面が出ておりますから、通産当局がただ単に電気料を安くしろというようなことに反対なさるということは、私は国策に沿わない考え方じゃないかと思うのです。そこで、川島長官はそれらの点をよくお考えいただきまして、道路交通の問題についていわゆる街路灯も重要なる安全施設の一つだとお考えいただきまして、あなたの手元一つぜひ促進を願いたいと思うのであります。  それから建設大臣につきましては、先ほど申し上げましたように、あなたの方の委員会でいろいろとお尋ねもいたさなければなりませんが、あなたの方に出ております法案は——実はあなたの委員会にはもうほとんど法案はないのですね。それで余裕がつくならばというお言葉がありましたけれども、これは一つ速急にやっていただきたい。国道についてはやはり国がその設置の責任を負う、県道については県がやる、市町村道については市町村がこれを受け持つ、そのかわり市町村道につきましてはある分のめんどうを見てやるということになっておりますから、建設省とされましては別に何も首をくくり上げるような大問題ではないと思います。ただ私たちが心配いたしますのは、このような緊急必要だと思われる施設を、そのまま地方の負担に全部おっかぶせていきますと、地方団体が財政的にやはり窮屈と申しますかこれ以上迷惑を受けるから、国の援助等を考えているわけです。今日この問題が出て参りましてから、各地方団体では、それぞれの力に応じて街路灯の設置の促進がなされておるようであります。ところが完全にそれらの必要な、いわゆる交通の安全の上から考え、防犯の上から考えてこの設置促進に努力をしている地方団体があるかと思うと、相変わらず住民の負担に転嫁しながら、住民の協力を得ながらこういう施設をしている部面が相当見受けられます。それで私はその意に反するものがあると思っているわけです。ぜひ一つ法案内容を十分検討いただきまして、あなたの委員会でこれが成立するような御努力願いたい。  そこで警察庁の柏村長官にお尋ねいたしますが、この街路灯のいわゆる防犯という立場から——スズラン灯なんてこれは問題にならぬが、防犯という立場から、街路灯の設置について全国的な統計が、資料があるかどうか存じませんけれども、皆さん方の方では前々から問題として検討しておられますから、やはりどれくらいの必要性を考えておられるか、大ざっぱなことはおわかりだと思います。それらについて一つ今日の状況と、それから東京都の特別区とかあるいは各地方の団体がこれらの設置を進めておる状況、それらをきょうはちょっと聞かせておいていただきたいと思います。
  98. 柏村信雄

    ○柏村政府委員 防犯灯の必要性につきましてはかねがね御議論もございます。われわれも痛感をいたしておるところでございます。その数字について申し上げますと、三十六年の十月におきまして百五十五万灯、これは三十六年の三月に比較しますと十五万ふえておる状況でございます。年々五%程度しかふえておりませんのが、昨年は急速にふえておる。これはもちろん十分ではございませんが、この間におきまして東京電力を初めとしまして、各地の電力会社等が相当好意的に電灯についての寄付を防犯協会等にいたされまして、そういうことがきっかけとなりまして非常に促進される機運にあるわけでございまして、今後におきましてもこういう機運に乗りまして整備をはかって参りたいと思うのであります。ちなみに、電力会社において寄付されました防犯灯は、二万一千灯に上っておるわけでございます。今後ともこういうものの充実について、特段の力を注いで参りたいと存じます。
  99. 川村継義

    ○川村(継)委員 今長官のおあげになりました数字から見ても、よほど力を入れて整備を急がなければならぬということを考えるわけですが、先ほど建設大臣のお話の中にも、また事務当局の方のお答えの中にも、これから一つ検討しようということであります。来月ですか、そういう道路の施設等について検討なさるときには、いわゆる防犯、交通安全の立場から必要な街路灯の設置ということも忘れずにぜひ一つ入れていただきたい。  それから自治大臣に、これまた一つの要望でありますけれども、公安委員長を兼務しておられまして、いろいろ交通安全施設については苦慮なさっていると思いますが、今私が一つの例として申し上げております街路灯、防犯灯、こういうものについては、今、柏村長官は、電力会社の寄付やらその他いろいろの点で施設はやや進みつつあるというお話でありますけれども、地方に参りますと、やはり地方の住民の受益負担といいますか、そういう形において、あるいは市町村が結局交通の安全を守るために、財政的な負担を少しでも押しのけながら今促進している現状であります。私たちはそれをいいことに考えてはならないと思うのです。これについては公安委員長とされましても、自治大臣とされましても、ほんとうに本気になって考えてやる必要があると私は思う。そこで、今日のこの道路の交通安全施設の各般の問題がありましょうけれども、まず一つこの防犯灯、街路灯、これについて特段の御努力を願うと同時に、それらの地方団体が設置するような面についての財政的な裏づけを、あなたの方はどうお考え下さるのか、それを一つ答えておいていただきたいと思います。これは自治大臣にお願いしておきます。
  100. 安井謙

