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1962-03-09 第40回国会 衆議院 大蔵委員会 第20号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十七年三月九日(金曜日)    午前十時四十八分開議  出席委員    委員長 小川 平二君    理事 黒金 泰美君 理事 細田 義安君    理事 毛利 松平君 理事 山中 貞則君    理事 平岡忠次郎君 理事 堀  昌雄君       足立 篤郎君    伊藤 五郎君       岡田 修一君    金子 一平君       田澤 吉郎君    津雲 國利君       濱田 幸雄君    藤井 勝志君       坊  秀男君    吉田 重延君       久保田鶴松君    佐藤觀次郎君       田原 春次君    広瀬 秀吉君       武藤 山治君    横山 利秋君  出席政府委員         大蔵政務次官  天野 公義君         大蔵事務官         (主税局長)  村山 達雄君  委員外出席者         運輸事務官         (鉄道監督局国         有鉄道部長)  高橋 末吉君         日本国有鉄道常         務理事     磯崎  叡君         専  門  員 抜井 光三君     ————————————— 本日の会議に付した案件  通行税法の一部を改正する法律案  (内閣提出第一二号)  入場税法の一部を改正する法律案  (内閣提出第八三号)  租税特別措置法の一部を改正する法  律案内閣提出第七八号)      ————◇—————
  2. 小川平二

    小川委員長 これより会議を開きます。  通行税法の一部を改正する法律案及び入場税法の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。  質疑通告がありますので、これを許します。広瀬秀吉君。
  3. 広瀬秀吉

    広瀬(秀)委員 通行税について簡単に御質問をいたしたいと思います。  前後二回にわたってやっておりますし、前会の大蔵大臣に対する質問におきましても、ある程度大蔵大臣も私どもが聞きたい点について明確な答えを出しておられますので、きょうは主として国鉄側あるいは運輸省にお聞きしたいと思うのですが、この前、一番最初に質問をいたしましたときに、航空会社との対比において、国鉄経理というものは相当好転している。去年の運賃値上げの結果そういう状態になっておる。償却不足どもありませんという答えであったわけですが、いろいろ私ども考えてみまして、なるほど今のままでやっていくとすれば、償却不足は現在のところはなさそうだということは言えるわけでありますが、今国鉄に新線建設建設線として指定をされて着工もしくは差工の寸前にあるようなものが三十八線あるはずであります。そこで、この工事量だけでも約一千五百億といわれる工事量を控えておられる。しかも一方において、国の政策としても、後進地域開発、あるいは産業都市の適正な配置、こういうようなことが、近来非常に強く政策要求として出されて参りました。法律もそういう経済的な要請にこたえてその種の法律が次々と出されてきておるわけです。そうしますと、国鉄は、どうせこの新線はほとんどペイしない路線ばかりだ、ほとんど大部分がそうだ、おそらく平均営業キロ数でも三百をこえるだろう、大きなものは千にもなるということもいわれておるわけでありますが、しかしそれだけでは済まない、従って後進地開発のために新線建設ももっとピッチを上げなければならないというような要請が、近時非常に強まってきているのじゃないか、こういうように思うわけです。あるいはまた踏切道の改善ということが強く叫ばれている今日、国鉄企業としては全然ペイしないものに、今後相当経費が出ていくであろう、こういうことも予想されるわけです。そういうようなことを考えますと、そういう事業というものを、一体どういう形でこなしていこうとされるのかということについて、これは運輸省からでも国鉄からでもけっこうでございますが、そういうものについて、それらを考慮したら、はたして国鉄企業というものは、現地の運賃のままでほんとうに健全にやっていけるのかというようなことをお伺いしたいと思うのです。
  4. 磯崎叡

