○二宮
委員 今度の
地方税法の
改正を見まして、実は昨
年度の
地方税法改正当時の
政府筋のいろいろと言明をされた
会議録を、もう一ぺん読み返してみたのでございます。ところが三十七
年度には
税制調査会の方からも、
地方税と
国税との間に抜本的な
改正をやるから、その際に行政
事務の再配分を前提として大幅な改革をやりたい、これは安井国務大臣も、当時の政務次官の渡海さんも、それから
税務局長も言明をされておるところなんです。今読み上げるまでもないと思うのですけれ
ども、読み上げろといえば読み上げてもかまいませんが、断固として
政府はというような、非常に強い意思をもって表明をされておるわけなんでございますが、今度の
地方税法の
改正を見ますと、当時の意気はどこにいったやら、全然前進をしておらないとは申しませんけれ
ども、当時の言われておった
政府筋の、特に皆さん方関係筋の元気は一体どこへいったか
見当たらないというのが現状ではないかというように
考えるのです。このように、当時の問題として
地方税法を抜本的に、国と
地方との税制を
改正をやるのだ、こういうように言明をされた問題が、一年たった今日、新しい
地方税法を
提案する
段階になって、全く姿を消しているというようなことでは、政治に対する不信感というものは、当然にわいてくるのではないかというように私は
考える。従って当時の
会議録を読んでみますと、非常にものさびしい感じがするわけでございますけれ
ども、先日の、当時の政務次官であった渡海さんの
質問に対して、
税務局長は、
現行政の
段階において
地方税法を
改正するのだ、国の
地方に移譲さるべきものを持ってきた、こういうふうな昨
年度とは違ってまことに低姿勢になった、情ない姿でもって弁明をされておるということなんでございますけれ
ども、これは私
どもの
気持としましては、まことに大きく
期待はずれの感じがいたすわけでございます。こういうような姿を年々繰り返しておったのでは私は困ると思うのです。なぜ、そのように当時強い態度でもって、国と
地方との税源配分の問題について、非常に強い態度でやろうと言ったその
気持を、なくしたのかということ自体が、私には疑問でたまらない問題でございます。当然行政
事務の再配分ということを前提としなければならない、こういうように言明をされておきながら、今度の
税務局長の
答弁を聞いておると、行政
事務は現
段階の姿においてやるのだ、こういうように昨年の
地方税法の
提案の当時の言葉を翻して、全然その言葉をふいにしてやっておるということについては、了解をしがたい問題があるわけなんです。これが
政府筋の常にとっておりますいわゆる決議案であるとか、あるいは附帯決議であるとか、あるいはそうした政治的な言明をされた問題を、一歩片々積み重ねて前進をしていくという
方法をとらずに、また一歩後退するという姿になること自体については、私は非常に不満でございます。自治大臣がおられませんし、政務次官もおられないという
段階でございますので、まさかこれは渡海さんに聞くわけにも参りませんので、この問題については、こういうような態度の豹変と言っては悪いけれ
ども、
地方税法の
調査会の
答申があったら、その線に沿って断固
政府としてはやるのだという態度のないかのような、後退した姿になっているという問題について、私は疑問を持ちますがゆえに、この前
税務局長の御
答弁になりました中で、一体いつになったらそのような行政の再配分を前提とした
地方と国との税源の配分というものを抜本的に行われる見通しがあるのかということを、一応お聞きしておきたいのでございます。
政府は、どうも今までの態度を見て参りますと、事前に
方針を聞かれたり見通しを聞かれたりいたしますと、その際には、これは今
調査会に諮問をしておる
段階だから、もうしばらく待ってくれ、今言明する時期でないというふうなことを言われる。それはまたそれで正しいとは思うのですけれ
ども、今度
調査会や諮問機関等から
答申が出ますと、それに対してはそれを尊重するという意思を欠いておるような状況になるのでございます。それは諮問機関なり調査機関なりというものに対して非常に冒涜であると同時に、これを隠れみのに使おうとする傾向があるのじゃないか、私はこういう疑心暗鬼が起こるのです。この際
税務局長、この前の
答弁と昨年の
答弁とは大へん食い違っておるのだが、あなたの、今後とも
減税をやっていきたいというような御言明もございましたけれ
ども、昨
年度の
会議録は持っていますけれ
ども読み上げませんが、
一つその辺の強い決意のほどを聞いておきたい。そうしなければ、言うたこと自体がいつもだめになってしまうというようなことでは、これは大へんな問題だと私は思うのですが、その辺について、これは大臣や政務次官の
答弁は後に回して、
税務局長の御
答弁をまずぜひお聞きしたい。