    安井国務大臣 道路交通安全施設を拡充しろという当委員会の小委員会の御決定、御指示につきましては、私どもは全くありがたいと思っております。どうしてもそうでなければならぬと思っておるわけであります。今後も自治体に対する財源措置といったようなものもでき得る限り考慮いたします。また、あるいはお話があったかと存じますが、いろいろ各省との関係がございますので、できております臨時交通関係閣僚懇談会におきましても、さらにこういう問題についての大幅な財源措置についても、政府全体としても目下検討中でございます。でき得る限りお説の通り今後努力いたします。
  101. 太田一夫

    ○太田委員 関連。本来ならば川島長官にお尋ねするところでありましたが、御病気でございますので建設大臣にお尋ねをしますが、道路法並びに道路構造令、これに近代的な再検討を加えることが必要ではないかと私は思うのです。道路安全施設の急速な整備は、国の補助によってないしは地方自治体の財源の充実によってやらなければならないということになっておりますけれども、道が自動車の交通量に応じて適当な広さでないという点にも問題があるし、また一級国道の新設、改築に対しては県が三分の一を負担をし、なお受益者として市町村がある場合には市町村負担してよろしいということになっておる。維持改修費に至っては半々であるという、こういう一級国道の建築費ないしは維持費さえも地方の自治体の負担は莫大なものがあるのです。二級国道またしかりであって、こういう点が地方財政を圧迫しないし市町村を窮迫させ、場合によっては住民負担までいっておるわけです。だから安全施設のいろいろな費用を生み出すためにも、この際道路法、道路構造令、この一貫した体系を近代的、科学的に整備する、この英断を下さるべきではないかと思いますが、御所見はいかがでございますか。
  102. 中村梅吉

    ○中村国務大臣 実は私どもとしましては、こうしたような問題が近来だんだん重要な課題となりつつありますので、一時は道路構造令を根本的に検討いたしまして改正方法を講じたらどうかということを気づいて、事務当局にも言いつけて検討をさしたこともあるのでありますが、道路構造令の改正ということになりますと、どんな地域でも全部全面的にということに一挙になりますので、やはり物事の進め方としまして、非常に緊要な部分から先にやって、逐次漸進をするというのが適当であろう、それについては道路の維持管理の面で緊要な部分から急速にこれらの諸施設について改善をはかっていくことがよかろうというような考え方に目下のところなっておりまして、そういう角度で現在も維持管理の経費の中から所要の措置を進行させつつあるようなわけでございます。しかし、この点につきましては、御指摘の点もございますので、私どももなお一そう研究をしていきたいと思います。
  103. 阪上安太郎

    ○阪上委員 川島長官に質問するということだったのでありますが、河北道路局長から代弁せられましたので、その点だけ区切りをつけまして、あとはまた質問順序に戻してもらいたいと思います。  そこで先ほど三千五百億のうち六百億が道路管理関係である、こういうふうに説明があったと思います。しからば私どもが考えております道路交通安全施設としての公衆街路灯、立体交差、ガードレール、安全柵——信号灯は別にいたしましょう、これらのものについてこの六百億をどういうふうに配分されるのですか、この点を一つ伺いたい。
  104. 河北正治

    ○河北政府委員 先ほど申し上げました三千五百億は、五カ年計画の中で見ております地方単独事業費のワクでございます。六百億と申し上げましたのは、三十七年度に予定いたしております地方単独道路事業費でございまして、その地方単独事業費の中で、道路管理者の行なう維持管理につきましていかにして使っていくかということを、来月の各県の道路課長会議で詳細打ち合わせをいたしたいという工合に考えております。また直轄区間につきましては、指定区間につきまして三十七年度の計画の中にガードレールとか道路標識というものを計上いたしております。それからまた、横断陸橋とか横断の地下道、そういうようなものも、たとえば第二阪神におきましては三十七年度に十四カ所作るように予定いたしておりますし、また、五反田の中原街道と第二京浜の分岐点につきましても横断の陸橋を施設するように予定いたしております。第二阪神の場合は改築費で予定いたしております。それから第二京浜と中原街道の分岐点におきますものは指定区間の修繕費で作っていきたい、そういう工合に考えております。
  105. 阪上安太郎

    ○阪上委員 どうもはっきりしないのですよ。私が聞いているのは、あなたの方としては公衆街路灯を何万灯設置するか、それから立体交差についてはこれは踏切道はもちろん除きます。それ以外のものにつきまして何メートルやるのか、ガードレールは一体何万メートルやるのか、安全柵についてはどれくらいやるのか、このことをはっきりしてくれると言っている。相談してきめますでは足らない。あるいはこういう交通安全施設の方に向けられないで、ほかの方にその金を使われる危険性も多分にあると思う。だから、そういう腹案を持っているのならはっきり示して下さい。漫然と六百億計上したわけじゃないでしょう。その点をはっきりして下さい。
  106. 河北正治