    磯崎説明員 ただいまの御質問の点につきまして、昨年運賃を上げさしていただきましたときに、一応第二次の正方年計画を策定いたしましたが、その後、御指摘通り日本経済発達テンポが非常に急激でございまして、幹線における輸送力の逼迫はもちろんのこと、ただいま先生の御指摘のように、地方産業開発のために、いわゆる新線建設につきましても、非常に強い要望がございます。また一方、最近の踏切事故増加に伴いまして、踏切道の改良につきましても、第二次五カ年計画を策定いたしましたときよりも、もっと急テンポに、しかも年間たくさんの個所について立体交差を行なうというようなこともいたさなければなりませんし、一方通勤輸送にいたしましても、やはり通勤客増加に伴う通勤輸送対策というものは、今後計画以上のことを考えなければならないというように、あれやこれや差し迫りましたいろいろの問題の解決につきましては、一部、仕事といたしましてペイするものにつきましては、もちろん借入金でやるということは考えられますが、そうでないものが大部分でございますので、私どもといたしましては、あらゆる方策を講じまして、どうしても収入増加をはからなければならないというふうに考えております。すなわち、収入増加によりまして、自己資金を何とかふやすことによりまして、経営状態をよくしていくという努力を、今後あらゆる方面で重ねなければならないというふうに考えております。
  5. 広瀬秀吉

    広瀬(秀)委員 確かにそういう状況にあるだろうと思うのですが、国鉄職員の数は、たしか定員法以来というと大ざっぱになりますけれども、ここ五年くらいの間に、ほとんど定員は動いてないのじゃないですか。実員も大体その通りじゃないかと思いますが、その問における業務量の増大といいますか、こういうものが、大体五カ年くらい、昭和三十年あたりを起点にして、職員はどのくらいの比率でふえ、業務量というものは、客貨においてあるいは運転キロにおいて、どういう状況になっておるか、この点をちょっとお聞きしたい。
  6. 磯崎叡

    磯崎説明員 国鉄職員数につきましては、ここ数年間、四十五万弱という数字を上回ることなしに、東海道新幹線の工事要員以外は増員なしでやっております。すなわち、企業近代化あるいは経営合理化等によりまして捻出いたしました人員を、輸送力増加の方に振り向けるという措置を講じて今日まで参っております。  一方業務量の方は、たとえばこの五年間をとってみましても、旅客におきましても約三割程度の増加を示し、貨物につきましてもやはり二割五、六分の増加を示しております。従いまして、その輸送力増加に伴う人員増加考えずに、部内の転換という言葉が適当かどうかは別といたしましても、部内の現在人員のやりくりでもって、そのふえて参っておる輸送量を消化しているという現状でございます。
  7. 広瀬秀吉

    広瀬(秀)委員 大蔵省側にお聞きしたいのですが、これは直接主税局の問題ではないので、天野次官にお伺いしたいと思うのです。  今申し上げましたように、国鉄の新線建設、これはそれぞれの地元において、それぞれの後進地域開発のために三十八線が今指定されております。たしかこれはことしも七十五億くらいの予算しかないだろうと思う。毎年七十五億ずつやっていきますと、その三十八線に七十五億をべたにばらまいていきましても、二十年かかる勘定になる。それで、今の高度経済成長の中で、後進地域開発あるいは地方産業都市の育成あるいは国土総合開発というような観点からして、これを早めようという要請は非常に強くなっていると思います。これをもう少しピッチを早めるという考えは、やはり大蔵省としても当然考えていかなければならぬことだろうと思うのです。そういうことについてどのように考えられておるか、ちょっとお伺いいたします。
  8. 天野公義

    天野政府委員 後進地域開発というような目的を持って新線建設を今まで政府としてはどんどんとやって参ったことは御承知の通りでございますが、さればといって、新線建設につきましては、赤字線の累増もしくは悪い言葉で言えば政治線をうんと作ってはいかぬというような反対の御議論もあるわけでございます。従って、経済効果のあるもの、また新線建設によりましてその地域が非常に開発されるところというような観点に立ちまして、順次その建設に当たってきているわけでございます。今後においても、国鉄経理の許す範囲内において、また予算の許す範囲内におきまして、新線建設につきましては、地域開発という観点に立って、経済効果考えながら、できるだけこの開発に進んでいく方針でおるわけであります。
  9. 広瀬秀吉