    ○河北政府委員 私が先ほど申し上げました六百億は、地方の各県で行なわれます地方単独道路事業費の総計でございます。それの使途につきまして、今までは、どちらかと申しますと、交通安全施設というようなものは軽視されがちなものでございますが、道路交通安全施設の重要性にかんがみまして、今までのように漫然と地方単独道路事業費が維持、修繕に使われないように十分打ち合わせをしたい、そういう工合に考えております。
  107. 阪上安太郎

    ○阪上委員 私が先ほど川島長官に伺ったのは、そういった道路交通安全施設を地方自治団体が速急に整備促進をする必要がある、しかしながらそれをやるためには財源が足らないのだ、そこでそういうことをやるのは一体地方自治体だけにまかせっきりでいいのかどうか、今日の交通事情からして、緊急にそういう措置をやるためには国の思い切った援助が必要ではなかろうか。ところが在来から、こういう問題が出てくるとか、とかく国の考え方として、地方自治体が当然やるべきことは地方自治体がやるのだ、国はそういうことについては知らないのだ、こういう考え方が強く出てくるので、そこで、こういった緊急対策を実施する場合には、これは国の固有事務であるのか地方の国有事務であるのか、それともその両方であるのか、こういう点を私は質問しておる。それに対して、川島長官は、自治大臣とよく相談いたしましてから、こういうふうにお答えになっている。そのときにあなたの答えたのが先ほど言っているところの六百億の問題なのです。あなたの口から聞いておると、いかにもそのワク内でもろて可でもかんでもできるようなことを言っておる。ところが今だんだん問いただしていくと、これは地方自治体が単独でやるところの維持修理その他の総額が六百億だ、とあなたはこう言っている。その中にこういった交通安全施設というものがあるのかないのか、あるとすればどれだけやる計画があるのかということを私は聞いておるのです。もう一ぺん答えて下さい。
  108. 河北正治

    ○河北政府委員 その詳細につきまして、地方道路課長会議を持ちまして十分に検討していきたい。ただ、今までのように漫然と維持修繕等に使われないように十分打ち合わせをしたいという工合に考えております。
  109. 阪上安太郎

    ○阪上委員 そこで私はさらに伺いたいのは、そういう漫然と使われたくないというので、道路課長会議でもってよく相談をするとあなたはおっしゃる、そういう態度でいいのですか。だから私は、これは地方の事務か、国の事務かということを先ほどから聞いておるのです。それが地方の任務であるというならば今言ったような言い方でよろしいかもしれないけれども、国が何らかの強い責任を感じてこれをやるのだという考え方に立つならば、そういうやり方ではおかしいのではないか、こういうことなのです。だから、それだけに、あなたの方としてはこれでやっていくのだということであるならば、そういう指導性をはっきりと確立しなければならぬ。その場合に、計画というものは少なくとも持っていなければならぬ。持っておらずにばく然と、一ぺん道路課長会議でもってよく相談して考えてみます。こういうことでは困るではありませんか。その点をうなんですか。
  110. 河北正治

    ○河北政府委員 たとえば道路標識につきましては、私どもといたしまして道路標識整備三カ年計画というものを持っております。地方の道路管理者がその線に沿って道路標識の整備をはかっていただくように打ち合わせをいたしたい、という工合に考えております。
  111. 阪上安太郎

    ○阪上委員 たとえばガードレールはどうなんですか、それから安全柵はどうなっているのですか、踏切道を除く立体交差についてはどうなんですか。
  112. 河北正治

    ○河北政府委員 それぞれ設置基準を早急に立てたいという工合に考えております。
  113. 阪上安太郎

    ○阪上委員 大臣に伺いますが、大体、こういった道路交通安全施設に対する国の責任を感じている考え方というのは、そういうことなのです。そういうようなことでもって、とてもではないが、こういった問題の緊急整備は速急にできないと私は思う。在来の予算のワク内で、あるいは交付金なり補助金なりのワク内でもって、その中でやらせていこうという考え方なのです。それではとてもではないがこの問題を解消することはできないとわれわれは考えているがゆえに、地方行政の小委員会等におきましても強く、交通安全施設の整備促進に対して国の財政援助の強力な援助なるものを何とかしてもらいたい、何とかしてやりたい、こういう考え方に立って先ほどから質問しておるわけなのです。大臣、この点についてどういうようにお考えになりますか。全然国は今後これ以上に何も考えないで、そして在来の、昭和三十七年度の予算のワク内におけるところの補助金等の形においてこれをやっていく、それ以上のことはもう考えないのだ、こういうものの考え方でございますか、これを伺っておきたいと思います。
  114. 中村梅吉

    ○中村国務大臣 もちろんこうした問題は、一方が肩のがれをすべき問題ではありませんで、国と地方とが相協力いたしまして、またやり方等につきましては十分効を奏するように、知恵をしぼって進めるべきだと考えております。ただ御承知の通り、道路に対する投資規模というものは基本がきまっております。その総額の中で処理をいたすことになりますから、一つの面だけを見て、それに重点を置いて経費を投入すれば、自然他の方面が、それだけの分は若干手抜きにならざるを得ない。従いまして、日本の道路事情から見まして、道路の拡幅をしたり、舗装をしたり、新設したり、バイパス線を作ったり、こういった道路の整備ということも非常に手おくれになっている現状でございますから、これもおろそかにはできませんので、実は極力進めて参る責任を痛感いたしておるのでございます。従いまして、これらの道路交通上の安全施設につきましても、最近の交通事故、あるいは警察等が非常に御苦労になっておりまする現状にかんがみまして、われわれとしましては極力整備をいたしまして万全を期したいと考えておりますが、これらにつきましては、ただいま申し上げましたような点を勘案いたしまして、緊要の部分から順次進めまして、彼此相にらみ合って、どちらから見てもそう無理でないかというところでやっていきたい。こういうようにいたしまするのには、各関係機関及び地方団体の理解ある協議の上に立っていく必要があろうかと思いますので、私どもとしましては、できるだけ早期にそういった交通安全施設の整備についての協議会のようなものを地区別に作りまして、そして理解し合った上で進め、また費用負担等につきまして、今の現状では国の持ち分が不十分である、もっと出すことが妥当であるという線が、はっきり計数上その他いろいろな討議の結果出て参りますれば、それは肝心な道路の建設を一部はさきましても投じなければならないことでございますから、それらと見合って一つ趣旨に沿うようには極力努力をしていきたい、こう思っているような次第でございます。
  115. 阪上安太郎

    ○阪上委員 終わります。
  116. 小澤太郎

    ○小澤(太)委員 建設大臣からるる御答弁がありましたので、大体大臣の御意向はわかったわけでございます。ただ一、二なおあわせてお願いし、かつまた、御所信のほどを伺いたいと思うのでございます。  日本の交通事情からいたしましても、道路を拡幅するなり新設するなり、改築するなり、やらなければならぬとは当然でございます。二兆一千億の五カ年計画ではまだ不十分だと思います。しかしそれに際しましても、ただ路面だけを作っておいて、これで道路でございということでは困るのでございまして、安全施設が伴って初めて道路がその機能を完全に発揮し得ることは、大臣承知の通りでございます。ところが道路の新設、改築にあたりましても、最近はややそういうことが考慮されておりますが、一方におきましてはきわきて不十分、現在におきましても、道路の舗装面績をふやすということは、これはだれもそれをやりたいことでしょうから、それに急な余り、とかく予算の中におきまして安全施設の持つ部分が少ないわけでございます。建設省から要求されるのも、控え目に要求されるように見受けております。また大蔵省においても、それは二の次として査定されるようにも伺っております。そこで大事なことは、この道路の安全施設の設置基準というものを早くお作りになって、これは関係各省ともよく相談されまして、少なくとも道路にはこの程度の安全施設がなければもはや道路と言えないのだ、こういう点をしっかり一つやっていただきたい。あれは昭和二十七年ですか、道路法ができましてもう十年近くなるのに、この近代的道路を作らんとする建設省におかれて、そのような基準がいまだにできていない、これは明らかに私は手落ちであるか、あるいは事務当局がこれを軽視しておったという気がいたしますので、この点をぜひとも一つ早く基準をお作りになって、その基準に照らして、十分にしてまた必要な安全施設を、新設、改築に際しては作っていただきたいと思います。新設、改築につきましては、積極的におやりになろうと思えば現在の法律制度のもとにおいてもできるわけでございますが、既存の道路について、それに安全施設を新設しよう、あるいは改築しようという場合に、現在の道路法のもとにおきましては、それは全部が地方自治団体、管理者の負担になっておるわけでございます。もとより、この附属物であるところの安全施設の新設、改築も、道路の新設、改築に伴って行なう場合におきましては、管理者でありましても道路の新設、改築の場合と同じように国庫の負担があるわけでございます。しかるに、すでにでき上がっておりますきわめて不完全な道路の安全施設、それだけをさらに新設するなり改築する場合、主として新設だと思いますが、その場合におきましては、この負担は全部管理者になっておるわけでございます。これは道路法の八十五条に書いてある。これが私は欠点だろうと思うのです。今までは路面であれ、車が走りさえすればよかったという観点ですから、こういう道路法でもよかったと思います。しかしながら、現在の交通事情からいたしまして、安全施設は不可欠で、十分なものをしなければならぬというときに、過去において作らなかったものを作る場合に、管理者に、これはお前の負担だから勝手にやれ、こういうことでは、先ほど各委員の方から御質問になったのもその点だと思いますが、地方としてはとうてい負担し切れない。そこでこの問題は、ただ政府の決心で、行政措置だけでできる問題ではなしに、道路法の改正を行ないまして、この附属物の整備充実につきましては国も負担する、少なくとも補助は行なう、こうしなければならぬと思うのであります。道路自体の維持修繕につきましては、これは国の負担もあります。それから一級、二級国道については負担がありますし、また府県に対しましても補助がある。この道路の維持修繕についてさえ国庫の負担があり、また補助の道が開けておる、ところが安全施設の新設、改築については全然その道がないというのもこれまた片手落ちで、安全施設というものを非常に軽視した考え方と思います。そういう意味におきまして、大臣におかれては、ただいま事務当局から、地方の道路関係者を集めていろいろ検討した上で予算も組んでいきたいというお話でありますが、その前提として、緊急に予算を予備費その他でおやりになるということももちろんお願いいたしたいと思いますが、さらに立法上の措置をぜひともお考えいただきたい、この点について建設大臣の決意を伺いたい、こう思うのでございます。
  117. 中村梅吉