    広瀬(秀)委員 主税局長にお伺いしますが、この前主税局長通行税について答えられたのは、国際競争関係から、航空機の方では償却不足等もまだある現状であります、国鉄償却不足はございませんというようなことでありました。しかしながら国鉄企業の、また経理の実態というものは、やるべきことをやらないで、どうやらつじつまを合わせているということじゃないかと思うのです。新線建設だけでも三十八線というのは、今天野さんがお答えになりましたように、これは必要なんだということは慎重な審議会を通じて決定されて、それが今足踏みしているのです。これは経済開発上非常に経済効果もあるんだ、それからすべての関係を考慮して、文化の関係、教育の関係経済開発関係、そういうものを考慮した上で決定済みのものが、工事量だけでも千五百億からある。これが毎年七十五億くらいしかやれないんだ、そういうことがある。踏切道の問題なんかも、踏切道の整備に関して通った法律で、三分の一ずつ国鉄負担するということになりそうでありますけれども、あるいは三分の一以上になるかもわからぬというような事態を考えて、今日の交通事情ということから、また最近の事故の頻発に見るようなことを考えてきたら、国鉄はやはりやるべきことをやらないで、どうにか帳じりを合わせている。しかも経済にとって常に国鉄輸送というものはおくれをとってきた。これがむしろ隘路になってきたということがしばし指摘されております。最近の事故なんかも、ある程度国鉄が無理してダイヤを編成し、経済成長テンポ輸送力増強を合わせようという無理をしたところに問題があるのではないかという見方も一つ成り立つと思う。そういうことになりますならば、やはり航空機に対しては非常におくれてやってきた産業だから、国鉄はもう長い歴史を持って地力もあるというだけではなくて、やはりそこらあたりのところはある程度認識をあらためてもらって、やはり今の通行税というようなものは国鉄の発展にとって若干でも障害がある。しかも奢侈的な時代は去ったというようなことから考えれば、この点について一歩前進したお考えを示されるべきだと思うのですが、その点について、一つ明快に局長の見解をお伺いいたしたいと思います。
  10. 村山達雄

    村山政府委員 なかなかむずかしい問題でございまして、断定的なことは申し上げかねますが、御案内のように、今日本経済は急速に伸びておりまして、企業自体でも自己資本でもってまかなうことができなくて、他人資本比率がだんだん高まっているような状況でございます。それに従いまして輸送関係あるいは道路、鉄道、こういったものがやるべきことがたくさんあるというようなことにつきましては、われわれは常識的に考えましても、そうであろうというふうに考えるわけでございます。ただ、航空機につきましては、私は航空機の全体の計画は存じませんが、現在の路線でもなおかつ税法で定めておる償却範囲額までとうていできずに、実際は過小の償却にとどまっておる、もし税法で認められるように償却をいたしますれば、相当な赤字が出てくるという問題、それから常識的に考えまして、日本民間航空が各国に比べて非常におくれているという状況、そうして国鉄世帯の大きさ、それから今の民間航空現状における世帯の違いの問題、その辺を考えますと、もうしばらくの間は、こういう租税特別措置のようなことをとることもやむを得ないのではないか、状況によりまして、こんなものをいつまでも続けたいわけではございませんが、もうしばらくこの措置を続ける必要があるのではなかろうかというふうに考える次第でございます。
  11. 広瀬秀吉

    広瀬(秀)委員 非常に慎重な答弁をなさっておるわけですが、いつまでも続ける気持はないということはおっしゃったわけです。この前の大蔵大臣に対する質問のときには、大蔵大臣は——やはり今直ちにこれを撤廃しろと私どもも言っているわけではない。しかし航空機に対して今五%になっているということを今直ちに私どもこれをとんでもないというつもりもない。しかしながら、租税負担の公平というような原則からいきまして、やはりその面では、これは航空機に乗る人と鉄道に乗る者との間にやはり担税力の差というものもあるのではないか、五%の税率の差をつけるほどその関係というものは、その間に妥当性というものは薄いのではないか、こういうことを言ったわけでありますが、これに対して大臣は、やはりそういう点はあろうかと思う、こう答えられておる。そういうような観点主税局長も立たれて検討される気持がありますか。
  12. 村山達雄