    ○中村国務大臣 安全施設につきましては、見方によっては、これだけ自動車交通が激しくなり、激増のカーブというものに即するようにやってこなかったということは、確かに怠慢といえば怠慢であるかもしれませんが、一面、考え方によりましては、日本の道路事情にかんがみまして、手が行き届かなかったということにもなるかと思います。そこで私どもとしましては、御指摘のございましたように、安全施設の重要性がかくも重大化しております現状にかんがみまして、すみやかに安全施設の設置基準を定め、また道路法の今御指摘のありました点が一つの基本問題でございますので、これにつきましては、急速にどう処置すれば、地方及び中央の負担区分を明確にいたしまして処理をなめらかにすることができるか、こういう点につきまして、すみやかに研究を進めて善処いたしたいと思っております。いずれにいたしましても、安全施設の充実ということにつきましては、先ほど来申し上げておりますように、大いに力を注いで参りたいと思います。
  118. 小澤太郎

    ○小澤(太)委員 自治省大臣としての安井大臣に御質問いたしますが、ただいま私が申し上げましたように、道路の安全施設につきましては自治体の関与する面が非常に多いわけでございます。少なくとも現在の道路法では道路管理者であるところの自治体の負担になっておる。自治体がその経費は負担すべきものとこうなっておりますが、今、建設大臣が、さらに国の援助等につきましては真剣に考慮するというお話でございましたが、それはもちろん考慮していただきますと同時に、自治体が非常に熱心なところは自分の負担でもって相当財政の無理をして安全施設をやっておりますけれども、そうでないところは、また財政の許さぬところは、交通安全宣言などをいたしてせめてなぐさめにしておる程度でございますので、積極的に予算を組んでまでやるという気魄がないわけでございます。つきましては、交付税等におきまして、交付税法の中で安全施設に対する単位費用の問題とか、算定基準などにつきまして、特段に今後は考えていく、場合によっては法律改正もあえて辞さないのだ、むしろ積極的にそういう法改正も行ないましてやるのだということが必要ではないか。地方住民の生命財産につきましては、自治体の首長なり議会が真剣に考えておる問題でございます。それができない条件を何とかして救っていかなければならない。そうすれば自治体と国が一体となって道路交通の問題が解決できるその機運ができ上がると思いますので、その点をぜひともお願いいたしたいと思います。
  119. 安井謙

    安井国務大臣 非常にごもっともなお話だと思いますし、安全基準というようなものが設置されますればなおさらでございますが、これが全面的に設置されなくても、関係各省とも十分協議いたしまして、道路の安全施設というものに対しまして、今後地方自治体の財政的措置ができるような努力をしていきたいと思います。
  120. 園田直

    園田委員長 門司亮君。
  121. 門司亮

    ○門司委員 建設大臣がせっかく見えておりますので、建設大臣一つ聞いておきたい。今、道路交通の問題が議論されましたので、一つ聞いておきたいと思いますことは、私のわからないのは道路をこしらえます場合に、まん中の車の通るところだけが大体舗装された道路が多いですね。両端が舗装されていないですね。これではやはり事故のできる原因をこしらえているようなものであって、あれは全部舗装できないものですか。費用の関係でできないのか、あるいは建設省が悪いのか、自治体が悪いのか、どこの関係でああいう変なものができ上がるわけですか。どういうことですか、これは。
  122. 中村梅吉

    ○中村国務大臣 結局、人家連檐のようなところはできるだけ最初から全面舗装をいたします。それから歩車道の境のない人家連檐でないようなところは、いわゆる路肩と称して——全部を舗装しますことによって経費の問題もございますし、一応大体二車線の往復が中心である道路につきましては、二車線の車両の疾走する部分だけを舗装いたしまして、むしろ路肩まで完全に作りますよりも延長して伸ばしていった方がいいという、こういうやむを得ない必要性から起こっておると思うのであります。あるいは路肩が舗装して整備されておりませんために事故のもとになる場合もあるかと思いますが、これらは大部分が経費あるいは整備延長との関連において、そのようなことにならざるを得ない現状にあるかと思いますが、今後とも投資規模の点とにらみ合わせましてわれわれとしましては遺憾のないようにやりたいと思いますが、現状はそういうことだと思うのです。
  123. 門司亮