    村山政府委員 その点は大臣お答えになった通りだと思います。現に税抜き料金を見ましても、航空機の方が若干高いように見受けられます。ですから、利用する側のその支出金額から見ますと、どうしても航費機の方が一等乗客同等以上に担税力が、多少の差ではございましょうがあると税の上では言わざるを得ないだろう、その点は全く同感なんでございますが、先ほど申しましたような意味合いにおきまして、もうしばらくの間すべきではなかろうか、ですからまさに特別措置だと言わざるを得ないと思います。
  13. 広瀬秀吉

    広瀬(秀)委員 そこまでいかれれば大へんけっこうなんですが、それと同時に航空機会社を育成するということもわれわれはわからぬではない。しかしながら、国鉄の場合にこれを育成しろという積極的な議論を私展開しようと思いません。しかしながら、国鉄がどうにかやっている、力もあるのだという内容は、先ほど私が国鉄当局質問しましたような実情というものにあるのだということは、やはり考えていただかなければならない。しかも国鉄の場合は、運賃を上げるという場合は、あれだけ国民的な抵抗を受けているというような中では、こういうふうに運賃が高いのだといわれておるところに、さらにまた高額の税金をかけていく、そこらあたりにもバランスの問題というものが大きなウエートを持っているのではないかということを感ずるわけであります。そういうような意味合いにおきまして、一つ善処されんことを要望いたしまして、私の質問を終わります。     —————————————
  14. 小川平二

    小川委員長 ただいま議題となっております入場税法の一部を改正する法律案に対しまして、毛利松平君より三派共同提案による修正案提出されております。     —————————————     —————————————
  15. 小川平二

    小川委員長 この際、提出者趣旨説明を求めます。毛利松平君。
  16. 毛利松平

    毛利委員 ただいま議題となりました、三派共同提案にかかる入場税法の一部を改正する法律案に対する修正案について、提案理由を御説明いたします。  本修正案案文は、すでにお手元に配付いたしてありますので、朗読は省略させていただきます。  修正内容は次の二点であります。  まず第一点は、改正案におきましては一律三十円の免税点が設けられておりますが、これらのほかに、教員引率による生徒児童等入場の場合は五十円の免税点を設けようとするものであります。  次に、課税範囲税率免税点等に関する改正規定施行口は、前売りとの関連上五月一日としておりますが、一日も早く減税効果を及ぼすことが適当と考えますので、これを四月一日にしようとするものであります。  なおこの修正により減収額は約七億円が見込まれます。  以上提案理由を申し上げます。
  17. 小川平二

    小川委員長 これにて修正案趣旨説明は終わりました。  本修正案に対し、内閣において御意見があれば、述べていただきます。天野大蔵政務次官
  18. 天野公義

    天野政府委員 ただいま提出されました入場税法の一部を改正する法律案修正案に対し、国会法第五十七条の三に基づき、内閣意見を申し上げます。  修正部分にかかる政府原案は、入場税減税実施期日に一カ月の余裕を置くことによって、入場券前売り制度についての実施上の混乱を避けること及び新たに一律三十円の免税点を設けて、臨時開催等特定の場合にのみ認められている免税点を廃止し、制度簡素合理化税負担軽減をはかることを趣旨として提案したものであります。  ところでただいまの修正案は、そのねらいが大衆負担早期軽減及び教員引率による生徒児童等入場の場合の税負担軽減をはかることにあることは了承できるのでありますが、しかし、入場料金の払い戻しを要する場合も生ずること等の問題もあり、また昭和三十七年度予算に影響を及ぼすこととなる措置でもありますので、にわかに賛成いたしがたいのであります。  以上が内閣意見でございます。
  19. 小川平二

    小川委員長 これにて内閣意見聴取は終わりました。  両法律案並び修正案に対する質疑はこれにて終了いたします。     —————————————
  20. 小川平二

    小川委員長 これより討論に入るのでありますが、別に討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ることといたします。  まず通行税法の一部を改正する法律案について、採決いたします。  お諮りいたします。本案原案通り可決することに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  21. 小川平二

    小川委員長 御異議なしと認めます。よって、本案原案通り可決いたしました。     —————————————
  22. 小川平二

    小川委員長 次に、岡田修一君より、本案に対し、三派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議提出されております。この際、提出者趣旨説明を求めます。岡田修一君。
  23. 岡田修一

    岡田(修)委員 ただいま可決されました通行税法の一部を改正する法律案に対しまして、本委員会として附帯決議を付したいと考えまして、御提案申し上げる次第でございます。  附帯決議案文を朗読いたします。    通行税法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   通行税については、現在の旅行目的その他諸般の状勢にかんがみ、政府において近い将来にこれが存廃について検討すべきである。  その提案趣旨を御説明申し上げます。  通行税は、戦時中税源確保のため旅行を極力抑制する意味合いをもちまして設定されたものでありますが、現在の旅行は、その目的のほとんどが業務その他やむを得ざるものであります。かつまた通行税一般消費税とその性格を異にする流通課税でありますが、今日、間接税大幅減税されております状況下において通行税を存続することは適当であるかどうか検討すべき段階に達しておると考えるのであります。さらにまた通行税相互間のバランスについて検討を要する等、いろいろ問題があるのであります。よって、むしろ政府において近い将来、これが存廃について根本的に検討すべきことを適当と考え、ここに提案した次第であります。  簡単でありますが、趣旨説明といたします。
  24. 小川平二

    小川委員長 これにて提出者趣旨説明は終わりました。  お諮りいたします。岡田修一提出動議のごとく決するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  25. 小川平二

    小川委員長 御異議なしと認めます。よって、岡田修一提出動議のごとく附帯決議を付するに決しました。      ————◇—————
  26. 小川平二

    小川委員長 次に、入場税法の一部を改正する法律案及び同案に対する修正案について、採決に入ります。  まず修正案について採決いたします。  お諮りいたします。本修正案を可決するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  27. 小川平二

    小川委員長 御異議なしと認めます。よって、本修正案は可決されました。  次に、ただいま可決いたしました修正部分を除く原案について採決いたします。  お諮りいたします。これを可決するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  28. 小川平二

    小川委員長 御異議なしと認めます。よって、本案修正議決いたしました。     —————————————
  29. 小川平二

    小川委員長 次に、平岡忠次郎君より、本案に対し、三派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議提出されております。  この際、提出者趣旨説明を求めます。平岡忠次郎君。
  30. 平岡忠次郎

    平岡委員 ただいま可決されました入場税法の一部を改正する法律案に対して、本委員会として附帯決議を付したいと存じまして、提案を申し上げる次第でございます。  まず、附帯決議案文を朗読いたします。    入場税法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   入場税大幅減税に伴ない、政府は、すべての興行界に対し、減税相当額入場料金から引き下げるよう適切な措置を講ずべきである。  次に、その提案趣旨を申し上げます。  入場税につきましては、今回大幅に減税されましたことに伴い、これら減税分は、物価抑制見地等から、これを入場料金から引き下げることが当然と考えますので、政府においてはこれらの点を十分考慮して適切な措置を講ずべきであると考えます。  以上が提案趣旨であります。  なお一言つけ加えますれば、この点に関しては、政府もそうした意図において業界と折衝をし、業界も応諾を示しておるということで、はなはだけっこうであると思っております。  ただ問題は、入場者に還元さるべき実質的な減税効果という点であります。三十五、三十六年の実績で見ますと、入場者数において二割減になっておるにもかかわりませず、入場料金水揚げは一五%増していると伝えられておるのであります。これは入場料の単価がかなり引き上げられたことを意味するわけであります。最近の物価高に相応ずるところの自然な入場料の引き上げであるならば、これはやむを得ないと思うのでありまするが、もしこれが人為的に引き上げられているということであるならば、一応われわれとしては、この点については業界の反省を求めなければならぬと思っております。たとえば今年の正月興業特別料金は、通常の場合には、二月にはまた引き下げられるわけでありますが、今回は商い料金のまま持ちこされておる傾向が強いのであります。こうなりますと、一般大衆に実質的な還元は不可能となるのでありまして、こうした点は、業界においてはもちろんのことながら、政府において十分留意して指導さるべきであると思っております。  右をつけ加えて申し上げる次第であります。
  31. 小川平二