    ○門司委員 大臣がそういう答弁をされても認識不足のところがあって、あとは大臣でなくて、実際の問題はほかの方でよろしいと思いますが、認識を改めてもらいたいのは、交通事故の全体の五分の四は大体五大市であります。これは事故数です。ところが人間を殺しておる数字からいくと五大市が五分の一です。五分の四というものは五大市から離れたところで非常に死んだ人が多い。何がゆえにそうなっておるか、今の大臣の御答弁では、連権したところ、市街地については全部舗装する、その他は二車線だけでよろしいという、そういうようなものの考え方は誤りがありはしないかと思う。事故の件数と交通事故で死んだ人との比例は全く逆なんです。六大都市以外の事故件数は五分の一で済んでおる。しかし死んだ人は五分の四死んでおるというのが統計上明らかになって出てきておる。そうしますと比較的混雑しておる連檐戸数のあるところは割合注意力もありますし、通る人も気をつけるというようなことで、混雑しておるがために気をつけておるというようなことで逆に事故が少ない。混雑してないところの方が割合にのんきにかまえておるというか、油断が多いというようなことでつい大きい事故が多い。こういうことになっておりはせぬかと思う。そういうことを考えますと、今の大臣の考えは認識を改めてもらいたいと思うのです。やはり全部舗装して、自転車もあるいは歩行者も、できるだけ車の通りに入ってこないようにどうしても施設を行なわれることがどう考えても考えられるのです。こういうことを一つ、これ以上大臣に聞きませんから、大臣のお考えを願って、当局と御相談を願えれば非常にいいと私は思います。  もう一つの問題は道路構造の問題ですが、従来から日本の道路構造は橋梁の強さは幾らだとか、あるいは道路の基準は幾ら、コンクリートの厚さは幾らというような規定もありましたが、これはすべて急速な進歩で、上に乗っかって歩く車の方が進んでおる。そこでそれに追いつくような道路構造上の規格を早く立ててもらいたいと思う。そうしませんと、一年に何回も道路の修繕で同じところを掘り返しておるかわからぬ。今なんかほとんど歩けないほど至るところでやっておる。わずかに一年か半年の間にまた掘り返さなければならぬというような同じことを繰り返しておる。この際道路構造を考えられまして、思い切った将来の見通しをつけて改革をしていただきたい。これは大臣に御答弁を要求するわけではございません。どうぞ大臣、御用があるならばちょうど五時になりましたからお帰りを願ってもけっこうであります。  あとは立ったついでに一つ当局に聞いておきますが、これは一つ専門家の方にはっきり聞いておきたいと思います。今の大臣の御答弁の中で非常にふに落ちないのは、一級国道です。一級国道の横浜に入った部分と、川崎の部分も多少ありますが、ここは両方が舗装されてない。一級国道ですよ。しかも連檐の戸数どころの騒ぎではない。それで一級国道の鶴見からの問を歩いているのはこの問も話しましたように、道路のまん中と両方の側溝とは二尺くらいのかまぼこ型になっているところがたくさんあるのです。どうしてああいう道路ができたかということには原因がありますけれども、この原因を申し上げておると長くなりますから申し上げませんが、必然的にああいう道路ができ上がらざるを得なかった。何も日本政府がこしらえたわけではない。アメリカ軍がやってきてこしらえた仕事でありますから、必ずしもこれを今どうこう言うわけではありませんが、ばかばかしい大きなかまぼこになっている。しかも両端は舗装されてない。しかも今度は御承知のように産業道路の鶴見大橋のかけかえをしています。そこで産業道路を通る車は全部第一国道を通らなければならぬ、これはどうにもならない。そこで今考えられるのは、県で考えているのは、あそこにガードレールを設けよう、こういうことなんです。そうしますと両端が舗装されてないのですから、この問題は速急に建設省で考えてもらいたいと思う。あそこにガードレールをこしらえるなら、自転車その他が少なくとももう少し道の端に寄って歩けるようにしてもらいたい。人道も通りいいようにしておいてもらいたい。そうしなければ、あそこにガードレールを設けても、歩行者は非常な迷惑をすると思う。こういう点は今の大臣の認識と少し違うのです。現実にそういう道路があるのですから、建設省は知らぬとは言わせないのです。あなた方もお通りになっているだろうと思うが、この辺はどういうふうにお考えが願えますか。あそこは県でガードレールをこしらえて今の混雑を何とか緩和していきたい、危険を防止したいという考え方があるようです。ところが両わきは舗装されておらない。これはどうにもならない。歩行者も非常に困るのです。あなた方に何か計画でもございますか。
  124. 河北正治