    小川委員長 これにて提出者趣旨説明は終わりました。  お諮りいたします。平岡忠次郎提出動議のごとく決するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  32. 小川平二

    小川委員長 御異議なしと認めます。よって、平岡忠次郎提出動議のごとく附帯決議を付するに決しました。     —————————————
  33. 小川平二

    小川委員長 ただいま議決いたしました両法律案に関する委員会報告書作成等につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  34. 小川平二

    小川委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。      ————◇—————
  35. 小川平二

    小川委員長 次に、租税特別措置法の一部を改正する法律案議題といたします。質疑通告があります。これを辞します。足立篤郎君。
  36. 足立篤郎

    足立委員 私は、租税特別措置法につきまして、一点だけ主税局長に御質問を申し上げたいと思います。  それは租税特別措置法の第三十八条の三第一項第一号についてでございます。問題点を明らかにいたしますために具体的事例を申し上げて、その上で御質問を申し上げたいと思います。  静岡県の袋井市に起こった事例でございまして、それは市当局が、一昨年工場誘致の市条例を作りまして、その適地を選びまして、七、八カ所の団地計画を作ったわけであります。地主に対しましては、これは大部分農民でございますが、農民に対しましては、市が土地を一たん買い上げ、その買い上げた団地について工場なり、宅地なり、住宅なり誘致計画を立てまして、それぞれわたりをつけて工場の誘致をやっている次第でございます。  昨年の六月に、所管の税務署である磐田の税務署長に伺いを立てましたところ、そういう計画でいく場合には、今申し上げた租税特別措置法第三十八条の三第一項第一号の適用を受けられるので、いわゆる圧縮記帳の税の恩典があるのだという説明でございましたので、市当局関係者を集めまして、税務署から示された方程式等も示して、こういうふうな恩典があるのであるから、ぜひ市に協力してもらいたいということで説得をいたしたようでございます。その結果、現在としては比較的安い地代で買い取ることができたのでありまして、私が聞いているところでは、坪当たり千百円、それに市当局が協力料として感謝のしるしとして四百円つける、言いかえるならば、坪当たり千五百円で十数万坪に及ぶ団地計画全体の土地を買い上げることに成功いたしたわけでございます。それがただいま申し上げた通り、七、八カ所に分かれておりますので、ある大きな団地でございますと、一カ所六万坪、それからある団地は三万坪程度、ある団地は一万五千坪程度、あるいは七、八千坪というように分かれているわけでございます。これはやはり地方へ参りますと、そういう団地計画を立てると言いましても、地理的な条件もございますので、必ずしも税法に定められている三万坪十ヘクタール以上の団地ばかり計画はできませんので、どうしても場合によれば、ある程度こまかな団地もできるわけでございます。またある地区には工場を密集する、ある地区には住宅を密集するというような都市計画の面からする制約もございまして、勢いそうならざるを得ないと思うのでありますが、実は最近、三月十五日を期限として税の申告をするという段階になりまして、急に税務署から連絡がございまして、昨年はあのように申し上げたけれども、実は税法の規定によると、一カ所一団地十ヘクタール以上の団地でないと圧縮記帳の恩典が受けられないのであって、一カ所三万坪以下のものは普通の扱いになりますから御承知願いたいという連絡がありまして、実は市当局のみならず、関係者一同全くとほうにくれておるという状況でございます。それはとほうにくれる理由はおわかりの通り、市が条例で定めまして、今の常識からすればきわめて安い価格で市に協力させて、市の発展のためにやった仕事でございまして、それが昨年の税務署の説明によれば、すべて恩典があるということで、それを前提にして実は納得をさしたというのに、三万坪以上の団地のものは恩典があるけれども、一カ所三万坪以下のものは恩典がないということになりますと、実際の面において大へんな差額が出て参りまして、収拾がつかないという状況になりまして、実は大あわてにあわてているわけであります。かたがたその団地の近くを今度東海道新幹線が通ることになりまして、国鉄が土地を買い上げておる。これは例の四分の一の恩典があるという特別な扱いを受けておりますので、これとの比較におきましても、実は全く収拾がつかないという状態になっているわけであります。この問題につきまして、実は先日地元の市長以下代表と一緒に国税庁に参りまして、直税部長等にもお会いして事情を聞いたのでありますが、現在までの国税庁における法解釈は、一団地というのはやはり一カ所であって、それが飛び地になっている場合には、やはりこの恩典を与えることは不可能である、こういうお話でございまして、それでは全くこれは行き詰まってしまうし、どうも事情に合わないのではないか、低開発地域開発政策も進められておるやさきでございまして、こういう問題は全国各地に起こっておるし、また起こり得る可能性を持った問題であると思いますので、地方公共団体が責任を持って土地を買い上げて、その都市の発展のために、地方産業の振興のために団地計画を立てるという場合に、それが一緒に立てられたといいますか、当該年度において立てられて、そして画一的に行なわれたものである以上は、やはり税法上も同じ扱いをしていくのが筋ではないだろうか。それが合わせて三万坪以下というような小さな規模のものであればこれは別問題として、今法律にきめられている合わせて三万坪以上のものであるならば、今法律にきめられている恩典を平等に与えてしかるべきものではないか、また現在の法律も読み方によってはそう読めるのじゃないかと私は思うのでありますが、この点について主税局長の責任ある御答弁を賜わりたいと思うし、なおあわせて、この法律解釈がまちまちでございますと、ある税務署管内では恩典を与えたが、ある税務署管内では与えないというようなことが起きますと、国民は法のもとに平等であるべきなのに不平等になりますので、これは通達か何かで明らかにすることができるかどうかという点を御答弁願いたい、この一点でございます。
  37. 村山達雄