    ○河北政府委員 第一京浜で鶴見の警察の前からたしか生麦のガードの下までの間のことを御指摘になっていらっしゃるのじゃないかと思いますが、あの間で横断勾配が非常にきつくなっておるということは、私もあそこにおりましたので、原因等承知しております。今御指摘の鶴見大橋のために大部分あちらに回りまして、ガードレール等を設置いたしまして歩行者の安全をはからなければならなくなるといたしますれば、あれは指定区間でございますので、御趣旨に沿うように歩道に当たる部分の簡易舗装をするとか、至急に検討いたしたいと思います。
  125. 門司亮

    ○門司委員 至急やっていただきたいと思います。  それからもう一つお聞きをしておきたいのは、道路のそうした問題について一体負担区分はどうなるのですか。あそこは第一国道ですから、当然維持管理は横浜がやることになります。そういう問題になって参りますと、建設省が負担するというのなら別ですけれども、維持管理だからお前の方でやれということになってくるとかなり大きな負担が要ると思うのですが、経費の負担区分はどうなりますか。
  126. 河北正治

    ○河北政府委員 私の記憶に誤りがないとすれば、あそこはたしか指定区間になっておりまして、建設大臣の維持管理する区間になっております。従いまして、経費は国と横浜市との折半負担になります。
  127. 阪上安太郎

    ○阪上委員 くどいようですが、もう一度聞きたいのです。  今、門司さんの御質問にもありましたが、道路交通安全施設の急速な整備をやるという事業、これは在来の観念に従って地方の事務なんですか、それとも国の事務なんですか。この点、自治大臣の御見解を伺っておきたい。
  128. 安井謙

    安井国務大臣 安全基準を急速に設けてやろうということは、これは国と自治体両方の義務であろうと思います。相協力してやらなければなりません。ただ、安全施設だけのための予算の配分というものは、あるいは国から明確になっていないということがあるかもしれませんが、それでは全然ゼロかというと、そうでもなかろうと思うのであります。従いまして、今も御指摘がありましたように、今後はそういった問題を十分検討いたしまして、国と地方との持ち分のようなものも明確化する必要があるではないか。今までの道路に対するそういった費用計算その他の観念より変わっていくことがこれからどうしても必要じゃないか。むしろおそいではないかという感じがいたしております。せんだって、あるいは川島長官からお話があったかもしれませんが、東京都の方の交通関係の側からもこれだけやりたいという三十七年度の要求額が出ております。これが交通関係の閣僚懇談会に出ておりまして、これを十分ふるいにかけまして、ぎりぎりどうしても要るならば何とかして財源を考えようじゃないか。それはやはり国と地方団体それぞれ協力した形で考えなければいけまいと思います。そういったものの中にもこの安全施設といったようなものがたしか相当量入っておったと思います。私どもこれを今直ちにどうするということは申せませんが、これは政府全体の問題として今後も考えていきたいと思っております。
  129. 阪上安太郎

    ○阪上委員 実はこの種の問題は本国会の予算委員会等で問題になったわけであります。たとえば、高校生急増対策という問題が出たことがあります。これにつきまして、高校生急増対策というのは、現行法律で言えばこれは地方の事務かもしれない。高等学校を増設するということ自体は設置者の義務であるかもしれない。しかしながら、戦中戦後の落とし子である高校生急増に伴って高等学校を増設するという問題は、はたして現行法が認めておった設置者の義務負担でやっていくべき性質のものであるかどうかということに実は大いに疑問がある、こういうことになったわけです。今度この道路交通安全施設を通常の場合にやっていくことには、地方事務として考えなければならないかもしれない。しかしながら、今日の猛烈な交通事情のもとにおいて緊急対策としてやっていくという場合に、現行法令がそうなっているからといって、それを地方の負担においてやっていけばよいという考え方は成立たぬと思います。私はその点を聞いておるわけであります。先ほどから建設省あたりの考え方を聞いておりましても、何か管理者がやっていけばいいのだ、地方道については地方が安全施設をやればいいのだということに近い考え方が出ているが、これがそもそも大きな間違いであると思う。大体地方の固有の事務などというもの、あるいは国の固有の事務などというものは、そのときそのときの社会経済その他の事情に応じてきめらるべきものであって、これは絶対的に地方の事務、これは絶対的に国の事務というようなものではない。そのときそのときの時代の要求によって、地方事務としてやらした方が都合がよい、国の事務としてやらした方が都合がよい、そういったことによって、むしろ便宜上から固有事務というものがきまってくるではなかろうか。そうなれば、この問題一つにいたしましても、在来の法令でこういった種類のものについては地方の負担においてやっていくべき性質のものである、こういうふうにして言い切ってしまうところに、今日の交通安全施設の拡充ということが促進できない大きな原因があるのだ、私はこういうふうに考えるわけなんです。先ほどの大臣の御答弁によりましても同じようなことを言っておられると思いますが、念には念を入れまして、ぜひそういう考え方で政府はこの問題と取り組んでいただきたい、このことを特に要望申し上げておきます。      ————◇—————
  130. 園田直

    園田委員長 ただいま委員長手元に小澤太郎君、渡海元三郎君、阪上安太郎君及び門司亮君より、道路交通安全施設の急速な整備に関する件について決議せられたいとの動議が提出されております。  この際、本動議を議題とし、提出者より趣旨説明を聴取いたします。小澤太郎君。
  131. 小澤太郎

    ○小澤(太)委員 私は、自由民主党、日本社会党、民主社会党を代表いたしまして、道路交通安全施設の急速な整備に関する決議案を提出し、その趣旨説明を行ないたいと思います。  まず、決議の案文を朗読いたします。    道路交通安全施設の急速な整備に関する決議(案)   道路交通の安全と円滑ならびに事故の防止については、さきに、衆議院において、決議をもって、政府の強力かつ徹底した施策を要望したところであるが、なかんずく交通安全施設については、極めて不完全な状態に放置されている現状にかんがみ、その急速な整備充実をはかることは、最近、激増の一途を辿りつつある交通事故防止の上からも最も緊要なことと考える。   よつて本委員会においては、さきに道路交通対策小委員会を設けて、この問題を検討せしめた結果にもとずき左にかかげる措置を政府に強く要望する。  一、現在ならびに将来の交通事情に対応し、必要にして、十分な道路交通安全施設設置基準をすみやかに制定すること。  二、道路の新設改築に当っては、安全施設につき、前項の設置基準に対応する十分な予算を計上すること。  三、既設道路の安全施設の整備充実のため所要の国庫補助ならびに、地方自治体の財源の充実等につき、法律制定等適切な措置を講ずること。  四、右の立法措置に先じ昭和三十七年度において、大幅な地方財源措置を講じ直ちに地方自治体が実施出来うるよう措置すること。  五、道路の安全施設の整備充実については公安委員会及び管理者たる地方自治体を十分に関与せしめ、かつその責任を明確ならしめるため、国、地方を通ずる組織機構を改善整備すること。    右決議する。  以上であります。  次に、本決議案を提出いたしました理由を申し上げます。  道路交通の安全と円滑並びに事故の防止につきましては、さきに衆議院において決議をいたしました。その決議に基づきまして、現在、政府においては前向きの姿で、道路交通安全の対策として、立法上また行政措置を講じつつあるところでありますが、現在までに政府が取り上げられました事柄のほかに、特に最近におきまして検討しました結果からいたしましても、この道路交通の安全施設を急速に整備する必要があるということが痛感されておるわけでございます。ところがこの問題につきましては、政府は、交通安全施設整備の前提であるべきその設置基準につきましても、いまだこれを制定しておらない現状でございます。また、道路の新設、改築にあたりましても、安全施設を完備するということにつきましては、必ずしも積極的に意欲的にそのことを行なっておるという現状でもないように認められるわけでございます。さらに既設の道路のきわめて不完全であります現在の安全施設につきましては、その整備につきまして、管理者の責任であるところの維持修繕のワク内においてこれを措置せしめるという程度にとどまっておりまして、国がこれに対する財政上の援助等を行なっておりませんし、従って管理者でありますところの地方自治体におきましては、きわめて熱心にこの安全施設をやりたいという意欲はありましても、財政上の問題からそのことが消極的になる、あるいはまた逆に財政上の問題から、安全施設の整備充実につきましては熱意が十分にないという事態も見られるところでございます。  そこでこの委員会におきまして審議いたしました結果、以上のような事態を早急に改善する必要があると考えまして、ただいま朗読いたしました決議をいたすことが適当である、かように考えてこの決議案を提出した次第でございます。  以上がこの決議案の趣旨でございます。委員各位の御賛同をお願い申し上げる次第でございます。(拍手)
  132. 園田直

    園田委員長 採決いたします。  小澤太郎君外三名提出の動議の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕
  133. 園田直

    園田委員長 起立総員。よって、小澤太郎君外三名提出の動議の通り決するに決しました。  この際、政府よりただいまの決議に基づいての所見を求めます。安井国務大臣
  134. 安井謙

    安井国務大臣 道路交通安全施設の急速な整備に関する決議が当委員会でなされました。特にその安全を保障するための行政的、財政的措置について、早急に政府として手段をとるようにということでございました。まことにごもっともなことと存じますので、この御趣旨に沿いまして善処いたしたいと存じております。
  135. 園田直

    園田委員長 なお、議長に対する報告及び関係方面に対する参考送付につきましては、その手続等すべて委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  136. 園田直

    園田委員長 御異議なしと認め、そのように決しました。  次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。    午後五時十六分散会      ————◇—————