    村山政府委員 ただいま足立先生がお述べになったようなケース、つまり同一年度で同一計画のもとに施行されましたその面積が、たまたま飛び地になっておりまして、全体としては三万坪以上に該当するという場合に、この規定でその三万坪というのを一カ所というふうに読むか、あるいはそういう場合には飛び地の場合といえども合わせて読むかという御質問だろうと思うのでございます。まあ一カ所と書いてありますが、これはどうも文章でございますので、この文章を否定するわけには参りませんが、そのような場合には、私の解釈から申しますと、この規定の設けられた趣旨から見て、この規定の適用を妨げないのじゃないかというふうに考える次第でございます。  なお、お話のありました点につきましてさっそく調べてみましたところ、実はこの問題は今代金を支払っているそうでございますが、これは一部の内払いだそうでございまして、三十六年分の課税ではなくて、来年の課税に関係するそうでございます。従いまして、ことしはとりあえず問題になりませんが、そのような場合がありますと困りますので、いずれはっきりいたしたいと思っております。近く直税部長会議が国税庁に開かれる予定でございますが、その際全国各地から同様の資料を集めて検討いたしまして、はっきりした通達を出そうということになってございます。もし、どうしても国税庁の方でその通達がむずかしいということでありますれば、われわれは来年法律改正をすべきではないか、かように考えておるわけでございます。  なお、全国同じようなケースが今年度あるかどうか、とりあえず国税庁から調べましたところ、ことしはそういうケースは、三十六年分の課税に関する限り、今までのところ集めた情報ではないそうでございます。
  38. 足立篤郎

    足立委員 けっこうです。
  39. 小川平二

    小川委員長 次会は来たる十三日午前十時より理事会、十時三十分より委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午前十一時二十七分散会